IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

<>
  • 特表-円錐形多関節部材 図1
  • 特表-円錐形多関節部材 図2
  • 特表-円錐形多関節部材 図3
  • 特表-円錐形多関節部材 図4
  • 特表-円錐形多関節部材 図5
  • 特表-円錐形多関節部材 図6
  • 特表-円錐形多関節部材 図7
  • 特表-円錐形多関節部材 図8
  • 特表-円錐形多関節部材 図9
  • 特表-円錐形多関節部材 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】円錐形多関節部材
(51)【国際特許分類】
   F16H 21/50 20060101AFI20231205BHJP
   A63G 31/02 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
F16H21/50
A63G31/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532691
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 US2021060078
(87)【国際公開番号】W WO2022119727
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】63/121,805
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/530,307
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ゲプハルト マイケル ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】フォールス クラリッセ ヴァモス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンス カリッサ リシェル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヤス アニシャ
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA44
3J062AB28
3J062BA16
3J062CB03
3J062CB14
3J062CB20
3J062CB28
3J062CB33
3J062CG83
(57)【要約】
本開示の態様は、円錐形多関節部材に関する。円錐形多関節部材は、内面及び外面を含む円錐形構造を含む。円錐形多関節部材は、円錐形構造の長さに沿って配置された複数の回転作動ユニットをさらに含み、複数の回転作動ユニットのうちの少なくとも2つの回転作動ユニットは共に結合される。複数の回転作動ユニットは、1又は2以上の動きを実行するように構成される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐形多関節部材であって、
内面及び外面を含む円錐形構造と、
前記円錐形構造の長さに沿って配置された複数の回転作動ユニットと、
を備え、前記複数の回転作動ユニットのうちの少なくとも2つの回転作動ユニットが共に結合され、前記複数の回転作動ユニットは、1又は2以上の動きを実行するように構成される、
ことを特徴とする円錐形多関節部材。
【請求項2】
前記複数の回転作動ユニットの各回転作動ユニットは回転アクチュエータ及びシャフトを含み、前記シャフトは前記回転アクチュエータに結合される、
請求項1に記載の円錐形多関節部材。
【請求項3】
前記複数の回転作動ユニットの各回転作動ユニットは複数の支持部材を含み、前記複数の支持部材の各支持部材は第1の端部及び第2の端部を含み、前記第1の端部は前記円錐形構造の前記内面に結合され、前記第2の端部は、前記回転作動ユニットの回転アクチュエータの回転部品、又は前記回転アクチュエータのシャフトに結合される、
請求項1に記載の円錐形多関節部材。
【請求項4】
前記複数の支持部材のうちの少なくとも2つの支持部材は異なる長さを有する、
請求項3に記載の円錐形多関節部材。
【請求項5】
前記少なくとも2つの回転作動ユニットのうちの第1の回転作動ユニットは第1の配向を有し、前記少なくとも2つの回転作動ユニットのうちの第2の回転作動ユニットは第2の配向を有する、
請求項2に記載の円錐形多関節部材。
【請求項6】
前記第2の配向は前記第1の配向に対して約90度オフセットされる、
請求項5に記載の円錐形多関節部材。
【請求項7】
前記複数の回転作動ユニットは、前記円錐形構造の前記長さに沿って重量が減少する、
請求項1に記載の円錐形多関節部材。
【請求項8】
前記円錐形構造は、シェル、スキン、エアバッグ又は繊維のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の円錐形多関節部材。
【請求項9】
前記複数の回転作動ユニットのうちの第1の回転作動ユニットは、第1の回転アクチュエータ及び第1のシャフトを含み、前記第1のシャフトは、前記第1の回転アクチュエータの第1の回転部品に結合され、前記第1の回転部品は第1の回転軸を有し、
前記複数の回転作動ユニットのうちの第2の回転作動ユニットは、第2の回転アクチュエータ及び第2のシャフトを含み、前記第2のシャフトは、前記第2の回転アクチュエータの第2の回転部品に結合され、前記第2の回転部品は第2の回転軸を有し、
前記第1の回転部品は、前記第1の回転軸に沿って延びる前記第1のシャフトを介して前記第2の回転アクチュエータに結合され、前記第1の回転軸は前記第2の回転軸に対して概ね垂直である、
請求項1に記載の円錐形多関節部材。
【請求項10】
前記複数の回転作動ユニットのうちの第3の回転作動ユニットは、第3の回転アクチュエータ及び第3のシャフトを含み、前記第3のシャフトは、前記第3の回転アクチュエータの第3の回転部品に結合され、前記第3の回転部品は第3の回転軸を有し、
前記第2の回転部品は、前記第3の回転軸に沿って延びる前記第2のシャフトを介して前記第3の回転アクチュエータに結合され、前記第3の回転軸は前記第2の回転軸に対して概ね垂直である、
請求項9に記載の円錐形多関節部材。
【請求項11】
前記複数の回転作動ユニットのうちの第4の回転作動ユニットは、第4の回転アクチュエータ及び第4のシャフトを含み、前記第4のシャフトは、前記第4の回転アクチュエータの第4の回転部品に結合され、前記第4の回転部品は第4の回転軸を有し、
前記第3の回転部品は、前記第3の回転軸に沿って延びる前記第3のシャフトを介して前記第4の回転アクチュエータに結合され、前記第3の回転軸及び前記第4の回転軸は鈍角を形成する、
請求項10に記載の円錐形多関節部材。
【請求項12】
前記第4のシャフトの長手方向軸は、前記第4の回転軸に対して概ね垂直である、
請求項11に記載の円錐形多関節部材。
【請求項13】
前記1又は2以上の動きは、少なくとも回転動作及びピッチ動作を含み、
