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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】秤量センサの構造体
(51)【国際特許分類】
   G01G 21/24 20060101AFI20231205BHJP
   G01G 7/04 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G01G21/24 Z
G01G7/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532798
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2021084135
(87)【国際公開番号】W WO2022117801
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】20212019.2
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599082218
【氏名又は名称】メトラー-トレド ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】ブルクハルト,ハンス-ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】リュヒンガー,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】メッツガー,アンドレアス
(57)【要約】
本発明は、ロバーバル機構を有する秤量センサの構造体であって、ロバーバル機構の固定脚部を有する第1の部分と、ロバーバル機構の可動脚部を有する第2の部分と、ロバーバル機構の上側横方向リンクを有する第3の部分と、ロバーバル機構の下側横方向リンクを有する第4の部分と、可動脚部を感知測定の役割を果たす出力側に接続するレバー構成を有する第5の部分と、可動脚部をレバー組立体に結合させる横断方向リンクを備える第6の部分とを備え、第1の部分から第5の部分のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態の領域を備え、その少なくとも1つの孔は、前記領域に一体的に接続された第1の部分から第6の部分のうちの別のものの少なくとも1つの部分によって貫通される、構造体に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロバーバル機構(10、20、30、40)を有する秤量センサの構造体(100)であって、
前記ロバーバル機構の固定脚部(10)を有する第1の部分と、
前記ロバーバル機構の可動脚部(20)を有する第2の部分と、
前記ロバーバル機構の上側横方向リンク(30)を有する第3の部分と、
前記ロバーバル機構の下側横方向リンク(40)を有する第4の部分と、
前記可動脚部(20)を感知測定の役割を果たす出力側に接続するレバー組立体(50)を備える第5の部分と、
前記可動脚部(20)を前記レバー構成(50)に結合させるカップラ(60)を有する第6の部分と
を備える、構造体において、
前記第1の部分から前記第5の部分のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態の領域を備え、その少なくとも1つの孔は、前記第1の部分から前記第6の部分のうちの別のものの、前記領域と一体的な少なくとも1つの部分によって貫通されることを特徴とする、構造体。
【請求項2】
前記貫通される部分の前記ハンドル体の前記タイプが、2以上であり、少なくとも1つの他の孔が、他の部分、および/または前記貫通される部分に少なくとも部分的に一体的に接続された前記第1の部分から前記第6の部分のうちのさらに別の部分によって貫通される、請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記1つの部分に加えて、前記第1の部分から前記第5の部分のうちの少なくとも1つのさらなる部分が、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態の領域を有し、その少なくとも1つの孔は、前記さらなる部分の前記領域に一体的に接続された前記第1の部分から前記第6の部分のうちの少なくとも1つの他のものによって貫通される、請求項1または2に記載の構造体。
【請求項4】
前記レバー構成(50)が、部分(54)を有し、前記部分は、前記構造体(100)の前記長手方向(L)に見たとき、前記可動脚部(20)から外方の方向に、前記固定脚部に関連付けられた屈曲点(130;140)を超えて延び、前記プロセスにおいて、横方向(Q)に見て、特に貫通する部分として、前記屈曲点の横方向の外側端部(130L、130R;140L、140R)間を延びる、請求項1から3のいずれか一項に記載の構造体。
【請求項5】
前記横方向(Q)と直交する平面に投影して見て、前記レバー構成の領域(54)が、前記固定脚部の部分、特に、貫通される領域によって、および/または貫通する部分によって、特に複数回、横断される、請求項1から4のいずれか一項に記載の構造体。
【請求項6】
荷重方向(g)と直交する平面に投影して見て、前記長手方向(L)に見たときに特に主要となる前記レバー構成のセクションが、前記第1の部分の材料領域間に位置し、特に、前記第1の部分において測定された、前記レバー構成の横方向範囲に対する前記レバー構成セクション(51、54)の横方向範囲の比は、前記横方向リンク(30、40)の長手方向延長部の少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、特に少なくとも80%の長手方向セクションにわたって、0.9未満であり、好ましくは0.8未満であり、特に0.7未満である、構造体。
【請求項7】
重量荷重を吸収する前記第2の部分の力変換部(28)が、前記長手方向(L)に見て、一方の側で前記可動脚部(20)および他方の側で固定脚部(10)に関連付けられた屈曲点(230、240;130、140)間に配置され、特に、前記荷重方向(g)と直交する平面に対して異なる角度設定を有する前記第2の部分の少なくとも2つの支柱(27、26)によって支持され、前記支柱(26)は、特に、貫通する部分および/または貫通される領域の構成要素である、請求項1から6のいずれか一項に記載の構造体。
【請求項8】
前記上側(30)および/または下側(40)横方向リンクの前記固定脚部および/または可動脚部の側の前記屈曲点(130、140;230、240)が、互いから前記横方向(Q)に見て、離間された横方向セクション(130L-130R;140L-140R;230L-230R;240L-240R)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の構造体。
【請求項9】
前記屈曲点部分(130L、R;140L、R;230L、R;240L、R)の凸状シェルまたは前記屈曲点の横方向外側端部が、容積部(v)を含み、前記容積と前記構造体(100)の材料の密度(ρ)との積が、前記容積部内に位置する前記構造体(100)の前記材料の質量(m)より少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも1.4倍、特に少なくとも1.75倍大きい、請求項1から8のいずれか一項に記載の構造体。
