(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】リトラクタイントロデューサシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/02 20060101AFI20231201BHJP
【FI】
A61B17/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533275
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 US2021061395
(87)【国際公開番号】W WO2022119918
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503000978
【氏名又は名称】アプライド メディカル リソーシーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ペレツ デリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴェラスコ ジョエル ビー
(72)【発明者】
【氏名】ペスカドール シーザー
(72)【発明者】
【氏名】ランツォーニ アリシア
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160AA14
4C160AA20
(57)【要約】
円周方向リトラクタとリトラクタイントロデューサとを含むリトラクタイントロデューサシステムが提供される。円周方向リトラクタは、患者の身体の開口部を引き込んで保護し、一方、イントロデューサは、患者の体内における円周方向リトラクタの挿入及び位置決めを容易にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リトラクタイントロデューサシステムであって、
リトラクタを備え、
前記リトラクタが、
体腔の外側に設置されるように配置された外側リングと、
前記体腔の内側に設置されるように配置された内側リングと、
前記外側リングに接続された近位端部と、前記内側リングに接続された遠位端部とを有するシースであって、前記外側リングから前記内側リングに延びるアクセスチャネルを境界付けるシースと、
を含み、
前記リトラクタイントロデューサシステムが更に、
前記内側リングを解除可能に支持するように配置されたリトラクタイントロデューサを備え、
前記リトラクタイントロデューサが、
リトラクタブレードであって、近位端部と、遠位端部と、前記リトラクタブレードの前記近位端部から前記リトラクタブレードの前記遠位端部まで延びる長手方向軸とを有するリトラクタブレードと、
前記リトラクタブレードに滑動可能に取り付けられ、前記リトラクタブレードに沿って、前記リトラクタブレードの近位端部から前記リトラクタブレードの遠位端部に向かって並進可能で且つ前記リトラクタブレードの遠位端部から前記リトラクタブレードの近位端部に向かって引き込み可能なアクチュエータと、
前記リトラクタブレードに接続され、前記リトラクタブレードの長手方向軸を横切る方向に延びるハンドルと、
を含む、リトラクタイントロデューサシステム。
【請求項2】
前記リトラクタブレードが、下側リトラクタブレード及び前記下側リトラクタブレードから離間された上側リトラクタブレードを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記下側リトラクタブレードが、前記上側リトラクタブレードより幅広である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アクチュエータが前記上側リトラクタブレードより幅広であり、前記下側リトラクタブレードが前記アクチュエータより幅広である、請求項2~3の何れか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記アクチュエータが、前記上側リトラクタブレードと前記下側リトラクタブレードとの間に滑動可能に接続され並進可能な少なくとも1つのレッジを含む、請求項2~4の何れか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記上側及び下側リトラクタブレードの間に配置された第1のチャネルと、前記上側及び下側リトラクタブレードの間に配置された第2のチャネルとを更に備え、前記第1及び第2のチャネルは、互いの対向する側部に配置される。請求項2~4の何れか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記アクチュエータが、前記アクチュエータの一方の側部に配置され且つ前記第1のチャネル内に配置された第1のレッジを備え、前記第1のレッジは、前記上側リトラクタブレードに沿った前記アクチュエータの直線移動に伴って前記第1のチャネル内で並進可能である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記アクチュエータが、前記アクチュエータの一方の側部に配置され且つ前記第2のチャネル内に配置された第2のレッジを備え、前記第2のレッジは、前記上側リトラクタブレードに沿った前記アクチュエータの直線移動に伴って前記第2のチャネル内で並進可能である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記リトラクタブレードが、テーパー状の先端を有する、請求項1~8の何れか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記アクチュエータが、前記アクチュエータに沿って長さ方向に延びる湾曲した外面を有する、請求項1~9の何れか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記リトラクタブレードが、前記リトラクタブレードに沿って長さ方向に延びる平坦な外面を有する、請求項1~10の何れか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記アクチュエータが、前記リトラクタブレードから分離不能である、請求項1~11の何れか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記アクチュエータが、前記リトラクタブレードから離れるように枢動することができない、請求項1~12の何れか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記リトラクタブレードは、前記アクチュエータが前記リトラクタブレードから分離するのを防止するために前記アクチュエータと係合された少なくとも1つのリブを含む、請求項1~13の何れか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記リトラクタブレードが、前記リトラクタブレードに対する所定の点を超える前記アクチュエータの近位方向の移動を防止する少なくとも1つのリブを含む、請求項1~14の何れか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記アクチュエータが、少なくとも1つのリブに係合するように配置された少なくとも1つのフックを含む、請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのフックが、前記アクチュエータの遠位部分付近で前記アクチュエータから延び、前記少なくとも1つのリブが、前記リトラクタブレードの近位部分付近で前記リトラクタブレードから延びる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのフックが、遠位側に面する曲面を有し、前記少なくとも1つのリブが、近位側に面する曲面を有する、請求項16又は17に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのフックが、近位側に面する平坦面を有し、前記少なくとも1つのリブが、遠位側に面する平坦面を有する、請求項16~18の何れか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのフックが、近位側に面する表面を有し、少なくとも1つのリブが、遠位側に面する表面を有し、前記少なくとも1つのフックの前記近位側に面する表面は、前記少なくとも1つのリブの遠位側に面する表面と一致するように配置されている、請求項16~19の何れか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのリブが、前記リトラクタブレードの長手方向軸を横切る方向に延びる、請求項16~20の何れか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのフックが、前記リトラクタブレードの長手方向軸を横切る方向に延びる、請求項16~21の何れか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記アクチュエータが、突出リップの下方に位置する先端を有し、前記先端が、外向きの曲面を備えた側壁を有する、請求項1~22の何れか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記外向きの曲面を有する前記側壁が、前記内側リングの曲面と一致するように配置される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記アクチュエータが、前記内側リングに係合するように構成された凸状湾曲部を有する遠位先端を含む、請求項1~22の何れか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記遠位先端の凸状湾曲部は、前記アクチュエータの遠位先端と接触して前記内側リングの凹状部分に係合するように配置される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記アクチュエータが、突出リップを有する遠位先端を含む、請求項1~22のうちの1項に記載のシステム。
【請求項28】
前記突出リップ及び前記リトラクタブレードの上側表面は、前記突出リップと前記リトラクタの上側表面との間で前記内側リングの一部を支持する、請求項23又は27のシステム。
【請求項29】
前記アクチュエータが、前記内側リングの一部に接触するように構成されたディボットを含む、請求項1~28の何れか1項に記載のシステム。
【請求項30】
前記ディボットは凹状であり、前記アクチュエータの遠位先端の遠位部分上の遠位表面によって境界付けられる、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記ディボットは凹状であり、前記アクチュエータのディボットと接触して前記内側リングの凸状部分に係合するように配置される、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記ディボットは凹状であり、部分的に圧壊された状態で前記内側リングを支持及び係合するように配置される、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記ディボットが、部分的に圧壊された状態の前記内側リングの曲面に一致するように配置された内向きの曲面を有する、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