前記少なくとも2つの回転作動ユニットのうちの少なくとも第1の回転作動ユニットは、前記円錐形多関節部材の前記回転動作をもたらし、
前記少なくとも2つの回転作動ユニットのうちの少なくとも第2の回転作動ユニットは、前記円錐形多関節部材の前記ピッチ動作をもたらす、
請求項1に記載の円錐形多関節部材。
【請求項14】
前記複数の回転作動ユニットは、前記円錐形多関節部材に複数の自由度を与える、
請求項1に記載の円錐形多関節部材。
【請求項15】
円錐形多関節部材の構築方法であって、
内面及び外面を含む円錐形構造を形成することと、
1又は2以上の動きを実行するように構成された複数の回転作動ユニットを互いに結合することと、
前記複数の回転作動ユニットを前記円錐形構造の長さに沿って配置することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記複数の回転作動ユニットを結合することは、第1の回転作動ユニットを第2の回転作動ユニットに結合することを含み、
前記第1の回転作動ユニットは、第1の回転アクチュエータ及び第1のシャフトを含み、前記第1のシャフトは、前記第1の回転アクチュエータの第1の回転部品に結合され、前記第1の回転部品は第1の回転軸を有し、
前記複数の回転作動ユニットのうちの前記第2の回転作動ユニットは、第2の回転アクチュエータ及び第2のシャフトを含み、前記第2のシャフトは、前記第2の回転アクチュエータの第2の回転部品に結合され、前記第2の回転部品は第2の回転軸を有し、
前記第1の回転部品は、前記第1の回転軸に沿って延びる前記第1のシャフトを介して前記第2の回転アクチュエータに結合され、前記第1の回転軸は前記第2の回転軸に対して概ね垂直である、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の回転作動ユニットを結合することは、前記第2の回転作動ユニットを第3の回転作動ユニットに結合することをさらに含み、
前記第3の回転作動ユニットは、第3の回転アクチュエータ及び第3のシャフトを含み、前記第3のシャフトは、前記第3の回転アクチュエータの第3の回転部品に結合され、前記第3の回転部品は第3の回転軸を有し、
前記第2の回転部品は、前記第3の回転軸に沿って延びる前記第2のシャフトを介して前記第3の回転アクチュエータに結合され、前記第3の回転軸は前記第2の回転軸に対して概ね垂直である、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の回転式作動ユニットを結合することは、前記第3の回転作動ユニットを第4の回転作動ユニットに結合することを含み、前記第4の回転作動ユニットは、第4の回転アクチュエータ及び第4のシャフトを含み、前記第4のシャフトは、前記第4の回転アクチュエータの第4の回転部品に結合され、前記第4の回転部品は第4の回転軸を有し、
前記第3の回転部品は、前記第3の回転軸に沿って延びる前記第3のシャフトを介して前記第4の回転アクチュエータに結合され、前記第3の回転軸及び前記第4の回転軸は鈍角を形成する、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の回転作動ユニットの各々はそれぞれの一連の支持部材を含み、前記方法は、
前記複数の回転作動ユニットの各々の前記それぞれの一連の支持部材を前記円錐形構造の前記内面に結合することをさらに含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1又は2以上の動きは、少なくとも回転動作及びピッチ動作を含み、
前記複数の回転作動ユニットのうちの少なくとも第1の回転作動ユニットは、前記円錐形多関節部材の前記回転動作をもたらし、
前記複数の回転作動ユニットのうちの少なくとも第2の回転作動ユニットは、前記円錐形多関節部材の前記ピッチ動作をもたらす、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2020年12月4日に出願された「円錐形多関節部材(CONICAL-SHAPED ARTICULATED MEMBER)」という名称の米国仮特許出願シリアル番号第63/121,805号に対する優先権及びその利益を主張する、2021年11月18日に出願された「円錐形多関節部材(CONICAL-SHAPED ARTICULATED MEMBER)」という名称の米国実用新案出願シリアル番号第17/530,307号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、これらの文献の内容は、その全体が全ての適用可能な目的で以下に完全に記載されているかのように引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
後述する技術は、一般に多関節部材に関し、具体的には円錐形多関節部材に関する。
【背景技術】
【0003】
テーマパークアトラクション(例えば、乗り物又はショー)、レストラン、又はその他の会場では、ユーザ体験を向上させるために電気機械的アニメフィギュアが使用されることがある。これらのアニメフィギュアは、例えば人間、動物又はその他のタイプの生物(例えば、架空の生物)の3次元モデルである。いくつかの例では、フィギュア(又はフィギュアのアニメ部分)をアニメ化する(動きを与える)既存の作動システムが、アニメフィギュアの所望の動きを実行するように構成されたケーブルの使用を伴うことができる。しかしながら、このようなケーブルを使用すると、コスト、設計の複雑性及び/又はアニメフィギュアの故障モードが著しく増加する恐れがある。さらに、これらのケーブルはメンテナンスが困難であり、アニメフィギュアの寿命を縮めてしまう恐れもある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、1又は2以上の態様の基本的理解をもたらすために、本開示のこのような態様の簡単な概要を提示する。この概要は、本開示の全ての想定される特徴の広範な概説ではなく、本開示の全ての態様の重要な又は必須の要素を識別することも、或いは本開示の一部又は全部の態様の範囲を正確に説明することも意図するものではない。この概要の唯一の目的は、後述するさらに詳細な説明の前置きとして、本開示の1又は2以上の態様のいくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0005】
本開示の態様は、円錐形多関節部材、及び円錐形多関節部材の構築方法に関する。1つの例では、円錐形多関節部材が、内面及び外面を含む円錐形構造を含む。円錐形多関節部材は、円錐形構造の長さに沿って配置された複数の回転作動ユニットをさらに含み、複数の回転作動ユニットのうちの少なくとも2つの回転作動ユニットは共に結合される。複数の回転作動ユニットは、1又は2以上の動きを実行するように構成される。1つの例では、円錐形多関節部材の構築方法が、内面及び外面を含む円錐形構造を形成することを含む。この方法は、複数の回転作動ユニットを互いに結合することをさらに含み、複数の回転作動ユニットは1又は2以上の動きを実行するように構成される。方法は、複数の回転作動ユニットを円錐形構造の長さに沿って配置することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の様々な態様による円錐形多関節部材の側面図である。
