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特表2023-551843動力電池充電の方法及び電池管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】動力電池充電の方法及び電池管理システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231206BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20231206BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231206BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231206BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20231206BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20231206BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20231206BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20231206BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02J7/00 P
H01M10/44 P
H01M10/48 P
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/62
B60L53/66
B60L58/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532605
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2021117312
(87)【国際公開番号】W WO2023035162
(87)【国際公開日】2023-03-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲珊▼
(72)【発明者】
【氏名】李 世超
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲海▼力
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲微▼
(72)【発明者】
【氏名】林 真
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503CA01
5G503FA06
5G503FA14
5G503GD06
5H030AA06
5H030AS08
5H030BB01
5H030BB21
5H030FF42
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC01
5H125BC21
5H125BE02
5H125CC06
5H125DD02
5H125EE22
(57)【要約】
本出願の実施例は、動力電池充電の方法及び電池管理システムを提供し、該方法は、該動力電池の充電過程において、該動力電池の実際充電電流を取得することと、該実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、該動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することとを含む。本出願の実施例の方法及び電池管理システムは、動力電池の安全性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力電池の充電の方法であって、
前記動力電池の充電過程において、前記動力電池の実際充電電流を取得することと、
前記実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、前記動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することとを含む、ことを特徴とする動力電池充電の方法。
【請求項2】
前記の、前記実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、前記動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することは、
前記実際充電電流と前記充電要求電流との差と、前記充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、前記動力電池を放電するように制御することを確定することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の、前記実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、前記動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することは、
前記実際充電電流と前記充電要求電流との差と、前記充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、前記実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分を確定することと、
前記アンペア時積分が第2の閾値よりも大きい場合、前記動力電池を放電するように制御することを確定することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記動力電池を放電するように制御することを確定する場合、充電電流を0にするよう要求するための第1の充電要求情報を充電スタンドに送信することと、
収集した前記動力電池の実際充電電流が第3の閾値以下である場合、前記動力電池を放電するように制御することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記第1の充電要求情報送信済みの持続時間が第1の予め設定された時間間隔以上である場合、前記動力電池の放電を停止するように制御することをさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記動力電池を放電するように制御する持続時間が第2の予め設定された時間間隔以上である場合、前記動力電池の放電を停止するように制御することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記動力電池の放電を停止するように制御する場合、充電マッチングテーブルに基づき、充電スタンドに第2の充電要求情報を送信することをさらに含み、前記第2の充電要求情報は、前記動力電池を充電するよう前記充電スタンドに要求するためのものである、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
電池管理システムであって、
動力電池の充電過程において、前記動力電池の実際充電電流を取得するための取得モジュールと、
前記実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、前記動力電池を放電するように制御するかどうかを確定するための確定モジュールとを含む、ことを特徴とする電池管理システム。
【請求項9】
前記確定モジュールは、具体的に、
前記実際充電電流と前記充電要求電流との差と、前記充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、前記動力電池を放電するように制御することを確定するために用いられる、ことを特徴とする請求項8に記載の電池管理システム。
【請求項10】
前記確定モジュールは、具体的に、
前記実際充電電流と前記充電要求電流との差と、前記充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、前記実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分を確定し、
前記アンペア時積分が第2の閾値よりも大きい場合、前記動力電池を放電するように制御することを確定するために用いられる、ことを特徴とする請求項8に記載の電池管理システム。
【請求項11】
前記電池管理システムは、
前記動力電池を放電するように制御することを確定する場合、充電電流を0にするよう要求するための第1の充電要求情報を充電スタンドに送信するための通信モジュールと、
収集した前記動力電池の実際充電電流が第3の閾値以下である場合、前記動力電池を放電するように制御するための制御モジュールとをさらに含む、ことを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の電池管理システム。
【請求項12】
前記制御モジュールは、さらに、
前記第1の充電要求情報送信済みの持続時間が第1の予め設定された時間間隔以上である場合、前記動力電池の放電を停止するように制御するために用いられる、ことを特徴とする請求項11に記載の電池管理システム。
【請求項13】
前記電池管理システムは、
前記動力電池を放電するように制御する持続時間が第2の予め設定された時間間隔以上である場合、前記動力電池の放電を停止するように制御するための制御モジュールをさらに含む、ことを特徴とする請求項8~11のいずれか一項に記載の電池管理システム。
