(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】方法及び組成物
(51)【国際特許分類】
B01J 37/02 20060101AFI20231206BHJP
B01J 23/42 20060101ALI20231206BHJP
B01J 35/10 20060101ALI20231206BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B01J37/02 301B
B01J23/42 A ZAB
B01J35/10 301J
B01D53/94 245
B01D53/94 280
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530299
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(85)【翻訳文提出日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 GB2022050024
(87)【国際公開番号】W WO2022148963
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】ドーラ、ケヴィン
【テーマコード(参考)】
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、触媒物品を調製する方法であって、(a)少なくとも以下の成分:(i)アルミナと(ii)シリカ及び/又はジルコニアとを含む混合酸化物、酸化物の混合物又は分子篩を含む担体材料、チタニア、シリカ又はジルコニアのうちの少なくとも1つを含む金属酸化物ゾル、液体媒体、を組み合わせることによって、ウォッシュコート組成物を調製する工程と、(b)ウォッシュコート組成物を基材に適用して、ウォッシュコーティングを形成する工程と、(c)ウォッシュコーティングを乾燥させる及び/又は焼成する工程と、を含み、担体材料に白金族金属成分を含浸させる工程を更に含む、方法が提供される。調製された触媒物品は、内燃機関又はガスタービンからの排出物の処理、例えば、天然ガスを燃料とする内燃機関又はガスタービンからの一酸化炭素及び/又はホルムアルデヒド排出物の処理に好適であり得る。本発明は更に、このような方法において使用するためのウォッシュコート組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒物品を調製する方法であって、
(a)少なくとも以下の成分:
●(i)アルミナと(ii)シリカ及び/又はジルコニアとを含む混合酸化物、酸化物の混合物又は分子篩を含む担体材料、
●チタニア、シリカ又はジルコニアのうちの少なくとも1つを含む金属酸化物ゾル、
●液体媒体、を組み合わせることによって、ウォッシュコート組成物を調製する工程と、
(b)前記ウォッシュコート組成物を基材に適用して、ウォッシュコーティングを形成する工程と、
(c)前記ウォッシュコーティングを乾燥させる及び/又は焼成する工程と、を含み、
前記担体材料に白金族金属成分を含浸させる工程を更に含む、方法。
【請求項2】
前記担体材料が、シリカ-アルミナ混合酸化物、ジルコニア-アルミナ混合酸化物又はアルミノシリケート分子篩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記担体材料が、シリカ-アルミナ混合酸化物である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記担体材料が、1~40重量%、2~35重量%、5~35重量%又は5~30重量%の範囲のシリカ含有量を有するシリカ-アルミナ混合酸化物である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記担体材料が、≦50μm又は≦30μmのD90粒径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記担体材料を含浸溶液と接触させることによって、工程(a)の前に、前記担体材料にPGM成分を含浸させ、前記含浸溶液が、前記PGM成分を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程(a)で形成された前記ウォッシュコート組成物を、PGM成分を含む含浸溶液とブレンドすることによって、工程(a)の後かつ工程(b)の前に、前記担体材料に前記PGM成分を含浸させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
工程(c)の後に、前記担体材料に白金族金属成分を含浸させ、
(d)前記PGM成分を含む含浸溶液を前記基材に適用して、第2のコーティングを形成することと、
(e)前記第2のコーティングを乾燥させる及び/又は焼成することと、を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記白金族金属成分が、白金、パラジウム、又は白金とパラジウムとの混合物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記白金族金属成分が、硝酸白金又は酢酸白金である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記金属酸化物ゾルが、チタニアゾルである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記金属酸化物ゾルの金属酸化物が、≧100m
