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特表2023-551757内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置
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  • 特表-内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A61M25/06 550
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023518149
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 US2020051900
(87)【国際公開番号】W WO2022066137
(87)【国際公開日】2022-03-31
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,アマンダ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,カイル・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,キース
(72)【発明者】
【氏名】ソロモン,クリント
(72)【発明者】
【氏名】メッシーナ,ジュヌビエーブ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA14
4C267AA28
4C267BB52
4C267CC08
(57)【要約】
内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置。カテーテル(10)は、カテーテルの遠位端部分(12b)へと延在する第1の内側内腔(14)を含み、遠位端部分は、遠位開端部(20a)を有する角度の付いた先端(20)を含む。細長いスタイレット(24)が第1の内側内腔に位置付けられ、スタイレットは、針を形成する角度の付いた遠位端部分(24a)を有する。カテーテルの近位端部分(12a)の作動装置(26)は、カテーテル内の後退位置から、角度の付いた先端の遠位開端部から突出する展開位置へとスタイレットを前進させて、脈管の壁を貫通させるためのものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内膜下技法を使用して壁を含む脈管を再開通させるためのリエントリ装置であって、
第1の内側内腔を有するカテーテルであって、前記第1の内側内腔は、前記カテーテルの遠位端部分へと延在し、前記遠位端部分が、遠位開端部を有する角度の付いた先端を含む、カテーテルと、
前記第1の内側内腔に位置付けられた細長いスタイレットであって、前記スタイレットが、針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する、細長いスタイレットと、
前記カテーテル内の後退位置から、前記角度の付いた先端の前記遠位開端部から突出する展開位置へと前記スタイレットを前進させて、前記脈管の前記壁を貫通させるための、前記カテーテルの近位端部分の作動装置と
を備える、リエントリ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記カテーテルが、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔を含む、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記作動装置が前記カテーテルのハブに位置付けられている、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
前記作動装置が摺動装置を備える、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、
前記作動装置が空圧式、液圧式、または磁気的である、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記作動装置がソレノイドを備える、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記針が中実である、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
前記カテーテルの直径が4フレンチ未満であるかまたはそれに等しい、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、
前記カテーテルの直径が1.33ミリメートル未満であるかまたはそれに等しい、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、
前記角度の付いた先端が、前記カテーテルの長手方向軸に対して鋭角を形成する、装置。
【請求項11】
内膜下技法を使用して壁を含む脈管を再開通させるためのリエントリ装置であって、
針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する細長いスタイレットと、