前記アクチュエータが、前記アクチュエータの近位端部に近位フランジを含み、前記近位フランジが、前記リトラクタブレードの長手方向軸を横切る方向に延びる、請求項1~33の何れか1項に記載のシステム。
【請求項35】
前記近位フランジが、前記曲面内に窪みを備えた曲面を有する、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記ハンドルと接触した前記近位フランジが、前記アクチュエータの遠位方向の移動を防止する、請求項34又は35に記載のシステム。
【請求項37】
前記ハンドルが凹部を含み、前記近位フランジが、前記ハンドルの凹部内に適合するように配置される、請求項34~36の何れか1項に記載のシステム。
【請求項38】
前記リトラクタブレードがダブテールを含み、前記アクチュエータが、前記アクチュエータの中間部分又はその近くに配置され且つ前記アクチュエータに沿って長さ方向に延びるチャネルを含み、前記チャネルが、前記ダブテールを受け入れるように配置され且つ前記ダブテールに沿って並進可能である、請求項1~37の何れか1項に記載のシステム。
【請求項39】
前記ダブテールが、前記チャネル内に適合するように配置された1又は2以上の突起部を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記ダブテールが、前記リトラクタブレードに沿って離間された複数のダブテールを含む、請求項38又は39に記載のシステム。
【請求項41】
前記チャネルが断面逆台形形状を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記ダブテールが、傾斜したエッジを有する、請求項40又は41に記載のシステム。
【請求項43】
前記ダブテールが、雄ダブテールであり、前記チャネルが雌ダブテールである、請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記リトラクタブレードがラックを含み、前記アクチュエータが、前記リトラクタブレードに対する前記アクチュエータの移動を増分的に制御するために前記ラックと係合可能な爪部を含む、請求項1~43の何れか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記リトラクタブレードが爪部を含み、前記アクチュエータが、前記リトラクタブレードに対する前記アクチュエータの移動を増分的に制御するために前記ラックと係合可能なラックを含む、請求項1~44の何れか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記ハンドルが、ユーザによって把持可能である、請求項1~45の何れか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記アクチュエータが、ユーザによって移動可能である、請求項1~46の何れか1項に記載のシステム。
【請求項48】
リトラクタイントロデューサシステムであって、
円周方向リトラクタと、
前記円周方向リトラクタを支持し、案内し、設置するように配置されたリトラクタイントロデューサと、
を備える、リトラクタイントロデューサシステム。
【請求項49】
前記リトラクタイントロデューサが、全体として枢動可能である、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記リトラクタイントロデューサが、略L字型である、請求項48又は49に記載のシステム。
【請求項51】
前記リトラクタイントロデューサが、前記円周方向リトラクタよりも剛性がある、請求項48、49又は50に記載のシステム。
【請求項52】
前記リトラクタイントロデューサが、切開部に対して前方位置に位置決めされ且つ後方位置に再位置決めされるように配置される、請求項48~51の何れか1項に記載のシステム。
【請求項53】
前記リトラクタイントロデューサが、前記リトラクタの一部分を遠位側に案内して押し出すための第1の位置に位置決めされ、前記リトラクタの異なる部分を遠位側に案内して押し出すために前記第1の位置に対して反転するように配置される、請求項48~52の何れか1項に記載のシステム。
【請求項54】
前記リトラクタイントロデューサの一部が、略T字形状を形成するように移動可能である、請求項48~53の何れか1項に記載のシステム。
【請求項55】
リトラクタイントロデューサであって、
ハンドルと、
リトラクタブレードと、
アクチュエータと、
を備える、リトラクタイントロデューサ。
【請求項56】
前記アクチュエータが、前記リトラクタブレードに対して移動可能である、請求項55に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項57】
前記ハンドルが、前記アクチュエータに対して静止している、請求項55又は56に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項58】
前記ハンドルが、前記リトラクタブレードに取り外し可能に取り付けられる、請求項55、56又は57のリトラクタイントロデューサ。
【請求項59】
前記アクチュエータが、前記リトラクタブレードの幅と等しいか又はそれより小さい幅を有する、請求項55~58の何れか1項に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項60】
前記リトラクタブレードが、前記リトラクタブレードに沿って長さ方向に延びるチャネルを含む、請求項55~59の何れか1項に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項61】
前記チャネルが、前記リトラクタブレードの対向する側部に沿って長さ方向に延びる、請求項60に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項62】
前記アクチュエータが、前記アクチュエータが遠位方向及び近位方向に移動したときに前記チャネルに沿って並進するように配置されたレッジを含む、請求項60又は61に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項63】
前記チャネルが、前記リトラクタブレードの中間部分に沿って長さ方向に延びる、請求項60に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項64】
前記アクチュエータが、前記チャネルと適合するように配置され且つ前記アクチュエータが移動したときに前記チャネルに沿って並進するように配置された突起部を含む、請求項60又は63に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項65】
前記アクチュエータが、前記リトラクタブレードの前記チャネルと適合するように配置された傾斜面を有するダブテールを含み、前記チャネルは、対応する傾斜面を有し、前記ダブテールは、前記アクチュエータが移動したときに前記チャネルに沿って並進するように配置されている、請求項60又は63に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項66】
前記アクチュエータが、前記アクチュエータに沿って長さ方向に延びるチャネルを含む、請求項55~59の何れか1項に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項67】
前記リトラクタブレードが、前記アクチュエータのチャネルに適合するように配置された傾斜面を有するダブテールを含み、前記チャネルは、対応する傾斜面を有し、前記ダブテールは、前記アクチュエータが移動したときに前記チャネルに沿って並進するように配置されている、請求項66に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項68】
前記リトラクタブレードがチャネルを含み、前記アクチュエータが、前記アクチュエータが移動したときに前記リトラクタブレードのチャネルに沿って並進するように配置された突起部を有する、請求項55に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項69】
前記アクチュエータがチャネルを含み、前記リトラクタブレードが突起部を含み、前記アクチュエータのチャネルは、前記アクチュエータが移動したときに前記リトラクタブレードの前記突起部に沿って移動可能である、請求項55に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項70】
前記リトラクタブレード又は前記アクチュエータの一方が、前記リトラクタブレードに対する前記アクチュエータの移動を増分的に調節するラチェットを含む、請求項55~69の何れか1項に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項71】
前記リトラクタブレードが、Iビーム断面形状を有する、請求項55~70の何れか1項に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項72】
前記リトラクタブレードが、下側部分及び上側部分を有し、前記下側部分が、前記上側部分の幅よりも大きい幅を有する、請求項55~71の何れか1項に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項73】
前記リトラクタブレードが、少なくとも7.5センチメートルの長さである、請求項55~72の何れか1項に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項74】
リトラクタイントロデューサであって、
アクチュエータと、
第1のリトラクタブレードと、
前記第1のリトラクタブレードの長さを上回る長さを有する第2のリトラクタブレードと、
前記第1のリトラクタブレード及び前記第2のリトラクタブレードに取り外し可能に接続されたハンドルと、
を備える、リトラクタイントロデューサ。
【請求項75】
前記アクチュエータが、前記第1のリトラクタブレード及び前記第2のリトラクタブレードに対して移動可能である、請求項74に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項76】
前記ハンドルが、前記アクチュエータに対して静止している、請求項74又は75に記載のリトラクタイントロデューサ。
【請求項77】
前記アクチュエータが、外向きに湾曲した側面の間に配置された突出リップ及びディボットを有する、請求項55~76の何れか1項に記載のリトラクタイントロデューサである。
【請求項78】
前記第1のリトラクタブレード又は前記第2のリトラクタブレードの一方が、それぞれの前記第1又は第2のリトラクタブレードに対する前記アクチュエータの移動を増分的に調節するラチェットを含む、請求項74~77の何れか1項に記載のリトラクタイントロデューサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2020年12月1日に出願された米国特許仮出願シリアル第63/119,841号に対する優先権及びその利益を主張し、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本出願は、一般に、外科用アクセスデバイスに関し、より詳細には、体腔内又は膣管のようなオリフィスを通して円周方向にプロテクタ-リトラクタを展開するためのリトラクタイントロデューサシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
