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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】プローブカーデータ伝送の低減
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20231206BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08G1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532319
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 CN2021130624
(87)【国際公開番号】W WO2022116804
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】17/109,707
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】弁理士法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】水田 秀行
(72)【発明者】
【氏名】山本 学
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB02
5H181BB04
5H181CC12
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF10
5H181MC14
5H181MC16
5H181MC22
(57)【要約】
ネットワークを介したプローブカーデータの伝送を低減するための手法が提供される。この手法は、プロセッサを使用して、車両から遠隔にある1つ又は複数のプロセッサにおいて、車両についてのプローブカーデータの第1のセットを受信することを含み、プローブカーデータの第1のセットは、第1の時間からのトリガイベントを含む。プロセッサは、第2の時間間隔の間にプローブカーデータの更なるセットが受信されていないと判定する。プロセッサはまた、プローブカーデータの更なるセットが受信されなかったという判定に基づいて、第2の時間間隔の間にトリガイベントが発生しなかったと判断する。プロセッサはまた、プローブカーデータの第1のセットと非トリガ仮定とに基づいて、第2の時間間隔における車両についての推定プローブカーデータを推定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から遠隔にある1つ又は複数のプロセッサによって、前記車両についてのプローブカーデータの第1のセットを受信することであって、前記プローブカーデータの第1のセットは、第1の時間間隔からのトリガイベントを含む、受信することと、
第2の時間間隔の間にプローブカーデータの更なるセットが受信されていないと判定することと、
前記プローブカーデータの更なるセットが受信されなかったという判定に基づいて、前記第2の時間間隔の間にトリガイベントが発生しなかったと判断することと、
前記プローブカーデータの第1のセットと非トリガ仮定とに基づいて、前記第2の時間間隔における前記車両についての推定プローブカーデータを推定することと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記プローブカーデータの第1のセットは、位置、速度、時間、進行方向、及び車両IDからなる群からの選択を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プローブカーデータの第1のセットは、地図マッチングデータ、道路識別データ、及び出発点からの測定距離からなる群から選択される前処理データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プローブカーデータの第1のセットは、第1の進行方向角度と第1の速度とを含み、前記非トリガ仮定は、前記第1の進行方向から進行方向閾値内にある現在進行方向と、前記第1の速度から速度閾値内にある現在速度とからなる群からの選択を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の時間間隔における前記車両についての推定プローブカーデータを推定することは、加速度に対する一定の減衰率を用いて現在加速度を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第3の時間においてウェーブフラグと車両の位置とを受信することであって、前記ウェーブフラグは、交通のウェーブ状の動きの指標を含む、受信することと、
前記ウェーブフラグを受信したことに応答して、前記第3の時間間隔についての推定プローブカーデータを推定することなく、道路状態が渋滞を含むと判断することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
車両から遠隔にある1つ又は複数のプロセッサによって、前記車両についてのプローブカーデータの第3のセットを受信することであって、前記プローブカーデータの第3のセットは、第3の時間からのトリガイベントを含む、受信することと、
前記プローブカーデータの第1のセットと前記プローブカーデータの第3のセットとに基づいて、前記第2の時間間隔における前記車両の位置を補間することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記トリガイベントは、加速度トリガ閾値より大きい、2つの連続する時間間隔間の加速度の差の絶対値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の時間間隔における車両の位置を推定することは、
前記トリガイベント間隔以降の前記車両の推定走行距離を計算することと、
前記車両の推定進行方向範囲を計算することであって、前記推定進行方向範囲は、前記遠隔サーバで受信した現在進行方向と、その閾値内では前記プロセッサがトリガイベントをトリガすることにならない進行方向閾値とを含む、計算することと、
前記推定走行距離及び前記推定進行方向と、前記遠隔サーバに格納された地図データとを比較すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プローブカーデータの伝送を低減するためのコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、
1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体と、前記1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体に集合的に格納されたプログラム命令とを含み、前記プログラム命令は、
車両から遠隔にある1つ又は複数のプロセッサによって、前記車両についてのプローブカーデータの第1のセットを受信するためのプログラム命令であって、前記プローブカーデータの第1のセットは、第1の時間からのトリガイベントを含む、プログラム命令と、