【請求項14】
前記電池管理システムは、
前記動力電池の放電を停止するように制御する場合、充電マッチングテーブルに基づき、充電スタンドに第2の充電要求情報を送信するための通信モジュールをさらに含み、前記第2の充電要求情報は、前記動力電池を充電するよう前記充電スタンドに要求するためのものである、ことを特徴とする請求項12又は13に記載の電池管理システム。
【請求項15】
電池管理システムであって、メモリとプロセッサとを含み、前記メモリは、命令を記憶するためのものであり、前記プロセッサは、前記命令を読み取り、且つ前記命令に基づいて請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行するためのものである、ことを特徴とする電池管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に動力電池充電の方法及び電池管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
時代の発展とともに、電気自動車は、その高い環境保全性、低騒音、低使用コストなどの利点により、大きな市場将来性を有し、省エネルギーと排出削減を効果的に促進することができ、社会の発展と進歩に寄与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電気自動車及びその関連分野にとって、電池技術は、その発展に関する重要な要素であり、特に電池の安全性は、電池関連製品の発展と応用に影響を与え、一般の人々の電気自動車に対する受け入れ度にも影響を与える。そのため、如何にして動力電池の安全性を向上させるかは、解決の待たれる技術課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施例は、動力電池の安全性を向上させることができる動力電池充電の方法及び電池管理システムを提供する。
【0005】
第1の態様によれば、動力電池充電の方法を提供し、該方法は、該動力電池の充電過程において、該動力電池の実際充電電流を取得することと、該実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、該動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することとを含むことを特徴とする。
【0006】
実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することは、電池充電効率に影響を与えることなくリチウム析出を抑制することに有利であり、安全且つ急速に充電する目的を達成し、それにより動力電池の安全性を向上させることができる。
【0007】
第1の態様に合わせて、第1の態様の一つ目の可能な実現形態では、該実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、該動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することは、該実際充電電流と該充電要求電流との差と、該充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、該動力電池を放電するように制御することを確定することを含む。
【0008】
実際充電電流が充電要求電流よりも大きいとき、動力電池にはリチウム析出のリスクが存在する。しかし、充電要求電流の大きさについて一般的には動力電池の安全の範囲内で一定の余裕があるため、実際充電電流が充電要求電流を一定程度超えてから動力電池を放電するように制御してもよく、動力電池リチウム析出のリスクを低減させると同時に、充電効率への影響を可能な限り軽減することができる。
【0009】
上記第1の態様のいくつかの実現形態を結び付けて、第1の態様の二つ目の可能な実現形態では、該実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、該動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することは、該実際充電電流と該充電要求電流との差と、該充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、該実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分を確定することと、該アンペア時積分が第2の閾値よりも大きい場合、該動力電池を放電するように制御することを確定することとを含む。
【0010】
一般的には、実際充電電流が充電要求電流を超えた程度が大きいほど、タイムリーに放電する必要があり、動力電池の実際充電電流が充電要求電流を一定程度超えると同時に、動力電池の過充電容量が一定の閾値よりも大きいと判断することは、動力電池リチウム析出のリスクを正確且つタイムリーに低減させることに有利である。
【0011】
上記第1の態様のいくつかの実現形態を結び付けて、第1の態様の三つ目の可能な実現形態では、該方法は、該動力電池を放電するように制御することを確定する場合、充電電流を0にするよう要求するための第1の充電要求情報を充電スタンドに送信することと、収集した該動力電池の実際充電電流が第3の閾値以下である場合、該動力電池を放電するように制御することとをさらに含む。
【0012】
収集した動力電池の実際充電電流が第3の閾値以下である場合に、動力電池を放電するように制御することは、動力電池放電による電池リチウム析出に対する抑制効果を向上させることに有利である。
【0013】
上記第1の態様のいくつかの実現形態を結び付けて、第1の態様の四つ目の可能な実現形態では、該方法は、該第1の充電要求情報送信済みの持続時間が第1の予め設定された時間間隔以上である場合、該動力電池の放電を停止するように制御することをさらに含む。
【0014】
上記第1の態様のいくつかの実現形態を結び付けて、第1の態様の五つ目の可能な実現形態では、該方法は、該動力電池を放電するように制御する持続時間が第2の予め設定された時間間隔以上である場合、該動力電池の放電を停止するように制御することをさらに含む。
【0015】
動力電池を一定時間内に放電するように制御することは、リチウム析出を抑制する前提で、充電効率への影響を可能な限り軽減できると同時に、長時間の放電に起因する異常な充電コネクタ抜きを回避することができる。
【0016】
上記第1の態様のいくつかの実現形態を結び付けて、第1の態様の六つ目の可能な実現形態では、該方法は、該動力電池の放電を停止するように制御する場合、充電マッチングテーブルに基づき、充電スタンドに第2の充電要求情報を送信することをさらに含み、該第2の充電要求情報は、該動力電池を充電するよう該充電スタンドに要求するためのものである。
【0017】
第2の態様によれば、電池管理システムを提供し、該システムは、動力電池の充電過程において、該動力電池の実際充電電流を取得するための取得モジュールと、該実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、該動力電池を放電するように制御するかどうかを確定するための確定モジュールとを含む。
【0018】
第2の態様に合わせて、第2の態様の一つ目の可能な実現形態では、該確定モジュールは、具体的に、該実際充電電流と該充電要求電流との差と、該充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、該動力電池を放電するように制御することを確定するために用いられる。
【0019】
第2の態様に合わせて、第2の態様の二つ目の可能な実現形態では、該確定モジュールは、具体的に、該実際充電電流と該充電要求電流との差と、該充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、該実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分を確定し、該アンペア時積分が第2の閾値よりも大きい場合、該動力電池を放電するように制御することを確定するために用いられる。
【0020】
第2の態様に合わせて、第2の態様の三つ目の可能な実現形態では、該電池管理システムは、該動力電池を放電するように制御することを確定する場合、充電電流を0にするよう要求するための第1の充電要求情報を充電スタンドに送信するための通信モジュールと、収集した該動力電池の実際充電電流が第3の閾値以下である場合、該動力電池を放電するように制御するための制御モジュールとをさらに含む。
【0021】
第2の態様に合わせて、第2の態様の四つ目の可能な実現形態では、該制御モジュールは、さらに、該第1の充電要求情報送信済みの持続時間が第1の予め設定された時間間隔以上である場合、該動力電池の放電を停止するように制御するために用いられる。
【0022】
第2の態様に合わせて、第2の態様の五つ目の可能な実現形態では、該電池管理システムは、該動力電池を放電するように制御する持続時間が第2の予め設定された時間間隔以上である場合、該動力電池の放電を停止するように制御するための制御モジュールをさらに含む。
【0023】
第2の態様に合わせて、第2の態様の六つ目の可能な実現形態では、該電池管理システムは、該動力電池の放電を停止するように制御する場合、充電マッチングテーブルに基づき、充電スタンドに第2の充電要求情報を送信するための通信モジュールをさらに含み、該第2の充電要求情報は、該動力電池を充電するよう該充電スタンドに要求するためのものである。
