(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】高分解能及び広範囲の圧力センサ
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20231205BHJP
F24F 3/044 20060101ALI20231205BHJP
H05K 7/20 20060101ALN20231205BHJP
【FI】
G06F1/20 D
G06F1/20 B
F24F3/044
H05K7/20 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532555
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 US2021072586
(87)【国際公開番号】W WO2022115854
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523194868
【氏名又は名称】デジタル ポーポイス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】クラーク ジェイソン ウィルフレッド
【テーマコード(参考)】
3L053
5E322
【Fターム(参考)】
3L053BB04
5E322BA05
5E322EA11
(57)【要約】
固体センサは、筐体の第1側に第1開口部を有し、筐体の第2側に第2開口部を有する筐体と、前記第1開口部及び第2開口部と流体連通する第1通路と、前記第1通路内に配置された固体方向センサと、を含む。前記固体方向センサは、第1軸位置に配置された第1センサ(142)と、第2軸位置に配置された第2センサ(144)と、前記第1軸位置と前記第2軸位置との間の第3軸位置に配置された流れ偏向器とを含むことができる。前記流れ偏向器は、前記第1通路を絞るように前記第1通路内に延在することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体であって、前記筐体の第1側に第1開口部を有し、前記筐体の第2側に第2開口部を有する筐体と、
前記第1開口部及び第2開口部と流体連通する第1通路と、
前記第1通路内に配置された固体センサと、を含み、
前記固体センサは、
前記第1通路内の第1軸位置に配置された第1センサと、
前記第1通路内の第2軸位置に配置された第2センサと、
前記第1通路内の前記第1軸位置と前記第2軸位置との間の第3軸位置に配置され、前記第1通路を絞るように前記第1通路内に延在する流れ偏向器と、を含む、センサアセンブリ。
【請求項2】
前記流れ偏向器は、前記第1通路を通って流れる流体の流れの少なくとも一部を、前記第1センサではなく、前記第2センサの周囲で第1方向に偏向させるように構成され、流体が前記第1方向に流れるとき、前記第2センサは、前記第1センサの下流にある、請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
前記流れ偏向器は、前記第1通路を通って流れる流体の流れの少なくとも一部を、前記第2センサではなく、前記第1センサの周囲で第2方向に偏向させるように構成され、流体が前記第2方向に流れるとき、前記第1センサは、前記第2センサの下流にある、請求項1又は2に記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
前記流れ偏向器は、前記流れ偏向器の第1側に第1凹部を含み、前記流れ偏向器の第2側に第2凹部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
前記第1センサは、前記第1凹部に隣接して配置され、前記第2センサは、前記第2凹部に隣接して配置される、請求項4に記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
前記第1凹部と前記第2凹部とは、前記流れ偏向器のまわりに対称に配置される、請求項5に記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
センサは、校正を必要とせずに無期限に動作することができる、請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項8】
センサは、気流速度センサを更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項9】
前記センサアセンブリは、前記筐体の第2通路内に配置された気流速度センサを更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項10】
前記センサアセンブリは、データセンタで使用するために構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項11】
前記第1センサ及び前記第2センサの少なくとも一方は、正の温度係数(PTC)を有するサーミスタ素子である、請求項1~10のいずれか一項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項12】
前記固体センサは、センサを通って流れる空気の温度を測定するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項13】
前記固体センサは、前記固体センサの読取値の全範囲にわたって99.75%以上の精度を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項14】
前記第1通路と平行な第2通路を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のセンサアセンブリを含むシステムであって、前記センサアセンブリを通って流れる空気の圧力を決定するように構成されたプロセッサを含む、システム。
【請求項16】
前記システムは、少なくともベルヌーイの式を用いて前記圧力を決定するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
請求項1~13のいずれか一項に記載のセンサアセンブリと、前記固体センサを通過する空気の流れ方向、冷却供給の適否、温度、及び監視対象領域の圧力の少なくとも1つを表示するように構成された1つ以上の表示灯と、を含む、システム。
【請求項18】
請求項1~13のいずれか一項に記載のセンサアセンブリと、前記固体センサを通過する空気の流れ方向及び/又は前記固体センサが曝露される空気に関する他の情報を表示するように構成された表示パネルと、を含むシステム。
【請求項19】
第1ゾーンと第2ゾーンを有するデータセンタ内の熱管理システムを制御するシステムであって、
請求項1~13のいずれか一項に記載のセンサアセンブリと、
前記第1ゾーンに供給される空気を冷却するコントローラと、を含み、
前記センサアセンブリは、第1ゾーンと第2ゾーンとの間の仕切り壁に位置し、
前記コントローラは、冷却ゾーンとホットゾーンとの圧力差が閾値を下回ったとき、及び/又は、前記センサアセンブリを通る空気の流れの方向が前記ホットゾーンから前記冷却ゾーンに向かうとき、前記冷却ゾーンへの空気の流れを増加させるように構成される、システム。
【請求項20】
前記第1ゾーンは、クールゾーンであり、前記第2ゾーンは、ホットゾーンである、請求項19に記載のデータセンタ内の熱管理システムを制御するシステム。
【請求項21】
通路に配置された第1センサに第1電流を供給するステップと、
流体が前記通路を通って流れているときに前記第1センサの第1抵抗を測定するステップと、
前記通路に配置され、前記第1センサと離間して配置され、前記第1センサとの間に流れ偏向器が配置された第2センサに第2電流を供給するステップと、
前記流体が前記通路を通って流れているときに前記第2センサの第2抵抗を測定するステップと、
前記第1抵抗と前記第2抵抗とを比較して前記流体の流れの方向を決定するステップと、を含む、通路内の流体の流れ方向を測定する方法。
【請求項22】
前記流れ偏向器は、前記流れ偏向器の第1側に第1凹部を含み、前記流れ偏向器の第2側に第2凹部を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1センサは、前記第1凹部に配置され、前記第2センサは、前記第2凹部に配置される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1凹部と前記第2凹部とは、前記流れ偏向器のまわりに対称に配置される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
