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特表2023-551577光アンテナアレイを含むコヒーレントLIDARシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】光アンテナアレイを含むコヒーレントLIDARシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20231201BHJP
   G01S 17/34 20200101ALI20231201BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538688
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 US2021065133
(87)【国際公開番号】W WO2022140693
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/129,847
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/558,476
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520437397
【氏名又は名称】アワーズ テクノロジー リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】リン・セン
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ・アンドルー・スタイル
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084AC02
5J084AD01
5J084BA03
5J084BA36
5J084BA45
5J084BA49
5J084BA50
5J084BA51
5J084BB02
5J084BB14
5J084BB34
5J084BB35
5J084CA08
5J084DA01
5J084EA22
5J084EA31
(57)【要約】
LIDAR(Light Detection and Ranging)トランシーバは、光アンテナアレイおよび光スイッチを含む。光アンテナアレイのうちの一部は、複数の光アンテナと、光アンテナに結合される光スプリッタと、を含む。光スプリッタは、複数のパッシブ光スプリッタを含み得る。光スプリッタは、入力信号の一部を光アンテナに提供する。光スイッチは、複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも1つに入力信号を選択的に提供するように構成される。光スイッチは、入力信号を一度に1アレイずつ複数のアンテナアレイに選択的に提供することによって、アドレス可能な視野スキャンを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LIDAR(Light Detection and Ranging)センサーシステム用トランシーバであって、
前記トランシーバは、
複数の光アンテナアレイ-前記複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも2つは、複数の光アンテナと、前記複数の光アンテナに結合される光スプリッタと、を含む-と、
前記複数の光アンテナアレイに結合される光スイッチと、を含み、前記光スイッチは、前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも1つに入力信号を選択的に提供するように構成されるLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項2】
前記入力信号は、変調されたレーザー信号であり、
前記光スイッチは、前記変調されたレーザー信号を前記複数の光アンテナアレイのうち、1つにのみ選択的に接続するアクティブ光スプリッタをさらに含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項3】
前記入力信号は、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーザー信号であり、
前記光スイッチは、前記FMCWレーザー信号を前記複数の光アンテナアレイのうち、1つにのみ選択的に接続するアクティブ光スプリッタをさらに含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項4】
前記光スイッチは、前記トランシーバのスキャニング周期にわたって前記入力信号を複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも1つに一度に1つずつ光学的に結合する請求項1に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項5】
前記光スプリッタは、前記複数の光アンテナアレイのうち、選択された1つで前記複数の光アンテナの間に前記入力信号の一部を分割するように構成される複数のパッシブ光スプリッタを含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項6】
前記光スプリッタは、前記複数の光アンテナからの前記入力信号を同時に送信できるように構成される請求項1に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項7】
前記複数の光アンテナは、1次元パターンまたは2次元パターンに配列される請求項1に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項8】
前記複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも1つは、光ピクセルを含み、前記光ピクセルは、
複数の光アンテナのうちの少なくとも1つと、
前記複数の光アンテナのうち、少なくとも1つに結合される光結合器と、を含み、
前記光結合器は、前記複数の光アンテナのうち、少なくとも1つから局部発振器信号を受信し、リターンLIDAR信号を受信するように構成され、前記光結合器は、結合された出力信号を提供するように構成される請求項1に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項9】
前記光ピクセルは、前記結合された出力信号をLIDARビートトーンを表す電気的信号に変換するように構成される複数のフォトダイオードをさらに含む請求項8に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項10】
前記複数の光アンテナアレイに複数の局部発振器信号を提供するように構成される局部発振器をさらに含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項11】
前記局部発振器は、
前記複数の光アンテナアレイに前記複数の発振器信号を提供するように構成される複数の光スプリッタと、
前記複数の光スプリッタに結合され、前記複数の光スプリッタのうち、少なくとも1つに前記入力信号の一部を選択的に提供するように構成される第2光スイッチと、を含む請求項10に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項12】
前記複数の光スプリッタのうちの少なくとも1つは、前記複数の光スプリッタのうち、選択された1つで前記複数の光アンテナの間に前記入力信号の一部を分割するように構成される複数のパッシブ光スプリッタを含む請求項11に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項13】
前記複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも2つは、出力信号バスを含み、
第1複数の光アンテナアレイの前記複数の光アンテナは、第2複数の光アンテナアレイと前記出力信号バスを共有する請求項1に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバ。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバを含む自律車両制御システム。
【請求項15】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載のLIDARセンサーシステム用トランシーバを含む自律車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、2020年12月23日付で出願された米国仮出願第63/129、847号についての優先権を主張する2021年12月21日付で出願された米国特許出願第17/1058、476号についての優先権を主張する。米国出願第63/129、847号、第17/1058、476号は、本明細書に参照として含まれる。
【0002】
本開示は、一般に、コヒーレント(Coherent)光検出および距離測定(LIDAR、Coherent Light Detection and Ranging)、具体的には、コヒーレントLIDARの光アンテナ構造に関する。
【背景技術】
【0003】
周波数変調連続波(FMCW、Frequency Modulated Continuous Wave)LIDARは、周波数変調されたコリメートされた光ビームをターゲットに向けてオブジェクトの距離と速度を直接測定する。ターゲットの距離および速度情報は、FMCW LIDAR信号から得られる。LIDAR信号の精度を高める設計および技術が好ましい。
【0004】
自動車産業は、現在、特定の状況で車両を制御するための自律機能を開発している。SAE国際規格J3016によると、レベル0(自律なし)からレベル5(あらゆる条件で運転者入力なしで操作できる車両)まで、6レベルの自律性の範囲がある。自律機能を有する車両は、センサーを用いて車両が走行する環境を感知する。センサーからデータを取得して処理することによって、車両は、環境を探索することができる。自律車両には、環境を感知するための1つ以上のLIDAR装置を含み得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、LIDAR(Light Detection and Ranging)センサーシステム用のトランシーバを含む。トランシーバは、複数の光アンテナアレイおよび光スイッチを含む。複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも2つは、複数の光アンテナと、複数の光アンテナに結合される光スプリッタと、を含む。光スイッチは、複数の光アンテナアレイに結合される。光スイッチは、複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも1つに入力信号を選択的に提供するように構成される。
【0006】
一実施形態において、入力信号は、変調されたレーザー信号である。光スイッチは、変調されたレーザー信号を複数の光アンテナアレイのうち、1つにのみ選択的に接続するアクティブ光スプリッタをさらに含む。
【0007】
