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特表2023-551614自動保管および回収システムのレールシステム上で保管コンテナを取り扱うための遠隔動作車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-11
(54)【発明の名称】自動保管および回収システムのレールシステム上で保管コンテナを取り扱うための遠隔動作車両
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20231204BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023530609
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 EP2021082486
(87)【国際公開番号】W WO2022112166
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】20201315
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(31)【優先権主張番号】20201317
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(31)【優先権主張番号】20210871
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジュヴェ ヘゲベ, イェルゲン
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022KK12
3F022MM01
3F022MM52
(57)【要約】
本発明は、自動保管および回収システム(1)の2次元レールシステム(108)上で、保管コンテナ(106)またはさらなる車両を取り扱うための遠隔動作車両(500)に関する。本車両(500)は、遠隔動作車両(500)の安定性を改良するために、平衡錘(452)を意図的に変位させるように構成される、質量平衡化システム(450)を備える。本発明はさらに、遠隔動作車両(500)を動作させるための方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管コンテナ(106)またはさらなる車両を取り扱うための遠隔動作車両(500)であって、前記遠隔動作車両(500)は、自動保管および回収システム(1)のレールシステム(108)上で稼働し、前記レールシステム(108)は、平行レールの第1のセット(110)と、前記平行レールの第1のセット(110)に対して直角に配列されている、平行レールの第2のセット(111)とを備え、前記遠隔動作車両(500)は、レールの第1のセット(110)の2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第1のセット(500b)と、レールの第2のセット(111)の2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第2のセット(500c)とを備え、前記車両(500)はさらに、平衡錘(452)を備える、質量平衡化システム(450)を備え、前記質量平衡化システム(450)は、前記遠隔動作車両(500)の安定性を改良するために、前記平衡錘(452)を意図的に変位させるように構成されている、遠隔動作車両(500)。
【請求項2】
前記平衡錘(452)は、前記車両(500)の重心(COG)の位置の変化に応答して変位される、請求項1に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項3】
前記平衡錘(452)の変位は、前記遠隔動作車両(500)の安定性を改良するように、車両(500)の重心を調節する、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項4】
前記平衡錘(452)は、水平方向に変位可能である、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項5】
前記平衡錘(452)は、垂直方向に変位可能である、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項6】
前記平衡錘(452)は、巻上デバイスによって変位可能である、請求項5に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項7】
前記質量平衡化システム(450)はさらに、前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の重量を測定するためのセンサ(456)を備える、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項8】
前記質量平衡化システム(450)はさらに、前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の位置を決定するためのセンサ(456’)を備える、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項9】
前記質量平衡化システム(450)はさらに、前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の内部における負荷重量の空間分布を決定するためのセンサ(456’’)を備える、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項10】
前記質量平衡化システム(450)は、前記遠隔動作車両(500)上の傾転の角度を測定する、センサを備える、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項11】
前記質量平衡化システム(450)は、センサ(456、456’、456’’)に接続されている、制御システム(454)と、傾転の角度を測定する、前記センサと、平衡錘変位デバイス(453)とを備え、前記制御システム(454)は、前記センサ(456、456’、456’’)から取得されるデータに基づいて、前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算し、前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令する、請求項7-10のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項12】
前記平衡錘(452)の変位サイクルは、前記遠隔動作車両(500)と関連付けられる既知の将来的変化に対抗するために予め決定される、請求項11に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項13】
前記平衡錘(452)は、前記平衡錘が前記遠隔動作車両(500)内に追加の機能を有するように、前記遠隔動作車両(500)の少なくとも1つの機能部品である、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項14】
前記遠隔動作車両(500)の前記平衡錘(452)は、エネルギーを貯蔵するためのバッテリである、請求項13に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項15】
前記遠隔動作車両(500)の前記平衡錘(452)は、前記遠隔動作車両(500)を推進するためのモータである、請求項13または14に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項16】
前記平衡錘(452)は、線形に変位する、請求項1に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項17】
前記遠隔動作車両(500)は、カンチレバータイプである、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項18】
前記遠隔動作車両(500)は、内部空洞タイプである、請求項1-16のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項19】
前記遠隔動作車両(500)は、前記質量平衡化システム(450)が位置している、上側区分を備える、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項20】
前記質量平衡化システム(450)は、各平衡錘(452)と関連付けられる、少なくとも1つの平衡錘ガイド(455)を備える、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項21】
前記平衡錘(452)は、ねじ山付きバーに沿って往復運動する、請求項20に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項22】
前記遠隔動作車両(500)は、水平方向に変位可能な支持表面(425)を備える、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項23】
前記遠隔動作車両(500)は、調節可能なフットプリントを有する、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項24】
前記遠隔動作車両(500)は、前記さらなる車両が故障すると、前記さらなる車両を移動させるための点検車両である、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項25】
前記車両(500)は、常時、直線経路に沿って移動する、先行する請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項26】