【0024】
第3の態様によれば、電池管理システムを提供し、該システムは、メモリとプロセッサとを含み、該メモリは、命令を記憶するためのものであり、該プロセッサは、該命令を読み取り、且つ該命令に基づいて上記第1の態様と第1の態様の任意の可能な実現形態における方法を実行するためのものである。
【0025】
第4の態様によれば、コンピュータプログラムを記憶するための読み取り可能な記憶媒体を提供し、該コンピュータプログラムは、上記第1の態様と第1の態様の任意の可能な実現形態における方法を実行するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【0027】
図1】本出願の実施例が適用可能な電池システムの概略的ブロック図である。
図2】本出願の一実施例に開示された動力電池充電の方法の概略的ブロック図である。
図3】本出願の別の実施例に開示された動力電池充電の方法の概略的ブロック図である。
図4】本出願のさらに別の実施例に開示された動力電池充電の方法の概略的ブロック図である。
図5】本出願の一実施例に開示された電流の時間に伴う変化の概略図である。
図6】本出願の一実施例に開示された動力電池充電の方法の概略的フローチャートである。
図7】本出願の別の実施例に開示された動力電池充電の方法の概略的フローチャートである。
図8】本出願の一実施例に開示された電池管理システムの概略的ブロック図である。
図9】本出願の別の実施例に開示された電池管理システムの概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面と実施例を参照して本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明と図面は、本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用されるべきではなく、即ち本出願は、説明された実施例に限定されない。
【0029】
本出願の記述において、指摘すべきこととして、特に説明されていない限り、「複数」は、二つ以上を意味し、「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、本出願の限定として理解されるべきではない。なお、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示したり、暗示したりするものとして理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではないが、誤差の許容範囲内である。「平行」は、厳密な意味での平行ではないが、誤差の許容範囲内である。
【0030】
以下の説明に現れる方位詞は、いずれも図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。本出願の記述において、さらに説明すべきこととして、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接接続されることであってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されることであってもよい。当業者にとって、本出願における上記用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。
【0031】
新エネルギー分野において、動力電池は、電力消費装置、例えば車両、船舶又は宇宙航空機などの主要な動力源として、その重要性は、言うまでもない。現在、市販されている動力電池の多くは、充電可能な二次電池(Rechargeable battery)であり、最も一般的なものは、リチウムイオン電池又はリチウムイオンポリマー電池である。
【0032】
一般的には、リチウムイオン電池の充電過程において、リチウムイオンは正極から放出されて負極に吸蔵されるが、いくつかの異常状態の発生(例えば、低温で電池を充電し、又は、過大な充電レートや充電電圧で電池を充電するなど)により、正極から放出されたリチウムイオンが負極に吸蔵されなくなると、リチウムイオンは負極表面に析出することしかできず、それにより一層の灰色の物質が形成され、該現象は、リチウム析出と呼ばれる。
【0033】
リチウム析出は、電池性能の低下、サイクル寿命の大幅な短縮を引き起こすだけでなく、さらに電池の急速充電容量を制限し、且つ燃焼や爆発などの悲惨な結果をもたらす可能性もある。
【0034】
これに鑑みて、本出願の実施例は、動力電池充電の方法を提供し、動力電池のリチウム析出問題の解決に有利であり、それにより動力電池の性能を向上させる。
【0035】
図1は、本出願の実施例が適用可能な電池システム100を示す。該電池システム100は、動力電池110と電池管理システム(battery management system、BMS)120とを含んでもよい。
【0036】
具体的には、該動力電池110は、少なくとも一つの電池モジュールを含んでもよく、それは、電気自動車のためにエネルギーと動力を提供することができる。電池の種類から言うと、該動力電池110は、リチウムイオン電池、リチウム金属電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池又はナトリウムイオン電池などであってもよく、本出願の実施例では、具体的に限定しない。電池の規模から言うと、本出願の実施例では、動力電池110における電池モジュールは、電池セル/電池単体(battery cell)であってもよく、組電池又は電池パック(battery pack)であってもよく、本出願の実施例では、具体的に限定しない。
【0037】
なお、該動力電池110のインテリジェント管理及びメンテナンスを行い、電池故障の発生を防止し、電池の耐用年数を延ばすために、電池システム100に、一般的にはBMS 120がさらに設置されており、該BMS 120は、動力電池110に接続され、動力電池110のパラメータをモニタリングして収集するためのものであり、且つBMS 120は、該パラメータに基づいて動力電池110に対する制御と管理を実現することもできる。
【0038】
例として、該BMS 120は、動力電池110の電圧、電流と温度などのパラメータをモニタリングするために用いられてもよい。ここで、BMS 120は、動力電池110の総電圧と総電流、動力電池110における単一の電池セルの電圧と電流、及び動力電池110における少なくとも一つの測温点の温度などをリアルタイムに収集することができる。上記パラメータのリアルタイムで、迅速で、正確な測定は、BMS 120が正常に動作する基礎である。
【0039】
任意選択的に、BMS 120は、該収集した動力電池110のパラメータに基づいて、さらに動力電池110の荷電状態(state of charge、SOC)、健康状態(state of health、SOH)、パワー状態(state of power、SOP)などの様々なパラメータを推定してもよい。
【0040】
さらに、BMS 120は、動力電池110の様々なパラメータを取得した後に、該様々なパラメータに基づいて動力電池110に対する様々な制御と管理を実現してもよい。
【0041】
例えば、BMS 120は、SOC、電圧、電流などのパラメータに基づいて動力電池110に対する充放電制御を実現し、動力電池110の正常なエネルギー供給と放出を確保してもよい。
【0042】
また例えば、BMS 120は、さらに温度などのパラメータに基づいて、放熱ファン又は加熱モジュールなどのアセンブリを制御して、動力電池110の熱管理を実現してもよい。
【0043】
さらに例えば、BMS 120は、電圧、SOHなどのパラメータに基づいて、動力電池110が正常な動作状態にあるかどうかを判断して、動力電池110の故障診断と警報を実現してもよい。
【0044】
任意選択的に、図1に示すように、電池システム100は、充電機器101及び電力消費機器102と接続を確立して、動力電池100の充放電を実現してもよい。
【0045】
任意選択的に、該充電機器101は、充電スタンドを含んでもよいが、それに限らず、充電機と呼ばれてもよい。
【0046】
任意選択的に、該電力消費機器102は、動力自動車又は外部機器を含んでもよいが、それらに限らない。
【0047】
図2は、本出願の一実施例に開示された動力電池充電の方法200の概略的ブロック図を示す。任意選択的に、本出願の実施例における動力電池は、図1に示す動力電池110であってもよく、該方法200は、図1に示す電池システム100におけるBMS 120に応用されてもよく、換言すれば、該方法200は、図1に示す電池システム100におけるBMS 120によって実行されてもよい。具体的には、図2に示すように、該方法200は、以下の一部又はすべての内容を含む。
【0048】
S210、動力電池の充電過程において、該動力電池の実際充電電流を取得する。
【0049】
S220、該実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、該動力電池を放電するように制御するかどうかを確定する。
【0050】
一般的には、BMSと充電スタンドとの物理的接続を完了して電源を投入した後、低圧補助電源をオンにし、ハンドシェイク起動段階に入ってハンドシェイクメッセージを送信し、さらに絶縁監視を行う。絶縁監視が終了した後、ハンドシェイク識別段階に入って、両方は、識別メッセージを送信して、動力電池と充電スタンドの必要な情報を確定してもよい。充電ハンドシェイク段階を完了した後、充電スタンドとBMSは、充電パラメータ設定段階に入る。この段階で、充電スタンドは、BMSに充電スタンドの最大出力能力のメッセージを送信してもよく、それによりBMSは、充電スタンドの最大出力能力に基づいて充電できるかどうかを判断することができる。充電パラメータ設定段階を完了した後、充電スタンドとBMSは、充電段階に入ってもよい。