一実施形態において、入力信号は、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーザー信号である。光スイッチは、FMCWレーザー信号を複数の光アンテナアレイのうち、1つのみに選択的に接続するアクティブ光スプリッタをさらに含む。
【0008】
一実施形態において、光スイッチは、トランシーバのスキャニング周期にわたって入力信号を複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも1つに一度に1つずつ光学的に結合する。
【0009】
一実施形態において、光スプリッタは、複数の光アンテナアレイのうち、選択された1つで複数の光アンテナの間に入力信号の一部を分割するように構成される複数のパッシブ光スプリッタを含む。
【0010】
一実施形態において、光スプリッタは、複数の光アンテナからの入力信号を同時に送信できるように構成される。
【0011】
一実施形態において、複数の光アンテナは、1次元パターンまたは2次元パターンに配列される。
【0012】
一実施形態において、複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも1つは、光ピクセルを含む。光ピクセルは、複数の光アンテナのうちの少なくとも1つおよび光結合器を含む。光結合器は、複数の光アンテナのうち、少なくとも1つに結合される。光結合器は、複数の光アンテナのうち、少なくとも1つから局部発振器信号を受信し、リターンLIDAR信号を受信するように構成される。光結合器は、結合された出力信号を提供するように構成される。
【0013】
一実施形態において、光ピクセルは、結合された出力信号をLIDARビートトーンを表す電気的信号に変換するように構成される複数のフォトダイオードをさらに含む。
【0014】
一実施形態において、LIDARセンサーシステム用トランシーバは、複数の光アンテナアレイに複数の局部発振器信号を提供するように構成される局部発振器をさらに含む。
【0015】
一実施形態において、局部発振器は、複数の光アンテナアレイに複数の発振器信号を提供するように構成される複数の光スプリッタを含み、複数の光スプリッタに結合され、複数の光スプリッタのうち、少なくとも1つに入力信号の一部を選択的に提供するように構成される第2光スイッチを含む。
【0016】
一実施形態において、複数の光スプリッタのうちの少なくとも1つは、複数の光スプリッタのうち、選択された1つで複数の光アンテナの間に入力信号の一部を分割するように構成される複数のパッシブ光スプリッタを含む。
【0017】
一実施形態において、複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも2つは、出力信号バスを含む。第1複数の光アンテナアレイの複数の光アンテナは、第2複数の光アンテナアレイと出力信号バスを共有する。
【0018】
一実施形態において、出力信号バスは、複数の光アンテナのそれぞれからの同相信号および直交信号のための電気信号ラインを含む。
【0019】
本開示の実施形態は、LIDAR(Light Detection and Ranging)センサーシステムを含む。LIDARセンサーシステムは、光源およびトランシーバを含む。光源は、入力信号を生成するように構成される。トランシーバは、入力信号を受信するために光源に結合される。トランシーバは、複数の光アンテナアレイおよび光スイッチを含む。複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも2つは、複数の光アンテナおよび複数の光アンテナに結合される光スプリッタとを含む。光スイッチは、複数の光アンテナアレイに結合される。光スイッチは、複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも1つに入力信号を選択的に提供するように構成される。
【0020】
一実施形態において、LIDARセンサーシステムは、レンズをさらに含む。トランシーバは、レンズの視野のブロックのソリッド-ステートスキャンを提供するためにレンズに光学的に結合される。
【0021】
一実施形態において、LIDARセンサーシステムは、トランシーバからLIDARリターン信号を受信するように構成され、LIDARリターン信号に基づいてLIDARデータのフレームを生成するように構成される処理エンジンをさらに含む。
【0022】
本開示の実施形態は、自律車両を含む。自律車両は、LIDAR(Light Detection and Ranging)センサーを含む。LIDARセンサーは、入力信号を生成する光源およびトランシーバを含む。トランシーバは、入力信号を受信するために光源に結合される。トランシーバは、複数の光アンテナアレイおよび光スイッチを含む。複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも2つは、複数の光アンテナおよび複数の光アンテナに結合される光スプリッタを含む。光スイッチは、複数の光アンテナアレイに結合される。光スイッチは、複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも1つに入力信号を選択的に提供するように構成される。
【0023】
一実施形態において、自律車両は、レンズをさらに含む。トランシーバは、自律車両の動作環境のブロックの水平スキャンを提供するためにレンズに光学的に結合される。
【0024】
一実施形態において、自律車両は、トランシーバからLIDARリターン信号を受信するように構成され、LIDARリターン信号に少なくとも部分的に基づいて自律車両の動作環境のポイントクラウド表現を生成するように構成される処理エンジンをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の非限定的かつ非包括的な実施形態は、以下の図面を参照して説明され、ここで特に明示されない限り、同様の参照番号は、様々な図面全体にわったて同様の部分を指す。
【0026】
図1】本開示の実施形態によるLIDARセンサー用チップのダイアグラムを示す。
【0027】
図2a】本開示の実施形態によるコヒーレントピクセルの様々な実施形態を示す。
図2b】本開示の実施形態によるコヒーレントピクセルの様々な実施形態を示す。
図2c】本開示の実施形態によるコヒーレントピクセルの様々な実施形態を示す。
図2d】本開示の実施形態によるコヒーレントピクセルの様々な実施形態を示す。
【0028】
図3】本開示の実施形態によるLIDARセンサー用チップのダイアグラムを示す。
【0029】
図4a】本開示の実施形態によるコヒーレントピクセルの様々な実施形態を示す。
図4b】本開示の実施形態によるコヒーレントピクセルの様々な実施形態を示す。
【0030】
図5a】本開示の実施形態によるLIDARシステムで使用できる光スイッチの様々な実施形態を示す。
図5b】本開示の実施形態によるLIDARシステムで使用できる光スイッチの様々な実施形態を示す。
図5c】本開示の実施形態によるLIDARシステムで使用できる光スイッチの様々な実施形態を示す。
【0031】
図6】本開示の実施形態によるLIDARシステムを示す。
【0032】
図7a】本開示の実施形態による出力信号をルーティングするための電気配線体系を示す。
図7b】本開示の実施形態による出力信号をルーティングするための電気配線体系を示す。
【0033】
図8】本開示の実施形態によるコヒーレントピクセルのダイアグラムを示す。
【0034】
図9】本開示の実施形態によるスイッチ可能なコヒーレントピクセルアレイベースのLIDARシステムのシステムダイアグラムを示す。
【0035】
図10a】本開示の実施形態による例示的なセンサーのアレイを含む自律車両を示す。
【0036】
図10b】本開示の実施形態による例示的なセンサーのアレイを含む自律車両の平面図を示す。
【0037】
図10c】本開示の実施形態によるセンサー、ドライブトレイン、および制御システムを含む例示的な車両制御システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0001]
コヒーレントLIDARシステムの具現が本明細書で説明される。以下の説明においては、前記具現についての完全な理解を提供するためにいくつかの詳細が提示される。しかし、関連技術分野の技術者は、本明細書に記載の技術が1つ以上の特定の詳細を除いて、または他の方法、要素または材料などを使用して実行され得ることを認識するであろう。他の場合において、周知の構造、材料または作業は、特定の態様を不明瞭にすることを避けるために詳細に表示または説明されていない。
[0002]
本明細書全体にわたって「1つの実施形態」または「実施形態」についての言及は、実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって、様々な位置での「1つの実施形態」または「実施形態」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。また、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態で任意の適切な方法で結合され得る。
[0003]
本明細書全体にわたって、様々な技術用語が使用される。これらの用語は、本明細書で具体的に定義されていないか、または使用文脈が明確に別段の意味を持たない限り、当該用語が由来した技術分野における一般的な意味を取るべきである。本開示の目的のために、「自律車両(Autonomous Vehicle)」という用語は、SAE国際規格J3016の任意の自律性レベルで自律機能を有する車両を含む。
[0004]
レンズと結合されるとき、コヒーレントLIDARシステムでソリッド-ステートビームステアリングのためのリアルタイムアドレス可能な焦点面アレイ(Real-Time Addressable Focal Plane Array)を形成する拡張可能で切り替え可能な(Scalable and Switchable)光アンテナアレイ構造が本明細書で論じられる。
[0005]
従来のLIDARシステムは、レーザービームを操向するために機械的移動部品に依存する。そのため、自動車やロボット工学などの多くのアプリケーションでは、かさばり、費用がかかり、信頼できない。開示されるLIDARシステムは、LIDAR動作のために光ビームを操向するのに使用される機械的に動く部品を除去または低減することによって、この問題を克服するソリッド-ステート(Solid-State)LIDARシステムである。
[0006]
コヒーレントLIDARシステムは、変調された連続波(CW)および他のタイプのLIDARシステムを含む。変調されたLIDARシステムは、周波数変調連続波(FMCW)LIDARシステムと、位相偏移変調(PSK、Phase Shift Keying)システムと、を含む。コヒーレントLIDARシステムは、周波数変調またはCW、コリメートされた光ビームをオブジェクトに向けてオブジェクトの距離および速度を直接測定できる。オブジェクトから反射される光は、タップバージョンのビームと結合される。結果として生じるビートトーンの周波数は、2番目の測定に基づいてドップラー偏移を補正すると、LIDARシステムからオブジェクトまでの距離に比例する。同時に実行または実行されない可能性がある両方の測定は、距離と速度の両方の情報を提供する。