カテーテルであって、前記細長いスタイレットが位置付けられた第1の内側内腔と、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔と、前記スタイレットを前進させて前記カテーテルの開いた遠位端部から前記針を突出させ、それによって前記脈管の前記壁の貫通を容易にするための、前記カテーテルの近位端部分の作動装置とを有する、カテーテルと
を備える、リエントリ装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記カテーテルの遠位端部分が、前記開いた遠位端部を含む角度の付いた先端を備える、装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置であって、
前記カテーテルの遠位端部分が制御装置から操縦可能である、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
前記制御装置がワイヤを備える、装置。
【請求項15】
請求項11に記載の装置であって、
前記作動装置が空圧式、液圧式、または磁気的である、装置。
【請求項16】
請求項11に記載の装置であって、
前記作動装置がソレノイドを備える、装置。
【請求項17】
内膜下技法を使用して壁を含む脈管を再開通させるためのリエントリ装置であって、
針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する細長いスタイレットと、
カテーテルであって、前記細長いスタイレットが位置付けられた第1の内側内腔と、前記スタイレットを前進させて前記カテーテルの角度の付いた先端の開いた遠位端部から前記針を突出させ、それによって前記脈管の前記壁の貫通を容易にするための、前記カテーテルの近位端部分の作動装置とを有し、前記カテーテルが、1.33ミリメートル未満であるかまたはそれに等しい直径を有する、カテーテルと
を備える、リエントリ装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、
前記カテーテルが、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔を含む、装置。
【請求項19】
請求項17に記載の装置であって、
前記針が中実である、装置。
【請求項20】
請求項17に記載の装置であって、
前記作動装置が空圧式、液圧式、または磁気的である、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
末梢動脈疾患を治療するとき、装置が脈管壁の内膜下空間に入ることは一般的である。次いで、医師は真腔へと戻って疾患の治療および脈管の再開通を続けなければならない。場合によっては、操作者は専用の装置なしでリエントリすることができるが、動脈が非常に石灰化しているか、または標準的な技法を使用して再侵入するのが困難なことがある。
【0003】
膝上に位置付けられる動脈などのより大きい動脈においては、動脈壁から出て真腔にリエントリする際に医師を助けるいくつかの専用リエントリ装置が存在する。しかし、「膝下」(BTK)に位置付けられる脛骨脈管などの小さい脈管でのリエントリを実現するためのよい選択肢は現在存在しない。BTK治療が次第により一般的になっているので、医師は脛骨動脈においてリエントリする信頼性が高い方法を必要としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置、特に極めて繰り返し可能な方式での使用、したがって信頼性が高い方式での使用を促進するリエントリ装置の必要性が認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置、特に極めて繰り返し可能でありかつ信頼性が高い方式で使用することができるリエントリ装置を提供する。
【0006】
本開示の一態様によれば、内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置が提供される。装置は、カテーテルの遠位端部分へと延在する第1の内側内腔を有するカテーテルを備える。遠位端部分は、遠位開端部を有する角度の付いた先端を含む。細長いスタイレットが第1の内側内腔に位置付けられ、スタイレットは針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する。カテーテル内の後退位置から、角度の付いた先端の遠位開端部から突出する展開位置へとスタイレットを前進させて、脈管の壁を貫通させるために、作動装置がカテーテルの近位端部分に提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔を含む。作動装置はカテーテルのハブに位置付けられてもよく、摺動装置を備えてもよい。作動装置は手動で動作可能でもよく、空圧式、液圧式、または磁気的でもよい。ある特定のバージョンでは、作動装置はソレノイドを備える。針は中実でもよく、カテーテルの直径は4フレンチ(約1.33ミリメートル)未満であるかまたはそれに等しくてもよく、したがってこれにより「マイクロ」カテーテルが形成される。角度の付いた先端はたとえばカテーテルの長手方向軸に対して約30度などの鋭角を形成することができる。
【0008】
本開示の別の態様によれば、内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置が提供される。装置は、針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する細長いスタイレットを備える。カテーテルは、細長いスタイレットが位置付けられた第1の内側内腔と、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔と、スタイレットを前進させてカテーテルの開いた遠位端部から針を突出させ、それによって脈管の壁の貫通を容易にするための、カテーテルの近位端部分の作動装置とを含む。
