IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノースロップ グラマン システムズ コーポレイションの特許一覧

特表2023-551672分割システムに対するモデルに基づく最悪実行時間分析
<>
  • 特表-分割システムに対するモデルに基づく最悪実行時間分析 図1
  • 特表-分割システムに対するモデルに基づく最悪実行時間分析 図2
  • 特表-分割システムに対するモデルに基づく最悪実行時間分析 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】分割システムに対するモデルに基づく最悪実行時間分析
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20231205BHJP
【FI】
G06F9/50 150E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532124
(86)(22)【出願日】2021-10-06
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 US2021053754
(87)【国際公開番号】W WO2022119634
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】17/108,391
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】イケガミ,マイケル・シー
(72)【発明者】
【氏名】ヤーブロー,ジェームズ・エイ
(57)【要約】
プロセスにおけるアクションに対して最悪実行時間を計算するシステムおよび方法。プロセスは、複数のサブプロセスに分割され、複数のサブプロセスは、アクションの内特定のものを実行し、他のパーティションとは独立して、それら自体の分割スケジュールに合わせて動作する。この方法は、プロセスにおけるアクションを含む統一モデリング言語(UML)アクティビティ図を用意するステップと、この図における各アクションを識別するステップと、プロセスにおけるアクションに対して可能な各処理パスを確認するステップと、各パスにおける各アクションを、パーティションにおけるサブプロセスの1つに割り当てるステップと、分割スケジュールに基づいて、各アクションが各パスを通り抜けるのに要する時間を判定するステップと、パスの各々においてアクションを実行するのにかかる時間を集計するステップとを含む。この方法は、時間の集計に基づいて、各パスに沿ってプロセスを実行する最長時間を報告する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスのタイミングを判定する方法であって、前記プロセスが複数のサブプロセスに分割され、前記複数のサブプロセスが、特定のアクションを実行し、他のパーティションとは独立してそれら自体の分割スケジュール上で動作し、前記方法が、
前記プロセスによって実行される各アクションを識別するステップと、
前記プロセスによって実行される前記アクションの全てから第1アクションを識別するステップと、
前記第1アクションから、前記プロセスによって実行する可能性がある前記アクションの終わりまでのパスを全て確認するステップと、
各パスにおける各アクションを、前記パーティションにおけるサブプロセスの1つに割り当てるステップと、
前記分割スケジュールに基づいて、いつそしてどの位の時間各サブプロセスが動作しようとしているか判定するステップと、
各サブプロセスをパーティションに割り当てるステップと、
前記分割スケジュールに基づいて、前記パスの内1つに対して前記第1アクションを完了するのにかかる時間を判定するステップと、
前記1つのパスにおける次のアクションが、前記第1アクションと同じパーティションにおいて行われるか否か判定し、行われる場合、前記分割スケジュールに基づいて、次のアクションを完了するのにかかる時間を判定し、行われない場合、前記第1アクションを有するパーティションにおいて実行するサブプロセスから、前記次のアクションを有するパーティションにおいて実行するサブプロセスに移るのにかかる時間を判定するステップと、
前記1つのパスに対して前記アクションの全てを実行するのにかかる時間が判定されるまで、次のアクションおよび前のアクションが同じパーティションにおいて行われるか否か、このように判定し続けるステップと、
前記1つのパスにおいてそのタイミングを判定すべきアクションが残されていないことを判定するステップと、
前記可能なパスの全てにおいて前記アクションの全てを実行するのにかかる時間が判定されたか否か判定し、判定されていない場合、前記パスの全てに対して前記アクションの全てを実行するのにかかる時間が判定されるまで、同じように前記分割スケジュールに基づいて、他のパスにおける前記第1アクションから開始して前記アクションを完了するのにかかる時間を判定するステップと、