データセンタ内の流れ方向を決定するステップを更に含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
データセンタ内のホットゾーンとコールドゾーンとの間の仕切り壁を通る流れ方向を決定するステップを更に含む、請求項21~25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
第1温度センサを用いて、システムを通って流れる流体の温度を測定するステップと、
前記第1温度センサに第1電流を供給するステップと、
流体が前記第1温度センサを流れたときに前記第1温度センサの第1抵抗を測定するステップと、
前記第1温度センサと離間して配置され、前記第1温度センサとの間に配置された流れ偏向器を有する第2温度センサに第2電流を供給するステップと、
前記流体が前記第2温度センサを流れたときに前記第2温度センサの第2抵抗を測定するステップと、
前記第1抵抗と前記第2抵抗とを比較するステップと、
前記システム内の流体の流れの方向を測定するステップと、
前記システム内を流れる流体の圧力を決定するステップと、を含む、システム内を流れる流体の圧力を測定する方法。
【請求項28】
前記第1抵抗と前記第2抵抗とを比較することにより、前記システム内を流れる前記流体の方向を決定するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記流体の圧力差、圧力、温度及び/又は流れの方向を伝達するステップを含む、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
システム内を流れる流体の圧力を測定するステップは、固定開口部を通って前記システム内を流れる流体の圧力を測定するステップを含む、請求項27~29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張及び参照による援用
本願は、2020年11月25日に出願されたHIGH RESOLUTION WIDE RANGE PRESSURE SENSOR」という名称の米国特許出願第63/118,292号の優先権を主張するものであり、その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。優先権の利益は、35U.S.C.§119(e)を含むがこれに限定されない適切な法的根拠に基づいて主張される。本願とともに提出された出願データシートにおいて外国又は国内の優先権主張が特定されている任意かつ全ての出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとし、本明細書の一部となる。
【0002】
本開示の実施形態は、圧力センサを含む気流センサに関する。
【背景技術】
【0003】
ホットアイル及びコールドアイルなどのデータセンタ内封じ込め空間は、圧力センサにより制御又は監視することができる。データセンタの気流は、システム内の異なる制御変数を制御するために調整される一連のファンから構成される。サーバ内の温度は、通常、サーバ内のファンにより制御され、ファンは、サーバを冷却したままであることを保証するように調整される。冷却システム、周辺空調ユニット、列内冷却器、更には後部ドア用熱交換器内のファンは、圧力又は温度の設定値に基づいて制御することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示に係るシステム、方法、及び装置はそれぞれ、いくつかの画期的な形態、実装又は態様を有しており、そのどれもが本明細書で開示された望ましい属性を単独で担当するものではない。
【0005】
本明細書には、センサ又はセンサアセンブリ、センサの使用方法、及び本明細書で開示されたセンサを含むシステムの実施形態が開示される。いくつかの実施形態では、センサアセンブリは、筐体の第1側に第1開口部を有し、筐体の第2側に第2開口部を有する筐体と、第1開口部及び第2開口部と流体連通する第1通路と、第1通路内に配置された固体センサと、を含む。いくつかの実施形態では、固体センサは、第1通路内の第1軸位置に配置された第1センサ(本明細書では、第1センサ部品とも呼ばれる)と、第1通路内の第2軸位置に配置された第2センサ(本明細書では、第2センサ部品とも呼ばれる)と、第1通路内の第1軸位置と第2軸位置との間の第3軸位置に配置された流れ偏向器と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、流れ偏向器は、第1通路を絞るように第1通路内に延在することができる。
【0006】
本明細書に開示されたセンサアセンブリ、システム及び方法の任意の実施形態は、追加の実施形態では、本明細書に開示された他の任意の実施形態の任意の他のステップ、特徴、部品及び/又は詳細のいずれかと任意に組み合わせて、以下のステップ、特徴、部品及び/又は詳細のうちの1つ以上を含むことができる。流れ偏向器は、第1通路を通って流れる流体の流れの少なくとも一部を、第1センサではなく、第2センサの周囲で第1方向に偏向させるように構成されてもよく、流体が第1方向に流れるとき、第2センサは、第1センサの下流にある。流れ偏向器は、第1通路を通って流れる流体の流れの少なくとも一部を、第2センサではなく、第1センサの周囲で第2方向に偏向させるように構成され、流体が第2方向に流れるとき、第1センサは、第2センサの下流にある。流れ偏向器は、流れ偏向器の第1側に第1凹部を含み、流れ偏向器の第2側に第2凹部を含む。第1センサは、第1凹部に隣接して配置され、第2センサは、第2凹部に隣接して配置される。第1凹部と第2凹部とは、流れ偏向器のまわりに対称に配置され、及び/又は偏向器は、対称形状を有する。装置は、第1開口部から第2開口部まで延在する第1チャネルを含むことができる。第1通路は、第1チャネルを通って延在している。センサは、気流速度センサを更に含む。センサは、筐体の第2通路内に配置された気流速度センサを更に含む。固体センサは、データセンタで使用することができる。第1センサ及び第2センサの少なくとも一方は、正の温度係数(PTC)を有するサーミスタ素子である。センサは、センサを通って流れる空気の温度を測定するように構成され、及び/又は、センサ又はセンサを使用する任意のシステム又は方法は、少なくともベルヌーイの式を使用して圧力を決定するように構成されてもよい。
【0007】
本明細書には、本明細書に開示されたセンサアセンブリの任意の実施形態を含むシステムの実施形態が開示される。いくつかの実施形態では、システムは、固体センサと、センサを横切る圧力差を決定するように構成されたプロセッサとを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、高精度で圧力を決定するように構成されてもよい。
【0008】
本明細書には、第1ゾーン及び第2ゾーンを有するデータセンタ内の熱管理システムを制御するシステムの実施形態が開示される。いくつかの実施形態では、第1ゾーン及び第2ゾーンを有するデータセンタ内の熱管理システムを制御するシステムは、本明細書に開示された固体センサの任意の実施形態と、第1ゾーンに供給される空気を冷却するコントローラとを含むことができる。いくつかの実施形態では、固体センサは、第1ゾーンと第2ゾーンとの間の仕切り壁に位置してもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、冷却ゾーンとホットゾーンとの圧力差が閾値を下回ったとき、及び/又は、固体センサを通る空気の流れの方向がホットゾーンから冷却ゾーンに向かうとき、冷却ゾーンへの空気の流れを増加させるように構成されてもよい。任意の実施形態においても、第1ゾーンは、冷却ゾーンであってもよく、第2ゾーンは、ホットゾーンであってもよい。
【0009】
