(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/102 20210101AFI20231205BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H01M50/102
G06F1/16 312G
G06F1/16 312Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533616
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 CN2021136854
(87)【国際公開番号】W WO2022135168
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】202023145684.4
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】王▲楓▼
(72)【発明者】
【氏名】黄▲りゃん▼▲りゃん▼
(72)【発明者】
【氏名】汪▲経▼国
(72)【発明者】
【氏名】郭姿珠
(72)【発明者】
【氏名】雷裕▲東▼
【テーマコード(参考)】
5H011
【Fターム(参考)】
5H011AA06
5H011BB03
(57)【要約】
電子機器は、ケース(10)、機能アセンブリ(20)及び電池(30)を含む。該ケースには収容空間が形成されており、該機能アセンブリ(20)は、機能部品(210)を含み、前記ケース(10)の内部に取り付けられ、前記収容空間の一部を占用する。前記電池(30)は、主体部(310)と、前記主体部(310)に形成された突起部(320)及び逃げ部(330)とを含み、前記主体部(310)及び前記突起部(320)は、前記収容空間の余剰空間の少なくとも一部を占用し、前記逃げ部(330)は、前記機能部品(210)に対応して設けられ、かつ前記機能部品(210)を逃がす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間が形成されているケースと、
機能部品を含み機能アセンブリであって、前記ケースの内部に取り付けられ、前記収容空間の一部を占用する機能アセンブリと、
電池と、を含む電子機器であって、
前記電池は、主体部と、前記主体部に形成された突起部及び逃げ部とを含み、前記主体部及び前記突起部は、前記収容空間の余剰空間の少なくとも一部を占用し、前記逃げ部は、前記機能部品に対応して設けられ、かつ前記機能部品を逃がす、ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記逃げ部は、前記機能部品に向かって設けられた溝を含み、
前記電池が前記機能アセンブリの一側に組み立てられた場合、前記溝は、対応する機能部品の少なくとも一部の体積を逃がし収容する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記機能アセンブリは、複数の機能部品を含み、前記逃げ部は、複数の前記機能部品に対応して設けられた複数の溝を含み、
複数の前記溝の深さは同じであり、かつ前記溝の深さは、前記機能アセンブリにおける、突出高さが最も高い機能部品に適合する、ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記機能アセンブリは、複数の機能部品を含み、前記逃げ部は、複数の前記機能部品に対応して設けられた複数の溝を含み、
複数の前記溝の深さは、それぞれ複数の前記機能部品の突出高さに適合する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記機能アセンブリは、複数の機能部品を含み、前記逃げ部は、少なくとも1つの機能部品に対応して設けられた切欠部を含む、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記切欠部は、前記主体部の縁部に位置する、ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記主体部は、互いに反対側に位置する第1表面及び第2表面を含み、前記第1表面は、前記機能部品に向かい、前記突起部及び前記逃げ部は、前記第1表面に形成され、前記第2表面は、実質的に平面である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記主体部には複数の突起部が形成されており、複数の前記突起部のうちの少なくとも2つの突起部は、異なる高さを有する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記電池は、固体電池である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記電池は、半固体電池である、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年12月23日に提出した、発明の名称が「電子機器」である中国特許出願第「202023145684.4」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電子製品の製造の分野に関し、具体的には、電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の発展につれて、ノートパソコン、携帯電話などの電子機器が日々薄型化しており、電子機器を組み立てるための各部材の薄型化が要求されている。