前記パスの各々において前記アクションを実行するのにかかる時間を集計するステップと、
を含む、プロセスのタイミングを判定する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記アクションを完了するのにかかる時間を判定するステップが、前記アクションを実行する最長時間を判定するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、更に、前記時間の集計に基づいて、各パスに沿って前記プロセスを実行する最長時間を報告するステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、更に、前記第1アクションを完了するのにかかる時間を判定する前に、前記アクションに対する追加のタイミング制約を入力するステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、更に、前記アクションを識別し、前記分割されたサブプロセスの終わりまでの前記パスを全て確認するために使用される統一モデリング言語(UML)アクティビティ図を提供するステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、前記UMLアクティビティ図が、拡張マークアップ言語(XML)フォーマットで書かれている、方法。
【請求項7】
請求項5記載の方法において、前記アクティビティ図および前記分割スケジュールがユーザによって提供される、方法。
【請求項8】
プロセスのタイミングを判定する方法であって、前記プロセスが複数のサブプロセスに分割され、前記複数のサブプロセスが、特定のアクションを実行し、他のパーティションとは独立してそれら自体の分割スケジュール上で動作し、前記方法が、
前記プロセスにおけるアクションを含む統一モデリング言語(UML)アクティビティ図を提供するステップと、
前記図における各アクションを識別するステップと、
前記プロセスにおけるアクションに対して、可能な各処理パスを確認するステップと、
各パスにおける各アクションを、前記パーティションにおけるサブプロセスの1つに割り当てるステップと、
前記分割スケジュールに基づいて、各アクションが各パスを通り抜けるのに要する時間を判定するステップと、
前記パスの各々において前記アクションを実行するのにかかる時間を集計するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、各アクションに要する時間を判定するステップが、前記アクションを実行する最長時間を判定するステップを含む、方法。
【請求項10】
請求項8記載の方法であって、更に、前記時間の集計に基づいて、各パスに沿って前記プロセスを実行する最長時間を報告するステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項8記載の方法であって、更に、各アクションに要する時間を判定する前に、前記アクションに対する追加のタイミング制約を入力するステップを含む、方法。
【請求項12】
プロセスのタイミングを判定するシステムであって、前記プロセスが複数のサブプロセスに分割され、前記複数のサブプロセスが、特定のアクションを実行し、他のパーティションとは独立してそれら自体の分割スケジュール上で動作し、前記システムが、
前記プロセスによって実行する各アクションを識別する手段と、
前記プロセスによって実行される前記アクションの全てから第1アクションを識別する手段と、
前記第1アクションから、前記プロセスによって実行する可能性がある前記アクションの終わりまでのパスを全て確認する手段と、
各パスにおける各アクションを、前記パーティションにおける前記サブプロセスの1つに割り当てる手段と、
前記分割スケジュールに基づいて、いつそしてどの位の時間各サブプロセスが動作しようとしているか判定する手段と、
各サブプロセスをパーティションに割り当てる手段と、
前記分割スケジュールに基づいて、前記パスの内1つに対して前記第1アクションを完了するのにかかる時間を判定する手段と、
前記1つのパスにおける次のアクションが、前記第1アクションと同じパーティションにおいて行われるか否か判定し、行われる場合、前記分割スケジュールに基づいて、次のアクションを完了するのにかかる時間を判定し、行われない場合、前記第1アクションを有するパーティションにおいて実行するサブプロセスから、前記次のアクションを有するパーティションにおいて実行するサブプロセスに移るのにかかる時間を判定する手段と、
