(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】抗菌液体洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/48 20060101AFI20231206BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/29 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/14 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/06 20060101ALI20231206BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/70 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/68 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/52 20060101ALI20231206BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20231206BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20231206BHJP
C11D 3/30 20060101ALI20231206BHJP
C11D 3/33 20060101ALI20231206BHJP
C11D 3/24 20060101ALI20231206BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20231206BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20231206BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20231206BHJP
A01N 37/36 20060101ALI20231206BHJP
A01N 31/14 20060101ALI20231206BHJP
D06L 1/12 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
C11D3/48
C11D3/20
C11D1/22
C11D1/29
C11D1/14
C11D1/28
C11D1/06
C11D17/08
C11D1/72
C11D1/70
C11D1/68
C11D1/52
C11D1/75
C11D3/37
C11D3/30
C11D3/33
C11D3/24
A01N25/02
A01P1/00
A01P3/00
A01N37/36
A01N31/14
D06L1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532134
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2020138574
(87)【国際公開番号】W WO2022133790
(87)【国際公開日】2022-06-30
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】フアン、ハイヤン
(72)【発明者】
【氏名】大谷 良平
(72)【発明者】
【氏名】カオ、イージア
(72)【発明者】
【氏名】リウ、イーシィァン
【テーマコード(参考)】
4H003
4H011
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB05
4H003AB19
4H003AB21
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC03
4H003AC05
4H003AC07
4H003AC08
4H003AC13
4H003AC15
4H003BA12
4H003DA01
4H003EA18
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB09
4H003EB13
4H003EB22
4H003EB28
4H003EB30
4H003EC01
4H003EC02
4H003ED02
4H003FA07
4H003FA09
4H003FA12
4H003FA26
4H003FA28
4H003FA34
4H011AA02
4H011BA01
4H011BA05
4H011BA06
4H011BB03
4H011BB06
4H011BC03
4H011BC04
4H011BC06
4H011BC07
4H011BC18
4H011BC19
4H011DA14
4H011DF04
4H011DH02
4H011DH03
4H011DH08
(57)【要約】
ジフェニルエーテルである抗菌剤と、有機酸と、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含むアニオン性界面活性剤と、を含む、抗菌洗濯洗剤組成物であって、1.5~5.0の未希釈pHを有する、抗菌洗濯洗剤組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌液体洗剤組成物であって、
a)前記組成物の0.01重量%~3重量%の、ジフェニルエーテル類及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抗菌剤と、
b)前記組成物の4.5重量%~40重量%の有機酸と、
c)前記組成物の4重量%~60重量%の界面活性剤系と、を含み、
前記界面活性剤系は、C
6~C
20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C
6~C
20アルキルサルフェート(AS)、C
6~C
20アルキルアルコキシサルフェート(AAS)、C
6~C
20メチルエステルスルホネート(MES)、C
6~C
20アルキルエーテルカルボキシレート(AEC)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含み、
前記組成物は、1.5~5.0の未希釈pHを有する、抗菌液体洗剤組成物。
【請求項2】
1.6~4.5、好ましくは1.7~4.0、より好ましくは1.8~3.5、最も好ましくは1.9~3.1の未希釈pHを有する、請求項1に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項3】
前記洗浄サブサイクル中のスルーザウォッシュ(TTW)のpHが、2.5~6.0、好ましくは3.0~5.0、より好ましくは3.2~4.0、最も好ましくは3.3~3.8である、請求項1又は2に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項4】
前記抗菌剤が、式(I):
【化1】
(式中、
各Yは、独立して、塩素、臭素、又はフッ素から選択され、
各Zは、独立して、SO
2H、NO
2、又はC
1~C
4アルキルから選択され、
rは、0、1、2、又は3であり、
oは、0、1、2、又は3であり、
pは、0、1、又は2であり、
mは、1又は2であり、
nは、0又は1である)のヒドロキシルジフェニルエーテルであり、
好ましくは、前記抗菌剤が、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは、前記抗菌剤が、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項5】
前記抗菌剤が、前記組成物の0.01重量%~1重量%、好ましくは0.02重量%~0.5重量%、より好ましくは0.03重量%~0.3重量%、最も好ましくは0.04重量%~0.2重量%の範囲の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項6】
前記有機酸が、前記組成物の5.5重量%~30重量%、好ましくは6重量%~20重量%、より好ましくは6.5重量%~18重量%の範囲の量で存在し、
好ましくは、前記有機酸が、ヒドロキシカルボン酸であり、
より好ましくは、前記有機酸が、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤系が、前記組成物の5重量%~50重量%、好ましくは6重量%~40重量%、より好ましくは10重量%~30重量%の範囲の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤系が、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル及びソルビタンエステルのアルコキシル化誘導体、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から好ましくは選択される非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項9】
前記組成物の2重量%~35重量%、好ましくは3重量%~30重量%、より好ましくは4重量%~25重量%、最も好ましくは5重量%~20重量%のC
6~C
20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含み、
前記組成物の2重量%~35重量%、好ましくは3重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~25重量%、最も好ましくは7重量%~20重量%のC
6~C
20アルコキシル化アルコールを含み、
好ましくは、前記アニオン性界面活性剤の前記非イオン性界面活性剤に対する比が、0.05~20、好ましくは0.1~10、より好ましくは0.2~2、及び最も好ましくは0.3~1.2である、請求項7に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項10】
前記組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%の、C
10~C
