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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】表示パネルおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20231206BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20231206BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20231206BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20231206BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20231206BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/30 338
H10K59/10
H10K59/80
H10K77/10
H10K50/844
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524649
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 CN2020133432
(87)【国際公開番号】W WO2022116055
(87)【国際公開日】2022-06-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デン レイ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ユエ
(72)【発明者】
【氏名】タン シア
(72)【発明者】
【氏名】デン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン チエン
(72)【発明者】
【氏名】ダイ ジュンシウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シン
(72)【発明者】
【氏名】チュー イー
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC23
3K107DD19
3K107DD39
3K107DD89
3K107DD90
3K107EE46
3K107EE47
3K107EE48
3K107FF15
3K107GG52
5C094DA05
5C094DA07
5C094DA13
5C094DA15
5C094EA10
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB12
5C094HA05
5C094HA08
5C094JA08
(57)【要約】
本発明の実施形態は、表示パネルおよび表示装置を提供する。前記表示パネルは、前記表示パネルを貫通するビアホールと、前記ビアホールの周縁部に位置するカット残領域であって、ベース基板と、前記ベース基板の一側に位置する封止層と、を備える前記カット残領域と、少なくとも1周の凹凸構造とを含み、前記凹凸構造は、前記カット残領域の前記封止層と前記ベース基板との間に位置し、少なくとも1周の前記凹凸構造は、前記ビアホールの周りに順に設けられ、第1の凹凸構造から前記ビアホールの外縁までの最小間隔は0ミクロン~30ミクロンであり、少なくとも1つの前記凹凸構造は、前記ベース基板から離れる表面および前記表面に接続する側面を有し、前記表面および前記側面のうちの少なくとも1つは凹凸状であり、前記第1の凹凸構造は、前記ビアホールの中心からの距離が最も小さい前記凹凸構造である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
前記表示パネルを貫通するビアホールと、
前記ビアホールの周縁部に位置し、ベース基板および前記ベース基板の一側に位置する封止層を備えるカット残領域と、
少なくとも1周の凹凸構造と、を含み、
前記凹凸構造は、前記カット残領域の前記封止層と前記ベース基板との間に位置し、少なくとも1周の前記凹凸構造は、前記ビアホールの周りに順に設けられ、第1の凹凸構造から前記ビアホールの外縁までの最小間隔は0ミクロン~30ミクロンであり、少なくとも1つの前記凹凸構造は、前記ベース基板から離れる表面および前記表面に接続する側面を有し、前記表面および前記側面のうちの少なくとも1つは凹凸状であり、前記第1の凹凸構造は、前記ビアホールの中心からの距離が最も小さい前記凹凸構造である、表示パネル。
【請求項2】
前記側面は凹凸状であり、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通るT字形状からなる断面形状を有する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記側面は凹凸状であり、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る段差形状からなる断面形状を有する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記表面は凹凸状であり、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る凹状からなる断面形状を有する、請求項1または請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、少なくとも1つの繰り返し構造を有し、少なくとも1つの繰り返し構造は、順次積層して設けられる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記凹凸構造は、複数の前記繰り返し構造を有し、隣接する2つの前記繰り返し構の間に平坦層が設けられる、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