平衡錘(452)を備える質量平衡化システム(450)を有する、遠隔動作車両(500)を動作させるための方法であって、前記遠隔動作車両(500)は、自動保管および回収システム(1)の2次元レールシステム(108)上で保管コンテナ(106)を取り扱うためのものであり、前記方法は、
-前記遠隔動作車両(500)の安定性を改良するために、前記平衡錘(452)を意図的に変位させることを含む、方法。
【請求項27】
前記平衡錘(452)の変位は、車両(500)の重心(COG)の変化に応答して生じる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記遠隔動作車両(500)の前記質量平衡化システム(450)はさらに、平衡錘変位デバイス(453)を備え、前記方法はさらに、
-前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の重量を測定することと、
-取得された重量データに基づいて、前記遠隔動作車両(500)に対する前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算することと、
-前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令することと
を含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記方法はさらに、
-前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の位置を決定することと、
-取得された位置データに基づいて、前記遠隔動作車両(500)に対する前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算することと、
-前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令することと
を含む、請求項26-28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記方法はさらに、
-前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の内部における負荷重量の空間分布を決定することと、
-取得された空間分布データに基づいて、前記遠隔動作車両(500)に対する前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算することと、
-前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令することと
を含む、請求項26-29のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体、例えば、保管コンテナを取り扱うための遠隔動作車両に関し、具体的には、質量平衡化システムを備える、遠隔動作車両に関する。本発明はさらに、遠隔動作車両を動作させるための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
(背景および先行技術)
図1は、骨格構造100を伴う、従来技術の自動保管および回収システム1を開示しており、図2、3a-3bは、そのようなシステム1上で動作するために好適な3つの異なる従来技術のコンテナ取扱車両201、301、401を開示している。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、直立部材102の間に並べて配列されている保管カラム105を備える保管体積とを備える。これらの保管カラム105では、容器としても公知である保管コンテナ106が、相互の上にスタックされ、コンテナスタック107を形成する。部材102は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウムプロファイルから作製されてもよい。
【0004】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部を横切って配列されている2次元レールシステム108を備え、そのレールシステム108上で、複数のコンテナ取扱車両301、401が、保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げ、保管コンテナ106をその中へと降下させ、また、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するように動作させられ得る。レールシステム108は、フレーム構造物100の上部を横切る第1の方向Xにおけるコンテナ取扱車両301、401の移動を誘導するように配列されている平行レールの第1のセット110と、第1の方向Xに対して直角である第2の方向Yにおけるコンテナ取扱車両301、401の移動を誘導するための、レールの第1のセット110に対して直角に配列されている平行レールの第2のセット111とを備える。カラム105内に保管されているコンテナ106は、コンテナ取扱車両301、401によって、レールシステム108内のアクセス開口部112を通してアクセスされる。コンテナ取扱車両301、401は、保管カラム105の上方で側方に移動することができ、すなわち、水平なX-Y平面に対して平行である平面内を移動することができる。
【0005】
骨格構造100の直立部材102は、カラム105から外へのコンテナの持上中、およびその中へのコンテナの降下中に保管コンテナを誘導するために使用されてもよい。コンテナ106のスタック107は、典型的には、自立型である。
【0006】
各々の従来技術のコンテナ取扱車両201、301、401は、車体201a、301a、401aと、X方向およびY方向におけるコンテナ取扱車両201、301、401の側方移動をそれぞれ可能にする、車輪の第1および第2のセット201b、201c、301b、301c、401b、401cとを備える。図2-3bでは、各セット内の2つの車輪は、完全に見えている。車輪の第1のセット201b、301b、401bは、レールの第1のセット110の2つの隣接するレールと係合するように配列されており、車輪の第2のセット201c、301c、401cは、レールの第2のセット111の2つの隣接するレールと係合するように配列されている。車輪201b、201c、301b、301c、401b、401cのセットのうちの少なくとも1つは、車輪の第1のセット201b、301b、401bおよび/または車輪の第2のセット201c、301c、401cがどの時点においてもレールのそれぞれのセット110、111と係合され得るように上昇され、降下させられることができる。
【0007】
各々の従来技術のコンテナ取扱車両201、301、401は、保管コンテナ106の垂直輸送(例えば、保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げ、保管コンテナ106を保管カラム105の中に降下させる)ための昇降デバイスも備える。昇降デバイスは、保管コンテナ106に係合するように適合されている1つ以上の把持/係合デバイスを備え、把持/係合デバイスは、車両201、301、401に対する把持/係合デバイスの位置が第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Z(例えば、図1において見えている)において調節され得るように、車両201、301、401から降下させられ得る。コンテナ取扱車両301、401の把持デバイスの一部が、図3aおよび3bに示されており、参照番号304、404で示されている。コンテナ取扱デバイス201の把持デバイスは、図2の車体201a内に位置している。
【0008】
従前のように、また、本願の目的のために、Z=1は、レール110、111の下方の保管コンテナのために利用可能な最上層、すなわち、レールシステム108の直下にある層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別し、他も同様である。図1に開示されている例示的な従来技術では、Z=8は、保管コンテナの最下底部層を識別している。同様に、X=1...nおよびY=1...nは、水平面における各保管カラム105の位置を識別している。その結果、実施例として、図1に示されているデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、図1において106’として識別されている保管コンテナは、保管位置X=17、Y=1、Z=6を占有するといえ得る。コンテナ取扱車両201、301、401は、層Z=0内を走行するといえ得、各保管カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。したがって、レールシステム108の上方に延在している、図1に示されている保管コンテナもまた、層Z=0内に配列されているといえる。
【0009】
骨格構造100の保管体積は、多くの場合、グリッド104と称され、このグリッド内の可能性として考えられる保管位置は、保管セルと称される。各保管カラムはXおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、およびZ方向におけるコンテナ番号によって識別され得る。
【0010】
各々の従来技術のコンテナ取扱車両201、301、401は、レールシステム108を横切って保管コンテナ106を輸送するときに保管コンテナ106を受け取り、収容するための保管コンパートメントまたは空間を備える。図2および3bに示されているように、および、例えば、第WO2015/193278A1号(特許文献1)および第WO2019/206487A1号(特許文献2)(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、保管空間は、車体201a内の内部に配列されている空洞を備えてもよい。
