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特表2023-551680センサデバイス、センサデバイスの使用、皮膚領域の特性を検出するための方法
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  • 特表-センサデバイス、センサデバイスの使用、皮膚領域の特性を検出するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】センサデバイス、センサデバイスの使用、皮膚領域の特性を検出するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0531 20210101AFI20231205BHJP
   A61M 37/00 20060101ALI20231205BHJP
   A61B 5/05 20210101ALI20231205BHJP
【FI】
A61B5/0531
A61M37/00 530
A61M37/00 510
A61B5/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532428
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2021082573
(87)【国際公開番号】W WO2022112197
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】102020131377.2
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】300005035
【氏名又は名称】エルテーエス ローマン テラピー-ジステーメ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ヘイダリ,ダストジェルディ,マラル
【テーマコード(参考)】
4C127
4C267
【Fターム(参考)】
4C127AA07
4C127BB05
4C267AA71
4C267BB24
4C267BB62
4C267CC01
(57)【要約】
【解決手段】皮膚領域(12)の特性を検出するためのセンサデバイス(10)は、少なくとも1つのセンサユニット(13)及びセンサユニット(13)に連結されている支持デバイス(20)を備えており、支持デバイス(20)は、検出対象の皮膚領域(12)に連結可能であり、センサユニット(13)は、検出対象の皮膚領域(12)に電気信号及び/又は磁気信号(16)を出力するための送信機(14)と、送信機(14)によって出力される電気信号及び/又は磁気信号によって生じる、皮膚領域(12)からの信号(16)を測定するための受信機(18)とを有している。本発明は、このようなセンサデバイスの使用、及び皮膚領域の特性を検出するための方法に更に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚領域(12)の特性を検出するため、特に皮膚領域(12)の有効成分を検出するためのセンサデバイス(10)であって、
少なくとも1つのセンサユニット(13)と、
前記少なくとも1つのセンサユニット(13)に連結されている支持デバイス(20)と
を備えており、
前記支持デバイス(20)は、検出対象の皮膚領域(12)に連結可能であり、
前記センサユニット(13)は、検出対象の皮膚領域(12)に電気信号及び/又は磁気信号(16)を出力するための送信機(14)と、前記送信機(14)によって出力される電気信号及び/又は磁気信号(16)によって生じる、前記皮膚領域(12)からの信号(16)を測定するための受信機(18)とを有している、センサデバイス。
【請求項2】
前記支持デバイス(20)は、好ましくは接着性の膜(22)を有している、請求項1に記載のセンサデバイス(10)。
【請求項3】
前記センサユニット(13)及び/又は前記支持デバイス(20)を前記皮膚領域(12)に配置するための好ましくは接着性の固定デバイス(24)を更に備えている、請求項1又は2に記載のセンサデバイス(10)。
【請求項4】
前記固定デバイス(24)は、前記センサユニット(13)及び/又は前記支持デバイス(20)を前記皮膚領域(12)に押し付けるための特に少なくとも1つのばね(28)を有する付勢デバイス(26)を有している、請求項3に記載のセンサデバイス(10)。
【請求項5】
前記送信機(14)及び/又は前記受信機(18)はコイルを有している、請求項1~4のいずれか1つに記載のセンサデバイス(10)。
【請求項6】
少なくとも1つのセンサユニット(13)は渦電流試験装置を有しており、特に渦電流試験装置で構成されている、請求項1~5のいずれか1つに記載のセンサデバイス(10)。
【請求項7】
前記センサデバイス(10)、特に少なくとも1つのセンサユニット(13)は、好ましくは前記皮膚領域(12)のインピーダンスを測定可能であるように構成されている、請求項1~6のいずれか1つに記載のセンサデバイス(10)。
【請求項8】
検出及び/又は測定されるデータを受信して評価するための評価デバイス(30)を更に備えている、請求項1~7のいずれか1つに記載のセンサデバイス(10)。
【請求項9】
前記センサデバイス(10)、特に前記支持デバイス(20)は、最大100 mm、好ましくは最大10mmの幅、及び/又は最大100 mm、好ましくは最大10mmの長さを有する、請求項1~8のいずれか1つに記載のセンサデバイス(10)。
【請求項10】
複数のセンサユニット(13)を備えており、
前記センサユニット(13)はアレイ状に配置されている、請求項1~9のいずれか1つに記載のセンサデバイス(10)。
【請求項11】
有効成分を皮膚に導入するための適用デバイス(100) であって、
特にマイクロアレイ(104) 又は有効成分パッチを有する有効成分放出デバイス(102) と、
好ましくは前記有効成分放出デバイス(102) に連結されている、請求項1~10のいずれか1つに記載のセンサデバイス(10)と
を備えている、適用デバイス。
【請求項12】
前記受信機(18)及び前記送信機(14)の少なくとも1つが前記マイクロアレイ(104) 若しくは前記有効成分パッチ内に配置されている、並びに/又は、
