(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ヒトのケラチン物質をクレンジングする方法、前記方法を実施するためのデバイス及びキット
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20231206BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20231206BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20231206BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231206BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20231206BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20231206BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
A61K8/02
A61Q1/14
A61Q5/02
A61Q19/10
A61K8/73
A61K8/46
A61K8/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532204
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2021082878
(87)【国際公開番号】W WO2022112361
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ボルドー
(72)【発明者】
【氏名】ロール・デフォーズ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AD281
4C083AD282
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC22
4C083CC28
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD47
4C083DD50
4C083EE16
4C083EE27
4C083FF04
(57)【要約】
本発明は、ヒトの外側のケラチン物質を、中に気泡が存在する且つ/又は中で発生される化粧用組成物と接触させてクレンジングする方法であって、クレンジングされることになる前記物質の表面の領域中の化粧用組成物中に存在する気泡を音響波に供して、それらの崩壊をもたらし、且つそこからの汚れを除去するためにクレンジングされることになる表面上に機械的衝撃を発生させることで構成される工程を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの外側のケラチン物質を、中に気泡が存在し且つ/又は中で発生される化粧用組成物と接触させてクレンジングする方法であって、クレンジングされることになる前記物質の表面の領域中の化粧用組成物(C)中に存在する気泡を音響波に供してそれらの崩壊をもたらし、そこから汚れを除去するためにクレンジングされることになる表面上に機械的衝撃を発生させることで構成される工程を含み、化粧用組成物が連続的に適用される、方法。
【請求項2】
ヒトの外側のケラチン物質を、中に気泡が存在し且つ/又は中で発生される化粧用組成物と接触させてクレンジングする方法であって、クレンジングされることになる前記物質の表面の領域中の化粧用組成物(C)中に存在する気泡を音響波に供してそれらの崩壊をもたらし、そこから汚れを除去するためにクレンジングされることになる表面上に機械的衝撃を発生させることで構成される工程を含み、
第1の段階で、中に泡が存在する化粧用組成物が適用され、次いで、適用された後で、第2の段階で音響波に暴露されて、泡の崩壊に続いて衝撃波をもたらし、
処理される領域が、メークアップ製品で被覆された皮膚の領域である、
方法。
【請求項3】
組成物が、組成物の総質量に対して、少なくとも0.02質量%の総含有量のクレンジング活性剤を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
音響波の周波数が、0.3kHz~5MHz、なおもより良好には10kHz~1MHzの範囲であり、音響波の出力が、30mW~100W/cm
2、なおもより良好には0.1~10W/cm
2の範囲である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
研磨粒子を使用するケラチン物質の研磨を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ケラチン物質と接触させて送られた化粧用組成物が、少なくとも部分的に回収されリサイクルされる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第1の段階で、中に泡が存在する化粧用組成物が、適用され、次いで、適用された後で、第2の段階で、音響波に暴露されて、泡の崩壊に続いて衝撃波をもたらす、請求項1、及び3から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
化粧用組成物が、連続的に適用される、請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
処理される領域が皮膚、特にメークアップ製品で被覆された皮膚の領域である、請求項1、及び3から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
処理される領域が、毛髪、特に染色された毛髪の領域、爪の上、又は頭皮である、請求項1、及び3から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
キット、特に請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するためのキットであって、
- 中で泡が発生される化粧用組成物(C)と、
- 泡を、処理されることになる表面の領域中、音響波に暴露するためのデバイス(10)と
を含む、キット。
【請求項12】
化粧用組成物が、(i)ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤、(ii)アニオン性界面活性剤(i)とは異なるアニオン性界面活性剤、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)両性/双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の発泡性界面活性剤、並びに/又は(a)アルキル多糖類、(b)ポリエチレングリコールの脂肪アルコールエーテル、(c)油、及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法、又は請求項11に記載のキット。
【請求項13】
ヒトの外側のケラチン物質をクレンジングするためのデバイス、特に請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するためのヒトの外側のケラチン物質をクレンジングするためのデバイスであって、
化粧用組成物Cを、少なくとも1つの出口(11)を介して、処理されることになる領域上に分配するように配置されたアプリケータ(10)と、その中で組成物Cが循環するチャンバ(12)と、チャンバ(12)中で音響波を発するための、電流発生器(15)によって動力供給される少なくとも1つの超音波トランスデューサ(13)と、トランスデューサ(13)により発せられる音響波に供されることになる気泡を組成物内に発生させる泡発生器(17)とを備え、
ケラチン物質と接触させて送られた化粧用組成物の少なくとも部分的な回収及びリサイクルのための系も備えることを特徴とする、
デバイス。
【請求項14】
回収及びリサイクル系が、出口(11)の近くに出てきて、戻された組成物をフィルター(21)中に送る吸引ポンプ(20)と連通するパイプ(18)を備え、組成物が、フィルター(21)の出口においてチャンバ中に再び送られ、次いで、処理されることになる領域上に再分配されることを特徴とする、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
パイプ(18)が、出口(11)の周囲に出てくることを特徴とする、請求項14に記載の化粧用デバイス。
【請求項16】
パイプ(18)の周囲に、組成物を収容するための且つパイプ(18)を介したその戻しを促進するための、封止部材(19)、例えば可撓性リップを備えることを特徴とする、請求項14及び15に記載のデバイス。
【請求項17】
その一部がリサイクルされない場合に、組成物のあらゆる損失を補填するためのリザーバ(22)を備えることを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
音響波の周波数が、0.3kHz~5MHz、なおもより良好には3kHz~1MHz、更になおもより良好には10kHz~500kHzの範囲であり、音響波の出力が、30mW~100W/cm
2、なおもより良好には0.1~10W/cm
2である、請求項13から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
アプリケータ(10)が、ケラチン物質の研磨をもたらすための研磨面を備えることを特徴とする、請求項13から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
取り外し可能であっても取り外し不能であってもよい化粧用組成物レフィルを備えることを特徴とする、請求項13から19のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトのケラチン物質のクレンジングに関する。
【背景技術】
【0002】
特許出願JP2007-311756は、シリコンウェーハ、マスク基質等を清浄にするための超音波清浄化性デバイスを記載している。該デバイスは、それを通して清浄化性液体が通るノズル中に搭載された超音波トランスデューサ、及び清浄化性液体中に泡を発生させるように気体を導入する手段を備える。
【0003】
米国特許第2012/0227761号は、表面を清浄にするためのデバイスを記載しており、これは、第1に、液体が供給され、且つ清浄にされることになる表面上に出てくる出口パイプと連通するチャンバ、チャンバ中に収容されている液体及び出口パイプに音響エネルギーを伝達する超音波トランスデューサを備え、第2に、出口パイプ中に気泡を発生させるための泡発生器を備える。該泡発生器は、電気化学的発生器であってよく、該液体は、例えば、液体を導電性にするために、塩化カリウム等の塩を含有する。界面活性剤が添加されてよく、これは、処理されることになる表面に向けた出口パイプ中をそれらが通る間に泡の癒合を阻止するため、且つそれらが、処理されることになる表面に到達するときに、必要とされるサイズをそれらが有していることを確実にするためである。
【0004】
皮膚、特に外科医の爪の下、及びまた手をクレンジングするためのデバイスの適用が予想される。
【0005】
前記特許出願は、生成される泡のサイズに影響を及ぼすための、可能な界面活性剤の添加を挙げている。
【0006】
顔の皮膚又は手を処理するための化粧用途は開示されていない。
【0007】
米国特許第2017/0080257号、KR2020/0102956、米国特許第2009/318853号、JP2016/214424及びWO2020/029429は、クレンジングされることになる皮膚に適用された化粧用組成物中でマイクロバブルを発生する超音波デバイスを用いた、皮膚を処理する美容方法、特にそれをクレンジングする美容方法を開示している。
【0008】
類似のデバイスが、米国特許第4-2011/213281号及び米国特許第4850010420号に開示されている。
【0009】
これらのデバイスは、各使用において、多量の水及び新しい組成物を使用し、その全てが廃棄されている。
【0010】
資源のサステナブルな使用を促進することによる製品のエコデザインが、環境に対する製品の影響を最小にするために必須の、キー要素となっている。製造者は、責任の荷を負っており、且つそれらの配合物及び包装をエコデザインするという消費における変化に奨励されており、その一方で同時に、工業的方法を最適化すること、及び生産廃棄物を管理することに気を配っている。好循環が、このようにして確立されている。同様に、より大きくなっている平静さに向かう消費者に随伴することは、個人の責任に向けたこの世界的な動きに適している。環境フットプリントの減った製品は、このようにして、消費者のますます増える純粋な期待に応えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】JP2007-311756
【特許文献2】米国特許第2012/0227761号
【特許文献3】米国特許第2017/0080257号
【特許文献4】KR2020/0102956
【特許文献5】米国特許第2009/318853号
【特許文献6】JP2016/214424
【特許文献7】WO2020/029429
【特許文献8】米国特許第4-2011/213281号
【特許文献9】米国特許第4850010420号
【特許文献10】米国特許第A-4874554号
【特許文献11】米国特許第A-4137180号
【特許文献12】WO2016/055883
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Cosmetics Directive 76/768/EEC
【非特許文献2】刊行物Mechanisms of single bubble cleaning、F. Reuter、Ultrasonics Sonochemistry 29(2016年)、550~562頁
【非特許文献3】「Performance of a new micro-bubble generator with a spherical body in a flowing water tube」、M. Sadatomi、Experimental Thermal and Fluid Science 29(2005年)、615~623頁
【非特許文献4】論文「Fluidic oscillator-mediated microbubble generation to provide cost-effective mass transfer and mixing efficiency to the wastewater treatment plants」、Environ. Res. 2015年2月; 137: 32-9
【非特許文献5】論文「Monodispersed microbubble formation using microchannel technique」; AIChE Journal、50(2004)、3227~3233頁
【非特許文献6】論文Progress in Biomedical Optics and Imaging Proceedings of SPIE、第9705巻、2016年、論文番号97050D「Photothermal generation of microbubbles on plasmonic nanostructures inside microfluidic channels」(会議資料)
【非特許文献7】「An experimental study on microbubble generation by laser induced breakdown in water」、The review of Laser Engineering (Suppl.)(2008年)、1273~1275(2)頁
【非特許文献8】論文「Producing single microbubbles with control size using microfiber」、Advance in Bioscience and Biotechnology、2(2011年)、385~390頁
【非特許文献9】刊行物「Size-controllable micro-bubble generation using a nanoimprinted plasmonic nanopillar array absorber in the near-infrared region」、Applied Physics Letters、108、2016年
【非特許文献10】論文Ultrasonics Sonochemistry、第29巻、2016年3月1日、604~611頁、「Influence of sonication conditions on the efficiency of ultrasonic cleaning with flowing micrometer-sized air bubbles」
【非特許文献11】刊行物「Preparation of microbubble suspensions by co-axial electrohydrodynamic atomization」、Medical Engineering and Physics、29(2007年)、749~754頁
【非特許文献12】刊行物「Micro-fabricated electrolytic micro-bubblers」、International Journal of Multiphase Flow、31(2005年)、706~722頁