異なる前記繰り返し構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通って同じ断面形状を有する、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記表示パネルは、前記ビアホールから離れた切断残領域の側に位置する表示領域をさらに含み、前記表示領域は、前記ベース基板の側に順次位置するバリア層、バッファ層、活性層、第1のゲート絶縁層、第1のゲート金属層、第2のゲート絶縁層、第2のゲート金属層、層間媒体層、第1のソース・ドレイン層、第1の平坦層、第2のソース・ドレイン層、第2の平坦層および画素制限層を含む、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記凹凸構造は、前記バリア層、前記バッファ層、前記第1のゲート絶縁層、前記第2のゲート絶縁層、前記層間媒体層、前記第1の平坦層、前記第2の平坦層、前記画素制限層のうちの1つまたは組み合わせからなる、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記ビアホールから離れる前記凹凸構造の側に複数周の第1の割れ防止ダムをさらに有し、前記第1の割れ防止ダムは、前記ベース基板と前記封止層との間に位置し、複数周の前記第1の割れ防止ダムは、前記凹凸構造の周りに順次に設けられる、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項11】
少なくとも1つの前記第1の割れ防止ダムと前記ベース基板との間に第1の割れ防止金属層がさらに設けられ、前記第1の割れ防止金属層と前記第1の割れ防止ダムとの間に第2の割れ防止金属層がさらに設けられる、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第1の割れ防止金属層は、前記第1のゲート金属層と同じ層に設けられ、前記第2の割れ防止金属層は、前記第2のゲート金属層と同じ層に設けられる、請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
少なくとも1つの前記凹凸構造と前記ベース基板との間に第3の割れ防止金属層がさらに設けられ、前記第3の割れ防止金属層と前記凹凸構造との間に第4の割れ防止金属層がさらに設けられ、
前記第3の割れ防止金属層は、前記第1の割れ防止金属層と同じ層に設けられ、前記第4の割れ防止金属層は、前記第2の割れ防止金属層と同じ層に設けられる、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
隣接する2周の前記凹凸構造の間の間隔は、隣接する2周の前記第1の割れ防止ダムの間の間隔より大きい、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項15】
隣接する2周の前記凹凸構造の間の間隔は、隣接する2周の前記第1の割れ防止ダムの間の間隔の2倍である、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
隣接する2周の前記凹凸構造の間にグルーヴを有し、前記グルーヴは、前記封止層から前記バッファ層まで延び、前記バッファ層の一部を露出させる、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記第1の割れ防止ダムの前記凹凸構造から離れる側は、前記第1の割れ防止ダムを順次周回するストップダムが複数周設けられ、前記ストップダムから前記ビアホールへの方向において、各周の前記ストップダムは、前記ベース基板に垂直な方向の高さが順次高くなる、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記第1の割れ防止ダムから離れる前記ストップダムの側に前記ストップダムを順に取り囲む複数周の第2の割れ防止ダムをさらに有し、前記第2の割れ防止ダムは、前記第1の割れ防止ダムの構成と同じである、請求項17に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記表示パネルは、3つの前記凹凸構造、5つの前記第1の割れ防止ダム、2つの前記ストップダムおよび4つの前記第2の割れ防止ダムを含む、請求項18に記載の表示パネル。
【請求項20】
前記表示パネルは、半凹凸構造さらに含み、前記半凹凸構造は、前記凹凸構造と前記ビアホールの間に配置される、請求項18に記載の表示パネル。
【請求項21】
前記第1の凹凸構造の異なる位置,前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る断面の最大幅は、前記第1の凹凸構造の異なる位置で変化する、請求項20に記載の表示パネル。
【請求項22】
前記半凹凸構造は、前記ビアホールの外縁からゼロの最小間隔を有する、請求項20に記載の表示パネル。
【請求項23】
前記半凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る断面形状は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る断面形状の2分の1である、請求項20に記載の表示パネル。
【請求項24】
前記第1の凹凸構造と前記ビアホールの外縁との間の最小間隔k3,隣接する2つの前記凹凸構造の間の最小間隔k1は式2を満たす、請求項16に記載の表示パネル。
0<k3≦k1「式2」。
【請求項25】
前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向における1つの繰り返し構造を含み、
前記繰り返し構造は、前記第1のソース・ドレインと同じ層にあり、または、前記繰り返し構造は、前記第2のソース・ドレインと同じ層である、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項26】
前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向における2つの繰り返し構造を含み、2つの前記繰り返し構造それぞれは、第1の繰り返し構造および背離前記ベース基板から離れる前記第1の繰り返し構造の側に位置する第2の繰り返し構造であり、
前記第1の繰り返し構造は、前記第1のソース・ドレインと同じ層にあり、前記第2の繰り返し構造は、前記第2のソース・ドレインと同じ層である、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項27】
前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向において、順次積層して設けられた第1のチタン金属層、アルミニウム金属層および第2のチタン金属層を含み、前記アルミニウム金属層の線幅は、前記第2のチタン金属層の線幅より小さい、請求項25または請求項26に記載の表示パネル。
【請求項28】
各前記凹凸構造は一体構造である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項29】
各前記凹凸構造は、複数の実体部および複数の掘削部を含み、前記実体部と前記掘削部とは交互に配置され、同一の前記凹凸構造におけるすべての前記実体部は、同一の円形中心を有する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項30】
前記カット残領域の前記封止層それぞれは、第1の無機封止層および前記ベース基板から離れる前記第1の無機封止層の側に位置する第2の無機封止層を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項31】
