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特表2023-551849RF信号生成方法、コントローラ、RF生成器及びプラズマ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】RF信号生成方法、コントローラ、RF生成器及びプラズマ装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20231206BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101G
H01L21/302 103
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532628
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2020088012
(87)【国際公開番号】W WO2022144080
(87)【国際公開日】2022-07-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509337160
【氏名又は名称】コメット アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】グリード,アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】グルーナー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ラバンク,アントン
(72)【発明者】
【氏名】シュリエフ,ローランド
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェルク,ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォル デム ブロッケ,マニュエル
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA05
2G084DD53
2G084DD55
2G084HH05
2G084HH22
2G084HH25
2G084HH26
2G084HH27
2G084HH28
2G084HH31
2G084HH43
2G084HH44
2G084HH52
2G084HH55
5F004BB13
5F004CA03
5F004CB07
(57)【要約】
プラズマチャンバに適したRF信号を生成する方法であって、第1制御パラメータセットに基づいて入力RF信号を生成し、少なくとも1つの歪んだRF信号を検出し、前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させ、ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差を決定し、前記差が所定の閾値よりも大きい場合、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定し、前記ターゲットRF信号と前記歪んだRF信号との前記差が小さくなるように、前記第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号を生成するステップを含む方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマチャンバに適したRF信号を生成する方法であって、
第1制御パラメータセットに基づいて入力RF信号を生成し、
少なくとも1つの歪んだRF信号を検出し、
前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させ、
ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差を決定し、
前記差が所定の閾値よりも大きい場合、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定し、
前記ターゲットRF信号と前記歪んだRF信号との前記差が小さくなるように、前記第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号を生成するステップを含む方法。
【請求項2】
少なくとも1つの歪んだRF信号を検出するステップと、前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させるステップと、ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差を決定するステップと、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との前記比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定するステップと、前記第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号を生成するステップとが、前記差が前記所定の閾値を上回る限り繰り返されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの歪んだRF信号は、RF生成器の出力、インピーダンス整合ネットワークの入力、前記インピーダンス整合ネットワークの出力、プラズマチャンバの入力、及び前記プラズマチャンバ内の1つ以上で検出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記入力RF信号は、マーカを含むように変更され、
前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させることは、前記歪んだRF信号中の前記マーカを検出すること、及び前記入力RF信号中の前記マーカを生成してから前記歪んだ信号中の前記マーカを検出するまでの時間差による遅延を決定することを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
前記マーカは、前記入力RF信号の時間領域、及び/又は、前記入力RF信号の周波数領域にあることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記マーカが前記時間領域にある場合、前記マーカは、前記入力RF信号のオフ期間に配置され、及び/又は、前記マーカの振幅は、プラズマ点火閾値より下であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記マーカが前記時間領域にある場合、前記歪んだRF信号の前記マーカは、前記歪んだ信号の前記周波数領域において、スペクトル中のスプリアス周波数として検出されることを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記マーカが前記周波数領域にある場合、前記マーカは、持続的又は一時的な前記入力RF信号の位相シフト、及び/又は、一時的な前記RF信号の搬送波周波数の周波数シフトであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一に記載の方法。
【請求項9】
前記入力RF信号がマーカを含み、
前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させることは、前記歪んだRF信号中の前記マーカを検出すること、及び前記入力RF信号中の前記マーカを生成することと前記歪んだ信号中の前記マーカを検出することとの時間差による遅延を決定することを含み、
前記マーカがプラズマ点火パルス又は前記入力RF信号の固有特徴であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
前記第1制御パラメータセットは、特定のセットアップ及び特定のターゲットRF信号に対するルックアップテーブルによって与えられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
前記第2制御パラメータセットは、同期化された前記少なくとも1つの歪んだ信号と前記ターゲット信号との前記差が前記所定の閾値よりも小さい場合に、ルックアップテーブルに格納されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の方法。
【請求項12】
前記第1制御パラメータセット及び/又は前記第2制御パラメータセットは、振幅、位相、周波数及び時間的変動のうちの1つ以上を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一に記載の方法。
【請求項13】
特にRF生成器のためのコントローラであって、
処理部、好ましくはデジタル信号処理装置、DSPUと、
前記処理部に接続され、周波数生成器に制御パラメータを提供する出力インターフェースと、
前記処理部に接続された信号解析部、好ましくはソフトウェア無線部、SDRと、
前記信号解析部に接続され、少なくとも1つのセンサに接続可能で、前記少なくとも1つのセンサからセンサデータとして少なくとも1つの歪んだRF信号を受信する入力インターフェースと、を含み、
前記処理部は、入力RF信号に対応する第1制御パラメータセットを前記出力インターフェースに提供するように構成され、
前記信号解析部は、少なくとも1つの歪んだRF信号を含むセンサデータを、前記入力インターフェースから受信するように構成され、
前記処理部は、前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号に同期化させるように構成され、
前記処理部は、
ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差を決定し、
前記差が所定の閾値よりも大きい場合、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて、適合された入力RF信号に対応する第2制御パラメータセットを決定し、前記第2制御パラメータセットを前記出力インターフェースに提供するようにさらに構成されているコントローラ。
【請求項14】
前記処理部、及び/又は前記信号解析部、及び/又は周波数生成器は、FPGA、CPLD、ASIC又はSoCとして構築され、好ましくは、前記処理部及び前記信号解析部は、1つのFPGA、CPLD、ASIC又はSoCによって一体的に構築されていることを特徴とする請求項13に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記出力インターフェースは、ダイレクトデジタル合成(DDS)部制御語を提供することを特徴とする請求項13又は14に記載のコントローラ。
【請求項16】
プラズマチャンバ用のRF信号を生成するためのRF生成器であって、
好ましくはダイレクトデジタル合成コア、DDSコアとして構築される、少なくとも1つのRF信号を生成する周波数生成器と、
前記周波数生成器に接続され、前記少なくとも1つの入力RF信号を増幅する増幅器と、
前記周波数生成器に接続された請求項13乃至15のいずれか一に記載のコントローラと、を含むRF生成器。
【請求項17】
前記周波数生成器及び前記コントローラ、特に前記処理部及び/又は前記信号解析部は、1つのFPGA、CPLD、ASIC又はSoCによって一体的に構築されていることを特徴とする請求項16に記載のRF生成器。
【請求項18】
入力RF信号を生成するRF生成器と、
前記RF生成器に接続された請求項13乃至15のいずれか一に記載のコントローラと、
その入力が前記RF生成器の出力に接続されたインピーダンス整合ネットワークと、
その入力がインピーダンス整合ネットワークの出力に接続されたプラズマチャンバと、を備えるプラズマ装置。
【請求項19】
1つ以上のRF生成器がそれぞれ前記プラズマチャンバに入力RF信号を提供し、好ましくは各RF生成器が共通制御として1つのコントローラに接続されていることを特徴とする請求項18に記載のプラズマ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF信号、好ましくはプラズマ装置のプラズマチャンバのためのRF信号を生成するための方法、コントローラ、特にRF生成器、及びプラズマ装置のプラズマチャンバのためのRF信号を生成するためのそのようなRF生成器に関する。さらに本発明は、プラズマ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理は、特に半導体チップの製造において、材料の表面を変質するための非常に多用途で精密な技術である。プラズマ処理は、通常、高周波(RF)電力で動作するプラズマ処理ツールを使用して、半導体ウェハプロセス全体で何度も用いられる。
【0003】
このような処理システムでは、RF電力を使用してガス状化合物を励起し、自由電子とイオンとを形成させる。プラズマの組成、すなわちイオン及び電子の量は、さまざまなプロセスパラメータに応じて正確に制御することができる。
【0004】
伝送路の非線形要素による信号の歪みは、プラズマ処理の分野における一般的な問題である。多くの場合、不要な歪みは、アプリケーションの正しい機能を損なう信号の狂いを引き起こす可能性がある。送信電力のオーバーシュートは、半導体ウェハなどの被処理物や使用するハードウェアに重大な誤動作や大きな損傷を与えることがある。
【0005】
先行技術から知られた、信号の歪みを除去又は低減するための解決策は、特定のアプリケーションのために周波数領域又は時間領域の出力特性のある一態様を最適化する専用のハードウェアコンポーネントを必要とするという点で共通している。必要条件が大幅に変更された場合、一般的にハードウェアの変更は避けられず、コストの増加やシステムのダウンタイムの長期化を招く。
【0006】
米国特許出願公開第2019/229684号明細書は、実質的に、実際の出力信号と当該信号のローパスフィルタリングされたものとの間の差を使用して、出力信号の高調波が低減するように増幅器パラメータを変更することによって、出力高調波を低減する方法を記載している。
【0007】
欧州特許出願公開第1895654号明細書も同様のアプローチで、歪み検出、歪み信号の生成、出力信号と歪み信号を相関させて制御回路の入力とする専用回路を使用している。その結果、意図した周波数から外れた周波数が大幅に減少するように、増幅器の電力出力スペクトルを改善することができる。
【0008】
国際公開第2020/069131号には、フィルタと専用の変調方法によって不要なスプリアス高調波を低減する方法が記載されている。
【0009】
米国特許第5381110号明細書及び米国特許第5568105号明細書は、直交ハイブリッド整合減衰器により、パルスの減衰時間を調整することでRF送信機のスプリアス周波数を低減している。
【0010】
米国特許第5325019号明細書は、プラズマ電圧と電流の高調波に影響を与えるハードウェアオプション(ケーブル長の変化、可変コンデンサの使用)を示しています。
【0011】
これらのソリューションに共通するのは、特定のアプリケーションの出力特性(周波数又は時間領域)のある一態様を最適化するために専用のハードウェアコンポーネントを使用することである。必要条件が大きく変化した場合、一般的にはハードウェアの変更が必要である。
【0012】
さらに、ほとんどの先行技術では、電力増幅器と負荷との間のコンポーネント、例えばアンテナやインピーダンス整合ネットワーク、又は負荷自体、例えばプラズマチャンバで燃焼する高非線形プラズマによって発生する歪みは、完全に無視されている。
【0013】