【非特許文献13】刊行物「Microbubble generation for environmental and industrial separations」、Separation and Purification Technology、11(1997年)、221~232頁
【非特許文献14】刊行物「Microbubble generation with micro-watt power using carbon nanotubes heating elements」、Proceedings of the 7th IEEE International Conference on Nanotechnology、2007年8月2~5日、Hong Kong(2007年)
【非特許文献15】論文Journal of Physics D; Applied Physics、第47巻、35号、2014年9月3日、論文番号355203、「Microbubble generation by microplasma in water」
【非特許文献16】CTFA辞典、第5版、1993年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、ヒトのケラチン物質、詳細には顔の皮膚又は毛髪をクレンジングする方法を提案すること、前記物質が効率的にクレンジングされることを可能にすること、低減した炭素フットプリントの手段によって、責任あるサステナブルな開発アプローチ内に落とし込むことを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのため、本発明の一主題は、ヒトの外側のケラチン物質を、中に気泡が存在し且つ/又は中で発生される化粧用組成物と接触させてクレンジングする方法であって、クレンジングされることになる前記物質の表面の領域中の化粧用組成物中に存在する気泡を音響波に供して、それらの崩壊をもたらし、且つそこからの汚れを除去するためにクレンジングされることになる表面上に機械的衝撃を発生させることで構成される工程を含む、方法である。
【0015】
この方法は、好ましくは化粧用であり、特に非治療的である。
【0016】
本発明による方法は、局所的な適用を好ましくは意図されている。
【0017】
本発明の一主題はまた、ヒトの外側のケラチン物質をクレンジングするためのデバイスであって、該デバイスが、少なくとも1つの出口を介して、処理されることになる領域上に化粧用組成物を分配するよう配置されたアプリケータと、その中で該組成物が循環するチャンバと、該チャンバ中で音響波を発するための、電流発生器によって電力供給される少なくとも1つの超音波トランスデューサと、組成物内で気泡を発生させる泡発生器であり、該気泡がトランスデューサによって発せられた音響波に供されることになる、泡発生器とを備え;該デバイスが、ケラチン物質と接触させて送られた化粧用組成物の少なくとも部分的な回収及びリサイクルのための系も備える、デバイスである。
【0018】
化粧用組成物は、それが回収及びリサイクル系を通過した後、再使用されうる。
【0019】
好ましくは、デバイスは、特に非治療目的のための、なおもより良好には化粧用組成物の局所適用のための、化粧用デバイスである。
【0020】
用語「化粧用組成物」は、Cosmetics Directive 76/768/EECにおいて定義されている、少なくとも1種の化粧用活性剤を含有する組成物を示す。
【0021】
本発明によれば、ミネラル水又は流水は、化粧用組成物を構成しない。
【0022】
用語「ヒトの外側のケラチン物質」は、皮膚及びその外皮、特に毛髪及び爪を示し、粘膜、例えば歯肉は除外する。本発明により処理される皮膚の領域は、顔、首筋、背中、腕、脚、手及び/又は足、並びに頭皮の皮膚であってよい。本発明による方法は、顔の皮膚、特に額、頬、顎、鼻及び頭皮からメークアップを除去する及び/又はクレンジングするのに最も特に好適である。
【0023】
ケラチン物質上に(表面に、且つ/又は皮膚の孔中により深く固定されている)存在しうる望ましくない汚れの中で、外因性不純物、例えばメークアップ、環境汚染、埃、微生物等と、内因性不純物又は欠陥、例えば過剰な皮脂、汗、死んだ細胞、死んだ皮膚、フケ、黒色面皰、軽い瘢痕及び/又はにきび瘢痕、色素マーク等とを、区別することができる。
【0024】
本発明による方法又はデバイスは、外因性不純物と、内因性不純物又は欠陥との両方を、効率的に除去する又は処理することを可能にする。音響波の影響下で、泡は、ケラチン物質上に機械的効果を発揮することができる衝撃波を発生させる。それらはまた、ケラチン物質のクレンジングに向けて寄与するフリーラジカル等の化学種の放出に向けても寄与することができる。
【0025】
用語「クレンジングされることになる前記物質の表面の領域中」は、音響波の作用下での泡の崩壊の影響がクレンジング作用に対する有益な効果をもたらすのに十分近いことを意味すると理解されるべきである。例えば、泡は、クレンジングされることになる表面から、5mm未満、なおもより良好には2mm未満、更になおもより良好には1mm未満に存在する。
【0026】
本発明によれば、組成物は、有利には、組成物の総質量に対して少なくとも0.02質量%の総含有量のクレンジング活性剤を有する。組成物の総質量に対して少なくとも0.02質量%、なおもより良好には少なくとも0.05質量%、更になおもより良好には少なくとも0.1質量%の総含有量のクレンジング活性剤があると、このようにして、該組成物はまた、音響波による泡の崩壊の不在下でクレンジング作用を有することもできる。この含有量は、20質量%以下でありうる。
【0027】
クレンジング活性剤は、泡の形成に向けて且つ/又はそれらの安定化に向けて寄与することができ、これらの活性剤は、例えば後で詳説される化合物から選ばれ、特に発泡性界面活性剤、例えばポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤、上記のポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸とは異なるアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性及び双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選ばれ、且つ/又はメークアップ除去組成物中に従来存在する化合物、例えばアルキル多糖類、脂肪アルコールポリエチレングリコール、油、及びこれらの混合物から選ばれる。
【0028】
音響波
音響波は、1つ又は複数のトランスデューサ、特に超音波トランスデューサによって発生される。音響波は、好ましくは超音波である。
【0029】
音響波の周波数は、例えば、3kHz~5MHz、なおもより良好には3kHz~1MHz、更になおもより良好には10kHz~1MHz、特に10kHz~500kHzの範囲である。
【0030】
音響波の出力は、例えば、30mW~100W/cm2の範囲であり(高出力の場合、ケラチン物質に損傷を引き起こさないような十分短い期間で、例えば1秒以下の期間で)、なおもより良好には0.1~10W/cm2、又は更には1~7W/cm2の範囲である。
【0031】
音響波は、単一のトランスデューサによって発生されてもよく、又は一変形形態として、少なくとも2つのトランスデューサによって発生されてもよい。各トランスデューサは、金属から典型的に作製されているソノトロードを備えてよく、これは、それを介して音響波が発せられる表面を画定することができる。このようなソノトロードは、例えば金属から作製されてよい。トランスデューサは、少なくとも1種の圧電材料を含んでよい。
【0032】
音響波は、処理デバイスがスイッチオンされるやいなや永続的に発生されてもよく、又は一変形形態として、一定の操作条件、例としてはトランスデューサと接触している組成物の存在、及び/又は処理されることになる領域と接触しているデバイスの存在が満たされたときにのみ、且つ/又はデバイスが、該領域が汚れを保持していることを検出する場合にのみ発生されてもよい。
【0033】
音響波は、正弦波信号によって発生されてもよく、又はより複合的な形状、例えば周波数変調を有する又は振幅変調を有する信号によって発生されてもよい。音響波は、単一の周波数において好ましくは発せられ、これは、それらが、付与された領域上により正確にそれらに焦点が当てられることを可能にしうるが、一変形形態として、いくつかの異なる周波数が発せられてもよい。音響波は、連続的に発せられてもよく、又はパルスの形態で発せられてもよい。
【0034】
方法は、このようにして、トランスデューサと接触している化粧用組成物の存在、及びトランスデューサがこの検出に対して機能する条件を検出する工程を含んでよい。
【0035】
同様に、デバイスは、トランスデューサと接触している化粧用組成物の存在、及びトランスデューサがこの検出に対して機能する条件を検出するための系を備えてよい。
【0036】
方法はまた、処理されることになる領域と接触しているデバイスの存在、及びトランスデューサがこの検出に対して機能する条件を検出する工程を含んでよい。
【0037】
同様に、デバイスは、処理されることになる領域と接触しているデバイスの存在、及びトランスデューサがこの検出に対して機能する条件を検出する系を備えてよい。
【0038】
組成物の不在下での、又はデバイスがケラチン物質を処理する状況にないとき、音響波の発射は、このようにして回避される。
【0039】
好ましくは、音響波は、トランスデューサなしで、又は処理されることになる領域と接触することになる関連するソノトロードなしで発せられる。ケラチン物質中で発せられる音響エネルギーは、このようにして限定される。
【0040】
組成物は、トランスデューサを連続的に機能させながら、又は一変形形態として、トランスデューサをパルス的に機能させながら、トランスデューサと接触させて連続的に循環することができる。組成物はまた、パルス的に供給されうる。音響波に供される領域の供給は、例えば、音響波が発生されていない間の領域の供給の期間を伴って、次いでその中で該領域中に存在する組成物がこの暴露の間に更新されずに音響波に供される期間を伴って、有利には非連続的である。これは、前記領域に入る前に組成物中に存在した泡が、その中に存在する音響波によってはじかれるのを阻止することを可能にする。
【0041】
そのため、音響波の生成のためのトランスデューサの機能に対する組成物の供給をサーボ制御すること(逆もまた然りである)、及びトランスデューサの且つ/又は組成物の供給の、パルスされた機能を有することが可能である。換言すると、その中に組成物が供給される領域中への音響波の発射の期間に対する時間内にオフセットされる組成物の供給が、実施されてもよい。
【0042】
音響波の伝播は、組成物中の液体の存在によって促進されうる。組成物中の気体/液体の質量比は、このようにして、高すぎないことから利益を得ることができ、組成物は、本明細書で以下に詳説するような増粘剤、又は泡の一時的安定性を高めるための任意の他の化合物を有利には含有してよい。
【0043】
音響波を発生させるのに用いられるトランスデューサは、例えば、直径5mmの円~直径100mmの円の面積、なおもより良好には直径5mmの円~直径50mmの円の面積、又はなおもより良好には直径5mmの円~直径40mmの円の面積の範囲である、組成物と接触している面積を有してよい。
【0044】
ソノトロードは、適当な場合、処理されることになる表面の形態に好適な所与の任意の形態で付与されてよい。
【0045】
音響波を発生させるためのトランスデューサと、処理されることになる領域との間の距離は、必要な場合、泡の直径に実質的に相当してよく、好ましくは100ミクロン~40mm、なおもより良好には100ミクロン~10mmの範囲である。
【0046】
気泡
気泡は、他の可能性の中でも、空気、CO2、酸素、水素又は窒素の泡、及びまたこれらの気体の混合物であってよい。
【0047】
全ての泡が同じ気体の泡であってもよく、又は一変形形態として、組成物は、第1の気体の泡、及び第1の気体の泡とは異なる第2の気体の泡を含んでよい。
【0048】
気体は、組成物の分解を起源としてもよく、又はそれから抽出されてもよく、又は一変形形態として、組成物中に導入されてもよい。
【0049】
泡の直径は、100nm~700μm、なおもより良好には500nm~50μmの範囲であってよい。サイズは、本明細書では、個体の半分の数平均サイズD50を示す。
【0050】
無次元数γは、比d/Rmaxに等しく、式中、dは、泡の膨張が最大であるときの、泡の幾何学的中心から、クレンジングされることになる表面までの距離であり、Rmaxは、最大の効率を有するように、泡の最大膨張直径、好ましくは3.5未満、なおもより良好には1.1未満であり、これは、刊行物Mechanisms of single bubble cleaning、F. Reuter、Ultrasonics Sonochemistry 29(2016年)、550~562頁に詳説されている。
【0051】
音響波に暴露された、気泡を有する化粧用組成物によって形成された媒質の密度は、(20℃及び大気圧下で)0.1g/cm3から1g/cm3の間、なおもより良好には0.5g/cm3から1g/cm3の間であってよい。
【0052】
小さい泡のサイズは、皮膚濾胞への、例えば毛髪濾胞中へのそれらの貫通を促進することができ、そのため、それらの中で効率的なクレンジング作用を発揮する。そのため、これらの泡が、300ミクロン以下、なおもより良好にはサイズ200ミクロン以下、例えばサイズ100ミクロン以下であることが有利でありうる。次いで、泡は濾胞に入り、その後、音響波によって活性化されうる。
【0053】
泡の発生
泡は、任意の好適な手段、例えば、機械的、物理的、化学的又は電気化学的な各手段によって発生されうる。泡は、特に、蒸気圧を下げること、及び泡の形態にある気体の形成を生じさせることを可能にする、液体中の負の圧力によって発生されうる。
【0054】
泡の発生は、音響波の発射に対して、前であってもよく、同時であってもよく、又は周期的であってもよい。
【0055】
本発明において泡を発生させるために実施されうる技術の例として、とりわけ以下がある:
- ノズルを用いる液体の減圧の技術、例えば、減圧は、場合により加圧が先行する、
- 乱流の生成の技術、特に回転するブレード、ターボミキサー、イジェクター、Venturi、乱気体又は液状流、回転する多孔質体、特に回転するディスク、発生器を使用する技術で、刊行物「Performance of a new micro-bubble generator with a spherical body in a flowing water tube」、M. Sadatomi、Experimental Thermal and Fluid Science 29(2005年)、615~623頁に記載されており、Venturi tube 及びvortex、MEC Co.社(Iona Shower)により使用されるVenturi、又は剪断力、
- 多孔質膜流体発振器を用いる、多孔質膜の、流れに焦点を当てた又は共焦点を当てた、小さい開口部を通る層流の生成の技術で、例えば論文「Fluidic oscillator-mediated microbubble generation to provide cost-effective mass transfer and mixing efficiency to the wastewater treatment plants」、Environ. Res. 2015年2月; 137: 32-9に記載されているもの;マイクロチャネル乳化の技術、論文「Monodispersed microbubble formation using microchannel technique」; AIChE Journal、50(2004)、3227~3233頁に記載されているもの、これらの、小さい開口部を通る層流による泡の生成技術は、生成される泡の安定性に鑑みて先行技術よりも好ましい、
- エネルギーを供給する技術:
光エネルギーの技術、例えば、ナノ多孔質の金で被覆されているマイクロ流体流路の照射による技術で、Progress in Biomedical Optics and Imaging Proceedings of SPIE、第9705巻、2016年、論文番号97050D「Photothermal generation of microbubbles on plasmonic nanostructures inside microfluidic channels」(会議資料)に記載されているもの、レーザー照射による技術、例えば「An experimental study on microbubble generation by laser induced breakdown in water」、The review of Laser Engineering (Suppl.)(2008年)、1273~1275(2)頁に記載されている技術、カーボンナノチューブ上のレーザー照射による技術で、論文「Producing single microbubbles with control size using microfiber」、Advance in Bioscience and Biotechnology、2(2011年)、385~390頁に記載されている技術、近赤外線中のプラスモン吸収剤によるテーパー状の光ファイバーによる技術で、刊行物「Size-controllable micro-bubble generation using a nanoimprinted plasmonic nanopillar array absorber in the near-infrared region」、Applied Physics Letters、108、2016年に記載されているもの、