請求項1ないし請求項30のいずれか1項に記載の表示パネルを含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体技術の分野に関し、特に、表示パネルおよび表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
全面スクリーンの概念が登場した後、スクリーンの占有率を高めるため、前髪スクリーンから水滴スクリーン、そして現在主流の穴あけスクリーンまで多様なデザインの異形スクリーンが競争的に登場した。穴あけの開口が小さいスクリーンを使用すると、ユーザーの使用感も、没入感も向上することができる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は表示パネルを提供し、前記表示パネルは、
前記表示パネルを貫通するビアホールと、
前記ビアホールの周縁部に位置するカット残領域であって、ベース基板と、前記ベース基板の一側に位置する封止層と、を備える前記カット残領域と、
少なくとも1周の凹凸構造とを含み、
前記凹凸構造は、前記カット残領域の前記封止層と前記ベース基板との間に位置し、少なくとも1周の前記凹凸構造は、前記ビアホールの周りに順に設けられ、第1の凹凸構造から前記ビアホールの外縁までの最小間隔は0ミクロン~30ミクロンであり、少なくとも1つの前記凹凸構造は、前記ベース基板から離れる表面および前記表面に接続する側面を有し、前記表面および前記側面のうちの少なくとも1つは凹凸状であり、前記第1の凹凸構造は、前記ビアホールの中心からの距離が最も小さい前記凹凸構造である。
【0004】
可能な実施形態において、前記側面は凹凸状であり、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通るT字形状からなる断面形状を有する。
可能な実施形態において、前記側面は凹凸状であり、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る段差形状からなる断面形状を有する。
可能な実施形態において、前記表面は凹凸状であり、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る凹状からなる断面形状を有する。
【0005】
可能な実施形態において、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、少なくとも1つの繰り返し構造を有し、少なくとも1つの繰り返し構造は、順次積層して設けられる。
可能な実施形態において、前記凹凸構造は、複数の前記繰り返し構造を有し、隣接する2つの前記繰り返し構の間に平坦層が設けられる。
【0006】
可能な実施形態において、異なる前記繰り返し構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通って同じ断面形状を有する。
【0007】
可能な実施形態において、前記表示パネルは、前記ビアホールから離れた前記切断残領域の側に位置する表示領域をさらに含み、前記表示領域は、前記ベース基板側に順次位置するバリア層、バッファ層、活性層、第1のゲート絶縁層、第1のゲート金属層、第2のゲート絶縁層、第2のゲート金属層、層間媒体層、第1のソース・ドレイン層、第1の平坦層、第2のソース・ドレイン層、第2の平坦層および画素制限層を含み、
前記凹凸構造は、前記バリア層、前記バッファ層、前記第1のゲート絶縁層、前記第2のゲート絶縁層、前記層間媒体層、前記第1の平坦層、前記第2の平坦層、前記画素制限層のうちの1つまたは組み合わせからなる。
【0008】
可能な実施形態において、前記ビアホールから離れる前記凹凸構造の側に複数周の第1の割れ防止ダムをさらに有し、前記第1の割れ防止ダムは、前記ベース基板と前記封止層との間に位置し、複数周の前記第1の割れ防止ダムは、前記凹凸構造の周りに順次に設けられる。
可能な実施形態において、前記第1の割れ防止ダムの各々と前記ベース基板との間に第1の割れ防止金属層をさらに有し、前記第1の割れ防止金属層と前記第1の割れ防止ダムとの間に第2の割れ防止金属層がさらに設けられる。
【0009】
可能な実施形態において、前記第1の割れ防止金属層は、前記第1のゲート金属層と同じ層に設けられ、前記第2の割れ防止金属層は、前記第2のゲート金属層と同じ層に設けられる。
【0010】
可能な実施形態において、少なくとも1つの前記凹凸構造と前記ベース基板との間に第3の割れ防止金属層がさらに設けられ、前記第3の割れ防止金属層と前記凹凸構造との間に第4の割れ防止金属層がさらに設けられ、
前記第3の割れ防止金属層は、前記第1の割れ防止金属層と同じ層に設けられ、前記第4の割れ防止金属層は、前記第2の割れ防止金属層と同じ層に設けられる。
【0011】
可能な実施形態において、隣接する2周の前記凹凸構造の間の間隔は、隣接する2周の前記第1の割れ防止ダムの間の間隔より大きい。
【0012】
可能な実施形態において、隣接する2周の前記凹凸構造の間の間隔は、隣接する2周の前記第1の割れ防止ダムの間の間隔の2倍である。
【0013】
可能な実施形態において、隣接する2周の前記凹凸構造の間にグルーヴを有し、前記グルーヴは、前記封止層から前記バッファ層まで延び、前記バッファ層の一部を露出させる。
【0014】
可能な実施形態において、前記ディンプル構から離れる前記第1の割れ防止ダムの側に、前記第1の割れ防止ダムを順に取り囲む複数周のストップダムをさらに有し、前記ストップ前記ストップダムから前記ビアホールへの方向において、各周の前記ストップダムは、前記ベース基板に垂直な方向の高さが順次高くなる。
【0015】
可能な実施形態において、前記第1の割れ防止ダムから離れる前記ストップダムの側に前記トップダムを順に取り囲む複数周の第2の割れ防止ダムをさらに有し、前記第2の割れ防止ダムは、前記第1の割れ防止ダムの構成と同じである。
【0016】
可能な実施形態において、前記表示パネルは、3つの凹凸構造、5つの前記第1の割れ防止ダム、2つの前記ストップダムおよび4つの前記第2の割れ防止ダムを含む。
【0017】
可能な実施形態において、前記表示パネルは、半凹凸構造さらに含み、前記半凹凸構造は、前記凹凸構造と前記ビアホールの間に配置される。
【0018】
可能な実施形態において、前記第1の凹凸構造の異なる位置,前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る断面の最大幅は、前記第1の凹凸構造の異なる位置で変化する。
【0019】
可能な実施形態において、前記半凹凸構造は、前記ビアホールの外縁からゼロの最小間隔を有する。
【0020】
