(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】動物に健康上の利益を与えるための限定的(INTERNMENT)カロリー制限方法
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20231206BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20231206BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20231206BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20231206BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20231206BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20231206BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20231206BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20231206BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20231206BHJP
A61P 27/12 20060101ALI20231206BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20231206BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20231206BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20231206BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20231206BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P1/16
A61P9/00
A61P9/12
A61P21/00
A61P25/28
A61P13/12
A61P9/10
A61P1/04
A61P27/12
A61P27/02
A61P11/00
A61P37/02
A61P19/00
A61P17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532500
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 IB2021060669
(87)【国際公開番号】W WO2022118130
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】パン, ユアンロン
【テーマコード(参考)】
4C084
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZA15
4C084ZA33
4C084ZA36
4C084ZA42
4C084ZA59
4C084ZA66
4C084ZA75
4C084ZA81
4C084ZA89
4C084ZA94
4C084ZA96
(57)【要約】
本発明は、間欠的部分制限食を使用して、動物における器官疾患を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させるための方法、及び成体動物における生物学的年齢を低下させるための方法を提供する。かかる方法は、かかる利益を達成するために、特定の比率で異なるカロリー含有量を有する2つの異なる食餌を動物に給餌することを含むことができる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物における器官疾患若しくは器官機能の低下、又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させるための方法であって、
カロリー維持期間の間、前記動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーを含有するカロリー維持食を、前記動物に給餌することと、
カロリー低減期間の間、前記カロリー維持食に含有されるカロリーの約40%~約60%を含有するカロリー低減食を、前記動物に給餌することと、を含み、
前記カロリー維持期間と前記カロリー低減期間との比が約4:3である、方法。
【請求項2】
