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特表2023-551631品質試験中のコンポーネントキャリア構造からの材料除去の進行制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】品質試験中のコンポーネントキャリア構造からの材料除去の進行制御
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20231205BHJP
   B24B 19/00 20060101ALI20231205BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20231205BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G01R31/28 H
B24B19/00 Z
B24B49/12
B24B49/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520429
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2021077834
(87)【国際公開番号】W WO2022078890
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】20201301.7
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519063934
【氏名又は名称】エーティーアンドエス オーストリア テクノロジー アンド システムテクニック アクツィエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャッティン、ガンター
(72)【発明者】
【氏名】グルーバー、アイリーン
(72)【発明者】
【氏名】スピッツァー、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シュワイガー、ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】パッチャー、ガーノット
(72)【発明者】
【氏名】ティジュン、フローリアン
【テーマコード(参考)】
2G132
3C034
3C049
【Fターム(参考)】
2G132AA20
2G132AB04
2G132AE02
2G132AL09
2G132AL11
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB92
3C034BB93
3C034CA22
3C034CA26
3C034CA30
3C034CB01
3C034DD10
3C034DD20
3C049AA02
3C049AC02
3C049BA01
3C049BA09
3C049BB02
3C049BC02
3C049CA01
3C049CB01
3C049CB03
(57)【要約】
品質試験のためにコンポーネントキャリア構造(102)を処理するための装置(100)であって、装置(100)は、品質試験を受けるコンポーネントキャリア構造(102)の内部の少なくとも1つの試験対象(116)を露出させるために、コンポーネントキャリア構造の材料(102)を除去するように構成された材料除去ユニット(112)、コンポーネントキャリア構造(102)の材料の除去の進行を測定するように構成された進行測定ユニット(250)、測定された進行が予め定められた材料除去目的の要件を満たしているかどうかを分析するように構成された分析ユニット(252)、及び分析の結果に基づいて、材料を除去し、その進行を測定し、測定された進行が予め定められた材料除去目的の要件を満たしているかどうかを分析するシーケンスを繰り返さなければならないか否かを制御するように構成された制御ユニット(254)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理するための装置であって、前記装置は、
前記品質試験を受ける前記コンポーネントキャリア構造の内部の少なくとも1つの試験対象を露出させるために前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成された材料除去ユニット;
前記コンポーネントキャリア構造の前記材料の除去の進行を測定するように構成された進行測定ユニット;
前記測定された進行が予め定められた材料除去目的の要件を満たしているかどうかを分析するように構成された分析ユニット;及び
前記分析の結果に基づいて、材料を除去し、その進行を測定し、前記測定された進行が前記予め定められた材料除去目的の前記要件を満たしているかどうかを分析するシーケンスを繰り返さなければならないか否かを制御するように構成された制御ユニット
を備える装置。
【請求項2】
以下の特徴:
前記制御ユニットは、前記予め定められた材料除去目的が達成されるまで、材料を除去し、その進行を測定し、前記測定された進行が前記要件を満たしているかどうかを分析する前記シーケンスを1回又は複数回、反復して繰り返すように構成されている;
前記制御ユニットは、調整ループ内で前記シーケンスを反復して繰り返すように構成されている
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記材料除去ユニットは、研削によって前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成されている、請求項1~2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
以下の特徴:
前記材料除去ユニットは、断面研削及び平面研削からなる群のうちの1つによって前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成されている;
前記材料除去ユニットは、前記コンポーネントキャリア構造の材料を、粗研削段階、それに続く、微研削段階によって除去するように構成されている
のうちの少なくとも1つを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
以下の特徴:
材料を除去した後、前記コンポーネントキャリア構造の露出面を研磨するための研磨ユニットを有する;
前記進行測定ユニットは、前記材料除去ユニットによる前記材料の除去中に前記進行を測定するように構成されている;
前記進行測定ユニットは、前記コンポーネントキャリア構造の画像を光学的に検出することによって前記進行を測定するように構成されている
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記進行測定ユニットは、前記コンポーネントキャリア構造の導電性構造における電気信号を電気的に測定することによって前記進行を測定するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
以下の特徴:
前記導電性構造は、前記コンポーネントキャリア構造の試験対象及び犠牲構造からなる群の1つに属する;
前記進行測定ユニットは、前記少なくとも1つの試験対象を露出させるための前記材料の除去中に、少なくとも部分的に除去される前記導電性構造の電気信号を検出することによって前記進行を測定するように構成されており、ここで、前記導電性構造は、前記予め定められた材料除去目的に従って、前記少なくとも1つの試験対象の露出までの前記材料の除去の進行を検出するために使用されるように構成されている
のうちの少なくとも1つを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
以下の特徴:
前記進行測定ユニットは、前記材料除去ユニットによって前記コンポーネントキャリア構造から除去された材料の量を定量化するように構成された除去材料定量化ユニットを有する;
前記進行測定ユニットは、前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去する間の前記材料除去ユニットの空間進行に基づいて前記進行を測定するように構成されている;
前記進行測定ユニットは、前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去する間、前記コンポーネントキャリア構造に対する前記材料除去ユニットの接触圧力の検出に基づいて前記進行を測定するように構成されている;
前記進行測定ユニットは、前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去する間、前記材料除去ユニットの回転可能な本体の回転速度の検出に基づいて前記進行を測定するように構成されている
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記材料の除去前に最初に前記コンポーネントキャリア構造を測定するように構成された初期測定ユニットを有する;
ここで、前記材料除去ユニットは、前記初期測定ユニットの測定結果に基づいて前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記材料の除去後の前記コンポーネントキャリア構造の前記少なくとも1つの試験対象を決定するように構成された決定ユニット;及び
前記コンポーネントキャリア構造の品質を評価するために、前記コンポーネントキャリア構造の前記決定された少なくとも1つの試験対象の特性を評価するように構成された評価ユニット
を備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
以下の特徴:
前記コンポーネントキャリア構造の前記少なくとも1つの試験対象は、少なくとも1つのドリル孔及び少なくとも1つの層構造からなる群のうち少なくとも1つを有する;
前記品質試験中に評価される前記コンポーネントキャリア構造の前記少なくとも1つの試験対象の特性は、ドリル孔の直径、隣接するドリル孔間の距離、導電層構造の導電性トレースの幅、導電層構造の隣接する導電性トレース間の距離、層構造の厚さ、層構造の平面性、層構造の層間剥離、及びプリント回路基板タイプのコンポーネントキャリア構造の任意の特徴からなる群の少なくとも1つを有する;
少なくとも前記シーケンスの少なくとも一部の間、前記コンポーネントキャリア構造を監視、具体的には、継続的に監視するように構成された監視ユニット、具体的には、X線デバイスを有する;
前記材料の除去目的は、前記コンポーネントキャリア構造の試験対象、具体的には、ドリル孔又は導電性構造の中心に到達することである;
前記材料除去ユニットによる前記コンポーネントキャリア構造の過度の材料除去を無効にするために、前記材料除去ユニットに当接するように構成された機械的ストッパを有する;
前記装置は、人間の介入なしに前記品質試験を実行するように構成されている;
具体的には、前記コンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの位置合わせ構造の検出に基づいて、前記材料の除去前に前記コンポーネントキャリア構造を位置合わせするように構成された位置合わせユニットを有する
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理するための方法であって、前記方法は、
前記品質試験を受ける前記コンポーネントキャリア構造の内部の少なくとも1つの試験対象を露出させるために前記コンポーネントキャリア構造の材料を除去する段階;
前記コンポーネントキャリア構造の前記材料の除去の進行を測定する段階;
前記測定された進行が予め定められた材料除去目的の要件を満たしているかどうかを分析する段階;及び
前記分析の結果に基づいて、材料を除去し、その進行を測定し、前記測定された進行が前記予め定められた材料除去目的の前記要件を満たしているかどうかを分析するシーケンスを繰り返さなければならないか否かを制御する段階
を備える方法。
【請求項13】
以下の特徴:
前記方法は、前記予め定められた材料除去目的が達成されるまで、材料を除去し、その進行を測定し、前記測定された進行が前記要件を満たしているかどうかを分析する前記シーケンスを1回又は複数回、反復して繰り返す段階を備える;
前記コンポーネントキャリア構造は、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを含むパネル、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを含むアレイ、コンポーネントキャリアのプリフォーム、クーポン、及びコンポーネントキャリア、具体的には、プリント回路基板及び集積回路基板の1つからなる群のうちの1つを有する;
前記方法は、人間の介入なしに前記品質試験を実行する段階を備える
のうちの少なくとも1つを備える、請求項12の記載の方法。
【請求項14】
品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読媒体であって、そのコンピュータプログラムは、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、請求項12又は13のいずれか1項に記載の方法を実行及び/又は制御するように適合される、コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
1つ又は複数のプロセッサに、請求項12又は13のいずれか1項に記載の方法を実行及び/又は制御するように適合させるための、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理するための装置及び方法、コンピュータ可読媒体、及びプログラム要素に関する。
【背景技術】
【0002】
1つ又は複数の電子部品を備えるコンポーネントキャリアの製品機能の向上、そのような電子部品の小型化の増加、並びにプリント回路基板などのコンポーネントキャリアに搭載される電子部品の数の増加という文脈において、いくつかの電子部品を有する、ますます強力になったアレイのようなコンポーネント又はパッケージが使用されており、それらは複数の接点又は接続を有し、これらの接点間の間隔はさらに小さくなっている。同時に、コンポーネントキャリアは、厳しい条件下でも動作可能であるように、機械的に堅牢で、電気的に信頼できるものとすべきである。
【0003】
コンポーネントキャリア、平面研削コンポーネントキャリア、及び関連する物体の断面の準備及び試験は、従来、技術者によって手動で実行されていた。これは、断面及び平面部分など、異なるタイプの検鏡試片に当てはまる。しかし、これには多大な労力及び品質試験の観点から限られた精度を伴い、工業規模でのスループットに関する厳しい要件に関して致命的になり得る。
【0004】
本発明の目的は、コンポーネントキャリア構造の品質を高い信頼性、高いスループット、及び相応の労力で評価することである。
【0005】
上で定義した目的を達成するために、独立請求項による、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理するための装置及び方法、コンピュータ可読媒体、及びプログラム要素が提供される。
【0006】
本発明の例示的な実施形態によれば、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理するための装置が提供され、ここで、装置は、品質試験を受けるコンポーネントキャリア構造の内部の少なくとも1つの試験対象を露出させるために、コンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成された材料除去ユニット、コンポーネントキャリア構造の材料の除去の進行を測定するように構成された進行測定ユニット、測定された進行が予め定められた材料除去目的の要件を満たしているかどうかを分析するように構成された分析ユニット、及び分析の結果に基づいて、材料を除去し、その進行を測定し、測定された進行が予め定められた材料除去目的の要件を満たしているかどうかを分析するシーケンスを繰り返さなければならないか否かを制御するように構成された制御ユニットを備える。具体的には、制御ユニットは、予め定められた材料除去目的が達成されるまで、材料を除去し、その進行(すなわち、材料の除去)を測定し、測定された進行が要件を満たしているかどうかを分析するシーケンスを1回又は複数回、反復して繰り返し得る。