前記受信機(18)及び前記送信機(14)の少なくとも1つが前記マイクロアレイ(104) 若しくは前記有効成分パッチの外側に配置されている、請求項11に記載の適用デバイス(100) 。
【請求項13】
前記有効成分放出デバイス(102) は、マイクロニードル支持体(106) 及び/又はマイクロニードルアプリケータ(108) を有しており、
前記センサデバイス(10)は、前記マイクロニードル支持体(106) 及び/又は前記マイクロニードルアプリケータ(108) に特に一体的に連結されている、請求項11又は12に記載の適用デバイス(100) 。
【請求項14】
皮膚領域(12)の特性を検出するため、特に皮膚領域(12)の有効成分を検出するために、請求項1~10のいずれか1つに記載のセンサデバイス(10)又は請求項11~13のいずれか1つに記載の適用デバイス(100) を皮膚領域(12)に使用する方法。
【請求項15】
前記センサデバイス(10)又は前記適用デバイス(100) を検出対象の皮膚領域(12)に、好ましくは実質的に同一の位置及び/又は同一の向きに複数回、特に2回配置する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
送信機(14)及び受信機(18)を有する少なくとも1つのセンサユニット(13)を備えたセンサデバイス(10)を用いて、皮膚領域(12)の特性を検出するための方法であって、
前記少なくとも1つのセンサユニット(13)を、皮膚領域(12)を含む皮膚に配置して、前記皮膚領域(12)を検出する工程、
前記少なくとも1つのセンサユニット(13)の送信機(14)を介して前記皮膚領域(12)に電気及び/又は磁気の第1の信号(16)を導入する工程、
前記少なくとも1つのセンサユニット(13)の受信機(18)を介して皮膚の第1の結果信号(16)を検出する工程、並びに、
導入された前記第1の信号と前記第1の結果信号との差を測定して、好ましくは第1の測定結果を記録する工程
を有する、方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのセンサユニット(13)の送信機(14)を介して、好ましくは前記第1の信号(16)と同一の電気及び/又は磁気の第2の信号(16)を前記皮膚領域(12)に導入する工程、
前記少なくとも1つのセンサユニット(13)の受信機(18)を介して、前記皮膚領域(12)の第2の結果信号を検出する工程、
導入された前記第2の信号と前記第2の結果信号との差を測定して、好ましくは第2の測定結果を記録する工程、並びに
測定結果、特に第1の測定結果及び前記第2の測定結果を評価する工程
を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
結果信号、特に第1の結果信号を検出した後、前記少なくとも1つのセンサユニット(13)を外す工程、並びに
前記少なくとも1つのセンサユニット(13)を皮膚の上に再配置して皮膚領域(12)を検出し、その後、電気及び/又は磁気の次の、特に第2の信号(16)を導入する工程
を有する、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
第1の結果信号及び/又は第2の結果信号を検出するとき、前記皮膚領域(12)のインピーダンスを検出する、請求項16~18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
皮膚領域(12)への有効成分の導入を検出するための方法であって、
請求項16~19のいずれか1つに記載の方法を行う工程、及び
好ましくは結果信号を検出した後、特に好ましくは第1の結果信号を検出した後、好ましくはマイクロニードル(110) 又は有効成分パッチによって有効成分を前記皮膚領域(12)に導入する工程
を有する、方法。
【請求項21】
請求項1~10のいずれか1つに記載のセンサデバイス(10)又は請求項11~13のいずれか1つに記載の適用デバイス(100) を用いて、前記方法を行う、請求項16~19のいずれか1つに記載の方法、又は請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚領域の特性を検出するためのセンサデバイス、このようなセンサデバイスの使用、及び皮膚領域の特性を検出するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば薬物の飲み込み又は薬物の注射などの典型的な形態の有効成分の投与に加えて、皮膚を介して有効成分を適用するための概念がある。この点について、有効成分パッチ及びマイクロニードルが特に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マイクロアレイとも称されるマイクロニードルアレイは、一般的にはパッチ、プラスタなどの支持要素上に配置されているか又は支持要素に連結されている複数のマイクロニードルを有している。このようなマイクロアレイは、多数のマイクロニードル、例えば1cm2 当たり100 ~600 のニードルを有している。ニードルの長さが短いため、ニードルが患者の皮膚に押し込められると、ニードルは、神経及び血管が可能な限りニードル先端と接しない程度しか皮膚に貫通しない。マイクロニードルは有効成分又は薬物を含む。対応する有効成分をニードルの表面に塗布してもよく、又はニードル内に含めてもよい。ニードルは、皮膚で溶解する材料で形成されていることが好ましい。
【0004】
マイクロアレイの適用を成功させるため、特にマイクロアレイを用いた薬物治療を成功させるために、特に、例えばマイクロアレイが所望の皮膚位置に適用されること、正確な挿入、特に所望の皮膚層への正確な深さ挿入が行われること、適正/十分な量の有効成分が放出されること、適用が、特に夫々の皮質とは無関係に再現可能であること、及び/又は、有効成分が所望の位置のみに適用されて、その後、表面に拡散しないことが重大である。
【0005】
現在、マイクロアレイの正確な適用を評価するためのデバイス及び/又は方法がない。
【0006】