本明細書には、本明細書に開示されたセンサ又はセンサアセンブリの任意の実施形態を使用する方法の実施形態が開示され、方法は、データセンタ内の気流を制御するために使用される。本明細書には、通路内の流体の流れ方向を測定する方法の実施形態が開示される。いくつかの実施形態では、方法は、第1温度センサに第1電流を供給するステップと、流体が通路を通って流れているときに第1温度センサの第1抵抗を測定するステップと、第2温度センサに第2電流を供給するステップと、流体が通路を通って流れているときに第2温度センサの第2抵抗を測定するステップと、第1抵抗と第2抵抗とを比較して流体の流れの方向を決定するステップと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2温度センサは、第1温度センサと離間して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の実施形態の流れ偏向器は、第2温度センサと第1温度センサとの間に配置されてもよい。
【0010】
本明細書に開示されたセンサ(固体センサの実施形態を含む)、センサアセンブリ、システム及び方法の任意の実施形態は、追加の実施形態では、本明細書に開示された他の任意の実施形態の任意の他のステップ、特徴、部品及び/又は詳細と任意に組み合わせて、以下のステップ、特徴、部品及び/又は詳細のうちの1つ以上を含むことができる。流れ偏向器は、流れ偏向器の第1側に第1凹部を含み、流れ偏向器の第2側に第2凹部を含む。第1センサは、第1凹部に配置され、第2センサは、第2凹部に配置される。第1凹部と第2凹部とは、流れ偏向器のまわりに対称に配置される。方法は、データセンタ内の流れ方向を決定するステップを更に含む。方法は、データセンタ内のホットゾーンとコールドゾーン(cold zone)との間の仕切り壁を通る流れ方向を決定するステップを更に含む。
【0011】
本明細書には、第1温度センサを用いて、システムを通って流れる流体の温度を測定するステップと、第1温度センサに第1電流を供給するステップと、流体が第1温度センサを流れたときに第1温度センサの第1抵抗を測定するステップと、第2温度センサに第2電流を供給するステップと、流体が第2温度センサを流れたときに第2温度センサの第2抵抗を測定するステップと、第1抵抗と第2抵抗とを比較するステップと、を含むことができる、システム内を流れる流体の圧力を測定する方法が開示される。いくつかの実施形態では、第2温度センサは、第1温度センサと離間して配置されてもよく、本明細書に開示された任意の実施形態の流れ偏向器は、第2温度センサと第1温度センサとの間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、方法は、システム内の流体の流速を測定するステップと、システム内を流れる流体の圧力を決定するステップとを含むこともできる。いくつかの実施形態では、方法は、第1抵抗と第2抵抗とを比較することにより、システム内を流れる流体の方向を決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、流体の圧力差、圧力、温度及び/又は流れの方向を伝達するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、システム内を流れる流体の圧力を測定するステップは、固定開口部を通ってシステム内を流れる流体の圧力を測定するステップを含む。
【0012】
本明細書には、データセンタ内のIT機器の冷却システムを制御するためのシステムを含むことができる、データセンタの環境制御システムの実施形態が開示される。データセンタの環境制御システムのいくつかの実施形態は、温度が制御されている空間(例えば、データセンタ)の異なるゾーン間の仕切り壁又は境界に配置された、本明細書に開示されたセンサ又はセンサアセンブリの任意の実施形態を含むことができる。データセンタの環境制御システムのいくつかの実施形態では、システムは、センサ又はセンサアセンブリ及び/又はセンサの他の部品に与えられる流れの特性を感知することによって、温度が制御されている空間の異なるゾーン間の仕切り壁又は境界の両側間の圧力差を計算するように構成されてもよい。本明細書には、実質的に以下に説明するか、又は添付の図面に示すような気流の特性を測定する方法の実施形態が開示される。本明細書には、実質的に以下に説明するか、又は添付の図面に示すような固体気流センサの実施形態が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】固体気流センサを含むセンサアセンブリの一実施形態の正面図である。
【
図2】
図1に示すセンサアセンブリの実施形態の直交図である。
【
図3】
図1に示すセンサアセンブリの実施形態における固体センサの実施形態の断面図である。
【
図4】空気が第1軸方向に流れている状態、即ち、流れ偏向器の左側の第1圧力ゾーンが、流れ偏向器の右側の第2圧力ゾーンよりも上流側にある状態での固体センサの動作モードを示す。
【
図5】第2通路内に延在している、
図1に示すセンサアセンブリの実施形態における固体速度センサの実施形態を示す、第2通路の断面図である。
【
図6】装置の流れを差圧に変換するために使用される式を示す。
【
図7】本明細書に開示されたセンサアセンブリの任意の実施形態とともに使用できるシステム電子機器の一実施形態を示すシステム図の一実施形態を示す。
【
図8】本明細書に開示されたセンサアセンブリの任意の実施形態とともに使用できるソフトウェアシステムの一実施形態を示す。
【
図9】システムを通る気流と流体連通するセンサアセンブリの一実施形態を示す、オフセット冷却システムの一実施形態の直交図である。
【
図10】
図9に示すオフセット冷却システムの実施形態の他の直交図である。
【
図11】
図9に示すオフセット冷却システムの実施形態の他の直交図である。
【
図12】データルームの環境制御システムの制御方法の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
多くの施設では、通常、あるタイプのファンが他のタイプのファンと同期しない。例えば、一般的な施設及びデータセンタにおける施設ファン(ACファン及びその他の空気移動装置を含む)は、サーバファンなどとは独立して動作し、協調システムとしては動作しない。いくつかの構成では、データセンタ内のファンは、サーバファンと連動して動作する場合がある。空気封じ込めシステムと組み合わせた独立した制御により、空間内の空気の供給が不足又は過剰になる可能性がある状態が生成される。これは、サーバ負荷によっては1日に複数回発生する可能性がある。データセンタの動作温度及び状態を適切に維持し、データセンタの気流システムを効率的に動作させるために、不足又は過剰供給の空気状態を低減することは、非常に重要である。不足状態では、サーバが過熱して誤動作及び有価機器への損傷をもたらす可能性があり、及び/又は、プロセッサの動作がより遅くなり、性能の低下及び運用コストの増加をもたらす可能性がある。余剰状態では、エネルギーが無駄になり、効率の低下及び運用コストの増加をもたらす。
【0015】
本明細書の開示の一態様は、従来のセンサでは、センサは通常、読取値(readings)のドリフトのため、定期的に校正する必要があり、一般的に、そのようなセンサに損傷を与える可能性がある急速な圧力変化に敏感であるという認識である。本明細書に開示されたセンサのいくつかの実施形態は、校正のためのチェックが必要になる前に、又は校正が必要になる前に、長期間、又はいくつかの実施形態では無期限に動作するように構成されてもよい。換言すると、いくつかの実施形態では、センサは、校正なしで無期限に動作することができ、又はより低い頻度の校正で動作することができる。また、従来のセンサは通常高価であり、圧力を読み取ることのみを目的として設計される。非常に低い圧力値は、従来のセンサ及び手段では読み取ることが困難である場合がある。本明細書に開示されたセンサのいくつかの実施形態は、非常に低い圧力値を高精度で読み取ることができる。例えば、限定されないが、従来のセンサの大部分は、全範囲にわたって約98~99%、又は98~99%の精度を有し、1年間で98%の再現性を有する。本明細書に開示されたセンサ100のいくつかの実施形態は、全範囲にわたって少なくとも99.75%、又は約99.75%を超える精度、及び年間少なくとも99.75%の再現性を有することができる。
【0016】