図2】本開示の様々な態様による、図1に示す円錐形多関節部材の断面図である。
図3】本開示の様々な態様による円錐形多関節部材の背面図である。
図4】本開示の様々な態様による円錐形多関節部材の実装例の側面図である。
図5】本開示の様々な態様による円錐形多関節部材の実装例の背面図である。
図6】本開示の様々な態様による第2の回転作動ユニット及び第3の回転作動ユニットの第1の斜視図である。
図7】本開示の様々な態様による第2の回転作動ユニット及び第3の回転作動ユニットの第2の斜視図である。
図8】本開示の様々な態様による円錐形多関節部材の実装例の側面図である。
図9】本開示の様々な態様による円錐形多関節部材の実装例の側面図である。
図10】本開示の様々な態様による、円錐形多関節部材を構築する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付図面と共に後述する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図するものであり、本明細書で説明する概念を実施できる唯一の構成を表すように意図するものではない。詳細な説明は、様々な概念を完全に理解できるように具体的な詳細を含む。しかしながら、当業者には、これらの具体的な詳細を伴わずにこれらの概念を実施できることが明らかであろう。いくつかの例では、このような概念を曖昧にしないように、周知の構造及びコンポーネントについてはブロック図形式で示す。本出願ではいくつかの実施例を示すことによって態様及び実施形態を説明するが、当業者であれば、多くの異なる配置及びシナリオではさらなる実装及び使用例を実現することができると理解するであろう。本明細書で説明する技術革新は、多くの異なるプラットフォームタイプ、装置、システム、形状、サイズ及び/又はパッケージング構成にわたって実装することができる。
【0008】
本開示の態様は、円錐形多関節部材に関する。図1は、本開示の様々な態様による円錐形多関節部材100の側面図である。図1図8を参照しながら本明細書において説明する態様では、円錐形多関節部材(例えば、円錐形多関節部材100、800)が、異なるタイプの(動物の尾の動作とも呼ばれる)動物の尾の動きを達成できる多関節の動物の尾として実装される。図9を参照しながら本明細書において説明する態様では、円錐形多関節部材(例えば、円錐形多関節部材900)が、多関節のつる(articulated vine)として実装される。しかしながら、本明細書で説明する円錐形多関節部材の機構及び/又は構造は、図1図9を参照しながら説明するものとは異なる実装に適用することもできると理解されたい。
【0009】
いくつかの例では、図1に示すように、円錐形多関節部材100を表面104に取り付けることで、(例えば、円錐形多関節部材100が属する)動物の体が部分的に閉ざされた空間(例えば、洞窟)内に存在して視界から隠れている一方で、部分的に閉ざされた空間の開口部から尾が突出して見えているままであるような錯覚を生じさせることができる。いくつかの例では、円錐形多関節部材100を床106の上方に懸架することもできる。
【0010】
いくつかの実装例では、円錐形多関節部材100が円錐形構造102を含むことができる。例えば、円錐形構造102は、繊維強化プラスチック(FRP)、ハードシェル複合プラスチック、3次元印刷部品、及び/又は他のいずれかの好適な材料などの、耐久性がありながら軽量の材料を使用して形成されたシェルとすることができる。シェルは、例えば内面及び外面を含むことができる。いくつかの例では、円錐形構造102が、多関節部材のタイプ(例えば、動物の尾、つるなど)に適した1又は2以上の物理的特性(例えば、質感、色など)をシミュレートするシリコーンスキン又はその他の可撓性材料を含むことができる。いくつかの例では、円錐形構造102の外面に1又は2以上の袋(bladders)を結合することができる。例えば、これらの袋は、円錐形構造102の適切な効果を達成するように気体(例えば、空気)、液体、固体材料、又はこれらの組み合わせで満たすことができる。
【0011】
本開示のいくつかの態様では、図1に示すように、円錐形多関節部材100の円錐形構造102が、円錐形構造102の長さ110に沿ってテーパ付けされた幅108を有することができる。例えば、幅108は、12インチ~24インチの範囲内とすることができる。他の例では、幅108を12インチ未満又は24インチ超とすることもできる。例えば、長さ110は、6フィート~15フィートの範囲内とすることができる。他の例では、長さ110を6フィート未満又は15フィート超とすることもできる。円錐形多関節部材100のコンポーネント及び動作については、図2図7を参照しながら本明細書で詳細に説明する。
【0012】
図2は、本開示の様々な態様による円錐形多関節部材100の断面図である。図2に示すように、円錐形多関節部材100は、円錐形構造102の長さに沿って配置された数多くの回転作動ユニット202、204、206、208を含むことができる。本明細書で詳細に説明するように、回転作動ユニット202、204、206、208は共に結合されて、複数の自由度での円錐形構造102の動きを可能にすることができる。本明細書で説明する実装例は4つの回転作動ユニット(例えば、回転作動ユニット202、204、206、208)を含んでいるが、他の実装では異なる数の回転作動ユニットを使用することもできると理解されたい。例えば、図2の回転作動ユニット202、204、206、208は、円錐形多関節部材100に4つの自由度を与えることができる。しかしながら、円錐形多関節部材100にさらなる自由度が望まれる場合には、5以上の回転作動ユニットを使用することもできる。
【0013】
本開示のいくつかの態様では、図2に示すように、回転作動ユニット202、204、206、208の各々が、少なくともそれぞれの回転アクチュエータ及びそれぞれのシャフトを含むことができる。本明細書で説明するように、回転作動ユニットのシャフトは、回転作動ユニット内の回転アクチュエータのハウジング、又は回転作動ユニット内の回転アクチュエータの回転部品に結合することができる。例えば、図2に示すように、第1の回転作動ユニット202は第1の回転アクチュエータ212及び第1のシャフト214を含むことができ、第2の回転作動ユニット204は第2の回転アクチュエータ218及び第2のシャフト220を含むことができ、第3の回転作動ユニット206は第3の回転アクチュエータ224及び第3のシャフト226を含むことができ、第4の回転作動ユニット208は第4の回転アクチュエータ230及び第4のシャフト232を含むことができる。
【0014】