【請求項10】
前記横方向における前記可動脚部の最大延長部が、前記固定脚部のものより少なくとも1.125倍、好ましくは少なくとも1.25倍、特に少なくとも1.5倍小さい、請求項1から9のいずれか一項に記載の構造体。
【請求項11】
複数の部分、特に、前記第1の部分から前記第6の前記部分のすべてが、特に付加プロセスにおける製造によって、互いに一体的に接合される、請求項1から10のいずれか一項に記載の構造体。
【請求項12】
付加方法を使用する、請求項1から11のいずれか一項によって設計された構造体の製造。
【請求項13】
前記付加方法に続いて、前記ロバーバル機構の前記屈曲点が、材料低減機械加工ステップにおいて手直しされ、および/または一時的な接続支柱が、前記付加方法において作り出され、前記支柱は、その後、特に前記屈曲点の後処理ステップ後、材料を低減することによって再度除去される、請求項12に記載の製造。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項によって形成された構造体を有する、特に電磁力補償の原理による、秤量センサ。
【請求項15】
請求項14によって形成された1つまたは複数の秤量センサを有する、秤量デバイス。
【請求項16】
秤量センサの構造体を製造する方法であって、前記構造体が、
ロバーバル機構の固定脚部(10)を有する第1の部分と、
前記ロバーバル機構の可動脚部(20)を有する第2の部分と、
前記ロバーバル機構の上側横方向リンク(30)を有する第3の部分と、
前記ロバーバル機構の下側横方向リンク(40)を有する第4の部分と、
前記可動脚部(20)を感知測定の役割を果たす出力側に接続するレバー組立体(50)を備える第5の部分と、
前記可動脚部(20)を前記レバー構成(50)に結合させるカップラ(60)を有する第6の部分と
を備え、
前記第1の部分から前記第6の部分が、付加プロセスにおいて一体型として形成され、前記付加プロセスにおいて、主に横方向に延びる少なくとも1つのレセプタクルが、前記構造体の前記第1の部分、前記第2の部分、および前記第5の部分のうちの少なくとも2つの一時的可動制限結合のために作り出され、前記一時的可動制限結合は、前記レセプタクルに導入された固定要素によって提供され得る、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、ロバーバル機構を有する秤量センサの構造体、特に、電磁力補償の原理による秤量センサ用の構造体、およびその製造のための方法に関する。
【0002】
[0002]特に、本発明は、ロバーバル機構を有する秤量センサの構造体であって、ロバーバル機構の固定脚部を有する第1の部分と、ロバーバル機構の可動脚部を有する第2の部分と、ロバーバル機構の上側横方向リンクを有する第3の部分と、ロバーバル機構の下側横方向リンクを有する第4の部分と、センサ測定に使用される出力側に可動脚部を接続するレバー構成を有する第5の部分と、可動脚部をレバー構成に結合させるカップラ(coupler)を有する第6の部分とを備える、秤量センサの構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]秤量センサのそのような構造体は、先行技術においてよく知られており、構造体を可能な限りコンパクトにするのが現在の傾向であり、それによってこれら構造体は、秤量センサを使用する秤量デバイス内でほとんどスペースをとらず、したがって、秤量デバイスがいくつかのそのような秤量センサを有する用途に特に適している。加えて、秤量センサはまた、可能な限り最高の秤量精度を有するべきであることが理解される。
【0004】
[0004]これらの要求事項に関して、たとえばDE19605087A1またはEP2397824A1に開示されるように、いわゆるモノブロックの形の構造体が、現況技術において開発されており、本質的にはこの形で確立されてきている。そのような構造体は、VHSビデオカセットと同様の形状およびサイズを有するキュービック型の材料のブロックから開始して製造され、その長手側は、ロバーバル機構の横方向リンクと平行である長手方向に対応し、その2番目に長い側は、荷重の方向に延び、それにより、長手方向に関する2つの端部領域は、一方ではロバーバル機構の固定脚部に、他方では可動脚部に属する。ブロックを横方向に穿孔することによって穿孔部または切断線の形でこのモノブロックから材料を除去することにより、モノブロックには次のような構造が与えられる:横方向リンクが、上部および底部において画定され、脚部ならびにロバーバル機構の上部および底部において延びるこれらの横方向リンクによって包囲された内側領域は、異なる機能領域、すなわち一方では固定脚部に属する領域、他方では通常は1つ、2つ、または3つのレバーを有するレバー構成に分割され、これらレバーは、対応する支承部によって固定脚部に取り付けられ、可動脚部に、または適用可能な場合はいわゆるカップリングによってレバー間に接続される。レバーと固定脚部に属する材料との間の分離は、本質的には薄い分離線のみであり(たとえばその利点は、DE4119734A1において説明されている)、その理由は、電磁力補償による測定原理により、分離線の寸法を超えるレバーの大きな移動は、いずれにしろ起こらないためである。力伝達経路内の最後のレバーは、通常、2つの横方向ボアを有し、これらを介してレバー延長部が取り付けられ、レバー延長部の自由端部領域上には、この秤量原理に必要とされる電磁力補償部および位置センサに対するカップリングが設けられ、これは、当業者によく知られているものである。
【0005】
[0005]たとえば、ワイヤEDMによる、横方向穿孔部からのこうした最小限の材料除去技術は、EP2397824A1のように、横方向の材料の脆弱化がある場合であっても、内部基準重量の重量荷重を結合させるためのサブロバーバル機構の組み込み部さえもモノブロック内に組み込まれ得るように現在開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]本発明は、最小限の設置スペースおよび可能な限り最高の秤量精度の満足のいく組合わせという目標を有する、上記で言及されたタイプの構造体をさらに設計するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]この問題は、冒頭で言及されたタイプの構造体のさらなる開発によるデバイス関連の発明によって解決され、この構造体は、本質的には、第1の部分から第5の部分のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態の領域を有し、その少なくとも1つの孔が、この領域に一体的に接続された第1の部分から第6の部分のうちの別のものの少なくとも1つの部分によって貫通されることを特徴とする。
【0008】