【0011】
図3aは、カンチレバー構造物を伴う、コンテナ取扱車両301の代替構成を示している。そのような車両は、例えば、第NO317366号(その内容も、参照によって本明細書に援用される)に詳細に説明されている。
【0012】
図2に示されている空洞コンテナ取扱車両201は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、概して、保管カラム105の側方範囲に等しいXおよびY方向における寸法を伴うエリアを被覆するフットプリントを有してもよい。本明細書で使用される用語「側方」は、「水平」を意味し得る。
【0013】
代替として、空洞コンテナ取扱車両401は、図3bに示されているように、かつ第WO2014/090684A1号または第WO2019/206487A1号に開示されているように、保管カラム105によって画定される側方エリアより大きいフットプリントを有してもよい。
【0014】
レールシステム108は、典型的には、車両の車輪が走る溝を伴うレールを備える。代替として、レールは、上向きに突出している要素を備えてもよく、車両の車輪は、脱線を防止するための、フランジを備える。これらの溝および上向きに突出している要素は、集合的に、トラックとして公知である。各レールは、1つのトラックを備えてもよく、または、各レールは、2つの平行なトラックを備えてもよく、他のレールシステム108では、一方向における各レールは、1つのトラックを備えてもよく、他の直角方向における各レールは、2つのトラックを備えてもよい。
【0015】
第WO2018/146304A1号(その内容は、参照によって本明細書に援用される)は、X方向およびY方向の両方におけるレールおよび平行トラックを備えるレールシステム108の典型的構成を図示している。
【0016】
骨格構造100では、カラム105の大部分は、保管カラム105、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。図1では、カラム119および120は、保管コンテナ106がアクセスステーション(図示せず)に輸送され得るようにそれらを積み降ろすための、および/または積み込むためのコンテナ取扱車両201、301、401によって使用されるような専用カラムであり、アクセスステーションでは、保管コンテナ106は、保管コンテナ106が骨格構造100の外側からアクセスされ得、または、骨格構造100の外またはその中に移送され得る。当技術分野において、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、ポートが位置しているカラムは、「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションへの輸送は、水平、斜め、および/または垂直のいずれの方向であってもよい。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に設置され、次いで、任意のコンテナ取扱車両によって積み込まれ、アクセスステーションへのさらなる輸送のために、ポートカラム119、120に輸送されてもよい。ポートからアクセスステーションへの輸送は、送達車両、トローリ、または他の輸送ライン等の手段による、種々の異なる方向に沿った移動を要求し得る。用語「傾転」は、水平と垂直との間のどこかに一般的な輸送の向きを有する保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取扱車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を積み降ろし得る専用の積降ポートカラムであってもよく、第2のポートカラム120は、コンテナ取扱車両201、301、401が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されてきた保管コンテナ106を積み込み得る専用の積込ポートカラムであってもよい。
【0018】
アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが保管コンテナ106から除去されるか、またはその中に位置付けられるピッキングまたはストックステーションであってもよい。ピッキングまたはストックステーションでは、保管コンテナ106は、通常、自動保管および回収システム1から除去されないが、アクセスされると再び骨格構造100の中へと戻される。別の保管設備(例えば、別の骨格構造に、若しくは別の自動保管および回収システムに)、輸送車両(例えば、電車または大型貨物自動車)、または生産設備へと保管コンテナを移送するために、ポートも、使用されることができる。
【0019】
ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために、コンベヤを備えるコンベヤシステムが、通常、採用される。
【0020】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが異なるレベルに位置している場合、コンベヤシステムは、保管コンテナ106をポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で垂直に輸送するための垂直コンポーネントを伴う昇降デバイスを備えてもよい。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、第WO2014/075937A1号(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、異なる骨格構造間で保管コンテナ106を移送するように配列されてもよい。
【0022】
図1に開示されているカラム105のうちの1つの中に保管されている保管コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナ取扱車両201、301、401のうちの1つは、標的保管コンテナ106をその位置から回収し、それを積降ポートカラム119に輸送するように命令される。この動作は、標的保管コンテナ106が位置付けられている保管カラム105の上方の場所にコンテナ取扱車両201、301を移動させることと、コンテナ取扱車両201、301、401の昇降デバイス(図示せず)を使用して保管コンテナ106を保管カラム105から回収することと、保管コンテナ106を積降ポートカラム119に輸送することとを伴う。標的保管コンテナ106が、スタック107内の深くに位置している場合、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が標的保管コンテナ106の上方に位置付けられた状態である場合、動作は、標的保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させることに先立って、上方に位置付けられている保管コンテナを一時的に移動させることも伴う。時として当技術分野において「掘出」と称されるこのステップは、続いて、標的保管コンテナを積降ポートカラム119に輸送するために使用される同一のコンテナ取扱車両を用いて実施されてもよく、または、1つまたは複数の他の協働するコンテナ取扱車両を用いて実施されてもよい。代替として、または加えて、自動保管および回収システム1は、保管コンテナ106を保管カラム105から一時的に除去するタスクに特に専用のコンテナ取扱車両201、301、401を有してもよい。標的保管コンテナ106が保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナ106は、元の保管カラム105の中に再び位置付けられることができる。しかしながら、除去された保管コンテナ106は、代替として、他の保管カラム105に再配置されてもよい。
【0023】
保管コンテナ106がカラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ取扱車両201、301、401のうちの1つは、保管コンテナ106を積込ポートカラム120から積み込み、それが保管されるべき保管カラム105の上方の場所にそれを輸送するように命令される。スタック107内の標的位置またはその上方に位置付けられている保管コンテナ106が、除去された後、コンテナ取扱車両201、301、401は、保管コンテナ106を所望の位置に位置付ける。除去された保管コンテナ106は、次いで、保管カラム105の中へと戻るように降下させられてもよく、または、他の保管カラム105に再配置されてもよい。
【0024】
自動保管および回収システム1を監視および制御する(例えば、コンテナ取扱車両201、301、401が相互と衝突することなく、所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の場所に送達され得るように、骨格構造100内のそれぞれの保管コンテナ106の場所、各保管コンテナ106の内容物、およびコンテナ取扱車両201、301、401の移動を監視および制御する)ために、自動保管および回収システム1は、制御システム500(図1に示されている)を備え、これは、典型的には、コンピュータ化され、典型的には、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを備える。
【0025】
関連する文脈において、近代的な保管および回収システム1の高度に自動的な環境では、規定された保管コンテナに関して掘出を行う、ならびに/もしくは別の車両と衝突することなくレールシステムに沿って効率的に移動する標準化されたタスクに関していえば、従来のコンテナ取扱車両は、良好に性能を発揮している。しかしながら、例えば、保管コンテナの取扱に関連した、可能性の低いインシデントの発生をさらに低減させることに関していえば、依然として、従来技術のコンテナ取扱車両と関連付けられる欠点が、存在する。
【0026】
