(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】アンテナデバイス
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/02 20060101AFI20231206BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20231206BHJP
H01P 3/12 20060101ALI20231206BHJP
H01Q 1/32 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H01Q13/02
H01Q21/06
H01P3/12
H01Q1/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526032
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2021081922
(87)【国際公開番号】W WO2022122319
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509005502
【氏名又は名称】フーバー + スーナー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア テヘロ, アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ロマーノ, ピエトロ
(72)【発明者】
【氏名】メルリ, フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
5J014
5J021
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J014DA01
5J021AA05
5J021AA09
5J021AB07
5J021HA04
5J045HA01
5J045NA07
5J046AB02
5J046AB03
(57)【要約】
本開示は、プリント回路基板(2)と、プリント回路基板(2)に配置された電子構成要素(3)とを備えるアンテナデバイス(1)を対象とする。アンテナデバイス(1)は、信号を送信及び受信するように構成された、電子構成要素(3)に相互接続された少なくとも2つの個々のアンテナ要素(12)を備える。アンテナ要素(12)は各々、アンテナアセンブリ(6)において相互接続する少なくとも1つの導波管チャネル(9)を備える。第1の導波管アパーチャ(10)は、アンテナアセンブリ(6)の後面(16)に配置される。前記第1の導波管アパーチャ(10)は、電子構成要素(3)に相互接続され、信号を送信及び/又は受信するように構成される。第2の導波管アパーチャ(11)は、導波管アセンブリ(6)の前面(17)に配置され、また信号を送信及び/又は受信するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.プリント回路基板(2)及び前記プリント回路基板(2)に配置された電子構成要素(3)と、
b.信号を送信及び/又は受信するように構成された、前記電子構成要素(3)に相互接続された少なくとも2つの個々のアンテナ要素(12)を備えるアンテナアセンブリ(6)と、
を具備するアンテナデバイス(1)であって、
c.前記アンテナ要素(12)が各々、
i.前記アンテナアセンブリ(6)の後面(16)に配置された第1の導波管アパーチャ(10)であり、前記電子構成要素(3)に相互接続されており、信号を送信及び/又は受信するように構成された、第1の導波管アパーチャ(10)、並びに
ii.信号を送信及び/又は受信するように構成された、前記導波管アセンブリ(6)の前面(17)に配置された第2の導波管アパーチャ(11)
を前記アンテナアセンブリ(6)において相互接続する少なくとも1つの導波管チャネル(9)を備える、
アンテナデバイス(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの導波管チャネル(9)が、前記第1の導波管アパーチャ(10)に対して、一次ポート(21)によりスプリッタ(19)に相互接続された遠位端にあり、前記スプリッタ(19)が、送信対象の信号を、
a.前記スプリッタ(19)の第1の二次ポート(23)に相互接続された第1の導波管チャネル分枝(22)、及び
b.前記スプリッタ(19)の第2の二次ポート(25)に相互接続された第2の導波管チャネル分枝(24)
に分割するように構成されている、請求項1に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項3】
前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)が、互いに対して同軸に配置されている、請求項2に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項4】
前記スプリッタ(19)が、前記信号を前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)の間で分割するように構成されたくびれ部(26)を備える、請求項2又は3に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項5】
前記くびれ部26が、
a.前記第1の二次ポート(23)及び前記第2の二次ポート(25)の間の中心に配置され、信号電力が前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)の間で等しく分割され、又は、
b.前記第1の二次ポート(23)及び前記第2の二次ポート(25)の間の中心に対してオフセットして配置され、信号電力が前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)の間で不均等に分割される、
請求項4に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項6】
前記第2の導波管アパーチャ(11)が、ホーン形状である、請求項1~5のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項7】
フレア部分(36)が、前記ホーン形状の第2の導波管アパーチャ(11)に隣り合って配置されている、請求項6に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項8】
前記フレア部分(36)が、前記導波管スプリッタ(19)及び/若しくは前記導波管チャネル(9)に対して実質的に垂直に配置されている、並びに/又は、前記少なくとも1つの開口部(13)が、前記導波管スプリッタ(19)及び/若しくは前記導波管チャネル(9)に実質的に平行に配置されている、請求項6又は7に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項9】
前記フレア部分(36)が、実質的に台形の導波管チャネルとして設計されており、前記フレア部分(36)の壁のうちの少なくとも1つが、開口部(13)に対して角度(β)を付けて配置されている、請求項6~8のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項10】
複数のスプリッタ(19)が、前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)と複数のホーン形状の第2の導波管アパーチャ(11)との間で互いに対して同一直線上に配置されている、請求項6~9のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項11】
前記ホーン形状の第2の導波管アパーチャ(11)のうちの少なくとも1つが、放射パターンの偏波状態が変化するようにそれぞれの前記ホーン形状の第2の導波管アパーチャ(11)における偏波状態の旋回を導入するように構成された前記スプリッタ(19)に対する角度オフセット(α)を有する、請求項10に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項12】
前記導波管スプリッタ(19)が、
a.前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)の偏波状態が等しく偏波する、又は、
b.前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)の偏波状態が反転する
ように、電界の偏波状態を旋回させるように構成された少なくとも1つの偏向要素(27)を備える、請求項2~11のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの偏向要素(27)が、電界が実質的に水平方向から鉛直方向に90度旋回するように電界の偏波状態を旋回させ、インピーダンス整合を実現するように構成されている、請求項12に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項14】
前記導波管スプリッタ(19)が、電界の偏波状態を水平方向から鉛直方向に90度旋回させるように構成された、一次ポート(21)に隣り合って配置された少なくとも1つの偏向要素(27)と、偏波状態を鉛直方向から水平方向に再び旋回させるように構成された、前記第1の二次ポート(23)及び前記第2の二次ポート(25)に隣り合って配置された少なくとも1つの偏向要素(27)とを備える、請求項12又は13に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの偏向要素(27)が、実質的に前記導波管チャネル(9)及び/又は前記スプリッタ(19)の内側に配置され、以下の要素、すなわち、前記導波管チャネル(9)及び/又は前記スプリッタ(19)の断面(35)の内側及び/又は外側に突出するように設計された段差、凹部、チャネル、隆起、窪んだ角部の群のうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを備える、請求項12~14のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項16】
前記導波管チャネル(9)が、前記スプリッタ(19)の前記一次ポートの領域において、互いに反対側に配置され偏向要素(27)として設計された2つの窪んだ角部を備える、請求項12~15のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項17】
前記導波管チャネル(9)の長さが、前記第1の導波管チャネル分枝(22)の長さ及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)の長さを合わせたものよりも大きい、請求項1~16のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項18】
前記導波管チャネル(9)が、以下の要素、すなわち矩形、菱形、楕円形、円形の群のうちの少なくとも1つの断面(33)又はそれらの組み合わせを備え、前記断面(33)の主要な延在方向が、前記第1の導波管アパーチャ(10)及び前記第2の導波管アパーチャ(11)に実質的に平行である、請求項1~17のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項19】
前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)が各々、少なくとも1つの放射開口部(13)を備え、前記放射開口部(13)が、中心線(20)に対して同一直線上に配置されている、請求項2~18のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項20】
前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)が、前記第1の導波管チャネル分枝(22)の前記少なくとも1つの放射開口部(13)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)の前記少なくとも1つの放射開口部(13)が互いに対して同一直線上に位置合わせされるように電界を変化させるように構成された千鳥状設計に設計されている、請求項19に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項21】
前記導波管チャネル(9)並びに/又は前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び/若しくは前記第2の導波管チャネル分枝(24)が、前記断面(33)が最小化するように、チャネル周面を大きくするように構成された以下の要素、すなわちチャネル、横方向くびれ部、長手方向内方向きの突出部のうちの少なくとも1つ又はその組み合わせの形態であるリッジ(34)を備える、請求項2~20のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項22】