したがって、本発明の目的は、RF信号をアプリケーションのニーズに適合させることを可能にする柔軟な歪み補償を提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記で与えられた問題は、請求項1に記載の方法、請求項13に記載のコントローラ、請求項16に記載のRF生成器、及び請求項18に記載のプラズマ装置によって解決される。
【0015】
プラズマチャンバに適したRF信号を生成する本発明による方法は、第1制御パラメータセット(first set of control parameters)に基づいて入力RF信号を生成し、少なくとも1つの歪んだRF信号(distorted RF signal)を検出し、前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させ、ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差を決定し、前記差が所定の閾値よりも大きい場合、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセット(second set of control parameters)を決定し、前記ターゲットRF信号と前記歪んだRF信号との前記差が小さくなるように、前記第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号(adapted input RF signal)を生成するステップを含む。
【0016】
このように、第1のステップでは、第1制御パラメータセットに基づいて、入力RF信号が生成される。この入力RF信号は、例えば非線形要素(non-linear elements)によって歪む。歪んだRF信号は検出され、次に入力RF信号と同期化される。ここで、1つの歪んだ信号又は2つ以上の歪んだ信号が検出されてもよい。歪んだRF信号を入力信号に同期化させるステップにより、歪んだRF信号を入力RF信号に時間的に一致させるために、信号伝搬時間(signal propagation time)による遅延時間が補償される。
【0017】
同期化された歪んだRF信号とターゲット信号から差が決定され、この差が所定の閾値より大きい場合、これらのRF信号間の偏差(deviation)を決定するために、同期化された歪んだRF信号とターゲット信号の比較に基づいて、第2制御パラメータセットが決定される。したがって、歪んだRF信号、すなわち入力RF信号の歪みとターゲットRF信号との間の偏差が所定の閾値を超える場合にのみ、同期化された歪んだRF信号とターゲットRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセットを提供することにより、入力RF信号の適合(adaptation)が開始される。第2制御パラメータセットが決定された場合、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差を低減するために、第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号が生成される。
【0018】
本発明によれば、プラズマチャンバにおける信頼性の高いプラズマ処理を提供するために、歪んだRF信号が反復プロセス(iterative process)でターゲットRF信号に近づく。したがって、ターゲットRF信号の必要条件が変化すると、歪んだRF信号のような入力RF信号、すなわちプラズマチャンバに提供されるRF信号、がターゲットRF信号に近づくように、歪みの予備補償(pre-compensation)が適用される。ここで、RF信号は、時間領域(time-domain)におけるRF基本周波数の振幅変調(amplitude-modulated)されたエンベロープ(envelope)(例えば、パルスパターン)又は周波数領域における多周波スペクトル(multi-frequency spectrum)(例えば、追加の周波数によって囲まれた基本周波数、又は複数の異なる周波数)であってもよい。特に、ターゲットRF信号は、信頼性が高く安定したプラズマ状態を提供するために、顧客又はレシピによって歪みのないプラズマ処理を提供することを意図した信号である。入力RF信号は、後述するRF生成器(RF generator)によって生成され、伝送路(transmission chain)を介してプラズマチャンバに提供される信号である。ここで、入力RF信号は、増幅された信号、又は増幅器に提供されるRF信号であってもよい。ここで、入力RF信号は、RF生成器の電力増幅器の歪みと、RF生成器からプラズマチャンバへの伝送路の歪みと、を予め補償する点で、ターゲットRF信号と異なる場合がある。さらに、歪んだRF信号は、RF生成器の増幅器及びRF生成器とプラズマチャンバとの間の伝送路によって歪んだ信号であり、プラズマチャンバにおけるターゲットRF信号にできるだけ近い、プラズマチャンバに提供されるRF信号であり、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の類似性は、所定の閾値に従って決定される。したがって、提供される当該方法によって、歪んだRF信号を検出すること、歪んだRF信号と入力RF信号を同期化させること、及びターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定することに起因して、歪んだRF信号を意図したターゲットRF信号へ適合させることが可能になる。このように、ハードウェアを変更することなく、プラズマの必要条件に適合させることが可能になる。
【0019】
好ましくは、少なくとも1つの歪んだRF信号を検出するステップと、少なくとも1つの歪んだRF信号を入力RF信号と同期化させるステップと、ターゲットRF信号と同期化された少なくとも1つの歪んだRF信号との差を決定するステップと、ターゲットRF信号と同期化された少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定するステップは、当該差が所定の閾値を上回る限り繰り返される。したがって、第2制御パラメータセットの各々が決定された後に、適合された入力RF信号が生成され、適合された入力RF信号の歪みが検出される。歪んだRF信号のターゲットRF信号からの偏差が所定の閾値より大きい場合、さらなる第2制御パラメータセットが決定され、適合された入力RF信号がさらに生成される。これは、歪んだRF信号とターゲットRF信号との間の偏差が十分に小さくなるまで、すなわち当該差が所定の閾値を下回るまで続けられる。そして、プラズマチャンバでターゲットRF信号に十分に近いRF信号を保証する、適合された入力RF信号を得ることができる。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つの歪んだRF信号は、RF生成器の出力、インピーダンス整合ネットワーク(impedance matching network)の入力、インピーダンス整合ネットワークの出力及びプラズマチャンバの入力、及び/又はプラズマチャンバ内のうちの1つ以上で検出される。したがって、歪んだRF信号のそれぞれを検出するために、プラズマ装置における異なる検出技術及び検出位置を使用することができる。さらに、第2制御パラメータセットを決定するため、第2制御パラメータセットによってターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差を低減するために、信号歪み(signal distortions)の信頼できる予備補償(pre-compensation)を提供するために、1つ以上の歪んだRF信号を検出して、使用することができる。
【0021】
好ましくは、入力RF信号は、1つ又は複数のマーカを含むように変更され、少なくとも1つの歪んだRF信号を入力RF信号と同期化させることは、歪んだRF信号中のマーカを検出することと、入力RF信号のマーカを生成してから歪んだRF信号中のマーカを検出するまでの時間遅延を決定することを含む。このように、マーカによって、少なくとも1つの歪んだRF信号と入力RF信号の同期化のステップは簡略化され、より信頼性が高くなる。そのため、特にプラズマ装置内の異なる検出位置に対する異なる伝搬時間(propagation times)を考慮し、同期化に含めることができる。
【0022】
好ましくは、入力RF信号は、マーカを含むように所定の時点において変更される。ここで、特に、マーカは、所定の、好ましくは等しい時間間隔で繰り返し含まれる。例えば、RF信号がパルスパターンである場合、入力RF信号のパルスパターンは、同期化のための十分な情報を提供するために、1~1000パルス毎、好ましくは1~100パルス毎、より好ましくは1~10パルス毎の後にマーカを含んでもよい。さらに、既知のシーケンスによって信号が歪んでいるにもかかわらず検出されるように、マーカが固有のシーケンス(unique sequence)に含められてもよい。
【0023】
好ましくは、マーカは、入力RF信号の時間領域にあり、すなわち、入力RF信号の時間的偏差(temporal deviation)によって提供される。
【0024】
好ましくは、マーカが時間領域にある場合、マーカは、RF入力信号のパルス長の10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは1%未満の時間長を有する。代替的又は追加的に、マーカは、0.001msから10msの間、好ましくは0.01msから1msの間の持続時間を有することができる。このように、マーカは短く、プラズマチャンバ内のプラズマにほとんど影響を与えない。
【0025】
好ましくは、マーカが時間領域にある場合、当該偏差は、入力RF信号の振幅の10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満である。このように、入力RF信号と歪んだRF信号との間の信頼できる同期化を提供するために、入力RF信号の既存の小さな偏差(already minor deviations)をマーカとして使用することができる。
【0026】
好ましくは、マーカが時間領域にある場合、マーカは入力RF信号のオフ期間に配置される。特に、入力RF信号のオフ期間において、入力RF信号からのマーカの偏差が小さいため、マーカは、プラズマチャンバ内のプロセスにほとんど影響を与えない。
【0027】
好ましくは、マーカが時間領域で、入力RF信号のオフ期間に配置されている場合、マーカの振幅は、プラズマ点火(plasma ignition)閾値以下である。したがって、マーカによって、プラズマは、安定した予測可能なプラズマ処理を提供するために、点火されない又は何らかの影響(somehow influenced)を受けない。
【0028】
好ましくは、マーカが時間領域にある場合、歪んだRF信号のマーカは、歪んだ信号の周波数領域において、スペクトル中のスプリアス周波数(spurious frequencies)として検出される。時間領域におけるマーカの持続時間が短いため、追加の周波数が一時的に発生し、これはスペクトルにおけるスプリアス周波数として短い期間で検出され得る。このように、信頼性が高く、実装が容易なマーカの検出方法が提供される。
【0029】
さらに、又は代替的に、1つ以上のマーカは、入力RF信号の周波数領域で提供されます。
【0030】
好ましくは、マーカが周波数領域である場合、マーカは、持続的又は一時的な入力RF信号の位相シフト、又は一時的なキャリアRF信号の周波数シフトである。
【0031】
好ましくは、マーカが周波数領域である場合、マーカは入力RF信号の位相シフトであり、位相シフトは10°未満、好ましくは5°未満、より好ましくは1°未満である。プラズマに電力を供給するために複数のRF生成器が一緒に用いられる場合、全ての生成器は、持続的又は一時的な位相シフトを、同期化した方法で提供しなければならない。複数の生成器のうち1つだけが位相シフトしている場合、他の生成器やプラズマへの悪影響を避けるために、この位相シフトを短時間、好ましくは10ms以内、より好ましくは1ms以内、さらに好ましくは0.1ms以内に元の位相に反転させる必要がある。
【0032】
好ましくは、入力RF信号は少なくとも1つのマーカを含み、少なくとも1つの歪んだRF信号を入力RF信号と同期化させることは、歪んだRF信号におけるマーカを検出すること、及び入力RF信号におけるマーカを生成することと少なくとも1つの歪んだRF信号におけるマーカを検出することとの時間差による遅延を決定することを含み、マーカはプラズマ点火パルス(plasma ignition pulse)及び/又は入力RF信号の固有の特徴(unique feature)である。したがって、追加の特徴を追加することなく、既存の入力RF信号の特徴を同期化のためのマーカとして使用することができる。そのため、遅延を決定するために、入力RF信号の固有の特徴を容易に特定することができる。
【0033】
好ましくは、RF信号の歪みを補償する、すなわち本方法を開始する第1のステップにおいて、第1制御パラメータセットは、入力RF信号がターゲットRF信号と等しいという点で決定され得る。あるいは、第1制御パラメータセットは、特定のセットアップ及び特定のターゲットRF信号に対するルックアップテーブルによって与えられる。この場合、出発点として、第1制御パラメータセットは、入力RF信号の歪みを予備補償するために、既にターゲットRF信号から逸脱している可能性がある第1制御パラメータセットに基づく入力RF信号の最適化のために提供される。したがって、本方法の第1のステップを実行するとき、すなわち、プラズマ装置の初期化及び/又は例えば異なるターゲットRF信号を含む異なるプラズマプロセスを実行する際に、最適化は、入力RF信号が出発点としてターゲットRF信号と等しくなるように第1制御パラメータセットを選択することによって開始されてもよい。既に存在し実装された機構及び既に実装されたプラズマプロセス、すなわちターゲットRF信号の場合、ターゲットRF信号の変更時に、ルックアップテーブルによって与えられた第1制御パラメータセットに基づいて最適化を開始することができ、与えられた歪みにかかわらず、歪んだRF信号のターゲットRF信号へのより速い最適化と適合を可能にする。
【0034】
好ましくは、少なくとも1つの歪んだ信号とターゲット信号との間の差が所定の閾値より小さい場合、第2制御パラメータセットはルックアップテーブルに格納される。そして、第2制御パラメータセットは、後の最適化のための出発点として使用されるようにルックアップテーブルに格納される。
【0035】
好ましくは、第1制御パラメータセット及び/又は第2制御パラメータセットは、プラズマプロセスに提供されるRF信号を特徴付ける振幅、位相、周波数(スペクトル)及び時間的変動のうちの1つ以上を含む。
【0036】
本発明のさらなる態様では、特にRF生成器のためのコントローラが提供される。コントローラは、好ましくはデジタル信号処理部(digital signal processing unit;DSPU)として構築される処理部を含んでいる。出力インターフェースは、ダイレクトデジタル合成(DDS)コアに制御パラメータを提供するために処理部に接続され、その出力は、RF生成器のパワーステージ(power stage of the RF generator)を駆動するために使用される。さらに、コントローラは、好ましくは、処理部に接続されるソフトウェア無線部(software defined radio;SDR)として構築される信号解析部を含んでいる。信号解析部には、プラズマ装置内の少なくとも1つのセンサからセンサデータとして歪んだRF信号を受信するための入力インターフェースが接続されている。処理部は、入力RF信号に対応する第1制御パラメータセットを出力インターフェースに提供するように構成される。さらに、信号解析部は、入力インターフェースから少なくとも1つの歪んだ信号を含むセンサデータを受信し、信号の振幅変調(amplitude modulation)及び/又は周波数スペクトルを処理部の入力インターフェースに提供するように構成されている。処理部は、少なくとも1つの歪んだ信号を入力RF信号と同期化させるように構成されている。さらに、処理部は、ターゲットRF信号と同期化している少なくとも1つの歪んだ信号との間の差異を決定するように構成される。そこにおいて、処理部は、ターゲットRF信号と同期化された少なくとも1つの歪んだ信号との比較に基づいて、当該差が所定の閾値よりも大きい場合、出力インターフェースに提供されるべき適合された入力RF信号に対応する第2制御パラメータセットを決定するようにさらに構成される。こうして、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差は低減される。