体腔内の作業スペースは、特に外科用器具及びデバイスを使用する場合、常に限られている。一部の処置では、多くの場合視認性が悪いか又は制限された状態で、比較的小さな体腔に極めて小さな切開部を通してリトラクタを配置する必要がある。
【0004】
このような処置の間、多くの場合、外科医がリトラクタの内側リングを崩し、切開部を通して挿入して体腔内に適切に展開することは困難である。使用時には、リトラクタの内側リングは、切開部又は自然オリフィスを通して挿入するために圧壊される。設置されると、内側リングは、デバイスが手術中に引き込まれて使用されている間、内側リングが圧壊しないのを確保するために、特定の「跳ね返り」力を必要とし、その結果、引き込みが失われ、場合によってはリトラクタが外れることになる。
【0005】
膣自然オリフィス経内視鏡手術(他の場合にはvNOTESとして知られている)のような他の処置では、外科医が膣アクセス付属器処置を完了できるように、膣管及び/又は切開部を引き込むためにリトラクタが使用される。外科医は、患者の子宮頸部に隣接し、及び子宮頸部の後側を切開することにより、この処置を開始する(後側膣切開術)。次に、外科医は、内側リングを圧壊して切開部を通してリトラクタを展開し、後側膣切開を通して骨盤腔に挿入して、子宮頸部、膀胱及び後膣円蓋の内側に係止する。
【0006】
リトラクタの内側リングのサイズが小さいこと及び切開部の反対側に適切に係止するために通過させなければならない膣管の長さに起因して、通常は、処置のこのステップは特に困難である。典型的には、外科医は、手で内側リングを圧壊して膣管に送り込む。リトラクタの内側リングは、外科医の手が内側リングを圧壊して切開部に案内するためのスペースをほとんど残さない直径を有する。
【0007】
リングの直径、柔軟性及びデュロメータにより、挿入プロセス中にリングを圧壊された状態に保つこともまた、外科医にとって問題となる可能性がある。このため、リングは、圧壊した形状を維持することは容易ではなく、挿入のために外科医によって圧力が加えられると、ねじれ及び湾曲する傾向がある。更に、膣管が狭いこと、及び医師の手が膣切開部の視認を遮ることに起因して、この処置のステップでは視認性が制限される可能性があるので、正しい配置を達成することが極めて困難となる可能性がある。このため、この処置のステップは、成功裏に完了させるためには、複数回の試行を行う必要があり、外科医のフラストレーション及び全体的な処置時間の増加を招く。このステップの難しさを軽減する試みとして、一部の外科医は、内側リングを膣切開部に通して挿入するために、手術用鉗子又はクランプを使用している。これは、フィルムが裂けるなど、予期せぬ結果を引き起こす可能性がある。小さな切開/開口部及び/又はリトラクタが通常は手により挿入される他の処置の場合でも、同じ問題が生じる可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
様々な実施形態によれば、リトラクタイントロデューサシステムが提供される。リトラクタイントロデューサシステムは、円周方向プロテクタ/リトラクタ及びリトラクタイントロデューサを備える。様々な実施形態において、円周方向プロテクタは、外側リング、内側リング、シース、又はこれらの何れかの組み合わせを含む。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、アクチュエータ、リトラクタブレード、及び/又はハンドルを備える。
【0009】
様々な実施形態によれば、リトラクタとリトラクタイントロデューサとを備えるリトラクタイントロデューサシステムが提供される。リトラクタは、体腔の外側に設置されるように配置された外側リングと、体腔の内側に設置されるように配置された内側リングと、外側リングに接続された近位端部及び内側リングに接続された遠位端部を有するシースと、を含み、シースは、外側リングから内側リングに伸びるアクセスチャネルを境界付ける。リトラクタイントロデューサは、内側リングを解除可能に支持するように配置され、リトラクタブレード、アクチュエータ及び/又はハンドルを含む。リトラクタブレードは、近位端部、遠位端部、及びリトラクタブレードの近位端部からリトラクタブレードの遠位端部まで延びる長手方向軸を含む。アクチュエータは、リトラクタブレードに滑動可能に取り付けられ、リトラクタブレードに沿ってリトラクタブレードの近位端部からリトラクタブレードの遠位端部に向かって並進可能であり、リトラクタブレードの遠位端部から引き込み可能である。ハンドルは、リトラクタブレードに接続され、リトラクタブレードの長手方向軸を横切る方向に延びる。
【0010】
様々な実施形態によれば、円周方向リトラクタ/プロテクタと、円周方向リトラクタ/プロテクタを支持し、案内し、設置するように配置されたリトラクタイントロデューサとを含むリトラクタイントロデューサシステムが提供される。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、その全体が枢動可能である。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、アクチュエータ、リトラクタブレード及び/又はハンドルを含み、これらの何れも、他に対して個別に枢動可能でない。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、略L字形である。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、アクチュエータが遠位位置に移動した状態で略L字形であり、アクチュエータが近位位置に移動した状態で略T字形である。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、円周方向リトラクタよりも剛性がある。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、前方位置に位置決めされ、切開部に対して後方位置に再位置決めされるように配置される。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、リトラクタの一部分を遠位側に案内して押し出すための第1の位置に位置決めされ、リトラクタの異なる部分を遠位側に案内して押し出すために第1の位置に対して反転されるように配置される。様々な実施形態において、ハンドルは、リトラクタイントロデューサが第1の位置に配置された状態で一方向に延び、リトラクタイントロデューサが第1の位置に対して反転した状態で反対方向に延びる。
【0011】
様々な実施形態によれば、リトラクタイントロデューサは、ハンドル、リトラクタブレード、及び/又はアクチュエータを備える。様々な実施形態において、アクチュエータは、リトラクタブレードに対して移動可能である。様々な実施形態において、ハンドルは、アクチュエータに対して静止している。様々な実施形態において、ハンドルは、リトラクタブレードに取り外し可能に取り付けられている。様々な実施形態において、アクチュエータは、リトラクタブレードの幅と等しいか又はそれより小さい幅を有する。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、リトラクタブレードに沿って長さ方向に延びるチャネルを含む。様々な実施形態において、チャネルは、リトラクタブレードの対向する側部に沿って長さ方向に延びる。様々な実施形態において、アクチュエータは、アクチュエータが遠位方向及び近位方向に移動したときにチャネルに沿って並進するように配置されたレッジを含む。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、I-ビーム断面形状を有する。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、下側部分及び上側部分を有し、下側部分は、上側部分の幅より大きい幅を有する。様々な実施形態において、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータは、尖っていない無外傷先端を有する。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、少なくとも7.5センチメートルの長さを有する。
【0012】
様々な実施形態によれば、リトラクタブレードは、下側リトラクタブレードと、下側リトラクタブレードから離間された上側リトラクタブレードとを備える。様々な実施形態において、下側リトラクタブレードは、上側リトラクタブレードよりも幅広である。様々な実施形態において、アクチュエータは、上側リトラクタブレードよりも幅広であり、下側リトラクタブレードは、アクチュエータよりも幅広である。様々な実施形態において、アクチュエータは、上側リトラクタブレードと下側リトラクタブレードの間に滑動可能に接続され並進可能な少なくとも1つのレッジを含む。様々な実施形態において、第1のチャネルは、上側及び下側リトラクタブレードの間に配置され、第2のチャネルが、上側及び下側リトラクタブレードの間に配置され、第1及び第2のチャネルが互いの対向する側部に配置される。様々な実施形態において、アクチュエータは、アクチュエータの一方の側部に配置され、第1のチャネル内に配置された第1のレッジを備え、第1のレッジは、上部リトラクタブレードに沿ったアクチュエータの直線移動に伴って第1のチャネル内で並進可能である。様々な実施形態において、アクチュエータは、アクチュエータの一方の側部に配置され、第2のチャネル内に配置された第2のレッジを含み、第2のレッジは、上側リトラクタブレードに沿ったアクチュエータの直線移動に伴って第2のチャネル内で並進可能である。
【0013】
様々な実施形態によれば、リトラクタブレードは、アクチュエータがリトラクタブレードから分離するのを防止するためにアクチュエータと係合された少なくとも1つのリブを含む。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、リトラクタブレードに対する所定の点を超えるアクチュエータの近位方向の移動を防止する少なくとも1つのリブを含む。様々な実施形態において、アクチュエータは、少なくとも1つのリブに係合するように配置された少なくとも1つのフックを含む。種々の実施形態において、少なくとも1つのフックは、アクチュエータの遠位部分付近でアクチュエータから延び、少なくとも1つのリブは、リトラクタブレードの近位部分付近でリトラクタブレードから延びる。種々の実施形態において、少なくとも1つのフックは、遠位側に面する曲面を有し、少なくとも1つのリブは、近位側に面する曲面を有する。種々の実施形態において、少なくとも1つのフックは、近位側に面する平坦面を有し、少なくとも1つのリブは、遠位側に面する平坦面を有する。様々な実施形態において、少なくとも1つのフックは、近位側に面する表面を有し、少なくとも1つのリブは、遠位側に面する表面を有し、少なくとも1つのフックの近位側に面する表面は、少なくとも1つのリブの遠位側に面する表面と一致するように配置されている。様々な実施形態において、少なくとも1つのリブは、リトラクタブレードの長手方向軸を横切る方向に延びる。様々な実施形態において、少なくとも1つのフックは、リトラクタブレードの手方向軸を横切る方向に延びる。