【0007】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理する方法が提供され、ここで、方法は、品質試験を受けるコンポーネントキャリア構造の内部の少なくとも1つの試験対象を露出させるために、コンポーネントキャリア構造の材料を除去する段階、コンポーネントキャリア構造の材料の除去の進行を測定する段階、測定された進行が予め定められた材料除去目的の要件を満たしているかどうかを分析する段階、及び分析の結果に基づいて、材料を除去し、その進行を測定し、測定された進行が予め定められた材料除去目的の要件を満たしているかどうかを分析するシーケンスを繰り返さなければならないか否かを制御する段階を備える。具体的には、方法は、予め定められた材料除去目的が達成されるまで、材料を除去し、その進行を測定し、測定された進行が要件を満たしているか否かを分析するシーケンスを1回又は複数回、反復して繰り返す段階を備え得る。
【0008】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、プログラム要素(例えば、ソースコード又は実行可能なコード内のソフトウェアルーチン)が提供され、これは、プロセッサ(マイクロプロセッサ又はCPUなど)により実行されると、上記の特徴を有する方法を制御及び/又は実行するように適合される。
【0009】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、コンピュータ可読媒体(例えば、CD、DVD、USBスティック、SDカード、フロッピディスク又はハードディスク又は任意の他の(具体的には、さらに小さい)記憶媒体)が提供され、ここには、プロセッサ(マイクロプロセッサ又はCPUなど)により実行されると、上記の特徴を有する方法を制御及び/又は実行するように適合されるコンピュータプログラムが記憶される。
【0010】
本発明の実施形態に従って実行され得るデータ処理は、コンピュータプログラムによって、すなわち、ソフトウェアによって、又は1つ又は複数の特別な電子最適化回路、すなわち、ハードウェアを使用することによって、又はハイブリッド形成、すなわち、ソフトウェアコンポーネント及びハードウェアコンポーネントによって、実現され得る。
【0011】
本出願の文脈において、用語「コンポーネントキャリア」は、特に、機械的支持及び/又は電気的接続性及び/又は光学的接続性及び/又は熱的接続性を提供するために、その上及び/又はその中に1つ又は複数のコンポーネントを収容可能な任意の支持構造を意味し得る。換言すれば、コンポーネントキャリアは、コンポーネントの機械的及び/又は電子的キャリアとして構成され得る。具体的には、コンポーネントキャリアは、プリント回路基板、有機インターポーザ、及びIC(集積回路)基板のうち1つであり得る。コンポーネントキャリアはまた、上述のタイプのコンポーネントキャリアのうち異なるものを組み合わせたハイブリッドボードでもあり得る。
【0012】
本出願の文脈において、用語「コンポーネントキャリア構造」は、具体的には、コンポーネントキャリア、例えば、パネル、アレイ、又はコンポーネントキャリア自体の製造中及び/又は製造後に取り扱われ、処理される薄いシートを意味し得る。したがって、コンポーネントキャリア構造は、具体的には、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを含むパネル、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを含むアレイ(1/4パネルなど)、コンポーネントキャリアのプリフォーム(すなわち、まだ製造が容易ではないコンポーネントキャリア)、又は容易に製造されるコンポーネントキャリア(プリント回路基板(PCB)又は集積回路(IC)基板など)を意味し得る。しかし、コンポーネントキャリア構造がクーポンであることも可能である。
【0013】
本出願の文脈において、用語「品質試験」は、具体的には、コンポーネントキャリア構造の1つ又は複数の予め定められた試験対象の特性を分析することによる、コンポーネントキャリア構造の品質の評価を意味し得る。そのような品質試験では、コンポーネントキャリア構造の1つ又は複数のそのような特徴が1つ又は複数の品質基準を満たしているか否かを試験し得る。そのような品質基準は、1つ又は複数の定性的品質基準(定性的なエラーパターン又は故障シナリオとして層構造の層間剥離の有無など)及び/又は1つ又は複数の定量的品質基準(許容可能な厚さの予め定められた範囲に関連するパターン化された銅層の厚さなど)を含み得る。コンポーネントキャリア構造の決定可能な品質欠陥の例としては、ドリル孔、毛の混入、ソルダーレジストの影響、分離すべき導電性トレース間の短絡などに関するアーティファクトがある。例えば、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行して、コンポーネントキャリア構造が工業規格(例えば、IPC6012、IPC-A-600、IPC-2221など)に準拠しているかどうかをチェックし得る。
【0014】
本出願の文脈において、用語「予め定められた試験対象」は、具体的には、コンポーネントキャリア構造の品質を評価するための特性項目として予め定められた、材料除去によって露出されたコンポーネントキャリア構造の内部の構造的特徴を意味し得る。例えば、試験対象は、ドリル孔、又は少なくとも1つの導電層構造(例えば、パターン化された銅箔及び/又は銅充填レーザビア)及び/又は少なくとも1つの電気絶縁層構造(例えば、エポキシ樹脂などの樹脂を含むシート、及び任意選択でガラス繊維などの強化粒子)を有するコンポーネントキャリア構造の(特に積層された)層スタック内の層構造であり得る。具体的には、コンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの試験対象の特性又は属性は、ドリル孔(銅などの導電性材料で充填し得るか又はし得ない、レーザドリル孔又は機械的ドリル孔など)の直径、隣接するドリル孔間の距離、層構造の厚さ(具体的には、パターン化された銅箔又は層の厚さ)、層構造の平面性(例えば、純粋に平面構成からの層構造のずれによって測定される)、層構造(すなわち、例えば、積層された層構造の一体のセットから少なくとも部分的に分離された層構造)の層間剥離などの1つ又は複数を有し得る。
【0015】
本出願の文脈において、用語「材料除去の進行を測定する」という用語は、具体的には、コンポーネントキャリア構造から材料を除去する工程がどの程度まで進んだかを示す情報を検出することを意味し得る。これは、例えば、コンポーネントキャリア構造から除去された材料の量の測定、材料除去の観点からコンポーネントキャリア構造の外縁の変化した位置検出、そこから材料を除去するためにコンポーネントキャリア構造に影響を与える材料除去ユニット又はツールの変化した位置の検出、コンポーネントキャリア構造に対する材料除去ユニットの影響を示すセンサデータ(例えば、接触圧力、送り速度及び/又は回転速度)の検出、材料除去(例えば、限定されないが、研磨材除去)の観点から犠牲構造上及び/又はコンポーネントキャリア構造の試験対象上で感知されたセンサデータの変化の検出などであり得る。
【0016】
本出願の文脈において、用語「予め定められた材料除去目的」という用語は、具体的には、品質試験の文脈において所望される、コンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの試験対象(例えば、ドリル孔)の対象露出(例えば、最大断面積を見えるようにする)を意味し得る。予め定められた材料目的によって定義される準備工程の目的又は目標は、コンポーネントキャリア構造の1つ又は複数の試験対象を露出させて、そのように露出させた試験対象を分析することによって、コンポーネントキャリア構造の有意義な品質試験を可能にすることであり得る。例えば、予め定められた材料除去目的は、予め定められた構成で少なくとも1つの試験対象を示す(例えば、ドリル孔の最大直径を示す)コンポーネントキャリア構造の関心のある対象検査面を露出することであり得る。本出願の文脈において、用語「平面を露出させるために材料を除去する」は、具体的には、コンポーネントキャリア構造の水平、垂直、又は対角線方向における材料除去を意味し得る。したがって、露出面は任意の方向(具体的には、水平、垂直、又は対角線)を有し得る。
【0017】
本出願の文脈において、用語「材料除去、進行測定及び分析のシーケンスを反復して繰り返す」は、具体的には、測定された材料除去の進行が、次に上記の材料除去目的が達成されたことを示すまで、1回、2回、3回、又はさらに多数回の上述の工程のシーケンスの繰り返しを意味し得る。
【0018】
本発明の例示的な実施形態によれば、コンポーネントキャリア構造(プリント回路基板構造又はそのプリフォームなど)の品質を試験するシステムが提供され、コンポーネントキャリア構造の材料の一部は、その特性、したがって、コンポーネントキャリア構造の品質を試験するための少なくとも1つの試験対象への外部アクセスを可能にするために、関心のある内部平面を露出させるための研磨工程(研削など)によって除去され得る。さらに、材料除去工程の進行は、好ましくは、上記研磨工程中(及び/又は後)に、対応する進行測定ユニットによって測定され得る。測定された進行は、予め定められた材料除去目的と比較し得る(例えば、研磨工程が、関心のある品質試験の試験対象、例えば、ドリル孔の中心の断面を露出させたか否か)。測定された進行によって示すように、上記予め定められた材料除去目的がまだ達成されていない場合、材料除去目的が最終的に達成されたことを進行測定が示すまで、材料除去、進行測定、及び予め定められた材料除去目的に関して測定された進行の分析のシーケンスが反復して繰り返され得る。次いで、処理されたコンポーネントキャリア構造は、画像検出、上記試験対象の決定、及び品質試験に関する上記試験対象の特性の評価のための状態にある。非常に有利には、記載された工程は完全に自動化され、それによって、(コンポーネントキャリア構造の従来の手動処理と比較して)スループットが向上し、工業規模の厳しい要件にも対応できる。予め定められた材料目標に関連する自動化された進行測定及び進行分析によって、自動化された工程の精度は、大幅に改善され得る(コンポーネントキャリア構造の従来の自動化された処理と比較して)。したがって、本発明の例示的な実施形態は、コンポーネントキャリア構造の品質を高い信頼性、高いスループット、及び相応の労力で評価することを可能にし得る。
【0019】
上記で説明した工程のシーケンスの上述の繰り返しは、多くの場合に実行する必要があり得、したがって、特定の実施形態では、実行する可能性がかなり高いが、工程の第1のシーケンスが既に成功している場合は、任意選択であり得る。したがって、材料除去工程は、上述の制御ユニットによる第1の制御の前の第1の除去で既に十分であり得る。したがって、上記制御ユニットは、分析結果に基づいて、材料の除去が既に対象点に到達しているかどうか、又は1回又は複数回のさらなる反復が実行されるべきかどうかのチェックを少なくとも1回実行するように構成され得る。
【0020】
以下では、装置、方法、コンピュータ可読媒体、及びプログラム要素のさらなる例示的な実施形態について説明する。
【0021】
一実施形態では、制御ユニットは、具体的には、調整ループ内でコンポーネントキャリア構造を取り扱うことによって、調整ループ内でシーケンスを反復して繰り返すように構成される。したがって、制御ユニット(例えば、プロセッサを有し得る)は、正確に定義可能かつ完全に自動化された方法で、記載されたフィードバックループを含む上述のシーケンスの繰り返し又は反復を実行又は制御し得る。
【0022】
一実施形態では、材料除去ユニットは、研削によってコンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成されている。具体的には、研削は、グラインディングホイール(又は別の研削体)を材料除去又は切削工具として使用し得る研磨機械加工工程を意味し得る。研磨剤の各粒子は、微細な一点切れ刃として機能し、コンポーネントキャリア構造から極小片を剪断し得る。しかし、他の実施形態では、コンポーネントキャリア構造からの材料除去は、研削以外の方法によって、例えば、レーザ加工又は任意の種類の切断によって達成され得る。
【0023】
一実施形態では、材料除去ユニットは、断面研削及び平面研削からなる群のうちの1つによってコンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成されている。断面研削に関しては、板状のコンポーネントキャリア構造を切断する平面での分析を可能にするコンポーネントキャリア構造の断面が作成され得る。断面研削は、分析のために関心のある内部平面を露出させるために、コンポーネントキャリア構造の一部を切断又は研削する破壊技術である。得られた断面では、ドリル孔の品質を評価でき、ビアのメッキ品質及び厚さを評価でき、他の試験対象も分析できる。そのような他の試験対象の一例として、積層工程の品質を示す、コンポーネントキャリア構造の材料内の隙間をアクセス可能にさせ得る。平面研削又は表面研削に関して、そのような技術は、コンポーネントキャリア構造の平坦な表面上に平滑な仕上げをもたらすために使用され得る。平面研削は、粗い粒子で覆われたスピニングホイール(又は任意の他の本体)が、コンポーネントキャリア構造の主表面から小片を切り取り、それによって、コンポーネントキャリア構造の内部層の主表面にアクセスする、研磨機械加工工程として示され得る。
【0024】
一実施形態では、装置は、材料を除去した後にコンポーネントキャリア構造の露出面を研磨するように構成された研磨ユニットを備える。研磨は、表面をこするか、又は化学作用を利用することによって滑らかな表面を作成し、粗さが減少した表面を残す工程を意味し得る。研削とは対照的に、研磨はコンポーネントキャリア構造の表面から顕著な量の材料を除去するのではなく、単に表面を平坦化することによって平面性を高める。研磨は、より粗い研磨剤から始めて複数の段階を使用し得、その後の各段階はより細かい研磨剤を使用し得る。
【0025】
一実施形態では、材料除去ユニットは、コンポーネントキャリア構造の材料を、より粗い研削段階、それに続く、より細かい研削段階によって除去するように構成されている。粗研削は、微研削よりも大きな粒径を使用し得る。さらに、例えば、少なくとも3つの異なる粒径を使用して、3つ以上の研削段階が可能であり、粒径は、研削段階ごとに減少する。そのような多段階研削工程によって、材料除去を受けるコンポーネントキャリア構造の表面は、材料除去工程によるアーティファクトを導入することなく徐々に処理され得る。
【0026】
好ましい実施形態では、進行測定ユニットは、材料除去ユニットによる材料の除去中に進行を測定するように構成されている。有利には、材料除去は、オンザフライで、すなわち、材料除去工程が行われている間に測定され得る。これにより、試料の準備が加速され、材料除去工程の特に正確な監視及び制御が可能になり、材料の過度な除去のリスクが強く抑制される。追加的に又は代替的に、材料除去工程の進行はまた、材料除去工程の後、又は後続の2つの材料除去段階の間に測定され得る。
【0027】
一実施形態では、進行測定ユニットは、コンポーネントキャリア構造の画像を光学的に検出することによって進行を測定するように構成されている。より具体的には、光学カメラは、品質試験に使用される1つ又は複数の露出した試験対象を後で決定するための基礎として、材料除去中及び/又は後に、コンポーネントキャリア構造の露出面の画像を撮像し得る。
【0028】