本発明の目的は、皮膚上及び/又は皮膚内への薬剤、特に有効成分の導入を検出することができる、皮膚領域の特性を検出するためのセンサデバイス、このようなセンサデバイスの使用、並びに皮膚領域の特性を検出するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によれば、請求項1に係るセンサデバイス、請求項14に係るセンサデバイスを使用する方法、及び請求項16に係る方法によって達成される。
【0008】
本発明に係る皮膚領域の特性を検出するためのセンサデバイスは、特に皮膚領域の有効成分を検出するためのセンサデバイスである。センサデバイスは少なくとも1つのセンサユニットを備えている。各センサユニットは少なくとも1つの送信機を有している。少なくとも1つの送信機は、電気信号及び/又は磁気信号を皮膚に出力するように構成されている。センサユニットは少なくとも1つの受信機を更に有している。少なくとも1つの受信機は、皮膚からの電気信号及び/又は磁気信号を測定するように構成されている。受信機は、少なくとも1つの送信機によって出力される信号を受信する、特に測定するように構成されていることが好ましい。センサデバイスは、センサユニットに連結されている支持デバイスを更に備えている。支持デバイスは少なくとも1つのセンサユニットと一個に、つまり一体に形成されていることが好ましい。センサユニットの各々、特に全ての送信機及び全ての受信機が支持デバイスと一体に形成されていることが好ましい。少なくとも1つのセンサユニットが支持デバイスによって収容される、例えば少なくとも1つのセンサユニットが支持デバイスに埋め込まれることが可能である。少なくとも1つのセンサユニットが支持デバイスに形状嵌合又は接合、特に接着によって連結されることが更に可能である。支持デバイスは、検出対象の皮膚領域を含む皮膚にセンサデバイスを配置するように好ましくは構成されている。
【0009】
好ましい実施形態では、センサデバイスは、少なくとも1つのセンサユニットが皮膚から離隔又は離間しているように構成されている。言い換えれば、少なくとも1つのセンサユニットが皮膚に直接接しないことが好ましい。センサデバイスは、少なくとも1つのセンサユニットが皮膚に間接的に接する及び/又は直接接しないように好ましくは構成されている。ここでは、少なくとも1つのセンサユニットが支持デバイスのカバー層によって皮膚から離隔することが可能である。カバー層は、特に保護銅ラッカー及び/又はプラスチック材料、例えば膜及び/又は樹脂を含んでいる。少なくとも1つのセンサユニットは、特にプラスチック材料、例えば膜及び/又は樹脂に埋め込まれていることが好ましい。センサユニットは、このような材料を含むか又はこのような材料で形成されている支持デバイスに埋め込まれていることが好ましい。特に、少なくとも1つのセンサユニットは保護銅層で被覆されている。ここでは、少なくとも1つの受信機及び/又は少なくとも1つの送信機は、皮膚から離隔及び/又は離間しているように特に構成されている。支持デバイスは、少なくとも1つのセンサユニットの送信機及び/又は受信機から皮膚までの距離が等しいように構成されていることが好ましい。少なくとも1つのセンサユニットを皮膚から離隔することにより、受信機及び/又は送信機からの信号が皮膚との接触によって乱される又は歪むことが有利な方法で特に実現する。受信機及び/又は送信機がコイルとして構成されている場合、皮膚と直接接しないため、一又は複数のコイルによって発生する磁場が乱れない又は歪まないことが有利な方法で特に実現する。
【0010】
少なくとも1つのセンサユニットは、送信機及び受信機が検出対象の皮膚領域に対して磁場計測可能に配置されるように構成されていることが好ましい。特に、少なくとも1つのセンサユニットは、検出対象の皮膚領域に対して反射性となるように構成されている。少なくとも1つのセンサユニットの送信機及び受信機は、互いに平行に及び/又は検出対象の皮膚領域に平行に配置されていることが好ましい。少なくとも1つのセンサユニットの送信機及び受信機、並びに好ましくは皮膚領域も互いに垂直方向に位置をずらして配置されることが好ましい。少なくとも1つのセンサユニットの送信機及び受信機が互いに同軸であることが更に可能である。少なくとも1つのセンサユニットの送信機は、そのセンサユニットの受信機内に配置されてもよく、又はその逆であってもよい。送信機及び受信機の上述した相対的な配置は、支持デバイス上又は支持デバイス内の送信機及び受信機の配置によって実現されることが好ましい。他方では、検出対象の皮膚領域が少なくとも1つのセンサユニットの対向する送信機及び受信機によって覆われるように、少なくとも1つのセンサユニットの送信機及び受信機が支持デバイス上に互いに対向して配置されることが可能である。従って、センサユニットの断層撮影配置が、検出対象の皮膚領域に関して可能である。これにより、送信機及び受信機間の皮膚領域を検知又は測定することが有利な方法で可能である。センサデバイスが差測定のために構成されていることが特に好ましい。これにより、少なくとも1つのセンサユニットの送信機及び受信機間の皮膚領域の測定を短時間で、特に数秒又は数ミリ秒内で行うことが好ましい方法で実現する。受信機の少なくとも1つのコイルが、送信機の少なくとも1つのコイルに対して定められた角度、例えば45°で配置されることが可能である。他方では、1つの大きな送信コイルを配置して、この送信コイルの近傍に複数の小さな受信コイルを配置することが可能である。この配置は同心配置であってもよい。複数の送信コイル及び複数の受信コイルのセンサアレイが更に可能である。
【0011】
好ましい実施形態では、支持デバイスは膜を有している。支持デバイスが膜で構成されていることが好ましい。支持膜は、好ましくは皮膚に付着するために接着性を有するように特に構成されている。そのため、センサデバイスが、膜センサとも称される膜センサデバイスとして実装されていることが好ましい。
【0012】
センサデバイスが、センサユニット及び/又は支持デバイスを検出対象の皮膚領域に配置するための固定デバイスを備えていることが好ましい。ここでは、固定デバイスが接着性を有するように構成されており、つまり皮膚との接着連結のために構成されていることが好ましい。固定デバイスがセンサユニット及び/又は支持デバイスから分離可能であることが好ましい。