【0014】
様々な実施形態によれば、リトラクタブレードは、1又は2以上のダブテール、突起部又は突出部を備え、アクチュエータは、アクチュエータの中間部又はその近くに配置され、アクチュエータに沿って長手方向に延びる1又は2以上のチャネルを含み、1又は2以上のチャネルは、1又は2以上のダブテールを受け入れるように配置されて1又は2以上のダブテールに沿って並進可能である。様々な実施形態において、ダブテールは、チャネル内に適合するように配置された1又は2以上の突起部を有し、ダブテールが、リトラクタブレード又はアクチュエータ上にあり、対応するチャネルが、アクチュエータ又はリトラクタブレード上にある。様々な実施形態において、ダブテールは、リトラクタブレードに沿って離間された複数のダブテールを含む。様々な実施形態において、チャネルは、断面逆台形形状を有し、様々な実施形態において、ダブテールは、傾斜したエッジを有する。様々な実施形態において、ダブテールは雄ダブテールであり、チャネルは雌ダブテールである。様々な実施形態において、リトラクタブレードはラックを含み、アクチュエータは、リトラクタブレードに対するアクチュエータの移動を増分的に制御するために、ラックと係合可能な爪部を含む。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、爪部を含み、アクチュエータは、リトラクタブレードに対するアクチュエータの動きを増分的に制御するために、ラックと係合可能なラックを含む。
【0015】
様々な実施形態によれば、チャネルは、リトラクタブレードの中間部分に沿って長さ方向に延びる。様々な実施形態において、アクチュエータは、チャネルと適合するように配置され、及びアクチュエータが移動したときにチャネルに沿って並進するように配置された突起部を含む。様々な実施形態において、アクチュエータは、対応する傾斜面を有するリトラクタブレードのチャネル内に適合するように配置された傾斜面を有し、アクチュエータが移動したときにチャネルに沿って並進するように配置されたダブテール、突起部又は突出部を含む。様々な実施形態において、アクチュエータは、アクチュエータに沿って長さ方向に延びるチャネルを含む。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、対応する傾斜面を有するアクチュエータのチャネル内に適合するように配置された傾斜面を有し、アクチュエータが移動したときにチャネルに沿って並進するように配置されたダブテール、突出部又は突起部を含む。様々な実施形態において、リトラクタブレードはチャネルを含み、アクチュエータは、アクチュエータが移動したときにリトラクタブレードのチャネルに沿って並進するように配置された突起部を含む。様々な実施形態において、アクチュエータはチャネルを含み、リトラクタブレードは突起部を含み、アクチュエータのチャネルは、アクチュエータが移動したときにリトラクタブレードの突起部に沿って移動可能である。様々な実施形態において、リトラクタブレード又はアクチュエータは、リトラクタブレードに対するアクチュエータの移動を増分的に調節するラチェットを含む。
【0016】
様々な実施形態によれば、リトラクタブレードは、テーパー状、尖っていない及び/又は無外傷の先端を有する。種々の実施形態において、上側リトラクタブレードは、テーパー状の先端を有し、及び/又は下側リトラクタブレードは、テーパー状の先端を有する。様々な実施形態において、アクチュエータは、アクチュエータに沿って長手方向に延びる湾曲した外面を有する。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、リトラクタブレードに沿って長手方向に延びる平坦な外面を有する。様々な実施形態において、上側リトラクタブレードは、上側リトラクタブレードに沿って長さ方向に延びる平坦な外面を有し、及び/又は下側リトラクタブレードは、下側リトラクタブレードに沿って長さ方向に延びる平坦な外面を有する。様々な実施形態において、アクチュエータは、リトラクタブレードから分離不能である。様々な実施形態において、アクチュエータは、上側リトラクタブレードから分離不能である。様々な実施形態において、アクチュエータは、リトラクタブレードから離れるように枢動することができない。
【0017】
様々な実施形態によれば、アクチュエータは、突出リップの下方に位置決めされた先端を含み、先端は、外向きの曲面を備えた側壁を有する。様々な実施形態において、外向きの曲面を有する側壁は、内側リングの曲面と一致するように配置される。様々な実施形態において、アクチュエータは、内側リングに係合するように構成された凸状湾曲部を有する遠位先端を含む。様々な実施形態において、遠位先端の凸状湾曲部は、アクチュエータの遠位先端と接触して内側リングの凹状部分と係合するように配置される。様々な実施形態において、アクチュエータは、突出リップを有する遠位先端を含む。種々の実施形態において、突出リップ及びリトラクタブレードの上側表面は、突出リップとリトラクタの上側表面との間の内側リングの一部を支持する。様々な実施形態において、アクチュエータは、内側リングの一部に接触するように構成されたディボットを含む。様々な実施形態において、ディボットは、凹状であり、アクチュエータの遠位先端の遠位部分上の遠位表面によって境界付けられる。様々な実施形態において、ディボットは、凹状であり、アクチュエータのディボットと接触して内側リングの凸状部分に係合するように配置される。様々な実施形態において、ディボットは、凹状であり、部分的に圧壊された状態で内側リングを支持及び係合するように配置される。様々な実施形態において、ディボットは、部分的に圧壊された状態の内側リングの曲面に一致するように配置された内向きの曲面を有する。
【0018】
種々の実施形態によれば、アクチュエータは、アクチュエータの近位端部に近位フランジを含み、近位フランジは、リトラクタブレードの長手方向軸を横切る方向に延びる。様々な実施形態において、近位フランジは、曲面内に窪みを備えた曲面を有する。様々な実施形態において、ハンドルと接触した近位フランジは、アクチュエータの遠位方向の移動を防止する。様々な実施形態において、ハンドルは凹部を含み、近位フランジは、ハンドルの凹部内に適合するように配置される。様々な実施形態において、近位フランジは、ユーザによって把持可能、把握可能及び/又は移動可能である。様々な実施形態において、アクチュエータは、ユーザによって移動可能である。様々な実施形態において、近位フランジの移動は、アクチュエータを移動させる。様々な実施形態において、ハンドルは、ユーザによって把持可能及び/又は把握可能である。様々な実施形態において、ハンドルは、略円筒形である。様々な実施形態において、ハンドルは、外向き遠位にテーパー状端部又はベースを有する。
【0019】
様々な実施形態によれば、リトラクタブレードは、アクチュエータと周辺組織との間に設置される。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、点状引き込み及び/又は限定領域引き込みを提供する。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、長さ方向に直線的である。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、湾曲しており、及び/又は湾曲遠位先端を有する。様々な実施形態において、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータは、ラチェット、線形ラック及び/又は歯を含む。様々な実施形態において、ラチェットは、係合解除可能であり、リトラクタブレードに対するアクチュエータの自由な動きを可能にする。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、アクチュエータから延びる歯又は爪部と係合するように配置された歯又は突起部を有するチャネル又は溝を含む。様々な実施形態において、アクチュエータは、リトラクタブレードに対して増分的及び/又は選択的に移動可能である。
【0020】
様々な実施形態によれば、リトラクタイントロデューサは、アクチュエータと、第1のリトラクタブレードと、第1のリトラクタブレードの長さを上回る長さを有する第2のリトラクタブレードと、を備え、及び/又はハンドル及び/又はアクチュエータが、第1のリトラクタブレード及び第2のリトラクタブレードに取り外し可能に接続されている。様々な実施形態において、アクチュエータは、第1のリトラクタブレード及び第2のリトラクタブレードに対して移動可能である。様々な実施形態において、ハンドルは、アクチュエータに対して静止している。様々な実施形態において、アクチュエータは、外向きに湾曲した側面の間に配置された突出リップ及びディボットを有する。様々な実施形態において、アクチュエータは、ユーザによって移動可能である。様々な実施形態において、第1のリトラクタブレード、第2のリトラクタブレード又はその両方は、それぞれの第1又は第2のリトラクタブレードに対するアクチュエータの移動を増分的に調節するラチェットを含む。
【0021】
本発明に付随する特徴の多くは、上述の説明及び以下の説明を参照し、添付図面と関連して考慮することにより、より良く理解されるようになるとより容易に理解されるであろう。
【0022】
本発明は、参照数字がその図全体を通して同じ要素を示す添付図面を参照してより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の様々な実施形態による、第1の離間した位置にあるアクチュエータを有するリトラクタイントロデューサの斜視図である。
【
図2】本発明の様々な実施形態による、第2の近接位置にあるアクチュエータを有するリトラクタイントロデューサの斜視図である。
【
図3】本発明の様々な実施形態によるリトラクタイントロデューサの側断面図である。
【
図4】本発明の様々な実施形態によるリトラクタイントロデューサの一部の正面図である。
【
図5】本発明の様々な実施形態によるリトラクタイントロデューサの一部の側断面図である。
【
図6】本発明の様々な実施形態によるリトラクタイントロデューサの一部の底面図である。
【
図7】本発明の様々な実施形態によるアクチュエータの一部の底面図である。
【
図8】本発明の様々な実施形態によるアクチュエータの一部の底面図である。
【
図9】本発明の様々な実施形態によるアクチュエータの斜視図である。
【
図10】本発明の様々な実施形態によるアクチュエータの斜視図である。
【
図11】本発明の様々な実施形態によるアクチュエータの斜視図である。
【
図12】本発明の様々な実施形態によるアクチュエータの底面図である。
【
図13】本発明の様々な実施形態によるアクチュエータの一部の底面図である。
【
図14】本発明の様々な実施形態による、離間位置又は停止位置にあるリトラクタイントロデューサの一部の斜視図である。
【
図15】本発明の様々な実施形態による、離間位置又は停止位置にあるリトラクタイントロデューサの一部の上面図である。
