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特表2023-551576荷重導入素子と繊維プラスチック複合体部材との間の接続装置
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  • 特表-荷重導入素子と繊維プラスチック複合体部材との間の接続装置 図1
  • 特表-荷重導入素子と繊維プラスチック複合体部材との間の接続装置 図2A
  • 特表-荷重導入素子と繊維プラスチック複合体部材との間の接続装置 図2B
  • 特表-荷重導入素子と繊維プラスチック複合体部材との間の接続装置 図3
  • 特表-荷重導入素子と繊維プラスチック複合体部材との間の接続装置 図4
  • 特表-荷重導入素子と繊維プラスチック複合体部材との間の接続装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】荷重導入素子と繊維プラスチック複合体部材との間の接続装置
(51)【国際特許分類】
   F16B 4/00 20060101AFI20231201BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20231201BHJP
   F16C 3/03 20060101ALI20231201BHJP
   B61F 5/06 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
F16B4/00 E
F16B7/20 C
F16C3/03
B61F5/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537114
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2021085921
(87)【国際公開番号】W WO2022129186
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020133692.6
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516183897
【氏名又は名称】中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC QINGDAO SIFANG CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.88 Jinhongdong Road, Chengyang District, Qingdao, Shandong, 266111, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】519204766
【氏名又は名称】シージー レール ヒネーズィッシュ ドイチェス フォルシュングス ウント エントヴィックルングスツェントルム フュール バーン ウント フェアケーアステクニーク ドレスデン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】CG Rail - Chinesisch-Deutsches Forschungs- und Entwicklungszentrum fuer Bahn- und Verkehrstechnik Dresden GmbH
【住所又は居所原語表記】Freiberger Str. 33, 01067 Dresden, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】リアン ジャンイン
(72)【発明者】
【氏名】リ ペン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユロン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ションフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン シャオミン
(72)【発明者】
【氏名】ゲ ジウェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ドンファン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ハイボ
(72)【発明者】
【氏名】ウルブリヒト アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フーフェンバッハ ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】ソルティシアク シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ツァイドラー フロリアン
【テーマコード(参考)】
3J033
3J039
【Fターム(参考)】
3J033AA01
3J033AB01
3J033AB02
