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特表2023-551828ワイパーアーム、ワイパー、および車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ワイパーアーム、ワイパー、および車両
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/52 20060101AFI20231206BHJP
   B60S 1/46 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B60S1/52
B60S1/46 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532217
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2021131822
(87)【国際公開番号】W WO2022111395
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202022775768.X
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519150234
【氏名又は名称】タイチョウ、ヴァレオ、ウェンリン、オートモーティブ、システムズ、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TAIZHOU VALEO WENLING AUTOMOTIVE SYSTEMS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ハオイー
(72)【発明者】
【氏名】プー、チンロン
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AC02
3D225AD02
3D225AE05
3D225AF10
(57)【要約】
車両用のワイパーアームおよびワイパー、および車両。車両用のワイパーのワイパーアーム(1、1’)は、駆動部に接続するためのワイパーアームシート(11)と、前記ワイパーのワイパーブレードを保持するためのワイパーアームエンドピース(13)と、前記ワイパーアームシート(11)と前記ワイパーアームエンドピース(13)との間に配置される少なくとも1つのアーム部(12)と、を備える。前記アーム部(12)は、前記ワイパーアームエンドピース(13)に固定的に接続するとともに、前記ワイパーアームシート(11)に対して回転可能である。前記ワイパーアーム(1、1’)は、少なくとも1つの噴霧ユニット(2)をさらに有する。前記噴霧ユニットは、導管(40)および噴霧ノズル(30)を有する。前記導管(40)は、前記ワイパーアーム(1、1’)に沿ってガイドされる。前記噴霧ノズル(30)は、前記導管(40)の一端部に配置される。前記アーム部(12)は、カバープレート(20)を有する。前記噴霧ノズル(30)は、前記カバープレート(20)に少なくとも保持される。アーム部(12)用のカバープレートを設けることにより、カバープレート(20)は開放側をシールし、内部に収納された部品が露出することを確実に防止することができ、特に導管が露出して破損することを防止することができるとともに、噴霧ノズル(30)に接続する導管(40)の設置またはガイドがより簡単になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部に接続するためのワイパーアームシート(11)と、前記ワイパーブレードを保持するためのワイパーアームエンドピース(13)と、前記ワイパーアームシート(11)と前記ワイパーアームエンドピース(13)との間に配置される少なくとも1つのアーム部(12)と、を備える車両用のワイパーアーム(1、1’)であって、
前記アーム部(12)は、前記ワイパーアームエンドピース(13)に固定的に接続するとともに、前記ワイパーアームシート(11)に対して回転可能であり、
前記ワイパーアーム(1、1’)は、導管(40)および噴霧ノズル(30)を有する少なくとも1つの噴霧ユニット(2)をさらに有し、
前記導管(40)は、前記ワイパーアーム(1、1’)に沿ってガイドされ、
前記噴霧ノズル(30)は、前記導管(40)の一端部に配置される、ワイパーアーム(1、1’)において、
前記アーム部(12)は、カバープレート(20)を有し、
前記噴霧ノズル(30)は、前記カバープレート(20)に少なくとも保持される、
ことを特徴とするワイパーアーム(1、1’)。
【請求項2】
前記噴霧ノズル(30)は、開口(33)を有し、
前記カバープレート(20)は、隆起した第1壁(24)を有し、
前記第1壁(24)の前記頂部における特定の領域が凸部(24A)を有し、
前記凸部(24A)の前記幅は、前記開口(33)の幅よりも大きく、