2/g、≧150m
2/g、≧200m
2/g、≧250m
2/g又は≧300m
2/gのBET表面積を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記金属酸化物ゾルが、≦1μm、≦0.5μm又は≦0.2μmのD50粒径を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
●(i)アルミナと(ii)シリカ及び/又はジルコニアとを含む混合酸化物、酸化物の混合物又は分子篩を含む担体材料と、
●チタニア、シリカ又はジルコニアのうちの少なくとも1つを含む金属酸化物ゾルと、
●液体媒体と、を含む、ウォッシュコート組成物。
【請求項15】
前記担体材料がシリカ-アルミナ混合酸化物であり、前記金属酸化物ゾルがチタニアゾルである、請求項14に記載のウォッシュコート組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン又はタービン、特に天然ガスを燃料とするエンジン及びタービンなどの発電装置によって発生する排気ガスを処理するための触媒物品を調製する方法に関する。本発明は更に、このような方法での使用に好適なウォッシュコート組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の運転では、天然ガスを燃料とするタービン及びエンジンは、燃焼プロセスの一部として、かなりの量の二酸化炭素(CO2)、水、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)、及び窒素酸化物(NOx)を生成する。
【0003】
最近の環境規制は、このようなタービン及びエンジンの排気から部分的に燃焼した燃料成分のレベルを減少させることの重要性に重点を置いている。これらの規制された排気物質(exhaust emission)には、一酸化炭素(CO)及びホルムアルデヒド(CH2O)が含まれる。
【0004】
このようなエンジンからの排出物を処理するために、触媒コンバータを使用することができる。触媒コンバータは、排気ガス中のこのような排出物を、大気に放出される前に、より有害でない物質に変換する。触媒コンバータは、典型的には、触媒活性材料でコーティングされた好適な基材を含む。
【0005】
コーティングされた触媒の生成において、「ウォッシュコート」として既知の組成物は、基材(例えば、セラミックモノリス)に適用される。ウォッシュコートは、液体媒体中の触媒材料の溶液、スラリー、又は懸濁液の形態を採り得る。基材上にコーティングされると、ウォッシュコートは、典型的には、焼成工程を受けて、液体媒体を除去し、触媒活性材を基材に固定する。
【0006】
CO及びホルムアルデヒドの酸化を触媒するのに好適な既知の触媒は、典型的には、好適な触媒担体上に担持された1種以上の白金族金属(platinum group metal、PGM)を用いる。触媒担体は、アルミナ又はシリカなどの高表面積耐火性金属酸化物であってもよい。しかしながら、公知の酸化触媒は、経時的に失活する場合がある。更に、燃料又は潤滑油中に存在するある種の成分は、触媒の被毒をもたらす場合がある。例えば、2ストロークエンジンの動作において、エンジンオイルに由来する排気流中の硫黄は、触媒被毒の主要な原因である。
【0007】
改良された酸化触媒、特に天然ガスを燃料とするエンジン及びタービンからのCO及びホルムアルデヒド排出物の処理に使用するための改良された酸化触媒が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示の態様によると、触媒物品を調製する方法であって、
(a)少なくとも以下の成分:
●(i)アルミナと(ii)シリカ及び/又はジルコニアとを含む混合酸化物、酸化物の混合物又は分子篩を含む担体材料、
●チタニア、シリカ又はジルコニアのうちの少なくとも1つを含む金属酸化物ゾル、
●液体媒体、を組み合わせることによって、ウォッシュコート組成物を調製することと、
(b)ウォッシュコート組成物を基材に適用して、ウォッシュコーティングを形成することと、
(c)ウォッシュコーティングを乾燥させる及び/又は焼成することと、を含み、
担体材料に白金族金属成分を含浸させる工程を更に含む、方法が提供される。
【0009】
本開示の更なる態様によると、
●(i)アルミナと(ii)シリカ及び/又はジルコニアとを含む混合酸化物、酸化物の混合物又は分子篩を含む担体材料であって、場合により白金族金属成分が含浸されている、担体材料と、
●チタニア、シリカ又はジルコニアのうちの少なくとも1つを含む金属酸化物ゾルと、
●液体媒体と、を含む、ウォッシュコート組成物が提供される。
【0010】
有利なことに、上記の方法に従って調製された触媒は、改善されたCO及び/又はホルムアルデヒド酸化安定性(すなわち、経時的に維持された活性)を提供し得ることが見出された。更に、より少ない量のPGMを使用しながら、公知の触媒と比較して改善された及び/又は同等の酸化活性を達成することができる。更に、触媒毒に対する改善された耐性、特に改善された硫黄耐性を達成することができる。