[0008]本発明によるさらなる開発により、構造体の正確には1つの機能部分にのみ従来使用されている、構造体によって占有される設置スペースの少なくとも1つの領域が、ここでは、少なくとも2つの異なる機能部分によって使用されることが可能であり、または異なる延長方向を有する等価の支持構造が、材料を削減しながら作り出されることが可能である。たとえば、ハンドル体の形態内に上記領域を設計することにより、ハンドル体の孔によって形成されたスペースは、他の機能部分が、導入された力の流れに合わせて最適化された経路に望ましいと考えられるスペースの領域に対象を絞ってアクセスすることを実現するために使用される。たとえば、可動脚部の荷重レシーバは、ハンドル体の形態内に形成された固定脚部の領域に支持支柱を通過させることによって、より可変に位置決めされながらも好適に支持され得る。上側横方向リンクのセクションもまた、たとえば、可動脚部の領域を通して案内されることが可能であり、これはまた、荷重レシーバの位置決めにおいてより優れた柔軟性を伴い、または構造体のより信頼高い支持および改善された動力伝達経路を可能にする。レバー構成の最後のレバーは、たとえば、固定脚部のこれまでアクセスできなかった領域を通して案内されることが可能であり、それにより、電磁力補償部に対するカップリングまでのレバー構成の簡易化が、達成可能である。
【0009】
[0009]特に2つのタイプまたはそれ以上のハンドル体の形態内にも機能部分の領域を設計することにより、全体重量は、剛性が同じままで低減されることが可能であり、したがって、構造体のサイズはより小さくなり、それにより、構造体の同じ重量に基づき、より優れたコンパクト性および/またはより少ない材料要求事項が達成され得る。たとえば、特に、固定脚部の領域は、中実に形成された領域ではなく、多数の支柱からなる構造で形成されることが可能であり、この構造は、主に長手方向に延びる複数の長手方向支柱と、主に荷重方向に延びる複数の垂直支柱と、主に横方向に延びる複数の横方向支柱とからなることができる。ハンドル体の形態の上記領域と、たとえば、これを貫通する別の機能部分のセクションとの間の一体型接続により、接続の一体型性質はまた、一体型として接続されていない2つの領域を繋げるための機械的接続部またはアダプタのための追加のスペースが必要とされないことを保証する。この点に関して、本発明は、上記で説明されたモノブロック技術の利点をさらに有する。
【0010】
[0010]1つのタイプのハンドル体の形態の一例は、環状体(ドーナッツ)であることが知られており、それにより、ハンドル体の形態特性により、「孔」(またはいくつかの孔)の境界部の成形は重要ではなく、たとえば、閉じられたフレームもまた、少なくとも1つのタイプのハンドル体の一例を表す。好ましい変形形態では、機能部分の1つまたは複数のハンドル体の形態は、3本以上の支柱のフレーム様配置によって達成される。
【0011】
[0011]一体型として一緒に接合された多数の個々の支柱からなる設計もまた、貫通しているかに関わらず、それ自体の権利において有利であるものとして本発明によって開示される。したがって、本発明はまた、請求項1のプリアンブルによる構造体であって、上記で定義されたように、少なくとも12本、さらには16本、特に24本の長手方向支柱と、少なくとも4本、さらには2本の垂直支柱と、少なくとも4本、さらには8本の横方向支柱とを有する、構造体を提供する。これら支柱の少なくとも8本、特に少なくとも16本は、好ましくは、対角支柱として設けられることが可能であり、すなわち、一方の方向の範囲は、他方の2つの方向の範囲と比較して大幅に小さい。
【0012】
[0012]1つの可能な実施形態では、機能部分はまた、相互に絡み合わせることが可能であり、そのため、貫通するセクションは、これも少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態を有する、貫通されるセクションに絡み合わせられた領域の一部とすることができる。このようにして、利用可能な設置スペースの良好な使用が、それぞれの機能のサブ領域の満足のいく剛性を伴って可能にされる。機能部分のそのような部分の孔が、同じ機能部分の貫通する部分によって貫通される構成が提供されてもよい。加えて、2つの異なる機能部分の構成要素が一緒になって、これらの機能部分の1つ、またはさらに別の異なる機能部分の貫通する部分によって貫通される、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態の領域を形成する実施形態が存在し得ることも企図される。たとえば、可動脚部のセクションは、上側横方向リンクおよび固定脚部によって形成されたフレーム構造を貫通し得る。
【0013】
[0013]別の可能な実施形態では、貫通される部分のハンドル体のタイプは、2以上のものであってもよく、少なくとも1つの他の孔は、他の部分および/または貫通される部分に一体的に接続された第1の部分から第6の部分のうちのさらに別の部分によって貫通されてもよい。ハンドル体の各孔が、異なる部分の一部分によって貫通されることも企図される。
【0014】
[0014]1つの部分に加えて、第1の部分から第5の部分のうちの少なくとも1つのさらなる部分が、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態の領域を有し、その少なくとも1つの孔が、さらなる部分のこの領域に一体的に接続され(そして向き合う)第1の部分から第6の部分のうちの少なくとも1つの他のものによって貫通されることが規定されてもよい。この点に関しても、複数の貫通部が設けられることが可能であり、局所空間領域の上記で説明された接合の部分的使用が、異なる場所において複数回実施され得る。
【0015】
[0015]いくつかの機能部分が貫通される領域を有し、他のものが有さない変形形態を考える可能性も十分ある。好ましくは、第1の部分は、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態のそのような貫通される領域を有する。さらに好ましくは、第5の部分は、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態のそのような貫通される領域を有する。さらに好ましい実施形態では、第2の部分もまた、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態のそのような貫通される領域を有する。同様に、好ましくは、第3の部分もまた、少なくとも1つのタイプのハンドル体の形態の貫通される領域を有することが規定されてもよい。
【0016】
[0016]さらに、第1の部分から第5の部分のうちの1つまたは複数が、1よりもかなり大きい数のタイプのハンドル体の形態の領域を有し、その孔が、部分的に、または大部分が貫通されないことが規定され得る。第1の部分は、好ましくは、少なくとも2つのタイプ、より好ましくは少なくとも4つのタイプ、特に少なくとも8つのタイプのハンドル体の形態の領域を有するが、これはまた、少なくとも12のタイプ、16のタイプ、さらには少なくとも24のタイプのハンドル体の形態を有することもできる。第2の部分は、好ましくは、少なくとも2つのタイプ、好ましくは少なくとも4つのタイプ、特に少なくとも8つのタイプのハンドル体の形態の領域を有する。第3および/または第4の部分は、好ましくは、少なくとも2つのタイプ、特に少なくとも4つのタイプを有するハンドル体の形態の領域を有する。
【0017】