【0037】
好ましくは、入力インターフェースは、少なくとも1つのアナログ・デジタル変換器(ADC)からなり、より好ましくは、センサのそれぞれについて、1つのADC又はマルチチャネルADCの1チャネルを含む。
【0038】
好ましくは、処理部及び/又はDDSコア及び/又は信号解析部は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array;FPGA)、複合プログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device;CPLD)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit;ASIC)又はシステムオンチップ(SoC)として構築され、ここで、処理部、DDSコア及び信号解析部の2つ以上、より好ましくはその全ては、一つのFPGA、CPLD、ASIC又はSoCにより一体的に構築される。このように、処理部、DDSコア、及び信号解析部の実装が簡素化され、特に、コントローラを特定のアプリケーションに容易に適合させるために、より汎用的なプラットフォームが提供される。
【0039】
好ましくは、出力インターフェースは、ダイレクトデジタル合成(DDS)コアに制御ワードを提供する。したがって、特に、第1制御パラメータセット及び/又は第2制御パラメータセットは、DDSコアに提供されるDDS制御ワードによって実装される。
【0040】
さらに、本発明の目的は、プラズマチャンバ用のRF信号を生成するためのRF生成器を提供することである。RF生成器は、少なくとも1つのRF信号を生成するために、好ましくはダイレクトデジタル合成(DDS)コアとして構築された周波数生成部を含んでいる。
【0041】
少なくとも1つのRF信号を生成するために、DDSコアは、その後に再構成フィルタ(reconstruction filter)が続くデジタル-アナログ変換器(DAC)に接続される。RF信号は、時間領域におけるRF基本周波数の振幅変調されたエンベロープ(例えばパルスパターン)、周波数領域における多周波スペクトル(例えば、追加の周波数によって囲まれた基本周波数)であってもよい。
【0042】
さらに、再構成フィルタの出力におけるRF信号は、その後、RF生成器の出力信号を提供するために電力増幅段(power amplifying stage)によって増幅される。RF生成器は、少なくとも1つの入力RF信号を増幅するために、周波数生成部に接続された増幅器を含んでいる。そこで、増幅器は、生成されたRF信号をプラズマチャンバに供給するために、RF電力出力に接続される。さらに、RF生成器は、先に説明したように、コントローラを含んでいる。
【0043】
好ましくは、周波数生成部とコントローラは、1つのFPGA、CPLD、ASIC又はSoCによって一体的に構築される。
【0044】
好ましくは、RFジェネレータは、特にインピーダンス整合ネットワークを介して、プラズマチャンバに1つ以上の増幅された入力信号を供給するための複数のRF電力出力を含んでいる。ここで、全ての電力出力に対して1つの共通のDDSコアが使用されてもよい。特に、1つ以上のDDSコア、より好ましくは、各電力出力に対して個別のDDSコアがRF生成器に実装される。
【0045】
好ましくは、DDSコアの各々は、前述したように、共通のコントローラを有する。あるいは、DDSコアの1つ以上又は各々は、前述したような個別のコントローラを有する。
【0046】
好ましくは、RF生成器は、1つ以上の増幅された入力RF信号を、特にインピーダンス整合ネットワークを介して、プラズマチャンバに供給するための複数のRF電力出力を含んでいる。ここで、全ての電力出力に対して、1つの共通の増幅器が実装される。特に、複数の増幅器、より好ましくは、電力出力の各々について、個々の増幅器が実装される。
【0047】
本発明のさらなる態様では、入力RF信号を生成するためのRF生成器と、RF生成器に接続された前述したようなコントローラと、を備えるプラズマ装置が提供される。さらに、プラズマ装置は、インピーダンス整合ネットワークを備え、インピーダンス整合ネットワークの入力は、RF生成器の出力に接続される。プラズマ装置は、プラズマチャンバをさらに備え、プラズマチャンバの入力は、インピーダンス整合ネットワークの出力に接続される。
【0048】
好ましくは、プラズマ装置は、プラズマチャンバに入力信号を供給するための複数のRF生成器を備え、各RF生成器は、個別のコントローラを有するか、又は共通コントローラとして1つのコントローラに接続される。あるいは、個々のコントローラを有する複数のRF生成器は、1つのマスターRF生成器(master RF generator)から同期化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明に係るプラズマ装置の一例を示す模式図である。
図2】本発明に係る方法を示す図である。
図3A】ターゲットRF信号である。
図3B】本発明による適合された入力RF信号である。
図3C図3Bの入力RF信号に対する歪んだRF信号である。
図4】入力されたRF信号と歪んだRF信号の比較である。
図5A】本発明に係るマーカを含む時間領域での入力RF信号である。
図5B】本発明に係るマーカを含む時間領域での入力RF信号である。
図5C】本発明に係るマーカを含む時間領域での入力RF信号である。
図6A】本発明による適合された入力RF信号のスペクトルである。
図6B】本発明による図6Aに示すような適合された入力RF信号に対する出力RF信号のスペクトルである。
図7】本発明によるプラズマ装置の詳細な実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1を参照すると、プラズマ処理のためにプラズマチャンバ14内にプラズマを発生させるために、伝送路(transmission chain)によってプラズマチャンバ14に供給される入力RF信号を発生する無線周波数(RF)生成器10を備えるプラズマ装置が示されている。
【0051】
プラズマ処理は、露出した材料の表面を、例えばエッチング、コーティング、又は洗浄によって変質するための、非常に汎用的で精密な技術である。特に、半導体ウェハは、通常、高周波(RF)電力で動作するプラズマ処理装置を使用して、ウェハプロセス全体で何度もコーティング及びエッチングされる。このような処理システムでは、RF電力は、自由電子及びイオンが形成されるようにガス状化合物を励起するために使用される。様々なプロセスパラメータに応じて、プラズマの組成、すなわち、様々な励起状態にあるイオン、電子、及び中性子の量とそのエネルギーは、定常状態でも、時間的に変化する動作でも制御することができる。ここで、プロセスパラメータはレシピで与えられ、半導体ウェハなどの露出した材料の処理中に変化する可能性がある。ここで、プロセスパラメータは、プラズマチャンバ14内のプラズマの特性を決定するターゲットRF信号として提供される。
【0052】
プラズマは強く変化するインピーダンスを有するので、典型的には50オームに標準化されたRFパワー生成器10の出力は、プラズマチャンバに直接接続することはできない。このプラズマインピーダンスは、その特定の組成及びRF電力レベルに依存し、典型的には50オームとは大きく異なる抵抗値及びゼロから大きく逸脱したリアクタンスを有する。その結果、RF生成器10の50オーム出力を変化するプラズマインピーダンスに連続的に適合させるために、可変キャパシタ(variable capacitors)とインダクタ(inductors)を採用した自動インピーダンス整合ネットワーク(automatic impedance matching networks)12が使用される。コンデンサやインダクタのような受動部品は線形に振る舞うことができるが、インピーダンス整合ネットワーク12は、非線形デバイス、例えば、歪みを引き起こす可能性のあるトランス(transformers)、ダイオード(diodes)、又はバラクタ(varactors)を使用することもできる。したがって、先行技術では、スプリアス又は高調波周波数(spurious or harmonic frequencies)を抑制し、入力RF信号の歪みを低減するために、フィルタ又は他のハードウェアコンポーネントが実装される。しかし、前述のように、プラズマ中で材料を処理するための特定のレシピにおいて、パラメータが数回変更されることがあり、入力RF信号の個々の適合が必要となる。さらに、レシピが変更された場合、すなわち新しいプロセスパラメータが実装された場合、スプリアス周波数や高調波周波数の補正、及び/又は入力RF信号のさらなる歪みが必須となり、従来技術では、ハードウェアコンポーネントを変更する必要があり、コストと時間がかかる。
【0053】
本発明によると、プラズマ装置内に分布する異なるセンサからセンサデータを受信するコントローラ16が実装されており、入力RF信号の歪み及び歪んだRF信号のターゲットRF信号からの偏差が検出される。したがって、コントローラは、プラズマチャンバ14における歪んだ信号がターゲットRF信号に一致するように、すなわち、ターゲットRF信号とプラズマチャンバ14における伝送路の後の歪んだRF信号との間の差が所定の閾値以下になるように、入力RF信号を適合させることによってこれらの歪みを予備補償することが可能である。ここで、入力RF信号の歪みは、RF生成器の増幅段の非線形性、整合ネットワークの非線形性、又はプラズマチャンバ内のプラズマの高非線形特性によって引き起こされる。ここで、コントローラ16は、例えば方向性結合器(directional coupler)として実装されたRF生成器10の出力22で歪んだRF信号を受信してもよい。代替的又は追加的に、コントローラ16は、歪んだRF信号として、例えば位相・振幅検出器(phase-and-magnitude detector)44として実装されたインピーダンス整合ネットワーク12の入力におけるRF信号を受信することができる。代替的又は追加的に、コントローラ16は、歪んだRF信号として、例えばV-I検出器として実装された、インピーダンス整合ネットワーク12の出力18におけるRF信号を受信することができる。代替的又は追加的に、RF信号の歪みは、例えばアンテナ、ラングミュアプローブ、放出されたプラズマ光を検出する光センサ、又は他のプラズマ診断ツールとして実装されたプラズマプローブ20によって、プラズマチャンバ14内のプラズマ内で直接検出されてもよい。これらのセンサの1つ以上の検出されたセンサデータを評価することによって、コントローラ16は、適合された入力RF信号を決定し、RF生成器10を制御して、RF生成器10からプラズマチャンバ14への伝送路における歪みの予備補償を含む適合された入力RF信号を生成し、それによって、プラズマ装置内の非線形歪みが発生してもプラズマチャンバ14における歪んだRF信号をレシピの意図するターゲットRF信号に一致させることができる。
【0054】
さらに、コントローラ16は、インピーダンス整合ネットワーク12による入力RF信号の歪みにも影響を与えるRF生成器10とプラズマチャンバ14との間のインピーダンス整合を実行するために、整合制御(match control)25によってインピーダンス整合ネットワーク12を制御し得る。したがって、インピーダンス整合プロセスに関する情報は、歪みの予備補償のために適合された入力RF信号を決定するために、コントローラ16によってアクセス可能であり、コントローラ16によってセンサデータとして用いられることも可能である。コントローラ16は、独立したユニットであってもよく、又は好ましくは、RF生成器又は整合ネットワークに統合されてもよい。
【0055】
図2を参照すると、本発明による方法の図を示している。この方法に従って、RF信号がプラズマチャンバのために生成される。
【0056】
ステップS01によれば、第1制御パラメータセットに基づいて入力RF信号が生成される。ここで、好ましくは、本方法の初期化中に、入力RF信号がターゲットRF信号に従って決定される。第1制御パラメータセットは、特定のセットアップと特定のターゲットRF信号のためのルックアップテーブルによって与えられてもよい。入力RF信号はプラズマチャンバに供給されるが、伝送路の非線形要素によって歪む。
【0057】
ステップS02によれば、少なくとも1つの歪んだRF信号が、プラズマ装置内で検出される。ここで、歪んだRF信号のセンサデータを提供するために、1つ又は複数のセンサがプラズマ装置内に実装され得る。これにより、歪んだRF信号を直接測定する必要はない。例えば、プラズマチャンバ14内のプラズマパラメータの変化等によって、入力RF信号の歪みを間接的に検出することが可能である。
【0058】
ステップS03によれば、少なくとも1つの歪んだRF信号が入力RF信号と同期化され、それによって、RF生成器10によって生成された入力RF信号と、例えば、限定されないが、RF生成器10の出力、インピーダンス整合ネットワーク12の入力、インピーダンス整合ネットワークの出力18、又はプラズマチャンバ14内の検出位置と、の間の信号遅延時間が決定される。したがって、少なくとも1つの歪んだRF信号と入力RF信号との間の時間的整合が実現される。
【0059】
ステップS04によれば、ターゲットRF信号と、同期化された少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差が決定される。ターゲットRF信号と入力RF信号との間に遅延が存在しないので、ターゲットRF信号と少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差の決定は、ステップS03による少なくとも1つの歪んだRF信号とターゲットRF信号との間の時間的整合により促進され得る。
【0060】
ステップS05によれば、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差が所定の閾値よりも大きい場合、ターゲットRF信号と同期化された少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて、第2制御パラメータセットが決定される。したがって、ステップS02に従って検出された歪んだRF信号が、ターゲットRF信号と十分に似ていない、又はターゲットRF信号から大きく逸脱している場合、第2制御パラメータセットが決定される。ここで、第2制御パラメータセットの決定は、例えば機械学習又は人工知能に基づくアルゴリズムによって実行されてもよく、歪んだRF信号とターゲットRF信号との間の差異を制御パラメータセットの適合に整合させることができる。
【0061】
ステップS06によれば、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差が減少するような第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号がRF生成器10によって生成される。したがって、適合された入力RF信号によって、RF生成器10とプラズマチャンバ14との間の伝送路における歪みの予備補償が達成され、意図されたターゲット信号に非常に近いRF信号がプラズマに適用される。