【
図16】本発明の様々な実施形態によるリトラクタブレードの一部の正面図である。
【
図17】本発明の様々な実施形態によるリトラクタブレードの側面図である。
【
図18】本発明の様々な実施形態によるリトラクタブレードの斜視図である。
【
図19】本発明の様々な実施形態によるリトラクタブレードの一部の斜視図である。
【
図20】本発明の様々な実施形態によるリトラクタブレード及びハンドルの斜視図である。
【
図21】本発明の様々な実施形態によるリトラクタイントロデューサの斜視図である。
【
図22】本発明の様々な実施形態によるリトラクタイントロデューサの正面図である。
【
図23】本発明の様々な実施形態による、模擬骨盤と組み合わせて例示的に示された動作中のリトラクタイントロデューサ及びリトラクタの図である。
【
図24】本発明の様々な実施形態による、模擬骨盤と組み合わせて例示的に示された動作中のリトラクタイントロデューサ及びリトラクタの図である。
【
図25】本発明の様々な実施形態による、模擬骨盤と組み合わせて例示的に示された動作中のリトラクタイントロデューサ及びリトラクタの図である。
【
図26】本発明の様々な実施形態による、模擬骨盤と組み合わせて例示的に示された動作中のリトラクタイントロデューサ及びリトラクタの図である。
【
図27】本発明の様々な実施形態によるリトラクタの図である。
【
図28】本発明の様々な実施形態によるリトラクタの図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
様々な実施形態によれば、リトラクトイントロデューサ装置、システム及び方法が提供され、例示的なリトラクトイントロデューサ装置、システム及びその態様の様々な実施形態の様々な図が、
図1~28に示される。様々な実施形態によれば、リトラクタイントロデューサシステムは、円周方向プロテクタ/リトラクタ等のプロテクタ/リトラクタと、リトラクタイントロデューサとを備える。リトラクタイントロデューサは、アクチュエータと、リトラクタブレードと、ハンドルとを備える。アクチュエータとリトラクタブレードとの組み合わせ及び相互作用を通じて、リトラクタの内側リング及び/又はシース又はその一部は、自然オリフィス及び/又は切開を通して体腔内に設置、挿入及び/又は展開される。リトラクタイントロデューサは、内側リングと相互作用して、小さな切開及び/又は自然オリフィスを通して、及び/又は手による挿入が特に困難な場合のvNOTES手術のような処置において、より簡単で効率的にリトラクタを展開する。リトラクタイントロデューサは、内側リングを保持し押し付け又は押し出すことにより内側リングの挿入プロセスを支援し、これにより外科医が内側リングを適切に設置するのを容易にする。リトラクタイントロデューサは、内側リングを保持して安定させ、必要に応じて、内側リングが膣及び腹部の処置のための切開サイズを通り抜け、並びに切開及び/又は他の自然オリフィスを通して行われる他の処置に適合するのに十分な程度僅かに圧縮される。リトラクタイントロデューサはまた、内側リングを圧縮又は操作している間、外科医の手が視界を遮らないので、外科医チームが過剰な引き込み力又は器具を使用すること又は使用の必要性を最小限にする。リトラクタイントロデューサは、手術スペースが限られており、多くの場合隠される場合、及び/又は切開及び/又は開口部が極めて小さい場合の処置に特に有用である。
【0025】
様々な実施形態によれば、リトラクタイントロデューサは、経膣自然オリフィス経管内視鏡手術(vNOTES)中に、円周方向プロテクタ/リトラクタ、及びより具体的には様々な実施形態によれば、腹腔への挿入、展開、及び設置を容易にする。vNOTES及び関連する円周方向プロテクタ/リトラクタは、子宮頸部の周囲の円周方向切開である膣切開を通して標的器官にアクセスすることにより、従来の膣手術に関連する限られたアクセス及び視覚化を克服し、同様に従来の腹腔鏡検査に関連する腹部切開及び切開関連の複雑な問題を排除するのを助ける。膣切開が生成されると、リトラクタの内側リングは、子宮頸部の周囲に挿入されて、円周方向膣切開部を通って腹膜腔に挿入される。しかしながら、限られた外科手術スペース、例えば膣管の長く狭い解剖学的スペースに起因して、外科医が内側リングを挿入して腹膜腔又はキャビティ内への適切な設置を達成することは困難な可能性がある。リトラクタイントロデューサは、外科医が内側リングを膣管に通して子宮頸部の周囲及び腹膜腔内に容易に挿入することを可能にし、これにより患者の解剖学的構造及び/又は外科医のスキル又は技術に依存する内側リングの挿入及び設置を排除又は低減する。このため、リトラクタイントロデューサは、子宮頸管の周囲及び円周方向膣切開部を通して円周方向プロテクタ/リトラクタの内側リングを挿入、配置及び展開することの困難性を排除又は低減するように構成される。
【0026】
リトラクタイントロデューサシステムは、様々な実施形態において、患者の開口部又はオリフィスの円周方向又は360度の保護及び/又は引き込みを提供し、患者の身体又はキャビティへの妨げのないアクセスを提供する、円周方向プロテクタ/リトラクタ3(以下「リトラクタ」と呼ばれる)を含む。リトラクタは、外側リング又は外側支持体5と、内側リング又は内側支持体7とを備える。内側リング及び外側リングは、フィルム、布、膜又はシース9によって接続される。様々な実施形態において、リトラクタは、例えば、外側リングの周りにシースを巻くことによってリング間の距離を短くするなど、長さを調整可能であり、このような調整によって、患者の開口部を引き込む又は拡大する引き込み力又は半径方向の力を加えることができる。様々な実施形態におけるリトラクタは、異なる患者の体型、チャネル長又は体壁厚に対応するために、長さを調整可能であり、又は他の方法で調整可能である。様々な実施形態において、リトラクタは、固定された又は所定の長さを有し、及び/又は外側リングを転回させることによって又は他の同様の配置によっては長さを調整可能ではない。外側リング5は、アクセスのしやすさ、引き込み力の調整、及び/又はリトラクタの設置を容易にするために、患者の外側に設置されるように構成される。様々な実施形態において、シール又はゲルキャップが、リトラクタの外側リングに取り付けることができる。
【0027】
リトラクタは、リトラクタが展開されたとき、又は他の方法で患者の開口部を通されて設置されたときに無外傷であるように十分に可撓性がある。様々な実施形態において、動作中及び/又は展開時のリトラクタの外径又は周縁部は、内側リング及び/又は外側リングの外径で境界付けられるか又はそれよりも大きくはない。様々な実施形態において、シース9は、リトラクタが動作中又は展開中、或いは患者の開口部を通されて設置されたときに、無外傷であるよう、及び/又は熱伝導性がないか又は最小限であるようにエラストマー又は非金属材料で作られる。様々な実施形態において、シースは、1又は2以上の材料の層で作られており、様々な実施形態において、異方性、例えば、長手方向に伸張可能又は拡張可能であるが、半径方向には可能ではないか又は最小限に可能であり、このような異方性特性を有する布又は同様の材料の1又は2以上の層で作られるか又はこれを含む。様々な実施形態において、シースは、円筒形であり、及び/又は下側のより小さい直径に対して上側のより大きい直径を有するテーパー状にされる。様々な実施形態において、外側リングは、内側リングよりも大きい直径を有する。様々な実施形態において、内側リングは、圧壊可能、折り畳み可能、又は他の方法で変形可能な可撓性である。様々な実施形態において、内側リングは、初期状態又は静止状態で略円形又は楕円形の形状を有し、略長円形状に移行可能、例えば、圧壊、折り畳み及び/又は変形される。内側リングは、様々な実施形態において、静止状態に戻るように移行可能であり、及び/又はそのようにバイアスされる。様々な実施形態において、外側リングは、内側リングよりも剛性があり、及び/又は圧壊状態又は折り畳み状態への移行に耐性がある、すなわち、圧壊可能又は折り畳み可能ではない。
【0028】
様々な実施形態によれば、リトラクタイントロデューサは、ハンドル10、リトラクタブレード20、及びアクチュエータ30を備える。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、略L字形であり、ハンドル10が「L字」の一部を形成し、リトラクタブレード20及び/又はアクチュエータ30が「L字」の他の部分を形成する。リトラクタイントロデューサは、その全体及び/又はその少なくとも一部において、リトラクタ3よりも剛性がある。様々な実施形態において、リトラクタブレード20及び/又はアクチュエータ30は、リトラクタ3の内側リング7よりも剛性がある。様々な実施形態によれば、リトラクタイントロデューサは、例えば子宮頸部の周囲及び/又は円周方向膣切開部を通してリトラクタ3の内側リング7を挿入、配置、及び展開することの困難さを排除又は軽減する。
【0029】
様々な実施形態において、リトラクタブレード20の長さは、患者の膣管を通って及び/又は膣切開中に延びるように構成される。様々な実施形態において、リトラクタブレードの長さは、少なくとも3インチ(7.5センチメートル)である。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、平均的なサイズの膣管の長さと膣切開の長さを加えたものと等しいか又はそれ以上の長さを有する。リトラクタブレード20の全幅は、膣管の引き込み及び/又は可視化を提供するように構成されると共に、依然として膣切開部に挿入可能である。
【0030】
様々な実施形態において、アクチュエータ30は、リトラクタブレード20に滑動可能に接続され、様々な実施形態において、アクチュエータは、リトラクタブレードの長さに沿って直線的に滑動する。様々な実施形態において、アクチュエータ30は、リトラクタブレード20に対して直線的に移動可能であり、リトラクタブレードに対して枢動又は傾斜するのが防止される。様々な実施形態において、アクチュエータ30は、リトラクタブレードから分離又は分解されることなく、リトラクタブレード20の長さに沿って直線的に滑動するように構成される。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、略T字形を有し、ハンドル10が「T字」の一部分を形成し、互いから移動したリトラクタブレード20及び/又はアクチュエータ30が、「T字」の他の部分を形成することに加えて、略L字形を有し、ハンドル10が「L字」の一部分を形成し、リトラクタブレード20及び/又はアクチュエータ30が、互いに近接し「L字」の他の部分を形成している。様々な実施形態において、ハンドル10は、略円筒形又は管形状であり、及び/又は、例えば、長さ、幅、及び/又は円周の寸法又はサイズにされ、ハンドル10及びリトラクタ全体の把持、把握又は他の方法での制御の維持を容易にする。様々な実施形態において、ハンドル10は、例えば、ハンドル10及び/又はリトラクタイントロデューサの取り扱い及び/又は制御の維持を支援する、フレア状のベース又は遠位端部を含む。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサのハンドル及び/又は他の部分は、ユーザによって見える及び/又は見えない1又は2以上のキャビティを含み、リトラクタイントロデューサ又はその一部の全重量を更に低減し、例えば、リトラクタイントロデューサ又はその一部のハンドリング及び/又は制御の維持を支援し、及び/又はコストを削減する。