[0017]さらに好ましい実施形態では、レバー構成(第5の部分)は、特に貫通するセクションとして、構造体の長手方向に見て、可動脚部から、固定脚部に関連付けられた屈曲点を超える方向に延び、したがって、横方向に見て、これらの屈曲点の横方向に外側の端部間を延びるセクションを有する。しかし、代替の実施形態では、レバー構成が、これらの屈曲点を超えて長手方向に延びず、特に磁石コイル配置を含むセンサが、可動脚部および固定脚部の屈曲点間に位置するようにされることも可能である。
【0018】
[0018]ロバーバル機構で一般的であるように、屈曲点(薄い屈曲点)が、固定脚部と上側横方向リンクとの間、固定脚部と下側横方向リンクとの間、可動脚部と上側横方向リンクとの間、および可動脚部と下側横方向リンクとの間に設けられる。好ましい設計では、屈曲点は、横方向に見て一方の端部から他方に連続的に延びず、断続的である。特に好ましい実施形態では、屈曲点の1つ、いくつか、またはすべては、少なくとも2つ、特に正確に2つの別個の横方向セクションに分割される。このようにして、満足のいく剛性が、特に荷重方向に達成される。
【0019】
[0019]別の好ましい実施形態は、構造体を有し、この構造体では、荷重方向と直交する平面上を投影して見たとき、長手方向に見たときに特に主要となるレバー構成のセクションが、第1の部分の材料領域間に位置し、特にこの第1の部分において測定されたレバー構成の横方向範囲に対するレバー構成セクションの横方向範囲の比は、横方向リンクの長手方向延長部の少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、特に少なくとも80%、さらには少なくとも90%の長手方向セクションにわたって、0.9未満であり、好ましくは0.8未満であり、特に0.7未満である。屈曲点の厚さに加えて、平行四辺形配置の復元力に影響する、横方向リンクの長手方向延長部の絶対寸法が、構造体が使用される荷重セルの標準荷重に応じて決定される。
【0020】
[0020]さらなる好ましい実施形態では、横断方向と直交する平面に投影して見て、レバー構成の領域は、特に、固定脚部のセクション、特に、貫通される領域および/または貫通するセクションによって複数回横断される。固定脚部をレバー構成の領域を超えて横方向に延ばすことにより、少なくともいくつかの領域では、中実構造をやめて一体型として一緒に接続された支柱を選択したにも関わらず、増大された剛性が達成され得る。
【0021】
[0021]さらなる好ましい設計では、レバー構成の支承部は、荷重方向と直交する平面に関して異なる角度位置を有する第1の部分の少なくとも2つの支柱によって支持される。これにより、力吸収レバー支持体の剛性接続において満足のいく剛性が可能になる。同様の支持体が、取付孔などの固定脚部の取付カップリングが配置される第1の部分の領域に対して設けられ得る。
【0022】
[0022]特に好ましい実施形態は、構造体を有し、この構造体では、吸収される重量荷重を取り込む第2の部分の力変換部が、屈曲点内に、長手方向に見て、一方では可動脚部と他方では固定脚部に関連付けられた屈曲点間に配置され、特に、荷重方向と直交する平面に関して異なる角度設定を有する第2の部分の少なくとも2つの支柱によって支持され、支柱は、特に、貫通するセクションおよび/または貫通される領域の構成要素である。たとえば、図の例示的な実施形態を参照しながら後に示されるように、より大きな角度調整の力変換支持体の支柱が、構造体のレバーを貫通してもよく、異なる角度調整の支柱間の領域が、上側横方向リンクによって貫通されてもよい。
【0023】
[0023]荷重レシーバがこのようにより中心に配置されることにより、秤量デバイス内の、たとえば、荷重レシーバに接続されるその荷重パンに対する構造体の好適な配置が、さまざまな用途目的で達成され得る。特に、荷重レシーバと可動脚部の支持フレームとの接続部が、上側横方向リンクの上方を延びることが規定され得る。可動脚部に関して、秤量センサの内側の基準重量など、基準重量のための支持体が設けられることも規定され得る。特に、力変換部を介して導入された荷重、ならびに基準重量のための支持体を介して導入された荷重が、同じカップリングを介してレバー構成に導入されることが好ましい。使用されないときに基準重量を保持する保持ユニットは、たとえば、特に取付孔に結合された締結機構を介して固定脚部上で支持され得、締結機構は、たとえば固定脚部のカンチレバー上に設けられる。
【0024】
[0024]横方向に互いから離間された横方向セクションを有することができる上記で言及された屈曲点は、横方向にそのそれぞれの外側端部によってスペース内にコーナ領域を画定し、このコーナ領域は、画定された容積部の空間領域を包囲する凸状シェルを有する。凸状包囲部は、それぞれの上側屈曲点および下側屈曲点のこれらの外側端部を互いに、そして正しい側に接続することによって形成される。特に好ましい実施形態では、この容積部と構造体の材料の密度との積は、この容積部内に位置する構造体の材料の質量の少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも1.4倍、特に少なくとも1.75倍大きいことが規定される。この倍数は、2以上、特に2.5以上、さらには3以上、さらには4以上とすることもできる。
【0025】
[0025]この態様はまた、独立的に有利であり、機能部分のいかなる貫通からも独立するものとして本発明によって示される。したがって、本発明はまた、請求項1の汎称の特徴を有する構造体であって、屈曲点の横方向外側端部の凸状シェルが、容積部を含み、容積部と構造体の材料の密度との積が、この容積部内に位置する構造体の材料の質量より少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも1.4倍、特に少なくとも1.75倍大きい、構造体を提供する。この倍数は、2以上、特に2.5以上とすることもできる。関連する材料分布により、より高い表面慣性モーメント、したがってより高い屈曲モーメントが、個々の荷重方向に関して、使用される総材料に関連して達成され、したがって、構造デバイスの機能構成要素の剛性の満足にいくレベルが、材料削減方式で達成される。
【0026】
[0026]好ましい実施形態では、横方向の可動脚部の最大延長部は、固定脚部のものより少なくとも1.125倍、好ましくは少なくとも1.25倍、特に少なくとも1.5倍小さい。代替的に、または追加的に、横方向リンクの横方向延長は、6%以上、好ましくは12%以上、特に18%以上の傾斜で可動脚部の方向に先細になる。この変形形態は、より低荷重の用途に特に適している。しかし、特により高荷重の場合、横方向の可動脚部の最大延長部は、固定脚部のものより、最大で1.33倍、好ましくは最大で1.25倍、特に最大で1.125倍小さくてもよいが、さらに、好ましくは大きくても後者の係数だけ、固定脚部より大きくてもよいことが好ましい。この変形形態では、横方向リンクの対角状の引き出しが、可動脚部の質量より比較的重きが置かれる。代替的にまたは追加的に、横方向リンクの横方向延長部は、6%以上、好ましくは12%以上、特に18%以上の傾斜で可動脚部に向かう方向に先細になってもよく、または大きくても18%、好ましくは12%、特に6%以上の傾斜で先細になってもよく、および/または広がってもよい。この文脈において、本発明はまた、可動脚部の異なる横方向延長を有する、請求項1に記載の2つ以上、好ましくは3つ以上の構造体のセットを提供する。
【0027】
