(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】抗CD19併用療法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20231201BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231201BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20231201BHJP
A61K 31/704 20060101ALI20231201BHJP
A61K 31/475 20060101ALI20231201BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20231201BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20231201BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231201BHJP
C07K 16/30 20060101ALN20231201BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20231201BHJP
【FI】
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P35/02
A61K31/675
A61K31/704
A61K31/475
A61K31/573
A61K31/454
A61P43/00 121
C07K16/30 ZNA
C12N15/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533838
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 EP2021084133
(87)【国際公開番号】W WO2022117799
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316005432
【氏名又は名称】モルフォシス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】505193450
【氏名又は名称】インサイト・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】INCYTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】フィンガーレ-ローソン,ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ブルッガー,ヴォルフラム
(72)【発明者】
【氏名】マンツケ,オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】セギー,フランシス
【テーマコード(参考)】
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE03
4C085GG02
4C086AA01
4C086BC17
4C086CB25
4C086DA11
4C086DA38
4C086EA10
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB27
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA76
4H045EA28
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療に使用するための、抗CD19抗体とR-CHOPとの、または抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの治療薬組合せに関する。本開示はまた、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病または急性リンパ芽球性白血病の治療に使用するための、抗CD19抗体とレナリドミドとリツキシマブとの治療薬組合せにも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とR-CHOPとを含む医薬組合せ。
【請求項2】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項1に記載の医薬組合せであって、前記患者に、治療量の、
抗CD19抗体;
リツキシマブ;
シクロホスファミド;
ドキソルビシン;
ビンクリスチン;及び
プレドニゾンまたはプレドニゾロン
を投与することを含む、前記医薬組合せ。
【請求項3】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項2に記載の医薬組合せであって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
前記21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の抗CD19抗体と;
前記21日サイクルの1日目のリツキシマブと;
前記21日サイクルの1日目のシクロホスファミドと;
前記21日サイクルの1日目のドキソルビシンと;
前記21日サイクルの1日目のビンクリスチンと;
前記21日サイクルの1~5日目の各々でのプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを前記患者に投与することを含む、前記医薬組合せ。
【請求項4】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項3に記載の医薬組合せであって、前記患者に前記組合せの前記21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む、前記医薬組合せ。
【請求項5】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項3に記載の医薬組合せであって、前記患者に前記組合せの前記21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む、前記医薬組合せ。
【請求項6】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項2に記載の医薬組合せであって、
抗CD19抗体と、
375mg/m
2用量のリツキシマブと、
750mg/m
2用量のシクロホスファミドと、
50mg/m
2用量のドキソルビシンと、
1.4~2.0mg/m
2用量のビンクリスチンと、
100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを前記患者に投与することを含む、前記医薬組合せ。
【請求項7】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項5に記載の医薬組合せであって、少なくとも1回の21サイクルにおいて、
前記21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の抗CD19抗体と;
前記21日サイクルの1日目の375mg/m
2用量のリツキシマブと;
前記21日サイクルの1日目の750mg/m
2用量のシクロホスファミドと;
前記21日サイクルの1日目の50mg/m
2用量のドキソルビシンと;
前記21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m
2用量のビンクリスチンと;
前記21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを前記患者に投与することを含む、前記医薬組合せ。
【請求項8】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項7に記載の医薬組合せであって、前記患者に前記組合せの前記21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む、前記医薬組合せ。
【請求項9】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項7に記載の医薬組合せであって、前記患者に前記組合せの前記21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む、前記医薬組合せ。
【請求項10】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せであって、前記抗CD19抗体が8mg/kg~40mg/kgの体重用量で投与される、前記医薬組合せ。
【請求項11】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項9に記載の医薬組合せであって、前記抗CD19抗体が12mg/kgの体重用量で投与される、前記医薬組合せ。
【請求項12】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せであって、前記医薬組合せがレナリドミドをさらに含む、前記医薬組合せ。
【請求項13】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項12に記載の医薬組合せであって、レナリドミドが25mg用量で投与される、前記医薬組合せ。
【請求項14】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項12に記載の医薬組合せであって、レナリドミドが、少なくとも1回の21日サイクルにおいて前記21日サイクルの1~10日目の各々に25mg用量で前記患者に投与される、前記医薬組合せ。
【請求項15】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せであって、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFの投与をさらに含む、前記医薬組合せ。
【請求項16】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せであって、前記組合せの投与が前記患者における完全奏効(CR)をもたらす、前記医薬組合せ。
【請求項17】
先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せであって、
前記抗体が、可変重鎖(VH)相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVHドメインを含み、
前記VH CDR1がアミノ酸配列SYVMH(配列番号1)を含み、
前記VH CDR2がアミノ酸配列NPYNDG(配列番号2)を含み、
前記VH CDR3がアミノ酸配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含み、
前記抗体が、可変軽鎖(VL)CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVLドメインを含み、
前記VL CDR1がアミノ酸配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含み、
前記VL CDR2がアミノ酸配列RMSNLNS(配列番号5)を含み、
前記VL CDR3がアミノ酸配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含む、
前記医薬組合せ。
【請求項18】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項17に記載の医薬組合せであって、前記VHドメインが、アミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)
を含み、前記VLドメインが、アミノ酸配列
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIK(配列番号8)
を含む、前記医薬組合せ。
【請求項19】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項18に記載の医薬組合せであって、前記抗CD19抗体が、
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPDVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPEEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号11)
の重鎖領域、及び
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号12)
の軽鎖領域を含む、前記医薬組合せ。
【請求項20】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せであって、前記患者が、
治療が以前になされていないDLBCL
を有する患者である、前記医薬組合せ。
【請求項21】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せであって、前記投与することを開始する前の前記患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、前記医薬組合せ。
【請求項22】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せであって、前記投与することを開始する前に前記患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、前記医薬組合せ。
【請求項23】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せであって、前記抗CD19抗体がタファシタマブである、前記医薬組合せ。
【請求項24】
DLBCLを有する患者を治療する方法であって、先行請求項のいずれかに記載の医薬組合せを前記患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項25】
非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病または急性リンパ芽球性白血病の治療を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、治療的有効量の、ヒトCD19に結合する抗体、レナリドミド及びリツキシマブを前記ヒト対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項26】
前記抗体が、可変重鎖(VH)相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVHドメインを含み、
前記VH CDR1がアミノ酸配列SYVMH(配列番号1)を含み、
前記VH CDR2がアミノ酸配列NPYNDG(配列番号2)を含み、
前記VH CDR3がアミノ酸配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含み、
前記抗体が、可変軽鎖(VL)CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVLドメインを含み、
前記VL CDR1がアミノ酸配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含み、
前記VL CDR2がアミノ酸配列RMSNLNS(配列番号5)を含み、
前記VL CDR3がアミノ酸配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含む、
、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記VHドメインが、アミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)
を含み、前記VLドメインが、アミノ酸配列
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIK(配列番号8)
を含む、請求項25または請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記抗体が、
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPDVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPEEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号11)
の重鎖領域、及び
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号12)
の軽鎖領域を含む、請求項25~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記ヒト対象が非ホジキンリンパ腫を有する、請求項25~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記非ホジキンリンパ腫が濾胞性リンパ腫である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記濾胞性リンパ腫が再発性/難治性濾胞性リンパ腫である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記濾胞性リンパ腫が、組織学的に裏付けられたグレード1、2または3aの濾胞性リンパ腫である、請求項30または請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記非ホジキンリンパ腫が辺縁帯リンパ腫である、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記辺縁帯リンパ腫が再発性/難治性辺縁帯リンパ腫である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記辺縁帯リンパ腫が、組織学的に裏付けられた節性辺縁帯リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫または粘膜関連リンパ組織節外性辺縁帯リンパ腫である、請求項33または請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記非ホジキンリンパ腫が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が再発性/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記非ホジキンリンパ腫が小リンパ球性リンパ腫である、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
前記非ホジキンリンパ腫が粘膜関連リンパ組織リンパ腫である、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
前記非ホジキンリンパ腫がバーキットリンパ腫である、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記非ホジキンリンパ腫がマントル細胞リンパ腫である、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記ヒト対象が慢性リンパ球性白血病を有する、請求項25~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記ヒト対象が急性リンパ芽球性白血病を有する、請求項25~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記抗体が静脈内に投与される、請求項25~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記抗体が12mg/kgの用量で静脈内に投与される、請求項25~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記抗体が12mg/kgの用量で2週間ごとに少なくとも1回、静脈内に投与される、請求項25~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記抗体が、以下のスケジュール:
第1の28日サイクルの1、8、15及び22日目;
第2の28日サイクルの1、8、15及び22日目;
第3の28日サイクルの1、8、15及び22日目;ならびに
第4の28日サイクルの1及び15日目とその後のさらなる28日サイクルの1及び15日目
に従って12mg/kgの用量で静脈内に投与される、請求項25~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
リツキシマブが静脈内に投与される、請求項25~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
リツキシマブが375mg/m
2の用量で静脈内に投与される、請求項25~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
リツキシマブが、以下のスケジュール:
第1の28日サイクルの1、8、15及び22日目;ならびに
第2の28日サイクルの1日目とその後のさらなる28日サイクルの1日目
に従って375mg/m
2の用量で静脈内に投与される、請求項25~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
レナリドミドが経口投与される、請求項25~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
レナリドミドが20mgの用量で経口投与される、請求項25~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
レナリドミドが、繰り返される28日サイクルの1~21日目に20mgの用量で経口投与される、請求項25~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための抗CD19抗体であって、前記治療がR-CHOPも含む、前記抗CD19抗体。
【請求項55】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項54に記載の抗CD19抗体であって、前記患者が、治療量の、
前記抗CD19抗体;
リツキシマブ;
シクロホスファミド;
ドキソルビシン;
ビンクリスチン;及び
プレドニゾンまたはプレドニゾロン
を投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項56】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項55に記載の抗CD19抗体であって、前記患者が、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
前記21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の前記抗CD19抗体と;
前記21日サイクルの1日目のリツキシマブと;
前記21日サイクルの1日目のシクロホスファミドと;
前記21日サイクルの1日目のドキソルビシンと;
前記21日サイクルの1日目のビンクリスチンと;
前記21日サイクルの1~5日目の各々でのプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項57】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項56に記載の抗CD19抗体であって、前記患者が前記組合せの前記21日サイクルを少なくとも3回投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項58】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項56に記載の抗CD19抗体であって、前記患者が前記組合せの前記21日サイクルを少なくとも6回投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項59】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項55に記載の抗CD19抗体であって、前記患者が、
前記抗CD19抗体と、
375mg/m
2用量のリツキシマブと、
750mg/m
2用量のシクロホスファミドと、
50mg/m
2用量のドキソルビシンと、
1.4~2.0mg/m
2用量のビンクリスチンと、
100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項60】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項58に記載の抗CD19抗体であって、前記患者が、少なくとも1回の21サイクルにおいて、
前記21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の前記抗CD19抗体と;
前記21日サイクルの1日目の375mg/m
2用量のリツキシマブと;
前記21日サイクルの1日目の750mg/m
2用量のシクロホスファミドと;
前記21日サイクルの1日目の50mg/m
2用量のドキソルビシンと;
前記21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m
2用量のビンクリスチンと;
前記21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項61】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項60に記載の抗CD19抗体であって、前記患者が前記組合せの前記21日サイクルを少なくとも3回投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項62】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項60に記載の抗CD19抗体であって、前記患者が前記組合せの前記21日サイクルを少なくとも6回投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項63】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項54~62のいずれか1項に記載の抗CD19抗体であって、前記抗CD19抗体が8mg/kg~40mg/kgの体重用量で投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項64】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項62に記載の抗CD19抗体であって、前記抗CD19抗体が12mg/kgの体重用量で投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項65】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項54~64のいずれか1項に記載の抗CD19抗体であって、前記治療がレナリドミドをさらに含む、前記抗CD19抗体。
【請求項66】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項65に記載の抗CD19抗体であって、レナリドミドが25mg用量で投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項67】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項65に記載の抗CD19抗体であって、レナリドミドが、少なくとも1回の21日サイクルにおいて前記21日サイクルの1~10日目の各々に25mg用量で前記患者に投与される、前記抗CD19抗体。
【請求項68】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項54~67のいずれか1項に記載の抗CD19抗体であって、前記治療が、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFをさらに含む、前記抗CD19抗体。
【請求項69】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項54~68のいずれか1項に記載の抗CD19抗体であって、前記組合せの投与が前記患者における完全奏効(CR)をもたらす、前記抗CD19抗体。
【請求項70】
前記抗体が、可変重鎖(VH)相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVHドメインを含み、
前記VH CDR1がアミノ酸配列SYVMH(配列番号1)を含み、
前記VH CDR2がアミノ酸配列NPYNDG(配列番号2)を含み、
前記VH CDR3がアミノ酸配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含み、
前記抗体が、可変軽鎖(VL)CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVLドメインを含み、
前記VL CDR1がアミノ酸配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含み、
前記VL CDR2がアミノ酸配列RMSNLNS(配列番号5)を含み、
前記VL CDR3がアミノ酸配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含む、
請求項54~69のいずれか1項に記載の使用のための抗CD19抗体。
【請求項71】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項70に記載の抗CD19抗体であって、前記VHドメインが、アミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)
を含み、前記VLドメインが、アミノ酸配列
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIK(配列番号8)
を含む、前記抗CD19抗体。
【請求項72】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項71に記載の抗CD19抗体であって、前記抗CD19抗体が、
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPDVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPEEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号11)
の重鎖領域、及び
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号12)
の軽鎖領域を含む、前記抗CD19抗体。
【請求項73】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項54~72のいずれか1項に記載の抗CD19抗体であって、前記患者が、
治療が以前になされていないDLBCL
を有する患者である、前記抗CD19抗体。
【請求項74】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項54~73のいずれか1項に記載の抗CD19抗体であって、前記投与することを開始する前の前記患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、前記抗CD19抗体。
【請求項75】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項54~74のいずれか1項に記載の抗CD19抗体であって、前記投与することを開始する前に前記患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、前記抗CD19抗体。
【請求項76】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための請求項54~75のいずれか1項に記載の抗CD19抗体であって、前記抗CD19抗体がタファシタマブである、前記抗CD19抗体。
【請求項77】
DLBCLを有する患者の治療に使用するための抗CD19抗体。
【請求項78】
非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病または急性リンパ芽球性白血病の治療を、それを必要とするヒト対象において行うことに使用するための、ヒトCD19に結合する抗体であって、前記ヒト対象が、治療的有効量の、ヒトCD19に結合する抗体、レナリドミド及びリツキシマブを投与される、前記抗体。
【請求項79】
前記抗体が、可変重鎖(VH)相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2及びVH CDR3を含むVHドメインを含み、
前記VH CDR1がアミノ酸配列SYVMH(配列番号1)を含み、
前記VH CDR2がアミノ酸配列NPYNDG(配列番号2)を含み、
前記VH CDR3がアミノ酸配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含み、
前記抗体が、可変軽鎖(VL)CDR1、VL CDR2及びVL CDR3を含むVLドメインを含み、
前記VL CDR1がアミノ酸配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含み、
前記VL CDR2がアミノ酸配列RMSNLNS(配列番号5)を含み、
前記VL CDR3がアミノ酸配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含む、
請求項78に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項80】
前記VHドメインが、アミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)
を含み、前記VLドメインが、アミノ酸配列
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIK(配列番号8)
を含む、請求項78または請求項79に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項81】
前記抗体が、