前記第1壁(24)は、前記開口(33)に挿入され、
前記凸部(24A)は、前記開口(33)を通過して外部に延び、
前記噴霧ノズル(30)は、溝(34)も有し、
前記溝(34)の1つの側壁の少なくとも一部が、フック(35)の形状にあり、
前記フックは、前記アーム部(12)の対応する前記オリフィス(17)にスナップ留めされる、
ことを特徴とする請求項1に記載のワイパーアーム(1、1’)。
【請求項3】
前記カバープレート(20)は、隆起した第2壁(24’)を有し、
前記噴霧ノズル(30)は、前記第2壁(24’)に固定的に保持される、
ことを特徴とする請求項1に記載のワイパーアーム(1、1’)。
【請求項4】
前記噴霧ノズル(30)は、開口(33)を有し、
前記第2壁(24’)の前記幅は、前記開口(33)の幅に対応し、
ステップ(26)および弾性クリップ(25)が、前記長手方向側部の両側に対となって設定され、
前記第2壁(24’)は、前記開口(33)に挿入され、
前記ステップ(26)の前記鉛直方向平面(26A)間の前記距離は、前記開口(33)の前記長さに対応し、
前記開口(33)の前記領域を囲む前記噴霧ノズル(30)の一側は、前記ステップ(26)の前記水平方向平面(26B)に当接する一方で、前記クリップ(25)は、前記領域の反対側に当接する、
ことを特徴とする請求項3に記載のワイパーアーム(1、1’)。
【請求項5】
前記カバープレート(20)は、前記導管(40)をガイドするための複数対の第3壁を有する、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のワイパーアーム(1、1’)。
【請求項6】
前記噴霧ノズル(30)は、異なる方向に噴霧可能な複数の吐出口を有する、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のワイパーアーム(1、1’)。
【請求項7】
前記カバープレート(20)は、一体部品の設計である、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のワイパーアーム(1、1’)。
【請求項8】
車両に使用されるワイパーであって、
前記ワイパーは、請求項1~7のいずれか一項に記載のワイパーアーム(1、1’)およびブレードを有し、前記ブレードは前記ワイパーアーム(1、1’)に維持される、
ことを特徴とするワイパー。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載のワイパーアーム(1、1’)、または請求項8に記載のワイパーを有することを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパーアーム、ワイパー、および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイパーは、輸送手段において重要な役割を担うものであり、ドライバーの視界に悪影響を及ぼすフロントガラス上の雨水や汚れを取り除いて運転の安全を確保するために使用されている。
【0003】
従来のワイパーでは、ワイパーアセンブリは、洗浄アセンブリから分離している。洗浄アセンブリは、フロントハッチの下方で見えないようにされている。フロントガラスを洗浄する必要がある場合、洗浄アセンブリが洗浄流体をフロントガラスの表面に噴霧し、次いでワイパーアセンブリが動作を開始する。洗浄流体を全面に亘って噴霧するため、フロントガラスを洗浄するには大量の洗浄流体が必要となる場合がある。
【0004】
近年、洗浄流体用の噴霧ノズルをワイパーアセンブリに組み込んだワイパーが増えている。この点で、噴霧ノズルは、洗浄流体貯蔵部に導管を介して接続している。導管は、ワイパーアセンブリのワイパーアームに沿って、ワイパーアームとフロントガラスとの間で延びる。
【0005】
したがって、ワイパーアームの下方から導管が露出しないようにする信頼性の高い構造が必要とされている。なぜならば、露出した導管は、太陽光にさらされることによる早期老化や異物による破損等の外部環境の影響をより受けやすく、これは導管の寿命に好ましくないからである。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明は、ワイパー、およびワイパーアームを有する車両が上述の技術的問題を少なくとも部分的に解決することができるように、ワイパーアームを提供することを目的とする。
【0007】
本発明によれば、駆動部に接続するためのワイパーアームシートと、前記ワイパーブレードを保持するためのワイパーアームエンドピースと、前記ワイパーアームシートと前記ワイパーアームエンドピースとの間に配置される少なくとも1つのアーム部と、を備える車両用のワイパーアームであって、前記アーム部は、前記ワイパーアームエンドピースに固定的に接続するとともに、前記ワイパーアームシートに対して回転可能であり、前記ワイパーアームは、導管および噴霧ノズルを有する少なくとも1つの噴霧ユニットをも有し、前記導管は、前記ワイパーアームに沿ってガイドされ、前記噴霧ノズルは、前記導管の一端部に配置され、前記アーム部は、カバープレートを有し、前記噴霧ノズルは、前記カバープレートに少なくとも保持される、ワイパーアームが提案される。