【0051】
動力電池の充電過程において、BMSは、充電スタンドに電池充電需要を送信し、そして充電スタンドは、電池充電需要に応じて充電電圧と充電電流を調整することで、充電過程が正常に行われることを確保してもよい。例として、該電池充電需要において充電要求電流が運ばれる。そして、充電スタンドは、BMSにより送信された充電要求電流に基づいて動力電池に電流を出力し、BMSは、動力電池の充電電流、即ち本出願の実施例における実際充電電流を収集してもよい。
【0052】
一例では、動力電池の充電過程全体において、BMSは、充電要求電流をリアルタイムに調整し、且つ調整後の充電要求電流を充電スタンドに送信してもよい。すると、BMSも、動力電池の実際充電電流をリアルタイムに収集してもよい。つまり、充電要求電流が変化するたびに、BMSは、動力電池の実際充電電流を収集することができる。
【0053】
別の例では、動力電池の充電過程全体において、充電要求電流が変化するか否かにかかわらず、BMSは、動力電池の実際充電電流を周期的に収集することができる。
【0054】
通常の場合、動力電池の実際充電電流が充電要求電流以下であれば、電池リチウム析出の現象は、発生しない。しかしながら、市場では、充電スタンドの品質のばらつきにより、動力電池の実際充電電流には制御不能なノイズと変動が存在し、動力電池の実際充電電流が充電要求電流よりも大きくなる場合があり、電池のリチウム析出を引き起こす可能性が非常に高く、安全上のリスクが存在する。
【0055】
しかし、実際充電電流が充電要求電流よりも大きくなると、必然的に電池のリチウム析出を引き起こすというわけでもなく、その原因は、充電要求電流が一般的には電池の充電能力の範囲内で確定されることにある。つまり、実際充電電流が充電要求電流より大きくても、それが電池の充電能力さえ超えなければ、電池のリチウム析出を引き起こすことはなく、即ち実際充電電流が一定程度の範囲内で充電要求電流を超えた場合、電池のリチウム析出を引き起こさない。
【0056】
出願人の発見によると、動力電池の充電過程において、動力電池を放電するように制御することにより、リチウム金属の吸蔵を促進し、析出したリチウム金属の持続的な蓄積を抑制することができる。しかし、動力電池を放電するように制御することは、動力電池の充電効率に影響を与える。そのため、動力電池の実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することは、動力電池の充電効率にあまり影響しないだけでなく、電池のリチウム析出を抑制することもできる。
【0057】
つまり、動力電池の実際充電電流が一定程度の範囲内で充電要求電流を超えた場合、動力電池を放電するように制御をせず、即ち動力電池を持続的に充電するように制御する一方、動力電池の実際充電電流が充電要求電流を一定程度以上超えた場合、動力電池を放電するように制御する。
【0058】
理解すべきこととして、本出願の実施例では、動力電池を放電するように制御することを確定すると、即時に動力電池を放電するように制御してもよい。
【0059】
さらに理解すべきこととして、本出願の実施例では、動力電池を放電するように制御することは、動力電池の残量が0になるまで放電し続けるというわけではなく、動力電池を一定の電流大きさで、一定の持続時間で放電するように制御することを意味する。動力電池を放電するように制御終了した後、引き続いて動力電池を充電するように制御し、且つ充電終了するまで、再びステップ210とステップ220を繰り返す。
【0060】
そのため、本出願の実施例の動力電池充電の方法は、実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、動力電池を放電するように制御するかどうかを確定し、電池充電効率に影響を与えることなくリチウム析出を抑制することに有利であり、安全且つ急速に充電する目的を達成し、それにより動力電池の安全性を向上させることができる。
【0061】
図3は、本出願の別の実施例に開示された動力電池充電の方法300の概略的ブロック図を示す。任意選択的に、本出願の実施例における動力電池は、図1に示す動力電池110であってもよく、該方法300は、図1に示す電池システム100におけるBMS 120に応用されてもよく、換言すれば、該方法300は、図1に示す電池システム100におけるBMS 120によって実行されてもよい。具体的には、図3に示すように、該方法300は、以下の一部又はすべての内容を含む。
【0062】
S310、動力電池の充電過程において、該動力電池の実際充電電流を取得する。
【0063】
S320、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、動力電池を放電するように制御することを確定する。
【0064】
理解すべきこととして、ステップS310の具体的な実現は、方法200におけるステップS210を参照してもよく、簡潔のために、ここでは説明を省略する。
【0065】
ステップS320において、BMSは、以下の式に基づいて動力電池を放電するように制御してもよい。
【数1】
【0066】
ここで、iaは、動力電池の実際充電電流を表し、ioは、充電要求電流を表し、TH1は、第1の閾値を表す。
【0067】
該第1の閾値は、電池性能や安全性需要などの面に基づいて設定されてもよく、例えば、該充電要求電流は、100Aであるが、該動力電池の充電能力は、110Aであり、電池性能の面から考慮すれば、該第1の閾値==(110-100)A/100A==0.1であるように設定してもよく、即ち実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が0.1よりも大きければ、動力電池にリチウム析出のリスクがあるとみなされ、すると動力電池を放電するように制御する。安全性需要の面から考慮すれば、該第1の閾値を0.1よりも小さく設定してもよく、例えば、該第1の閾値は、0.08である。即ち実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が0.08よりも大きければ、動力電池を放電するように制御する。
【0068】
該第1の閾値は、臨界値に基づいて得られてもよい。該臨界値は、リチウム析出が発生し始める時刻の実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比とみなされてもよい。該臨界値は、経験値であってもよく、即ち該臨界値は、複数回試験して得られたものであってもよい。
【0069】
一例では、第1の閾値を臨界値よりも小さく設定し、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きければ、動力電池を放電するように制御し、このようにリチウム析出のリスクをよりよく低減させることができる。
【0070】
別の例では、第1の閾値を臨界値よりも小さく設定し、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きければ、動力電池を放電するように制御することを確定するが、即時に動力電池を放電するように制御するのではなく、一定時間間隔持続してから、動力電池を放電するように制御する。つまり、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きいと初めて判断するとき、動力電池を放電するように制御することを確定してタイマーを起動し、タイマーにより計時する期間において、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比は、常に第1の閾値よりも大きく、タイマーがタイムアウトすると、動力電池を放電するように制御する。該タイマーの時間長は、例えば5minであってもよい。
【0071】
実際充電電流が充電要求電流よりも大きいとき、動力電池にはリチウム析出のリスクが存在する。しかし、充電要求電流の大きさについて一般的には動力電池の安全の範囲内で一定の余裕があるため、実際充電電流が充電要求電流を一定程度超えてから動力電池を放電するように制御することができ、動力電池リチウム析出のリスクを低減させると同時に、充電効率への影響を可能な限り軽減することができる。
【0072】
図4は、本出願の別の実施例に開示された動力電池充電の方法400の概略的ブロック図を示す。任意選択的に、本出願の実施例における動力電池は、図1に示す動力電池110であってもよく、該方法400は、図1に示す電池システム100におけるBMS 120に応用されてもよく、換言すれば、該方法400は、図1に示す電池システム100におけるBMS 120によって実行されてもよい。具体的には、図4に示すように、該方法400は、以下の一部又はすべての内容を含む。
【0073】
S410、動力電池の充電過程において、該動力電池の実際充電電流を取得する。
【0074】
S420、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分を確定する。
【0075】
S430、アンペア時積分が第2の閾値よりも大きい場合、動力電池を放電するように制御することを確定する。
【0076】