本開示のいくつかの態様では、回転アクチュエータ212、218、224、230のうちの1つ又は2つ以上を、回転部品と、回転部品を駆動するためのモータと、電動回転アクチュエータの動作及び/又は性能を改善できる他のいずれかの任意のコンポーネント(例えば、ギアボックス、エンコーダなど)とを含む電動回転アクチュエータとすることができる。上述した電動回転アクチュエータは、回転部品の回転位置の正確な制御を可能にする一方で、本明細書で説明する動き(例えば、動物の尾の動き、つるの動きなど)を達成するのに十分な量の回転速度及びトルクを与えることができる。例えば、回転アクチュエータ212、218、224、230のうちの1つ又は2つ以上は、(調和歯車機構とも呼ばれる)波動歯車機構を含むことができる。本開示の他の態様では、回転アクチュエータ212、218、224、230のうちの1つ又は2つ以上を油圧アクチュエータとすることができる。
【0015】
図2の実装例では、第1の回転アクチュエータ212が、第1の回転軸236を有する第1の回転部品216を含むことができ、第2の回転アクチュエータ218が、第2の回転軸246を有する第2の回転部品222を含むことができる。例えば、第2の回転軸246は、第2の回転部品222の中心から図2のページに対して垂直に延びることができる。図2に示すように、第1の回転部品216は、第1の回転軸236に沿って延びる第1のシャフト214を介して第2の回転アクチュエータ218に結合することができる。本開示のいくつかの態様では、第1の回転軸236が第2の回転軸246に対して概ね垂直であることができる。本明細書で説明する態様では、「概ね垂直」という用語は、2つの交差する線(例えば、2つの回転軸)間に形成される角度が85度~95度の範囲内にあることを意味する。第1のシャフト214は、第1の回転軸236に整列することができるその長手方向軸を中心に回転することができる。例えば、第1の回転アクチュエータ212は、(例えば、第1の回転部品216を介して)第1のシャフト214を第1の方向238又は第2の方向240に回転させることができる。
【0016】
第2の回転部品222は、第2のシャフト220を介して第3の回転アクチュエータ224に結合することができる。第3の回転アクチュエータ224は、第3の回転軸242を有する第3の回転部品228を含むことができる。第2のシャフト220は、第3の回転軸242に沿って延びることができる。本開示のいくつかの態様では、第3の回転軸242及び第2のシャフト220の長手方向軸が第2の回転軸246に対して概ね垂直であることができる。図2に示すように、第2のシャフト220は、第2の回転軸246を中心に第1の方向248又は第2の方向250に回転することができる。
【0017】
第3の回転部品228は、第3の回転軸242に沿って延びる第3のシャフト226を介して第4の回転アクチュエータ230に結合することができる。第3のシャフト226は、第3の回転軸242と整列することができるその長手方向軸を中心に回転することができる。例えば、第3の回転アクチュエータ224は、(例えば、第3の回転部品228を介して)第3のシャフト226を第1の方向252又は第2の方向254に回転させることができる。第4の回転アクチュエータ230は、第4の回転軸244を有する第4の回転部品234を含むことができる。本開示のいくつかの態様では、第3の回転軸242と第4の回転軸244との交点が鈍角256を形成する。図2にさらに示すように、第4のシャフト232は第4の回転部品234に結合することができる。本開示のいくつかの態様では、第4のシャフト232の長手方向軸258が第4の回転軸244に対して概ね垂直であることができる。図2に示すように、第4のシャフト232は、第4の回転軸244を中心に第1の方向260又は第2の方向262に回転することができる。
【0018】
本明細書で説明する態様では、回転作動ユニットのリンク機構(例えば、回転作動ユニット202、204、206、208)を集合的に回転作動ユニットリンク機構210と呼ぶことができる。従って、1つのシナリオ例では、円錐形構造(例えば、円錐形構造102)を特定の用途(例えば、テーマパークの乗り物における展示)のために設計することができ、回転作動ユニットリンク機構210をこの円錐形構造のために特異的に構成することができる。例えば、回転作動ユニットの数、回転作動ユニットにおける各それぞれのシャフトの長さ、回転作動ユニットにおける回転アクチュエータの回転軸の配置、及び/又は回転作動ユニットリンク機構210のその他の特徴は、円錐形構造102のサイズ及び形状に適合して円錐形多関節部材100の所望の動きを達成するように独自に構成することができる。
【0019】
本開示のいくつかの態様では、リンク機構(例えば、回転作動ユニットリンク機構210)内の回転作動ユニットのうちの2つ又は3つ以上が異なる配向を有することができる。いくつかの例では、これらの異なる配向が互いに対して約90度(例えば、95度~85度の範囲内で)オフセットすることができる。例えば、第1の回転作動ユニット202は第1の配向を有することができ、第2の回転作動ユニット204は第2の配向を有することができ、第2の配向は第1の配向に対して約90度オフセットされる。従って、第1の回転アクチュエータ212の第1の回転軸236は、第2の回転アクチュエータ218の第2の回転軸246に対して概ね垂直であることができる。他の例では、異なる配向が約90度以外の値(例えば、約30度)だけオフセットすることができる。
【0020】
図2を参照すると、回転作動ユニット202、204、206、208は、円錐形多関節部材100に複数の自由度を与えることによって、円錐形多関節部材100が異なるタイプの尾の動きを実行することを可能にする。本開示のいくつかの態様では、第1の回転アクチュエータ212が第1の方向238又は第2の方向240に回転すると、円錐形構造102が回転動作を実行することができる。例えば、第1の回転部品216が一定方向(例えば、第1の方向238又は第2の方向240)に回転すると、第2の回転作動ユニット204(例えば、第2の回転アクチュエータ218及び第2のシャフト220)、第3の回転作動ユニット206(例えば、第3の回転アクチュエータ224及び第3のシャフト226)、並びに第4の回転作動ユニット208(例えば、第4の回転アクチュエータ230及び第4のシャフト232)もその方向に回転することができる。従って、第1の回転作動ユニット202が回転動作を行うと、円錐形構造102が(例えば、振り子の動きと同様に)左右に揺れて、動物の尾が揺れ動く動きをシミュレートすることができる。この揺れ動く動きの例については、図3を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図3は、本開示の様々な態様による円錐形多関節部材100の背面図である。例えば、図3に示す円錐形多関節部材100の背面図は、円錐形多関節部材100を図2の方向264に見た図とすることができる。いくつかの例では、図3に示すように、第1の回転作動ユニット202の第1の回転アクチュエータ212が第1の回転部品216を第1の方向238に約15度回転させると、円錐形多関節部材100が円錐形構造102を第1の位置352に動かして回転動作を実行することができる。また、いくつかの例では、第3の回転作動ユニット206の第3の回転アクチュエータ224が第3の回転部品228を第1の方向252に約15度回転させると、円錐形多関節部材100が円錐形構造102を第2の位置354に動かすことによってさらなる回転動作を実行することができる。いくつかの例では、第4の回転作動ユニット208の第4の回転アクチュエータ230が第4の回転部品234を第1の方向260に約15度回転させると、円錐形多関節部材100が円錐形構造102を第3の位置356に動かすことによってさらなる回転動作を実行することができる。円錐形多関節部材100は、この例で説明した回転動作を逆順で実行して円錐形構造102を元の位置に戻すことができる。