可能な実施形態において、前記半凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る断面形状は、前記ベース基板に垂直な方向で、前記ビアホールの中心を通る断面形状の2分の1である。
【0021】
可能な実施形態において、前記第1の凹凸構造と前記ビアホールの外縁との間の最小間隔と、隣接する2つの前記凹凸構造間の最小間隔k1とは、以下の関係を満たす:
0<k3≦k1「式1」。
【0022】
可能な実施形態において、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向における1つの繰り返し構造を含み、
前記繰り返し構造は、前記第1のソース・ドレインと同じ層にあり、または、前記繰り返し構造は、前記第2のソース・ドレインと同じ層である。
【0023】
可能な実施形態において、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向における2つの繰り返し構造を含み、2つの前記繰り返し構造それぞれは、第1の繰り返し構造および背離前記ベース基板から離れる前記第1の繰り返し構造の側に位置する第2の繰り返し構造であり、
前記第1の繰り返し構造は、前記第1のソース・ドレインと同じ層にあり、前記第2の繰り返し構造は、前記第2のソース・ドレインと同じ層である。
【0024】
可能な実施形態において、前記凹凸構造は、前記ベース基板に垂直な方向において、順次積層して設けられた第1のチタン金属層、アルミニウム金属層および第2のチタン金属層を含み、前記アルミニウム金属層の線幅は、前記第2のチタン金属層の線幅より小さい。
【0025】
可能な実施形態において、各前記凹凸構造は一体構造である。
【0026】
可能な実施形態において、各前記凹凸構造は、複数の実体部および複数の掘削部を含み、前記実体部と前記掘削部とは交互に配置され、同一の前記凹凸構造におけるすべての前記実体部は、同一の円形中心を有する。
【0027】
可能な実施形態において、前記カット残領域の前記封止層それぞれは、第1の無機封止層および前記ベース基板から離れる前記第1の無機封止層の側に位置する第2の無機封止層を含む。
【0028】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態が提供する前記表示パネルを含む表示装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態によって提供される表示パネルの上面模式図である。
図2】破線EFに沿った図1の模式的な断面図である。
図3図2のカット残領域における拡大構造を示す模式図である。
図4a】本発明の実施形態によって提供される隣接する2つの凹凸構造間の間隔が隣接する2つの第1の割れ防止ダム間の間隔よりも大きい構造の概略図1である。
図4b】本発明の実施形態によって提供される隣接する2つの凹凸構造間の間隔が隣接する2つの第1の割れ防止ダム間の間隔よりも大きい構造の概略図2である。
図4c】本発明の実施形態によって提供されるビアホールKの中心の両側の第1の凹凸構造T11の断面の模式図である。
図5a】本発明の実施形態によって提供される別の表示パネルの断面構造の概略図である。
図5b】本発明の実施形態によって提供される別の表示パネルの断面構造の概略図である。
図6】本発明の実施形態によって提供される凹凸構造は段差形状の模式図である。
図7図6のカット残領域における拡大構造を示す模式図である。
図8】本発明の実施形態によって提供される凹凸構造がくぼみ形である構造を示す模式図である。
図9】本発明の実施形態によって提供される凹凸構造は、段差形状およびくぼみ形である構造を示す模式図である。
図10】本発明の実施形態によって提供される凹凸構造が2つの繰り返し構造を含む構造の模式図である。
図11図10のカット残領域における拡大構造を示す模式図である。
図12】本発明の実施形態によって提供される表示パネル表示領域の断面図である。
図13】本発明の実施形態によって提供される凹凸構造の概略上面図である。
図14】本発明の実施形態によって提供される別の凹凸構造の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示実施形態の目的、技術的解決策および利点をより明確にするために、本開示実施形態の技術的解決策を、本開示実施形態の添付図面と併せて以下で明確かつ完全に説明する。明らかに、記載される実施形態は、本開示のいくつかの実施形態であるが、全ての実施形態ではない。本開示の記載された実施形態に基づいて、創造的労働を必要とせずに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本開示の保護の範囲内にある。
【0031】
特に定義されない限り、本発明で使用される技術用語または科学用語は、本発明が属する技術分野における通常の技術者によって理解される通常の意味を有するものとする。本発明で使用される「第1」、「第2」等の用語は、いかなる順序、数または重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためにのみ使用される。「含む」または「構成する」などの語は、他の要素またはオブジェクトを排除することなく、その語の前にある要素またはオブジェクトが、その語の後に現れる要素またはオブジェクトおよびその等価物をカバーすることを意味することが意図される。また、「接続された」、「連結された」等の類似語は、物理的又は機械的な接続に限らず、直接又は間接を問わず、電気的な接続を含む場合がある。「上」、「下」、「左」、「右」等の用語は、相対的な位置関係を示すためにのみ使用され、記述される対象物の絶対的な位置が変化する場合、この相対位置関係もそれに応じて変更され得る。
【0032】
本発明の実施形態に関する以下の説明を明確かつ簡潔にするために、本発明では、既知の機能および既知の構成要素の詳細な説明を省略する。
【0033】
図1図2および図3を参照すると、図2図1の破線EFに沿った概略断面図であり、図3図2におけるカット残領域S1の拡大概略図であり、本発明の実施形態は、表示パネルを提供する。前記表示パネルは、ビアホールKと、カット残領域S1と、少なくとも1周の凹凸構造Tと、を含む。
【0034】
前記ビアホールKは表示パネルを貫通し、前記ビアホールKが位置する領域は、具体的にカメラを保持するために使用され、具体的に、前記ビアホールKの形状は、円、楕円または長方形であってもよい。
【0035】
前記カット残領域S1は、ビアホールKの周囲に位置し、ベース基板11と、ベース基板11の一側に位置する封止層9と、を含む。ビアホールKを具体的に切断する場合、表示パネルは通常、切断精度制限によりビアホールKの周りに切断領域(図示せず)を必要とし、切断後、切断領域のうち除去しない領域は、最終的に表示パネルに残るカット残領域として使用できる。
【0036】