【0013】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの送信機及び/又は少なくとも1つの受信機は磁石を有している。磁石は、ソレノイドとも称される電磁石であることが好ましい。特に、少なくとも1つの送信機及び/又は少なくとも1つの受信機は磁石で形成されている。少なくとも1つの送信機がコイルを有しており、つまり、コイルで構成されていることが好ましい。送信機が少なくとも1つのコイルを有している場合、コイルは送信コイルであることが好ましい。特に、少なくとも1つの受信機はコイルを有しており、つまり、コイルで構成されていることが好ましい。受信機が少なくとも1つのコイルを有している場合、コイルは受信コイルであることが好ましい。送信機は、好ましくは指向性磁場である一次磁場を発するように構成されていることが好ましい。特に、この一次磁場によって、皮膚に渦電流(EC)とも称されるフーコー電流が生じる。皮膚内のこの渦電流は、レンツの法則によれば好ましくは一次磁場と逆向きの二次磁場を発生させる。少なくとも1つの受信機がこの二次磁場を受けるように構成されていることが好ましい。ここで、受信信号は特に、夫々の皮膚の誘電性の、周波数依存電気特性によって決まる。受信機は、送信機の信号を検出しないような大きさ及び/又は構成を有することが好ましい。この大きさ及び/又は構成は、送信機の信号が皮膚からの信号より優勢になり過ぎず、ひいては皮膚からの信号がノイズで失われないという利点を有する。例えば、送信コイル及び/又は受信コイルが、送信/受信コイルとして構成されるように信号を送受信することができるコイルであることが可能である。
【0014】
少なくとも1つのセンサユニットが、検出対象の皮膚領域のEC試験とも称される渦電流試験のために構成されていることが特に好ましい。少なくとも1つのセンサユニットが、EC試験装置とも称される渦電流試験装置を有しており、特に渦電流試験装置で構成されていることが特に好ましい。少なくとも1つのセンサユニットはスキャンコイルを有しており、特にスキャンコイルで構成されていることが好ましい。センサデバイスは、ECセンサデバイスであることが好ましい。
【0015】
少なくとも1つのセンサユニットの受信機の1つのコイルが、この少なくとも1つのセンサユニットの送信機のコイル内に特に同軸に配置されていることが好ましい。少なくとも1つのセンサユニットが、少なくとも、特に正確には2つの受信コイル及び少なくとも、特に正確には1つの送信コイルを有していることが特に好ましく、少なくとも2つの受信コイルが少なくとも1つの送信コイル内に、好ましくは同軸に配置されていることが好ましい。少なくとも2つの受信コイルを有するこの配置では、受信コイルは互いに逆向きに切り替えられることが好ましい。この場合、受信コイルの誘導電圧を測定するのではなく、受信コイル電圧間の差を測定する方が、測定感度がより高く好ましい。
【0016】
少なくとも1つのセンサユニットの送信機は、好ましくはβ分散範囲内で交流電流を出力するように構成されていることが好ましい。特に、送信機は異なる周波数及び/又は周波数範囲の電磁場を出力する。従って、送信機によって異なる周波数の電磁場を送信して、好ましくは受信機によって受信することが好ましい。従って、検査対象の領域に特徴的な周波数スペクトルを組織から受信可能であることが有利な方法で特に実現する。この周波数スペクトルを、例えば特定の指紋と比較することができる。受信機は、異なる周波数及び/又は周波数範囲を受信するように構成されていることが好ましい。
【0017】
センサデバイス、特に好ましくは少なくとも1つのセンサユニットが、検出対象の皮膚領域のインピーダンス、つまり交流電流抵抗を測定することが可能であるように構成されていることが好ましい。そのため、センサデバイスが生体インピーダンス分光デバイスであることが特に好ましい。
【0018】
好ましい実施形態では、センサデバイスは、検出及び/若しくは測定されたデータを受信及び/又は評価するための評価デバイス、並びに/又は、制御のため、特に信号導入のための制御デバイスを少なくとも備えている。少なくとも1つのセンサユニットの受信機及び送信機は、ケーブル及び/又は導体経路を介してデータ及び/又は電流を伝えるように評価デバイスに接続されていることが好ましい。センサデバイスは、特に評価デバイスに接続するための端子を備えている。接続が物理的に確立されて終了し得るように、端子が接続可能であることが特に好ましい。センサデバイスは、例えばSMA のプラグシステムを介して評価デバイスに、例えば接続可能であってもよい。特に有線接続の代わりに又は有線接続に加えて、センサデバイス、好ましくは支持デバイスが、特に外部通信のための通信デバイスを有していることが好ましい。センサデバイスが特に評価デバイス及び/又は制御デバイスと無線で通信することができるように、通信デバイスは無線通信デバイスであることが好ましい。特に、通信デバイスは、Bluetooth (登録商標)及び/又はWiFi及び/又は無線を介した通信用に構成されている。
【0019】
センサデバイス、好ましくは支持デバイスが、エネルギー供給デバイスを有していることが好ましい。エネルギー供給デバイスは、特に好ましくは充電式バッテリを有し、好ましくはこのようなバッテリによって形成されている。
【0020】
センサデバイス、特に支持デバイスが、実質的に矩形状、特に正方形状であるか又は丸みを帯びた形状、特に円形状若しくは楕円形状であることが好ましい。センサデバイス、特に支持デバイスの幅が多くとも100 mm、好ましくは多くとも10mmであることが好ましい。或いは又は加えて、センサデバイス、特に支持デバイスの幅が多くとも100 mm、特に好ましくは多くとも10mmであることが好ましい。他方では、センサデバイス、特に支持デバイスの周囲の長さが実質的に多くとも100 mmであってもよく、特に好ましくは多くとも10mmであってもよい。
【0021】
好ましい実施形態では、センサデバイスは複数のセンサユニット、特に少なくとも4つのセンサユニットを備えており、センサユニットは、好ましくはアレイ状に配置されている。
【0022】