【0062】
そこで、ターゲットRF信号と同期化された歪んだRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定するには、制御パラメータの系統的な変化を伴う試行錯誤アプローチ(trial and error approach with systematic variation)のようなアルゴリズムが含まれる場合がある。パラメータ値の小さな変化で歪みが減少する場合は、同じ方向で継続し、そうでない場合は、他の方向にパラメータを変化させる。さらに、自己学習アルゴリズム(self-learning algorithm)が実装され、歪み特性と最適な制御パラメータをルックアップテーブルに保存して、同様の状況で使用することを含む、最適な設定に向けて最適化された反復が行われてもよい。さらに、要求された波形と結果の波形からそれぞれ変換関数(transformation function)を計算し、逆変換関数を歪んだ出力波形に適用して、RF生成器のための予備歪み(pre-distorted)/予備補償波形(pre-compensated waveform)を計算してもよい。さらに、各サンプルに対する歪み補償は、各サンプル/時点(each sample / point in time)に対するオリジナル対歪みエンベロープ値(original versus distorted envelope values)のルックアップテーブルを生成し、各サンプルに対する予備補償エンベロープ値を計算することを含んで適用され得る。そして、このルックアップテーブルを使用して、RF生成器で予備歪み/予備補償波形を生成する。さらに、サンプルのグループに対する歪み補償が適用されてもよい。ここで、ノイズを減らすために適当なサンプルグループについて平均値を計算し、それぞれのサンプルグループについて同一の平均値を使用することによって、各サンプル/時点に対するオリジナル対歪みエンベロープ値を含むルックアップテーブルを生成する。そして、サンプルの各グループに対する予備歪み/予備補償波形のエンベロープ値を算出し、このルックアップテーブルを用いて、RF生成器で予備歪み/予備補償波形の波形を発生させる。さらに、周波数領域の歪み補償は、時間領域補正のための上記アルゴリズムが適合された方法で周波数領域に適用されることを含み、アルゴリズムをスペクトル内の個々の周波数、例えばスパー及び高調波(spurs and harmonics)に適用し、逆位相の1つ又は複数のRF生成器で同じ周波数を生成することによって、適用することができる。
【0063】
ここでいう逆位相とは、RF生成器からの信号に位相シフトが適用されることであり、ケーブルにおける遅延時間及び/又は伝送路における他の構成による位相シフトと合わせて、プラズマ内で逆位相のRF信号となるようにすることである。こうすることで、プラズマ内のスプリアスや高調波を抑制することができる。
【0064】
周波数と位相シフト値は、ルックアップテーブルに格納され、さらなる反復で最適化することができる。ここで、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定するために、1つ又は複数のアルゴリズムを組み合わせることができる。
【0065】
図2によると、適合された入力RF信号が第2制御パラメータセットに基づいて生成される場合、ステップS02によって検出された歪んだRF信号とターゲットRF信号との間の差が所定の閾値を下回るまで、さらなる第2制御パラメータセットを生成するために、矢印27に従ってステップS02からS06の方法が繰り返しながら反復され得る。
【0066】
プラズマ装置におけるRF信号の歪みの予備補償に成功した場合、第2制御パラメータセットは、ルックアップテーブルに格納され、同一又は類似のセットアップ及び同一又は類似のターゲットRF信号に対するさらなる最適化に使用することができる。ここで、プラズマ装置の伝送路における歪みの予備補償に成功した第2制御パラメータセットは、初期入力RF信号を生成する出発点、すなわち第1制御パラメータセットとして用いられる。この場合、本発明による方法の初期化に使用される初期入力RF信号は、予め歪んでおり既にターゲットRF信号から逸脱している可能性がある。しかし、特定のターゲットRF信号に対する歪みの補償とセットアップは既に近似されているため、最適化を加速することができる。
【0067】
したがって、本発明によって、所定のレシピにおいてプラズマパラメータが変更された時に、RF信号の歪みの補償は、ハードウェアの特段の適合なしに、信頼性が高く安定したプラズマ条件、すなわち、特定の電力レベルの純粋で安定した周波数によるプラズマによる、露出した材料に対するコーティング、エッチング、洗浄又はその他の変質を実行するために、確実かつ迅速に行われる。また、今後発生する歪みを補正することにより、他のプラズマパラメータへのレシピの変更も容易に行うことができる。
【0068】
ここで、第1制御パラメータセット及び/又は第2制御パラメータセットは、RF信号の振幅、RF信号の位相、周波数又は周波数スペクトル及び/又は時間的変動のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0069】
本発明による方法によって、プラズマチャンバ14内でほとんど歪みのないターゲットRF信号を達成するために、入力RF信号が適合される。その状況は、図3A、3B、及び3Cに示されている。図3Aを参照すると、プラズマチャンバに提供されるべきターゲットRF信号24が示されている。一方、図3Bは、RF生成器10とプラズマチャンバ14との間の伝送線(transmission line)における歪みを補償するために、本発明に従って予め歪められた適合入力RF信号26を示す。ここで、適合された入力RF信号26は、伝送線における信号歪みを受けた後の図3Cに描かれた歪んだRF信号28が、特定のアプリケーションに必要なだけターゲットRF信号に一致するように成形される。図3Cを参照すると、プラズマチャンバ14における歪んだRF信号28は、ターゲットRF信号と等しいか、少なくとも非常に近い、すなわち、歪んだRF信号28と意図したターゲットRF信号との間の差は、決定された閾値以下であるものが示されている。ここで、閾値は、意図された用途によって具体的に形成することができ、洗浄等のように、あまり敏感ではない用途では大きくすることができ、材料のエッチング及び/又は堆積のような敏感な用途ではより小さくすることができる。ここで、図3A、3B及び3Cから、入力RF信号26が、入力RF信号26が予め歪んでいることに対する意図された予備補償のために、ターゲットRF信号24からすでに逸脱している可能性があることは明らかである。
【0070】
歪んだRF信号28とターゲットRF信号との比較を可能にするために、入力RF信号26と歪んだRF信号28との間の同期化を容易にするために、RF信号内の特定の固有の特徴によって同期化が行われる。このような特定の固有の特徴を使用することにより、入力RF信号と測定された歪んだRF信号との間の時間遅延が、伝送路によって発生し、場合によってはセンサ信号の処理によるさらなる遅延が決定され得る。ここで、この固有の特徴は、プラズマ点火パルスであってもよく、代替的に、パルス自体との低い繰り返し率を有するパルスアプリケーションのために同期化が実行されてもよい。一方、パルスの繰り返し率が高い場合、個々のパルスの分離はもはや不可能である場合がある。図4を参照すると、実施形態では、RF生成器10から歪んだRF信号28の検出位置までの入力RF信号26の信号伝播時間に相当する時間遅延34、及び場合によってはセンサ信号の送信及び処理によるさらなる遅延の後に、歪んだRF信号28で受信されるマーカ30が入力RF信号26に歪んだマーカ32として付加される。したがって、入力RF信号26のマーカ30と歪んだRF信号28の歪んだマーカ32との間の時間差34によって、同期化を実行することができる。同期化後、歪んだRF信号28とターゲットRF信号との間の差異を決定するために、歪んだRF信号28をターゲットRF信号26と比較することができる。
【0071】
図5A及び図5Bを参照すると、マーカ30の異なる位置及び形態が可能であり、本発明は、入力RF信号におけるマーカの特定の位置又は形態に制限されない。ここで、マーカ30は、入力RF信号のパルス長に関して短く、わずか0.001ms~10ms、好ましくは0.01ms~1msの長さを有してもよい。言い換えれば、マーカ30の持続時間は、好ましくは入力RF信号26のパルス長の10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは1%未満である。さらに又は代替的に、マーカ30の振幅は、入力RF信号26の振幅と比較して小さい。ここで、マーカ30は、入力RF信号の振幅の10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満を有してもよい。したがって、マーカは、プラズマチャンバ14内の生成プラズマに影響を与えず、歪んだRF信号28を入力RF信号26と同期化させる目的で、入力RF信号26にのみ実装される。図5Aを参照すると、マーカ30は、入力RF信号26のパルスの上に位置してもよく、繰り返しマーカ30’として繰り返されてもよい。マーカ30の繰り返しは、入力RF信号に周期的に、好ましくは予め決められた及び/又は固定された時間間隔で含まれるかもしれない。あるいは、マーカ30’’は、入力RF信号26のオフ期間に位置し、また、繰り返しマーカ30’’として周期的に繰り返されてもよい。図5A及び図5Bの両方の場合において、発生したプラズマへの影響は回避され、特に、図5Bにおいて、マーカの振幅はプラズマ着火閾値以下である。
【0072】
図5Cを参照すると、発振RF信号36のエンベロープとして入力RF信号26が示されており、ここで、マーカは、高速発振信号の位相シフト38として組み込まれてもよい。ここで、位相シフトΔΦは、持続的であってもよく、一時的であってもよい。したがって、入力RF信号26と歪んだRF信号28との間の同期化は、位相シフト38を検出することによって実行される。ここで、位相シフトは、プラズマ、RF生成器、又はプラズマ装置に悪影響を与えない程度に小さい位相シフト、例えば10°未満、好ましくは5°未満、より好ましくは1°未満であり得る。
【0073】
あるいは、例えば、RF搬送波周波数の5%未満、好ましくは2%未満、より好ましくは1%未満の範囲での一時的なシフトは、一時的な位相シフトと同様の効果を周波数スペクトルに与える。
【0074】
図6を参照すると、RF生成器10からプラズマチャンバ14への伝送路における非線形性に起因する歪みの予備補償が、パワースペクトル40に示されている。例えば、スプリアス周波数又は高い高調波を抑制するために、入力RF信号のスペクトル40は、既に含まれている追加の周波数によって、図6Aによって予め歪曲されている場合がある。しかしながら、RF生成器10からプラズマチャンバ14への入力RF信号の伝送中に、スペクトルは、伝送路内の非線形要素によって、特に、RF生成器10の電力増幅器、インピーダンス整合ネットワーク12、又はプラズマ自体によって歪められる。したがって、適合された入力RF信号のスペクトル40に過去に追加された周波数に関連する可能性のある特定の周波数が抑制される。したがって、プラズマチャンバにおいて、歪んだ信号は、スプリアス又は高調波周波数のないスペクトル42を有し、したがって、ターゲットRF信号によって、信頼できる安定したプラズマを提供する。そこで、周波数スペクトルの予備補償及び時間領域における時間的RF信号エンベロープの予備補償は、被処理物に対する信頼できる処理のための所望の安定したプラズマを生成するために、代替的に又は組み合わせて使用することができる。
【0075】
図7を参照すると、図1と同一又は類似の要素が同一の参照符号で示されている。コントローラ16は、入力RF信号を生成し、これは電力増幅器68によって増幅され、さらにインピーダンス整合回路46を含むインピーダンス整合ネットワーク12に転送される。インピーダンス整合回路46は、整合制御25によって制御され、入力センサ44及び出力センサ18から情報を受信し、受信した入力センサ44及び出力センサ18のセンサデータに基づいて、インピーダンス整合回路を制御する。ここで、入力センサ44は、位相・振幅センサとして構築される場合がある。インピーダンス整合ネットワーク12は、プラズマチャンバ14を含むプラズマ処理システム48に接続される。インピーダンス整合ネットワーク12の入力センサ44及びインピーダンス整合ネットワーク12の出力センサ18からの情報は、センサデータとしてコントローラ16にフィードバックされる。また、プラズマチャンバ14内には、プラズマ状態又はプラズマパラメータを検出するプラズマセンサ20が配置される。プラズマセンサは、アンテナとして、ラングミュアプローブとして、プラズマ光を検出する光学センサとして、又は他のプラズマ診断ツールとして構築されてもよい。プラズマセンサ20のセンサデータは、コントローラ16にフィードバックされる。センサ18、20、44からのセンサデータは、その後、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)50、50’、50’’によってデジタル化され、歪んだRF信号としてそれぞれ使用される。ここで、ADCは、複数のシングルチャネルADC、又はマルチチャネルADC、又はそれらの組み合わせとして実現され得る。特に、電力増幅器68の出力には、ADC50’’’を介してセンサデータをフィードバックするために、センサとしても使用されるRF生成器10の出力センサとして方向性結合器22が配置される。あるいは、センサ18、20、22、44は、個々のADCを含み、デジタル情報をコントローラ16に転送してもよい。
【0076】
特にソフトウェア定義無線(SDR)部として構築された信号解析部52と、特にデジタル信号処理部(DSPU)として構築された処理部54との組み合わせによって、センサからの受信した歪んだRF信号と入力RF信号の間の同期化が提供される。DSPU54はさらに、ルックアップテーブルなどのような、整合制御25及び/又はコントローラ16のプロセッサから情報を受け取ってもよい。さらに、コントローラ16のプロセッサ60は、処理部54にも提供されるパラメータの交換のためにユーザインタフェース62に接続されてもよい。ユーザインタフェース62によって、レシピ及び特にプロセスパラメータが定義及び監視されてもよい。
【0077】
処理部54によって、ターゲットRF信号と受信した歪んだRF信号との比較が実行される。特に、DSPU54によって、第1制御パラメータセットは、例えばコントローラ16のメモリに格納されたルックアップテーブルによって、ターゲットRF信号に基づいて決定される。さらに、処理部54によって、第2制御パラメータセットはまた、前述のようなアルゴリズムに従って、歪んだRF信号とターゲットRF信号の間の比較に基づいて決定される。ここで、少なくとも1つ以上の入力RF信号を生成するために、好ましくはダイレクトデジタル合成部(DDS)として構築された周波数生成部56に、制御パラメータが提供される。ここで、パラメータのセットの引き継ぎ(handover)は、DDS制御語(DDS control word)として実行されてもよい。周波数生成部56によって生成された入力RF信号は、次に、デジタル-アナログ変換器66によってデジタルからアナログに変換され、典型的には再構成フィルタが続き、次に、電力増幅器68によって増幅される。そこで、電力増幅器68のDC電圧供給(DC voltage supply)64は、伝送路の歪みの予備補償のために入力RF信号を適宜適合させるために、コントローラ16によって制御されてもよい。あるいは、DC電圧供給64は、レシピに基づいて設定されてもよい。その場合、その電力レベルは、通常、パルスモード動作中に適合されない。