[0007]
LIDARシステムのためのソリッド-ステートビームステアリング技術の設計において考慮すべき事項は、制御回路の複雑さである。複雑さを軽減すると、コスト、安定性、および拡張性の面で多くの利点がある。
[0008]
ソリッド-ステートビームステアリング技術の設計における別の考慮事項は、シーンが1つ以上のレーザーによって照明される順序であるスキャンパターンである。並列光チャネル(例えば、光アンテナ)を空間的に一緒にまとめることができる場合、LIDARシステムの全視野(Field of View)内でより小さな連続ブロックをアプリケーションの必要に応じて動的にアドレス指定および調整することができる。ブロックまたは視野の一部を動的にアドレス指定する能力は、スキャンで生成されるポイントクラウドに現れる可能性のあるアーティファクトを有利に減らすことができる。また、隣接/近接して配置された光アンテナグループの同時動作が低遅延(Low Latency)で発生する可能性があり、これは従来のスキャン技術に比べて改善された解像度および改善されたオブジェクト認識を提供し得る。
[0009]
開示されたコヒーレントLIDARシステムは、システムの視野に関する深さ情報(例えば、1つ以上のオブジェクトの距離、速度、加速度)を決定するように構成される変調された(例えば、FMCW)LIDARシステム、CW LIDARシステム、または他のコヒーレントLIDARシステムであり得る。コヒーレントLIDARシステムは、LIDARチップ(例えば、光集積回路)上にスイッチ可能なコヒーレントピクセルアレイ(SCPA、Switchable Coherent Pixel Array)を含み得る。LIDARチップは、1つ以上のトランシーバを含み得る。トランシーバは、光アンテナアレイおよび光スイッチを含み得る。光アンテナアレイは、光アンテナのグループ(サブアレイ)および光アンテナに結合される光スプリッタを含む。光スプリッタは、各光アンテナに入力信号の一部を提供する。入力信号は、電気信号、電気-光信号、または光信号であり得る。光スイッチは、スキャン動作の一部として複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも1つに入力信号を選択的に提供するように構成される。光スイッチは、入力信号を一度に1アレイずつ複数のアンテナアレイに選択的に提供することによって、アドレス可能な視野スキャンを可能にする。各光アンテナは、光アンテナ、光結合器、光スプリッタ、および/またはフォトダイオードを含むコヒーレントピクセルの一部であり得る。したがって、サブアレイまたはコヒーレントピクセルのグループは、光アンテナのサブアレイまたはグループを含み得る。
[0010]
コヒーレントLIDARシステムは、少なくとも1次元でLIDARシステムから放出された光(例えば、光ビーム、レーザービーム)を操向するように構成され得る。一部の実施形態において、光アンテナは、LIDARシステムが2次元に光を操向できるように2次元に配列される。可動部品なしで光を操向できる能力は、従来の機械駆動型LIDARシステムで見られるフォームファクタ、コスト、および安定性の問題を減らすことができる。
[0011]
本開示のコヒーレントLIDARトランシーバのための光アンテナアーキテクチャのための装置およびシステムは、例えば、自律車両で使用できるソリッド-ステートでアドレス可能な視野および拡張可能な焦点面アレイを可能にする。このような実施形態および他の実施形態は、図1図10cに関してより詳細に説明される。
[0012]
図1は、本開示の実施形態によるLIDARセンサー100のチップのダイアグラムを示す。様々な実施形態によると、LIDARセンサー100は、変調されたLIDARシステム、CW LIDARシステム、FMCW LIDARシステム、または他のコヒーレントLIDARシステムなどのコヒーレントLIDARシステムの一部であり得る。一実施形態において、LIDARセンサー100は、LIDARシステムの視野の一部を同時にスキャンするように構成される光アンテナを含むチップ上のスイッチ可能なコヒーレントピクセルアレイ(SCPA)LIDARセンサーである。LIDARセンサー100は、光集積回路(Photonic Integrated Circuit)であり得、緻密なピッチを有するビームでブロックスキャンを実行するように構成され得る。有利には、環境をブロックスキャンすることは、スキャン操作中に生成されたポイントクラウドに現れる可能性のあるアーティファクト(Artifact)を減らすことができる。また、隣接/近接して配置された光アンテナグループの同時動作は、自律車両動作などの様々な用途で改善された解像度と改善されたオブジェクト認識を提供する低遅延動作を支援する。
[0013]
一実施形態によると、LIDARセンサー100は、トランシーバ104に入力信号を提供するように結合された入力ポート102を含む。入力信号は、電気信号、電気-光信号、または光信号であり得る。入力信号は、CWレーザー信号であり得る。入力信号は、変調されたレーザー信号であり得る。入力信号は、FMCWレーザー信号であり得る。トランシーバ104は、光スイッチ106およびLIDARシステムで環境のブロックスキャンを可能にするように構成された複数の光アンテナアレイ110を含む。光スイッチ106は、通信チャネル108(例えば、導波管)を介して入力ポート102から入力信号を受信する。光スイッチ106は、入力信号の少なくとも一部を一度に1つずつ光アンテナアレイ110に選択的に分配する。一実施形態によると、光スイッチ106は、M個の出力チャネルを含むアクティブスイッチであり、高い電力処理能力を有する窒化シリコンスイッチで実施できる。
[0014]
一実施形態において、光スイッチ106は、スキャン動作中(例えば、視野のそれぞれのスキャン中)、入力ポート102からの入力信号を各光アンテナアレイ110に一度に1つずつルーティングする。光アンテナアレイ110のそれぞれは、入力信号の同時送信のために入力信号の一部を光アンテナのグループ(サブアレイ)にルーティングするコンポーネントのブロックまたはグループである。各光アンテナアレイ110のコンポーネントは、また、リターンLIDAR信号を受信し、リターンLIDAR信号を光信号から1つ以上の電気信号に変換するように構成される。
[0015]
図示のように、一実施形態によると、トランシーバ104は、複数の光アンテナアレイ110を含む(明確にするために、アレイのうちの1つのみが点線ボックスで強調表示されている)。光アンテナアレイ110のそれぞれは、通信チャネル114(例えば、導波管)を介して光スイッチ106に結合される光スプリッタ112を含む。各光アンテナアレイ110は、複数(例えば、8、50、100など)の個々のコヒーレントピクセル118からなるコヒーレントピクセル116のグループ(例えば、サブアレイ)を含む。個々のコヒーレントピクセル118のそれぞれは、1次元パターン(例えば、ライン)または2次元パターン(例えば、長方形、別の形状または不均一な分布)として他の個々のコヒーレントピクセル118の近くに空間的に位置する。
[0016]
コヒーレントピクセルグループ116は、複数の通信チャネル120(例えば、導波管)を介して光スプリッタ112に結合される。一実施形態によると、光スプリッタ112は、通信チャネル114から通信チャネル120に入力信号を均等に分配するように構成されるパッシブ光スプリッタのネットワークを含む。
[0017]
一実施形態において、光スイッチ106は、M個の光アンテナアレイ110から選択することができ、光スプリッタ112は、入力信号をN個の通信チャネル120に分割し、ここで、Nは、コヒーレントピクセル116のグループ内の個々のコヒーレントピクセル118の数に対応する。Nは、また送信機および受信機チャネルの数であり、したがって、Nは、またコヒーレントピクセル116のグループによって行われ得る同時(ほぼ同じ時間)測定の総数を定義することができる。光アンテナアレイ110の集合は、ソリッド-ステート焦点面アレイを形成するためにレンズの下に配置され得る。並列チャネルがこのアレイ内で空間的にグループ化されているため、焦点面アレイの全視野内でより小さなブロックを照らすことができ、全視野の動的なアドレス指定が可能になる。
[0018]
トランシーバ104構造の利点は、光スイッチ106の使用が動作に使用される光ポートの数を減らすことである。光ポートの減少は、入力ポート102と個々のコヒーレントピクセル118の光アンテナ(図2a~図2dに示す)との間の光路において、より簡単でより小さなシリコンフットプリント(Silicon Footprint)を可能にする。
[0019]
単一のトランシーバ104が示されているが、様々な実施形態によると、LIDARセンサー100は、他の光ポートに接続されるか、または入力ポート102に接続される複数のトランシーバ104を含み得る。
[0020]
図2a~図2dは、本開示の実施形態によってLIDARセンサー100で用いられ得るコヒーレントピクセル(例えば、図1に示される個々のコヒーレントピクセル118)の様々な実装を示す。コヒーレントピクセルは、(1)入力信号を局部発振器信号および送信信号に分割し、(2)送信信号を自由空間に結合し、(3)リターン信号を再びコヒーレントピクセルに結合し、および/または(4)局部発振器信号とリターン信号を混合する。
[0021]
図2aおよび図2bは、本開示の実施形態によるコヒーレントピクセル220およびコヒーレントピクセル230を示す。コヒーレントピクセル220は、光アンテナ200、光結合器201、および光スプリッタ202を含む。コヒーレントピクセル220は、入力ポート203で光信号(例えば、変調されたレーザー信号、CWレーザー信号、FMCWレーザー信号など)を受信する。光スプリッタ202は、入力ポート203と光アンテナ200との間に結合される。光スプリッタ202は、入力ポート203で受信された入力信号をアンテナポート205および局部発振器ポート206に分割するように構成される双方向2×2光スプリッタであり得る。アンテナポート205は、光アンテナ200に結合される。アンテナポート205は、送信信号を光アンテナ200に提供し、光アンテナ200からリターン信号を受信するように構成される。
[0022]
一実施形態によると、光アンテナ200は、オン-チップ導波管から自由空間に光を放出し、および/または自由空間からの光をオン-チップ導波管に結合する装置である。光アンテナ200は、格子カプラ、エッジカプラ、集積反射器、または任意のスポットサイズ変換器として具現できる。光アンテナ200は、1つの特定の偏光(例えば、横電気(TE、Transverse Electric)または横磁気(TM、Transverse Magnetic))を有する光についてはるかに高い放出/カップリング効率で偏光に敏感な場合がある。光アンテナ200は、相互的であり得、したがって、測定対象オブジェクト(例えば、環境内のオブジェクト)からリターン信号(例えば、反射されたビーム)を収集することができる。光アンテナ200は、リターン信号を光スプリッタ202のアンテナポート205に再び提供する。光スプリッタ202は、リターン信号を入力ポート203とリターン信号ポート204との間で分割するか、またはリターン信号をリターン信号ポート204にのみ提供するように構成され得る。光スプリッタ202は、送信機と受信機が一緒に位置する「擬似サーキュレータ(Pseudo-Circulator)」として構成され得る。