16アルキルジメチルアミンオキシド及びこれらの組み合わせからなる群から好ましくは選択される両性界面活性剤を更に含み、好ましくは、前記両性界面活性剤が、ドデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミノオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項11】
全界面活性剤が、前記組成物の4重量%~50重量%、好ましくは6重量%~40重量%、より好ましくは10重量%~30重量%の範囲の量で存在する、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項12】
前記組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%のポリアミン、好ましくはポリエチレンイミン、より好ましくはアルコキシル化ポリエチレンイミンを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項13】
前記組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%のキレート剤、好ましくはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及び/又はグルタミン酸二酢酸(GLDA)を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【請求項14】
a)前記組成物の0.02重量%~0.5重量%の4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルと、
b)前記組成物の6.5重量%~18重量%のクエン酸と、
c)前記組成物の5重量%~20重量%のC
10~C
16直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと、
d)前記組成物の7重量%~20重量%のC
12~C
18アルキルエトキシレートと、を含み、
前記組成物が、1.9~3.1の未希釈pHを有する、請求項1に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌液体洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者製品は、その本来の意図される機能に加えて、抗菌の有益性に対する利用者ニーズに対処するために発展してきた。例えば、抗菌洗濯洗剤製品は、布地を洗濯すると同時に布地に対する抗菌の有益性を有するので、利用者によって所望される。現在、様々な抗菌剤、例えば、漂白剤、クロロキシレノール(Chloroxylenol、PCMX)、塩化ベンザルコニウム(Benzalkonium Chloride、BKC)、ジフェニルエーテルが、抗菌効果をもたらすために消費者製品製剤に使用されることで知られている。抗菌剤は、2つの主要なタイプを含み、一方のタイプは、洗浄中に微生物を除去するための薬剤として機能し(例えば、漂白剤、PCMX、BKC)、他方のタイプは、保管又は使用中に微生物を防止するための薬剤として機能する(例えば、ジフェニルエーテル)。
【0003】
しかしながら、液体洗剤製品という観点から、所望の抗菌効力を達成することは依然として困難である。一態様では、洗浄中に微生物を除去するための薬剤として機能する抗菌剤については、既知の活性物質は、界面活性剤との負の相互作用のため、液体洗剤製品中で作用することができない(例えば、PCMX及びBKC)、又は液体洗剤製品中に添加することができない(例えば、漂白剤)という理由から、適用可能なソリューションが依然として必要とされている。他の態様では、保存又は使用中に微生物を防止するための薬剤として機能する抗菌剤については、改善された効力も同様に必要とされている。具体的には、抗菌剤の大部分は、洗浄サイクル中に洗浄溶液とともに最終的に洗い流される。そのように、洗浄された布地には、少量の抗菌剤しか付着させることができず、したがって、これらの洗濯洗剤の実際の微生物防止効果は極めて制限される。それに応じて、液体洗剤製品においては典型的に、そのような低い付着率を補償し、得られる製品が所望される抗菌効果を有することを確実にするために、更に多量の抗菌剤が必要とされる。液体洗剤製品中の抗菌剤のそのような増量は、不可避的に、そのような製品の製造の経費及び処理の複雑さを増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、好ましくは微生物除去及び微生物防止の両方の態様において、改善された抗菌効力を可能にする液体洗剤組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示による抗菌液体洗剤組成物が上記の必要性を満たすことができること、すなわち、本開示による抗菌液体洗剤組成物が微生物除去の改善された効力及び微生物防止の改善された効力の両方をもたらすことができることは、本発明の驚くべき予想外の発見である。
【0006】
具体的には、本開示による抗菌液体洗剤組成物(すなわち、低pH製剤)では、一般的な液体洗剤組成物(すなわち、中性pH又は高pH製剤)と比較して、微生物防止の効力が有意に改善される。更に、微生物防止に加えて、本開示による抗菌液体洗剤組成物が、微生物除去(すなわち、衣類から微生物を除去すること)の効力を更にもたらすことができることは、更にいっそう驚くべきことである。
【0007】
それに応じて、本発明は、一態様では、抗菌液体洗剤組成物であって、
a)組成物の0.01重量%~3重量%の、ジフェニルエーテル類及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抗菌剤と、
b)組成物の4.5重量%~40重量%の有機酸と、
c)組成物の4重量%~60重量%の界面活性剤系と、を含み、
界面活性剤系は、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(linear alkylbenzene sulfonates、LAS)、C6~C20アルキルサルフェート(alkyl sulfates、AS)、C6~C20アルキルアルコキシサルフェート(alkyl alkoxy sulfates、AAS)、C6~C20メチルエステルスルホネート(methyl ester sulfonates、MES)、C6~C20アルキルエーテルカルボキシレート(alkyl ether carboxylates、AEC)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含み、
組成物は、1.5~5.0の未希釈pHを有する、抗菌液体洗剤組成物に関する。
【0008】
好ましくは、組成物は、1.6~4.5、好ましくは1.7~4.0、より好ましくは1.8~3.5、最も好ましくは1.9~3.1の未希釈pHを有し得る。驚くべきことに、本発明による液体洗剤組成物の未希釈pHが好ましい範囲内にある場合、微生物除去の効力は更に改善され得る。
【0009】
好ましくは、洗浄サブサイクル中のスルーザウォッシュ(through-the-wash、TTW)のpHは、2.5~6.0、好ましくは3.0~5.0、より好ましくは3.2~4.0、最も好ましくは3.3~3.8であり得る。
【0010】
具体的には、組成物は、組成物の0.01重量%~1重量%、好ましくは0.02重量%~0.5重量%の、式(I):
【0011】
【化1】
(式中、
各Yは、独立して、塩素、臭素、又はフッ素から選択され、
各Zは、独立して、SO2H、NO2、又はC1~C4アルキルから選択され、
rは、0、1、2、又は3であり、
oは、0、1、2、又は3であり、
pは、0、1、又は2であり、
mは、1又は2であり、
nは、0又は1である)のヒドロキシルジフェニルエーテルである抗菌剤を更に含み得、
好ましくは、上記ヒドロキシジフェニルエーテルは、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルである。
【0012】
好ましくは、組成物は、組成物の5.5重量%~30重量%、好ましくは6重量%~20重量%、より好ましくは6.5重量%~18重量%の有機酸を含み得る。具体的には、有機酸は、ヒドロキシカルボン酸であってもよく、好ましくは、有機酸は、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0013】
好ましくは、上記界面活性剤系が、組成物の5重量%~50重量%、好ましくは6重量%~40重量%、より好ましくは10重量%~30重量%の範囲の量で存在する、先行請求項のいずれか一項に記載の抗菌液体洗剤組成物。
【0014】
好ましくは、界面活性剤系は、好ましくはアルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル及びソルビタンエステルのアルコキシル化誘導体、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される非イオン性界面活性剤を更に含み得る。
【0015】
本発明における組成物に好適なアニオン性界面活性剤は、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C6~C20アルキルサルフェート(AS)、C6~C20アルキルアルコキシサルフェート(AAS)、C6~C20メチルエステルスルホネート(MES)、C6~C20アルキルエーテルカルボキシレート(AEC)、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0016】
組成物に好適な非イオン性界面活性剤系は、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル及びソルビタンエステルのアルコキシル化誘導体、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0017】
アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する比は、0.01~100、好ましくは0.05~20、より好ましくは0.1~10、及び最も好ましくは0.2~5、例えば0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、3、4、5、又はこれらの間の任意の範囲であり得る。いくつかの好ましい実施形態では、アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する比は、0.2~1.5、好ましくは0.3~1.2であり得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の2重量%~35重量%、好ましくは3重量%~30重量%、より好ましくは4重量%~25重量%、最も好ましくは5重量%~20重量%、例えば5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又はこれらの間の任意の範囲の、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含むアニオン性界面活性剤を含み得る。いくつかの好ましい実施形態では、組成物は、組成物の2重量%~35重量%、好ましくは3重量%~30重量%、より好ましくは4重量%~25重量%、最も好ましくは5重量%~20重量%、例えば5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又はこれらの間の任意の範囲のC6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の2重量%~35重量%、好ましくは3重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~25重量%、最も好ましくは7重量%~20重量%、例えば5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又はこれらの間の任意の範囲の、C6~C20アルコキシル化アルコールを含む非イオン性界面活性剤を含み得る。いくつかの好ましい実施形態では、組成物は、組成物の2重量%~35重量%、好ましくは3重量%~30重量%、より好ましくは5重量%~25重量%、最も好ましくは7重量%~20重量%、例えば5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又はこれらの間の任意の範囲のC6~C20アルコキシル化アルコールを含み得る。
【0020】
具体的には、組成物は、組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%の、C10~C16アルキルジメチルアミンオキシド及びこれらの組み合わせからなる群から好ましくは選択される両性界面活性剤を更に含み得、好ましくは、上記両性界面活性剤は、ドデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミノオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0021】
好ましくは、組成物中の全界面活性剤は、組成物の4重量%~50重量%、好ましくは6重量%~40重量%、より好ましくは10重量%~30重量%の範囲内の量で存在し得る。
【0022】
具体的には、組成物は、組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%のポリアミン、好ましくはポリエチレンイミン、より好ましくはアルコキシル化ポリエチレンイミンを更に含み得る。
【0023】
本発明のいくつかの特定の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、組成物中に、主要界面活性剤として、好ましくは過半の界面活性剤として存在し得る。好ましくは、アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する比は、1.05~100、好ましくは1.1~20、より好ましくは1.2~10、及び最も好ましくは1.3~5であり得る。具体的には、アニオン性界面活性剤は、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含み得る。
【0024】
本発明のいくつかの特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、組成物中に、主要界面活性剤として、好ましくは過半の界面活性剤として存在し得る。好ましくは、アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する比は、0.01~0.95、好ましくは0.05~0.9、より好ましくは0.1~0.85、及び最も好ましくは0.2~0.8であり得る。具体的には、非イオン性界面活性剤は、C6~C20アルコキシル化アルコールを含み得る。
【0025】
本発明の特定の実施形態では、組成物は、
a)組成物の0.02重量%~0.5重量%の4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルと、
b)組成物の6.5重量%~18重量%のクエン酸と、
c)組成物の5重量%~20重量%のC10~C16直鎖状アルキルベンゼンスルホネートと、
d)組成物の7重量%~20重量%のC12~C18アルキルエトキシレートと、を含み得、
組成物は、1.9~3.1の未希釈pHを有する。
【0026】
別の態様では、本発明は、衣類から微生物を除去する使用のための上述の液体洗剤組成物に関する。
【0027】
別の態様では、本発明は、汚れた布地を前処理又は処理する方法であって、汚れた布地を上述の液体洗剤組成物と接触させることを含む、方法に関する。
【0028】
別の態様では、本発明は、バイオフィルムの影響を受けた表面上のバイオフィルムを除去する方法であって、バイオフィルムの影響を受けた表面を上述の液体洗剤組成物と接触させることを含む、方法に関する。具体的には、バイオフィルムの影響を受けた表面は、洗濯機内にある。より具体的には、バイオフィルムの影響を受けた表面は、洗濯機ドラムの内表面である。
【0029】
別の態様では、本発明は、バイオフィルムの影響を受けた表面上のバイオフィルムを除去する方法であって、
a)洗濯機内にバイオフィルムの影響を受けた表面を提供する工程と、
b)上記バイオフィルムの影響を受けた表面を、液体洗剤組成物であって、組成物の2重量%~60重量%の界面活性剤系及び組成物の4.5重量%~40重量%の有機酸を含む、液体洗剤組成物と接触させる工程と、を含み、
組成物が、1.5~5.0の未希釈pHを有する、方法に関する。
【0030】
微生物防止を改善し得ることが、本開示による液体洗剤組成物の利点である。本開示の文脈において、微生物を除去することは、微生物の増殖又は繁殖を防止することを含むが、これらに限定されない。
【0031】
微生物除去を改善し得ることが、本開示による液体洗剤組成物の別の利点である。具体的には、本開示による液体洗剤組成物は、洗浄中に布地から微生物を著しく除去することができる。本開示の文脈において、微生物を除去することは、微生物を殺傷、失活、排除、及び/又は洗浄除去することを含むが、これらに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0032】
定義
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲において使用されるときは、特許請求されている又は記載されるもののうちの1つ以上を意味するものと理解される。
【0033】
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprise、comprises、comprising)」、「包含する(include、includes、including)」、「含有する(contain、contains、containing)」は、非限定的であり、すなわち、最終結果に影響を及ぼすことのない他の工程及び他の成分を加えることができることを意図している。上記用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0034】
本明細書で使用するとき、組成物が特定の成分を「実質的に含まない」ときとは、その組成物が、微量未満の量、あるいは組成物の0.1重量%未満、あるいは0.01重量%未満、あるいは0.001重量%未満の特定成分を含むことを意味する。
【0035】
本明細書で使用するとき、本明細書における用語「液体洗剤組成物」は、注ぐことが可能な液体、ゲル、クリーム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形態である組成物を指す。液体洗剤組成物は、水性又は非水性のいずれかであってよく、異方性、等方性、又はこれらの組み合わせであってよい。
【0036】
本明細書で使用するとき、用語「抗菌剤」は、原理が意図する機能が、細菌を殺傷すること、及び/又は細菌の増殖若しくは繁殖を防止することである化合物を指す。従来の抗菌剤として、カチオン性抗菌剤(例えば、ある特定のアンモニウム塩化物)、非イオン性抗菌剤等が挙げられる。本発明において使用されるジフェニルエーテル化合物は、非イオン性抗菌剤である。
【0037】
本明細書で使用するとき、用語「主要界面活性剤」は、組成物中に、かかる組成物によって含有される一切の他の界面活性剤より大きい量で存在する界面活性剤を指す。
【0038】
本明細書で使用するとき、用語「過半の界面活性剤」は、組成物中に、かかる組成物中の合計界面活性剤含有量の少なくとも50重量%である量で存在する界面活性剤を指す。
【0039】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、分枝鎖状又は非分枝鎖状、置換又は非置換であるヒドロカルビル部分を意味する。用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。
【0040】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄液」は、1サイクルの洗濯洗浄のために使用される典型的な量、好ましくは、1L~50L、あるいは、手作業で洗浄する場合には1L~20L、機械で洗浄する場合には20L~50Lの水溶液を指す。