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPDVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPEEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号11)
の重鎖領域、及び
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号12)
の軽鎖領域を含む、請求項78~80のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項82】
前記ヒト対象が非ホジキンリンパ腫を有する、請求項78~81のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項83】
前記非ホジキンリンパ腫が濾胞性リンパ腫である、請求項82に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項84】
前記濾胞性リンパ腫が再発性/難治性濾胞性リンパ腫である、請求項83に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項85】
前記濾胞性リンパ腫が、組織学的に裏付けられたグレード1、2または3aの濾胞性リンパ腫である、請求項83または請求項84に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項86】
前記非ホジキンリンパ腫が辺縁帯リンパ腫である、請求項82に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項87】
前記辺縁帯リンパ腫が再発性/難治性辺縁帯リンパ腫である、請求項86に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項88】
前記辺縁帯リンパ腫が、組織学的に裏付けられた節性辺縁帯リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫または粘膜関連リンパ組織節外性辺縁帯リンパ腫である、請求項86または請求項87に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項89】
前記非ホジキンリンパ腫が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項82に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項90】
前記びまん性大細胞型B細胞リンパ腫が再発性/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項89に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項91】
前記非ホジキンリンパ腫が小リンパ球性リンパ腫である、請求項82に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項92】
前記非ホジキンリンパ腫が粘膜関連リンパ組織リンパ腫である、請求項82に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項93】
前記非ホジキンリンパ腫がバーキットリンパ腫である、請求項82に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項94】
前記非ホジキンリンパ腫がマントル細胞リンパ腫である、請求項29に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項95】
前記ヒト対象が慢性リンパ球性白血病を有する、請求項25~28のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項96】
前記ヒト対象が急性リンパ芽球性白血病を有する、請求項78~81のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項97】
前記抗体が静脈内に投与される、請求項78~96のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項98】
前記抗体が12mg/kgの用量で静脈内に投与される、請求項78~96のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項99】
前記抗体が12mg/kgの用量で2週間ごとに少なくとも1回、静脈内に投与される、請求項78~96のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項100】
前記抗体が、以下のスケジュール:
第1の28日サイクルの1、8、15及び22日目;
第2の28日サイクルの1、8、15及び22日目;
第3の28日サイクルの1、8、15及び22日目;ならびに
第4の28日サイクルの1及び15日目とその後のさらなる28日サイクルの1及び15日目
に従って12mg/kgの用量で静脈内に投与される、請求項78~96のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項101】
リツキシマブが静脈内に投与される、請求項78~100のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項102】
リツキシマブが375mg/m
2の用量で静脈内に投与される、請求項78~100のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項103】
リツキシマブが、以下のスケジュール:
第1の28日サイクルの1、8、15及び22日目;ならびに
第2の28日サイクルの1日目とその後のさらなる28日サイクルの1日目
に従って375mg/m
2の用量で静脈内に投与される、請求項78~100のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項104】
レナリドミドが経口投与される、請求項78~103のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項105】
レナリドミドが20mgの用量で経口投与される、請求項78~103のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【請求項106】
レナリドミドが、繰り返される28日サイクルの1~21日目に20mgの用量で経口投与される、請求項78~103のいずれか1項に記載の使用のためのヒトCD19に結合する抗体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血液癌患者の治療に使用するための、抗CD19抗体と、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン/プレドニゾロン(R-CHOP)との治療薬組合せに関する。本開示はまた、血液癌患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの治療薬組合せにも関する。本開示はまた、血液癌患者の治療に使用するための、抗CD19抗体とレナリドミドとリツキシマブとの治療薬組合せにも関する。
【0002】
非ホジキンリンパ腫(NHL)は、成人において最も一般的な血液悪性腫瘍である。NHLの大半はB細胞由来のものであり、異なる臨床転帰を与える複数の異なる組織学的亜型(WHO2016分類による)が存在する。NHLは、侵攻性及び緩慢性リンパ腫に大別され得る。
【0003】
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、全NHLのおよそ40%に相当する最も一般的なNHLであり、その発症率は増加し続けており、診断時の年齢中央値が64歳である。DLBCLは侵攻性B-NHLであり、患者の大半は進行疾患を呈する。DLBCLは、正常B細胞発達の異なる段階から各々発生する別個な由来細胞亜型を有する異種混合障害として認知されることが増えてきている。いくつかの研究は、別個なCOO亜型、胚中心B細胞型(GCB)及び活性型B細胞型(ABC)が独特な変異プロファイルを有し、異なる予後転帰も有することを示した(Lenz,2008、Flowers,2010、Vaidya,2014、Schmitz,2018)。
【0004】
緩慢性NHLは、悪性リンパ腫のおよそ3分の1を占める。濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫は最も一般的な緩慢性NHL亜型であり、それぞれ、成人NHL症例のおよそ20%~25%、及び7%を占める。両亜型は、不治とみなされ、臨床経過が不定であり、管理のための選択肢は、非症候性患者に対する積極的調査から、症候性疾患を有する患者に対する化学免疫療法、免疫療法、または的を絞った薬剤による治療まで及ぶ。
【0005】
抗CD20モノクローナル抗体(mAb)リツキシマブ(R)とCHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン)とによる化学療法(R-CHOP)の施与を必要とする免疫化学療法は、新たに診断されたDLBCL患者の治療のための現行の治療標準(SoC)である。ASH2018に公開されている近年のデータに基づくと、治療が以前になされていないDLBCLにおいて、8サイクルのR-CHOPには6サイクルと比較して付加的利益が存在しない。したがって、6サイクルのCHOPを伴ったリツキシマブをSoCとみなすべきである(Sehn,2018)。CHOPに対するリツキシマブの付加はCHOP単独と比較して劇的に転帰を改善したが、依然として30~40%のDLBCL患者は一次不応であるかまたは再発する(Habermann,2006、Coiffier,2010)。再発性/難治性DLBCLを有する一部の患者が、第二選択化学療法とそれに続く高用量化学療法及び自家幹細胞移植(ASCT)による地固めによって救済されることがあるとはいえ、大多数は疾患に屈することになる。したがって、長期転帰を改善するためにはより効果的な初回療法の開発が必要とされる。
【0006】
例えば化学療法の強度を強めること、リツキシマブの用量を増加させること、維持療法を加えること、的を絞った薬剤をR-CHOPに加えること、またはDLBCLの初期管理において高用量療法及びASCTによる地固めを用いることによってR-CHOPの有効性を改善しようとする様々な代替療法が模索されてきた。しかしながら、これらの手法は、R-CHOP14によって用量密度を最大限にする試みを含めて、概ね不成功となった(Pfreundschuh,2008、Cunningham,2013、Delarue,2013)。オビヌツズマブとCHOP(G-CHOP)の有効性及び安全性をR-CHOP(Vitolo,2017)、DA-EPOCH-R(Wilson,2016)と比較しているBO21005/GOYA、及びレナリドミド維持をプラセボと比較しているREMARC(Thieblemont,2016)を含めて、近年の大型な無作為化第III相DLBCL治験はその評価項目を満たさず、SoC療法に対する改善が必要とされ続けていることを反映していた。
【0007】
CD19は、2つの細胞外免疫グロブリン様ドメイン及び長大な細胞質側尾部を含有する免疫グロブリンスーパーファミリーの95kDaの膜貫通糖タンパク質である。当該タンパク質は汎Bリンパ球表面受容体であり、プレB細胞発達の最初期段階から、形質細胞への最終分化の間にそれが下方制御されるまでずっと、至る所で発現する。それはBリンパ球系統に特有のものであり、造血幹細胞、及びいくつかの濾胞樹状細胞を除く他の免疫細胞には発現しない。CD19は、B細胞受容体(BCR)シグナル伝達の正の調節因子として機能し、B細胞活性化及び増殖、ならびにヒト免疫応答の進展に関与する。それは、CD21及びCD81と一緒に共刺激分子として作用し、T細胞依存性抗原に対するB細胞応答に関与する。CD19の細胞質側尾部は、srcファミリーのプロテインチロシンキナーゼを介して下流シグナル伝達経路の引き金となるファミリーのチロシンキナーゼに物理的に会合している。CD19は、それがほぼすべての慢性リンパ球性白血病(CLL)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)、ならびに他の多くの異なる種類の白血病、例えば急性リンパ球性白血病(ALL)及び有毛細胞白血病(HCL)において高発現することから、リンパ系由来のがんのための魅力的な標的である。
【0008】
タファシタマブ(旧名称:MOR00208及びXmAb(登録商標)5574)は、抗原CD19を標的とするヒト化モノクローナル抗体である。タファシタマブは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を増強すべくIgG Fc領域が操作されており、かくして、腫瘍細胞殺滅のための主要な機序が改善され、従来の抗体、すなわち非増強抗体と比較して増強された有効性を提示した。タファシタマブは、いくつかの臨床試験、例えば、CLL、ALL及びNHLにおいて研究されたことがある、または現在研究中である。それらの治験のいくつかでは、タファシタマブがイデラリシブ、ベンダムスチン、ベネトクラクスまたはレナリドミドと併用されている。
【0009】
第2相L-MIND試験(NCT02399085)では、レナリドミド(LEN)と併用したタファシタマブの有効性が、再発性または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(rr-DLBCL)を有する成人患者において評価された。L-MINDには、1~3回の全身レジメンの後に再発したかまたはそれに対して不応であったASCTの対象外のDLBCLを有する患者が81名参加した。患者は、タファシタマブ(12mg/kg)とレナリドミド(25mg/日)との共投与を最長12サイクル(各々28日間)にわたって受け、その後、(疾患が安定したかまたは良くなった患者は)MOR00208単剤療法を疾患が進行するまで受けた。主要評価項目は、(中央施設で評価された)客観的奏効率であった。幹細胞移植の対象外であった再発性または難治性DLBCLを有する患者のこの集団において、タファシタマブとレナリドミドとによる併用治療は、患者の60%において全客観的奏効をもたらし、42.5%において完全奏効をもたらした。
【0010】
本開示は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する患者を、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せを投与することによって治療することに関する。本開示はまた、DLBCLを有する患者を、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの組合せを投与することによって治療することにも関する。本開示はまた、治療が以前になされていないDLBCLを有する患者を治療することにも関する。本開示はまた、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病または急性リンパ芽球性白血病を有する患者を、抗CD19抗体とレナリドミドとリツキシマブとの組合せを投与することによって治療することにも関する。
【発明の概要】
【0011】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者のための治療であって、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せを患者に投与することを含む、当該治療を提供する。本明細書に記載の組合せの特定の実施形態では、当該組合せは相乗的である。本明細書に記載の組合せの特定の実施形態では、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えばタファシタマブ)と、R-CHOPとの組合せは相乗的である。
【0012】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者のための治療であって、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの組合せを患者に投与することを含む、当該治療を提供する。本明細書に記載の組合せの特定の実施形態では、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)とレナリドミドとR-CHOPとの組合せは相乗的である。本明細書に記載の組合せの特定の態様では、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)とレナリドミドとR-CHOPとの組合せは、R-CHOPを含まない抗CD19抗体とレナリドミドとの組合せと比較して相乗的である。一態様では、本開示は、DLBCLを有する患者のための治療であって、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せを患者に投与することを含み、抗CD19抗体が、配列SYVMH(配列番号1)を含むHCDR1領域、配列NPYNDG(配列番号2)を含むHCDR2領域、及び配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含むHCDR3領域を含む重鎖可変領域、ならびに配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含む配列LCDR1領域、配列RMSNLNS(配列番号5)を含むLCDR2領域、及び配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含むLCDR3領域を含む軽鎖可変領域を含む、当該治療を提供する。
【0013】
一態様では、本開示は、DLBCLを有する患者のための治療であって、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せを患者に投与することを含み、抗CD19抗体が、SYVMH(配列番号1)のHCDR1領域、NPYNDG(配列番号2)のHCDR2領域、及びGTYYYGTRVFDY(配列番号3)のHCDR3領域を含む重鎖可変領域、ならびにRSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)のLCDR1領域、RMSNLNS(配列番号5)のLCDR2領域、及びMQHLEYPIT(配列番号6)のLCDR3領域を含む軽鎖可変領域を含む、当該治療を提供する。
【0014】
一態様では、本開示は、DLBCLを有する患者のための治療であって、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの組合せを患者に投与することを含み、抗CD19抗体が、配列SYVMH(配列番号1)を含むHCDR1領域、配列NPYNDG(配列番号2)を含むHCDR2領域、及び配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含むHCDR3領域を含む重鎖可変領域、ならびに配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含む配列LCDR1領域、配列RMSNLNS(配列番号5)を含むLCDR2領域、及び配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含むLCDR3領域を含む軽鎖可変領域を含む、当該治療を提供する。
【0015】
一態様では、本開示は、DLBCLを有する患者のための治療であって、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの組合せを患者に投与することを含み、抗CD19抗体が、SYVMH(配列番号1)のHCDR1領域、NPYNDG(配列番号2)のHCDR2領域、及びGTYYYGTRVFDY(配列番号3)のHCDR3領域を含む重鎖可変領域、ならびにRSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)のLCDR1領域、RMSNLNS(配列番号5)のLCDR2領域、及びMQHLEYPIT(配列番号6)のLCDR3領域を含む軽鎖可変領域を含む、当該治療を提供する。
【0016】
ある特定の実施形態では、抗CD19抗体は、
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)
の重鎖可変領域、及び
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIK(配列番号8)
の軽鎖可変領域を含む。
【0017】
ある特定の実施形態では、抗CD19抗体はエフェクター機能を有する。別の態様では、抗CD19抗体は、増強されたエフェクター機能を有する。一実施形態では、エフェクター機能はADCCである。一実施形態では、抗CD19抗体は、増強されたADCC活性を有する。さらなる実施形態では、抗CD19抗体は、位置S239及び/またはI332にアミノ酸置換を含むFcドメインを含み、ここで、付番はKabatのEUインデックスに従う。
【0018】
ある特定の実施形態では、抗CD19抗体は、
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPDVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPEEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号9)
の重鎖定常領域を含む。
【0019】
ある特定の実施形態では、抗CD19抗体は、
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号10)
の軽鎖定常領域を含む。
【0020】
ある特定の実施形態では、抗CD19抗体は、
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPDVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPEEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号9)
の重鎖定常領域、及び
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号10)
の軽鎖定常領域を含む。
【0021】
ある特定の実施形態では、抗CD19抗体は、
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPDVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPEEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号11)
の重鎖領域、及び
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号12)
の軽鎖領域を含む。
【0022】
ある特定の実施形態では、抗CD19抗体は、
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPDVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPEEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号11)
の重鎖領域、及び
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号12)
の軽鎖領域からなる。
【0023】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0024】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0025】
本明細書に記載の組合せの特定の実施形態では、組合せは相乗的である。
【0026】
一態様では、本発明は、相乗的組合せである組合せによって血液癌患者を治療する方法を提供する。一つのそのような実施形態では、血液癌患者の治療に用いるための組合せは、
(i)タファシタマブ、(ii)リツキシマブ、(iii)シクロホスファミド、(iv)ドキソルビシン(v)ビンクリスチン、及び(vi)プレドニゾンまたはプレドニゾロン
を含み、タファシタマブ(i)とリツキシマブ(ii)とが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、タファシタマブ(i)とシクロホスファミド(iii)とが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、タファシタマブ(i)とドキソルビシン(iv)とが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、タファシタマブ(i)と(v)ビンクリスチンとが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、タファシタマブ(i)と(vi)プレドニゾンまたはプレドニゾロンとが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、(i)タファシタマブと、(ii)リツキシマブと、(iii)シクロホスファミドと、(iv)ドキソルビシンと、(v)ビンクリスチンと、(vi)プレドニゾンまたはプレドニゾロンとが相乗的に作用する。一実施形態では、相乗的組合せは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFをさらに含む。
【0027】
一態様では、本発明は、相乗的組合せである組合せによって血液癌患者を治療する方法を提供する。一つのそのような実施形態では、血液癌患者の治療に使用するための相乗的組合せは、
(i)タファシタマブ、(ii)リツキシマブ、(iii)シクロホスファミド、(iv)ドキソルビシン(v)ビンクリスチン、(vi)プレドニゾンまたはプレドニゾロン、及び(vii)レナリドミド
を含み、タファシタマブ(i)とリツキシマブ(ii)とが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、タファシタマブ(i)とシクロホスファミド(iii)とが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、タファシタマブ(i)とドキソルビシン(iv)とが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、タファシタマブ(i)と(v)ビンクリスチンとが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、タファシタマブ(i)と(vi)プレドニゾンまたはプレドニゾロンとが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、(i)タファシタマブと、(ii)リツキシマブと、(iii)シクロホスファミドと、(iv)ドキソルビシンと、(v)ビンクリスチンと、(vi)プレドニゾンまたはプレドニゾロンとが相乗的に作用する。組合せの特定の実施形態では、(i)タファシタマブと、(ii)リツキシマブと、(iii)シクロホスファミドと、(iv)ドキソルビシンと、(v)ビンクリスチンと、(vi)プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、(vii)レナリドミドとが相乗的に作用する。一実施形態では、相乗的組合せは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFをさらに含む。
【0028】
一態様では、本発明は、相乗的組合せである組合せによって血液癌患者を治療する方法を提供する。一つのそのような実施形態では、血液癌患者の治療に使用するための相乗的組合せは、
(i)タファシタマブとレナリドミドとの組合せ、及び(ii)リツキシマブとシクロホスファミドとドキソルビシンとビンクリスチンとプレドニゾンまたはプレドニゾロンとの組合せ(まとめてR-CHOPとして知られる)
を含み、組合せ(i)と組合せ(ii)とが相乗的に作用する。一実施形態では、相乗的組合せは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFをさらに含む。
【0029】
一態様では、本発明は、相乗的組合せである組合せによって血液癌患者を治療する方法を提供する。一つのそのような実施形態では、血液癌患者の治療に使用するための相乗的組合せは、
(i)タファシタマブとレナリドミドとの組合せ、及び(ii)リツキシマブとシクロホスファミドとドキソルビシンとビンクリスチンとプレドニゾンまたはプレドニゾロンとの組合せ(まとめてR-CHOPとして知られる)
を含み、組合せ(i)と組合せ(ii)とが相乗効果を有する。一実施形態では、相乗的組合せは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFをさらに含む。
【0030】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1~10日目の各々での25mg用量のレナリドミドと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0031】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
レナリドミドと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0032】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前の患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、
当該方法を提供する。
【0033】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前の患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、
当該方法を提供する。
【0034】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1~10日目の各々での25mg用量のレナリドミドと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前の患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、
当該方法を提供する。
【0035】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
レナリドミドと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前の患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、
当該方法を提供する。
【0036】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前に患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、
当該方法を提供する。
【0037】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含み、投与することを開始する前に患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、当該方法を提供する。
【0038】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1~10日目の各々での25mg用量のレナリドミドと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前に患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、
当該方法を提供する。
【0039】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
レナリドミドと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前に患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、
当該方法を提供する。
【0040】
ある特定の態様では、本開示は、
12mg/kg体重用量のタファシタマブと、
375mg/m2用量のリツキシマブと、
750mg/m2用量のシクロホスファミドと、
50mg/m2用量のドキソルビシンと、
1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと、
100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の治療薬組合せに関する。
【0041】
ある特定の態様では、本開示は、
12mg/kg体重用量のタファシタマブと、
25mg用量のレナリドミドと、
375mg/m2用量のリツキシマブと、
750mg/m2用量のシクロホスファミドと、
50mg/m2用量のドキソルビシンと、
1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと、
100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の治療薬組合せに関する。
【0042】
ある特定の態様では、本開示は、
タファシタマブと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の治療薬組合せに関する。
【0043】
ある特定の態様では、本開示は、
タファシタマブと、
レナリドミドと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の治療薬組合せに関する。
【0044】
ある特定の実施形態では、タファシタマブは、配列SYVMH(配列番号1)を含むHCDR1領域、配列NPYNDG(配列番号2)を含むHCDR2領域、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含むHCDR3領域、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含むLCDR1領域、配列RMSNLNS(配列番号5)を含むLCDR2領域、及び配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含むLCDR3領域を含む、抗CD19抗体に置き換えられる。
【0045】
ある特定の実施形態では、タファシタマブは、配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)
の可変重鎖、及び配列