【0031】
様々な実施形態によれば、リトラクタブレード20は、リトラクタブレードに一体化され又は他の方法で取り付けられたIビームを備える。様々な実施形態において、リトラクタブレード20の断面は、Iビームであり、又はIビーム形状を有する。I-ビーム断面は、例えば、膣管の適度な引き込みのために使用されるとき、リトラクタブレードを強化するのに役立つ。様々な実施形態において、I-Beamの上側部分、例えば、ハンドルに面する部分及び/又はハンドルから離間した部分は、I-Beamの下側部分よりも幅が小さい。
【0032】
様々な実施形態において、リトラクタブレード20は、下側リトラクタブレード22と、下側リトラクタブレード22から離間された上側リトラクタブレード24とを備える。上側リトラクタブレード24の幅は、下側リトラクタブレードの幅よりも小さく、下側リトラクタブレード22による引き込みの領域で患者組織との直接的な接触をもたらすことなく、アクチュエータ30の線形滑動動作を可能にする。様々な実施形態によれば、幅の差はまた、略狭いリトラクタブレードを可能にし、膣切開へのより容易な設置を可能にする。上側及び下側リトラクタブレードはまた、膣管の適度な引き込みのために使用されるときに、リトラクタブレード全体の強化に役立つ。様々な実施形態において、長さ方向の柱又は支持体が、上側及び下側リトラクタブレードの間に延び、ブレードを支持し分離する。
【0033】
上側リトラクタブレード24から離間された下側リトラクタブレード22は、これらの間に1又は2以上のチャネル23を定める。様々な実施形態では、2つのチャネルが互いの対向する側部に配置され、様々な実施形態では、1つの連続したチャネルが、下側及び上側リトラクタブレード22、24の間に提供される。様々な実施形態では、第1の左チャネル及び第2の右チャネルを有し、リトラクタブレードは、両方のチャネルが上側及び下側リトラクタブレードの間に配置される。様々な実施形態において、1又は2以上のチャネルは、リトラクタブレードの中間、中央、又は略中間及び/又は中央部分内に及び/又はリトラクタブレードの1又は2以上の側面に沿って配置される。
【0034】
アクチュエータ30は、上側及び下側リトラクタブレードの間及び/又は1又は2以上のチャネル内で係合及び/又は移動するように構成された1又は2以上のレッジ、シェルフ又はスライド31を含む。1又は2以上のチャネルは、リトラクタブレードに沿って長さ方向に延びる線形トラックを提供し、そこ中を通って1又は2以上のレッジ31が妨害されずに移動することができる。アクチュエータ30の1又は2以上のレッジ31とリトラクタブレード22、24間の間隔との相互作用は、リトラクタブレード20からのアクチュエータの分離及びその逆を防止し、同時にアクチュエータ30がリトラクタブレード20に対して線形に滑動することを可能にする。様々な実施形態におけるリトラクタブレード22、24の間の間隔は、アクチュエータ30にリトラクタブレード20に沿った滑らかで制御された滑動運動を提供するようなものである。様々な実施形態において、1又は2以上のレッジと1又は2以上のチャネルとのペアリングにより、アクチュエータ30がリトラクタブレード20の長さに沿って直線的に滑動することを可能にすると同時に、リトラクタブレードから離れたアクチュエータの上方又は枢動可能な運動を防止している。様々な実施形態において、線形ラックは、1又は2以上のチャネルに設けられ、リトラクタブレードに対するアクチュエータの増分移動を提供するためにアクチュエータ上の歯又は突出部と相互作用する。
【0035】
様々な実施形態において、アクチュエータ30の全幅は、下側リトラクタブレード22の幅と等しく、及び/又はそれよりも小さい。アクチュエータ30の幅は、患者の解剖学的構造内の摩擦を低減し、また挿入の際の組織の拘扼に対するあらゆる懸念を軽減するようなサイズにされる。このため、様々な実施形態において、リトラクタブレード20は、リトラクタブレードが組織と接触しているときにアクチュエータとの組織の接触を防ぐために、アクチュエータ30の幅よりも大きな幅を有する。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、アクチュエータと、リトラクタブレードが接触している組織との間に空間を設けており、又はその間に存在する。このように、アクチュエータ30は、リトラクタブレード20が接触している組織と離間しており、接触していない。
【0036】
様々な実施形態において、アクチュエータ30の遠位先端34は、曲線63として例示されるような凸状の湾曲部又は形状の表面を有し、及び/又は、内側リングを前部膣切開に支持、捕捉、把持及び/又は誘導することができる湾曲部を有するよう構成される。様々な実施形態において、凸状湾曲部又は形状は、外向きの曲面を有する遠位先端34の側壁によって形成又は定められる。様々な実施形態において、外向きの曲面を有する側壁は、内側リングの曲面と一致するように配置される。様々な実施形態において、遠位先端の凸状湾曲は、内側リングの湾曲部分及び/又は凹状部分に係合するように配置される。様々な実施形態において、内側リングの押し出し又は案内は、当初は、半径方向(又は水平方向)ではなく、例えば矢印400で示すように、長手方向又は直線的(垂直方向)に起こる。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、内側リングを圧壊しないか又は最小限に圧壊し、このため、必要又は適用される力がより小さく、リングの跳ね返りが回避されるか又は著しく低減される。
【0037】
様々な実施形態において、アクチュエータ30は、そこから延びる突出リップ36を備えた遠位先端34を有し、及び/又は、膣管を通って腹膜腔に導かれる運動中に内側リング7を係合状態に保つよう構成される。様々な実施形態において、内側リングの係合部分又はその一部は、突出リップとリトラクタブレードの間に位置決めされる。様々な実施形態において、アクチュエータ及び/又は突出リップを有する内側リングのこのような係合部分に隣接又は近接する内側リング7の部分は、リトラクタブレードの上に着座又は乗り上げる。様々な実施形態において、アクチュエータの凸状曲面又は外向きに湾曲した側壁又は表面は、突出リップとリトラクタブレードとの間で突出リップの下方に配置される。このため、様々な実施形態において、凸状曲面又は外向きに湾曲した側壁又は表面は、アクチュエータの遠位端部に配置された端部を有する突出リップが配置されたアクチュエータの遠位端部からオフセット又は窪みが付けられる。様々な実施形態において、アクチュエータの遠位先端又は端部は、突出リップ、凸状又は外向き曲面、又はその両方を含むことができる。
【0038】
様々な実施形態において、アクチュエータは、内側リングの一部を、リトラクタブレード上の近接位置から、その間の様々な中間位置と共にリトラクタブレード上の遠位部分及び/又はその外側に接触、保持、移動するように構成される。例示的に示されるように、初期位置又は離間位置では、アクチュエータの近位端部及び/又は近位フランジは、ハンドル及び/又はリトラクタブレードの近位端部又は部分から遠位である。様々な実施形態において、負荷位置では、アクチュエータの近位端部及び/又は近位フランジは、ハンドル及び/又はリトラクタブレードの近位端部又は部分から遠位であり、内側リングは、リトラクタの近位部分及び遠位部分と接触するように配置又は負荷される。展開位置において、アクチュエータの近位端及び/又は近位フランジは、ハンドルに近接、隣接又は接触しており、アクチュエータの遠位端部は、リトラクタブレードの遠位端部又は部分に近接、隣接又は接触しており、内側リングは、遠位位置でリトラクタブレード上、そこから離れて又はほぼ離れて位置付けられ又は着座している。様々な実施形態によれば、リトラクタイントロデューサ、及び特にリトラクタブレード及び/又はアクチュエータは、内側リングを圧壊させないように、又は他の方法で内側リングを概ね変形又は圧縮して内側リングによって境界付けられる略円形の形状を変形させないように構成される。
【0039】
様々な実施形態によれば、アクチュエータの遠位先端34は、内側リングの後方膣切開部への挿入中に内側リングと接触するように構成されたその軸方向中心線において、凹状又は内向きの曲面を有するディボット38を含む。様々な実施形態において、ディボット38は、内側リング7をアクチュエータ30に対して中心配置又は整列させ、腹膜腔への最適な展開のためにアクチュエータの力が内側リングの接触部分に沿って分配されるのを助ける。様々な実施形態において、この中心配置は、後方位置挿入時に、内側リングが膣管内、子宮頸部の周囲で僅かに圧縮又は圧壊された状態にあるときに更に有用とすることができる。様々な実施形態において、ディボット38は、アクチュエータの下側遠位部分上に凹状形状又は湾曲部を有する遠位表面によって境界付け又は定められ、アクチュエータの上側部分は、遠位先端34又は突出リップ36まで延びる。様々な実施形態において、ディボット38は、外向きの表面又は凸状表面を有する側壁間に配置され、様々な実施形態において、ディボット38は、突出リップとリトラクタブレードの間の突出リップの間又は下方に配置される。このように、様々な実施形態において、ディボット38は、アクチュエータの遠位端部に配置された端部を有する突出リップが配置されたアクチュエータの最遠位端部からオフセット又は窪みが付けられる。様々な実施形態において、ディボットは凹状であり、アクチュエータのディボットと接触して内側リングの凸状部に係合するように配置される。様々な実施形態において、ディボットは凹状であり、又は凹状又は内向きの曲面を有し、部分的に圧壊された状態で内側リングを支持し係合するように配置される。様々な実施形態において、凹状又は内向きの曲面は、部分的に圧壊された状態の内側リングの曲面と一致する。様々な実施形態において、アクチュエータの遠位先端又は端部は、突出リップ、凸状又は外向きの曲面、ディボット、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。
【0040】
様々な実施形態において、アクチュエータ30の近位端部33は、リトラクタの挿入を準備する際にユーザがアクチュエータを容易に把握及び/又は引き戻すことができるように、対称的に僅かに外向きの突起部を備えた丸みのある頂部を有する。アクチュエータの近位端部は、リトラクタブレード20の長手方向軸に平行なアクチュエータ30の長手方向軸に対して略直交又は横方向に延びる近位フランジ35を含む。近位フランジ35は、アクチュエータの近位フランジ35の当該領域内に、挿入中にユーザがアクチュエータを把握し押し出し及び前進させることができるように構成された、略曲面又は領域37及び/又は親指状の窪み39を有する。様々な実施形態において、ハンドルと接触する近位フランジは、アクチュエータの遠位方向の移動を防止し、及び様々な実施形態において、ハンドルは、凹部を構成し、近位フランジは、ハンドルの凹部内に適合するように配置される。様々な実施形態において、近位フランジは、ユーザによって把持可能、把握可能及び/又は移動可能であり、近位フランジの移動がアクチュエータを移動させることである。様々な実施形態において、近位フランジは、ハンドルの長さの半分又は半分未満の長さを有する。
【0041】