[0027]可能な実施形態では、とりわけ設置スペースに関して、荷重方向における下側横方向リンクから上側横方向リンクの距離を、上側横方向リンクと固定脚部との間の屈曲点の横方向範囲より、特に1.2倍超、好ましくは1.4倍超、特に1.6倍超小さくする対策が講じられ得る。しかし、この距離が、上側横方向リンクと固定脚部および/または可動脚部との間の屈曲点の横方向範囲と等しいか、または特に1.1倍超、また1.2倍超、さらには1.3倍超これより大きい変形形態も企図される。
【0028】
[0028]特に好ましい実施形態では、第1の部分から第6の部分のうちのいくつか、特にすべてが、一体型として互いに接続され、構成要素自体ならびにその接続は、好ましくは付加プロセスを使用して製造される。
【0029】
[0029]例示的な実施形態においてこれもまた具体的に示されるように、構造体のレバーに取り付けられたコイルホルダが、好ましくは、付加方法によって一体型として一体的に形成される。したがって、好ましくは、コイルホルダは、レバーに機械的に接続される別個の構成要素ではない。
【0030】
[0030]したがって、本発明はまた、3D印刷プロセスなどの付加プロセスを使用する、前述の態様のいずれかによる構造体の製造に関する。具体的な成形技術は、この点に関してそれ自体知られている特定の技術に限定されず、たとえば、ストランド堆積(strand depositing)プロセス、粉末床(powder bed)プロセス、選択的レーザ溶融法(SLM)、電子ビーム溶融法、ADAMプロセス、LCMプロセス、改変された(modified)粉末床プロセス(中間フライス加工によるハイポイド)も使用され得る。また、たとえば屈曲点に、所定の地点で粉末床プロセスにおいて異なる粉末を適用することによって異なる材料を使用するということも考慮される。
【0031】
[0031]材料に関して、プラスチック材料が、金属材料と同じ方法で使用され得る。たとえば、AISi10Mgなどのアルミニウム化合物に基づく材料が、使用され得る。特に好ましい実施形態では、材料の鉄成分が、多くても0.1重量%、好ましくは多くても0.08重量%、より好ましくは多くても0.06重量%、特に多くても0.05重量%であることが規定される。これは、特にコイルホルダ自体が付加製造されたシステムの一部である場合に、電磁力補償部の干渉影響が小さくなることを保証する。
【0032】
[0032]この製造方法はまた、個々の機能部分が、ハンドル体の形態からの領域の孔を貫通するという意味で他の機能部分によって貫通されない、請求項1の全般的概念による設計にも有利であると本発明によって考えられ、したがって、付加プロセス(3D印刷)による請求項1の全般的概念による構造体、ならびにこうして製造された秤量センサの構造体の製造を独立的かつ自立的に開示する。
【0033】
[0033]特に好ましいプロセス設計では、ロバーバル機構の屈曲点は、付加プロセスに続く材料除去機械加工ステップにおいて手直しされ、それによって、その最終形状にもっていかれる。加えて、または代替的に、一時的な支持支柱が付加プロセスにおいて作り出されることが可能であり、この支持支柱は、その後材料を除去することによって再度除去され、したがって仕上げられた構造体の一部ではない。材料の除去は、特に屈曲点の仕上げステップ後に行われ得る。特に好ましい実施形態では、可動脚部とレバー構成(またはレバーカップリングに対して1つだけのレバーの場合はレバー)との間のカップリングは、手直しされ、および/または特にこのカップリング近くの領域内のレバーのための支承部は、材料除去機械加工ステップにおいて手直しされる。しかし、横方向リンクと脚部との間の薄い屈曲点に関して、仕上げ製造が付加プロセスにおいて事前に行われるという設計も考えられる。これらの屈曲点ならびにカップリングおよびレバー支承部に関して、好ましくは、これらが、以下で説明される例示的な実施形態に具体的に示されるように、材料薄肉領域、すなわちより小さい厚さの材料ブリッジだけで形成されることが規定される。好ましくは、複雑な設計、特にクロスばね接合設計は、使用されない。
【0034】
[0034]上記レイアウトを設計するとき、レバーのための支承部、屈曲点、固定脚部の締結点などの個々の固定点は1つのステップにおいて画定され得、個々の固定点間の力流れ経路はさらなるステップにおいて決定され得、これらのバリエーションが互いに比較され得、2つの力流れ経路または個々の機能構成要素の支持構造の交差部が、所望の力流れ経路配置を生じさせる場合、一方の機能部分による設置スペースの占有に関連して他方の機能部分だけがアクセス可能な設置スペース領域を作り出すために、第1の部分から第6の部分のうちの別のものによって貫通される交差部領域内の孔を有する領域について、ハンドル体の形態から設計が選択される。このようにして、構造内に好適な力伝導を有するバイオニック構造の実現が、設置スペースを比較的小さいままにして達成される。さらなる好ましい実施形態では、構造体は、少なくとも1つのレセプタクルを有し、このレセプタクルは、第1の部分、第2の部分、および第5の部分(固定脚部、可動脚部、およびレバー組立体)の少なくとも2つを、レセプタクル内に一時的に挿入され得る固定要素によって媒介して一時的に結合させるために、主に、好ましくは全体として横方向に延びる。この目的のために、レセプタクルを形成する構成要素は、横方向に見たときに相互に位置合わせされた表面領域を有し、その内部に、レセプタクルの境界部が画定される。2つ以上のそのようなレセプタクルもまた、設けられ得る。好ましい実施形態では、固定要素を受け入れるためのレセプタクルが設けられ、このレセプタクルは、固定部分、可動部分、およびレバーにわたって延びる。レセプタクルは、表面領域を通る貫通孔として、または上記部分の互いに対する移動が制限されるように完全に包囲されていない切欠部として設計されてもよい。固定要素をレセプタクル(1つまたは複数)に一時的に挿入することによって、たとえば、後処理が付加製造プロセス後に実施される場合に、上記部分上の望ましくない荷重および/または上記部分の互いに対する望ましくない大きな移動が、回避され得る。
【0035】
[0035]この意味で、また、個々の構成要素の正確な設計から独立して、請求項1の汎称の特徴を有する秤量センサの構造体を製造するための方法が、独立的に保護に値するものとして開示され、ここでは、その第1の部分から第6の部分は、付加方法において一体型として形成され、この付加方法では、主に、好ましくは本質的に横方向に延びる少なくとも1つのレセプタクルが、構造体の第1、第2、および第5の部分の少なくとも2つの一時的可動制限結合のために作り出され、この一時的可動制限結合は、レセプタクルに導入された固定要素によってもたらされ得、上記方法は、好ましくは、付加製造法の下流側の作業ステップ、すなわち固定要素をレセプタクルに導入し、レセプタクルから固定要素を再度除去するステップと、少なくともカップリングの材料除去機械加工および/または固定要素の導入によってもたらされた一時的な固定中に好ましくは行われた付加方法において製造された部分接続材料ブリッジの除去を行うステップとを含む。他の下流側処理ステップ(秤量センサを組み立てるためのコイルなどの取付部分、位置センサ、PCB/S、荷重導入インターフェース、電源、および/または配線など)もまた、好ましくは、一時的融合が有効である場合に実行されることが理解される。安全要素は、たとえば安全ボルトであり得る。位置合わせが完全でない場合、ホルダは、安全要素を導入するために、たとえばドリル穿孔/フライス加工によって機械加工されなければならないことがある。