一実施形態では、進行測定ユニットは、具体的には、材料除去中及び/又は除去後に、コンポーネントキャリア構造の導電性構造における電気信号を電気的に測定することによって、進行を測定するように構成されている。具体的には、導電性構造は、コンポーネントキャリア構造の試験対象又は犠牲構造に属し得る。材料除去中、試験対象の一部及び/又は犠牲構造の少なくとも一部も、コンポーネントキャリア構造から除去され得る。導電性試験対象又は導電性犠牲構造を進行測定ユニットの1つ又は複数の電極と接続することによって、導電性構造の少なくとも部分的な除去により、材料除去工程中に特徴的に変化し得る上記導電性構造の電気信号を検出することが可能であり得る。具体的には、導電性構造の継続的な除去に伴って増加する導電性構造のオーム抵抗を検出することが可能であり得る。したがって、上述の電気信号は、材料除去工程の進行のフィンガープリントであり得る。したがって、進行測定ユニットは、少なくとも1つの試験対象を露出させるための材料除去中に、少なくとも部分的に除去される導電性構造の電気信号を検出することによって進行を測定するように構成され得て、導電性構造は、予め定められた材料除去目的に従って、少なくとも1つの試験対象の露出までの材料除去の進行を検出するために使用されるように構成されている。
【0029】
一実施形態では、進行測定ユニットは、除去材料の量を定量化するように構成された除去材料定量化ユニットを有する。コンポーネントキャリア構造から(例えば、研削によって)除去された材料の小片を(例えば計量機で)収集することによって、材料除去工程の進行に関する情報を取得でき、所望の試験対象又は、これまで見えなかった関心のある平面が露出したとき、好ましくは、ドリル孔の中心に到達したときに、材料除去工程を停止させることができる。
【0030】
追加的に又は代替的に、材料除去工程の進行(具体的には、研削進行)を決定する他の概念も同様に実施され得る。例としては、材料除去の観点からコンポーネントキャリア構造の外縁の変化した位置検出、そこから材料を除去するためにコンポーネントキャリア構造に影響を与える材料除去ユニット又は工具の変化した位置の検出、コンポーネントキャリア構造に対する材料除去ユニットの影響を示すセンサデータ(例えば、接触圧力及び/又は回転速度)の検出、材料除去の観点からコンポーネントキャリア構造の犠牲構造上及び/又は試験対象上で感知されたセンサデータの変化の検出などである。
【0031】
一実施形態では、進行測定ユニットは、コンポーネントキャリア構造の材料を除去する間の材料除去ユニットの空間進行に基づいて進行を測定するように構成されている。研磨工程(研削など)によってコンポーネントキャリア構造から材料を除去する間、研磨材除去ユニット(例えば、研削デバイス)は、前方に移動して、材料が除去されるコンポーネントキャリア構造の外縁まで延び、その中に入り得る。したがって、材料除去ユニットの空間変位は、材料除去工程の進行の尺度として使用され得る。
【0032】
一実施形態では、進行測定ユニットは、コンポーネントキャリア構造の材料を除去する間に、コンポーネントキャリア構造に対する材料除去ユニットの接触圧力(具体的には、接触圧力の時間依存性)の検出に基づいて進行を測定するように構成されている。研磨材除去ユニット(回転研削工具を備えた研削デバイスなど)が、材料が除去されるコンポーネントキャリア構造の表面に押し付けられると、接触圧力は、材料除去工程の進行に関する情報を提供し得る。例えば、圧力センサ、ひずみセンサなどを材料除去ユニットに、好ましくは、コンポーネントキャリア構造との界面又はその近くに組み込まれ得る。例えば、コンポーネントキャリア構造の材料除去が、樹脂の除去から(例えば、ドリル孔に充填された)銅の除去に進む場合、接触圧力の不連続な増加が検出され得る。しかし、コンポーネントキャリア構造の材料除去が、樹脂の除去からメッキされていない中空ドリル孔に進む場合、接触圧力の不連続な減少が検出され得る。コンポーネントキャリア構造(例えば、予め定められたクーポン)の構造が既知である場合、コンポーネントキャリア構造の既知の構造と組み合わせた接触圧力の時間依存性の検出は、材料除去工程の進行に関する情報を導出することを可能にし得る。
【0033】
一実施形態では、進行測定ユニットは、コンポーネントキャリア構造の材料を除去する間、材料除去ユニットの回転可能な本体の回転速度の検出に基づいて進行を測定するように構成されている。例えば、コンポーネントキャリア構造から材料を除去する回転研削工具の回転速度は、現在除去されているコンポーネントキャリア構造の材料に依存し得る。したがって、材料除去ユニットの回転速度(対応するセンサによって検出され得る)の変化は、コンポーネントキャリア構造の不均質材料への材料除去ユニットの進行に関する情報を提供し得る。したがって、コンポーネントキャリア構造(樹脂及び銅を有し得る)の構造が既知である場合、決定された回転速度の時間依存性は、現在の位置、したがって、コンポーネントキャリア構造から材料を除去する間の材料除去工具の空間進行を示し得る。
【0034】
一実施形態では、装置は、材料の除去前に最初にコンポーネントキャリア構造を測定するように構成された初期測定ユニットを備える。材料除去ユニットは、初期測定ユニットの測定結果に基づいてコンポーネントキャリア構造の材料を除去するように構成され得る。コンポーネントキャリア構造の位置及び/又は方向及び/又は輪郭が測定されると、その後の材料除去工程は、そのような測定結果に合わせて調整又は適合され得る。具体的には、コンポーネントキャリア構造の例えば、長方形の対象形状からのずれを最初に測定し、それに応じて材料除去工程を調整することも可能であり得る。例えば、材料除去を受けるコンポーネントキャリア構造の前縁が、材料除去ユニットの進行方向に対して僅かに傾斜している可能性があり得る。そのような空間アーティファクトは、材料除去工程によって考慮、補正、又は補償され得る。
【0035】
一実施形態では、装置は、具体的には、コンポーネントキャリア構造の少なくとも1つの位置合わせ構造又は特徴の検出に基づいて、材料除去前にコンポーネントキャリア構造を位置合わせするように構成された位置合わせユニットを備える。好ましくは、上記位置合わせユニットは、優れた位置合わせ精度を得るために、多軸ロボット、最も好ましくは、ヘキサポッドを有し得る。コンポーネントキャリア構造の適切な方向を保証するために、装置は、コンポーネントキャリアの1つ又は複数の位置合わせマーカーの位置を自動的に決定し得、処理を継続する前にコンポーネントキャリア構造の位置及び/又は方向を調整し得る。これにより、品質試験の精度が向上する。
【0036】
一実施形態では、装置は、上記材料除去後にコンポーネントキャリア構造の内部の画像データを検出するように構成された検出ユニットを備える。この文脈において、検出ユニット(例えば、カメラを有する)によって画像化されるコンポーネントキャリア構造の前の内部平面は、前の材料除去段階によって露出され得る。次いで、画像検出の結果は、試験対象を決定するために決定ユニットに送られ得る。
【0037】
一実施形態では、装置は、コンポーネントキャリア構造の試験対象の少なくとも1つを決定するように構成された決定ユニット、及びその品質を評価するためにコンポーネントキャリア構造の決定された少なくとも1つの試験対象の特性を評価するように構成された評価ユニットを備える。また、完全に自動化された方法で、1つ又は複数の試験対象が研磨処理されたコンポーネントキャリア構造から決定され得る。次いで、評価ユニットが、この決定の結果を評価して、品質試験の結果を導出し得る。
【0038】
一実施形態では、装置は、少なくとも上述のシーケンスの少なくとも一部の間、コンポーネントキャリア構造を監視、具体的には、継続的に監視するように構成された監視ユニット、具体的には、X線デバイスを備える。そのようなX線デバイスはまた、コンポーネントキャリア構造の内部の画像を提供し得、例えば、材料除去前の内部における試験対象の位置を示し得る。コンポーネントキャリア構造の内部構造に関するこの情報を使用することによって、材料除去工程はより正確に行われ得る。
【0039】
一実施形態では、材料除去目的は、コンポーネントキャリア構造の試験対象(具体的には、ドリル孔、又はパッド又はラインなどの導電性構造)の中心に到達することである。ドリル孔は、板状のコンポーネントキャリア構造の主表面に垂直な断面平面において、円筒形の断面(例えば、機械的穿孔によって形成された場合)又は円錐形又は円錐台形の断面(例えば、レーザ穿孔によって形成された場合)を有し得る。したがって、そのようなドリル孔は中心軸を有し得る。そのようなドリル孔タイプの試験対象の品質を試験するために、板状のコンポーネントキャリア構造の主表面に垂直な断面平面においてドリル孔の最大面積を露出させることが有利であり得る。したがって、そのような構成は、達成すべき材料除去目的として定義し得る。
【0040】
一実施形態では、装置は、材料除去ユニットによるコンポーネントキャリア構造の過度の材料除去を無効にするために、材料除去ユニットに当接するように構成された機械的ストッパを備える。例えば、そのような機械的ストッパは、1つ又は複数の堅牢な機械的停止部として具現化され得る。材料除去ユニットがコンポーネントキャリア構造に向かって前進するとき、材料除去ユニットは、機械的ストッパの位置で自動的に停止され得る。それにより、過度の材料除去が不可能になり得る。有利には、機械的ストッパは、材料除去ユニットが機械的ストッパに当接し、それによって、コンポーネントキャリア構造内へのさらなる前進が妨げられたときに、材料除去ユニットが、材料除去ユニットが、予め定められた材料除去目的に対応する位置までしか前進しないような位置に配置され得る。機械的ストッパが材料除去ユニットよりも機械的に強いことを保証するために、その前面は硬化され得、例えば、ダイヤモンド材料で作られ得る。
【0041】
一実施形態では、装置は、人間の介入なしに記載された工程を実行するように構成されている。それに対応して、方法は、記載された工程を人間の介入なしに実行する段階を有し得る。非常に有利には、クーポン及び割り当てられたコンポーネントキャリアの有効性評価に関して言及された工程はいずれも、ユーザの介入を必要としない。これにより、コンポーネントキャリア構造の品質試験に関する人的資源の労力が削減されるだけでなく、品質試験がより客観的になり、したがって、より有意義で迅速になる。
【0042】
一実施形態では、コンポーネントキャリア構造は、少なくとも1つの電気絶縁層構造及び少なくとも1つの導電層構造のスタックを有する。例えば、コンポーネントキャリアは、具体的には、機械的圧力及び/又は熱エネルギーを加えることによって形成される、上述の電気絶縁層構造及び導電層構造の積層であり得る。上述のスタックは、さらなるコンポーネントのための大きな取り付け面を提供でき、それにもかかわらず、非常に薄くコンパクトである板状のコンポーネントキャリアを提供し得る。
【0043】
一実施形態では、コンポーネントキャリア構造は板として形成される。これはコンパクトな設計に寄与し、それにもかかわらず、コンポーネントキャリアは、その上にコンポーネントを取り付けるための大きな基盤を提供する。さらに、具体的には、埋め込み型電子部品の例としてのネイキッドダイは、その薄い厚さのおかげで、プリント回路基板などの薄い板に好都合に埋め込むことができる。
【0044】
一実施形態では、コンポーネントキャリア構造は、プリント回路基板、基板(具体的にはIC基板)、及びインターポーザからなる群のうちの1つとして構成されている。
【0045】
本出願の文脈において、用語「プリント回路基板」(PCB)は、具体的には、例えば、圧力を加えることによって、及び/又は熱エネルギーを供給することによって、いくつかの導電層構造をいくつかの電気絶縁層構造と積層することによって形成される、板状のコンポーネントキャリアを意味し得る。PCB技術に好ましい材料として、導電層構造は銅でできており、一方、電気絶縁層構造は、樹脂及び/又はガラス繊維、いわゆる、プリプレグ又はFR4材料を有し得る。様々な導電層構造は、積層体を貫通する貫通孔を形成することによって、例えば、レーザ穿孔又は機械的穿孔によって、及び、それらを導電性材料(具体的には、銅)で充填し、それによって、ビア又は他の貫通孔接続を形成することによって、所望の方法で互いに接続され得る。(例えば、部分的に)充填された孔は、スタック全体(いくつかの層又はスタック全体を通って延びる貫通孔接続)を接続し得るか、又は充填された孔は、ビアと呼ばれる少なくとも2つの導電層を接続し得る。同様に、電気光学回路基板(Electro-Optical Circuit Board:EOCB)を受容するために、スタックの個別の層を通して光相互接続を形成できる。プリント回路基板に埋め込み得る1つ又は複数のコンポーネントは別にして、プリント回路基板は通常、板状のプリント回路基板の対向面の一方又は両方に1つ又は複数のコンポーネントを収容するように構成されている。それらは、はんだ付けによってそれぞれの主表面に接続し得る。PCBの誘電体部分は、強化繊維(ガラス繊維など)又は他の強化粒子(強化球、具体的にはガラス球など)を含む樹脂で構成され得る。
【0046】
本出願の文脈において、用語「基板」は、具体的には、小さなコンポーネントキャリアを意味し得る。基板は、PCBに関して、1つ又は複数のコンポーネントを取り付け得、1つ又は複数の小片及び別のPCBの間の接続媒体として機能し得る比較的小さなコンポーネントキャリアであり得る。例えば、基板は、(例えば、チップスケールパッケージ(Chip Scale Package:CSP)の場合)その上に取り付けられるコンポーネント(具体的には電子部品)と実質的に同じサイズを有し得る。より具体的には、基板は、電気的接続又は電気ネットワークのためのキャリア、及びプリント回路基板(PCB)に匹敵するコンポーネントキャリアとして理解され得るが、水平及び/又は垂直に配置された接続の密度がかなり高くなる。水平方向の接続は、例えば、導電路であり、一方、垂直方向の接続は、例えば、ドリル孔であり得る。これらの水平方向及び/又は垂直方向の接続は、基板内に配置され、具体的には、ICチップの、収納されたコンポーネント又は収納されていないコンポーネント(ベアダイなど)と、プリント回路基板又は中間のプリント回路基板との電気的、熱的、及び/又は機械的な接続を提供するために使用できる。したがって、用語「基板」には「IC基板」も含まれる。基板の誘電体部分は、強化粒子(強化球、具体的にはガラス球など)を含む樹脂で構成され得る。
【0047】
基板又はインターポーザは、少なくともガラス、シリコン(Si)、及び/又はエポキシベースのビルドアップ材料(エポキシベースのビルドアップフィルムなど)のようなフォトイメージャブル又はドライエッチング可能な有機材料、又はポリイミド又はポリベンゾオキサゾールのような高分子化合物(光分子及び/又は感熱分子を含み得るか、又は含み得ない)の層を有し得るか、又はそれらからなり得る。
【0048】
一実施形態では、少なくとも1つの電気絶縁層構造は、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビスマレイミド-トリアジン樹脂、ポリフェニレン誘導体(例えば、ポリフェニルエーテル PPEに基づく)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、液晶高分子(Liquid Crystal Polymer:LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び/又はそれらの組み合わせなどの樹脂又は高分子からなる群の少なくとも1つを有する。複合材を形成するために、例えばガラス(多層ガラス)で作られた、ウェブ、繊維、球体又は他の種類の充填剤粒子などの強化構造も同様に使用できる。補強剤と組み合わせた半硬化樹脂、例えば、上述の樹脂を含浸させた繊維は、プリプレグと呼ばれる。これらのプリプレグは、多くの場合、その特性、例えば、その難燃性を説明する、FR4又はFR5にちなんで命名される。プリプレグ、特に、FR4が通常、硬質PCBに好ましいが、他の材料、具体的には、エポキシベースのビルドアップ材料(ビルドアップフィルムなど)又はフォトイメージャブルな誘電体材料も使用し得る。高周波用途では、ポリテトラフルオロエチレン、液晶高分子、及び/又はシアン酸エステル樹脂などの高周波材料が好ましい場合がある。これらの高分子の他に、低温同時焼成セラミック(Low Temperature Cofired Ceramics:LTCC)又は他の低DK材料、超低DK材料、又は極低DK材料(「DK」は誘電率の実数部を指し得る)を電気絶縁構造としてコンポーネントキャリアに塗布し得る。