【0008】
ワイパーアームにおいて、特に、ワイパーアームのワイパーアームシートに直接的に接続するアーム部において、U字形状の断面が、例えばワイパーアームに割り当てられたワイパーブレードに予圧を適用してこれを車両のフロントガラスにぴったりと押し付けるために使用されるバネ、および噴霧ユニットの導管等の関連する部品を内部に収容するように、通常設けられる。このようなアーム部用のカバープレートを設けることにより、カバープレートは開放側をシールすることができるため、内部に収納された部品が露出することを確実に防止することができ、特に導管が外部に露出して破損することを防止することができる。
【0009】
さらに、噴霧ノズルがカバープレートに保持される場合、U字形状の断面を有するアーム部に比較して、噴霧ノズルに接続する導管の設置またはガイドが、より簡単になる。また、カバープレートをアーム部の所定位置に嵌めこむだけで、噴霧ユニットを設置することができる。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記噴霧ノズルは、開口を有し、前記カバープレートは、隆起した第1壁を有し、前記第1壁の前記頂部における特定の領域が凸部を有し、前記凸部の前記幅は、前記開口の幅よりも大きく、前記第1壁は、前記開口に挿入され、前記凸部は、前記開口を通過して外部に延び、前記噴霧ノズルは、溝も有し、前記溝の1つの側壁の少なくとも一部が、フックの形状にあり、前記フックは、前記アーム部の対応する前記オリフィスにスナップ留めされる。
【0011】
カバープレートを対応するアーム部に設置する際、噴霧ノズルの開口と第1壁との嵌合、および噴霧ノズルが第1壁から脱落することを防止する凸部により、噴霧ノズルのアーム部に対する少なくとも初期の位置決めが実現され得る。次に、噴霧ノズルのフックがアーム部のオリフィスにスナップ留めされて、噴霧ノズルのアーム部に対する最終的な位置決めが達成される。ここで、アーム部の片側が噴霧ノズルの溝に収容される。これにより、組立が簡単になる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記カバープレートは、隆起した第2壁を有し、前記噴霧ノズルは、前記第2壁に固定的に保持される。このため、簡単な組立がさらに達成され得る。
【0013】
例示的に、前記噴霧ノズルは、開口を有し、前記第2壁の前記幅は、前記開口の幅に対応し、ステップおよび弾性クリップが、前記長手方向側部の両側に対となって設定され、前記第2壁は、前記開口に挿入され、前記ステップの前記鉛直方向平面間の前記距離は、前記開口の前記長さに対応し、前記開口の前記領域を囲む前記噴霧ノズルの一側は、前記ステップの前記水平方向平面に当接する一方で、前記クリップは、反対側に当接する。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記カバープレートは、前記導管をガイドするための複数対の第3壁を有する。第3壁は、対として配置され得ることにより、導管が第3壁間に収容され得るため、導管の位置決めがさらに容易になるとともに、導管と他の移動部材との接触による破損の可能性が回避される。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記噴霧ノズルは、異なる方向に噴霧可能な複数の吐出口を有する。これにより、洗浄流体が、フロントガラスに、よりスムースかつ均一に噴霧され得るため、より良好な洗浄効果が得られる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記カバープレートは、一体部品の設計である。例えば、カバープレートは、特に耐候性プラスチックであるプラスチックから、射出成型により形成され得る。当然ながら、他の材料や成形方法も可能である。
【0017】
本発明の別の態様によれば、車両用のワイパーも提案される。前記ワイパーは、上述のワイパーアームおよびブレードを有し、前記ブレードは前記ワイパーアームに維持される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、車両も提案される。車両は、上述のワイパーアームまたはワイパーを有する。
【0019】
以下に、図面を用いて本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明によるワイパーアームの実施形態の分解図を概略的に示す。
図2図2は、図1に示すワイパーアーム用の噴霧ユニットの分解図および組立図を概略的に示す。
図3図3は、図1に示すワイパーアームの噴霧ノズルを概略的に示す。