【0011】
更に、本明細書に記載の方法に従って調製された触媒は、他の固定排出制御用途、例えば、工業プロセスからの排気ガスの処理又は屋内空気処理システムにおける用途を見出すことができる。特に、本発明の方法に従って調製された触媒物品は、ガス流中に存在するオゾン(O3)の分解に有用であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の方法に従って調製された触媒物品によって達成されるCO酸化活性を、先行技術の触媒によって達成されるものと比較して示すグラフである。
【
図2】比較触媒物品によって達成されたCO酸化活性を示すグラフである。
【
図3】本開示の方法に従って調製された触媒物品によって達成されるCO酸化活性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これから、本開示を更に説明する。以下の節において、本開示の異なる態様/実施形態がより詳細に定義される。そのように定義された各態様/実施形態は、別途明確に示されていない限り、任意の他の態様/実施形態又は態様/実施形態と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利であると示された任意の特徴は、好ましい又は有利であると示された任意の他の特徴又は複数の特徴と組み合わせることができる。
【0014】
更に、本明細書において使用される際、用語「含む(comprising)」は、定義「から本質的になる(consisting essentially of)」又は「からなる(consisting of)」と交換することができる。「含む(comprising)」という用語は、指定された要素が必須であることを意味することを意図するものであるが、他の要素が追加され得、かつ依然として、請求項の範囲内に構成を形成し得る。「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、指定された材料又は工程、並びに、特許請求される発明の基本的かつ新規な特性に実質的に影響しないものに請求項の範囲を限定する。「からなる(consisting of)」という用語は、通常それに関連する不純物を除いて、列挙されたもの以外の材料を含めることに対して請求項を閉鎖する。
【0015】
ウォッシュコート組成物は、必要な成分及び任意の添加剤を組み合わせることによって調製することができる。成分の組み合わせは、混合によって、例えば撹拌によって行われてもよい。好ましくは、成分は、ウォッシュコート組成物が実質的に均一(例えば、均質)であるように、すなわち、ウォッシュコート全体にわたる成分の分布が実質的に一様であるように混合される。
【0016】
担体材料は、(i)アルミナと(ii)シリカ及び/又はジルコニアとを含む混合酸化物、酸化物の混合物又は分子篩を含む。好ましくは、担体材料は混合酸化物である。本明細書において使用される際、「混合酸化物」という用語は、単相における酸化物の混合物を指す。例えば、混合酸化物材料は、シリカ-アルミナ混合酸化物又はジルコニア-アルミナ混合酸化物であってもよい。あるいは、担体材料は、アルミノシリケート分子篩(ゼオライト)であってもよい。
【0017】
好ましくは、担体材料は、シリカ-アルミナ混合酸化物である。シリカ-アルミナ混合酸化物は、1~40重量%、2~35重量%、5~35重量%又は5~30重量%の範囲のシリカ含有量を有し得る。例えば、シリカ-アルミナ混合酸化物は、2~10重量%の範囲、例えば約5重量%のシリカ含有量を有し得る。あるいは、シリカ-アルミナ混合酸化物は、25~40重量%の範囲、例えば約30重量%のシリカ含有量を有し得る。
【0018】
概して、本発明で使用する担体材料は、粒子状である。担体材料は、≦50μm、≦30μm、≦20μm又は≦10μmのD90粒径を有し得る。粒子は、粉砕によって得ることができる。
【0019】
本明細書において使用される際、「D90粒径」という用語は、粒径分布を指す。D90粒径の値は、特定の試料中の総粒子の90体積%が存在する、以下の粒径値に対応する。D90粒径は、レーザー回折法を使用して(例えば、Malvern Mastersizer 2000を使用して)、求めることができる。
【0020】
ウォッシュコート組成物中に存在する担体材料の量は、0.5~4g/in3、好ましくは1~2g/in3の最終触媒物品中の担体材料の担持量を提供するように選択され得る。これは、当業者の能力の範囲内である。
【0021】
本明細書において使用される際、「担持量」という用語は、慣例により、基材上の触媒層中に存在する成分の濃度量を定義する。担持量の単位は、一般に、g/ft3又はg/in3で表され、使用される基材の体積に関する。
【0022】
担体材料に白金族金属成分を含浸させる工程は、担体材料をウォッシュコートの他の成分と組み合わせる前に(すなわち、本明細書に記載される方法の工程(a)の前に)行われてもよい。例えば、含浸は、担体材料を白金族金属成分を含む含浸溶液と接触させることによって行われてもよい。含浸された担体材料を、ウォッシュコート組成物の他の成分と組み合わせる前に乾燥させ及び/又は焼成してもよい。
