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特表2023-551651ウルトラキャパシタを使用して電力供給される外骨格
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】ウルトラキャパシタを使用して電力供給される外骨格
(51)【国際特許分類】
   B25J 11/00 20060101AFI20231205BHJP
   H01G 11/08 20130101ALN20231205BHJP
   H01G 11/32 20130101ALN20231205BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
H01G11/08
H01G11/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528654
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2021059469
(87)【国際公開番号】W WO2022104241
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/114,207
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】デクロ,ローレン
【テーマコード(参考)】
3C707
5E078
【Fターム(参考)】
3C707AS38
3C707CY12
3C707HS11
3C707HS27
3C707XK01
3C707XK06
3C707XK13
3C707XK14
3C707XK15
3C707XK17
3C707XK18
3C707XK42
5E078AB02
5E078AB06
5E078JA10
5E078JA12
(57)【要約】
動力付き外骨格が開示される。動力付き外骨格は、少なくとも1つのウルトラキャパシタを含む電力システムであり、少なくとも1つのウルトラキャパシタが、ハウジングと、ハウジング内の電極アセンブリおよび電解質とを含む、電力システムと、外骨格関節において少なくとも1つのアクチュエータに接続された第1の外骨格部材および第2の外骨格部材であり、少なくとも1つのアクチュエータが、外骨格関節を作動させるために、電力システムに電気的に結合され、電力システムによって電力供給される、第1の外骨格部材および第2の外骨格部材とを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのウルトラキャパシタを含む電力システムであり、前記少なくとも1つのウルトラキャパシタが、ハウジングと、前記ハウジング内の電極アセンブリおよび電解質とを含む、電力システムと、
外骨格関節において少なくとも1つのアクチュエータに接続された第1の外骨格部材および第2の外骨格部材であり、前記少なくとも1つのアクチュエータが、前記外骨格関節を作動させるために、前記電力システムに電気的に結合され、前記電力システムによって電力供給される、第1の外骨格部材および第2の外骨格部材と
を含む動力付き外骨格。
【請求項2】
前記外骨格が、前記電力システムおよび前記少なくとも1つのアクチュエータに電気的に接続された制御ユニットをさらに含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項3】
前記外骨格が、第2の外骨格関節において前記第2の外骨格部材に接続された第3の外骨格部材を含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項4】
第2の外骨格関節が第2のアクチュエータに関連づけられる、請求項3に記載の動力付き外骨格。
【請求項5】
各アクチュエータが、それぞれの電力システムに電気的に結合され、前記それぞれの電力システムによって電力供給される、請求項4に記載の動力付き外骨格。
【請求項6】
前記外骨格が、前記外骨格の異なる場所に取り付けられた多数の電力システムを含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項7】
前記外骨格が、前記少なくとも1つのアクチュエータに電力を供給するための予備電力システムをさらに含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項8】
前記電力システムが再充電可能である、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項9】
前記再充電可能な電力システムが、無線で再充電可能である、請求項8に記載の動力付き外骨格。
【請求項10】
前記外骨格が、前記外骨格をユーザに動作可能に取り付けることを可能にするための取り付け部材をさらに含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項11】
前記電力システムがバッテリをさらに含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項12】
前記電極アセンブリが、ゼリーロール構成のものである、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項13】
前記電極アセンブリが、層状構成のものである、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項14】
前記電極アセンブリが、第1の炭素質コーティングに電気的に結合された第1の集電子を含む第1の電極と、第2の炭素質コーティングに電気的に結合された第2の集電子を含む第2の電極とを含み、前記第1の集電子および前記第2の集電子が、各々、導電性金属を含む基板と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に位置づけられたセパレータとを含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項15】
前記導電性金属が、アルミニウムまたはその合金である、請求項14に記載の動力付き外骨格。
【請求項16】
複数の繊維状ウィスカが、前記第1の集電子の前記基板、前記第2の集電子の前記基板、または両方から外向きに突き出る、請求項14に記載の動力付き外骨格。
【請求項17】
前記ウィスカが、前記導電性金属の炭化物を含む、請求項16に記載の動力付き外骨格。
【請求項18】
前記第1の電極、前記第2の電極、またはそれらの組合せの前記炭素質コーティングが、活性炭粒子を含む、請求項14に記載の動力付き外骨格。
【請求項19】
前記活性炭粒子の少なくとも50体積%が、約0.01~約30マイクロメートルのサイズを有する、請求項18に記載の動力付き外骨格。
【請求項20】
前記活性炭粒子が、複数の細孔を含み、約2ナノメートル以下のサイズを有する細孔の量が、全細孔体積の約50体積%以下であり、約2ナノメートル~約50ナノメートルのサイズを有する前記細孔の量が、前記全細孔体積の約20体積%~約80体積%であり、約50ナノメートル以上のサイズを有する前記細孔の量が、前記全細孔体積の約1体積%~約50体積%である、請求項18に記載の動力付き外骨格。
【請求項21】
前記電解質が、非水溶媒およびイオン液体を含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項22】
前記溶媒が、カーボネートまたはニトリルを含む、請求項21に記載の動力付き外骨格。
【請求項23】
前記イオン液体が、カチオン種および対イオンを含む、請求項21に記載の動力付き外骨格。
【請求項24】
前記カチオン種が、有機第4級アンモニウム化合物を含む、請求項23に記載の動力付き外骨格。
【請求項25】
前記イオン液体が、約1.0M以上の濃度で存在する、請求項21に記載の動力付き外骨格。
【請求項26】
前記セパレータがセルロース繊維材料を含む、請求項14に記載の動力付き外骨格。
【請求項27】
前記ハウジングが、円筒形金属ハウジングを含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項28】
前記ハウジングが、約20マイクロメートル~約1000マイクロメートルの厚さを有する基板を含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【請求項29】