第WO2019172824号は、狭小な通路内で船荷コンテナ等の大型貨物を取り扱うための、貨物取扱車両を開示している。車両は、自律型ナビゲーションのための手段、すなわち、床表面と係合している操向可能な車輪の2つのペアを伴う伸長シャーシを有する。軸距の長さは、改変されることができる。シャーシ上に提供され、シャーシの拡張方向に延在している、伸縮自在の上昇ブームもまた、開示されている。ブームは、船荷コンテナを取り扱うために、上昇ユニットを具備する。貨物取扱車両の安定性を向上させることを目的とする、異なる方法/デバイスが、開示されている。
【0027】
第WO2019076760号(特許文献3)は、一方向のポートアクセス車両を伴う、コンテナ取扱システムを開示している。車両は、一方向のみに移動することができ、ポートアクセス車両がコンテナを取り扱う間、重量を平衡化させるように、反対方向に枢動可能なピッキングデバイスを備え得る。
【0028】
上記の全てに照らして、単純な様式において、従来技術に属する前述の問題のうちの1つ以上を解決するか、または少なくとも軽減させる、遠隔動作車両を提供することが、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】国際公開第2015/193278号公報
【特許文献2】国際公開第2019/206487号公報
【特許文献3】国際公開第2019/076760号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0030】
(発明の要約)
本発明は、独立請求項において記載され、特徴付けられる一方、従属請求項は、本発明の他の特性を説明する。
【0031】
本発明の第1の局面は、保管コンテナまたはさらなる車両を取り扱うための遠隔動作車両に関し、該遠隔動作車両は、自動保管および回収システムのレールシステム上で稼働し、該レールシステムは、平行レールの第1のセットと、平行レールの第1のセットに対して直角に配列されている、平行レールの第2のセットとを備え、該遠隔動作車両は、レールの第1のセットの2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第1のセットと、レールの第2のセットの2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第2のセットとを備え、該車両はさらに、平衡錘を備える、質量平衡化システムを備え、該質量平衡化システムは、遠隔動作車両の安定性を改良するために、平衡錘を意図的に変位させるように構成されている。
【0032】
本発明の第1の局面による遠隔動作車両を提供することによって、本システム内に元来生じている変化、例えば、車両が保管コンテナに係合することおよび/またはそれを上昇させること等の外部的な車両関連事象を補償することが、可能な状態になる。加えて、車両動作中に生じる、予期されていない外乱、例えば、車輪牽引力の喪失、または不均一に装填された保管コンテナの存在を避けることもまた、可能な状態になる。より特定すると、専用の平衡錘が、変位可能な釣合錘のように作用し、上記に例示されるような車両関連事象に応答して、車両および/または車両/保管コンテナアセンブリの重心を好適に再配置するために使用される。該重心を動的に調節することによって、車両および/または車両/保管コンテナアセンブリの安定性が、改良される。結果として、レールシステム上での立往生または保管コンテナの落下等の動作不良のリスクが、低減される。
【0033】
提案される解決策は、汎用的であり、異なるタイプの遠隔動作車両、例えば、カンチレバーベース車両においても適用可能である。カンチレバーベース車両の関連において、本発明のシステムは、特に、車両のカンチレバー区分上に及ぼされているトルクおよび/または車両の上げ起こし等、保管コンテナを上昇させることとの関連において生じる課題に対処するために有用である。
【0034】
提案される解決策はまた、特に、車輪におけるより均一な重量分布を達成するように保管コンテナと関連付けられる負荷を分散させるために、中心空洞を有する車両のためにも採用され得る。
【0035】
また、本発明はまた、遠隔動作車両が、調節可能なフットプリントを有するか、または、自動保管および回収システムのための撤去ユニットである場合にも採用され得る。さらに、本発明は、壊れた遠隔動作車両をレールシステムから除去する目的を有する点検車両の関連でも使用され得る。
【0036】
本発明の第2の局面は、平衡錘を備える質量平衡化システムを有する、遠隔動作車両を動作させるための方法に関し、該遠隔動作車両は、自動保管および回収システムの2次元レールシステム上で保管コンテナまたはさらなる車両を取り扱うためのものである。簡潔さのために、遠隔動作車両に関連して上記に検討される利点はさらに、車両を動作させるための方法と関連付けられ得、さらに検討されない。
【0037】
相対用語「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「より高い」等は、それらの通常の意味において、かつデカルト座標系において見られるように理解されるものとする。2次元レールシステムとの関連で述べられるとき、(別のコンポーネントに対して)レールシステムからより遠くに離れる位置として理解されるものとされる、用語「下側」または「下方」と対照的に、「上側」または「上方」は、(別のコンポーネントに対して)表面レールシステムにより近接する位置として理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために付属している。図面は、ここでは実施例のみとして説明される本発明の実施形態を示している。
【0039】
図1図1は、従来技術の自動保管および回収システムの骨格構造の斜視図である。
【0040】
図2図2は、保管コンテナをその中に有保するための中心に配列された空洞を有する従来技術のコンテナ取扱車両の斜視図である。
【0041】
図3a図3aは、保管コンテナを真下に有保するためのカンチレバーを有する従来技術のコンテナ取扱車両の斜視図である。
【0042】
図3b図3bは、保管コンテナをその中に有保するための内部に配列されている空洞を有する、従来技術のコンテナ取扱車両の、下方から見られた斜視図である。
【0043】
図4a図4aは、本発明の実施形態による、カンチレバー設計を伴い、質量平衡化システムを有する、遠隔動作車両のある実施例を示している。
【0044】
図4b図4bは、本発明の別の実施形態による質量平衡化システムを有する、遠隔動作車両のある実施例を示している。
【0045】
図5a図5a-5cは、本発明の実施形態による、カンチレバー設計を伴い、質量平衡化システムを有する、遠隔動作車両の別の実施例を示している。
図5-2】図5a-5cは、本発明の実施形態による、カンチレバー設計を伴い、質量平衡化システムを有する、遠隔動作車両の別の実施例を示している。
【0046】
図6図6は、本発明の実施形態による質量平衡化システムを有する、遠隔動作車両の斜視図である。
【0047】
図7a図7a-7cは、本発明の実施形態による質量平衡化システムを伴う、さらなる遠隔動作車両のある実施例を示している。
図7b図7a-7cは、本発明の実施形態による質量平衡化システムを伴う、さらなる遠隔動作車両のある実施例を示している。
図7c図7a-7cは、本発明の実施形態による質量平衡化システムを伴う、さらなる遠隔動作車両のある実施例を示している。
【0048】
図8図8a-8bは、本発明の実施形態による質量平衡化システムを伴う、さらに別の遠隔動作車両のある実施例を示している。
【0049】
図9図9a-9bは、本発明の実施形態による、中心空洞を伴い、質量平衡化システムを有する、遠隔動作車両のある実施例を示している。
【0050】
図10図10は、遠隔動作車両の車輪と関連付けられるモータトルクを可視化する、グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
(発明の詳細な説明)
以下において、本発明の実施形態が、付属の図面を参照して、さらに詳細に検討される。しかしながら、図面が、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図されていないことを理解されたい。
【0052】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、図1-3bに関連して上記に説明された従来技術の骨格構造100、すなわち、いくつかの直立部材102に従って構築され、骨格構造100はまた、X方向およびY方向における、第1の上側レールシステム108も備える。
【0053】
骨格構造100はさらに、部材102間に提供される保管カラム105の形態にある保管コンパートメントを備え、保管コンテナ106は、保管カラム105内のスタック107内にスタック可能である。保管コンテナ106は、商品が、実施例として、食料品、衣類、または自動車部品であり得る、商品保持部としての役割を果たす。
【0054】
骨格構造100は、任意のサイズであることができる。具体的に、骨格構造が、図1に開示されるものより大幅に広く、および/または長く、および/または深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個超のカラムの水平範囲と、12個超のコンテナの保管深度とを有してもよい。
【0055】
本発明の種々の局面が、ここで、実施例のみとして、図4a-10を参照するとより詳細に検討されるであろう。
【0056】