【0049】
一実施形態では、少なくとも1つの導電層構造は、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金、パラジウム、及びタングステンからなる群のうちの少なくとも1つを有する。通常は銅が好ましいが、他の材料又はそのコーティングされたバージョン、具体的には、グラフェンなどの超伝導材料でコーティングされたバージョンも可能である。
【0050】
スタックに埋め込むことができる少なくとも1つのコンポーネントは、非導電性インレイ、導電性インレイ(好ましくは銅又はアルミニウムを含む、金属インレイなど)、熱伝達ユニット(例えば、ヒートパイプ)、導光要素(例えば、光導波路又は光導体接続)、電子部品、又はそれらの組み合わせからなる群から選択できる。インレイは、例えば、絶縁材料コーティング(IMS-インレイ)の有無にかかわらず、金属ブロックであり得、熱放散を促進する目的で、埋め込まれ得るか表面実装され得る。適切な材料は、少なくとも2W/mKであるべき、それらの熱伝導率に従って定義される。そのような材料は、多くの場合、限定されないが、例えば、銅、酸化アルミニウム(Al)、又は窒化アルミニウム(AlN)のような、金属、金属酸化物、及び/又はセラミックをベースとしている。熱交換容量を増やすために、表面積を増やした他の形状もたびたび使用される。さらに、コンポーネントは、能動電子部品(少なくとも1つのpn接合が実装されている)、抵抗器、インダクタンス、又はコンデンサなどの受動電子部品、電子チップ、ストレージデバイス(例えば、DRAM又は別のデータメモリ)、フィルタ、集積回路(フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)、プログラマブルアレイロジック(Programmable Array Logic:PAL)、ジェネリックアレイロジック(Generic Array Logic:GAL)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Devices:CPLD)など)、信号処理コンポーネント、電源管理コンポーネント(電界効果トランジスタ(Field-Effect Transistor:FET)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:MOSFET)、相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor:CMOS)、接合型電界効果トランジスタ(Junction Field-Effect Transistor:JFET)、又は絶縁ゲート電界効果トランジスタ(Insulated-Gate Field-Effect Transistor:IGFET)、炭化ケイ素(Silicon Carbide:SiC)、ヒ化ガリウム(Gallium Arsenide:GaAs)、窒化ガリウム(Gallium Nitride:GaN)、酸化ガリウム(Gallium Oxide:Ga)、ヒ化インジウムガリウム(Indium Gallium Arsenide:InGaAs)、及び/又は任意の他の適切な無機化合物などの半導体材料に基づくすべて、など)、光電子インターフェース素子、発光ダイオード、フォトカプラ、電圧コンバータ(例えば、DC/DCコンバータ又はAC/DCコンバータ)、暗号コンポーネント、送信機及び/又は受信機、電気機械変換器、センサ、アクチュエータ、微小電気機械システム(Microelectromechanical System:MEMS)、マイクロプロセッサ、コンデンサ、抵抗器、インダクタンス、バッテリ、スイッチ、カメラ、アンテナ、ロジックチップ、及びエネルギーハーベスティングユニットであり得る。しかし、他のコンポーネントをコンポーネントキャリアに埋め込み得る。例えば、磁性素子コンポーネントとして使用できる。そのような磁性素子は、永久磁性素子(強磁性素子、反強磁性素子、マルチフェロイック素子、又はフェリ磁性素子、例えば、フェライトコアなど)であり得るか、又は常磁性素子であり得る。しかし、コンポーネントはまた、IC基板、インターポーザ、又は、例えば、ボードインボード構成のさらなるコンポーネントキャリアであり得る。コンポーネントは、コンポーネントキャリアに表面実装され得、及び/又はその内部に埋め込まれ得る。さらに、他のコンポーネント、具体的には、電磁放射を生成及び放出する、及び/又は環境から伝播する電磁放射に対して敏感なものも、コンポーネントとして使用され得る。
【0051】
一実施形態では、コンポーネントキャリアは積層型のコンポーネントキャリアである。そのような実施形態では、コンポーネントキャリアは、押圧力及び/又は熱を加えることによって積み重ねられ相互接続される多層構造の複合物である。
【0052】
コンポーネントキャリアの内部層構造を加工した後、処理された層構造の一方又は両方の対向する主表面を、1つ又は複数のさらなる電気絶縁層構造及び/又は導電層構造で対称的又は非対称的に(具体的には積層によって)覆うことが可能である。換言すれば、所望の層数が得られるまで積層を継続し得る。
【0053】
電気絶縁層構造及び導電層構造のスタックの形成が完了した後、得られた層構造又はコンポーネントキャリアの表面処理を進めることが可能である。
【0054】
具体的には、電気絶縁ソルダーレジストは、表面処理に関して層スタック又はコンポーネントキャリアの一方又は両方の対向する主表面に塗布され得る。例えば、主表面全体にソルダーレジストなどを形成し、続いてソルダーレジストの層をパターン化して、コンポーネントキャリアを電子周辺機器に電気的に結合するために使用される1つ又は複数の導電性表面部分を露出させることが可能である。ソルダーレジストで覆われたままのコンポーネントキャリアの表面部分、特に銅を含有する表面部分は、酸化又は腐食から効果的に保護され得る。
【0055】
表面処理に関して、コンポーネントキャリアの露出した導電性表面部分に選択的に表面仕上げを適用することも可能である。そのような表面仕上げは、コンポーネントキャリアの表面上の露出した導電層構造(パッド、導電トラックなどのような、特に銅を含む又は銅からなる)上の導電性カバー材料であり得る。そのような露出した導電層構造が保護されないままである場合、露出した導電性のコンポーネントキャリア材料(特に銅)が酸化し、コンポーネントキャリアの信頼性を低下させる可能性がある。次いで、表面仕上げは、例えば、表面実装コンポーネント及びコンポーネントキャリアの間の界面として形成され得る。表面仕上げは、露出した導電層構造(特に銅回路)を保護し、例えば、はんだ付けによって、1つ又は複数のコンポーネントとの接合工程を可能にする機能を有する。表面仕上げのための適切な材料の例は、有機はんだ付け性保存剤(Organic Solderability Preservative:OSP)、無電解ニッケル浸漬金(Electroless Nickel Immersion Gold:ENIG)、金(特に硬質金)、化学スズ、ニッケル金、ニッケルパラジウム、無電解ニッケル浸漬パラジウム浸漬金(Electroless Nickel Immersion Palladium Immersion Gold:ENIPIG)などである。
【0056】
上で定義した態様及び本発明のさらなる態様は、以下に記載される実施形態の例から明らかであり、これらの実施形態の例を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行する方法のフローチャートを示す。
【0058】
図2】本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するための装置を概略的に示す。
【0059】
図3】本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造の品質試験を実行するための装置の詳細を示す。
【0060】
図4】本発明の例示的な実施形態による、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理するための装置を示す。
【0061】
図5】コンポーネントキャリア構造の一例として、本発明の例示的な実施形態による、材料除去工程の進行制御に使用される犠牲構造を有するクーポンを示す。
【0062】
図6】本発明の例示的な実施形態による、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を処理する方法のブロック図を示す。
【0063】
図7】本発明の例示的な実施形態による、材料除去工程の前に試験対象を有し、材料除去工程を調整するために最初及び/又は継続的に監視されるコンポーネントキャリア構造を示す。
【0064】
図8】本発明の例示的な実施形態による、材料除去ユニットによって材料除去工程を受ける試験対象を有するコンポーネントキャリア構造を示し、ここで、材料除去ユニットの前進及び/又は除去材料の量は、進行制御のために監視され得る。
【0065】
図9】本発明の例示的な実施形態による、材料除去ユニットによって材料除去工程を受ける試験対象及び犠牲構造を有するコンポーネントキャリア構造を示し、ここで、進行制御のために犠牲構造及び/又は試験対象において電気信号が検出され得る。
【0066】
図10】本発明の例示的な実施形態による、試験対象及び進行制御に関して過度の材料除去を無効にするための機械的ストッパを有するコンポーネントキャリア構造を示す。
【0067】
図面内の図は概略図である。異なる図面では、類似又は同一の要素には同じ参照符号が付されている。
【0068】
図面を参照する前に、例示的な実施形態をさらに詳細に説明し、本発明の例示的な実施形態が開発されたことに基づいて、いくつかの基本的な考慮事項を要約する。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本発明の例示的な実施形態によれば、コンポーネントキャリア構造(クーポン、PCB又はそのプリフォーム、パネルなどのような)を処理するための装置及び方法が提供され、コンポーネントキャリア構造の材料は、(具体的には、研削、フライス加工、チッピング、機械加工、切断などによって)除去され得る。材料除去工程の進行を測定し得る。次いで、上記測定の結果に基づいて、材料除去工程の予め定められた目的、目標、又は対象が達成されたかどうか(例えば、コンポーネントキャリア構造の関心のある以前の内部断面平面が露出されており、所望の視野で試験対象(例えば、ドリル孔)を示しているかどうか)を分析し得る。この場合、1つ又は複数の試験対象が所望の方法で見えるようになっている、現在露出されている断面平面の画像が(好ましくは、研磨後に)検出され得、上記1つ又は複数の試験対象は、分析中のコンポーネントキャリア構造の属性又は特性を導出するために決定及び評価され得る。上述の目的がまだ達成されていない場合、コンポーネントキャリアを研削することによる材料除去の工程、研削進行及び/又は結果を測定すること、及び研削目的が達成されたかどうかを評価することは、研削目的が達成されるまで、2回又は複数のさらなる回数、反復して繰り返され得る。したがって、試験対象の露出に関して予め定められた研削成功が達成されるまで研削を継続する調整フィードバックループを実装し得る。そのような自動化された工程は、手動研削のスループットに関する従来の制限を有利に克服すると同時に、自動化された研削工程の限られた精度に関する従来の模倣を克服し得る。
【0070】
本発明の例示的な実施形態によれば、研削及び研磨工程中の正確な位置合わせ及び進行監視を可能にする制御システムが提供される。これにより、試料及び研削/研磨装置の正確な位置合わせが可能になり得る。さらに、これにより、研削及び研磨工程中の進行を監視することが可能になり得る。具体的には、(好ましくは、研削進行のオンライン測定を実施する)閉制御ループは、位置合わせ及び進行制御に関して実施され得る。
【0071】
より具体的には、研削及び研磨工程のためのそのような制御システムは、顕微鏡/カメラの組み合わせを介して、試料及び研削/研磨装置の正確な位置合わせを可能にし得る。さらに、研削及び研磨の1回分の間の進行を監視し得る。より具体的には、試料の位置合わせ、研削/研磨の進行、及び研削/研磨の品質の継続的な監視は、試料に組み込まれ得る光学的、電気的、X線、機械的及び/又は化学的特徴及び方法によって継続的に監視され得る。非常に有利には、閉制御ループ(オンライン測定を含む)が、位置合わせ及び進行(具体的には、センサは、制御システムだけでなく試料にも実装され得る)のために導入され得る。さらに、上記及び/又は他の特徴を実装する完全に自動化された品質試験装置が提供され得る。上述の手段を講じることにより、好ましくは、高い精度及びスループットを有する完全に自動化された対象準備システムを取得することが可能になり得る。
【0072】
したがって、品質試験のためにコンポーネントキャリアを処理するための装置、具体的には、その制御システムの有利な特徴は、以下の1つ又は複数であり得る。
- 例えば、カメラベース及び/又は顕微鏡ベースの制御によってサポートされる、自動化された研削(及び好ましくは研磨)工程が提供される。
- 上述の研削工程には、カメラ制御システムが設けられ得る。
- 自動化された研削(及び好ましくは研磨)工程は、具体的には、コンポーネントキャリア構造上及び/又はコンポーネントキャリア構造内の1つ又は複数の位置合わせマークを使用して、適切に位置合わせされたコンポーネントキャリア構造を使用して実行され得る。
- 研削工程は、研削厚さの監視、又はより一般的には、材料除去の進行の測定を使用して実行され得る。
- 研削進行は、研削の程度を観察することによって測定され得る(説明的に言えば、したがって、研削ガイドが設けられ得る)。
- より具体的には、完全に自動化された研削工程は、上述の研削ガイド又は制御トラックを使用して実行され得る。
- 1つ又は複数のPCBの特徴を分析に使用し、位置合わせの基準として使用することも可能であり得る。
- 具体的には、実際の位置の画像だけが制御の唯一の基礎を形成しないように、フィードバック制御ループが有利に提供され得る。
【0073】
有利には、本発明の例示的な実施形態は、システム全体の個別の制御ステーションを有する制御システムを提供し得る。それぞれの断面画像は、クーポンの位置合わせ、研削進行、断面画像の品質などの目的で使用され得る。任意選択で、洗浄及び/又は研磨の品質も、本発明の例示的な実施形態による装置によって検出され得る。コンポーネントキャリア構造及び装置の間の適切な位置合わせは、(コンポーネントキャリア構造上の位置合わせマーカーを検出し得る)顕微鏡を使用することによって保証され得る。さらに、例示的な実施形態は、(例えば、ベリードビアを特徴付けるために)X線及び/又は電気的測定を実施し得る。
【0074】
したがって、例示的な実施形態は、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造を準備する準備工程を自動化し得る。具体的には、有利な制御ループは、被試験デバイス(Device Under Test:DUT)タイプのコンポーネントキャリア構造を認識し、位置合わせし、準備し、制御し得る。この制御ループは、所望の結果が得られるまで保持され得る。
【0075】