【0078】
図7ではコントローラはRF生成器10と一体的に構築されているが、コントローラ16はまた、別個の実体及び装置として構築されてもよい。特に、プラズマチャンバ14に複数の入力RF信号を提供するために複数のRF生成器が採用される場合、RF生成器10の各々は、個別にコントローラ16を有してもよい。あるいは、共通のコントローラ16が、全てのRF生成器10を合わせたものに使用されてもよい。
【0079】
図7では1つの電力増幅器68のみが示されているが、RF生成器10は、複数の電力増幅器68、つまり複数の電力出力を構成することができ、これらの電力出力の1つ以上は、それぞれの電力増幅器68による入力RF信号の歪みを検出できるように、センサデータを検出するためのセンサとして方向性結合器22を構成できる。
【0080】
さらに、信号解析部52、処理部54、及び周波数生成部56は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)によって、1つのエンティティ58に統合的に結合することが好ましいと考えられる。一般に、これらの構成要素は、プラズマ装置の伝送路における歪みの補償を提供できるように、また、異なるレシピ又は同じレシピ内の多数の可能なプラズマパラメータに対して、汎用性のあるプラットフォームとして構築されている。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-05-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF信号、好ましくはプラズマ装置のプラズマチャンバのためのRF信号を生成するための方法、コントローラ、特にRF生成器、及びプラズマ装置のプラズマチャンバのためのRF信号を生成するためのそのようなRF生成器に関する。さらに本発明は、プラズマ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理は、特に半導体チップの製造において、材料の表面を変質するための非常に多用途で精密な技術である。プラズマ処理は、通常、高周波(RF)電力で動作するプラズマ処理ツールを使用して、半導体ウェハプロセス全体で何度も用いられる。
【0003】
このような処理システムでは、RF電力を使用してガス状化合物を励起し、自由電子とイオンとを形成させる。プラズマの組成、すなわちイオン及び電子の量は、さまざまなプロセスパラメータに応じて正確に制御することができる。
【0004】
伝送路の非線形要素による信号の歪みは、プラズマ処理の分野における一般的な問題である。多くの場合、不要な歪みは、アプリケーションの正しい機能を損なう信号の狂いを引き起こす可能性がある。送信電力のオーバーシュートは、半導体ウェハなどの被処理物や使用するハードウェアに重大な誤動作や大きな損傷を与えることがある。
【0005】
先行技術から知られた、信号の歪みを除去又は低減するための解決策は、特定のアプリケーションのために周波数領域又は時間領域の出力特性のある一態様を最適化する専用のハードウェアコンポーネントを必要とするという点で共通している。必要条件が大幅に変更された場合、一般的にハードウェアの変更は避けられず、コストの増加やシステムのダウンタイムの長期化を招く。
【0006】
米国特許出願公開第2019/229684号明細書は、実質的に、実際の出力信号と当該信号のローパスフィルタリングされたものとの間の差を使用して、出力信号の高調波が低減するように増幅器パラメータを変更することによって、出力高調波を低減する方法を記載している。
【0007】
欧州特許出願公開第1895654号明細書も同様のアプローチで、歪み検出、歪み信号の生成、出力信号と歪み信号を相関させて制御回路の入力とする専用回路を使用している。その結果、意図した周波数から外れた周波数が大幅に減少するように、増幅器の電力出力スペクトルを改善することができる。
【0008】
国際公開第2020/069131号には、フィルタと専用の変調方法によって不要なスプリアス高調波を低減する方法が記載されている。
【0009】
米国特許第5381110号明細書及び米国特許第5568105号明細書は、直交ハイブリッド整合減衰器により、パルスの減衰時間を調整することでRF送信機のスプリアス周波数を低減している。
【0010】
米国特許第5325019号明細書は、プラズマ電圧と電流の高調波に影響を与えるハードウェアオプション(ケーブル長の変化、可変コンデンサの使用)を示しています。
【0011】
これらのソリューションに共通するのは、特定のアプリケーションの出力特性(周波数又は時間領域)のある一態様を最適化するために専用のハードウェアコンポーネントを使用することである。必要条件が大きく変化した場合、一般的にはハードウェアの変更が必要である。
【0012】
さらに、ほとんどの先行技術では、電力増幅器と負荷との間のコンポーネント、例えばアンテナやインピーダンス整合ネットワーク、又は負荷自体、例えばプラズマチャンバで燃焼する高非線形プラズマによって発生する歪みは、完全に無視されている。
【0013】
したがって、本発明の目的は、RF信号をアプリケーションのニーズに適合させることを可能にする柔軟な歪み補償を提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記で与えられた問題は、請求項1に記載の方法、請求項13に記載のコントローラ、請求項16に記載のRF生成器、及び請求項18に記載のプラズマ装置によって解決される。
【0015】
プラズマチャンバに適したRF信号を生成する本発明による方法は、第1制御パラメータセット(first set of control parameters)に基づいて入力RF信号を生成し、少なくとも1つの歪んだRF信号(distorted RF signal)を検出し、前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させ、ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差を決定し、前記差が所定の閾値よりも大きい場合、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセット(second set of control parameters)を決定し、前記ターゲットRF信号と前記歪んだRF信号との前記差が小さくなるように、前記第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号(adapted input RF signal)を生成するステップを含む。
【0016】
このように、第1のステップでは、第1制御パラメータセットに基づいて、入力RF信号が生成される。この入力RF信号は、例えば非線形要素(non-linear elements)によって歪む。歪んだRF信号は検出され、次に入力RF信号と同期化される。ここで、1つの歪んだ信号又は2つ以上の歪んだ信号が検出されてもよい。歪んだRF信号を入力信号に同期化させるステップにより、歪んだRF信号を入力RF信号に時間的に一致させるために、信号伝搬時間(signal propagation time)による遅延時間が補償される。
【0017】
同期化された歪んだRF信号とターゲット信号から差が決定され、この差が所定の閾値より大きい場合、これらのRF信号間の偏差(deviation)を決定するために、同期化された歪んだRF信号とターゲット信号の比較に基づいて、第2制御パラメータセットが決定される。したがって、歪んだRF信号、すなわち入力RF信号の歪みとターゲットRF信号との間の偏差が所定の閾値を超える場合にのみ、同期化された歪んだRF信号とターゲットRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセットを提供することにより、入力RF信号の適合(adaptation)が開始される。第2制御パラメータセットが決定された場合、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差を低減するために、第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号が生成される。
【0018】
本発明によれば、プラズマチャンバにおける信頼性の高いプラズマ処理を提供するために、歪んだRF信号が反復プロセス(iterative process)でターゲットRF信号に近づく。したがって、ターゲットRF信号の必要条件が変化すると、歪んだRF信号のような入力RF信号、すなわちプラズマチャンバに提供されるRF信号、がターゲットRF信号に近づくように、歪みの予備補償(pre-compensation)が適用される。ここで、RF信号は、時間領域(time-domain)におけるRF基本周波数の振幅変調(amplitude-modulated)されたエンベロープ(envelope)(例えば、パルスパターン)又は周波数領域における多周波スペクトル(multi-frequency spectrum)(例えば、追加の周波数によって囲まれた基本周波数、又は複数の異なる周波数)であってもよい。特に、ターゲットRF信号は、信頼性が高く安定したプラズマ状態を提供するために、顧客又はレシピによって歪みのないプラズマ処理を提供することを意図した信号である。入力RF信号は、後述するRF生成器(RF generator)によって生成され、伝送路(transmission chain)を介してプラズマチャンバに提供される信号である。ここで、入力RF信号は、増幅された信号、又は増幅器に提供されるRF信号であってもよい。ここで、入力RF信号は、RF生成器の電力増幅器の歪みと、RF生成器からプラズマチャンバへの伝送路の歪みと、を予め補償する点で、ターゲットRF信号と異なる場合がある。さらに、歪んだRF信号は、RF生成器の増幅器及びRF生成器とプラズマチャンバとの間の伝送路によって歪んだ信号であり、プラズマチャンバにおけるターゲットRF信号にできるだけ近い、プラズマチャンバに提供されるRF信号であり、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の類似性は、所定の閾値に従って決定される。したがって、提供される当該方法によって、歪んだRF信号を検出すること、歪んだRF信号と入力RF信号を同期化させること、及びターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定することに起因して、歪んだRF信号を意図したターゲットRF信号へ適合させることが可能になる。このように、ハードウェアを変更することなく、プラズマの必要条件に適合させることが可能になる。
【0019】
好ましくは、少なくとも1つの歪んだRF信号を検出するステップと、少なくとも1つの歪んだRF信号を入力RF信号と同期化させるステップと、ターゲットRF信号と同期化された少なくとも1つの歪んだRF信号との差を決定するステップと、ターゲットRF信号と同期化された少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定するステップは、当該差が所定の閾値を上回る限り繰り返される。したがって、第2制御パラメータセットの各々が決定された後に、適合された入力RF信号が生成され、適合された入力RF信号の歪みが検出される。歪んだRF信号のターゲットRF信号からの偏差が所定の閾値より大きい場合、さらなる第2制御パラメータセットが決定され、適合された入力RF信号がさらに生成される。これは、歪んだRF信号とターゲットRF信号との間の偏差が十分に小さくなるまで、すなわち当該差が所定の閾値を下回るまで続けられる。そして、プラズマチャンバでターゲットRF信号に十分に近いRF信号を保証する、適合された入力RF信号を得ることができる。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つの歪んだRF信号は、RF生成器の出力、インピーダンス整合ネットワーク(impedance matching network)の入力、インピーダンス整合ネットワークの出力及びプラズマチャンバの入力、及び/又はプラズマチャンバ内のうちの1つ以上で検出される。したがって、歪んだRF信号のそれぞれを検出するために、プラズマ装置における異なる検出技術及び検出位置を使用することができる。さらに、第2制御パラメータセットを決定するため、第2制御パラメータセットによってターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差を低減するために、信号歪み(signal distortions)の信頼できる予備補償(pre-compensation)を提供するために、1つ以上の歪んだRF信号を検出して、使用することができる。
【0021】
好ましくは、入力RF信号は、1つ又は複数のマーカを含むように変更され、少なくとも1つの歪んだRF信号を入力RF信号と同期化させることは、歪んだRF信号中のマーカを検出することと、入力RF信号のマーカを生成してから歪んだRF信号中のマーカを検出するまでの時間遅延を決定することを含む。このように、マーカによって、少なくとも1つの歪んだRF信号と入力RF信号の同期化のステップは簡略化され、より信頼性が高くなる。そのため、特にプラズマ装置内の異なる検出位置に対する異なる伝搬時間(propagation times)を考慮し、同期化に含めることができる。
【0022】
好ましくは、入力RF信号は、マーカを含むように所定の時点において変更される。ここで、特に、マーカは、所定の、好ましくは等しい時間間隔で繰り返し含まれる。例えば、RF信号がパルスパターンである場合、入力RF信号のパルスパターンは、同期化のための十分な情報を提供するために、1~1000パルス毎、好ましくは1~100パルス毎、より好ましくは1~10パルス毎の後にマーカを含んでもよい。さらに、既知のシーケンスによって信号が歪んでいるにもかかわらず検出されるように、マーカが固有のシーケンス(unique sequence)に含められてもよい。
【0023】
好ましくは、マーカは、入力RF信号の時間領域にあり、すなわち、入力RF信号の時間的偏差(temporal deviation)によって提供される。
【0024】
好ましくは、マーカが時間領域にある場合、マーカは、RF入力信号のパルス長の10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは1%未満の時間長を有する。代替的又は追加的に、マーカは、0.001msから10msの間、好ましくは0.01msから1msの間の持続時間を有することができる。このように、マーカは短く、プラズマチャンバ内のプラズマにほとんど影響を与えない。
【0025】
好ましくは、マーカが時間領域にある場合、当該偏差は、入力RF信号の振幅の10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満である。このように、入力RF信号と歪んだRF信号との間の信頼できる同期化を提供するために、入力RF信号の既存の小さな偏差(already minor deviations)をマーカとして使用することができる。
【0026】
好ましくは、マーカが時間領域にある場合、マーカは入力RF信号のオフ期間に配置される。特に、入力RF信号のオフ期間において、入力RF信号からのマーカの偏差が小さいため、マーカは、プラズマチャンバ内のプロセスにほとんど影響を与えない。
【0027】