【0022】
他の例では、図3に示すように、第1の回転作動ユニット202の第1の回転アクチュエータ212が第1の回転部品216を第2の方向240に約15度回転させると、円錐形多関節部材100が円錐形構造102を第4の位置358に動かすことによって回転動作を実行することができる。いくつかの例では、第3の回転作動ユニット206の第3の回転アクチュエータ224が第3の回転部品228を第2の方向254に約15度回転させると、円錐形多関節部材100が円錐形構造102を第5の位置360に動かすことによってさらなる回転動作を実行することができる。いくつかの例では、第4の回転作動ユニット208の第4の回転アクチュエータ230が第4の回転部品234を第2の方向262に約15度回転させると、円錐形多関節部材100が円錐形構造102を第6の位置362に動かすことによってさらなる回転動作を実行することができる。円錐形多関節部材100は、この例で説明した回転動作を逆順で実行して円錐形構造102を元の位置に戻すことができる。
【0023】
従って、本開示のいくつかの態様では、円錐形多関節部材100が、上述した回転動作を周期的に実行して揺れ動く動きをシミュレートすることができる。例えば、回転作動ユニット202、206、208は、回転動作の第1のシーケンスにおいて円錐形構造102を第3の位置356から第6の位置362に動かし、その後に回転動作の第2のシーケンスにおいて円錐形構造102を第6の位置362から第3の位置356に動かすことができる。円錐形多関節部材100は、回転動作の第1及び第2のシーケンスを繰り返して自然な揺れ動く動きを達成することができる。
【0024】
いくつかの例では、図2を参照すると、第2の回転作動ユニット204の第2の回転アクチュエータ218が第2の回転部品222を第1の方向248に回転させると、円錐形構造102が上方に持ち上がることができる(円錐形構造102のピッチを上げるとも言う)。第2の回転作動ユニット204の第2の回転アクチュエータ218が第2の回転部品222を第2の方向250に回転させると、円錐形構造102は下方に落ちることができる(円錐形構造102のピッチを下げるとも言う)。いくつかの例では、第2の回転アクチュエータ218が第2の回転部品222を第1の方向248に素早く回転させてすぐに第2の回転部品222を第2の方向250に回転させることで、円錐形構造102を上昇及び下降させて尾をはじく動きを達成することができる。
【0025】
円錐形多関節部材100は、回転作動ユニット202、204、206、208を単独で又は共に動作させて様々な動き(例えば、異なるタイプの動物の尾の動き)を達成することができる。いくつかの例では、回転作動ユニット202、204、206、208の1又は2以上の動きが、尾を振る動き、尾を巻く動き、尾をねじる動き、尾をはじく動き、尾を持ち上げる動き、尾を下げる動き、及び/又はこれらの組み合わせを可能にすることができる。本開示のいくつかの態様では、回転作動ユニット202、204、206、208を、円錐形多関節部材100の自然に見える動物の尾の動きをシミュレートするために、異なる回転量及び/又は回転速度を使用して動作するように構成することができる。
【0026】
本開示のいくつかの態様では、回転作動ユニット202、204、206、208を、ソフトウェアによって生成された独自のコマンドシーケンス(動物の尾の動きプロファイル又は動物の尾のパフォーマンスプロファイルとも呼ばれる)に応答して、本明細書で説明した動き(例えば、図3を参照しながら説明した揺れ動く動き)を実行するように構成することができる。例えば、各コマンドシーケンスは、回転作動ユニット202、204、206、208のうちの1つ又は2つ以上の回転のタイミング及び量を、特定の動物の尾の動きを達成するように制御することができる。
【0027】
図4は、本開示の様々な態様による円錐形多関節部材100の実装例の側面図である。図4では、円錐形多関節部材100を、円錐形構造102と、円錐形多関節部材100の内部に収容された機械部品(例えば、回転作動ユニット202、204、206、208)との両方を示す3次元立体モデルとして示す。なお、図4の円錐形構造102のいくつかの部分は、円錐形多関節部材100の内部に収容された機械部品を明らかにして開示する態様の理解を容易にするために意図的に透明又は半透明に見えるように表しているものと理解されたい。従って、いくつかの実装では、円錐形多関節部材100の内部に収容された機械部品が、図1に示すように視界から隠れることができる。
【0028】
図4にさらに示すように、第1のシャフト214は第1の長さ462を有することができ、第2のシャフト220は第2の長さ464を有することができ、第3のシャフト226は第3の長さ466を有することができ、第4のシャフト232は第4の長さ468を有することができる。第1の長さ462、第2の長さ464、第3の長さ466及び/又は第4の長さ468の値は、円錐形構造102の寸法(例えば、長さ、幅など)及び/又は円錐形構造102の他の物理的特性(例えば、円錐形構造102の形状、円錐形構造102の総重量など)に基づいて選択することができる。例えば、図4に示すように、それぞれのシャフト214、220、226及び232の第1の長さ462、第2の長さ464、第3の長さ466及び第4の長さ468は、シャフト214、220、226及び232が円錐形構造102の形状に適合するように構成される。いくつかの態様では、回転作動ユニット202、204、206、208の重量が、円錐形構造102の長さに沿って減少することができる。例えば、第2の回転作動ユニット204の重量は第1の回転作動ユニット202よりも軽く、第3の回転作動ユニット206の重量は第2の回転作動ユニット204よりも軽く、第4の回転作動ユニット208の重量は第3の回転作動ユニット206よりも軽いことができる。
【0029】
なお、図4では、説明を容易にするために、回転作動ユニットリンク機構210(例えば、回転作動ユニット202、204、206、208)を円錐形構造102に結合する手段を示していない。回転作動ユニットリンク機構210を円錐形構造102に結合する態様については、図6及び図7を参照しながら本明細書で詳細に説明する。
【0030】