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIK(配列番号8)
の可変軽鎖を含む抗CD19抗体に置き換えられる。
【0046】
ある特定の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体は、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体である。本開示の別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体はIgGアイソタイプのものである。別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗体は、IgG1、IgG2またはIgG1/IgG2キメラである。本開示の別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体のアイソタイプは、抗体依存性細胞傷害を増強するように操作されている。別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体の重鎖定常領域はアミノ酸239D及び332Eを含み、ここで、Fc付番はKabatのEUインデックスに従う。別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体は、IgG1、IgG2またはIgG1/IgG2であり、抗CD19抗体のキメラ重鎖定常領域はアミノ酸239D及び332Eを含み、ここで、Fc付番はKabatのEUインデックスに従う。
【0047】
別の態様では、本開示は、治療的有効量の、ヒトCD19に結合する抗体、レナリドミド及びリツキシマブをヒト対象に投与することによって、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病または急性リンパ芽球性白血病の治療を、それを必要とするヒト対象において行う方法を提供する。特定の実施形態では、治療的有効量の、ヒトCD19に結合する抗体、レナリドミド及びリツキシマブの投与は、相乗効果を有する。
【0048】
別の態様では、本開示は、相乗的組合せである組合せをヒト対象に投与することによって、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病または急性リンパ芽球性白血病の治療を、それを必要とするヒト対象において行う方法を提供する。一つのそのような実施形態では、相乗的組合せは、
(i)タファシタマブ(ii)レナリドミド及び(iii)リツキシマブ
を含み、タファシタマブ(i)とレナリドミド(ii)とが相乗的であり、(i)タファシタマブと(iii)リツキシマブとが相乗的であり、(i)タファシタマブと(ii)レナリドミドと(iii)リツキシマブとが相乗的である。一実施形態では、相乗的組合せは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFをさらに含む。
【0049】
一態様では、本発明は、相乗的組合せである組合せをヒト対象に投与することによって、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病または急性リンパ芽球性白血病の治療を、それを必要とするヒト対象において行う方法を提供する。一つのそのような実施形態では、相乗的組合せは、
(i)タファシタマブとレナリドミドとのとの組合せ、及び(ii)リツキシマブ
を含み、組合せ(i)と、リツキシマブ(ii)との組合せは相乗効果を有する。一実施形態では、相乗的組合せは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFをさらに含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体は、可変重鎖(VH)相補性決定領域(CDR)1、VH CDR2、及びVH CDR3を含む、VHドメインを含み、
VH CDR1がアミノ酸配列SYVMH(配列番号1)を含み、
VH CDR2がアミノ酸配列NPYNDG(配列番号2)を含み、
VH CDR3がアミノ酸配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含み、
当該抗体は、可変軽鎖(VL)CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3を含む、VLドメインを含み、
VL CDR1がアミノ酸配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含み、
VL CDR2がアミノ酸配列RMSNLNS(配列番号5)を含み、
VL CDR3がアミノ酸配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、VHドメインは、アミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)
を含み、VLドメインは、アミノ酸配列
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIK(配列番号8)
を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体は重鎖及び軽鎖を含む、重鎖は、配列番号11で示されるアミノ酸配列を含み、軽鎖は、配列番号12で示されるアミノ酸配列を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、ヒト対象は非ホジキンリンパ腫(例えば、再発性/難治性非ホジキンリンパ腫)を有する。
【0054】
いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は濾胞性リンパ腫(例えば、再発性/難治性濾胞性リンパ腫、組織学的に裏付けられたグレード1、2もしくは3aの濾胞性リンパ腫、または組織学的に裏付けられたグレード1、2もしくは3aの再発性/難治性濾胞性リンパ腫)である。
【0055】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、非ホジキンリンパ腫は濾胞性リンパ腫(例えば、組織学的に裏付けられたグレード1、2または3aの濾胞性リンパ腫)である。
【0056】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、非ホジキンリンパ腫は再発性/難治性濾胞性リンパ腫(例えば、組織学的に裏付けられたグレード1、2または3aの再発性/難治性濾胞性リンパ腫)である。
【0057】
いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は辺縁帯リンパ腫(例えば、再発性/難治性辺縁帯リンパ腫、組織学的に裏付けられた節性辺縁帯リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫、粘膜関連リンパ組織節外性辺縁帯リンパ腫、組織学的に裏付けられた節性再発性/難治性辺縁帯リンパ腫、脾再発性/難治性辺縁帯リンパ腫または粘膜関連リンパ組織節外性再発性/難治性辺縁帯リンパ腫)である。
【0058】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、非ホジキンリンパ腫は辺縁帯リンパ腫(例えば、組織学的に裏付けられた節性辺縁帯リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫、粘膜関連リンパ組織節外性辺縁帯リンパ腫)である。
【0059】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、非ホジキンリンパ腫は再発性/難治性辺縁帯リンパ腫(例えば、組織学的に裏付けられた節性再発性/難治性辺縁帯リンパ腫、脾再発性/難治性辺縁帯リンパ腫または粘膜関連リンパ組織節外性再発性/難治性辺縁帯リンパ腫)である。
【0060】
いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(例えば、再発性/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)である。
【0061】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、非ホジキンリンパ腫はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(例えば、再発性/難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)である。
【0062】
いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は小リンパ球性リンパ腫(例えば、再発性/難治性小リンパ球性リンパ腫)である。
【0063】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、非ホジキンリンパ腫は小リンパ球性リンパ腫(例えば、再発性/難治性小リンパ球性リンパ腫)である。
【0064】
いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は粘膜関連リンパ組織リンパ腫(例えば、再発性/難治性粘膜関連リンパ組織リンパ腫)である。
【0065】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、非ホジキンリンパ腫は粘膜関連リンパ組織リンパ腫(例えば、再発性/難治性粘膜関連リンパ組織リンパ腫)である。
【0066】
いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫はバーキットリンパ腫(例えば、再発性/難治性バーキットリンパ腫)である。
【0067】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、非ホジキンリンパ腫はバーキットリンパ腫(例えば、再発性/難治性バーキットリンパ腫)である。
【0068】
いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫はマントル細胞リンパ腫(例えば、再発性/難治性マントル細胞リンパ腫)である。
【0069】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、非ホジキンリンパ腫はマントル細胞リンパ腫(例えば、再発性/難治性マントル細胞リンパ腫)である。
【0070】
いくつかの実施形態では、ヒト対象は、慢性リンパ球性白血病(例えば、再発性/難治性慢性リンパ球性白血病)を有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、ヒト対象は、慢性リンパ球性白血病(例えば、再発性/難治性慢性リンパ球性白血病)を有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、ヒト対象は、急性リンパ芽球性白血病(例えば、再発性/難治性急性リンパ芽球性白血病)を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体はタファシタマブであり、ヒト対象は、急性リンパ芽球性白血病(例えば、再発性/難治性急性リンパ芽球性白血病)を有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)は用量12mg/kgで静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)は、12mg/kgの用量で2週間ごとに少なくとも1回、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)は、以下のスケジュール:
第1の28日サイクルの1、8、15及び22日目;
第2の28日サイクルの1、8、15及び22日目;
第3の28日サイクルの1、8、15及び22日目;ならびに
第4の28日サイクルの1及び15日目とその後のさらなる28日サイクルの1及び15日目
に従って12mg/kgの用量で静脈内に投与される。
【0075】
いくつかの実施形態では、リツキシマブは静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは375mg/m2の用量で静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは、以下のスケジュール:
第1の28日サイクルの1、8、15及び22日目;ならびに
第2の28日サイクルの1日目とその後のさらなる28日サイクルの1日目
に従って375mg/m2の用量で静脈内に投与される。
【0076】
いくつかの実施形態では、レナリドミドは経口投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは20mgの用量で経口投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、繰り返される28日サイクルの1~21日目に20mgの用量で経口投与される。
【0077】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)は静脈内に投与され、リツキシマブは静脈内に投与され、レナリドミドは経口投与される。
【0078】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)は用量12mg/kgで静脈内に投与され、リツキシマブは375mg/m2の用量で静脈内に投与され、レナリドミドは20mgの用量で経口投与される。
【0079】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)は、以下のスケジュール:
第1の28日サイクルの1、8、15及び22日目;
第2の28日サイクルの1、8、15及び22日目;
第3の28日サイクルの1、8、15及び22日目;ならびに
第4の28日サイクルの1及び15日目とその後のさらなる28日サイクルの1及び15日目
に従って用量12mg/kgで静脈内に投与され、リツキシマブは、以下のスケジュール:
第1の28日サイクルの1、8、15及び22日目;ならびに
第2の28日サイクルの1日目とその後のさらなる28日サイクルの1日目
に従って375mg/m2の用量で静脈内に投与され、レナリドミドは、繰り返される28日サイクルの1~21日目に20mgの用量で経口投与される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1】実施例1に記述される治験デザインの概略図である。
【
図2】器官別大分類(SOC)によるTEAEのまとめを示す。
【
図4】Front-MIND治験の全体的試験デザインを示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
「CD19」という用語は、以下の別名を有するCD19として知られるタンパク質を指す:B4、Bリンパ球抗原CD19、Bリンパ球表面抗原B4、CVID3、分化抗原CD19、MGC12802、及びT細胞表面抗原Leu-12。
【0082】
ヒトCD19は、
MPPPRLLFFLLFLTPMEVRPEEPLVVKVEEGDNAVLQCLKGTSDGPTQQLTWSRESPLKPFLKLSLGLPGLGIHMRPLAIWLFIFNVSQQMGGFYLCQPGPPSEKAWQPGWTVNVEGSGELFRWNVSDLGGLGCGLKNRSSEGPSSPSGKLMSPKLYVWAKDRPEIWEGEPPCLPPRDSLNQSLSQDLTMAPGSTLWLSCGVPPDSVSRGPLSWTHVHPKGPKSLLSLELKDDRPARDMWVMETGLLLPRATAQDAGKYYCHRGNLTMSFHLEITARPVLWHWLLRTGGWKVSAVTLAYLIFCLCSLVGILHLQRALVLRRKRKRMTDPTRRFFKVTPPPGSGPQNQYGNVLSLPTPTSGLGRAQRWAAGLGGTAPSYGNPSSDVQADGALGSRSPPGVGPEEEEGEGYEEPDSEEDSEFYENDSNLGQDQLSQDGSGYENPEDEPLGPEDEDSFSNAESYENEDEELTQPVARTMDFLSPHGSAWDPSREATSLGSQSYEDMRGILYAAPQLRSIRGQPGPNHEEDADSYENMDNPDGPDPAWGGGGRMGTWSTR(配列番号13)
のアミノ酸配列を有する。
【0083】
「タファシタマブ」、「MOR00208」及び「XmAb5574」は、表1の抗体を表すための同義語として使用される。表1はタファシタマブのアミノ酸配列を示す。タファシタマブの完全長重鎖アミノ酸配列は配列番号11として示され、タファシタマブの軽鎖アミノ酸配列は配列番号12として示される。タファシタマブは、参照により全体が援用される米国特許第8,524,867号に記載されている(米国特許第8,524,867号において、タファシタマブの完全重鎖は配列番号87であり、タファシタマブの完全軽鎖は配列番号106である)。タファシツマブ(Tafasitumab)には、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されたMonjuvi(登録商標)(タファシツマブ-cxix(tafasitumab-cxix))が含まれる。
【0084】
本明細書で使用される「抗体」という用語は、抗原と相互作用する、ジスルフィド結合によって相互連結された少なくとも2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖を含むタンパク質を指す。各重鎖は、可変重鎖領域(本明細書ではVHと略される)及び重鎖定常領域で構成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2及びCH3で構成される。各軽鎖は、可変軽鎖領域(本明細書ではVLと略される)及び軽鎖定常領域で構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLで構成される。VH及びVL領域は、より保存されたフレームワーク領域(FR)と呼称される領域によって相互離隔された相補性決定領域(CDR)と呼称される超可変性の領域にさらに細分され得る。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序で並んだ3つのCDR及び4つのFRから成り立っている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4。重軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。「抗体」という用語は、例えば、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化抗体及びキメラ抗体を含む。抗体は、任意のアイソタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)、サブクラスまたはその特定の組合せのものであり得る。軽重鎖は両者とも、構造的及び機能的相同性の領域に分けられる。
【0085】
本明細書で使用される「抗体断片」という語句は、(例えば、結合、立体障害、安定化空間分布によって)抗体と特異的に相互作用する能力を保持している抗体の1つ以上の部分を指す。結合断片の例としては、Fab断片、VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価断片;F(ab)2断片、ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片;VH及びCH1ドメインからなるFd断片;抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFv断片;VHドメインからなるものであるdAb断片(Ward et al.,(1989)Nature 341:544-546);ならびに単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられるが、これらに限定されない。さらには、Fv断片の2つのドメイン、VL及びVHは別個の遺伝子にコードされているが、組換え法を用いて、VL及びVH領域が対になって一価分子を形成した一本のタンパク質鎖(一本鎖Fv(scFv)として知られており、例えば、Bird et al.,(1988)Science 242:423-426、及びHuston et al.,(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85:5879-5883を参照されたい)としてそれらを作ることを可能にする合成リンカーによってそれらが連結されてもよい。そのような一本鎖抗体も、「抗体断片」という用語に包含されることを意図する。これらの抗体断片は、当業者に知られている従来技術を用いて得られ、断片は、完全抗体の場合と同様に、利用のためのスクリーニングにかけられる。抗体断片はまた、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v-NAR及びbis-scFv(例えば、Hollinger and Hudson,(2005)Nature Biotechnology 23:1126-1136を参照されたい)にも組み込まれ得る。抗体断片は、フィブロネクチンIII型(Fn3)などのポリペプチドに基づく足場に植え継ぎされ得る(フィブロネクチンポリペプチドモノボディについて記載している米国特許第6,703,199号を参照されたい)。抗体断片は、相補性軽鎖ポリペプチドと一緒に一対の抗原結合部位を形成する一対の縦列Fvセグメント(VH-CH1-VH-CH1)を含む一本鎖分子に組み込まれ得る(Zapata et al.,(1995)Protein Eng.8:1057-1062、及び米国特許第5,641,870号)。
【0086】
「投与される」または「投与」は、限定されないが、注射剤形、例えば、静脈内、筋肉内、皮内もしくは皮下経路などによる、または経粘膜経路による、例えば、鼻腔用スプレーもしくは吸入用エアゾールとしての、または内服用液剤としての、例えばカプセル剤または錠剤としての薬物の送達を含む。
【0087】
「エフェクター機能」という用語は、抗体アイソタイプによって様々である、抗体のFc領域によるものとされる生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の非限定的な例としては、C1q結合、及び補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合、及び抗体依存性細胞傷害(ADCC)、及び/または抗体依存性細胞貪食(ADCP);細胞表面受容体(例えばB細胞受容体)の下方制御;及びB細胞活性化が挙げられる。
【0088】
「抗体依存性細胞傷害」または「ADCC」は、ある特定の細胞傷害性細胞(例えば、NK細胞、好中球及びマクロファージ)の上に存在しているFc受容体(FcR)に結合した抗体によって、これらの細胞傷害性エフェクター細胞が抗原保有標的細胞に特異的に結合し、続いて標的細胞を細胞毒で殺滅することが可能になる、細胞傷害の形態を指す。ADCCを媒介するための主要な細胞であるNK細胞はFc RIIIのみを発現するが、他方、単球は、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。
【0089】
非ホジキンリンパ腫(「NHL」)は、リンパ球に起因する異種混合の悪性腫瘍である。アメリカ合衆国(米国)において発症例は、およそ20,000件を死亡例とする65,000件/年と推定される(American Cancer Society,2006、及びSEER Cancer Statistics Review)。当該疾患はあらゆる年齢で起こり得、大抵の発症は40歳を上回る成人で始まり、年齢とともに発症率が上昇する。NHLは、リンパ節、血液、骨髄及び脾臓に蓄積するリンパ球のクローン性増殖を特徴としているが、但し、どの主要臓器も関係し得る。病理学者及び臨床医によって用いられている現行の分類体系は世界保健機構(WHO)腫瘍分類であるが、これは、NHLを前駆及び成熟B細胞またはT細胞新生物に組織している。PDQは現在、臨床試験への登録のためにNHLを緩慢性または侵攻性として分けている。緩慢性NHL群は、主に、濾胞性亜型、小リンパ球性リンパ腫、MALT(粘膜関連リンパ組織)及び辺縁帯で構成され、緩慢性は、新たに診断されたB細胞NHL患者のおよそ50%を包含する。侵攻性NHLは、主としてびまん性大細胞型B細胞(DLBL、「DLBCL」またはDLCL)(すべての新たに診断された患者の40%はびまん性大細胞型を有する)、バーキット及びマントル細胞(「MCL」)の組織学的診断を有する患者を含む。NHLの臨床経過は不定性が高い。臨床経過の主要決定因子は、組織学的亜型である。現在まで、研究が早期介入による生存期間の改善を実証したことはない。非症候性患者においては、患者が症候性になるまで、または疾患ペースが加速していると見受けられるまで「観察して待つ」ことが許容可能である。時間の経過とともに疾患はより侵攻性の組織学に変移する可能性がある。生存期間中央値は8~10年であり、無痛性患者は彼らの疾患の治療期の間に3回以上の治療を受けることが多い。症候性無痛性NHL患者の初回治療は、歴史的には併用化学療法であった。最も一般的に使用される薬剤としては、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びプレドニゾン(CVP);またはシクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチン、プレドニゾン(CHOP)が挙げられる。患者のおよそ70%~80%は、彼らの初回化学療法が奏効することになり、寛解の持続期間が2~3年程度続くことになる。最終的には、患者の大半において再発する。抗CD20抗体であるリツキシマブの発見及び臨床使用は、奏効率及び生存率における著しい改善をもたらした。ほとんどの患者に対する現行の標準治療は、リツキシマブ+CHOP(R-CHOP)、またはリツキシマブ+CVP(R-CVP)である。リツキシマブ療法は、いくつかのタイプのNHLにおいて有効であることが示され、緩慢性(濾胞性リンパ腫)及び侵攻性NHL(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)の両方に対する最前線の治療として現在承認されている。しかしながら、抗CD20モノクローナル抗体(mAb)の重要な制限が存在し、これには、初期抵抗性(再発無痛性患者で50%奏効)、獲得抵抗性(再治療で50%奏効率)、稀な完全奏効(再発集団で2%の完全奏効率)、及び再発の連続パターンが含まれる。最後に、多くのB細胞はCD20を発現せず、このため、多くのB細胞障害は、抗CD20抗体療法を用いて治療することができない。
【0090】
この文脈で使用される「対象」または「患者」は、ヒト患者を指す。
【0091】
「Fc領域」は、免疫グロブリン重鎖のC末端側領域を画定するために使用される。免疫グロブリンのFc領域は、一般に、2つの定常ドメイン、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含む。本明細書に特に明記されていない限り、Fc領域内のアミノ酸残基の付番は、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991の中に記載されているEUインデックスとも呼ばれるEU付番方式に従う。
【0092】
本開示に従って投与される薬剤は、治療的有効量で患者に投与される。「治療的有効量」は、所与の疾患または障害の臨床兆候のいくらかの改善をもたらすのに十分な量を指す。
【0093】
「生存期間」は、生き残っている患者を指し、全生存期間及び無増悪生存期間を含む。
【0094】
「全生存期間」または「OS」は、診断または治療の時から所定の期間、例えば、12ヶ月間、24ヶ月間、3年間、5年間などにわたって生き残っている患者を指す。
【0095】
「無増悪生存期間」または「PFS」は、がんが進行または悪化することなく生き残っている患者を指す。疾患進行は、任意の臨床的に受け入れられている方法によって証拠付けられ得る。
【0096】
「生存期間を延ばすこと」または「生存期間を改善すること」とは、本開示に従って治療された患者の全生存期間または無増悪生存期間を、未治療患者に比べて、及び/または承認された1つ以上の抗腫瘍剤で治療されたが本開示による治療を受けていない患者に比べて増大させることを意味する。
【0097】
「客観的奏効」または「全奏効」は、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を含めた測定可能な奏効を指す。
【0098】
「完全奏効」または「CR」とは、治療に応答してがんのすべての兆候が消失することを意味する。これは、必ずしもがんが治癒したことを意味するとは限らない
【0099】
「部分奏効」または「PR」は、治療に応答した、1つ以上の腫瘍もしくは病巣のサイズの減少、または身体におけるがんの程度の軽減を意味する。
【0100】
「組み合わせて」は、1つの療法を別の療法に加えて施与することを意味する。したがって、「と組み合わせて」は、同時(例えば、同時発生的)投与及び任意の順序での連続投与を含む。非限定的な例を挙げると、第1療法(例えば、タファシタマブのような抗CD19抗体などの薬剤)は、第2療法(例えば、1つまたは複数の医薬剤)の施与の前(例えば、1分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、3時間前、4時間前、5時間前、6時間前、7時間前、8時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前、8週間前、9週間前、10週間前、11週間前または12週間前)、それと同時発生的、またはその後(例えば、1分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、7時間後、8時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、7週間後、8週間後、9週間後、10週間後、11週間後または12週間以上後)に患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、「組合せ」という用語は、抗CD19抗体と1つまたは複数の医薬剤とが同時または逐次的に投与されることを意味する。ある特定の実施形態では、抗CD19抗体と1つまたは複数の医薬剤とが別個の組成物として投与され、つまり、抗CD19抗体と1つまたは複数の医薬剤とが各々別個の単位剤形として投与される。適切な投薬プロトコールに従って抗CD19抗体と1つまたは複数の医薬剤とが同じ日または異なる日に任意の順序で投与されることは、理解される。
【0101】
「レナリドミド」は、以下の構造:
【化1】
を有する。
【0102】
一態様では、本開示は、ヒト対象におけるDLBCLを治療する方法であって、タファシタマブとR-CHOPとの組合せ、またはタファシタマブとレナリドミドとR-CHOPとの組合せを対象に投与することを含む、当該方法に関する。
【0103】
不特定のB細胞リンパ腫におけるCD19抗体の使用についてはWO2007076950(US2007154473)の中で論述されており、参照によりこれらの両方を援用する。CLL、NHL及びALLにおけるCD19抗体の使用についてはScheuermann et al.,CD19 Antigen in Leukemia and Lymphoma Diagnosis and Immunotherapy,Leukemia and Lymphoma,Vol.18,385-397(1995)の中に記載があり、参照によりその全体を援用する。
【0104】
CD19に対して特異的なさらなる抗体は、WO2005012493(US7109304)、WO2010053716(US12/266,999)(Immunomedics)、WO2007002223(US US8097703)(Medarex)、WO2008022152(12/377,251)及びWO2008150494(Xencor)、WO2008031056(US11/852,106)(Medimmune)、WO2007076950(US11/648,505)(Merck Patent GmbH)、WO2009/052431(US12/253,895)(Seattle Genetics)、及びWO2010095031(12/710,442)(Glenmark Pharmaceuticals)、WO2012010562及びWO2012010561(International Drug Development)、WO2011147834(Roche Glycart)、及びWO2012/156455(Sanofi)の中で記載されており、参照によりそれらすべての全体を援用する。
【0105】
医薬組成物は、ヒトにおける治療的使用のための活性薬剤、例えば抗体を含む。医薬組成物は、付加的に、薬学的に許容される担体または賦形剤を含み得る。
【0106】
さらなる実施形態
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するための、抗CD19抗体及びR-CHOPを含む医薬組合せを提供する。
【0107】
本開示は、さらには、DLBCLを有する患者の治療に使用するための、抗CD19抗体、レナリドミド及びR-CHOPを含む医薬組合せを提供する。
【0108】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するための抗CD19抗体であって、R-CHOPと組み合わせて投与される、当該抗CD19抗体を提供する。
【0109】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するための、タファシタマブ及びR-CHOPを含む医薬組合せを提供する。
【0110】
本開示は、さらには、DLBCLを有する患者の治療に使用するための、タファシタマブ、レナリドミド及びR-CHOPを含む医薬組合せを提供する。
【0111】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するためのタファシタマブであって、R-CHOPと組み合わせて投与される、当該タファシタマブを提供する。
【0112】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するためのタファシタマブであって、レナリドミド及びR-CHOPと組み合わせて投与される、当該タファシタマブを提供する。
【0113】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するためのタファシタマブであって、R-CHOPと組み合わせて投与される、当該タファシタマブを提供する。特定の実施形態では、タファシタマブのR-CHOPとの組合せは相乗的である。