一部のセンサは、正負の圧力を読み取ることができるが、センサ出力の全範囲の50%が範囲の正側専用であり、センサ出力の全範囲の50%が範囲の負側専用である。これらのタイプのセンサでは、分解能が低下するため、分解能が問題になる可能性がある。従来の分割センサ(即ち、正と負の範囲を読み取るセンサ)の出力範囲は、全範囲の中央にある。例えば、圧力が印加されていない0~5Vのセンサの場合、2.5Vとなる。通常、範囲の半分は各方向の圧力を読み取るためのものであり、自動化システムがその非常に小さな範囲を変換する能力は、問題がある。本明細書に開示されたセンサの実施形態は、範囲の中点の両側の圧力で全範囲を読み取るため、より高い分解能が得られる。例えば、本明細書に開示されたセンサのいくつかの実施形態は、従来の分割センサの2倍の分解能を有する。したがって、正圧のみを読み取るセンサを購入すれば、正確な読取値を得ることができる。しかしながら、圧力が負の範囲又は下限値を超えた場合、従来のセンサでは、圧力差に関係なく、ゼロを読み取る。
【0017】
上述したように、データセンタの環境制御システムでは、空気の供給が不足したり、空気の供給が過剰になったりすると、問題が発生する可能性がある。供給が過剰になると、IT機器の冷却に過剰なコストが発生する可能性があり、供給が不足すると、過熱及びサーバの性能の低下が発生する可能性がある。通常、封じ込め空間内の圧力を監視又は制御するために圧力センサが配置される。圧力読取値は通常、封じ込めゾーン又はルームの内側と外側の差圧読取値である。絶対圧力と圧力差は非常に小さいため、測定が困難である。したがって、この目的で使用される圧力センサは、分解能及び範囲が問題となる。読取値の範囲が広いセンサは、分解能が低い場合があるが、より広い範囲の設定値を許容することができる。逆に、範囲が狭いセンサは、非常に狭い設定値範囲で良好な分解能及び制御を有する。
【0018】
本明細書に開示された固体センサ100(本明細書では固体気流センサ及び固体圧力センサとも呼ばれる)の実施形態は、データセンタにおいて、方向、圧力、速度、及び/又は温度を含むが、これらに限定されない気流特性を監視及び測定するためのより良い解決策を提供する。本明細書に開示された固体センサ100の実施形態は、流れるか、又は移動する流体(液体又は気体)の流れの特徴又は特性を測定することが望まれる任意の広範な用途に使用することができる。後述するように、固体センサ100は、可動部品がないように設計及び製造することができ、完全に電子的になるように設計及び製造することができる。
【0019】
封じ込めシステム内の気流の監視は、圧力変換器を用いて行われることが多い。これらの変換器は、MEMS(小型電気機械システム)回路を含むことが多い。MEMSは、信号調整電子機器、更には制御システムに電流を流すために小型ひずみゲージを屈曲させる膜を含む。従来のセンサは通常、処理するために建物管理システムに配線で接続される必要がある。これは、後付けとして高価で、侵襲的になる可能性がある。これらの装置を購入する際には、圧力読取値の範囲を指定する必要がある。このセンサの範囲は、固定されており、センサの線形出力に関する。固体センサ100のいくつかの実施形態は、圧力が直接的に読み取られる他のシステムとは異なり、固定開口部又は開口部を通る流れを使用して気流特性を計算するように構成される。固体センサ100のいくつかの実施形態の利点には、精度を損なうことなく広範囲の圧力を読み取ることができること、圧力スパイクの影響を受けにくい、又は全くないこと、必要な校正が大幅に少ないこと、摩耗する可動部品がないこと、及び低い圧力差での読取値がより正確であることが含まれる。なお、固体センサ100は、本明細書では、センサアセンブリ又は固体センサアセンブリとも呼ばれる。従来の圧力センサは、圧力のみを読み取る。上述したように、固体センサ100の任意の実施形態は、気流の方向、圧力、速度、及び温度を読み取ることができ、標準的な圧力のみを読み取るセンサに比べて、追加の温度センサのコストを削減する。本明細書に開示された固体センサ100の任意の実施形態は、IoT(モノのインターネット)装置として構成されてもよく、従来の手段に比べて実装コストを更に削減することができる。本明細書に開示された固体センサ100の任意の実施形態は、配線で接続することができる。
【0020】
気流の方向は、空気を2つのサーミスタ素子上に向けることによって測定することができる。いくつかの実施形態では、2つのサーミスタ素子はそれぞれ、正の温度係数(positive temperature coefficient:PTC)センサであってもよい。いくつかの実施形態では、2つのサーミスタ素子はそれぞれ、負の温度係数(negative temperature coefficient:NTC)センサであってもよい。これらの素子は、温度によって抵抗が変化する。これらの装置の代表的な用途は、温度測定である。いくつかの実施形態では、PTCセンサを使用する場合、センサの周囲の温度が上昇すると、抵抗が増加する。いくつかの実施形態では、NTCセンサを使用する場合、センサの周囲の温度が上昇すると、抵抗が低下する。本質的に、一部のサーミスタは、温度の測定に必要な微弱な電流によって自己発熱するか又は温度が上昇する。固体気流センサのいくつかの実施形態は、2つのPTC温度センサの自己発熱を意図的に引き起こすように構成されてもよく、2つのセンサ(即ち、以下に説明する第1及び第2センサ142、144)間の電流引き込みの差を測定することができる。任意の実施形態においても、第1及び第2センサ142、144は、動作周囲温度よりも高い温度に維持することができる。例えば、限定されないが、第1及び第2センサ142、144は、華氏120~130度、又はITキャビネットから引き込まれる空気の温度よりも高い温度、又は、いくつかの実施形態では、センサが曝露される空気の温度よりも高い温度に維持することができる。任意の実施形態では、センサに供給される電流は、周囲温度(即ち、12°F)よりも高い一定の温度を維持するようにユニット内のマイクロプロセッサによって調整されてもよく、静温度(即ち、120°F)を維持するように制御されてもよい。
気流が移動していない場合、いくつかの実施形態の2つのセンサは、本質的に同じ温度を読み取る。いくつかの実施形態では、PTCセンサ間に配置された空気バッフル又は流れ偏向器を横切って流れる空気は、センサに与えられる空気量の不均衡を引き起こし、センサの熱エネルギーを除去し、読取温度を変化させる可能性がある。この不均衡により、センサ間で異なる電流読取値が発生する可能性があり、これを使用して気流の方向を示すことができる。いくつかの実施形態では、先頭のPTCセンサは、気流に曝露されるため、温度が低くなり、下流のセンサは、流れ偏向器によって遮蔽され、その結果、温度が高くなる。いくつかの実施形態では、流れ偏向器が第1センサと第2センサとの間の中間点に配置され、反対方向の気流が同様に測定され、電流引き込みに反対の効果が生じるように、センサを対称にすることができる。上述したように、気流の方向は、過剰又は不足の圧力状態を識別するために重要である。特定の実施形態では、PTCセンサは、流れ偏向器の両側に形成された凹部内に配置される。
【0021】
図1及び
図2はそれぞれ、固体気流センサ装置100の一実施形態の正面図及び直交図である。いくつかの実施形態では、固体センサ100は、固体センサ100の電子機器を収容又は格納するために使用できる筐体又はケース102(ハウジングとも呼ばれる)を有することができる。ケース102は、第2ケース部分106と結合可能又は接合可能な第1ケース部分104を含むことができる。例えば、限定されないが、第1及び第2ケース部分104、106はそれぞれ、第1及び第2ケース部分104、106を結合するために使用できる取付フランジ110を有することができる。ケース102は、ケース102を通る流体の流れを許容できる第1通路120及び第2通路122を有することができる。第1及び第2通路120、122は、固定開口部であってもよい。ケース102と第1及び第2通路120、122とは、空気が第1及び第2通路120、122を通っていずれの方向にも流れることができるように構成されてもよい。装置100は、温度が制御されている空間(例えば、データセンタ)の異なるゾーン間の仕切り壁又は境界に配置されてもよい。以下に説明するように、仕切り壁の両側の圧力差は、第1及び第2通路120、122を通る流れの特性を感知することによって決定することができる。特定の実施形態では、第1及び第2通路120、122は、互いに1インチ~2インチ以内に位置する。図示の実施形態では、センサ100は、第1及び第2通路120、122の両方を含む筐体又はケース102を含むが、特定の実施形態では、センサは、複数のケースを含むことができ、第1及び第2通路120、122が互いに12~24インチ以内に位置するように配置された別個のケース内に、第1及び第2通路120、122のそれぞれが配置される。