第2の時間間隔の間にプローブカーデータの更なるセットが受信されていないと判定するためのプログラム命令と、
前記プローブカーデータの更なるセットが受信されなかったという判定に基づいて、前記第2の時間間隔の間にトリガイベントが発生しなかったと判断するためのプログラム命令と、
前記プローブカーデータの第1のセットと非トリガ仮定とに基づいて、前記第2の時間間隔における前記車両についての推定プローブカーデータを推定するためのプログラム命令と、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項11】
前記プローブカーデータの第1のセットは、位置、速度、時間、進行方向、及び車両IDからなる群からの選択を含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
前記プローブカーデータの第1のセットは、地図マッチングデータ、道路識別データ、及び出発点からの測定距離からなる群から選択される前処理データを含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
前記プローブカーデータの第1のセットは、第1の進行方向角度と第1の速度とを含み、前記非トリガ仮定は、前記第1の進行方向から進行方向閾値内にある現在進行方向と、前記第1の速度から速度閾値内にある現在速度とからなる群からの選択を含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
前記第2の時間間隔における前記車両についての推定プローブカーデータを推定することは、加速度に対する一定の減衰率を用いて現在の加速度を計算することを含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
第3の時間においてウェーブフラグと車両の位置とを受信するためのプログラム命令であって、前記ウェーブフラグは、交通のウェーブ状の動きの指標を含む、プログラム命令と、
前記ウェーブフラグを受信したことに応答して、前記第3の時間間隔についての推定プローブカーデータを推定することなく、道路状態が渋滞を含むと判断するためのプログラム命令と、
を含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記第2の時間間隔における車両の位置を推定することは、
前記トリガイベント間隔以降の前記車両の推定走行距離を計算するためのプログラム命令と、
前記車両の推定進行方向範囲を計算するめのプログラム命令であって、前記進行方向範囲は、前記遠隔サーバで受信した現在進行方向に、その閾値内では前記プロセッサがトリガイベントをトリガすることにならない進行方向閾値を加えたもの、又は前記現在進行方向から進行方向閾値を引いたものを含む、プログラム命令と、
前記推定走行距離及び前記推定進行方向と、前記遠隔サーバに格納された地図データとを比較するためのプログラム命令と、
を含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
プローブカーデータの伝送を低減するためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、
1つ又は複数のコンピュータプロセッサと、1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体と、前記コンピュータ可読ストレージ媒体に格納され、前記1つ又は複数のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されるプログラム命令とを含み、前記プログラム命令は、
車両から遠隔にある1つ又は複数のプロセッサによって、前記車両についてのプローブカーデータの第1のセットを受信するためのプログラム命令であって、前記プローブカーデータの第1のセットは、第1の時間からのトリガイベントを含む、プログラム命令と、
第2の時間間隔の間にプローブカーデータの更なるセットが受信されていないと判定するためのプログラム命令と、
前記プローブカーデータの更なるセットが受信されなかったという判定に基づいて、前記第2の時間間隔の間にトリガイベントが発生しなかったと判断するためのプログラム命令と、
前記プローブカーデータの第1のセットと非トリガ仮定とに基づいて、前記第2の時間間隔における前記車両についての推定プローブカーデータを推定するためのプログラム命令と、
を含む、コンピュータシステム。
【請求項18】
前記プローブカーデータの第1のセットは、第1の進行方向角度と第1の速度とを含み、前記非トリガ仮定は、前記第1の進行方向から進行方向閾値内にある現在進行方向と、前記第1の速度から速度閾値内にある現在速度とからなる群からの選択を含む、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
第3の時間においてウェーブフラグと車両の位置とを受信するためのプログラム命令であって、前記ウェーブフラグは、交通のウェーブ状の動きの指標を含む、プログラム命令と、
前記ウェーブフラグを受信したことに応答して、前記第3の時間間隔についての推定プローブカーデータを推定することなく、道路状態が渋滞を含むと判断するためのプログラム命令と、
を含む、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
前記第2の時間間隔における車両の位置を推定することは、
前記トリガイベント間隔以降の前記車両の推定走行距離を計算するためのプログラム命令と、
前記車両の推定進行方向範囲を計算するめのプログラム命令であって、前記進行方向範囲は、前記遠隔サーバで受信した現在進行方向に、その閾値内では前記プロセッサがトリガイベントをトリガしない進行方向閾値を加えたもの、又は現在進行方向から前記進行方向閾値を引いたものを含む、プログラム命令と、
前記推定走行距離及び前記推定進行方向と、前記遠隔サーバに格納された地図データとを比較すること
を含む、請求項17に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、交通追跡及び予測の分野に関し、より詳細には、トリガイベントを使用して、ネットワークを通じてプローブカーデータを伝送する量及び頻度を低減することに関する。
【背景技術】
【0002】
