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特表2023-551853管内へのインプラントのためのステント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】管内へのインプラントのためのステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/89 20130101AFI20231206BHJP
   A61F 2/962 20130101ALI20231206BHJP
【FI】
A61F2/89
A61F2/962
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532680
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 NL2021050745
(87)【国際公開番号】W WO2022124893
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】PCT/NL2020/050765
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523197467
【氏名又は名称】ヴィーナス ステント ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴィテンズ、コーネリス ヘンドリクス アンナ
(72)【発明者】
【氏名】ディムラー、 ベティナ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267AA14
4C267AA42
4C267BB03
4C267BB18
4C267CC08
4C267CC22
4C267CC26
4C267GG32
4C267HH08
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、ステント、特に、人または動物の体の管への挿入のためのステントアセンブリに関する。本発明は、本発明に係るステントアセンブリを人または動物の体の管に挿入するためのカテーテルステント挿入デバイスにも関する。本発明は、本発明に係るカテーテルステント挿入デバイスを使用して、本発明に係るステントアセンブリを人または動物の体の管に挿入するための方法にも関する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端、遠位端およびステント長軸を有し、
少なくとも二つのステントセグメントと、当該二つのステントセグメントを相互接続するセグメント相互接続手段と、を備え、
前記セグメント相互接続手段は、管内に挿入される際に、前記二つのステントセグメントの間の距離を、前記二つのステントセグメントの一方の前記二つのステントセグメントの他方に対する前記ステント長軸に沿った並進変位に応じて、当該距離が最小の第1構成および当該距離が最大の第2構成の間で調整するように構成される、
人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項2】
前記少なくとも二つのステントセグメントを相互接続するために、前記セグメント相互接続手段は、第1ステントセグメントに接続される第1ロッド端および第2ステントセグメントに接続される第2ロッド端である二つのロッド端を有する少なくとも一つの長尺フィラメントロッドを備え、
前記第1ロッド端および前記第2ロッド端の間の距離は、前記第2構成より前記第1構成において小さい、
請求項1に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項3】
前記第1構成および前記第2構成において、第1ロッド端および第2ロッド端は、互いに径方向にずれている、請求項1または2に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項4】
前記第1構成および前記第2構成において、第1ロッド端および第2ロッド端は、前記ステント長軸方向視で互いに長軸方向に揃っている、請求項1または2に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項5】
前記少なくとも一つの長尺フィラメントロッドは、長さが伸びるように構成される、請求項1から4のいずれかに記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項6】
前記少なくとも一つの長尺フィラメントロッドは、逆転不能または逆転可能に長さが伸びるように構成される、請求項5に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項7】
前記少なくとも一つの長尺フィラメントロッドは、可撓材料等の伸長可能材料から製造される、請求項5または6に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項8】
前記少なくとも一つの長尺フィラメントロッドは、伸縮構造を有する、請求項5または6に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項9】
前記少なくとも一つの長尺フィラメントロッドは、ジグザグ構造を有する、請求項5または6に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項10】
前記少なくとも一つの長尺フィラメントロッドは、コイル構造を有する、請求項5または6に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項11】
近位ステントセグメントと、遠位ステントセグメントと、前記近位ステントセグメントおよび前記遠位ステントセグメントの間に配置される一または複数の中間ステントセグメントと、を備え、
前記セグメント相互接続手段は、前記ステントセグメントのそれぞれを相互接続する、
請求項1から10のいずれかに記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項12】
前記ステントの長軸視で、前記近位ステントセグメントは第1長さを有し、前記遠位ステントセグメントは第2長さを有し、前記中間ステントセグメントは第3長さを有し、
前記第3長さは、前記第1長さおよび前記第2長さより小さい、