前記カロリー維持期間が4日間であり、カロリー低減期間が3日間である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記4日間及び前記3日間が連続している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記4日間及び前記3日間が非連続的である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記カロリー維持期間の給餌及び前記カロリー低減期間の給餌が、少なくとも1ヶ月の期間にわたって繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カロリー維持期間の給餌及び前記カロリー低減期間の給餌が、少なくとも6ヶ月の期間にわたって繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カロリー低減食が、前記動物の1日あたりのエネルギー維持必要量を満たすのに必要なカロリーの約50%を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記器官疾患又はそれに関連する状態が、脂肪肝、肝硬変、加齢に伴う肝臓の体積及び肝臓の血流の減少、肝線維症、心臓肥大、心肥大、心筋肥大、心室肥大、高血圧症、骨格筋量の減少、体力の低下、サルコペニア、フレイル、運動性の減少若しくは低下、筋萎縮、脳の老化、記憶力の減少若しくは低下、学習能力の減少若しくは低下、実行機能の減少若しくは低下、バランス及び運動協調能力の減少若しくは低下、感覚機能の減少若しくは低下、慢性腎臓疾患、腎不全、腎硬化症の有症部の増加による機能的糸球体数の減少、動脈硬化、糸球体硬化症、間質性線維症を伴う尿細管萎縮、皮質体積の減少、腎嚢胞、糸球体濾過量の低下、腎機能予備能の減少若しくは低下、胃潰瘍若しくは炎症、十二指腸潰瘍若しくは炎症、空腸潰瘍、過敏性腸障害(IBD)、便秘、痔疾、大腸炎、結腸ポリープ、胃食道逆流症(GERD)、リーキーガット症候群、下痢、胃腸炎、鼓脹及び過剰ガス、白内障、網膜機能の減少若しくは低下、弱視、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、肺感染症、肺予備能の減少若しくは低下、咳嗽力の減少若しくは低下、肺筋機能の減少若しくは低下、肺免疫機能の減少若しくは低下、免疫機能の減少若しくは低下、免疫老化、ワクチン応答の減少若しくは低下、骨疾患、骨密度の減少若しくは低下、骨強度の減少若しくは低下、骨粗鬆症、皮膚疾患、しわ、皮膚の弾力の低下、皮膚のたるみ、ざらついた皮膚外観、しみ、皮膚病変、乾燥皮膚、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
成体動物における生物学的年齢又は前記成体動物における器官の生物学的年齢を低下させるための方法であって、
カロリー維持期間の間、前記成体動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーを含有するカロリー維持食を、前記成体動物に給餌することと、
カロリー低減期間の間、前記カロリー維持食に含有されるカロリーの約40%~約60%を含有するカロリー低減食を、前記成体動物に給餌することと、を含み、
前記カロリー維持期間と前記カロリー低減期間との比が約4:3である、方法。
【請求項10】
前記カロリー維持期間が4日間であり、カロリー低減期間が3日間である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カロリー維持給餌期間及び前記カロリー低減期間が連続している、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記カロリー維持期間の給餌及び前記カロリー低減期間の給餌が、少なくとも1ヶ月の期間にわたって繰り返される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記カロリー維持期間の給餌及び前記カロリー低減期間の給餌が、少なくとも6ヶ月の期間にわたって繰り返される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記カロリー低減食が、前記動物の1日あたりのエネルギー維持必要量を満たすのに必要なカロリーの約50%を含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記成体動物が高齢の動物である、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年12月3日に出願された米国特許仮出願第63/120,777号の優先権を主張するものであり、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[背景技術]
[技術分野]
[0002]本発明は、全般的に、特定の間欠的なカロリー制限食を使用することによって、動物に健康上の利益を提供するための方法に関し、特に、かかる健康上の利益を提供するための給餌パターンを使用するための方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
[0003]栄養不良を伴わない長期的なカロリー制限(CR)は、平均寿命及び最大寿命の両方を向上させ、健康寿命(慢性疾患のない寿命)を延伸し、心血管疾患、がん、糖尿病、高血圧、脳卒中、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病を含む多くの慢性疾患の発生を予防、遅延、又は低減することができることが証明されている。残念ながら、生涯にわたって1日あたりのカロリー摂取量を低減する必要があるため、上述の健康上の利益のためにCRを実践することは非常に困難である。
【0004】