例えば超音波による音響エネルギーの技術で、論文Ultrasonics Sonochemistry、第29巻、2016年3月1日、604~611頁、「Influence of sonication conditions on the efficiency of ultrasonic cleaning with flowing micrometer-sized air bubbles」に記載されているもの、マイクロバブルの音波活性化の技術、核生成部位の存在下での超音波の技術で、特許出願WO2016/055883に記載されているもの、
例えば電気力学的同軸霧化法を介した電気エネルギーの技術で、刊行物「Preparation of microbubble suspensions by co-axial electrohydrodynamic atomization」、Medical Engineering and Physics、29(2007年)、749~754頁に記載されているもの、電解、電気浮選による技術、電解マイクロ発電機による技術で、刊行物「Micro-fabricated electrolytic micro-bubblers」、International Journal of Multiphase Flow、31(2005年)、706~722頁に記載されているもの、静電噴霧による技術で、刊行物「Microbubble generation for environmental and industrial separations」、Separation and Purification Technology、11(1997年)、221~232頁に記載されているもの、カーボンナノチューブの電気的加熱による技術で、刊行物「Microbubble generation with micro-watt power using carbon nanotubes heating elements」、Proceedings of the 7th IEEE International Conference on Nanotechnology、2007年8月2~5日、Hong Kong(2007年)に記載されているもの、又はマイクロプラズマによる技術で、論文Journal of Physics D; Applied Physics、第47巻、35号、2014年9月3日、論文番号355203、「Microbubble generation by microplasma in water」に記載されているもの。
【0056】
泡は、デバイスがスイッチオンされるやいなや連続的に発生されうる。一変形形態として、泡は、分散する時間をそれらに付与するように、例えば組成物が分配されるときのみに、又は予め規定された周波数において定期的に、間欠的に発生される。一定の量の泡が、デバイスがスイッチオンされる前に組成物中に存在しうる。
【0057】
泡生成の強度は、適当な場合、一定であっても可変であってもよく、ユーザによって調製可能であり、又は所望の結果の、又は少なくとも1つの操作パラメータの関数として、デバイスによって自動的に調製可能である。
【0058】
泡は、上に挙げた技術のうちの任意のものによって発生され得、特に例えばポンプ又は圧縮したガスタンクを用いて加圧した気体を組成物中に注入することによって、化粧用組成物の電解によって、組成物の混和によって、気体の組成物中への吸引によって、又は組成物と混合された又は組成物に溶解された液化気体の蒸発によって、発生されうる。泡は、2種の液体の反応、又は1種の液体と、例えば粉末、顆粒又は錠剤の各形態又は任意の他の形態にある少なくとも1種の固体との反応を起源としうる。
【0059】
泡を含有する液体の流れは、0.01mL/秒~10mL/秒の範囲であってよい。
【0060】
研磨
方法は、研磨粒子及び/又はケラチン物質と接触しているデバイスの一部を使用する、ケラチン物質の研磨を含んでよい。
【0061】
研磨は、化粧用組成物及び泡の、音響波への暴露の前に実施されてもよく、又は一変形形態として、同時に実施されてもよい。研磨が事前に行われる場合、それは、任意の手段、特に機械的作用又は化学的作用を介して実施されてよい。
【0062】
この場合、ケラチン物質の研磨は、泡の音響波への暴露に続いて生成される衝撃波によってだけでなく、少なくとも部分的には、処理されることになる表面に影響を及ぼす研磨粒子の作用によっても、例えばアプリケータの表面上に存在する粒子が、外側のケラチン物質と接触するようになることによっても引き起こされうる。
【0063】
化粧用組成物中に存在する研磨粒子は、組成物の媒質に不溶性であってもよく、又は一変形形態として、それに可溶性であってもよく、次いでそれらの溶解の間に好ましくは気体を発生することができ、この気体は、そうであれば、音響波に供された泡のうちの全て又はいくらかを発生させるのに役立つことになる。
【0064】
研磨粒子は、モース尺度3以上の硬度を有する材料の研磨粒子、例えばアルミナ、シリカ、アルミノシリケート又はカーボネートの粉末、又はシリカ、アルミナ又はアルミノシリケートで被覆された材料の粉末から選ぶことができる。
【0065】
それはまた、果物の仁の粉末、特にアプリコットの、木材セルロースの、例えば粉砕した竹の茎の、ココナツ殻の粉末であってもよく、又は合成材料、例えばポリアミド、又は有機化合物と無機化合物とを合わせた混合粒子、及び上記化合物で被覆された粒子でもあってよい。
【0066】
研磨粒子は、毛髪処理のために0.1ミクロンから500ミクロンの間、特に0.1ミクロンから50ミクロンの間のサイズを有してよく、頭皮又は顔の皮膚の処理のために10ミクロンから300ミクロンの間のサイズを有してよい。
【0067】
研磨作用を発揮するのに使用される固体粒子は、平らな、球状の、長い、多角形の又は不規則な各形状を有してよい。
【0068】
リサイクル
好ましくは、化粧用組成物は、リサイクルされるために少なくとも部分的に回収されるように、ケラチン物質と接触させて送られる。
【0069】
回収される組成物は、クレンジングされることになる表面に再び送られる前に、固体デブリ又はその粒子相を解放するようにろ過されてよい。
【0070】
好ましくは、組成物は、吸引によって又は吸収によって、例えば多孔質支持体を用いて回収される。
【0071】
有利には、処理及び精製ユニットは、ケラチン表面と接触した組成物を含む費やされた組成物を受け取るための処理ユニット入口、並びにスラリー収集ボウル及び液体収集チャンバを備えたセパレータを備える。
【0072】
より有利には、噴霧ノズルが、ボウル内部に搭載される。
【0073】
更により有利には、噴霧ノズルは、噴霧ノズル入口及び噴霧ノズル出口、スラリー収集ボウル中に出てくる噴霧ノズル入口及び噴霧ノズル出口と連通する処理ユニット入口を備える。
【0074】
有利な実施形態によれば、ボウル蓋は、スラリー収集ボウルを液体収集チャンバから分離し、チャネルはボウル蓋を通過して、液体収集チャンバ中でスラリーを解放した組成物を放出する。2つのチャンバは、開口部(蓋)を介して充填され空にされうる。それらは、完全に気密性であり、且つ使い捨て且つ/又は収集可能であり得、専用ネットワークを介して清浄にされ、その後に再充填されうる。
【0075】
有利には、遠心分離機からの出口は、液体回収チャンバと連通し、遠心分離機は、費やされた液体を、それが収容するスラリーから、スラリー回収ボウルの壁上の水の密度よりも高い密度を有するスラリー装入水の遠心分離によって、分離することができる。
【0076】
液体収集チャンバはまた、液体がチャンバに入るときに液体を徐々にそらす、そらせ板を有利には備え、前記そらせ板は、乱流がチャンバ中に堆積することを阻止する。チャンバは、天然又は人工の繊維から作製された不織布フィルター、フィルター粒子、例えば砂、シリカ、又は物質をサスペンション中に保持する任意の他の手段を備えてよい。
【0077】
本発明の特定の一実施形態によれば、処理及び精製ユニットは、リサイクルされた組成物中の細菌を殺す殺菌ユニットを備え、前記殺菌ユニットは、UVランプ、及び/又はオゾン若しくはオキシダント発生器、及び/又は化学製品若しくは殺細菌剤ディスペンサ、及び/又は加熱デバイスを備える。
【0078】
処理及び精製ユニットは、有利には、少なくとも1つの波長にて吸収を測定することが意図された光学的汚染物質検出ユニットを備え、且つ1つ又は複数の波長にて1つ又は複数の光学的信号を発生させるための少なくとも1つの源、1つ又は複数の波長にて前記光学的信号を検出するための且つ前記汚染物質の存在を示す電気信号を発するための少なくとも1つの検出器を備える。
【0079】
好ましくは、処理及び精製ユニットは、50ミクロン以下の孔径を有するフィルターを備える。フィルターは、折り畳みあり又はなしの、不織布の布帛であってよい。
【0080】
フィルターは、ナノフィルター及び少なくとも1つのフィルター品質センサー、並びに少なくとも1つのプレフィルターを備えたフィルター系によって形成されてよく、該プレフィルターは、方法の用語におけるナノフィルターの前に位置づけられ、フィルター品質センサーは、フィルター系が首尾よく機能していることを示すよう付与されている。
【0081】
より優先的には、ろ過され得ない汚染物質が前記リサイクリングパイプに入れないように、光学的検出は、前記フィルターの上流で行われる。
【0082】
より有利には、ユニットは、遠心分離機を通過する、費やされた組成物を吸い上げるための戻しポンプを備え、これは、ポンプ入口及びポンプ出口を備え、ポンプ入口は遠心分離機出口に連結される。
【0083】
更により有利には、ユニットは、ろ過デバイス入口を備えたろ過デバイスを備え、ろ過デバイス入口は、ポンプ出口に連結され、処理ユニット出口は、ろ過デバイス出口に連結されている。
【0084】
優先的には、ユニットは、ある一定の供給速度でユニット入口に水を供給する供給ポンプを備え、戻しポンプがある一定の戻し速度で水を吸い上げ、供給速度は戻し速度より遅く、それにより、戻しポンプが遠心分離機を通して水と空気との両方を吸い上げる。
【0085】
有利には、リサイクリングユニットは、例えば溶媒のリサイクルの手段によって、蒸気形態にある溶媒を外部環境中に放出しないように、又はその少量のみを放出するように構成され、該リサイクリルは、例えば、溶媒の濃縮後に、蒸気又は液体の形態において行われる。
【0086】
チャンバ
チャンバの容量は、例えば、5mlから100mlの間、なおもより良好には7.5mlから50mlの間である。
【0087】
好ましくは、アプリケータ部材に組成物を供給するためのチャンバ及び系は、1つの且つ同一のレフィル形成アセンブリに属し、これは、デバイス上に固定されてそこから除去されるために一体に取り扱うことができ、製品を再充填することが、これにより容易になる。
【0088】
レフィル形成アセンブリは、好ましくはクリック固定によって、ハンドピースに、例えばその中に電気発生器が収容されているケーシングに、固定されるように設計することができる。
【0089】
レフィルは、その中に異なる組成物が貯蔵されうる1つ又は複数のカートリッジを備えてよい。これらの組成物は、使用時に混合されてもよく、それらのいくつかについては、固体であってもよく、且つ/又は急速に可溶である粉末の形態にあってもよい。
【0090】
有利には、本発明による化粧用デバイスは、取り外し可能であっても取り外し不能であってもよい化粧用組成物レフィルを備える。
【0091】
アプリケータ
アプリケータは、多孔質材料及び/又は化粧用製品を放出する又は拡散することができる材料を含んでよく、特に、特にフレームの形態にある、取り外し可能な支持体に好ましくは保持されている連続発泡体を含んでよい。
【0092】
そのため、アプリケータは、スロット等の分配オリフィスを備えてよく、これらは、静置時には閉じ、上流組成物の圧力下で開き、充填作用の終了後に続く組成物の充填及び分配の間に体積の増大を可能にする弾性を有する。
【0093】
アプリケータは、適当な場合、デバイス上に取り外し可能に搭載されたアプリケータ部材を備えてよく、一変形形態では、アプリケータ部材は、アプリケータに固定されてよい。適当な場合、デバイスは、それを交換するために、アプリケータ部分をイジェクトしやすくする手段、例えばイジェクタープッシュボタンを備えてよい。アプリケータは、チャンバを備えてよく、これは、クレンジングを可能にして、泡の、クレンジングされることになる表面との接触を可能にするのに十分な量の組成物を貯蔵するためのものである。アプリケータは、可撓性及び/又は剛直な材料から設計されてよい。アプリケータは、クレンジングすることが意図されている組成物の漏れを阻止することを可能にしなければならない。アプリケータは、取り外し可能であってよく、組成物がループにおいて循環することを可能にするように閉じられていてよい。
【0094】
化粧用組成物の適用
一般に、組成物は、それ自体、その配合物のために、音響波に供された泡の作用によって除去することが望ましい汚染物の除去に向けて既に寄与している。音響波に供された泡の作用は、この方法を速めることができる又は改善することができる。そのため、組み合わせの作用との組み合わせにおいて泡の崩壊によって発生された波の会合は、共同作用によって、波単独のそれよりも、又は組成物単独のそれよりも大きい効果を有しうる。
【0095】
第1段階で、泡が既に中に存在する化粧用組成物を、適用し、次いで、それがケラチン物質に適用された後で、泡の崩壊に続いて衝撃波をもたらすために、第2段階で音響波に暴露することができる。
【0096】
例えば、ユーザは、最初に、発泡体の形態にある化粧用組成物を、クレンジングすることになる領域に、例えばそれを前記領域上に噴霧することによって適用し、次いで処理デバイスを組成物との接触に持ち込んで、前記組成物を音響波に供する。
【0097】
化粧用組成物はまた、別の方法でも適用してよく、特に連続的に適用してもよく、すなわち、組成物の循環が、処理されることになるケラチン物質との接触において確立され、この循環は、例えば、閉じた回路又は開いた回路中にある。
【0098】
循環が閉じた回路中で行われるとき、組成物は、少なくとも部分的にリサイクルされる。追加の量の組成物が、損失を補填するために、連続的に又は間欠的に回路中に導入されてよい。
【0099】
循環は、クレンジングされることになる表面上で組成物の延長された静的接触を促進するために、任意の瞬間において止めることができる。循環は、泡の存在なしで行われてよく、例えばクレンジングするためにそれを調製するための、ケラチン物質との第1の接触を可能にする。
【0100】
開いた回路では、組成物は、該方法を実施するためにはリサイクルされず、例えば回収タンクに移され、又は廃水で直接行われる。
【0101】
組成物の循環は、例えば、1秒当たり0.01mLから1秒当たり5mLの間の流速を伴って行われる。
【0102】
泡は、化粧用組成物がデバイスの泡発生器の手段によって、例えば電解による機能によって、既にケラチン物質と接触している間に形成されうる。
【0103】
ハンドピース
方法は、処理されることになるケラチン物質と接触して置かれることになるハンドピースを用いて実施されうる。
【0104】
このハンドピースは、音響波を発生するための少なくとも1つの超音波トランスデューサを保持してよく、音響波発射表面を、処理されることになる表面から距離をおいて保つように配置されてよい。
【0105】
ハンドピースは、この分離を維持するためのスペーサとして作用する少なくとも1つの可撓性リップを備えてもよい。この可撓性リップはまた、処理されることになる表面とトランスデューサとの間に位置するスペース中に化粧用組成物を限局することに関与しうる。この可撓性リップは、組成物を、分配する、拡散する、回収する及び/又はリサイクルすることに向けて寄与することができる。
【0106】
化粧用組成物は、スペース中で循環するようにされ得、ハンドピースのソノトロードと、処理されることになる領域との間に位置して変調可能であってよい。
【0107】
この循環は、上に挙げたように連続的に行われてもよく又は間欠的に行われてもよい。前記スペースはまた、ハンドピースがその場所にある間に組成物で充填されて、続いてこのスペースを充填する組成物中で音響波を発生してもよい。
【0108】
処理される領域の選択
該方法は、顔、頭皮又は体の皮膚の全て又は一部において、それらをクレンジングするために実施することができる。
【0109】
処理される領域は、特に、とりわけ、ファンデーション、口紅、ブラッシャー、マスカラ、アイライナー、パウダー、エマルション、オイル又は日焼け止め製品等のメークアップ製品で被覆されているケラチン物質の領域であってよく、該処理は、この製品を除去することに向けられうる。
【0110】
該方法は、メークアップ製品、又は除去が望まれる任意の物質で被覆されている表面全体を処理するために、処理されることになる領域に沿ってハンドピースを動かして実施することができる。
【0111】
該方法はまた、メークアップ製品で被覆されていない皮膚の領域を処理するために実施されてもよく、これは、それを深くまでクレンジングするため、且つ外因性不純物、又は内因性不純物若しくは欠陥、例えば死んだ皮膚細胞、皮脂若しくは汗の跡、フケ、細菌、汚染の跡、黒色面皰、色素マーク、軽い瘢痕又はにきび瘢痕を除去する又は処理するためである。該方法は、頭皮を処理するために実施されうる。該方法はまた、ネイルエナメルを除去するために爪上でも実施されうる。
【0112】
該方法はまた、毛髪をクレンジングするために、特に、先に実施されたカラーリングを少なくとも部分的に除去するためにも実施されうる。
【0113】
関連する方法
本発明による方法は、メークアップ又はマッサージ等の美容方法に先行してもよく、又はそれらに続いてもよい。