請求項11に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項13】
前記第3長さは5-15mmである、請求項12に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項14】
前記第1長さおよび前記第2長さは同じである、請求項12または13に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項15】
前記第1長さは前記第2長さより長く、特に、前記第1長さは30-50mmであり、前記第2長さは10-30mmである、請求項12または13に記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項16】
前記ステントセグメントの間の最大距離は1-20mmである、請求項1から15のいずれかに記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項17】
中間ステントセグメントの数は1-30である、請求項11から16のいずれかに記載の人または動物の体の管への挿入のためのステント。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の少なくとも二つのステントセグメントによって構成されるステントアセンブリを人または動物の体の管内に挿入するためのカテーテルステント挿入デバイスであって、
収縮構成における前記ステントアセンブリを収容するために設けられ、近位チューブ開端および遠位チューブ端を有する中空ステント収容チューブと、
既に展開されたステントセグメントおよび次に相互接続されたステントセグメントの間の距離を、前記次に相互接続されたステントセグメントを前記既に展開されたステントセグメントに対して前記ステント長軸に沿って並進させることによって、当該距離が最小の第1構成および当該距離が最大の第2構成の間で前記中空ステント収容チューブ内において調整するように設けられる伸長手段と、
を備えるカテーテルステント挿入デバイス。
【請求項19】
前記伸長手段は、収縮構成における前記ステントアセンブリを通じて延びる並進スピンドルを備え、
前記並進スピンドルは、収縮構成におけるステントセグメントの外寸より大きい外寸を有する拡張遠位ステント作用端を備える、
請求項18に記載のカテーテルステント挿入デバイス。
【請求項20】
前記拡張遠位ステント作用端は、拡張展開構成におけるステントセグメントの内寸より小さい外寸を有する、請求項19に記載のカテーテルステント挿入デバイス。
【請求項21】
前記中空ステント収容チューブの近位チューブ端を前記管内の展開位置に向かって案内するための案内手段を更に備える、請求項18または19に記載のカテーテルステント挿入デバイス。
【請求項22】
請求項18から21のいずれかにカテーテルステント挿入デバイスを使用して、人または動物の体の管内の展開位置に前記ステントアセンブリを挿入するための方法であって、
A:少なくとも二つのステントセグメントによって構成される前記ステントアセンブリを、収縮構成において前記中空ステント収容チューブ内に収容する前記カテーテルステント挿入デバイスを、前記近位チューブ開端が前記管内にある状態で挿入するステップと、
B:前記カテーテルステント挿入デバイスを、前記管内の展開位置に向かって案内するステップと、
C:前記少なくとも二つのステントセグメントの近位側の方が前記管内の前記近位チューブ開端を介して展開されるまで、前記中空ステント収容チューブを引き抜くステップと、
D:前記少なくとも二つのステントセグメントの一方を、前記少なくとも二つのステントセグメントの既に展開された他方に対して、前記ステント長軸に沿って引き抜くことで、前記少なくとも二つのステントセグメントの間の距離を、当該距離が最小の第1構成および当該距離が最大の第2構成の間で調整するステップと、
E:前記中空ステント収容チューブを引き抜き、前記少なくとも二つのステントセグメントの次の一方を前記管内の前記近位チューブ開端を介して展開するステップと、
を備える方法。
【請求項23】
D1:前記ステントの後続の各ステントセグメントについてステップDを繰り返すステップ、を更に備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ステップCの前に、前記ステントセグメントのそれぞれについてステップDおよびステップD1を前記中空ステント収容チューブ内で実行するステップ、を更に備える請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステントに関する、特に、人または動物の体の管への挿入のためのステントに関する。
【0002】
本発明は、本発明に係るステントを人または動物の体の管内に挿入するためのカテーテルステント挿入デバイスにも関する。
【0003】
本発明は、本発明に係るカテーテルステント挿入デバイスを使用して、本発明に係るステントを人または動物の体の管内に挿入するための方法にも関する。
【背景技術】
【0004】
ステントは、解剖的な管または導管のルーメンの通路を開いておくために、医療において広く使用されている。拡張可能な冠動脈、血管および胆汁ステントから、腎臓および膀胱の間の尿の流れを可能にするために使用される単純なプラスチックステントに至るまで、多種多様なステントが異なる目的で使用されている。
【0005】
特に、血管ステントは、一般的に、罹患して弱まった動脈または静脈の管壁を支持するために、血管形成術の一部として動脈および静脈内に配置される。一般的に使用される治療の手順は、拡張可能なステントを弱まった管壁の患部に向かって挿入および案内するためのカテーテルを使用する。収縮された末梢ステントを含むカテーテルは、動脈または静脈内に挿入され、蛍光透視法等の適切なイメージング技術を使用して展開の位置に向かって案内される。一旦カテーテルが適切に配置されると、収縮されたステントが動脈または管の内管壁に対して展開および拡張される。
【0006】
これらの位置で作用する外部からの圧縮および機械的な力のために、末梢ステント配置の大半ではニチノール等の可撓ステント材料が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