理解すべきこととして、ステップS410の具体的な実現は、方法200におけるステップS210を参照してもよく、そしてステップS420における第1の閾値は、方法320における第1の閾値の記述を参照してもよく、簡潔のために、ここでは説明を省略する。
【0077】
アンペア時積分とは、電流を時間的に積分することを指す。本出願の実施例では、実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分は、実際充電電流が充電要求電流を一定程度超えた過充電容量とみなされてもよく、該過充電容量の初期値は、0である。具体的には、BMSは、動力電池の実際充電電流と充電要求電流をリアルタイムに取得することができ、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きいときに計時し、時間t0と設定し、Δtおきに過充電容量を算出してもよく、例えば、t1==t0++Δtの時刻においてt0からt1までの間の過充電容量を算出し、そしてBMSは、過充電容量を算出するたびに、それが第2の閾値より大きいかを判断することができ、第2の閾値よりも大きければ、動力電池を放電するように制御することを確定し、第2の閾値より小さければ、t0からt2=t1+Δtまでの間の過充電容量を算出し、得られた過充電容量が第2の閾値より大きいかを引き続いて判断し、算出された過充電容量が第2の閾値よりも大きくなる場合のみ、動力電池を放電するように制御することを確定する。つまり、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きいと判断する場合に、BMSは、以下の式に基づいて動力電池を放電するように制御することを確定してもよい。
【数2】
【0078】
ここで、iaは、動力電池の実際充電電流を表し、ioは、充電要求電流を表し、t0は、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きいことを確定する時刻であり、tnは、過充電容量が第2の閾値よりも大きいことを確定する時刻であり、TH2は、第2の閾値を表してもよい。
【0079】
一般的には、実際充電電流が充電要求電流を超えた程度が大きいほど、タイムリーに放電する必要があり、動力電池の実際充電電流が充電要求電流を一定程度超えると同時に、動力電池の過充電容量が一定の閾値よりも大きいと判断することは、動力電池リチウム析出のリスクを正確且つタイムリーに低減させることに有利である。
【0080】
一例では、t0からtnまでの間に、該実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比は、常に第1の閾値よりも大きい。tn時刻に取得した過充電容量が上記式を満たすとき、動力電池を放電するように制御することを確定し、且つ過充電容量を初期値に設定する。
【0081】
別の例では、BMSにより、tn時刻に取得した過充電容量が第2の閾値よりも小さく、t(n++1)時刻の前に、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値以下であることが確定されれば、tn時刻に取得した過充電容量を記憶する。tm時刻に、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きいことを再び確定し、且つt(m++1)時刻の過充電容量を算出し、該t(m++1)時刻の過充電容量は、tmからt(m++1)までの間の実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分を指し、且つtn時刻に取得した過充電容量とt(m++1)時刻に取得した過充電容量との和が第2の閾値より大きいかを判断し、第2の閾値よりも大きければ、動力電池を放電するように制御することを確定して過充電容量を初期値に設定し、即ちBMSは、以下の式に基づいて動力電池を放電するように制御することを確定してもよい。
【数3】
【0082】
図5は、本出願の実施例の電流の時間に伴う変化の概略図を示す。図5に示すように、充電要求電流は、ioであり、実際充電電流は、iaである。t0時刻に、BMSは、(ia-io)/ioが閾値TH1よりも大きいことを確定し、t1時刻においてt1時刻の過充電容量を算出し、且つt1時刻の過充電容量が第2の閾値TH2より大きいかを判断し、TH2より小さければ、引き続いてt2時刻の過充電容量を算出し、……、tn時刻の過充電容量を算出する。BMSは、過充電容量を算出するたびに、その内部に記憶された過充電容量の値を更新することができる。tn時刻の過充電容量がTH2よりも大きいとき、BMS内部に記憶された過充電容量の値を初期値0に更新してもよい。tn時刻の過充電容量の値がTH2以下であるとき、BMS内部に記憶された過充電容量の値を、tn時刻に算出した過充電容量C1に更新する。説明すべきこととして、BMSは、各時刻の過充電容量を算出すると同時に(ia-io)/ioの値を算出してTH1と比較してもよい。t(n++1)時刻の(ia-io)/ioがTH1以下であれば、過充電容量の算出を停止してもよく、tm時刻の(ia-io)/ioがTH1よりも大きくなると、t(m++1)時刻に改めて過充電容量C2を算出し、且つBMS内部の過充電容量をC1++C2に更新し、C1++C2がTH2よりも大きければ、動力電池を放電するように制御することを確定する。C1++C2がTH2以下であれば、引き続いて次の時刻の過充電容量を算出してC1と積算してもよい。
【0083】
同様に、該第2の閾値は、電池性能や安全性需要などの面に基づいて設定されてもよい。例えば、該第2の閾値は、0.5AHであってもよい。
【0084】
代替的に、BMSは、実際充電電流が充電要求電流より大きいことを確定してから計時を開始し、ある時刻の過充電容量を算出し、且つ該時刻の過充電容量が第2の閾値より大きいかを判断し、該時刻の過充電容量が第2の閾値以下であるとともに、次の時刻の実際充電電流が充電要求電流以下であると判断する場合、直近に更新された過充電容量を保存し、且つそれを次回の実際充電電流が充電要求電流よりも大きくなるときに取得する過充電容量に積算して、第2の閾値との判断を行ってもよい。
【0085】
理解すべきこととして、実際充電電流が充電要求電流よりも大きくなってから計時を開始する実施例における第2の閾値は、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きくなってから計時を開始する実施例における第2の閾値より大きくてもよい。
【0086】
任意選択的に、以上に説明された、実際充電電流と充電要求電流との差と、充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きいと判断する実施例は、実際充電電流と充電要求電流との差が第4の閾値よりも大きいと判断する実施例に置き換えられてもよく、ここで、該第4の閾値は、第1の閾値と充電要求電流の積に相当してもよい。つまり、該第4の閾値は、充電要求電流の変化に伴って変化する値である。
【0087】
任意選択的に、本出願の実施例では、実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、動力電池を放電するように制御することを確定するとき、動力電池の放電電流の大きさや時間長などのパラメータは、固定されてもよく、リアルタイムに調整されてもよい。
【0088】
一例では、BMSは、同じ放電パラメータに基づいて動力電池を放電するように制御してもよく、例えば、該放電パラメータは、電流大きさ10A、時間長20sと固定して設定されてもよい。
【0089】
別の例では、BMSは、リアルタイムに確定した放電パラメータに基づいて動力電池を放電するように制御してもよく、例えば、動力電池の状態パラメータに基づいて動力電池の放電パラメータを確定してもよい。動力電池の状態パラメータは、例えば温度、SOC及びSOHなどを含んでもよい。
【0090】
任意選択的に、動力電池のSOCが位置するSOC区間に基づいて、動力電池の放電パラメータを確定してもよい。通常の場合、動力電池のSOCが大きいほど、電池リチウム析出のリスクも高くなる。BMSは、異なるSOC区間に対応する放電時間長及び/又は放電電流大きさを事前に設定してもよい。例えば、高SOC区間に対応する放電時間長は、低SOC区間に対応する放電時間長より大きくてもよい。また例えば、高SOC区間に対応する放電電流大きさは、SOC区間に対応する放電電流大きさより大きくてもよい。
【0091】
動力電池の状態パラメータに基づいて動力電池の放電パラメータを動的に調整することにより、リチウム析出と充電速度との間の関係のバランスをよりよくとることができ、それによって急速且つ安全な充電をよりよく実現することができる。
【0092】
説明すべきこととして、動力電池の放電パラメータを確定することと、動力電池を放電するように制御することとは、互いに干渉しない二つの独立したステップとみなされてもよい。つまり、動力電池の放電パラメータを確定することと、動力電池を放電するように制御することとの間に、必然的な時系列の関係はない。先に動力電池の放電パラメータを確定する場合、確定した放電パラメータに基づいて動力電池を放電するように制御し、後で動力電池の放電パラメータを確定する場合、その前に確定された放電パラメータに基づいて動力電池を放電するように制御する。
【0093】
任意選択的に、本出願の実施例では、該方法200は、動力電池を放電するように制御することを確定する場合、充電電流を0にするよう要求するための第1の充電要求情報を充電スタンドに送信することと、収集した動力電池の実際充電電流が第3の閾値以下である場合、動力電池を放電するように制御することとをさらに含む。