本発明の例示的な実施形態による工程は、以下でさらに詳細に説明される。コンポーネントキャリア構造の試験対象を露出させるための材料除去に関して、コンポーネントキャリア構造は、最初に粗研削工程に受け、続いて微研削工程を受け得る。粗研削(例えば、少なくとも200μm)中は、微研削(例えば、100μm以下)中よりも粒径が大きくなり得る。研削中にかなりの量の材料がコンポーネントキャリア構造から除去されるが、その後の研磨により、顕著な材料除去なしに、小さな粒径(例えば、20μm以下)でも表面を実質的に平坦化し得る。説明的に言えば、研磨は実質的な材料除去なしに表面粗さを低減し得る。例えば、研削は、回転中に研削体を水ですすぐことによって支援される湿式研削工程であり得る。研磨中には、ダイヤモンド粒子などを含むエマルジョンを使用し得る。
【0076】
自動化された装置、特にその材料除去ユニットに対するコンポーネントキャリア構造の位置合わせに関して、ロボット(多軸ロボットなど)又はハンドリングユニットの任意の他の適切なエンティティは、コンポーネントキャリア構造(例えば、クーポン)を把持し得、(例えば、コンポーネントキャリア構造の1つ又は複数の位置合わせ構造を検出した後)コンポーネントキャリア構造を位置合わせし得、コンポーネントキャリア構造に対する空間距離を測定し得、次いで、材料除去ユニットを制御して、材料除去のためにコンポーネントキャリア構造に接近し得る。この目的のために、例えば、材料除去の前に第1の光学測定を行い、材料除去の後に第2の光学測定を行うことが可能である。光学測定の前に、コンポーネントキャリア構造の画像化された表面を洗浄し得る。上記第2の光学測定が、材料除去目的がまだ達成されていないことを示す場合(具体的には、ドリル孔などの試験対象がまだ露出されていないか、又はまだ所望の程度まで露出されていないため)、材料除去の1回又は複数回のさらなる反復が実行され得る。これらの反復は、材料除去目的が達成されるまで、例えば、試験対象の測定されたパラメータ(具体的にはドリル孔の直径)が予め定められた対象値(例えば、ドリル孔の直径50μm)に達するまで繰り返され得る。例えば、それぞれの光学測定は、それぞれの2つの後続の材料の反復の間に実行できる。好ましくは、材料除去工程の進行は、そのそれぞれの反復中及び/又は反復後に測定され得る。例えば、これは、研削中にコンポーネントキャリア構造の導電性構造を電気的測定によって達成でき、材料除去工程中に導電性構造が部分的に(及び、任意選択で最終的には完全に)除去されると、電気検出信号が弱くなり得る(及び、任意選択で最終的に消失し得る)。追加的に又は代替的に、研削デバイスの最終位置(及び、それに応じたコンポーネントキャリア構造の対象構成)が到達した時点で終了させることができるように、研削デバイスの位置の前進を測定することも可能である。また、研削工程を継続的に監視している間にX線分析を行い得る。また、断面平面の平面性も監視し得る。好ましくは、研磨は、前の研削工程の監視が完了したときにのみ開始される。記載された工程は、断面研削又は平面研削のために実行され得る。
【0077】
一実施形態では、コンポーネントキャリア構造の品質を試験する方法は、以下の工程を備え得る。ハンドリングユニット(ロボットなど)が、コンポーネントキャリア構造(クーポンなど)を把持する。コンポーネントキャリア構造が位置合わせされ、位置決めされる。その後、コンポーネントキャリア構造の材料は、1つ又は複数の段階、具体的には、研削段階で除去される。次いで、任意選択で、材料除去によって露出したコンポーネントキャリア構造の表面を洗浄し得る。材料除去工程の進行が予め定められた材料除去目的が達成されたかどうかを評価するために、(例えば、光学的及び/又は電気的)測定を実行し得る。これがまだ当てはまらない場合は、材料除去のシーケンス並びに進行測定及び分析は、材料除去目的が達成されるまで、任意の所望の回数繰り返され得る。次いで、品質試験のために、その所望の構成の試験対象を有する露出面を研磨し得、露出した試験対象に関する後続の欠陥分析の基礎として光学測定を実行し得る。したがって、次いで、上記試験対象の決定及びその特性の評価を実行し得る。次いで、品質試験が完了し得る。例えば、欠陥を評価するために、IPC-6012D(バージョン:2015年9月)の「3.6構造的完全性」の章に記載されている基準の1つ又は複数が考慮され得る。
【0078】
コンポーネントキャリア構造の断面切り出しに影響を与える変数(以下の個別の変数のより詳細な議論を参照)の例は、材料除去のために使用される研削体、位置合わせ(例えば、ハンドリングアームの利用)、研削及び/又は研磨中に加えられる圧力、研削及び/又は研磨中の回転速度、具体的には、コンポーネントキャリア構造からの材料除去の制御(より具体的には、材料除去の進行制御)、キャリーオーバーを回避するための(コンポーネントキャリア構造及び/又は研削体の)洗浄、加熱又は冷却、及び熱的及び機械的負荷である。
【0079】
研削に関して、調整可能なパラメータは、粒径、接触圧力、及び研磨媒体の回転速度である。粒子も、研削盤のために調整することができる。コンポーネントキャリア構造の断面表面の研磨は、ダイヤモンドサスペンションを使用して実行され得る(回転は、同期又は相互回転し得る)。任意選択で、コンポーネントキャリア構造の浸漬及び/又は充填が、銅の孔の汚れを防ぐために可能であり得る。
【0080】
材料除去のために使用される研削体に関しては、コンポーネントキャリア構造の積層を無傷に保つために、材料除去工程が過度の高温を発生させないことが有利であり得る。好ましくは、材料除去工程は、コンポーネントキャリア材料の樹脂材料のガラス転移温度Tgよりかなり低い温度(例えば、摂氏目盛又はケルビン目盛でTgより少なくとも10%低い)で実行され得る。例えば、冷却及び/又は洗浄媒体として水を使用できる。
【0081】
コンポーネントキャリア構造の材料を除去するために、研削が好ましい場合がある。しかし、材料除去は、(例えば、ワイヤ)切断、ワイヤ浸食、プラズマ処理、レーザ処理、サンドブラスト、ウォータジェット、フライス加工、ソーイング、ゲート剪断による処理、イオンビーム処理及び/又はパンチングによっても達成され得る。
【0082】
好ましくは、粒径は(具体的には材料除去の最後に)その後の研磨を補助するのに十分なほど微細であり得る。粒径は、使用する研磨用懸濁液に応じて選択され得る。例えば、3μmの粒子は、ある程度の研削にのみ適用可能であり得る。
【0083】
コンポーネントキャリア構造の研削及び/又は研磨された表面の平面性のばらつきを抑制するために、過度の高温及び低温を回避することが有利であり得る。さらに、熱的及び機械的負荷を低く抑えるべきである。
【0084】
ハンドリングユニットのハンドリングアームを設計する場合、コンポーネントキャリア構造の滑り及び/又は回転をできるだけ低く抑えるべきである。この有利な境界条件は、最大回転速度の選択に影響を及ぼし得る。
【0085】
次に、研削工程の実施形態について説明する。有利には、反復研削制御工程を実行し得る。研削ディスク(又はプレート)は、水平又は垂直に配置し得るか、又は、必要又は所望であれば(研削の実施されるタイプを考慮して)特別な角度で配置し得る。
【0086】
材料除去の進行の制御に関しては、研削進行を監視するためにカメラを使用し得る。例えば、そのようなカメラは、研削体の上及び/又は中に配置され得る。これは、コンポーネントキャリア構造の処理された表面の平面性及び/又は位置合わせを促進し得る。進行制御は、電気測定によって、例えば、電気信号の変化によって検出され得る、特定の材料除去の進行状態で部分的に又は完全に除去される銅構造に接触させることによって、達成することもできる。さらに、あるいは、進行制御は、材料除去工程の予め定められた進行が達成されるときに研削体が当接する、1つ又は複数の機械的停止部(例えば、十分に硬い表面、好ましくはダイヤモンド表面を有する)に基づき得る。研削体に対する抵抗測定も、進行制御に使用され得る。他の実施形態では、漸進的供給が進行制御に関して測定され得る。例えば、貫通孔を参照すると、そのような孔が開いた瞬間に、著しい圧力降下が生じ得る。マイクロビアに到達すると、圧力への影響が逆になり得、すなわち、圧力の増加、又は抵抗の増加が検出され得る。より柔らかい樹脂材料ではなく、金属製のビア材料を研削すると、圧力が高くなり得る。電気信号がマイクロビアで測定され、マイクロビアの導電性材料が除去されると、電気抵抗が増加し得、これも検出可能であり得る。進行制御のさらに別の実施形態では、例えば、目標達成時の水の変色を検出し得る。(例えば、研削中に除去された犠牲構造の)抵抗測定も、進行制御のために使用され得る。進行制御に関するさらに別の実施形態では、音検出、トライボメータベースの検出、研削ディスクを押すピン(任意選択で光バリアと組み合わせる)などを使用できる。ドリル孔の中心が検出されると、研削が停止し得る。
【0087】
好ましくは、進行は、試験対象で、又はその近くで測定できる。さらに、研削工程の進行制御を参照すると、急停止が可能であり得る。しかし、反復研削工程も可能である。
【0088】
一実施形態では、研削体及びコンポーネントキャリア構造の間の接触圧力を測定し得る。例えば、これは、圧力調整器(例えば、力に応じて調整する)によって自動化された方法で達成され得る。材料除去中、圧力は一定のままにし得るか、又は変化させ得る。研削体の数が少ないほど、時間、圧力、回転のバランスが保たれ得る。スループット、品質目標、試料の厚さに応じて、可変圧力を印加することも可能であり得る。最大圧力は、特にドリル孔などの試験対象において、又はその周囲でコンポーネントキャリア構造の損傷が発生しないように調整し得る。具体的には、接触圧力は、コンポーネントキャリアをどのように研削すべきか(例えば、層に沿って研削する、層に対して研削するなど)に応じて選択できる。切断準備は、コンポーネントキャリア構造の品質問題を増大も減少もさせないことに注意すべきである。
【0089】
回転速度及びタイプに関しては、予め定められた最大値を下回る範囲でのみ熱を生成することが有利であり得る。回転方向は、同期し得るか、又は逆であり得る。(クランプデバイス、ハンドリングフィクスチャ、ヘキサポッドなどのような)把持デバイス又はハンドリングデバイスは、急速に振動させられ得る。
【0090】
回転に関して調整できるパラメータは、回転時間、接触圧力、回転のタイプ、コンポーネントキャリア構造の材料、粒子などである。
【0091】
自動化された方法で品質試験を実行するための処理中のコンポーネントキャリア構造の位置合わせ又は方向に関して、カメラはコンポーネントキャリア構造試料が第1の研削の前に正しく位置決めされているかどうかを判定し得る。必要に応じて、コンポーネントキャリア構造の位置は、適切な位置合わせを保証するために補正され得る(例えば、好ましくは銅メッキされていない外部基準孔との比較に基づく;そのような基準孔は、例えば、写真工程で穿孔又はエッチングされ得る)。あるいは、機械的な位置合わせ工程(例えば、位置合わせピンを使用)を実行し得る。
【0092】
位置合わせの目的は、対象平面及び研削媒体が平行に配向されることであり得る。これは、媒体、研削体に相応に影響を与え、関与するコンポーネントの1つ又は、さらにすべてを回転させることなどによって達成され得る。
【0093】
位置合わせをさらに参照すると、カメラ画像は参照点及び表示される対象点を撮像し得る。そのようなデータは、対象平面を(ソフトウェアにサポートされて、機械的に、など)定義し得、対象平面を研削媒体に平行にし得る。位置合わせ制御のさらなる過程では、制限要因は、システム全体の機械的安定性に対応する位置合わせが維持されるように、ヘキサポッド/研削速度/最大力の組み合わせであり得る。
【0094】
ここで、コンポーネントキャリア構造の洗浄を参照すると、一実施形態は、研削中にコンポーネントキャリア構造を洗浄し得る。反復手法では、新しい各研削段階(例えば、粗研削に続く微研削)の前に、洗浄段階があり得る。洗浄により、粒子のキャリーオーバーが発生しないことが保証され得る。例えば、粒子は、洗浄に関して、吹き飛ばされる、吸引される、蒸発させる、燃焼させる、剥ぎ取られる、ブラッシングされる、すすがれる、などであり得る。例えば、研削工程中に連続洗浄を実行し得る。吸引、すすぎ(好ましくは、浴又は流し)、剥ぎ取り、吹き飛ばし、超音波浴(振り落とし)又は他の洗浄ユニットを実施し得る。有利には、非常に小さな傷は洗浄によってすすがれ得る。洗浄後、残りの粒子は、最大でも次の工程で研削に使用される粒径と同じサイズか、それよりも小さいサイズであることが有利であり得る。
【0095】
クーポンデザインに関しては、それは、標準化され得るか、標準からはずれ得る。任意のずれは、ユーザと調整され得る。例えば、クーポンタイプのコンポーネントキャリア構造には、1つ又は複数の位置合わせ孔、摩耗センサなどが設けられ得る。
【0096】
コンポーネントキャリア構造の品質評価に関する品質基準又は特性の例は、鋭いエッジ(好ましくは90°)、ゼロに近い半径、平面性、予め定められた閾値を下回る許容誤差である(例えば、10%又は好ましくは10%未満、7%以下の許容誤差を有する)。
コンポーネントキャリア構造のさらなる品質特徴は、100倍の倍率で画像に傷がないことが望ましいことである。さらに、コンポーネントキャリア構造は、間隙(具体的には、試料及び包埋剤の間、より具体的には、導電層及び包埋剤の間、特に、銅及び包埋剤の間)があってはならない。樹脂は包埋時に収縮し得る(速硬化性包埋剤は体積損失が大きく、遅硬化性包埋剤は体積損失がほとんどない)が、収縮が過度であってはならない。
【0097】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行する方法のフローチャート170を示す。図1の説明に使用される参照符号は、図2又は図3の実施形態を指す。好ましくは、上述のコンポーネントキャリア構造102は、パネルの一部を形成するクーポンであり、コンポーネントキャリア(プリント回路基板(PCB)又は集積回路(IC)基板など)を試験するために使用され得る。しかし、コンポーネントキャリア構造102は、代替的に、コンポーネントキャリアの複数の接続されたプリフォームを有するパネル又はアレイ(1/4パネルなど)、又はコンポーネントキャリアのプリフォーム又は容易に製造されるコンポーネントキャリアであり得る。
【0098】
有利には、フローチャート170の方法は、自動化された装置100によるコンポーネントキャリア構造102の品質試験の実行に対応し得る。好ましくは、方法は、上記装置100の入口106(入力172に論理的に対応)及び出口108(出力190に論理的に対応)の間で人間の介入なしに品質試験を実行することを備え得る。換言すれば、装置100の入口106は方法の入力172に対応し、一方、装置100の出口108は方法の出力190に対応する。より具体的には、断面の準備及び目視検査並びにコンポーネントキャリア構造102の測定のための自動化された工程が提供される。好ましくは、手作業が発生せず、工程全体が自動化され得る。この目的のために、試験クーポンタイプのコンポーネントキャリア構造102は、自動化された取り扱い及び機械可読シリアル化のために構成され得る。
【0099】
参照符号172で示すように、コンポーネントキャリア構造102は、装置100に入れられ得る。
【0100】
ブロック174を参照すると、クーポンをコンポーネントキャリア構造102として装置100に挿入され得、これにより、ロボット120によって完全に自動的に取り扱われ得る。より具体的には、クーポンは、例えば、IPC-2221に従って構築又は設計され得るコンポーネントキャリア構造102であり得る。コンポーネントキャリア構造102は、トレーサビリティ情報を装置100に提供し得る。この目的のために、装置100を使用して実行し得る方法は、品質試験を受けるべきコンポーネントキャリア構造102を自動的に識別する段階を備え得る。例えば、クーポンタイプのコンポーネントキャリア構造102をリストに登録することが可能であり得る。複数のクーポンは並び替えられ得る。トレーサビリティの目的のために、ロット番号、パネル番号、アレイ番号、x/y情報、断面番号、レポート番号、要求識別子などのような情報を、それぞれのコンポーネントキャリア構造102に割り当てられたデータセットに割り当てることが可能であり得る。例えば、そのようなデータセットは、データベース128に記憶され得る。