ノートパソコンを例とすると、実際の応用におけるノートパソコンの主な部材は、ノートパソコンの外観が多様化し内部部品の配置が異なるため、多様性及び複雑性を有する。電池は、その中の重要な部材の1つとして、自体の薄型化も非常に重要であるが、円形及び方形電池の製造が容易であるため、従来のノートパソコンは、電池の形状が方形又は円柱形であることが多く、かつ電池のために独立した電池収納部を予め配置する必要があり、電池収納部以外に、他の配置を兼ねる必要があるため、空間利用率が低く、改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本願は、内部の空間利用率を向上させ、薄型化を実現する電子機器を開示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
解決手段は、以下のとおりである。
【0006】
電子機器は、収容空間が形成されているケースと、機能部品を含み、前記ケースの内部に取り付けられ、前記収容空間の一部を占用する機能アセンブリと、電池と、を含み、
前記電池は、主体部と、前記主体部に形成された突起部及び逃げ部とを含み、前記主体部及び前記突起部は、前記収容空間の余剰空間の少なくとも一部を占用し、前記逃げ部は、前記機能部品に対応して設けられ、かつ前記機能部品を逃がす。
【0007】
一実施形態では、前記逃げ部は、前記機能部品に向かって設けられた溝を含み、
前記電池が前記機能アセンブリの一側に組み立てられた場合、前記溝は、対応する機能部品の少なくとも一部の体積を逃がし収容する。
【0008】
一実施形態では、前記機能アセンブリは、複数の機能部品を含み、前記逃げ部は、複数の前記機能部品に対応して設けられた複数の溝を含み、
複数の前記溝の深さは同じであり、かつ前記溝の深さは、前記機能アセンブリにおける、突出高さが最も高い機能部品に適合する。
【0009】
一実施形態では、前記機能アセンブリは、複数の機能部品を含み、前記逃げ部は、複数の前記機能部品に対応して設けられた複数の溝を含み、
複数の前記溝の深さは、それぞれ複数の前記機能部品の突出高さに適合する。
【0010】
一実施形態では、前記機能アセンブリは、複数の機能部品を含み、前記逃げ部は、少なくとも1つの機能部品に対応して設けられた切欠部を含む。
【0011】
一実施形態では、前記切欠部は、前記主体部の縁部に位置する。
【0012】
一実施形態では、前記主体部は、互いに反対側に位置する第1表面及び第2表面を含み、前記第1表面は、前記機能部品に向かい、前記突起部及び前記逃げ部は、前記第1表面に形成され、前記第2表面は、実質的に平面である。
【0013】
一実施形態では、前記主体部には複数の突起部が形成されており、複数の前記突起部のうちの少なくとも2つの突起部は、異なる高さを有する。
【0014】
一実施形態では、前記電池は、固体電池である。
【0015】
一実施形態では、前記電池は、半固体電池である。
【発明の効果】
【0016】
前述の電子機器において、電池は、主体部と、前記主体部に形成された突起部及び逃げ部とを含み、前記主体部及び前記突起部は、前記収容空間の余剰空間の少なくとも一部を占用し、前記逃げ部は、前記機能部品に対応して設けられ、かつ前記機能部品を逃がすことにより、電子機器の電池及び機能アセンブリはそれぞれ、ケースで形成された収容空間の一部を占用し、また、空間的には、前記電池及び前記機能アセンブリは、互いに逃がし補充し、収容空間を十分に利用することができ、電子機器の薄型化に役立つ。
【0017】
本発明の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本発明の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになって理解されやすくなる。
【0019】
【
図1】電子機器の好ましい一実施例の分解斜視図である。
【
図2】
図1に示す電子機器の別の状態の分解斜視図である。
【
図3】
図2に示す電子機器の別の視点からの概略構成図である。
【
図4】
図2に示す電子機器における機能アセンブリの概略構成図である。
【
図5】
図2に示す電子機器における電池の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して、同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するものであり、本発明を限定するものと理解すべきではない。
【0021】