図5は、本開示の様々な態様による円錐形多関節部材100の実装例の背面図である。例えば、図5に示す円錐形多関節部材100の背面図は、円錐形多関節部材100を図4の方向450に見た図とすることができる。図5では、円錐形多関節部材100を、円錐形構造102と、円錐形多関節部材100の内部に収容された機械部品の一部(例えば、第1の回転アクチュエータ212、第2の回転アクチュエータ218、第3の回転アクチュエータ224、第3のシャフト226、第4の回転アクチュエータ230、及び第4のシャフト232)との両方を示す3D立体モデルとして示している。なお、図5の円錐形構造102のいくつかの部分は、円錐形多関節部材100の内部に収容された機械部品を明らかにして開示する態様の理解を容易にするために意図的に透明又は半透明に見えるように表しているものと理解されたい。従って、いくつかの実装では、円錐形多関節部材100の内部に収容された機械部品が、図3に示すように視界から隠れることができる。
【0031】
図6は、本開示の様々な態様による第2及び第3の回転作動ユニット204、206の第1の斜視図である。本開示のいくつかの態様では、図6に示すように、少なくとも1つの回転作動ユニット(例えば、第3の回転作動ユニット206)が1又は2以上の支持部材を含むことができる。本開示の他の態様では、各回転作動ユニット(例えば、回転作動ユニット202、204、206、208の各々)が1又は2以上の支持部材を含むことができる。いくつかの例では、回転作動ユニット内の支持部材の第1の端部を、回転作動ユニット内の回転アクチュエータの回転部品(例えば、第3の回転アクチュエータ224の第3の回転部品228)に結合することができる。支持部材の第2の端部は、円錐形構造102の表面に結合することができる。
【0032】
例えば、第3の回転作動ユニット206は、第3の回転アクチュエータ224、第3のシャフト226、第1の支持部材602、第2の支持部材604、第3の支持部材606、及び第4の支持部材608を含むことができる。いくつかの例では、支持部材602、604、606、608を使用して、第3の回転アクチュエータ224の第3の回転部品228を円錐形構造102の内面601に結合することができる。また、支持部材602、604、606、608は、第3の回転アクチュエータ224を支持することに加えて、第3の回転アクチュエータ224の回転動作を円錐形構造102に伝えることもできる。これにより、円錐形構造102は、回転作動ユニットリンク機構210によって実行される動物の尾の動きをより自然に示すことができる。本開示のいくつかの態様では、支持部材602、604、606、608の各々をそれぞれの取り付けプレート610、612、614、616に結合することができる。これらの態様では、取り付けプレート610、612、614、616を、ねじ、接着剤及び/又はその他の好適な締結材料を使用して円錐形構造102に取り付けることができる。
【0033】
図7は、本開示の様々な態様による第2の回転作動ユニット204及び第3の回転作動ユニット206の第2の斜視図である。図7に示すように、支持部材602、604、606、608の各々は、それぞれの長さ702、704、706、708を有することができる。いくつかの実装では、支持部材602、604、606、608の長さ702、704、706、708の一部が、円錐形構造102のサイズ及び/又は形状に対応するために互いに異なることができる。1つの例では、第1及び第2の支持部材602、604の長さ702、704を11インチとすることができ、第3の支持部材606の長さ706を8インチとすることができ、第4の支持部材608の長さ708を6.5インチとすることができる。
【0034】
本明細書で説明する態様を考慮すると、回転作動ユニットの数、回転作動ユニット内の各それぞれのシャフトの長さ、並びに回転作動ユニット及びシャフトの配置は、円錐形構造の固有の設計に対応するように、及び/又は円錐形多関節部材100の所望のタイプの動きを支持するように適切に構成できると理解することができる。さらに、本明細書で説明する円錐形多関節部材100のモジュラーコンポーネント(例えば、回転作動ユニット202、204、206、208)は、様々な設計の円錐形構造に柔軟性を与えてカスタマイズを容易にすることができる。本明細書で説明する態様は、円錐形多関節部材100に複数の自由度を与えるために、(各回転作動ユニット内で異なるように構成できる)同じタイプの回転アクチュエータの使用を可能にする。また、本明細書で説明する回転作動ユニットは、円錐形多関節部材(例えば、円錐形多関節部材100)の所望の動きを実行できるので、本明細書で説明する態様は、著しくコストが高く、耐久性が低く、及び/又はメンテナンスが困難なケーブル及び/又はその他のさらなる機構の使用を避けることができる。
【0035】
図8は、本開示の様々な態様による円錐形多関節部材800の実装例の側面図である。図8では、円錐形多関節部材800を、円錐形構造802と、円錐形多関節部材800の内部に収容された機械部品(例えば、回転作動ユニット804、806、808)との両方を示す3次元立体モデルとして示す。なお、図8の円錐形構造802のいくつかの部分は、円錐形多関節部材800の内部に収容された機械部品を明らかにして開示する態様の理解を容易にするために意図的に透明又は半透明に見えるように表しているものと理解されたい。従って、いくつかの実装では、円錐形多関節部材800の内部に収容された機械部品が視界から隠れることができる。
【0036】
図8に示すように、第1の回転作動ユニット804は第1の回転アクチュエータ810及び第1のシャフト812を含み、第2の回転作動ユニット806は第2の回転アクチュエータ816及び第2のシャフト818を含み、第3の回転作動ユニット808は第3の回転アクチュエータ822及び第3のシャフト824を含む。図8に示すように、第1の回転アクチュエータ810の第1の回転部品814は表面850に結合することができ、第1のシャフト812の第1の端部は第1の回転アクチュエータ810のハウジングに結合することができる。図8にさらに示すように、第1のシャフト812の第2の端部は、第2の回転アクチュエータ816のハウジングに結合することができる。第2のシャフト818の第1の端部は第2の回転部品820に結合することができ、第2のシャフト818の第2の端部は第3の回転アクチュエータ822の第3の回転部品826に結合することができる。第3のシャフト824は、第3の回転アクチュエータ822のハウジングに結合することができる。
【0037】
図8の態様では、円錐形多関節部材800が動物の尾として実装される。従って、回転作動ユニット804、806、808は様々な尾の動きを達成することができる。いくつかの例では、第1の回転作動ユニット804が第2及び第3の回転作動ユニット806、808を回転させ、第2の回転作動ユニット806が第3の回転作動ユニット808を上昇及び下降させることができる。なお、図8では、説明を容易にするために、回転作動ユニット804、806、808を円錐形構造802に結合する手段を示していない。しかしながら、回転作動ユニット804、806、808のうちの少なくとも1つは、図6及び図7を参照しながら上述したような、円錐形構造802の表面に結合する1又は2以上の支持部材を含むことができる。