【0114】
例えば、皮膚、毛髪又は睫毛がメークアップされ、該メークアップは、次いで、一定の時間(例えば24時間未満)の後に、本発明によるクレンジング方法の手段によって除去される。
【0115】
別の例では、皮膚は、本発明による方法を実施することによってクレンジングされ、次いで(例えば直後又は2時間未満)、クレンジング済み領域上に、ケアトリートメント、例えばマッサージ及び/又はケア用組成物の適用が実施される。
【0116】
処理キット
本発明の一主題はまた、上に定義されている本発明による方法を実施するための処理キットでもある。
【0117】
このキットは、
- 中で泡が発生される化粧用組成物と、
- 前記泡を、処理されることになる表面の領域中で音響波に暴露するためのデバイスと
を含む。
【0118】
組成物は、同じ包装物中に、デバイスと共に包装されてよい。
【0119】
適当な場合、組成物は、デバイス上に搭載されるように配置された容器中に収容され、この容器は、例えば、デバイスの対応するハウジング中に完全に又は部分的に固定されるように配置された、又はホース等の好適な連結物を介してデバイスに連結されるように配置された、カートリッジから構成される。
【0120】
化粧用組成物
組成物は、音響波の適用前に十分安定である、泡の発生と適合性がある、ヒトのケラチン物質をクレンジングするための且つ/又はケアするための組成物の配合物中に従来含まれる任意の化合物を一般に含んでよい。
【0121】
泡の安定化
化粧用組成物は、安定化作用を有する少なくとも1種の化合物を好ましくは含有し、例えば界面活性剤、微粒子状化合物、塩、ポリマー、又は泡の安定化に向けて寄与する、すなわちそれらが音響波に供される前に未成熟に癒合するのを阻止することを可能にする、同時に、処理されることになる表面に近い又はそれと接触しつつ、その媒質中で泡の寿命を延長することを可能にする任意の型の化合物を含有する。泡が発生されるときの瞬間から、それらが音響波に供されるときの瞬間までの間の時間は、例えば、数ミリ秒から数日の範囲である。
【0122】
いくつかの要因が泡の形成及び安定性を促進することが、知られている:
・界面活性剤の量: 界面活性剤は、ミセルの形態にある組成物において好ましくは利用可能となり、そのため、泡が一旦形成されたことを含めた、臨界ミセル濃度(CMC: それ以上で界面活性剤がミセルを形成するように会合する濃度)を上回る濃度にて好ましくは利用可能となる。これを得るために、製品中の界面活性剤の濃度は、好ましくはCMCの5~10倍である。
・媒質の粘度: より粘性の媒質が、より安定な泡を得ることを可能にする。例えば、ポリマー(例えばタンパク質)及び/又は増粘剤の使用が、これを得ることを可能にする。
・水の硬度: アニオン性界面活性剤の発泡力は、界面活性剤と相互作用するCa2+イオン及びMg2+イオンに鑑みて、硬水中で一般に弱まる。
・使用される気体の性質: 泡は、使用される気体がわずかに水溶性である場合に、より安定になることになる。
【0123】
この安定化作用を有する化合物はまた、処理されることになる表面上で、作用、特に機械的、化学的及び又は生物学的作用を発揮しうる。
【0124】
泡は、任意の好適な手段によって、例えば発泡性界面活性剤、例えばポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤、上記のポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸とは異なるアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性及び双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物を使用することによって、且つ/又はメークアップ除去組成物中に従来存在する化合物、例えばアルキル多糖類、脂肪アルコールポリエチレングリコール、油、及びこれらの混合物を使用することによって、発生されうる且つ/又は安定化されうる。
【0125】
そこから泡が発生されうる発泡性界面活性剤
上に挙げたように、泡を発生させるために且つ/又はそれらの安定化に向けて寄与するために、本発明に好適である組成物は、少なくとも1種の発泡性界面活性剤、例えば(i)ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤、(ii)アニオン性界面活性剤(i)とは異なるアニオン性界面活性剤、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)両性/双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択されるものを含んでよい。
【0126】
用語「アニオン性界面活性剤」は、イオン性の基又はイオン化可能な基としてアニオン性基だけを含む界面活性剤を意味する。
【0127】
本明細書では、種は、本発明の組成物の使用条件下(例えば媒体又はpH)、及びカチオン性電荷を一切含まない条件下において、それが少なくとも1つの永久負電荷を有するとき、又はそれが負に荷電した種としてイオン化されうるとき、「アニオン性」であると名付けられる。
【0128】
種は、それが本特許出願の意味内でカチオン性でもアニオン性でもないとき、特に本特許出願の意味内でそれがカチオン性基又はアニオン性基を一切含まないとき、「非イオン性」であると名付けられる。
【0129】
用語「両性/双性イオン性界面活性剤」又は「両性であり双性イオン性である界面活性剤」は、中心の且つ平衡された正電荷又は負電荷を含有する、且つその中にそれが存在する媒質に適合することによって、結果としてアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤のようにふるまうことができる、界面活性剤を意味する。それは、アルカリ性媒質中でアニオン性に、酸性媒質中でカチオン性になり、中性のpHにおいて非イオン性界面活性剤に等しい。
【0130】
i)ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤
本発明に好適である組成物は、少なくとも1種のポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤を含んでよい。
【0131】
使用されうるポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸は、式(1):
R1(OC2H4)nOCH2COOA (1)
[式中、
- R1は、直鎖状又は分枝状のC6~C24アルキル基又はアルケニル基、アルキル(C8~C9)フェニル基、R2CONH-CH2-CH2-基(式中、R2は、直鎖状又は分枝状のC9~C21アルキル基又はアルケニル基を表す)を表し、好ましくはR1は、C8~C20アルキル基、より優先的にはC8~C18アルキル基であり、
- nは、2~24、好ましくは2~10の範囲の整数又は10進数(平均値)であり、
- Aは、水素原子、アンモニウム、Na、K、Li、Mg、Ca又はモノエタノールアミン若しくはトリエタノールアミン残基を表す]
のものから選ばれる。
【0132】
式(1)の化合物の混合物、特に、R1基が異なる化合物の混合物を使用することも可能である。
【0133】
特に好ましいポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸は、式(1):
(式中、
- R1は、C12~C14アルキル、ココイル、オレイル、ノニルフェニル又はオクチルフェニルの各基を表し、
- Aは、水素原子又はナトリウム原子を表し、
- nは、2~20、好ましくは2~10の範囲である)
のものである。
【0134】
更により優先的には、式(I)の化合物中、R1は、C12アルキル基を表し、Aは、水素原子又はナトリウム原子を表し、nは、2~10の範囲である。
【0135】
ポリオキシアルキレン化(C6~C24)アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、ポリオキシアルキレン化(C6~C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸、特定すると2~15のアルキレンオキシド基を含むもの、それらの塩、及びこれらの混合物が、好ましくは使用される。
【0136】
アニオン性界面活性剤が塩の形態であるとき、前記塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩若しくはカリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、特にアミノアルコール塩、及びアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩から選ぶことができる。
【0137】
挙げることができるアミノアルコール塩の例には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンの各塩、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン又はトリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの各塩がある。
【0138】
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、具体的にはナトリウム塩又はマグネシウム塩が、優先的に使用される。
【0139】
好ましくは使用されうる市販製品の中で、花王株式会社により以下の名称で販売されている製品があり:
Akypo(登録商標)NP 70(R1=ノニルフェニル、n=7、A=H)、
Akypo(登録商標)NP 40(R1=ノニルフェニル、n=4、A=H)、
Akypo(登録商標)OP 40(R1=オクチルフェニル、n=4、A=H)、
Akypo(登録商標)OP 80(R1=オクチルフェニル、n=8、A=H)、
Akypo(登録商標)OP 190(R1=オクチルフェニル、n=19、A=H)、
Akypo(登録商標)RLM 38(R1=(C12~C14)アルキル、n=4、A=H)、
Akypo(登録商標)RLM 38 NV(R1=(C12~C14)アルキル、n=4、A=Na)、
Akypo(登録商標)RLM 45 CA(R1=(C12~C14)アルキル、n=4.5、A=H)、
Akypo(登録商標)RLM 45 NV(R1=(C12~C14)アルキル、n=4.5、A=Na)、
Akypo(登録商標)RLM 100(R1=(C12~C14)アルキル、n=10、A=H)、
Akypo(登録商標)RLM 100 NV(R1=(C12~C14)アルキル、n=10、A=Na)、
Akypo(登録商標)RLM 130(R1=(C12~C14)アルキル、n=13、A=H)、
Akypo(登録商標)RLM 160 NV(R1=(C12~C14)アルキル、n=16、A=Na)、
又はSandoz社により以下の名称で販売されている製品があり:
Sandopan DTC-Acid(R1=(C13)アルキル、n=6、A=H)、
Sandopan DTC(R1=(C13)アルキル、n=6、A=Na)、
Sandopan LS 24(R1=(C12~C14)アルキル、n=12、A=Na)、
Sandopan JA 36(R1=(C13)アルキル、n=18、A=H)、
より特定すると以下の名称で販売されている製品がある:
Akypo(登録商標)RLM 45(INCI: ラウレス-5カルボン酸)、
Akypo(登録商標)RLM 100、
Akypo(登録商標)RLM 38。
【0140】
ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤(i)は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~20質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~10質量%の範囲の量で存在してよい。
【0141】
(ii)ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤(i)以外のアニオン性界面活性剤
本発明に好適である組成物は、ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤(i)以外の、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤(ii)を含んでよい。
【0142】
前記アニオン性界面活性剤(ii)は、それらの構造中に、1種又は複数の硫酸塩及び/若しくはスルホン酸塩及び/若しくはリン酸塩及び/若しくはカルボン酸塩の各基、並びに/又はこれらの基の混合物を含んでよく、好ましくは硫酸塩基を含んでよい。
【0143】
前記アニオン性界面活性剤(ii)は、オキシエチレン化されていてもよく且つ/又はオキシプロピレン化されていてもよい。エチレンオキシド基(EO)及び/又はプロピレンオキシド基(PO)の総平均数は、そうであれば、1~50、特定すると1~10の範囲であってよい。
【0144】
使用されうるカルボン酸塩型アニオン性界面活性剤は、そのため、少なくとも1つのカルボン酸官能基又はカルボキシレート官能基を含んでよい。
【0145】
それらは以下の化合物から選ぶことができる:アシルグリシン酸塩、アシル乳酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アルキル-D-ガラクトシド-ウロン酸、及びまたこれらの化合物の塩;6~30個の炭素原子、特に12~28個、なおもより良好には14~24個、又は更に16~22個の炭素原子を含むこれらの化合物のアルキル基及び/又はアシル基;これらの化合物は、場合によりポリオキシアルキレン化、特にポリオキシエチレン化されており、そうであれば、1~50個のエチレンオキシド単位、なおもより良好には1~10個のエチレンオキシド単位を好ましくは含む。
【0146】
ポリグリコシド-ポリカルボン酸のC6~C24アルキルモノエステル、例えばC6~C24アルキルポリグリコシド-クエン酸エステル、C6~C24アルキルポリグリコシド-酒石酸エステル及びC6~C24アルキルポリグリコシド-スルホコハク酸エステル、並びにこれらの塩も使用することができる。
【0147】
優先的には、前記カルボン酸型アニオン性界面活性剤は、以下から選ばれる:
- アシルグルタミン酸塩、特にC6~C24又は更にC12~C20アシルグルタミン酸塩、例えばステアロイルグルタミン酸塩、特定するとステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、
- アシルサルコシン酸塩、特にC6~C24、又は更にC12~C20のもの、例えばパルミトイルサルコシン酸塩、特定するとパルミトイルサルコシン酸ナトリウム、
- アシル乳酸塩、特にC12~C28又は更にC14~C24アシル乳酸塩、例えばベヘノイル乳酸塩、特定するとベヘノイル乳酸塩ナトリウム、
- C6~C24、特にC12~C20アシルグリシン酸塩、
特にアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属、アンモニウム又はアミノアルコールの各塩の形態である、
- これらの混合物。
【0148】
使用されうるスルホン酸塩型アニオン性界面活性剤は、そのため、少なくとも1つのスルホン酸塩官能基を含んでよい。
【0149】
それらは、以下の化合物から選ぶことができる: アルキルスルホン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、N-アシルタウリン酸塩、アシルイセチオン酸塩;アルキルスルホラウリン酸塩;及びまたこれらの化合物の塩;これらの化合物のアルキル基は、6~30個の炭素原子、特に12~28個、なおもより良好には14~24個、又は更に16~22個の炭素原子を含み;アリール基は、フェニル基又はベンジル基を好ましくは表し;これらの化合物は、場合によりポリオキシアルキレン化、特にポリオキシエチレン化されており、1~50のエチレンオキシド単位、なおもより良好には2~10のエチレンオキシド単位を好ましくは含む。
【0150】
優先的には、前記スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤は、以下から選ばれる:
- C6~C24、特にC12~C20アルキルスルホコハク酸塩、特にスルホコハク酸ラウリル、
- C6~C24、特にC12~C20アルキルエーテルスルホコハク酸塩、
- C6~C24、好ましくはC12~C18アシルイセチオン酸塩、
特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属、アンモニウム又はアミノアルコールの各塩の形態である、
- これらの混合物。
【0151】
使用されうる硫酸塩型アニオン性界面活性剤は、そのため、少なくとも1つの硫酸塩官能基を含んでよい。
【0152】
それらは、以下の化合物から選ぶことができる:アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルポリエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩、及びこれらの化合物の塩;これらの化合物のアルキル基は、6~30個の炭素原子、特に12~28個、なおもより良好には14~24個、又は更に16~22個の炭素原子を含み;アリール基は、フェニル基又はベンジル基を好ましくは表し;これらの化合物は、場合によりポリオキシアルキレン化、特にポリオキシエチレン化されており、且つ1~50個のエチレンオキシド単位、なおもより良好には2~10個のエチレンオキシド単位を好ましくは含む。