[0023]
光結合器201は、局部発振器信号をリターン信号と混合するように構成される。光結合器201は、コヒーレント検出のためにリターン信号ポート204からのリターン信号と局部発振器ポート206からの局部発振器信号を混合する。光結合器201は、バランスのとれた2×2光ミキサーであることがある光ミキサーである。
[0024]
コヒーレントピクセル220は、ビートトーン検出のために光信号を電気信号に変換するように構成されるフォトダイオードペア207を含む。コヒーレントピクセル220は、BPD(Balanced Photo-Diode)コヒーレントピクセルと呼ばれることがある。
[0025]
「擬似サーキュレータ」として光スプリッタ202を使用する場合、数百のピクセルを有する大規模アレイについて非実用的な、すべての単一ピクセルについて離散のサーキュレータを有することを除去することができる。したがって、コヒーレントピクセル220の実装は、コストおよびフォームファクタを大幅に削減することができる。例えば、リターン信号は、入力ポート203とリターン信号ポート204との間で分割されることができ、後者は、コヒーレント検出のために使用される。
[0026]
一実施形態によると、コヒーレントピクセル230は、ハイブリッド光結合器209を含み、ビートトーン検出のためにリターン信号および局部発振器信号を電気信号に変換するための2つのフォトダイオードペア207を含む。一実施形態によると、コヒーレントピクセル230は、同相出力信号RX_Iおよび直交出力信号RX_Qを提供するためにハイブリッド光結合器209を使用する。同相出力信号RX_Iおよび直交出力信号RX_Qは、FMCW LIDARシステムで速度-距離のあいまいさを解決したり、高度なデジタル信号処理(DSP)アルゴリズムを可能にしたりするために使用できる。
[0027]
図2cおよび図2dは、本開示の実施形態によるコヒーレントピクセル240およびコヒーレントピクセル250を示す。コヒーレントピクセル240および250は、コヒーレントピクセルで使用される光スプリッタ設計を簡素化できる偏光分割アンテナを含む。
[0028]
一実施形態によると、コヒーレントピクセル240は、光スプリッタ212、偏光分割アンテナ210、光結合器201、およびフォトダイオードペア207を含む。入力信号は、入力ポート203で受信される。光スプリッタ212は、入力ポート203に結合される入力ポート、アンテナポート215、および局部発振器ポート214を含み得る。アンテナポート215にルーティングされる入力信号の一部は、1つの偏光(例えば、TM)を有する偏光分割アンテナ210を使用してチップから直接送信される。偏光分割アンテナ210は、測定対象物から反射された信号(反射光)を収集する。偏光分割アンテナ210は、直交偏光(例えば、TE)をアンテナ出力ポート213(例えば、導波管)に結合し、直交偏光リターン信号を光結合器201に直接送信する。この実施形態において、偏光分割アンテナ210によって受信されたリターン信号は、「擬似サーキュレータ」の追加のスプリッタによってさらに分割されない。
[0029]
光結合器201は、コヒーレント検出のためにアンテナ出力ポート213から受信されたリターン信号を局部発振器ポート214からの光信号の一部と光学的に混合する。光ダイオードペア207は、結合/混合された光信号をビートトーン検出のための電気信号に変換する。
[0030]
コヒーレントピクセル250は、ハイブリッド光結合器209および偏光分割アンテナ210を含み、2つのフォトダイオードペア207は、光信号を同相出力信号RX_Iおよび直交出力信号RX_Qに変換し、これはビートトーン検出のために使用できる電気信号である。
[0031]
コヒーレントピクセル240および250の設計は、すべての単一のコヒーレントピクセルに対して効率的な集積サーキュレータを実現し、超高感度を有するオン-チップモノスタティックFMCW LIDARを可能にすることができる。
[0032]
図3は、本開示の実施形態による局部発振器信号をコヒーレントピクセルに選択的にルーティングするように構成されるLIDARセンサー300のチップのダイアグラムを示す。LIDARセンサー300は、LIDARセンサー100(図1に示す)の多くの特徴を含み得る。LIDARセンサー300は、コヒーレントピクセルが入力ポート102で受信された入力信号のそれ自体を分割するのではなく、外部局部発振器信号を直接提供することによってコヒーレントピクセルのコンポーネントを減少させる。LIDARセンサー300は、コヒーレントピクセルがそれ自体の局部発振器信号を生成するように構成される場合よりも強い局部発振器信号をコヒーレントピクセルに提供するように構成される。
[0033]
一実施形態によると、LIDARセンサー300は、局部発振器信号として入力信号の一部を受信するために光スプリッタ304に結合された局部発振器ネットワーク302を含む。局部発振器ネットワーク302(例えば、スイッチツリー)は、局部発振器信号を複数の光スプリッタ308のうちの1つに選択的に提供するように構成される光スイッチ306を含む。各光スプリッタ308は、通信チャネル310(例えば、導波管)を介して光スイッチ306に接続される。一実施形態によると、光スプリッタ308は、通信チャネル312を介してコヒーレントピクセル116のグループに結合される。光スイッチ306は、光スイッチ106と同様であることがあり、光スイッチ106がコヒーレントピクセル116の特定のグループに入力信号を提供すると同時に、局部発振器信号をコヒーレントピクセル116の特定のグループに提供するように構成され得る。光スプリッタ308は、光スプリッタ112と同様であることがあり、複数のパッシブスプリッタコンポーネントを含み得る。
[0034]
図4aおよび4bは、本開示の実施形態による例えば、局部発振器ネットワーク302(図3に示す)から外部局部発振器信号を受信するように構成されるコヒーレントピクセル400および410を示す。コヒーレントピクセル400および410は、局部発振器ポート402で局部発振器信号を受信するように構成される。一実施形態において、コヒーレントピクセル400および410は、コヒーレントピクセル240および250(それぞれ図2cおよび図2dに示される)と同様の特徴を含む。
[0035]
図5a~5cは、本開示の任意のLIDARシステムで使用できる光スイッチの様々な実施形態を示す。図5aは、光スイッチ106および/または光スイッチ306の一実施形態であり得る光スイッチ506を示す。一実施形態によると、光スイッチ506は、複数の個々のスイッチセル501を有するバイナリツリースイッチネットワークである。個々のスイッチセル501は、制御信号503および504を使用して各アームの位相を調整する2つの光位相シフタ502に供給するように構成される光スプリッタ500を含む。光スイッチ506の電気制御は、2つの制御を用いたプッシュプル方式、または、単一の制御を用いた断面(Single Sided)であり得る。一実施形態において、光位相シフタ502を通過する信号は、光結合器505を使用して再結合される。制御信号503および504の動作に基づいて、補強または消滅干渉が発生し、これにより光が2つの出力の間でスイッチングされる。光位相シフタ502は、熱-光位相シフタおよび/または電気-光位相シフタとして実施されてもよい。
[0036]
図5bは、一実施形態によるマイクロリング共振器(MRR)510のアレイで実施される光スイッチ520を示す。各MRR510は、装置の共振周波数がレーザー波長と整列したときにメインバス導波管512から光信号をピックアップする。一実施形態によると、電気制御信号(例えば、Ctrl 0、Ctrl 1、Ctrl 3、Ctrl M)は、アレイ内の各MRR510の共振を設定し、これによりコヒーレント光信号(例えば、FMCW光信号)を送受信するために通過する出力ポート511を選択するために使用できる。
[0037]
図5cは、MEMS(Micro-electromechanical System)スイッチ515のアレイで実施される光スイッチ530を示す。一実施形態によると、各MEMSスイッチ515は、メインバス導波管512からの光信号を操向し、これにより光信号を送受信するために通過する出力ポート(例えば、Out 1、Out 2、Out 3、Out M)を選択するように構成される。
[0038]
図6は、本開示の実施形態によるアドレス可能な焦点面アレイを形成するためにLIDARセンサー100を統合するLIDARシステム600を示す。各光アンテナアレイ110は、光アンテナアレイ110のうち、特定の1つが選択されるときに入力信号を同時に送信するN個のコヒーレントピクセルを含む。レンズシステム607を介したコヒーレントピクセルからの入力信号の送信は、レーザービーム608となる。各光アンテナアレイ110は、レンズシステム607の視野の一部をスキャンし、これは、LIDARシステム600がソリッド-ステートアドレス可能な視野を有することを可能にする。光スイッチ106の出力が光アンテナアレイ110のうち、特定の1つを選択するとき、それぞれのNコヒーレントピクセルは、レンズシステム607を同時に照明し、入射光をわずかに異なる角度で伝播するN出射レーザービーム608にコリメートする。出射レーザービーム608は、LIDARセンサー100のコヒーレントピクセル間隔およびレンズシステム607の特性に基づいてわずかに異なる角度で伝播する。その結果、各光アンテナアレイ110は、焦点面アレイシステムの全視野の小さな部分を照明する。
【0039】
図7aは、本開示の実施形態によるそれぞれN個のコヒーレントピクセルを含む光アンテナアレイ110から同相Iおよび直交Q信号をルーティングするための電気配線方式700を示す。図示の例において、すべての8番目のコヒーレントピクセルは、バス702に一緒に接続され、合計2*Nのバスがスイッチの外部にルーティングされる(N個は、同相信号、N個は、直交信号)。この配線方式によると、バス702(チャネルRX_1、RX_2、RX_3、...RX_Nを含む)は、一度に1つの光アンテナアレイ110によって使用されるが、一実施形態によると、これは光スイッチ106が光アンテナアレイ110のうちの一度に特定の1つのみを選択するためである。
【0040】
図7bは、本開示の実施形態によるそれぞれN個のコヒーレントピクセルを含む光アンテナアレイ110から同相Iおよび直交Q信号をルーティングするための電気配線方式710を示す。図示の例において、光アンテナアレイ110は、バス712およびバス714で読み取られる2つ(またはそれ以上)のより小さなグループに分割される。バス712は、出力チャネルRX1_1、RX1_2、RX1_3、...RX1_Nを含み、バス714は、出力チャネルRX2_1、RX2_2、RX2_3、...RX2_Nを含む。これらのより小さなグループ内のすべての8番目のコヒーレントピクセルは、共通バス(例えば、バス712またはバス714)に接続され、アレイの外部にルーティングされる。この例において、コヒーレントピクセルのP個のサブグループが存在する場合、光アンテナアレイを出る合計2PNの信号バスが存在する。これらの2PNバスは、その後、例えば、電気スイッチを使用してマージされることによって信号ワイヤの総量を減らすことができる。