3J033AC02
3J033BA08
3J039AA03
3J039BB01
3J039FA12
3J039FA16
3J039MA01
(57)【要約】
本発明は接続装置(1)に関して、前記接続装置は、円錐台形サブ領域(13)を有する細長い荷重導入素子(2)、及び柱形開口(4)を有する繊維プラスチック複合体部材(3)を備え、荷重導入素子(2)は圧入方向(7)で開口に圧入され、前記開口において、開口(4)の内面(12)と荷重導入素子(2)の円錐台形サブ領域(14)との間には、内面(12)の円形交線(13)に沿って間隔を空けるように1つの基底(9)及び2つの一致する底面(8.1)を有する少なくとも3つの台状角柱形の基本素子(5)が配置され、基本素子(5)の底面(8.1)のうちの一方は圧入方向(7)へ指向し、基本素子(5)の基底(9)は内面(12)に貼り付けられ、2つの基本素子(5)の間には楔形の台状角柱状の圧力素子(6)がそれぞれ配置され、荷重導入素子(2)の円錐台形サブ領域(14)に対応するように形成される圧力基底(15)は荷重導入素子(2)へ指向し、圧力基底(15)に垂直するように形成される厚さ(7)は圧入方向(7)に増え、基本素子(5)と圧力素子(6)との間、及び円錐台形サブ領域(14)と圧力基底(15)との間には可逆的な面圧力が形成され、荷重導入素子(2)が繊維プラスチック複合体部材(3)に深く押されるほど、前記面圧力の強度が増えている。本発明はさらに、繊維プラスチック複合体部材と荷重導入素子との接続方法、及びこのような接続装置の応用に関している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続装置(1)であって、前記接続装置は円錐台形サブ領域(13)を有する細長い荷重導入素子(2)、及び柱形開口(4)を有する繊維プラスチック複合体部材(3)を備え、前記荷重導入素子(2)は圧入方向(7)で前記開口に圧入され、
前記開口(4)において、前記開口(4)の内面(12)と前記荷重導入素子(2)の円錐台形サブ領域(14)との間には、前記内面(12)の円形交線(13)に沿って間隔を空けるように1つの基底(9)及び一致する2つの底面(8.1)を有する少なくとも3つの台状角柱形の基本素子(5)が配置され、前記基本素子(5)の底面(8.1)のうちの一方は圧入方向(7)へ指向し、前記基本素子(5)の基底(9)は前記内面(12)に貼り付けられ、
2つの基本素子(5)の間には、サイズが異なる2つの台形底面(8.2、8.3)及び1つの圧力基底(15)を有する楔形の台状角柱状の圧力素子(6)がそれぞれ配置され、前記圧力素子の厚さ(10.2)は一方の台形底面(8.2)から他方の台形底面(8.3)へ増え、前記荷重導入素子(2)の円錐台形サブ領域(14)に対応するように形成される圧力基底(15)は前記荷重導入素子(2)へ指向し、前記圧力基底(15)に垂直するように形成される厚さ(10.2)は圧入方向(7)に増え、
前記基本素子(5)と前記圧力素子(6)との間、及び前記円錐台形サブ領域(14)と前記圧力基底(15)との間には可逆的な面圧力が形成され、前記荷重導入素子(2)が前記繊維プラスチック複合体部材(3)に深く押されるほど、前記面圧力の強度が増えている接続装置(1)。
【請求項2】
前記繊維プラスチック複合体部材(3)はねじりバネであることを特徴とする請求項1に記載の接続装置(1)。
【請求項3】
前記接続装置(1)の領域において、前記繊維プラスチック複合体部材(3)の繊維は前記圧入方向(7)に対して対角線をなすように配向されることを特徴とする請求項1又は2に記載の接続装置(1)。
【請求項4】
前記荷重導入素子は金属から形成されることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の接続装置(1)。
【請求項5】
前記圧力基底(15)は凹部を有することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の接続装置(1)。
【請求項6】
前記円錐台形サブ領域(14)は円形の横断面を有し、前記圧力基底(15)は、前記円形の横断面に対応するアーチ形を有することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の接続装置(1)。
【請求項7】
前記円錐台形サブ領域(14)の横断面はn個角の形状を有し、前記圧力素子(6)の数は前記角の数に対応することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の接続装置(1)。
【請求項8】
柱形開口(4)を有する繊維プラスチック複合体部材(3)と円錐台形サブ領域(14)を有する細長い荷重導入素子(2)との接続方法であって、前記方法は、
a)直角台状角柱の形状を有する少なくとも3つの基本素子(5)を前記開口(4)の内部に配置するステップであって、前記基本素子は一致する2つの台形底面(8.1)及び1つの基底(9)を有し、前記基本素子(5)は前記開口(4)の円形交線(13)に沿って互いに均一に間隔を空けるように配置され、前記基底(9)は前記開口(4)の内面(12)へ指向し、前記台形底面(8.1)の法線は前記開口(4)の中軸線に平行して延在しているステップと、