プローブカーデータは、車両が移動中に収集する位置及び速度のデータを含む。車両メーカーは、プローブカーデータを収集する全地球測位システム(GPS)ユニットなどの内部センサを有する車両の生産を増やしている。これらの車両は、道路上の交通速度、渋滞、事故、その他のインシデントを判断するのに役立つ。また、車両はこの情報を、交通状況を追跡し、移動時間を計算し、交通レポートを作成する遠隔サーバに転送することもできる。遠隔サーバは、セルラーネットワークデータを使用して、車両からプローブカーデータを収集することができる。セルラーネットワークが使用される場合、車の流れの中にあるすべての電話が潜在的な交通プローブ及び匿名情報源となる。各電話の位置を追跡し、アルゴリズムを使用して高品質データを抽出することができる。このようにして、車両又は道路沿いにインフラ又は特別なハードウェアを設置することなく、このプローブカーデータを利用することができる。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態において、本発明は、ネットワークを介したプローブカーデータの伝送を低減するためのコンピュータ実装方法を開示する。本方法は、車両から遠隔にあるサーバにおいて、車両についてのプローブカーデータの第1のセットを受信することを含み、プローブカーデータの第1のセットは、第1の時間からのトリガイベントを含む。本方法はさらに、サーバにおいて、第2の時間間隔からのプローブカーデータの第2のセットが車両から送信されていないことを検出することを含む。本方法はさらに、プローブカーデータの第2のセットがトリガイベントを含まないと判断することを含む。本方法はさらに、プローブカーデータの第1のセットと非トリガ仮定とに基づいて、第2の時間間隔における車両についての推定プローブカーデータを推定することを含む。
【0004】
別の実施形態において、本発明は、ネットワークを介したプローブカーデータの伝送を低減するためのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体と、1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体に格納されたプログラム命令とを含む。プログラム命令は、車両から遠隔にあるサーバにおいて、車両についてのプローブカーデータの第1のセットを受信するためのプログラム命令を含み、プローブカーデータの第1のセットは、第1の時間からのトリガイベントを含む。プログラム命令はまた、サーバにおいて、第2の時間間隔からのプローブカーデータの第2のセットが車両から送信されていないことを検出するためのプログラム命令を含む。プログラム命令はまた、プローブカーデータの第2のセットがトリガイベントを含まないと判断するためのプログラム命令を含む。プログラム命令はまた、プローブカーデータの第1のセットと非トリガ仮定とに基づいて、第2の時間間隔における車両についての推定プローブカーデータを推定するためのプログラム命令を含む。
【0005】
別の実施形態において、本発明は、ネットワークを介したプローブカーデータの伝送を低減するためのコンピュータシステムを提供する。コンピュータシステムは、1つ又は複数のコンピュータプロセッサと、1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体と、コンピュータ可読ストレージ媒体に格納され、1つ又は複数のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されるプログラム命令とを含む。プログラム命令は、車両から遠隔にあるサーバにおいて、車両についてのプローブカーデータの第1のセットを受信するためのプログラム命令を含み、プローブカーデータの第1のセットは、第1の時間からのトリガイベントを含む。プログラム命令はまた、サーバにおいて、第2の時間間隔からのプローブカーデータの第2のセットが車両から送信されていないことを検出するためのプログラム命令を含む。プログラム命令はまた、プローブカーデータの第2のセットがトリガイベントを含まないと判断するためのプログラム命令を含む。プログラム命令はまた、プローブカーデータの第1のセットと非トリガ仮定とに基づいて、第2の時間間隔における車両についての推定プローブカーデータを推定するためのプログラム命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態による車両監視システムの図を示す。
図2】本発明の一実施形態による、図1のシステム内で実行される車両センサ監視プログラムのステップのフローチャートを示す。
図3】本発明の一実施形態による、図1のシステム内の車両の時間間隔に対する加速度変化のグラフを示す。
図4】本発明の一実施形態による、道路にマッピングされた車両エージェントの概略図を示す。
図5】本発明の例示的な実施形態による、監視サーバ及び車両の構成要素のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
プローブカーデータをセルラーネットワーク上で収集する場合、データ量が多くなり、伝送に費用及び負担がかかることがある。そこで、本明細書に開示する実施形態では、プローブカーデータを選択的に伝送することで、ネットワークを介したサーバによる常時連続監視を必要とせずに、車両の位置、速度、加速度、進行方向(heading)、又は他のデータを追跡、推定、又は補間することができるようにする。本明細書で説明する実施形態は、トリガイベントに依存して、プローブカーデータの送信/受信のタイミングを決定する。トリガイベントは、データポイントを低減しても車両追跡のために十分な情報を提供するように選択される。
【0008】
図1は、発明の一実施形態による車両監視システム100の図を示す。システム100は、ネットワーク106を介して車両104(すなわち、車両104内のプロセッサに接続されたセンサ/デバイス)に接続するサーバ102を含む。車両104は、車両104-1内のセンサから信号を受信して処理し、車両104-1及び周囲の状況を判断する、プロセッサ(CPU)を含む。プロセッサは、本明細書では一般的に車両104の一部としてまとめて説明され、車両104-1の言及は、センサの信号を処理し、ネットワーク106を介してデータを送信するためのプロセッサを含むと理解されるべきである。
【0009】
ネットワーク106は、例えば、遠距離通信ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)、又はこれら3種の組合せとすることができ、有線、無線、又は光ファイバ接続を含むことができる。ネットワーク106は、音声、データ、及び映像情報を含むマルチメディア信号を含む、データ、音声、もしくは映像信号又はそれらの組合せを受信及び送信することが可能な1つ又は複数の有線ネットワークもしくは無線ネットワーク又はその両方を含むことができる。一般に、ネットワーク106は、監視サーバ102と車両監視システム100内の車両104などの他のコンピューティングデバイスとの間の通信をサポートする、接続とプロトコルとの任意の組合せとすることができる。様々な実施形態において、ネットワーク106は、有線、無線、又は光接続を介してローカルに動作し、接続とプロトコルとの任意の組合せ(例えば、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、近距離無線通信(NFC)、レーザ、赤外線、超音波など)とすることができる。監視サーバ102は、データを受信し格納するための任意の適切なコンピュータ構造を含むことができる。例えば、監視サーバ102は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有する1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことができる。