好ましくは、マーカが時間領域で、入力RF信号のオフ期間に配置されている場合、マーカの振幅は、プラズマ点火(plasma ignition)閾値以下である。したがって、マーカによって、プラズマは、安定した予測可能なプラズマ処理を提供するために、点火されない又は何らかの影響(somehow influenced)を受けない。
【0028】
好ましくは、マーカが時間領域にある場合、歪んだRF信号のマーカは、歪んだ信号の周波数領域において、スペクトル中のスプリアス周波数(spurious frequencies)として検出される。時間領域におけるマーカの持続時間が短いため、追加の周波数が一時的に発生し、これはスペクトルにおけるスプリアス周波数として短い期間で検出され得る。このように、信頼性が高く、実装が容易なマーカの検出方法が提供される。
【0029】
さらに、又は代替的に、1つ以上のマーカは、入力RF信号の周波数領域で提供されます。
【0030】
好ましくは、マーカが周波数領域である場合、マーカは、持続的又は一時的な入力RF信号の位相シフト、又は一時的なキャリアRF信号の周波数シフトである。
【0031】
好ましくは、マーカが周波数領域である場合、マーカは入力RF信号の位相シフトであり、位相シフトは10°未満、好ましくは5°未満、より好ましくは1°未満である。プラズマに電力を供給するために複数のRF生成器が一緒に用いられる場合、全ての生成器は、持続的又は一時的な位相シフトを、同期化した方法で提供しなければならない。複数の生成器のうち1つだけが位相シフトしている場合、他の生成器やプラズマへの悪影響を避けるために、この位相シフトを短時間、好ましくは10ms以内、より好ましくは1ms以内、さらに好ましくは0.1ms以内に元の位相に反転させる必要がある。
【0032】
好ましくは、入力RF信号は少なくとも1つのマーカを含み、少なくとも1つの歪んだRF信号を入力RF信号と同期化させることは、歪んだRF信号におけるマーカを検出すること、及び入力RF信号におけるマーカを生成することと少なくとも1つの歪んだRF信号におけるマーカを検出することとの時間差による遅延を決定することを含み、マーカはプラズマ点火パルス(plasma ignition pulse)及び/又は入力RF信号の固有の特徴(unique feature)である。したがって、追加の特徴を追加することなく、既存の入力RF信号の特徴を同期化のためのマーカとして使用することができる。そのため、遅延を決定するために、入力RF信号の固有の特徴を容易に特定することができる。
【0033】
好ましくは、RF信号の歪みを補償する、すなわち本方法を開始する第1のステップにおいて、第1制御パラメータセットは、入力RF信号がターゲットRF信号と等しいという点で決定され得る。あるいは、第1制御パラメータセットは、特定のセットアップ及び特定のターゲットRF信号に対するルックアップテーブルによって与えられる。この場合、出発点として、第1制御パラメータセットは、入力RF信号の歪みを予備補償するために、既にターゲットRF信号から逸脱している可能性がある第1制御パラメータセットに基づく入力RF信号の最適化のために提供される。したがって、本方法の第1のステップを実行するとき、すなわち、プラズマ装置の初期化及び/又は例えば異なるターゲットRF信号を含む異なるプラズマプロセスを実行する際に、最適化は、入力RF信号が出発点としてターゲットRF信号と等しくなるように第1制御パラメータセットを選択することによって開始されてもよい。既に存在し実装された機構及び既に実装されたプラズマプロセス、すなわちターゲットRF信号の場合、ターゲットRF信号の変更時に、ルックアップテーブルによって与えられた第1制御パラメータセットに基づいて最適化を開始することができ、与えられた歪みにかかわらず、歪んだRF信号のターゲットRF信号へのより速い最適化と適合を可能にする。
【0034】
好ましくは、少なくとも1つの歪んだ信号とターゲット信号との間の差が所定の閾値より小さい場合、第2制御パラメータセットはルックアップテーブルに格納される。そして、第2制御パラメータセットは、後の最適化のための出発点として使用されるようにルックアップテーブルに格納される。
【0035】
好ましくは、第1制御パラメータセット及び/又は第2制御パラメータセットは、プラズマプロセスに提供されるRF信号を特徴付ける振幅、位相、周波数(スペクトル)及び時間的変動のうちの1つ以上を含む。
【0036】
本発明のさらなる態様では、特にRF生成器のためのコントローラが提供される。コントローラは、好ましくはデジタル信号処理部(digital signal processing unit;DSPU)として構築される処理部を含んでいる。出力インターフェースは、ダイレクトデジタル合成(DDS)コアに制御パラメータを提供するために処理部に接続され、その出力は、RF生成器のパワーステージ(power stage of the RF generator)を駆動するために使用される。さらに、コントローラは、好ましくは、処理部に接続されるソフトウェア無線部(software defined radio;SDR)として構築される信号解析部を含んでいる。信号解析部には、プラズマ装置内の少なくとも1つのセンサからセンサデータとして歪んだRF信号を受信するための入力インターフェースが接続されている。処理部は、入力RF信号に対応する第1制御パラメータセットを出力インターフェースに提供するように構成される。さらに、信号解析部は、入力インターフェースから少なくとも1つの歪んだ信号を含むセンサデータを受信し、信号の振幅変調(amplitude modulation)及び/又は周波数スペクトルを処理部の入力インターフェースに提供するように構成されている。処理部は、少なくとも1つの歪んだ信号を入力RF信号と同期化させるように構成されている。さらに、処理部は、ターゲットRF信号と同期化している少なくとも1つの歪んだ信号との間の差異を決定するように構成される。そこにおいて、処理部は、ターゲットRF信号と同期化された少なくとも1つの歪んだ信号との比較に基づいて、当該差が所定の閾値よりも大きい場合、出力インターフェースに提供されるべき適合された入力RF信号に対応する第2制御パラメータセットを決定するようにさらに構成される。こうして、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差は低減される。
【0037】
好ましくは、入力インターフェースは、少なくとも1つのアナログ・デジタル変換器(ADC)からなり、より好ましくは、センサのそれぞれについて、1つのADC又はマルチチャネルADCの1チャネルを含む。
【0038】
好ましくは、処理部及び/又はDDSコア及び/又は信号解析部は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array;FPGA)、複合プログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device;CPLD)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit;ASIC)又はシステムオンチップ(SoC)として構築され、ここで、処理部、DDSコア及び信号解析部の2つ以上、より好ましくはその全ては、一つのFPGA、CPLD、ASIC又はSoCにより一体的に構築される。このように、処理部、DDSコア、及び信号解析部の実装が簡素化され、特に、コントローラを特定のアプリケーションに容易に適合させるために、より汎用的なプラットフォームが提供される。
【0039】
好ましくは、出力インターフェースは、ダイレクトデジタル合成(DDS)コアに制御ワードを提供する。したがって、特に、第1制御パラメータセット及び/又は第2制御パラメータセットは、DDSコアに提供されるDDS制御ワードによって実装される。
【0040】
さらに、本発明の目的は、プラズマチャンバ用のRF信号を生成するためのRF生成器を提供することである。RF生成器は、少なくとも1つのRF信号を生成するために、好ましくはダイレクトデジタル合成(DDS)コアとして構築された周波数生成部を含んでいる。
【0041】
少なくとも1つのRF信号を生成するために、DDSコアは、その後に再構成フィルタ(reconstruction filter)が続くデジタル-アナログ変換器(DAC)に接続される。RF信号は、時間領域におけるRF基本周波数の振幅変調されたエンベロープ(例えばパルスパターン)、周波数領域における多周波スペクトル(例えば、追加の周波数によって囲まれた基本周波数)であってもよい。
【0042】
さらに、再構成フィルタの出力におけるRF信号は、その後、RF生成器の出力信号を提供するために電力増幅段(power amplifying stage)によって増幅される。RF生成器は、少なくとも1つの入力RF信号を増幅するために、周波数生成部に接続された増幅器を含んでいる。そこで、増幅器は、生成されたRF信号をプラズマチャンバに供給するために、RF電力出力に接続される。さらに、RF生成器は、先に説明したように、コントローラを含んでいる。
【0043】
好ましくは、周波数生成部とコントローラは、1つのFPGA、CPLD、ASIC又はSoCによって一体的に構築される。
【0044】
好ましくは、RFジェネレータは、特にインピーダンス整合ネットワークを介して、プラズマチャンバに1つ以上の増幅された入力信号を供給するための複数のRF電力出力を含んでいる。ここで、全ての電力出力に対して1つの共通のDDSコアが使用されてもよい。特に、1つ以上のDDSコア、より好ましくは、各電力出力に対して個別のDDSコアがRF生成器に実装される。
【0045】
好ましくは、DDSコアの各々は、前述したように、共通のコントローラを有する。あるいは、DDSコアの1つ以上又は各々は、前述したような個別のコントローラを有する。
【0046】
好ましくは、RF生成器は、1つ以上の増幅された入力RF信号を、特にインピーダンス整合ネットワークを介して、プラズマチャンバに供給するための複数のRF電力出力を含んでいる。ここで、全ての電力出力に対して、1つの共通の増幅器が実装される。特に、複数の増幅器、より好ましくは、電力出力の各々について、個々の増幅器が実装される。
【0047】
本発明のさらなる態様では、入力RF信号を生成するためのRF生成器と、RF生成器に接続された前述したようなコントローラと、を備えるプラズマ装置が提供される。さらに、プラズマ装置は、インピーダンス整合ネットワークを備え、インピーダンス整合ネットワークの入力は、RF生成器の出力に接続される。プラズマ装置は、プラズマチャンバをさらに備え、プラズマチャンバの入力は、インピーダンス整合ネットワークの出力に接続される。
【0048】
好ましくは、プラズマ装置は、プラズマチャンバに入力信号を供給するための複数のRF生成器を備え、各RF生成器は、個別のコントローラを有するか、又は共通コントローラとして1つのコントローラに接続される。あるいは、個々のコントローラを有する複数のRF生成器は、1つのマスターRF生成器(master RF generator)から同期化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明に係るプラズマ装置の一例を示す模式図である。
図2】本発明に係る方法を示す図である。
図3A】ターゲットRF信号である。
図3B】本発明による適合された入力RF信号である。
図3C図3Bの入力RF信号に対する歪んだRF信号である。
図4】入力されたRF信号と歪んだRF信号の比較である。
図5A】本発明に係るマーカを含む時間領域での入力RF信号である。
図5B】本発明に係るマーカを含む時間領域での入力RF信号である。
図5C】本発明に係るマーカを含む時間領域での入力RF信号である。
図6A】本発明による適合された入力RF信号のスペクトルである。
図6B】本発明による図6Aに示すような適合された入力RF信号に対する出力RF信号のスペクトルである。
図7】本発明によるプラズマ装置の詳細な実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1を参照すると、プラズマ処理のためにプラズマチャンバ14内にプラズマを発生させるために、伝送路(transmission chain)によってプラズマチャンバ14に供給される入力RF信号を発生する無線周波数(RF)生成器10を備えるプラズマ装置が示されている。
【0051】
プラズマ処理は、露出した材料の表面を、例えばエッチング、コーティング、又は洗浄によって変質するための、非常に汎用的で精密な技術である。特に、半導体ウェハは、通常、高周波(RF)電力で動作するプラズマ処理装置を使用して、ウェハプロセス全体で何度もコーティング及びエッチングされる。このような処理システムでは、RF電力は、自由電子及びイオンが形成されるようにガス状化合物を励起するために使用される。様々なプロセスパラメータに応じて、プラズマの組成、すなわち、様々な励起状態にあるイオン、電子、及び中性子の量とそのエネルギーは、定常状態でも、時間的に変化する動作でも制御することができる。ここで、プロセスパラメータはレシピで与えられ、半導体ウェハなどの露出した材料の処理中に変化する可能性がある。ここで、プロセスパラメータは、プラズマチャンバ14内のプラズマの特性を決定するターゲットRF信号として提供される。
【0052】
プラズマは強く変化するインピーダンスを有するので、典型的には50オームに標準化されたRF生成器10の出力は、プラズマチャンバに直接接続することはできない。このプラズマインピーダンスは、その特定の組成及びRF電力レベルに依存し、典型的には50オームとは大きく異なる抵抗値及びゼロから大きく逸脱したリアクタンスを有する。その結果、RF生成器10の50オーム出力を変化するプラズマインピーダンスに連続的に適合させるために、可変キャパシタ(variable capacitors)とインダクタ(inductors)を採用した自動インピーダンス整合ネットワーク(automatic impedance matching networks)12が使用される。コンデンサやインダクタのような受動部品は線形に振る舞うことができるが、インピーダンス整合ネットワーク12は、非線形デバイス、例えば、歪みを引き起こす可能性のあるトランス(transformers)、ダイオード(diodes)、又はバラクタ(varactors)を使用することもできる。したがって、先行技術では、スプリアス又は高調波周波数(spurious or harmonic frequencies)を抑制し、入力RF信号の歪みを低減するために、フィルタ又は他のハードウェアコンポーネントが実装される。しかし、前述のように、プラズマ中で材料を処理するための特定のレシピにおいて、パラメータが数回変更されることがあり、入力RF信号の個々の適合が必要となる。さらに、レシピが変更された場合、すなわち新しいプロセスパラメータが実装された場合、スプリアス周波数や高調波周波数の補正、及び/又は入力RF信号のさらなる歪みが必須となり、従来技術では、ハードウェアコンポーネントを変更する必要があり、コストと時間がかかる。
【0053】