【0101】
ブロック176を参照すると、パネルなどの残りの部分と依然として一体的に接続され得るコンポーネントキャリア構造102は、例えば、パネルなどのより大きな本体160からコンポーネントキャリア構造102をフライス加工又は切断することによって、単一化又は分離され得る。この目的のために、より大きな本体160内のコンポーネントキャリア構造102の定義された位置を探索し、それを切り出すことが可能であり得る。結果として、分離されたコンポーネントキャリア構造102の形態の試験試料が取得され得る。例えば、コンポーネントキャリア構造102の切り出しは、最小のメッキ貫通孔に従って、又はユーザ定義に対応して達成され得る。
【0102】
ブロック178を参照すると、次いで、コンポーネントキャリア構造102は、例えば、はんだフロート試験を実行することによって、熱応力を受け得る。例えば、コンポーネントキャリア構造102は、コンポーネントキャリア構造102に熱応力を受けさせるために溶融はんだに浸漬され得る。はんだフロート試験の代替として、代替の熱応力法、例えば、リフローシミュレーションを実行することも可能であり得る。
【0103】
ブロック180を参照すると、コンポーネントキャリア構造102は、取り扱いを簡素化するため、及び/又は後続の品質試験中の応力を緩衝するために、カプセル化工程を受けてもよいし、受けなくてもよい。コンポーネントキャリア構造の従来の手動品質試験では、品質を評価する前にカプセル化が必要になり得るが、そのような埋め込みは、コンポーネントキャリア構造102の完全自動品質試験を含む本発明の例示的な実施形態に従って省略され得る。任意選択で実行される場合、カプセル化工程は、さらなる準備のために、コンポーネントキャリア構造102を、樹脂などの埋め込み材料に入れ得る。しかし、本発明の例示的な実施形態による自動化された取り扱いは、そのようなカプセル化なしでも達成され得るので、他の実施形態では、そのような埋め込みを有利にスキップし得る(参照符号192で示すように)。
【0104】
ブロック182を参照すると、次いで、品質試験を受けさせるコンポーネントキャリア構造102の内部を露出させるために、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去することが可能であり得る。より具体的には、コンポーネントキャリア構造102の検鏡試片(具体的には断面)を作成し得る。この目的のために、コンポーネントキャリア構造102を研削し、続いて定義された位置まで(好ましくはビア又はドリル孔又はパターンの中心まで)研磨し得る。例えば、研磨紙処理及び研磨の異なる段階を実行し得る。研削には、例えば、異なる粒子(例えば、次の粒子の1つ又は複数を使用する:60、180、1200、2000)を有する研磨紙を使用することが可能であり得る。
【0105】
ブロック184を参照すると、次いで、方法は、上記材料除去後にコンポーネントキャリア構造102の1つ又は複数の予め定められた試験対象116(メッキされたビア及びそれらの特性など)を決定する段階を備え得る。さらに、方法は、コンポーネントキャリア構造102の品質を評価するために、コンポーネントキャリア構造102の1つ又は複数の試験対象116の特性又は属性を評価する段階を備え得る。ブロック180をスキップするとき、方法は、カプセル化されていないコンポーネントキャリア構造102に基づいて、そうでなければ、カプセル化されたコンポーネントキャリア構造102に基づいて、少なくとも1つの予め定められた試験対象116を決定する段階を備え得る。具体的には、コンポーネントキャリア構造102の断面の視覚的分析は、好ましくは自動化された方法で実行し得る。例えば、x/y寸法測定を実行し得る(例えば、ビルドアップ、銅の厚さなどを検査する)。特に、目視検査は、特定の欠陥の分析を含み得る。上記検査中に、以下の試験対象116及び割り当てられた特性のうちの1つ又は複数を考慮し得る。多層ビルドアップ;メッキ貫通孔特性(壁の特性、ランドの特性のような);表面粗さ(例えば、表面粗さは、Ra目盛に対応して、及び/又はRz目盛に対応して決定され得る)の品質。粗さに関して、粗さ値Rzは、コンポーネントキャリア構造102の露出面(具体的には断面)における擦り傷の存在に対する基準として使用され得、一方、粗さ値Raは、材料除去工程(具体的には研削工程)の品質の基準として使用され得る。例えば、品質基準は、研削及び/又は研磨によって露出されたコンポーネントキャリア構造102の表面の粗さが、前の材料除去段階で使用された研削ディスク及び/又は研磨ペーストの粗さよりも大きくてはならないことであり得る。この基準が満たされない場合、初期の材料除去段階でアーティファクトが導入されたと結論付け得る。例えば、少なくとも1μmの測定分解能を取得し得る。例えば、IPC-6012、IPC-A-600などに準拠した品質試験を実行し得る。
【0106】
ブロック186を参照すると、方法は、予め定められた特性を有するレポートを作成及び記憶する段階を備え得る。レポートは、品質試験及びその結論を要約し得る。これにより、品質試験の適切な文書化が保証され得る。
【0107】
ブロック188を参照すると、方法は、次いで、分析されたコンポーネントキャリア構造102及び品質試験をアーカイブする段階を備え得る。具体的には、これには、試料の保管、電子文書の保管などが含まれ得る。
【0108】
参照符号190で示すように、コンポーネントキャリア構造102は、次いで、装置100から出力され得る。
【0109】
図2は、本発明の例示的な実施形態による、ここではクーポンとして具現化されたコンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行するための装置100を概略的に示す。装置100の周囲ケーシング131によって示すように、全品質試験はクローズドセル内で自動化された方法で実行され得る。
【0110】
図2の左上側には、バッチ手順で複数のコンポーネントキャリア(プリント回路基板など)を製造するためのパネルであり得る、平面シート状本体160の平面図が示されている。図示のパネルは、例えば、18×24平方インチ(45.72×60.96平方センチメートル)以上の寸法を有し得る。パネルの中央の主要領域は、それぞれが複数のPCBを含む複数のアレイ161(図示の実施形態では4つの1/4パネル)に細分され得る。コンポーネントキャリアを取り囲むフレーム163において、1つ又は複数の帯状の試験クーポンが、コンポーネントキャリア構造102として形成され得る。有利には、少なくとも1つの水平に延びるコンポーネントキャリア構造102及び少なくとも1つの垂直に延びるコンポーネントキャリア構造102は、2つの直角に交わる方向における潜在的な構造的欠陥を識別する品質試験を実行することを可能にするために予見され得る。
【0111】
ここで装置100をさらに詳細に参照すると、入口収容ユニット136が上記装置100の入口106に配置され、試験前に複数のコンポーネントキャリア構造102を積み重ねて収容するように構成されている。したがって、クーポンタイプのコンポーネントキャリア構造102は、パネルタイプの本体160から分離された後、入口収容ユニット136に挿入され得る。あるいは、マガジンタイプの入口収容ユニット136内に、それぞれが少なくとも1つのコンポーネントキャリア構造体102を含む、より大きな本体160を積み重ねることが可能である。
【0112】
ロボットハンドリングユニット104は、装置100の入口106及び出口108の間の様々な部分に沿って、コンポーネントキャリア構造102(任意選択で、依然として本体160内に接続される)を取り扱うように構成されている。具体的には、ハンドリングユニット104は、試験されるコンポーネントキャリア構造102(又は本体160全体)を把持し、入口収容ユニット136から入口106を通して、以下に説明する識別ユニット110に移送するように構成されている。より具体的には、ハンドリングユニット104は、入口106及び以下に説明する材料除去ユニット112の間でコンポーネントキャリア構造102を取り扱うように構成された入口ハンドリングサブユニット122を有する。有利には、ハンドリングユニット104は、1つ又は複数のヘキサポッド、1つ又は複数の線形ロボット、1つ又は複数の多関節アームロボットなどを含み得る1つ又は複数のロボット120を有する。6軸ロボット又はヘキサポッド(図2に参照符号120で概略的に示す)は、センサを装備し、完全に自動化された装置100内でコンポーネントキャリア構造102を取り扱うのに適した軸を有し得る。有利には、ヘキサポッドは、材料除去ユニット112によって実行される材料除去工程(特に研削工程)のために使用され得、したがって、ヘキサポッドは、機械的に安定であり得、同時に6軸で非常に正確に適合され得る。図3を参照すると、6軸ロボット又はヘキサポッドは、材料除去ユニット112を操作するため、及び/又は位置合わせユニット154を操作するために、断面ステーション127で使用され得る。その結果、材料除去によるコンポーネントキャリア構造102の準備は、起こり得る位置ずれに対して非常に正確かつ堅牢になり得る。さらに、入口ハンドリングサブユニット122及び/又はハンドリングユニット104の出口ハンドリングサブユニット124の線形ロボット及び/又は多関節アームロボット(図示せず)は、自動化された装置100の個別のワークステーション間でコンポーネントキャリア構造102を取り扱うために使用され得る。
【0113】
既に述べたように、ハンドリングユニット104の入口ハンドリングサブユニット122は、コンポーネントキャリア構造102を識別ユニット110に送る。後者は、品質試験を実行すべきコンポーネントキャリア構造102を識別するように構成されている。これにより、トレーサビリティが保証され得る。より具体的には、識別ユニット110は、コンポーネントキャリア構造102に物理的に接続され得るか、又はコンポーネントキャリア構造102の一体部分を形成し得る識別子126の検出に基づいて、コンポーネントキャリア構造102を識別するように構成されている。例えば、そのような識別子126は、識別ユニット110の光学リーダによって読み取ることができるQRコード(登録商標)、バーコード、又は英数字コードであり得る。識別子126は、RFID(無線周波数識別)タグ又はNFC(近距離通信)タグなどのトランスポンダであることも可能である。そのような実施形態では、識別ユニット110は、識別情報を検索するためにトランスポンダタイプの識別子126を無線で読み出すように構成される無線リーダを備え得る。その識別子126に基づいてコンポーネントキャリア構造102を識別するために、及び/又は識別されたコンポーネントキャリア構造102に割り当てられた追加データ(例えば、特定の品質試験指示)を取得するために、識別ユニット110は、対応するデータベース128にアクセスし得る。具体的には、識別ユニット110は、検出された識別子126を、上記データベース128内の割り当てられたデータセットに記憶された相関識別情報と照合することによって、コンポーネントキャリア構造102を識別するように構成され得る。例えば、そのようなデータセットは、識別子126から読み取り可能な識別コードを、コンポーネントキャリア構造102に関するさらなる情報、例えば、その製造履歴に関する情報(ロット番号、製造日、製造時間などのような)と相関させ得る。識別ユニット110はまた、識別されたコンポーネントキャリア構造102に対して実行される品質試験を示す品質試験関連情報を、データベース128から取得するように構成され得る。そのような品質試験関連情報は、識別されたコンポーネントキャリア構造102に対して実行されるべき品質試験を定義し得る。異なるタイプのコンポーネントキャリア構造102に対して、異なる品質試験を実行し得る。
【0114】
コンポーネントキャリア構造102が入口106を通して装置100に導入される前に、コンポーネントキャリア構造102がより大きな本体160からまだ分離されていない実施形態では、単一化ユニット148(フライス盤又はレーザカッターなど)が提供され得、パネルタイプの本体160からコンポーネントキャリア構造102を単一化するように構成され得る。例えば、単一化は、フライス加工又はレーザ切断によって達成され得る。
【0115】
その後、処理されたコンポーネントキャリア構造102は、ハンドリングユニット104によって、コンポーネントキャリア構造102を熱応力に露出させるように構成された熱応力露出ユニット150に運ばれ得る。好ましくは、熱応力露出ユニット150は、溶融はんだを含み得る、熱応力浴上にコンポーネントキャリア構造102を浮かべるように構成されている。それにより、コンポーネントキャリア構造100は熱応力を受け得る。
【0116】
次いで、コンポーネントキャリア構造102は、上述のロボットによって、又はハンドリングユニット104の別のロボット120によって、材料除去ユニット112に送られ得る。後者は、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去して、品質試験を受けている、又は受けるコンポーネントキャリア構造102の内部を露出させるように構成されている。具体的には、材料除去ユニット112は、コンポーネントキャリア構造102の材料を研削、好ましくは、断面研削(又は代替的に平面研削)によって除去するように構成され得る。
【0117】
材料除去の精度を向上させるために、コンポーネントキャリア構造102は、例えば、その撮像された画像に基づいて、コンポーネントキャリア構造102の位置合わせマーカー(例えば、ドリル孔)を決定するように構成され得る位置合わせユニット154によって位置合わせされ得る。上記位置合わせは、材料除去ユニット112による研削の前に実行され得る。位置合わせユニット154は、材料除去ユニット112に割り当てられ、材料除去工程の前にコンポーネントキャリア構造102を位置合わせするように構成され得る。したがって、位置合わせユニット154によって実行される位置合わせは、好ましくは、材料除去ユニット112によって実行される材料除去工程の前に実行される。したがって、そのような位置合わせは、材料除去工程、具体的には、研削工程の一部を形成し得る。
【0118】
任意選択で、除去材料定量化ユニット142が提供され、研削中にコンポーネントキャリア構造102から除去された材料の量を定量化するように構成され得る。研削された材料の量を決定することによって、研削進行、したがって、研削工程の正確な制御が可能になり得る。
【0119】
研削後、コンポーネントキャリア構造102は、材料を除去した後にコンポーネントキャリア構造102の露出面を研磨するように構成された研磨ユニット140に供給され得る。コンポーネントキャリア構造102から(研削中に発生する)追加のかなりの量の材料を除去するのではなく、研磨は表面粗さを低減し得、過度の材料除去なしに表面品質を改善し得る。研磨された表面は、以下で分析される対象特徴として使用される1つ又は複数の試験対象116に関するより正確な情報を提供し得る。
【0120】
任意選択でのみ、コンポーネントキャリア構造100は、次いで(又は、あるいは、材料除去ユニット112による材料除去の前に既に)コンポーネントキャリア構造102が引き続きカプセル材146内で検出されるように、コンポーネントキャリア構造102をカプセル材146内にカプセル化するように構成されたカプセル化ユニット144に供給され得る。そのようなカプセル材146は、応力緩衝材として機能し、その後の(及び/又は前の)分析中のコンポーネントキャリア構造102の取り扱いを簡素化する樹脂であり得る。
【0121】
しかし、代わりに、完全に自動化された品質試験装置100は、カプセル化なしでコンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行することも可能であり得るため、そのようなカプセル化を省略することも可能であり、好ましくさえあり得る。したがって、カプセル化されていないコンポーネントキャリア構造102であっても、その後の工程を受けられ得る。