【0010】
車両104は、道路108に沿って走行中にプローブカーデータを記録もしくは収集又は記録及び収集するためのセンサを含む。センサは、GPS位置デバイス、速度計、走行距離計、時計、加速度計、コンパス、圧力センサ、又は車両104-1に関する内部又は外部(すなわち、環境)状態を検出するための他のセンサを含むことができる。したがって、プローブカーデータは、位置、速度、距離、時間、加速度、進行方向、圧力、識別、又はセンサによって検出することができる車両104-1に関する他の情報についての現在のデータを含む。また、プローブカーデータは、車両内に直接設置されていないデバイス/センサによって検出することもできる。例えば、車両104-1の内部に乗車しているユーザのスマートフォン又はスタンドアロンGPSデバイスが、プローブカーデータを収集してもよい。説明を簡単にするために、本出願では、プローブカーデータを収集及び送信するすべてのデバイスを車両104-1として説明する。
【0011】
センサデータに加えて、車両104-1は、プローブカーデータの一部として、前処理データを収集もしくは計算し、又は収集及び計算する。例えば、車両104-1は、検出された位置を利用し、その位置をオンボード地図又は識別された道路にマッチングして、プローブカーデータのセットに地図マッチングデータ又は道路識別データを含めるようにすることができる。付加的又は代替的に、車両104-1は、出発点からの距離を測定し、この情報をプローブカーデータのセットに含めることができる。車両104-1は、プローブカーデータを、所与の時間間隔にわたるすべてのセンサ及びすべての計算からのプローブカーデータのセットとして収集することができる。時間間隔は、運転者に合わせてカスタマイズすることができるが、典型的には、約1秒間という短い時間間隔である。本発明の実施形態によれば、他の時間間隔を使用することもできる。ひとたびプローブカーデータのセットが収集もしくは前処理又は収集及び前処理されると、車両104は、プローブカーデータのセットをネットワーク106及び監視サーバ102に伝送することができるネットワーク接続を含む。
【0012】
監視サーバ102は、プローブカーデータのセットを受信し、車両104の状態を監視し、その状態に基づいて道路108に関する判断を行う、車両監視プログラム110を含む。状態を正確に監視するために、車両監視プログラム110は、車両104が検出及び前処理したプローブカーデータの複数のセットを受信することができる。しかしながら、プローブカーデータのセット間の時間間隔が短いと、ネットワーク106が輻輳し、道路108の監視コストが増大する。ネットワーク106の負担を軽減するために、車両監視プログラム110は、トリガイベントが発生した場合にのみ、プローブカーデータを受信することができる。すなわち、車両104-1は、1秒毎又は他の短い時間間隔毎にプローブカーデータのセットを収集することができるが、車両監視プログラム110は、車両104-1でトリガイベントが発生した場合にのみトリガイベント・プローブカーデータ112のセットを受信することができる。これにより、ネットワークを介して伝送されるデータ量が低減し、それにより、速度が向上し、コストが削減される。車両監視プログラム110は、トリガイベント・プローブカーデータ112を用いて、車両104とそれに付随する位置、速度、進行方向等を表す車両エージェント114を監視サーバ102に格納する。後で詳述するように、車両監視プログラム110は、車両監視プログラム110が実際のプローブカーデータを受信していない時間間隔に対して推定プローブカーデータ116を推定する。
【0013】
トリガイベント・プローブカーデータ112及び推定プローブカーデータ116を、フリート運用の管理、運転者の挙動の監視、カーシェアリングの合理化などによって運転者の行程を最適化するために使用することができる後処理プログラム118に送ってもよい。さらに、後処理プログラム118は、車両104-1の保守を減らすために、使用量、燃料消費、セキュリティ、及び車内活動を監視することによって、車両故障を予期することができる。後処理プログラム118は、コンテキスト及び状況認識を追加するデータを運転者に与えるため、及び、各車両104について移動及び運転挙動に対する洞察を与えるために、車両104-1の運転者に返信することができる。また、後処理プログラム118は、天候、地理的位置、交通、ソーシャルメディア及び他のデータシステムを含む複数のソースからの実時間間隔データを評価して、車両104-1及び道路108の全体的モデルを導出することもできる。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態による、図1のシステム100内で実行される車両監視プログラム110のステップのフローチャートを示す。システム100の動作中、車両監視プログラム110は、ネットワーク106を介して車両104の1つ(例えば、1つの車両104-1)からプローブカーデータの第1のセットを受信する(ブロック202)。プローブカーデータの第1のセットは、トリガイベントを有する第1の時間間隔からのトリガイベント・プローブカーデータ112と、車両104-1が検出した他のセンサデータとを含む。車両104-1は、トリガイベントを経験しなければプローブカーデータのセットをネットワーク106に送信しない。トリガイベントは、車両104-1によって検出される状態であって、プローブカーデータの伝送をトリガするために予め定義されたものである。このような状態を「グローバルイベント」又は「プロンプトイベント」として分類することができる。
【0015】
グローバルイベントは、長い時間間隔にわたる2つのプローブカーデータ間のトリガ差(triggering differences)を検出することができるイベントを含むことができる。例えば、道路108の角度が1秒間に1度変化する場合、1度の変化では車両104-1はトリガイベント・プローブカーデータ112を送信しない。しかし、道路108が1秒間に1度ずつ変化する状態が30秒間続いた場合、車両104は30度の有意な変化を認識し、グローバルイベントとトリガイベント・プローブカーデータ112の伝送とをトリガする。また、車両104-1は、予め定義された持続時間の満了後、グローバルイベントをトリガする。プロンプトイベントは、プロンプトデータ(例えば、現在の加速度微分)のみで、より即時的に検出される。例えば、車両104-1は、2つの連続する時間間隔間の加速度の差の絶対値を監視して、その差が加速度トリガ閾値よりも大きいかどうか判定することができる。
【0016】