相互接続された少なくとも二つの独立したステントセグメントによって構成される、高い径方向力および高い可撓性を有するセグメント型ステントが、管内で使用されうる。複数のステントセグメントから組み立てられるこのようなステントに関する問題は、管内の所望または所期の展開位置で最近位ステントセグメントがカテーテルステント挿入デバイスから展開されると、展開されるステントセグメントが直ちに拡張構成まで拡張して管の内管壁と接触することである。
【0008】
一般的に、罹患した静脈へのステントの留置を検討する際、治療前の超音波、MRイメージング技術のCTでは、静脈ステントにとって必要な正確な長さを測定できない。ステント手技中になって初めて、静脈造影法および血管内超音波(IVUS)技術によって、ステントの正確な長さが特定されうる。ステントの開存性は、良好な流入および流出、患者の症状の改善およびステントの開存性を担保するためのステントの正確な配置に主に依存する。
【0009】
展開および拡張されたステントセグメントを、例えば、不正確なまたは好ましくない管内の位置での展開(および、拡張)のために、管内での再配置の目的のためにカテーテルステント挿入デバイス内に引き戻すことは、もはや不可能である。管内で既に展開および拡張された第1ステントセグメントの位置を修正できないため、カテーテルステント挿入デバイス内に未だ収容されているステントアセンブリの残りも管内で完全に展開されなければならない。このため、展開および拡張されたステントが、罹患した管壁を所期の長さに亘って完全に支持できず、ステントを留置する手順が失敗に終わる恐れがある。
【0010】
本発明は、展開および拡張されたステントによって罹患した管壁の全長に亘って適切な支持を担保しながら、管内におけるステントアセンブリの最終的な長軸展開位置の容易な修正を可能にする、以上で特定された問題のためのソリューションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る人または動物の体の管への挿入のためのステントアセンブリが提案される。ステントアセンブリは、近位端、遠位端およびステント長軸を有し、少なくとも二つのステントセグメントと、当該二つのステントセグメントを相互接続するセグメント相互接続手段と、を備える。セグメント相互接続手段は、管内における二つのステントセグメントの間の距離を、二つのステントセグメントの一方の二つのステントセグメントの他方に対する管内におけるステント長軸に沿った並進変位に応じて、当該管内距離が最小の第1構成および当該管内距離が最大の第2構成の間で調整するように構成される。
【0012】
ステントセグメントのステント長軸に沿った相対的な並進変位を通じて、ステントアセンブリの長さの所期の管内展開位置に対する調整が、より直接的かつ汎用的に既存のステントデザインと比べて高い精度で実現されうる。個々のステントセグメントの並進変位を通じて展開および伸長されうる、このようなステントアセンブリデザインによって、罹患した管壁の適切な支持がステント全長に亘って実現される。
【0013】
従って、本発明に係る長さ調整可能なステントアセンブリは、人または動物における腸骨大腿管の全体を、一つだけのステントアセンブリの適用/挿入でカバーできる。これは、二つの別のステントが必要とされて好ましくない重複をもたらす既知のステント配置手技と比べて顕著な利点を有する。このように、本発明に係るステントアセンブリの長さは所期の管内展開位置に対して調整されうるため、長さ調整可能なステントアセンブリにおけるその場での調整および配置が、静脈造影法および手技中に集められるIVUS情報を使用してより正確に実行されうる。本発明に係るステントアセンブリの一例では、少なくとも二つのステントセグメントを相互接続するために、セグメント相互接続手段は、第1ステントセグメントに接続される第1ロッド端および第2ステントセグメントに接続される第2ロッド端である二つのロッド端を有する少なくとも一つの長尺フィラメントロッドを備える。ここで、第1ロッド端および第2ロッド端の間の距離は、第2構成より第1構成において小さい。
【0014】
このように、ステントセグメントは常に適切に相互接続され、ステントアセンブリ全体の一貫性または一体性が維持される。第1ロッド端および第2ロッド端の間の管内距離が第2構成より第1構成において小さいため、フィラメントロッドで相互接続されているステントセグメントの相対的な並進変位によって、フィラメントロッドは管内におけるステントの長さ調整を可能にする。
【0015】
第1例では、第1構成および第2構成において、第1ロッド端および第2ロッド端は、互いに径方向にずれている。本発明に係るステントアセンブリの他の例では、第1構成および第2構成において、第1ロッド端および第2ロッド端は、ステント長軸方向視で互いに長軸方向に揃っている。いずれの例も、隣り合うステントセグメント間の確実な相互接続を担保し、セグメント型ステント全体の一貫性を維持し、ステントの汎用的な並進伸長を可能にする。
【0016】
好ましくは、少なくとも一つの長尺フィラメントロッドは、長さが伸びるように構成され、ステントセグメントの相対的な並進変位と、その結果としての管内における展開の際のステントアセンブリ全体の並進伸長を確実にする。
【0017】
特に、少なくとも一つの長尺フィラメントロッドは、逆転不能に長さが伸びるように構成される。このため、管内における展開後のステントアセンブリの並進伸長が恒久的となり、管内で伸長されたステントが、収縮または減少した長さのステント構成に戻ってしまうことが確実に防止される。セグメント型ステントは、長尺フィラメントロッドの逆転不能な長さ伸長の側面を伴って、いくつかのステントセグメントの展開および拡張後に管壁に接触するため、展開および拡張されたステントアセンブリが管内においてステント長軸視で収縮する際に起こりえた内管壁へのダメージが回避される。
【0018】
有利な例では、少なくとも一つの長尺フィラメントロッドは、可撓材料等の伸長可能材料から製造される。隣り合うステントセグメントの汎用的な並進変位を可能にする更に他の例では、少なくとも一つの長尺フィラメントロッドが、伸縮構造またはジグザグ構造またはコイル構造を有する。
【0019】
罹患した管壁のより大きい長さの支持またはステント留置を可能にし、曲がりくねった管部にインプラントされてもよい本発明に係るステントアセンブリの更に他の例では、ステントが、近位ステントセグメントと、遠位ステントセグメントと、近位ステントセグメントおよび遠位ステントセグメントの間に配置される一または複数の中間ステントセグメントと、を備える。ここで、セグメント相互接続手段は、ステントセグメントのそれぞれを相互接続する。
【0020】