【0094】
該第1の充電要求情報は、以上に説明された電池充電需要と類似し、ただ該電池充電需要において運ばれる充電要求電流が0であり、つまり、該第1の充電要求情報は、充電電流を0にするよう充電スタンドに要求するためのものである。充電スタンドは、該第1の充電要求情報を受信すると、動力電池に出力する充電電流を0にするように制御する。BMSが充電スタンドに第1の充電要求情報を送信した後、動力電池の実際充電電流が徐々に減少するため、充電スタンドに第1の充電要求情報を送信してからすぐに動力電池を放電するように制御すれば、放電による電池リチウム析出に対する抑制効果を低下させる恐れがある。
【0095】
一例では、動力電池の実際充電電流をリアルタイムに収集することによって、実際充電電流が電流閾値以下になる場合のみ、動力電池を放電するように制御する。例えば、該電流閾値は、50Aである。
【0096】
別の例では、充電スタンドに第1の充電要求情報を送信してから予め設定された時間後に動力電池を放電するように制御してもよく、該予め設定された時間は、BMSが充電スタンドに第1の充電要求情報を送信してから、動力電池の実際充電電流が電流閾値に低下するまでの時間長に基づいて取得した経験値であってもよい。
【0097】
任意選択的に、本出願の一実施例では、該方法200は、第1の充電要求情報送信済みの持続時間が第1の予め設定された時間間隔以上である場合、動力電池の放電を停止するように制御することをさらに含む。
【0098】
例えば、BMSが充電スタンドに第1の充電要求情報を送信するときにタイマーを起動してもよく、該タイマーの時間長は、該第1の予め設定された時間間隔であってもよく、該タイマーがタイムアウトすると、動力電池の放電を停止するように制御する。例えば、該タイマーの時間長は、60sであってもよく、つまり該第1の予め設定された時間間隔は、60sである。
【0099】
また例えば、BMSが充電スタンドに第1の充電要求情報を送信するときに計時を開始してもよく、計時時間長が第1の予め設定された時間間隔に達すると、動力電池の放電を停止するように制御する。例えば、該第1の予め設定された時間間隔は、60sである。
【0100】
任意選択的に、本出願の別の実施例では、該方法200は、動力電池を放電するように制御する持続時間が第2の予め設定された時間間隔以上である場合、動力電池の放電を停止するように制御することをさらに含む。
【0101】
例えば、BMSが動力電池を放電するように制御する開始時刻にタイマーを起動してもよく、該タイマーの時間長は、第2の予め設定された時間間隔であってもよく、該タイマーがタイムアウトする場合のみ、動力電池の放電を停止するように制御する。例えば、該タイマーの時間長は、20sであってもよく、つまり該第2の予め設定された時間間隔は、20sである。
【0102】
また例えば、BMSが動力電池を放電開始するように制御するときに計時を開始してもよく、計時時間長が第2の予め設定された時間間隔に達すると、動力電池の放電を停止するように制御する。例えば、該第2の予め設定された時間間隔は、20sである。
【0103】
理解すべきこととして、該第1の予め設定された時間間隔と該第2の予め設定された時間間隔は、設定されてもよい。
【0104】
動力電池を一定時間内に放電するように制御することは、リチウム析出を抑制する前提で、充電効率への影響を可能な限り軽減できると同時に、長時間の放電に起因する異常な充電コネクタ抜きを回避することができる。
【0105】
任意選択的に、本出願の実施例では、該方法200は、動力電池の放電を停止するように制御する場合、充電マッチングテーブルに基づき、充電スタンドに第2の充電要求情報を送信することをさらに含み、該第2の充電要求情報は、動力電池を充電するよう充電スタンドに要求するためのものである。
【0106】
具体的には、BMSは、動力電池の放電を停止するように制御する場合、充電マッチングテーブルに基づき、充電スタンドに第2の充電要求情報を送信してもよく、該第2の充電要求情報は、以上に説明された電池充電需要と類似し、該第2の充電要求情報において運ばれる充電要求電流が0ではなく、即ち動力電池に電流を出力するよう充電スタンドに要求する。つまり、BMS内部に充電マッチングテーブルが記憶されており、該充電マッチングテーブルは、充電要求電流と動力電池の様々な状態パラメータとの対応関係を含んでもよく、BMSは、動力電池の放電を停止するように制御するとき、動力電池の現在の状態パラメータに基づき、該充電マッチングテーブルから対応する充電要求電流を取得し、且つ第2の充電要求情報によって充電スタンドに送信してもよい。例えば、BMSは、充電マッチングテーブルから現在SOCに対応する充電要求電流を取得してもよい。充電スタンドは、該第2の充電要求情報を受信すると、動力電池に0でない充電電流を出力し、即ち動力電池に対して充電を行う。さらにBMSは、ステップ210及びステップ220を繰り返して実行してもよい。
【0107】
任意選択的に、本出願の実施例では、該方法200は、動力電池が満充電状態又は充電コネクタ抜き状態にあるとき、該動力電池を放電するように制御することをさらに含む。
【0108】
動力電池が満充電状態又は充電コネクタ抜き状態にある場合、このとき、動力電池の現在状態ではリチウム析出のリスクがあるかどうかを知らないため、負のパルスを導入して動力電池を放電するように制御することによって、動力電池のリチウム析出リスクがある場合にリチウム析出を抑制することができ、それにより動力電池の安全性を向上させることができる。
【0109】
図6は、本出願の実施例による動力電池充電の方法600の概略的フローチャートを示す。図6に示すように、該方法600は、BMSによって実行されてもよく、そして該方法600は、以下の一部又はすべての内容を含んでもよい。
【0110】
S601、動力電池が充電状態にあるか否かを判断する。
【0111】
S602、S601において動力電池が充電状態にあると判断した場合、BMSは、動力電池の充電要求電流ioをリアルタイムに記録するとともに、動力電池の実際充電電流iaをリアルタイムに収集してもよい。
【0112】
任意選択的に、S601において動力電池が充電状態ではないと判断した場合、ステップS609を実行する。
【0113】
S603、(ia-io)/ioが0.1より大きいかを判断する。
【0114】
S604、S603における判断の結果が肯定であれば、充電要求電流が0である電池充電需要を充電スタンドに送信するとともに、動力電池の実際充電電流をリアルタイムに収集して計時を開始する。
【0115】
任意選択的に、S603における判断の結果が否定であれば、戻ってステップS602を実行する。
【0116】
S605、動力電池の実際充電電流が50Aより小さいかを判断する。
【0117】
S606、S605における判断の結果が肯定であれば、動力電池を10Aの電流大きさで放電するように制御する。
【0118】
任意選択的に、S605における判断の結果が否定であれば、戻ってステップS604を実行する。
【0119】
S607、動力電池の放電時間長が20s以上であるか、又はステップS604における計時の時間長が60s以上であるかを判断する。
【0120】
S608、S607における判断の結果が肯定であれば、動力電池の放電を停止するように制御するとともに、充電マッチングテーブルに従って、動力電池を充電するよう充電スタンドに要求する。
【0121】
任意選択的に、S607における判断の結果が否定であれば、戻ってステップS606を実行する。
【0122】
S609、S601において動力電池が非充電状態にあると判断した場合、動力電池が満充電状態又は充電コネクタ抜き状態にあるか否かを判断する。
【0123】
S610、S609において動力電池が満充電状態又は充電コネクタ抜き状態にあると判断した場合、動力電池を10Aの電流大きさで20s放電するように制御する。
【0124】
任意選択的に、S609において動力電池が満充電状態又は充電コネクタ抜き状態ではないと判断した場合、方法600を終了する。
【0125】
図7は、本出願の実施例による動力電池充電の方法700の概略的フローチャートを示す。図7に示すように、該方法700は、BMSによって実行されてもよく、そして該方法700は、以下の一部又はすべての内容を含んでもよい。
【0126】
S701、動力電池が充電状態にあるか否かを判断する。
【0127】
S702、S701において動力電池が充電状態にあると判断した場合、BMSは、動力電池の充電要求電流をリアルタイムに記録するとともに、動力電池の実際充電電流をリアルタイムに収集してもよい。
【0128】
任意選択的に、S701において動力電池が充電状態ではないと判断した場合、ステップS711を実行する。
【0129】
S703、(ia-io)/ioが0.1より大きいかを判断する。
【0130】
S704、S703における判断の結果が肯定であれば、計時を開始し、t0と設定する。
【0131】
任意選択的に、S703における判断の結果が否定であれば、戻ってステップS702を実行する。
【0132】
S705、t1時刻において実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分が0.5AHより大きいかを判断する。
【0133】
S706、S705における判断の結果が肯定であれば、S705において算出されたアンペア時積分をクリアし、且つ充電要求電流が0である電池充電需要を充電スタンドに送信するとともに、動力電池の実際充電電流をリアルタイムに収集して計時を開始する。
【0134】