【0041】
本明細書で使用するとき、用語「汚れた布地」は、非特定的に使用され、木綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリル、及びこれらに類するもの等などであるがこれらに限定されない、天然繊維、人工繊維、及び合成繊維、並びに様々な混合及び組み合わせを含む、任意の種類の天然繊維又は人工繊維を指す場合がある。
【0042】
液体洗剤組成物
本発明の液体洗剤組成物は、界面活性剤系及び有機酸を含み、組成物は、1.5~5.0、好ましくは1.6~4.5、より好ましくは1.7~4.0、最も好ましくは1.8~3.6の未希釈pHを有する。更に、本発明の液体洗剤組成物は、好ましくは、ジフェニルエーテルである抗菌剤を含み得る。驚くべきことに、界面活性剤系を、有機酸によって達成される有機酸と組み合わせることによって、微生物を除去する優れた効力が達成され得ることが見出された。類似の界面活性剤系又は酸溶液のいずれか単独ではそのような効力をもたらすことができないため、そのような効果は予想外である。
【0043】
好ましくは、組成物は、組成物の5.5重量%~30重量%、好ましくは6重量%~20重量%、より好ましくは6.5重量%~18重量%の有機酸を含み得る。具体的には、有機酸は、ヒドロキシカルボン酸であってもよく、好ましくは、有機酸は、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0044】
洗濯洗浄溶液では、洗浄サブサイクル中のスルーザウォッシュ(TTW)のpHは、好ましくは2.5~6.0、好ましくは3.0~5.0、より好ましくは3.2~4.0であり得る。
【0045】
組成物は、ヒドロキシルジフェニルエーテルである抗菌剤を更に含み得る。好ましくは、抗菌剤は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0046】
本明細書における洗濯洗剤組成物は、グラム陽性菌(例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus))及び/又はグラム陰性菌(例えば、大腸菌(E.coli))を除去するための効力を提供する。一実施形態では、洗濯洗剤組成物は、処理された布地と未処理の布地を比較して、グラム陽性菌及び/又はグラム陰性菌に対して、少なくとも1.0の対数減少値、好ましくは少なくとも1.5の対数減少値、より好ましくは少なくとも2.0の対数減少値、なおより好ましくは2.5の対数減少値、なおより好ましくは3.0の対数減少値、最も好ましくは3.5の対数減少値の微生物除去値を提供する。
【0047】
更に、組成物は、好ましくは、微生物防止のための改善された効力を、組成物によって処理された布地に提供し得る。いかなる理論にも束縛されるものではないが、抗菌剤は、本発明による液体洗剤組成物を使用することによって、洗浄サイクル中に布地上により効果的に付着することができ、その後、付着した(すなわち、残留)抗菌剤は、乾燥又は保管又は着用中に布地上での細菌増殖をより効果的に防止することができると考えられる。一実施形態では、洗濯洗剤組成物は、処理された布地と未処理の布地を比較して、グラム陰性菌及び/又はグラム陽性菌に対して、少なくとも1.0の対数減少値、好ましくは少なくとも1.5の対数減少値、より好ましくは少なくとも2.0の対数減少値、なおより好ましくは2.5の対数減少値の静菌活性値を提供する。好ましくは、組成物は、JISL1902法(以下に記載)によって決定されるように、1055ppmの水溶液中で10分間接触後に、大腸菌、黄色ブドウ球菌、及び/又は肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)に対して、少なくとも1.0の対数減少値、好ましくは少なくとも1.5の対数減少値、より好ましくは少なくとも2.0の対数減少値、なおより好ましくは2.5の対数減少値を提供する。より好ましくは、組成物は、黄色ブドウ球菌に対して、少なくとも1.0の対数減少値、好ましくは少なくとも1.5の対数減少値、より好ましくは少なくとも2.0の対数減少値、なおより好ましくは少なくとも2.5の対数減少値、なおより好ましくは少なくとも3.0の対数減少値、最も好ましくは3.5の対数減少値を提供する。
【0048】
洗濯洗剤組成物は、配合された成分及び組成物の目的などの要因に応じて、任意の好適な粘度を有し得る。一実施形態では、組成物は、20/秒のせん断速度及び21℃の温度下で、約100~約3,000cP、あるいは約300~約2,000cP、あるいは約500~約1,000cPの高せん断粘度値を有し、1/秒のせん断速度及び21℃の温度下で、約500~約100,000cP、あるいは約1000~約10,000cP、あるいは約1,500~約5,000cPの低せん断粘度値を有する。
【0049】
界面活性剤系
本開示による組成物は、界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含む。好ましくは、界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を更に含み得る。
【0050】
本発明における組成物に好適なアニオン性界面活性剤系は、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C6~C20アルキルサルフェート(AS)、C6~C20アルキルアルコキシサルフェート(AAS)、C6~C20メチルエステルスルホネート(MES)、C6~C20アルキルエーテルカルボキシレート(AEC)、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。例えば、洗濯洗剤組成物は、C6~C20アルキルアルコキシサルフェート(AAxS)[式中、xは、約1~30、好ましくは約1~15、より好ましくは約1~10、最も好ましくは、xは約1~3である]を含有してもよい。かかるAAxS中のアルキル鎖は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれかであってもよく、中鎖分枝鎖状AAxS界面活性剤が特に好ましい。好ましい群のAAxSとしては、xが約1~3である、C12~C14アルキルアルコキシサルフェートが挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の1重量%~30重量%、好ましくは2重量%~25重量%、より好ましくは3重量%~20重量%、例えば、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、又はこれらの間の任意の範囲のアニオン性界面活性剤を含む。
【0051】
組成物に好適な非イオン性界面活性剤系は、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル及びソルビタンエステルのアルコキシル化誘導体、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。本明細書での使用に適した非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、Shellから入手可能なNeodol(登録商標)非イオン性界面活性剤などのC12~C18アルキルエトキシレート;C6~C12アルキルフェノールアルコキシレート(ここで、アルコキシレート単位はエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位との混合である);BASFから入手可能なPluronic(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートとのC12~C18アルコール及びC6~C12アルキルフェノール縮合物;C14~C22中鎖分枝鎖状アルキルアルコキシレート(BAEx、式中、xは約1~約30である);アルキル多糖類、具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、並びにエーテル末端封止ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。また、本明細書の非イオン性界面活性剤として、アルコキシル化エステル界面活性剤、例えば、式R1C(O)O(R2O)nR3[式中、R1は、直鎖状及び分枝鎖状C6~C22アルキル又はアルキレン部分から選択され、R2は、C2H4及びC3H6部分から選択され、R3は、H、CH3、C2H5、及びC3H7部分から選択され、nは、約1~約20の値を有する]を有するアルコキシル化エステル界面活性剤も有用である。そのようなアルコキシル化エステル界面活性剤としては、脂肪族メチルエステルエトキシレート(MEE)が挙げられ、当該技術分野において周知である。いくつかの特定の実施形態では、本発明の洗濯洗剤組成物によって含有されるアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、C6~C20アルコキシル化アルコール、好ましくはC8~C18アルコキシル化アルコール、より好ましくはC10~C16アルコキシル化アルコールである。C6~C20アルコキシル化アルコールは、約1~約50、好ましくは約3~約30、より好ましくは約5~約20、更により好ましくは約5~約9の平均アルコキシル化度のアルキルアルコキシル化アルコールであることが好ましい。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の1重量%~30重量%、好ましくは2重量%~25重量%、より好ましくは3重量%~20重量%、例えば、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%、14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、又はこれらの間の任意の範囲の非イオン性界面活性剤を含む。
【0052】
アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する比は、0.01~100、好ましくは0.05~20、より好ましくは0.1~10、及び最も好ましくは0.2~5であり得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、アニオン性界面活性剤は、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤(LAS)、好ましくはC10~C16LAS、及びより好ましくはC12~C14LASを含む。
【0054】
本発明のいくつかの特定の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、組成物中に、主要界面活性剤として、好ましくは過半の界面活性剤として存在し得る。好ましくは、アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する比は、1.05~100、好ましくは1.1~20、より好ましくは1.2~10、及び最も好ましくは1.3~5であり得る。具体的には、アニオン性界面活性剤は、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含み得る。
【0055】
本発明のいくつかの特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、組成物中に、主要界面活性剤として、好ましくは過半の界面活性剤として存在し得る。好ましくは、アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する比は、0.01~0.95、好ましくは0.05~0.9、より好ましくは0.1~0.85、及び最も好ましくは0.2~0.8であり得る。具体的には、非イオン性界面活性剤は、C6~C20アルコキシル化アルコールを含み得る。
【0056】
本発明の洗濯洗剤組成物は、カチオン性界面活性剤を更に含んでもよい。カチオン性界面活性剤の非限定的な例として、第四級アンモニウム塩界面活性剤(最大26個の炭素原子を有することができ、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)界面活性剤を含む)、ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤、及びアミン界面活性剤(具体的には、アミドプロピルジメチルアミン(APA))が挙げられる。
【0057】
本発明の洗濯洗剤組成物は、別の両性界面活性剤(すなわち、AO以外)を更に含んでもよい。他の両性界面活性剤の非限定的な例としては、第二級及び第三級アミンの誘導体、複素環式第二級及び第三級アミンの誘導体、又は第四級アンモニウム、第四級ホスホニウム若しくは第三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。好ましい例としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、スルホ及びヒドロキシベタイン(アルキル基がC8~C18又はC10~C14であり得る、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートなど)を含むベタインが挙げられる。
【0058】
ジフェニルエーテル系抗菌剤
本発明のジフェニルエーテル系抗菌剤は、非イオン性化合物である。本発明において、本発明の抗菌剤は、その非イオン性の性質のため、安定した液体洗剤組成物を可能にさせることが見出された。
【0059】
好ましくは、抗菌剤は、ヒドロキシルジフェニルエーテルである。本明細書の抗菌剤は、ハロゲン化又は非ハロゲン化のいずれかであり得るが、好ましくはハロゲン化である。一実施形態において、抗菌剤は、下記式(I):
【0060】
【化2】
(式中、
各Yは、独立して、塩素、臭素、又はフッ素から選択され、好ましくは塩素又は臭素、より好ましくは塩素であり、
各Zは、独立して、SO
2H、NO
2、又はC
1~C
4アルキルから選択され、
rは、0、1、2、又は3であり、好ましくは1又は2であり、
oは、0、1、2、又は3であり、好ましくは0、1又は2であり、
pは、0、1、又は2であり、好ましくは0であり、
mは、1又は2であり、好ましくは1であり、
nは、0又は1であり、好ましくは0である)のヒドロキシルジフェニルエーテルである。
【0061】
上記の式(I)の定義において、0は無を意味する。例えば、pが0の場合、Zは式(I)に存在しない。各Y及び各Zは、同一であり得る又は異なり得る。一実施形態において、oは1、rは2、Yは塩素又は臭素である。この実施形態では、1つの塩素原子がベンゼン環に結合し、一方臭素原子及び他の塩素原子が他のベンゼン環に結合する、あるいは、臭素原子がベンゼン環に結合し、一方2つの塩素原子が他のベンゼン環に結合する、ことがあり得る。
【0062】
より好ましくは、抗菌剤は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(「ジクロサン」)、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(「トリクロサン」)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、抗菌剤は、商標名Tinosan(登録商標)HP100の下で、BASFから市販されている、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルである。
【0063】
ジフェニルエーテルに加えて、製剤の不安定化を招く濃度で存在しないことを条件に、他の抗菌剤も存在してもよい。その中でも、有用な更なる抗菌剤はキレート剤であり、特に、硬水中のグラム陰性微生物の耐性を低減させる上で有用である。酸性殺生物剤も存在してもよい。
【0064】
両性界面活性剤(AO)
本発明での使用に適した両性界面活性剤は、C6~C20アルキルジメチルアミンオキシド(alkyldimethyl amine oxides、AO)及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0065】
好ましくは、アミンオキシド系界面活性剤は、以下の構造:
【0066】
【化3】
[式中、R
1はC
6~20アルキル、C
6~20ヒドロキシアルキル、又はC
6~20アルキルフェニル基であり、各R
2はC
2~5アルキレン、又はC
2~5ヒドロキシアルキレン基であり、xは0~約3であり、各R
3はC
1~3アルキル、C
1~3ヒドロキシアルキル、又は約1~約3個のエトキシレン(EO)単位を含むポリエチレンオキシドである]を特徴とする。好ましくは、アミンオキシド系界面活性剤は、C
8~18アルキルジメチルアミンオキシド、好ましくは、C
10~16アルキルジメチルアミンオキシドであってもよい。
【0067】
好ましくは、両性界面活性剤は、ドデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、両性界面活性剤は、以下の式(II)を有するドデシルジメチルアミンオキシドを含有する。
【0068】
【0069】
そのような化合物は、ラウリルジメチルアミンオキシド又はドデシルジメチルアミン-N-オキシド(DDAO)とも呼ばれる。これは、Huntsmanから商標名Oxamin(登録商標)LOで市販されている。
【0070】
ポリアミン
本明細書における洗濯洗剤組成物は、組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%のポリアミン、好ましくはポリエチレンイミン、より好ましくはアルコキシル化ポリエチレンイミンを更に含み得る。
【0071】
本明細書における洗濯洗剤組成物に好適なポリアミンは、400g/molより高いMwのものであり得る。ポリアミンの好ましい種類は、ポリエチレンイミン(polyethyleneimines、PEI)及びその誘導体であり、エトキシル化PEIポリマー、プロポキシル化PEIポリマー、ポリアミン、ポリクアット、ポリグリセロールクアット、及び他のPEI誘導体、これらの塩、又はこれらの混合物などである。いくつかの好ましい実施形態では、PEIは、分枝鎖状の球形ポリマーアミンであり、使用されるPEI又はPEI塩の分子量は、約800ダルトン~約2百万ダルトンである。更に、いくつかの好ましい実施形態では、使用されるPEI又はPEI塩の電荷密度は、約15meq/g~約25meq/g、より好ましくは約16meq/g~約20meq/gである。そのような好ましいPEIの例としては、BASF製品LUPASOL WF(25kDa;16~20meq/g)及びLupasol(登録商標)FG(800ダルトン;16~20meq/g)、並びにBASFから入手可能なポリマーのSOKALAN(登録商標)のグループ、例えば、SOKALAN(登録商標)HP20、及びSOKALAN(登録商標)HP22Gが挙げられる。
【0072】
補助成分
本明細書に記載の洗濯洗剤組成物は、補助成分を含んでもよい。好適な補助物質としては、ビルダー、キレート剤、レオロジー改変剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、事前形成された過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、光退色剤、香料、香料マイクロカプセル、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、担体、ハイドロトロープ、加工助剤、溶媒、色調剤、構造化剤、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。洗濯洗剤組成物中のこれら補助成分の正確な性質及びその濃度は、組成物の物理的形状、及び組成物が使用される洗濯動作の性質に依存する。
【0073】