【0153】
優先的には、前記硫酸塩型アニオン性界面活性剤は、以下から選ばれる:
- C6~C24、特にC12~C20アルキル硫酸塩、
- アルキルエーテル硫酸塩、特にC6~C24、又は更にC12~C20アルキルエーテル硫酸塩、好ましくは2~20個のエチレンオキシド単位を含むもの、
特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアミノアルコールの各塩の形態である、
- これらの混合物。
【0154】
アニオン性界面活性剤(ii)が塩の形態であるとき、前記塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩若しくはカリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、特にアミノアルコール塩、及びアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩又はカルシウム塩から選ぶことができる。特に挙げることができるアミノアルコール塩の例には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンの各塩、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン又はトリイソプロパノールアミンの各塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩がある。アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、具体的にはナトリウム塩又はマグネシウム塩が、優先的に使用される。
【0155】
優先的には、前記追加のアニオン性界面活性剤(ii)は、以下から選ばれる:
- C6~C24、特にC12~C20アルキル硫酸塩、
- C6~C24、特にC12~C20アルキルエーテル硫酸塩、好ましくは2~20個のエチレンオキシド単位を含むもの、
- C6~C24、特にC12~C20アルキルスルホコハク酸塩、特にスルホコハク酸ラウリル、
- C6~C24、特にC12~C20アルキルエーテルスルホコハク酸塩、
- C6~C24、特にC12~C18アシルイセチオン酸塩、
- C6~C24、特にC12~C20アシルサルコシン酸塩、特にサルコシン酸パルミトイル、
- C6~C24、特にC12~C20アシルグルタミン酸塩、
- C6~C24、特にC12~C20アシルグリシン酸塩、
特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアミノアルコールの各塩の形態である、
- これらの混合物。
【0156】
アニオン性界面活性剤(ii)の中で、1種又は複数の硫酸塩型アニオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0157】
好ましくは、アニオン性界面活性剤(ii)は、塩の形態、具体的にはアルカリ塩、特定するとナトリウム塩、アンモニウム塩、アミノアルコール塩を含むアミン塩、及び/又はマグネシウム塩の形態にある。これらの塩は、2~5つのエチレンオキシド基を好ましくは含む。アニオン性界面活性剤(ii)は、好ましくは、C8~C14アルキル硫酸塩及び/又はC8~C14アルキルエーテル硫酸塩、より優先的にはC12~C14アルキル硫酸塩及び/又はC12~C14アルキルエーテル硫酸塩、なおもより良好にはラウリル(エーテル)硫酸塩から選ばれる。
【0158】
例えば1~10molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されている、C12~C14アルキル硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、マグネシウム又はアンモニウム、及び/又はC12~C14アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アンモニウム又はマグネシウムが、より優先的に使用される。
【0159】
なおもより良好には、アニオン性界面活性剤(ii)は、2.2molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されている、C12~C14アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アンモニウム又はマグネシウムから選ばれ、例えばCognis社により名称Texapon N702で販売されているもの、又はZschimmer & Schwarz社により名称Zetesol(商標)270/N-RSPO-MBで販売されているもの(ラウレス硫酸ナトリウム)である。
【0160】
ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤(i)とは異なるアニオン性界面活性剤(ii)は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~20質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~10質量%の範囲の量で存在してよい。
【0161】
(iii)非イオン性界面活性剤
本発明に好適である組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含んでよい。
【0162】
非イオン性界面活性剤は、以下の化合物から選ぶことができる:
- (a)少なくとも1つのC8~C40アルキル鎖を含み、且つ1~100molのエチレンオキシド、好ましくは2~50、より特定すると2~40molのエチレンオキシドを含み、且つ1つ又は2つの脂肪鎖を含む、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、オキシエチレン化アルコール、
- (b)アルキル(ポリ)グリコシド型の非イオン性界面活性剤、特に一般式:
R1O-(R2O)t-(G)v
(式中、
- R1は、6~24個の炭素原子、特に8~18個の炭素原子を含む、直鎖状若しくは分枝状のアルキル基若しくはアルケニル基、又はそこで直鎖状若しくは分枝状のアルキル基が6~24個の炭素原子、特に8~18個の炭素原子を含むアルキルフェニル基を表し、
- R2は、2~4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、
- Gは、5個又は6個の炭素原子を含む糖単位を表し、
- tは、0~10、好ましくは0~4の範囲の値を表し、
- vは、1~15、好ましくは1~4の範囲の値を表す)
により表されるもの、
- (c)ソルビタンのポリエトキシル化脂肪酸エステル、2~40molのエチレンオキシドを好ましくは含有し、且つ少なくとも1つの飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8~C40アルキル鎖、好ましくはC10~C28アルキル鎖(脂肪酸)を含むもの、
- (d)スクロースの脂肪酸エステル、少なくとも1つの飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8~C40アルキル鎖、好ましくはC10~C28アルキル鎖(脂肪酸)を好ましくは含むもの、例としてはヤシ油脂肪酸スクロース及びパルミチン酸スクロース、
- (e)ポリグリセロール化脂肪エステルで、グリセロール基の数が、場合により2~30の範囲であり、且つ少なくとも1つの飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8~C40アルキル鎖、好ましくはC10~C28アルキル鎖(脂肪酸)を含むもの、例としてはポリグリセリル-5ラウレート、ポリグリセリル-4ラウレート、ポリグリセリル-10ラウレート又はポリグリセリル-6ジカプレート、
並びに
- (f)これらの混合物。
【0163】
好ましくは、アルキル(ポリ)グリコシド型の非イオン性界面活性剤は、式:
R1O-(R2O)t-(G)v
(式中、
- R1は、8~18個の炭素原子を含む、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のアルキル基を表し、
- R2は、2~4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、
- Gは、グルコース、フルクトース又はガラクトース、好ましくはグルコースを表し、
- tは、0~3の、好ましくは0からの範囲の値を表し、
- 重合度、すなわちvの値は、場合により1~15、好ましくは1~4の範囲であり、平均重合度は、より特定すると1から2の間である)
の化合物である。
【0164】
糖単位間のグルコシド結合は、一般に、1-6型又は1-4型のものであり、好ましくは1-4型のものである。好ましくは、アルキル(ポリ)グリコシド界面活性剤は、アルキル(ポリ)グルコシド界面活性剤である。1-4型のC8~C16アルキル(ポリ)グリコシド、特にデシルグルコシド及びカプリリル/カプリルグルコシドが、最も特に好ましい。
【0165】
市販製品の中で、Cognis社により名称Plantaren(登録商標)(600 CS/U、1200及び2000)又はPlantacare(登録商標)(818、1200及び2000)で販売されている製品、SEPPIC社により名称Oramix(登録商標)CG 110及びOramix(登録商標)NS 10で販売されている製品、BASF社により名称Lutensol(登録商標)GD 70で販売されている製品、又はChem Y社により名称AG10 LKで販売されている製品を挙げることができる。
【0166】
好ましくは、1-4型のC8~C16アルキル(ポリ)グリコシド、特に53%水溶液であるもの、例えばCognis社により参照名Plantacare(登録商標)818 UPで販売されているものを使用することができる。
【0167】
好ましい一実施形態によれば、非イオン性界面活性剤(iii)は、以下の化合物から選ぶことができる:
- 1~100molのエチレンオキシド、好ましくは2~50molのエチレンオキシドを含む、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、オキシエチレン化C8~C40、特に脂肪アルコール、より特定すると1~100molのエチレンオキシド、好ましくは2~50mol、より特定すると2~40molのエチレンオキシド、又は更に3~20molのエチレンオキシドを含む、C18~C20、なおもより良好にはC10~C18、特に4molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名: ラウレス-4)、及び12molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名: ラウレス-12)、
- C6~C24、より特定するとC8~C18アルキル(ポリ)グリコシド、
並びに
- これらの混合物。
【0168】
より好ましい実施形態によれば、非イオン性界面活性剤(iii)は、2~50mol、特定すると3~20molのエチレンオキシドを含む、少なくとも1つのC8~C20、好ましくはC10~C18アルキル鎖を含む、オキシエチレン化アルコールから選ばれる。
【0169】
非イオン性界面活性剤(iii)は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~20質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~10質量%の範囲の量で存在してよい。
【0170】
(iv)両性/双性イオン性界面活性剤
本発明に好適である組成物は、少なくとも1種の両性又は双性イオン性界面活性剤を含んでよい。
【0171】
両性/双性イオン性界面活性剤は、非シリコーン界面活性剤である。それらは、特に、任意選択で四級化されている第二級又は第三級脂肪族アミン誘導体であってよく、ここで、脂肪族基は、8~22個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖であり、前記アミン誘導体は、少なくとも1つのアニオン性基、例えばカルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネートの各基を含有する。
【0172】
(C8~C20)アルキルベタイン、(C8~C20)アルキルスルホベタイン、(C8~C20)アルキルアミド(C3~C8)アルキルベタイン及び(C8~C20)アルキルアミド(C6~C8)アルキルスルホベタインを特に挙げることができる。
【0173】
上に定義された、使用されうる任意選択で四級化された第二級又は第三級脂肪アミン誘導体の中で、式(II):
Ra-CONHCH2CH2-N+(Rb)(Rc)-CH2COO-,M+,X- (II)
[式中、
- Raは、加水分解ココナツ油中に好ましくは存在する酸Ra-COOHから誘導されたC10~C30アルキル基若しくはアルケニル基、又はヘプチル、ノニル若しくはウンデシルの各基を表し、
- Rbは、β-ヒドロキシエチル基を表し、
- Rcは、カルボキシメチル基を表し、
- M+は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属から誘導されたカチオン性対イオン、例えばナトリウムイオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンから誘導されたイオンを表し、
- X-は、有機又は無機アニオン性対イオン、例えばC1~C4アルキルハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン又は硫酸イオン、(C1~C4)アルキル-又は(C1~C4)アルキルアリールスルホン酸イオン、特に硫酸メチル及び硫酸エチルを表し、或いはM+及びX-は不在である]
並びに式(III):
Ra'-CONHCH2CH2-N(B)(B') (III)
[式中、
- Bは、-CH2CH2OX'基を表し、
- B'は、-(CH2)z-Y'基(式中、z=1又は2)を表し、
- X'は、-CH2-COOH基、-CH2-COOZ'基、-CH2CH2-COOH基若しくは-CH2CH2-COOZ'基、又は水素原子を示し、
- Y'は、-COOH基、-COOZ'基、又は-CH2-CH(OH)SO3H基、又は-CH2CH(OH)SO3-Z'基を表し、
- Z'は、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属、例えばナトリウムから誘導されたカチオン性対イオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンから誘導されたイオンを表し、
- Ra'は、ココナツ油又は加水分解された亜麻仁油中に好ましく存在する酸Ra'COOHのC10~C30アルキル基若しくはアルケニル基、又はアルキル基、特にC17基及びそのイソ型、又は不飽和のC17基を表す]
を有する化合物も挙げることができる。
【0174】
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993年において、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウロアンホジ酢酸二ナトリウム、カプリルアンホジ酢酸二ナトリウム、カプリロアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸、及びココアンホジプロピオン酸の名称の下で分類されている。
【0175】
例として、Rhodia社により名称Miranol(登録商標)C2M Concentrateで販売されているココアンホジアセテートを挙げることができる。
【0176】
式(IV):
Ra''-NH-CH(Y'')-(CH2)nCONH(CH2)n'-N(Rd)(Re) (IV)
[式中、
- Y''は、-COOH基、-COOZ''基、又は-CH2-CH(OH)SO3H基、又はCH2CH(OH)SO3-Z'基を表し、
- Rd及びReは、互いに独立に、C1~C4アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、
- Z''は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えばナトリウムから誘導されたカチオン性イオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンから誘導されたイオンを表し、
- Ra''は、酸Ra''-C(O)COOHのC10~C30アルキル基又はアルケニル基を表し、これは、ココナツ油又は加水分解された亜麻仁油中に好ましくは存在し、
- n及びn'は、互いに独立に、1~3の範囲の整数を表す]
の化合物も使用することができる。
【0177】
式(II)の化合物の中で、CTFA辞典、第5版、1993年において、ココアスパルタミドジエチルアミノプロピルナトリウムという名称で分類されている化合物で、Chimex社により名称Chimexane HBで販売されている化合物を挙げることができる。
【0178】
これらの化合物は、単独で使用されてもよく、又は混合物として使用されてもよい。
【0179】