b)数が前記基本素子(5)と同様であり、且つ楔形の台状角柱形状を有する圧力素子(6)を前記基本素子(5)の間に保持するステップであって、前記圧力素子は、サイズが異なる2つの台形底面(8.2、8.3)及び1つの圧力基底(15)を有し、前記圧力素子(6)の厚さ(10.2)は一方の台形底面(8.2)から他方の台形底面(8.3)へ増え、前記圧力素子(6)の圧力基底(15)が前記中軸線に指向し、前記台形底面(8.2、8.3)の法線が前記中軸線に平行して延在し、前記圧力素子(6)の、前記圧力基底(15)に垂直するように形成される厚さ(10.2)は前記開口(4)に指向する圧入方向(7)に増え、前記圧力基底(15)は、前記荷重導入素子(2)の円錐台形サブ領域(14)の形状に対応するように形成されるステップと、
c)前記荷重導入素子(2)を前記圧力素子(6)の間に圧入させ、前記円錐台形サブ領域(14)と前記圧力素子(6)の圧力基底(15)との間に面圧力を生成するステップであって、前記荷重導入素子(2)が前記繊維プラスチック複合体部材(3)に深く押されるほど、前記面圧力の強度が増えているステップと、を含む方法。
【請求項9】
前記圧力素子(6)はケージ状のフレームに保持されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~7の何れか1項に記載の接続装置(1)の、鉄道車両の台車における応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は荷重導入素子と繊維プラスチック複合体部材との間の接続装置に関して、荷重導入素子は繊維プラスチック複合体部材の柱形開口に圧入される。本発明はさらに、このような繊維プラスチック複合体部材と細長い荷重導入素子との接続方法、及びこのような接続装置の応用に関している。
【背景技術】
【0002】
繊維プラスチック複合体部材、即ち、繊維プラスチック複合体(FKV)からなる部材は少量材料を使用する場合での高い安定性という利点を備えるため、一般的に軽型構造の分野に適用される。軽型構造を主な技術とすることで、材料及びエネルギーを効果的に使用する。軽型構造は、低質量を有する構成を実現して、機械及び機器の性能を最適化することを目的とする。ここで、巧妙な構成は少量材料の場合での高い安定性を実現できる。
【0003】
プラスチックマトリックス内に補強繊維を加えた材料は繊維プラスチック複合体と呼ばれる。繊維プラスチック複合体部材において、このような補強繊維を使用することで、取得された材料の方向に関する弾性性能を発揮し、さらに、繊維配向に関する剛性及び強度を発揮する。適切な初期材料を使用する場合、繊維の平行方向で補強效果を発揮する。
【0004】
繊維プラスチック複合体からなる部材と、他の素子、特に金属からなる素子とを接続するために、繊維プラスチック複合体部材の特別な特性を配慮しなければならない。ここで、荷重導入素子と、繊維プラスチック複合体からなる構成素子との間の接続部位を特に注目する必要があり、前記接続部位で、重い荷重は繊維プラスチック複合体からなる構成素子に導入され、例えば、ねじりバネの取付の時、これは必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】『Konstruktion und technologische Umsetzung von hochbeanspruchten Lasteinleitungssystemen fur neuartige Leichtbaustrukturen in Faserverbundbauweise』、Dissertation von Dipl.Ing. Olaf Helms、ドレスデン工科大学、2006年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
荷重導入素子を繊維プラスチック複合体部材、例えば繊維プラスチック複合体管に圧入することで、ねじりを伝達し、圧入力のため、繊維プラスチック複合体部材の向上した軸方向強度を必要とする。そのため、局所補強を導入することで、軸方向補強に用いられる。特に、付加的な一方向の、特に接線配向の繊維層及び形状がフィットする接続を使用する。圧入の時、ここで、荷重導入素子に配置されるマイクロ歯部は一方向ホースに溝切りされる。従って、ねじり管の損壊にとって、圧入は無視できないリスクである。
【0007】
また、繊維プラスチック複合体部材の特別な特性のため、ねじり応力の場合、前記一方向ホースのねじり剛性が低減する。特にねじりバネの場合、低減したねじり剛性は大きな欠陥である。軽型構造の分野において、付加的に導入された一方向ホースによる付加的な材料消費は同じように望ましくない。
【0008】
本発明は、荷重導入素子と繊維プラスチック複合体からなる部材との接続を実現することを目的とし、前記接続は、構成素子のねじり剛性を得るだけでなく、挙げられた他の欠陥を回避し、特に、部材の軽型構造の潜在力を得る。