図3は、本発明の一実施形態による、図1のシステム100内の車両104の時間間隔304に対する加速度微分302のグラフ300を示す。車両104-1は、現在の加速度微分306を追跡し、現在の加速度微分306を閾値308と比較する。現在の加速度微分306の絶対値が(例えば、時間間隔310において)閾値308の外側にあることが検出された場合、車両104-1はトリガイベントを認識し、トリガイベント・プローブカーデータ112のセットがネットワーク106に送信され、車両監視プログラム110によって受信される。閾値308の外側にない(例えば、時間間隔312における)加速度変化は、トリガイベント・プローブカーデータ112の伝送をトリガしない。速度、進行方向、又はトリガイベントを示し得る他のセンサデータについても、同様の追跡を維持することができる。閾値は、既知の一般的な動作条件からプログラムされてもよく、車のタイプ、運転者の運転習慣、道路108の特性、又は特定の車両104に関する他の詳細に基づいてカスタマイズされてもよい。
【0017】
図2に戻って、車両監視プログラム110は、入り信号について車両104を監視し、第2の時間間隔からのプローブカーデータの第2のセットが車両104-1から送信されていないことを検出する(ブロック204)。車両監視プログラム110は、車両監視プログラム110がプローブカーデータのセットを受信していないとするまでの最小待機時間間隔を有してもよい。最小待機時間間隔は短くてもよい(例えば、プローブカーデータの収集のための時間間隔:1.5~2秒)が、その満了により、車両監視プログラム110は、プローブカーデータの第2のセットの不在を検出し、プローブカーデータの第2のセットがトリガイベントを含んでいないと判断することができる(ブロック206)。
【0018】
プローブカーデータの第2のセットの受信がない場合、車両監視プログラム110は、車両104-1についての推定プローブカーデータ116を推定する(ブロック208)。推定プローブカーデータ116を推定することは、トリガイベント・プローブカーデータ112と非トリガ仮定(すなわち、第2の時間間隔においてトリガイベントが発生しなかったこと)とを用いることを含む。これは、例えば、進行方向角度、速度、加速度などが、進行方向閾値もしくは速度閾値又はその両方によって許容される以上に変化していないことを意味する。特定の実施形態では、車両監視プログラム110は、その絶対値が閾値外ではない、変化する加速度を推定する。例えば、加速度がゼロから増加し、トリガイベント・プローブカーデータ112の伝送をトリガする場合、車両監視プログラム110は、一定の減衰率を用いて現在の加速度を計算する。すなわち、車両監視プログラム110は、車両104-1が巡航速度に近づくと、車両104-1の加速度が減少することを認識するようにプログラムされており、一定の減衰率は、多くの車両104の挙動を正確に測定することが見いだされた。
【0019】
図4は、本発明の一実施形態による、道路408にマッピングされた車両エージェント414の概略図を示す。概略図は、必ずしもすべての実施形態による車両エージェントの実際の実装を反映しているわけではなく、本出願の説明のための例示に過ぎない。図示された実施形態では、車両監視プログラム110は、第1の時間間隔についてトリガイベント・プローブカーデータを受信する。トリガイベント・プローブカーデータは、第1の車両エージェント422として(本出願の例示目的でのみ)グラフィカルに表現された、位置、進行方向角度、及び速度を(他の潜在的なデータの中で特に)含み、位置は車道に対するポジションとして、進行方向角度は矢印方向として、速度は矢印長さとして、それぞれ表されている。第2の時間間隔において、車両監視プログラム110は、トリガイベント・プローブカーデータを受信せず、トリガイベント・プローブカーデータ(第1の車両エージェント422によって表される)と、進行方向角度及び速度が関連付けられた閾値内にあるという非トリガ仮定とを用いて、推定プローブカーデータ(第2の車両エージェント424によって表される)を推定する。同様に、車両監視プログラム110は、第3の時間間隔又は第4の時間間隔についてもトリガイベント・プローブカーデータを受信せず、推定プローブカーデータ(第3の車両エージェント426及び第4の車両エージェント428によって表される)を推定する。
【0020】
車両監視プログラム110は、道路408の構成に基づいて潜在的な経路を排除することによって、推定プローブカーデータを推定することができる。すなわち、車両監視プログラム110は、代替経路(仮想車両エージェント430によって表される)を認識することができるが、第3の時間間隔において車両104-1が代替経路を走行したならば付随するはずの必須の進行方向変更とそれに続くトリガイベント・プローブカーデータの受信に依拠して、これらの経路を排除する。車両監視プログラム110はトリガイベント・プローブカーデータを受信しなかったので、車両監視プログラム110は、その車両に対して直線コース(すなわち、第3の車両エージェント426及び第4の車両エージェント428)を推定する。
【0021】
図4は、第5の時間に発生し得るトリガイベントの2つの選択肢を示す。1つの選択肢は、車両104-1が左の分岐408aに沿ってわずかに左折することである。車両104-1は、第4の進行方向(すなわち、第4の車両エージェント428の進行方向)と第5の進行方向(すなわち、第5の車両エージェント432aの進行方向)との間の進行方向変化430が閾値より大きいことに起因して、トリガイベント・プローブカーデータを送信する。したがって、車両監視プログラム110は、プローブカーデータを推定せず、プローブカーデータを車両エージェント432aとして記録する。図4に示される第2の選択肢は、車両104-1が右の分岐408bに沿ってより直線的な経路を取るが、それでも閾値を超える速度変化に起因してトリガイベント・プローブカーデータを送信することである。車両104-1が第4の時間間隔においてこの選択肢を取った場合、車両監視プログラム110は、車両104-1を車両エージェント432bとして表すであろう。
【0022】
本発明の特定の実施形態は、事前に推定するのではなく、プローブカーデータを補間することを含むことができる。車両監視プログラム110による補間は、図4のコンテキストでは、第1の時間間隔(車両エージェント422)と第5の時間間隔(車両エージェント432a、432b)との間で待機することを含む。トリガイベント・プローブカーデータが第5の時間間隔において受信されると、車両監視プログラム110は、第1の時間間隔と第5の時間間隔との間に発生した可能性が最も高いプローブカーデータを補間する。図示例では、車両104-1が、仮想車両エージェント430によって示されるいずれかの進路変更を行い、かつ第5の時間間隔までに受信したポジションに戻ることができる可能性は低いため、仮想車両エージェント430は排除される。したがって、車両監視プログラム110は、車両104-1が車両エージェント424、426、及び428によって示されるように車道を走行したと補間する。
【0023】