この例では、更に、ステントの長軸視で、近位ステントセグメントは第1長さを有し、遠位ステントセグメントは第2長さを有し、中間ステントセグメントは第3長さを有する。ここで、第3長さは、第1長さおよび第2長さより小さい。特に、第3長さは5-15mmである。このように、ステントアセンブリは、個々の中間ステントセグメントより大きい長さの近位ステント部および遠位ステント部を有する。近位および遠位端部におけるより大きいステント長さは、管内において拡張されたステントの始端および終端において、罹患した管壁のための適切なサポートとして機能する。これは、ステントの適切かつ確実な管内への留置を担保する。
【0021】
この単純化された例では、第1長さおよび第2長さは同じである。他の例では、第1長さは第2長さより長く、特に、第1長さは30-50mmであり、第2長さは10-30mmである。
【0022】
更に他の例では、ステントセグメントの間の最大距離は1-20mmである。
【0023】
患者の罹患した管に対して実行されるステント留置手技に応じて、中間ステントセグメントの数は1-30である。
【0024】
本発明に係る少なくとも二つのステントセグメントによって構成されるステントアセンブリを人または動物の体の管内に挿入するためのカテーテルステント挿入デバイスの一例が提案される。このカテーテルステント挿入デバイスは、管内における展開および拡張後に調整されたステントによって、罹患した管壁が常に全長に亘って適切に支持されるように、ステントアセンブリの長さを所期の管内展開位置に対して調整することを可能にする。
【0025】
ここで、本発明に係るカテーテルステント挿入デバイスは、収縮構成におけるステントアセンブリを収容するために設けられ、近位チューブ開端および遠位チューブ端を有する中空ステント収容チューブと、既に展開されたステントセグメントおよび次に相互接続されたステントセグメントの間の距離を、次に相互接続されたステントセグメントを既に展開されたステントセグメントに対してステント長軸に沿って並進させることによって、当該距離が最小の第1構成および当該距離が最大の第2構成の間で中空ステント収容チューブ内において調整するように設けられる伸長手段と、を少なくとも備える。
【0026】
これは、管内における展開および拡張後に調整されたステントによって、罹患した管壁が常に全長に亘って適切に支持されるように、所期の管内展開位置に対するステントの長さの並進調整を可能にする。
【0027】
カテーテルステント挿入デバイスの一例では、伸長手段は、収縮構成におけるステントアセンブリを通じて延びる並進スピンドルを備える。並進スピンドルは、収縮構成におけるステントセグメントの外寸より大きい外寸を有する拡張遠位ステント作用端を備える。
【0028】
このため、未展開のステントセグメントを遠位並進方向に引くことによって、未展開および収縮ステントセグメントの間の距離が設定されうる。拡張遠位ステント作用端が、拡張展開構成におけるステントセグメントの内寸より小さい外寸を有するため、次の未展開および収縮ステントセグメントについて単純かつ反復的な伸長ステップが可能になる。
【0029】
好ましくは、中空ステント収容チューブの近位チューブ端を管内の展開位置に向かって案内するための案内手段が設けられる。
【0030】
本発明は、本発明に係るカテーテルステント挿入デバイスを使用して、人または動物の体の管内の展開位置に本発明に係るステントを挿入するための方法にも関する。
【0031】
この方法は、
A:少なくとも二つのステントセグメントによって構成されるステントを、収縮構成において中空ステント収容チューブ内に収容するカテーテルステント挿入デバイスを、近位チューブ開端が管内にある状態で挿入するステップと、
B:カテーテルステント挿入デバイスを、管内の展開位置に向かって案内するステップと、
C:少なくとも二つのステントセグメントの近位側の方が管内の近位チューブ開端を介して展開されるまで、中空ステント収容チューブを引き抜くステップと、
D:少なくとも二つのステントセグメントの一方を、少なくとも二つのステントセグメントの既に展開された他方に対して、ステント長軸に沿って引き抜くことで、少なくとも二つのステントセグメントの間の距離を、当該距離が最小の第1構成および当該距離が最大の第2構成の間で調整するステップと、
E:中空ステント収容チューブを引き抜き、少なくとも二つのステントセグメントの次の一方を管内の近位チューブ開端を介して展開するステップと、
を備える。
【0032】
特に、方法は、以下のステップによって更に特徴付けられる。
D1:ステントの後続の各ステントセグメントについてステップDを繰り返すステップ
【0033】
更に他の例に係る方法では、ステップCの前に、個々のステントセグメントのそれぞれについてステップDおよびステップD1が、中空ステント収容チューブ内で実行される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明は、以下の付随する図面を参照して、より詳細に記述される。
【0035】
図1a-1dは、いくつかの並進拡張の状態における、本発明に係るステントアセンブリの模式的な第1例を示す。
【0036】
図2a-2dは、いくつかの並進拡張の状態における、本発明に係るステントアセンブリの模式的な第2例を示す。
【0037】
図3a-3dは、本発明に係るステントアセンブリの他の模式的な例を示す。
【0038】
図4a-4b-4cは、いくつかの拡張状態における、図1-3のステントアセンブリの詳細図である。
【0039】
図5a-5eは、本発明に係るカテーテルステント挿入デバイスの模式的な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明のより良い理解のために、図面における同様の部分は同様の参照符号と共に示される。
【0041】
以下の詳細な記述および請求項において、各種の部分が「近位」および「遠位」の分類と共に示される。これらの分類は、ステントがインプラントされる人または動物の心臓の位置に関して解釈される。具体的には、分類「近位」は「心臓に最も近い」または「心臓に向かう方向」を意味するものと理解される。同様に、「遠位」は「心臓から最も遠い」または「心臓から離れる方向」を意味するものと理解される。
【0042】
一般的に、罹患した静脈へのステントの留置を検討する際、治療前の超音波、MRイメージング技術のCTでは、静脈ステントにとって必要な正確な長さを測定できない。ステント手技中になって初めて、静脈造影法および血管内超音波(IVUS)技術によって、ステントの正確な長さが特定されうる。ステントの開存性は、良好な流入および流出、患者の症状の改善およびステントの開存性を担保するためのステントの正確な配置に主に依存する。