最初に図10に目を向けると、これは、従来のコンテナ取扱車両に関連して生じる効果を可視化する、グラフである。より特定すると、図10は、ある水平方向に移動するときの車両の車輪(全ての車輪が、駆動している)と関連付けられる、モータトルクの挙動の可視化である。X軸が、時間を表し、y軸が、加速度を表す。破線が、車両速度を表す。ここでは、速度は、グラフの第1の区分内で屈折点まで増加し、それに応じて、これは、一定に減少する。故に、車両は、グラフの第1の区分内で加速し、グラフの第2の区分内で減速する。各車輪と関連付けられるモータトルクが、曲線によって表される。容易に認められるように、前車輪(2つの上側曲線によって表される)は、後車輪と比較すると、加速段階の間にモータトルクの低減を被る。これは、前車輪における車輪牽引力の部分的喪失の結果である。以下に検討されるであろうように、この効果は、平衡錘を適切に再配置することによって対抗され得る。さらに図10を参照すると、前車輪および後車輪のモータトルク間の差異は、減速段階において有意に低減される。
【0057】
図4aは、本発明の実施形態による、カンチレバー設計を伴い、質量平衡化システム450を有する、遠隔動作車両500のある実施例を示している。示されている車両500は、水平方向に変位可能な支持表面425を備える。コンテナ106が、支持表面425上に配置されている。平衡錘452が、車両500の上側部分内に配列されており、矢印によって示されている方向における、車輪付き基部442およびカンチレバー区分413の全長に対応する、該車両500の全長に沿って変位可能である。図4aの遠隔動作車両500はさらに、昇降フレーム415によって、遠隔動作車両500によって係合されている、または、支持表面425よって支持されている、任意の保管コンテナ106の重量を測定するためのセンサ456を備える。一実施形態では、センサ456は、適切に位置付けられているロードセルである。遠隔動作車両500によって係合されている保管コンテナ106の重量は、また、例えば、昇降バンド(図5aに関連して検討される)の各々に作用する、引張力から必要な情報を導出することによって間接的に決定され得る。さらに別の実施形態では、コンテナ106およびその内容物の総重量は、自動保管および回収システムの全てのコンテナに関して既知である。
【0058】
制御システム454は、両方のセンサ456、平衡錘452、および平衡錘変位デバイス453に接続されてもよい。制御システム454は、センサ456から受信される測定されたデータに基づいて、平衡錘452のための新しい位置を計算し、平衡錘変位デバイス453に、平衡錘452を該新しい位置へと変位させるように命令してもよい。センサ456から受信された、そのような測定されたデータは、典型的には、車両500の重心COGの偏移が、保管コンテナ106が遠隔動作車両500によって係合された結果において生じていることを示す。平衡錘452は、次いで、新しい位置へと変位され、車両/コンテナアセンブリの安定性を改良する、例えば、車両500の傾転を防止する。特定の遠隔動作車両500に関して、その重心COGの元の位置は、車両500の一般的形状およびそのコンポーネントの量子および重量に依存する。類似的に、平衡錘の重量も、典型的には、特定の遠隔動作車両500の重量およびタイプに依存する。図4aおよび図10を参照すると、一般的なレベルにおいて、平衡錘452の変位サイクルは、加速/減速ならびに/もしくは方向の変化等、車両500と関連付けられる、既知の将来変化に対抗するために予めプログラムされてもよい。これにもかかわらず、制御システム454はまた、車両が動作中である間に生じる、関連のある予期されていない事象にも対抗することが可能である。
【0059】
図4bは、本発明の別の実施形態による質量平衡化システム450を有する、遠隔動作車両500のある実施例を示している。図4bの平衡錘452は、カンチレバー区分413の上側部分内に配列されており、矢印によって示されている方向における、カンチレバー区分413の長さに等しい範囲に沿って変位可能である。図4bの遠隔動作車両500は、Z字形状であり、線形に移動可能な支持表面425を有する。センサ456と、平衡錘変位デバイス453のための制御システム454とを伴う、質量平衡化システム450の機能は、図4aとの関連においてすでに説明されている機能に類似しており、本明細書では繰り返されないであろう。
【0060】
図5a-5cは、本発明の実施形態による、カンチレバー設計を伴い、質量平衡化システム450を有する、遠隔動作車両500の別の実施例を示している。遠隔動作車両500は、支持区分402内に貫通開口部を有する。支持表面425は、車輪付き基部442の真上の位置と昇降フレーム415の真下の位置との間で、車輪付き基部442に対して線形に移動可能である。図5a-5cの車両500は、図5a-5cのコンテナ取扱車両500が、支持表面425が車輪付き基部442の真上にあるときに支持表面425を囲繞する、壁と、カバーとを有することを除いて、図4a-4bとの関連において示され、説明されている、遠隔動作車両に類似している特徴を有する。図4a-4bと併せて検討されている、一般的な効果および利点もまた、図5a-5bに提示される解決策に起因し得る。
【0061】
図5aは、車輪付き基部442の真上に配置されている支持表面425上に配列されている、保管コンテナ106を示す、正面斜視図である。遠隔動作車両500は、図1に示されている自動保管および回収システムの2次元レールシステム108上で保管コンテナ106を取り扱うために好適である。
【0062】
カンチレバー区分413において、質量平衡化システム450が、開示されている。図5aの平衡錘452は、遠隔動作車両500の上側部分内に配列されており、車輪付き基部442およびカンチレバー区分413の全長に対応する、コンテナ取扱車両500の全長に沿って変位可能である。上記に図4bとの関連で説明されているように、平衡錘変位デバイス453のための制御システム454もまた、示されている。該制御システム454は、車両500の重心(図4aに示されている)の潜在的変化/非平衡状態を検出し、これらが、レールシステム108上での車両の牽引力、真の走行、または車両の昇降フレーム415の動作等の重要なパラメータに影響を及ぼし得る、閾値を超過すると、動的に応答する。制御システム454は、平衡錘変位デバイス453によって平衡錘452を意図的に変位させることによって応答する。より特定すると、平衡錘452は、釣合錘のように作用し、上記に例示されるような車両関連事象に応答して、車両および/または車両/保管コンテナアセンブリの重心を適切に再配置するために使用される。該重心を動的に調節することによって、車両および/または車両/保管コンテナアセンブリの安定性が、改良される。結果として、レールシステム108上での立往生または保管コンテナの落下等の動作不良のリスクが、有意に低減される。
【0063】
車両500の重心COGと関連する該変化/非平衡状態は、例えば、保管コンテナ106が車両500によって係合および/または上昇されることに応答して生じ得る。質量平衡化システム450がなければ、保管コンテナ106の上昇は、車両500の傾転を引き起こし得る。車両500の傾転はまた、車両の加速または減速の結果としても生じ得る。実施例として、車両500の重心の変化をもたらし、その結果、平衡錘変位デバイス453によって平衡錘452の変位をトリガする、さらなる事象は、車輪または車輪軸の動作不良、もしくは不均一に装填された保管コンテナとの係合に起因する、車輪牽引力の喪失である。
【0064】
図4aと併せて上記において検討されるように、質量平衡化システム450は、保管コンテナ106の重量を測定するためのセンサを備え得る。加えて、本システムは、車両500によって係合されている保管コンテナ106のレールシステム108上の位置を決定するための、さらなるセンサ456’も備え得る。具体的には、係合された保管コンテナ106の垂直位置が、着目に値する。実施例として、そのようなセンサ456’は、昇降フレーム415内に統合され得、係合された保管コンテナ106の垂直位置は、昇降フレーム415から下向きに延在している、簡略的に示されている昇降バンド461の延長されている断片の長さから導出され得る。バンド461は、通常、昇降デバイス(図示せず)に接続されている。質量平衡化システム450は、車両500によって係合されている保管コンテナ106の内部における負荷重量の空間分布を決定するための、さらなるセンサ456’’を備え得る。実施例として、該センサ456’’は、昇降フレーム415内に統合され、それぞれの昇降バンド461上の負荷を測定するように構成され得、この情報は、続いて、不均一に装填された保管コンテナを識別するために使用され得る、
【0065】
別の実施形態(図示せず)では、質量平衡化システム450は、車両500上の傾転の角度を測定する、センサを備え得る。一実施形態では、そのようなセンサは、ジャイロスコープを備え得る。車両500上の傾転の角度はまた、例えば、昇降バンド461の各々に作用する引張力または前/後車輪軸に作用するトルクから必要な情報を導出することによって、間接的に決定され得る。
【0066】
明白なこととして、より多くの異なるタイプのセンサが、採用されるほど、係合された保管コンテナ106に関する、すなわち、車両/コンテナアセンブリの重心の変化に関する、さらに関連のある情報が、取得されるであろう。この情報は、続いて、平衡錘452を変位させることによって、重心を適切に再配置するために使用される。
【0067】
図5bは、図5aの質量平衡化システム450の上部斜視図である。図5a-5bを参照すると、平衡錘変位デバイス453は、平衡錘ガイド455に沿ってカンチレバー区分413内で誘導可能である。平衡錘変位デバイス453は、ねじ山付きバー460と係合しているボールねじの形態にあり、ボールねじの回転が、バー460およびガイド455に沿って、平衡錘452の線形移動へと伝達される。平衡錘452の線形変位は、制御システム454によって制御される。
【0068】
図5cは、図5bの丸で囲まれたエリアの詳細図であり、図5bに示されている質量平衡化システム450のさらなる詳細を示している。図5a-5bとの関連において説明されている特徴に加えて、バッテリまたは類似物(図示せず)によって駆動される、平衡錘変位デバイスモータ457が、示されている。ベルトの形態にある、回転配列458が、モータ457から平衡錘変位デバイス453へと回転移動を伝達する。平衡錘変位デバイス453へと移動を伝達するベルトの形態にある、回転配列458が、開示されているが、他の配列も、それらが要求される機能を実施することを前提として、可能性として考えられる。2つの平行な平衡錘ガイド455もまた、示されている。