前記ハウジングが、金属を含むバリア層と、ポリオレフィン、ポリエステル、またはそれらの組合せを含む外層とを含む基板を含む、請求項1に記載の動力付き外骨格。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001]本出願は、2020年11月16日の出願日を有する米国特許仮出願第63/114,207号の出願利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[002]外骨格(exoskeleton)は、通常、個人によって着用および制御される受動的構造または動力付き構造(powered structure)であり、一般に、外骨格なしで必要とされるよりも少ない身体労作で個人がアイテムを操作できるようにする。特に、動力付き外骨格(powered exoskeleton)は、外骨格構造の1つまたは複数のリンクに力を加えて、普通なら個人が加えなければならない力の量を低減する。さらに、外骨格は、通常、上半身および/または下半身を含む身体の任意の部分と連結して利用され得る。例えば、上半身で利用されるとき、外骨格は、ユーザが比較的重いアイテムをある場所から別の場所に移動させるか、または繰り返して移動させるのを援助するために使用され得る。従来の外骨格はバッテリによって電力供給されているが、現在、これらの外骨格に電力供給するのに十分なエネルギー密度の電源はほとんどない。その結果、改善された電力システム(power system)をもつ動力付き外骨格を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[003]本発明の1つの実施形態によれば、動力付き外骨格が開示される。動力付き外骨格は、少なくとも1つのウルトラキャパシタ(ultracapacitor)を含む電力システムであり、少なくとも1つのウルトラキャパシタが、ハウジングと、ハウジング内の電極アセンブリおよび電解質とを含む、電力システムと、外骨格関節において少なくとも1つのアクチュエータに接続された第1の外骨格部材および第2の外骨格部材であり、少なくとも1つのアクチュエータが、外骨格関節を作動させるために、電力システムに電気的に結合され、電力システムによって電力供給される、第1の外骨格部材および第2の外骨格部材とを含む。
【0004】
[004]本発明の他の特徴および態様が、以下でさらに詳細に説明される。
【0005】
[005]当業者を対象とした、本発明の最良の形態を含む本発明の完全で有効な開示が、添付の図面を参照する本明細書の残りの部分でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[006]本発明による動力付き外骨格の1つの実施形態を示す図である。
図2】[007]本発明による動力付き外骨格の別の実施形態を示す図である。
図3】[008]本発明のウルトラキャパシタのハウジングの実施形態を示す図である。
図4】本発明のウルトラキャパシタのハウジングの実施形態を示す図である。
図5】[009]本発明のウルトラキャパシタに用いられ得る集電子の1つの実施形態を示す図である。
図6】[010]本発明のウルトラキャパシタに用いられ得る集電子/炭素質コーティング構成の1つの実施形態を示す図である。
図7】[011]本発明のウルトラキャパシタに使用され得る電極アセンブリを形成するための1つの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[012]本明細書および図面における参照文字の繰り返しの使用は、本発明の同じまたは類似の特徴または要素を表すように意図されている。
【0008】
[013]本議論は、例示的な実施形態のみの説明であり、本発明のより広い態様を限定することを意図されておらず、そのより広い態様は例示的な構造で具現化されることが当業者によって理解されるべきである。
【0009】
[014]一般的に言えば、本発明は、少なくとも1つのウルトラキャパシタを含む電力システムを含む動力付き外骨格に関する。例えば、動力付き外骨格は、外骨格の少なくとも1つの構成要素を作動させるために、電力システムに電気的に結合され、電力システムによって電力供給される少なくとも1つのアクチュエータを含むことができる。動力付き外骨格にそのような電力システムを設けることにより、より自然で力強い動作を可能にすることができる。例えば、ウルトラキャパシタは、通常、バッテリなどの他の電源よりも迅速に充放電することができる。その結果、少なくとも1つのウルトラキャパシタを含む電力システムは、特定の動きのために必要な電力のバーストを提供し、それによって、人体の自然な動きに類似したより自然の動きを提供することができる可能性がある。
【0010】
[015]一般に、動力付き外骨格は、着用可能な外骨格である。この点に関して、外骨格は、着用中のユーザのエネルギー消費を減少させ、および/またはユーザの様々な身体活動を可能にすることができる。いくつかの例では、これは、ユーザの身体の筋肉組織によって加えられる力を増強するために、ユーザの身体に力を提供することを含むことができる。
【0011】
[016]外骨格は、人体の様々な部分と連結して利用され得る。例えば、ある実施形態では、外骨格は、ユーザの下半身で使用するためのものとすることができる。別の実施形態では、外骨格は、ユーザの上半身で使用するものとすることができる。さらなる実施形態では、外骨格は、ユーザの下半身および上半身で使用するものとすることができる。外骨格の例は、個々にまたは組み合わせて使用され得、背外骨格、胴外骨格、肩外骨格、肘外骨格、手外骨格、臀部外骨格、膝外骨格、足外骨格、などを含む。1つの実施形態では、外骨格は、当技術分野で一般に知られている全身外骨格とすることができる。
【0012】
[017]この点に関して、上述で示したように、本明細書に開示されるアクチュエータは、外骨格の少なくとも1つの構成要素を作動させることができる。少なくとも1つの構成要素は、必ずしも本発明によるものではない。例えば、少なくとも1つの構成要素は、ユーザの身体の一部に動作可能に取り付け可能な外骨格の部材とすることができる。例えば、身体の一部は、肢であってもよい。1つの実施形態では、肢は、上肢であってもよい。例えば、ある実施形態では、肢は、腕であってもよい。別の実施形態では、肢は、手であってもよい。代替としてまたは加えて、肢は、下肢であってもよい。例えば、1つの実施形態では、肢は、脚であってもよい。別の実施形態では、肢は、足であってもよい。さらなる実施形態では、肢は、腿であってもよい。しかしながら、身体の部分は、肢に限定されないことを理解されたい。いずれにしても、身体の部分は、限定はしないが、背、臀部、膝、肘、肩、足首、などをさらに含むことができる。
【0013】
[018]取り付けられる身体の部分にかかわらず、本発明の外骨格は、少なくとも1つのアクチュエータを含む。一般に、アクチュエータは、ユーザを動かし、外骨格の動きを引き起こすように構成される。例えば、アクチュエータは、屈伸の動きの間ユーザに援助を与えることができる。したがって、外骨格は、人体の関節の場所に対応する外骨格関節を有することができる。アクチュエータは、関節に力を及ぼし、それにより、外骨格ならびにそれに結合されたユーザの動きがもたらされる。したがって、作動された関節は、外骨格ユーザの強さを増強することができる。
【0014】
[019]一般に、アクチュエータは、機構またはシステムを動かすかまたは制御するための一種のモータである。この点に関して、本明細書に開示されるアクチュエータは、外骨格、したがって、ユーザの関節を動かすかまたは制御することができる。本発明に従って利用されるアクチュエータの種類は、ユーザの関節のまわりの動きを援助する限り、限定されない。例えば、アクチュエータは、回転の動きなどの動きを作り出すために関節を駆動するためのトルクを生成することができる。したがって、アクチュエータは、電気的式、空気圧式、または油圧式とすることができる。アクチュエータは、限定ではなく、AC(交流)モータ、ブラシタイプDC(直流)モータ、ブラシレスDCモータ、電子整流モータ(ECM)、ステッピングモータ、油圧アクチュエータ、および空気圧アクチュエータ、ならびにそれらの組合せを含むことができる。
【0015】
[020]上述で示したように、1つの実施形態では、外骨格は、少なくとも1つのアクチュエータを含む。1つの実施形態では、外骨格は、関節の組合せを駆動するために複数のアクチュエータを含むことができる。いくつかの実施形態では、外骨格を備える関節は、外骨格の部品が人体に存在する自由度を有することを可能にするために、当技術分野で知られている任意の機構を追加としておよび/または代替として含むことができる。1つの実施形態では、外骨格の部品が決定された自由度を有することを可能にする機構は、調節可能とすることができる。
【0016】
[021]1つの実施形態では、外骨格は、第1の外骨格部材および第2の外骨格部材を含むことができる。アクチュエータは、第1の外骨格部材と第2の外骨格部材との間にトルクを創り出すように構成され得る。この点に関して、アクチュエータは、外骨格関節、したがって、人体の関節の回転または動きを引き起こすことができる。そのような外骨格関節は、第1の外骨格部材および第2の外骨格部材が、そのような関節のまわりの回転または動きを可能にするために、連結されるかまたは機械的に接続される場所とすることができる。1つの実施形態では、外骨格は、3つ以上の外骨格部材などの多数の外骨格部材を含むことができる。さらに、外骨格関節は、第1の外骨格部材および第2の外骨格部材などの少なくとも2つの外骨格部材を接続することができる。外骨格関節は、それぞれの外骨格部材間の屈曲および伸張を可能にするように構成され得る。
【0017】
[022]1つの実施形態では、外骨格は、第1の外骨格部材、第2の外骨格部材、および第3の外骨格部材を含むことができる。第1および第2の外骨格部材は、第1の外骨格関節において少なくとも1つのアクチュエータに接続され得る。第2および第3の外骨格部材は、第2の外骨格関節において第2のアクチュエータに接続され得る。本明細書に開示されるように、各アクチュエータは、それぞれの電力システムに電気的に結合し、それぞれの電力システムによって電力供給されてもよい。同様に、各アクチュエータは、本明細書に開示されるそれぞれの制御ユニットに電気的に結合され得る。