前記第1の導波管チャネル分枝(22)の前記少なくとも1つの放射開口部(13)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)の前記少なくとも1つの放射開口部(13)が、少なくとも1つのファンネル(28)に相互接続されており、前記ファンネル(28)が、前記第2の導波管アパーチャ(11)に相互接続されている、請求項19~21のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項23】
前記少なくとも1つのファンネル(28)が、非対称な放射パターンを実現するように前記第2の導波管アパーチャ(11)に対して非対称に横方向にずらして配置されている、請求項22に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項24】
前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)が各々、互いに対して実質的に平行に配置されており、前記少なくとも1つのファンネル(28)に相互接続された放射開口部(13)の2つのアレイ(14)を備える、請求項22に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項25】
前記2つのアレイ(14)の前記放射開口部(13)が、放射パターンを傾斜させるために異なる断面を有する、請求項24に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項26】
前記少なくとも1つのファンネル(28)が、放射開口部(13)の2つのアレイ(14)に対して横方向にオフセットして配置されている、請求項24又は25に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項27】
前記第1の導波管アパーチャ(10)を前記電子構成要素(3)に相互接続するように構成された少なくとも1つの突出部(29)が、前記後部パーツ(7)の前記後面(16)から突出する、請求項1~26のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項28】
前記後部パーツ(7)及び/又は前記前部パーツ(8)が、プラスチック材料の射出成形により作製されており、前記後部パーツ(7)及び/又は前記前部パーツ(8)が、金属及び/又は金属化プラスチック及び/又は表面が導電性である任意の他の材料から作製されている、請求項1~27のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項29】
前記第1の導波管アパーチャ(10)及び前記第2の導波管アパーチャ(11)が、互いに対して横方向にオフセットされている、請求項1~28のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項30】
前記アンテナアセンブリ(6)が、後部パーツ(7)の前面(15)及び前部パーツ(8)の後面(18)に沿って互いに相互接続された後部パーツ(7)及び前部パーツ(8)を備え、少なくとも1つの導波管チャネル(9)が、少なくとも部分的に前記後部パーツ(7)の前記前面(15)及び/又は前記前部パーツ(8)の前記後面(18)において延びる、請求項1~29のいずれか一項に記載のアンテナデバイス(1)。
【請求項31】
前記後部パーツ(7)及び/又は前記前部パーツ(8)が、導波管チャネル(19)及び/又は前記スプリッタ(19)及び/又は前記第1の導波管チャネル分枝(22)及び前記第2の導波管チャネル分枝(24)の外形を形成するように構成された、前記後部パーツの前面(15)又は前記前部パーツの後面(18)に配置された複数のピラー(30)を備える、請求項26に記載のアンテナデバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車用レーダアプリケーションにおいて用いるための、導波管を有するアンテナ装置を備えるアンテナデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術より、複数の放射要素が、例えば同じ出願人の国際公開第12110366号、国際公開第2017167916号、国際公開第2017158020号、国際公開第2018001921号から知られている。
【0003】
2019年に公開されたWaymo LLCによる米国特許第10218075号は、入力導波管チャネル、複数の波分割チャネル、及び複数の波放射チャネルを含む導波管チャネルの第1の半部を第1の金属層に形成することを伴う方法について記載している。当該方法は、第1の金属層を第2の金属層に締結することで、導波管チャネルの両半部を実質的に位置合わせすることをさらに伴う場合がある。
【0004】
2019年に公開されたNidecによる米国特許第10439298号は、導電性表面及び導電性表面における開口部を有する導電部材を備える開口部アレイアンテナについて記載している。導電部材及び導波部材のうちの少なくとも一方が、導電性表面及び/又は導波面における窪みを含み、各窪みは、任意の隣り合う部位に対して導電性表面及び導波面の間の間隔を広げるように機能する。
【0005】
2017年に公開されたNidecによる国際公開第2017175782号は、互いに隣り合う第1の開口部及び第2の開口部を有する導電部材を含むアンテナアレイについて記載している。導電部材の前面における導電性表面は、それぞれ第1の開口部及び第2の開口部と連通する第1のホーン及び第2のホーンを画定するような形状を有する。
【0006】
2020年に公開されたHuawei TechnologiesによるCN111600133Aは、誘電体プレート、マイクロストリップライン、非バンドインピーダンス変換ルール、構造を相互接続するためのラダー型シングルリッジ導波管マイクロストリップラインを備えるミリ波レーダについて記載している。
【0007】
2020年に公開されたSamsungによる米国特許出願公開第20200185802号は、導電性基部、導電性基部から上方に突出し予め定められた波伝送方向に沿って延びる導電性リッジ、導電性基部及び導電性リッジの上に配置され間隙により導電性リッジから離隔した上側導電性壁部、及び導電性基部と上側導電性壁部との間において導電性リッジに隣り合って配置された電磁バンドギャップ構造を含むリッジ導波型導波管について記載している。
【0008】
2017年に公開されたSwissStoによる米国特許出願公開第20200127358号は、定められた周波数における無線周波数信号を導波するための導波管デバイスについて記載している。当該デバイスは、外面及び内面を有する複数の側壁を有する本体を含み、これらの内面は導波管チャネルを画定する。導電層が本体の内面を覆い、導電層は、周波数における表皮深さデルタを有する金属から形成され、表皮深さデルタの少なくとも20倍大きい厚さを有する。
【0009】
2020年に公開されたEricssonによる国際公開第2020159414号は、アンテナデバイス、及び少なくとも2つのアンテナデバイスを備えるアンテナスタックについて記載している。アンテナデバイスは、第1の軸線に沿って第1の平面において延びる導波管構造を備える漏れ波アンテナ構造を備え、導波管構造は、第1の軸線に沿った2つの反対側の端部、並びに導波管構造の反対側の端部に配置された第1の給電点及び第2の給電点を備える。
【0010】
2017年に公開されたCn Elect Tech No 38 Res InstによるCN107394417Bは、矩形導波管からリッジ導波管への直列給電ネットワークについて記載している。直列給電ネットワークは、複数のリッジ導波管及び矩形導波管電力分割器を備え、リッジ導波管と矩形導波管電力分割器との間に共通の壁が形成され、この壁には、リッジ導波管及び矩形導波管電力分割器を連通させるために用いられるS字形状の間隙がこの壁に設けられる。
【0011】
2017年に公開されたCommscopeによる米国特許出願公開第20170271776号は、第1の側における入力給電部を第2の側における複数の一次結合空洞部に結合する導波管ネットワークを含む入力層と、入力層の第2の側における出力層とを備えるパネルアレイアンテナについて記載している。
【0012】
2010年に公開されたMitsubishiによる米国特許出願公開第20100321265号は、電磁波を放射又は受信するための開口部の励振分布が適切に得られる、導波管の管軸に対して傾斜した方向に偏波面を有する導波管開口部アレイアンテナ装置について記載している。
【0013】
2020年に公開されたCn Elect Tech No 38 Res InstによるCN110994080Aは、開口部導波管ロータリジョイントについて記載している。ジョイントは、開口部導波管伝送線、金属コラム、同軸導波管変換器及び金属カバープレートを備え、金属カバープレートは、複数の開口部導波管伝送線に対応して配置される。
【0014】
2012年に公開されたBAEによる米国特許出願公開第20120321246号は、非対称オープニングテッド(openingted)導波管及びそれを製造するための方法について記載している。オープニングテッド導波管は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)プロセスを用いてシリコンオンインシュレータに構築される。フォトリソグラフィプロセスを用いて1つ又は複数のウェハにフォトレジスト材料を塗布することにより、塗布後ベーク(PAB)プロセスによってウェハをベークする場合がある。
【0015】
2020年に公開されたMolex Corp.によるCN111653855Aは、導波管が、樹脂から形成された管状樹脂部、樹脂部の内面に形成された導体層、及び樹脂部により保持された取付具を含むことを記載している。
【0016】
他の出典としては、以下のものがある。IEEE Access、vol.4、pp.1258~1265、2016、doi:10.1109/ACCESS.2016.2544278におけるG.P. Le Sage、「3D Printed Waveguide Opening Array Antennas」。
【0017】
Antenna Engineering Handbook、Richard C.Johnson、1.Edition 1993、Mcgraw-Hill Professional;R.S.Elliott、Antenna theory and design、Prentice-Hall、Upper Saddle River、NJ、1981;Y.T.Lo及びS.W.Lee編、The design of waveguide-fed opening arrays、Reinhold-Van Nostrand、New York、1988におけるR.S.Elliott、Antenna handbook、;M.Khazai及びM.Khalaj-Amirhosseini、「To reduce side lobe level of openingted array antennas using nonuniform waveguides」、Int.J.RF Microw.Comput.Aided Eng.、vol. 26、no. 1、pp.42~46、2016
Mallahzadeh,A.R.及びMohammad-Ali-Nezhad,Sajad.(2012)。An Ultralow Cross-Polarization Opening Array Antenna in Narrow Wall of Angled Ridge Waveguide。Journal of communication Engineering. 1。
【0018】
A.Haddadi、C.Bencivenni及びT.Emanuelsson、「Gap Waveguide Opening Array Antenna for Automotive Applications at E-Band」、2019 13th European Conference on Antennas and Propagation (EuCAP)、Krakow、Poland、2019、pp.1~4。
【0019】
D.Zarifi、A.Farahbakhsh及びA.U.Zaman、「A V-Band Low Sidelobe Cavity-Backed Opening Array Antenna Based on Gap Waveguide」、2020 14th European Conference on Antennas and Propagation(EuCAP)、Copenhagen、Denmark、2020、pp.1~3、doi:10.23919/EuCAP48036.2020.9135836。
【発明の概要】
【0020】
例えば自動車用の、通信デバイス及びレーダアプリケーションにおけるミリ波周波数の使用が広がり続けている。アンテナは、これら全ての分野で不可欠な構成要素であり、性能、サイズ、重量及び環境基準への準拠に関する高度な要求を伴う。