本発明によると、プラズマ装置内に分布する異なるセンサからセンサデータを受信するコントローラ16が実装されており、入力RF信号の歪み及び歪んだRF信号のターゲットRF信号からの偏差が検出される。したがって、コントローラは、プラズマチャンバ14における歪んだ信号がターゲットRF信号に一致するように、すなわち、ターゲットRF信号とプラズマチャンバ14における伝送路の後の歪んだRF信号との間の差が所定の閾値以下になるように、入力RF信号を適合させることによってこれらの歪みを予備補償することが可能である。ここで、入力RF信号の歪みは、RF生成器の増幅段の非線形性、整合ネットワークの非線形性、又はプラズマチャンバ内のプラズマの高非線形特性によって引き起こされる。ここで、コントローラ16は、例えば方向性結合器(directional coupler)(出力センサ22)として実装されたRF生成器10の出力で歪んだRF信号を受信してもよい。代替的又は追加的に、コントローラ16は、歪んだRF信号として、例えば位相・振幅検出器(phase-and-magnitude detector)(入力センサ44として実装されたインピーダンス整合ネットワーク12の入力におけるRF信号を受信することができる。代替的又は追加的に、コントローラ16は、歪んだRF信号として、例えばV-I検出器(出力センサ18)として実装された、インピーダンス整合ネットワーク12の出力におけるRF信号を受信することができる。代替的又は追加的に、RF信号の歪みは、例えばアンテナ、ラングミュアプローブ、放出されたプラズマ光を検出する光センサ、又は他のプラズマ診断ツールとして実装されたプラズマプローブ(プラズマセンサ20によって、プラズマチャンバ14内のプラズマ内で直接検出されてもよい。これらのセンサの1つ以上の検出されたセンサデータを評価することによって、コントローラ16は、適合された入力RF信号を決定し、RF生成器10を制御して、RF生成器10からプラズマチャンバ14への伝送路における歪みの予備補償を含む適合された入力RF信号を生成し、それによって、プラズマ装置内の非線形歪みが発生してもプラズマチャンバ14における歪んだRF信号をレシピの意図するターゲットRF信号に一致させることができる。
【0054】
さらに、コントローラ16は、インピーダンス整合ネットワーク12による入力RF信号の歪みにも影響を与えるRF生成器10とプラズマチャンバ14との間のインピーダンス整合を実行するために、整合制御(match control)25によってインピーダンス整合ネットワーク12を制御し得る。したがって、インピーダンス整合プロセスに関する情報は、歪みの予備補償のために適合された入力RF信号を決定するために、コントローラ16によってアクセス可能であり、コントローラ16によってセンサデータとして用いられることも可能である。コントローラ16は、独立したユニットであってもよく、又は好ましくは、RF生成器又は整合ネットワークに統合されてもよい。
【0055】
図2を参照すると、本発明による方法の図を示している。この方法に従って、RF信号がプラズマチャンバのために生成される。
【0056】
ステップS01によれば、第1制御パラメータセットに基づいて入力RF信号が生成される。ここで、好ましくは、本方法の初期化中に、入力RF信号がターゲットRF信号に従って決定される。第1制御パラメータセットは、特定のセットアップと特定のターゲットRF信号のためのルックアップテーブルによって与えられてもよい。入力RF信号はプラズマチャンバに供給されるが、伝送路の非線形要素によって歪む。
【0057】
ステップS02によれば、少なくとも1つの歪んだRF信号が、プラズマ装置内で検出される。ここで、歪んだRF信号のセンサデータを提供するために、1つ又は複数のセンサがプラズマ装置内に実装され得る。これにより、歪んだRF信号を直接測定する必要はない。例えば、プラズマチャンバ14内のプラズマパラメータの変化等によって、入力RF信号の歪みを間接的に検出することが可能である。
【0058】
ステップS03によれば、少なくとも1つの歪んだRF信号が入力RF信号と同期化され、それによって、RF生成器10によって生成された入力RF信号と、例えば、限定されないが、RF生成器10の出力、インピーダンス整合ネットワーク12の入力、インピーダンス整合ネットワークの出力、又はプラズマチャンバ14内の検出位置と、の間の信号遅延時間が決定される。したがって、少なくとも1つの歪んだRF信号と入力RF信号との間の時間的整合が実現される。
【0059】
ステップS04によれば、ターゲットRF信号と、同期化された少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差が決定される。ターゲットRF信号と入力RF信号との間に遅延が存在しないので、ターゲットRF信号と少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差の決定は、ステップS03による少なくとも1つの歪んだRF信号とターゲットRF信号との間の時間的整合により促進され得る。
【0060】
ステップS05によれば、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差が所定の閾値よりも大きい場合、ターゲットRF信号と同期化された少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて、第2制御パラメータセットが決定される。したがって、ステップS02に従って検出された歪んだRF信号が、ターゲットRF信号と十分に似ていない、又はターゲットRF信号から大きく逸脱している場合、第2制御パラメータセットが決定される。ここで、第2制御パラメータセットの決定は、例えば機械学習又は人工知能に基づくアルゴリズムによって実行されてもよく、歪んだRF信号とターゲットRF信号との間の差異を制御パラメータセットの適合に整合させることができる。
【0061】
ステップS06によれば、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の差が減少するような第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号がRF生成器10によって生成される。したがって、適合された入力RF信号によって、RF生成器10とプラズマチャンバ14との間の伝送路における歪みの予備補償が達成され、意図されたターゲット信号に非常に近いRF信号がプラズマに適用される。
【0062】
そこで、ターゲットRF信号と同期化された歪んだRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定するには、制御パラメータの系統的な変化を伴う試行錯誤アプローチ(trial and error approach with systematic variation)のようなアルゴリズムが含まれる場合がある。パラメータ値の小さな変化で歪みが減少する場合は、同じ方向で継続し、そうでない場合は、他の方向にパラメータを変化させる。さらに、自己学習アルゴリズム(self-learning algorithm)が実装され、歪み特性と最適な制御パラメータをルックアップテーブルに保存して、同様の状況で使用することを含む、最適な設定に向けて最適化された反復が行われてもよい。さらに、要求された波形と結果の波形からそれぞれ変換関数(transformation function)を計算し、逆変換関数を歪んだ出力波形に適用して、RF生成器のための予備歪み(pre-distorted)/予備補償波形(pre-compensated waveform)を計算してもよい。さらに、各サンプルに対する歪み補償は、各サンプル/時点(each sample / point in time)に対するオリジナル対歪みエンベロープ値(original versus distorted envelope values)のルックアップテーブルを生成し、各サンプルに対する予備補償エンベロープ値を計算することを含んで適用され得る。そして、このルックアップテーブルを使用して、RF生成器で予備歪み/予備補償波形を生成する。さらに、サンプルのグループに対する歪み補償が適用されてもよい。ここで、ノイズを減らすために適当なサンプルグループについて平均値を計算し、それぞれのサンプルグループについて同一の平均値を使用することによって、各サンプル/時点に対するオリジナル対歪みエンベロープ値を含むルックアップテーブルを生成する。そして、サンプルの各グループに対する予備歪み/予備補償波形のエンベロープ値を算出し、このルックアップテーブルを用いて、RF生成器で予備歪み/予備補償波形の波形を発生させる。さらに、周波数領域の歪み補償は、時間領域補正のための上記アルゴリズムが適合された方法で周波数領域に適用されることを含み、アルゴリズムをスペクトル内の個々の周波数、例えばスパー及び高調波(spurs and harmonics)に適用し、逆位相の1つ又は複数のRF生成器で同じ周波数を生成することによって、適用することができる。
【0063】
ここでいう逆位相とは、RF生成器からの信号に位相シフトが適用されることであり、ケーブルにおける遅延時間及び/又は伝送路における他の構成による位相シフトと合わせて、プラズマ内で逆位相のRF信号となるようにすることである。こうすることで、プラズマ内のスプリアスや高調波を抑制することができる。
【0064】
周波数と位相シフト値は、ルックアップテーブルに格納され、さらなる反復で最適化することができる。ここで、ターゲットRF信号と歪んだRF信号との間の比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定するために、1つ又は複数のアルゴリズムを組み合わせることができる。
【0065】
図2によると、適合された入力RF信号が第2制御パラメータセットに基づいて生成される場合、ステップS02によって検出された歪んだRF信号とターゲットRF信号との間の差が所定の閾値を下回るまで、さらなる第2制御パラメータセットを生成するために、矢印27に従ってステップS02からS06の方法が繰り返しながら反復され得る。
【0066】
プラズマ装置におけるRF信号の歪みの予備補償に成功した場合、第2制御パラメータセットは、ルックアップテーブルに格納され、同一又は類似のセットアップ及び同一又は類似のターゲットRF信号に対するさらなる最適化に使用することができる。ここで、プラズマ装置の伝送路における歪みの予備補償に成功した第2制御パラメータセットは、初期入力RF信号を生成する出発点、すなわち第1制御パラメータセットとして用いられる。この場合、本発明による方法の初期化に使用される初期入力RF信号は、予め歪んでおり既にターゲットRF信号から逸脱している可能性がある。しかし、特定のターゲットRF信号に対する歪みの補償とセットアップは既に近似されているため、最適化を加速することができる。
【0067】
したがって、本発明によって、所定のレシピにおいてプラズマパラメータが変更された時に、RF信号の歪みの補償は、ハードウェアの特段の適合なしに、信頼性が高く安定したプラズマ条件、すなわち、特定の電力レベルの純粋で安定した周波数によるプラズマによる、露出した材料に対するコーティング、エッチング、洗浄又はその他の変質を実行するために、確実かつ迅速に行われる。また、今後発生する歪みを補正することにより、他のプラズマパラメータへのレシピの変更も容易に行うことができる。
【0068】
ここで、第1制御パラメータセット及び/又は第2制御パラメータセットは、RF信号の振幅、RF信号の位相、周波数又は周波数スペクトル及び/又は時間的変動のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0069】
本発明による方法によって、プラズマチャンバ14内でほとんど歪みのないターゲットRF信号を達成するために、入力RF信号が適合される。その状況は、図3A、3B、及び3Cに示されている。図3Aを参照すると、プラズマチャンバに提供されるべきターゲットRF信号24が示されている。一方、図3Bは、RF生成器10とプラズマチャンバ14との間の伝送線(transmission line)における歪みを補償するために、本発明に従って予め歪められた適合入力RF信号26を示す。ここで、適合された入力RF信号26は、伝送線における信号歪みを受けた後の図3Cに描かれた歪んだRF信号28が、特定のアプリケーションに必要なだけターゲットRF信号に一致するように成形される。図3Cを参照すると、プラズマチャンバ14における歪んだRF信号28は、ターゲットRF信号と等しいか、少なくとも非常に近い、すなわち、歪んだRF信号28と意図したターゲットRF信号との間の差は、決定された閾値以下であるものが示されている。ここで、閾値は、意図された用途によって具体的に形成することができ、洗浄等のように、あまり敏感ではない用途では大きくすることができ、材料のエッチング及び/又は堆積のような敏感な用途ではより小さくすることができる。ここで、図3A、3B及び3Cから、入力RF信号26が、入力RF信号26が予め歪んでいることに対する意図された予備補償のために、ターゲットRF信号24からすでに逸脱している可能性があることは明らかである。
【0070】
歪んだRF信号28とターゲットRF信号との比較を可能にするために、入力RF信号26と歪んだRF信号28との間の同期化を容易にするために、RF信号内の特定の固有の特徴によって同期化が行われる。このような特定の固有の特徴を使用することにより、入力RF信号と測定された歪んだRF信号との間の時間遅延が、伝送路によって発生し、場合によってはセンサ信号の処理によるさらなる遅延が決定され得る。ここで、この固有の特徴は、プラズマ点火パルスであってもよく、代替的に、パルス自体との低い繰り返し率を有するパルスアプリケーションのために同期化が実行されてもよい。一方、パルスの繰り返し率が高い場合、個々のパルスの分離はもはや不可能である場合がある。図4を参照すると、実施形態では、RF生成器10から歪んだRF信号28の検出位置までの入力RF信号26の信号伝播時間に相当する時間遅延34、及び場合によってはセンサ信号の送信及び処理によるさらなる遅延の後に、歪んだRF信号28で受信されるマーカ30が入力RF信号26に歪んだマーカ32として付加される。したがって、入力RF信号26のマーカ30と歪んだRF信号28の歪んだマーカ32との間の時間遅延34によって、同期化を実行することができる。同期化後、歪んだRF信号28とターゲットRF信号との間の差異を決定するために、歪んだRF信号28をターゲットRF信号24と比較することができる。
【0071】
図5A及び図5Bを参照すると、マーカ30の異なる位置及び形態が可能であり、本発明は、入力RF信号におけるマーカの特定の位置又は形態に制限されない。ここで、マーカ30は、入力RF信号のパルス長に関して短く、わずか0.001ms~10ms、好ましくは0.01ms~1msの長さを有してもよい。言い換えれば、マーカ30の持続時間は、好ましくは入力RF信号26のパルス長の10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは1%未満である。さらに又は代替的に、マーカ30の振幅は、入力RF信号26の振幅と比較して小さい。ここで、マーカ30は、入力RF信号の振幅の10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満を有してもよい。したがって、マーカは、プラズマチャンバ14内の生成プラズマに影響を与えず、歪んだRF信号28を入力RF信号26と同期化させる目的で、入力RF信号26にのみ実装される。図5Aを参照すると、マーカ30は、入力RF信号26のパルスの上に位置してもよく、繰り返しマーカ30’として繰り返されてもよい。マーカ30の繰り返しは、入力RF信号に周期的に、好ましくは予め決められた及び/又は固定された時間間隔で含まれるかもしれない。あるいは、マーカ30’’は、入力RF信号26のオフ期間に位置し、また、繰り返しマーカ30’’として周期的に繰り返されてもよい。図5A及び図5Bの両方の場合において、発生したプラズマへの影響は回避され、特に、図5Bにおいて、マーカの振幅はプラズマ着火閾値以下である。
【0072】
図5Cを参照すると、発振RF信号36のエンベロープとして入力RF信号26が示されており、ここで、マーカは、高速発振信号の位相シフト38として組み込まれてもよい。ここで、位相シフトΔΦは、持続的であってもよく、一時的であってもよい。したがって、入力RF信号26と歪んだRF信号28との間の同期化は、位相シフト38を検出することによって実行される。ここで、位相シフトは、プラズマ、RF生成器、又はプラズマ装置に悪影響を与えない程度に小さい位相シフト、例えば10°未満、好ましくは5°未満、より好ましくは1°未満であり得る。