特定の実施形態では、車両監視プログラム110は、道路108に沿って車両104についてのプローブカーデータを推定することと共に交通状態を判断することができる(ブロック210)。交通状態を判断することは、トリガイベント・プローブカーデータに基づいてもよいし、車両監視プログラム110によって推定された推定プローブカーデータからでもよい。例えば、1台又は複数台の車が、通常そのような加速度の変化がない道路108上の位置で加速度の変化を経験した場合、車両監視プログラム110は、その位置で事故が発生した、又は道路に障害物がある、又は他の何らかのイベントが発生したと判断することができる。道路108のある区間(stretch)に沿って多くの車両104による常時の減速がある場合、車両監視プログラム110は、その区間において穴、亀裂、又は隆起などの障害物が生じていると判断することができる。同様に、道路上のごみなどの一時的な障害物を、車両監視プログラム110によって受信されたプローブカーデータに基づいて判断することができる。車両104は、トリガイベント・プローブカーデータではなく、ウェーブフラグ(交通のウェーブ状の速度もしくは動き又はその両方を示す)を送信することによって、交通状態の判断を支援することができる。すなわち、車両104-1が道路108に沿って交通渋滞に遭遇した場合、車両104-1は、トリガイベントに依存してプローブカーデータを送信することを停止し、代わりにウェーブフラグを車両104-1の現在のポジションと共に周期的に送信することができる。車両監視プログラム110は、ウェーブフラグがあるかどうか判定し(ブロック212)、Yesであれば、車両監視プログラム110は、道路状態が交通渋滞を含むと判断する(ブロック212、「Yes」)。ウェーブフラグを送信している車両104については、車両監視プログラム110は推定プローブカーデータ116を全く推定せず、代わりに道路108の渋滞を追跡するのみとすることができる。車両監視プログラム110がウェーブフラグを受信していない場合(ブロック212、「No」)、車両監視プログラム110は、車両104-1がまだ動作中であるかどうかを判定する。車両104-1がまだ動作している場合(ブロック214、「Yes」)、車両監視プログラム110は、更なるトリガイベント・プローブカーデータのセットを受信する。車両104-1が動作していない場合(ブロック214、「No」)、車両監視プログラム110によって使用される方法は、次の繰り返しまで終了する。
【0024】
図5は、本発明の例示的な実施形態による監視サーバ102及び車両104の構成要素のブロック図を示す。図5は、1つの実装の例示を提供するだけであり、異なる実施形態が実装され得る環境に関していかなる制限も意味しないことを理解されたい。描かれた環境に対する多くの変更を行うことができる。
【0025】
監視サーバ102及び車両104は各々、通信ファブリック502を含み、これがコンピュータプロセッサ504、メモリ506、永続ストレージ508、通信ユニット510、及び入力/出力(I/O)インターフェース512間の通信を提供する。通信ファブリック502は、プロセッサ(マイクロプロセッサ、通信及びネットワークプロセッサなど)、システムメモリ、周辺デバイス、及びシステム内の他の任意のハードウェアコンポーネント間でデータもしくは制御情報又はその両方を渡すために設計された任意のアーキテクチャで実装することができる。例えば、通信ファブリック502は、1つ又は複数のバスで実装することができる。
【0026】
メモリ506及び永続ストレージ508は、コンピュータ可読ストレージ媒体である。本実施形態では、メモリ506は、ランダムアクセスメモリ(RAM)514及びキャッシュメモリ516を含む。一般に、メモリ506は、任意の適切な揮発性又は不揮発性のコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことができる。
【0027】
車両監視プログラム110は、監視サーバ102のメモリ506の1つ又は複数のメモリを介した監視サーバ102のそれぞれのコンピュータプロセッサ504の1つ又は複数による実行もしくはアクセス又はその両方のために、監視サーバ102の永続ストレージ508に格納される。この実施形態では、永続ストレージ508は、磁気ハードディスクドライブを含む。磁気ハードディスクドライブの代わりに、又はそれに加えて、永続ストレージ508は、固体ハードドライブ、半導体ストレージデバイス、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュメモリ、又はコンピュータ可読プログラム命令又はデジタル情報を格納することができる他の任意のコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことができる。
【0028】
永続ストレージ508によって使用される媒体は、取外し可能なものであってもよい。例えば、取外し可能なハードドライブを永続ストレージ508用に使用することができる。他の例としては、永続ストレージ508の一部でもある別のコンピュータ可読ストレージ媒体に転送するためにドライブに挿入される、光及び磁気ディスク、サムドライブ、及びスマートカードがある。
【0029】
通信ユニット510は、これらの例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例では、通信ユニット510は、1つ又は複数のネットワークインターフェースカードを含む。通信ユニット510は、物理的通信リンク及び無線通信リンクのいずれか又は両方の使用を通じて通信を提供することができる。車両監視プログラム110は、監視サーバ102の通信ユニット510を通じて、監視サーバ102の永続ストレージ508にダウンロードすることができる。
【0030】
I/Oインターフェース512は、監視サーバ102もしくは車両104-1又はその両方に接続することができる他のデバイスとの間でのデータの入力及び出力を可能にする。例えば、I/Oインターフェース512は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、もしくは他の何らかの適切な入力デバイス又はそれらの組合せなどの外部デバイス518への接続を提供することができる。外部デバイス518もまた、例えば、サムドライブ、ポータブル光又は磁気ディスク、及びメモリカードなどのポータブルコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことができる。本発明の実施形態を実施するために使用されるソフトウェア及びデータ、例えば、車両監視プログラム110は、このようなポータブルコンピュータ可読ストレージ媒体に格納することができ、監視サーバ102のI/Oインターフェース512を介して監視サーバ102の永続ストレージ508にロードすることができる。本発明の実施形態を実施するために使用されるソフトウェア及びデータは、そのようなポータブルコンピュータ可読ストレージ媒体に格納することができ、車両104-1のI/Oインターフェース512を介して車両104-1の永続ストレージ508にロードすることができる。I/Oインターフェース512は、ディスプレイ520にも接続される。
【0031】
ディスプレイ520は、データをユーザに表示する機構を提供し、例えば、コンピュータモニタであってもよい。
【0032】