【0114】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するためのタファシタマブであって、レナリドミド及びR-CHOPと組み合わせて投与される、当該タファシタマブを提供する。特定の実施形態では、タファシタマブのレナリドミド及びR-CHOPとの組合せは相乗的である。別の特定の実施形態では、タファシタマブ及びレナリドミドのR-CHOPとの組合せは相乗効果を有する。
【0115】
一実施形態では、相乗的組合せは、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFをさらに含む。
【0116】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するためのタファシタマブであって、
リツキシマブ、
シクロホスファミド、
ドキソルビシン、
ビンクリスチン
と組み合わせて投与され、プレドニゾンまたはプレドニゾロンが100mg用量で投与される、当該タファシタマブを提供する。
【0117】
ある特定の実施形態では、レナリドミドが共投与される。ある特定の実施形態では、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFが共投与される。
【0118】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するためのタファシタマブであって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目のタファシタマブと;
21日サイクルの1日目のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々でのプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含む、当該タファシタマブを提供する。
【0119】
ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む。ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む。
【0120】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するためのタファシタマブであって、R-CHOPと組み合わせて投与され、
タファシタマブが8mg/kg~40mg/kgの体重用量で投与され;
リツキシマブが375mg/m2用量で投与され;
シクロホスファミドが750mg/m2用量で投与され;
ドキソルビシンが50mg/m2用量で投与され;
ビンクリスチンが1.4~2.0mg/m2用量で投与され;
プレドニゾンまたはプレドニゾロンが100mg用量で投与される、
当該タファシタマブを提供する。
【0121】
ある特定の実施形態では、レナリドミドが共投与される。ある特定の実施形態では、25mg用量のレナリドミドが共投与される。ある特定の実施形態では、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFが共投与される。
【0122】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するためのタファシタマブであって、R-CHOPと組み合わせて投与され、
タファシタマブが12mg/kg体重用量で投与され;
リツキシマブが375mg/m2用量で投与され;
シクロホスファミドが750mg/m2用量で投与され;
ドキソルビシンが50mg/m2用量で投与され;
ビンクリスチンが1.4~2.0mg/m2用量で投与され;
プレドニゾンまたはプレドニゾロンが100mg用量で投与される、
当該タファシタマブを提供する。
【0123】
ある特定の実施形態では、レナリドミドが共投与される。ある特定の実施形態では、25mg用量のレナリドミドが共投与される。ある特定の実施形態では、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFが共投与される。
【0124】
本開示は、DLBCLを有する患者の治療に使用するためのタファシタマブであって、少なくとも1回の21日サイクルにおいてR-CHOPと組み合わせて投与され、
タファシタマブが21日サイクルの1日目、8日目及び15日目に12mg/kg体重用量で投与され;
リツキシマブが21日サイクルの1日目に375mg/m2用量で投与され;
シクロホスファミドが21日サイクルの1日目に750mg/m2用量で投与され;
ドキソルビシンが21日サイクルの1日目に50mg/m2用量で投与され;
ビンクリスチンが21日サイクルの1日目に1.4~2.0mg/m2用量で投与され;
プレドニゾンまたはプレドニゾロンが21日サイクルの1~5日目の各々に100mg用量で投与される、
当該タファシタマブを提供する。
【0125】
ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む。ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む。
【0126】
ある特定の実施形態では、レナリドミドが共投与される。ある特定の実施形態では、21日サイクルの1~10日目の各々に25mg用量のレナリドミドが共投与される。ある特定の実施形態では、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFが共投与される。
【0127】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者のための治療であって、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せを患者に投与することを含む、当該治療を提供する。
【0128】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者のための治療であって、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの組合せを患者に投与することを含む、当該治療を提供する。
【0129】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0130】
ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む。ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む。
【0131】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0132】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1~10日目の各々での25mg用量のレナリドミドと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0133】
ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む。ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む。
【0134】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
レナリドミドと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0135】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前の患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、
当該方法を提供する。
【0136】
ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む。ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む。
【0137】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前の患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、
当該方法を提供する。
【0138】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1~10日目の各々での25mg用量のレナリドミドと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前の患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、
当該方法を提供する。
【0139】
ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む。ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む。
【0140】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
レナリドミドと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前の患者の国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である、
当該方法を提供する。
【0141】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前に患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、
当該方法を提供する。
【0142】
ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む。ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む。
【0143】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前に患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、
当該方法を提供する。
【0144】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、少なくとも1回の21日サイクルにおいて、
21日サイクルの1日目、8日目及び15日目の12mg/kg体重用量のタファシタマブと;
21日サイクルの1~10日目の各々での25mg用量のレナリドミドと;
21日サイクルの1日目の375mg/m2用量のリツキシマブと;
21日サイクルの1日目の750mg/m2用量のシクロホスファミドと;
21日サイクルの1日目の50mg/m2用量のドキソルビシンと;
21日サイクルの1日目の1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと;
21日サイクルの1~5日目の各々での100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前に患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、
当該方法を提供する。
【0145】
ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも3回投与することを含む。ある特定の実施形態では、治療は、患者に組合せの21日サイクルを少なくとも6回投与することを含む。
【0146】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、治療量の、
タファシタマブと、
レナリドミドと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の組合せを患者に投与することを含み、
投与することを開始する前に患者がステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する、
当該方法を提供する。
【0147】
ある特定の態様では、本開示は、
12mg/kg体重用量のタファシタマブと、
375mg/m2用量のリツキシマブと、
750mg/m2用量のシクロホスファミドと、
50mg/m2用量のドキソルビシンと、
1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと、
100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の治療薬組合せに関する。
【0148】
ある特定の態様では、本開示は、
12mg/kg体重用量のタファシタマブと、
25mg用量のレナリドミドと、
375mg/m2用量のリツキシマブと、
750mg/m2用量のシクロホスファミドと、
50mg/m2用量のドキソルビシンと、
1.4~2.0mg/m2用量のビンクリスチンと、
100mg用量のプレドニゾンまたはプレドニゾロンと
の治療薬組合せに関する。
【0149】
ある特定の態様では、本開示は、
タファシタマブと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の治療薬組合せに関する。
【0150】
ある特定の態様では、本開示は、
タファシタマブと、
レナリドミドと、
リツキシマブと、
シクロホスファミドと、
ドキソルビシンと、
ビンクリスチンと、
プレドニゾンまたはプレドニゾロンと、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)またはペグ化G-CSFと
の治療薬組合せに関する。
【0151】
ある特定の態様では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せを投与することは、抗CD19抗体とR-CHOPとを組み合わせて同時に投与することによって行われる。ある特定の態様では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せを投与することは、抗CD19抗体及びR-CHOPを順次連続的に投与することによって行われる。ある特定の態様では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せを投与することは、抗CD19抗体及びR-CHOPを逆の順序で連続的に投与することによって行われる。
【0152】
ある特定の態様では、タファシタマブとR-CHOPとの組合せを投与することは、タファシタマブとR-CHOPとを組み合わせて同時に投与することによって行われる。ある特定の態様では、タファシタマブとR-CHOPとの組合せを投与することは、抗CD19抗体及びR-CHOPを順次連続的に投与することによって行われる。ある特定の態様では、タファシタマブとR-CHOPとの組合せを投与することは、タファシタマブ及びR-CHOPを逆の順序で連続的に投与することによって行われる。
【0153】
ある特定の態様では、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの組合せを投与することは、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとを組み合わせて同時に投与することによって行われる。ある特定の態様では、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの組合せを投与することは、抗CD19抗体、レナリドミド及びR-CHOPを順次連続的に投与することによって行われる。ある特定の態様では、抗CD19抗体とレナリドミドとR-CHOPとの組合せを投与することは、抗CD19抗体及びR-CHOPを逆の順序で連続的に投与することによって行われる。
【0154】
ある特定の態様では、タファシタマブとレナリドミドとR-CHOPとの組合せを投与することは、タファシタマブとレナリドミドとR-CHOPとを組み合わせて同時に投与することによって行われる。ある特定の態様では、タファシタマブとレナリドミドとR-CHOPとの組合せを投与することは、抗CD19抗体及びR-CHOPを順次連続的に投与することによって行われる。ある特定の態様では、タファシタマブとレナリドミドとR-CHOPとの組合せを投与することは、タファシタマブ及びR-CHOPを逆の順序で連続的に投与することによって行われる。
【0155】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、タファシタマブの各用量が8mg/kg体重~40mg/kg体重である、当該方法を提供する。ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、タファシタマブの各用量が500mg~3000mgである、当該方法を提供する。
【0156】
ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、レナリドミドの用量が1日1回20mgである、当該方法を提供する。ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、レナリドミドの用量が1日1回15mgである、当該方法を提供する。ある特定の態様では、本開示は、DLBCLを有する患者を治療する方法であって、レナリドミドの用量が1日1回15mgである、当該方法を提供する。
【0157】
ある特定の実施形態では、タファシタマブは、配列SYVMH(配列番号1)を含むHCDR1領域、配列NPYNDG(配列番号2)を含むHCDR2領域、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)を含むHCDR3領域、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)を含むLCDR1領域、配列RMSNLNS(配列番号5)を含むLCDR2領域、及び配列MQHLEYPIT(配列番号6)を含むLCDR3領域を含む、抗CD19抗体に置き換えられる。
【0158】
ある特定の実施形態では、タファシタマブは、配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGYTFTSYVMHWVRQAPGKGLEWIGYINPYNDGTKYNEKFQGRVTISSDKSISTAYMELSSLRSEDTAMYYCARGTYYYGTRVFDYWGQGTLVTVSS(配列番号7)
の可変重鎖、及び配列
DIVMTQSPATLSLSPGERATLSCRSSKSLQNVNGNTYLYWFQQKPGQSPQLLIYRMSNLNSGVPDRFSGSGSGTEFTLTISSLEPEDFAVYYCMQHLEYPITFGAGTKLEIK(配列番号8)
の可変軽鎖を含む、抗CD19抗体に置き換えられる。
【0159】
本開示のある特定の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体は、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体である。本開示の別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体はIgGアイソタイプのものである。別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗体は、IgG1、IgG2またはIgG1/IgG2キメラである。本開示の別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体のアイソタイプは、抗体依存性細胞傷害を増強するように操作されている。別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体の重鎖定常領域はアミノ酸239D及び332Eを含み、ここで、Fc付番はKabatのEUインデックスに従う。別の実施形態では、タファシタマブを置き換えている抗CD19抗体は、IgG1、IgG2またはIgG1/IgG2であり、抗CD19抗体のキメラ重鎖定常領域はアミノ酸239D及び332Eを含み、ここで、Fc付番はKabatのEUインデックスに従う。
【0160】
本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)及びレナリドミド及びリツキシマは、非ホジキンリンパ腫の治療をそれを必要とするヒト対象において行うために組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は再発性/難治性濾胞性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は再発性/難治性辺縁帯リンパ腫である。
【0161】
別の態様は、非ホジキンリンパ腫の治療に使用するための、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)とレナリドミドとリツキシマブとの組合せを含む。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は再発性/難治性濾胞性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は再発性/難治性辺縁帯リンパ腫である。
【0162】
別の態様は、非ホジキンリンパ腫を治療するための医薬品の製造において、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)とレナリドミドとリツキシマブとの組合せを含む。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は、濾胞性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は再発性/難治性濾胞性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、非ホジキンリンパ腫は再発性/難治性辺縁帯リンパ腫である。
【0163】
本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)及びレナリドミド及びリツキシマブは、慢性リンパ球性白血病の治療をそれを必要とするヒト対象において行うために組み合わせて使用され得る。
【0164】
別の態様は、慢性リンパ球性白血病の治療に使用するための、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)とレナリドミドとリツキシマブとの組合せを含む。
【0165】
別の態様は、慢性リンパ球性白血病を治療するための医薬品の製造において、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)とレナリドミドとリツキシマブとの組合せを含む。
【0166】
本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)及びレナリドミド及びリツキシマブは、急性リンパ芽球性白血病の治療をそれを必要とするヒト対象において行うために使用され得る。
【0167】
別の態様は、急性リンパ芽球性白血病の治療に使用するための、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)とレナリドミドとリツキシマブとの組合せを含む。
【0168】
別の態様は、急性リンパ芽球性白血病を治療するための医薬品の製造において、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)とレナリドミドとリツキシマブとの組合せを含む。
【0169】
本明細書に記載の組合せの特定の実施形態では、本明細書に記載の抗CD19抗体(例えば、タファシタマブ)とレナリドミドとリツキシマブとの組合せは相乗的である。いくつかの実施形態では、レナリドミド及び/またはリツキシマブは、抗CD19抗体の投与に先立って投与される。
【0170】
いくつかの実施形態では、レナリドミド及び/またはリツキシマブは、抗CD19抗体の投与の後に投与される。
【0171】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体及びレナリドミド及び/またはリツキシマブは、同時に、または一緒に投与される。
【0172】
治療の臨床的奏効を評価する方法は当技術分野で知られており、例えば、Lugano分類(Cheson,2014、付録D参照)に基づく奏効評価を含む。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せの投与は、客観的奏効(OR)、部分奏効(PR)または完全奏効(CR)からなる群から選択される治療効果をもたらす。一実施形態では、治療効果は客観的奏効(OR)である。一実施形態では、治療効果は部分奏効(PR)である。一実施形態では、治療効果は完全奏効(CR)である。
【0173】
抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せの投与の後の治療効果は、DLBCLを有する患者の集団における奏効率(例えば、OR率(ORR)、PR率(PRR)及び/またはCR率(CRR))、奏効持続期間(DoR)率または完全奏効持続期間(DoCR)率に基づいて立証された、DLBCLを有する患者の集団における奏効率(例えば、OR率(ORR)、PR率(PRR)及び/またはCR率(CRR))、奏効持続期間(DoR)率または完全奏効持続期間(DoCR)率に基づいて立証され得る。集団における奏効率に基づいて立証され得る治療効果に対する言及は、療法が指定の奏効率を有することが以前に示されている状況に関係し得、例えば、抗CD19抗体に関する包装品挿入物及び/または認可は、臨床試験におけるその奏効率を示している研究に言及するものであり得る。集団における奏効率に基づいて立証され得る治療効果に対する言及は、療法が指定の奏効率を有することが以前に示されている状況に関係し得、例えば、抗CD19抗体についての包装品挿入物及び/または認可は、臨床試験におけるその奏効率を示している研究に言及するものであり得る。
【0174】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも70%、75%、80%、85%、90%または95%であるORRをもたらす。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも75%であるORRをもたらす。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、90%または95%であるCRRをもたらす。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも70%であるCRRをもたらす。
【0175】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも80%であるDoRをもたらす。いくつかの実施形態では、DoRは、組合せによる治療の後の6ヶ月目に評価される。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも80%であるDoCRをもたらす。いくつかの実施形態では、DoCRは、組合せによる治療の後の6ヶ月目に評価される。
【0176】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとレナリドミドとの組合せの投与は、客観的奏効(OR)、部分奏効(PR)または完全奏効(CR)からなる群から選択される治療効果をもたらす。一実施形態では、治療効果は客観的奏効(OR)である。一実施形態では、治療効果は部分奏効(PR)である。一実施形態では、治療効果は完全奏効(CR)である。
【0177】
抗CD19抗体とR-CHOPとレナリドミドとの組合せの投与の後の治療効果は、DLBCLを有する患者の集団における奏効率(例えば、OR率(ORR)、PR率(PRR)及び/またはCR率(CRR))、奏効持続期間(DoR)率または完全奏効持続期間(DoCR)率に基づいて立証された、DLBCLを有する患者の集団における奏効率(例えば、OR率(ORR)、PR率(PRR)及び/またはCR率(CRR))、奏効持続期間(DoR)率または完全奏効持続期間(DoCR)率に基づいて立証され得る。集団における奏効率に基づいて立証され得る治療効果に対する言及は、療法が指定の奏効率を有することが以前に示されている状況に関係し得、例えば、抗CD19抗体についての包装品挿入物及び/または認可は、臨床試験におけるその奏効率を示している研究に言及するものであり得る。集団における奏効率に基づいて立証され得る治療効果に対する言及は、療法が指定の奏効率を有することが以前に示されている状況に関係し得、例えば、抗CD19抗体に関する包装品挿入物及び/または認可は、臨床試験におけるその奏効率を示している研究に言及するものであり得る。
【0178】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとレナリドミドとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも70%、75%、80%、85%、90%または95%であるORRをもたらす。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとレナリドミドとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも80%であるORRをもたらす。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとレナリドミドとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、90%または95%であるCRRをもたらす。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとレナリドミドとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも65%であるCRRをもたらす。
【0179】
いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとレナリドミドとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも85%であるDoRをもたらす。いくつかの実施形態では、DoRは、組合せによる治療の後の6ヶ月目に評価される。いくつかの実施形態では、抗CD19抗体とR-CHOPとレナリドミドとの組合せの投与は、DLBCLを有する患者の集団において少なくとも95%であるDoCRをもたらす。いくつかの実施形態では、DoCRは、組合せによる治療の後の6ヶ月目に評価される。
【0180】
患者
本開示は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する患者の治療に使用するための、タファシタマブ及びR-CHOP、またはタファシタマブ、レナリドミド及びR-CHOPを含む治療薬組合せを提供する。
【0181】
ある特定の実施形態では、DLBCLを有する患者は、投与することを開始する前に国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である。ある特定の実施形態では、DLBCLを有する患者は、投与することを開始する前にステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する。ある特定の実施形態では、DLBCLを有する患者は、投与することを開始する前に、国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5であり、ステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する。
【0182】
ある特定の実施形態では、DLBCLを有する患者は、治療が以前になされていないDLBCLを有する患者である。ある特定の実施形態では、治療が以前になされていないDLBCLを有する患者は、投与することを開始する前に国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5である。ある特定の実施形態では、治療が以前になされていないDLBCLを有する患者は、投与することを開始する前にステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する。ある特定の実施形態では、治療が以前になされていないDLBCLを有する患者は、投与することを開始する前に国際予後指標(IPI)状態が2~5、3~5、4~5、3~4、3、4または5であり、ステージIIIまたはステージIVのDLBCLを有する。ある特定の実施形態では、DLBCLを有する患者は、新たに診断された、治療が以前になされていない、高中間または高リスクDLBCLを有する患者である。
【0183】
ある特定の実施形態では、治療される患者は、以下の基準の1つ以上を有する:
1.年齢≧18歳
2.書面でのインフォームドコンセント
3.治療が以前になされていない、新たに診断された、組織学的に裏付けられたDLBCL,NOS
4.この試験への参加に対する付属物として、遡及的中央病理診断及び相関試験のための腫瘍組織が提供されなければならない。
5.患者は、少なくとも1つの測定可能な疾患部位を有していなければならない。スクリーニング時に病巣は1.5cm以上の最大横直径及び1.0cm以上の最大縦直径を有していなければならない。病巣は、遅くとも無作為化の時にはPET陽性であることが確認されなければならない。
6.米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)全身状態が0~2
7.国際予後指標(IPI)状態が2~5
8.R-CHOPへの相応しい候補者。
9.心エコー法または心マルチゲート収集法(MUGA)スキャンによって評価した左室駆出率(LVEF)が50%以上
10.患者はスクリーニング時に以下の研究所基準を有していなければならない:
a.絶対好中球計数(ANC)≧1.5×109/L(但し、最近の骨髄吸引及び骨髄生検によって実証されたDLBCLによる骨髄への関与の後のものである場合はこの限りでない)
b.血小板計数≧75×109/L(但し、最近の骨髄吸引及び骨髄生検によって実証されたDLBCLによる骨髄への関与の後のものである場合はこの限りでない)
c.ジルベール症候群の後のもの、またはリンパ腫による証拠付けられた肝臓への関与の後のものである場合を除き、総血清ビリルビン≦1.5×基準範囲上限(ULN)。ジルベール症候群、またはリンパ腫による証拠付けられた肝臓への関与を有する患者は、彼らの総ビリルビンが5×ULN以下である場合に組み入れられ得る。
d.アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアルカリホスファターゼ(ALP)が3×ULN以下、または証拠付けられた肝臓関与の場合に5×ULN未満
e.血清クレアチニンクリアランスは、
(米国を除くすべての国:)測定して、あるいは標準的なCockcroftとGaultの式(Cockroft,1976)を用いて算出して50mL/分以上でなければならない。