【0018】
[023]外骨格に電力供給するために、本明細書に開示される電力システムは、利用され得る。特に、アクチュエータ、したがって、外骨格に電力供給するために、電力システムは、利用され得る。この点に関して、電力システムは、アクチュエータに電気的に結合され得る。例えば、ある実施形態では、電力システムは、ある実施形態では直接電気的に結合してもよい。別の実施形態では、電力システムは、間接的に電気的に結合してもよい。
【0019】
[024]1つの実施形態では、1つの電力システムを利用して、外骨格の多数のアクチュエータに電力供給することができる。1つの実施形態では、多数の電力システムを利用して、1つのアクチュエータに電力供給することができる。代替としてまたは加えて、多数の電力システムを利用して、多数のアクチュエータに電力供給することができる。例えば、それぞれの電力システムによって各アクチュエータに電力供給することができる。さらに、多数の電力システムが利用される場合、多数の電力システムは、それぞれの電力システムによって電力を供給されているアクチュエータの近くに配置され得る。しかしながら、電力が供給されているアクチュエータの近くに電力システムが配置されていない場合、当技術分野で知られているように、電力は、送電ワイヤまたはケーブルを使用して移送され得る。1つの実施形態では、多数の電力システムが利用されるとき、電力が、1つの電力システム内で使い尽くされるか、または特定の閾値を下回る場合、外骨格の別の電力システムまたは予備電力システムを使用して、特定のアクチュエータに電力を供給することができる。この点に関して、予備電力システムを制御ユニットに電気的に接続することができ、制御ユニットは、電力が予備電力システムによって供給される必要があることを示す信号を提供することができる。
【0020】
[025]いくつかの実施形態では、アクチュエータは、所望の動きを達成するためにギアボックスに動作可能に結合されてもよい。アクチュエータおよびギアボックスは、外骨格、特に、本明細書に開示される外骨格部材に動作可能に結合され得る。ギアボックスは、アクチュエータの回転軸を伝達するために複数のギアを含むことができる。例えば、アクチュエータは、電力供給され、ギアの回転を可能にすることができ、ギアの回転は、その結果として、所望の動きを達成するための外骨格関節の作動をもたらす。ある実施形態では、外骨格は、単一のギアボックスのみを含むことができる。別の実施形態では、外骨格は、複数のギアボックスを含むことができる。各々について、1つの実施形態では、外骨格の各アクチュエータは、それぞれのギアボックスを含むことができる。代替として、複数のアクチュエータが、1つのギアボックスに関連づけられてもよい。
【0021】
[026]外骨格は、制御ユニットをさらに含むことができる。制御ユニットは、電力システムに電気的に接続され得る。制御ユニットは、アクチュエータにも電気的に接続され得る。例えば、制御ユニットは、アクチュエータに供給すべき電力の量を制御および/または決定することができる。制御ユニットはまた、電力を供給すべき時期を決定するために使用され得る。制御ユニットは、電力を供給する頻度および/または電力を供給するパターンを決定するために使用され得る。制御ユニットは、1つの実施形態では、外骨格のユーザをサポートおよび/または援助するために、前記の機能の任意の組合せに利用され得る。ある実施形態では、外骨格は、単一の制御ユニットのみを含むことができる。別の実施形態では、外骨格は、複数の制御ユニットを含むことができる。各々について、1つの実施形態では、外骨格の各アクチュエータは、それぞれの制御ユニットを含むことができる。代替として、複数のアクチュエータが、1つの制御ユニットに関連づけられてもよい。
【0022】
[027]制御ユニットは、外骨格の関節の軌道を規定および制御することができ、それにより、外骨格の動きがもたらされる。軌道は、インピーダンスコントローラで見られるものなどの位置ベース手法、力ベース手法、または両方の組合せとして規定され
得る。位置ベース制御システムは、規定された位置の変更によって直接変更されてもよい。力ベース制御システムはまた、規定された力プロファイルの変更によって直接変更されてもよい。歩行医療用外骨格での歩行などの複雑な外骨格の動きは、一連の外骨格軌道の使用を通して外骨格制御システムによって指令され得、外骨格の動きがはますます複雑になると、ますます複雑な一連の外骨格軌道を必要とする。これらの一連の軌道は、外骨格が各脚で一連のステップを踏むなどの周期的である場合があり、または外骨格が座位から立位に立ち上がるなどの離散的である場合がある。
【0023】
[028]いくつかの実施形態では、外骨格は、当技術分野で知られている1つまたは複数のセンサを備え付けられ得る。例えば、センサは、外骨格の状態に関する情報を制御ユニットに報告することができる。1つの実施形態では、センサは、外骨格のアクチュエータに直接情報を中継することができる。外骨格センサはまた、本明細書に開示される電力システムからその電力を引き出すことができる。
【0024】
[029]加えて、外骨格は、外骨格をユーザに取り付けるための1つまたは複数の取り付け部材をさらに含むことができる。例えば、外骨格は、外側フレームワークを含むことができる。この点に関して、身体の特定の部分で利用される場合、取り付け部材は、外骨格、特に外側フレームワークがユーザに動作可能に取り付けられることを可能にすることができる。取り付け部材は、外骨格がユーザに取り付けられる限り、本発明によって必ずしも限定されない。取り付け部材は、限定はしないが、1つまたは複数のベスト、ベルト、ストラップ、ギプス(cast)、ハーネス、リンク、など、ならびにそれらの組合せを含むことができる。
【0025】
[030]いくつかの実施形態では、外骨格は、人間-機械インタフェース接続のための制御パッドをさらに含むことができる。具体的には、制御パッドは、外骨格に残っている電力の量を示すことができる電力ユニットメータを含むことができる。
【0026】
[031]1つの実施形態では、電力システムは、外骨格に外部装着されてもよい。例えば、電力システムは、外骨格がユーザにとどまっている間に交換用電力システムと交換できてもよい。さらに、電力システムを外部に配置することによって、電力システムは、再充電可能であり得る可能性がある。特に、電力システムは、無線充電が可能である可能性がある。この点に関して、電力システムは、外骨格に装着されている間に再充電され得る。代替として、電力ユニットは、外骨格から取り外されている間に取り出され再充電され得る。
【0027】
[032]本明細書に開示される動力付き外骨格の例を、図1図2においてさらに示し、以下で説明する。図1において、ユーザ100は、動力付き外骨格2を着用している。動力付き外骨格は、第1の部材10、第2の部材12、第3の部材14、および第4の部材16を含む。動力付き外骨格は、第1の外骨格関節20、第2の外骨格関節22、および第3の外骨格関節24を含む。動力付き外骨格は、電力システム4および制御ユニット6をさらに含む。外骨格関節内に、動力付き外骨格は、アクチュエータ30、32、34をさらに含むことができる。これらの関節は、ギアボックス40、42、44をさらに含むことができる。外骨格は、1つまたは複数の取り付け部材8をさらに含むことができる。図示のように、外骨格は、股関節、膝関節、および/または足首関節に関する援助を行う。しかしながら、上述で示したように、外骨格は、手首、肘、肩、などのような他の関節に関する援助を行うことができることを理解されたい。
【0028】
[033]例えば、図2は、第1の部材60、第2の部材62、および第3の部材64を含む動力付き外骨格50を示す。動力付き外骨格は、第1の外骨格関節70、第2の外骨格関節72、および第3の外骨格関節74を含む。動力付き外骨格は、アクチュエータ80、82、84をさらに含むことができる。これらの関節は、ギアボックス90、92、94をさらに含むことができる。外骨格は、1つまたは複数の取り付け部材58をさらに含むことができる。
【0029】
[034]本明細書に示されるように、電力システムは、1つまたは複数のウルトラキャパシタのみを含むことができる。この点に関して、電力システムは、バッテリなどの他の電力源を利用しなくてもよい。しかしながら、別の実施形態では、電力システムは、1つまたは複数のウルトラキャパシタと1つまたは複数のバッテリの組合せを含んでもよい。さらに、電力システムは、発電機、空気圧シリンダ、または油圧ポンプに結合された内燃機関によって増強されてもよい。
【0030】
[035]電力システムに利用されるウルトラキャパシタの数は、本発明によって限定されない。多数のウルトラキャパシタを利用する場合、それらは、モジュールとして与えられてもよい。この点に関して、ある実施形態では、ウルトラキャパシタは、電気的に直列に接続され得る。別の実施形態では、ウルトラキャパシタは、並列に接続され得る。いずれにしても、本発明に従って利用されるウルトラキャパシタは、必ずしも限定されない。本発明に従って利用され得るウルトラキャパシタの1つの実施形態を以下でさらに説明する。
【0031】
[036]ウルトラキャパシタ