[0004]CRを再現するためのいくつかの方法は、当該技術分野において既知である。例えば、1日おきの絶食により、寿命を延ばすことができる(Goodrick et al.,Mech Ageing Dev 1990;55:69-87)が、生涯にわたって1日おきに絶食することはまた、実際には非常に困難である。2週間毎に4日間連続して絶食させることにより、寿命を長くすることができる(Sogawa H,Kubo C.Mech Ageing Dev 2000;115:61~71)が、このアプローチもまた、大半の人々及び動物にとって非常に困難である。擬絶食療法(FMD)は、老化、糖尿病、がん、及び心血管疾患のバイオマーカー及び危険因子を低減することが示されている(Wei et al.,Sci Transl.Med,2017,9:waai8700)。FMDは、カロリー、糖、及びタンパク質が低いが、不飽和脂肪は高い。また、人々は、効果を得るために、最低でも3ヶ月にわたって月に5日間連続してFMDを消費する必要がある。
【0005】
[0005]したがって、日常的にカロリー量を低減する必要なく、長期的なカロリー制限に関連する健康上の利益をもたらすための新たな方法が必要とされている。
【0006】
[発明の概要]
[0006]動物における器官(organ)疾患若しくは器官機能の低下、又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させるための方法であって、カロリー維持期間の間、動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーを含有するカロリー維持食を動物に給餌することと、カロリー低減期間の間、カロリー維持食に含有されるカロリーの約40%~約60%を含有するカロリー低減食を動物に給餌することと、を含み、カロリー維持期間とカロリー低減期間との比が約4:3である、方法。
【0007】
[0007]動物における器官疾患若しくは器官機能の低下、又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させるための方法であって、自由裁量期間の間、自由裁量で動物に給餌することと、カロリー低減期間の間、動物の維持エネルギー必要量の約40%~約60%を含有するカロリー低減食を動物に給餌することと、を含み、自由裁量期間とカロリー低減期間との比が約4:3である、方法。
【0008】
[0008]成体動物における生物学的年齢又は成体動物における器官の生物学的年齢を低下させるための方法であって、カロリー維持期間の間、成体動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーを含有するカロリー維持食を成体動物に給餌することと、カロリー低減期間の間、成体動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーの約40%~約60%を含有するカロリー低減食を成体動物に給餌することと、を含み、カロリー維持期間とカロリー低減期間との比が約4:3である、方法。
【0009】
[0009]成体動物における生物学的年齢又は成体動物における器官の生物学的年齢を低下させるための方法であって、自由裁量期間の間、自由裁量で成体動物に給餌することと、カロリー低減期間の間、成体動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーの約40%~約60%を含有するカロリー低減食を成体動物に給餌することと、を含み、自由裁量期間とカロリー低減期間との比が約4:3である、方法。
【0010】
[0010]本発明の、その他の及び更なる目的、特徴並びに利点は、当業者には容易に明らかとなろう。
【0011】
[発明を実施するための形態]
定義
[0011]「動物」という用語は、器官疾患若しくは器官機能の低下又は状態を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させるため、あるいはトリ、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ニワトリ、マウス、ヒツジ、及びブタを含む動物の生物学的年齢を低下させるため、又は動物における器官の生物学的年齢を低下させるための利益を本発明から得ることができる、ヒト又は他の動物を意味する。
【0012】
[0012]用語「コンパニオンアニマル」は、ネコ、イヌ、ウサギ、モルモット、フェレット、ハムスター、マウス、スナネズミ、ウマ、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ブタなどの家畜を意味する。一態様において、コンパニオンアニマルは、イヌ及び/又はネコを指し得る。
【0013】
[0013]用語「治療有効量」とは、本明細書に開示される化合物の量であって、(i)特定の疾患、状態、若しくは障害を治療若しくは予防する量、(ii)特定の疾患、状態、若しくは障害の1つ以上の症状を和らげる、改善する、若しくは取り除く量、又は(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、若しくは障害の1つ以上の症状の発現を予防若しくは遅延させる量、を意味する。
【0014】
[0014]用語「治療すること」、「治療する」、及び「治療」は、予防的なもの、すなわち予防的治療及び緩和的治療の両方を包含する。
【0015】