【0043】
以上のようなステント長さ調整問題を解決するために、図1(1a-1d)、2(2a-2d)、3(3a-3d)および4では、並進方向におけるいくつかの拡張の状態における、本発明に係るステントアセンブリのいくつかの異なる例が示される。これらの図では、ステントアセンブリが参照符号10と共に示される。
【0044】
ステントアセンブリ10は、ステントアセンブリ10全体の近位ステント端10aに対応する、近位セグメント面11aを有する近位ステントセグメント11を備える。近位ステントセグメント11は、遠位セグメント面11bも有する。ステントアセンブリ10は、近位セグメント面12aおよび遠位セグメント面12bが同様に提供される、遠位ステントセグメント12も備える。遠位セグメント面12bは、ステントアセンブリ10の遠位ステント端10bを形成する。
【0045】
近位ステントセグメント11および遠位ステントセグメント12の間には、いくつかの中間ステントセグメント13、13’および13’’が収容される。なお、中間ステントセグメントの数は、任意に選ばれうる。三つの中間ステントセグメント13-13’-13’’を示す図1a-1dおよび2a-2dに示されるような実施形態の他に、実行されるステントインプラント適用に応じて、任意の数(1, 2, 3, 4,…,30まで、または、それより多い)の中間ステントセグメント13が選ばれうる。
【0046】
この例では、中間ステントセグメント13-13’-13’’等が、形状および寸法に関して同一である。しかし、この同一構成は、本発明に係るステント10の機能にとって必須ではない。
【0047】
ステントアセンブリ10の図1a-1dに示される第1実施形態および図2a-2dに示される第2実施形態は、個々の収縮されたステントセグメント12-13’’-13’-13-11(ステント10の遠位ステント端10bから近位ステント端10aに向かって見た場合)が、互いに最小距離D1(理論上は0(ゼロ)mmだが、実際には0.1-1.0mm程度)で配置されている状態で、収縮構成においてカテーテルステント挿入デバイス内に収容される。近位ステント端10aは、人または動物の体の心臓の方向に関して見た場合のステントアセンブリ10の正面部を形成する。
【0048】
カテーテルステント挿入デバイスが、収縮構成において収容されたステントアセンブリ10と共に管内に挿入される際、第1セグメントとしての近位ステントセグメント11が人または動物の体の管内の所望位置において挿入および展開される。管内における近位ステントセグメント11の部分的かつ不完全な挿入および展開や、その正確な管内位置の蛍光透視法等の適切な公知のイメージング技術を使用した確認を可能にし、続いて不正確な位置が観測された場合に、部分的に展開された近位ステントセグメント11をカテーテルステント挿入デバイス内に引き戻すことを可能にするために、近位ステントセグメント11の初期長さX1は十分に長い必要がある。
【0049】
好ましくは、長さX1は、管内における第1/近位ステントセグメント11のX1の約50%に対応する挿入/展開の長さに亘る部分展開が、依然として、部分的に展開された近位ステントセグメント11をカテーテルステント挿入デバイス内に引き戻すことを可能にし、続く更新および修正された近位ステントセグメント11の展開のためのカテーテルステント挿入デバイス(の近位端)の管内における再配置を可能にするものである。
【0050】
この例では、個々のステント長さX1(近位ステントセグメント11の長さ)およびX2(遠位ステントセグメント12の長さ)のいずれもが、中間ステントセグメント(13-13’-13’’のいずれか)の個々のステント長さX3より大きい。図1a-1dおよび2a-2dではX1がX2より大きく示されるが、例えば、X1およびX2は同じ長さである。X1、X2およびX3の典型的な寸法は、X1が30-50mmであり、X2が10-30mmであり、X3が5-15mmである。全てのステントセグメントひいてはステントアセンブリ全体10の典型的な直径は、8-35mmである。
【0051】
図1aおよび図2aに示されるステントアセンブリ10は、カテーテルステント挿入デバイス内における最短構成(近位ステント端10aから遠位ステント端10bまで測定された際にステントアセンブリ10が最小長さを有することを意味する)等の初期構成で示される。最小長さは参照符号Zと共に示される。図1aおよび2aに示されるようなステントアセンブリ10の初期の全長Zは、個々のステント長さX1(近位ステントセグメント11の長さ)、X2(遠位ステントセグメント12の長さ)、三つの中間ステントセグメント13-13’-13’’の個々のステント長さX3の三倍、隣り合う各ステントセグメントの間に存在する最小距離D1の四倍(の和)によって構成される。
【0052】
図1a-1dおよび2a-2dでは、近位ステントセグメント11を第1中間ステントセグメント13に相互接続し、第1中間ステントセグメント13を第2中間ステントセグメント13’’に相互接続し、第2中間ステントセグメント13’’を第3中間ステントセグメント13’’’に相互接続し、最後に最終ここでは第3中間ステントセグメント13’’’を遠位ステントセグメント11に相互接続する、相互接続手段30が存在する。
【0053】
図1a-1dおよび2a-2d(および、図4a-4c)に示される両実施形態では、相互接続手段30が、それぞれが隣り合うステントセグメントを相互接続する第1/近位ロッド端31a(32a)および第2/遠位ロッド端31b(32b)を有するいくつかの伸長ロッドエレメント31-32によって構成される。いくつかの伸長ロッドエレメント31-32、(31’-32’)、(31’’-32’’)、(31’’’-32’’’)は、長さが伸びるように構成される。好ましくは、これらの伸長ロッドエレメント31-32、(31’-32’)、(31’’-32’’)、(31’’’-32’’’)は、塑性変形等によって逆転不能に長さが伸びるように構成される。このため、隣り合うステントセグメントの間の並進距離が、管内におけるステントアセンブリ10の所望の全長に応じて、所望の恒久的な中間距離X1、X2またはX3に修正および設定されうる。
【0054】