前記1つのパスに対して前記アクションの全てを実行するのにかかる時間が判定されるまで、次のアクションおよび前のアクションが同じパーティションにおいて行われるか否か、このように判定し続ける手段と、
前記1つのパスにおいてそのタイミングを判定すべきアクションが残されていないことを判定する手段と、
前記可能なパスの全てにおいて前記アクションの全てを実行するのにかかる時間が判定されたか否か判定し、判定されていない場合、前記パスの全てに対して前記アクションの全てを実行するのにかかる時間が判定されるまで、同じように前記分割スケジュールに基づいて、他のパスにおける前記第1アクションから開始して前記アクションを完了するのにかかる時間を判定する手段と、
前記パスの各々において前記アクションを実行するのにかかる時間を集計する手段と、
を備える、システム。
【請求項13】
請求項12記載のシステムにおいて、前記アクションを完了するのにかかる時間を判定する手段が、前記アクションを実行する最長時間を判定する、システム。
【請求項14】
請求項12記載のシステムであって、更に、前記時間の集計に基づいて、各パスに沿って前記プロセスを実行する最長時間を報告する手段を備える、システム。
【請求項15】
請求項12記載のシステムであって、更に、前記第1アクションを完了するのにかかる時間を判定する前に、前記アクションに対する追加のタイミング制約を入力する手段を備える、システム。
【請求項16】
請求項12記載のシステムであって、更に、前記アクションを識別し、前記分割されたサブプロセスの終わりまでの前記パスを全て確認するために使用される統一モデリング言語(UML)アクティビティ図を提供する手段を備える、システム。
【請求項17】
請求項16記載のシステムにおいて、前記UMLアクティビティ図が、拡張マークアップ言語(XML)フォーマットで書かれている、システム。
【請求項18】
請求項16記載のシステムにおいて、前記アクティビティ図および前記分割スケジュールが、ユーザによって提供される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、一般的には、複数の分割サブプロセスを含むプロセスにおけるアクションに対して最悪実行時間を計算するシステムおよび方法に関し、更に特定すれば、アクティビティ図(activity diagram)全体にわたるプロセスの各パスにおける各アクションをサブプロセスに割り当てる処理、および分割スケジュールに基づいて各サブプロセスをパーティションに割り当てる処理を含む、複数の分割サブプロセスを含むプロセスにおけるアクションに対して最悪実行時間を計算するシステムおよび方法に関する。
【従来技術】
【0002】
[0002] 分割コンピュータ・システムおよびプロセス(partitioned computer systems and processes)は、埋め込みシステムのサイズ、重量、および電力要件を減らすために、増々身近な手法になりつつある。各分割プロセスは、それ自体のスケジュールにしたがって、そしておそらくはそれ自体の処理速度で動作する。分割プロセスは、安全重視システム内において時間および空間の分離(separation)を確保するために、当技術分野では増々使用されつつある。例えば、戦闘機上で兵器に発火するコマンドを取り上げると、航空機に対する兵器の重要性に基づいて分割することができる兵器発射チェーンにおける様々なプロセスを経る。
【0003】
[0003] これらの分割システムは、該当するあらゆる安全性要件を満たすことを確保するために、パーティション内部においてフレームに基づくスケジュール(frame-based schedule)を実行することが多く、システム・タイミングの決定論的保証(deterministic guarantee)が要求されることが多い。このようなシステム・タイミングは、多くの場合、2つの方法、即ち、最悪タイミングを判定するためのフレームに基づくスケジュールの分析、および実装コード(implemented code)の統計的タイミング分析によって分析される。フレームに基づくスケジュールの分析は、システム・アーキテクチャにおけるタイミングの問題を早期に検出することを可能にするが、厄介なプロセスとなることが多い。何故なら、最悪タイミングを判定するためには、システム設計およびパーティションのスケジュールにおいて可能性があるあらゆる事例を、手作業で虱潰し(walk through)にしなければならないからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 以下の論述は、複数のサブプロセスに分割されたプロセスにおけるアクションに対して、最悪実行時間を計算するシステムおよび方法について開示および説明する。複数のサブプロセスは、アクションの内特定のものを実行し、他のパーティションとは独立して、それら自体の分割スケジュールに合わせて動作する。