[0015]用語「老齢」は、動物がその特定の種及び/又は種内の品種の平均寿命の50%を超えるような高齢であることを意味する。例えば、イヌの所与の品種の平均寿命が10年である場合、その品種に含まれかつ5歳を超えるイヌは、本明細書の目的に関して「老齢」であるとみなされるであろう。更に、例えば、ネコの品種の平均寿命が15年である場合、その品種に含まれかつ7.5歳を超えるネコは、本明細書の目的に関し「老齢」であるとみなされる。一実施形態では、本明細書に開示される組成物及び方法は、高齢の動物、例えば、高齢のイヌ又は高齢のネコに関わる。イヌ及びネコなどの動物は、寿命の最後の25%において高齢であると考えられる。本明細書に記載されるように、イヌ又はネコの寿命はそのサイズ及び/又はその品種によって異なり、高齢のイヌ又は高齢のネコは、上記の計算に基づき、但し年齢閾値が平均寿命の75%を超えるように75%の数値を使用して、決定され得る。
【0016】
[0016]用語「間欠的期間」又は「間欠的に」とは、定められた間隔で繰り返し起こる、継続時間が同じ又は異なる第1の期間及び第2の期間を意味する。例えば、日常的な間欠期間は、ある日にある行為を行い、次の日に異なる行為を行うこと、場合によっては、2日以上の期間のパターンを必要な回数又は望ましい回数だけ繰り返すことを伴う。同様に、動物に給餌するなどの1つの行為を1週間行うことができ、異なる食餌を動物に給餌するなどの第2の行為を2週間行うことができ、このサイクルを1年間又は当該動物の一生にわたって繰り返すことができる。同じことが、複数の日、週、月、四半期、年などの期間、例えば、毎日、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、週ごと、2週間、3週間、月ごと、2ヶ月間、四半期ごと、4ヶ月間、5ヶ月間、半年間、年ごとなどの期間にも当てはまる。
【0017】
[0017]用語「~と併せて」とは、本発明に従って、第1の期間、動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーを含有する第1の食餌を動物に給餌し、第2の期間、動物の維持エネルギー必要量を満たさないカロリーを含有する第2の食餌を動物に給餌し、異なる化合物、組成物、又は他の作用物質を、(1)食餌組成物の形で一緒に、又は(2)ほぼ同時若しくは周期的に、同じ若しくは異なる投与経路を用いて、同じ若しくは異なる頻度で別々に、動物に投与することを意味する。「周期的に」とは、特定の作用物質について許容可能な投与量スケジュールで当該作用物質が投与され、食品が特定の動物にとって適切に日常的に動物に給餌されることを意味する。「ほぼ同時に」とは、一般に、食品及び作用物質が同時に又は互いに約72時間以内に投与されることを意味する。「~と併せて」は、具体的には、作用物質を所定の期間投与し、本発明の食餌組成物を無期限に投与する投与スキームを含む。
【0018】
[0018]用語「完全かつバランスのとれた」は、食品組成物について言及する場合、動物栄養学の分野で認められた権威の推奨に基づき、公知の必須栄養素の全てを、適切な量及び割合で含有しており、したがって、栄養補給源を追加せずとも、生命を維持し、又は生産を促進するための食餌摂取の唯一の供給源としての役割を果たすことができる、食品組成物を意味する。栄養バランスのとれたペットフード及び動物用食品組成物、例えば、米国飼料検査官協会(AAFCO)によって規定された2020年1月1日時点の基準に従って配合された完全かつバランスのとれた食品組成物は、当技術分野において広く知られており、広く使用されている。
【0019】
[0019]用語「単一パッケージ」とは、キットの構成要素が、1つ以上の容器において又は1つ以上の容器と物理的に関連付けられており、製造、流通、販売、又は使用にあたって1つのユニットとしてみなされることを意味する。容器としては、袋、箱、カートン、ボトル、任意の種類、若しくは設計、若しくは材料の包装、上包装、シュリンク包装、添付された構成要素(例えば、ステープル留めされたもの、接着されたものなど)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。単一パッケージは、物理的に関連した本発明の個別の食餌組成物の容器であり、製造、流通、販売、又は使用に当たって1単位とみなすことができる。
【0020】
[0020]用語「仮想パッケージ」とは、キットの構成要素が、ユーザーに対して他の構成要素を得る方法を説明する1つ以上の物理的又は仮想的キット構成要素の指示と関連付けられていることを意味し、例えば、1つの構成要素と、ユーザーに対してウェブサイトを見る、録音メッセージ若しくはFAX返信サービスにコンタクトする、視覚的メッセージを見る、又は介護者若しくはインストラクターにコンタクトをとり、キットの使用方法、又はキットの1つ以上の構成要素に関する安全情報若しくは技術的情報を取得するよう指示する説明書と、を含む、袋又は他の容器である。
【0021】
[0021]用語「約」は、プラスマイナス20%、好ましくはプラスマイナス10%、より好ましくはプラスマイナス5%、最も好ましくはプラスマイナス2%を意味する。
【0022】
[0022]本願に表記の全ての百分率は、別途表記のない限り、組成物の総重量又は総量の重量又は量によるものである。
【0023】