センサデバイスは、検出対象の皮膚領域に印を付けるためのマーキングデバイスを備えていることが好ましい。支持デバイスがマーキングデバイスを有していることが特に好ましい。マーキングデバイスは、特にセンサデバイスを皮膚領域に新たに配置するために、検出対象の皮膚領域に印を付けるように構成されていることが好ましい。例えば、センサデバイスは、特に皮膚にセンサデバイスを最初に配置した後に皮膚に転写されて、ひいてはその場所に印を付けて、例えば皮膚に配置されたセンサデバイスの外周を「描画」するカラーマークを有してもよい。マーキングデバイスが、例えばレーザガイドなどの光学的方法又は音響的方法で検出対象の皮膚領域に印を付けるか又は検出対象の皮膚領域を識別することが更に可能である。
【0023】
本発明は、有効成分を皮膚に導入するための適用デバイスに更に関する。本発明の適用デバイスは有効成分放出デバイスを備えている。有効成分放出デバイスは、マイクロアレイ又は有効成分パッチを有しており、特にマイクロアレイ又は有効成分パッチで構成されていることが好ましい。適用デバイスは、上述した特徴の一又は複数に応じたセンサデバイスを更に備えている。有効成分放出デバイスはセンサデバイスに連結されている、特に一体化されていることが好ましい。
【0024】
本発明に係る適用デバイスを使用すると、皮膚への有効成分の放出、加えてセンサデバイスを用いた測定を、特に同時的に行うことが有利に可能である。従って、適用の直接評価を有利な方法で行うことが可能である。
【0025】
好ましい実施形態では、適用デバイスは、受信機及び送信機の少なくとも1つがマイクロアレイの適用領域及び/又はマイクロパッチの適用領域内に配置されるように構成されている。或いは又は加えて、受信機及び送信機の少なくとも1つがマイクロアレイの適用領域又は有効成分パッチの適用領域外に配置されていることが好ましい。適用デバイスがマイクロアレイを用いて構成されるとき、受信機、送信機及びマイクロアレイのマイクロニードルが並んで及び/若しくは交互に配置されること、又は、センサユニット及びマイクロニードルが並んで及び/若しくは交互に配置されることが可能である。
【0026】
適用デバイスの有効成分放出デバイスがマイクロニードル支持体及び/又はマイクロニードルアプリケータを有していることが好ましい。ここでは、センサデバイスがマイクロニードル支持体及び/又はマイクロニードルアプリケータに連結されている、特に一体に連結されていることが好ましい。マイクロニードル支持体が、独国特許出願公開第102019200555.8号明細書又は独国特許出願公開第102019200561号明細書に記載されているように構成されていることが好ましい。マイクロニードルアプリケータが、独国特許出願公開第102019200563号明細書、独国特許出願公開第102019200557号明細書、独国特許出願公開第102019122948号明細書又は独国特許出願公開第102020109563号明細書に記載されているように構成されていることが好ましい。
【0027】
本発明は、上述した特徴の一又は複数を有するセンサデバイス、及び上述した特徴の一又は複数を有する適用デバイスの使用に更に関する。使用中、センサデバイス又は適用デバイスを、検出対象の表面の特性を検出するように検出対象の表面で使用する。特に、センサデバイス又は適用デバイスを、皮膚領域の特性を検出するために、特に皮膚領域の有効成分を検出するために皮膚領域で使用する。
【0028】
センサデバイス又は適用デバイスを、特性を検出するように検出対象の表面に複数回、特に2回配置することが好ましい。特に、この配置を実質的に同一の位置及び/又は同一の向きで行う。従って、同一の表面領域を異なる時点及び/又は状態で検知可能であること、ひいては異なる状態を互いに比較可能であることが特に有利に実現される。
【0029】
更に、本発明は、表面領域、特に皮膚領域の特性を検出するための方法に関する。本発明に係る方法を、センサデバイスを用いて行う。センサデバイスは、少なくとも1つの受信機及び少なくとも1つの送信機を有する少なくとも1つのセンサユニットを有している。送信機及び/又は受信機はコイルを有しており、特にコイルで形成されていることが好ましい。本発明に係る方法は、以下に記載される工程を有し、工程を提示された順序で実行することが好ましい。
【0030】
第1の工程では、検出対象の皮膚領域を検知するために少なくとも1つのセンサユニットを検出対象の皮膚領域を含む皮膚の上に配置する。少なくとも1つのセンサユニットを、センサデバイスに関して上述したように皮膚の上に配置することが好ましい。少なくとも1つのセンサユニットを皮膚の上に磁場計測可能に及び/又は反射性となるように配置することが好ましい。他方では、少なくとも1つのセンサユニットを皮膚に断層撮影可能に配置することが可能である。
【0031】
本方法の第2の工程では、電気及び/又は磁気の第1の信号を、少なくとも1つのセンサユニットの送信機を介して検出対象の皮膚領域に及び/又は検出対象の皮膚領域内に導入する。第1の信号は一次磁場を含んでおり、特に一次磁場で構成されていることが好ましい。第1の信号を導入することにより、検出対象の皮膚領域に渦電流を発生させることが好ましい。渦電流は、検出対象の皮膚領域に二次磁場を発生させることが好ましい。
【0032】
第3の工程では、検出対象の皮膚領域における第1の結果信号を、少なくとも1つのセンサユニットの受信機を介して検出する。第1の結果信号は、検出対象の皮膚領域における、導入された第1の信号によって発生した渦電流又は二次磁場を有している、特にこのような渦電流又は二次磁場で構成されていることが好ましい。検出対象の皮膚領域のインピーダンスを測定することが好ましい。
【0033】
第4の工程では、導入された第1の信号と第1の結果信号との差、特に位相差及び/又は振幅差を測定する。ここでは、この測定結果に基づいて第1の測定結果を記録することが好ましい。少なくとも1つのセンサユニットが少なくとも2つの受信コイルを有する実施形態では、これらの受信コイルの受信コイル電圧間の差を測定することが好ましい。
【0034】
好ましくは実行すべき第5の工程では、電気及び/又は磁気の第2の信号を、少なくとも1つのセンサユニットの送信機を介して皮膚に及び/又は皮膚内に導入する。第2の信号は第1の信号と実質的に同一であることが好ましい。第5の工程を、上述した第2の工程の一又は複数の特徴と共に対応して行うことが好ましい。
【0035】