この方法は、プロセスによって実行される各アクションを識別し、プロセスによって実行される全てのアクションから第1アクションを識別し、第1アクションから、プロセスによって実行する可能性があるアクションの終わりまでのパスを全て確認する。更に、この方法は、各パスにおける各アクションを、パーティションにおけるサブプロセスの1つに割り当て、各サブプロセスがいつ動作するか、そしてどの位の間動作するか、分割スケジュールに基づいて判定し、各サブプロセスをパーティションに割り当てる。また、この方法は、分割スケジュールに基づいて、パスの内1つに対して第1アクションを完了するのにかかる時間を判定し、この1つのパスにおける次のアクションが、第1アクションと同じパーティションにおいて行われるか否か判定し、そうであれば、分割スケジュールに基づいて次のアクションを完了するのにかかる時間を判定し、そうでなければ、第1アクションを有するパーティションにおいて実行するサブプロセスから、次のアクションを有するパーティションにおいて実行するサブプロセスに移るのにかかる時間を判定する。この方法は、1つのパスに対するアクションの全てを実行するのにかかる時間が判定されるまで、次のアクションおよび直前のアクションが同じパーティションにおいて行われるか否か、このように判定し続け、更に、その1つのパスにおいてタイミングを判定すべきアクションが残っていないことを判定する。この方法は、可能なパスの全てにおいてアクションの全てを実行するのにかかる時間が判定されたか否か判定し、判定されていない場合、パスの全てに対して、アクションの全てを実行するのにかかる時間が判定されるまで、同じように分割スケジュールに基づいて、他のパスにおける第1アクションから開始して、アクションを完了するのにかかる時間を判定する。この方法は、パスの各々においてアクションを実行するのにかかる時間を集計(integrate)し、各処理パスにどの位時間がかかるか判定する。
【0005】
[0005] 以下の説明および添付した特許請求の範囲を、添付図面と併せて検討することによって、本開示の更に他の特徴も明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】あるプロセスの分割サブプロセスを示すアクティビティ図の実例である。
図2】分割プロセスの終わりまで通り抜けてパスを処理するときの最悪実行時間を計算するシステムのブロック図である。
図3図2に示すシステムにおいて最悪実行時間を計算するプロセスを示すフロー・チャート図(flow chart diagram)である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0009] 複数の分割サブプロセスを含むプロセスにおけるアクションに対する最悪実行時間を計算するシステムおよび方法を対象とする本開示の実施形態についての以下の論述は、その性質上単なる例示に過ぎず、開示を限定する意図も、その用途や使用を限定する意図も、全くない。
【0008】
[0010] 図1は、システムによって実行される特定のプロセスを示す統一モデリング言語(UML:unified modeling language)アクティビティ図10を示す。この図は4つのパーティション12、14、16、および18を含み、各々、プロセス全体の一部が実行される分割(partitioned)または解析(parsed)サブプロセスの位置を表す。各サブプロセスは、それ自体のスケジュールに基づいて、他のサブプロセスとは独立して、そしてそれ自体の処理速度で、同時に実行する。図10において、パーティション12において実行されるサブプロセスは、アクション・ボックス22においてユーザによって供給された入力を処理する。次いで、アクション・ボックス22からの処理された入力は、パーティション14におけるアクション・ボックス24に送られ、入力情報を検証する。アクション・ボックス24において実行されるアクションは、入力を検証し、検証されて処理される入力を、パーティション16における第1動作アクション・ボックス26に渡すことができ、またはこのアクションが有効か否か判定するために、パーティション14における判断アクション28に、検証された入力を渡すことができる。判断アクション28において、アクションが妥当であると判断されなかった場合、アクション・ボックス30において拒絶メッセージをパーティション12に返送し、ユーザに無効なアクションについて通知する。ボックス26において動作が実行される場合、次にパーティション18におけるアクション・ボックス32において、アクションの結果が検証され、検証動作の結果がパーティション18におけるアクション・ボックスに送られ、パーティション12にその結果を通知する。判断アクション28においてアクションが妥当であると判断された場合、妥当と判断された入力は、パーティション16における第2動作アクション・ボックス36に渡される。第2動作アクション・ボックス36では、動作を実行し、次いで処理した入力をアクション・ボックス26に送ることができ、または処理した入力を直接ボックス32に渡すことができる。