【0023】
あるいは、工程(a)の後かつ工程(b)の前に、担体材料に白金族金属成分を含浸させてもよい。例えば、工程(a)で調製されたウォッシュコート組成物を、工程(b)で基材上に適用する前に含浸溶液とブレンドしてもよい。
【0024】
あるいは、本方法の工程(c)の後に、担体材料にPGM成分を含浸させてもよく、含浸は、白金族金属成分を含む含浸溶液と基材を接触させることによって行われてもよい。ウォッシュコートされた基材と含浸溶液との接触は、含浸溶液を基材に(例えば、乾燥及び/又は焼成されたウォッシュコーティングの上に)適用して第2のコーティングを形成することによって達成することができる。したがって、本方法は、(d)白金族金属成分を含む含浸溶液を基材に適用して、第2のコーティングを形成する工程と、(e)第2のコーティングを乾燥させる及び/又は焼成する工程と、を更に含み得る。
【0025】
含浸溶液は、白金族金属成分の水溶液であってもよい。
【0026】
白金族金属成分は、白金族金属(PGM)の塩であってもよい。特に、白金族金属成分は、PGMの硝酸塩、PGMの酢酸塩又はPGMのカルボン酸塩であってもよい。PGMは、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)又はそれらの混合物であってもよい。好ましくは、PGMは、白金、パラジウム、又は白金若しくはパラジウムの混合物である。より好ましくは、PGMは、白金である。好適な白金族金属成分としては、硝酸白金又は酢酸白金、例えばテトラアミン酢酸白金が挙げられる。
【0027】
使用される白金族金属成分の量は、基材上に形成された最終触媒層が1~100g/ft3、例えば4~90g/ft3、8~50g/ft3、又は20~35g/ft3の範囲の白金族担持量を含むように選択され得る。
【0028】
上記の乾燥工程は、120℃未満の温度、例えば、約100℃の温度で行われてもよい。焼成工程は、550℃以下、好ましくは450~550℃の範囲の温度で、3時間以下、好ましくは30分~2時間の期間にわたって行われてもよい。
【0029】
金属酸化物ゾルは、チタニア、シリカ又はジルコニアのうちの少なくとも1つを含む。本明細書において使用される際、「金属酸化物ゾル」という用語は、連続液体媒体中に分散された、少なくとも100m2/gのBET表面積を有する粒子状金属酸化物を含むコロイドを指す。好ましくは、金属酸化物ゾルは、チタニアゾル(すなわち、連続液体媒体中に分散された、少なくとも100m2/gの比表面積を有する粒子状チタニアを含むコロイド)である。
【0030】
金属酸化物ゾルの液体媒体は、水性であってもよい。
【0031】
金属酸化物ゾルの金属酸化物は、≧100m2/g、≧150m2/g、≧200m2/g、≧250m2/g又は≧300m2/gのBET表面積を有してもよい。
【0032】
金属酸化物ゾルは、チタニアが≧250m2/g又は≧300m2/gのBET表面積を有するチタニアゾルであってもよい。
【0033】
金属酸化物ゾルは、酸性であっても塩基性であってもよい。好ましくは、金属酸化物ゾルは、酸性である。例えば、金属酸化物ゾルは、0.5~5、例えば0.5~3又は0.5~2の範囲のpHを有してもよい。
【0034】
ゾルの金属酸化物粒子は、≦1ミクロン、例えば≦0.5ミクロン又は≦0.2ミクロンのD50粒径を有してもよい。ゾルの金属酸化物粒子は、≦5ミクロン、例えば≦2ミクロン、≦1ミクロン又は≦0.5ミクロンのD90粒径を有してもよい。
【0035】
本明細書において使用される際、「D50粒径」という用語は、粒径分布を指す。D50粒径の値は、特定の試料中の総粒子の50体積%が存在する、以下の粒径値に対応する。D50粒径は、レーザー回折法を使用して(例えば、Malvern Mastersizer 2000を使用して)、求めることができる。
【0036】
使用される金属酸化物ゾルの量は、基材上に形成された最終触媒層が、2.5g/in3以下、例えば≦2g/in3、≦1g/in3、≦0.5g/in3又は≦0.2g/in3の金属酸化物の担持量を含むように選択され得る。
【0037】
ウォッシュコート組成物は、他の成分が懸濁又は溶媒和されている液体媒体を更に含む。液体媒体は水性であってもよく、例えば、液体媒体は水であってもよい。好ましくは、液体媒体は、本質的に水からなる。すなわち、液体媒体は、水を含有するが、微量の非水性(例えば、有機又は無機)不純物も含有し得る。水は、脱イオン水又は脱塩水であり得る。
【0038】
ウォッシュコート組成物は、50重量%以下の固形含有量を有し得る。「固形含有量」は、ウォッシュコート組成物の総重量に基づく、組成物中に存在する固形材料の割合を意味する。ウォッシュコート組成物の固形含有量は、好ましくは20~40重量%の範囲、より好ましくは30~35重量%の範囲である。
【0039】
ウォッシュコート組成物は、酸性pHを有し得る。例えば、ウォッシュコートのpHは、<7又は≦5であってもよい。例えば、ウォッシュコート組成物は、約3のpHを有してもよい。
【0040】
ウォッシュコート組成物は、100~1000センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0041】