図1及び
図5に示すように、電子機器100は、ケース10、機能アセンブリ20及び電池30を含む。
【0022】
上記ケース10には、上記機能アセンブリ20及び上記電池30を収容する収容空間が形成されている。具体的な実施において、上記ケース10は、通常、容器及びカバープレートを含み、上記収容空間が上記ハウジング内に形成され、カバープレートが上記容器の開放側を閉鎖し、電子機器100の具体的な構造に応じて設定することができるため、その具体的な実施形態を詳細に限定しない。
【0023】
上記機能アセンブリ20は、機能部品210を含み、上記ケース10の内部に取り付けられ、上記収容空間の一部を占用する。
【0024】
上記電池30は、主体部310、突起部320及び逃げ部330を含む。
【0025】
上記突起部320及び上記逃げ部330はいずれも、上記主体部310に形成されている。なお、上記逃げ部330は、実体構造ではなく、上記主体部310の実体材料が設けられていない部分で形成された逃げ空間である。
【0026】
上記主体部310及び上記突起部320は、上記収容空間の余剰空間220の少なくとも一部の空間を占用する。上記逃げ部330は、上記機能部品210に対応して設けられ、かつ上記機能部品210を逃がす。上記逃げ部330が上記機能部品に対応することは、2点の内容を含み、すなわち、上記電子機器100の組み立て状態で、上記逃げ部330の位置は、上記機能部品210に対応するとともに、上記逃げ部330の空間形状が上記機能部品210に対応することにより、上記逃げ部330が逃がす空間は、対応する機能部品210により占用される。
【0027】
具体的な実施において、上記電子機器100は、ノートパソコン、タブレットコンピュータなどの携帯装置であってもよく、他のスマート電子製品、例えば、携帯電話、ウェアラブル機器などであってもよい。本願の
図1~5及び後述において、上記電子機器100がノートパソコンであることを例として説明する。
【0028】
電子機器100がノートパソコンである場合、上記ケース10は、対応してノートパソコンのホスト部分のハウジングであり、上記機能アセンブリ20に含まれる機能部品210は、主にマザーボード、CPU、ハードディスク、メモリ、ビデオカード、サウンドカード、ラジエーターなどを有する。上記電池30は、ノートパソコンの給電電池である。
【0029】
上記CPU、ハードディスク、メモリ、ビデオカード、サウンドカード及びラジエーターは、上記マザーボードの一側に取り付けられた後、ハウジングの内部の収容空間に向かう側が上記収容空間の一部を占用し、かつ機能部品の仕様が多様化であり、組み立てられた後に、機能部品の凹凸、機能部品の配置間隔などの影響により、余剰収容空間の形状が不規則的で、平坦ではない。
【0030】
それに応じて、電池の主体部310の大部分は、規則的な構造として設けられ、かつ余剰収容空間中の連続的な大部分の空間を占用することができ、また、上記収容空間の利用率を向上させるために、上記電池の主体部310には、上記突起部320がさらに設けられ、かつ逃げ部330が設けられている。
【0031】
上記突起部320を設けることにより、機能部品210が占用した後の余剰空間220の不規則的な形状に適合し、上記収容空間の余剰空間の少なくとも一部の空間を占用する。具体的な実施において、上記突起部320は、主に余剰空間の機能部品210が設けられていない領域に適合するか、又は余剰空間の、機能部品210が取り付けられているとともに対応する機能部品210の突出高さが所定の値より小さい領域に適合することができる。
【0032】
具体的な実施において、上記主体部310には複数の突起部320が形成されており、複数の上記突起部320のうちの少なくとも2つの突起部320は、異なる高さを有する。具体的には、実施において、上記電子機器100に含まれる複数の機能部品210は、通常、異なるサイズ仕様を有し、それに応じて、複数の機能部品210が占用する空間もそれぞれ異なり、機能部品210の間の余剰空間220も、通常、不規則的な形状である。上記突起部320のうちの少なくとも一部の突起部を異なる高さに設定することにより、上記余剰空間220を十分に利用することができる。理解できるように、複数の上記突起部320の外部形状も機能部品210の間の対応する余剰空間220の形状に適合する。
【0033】
それに応じて、上記逃げ部330は、上記機能部品210の突出高さが所定の値より大きい領域に対応して設けられてもよく、かつ上記機能部品210を逃がし、上記逃げ部330の空間形状が上記機能部品210に対応することにより、上記逃げ部330が逃がす空間は、対応する機能部品210により占用される。
【0034】
このようにして、上記突起部320が機能部品210の占用していない余剰空間の一部を占用し、逃げ部330が、突出高さが大きい機能部品のために一部の収容領域を逃がすことにより、電池30が機能部品210に干渉することを回避するだけでなく、上記収容空間の利用率を向上させることができる。
【0035】