【0069】
本発明の一般的な効果および利点はまた、図4a-5cの車両に起因し得る。さらに図4a-5cを参照すると、カンチレバー設計を有する車両500に起因する特定の利点は、カンチレバー区分413上のトルクの存在および遠隔動作車両500の可能性として考えられる上げ起こし等、上昇の間の保管コンテナ106の垂直運動に関連して生じる問題を解決する際の改良点である。
【0070】
図6は、本発明の実施形態による質量平衡化システムを有する、遠隔動作車両500の斜視図である。本実施形態では、車輪付き基部442の上方に配列されている可動の保管コンテナ支持部550、550’が、平衡錘としての役割を果たす。加えて、空の/装填された保管コンテナ106もまた、単独で、または該対応するコンテナ支持部550、550’とともにのいずれかにおいて、平衡錘として使用され得る。さらに図6を参照すると、車両VCの中心が、保管コンテナ支持部SCの中心と重複しないように示されている。ここでは、その実質的に対照的な構造物に起因して、車両500の元の重心は、車両500の中心にある。保管コンテナ支持部550、550’および保管コンテナ106は、車輪牽引力の喪失等の外部事象に応答して、第1の方向Xに、ここでは、第1の方向Xに沿った車体の長さの約15%に等しい長さだけ移動している。故に、車両/保管コンテナアセンブリの重心は、車両/保管コンテナアセンブリが平衡状態を回復し得るように、支持部550、550’を移動させることによって再配置されている。車両500の重心の意図しない変化を補償するために、保管コンテナ106を適切に装填することが、等しく想起可能である。さらに、車両500は、保管コンテナ支持部550、550’上の保管コンテナ106の存在を検出する、センサ(図示せず)を備えてもよい。故に、いかなる保管コンテナ106も、存在しない場合、車両500は、車両500のフットプリントが、可能な限り小さくなることを保証する位置に保管コンテナ支持部550、550’を自動的に配列することができる。続いて、車両500のためのレールシステム108を横切った最適なルートが、車両500の現在のフットプリントが考慮されている状態で、計算されてもよい。図4a-5cの他の車両タイプと併せて検討される、一般的な効果および利点はまた、図6の質量平衡化システムに起因し得る。
【0071】
図7a-7cは、本発明の実施形態による質量平衡化システムを伴う、さらなる遠隔動作車両のある実施例を示している。
【0072】
より特定すると、図7aは、図1に示されているもの等の自動保管および回収システムの2次元レールシステム108上で保管コンテナ106を取り扱うために好適な遠隔動作車両500の斜視図である。示されている車両500は、レールシステム108を横切った、その運動を促進するように、調節可能なフットプリントを有する。保管容器106が、フットプリントを縮小するために、重畳されてもよい(図示せず)。
【0073】
図7b-7cに目を向けると、本発明の実施形態による、質量平衡化システム450が、示されている。質量平衡化システム450は、平衡錘452を備える。示されている実施形態では、平衡錘452は、2つの荷重要素452a、452bから成る。要素452aは、1次元または2次元のいずれかにおいて水平方向に変位可能である、専用の錘である。要素452bもまた、水平方向に変位可能な錘である。しかしながら、要素452bは、該要素452bが遠隔動作車両500内で追加の機能を有するように、遠隔動作車両500の機能部品である。有意な空間的節約が、本明細書において達成される。示されている実施形態では、要素452bは、エネルギーを貯蔵するためのバッテリである。一実施形態では、本発明の遠隔動作車両500における使用のために好適なバッテリパックの重量は、約30kgであるが、より重い、またはより軽量のバッテリパックもまた、遠隔動作車両のタイプに応じて想起され得る。別の関連する実施形態(図示せず)では、要素452bは、遠隔動作車両500を推進するための駆動モータである。代替実施形態では、エネルギー提供型コンデンサが、バッテリの代わりに使用され得る。平衡錘452の配置に関していえば、平衡錘を物理的に2つの部品452a、452bに分割することによって、より多くの自由度をもたらす、より正確なシステムが、達成される。本実施形態では、平衡錘は、機能部品によって完全に提供されるか、または専用部品によって完全に提供されてもよい。レールの第1のセット110の2つの隣接するレールと係合するための、車輪の第1のセット500b、およびレールの第2のセット111の2つの隣接するレールと係合するための、車輪の第2のセット500cもまた、示されている。図7bに関連した図1を参照すると、遠隔動作車両500は常時、直線経路、いわゆる、マンハッタン経路に沿って移動し、すなわち、車輪500b、500cは、操向可能ではない。また、図4a-6の他の車両タイプと併せて検討される、一般的な効果および利点はまた、図7a-7cの質量平衡化システムにも起因し得る。平衡錘変位デバイスへの回転移動の伝達の詳細に関して、図4a-5cおよび詳細な説明のそれに対応する区分が、参照されている。
【0074】
平衡錘が、巻上デバイス(図示せず)によって垂直方向に変位可能である、遠隔動作車両を提供することが、等しく想起可能である。そのような実施形態は、車両安定性に影響を及ぼすことなく、車両スピードを増加させることが所望されるときに、特に有用であり得る。この要件に準拠するために、車両またはコンテナ/車両アセンブリの重心(COG、図4aに示されている)が、下げられる。
【0075】
関連する実施形態では、保管コンテナ106は、平衡錘452としての役割を果たしてもよく、該重心の調節は、単に、図4aに関連して検討される昇降フレームによってコンテナ106を持ち上げ/降下させることによって行われる。本明細書では、遠隔動作車両の既存の特徴、例えば、昇降フレームが、新しい機能性を取得し、コンテナ/車両アセンブリの重心(COG)の垂直調節のために使用されてもよい。
【0076】
図8a-8bは、本発明の実施形態による質量平衡化システムを伴う、さらに別の遠隔動作車両のある実施例を示している。
【0077】
図8aは、空の保管容器106を収集するための、いわゆる、撤去ユニット500を示している。関連する図8bでは、バッテリが、単独の平衡錘452bとしての役割を果たす。図5cと併せて説明されているように、ベルトの形態にある回転配列が、モータから平衡錘変位デバイスへと回転移動を伝達する。平衡錘452bは、前述に検討されるねじ山付きバー460に沿って往復運動する。また、平衡錘ガイド455が、平衡錘452bと関連付けられる。図4a-7cの他の車両タイプと併せて検討される一般的な効果および利点はまた、図8a-8bの質量平衡化システムにも起因し得る。
【0078】
図9a-9bは、本発明の実施形態による中心空洞(図3bにも示されている)を伴い、質量平衡化システムを有する、遠隔動作車両500のある実施例を示している。図9aは、レールシステム108上に配置されているときの該車両500の斜視図である一方、図9bは、質量平衡化システム450の一部を示している、斜視図である。本システムの構造的部分および機能は、図4および5と併せて検討されるものに類似している。より特定すると、バッテリ452bが、単一の平衡錘として使用される。図4a-8bの他の車両タイプと併せて検討される一般的な効果および利点はまた、図9a-9bの中心空洞を有する車両にも起因し得る。中心空洞を有する車両に起因する特定の利点は、車輪463における保管コンテナ(図9a-9bでは見えず)と関連付けられる、負荷の改良された分布である。
【0079】
前述の説明では、本発明による、遠隔動作車両ならびに自動保管および回収システムの種々の局面が、例証的実施形態を参照して説明されてきた。解説の目的のために、特定の数値、システム、および構成が、システムおよびその作用の徹底的な理解を提供するために述べられた。しかしながら、本説明は、限定する意味において解釈されることを意図されていない。開示される主題が関連する当業者に明白である例証的実施形態の種々の修正例および変形例、ならびにシステムの他の実施形態が、本発明の範囲内に存在すると見なされる。
【0080】
参照番号の一覧
【表1-1】
【表1-2】
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b-5c】
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管コンテナ(106)またはさらなる車両を取り扱うための遠隔動作車両(500)であって、前記遠隔動作車両(500)は、自動保管および回収システム(1)のレールシステム(108)上で稼働し、前記レールシステム(108)は、直立部材(102)を覆い、平行レールの第1のセット(110)と、前記平行レールの第1のセット(110)に対して直角に配列されている、平行レールの第2のセット(111)とを備え、前記遠隔動作車両(500)は、レールの第1のセット(110)の2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第1のセット(500b)と、レールの第2のセット(111)の2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第2のセット(500c)とを備え、前記車両(500)はさらに、平衡錘(452)を備える、質量平衡化システム(450)を備え、前記質量平衡化システム(450)は、前記遠隔動作車両(500)の安定性を改良するために、前記平衡錘(452)を意図的に変位させるように構成されており、前記平衡錘(452)は、前記車両(500)の重心(COG)の位置の変化に応答して変位される、遠隔動作車両(500)。
【請求項2】