【0022】
第1通路120内には、方向センサ130が配置されてもよい。第2通路122内には、速度センサ132が配置されてもよい。したがって、方向センサ130は、第1通路120を通過する流体に曝露することができ、速度センサ132は、第2通路122を通過する流体に曝露することができる。
【0023】
図3は、
図1に示す固体センサ100の実施形態の方向センサ130の実施形態の断面図である。
図3を参照すると、方向センサ130は、軸方向に延在する第1通路120を有する第1チャネル138内に配置又は支持されてもよい。方向センサ130は、第1通路120内の第1軸位置にある第1センサ142、第1通路120内の第2軸位置にある第2センサ144、及び第1センサ142と第2センサ144との間、及び/又は第1軸位置と第2軸位置との間の、第1通路120内の第3軸位置にある流れ偏向器146(本明細書ではバッフル又は突起とも呼ばれる)を有することができる。第1及び第2センサ142、144は、同じであってもよく、いくつかの実施形態では異なるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2センサ142、144はそれぞれ、正の温度係数(PTC)を有するサーミスタ素子を含むことができる。第1及び第2センサ142、144のいくつかの実施形態に使用できるサーミスタ素子の例としては、ntepartsdirect.com(https://www.ntepartsdirect.com/ENG/PRODUCT/02-P331-1)で販売されているサーミスタPTC 330 オーム 20% ラジアルリード 5mmのリードスペーシングサーミスタがあるが、使用できる同様の製品及び/又は適切な製品は他にも多数ある。
【0024】
図4は、空気が第1軸方向に流れている状態、即ち、流れ偏向器146の左側(
図4に示す向きで)の第1圧力ゾーン150が流れ偏向器146の右側の第2圧力ゾーン152よりも上流側にある状態での方向センサ130の動作モードを示す。
図4の図示は、流体がどのように方向センサ130を通って流れることができるか、また、第1通路120を通って方向センサ130に流れる流体160がどのように流れ偏向器146によって方向付けられることができるかについての、概略的で仮説的かつ非限定的な一例を示すことを意図した、簡略化された図示である。
図3及び
図4の実施形態の利点は、流れ偏向器146を実質的に対称にすることができることである。いくつかの実施形態では、流れ偏向器146は、非常に低い流量でも風下センサの周囲の気流をバイパスするように特定の方法で形状付けられてもよい。逆に、風上センサのいくつかの実施形態は、流れの直接的な影響を受けてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、流れ偏向器146は、通路の内径の一部のみを横切って延在するように構成されることにより、流れ偏向器146の両側に沿って流れ偏向器146の周囲を流れることが許容される。センサのいくつかの実施形態は、第1センサと第2センサとの間の非常に低い圧力差を測定することができる。また、いくつかの実施形態では、流れ偏向器146の1つ以上の端部を丸くすることができる。また、いくつかの実施形態では、流れ偏向器146の上部をドーム状にすることができる。いくつかの実施形態では、センサ142、144は、流れ偏向器146の第1及び第2凹部内に配置されてもよい。
【0026】
流れ偏向器146は、第1チャネル138の第1通路120を絞るように構成されてもよい。流れ偏向器146は、第1チャネル138の通路を通って第1軸方向(
図4に示すように)に流れる流体を第2センサ144の周囲で少なくとも部分的に偏向させるように構成されてもよく、流体が第1軸方向に流れるとき、第2センサ144は、第1センサ142の下流にあるため、第1センサ142は、第2センサ144よりも第1方向に流れる流体に曝露されることになる。この流れの構成では、第1圧力ゾーン150は正圧となり、第2圧力ゾーン152は中立(neutral)となる。これにより、第2センサ144に対する第1センサ142の圧力及び/又は温度の読取値に差が生じることで、第1通路120を通る流体の流れの方向の決定が可能になる。
【0027】
同様に、流れ偏向器146は、第1チャネル138の第1通路120を通って第2軸方向(図示せず)に流れる流体を、第1センサ142の周囲で少なくとも部分的に偏向させるように構成されてもよく、流体が第2軸方向に流れるとき、第1センサ142は、第2センサ144の下流にあるため、第2センサ144は、第1センサ142よりも第2方向に流れる流体に曝露されることになる。これにより、第2センサ144に対する第1センサ142の圧力及び/又は温度の読取値に差が生じることで、第1通路120を通る流体の流れの方向の決定が可能になる。
【0028】
図4を参照すると、流れ偏向器146のいくつかの実施形態は、流れ偏向器146の中間部分に本体部分170と、本体部分170から第1方向(例えば、第1センサ142の方向)に延在する第1延在部分172と、本体部分170から第2方向(例えば、第2センサ144の方向)に離れる方向に延在する第2延在部174とを有することができる。いくつかの実施形態では、第1延在部分172は、第1センサ142と並ぶ方向に延在することができ、第2延在部分174は、第2センサ144と並ぶ方向に延在することができる。
【0029】
流れ偏向器146のいくつかの実施形態は、第1センサ142の周囲で湾曲し、通路120を通って流れる空気又は流体の一部を通路120の第1部分166に導くように構成された第1湾曲部分146aを有することができる。例えば、限定されないが、流れ偏向器146のいくつかの実施形態は、第1センサ142の周囲で湾曲し、通路120を通って流れる空気又は流体の大部分を通路120の第1部分166に導くように構成された第1湾曲部分146aを有することができる。この構成のいくつかの実施形態では、流れ偏向器146は、
図4に示す方向(即ち、第2センサ144が第1センサ142の下流にあるように)に流れる空気又は流体160の流れの少なくとも一部を、第1センサではなく、第2センサ144の周囲で偏向させるように構成されてもよいため、第2センサ144の温度読取値は、第1センサ142の温度読取値よりも大きくなり、第1及び第2センサ142、144は、通路120を通って流れる空気の温度よりも高い温度まで自己発熱する。偏向器は、
図4に示す方向に通路120を通って流れる空気又は流体の一部(例えば、半分未満)が通路120の第2部分168を通ることを許容する程度に、第1通路120の壁から離間するように構成されてもよい。
【0030】
流れ偏向器146のいくつかの実施形態は、第2センサ144の周囲で湾曲し、通路120を通って右から左(即ち、第1センサ142が第2センサ144の下流になるように、
図4に示す気流の方向と反対の方向)に流れる空気又は流体の一部を通路120の第2部分168に導くように構成された第2湾曲部分146bを有することができるか、又は有することもできる。例えば、限定されないが、流れ偏向器146のいくつかの実施形態は、通路120を通って右から左(即ち、第1センサ142が第2センサ144の下流になるように、
図4に示す気流の方向と反対の方向)に流れる空気又は流体の大部分を通路120の第2部分168に導くように構成された第2湾曲部分146bを有することができる。この構成では、流れ偏向器146は、第2センサ144ではなく、第1センサ142の周囲で(即ち、第1センサ142の周囲の空気の流れを偏向させるため)右から左への方向(即ち、第1センサ142が第2センサ144の下流にあるように)に流れる空気又は流体160の流れの少なくとも一部を偏向させるように構成されてもよいため、第1センサ142の温度読取値は、第2センサ144の温度読取値よりも低くなり、第1及び第2センサ142、144は、通路120を通って流れる空気の温度よりも高い温度まで自己発熱する。偏向器は、右から左への方向(即ち、第1センサ142が第2センサ144の下流にあるように)に流れる空気又は流体の一部(例えば、半分未満)が通路120の第1部分166を通って流れることを許容する程度に、第1通路120の壁から離間するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、センサに与えられた空気がセンサを冷却すると想定される。