前記凹凸構造Tは、カット残領域S1において封止層9とベース基板11との間に位置し、少なくとも1周の凹凸構造Tは、ビアホールKの周りに順次分布し、第1の凹凸構造T11からビアホールKの外縁までの最小間隔(すなわちビアホールKの外縁で第1の凹凸構造T11に最も近い位置における第1の凹凸構造T11との間隔、例えば図4bのk3参照)が0μm~30μmである。凹型構造Tの少なくとも1つは、基板11から離れる表面T1と、表面T1に連なる側面T2とを有する。前記表面T1、側面T2の少なくとも1つが凹凸状であり、第1の凹型構造T11がビアホールKの中心からの間隔が最も小さい凹凸構造Tである。具体的には、切断の位置がちょうど凹凸構造Tがある位置であると、切断後残りの半分の凹凸構造Tも第1の凹凸構造T11となり、このとき、第1の凹凸構造T11と最も近い位置のビアホールKの外縁との間隔は0ミクロンとなる。
【0037】
本実施形態では、カット残領域S1には、ビアホールKの周囲に分布する少なくとも1周の凹凸構造Tが設けられており、凹凸構造Tの、基板11から離れる表面T1と、側面T2との少なくとも一方が凹凸状であるので、凹凸構造Tによって封止層9との接触面積が増え、封止層の接着強度が高○ことにより、従来の、パンチドスクリーン製造工程における切断領域の封止層の応力アンバランスを改善し、レーザーカットの熱効果により応力が増幅され、封止層が剥離しやすくなり、封止不良を起こしやすくなるため、製品の生産歩留まりを低下させる問題点を改善する。
【0038】
具体的には、図1および図2に示すように、表示パネルは、ビアホールから離れるカット残領域S1の側に位置する表示領域AAをさらに含む。ビアホールKから表示領域AAまでの間に、カット残領域S1、第1の割れ防止領域S2、ストッパ領域S3、第2の割れ防止領域S4およびループ領域S5を順次設けることができる。ここで、第1の割れ防止領域S2には、ビアホールKの周りに複数周の第1の割れ防止ダムCD1(Crack Dam1)が順に設けられる。前記第1の割れ防止ダムCD1は、ダイシング時に発生するクラックが表示領域まで延びることを防止し、有機封止層92の形成時に使用される有機封止材料のカット残領域S1へのオーバーフローを防止することができる。ストッパ領域S3に第1の割れ防止ダムCD1の周りに複数周のストップダムIDが順に設けられる。前記複数周のストップダムIDは、有機封止層92の形成時に使用される有機封止材料のカット残領域S1へのオーバーフローを防止する。第2の割れ防止領域S4にストップダムID(IJP Dam)の周りに複数周の第2の割れ防止ダムCD2(Crack Dam2)が順に設けられる。前記複数周の第2の割れ防止ダムCD2(Crack Dam2)は、ダイシング時に発生するクラックが表示領域まで延びることを防止し、また、有機封止層92の形成時に使用される有機封止材料のカット残領域S1へのオーバーフローを防止するため。ループ領域S5には、ビアホールKを回避する複数の信号線D(例えば、データ線とすることができる)を設けることができ、これらは、表示領域の画素回路を駆動し、データ(Data)信号を書き込むために用いられる。具体的には、表示領域AAは、ベース基板11の片面に順次配置される第1の無機層12(具体的には、基板11の上方に順次配置されるバリア層(Barrier)およびバッファ層(Buffer))、第2の無機層13(具体的には第1の無機層12の上方に順次配置される第1のゲート絶縁層GI1および第2のゲート絶縁層GI2)、第3の無機層14(具体的には、第2の無機層13の上方に配置される層間媒体層ILD)、平坦層3、画素制限層4、ペーサー5、第1の無機封止層91、有機封止層92および第2の無機封止層93を含む。カット残領域S1、第1の割れ防止領域S2、ストッパ領域S3、第2の割れ防止領域S4、ループ領域S5には、第1の無機層12、第2の無機層13、第3の無機層14、平坦層3、画素制限層4、ペーサー5、第1の無機封止層91、有機封止層93、第2の無機封止層93年のフィルム層の一部が設けることができる。具体的には、封止層9と画素制限層4との間に発光層(図には図示せず)を設けることもでき、発光層は、カット残領域S1、第1の割れ防止領域S2、ストッパ領域S3、第2の割れ防止領域S4およびループ領域S5を被覆することができ、凹凸構造T、第1の割れ防止ダムCD1、第2の割れ防止ダムCD2の位置で切断することができる。
【0039】
具体的には、図1及び図2に示すように、凹凸構造TのビアホールKから離間する側には、ベース基板11と封止層9との間に位置する複数周の第1の割れ防止ダムCD1が設けられ、凹凸構造Tの周囲に複数周の第1の割れ防止ダムCD1が設けられる。各第1の割れ防止ダムCD1とベース基板11との間には第1の割れ防止金属層81が設けられ、第1の割れ防止金属層81と第1の割れ防止ダムCD1との間には第2の割れ防止金属層82が設けられている。本発明の実施形態では、カット残領域S1のビアホールKから離れる側に、切断時に発生するクラックが表示領域まで延びることを防止する第1の割れ防止ダムCD1を複数周設け、第1の割れ防止ダムCD1とベース基板11との間に第1の割れ防止金属層81をさらに設け、第1の割れ防止金属層81と第1の割れ防止ダムCD1との間に第2の割れ防止金属層82を設ける。第1の割れ防止金属層81、第2の割れ防止金属層82が優れる延性を有するため、クラックの延びを良好に防止することができる。具体的には、表示パネルは、第1のゲート金属層と、第1のゲート金属層のベース基板11から離れる側に位置する第2のゲート金属層とを有し、第1の割れ防止金属層81は、第1のゲート金属層と同層であり、第2の割れ防止金属層82は、第2のゲート金属層と同層かつ同材質である。具体的には、第1の割れ防止金属層81、第2の割れ防止金属層82の材質は、モリブデンであってもよく、モリブデンは、延性に優れ、ダイシング時に破断が生じにくく、クラックの延びを良好に防止することができる。具体的には、第1の割れ防止金属層81、第2の割れ防止金属層82のベース基板11上の投影パターンは、第1の割れ防止ダムCD1のベース基板11上の投影パターンと一致することが可能であり、具体的にはリング状である。具体的には、第1の割れ防止金属層81、第2の割れ防止金属層82のベース基板11への投影パターンは、第1の割れ防止ダムCD1のベース基板11への投影パターンと一致していてもよく、具体的にはリング状であってもよい。具体的には、第1の割れ防止ダムCD1の構成は、例えば、図2図4aに示すように、信号線(例えば、データ線)に含まれる膜層からなる凹凸構造Tと同様であってもよい。
【0040】
具体的には、図5bに示すように、少なくとも1つの凹凸構造Tとベース基板11との間に、第3割れ防止金属層83がさらに設けられ、第3割れ防止金属層83と凹凸構造Tとの間に、第4割れ防止金属層84がさらに設けられ、第3割れ防止金属層83は、第1の割れ防止金属層81と同層であり、第4割れ防止金属層84は、前記第2の割れ防止金属層82と同層である。第3割れ防止金属層83、第4割れ防止金属層84は、延性に優れ、クラックの延在をさらに防止することができる。