[037]ウルトラキャパシタ72は、電極アセンブリおよび電解質が保持および封止されるハウジングを含む。電極アセンブリは、第1の電極(図示せず)に電気的に接続される第1のリード線74と、第2の電極(図示せず)に電気的に接続される第2のリード線76とを含む。リード線74および76は、電極アセンブリおよびウルトラキャパシタから外向きに延びる。リード線74および76は、電極アセンブリおよびウルトラキャパシタ72の対向する端部から延びる場合がある。しかしながら、リード線74および76は電極アセンブリおよびウルトラキャパシタ72の同じ端部から延びてもよいことを理解されたい。
【0032】
[038]電極アセンブリ
[039]一般に、ウルトラキャパシタは、第1の電極、第2の電極、およびセパレータを含む電極アセンブリを含む。例えば、第1の電極は、一般に、第1の集電子に電気的に結合された第1の炭素質コーティング(例えば、活性炭粒子)を含む第1の電極を含み、第2の電極は、一般に、第2の集電子に電気的に結合された第2の炭素質コーティング(例えば、活性炭粒子)を含む。セパレータが、第1の電極と第2の電極との間にも配置され得る。加えて、ウルトラキャパシタは、第1の電極および第2の電極にそれぞれ電気的に接続される第1のリード線および第2のリード線を含む。
【0033】
[040]そのようなアセンブリの様々な実施形態が、以下でより詳細に説明される。
【0034】
[041]電極
[042]上述で示されたように、ウルトラキャパシタは、第1の電極および第2の電極を含む電極アセンブリを含む。アセンブリ内で用いられる電極は、通常、集電子を含む。集電子は、同じ材料から形成されてもよく、または異なる材料から形成されてもよい。例えば、1つの実施形態では、各電極の集電子は同じ材料から形成される。いずれにしても、各集電子は、一般に、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銀、パラジウム、など、ならびにそれらの合金などの導電性金属を含む基板から形成される。アルミニウムおよびアルミニウム合金は、本発明で使用するのに特に適している。
【0035】
[043]集電子基板は、フォイル、シート、プレート、メッシュ、などの形態のものでよい。基板はまた、比較的小さい厚さ、例えば約200マイクロメートル以下、例えば約150マイクロメートル以下、例えば約100マイクロメートル以下、例えば約80マイクロメートル以下、例えば約50マイクロメートル以下、例えば約40マイクロメートル以下、例えば約30マイクロメートル以下を有することができる。基板は、約1マイクロメートル以上、例えば約5マイクロメートル以上、例えば約10マイクロメートル以上、例えば約20マイクロメートル以上の厚さを有することができる。
【0036】
[044]決して必須ではないが、基板の表面は、処理されてもよい。例えば、1つの実施形態では、表面は、例えば、洗浄、エッチング、ブラスチング、などによって粗化されてもよい。特定の実施形態では、集電子は、基板から外向きに突き出る複数の繊維様ウィスカを含むことができる。理論によって限定されるものではないが、これらのウィスカは、集電子の表面積を効果的に増加させ、さらに、対応する電極への集電子の接着を改善することができると考えられる。これは、第1の電極および/または第2の電極の比較的低い結合剤含有量の使用を可能にすることができ、それは、電荷移動を改善し、界面抵抗を低減し、その結果、非常に低いESR値をもたらすことができる。ウィスカは、一般に、炭素、および/または炭素と導電性金属の反応生成物を含む材料から形成される。1つの実施形態では、例えば、材料は、炭化アルミニウム(Al)などの導電性金属の炭化物を含むことができる。図5を参照すると、例えば、基板1から外向きに突き出る複数のウィスカ21を含む集電子の1つの実施形態が示される。必要に応じて、ウィスカ21は、オプションとして、基板1内に埋め込まれたシード部分3から突き出ることができる。ウィスカ21と同様に、シード部分3はまた、炭素、および/または炭素と導電性金属の反応生成物、例えば、導電性金属の炭化物(例えば、炭化アルミニウム)などを含む材料から形成されてもよい。さらに、図6は、基板1から外向きに突き出る複数のウィスカ21を、本明細書で説明されるような炭素質コーティング22と組み合わせて有する前記の集電子を含む電極を示す。
【0037】
[045]そのようなウィスカが基板に形成される方法は、所望に応じて変わることができる。1つの実施形態では、例えば、基板の導電性金属を炭化水素化合物と反応させる。そのような炭化水素化合物の例は、例えば、パラフィン炭化水素化合物、例えば、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタン、ペンタン、など;オレフィン炭化水素化合物、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、など;アセチレン炭化水素化合物、例えば、アセチレン;ならびに前述のもののいずれかの誘導体または組合せを含むことができる。一般に、炭化水素化合物は反応の間ガス形態であることが望ましい。したがって、加熱されたときにガス形態であるメタン、エタン、およびプロパンなどの炭化水素化合物を用いることが望ましいことがある。必ずしも必須ではないが、炭化水素化合物は、一般に、基板の100重量部に基づいて、約0.1重量部~約50重量部、実施形態によっては、約0.5重量部~約30重量の範囲で用いられる。炭化水素および導電性金属との反応を開始するために、基板は、通常、約300℃以上、実施形態によっては約400℃以上、および実施形態によっては約500℃~約650℃温度である雰囲気中で加熱される。加熱の時間は、選択された正確な温度に依存するが、一般に、約1時間~約100時間の範囲である。雰囲気は、一般に、基板の表面への誘電体膜の形成を最小にするために、比較的少量の酸素を含む。例えば、雰囲気の酸素含有量は、約1体積%以下であり得る。
【0038】
[046]ウルトラキャパシタで使用される電極はまた、集電子の対向側面上にコーティングされる炭素質材料を含む。それは、同じまたは異なるタイプの材料から形成されてもよく、1つまたは多数の層を含んでもよいが、炭素質コーティングの各々は、通常、活性化粒子を含む少なくとも1つの層を含む。特定の実施形態では、例えば、活性炭層は、集電子の上に直接配置されてもよく、オプションとして、炭素質コーティングの唯一の層であってもよい。適切な活性炭粒子の例は、例えば、ヤシ殻系活性炭、石油コークス系活性炭、ピッチ系活性炭、ポリビニリデンクロライド系活性炭、フェノール樹脂系活性炭、ポリアクリロニトリル系活性炭、および石炭、木炭、または他の天然有機源などの天然源からの活性炭を含むことができる。
【0039】
[047]特定の実施形態では、1つまたは複数の充電-放電サイクルを受けた後の特定のタイプの電解質のイオン移動度を改善するのに役立つために、活性炭粒子の特定の態様、例えば、粒径分布、表面積、および細孔径分布などを選択的に制御することが望ましいことがある。例えば、粒子の少なくとも50体積%(D50サイズ)は、約0.01マイクロメートル以上から、例えば約0.1マイクロメートル以上、例えば約0.5マイクロメートル以上、例えば約1マイクロメートル以上~約30マイクロメートル以下、例えば約25マイクロメートル以下、例えば約20マイクロメートル以下、例えば約15マイクロメートル以下、例えば約10マイクロメートル以下の範囲のサイズを有することができる。粒子の少なくとも90体積%(D90サイズ)は、同様に、約2マイクロメートル以上から、例えば約5マイクロメートル以上、例えば約6マイクロメートル以上~約40マイクロメートル以下、例えば約30マイクロメートル以下、例えば約20マイクロメートル以下、例えば約15マイクロメートル以下の範囲のサイズを有することができる。BET表面はまた、約900m/g以上、例えば約1000m/g以上、例えば約1100m/g以上、例えば約1200m/g以上~約3000m/g以下、例えば約2500m/g以下、例えば約2000m/g以下、例えば約1800m/g以下、例えば約1500m/g以下の範囲であり得る。
【0040】