図4を参照すると、いくつかの実施形態では、流れ偏向器146は、流れ偏向器146の長手方向の中心線軸(即ち、第1通路120を通る流体の流れの方向における流れ偏向器146の長さに沿う)が導管又はチャネルを通る第1通路120の中心線と位置合わせることができるように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2センサ142、144は、通路120の中心線からわずかにオフセットすることができる(例えば、中心線から0.075インチ、或は、中心線から通路120の内径又は幅の10%以内、或は、中心線から通路120の内径又は幅の5%又は約5%未満から20%又は約20%又は20%超)ため、バッフル全体がよりコンパクトになる可能性がある。また、いくつかの実施形態では、通路120の第1部分166の幅は、通路120の第2部分168の幅と同じ又は類似することができる。流れ偏向器146は、通路120を通って流れる流体に対する流れ偏向器146の効果が、流れの方向に関係なく、同じ又は実質的に同じになるように構成されてもよい。
【0031】
図5は、
図1に示す固体気流センサ装置100の実施形態における固体速度センサ132が第2通路122内に延在することを示す、第2通路の断面図である。いくつかの実施形態では、速度センサは、市販のセンサであってもよく、オープンソースデバイスであってもよい。例えば、限定されないが、固体速度センサ132は、本明細書に開示されたいくつかの実施形態とともに使用できる、Modern Device社のWind Sensor Rev.P(https://moderndevice.com/product/wind-sensor-rev-p/)などの熱式風速計であってもよい。
【0032】
図5を参照すると、速度センサ132は、軸方向に延在する第2通路122を有する第2パイプ又はチャネル158内に配置又は支持されてもよい。いくつかの実施形態では、速度センサは、回転ブレード、回転カップ、又は風向風速計などの非固体センサであってもよい。速度センサ132は、第2通路122を通る流体の流れの速度のリアルタイムな読取値を提供するように構成された変換器を含むことができる。方向センサ130と速度センサとは、同じ装置内に配置されるものとして図示及び説明されているが、変更構成では、2つのセンサとそれらに関連する開口部が2つの装置に物理的に分離され、空間又はゾーン間の境界又は仕切り壁上で機能的に互いに近接して配置されてもよいことを理解されたい。
【0033】
第1センサ142、第2センサ144、及び速度センサ132によって生成されたデータは、これらのセンサと通信する電子機器によって処理することができる。第1及び第2センサ142、144は、装置100の第1側と装置100の第2側との間に算出された温度差を生成することができる。当該装置100は、データセンタ内の仕切り壁又は境界に配置されてもよい。第1及び第2センサ142、144と通信するコントローラ又はマイクロプロセッサは、ベルヌーイの式を使用して圧力値を計算するように構成されてもよい。当該式は、固定オリフィスを通る流れを、開口部を横切る圧力差に関連付けるものである。算出された値は、空間内の空気の圧力を制御又は監視するために制御システムに送信することができる。これにより、装置100の両側の圧力をより正確に制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一のセンサを制御するか、又はそれと通信するように構成されてもよく、複数のセンサを制御するか、又はそれらと通信するように構成されてもよい。以下に更に説明するように、コントローラは、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)と、プロセッサによって実行可能な命令を記憶して、1つ以上の制御方法に従って命令を実行するように構成された、永続磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とを含むことができる。これらの命令の実行は、実行がプロセッサ内で行われるか、他の場所で行われるかに関係なく、システム又はそのサブシステムを制御することができる。例えば、コンピュータシステムのプロセッサによって実行されると、命令は、システムの部品を動作させることができる。
【0034】
図6は、装置の流れを、本明細書に開示された固体センサ100の任意の実施形態とともに使用できる差圧に変換して、高分解能及び高精度で圧力を決定するために使用できる、式の実施形態を示す。説明したように、いくつかの実施形態では、固定サイズの開口部又は通路を通る速度の測定により、ベルヌーイの原理を使用して圧力差を数学的に計算することができる。固定開口部又は通路を横切る圧力差が大きいほど、その開口部又は通路を通る流れが大きくなる。したがって、固定開口部を横切る圧力差の大きさを把握することにより、開口部を通る流れに関する情報を得ることができる。
図6に示すように、ベルヌーイの式は、以下のように表すことができる。
【数1】
空気については、ベルヌーイの式を次のように簡略化することができる。
【数2】
ベルヌーイの式は、以下の2つのステップのように、差圧の式として書き換えることができる。
【数3】
これらの式では、
Q=速度センサによって測定された速度(ft/min)
K=校正時に調整された密度定数の空気(+/-4005)
Δp=圧力デルタ(WC単位での)出力
P=開口部両側の圧力読取値
ρ=流体(空気)の密度
C=速度定数
【0035】
図7は、本明細書に開示された固体センサ100の任意の実施形態とともに使用できるシステム電子機器の一実施形態を示すシステム図の一実施形態を示す。
図7に示すように、システムの任意の実施形態は、ネットワーク、及び/又は有線又は無線を介して、ユーザインタフェース、データベース、コンピュータシステム、ネットワーク記憶装置などにデータ又は他の情報を送信するように構成されてもよい。更に、本明細書に開示された任意の実施形態では、固体センサ100及び/又は固体センサ100を含むシステムの任意の実施形態は、1つ以上の表示灯、及び/又は、センサによって生成されたデータに基づいて、流れの方向又はシステムの流れの状態に関連するその他の情報を示すために使用できる、ハウジング上又はその他の場所に配置できるユーザインタフェースを有する、表示パネルを含むことができる。
【0036】
図8は、本明細書に開示されたセンサの任意の実施形態とともに使用できるソフトウェアシステムの一実施形態を示す。図示するように、システムのいくつかの実施形態は、空気速度を読み取り、空気温度を読み取り、第1センサ142の電圧を読み取り、及び/又は、第2センサ142の電圧を読み取るように構成されてもよい。説明したように、流れの方向は、第1センサ142の電圧と第2センサ144の電圧とを比較することにより、方向センサを使用して計算することができる。前述したように、ベルヌーイの式は、以下の式に簡略化することができ、流れとオリフィスサイズが指定された場合に、開口部を横切る差圧(即ち、圧力デルタ)を決定するために使用することができる。
【数4】
2つの別個の空間の間の固定開口部を通る流れを測定することにより、空間の間の圧力差を決定することができる。いくつかの実施形態では、固定開口部を通して測定される流れが多くなるほど、それらの間の圧力差が大きくなる。本明細書に開示された装置及びシステムのいくつかの実施形態は、どの空間の圧力が高いか低いかを決定するために使用することができる。固体速度センサのいくつかの実施形態は、方向に関係なく、流れを測定することができる。
【0037】