【0041】
具体的には、切り残し領域S1の複数の凹凸構造T間の等間隔分布を示す。なお、本発明の実施の形態では、切り残し領域S1の第1凹凸構造T11からビアホールの外縁までの最小間隔は0μm~30μmである。例えば、第1の凹凸構造T11からビアホールの外縁までの最小間隔は15μm~28μmである。具体的には、例えば、第1の凹凸構造T11からビアホールの外縁までの最小間隔は18μmであり、カット残領域ではない領域での隣接する2つの凸構造(例えば、図2において隣接する2つの第1の割れ防止ダムCD1)の間の間隔は、通常、凹凸構造Tからビアホールの外縁までの最小間隔よりも小さい。例えば、隣接する2つの第1の割れ防止ダムCD1間の間隔(例えば、図4aの第1の割れ防止領域S2における左から第1の割れ防止ダムCD1の右側面と左から第2の第1の割れ防止ダムCD1の左側面との間隔)は14μm、隣接する2つの凹凸構造Tの間の間隔(例えば、図4aのカット残領域S1における左から第1の凹凸構造Tの右側面と左から第2の凹凸構造Tの左側面との間隔)は28μmである。本発明の実施の形態では、第1凹凸構造T11からビアホールの外縁までの最小間隔を0μm~30μmとし、すなわち、切断位置を、間隔の大きな凹凸構造Tが存在する領域とし、カット残領域S1(切断前の切断領域に対応)に、非カット残領域の凸構造とは異なる凹凸構造Tを設ける。具体的には、カット残領域S1の隣接する2つの凹凸構造T間の間隔が、非カット残領域の凸構造よりも大きく、少ない数の凹凸構造Tで切断領域を埋めることができる。
【0042】
具体的には、図4aに示すように、隣接する2周の凹凸構造Tの間の間隔k1は、隣接する2周の第1の割れ防止ダムCD1の間の間隔k2よりも大きい。具体的には、隣接する2周の凹凸構造T間の間隔k1は、隣接する2周の第1の割れ防止ダムCD1間の間隔k2の2倍である。本発明の実施の形態では、隣接する2周の凹凸構造T間の間隔k1を、隣接する2周の第1の割れ防止ダムCD1間の間隔k2よりも大きくすることにより、表示パネルにおける画素限定層3の塗布時に、切り残し領域S1の凹凸構造Tが密になるため、カット残領域S1に気泡が発生しやすく、画素限定層4のパターニングに不利になることを防止することができる。
【0043】
具体的には、図4aに示すように、隣接する2周の凹凸構造Tの間に、封止層9からバッファ層(具体的には第1の無機層12内の膜層とすることができる)まで延びるグルーヴXを有し、バッファ層の一部が露出している。
【0044】
具体的には、図4aに示すように、表示パネルは、3つの凹凸構造、5つの第1の割れ防止ダム、2つのストップダム、4つの第2の割れ防止ダムを含む。もちろん、具体的な実施の際には、第1の割れ防止ダムCD1、ストップダムID、第2の割れ防止ダムCD2の数は、その他であってもよく、これらの構成個数の調整やその自体の変形等は、本考案の設計思想に含まれており、本発明はこれに限定されない。
【0045】
具体的には、図4aに示すように、表示パネルは、凹凸構造TとビアホールKとの間に位置する半凹凸構造T11をさらに含む。すなわち、ビアホールKを具体的に切断する際には、切断位置が凹凸構造Tの位置にあり、切断後に表示パネルに残る半凹凸構造T11が形成される。具体的には、半凹凸構造T11とビアホールKとの間隔はゼロである。具体的には、半凹凸構造T11は、ベース基板11に垂直な方向にビアホールKの中心を通る断面形状が、ベース基板11に垂直な方向にビアホールKの中心を通る凹凸構造T11の断面形状の2分の1である。
【0046】
具体的には、図4aに示すように、切断位置が凹凸構造Tの位置にあるときに、切断後の残りの半分の凹凸構造Tが第1の凹凸構造T11となる。具体的には、切断位置が隣接する2つの凹凸構造Tの間の領域にあるとき、第1の凹凸構造T11とビアホール外Kエッジとの間の最小間隔k3と、隣接する2つの凹凸構造Tとの間の最小間隔k1とは、図4bに示すように、0<k3≦k1の関係を満たす。
【0047】
具体的には、第1凹凸構造T11の位置によって、ベース基板11に垂直な方向で且つビアホールKの中心を通る断面の最大幅が異なる。例えば、図4cに示す例を挙げると、図4cはビアホールKの中心両側を通る第1凹凸構造T11断面模式図である。この断面は、図1におけるEF方向と平行かつビアKの中心を通る断面であってもよく、第1凹凸構造T11の図4cにおける左側の幅K5が、第1凹凸構造T11の図4cにおける右側の幅K6よりも大きい。すなわち、ダイシング工程を実施する際に、ダイシング工程の誤差により、第1凹凸構造T11の位置によって残りの部分が異なってしまい、第1凹凸構造T11がビアホールKの中心に関して非対称な構造となる可能性がある。
【0048】
具体的には、図1図2に示すように、第1の割れ防止ダムCD1の凹凸構造から離れた側には、第1の割れ防止ダムCD1を順次取り囲むストップダムIDが複数周設けられ、ストップダムIDからビアホールKの方向(図2中矢印ABで示すように)を指し、各周のストップダムIDのベース基板11に垂直な方向の高さが順次高くなり、ストッパ作用が順次増大する効果が得られる。具体的には、ストップダムIDは、平坦層3、画素制限層4、スペーサ5の順に積層して設けられ、すなわち、平坦層3、画素制限層4、スペーサ5を形成する際に、平坦層3、画素制限層4、スペーサ5を多重してストップダムIDを形成することで、表示パネルの製造工程の複雑さを低減することができる。もちろん、具体的な実施の際には、ストップダムIDは他の膜層で構成されていてもよく、ストップダムIDを構成する膜層の数は異なっていてもよく、本発明の実施の形態はこれに限定されない。
【0049】
具体的には、図1及び図2に示すように、第1の割れ防止ダムCD1から離れる側には、さらに、割れ防止ダムIDを順次取り囲む第2の割れ防止ダムCD2が複数周設けられており、第2の割れ防止ダムCD2と第1の割れ防止ダムCD1との構成は、具体的には同様であり、プロセスの複雑性を低減することができる。具体的には、第2の割れ防止ダムCD2と第1の割れ防止ダムCD1の構成は、具体的には同様であってもよい。第2の割れ防止ダムCD2は、具体的には、第1チタン金属層、アルミニウム金属層、第2チタン金属層を順次積層して構成することができる。第3の無機層14は、隣接する2つの第2の割れ防止ダムCD2間の対応する領域に隙間を有し、すなわち隣接する2つの第2の割れ防止ダムCD2間の領域における第3の無機層14を掘り出すことができる。第2の無機層13は、隣接する2つの第2の割れ防止ダムCD2間の対応する領域にグルーヴを有し、すなわち隣接する2つの第2の割れ防止ダムCD2間の領域における一部の第2の無機層13を掘り出すことができる。