【0009】
一実施形態では、カテーテルの遠位端部分は、開いた遠位端部を含む角度の付いた先端を備える。カテーテルの遠位端部分は、ワイヤなどの制御装置から操縦可能でもよい。作動装置は手動で動作可能でもよく、空圧式、液圧式、または磁気的でもよい。ある特定のバージョンでは、作動装置はソレノイドを備える。
【0010】
本開示の別の態様は、内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置に関する。装置は、針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する細長いスタイレットを備える。カテーテルは、細長いスタイレットが位置付けられた第1の内側内腔と、スタイレットを前進させてカテーテルの角度の付いた先端の開いた遠位端部から針を突出させ、それによって脈管(動脈)壁の貫通を容易にするための、カテーテルの近位端部分の作動装置とを含む。カテーテルは、1.33ミリメートル未満であるかまたはそれに等しい直径を有する。
【0011】
一実施形態では、カテーテルは、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔を含む。針は中実でもよい。作動装置は手動で動作可能でもよく、空圧式、液圧式、または磁気的でもよい。ある特定のバージョンでは、作動装置はソレノイドを備える。
【0012】
本開示の上記の利点および別の利点は、添付図面と併せて以下の説明を参照することによってよりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の第1の態様によるリエントリ装置の側面図である。図1Aは、図1の線1A-1Aに沿って取られた断面図である。
図2】作動させられた状態の図1のリエントリ装置の側面図である。
図3】考えられる使用モードでのリエントリ装置を示す拡大切断図である。
図4】考えられる使用モードでのリエントリ装置を示す拡大切断図である。
図5】考えられる使用モードでのリエントリ装置を示す拡大切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
明確にするために、いくつかの要素の寸法は他の要素と比較して誇張されている場合があり、またはいくつかの物理的構成要素が1つの機能ブロックまたは要素に含まれている場合がある。さらに、場合によっては、対応する要素または類似の要素を示すために参照符号が図面中で繰り返されることがある。さらに、図面に示されている項目のうちのいくつかが、組み合わせられて単一の機能にされる場合がある。
【0015】
以下の詳細な説明では、本開示の徹底的な理解を可能にするために多くの具体的な詳細が述べられる。開示される実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実践されてもよい。他の場合、本発明を曖昧にしないために、よく知られている方法、手技、構成要素、または構造体については詳細に説明されない場合がある。
【0016】
本開示のシステムおよび方法の原理および動作は、図面および添付の説明を参照するとよりよく理解することができる。本発明は、その適用において、以下の説明に述べられ、または図面に示されている構成要素の構成および配置の詳細に限定されない。本発明は他の実施形態が可能であり、または種々のやり方で実践もしくは実行することができる。また、本明細書で採用される術語および用語法は説明を目的としたものであり、限定的なものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0017】
明確さのために別個の実施形態の文脈において説明される本発明のいくつかの特徴が、単一の実施形態において組み合わせて提供される場合もある。その反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の種々の特徴が、別々に、または任意の適したサブ組合せで提供される場合もある。
【0018】
図1を参照すると、内膜下技法を使用して脈管(および具体的には「膝下」(BTK)に位置付けられた動脈脈管)を再開通させるためのリエントリ装置10が提示されている。一実施形態によれば、装置10は細長い本体を有するカテーテル12を備え、これは押出し成形または成形によって適したポリマー材料で形成され得る。カテーテル12は、カテーテルの近位端部分12aから遠位端部分12bへと延在する第1の内側内腔14と、ガイドワイヤGを受けるための第2の内側内腔16とを含む。カテーテル12は、(たとえば1.33ミリメートル未満であるかまたはそれに等しい)4フレンチ未満であるかまたはそれに等しい直径を有する「マイクロ」カテーテルと考えることができる。
【0019】
カテーテル12の遠位端部分12bは、角度の付いた先端20を含む。角度の付いた先端20は遠位開端部20aを含み、たとえばカテーテル12の長手方向軸に対して30度などの鋭角を形成することができる。角度の付いた先端20は、実質的に剛性でありかつ所定の位置に固定されてもよく、または任意選択で、十分に可撓性でありかつ(ワイヤ22などの)制御装置を使用して操縦可能にされてもよい。