【0009】
本発明によれば、前記目的は接続装置、方法及び独立請求項による応用によって実現される。本発明の有利な設計解決策について従属請求項において説明する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は特に接続装置によって実現され、前記接続装置は、円錐台形サブ領域を有する細長い荷重導入素子、及び繊維プラスチック複合体部材を備える。繊維プラスチック複合体部材は柱形開口を有し、荷重導入素子は圧入方向で前記開口に圧入される。
【0011】
ここで、前記開口において、繊維プラスチック複合体部材の開口の内面と荷重導入素子の円錐台形サブ領域との間には、内面の円形交線に沿って間隔を空けるように1つの基底及び一致する2つの底面を有する少なくとも3つの台状角柱形の基本素子が配置され、基本素子の底面のうちの一方は圧入方向に指向し、基本素子の基底は柱形開口の内面に貼り付けられる。また、2つの基本素子の間には楔形の台状角柱状の圧力素子がそれぞれ配置される。ここで、圧力素子は1つの圧力基底、及びサイズが異なる2つの台形底面を有し、圧力素子の厚さは一方の台形底面から他方の台形底面へ増えている。楔形の台状角柱形の圧力素子は2つの基本素子の間に配置され、荷重導入素子の円錐台形サブ領域に対応するように形成される圧力基底は荷重導入素子に指向し、圧力素子の、圧力基底に垂直する面からなる厚さは圧入方向に増えている。本発明の意味によれば、1つの方向に増えている厚さを有する圧力素子は楔形である。
【0012】
ここで、基本素子と圧力素子との間、及び円錐台形サブ領域と圧力基底との間には可逆的な面圧力が形成され、荷重導入素子が繊維プラスチック複合体部材に深く押されるほど、面圧力の強度が増えている。
【0013】
本発明の意味によれば、荷重導入素子の円錐台形サブ領域に対応するように形成された圧力基底は以下の形状を有する圧力基底であり、即ち、前記形状は荷重導入素子の円錐台形サブ領域の形状に合うことで、圧力素子と荷重導入素子との点状の接触を行うだけでなく、本発明に基づいて面圧力を生成する。
【0014】
好ましくは、面圧力の強度は、接続装置によって伝達されるトルクに合う。ここで、繊維プラスチック複合体部材の径方向での許容面圧力を超えることは許さない。
【0015】
基本素子は複数の点で繊維プラスチック複合体部材の開口の内面との接触を有し、基底が内面に指向すると、基本素子の基底は柱形開口の内面に貼り付けられる。ところが、基本素子の基底はエッジ領域のみにおいて直接的に内面に接触してもよい。その原因は、例えば、柱形開口の曲率及び基本素子の基底における形成可能な凹部にある。好ましくは、基面とも呼ばれる基底は、台状角柱の、柱形開口の内部包被面での支持稜辺を含む。本発明を実現するために、基底が内面に貼り付けられ、基底の形状は内面に対応するように形成されることは、必要ではないが、可能である。
【0016】
台状角柱は、対向している台形形状の2つの底面を有する角柱である。ここで、台状角柱の基底は以下の面であり、即ち、前記面は2つの台形底面の2つの大きな底側部を含み、即ち、2つの底面の2つの平行側部のうちの2つの大きな側部を側部とする。台状角柱の基底は一般的に、台状角柱の、最大面積を有する面である。従って、圧力基底は、圧力素子の、台形底面を含む平行側部の2つの長い側部の面である。その圧力基底に、荷重導入素子の円錐台形サブ領域に合うための湾曲した形状を有する圧力素子の場合、底面は以下の形状を備え、即ち、前記形状は台形の形状に正確に対応していなく、なぜならば、実に平行している2つの側部のうちの1つまたは2つの側部は湾曲するように形成されるためである。本発明の意味によれば、平行側部のうちの1つまたは2つの側部、即ち、同じピッチで延在する側部は湾曲すれば、このような底面も台形の形状を備える。
【0017】
ここで、好ましくは、台状角柱は直角台状角柱に形成される。ここで、本発明にとって重要なのは、台状角柱に形成される基本素子の側面と基底とは鈍角を形成する。従って、直方体に対して、側面は傾斜である。ここで、台状角柱の基底、即ち、柱形開口の内部包被面に貼り付けられる面、及び台状角柱の別の境界面は平らな面である必要がなく、溝又は別の凹部を有してもよい。可能な変形解決策において、基底は、柱形開口のアーチに対応するように形成される湾曲した形状を有する。
【0018】
基本素子の基面は外部へ、開口の内面に向かって配向され、圧力素子は、圧力素子の基面が内面から離れて荷重導入素子に指向するように配置される。
【0019】
本発明の意味によれば、円錐台形サブ領域は、荷重導入素子の、圧入方向で先細りになっている直径を有する領域である。好適な変形解決策において、円錐台形サブ領域は端部領域として構成され、即ち、荷重導入素子の端部に配置され、円錐台形サブ領域の直径は荷重導入素子の端部へ先細りになっている。ここで、変形解決策において、荷重導入素子の円錐台形サブ領域の外面は円錐台の包被面のタイプに基づいて形成され、円錐台形サブ領域の横断面又は断面は円形である。ここで、圧力素子の各圧力基底は、これに対応するアーチ形を備える。別の変形解決策によれば、円錐台形サブ領域の横断面又は断面はn個の角に対応する。ここで、角の数nは圧力素子の数に対応する。そうすれば、圧力素子の圧力基底は湾曲し又はアーチになるように形成されず、平らであるように形成され、凹部を有する可能性がある。