【0036】
[0036]浸食プロセスが、付加製造プロセス後に構造体を解放するために使用され得る。この文脈において、好ましくは、長手方向に軸方向である固定脚部の端部領域が、横方向および荷重方向に延びる平坦な表面を形成し、この表面は、組立面として使用され得、および/またはそのような浸食によって形成され得ることも規定される。
【0037】
[0037]さらに、本発明はまた、前述の態様の1つによって形成された構造体を有する、好ましくは電磁力補償の原理による秤量センサに関する。特に、構造体の意図される取付点に取り付けられ得る取付品は、較正錘、較正ストローク、磁石システム、コイル、感知デバイス、および電子回路を含む。本発明には、1つまたは複数のそのような秤量センサを有する秤量デバイスも含まれる。電磁力補償の原理は、当業者によく知られており、したがって、ここではこれ以上説明されないが、この点に関しては、たとえばEP1726926B1の特に[0008]に参照がなされる。そのような秤量センサは、好ましくは、低荷重範囲の、多くても1000g、好ましくは多くても800g、より好ましくは多くても600g、特に多くても500gの重量を秤量するように設計される。さらに、すでに言及されたように、レバー構成は1つだけのレバーを有することが好ましい。実施形態において以下で示されるように、基準重量を適用するための配置もまた、好ましくは設けられ、この配置は、可動脚部に接続され、また、付加プロセスによって可動脚部と共に一体的に形成される。
【0038】
[0038]本発明のさらなる特徴、詳細、および利点は、添付の図を参照しながら以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】秤量センサ用の構造体の斜視図である。
図2】異なる角度からの別の斜視図である。
図3】構造体の側面図である。
図4】構造体の荷重方向の平面図である。
図5】構造体の(長手方向に)後方からの平面図である。
図6】秤量センサへの取付品を有する、図1のセクションを示す図である。
図7】可動脚部近くの別の構造体の一部分の部分的断面図である。
図8】その他の構造体の可動脚部までの端部分の斜視図である。
図9】単純な側面図よりもわずかに斜視方向に示す他の構造体の図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
[0039]図1の斜視図では、構造体100が示され、この図の荷重方向gは、上部から底部であり、長手方向は、左上から右底までの実質的に対角線であり、横方向は、他方の対角線である。
【0041】
[0040]構造体100のロバーバル機構の上側横方向リンク30は、中実ではなく、いくつかの相互接続された支柱から構成される。加えて、上側横方向リンク30と固定アーム10との間の屈曲点は、横方向に2つの別個の横方向セクション130R、130Lに分割されており、これは、上側横方向リンク30と可動アーム20との間の屈曲点も同様である。上側横方向リンク30の1つの長手方向支柱31は、横方向Qに互いに割り当てられた、上側横方向リンク30と固定アーム10および可動アーム20との間の屈曲点の横方向セクション130R、230Rまたは130L、230Lを接続する。対角支柱32はそれぞれ、対角線状に反対の横方向セクション130R、230Lおよび130L、230Rを接続する。対角支柱の交差部の高さには、横断支柱33が、対角支柱32と長手方向支柱31との間に依然として配置されている。
【0042】
[0041]長手方向Lに対する傾斜により、上側横方向リンク30は、固定脚部10の側部から可動脚部20に向けて先細になる。図示される実施形態では、屈曲点230の横方向延長部は、屈曲点130の横方向延長部より約2.75倍小さい。この先細は、図5でも明確に分かり、図5では、法平面は、可動脚部20から固定脚部10までの長手方向の視野方向である。長手方向に対する長手方向支柱31の傾斜は、この実施形態の例では約18.5°である。
【0043】
[0042]下側横方向リンク40は、上側横方向リンク30と同じ構造のものであり、長手方向支柱41と、対角支柱42と、横断支柱43とを備え、固定アーム10に向かう屈曲点横断セクション140L、140Rと、可動アーム20に向かう240L、240Rとの間を接続する。
【0044】
[0043]可動脚部20は、荷重方向gおよび横方向Qに広げられた平面内に本質的に位置する支持フレームを有し、この支持フレームでは、上側横方向支柱23があり、その横方向端部において、垂直支柱24が荷重方向に延びており、2つの対角支柱22が、支持横断部(図5を参照)を形成している。測定される荷重を収容するために、荷重センサ28には、リンク機構27によって横断ブレース23に接続された、この例では円形ディスクが示されているボア29が設けられる。この実施形態では、リンク機構27は、横断バーに固定された2本の長手方向支柱271を有し、これらの支柱は、支持横断部を形成する2つの対角支柱272によって互いに接続される。この実施形態では、荷重レシーバ28およびリンク機構27は、上側横方向リンク30の上方にある。加えて、荷重レシーバ28は、2つ以上の中実支持支柱26によって支持され、この支持支柱は、垂直支持体24の下側領域に固定される。支持支柱26の延長方向は、いずれも荷重方向g、長手方向L、および横方向Qの方向成分を含み、したがって、これらは、空間的対角支持体26と称される。図3から分かるように、空間的対角支持体26は、図に示される例では長手方向Lに対して約23°の角度で横方向(図3では、横方向は、紙面に対する法線である)に直交して延びる。2つの空間的対角支持体26はまた、支持横断部を形成する対角支柱262(図5を参照)によって接続される。荷重レシーバ28は、空間的対角支持体26およびリンク機構27を介してキャリアフレーム23、24、22に剛性に接続される。上側リンク30の対角支柱32は、空間的対角支持体26、荷重レシーバ28、長手方向支柱271、横方向支柱23および垂直支柱によって画定された開口部を貫通する。
【0045】
[0044]この実施形態では、上側横方向リンク30に対する屈曲点の横方向セクションの位置は、可動脚部20の垂直支持体24と横方向支持体23の交差部のほぼその高さに配置され、下側リンク40に対する屈曲点横方向セクションの位置は、垂直支持体24の屈曲延長部を介して配置され、垂直支持体の端部は、さらなる(下側)バー25によって接続される。図示では、屈曲点130、140、230、240は、薄肉点のようには見えないが、その成形は、図示される構造的本体から開始して、材料低減処理ステップにおいて依然として行われる。
【0046】
[0045]横方向に、横断支柱25の中央から開始して、接続部は、カップリング60まで延び、カップリング60は、可動脚部20を、この実施形態では1つだけのレバーからなるレバー構成のレバー50に結合する。長手方向のカップリング60の延長部は、図3において明確に分かり、方向Qにおいて、カップリング60は、ここでも幅において大きく低減されている。図5を参照されたい。
【0047】