両性/双性イオン性界面活性剤の中で、(C8~C20)アルキルベタイン、例えばココベタイン、特にPPU Chemco社により名称Chegina CC-MBで販売されている製品、(C8~C20)アルキルアミド(C3~C8)アルキルベタイン、例えばコカミドプロピルベタイン、及びこれらの混合物、並びに式(IV)の化合物、例えばラウリルアミノコハク酸ジエチルアミノプロピルのナトリウム塩(INCI名:ジエチルアミノプロピルココアスパルタミドナトリウム)が、優先的に使用される。
【0180】
好ましくは、両性/双性イオン性界面活性剤は、(C8~C20)アルキルアミド(C3~C8)アルキルベタイン、例えばコカミドプロピルベタインから選ばれる。
【0181】
より優先的には、両性/双性イオン性界面活性剤は、(C8~C20)アルキルベタイン、例えばココイルベタインから選ばれる。
【0182】
両性/双性イオン性界面活性剤(iv)は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~20質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~10質量%の範囲の量で存在してよい。
【0183】
本発明において定義されている泡を発生させることができる且つ/又は安定化することができる発泡性界面活性剤(i)、(ii)、(iii)及び/又は(iv)は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~20質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~10質量%の範囲の量で存在してよい。
【0184】
界面活性剤の性質は、泡の機械的性質に対して影響を有し得、そのため、それらを崩壊させるのに必要とされる出力に対して影響を有し得、小さい泡ほど、小さい出力を必要とする。
【0185】
泡の存在とは独立して、本発明に好適である組成物中に存在する界面活性剤はまた、クレンジング作用も有する。
【0186】
そこから泡が発生されうる又はそれらの安定化に向けて寄与するメークアップ除去組成物中に従来存在する化合物
上に挙げたように、泡を発生させる且つ/又は安定化するために、本発明に好適である組成物はまた、メークアップ除去組成物中で普通使用されている少なくとも1種の化合物、例えば(a)アルキル多糖類、(b)ポリエチレングリコールの脂肪アルコールエーテル、(c)油、及びこれらの混合物も含んでよい。
【0187】
a)アルキル多糖類
本発明に好適である組成物は、少なくとも1種のアルキル多糖類を含んでよい。
【0188】
好適なアルキル多糖類の中で、一般式(I)
RO(CxH2xO)nZy (I)
(式中、
Zは、5個又は6個の炭素原子を含有する還元性多糖から、又は5個又は6個の炭素原子を含有する還元性多糖基から誘導された基であり、
Rは、C6~C30アルキル基又はアルケニル基であり、
Xは、2又は3であり、
nは、1~10であり、
yは、1~10であり、それらの間の全ての値及びサブ範囲、例えば1.5~4を含む)
のものを特に挙げることができる。
【0189】
化粧用組成物中で使用されうるアルキル多糖類(アルキルポリグリコシドとしても知られる)には、市販のもの、例えばCognis Corporation社(Ambler、PA.、19002)により販売されている界面活性剤APG(登録商標)GlucoponTM又はPlantarenTMが挙げられる。このような界面活性剤の例には、以下が挙げられるがこれらに限定されない:
APG(登録商標)225: アルキル基が8~10個の炭素原子を含有するアルキルポリグリコシド
APG(登録商標)425: アルキル基が8~16個の炭素原子を含有するアルキルポリグリコシド
APG(登録商標)625: アルキル基が12~16個の炭素原子を含有するアルキルポリグリコシド
APG(登録商標)300: 上記製品と実質的に同一であるが、異なる平均重合度を有するアルキルポリグリコシド
GlucoponTM 600: 上記製品と実質的に同一であるが、異なる平均重合度を有するアルキルポリグリコシド
PlantarenTM 2000: 1.4の平均重合度を有するC8~C16アルキルポリグリコシド
PlantarenTM 1300: 1.6の平均重合度を有するC12~C16アルキルポリグリコシド
PlantarenTM 1200: 1.4の平均重合度を有するC12~C16アルキルポリグリコシド。
【0190】
他の非限定的な例は、アルキルポリグリコシド界面活性剤組成物、例えばSEPPIC社により名称Triton、Oramix又はMontanovで、花王株式会社により名称AGで、Uniqema社により名称Atlas G-73500で、Condea Chemie社により名称Marlosan 240で、又はDeForest Enterprises社により名称 Desulf GOS-P-60WCGで販売されているものを含む。
【0191】
アルキル多糖類(a)は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~20質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~10質量%の範囲の量で存在してよい。
【0192】
b)ポリエチレングリコールの脂肪アルコールエーテル
本発明に好適である組成物は、なくとも1種のポリエチレングリコールの脂肪アルコールエーテルを含んでよい。
【0193】
好適なポリエチレングリコールの脂肪アルコールエーテルは、ヤシ油脂肪酸グリセリルの、カプロン酸グリセリルの、カプリン酸グリセリルの、獣脂脂肪酸グリセリルの、パルミチン酸グリセリルの、ステアリン酸グリセリルの、ラウリン酸グリセリルの、オレイン酸グリセリルの、リシノール酸グリセリルの、及びトリグリセリドから誘導されたグリセリル脂肪エステルの、ポリエチレングリコール誘導体、例えばパーム油、アーモンド油、オリーブオイル、コーン油、及びこれらの混合物を含む。
【0194】
これらのポリエチレングリコールの脂肪アルコールエーテル(b)は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~25質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~10質量%の範囲の量で使用されてよく、且つ好ましくは界面活性剤である、
【0195】
c)油
本発明に好適である組成物は、少なくとも1種の油を含んでよい。
【0196】
好適な油は、メークアップ除去剤中で一般に使用されているものを含む。これらの油は、鉱油、植物油、合成油及びシリコーン油、並びにこれらの混合物から選ぶことができる。
【0197】
油相を構成することができる鉱油の中で、液状パラフィン又は鉱油、及び高級脂肪族炭化水素、例としてはイソヘキサデカンを特に挙げることができる。植物油の中で、ホホバ油、メドウフォーム種子油、アプリコット核油、及びまたベニバナ油を特に挙げることができる。シリコーン油の中で、Union Carbide社により名称 Volatile Silicone 7158で販売されているシクロペンタジメチルシロキサン、又は信越化学工業株式会社により販売されているDM Fluid 0.6 cs、直鎖状揮発性シリコーン油、又はDow Corning社により名称DC200で販売されているポリジメチルシロキサンを特に挙げることができる。
【0198】
合成製品の中で、エステル、例えばその中でアルキル基が2~10個の炭素原子を含有するパルミチン酸アルキル、例えばパルミチン酸イソプロピル又はパルミチン酸2-エチルヘキシル、及びその中でアルキル基が2~10個の炭素原子を含有するアジピン酸アルキル、例えばビス(2-エチルヘキシル)アジペート、又はエステル、例えばイソノナン酸イソノニル又は誘導体、例えばメドウフォームを特に挙げることができる。
【0199】
これらの油(c)は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~100質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~60質量%の範囲の量で使用することができる。
【0200】
他の例として、本発明に好適である安定化作用を有する化合物は、好ましくは以下から選ばれる:
- 脂肪アルコール、
- ポリアルキレングリコール、
- ポリグリセロールの脂肪酸エステル、
- アルキルグルコースのポリアルキレングリコールエーテル、
- セルロース、
- C10~C18アルキルグルコシドの1,3-ジクロロ-2-プロパノールとの反応により形成され、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルスルホネートでスルホン化された架橋ポリマー、
- 脂肪酸アルカノールアミド、
- 及びこれらの混合物。
【0201】
A)脂肪アルコールは、好ましくは、10~18個の炭素原子を含有する直鎖状飽和アルキル鎖を含むもの、例としてはラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びこれらの混合物、例えばセチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物(セテアリルアルコール)である。
【0202】
B)ポリアルキレングリコールは、好ましくは、式(II):
H-[O-R-]n-OH (II)
(式中、
- Rは、1~4個の炭素原子を含有する直鎖状アルキル鎖を表し、
- nは、4~100000、有利には4~50000の範囲の整数である)
のものである。
本発明の特定の一実施形態によれば、本発明によるポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコールである。
好ましい一実施形態によれば、本発明によるポリエチレングリコールは、PEG-8、例えばClariant社により商品名Polyethlene Glycol 400 DUB(登録商標)で販売されている製品、又はPEG-45M、例えばDow Chemical社により商品名Polyox WSR N 60 K(登録商標)で販売されている製品から選ぶことができる。
【0203】
C)ポリグリセリル脂肪酸エステルは、好ましくは、10~18個の炭素原子を含有する飽和アルキル鎖を含む1種の脂肪酸と、2~30モルのグリセロール基を含有するポリグリセロールとのモノエステルである。
好ましい一実施形態によれば、本発明によるポリグリセロール化エステルは、ラウリン酸ポリグリセリル-2、例えば太陽化学株式会社により商品名SunSoft Q-12D-C(登録商標)で販売されている製品から選ぶことができる。
【0204】
D)アルキルグルコースのポリアルキレングリコールエーテル、好ましくは(C1~C4)アルキルグルコースのポリ(C1~C4)アルキレングリコールエーテル、具体的にはメチルグルセス-10、例えばLubrizol社により商品名Glucam E-10 Humectant(登録商標)で販売されている製品、及びメチルグルセス-20、例えばLubrizol社により商品名Glucam E-20 Humectant(登録商標)で販売されている製品。
【0205】
E)セルロースは、好ましくはアルキルセルロースのポリアルキレングリコールエーテル、例としてはヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えばAshland社により商品名Benecel K100M Hydroxypropylmethyl Cellulose(登録商標)で販売されている製品、又はDow社により名称MethocelTM F4M Personal Care Gradeで販売されている製品である。
【0206】
F)C10~C18アルキルグルコシドの1,3-ジクロロ-2-プロパノールとの反応により形成され、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルスルホネートでスルホン化された架橋ポリマーは、以下のそれぞれのINCI名を有するポリマーから好ましくは選ばれる:
- Colonial Chemical Inc.社により商品名Poly Suganate 160P(登録商標)で販売されているヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムラウリルグルコシドクロスポリマー、
- Colonial Chemical Inc.社により商品名Poly Suganate 124P(登録商標)で販売されているヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムココグルコシドクロスポリマー、及び
- Colonial Chemical Inc.社により商品名Poly Suganate 100P(登録商標)で販売されているヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムデシルグルコシドクロスポリマー。
【0207】
G)脂肪酸アルカノールアミドは、脂肪酸C12~C18アルカノールアミド、例えばコカミドMEA、例えばBASF社により商品名Comperlan CMEA(登録商標)で販売されている製品から好ましくは選ばれる。
【0208】
本発明に好適である安定化作用を有する化合物A)~G)の列挙の中で、ポリエチレングリコール及びポリグリセロール化脂肪酸エステル、より特定するとPEG-45M及びポリグリセリル-2ラウレートから選ばれるものを有利には挙げることができる。
【0209】
優先的には、この、本発明に好適である安定化作用を有する化合物A)~G)の列挙の中で、セルロース、特にアルキルセルロースのポリアルキレングリコールエーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用することができる。
【0210】
有利には、本発明に好適である化粧用組成物は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~20質量%の範囲、好ましくは0.01質量%~10質量%の範囲の量の、安定化作用を有する化合物を含む。
【0211】
更により有利には、安定化作用を有する化合物が、セルロース、特にアルキルセルロースのポリアルキレングリコールエーテル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースであるとき、この化合物は、組成物中に、組成物の総質量に対して、0.05質量%~1質量%、好ましくは0.1質量%~0.9質量%の範囲、より優先的には0.5質量%の量で存在してよい。
【0212】
特定の実施形態では、本発明に好適である組成物は、安定化作用を有する化合物として、少なくとも1種のセルロース、特にアルキルセルロースのポリアルキレングリコールエーテルから選ばれるもの、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0213】
別の特定の実施形態では、本発明に好適である組成物は、安定化作用を有する化合物として、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤(ii)、例えば本テキストにおいて定義されているもの、具体的には2.2molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC12~C14アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アンモニウム又はマグネシウムから選ばれるもの、好ましくはラウレス硫酸ナトリウムを含む。
【0214】
別の特定の実施形態では、本発明に好適である組成物は、安定化作用を有する化合物として、少なくとも1種の両性/双性イオン性界面活性剤(iv)、例えば本テキストにおいて定義されているもの、具体的には(C8~C20)アルキルベタインから選ばれるもの、好ましくはココイルベタインを含む。
【0215】
発泡性のカチオン性界面活性剤
一実施形態では、本発明による組成物は、特にそれが発泡性の両性界面活性剤を含む場合に、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含んでよい。使用されるカチオン性剤はまた、泡の安定化に向けて好ましい増粘性の役割を有してよい。
【0216】
本発明により使用されうるカチオン性界面活性剤は、特に、任意選択でポリオキシアルキレン化された第一級、第二級又は第三級脂肪アミンの塩、第四級アンモニウム塩、イミダゾリン誘導体、及びカチオン性の性質のアミンオキシド、及びこれらの混合物である。
【0217】
第四級アンモニウム塩の例には、以下が挙げられる:
- 一般式(IV)を有するもの:
【0218】
【0219】
[式中、
R1基からR4基は、同一であっても異なっていてもよく、1~30個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分枝状脂肪族基、又はアリール若しくはアルキルアリール等の芳香族基を表す。脂肪族基は、特に、酸素、窒素、硫黄及びハロゲン等のヘテロ原子を含んでよい。脂肪族基は、例えば、アルキル、アルコキシ、ポリオキシ(C2~C6)アルキレン、アルキルアミド、(C12~C22)アルキルアミド(C2~C6)アルキル、(C12~C22)アルキルアセテート、及び1~30個の炭素原子を含むヒドロキシアルキルの各基から選ばれ、X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C2~C6)アルキル硫酸イオン、及びアルキル又はアリールスルホン酸イオンの群から選ばれるアニオンである。好ましくは、R1及びR2は、C1~C4アルキル又はC1~C4ヒドロキシアルキルを示す]
【0220】