【0050】
具体的には、図1および図2に示すように、カット残領域S1の封止層9は、第1の無機封止層91と、第1の無機封止層91のベース基板から離れる側に位置する第2の無機封止層93とから構成され、カット残領域S1には、有機封止層92が設けられていなくてもよい。
【0051】
具体的には、図3に示すように、凹凸構造Tの側面T2は凹凸状であり、凹凸構造Tのベース基板11に垂直な方向でビアホールの中心を通る断面形状はT字状である。具体的には、凹凸構造Tは、ベース基板11に垂直な方向でビアホール中心を通る断面形状がI字状である。具体的には、表示パネルは、信号線を増える。前記凹凸構造Tは、信号線(具体的にはデータ線SD)と同層かつ同材質であり、信号線の断面形状は、信号線と同時に凹凸構造Tを形成するために、凹凸構造Tの断面形状と同一であってもよい。具体的には、凹凸構造Tは、ベース基板11から垂直かつ離れる方向に、第1のチタン金属層71と、アルミニウム金属層72と、第2のチタン金属層73とを順次積層し、前記アルミニウム金属層72の線幅は、第2のチタン金属層73の線幅よりも小さい。具体的には、アルミニウム金属層72の線幅は、図2に矢印ABで示すように、ベース基板11に対して垂直で且つ凹凸構造TからビアホールKに向かう方向における凹凸構造Tの幅として理解できる。具体的には、図3に示すように、凹凸構造Tにおけるアルミニウム金属層72のベース基板11に垂直しかつビアホールKの中心を通る断面形状は台形状であり、台形状のベース基板11から離れる表面(台形状の上端面)は第2のチタン金属層73に接触し、アルミニウム金属層72の線幅は第2のチタン金属層73の線幅よりも小さい。アルミニウム金属層72のベース基板11から離れる面積は、第2のチタン金属層73のベース基板11に対向する面積よりも小さいことが理解できる。本発明の実施の形態において、凹凸構造Tは、ベース基板11に垂直な方向でビアホールの中心部を通る断面形状がT字状であり、金属ボタンに類似する設計となる。カット残領域S1に金属ボタンを導入し、フィルムを引き剥がす工程(ベース基板11下の保護フィルムを除去する工程)において、金属ボタン位置で第1の無機パッケージ91及び第2の無機パッケージ93の堆積が完了し、凹凸構造Tの表面に貼り付けることにより、内凹構造が形成される。これにより、第1無機パッケージ91及び第2無機パッケージ93が金属ボタンの第2のチタン金属層(すなわちTop Ti)によって引っ掛かれると、フィルムを引き剥がす工程において、第1の無機封止層91および第2の無機封止93がベース基板11上の無機膜層から剥離しにくくなり、封止層の剥離(Peeling)が生じやすいという問題が改善される。
【0052】
具体的には、図2または図4aに示すように、カット残領域S1は、カット残領域S1に多層の無機層を有する場合に、切断時にパーティクルが発生しやすく、画素制限層4のパターニングに不利にならないように、第1の無機層12のみを含み、第2の無機層13および第3の無機層14を除去するようにしてもよい。もちろん、図5aに示すように、カット残領域S1は、第1の無機層12と第2の無機層13と第3の無機層14から構成され、第1の割れ防止領域S2においてカット残領域S1と同じ高さの封止リングが形成され、封止層9の均一性が向上する。
【0053】
具体的には、図6及び図7に示すように、図7は、図6のカット残領域S1における拡大模式図であり、凹凸構造Tの側面T2は凹凸状であり、凹凸構造Tのベース基板11に垂直な方向でビアホール中心を通る断面形状は段差形状である。具体的には、凹凸構造Tは、第2の無機層13と第3の無機層14とから構成され、第2の無機層13の線幅は、第3の無機層14の線幅よりも大きい。図7に示す凹凸構造Tは、断面が2段の段差であり、2層の無機層からなるが、本発明の実施形態はこれに限定されず、具体的には、単段の段差と多段の段差(より多くの無機層からなるものであってもよい)とを含んでいてもよい。
【0054】
具体的には、図8に示すように、凹凸構造Tの表面T1は凹凸状であり、凹凸構造Tは、ベース基板11に垂直な方向にビアホールの中心を通る断面形状がくぼみ形であり、凹凸構造Tは、具体的には平坦層3で構成されていてもよい。
【0055】
具体的には、凹凸構造Tのベース基板11に垂直な方向にビアホール中心を通る断面形状は、図8に示すようにくぼみ形のみを含んでいてもよいし、図2に示すようにI字状のみを含んでいてもよいし、図6に示すように第2無機層13と第3無機層14とで構成されていてもよいし、図9に示すように段差形状およびくぼみ形を共に含んでもよい。段差形状の構造は、第2の無機層13および第3の無機層14より構成され、くぼみ形構造は平坦層3によって構成されていてもよいし、I字状とくぼみ形を同時に含んでいてもよいし、I字状および段差形状を同時に含んでいてもよい。凹凸構造Tが複数の形状構造を含んでいる場合には、複数の形状構造がベース基板11に垂直な方向に順に積層される。
【0056】
具体的な実施形態においては、図10及び図11を参照して、図11は、図10のカット残領域S1における拡大模式図であり、凹凸構造Tは、ベース基板11に垂直な方向に少なくとも1つの繰り返し構造Qを含み、少なくとも1つの繰り返し構造Qは、ベース基板11に垂直な方向においてビアホール中心を通る断面形状が同一である。具体的には、図11に示すように、凹凸構造Tは、複数の繰り返し構造Qを有し、隣接する2つの繰り返し構造Qの間に平坦層3が設けられている。具体的には、封止層9との接触面積が大きくなるようにするために、図11に示す各繰返し構造QはI形である。具体的には、繰り返し構造Qは、第1のチタン金属層、アルミニウム金属層、第2のチタン金属層の順に積層されていてもよい。
【0057】
具体的には、図12に示すように、表示領域AAは、ベース基板11の片面に順次配置されるバリア層(Barrier)、バッファ層Buffer(バリア層Barrierおよびバッファ層Bufferを第1の無機層12とする)、活性層111、第1のゲート絶縁層131、第1のゲート金属層112、第2のゲート絶縁層132(第1のゲート絶縁層131および第2のゲート絶縁層132を第2の無機層13とする)、第2のゲート金属層115、層間媒体層ILD(層間媒体層ILDを第3の無機層14とする)、第1のソース・ドレイン層113、パッシベーション層31、第1の平坦層32、第2のソース・ドレイン層114、第2の平坦層33(パッシベーション層31、第1の平坦層32および第2の平坦層33を平坦層3とする)、画素電極116、画素制限層4、ペーサー5、発光層117、陰極118、第1の無機封止層91、有機封止層92および第2の無機封止層93を含む。
【0058】