[048]活性炭粒子は、特定のサイズおよび表面積を有することに加えて、特定のサイズ分布を有する細孔をさらに含むことができる。例えば、約2ナノメートル未満のサイズの細孔(すなわち「ミクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約50体積%以下、例えば約40体積%以下、例えば約30体積%以下、例えば約20体積%以下、例えば約15体積%以下、例えば約10体積%以下、例えば約5体積%以下の細孔体積を提供することができる。約2ナノメートル未満のサイズの細孔(すなわち「ミクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約0体積%以上、例えば約0.1体積%以上、例えば約0.5体積%以上、例えば約1体積%以上の細孔体積を提供することができる。約2ナノメートルと約50ナノメートルとの間のサイズの細孔(すなわち「メゾ細孔」)の量は、同様に、全細孔体積の約20体積%以上、例えば約25体積%以上、例えば約30体積%以上、例えば約40体積%以上、例えば約50体積%以上であり得る。約2ナノメートルと約50ナノメートルとの間のサイズの細孔(すなわち「メゾ細孔」)の量は、全細孔体積の約90体積%以下、例えば約80体積%以下、例えば約75体積%以下、例えば約65体積%以下、例えば約55体積%以下、例えば約50体積%以下であり得る。最後に、約50ナノメートルより大きいサイズの細孔(すなわち「マクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約1体積%以上、例えば約5体積%以上、例えば約10体積%以上、例えば約15体積%以上であり得る。約50ナノメートルより大きいサイズの細孔(すなわち「マクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約50体積%以下、例えば約40体積%以下、例えば約35体積%以下、例えば約30体積%以下、例えば約25体積%以下であり得る。カーボン粒子の全細孔体積は、約0.2cm/g以上から、例えば約0.4cm/g以上、例えば約0.5cm/g以上~約1.5cm/g以下、例えば約1.3cm/g以下、例えば約1.0cm/g以下、例えば約0.8cm/g以下の範囲にあり得る。中央細孔幅は、約8ナノメートル以下、例えば約5ナノメートル以下、例えば約4ナノメートル以下であり得る。中央細孔幅は、約1ナノメートル以上、例えば約2ナノメートル以上であり得る。細孔径および全細孔体積は、窒素吸着を使用して測定され、当技術分野でよく知られているBarrett-Joyner-Halenda(「BJH」)技法によって分析され得る。
【0041】
[049]本発明の1つの特有の態様は、電極が、ウルトラキャパシタ電極で従来用いられているかなりの量の結合剤を含む必要がないことである。すなわち、結合剤は、炭素質コーティングの炭素の100部当たり、約60部以下、例えば約40部以下、例えば約30部以下、例えば約25部以下、例えば約20部以下~約1部以上、例えば約5部以上の量で存在することができる。結合剤は、例えば、炭素質コーティングの全重量の約15重量%以下、例えば約10重量%以下、例えば約8重量%以下、例えば約5重量%以下、例えば約4重量%以下を構成し得る。結合剤は、炭素質コーティングの全重量の約0.1重量%以上、例えば約0.5重量%以上、例えば約1重量%以上を構成し得る。
【0042】
[050]それにもかかわらず、使用される場合、様々な適切な結合剤のうちのいずれかが電極に使用され得る。例えば、不水溶性有機結合剤、例えば、スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリビニルアセテートホモポリマー、ビニル-アセテートエチレンコポリマー、ビニル-アセテートアクリルコポリマー、エチレン-ビニルクロライドコポリマー、エチレン-ビニルクロライド-ビニルアセテートターポリマー、アクリルポリビニルクロライドポリマー、アクリルポリマー、ニトリルポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレンまたはポリビニリデンフルオライドなどのフルオロポリマー、ポリオレフィン、など、ならびにそれらの混合物が特定の実施形態において用いられ得る。水溶性有機結合剤、例えば、多糖類およびその誘導体などがさらに用いられてもよい。1つの特定の実施形態では、多糖類は、非イオン性セルロースエーテル、例えばアルキルセルロースエーテル(例えば、メチルセルロースおよびエチルセルロース);ヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロース、など);アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、およびメチルエチルヒドロキシプロピルセルロース);カルボキシアルキルセルロースエーテル(例えば、カルボキシメチルセルロース);など、ならびに前述のもののいずれかのプロトン化塩、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウムなどであり得る。
【0043】
[051]必要に応じて、他の材料が、さらに、炭素質材料の活性炭層内で用いられてもよい。例えば、特定の実施形態では、導電性促進剤が、導電率をさらに増加させるために用いられてもよい。例示的な導電性促進剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト(天然または人工)、グラファイト、カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノチューブ、金属繊維、グラフェン、など、ならびにそれらの混合物を含むことができる。ある実施形態では、カーボンブラックが特に適している。別の実施形態では、カーボンナノチューブが特に適している。使用される場合、導電性促進剤は、一般に、炭素質コーティングの炭素の100部当たり、約60部以下、例えば約40部以下、例えば約30部以下、例えば約25部以下、例えば約20部以下~約1部以上、例えば約5部以上を構成する。導電性促進剤は、例えば、炭素質コーティングの全重量の約15重量%以下、例えば約10重量%以下、例えば約8重量%以下、例えば約5重量%以下、例えば約4重量%以下を構成し得る。導電性促進剤は、炭素質コーティングの全重量の約0.1重量%以上、例えば約0.5重量%以上、例えば約1重量%以上を構成し得る。一方では、活性炭粒子は、同様に、一般に、炭素質コーティングの全重量の85重量%以上、例えば約90重量%以上、例えば約95重量%以上、例えば約97重量%以上を構成する。活性炭粒子は、炭素質コーティングの全重量の100重量%未満、例えば約99.5重量%以下、例えば約99重量%以下、例えば約98重量%以下を構成し得る。
【0044】
[052]炭素質材料が集電子の側面上にコーティングされる特定の方法は、当業者によく知られているように、例えば、印刷(例えば、輪転グラビア)、噴霧、スロットダイコーティング、ドロップコーティング、ディップコーティング、など様々であってもよい。塗布される方法にかかわらず、結果として得られる電極は、一般に、コーティングから水分を取り除くために、例えば、約100℃以上、実施形態によっては約200℃以上、および実施形態によっては約300℃~約500℃の温度で乾燥される。電極はまた、ウルトラキャパシタの体積効率を最適化するために圧縮され(例えば、カレンダー加工され)得る。オプションの圧縮の後、各炭素質コーティングの厚さは、通常、ウルトラキャパシタの所望の電気性能および動作範囲に基づいて変わってもよい。しかしながら、一般に、コーティングの厚さは、約20~約200マイクロメートル、30~約150マイクロメートル、実施形態によっては約40~約100マイクロメートルである。コーティングは、集電子の片側または両側に存在することができる。いずれにしても、全体的な電極の厚さ(オプションの圧縮の後の集電子および炭素質コーティングを含む)は、一般に、約20~約350マイクロメートル、実施形態によっては約30~約300マイクロメートル、および実施形態によっては約50~約250マイクロメートルの範囲内にある。
【0045】
[053]セパレータ
[054]上述で示されたように、電極アセンブリは、第1の電極と第2の電極との間に配置されたセパレータを含むことができる。セパレータは、ある電極を別の電極から電気的に分離することを可能にして、電気的短絡を防止するのに役立ち、しかし、依然として、2つの電極間のイオンの輸送を可能にすることができる。特定の実施形態では、例えば、セルロース繊維材料(例えば、エアレイドペーパーウェブ、ウェットレイドペーパーウェブ、など)、不織布繊維材料(例えば、ポリオレフィン不織布ウェブ)、織物、フィルム(例えば、ポリオレフィンフィルム)、などを含むセパレータが用いられ得る。天然繊維、合成繊維、などを含むものなどのセルロース繊維材料は、ウルトラキャパシタで使用するのに特に適している。セパレータで使用するための好適なセルロース系繊維の具体的な例は、例えば、広葉樹パルプ繊維、針葉樹パルプ繊維、レーヨン繊維、再生セルロース繊維、などを含むことができる。
【0046】
[055]用いられる特定の材料にかかわらず、セパレータは、一般に、約150マイクロメートル以下、例えば約100マイクロメートル以下、例えば約80マイクロメートル以下、例えば約50マイクロメートル以下、例えば約40マイクロメートル以下、例えば約30マイクロメートル以下の厚さを有する。セパレータは、約1マイクロメートル以上、例えば約5マイクロメートル以上、例えば約10マイクロメートル以上、例えば約20マイクロメートル以上の厚さを有することができる。
【0047】
[056]非水電解質