【0021】
性能に関して、アンテナの利得及び効率は、システム全体のリンクバジェット(これは通信システムのリンク距離及びカバレッジ、並びに自動車用レーダの最大検出範囲につながる)に直接影響するため、非常に重要なパラメータである。通常はより低い周波数で用いられるプリント回路基板アンテナ(PCBアンテナ)も、ミリ波周波数への適用に供される。しかしながら、PCBアンテナは通常、性能に関して欠点を伴う。より具体的には、PCBアンテナは通例、平面状金属構造体を放射要素として備える。PCBアンテナは通例、誘電体基板層の上に実現され、又は誘電体基板層に一体化される。伝送/受信されるべき電力(信号)を生成/受信することが予期されるチップ又は電子構成要素とのこれらの放射要素の接続は、チップから放射部に信号を導波する追加の平面状構造体、すなわち、例えばマイクロストリップ、コプレーナ導波管、ストリップラインなどの伝送線により実現される。
【0022】
ミリ波周波数におけるこれらの放射要素及び接続の両方の実装は、通例、いくつかの重大な欠点を呈する。すなわち、それらは、基板材料の特定の誘電特性に起因して、ミリ波周波数において(特に60GHzよりも高い周波数に関して)非常に損失が多い。これらの損失は、アンテナ効率/性能を激減させ、同時に、システム内で消費される必要がある電力を増大させる。これらの損失を補償するために、送信機モードを考える場合、より多くの電力をチップにより生成する必要がある。しかしながら、これらのアプリケーションのほとんどは、システム自体により生成又は処理され得る最大電力に関して非常に繊細であるため、これが常に可能ではない。一方で受信機側においては、(例えばレーダシステムについての)検出範囲又は(例えば通信アプリケーションについての)リンクバジェットに悪影響を及ぼす受信機感度への直接的影響を伴うため、これらの損失を補償することが難しい場合がある。
【0023】
上述のPCB損失を補償するための1つのさらなる方法は、所望の範囲に達するように設計によりアンテナ指向性を増大させることである。損失はほぼ一定であるため、より高い利得が実現する。ビーム幅パターンをより細くすることで、より高い指向性が得られるが、これは通常、伝送のための視野を大きく低減させることになる。
【0024】
PCBアンテナは通常、狭帯域性能(5%程度)を提供し、これは、最大20%の帯域幅が必要とされる新進の通信ネットワーク及び自動車用レーダアプリケーションにおいて制限となる場合がある。それに加えて、ミリ波周波数アプリケーションに好適な基板材料は、一般に高価であり、システム全体の価格が上昇する。非常に高性能な構成要素及び材料を開発及び適用する必要があるため、これら全ての側面が、システム全体の複雑性及びコストに直接的影響を及ぼす。
【0025】
そこで、PCBアンテナの代替例が、ホーンアンテナ、開放端導波管放射器又は開口部と結合された空気充填導波管により示される。マイクロ波及びミリ波で用いられる汎用の空気充填導波管は、(金属の導電性によっては)無視できるほどの損失で電磁信号を点Aから点Bへと導波することが可能な中空状の導電性パイプである。
【0026】
それらの、ミリ波周波数におけるほぼ無損失の性能(標準的なPCBと比較した場合に最大10倍の向上)及び広帯域の潜在能力(最大20%の比帯域)に起因して、ホーンアンテナ、開放端導波管放射器又は金属層における開口部と結合された金属導波管は、ミリ波周波数通信及び自動車用レーダアプリケーションにおいて用いられ得る高性能なアンテナの実現のための強力な組み合わせとなる。導波管構成要素について考慮すべき1つの側面は、それらのサイズに関連し、これは動作周波数に直接関連する。より具体的には、それは周波数に反比例する(すなわち、伝搬信号の波長に正比例する)。これは、周波数がより高いほど、導波管断面がより小さくなることを意味する。一例として、自動車用レーダの典型的な周波数である77GHz動作用の標準的な矩形導波管は、3mm×1.5mm程度の断面を有し、これは一定程度低減され得る。これらの周波数(ミリ波)において、伝搬信号の波長は、非常に小さい(77GHzにおいて約3.9mm)。したがって、規格設計に対する小さな機械的ばらつきによって導波構造又は放射構造の電磁的特性に予期しない変化が生じ、結果として性能が低下し、システム全体の機能性に直接影響する場合があるため、製造公差が重要な役割を果たす。導波管ベースのアンテナ及び構成要素の開発における製造公差の重要性は、それらが作製され得る方法に対していくつかの制限を課す。
【0027】
標準的なミリ波周波数導波管アセンブリは通常、高精度ミリング、微細機械加工等のような非常に低公差の要件を有する先進的な機械加工技法を用いて製造される。しかしながら、これらの技法は、通常、アンテナ給電点を放射構造と接続する複雑な電力分割/結合ネットワークを必要とするため、空気充填導波管技術に基づく高性能ミリ波周波数アレイアンテナを実装する必要がある場合に制限を示す。通常、放射構造及び給電ネットワークの両方が、低公差(数十ミクロン程度)を必要とし、アンテナを一体に製造することを不可能にする特定の機構を含む。加えて、これらの標準的な高精度製造技法は高価であり、全体で毎年数千万のアンテナを要求し得る自動車用レーダのような特定のアプリケーションにより生じる大量の生産量とほとんど適合しない。
【0028】
本開示の態様は、例えばプリント回路基板(PCB)に対する導波管技術の大幅な性能の利点に基づいて、これらの製造上の制限/欠点に対処するためのものである。
【0029】
性能に関する導波管技術の上記の利点を前提として、また製造のための厳しい公差要件を考慮して、本開示の態様は、特に自動車用の、高性能なミリ波周波数導波管アンテナ及び構成要素を実現するための革新的な無線周波数での機械的設計と先進的な製造との組み合わせを対象とする。
【0030】
本開示に係る、例えば自動運転中に環境をキャプチャするための自動車用レーダ用レーダデバイスの形態であるアンテナデバイスは、通例、プリント回路基板(PCB)及びPCBに配置された電子構成要素を備える。アンテナデバイスは、電子構成要素に相互接続され、信号を送信及び/又は受信するように構成された少なくとも2つの個々のアンテナ要素を備えるアンテナアセンブリをさらに備える。電子構成要素は、アンテナ要素に直接、及び/又は、例えば中空状導波手段などの導波手段を介して間接的に相互接続されてもよい。アンテナ要素は通例、各々が、アンテナアセンブリの後面に配置された第1の導波管アパーチャを導波管アセンブリの前面に配置された第2の導波管アパーチャにアンテナアセンブリにおいて相互接続する少なくとも1つの導波管チャネルを備える。前記第1の導波管アパーチャは、電子構成要素に相互接続され、信号を電子構成要素から及び/又は電子構成要素に送信及び/又は受信するように構成される。第2の導波管アパーチャは、信号を遠隔ステーションに及び当てはまる場合には遠隔ステーションから送信及び/又は受信するように構成される。後面における第1の導波管アパーチャは、例えば、アンテナアセンブリの後面におけるPCBに実装された結合/放射機構を介して平面状の伝送線により電子構成要素に結合されてもよい。放射アパーチャは、ホーン形状の第2の導波管アパーチャとしても定義される、ファンネル形状の開口部として設計されてもよい。フレア部分がスプリッタ及び/又は導波管チャネルをホーン形状の第2の導波管アパーチャに相互接続する場合に、良好な結果を実現することができる。フレア部分は、スプリッタの一次ポート又は導波管チャネルの遠位端に隣り合って配置されることが好ましい。
【0031】
本明細書に記載のアンテナアセンブリは、通例、例えば上記で述べたように自動車におけるレーダアプリケーションのための、高効率な多入力多出力(MIMO)装置として設計される。そのようなアンテナアセンブリは通常、信号を同時に及び/又は特定のパターンに従って送信及び/又は受信するために互いに協働する個々のアンテナ要素を必要とする。したがって、適用分野に応じて、アンテナアセンブリは通例、互いに独立して動作可能な少なくとも2つの個々のアンテナ要素を備える。好適な変形例において、適切な場合に各アンテナ要素について独立して個々の周波数及び帯域幅を選択することができるように、個々のアンテナ要素の各々が電子構成要素に相互接続される。以下で詳細に説明するように、第2の導波管開口部がアンテナアセンブリの前面に配置された放射開口部のアレイを形成する複数の放射開口部として組み込まれる場合に、良好な結果を実現することができる。複数の放射開口部は、共に第2の導波管アパーチャを形成する。アレイの複数の放射開口部は、第1の導波管アパーチャを介してアンテナアセンブリの後面においてそれぞれの放射要素に相互接続された共通の導波管チャネルにより作動されることが好ましい。設計に応じて、アレイの放射開口部は、信号を放射及び/又は受信するように構成される。放射開口部がスロットとして設計される場合に、良好な結果を実現することができる。適用分野に応じて、放射開口部は、以下でより詳細に示す変形例から明らかとなるように、異なるジオメトリを有してもよい。
【0032】
半管内波長の間隔を有する長手方向開口部は、通例、中心線に対してオフセットされる必要がある。それらが例えば一直線に配置された場合に、開口部を位相外れで励振させる電流の特定の分布を考えると、そのような配置が必要である。しかしながら、下記の図における特定の変形例において示すように、開口部を互いに対して同一直線上に又は一直線に位置合わせすることは、利点を示す。これは、対称なパターンを実現し、主放射面の外側の不所望なローブを回避することを可能とする。好適な変形例において、これは、空気充填水平導波管の電界及び電流の分布を変化させることにより、本開示において実現される。
【0033】
放射開口部が、共通の導波管チャネル又はその分枝に一体化する前に内方に狭まる断面を有するファンネル形状の設計を鉛直方向において有することが好ましい。第1の導波管チャネル分枝の少なくとも1つの放射開口部及び第2の導波管チャネル分枝の少なくとも1つの放射開口部は、少なくとも1つのファンネルに相互接続されてもよく、ファンネルは、第2の導波管アパーチャに相互接続される。この変形例は、少なくとも1つの放射開口部の放射面を大きくすることを可能とする。好適な変形例において、ファンネルは、アパーチャに対して非対称に配置されてもよい。少なくとも1つのファンネルは、非対称な放射パターンを実現するように横方向にずらして第2の導波管アパーチャに相互接続されてもよい。非対称にずらしたファンネルは、アンテナデバイスの放射特性における傾斜を形成する。横方向のずれの影響により、アンテナ指向性における極大を生じさせることができる。これらの極大により、アンテナエネルギーを特定の領域に集束させることを助けることができる。傾斜したパターンは、レーダの所与の領域においてさらなる範囲を有するのに有用であり得る。傾斜したパターンによって局所的により広い範囲を有することが可能となるため、例えば自動車アプリケーションにおいて良好な結果を実現することができる。
【0034】
横方向にずらしたファンネルに代えて又は加えて、指向性に影響を与えるように放射開口部の断面が改変されてもよい。第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝は各々、放射開口部の2つのアレイを備えてもよい。これらのアレイは、互いに対して実質的に平行に配置されることが好ましい。好適な変形例において、2つのアレイは、少なくとも1つの共通のファンネルに相互接続される。所望の放射特性に応じて、共通のファンネルは、放射開口部の2つの列に対して横方向にオフセットして配置されてもよい。それに代えて又は加えて、2つの列の放射開口部は、放射パターンをさらに傾斜させるために異なる断面を有してもよい。開口部の断面の間の差異により、各開口部の放射の間に位相差が生じる。位相差により、パターンの放射に傾斜が生じる。
【0035】
好適な変形例において、開口部の2つのアレイが、互いに対して平行に配置される。第1のアレイの開口部の断面は、第2のアレイの開口部の断面よりも小さい又は大きい。この構成により、放射パターンの傾斜が生じる。それに代えて、1つアレイ内の隣り合う開口部の断面は異なっていてもよく、それにより、より小さい断面を有する開口部がより大きい断面を有する開口部に隣り合って配置される。より小さい断面及びより大きい断面を有する開口部が交互に隣同士で一直線に配置される場合に、良好な結果を実現することができる。これにより、放射パターンが補償され、直線的に放射する。
【0036】
放射面の増大は、信号の送信の改善に有益であり得、信号の受信の効果も改善することができる。別の変形例において、第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝は各々、少なくとも1つの放射開口部を備えてもよく、両方の該当する分枝の少なくとも1つの開口部は、中心線に対して同一直線上に配置されることが好ましい。この構成は、放射に有益であるのみでなく、省スペースな配置にも有益である。第2の導波管アパーチャが放射開口部のアレイとして組み込まれる場合、放射開口部がアンテナアセンブリの広い壁において長手方向にずれた直線状アレイとして配置されると、良好な結果を実現することができる。