本明細書に記載されたプログラムは、本発明の特定の実施形態においてそれらが実装されるアプリケーションに基づいて識別される。しかしながら、本明細書におけるあらゆる特定のプログラム命名法は、単に便宜上使用されているに過ぎず、したがって、本発明は、かかる命名法によって識別されるもしくは含意される又はその両方のいずれかの特定のアプリケーションにおける使用のみに限定されるべきではないことを理解されたい。
【0033】
本発明は、実装の任意の可能な技術的詳細レベルの、システム、方法、もしくはコンピュータプログラム製品又はそれらの組合せとすることができる。コンピュータプログラム製品は、本発明の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有する1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことができる。
【0034】
コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスによる使用のために命令を保持及び格納することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、電子ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、光ストレージデバイス、電磁気ストレージデバイス、半導体ストレージデバイス、又は上記のものの任意の適切な組合せとすることができるがこれらに限定されない。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、記録された命令を有するパンチカードもしくは溝内に隆起した構造等の機械式コード化デバイス、及び上記のものの任意の適切な組合せを含む。コンピュータ可読ストレージ媒体は、本明細書で用いられる場合、無線波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば光ファイバケーブルを通る光パルス)、又は電線を通って伝送される電気信号のような一時的な信号自体と解釈すべきではない。
【0035】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスにダウンロードすることも、又は、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワークもしくは無線ネットワーク又はそれらの組合せを経由して、外部コンピュータもしくは外部ストレージデバイスにダウンロードすることもできる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータもしくはエッジサーバ又はそれらの組合せを含むことができる。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カード又はネットワーク・インタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受け取り、そのコンピュータ可読プログラム命令をそれぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体にストレージのために転送する。
【0036】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用の構成データ、又は、Smalltalk、もしくはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語及び「C」プログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語のような従来の手続き型プログラミング言語を含む1つもしくは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述されたソースコードもしくはオブジェクトコードのいずれかとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で独立型ソフトウェア・パッケージとして実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で実行され、一部が遠隔コンピュータ上で実行される場合もあり、又は完全に遠隔コンピュータもしくはサーバ上で実行される場合もある。後者のシナリオにおいては、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含むいずれかのタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続される場合もあり、又は外部コンピュータへの接続が行われる場合もある(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを用いたインターネットを通じて)。幾つかの実施形態において、例えばプログラム可能論理回路、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、又はプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実施するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個別化することにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0037】
本発明の態様は、本明細書において、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図もしくはブロック図又はその両方を参照して説明される。フローチャート図もしくはブロック図又はその両方の各ブロック、並びにフローチャート図もしくはブロック図又はその両方のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装することができることが理解されるであろう。
【0038】
これらのコンピュータ可読プログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えてマシンを製造し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートもしくはブロック図又はその両方の1つ又は複数のブロック内で指定された機能/動作を実装するための手段を作り出すようにすることができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令を、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、もしくは他のデバイス又はそれらの組合せを特定の方式で機能させるように指示することができるコンピュータ可読ストレージ媒体内に格納し、それにより、その中に格納された命令を有するコンピュータ可読媒体が、フローチャートもしくはブロック図又はその両方の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製品を含むようにすることもできる。