[0023]本明細書に記載の特定の方法論、プロトコール、及び試薬は変更できることから、本発明はこれらに限定されるものではない。更に、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的とするものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0024】
[0024]本明細書で使用される場合、文脈により明確に記載のない限り、単語の単数形には複数形が包含され、逆も同様である。したがって、「a」、「an]、及び「the」への言及は、概して、それぞれの用語の複数形を包含する。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」の語は、排他的な語ではなく、他を包含し得る語であると解釈されるべきである。同様に、「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は」という用語は全て、そのような解釈が文脈から明らかに禁止されていない限り、他を包含し得る語であると解釈されるべきである。同様に、用語「例(examples)」は、特に、後に用語の掲載が続く場合、単に例示的かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、又は「含む(comprising)」を使用する全ての実施形態は、「本質的にからなる(essentially consisting of)」又は「からなる(consisting of)」で置換され得る。
【0025】
[0025]別途記載のない限り、本明細書で使用する全ての技術用語及び科学用語、並びにいかなる略語も、本発明の属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同様の意味を有する。本明細書に記載のものに類似又は等価の任意の組成物、方法、製品、又はその他の手法若しくは材料を本発明の実施に使用できるが、好ましい組成物、方法、製品、又はその他の手法若しくは材料が本明細書に記載される。
【0026】
[0026]本明細書において引用又は参照される全ての特許、特許出願、刊行物、及びその他の参考文献は、参照により、法によって許容される範囲で本明細書に援用される。これらの参照文献についての論考は、その参照文献においてなされる主張を要約することを意図するにすぎない。このような特許、特許出願、刊行物、若しくは参考文献、又はこれらの任意の部分が、本発明の関連する先行技術についてのものであるとの了解はなされず、かつこのような特許、特許出願、刊行物、及びその他の参考文献の正確性及び適切性について異議申し立てをする権利は明確に保有される。
【0027】
本発明
[0027]一実施形態では、動物における器官疾患若しくは器官機能の低下、又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させるための方法は、カロリー維持期間の間、動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーを含有するカロリー維持食を動物に給餌することと、カロリー低減期間の間、カロリー維持食に含有されるカロリーの約40%~約60%を含有するカロリー低減食を動物に給餌することと、を含むことができ、カロリー維持期間とカロリー低減期間との比は約4:3である。
【0028】
[0028]一実施形態では、動物における器官疾患若しくは器官機能の低下、又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させるための方法は、自由裁量期間の間、自由裁量で動物に給餌することと、カロリー低減期間の間、動物の維持エネルギー必要量の約40%~約60%を含有するカロリー低減食を動物に給餌することと、を含むことができ、自由期間とカロリー低減期間との比は約4:3である。
【0029】
[0029]別の実施形態では、成体動物における生物学的年齢又は成体動物における器官の生物学的年齢を低下させるための方法は、カロリー維持期間の間、成体動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーを含有するカロリー維持食を成体動物に給餌することと、カロリー低減期間の間、カロリー維持食に含有されるカロリーの約40%~約60%を含有するカロリー低減食を成体動物に給餌することと、を含むことができ、カロリー維持期間とカロリー低減期間との比は約4:3である。
【0030】
[0030]別の実施形態では、成体動物における生物学的年齢又は成体動物における器官の生物学的年齢を低下させるための方法は、自由裁量期間の間、自由裁量で成体動物に給餌することと、カロリー低減期間の間、動物の維持エネルギー必要量の約40%~約60%を含有するカロリー低減食を成体動物に給餌することと、を含むことができ、カロリー維持期間とカロリー低減期間との比は約4:3である。
【0031】
[0031]注目すべきことに、本発明者は、特定のカロリー低減を伴う特定の間欠的給餌パターン(4:3の期間比)で給餌された動物が、その動物の生物学的年齢を減少させることができ、その動物における器官疾患、器官機能の低下、若しくは器官疾患に関連する状態を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させることができることを予想外に発見した。例えば、動物には、4日間の維持食(又は自由裁量食餌)、及び3日間の低減食を給餌することができる。概ね、低減食は、カロリー維持食に含有されるカロリーの約40%~約60%を含有する。一態様において、低減食は、約50%のカロリーを有することができる。