【0020】
細長いスタイレット24が第1の内側内腔14に位置付けられ、カテーテル12の近位端部分12aから遠位端部分12bへと延在する。スタイレット24は、針を形成する遠位端部分24aを含み、これはカテーテル12の角度の付いた先端20に類似した角度で延在することができる。遠位端部分24a(針)を含むスタイレット24は中実でもよく、(ステンレス鋼などの)金属で形成されてもよい。
【0021】
作動装置26がカテーテル12の近位端部分12aに提供される。作動装置26は、動脈脈管の内膜壁を貫通するなどのために、第1の内側内腔14を通して、カテーテル12内の後退位置から、角度の付いた先端20の遠位開端部20aから突出する展開位置へとスタイレット24を前進させるように構成される。作動装置26はカテーテル12のハブ28に位置付けられてもよく、使用者の(親指などの)指によって作動可能な摺動装置26aなどの機械的作動装置を備えて、スタイレット24の遠位端部分24aの展開に対応する前方位置(矢印A、26a’)へと摺動装置を動かすことができる。摺動装置が動く距離Dは、遠位端部分24aまたは針の突出し距離Eに直接的に比例する。別法として、作動装置26は、スタイレット24を前進および後退させるための、たとえばソレノイド30を含む自動(空圧式、液圧式、または磁気的)構造体を備えてもよい。ばね仕掛けの作動装置26も使用される場合がある。
【0022】
使用時、また図3図5を参照すると、(順方向の大腿経路を介してなど)脈管Vに沿って、閉塞Cに向かってガイドワイヤ(図示せず)を前進させることができる。ガイドワイヤの正しい前進を妨げる抵抗に遭遇するまで、閉塞Cはガイドワイヤの短い前進運動を使用して探索され得る。
【0023】
次いで、ガイドワイヤは第2のガイドワイヤ(図示せず)と交換され、その前進により、ガイドワイヤ自体の柔軟な遠位端部が曲がり、したがってその遠位セグメントの可撓性が向上していることによってループが形成される。第2のガイドワイヤの遠位端部のループは閉塞した脈管の動脈壁の厚みへと進み、内膜の下、内膜下空間Sへと進む。第2のガイドワイヤのループは内腔Lが再構成されるレベルまで前進させられる。
【0024】
次いで、第2のガイドワイヤに沿ってカテーテル12を通すことができ、第2のガイドワイヤは次いで取り出され得る。次いで、図3に示されているように、カテーテル12の角度の付いた先端部分20が脈管内腔Lに向かって配向され、遠位開端部20aは、真腔Lへと戻るために、穿刺すべき動脈壁Wに向く。図4に示されているように、次いで、スタイレット24が作動させられて、作動装置の作動の程度に対応する距離をカテーテル12の遠位開口から出て行き(位置24’、24a’に留意)、それによって真腔Lにリエントリする。理解され得るように、展開距離または突出し距離Eは、壁Wのみが貫通されることを確実とするように、また作動装置28の固定距離が極めて繰り返し可能であることに鑑みて固定される。さらに、スタイレット24はカテーテル12内の所定の位置にあり、遠位開端部20aから突き出るために短い距離しか進まないので、真腔Lに到達するためにカテーテル12全体にスタイレット24を通す必要はない。
【0025】
図5に示されているように、次いで、ガイドワイヤGを遠位開端部20aに通して前進させることができる。次いでスタイレット24を後退させることができ、カテーテル12は取り出される。拡張カテーテルまたは他の治療装置は、ガイドワイヤGに沿って定位置に案内される。
【0026】
要約すると、本開示は以下の項目に関すると考えることができる。
[項目1]
内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置であって、
第1の内側内腔を有するカテーテルであって、第1の内側内腔は、カテーテルの遠位端部分へと延在し、遠位端部分が、遠位開端部を有する角度の付いた先端を含む、カテーテルと、
第1の内側内腔に位置付けられた細長いスタイレットであって、スタイレットが、針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する、細長いスタイレットと、
カテーテル内の後退位置から、角度の付いた先端の遠位開端部から突出する展開位置へとスタイレットを前進させて、脈管の壁を貫通させるための、カテーテルの近位端部分の作動装置と
を備える、リエントリ装置。
[項目2]
項目1に記載の装置であって、
カテーテルが、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔を含む、装置。
[項目3]
項目1または項目2に記載の装置であって、
作動装置がカテーテルのハブに位置付けられている、装置。
[項目4]
項目1から3のいずれか一項に記載の装置であって、
作動装置が摺動装置を備える、装置。
[項目5]
項目1から4のいずれか一項に記載の装置であって、
作動装置が空圧式、液圧式、または磁気的である、装置。
[項目6]
項目1から5のいずれか一項に記載の装置であって、
作動装置がソレノイドを備える、装置。
[項目7]
項目1から6のいずれか一項に記載の装置であって、
針が中実である、装置。
[項目8]
項目1から7のいずれか一項に記載の装置であって、
カテーテルの直径が4フレンチ未満であるかまたはそれに等しい、装置。
[項目9]
項目1から8のいずれか一項に記載の装置であって、
カテーテルの直径が1.33ミリメートル未満であるかまたはそれに等しい、装置。