【0037】
好適な変形例において、少なくとも1つの導波管チャネルは、第1の導波管アパーチャに対して、スプリッタの一次ポートにより導波管スプリッタに相互接続された遠位端にある。スプリッタは、信号を2つの部分に分割し、必要な場合には、例えば偏波状態を水平から鉛直に及び/又はその逆に回転させることにより、信号のそれらの部分の向きを調整するように構成される。スプリッタは、信号電力の第1の部分をスプリッタの第1の二次ポートに相互接続された第1の導波管チャネル分枝に誘導し、信号電力の第2の部分をスプリッタの第2の二次ポートに相互接続された第2の導波管チャネル分枝に誘導する。スプリッタの一次ポート及び二次ポートは、導波管チャネル及びそれぞれの導波管チャネル分枝の構造に完全に一体化されてもよく、したがって、必ずしも外側から視認可能でない。変形例において、スプリッタは、信号電力の一方の部分を時計回りに回転させ、他方の部分を反時計回りに回転させるように構成されてもよい。アンテナアセンブリの好適な変形例において、電界は、導波管一次ポートに達するときの水平方向(実質的にアンテナアセンブリの平面内)から導波管二次ポートにおいてスプリッタを出るときの鉛直方向(アンテナアセンブリの前面に実質的に垂直)に旋回される。
【0038】
スプリッタの変形例において、信号電力の2つの部分は、両方が同じ方向に回転される。通例、信号が等しく分割されることにより、信号(電力)の半分が各導波管チャネル分枝に流れる。入来する電力が放射アパーチャにより受信される場合、スプリッタは、逆にも動作するように構成されてもよい。したがって、スプリッタは、カプラとしても機能することができる。両方の導波管チャネル分枝からの受信信号を、1つの信号に結合することができる。第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝は、少なくとも一定の距離にわたって互いに対して同軸に配置されることが好ましい。個々のアンテナ要素の導波管チャネルは、好ましくは第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝に垂直に又は第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝に平行に配置されるスプリッタの一次ポートの領域にある。それに代えて又は加えて、個々のアンテナ要素の導波管チャネルは、第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝に対して0~90度の間の任意の角度で配置されてもよい。好適な変形例において、少なくとも1つの鉛直スプリッタが、第1の導波管チャネル分枝及び/又は第2の導波管チャネル分枝を少なくとも1つの第2の導波管アパーチャに相互接続するように配置されてもよい。信号を少なくとも2つのホーン形状の二次導波管アパーチャの間で分割するために、鉛直スプリッタが追加されてもよい。
【0039】
それに代えて又は加えて、第2の導波管アパーチャは、ホーン形状であってもよい。フレア部分がホーン形状の第2の導波管アパーチャに隣り合って配置される場合に、良好な結果を実現することができる。フレア部分は、導波管スプリッタ及び/又は導波管チャネルに対して実質的に垂直に配置されることが好ましい。変形例において、少なくとも1つの開口部は、導波管スプリッタ及び/又は導波管チャネルに実質的に平行に配置されてもよい。従来技術の既知のホーンアンテナは通常、導波管チャネル及び/又はスプリッタに対して同軸に配置されるホーンを備える。これは、比較的背の高い構造をもたらし、したがって、比較的厚く通例複数の層を備えるアンテナアセンブリをもたらす。アンテナアセンブリの高さを低減するために、ホーンが折り返されてもよい。フレア部分は、ホーンの高さを低減しつつも既知のホーンと同じ指向性を得るように構成される。したがって、折り返しホーンは、既知のホーンと同じ効率を、しかし低減した高さで有する。折り返しホーンはさらに、高い指向性を有するアンテナをもたらす。フレア部分は、実質的に台形の導波管チャネルとして設計されることが好ましい。フレア部分の壁のうちの少なくとも1つは、スプリッタに対して角度を付けて配置されてもよい。フレア角度(β)は、水平面において開始することが好ましく、それにより、既知のホーンと同じ効率を、しかし低減した高さで得ることが可能となる。
【0040】
スプリッタ又は導波管チャネルに配置される偏向要素は、通例、電界の90°の回転を導入するように構成される。スプリッタ及び/又は導波管チャネルにおいて水平に偏波した電界は、ホーンのフレア部分における電界が鉛直に偏波するように旋回される。電界をフレア部分における鉛直偏波からホーン形状の第2の導波管アパーチャにおける水平偏波に旋回させるように構成された少なくとも1つの偏向要素が、スプリッタの第1の二次ポート及び/又は第2の二次ポート又はホーン形状の第2の導波管アパーチャに隣り合って配置される。入来信号を受信する場合、偏波状態は逆に旋回される。それに代えて又は加えて、折り返しホーンは、少なくとも1つのリッジを備えてもよい。好適な変形例において、少なくとも1つの開口部は、互いに対向して配置された2つのリッジを備える。リッジは、導波管の中央部において伝搬モードの電気的遅延を導入するように構成され、これは、位相誤差をさらに低減すること及びより高い指向性値の実現に寄与する。
【0041】
それに代えて又は加えて、伝搬モードの電気的遅延を導入するように構成されたリッジ又はくびれ部が、第1の導波管チャネル分枝及び/又は第2の導波管チャネル分枝に配置されてもよい。電気的遅延は、より高い値の指向性が得られるように、位相誤差をさらに低減することを助ける。信号電力が第1の部分及び第2の部分に分割される場合、スプリッタは、例えば内方向きの突出部の形態、又はそれに代えてスプリッタにおいて第1の分枝及び第2の分枝又は第1の二次ポート及び第2の二次ポートの間の中間に配置される隔壁の形態であるくびれ部を備えてもよい。くびれ部は、信号を第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝の間で分割することを助けるように構成される。実現されるべき分布に応じて、くびれ部は、信号が第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝の間で等しく分割されるように、第1の二次ポート及び第2の二次ポートの間の中心に配置されてもよい。適切な場合、くびれ部は、信号又はその電力が第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝の間で不均等に分割されるように、第1の二次ポート及び第2の二次ポートの間の中心点に対して第1の二次ポート及び第2の二次ポートの間で片側にオフセットして配置されてもよい。本明細書に記載の構成の性能上の利点に起因して、電力の分割はほぼ無損失である。無視できる量の電力のみが、分割の間に損失する。
【0042】
偏波状態の旋回は、電界を徐々に変化及び回転させる複数の偏向要素により実現されてもよい。偏向要素は、インピーダンス整合機構として構成されることが好ましい。少なくとも1つの偏向要素は、第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝の偏波状態が等しく偏波するように、電界の偏波状態を旋回させるように構成されてもよい。それに代えて、偏向要素は、第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝における電界の偏波状態が互いに対して反転するように構成されてもよい。上記で述べたように、少なくとも1つの偏向要素は、電界が実質的に水平方向から鉛直方向に90度旋回するように電界の偏波状態を旋回させ、適切な場合にはインピーダンス整合を提供するように構成されてもよい。それに代えて又は加えて、偏向要素は、第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝の間の非対称な電力/位相分布が実現されるように、スプリッタに対して非対称に配置されてもよい。これは、ボアサイトとは異なる角度に向けることが必要であるアプリケーションに有益であり得る。少なくとも1つの偏向要素は、少なくとも1つの第2の導波管アパーチャに対して第1の導波管チャネル分枝及び/又は第2の導波管チャネル分枝の底部側に配置されてもよい。少なくとも1つの偏向要素は、ホーン要素の位相及び電力の分布を改変するように構成される。変形例において、複数のスプリッタが直列に配置されてもよい。複数のスプリッタが、第1の二次導波管チャネル分枝及び第2の二次導波管チャネル分枝と複数のホーン形状の二次導波管アパーチャとの間で互いに対して同一直線上に配置されてもよい。スプリッタが第1及び第2の二次導波管チャネル分枝に相互接続され、追加の複数のスプリッタが第1及び第2の二次導波管チャネルと複数のホーン形状の第2の導波管アパーチャとの間に配置される変形例においては、電界が多重に旋回される。
【0043】
複数のスプリッタが、第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝と複数のホーン形状の第2の導波管アパーチャとの間で互いに対して同一直線上に配置される場合に、良好な結果を実現することができる。好適な変形例において、ホーン形状の第2の導波管アパーチャのうちの少なくとも1つが、放射パターンの偏波状態が変化するようにそれぞれのホーン形状の第2の導波管アパーチャにおける偏波状態の旋回を導入するように構成されたスプリッタに対する角度オフセットを有してもよい。変形例において、スプリッタの各々が、少なくとも2つのホーン形状の開口部を備えてもよい。1つのスプリッタの少なくとも2つのホーン形状の開口部の間の振幅及び位相の関係は、偏向要素により影響され得る。好適な変形例において、第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝の電界並びに両方の分枝の振幅/位相が等しく偏波する。スプリッタが2つのホーン形状の第2の導波管アパーチャを備える変形例において、2つのホーン形状の第2の導波管アパーチャの間の振幅及び位相の関係は、第1の導波管チャネル分枝及び/若しくは第2の導波管チャネル分枝並びに/又はホーン形状の第2の導波管アパーチャに配置されたくびれ部及び/又は偏向要素により調整することができる。偏波状態が完全な水平(0°)から斜め(±45°)又は鉛直(90°)の偏波状態に変化する場合に、良好な結果を実現することができる。偏波状態は、滑らかな遷移が実現するように、一連の偏向要素により旋回されることが好ましい。図示の変形例の利点は、追加のアンテナ層なしで偏波状態を変化させることができる点である。
【0044】
他の変形例において、導波管チャネル及び/又はスプリッタの内側及び/又は外側に配置された少なくとも1つの偏向要素は、以下の要素、すなわち、導波管チャネル及び/又はスプリッタの断面の内側及び/又は外側に通例突出して断面の局所的な低減をもたらす段差、凹部、チャネル、隆起、窪んだ角部の群のうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを備える。導波管チャネルが、スプリッタの一次ポートの領域において、互いに反対側に配置され電界の偏向要素として設計された2つの窪んだ角部を備え得る場合に、良好な結果を実現することができる。本開示に係るアンテナデバイスの好適な変形例において、少なくとも1つのアンテナ要素の導波管チャネルの長さは、第1の導波管チャネル分枝の長さ及び第2の導波管チャネル分枝の長さを合わせたものよりも大きい。
【0045】
より指向性の高い又は複雑な放射パターンが必要な場合、各アンテナ要素が、1つのみよりも多くの第1の導波管チャネル分枝、及び1つの第2の導波管チャネル分枝を備えてもよい。複数列のアレイが、導波管スプリッタ及び/又は導波管チャネル分枝に対して配置されてもよい。好適な変形例において、アレイの少なくとも1つの第1の列が第1の導波管チャネル分枝に隣り合って配置され、アレイの少なくとも1つの第2の列が第2の導波管チャネル分枝に隣り合って配置される。この設計は、企業ネットワークとして知られている。企業ネットワークは、最大の指向性のために両方の列が等しい振幅及び位相で給電されるように設計される。代替的変形例において、アレイの第1の列及び第2の列は、直列給電ネットワークとして配置される。アレイの第1の列及び第2の列が中央給電導波管チャネルに隣り合って配置される場合に、良好な結果を実現することができる。好適な変形例において、アレイの第1の列及び第2の列は、中央給電導波管チャネルに対して実質的に垂直に配置される。遠位側の第2の列が位相シフトを伴って給電されることが好ましい。位相シフトにより、高指向性且つ非傾斜の放射パターンを形成することができる。
【0046】