【0041】
図8は、本開示の1つ以上の実施形態によるFMCW LIDARシステムの性能を改善するために光の2つの偏光を用いるコヒーレントピクセル813のダイアグラムを示す。レーザーから発生する入力光801は、コヒーレントピクセル813に入り、スプリッタ802とも呼ばれるX/(1-X)スプリッタ802によって分割される。光のX%は、TX信号を構成するスプリッタ802の上部ポートを出て、光の(1-X)%は、局部発振器(LO)信号を構成するスプリッタ802の下部ポートを出る。TX信号は、偏光アセンブリ820に入る。図示のように、偏光アセンブリ820は、偏光スプリッタ803および偏光不感性自由空間結合器(Polarization-Insensitive Free-Space Coupler)804を含む。しかし、一部の実施形態において、偏光スプリッタ803および偏光不感性自由空間結合器804は、単一の偏光分割垂直チップ-自由空間結合器(Single Polarization-Splitting Vertical Chip-to-Free-Space Coupler)に置き換えることができる。偏光子(Polarizer)とも呼ばれる偏光スプリッタ803は、TE(Transverse Electric)偏光とTM(Transverse Magnetic)偏光を分離する。TX信号光は、TE偏光であるため、光は、偏光スプリッタ803の右側の上端ポートに結合される。TM偏光された光は、偏光スプリッタ803の右側の下端ポートを介して出る。偏光スプリッタ803を出るTX信号は、コヒーレントピクセル813のTEフィールドと一致する線形偏光を有する自由空間光ビーム805を生成する偏光不感性自由空間結合器804に入る。例えば、偏光不感性自由空間結合器804は、垂直回折格子、エッジカプラ(例えば、逆テーパー導波管)または角度の付いた反射器であり得る。
【0042】
自由空間光ビーム805は、線形偏光ビームを円形偏光ビーム807に変換する1/4波長板806を介して伝播する。ここで、円形偏光された光807は、LO信号に対して相対的に光を遅延させる距離にわたって伝播する。前記ビームは、ターゲット表面808から反射して(リターン信号)反射光809を生成する。表面特性に応じて、前記反射されたビームは、円形偏光を維持するか、または偏光がランダムに変化する可能性がある。反射された光ビーム809は、自由空間および1/4波長板806を介して再び伝播する。反射された光ビーム809が円形偏光を維持した場合、透過したビーム810は、TM偏光を有することになる(発生送信および受信コヒーレントピクセル813について)。反射されたビーム809がランダム偏光を有する場合、透過したビーム810は、ランダム偏光を有することになる。送信されたビーム810は、コヒーレントピクセル813に再び結合され、偏光スプリッタ803の右側の上端ポートに再び伝播する。受信された光ビームがTM偏光であれば、すべての光は、偏光スプリッタ803の左側の下端ポートに結合される。受信されたビームがランダムに偏光されると、名目上の光出力の半分が左側の下端ポートに結合される。偏光スプリッタ803の左側の下端ポートに結合された光は、遅延した受信信号をLO信号と混合する2-入力電力光ミキサー(Two-Input-Power Optical Mixer)811に入る。光ミキサー811は、FMCW LIDARシステムによって解析される1つ以上の電気信号812を生成する。1/4波長板を取り外すと、ターゲット表面で偏光を維持するシステム性能に影響を与える可能性があるが、このアイデアの基本原理には、影響を及ぼさない。
【0043】
偏光アセンブリ820は、送信された信号を形成するように構成され得、送信された信号を第1偏光を有するように偏光し、リターン信号を形成するために第1偏光に直交する第2偏光に基づいて(804を介して結合された)反射された信号を偏光し、光検出のためにリターン信号を第2導波管(例えば、811に向ける)に結合する。
【0044】
コヒーレントピクセル813は、例えば、コヒーレントピクセル118(図1に示す)であり得る。コヒーレントピクセル813は、また図2a~図2bを参照して前述したコヒーレントピクセルの実施形態であり得る。例えば、光スプリッタ202は、X/(1-X)スプリッタ802および偏光スプリッタ803に置き換えることができ、光アンテナ200は、偏光不感性自由空間結合器804に置き換えることができる。
【0045】
図9は、本開示の1つ以上の実施形態によるコヒーレントLIDARシステムの特定の例として、SCPA(Switchable Coherent Pixel Array)ベースのFMCW LIDARシステム900のシステムダイアグラムを示す。スキャナモジュール901は、単一または複数のFMCWトランシーバチャネルを有するSCPA LIDARチップ905と、1つ以上の光学素子を含むレンズシステム903と、を含む。一部の実施形態において、レンズシステム903は、レンズシステム607の一実施形態である。
【0046】
SCPA LIDARチップ905は、1つ以上の光集積回路として実施される1つ以上のFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)LIDARトランシーバ(例えば、トランシーバ104)を含む。トランシーバ用光集積回路は、入力ポート、複数の光アンテナ、光スイッチ、複数のスプリッタ、および複数のミキサーを含み得る。
【0047】
入力ポートは、周波数変調されたレーザー信号を受信するように構成される。光スイッチは、入力ポートを光アンテナに切り替え可能に結合し、入力ポートと光アンテナとの間に光路を形成するように構成される。入力ポートから光アンテナのうちの1つへのそれぞれの光路について、スプリッタが光路に沿って結合され、次のように構成される:レーザー信号の受信された部分を局部発振器信号および送信された信号に分割し、ここで送信された信号は、光アンテナを介して放出され、送信された信号の反射は、光アンテナを介して反射された信号として受信される。そして、反射された信号の一部であるリターン信号を出力する。それぞれのスプリッタについて、ミキサーがスプリッタからリターン信号および局部発振器信号を受信するように結合され、ミキサーは、リターン信号および局部発振器信号を混合してLIDARシステムの視野(スキャナモジュール901の視野とも呼ばれる)で深さ情報を決定するために使用される1つ以上の出力信号を生成するように構成される。
【0048】
一部の実施形態において、レンズシステム903は、1つ以上の角度寸法(例えば、方位角または高度)に沿ってスキャナモジュール901の視野をスキャンするコリメートされた送信信号を生成する。スキャナモジュール901は、1つの角度寸法に沿って5度またはその以上の視野を有する。そして、光アンテナ(例えば、長方形グリッド)の2次元配列を有する実施形態において、複数の光アンテナからの信号は、スキャナモジュール901の視野内で2次元でスキャンされることができる。例えば、第1次元および第2次元でスキャンされ、スキャナモジュール901の視野は、第1次元に沿って5度またはその以上であり、第2次元に沿って5度またはその以上である。前述の例において、2次元スキャンは、異なるコヒーレントピクセルを選択的に使用して行われ得る。
【0049】
スキャナモジュール901は、また、レーザービームスキャンを補助するためのスキャンミラー902および/または偏光依存感度を改善するための1/4波長板(QWP)904を含み得る。スキャンミラー902を使用する実施形態において、スキャナモジュール901の視野は、第1次元に沿って5度またはその以上であり(コヒーレントピクセルの選択的使用によってスキャンされる)、第2次元に沿って10度またはそれ以上である(スキャンミラー902の動きによって少なくとも部分的にスキャンされる)。LIDARチップ905用の光源は、同じチップに直接統合されるか、またはファイバ構成要素によって結合され得る。図示のように、光源は、変調されたレーザーソース、CWレーザーソース、FMCWレーザーソース907、またはコヒーレントLIDAR動作のための入力信号を生成する他のコヒーレントレーザーソースであり得る。FMCWレーザーソース907は、光増幅器906によってさらに増幅され、FMCW LIDARの範囲を増加させることができる。光増幅器906は、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)チップまたはEDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)であり得る。FMCWレーザーソース907は、一般に制御可能な低雑音電流源であるレーザードライバ回路908によって制御される。コヒーレントピクセルの出力は、トランスインピーダンスアンプ(TIA)回路911のアレイに伝達される。オン-チップスイッチは、スイッチドライバアレイ910によって制御される。FMCW処理エンジン909は、以下の機能を含む1つ以上のFPGA、ASICまたはDSPチップで実装できる:SCPA制御およびキャリブレーションロジック915、FMCW LIDARフレーム管理およびポイントクラウド処理914、マルチチャネルアナログ-デジタル変換器916、FMCW LIDAR DSP912およびFMCWレーザーチャープ制御およびキャリブレーションロジック913。CMOSシリコンフォトニックプラットフォームでSCPA LIDARチップ905を実装する場合、電気回路機能の一部または全部を単一チップ上のフォトニック回路とともにモノリシック(Monolithically)に実装できる。FMCW処理エンジンのデータ出力920は、深さ情報を含む。深さ情報は、例えば、通常のLIDARポイントクラウドの3次元位置データ、および速度、反射率などのFMCW LIDARが測定できる他の情報を含み得る。
【0050】
図9は、例示的なLIDARシステムを示す。代替構成において、他のおよび/または追加の構成要素がLIDARシステムに含まれ得る。さらに、図9に示される構成要素のうちの1つ以上に関連して説明された機能は、図9に関連して説明されたものとは異なる方法で構成要素間に分配され得る。例えば、一部の実施形態において、SCPA LIDARチップ905は、スキャナモジュール901から分離され得る。
【0051】