次に、好ましい第6の工程では、少なくとも1つのセンサユニットの受信機を介して皮膚の第2の結果信号を検出する。第6の工程を、上述した第3の工程の一又は複数の特徴と共に対応して行うことが好ましい。
【0036】
その後、好ましい第7の工程では、導入された第2の信号と第2の結果信号との差、特に位相差及び/又は振幅差を測定して、好ましくは第2の測定結果を記録する。
【0037】
好ましい第8の工程では、測定結果を評価する。ここでは、評価する際、検出された測定結果、特に第1及び第2の測定結果を比較することが特に好ましい。好ましい実施形態では、第1の信号及び第2の信号の導入、検出及び測定に加えて、あらゆる数の更なる信号を導入、検出及び/又は測定することができる。
【0038】
第2、第3及び第4の工程を共に行うことにより、第1のインピーダンス検出を行う、並びに/又は、第5、第6及び第7の工程を共に行うことにより、第2のインピーダンス検出を行うことが好ましい。このような更なるインピーダンス検出がその後に可能であることが好ましい。
【0039】
好ましい実施形態では、本方法は、結果信号、特に第1の結果信号を検出した後に少なくとも1つのセンサユニットを外す更なる工程を有する。加えて、次の、特に第2の電気信号及び/又は磁気信号を導入する前に少なくとも1つのセンサユニットを再配置する工程を行うことが好ましい。従って、先ず、少なくとも1つのセンサユニットを皮膚に配置して、皮膚領域の第1の検知を行うことが好ましい。次に、少なくとも1つのセンサユニットを検出対象の場所から外すことが好ましい。このようにして、検出対象の皮膚領域の最初の状態を検出可能であることが好ましい。その後、例えば有効成分を特にマイクロアレイによって導入することにより、皮膚領域に影響を与えることが特に可能である。そのため、その後、少なくとも1つのセンサユニットを、特に同一の位置及び/又は同一の方法で再度配置して、次に、作用後、特に有効成分の導入後の皮膚の特性の変化を決定すべく皮膚領域の新たな検知を行うことが好ましくは可能である。
【0040】
信号、特に第1及び/又は第2の信号の導入を約3秒間行うことが好ましい。他方では、信号導入を2秒間、特に好ましくは1秒間行うことが好ましい。
【0041】
結果信号の検出と更なる信号の新たな導入との間に間隔を空けることが好ましい。1回のインピーダンス検出と次のインピーダンス検出との間に間隔を空けることが好ましい。3回以上の検出、特に3回以上のインピーダンス検出を行う場合、その間の間隔は等しい、増加する又は減少することが可能である。例えば、複数の検出の間に0.25h、0.5 h、1h、6h、12h、24hの間隔を設けてもよい。このようにして、検出対象の皮膚領域への有効成分の急速放出又は持続放出に関する情報を有利に得ることが特に可能である。これは、速く又は遅く溶解する、例えば即時放出プロファイル又は持続放出プロファイルを有するマイクロアレイパッチで特に興味深い。従って、放出を監視するだけでなく、有効成分の突然の放出などの副反応を迅速に検出して行動を起こすことも特に可能である。
【0042】
本発明は、皮膚領域への有効成分の導入を検出するための方法に更に関する。この方法は、上述した方法を行う工程を有する。更に、皮膚領域に有効成分を導入する工程を行う。有効成分を、マイクロニードル又は有効成分パッチによって導入することが好ましい。結果信号の検出後、特に第1の結果信号の検出後に有効成分を導入することが好ましい。他方では、表面領域の特性を検出するために上述した方法を行う前に有効成分を導入することが更に可能である。
【0043】
表面領域、特に皮膚領域の特性を検出するための上述した方法、及び/又は、皮膚領域への有効成分の導入を検出するための上述した方法を、上述したセンサデバイス又は上述した適用デバイスを用いて行うことが好ましい。ここでは、この方法を行う際にセンサデバイスが支持デバイスを備えていることは特に必要ではない。従って、この方法を行う際、センサデバイスは、支持デバイスとは無関係に上述したセンサデバイスの特徴の一又は複数を有してもよい。
【0044】
本発明に係る一又は複数のデバイス及び/又は一又は複数の方法により、一方では、皮膚のインピーダンスがニードルによって貫通された後に変化するので、適用に関するフィードバックを得ることができ、他方では、皮膚の下の有効成分の分配についての指標、ひいてはマイクロアレイ送達の効率についてのフィードバックを得るという点で、マイクロアレイ適用の評価が特に有利に行われる。
【0045】
以下に、添付図面を参照して好ましい実施形態によって本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明に係るセンサデバイスを示す平面略図である。
図2】使用中の本発明に係るセンサデバイスの実施形態を示す概略図である。
図3】本発明に係るセンサデバイスの更なる実施形態を示す平面略図である。
図4】本発明に係るセンサデバイスの更なる実施形態を示す平面略図である。
図5】本発明に係る適用デバイスの実施形態を示す平面略図である。
図6】本発明に係るセンサデバイスの更なる実施形態を示す側断面略図である。
図7】本発明に係るセンサデバイスの更なる実施形態を示す側断面略図である。
図8】本発明に係る適用デバイスの更なる実施形態を示す側断面略図である。
図9a】1つの状態の本発明に係る適用デバイスの更なる実施形態を示す側断面略図である。
図9b】1つの状態の本発明に係る適用デバイスの更なる実施形態を示す側断面略図である。
図10】本発明に係る適用デバイスの更なる実施形態を示す断面略図である。
図11】本発明に係る適用デバイスの更なる実施形態を示す断面略図である。
図12】本発明に係る皮膚領域への有効成分の導入を検出するための方法を、本発明に係る皮膚領域の皮膚特性を検出するための方法と共に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図面には、同様又は同一の部品又は要素が同一の参照番号又はその変形(14,14a 及び14b )で示されている。特に明瞭性を高めるために、好ましくは既に特定されている要素は、全ての図面に参照番号が記載されない。例えば、要素が他の要素の後ろに配置されているため、図面において見えない又は覆われる要素は、好ましくは説明のために破線で示されてもよい。