[項目10]
項目1から9のいずれか一項に記載の装置であって、
角度の付いた先端が、カテーテルの長手方向軸に対して約30度などの鋭角を形成する、装置。
[項目11]
内膜下技法を使用して脈管を再開通させるためのリエントリ装置であって、
針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する細長いスタイレットと、
カテーテルであって、細長いスタイレットが位置付けられた第1の内側内腔と、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔と、スタイレットを前進させてカテーテルの開いた遠位端部から針を突出させ、それによって脈管の壁の貫通を容易にするための、カテーテルの近位端部分の作動装置とを有する、カテーテルと
を備える、リエントリ装置。
[項目12]
項目11に記載の装置であって、
カテーテルの遠位端部分が、開いた遠位端部を含む角度の付いた先端を備える、装置。
[項目13]
項目11または項目12に記載の装置であって、
カテーテルの遠位端部分が制御装置から操縦可能である、装置。
[項目14]
項目13に記載の装置であって、
制御装置がワイヤを備える、装置。
[項目15]
項目11から14のいずれか一項に記載の装置であって、
作動装置が空圧式、液圧式、または磁気的である、装置。
[項目16]
項目11から15のいずれか一項に記載の装置であって、
作動装置がソレノイドを備える、装置。
[項目17]
内膜下技法を使用して壁を有する脈管を再開通させるためのリエントリ装置であって、
針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する細長いスタイレットと、
カテーテルであって、細長いスタイレットが位置付けられた第1の内側内腔と、スタイレットを前進させてカテーテルの角度の付いた先端の開いた遠位端部から針を突出させ、それによって脈管壁の貫通を容易にするための、カテーテルの近位端部分の作動装置とを有し、カテーテルが、1.33ミリメートル未満であるかまたはそれに等しい直径を有する、カテーテルと
を備える、リエントリ装置。
[項目18]
項目17に記載の装置であって、
カテーテルが、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔を含む、装置。
[項目19]
項目17または項目18に記載の装置であって、
針が中実である、装置。
[項目20]
項目17から19のいずれか一項に記載の装置であって、
作動装置が空圧式、液圧式、または磁気的である、装置。
【0027】
本明細書において、以下の用語は以下の意味を有する。
本明細書において、「a」、「an」、および「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されていなければ、単数形の参照対象と複数形の参照対象との両方を指す。一例として、「a compartment」は、1つかまたは2つ以上のcompartmentを指す。
【0028】
本明細書において、パラメータ、量、時間的継続などのような測定可能な値を指す「およそ」、「実質的に」、または「約」は、こうしたばらつきが開示された本発明において実施するのに適当である限りにおいて、指定された値の、また指定された値から+/-10%かまたはそれより少ないばらつき、+/-5%かまたはそれより少ないばらつき、+/-1%かまたはそれより少ないばらつき、および+/-0.1%かまたはそれより少ないばらつきを含む+/-20%かまたはそれより少ないばらつきを包含することを意図されている。しかし、修飾語「およそ」が指す値自体も具体的に開示されていることを理解されたい。
【0029】
本明細書において、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」および「備える(comprises)」、ならびに「からなる(comprised of)」は、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含む(includes)」、または「含有する(contain)」、「含有している(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、これらに続くもの、たとえば構成要素の存在を明示する、包含的なまたはオープンエンドな用語であり、当技術分野で知られているかまたはそこで開示されている記載されていない追加の構成要素、特徴、要素、部材、ステップの存在を排除または除外しない。
【0030】
特定の実施形態を併用して本発明について説明してきたが、多くの代替手段、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろう。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲に記載の趣旨および範囲に含まれるすべてのこうした代替手段、修正形態、および変形形態を包含する。
【0031】
明確さのために複数の別個の実施形態の文脈または形式において実例として説明および提示された本発明のいくつかの態様、特性、および特徴は、単一の実施形態の文脈または形式において任意の適した組合せまたはサブ組合せで実例として説明および提示される場合もあることを十分に理解されたい。その反対に、単一の実施形態の文脈または形式において組合せまたはサブ組合せで実例として説明および提示された本発明の種々の態様、特性、および特徴が、複数の別個の実施形態の文脈または形式において実例として説明および提示される場合もある。