導波管チャネルが、以下のジオメトリ、すなわち矩形、菱形、楕円形、円形の群のうちの少なくとも1つの導波管断面又はそれらの組み合わせを備える場合に、良好な結果をさらに実現することができ、断面の主要な延在方向は、第1の導波管アパーチャ及び第2の導波管アパーチャに実質的に平行である。第1の導波管アパーチャ及び第2の導波管アパーチャは、互いに対して横方向にオフセットされてもよい。このオフセットにより、各導波管チャネルの経路が、インピーダンス整合及びRF信号の低損失伝送を可能とし、異なるアンテナ要素の間の指定された位相関係を維持し、適当な製造プロセスを可能とするように最適化されることが可能となる。各導波管チャネルの断面は、頂部及び底部のアンテナ層の高精度な製造を保証するように最適化される。従来技術から知られている標準的な開口部のアレイの1つの欠点は、開口部の位置が中心線に対してオフセットされることにある。特に、このオフセットは、実効的なアンテナアパーチャの非対称な照射を生じさせ、これがまた、主放射面(すなわち方位角面及び仰角面)の外側における放射パターンの非対称性を生じさせる。これらの非対称性は通常、特定の不所望な角度におけるより高い放射レベルをもたらし、結果としてシステム全体の性能が低下する。好適な変形例において、個々のアンテナ要素の第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝は、電界を変化させるように構成される千鳥状設計で設計されてもよい。第1の導波管チャネル分枝の少なくとも1つの放射開口部及び第2の導波管チャネル分枝の少なくとも1つの放射開口部が互いに対して同一直線上に位置合わせされ得るように、電界が変化することが有利である。千鳥状設計は、開口部が一直線に配置される場合に、非対称な照射を回避するように構成される。前記の配置は、ビームチルトがより生じにくいという利点を有し、従来技術から知られている設計よりも広い帯域幅を提供する。しかしながら、標準的な中央給電アレイに基づくMIMOアンテナは、給電を水平導波管の底部を通るように誘導する必要があるため、2つよりも多くの積層を必要とする。これは、結果として製造コスト及び複雑性の増大をもたらす。
【0047】
それに代えて又は加えて、導波管チャネルは、ギャップ導波管技術に基づく一連のピラーにより少なくとも部分的に置き換えられてもよい。そのようなアンテナアセンブリにおいて、前部パーツ又は後部パーツは、好ましくは、導波管チャネル及び/又はスプリッタ及び/又は第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝の外形を少なくとも部分的に形成するピラーを少なくとも部分的に備えてもよい。ピラーは、信号を導波管チャネルを通して誘導するように構成される。前部パーツ及び後部パーツの間の直接的なオーミック接触が必ずしも必要でないため、ピラーは、前部パーツ及び後部パーツの間の潜在的な製造及び組み立ての公差を補償するように構成されるバンドギャップ構造を可能とするように配置されてもよい。電磁バンドギャップ(EBG)構造は、実質的に中空状導波管チャネルの周囲に配置される。電磁バンドギャップ構造は、所与の範囲の周波数における電磁波を遮断することを可能とし、導波管構造を実現する前部パーツ8及び後部パーツ7の間の直接的接触及び/又はオーミック接触を有する必要なく、導電性壁部として機能する。これらは通例、PCB技術におけるマッシュルーム又は導波管技術におけるピラーなどの周期的パターンを形成することにより実現される。
【0048】
適切な場合、少なくとも1つの第1の導波管アパーチャは、アンテナアセンブリの後部パーツの後面から延びる突出部に配置されてもよい。少なくとも1つの突出部は、第1の導波管アパーチャを電子構成要素に相互接続するように構成される。突出部は、電子構成要素が放射要素を介してアンテナアセンブリに相互接続される変形例に関して特に有益である。この構成において、少なくとも1つの第1の導波管アパーチャは、空隙を介して突出部に相互接続される。後部パーツの後面から突出する突出部は、放射要素と合致して配置されることが有利である。これにより、突出部を介した放射要素から第1の導波管アパーチャへの信号伝送が可能となり、これは、低損失であるため非常に効率的である。
【0049】
導波管チャネルの少なくとも1つの水平部分は、導波管の実効表面を大きくするように構成されるリッジを備え得ることが有利である。リッジは、導波管の断面を小さくすることを可能とするため、有益であり得る。リッジは、少なくとも部分的に、導波管一次ポート及び/又は導波管チャネル分枝に隣り合って配置されてもよい。
【0050】
コスト効果の高い生産の観点において、1つの目標は、最小数の積層(部品)のみを用いて製造可能なMIMOアンテナアレイを実現するための設計及び技法を実現することである。本明細書に記載の開示は、最小2つの積層を備える、例えば後部パーツ及び前部パーツを備えるアンテナアセンブリを設計するための可能性を提供する。後部パーツ及び前部パーツは、後部パーツの前面及び前部パーツの後面に沿って互いに相互接続されてもよい。少なくとも1つの導波管チャネルが少なくとも部分的に後部パーツの前面及び/又は前部パーツの後面において延びる場合に、有利な構造を実現することができる。同じことが、スプリッタ及び/又はスプリッタに相互接続された導波管チャネル分枝にも当てはまる。後部パーツの前面及び前部パーツの後面は、実質的に平坦でなくてもよい。適切な場合には、前部パーツ及び/又は後部パーツは、接触面を小さくするためにスケルトン化されてもよい。これは、最小化された接触面積により、接触面積の表面圧力が増大し、したがって、導波管チャネル及び/又はスプリッタ及び/又は第1の導波管チャネル分枝及び第2の導波管チャネル分枝の領域における前部パーツ及び後部パーツのより高精度な位置合わせが得られるため、有利である。通例、2つのパーツは、共に組み付けられ、後部パーツの前面におけるチャネル及び前部パーツの後面におけるチャネルが合致するように位置合わせされる。後部パーツ及び/又は前部パーツは、少なくとも1つのプラスチック材料の射出成形により作製されてもよい。それに代えて又は加えて、後部パーツ及び/又は前部パーツは、金属及び/又は金属化プラスチック及び/又は表面が導電性である任意の他の材料から作製されてもよい。高精度プラスチック射出成形、及び、必要な場合には金属化プロセス及び金属ダイカストなどの技法が、成形パーティングライン及び層分離に関して選定される。高精度成形パーティングラインは、2つのアンテナ層が接合された後に、電磁信号の伝搬に及ぼす影響が最小限である(すなわち、損失及び不整合が最小限である)ことが望ましい。変形例において、後部パーツ及び/又は前部パーツは、金属及び/又は金属化プラスチック及び/又は表面が導電性である任意の他の材料から作製される。導波管構成要素及びアンテナ層の設計は、様々な接合技法と適合可能であるように最適化されてもよい。変形例において、後部パーツの前面及び前部パーツの後面は、実質的に平坦である。これは、好適な接合技法が、はんだ付け、溶接、接着(導電性及び非導電性の両方)、締め付けの群のうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含み得るため、特に有利であり得る。変形例において、後部パーツ及び前部パーツは、後部パーツの前面及び前部パーツの後面に沿って互いに相互接続される。
【0051】
アンテナアセンブリは、締結インターフェースを備えてもよい。アンテナアセンブリの締結インターフェースは、アンテナデバイス全体を外部の物体、例えば自動車の構成要素に装着するように設計されることが好ましい。アンテナアセンブリは、アンテナアセンブリが別の構成要素にねじ留めされることを可能とする貫通孔を備えてもよい。アンテナアセンブリは、本開示に係るアンテナデバイスにおいて用いられることが予期される。
【0052】
アンテナアセンブリのアンテナ要素は、以下の電気的要件、すなわち、
水平偏波、
方位角面(すなわち水平面、水平偏波のE面)における広いビーム半値幅(最大±75°のHPBW)、
仰角面(すなわち鉛直面、水平偏波のH面)における狭いHPBW(最小±3)、
ボアサイトに向く主ビーム
を満たすことが好ましい。
【0053】
前述の一般的説明及び以下の詳細な説明の両方が、変形例を提示し、本開示の性質及び特性を理解するための概略又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれてその一部を構成する。図面は、様々な変形例を示し、説明と共に、開示の概念の原理及び作用を説明するために機能する。
【0054】
したがって、出願人は、本出願の全体にわたって説明されている折り返しスプリッタ及びホーンの発明概念を分割特許出願の対象とする権利を留保する。
【0055】
出願人はさらに、非対称に配置されたファンネル及び第2の導波管アパーチャの開口部の異なる断面並びに複数列のアレイの発明概念を分割特許出願の対象とする権利を留保する。
【0056】
本明細書に記載の発明は、本明細書において下記で与えられる詳細な説明及び添付の図面から、より完全に理解されるであろう。それらは、添付の特許請求の範囲に記載の発明を限定するものと考えられるべきではない。図面は、以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】前方及び上方からの斜視図における本開示に係るアンテナデバイスの第1の変形例である。
【
図2】背部及び上方からの斜視図における
図1に係るアンテナデバイスである。
【
図3】側面図における
図1に係るアンテナデバイスである。
【
図4】透過正面図における
図1に係るアンテナデバイスである。
【
図5】上方からの斜視分解図における、
図1~
図4に係るアンテナアセンブリのスケルトン化された変形例である。
【
図6】背部からの斜視分解図における、
図5に係るアンテナアセンブリである。
【
図7】斜視図における本開示に係るアンテナアセンブリである。
【
図8】斜視図における
図7に係るアンテナアセンブリの導波管チャネルのポジティブ図である。
【
図10】上方からの導波管スプリッタの第1の変形例の断面斜視図である。
【
図11】上方からの導波管スプリッタの第2の変形例の断面斜視図である。
【
図12】スプリッタ及びアレイの第1の変形例からの上方からの斜視図である。
【
図13】スプリッタ及びアレイの第1の変形例からの背部からの斜視図である。
【
図14】スプリッタ及びアレイの第2の変形例からの上方からの斜視図である。
【
図15】スプリッタ及びアレイの第2の変形例からの背部からの斜視図である。
【
図16】スプリッタ及びアレイの第3の変形例からの上方からの斜視図である。
【
図17】スプリッタ及びアレイの第3の変形例からの背部からの斜視図である。
【
図18】スプリッタ及びアレイの第4の変形例からの上方からの斜視図である。
【
図19】スプリッタ及びアレイの第4の変形例からの背部からの斜視図である。
【
図20】スプリッタ及びアレイの第5の変形例からの上方からの斜視図である。
【
図21】スプリッタ及びアレイの第5の変形例からの背部からの斜視図である。
【
図22】スプリッタ及びアレイの第6の変形例からの上方からの斜視図である。
【
図23】スプリッタ及びアレイの第6の変形例からの背部からの斜視図である。
【
図24】a~cは、ピラーを有するアンテナアセンブリの第1の変形例の上方からの斜視図である。
【
図25】第2の変形例の分解図における斜視図である。
【
図26】前方及び上方からの斜視図における
図1に係るアンテナデバイスの第2の変形例である。
【
図27】上方からの斜視分解図における
図26に係るアンテナデバイスである。
【
図28】上方からの導波管スプリッタの第3の変形例の断面斜視図である。
【
図29】上方からの導波管スプリッタの第4の変形例の断面斜視図である。
【
図30】スプリッタ及びアレイの第7の変形例からの背部及び上方からの斜視図である。
【
図31】スプリッタ及びアレイの第7の変形例からの前方からの斜視図である。
【
図32】スプリッタ及びアレイの第8の変形例からの背部及び上方からの斜視図である。
【
図33】スプリッタ及びアレイの第8の変形例からの前方からの斜視図である。
【
図34】スプリッタ及びアレイの第9の変形例からの背部及び上方からの斜視図である。
【
図35】スプリッタ及びアレイの第9の変形例からの前方からの斜視図である。
【
図36】スプリッタ及びアレイの第10の変形例からの背部及び上方からの斜視図である。
【
図37】スプリッタ及びアレイの第10の変形例からの前方からの斜視図である。
【
図38】スプリッタ及びアレイの第11の変形例からの背部及び上方からの斜視図である。
【
図39】スプリッタ及びアレイの第11の変形例からの前方(
図39)からの斜視図である。
【
図40】前方及び上方からの、折り返しホーンが相互接続された導波管チャネルの遠位端の断面斜視図である。
【
図41】後部及び上方からの、
図40に係る折り返しホーンが相互接続された導波管チャネルの遠位端の断面斜視図である。
【
図42】非対称に配置されたファンネル空洞部を有するスプリッタ及びアレイの第12の変形例の側面図である。
【
図43】非対称に配置されたファンネル空洞部を有するアンテナデバイスの放射パターンを示す図である。
【
図44】スプリッタ及びアレイの第13の変形例からの背部及び上方からの斜視図である。