前述の電子機器100において、電池30は、主体部310と、上記主体部310に形成された突起部320及び逃げ部330とを含み、上記主体部310及び上記突起部320は、上記収容空間の余剰空間の少なくとも一部を占用し、上記逃げ部330は、上記機能部品210に対応して設けられ、かつ上記機能部品210を逃がすことにより、電子機器100の電池30及び機能アセンブリ20はそれぞれ、ケース10で形成された収容空間の一部を占用し、また、空間的には、上記電池30及び上記機能アセンブリ20は、互いに逃がし補充し、収容空間を十分に利用することができ、電子機器100の薄型化に役立つ。
【0036】
一実施形態では、上記逃げ部330は、上記機能部品210に向かって設けられた溝3310を含む。上記電池30が上記機能部品210の一側に組み立てられた場合、上記溝3310は、対応する機能部品210の少なくとも一部の体積を逃がし収容する。
【0037】
上記ケース10の全体のサイズが設定された場合、上記機能部品210が設けられた位置について、機能部品210の突出サイズ及びケースのサイズに基づいて機能部品210の突出方向におけるケース10の占用されていない部分のサイズを決定するとともに、電池30の加工プロセスの難しさを考慮して、占用されていない部分のサイズが電池30を設けることに適合すれば、該位置に溝3310を設けることができ、このように、機能部品210を逃がすだけでなく、対応する位置に電池30を収容するための部分を保留する。理解できるように、占用されていない部分のサイズが小さすぎると、対応する位置に電池30を収容するための部分を保留することをやめ、例えば、上記逃げ部は、機能部品210に対応して設けられた切欠部3320を含んでもよく、占用されていない部分のサイズが小さすぎる場合、電池30の対応する位置に切欠部3320を形成する。
【0038】
具体的な実施において、上記切欠部3320は、通常、上記主体部310の縁部に位置し、電池30の中間部に切欠部を形成することを回避し、電池30の製造プロセスの難しさを低減することができる。
【0039】
上記機能アセンブリ20は、通常、複数の機能部品210を含む。それに応じて、上記逃げ部330は、複数の上記機能部品210に対応して設けられた複数の溝3310を含む。
【0040】
一実施形態では、複数の上記溝3310の深さは同じであってもよく、この場合、上記溝3310の深さが、上記機能アセンブリ210における、突出高さが最も高い機能部品210に適合することを満たす必要がある。言い換えれば、複数の上記溝3310を同じ深さに設定する場合、突出高さが最も高い機能部品210の突出部分を収容できるように溝3310の深さを設定する必要があり、このようにしてこそ全ての機能部品210の突出部分が対応する溝3310内に収容できることを保証することができる。複数の上記溝3310を同じ深さに設定することにより、電池30の設計の難しさ及び加工の難しさを低減することができる。
【0041】
複数の上記溝3310の深さもそれぞれ異なるか又は少なくとも一部の溝3310の深さが異なるとともに、複数の上記溝3310の深さはそれぞれ、複数の上記機能部品3310の突出高さに適合する。このようにして、上記収容空間の機能部品210が占用された後の余剰空間220を十分に利用することができる。
【0042】
上記溝3310の輪郭は、対応する機能部品210の外部輪郭に類似することにより、機能部品210の突出部分を収容しやすいとともに、余剰空間220を十分に利用する。
【0043】
好ましい一実施形態では、上記主体部310は、互いに反対側に位置する第1表面3110及び第2表面3120を含む。
【0044】
上記第1表面3110は、上記機能部品210に向かい、上記突起部320及び上記逃げ部330は、上記第1表面3110に形成されている。
【0045】
上記第2表面3120は、実質的に平面である。このようにして、上記主体部310は、一側にある上記突起部320及び逃げ部330により上記機能部品210に適合してもよく、他側にある第2表面3120は、平坦な表面として、電子機器100の最終的な組み立てのために、外部のケース10に向かって設けられてもよい。
【0046】
具体的な実施において、上記電池30は、固体電池又は半固体電池であってもよい。
【0047】
本願の電池30に対して、上記突起部320及び上記逃げ部330を設けた後、電池30の外部形状は、異形で、局所の厚さが薄いという特性を有する。
【0048】
上記電池30を製造する場合、対応する電池の外部形状に基づいて、各位置に必要な極板のサイズ及び形状を設計する必要がある。
【0049】
異形サイズに設計する必要がある極板に対して、前期にプレス成形後の正負極板をカスタマイズされた正負極ダイカッタで複数の特定の形状を有する正負極板ユニットに分割し、次に、積層プロセスにより正負極板を組み立て特定の位置に入れるとともに、前期に極板をダイカットする場合に正負タブを予め保留し、タブの材料投入及び設計を簡略化する。異なる位置にある極板が一体化のセルの内部に位置するため、電池の内部のタブの配置を特別に設計する必要があり、かつ異なる位置にある極板が同時に動作する必要があるため、一致性要件を満たすように、異なる性質の極板を積層して形成する必要がある。