【0032】
[0032]したがって、本方法による、器官疾患、器官機能の低下、又はそれに関連する状態の治療、予防、又は遅延には、肝臓疾患若しくは肝臓機能、心臓疾患若しくは心臓機能、筋肉疾患若しくは筋肉機能、脳疾患若しくは脳機能、腎臓疾患若しくは腎臓機能、胃腸疾患若しくは胃腸機能、眼疾患若しくは眼機能、肺疾患若しくは肺機能、骨疾患若しくは骨機能、皮膚疾患若しくは皮膚機能、及び免疫疾患若しくは免疫機能を含むことができる。
【0033】
[0033]一実施形態では、本方法は、脂肪肝、肝硬変、加齢に伴う肝臓の体積及び肝臓の血流の減少、並びに/又は肝線維症を含む、肝臓疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0034】
[0034]別の実施形態では、本方法は、心臓肥大、心肥大、心筋肥大、心室肥大、及び/又は高血圧症を含む、心臓疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0035】
[0035]別の実施形態では、本方法は、骨格筋量の減少、体力の低下(loss of strength)、サルコペニア、フレイル、運動性の減少若しくは低下、及び/又は筋萎縮を含む、筋肉疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0036】
[0036]別の実施形態では、本方法は、脳の老化、記憶の減少若しくは低下、学習能力の減少若しくは低下、実行機能の減少若しくは低下、バランス及び運動協調能力の減少若しくは低下、並びに/又は感覚機能の減少若しくは低下を含む、脳疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0037】
[0037]別の実施形態では、本方法は、慢性腎臓疾患、腎不全、腎硬化症の有症部(prevalence of nephrosclerosis)の増加による機能的糸球体数の減少、動脈硬化、糸球体硬化症、間質性線維症を伴う尿細管萎縮、皮質体積の減少、腎嚢胞、糸球体濾過量の低下、及び/又は腎機能予備能の減少若しくは低下を含む、腎臓疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0038】
[0038]別の実施形態では、本方法は、胃潰瘍若しくは炎症、十二指腸潰瘍若しくは炎症、空腸潰瘍、過敏性腸障害(IBD)、便秘、痔疾、大腸炎、結腸ポリープ、胃食道逆流症(GERD)、下痢、胃腸炎、リーキーガット症候群、リーキーガット症候群に関連する状態(不安、うつ病、慢性下痢、便秘、若しくは鼓脹、栄養不足、倦怠感、頭痛、錯乱、集中力の低下、皮膚の問題(ニキビ、発疹、若しくは湿疹など)、関節痛、炎症)、並びに/又は鼓脹及び過剰ガスを含む、胃腸疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0039】
[0039]別の実施形態では、本方法は、白内障、網膜機能の減少若しくは低下、及び/又は弱視を含む、眼疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0040】
[0040]別の実施形態では、本方法は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、肺感染症、肺予備能の減少若しくは低下、咳嗽力の減少若しくは低下、肺筋機能の減少若しくは低下、及び/又は肺免疫機能の減少若しくは低下を含む、肺疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0041】
[0041]別の実施形態では、本方法は、免疫機能の減少若しくは低下、及び/又は免疫老化、及び/又はワクチン応答の減少若しくは低下を含む、免疫疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0042】
[0042]別の実施形態では、本方法は、骨密度、骨強度の減少若しくは低下、及び/又は骨粗鬆症を含む骨疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0043】
[0043]別の実施形態では、本方法は、しわ、弾力の低下、たるみ、ざらついた外観、しみ、病変、及び乾燥皮膚を含む、皮膚疾患又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はそれらの発症を遅延させることができる。
【0044】
[0044]記載のようなカロリー低減期間及びカロリー維持期間の給餌は十分であり得るが、本方法は、また、少なくとも2サイクル間、数サイクル間、動物がその給餌パターンから利益を得る(例えば、肝臓疾患を治療又は予防する)限りの間、又は動物の一生の間、給餌パターンを繰り返す実施形態も含む。
【0045】