[0046]レバー50は、2アーム式レバーとして設計されており、可動脚部20に向けられる短いアーム51に、カップリング60は下方から結合し、長いレバーアーム54のその離れた端部において、秤量センサの電磁力補償部(図6)のためのカップリング56が設けられる。自由端部58は、現況技術において一般的であるように、位置センサ(図6)のための位置を決定するために使用される。しかし、本発明は、1つだけのレバーを有するレバー構成に限定されない。特に2つまたは3つのレバーを有する複数レバーシステムも形成され得る。本発明による設置スペースの使用は、この点についても有利である。
【0048】
[0047]図1および5で明確に分かるように、レバーは、横方向に見たときに左支承点150Lおよび右支承点150Rにおいて分割された固定脚部10上に支持される(「左」および「右」についてのLおよびRは、図1の図に基づいており、そのためここでの左および右方向に関して、図5の図とは一貫していない)。図3から特に良好に分かるように、支承点150R、150Lは、支持フレーム23、24、22、25の非常に近くに配置され、屈曲点130、140から固定脚部20に向かって測定して、支承部150は、ほぼ長手方向Lの横方向リンク30、40の延長部の90%を超える距離のところにある。
【0049】
[0048]レバー50の短いレバーアーム51は、支承部150Lと150Rとの間を延びる横方向補強部152を有し、その横方向補強部から実質的に形成され、この横方向補強部は、この実施形態では、荷重方向gと直交する投影において実質的に三角形状で形成され、カップラ60は、自由端部に、すなわち鈍角を有する三角形のほぼ頂点において結合する。
【0050】
[0049]長いレバーアーム54は、2つの長手方向支柱55の長手方向範囲の大部分にわたってなり、これらの長手方向支柱は、カップリング56の近くで収束し、横方向の別個の支承点150L、150Rの方向に広がり、これらの支承点の近くで再度扇形に広がる。レバー50全体と一体的に形成された長いアーム54の自由端部は、屈曲点130、140を横切って長手方向に延び、固定脚部10の垂直支持体11を貫通する。
【0051】
[0050]固定脚部10は、長手方向と直交する平面内に本質的に延びる垂直フレーム11と、可動脚部20に向かって、本質的には荷重方向と直交する平面内に延びる水平フレーム12とを有する(図3)。
【0052】
[0051]垂直フレームは、2つの横方向支柱113と、2つの垂直支柱114とを有し、それのそれぞれの接続部の近くには、屈曲点130、140が配置される。上側リンク30の上側横断ブレース113および対角ブレース32によって画定された開口部は、可動脚部30の対角支持体26によって貫通される。水平フレーム12は、図3および4の組合わせから最もよく分かるように、2本の本質的に平行な長手方向支柱121を有し、その遠端領域の近くには、横方向支柱123が設けられる。この実施形態では、これらの支柱121、121、および123の各々には、取付孔129が設けられ、この取付孔を介して、構造体は、秤量デバイスに締結され得る。ほぼ取付孔129の高さにおいて、長手方向支柱121を接続する横断ブレース128が、取り付けられる。
【0053】
[0052]取付孔125が、水平フレームのアーム124上に設けられ、これを介して、基準重量を適用するための配置が取り付けられ得る。基準重量(図示せず)は、支持体21上に置かれることが可能であり、支持体は、リンク機構214を介して可動脚部20の垂直支持体24に剛性に接続される。この実施形態では、荷重レシーバ28に適用される、測定対象の重量の荷重と、支持体21に適用される基準重量の荷重の両方が、可動脚部20とレバー50との間の同じカップリング60を介して伝達される。
【0054】
[0053]横方向Qに見て、水平フレームの長手方向支柱121には、その両側に下側長手方向支柱14および上側長手方向支柱13が配置されており、その支柱は、横方向と直交する平面に関連して見て、対角支柱15を介してそれぞれの長手方向支柱に接続される。横方向支柱13は、互いに、および支持三角形16を形成するさらなる支柱を介して垂直フレームの横方向支柱113に接続される。加えて、対角線状に延びる支柱17は、支持横断部128を介して横方向支柱113を水平フレーム12に接続する。対角支持体17は、レバー50の長手方向支柱55および横方向補強部152によって画定された開口部を貫通し、それにより、レバー50および固定脚部10は、互いに貫通する。横断支柱123の組立孔129を有する組立領域もまた、長手方向および横方向に延びる支持横断部を介して、支持横断部128および長手方向支柱121に接続される。組立領域が、支承点150R、150Lのように、支柱によって複数回支持されることが分かる。
【0055】
[0054]したがって、長手方向支柱13、121、および14は、図4から特に良好に分かるように、横方向に見て、中央に配置されたレバー50に関してレバー50よりも外にある。
【0056】
[0055]可動脚部20から外方を向く垂直フレーム11の側には、磁石およびコイルを有する電磁力補償部70の磁石-コイル配置の取付ボア198が、リンク機構19を介して設けられ、コイルは、コイルホルダ56に取り付けられ、レバー50の自由端部58と相互作用する位置センサ80のための取付孔199も設けられる。この組立状態は、図6のセクション内に絵で示されている。垂直フレーム11の他方の側に配置された磁石-コイル配置の場合に対応する取付カップリングが、このとき、可動脚部20を向く側に配置されることが理解される。
【0057】
[0056]図1~5に示される構成要素10、20、30、40、50、および60のすべては、付加製造プロセスによって、この実施形態の例では単一ユニットとして一緒に作り出されている。すでに言及されたように、1つの設計において、ロバーバル機構のレバーと脚部との間の屈曲点における薄い屈曲点の最終形状が、ここで付加的に形成された材料領域から開始する材料除去処理によって製造されることが規定され得る。あるいは、別の設計では、すべて付加製造でも提供される。構造体100の材料は、プラスチック材料および金属材料を含んでもよい。すべての部分は同じ材料から作製されることが可能であるが、屈曲点を他の領域とは異なる材料から形成するなど、異なる材料の使用も考慮される。
【0058】
[0057]別の例示的な実施形態が、図7から9を参照して説明される。わずかに斜視図である図9に示される構造体100’もまた、付加プロセスによって、この実施形態では3D印刷可能な粉末から、この例では0.05重量%未満の鉄含量を有するAISi10Mgを使用して製造されている。
【0059】
[0058]構造体100’もまた、ロバーバル機構の原理によって構築されており、固定脚部10’と、可動脚部20’と、上側横方向リンク30’と、下側横方向リンク40’とを有する(同じ参照番号が、ダッシュ付き参照として、同じ構成要素について第2の実施形態に使用される)。
【0060】
[0059]横方向Qの可動脚部20’の拡張が、ここでも固定脚部10’のものより小さいことが図8から容易に見られる。薄い屈曲点130R’、130L’、230R’および230L’の位置は、ここでも台形を形成する。
【0061】