【0050】
電池30の超薄部分が、巻取り回数が少ない厚電極で製造されるが、電池の巻取り回数が減少する場合、セルの正負極板の面密度が徐々に増加することができ、面密度の増加により、電池のプロセス、材料などに対する要求がますます高くなる。したがって、巻取り回数を低下させることによりエネルギー密度を徐々に増加させるために、プロセスをさらに最適化させ、正負極材料及び電解液を改善し、動力学がより良好な正負極材料を使用してリチウムイオンの粒子内部での迅速な遷移を実現する必要がある。しかし、小さいサイズで超薄電池を製造し、かつ高いエネルギー密度を有する必要があれば、従来の商業電池で、要件を満たしにくい。固体電池は、現在の商業電池と比較して、高い安全性及び高いエネルギー密度を有し、規模が調整可能であり、設計柔軟性が高いなとの特徴により、広く注目されている。固体電池は、形状が具体的な需要に応じて設計されてもよく、厚さが数ミクロンのみである薄膜電池に設計されてもよく、マクロ型電池に製造されてもよい。固体電解質は、固体電解質の状態に応じてゲル電解質、半固体電解質、擬固体電解質及び全固体電解質に分けられる。固体電解質は、不燃性を有し、腐食性がなく、揮発せず、漏液の問題が存在しないため、全固体電池は、固有の安全性及びより長い耐用年数を有する。
【0051】
半固体リチウム電池は、一側の電極に液体電解質が含まれず、他側の電極に液体電解質が含まれるため、従来のリチウムイオン電池と比較して、独特の製造プロセスにより厚電極を製造でき、構造設計を簡略化し、使用された正負極材料が同じである場合に集電体及びセパレータが占める割合を減少させ、電池のエネルギー密度を向上させるとともに、厚電極を使用することにより電池の超薄化を実現する。
【0052】
異なる位置及び異なるサイズの極板の設計が完了した後、積層プロセスにより異なるサイズ及び異なる位置の極板の組み立てを完了し、電池を、引張ケースの対応する位置に達するまで下から上へ積層して、超薄及び異形の電池30を一体的に封止する。
【0053】
なお、本発明の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
【0054】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に明示すると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本発明の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0055】
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続、又は電気的な接続であってもよく、直接的な連結、又は中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0056】
本発明において、明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことだけを表してもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含んでもよく、第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことだけを表してもよい。
【0057】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を意味するわけではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0058】
以上、本発明の実施例を示し、説明したが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものであり、本発明を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本発明の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0059】
10 ケース
20 機能アセンブリ
30 電池
100 電子機器
210 機能部品
220 余剰空間
310 主体部
320 突起部
330 逃げ部
3110 第1表面
3120 第2表面
3310 溝
3320 切欠部
【手続補正書】
【提出日】2023-06-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
複数の上記溝3310の深さもそれぞれ異なるか又は少なくとも一部の溝3310の深さが異なるとともに、複数の上記溝3310の深さはそれぞれ、複数の上記機能部品210の突出高さに適合する。このようにして、上記収容空間の機能部品210が占用された後の余剰空間220を十分に利用することができる。
【国際調査報告】