[057]加えて、ウルトラキャパシタは、ハウジング内で用いられる電解質をさらに含むことができる。電解質は、通常、本質的に非水性であり、したがって、少なくとも1つの非水溶媒を含む。ウルトラキャパシタの動作温度範囲を広げるのに役立つために、一般に、非水溶媒は、約150℃以上、実施形態によっては約200℃以上、および実施形態によっては約200℃~約300℃などの比較的高い沸点を有することが望ましい。特に好適な高沸点溶媒は、例えば、環状カーボネート溶媒、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、などを含むことができる。プロピレンカーボネートは、高い電気伝導度および分解電圧、ならびに広い範囲の温度にわたって使用され得ることのために特に適している。当然、他の非水溶媒がまた、単独でまたは環状カーボネート溶媒と組み合わせて用いられてもよい。そのような溶媒の例は、例えば、開鎖カーボネート(例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、など)、脂肪族モノカルボキシレート(例えば、メチルアセテート、メチルプロピオネート、など)、ラクトン溶媒(例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、など)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル、など)、アミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン)、アルカン(例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、など)、イオウ化合物(例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシド、など)、などを含むことができる。
【0048】
[058]電解質は、非水溶媒に溶解され得る少なくとも1つのイオン性液体をさらに含む。イオン性液体の濃度は多様であり得るが、一般に、イオン性液体は比較的高い濃度で存在することが望ましい。例えば、イオン性液体は、電解質の約0.8モル/リットル(M)以上、実施形態によっては約1.0M以上、例えば約1.2M以上、例えば約1.3M以上、例えば約1.5M以上の量で存在することができる。イオン性液体は、約2.0M以下、例えば約1.8M以下、例えば約1.5M以下、例えば約1.4M以下、例えば約1.3M以下の量で存在することができる。
【0049】
[059]イオン性液体は、通常、約400℃以下、実施形態によっては約350℃以下、実施形態によっては約1℃~約100℃、および実施形態によっては約5℃~約50℃などの比較的低い溶融温度を有する塩である。塩は、カチオン種および対イオンを含む。カチオン種は、「カチオン中心」として少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、窒素またはリン)を有する化合物を含む。そのようなヘテロ原子化合物の例は、例えば、非置換または置換有機第四級アンモニウム化合物、例えば、アンモニウム(例えば、トリメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、など)、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピラミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、チアゾリウム、キノリニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、2つ以上の環がスピロ原子(例えば、炭素、ヘテロ原子、など)によって一緒に接続されている第四級アンモニウムスピロ化合物、第四級アンモニウム縮合環構造(例えば、キノリニウム、イソキノリニウム、など)、などを含む。1つの特定の実施形態では、例えば、カチオン種はN-スピロ二環式化合物、例えば環式環を有する対称または非対称N-スピロ二環式化合物であってもよい。そのような化合物の1つの例は、以下の構造の
【0050】
【化1】
を有し、ここで、mおよびnは、独立して、3から7の数であり、いくつかの実施形態では4から5である(例えば、ピロリジニウムまたはピペリジニウム)である。
【0051】
[060]カチオン種に好適な対イオンは、同様に、ハロゲン(例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、など);サルフェートまたはスルホネート(例えば、メチルサルフェート、エチルサルフェート、ブチルサルフェート、ヘキシルサルフェート、オクチルサルフェート、ハイドロジェンサルフェート、メタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ドデシルスルフェート、トリフルオロメタンスルフォネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルフォネート、ソジウムドデシルエトキシスルフォネート、など);スルホスクシネート;アミド(例えば、ジシアナミド);イミド(例えば、ビス(ペンタフルオロエチル-スルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチル)イミド、など);ボレート(例えば、テトラフルオロボレート、テトラシアノボレート、ビス[オキサラト]ボレート、ビス[サリチラト]ボレート、など);ホスフェートまたはホスフィネート(例えば、ヘキサフルオロホスフェート、ジエチルホスフェート、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート、トリス(ペンタフルオロエチル)-トリフルオロホスフェート、トリス(ノナフルオロブチル)トリフルオロホスフェート、など);アンチモネート(例えば、ヘキサフルオロアンチモネート);アルミネート(例えば、テトラクロロアルミネート);脂肪酸カルボキシレート(例えば、オレエート、イソステアレート、ペンタデカフルオロオクタノエート、など);シアネート;アセテート;など、ならびに前述のいずれかの組合せを含むことができる。
【0052】
[061]好適なイオン性液体のいくつかの例は、例えば、スピロ-(1,1’)-ビピロリジニウムテトラフルオロボレートトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートスピロ-(1,1’)-ビピロリジニウムヨージド、トリエチルメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレートテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、などを含むことができる。
【0053】
[062]ハウジング
[063]本発明のウルトラキャパシタは、電極アセンブリおよび電解質が保持されるハウジングを用いる。構成要素がハウジングに挿入される方法は、当技術分野で知られているように多様であり得る。例えば、電極およびセパレータは、電極アセンブリを形成するために、最初に、折り畳まれるか、巻かれるか、またはさもなければ一緒に接触されてもよい。電解質が、オプションとして、アセンブリの電極中に浸漬されてもよい。1つの特定の実施形態では、電極、セパレータ、およびオプションの電解質が、「ゼリーロール」構成を有する電極アセンブリ内に巻かれてもよい。図7を参照すると、例えば、第1の電極1102と、第2の電極1104と、電極1102と電極1104との間に配置されたセパレータ1106とを含むそのようなゼリーロール電極アセンブリ1100の1つの実施形態が示される。この特定の実施形態では、電極アセンブリ1100は、第2の電極1104上に配置された別のセパレータ1108をさらに含む。このようにして、電極の2つのコーティングされた表面の各々は、セパレータによって分離され、それによって、単位体積当たりの表面積および静電容量を最大化する。決して必須ではないが、電極1102および1104は、この実施形態では、それぞれ、第1のセパレータ1106および第2のセパレータ1108の第1の縁部および第2の縁部を越えて延びるそれぞれの接触縁部を残すようにオフセットされる。とりわけ、これは、電極間の電流の流れによる「短絡」を防止するのに役立つことができる。しかしながら、他の構成も利用され得ることを理解されたい。例えば、別の実施形態では、電極、セパレータ、およびオプションの電解質は、層状構成を有する電極アセンブリとして提供されてもよい。
【0054】
[064]本明細書に示されるように、構成要素は、ウルトラキャパシタのハウジング内に設けられ、オプションとして、気密に封止され得る。ハウジングの性質は、所望に応じて変わってもよい。特定の実施形態では、例えば、ハウジングは、ウルトラキャパシタの構成要素を囲う可撓性パッケージの形態のものとすることができる。図4を参照すると、例えば、電極アセンブリ102および電解質112を囲う可撓性パッケージ103を含むウルトラキャパシタ101の1つの実施形態が示される。電極アセンブリ102は、対面構成で積み重ねられ、対向するタブ104によって一緒に接続される電極105および106ならびにセパレータ(図示せず)を含むことができる。ウルトラキャパシタ101はまた、第1の端子105および第2の端子106を含み、それらは、タブ104にそれぞれ電気的に接続される。より詳細には、電極105および106は、パッケージ103内に配置された第1の端部107および108と、パッケージ103の外に配置されたそれぞれの第2の端部109および110とを有する。積み重ねとは別に、電極アセンブリは、所望の任意の他の形態で設けられてもよいことを理解されたい。例えば、電極は、ゼリーロール構成で一緒に折り畳まれるかまたは巻かれてもよい。
【0055】