【
図45】ファンネル空洞部を有するスプリッタ及びアレイの第14の変形例からの背部及び上方からの斜視図である。
【
図46】スプリッタ及び複数の分枝アレイとして設計されたアレイの第15の変形例からの背部及び上方からの斜視図である。
【
図47】スプリッタ及び複数の分枝アレイとして設計されたアレイの第16の変形例からの背部及び上方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
ここで、特定の実施形態及び変形例を詳細に参照する。その例が添付の図面に示されており、図面には全てではなく一部の特徴が示されている。実際、本明細書に開示の実施形態及び変形例は、多数の異なる形態で具現されてもよく、本明細書に記載の実施形態及び変形例に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、該当する法的要件を本開示が満足するように提供されている。可能な場合には常に、同様の参照番号が、同様の構成要素又は部分を指すように用いられる。
【0059】
図1は、前方及び上方からの斜視図における本開示に係るアンテナデバイス1の第1の変形例を示す。
図2は、背部及び上方からの斜視図における
図1に係るアンテナデバイス1を示す。
図3は、側面図における
図1に係るアンテナデバイス1を示す。
図4は、正面図における
図1に係るアンテナデバイス1を示し、内部の情報を提供するために隠線が示されている。
図5は、上方からの斜視分解図における、
図1~
図4に係るアンテナアセンブリの代替的なスケルトン化された変形例を示す。
図6は、背部及び上方からの分解斜視図における
図1に係るアンテナデバイス1を示す。
図7は、前方及び上方からの斜視図における本開示に係るアンテナアセンブリ6を示す。
図8は、
図7に係るアンテナアセンブリ6の内側に配置された通例は空気充填型の導波管チャネル9のポジティブを斜視図で示す。
図8は、
図7に係る導波管チャネル9のポジティブを示す。
図9は、
図8の部分Aを示す。
図10は、導波管スプリッタ19の第1の変形例の断面斜視図を示し、図示の変形例の導波管チャネル9は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に垂直に配置されたスプリッタ19の一次ポート21の領域にある。
図11は、導波管スプリッタ19の第2の変形例の切取図を示し、図示の変形例の導波管チャネル9は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に平行に配置されたスプリッタ19の一次ポート21の領域にある。
図12~
図13は、開口部13のアレイ14の第1の変形例並びに第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24を有する導波管スプリッタ19を示し、スプリッタ19並びに第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24は、アンテナアセンブリ6の後部パーツ7に配置される。
図14~
図15は、開口部13のアレイ14の第2の変形例並びに第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24を有する導波管スプリッタ19を示し、開口部13は、1つのファンネル28において終端する。
図16~17は、開口部13のアレイ14の第3の変形例並びに第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24を有する導波管スプリッタ19を示し、スプリッタ19並びに第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24は、アンテナアセンブリ6の前部パーツ8及び後部パーツ7に配置される。
図18~
図19は、開口部13のアレイ14の第4の変形例並びに第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24を有する導波管スプリッタ19を示し、スプリッタ19並びに第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24は、アンテナアセンブリ6の前部パーツ8に配置される。
図20~
図21は、開口部13のアレイ14の第5の変形例並びに第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24を有する導波管スプリッタ19を示し、開口部13は、互いに対して横方向にオフセットして配置される。
図22~
図23は、開口部13のアレイ14の第6の変形例並びに第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24を有する導波管スプリッタ19を示し、開口部は、互いに対して横方向にオフセットして配置され、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24は、リッジ34を備える。
図24のa、b、c及び
図25は、ピラーを有するアンテナアセンブリの第1の代替的変形例の上方からの(
図24のa~c)、及び第2の変形例の分解図(
図25)における斜視図を示す。
図26は、ホーン形状の第2の導波管アパーチャ11を有する、前方及び上方からの斜視図における
図1に係るアンテナデバイス1の第2の変形例を示す。
図27は、ホーン形状の第2の導波管アパーチャ11を有する、上方からの斜視分解図における
図26に係るアンテナデバイス1を示す。
図28は、上方からの導波管スプリッタ19の第3の変形例の断面斜視図を示す。
図29は、上方からの導波管スプリッタ19の第4の変形例の断面斜視図を示す。
図30及び
図31は、スプリッタ19及び開口部13のアレイ14の第7の変形例からの背部及び上方(
図30)並びに前方(
図31)からの斜視図を示し、直列のスプリッタ19が、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24とホーン形状の第2の導波管アパーチャ11との間に配置される。
図32及び
図33は、スプリッタ19及び開口部13のアレイ14の第8の変形例からの背部及び上方(
図32)並びに前方(
図33)からの斜視図を示し、開口部13は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に対して角度オフセット(α)されている。
図34及び
図35は、スプリッタ19及び開口部13のアレイ14の第9の変形例からの背部及び上方(
図34)並びに前方(
図35)からの斜視図を示す。
図36及び
図37は、スプリッタ19及び開口部13のアレイ14の第10の変形例からの背部及び上方(
図36)並びに前方(
図37)からの斜視図を示す。
図38及び
図39は、スプリッタ19及び開口部のアレイ14の第11の変形例からの背部及び上方(
図38)並びに前方(
図39)からの斜視図を示し、開口部13は、共通のファンネル28において終端する。
図40は、前方及び上方からの、折り返しホーンが相互接続された導波管チャネル9の遠位端の断面斜視図を示す。
図41は、後部及び上方からの、
図40に係る折り返しホーン35が相互接続された導波管チャネル9の遠位端の断面斜視図を示す。
図42は、非対称に配置されたファンネル28空洞部を有するスプリッタ19及びアレイ14の第12の変形例の側面図を示す。
図43は、非対称に配置されたファンネル28空洞部を有するアンテナデバイス1の放射パターンを示す図を示す。
図44は、スプリッタ19及び開口部のアレイ14の第13の変形例からの背部及び上方からの斜視図を示す。
図45は、ファンネル28空洞部を有するスプリッタ19及び開口部のアレイ14の第14の変形例からの背部及び上方からの斜視図を示す。
図46は、スプリッタ19及び複数の分枝アレイ14として設計された開口部のアレイ14の第15の変形例からの背部及び上方からの斜視図を示す。
図47は、スプリッタ19及び複数の分枝アレイ14として設計されたアレイ14の第16の変形例からの背部及び上方からの斜視図を示す。
【0060】
図1~
図4において最もよく視認可能であるように、アンテナデバイス1は、図示のように、電子構成要素3が配置されたプリント回路基板(PCB)2を備える。電子構成要素3は、伝送線4を介して放射要素5に相互接続される。各放射要素5は、後部の第1の導波管アパーチャ10により、アンテナアセンブリ6に配置されたアンテナ要素12のそれぞれの導波管チャネル9に相互接続される。反対側の端部において、導波管チャネル9は、信号を送信及び受信するように機能する第2の導波管アパーチャ11において終端する。一般にMIMOアンテナとして動作するアンテナアセンブリ6は、複数のアンテナ要素12を備える。アンテナアセンブリ6は、例えば金属及び/又は金属化プラスチック及び/又は表面が導電性である任意の他の材料から作製され得る後部パーツ7及び前部パーツ8を備えることが好ましい。各アンテナ要素12について、放射アパーチャ11又は第2の導波管アパーチャ11は、図示の変形例において前部パーツ8に実装され、一方で個々のアンテナ要素12の給電アパーチャ10又は第1の導波管アパーチャ10は、後部パーツ7に実装される。各第1の導波管アパーチャ10(給電導波管アパーチャ10)は、それぞれの個々のアンテナ要素12の入力として機能する。電子構成要素3(例えばPCB基板2に搭載されたレーダチップ)から入来するRF信号が、第1の導波管アパーチャ10に結合され、空気充填導波管チャネル9及び空気充填導波管スプリッタ19を通してそれぞれのアンテナアパーチャに向かって伝搬する。各導波管チャネル9の経路は、インピーダンス整合及びRF信号の低損失伝送を可能とし、異なるアンテナ要素12の間の指定された位相関係を維持し、適当な製造プロセスを可能とするように最適化される。各導波管チャネル9の断面33は、後部パーツ7及び前部パーツ8の高精度な製造を保証するように最適化される。第1の導波管アパーチャ10の壁、導波管チャネル9、導波管スプリッタ19、及び開口部13のアレイ14は通例、金属製である、又は金属化される。適切な場合には、アンテナ要素12の一部が送信機(TX)専用として機能してもよく、要素の一部が受信機(RX)専用として機能してもよい。各放射アパーチャ11は、上側の前部パーツ8の前面17に配置された開口部13のアレイ14からなる。各給電要素は、アンテナアセンブリ6の後部パーツ7の後面16に配置された給電アパーチャ10からなる。図示の変形例におけるアンテナアセンブリ6の後部パーツ7は、第1の導波管アパーチャ10を電子構成要素3に相互接続するように構成された後部パーツ7の後面16から突出する突出部29を備える。
【0061】
図5~
図6は、上方(
図36)及び背部(
図37)及び側面図(
図38)からの
図1~
図4に係るアンテナアセンブリの変形例の斜視図を示す。アンテナアセンブリ6の図示の変形例の前部パーツ8及び後部パーツ7は、部分的にスケルトン化されている。スケルトン化された設計により、後部パーツの前面15及び前部パーツの後面16が、チャネル境界部及び周縁部に沿って互いに部分的にのみ相互接続されることが可能となる。これにより、前部8パーツと後部パーツ7との間のより良好な嵌合が生じる。
【0062】
図7~
図9において最もよく視認可能であるように、
図7に係る図示の変形例、及び、ここで図示する変形例のアンテナ要素12の配置されている数は、例示のみの目的で選定されている。実際のアプリケーションにおいては、異なる配置及び異なる数のアンテナ要素が実装されてもよい。
図7から最もよく見ることができるように、アンテナデバイス1の後部パーツ7及び/又は前部パーツ8は、プラスチック材料の射出成形により作製され、後部パーツ7及び/又は前部パーツ8は、金属及び/又は金属化プラスチック及び/又は表面が導電性である任意の他の材料から作製される。
図7により示すアンテナアセンブリ6の後部パーツ7及び前部パーツ8は、後部パーツ7の前面15及び前部パーツ8の後面18に沿って互いに相互接続され、少なくとも1つの導波管チャネル9が、少なくとも部分的に後部パーツ7の前面15及び/又は前部パーツ8の後面18において延びる。
【0063】
図8及び
図9から最もよく視認可能であるように、図示の変形例は、第1の導波管アパーチャ10に対して、一次ポート21によりスプリッタ19に相互接続された遠位端にある導波管チャネル9を備える。図示の変形例のスプリッタ19は、送信対象の信号の電力をスプリッタ19の第1の二次ポート23に相互接続された第1の導波管チャネル分枝22及びスプリッタ19の第2の二次ポート25に相互接続された第2の導波管チャネル分枝24に分割するように構成される。
図8及び
図9における図示の変形例の導波管チャネル9は、スプリッタ19の一次ポートの領域において、互いに反対側に配置され偏向要素27として設計される2つの窪んだ角部を備える。図示の変形例の偏向要素27は、電界の偏波状態を旋回させるように構成される。電界は、電界が実質的に水平方向から鉛直方向に90度旋回し、インピーダンス整合が実現するように、図示の偏向要素27により旋回される。第1の導波管アパーチャ10及び第2の導波管アパーチャ11に対して、水平方向は実質的に垂直であり、鉛直方向は実質的に平行である。