一実施形態では、本明細書の組成物は、包装組み立てにより適用可能であるように、組成物の粘度を調整するために機能する、レオロジー改変剤(ある特定の状況では「構造化剤」と呼ばれることもある)を含む。本明細書のレオロジー改変剤は、液体組成物に対して微粒子を懸濁すること、及び/又はレオロジーを調整することができる、任意の既知の成分であり得る。好ましくは、レオロジー改変剤は、ヒドロキシ含有結晶物質、ポリアクリレート、多糖類、ポリカルボキシレート、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、C12~C20脂肪族アルコール、ジベンジリデンポリオールアセタール誘導体(DBPA)、没食子酸ジアミド、メタクリルアミドに由来する第1の構造単位及びジアリルジメチルアンモニウムクロリドに由来する第2の構造単位を含むカチオン性ポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、レオロジー改変剤は、ヒマシ油及びヒマシ油誘導体などの、概して、結晶質のヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪族エステル、及び脂肪族ワックスであることを特徴とするヒドロキシ含有結晶質材料である。より好ましいレオロジー改変剤は、硬化ヒマシ油(hydrogenated castor oil、HCO)である。
【0074】
一実施形態では、組成物は、組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%のキレート剤、好ましくはジエチレントリアミン五酢酸(diethylene triamine penta-acetic acid、DTPA)及び/又はグルタミン酸二酢酸(glutamic acid diacetate、GLDA)を更に含み得る。
【0075】
組成物の調製
本発明の洗濯洗剤組成物は、概して、洗濯洗剤組成物の製造の技術分野において既知である従来法によって調製される。かかる方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用などを行って又は行うことなく、必須成分及び任意成分を任意の所望の順序で比較的均一な状態まで混合し、それによって、成分を必要濃度で含有する洗濯洗剤組成物を提供することを含む。
【0076】
使用方法
本発明の別の態様は、微生物除去の有益性、及び任意選択的に微生物防止の有益性を伴って布地を処理するために、洗濯洗剤組成物を使用する方法に関する。方法は、洗浄液を形成するために、水を含んでいる洗濯洗浄槽内に1g~200gの上記の洗濯洗剤組成物を投与する工程を含む。本明細書の洗濯洗浄槽内の洗浄液は、好ましくは、1L~50L、あるいは、手作業で洗浄する場合は1L~20L、機械で洗浄する場合は20L~50Lの容量を有する。好ましくは、本明細書における微生物除去の有益性は、試験1(D&S FTC Jokin法)に記載の方法によって決定され、本明細書における微生物防止の有益性は、試験2(すなわち、JISL 1902法)に記載の方法によって決定される。洗濯洗浄液の温度は、好ましくは、5℃~60℃の範囲である。
【0077】
本明細書の方法における投与量は、洗浄タイプに応じて異なってもよい。一実施形態では、方法は、約1g~約60gの洗濯洗剤組成物を手作業の洗浄槽(例えば、約2~4L)に投与することを含む。代替の実施形態では、方法は、約1g~約100g、好ましくは約10g~約65gの洗濯洗剤組成物を洗濯機(例えば、約30~45L)に投与することを含む。
【0078】
好ましくは、本明細書の方法は、汚れた布地を洗浄液に接触させる工程を更に含む。例えば、グラム陽性菌及び/又はグラム陰性菌が布地上に存在することが疑われる。汚れた布地を洗浄液に接触させる工程は、好ましくは、洗濯洗浄槽に洗濯洗剤組成物を投与する工程の後である。方法は、洗濯洗浄層内に洗濯洗剤組成物を投与する工程の前に、布地を洗濯洗剤組成物に接触させる工程を更に含んでもよく、すなわち、一定時間、好ましくは1分間~10分間、布地を洗濯洗剤組成物で前処理する。
【0079】
試験方法
試験1:微生物除去の効力(D&S FTC Jokin)
洗濯洗剤組成物の微生物除去の効力は、D&S FTC Jokin法に定義された後述の方法によって決定する。
【0080】
1.微生物の調製:
A.35±2℃でインキュベートしながら、少なくとも1日1回の移動を通して栄養寒天上で微生物を継代培養する。
B.試験の前日に、細胞を別の栄養寒天に移動させる。寒天側を下にして35±2℃で18~24時間インキュベートする。
C.3mLの希釈液及び5個の滅菌ガラスビーズを使用して寒天プレートから増殖物を取り出して、増殖物を懸濁させる。培養物を標準化して、1mL当たり約108コロニー形成単位(colony forming units、CFU)の黄色ブドウ球菌及び109CFU/mLの肺炎桿菌及び大腸菌を得る。
D.作業用培養物の各接種物に、汚れ負荷としてウマ血清(5%v/v)を添加する。
【0081】
2.布地及びスピンドルの調製
A.約300gの材料を、1.5gの炭酸ナトリウム及び1.5gの非イオン性湿潤剤を含有する3Lの蒸留水又は脱イオン水中で1時間煮沸することによって試験布地を洗う。布地を、最初に沸騰水中で、次いで冷水中で、湿潤剤の全ての目に見える痕跡(つまり、泡立ち)がなくなるまですすぐ。布地からできるだけ多くの水を除去する。
B.周囲室温で少なくとも24時間空気乾燥させ、材料が完全に乾燥していることを確実にする。
C.洗った乾燥布地を、各々2インチ(5cm)幅及び重量各15±0.1gの細片に切断する。15gの試験布地細片の一端を穿孔し、ステンレス鋼スピンドルの外側水平延長部上に固定する。15 6 0.1gの布地全体を使用しながら、13ではなく12のラップを得るのに十分な張力で、3つの水平延長部の周りに細片を巻き付ける。布地を固定するために、ステープル、ピン、又はオートクレーブ処理可能な布地タグを使用してもよい。
D.約1×1.5インチの布地担体を残りの洗った布地から切断する。非毒性の油性マーカーを使用して、各担体の縁部にマークを付けてもよい。
E.各曝露微生物については、各活性試験製剤/製品及び対照/数対照ごとに、少なくとも3つの布地担体及び1つの布地が巻き付けられたスピンドルを調製する。
【0082】
3.手順:
A.3つの滅菌布地担体(単一の滅菌ペトリ皿中)に、担体当たり0.020mLの調製された接種物を接種する。マーカー、ステープル、又は安全ピンを避けて、接種物を各担体の約1×1.5インチの面積にわたって分散させる。担体が明らかに乾燥するまでであるが、30分以下で、35±2℃、80%RHのインキュベーター内で担体を乾燥させる。
B.滅菌鉗子を使用して、2つの接種した乾燥担体を、単一の巻き付けられたスピンドルの9番目と10番目の間の折り目に直立位置で無菌的に配置し、別の1つの担体を10番目と11番目との間の折り目の間に配置する。予め形成された「ポケット」に深く押し込むことによって、個々の布地片を固定する。接種した担体を重ねない。マーカー、ステープル、安全ピン、又はオートクレーブ処理可能な布地タグは、手順の終了時に容易に除去することができる。
C.洗濯機を模倣するために、スピンドルを滅菌曝露チャンバに無菌的に入れる。
D.250mLの試験サンプル(希釈した活性試験製剤及び対照)を添加する。
E.曝露チャンバをしっかりと閉じる。
F.特定の曝露期間(25℃、10分、60rpm)の間、曝露チャンバを撹拌機に入れる。
G.大きい滅菌鉗子又は滅菌手袋を使用して、曝露チャンバからスピンドルを取り出し、溶液を絞り、10mLの中和ブロスを含有する別個の広口チューブに各布地担体を無菌的に取り出す。
H.布地担体を含有する全てのチューブを、ボルテックス型ミキサーで約10秒間混合する。あるいは、フットアーク技法又は超音波処理などの他の方法を使用して、布地片から生存微生物を抽出してもよい。
I.単一担体を含有する中和ブロスを段階希釈する。必要に応じて中和剤を含有する寒天中又は寒天上に、10-1~10-4の希釈液の1.0mLを2連で播く。プレートを35±2℃で48±2時間インキュベートする。生存菌を決定するために、コロニーを計数し、CFU/プレートとして記録する。2連分のプレートを平均し、希釈係数を乗算して、CFU/担体に達する。この平均計数を、log10に変換しなければならない。CFU値のlog10値をNbとする。
J.(数対照)試験製剤の代わりに、0.05%のTween80を使用し、試験製剤と同じ様態で上記の工程に従う。数対照についてのCFU値のlog10値をNaとする。
【0083】
4.微生物除去活性値の算出:
微生物除去活性(LogR)=Na-Nb
2.0以上の微生物除去活性値は、許容可能な微生物除去効力を表す。また、2.0より低い微生物除去活性値は、許容できない不十分な微生物除去効力を示す。
【0084】
試験2:微生物防止の効力(JIS L1902)
洗濯洗剤組成物についての微生物防止の効力は、JISL1902法に定義された後述の方法によって決定する。
【0085】
1.微生物の調製:
A.黄色ブドウ球菌、大腸菌、又は肺炎桿菌の凍結乾燥培養物中に一定量の栄養ブロスを無菌的に添加する。栄養ブロス中に培養物を溶解し、懸濁して懸濁液を得る。懸濁液のループを栄養寒天プレート上に画線し、37℃で24時間インキュベートして、細菌懸濁液の第1世代継代培養を得る。細菌懸濁液の第1世代継代培養のコロニーを20mLの栄養ブロスに振盪しながら移し、37℃で24時間インキュベートして、細菌懸濁液の第2世代継代培養を得る。細菌懸濁液の第2世代継代培養の0.4mLを別の20mLの栄養ブロスに振盪しながら移し、37℃で3±1時間インキュベートして、細菌懸濁液の第3世代継代培養を得る。
B.細菌懸濁液の第3世代継代培養を1/20希釈栄養ブロスによって1×105cfu/mL~3x105cfu/mlの濃度に希釈して、作業用培養物を得る。
C.作業用培養物を4℃で保存し、4時間以内に使用する。
【0086】
2.布地の洗浄:
A.各々が1mの幅及び3mの長さを有する2つの布地細片(32ヤーン/cm×32ヤーン/cm、100%平織綿)を5Lの溶液中で1時間煮沸する。溶液は、2.5gの非イオン性浸漬剤、2.5gの炭酸ナトリウム、及び5000mLの蒸留水によって調製する。非イオン性浸漬剤は、5.0gのアルキルフェノールエトキシレート、5gの炭酸ナトリウム、及び1000mLの蒸留水によって調製する。布地細片を、沸騰した脱イオン水で5分間すすぐ。布地細片を冷脱イオン水に5分間入れて、室内乾燥させる。
B.工程2Aから得られた試験布地細片の一方の端部をステンレス鋼スピンドルの水平延長部に沿った外側の位置でステンレス鋼スピンドルに固定する。ステンレス鋼スピンドルは、互いに連結された3個の水平スタンドを有する。ステンレス鋼スピンドルの3個の水平スタンドの周囲に試験布地細片を十分な張力で巻き付けて、12周巻いた布地を有する布地を巻き付けたスピンドルを得る。試験布地細片の他方の端部を、12周巻き付けた布地の外側の巻き付け部分にピンで固定する。布地が巻き付けられたスピンドルを121℃の加圧蒸気で15分間滅菌する。