図8は、限定されないが、本明細書に開示されたセンサ100、速度センサ及び/又はプロセッサの任意の実施形態を含むシステムを使用して、システムを通って流れる流体の差圧、温度、及び/又は流れの方向をどのように決定できるかを示す。いくつかの実施形態では、システムは、限定されないが、本明細書に開示されたセンサ100及び/又は速度センサの任意の実施形態を含むシステムを通って流れる流体の1つ以上の特性を無線又は有線コンポーネントを介して通信するように構成された送信機を有することができる。いくつかの実施形態では、以上の特性は、差圧、温度、及び/又は流体の流れの方向を含むことができる。これらの特性及び/又は他の特性は、無線又は有線接続を介して、ネットワーク及び/又はユーザインタフェース、データベース、又は他のコンピュータシステムに直接的に又はネットワーク経由でアップロードすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、オンボード・マイクロプロセッサは、各センサから信号を受信し、センサを横切る流れの速度及び方向に基づいて、圧力値を計算することができる。マイクロプロセッサ内のロジックは、ローカル画面又はLEDを制御して、測定空間内の中立、過剰、又は不足の圧力状態を示すことができる。例えば、限定されないが、緑色のライトは、第1ゾーン又はバリアの第1側で圧力過剰が発生していることを操作者に伝えるために使用することができる(即ち、バリアの第1側又は第1ゾーンの圧力が、バリアの第2側又は第2ゾーンの圧力よりも高い)。赤色のライトは、第1ゾーン又はバリアの第1側で圧力過剰が不足していることを操作者に伝えるために使用することができる(即ち、バリアの第1側又は第1ゾーンの圧力が、バリアの第2側又は第2ゾーンの圧力よりも低い)。また、いくつかの実施形態では、ライトは、バリアを横切る圧力差の大きさを示すために点滅するように構成されてもよい。例えば、速い点滅又は連続して点滅する回数が多い場合には圧力差が高いことを示し、遅い点滅又は連続して点滅する回数が少ない場合には圧力差が低いことを示す。ライトは、監視する領域において、適切又は不適切な冷却供給、温度及び/又は圧力を示すように構成されてもよい。例えば、限定されないが、緑色のライトは、適切な冷却状態を示し、青色のライトは、過剰な冷却状態を示し、赤色のライトは、不適切な冷却状態を示す。
いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサは、読み取ったデータを無線接続(WLAN、BlueTooth、又はZigbee)経由で中央制御システム、ビルディング自動化システム、又はPLCに通信するように構成されてもよいため、環境制御システムは、本明細書に開示された装置及びシステムの任意の実施形態から受信された情報に基づいて、環境設定を自動的に調整することができる。
【0039】
また、本明細書に開示された固体センサ100及び/又はシステムのいくつかの実施形態は、需要に基づいて空間内の空調システムを制御するために使用することができる。本明細書に開示された少なくとも一部の実施形態のセンサは、封じ込め領域内の過剰圧力又は不足圧力を測定することによって、気流の需要を決定するために使用することができる。ローカルでは、技術者は、センサライト及び/又はディスプレイを見るだけで、封じ込められたゾーンの「健康(health)」を把握することができる。更に、技術者は、封じ込められた空間内の床タイルの量を調整し、完成後にセンサを確認することでその効果を実感することができる。例えば、限定されないが、穴あき(perforated)床タイルの数は、センサの読取値に応じて調整することができ、或いは、穴あき床タイルの調整ダンパは、センサの読取値に応じて調整することができる。
更に、本明細書に開示されたセンサ100のいくつかの実施形態は、空間圧力を測定するためにも使用することができる。センサ100は、データホールと施設の他の部分との間の空間圧力を測定するために使用することができる。データホールは、廊下及び屋外に対してわずかに加圧して、外部の塵がデータホール及び電子機器に入らないようにすることができる。更に、本明細書に開示されたセンサの任意の実施形態についても、データルームの以外での適用が可能である。例えば、限定されないが、本明細書に開示されたセンサの任意の実施形態は、病院の隔離室、又は、操作者が仕切り壁、バリア、キャビネット、部屋などの間の気流の理解から利益を得る他の任意の部屋又は施設の気流を監視及び最適化するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、LEDライト若しくは他のタイプのライト又は視覚的若しくは可聴インジケータ、ディスプレイ、又はディスプレイ上の視覚的若しくは可聴インジケータ(本明細書ではインジケータと総称する)は、圧力の違いなどの動作パラメータの変化又は変化レベルに基づいて、異なる色に光ったり、外観又は音が変化したりすることができる。圧力が高すぎるか又は低すぎることは、気流の過剰又は不足の状態を示している可能性がある。インジケータを使用すると、データセンタの操作者が気流の需要と供給に合わせて気流の状態を調整したり、データルーム内の電子機器の冷却を最適化したりできる情報が得られる。データセンタを運用する最も効率的な方法は、適切な量の空気を適切な場所に供給することであり、インジケータは、操作者に空気供給を最適化するための情報を提供するために使用することができる。例えば、限定されないが、いくつかの実施形態では、操作者及び/又はシステムは、ファン回転速度を自動的に調整し、空気及び/又は他の流体の流れ(例えば、冷却剤の流れ)に対してバルブを調整したり、冷却を最適化するための他の変更を行ったりするように構成されてもよい。
【0040】
1つの構成では、センサ100の実施形態を使用して、封じ込め空間内の気流及び圧力を測定することができる。例えば、データセンタでは、冷却ゾーンを熱気流から隔離できる異なる空間があることが有利である。気流装置は、冷却ゾーンとホットゾーンとの間の仕切り壁又は境界に配置されてもよい。このように、気流センサからの情報を使用して、冷却ゾーンに送られる空気の量を制御し、データホール内の必要な場所に適切な量の冷却を確保しながらエネルギーコストを低減することができる。従来は、熱気が冷却された空間に流入しないように、圧力センサが仕切り壁の両側に配置された。本明細書に開示されたセンサ100の実施形態では、いくつかの気流センサ100は、仕切り壁に沿って異なる場所に配置することができ、冷却ゾーン内の圧力がホットゾーン内の圧力よりも確実に高くなるように(即ち、装置を通る流れは冷却ゾーンからホットゾーンへ流れており、その逆ではなく)使用することができる。ホットゾーンの圧力が冷却ゾーンの圧力を超えた場合、冷却ゾーン(cooling zone)への空気の流れを調整することができる。
【0041】
例えば、限定されないが、本明細書に開示された気流センサの任意の実施形態(気流センサ100の実施形態を含む)は、データセンタ用の冷却システムとともに使用することができ、1つ以上の気流センサ100は、システムを通る気流と流体連通する。いくつかの実施形態では、
図9~
図11に示すように、1つ以上のセンサ100は、システム200を通って流れる空気の流れ方向、システム200を通って流れる空気の圧力、システム200を通って流れる空気の速度、及び/又は、システム200を通って流れる空気の温度を決定するように構成されてもよい。
図9~
図11は、本明細書に開示されたセンサの任意の実施形態とともに使用できる例示的な冷却システム200の実施形態の直交図である。
図9~
図11は、システム200に結合された気流センサ100の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、センサ100は、システム200を通って流れる空気と流体連通することができる。例えば、限定されないが、いくつかの実施形態では、センサ100は、システム200の移行ダクトなどのダクトによって支持されてもよい。本明細書に開示された任意の実施形態では、センサ100は、データを、システム200及び/又はシステム200の1つ以上のコンポーネントを制御するために使用できるシステム200のコントローラに提供することができる。
【0042】
図12は、データルーム300の環境制御システムを制御する方法の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、この方法は、ステップ302では、データルームの第1ゾーンと第2ゾーンとの間の仕切り壁を通る通路内に固体センサを配置し、ステップ304では、データルームの第1ゾーンと第2ゾーンとの間に配置された通路及び/又は固体センサを通る空気の流れの方向を計算し、及び/又は、ステップでは、(ステップ306のように)空気の流れの方向が第2ゾーンから第1ゾーンに向かう場合、第1ゾーンへの冷気の供給を増加させるか、或いは、空気の流れの方向が第1ゾーンから第2ゾーンに向かう場合、かつ第1ゾーンから第2ゾーンへの空気の流れの速度が閾値量を超えた場合、第1ゾーンへの冷気の供給を減少させることを含む。この実施形態では、第1ゾーンは、冷却ゾーンであってもよく、第2ゾーンは、ホットゾーンであってもよい。いくつかの実施形態では、供給される空気の温度及び空気の量も、センサから受信したデータに基づいて調整することができる。センサのネットワーク100を使用して、データセンタ内のファン速度を制御することができる。センサ100を使用して、室内のどのキャビネットのポッドが空調システムを制御しているかを判断することができる。給気及び還気流制御装置を調整して空調システムを最適化することができる。センサ100のいくつかの実施形態は、流量を測定するように構成されてもよい。システムの制御は、差圧に基づくことができ、速度は、圧力差を決定するために使用することができる。