[0060]第1の実施形態のように、荷重レシーバ28’は、上側横方向リンク30’にほぼ平行なリンク機構27’を介するだけでなく、横方向Qと直交する平面内に斜めに延びる対角支柱も介して可動脚部20’の軸方向端部領域に接続され、対角支柱は、荷重方向に見たときにさらに下方に位置する可動脚部の領域に接続され、したがってレバー50’の領域を貫通する。横方向に直交する投影図で見て、荷重レシーバ28’に向かう接続部間の可動脚部20’の領域は、上側横方向リンク30’の領域によって貫通される(図8)。この例示的な実施形態では、上側横方向リンク30’は、左右の側に2つの支柱32’、33’を有し、これらの支柱は、対角成分を有する長手方向に本質的に延び、可動脚部20’の貫通領域における左右の側からの支柱32’は、互いに接続される。
【0062】
[0061]図示される第1の例示的な実施形態とは対称的に、レバー50’のコイル側端部は、固定脚部10’のフレーム構造114’を超えて突起しない。このようにして、フレーム構造114’は、長手方向に見たときに軸方向端部側において平坦な接触面として形成され得る。表面Fの場所において、構造体は、その製造後に、たとえば浸食によって装置から除去され得る。それにも関わらず、第1の実施形態のように、コイルホルダ56’、およびセンサカップリングのために設けられた自由レバー端部58’は、付加製造される構造体100’の一体的部分であり、構造体100’が製造された後にしかこれに結合されない追加の構成要素ではない。
【0063】
[0062]第1の実施形態のように、横方向リンク30’および40’と固定脚部10’および可動脚部20’との間の接続は、薄肉材料ブリッジの意味で薄い領域によって形成される(図9の130R’、140R’を参照されたい)。これらは、機械的手直しによってその最終構成で存在することができ、または付加プロセスを使用して事前に作り出されることが可能である。
【0064】
[0063]他方で、図7から最適に見られるカップラ60’および支承点150L’、150R’について、その最終形状が、機械的仕上げ作業、たとえばフライス加工によって製造され、このときいくつかのフライスカッタ機械加工ステップが次々に置かれ、その重複輪郭がカップラ/支承点の輪郭を形成することが企図される。
【0065】
[0064]付加プロセスにおける構造体100’の製造後のいずれの後処理についても、可動部分は、好ましくは、互いに一時的に固定される。これは、依然として付加プロセス中に、ねじピン(図示せず)を収容するために、互いに固定される部分の材料領域内に図9に示されるロッキングピンレセプタクルQ1、Q2およびQ3を形成することによって行われ得る。この目的のために、固定脚部10’、可動脚部20’、および/またはレバー50’は、横方向に直交する投影図で見て、重複する表面領域を有し、ロッキングピンレセプタクルQ1、Q2、Q3がそれを通過する。ここでは、Q1は、支承点150’の近傍で固定脚部10’および可動脚部20’の領域を通過する(中央領域内のカップラを横断する)。Q1によって案内される安全ピンは、支承点(上部および底部)を機械加工し、材料ウェブを分離するときに、カップラを保護することができる。Q2は、固定脚部10’の領域とレバー50’の領域の両方、ならびに、すでに上記で説明された可動脚部20’と荷重レシーバ28’との斜めの接続部を通って延びる。
【0066】
[0065]この構成はまた、好ましくは1000g未満、特に500g未満の荷重用の低荷重範囲に合わせて設計される。いくつかのレバーを有する配置が原理上可能であるが、1つだけのレバー50’を有するものが、この実施形態でも好ましい。第1の実施形態のように、好ましくは、特にレバー50’を固定脚部10’または上側横方向リンク30’などの他の構成要素に接続する材料ウェブ(たとえば、図8の154’を参照されたい)が、付加製造プロセス中に依然として形成され、その後、たとえば固定ピンレセプタクルQ1、Q2、Q3を介して固定が生み出されてから除去されることが規定される。
【0067】
[0066]このようにして、孔を締結するためのねじ山を切断する、または最終構造体が有してはならない製造関連支持構造、もしくはたとえば前述のレバー安全デバイスなどの材料ウェブの形態の追加の安全ガードをフライス加工して除去するなどの必要な後処理ステップが、繊細な持ち上げ構造およびそのカップリングに対して損傷による影響を与えずに締結される。コイルまたは配線などの他の構成要素の取付もまた、ロッキングピンレセプタクルQ1、Q2、Q3に挿入されたヒューズピンが除去される前、すなわち一時的固定が除去される前に実施され得る。
【0068】
[0067]したがって、構造体を3D印刷した後の仕上げプロセスにおいて、以下のステップが、実行され得る。たとえば(1)ロッキングピンを取り付けるステップ、(2)たとえば機械加工によって支承点および/またはカップラを後処理し、材料ウェブを除去するステップ、(3)コイル、位置センサ、PCB/S、荷重施与インターフェース、電源、配線などの1つまたは複数を付加することによって、基本的部分とする構造体に荷重セルモジュールをさらに組み付けるステップ、(4)動作前にロッキングピンを除去するステップ。
【0069】
[0068]数多くの長手方向支柱、横方向支柱、および垂直支柱ならびに対角支柱を有する設計により、構造体100は、構造体の全範囲に関連して比較的低質量で構築されるが、それにも関わらず、高い剛性を有し、異なる機能的構成要素の貫通によって局所的な設置スペース領域を使用する可能性を高めることを可能にし、それによって個々の機能部分の構成要素の位置決めをより可変とすることが可能になり、動力経路の流れを制御するのに好適な構成が可能になる。
【0070】
[0069]本発明は、図示される例に示される実施形態に限定されない。そうではなく、前述の説明および以下の特許請求の範囲の特徴は、個々に、そして組合わせて、さまざまな実施形態における本発明の実現に必須となり得る。
【符号の説明】
【0071】
[0070]
10 固定脚部
11 垂直フレーム
12 水平フレーム
13 長手方向支柱
14 長手方向支柱
15 対角支柱
16 支持三角形
17 対角支柱
19 リンク機構
20 可動脚部
21 支持基準重量
22 対角支柱
23 横方向支柱
24 垂直支柱
25 横方向支柱
26 空間的対角支柱
27 リンク機構
28 荷重レシーバ
29 孔
30 上側横方向リンク
31 長手方向支柱
32 対角支柱
33 横方向支柱
40 下側横方向支柱
41 長手方向支柱
42 対角支柱
43 横方向支柱
50 レバー
51 短いレバーアーム
54 長いレバーアーム
56 コイルホルダ
58 自由レバー端部
60 カップリング
70 電磁力補償部
80 位置センサ
100 秤量センサ用の構造体
113 横方向支柱
114 垂直支柱
121 長手方向支柱
123 横方向支柱
124 アウトリガー
125 組立孔
128 支持横断体
129 組立孔
130L、130R 屈曲点
140L、140R 屈曲点
150L、150R 支承位置
152 横方向補強部
198 組立孔
199 組立孔
214 リンク機構
230L、230R 屈曲点
240L、240R 屈曲点
262 対角支柱
271 長手方向支柱
272 対角支柱
g 荷重方向
L 長手方向
Q 横方向
Q1、Q2、Q3 ロッキングピンレセプタクル
F 表面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】