【0048】
図1は、本発明に係るセンサデバイス10の下側を示す平面略図である。
【0049】
センサデバイス10は支持デバイス20を備えており、支持デバイス20は本例では、例えば身体の湾曲した位置に、特に完全に適用され得るように可撓性膜22として構成されている。図示されている可撓性膜22の下側は、特に可撓性膜上の接着剤によって構成されている接着面23を有していることが好ましい。
【0050】
センサデバイス10は、図示されているセンサデバイス10の下側にセンサユニット13を備えている。センサユニット13は、送信機14及び反対側の受信機18を有している。この実施形態では、下方に示されている送信機14は送信コイル14である。上方に図示されている受信機18は受信コイル18である。この実施形態及び他の実施形態では、送信コイル及び/又は受信コイルが、送信/受信コイルとして構成されるように信号を送受信し得るコイルであることが可能である。検出対象の皮膚領域12は送信コイル14及び受信コイル18間に位置付けられ、前記皮膚領域は、破線で示されている領域12で例示されている。受信機18及び送信機14が対向して配置されている図1の実施形態では、センサユニット13の断層撮影構成が例示されている。
【0051】
送信コイル14は、矢印16で例示的に示されている信号を出力する。信号の出力は特に、センサデバイス10が配置される検出対象の皮膚領域12で行われる。
【0052】
出力される信号は、特に電気信号及び/又は磁気信号である。信号は磁場で構成されていることが特に好ましい。送信コイル14は交流電流を出力することが好ましい。受信コイル18は、出力信号16から生じる信号を受信する。インピーダンスが出力信号及び受信信号によって決定されることが特に好ましい。コイル14, 18は、例えばデータ及び/又は信号及び/又は電流を伝えるためにワイヤ32に接続されており、前記ワイヤは導体経路であることが好ましい。ワイヤ32によって、端子34と接点36との接続が可能になる。端子34は、センサデバイス10の反対側の(図示されていない)前側に配置されていることが好ましい。受信コイル18及び送信コイル14は、支持デバイス20の内側に配置されており、ひいては皮膚に直接接しないことが好ましい。受信コイル18及び送信コイル14が支持デバイスによって包まれていることが特に好ましい。例えば評価デバイス(例えば図2参照)を用いた通信が、好ましくは外部の端子34を介して可能である。或いは又は加えて、センサデバイス10、特に支持デバイス20が、例えば評価デバイスとの無線通信のために無線通信デバイス(不図示)を有することが可能である。センサデバイス10、特に支持デバイス20がバッテリ、好ましくは充電式バッテリを有してもよいことが好ましい。特にバッテリは蓄電池である。
【0053】
図2は、本例では腕の領域44として図示されている皮膚領域12への本発明に係るセンサデバイス10の適用を概略的に示す。図2のセンサデバイス10が図1のセンサデバイス10と同様に構成されていることが好ましい。
【0054】
膜22の下側が、腕44の検出対象の皮膚領域12に特に接着によって配置される。皮膚領域12の特性が、出力信号及び受信コイル18で検出された対応する結果信号から、特に決定されたインピーダンスから決定され得る。
【0055】
電流及び/又はデータを伝える通信のために、評価デバイス30は端子34を介して接続され得る。接続は、端子34の接点36、及び評価デバイス30の対応する端子40の接点42を介して行われることが好ましい。評価デバイス30及び評価デバイス30の端子40はワイヤ38によって接続されている。
【0056】
図3は、本発明に係るセンサデバイス10の更なる実施形態を示す。図3のセンサデバイス10は、図1のセンサデバイス10の実施形態に実質的に相当する。センサデバイス10は、マーキングデバイス46を更に備えている。図示されているように、マーキングデバイス46は膜22の外縁部に設けられているカラーマークである。このカラーマークは、センサデバイス10が皮膚領域に配置されると、皮膚領域にカラーマークが転写されるように構成されていることが好ましい。従って、センサデバイス10を外した後、センサデバイス10が同一の皮膚領域に再配置されるときにテンプレートのようなマークに基づいてセンサデバイス10が同一の位置に配置され得る。
【0057】
図4は、本発明に係るセンサデバイス10の更なる実施形態を示す。図4のセンサデバイス10は、図1のセンサデバイス10の実施形態に基づいている。図1の実施形態とは対照的に、図4のセンサユニット13は、断層撮影方式ではなく反射方式で構成されている。センサユニット13の送信コイル14及び受信コイル18は、支持デバイス20内に同軸に配置されている。送信コイル14は一次磁場を発することが好ましい。一次磁場は、検出対象の皮膚領域12に渦電流を発生させる。渦電流は、受信コイル18によって検出され得る二次磁場を発生させることが好ましい。送信コイル14及び受信コイル18の同軸配置の代わりに、好ましくは検出対象の皮膚領域12が受信コイル18の下に平行に配置されて、受信コイル18が送信コイル14の下に平行に配置されるような、送信コイル14及び受信コイル18の平行配置が更に可能である。
【0058】
図5は、本発明に係る適用デバイス100 の実施形態を示す。
【0059】
図示されている適用デバイス100 の下側に、一方ではセンサデバイス10が配置されており、他方ではマイクロアレイ104 として構成されている有効成分デバイスが配置されている。マイクロアレイ104 は複数のマイクロニードル110 を有している。実質的に膜22はコイル14a ~コイル14d 及びコイル18a ~コイル18d のための支持デバイス及びマイクロアレイ104 のためのマイクロアレイパッチを構成している。
【0060】
対向する送信コイル14a 及び受信コイル18a 間、対向する送信コイル14b 及び受信コイル18b 間、対向する送信コイル14c 及び受信コイル18c 間、並びに対向する送信コイル14d 及び受信コイル18d 間の各々に位置付けられた皮膚領域の特性を検出することができ、この皮膚領域は、特にマイクロアレイ104 の影響を受ける。この影響は、例えば導入された有効成分及び/又はマイクロニードル自体の挿入によって生じる場合がある。図5の実施形態はここでも断層撮影式センサデバイス10である。しかしながら、代わりに例えばコイル14a ~コイル14d 及びコイル18a ~コイル18d が夫々スキャンコイルであり、ひいては非断層撮影式配置が可能である。