(米国のみ:)測定して、あるいは標準的なCockcroftとGaultの式(Cockroft,1976)を用いて算出して60mL/分以上でなければならない。
11.妊娠可能性のある女性(FCBP)は:
米国を除くすべての国で適用:
a.スクリーニング時の陰性の血清妊娠検査、及び試験療法開始前の医学的に監督された尿妊娠検査によって裏付けられた、非妊娠状態でなければならない
b.試験過程の間、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は、授乳及び卵母細胞提供を控えなければならない。
c.試験過程の間及び試験療法終了後の継続的な妊娠検査に同意しなければならない。これは、たとえ患者が完全な性的禁欲を適用するとしても、適用される。
d.試験薬開始前の少なくとも4週間、試験治療中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は異性間性交渉を継続的に断つことを、彼女の(毎月見直されなければならない)生活様式にそれが則している場合に守らなければならない、または極めて効果的な避妊法を中断を伴わずに利用することに同意してその利用を遵守できなければならない。第7.3.1節を参照されたい
米国で適用:
a.(たとえ真の禁欲が、選ばれた避妊方法であるとしても)治療開始前、治療開始の10~14日以内及び重ねてその24時間以内に実施された妊娠検査によって裏付けられた非妊娠状態でなければならない。
b.試験過程の間、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は、授乳及び卵母細胞提供を控えなければならない。
c.(たとえ真の禁欲が、選ばれた避妊方法であるとしても)試験過程の間(規則的な生理周期を有する女性では3週間ごと、及び不規則な生理周期を有する女性では2週間ごと)及び試験療法終了後の継続的な妊娠検査に同意しなければならない。
d.試験薬を受ける少なくとも4週間前から始まって試験薬を受けている間、休薬(用量中断)中、及び試験薬停止後の少なくとも3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は男性との性行為を行う時に毎回2つの効果的な避妊方法(少なくとも1つの極めて効果的な方法と、1つの付加的な効果的方法)を同時に用いることによって、試験薬を受けている間、及び試験薬停止後の少なくとも3ヶ月間は妊娠せずにいなければならない。異性間性交渉の真の禁欲も、許容可能な避妊方法である。緊急避妊法の利用も容認される。
12.男性参加者は:
米国を除くすべての国で適用:
患者が、妊娠可能性のある女性(FCBP)と性的に活発である場合、効果的な遮蔽による避妊方法を、中断することなく利用しなければならない。男性参加者は、試験参加中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は精子提供を控えるべきである。
米国で適用:
妊娠可能性のある女性と性行為を行う時は毎回、ラテックス製または合成コンドームを使用しなければならない。異性間性交渉の真の禁欲も、許容可能な避妊方法である。緊急避妊法の利用も容認される。男性参加者は、試験参加中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は精子提供を控えるべきである。
13.研究員の意見として、患者は:
a.血栓塞栓事象に対する適切な予防法及び/または療法、例えば、1日1回の70~325mgのアスピリン、または低分子量ヘパリンを受けることができなければならず、かつそれを受ける意思がなければならない。これは、予防せずにレナリドミドで処置された患者において血栓症のリスクが上昇するからである。いかなる予防法も受けることができない、またはそれを受ける意思がない患者は、適格でない。
b.すべての試験関連手順、医薬使用及び評価について、理解し、書面によるインフォームドコンセントを提出し、応じなければならない。
c.医療レジメンに関する不遵守歴を有していてはならない、あるいは信頼できない及び/または非協力的である可能性があるとみなされる者であってはならない。
d.妊娠防止リスク管理計画の特別な条件を遵守する理由を理解できなければならず、このことの承諾書を提出しなければならない。
【0184】
ある特定の実施形態では、患者は、以下の基準の1つ以上に基づいて治療から除外される:
1.リンパ系新生物のWHO2016分類による他の任意の組織型のリンパ腫、例えば、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞(PMBL)、既知のダブルまたはトリプルヒットリンパ腫またはバーキットリンパ腫。
2.形質転換されたNHL、及び/または複合リンパ腫の証拠
3.他の疾患のための骨髄の25%以上に対する放射線療法の履歴、またはアントラサイクリン療法歴
4.以下を除く非造血器悪性腫瘍の既往歴:
a.治癒的意図によって治療され、スクリーニング前の2年間超にわたって活動性疾患の存在の証拠がない、悪性腫瘍
b.現在の疾患の証拠がなく適切に治療された悪性黒子型メラノーマ、または適切に管理された非メラノーマ性皮膚癌。
c.現在の疾患の証拠がなく、原位置で適切に治療された、癌腫。
5.6ヶ月以内における心筋梗塞の履歴、または生命を脅かす不整脈のための継続的維持療法の利用を必要とする鬱血性心不全。
6.以下を有する患者:
a.C型肝炎についての既知の陽性検査結果(C型肝炎ウイルス[HCV]抗体血清学検査)、及びHCV RNAの陽性結果。陽性の血清学を有する患者は、HCV RNAについて地域で検査されていなければならず、陰性HCV RNA検査結果の場合に適格である。
b.慢性HBV感染についての既知の陽性検査結果(HBsAg陽性によって定義される)。潜在性または既往HBV感染を有する患者(陰性HBsAg及び陽性全HBcAbとして定義される)は、HBV DNAが検出不可能(地域検査結果)であった場合に組み入れられ得るが、但し、彼らが継続的なDNA検査を受ける意思があることを条件とする。施設ガイドラインに従って抗ウイルス予防法が施与され得る。ワクチン接種後、または治癒した既往B型肝炎の後にB型肝炎表面抗体(HBsAb)の防御力価を有する患者は、適格である。
c.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による活動性ウイルス感染についての既知の血清陽性またはその感染歴
d.スクリーニング時の細菌、ウイルス、真菌、抗酸菌などへの既知の活動性感染
e.既知のCNSリンパ腫関与
f.研究員の意見によれば試験への参加をできなくするであろう、または患者のインフォームドコンセント提出能力を低下させるであろう臨床的に重大な心血管、CNS及び/または他の全身疾患の履歴または証拠。
g.ガラクトース不耐症、Lappラクターゼ欠損症またはグルコース・ガラクトース吸収不全症の希少遺伝的問題の履歴または証拠
h.試験無作為化前の21日以内における生ワクチンの接種
i.インフォームドコンセント用紙への署名時に患者が回復している場合を除き、インフォームドコンセント用紙に署名する前の最長21日以内における大手術(リンパ節生検は除く)
j.第1サイクルの開始前の21日以内における任意の抗がん及び/または研究療法。注:ステロイドによる前治療は容認される
k.妊娠または授乳
l.R-CHOPの任意の成分、レナリドミド、生物学的または化学組成がタファシタマブと類似する化合物、IMiDs(登録商標)、及び/または試験薬製剤中もしくはR-CHOP中に含有される賦形剤に対する過敏症の履歴
m.R-CHOPの任意の個々の成分に関する任意の禁忌
【0185】
ある特定の実施形態では、治療される患者は、以下の基準の1つ以上を有する:
1.書面でのインフォームドコンセント。
2.ICFに署名する時の年齢が18~80歳。
3.リンパ系新生物の2016年WHO分類による以下の診断の1つを含めた地域の生検で証明されたCD20陽性DLBCLを有する、治療が以前になされていない患者は、適格である(Swerdlow et al.,2016):
a.胚中心B細胞(GCB)型、活性化B細胞(ABC)型を含めた特定不能型(NOS)DLBCL
b.T細胞豊富型BCL
c.エプスタイン・バーウイルス陽性DLBCL,NOS
d.退形成性リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性大細胞型BCL
e.ヒトヘルペスウイルス-8(HHV8)陽性DLBCL,NOS
f.MYC及びB細胞リンパ腫2(BCL2)及び/またはB細胞リンパ腫6(BCL6)再構成を伴った高悪性度BCL(ダブルヒットまたはトリプルヒットリンパ腫)。注:患者は、R-CHOPへの相応しい候補者でなければならない。研究員が、既知のダブルまたはトリプルヒットリンパ腫(HGBL)を有する患者を、より強力に(例えば、用量調整されたエトポシドとプレドニゾンとビンクリスチンとシクロホスファミドとドキソルビシンとリツキシマブ[DA-EPOCH-R]、またはシクロホスファミドとビンクリスチンとドキソルビシンとデキサメタゾン(CVAD)及びその後のメトトレキサートとシタラビン[Hyper CVAD]で)治療されるべきであるとみなす場合、この患者はこの試験に対して適格とはみなされないであろう。
g.任意グレードの濾胞性リンパ腫(FL)、胃MALTリンパ腫、または非胃MALTリンパ腫のいずれかと共存しているDLBCL
h.グレード3bのFL
4.遡及的中央病理診断のために送られる、保管されていたかまたは採取したての腫瘍組織の利用可能性。注:試験登録前には腫瘍試料の受け取りも中央診断も必要とされない。
5.地域評価によって、患者の総疾患負荷を代表する異なる身体領域から、2つの直径で測定できる最も大きな標的節、節腫瘤または他のリンパ腫病巣が最大6つ特定されるべきであり、関与がある場合の縦隔及び後腹膜疾患を含んでいるべきである。ベースラインにおいて、測定可能な節は最長直径(LDi)が15mmよりも大きくなければならない。6つの代表的な測定病巣には測定可能な節外疾患が含まれていてもよい。ベースラインにおいて、測定可能な節外病巣はLDiが10mmよりも大きくあるべきである。他のすべての病巣(節性、節外性、及び評価可能疾患を含む)は、非標的(例えば、皮膚、GI、脾臓、肝臓、腎臓、胸水または心嚢液、腹水、骨、骨髄)病巣としての非測定疾患として経過観察されるべきである。少なくとも1つの測定可能病巣は、地域評価による無作為化の時点でPET陽性(Deauvilleスコアが4または5)であることが確認されなければならない。
6.ECOG全身状態が0、1または2。
7.IPI状態が3~5(60歳超の患者の場合)、またはaaIPIが2~3(60歳以下の患者の場合)。
8.DLBCL診断日(地域病理報告によるリンパ腫を含有する最初の生検検体の日)と治療開始日(C1D1)との間の28日以内の時間として定義される治療間隔に対する診断。
9.地域の心エコー法または心マルチゲート収集法(MUGA)スキャンによって評価して施設基準範囲の下限以上である左室駆出率。
10.スクリーニング時に患者は以下の地域研究所基準を有していなければならない:
a.絶対好中球計数(ANC)≧1.5×109/L(但し、DLBCLによる骨髄への関与の後のものである場合はこの限りでない)
b.血小板計数≧75×109/L(但し、DLBCLによる骨髄への関与の後のものである場合はこの限りでない)
c.ジルベール症候群の後のもの、またはリンパ腫による証拠付けられた肝臓への関与の後のものである場合を除き、総血清ビリルビン<1.5×基準範囲上限(ULN)。ジルベール症候群、またはリンパ腫による証拠付けられた肝臓への関与を有する患者は、彼らの総ビリルビンが5×ULN以下である場合、組み入れられ得る。
d.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアルカリホスファターゼ(ALP)が3×ULN以下、または証拠付けられた肝臓関与の場合に5×ULN以下
e.血清クレアチニンクリアランスは、測定して、あるいは標準的なCockcroftとGaultの式(Cockroft and Gault,1976)を用いて算出して30mL/分以上でなければならない。
11.研究員の意見として、患者は:
a.血栓塞栓事象に対する適切な予防法及び/または療法、例えば、1日1回の81~325mgのアスピリン、または低分子量ヘパリンを受けることができなければならず、かつそれを受ける意思がなければならない。これは、予防せずにレナリドミドで処置された患者において血栓症のリスクが上昇するからである。いかなる予防法も受けることができない、またはそれを受ける意思がない患者は、適格でない。
b.すべての試験関連手順、医薬使用及び評価について、理解し、書面によるインフォームドコンセントを提出し、応じなければならない。
c.医療レジメンに関する不遵守歴を有していてはならず、信頼できない及び/または非協力的である可能性があるとみなされる者であってもならない
d.妊娠防止リスク管理計画の特別な条件を遵守する理由を理解できなければならず、この計画を固守することを書面で承諾できなければならない
12.レナリドミドの催奇形可能性のため、妊娠可能性のある女性(FCBP)は:
米国を除くすべての国で適用:
a.スクリーニング時の陰性の血清妊娠検査、及び試験療法開始前の医学的に監督された尿妊娠検査によって裏付けられた、非妊娠状態でなければならない
b.試験過程の間、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は、授乳及び卵母細胞提供を控えなければならない
c.試験過程の間及び試験療法終了後の継続的な妊娠検査に同意しなければならない。これは、たとえ患者が完全な性的禁欲を適用するとしても、適用される
d.試験薬開始前の少なくとも4週間、試験治療中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は異性間性交渉を継続的に断つことを、彼女の(毎月見直されなければならない)生活様式にそれが則している場合に守らなければならない、または極めて効果的な避妊法を中断を伴わずに利用することに同意してその利用を遵守できなければならない。
米国で適用:
e.(たとえ真の禁欲が、選ばれた避妊方法であるとしても)治療開始前、治療開始の10~14日以内及び重ねてその24時間以内に実施された妊娠検査によって裏付けられた非妊娠状態でなければならない
f.試験過程の間、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は、授乳及び卵母細胞提供を控えなければならない
g.(たとえ真の禁欲が、選ばれた避妊方法であるとしても)試験過程の間(規則的な生理周期を有する女性では3週間ごと、及び不規則な生理周期を有する女性では2週間ごと)及び試験療法終了後の継続的な妊娠検査に同意しなければならない。
h.試験薬を受ける少なくとも4週間前から始まって試験薬を受けている間、休薬(用量中断)中、及び試験薬停止後の少なくとも3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は男性との性行為を行う時に毎回2つの効果的な避妊方法を同時に用いることによって、試験薬を受けている間、及び試験薬の最後の用量の後の少なくとも3ヶ月間は妊娠せずにいなければならない。異性間性交渉の真の禁欲も、許容可能な避妊方法である。緊急避妊法の利用も容認される。
13.男性参加者は:
米国を除くすべての国で適用:
a.患者がFCBPと性的に活発である場合、効果的な遮蔽による避妊方法を、中断することなく利用しなければならない。男性参加者は、試験参加中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は精子提供を控えるべきである。
米国で適用:
b.FCBPと性行為を行う時は毎回、ラテックス製または合成コンドームを使用しなければならない。異性間性交渉の真の禁欲も、許容可能な避妊方法である。緊急避妊法の利用も容認される。男性参加者は、試験参加中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は精子提供を控えるべきである。
【0186】
ある特定の実施形態では、患者は、以下の基準の1つ以上に基づいて治療から除外される:
1.リンパ系新生物のWHO2016分類による他の任意の組織型のリンパ腫、例えば、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、DLBCLと古典的ホジキンリンパ腫との間の中間の特徴を有する分類不能型BCL(グレーゾーンリンパ腫);原発性滲出性リンパ腫;原発性皮膚DLBCL,下肢型;CNSの原発性DLBCL;CLLまたは緩慢性リンパ腫に起因するDLBCL。
2.他の疾患のための骨髄の25%以上に対する放射線療法の履歴。
3.以下を除く非造血器悪性腫瘍の既往歴:
a.治癒的意図によって治療され、スクリーニング前の2年間超にわたって活動性疾患の存在の証拠がない、悪性腫瘍
b.現在の疾患の証拠がなく適切に治療された悪性黒子型メラノーマ、または適切に管理された非メラノーマ性皮膚癌。
c.現在の疾患の証拠がなく、原位置で適切に治療された、癌腫
4.以下を有する患者:
a.C型肝炎についてのスクリーニング中の陽性地域検査結果(C型肝炎ウイルス[HCV]抗体血清学検査)、及びHCV RNAの陽性結果。陽性の血清学を有する患者は、HCV RNAについて地域で検査されていなければならず、陰性HCV RNA試験結果の場合に適格である。
b.慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染についてのスクリーニング中の陽性地域検査結果(B型肝炎表面抗原[HBsAg]陽性によって定義される)。潜在性または既往HBV感染を有する患者(陰性HBsAg及び陽性全B型肝炎コア抗体[HBcAb]として定義される)は、HBV DNAが検出不可能(地域検査結果)であった場合に組み入れられ得るが、但し、彼らが継続的なDNA検査を受ける意思があることを条件とする。施設ガイドラインに従って抗ウイルス予防法が施与され得る。ワクチン接種後、または治癒した既往B型肝炎の後にB型肝炎表面抗体(HBsAb)の防御力価を有する患者は、適格である。
c.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による活動性ウイルス感染についての血清陽性(スクリーニング中の地域検査)またはその感染歴
d.(陽性インターフェロンガンマ遊離アッセイによって確認された)活動性または潜伏性結核の疑いがある患者を含めたスクリーニング時の細菌、ウイルス、真菌などへの既知の活動性全身感染
e.ヒトTリンパ球向性1型ウイルス(HTLV-1)の陽性結果。風土病国(日本及びメラネシア、及びカリブ海沿岸諸国、南アメリカ、中央アメリカ、及びサブサハラアフリカ)の現地にいる患者については、スクリーニング中のHTLV検査が必要とされる。
f.既知のCNSリンパ腫関与
g.研究員の意見によれば試験への参加をできなくするであろう、または患者のインフォームドコンセント提出能力を低下させるであろう臨床的に重大な心血管、CNS及び/または他の全身疾患の履歴または証拠
h.ガラクトース不耐症、Lappラクターゼ欠損症またはグルコース・ガラクトース吸収不全症の希少遺伝的問題の履歴または証拠
i.試験無作為化前の21日以内における生ワクチンの接種
j.ICFへの署名時に患者が回復している場合を除き、ICFに署名する前の最長21日以内における大手術
k.容認される前治療は別として、C1D1の開始の前の任意の全身抗リンパ腫及び/または研究療法。
l.アントラサイクリンを以前に受けていることを含めた、R-CHOPの個々の成分のいずれかに対する禁忌
m.妊娠または授乳
n.R-CHOPの任意の成分、レナリドミド、生物学的または化学組成がタファシタマブと類似する化合物、IMiDs(登録商標)、及び/または試験薬製剤中に含有される賦形剤に対する過敏症の履歴
【0187】
国際予後指標(IPI)
ある特定の態様では、本開示は、転帰を予測するために国際予後指標(IPI)を用いてDLBCLリスク評価を提供する。IPI評価は、以下の5つのリスク因子の考慮を含む:
Ann ArborステージIIIまたはIVのDLBCL;
年齢60歳以上;
血清LDHが1×基準範囲上限(ULN)を上回る;
米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)全身状態が2以上;及び
節外関与が2以上(Cheson 2014によれば、節外関与は、陽電子放射断層撮影(PET)-CTによって病巣取込みを有する部位(例えば、脾臓、肝臓、骨、甲状腺、皮膚、消化器(GI)、腎臓、胸水または心嚢液、腹水)を含み得る)。
【0188】
ゼロまたは1個のリスク因子を有する患者は、IPI低リスク群に入るとみなされる。2つのリスク因子を有する患者は、IPI低中リスク群に入るとみなされる。3つのリスク因子を有する患者は、IPI高中リスク群に入るとみなされる。4つまたは5つのリスク因子を有する患者は、IPI高リスク群に入るとみなされる。
【0189】
より高いIPIスコアは、より低いIPIスコアに比べてより悪い転帰を予言しており、より高いIPIスコアを有する患者の治療は、より低いIPIスコアを有する患者を治療する場合に比べてあまりうまくいかないことが典型的である。
【0190】
【実施例】
【0191】
実施例1:
新たに診断されたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する患者における、R-CHOPに加えたタファシタマブの、またはR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドの安全性及び予備的有効性を評価するための第Ib相非盲検無作為化試験-First-MIND
【0192】
この非盲検前向き無作為化第Ib相試験は、新たに診断されたDLBCLを有する患者における、R-CHOPに加えたタファシタマブの、またはR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドの安全性及び予備的有効性を確認するようにデザインされている。
【0193】
1.臨床試験デザイン
1.1 全体的臨床試験デザイン及び研究計画
これは、新たに診断されたDLBCLを有する成人患者における、R-CHOPに加えたタファシタマブの、またはR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドの安全性及び予備的有効性を評価するための多施設非盲検無作為化第Ib相治験である。
【0194】
安全性モニタリング
治験は、
図1に示される2つの段階からなる。
【0195】
安全性導入段階:
R-CHOPへのタファシタマブの付加、及びR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドは、以前に臨床研究で評価されたことがないため、アーム1つあたり12名の患者による安全性導入段階が実施されることになる。中止則に従って安全性を評価するためには、各アームの12名の患者が採用されて、C1D1後の21日間にわたって経過観察されたときに、登録を休止することがある。
【0196】
主段階:
予期されない安全性シグナル(原因がR-CHOPに関係しているものを除く)がどのアームにおいても認められない場合、登録を計画通り継続することになり、アーム1つあたりおよそ18名の患者を主段階に追加登録することになる。
【0197】
すべての患者は、6サイクルの試験治療(各サイクルは21日からなる)を受けること及び無作為化日から24ヶ月間(または731日間)にわたって経過観察されることが予期される。
【0198】
試験終了
試験終了は、データ収集を止めることになって試験の最終解析が発生することになる時点として定義される。試験終了は、すべての患者が彼らの試験終了/早期経過観察停止訪問を完了した後に起こることになる。
【0199】
1.2 臨床試験継続期間
各患者は、インフォームドコンセントを提供した時から、およそ25ヶ月間の継続期間にわたって試験に組み入れられることを想定される。試験において、各患者に対して3つの期間が規定される。
【0200】
スクリーニング期間
最長21日のスクリーニング期間は、インフォームドコンセントの署名日と無作為化日との間の間隔である。
【0201】
スクリーニング中、ICFに署名する各患者は固有の識別番号を割り振られることになる。すべての組入れ基準を満たし、除外基準のいずれかによって制限されないすべての患者は、R-CHOPに加えてタファシタマブを含む、またはR-CHOPに加えてタファシタマブとレナリドミドを含む治療に、1:1の比で無作為に割り付けられることになる。
【0202】
試験治療は、無作為化後の24時間以内に開始されるべきである。
【0203】
治療期間
治療期間は、試験薬の最初の投与(C1D1)から始まり、各々21日とする6回のサイクルからなる。治療終了訪問または早期試験治療中止訪問は、治療終了の6±2週間後に実施されることになる。治療終了は、患者が開始した最後の治療サイクルの21日目として定義される。疾患の進行/再発のために早期に中止する患者は、研究員の裁量で早期試験治療中止訪問を与えられ得る。
【0204】
経過観察期間
経過観察期間は治療終了または早期試験治療中止訪問から始まり、この訪問には、30日間安全性追跡調査訪問が含められることになる。臨床評価は3ヶ月ごとに実施されることになる。最終の試験完了まで、または疾患進行/再発まで6ヶ月ごとにCTスキャンが実施されることになる。すべての患者は、治療終了訪問後または早期試験治療中止訪問後の計18ヶ月間にわたって経過観察されることが想定される。試験終了訪問または早期経過観察停止訪問は、個々の患者にとっての試験の完了のしるしである。
【0205】
1.3 患者にとってのリスク及び利益
すべての適格患者は、潜在的に治癒的である治療手法としてのR-CHOPの6サイクルにわたる標準治療で治療されることになる。加えて、CR率を潜在的に改善するため及びそれによって治療不成功率を可能ならば低減するために、患者は、R-CHOPに対する追加として、タファシタマブ(アームA)、またはタファシタマブとレナリドミド(アームB)を受けることになる。タファシタマブ単剤の安全性プロファイル、及び(R/R DLBCLにおけるL-MIND試験において実証された)タファシタマブとレナリドミドとの組合せの十分に制御しやすい安全性プロファイルに基づくと、全リスク-利益が、R-CHOPのみによる治療と比較して付加的毒性を伴わずに有益であることが予期される。
【0206】
タファシタマブ+/-レナリドミドの予測されるリスク及び最も一般的な副作用は、輸注関連反応、一過性好中球減少症、血小板減少症、貧血、下痢、発熱及び無力感である。治療関連の重篤なAEは、主に感染症及び好中球減少時発熱からなる。
【0207】
まとめると、この治験に参加する患者に対するリスクを最小限に抑えるための整備された手段を伴えば、タファシタマブ+/-レナリドミドによって同定される潜在的リスクは、生命を脅かす病状に相当するものであるDLBCLと新たに診断された患者における追加治療によってもたらされ得る期待される利益によって、正当化される。
【0208】
2.患者の選択及び脱退
研究員または被指名者は、以下の組入れ基準のすべてを満たすが除外基準を全く満たさない患者のみが試験に登録されることを確実にしなければならない。
【0209】
患者は、並行するさらなる研究薬または装置試験に参加することが許可されない。
【0210】
スポンサーは、臨床試験プロトコールに対する棄権を示していない。なぜならば、逸脱は、患者の安全性、または臨床試験の科学的完全性及び制度上の許容性に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
【0211】
2.1 組入れ基準
臨床試験への参加が検討される患者は、以下の基準のすべてを満たさなければならない:
1.年齢≧18歳
2.書面でのインフォームドコンセント
3.治療が以前になされていない、新たに診断された、組織学的に裏付けられたDLBCL,NOS
4.この試験への参加に対する付属物として、遡及的中央病理診断及び相関試験のための腫瘍組織が提供されなければならない。
5.患者は、少なくとも1つの測定可能な疾患部位を有していなければならない。スクリーニング時に病巣は1.5cm以上の最大横直径及び1.0cm以上の最大縦直径を有していなければならない。病巣は、遅くとも無作為化の時にはPET陽性であることが確認されなければならない。
6.米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)全身状態が0~2
7.国際予後指標(IPI)状態が2~5
8.R-CHOPへの相応しい候補者。
9.心エコー法または心マルチゲート収集法(MUGA)スキャンによって評価した左室駆出率(LVEF)が50%以上
10.患者はスクリーニング時に以下の研究所基準を有していなければならない:
a.絶対好中球計数(ANC)≧1.5×109/L(但し、最近の骨髄吸引及び骨髄生検によって実証されたDLBCLによる骨髄への関与の後のものである場合はこの限りでない)
b.血小板計数≧75×109/L(但し、最近の骨髄吸引及び骨髄生検によって実証されたDLBCLによる骨髄への関与の後のものである場合はこの限りでない)
c.ジルベール症候群の後のもの、またはリンパ腫による証拠付けられた肝臓への関与の後のものである場合を除き、総血清ビリルビン≦1.5×基準範囲上限(ULN)。ジルベール症候群、またはリンパ腫による証拠付けられた肝臓への関与を有する患者は、彼らの総ビリルビンが5×ULN以下である場合に組み入れられ得る
d.アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアルカリホスファターゼ(ALP)が3×ULN以下、または証拠付けられた肝臓関与の場合に5×ULN未満
e.血清クレアチニンクリアランスは、
(米国を除くすべての国:)測定して、あるいは標準的なCockcroftとGaultの式(Cockroft,1976)を用いて算出して50mL/分以上でなければならない。
(米国のみ:)測定して、あるいは標準的なCockcroftとGaultの式(Cockroft,1976)を用いて算出して60mL/分以上でなければならない。
11.妊娠可能性のある女性(FCBP)は:
米国を除くすべての国で適用:
a.スクリーニング時の陰性の血清妊娠検査、及び試験療法開始前の医学的に監督された尿妊娠検査によって裏付けられた、非妊娠状態でなければならない
b.試験過程の間、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は、授乳及び卵母細胞提供を控えなければならない。
c.試験過程の間及び試験療法終了後の継続的な妊娠検査に同意しなければならない。これは、たとえ患者が完全な性的禁欲を適用するとしても、適用される
d.試験薬開始前の少なくとも4週間、試験治療中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は異性間性交渉を継続的に断つことを、彼女の(毎月見直されなければならない)生活様式にそれが則している場合に守らなければならない、または極めて効果的な避妊法を中断を伴わずに利用することに同意してその利用を遵守できなければならない。第7.3.1節を参照されたい
米国で適用:
e.(たとえ真の禁欲が、選ばれた避妊方法であるとしても)治療開始前、治療開始の10~14日以内及び重ねてその24時間以内に実施された妊娠検査によって裏付けられた非妊娠状態でなければならない。
f.試験過程の間、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は、授乳及び卵母細胞提供を控えなければならない。
g.(たとえ真の禁欲が、選ばれた避妊方法であるとしても)試験過程の間(規則的な生理周期を有する女性では3週間ごと、及び不規則な生理周期を有する女性では2週間ごと)及び試験療法終了後の継続的な妊娠検査に同意しなければならない。
h.試験薬を受ける少なくとも4週間前から始まって試験薬を受けている間、休薬(用量中断)中、及び試験薬停止後の少なくとも3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は男性との性行為を行う時に毎回2つの効果的な避妊方法(少なくとも1つの極めて効果的な方法と、1つの付加的な効果的方法)を同時に用いることによって、試験薬を受けている間、及び試験薬停止後の少なくとも3ヶ月間は妊娠せずにいなければならない。異性間性交渉の真の禁欲も、許容可能な避妊方法である。緊急避妊法の利用も容認される。
12.男性参加者は:
米国を除くすべての国で適用:
患者が、妊娠可能性のある女性(FCBP)と性的に活発である場合、効果的な遮蔽による避妊方法を、中断することなく利用しなければならない。男性参加者は、試験参加中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は精子提供を控えるべきである。
米国で適用:
妊娠可能性のある女性と性行為を行う時は毎回、ラテックス製または合成コンドームを使用しなければならない。異性間性交渉の真の禁欲も、許容可能な避妊方法である。緊急避妊法の利用も容認される。男性参加者は、試験参加中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は精子提供を控えるべきである。
13.研究員の意見として、患者は:
a.血栓塞栓事象に対する適切な予防法及び/または療法、例えば、1日1回の70~325mgのアスピリン、または低分子量ヘパリンを受けることができなければならず、かつそれを受ける意思がなければならない。これは、予防せずにレナリドミドで処置された患者において血栓症のリスクが上昇するからである。いかなる予防法も受けることができない、またはそれを受ける意思がない患者は、適格でない。
b.すべての試験関連手順、医薬使用及び評価について、理解し、書面によるインフォームドコンセントを提出し、応じなければならない。
c.医療レジメンに関する不遵守歴を有していてはならない、あるいは信頼できない及び/または非協力的である可能性があるとみなされる者であってはならない
d.妊娠防止リスク管理計画の特別な条件を遵守する理由を理解できなければならず、このことの承諾書を提出しなければならない。
【0212】
2.2 除外基準
患者は、彼らが以下の基準のいずれかを満たす場合、この臨床試験への参加を除外されなければならない:
1.リンパ系新生物のWHO2016分類による他の任意の組織型のリンパ腫、例えば、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞(PMBL)、既知のダブルまたはトリプルヒットリンパ腫またはバーキットリンパ腫。
2.形質転換されたNHL、及び/または複合リンパ腫の証拠
3.他の疾患のための骨髄の25%以上に対する放射線療法の履歴、またはアントラサイクリン療法歴
4.以下を除く非造血器悪性腫瘍の既往歴:
a.治癒的意図によって治療され、スクリーニング前の2年間超にわたって活動性疾患の存在の証拠がない、悪性腫瘍
b.現在の疾患の証拠がなく適切に治療された悪性黒子型メラノーマ、または適切に管理された非メラノーマ性皮膚癌。
c.現在の疾患の証拠がなく、原位置で適切に治療された、癌腫。