ウォッシュコート組成物は、レオロジー調整剤、分散剤及び/又は他の添加剤などの有機添加剤を更に含んでもよい。
【0042】
ウォッシュコート組成物中に用いられる各成分の相対量は、ウォッシュコートが所望の固形含有量を有するように選択され得る。
【0043】
好ましい基材は、両端が開口し、多くは基材の入口面から出口面まで延びているため、表面積と体積との比率が高い、複数の隣接する平行チャネルを含む、いわゆるハニカム形状を有するフロースルーモノリスを含む。触媒組成物は、使用時に、排気ガスがチャネルを通って流れる際に触媒と接触するように、チャネルの壁上にコーティングされる。
【0044】
モノリス基材は、不活性基材であってもよい。基材は、セラミック材料又は金属材料から構成され得る。例えば、基材は、コーディエライト(SiO2-Al2O3-MgO)、炭化ケイ素(SiC)、Fe-Cr-Al合金、Ni-Cr-Al合金、チタン酸アルミニウム、又はステンレス鋼合金で作製又は構成され得る。
【0045】
ハニカム基材の形状、大きさ及びセル密度は、典型的には、使用中に触媒物品中の触媒活性材の排気ガスへの曝露を最適化するように選択される。例えば、触媒物品の意図される用途が、天然ガスを燃料とする内燃機関(例えば、2ストローク往復機関)からの排出物の処理である場合、基材は、20~40インチの範囲の直径を有する円筒形又は実質的に円筒形の形状であってもよい。セル密度は、100~400cpsi(セル/平方インチ)又は200~400cpsiの範囲、例えば約300セル/平方インチであってもよい。
【0046】
あるいは、触媒物品の意図される用途がガスタービンからの排出物の処理である場合、基材は、断面が正方形又は長方形であってもよい。典型的には、このような用途では、複数のウォッシュコートされた基材が、煙道ダクトを充填するために格子状に並んで積み重ねられる。このような基材は、約24×24インチの断面積及び約3.5インチの深さを有してもよい。セル密度は、100~400cpsiの範囲、例えば200~300cpsiであってもよい。
【0047】
ハニカム基材にウォッシュコーティングを適用する1つの方法は、チャネルが実質的に垂直配向を有するように、基材を位置付け、ウォッシュコート組成物を基材の第1の面(例えば、上面)に適用し、基材の反対側の第2の面(例えば、下面)を、少なくとも部分的真空に供して、チャネルを通るウォッシュコート組成物の移動を達成することを伴う。モノリス基材は、単回用量でコーティングすることができ、基材が単一の配向のままに留まっている単一の工程でウォッシュコートを基材に適用することができる。代替的に、基材は、2回の注入においてコーティングされ得る。例えば、第1の用量では、モノリス基材は、第1の面が最上部にあり、第2の面が最下部にある、第1の配向にある。コーティングが第1の面に適用され、基材の長さ部分をコーティングする。その後、基材は、第2の面が最上部になるよう、逆さまにされる。次に、1回目の注入によってコーティングされなかった基材の部分をコーティングするために、コーティングが第2の面に適用される。国際公開第99/47260号は、モノリス基材をコーティングするための一般的方法を記載している。
【0048】
基材をコーティングする他の方法としては、基材をウォッシュコート組成物中に浸漬すること、又は基材をウォッシュコート組成物のカーテン若しくは滝に通すことが挙げられる。圧縮空気を使用して、流体を基材中に吹き込み、基材を通過させて、セルのコーティングを確実にし、また、ブロックされたセルがないか、又は実質的にないことを確実にすることができる。
【0049】
本方法が上記で定義された工程(d)及び(e)を更に含む場合、第2のコーティングを形成するための基材への含浸溶液の適用は、工程(b)におけるウォッシュコーティングの適用と類似の様式で行われ得る。
【0050】
本開示は、上述の方法によって、又は上述のウォッシュコート組成物を使用して得られた、又は得ることができる触媒物品を更に提供する。特に、このような触媒物品は、その上にコーティングされた触媒材料の層を有する基材を含む。触媒材料は、PGM成分を含浸させた担体材料であって、(i)アルミナと(ii)シリカ及び/若しくはジルコニアとを含む混合酸化物、酸化物の混合物又は分子篩を含む、担体材料と、少なくとも100m2/g、少なくとも150m2/g、少なくとも200m2/g、少なくとも250m2/g又は少なくとも300m2/gのBET表面積を有する金属酸化物であって、チタニア、シリカ又はジルコニアのうちの少なくとも1つを含む、金属酸化物と、を含み得る。好ましくは、担体材料はシリカ-アルミナ混合酸化物であり、金属酸化物はチタニアである。
【0051】
上記プロセスによって得ることができる触媒物品は、内燃機関(ディーゼルエンジン又は天然ガス若しくはメタノールを燃料とする内燃機関など)又はガスタービンからの排気ガスの処理に用いることができる。特に、触媒物品は、天然ガスを燃料とする内燃機関又は天然ガスを燃料とするタービンからのホルムアルデヒド及び/又は一酸化炭素排出物を低減するために使用することができる。加えて、触媒物品は、排気ガス又は空気流中に存在するオゾン(O3)の分解に使用されてもよい。
【実施例】
【0052】
以下の実施例を参照して、本発明を更に説明する。これは例示的なものであり、本発明を限定するものではない。
【0053】