図10aは、本開示の態様によるLIDAR装置の図1図9のうちの任意のLIDARコンポーネントを含み得る例示的な自律車両1000を示す。図示された自律車両1000は、自律車両1000の動作を制御する目的で自律車両の外部環境の1つ以上のオブジェクトをキャプチャし、キャプチャされた1つ以上のオブジェクトに関連するセンサーデータを生成するように構成されたセンサーアレイを含む。図10aは、センサー1033A、1033B、1033C、1033Dおよび1033Eを示す。図10bは、センサー1033A、1033B、1033C、1033Dおよび1033Eに加えて、センサー1033F、1033G、1033Hおよび1033Iを含む自律車両1000の平面図を示す。任意のセンサー1033A、1033B、1033C、1033D、1033E、1033F、1033G、1033Hおよび/または1033Iは、図1図9のうちの任意のLIDARコンポーネントを含むLIDAR装置を含み得る。図10cは、自律車両1000のための例示的なシステム1099のブロック図を示す。例えば、自律車両1000は、エネルギーソース1006によって動力の供給を受け、ドライブトレイン1008に電力を提供できる原動機1004を含むパワートレイン1002を含み得る。自律車両1000は、方向制御1012、パワートレイン制御1014、およびブレーキ制御1016を含む制御システム1010をさらに含み得る。自律車両1000は、人および/または貨物を輸送することができ、様々な異なる環境で走行することができる車両を含む任意の数の異なる車両として具現できる。前述のコンポーネント1002~1016は、これらのコンポーネントが使用される車両のタイプによって広範囲に変化する可能性があることを理解するであろう。
【0052】
例えば、以下で説明する実施形態は、自動車、バン、トラック、またはバスなどの車輪付き陸上車両に焦点を合わせる。このような実施形態において、原動機1004は、(その中でも)1つ以上の電気モータおよび/または内燃機関を含み得る。エネルギーソースは、例えば、燃料システム(例えば、ガソリン、ディーゼル、水素を提供)、バッテリーシステム、ソーラーパネルまたは他の再生エネルギーソースおよび/または燃料電池システムを含み得る。ドライブトレイン1008は、原動機1004の出力を車両運動に変換するのに適したトランスミッションおよび/または任意の他の機械駆動コンポーネントとともにホイールおよび/またはタイヤを含み得るだけでなく、自律車両1000を制御可能に停止または減速するように構成される1つ以上のブレーキおよび自律車両1000の軌跡を制御するのに適した方向またはステアリングコンポーネント(例えば、自律車両1000の1つ以上のホイールが車両の縦軸に対するホイールの回転平面の角度を変更するために、一般に垂直軸を中心に旋回することを可能にするラックおよびピニオンステアリング接続装置)を含み得る。一部の実施形態において、パワートレインとエネルギーソースの組み合わせが使用できる(例えば、電気/ガスハイブリッド車両の場合)。一部の実施形態において、複数の電気モータ(例えば、個々の車輪または車軸専用)を原動機として使用できる。
【0053】
方向制御1012は、自律車両1000が望む軌跡に沿うことができるように、方向またはステアリングコンポーネントからフィードバックを制御かつ受信するための1つ以上のアクチュエーターおよび/またはセンサーを含み得る。パワートレイン制御1014は、パワートレイン1002の出力を制御するように構成され得るが、例えば、原動機1004の出力電力を制御し、ドライブトレイン1008の変速機ギアを制御することによって、自律車両1000の速度および/または方向を制御できる。ブレーキ制御1016は、自律車両1000を減速または停止させる1つ以上のブレーキ、例えば、車両のホイールに結合されたディスクまたはドラムブレーキを制御するように構成され得る。
【0054】
オフロード車両、オールテレーン(All-Terrain)またはトラック車両、または建設装備を含むが、これらに限定されない他の車両タイプは、必然的に、本開示の利点を有する通常の技術者であれば理解する他のパワートレイン、ドライブトレイン、エネルギーソース、方向制御、パワートレイン制御、およびブレーキ制御を活用する。また、一部の実施形態において、一部のコンポーネントは結合され得るが、例えば、車両の方向制御は、主に1つ以上の原動機の出力を変更することによって処理できる。したがって、本明細書に開示された実施形態は、車輪付き陸上自律車両で本明細書に説明された技術の特定の用途に限定されない。
【0055】
図示の実施形態において、自律車両1000についての自律制御は、車両制御システム1020で具現され、これは、処理ロジック1022内の1つ以上のプロセッサおよび1つ以上のメモリ1024を含み得、処理ロジック1022は、メモリ1024に格納されたプログラムコード(例えば、命令1026)を実行するように構成される。処理ロジック1022は、例えば、グラフィック処理装置(GPU)および/または中央処理装置(CPU)を含み得る。車両制御システム1020は、複数の導波管130を介して自律車両1000の外部環境に伝播し、受信LIDARピクセルに再び反射される赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して、自律車両1000のパワートレイン1002を制御するように構成され得る。
【0056】
センサー1033A~1033Iは、自律車両の動作を制御するのに使用するために自律車両の周辺環境からデータを収集するのに適した様々なセンサーを含み得る。例えば、センサー1033A~1033Iは、RADARユニット1034、LIDARユニット1036、3Dポジショニングセンサー1038、例えば、GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、またはCompassなどの衛星航法システムを含み得る。図1図9のLIDARコンポーネントは、干渉計、変調器および/またはLIDARユニット1036の共振器に含まれ得る。LIDARユニット1036は、例えば、自律車両1000の周囲に分散した複数のLIDARセンサーを含み得る。一部の実施形態において、3Dポジショニングセンサー1038は、衛星信号を用いて地球上の車両の位置を決定し得る。センサー1033A~1033Iは、選択的に1つ以上の超音波センサー、1つ以上のカメラ1040、および/または慣性測定ユニット(IMU)1042を含み得る。一部の実施形態において、カメラ1040は、静止画および/またはビデオ画像を記録することができるモノグラフィックカメラまたはステレオグラフィックカメラであり得る。カメラ1040は、自律車両1000の外部環境にある1つ以上のオブジェクトのイメージをキャプチャするように構成されたCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサーを含み得る。IMU1042は、3つの方向で自律車両1000の線形および回転運動を検出できるマルチジャイロスコープおよび加速度計を含み得る。ホイールエンコーダなどの1つ以上のエンコーダ(図示せず)は、自律車両1000の1つ以上のホイールの回転をモニタリングするために使用できる。
【0057】
センサー1033A~1033Iの出力は、位置推定(Localization)サブシステム1052、軌跡サブシステム1056、知覚サブシステム1054、および制御システムインターフェース1058を含む制御サブシステム1050に提供され得る。位置推定サブシステム1052は、周辺環境内で、そして一般的に特定の地理的領域内で自律車両1000の位置および(また、時々「姿勢」とも呼ばれる)方向を決定するように構成され得る。自律車両の位置は、ラベル付き自律車両データ生成の一部として、同じ環境にある追加車両の位置と比較できる。知覚サブシステム1054は、自律車両1000を囲む環境内のオブジェクトを検出、追跡、分類および/または決定するように構成され得る。軌跡サブシステム1056は、特定のタイムフレームにわたって希望する目的地が与えられた自律車両1000についての軌跡だけでなく、環境内で静止および移動するオブジェクトの軌跡を生成するように構成され得る。一部の実施形態による機械学習モデルは、車両軌跡を生成するために活用できる。制御システムインターフェース1058は、自律車両1000の軌跡を実施するために制御システム1010と通信するように構成される。一部の実施形態において、機械学習モデルは、計画された軌跡を実施するために自律車両を制御するために活用できる。
【0058】
図10cに示される車両制御システム1020についてのコンポーネントの集合は、本質的に単なる例示であることが理解されるであろう。個々のセンサーは、一部の実施形態において省略され得る。一部の実施形態において、図10cに示される異なるタイプのセンサーが自律車両を囲む環境で冗長的におよび/または異なる領域をカバーするために使用できる。一部の実施形態において、制御サブシステムの異なるタイプおよび/または組み合わせが使用できる。また、サブシステム1052~1058は、処理ロジック1022およびメモリ1024とは別のものとして示されているが、一部の実施形態において、サブシステム1052~1058の機能のうちの一部または全部は、メモリ1024に常駐し、処理ロジック1022によって行われる命令1026などのプログラムコードで具現でき、これらのサブシステム1052~1058は、場合によっては、同じプロセッサおよび/またはメモリを使用して具現できることが理解されるであろう。一部の実施形態において、サブシステムは、様々な専用回路ロジック、様々なプロセッサ、様々なFPGA(Field Programmable Gate Array)、様々なASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、様々なリアルタイムコントローラなどで具現でき、前述したように、複数のサブシステムが回路、プロセッサ、センサー、および/または他のコンポーネントを活用できる。また、車両制御システム1020の様々なコンポーネントは、様々な方法でネットワーク化することができる。
【0059】
一部の実施形態において、ソフトウェア、ハードウェア、回路ロジック、センサー、およびネットワークの様々な組み合わせを含む異なるアーキテクチャが図10cに示される様々なコンポーネントを具現するために使用できる。それぞれのプロセッサは、例えば、マイクロプロセッサとして具現でき、それぞれのメモリは、メインストレージだけでなく、メモリの任意の補助レベル、例えば、キャッシュメモリ、不揮発性またはバックアップメモリ(例えば、プログラマブルまたはフラッシュメモリ)、またはリードオンリーメモリを含むランダムアクセスメモリ(RAM)を意味し得る。また、それぞれのメモリは、例えば、大容量格納装置または他のコンピュータコントローラに格納されているような仮想メモリとして使用される任意の格納容量だけでなく、自律車両1000の他の場所に物理的に位置したメモリストレージ、例えば、プロセッサの任意のキャッシュメモリを含むものと見なすことができる。図10cに示される処理ロジック1022、または完全に別個の処理ロジックは、自律制御の目的以外に自律車両1000で追加の機能を実施するために、例えば、エンターテインメントシステムを制御したり、ドア、照明、または便宜機能を操作するために使用できる。
【0060】
また、追加の格納のために、自律車両1000は、また、1つ以上の大容量格納装置、例えば、リムーバブルディスクドライブ、ハードディスクドライブ、直接アクセス格納装置(「DASD」)、光ドライブ(例えば、CDドライブ、DVDドライブ)、SSD(Solid State Storage Drive)、ネットワーク接続ストレージ、ストレージエリアネットワーク、および/またはテープドライブなどを含み得る。また、自律車両1000は、自律車両1000が乗客から複数の入力を受信し、乗客のための出力を生成するためのユーザーインターフェース1064、例えば、1つ以上のディスプレイ、タッチスクリーン、音声および/またはジェスチャーインターフェース、ボタン、およびその他の触覚コントロールを含み得る。一部の実施形態において、乗客からの入力は、他のコンピュータまたは電子装置を介して、例えば、モバイル装置のアプリを介して、またはウェブインターフェースを介して受信され得る。