【0064】
図8は、アンテナアセンブリ6の内部の中空状構造(すなわち空気充填導波管ベースの要素)をポジティブにより模式的に示す。
図8において最もよく見ることができるように、第1の導波管アパーチャ10及び第2の導波管アパーチャ11は、互いに対して横方向にオフセットされる。導波管チャネル9の長さが、第1の導波管チャネル分枝22の長さ及び第2の導波管チャネル分枝24の長さを合わせたものよりも実質的に大きいことを、さらに見ることができる。
図9において最もよく視認可能であるように、図示の導波管チャネル9は、実質的に菱形の形状である導波管断面33を少なくとも備える。代替的変形例においては、以下の要素、すなわち矩形、菱形、楕円形、円形の群のうちの他のジオメトリ又はそれらの組み合わせも用いることができる。断面33の主要な延在方向は、第1の導波管アパーチャ10及び第2の導波管アパーチャ11に実質的に平行である。図示の変形例の第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24は各々、少なくとも1つの放射開口部13を備え、放射開口部13は、中心線20に対して同一直線上に配置される。
図9に示す開口部13の数は、例示のみを目的としたものであり、仰角面(すなわちy-z平面)における放射パターンを調整するために増大されてもよい。導波管部分の水平方向のずれが千鳥状に生じる、すなわち、1つの導波管部分が+x方向にずれた場合に後続の1つが-x方向にずれるように、任意の追加の開口部13が追加されてもよい。
【0065】
図10及び
図11から最もよく視認可能であるように、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24の2つの図示の変形例は、互いに対して同軸に配置される。
図10において視認可能であるように、図示の変形例の導波管チャネル9は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に平行に配置されたスプリッタ19の一次ポート21の領域にある。
図11に示す代替的変形例において、図示の変形例の導波管チャネル9は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に垂直に配置されたスプリッタ19の一次ポート21の領域にある。スプリッタは、信号を第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24の間で分割するように構成されるくびれ部26を備えてもよい。
図10から見ることができるように、第1の変形例において、くびれ部26は、第1の二次ポート23及び第2の二次ポート25の間の中心に配置され、信号電力は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24の間で等しく分割される。それに代えて、くびれ部は、信号電力が第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24の間で不均等に分割されるように、第1の二次ポート23及び第2の二次ポート25の間の中心に対してオフセットして配置されてもよい。
図10及び
図11に係るスプリッタ19の両方の変形例は、電界の偏波状態を旋回させるように構成される少なくとも1つの偏向要素27を備える。
図10に係るスプリッタ19の偏向要素27は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24の偏波状態が等しく偏波するように構成される。
図11に係るスプリッタ19の偏向要素27は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24の偏波状態が反転するように構成される。
図10及び
図11に示すように、少なくとも1つの偏向要素27は、導波管チャネル9及び/又はスプリッタ19の内側及び/又は外側に配置され、以下の要素、すなわち、導波管チャネル9及び/又はスプリッタ19の断面の内側及び/又は外側に突出するように設計された段差、凹部、チャネル、隆起、窪んだ角部の群のうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを備える。
【0066】
図12~
図19は、複数の好適な変形例を示す。これらの図に示す全ての変形例は、互いに対して同一直線上に配置される開口部を備える。開口部13を位置合わせすることは、対称なパターンを実現し、主放射面の外側の不所望なローブを回避することを可能とするので、特に有利である。これは、空気充填水平導波管の電界及び電流の分布を変化させることにより、本開示で実現される。これら全ての変形例の千鳥状設計は、矩形状導波管9の標準的な電流分布を旋回させることを可能とする不連続部を生じさせる。このずれは、電流最大値が半管内波長の距離において同位相になるように最適化され、y方向に位置合わせされる。それにより、放射開口部13の直列配置が可能となる。
【0067】
図12~
図13は、開口部13のアレイ14の第1の変形例からの上方(
図12)及び背部(
図13)からの斜視図並びに側面図(
図14)を示す。これらの図は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に実質的に平行に配置されたコンパクトな導波管スプリッタ19による放射開口部13のアレイ14の中央給電を示す。図示の変形例の導波管スプリッタ19は、くびれ部を利用して、導波管一次ポート21を通して入る鉛直向きの信号を2つの水平向きの信号に等しく分割する。分割された信号は、第1の二次ポート23及び第2の二次ポート25を通して励振する。くびれ部27を利用して、信号の第1の部分は第1の導波管チャネル分枝22に入り、第2の部分は第2の導波管チャネル分枝24に入る。これらの図は、全ての放射開口部13が個々の集束空洞部28に結合される変形例を示す。この変形例は、放射アパーチャのサイズを増大させることを可能とし、それにより指向性(及び結果として利得)に対する直接的な好影響が生じる。
【0068】
図14~
図15は、開口部13のアレイ14の第2の変形例からの上方(
図18)及び背部(
図19)からの斜視図並びに側面図(
図20)を示す。これらの図は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に実質的に平行に配置されたコンパクトな導波管スプリッタ19による放射開口部13のアレイ14の中央給電を示す。図示の変形例の導波管スプリッタ19は、くびれ部を利用して、導波管一次ポート21を通して入る鉛直向きの信号を2つの水平向きの信号に等しく分割する。これらの図は、単一の集束空洞部28が放射開口部13に配置される変形例を示す。この変形例は、放射アパーチャのサイズを増大させることを可能とし、それにより指向性(及び結果として利得)に対する直接的な好影響が生じる。に示すように
【0069】
図16~
図17は、開口部13のアレイ14の第3の変形例からの上方(
図24)及び背部(
図25)からの斜視図並びに側面図(
図26)を示し、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に実質的に垂直に配置されたコンパクトな導波管スプリッタ19による放射開口部13のアレイ14の中央給電を示す。図示の変形例の導波管スプリッタ19は、くびれ部を利用して、導波管一次ポート21を通して入る鉛直向きの信号を2つの水平向きの信号に等しく分割する。分割された信号は、第1の二次ポート23及び第2の二次ポート25を通して励振する。くびれ部26を利用して、信号の第1の部分は第1の導波管チャネル分枝22に入り、第2の部分は第2の導波管チャネル分枝24に入る。
【0070】
図18~
図19は、開口部13のアレイ14の第4の変形例からの上方(
図27)及び背部(
図28)からの斜視図並びに側面図(
図29)を示し、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に実質的に平行に配置されたコンパクトな導波管スプリッタ19による放射開口部13のアレイ14の中央給電を示す。図示の変形例の導波管スプリッタ19は、くびれ部26を利用して、導波管一次ポート21を通して入る鉛直向きの信号を2つの水平向きの信号に等しく分割する。分割された信号は、第1の二次ポート23及び第2の二次ポート25を通して励振する。くびれ部27を利用して、信号の第1の部分は第1の導波管チャネル分枝22に入り、第2の部分は第2の導波管チャネル分枝24に入る。
【0071】
図20~
図21は、開口部13のアレイ14の第5の変形例からの上方(
図30)及び背部(
図31)からの斜視図並びに側面図(
図32)を示す。第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に実質的に垂直に配置されたコンパクトな導波管スプリッタ19による放射開口部13のアレイ14の中央給電を示す。図示の変形例の導波管スプリッタ19は、くびれ部26を利用して、導波管一次ポート21を通して入る鉛直向きの信号を2つの水平向きの信号に等しく分割する。分割された信号は、第1の二次ポート23及び第2の二次ポート25を通して励振する。くびれ部26を利用して、信号の第1の部分は第1の導波管チャネル分枝22に入り、第2の部分は第2の導波管チャネル分枝24に入る。図示の変形例において、アレイ14の開口部は、互い及び中心線20に対してオフセットして配置される。
【0072】
図22~
図23は、開口部のアレイの第6の変形例からの上方(
図33)及び背部(
図34)からの斜視図並びに側面図(
図35)を示す。
図33~
図35の変形例は、リッジ34を除いて、
図20~
図21の変形例と実質的に同様である。リッジ34は、第1のチャネル分枝22及び第2のチャネル分枝24の表面積を増大させることを可能とするために配置され、したがって、結果として得られる導波管チャネル分枝の断面33を小さくすることができる。図示の変形例において、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に実質的に垂直に配置されたコンパクトな導波管スプリッタ19により、放射開口部13のアレイ14の中央給電が実現される。図示の変形例の導波管スプリッタ19は、くびれ部を利用して、導波管一次ポート21を通して入る鉛直向きの信号を2つの水平向きの信号に等しく分割する。分割された信号は、第1の二次ポート23及び第2の二次ポート25を通して励振する。くびれ部27を利用して、信号の第1の部分は第1の導波管チャネル分枝22に入り、第2の部分は第2の導波管チャネル分枝24に入る。に示すように
【0073】
図24のa、b、c及び
図25は、アンテナアセンブリ6の代替的変形例を示し、後部パーツ7及び/又は前部パーツ8は、導波管チャネル9を形成し信号を誘導するように構成される、後部パーツの前面15又は前部パーツの後面18に配置された複数のピラー30を備える。この場合、前部パーツ8及び後部パーツ7の間の直接的なオーミック接触が必ずしも必要でないため、ピラー30は、前部パーツ8及び後部パーツ7の間の潜在的な製造及び組み立ての公差を補償するように構成されるバンドギャップ構造を可能とするように配置される。
図24のa、b、c及び
図25に示す全ての変形例は、中空状導波管チャネル9の周囲の電磁バンドギャップ(EBG)構造を備える。電磁バンドギャップ構造は、所与の範囲の周波数における電磁波を遮断することを可能とし、導波管構造を実現する前部パーツ8及び後部パーツ7の間の直接的接触及び/又はオーミック接触を有する必要なく、導電性壁部として機能する。これらは通例、PCB技術におけるマッシュルーム又は導波管技術におけるピラー30などの周期的パターンを形成することにより実現される。
【0074】
図26及び
図27において最もよく視認可能であるように、アンテナアセンブリ6の第2の変形例は、ホーン形状である第2の導波管アパーチャ11を備える。アンテナ要素12に相互接続された導波管チャネル9は、後部の第1の導波管アパーチャ10によりアンテナアセンブリ6に配置される。反対側の端部において、導波管チャネル9は、信号を送信及び/又は受信するように機能する第2の導波管アパーチャ11において終端する。一般にMIMOアンテナとして動作するアンテナアセンブリ6の図示の変形例は、複数のアンテナ要素12を備える。アンテナアセンブリ6は、例えば金属及び/又は金属化プラスチック及び/又は表面が導電性である任意の他の材料から作製され得る後部パーツ7及び前部パーツ8を備えることが好ましい。各アンテナ要素12について、放射アパーチャ11又は図示の変形例においてはホーン形状の第2の導波管アパーチャ11は、図示の変形例において前部パーツ8に実装され、一方で個々のアンテナ要素12の給電アパーチャ10又は第1の導波管アパーチャ10は、後部パーツ7に実装される。各導波管チャネル9の経路は、インピーダンス整合及びRF信号の低損失伝送を可能とし、異なるアンテナ要素12の間の指定された位相関係を維持し、適当な製造プロセスを可能とするように最適化される。各導波管チャネル9の断面33は、後部パーツ7及び前部パーツ8の高精度な製造を保証するように最適化される。第1の導波管アパーチャ10の壁、導波管チャネル9、導波管スプリッタ19、及び開口部13のアレイ14は通例、金属製である、又は金属化される。適切な場合には、アンテナ要素12の一部が送信機(TX)専用として機能してもよく、要素の一部が受信機(RX)専用として機能してもよい。図示の変形例において、アンテナアセンブリ6は、複数のホーン形状の第2の導波管アパーチャ11を備え、アンテナ要素12のうちのいくつかは、上側の前部パーツ8の前面17に配置される開口部13のアレイ14として設計された放射アパーチャを備える。残りのアンテナ要素12は、ホーン形状の第2の導波管アパーチャ11として設計された開口部13を備える。各給電要素は、アンテナアセンブリ6の後部パーツ7の後面16に配置された給電アパーチャ10からなる。