[0045]本方法は、5日、7日、10日、14日などの任意の時間サイクルにわたって本方法の使用を企図しているが、サイクル内で、個々の維持期間及び制限期間の比が4:3である場合、概ね、カロリー維持期間は4日間であり得、カロリー低減期間は3日間であり得る。更に、個々の給餌/日は、サイクル全体にわたって、非連続的な方法(例えば、2日間の維持、次いで2日間の制限、次いで2日間の維持、次いで1日の制限を有する1週間のサイクル)で展開することができるが、概して、個々の期間は、連続的(例えば、4日間の維持、次いで3日間の制限を有する1週間のサイクル)であり得る。したがって、一態様において、4日間及び3日間は連続的であり得、別の態様において、4日間及び3日間は非連続的であり得る。
【0046】
[0046]記載のようなカロリー低減期間及び自由裁量期間の給餌は十分であり得るが、本方法は、また、少なくとも2サイクル間、数サイクル間、動物がその給餌パターンから利益を得る(例えば、肝臓疾患を治療又は予防する)限りの間、又は動物の一生の間、給餌パターンを繰り返す実施形態も含む。
【0047】
[0047]本方法は、5日、7日、10日、14日などの任意の時間サイクルにわたって本方法の使用を企図しているが、サイクル内で、個々の自由裁量期間及び制限期間の比が4:3である場合、概ね、自由裁量期間は4日間であり得、カロリー低減期間は3日間であり得る。更に、個々の給餌/日は、サイクル全体にわたって、非連続的な方法(例えば、2日間の自由裁量、次いで2日間の制限、次いで2日間の自由裁量、次いで1日の制限を有する1週間のサイクル)で展開することができるが、概して、個々の期間は、連続的(例えば、4日間の自由裁量、次いで3日間の制限を有する1週間のサイクル)であり得る。したがって、一態様において、4日間及び3日間は連続的であり得、別の態様において、4日間及び3日間は非連続的であり得る。
【0048】
[0048]本明細書で論じられるように、本発明の間欠的な食餌給餌は、任意の時間及び任意のサイクル数であってよく、一実施形態では、カロリー維持期間の給餌及びカロリー低減期間の給餌は、少なくとも1ヶ月の組み合わせ期間にわたって繰り返される。一態様において、カロリー維持期間の給餌及びカロリー低減期間の給餌は、少なくとも6ヶ月の期間にわたって繰り返すことができる。他の態様において、カロリー維持期間の給餌及びカロリー低減期間の給餌は、少なくとも1年、2年、5年、10年の期間にわたって、又は更には動物の残りの寿命にわたって繰り返すことができる。
【0049】
[0049]本明細書で論じられるように、本発明の間欠的な食餌は、任意の時間及び任意のサイクル数であってよく、一実施形態では、自由裁量期間の給餌及びカロリー低減期間の給餌は、少なくとも1ヶ月の組み合わせ期間にわたって繰り返される。一態様において、自由裁量期間の給餌及びカロリー低減期間の給餌は、少なくとも6ヶ月の期間にわたって繰り返すことができる。他の態様において、自由裁量期間の給餌及びカロリー低減期間の給餌は、少なくとも1年、2年、5年、10年の期間にわたって、又は更には動物の残りの寿命にわたって繰り返すことができる。
【0050】
[0050]一実施形態では、本発明の方法は、治療剤、又は健康上の利益を与える任意の他の作用物質の投与と併せて実施される。本発明の給餌パターンに適合する任意のかかる作用物質を本発明で使用することができる。様々な実施形態において、作用物質は、カルチニン、イソフラボン、ピルベート、魚油、ω-3多価不飽和脂肪酸、ω-6多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸(ω7脂肪酸及びω9脂肪酸)、繊維、カルシウム、難消化性デンプン、中鎖トリグリセリド、緑茶葉抽出物、フェンテルミン、ジエチルプロピオン、オルリスタット、シブトラミン、メゲストロール、レスベラトロール、植物性ポリフェノール、フェニルプロパノールアミン、アカルボース、フェーズ2(白豆抽出物)、Reducose(登録商標)(桑の葉抽出物)などのアミラーゼ及び/又はα-グルコシダーゼの阻害剤、オルリスタット、オキサンドロロン、オレオイルエタノールアミドなどのリパーゼの阻害剤、プロバイオティクス、マオウ、共役リノール酸、グルコマンナン、並びにそれらの混合物であり得る。
【0051】
[0051]本明細書に記載される方法は、動物又は動物の器官の生物学的年齢を低下させるのに、並びに任意の動物について器官疾患若しくは器官機能低下、又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させるのに、有用であり得る。一態様において、かかる方法は、飼い主又は飼育者によって食餌が制御されるものを含むコンパニオンアニマルを対象とすることができる。一つの特定の態様において、動物はイヌ及び/又はネコとすることができる。一実施形態では、動物は、成体動物であり得る。別の実施形態では、動物は、高齢の動物であり得る。更に別の態様では、動物は、老齢動物であり得る。
【0052】