【0020】
本発明の意味によれば、別の2つの次元より、構成素子は第1次元で明らかに大きく形成されると、前記構成素子は細長い。好ましくは、別の2つの次元より、部材は長次元で少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍大きく形成される。
【0021】
開口の内面は柱形開口の包被面、即ち、柱体の幾何学的形状の包被面に対応する。
【0022】
圧力素子は、台形底面を有する楔形素子として形成され、荷重導入素子に面する側部、即ち、圧力基底が荷重導入素子の形状に合う。ここで、可能な変形解決策において、圧力基底は凹部を有する。そうすれば、ここで、凹部のみを取り囲む領域は、荷重導入素子の形状に対応するように形成される。好ましくは、凹部の面は圧力基底の面の50%より小さく、特に好ましくは、圧力基底の面の20%より小さい。可能な変形解決策において、溝ウェッジ又はスライダーを基本素子及び圧力素子とする。
【0023】
有利な設計解決策によれば、繊維プラスチック複合体部材は管又は中空軸として形成され、好ましくは、ねじりバネ又はねじり軸として形成される。好ましくは、接続装置の領域において、繊維プラスチック複合体部材の繊維は圧入方向に対して対角線をなし、即ち、傾斜するように配向される。ここで、適切な実施形態によれば、繊維プラスチック複合体部材の繊維と圧入方向とは30°~60°、好ましくは45°の角度に囲まれる。代わりの実施形態によれば、繊維の配向は90°であり、これによって、できるだけ高い径方向強度が生じる。好適な実施形態によれば、3つの0°の内層、及び前記内層の上方に位置する複数の、例えば22個の45°の配向を有する層を具備する。
【0024】
可能な変形解決策において、荷重導入素子は金属から形成される。
【0025】
本発明の接続装置によれば、付加的な一方向層を省略できる。これによって、繊維プラスチック複合体部材のより高いねじり剛性を確保するとともに、改良された軽型構造を有する潜在力を得る。本発明による接続装置は、離脱可能な接続を形成できる。マイクロ歯部を有する荷重導入素子による押圧によって引き起こされた、繊維プラスチック複合体部材に対する損傷を取り除く。
【0026】
本発明の別の態様は、柱形開口を有する繊維プラスチック複合体部材と、円錐台形サブ領域を有する細長い荷重導入素子との接続方法に関して、前記方法は以下のステップを含み、
a)直角台状角柱の形状を有する少なくとも3つの基本素子を開口の内部に配置し、前記基本素子は一致する2つの台形底面及び1つの基底を有する。ここで、基本素子は開口の円形交線に沿って互いに均一に間隔を空けるように配置され、基底は開口の内面、即ち、外部へ繊維プラスチック複合体部材に指向し、台形底面の法線は開口の中軸線に平行して延在している。
b)数が基本素子と同様であり、且つ楔形の台状角柱形状を有する圧力素子を基本素子の間に保持し、前記圧力素子は、サイズが異なる2つの台形底面及び1つの圧力基底を有し、圧力素子の厚さは一方の台形底面から他方の台形底面へ増えている。2つの基本素子の間には1つの圧力素子がそれぞれ位置決めされる。ここで、圧力素子は以下のように配置され、即ち、その圧力基底が中軸線に指向して、台形底面の法線が中軸線に平行して延在し、圧力素子の、圧力基底に垂直するように形成される厚さは開口に指向する圧入方向に増えている。ここで、圧力基底は、荷重導入素子の円錐台形サブ領域の形状、即ち、外面に対応するように形成される。
c)荷重導入素子を圧力素子の間に圧入させ、円錐台形サブ領域と圧力素子の圧力基底との間に面圧力を生成する。荷重導入素子が繊維プラスチック複合体部材に深く押されるほど、面圧力の強度が増えている。ここで、荷重導入素子は大体、配置された圧力素子の中心に圧入されるステップと、を含む。
【0027】
好ましくは、圧力素子はケージ状のフレームに保持される。
【0028】
本発明の別の態様は、本発明による接続装置の、鉄道車両の台車、即ち、ねじりバネ台車フレームにおける応用に関している。
【0029】
構想によれば、荷重導入素子の円錐台形サブ領域の軸方向の圧入によって、これに対応するように形成される圧力素子を径方向に沿って外部へ押圧する。圧力素子の厚さを大きくすることで、繊維プラスチック複合体部材に押圧力を生成して、力フィットの接続を確立する。従って、荷重を繊維プラスチック複合体部材に導入する圧力接続を形成する。荷重導入素子を解放することで、前記接続を解放できる。
【0030】
本発明を実現するために、目的に合うように、上記本発明による設計解決策、実施形態及び請求項の特徴を、目的と一致する配置において互いに組み合わせる。