任意選択的に、S705における判断の結果が否定であれば、S705において算出されたアンペア時積分を記録して、次回取得したアンペア時積分と積算する。
【0135】
S707、S706の後に、動力電池の実際充電電流が50Aより小さいかを判断する。
【0136】
S708、S707における判断の結果が肯定であれば、動力電池を10Aの電流大きさで放電するように制御する。
【0137】
任意選択的に、S707における判断の結果が否定であれば、戻ってステップS706を実行する。
【0138】
S709、動力電池の放電時間長が20s以上であるか、又はステップS704における計時の時間長が60s以上であるかを判断する。
【0139】
S710、S709における判断の結果が肯定であれば、動力電池の放電を停止するように制御するとともに、充電マッチングテーブルに従って、動力電池を充電するよう充電スタンドに要求する。
【0140】
任意選択的に、S709における判断の結果が否定であれば、戻ってステップS708を実行する。
【0141】
S711、S701において動力電池が非充電状態にあると判断した場合、動力電池が満充電状態又は充電コネクタ抜き状態にあるか否かを判断する。
【0142】
S712、S701において動力電池が満充電状態又は充電コネクタ抜き状態にあると判断した場合、動力電池を10Aの電流大きさで20s放電するように制御する。
【0143】
任意選択的に、S711において動力電池が満充電状態又は充電コネクタ抜き状態ではないと判断した場合、方法700を終了する。
【0144】
理解すべきこととして、本出願の各実施例において、上記各プロセスの番号の大きさは、実行順番の前後を意味するものではなく、各プロセスの実行順番は、その機能と内在論理によって確定されるべきであり、本出願の実施例の実施プロセスを限定するものではない。
【0145】
以上は、本出願実施例の動力電池充電の方法について詳細に説明したが、以下では図8図9を結び付けて本出願実施例の電池管理システムを詳細に説明する。方法の実施例に説明された技術特徴は、以下の装置の実施例にも適する。
【0146】
図8は、本出願の実施例による電池管理システム800の概略的ブロック図を示す。図8に示すように、該電池管理システム800は、
【0147】
動力電池の充電過程において、該動力電池の実際充電電流を取得するための取得モジュール810と、
【0148】
該実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、該動力電池を放電するように制御するかどうかを確定するための確定モジュール820とを含む。
【0149】
任意選択的に、本出願の実施例では、該確定モジュール820は、具体的に、該実際充電電流と該充電要求電流との差と、該充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、該動力電池を放電するように制御することを確定するために用いられる。
【0150】
任意選択的に、本出願の実施例では、該確定モジュール820は、具体的に、該実際充電電流と該充電要求電流との差と、該充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、該実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分を確定し、該アンペア時積分が第2の閾値よりも大きい場合、該動力電池を放電するように制御することを確定するために用いられる。
【0151】
任意選択的に、本出願の実施例では、該電池管理システム800は、該動力電池を放電するように制御することを確定する場合、充電電流を0にするよう要求するための第1の充電要求情報を充電スタンドに送信するための通信モジュールと、収集した該動力電池の実際充電電流が第3の閾値以下である場合、該動力電池を放電するように制御するための制御モジュールとをさらに含む。
【0152】
任意選択的に、本出願の実施例では、該制御モジュールは、さらに、該第1の充電要求情報送信済みの持続時間が第1の予め設定された時間間隔以上である場合、該動力電池の放電を停止するように制御するために用いられる。
【0153】
任意選択的に、本出願の実施例では、該電池管理システム800は、該動力電池を放電するように制御する持続時間が第2の予め設定された時間間隔以上である場合、該動力電池の放電を停止するように制御するための制御モジュールをさらに含む。
【0154】
任意選択的に、本出願の実施例では、該電池管理システム800は、該動力電池の放電を停止するように制御する場合、充電マッチングテーブルに基づき、充電スタンドに第2の充電要求情報を送信するための通信モジュールをさらに含み、該第2の充電要求情報は、該動力電池を充電するよう該充電スタンドに要求するためのものである。
【0155】
理解すべきこととして、本出願の実施例による電池管理システム800は、本出願の方法実施例におけるBMSに対応してもよく、そして電池管理システム800における各ユニットの上記と他の操作及び/又は機能は、それぞれ図2から図4図6図7の各方法における電池管理システムの該当するフローを実現するためのものであり、簡潔のために、ここでは説明を省略する。
【0156】
図9は、本出願の別の実施例による電池管理システム900の概略的ブロック図を示す。図9に示すように、電池管理システム900は、プロセッサ910とメモリ920とを含み、ここで、メモリ920は、命令を記憶するためのものであり、プロセッサ910は、前記命令を読み取り、且つ前記命令に基づいて前述の本出願の各実施例の方法を実行するためのものである。
【0157】
ここで、メモリ920は、プロセッサ910から独立した一つの単独なデバイスであってもよく、プロセッサ910に統合されてもよい。
【0158】
任意選択的に、図9に示すように、該電池管理システム900は、送受信機930をさらに含んでもよく、プロセッサ910は、充電スタンドなどの他の機器と通信するように該送受信機930を制御することができる。具体的には、他の機器に情報やデータを送信し、又は他の機器により送信された情報やデータを受信することができる。
【0159】
本出願の実施例は、コンピュータプログラムを記憶するための読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータプログラムは、前述の本出願の各実施例の方法を実行するためのものである。
【0160】
当業者であれば理解できるように、本明細書に開示された実施例を結び付けて記述された様々な例のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせで実現されることが可能である。これらの機能は、ハードウェア方式で実行されるか、ソフトウェア方式で実行されるかは、技術案の特定の応用及び設計拘束条件によるものである。当業者は、各特定の応用に対して異なる方法を使用して、記述された機能を実現することができるが、このような実現は、本出願の範囲を超えていると考えるべきではない。
【0161】
当業者が明確に理解できるように、記述の利便性及び簡潔性のために、以上に記述されたシステム、装置、及びユニットの具体的な作動プロセスは、前記方法の実施例における対応するプロセスを参照すればよい。ここでは説明を省略する。
【0162】
本出願により提供されたいくつかの実施例では、理解すべきこととして、開示されたシステム、装置及び方法は、他の方式によって実現されてもよい。例えば、以上に記述された装置の実施例は、単なる例示的なものであり、例えば、前記ユニットの区分は、単なる論理的機能区分であり、実際に実現するとき、他の区分方式があってもよい。例えば、複数のユニット又はアセンブリは、別のシステムに結合されてもよく、又は統合されてもよく、又はいくつかの特徴が無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。また、表示又は討論された同士間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェース、装置又はユニットによる間接的結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形式であってもよい。
【0163】
前記分離された部品として説明されるユニットは、物理的に分離されてもよく、又は物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであってもよく、又は、物理的なユニットでなくてもよい。すなわち、一つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布されてもよい。実際の必要に応じて、そのうちの一部又は全部のユニットを選択して、本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0164】
また、本出願の各実施例における各機能ユニットは、一つの処理ユニットに統合されてもよく、各ユニットが物理的に単独に存在してもよく、二つ以上のユニットが一つのユニットに統合されてもよい。
【0165】