[0052]更なる態様において、本発明は、本発明の方法の実施に好適なキットを提供する。キットは、キット構成要素に適切なように、単一のパッケージ内の別個の容器内に、又は仮想パッケージ内の別個の容器内に、(1)動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーを含有する完全かつバランスのとれた第1の食品組成物と、(2)動物の維持エネルギー必要量を満たさないカロリーを含有する完全かつバランスのとれた第2の食品組成物と、(3)動物又は動物の器官の生物学的年齢を低下させること、あるいは第1の期間に第1の食品組成物を動物に給餌し、第2の期間に第2の食品組成物を動物に給餌することによって、器官疾患若しくは器官機能低下又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか又はその発症を遅延させることのうちの少なくとも1つのために食品組成物を使用するための説明書と、を含む。特定の実施形態では、キットは、1つ以上の健康付与剤又は治療剤のうちの1つ以上を更に含む。
【0053】
[0053]キットが仮想パッケージを含む場合、キットは、1つ以上の物理的なキット構成要素と組み合わせた仮想環境における説明書に限定される。概して、キットは、本発明の方法を実施するのに十分な量の食品組成物及び他の物理的構成要素を収容し、仮想パッケージは、物理的構成要素を用いて本発明の方法を実施することに関する指示を含む。
【0054】
[0054]別の態様において、本発明は、動物又は動物の器官の生物学的年齢を低下させること、あるいはカロリー維持期間の間、動物の維持エネルギー必要量を満たすカロリーを含有するカロリー維持食を動物に給餌し、カロリー低減期間の間、動物の維持エネルギー必要量を満たさないカロリーを含有するカロリー低減食を動物に給餌し、任意選択的に、治療剤又は他の健康付与剤を給餌することによって、器官疾患若しくは器官機能低下、又はそれに関連する状態を治療するか、予防するか、又はその発症を遅延させることに関する情報、又はそのための指示を伝達するための手段を提供する。この手段は、文書、デジタル記録媒体、光記録媒体、オーディオプレゼンテーション、又は情報若しくは指示を含む視覚表示を含む。特定の実施形態では、伝達手段は、表示されたウェブサイト、視覚表示、パンフレット、製品ラベル、添付文書、広告、配布資料、公示、録音テープ、ビデオテープ、DVD、CD-ROM、コンピュータにより読み取り可能なチップ、コンピュータにより読み取り可能なカード、コンピュータにより読み取り可能なディスク、コンピュータメモリ、又はこのような情報若しくは指示を含むこれらの組み合わせである。
【0055】
[0055]有用な情報としては、(1)特に動物の種及び身体状態(例えば、肝臓疾患)に基づいた動物のための推奨給餌計画、(2)推奨される給餌パターンの使用と併せて投与が推奨される治療剤又は健康付与剤、並びに(3)本発明及びその使用に関する質問がある場合に使用するための、動物又はその飼育者向けの連絡先情報、のうちの1つ以上が挙げられる。
【0056】
[実施例]
[0056]本発明は、以下の実施例により更に例示することができるが、これらの実施例は、例示的な目的でのみ挙げられるものであり、別途記載のない限り、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0057】
実施例1-ラット器官試験
[0057]離乳後の雄ラットに高脂肪食(HFD、45%脂肪)を14週間給餌して、ラットを過体重にした。この体重増加給餌期間の後、ラットを、6ヶ月間、1群当たり12匹のラットを含む次の群に無作為化した。対照群:AIN-93M食を与えたラット(対照)は、6ヶ月間毎日100%MERを継続した。長期制限(CR)群:ラットには、低減された食餌炭水化物摂取量により、MERよりも25%少ない25%食を毎日給餌した。間欠的なカロリー制限(ICR)群:ラットには、低減された食餌炭水化物摂取量により、MERよりも50%少ない50%食を週3日給餌し、残りの週4日間は、MERの100%の対照食を給餌した。食餌の組成を表1に掲載する。
【0058】
【0059】
[0058]6ヶ月間の給餌試験中、全ての試験群のラットは、対照群のラットと同じ量のタンパク質、脂肪、ビタミン、及びミネラルを摂取した。カロリーの低減は、表1の特別配合食からの炭水化物摂取量の低減のみに由来する。
【0060】
[0059]試験の終了時に組織試料を採取した時点で、ラットは約11ヶ月齢であった。肝臓試料を採取し、エピジェネティックな生物時計アッセイに供して、表2に提供される群の肝臓の生物学的年齢を決定した。
【0061】
【0062】
[0060]結果は、対照ラットの肝臓の生物学的年齢と暦年齢とが同一であることを示した。アンチエイジング介入として既報の25%CRは、ラット肝臓の生物学的年齢を15.53%低下させた。驚くべきことに、ICRレジメンは、CR(25%)と比較してカロリー制限(21.4%)がより少ないが、このレジメンは、ラット肝臓の生物学的年齢を23.04%低下させることによって、ラット肝臓の生物学的年齢に対して最も強い効果を有した。繰り返すと、本発明のICRレジメンのラットは、より多くのカロリーを摂取した場合であっても、CR食のラットよりも若い肝臓を有し、これは、全く予測外であった。
【0063】
[0061]本明細書で述べる現在の好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかとなる点を理解されたい。そのような変更及び修正は、本主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、なされ得る。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【国際調査報告】