5.6ヶ月以内における心筋梗塞の履歴、または生命を脅かす不整脈のための継続的維持療法の利用を必要とする鬱血性心不全。
6.以下を有する患者:
a.C型肝炎についての既知の陽性検査結果(C型肝炎ウイルス[HCV]抗体血清学検査)、及びHCV RNAの陽性結果。陽性の血清学を有する患者は、HCV RNAについて地域で検査されていなければならず、陰性HCV RNA検査結果の場合に適格である。
b.慢性HBV感染についての既知の陽性検査結果(HBsAg陽性によって定義される)。潜在性または既往HBV感染を有する患者(陰性HBsAg及び陽性全HBcAbとして定義される)は、HBV DNAが検出不可能(地域検査結果)であった場合に組み入れられ得るが、但し、彼らが継続的なDNA検査を受ける意思があることを条件とする。施設ガイドラインに従って抗ウイルス予防法が施与され得る。ワクチン接種後、または治癒した既往B型肝炎の後にB型肝炎表面抗体(HBsAb)の防御力価を有する患者は、適格である。
c.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による活動性ウイルス感染についての既知の血清陽性またはその感染歴
d.スクリーニング時の細菌、ウイルス、真菌、抗酸菌などへの既知の活動性感染
e.既知のCNSリンパ腫関与
f.研究員の意見によれば試験への参加をできなくするであろう、または患者のインフォームドコンセント提出能力を低下させるであろう臨床的に重大な心血管、CNS及び/または他の全身疾患の履歴または証拠
g.ガラクトース不耐症、Lappラクターゼ欠損症またはグルコース・ガラクトース吸収不全症の希少遺伝的問題の履歴または証拠
h.試験無作為化前の21日以内における生ワクチンの接種
i.インフォームドコンセント用紙への署名時に患者が回復している場合を除き、インフォームドコンセント用紙に署名する前の最長21日以内における大手術(リンパ節生検は除く)
j.第1サイクルの開始前の21日以内における任意の抗がん及び/または研究療法。注:ステロイドによる前治療は容認される
k.妊娠または授乳
l.R-CHOPの任意の成分、レナリドミド、生物学的または化学組成がタファシタマブと類似する化合物、IMiDs(登録商標)、及び/または試験薬製剤中もしくはR-CHOP中に含有される賦形剤に対する過敏症の履歴
m.R-CHOPの任意の個々の成分に関する任意の禁忌
【0213】
3.試験治療
このプロトコールの目的のために、以下の定義を適用する:
【0214】
試験薬は、研究用薬効製品と同義的に用いられるべきである。試験薬はタファシタマブ及びレナリドミドである。
【0215】
試験治療は、R-CHOPに加えたタファシタマブ(アームA)、またはR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミド(アームB)として定義される。
【0216】
試験治療は、6サイクルのR-CHOPに加えたタファシタマブ(アームA)、または6サイクルのR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミド(アームB)からなり、最多で6回の21日サイクルにわたって施与されることになる。
【0217】
3.1 治療サイクルの定義
完全な治療サイクルは、R-CHOPに加えたタファシタマブ(アームA)またはR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミド(アームB)を以下の計画に従って施与する21暦日として定義される。
【0218】
アームA:R-CHOPに加えたタファシタマブ
タファシタマブ及びR-CHOPからなる試験治療は、表2に示すように6サイクルにわたる21日サイクルにおいて行われることになる。
【表2】
【0219】
アームB:R-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミド
R-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドからなる試験治療は、表3に示すように、6サイクルにわたる21日サイクルにおいて施与されることになる。
【表3】
【0220】
3.2 研究用薬効製品(複数可)
タファシタマブ
タファシタマブ剤形、包装、貯蔵及び調製
タファシタマブ薬物製品(DP)は、単回使用20mL容ガラスバイアルに入った状態で供給される黄味がかった凍結乾燥物である。各バイアルは、5mLの注射用水(WFI)による再構成のための200mgのタファシタマブを含有する。再構成によって、40mg/mLのタファシタマブを含んだpH6.0の25mMのクエン酸ナトリウム、200mMのトレハロース及び0.02%(w/v)のポリソルベート20が得られる。各製品バイアルは、5mlの再構成溶液の中に含まれた200mgのタファシタマブを送達することを意図したものである。再構成後の溶液は、無色~淡黄色であり、異物粒子を本質的に含まないものであるが、それは、白色~白味がかった製品関連粒子をわずかに含有することがある。
【0221】
投与のためには、注射のための0.9%(w/v)の塩化ナトリウムを含んだ市販の250mL容輸注容器にタファシタマブを入れて希釈することになる。
【0222】
個々のタファシタマブ輸注液は、無菌条件下で調製されることになり、試験所にて投与されることになる。一般に、タファシタマブのバイアルは、WFIによる再構築の後に可能な限り早く使用される。輸注のために希釈した後のタファシタマブの投与は、可能な限り早く起こるべきである。
【0223】
タファシタマブ投与
タファシタマブは、12mg/kg体重の用量で6サイクルにわたってIV投与されることになる。各21日サイクル(第1~第6サイクル)は、1日目、8日目及び15日目のタファシタマブ輸注で構成されることになり、つまり、各患者は、6サイクルにわたる最大18回のタファシタマブの輸注で処置されることになる。
【0224】
1回目の輸注では、IV輸注速度は、最初の30分間を70mL/hとしてその後に125mL/hの速度に上昇させるべきであり、総輸注継続期間はおよそ2.5時間となることになる。
【0225】
後のタファシタマブ輸注はすべて、およそ125mL/hの一定速度でおよそ2時間の期間にわたってIV投与されることになる。
【0226】
このプロトコールでの輸注速度漸増スケジュールは推奨である。必要に応じて研究員は、輸注をより低速で施与することによって患者の安全性を最適化する臨床判断を用いるべきである。
【0227】
レナリドミド
レナリドミド投与
患者は、各21日サイクルの1~10日目に25mgの開始用量の経口レナリドミドを1日1回、自己投与することになる。レナリドミド用量は、3.4に記載されるガイドラインに従って低減され得る。
【0228】
R-CHOP
R-CHOP投与
リツキシマブをタファシタマブ輸注のおよそ30分後に与えることが勧められ、その後には、リツキシマブ輸注終了のおよそ30分後に与えることになるCHOP化学療法が続く。
【0229】
注:CHOPの一部である1日目のステロイド用量(IVまたはPOによる100mgのプレドニゾンもしくはプレドニゾロン、または等価物)は、タファシタマブ輸注に先立つ事前医薬利用のさらなる成分として使用され得る。
【0230】
3.3 治療方法の遵守及び製品責任
タファシタマブの投薬は、輸注1回あたりに投与されるタファシタマブ用量が指定投薬量の80%以上120%以下である場合、適切とみなされることになる。
【0231】
レナリドミドは、D1~10の治療のための新たな治療サイクルの開始の度に分注されなければならない。患者は、投与される計画レナリドミド用量が指定投薬量の80%以上100%以下である場合、プロトコールを遵守しているとみなされることになる。
【0232】
3.4 推奨用量の変更、薬物中断及び中止ガイドライン
レナリドミドは、各サイクルの1~10日目にのみ与えられ得、この期間以外で投与されてはならない。
【0233】
レナリドミドの用量は、1日1回25mgの開始用量から逐次的に1レベルずつ低減され得る。これは、以下の表4に記載される。
【表4】
【0234】
レナリドミドは、10日間の投薬期間内で、(最長3日で)中断され得、この期間内で、同じ用量または1レベル低い用量で再開され得るが、このサイクルの10日目を越えて延長され得ない。前のサイクルの間にレナリドミド投薬が中断され、サイクルの残りに対する中断を必要とすることなく用量を1レベル下げて再開された場合には、その低減された用量レベルが次のサイクルの1日目に開始されることになる。あるサイクルから次のサイクルまでに用量低減を1回よりも多くは行わないこととする。患者のレナリドミド用量が一旦低減されたならば、用量の再漸増は容認されない。
【0235】
用量レベル-3を忍容できない患者は、アームBにおけるレナリドミド治療を中止されなければならないが、可能であればタファシタマブとR-CHOPによる療法を計6サイクルの継続期間にわたって継続するべきである。
【0236】
次の治療サイクルを開始する基準(第2~第6サイクルの1日目)
次の治療のサイクルは、以下の基準が満たされる場合、予定された1日目から始まり得る。
・絶対好中球計数(ANC)≧1,000/mm3(好中球減少症が骨髄の浸潤に起因している場合を除く)
・血小板≧75000/mm3(血小板減少症が骨髄の浸潤に起因している場合を除く)
・他のすべての毒性がグレード2以下にまで消散した
【0237】
重複する毒性がある場合、R-CHOPの何らかの用量を低減する前に試験薬(レナリドミド、タファシタマブ)を低減または中断または中止することを確実にするべきである。
【0238】
計画された新たなサイクルの1日目に上記基準が満たされていない場合、次のサイクルを開始するべきでない。患者は、7日以内に再び評価されることになる。上記基準が7日以内の任意の時に満たされる場合、次の治療サイクルを開始してよい。
【0239】
7日遅らせた後に依然として上記基準が満たされていない場合、次のサイクルを開始するべきでない。患者は、もう7日後(またはそれ以内)に再び評価されることになる。上記基準が7日以内の任意の時に満たされる場合、次の治療サイクルを開始してよい。
【0240】
アームBの患者については、レナリドミドを次のより低い用量レベルに低減するべきである。レナリドミドが既に最低用量レベルにある場合、レナリドミド治療を恒久的に中止するべきである。
【0241】
14日遅らせた後に依然として上記基準が満たされていない場合、次のサイクルを開始するべきでない。研究員によって適切とみなされる頻度で全血球算定が繰り返されるべきである。アームBにおいて上記基準が満たされる場合、レナリドミドを恒久的に中止するべきであり、タファシタマブをこの治療サイクルにおいて中断すべきであり、一方、R-CHOP治療は再開してもよい。アームAでは、タファシタマブを中断すべきである一方、R-CHOP治療は再開してもよい。
【0242】
3.5 付随的医薬利用
タファシタマブ輸注のための事前医薬利用
タファシタマブ輸注は、経口アセトアミノフェン(例えば、650~1000mg)、抗ヒスタミン薬、例えばジフェンヒドラミン塩酸塩(50~100mg)及びグルココルチコステロイド(例えば、IVによる100mgのプレドニゾンもしくはプレドニゾロン、または等価物)による事前医薬利用を各輸注の開始の30~60分前に行った後に、患者に施与されるべきである(禁忌とされる場合を除く)。CHOPの一部である1日目のステロイド用量(IVまたはPOによる100mgのプレドニゾンもしくはプレドニゾロン、または等価物)が、タファシタマブ輸注に先立つ事前医薬利用のさらなる成分として使用され得ることに留意されたい。事前医薬利用は、最初のサイクルのために必要とされる。最初のサイクルの間にタファシタマブに対するグレード2以上のIRR/グレード1以上のCRSを被らない患者については、後の抗体輸注のための事前医薬利用は研究員の裁量で任意選択とされることになる。そうでない場合は、後の投与のための事前医薬利用を継続するべきである。
【0243】
ステロイド前治療
療法の開始前にステロイド前治療を緊急に必要とする患者については、腫瘍スクリーニング研究(撮像、血液試料)が完了した後に7日間にわたって経口プレドニゾン25~100mg/dまたは等価物の使用が許可される。
【0244】
例外的状況においては、及び研究員の裁量で、ステロイド前治療はPETの収集の前に開始され得る。
【0245】
4.臨床試験手順
4.1 人口統計学的データ/関連医療歴及び現在の医学的状態/ベースラインステージ及び予後分類
記録されなければならない人口統計学的変数には、年齢、性別、人種/民族的起源が含まれることになる。
【0246】
ICFの署名時に、関連医療歴及び現在の医学的状態が記録されるべきである。DLBCLの医療歴については、スクリーニング時のすべての症候を含む詳しい証拠書類が提供されるべきである。また、DLBCLの診断に至る検査は、患者の元文書において整然と詳録されているべきである。これには、例えば、研究所検査の結果、撮像結果、またはDLBCLに関係する臨床症候が含まれ得る。リンパ腫の評価は疾患ステージ判定を含むべきである。スクリーニング時の患者の状態を表すためには、関与部位の数、及びそれと横隔膜との関係、B症候の存在、ならびに節外性疾患の存在を表す、DLBCLのために用いられる標準的なAnn Arborステージ判定方式が整然と詳録されることになる(付録B)。加えて、IPIによる疾患リスク評価((付録C)、及び米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)全身状態基準による患者状態(付録A参照)が記録されることになる。
【0247】
CNSリンパ腫関与についてのスクリーニングは必須ではない。高リスク疾患を有する患者においては、CNSリンパ腫関与を除外するために、脳脊髄液評価(細胞学、フローサイトメトリー)を伴う腰椎穿刺、及び/または頭部CT/頭部MRIが推奨される。
【0248】
4.2 骨髄評価
Lugano基準(Cheson,2014)によれば、PET/CTまたはPET/MRIを受ける患者において、骨髄吸引及び生検は必須ではない。但し、骨髄評価は、研究員の裁量に従って実施され得る。そのような検査のデータはeCRFの中に収集されることになる。
【0249】
4.3 放射線撮像評価
治療前の腫瘍評価のために、少なくとも頚部、胸部、腹部、骨盤及び他の任意の疾患部位を対象とするCTスキャン(特に禁忌がない限り造影剤を使用する)、ならびにPETスキャンが必要とされる。ICFに署名する前の最長21日間以内における過去のPET/CTまたはPET/MRIスキャンの利用は、それらが許容可能な質を有し、かつ上記解剖学的領域を対象としている限りにおいて、容認される。節外関与(例えば、胃または皮膚関与)に関する情報は元文書に記録されることになる。
【0250】
試験過程の間、スクリーニングに関して上記解剖学的領域を対象とする奏効評価が実施されることになるが、但し、さらなる領域を対象とする必要があるとみなされる場合は、この限りでない。
【0251】
治療中間CT/MRIは、第3サイクルのD18+/-3日に、つまり、第3サイクルの終了前に実施されるべきであり、治療中間PET/CT(またはPET/MRI)は任意選択され、地域ガイドラインを元に行われるべきである。
【0252】
治療終了PET/CTまたはPET/MRIは、最後の試験治療の4~8週間後に実施されるべきである。
【0253】
経過観察期間中は、大体6ヶ月ごとにCTスキャンが実施されるべきである。
【0254】
純粋に臨床症候に基づいて疾患進行/再発が診断される場合には、IV造影剤を使用するCTスキャン(または、IV造影剤が禁忌である場合にはMRI)、またはPET/CT(またはPET/MRI)が、症候に基づいて疾患進行/再発を診断してから4週間以内に必要とされる。そのような撮像が実施された場合には、早期治療中止訪問時にそれを繰り返す必要はない。
【0255】
注:PET/CTハイブリッドスキャナは、スキャナによって生成されるCTが診断品質を有する場合に限り、必要なCT画像を取得するために使用され得る。
【0256】
PET及びCTの両方を取得するためにハイブリッド装置を使用する場合、PETは、PET結果が損なわれないよう、IV造影剤を使用するCTに先立って実施されるべきである。
【0257】
独立したCT及びPETスキャナを使用し、患者が両方のスキャンを同じ日に受けている場合、PETは、IV造影剤を使用するCTに先立って実施されるべきである。PET結果の評価は、Lugano分類に基づく(Cheson,2014、(付録D)参照。
【0258】
病巣測定結果、及びLugano分類(Cheson,2014、付録D参照)に基づく奏効評価に関わる他のパラメータは、eCRFの中に収集されることになる。
【0259】
5.0 有効性、薬物動態、安全性及び他の変数
5.1 有効性評価
有効性評価は、(Cheson,2014によって報告された)Lugano分類のガイドラインに基づく悪性リンパ腫のための改定された奏効基準に従って行われることになり、研究員評価(付録D)に基づくことになる。
【0260】
有効性は、ORR、DoR、PFS、EFS、OS、TTP及びTTNTに関して評価されることになる(有効性評価項目の定義のための第6.9節及び第6.10節を参照されたい)。
【0261】
有効性/疾患奏効の撮像評価は、第3サイクル終了時に、及び治療終了後に(患者が開始した最後の治療サイクルの21日目から6±2週間後に)、ならびにFU期間中のおよそ6ヶ月ごとに記録されることになる。
【0262】
5.2 安全性評価
地域安全性及び血液学研究所検査
AEに相当するいかなる異常な研究所知見も、ありのままに報告されるべきであり、転帰が分かるまで経過観察されるべきである。また、患者の病状のより正確な診断を判定するためにさらなる診断検査が指示されることもある(例えば、高いまたは低いWBC計数を明らかにするのに役立てるための白血球(WBC)分類計数を指図すること、または低いヘマトクリットを明らかにするのに役立てるための赤血球(RBC)指数の判定を指図すること)。
【0263】
有害事象、重篤な有害事象及び特に注目される有害事象の定義
AEは、薬効製品を投与された患者における任意の不都合な医学的出来事として定義されるが、これは、必ずしもこの治療との因果関係を有している必要はない。
【0264】
したがって、AEは、試験薬の使用に一時的に関連する任意の望ましくない及び意図しない兆候(異常な研究所知見を含む)、症候または疾患であり得、それがその試験薬に関係しているとみなされるか否かは問わない。
【0265】
AEには、ICFに署名した後の患者の医学的状態の任意の臨床的に重大な悪化が含まれる。また、既存の事象または病状、及びプロトコールが定める手順(例えば侵襲的手順)に起因する事象の頻度または強度の増加はAEの定義に入る。
【0266】
以下を判定するためのAEの評価:
・(疑わしい/疑わしくない)試験薬またはR-CHOPとの関係性
・継続期間(開始及び終了日、または継続している場合の試験終了時)
・強度:すべてのAEの強度は、以下の定義を用いて軽度、中等度または重度として評定されることになる:
○軽度:忍容できる
○中等度:通常の活動を妨げる
○重度:身体障害をもたせている(通常の活動または作業を実施できないことを招く)
・重症度、すなわち毒性グレード:以下の定義を用いるNCI-CTCAE バージョン5.0に従って判定される:
○グレード1:軽度;無症候性または軽い症候;臨床所見または診断所見のみ;介入は指示されない
○グレード2:中等度;最低限の、局所の、または非侵襲的な介入が指示される;年齢に相応しい日常生活の術となる活動(食事を準備すること、食料雑貨類をまたは衣類を買いに行くこと、電話を使用すること、金銭を管理することなどを意味する)を制限している
グレード3:重症、または医学的に重大であるがすぐさま生命を脅かすわけではない;入院または入院の延長が指示される;動けなくしている;身の回りの日常生活動作を制限している
○グレード4:生命を脅かす結末;緊急介入が指示される
○グレード5:AEに関係する死亡
・転帰
○すべての非重篤AEは、最終転帰のために経過観察されなければならない。「不明」という転帰は許容可能な最終転帰とはみなされない。「未消散」という転帰は、試験における患者の参加終了時の非重篤AEについての許容可能な最終転帰である。すべてのSAEは、消散するまで、または消散の可能性がなくなる場合には安定化または死亡するまで、最終転帰のために経過観察されなければならない。
・採用された行為(採用された行為なし;試験薬またはR-CHOPの一時的中断;このAEを原因とする試験薬またはR-CHOPの恒久的中止;医薬利用の採用;非薬物療法の施与;入院/延長された入院)
・重篤度:SAEは、それが以下である場合に重篤であると定義される:
○死亡を招く
○生命を脅かす
○入院患者の入院、または既に行われている入院の延長を必要とするが(入院は、患者が少なくとも一晩にわたって滞在する入院患者であったことを表す)、但し、入院が以下のために行われる場合は、この限りでない:
⇒DLBCLに関係する症候の悪化に関連しない試験された適応症の慣例的治療またはモニタリング
⇒DLBCLに無関係であり、かつインフォームドコンセントに署名して以来悪くなっていない、既存の病状のための、待機的治療または事前計画治療
⇒患者の全身の病状に何ら悪化がない、社会的理由及びレスパイトケア
○持続的または重大な体の不自由または身体障害をきたす
○先天異常または先天性欠損症である
○医学的に重大である、つまり、患者を危険に曝す事象、または先に列挙される転帰のうちの1つを防止するために医学的介入を必要とし得る事象として定義される
【0267】
「生命を脅かす」という用語は、報告する研究員の観点から患者が事象の時に差し迫った死亡リスクを有していた事象を意味しており;それは、仮想的にそれがより重度であった場合に死亡を招く可能性があった事象を意味しない。医学的判断は、AEが他の状況で重篤であるか否かを判定する際に適用されるべきである:すぐさま生命を脅かすわけでない、または死亡もしくは入院を招かないが、患者を危険に曝しかねない、または先の定義の中で列挙される他の転帰のうちの1つを防止するための介入を必要とし得る、重要なAEも、重篤であるとみなされるべきである。
【0268】
タファシタマブについて特に注目されるAE(AESI)は:試験薬に対するグレード3以上のTLS、IRR及びアレルギー反応、サイトカイン放出症候群、二次原発悪性腫瘍、B型肝炎再燃、侵攻性多巣性白質脳症(PML)である。
【0269】
レナリドミドについて特に注目されるAE(AESI)は:二次原発悪性腫瘍である。
【0270】
安全性評価とは異なり、SAE及びAESIは、連続的にモニタリングされ、特別な報告要件を有する。
【0271】
6.統計方法及び計画された解析
6.1 全般的な統計学的考慮事項
要約統計量の作表、グラフ表示及び統計解析は、SAS(登録商標)ソフトウェアのバージョン9.3以上を使用して実施されることになる。
【0272】
連続的定量的変数要約は、(欠落のない値/有効な事例を有する)患者の数(N)、平均、標準偏差、最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数及び最大値を含むことになるが、追加の統計学が用いられ得る場合のPK計測は除外されることになる。
【0273】
分類別の定性的変数要約は、特定の分類における患者/登録の頻度及び百分率を含むことになる。
【0274】
ベースライン値の定義:最後の事前投与所見が、ベースラインからの投与後変化を計算するためのベースライン値として用いられることになる。
【0275】
eCRFによって得られた、及びデータベースに入力された、すべてのデータは、個々の患者の値を示す別個のデータ一覧表で提供されることになる。統計解析の詳細を示した統計解析計画(SAP)は、第1患者の最初の訪問の前に仕上げられることになる。
【0276】
統計解析の計画及び報告は、臨床試験を規定しているスポンサーのSOPに記載されているとおりに行われることになる。
【0277】
スポンサー及び/または指名されたCROはデータを解析することになる。研究員によって独立して行われた任意のデータ解析は、発行または提示の前にスポンサーに提出されるべきである。
【0278】
十分な数の患者を解析のために利用できるよう、このプロトコールで参加施設からのデータを組み合わせることが計画されている。
【0279】
6.2 解析のタイミング
安全性導入解析
安全性データ審査が実施される場合に備えて、患者プロファイル及び有害事象の一覧表が提供されることになる。
【0280】
主要完了解析
主要完了解析は、すべての患者が彼らの治療終了訪問(EOT)を実施してから30日後のデータカットオフに基づいて実施されることになる。
【0281】
主要完了の時に主要及び重要副次目的が解析されることになる。詳細はSAP中に提供されることになる。
【0282】
最終解析
最後の患者が最後の訪問を完了した後、最終解析が実施されることになる。
【0283】
最終解析の時、第2及び探索的目的の実施に加えて更新データを使用して、主要完了解析中に実施された解析が繰り返されることになる。
【0284】
6.3 解析のための集団
スクリーニングはなされたが試験治療は開始されることがない患者が列挙されることになる。スクリーニング不成功はどの要約表にも含まれないことになる(患者配置表は除く)。
【0285】
最大の解析対象集団(FAS)
どちらかの試験アームに無作為化されたすべての患者がFASに含められることになる。有効性解析はFASに対して実施されることになる。患者は、彼らが無作為化された試験治療に従って解析されることになる。
【0286】
安全性解析対象集団(SAF)
少なくとも1回の用量の試験薬(タファシタマブ、またはタファシタマブとレナリドミド)を受けたすべての患者。安全性解析はSAFに対して実施されることになる。
【0287】
患者は、試験治療の最初の日に患者が受けた治療として定義される実際に彼らが受けた試験治療に従って解析されることになる。
【0288】
プロトコール適合集団(PPS)
有効性評価項目に影響を及ぼすであろう重要なプロトコール違反を何ら有さない、FASに含められた患者。
【0289】
すべてのプロトコール違反、またはPPSからの除外につながる条件は、データ取扱計画及び統計解析計画の中で詳細が示されることになる。有効性評価項目のための感度解析は、PPSを用いて実施され得る。
【0290】
6.4 患者配置、人口統計学及びベースライン特徴
以下の情報を有する表が提供されることになる:
・各解析対象集団に含まれている患者の数。
・スクリーニングされた、無作為化された、少なくとも1回の用量の治験治療を受けた、最初の21日以内に治療を中止した、6サイクルの治療の間に治療を中止した、治験を時期尚早に中止した、ならびに完全な経過観察及び彼らの予定された最後の訪問を終えた、患者の数。治療を終了した理由及び試験を終了した理由が提供されることになる。
・治験から脱退した患者の数、及び脱退の理由。
【0291】
人口統計学的情報は、FASに対する記述的解析を用いて要約されることになる。性別及び人種/民族的起源は計数及び百分率によって要約されることになる。
【0292】
医療歴は、MedDRA器官別大分類(SOC)及び基本語分類を用いて計数及び百分率によって要約されることになる。付随的医薬利用は、WHO医薬品辞書拡張版を用いた記録及びコード化、ならびに解剖治療化学(ATC)分類による類別がなされることになる。計数/百分率を伴う作表は、各クラスで用いられた医薬利用回数/百分率を示すことになる。
【0293】
DLBCLに関する以下のベースライン特徴及び医療歴は、以下のものを提示して要約されることになる
・初回診断以来の疾患の持続期間
・IPI
・Ann Arborステージ判定
・非巨大腫瘤病変に対する巨大腫瘤病変
・(利用可能である場合には地域研究所からの、及びアッセイ、例えば遺伝子発現プロファイリングまたはIHCが使用した)COO
・B症候
・節外関与の有無
・節外関与の部位の数
・PETによる骨髄関与の有無
・生検による骨髄関与の有無、利用不可
・基準範囲上限を上回るLDHの有無
詳細は統計解析計画において提供されることになる。
【0294】
詳細は統計解析計画の中で示すことにする。
【0295】
6.5 治療(試験治療、付随する療法、遵守)
試験治療
試験治療曝露の継続期間及び累積用量は治療アームごとに要約されることになる。用量変更/中断を有する患者の数は、用量変更/中断の理由と併せて治療アームごとに要約されることになる。安全性解析対象集団が表及び一覧のために用いられることになる。
【0296】
既往及び付随的療法
ICF署名前の3週間以内に投与/服用されたコルチコステロイド、及び付随的医薬利用、及び試験治療と並行して与えられた重要な非薬物療法は、解剖治療化学分類システム(ATC)用語によって、好ましい用語によって、及び治療アームごとに列挙及び要約されることになる。これらの要約は、試験治療の開始時または開始後に開始される医薬利用、または試験治療の開始前の、及び試験治療の開始後に継続される医薬利用を含むことになる。
【0297】
安全性解析対象集団は、上記のすべての付随的医薬利用の表及び列挙のために用いられることになる。
【0298】
6.6 試料サイズ決定
これは主として安全性評価項目を調査するために行われる第Ib相試験であるため、この治験の試料サイズ計算に対する形式的な統計学的仮説は立てられなかった。
【0299】
アーム1つあたり12名の患者の試料サイズでは、これらの毒性の根本的発生率が33%である場合、許容不可能な毒性がある4名以上の患者を認める60%の確率が存在する。
【0300】
アーム1つあたり30名の患者の試料サイズでは、これらの毒性の根本的発生率が33%である場合、許容不可能な毒性がある10名以上の患者を認める55%の確率が存在する。
【0301】
6.7 主要目的解析
この治験の主要目的は、新たに診断されたDLBCLを有する患者における、R-CHOPに加えたタファシタマブ、及びR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドの安全性及び忍容性を評価することである。安全性及び忍容性を評価するために、臨床的に重要な研究所異常を含めた血液学的及び非血液学的AEの発生率及び重症度が判定されることになる。AEは、重篤度、強度、毒性、試験治療との関係性、転帰、及び採用された行為に関して分類されることになる。AE報告は、アメリカ国立がん研究所(NCI)有害事象共通用語基準(CTCAE)のバージョン5.0に従って評定されることになる。
【0302】
6.8 重要副次目的解析
R-CHOPに加えたタファシタマブ、及びR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドの有効性を、治療終了時のORR及びPET陰性CR率に関して評価すること。
【0303】
治療終了時の客観的奏効率
ORRは、治療終了時に達成された奏効(試験薬投与の最後の日の56日後まで実施された腫瘍スキャン)に基づくCRまたはPRを有する患者の割合として定義される。
【0304】
両治療アームについて、ORRが(Clopper-Pearson正確法を用いる)95%の正確なCIと一緒に提示されることになる。
【0305】
CRを有する患者の数及び百分率、ならびにPRを有する患者の数が治療アームごとに提示されることになる。
【0306】
治療終了時の代謝PET陰性完全奏効率
代謝PET陰性CR率は、治療終了の6±2週間後に実施されたPET/CTに基づく代謝PET陰性CRを達成した患者の割合として定義される。
【0307】
両治療アームについて、代謝PET陰性CR率が(Clopper-Pearson正確法を用いる)95%正確CIと一緒に提示されることになる。
【0308】
6.9 副次目的解析
後の解析についてのさらなる詳細はSAPに明記されることになる。
【0309】
長期安全性解析
治療終了の31日後から始まって試験訪問終了までの、経過観察期間における患者についてのAEの発生率及び重症度が提示されることになる。
【0310】
有効性評価項目
R-CHOPに加えたタファシタマブ、及びR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドの、(Lugano 2014に基づく)有効性を以下の評価項目に従って評価すること:
【0311】
試験終了までの最良ORR
最良ORRは、試験終了まで達成された最良奏効に基づくCRまたはPRを有する患者の割合として定義される。
【0312】
両治療アームについて、最良ORRが(Clopper-Pearson正確法を用いる)95%正確CIと一緒に提示されることになる。
【0313】
CRを有する患者の数及び百分率、ならびにPRを有する患者の数が治療アームごとに提示されることになる。
【0314】
試験終了時の代謝PET陰性完全奏効率
代謝PET陰性CR率は、試験終了まで実施されたPET/CTに基づく代謝PET陰性CRを達成した患者の割合として定義される。
【0315】
両治療アームについて、代謝PET陰性CR率が(Clopper-Pearson正確法を用いる)95%正確CIと一緒に提示されることになる。
【0316】
12ヶ月目及び24ヶ月目の無増悪生存(PFS)率
地域の放射線科医によってLugano 2014基準(Cheson,2014)を用いて腫瘍評価が実施されることになる。
【0317】
PFSは、無作為化日から、最初の放射線学的もしくは組織学的/細胞学的に証拠付けられた疾患進行の日または任意の原因による死亡の日までの時間として定義される。患者が、解析カットオフ日、またはさらなる抗新生物療法を彼/彼女が受ける時に、進行または死亡していない場合、カットオフ日かさらなる抗新生物療法の開始かのどちらか早い方よりも前の最後の十分な腫瘍評価の日にPFSが検閲されることになる。
【0318】
カプランマイヤープロットを用いてPFSの分布が評価されることになる。治療アームごとに、12及び24ヶ月目のPFS確率、ならびに連合した95%CIが要約されることになる。
【0319】
12ヶ月目及び24ヶ月目の無事象生存(EFS)率
EFSは、無作為化日から、最初の放射線学的に証拠付けられた疾患進行の日または任意の原因による死亡の日または新たな抗リンパ腫治療の開始の日までの時間として定義される。解析カットオフ日に患者が進行もしくは死亡していない、または新たな抗リンパ腫治療を開始していない場合、最後の連絡の日にEFSが検閲されることになる。
【0320】
カプランマイヤープロットを用いてEFSの分布が評価されることになる。治療アームごとに、12及び24ヶ月目のEFS確率、ならびに連合した95%CIが要約されることになる。
【0321】
次の抗リンパ腫治療までの時間(TTNT)
次の抗リンパ腫治療までの時間(TTNT)は、無作為化日から、次のリンパ腫治療を施与する日または任意の原因による死亡の日までの時間として定義される。解析カットオフ日まで患者が次の抗リンパ腫治療を受けていない、または死亡していない場合、彼/彼女は最後の連絡の日に検閲されることになる。
【0322】
カプランマイヤープロットを用いてTTNTの分布が評価されることになる。治療アームごとに、12及び24ヶ月目のTTNT確率、ならびに連合した95%CIが要約されることになる。
【0323】
12ヶ月目及び24ヶ月目の全生存期間
全生存期間(OS)は、無作為化日から任意の原因による死亡までの時間として定義され、死亡日によって証拠付けられる。
【0324】