【0073】
あるいは、例えば、RF搬送波周波数の5%未満、好ましくは2%未満、より好ましくは1%未満の範囲での一時的なシフトは、一時的な位相シフトと同様の効果を周波数スペクトルに与える。
【0074】
図6を参照すると、RF生成器10からプラズマチャンバ14への伝送路における非線形性に起因する歪みの予備補償が、パワースペクトル40に示されている。例えば、スプリアス周波数又は高い高調波を抑制するために、入力RF信号のスペクトル40は、既に含まれている追加の周波数によって、図6Aによって予め歪曲されている場合がある。しかしながら、RF生成器10からプラズマチャンバ14への入力RF信号の伝送中に、スペクトルは、伝送路内の非線形要素によって、特に、RF生成器10の電力増幅器、インピーダンス整合ネットワーク12、又はプラズマ自体によって歪められる。したがって、適合された入力RF信号のスペクトル40に過去に追加された周波数に関連する可能性のある特定の周波数が抑制される。したがって、プラズマチャンバにおいて、歪んだ信号は、スプリアス又は高調波周波数のないスペクトル42を有し、したがって、ターゲットRF信号によって、信頼できる安定したプラズマを提供する。そこで、周波数スペクトルの予備補償及び時間領域における時間的RF信号エンベロープの予備補償は、被処理物に対する信頼できる処理のための所望の安定したプラズマを生成するために、代替的に又は組み合わせて使用することができる。
【0075】
図7を参照すると、図1と同一又は類似の要素が同一の参照符号で示されている。コントローラ16は、入力RF信号を生成し、これは電力増幅器68によって増幅され、さらにインピーダンス整合回路46を含むインピーダンス整合ネットワーク12に転送される。インピーダンス整合回路46は、整合制御25によって制御され、入力センサ44及び出力センサ18から情報を受信し、受信した入力センサ44及び出力センサ18のセンサデータに基づいて、インピーダンス整合回路を制御する。ここで、入力センサ44は、位相・振幅センサとして構築される場合がある。インピーダンス整合ネットワーク12は、プラズマチャンバ14を含むプラズマ処理システム48に接続される。インピーダンス整合ネットワーク12の入力センサ44及びインピーダンス整合ネットワーク12の出力センサ18からの情報は、センサデータとしてコントローラ16にフィードバックされる。また、プラズマチャンバ14内には、プラズマ状態又はプラズマパラメータを検出するプラズマセンサ20が配置される。プラズマセンサは、アンテナとして、ラングミュアプローブとして、プラズマ光を検出する光学センサとして、又は他のプラズマ診断ツールとして構築されてもよい。プラズマセンサ20のセンサデータは、コントローラ16にフィードバックされる。センサ18、20、44からのセンサデータは、その後、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)50、50’、50’’によってデジタル化され、歪んだRF信号としてそれぞれ使用される。ここで、ADCは、複数のシングルチャネルADC、又はマルチチャネルADC、又はそれらの組み合わせとして実現され得る。特に、電力増幅器68の出力には、ADC50’’’を介してセンサデータをフィードバックするために、センサとしても使用されるRF生成器10の出力センサ22として方向性結合器が配置される。あるいは、センサ18、20、22、44は、個々のADCを含み、デジタル情報をコントローラ16に転送してもよい。
【0076】
特にソフトウェア定義無線(SDR)部として構築された信号解析部52と、特にデジタル信号処理部(DSPU)として構築された処理部54との組み合わせによって、センサからの受信した歪んだRF信号と入力RF信号の間の同期化が提供される。DSPU54はさらに、ルックアップテーブルなどのような、整合制御25及び/又はコントローラ16のプロセッサから情報を受け取ってもよい。さらに、コントローラ16のプロセッサ60は、処理部54にも提供されるパラメータの交換のためにユーザインタフェース62に接続されてもよい。ユーザインタフェース62によって、レシピ及び特にプロセスパラメータが定義及び監視されてもよい。
【0077】
処理部54によって、ターゲットRF信号と受信した歪んだRF信号との比較が実行される。特に、DSPU54によって、第1制御パラメータセットは、例えばコントローラ16のメモリに格納されたルックアップテーブルによって、ターゲットRF信号に基づいて決定される。さらに、処理部54によって、第2制御パラメータセットはまた、前述のようなアルゴリズムに従って、歪んだRF信号とターゲットRF信号の間の比較に基づいて決定される。ここで、少なくとも1つ以上の入力RF信号を生成するために、好ましくはダイレクトデジタル合成部(DDS)として構築された周波数生成部56に、制御パラメータが提供される。ここで、パラメータのセットの引き継ぎ(handover)は、DDS制御語(DDS control word)として実行されてもよい。周波数生成部56によって生成された入力RF信号は、次に、デジタル-アナログ変換器66によってデジタルからアナログに変換され、典型的には再構成フィルタが続き、次に、電力増幅器68によって増幅される。そこで、電力増幅器68のDC電圧供給(DC voltage supply)64は、伝送路の歪みの予備補償のために入力RF信号を適宜適合させるために、コントローラ16によって制御されてもよい。あるいは、DC電圧供給64は、レシピに基づいて設定されてもよい。その場合、その電力レベルは、通常、パルスモード動作中に適合されない。
【0078】
図7ではコントローラはRF生成器10と一体的に構築されているが、コントローラ16はまた、別個の実体及び装置として構築されてもよい。特に、プラズマチャンバ14に複数の入力RF信号を提供するために複数のRF生成器が採用される場合、RF生成器10の各々は、個別にコントローラ16を有してもよい。あるいは、共通のコントローラ16が、全てのRF生成器10を合わせたものに使用されてもよい。
【0079】
図7では1つの電力増幅器68のみが示されているが、RF生成器10は、複数の電力増幅器68、つまり複数の電力出力を構成することができ、これらの電力出力の1つ以上は、それぞれの電力増幅器68による入力RF信号の歪みを検出できるように、センサデータを検出するための出力センサ22として方向性結合器を構成できる。
【0080】
さらに、信号解析部52、処理部54、及び周波数生成部56は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)によって、1つのエンティティ58に統合的に結合することが好ましいと考えられる。一般に、これらの構成要素は、プラズマ装置の伝送路における歪みの補償を提供できるように、また、異なるレシピ又は同じレシピ内の多数の可能なプラズマパラメータに対して、汎用性のあるプラットフォームとして構築されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマチャンバに適したRF信号を生成する方法であって、
第1制御パラメータセットに基づいて入力RF信号を生成し、
少なくとも1つの歪んだRF信号を検出し、
前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させ、
ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差を決定し、
前記差が所定の閾値よりも大きい場合、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて第2制御パラメータセットを決定し、
前記ターゲットRF信号と前記歪んだRF信号との前記差が小さくなるように、前記第2制御パラメータセットに基づいて、適合された入力RF信号を生成するステップを含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの歪んだRF信号を検出するステップと、前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させるステップと、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との間の前記差を決定するステップと、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との前記比較に基づいて前記第2制御パラメータセットを決定するステップと、前記第2制御パラメータセットに基づいて、前記適合された入力RF信号を生成するステップとが、前記差が前記所定の閾値を上回る限り繰り返されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの歪んだRF信号は、RF生成器の出力、インピーダンス整合ネットワークの入力、前記インピーダンス整合ネットワークの出力、前記プラズマチャンバの入力、及び前記プラズマチャンバ内の1つ以上で検出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記入力RF信号は、マーカを含むように変更され、
前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させることは、前記歪んだRF信号中の前記マーカを検出すること、及び前記入力RF信号中の前記マーカを生成してから前記歪んだ信号中の前記マーカを検出するまでの時間差による遅延を決定することを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の方法。
【請求項5】
前記マーカは、前記入力RF信号の時間領域、及び/又は、前記入力RF信号の周波数領域にあることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記マーカが前記時間領域にある場合、前記マーカは、前記入力RF信号のオフ期間に配置され、及び/又は、前記マーカの振幅は、プラズマ点火閾値より下であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記マーカが前記時間領域にある場合、前記歪んだRF信号の前記マーカは、前記歪んだ信号の前記周波数領域において、スペクトル中のスプリアス周波数として検出されることを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記マーカが前記周波数領域にある場合、前記マーカは、持続的又は一時的な前記入力RF信号の位相シフト、及び/又は、一時的な前記RF信号の搬送波周波数の周波数シフトであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一に記載の方法。
【請求項9】
前記入力RF信号がマーカを含み、
前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号と同期化させることは、前記歪んだRF信号中の前記マーカを検出すること、及び前記入力RF信号中の前記マーカを生成することと前記歪んだRF信号中の前記マーカを検出することとの時間差による遅延を決定することを含み、
前記マーカがプラズマ点火パルス又は前記入力RF信号の固有特徴であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
前記第1制御パラメータセットは、特定のセットアップ及び特定のターゲットRF信号に対するルックアップテーブルによって与えられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
前記第2制御パラメータセットは、同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号と前記ターゲットRF信号との前記差が前記所定の閾値よりも小さい場合に、ルックアップテーブルに格納されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の方法。
【請求項12】
前記第1制御パラメータセット及び/又は前記第2制御パラメータセットは、振幅、位相、周波数及び時間的変動のうちの1つ以上を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一に記載の方法。
【請求項13】
特にRF生成器のためのコントローラであって、
処理部、好ましくはデジタル信号処理装置、DSPUと、
前記処理部に接続され、周波数生成器に制御パラメータを提供する出力インターフェースと、
前記処理部に接続された信号解析部、好ましくはソフトウェア無線部、SDRと、
前記信号解析部に接続され、少なくとも1つのセンサに接続可能で、前記少なくとも1つのセンサからセンサデータとして少なくとも1つの歪んだRF信号を受信する入力インターフェースと、を含み、
前記処理部は、入力RF信号に対応する第1制御パラメータセットを前記出力インターフェースに提供するように構成され、
前記信号解析部は、前記少なくとも1つの歪んだRF信号を含むセンサデータを、前記入力インターフェースから受信するように構成され、
前記処理部は、前記少なくとも1つの歪んだRF信号を前記入力RF信号に同期化させるように構成され、
前記処理部は、
ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との間の差を決定し、
前記差が所定の閾値よりも大きい場合、前記ターゲットRF信号と同期化された前記少なくとも1つの歪んだRF信号との比較に基づいて、適合された入力RF信号に対応する第2制御パラメータセットを決定し、前記第2制御パラメータセットを前記出力インターフェースに提供するようにさらに構成されているコントローラ。
【請求項14】
前記処理部、及び/又は前記信号解析部、及び/又は周波数生成器は、FPGA、CPLD、ASIC又はSoCとして構築され、好ましくは、前記処理部及び前記信号解析部は、1つのFPGA、CPLD、ASIC又はSoCによって一体的に構築されていることを特徴とする請求項13に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記出力インターフェースは、ダイレクトデジタル合成(DDS)部制御語を提供することを特徴とする請求項13又は14に記載のコントローラ。
【請求項16】
プラズマチャンバ用のRF信号を生成するためのRF生成器であって、
好ましくはダイレクトデジタル合成コア、DDSコアとして構築される、少なくとも1つの入力RF信号を生成する周波数生成器と、
前記周波数生成器に接続され、前記少なくとも1つの入力RF信号を増幅する増幅器と、
前記周波数生成器に接続された請求項13乃至15のいずれか一に記載のコントローラと、を含むRF生成器。
【請求項17】
前記周波数生成器及び前記コントローラ、特に前記処理部及び/又は前記信号解析部は、1つのFPGA、CPLD、ASIC又はSoCによって一体的に構築されていることを特徴とする請求項16に記載のRF生成器。
【請求項18】
入力RF信号を生成するRF生成器と、
前記RF生成器に接続された請求項13乃至15のいずれか一に記載のコントローラと、
その入力が前記RF生成器の出力に接続されたインピーダンス整合ネットワークと、
その入力がインピーダンス整合ネットワークの出力に接続されたプラズマチャンバと、を備えるプラズマ装置。
【請求項19】
1つ以上のRF生成器がそれぞれ前記プラズマチャンバに前記入力RF信号を提供し、好ましくは各RF生成器が共通制御として1つのコントローラに接続されていることを特徴とする請求項18に記載のプラズマ装置。
【国際調査報告】