【0061】
図6は、本発明に係るセンサデバイス10の更なる実施形態を概略的に示す側断面図である。送信コイル14及び受信コイル18を有するセンサユニット13が、センサデバイス10の支持デバイス20内に配置されている。センサデバイス、特にセンサユニット13は、人の皮膚48の検出対象の皮膚領域12に対して反射性となるように配置される。送信コイル14は一次磁場16' を発する。一次磁場16' は、検出対象の皮膚領域12に渦電流16''を発生させる。渦電流16''は、受信コイル18によって検出され得る二次磁場16''' を発生させることが好ましい。
【0062】
図7は、図6の実施形態に本質的に相当する、本発明に係るセンサデバイス10の更なる実施形態を概略的に示す側断面図である。図6の実施形態とは対照的に、送信コイル14及び受信コイル18は、上下に平行に配置されておらず、同軸に配置されている。ここでは、受信コイル18は送信コイル14内に配置されている。
【0063】
図8は、本発明に係るセンサデバイス10の実施形態と共に本発明に係る適用デバイス100 の更なる実施形態を概略的に示す側断面図である。センサデバイス10の実施形態は、図6の実施形態に実質的に相当する。適用デバイス100 は有効成分放出デバイス102 を備えており、有効成分放出デバイス102 は、マイクロアレイ104 及びマイクロアレイ104 を支持するマイクロアレイ支持体106 を有している。マイクロアレイ支持体106 は、センサデバイス10の支持デバイス20に、好ましくは一体に連結されている。マイクロアレイ104 の図示されている非適用状態では、例えば、センサデバイス10を使用して皮膚領域12の最初の状態を検出することが可能である。皮膚領域12へのマイクロアレイ104 の適用中及び/又は適用後、センサデバイス10を使用して皮膚領域12を新たに検出することにより変化を測定することが可能である。
【0064】
図9a及び図9bは、本発明に係るセンサデバイス10の実施形態と共に本発明に係る適用デバイス100 の更なる実施形態を概略的に示す側断面図である。センサデバイス10は、図8のセンサデバイス10に実質的に相当する。適用デバイス100 は、図8の適用デバイス100 に基づいている。図8の構成に加えて、図9a及び図9bの構成は、マイクロアレイ104 の適用のためにマイクロアレイ支持体106 が移動可能に配置されているマイクロニードルアプリケータ108 を備えている。図9aでは、マイクロアレイ支持体106 又はマイクロアレイ104 は(上方で)非適用状態にある。図9bでは、マイクロアレイ104 は皮膚領域12に適用されている(下方に移動している)。センサデバイス10を使用すると、適用前、適用中、及び/又は適用後に皮膚領域12を検出することができる。
【0065】
図10は、マイクロアレイ104 及びマイクロアレイ104 を支持するマイクロアレイ支持体106 を有する有効成分放出デバイス102 を備えた本発明に係る適用デバイス100 の実施形態を示す。ここでは、マイクロニードル110 及び/又はマイクロアレイ104 は、独国特許出願公開第102019200558号明細書に開示されているように特に構成されている。
【0066】
センサデバイス10のセンサユニット13は、マイクロニードル支持体106 に好ましくは一体に連結されている。センサユニット13は、特にマイクロニードル支持体106 内に配置されている。マイクロニードル支持体106 が皮膚に配置されると、マイクロアレイ104 が適用される皮膚領域12を、センサデバイス10を用いて検出することができる。マイクロアレイ104 を皮膚内に適用した後、つまりマイクロアレイ104 をビード112aからビード112bに下方に移動させた後、そのために更に影響を受ける皮膚領域を(再度)検出することができる。
【0067】
図11は、本発明に係る適用デバイス100 の実施形態を示す。ここでは、本発明に係るセンサデバイス10がマイクロニードルアプリケータ108 内に一体化されている。マイクロニードル支持体は、独国特許出願公開第102019200558号明細書に開示されているマイクロニードル支持体であることが好ましい。マイクロニードルアプリケータ108 が皮膚に配置されると、センサデバイス10により皮膚領域を検出することができる。図10の実施形態と同様に、このような検出は適用前及び適用後の両方で可能である。
【0068】
全ての実施形態で、特に図6~11の実施形態で、センサデバイス10は複数のセンサユニット13を備えることが可能である。
【0069】
図12は、本発明に係る、皮膚領域への有効成分の導入を検出するための方法の実施形態の枠組み内で、本発明に係る、皮膚領域の特性を検出するための方法の実施形態を概略的に示す。
【0070】
Iは、検出対象の皮膚領域12へのセンサデバイス10の配置を示す。この配置により、皮膚の最初の状態を検出することが好ましくは可能である。
【0071】
IIは、マイクロアレイ104 による皮膚領域12への有効成分の導入を示す。このために、Iに示されているセンサデバイス10は皮膚領域から外されている。ここでは、センサデバイス10の第1の適用(I)により皮膚領域にカラーマーク47が残っていることが好ましくは可能である。
【0072】
IIIは、有効成分の導入(II)後、検出対象の皮膚領域12へのセンサデバイス10の再配置を示す。ここでは、皮膚領域12へのセンサデバイス10の再配置を、テンプレートのようにカラーマーク47にセンサデバイス10を配置することにより行い、ひいては実質的に同一の配置を行うことが好ましい。
【0073】
従って、センサデバイス10を使用して、有効成分の導入前(I)及び有効成分の導入後(III)の両方で、検出対象の皮膚領域12の特性を検出することが可能である。ここでは、特にマイクロアレイ104 によって導入される有効成分を評価することが有利に可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
【国際調査報告】