【0122】
その後、(カプセル化された又はカプセル化されていない)コンポーネントキャリア構造102は、例えば、ハンドリングユニット104のさらなるロボット120によって、コンポーネントキャリア構造102を洗浄するように構成された洗浄ユニット152に送られ得る。例えば、コンポーネントキャリア構造102は、超音波浴ですすがれ得る。
【0123】
さらなる位置合わせユニット154は、コンポーネントキャリア構造102上の試験対象116を検出及び決定する前に、コンポーネントキャリア構造102を位置合わせするように構成され得る。この目的のために、コンポーネントキャリア構造102の1つ又は複数の位置合わせ特徴(例えば、角に配置された貫通孔など)を検出し、コンポーネントキャリア構造102を空間的に位置合わせするために使用され得る。
【0124】
次いで、位置合わせされたコンポーネントキャリア構造102は画像化され得る。この目的のために、検出ユニット162が提供され、コンポーネントキャリア構造102の内部(上記材料除去によって露出される間)の画像データを検出するように構成され得る。
【0125】
そのような画像データは、決定ユニット114に送信され得る。後者は、コンポーネントキャリア構造102の1つ又は複数の予め定められた試験対象116を決定するために構成され得る。試験対象116は、コンポーネントキャリア構造102の画像化された断面で可視の予め定められた特徴であり得、品質評価に関して特に有意義な特徴に関連し得る。コンポーネントキャリア構造102の試験対象116の適切な特性又は属性は、ドリル孔158(具体的には、メッキされた銅で充填され得るレーザドリル孔又は機械的に穿孔された孔)の直径D、そのような隣接するドリル孔158間の距離L、導電層構造130(パターン化された銅層など)及び/又は電気絶縁層構造132(プリプレグのシートなど)の厚さd、そのような層構造130及び/又は132の平面性、及びそのような層構造130及び/又は132の層間剥離の程度(参照符号133を参照)であり得る。上述の試験対象116は、図2で、それぞれ上面図165及び側面図167で示される。しかし、別の試験対象116(例えば、平面研削のシナリオにおける)は、銅線又は複数の銅線及びその間の空間であり得る。
【0126】
有利には、決定ユニット114は、予め定められた試験対象116を決定又は認識するために画像データを処理するように構成されている。より具体的には、決定ユニット114は、コンポーネントキャリア構造102の検出された第1の画像に基づいて、大まかな方法で予め定められた試験対象116を最初に決定するように構成され得る。さらに、決定ユニット114は、次に、第1の画像を検出した後、及び、コンポーネントキャリア構造102の表面をエッチングした後に検出されたコンポーネントキャリア構造102の検出された第2の画像に基づいて、洗練された方法で予め定められた試験対象116を決定するように構成され得る。代替実施形態では、決定ユニット114のワンショット操作も可能であり得、決定ユニット114は、単一の画像に基づいて試験対象116を決定する。決定のための基礎として、決定ユニット114はまた、例えば、決定のために考慮される試験対象116へのアクセス権を得るために、データベース128へのアクセス権を有し得る。
【0127】
非常に有利には、フィードバックループ169によって示すように、決定ユニット114は、材料除去(任意選択で研磨及び/又は洗浄及び/又はエッチングを含む)、画像検出、及び画像分析を有するシーケンスを反復して繰り返すことによって、予め定められた試験対象116を決定するように構成され得る。そのような反復手法(十分な精度が達成されたときに終了できる)によって、品質試験の信頼性が大幅に向上し得る。
【0128】
図2にさらに示すように、コンポーネントキャリア構造102の品質を評価するために、コンポーネントキャリア構造102の決定された試験対象116を評価するように構成された評価ユニット118が提供される。評価ユニット118は、決定された試験対象116の特性に基づいて、コンポーネントキャリア構造102の品質を評価するように有利に構成され得る。より具体的には、評価ユニット118は、コンポーネントキャリア構造102を複数の品質クラスのうちの1つに分類することによって品質を評価するように構成され得る。「合格」(コンポーネントキャリア構造102及び/又はより大きな本体160が品質試験に合格したことを示す)、「不合格」(コンポーネントキャリア構造102及び/又はより大きな本体160が品質試験に合格していないことを示す)、及び「さらなる分析が必要」(評価ユニット118はまだ品質について有意義な方法で決定する位置ではないため、コンポーネントキャリア構造102及び/又はより大きな本体160が追加の品質分析を必要とすることを示す)からなるクラス群の1つのクラスに、それぞれのコンポーネントキャリア構造102(及び/又は割り当てられたより大きな本体160)を自動的に分類することが非常に適切であり得る。後者の場合、人間による分析のためにコンポーネントキャリア構造102を人間のオペレータに運ぶことも可能であり得る。説明された通信及びユーザへの影響は、制御ユニット又はプロセッサ156と通信可能に結合される入力/出力ユニット135によって、ユーザ及び装置100の間で交換され得る。
【0129】
具体的には、評価ユニット118は、各試験対象116を個別に、又は好ましくはコンポーネントキャリア構造102の各試験対象116の各属性又は特性を個別に複数の品質クラスのうちの1つ、具体的には、「合格」、「不合格」、及び「さらなる分析が必要」からなるクラスの群の1つのクラスに分類することによって品質を評価するように構成され得る。重要でないパラメータの僅かなずれのみが、コンポーネントキャリア構造102を「合格」として分類することを依然として可能にし得る。欠陥は、特定の欠陥のタイプに基づいて、及び/又は特定の欠陥の強度に基づいて、致命的又は非致命的として分類され得る。そのような品質試験は、品質及び性能に関する、詳細な決定を可能にするために個別に判定され得る、複数の基準を有し得る。
【0130】
その評価タスクをサポートするために、評価ユニット118は、例えば、ニューラルネットワークを利用して、人工知能を使用して評価を実行するように構成された人工知能モジュール134を有し得る。人工知能モジュール134をトレーニングするためのトレーニングデータなども、データベース128に記憶され得る。
【0131】
コンポーネントキャリア構造102の露出面をエッチングする任意選択のエッチング工程によって、粒界及びメッキラインなどのコンポーネントキャリア構造102の分析された露出面上の追加の特徴が見えるようになり得る。これにより、評価ユニット118による試験対象116の特性の評価がさらに正確になり得る。
【0132】
上記評価の後、分析されたコンポーネントキャリア構造102は、装置100の外へ輸送され得る。この目的のために、ハンドリングユニット104には、例えば、材料除去ユニット112及び出口108の間に、少なくとも1つの追加のロボット120によってコンポーネントキャリア構造102を取り扱うように構成された出口ハンドリングサブユニット124が設けられる。図示のように、装置100は、出口108に配置され、試験後に複数のコンポーネントキャリア構造102を積み重ねて収容するように構成された出口収容ユニット138(例えばマガジンタイプでもある)を有する。ハンドリングユニット104は、試験されたコンポーネントキャリア構造102を出口108を通して出口収容ユニット138に移送するように構成され得る。これは、例えば、さらなるロボット120によって達成され得る。
【0133】
参照符号156で示すように、装置100は、コンポーネントキャリア構造102の品質試験中に装置100及びその上記のコンポーネントの動作を制御するための制御ユニットと見なされ得る、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサの一部を備え得る。
【0134】
非常に有利には、装置100は、入口106及び出口108の間で人間の介入なしに品質試験を実行するように構成され得る。任意選択でのみ、ユーザアクセスは入力/出力ユニット135を介して可能であり得る。装置100の自動化された特徴は、品質試験を加速し得、品質試験に関して必要とされる人的資源を削減しながら、品質試験をより正確にし得る。さらに、スループットを向上させ得る。
【0135】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、コンポーネントキャリア構造102の品質試験を実行するための装置100の詳細を示す。図3は、図2の装置100の要素を示す特定の実施形態を示す。
【0136】
入力セクション125は、入口106及び材料除去の間の装置100の一部に関連する。断面切り出しステーション127は、コンポーネントキャリア構造102の断面が、研削及びその後の研磨によって完全に自動化された方法で作成される、装置100のその後の部分に対応する。出力セクション129は、断面切り出しステーション127及び出口108の間の装置100の一部に関連する。
【0137】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造102を処理するための装置100を示す。より具体的には、図4は、そのような装置100の一部のみを示し、図2の装置のさらなる要素も図4に示す要素と組み合わせ得る。図4は、予め定められた材料除去目的に従って1つ又は複数の試験対象116を露出するためのコンポーネントキャリア構造102からの材料除去に関する工程に焦点を当てている。
【0138】
コンポーネントキャリア構造(例えば、クーポンとして具現化される図2の参照符号102で示すものなど)が入口(図2の参照符号106を参照)を介して装置100に挿入されると、コンポーネントキャリア構造102は、(例えば、図2を参照して説明したように前処理された後)材料除去前にコンポーネントキャリア構造102を位置合わせするように構成された位置合わせユニット154(図4に示す)に送られ得る。この目的のために、コンポーネントキャリア構造102には、コンポーネントキャリア構造102の角の貫通孔などの位置合わせ構造が設けられ得る(図5の参照符号216を参照)。
【0139】
位置合わせ前、位置合わせ中及び/又は位置合わせ後、初期測定ユニット258を使用して、コンポーネントキャリア構造102を最初に、すなわち、材料を除去する前に測定し得る。初期測定ユニット258は、例えば、コンポーネントキャリア構造102の画像を撮像するカメラであり得る。コンポーネントキャリア構造102の位置、方向、及び/又は構造アーティファクトなどの情報は、初期測定ユニット258によって識別され得る。初期測定ユニット258によって撮像されたそのようなデータに従って、その後の材料除去工程が調整され得、及び/又はコンポーネントキャリア構造102の位置及び/又は方向が補正され得る。
【0140】
その後、コンポーネントキャリア構造102は、材料除去ユニット112に進む。後者は、品質試験を受けるコンポーネントキャリア構造102の内部の1つ又は複数の試験対象116を露出させるために、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去するように構成され得る。例えば、材料除去ユニット112は、研削により、好ましくは、断面研削により、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去する。有利には、材料除去ユニット112は、より大きな粒径を使用する粗研削段階、それに続くより小さな粒径を使用する微研削段階によってコンポーネントキャリア構造102の材料を除去するように構成され得る。これにより、敏感なコンポーネントキャリア構造102を円滑に取り扱うことが可能になり得、材料除去中の処理によってコンポーネントキャリア構造102に品質問題が発生するのを防止し得る。
【0141】
同様に図4に示すように、進行測定ユニット250が装置100に設けられ得、好ましくは、材料の除去中(及び/又は後)に、コンポーネントキャリア構造102の材料の除去の進行を測定するように構成され得る。以下、図5、及び図7図10を参照して、進行測定ユニット250の様々な実施形態について説明する。参照符号251によって概略的に示すように、進行測定ユニット250は、コンポーネントキャリア構造102の画像を撮像するためのカメラを使用する光学的進行測定253;試験対象116又は犠牲構造224に対して電気測定を実行するための電気的進行測定255;除去材料定量化ユニット142;材料除去ユニット112の空間進行257の測定;材料除去ユニット112での接触圧力の検出259;及び材料除去ユニット112での回転速度の検出261の要素のうちの1つ、2つ以上の任意の所望の組み合わせ、又はすべてを有し得る。前述の参照符号は、図5、及び図7図10に関連している。
【0142】
進行測定ユニット250によって材料除去工程の進行を測定した後、装置100の分析ユニット252は、測定された進行が予め定められた材料除去目的の要件を満たしているかどうかを分析する。例えば、試験対象116の中心225が、材料除去によって露出されたコンポーネントキャリア構造102の断面平面で可視であるかどうかを分析し得る。
【0143】
制御ユニット254(図2に示すプロセッサ156に統合されてもよい)は、分析の結果に基づいてさらなる工程を制御するために提供される。材料除去目的がまだ達成されていない場合、制御ユニット254は、予め定められた材料除去目的が達成されるまで、材料除去ユニット112によって材料を除去し、進行測定ユニット250によってその進行を測定し、測定された進行が上述の要件を満たしているかどうかを(分析ユニット252によって)分析するというシーケンスが、1回又は複数回繰り返されるように、コンポーネントキャリア102の取り扱いを制御する。この文脈において、制御ユニット254は、調整ループ263に沿ってコンポーネントキャリア構造102を取り扱うことによってシーケンスを反復して繰り返すためにコンポーネントキャリア構造102を動作させ得る。
【0144】
予め定められた材料除去目的が達成されると、コンポーネントキャリア構造102は、材料を除去した後にコンポーネントキャリア構造102の露出面を研磨するための研磨ユニット140に送られる。研磨によって、コンポーネントキャリア構造102の表面(材料除去によって露出した)を平坦化し得、その粗さを低減し得る。これにより、1つ又は複数の試験対象116の属性が断面の撮像された画像上でより見えるようになるため、品質試験の精度が向上し得る。
【0145】
検出ユニット162によって、コンポーネントキャリア構造102の今や露出され、研磨され、及び好ましくは洗浄された表面の画像を検出した後、対応する画像データは、上記画像上でコンポーネントキャリア構造102の少なくとも1つの試験対象116を決定するように構成された決定ユニット114に供給され得る。次いで、評価ユニット118は、コンポーネントキャリア構造102の品質を評価するために、コンポーネントキャリア構造102の決定された少なくとも1つの試験対象116の特性又は属性を評価し得る。
【0146】
有利には、記載された装置100は、人間の介入なしに品質試験を実行するように構成されている。結果として、高精度な品質試験を高スループットで行い得る。
【0147】
図5は、コンポーネントキャリア構造102の一例として、本発明の例示的な実施形態による、材料除去工程の進行制御に使用される犠牲構造224を有するクーポン200を示す。
【0148】