【0039】
コンピュータ可読プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置又は他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置又は他のデバイス上で行わせてコンピュータ実装のプロセスを生成し、それにより、コンピュータ、他のプログラム可能装置又は他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートもしくはブロック図又はその両方の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実装するようにすることもできる。
【0040】
図面内のフローチャート及びブロック図は、本開示の種々の実施形態による、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装の、アーキテクチャ、機能及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、又は命令の一部を表すことができる。幾つかの代替的な実装において、ブロック内に記された機能は、図中に記された順序とは異なる順序で行われることがある。例えば、連続して示された2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には、部分的に又は完全に時間的に重複した方式で、ワンステップで達成されることもあり、同時に実行されることもあり、実質的に同時に実行されることもあり、又はこれらのブロックはときとして逆順で実行されることもある。ブロック図もしくはフローチャート図又はその両方の各ブロック、及びブロック図もしくはフローチャート図又はその両方の中のブロックの組合せは、指定された機能又は動作を実行する専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装することもでき、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行することもできることにも留意されたい。

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行される方法であって、
車両から遠隔にある1つ又は複数のプロセッサによって、前記車両についてのプローブカーデータの第1のセットを受信することであって、前記プローブカーデータの第1のセットは、第1の時間間隔からのトリガイベントを含む、受信することと、
第2の時間間隔の間にプローブカーデータの更なるセットが受信されていないと判定することと、
前記プローブカーデータの更なるセットが受信されなかったという判定に基づいて、前記第2の時間間隔の間にトリガイベントが発生しなかったと判断することと、
前記プローブカーデータの第1のセットと非トリガ仮定とに基づいて、前記第2の時間間隔における前記車両についての推定プローブカーデータを推定することと、
を含む、方法
【請求項2】
前記プローブカーデータの第1のセットは、位置、速度、時間、進行方向角度、及び車両IDからなる群からの選択を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プローブカーデータの第1のセットは、地図マッチングデータ、道路識別データ、及び出発点からの測定距離からなる群から選択される前処理データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プローブカーデータの第1のセットは、第1の進行方向角度と第1の速度とを含み、前記非トリガ仮定は、前記第1の進行方向角度から進行方向角度閾値内にある現在進行方向角度と、前記第1の速度から速度閾値内にある現在速度とからなる群からの選択を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の時間間隔における前記車両についての推定プローブカーデータを推定することは、加速度に対する一定の減衰率を用いて現在加速度を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第3の時間間隔においてウェーブフラグと車両の位置とを受信することであって、前記ウェーブフラグは、交通のウェーブ状の動きの指標を含む、受信することと、
前記ウェーブフラグを受信したことに応答して、前記第3の時間間隔についての推定プローブカーデータを推定することなく、道路状態が渋滞を含むと判断することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
車両から遠隔にある1つ又は複数のプロセッサによって、前記車両についてのプローブカーデータの第3のセットを受信することであって、前記プローブカーデータの第3のセットは、第3の時間間隔からのトリガイベントを含む、受信することと、
前記プローブカーデータの第1のセットと前記プローブカーデータの第3のセットとに基づいて、前記第2の時間間隔における前記車両の位置を補間することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記トリガイベントは、加速度トリガ閾値より大きい、2つの連続する時間間隔間の加速度の差の絶対値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の時間間隔における車両の位置を推定することは、
前記トリガイベントに係る時間間隔以降の前記車両の推定走行距離を計算することと、
前記車両の推定進行方向範囲を計算することであって、前記推定進行方向範囲は、前記1つ又は複数のプロセッサを含む遠隔サーバで受信した現在進行方向と、その閾値内では前記1つ又は複数のプロセッサがトリガイベントをトリガすることにならない進行方向閾値とを含む、計算することと、
前記推定走行距離及び前記推定進行方向と、前記遠隔サーバに格納された地図データとを比較すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記進行方向範囲は、前記遠隔サーバで受信した現在進行方向に、前記進行方向閾値を加え又は減じたものを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムを格納した、コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項13】
プローブカーデータの伝送を低減するためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、
1つ又は複数のコンピュータプロセッサと、1つ又は複数のコンピュータ可読ストレージ媒体と、前記コンピュータ可読ストレージ媒体に格納され、前記1つ又は複数のプロセッサのうちの少なくとも1つに請求項1から請求項10までのいずれかに記載の方法を実行さるプログラム命令とを含む、コンピュータシステム。
【国際調査報告】