【0031】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳しく記載している。実施例は本発明による接続装置に関して、ここで、本発明を限定していなく、本発明を記載する。図面に基づいて本発明をより詳しく記載している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】接続装置の立体図である。
図2A】台状角柱形状の基本素子を示す。
図2B】楔形を呈している台状角柱形状の圧力素子を示す。
図3】接続装置の分解図である。
図4】接続装置の断面図である。
図5図4による断面図の一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、立体方式で表示される接続装置1の実施可能な実施例を示す。ここで、接続装置1の構成部分は並列的に示めされ、即ち、分解図として示される。接続装置1は荷重導入素子2と繊維プラスチック複合体部材3との間の接続に用いられる。繊維プラスチック複合体部材3の柱形開口4において、柱形開口4内には間隔を空けるように基本素子5が配置される。前記基本素子5は例えば、格子又はケージによってその位置に保持される。基本素子5の間の中間空間には圧力素子6が位置決めされる。圧力素子6の厚さは圧入方向7に増え、これによって、基本素子5及び繊維プラスチック複合体部材3を結合して、荷重導入素子2と圧力素子6との間の圧力接続を確保する。
【0034】
基本素子5は、図2Aにおいて模式的に示される台状角柱の形状を有する。好ましくは、基本素子5は直角台状角柱の形状を有する。基本素子5の対向している2つの底面8.1は一致して形成されるため、同じサイズを有するとともに、台形の形状を有する。平行側部のうちの2つのより長い側部は、基本素子5における下に指向する基底9の側部でもある。本発明の意味によれば、基本素子5の厚さ10.1は底面8.1の2つの平行側部の間の最も短い接続である。直方体の側面に対して台状角柱の側面11は傾斜である。
【0035】
図2Bは圧力素子を模式的に示す。原則的に、圧力素子6は楔状又は楔形の台状角柱の形状を有し、圧力素子6の厚さ10.2は一方の台形底面8.2から他方の台形底面8.3へ増えている。2つの台形底面8.2、8.3は側面11.2を介して、前記図面において下に指向する圧力基底15に接続される。ここで、圧力基底15は、これに対向している上側16より、大きく形成される。前記実施例において、圧力基底15及び上側16は何れも湾曲した形状を有し、前記形状は、荷重導入素子の、図示されていない円錐台形サブ領域の形状に合う。
【0036】
図3は荷重導入素子2と繊維プラスチック複合体部材3とを接続する接続装置1の分解図である。繊維プラスチック複合体部材3の柱形開口4において、基本素子5は開口4の内面12に配置される。基本素子5は内面12の交線13に沿って円形になるように位置決めされる。ここで、示される交線13は柱形開口4の内面に沿って延在し、交線は圧入方向7に垂直して延在している。従って、円形の交線13を取得する。基面9は柱形開口4の内面12に貼り付けられる。圧力素子6の基面はさらに内部へ指向する。圧力素子6の厚さは圧入方向7に増えている。荷重導入素子2はその端部領域において円錐台形サブ領域14を有する。前記実施例において、円錐台形サブ領域14は外径の僅かな変化のみを有し、外径は圧入方向7に先細りになっている。
【0037】
図4は接続装置1の断面図を示し、図5は領域Aの拡大を示す。荷重導入素子2の少なくとも一部は繊維プラスチック複合体部材3内に配置される。荷重導入素子2と繊維プラスチック複合体部材3との間には間隔を空けるように複数の基本素子5が配置される。基本素子5の間の領域には圧力素子6が配置される。ここで、基本素子5は、基底9が繊維プラスチック複合体部材3の内面12に貼り付けられ、即ち、外部へ指向するように配置される。圧力素子6の基底15は内部へ指向して、荷重導入素子2に貼り付けられる。荷重導入素子2と圧力素子6の基底15との間には面圧力が存在する。圧力素子6及び基本素子5の形状、配置によって、荷重導入素子2を圧入することで生成された軸方向力を径方向力として導出することを実現する。
【符号の説明】
【0038】
1 ・・・接続装置;
2 ・・・荷重導入素子;
3 ・・・繊維プラスチック複合体部材、繊維プラスチック複合体からなる部材;
4 ・・・開口;
5 ・・・基本素子;
6 ・・・圧力素子、楔状圧力素子、楔形圧力素子;
7 ・・・圧入方向;
8.1 ・・・基本素子の底面;
8.2 ・・・圧力素子の底面、圧力素子の小さな底面;
8.3 ・・・圧力素子の底面、圧力素子の大きな底面;
9 ・・・基本素子の基底;
10.1 ・・・厚さ;
10.2 ・・・圧力素子の厚さ;
11.1 ・・・側面;
11.2 ・・・圧力素子の側面;
12 ・・・内面、開口の内面;
13 ・・・交線;
14 ・・・円錐台形サブ領域、サブ領域、端部領域;
15 ・・・圧力基底、圧力素子の基底;
16 ・・・圧力素子の上側;
A ・・・断面図の一部;
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
【国際調査報告】