C.5.903gの塩化カルシウム二水和物及び2.721gの塩化マグネシウム六水和物を100mLの蒸留水に溶解し、次いでこの混合物を121℃の加圧蒸気で20分間滅菌する。1mLの混合物を1Lの蒸留水に添加して、硬水溶液を得る。
D.工程2Cから得られた硬水溶液1Lに十分な量のサンプルを添加して、1055ppmの濃度を有する溶液を得る。この溶液をマグネティックスターラーで4分間混合する。250mLの混合溶液を曝露チャンバに分配して洗浄液を得る。曝露チャンバを水浴中に置いて、(25±1)℃の試験温度にする。
E.工程2Bから得られた、布地が巻き付けられたスピンドルを曝露チャンバ内で洗浄液中に無菌的に浸漬し、曝露チャンバを蓋で閉じる。
F.曝露チャンバをタンブラー上に固定する。タンブラーを10分間回転させる。次いで、布地が巻き付けられたスピンドルを曝露チャンバから取り出す。布地が巻き付けられたスピンドルをHaier iwash-1pトップロード洗濯機に入れ、2分間脱水する。
G.曝露チャンバから洗浄液を廃棄し、次いで、250mLの蒸留水を曝露チャンバ内に加える。脱水後の、布地が巻き付けられたスピンドルを曝露チャンバ内の新たに加えた蒸留水に浸漬する。タンブラーを3分間回転させ、2分間脱水する。
H.工程2Gを繰り返す。
I.布地が巻き付けられたスピンドルを曝露チャンバから無菌的に取り出し、スピンドルから試験布地細片を取り外す。試験布地細片を一晩空気乾燥させる。
【0087】
3.布地のインキュベート:
A.工程2Iから得られた、洗浄済み試験布地細片を、一辺2cmの長さを有する正方形片に切断する。0.40g±0.05gの質量を有する6つの試験試料を以下の工程のために得る。
B.それぞれの組の試料をバイアルに入れ、次いで、試料を121℃の加圧蒸気で15分間滅菌する。滅菌後、クリーンベンチ内でキャップをせずに1時間、試料を乾燥させる。
C.工程1Bから得られた作業用培養物の0.2mLを各々乾燥させた試料に接種する。接種の直後に、3つの試験試料上の細菌を抽出し、栄養寒天に播いて、37℃で24~48時間インキュベートする。それぞれの組の試料の総コロニー形成単位(CFU)をカウントし、3組の平均結果を得る。CFU値のlog10値をT0とする。接種した試料を含有する他の3つのバイアルを37℃で18~24時間インキュベートする。
D.インキュベートした試料上の生存菌を抽出し、栄養寒天に播いて、37℃で24~48時間インキュベートする。それぞれの組の試料の総コロニー形成単位(CFU)をカウントし、3組の平均結果を得る。CFU値のlog10値をTtとする。
E.工程3A~3Dでは、工程2Aから得られた(工程2B~2Iを受けていない)布地細片を対照として使用する。したがって、CFU値のlog10値をC0及びCtとする。
【0088】
4.静菌活性値の算出:
静菌活性値=(Ct-C0)-(Tt-T0)
2.0以上の静菌活性値は許容可能な微生物防止効力を表し、3.0以上の静菌活性値は優れた微生物防止効力を表す。また、2.0より低い静菌活性値は、許容できない不十分な微生物防止効力を示す。
【0089】
試験3:抗菌剤についての布地付着試験
抗菌剤を、以下に記載のメタノールベースの加速溶媒抽出(Accelerated Solvent Extraction、ASE)法を使用することによって、処理された布地から抽出する。次に、得られた抽出物をC18カラム上で勾配逆相高速液体クロマトグラフ(high performance liquid chromatographic、HPLC)分離にかけ、ネガティブモードで多重反応モニタリング(multiple reaction monitoring、MRM)条件下で作動するタンデム質量分析計(mass spectrometry、MS/MS)により定量する。
【0090】
第1の工程として、約3グラムの処理した布地を正確に計量してから、次いで、鋼製ASEチューブに充填する。抽出プロトコルは、約100℃の高温、及び平方インチ当たり約2000ポンド(psi)の圧力で、抽出溶媒としてメタノールを使用して約5分間、実行する。得られた抽出物を集め、25mLのフラスコに移し、その後、メタノールでフラスコの最大容量まで充填する。得られた溶液は次いで、50:50の比率での水とメタノールの混合物を使用して約25倍に希釈し、その後のLC-MS/MS分析の注入サンプルとして使用する。
【0091】
次に、上記注入サンプルの約5μlを注入し、Water Acquity UPLC C18カラム上で、約70%移動相A(1%ギ酸水溶液)/30%移動相B(メタノール中0.1%ギ酸)から5%移動相A/95%移動相Bまでの勾配で約3分間分離し、最終勾配は更に3分間保持する。抗菌剤、例えば、Tinosan(登録商標)HP100を、ネガティブMRMモードで検出する。m/zが253>142のイオン対を、定量トランジションとして使用し、253>125のm/zを同定に使用する。
【0092】
続いて、校正曲線の作成のために、0.5mg/ml~500ng/mlの範囲のスパイクしたマトリックス標準物質を注入する。注入サンプル中の抗菌剤、例えばTinosan(登録商標)HP100の濃度は、校正曲線の重み付き(1/x2)二次回帰を使用する外挿によって求められる。
【0093】
試験4:バイオフィルム生成(ASTM E2562)及び洗濯機内での除去を含むバイオフィルム除去試験
1.培養物の調製
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)が、この試験で使用される生物である。R2Aプレートから単離したコロニーを無菌的に取り出し、100mLの滅菌TSB(300mg/L)に入れる。36±2℃で22±2時間、環境シェーカー内で細菌懸濁液をインキュベートする。生きた細菌密度は、108CFU/mLに等しいはずであり、段階希釈及び播種によって確認することができる。
【0094】
2.反応器の準備
A.試験片を石鹸及び水道水中で超音波処理し、試験片上に石鹸が残らなくなるまで試験片を試薬グレードの水ですすいで超音波処理する。
B.試験片を反応器ロッド内の各穴に入れ、止めねじを締める。ロッドを反応器の上部に緩く入れる。
C.反応器上部を反転させ、反応器上部の中心に位置するガラスロッド上にバッフルを置く。
D.反応器ビーカーを反転させ、組み立てられた上部に置く。反応器上部が直立するように反応器をひっくり返す。
E.細菌エアベントを、適切なサイズの管の小さいセクションにベントを嵌合することによって接続し、反応器上部の剛性チューブのうちの1つに取り付ける。
F.ガラスフローブレイクを、反応器上部付近の栄養管ラインに接合する。
G.滅菌前に反応器上部をビーカーに固定して置く。圧力を逃がすために、滅菌中にロッド位置合わせピンをノッチ内に設置しない。
H.栄養カーボイに接続する栄養管の端部及びオーバーフロー(廃棄物)管の端部をアルミニウム箔で覆う。反応器上部の任意の余分な開口部をアルミニウム箔で覆う。これは、オートクレーブ処理後の滅菌性を維持するためである。
I.細菌液体増殖培地(300mg/L TSB)をオートクレーブ処理可能な容器内の500mLの試薬グレード水に溶解することによって、バッチ培養培地を調製する。
J.反応器システムを滅菌し、蒸気滅菌器の液体サイクルで20分間バッチ培養培地を分離する。
【0095】
3.手順
A.オーバーフロー(廃棄物)ラインをクランプした状態で、冷却したバッチ培養培地を冷却した反応器に無菌的に添加する。
B.反応器を撹拌プレートの上に置く。
C.直立位置にフローブレークをクランプする。他の管をクランプして箔を付けたままにする。
D.ロッド位置合わせピンを反応器上部ノッチに固定する。
E.前に調製した培養物からの1mLの細菌を反応器に接種する(2Iを参照されたい)。利用可能な剛性反応器上部チューブのうちの1つを通して、接種物を反応器に無菌的にピペット移動させる。
F.磁気撹拌プレートを作動させる。回転速度を125±5r/分に設定する。反応器システムを、室温(21±2℃)で24時間、バッチモードでインキュベートする。
G.100mg/L TSBの連続流れ栄養ブロスを調製する。カラメル化を防止するために、ブロスをより少量に溶解し、滅菌する。濃縮されたブロスを滅菌試薬グレード水のカーボイに無菌的に注いで、総量20Lとする。
H.連続流れ栄養ブロスを含有するカーボイに栄養管ラインを無菌的に接続する。
I.反応器容積を30分の滞留時間で除算することによって決定される流量で、栄養素の連続流れを反応器にポンプ注入する。管を排水口から廃棄物カルボイに取り付け、クランプを取り外す。ビーカー上の排水口がオーバーフローを生じさせ、CSTR(連続撹拌タンク反応器(continuously stirred tank reactor))モード中、反応器内で100mg/Lの一定の細菌液体増殖ブロス濃度を維持する。
J.反応器をSCTRモードで24時間作動させる。
【0096】
4.製品の処理
A.増殖培地流れ及びバッフル付き撹拌棒を止める。
B.バイオフィルムを有する試験片を含有するランダムに選択されたロッドを、それをまっすぐ引き上げて反応器から取り出すことによって、CDCバイオフィルム反応器から無菌的に取り出す。
C.試験片をすすいで、浮遊細胞を除去する。30mLの滅菌緩衝水を含有する50mL円錐形チューブの真上に、ロッドを垂直位置に向ける。1回の連続的な動きで、最小限の跳ね返りから跳ね返りなしでロッドを緩衝水に浸漬し、次いで直ちに取り出す。各ロッドごとに30mLの滅菌緩衝水を有する新しい50mL円錘形チューブを使用する。
D.推奨投入量(1000ppm)で硬水中の製品溶液を調製する。
E.ロッドを垂直に保持することができる上部を有するカスタマイズされたビーカーに2本のロッドを入れる。350mlの製品溶液をビーカーに移す。
F.ビーカーを磁気撹拌プレート上に置き、350rpmで10分間かき混ぜる。次いで、製品溶液を廃棄し、350mLの真水を添加して、試験片を350rpmで3分間すすぐ。すすぎをもう一度繰り返す。
G.各サンプルごとの試験片に6サイクルの製品処理を適用する(工程4E~4F)。