- イミダゾリニウムの第四級アンモニウム塩、例としては、式(V)の塩:
【0221】
【0222】
(式中、
R5は、8~30個の炭素原子を含むアルケニル基又はアルキル基、例えばココナツ核脂肪酸誘導体を表し、R6は、水素原子、C1~C4アルキル基、又は8~30個の炭素原子を含むアルケニル基若しくはアルキル基を表し、R7は、C1~C4アルキル基を表し、R8は、水素原子、又はC1~C4アルキル基を表し、X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、アルキル硫酸イオン、及びアルキル又はアルキルアリールスルホン酸イオンの群から選ばれるアニオンである。好ましくはR5及びR6は、12~21個の炭素原子を含むアルケニル基又はアルキル基の混合物、例えば獣脂脂肪酸誘導体を示し、R7はメチルを示し、R8は水素を示す)
【0223】
- 式(VI)のジ四級アンモニウム塩:
【0224】
【0225】
(式中、
R9は、約16~30個の炭素原子を含む脂肪族基を示し、R10、R11、R12、R13及びR14は、同一であっても異なっていてもよく、水素、又は1~4個の炭素原子を含むアルキル基から選ばれ、X-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン及びメチル硫酸イオンの群から選ばれるアニオンである)
【0226】
- 少なくとも1つのエステル官能基を含む第四級アンモニウム塩、例えば式(VII)のもの:
【0227】
【0228】
[式中、
- R15は、C1~C6アルキル基及びC1~C6ヒドロキシアルキル基又はジヒドロキシアルキル基から選ばれ、
- R16は、以下:
- R19-C(=O)-基、
- 直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC1~C22炭化水素基R20、
- 水素原子
から選ばれ、
- R18は、以下:
- R21-C(=O)-基、
- 直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC1~C6炭化水素基R22、
- 水素原子
から選ばれ、
- R17、R19及びR21は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC7~C21炭化水素基から選ばれ、
- n、p及びrは、同一であっても異なっていてもよく、2~6の範囲の整数であり、
- yは、1~10の範囲の整数であり、
- x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0~10の範囲の整数であり、
- X-は、単一又は錯体の、有機又は無機のアニオンであり、
但し条件として、和x+y+zは1~15であり、xが0のとき、R16はR20を示し、zが0のとき、R18はR22を示す]
【0229】
アルキル基R15は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、より特定すると直鎖状である。
【0230】
好ましくは、R15は、メチル、エチル、ヒドロキシエチル又はジヒドロキシプロピルの各基、より特定するとメチル基又はエチル基を示す。
【0231】
有利には、和x+y+zは、1~10である。
【0232】
R16が炭化水素系基R20であるとき、それは長鎖であって12~22個の炭素原子を含んでもよく、又は短鎖であって1~3個の炭素原子を含んでもよい。
【0233】
R18が炭化水素系基R22であるとき、それは1~3個の炭素原子を好ましくは含有する。
【0234】
有利には、R17、R19及びR21は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC11~C21炭化水素系基から選ばれ、より特定すると直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC11~C21アルキル基及びアルケニル基から選ばれる。
【0235】
好ましくは、x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1に等しい。
【0236】
有利には、yは1に等しい。
【0237】
n、p及びrは、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは2又は3であり、更により特定すると2に等しい。
【0238】
アニオンは、好ましくは、ハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン若しくはヨウ化物イオン)、又はアルキル硫酸イオン、より特定するとメチル硫酸イオンである。しかしながら、使用されてもよいのは、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、トシル酸イオン、有機酸から誘導されるアニオン、例えば酢酸イオン若しくは乳酸イオン、又はエステル官能基を保持するアンモニウムと適合性のある任意の他のアニオンである。
【0239】
アニオンX-は、更により特定すると塩化物イオン又はメチル硫酸イオンである。
【0240】
より特定すると、式(VII)のアンモニウム塩が使用され、
[式中、
- R15は、メチル基又はエチル基を示し、
- x及びyは、1に等しく、
- zは、0又は1に等しく、
- n、p及びrは、2に等しく、
- R16は、以下:
- R19-C(=O)-基、
- メチル、エチル又はC14~C22炭化水素系基、
- 水素原子
から選ばれ
- R18は、以下:
- R21-C(=O)-基、
- 水素原子
から選ばれ、
- R17、R19及びR21は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC13~C17炭化水素系基から選ばれ、好ましくは直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC13~C17アルキル基及びアルケニル基から選ばれる]
【0241】
有利には、炭化水素系基は、直鎖状である。
【0242】
式(IV)の第四級アンモニウム塩の中で、一方では、テトラアルキルアンモニウムクロリド、例としては、そこでアルキル基が約12~22個の炭素原子を含む、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド又はアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、特にベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド等が優先され、他方では、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド又はステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムクロリド、Van Dyk社により名称Ceraphyl(商標登録)70で販売されているものが優先される。
【0243】
挙げることができる式(V)の化合物の例には、ジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウム及びモノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムの各塩(特に塩化物又は硫酸メチル)、並びにこれらの混合物が挙げられる。アシル基は、14~18個の炭素原子を好ましくは含有し、より特定すると植物油、例としてはパーム油又はヒマワリ油から誘導される。化合物がいくつかのアシル基を含有するとき、これらの基は同一であっても異なっていてもよい。
【0244】
これらの生成物は、例えば、植物又は動物起源の脂肪酸又は脂肪酸混合物を用いた、任意選択でオキシアルキレン化されたトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン又はアルキルジイソプロパノールアミンの直接エステル化によって、又はそれらのメチルエステルのエステル交換によって得られる。このエステル化の後、アルキルハロゲン化物(好ましくはメチル若しくはエチルハロゲン化物)、硫酸ジアルキル(好ましくは硫酸ジメチル若しくはジエチル)、メタンスルホン酸メチル、パラ-トルエンスルホン酸メチル、グリコールクロロヒドリン又はグリセロールクロロヒドリン等のアルキル化剤を使用して第四級化を行う。
【0245】
このような化合物は、例えば、Cognis社により名称Dehyquart(登録商標)で、Stepan社により名称Stepanquat(登録商標)で、Ceca社により名称Noxamiumで、及びDegussa社により名称Rewoquat(登録商標)WE 18及びRewoquat(登録商標)W75で販売されている。
【0246】
米国特許第A-4874554号及び米国特許第A-4137180号に記載されている、少なくとも1つのエステル官能基を含有するアンモニウム塩も使用することができる。
【0247】
本発明における使用に好適である式(VI)の第四級ジアンモニウム塩は、プロパン獣脂ジアンモニウムジクロリドを特に含む。
【0248】
カチオン性界面活性剤は、一般に、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01質量%~10質量%の範囲、好ましくは0.1質量%~1質量%の範囲の量で存在する。
【0249】
石けん
別の特定の実施形態によれば、本発明に好適である組成物は、少なくとも1種の石けんを含む。
【0250】
本発明の枠組みにおいて使用される石けんは、10~22個の炭素原子、より優先的には12~18個の炭素原子を含有する脂肪酸の有機石けんである。
【0251】
本発明に好適である脂肪酸は、直鎖状脂肪酸、分枝状脂肪酸、及びこれらの混合物から選ぶことができる。
【0252】
脂肪酸は、カプロン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びパルミチン酸、並びにこれらの混合物から特に選ぶことができる。
【0253】
好ましくは、脂肪酸は、直鎖状脂肪酸である。
【0254】
好ましい一実施形態によれば、脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、及びこれらの混合物から選ぶことができる。
【0255】
中和剤が、石けんを中和するために添加されてもよい。
【0256】
中和剤は、アミノアルコール、例えばエタノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、及びそれらのアルカリ塩から選ぶことができる。最も好ましい中和剤は、トリエタノールアミンである。
【0257】
石けんの中和は、少なくとも1:1.43、好ましくは少なくとも1:1.25の、中和剤と脂肪酸との間のモル比を有することによって得ることができる。
【0258】
別の実施形態によれば、中和剤と脂肪酸との間のモル比は、1:1.43~1:1、特定すると1:1.25~1:1.05の範囲である。
【0259】
石けんの量の計算のために考えるべき量は、中和剤なしの脂肪酸の総含有量である。
【0260】
そのため、組成物中の石けん含有量は、組成物の総質量に対して、例えば、5質量%~50質量%、より優先的には10質量%~35質量%、最も好ましくは15質量%~25質量%の範囲であってよい。
【0261】
本発明において、脂肪酸の界面活性剤に対する質量比は、1.5:1.0~5.0:1.0、好ましくは1.6:1.0~4.5:1.0、より好ましくは1.7:1.0~4.0:1.0の範囲であってよい。
【0262】
好ましい一実施形態によれば、直鎖状脂肪酸の界面活性剤に対する質量比は、1.5:1.0~5.0:1.0、好ましくは1.6:1.0~4.5:1.0、より好ましくは1.7:1.0~4.0:1.0の範囲であってよい。
【0263】
有利には、石けんと界面活性剤とが同時に存在することは、組成物の適用後の迅速な濯ぎ及び清浄さの感覚に加えて、大きい泡を有する開いた発泡体と、よりクリーミーな発泡体との間のバランスを付与する。
【0264】
添加剤
本発明に好適である組成物はまた、化粧用組成物のガレノス製剤の分野において通常考えられる多様な添加剤を含んでよく、具体的にはヒトのケラチン物質のためのクレンジング組成物又はメークアップ除去組成物である。
【0265】
そのため、本発明に好適である組成物はまた、添加剤として、ゲル化剤、従来の親水性又は親油性増粘剤、親水性又は親油性活性剤、保存剤(例えばフェノキシエタノール)、抗酸化剤、芳香剤、精油、乳化剤、湿潤剤、キレート剤、金属イオン封鎖剤(例えばEDTA及びその塩)、ビタミン、皮膚軟化剤、先に挙げたものとは異なるポリマー、コンディショニング剤、保湿剤、タンパク質、ポリペプチド、アミノ酸及びその誘導体、バッファ剤、粘度改質剤、植物抽出物又は植物も特に含んでよい。特にこれらの粉末又は微粒子状化合物が、媒質中で徐々に溶解する固体構成物から生じるとき、気体/液体の界面において存在することによって、一定の粉末又は微粒子状化合物が、媒質中の泡の安定性に向けて寄与しうる。
【0266】
添加剤は、一般に、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0質量%~20質量%の範囲、好ましくは0.01質量%~10質量%の範囲の量で存在する。
【0267】
これらの添加剤及びそれらの量は、本発明の組成物にとって望ましい性質を変更しないようなものであるべきである。
【0268】
一変形形態によれば、本発明に好適である組成物は、水性媒体又は水相、すなわち、組成物の総質量に対して、0.1質量%~99質量%の範囲、好ましくは50質量%~90質量%の範囲、なおもより良好には60質量%~90質量%の範囲の量の水を含む媒体を含んでよい。
【0269】
本発明による組成物の水相は、水以外に、1~6個の炭素原子を含むモノアルコール、及びポリオール、並びにこれらの混合物から選ばれる1種又は複数の溶媒を含有してもよい。
【0270】
特に挙げられるモノアルコールは、エタノールである。
【0271】
モノアルコールが存在する場合、組成物中のその量は、組成物の総質量に対して、例えば、0.1質量%~50質量%、好ましくは0.5質量%~15質量%、なおもより良好には5質量%~15質量%の範囲であってよい。
【0272】
本発明の目的に関して、用語「ポリオール」は、少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基を含む任意の有機分子を意味すると理解されるべきである。
【0273】
特に挙げられるポリオールの例には、グリセロール;グリコール、例えばブチレングリコール、イソプレングリコール又はプロピレングリコール、ソルビトール;糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース及びスクロース;並びにこれらの混合物がある。
【0274】
ポリオールが存在する場合、組成物中のその量は、組成物の総質量に対して、例えば、0.1質量%~40質量%、好ましくは0.5質量%~15質量%、なおもより良好には5質量%~15質量%の範囲であってよい。
【0275】
別の変形形態によれば、本発明に好適である組成物はまた、無水であってもよい。
【0276】
本発明の目的に関して、用語「無水」は、前記組成物の総質量に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下の水の含有量を含む、又は更には水を含まない、組成物を指す。適当な場合、このような少量の水は、その残りの量を含有しうる組成物の成分によって特に導入されてもよい。
【0277】
なおも別の変形形態によれば、本発明に好適である組成物はまた、本質的に油性であってもよく、すなわち、それは、油相又は脂肪相を含んでもよく、すなわちそれは、組成物の総質量に対して、0.1質量%~99質量%の範囲、好ましくは50質量%~90質量%の範囲、なおもより良好には60質量%~90質量%の範囲の量の油を含む媒体を含んでよい。
【0278】
当業者であれば、組成物中に含ませる成分、更にはそれらの量を、それらが本発明の組成物の所望の性質を害さないように注意深く選ぶことになる。
【0279】
組成物のpHは、それが水性である場合、石けん等の一定の発泡性製品の場合がそうであるように、4から7.5の間、特に4.5から6の間であってよく、又は10であってよい。
【0280】
本発明に好適である化粧用組成物は、濯ぎ落とされてもよく、又はケラチン物質に適用されて音響波に供された後に放置されてもよい。
【0281】
本発明に好適である組成物は、当業者に周知である技術に従って調製することができる。
【0282】
本発明による組成物は、想定される用途に従って従来使用されてきた任意の表現形態、特に水性、アルコール性若しくは水性-アルコール性又は油性の溶液若しくはサスペンション、ローション又はセラム型の溶液若しくは分散体、水中油型若しくは油中水型エマルション、マイクロエマルション、水性若しくは無水ゲル、又は任意の他の好適な化粧用の形態であってよい。
【0283】
本発明による化粧用組成物は、体及び/又は毛髪の衛生分野において、特に毛髪及び/又は頭皮をクレンジングするための、並びにまた体の及び/又は顔の皮膚からメークアップをクレンジングする及び/又は除去するための、特に有利な用途を特に見出している。該組成物は、そのため、シャンプー又はシャワージェル、又は代替的には濯ぎ落されることになるマスクを構成することができる。
【0284】
表現「・・・から・・・の間」及び「・・・~・・・の範囲」は、別段の指定がない限り、限界値を含んだ意味であると理解されるべきである。
【0285】