[065]パッケージ103は、通常、2つの端部115と116との間に延び、縁部117、118、119、および120を有する基板114を含む。端部115および116、ならびに重なり合う両側119および120の部分は、互いに固定的および封止的に当接される(例えば、熱溶着によって)。このようにして、電解質112は、パッケージ103内に保持され得る。基板114は、一般に、約20マイクロメートル以上から、例えば約50マイクロメートル以上、例えば約100マイクロメートル以上、例えば約200マイクロメートル以上、約1000マイクロメートル以下、約800マイクロメートル以下、約600マイクロメートル以下、約400マイクロメートル以下、約200マイクロメートル以下の厚さを有する。
【0056】
[066]基板114は、所望のレベルのバリア性を達成するために望ましい任意の数の層、例えば1層以上、実施形態によっては2層以上、および実施形態によっては、2~4層を含むことができる。一般に、基板は、バリア層を含み、バリア層は、アルミニウム、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、などのような金属を含むことができる。そのようなバリア層は、通常、電解質の漏洩を阻止することができるように電解質に対して不透過性であり、そして、通常、水および他の汚染物質に対しても不透過性である。必要に応じて、基板は、さらに、パッケージのための保護層として機能する外層を含んでもよい。このようにして、バリア層は、外層と電極アセンブリとの間に位置づけられる。外層は、例えば、ポリオレフィン(例えば、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、など)、ポリエステル、などから形成されるものなどのポリマーフィルムから形成され得る。特に適切なポリエステルフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、などを含むことができる。
【0057】
[067]必要に応じて、基板は、さらに、電極アセンブリとバリア層との間に位置づけられる内層を含むことができる。特定の実施形態では、内層は、熱封止可能なポリマーを含むことができる。適切な熱封止可能なポリマーは、例えば、ビニルクロライドポリマー、ビニルクロリジンポリマー、アイオノマーなどを含むことができる。アイオノマーは特に適切である。1つの実施形態では、例えば、アイオノマーは、α-オレフィンおよび(メタ)アクリル酸の繰り返し単位を含むコポリマーであり得る。具体的なα-オレフィンは、エチレン、プロピレン、1-ブテン;3-メチル-1-ブテン;3,3-ジメチル-1-ブテン;1-ペンテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ペンテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ヘキセン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ヘプテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-オクテン;1つまたは複数のメチル、エチル、またはプロピル置換基をもつ1-ノネン;エチル、メチル、またはジメチル置換1-デセン;1-ドデケン;およびスチレンを含むことができる。エチレンは特に適切である。上記のように、コポリマーは、さらに、(メタ)アクリル酸の繰り返し単位とすることができる。本明細書で使用される「(メタ)アクリル」という用語は、アクリルモノマーおよびメタクリルモノマー、ならびにそれらの塩またはエステル、例えば、アクリレートモノマーおよびメタクリレートモノマーなどを含む。そのような(メタ)アクリルモノマーの例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、i-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、s-ブチルアクリレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、i-アミルアクリレート、イソボルニルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-デシルアクリレート、メチルシクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iープロピルメタクリレート、iーブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、アミルメタクリレート、s-ブチル-メタクリレート、t-ブチルメタクリレート、2ーエチルブチルメタクリレート、メチルシクロヘキシルメタクリレート、シンナミルメタクリレート、クロチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、2ーエトキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、など、ならびにそれらの組合せを含むことができる。一般に、α-オレフィン/(メタ)アクリル酸コポリマーは、アイオノマーを形成するために金属イオンで少なくとも部分的に中和される。適切な金属イオンは、例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、など)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム、など)、遷移金属(例えば、マンガン、亜鉛、など)、など、ならびにそれらの組合せを含むことができる。金属イオンは、金属ホルメート、アセテート、ニトレート、カーボネート、ハイドロジェンカーボネート、オキシド、ヒドロキシド、アルコキシド、などのようなイオン化合物によって提供され得る。
【0058】
[068]上述したものなどの可撓性パッケージとは別に、他のハウジング構成が、さらに、用いられてもよい。例えば、ハウジングは、タンタル、ニオビウム、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えば、ステンレス)、それらの合金、それらの複合材(例えば、導電性酸化物でコーティングされた金属)、などから形成されたものなどの金属容器(「缶」)を含むことができる。アルミニウムは、本発明で使用するのに特に適している。金属容器は、円筒状、D字形、などの様々な異なる形状のうちのいずれかを有することができる。円筒形状の容器が特に適している。
【0059】
[069]電極アセンブリは、様々な異なる技法を使用して、円筒状ハウジング内に封止され得る。図3を参照すると、電極アセンブリ2108を含むウルトラキャパシタの1つの実施形態が示されており、電極アセンブリ2108は、上述で論じられように、ゼリーロール構成で一緒に巻かれた層2106を含む。この特定の実施形態では、ウルトラキャパシタは、第1の集電子ディスク2114を含み、第1の集電子ディスク2114は、ディスク形状部分2134、スタッド部分2136、および締結具2138(例えば、ねじ)を含む。集電子ディスク2114は、電極アセンブリの中心に形成された中空コア2160の第1の端部と位置合わせされ、次いで、スタッド部分2136が、コアの開口内に挿入され、その結果、ディスク形状部分2134が、第1の接触縁部2110において電極アセンブリ2108の第1の端部に着座する。リッド2118が、第1の端子柱2116に溶接され(例えば、レーザ溶接され)、例えばねじ付きとすることができるソケットが、締結具2138に結合される。ウルトラキャパシタは、さらに、第2の集電子ディスク2120を含み、第2の集電子ディスク2120は、ディスク形状部分2142、スタッド部分2140、および第2の端子柱2144を含む。第2の集電子ディスク2120は、中空コア2160の第2の端部と位置合わせされ、次いで、スタッド部分2140が、コアの開口内に挿入され、その結果、集電子ディスク部分2142が電極アセンブリ2108の第2の端部に着座する。
【0060】
[070]その後、金属容器2122(例えば、円筒形状缶)は、電極アセンブリ2108上を滑るように進み、その結果、第2の集電子ディスク2120が、最初に容器2122に入り、第1の絶縁ワッシャ2124を通過し、容器2122の端部の軸方向孔を通過し、次いで、第2の絶縁ワッシャ2126を通過する。第2の集電子ディスク2120は、さらに、平ワッシャ2128およびばねワッシャ2130を通過する。ロックナット2132が、ばねワッシャ2130上で締められ、それが、ばねワッシャ2130を平ワッシャ2128に押し付け、その結果として、平ワッシャ2128が、第2の絶縁ワッシャ2126に押し付けられる。第2の絶縁ワッシャ2126は、金属容器2122の軸方向孔の外周に押し付けられ、第2の集電子ディスク2120がこの圧縮力によって軸方向孔の方に引かれるとき、第1の絶縁ワッシャ2124は、第2の集電子ディスク2120と、容器2122の軸方向孔の内周との間に押し付けられる。第1の絶縁ワッシャ2124上のフランジは、第2の集電子ディスク2120と軸方向孔のリムとの間の電気的接触を阻止する。同時に、リッド2118は、容器2122の開口に引き込まれ、その結果、リッド2118のリムが、容器2122の開口のリップのすぐ内側に着座する。次いで、リッド2118のリムは、容器2122の開口のリップに溶接される。
【0061】