【0038】
図9は、本開示の様々な態様による円錐形多関節部材900の実装例の側面図である。図9では、円錐形多関節部材900を、円錐形構造902と、円錐形多関節部材900の内部に収容された機械部品(例えば、回転作動ユニット904、906)との両方を示す3次元立体モデルとして示す。なお、図9の円錐形構造902のいくつかの部分は、円錐形多関節部材800の内部に収容された機械部品を明らかにして開示する態様の理解を容易にするために意図的に透明又は半透明に見えるように表しているものと理解されたい。従って、いくつかの実装では、円錐形多関節部材900の内部に収容された機械部品が視界から隠れることができる。
【0039】
図9に示すように、第1の回転作動ユニット904は第1の回転アクチュエータ908及び第1のシャフト910を含み、第2の回転作動ユニット906は第2の回転アクチュエータ914と第2のシャフト916を含む。図9に示すように、第1の回転アクチュエータ908の第1の回転部品912は表面950に結合され、第1のシャフト910の第1の端部は第1の回転アクチュエータ908のハウジングに結合することができる。図9にさらに示すように、第1のシャフト910の第2の端部は第2の回転アクチュエータ914のハウジングに結合することができる。いくつかの例では、円錐形多関節部材900を床960の上方に懸架し、又は(図9に示すように)床960の上方に部分的に懸架することができる。
【0040】
図9の態様では、第1の回転作動ユニット904が第2の回転作動ユニット906を回転させることができる。第2の回転作動ユニット906の第2の回転アクチュエータ914は、シャフト916を動かす(例えば、上昇又は下降させる)ことができる。図9に示すように、第2のシャフト916は、円錐形構造902の形状に適合する形状を有することができる。例えば、図9に示すように、第2のシャフト916は、円錐形構造902の形状に適した角度924を形成するように構成された第1及び第2の部分920、922を含むことができる。
【0041】
なお、図9では、説明を容易にするために、回転作動ユニット904、906を円錐形構造902に結合するいずれかの手段を示していない。しかしながら、回転作動ユニット904、906の少なくとも一方は、図6及び図7を参照しながら説明したような、円錐形構造902の表面に結合する1又は2以上の支持部材を含むことができる。
【0042】
上述したように、図9の態様では、円錐形多関節部材900が多関節のつるとして実装される。従って、回転作動ユニット904、906は、(図9に示すようなつるの形状及び外観を有することができる)円錐形多関節部材900が生きているような動きを実行することを可能にする(つるの動きとも呼ばれる)様々な動きを達成することができる。
【0043】
図10は、本開示の態様による、円錐形多関節部材を構築する例示的なプロセス1000を示すフローチャートである。後述するように、本開示の範囲内の特定の実装では図示の一部又は全部の特徴を省略することができ、図示の一部の特徴が全ての実施形態の実装のために必要でない場合もある。いくつかの例では、プロセス1000を、後述する動作を実施するいずれかの好適な装置又は手段が実施することができる。図10では、任意のブロックを破線で示す。
【0044】
ブロック1002において、プロセスは、内面及び外面を含む円錐形構造(例えば、円錐形構造102、802、902)を形成することを含む。
【0045】
ブロック1004において、プロセスは、複数の回転作動ユニットを互いに結合することを含む。複数の回転作動ユニットは、1又は2以上の動きを実行するように構成される。いくつかの態様では、複数の回転作動ユニットが、円錐形多関節部材に複数の自由度を与えることができる。例えば、図2に示すように、複数の回転作動ユニットを結合することは、第1の回転作動ユニット(例えば、第1の回転作動ユニット202)を第2の回転作動ユニット(例えば、第2の回転作動ユニット204)に結合することを含むことができる。第1の回転作動ユニットは、第1の回転アクチュエータ(例えば、第1の回転アクチュエータ212)及び第1のシャフト(例えば、第1のシャフト214)を含み、第1のシャフトは、第1の回転アクチュエータの第1の回転部品(例えば、第1の回転部品216)に結合される。第1の回転部品は、第1の回転軸(例えば、第1の回転軸236)を有することができる。複数の回転作動ユニットのうちの第2の回転作動ユニットは、第2の回転アクチュエータ(例えば、第2の回転アクチュエータ218)及び第2のシャフト(例えば、第2のシャフト220)を含むことができ、第2のシャフトは第2の回転アクチュエータの第2の回転部品(例えば、第2の回転部品222)に結合される。第2の回転部品は、第2の回転軸(例えば、第2の回転軸246)を有することができる。第1の回転部品は、第1の回転軸に沿って延びる第1のシャフトを介して第2の回転アクチュエータに結合することができ、第1の回転軸は第2の回転軸に対して概ね垂直である。
【0046】
本開示のいくつかの態様では、複数の回転作動ユニットを結合することが、第2の回転作動ユニットを第3の回転作動ユニット(例えば、第3の回転作動ユニット206)に結合することをさらに含むことができる。第3の回転作動ユニットは、第3の回転アクチュエータ(例えば、第3の回転アクチュエータ224)及び第3のシャフト(例えば、第3のシャフト226)を含むことができ、第3のシャフトは第3の回転アクチュエータの第3の回転部品(例えば、第3の回転部品228)に結合される。第3の回転部品は、第3の回転軸(例えば、第3の回転軸242)を有することができる。第2の回転部品は、第3の回転軸に沿って延びる第2のシャフトを介して第3の回転アクチュエータに結合することができ、第3の回転軸は第2の回転軸に対して概ね垂直である。
【0047】
本開示のいくつかの態様では、複数の回転作動ユニットを結合することが、第3の回転作動ユニットを第4の回転作動ユニット(例えば、第4の回転作動ユニット208)に結合することをさらに含むことができる。第4の回転作動ユニットは、第4の回転アクチュエータ(例えば、第4の回転アクチュエータ230)及び第4のシャフト(例えば、第4のシャフト232)を含み、第4のシャフトは第4の回転アクチュエータの第4の回転部品(例えば、第4の回転部品234)に結合される。第4の回転部品は、第4の回転軸(例えば、第4の回転軸244)を有することができる。第3の回転部品は、第3の回転軸に沿って延びる第3のシャフトを介して第4の回転アクチュエータに結合することができ、第3の回転軸及び第4の回転軸は鈍角を形成する。
【0048】