前記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、且つ独立した製品として販売又は使用される場合、一つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解を踏えて、本出願の技術案は、実質には、又は従来技術に寄与した部分又は該技術案に関する部分がソフトウェア製品の形式によって表われてもよい。該コンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体に記憶され、一台のコンピュータ機器(パソコン、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法のすべて又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。前述の記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどの、プログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0166】
以上の内容は、本出願の具体的な実施形態に過ぎないが、本出願の保護範囲はこれに限定されず、当業者であれば、本出願に開示された技術的範囲内に、容易に想到できる変形又は置換は、いずれも、本出願の保護範囲内に含まれるべきである。そのため、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0167】
100 電池システム
101 充電機器
102 電力消費機器
110 動力電池
120 電池管理システム(battery management system、BMS)
800 電池管理システム
810 取得モジュール
820 確定モジュール
900 電池管理システム
910 プロセッサ
920 メモリ
930 送受信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-05-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力電池の充電の方法であって、
前記動力電池の充電過程において、前記動力電池の実際充電電流を取得することと、
前記実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、前記動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することとを含む、動力電池充電の方法。
【請求項2】
前記の、前記実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、前記動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することは、
前記実際充電電流と前記充電要求電流との差と、前記充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、前記動力電池を放電するように制御することを確定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の、前記実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、前記動力電池を放電するように制御するかどうかを確定することは、
前記実際充電電流と前記充電要求電流との差と、前記充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、前記実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分を確定することと、
前記アンペア時積分が第2の閾値よりも大きい場合、前記動力電池を放電するように制御することを確定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記動力電池を放電するように制御することを確定する場合、充電電流を0にするよう要求するための第1の充電要求情報を充電スタンドに送信することと、
収集した前記動力電池の実際充電電流が第3の閾値以下である場合、前記動力電池を放電するように制御することとをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記第1の充電要求情報送信済みの持続時間が第1の予め設定された時間間隔以上である場合、前記動力電池の放電を停止するように制御することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記動力電池を放電するように制御する持続時間が第2の予め設定された時間間隔以上である場合、前記動力電池の放電を停止するように制御することをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記動力電池の放電を停止するように制御する場合、充電マッチングテーブルに基づき、充電スタンドに第2の充電要求情報を送信することをさらに含み、前記第2の充電要求情報は、前記動力電池を充電するよう前記充電スタンドに要求するためのものである、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
電池管理システムであって、
動力電池の充電過程において、前記動力電池の実際充電電流を取得するための取得モジュールと、
前記実際充電電流が充電要求電流を超えた程度に基づいて、前記動力電池を放電するように制御するかどうかを確定するための確定モジュールとを含む、電池管理システム。
【請求項9】
前記確定モジュールは、具体的に、
前記実際充電電流と前記充電要求電流との差と、前記充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、前記動力電池を放電するように制御することを確定するために用いられる、請求項8に記載の電池管理システム。
【請求項10】
前記確定モジュールは、具体的に、
前記実際充電電流と前記充電要求電流との差と、前記充電要求電流との比が第1の閾値よりも大きい場合、前記実際充電電流と充電要求電流との差のアンペア時積分を確定し、
前記アンペア時積分が第2の閾値よりも大きい場合、前記動力電池を放電するように制御することを確定するために用いられる、請求項8に記載の電池管理システム。
【請求項11】
前記電池管理システムは、
前記動力電池を放電するように制御することを確定する場合、充電電流を0にするよう要求するための第1の充電要求情報を充電スタンドに送信するための通信モジュールと、
収集した前記動力電池の実際充電電流が第3の閾値以下である場合、前記動力電池を放電するように制御するための制御モジュールとをさらに含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の電池管理システム。
【請求項12】
前記制御モジュールは、さらに、
前記第1の充電要求情報送信済みの持続時間が第1の予め設定された時間間隔以上である場合、前記動力電池の放電を停止するように制御するために用いられる、請求項11に記載の電池管理システム。
【請求項13】
前記電池管理システムは、
前記動力電池を放電するように制御する持続時間が第2の予め設定された時間間隔以上である場合、前記動力電池の放電を停止するように制御するための制御モジュールをさらに含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の電池管理システム。
【請求項14】
前記電池管理システムは、
前記動力電池の放電を停止するように制御する場合、充電マッチングテーブルに基づき、充電スタンドに第2の充電要求情報を送信するための通信モジュールをさらに含み、前記第2の充電要求情報は、前記動力電池を充電するよう前記充電スタンドに要求するためのものである、請求項12又は13に記載の電池管理システム。
【請求項15】
電池管理システムであって、メモリとプロセッサとを含み、前記メモリは、命令を記憶するためのものであり、前記プロセッサは、前記命令を読み取り、且つ前記命令に基づいて請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行するためのものである、電池管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
任意選択的に、図1に示すように、電池システム100は、充電機器101及び電力消費機器102と接続を確立して、動力電池110の充放電を実現してもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
さらに理解すべきこととして、本出願の実施例では、動力電池を放電するように制御することは、動力電池の残量が0になるまで放電し続けるというわけではなく、動力電池を一定の電流大きさで、一定の持続時間で放電するように制御することを意味する。動力電池を放電するように制御終了した後、引き続いて動力電池を充電するように制御し、且つ充電終了するまで、再びステップ210とステップ220を繰り返す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
理解すべきこととして、ステップS410の具体的な実現は、方法200におけるステップS210を参照してもよく、そしてステップS420における第1の閾値は、ステップS320における第1の閾値の記述を参照してもよく、簡潔のために、ここでは説明を省略する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0127】
S702、S701において動力電池が充電状態にあると判断した場合、BMSは、動力電池の充電要求電流ioをリアルタイムに記録するとともに、動力電池の実際充電電流iaをリアルタイムに収集してもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【国際調査報告】