様々な実施形態によれば、リトラクタブレード20及びアクチュエータ30は、近位方向におけるアクチュエータの運動を制限するように、及び/又はリトラクタブレード20からのアクチュエータ30の分解若しくは分離を防ぐように構成される。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、ハンドル10付近で、リトラクタブレード20の遠位端部から離れたところにある1又は2以上のリブ26を備える。1又は2以上のリブ26は、アクチュエータ30が、最初に離間位置又は静止位置でリトラクタブレード20と係合したままになるように位置決めされる。静止位置から、アクチュエータとリトラクタブレード、例えば、1又は2以上のレッジと上側ブレードとの間の係合量は、結合せずに前方滑動運動の開始を可能にするような量である。
【0042】
様々な実施形態において、1又は2以上の突出部又はフック32は、アクチュエータの遠位部分付近でアクチュエータから延び、1又は2以上のリブ26は、アクチュエータの近位部分付近でリトラクタブレードから延びる。様々な実施形態において、1又は2以上のリブ26は、1又は2以上のフックと係合するように構成され、又はその逆もまた同様である。様々な実施形態において、アクチュエータが、近位フランジがハンドルから遠位方向に離間され及び/又はアクチュエータの遠位端部がリトラクタブレードの遠位端部から遠位又は最遠位位置にある最近位の離間位置にある、例えば初期又は負荷位置又は休止位置付近にあるときに、1又は2以上のリブ26は1又は2以上のフック32と係合する。1又は2以上のフック32は、様々な実施形態において、アクチュエータ30の側部の内面から横方向に延び、及びリトラクタブレード20に向かって延びる。様々な実施形態において、1又は2以上のフック32は、1又は2以上のレッジ31から横方向に延びる。様々な実施形態において、1又は2以上のフック32は、遠位方向に面する丸い面又は曲面を有し、1又は2以上のリブ26は、近位方向に面する丸い面又は曲面又はその逆を有して、アクチュエータとリトラクタブレードの組み立て又は接続を容易にする。様々な実施形態において、1又は2以上のフック及び/又はリブは、所定点を超えるリトラクタブレードに対するアクチュエータの近位方向の移動を防止する。様々な実施形態において、1又は2以上のリブ26及び1又は2以上のフック32の係合は、リトラクタブレード20に対するアクチュエータの最遠位の離間位置を境界付けるハードストップとして機能し、及び/又はリトラクタブレード20からのアクチュエータ30の完全分離、排除又は分解を防止するように機能する。様々な実施形態において、この最遠位の離間した位置は、初期位置、負荷位置及び/又は静止位置である。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、1又は2以上のチャネルを定めるように離間した上側及び下側のリトラクタブレードを含み、アクチュエータは、1又は2以上のチャネル内で滑動するように構成された1又は2以上のレッジ31を含む。様々な実施形態において、1又は2以上のリブ26は、1又は2以上のチャネル内に位置決めされる。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、1又は2以上のリブを含み、アクチュエータは、1又は2以上のフックを含み、及び/又はその逆もまた同様である。他の様々な実施形態では、アクチュエータは、1又は2以上のチャネルを境界付けるように離間した上側及び下側アクチュエータを含み、リトラクタブレードは、1又は2以上のチャネル内で滑動するように構成された1又は2以上のレッジを含み、及び/又は1又は2以上のチャネル内に位置付けられた1又は2以上のリブと、1又は2以上のレッジに位置付けられた1又は2以上のフックスと、を備える。
【0043】
様々な実施形態によれば、リトラクタブレード20は、リトラクタブレード又はその部分に沿って長さ方向に延びる1又は2以上の雄ダブテール21を備え、アクチュエータ30は、アクチュエータ又はその部分に沿って長さ方向に延び、1又は2以上の雄ダブテール21と適宜適合する1又は2の対応する雌ダブテール301を含む。この対応する適合又はペアリングにより、アクチュエータ30は、リトラクタブレード20の長さに沿って直線的に滑動すると同時に、リトラクタブレードから離れる上方運動又は枢動可能運動を防止する。様々な実施形態において、ペアリングは、アクチュエータ及びリトラクタブレードの1又は2以上の側面及び/又はアクチュエータ及びリトラクタブレードの中間又はその付近の1又は2以上の領域に配置される。様々な実施形態において、アクチュエータは、1又は2以上の雌ダブテールを含み、リトラクタブレードは、1又は2以上の対応する雄ダブテールを含む。様々な実施形態において、アクチュエータ及びリトラクタブレードは、雄及び雌のペアリングダブテールの組み合わせを含む。例えば、様々な実施形態において、アクチュエータは、雌ダブテール及び雄ダブテールを有し、リトラクタブレードは、対応する雄ダブテール及び対応する雌ダブテールを有する。様々な実施形態において、アクチュエータ及び/又はリトラクタブレードの中間部又は中央部若しくはその領域で又はその近傍で長さ方向に延びるアクチュエータ及び/又はリトラクタブレード内の1又は2以上のチャネルは、1又は2以上の雌ダブテールを形成又は境界付ける。様々な実施形態において、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータから延びる1又は2以上の突起部又は突起が、1又は2以上の雄ダブテールを形成又は境界付ける。様々な実施形態において、1又は2以上のフック32及び1又は2以上のリブ26は、リトラクタブレードに対するアクチュエータの最近位位置を境界付けるハードストップとして機能し、及び/又はリトラクタブレードからのアクチュエータの完全分離、排除又は分解を防止するために、ペアにされたダブテールに設けられる。様々な実施形態において、リトラクタブレード、アクチュエータ、又はその両方は、1又は2以上のバー25を備える。様々な実施形態において、1又は2以上のリブ26及び/又は1又は2以上のフック32が、1又は2以上のバー上に配置され、又は1又は2以上のバーから延びる。様々な実施形態において、1又は2以上のバー25は、アクチュエータ、リトラクタブレード又はその両方に沿って長さ方向に延び、それぞれのアクチュエータ、リトラクタブレード又はその両方に、1又は2以上のバーを受け入れる対応するチャネルを有する。様々な実施形態において、アクチュエータは、リトラクタブレードに配置された少なくとも1つのチャネルに適合又は受け入れられるアクチュエータに沿って長さ方向に延びる少なくとも1つのバー25を備え、少なくとも1つのバーは、リトラクタブレードを横断する際にアクチュエータに安定性を与える。
【0044】
動作時には、様々な実施形態によれば、円周方向の膣切開を形成した後、イントロデューサのハンドル10を保持し、ユーザはアクチュエータ30を初期遠位位置まで滑動させ、従って、例えば、
図23に示すように、アクチュエータによる潜在的妨害なしに、膣切開部の前方位置にリトラクタブレード20を挿入できるようにする。リトラクタブレード20が挿入されると、ユーザは、ブレードを上方に傾斜し、揺動させ、及び/又は引き寄せて、切開部及び/又は開口部を僅かに開き及び/又は引き込み、及び/又はリトラクタブレード20とアクチュエータ30との間の内側リングを負荷し、例えば
図24に示すように、アクチュエータの遠位端部に長手方向内輪プロファイルを載置することができる。このように、リトラクタブレードは、アクチュエータと周囲の組織との間に設置され、アクチュエータの潜在的な干渉又は妨害、又は意図しない組織の外傷を防止する一方で、点引き込み及び/又は限定的な領域引き込みを提供する。この時点で、ユーザは、任意選択的に、テナキュラムを使用して子宮頸部をリトラクタの内側リング及びシースの中間を通して、例えば、アクセスチャネルを通して引っ張り保持することができ、リトラクタイントロデューサによって更に支援される。図示されているように、ハンドル10は、患者、リトラクタイントロデューサの長手方向軸及び/又は患者の上側部分から上方、横方向又は直交方向に離れて延びる。同様に、アクチュエータの近位フランジ35は、患者、リトラクタイントロデューサの長手方向軸及び/又は患者の上側部分から上方、横方向又は直交方向に離れて延在する。
【0045】
使用者は、アクチュエータ30を係合させて、遠位前方に移動させ、切開部又は開口部の前方位置を通して内側リングを案内及び押し出すようにする。様々な実施形態において、アクチュエータは、内側リングに対して押し出し、及び/又は、矢印40で全体的に示される内側リングに略長手方向の力若しくは圧力を加える。様々な実施形態において、アクチュエータの遠位端部は、内側リングの外側表面41に接触し、及びそれに沿って押し付ける。アクチュエータは、様々な実施形態において、剥離又は分離することなく、リトラクタブレードに沿って滑動又はスライドする。このように、リトラクタブレードが切開部又は開口部にある状態で、アクチュエータの前方及び/又は遠位方向の運動により、内側リングが切開部及び/又は開口部に案内され挿入される。様々な実施形態において、内側リングの装填から内側リングの挿入まで、及び/又はその間の任意の中間位置まで、リトラクタイントロデューサは、リングを変形させないか又は最小限に抑え、例えば、内側リングを略円形又は長円形から変形させ、このようにして、内側リングは概ね初期の圧壊していない状態に留まり、例えば、内側リングの内側部分は、内側リングの対向する内側部分付近になく、又は接触していない。しかしながら、内側リングのこのような圧壊、例えば、略円形状又は長円形状からの変形は、リトラクタイントロデューサによる内側の部分的挿入に関連して、患者の解剖学的構造、例えば、開口部のサイズ及び形状に起因して起こることができる。
【0046】
内側リングを切開部又は開口部内の所定の位置に維持しながら、ユーザは、例えば
図25に示すように、切開部/開口部及び膣管からリトラクタイントロデューサを取り外すことになる。ユーザは、リトラクタイントロデューサを回転又は反転させ、アクチュエータ30を離間した位置に移動させて、ブレードを膣管を通して、リトラクタ及び/又は内側リングの下方及び膣切開の後方位置に挿入できるようになる。リトラクタブレード20が挿入されると、ユーザは、例えば
図26に示すように、ハンドル及び/又はブレードを下方に傾け、揺動させ、及び/又は引い出して、切開部又は開口部を僅かに開き、及び/又は引き込み、アクチュエータ30の遠位端部と内側リングを位置合わせすることができる。図示されているように、ハンドル10は、患者、リトラクタイントロデューサの長手方向軸及び/又は患者の下側部分から離れて下方に、横方向に、又は直交して延びる。同様に、アクチュエータの近位フランジ35は、下方に、横方向に及び/又は直交方向に離れて、患者、リトラクタイントロデューサの長手方向軸及び/又は患者の下側部分から相対的に延びる。
【0047】
次に、ユーザは、アクチュエータ30を前進させて、内側リングを膣管を通って子宮頸部の周囲に、及び円周方向切開部又は開口部内に押し込むことになる。その後、リトラクタイントロデューサを取り外し、内側リングが腹膜腔に適切に着座していることを確認することができる。確認されると、ユーザは、引き込みの外側リングを巻き下ろして、切開部及び/又は開口部を引き込み、外科的処置、例えば、vNOTES処置を継続することができる。図に示すように、手術シミュレーションモデルは、例示的及び/又は実証的な目的のために提供され、限定することを意図していない。