本開示のいくつかの態様では、1又は2以上の動きが、少なくとも回転動作及びピッチ動作(例えば、円錐形構造102を持ち上げる又は下げるピッチ動作)を含むことができる。例えば、複数の回転作動ユニットのうちの少なくとも第1の回転作動ユニット(例えば、第1の回転作動ユニット202、第3の回転作動ユニット206、及び/又は第4の回転作動ユニット208)は、円錐形多関節部材の回転動作をもたらす。例えば、複数の回転作動ユニットのうちの少なくとも第2の回転作動ユニット(例えば、第2の回転作動ユニット204)は、円錐形多関節部材のピッチ動作をもたらすことができる。
【0049】
ブロック1006において、プロセスは、円錐形構造(例えば、円錐形構造102)の長さ(例えば、図1の長さ110)に沿って複数の回転作動ユニットを配置することを含む。例えば、図1及び図2に示すように、第1の回転作動ユニット202、第2の回転作動ユニット204、第3の回転作動ユニット206及び第4の回転作動ユニット208を円錐形構造102の長さ110に沿って配置することができる。
【0050】
ブロック1008において、プロセスは、複数の回転作動ユニットの各々におけるそれぞれの一連の支持部材(例えば、図6及び図7の支持部材602、604、606、608)を円錐形構造の内面に結合することを含む。本開示のいくつかの態様では、回転作動ユニットの一連の支持部材(例えば、支持ロッド)の各支持部材が、第1の端部及び第2の端部を含む。いくつかの例では、回転作動ユニット内の支持部材の第1の端部を、回転作動ユニット内の回転アクチュエータの回転部品(例えば、第3の回転アクチュエータ224の第3の回転部品228)に結合することができる。支持部材の第2の端部は、円錐形構造102の表面(例えば、内面)に結合することができる。いくつかの例では、第2の端部を、回転作動ユニット内の回転アクチュエータの回転部品(例えば、第3の回転アクチュエータ224の第3の回転部品228)の代わりに、回転作動ユニットのシャフト(例えば、第3のシャフト226)に結合することができる。いくつかの態様では、回転作動ユニット内の一連の支持部材における少なくとも2つの支持部材が異なる長さを有する。
【0051】
本開示における「例示的な(exemplary)」という単語は、「例、事例又は説明例として役立つ」ことを意味するために使用するものである。本明細書において「例示的な」ものとして説明するいずれかの実装又は態様は、必ずしも本開示の他の態様よりも好ましいもの又は有利なものとして解釈すべきではない。同様に、「態様(aspects)」という用語は、説明する特徴、利点又は動作モードを本開示の全ての態様が含むことを必要とするものではない。本明細書で使用する「結合された(coupled)」という用語は、2つの物体間の直接的又は間接的な結合を意味する。例えば、物体Aが物体Bに物理的に接触しており、物体Bが物体Cに接触している場合、物体A及びCは、たとえ互いに直接物理的に接触していなくても互いに結合していると考えることができる。例えば、たとえ第1の物体が決して第2の物体と直接物理的に接触していなくても、第1の物体は第2の物体に結合しているものとすることができる。
【0052】
図1図9に示すコンポーネント、ステップ、特徴及び/又は機能のうちの1つ又は2つ以上は、単一のコンポーネント、ステップ、特徴又は機能に再配置し及び/又は組み合わせることも、或いは複数のコンポーネント、ステップ又は機能に具体化することもできる。本明細書に開示する新規特徴から逸脱することなく、さらなる要素、コンポーネント、ステップ及び/又は機能を追加することもできる。図1図9に示す装置、デバイス及び/又はコンポーネントは、本明細書で説明した方法、特徴及び/又はステップを実行するように構成することができる。本明細書で説明した新規アルゴリズムは、ソフトウェア内に効率的に実装し、及び/又はハードウェアに埋め込むことができる。
【0053】
開示した方法のステップの特定の順序又は階層は、例示的なプロセスの例示であると理解されたい。方法のステップの特定の順序又は階層は、設計選択に基づいて再配置することができると理解される。添付する方法の請求項は、様々なステップの要素をサンプル順で提示するものであり、請求項内に具体的に記載していない限り、提示する特定の順序又は階層に限定されるように意図するものではない。
【0054】
上記の説明は、本明細書で説明した様々な態様をあらゆる当業者が実施できるように提供したものである。当業者にはこれらの態様の様々な修正が容易に明らかになると思われ、本明細書に定める一般的原理は他の態様に適用することもできる。従って、特許請求の範囲は、本明細書に示した態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言に一致する完全な範囲が認められるものであり、単数形の要素についての言及は、特にそのように記載していない限り「唯一の」を意味するものではなく、むしろ「1又は2以上」を意味するように意図される。別途明示していない限り、「いくつかの(some)」という用語は1又は2以上を意味する。ある項目リスト「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」に関する表現は、(1つの要素を含む)これらの項目のいずれかの組み合わせを意味する。一例として、「a、b又はcのうち少なくとも1つ」は、a、b、c、aとb、bとc、及びaとbとcを含むように意図される。本開示全体を通じて説明した様々な態様の要素の、当業者に周知の又は後で知られるようになる全ての構造的及び機能的同等物は、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本明細書に開示した内容は、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかに関わらず、一般に公開されることを意図するものではない。請求項の要素については、この要素が「~のための手段」という表現を用いて明確に示されていない限り、又は方法の請求項の場合には「~するステップ」という表現を用いて記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0055】
100 円錐形多関節部材
102 円錐形構造
104 表面
106 床
202 第1の回転作動ユニット
204 第2の回転作動ユニット
206 第3の回転作動ユニット
208 第4の回転作動ユニット
210 回転作動ユニットリンク機構
212 第1の回転アクチュエータ
214 第1のシャフト
216 第1の回転部品
218 第2の回転アクチュエータ
220 第2のシャフト
222 第2の回転部品
224 第3の回転アクチュエータ
226 第3のシャフト
228 第3の回転部品
230 第4の回転アクチュエータ
232 第4のシャフト
234 第4の回転部品
236 第1の回転軸
238 第1の方向
240 第2の方向
242 第3の回転軸
244 第4の回転軸
246 第2の回転軸
248 第1の方向
250 第2の方向
252 第1の方向
254 第2の方向
256 鈍角
258 第4のシャフトの長手方向軸
260 第1の方向
262 第2の方向
264 方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】