●比較例1
アルミナ粉末を水中でスラリー化し、d50<10ミクロンに粉砕した。スラリーは、≦50%の固形含有量及び≦7のpHを有していた。スラリーをウォッシュコートとして、200セル/平方インチ(cpsi)の金属ハニカムモノリス基材に適用した。コーティングされた基材を乾燥させ、次いで525℃の温度で焼成した。テトラアミン酢酸白金を用いて含浸溶液を調製した。ウォッシュコートした金属基材上に含浸溶液をコーティングし、乾燥させた。次に、含浸させたコーティング基材を525℃で焼成した。得られた触媒は、8.25g ft-3Ptの総PGM担持量を有していた。アルミナ担持量は、1.6g/in-3であった。
【0054】
●実施例2
アルミナ-シリカ(アルミナ70%、シリカ30%)混合酸化物粉末を水中でスラリー化し、d50<10ミクロンに粉砕した。スラリーは、50%未満の固形含有量及び7未満のpHを有していた。≧300m2/gの表面積、約1のpH、それぞれ<0.2ミクロン及び<0.5ミクロンのD50及びD90粒径、並びに約20重量%のTiO2含有量を有するチタニアゾルをウォッシュコートに添加し、高せん断ミキサーで1時間混合した。次いで、得られたスラリーをウォッシュコートとして200cpsiの金属製ハニカムモノリス基材に適用し、乾燥させた。硝酸白金を酸性溶液中に含む含浸溶液を調製した。ウォッシュコートした金属基材に含浸溶液を適用し、乾燥させた。次に、含浸させたコーティング基材を525℃で焼成した。得られた触媒は、8.25g ft-3Ptの総PGM担持量を有していた。アルミナ-シリカ担持量は1.6g/in-3であり、チタニア担持量は0.178g/in-3であった。
【0055】
●比較例3
アルミナ-シリカ(アルミナ70%、シリカ30%)混合酸化物粉末を水中でスラリー化し、d50<10ミクロンに粉砕した。スラリーは、50%未満の固形含有量及び7未満のpHを有していた。次いで、得られたスラリーをウォッシュコートとして200cpsiの金属製ハニカムモノリス基材に適用し、乾燥させた。硝酸白金を酸性溶液中に含む含浸溶液を調製した。ウォッシュコートした金属基材に含浸溶液を適用し、乾燥させた。次に、含浸させたコーティング基材を525℃で焼成した。得られた触媒は、8.25g ft-3 Ptの総PGM担持量を有していた。アルミナ-シリカ担持量は、0.8g/in-3であった。
【0056】
●実施例4
アルミナ-シリカ(アルミナ70%、シリカ30%)混合酸化物粉末を水中でスラリー化し、d50<10ミクロンに粉砕した。スラリーは、50%未満の固形含有量及び7未満のpHを有していた。≧300m2/gの表面積、約1のpH、それぞれ<0.2ミクロン及び<0.5ミクロンのD50及びD90粒径、並びに約20重量%のTiO2含有量を有するチタニアゾルをウォッシュコートに添加し、高せん断ミキサーで1時間混合した。次いで、得られたスラリーをウォッシュコートとして200cpsiの金属製ハニカムモノリス基材に適用し、乾燥させた。硝酸白金を酸性溶液中に含む含浸溶液を調製した。ウォッシュコートした金属基材に含浸溶液を適用し、乾燥させた。次に、含浸させたコーティング基材を525℃で焼成した。得られた触媒は、4g ft-3 Ptの総PGM担持量を有していた。アルミナ-シリカ担持量は1.6g/in-3であり、チタニア担持量は0.178g/in-3であった。
【0057】
●一酸化炭素酸化活性
同一体積(1.0×3.5インチ)のコア試料を、上記の実施例の各々で調製した触媒物品から採取し、200,000hr-1のGHSVにおいて、選択された入口温度で以下の入口ガス混合物を使用して合成触媒活性試験(synthetic catalytic activity test、SCAT)装置で試験した:50ppmのCO、20ppmのNO、15ppmのC1プロペン、15%のO2、8%のH2O、3%のCO2及び残部N2。触媒試料を、新鮮条件下及び水熱硫黄エイジング(25ppmのSO2、15%のO2、8%のH2O、3%のCO2及び残部N2、250℃で24時間)後の両方で試験した。
【0058】
比較例1及び実施例2に関する結果を
図1に示す。
図1は、選択された入口温度での実施例1及び2の触媒物品によって達成されたCO変換率を比較する。
【0059】
比較例3及び実施例4に関する結果を
図2及び
図3に示す。
図2は、選択された入口温度での比較例3の触媒物品によって達成されたCO変換率を比較する。
図3は、選択された入口温度での実施例4の触媒物品によって達成されたCO変換率を比較する。
【0060】
図1に示されるデータによって実証されるように、両方の触媒物品は、新鮮条件下で同等のCO酸化率を達成するが、硫黄エイジング後、実施例2で調製された触媒物品のCO酸化活性は、実施例1の触媒物品と比較して有意に改善される。
【0061】
図2及び3に示されるデータによって実証されるように、新鮮条件下及びエイジング条件下の両方で、実施例4の触媒物品は、PGM担持量が有意に低減されているにもかかわらず、比較例3の触媒物品と比較して同等又は改善されたCO酸化率を提供する。
【0062】
本開示の更なる態様及び実施形態を以下に番号を振った条項に記載する。
【0063】
条項:
1.触媒物品を調製する方法であって、
(a)少なくとも以下の成分:
●(i)アルミナと(ii)シリカ及び/又はジルコニアとを含む混合酸化物、酸化物の混合物又は分子篩を含む担体材料、
●チタニア、シリカ又はジルコニアのうちの少なくとも1つを含む金属酸化物ゾル、
●液体媒体、を組み合わせることによって、ウォッシュコート組成物を調製する工程と、
(b)ウォッシュコート組成物を基材に適用して、ウォッシュコーティングを形成する工程と、
(c)ウォッシュコーティングを乾燥させる及び/又は焼成する工程と、を含み、
担体材料に白金族金属成分を含浸させる工程を更に含む、方法。
2.工程(a)が、撹拌によって成分を一緒に混合することを含む、条項1に規定された方法。
3.担体材料が、混合酸化物を含む、条項1又は2に規定された方法。
4.担体材料が、シリカ-アルミナ混合酸化物、ジルコニア-アルミナ混合酸化物又はアルミノシリケート分子篩である、条項1又は2に規定された方法。
5.担体材料が、シリカ-アルミナ混合酸化物である、条項1~4のいずれか一項に規定された方法。
6.シリカ-アルミナ混合酸化物が、1~40重量%、2~35重量%、5~35重量%又は5~30重量%の範囲のシリカ含有量を有する、条項5に規定された方法。
7.シリカ-アルミナ混合酸化物が、2~10重量%の範囲のシリカ含有量を有する、条項1~5のいずれか一項に規定された方法。
8.シリカ-アルミナ混合酸化物が、約5重量%のシリカ含有量を有する、条項7に規定された方法。
9.シリカ-アルミナ混合酸化物が、25~40重量%の範囲のシリカ含有量を有する、条項1~5のいずれか一項に規定された方法。
10.シリカ-アルミナ混合酸化物が、約30重量%のシリカ含有量を有する、条項9に規定された方法。
11.担体材料が、≦50μm又は≦30μmのD90粒径を有する、条項1~10のいずれか一項に規定された方法。
12.調製された触媒物品が0.5~4g/in3、好ましくは1~2g/in3の範囲の担体材料担持量を含むように、工程(a)で使用される担体材料の量が選択される、条項1~11のいずれか一項に規定された方法。
13.担体材料を含浸溶液と接触させることによって、工程(a)の前に、担体材料にPGM成分を含浸させ、含浸溶液が、PGM成分を含む、条項1~12のいずれか一項に規定された方法。
14.工程(a)で形成されたウォッシュコート組成物を、PGM成分を含む含浸溶液とブレンドすることによって、工程(a)の後かつ工程(b)の前に、担体材料にPGM成分を含浸させる、条項1~13のいずれか一項に規定された方法。
15.基材を含浸溶液と接触させることによって、工程(c)の後に、担体材料に白金族金属成分を含浸させ、含浸溶液が、白金族金属成分を含む、条項1~13のいずれか一項に規定された方法。
16.工程(c)の後に、担体材料に白金族金属成分を含浸させ、
(d)PGM成分を含む含浸溶液を基材に適用して、第2のコーティングを形成することと、
(e)第2のコーティングを乾燥させる及び/又は焼成することと、を更に含む、条項1~13のいずれか一項に規定された方法。
17.白金族金属成分が、白金、パラジウム、又は白金とパラジウムとの混合物を含む、条項1~16のいずれか一項に規定された方法。
18.白金族金属成分が、白金を含む、条項17に規定された方法。
19.白金族金属成分が、硝酸白金又は酢酸白金である、条項18に規定された方法。
20.含浸溶液が、白金族金属成分の水溶液である、条項13~16のいずれか一項、又は条項13~16のいずれか一項に従属する場合の条項17~19のいずれか一項に規定された方法。
21.調製された触媒物品が1~100g/ft3、4~90g/ft3、8~50g/ft3又は20~35g/ft3の範囲の白金族金属担持量を含むように、含浸工程で使用される白金族金属の量が選択される、条項1~20のいずれか一項に規定された方法。
22.工程(c)において、ウォッシュコーティングを120℃未満の温度で乾燥させる、条項1~21のいずれか一項に規定された方法。
23.工程(c)において、ウォッシュコーティングを450~550℃の範囲の温度で焼成する、条項1~22のいずれか一項に規定された方法。
24.工程(e)において、第2のコーティングを120℃未満の温度で乾燥させる、条項16又は条項16に従属する場合の条項17~23のいずれか一項に規定された方法。
25.工程(e)において、第2のコーティングを450~550℃の範囲の温度で焼成する、条項16又は条項16に従属する場合の条項17~24のいずれか一項に規定された方法。
26.金属酸化物ゾルが、チタニアゾルである、条項1~25のいずれか一項に規定された方法。
27.金属酸化物ゾルの金属酸化物が、≧100m2/g、≧150m2/g、≧200m2/g、≧250m2/g又は≧300m2/gのBET表面積を有する、条項1~26のいずれか一項に規定された方法。
28.金属酸化物ゾルが、≦1μm、≦0.5μm又は≦0.2μmのD50粒径を有する、条項1~27のいずれか一項に規定された方法。
29.金属酸化物ゾルが、≦5μm、≦2μm、≦1μm又は≦0.5μmのD90粒径を有する、条項1~28のいずれか一項に規定された方法。
30.調製された触媒物品が≦2.5g/in3、≦2g/in3、≦1g/in3、≦0.5g/in3又は≦0.2g/in3の金属酸化物担持量を有するように、工程(a)で使用される金属酸化物ゾルの量が選択される、条項1~29のいずれか一項に規定された方法。