図4図4は、図1に示すワイパーアームの上面図を示す。
図5図5は、図4に示す線A‐Aに沿った断面図を示す。
図6図6は、図1に示すワイパーアーム用のカバープレートの図であって、カバープレートに図2に示すノズルユニットが設けられている図を示す。
図7図7は、図6に示す線B‐Bに沿った断面図を示す。
図8図8は、図6に示す線C‐Cに沿った断面図を示す。
図9図9は、本発明によるワイパーアームの別の実施形態の分解図を概略的に示す。
図10図10は、図8に示す断面図に対応する、図9に示すワイパーアームの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下は、本発明の実施形態についての例示的な説明である。当業者に当然認識されるように、記載される実施形態は、本発明の概念から逸脱することなく、種々の態様で変更できる。したがって、図面および説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものである。以下の本文では、同一の参照符号は、通常、同一または類似の機能を有する要素を示す。
【0022】
図1は、車両のワイパーに使用される本発明によるワイパーアーム1の分解図を概略的に示す。ワイパーアーム1は、駆動部に接続するためのワイパーアームシート11と、ワイパーブレードを保持するためのワイパーアームエンドピース13と、ワイパーアームシート11とワイパーアームエンドピース13との間に配置される少なくとも1つのアーム部12と、を備えている。ワイパーアームシート11、アーム部12、およびワイパーアームエンドピース13は、長手形状において互いに接続している。アーム部12は、ワイパーアームエンドピース13に固定的に接続しているとともに、ワイパーアームシート11に対して回転可能である。
【0023】
添付図面には、本発明を説明するために使用されるワイパーアーム1の部品しか示さないが、ワイパーアームは、予圧を適用するバネ等の図示しない既知の他の部品も含んでいる。
【0024】
複数のアームが設定される場合、それらは異なる断面形状を有し得るとともに、互いに対して固定的に接続される。具体的には、ワイパーアームの他の部品の形状に基づいて、アーム部は適切に選択され得る。例えば、あるアーム部はU字状の断面を有し得るが、他のアーム部はロッド形状であってもよく、これらは互いにリベット留めされる。ここで、ワイパーアームエンドピース13およびワイパーアームシート11は、互いに接続したアーム部の両側にそれぞれ配置される。ワイパーアームシート11は、ワイパーアーム1の他の上述の部品に対して回転可能である。
【0025】
図1の図面には、U字状の断面を有するアーム部12を、1つのみ概略的に示す。アーム部12は、一側において枢動部15を介してワイパーアームエンドピース11に枢動可能に接続するとともに、他側においてワイパーアームエンドピース13にリベット留めされている。ワイパーアームエンドピース13は、打ち抜き加工により作製され、ブレード用に使用されるフック18を有している。
【0026】
図1に示すように、ワイパーアーム1は、少なくとも1つの噴霧ユニット2を有している。噴霧ユニット2は、互いに分解可能に接続し得る導管40およびノズル30を有している。噴霧ユニット2の分解した状態および接続した状態を、図2の上図および下図にそれぞれ示す。ノズル30のコネクタ31は、導管40の端部41に接続する。互いに接続した導管40およびノズル30は、上述のアーム部12に割り当てられたカバープレート20に配置されている。アーム部12は、好適には、ワイパーアームエンドピース11に隣接している。したがって、カバープレート20を使用してアーム部12の開放側をシールすることにより、導管40の一部、特にアーム部12内に導入された部分が、ワイパーアームから予期せず露出することが防止されて、導管がより良好に保護される。したがって、カバープレート20の幾何学的構造は、アーム部12の開放側の幾何学的構造に一致する。図1は、ネジをカバープレート20に設定されたオリフィス21を介して差し込み、アーム部12の図示しないネジ孔にねじ込むことにより、カバープレート20がアーム部12に固着されている状態を示している。当然ながら、カバープレート20は、アーム部12に任意の適切な態様で、例えばクランプ留めまたは接着により固定され得る。
【0027】
ワイパーアーム1のワイパーアームエンドピース13には、導管40をアーム部12にガイドするために使用される凹部16が残されている。また、ワイパーアームエンドピース13は、アーム部の反対側の端部にあるインターフェース14であって、駆動部の出力シャフトに係合するためのインターフェース14を有している。これにより、ワイパーアームは、前後に揺動可能となっている。
【0028】