[071]ロックナット2132が、ばねワッシャ2130に対して締められた後、気密封止が、軸方向孔と、第1の絶縁ワッシャ2124と、第2の絶縁ワッシャ2126と、第2の集電子ディスク2120との間に形成され得る。同様に、容器2122のリップへのリッド2118の溶接、および第1の端子柱2116へのリッド2118の溶接は、別の気密封止を形成することができる。リッド2118の孔2146は、上述の電解質の注入口として機能するように開いたままとすることができる。電解質が缶に入った(すなわち、上述のように真空下で缶に引き込まれた)後、ブッシング2148が、孔2146に挿入され、孔2146の内縁でフランジ2150に着座される。ブッシング2148は、例えば、プラグ2152を受け入れるように作られた中空円筒の形状とすることができる。円筒の形状であるプラグ2152は、ブッシング2148の中心に押し込まれ、それによって、ブッシング2148を孔2146の内部に押し付け、孔2146とブッシング2148とプラグ2152との間に気密封止を形成する。プラグ2152およびブッシング2148は、規定レベルの圧力がウルトラキャパシタ内で到達されたときに外れるように選択され、それによって、過剰圧力安全機構を形成することができる。
【0062】
[072]上述の実施形態は、通常、ウルトラキャパシタの単一の電極アセンブリの使用に関する。しかしながら、当然、本発明のキャパシタは、2つ以上の電極アセンブリを含むこともできることを理解されたい。例えば、1つのそのような実施形態では、例えば、ウルトラキャパシタは、同じであってもよく異なっていてもよい2つ以上の電極アセンブリのスタックを含むことができる。
【0063】
[073]特性および用途
[074]本発明に従って利用されるウルトラキャパシタは、特に高温にさらされたときに優れた電気特性を示すことができる。例えば、ウルトラキャパシタは、23℃の温度、120Hzの周波数、および印加電圧なしで測定されて、約6ファラド/立方センチメートル(「F/cm」)以上、実施形態によっては約8F/cm以上、実施形態によっては約9~約100F/cm、および実施形態によっては約10~約80F/cmの静電容量を示すことができる。ウルトラキャパシタはまた、23℃の温度、1kHzの周波数、および印加電圧なしで決定されて、低い等価直列抵抗(「ESR」)、例えば約150mohm以下、実施形態によっては約125mohm以下、実施形態によっては約0.01~約100mohm、および実施形態によっては約0.05~約70mohmを有することができる。上述で示されたように、結果として得られるウルトラキャパシタは、改善された静電容量およびESR値などの多種多様な有益な電気特性を示すことができる。特に、ウルトラキャパシタは、高温にさらされたときでさえ、優れた電気特性を示すことができる。例えば、ウルトラキャパシタは、約80℃以上から、実施形態によっては約100℃~約150℃、および実施形態によっては約105℃~約130℃(例えば、85℃または105℃)の温度を有する雰囲気と接触するように配置され得る。静電容量およびESR値は、そのような温度において、かなりの期間、例えば約100時間以上、実施形態によっては約300時間~約5000時間、および実施形態によっては約600時間から約4500時間(例えば、168、336、504、672、840、1008、1512、2040、3024、または4032時間)安定のままであり得る。
【0064】
[075]1つの実施形態では、例えば、1008時間高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)にさらされた後のウルトラキャパシタの静電容量値の、最初に高温雰囲気にさらされたときのウルトラキャパシタの静電容量値に対する比は、約0.75以上、実施形態によっては約0.8~1.0、および実施形態によっては約0.85~1.0である。そのような高い静電容量値は、電圧の印加時および/または多湿雰囲気などの様々な極端な条件下でも維持され得る。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および印加電圧にさらされた後のウルトラキャパシタの静電容量値の、高温雰囲気にさらされたが電圧を印加される前のときのウルトラキャパシタの初期の静電容量値に対する比は、約0.60以上、実施形態によっては約0.65~1.0、および実施形態によっては約0.7~1.0であり得る。電圧は、例えば、約1ボルト以上、実施形態によっては約1.5ボルト以上、および実施形態によっては約2~約10ボルト(例えば、2.1ボルト)であり得る。1つの実施形態では、例えば、上記の比は、1008時間以上維持され得る。ウルトラキャパシタはまた、高湿レベルにさらされたときに、例えば、約40%以上、実施形態によっては約45%以上、実施形態によっては約50%以上、および実施形態によっては約70%以上(例えば、約85%~100%)の相対湿度を有する雰囲気と接触して配置されたときなどに、上記の静電容量値を維持することができる。相対湿度は、例えば、ASTM E337-02、Method A(2007)に従って決定され得る。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および高湿(例えば、85%)にさらされた後のウルトラキャパシタの静電容量値の、高温雰囲気にさらされたが高湿にさらされる前のときのウルトラキャパシタの初期の静電容量値に対する比は、約0.7以上、実施形態によっては約0.75~1.0、および実施形態によっては約0.80~1.0であり得る。1つの実施形態では、例えば、この比は、1008時間以上維持され得る。
【0065】
[076]ESRはまた、上記されたものなどのかなりの期間そのような温度で安定なままであり得る。1つの実施形態では、例えば、1008時間高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)にさらされた後のウルトラキャパシタのESRの、最初に高温雰囲気にさらされたときのウルトラキャパシタのESRに対する比は、約1.5以下、実施形態によっては約1.2以下、および実施形態によっては約0.2~約1である。特に、そのような低いESR値は、上述のような高電圧の印加時、および/または多湿雰囲気などの様々な極端な条件下でも維持され得る。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および印加電圧にさらされた後のウルトラキャパシタのESRの、高温雰囲気にさらされたが電圧を印加される前のときのウルトラキャパシタの初期ESRに対する比は、約1.8以下、実施形態によっては約1.7以下、および実施形態によっては約0.2~約1.6であり得る。1つの実施形態では、例えば、上記の比は、1008時間以上維持され得る。ウルトラキャパシタはまた、高湿レベルにさらされたとき上記のESR値を維持することができる。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および高湿(例えば、85%)にさらされた後のウルトラキャパシタのESRの、高温雰囲気にさらされたが高湿にさらされる前のときのウルトラキャパシタの初期の静電容量値に対する比は、約1.5以下、実施形態によっては約1.4以下、および実施形態によっては約0.2~約1.2であり得る。1つの実施形態では、例えば、この比は、1008時間以上維持され得る。
【0066】
[077]本明細書に開示される外骨格は、様々な用途で利用され得る。これらの用途は、限定はしないが、医療用途、軍用用途、または産業用途のためのものを含むことができる。例えば、外骨格は、装備品を運搬するために軍事専門家によって、患者を搬送するために医療専門家によって、などで使用され得る。外骨格は、手術中の精度の向上のために利用され得る。産業用途では、外骨格は、重い機器および/または材料を搬送するために利用され得る。本明細書に開示される外骨格は様々な他の用途に利用され得ることを理解されたい。
【0067】
試験方法
[078]等価直列抵抗(ESR):等価直列抵抗は、0.0ボルト、1.1ボルト、または2.1ボルトのDCバイアス(0.5ボルトピークツーピーク正弦波信号)を備えたKeithley 3330 Precision LCZメータを使用して測定され得る。動作周波数は1kHzである。様々な温度および相対湿度レベルが試験され得る。例えば、温度は、23℃、85℃、または105℃とすることができ、相対湿度は、25%または85%とすることができる。
【0068】
[079]静電容量:静電容量は、0.0ボルト、1.1ボルト、または2.1ボルトのDCバイアス(0.5ボルトピークツーピーク正弦波信号)を備えたKeithley 3330 Precision LCZメータを使用して測定され得る。動作周波数は120Hzである。例えば、温度は、23℃、85℃、または105℃とすることができ、相対湿度は、25%または85%とすることができる。
【0069】
[080]本発明のこれらおよび他の変更および変形は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって実践され得る。加えて、様々な実施形態の態様は全体的にまたは部分的に交換され得ることを理解されたい。さらに、当業者は、前述の説明が、単なる例であり、そのような添付の特許請求の範囲にさらに記載されている本発明を限定するものではないことを認識されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】