好ましくは、長尺フィラメントロッドエレメント31-32、(31’-32’)、(31’’-32’’)、(31’’’-32’’’)は、可撓材料等の伸長可能材料から製造される。あるいは、長尺フィラメントロッドエレメントは、他の例では、長軸方向における伸長を可能にする伸縮構造を有する。
【0055】
図1a-1dおよび2a-2dの両方におけるステントアセンブリ10の実施形態では、長尺フィラメントロッドエレメント31-32、(31’-32’)、(31’’-32’’)、(31’’’-32’’’)が、ジグザグ構造を有し、図3a-3dにおけるステントアセンブリ10の実施形態では、長尺フィラメントロッドエレメント31-32、(31’-32’)、(31’’-32’’)、(31’’’-32’’’)が、可撓性の巻線またはコイル構造を有する。ジグザグ、巻線およびコイルの実施形態は、長尺フィラメントロッドエレメント31-32、(31’-32’)、(31’’-32’’)、(31’’’-32’’’)の長軸方向における汎用的な伸長を可能にし、管内における所期の展開位置で、これらのジグザグまたはコイル状の長尺フィラメントロッドエレメント31-32、(31’-32’)、(31’’-32’’)、(31’’’-32’’’)によって相互接続されている隣り合うステントセグメントの間の並進距離を設定する。
【0056】
図1a-1d(ジグザグ型)および図3a(巻線型)および3c(コイル型)におけるステントアセンブリ10の実施形態では、長尺フィラメントロッドエレメント31-32、(31’-32’)、(31’’-32’’)、(31’’’-32’’’)の第1ロッド端(31a-32a)および第2ロッド端(31b-32b)の両方が、第1/初期長さ構成および第2/拡張長さ構成の両方において、ステント長軸10c方向視で互いに径方向にずれている。
【0057】
図2a-2d(ジグザグ型)および図3b(可撓性巻線型)および3d(コイル型)におけるステントアセンブリ10の実施形態では、長さ伸長可能な長尺フィラメントロッドエレメント31-32、(31’-32’)、(31’’-32’’)、(31’’’-32’’’)の第1ロッド端(31a-32a)および第2ロッド端(31b-32b)の両方が、第1/初期長さ構成および第2/拡張長さ構成の両方において、ステント長軸10c方向視で互いに長軸方向に揃っている。
【0058】
図1bおよび2bでは、図1aおよび2aに示されるような近位ステントセグメント11および第1中間ステントセグメント13の間の初期の最小距離D1が、参照符号D3と共に示される最大距離に調整されている。近位ステントセグメント11および第1中間ステントセグメント13の間の距離D1の初期の最小距離D1から最大距離D3への調整は、三つの中間ステントセグメント13-13’-13’’および遠位ステントセグメント12の、近位第1ステントセグメント11(静止しており変位しない)に対する、ステント長軸10cの方向(または、ステント長軸10cに沿った方向)への最大距離に亘る同時並進によって確立される。
【0059】
この三つの中間ステントセグメント13-13’-13’’および遠位ステントセグメント12のステント長軸10cの方向(または、ステント長軸10cに沿った方向)への同時並進は、三つの中間ステントセグメント13-13’-13’’および遠位ステントセグメント12を囲む破線双方向矢印で示される。中間ステント全長Z’は、初期のステント長さX1、X2、X3(三倍)、最小距離D1の三倍、最大距離D3の和に対応する。近位ステントセグメント11を第1中間ステントセグメント13に相互接続する長尺フィラメントロッドエレメント31’-32’は、完全伸長長さまで管内において伸長され、第1ステントセグメント11およびステントアセンブリ10の残りの間の最大距離D3での並進伸長を容易にする。
【0060】
ここで、展開技術の一例では、第1/近位ステント11が、既に管内において挿入および展開されており、残りのステント13-13’-13’’-12は、カテーテルステント挿入デバイス内に未だ収縮状態で収容され、図1cおよび2cに関して後述されるような次の長さ調整のために待機していることに注意すべきである。従って、本発明に係る長さ調整可能なステントアセンブリ10は、人または動物における腸骨大腿管の全体を、一つだけのステントアセンブリの適用/挿入でカバーできる。これは、二つの別のステントが必要とされて好ましくない重複をもたらす既知のステント配置手技と比べて顕著な利点を有する。このように、本発明に係るステントアセンブリ10の長さは所期の管内展開位置に対して調整されうるため、長さ調整可能なステントアセンブリにおけるその場での調整および配置が、静脈造影法および手技中に集められるIVUS情報を使用してより正確に実行されうる。
【0061】
図1cおよび2cは、図1bおよび2bに示される開始位置から、中間ステントセグメント13および中間ステントセグメント13’(図1c-2cを参照)の間の初期の最小距離D1を、図1cおよび2cにおいて参照符号D2と共に示される中間距離に調整することによって、更に伸長されたステントアセンブリ10を示す。第1中間ステントセグメント13および第2中間ステントセグメント13’の間の距離の調整は、第2および第3中間ステントセグメント13’および13’’と遠位ステントセグメント12の組の、近位ステントセグメント11および第1中間ステントセグメント13(静止しており変位しない)に対する、ステント長軸10cに沿った同時並進によって実現される。第1中間セグメント13を次の中間ステントセグメント13’に相互接続する長尺フィラメントロッドエレメント31’’-32’’は、中間伸長長さまで伸長され、第1中間ステントセグメント13およびステントアセンブリ10の残りの間の中間距離D2での並進伸長を容易にする。
【0062】
結果としてのステント全長Z’’は、個々のステント長さX1、X2、X3の三倍、二つの最小距離D1、一つの最大距離D3(図1bおよび2bに示されるステント構成において設定されている)、中間距離D2によって構成される。
【0063】
同様に、次の/近位ステント13も、既に管内において挿入および展開されており、残りのステント13’-13’’-12は、カテーテルステント挿入デバイス内に未だ収縮状態で収容され、図1dおよび2dに関して後述されるような次の長さ調整のために待機している。
【0064】