図3は、ノズル30の三次元図を示す。ノズル30は、コネクタ31の他に、開口33および溝34も有することが分かる。開口33および溝34は、ノズルの流路39の両側に配置され得るとともに、カバープレート20およびアームの関連する位置と相互作用するためにそれぞれ使用され得る。具体的には、図4図8を参照されたい。カバープレート20は、隆起した第1壁24を有している。第1壁24の頂部の特定の領域は、凸部24Aを有している。凸部24Aの幅は、開口33の幅よりも大きい。第1壁24は開口33に挿入されている。凸部24Aは、開口33を通過して外部に延びている。アーム部12の1つの側壁は、オリフィス17を有している。溝34の1つの側壁の少なくとも一部が、フック35の形状にある。フック35は、アーム部12のオリフィスにスナップ留めされる。本実施形態において、開口33を形成するフレーム36およびフック35は、係合を容易にすべくある程度の弾性を呈する。
【0029】
特に、溝34の側壁37と側壁38との間の距離は、ノズル30の横方向移動を回避するように、挿入されるべきアーム部12の壁の幅に対応している。製造コスト削減のため、例えば、リブ37Aが、側壁37および38のうちの一方に設けられ得る。
【0030】
さらに、カバープレート20は、好適には、導管40をガイドするための複数対の第3壁を有し得る。2対の第3壁22A‐22Bおよび23A‐23Bを添付図面に示す。設置状態において、導管40は、さらなる第3壁の間に配置されることにより、導管40の位置が限定されて、導管がワイパーアームの他の部品と接触することが防止されている。図示の他方の第3壁23Aおよび23Bの対は、存在し得るが図示しない別の導管に使用され得る。
【0031】
したがって、設定された開口33は、ノズル30の初期の位置決めに使用されるものとしてみなされ得る。ノズル30をカバープレート20の第1壁24に開口を介して挿入した後、凸部24Aを、ノズル30がカバープレート20から落下しないように使用する。ここで、噴霧ノズル30を導管40に接続した後に、噴霧ノズルをカバープレートに挿入することができる。あるいは、噴霧ノズルをカバープレートに挿入した後に、導管を噴霧ノズルに接続することができる。カバープレートが全体として基本的に平面的な構造を有しているため、上述の動作が容易に達成され得る。次に、カバープレートを噴霧ユニットとともに、対応するアーム部に設置する。噴霧ノズル30を、アーム部12の壁に溝34を介して連結することで、噴霧ノズルの最終的な固定が達成され得る。特にカバープレート20が導管用のガイド壁を有している場合、ワイパーアームにおいて噴霧ノズルおよび導管に望まれる正しい位置決めが達成され得る。
【0032】
噴霧ノズル30は、異なる方向に噴霧可能な複数の吐出口を有し得る。本例では、ノズル30は、それぞれ3つの方向に向く吐出口32A、32B、32Cを有することが示されている。したがって、洗浄流体が、フロントガラスに、よりスムースかつ均一に噴霧され得るため、より良好な洗浄効果が得られる。
【0033】
カバープレートは、一体部品の設計とされ得る。例えば、カバープレートは、特に耐候性プラスチックであるプラスチックから、射出成型により形成され得る。当然ながら、他の材料や成形方法も可能である。カバープレートは、好適には、U字状の断面を有するアーム部、例えば、ワイパーアームエンドピースに隣接するアーム部に割り当てられる。カバープレートを設けることにより、ワイパーアームの空気力学的効果も向上し得る。
【0034】
図9および図10は、本発明によるワイパーアーム1’の別の実施形態を示す。上の実施形態と異なり、ワイパーアーム1’は、カバープレートやアーム部ではなく、カバープレート20に直接的に保持されている。ワイパーアーム1’の構造は、ワイパーアーム1の構造と基本的に同様である。ワイパーアーム1’との差異点のみ以下の本文で説明する。その他の部分については、上記の説明を参考とすることができる。
【0035】
ワイパーアーム1’において、カバープレート20は隆起した第2壁24’も有し、噴霧ノズル30は第2壁24’に固定的に保持されている。したがって、噴霧ノズル30は、開口33を有している。第2壁24’の幅は、開口33の幅に対応している。ステップ26および弾性クリップ25が、長手方向側部の両側に対となって設定されている。第2壁24’は、開口33に挿入されている。ステップ26の鉛直方向平面26A間の距離は、開口33の長さに対応している。開口33の領域を囲む噴霧ノズル30の一側は、ステップ26の水平方向平面26Bに当接する一方で、クリップ25は、当該領域の他側に当接する。
【0036】
本発明は、上述の構造に限定されず、他の変形例も有し得る。本発明を限定された個数の実施形態により説明したが、当業者は、本開示から利益を享受しつつ、本明細書に開示された本発明の保護範囲から逸脱しない他の実施形態を設計し得る。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみより定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】