【0061】
一部の実施形態において、自律車両1000は、1つ以上のネットワーク1070(例えば、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、無線ネットワーク、および/またはインターネットなど)と通信するのに適している1つ以上のネットワークインターフェース、例えば、ネットワークインターフェース1062を含み得、これにより、例えば、自律車両1000が自律制御に使用するために環境およびその他のデータを受信するためのクラウドサービスなどの中央サービスを含む他のコンピュータおよび電子装置との情報通信を可能にすることができる。一部の実施形態において、1つ以上のセンサー1033A~1033Iによって収集されたデータは、追加処理のためにネットワーク1070を介してコンピューティングシステム1072にアップロードされることができる。このような実施形態において、タイムスタンプは、アップロード前に車両データの各インスタンスに関連付けることができる。
【0062】
本明細書に開示される様々な追加のコントローラおよびサブシステムだけでなく、図10cに示される処理ロジック1022は、一般に、オペレーティングシステムの制御下で動作かつ実行されるか、そうでなければ以下に詳細に説明される様々なコンピュータソフトウェアアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、またはデータ構造に依存する。また、様々なアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、またはモジュールは、ネットワーク1070を介して、例えば、分散、クラウドベース、またはクライアント-サーバコンピューティング環境で自律車両1000に結合された他のコンピュータの1つ以上のプロセッサで行い得、これにより、コンピュータプログラムの機能を実施するために必要な処理がネットワークを介して複数のコンピュータおよび/またはサービスに割り当てられる。
【0063】
本明細書に記載されている様々な実施形態を具現するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステムの一部または特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、または命令シーケンス、またはそのサブセットの一部として具現されているかどうかにかかわらず、ここで「プログラムコード」と呼ばれる。プログラムコードは、一般に、様々なメモリおよび格納装置に常駐する1つ以上の命令を含み、1つ以上のプロセッサによって読み取りおよび実行されるとき、本開示の様々な態様を具現するステップまたは要素を実行するために必要なステップを実行する。また、実施形態は、完全に機能するコンピュータおよびシステムの文脈で説明されており、今後もそうであろうが、本明細書に記載されている様々な実施形態は、様々な形態のプログラム製品として配布されることができ、実施形態が実際に配布を実行するために使用される特定のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体に関係なく具現できることが理解されるであろう。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、揮発性および不揮発性メモリ装置、フロッピーおよび他のリムーバブルディスク、ソリッド-ステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気テープおよび光ディスク(例えば、CD-ROM、DVD)のようなタイプの非一時的な媒体を含む。
【0064】
また、以下で説明される様々なプログラムコードは、特定の実施形態で具現されるアプリケーションに基づいて識別できる。しかし、以下の任意の特定のプログラム命名法は、単に便宜のために使用されたものであり、したがって、本発明は、このような命名法によって識別および/または暗示された任意の特定アプリケーションでのみ使用するように制限されてはならないことを理解するべきである。また、コンピュータプログラムがルーチン、手順、方法、モジュール、オブジェクトなどで構成できる一般的に無限の数の方式とプログラム機能が通常のコンピュータ(例えば、オペレーティングシステム、ライブラリ、API、アプリケーション、アプレット)内に常駐する様々なソフトウェア層の間に割り当てられる様々な方式を考慮するとき、本開示は、本明細書に記載のプログラム機能の特定の組織および割り当てに限定されないことを理解するべきである。
【0065】
本開示の利点を有する当業者は、図10cに示される例示的な環境が本明細書に開示された実施形態を制限しようとする意図ではないことを認識するであろう。実際、当業者は、本明細書に開示された実施形態の範囲から逸脱することなく、他の代替ハードウェアおよび/またはソフトウェア環境を使用できることを認識するであろう。
【0066】
本開示の態様において、可視光線は、約380nm~700nmの波長範囲を有するものと定義されることができる。非可視光は、紫外線、赤外線などの可視光線領域外の波長を有する光として定義されることができる。約700nm~1mmの波長範囲を有する赤外線は、近赤外線を含む。本開示の態様において、近赤外線は、約700nm~1.6μmの波長範囲を有するものと定義されることができる。
【0067】
本開示の態様において、「透明」という用語は、90%より大きい光透過率を有するものと定義されることができる。一部の実施形態において、「透明」という用語は、可視光線の90%より大きい透過率を有する物質として定義されることができる。
【0068】
本明細書において、「処理ロジック」という用語は、本明細書に開示されている動作を実行するための1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)を含み得る。一部の実施形態において、メモリ(図示せず)は、演算を実行および/またはデータを格納するための命令を格納するために処理ロジックに統合される。また、処理ロジックは、本開示の実施形態に係る動作を実行するためのアナログまたはデジタル回路を含み得る。
【0069】
本明細書で説明する「メモリ」または「複数のメモリ」は、1つ以上の揮発性または不揮発性メモリアーキテクチャを含み得る。「メモリ」または「複数のメモリ」は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報格納のための任意の方法または技術で具現された取り外し可能および取り外し不可能媒体であり得る。メモリ技術の例においては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD、高精細マルチメディア/データ格納ディスクまたはその他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク格納装置、またはコンピューティング装置によってアクセスを可能にするように情報を格納するために使用できるその他の非送信媒体を含み得る。
【0070】
ネットワークは、ピアツーピアネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのパブリックネットワーク、プライベートネットワーク、セルラーネットワーク、無線ネットワーク、有線ネットワーク、有無線組み合わせのネットワーク、および衛星ネットワークなどの任意のネットワークまたはネットワークシステムを含むが、これらに 限定されない。
【0071】
通信チャネルは、IEEE802.11プロトコル、SPI(Serial Peripheral Interface)、IC(Inter-Integrated Circuit)、USB(Universal Serial Port)、CAN(Controller Area Network)、セルラーデータプロトコル(例えば、3G、4G、LTE、5G)、光通信ネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISPs)、ピアツーピアネットワーク、LAN、WAN、パブリックネットワーク(例えば、「インターネット」)、プライベートネットワーク、衛星ネットワークまたは他のものを用いる1つ以上の有線または無線通信を含むか、またはこれらによってルーティングされることができる。
【0072】
コンピューティング装置は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、フィーチャーホン、サーバコンピュータなどを含み得る。サーバコンピュータは、データセンターに遠隔に位置するか、またはローカルに格納できる。
【0073】
前述したプロセスは、コンピュータソフトウェアおよびハードウェアの側面で説明される。説明された技術は、機械によって実行されるときに、機械が説明された動作を行うようにする有形または非一時的な機械(例えば、コンピュータ)可読格納媒体内に具現された機械実行可能命令を構成することができる。さらに、プロセスは、特定用途向け集積回路(「ASIC」)などのハードウェア内に具現できる。
【0074】
有形の非一時的な機械可読格納媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワーク装置、PDA、製造ツール、1つ以上のプロセッサセットを有する任意の装置など)によってアクセス可能な形態の情報を提供(例えば、格納)するための任意のメカニズムを含み得る。例えば、機械可読格納媒体は、記録可能/記録不可能媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスク格納媒体、光格納媒体、フラッシュメモリ装置など)を含む。
【0075】
要約書に説明されたものを含め、本開示の例示された実施形態についての前述の説明は、完全なものとして、または開示された正確な形態として本発明を限定することを意図していない。本発明の特定の実施形態および例示が例示的な目的で本明細書に説明されているが、関連技術分野の技術者が認識するように、本発明の範囲内で様々な修正が可能である。
【0076】
このような本発明の修正は、前述の詳細な説明に照らして行われ得る。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本発明を明細書に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されてはならない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって完全に決定されるべきであり、これは特許請求の範囲の解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図10c
【手続補正書】
【提出日】2023-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を受信するように構成される第1光スプリッタ-前記第1光スプリッタは、前記入力信号を送信信号および局部発振器信号に分割するように構成される-と、