カプランマイヤープロットを用いてOSの分布が評価されることになる。治療アームごとに、12及び24ヶ月目のOS確率、ならびに連合した95%CIが要約されることになる。
【0325】
6.10 探索的客観的解析
両治療アームにおいて以下の有効性評価項目:
a.ORR、及び
b.PFS
が、以下のバイオマーカーに基づいて評価されることになる:
i.由来細胞
ii.腫瘍組織におけるNK細胞計数
iii.腫瘍組織におけるNK細胞遺伝子発現シグネチャ
iv.腫瘍組織におけるマクロファージ計数
v.腫瘍組織におけるマクロファージ遺伝子発現シグネチャ
vi.(診断用生検材料中の、及び進行/再発時の)腫瘍細胞における定量的及び半定量的CD19発現
vii.(診断用生検材料中の、及び進行/再発時の)腫瘍細胞における定量的及び半定量的CD20発現
【0326】
6.11 安全性解析
この試験の主要目的、及び副次目的の1つは、R-CHOPに加えたタファシタマブ、及びR-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドの安全性及び忍容性を、新たに診断されたDLBCLを有する成人患者において評価することである。
【0327】
すべての安全性解析は、治療アームごとに全体的に提示されることになる。
【0328】
主要評価項目:
TEAEの発生率及び重症度
治療下発現有害事象は、試験治療の最初の用量の後から始まって患者が開始した最後の治療サイクルの21日目の30日後までのすべての有害事象である。
【0329】
第2評価項目:
治療終了の31日後から始まって試験訪問終了までの試験における患者についてのAEの発生率及び重症度が提示されることになる。
【0330】
注:主要完了解析時に、収集されたすべての非治療下発現AE(試験薬投与の最初の用量よりも前、かつ治療終了の30日後のAE)が列挙されることになる。
【0331】
有害事象
試験治療の最初の用量の後から始まって患者が開始した最後の治療サイクルの21日目の30日後までのすべての有害事象が、治療下発現有害事象(TEAE)とみなされることになる。試験中ではあるが試験治療の最初の用量の時よりも前(例えばスクリーニング期間中)に始まった有害事象は、非治療下発現有害事象として分類されることになり、有害事象一覧表には含められることになるが、要約はされないことになる。
【0332】
TEAEは、MedDRA SOC及び基本語に従ってコード化されることになる。すべてのAEの発生率及び頻度は、SOC、基本語、治療との関係性、重症度及び重篤度によって要約されることになる。
【0333】
AE要約表は、事象の数、対象の数、ならびに各アーム及び全体において以下を有する対象の百分率を示した状態で提示されることになる:
・すべての治療下発現有害事象(TEAE)
・最大重症度によるTEAE
・SAE
・薬物関連TEAE
・重症度/毒性評定ごとの薬物関連TEAE
・治療中止に至ったTEAE
・グレードごとのIRR。
【0334】
この試験における特に注目される有害事象は:
・グレード3以上の輸注関連反応
・サイトカイン放出症候群
・タファシタマブに対するグレード3以上のアレルギー反応
・二次原発悪性腫瘍
・PML
・B型肝炎再燃
・TLS
である。
【0335】
スポンサーは、SAEとして報告されているものに加えてAESIを記載することになる。AESI作表はTEAEの作表と同様とする。
【0336】
スポンサーは、SAEとして報告されているものに加えて、適切とみなされる場合には他の重大なAE、例えば、AEに相当する研究所異常(重篤としての定義を満たすもの以外)、及び介入につながった任意の事象(IMPの時期尚早な中止、用量間隔の増大、または重要な付加的付随的療法を含む)について説明することになる。
【0337】
正常または異常についての研究員の評価に加えて、スポンサーは、各臨床研究所結果、バイタルサイン結果及びECG結果を、それが新たな異常を反映しているか否かについて、及びそれが数値データに関してベースラインからの重大な悪化、または中心を離れた結果もしくは極端な値を反映しているか否かについて内部評価することになる。これらの用語は、臨床研究所結果、バイタルサイン結果及びECG結果に関して以下のとおりに定義される:
・新たな異常は、ベースラインが基準範囲内に入っている患者についての任意の異常なベースライン確立後結果とされる。
・重大な悪化は、ベースラインからの、基準から離れる方向(すなわち、臨床的に重大である方向)へのベースライン値の25%以上の変化を表す、任意の数値的臨床研究所結果、バイタルサイン結果またはECG間隔測定結果とされる。
・任意の数値的研究所結果、バイタルサイン結果またはECG間隔測定結果において、中心を離れた結果は、以下の基準のいずれかを満たす、ベースラインからの任意の投与後変化とされる:
第1四分位-1.5×(四分位間範囲)を下回ること、または
第3四分位+1.5×(四分位間範囲)を上回ること。
・任意の数値的研究所結果、バイタルサイン結果またはECG間隔測定結果において、極端な値は、以下の基準のいずれかを満たす、ベースラインからの任意の投与後変化とされる:
第1四分位-3×(四分位間範囲)を下回ること、または
第3四分位+3×(四分位間範囲)を上回ること。
【0338】
7.予備的データ
82名の患者をスクリーニングし、66名は無作為化を受け;33名をアームAに割り付け、33名をアームBに割り付けた。表5は、ベースライン特徴を示す。
【表5-1】
【表5-2】
【0339】
データカットオフ時、アームA内の2名の患者が有害事象のために治療を中止した一方、アームBでは中止が存在しなかった。以下の
【0340】
表6は、データカットオフ時における治験内の患者の状態を示す。
【表6】
【0341】
全体として、98.5%の患者がTEAEを被り;これらのうち75.8%はグレード3以上であった。重篤なTEAEは計29名の患者(43.9%)が被り、アームAでは13名の患者、及びアームBでは16名の患者であった(39.4%対48.5%)。タファシタマブとR-CHOP、またはタファシタマブとレナリドミドとR-CHOPのどちらにおいても、以前のR-CHOP、レナリドミドまたはR2-CHOPによる第III相試験と比較して新たな安全性シグナルは同定されなかった。以下の表7は、TEAEの要約を示す。
【表7】
【0342】
SOCによる最も頻繁にあった事象は、各アームにおいて25名の患者が被った血液及びリンパ系障害であった(75.8%)。アームBではアームAに比べてより多くの血液及びリンパ系障害事象が起こり(163対94)、3以上の事象の発生がより高かった(アームB対アームAで116対57)。
図2に要約を示す。
【0343】
アームBにおけるより高い血液及びリンパ系障害事象率は、レナリドミドによる好中球減少症及び血小板減少症の発生率が、それを使用しない場合に比べてより高かったことに起因している(3名の患者(9.1%)に対比して10名の患者(30.3)が血小板減少症を有していた)。これらの患者のうち、レナリドミドによってグレード3以上の事象を被ったのは、それを使用しない場合の2名の患者(6.1%)と対比して8名(24.2%)であった。
図3にデータを示す。
【0344】
アームAでは3名の患者(9.1%)が発熱性好中球減少症を有し、これに比べてアームBでは4名の患者(12.1%)であった。グレード3以上の感染事象を被ったのは、アームA及びアームBのそれぞれ6名(18.2%)及び7名(21.2%)の患者であった。アームA1において1名の患者は尿路感染症のために死亡した。表8は、関心対象の有害事象に関する情報を示す。
【表8】
【0345】
これらの予備的データは、新たに診断された治療ナイーブDLBCL患者においてR-CHOPが、タファシタマブ、またはタファシタマブとレナリドミドと安全に組み合わせられ得ることを示唆している。TEAEの発生は2治療アーム間で概して同程度であり、R-CHOP単独またはこれとレナリドミドとの組合せ(R2-CHOP)によって想定された者に対する新たな安全性シグナルは何ら認められなかった。
【0346】
3回の治療サイクルの後、45名の患者(68.2%)が中間時奏効評価に利用可能であった。2014年Lugano分類を用いて、合計で41/45の患者(91.1%)が客観的奏効を有していた:アームAでは19/22、及びアームBでは22/23。その後の、第3サイクル後の腫瘍評価を完了した60名の患者の中での奏効評価において、ORRは89.7%(アームA)及び93.5%(アームB)であった。
【0347】
合わせた両アームにわたってEoT時の腫瘍評価を有する60名の患者では、ORRは86.7%(52/60;95%信頼区間[CI]、75.4~94.1)であり、完全奏効(CR)率は66.7%(40/60;95%CI、53.3~78.3)であった。(両アームを合わせた)最大の解析対象集団では、ORR及びCR率はそれぞれ78.8%(95%CI、67.0~87.9)及び60.6%(95%CI、47.8~72.4)であった。
【0348】
患者(83名)は、欧州及び米国にわたる9カ国でスクリーニングされた;66名は無作為化された(アームA、n=33;アームB、n=33)。年齢中央値は64.5歳であった(範囲20~86)。多くの患者が高リスク疾患を有していた:IPI2:24/66(36.4%)、IPI3:29/66(43.9%)、IPI4:11/66(16.7%)、IPI5:2/66(3.0%);ECOG PS≧2:6/66(9.1%)。ほとんどの患者、62/66(93.9%)はステージIII/IVの疾患を有していた;29/66(43.9%)は巨大腫瘤病変を有していた。各サイクルにおけるR-CHOPの平均相対用量強度は両アームにおいて維持された。EOT時のORRは、アームAでは75.8%の患者(33名の患者のうち24名のCR及び1名のPR)、及びアームBでは81.8%の患者(33名の患者のうち22名のCR及び5名のPR)において認められた。
【0349】
有効性データ:
EoT時のORRは、アームA25名の患者(76%)、及びアームBでは27名の患者(82%)において認められた。
【0350】
最良ORRは、アームAでは90.9%の患者(CR、29名の患者;PR、1名の患者)、及びアームBでは93.9%の患者(CR、25名の患者;PR、6名の患者)において認められた。
【0351】
6ヶ月目のDoR率は、アームA及びBの患者においてそれぞれ82.6%及び86.2%であった。
【0352】
6ヶ月目のDoCR率は、アームA及びBの患者においてそれぞれ83.6%及び95.2%であった。
【0353】
参考文献
Boltezar L,Prevodnik VK,Perme MP et al.Comparison of the algorithms classifying the ABC and GCB subtypes in diffuse large B-cell lymphoma.Oncol Lett.2018;15(5):6903-6912。
Carbone PP,Kaplan HS,Musshoff K,et al.Report of the committee on Hodgkin’s disease staging classification.Cancer Res.1971;31(11):1860-1861。
Cheson BD,Fisher RI,Barrington SF,et al.Recommendations for Initial Evaluation,Staging,and Response Assessment of Hodgkin and Non-Hodgkin Lymphoma:The Lugano Classification.J Clin Oncol.2014;32(27):3059-3068。
Choi CH,Park YH,Lim JH,et al.Prognostic Implication of Semi-quantitative Immunohistochemical Assessment of CD20 Expression in Diffuse Large B-Cell Lymphoma.J Pathol Transl Med.2016;50(2):96-103。
Cockcroft DW,Gault MH.Prediction of creatinine clearance from serum creatinine.Nephron.1976;16(1):31-41。
Coiffier B,Thieblemont C,Van Den Neste E,et al.Long-term outcome of patients in the LNH-98.5 trial,the first randomized study comparing rituximab-CHOP to standard CHOP chemotherapy in DLBCL patients:a study by the Groupe d’Etudes des Lymphomes de l’Adulte.Blood.2010;116(12):2040-2045。
Cunningham D,Hawkes EA,Jack A,et al.Rituximab plus cyclophosphamide,doxorubicin,vincristine,and prednisolone in patients with newly diagnosed diffuse large B-cell non- Hodgkin lymphoma:a phase 3 comparison of dose intensification with 14-day versus 21-day cycles.Lancet.2013;381(9880):1817-1826。
Czuczman MS,Trneny M,Davies A,et al.A Phase 2/3 Multicenter,Randomized,Open-Label Study to Compare the Efficacy and Safety of Lenalidomide Versus Investigator’s Choice in Patients with Relapsed or Refractory Diffuse Large B-Cell Lymphoma.Clin Cancer Res.2017;23(15):4127-4137。
Delarue R,Tilly H,Mounier N,et al.Dose-dense rituximab-CHOP compared with standard rituximab-CHOP in elderly patients with diffuse large B-cell lymphoma(the LNH03-6B study):a randomised phase 3 trial.Lancet Oncol.2013;14(6):525-533。
Flowers CR,Sinha R,Vose JM.Improving outcomes for patients with diffuse large B-cell lymphoma.CA Cancer J Clin.2010;60(6):393-408。
Ginaldi L,De Martinis M,Matutes E,et al.Levels of expression of CD19 and CD20 in chronic B cell leukaemias.J Clin Pathol.1998;51(5):364-369。
Habermann TM,Weller EA,Morrison VA,et al.Rituximab-CHOP versus CHOP alone or with maintenance rituximab in older patients with diffuse large B-cell lymphoma.J Clin Oncol.2006;24(19):3121-3127。
Hammer O.CD19 as an attractive target for antibody-based therapy.MAbs.2012;4(5):571-577。
Johnson NA,Boyle M,Bashashati A,et al.Diffuse large B-cell lymphoma:reduced CD20 expression is associated with an inferior survival.Blood.2009;113(16):3773-3780。
Jurczak W,Zinzani PL,Gaidano G,et al.Phase IIa study of the CD19 antibody MOR208 in patients with relapsed or refractory B-cell non-Hodgkin’s lymphoma.Ann Oncol.2018;29(5):1266-1272。
Klisovic R,Winderlich M,Ambarkhane S,et al.Single-agent MOR208 in patients with relapsed/refractory(R/R)B-cell acute lymphoblastic leukemia(B-ALL):a single-arm phase II study.EHA Library(conference poster).2017;180615:E839。
Lenz G,Wright G,Dave SS,et al.Stromal gene signatures in large-B-cell lymphomas.N Engl J Med.2008;359(22):2313-2323
Lister TA,Crowther D,Sutcliffe SB,et al.Report of a committee convened to discuss the evaluation and staging of patients with Hodgkin’s disease:Cotswolds meeting.J Clin Oncol.1989;7(11):1630-1636。
Nowakowski GS,LaPlant B,Habermann TM,et al.Lenalidomide can be safely combined with R-CHOP(R2CHOP)in the initial chemotherapy for aggressive B-cell lymphomas:phase I study.Leukemia.2011;25(12):1877-1881。
Nowakowski GS,Hong F,Scott DW,et al.Addition of lenalidomide to R-CHOP(R2CHOP)improves outcomes in newly diagnosed diffuse large B-cell lymphoma(DLBCL):First report of ECOG-ACRIN1412 A randomized Phase 2 US Intergroup study of R2CHOP vs R-CHOP.Hematol Oncol.2019;37(S2)37-38。
Oken MM,Creech RH,Tormey DC,et al.Toxicity and response criteria of the Eastern Cooperative Oncology Group.Am J Clin Oncol.1982;5(6):649-55。
Olejniczak SH,Stewart CC,Donohue K,et al.A quantitative exploration of surface antigen expression in common B-cell malignancies using flow cytometry.Immunol Invest.2006;35(1):93-114。
Pfreundschuh M,Schubert J,Ziepert M,et al.Six versus eight cycles of bi-weekly CHOP-14 with or without rituximab in elderly patients with aggressive CD20+B-cell lymphomas:a randomised controlled trial(RICOVER-60).Lancet Oncol.2008;9(2):105-116。
Salles GA,Johannes Duell J,Eva Gonzalez-Barca E,et al.Single-Arm Phase II Study of MOR208 Combined with Lenalidomide in Patients with Relapsed or Refractory Diffuse Large B-Cell Lymphoma:L-Mind.Blood.2018;132(S1):227。
Schmitz R,Wright GW,Huang DW,et al.Genetics and Pathogenesis of Diffuse Large B-Cell Lymphoma.N Engl J Med.2018;378(15):1396-1407。
Sehn LH,Congiu AG,Culligan DJ,et al.No Added Benefit of Eight Versus Six Cycles of CHOP When Combined with Rituximab in Previously Untreated Diffuse Large B-Cell Lymphoma Patients:Results from the International Phase III GOYA Study.Blood.2018;132(S1):783-783。
Shipp MA,Harrington DP,Anderson JR,et al.A predictive model for aggressive non-Hodgkin’s lymphoma.N Engl J Med.1993;329(14):987-994。
Thieblemont C,Tilly H,da Silva MG,et al.First Analysis of an International Double-Blind Randomized Phase III Study of Lenalidomide Maintenance in Elderly Patients with DLBCL Treated with R-CHOP in First Line,the Remarc Study from Lysa.Blood.2016;128(22):471-471。
Tokunaga T,Tomita A,Sugimoto K,et al.De novo diffuse large B-cell lymphoma with a CD20 immunohistochemistry-positive and flow cytometry-negative phenotype:molecular mechanisms and correlation with rituximab sensitivity.Cancer Sci.2014;105(1):35-43。
Vaidya R,Witzig TE.Prognostic factors for diffuse large B-cell lymphoma in the R(X)CHOP era.Ann Oncol.2014;25(11):2124-2133。
Vitolo U,Chiappella A,Franceschetti S,et al.Lenalidomide plus R-CHOP21 in elderly patients with untreated diffuse large B-cell lymphoma:results of the REAL07 open-label,multicentre,phase 2 trial.Lenalidomide plus R-CHOP21 in elderly patients with untreated diffuse large B-cell lymphoma:results of the REAL07 open-label,multicentre,phase 2 trial.Lancet Oncol.2014;15(7):730-737。
Vitolo U,Trneny M,Belada D,et al.Obinutuzumab or Rituximab Plus Cyclophosphamide,Doxorubicin,Vincristine,and Prednisone in Previously Untreated Diffuse Large B-Cell Lymphoma.J Clin Oncol.2017;35(31):3529-3537。
Vitolo U,Witzig TE,Gascoyne RD,et al.ROBUST:First report of phase III randomized study of lenalidomide/R-CHOP(R2-CHOP)vs placebo/R-CHOP in previously untreated ABC-type diffuse large B-cell lymphoma.Hematol Oncol.2019;37(S2):36-37。
Wilson WH,Sin-Ho J,Pitcher BN,et al.Phase III Randomized Study of R-CHOP Versus DA-EPOCH-R and Molecular Analysis of Untreated Diffuse Large B-Cell Lymphoma:CALGB/Alliance 50303.Blood.2016;128(22):469-469。
Witzig TE,Reeder CB,LaPlant BR,et al.A phase II trial of the oral mTOR inhibitor everolimus in relapsed aggressive lymphoma.Leukemia.2011;25(2):341-347。
Woyach JA,Awan F,Flinn IW,et al.A phase 1 trial of the Fc-engineered CD19 antibody XmAb5574(MOR00208)demonstrates safety and preliminary efficacy in relapsed CLL.Blood.2014;124(24):3553-3560。
【0354】
付録A
ECOG全身状態尺度(Oken,1982)
【表9】
【0355】
付録B
Ann Arborステージ判定
【表10】
【0356】
【0357】
付録D
悪性リンパ腫のためのLugano奏効基準(Cheson,2014)
標的及び非標的病巣
患者の総疾患負荷を代表する異なる身体領域から、2つの直径で測定できる最も大きな標的節、節腫瘤または他のリンパ腫病巣が最大6つ特定されるべきであり、関与がある場合の縦隔及び後腹膜疾患を含んでいるべきである。ベースラインにおいて、測定可能な節は最長直径(LDi)が15mmよりも大きくなければならない。6つの代表的な測定病巣には測定可能な節外疾患が含まれていてもよい。ベースラインにおいて、測定可能な節外病巣はLDiが10mmよりも大きくあるべきである。
【0358】
他のすべての病巣(節性、節外性及び評価可能疾患を含む)は、非標的(例えば、皮膚、GI、脾臓、肝臓、腎臓、胸水または心嚢液、腹水、骨、骨髄)病巣としての非測定疾患として経過観察されるべきである。
【0359】
分裂状病巣及び融合病巣
病巣は、時の経過とともに分裂し得る、または融合し得る。分裂状病巣の場合、節の個々の縦直径積(PPD)を合計して分裂状病巣のPPDを表すべきであり;このPPDを残りの病巣のPPDの合計に加えて奏効を測定するべきである。その後にこれらの不連続な節のいずれかまたはすべての成長が起こる場合、各個の節の最下点を用いて進行を判定する。融合病巣の場合、融合腫瘤のPPDを個々の節のPPDの合計と比較するべきであり、進行性疾患が示されるためには融合腫瘤のPPDが個々の節の合計に比べて50%よりも大きく増加している必要がある。LDi及び最小直径(SDi)は、進行の判定にはもはや必要とされない。
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
【表12-5】
【0360】
実施例2:
濾胞性リンパ腫または辺縁帯リンパ腫を有する対象におけるレナリドミドと組み合わせたタファシタマブの試験-inMIND
この第3相二重盲検プラセボ対照無作為化試験は、再発性/難治性濾胞性リンパ腫グレード1~3aまたは再発性/難治性辺縁帯リンパ腫を有する対象においてレナリドミドと組み合わせたタファシタマブを評価するようにデザインされている。
【0361】
患者は、以下の基準のすべてに該当する場合にのみ試験に組み入れられる:
1.年齢18歳以上。
2.試験のための書面によるインフォームドコンセント用紙を理解する能力及びそれに署名する意思。
3.地域で評価された、組織学的に裏付けられたグレード1、2もしくは3aの濾胞性リンパ腫、または組織学的に裏付けられた辺縁帯リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫もしくは粘膜関連リンパ組織節外性濾胞性リンパ腫(フローサイトメトリーまたは免疫組織化学によるCD19+及びCD20+)。
4.以下の基準に基づいて、妊娠、または子供の父親になることを回避する意思
a.生殖能力を有する男性参加者は、たとえ首尾よく精管切除を受けていたとしても、スクリーニング時から試験治療の最後の用量の180日後(6ヶ月後)まで、子供の父親になることを(少なくとも99%の確実性で)回避するための適切な予防策を講じることに同意しなければならず、この期間中は精子提供を控えなければならない。
b.妊娠可能性のある参加者である女性は:
-試験治療を受ける少なくとも4週間前から始まって試験治療を受けている間、休薬(用量中断)中、及び試験治療停止後の少なくとも180日間(6ヶ月間)は、異性間性交渉を継続的に控えることを守らなければならない、あるいは(2つの異なる避妊方法を用いることによって少なくとも99%の確実性で)妊娠を回避するための適切な予防策を講じることに同意しなければならない。
-スクリーニング時(最初の試験薬治療から10~14日以内)及び1日目の最初の用量の前(レナリドミドによる治療を開始する24時間以内)に陰性の血清妊娠検査結果を有していなければならない。
-試験過程の間;試験薬治療の最初の月の間に週1回、次いで、規則的な生理周期を有する女性ではその後に月1回、または不規則な生理周期を有する女性では2週間ごとに、治療終了訪問時を含めてこの時まで継続的な妊娠検査を受けることに同意しなければならない。
-試験過程の間、及び試験治療の最後の用量の後の180日間(6ヶ月間)にわたって授乳及び卵母細胞提供を控えなければならない。
c.妊娠可能性を有するとみなされない女性は適格である。
5.すべての参加者は:
a.レナリドミドが潜在的な催奇形リスクを有する可能性があることを理解していなければならない。
b.試験治療を受けている間、及び試験治療の中止後28日間は献血を控えなければならない。
c.試験医薬を別の人と共有してはならない。
d.妊娠予防策及び胎児曝露のリスクについて助言されることに同意しなければならない。
e.研究員の意見として、血栓塞栓事象に対する適切な必須の予防法及び/または療法(例えば、1日1回の70~325mgのアスピリン、または低分子量ヘパリン)を受けることができなければならず、かつその意思がなければならない。
f.研究員の意見として、すべての試験関連手順、医薬使用及び評価を理解してこれに応じなければならない。
g.研究員の意見として、不遵守歴を有していてはならない、あるいは信頼できない及び/または非協力的である可能性があるとみなされる者であってはならない。
6.この試験に参加するには、遡及的中央病理診断及び相関試験のために十分な腫瘍組織が提供されなければならない。臨床的に妥当である場合には新鮮な生検材料が好ましいが、そうでない場合、保管検体は許容可能である。
7.少なくとも1回の先行全身抗CD20免疫療法または化学免疫療法で処置されたことが以前にある。これには、以下のような治療が含まれる:維持を伴う、または伴わない、リツキシマブ単剤療法または化学療法とリツキシマブまたはオビヌツズマブによる免疫療法。抗CD20免疫療法の少なくとも6回用量が先行療法において与えられていなければならない。全身療法には、例えば、限られたステージの疾患に対する局所照射野放射線療法、HBV/HCV療法、またはH pylori除菌は含まれない。
8.全身療法による治療の後に、証拠付けられた再発性、難治性または進行性疾患を有していなければならない。
a.再発性リンパ腫:先行療法が完全奏効した初回奏効の後に再発したもの。
b.難治性リンパ腫:最後の治療の部分奏効未満を達成したか、または8ヶ月未満にわたって持続した完全奏効もしくは部分奏効を達成し、その後、リンパ腫が進行したもの。
c.進行性リンパ腫:部分奏効した初回奏効の後の進行性疾患、または先行療法に対する安定した疾患。
9.研究員の評価によれば再発性、難治性または進行性疾患のための治療を必要としていなければならない。
a.参加者は、少なくとも1つの測定可能な疾患部位を有していなければならない。放射線撮影による測定が可能なリンパ節腫脹は、最長直径が1.5cm超である少なくとも1つの節性病巣、または最長直径が1.0cm超である少なくとも1つの節外性病巣、として定義される。病巣は、遅くとも無作為化時には陽電子放射断層撮影(PET)陽性であることが確認されなければならない。
10.米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)全身状態0~2。
11.表9に定義されるスクリーニング時の研究所値を有する患者。
【表13】
【0362】
参加者は、以下の基準のいずれかに該当する場合に試験から除外される:
1.妊娠中または授乳中の女性。
2.濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫以外の任意の病歴、または研究員の評価による形質転換されたリンパ腫の臨床的証拠。
3.他の疾患のためのBMの25%以上に対する放射線療法の履歴。
4.以下を除く非造血器悪性腫瘍の既往歴:
a.治癒的意図によって治療され、スクリーニング前の2年間超にわたって活動性疾患の証拠がない、悪性腫瘍。
b.現在の疾患の証拠がなく適切に治療された悪性黒子型メラノーマ、または適切に管理された非メラノーマ性皮膚癌。
c.現在の疾患の証拠がなく、原位置で適切に治療された、癌腫。
5.鬱血性心不全(2次元心エコー法またはマルチゲート収集法(MUGA)スキャンによって評価した左室駆出率が50%未満)。
6.以下を有する参加者:
a.HCVについての(抗HCV血清学検査による)既知の陽性検査結果、及びHCV RNAの陽性結果。陽性の血清学を有する参加者は、HCV RNAについて検査されていなければならず、陰性HCV RNAの場合に適格である。
b.慢性HBV感染についての既知の陽性検査結果(HBsAg陽性によって定義される)。
c.ヒト免疫不全ウイルスによる活動性ウイルス感染についての既知の血清陽性またはその感染歴。
7.活動性全身感染(SARS-CoV-2陽性検査結果を含む)。