【0009】
[0011] 以上で説明したようなパーティション間およびアクション間における情報の流れは、異なる処理時間を要する4つの別々のパスを辿ることができる。つまり、他のパーティション12~18におけるサブプロセスをいつ実行すべきか把握するために、パーティション12~18の各々において処理にかかる可能性がある最大時間を判定する必要がある。この例では、第1パスは、ボックス22における入力の処理、次いでボックス24における入力の検証、次いでボックス26における動作の実行、次いでボックス32における動作結果の検証、更にボックス34における結果の送り出し、次いでパーティション12におけるアクティビティ最終報告の提供を含む。第2パスは、ボックス22における入力の処理、次いでボックス24における入力の検証、次いで判断アクション28における動作が有効であるという判定、次いでボックス36におけるアクションの実行、次いでボックス32における結果の検証、次いでボックス34における結果の送り出し、次いでパーティション12におけるアクティビティ最終報告の提供を含む。第3パスは、ボックス22における入力の処理、次いでボックス24における入力の検証、次いで判断ダイアモンド28における動作が有効であるという判定、次いでボックス36における動作の実行、次いでボックス26における動作の実行、次いでボックス32における結果の検証、次いでボックス34における結果の送り出し、次いでパーティション12におけるアクティビティ最終報告の提供を含む。第4パスは、ボックス22における入力の処理、ボックス24における入力の検証、次いで判断ダイアモンド28における動作が有効でないという判定、次いでボックス30における拒絶メッセージの送り出し、次いでパーティション12におけるアクティビティ最終報告の提供を含む。
【0010】
[0012] 図2は、複数の分割サブプロセスを含むプロセスにおけるアクションに対して最悪実行時間を計算するシステム40のブロック図である。ここで、システム40は、本明細書において論ずる動作を実行することができる任意のプロセッサ、コンピュータ、またはコンピューティング・システムを表すことを意図している。システム40は、アクティビティ図パーサ・プロセッサ(parser processor)42を含む。このアクティビティ図パーサ・プロセッサ42は、例えば、メタデータ情報を交換する場合の標準であるXMIフォーマット(XMLメタデータ交換)におけるような、拡張マークアップ言語(XML)で書かれたUMLアクティビティ図を、ライン44上で、ユーザから受け取る。プロセッサ42は、この図における各アクションを識別し、プロセスにおけるこれらのアクションに対して可能な各処理パスを確認し、これらのアクションをサブプロセスに割り当てる。この情報は、スケジュール・パーサ・プロセッサ46にも提供される。スケジュール・パーサ・プロセッサ46は、ライン48上でユーザから分割スケジュールも受け取る。分割スケジュールは、いつそしてどれ位の時間各サブプロセスを実行するか特定する(identify)。プロセッサ46は、スケジュールに基づいて、各アクションが各パスを抜けるのに要する時間を判定する。スケジュールは、パスが1つよりも多いパーティション間で交差する場合、パーティション間を移動する時間を含む。パス毎にアクションを実行するのにかかる時間は、最悪時間計算器50に供給され、最悪時間計算器50は、更に、ライン52上でユーザからのタイミング制約も受け取ることができる。計算器50は、最も長い実行時間を有するパスに対する最悪実行時間を計算し、この時間をライン54上で供給する。
【0011】
[0013] 図3は、例えば、システム40を使用して、特定のプロセスの最悪タイミングを計算する処理ツールの動作を示すフロー・チャート図58である。このツールは、ボックス60において開始し、ボックス62において、XMIフォーマットで書かれたプロセスと関連付けられた特定のアクティビティ図についての、ユーザによって提供されたファイルを開き、ボックス64においてプロセスにおける個々のアクションを1つ1つ識別する。次いで、ツールは、ボックス66において、図におけるプロセスによって実行される最初のアクションを決定し、ボックス68において、そのアクションからこの図の終わりまで通り抜けてこのプロセスを完了する、可能な処理パスの中から1つを識別する。次いで、ツールは、最初のアクションからこの図の終わりまで通り抜ける可能なパスの全てが識別されたか否か、判断ダイアモンド70において判定し、識別されていない場合、ボックス68に戻り、最初のアクションから他の処理パスを識別する。判断ダイアモンド70において処理パスの全てが識別されたなら、ボックス72において、ツールは次に各パスにおける各アクションを特定の分割サブプロセスに割り当てる。これによって、ツールには、アクティビティ図において実行されるプロセスについての理解が得られる。ボックス62~72において実行される動作の全ては、アクティビティ図パーサ42において実行される。