H.対照については、0.05%のTween80を使用して、製品溶液を置き換え、同じ処理を続ける。
I.個々のチューブ内で試験するために適切な数の試験片を取り出す。各処理ごとに5個の試験片の組、及び対照については3個の試験片の組を得る。
J.3mlのPBS溶液を、1つの処理した試験片を含有する各チューブに添加する。
K.各チューブを最も高い設定でボルテックスし、30±5秒間の完全なボルテックスを確実にする。
L.室温(21±2℃)で30±5秒間、45±5kHzでチューブを超音波処理する(超音波処理器が変更可能な設定を有する場合、通常モードを使用する)。
M.各チューブを最も高い設定でボルテックスし、30±5秒間の完全なボルテックスを確実にする。
N.室温(21±2℃)で30±5秒間、45±5kHzでチューブを超音波処理する(超音波処理器が変更可能な設定を有する場合、通常モードを使用する)。
O.各チューブを最も高い設定でボルテックスし、30±5秒間の完全なボルテックスを確実にする。これらのチューブは100希釈である。
P.希釈し、各試験片上の細菌量を計数し、値をlog10に移し、対照試験片及び製品処理された試験片の平均を取る。
【0097】
5.バイオフィルム除去効力の算出
対数減少値=log10の平均(対照試験片)-log10の平均(製品処理された試験片)。
【実施例】
【0098】
実施例1:界面活性剤系及び有機酸を含有する低pH液体洗剤組成物による効果的な微生物除去を示す比較試験
以下の表1に示す成分を含有する7つの(7)サンプル液体洗濯洗剤組成物を調製し、サンプル1~4は、非イオン性(non-ionic、NI)界面活性剤及びアニオン性(anionic、AI)界面活性剤を含有する界面活性剤系、並びに比較的高いレベルのクエン酸(citric acid、CA)(すなわち、少なくとも7%)を含み、低い製品pH(すなわち、約2~約3.2)をもたらし、サンプル5及び6は、サンプル1~4と同様の界面活性剤系を含むが、低レベルのCA(すなわち、4%未満)を含み、比較的高い製品pH(すなわち、約3.7~約8)をもたらし、サンプル7は、高レベルのクエン酸を含み、低いpHをもたらすが、界面活性剤を含まない。
【0099】
【表1】
a C
11~13LAS
b Neodol(登録商標)25-7は、非イオン性界面活性剤として平均7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC
12~C
15アルコールであり、Shellから入手可能である。
cTinosan(登録商標)HP100は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルであり、BASFから入手可能である。
d エトキシル化又はエトキシル化及びプロポキシル化されたポリエチレンイミン(PEI)ポリマー、BASFから入手可能。
【0100】
次いで、試験1:グラム陰性菌大腸菌を使用した微生物除去の効力に従って、1000ppmの最終製品の用量での上記サンプルについての微生物除去の効力を決定した。結果を以下に示す。
【0101】
【0102】
上記で示したデータのように、界面活性剤系と比較的高いレベルの有機酸(すなわち、低pHに対応する)との組み合わせが、非常に強い微生物除去効力(すなわち、3を超える対数減少値、更には4を超える対数減少値)をもたらすことができることは驚くべきことであり、全く予想外である。言い換えれば、サンプル1~4は、微生物除去試験において99.9%を超える(サンプル1及び3では99.99%を超える)微生物を除去することができる。対照的に、界面活性剤系単独(サンプル5及び6)又は有機酸単独(サンプル7)は、微生物除去の有意な効力を示さない(すなわち、約0の対数減少値)。
【0103】
実施例2:界面活性剤系及び有機酸を含有する低pH液体洗剤組成物による効果的な微生物防止を示す比較試験
【0104】
【表3】
a C
11~13LAS
b Neodol(登録商標)25-7は、非イオン性界面活性剤として平均7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC
12~C
15アルコールであり、Shellから入手可能である。
c Tinosan(登録商標)HP100は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルであり、BASFから入手可能である。
d エトキシル化又はエトキシル化及びプロポキシル化されたポリエチレンイミン(PEI)ポリマー、BASFから入手可能。
【0105】
次いで、試験2:グラム陰性菌肺炎桿菌を使用した微生物除去の効力に従って、1000ppmの最終製品の用量での上記サンプルについての微生物除去の効力を決定する。結果を以下に示す。
【0106】
【0107】
微生物防止の効力が、高pH液体洗剤組成物と比較して、低pH液体洗剤組成物において有意に改善されること(すなわち、3.5対2.4及び3.8対2.8)は、上記で示すデータから非常に驚くべきことである。言い換えれば、相当量の有機酸(すなわち、クエン酸)の導入により、高pH液体洗剤組成物と比較して、低pH液体洗剤組成物によって処理された布地上のCFU(すなわち、細菌数)の1桁分の減少がもたらされる。いかなる理論にも束縛されるものではないが、抗菌剤(すなわち、この実施例ではTinosan)は、本発明による低pH液体洗剤組成物を使用することによって、洗浄サイクル中に布地上により効果的に付着することができ、その後、付着した(すなわち、残留)抗菌剤は、乾燥又は保管又は着用中に布地上での細菌増殖をより効果的に防止すると考えられる。更に、より高レベルのアニオン性界面活性剤が存在する場合、更により改善された微生物防止の効力を得ることができる。いかなる理論にも束縛されるものではないが、抗菌剤(すなわち、Tinosan)は、より高レベルのアニオン性界面活性剤(すなわち、LAS)の存在下で、洗浄サイクル中に布地上により効果的に付着すると考えられる。
【0108】
実施例3:界面活性剤系及び有機酸を含有する低pH液体洗剤組成物による効果的なバイオフィルム除去を示す比較試験
以下の表5に示す成分を含有する3つのサンプル液体洗濯洗剤組成物を調製し、サンプル12及び13は、アニオン性(AI)界面活性剤及び非イオン性(NI)界面活性剤を含有する界面活性剤系、並びに比較的高いレベルのクエン酸(CA)(すなわち、少なくとも14.1%又は10.0%)を含み、低い製品pH(すなわち、約2.4~約2.6)をもたらし、一方、サンプル14は、サンプル12及び13と同様の界面活性剤系を含むが、低レベルのCAを含み、比較的高い製品pH(すなわち、8超)をもたらす。
【0109】
【表5】
a C
11~13LAS
b Neodol(登録商標)25-7は、非イオン性界面活性剤として平均7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC
12~C
15アルコールであり、Shellから入手可能である。
c Tinosan(登録商標)HP100は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルであり、BASFから入手可能である。
d エトキシル化又はエトキシル化及びプロポキシル化されたポリエチレンイミン(PEI)ポリマー、BASFから入手可能。
【0110】
次いで、試験4:バイオフィルム生成(ASTM E2562)及びグラム陰性菌緑膿菌を使用した洗濯機での除去を含むバイオフィルム除去試験に従って、1000ppmの最終製品の用量での上記サンプルについてのバイオフィルム除去の効力を決定する。結果を以下に示す。
【0111】
【0112】
バイオフィルム除去の効力が、高pH液体洗剤組成物と比較して、低pH液体洗剤組成物において有意に改善されること(すなわち、2.43又は2.54対0.89)は、上記で示すデータから非常に驚くべきことである。
【0113】
実施例4:液体洗濯洗剤組成物の例示的配合
表7に示す以下の液体洗濯洗剤組成物を、列挙した成分を列挙した割合(重量%)で含めて作製する。
【0114】
【0115】
実施例4の液体洗濯洗剤組成物A~Fを、
a)200rpmのせん断力を加えることによって、バッチ容器内のNaOH(加える場合)及び水の組み合わせを混合する工程と、
b)クエン酸(加える場合)、ホウ酸(加える場合)、及びC11~C13LASをバッチ容器に加え、200rpmのせん断力を加えることによって、混合し続ける工程と、
c)工程b)で得られた混合物の温度を25℃に放冷する工程と、
d)C12~14AE1~3S、Na-DTPA(加える場合)、Neodol(登録商標)25-7、ドデシルジメチルアミンオキシド、C12~C18脂肪酸、1,2プロパンジオール(加える場合)、モノエタノールアミン(加える場合)、塩化カルシウム(加える場合)、クメンスルホン酸ナトリウム(加える場合)、シリコーンエマルション(加える場合)、ポリアクリル酸ナトリウム(加える場合)、及びTinosan(登録商標)HP100をバッチ容器に加え、混合物が均一に混合されるまで、250rpmのせん断力を加えることによって混合し、pHを8に調整する工程と、
e)増白剤(加える場合)、プロテアーゼ(加える場合)、アミラーゼ(加える場合)、染料(加える場合)、及び香料油(加える場合)をバッチ容器に加え、250rpmのせん断力を加えることによって混合し、これによって、液体洗濯洗剤組成物を形成する工程と、によって調製し、
組成物中の各成分は、実施例4における組成物A~Fに関して指定されたレベルで存在する。
【0116】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0117】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0118】
本発明の特定の実施形態を例示及び記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び改変を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び改変を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】