【0048】
様々な実施形態では、動作時には、リトラクタイントロデューサは、内側リングを直線切開膣切開部に案内、挿入、及び配置するのにも使用することができる。リトラクタイントロデューサは、内側リングの前方及び後方への挿入のために同様に反転される。しかしながら、線状切開又は開口部に挿入する場合、子宮頸管はそのままで、リトラクタの中心を通過しない。
【0049】
様々な実施形態によれば、ハンドル10、リトラクタブレード20、アクチュエータ30又はこれらの任意の組み合わせは、半硬質又は硬質ポリマー、例えば、ポリカーボネートで作られる。様々な実施形態において、ハンドル10、リトラクタブレード20、アクチュエータ30又はこれらの任意の組み合わせは、リトラクタ3の内側リング7よりも剛性がある。様々な実施形態において、リトラクタ3の外側リング5は、内側リング7よりも剛性があるが、ハンドル10、リトラクタブレード20、アクチュエータ30又はこれらの何れかの組み合わせよりも剛性が低い。
【0050】
様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、ハンドル10及びリトラクタブレード20が一体型ユニット構造又はモノリシック構造の1つの構成要素であり、アクチュエータ30が第2の構成要素又は他の構成要素である2つの射出成形構成要素を含む。様々な実施形態において、ハンドル10は、第1のハンドルハウジング半部分12及び第2のハンドルハウジング半部分14を含み、リトラクタブレード20は、例えば
図20に示すように、第1及び第2のハンドルハウジング半部分が互いに接続されるようにハンドル10に取り付けられる別個の構成要素である。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、ハンドルに対して取り外し可能及び/又は交換可能である。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、異なる解剖学、手術部位及び/又は用途に対応するために、異なる寸法及び/又は形状を有する他のリトラクタブレードと交換することができ、又は交換される。
【0051】
様々な実施形態において、シースは、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータ内に取り付けられず、又は他の方法で捕捉又は収集されない。様々な実施形態において、シースは、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータに対して妨げられず、又は自由に垂下又は懸垂される。様々な実施形態において、内側リングに接続されるシースの遠位部は、シースの残りの部分がそこから自由に垂れ下がり、及び/又はシースの遠位端に接続された外側リングを含むアクチュエータの遠位端及び/又は突出リップに着座するか又は接触する。様々な実施形態において、アクチュエータ及び/又はリトラクタブレードは、内側リングの一部及びシースの遠位部分の外面の一部にのみ接触するように構成される。種々の実施形態において、アクチュエータ、リトラクタブレード及びハンドルは、外側リング及び/又はシースの近位部分と接触していない。様々な実施形態において、内側リングは、アクチュエータ及び/又はリトラクタブレードによって閉じ込められ、変形され、及び/又は圧縮されない。様々な実施形態において、内側リングの遠位端部又は部分及び/又はシースの遠位部分の第1の一部のみが、リトラクタブレードの内面及び/又はアクチュエータの遠位端部又は部分と接触し、リトラクターイントロデューサが再位置付けされると、内側リング及び/又はシースの遠位部分の第2の部分又は異なる部分が、アクチュエータの遠位端部又は部分と内面接触して、リトラクタブレードの遠位端部又は部分と内面が接触している。様々な実施形態において、第1の挿入位置において、シースは、ハンドルがシースから離れて延び、アクチュエータ及び/又はリトラクタブレードに対して垂直な状態で、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータの下方又は下に配置され、第2の挿入位置において、シースは、ハンドルがシースから離れ、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータに対して垂直に延びる状態で、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータの上に配置される。
【0052】
様々な実施形態において、アクチュエータは、内側リングに力を伝達するように構成され、及び内側リングの高さに沿った方向に、及び様々な実施形態において、少なくとも最初は整列される。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、内側リング及び/又はシース上に力を加えない又は伝達しないように構成される。種々の実施形態において、リトラクタブレードは、ハンドルが枢動したときに、リトラクタブレードの外面に接触する組織に無外傷の力を加えるように構成されている。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、内側リングの直径の略半分又は半分未満の幅を有し、及び内側リングの一部のみが着座する領域を境界付ける。様々な実施形態において、アクチュエータは、内側リングの直径の略半分又は半分より小さい幅を有し、内側リングの一部のみがアクチュエータの遠位端部又は部分と接触している領域を境界付けている。様々な実施形態において、ハンドルは、リトラクタブレードの長さよりも短い長さ及び/又はリトラクタブレードの幅と等しいか又はそれよりも短い幅を有する。様々な実施形態において、ハンドルは、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータの厚さよりも大きい厚さを有するか、又は略円筒形の容積を境界付ける。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、アクチュエータの長さよりも短い長さを有する。様々な実施形態において、リトラクタブレード、アクチュエータ又はその両方は、遠位テーパー端部を有する。様々な実施形態において、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータは、ラチェット、例えば、歯、爪部、スピンドル等を有する線形ラックを有し、遠位及び/又は近位方向でリトラクタブレードに対するアクチュエータの選択的又は増分的位置付け又は滑動を可能にする。様々な実施形態において、リトラクタブレードに対するアクチュエータの増分的又は選択的な滑動は、ユーザによる要望通りに、選択的に係合解除又は無効にすることができる。
【0053】
様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサシステムは、リトラクタと、リトラクタと取り外し可能及び動作可能に係合されたリトラクタイントロデューサと、を含むことができる。様々な実施形態において、リトラクタイントロデューサは、ハンドル、リトラクタブレード、アクチュエータ及び/又はこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、上側リトラクタブレード及び下側リトラクタブレードを備えることができる。様々な実施形態において、ハンドル及びリトラクタブレードは、一体又はモノリシック構造として作られる。様々な実施形態において、ハンドルは、リトラクタブレード及び/又はアクチュエータに対して垂直に延びるか、又は他の方法で角度を付けられる。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、組織、例えば、膣管に無外傷で係合又は接触するように構成された外面を有する。様々な実施形態において、リトラクタブレードの外面、例えば遠位端部又は先端は、エッジ又は無外傷の特徴又は表面を有しない滑らかなものである。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、アクチュエータの内面と接触する部分を有する内面を有する。様々な実施形態において、アクチュエータは、組織、特にリトラクタブレードが接触している組織と接触しないように構成された内面及び/又は外面を有する。様々な実施形態において、アクチュエータは移動可能である。様々な実施形態において、リトラクタブレードは、静止している。様々な実施形態において、ハンドルは静止している。様々な実施形態において、リトラクタブレード及び/又はハンドルは、移動可能であるアクチュエータに対して静止している。様々な実施形態において、アクチュエータの近位フランジは、ハンドルと平行である。様々な実施形態において、アクチュエータは、リトラクタブレードの内面に沿って長手方向及び長手方向に移動可能である。様々な実施形態において、アクチュエータは、リトラクタブレードに対して移動可能であり、及び/又はリトラクタブレードから取り外すことができないか、又は完全に分離することができない。
【0054】
種々の実施形態において、リトラクタ、外科アクセスデバイス等は、患者の体腔へのアクセス又はチャネル又は経路を提供し、及び/又は種々の実施形態において、撓むことができるように可撓性であり、及び/又は組織等がその一部を変形又は圧縮を可能にすることができる。様々な実施形態において、リトラクタは、異なる患者の解剖学的構造に対応するために長さが調整可能であり、及び/又は360度のハンズフリー保護及び/又は患者の開口部の引き込みが可能である。様々な実施形態において、リトラクタは、外側リング、内側リング、又はその両方を含まないことがある。
【0055】
上記の説明は、当業者が本明細書に記載されたデバイス又はシステムを実施及び利用し、方法を実行できるようにするために提供され、本発明を実施するために発明者らにより企図される最良の態様を記載している。しかしながら、様々な修正形態は、当業者には依然として明らかであろう。これらの修正形態は、本開示の範囲内であることが企図される。異なる実施形態又はこのような実施形態の態様は、様々な図に示され、本明細書全体を通じて説明することができる。しかしながら、各実施形態及びその態様は、別々に示され又は説明されているが、明示的に別段の定めをした場合を除き、他の実施形態及びその態様の1又は2以上と組み合わせることができる点に留意されたい。各組み合わせが明示的に記載されていないのは、単に本明細書を読みやすくするためである。
【0056】
本発明をある種の特定の態様において説明したが、多くの追加の修正及び変形が当業者には明らかであろう。従って、本発明は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、サイズ、形状及び材料の様々な変更を含む、具体的に説明した以外の方法で実施することができることは理解されたい。従って、本発明の実施形態は、全ての点で例示であり、限定ではないと考えられるべきである。
【符号の説明】
【0057】
10 ハンドル
20 リトラクタブレード
30 アクチュエータ
【国際調査報告】