本明細書及び実施例において、パーセンテージは、質量パーセンテージである。成分は、当業者により容易に決められる順序において且つ条件下で混合される。
【0286】
本発明は、以下の、その非限定的な実行例の詳細な記述を読むことによって、且つ添付されている図面を精査することによって、より明瞭に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0287】
【
図1】本発明による処理デバイスの例の、使用の概略図である。
【
図2】本発明を実施するための処理デバイスの別の例の、長手方向断面の概略図である。
【
図3】本発明の実行変形形態の、
図2に類似の図である。
【
図4】
図3のデバイスの多様な部品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0288】
本発明による方法は、化粧用組成物中に存在する泡の、音響波への暴露を含む。
【0289】
図1は、本発明を実行する第1の例を例示し、ここで、泡を含有する化粧用組成物Cは、処理されることになるケラチン物質Kの表面に存在し、処理デバイス1は、その中で音響波を発する組成物Cとの接触がもたらされる。
【0290】
組成物Cは、例えば、発泡体の形態にあってよい。
【0291】
ケラチン物質Kは、例えば、顔の皮膚又は毛髪からなる。
【0292】
それは、例えば、微量のメークアップをより速く且つ効率的に除去するために、クレンジングすることである。
【0293】
処理デバイス1は、ハンドピースを備え、これは、組成物と接触してそこから音響波が発せられるソノトロード10を保持する。
【0294】
ハンドピースは、ケラチン物質Kとのいくらかの余地を可能にするように、且つケラチン物質Kとのソノトロードの接触を回避するように、取り扱うことができる。
【0295】
一変形形態として、ハンドピースは、ケラチン物質に接触するように意図された1つ又は複数の部材の手段によって、且つそこにソノトロード10がセットバックされる点で、このような間隙を維持するように配置される。
【0296】
音響波の影響下で、泡は、それら自体で崩壊を受け、これが、皮膚をクレンジングするのに効率的であると証明している衝撃波を発生させる。
【実施例】
【0297】
(実施例1)
人工皮膚における試験
組成物は、例えば、本明細書で以下に挙げる組成物C1~C12のうちの1種である。
【0298】
人工皮膚のサンプル(BioSkinブランド)を用意し、その上に、持続性のあるファンデーションを20ミクロン超の厚さに適用する。
【0299】
該製品を室温にて15分間放置して乾かし、その乾燥は、ヘアドライヤーを用いて2分間で完了する。
【0300】
約35kHzの周波数において音響波を発するソノトロードを用い、組成物と接触して皮膚から約2~3mmに維持する。
【0301】
ソノトロードを、ファンデーションの皮膜には触れずに、(発泡体内の)組成物と接触させてゆっくりと動かす。
【0302】
アクティブである間にソノトロードが通過するところの領域中でファンデーションの強力な除去を観察しており、スイッチオフしている間にそれが通過するところの領域中では除去は観察していない。
【0303】
スポンジ又はブラシを用いてその上を単純に通過させることによるメークアップの除去における大変な困難さを更に観察し、これは、本発明において得たクレンジング効果を明示している。
【0304】
(実施例2)
天然の皮膚外植体における試験
類似の試験を皮膚外植体上で実施し、1回、更には2回の通過後に、ファンデーションの除去を観察している。
【0305】
試験する組成物は、例えば、1種の希釈要素内までは実施例1のものと同一である。
【0306】
消えないマーカーのマークの除去の試験も実施し、2回の通過後に、マークの仮想の消失を観察している。
【0307】
試験する組成物
発泡性溶液の形態にある組成物C1~C12を、以下のTables 1(表1)、Table 2(表2)、Table 3(表3)及びTable4(表4)に記載している化合物を混合して調製する。
【0308】
組成物を、以下に記載する質量割合を用いて調製する。パーセンテージは、組成物の総質量に対する質量ベースで付与する。活性材料(AM)のパーセンテージをまた、必要に応じて示す。
【0309】
【0310】
【0311】
【0312】
【0313】
以下の泡のサイズは、Table 5(表5)において要約しているように測定する。
【0314】
【0315】
その中にヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーが組成物の総質量に対して0.3質量%~0.5質量%の量で存在する組成物は、最小の泡を含有するものであり、且つ最も効率がよい傾向にあるものである。
【0316】
(実施例3)
毛髪における試験
毛髪サンプル、すなわち:
参照物として働く未処理の束、
製品Colorista Washout L'Oreal Parisで染色した同じ毛髪の束、
染色製品Majirouge 6.66 L'Oreal Proで染色した同じ毛髪の束
を調製する。
【0317】
34kHzでのソノトロード発射が、束のそれぞれの上を10回通過する。
【0318】
参照の束が、処理にかかわらず、その色を実質的に保存していることを観察している。
【0319】
方法は、組成物Colorista Washoutで染色した束の、9桁のデルタEを有する顕著な明るさ、及び少ない脱色をもたらすが、組成物Majirougeで処理した束では、4桁のデルタEが見られるままである。
【0320】
図1の例では、例えば加圧容器を用いて、組成物Cを適用し、これは発泡体を生じさせ、次いで、ソノトロードを保持するハンドピースをそれらとの接触に持ち込む。
【0321】
組成物はまた、
図2に例示しているように、音響波を発生するデバイスによって適用されうる。
【0322】
この図中、デバイス1は、例えば少なくとも1つのオリフィス11を介して、処理することになる領域上に組成物Cを分配するように配置されたアプリケータ10を備える。
【0323】
デバイス1は、例示しているように、チャンバ12を備えてよく、その中で組成物Cが循環し、少なくとも1つの超音波トランスデューサ13がチャンバ12中で音響波を発する。トランスデューサ13は、発生器15によって動力供給され、これは、ハンドピースの部分を形成しても形成しなくてもよく、例えばそこにハンドピースがケーブルを介して連結されているベースステーション中に存在する。
【0324】
組成物Cは、パイプ16を介してチャンバ12中へ運ばれ得、例えば、組成物リザーバから来ることができる。
【0325】
デバイス1は、組成物中に気泡を発生させるための泡発生器17を備え、これは、トランスデューサ13によって発せられる音響波に供されることになる。
【0326】
この泡発生器17は、
図2中で概略図のみで表しており、その理由は、それが、電解又は他の事象を含めたきわめて多様な実行形態を有しうるためである。
【0327】
一変形形態では、泡は、レザーバ中で発生される。
【0328】
泡は、処理されることになる領域に近く来るように又はそれと接触するように、出口11から十分短い距離で発生される。
【0329】
組成物Cは、泡が発生して、それらが、処理されることになる領域に輸送されるのに十分な時間の間、組成物中に存在することを可能にする、先に詳説した任意の化合物を含有してよい。
【0330】
図2の例では、ハンドピースを、処理することになる領域に沿って動かし、アウトレット11を介して分配される組成物はリサイクルされない。
【0331】
図3の一変形形態では、組成物のリサイクルが実施され、表されている。
【0332】
図3のこの例では、本発明による方法を実施するのに使用されるデバイス1は、
図2の例にある通り、チャンバ12中で音響波を発する少なくとも1つのトランスデューサ13を備える。
【0333】
しかしながら、出口11を介して、処理されることになる領域K上に分配される組成物Cは、リサイクルするために、少なくとも1つのパイプ18によって回収する。
【0334】
考えられる例では、このパイプ18は、処理することになる領域と接触している組成物を回収するように、出口11の周囲で出てくる。
【0335】
デバイス1は、適当な場合、パイプ18の周りに封止部材19を備えてよく、例えば組成物を収容するための、且つパイプ18を介したその戻しを促進するための、可撓性リップである。
【0336】
パイプ18は、吸引ポンプ20と連通し、これは、例示しているように、戻された組成物をフィルター21中に送ることができる。前記フィルターは、例えば、組成物中のサスペンション中の粒子、例としてはクレンジングの間に除去された皮膚デブリを止めるように配置させることができる。
【0337】
組成物は、フィルター21の出口においてチャンバ中へと再び送られる。
【0338】
組成物は、概略図で表しているリザーバ22から、例えばハンドピースによって保持されて来ることができる。
【0339】
このリザーバは、その部分がリサイクルされない場合に、そこで組成物が、デバイスが機能している間に循環する回路を充填すること、及び組成物のあらゆる損失を補填することを可能にする。
【0340】
フィルター21は、例えば組成物を使用し尽くしたとき且つリザーバを交換するときにその自動交換を可能にするように、リザーバによって保持されてもよい。
【0341】
図4に例示しているように、デバイス1は、例えばマイクロコントローラーを備えたコントロールユニット30を備えた、トランスデューサ13の機能を統制する電気回路を備えてよく、これは、ハンドピースによって保持される、且つ/又は可能なベースステーションとハンドピースとの間で分けられる、又はベースステーション上のみに存在する。
【0342】
このコントロールユニット30は、ヒト-機械の界面31と連通することができ、これは、スクリーン及び/又はコントロールボタンを備えてもよく、又は更には携帯電話等のターミナルとのワイアレス連結を介して連通してもよい。
【0343】
界面31は、例えば、デバイスの一定の操作パラメータ、例えばそれにより音響波が発せられる強度及び/又は発生される泡を調整することを可能にすることができる。
【0344】
電気回路は、出力トランスデューサ13に動力供給する発生器15の、又は泡発生器17の、ポンプ20の機能を統制することができ、且つハードピースを皮膚に適用するためのセンサー等の1つ又は複数のセンサー35からデータを受け取ることができる。後者の場合、それが組成物のリサイクルを可能にする方法で、処理されることになる領域が出口11の前の場所にあるときを除き、コントロールユニットは、ポンプ20、音響波の発射及び泡の発生を開始することができない。
【0345】
言うまでもなく、本発明は直前に記載してきた例に限定されない。
【0346】
例えば、デバイスは、
図5に例示しているように、泡が装入された組成物を分配するための出口11、及び出口11に対してオフセットに配置されたトランスデューサ13を備えてよい。この場合、泡が装入された、処理されることになる領域Kに適用される組成物は、それが音響波に暴露されるところのトランスデューサ13の下、処理されることになる領域に対してハンドピースを動かした後に通過する。
【0347】
スペーシング部材(spacing member)19、例えば可撓性リップは、例えば皮膚との直接の接触を阻止するために、トランスデューサ13が、処理することになる領域から距離をおくように働くことができる。
【符号の説明】
【0348】
K ケラチン物質
C 組成物
1 処理デバイス
10 アプリケータ/ソノトロード
11 出口
12 チャンバ
13 超音波トランスデューサ
15 電流発生器
16 パイプ
17 泡発生器
18 パイプ
19 封止部材
20 吸引ポンプ
21 フィルター
22 リザーバ
30 コントロールユニット
31 ヒト-機械の界面
35 センサー
【手続補正書】
【提出日】2023-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの外側のケラチン物質を、中に気泡が存在し且つ/又は中で発生される化粧用組成物と接触させてクレンジングする方法であって、クレンジングされることになる前記物質の表面の領域中の化粧用組成物(C)中に存在する気泡を音響波に供してそれらの崩壊をもたらし、そこから汚れを除去するためにクレンジングされることになる表面上に機械的衝撃を発生させることで構成される工程を含み、化粧用組成物が連続的に適用される、方法。
【請求項2】
ヒトの外側のケラチン物質を、中に気泡が存在し且つ/又は中で発生される化粧用組成物と接触させてクレンジングする方法であって、クレンジングされることになる前記物質の表面の領域中の化粧用組成物(C)中に存在する気泡を音響波に供してそれらの崩壊をもたらし、そこから汚れを除去するためにクレンジングされることになる表面上に機械的衝撃を発生させることで構成される工程を含み、
第1の段階で、中に泡が存在する化粧用組成物が適用され、次いで、適用された後で、第2の段階で音響波に暴露されて、泡の崩壊に続いて衝撃波をもたらし、
処理される領域が、メークアップ製品で被覆された皮膚の領域である、
方法。
【請求項3】
組成物が、組成物の総質量に対して、少なくとも0.02質量%の総含有量のクレンジング活性剤を有する、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
音響波の周波数が、0.3kHz~5MHz、なおもより良好には10kHz~1MHzの範囲であり、音響波の出力が、30mW~100W/cm
2、なおもより良好には0.1~10W/cm
2の範囲である、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
研磨粒子を使用するケラチン物質の研磨を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
ケラチン物質と接触させて送られた化粧用組成物が、少なくとも部分的に回収されリサイクルされる、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
第1の段階で、中に泡が存在する化粧用組成物が、適用され、次いで、適用された後で、第2の段階で、音響波に暴露されて、泡の崩壊に続いて衝撃波をもたらす、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
化粧用組成物が、連続的に適用される、請求項
2に記載の方法。
【請求項9】
処理される領域が皮膚、特にメークアップ製品で被覆された皮膚の領域である、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
処理される領域が、毛髪、特に染色された毛髪の領域、爪の上、又は頭皮である、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
化粧用組成物が、(i)ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤、(ii)アニオン性界面活性剤(i)とは異なるアニオン性界面活性剤、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)両性/双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の発泡性界面活性剤、並びに/又は(a)アルキル多糖類、(b)ポリエチレングリコールの脂肪アルコールエーテル、(c)油、及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項12】
ヒトの外側のケラチン物質をクレンジングするためのデバイス、特に請求項
1に記載の方法を実施するためのヒトの外側のケラチン物質をクレンジングするためのデバイスであって、
化粧用組成物Cを、少なくとも1つの出口(11)を介して、処理されることになる領域上に分配するように配置されたアプリケータ(10)と、その中で組成物Cが循環するチャンバ(12)と、チャンバ(12)中で音響波を発するための、電流発生器(15)によって動力供給される少なくとも1つの超音波トランスデューサ(13)と、トランスデューサ(13)により発せられる音響波に供されることになる気泡を組成物内に発生させる泡発生器(17)とを備え、
ケラチン物質と接触させて送られた化粧用組成物の少なくとも部分的な回収及びリサイクルのための系も備えることを特徴とする、
デバイス。
【請求項13】
回収及びリサイクル系が、出口(11)の近くに出てきて、戻された組成物をフィルター(21)中に送る吸引ポンプ(20)と連通するパイプ(18)を備え、組成物が、フィルター(21)の出口においてチャンバ中に再び送られ、次いで、処理されることになる領域上に再分配され
、パイプが好ましくは、出口(11)の周りに出てきて、デバイスが好ましくは、パイプ(18)の周りに、封止材(19)、例えば、組成物を収容するための且つパイプ(18)を介したその戻しを促進するための可撓性リップを備えることを特徴とする、請求項
12に記載のデバイス。
【請求項14】
その一部がリサイクルされない場合に、組成物のあらゆる損失を補填するためのリザーバ(22)を備えることを特徴とする、請求項
13に記載のデバイス。
【請求項15】
音響波の周波数が、0.3kHz~5MHz、なおもより良好には3kHz~1MHz、更になおもより良好には10kHz~500kHzの範囲であり、音響波の出力が、30mW~100W/cm
2、なおもより良好には0.1~10W/cm
2である、請求項
13に記載のデバイス。
【請求項16】
アプリケータ(10)が、ケラチン物質の研磨をもたらすための研磨面を備えることを特徴とする、請求項
13に記載のデバイス。
【国際調査報告】