【0012】
[0014] この時点で、ツールは、どのアクションがどのサブプロセスと一体となったか把握し、処理スケジュールは、各サブプロセスが、いつそしてどれ位の時間、動作することになるか、ツールに通知する。この情報を使用して、ツールは各サブプロセスをパーティション12~18の内の1つに割り当てる。次いで、ツールは、ボックス76において、追加のタイミング制約をユーザに入力させる。これは、パーティション12~18において実行されるサブプロセスの内の1つの一部でなくてもよい。次いで、ツールは、ボックス78において、分割スケジュールに基づいて、可能なパスの内1つに対して第1アクションを完了するのにかかる最悪、即ち、最長時間を判定し、この時間を格納する。一旦そのパスの第1アクションに対する最悪時間が識別されたなら、ツールは、判断ダイアモンド80において、そのパスにおける次のアクションが、第1アクションと同じパーティションにおいて行われるか否か判定し、行われる場合、ツールは、ボックス82において、分割スケジュールに基づいて、次のアクションを完了するのにかかる最悪時間を判定し、この時間を格納する。ツールが、判断ダイアモンド80において、そのパスにおける次のアクションが第1アクションと同じパーティションにおいて行われないと判定した場合、ツールは、ボックス84において、第1アクションがあるパーティションにおいて実行するサブプロセスから、次のアクションを有するパーティションにおいて実行するサブプロセスに移るのにかかる最長時間を判定し、この時間を格納する。言い換えると、別々のパーティション12~18において実行するサブプロセスの同期は取られず、あるアクションの動作が、他のパーティションのスケジュールを待たなければならないこともあり得る。次いで、ボックス82において、このパーティション変更または切り替え時間が、後続のアクションを実行するのにかかる時間に追加される。
【0013】
[0015] 次いで、ツールは、判断ダイアモンド86において、現在分析中の可能なパスに何らかのアクションが未だ残されていないか判定し、残されている場合、判断ダイアモンド80に戻り、そのパスにおける次のアクションが、直前のアクションと同じパーティションにおいて行われるか否か判定する。ツールは、分析されている現在のパスに対して、パーティションの変更を含む、アクションの全てを実行する最悪タイミングが識別および格納されるまで、判断ダイアモンド80および86ならびにボックス82および84を回るループを処理し続ける。判断ダイアモンド86において、現在分析中の可能なパスに残されたアクションがなくなった場合、ツールは、次に判断ダイアモンド88において、可能なパスの全てに対してアクションの最悪タイミングが計算され終えたか否か判定し、計算され終えてない場合、ツールはボックス78に戻り、分割スケジュールに基づいて、他のパスにおいて最初のアクションを完了するのにかかる最悪時間を判定する。ツールは、パスの全てに対して、パーティション・サブプロセスの変更を含む、アクションの全てを実行する最悪タイミングが識別および格納されるまで、判断ダイアモンド80、86、および88、ならびにボックス78、82、および84を回るループを処理し続ける。この例では、分析されるパスは4本である。ボックス74~88において実行される動作の全ては、スケジュール・パーサ46において実行される。
【0014】
[0016] 可能なパスの全てにおけるアクションの全てを実行するのにかかる最悪時間が、判断ダイアモンド88において計算され終えたなら、ツールは、ボックス90において、パス毎のアクションおよびパーティション切り替えに対する最悪実行時間を集計し、ボックス92において、最も遅いパスに対する最悪実行時間および各パスに対する最悪実行時間を報告し、ボックス94においてツールは終了する。ボックス90および92において実行される動作の全ては、最悪時間計算器50において実行される。
【0015】
[0017] 以上の論述は、単に本開示の例示的な実施形態を開示および説明したに過ぎない。このような論述から、そして添付図面および特許請求の範囲から、以下の特許請求の範囲に定められている本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更、修正、および変形も行えることは、当業者には容易に認められよう。
図1
図2
図3
【国際調査報告】