前記平衡錘(452)の変位は、前記遠隔動作車両(500)の安定性を改良するように、車両(500)の重心を調節する、請求項に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項3】
前記平衡錘(452)は、水平方向に変位可能である、請求項1または2に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項4】
前記平衡錘(452)は、垂直方向に変位可能である、請求項1-3のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項5】
前記平衡錘(452)は、巻上デバイスによって変位可能である、請求項に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項6】
前記質量平衡化システム(450)はさらに、前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の重量を測定するためのセンサ(456)を備える、請求項1-5のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項7】
前記質量平衡化システム(450)はさらに、前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の位置を決定するためのセンサ(456’)を備える、請求項1-6のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項8】
前記質量平衡化システム(450)はさらに、前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の内部における負荷重量の空間分布を決定するためのセンサ(456’’)を備える、請求項1-7のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項9】
前記質量平衡化システム(450)は、前記遠隔動作車両(500)上の傾転の角度を測定する、センサを備える、請求項1-8のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項10】
前記質量平衡化システム(450)は、センサ(456、456’、456’’)に接続されている、制御システム(454)と、傾転の角度を測定する、前記センサと、平衡錘変位デバイス(453)とを備え、前記制御システム(454)は、前記センサ(456、456’、456’’)から取得されるデータに基づいて、前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算し、前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令する、請求項のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項11】
前記平衡錘(452)の変位サイクルは、前記遠隔動作車両(500)と関連付けられる既知の将来的変化に対抗するために予め決定される、請求項10に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項12】
前記平衡錘(452)は、前記平衡錘が前記遠隔動作車両(500)内に追加の機能を有するように、前記遠隔動作車両(500)の少なくとも1つの機能部品である、請求項1-11のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項13】
前記遠隔動作車両(500)の前記平衡錘(452)は、エネルギーを貯蔵するためのバッテリである、請求項12に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項14】
前記遠隔動作車両(500)の前記平衡錘(452)は、前記遠隔動作車両(500)を推進するためのモータである、請求項12または13に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項15】
前記平衡錘(452)は、線形に変位する、請求項1に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項16】
前記遠隔動作車両(500)は、カンチレバータイプである、請求項1-15のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項17】
前記遠隔動作車両(500)は、内部空洞タイプである、請求項1-15のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項18】
前記遠隔動作車両(500)は、前記質量平衡化システム(450)が位置している、上側区分を備える、請求項1-17のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項19】
前記質量平衡化システム(450)は、各平衡錘(452)と関連付けられる、少なくとも1つの平衡錘ガイド(455)を備える、請求項1-18のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項20】
前記平衡錘(452)は、ねじ山付きバーに沿って往復運動する、請求項19に記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項21】
前記遠隔動作車両(500)は、水平方向に変位可能な支持表面(425)を備える、請求項1-20のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項22】
前記遠隔動作車両(500)は、調節可能なフットプリントを有する、請求項1-21のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項23】
前記遠隔動作車両(500)は、前記さらなる車両が故障すると、前記さらなる車両を移動させるための点検車両である、請求項1-22のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項24】
前記車両(500)は、常時、直線経路に沿って移動する、請求項1-23のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
【請求項25】
平衡錘(452)を備える質量平衡化システム(450)を有する、遠隔動作車両(500)を動作させるための方法であって、前記遠隔動作車両(500)は、自動保管および回収システム(1)の2次元レールシステム(108)上で保管コンテナ(106)を取り扱うためのものであり、前記レールシステム(108)は、直立部材(102)を覆い、平行レールの第1のセット(110)と、前記平行レールの第1のセット(110)に対して直角に配列されている、平行レールの第2のセット(111)とを備え、前記遠隔動作車両(500)は、レールの第1のセット(110)の2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第1のセット(500b)と、レールの第2のセット(111)の2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第2のセット(500c)とを備え、前記方法は、
-前記遠隔動作車両(500)の安定性を改良するために、車両(500)の重心(COG)の変化に応答して前記平衡錘(452)を意図的に変位させることを含む、方法。
【請求項26】
前記遠隔動作車両(500)の前記質量平衡化システム(450)はさらに、平衡錘変位デバイス(453)を備え、前記方法はさらに、
-前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の重量を測定することと、
-取得された重量データに基づいて、前記遠隔動作車両(500)に対する前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算することと、
-前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令することと
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記方法はさらに、
-前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の位置を決定することと、
-取得された位置データに基づいて、前記遠隔動作車両(500)に対する前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算することと、
-前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令することと
を含む、請求項2526のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記方法はさらに、
-前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の内部における負荷重量の空間分布を決定することと、
-取得された空間分布データに基づいて、前記遠隔動作車両(500)に対する前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算することと、
-前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令することと
を含む、請求項2527のいずれかに記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