31.液体媒体が、水である、条項1~30のいずれか一項に規定された方法。
32.工程(a)で調製されたウォッシュコート組成物が、50重量%以下の固形含有量を有する、条項1~31のいずれか一項に規定された方法。
33.工程(a)で調製されたウォッシュコート組成物が、20~40重量%又は30~35重量%の範囲の固形含有量を有する、条項32に規定された方法。
34.工程(a)で調製されたウォッシュコート組成物が、<7、≦5又は約3のpHを有する、条項1~33のいずれか一項に規定された方法。
35.工程(a)で調製されたウォッシュコート組成物が、100~1000センチポアズの範囲の粘度を有する、条項1~34のいずれか一項に規定された方法。
36.基材が、フロースルーモノリス基材である、条項1~35のいずれか一項に規定された方法。
37.基材が、実質的に円筒形の形状であり、20~40インチの範囲の直径及び200~400cpsiの範囲のセル密度を有する、条項36に規定された方法。
38.基材が、実質的に正方形又は長方形の断面を有する、条項36に規定された方法。
39.
●(i)アルミナと(ii)シリカ及び/又はジルコニアとを含む混合酸化物、酸化物の混合物又は分子篩を含む担体材料と、
●チタニア、シリカ又はジルコニアのうちの少なくとも1つを含む金属酸化物ゾルと、
●液体媒体と、を含む、ウォッシュコート組成物。
40.担体材料が、混合酸化物を含む、条項38に規定されたウォッシュコート組成物。
41.担体材料が、シリカ-アルミナ混合酸化物、ジルコニア-アルミナ混合酸化物又はアルミノシリケート分子篩である、条項38又は39に規定されたウォッシュコート組成物。
42.担体材料が、シリカ-アルミナ混合酸化物である、条項40又は41に規定されたウォッシュコート組成物。
43.シリカ-アルミナ混合酸化物が、1~40重量%、2~35重量%、5~35重量%又は5~30重量%の範囲のシリカ含有量を有する、条項42に規定されたウォッシュコート組成物。
44.シリカ-アルミナ混合酸化物が、2~10重量%の範囲のシリカ含有量を有する、条項38~42のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
45.シリカ-アルミナ混合酸化物が、約5重量%のシリカ含有量を有する、条項44に規定されたウォッシュコート組成物。
46.シリカ-アルミナ混合酸化物が、25~40重量%の範囲のシリカ含有量を有する、条項38~42のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
47.シリカ-アルミナ混合酸化物が、約30重量%のシリカ含有量を有する、条項46に規定されたウォッシュコート組成物。
48.担体材料が、≦50μm又は≦30μmのD90粒径を有する、条項38~47のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
49.担体材料に白金族金属成分を含浸させる、条項38~48のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
50.白金族金属成分が、白金、パラジウム、又は白金とパラジウムとの混合物を含む、条項49に規定されたウォッシュコート組成物。
51.白金族金属成分が、白金を含む、条項50に規定されたウォッシュコート組成物。
52.白金族金属成分が、硝酸白金又は酢酸白金である、条項51に規定されたウォッシュコート組成物。
53.金属酸化物ゾルが、チタニアゾルである、条項38~52のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
54.金属酸化物ゾルが、≧100m2/g、≧150m2/g、≧200m2/g、≧250m2/g又は≧300m2/gのBET表面積を有する、条項38~53のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
55.金属酸化物ゾルが、≦1μm、≦0.5μm又は≦0.2μmのD50粒径を有する、条項38~54のいずれか一項に規定された方法。
56.金属酸化物ゾルが、≦5μm、≦2μm、≦1μm又は≦0.5μmのD90粒径を有する、条項38~55のいずれか一項に規定された方法。
57.液体媒体が、水である、条項38~56のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
58.50重量%以下の固形含有量を有する、条項38~57のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
59.20~40重量%又は30~35重量%の範囲の固形含有量を有する、条項58に規定されたウォッシュコート組成物。
60.<7、≦5又は約3のpHを有する、条項38~59のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
61.100~1000センチポアズの範囲の粘度を有する、条項38~60のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
62.有機添加剤を更に含む、条項38~61のいずれか一項に規定されたウォッシュコート組成物。
【国際調査報告】