図1dおよび2dは、Z’’’のステント全長を有するステントアセンブリ10の更に他の構成を示す。新たなステント長さZ’’’は、第3中間ステントセグメント13’’および遠位ステントセグメント12が、近位ステントセグメント11、第1および第2中間ステントセグメント13-13’(静止しており変位しない)に対して、ステント軸10cの方向(ステント軸10cに沿った方向)に最大並進距離に亘って並進された、更なる伸長ステップによって生成されている。第2中間セグメント13’を次の第3および最終中間ステントセグメント13’’に相互接続する長尺フィラメントロッドエレメント31’’’-32’’’は、最大伸長長さまで伸長され、第2中間ステントセグメント13’およびステントアセンブリ10の残りの間の最大距離D3での並進伸長を容易にする。
【0065】
このように、結果としてのステント全長Z’’’は、個々のステント長さX1、X2、X3の三倍、一つの最小距離D1(遠位ステントセグメント12および第3中間ステントセグメント13’’の間)、図1cおよび2cにおいて設定されている中間距離D2、図1b-2bおよび1d-2dにおいて設定されている最大距離D3の二倍によって構成される。
【0066】
ここで、第2/次の近位ステント13’が、既に管内において挿入および展開されており、残りのステント13’’-12は、カテーテルステント挿入デバイス内に未だ収縮状態で収容されていることに注意すべきである。
【0067】
全部または一部のステントセグメントの、静止しており移動できない既に展開されたステントセグメントに対する、ステント長軸10cの長軸方向(ステント長軸10cに沿った長軸方向)における、最小距離D1と最大距離調整D3の間の任意の所望の並進距離の並進である、ステントアセンブリ10の部分の後続の並進変位によって、隣り合う各ステントセグメントの間の距離が、最小長さD1および最大長さD3(可撓性および長尺フィラメントロッド31-32の最大伸長に対応する)の間の任意の所望の中間距離に調整されうることが明らかである。
【0068】
いくつかの隣り合うステントセグメントの間の個々の距離の調整の量は、管内におけるステントアセンブリ10の配置(例えば、管内における局部収縮)に応じて、医師によって任意に選ばれうる。このように、いくつかのステントセグメント(特に、中間ステントセグメント13-13’-13’’)のステント全長内の個々の位置は、ステント配置中に一般的に使用される、MRまたはCTイメージング技術およびリアルタイム蛍光透視法または血管内超音波イメージングに基づきうる。
【0069】
図4a、4bおよび4cは、本発明に係る長さ調整の原理をより詳細に示す。図4a、4bおよび4cは、図1-3のステントアセンブリ10(特に、二つの隣り合うステントセグメントの間の相互接続)の拡大図である。二つの隣り合うステントセグメントは、近位ステントセグメント11および遠位ステントセグメント12を示す参照符号11および12と共に示される。
【0070】
隣り合うステントセグメント11および12の両方は、参照符号30と共に示されるセグメント相互接続手段またはセグメント相互接続エレメントを使用して相互接続される。一例では、セグメント相互接続手段またはエレメント30は、第1長尺フィラメントロッド31および第2長尺フィラメントロッド32を備える。しかし、本発明の適切な動作のためには、一つの長尺フィラメントロッド31でも十分である。他の実施形態では、三つもの長尺フィラメントロッドが、セグメント相互接続手段30の一部として設けられうる。
【0071】
長尺フィラメントロッドエレメント31-32は、前述したように、長さ伸長可能な二つのロッドエレメントである。長尺フィラメントロッドエレメント31-32の両ロッド端(31a-31b)、(31b-32b)は、第1/初期長さ構成および第2/拡張長さ構成の両方において、ステント長軸10c方向視で互いに長軸方向に揃っている。
【0072】
しかし、図1a-1d、図3aおよび3cに示される相互接続原理は、長尺フィラメントロッドエレメント31-32の第1ロッド端(31a-32a)および第2ロッド端(31b-32b)の両方が、第1/初期長さ構成および第2/拡張長さ構成の両方において、ステント長軸10c方向視で互いに径方向にずれていても実現可能である。
【0073】
図1a-1dおよび2a-2dのステントアセンブリ構成と同様に、追加的な中間ステントセグメント13-13’-13’’-13’’’等が、近位ステントセグメント11および遠位ステントセグメント12の間に配置されうる。
【0074】
前述のように、第1および第2長尺フィラメントロッド31(32)の両方は、可撓材料等の伸長可能材料から製造される、または、長尺フィラメントロッドエレメントは、他の例では、長軸方向における伸長を可能にする伸縮構造を有する。この図4a-4cの例では、長尺フィラメントロッドエレメント31-32がジグザグ構造を有する。しかし、前述のように、可撓性巻線またはコイル構造も実施形態として可能である。これらは、中間ステントセグメント13-13’-13’’、近位ステントセグメント11、遠位ステントセグメント12が作られる材料と同じメッシュ材料で作られうる。一例では、中間ステントセグメント13-13’-13’’、近位ステントセグメント11、遠位ステントセグメント12、セグメント相互接続手段30(長尺フィラメントロッド)の材料がニチノールである。ニチノールは、管内にインプラントされたステントに作用する外部からの圧縮および機械的な力のために、標準的な可撓ステント材料として使用されている、体に優しい金属記憶材料である。
【0075】
セグメント相互接続手段またはエレメント30の各長さ伸長可能長尺フィラメントロッド31(32)は、ステントセグメント12の近位セグメント端12aの周縁における接続点12a1(12a2)で固定的に接続される遠位ロッド端31b(32b)を備える。同様に、各長さ伸長可能長尺フィラメントロッド31(32)は、ロッドの反対の端において、近位ステントセグメント11の遠位セグメント面11bの周縁における接続点11b1(11b2)として示される固定位置で、同様に固定的に接続される近位ロッド端31a(32a)を備える。
【0076】
この例では、接続点11b2および12a2(および、11b1および12a1)が、ステント長軸10c方向視で互いに長軸方向に揃っている。
【0077】
図4aにおいて見られるように、長さ伸長可能長尺フィラメントロッド31および32の両方は、未だ拡張されていないジグザグ構造のために、図1aおよび2aと同様の最小長さ寸法を示している。初期の構成では、隣り合うステントセグメント11および12の間の距離D1が最小(理論上は0(ゼロ)mmだが、実際には0.1-1.0mm)である。図4aにおける初期のステントアセンブリ10の全長はL1と共に示され、ステントセグメント11および12の二つの長さに初期の最小中間距離D1を加えたものに対応する。