図27において最もよく視認可能であるように、フレア部分36が、ホーン形状の第2の導波管アパーチャ11に隣り合って配置される。
図27において見ることができるように、フレア部分36は、実質的に台形の導波管チャネルとして設計される。
【0075】
図28及び
図29は、導波管スプリッタ19の第3の変形例(
図28)及び第4の変形例(
図29)を示す。
図10及び
図11に係る導波管スプリッタ19の第1の変形例及び第2の変形例と同様に、第3の変形例及び第4の変形例は各々、電界の偏波状態を旋回させるように構成される少なくとも1つの偏向要素27を備える。スプリッタ19の偏向要素27は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24の偏波状態が等しく偏波するように構成される。
図28に係るスプリッタ19の第4の変形例の偏波状態の旋回は、導波管スプリッタ19の一次ポート21と第1の二次ポート23及び第2の二次ポート25との間の異なる断面により実現される。
【0076】
図30及び
図31は、背部及び上方(
図30)並びに前方及び上方(
図31)からの斜視図からの開口部13のアレイ14の第7の変形例を示す。これらの図は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に実質的に平行に配置されたコンパクトな導波管スプリッタ19による放射開口部13のアレイ14の中央給電を伴う変形例を示す。図示の変形例の導波管スプリッタ19は、窪んだ角部として設計された2つの偏向要素27を利用して、導波管一次ポート21を通して入る鉛直向きの信号を2つの水平向きの信号に等しく分割する。分割された信号は、第1の二次ポート23及び第2の二次ポート25を通して励振する。信号の第1の部分は第1の導波管チャネル分枝22に入り、第2の部分は第2の導波管チャネル分枝24に入る。図示の変形例において、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24は各々、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24を複数のホーン形状の第2の導波管アパーチャ11と相互接続する複数の追加のスプリッタ19を備える。複数のスプリッタ19は、互いに対して同一直線上に配置される。偏向要素27が、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24及び/又は少なくとも少なくとも1つのくびれ部26の遠位端に配置される。2つのホーン形状の第2の導波管アパーチャ11の間の振幅及び位相の関係は、第1の導波管チャネル分枝22及び/若しくは第2の導波管チャネル分枝24並びに/又は第2の導波管アパーチャ11に配置されたくびれ部26及び偏向要素27により調整することができる。
【0077】
図32及び
図33は、背部及び上方(
図32)並びに前方及び上方(
図33)からの斜視図からの開口部13のアレイ14の第8の変形例を示す。図示の変形例は、ホーン形状の第2の導波管アパーチャ11がスプリッタ19に対して角度オフセット(α)されている点において、第7の変形例とは異なる。角度オフセットは、放射パターンの偏波状態が変化するようにそれぞれのホーン形状の第2の導波管アパーチャ11における偏波状態の旋回を導入するように構成される。偏波状態が完全な水平(0°)から斜め(±45°)又は鉛直(90°)の偏波状態に変化する場合に、良好な結果を実現することができる。図示の変形例は、実質的に45°の斜めの偏波状態への偏波状態の変化を導入するように構成される。偏波状態は、滑らかな遷移が実現するように、一連の偏向要素27により旋回される。図示の変形例の利点は、追加のアンテナ層なしで偏波状態を変化させることができる点である。
図34及び
図35は、背部及び上方(
図34)並びに前方及び上方(
図35)からの斜視図からの開口部13のアレイ14の第9の変形例を示す。図示の変形例は、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に実質的に平行に配置された導波管スプリッタ19を備える。導波管スプリッタ19に加えて、図示のアレイは、ホーン形状の第2の導波管アパーチャとして設計された鉛直スプリッタをさらに備える。
【0078】
図36及び
図37は、背部及び上方(
図36)並びに前方及び上方(
図37)からの斜視図からの開口部13のアレイ14の第10の変形例を示す。アレイの図示の変形例は、電界を鉛直から水平面に旋回させ、同時にインピーダンス整合を実現するように設計された複数の偏向要素27を備える。導波管スプリッタ19は、インピーダンス整合を保って電界を折り返すように設計される。くびれ部26は、信号を第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に分割するように設計される。くびれ部26の設計に応じて、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24の間の非対称な電力/位相分布を実現することができる。
図38及び
図39は、背部及び上方(
図38)並びに前方及び上方(
図39)からの斜視図からの開口部13のアレイ14の第11の変形例を示す。図示の変形例は、集束空洞部28がアレイの上部に配置される点において、第10の変形例とは異なる。
【0079】
図40及び
図41は、前方及び上方(
図40)並びに後部及び上方(
図41)からの、折り返しホーン35が相互接続された導波管チャネル9の遠位端の断面斜視図を示す。フレア部分36が、ホーン形状の第2の導波管アパーチャ11に隣り合って配置される。図示のフレア部分36は、導波管チャネル9に対して実質的に垂直配置され、少なくとも1つの開口部13は、導波管チャネル9に実質的に平行に配置される。それに代えて又は加えて、
図40及び
図41に示すように、ホーン形状の第2の導波管アパーチャ11は、少なくとも1つのリッジ37を備えてもよい。図示の変形例において、ホーン形状の第2の導波管アパーチャ11は、互いに対向して配置された2つのリッジ37を備える。リッジ37は、導波管の中央部において伝搬モードの電気的遅延を導入するように構成され、これは、位相誤差のさらなる低減及びより高い指向性値の実現に寄与する。
図40及び
図41において見ることができるように、フレア部分37は、実質的に台形の導波管チャネルとして設計される。フレア部分36の壁のうちの少なくとも1つは、通常、ホーン形状の第2の導波管アパーチャ11に対して角度を付けて配置される。フレア部分36の図示の変形例のフレア角度(β)は、水平面において開始し、それにより、既知のホーンと同じ効率を、しかし低減した高さで得ることが可能となる。窪んだ角部の形態である図示の偏向要素27は、電界の90°の回転を導入する。フレア部分36は、水平向きの導波管として設計される。図示の変形例において、導波管チャネル9の導波管及び/又はホーン形状の第2の導波管アパーチャ11は、鉛直向きの導波管として設計される。電界は、導波管チャネル9内の水平向きからフレア部分36内の鉛直向きに折り返される、及び/又は、フレア部分36内の鉛直向きから開口部13内の水平向きに折り返される。偏向要素27は、電界を折り返すことができるように、導波管チャネル9及び/又は開口部13に配置されてもよい。受信信号の場合、電界の向きは逆になる。
【0080】
図42は、非対称に配置されたファンネル28空洞部を有するスプリッタ19及び開口部のアレイ14の第12の変形例の側面図を示す。見ることができるように、ファンネル空洞部は、放射アパーチャ11に対して横方向にずれている。非対称に配置されたファンネル28空洞部は、アンテナデバイス1の放射特性における傾斜を形成する。横方向のずれの影響は、
図43において見ることができる。
図43は、非対称に配置されたファンネル28空洞部を有するアンテナデバイス1の放射パターンを示す図を示す。アンテナ指向性における極大を有することにより、アンテナエネルギーを特定の領域に集束させることを助けることができる。傾斜したパターンは、レーダの所与の領域においてさらなる範囲を有するのに有用であり得る。傾斜したパターンによって局所的により広い範囲を有することが可能となるため、例えば自動車アプリケーションにおいて良好な結果を実現することができる。したがって、例えば横方向から向かって来る車をアンテナデバイス1によってより早期に検出することができる。
【0081】
図44は、スプリッタ19及び開口部のアレイ14の第14の変形例からの背部及び上方からの斜視図を示す。送出信号は、2つの信号に分割され、第1の導波管チャネル分枝22及び第2の導波管チャネル分枝24に供給される。両方の導波管チャネル分枝22、24は、偏波状態を水平から鉛直に変化させる偏向要素を有する第1の部分を備える。信号は各々、放射アパーチャの2つのアレイ14を各々が含む2つの新たな分枝にさらに分割される。見ることができるように、複数の開口部13の断面は異なる。アレイは、より小さい開口部40及びより広い開口部41を備える。断面の異なる複数の開口部13を備えるアレイ14は、各開口部13の放射の間に位相差を生じさせる。位相差により、アレイ14の全体的な放射パターンの傾斜が生じる。
図45において見ることができるように、
図44に示すスプリッタ19及び開口部のアレイ14の第14の変形例は、非対称に配置されたファンネル28空洞部と組み合わされてもよい。ファンネルは、
図43の図に示す効果を得るために、横方向のずれを有して非対称に配置されてもよい。
【0082】
図46及び
図47は、複数の分枝アレイ14を有するスプリッタ19の2つの変形例を示す。より指向性の高い又は複雑な放射パターンが必要な場合は、複数のスロットアレイ14が、適切な給電ネットワークと共に水平面に配置されてもよい。
図46は、スプリッタ19及び複数の分枝アレイ14として設計された開口部のアレイ14の第15の変形例からの背部及び上方からの斜視図を示す。アレイ14の第1の列38及び第2の列39は、企業ネットワークとして配置され、最大の指向性を得るために両方の列38、39が等しい振幅及び位相で給電される。
図47は、スプリッタ19及び複数の分枝アレイ14として設計されたアレイ14の第16の変形例からの背部及び上方からの斜視図を示す。アレイ14の図示の第1の列38及び第2の列39は、直列給電ネットワークとして配置される。第2の列39は、ビームの傾斜を生じさせる及び/又は指向性を最大化する位相シフトを伴って給電される。
【0083】
むしろ、本明細書において用いられる語は、限定ではなく説明の語であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない限りにおいて、様々な変更がなされてもよいことを理解されたい。
【符号の説明】
【0084】
1 アンテナデバイス
2 プリント回路基板(PCB)
3 電子構成要素(チップ)
4 伝送線
5 放射要素(受信要素)
6 アンテナアセンブリ
7 後部パーツ(アンテナアセンブリ)
8 前部パーツ(アンテナアセンブリ)
9 導波管チャネル(中空状導電性パイプ)
10 第1の導波管アパーチャ(給電アパーチャ)
11 第2の導波管アパーチャ(アンテナアパーチャ/放射アパーチャ)
12 アンテナ要素(個々のアンテナ)
13 開口部(放射アパーチャ)
14 (開口部の)アレイ
15 前面(後部パーツ)
16 後面(後部パーツ)
17 前面(前部パーツ)
18 後面(前部パーツ)
19 導波管スプリッタ(カプラ)
20 中心線
21 一次ポート(導波管スプリッタ)
22 第1の導波管チャネル分枝
23 第1の二次ポート(スプリッタ)
24 第2の導波管チャネル分枝
25 第2の二次ポート(スプリッタ)
26 くびれ部(隔壁)
27 偏向要素(インピーダンス)
28 ファンネル(集束空洞部)
29 突出部
30 ピラー(ピン)
31 締結インターフェース
32 偏向要素
33 導波管断面
34 リッジ
35 ホーン
36 フレア部分
37 リッジ(第2の導波管アパーチャ)
38 アレイの第1の列
39 アレイの第2の列
40 より小さい開口部
41 より広い開口部
【国際調査報告】