具体的には、図2図4aおよび図4bに示すように、第1の割れ防止ダムCD1は、凹凸構造Tと同層で同材質に設けられていてもよい。具体的には、第1の割れ防止ダムCD1、凹凸構造Tは、いずれも第1のソース・ドレイン層113または第2のソース・ドレイン層114と同層で同材質に設けられていてもよく、いずれも順次積層して構成された第1チタン金属層、アルミニウム金属層、第2のチタン金属層を含んでもよい。同様に、第2の割れ防止ダムCD2は、凹凸構造Tと同層で同材質に設けられていてもよい。具体的には、第2の割れ防止ダムCD2、凹凸構造Tは、いずれも第1のソース・ドレイン層113または第2のソース・ドレイン層114と同層で同材質に設けられていてもよく、いずれも順次積層して構成された第1チタン金属層、アルミニウム金属層、第2のチタン金属層を含んでもよい。なお、本発明において「同層設定」とは、同一の成膜工程により2種類(または2種類以上)の構造を形成し、同一のパターニング工程によりパターニングして形成した構造をいい、材料が同一であっても異なっていてもよい。例えば、同層に設けられた複数の構造の前駆体を形成する材料は同一であり、最終的に形成される材料は同一であっても異なっていてもよい。本発明における「一体構造」とは、同一の成膜工程により形成された2種類(または2種類以上)の構造物と、同一のパターニング工程によりパターニングされて形成された互いに接続された構造物をいい、その材料は同一であっても異なっていてもよい。
【0059】
具体的には、各凹凸構造Tは、ベース基板11に垂直な方向に2つの繰り返し構造Qを有し、2つの繰り返し構造Qは、第1の繰り返し構造Q1と、第1の繰り返し構造Qの基板11から離れる側に位置する第2の繰り返し構造Q2であってもより。第1の繰り返し構造Q1は、第1のソース・ドレイン層と同層であってもよく、第1のソース・ドレイン層を作製する際に第1の繰り返し構造Q1もともに形成される。第2の繰り返し構造Q2は、第2のソース・ドレイン層113と同層であってもよく、第2のソース・ドレイン層を作製する際に第2の繰り返し構造Q2とを同時に形成してもよい。具体的には、凹凸構造Tは、ベース基板11に垂直な方向に、繰り返し構造Q(図5aに示す凹凸構造T)1つのみを含む。当該1つの繰り返し構造Qは、第1のソース・ドレイン層と同層であってもよいし、第2のソース・ドレイン層と同層であってもよい。
【0060】
具体的には、凹凸構造Tは、バリア層、バッファ層、第1のゲート絶縁層、第2のゲート絶縁層、層間媒体層、第1の平坦層、第2の平坦層、画素制限層のうちの1つまたは2つを組み合わせて構成することができる。第1の割れ防止ダムCD1は、バリア層、バッファ層、第1のゲート絶縁層、第2のゲート絶縁層、層間媒体層、第1の平坦層、第2の平坦層、画素制限層のうちの1つまたは複数からなる。第1の割れ防止ダムCD1の構成は、凹凸構造Tの構成と同じであってもよく、表示パネルの製造工程の複雑さを低減することができる。第1の割れ防止ダムCD1の構成と凹凸構造Tの構成とが異なっていてもよい。
【0061】
具体的には、図13に示すように、各凹凸構造Tは、ベース基板11への投影が完全な円環状である一体構造となっている。
【0062】
具体的には、図14に示すように、各凹凸構造Tは、複数の実体部T11および複数の掘削部T12を含む。実体部T11と掘削部T12とを交互に配置する。同一の凹凸構造Tにおける全ての実体部T11は、同一の中心を有する。本発明の実施の形態では、凹凸構造Tの分割設計を行うことにより、封止層9と凹凸構造Tとの密着強度をより大きくする。凹凸構造Tの分割数が大きくなるほど、封止層9と凹凸構造Tとの密着強度をより大きくすることができる。ただし、具体的な分割数は、図13に破線で示すように工程水準によって決まる。凹凸構造T中実体部T11の延長線が円環の中心に交差する。
【0063】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態と同様の表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0064】
本実施形態では、カット残領域S1には、ビアホールKの周囲に分布する少なくとも1周の凹凸構造Tおよび凹凸構造Tのベース基板11から離れる表面T1が設けられる。側面T3の少なくとも一方は凹凸状に形成される。凹凸構造Tによって封止層9との接触面積が増え、封止層の接着強度が高まる。これにより、パンチドスクリーン製造工程における切断領域の封止層の応力がバランスを取らず、レーザーカットの熱効果により応力が増幅され、封止層が剥離しやすくなり、封止不良を起こしやすくなるため、製品の生産歩留まりを低下させる問題点を改善する。
【0065】
本発明の実施形態によって提供される表示パネルは、有機エレクトロルミネッセンス表示パネル(OLED)、量子ドット発光表示パネル(QLED)であってもよい。表示パネルのその他の不可欠な構成要素は、当業者に理解されるべきであり、ここでは繰り返し説明を省略し、本発明の制限としてはいけない。この表示パネルの問題解決の原理は、上述した表示基板の問題解決の原理と同様であるため、本発明の実施形態による表示パネルの実施形態は、本発明の実施形態による上述した表示基板の実施形態を参照することができ、重複点は省略する。
本発明の実施形態は、本発明の一実施形態と同様の表示パネルを含む表示装置を提供する。携帯電話、タブレットPC、TV、モニター、ノート型パソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーション、スマートウォッチ、フィットネスバンド、パーソナルデジタルアシスタントなど、表示機能を備えた製品や部品を使用することができる。表示装置のその他の不可欠な構成要素は、当業者に理解されるべきであり、ここでは省略し、本発明の制限としてはいけない。なお、この表示装置の問題解決の原理は、上述した表示パネルの問題解決の原理と同様であるため、この表示装置の実施形態は、上述した表示パネルの実施形態を参照してもよく、重複する点は省略する。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、当業者は、基本的な創造的概念を認識すると、これらの実施形態に追加的な変更および修正を加えることができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施形態および本発明の範囲内にあるすべての変更および変更を含むものと解釈されることを意図する。
【0067】
当業者は、本発明の実施形態の精神および範囲を逸脱することなく、本発明の実施形態を種々変更および変形することができることは言うまでもない。このように、本発明の実施形態のこれらの変更および変形が、本発明の特許請求の範囲およびそれらに準ずる技術の範囲内にある場合、本発明は、これらの変更および変形も含めることを意図している。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】