前記第1光スプリッタに結合され、前記第1光スプリッタから前記送信信号を受信するように構成されるトランシーバと、
前記第1光スプリッタに結合され、前記第1光スプリッタから前記局部発振器信号を受信するように構成される局部発振器ネットワークと、を含み、
前記トランシーバは、
複数の光アンテナアレイと、
前記複数の光アンテナアレイに結合される光スイッチと、を含み、
前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも3つのそれぞれは、
特定個数の光アンテナと、
前記特定個数の光アンテナに結合され、前記特定個数の光アンテナのそれぞれに前記送信信号を別々に提供するように構成される第2光スプリッタと、を含み、
前記第2光スプリッタは、前記特定個数の光アンテナに対応する特定個数の通信チャネルに前記送信信号を均等に分配するように構成される複数のパッシブ光スプリッタを含み、
前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも1つは光ピクセルを含み、前記光ピクセルは、
前記特定個数の光アンテナのうちの少なくとも1つと、
リターン信号を受信するために、前記特定個数の光アンテナのうち、少なくとも1つに結合される光結合器と、を含み、
前記光結合器は、前記リターン信号を前記局部発振器信号と結合するように構成され、
前記光スイッチは、前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも1つに前記送信信号を選択的に提供するように構成され、
前記局部発振器ネットワークは、前記局部発振器信号を前記複数の光アンテナアレイのための複数の局部発振器信号に選択的に分割するように構成されるLIDARセンサーシステム。
【請求項2】
前記入力信号は、変調されたレーザー信号であり、前記光スイッチは、前記変調されたレーザー信号を前記複数の光アンテナアレイのうち、1つにのみ選択的に結合するアクティブ光スプリッタを含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項3】
前記入力信号は、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーザー信号であり、前記光スイッチは、前記FMCWレーザー信号を前記複数の光アンテナアレイのうち、1つにのみ選択的に結合するアクティブ光スプリッタを含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項4】
前記光スイッチは、前記トランシーバのスキャニング周期にわたって一度に1つずつ前記複数の光アンテナアレイのうちの少なくとも1つに前記送信信号を光学的に結合することによって、前記LIDARセンサーシステムの視野でシーンの1つ以上の特定の部分を照明するように構成される請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項5】
前記第2光スプリッタは、前記複数の光アンテナアレイのうち、選択された1つで前記特定個数の光アンテナのそれぞれに並列に結合される複数のパッシブ光スプリッタを含み、
前記複数のパッシブ光スプリッタは、前記複数の光アンテナアレイのうち、前記選択された1つで前記特定個数の光アンテナに前記送信信号を同時に提供するように構成される請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項6】
前記第2光スプリッタは、前記特定個数の光アンテナから前記送信信号の同時送信を可能にするように構成される請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項7】
前記特定個数の光アンテナは、1次元パターンまたは2次元パターンに配列される請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項8】
前記光結合器は、結合された出力信号を提供するように構成され、
前記光ピクセルは、前記結合された出力信号をLIDARビートトーンを表す電気信号に変換するように構成される複数のフォトダイオードをさらに含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項9】
前記光スイッチは、第1光スイッチであり、前記局部発振器ネットワークは、
前記複数の光アンテナアレイに前記複数の局部発振器信号を提供するように構成される複数の光スプリッタと、
前記複数の光スプリッタに結合され、前記複数の光スプリッタのうち、少なくとも1つに前記局部発振器信号の一部を選択的に提供するように構成される第2光スイッチと、を含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項10】
前記複数の光スプリッタのうちの少なくとも1つは、前記複数の光アンテナアレイのうち、選択された1つで前記特定個数の光アンテナの間に前記局部発振器信号の一部を分割するように構成される複数のパッシブ光スプリッタを含む請求項9に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項11】
前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも3つは、出力信号バスを含み、
第1複数の光アンテナアレイの前記特定個数の光アンテナは、第2複数の光アンテナアレイと前記出力信号バスを共有する請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項12】
前記出力信号バスは、前記特定個数の光アンテナのそれぞれからの同相信号および直交信号のための電気信号ラインを含む請求項11に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項13】
LIDAR(Light Detection and Ranging)センサーチップであって、
入力信号を生成するように構成される光源と、
前記入力信号を受信するように構成される第1光スプリッタ-前記第1光スプリッタは、前記入力信号を送信信号および局部発振器信号に分割するように構成される-と、
前記送信信号を受信するために前記第1光スプリッタに結合されるトランシーバと、
前記第1光スプリッタに結合され、前記第1光スプリッタから前記局部発振器信号を受信するように構成される局部発振器ネットワークと、を含み、
前記トランシーバは、
複数の光アンテナアレイと、
前記複数の光アンテナアレイに結合される光スイッチと、を含み、
前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも3つのそれぞれは、
特定個数の光アンテナと、
前記特定個数の光アンテナに結合される第2光スプリッタと、を含み、
前記第2光スプリッタは、前記特定個数の光アンテナに対応する特定個数の通信チャネルに前記送信信号を均等に分配するように構成される複数のパッシブ光スプリッタを含み、
前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも1つは光ピクセルを含み、前記光ピクセルは、
前記特定個数の光アンテナのうちの少なくとも1つと、
リターン信号を受信するために前記特定個数の光アンテナのうち、少なくとも1つに結合される光結合器と、を含み、
前記光結合器は、前記リターン信号を前記局部発振器信号と結合するように構成され、
前記光スイッチは、前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも1つに前記送信信号を選択的に提供するように構成され、
前記局部発振器ネットワークは、前記局部発振器信号を前記複数の光アンテナアレイのための複数の局部発振器信号に選択的に分割するように構成されるLIDARセンサーチップ。
【請求項14】
レンズをさらに含み、
前記トランシーバは、前記レンズの視野のブロックをスキャンするために前記レンズに光学的に結合される請求項13に記載のLIDARセンサーチップ。
【請求項15】
前記トランシーバからLIDARリターン信号を受信するように構成され、前記LIDARリターン信号に基づいてLIDARデータのフレームを生成するように構成される処理エンジンをさらに含む請求項13に記載のLIDARセンサーチップ。
【請求項16】
LIDAR(Light Detection and Ranging)センサーを含む自律車両であって、前記LIDARセンサーは、
入力信号を生成するように構成される光源と、
前記入力信号を受信するように構成される第1光スプリッタ-前記第1光スプリッタは、前記入力信号を送信信号および局部発振器信号に分割するように構成される-と、
前記送信信号を受信するために前記第1光スプリッタに結合されるトランシーバと、
前記第1光スプリッタに結合され、前記第1光スプリッタから前記局部発振器信号を受信するように構成される局部発振器ネットワークと、を含み、
前記トランシーバは、
複数の光アンテナアレイと、
前記複数の光アンテナアレイに結合される光スイッチと、を含み、
前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも3つのそれぞれは、
特定個数の光アンテナと、
前記特定個数の光アンテナに結合される第2光スプリッタと、を含み、
前記第2光スプリッタは、前記特定個数の光アンテナに対応する特定個数の通信チャネルに前記送信信号を均等に分配するように構成される複数のパッシブ光スプリッタを含み、
前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも1つは光ピクセルを含み、前記光ピクセルは、
前記特定個数の光アンテナのうちの少なくとも1つと、
リターン信号を受信するために前記特定個数の光アンテナのうち、少なくとも1つに結合される光結合器と、を含み、
前記光結合器は、前記リターン信号を前記局部発振器信号と結合するように構成され、
前記光スイッチは、前記複数の光アンテナアレイのうち、少なくとも1つに前記送信信号を選択的に提供するように構成され、
前記局部発振器ネットワークは、前記局部発振器信号を前記複数の光アンテナアレイのための複数の局部発振器信号に選択的に分割するように構成される自律車両。
【請求項17】
レンズをさらに含み、
前記トランシーバは、前記自律車両の動作環境のブロックの水平スキャンを提供するために前記レンズに光学的に結合される請求項16に記載の自律車両。
【請求項18】
前記トランシーバからLIDARリターン信号を受信するように構成され、前記LIDARリターン信号に少なくとも部分的に基づいて前記自律車両の動作環境のポイントクラウド表現を生成するように構成される処理エンジンをさらに含む請求項16に記載の自律車両。
【請求項19】
前記光スイッチは、バイナリツリースイッチ、マイクロリング共振器アレイおよびMEMS(Micro-Electromechanical System)スイッチアレイのうち、少なくとも1つを含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項20】
前記複数の光スプリッタのそれぞれは、前記局部発振器信号を提供するために前記複数の光アンテナアレイのうち、対応する1つに結合される請求項9に記載のLIDARセンサーシステム。
【国際調査報告】