8.重度の免疫低下状態にある参加者。
9.既知のCNSリンパ腫関与。
10.管理されていない併発病。
11.研究員の意見によれば試験への参加をできなくするであろう、または患者のインフォームドコンセント提出能力を低下させるであろう臨床的に重大な心血管、CNS及び/または他の全身疾患の履歴または証拠。
12.余命<6ヶ月。
13.ガラクトース不耐症、Lappラクターゼ欠損症またはグルコース・ガラクトース吸収不全症の希少遺伝的問題の履歴または証拠。
14.インフォームドコンセント用紙への署名時に参加者が回復している場合を除き、インフォームドコンセント用紙に署名する前の28日以内における大手術(リンパ節生検は除く)。
15.第1サイクルの開始前の28日以内における任意の全身抗リンパ腫及び/または研究療法。
16.リツキシマブと組み合わせたレナリドミドの先行使用。
17.生物学的または化学組成がタファシタマブと類似する化合物、免疫調節薬、リツキシマブ、他のモノクローナル抗体、及び/または試験薬製剤中に含有される賦形剤に対する過敏症の履歴
18.研究員の判断において、試験治療の施与及び要求される試験訪問への出席を含めた試験への完全な参加を妨げる;参加者に重大なリスクを課す;または試験データの解釈を妨げる任意の症状。
【0363】
タファシタマブのレジメン:
試験の最初の3サイクルにおいて、各サイクル(第1~第3サイクル)は、サイクルの1日目、8日目、15日目及び22日目のタファシタマブ12mg/kgの静脈内輸注からなる。その後、繰り返される各28日サイクルの1及び15日目にタファシタマブを12mg/kgの静脈内輸注で週2回投与する。
【0364】
リツキシマブのレジメン:
試験の最初のサイクルは、1、8、15及び22日目のリツキシマブ375mg/m2の静脈内輸注からなる。その後、第2~第5サイクルの毎28日サイクルの1日目にリツキシマブを375mg/m2の静脈内輸注として投与する。
【0365】
レナリドミドのレジメン:
参加者は、12サイクルにわたって毎28日サイクルの1~21日目に20mgの経口レナリドミドを1日1回、自己投与する。
【0366】
試験の主要評価項目は、濾胞性リンパ腫集団における研究員評価による無増悪生存期間である。無増悪生存期間は、無作為化から、最初の証拠付けられる疾患進行か任意の原因による死亡かのどちらか早く起こる方までの時間として定義される。
【0367】
試験の副次評価項目は:
1.全体集団(濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫集団)における研究員評価による無増悪生存期間。
2.濾胞性リンパ腫集団における研究員による治療終了時(最後の治療の4~8週間後)の陽電子放射断層撮影(PET)完全奏効率。
3.濾胞性リンパ腫集団における全生存率
を含む。
【0368】
実施例3:
新たに診断されたびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する、治療が以前になされていない高中間及び高リスク患者において、R-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドの有効性及び安全性をR-CHOPと比較する、第3相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照治験-Front MIND試験
【0369】
R-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミド、またはR-CHOPに加えたタファシタマブの安全性及び予備的有効性は、治療が以前になされていないDLBCLを有する患者における継続的無作為化第1b相First-MIND治験(NCT04134936)において調べられつつある(実施例1参照)。安全性導入相のための24名の患者を含む患者(66名)が無作為化された。この安全性導入相からのデータ、及び第1サイクルを完了した少なくとも40名の患者に関するさらなるカットオフは、独立データ安全性モニタリング委員会(iDSMB)によって審査され、試験を変更なく継続することの推奨が得られた。安全性は、スポンサー及びiDSMBによって継続的にモニタリング及び審査されることになる。
【0370】
この第3相多施設無作為化二重盲検プラセボ対照治験は、新たに診断されたDLBCLを有する、治療が以前になされていない高中間及び高リスク患者において、R-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミドの有効性及び安全性をR-CHOPと比較するようにデザインされている。
【0371】
臨床試験目的及び評価項目
この二重盲検プラセボ対照無作為化第3相MOR208C310試験は、高中間及び高リスクDLBCLを有する治療が以前になされていない患者においてR-CHOPに対する追加療法としてのタファシタマブとレナリドミドが、R-CHOPと比較して臨床的利益の改善をもたらすことになるか否かを調べるためにデザインされている。
【0372】
臨床試験の主要、副次及び探索的目的/評価項目を以下の表10に示す。
【表14-1】
【表14-2】
【表14-3】
【0373】
臨床試験デザイン
試験及び研究計画の全般的説明
これは、新たに診断され、治療が以前になされていないDLBCLを有する、高中間及び高リスク患者を有する成人患者(60歳超の患者ではIPI3~5として定義され、60歳以下の患者ではaaIPI2~3として定義される)において、R-CHOPに対する追加療法としてのタファシタマブとレナリドミド(実験アーム)の有効性及び安全性をR-CHOP(対照アーム)と比較して調べるための、並行アーム二重盲検プラセボ対照多施設無作為化第3相試験である。この試験では、およそ350の試験施設からのおよそ880名(アーム1つあたり440名)の患者を無作為化することになる。
【0374】
米国の場合のみ:スポンサーは、以下の人種または民族的サブグループごとのおおよその分布百分率を有するこの試験においておよそ130名の患者の目標を達成するように努めることになる:白人(非ラテンアメリカ系):65%;ラテンアメリカ系及びラテン系:20%:黒人またはアフリカ系アメリカ人:10%、アジア系/太平洋諸島住人:5%。
【0375】
実験アームにおいて患者は、R-CHOPに加えてタファシタマブとレナリドミドを、6回の21日サイクルにわたって受けることになり、対照アームにおいて患者は、タファシタマブのプラセボと、レナリドミドのプラセボと、R-CHOPとを6回の21日サイクルにわたって受けることになる(
図4)。
【0376】
患者は、実験または対照アームのどちらかに1:1の比で無作為化されることになる。IPI4~5(60歳超)/aaIPI3(60歳以下)に対するIPI3(60歳超)/aaIPI2(60歳以下)、及び地理的領域(欧州、米国、カナダ及びオーストラリア、対してアジア、対して残りの世界[3つの群])を層別因子として用いた並べ替えブロックが採用されることになる。実験アームとの交差は許されない。
【0377】
疾患奏効評価は、悪性リンパ腫のためのLugano奏効基準(Cheson et al.,2014)に従ってPET-CTまたはPET-MRIに対して行われることになり、研究員評価に基づくことになる。造影剤を使用したコンピュータ断層撮影(CT)スキャンが矛盾している場合には磁気共鳴撮像(MRI)スキャンが実施され得る。スキャンは、頚部(ベースラインとして必要である場合)、胸部、腹部及び骨盤を含むことになる。他の領域における疾患が疑われる場合には、後のすべての撮像評価でのさらなる領域の撮像、及び/または生検(例えば腰椎穿刺)が行われるべきである。
【0378】
安全性導入は、少なくとも1回の治療サイクル(21日)を完了したかまたは試験治療を時期尚早に中止した40名の無作為化患者を採用した後に独立データモニタリング委員会(IDMC)審査によって実施されることになる。IDMCは、データをモニタリングするため、この試験に登録された患者の安全性を確保するため、及び治療の有効性を評価するために設立されることになる。IDMCは、臨床管理に関与しない独立した臨床専門家グループで構成されることになる。IDMCはまた、中間解析においてもデータを審査することになる。
【0379】
安全性は、すべてのAE、重篤な有害事象(SAE)、ならびに身体検査、バイタルサイン及びインフォームドコンセント用紙(ICF)署名日から開始される研究所評価によって同定された異常をモニタリングすることによって評価されることになる。そのような事象は、NCI-CTCAEのバージョン5.0以上を用いて評定されることになる。研究所安定性評価は、血液学及び血液化学の慣例的なモニタリング、ならびに免疫学的パラメータの検査を含むことになる。
【0380】
EOT後、患者は、訪問に基づく最長60ヶ月の治療経過観察、及びその後の試験閉鎖まで6ヶ月ごとの電話連絡に基づく延長経過観察に入ることになる。
【0381】
計画された試験解析及び試験終了
以下の解析が予め計画されている:
安全性導入解析:安全性解析は、アーム1つあたりおよそ20名の、少なくとも1回の治療サイクルを完了した患者を採用した後に、計画される。この解析は、全体的安全性をモニタリングするためにIDMCによって審査されることになる。
中間解析:中間解析は、FASにおいて研究員によるおよそ100例のPFS事象が認められた後に計画される。この解析は、無益性中止を評価するためにIDMCによって審査されることになる。
主要解析:試験が無益性のために中止されていない場合、研究員によるおよそ274例のPFS事象が認められた後に主要解析が計画される。
最終解析:(以下に定義される)試験終了の時に最終解析が実施されることになる。
試験終了:
試験終了は、すべての患者が最短でも3年の治療後経過観察を受けることを可能にするために、最初の患者が登録されてからおよそ5年後に起こることが想定される。
スポンサーは、いつでも試験を終結させる権利を有する。
【0382】
安全性計画
試験は安全性モニタリング活動を採用することになるが、これには、安全性データの審査において支持を提供するためにスポンサーが責任を負う安全性医師及び/または他の指名された職員によって継続的に評価されるAE/SAE/特に注目される有害事象(AESI)報告(性質、重症度、頻度及び因果関係)、全身状態、身体検査、ECG及び研究所データの標準的評価を含むことになる。そのような事象は、NCI-CTCAEのバージョン5.0以上を用いて評定されることになる。研究所安定性評価は、血液学及び血液化学の慣例的なモニタリング、ならびに免疫学的パラメータの検査を含むことになる。
【0383】
試験の全体を通して研究員は、重症度、または試験薬との関係性にかかわらず、インフォームドコンセントが得られた時から最後の試験治療サイクルの21日目の30日後まで、患者に起こるすべてのAEをAE CRFに記録しなければならない。研究員は、AEを有する患者を適切に扱うべきであり、事象が安定化または寛解するまで好適な間隔で彼らを観察するべきである。
【0384】
AEは、試験医薬の最初の用量以後であって最後の試験治療サイクルの21日目の30日後よりも前にそれが始まる場合、TEAEとみなされることになる。
【0385】
臨床試験継続期間
試験の継続期間は、21ヶ月の採用、18週間の治療、及び最後の無作為化患者に対する少なくとも3年の経過観察を含んでおよそ5年と推定される。
【0386】
試験において、各患者に対して3つの期間が規定される。
【0387】
スクリーニング期間
最長21日、かつ最短1日のスクリーニング期間は、ICFの署名日とC1D1との間の間隔である。ICFは、任意の試験関連評価を開始する前に署名されなければならない。留意すべきこととして、ICFに署名する前の21日以内に標準治療として実施された好適な質のPET-CT、エコーまたはマルチゲート収集(MUGA)スキャン、ECGまたはウイルス血清学が利用されることがある。
【0388】
スクリーニング中、ICFに署名する各患者は、固有の識別番号を割り振られることになる。
【0389】
試験への参加のための基準を満たさない個人は、一度再スクリーニングされ得る。スクリーニング不成功率は、およそ20%であることが想定される。
【0390】
患者の適格性は、研究員または被指名者によって確認されなければならない。適格性が調べられて確認された後、患者はIRTシステムを用いて治療アームの1つに無作為化され得る。
【0391】
スクリーニング不成功患者について以下の電子症例報告様式(eCRF)を完成させなければならない:
1.インフォームドコンセント
2.組入れ/除外基準
3.人口統計学
4.AE(ICFに署名した後のスクリーニング期間中に患者がSAEを被った場合のみ)
5.該当する場合のインフォームドコンセントの撤回
6.該当する場合の死亡
【0392】
スクリーニング不成功患者が、SAE基準を満たさないAEを被った場合、AEについての詳細は研究員の元文書にのみ記録されることになる。SAEの場合、データはAEとSAE様式の両方に記録されなければならない。スクリーニング不成功である患者の臨床データベースに他のデータが入力されることはない。患者がIRTによって無作為化されるが試験治療開始時に不成功となる場合には、IRTを用いてこのことが通知されなければならない。
【0393】
注:(地域病理報告によるリンパ腫を含有する最初の生検検体の日によって定義される)最初の病理診断からC1D1までの時間は28日以内でなければならないことに留意することが重要である。
【0394】
試験治療期間
治療期間は、試験薬の最初の投与(C1D1)から始まり、各々21日とする6回のサイクルからなる(
図5)。EOT訪問または早期治療中止(ETD)訪問は、患者が開始した最後の治療サイクルの21日目として定義されるEOTの6±2週間後に実施されることになる。(例えば、進行、AEなどのために)早期に中止する患者はETD訪問を与えられ得る。いずれにしても、EOTまたは早期試験治療中止時のPETスキャン(PET-CT、またはPET-MRI)は必須である。
【0395】
各サイクルの1日目、8日目及び15日目の許容可能な訪問適用枠(±2日)以内で評価が実施されるべきである(注:C1D1訪問適用枠:+1日)。
【0396】
患者の選択及び脱退
研究員または被指名者は、以下の組入れ基準のすべてを満たすが除外基準を全く満たさない患者のみが試験に登録されることを確実にしなければならない。患者は、並行するさらなる研究薬または装置試験に参加することが許可されない。スポンサーは、臨床試験プロトコールに対する棄権を示していない。なぜならば、逸脱は、患者の安全性、または臨床試験の科学的完全性及び制度上の許容性に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
【0397】
組入れ基準:
臨床試験への参加が検討される患者は、以下の基準のすべてを満たさなければならない:
1.書面でのインフォームドコンセント
2.ICFに署名する時の年齢が18~80歳。
3.リンパ系新生物の2016年WHO分類による以下の診断の1つを含めた地域の生検で証明されたCD20陽性DLBCLを有する、治療が以前になされていない患者は、適格である(Swerdlow et al.,2016):
a.胚中心B細胞(GCB)型、活性化B細胞(ABC)型を含めた特定不能型(NOS)DLBCL
b.T細胞豊富型BCL
c.エプスタイン・バーウイルス陽性DLBCL,NOS
d.退形成性リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性大細胞型BCL
e.ヒトヘルペスウイルス-8(HHV8)陽性DLBCL,NOS
f.MYC及びB細胞リンパ腫2(BCL2)及び/またはB細胞リンパ腫6(BCL6)再構成を伴った高悪性度BCL(ダブルヒットまたはトリプルヒットリンパ腫)。注:患者は、R-CHOPへの相応しい候補者でなければならない。研究員が、既知のダブルまたはトリプルヒットリンパ腫(HGBL)を有する患者を、より強力に(例えば、用量調整されたエトポシドとプレドニゾンとビンクリスチンとシクロホスファミドとドキソルビシンとリツキシマブ[DA-EPOCH-R]、またはシクロホスファミドとビンクリスチンとドキソルビシンとデキサメタゾン(CVAD)及びその後のメトトレキサートとシタラビン[Hyper CVAD]で)治療されるべきであるとみなす場合、この患者はこの試験に対して適格とはみなされないであろう。
g.任意グレードの濾胞性リンパ腫(FL)、胃MALTリンパ腫、または非胃MALTリンパ腫のいずれかと共存しているDLBCL
h.グレード3bのFL
4.遡及的中央病理診断のために送られる、保管されていたかまたは採取したての腫瘍組織の利用可能性。注:試験登録前には腫瘍試料の受け取りも中央診断も必要とされない。
5.地域評価によって、患者の総疾患負荷を代表する異なる身体領域から、2つの直径で測定できる最も大きな標的節、節腫瘤または他のリンパ腫病巣が最大6つ特定されるべきであり、関与がある場合の縦隔及び後腹膜疾患を含んでいるべきである。ベースラインにおいて、測定可能な節は最長直径(LDi)が15mmよりも大きくなければならない。6つの代表的な測定病巣には測定可能な節外疾患が含まれていてもよい。ベースラインにおいて、測定可能な節外病巣はLDiが10mmよりも大きくあるべきである。他のすべての病巣(節性、節外性、及び評価可能疾患を含む)は、非標的(例えば、皮膚、GI、脾臓、肝臓、腎臓、胸水または心嚢液、腹水、骨、骨髄)病巣としての非測定疾患として経過観察されるべきである。少なくとも1つの測定可能病巣は、地域評価による無作為化の時点でPET陽性(Deauvilleスコアが4または5)であることが確認されなければならない。
6.ECOG全身状態が0、1または2。
7.IPI状態が3~5(60歳超の患者の場合)、またはaaIPIが2~3(60歳以下の患者の場合)。
8.DLBCL診断日(地域病理報告によるリンパ腫を含有する最初の生検検体の日)と治療開始日(C1D1)との間の28日以内の時間として定義される治療間隔に対する診断。
9.地域の心エコー法または心マルチゲート収集法(MUGA)スキャンによって評価して施設基準範囲の下限以上である左室駆出率。
10.スクリーニング時に患者は以下の地域研究所基準を有していなければならない:
a.絶対好中球計数(ANC)≧1.5×109/L(但し、DLBCLによる骨髄への関与の後のものである場合はこの限りでない)
b.血小板計数≧75×109/L(但し、DLBCLによる骨髄への関与の後のものである場合はこの限りでない)
c.ジルベール症候群の後のもの、またはリンパ腫による証拠付けられた肝臓への関与の後のものである場合を除き、総血清ビリルビン<1.5×基準範囲上限(ULN)。ジルベール症候群、またはリンパ腫による証拠付けられた肝臓への関与を有する患者は、彼らの総ビリルビンが5×ULN以下である場合、組み入れられ得る。
d.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアルカリホスファターゼ(ALP)が3×ULN以下、または証拠付けられた肝臓関与の場合に5×ULN以下
e.血清クレアチニンクリアランスは、測定して、あるいは標準的なCockcroftとGaultの式(Cockroft and Gault,1976)を用いて算出して30mL/分以上でなければならない。
11.研究員の意見として、患者は:
a.血栓塞栓事象に対する適切な予防法及び/または療法、例えば、1日1回の81~325mgのアスピリン、または低分子量ヘパリンを受けることができなければならず、かつそれを受ける意思がなければならない。これは、予防せずにレナリドミドで処置された患者において血栓症のリスクが上昇するからである。いかなる予防法も受けることができない、またはそれを受ける意思がない患者は、適格でない
b.すべての試験関連手順、医薬使用及び評価について、理解し、書面によるインフォームドコンセントを提出し、応じなければならない
c.医療レジメンに関する不遵守歴を有していてはならず、信頼できない及び/または非協力的である可能性があるとみなされる者であってもならない
d.妊娠防止リスク管理計画の特別な条件を遵守する理由を理解できなければならず、この計画を固守することを書面で承諾できなければならない
12.レナリドミドの催奇形可能性のため、妊娠可能性のある女性(FCBP)は:
米国を除くすべての国で適用:
i.スクリーニング時の陰性の血清妊娠検査、及び試験療法開始前の医学的に監督された尿妊娠検査によって裏付けられた、非妊娠状態でなければならない
j.試験過程の間、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は、授乳及び卵母細胞提供を控えなければならない
k.試験過程の間及び試験療法終了後の継続的な妊娠検査に同意しなければならない。これは、たとえ患者が完全な性的禁欲を適用するとしても、適用される
l.試験薬開始前の少なくとも4週間、試験治療中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は異性間性交渉を継続的に断つことを、彼女の(毎月見直されなければならない)生活様式にそれが則している場合に守らなければならない、または極めて効果的な避妊法を中断を伴わずに利用することに同意してその利用を遵守できなければならない。
米国で適用:
m.(たとえ真の禁欲が、選ばれた避妊方法であるとしても)治療開始前、治療開始の10~14日以内及び重ねてその24時間以内に実施された妊娠検査によって裏付けられた非妊娠状態でなければならない
n.試験過程の間、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は、授乳及び卵母細胞提供を控えなければならない
o.(たとえ真の禁欲が、選ばれた避妊方法であるとしても)試験過程の間(規則的な生理周期を有する女性では3週間ごと、及び不規則な生理周期を有する女性では2週間ごと)及び試験療法終了後の継続的な妊娠検査に同意しなければならない
p.試験薬を受ける少なくとも4週間前から始まって試験薬を受けている間、休薬(用量中断)中、及び試験薬停止後の少なくとも3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は男性との性行為を行う時に毎回2つの効果的な避妊方法を同時に用いることによって、試験薬を受けている間、及び試験薬の最後の用量の後の少なくとも3ヶ月間は妊娠せずにいなければならない。異性間性交渉の真の禁欲も、許容可能な避妊方法である。緊急避妊法の利用も容認される。
13.男性参加者は:
米国を除くすべての国で適用:
b.患者がFCBPと性的に活発である場合、効果的な遮蔽による避妊方法を、中断することなく利用しなければならない。男性参加者は、試験参加中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて地域ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は精子提供を控えるべきである。
米国で適用:
b.FCBPと性行為を行う時は毎回、ラテックス製または合成コンドームを使用しなければならない。異性間性交渉の真の禁欲も、許容可能な避妊方法である。緊急避妊法の利用も容認される。男性参加者は、試験参加中、及び試験薬の最後の用量の後の3ヶ月かR-CHOPについて米国ガイドラインに従うかのどちらか長い方の間は精子提供を控えるべきである。
【0398】
除外基準:
患者は、以下の基準のいずれかを満たす場合にはこの臨床試験への参加から除外されなければならない:
1.リンパ系新生物のWHO2016分類による他の任意の組織型のリンパ腫、例えば、原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、DLBCLと古典的ホジキンリンパ腫との間の中間の特徴を有する分類不能型BCL(グレーゾーンリンパ腫);原発性滲出性リンパ腫;原発性皮膚DLBCL,下肢型;CNSの原発性DLBCL;CLLまたは緩慢性リンパ腫に起因するDLBCL。
2.他の疾患のための骨髄の25%以上に対する放射線療法の履歴。
3.以下を除く非造血器悪性腫瘍の既往歴:
a.治癒的意図によって治療され、スクリーニング前の2年間超にわたって活動性疾患の存在の証拠がない、悪性腫瘍
b.現在の疾患の証拠がなく適切に治療された悪性黒子型メラノーマ、または適切に管理された非メラノーマ性皮膚癌。
c.現在の疾患の証拠がなく、原位置で適切に治療された、癌腫
4.以下を有する患者:
a.C型肝炎についてのスクリーニング中の陽性地域検査結果(C型肝炎ウイルス[HCV]抗体血清学検査)、及びHCV RNAの陽性結果。陽性の血清学を有する患者は、HCV RNAについて地域で検査されていなければならず、陰性HCV RNA試験結果の場合に適格である。
b.慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染についてのスクリーニング中の陽性地域検査結果(B型肝炎表面抗原[HBsAg]陽性によって定義される)。潜在性または既往HBV感染を有する患者(陰性HBsAg及び陽性全B型肝炎コア抗体[HBcAb]として定義される)は、HBV DNAが検出不可能(地域検査結果)であった場合に組み入れられ得るが、但し、彼らが継続的なDNA検査を受ける意思があることを条件とする。施設ガイドラインに従って抗ウイルス予防法が施与され得る。ワクチン接種後、または治癒した既往B型肝炎の後にB型肝炎表面抗体(HBsAb)の防御力価を有する患者は、適格である
c.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による活動性ウイルス感染についての血清陽性(スクリーニング中の地域検査)またはその感染歴
d.(陽性インターフェロンガンマ遊離アッセイによって確認された)活動性または潜伏性結核の疑いがある患者を含めたスクリーニング時の細菌、ウイルス、真菌などへの既知の活動性全身感染
e.ヒトTリンパ球向性1型ウイルス(HTLV-1)の陽性結果。風土病国(日本及びメラネシア、及びカリブ海沿岸諸国、南アメリカ、中央アメリカ、及びサブサハラアフリカ)の現地にいる患者については、スクリーニング中のHTLV検査が必要とされる。
f.既知のCNSリンパ腫関与
g.研究員の意見によれば試験への参加をできなくするであろう、または患者のインフォームドコンセント提出能力を低下させるであろう臨床的に重大な心血管、CNS及び/または他の全身疾患の履歴または証拠
h.ガラクトース不耐症、Lappラクターゼ欠損症またはグルコース・ガラクトース吸収不全症の希少遺伝的問題の履歴または証拠
i.試験無作為化前の21日以内における生ワクチンの接種
j.ICFへの署名時に患者が回復している場合を除き、ICFに署名する前の最長21日以内における大手術
k.容認される前治療は別として、C1D1の開始の前の任意の全身抗リンパ腫及び/または研究療法。
l.アントラサイクリンを以前に受けていることを含めた、R-CHOPの個々の成分のいずれかに対する禁忌
m.妊娠または授乳
n.R-CHOPの任意の成分、レナリドミド、生物学的または化学組成がタファシタマブと類似する化合物、IMiDs(登録商標)、及び/または試験薬製剤中に含有される賦形剤に対する過敏症の履歴
【0399】
患者の治療
各研究員は、スポンサーからの研究用薬効製品(IMP/s)及び他の臨床試験材料の配送物が、適用されるあらゆる規制ガイドラインに従って完全かつ正確に受け取られ、記録され、取り扱われ、安全かつ適切に保存され、この臨床試験プロトコール及び関連する計画に従って使用されることを確保する責任を負う。
【0400】
前治療
C1D1における試験治療の開始の前に前治療を早急に必要としている患者については、スクリーニングのための腫瘍研究(撮像、血液試料)が実施された後に最長7日間にわたって、リツキシマブ(375mg/m2)またはビンクリスチン(例えば1mg)を伴うまたは伴わないステロイド(例えば、経口プレドニゾン25~100mg/dまたは等価物)の使用が許可される。
【0401】
ベースラインPET/CTまたはPET/MRI評価は、コルチコステロイド、リツキシマブまたはビンクリスチンの投与の前に実施されなければならない。例外的状況下でのみ、かつ研究員の裁量で、前治療コルチコステロイド治療がベースラインPET/CTまたはPET/MRI評価の前に開始され得る。
【0402】
いかなる前治療も、適切に整然と詳録されなければならず、患者の元データにおいて正当性が証明されていなければならない。注:前治療の一部としてリツキシマブまたはビンクリスチンが投与される場合、C1C1にはそれが除かれなければならない。
【0403】
試験治療段階
完全な治療サイクルは、R-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミド(実験アーム)、またはタファシタマブのプラセボ(0.9%の生理食塩水)とレナリドミドのプラセボとR-CHOP(対照アーム)を以下の計画に従って施与する21暦日として定義される。
【0404】
タファシタマブ/プラセボ輸注のための事前医薬利用-IRR予防法
タファシタマブ/プラセボ輸注は、経口アセトアミノフェン(例えば、650~1000mg)、抗ヒスタミン薬、例えばジフェンヒドラミン塩酸塩(50~100mg)及びグルココルチコステロイド(例えば、IVによる100mgのプレドニゾンもしくはプレドニゾロン、または等価物)による事前医薬利用の後に、十分に水分補給した患者に対して第1サイクルの開始の30~60分前に施与されるべきである。注:CHOPの一部である1日目のステロイド用量(IVまたはPOによる100mgのプレドニゾンもしくはプレドニゾロン、または等価物)は、タファシタマブ/プラセボ輸注に先立つ事前医薬利用の成分として使用され得る。
【0405】
事前医薬利用は、最初のサイクル(1日目、8日目、15日目)のために必須である。最初のサイクルの間にタファシタマブ/プラセボに対するグレード2以上のIRR/グレード1以上のサイトカイン放出症候群(CRS)を被らない患者については、後の抗体/プラセボ輸注のための事前医薬利用は研究員の裁量で任意選択とされることになる。そうでない場合は、後の投与のための事前医薬利用を継続するべきである。
【0406】
アレルギー反応またはグレード2の過敏症の発生後のタファシタマブ/プラセボ及びリツキシマブ輸注のための予備医薬利用
後のサイクルのために、タファシタマブ/プラセボ及びリツキシマブのための予備医薬利用は、輸注の30~60分前に、経口アセトアミノフェン(例えば、650~1000mg)、抗ヒスタミン薬、例えばジフェンヒドラミン塩酸塩(50~100mg)及びグルココルチコステロイド(例えば、IVによる100mgのプレドニゾンもしくはプレドニゾロン、または等価物)を含むべきである。
【0407】
実験アーム:R-CHOPに加えたタファシタマブとレナリドミド
タファシタマブとレナリドミド及びR-CHOPからなる試験治療は、6回の21日サイクルにおいて行われることになる(表11参照)。
【表15】
【0408】
対照アーム:R-CHOPに加えたタファシタマブのプラセボ及びレナリドミドのプラセボ
R-CHOPに加えたタファシタマブのプラセボ及びレナリドミドのプラセボからなる試験治療は、6回の21日サイクルにおいて行われることになる(表12参照)。
【表16】
【0409】
注:試験治療のすべての成分は、同じ日に開始されるべきであるが、最長として2日かけて投与されてもよい(例えば、1日目にタファシタマブ/プラセボ輸注を行い、2日目にR-CHOPを開始する)。1日目は、任意の試験治療成分の開始で定義される。サイクル内でタファシタマブ/プラセボの投与には最長±2日のずれがあってよい。R-CHOP用量強度を維持するために、R-CHOP投与間には、可能な限り常に21日間の投薬間隔が続くべきである。いかなる試験薬成分についてもすべての用量遅延及び用量変更はeCRFに整然と詳録される必要がある。
【0410】
有効性解析
すべての有効性解析は、FASにおいて実験アーム(R-CHOPに加えたタファシタマブ+レナリドミド)と対照アーム(R-CHOPに加えたタファシタマブのプラセボ+レナリドミドのプラセボ)とを比較して実施されることになる。
【0411】
すべての層別解析において、階層情報は、無作為化のために利用されたIRTから得られたデータに基づくことになる。
【0412】
主要及び重要副次評価項目の検査方策
この試験のための主要評価項目は、研究員によるPFSである。
重要副次評価項目は:
1.研究員によって評価されたEFS
2.OS
である。
【0413】
主要評価項目について統計的有意性が満たされている場合には、FASにおいて階層的に上記順序で重要副次評価項目が検定されることになる。
【0414】
研究員による274例のPFS事象が認められるときの主要解析の時間中、311例のEFS事象及び245例のOS事象を認めることが予期される。
【0415】
中間OS解析は、研究員による274例のPFS事象が認められたときの主要解析の時に実施されることになり、最終OS解析は、試験終了時に実施されることになる。
【0416】
中間及び最終OS解析は、主要及び他の重要副次評価項目が両側5%有意水準を通り越した場合にのみ実施されることになる。0.05水準で第一種過誤を制御するためにO’Brien-Fleming境界とともにアルファ消費関数を用いる群逐次法が使用されることになる。主要及び重要副次評価項目に対する統計検定の詳細を以下に述べる。
【0417】
主要評価項目
上記のとおり、主要有効性評価項目は、無作為化日から、悪性リンパ腫のための2014年Lugano分類基準(Cheson et al.2014)を用いて研究員によって評価される疾患進行または再発の最初の発生か任意の原因による死亡かのどちらか早く起こる方までの時間として定義される、研究員によって判定されたPFSである。
【0418】
解析のための臨床カットオフ日の時点で進行、再発または死亡していない患者については、患者が無増悪であると分かっているときの最後の疾患評価の日にPFSが検閲されることになる。ベースライン訪問後に腫瘍評価が実施されない場合、またはすべてのベースライン後腫瘍評価結果が「評価不能」の全奏効を有する場合、無作為化日にPFSが検閲されることになる。患者が新たな抗リンパ腫治療(医薬利用、放射線療法または外科手術)を開始する場合、検閲日は、新たな抗リンパ腫治療の開始かカットオフ日かのどちらか早く来る方よりも前の、最後の十分な腫瘍評価の日である。
【0419】
最後の十分な腫瘍評価の日は、CR、PR、SDの全奏効を有する最後の腫瘍評価の日である。この場合、その評価での最後の腫瘍評価日が用いられる。
【0420】
2回以上の欠落するまたは不十分な腫瘍評価の後に疾患進行が証拠付けられる場合には、PFSの日は、CR、PRまたSDの全奏効を有する最後の腫瘍評価の日に検閲されることになる。
【0421】
この試験の主要解析は、治療アーム対対照アームにおいてPFS分布の等しさを検定することになる。
【数1】
【0422】
副次評価項目
【表17】
【表18】
【表19-1】
【表19-2】
【表19-3】
【0423】
【0424】
有効性評価項目のためのサブグループ解析
サブグループ解析は、以下のサブグループのための以下の評価項目のために実施されることになる(表16):
【表21】
【0425】
サブグループ解析では、評価項目の解析がサブグループ内で繰り返されることになり、その後、治療とサブグループとの交互作用も含むモデルにおいて続けられる。
【配列表】
【国際調査報告】