【0032】
本明細書において言及されたすべての公報、特許および特許出願は、それぞれの個々の公報、特許または特許出願が参照によって本明細書に組み込まれることを具体的にかつ個々に示されていた場合と同じ程度で、参照により、本明細書に全体として組み込まれる。加えて、本出願における任意の参照の特定は、こうした参照が従来技術として本開示に利用可能であるという承認として解釈されるべきではない。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内膜下技法を使用して壁を含む脈管を再開通させるためのリエントリ装置であって、
第1の内側内腔を有するカテーテルであって、前記第1の内側内腔は、前記カテーテルの遠位端部分へと延在し、前記遠位端部分が、遠位開端部を有する角度の付いた先端を含む、カテーテルと、
前記第1の内側内腔に位置付けられた細長いスタイレットであって、前記スタイレットが、針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する、細長いスタイレットと、
摺動装置を備える作動装置であって、前記摺動装置は、前記摺動装置を前記細長いスタイレットの前記角度の付いた遠位端部分の展開に対応する前方位置へと動かすために使用者の指によって作動可能である、作動装置と
を備える、リエントリ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記カテーテルが、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔を含む、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記作動装置が前記カテーテルのハブに位置付けられている、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
前記カテーテルの前記遠位端部分が制御装置から操縦可能である、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記制御装置がワイヤを備える、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記針が中実である、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記カテーテルの直径が4フレンチ未満であるかまたはそれに等しい、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
前記角度の付いた先端が、前記カテーテルの長手方向軸に対して鋭角を形成する、装置。
【請求項9】
内膜下技法を使用して壁を含む脈管を再開通させるためのリエントリ装置であって、
針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する細長いスタイレットと、
カテーテルであって、前記細長いスタイレットが位置付けられた第1の内側内腔と、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔と、前記スタイレットを前進させて前記カテーテルの開いた遠位端部から前記針を突出させ、それによって前記脈管の前記壁の貫通を容易にし、かつ前記スタイレットを後退させるための、前記カテーテルの近位端部分の自動作動装置とを有する、カテーテルと
を備える、リエントリ装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、
前記カテーテルの遠位端部分が、前記開いた遠位端部を含む角度の付いた先端を備える、装置。
【請求項11】
請求項9に記載の装置であって、
前記カテーテルの遠位端部分が制御装置から操縦可能である、装置。
【請求項12】
請求項9に記載の装置であって、
前記制御装置がワイヤを備える、装置。
【請求項13】
請求項9に記載の装置であって、
前記作動装置が空圧式、液圧式、または磁気的である、装置。
【請求項14】
請求項9に記載の装置であって、
前記作動装置がソレノイドを備える、装置。
【請求項15】
内膜下技法を使用して壁を含む脈管を再開通させるためのリエントリ装置であって、
針を形成する角度の付いた遠位端部分を有する細長いスタイレットと、
カテーテルであって、前記細長いスタイレットが位置付けられた第1の内側内腔と、前記スタイレットを前進させて前記カテーテルの角度の付いた先端の開いた遠位端部から前記針を突出させ、それによって前記脈管の前記壁の貫通を容易にし、かつ前記スタイレットを後退させるための、前記カテーテルの近位端部分の自動作動装置とを有し、前記カテーテルが、1.33ミリメートル未満であるかまたはそれに等しい直径を有する、カテーテルと
を備える、リエントリ装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
前記カテーテルが、ガイドワイヤを受けるための第2の内側内腔を含む、装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であって、
前記針が中実である、装置。
【請求項18】
請求項15に記載の装置であって、
前記作動装置が空圧式、液圧式、または磁気的である、装置。
【国際調査報告】