【0043】
本発明の特定の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示されたものであり、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。実際に、本明細書に記載の新規の方法及びシステムは、他の様々な形態で具体化することができる。更に、本明細書に記載のシステム及び方法の様々な省略、置換、及び変更は、本開示の精神から逸脱することなく行うことができる。付随する特許請求の範囲及びそれらの同等物は、本開示の範囲及び精神に含まれるような形式又は修正をカバーすることを意図している。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定められる。
【0044】
特定の態様、実施形態、又は例に関連して説明される特徴、材料、特性、又はグループは、互換性がない場合を除き、この箇所又はこの仕様の他の箇所に記載される他の任意の態様、実施形態、又は例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示されている全ての特徴(付随する特許請求の範囲、要約及び図面を含む)、及び/又はそのように開示されている任意の方法又はプロセスの全てのステップは、そのような機能及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。保護は、前述のいかかる実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書に開示された特徴(付随する特許請求の範囲、要約及び図面を含む)の任意の新規のもの、又は任意の新規の組み合わせにまで及び、又はそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規のもの、又は任意の新規の組み合わせにまで及ぶ。
【0045】
また、本開示の単独の実施形態の文脈で記載されている特定の機能は、単一の実施形態で組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で記載されている様々な機能は、複数の実施形態で個別に、又は任意の適切な部分組合せで実施することもできる。更に、特徴は特定の組み合わせで機能するものとして上記で記載されている場合があるが、請求された組み合わせからの1つ又は複数の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除することができ、その組み合わせは、部分組合せ又は部分組合せの変形として請求することができる。
【0046】
更に、操作は、特定の順序で図面に描かれるか又は明細書に記載されるが、望ましい結果を達成するために、このような操作は、示されている特定の順序又は順番に実行される必要はなく、全ての操作を実行する必要もない。図示又は記載されていない他の操作は、例示的な方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、1つ以上の追加の操作を、記載されている操作の前に、後に、同時に、又はそれらの間に実行できる。更に、他の実施形態では、操作を再配置又は順序再設定することができる。当業者であれば、いくつかの実施形態では、図示及び/又は開示されるプロセスにおいて取られる実際のステップが図に示されるものとは異なる可能性があることを理解するであろう。実施形態に応じて、上記で記載された特定のステップを除去することができ、他のステップを追加することができる。更に、上記で開示された特定の実施形態の特徴及び属性は、異なる方法で組み合わされて、追加の実施形態を形成することができ、それらは全て、本開示の範囲内に入る。また、上記で記載された実施形態における様々なシステム部品の分離は、全ての実施形態でそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではない。また、記載されている部品とシステムが、通常、単一の製品に統合することも、複数の製品にパッケージ化することもできることを理解されたい。
【0047】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、及び新規の特徴が本明細書に記載されている。必ずしも全てのそのような利点が特定の実施形態に従って達成され得るとは限らない。したがって、例えば、当業者は、本明細書で教えられたり示唆されたりするような他の利点を必ずしも達成することなく、本発明が、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点のグループを達成する方法で具体化又は実行され得ることを認識するであろう。
【0048】
「できる」、「可能である」、「し得る」、又は「してもよい」などの条件付きの言葉は、特に明記されない限り又は使用される文脈の中で他の解釈がなされない限り、いくつかの特徴、要素、及び/又はステップを、いくつかの実施形態が含むがそれ以外の実施形態が含まないことを伝えることを一般的に意図する。したがって、そのような条件付きの言葉は、1つ以上の実施形態で特徴、要素、及び/又はステップが何らかの形で必須であるか、或いは1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素及び/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれるか又はそれらが任意の特定の実施形態に実行されるかを、ユーザ入力又はプロンプトの有無にかかわらず決定するためのロジックを必ず含むことを示唆することを一般的に意図していない。
【0049】
「X、Y、及びZの少なくとも1つ」という語句などの接続的表現は、特に指定がない限り、項目、用語などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを一般的に説明するとして、使用される文脈内で理解される。したがって、このような接続的表現は、一般的に、特定の実施形態が少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、及び少なくとも1つのZの存在を必要とすることを意味することを意図するものではない。
【0050】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「一般的に」、及び「実質的に」という用語などの程度の言語は、依然として望ましい機能を実行するか、又は望ましい結果を達成する記載された値、量、又は特徴に近い値、量、又は特徴を表す。例えば、「およそ」、「約」、「一般的に」、及び「実質的に」という用語は、記載された量の10%以下、5%以下、1%以下、0.1%以下、及び0.01%以下の範囲内の量を意味し得る。別の例として、特定の実施形態では、「ほぼ平行」及び「実質的に平行」という用語は、正確な平行から15度、10度、5度、3度、1度、又は0.1度以下だけ逸脱する値、量、又は特性を指す。
【0051】
本開示の範囲は、この箇所又は本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、この箇所又は本明細書の他の箇所に提示されているように、又は将来提示されるように、特許請求の範囲によって定義され得る。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲で使用されている文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載されている又は出願の審査中の例に限定されなく、これらの例は非排他的であると解釈されるべきである。
【国際調査報告】