相対用語「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「より高い」等は、それらの通常の意味において、かつデカルト座標系において見られるように理解されるものとする。2次元レールシステムとの関連で述べられるとき、(別のコンポーネントに対して)レールシステムからより遠くに離れる位置として理解されるものとされる、用語「下側」または「下方」と対照的に、「上側」または「上方」は、(別のコンポーネントに対して)表面レールシステムにより近接する位置として理解されるものとする。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
保管コンテナ(106)またはさらなる車両を取り扱うための遠隔動作車両(500)であって、前記遠隔動作車両(500)は、自動保管および回収システム(1)のレールシステム(108)上で稼働し、前記レールシステム(108)は、平行レールの第1のセット(110)と、前記平行レールの第1のセット(110)に対して直角に配列されている、平行レールの第2のセット(111)とを備え、前記遠隔動作車両(500)は、レールの第1のセット(110)の2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第1のセット(500b)と、レールの第2のセット(111)の2つの隣接レールと係合するように配列されている、車輪の第2のセット(500c)とを備え、前記車両(500)はさらに、平衡錘(452)を備える、質量平衡化システム(450)を備え、前記質量平衡化システム(450)は、前記遠隔動作車両(500)の安定性を改良するために、前記平衡錘(452)を意図的に変位させるように構成されている、遠隔動作車両(500)。
(項目2)
前記平衡錘(452)は、前記車両(500)の重心(COG)の位置の変化に応答して変位される、項目1に記載の遠隔動作車両(500)。
(項目3)
前記平衡錘(452)の変位は、前記遠隔動作車両(500)の安定性を改良するように、車両(500)の重心を調節する、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目4)
前記平衡錘(452)は、水平方向に変位可能である、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目5)
前記平衡錘(452)は、垂直方向に変位可能である、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目6)
前記平衡錘(452)は、巻上デバイスによって変位可能である、項目5に記載の遠隔
動作車両(500)。
(項目7)
前記質量平衡化システム(450)はさらに、前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の重量を測定するためのセンサ(456)を備える、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目8)
前記質量平衡化システム(450)はさらに、前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の位置を決定するためのセンサ(456’)を備える、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目9)
前記質量平衡化システム(450)はさらに、前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の内部における負荷重量の空間分布を決定するためのセンサ(456’’)を備える、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目10)
前記質量平衡化システム(450)は、前記遠隔動作車両(500)上の傾転の角度を測定する、センサを備える、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。(項目11)
前記質量平衡化システム(450)は、センサ(456、456’、456’’)に接続されている、制御システム(454)と、傾転の角度を測定する、前記センサと、平衡錘変位デバイス(453)とを備え、前記制御システム(454)は、前記センサ(456、456’、456’’)から取得されるデータに基づいて、前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算し、前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令する、項目7-10のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目12)
前記平衡錘(452)の変位サイクルは、前記遠隔動作車両(500)と関連付けられる既知の将来的変化に対抗するために予め決定される、項目11に記載の遠隔動作車両(500)。
(項目13)
前記平衡錘(452)は、前記平衡錘が前記遠隔動作車両(500)内に追加の機能を有するように、前記遠隔動作車両(500)の少なくとも1つの機能部品である、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目14)
前記遠隔動作車両(500)の前記平衡錘(452)は、エネルギーを貯蔵するためのバッテリである、項目13に記載の遠隔動作車両(500)。
(項目15)
前記遠隔動作車両(500)の前記平衡錘(452)は、前記遠隔動作車両(500)を推進するためのモータである、項目13または14に記載の遠隔動作車両(500)。(項目16)
前記平衡錘(452)は、線形に変位する、項目1に記載の遠隔動作車両(500)。(項目17)
前記遠隔動作車両(500)は、カンチレバータイプである、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目18)
前記遠隔動作車両(500)は、内部空洞タイプである、項目1-16のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目19)
前記遠隔動作車両(500)は、前記質量平衡化システム(450)が位置している、上側区分を備える、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目20)
前記質量平衡化システム(450)は、各平衡錘(452)と関連付けられる、少なくとも1つの平衡錘ガイド(455)を備える、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目21)
前記平衡錘(452)は、ねじ山付きバーに沿って往復運動する、項目20に記載の遠隔動作車両(500)。
(項目22)
前記遠隔動作車両(500)は、水平方向に変位可能な支持表面(425)を備える、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目23)
前記遠隔動作車両(500)は、調節可能なフットプリントを有する、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目24)
前記遠隔動作車両(500)は、前記さらなる車両が故障すると、前記さらなる車両を移動させるための点検車両である、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目25)
前記車両(500)は、常時、直線経路に沿って移動する、先行する項目のいずれかに記載の遠隔動作車両(500)。
(項目26)
平衡錘(452)を備える質量平衡化システム(450)を有する、遠隔動作車両(500)を動作させるための方法であって、前記遠隔動作車両(500)は、自動保管および回収システム(1)の2次元レールシステム(108)上で保管コンテナ(106)を取り扱うためのものであり、前記方法は、
-前記遠隔動作車両(500)の安定性を改良するために、前記平衡錘(452)を意図的に変位させることを含む、方法。
(項目27)
前記平衡錘(452)の変位は、車両(500)の重心(COG)の変化に応答して生じる、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記遠隔動作車両(500)の前記質量平衡化システム(450)はさらに、平衡錘変位デバイス(453)を備え、前記方法はさらに、
-前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の重量を測定することと、
-取得された重量データに基づいて、前記遠隔動作車両(500)に対する前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算することと、
-前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令することと
を含む、項目26または27に記載の方法。
(項目29)
前記方法はさらに、
-前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の位置を決定することと、
-取得された位置データに基づいて、前記遠隔動作車両(500)に対する前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算することと、
-前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令することと
を含む、項目26-28のいずれかに記載の方法。
(項目30)
前記方法はさらに、
-前記遠隔動作車両(500)によって係合されている保管コンテナ(106)の内部における負荷重量の空間分布を決定することと、
-取得された空間分布データに基づいて、前記遠隔動作車両(500)に対する前記平衡錘(452)のための新しい位置を計算することと、
-前記平衡錘変位デバイス(453)に、前記平衡錘(452)を前記新しい位置へと変位させるように命令することと
を含む、項目26-29のいずれかに記載の方法。
【国際調査報告】