クーポン200は、ハンドリングユニット104によるクーポン200のロボットハンドリングのためのハンドリング領域208を有するPCBタイプのベースプレート202を有する。QRコードなどの識別子126により、クーポン200の識別が可能になる。複数の試験対象116は、ここでは銅が充填されたドリル孔として具現化されており、ハンドリング領域208から離れて位置決めされた試験領域212内に配置されている。図5によれば、クーポン200のベースプレート202には、装置100に挿入されたときにクーポン200の適切な方向を保証する機械コードとして機械コード化機能230が設けられている。図示の実施形態では、機械コード化機能230は、(これとは別に)実質的に長方形のベースプレート202の傾斜したエッジとして具現化される。
【0149】
さらに、図5のクーポン200は、ここでは位置合わせ貫通孔として具現化される複数の位置合わせ構造216を有する。上記位置合わせ構造216は、ベースプレート202の角領域/角に配置される。銅を含まない位置合わせ構造216は、ベースプレート202全体を貫通して延びる基準貫通孔として実現され、装置100の光学カメラによる位置合わせを可能にする。そのような位置合わせは、材料除去中及び/又は研磨中及び/又は画像検出中に有利であり得る。
【0150】
さらに、図5のクーポン200は、例えば、ベースプレート202内の金属インサートとして具現化され得る導電性犠牲構造224を有する。犠牲構造224は、クーポン200を研削中の研削工具などの材料除去ユニット112の進行制御のために使用され得る。この目的のために、装置100の電極(図示せず)は、図5の右側からの材料除去中に導電性犠牲構造224に接続され得る。最初に、電極は導電性犠牲構造224で電気信号を測定できる。材料除去中に犠牲構造224が除去されると、電気信号は変化し、犠牲構造224が完全に除去されると最終的に消失する。この事象は、材料除去により、試験対象116を構成する金属充填貫通孔の中心225が露出したシナリオに対応する。したがって、試験対象116の断面図に関する所望の対象位置(予め定められた材料除去目的に対応する)に到達したため、犠牲構造224で検出された電気信号の損失は、材料除去ユニット112をオフに切り替えるためのトリガとして使用され得る。したがって、犠牲構造224は、試験対象116を露出させるためにクーポン200の材料を除去中に意図的に除去され得る。その結果、犠牲構造224は、試験孔220の中心225に到達したときにクーポン200の材料を除去する際に完全に除去されるように配置されているため、犠牲構造224は、試験対象116の対象露出までの材料除去の進行を検出するために使用できる。あるいは、材料除去中に犠牲構造224の残りの抵抗を測定することを、進行制御の基礎として使用してもよい。
【0151】
一実施形態では、犠牲構造224は、工程制御に必要な異なる部分を示すように構造化される。例えば、第1の研削材料を使用できる第1の部分(例えば、90%)を定義し得、第2の研削材料(第1の材料よりも細かい材料であり得る)が使用される第2の部分(例えば、7.5%)を定義し得、第3の材料を残りの部分の微研削又は研磨に使用できる第3の部分(例えば、最後の2.5%)を定義し得る。
【0152】
図6は、本発明の例示的な実施形態による、品質試験のためにコンポーネントキャリア構造102を処理する方法のブロック図を示す。
【0153】
この方法はブロック265で開始され得る。次いで、ブロック267において、コンポーネントキャリア構造102に関する対象位置測定を実行し得る。次いで、対象位置に到達したかどうかが評価される(ブロック269を参照)。そうでない場合(ブロック271を参照)、試料の位置合わせがブロック273で実行され、その後、対象準備工程275が続く。次いで、工程はブロック267に継続され得る。そうである場合(ブロック277を参照)、コンポーネントキャリア構造102は研磨される、ブロック279を参照。次いで、表面品質が許容できるかどうかが評価される(ブロック281を参照)。そうでない場合(ブロック283を参照)、研磨が繰り返される。そうである場合(ブロック285を参照)、工程はブロック287で終了する。
【0154】
図7は、本発明の例示的な実施形態による、材料除去工程の前に試験対象116を有し、材料除去工程を調整するために最初及び/又は継続的に監視されるコンポーネントキャリア構造102を示す。
【0155】
図示のコンポーネントキャリア構造102は、例えば、試験対象116として銅メッキされたドリル孔を有するプリント回路基板(PCB)であり得る。上記試験対象116は、その中心225が直線227に沿って配置され、図7の紙面内に延びている。図示のように、コンポーネントキャリア構造102は、研削による材料除去工程を受ける傾斜した前縁229を有する。
【0156】
コンポーネントキャリア構造102から材料を除去する前に、初期測定ユニット258を使用してコンポーネントキャリア構造102を測定し得る。図示の実施形態では、初期測定ユニット258は光学カメラとして具現化される。図7に示すコンポーネントキャリア構造102の画像を撮像するとき、初期測定ユニット258は、コンポーネントキャリア構造102の傾斜した前縁229を識別できる。次いで、材料除去ユニット112によって実行される材料除去工程は、初期測定ユニット258の測定結果を考慮して、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去するために調整され得る。図示の例では、材料除去工程は、処理されたコンポーネントキャリア構造110の前縁229が研削後に水平に延びるように実行され得る。
【0157】
さらに、図7は、ここではX線カメラとして具現化された監視ユニット260を示す。図示のX線カメラは、コンポーネントキャリア構造102から材料を除去する前、除去中、及び/又は除去後に、コンポーネントキャリア構造102を1回、定期的に、又はさらに継続的に監視するように構成されている。具体的には、監視ユニット260は、コンポーネントキャリア構造102の樹脂マトリックスの内部にある銅タイプの試験対象116を検出することもできる。この情報に基づいて、材料除去工程をそれに応じて調整し得る。また、材料除去工程の進行は、X線カメラタイプの監視ユニット260によって検出され得る。材料を除去する間(具体的には研削によって)、監視ユニット260によって検出できる、銅タイプの試験対象116も継続的に除去される。監視ユニット260によって撮像されたX線画像に基づいて、材料除去工程は、予め定められた材料除去目的が達成されたときに正確に停止するように制御できる。図示の実施形態では、上記予め定められた材料除去目的は、材料除去が直線227まで実行され、試験対象116の中心225が露出されたときに達成される。
【0158】
図8は、本発明の例示的な実施形態による、材料除去ユニット112によって材料除去工程を受ける試験対象116を有するコンポーネントキャリア構造102を示し、ここで、材料除去ユニット112の前進及び/又は除去材料の量は、進行制御のために監視され得る。
【0159】
図示のコンポーネントキャリア構造102は、例えば、直線227に沿ってその中心225を有するように配置された試験対象116として完全に銅で充填されたドリル孔を有するPCBであり得、直線227は、材料除去工程が停止すべき予め定められた材料除去目的を再度定義する。さらに、これは進行測定ユニット250によって保証され得る。図示の実施形態では、進行測定ユニット250は、直線227までであるが直線227を超えない材料除去ユニット112の進行を決定及び制御するために、複数の感知パラメータを組み合わせて使用し得る。あるいは、進行測定ユニット250は、以下に述べる尺度のうちの1つだけを使用し得る。
【0160】
図示のように、進行測定ユニット250は、材料除去ユニット112によってコンポーネントキャリア構造102から除去された材料の量を定量化するように構成された、概略的に図示された除去材料定量化ユニット142を有する。材料除去ユニット112は、ここでは、研削によってコンポーネントキャリア構造102から材料を除去する研削デバイスとして具現化される。上記除去材料(より具体的には、研削小片)は、図8において参照符号141で示されている。図8には示されていないが、進行測定ユニット250は、除去材料の重量、したがって、量を決定する計量デバイスを有し得る。コンポーネントキャリア構造102の特性が既知である場合、直線227で試験対象116を露出させるために、どの量の材料を除去すべきかを決定し得る。
【0161】
除去材料定量化ユニット142に加えて、又はその代わりに、進行測定ユニット250は、材料除去ユニット112によってコンポーネントキャリア構造102から除去された材料を分析(例えば、化学分析)するように構成された除去材料分析ユニットを有し得る。例えば、そのような分析は、樹脂材料がコンポーネントキャリア構造102から除去される時間間隔及び、同様に銅材料がコンポーネントキャリア構造102から除去される別の時間間隔を区別し得る。そのような分析によって、材料除去の進行は、コンポーネントキャリア構造102の構造が既知である場合に決定され得る。
【0162】
材料除去の進行の決定の分解能をさらに向上させるために、進行測定ユニット250はまた、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去する間、材料除去ユニット112の空間進行も測定し得る。この空間進行は、矢印143によって概略的に示されている。図示のように、材料除去ユニット102の研削工具145は、電気モータなどの駆動ユニット147によって駆動され得る。研削工具145を駆動するための駆動ユニット147によってトリガされる動きを感知することによって、図8による垂直方向に、及びコンポーネントキャリア構造102内への研削工具145の空間進行を検出し得る。また、この検出は、直線227で、すなわち、予め定められた材料除去目的に従って、材料除去工程を停止するために使用可能な情報を提供し得る。
【0163】
さらに、進行測定ユニット250は、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去する間、コンポーネントキャリア構造102に対する材料除去ユニット112の接触圧力の検出に基づいて進行を測定するように構成され得る。この目的のために、材料除去ユニット112には、好ましくは研削デバイス145の前側の近くに圧力センサ149が設けられ得る。研削デバイス145がコンポーネントキャリア構造102に対して前方に移動すると、その間の接触圧力が圧力センサ149によって検出され得る。研削デバイス145がコンポーネントキャリア構造102から比較的柔らかい樹脂材料を除去する間、測定された接触圧力は小さくなり得る。研削デバイス105が試験対象116のより硬い銅材料に到達し、それらを部分的に除去し始めると、検出される接触圧力が増加する。それは、最大銅断面となる直線227に到達した場合に最大になり得る。したがって、接触圧力の時間依存性も、進行の決定及び制御に使用され得る。接触圧力に加えて、又は接触圧力の代わりに、コンポーネントキャリア構造102の材料を除去する間、材料除去ユニット112の回転可能本体256の回転速度に基づいて進行を測定することも可能である。
【0164】
図9は、本発明の例示的な実施形態による、材料除去ユニット112によって材料除去工程を受ける試験対象116及び犠牲構造224を有するコンポーネントキャリア構造102を示し、ここで、進行制御のために犠牲構造224及び/又は試験対象116において電気信号が検出され得る。
【0165】
図9による進行測定ユニット250は、コンポーネントキャリア構造102の試験対象116及び/又は犠牲構造224の形態の導電性構造を電気的に測定することによって、材料除去ユニット112の進行を測定するように構成されている。試験対象116は、図8のように、完全に銅で充填されたドリル孔として再び具現化される。犠牲構造224も銅で作られ、図5の犠牲構造224と同様の方法で機能する。試験対象116の中心225及び犠牲構造224の裏側は、材料除去工程が停止する予め定められた材料除去目的を定義する直線227に沿って配置される。
【0166】
図示のように、進行測定ユニット250は、犠牲構造224及び/又は1つ又は複数の試験対象116と電気的に結合された電気検出ユニット151(例えば、電圧又は電流を測定できる)を有する。図9の下側から始まる材料除去ユニット112によるコンポーネントキャリア構造102からの材料除去中、材料除去ユニット112は、ある時点で犠牲構造224に到達し、その除去を開始する。その結果、電気検出ユニット151によって検出され得る、研削犠牲構造224の残りの銅材料のオーム抵抗が増加する。犠牲構造224が完全に除去された時点、すなわち、予め定められた材料除去目的に対応する直線227に到達したとき、犠牲構造224から生じる電気信号は消失し、この消失は材料除去工程を停止するためのトリガとして使用できる。
【0167】
犠牲構造224で電気信号を捕捉することに加えて、又はその代わりに、同様に導電性の銅で作られた1つ又は複数の試験対象116でそのような測定を実行することも可能である。材料除去工程が試験対象116の下側端部に到達すると、試験対象116のオーム抵抗が増加し始め、これは電気検出ユニット151によって検出され得る。直線227に到達すると、試験対象116の材料の半分が除去される。このシナリオでは、オーム抵抗、したがって、電気検出器151によって検出される電気信号が特性値を有するため、この事象を検出できる。次いで、材料除去工程を終了できる。また、直線227に到達した時点が勾配の転換点に対応するため、電気信号の上記勾配を分析することによって、直線227に到達した事象を検出することも可能である。
【0168】
図10は、本発明の例示的な実施形態による、試験対象116有するコンポーネントキャリア構造102及び進行制御の観点から過度の材料除去を無効にするための機械的ストッパ262を示す。
【0169】
図示の機械的ストッパ262は、材料除去ユニット112によるコンポーネントキャリア構造102の過度の材料除去を無効にするためにコンポーネントキャリア構造102に当接するように構成されるような位置に配置できる。換言すれば、材料除去ユニット110が、予め定められた材料除去目的に対応する直線227に到達すると、材料除去ユニット112は、機械的ストッパ262の好ましくは硬化した当接面153に当接することになる。
【0170】
図10に示すように、進行測定ユニット250は、図10に参照符号155で概略的に示すように、コンポーネントキャリア構造102の1つ又は複数の画像を光学的に検出することによって進行を測定するように構成することも可能である。そのような画像上には、ここでは銅メッキ貫通孔として具現化された、それぞれの試験対象116の断面が見える。参照符号157で示す第1のシナリオでは、コンポーネントキャリア構造102の露出面は、円筒形の試験対象116の直線の壁を示し、これは、適切に(例えば、データベースに記憶され得る1つ又は複数の評価基準に従って「適切に」)垂直な断面側壁を示す。したがって、コンポーネントキャリア構造102は、品質の決定及び評価に進み得る。参照符号159で示す第2のシナリオでは、コンポーネントキャリア構造102の露出面は、円筒形の試験対象116の傾斜した側壁を示し、これは、不適切に(例えば、データベースに記憶され得る1つ又は複数の評価基準に従って「不適切に」)傾斜したコンポーネントキャリア構造102の断面側壁を示す。次いで、追加の材料除去による補正がトリガされる可能性がある。
【0171】
用語「備える(comprising)」は、他の要素又はステップを除外するものではなく、「a」又は「an」は、複数を除外するものではないことに留意されたい。また、異なる実施形態に関連して説明された要素は、組み合わされ得る。
【0172】
特許請求の範囲における参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0173】
本発明の実装は、図に示され、上記で説明された好ましい実施形態に限定されない。代わりに、根本的に異なる実施形態の場合でも、示された解決策及び本発明による原理を使用する多数の変形が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】