【0078】
本発明によれば、ステントセグメントの一方(ここでは、ステントセグメント12)を、カテーテルステント挿入デバイスの一部の手段(不図示)によって位置が保たれる二つのステントセグメントの他方(ここでは、近位ステントセグメント11)に対して、ステント長軸10cの方向(または、ステント長軸10cに沿った方向)に並進させることによって、ステントアセンブリ10が管内での展開中に長軸10cに沿って伸長できる。
【0079】
この管内における並進原理は、ステントセグメント12の隣に示される白抜き矢印によって図4bおよび4cに示される。ステントセグメント12の他のステントセグメント11に対する並進変位によって、長さ伸長可能長尺フィラメントロッド31および32の両方の長さ寸法が大きくなる。
【0080】
図4bは、例えば図2bと同様に図4aに示される開始構成から見たステントアセンブリ10の中間構成を示す。これは、ステントセグメント11および12の間の距離(図4aにおいて参照符号D1と共に示されるような初期の最小距離より大きい)がD2と共に示される、二つの隣り合うステントセグメント11および12の中間構成を示す。図4bにおけるステントアセンブリ10の全長はL2と共に示され、ステントセグメント11および12の二つの長さに、長さ伸長可能長尺フィラメントロッド31および32の両方の伸長によって大きくなった中間距離D2を加えたものに対応する。
【0081】
遠位ステントセグメント12の近位ステントセグメント11に対するステント長軸10cに沿った更なる並進は、長さ伸長可能長尺フィラメントロッド31および32の更なる伸長のために、中間ステントセグメント13および13’の間の距離の更なる増大をもたらす。この並進伸長は、長尺フィラメントロッド31および32の最大伸長まで続き、中間ステントセグメントの両方の間の最大距離に到達する。この図4cに示される構成では、長尺フィラメントロッド31および32が管内において完全に伸長され、ステントセグメント11および12の間の距離が参照符号D3と共に示される最大長さに到達している。図4cにおけるステントアセンブリ10の全長はL3であり、ステントセグメント11および12の二つの長さに、長さ伸長可能長尺フィラメントロッド31および32の両方の最大伸長による最大中間距離D3を加えたものに対応する。
【0082】
ステントセグメント11および12の間の最大距離D3が、ステントセグメント11および12を相互接続する長さ伸長可能可撓性長尺フィラメントロッド31および32の最大拡張長さに依存することは明らかである。これらの最大拡張長さは、可撓性長尺フィラメントロッド31および32およびジグザグ、複数の巻線またはコイル構造のために選ばれた可撓材料に部分的に依存する。最大伸長を示す図4cでは、長尺フィラメントロッド31および32の両方が、ステント長軸10cに対して平行な方向における最大伸長を示している。
【0083】
なお、五つのステントセグメントを備える図1-4に示されるような管内におけるステント伸長原理は一例であり、本発明に係るステントアセンブリを伸長させるための唯一の可能性であると解釈されてはならないことに注意すべきである。任意の隣り合うステントセグメントの間の距離は、適切な可撓材料および/またはジグザグ、複数の巻線、コイルまたは伸縮構造に限定されない幾何学的構造によって伸長されうる長さ伸長可能長尺フィラメントロッドを使用した並進伸長によって、最小(D1)および最大値(D3)の間の任意の距離に変化および伸長されうる。
【0084】
理論上の距離D1は0(ゼロ)mmに等しいが、実際にはD1の最小値は約0.5-1.0mmである。同様に、隣り合うステントセグメント間の一または複数の距離は、変わらないままでもよい(最小長さD1に留まる)。実際、ステントアセンブリ10の所期の展開位置の近くでの管内における局所的な条件に基づいて、最終的なステント伸長を決定する医師による決定に応じて、それらはスキップされてもよいし、特定の距離が変えられてもよい。
【0085】
本特許出願において記述されるようなステント伸長メカニズムによって、管内におけるステント展開中に医師が容易にステント長さを適合させられる。特に、各中間ステントセグメントが挿入および展開の後に管壁のいくつかの所望位置に接触して支持するように、医師はステントアセンブリ全体中の特定の中間ステントセグメントの位置を設定できる。
【0086】
前述のように、展開技術の一例では、次の各近位ステントが、既に管内において挿入および展開されており、残りのステントは、カテーテルステント挿入デバイス内に未だ収縮状態で収容され、次の長さ調整のために設けられる。ステントアセンブリ全体10が正しい長さおよび管内における正しい初期の近位位置を有すると医師が判断すると、カテーテルステント挿入デバイスの遠位方向への同時抜去の下で、ステントセグメントの残りを管内において挿入および展開するという決定が下される。このように、正しく調整された長さを有するステントアセンブリ10全体が、管内において展開されて正しい所期の管長をカバーする。
【0087】
図5a-5eには、本発明に係るカテーテルステント挿入デバイス40が、本発明に係るステントアセンブリ10の管100内における展開の動作ステージのシーケンスにおいて開示される。カテーテルステント挿入デバイス40は模式的に示され、ステント(ステントアセンブリとも表される)10を収縮構成において収容するための中空ステント収容チューブ41によって構成される。中空ステント収容チューブ41は、開いた近位チューブ端41a(図5のページの右側に示される)および遠位チューブ端41b(図5a-5eのページの左側に示される)を有する。遠位チューブ端41bは、人体の外部に配置される案内手段(不図示)に接続されている。
【0088】
参照符号42は、いくつかのステント展開ステージ中にカテーテルステント挿入デバイス40を案内するために管100内に配置されるガイドワイヤを示す。このステント展開の例では、ステントアセンブリ10が、近位ステントセグメント11、三つの中間ステントセグメント13-13’-13’’および遠位ステントセグメント12によって構成される。いくつかのステントセグメント11-13-13’-13’’-12は、図2a-2dおよび図4a-4cに示される実施形態に係る、第1/初期長さ構成および第2/拡張長さ構成の両方において、ステント長軸10c方向視で互いに長軸方向に揃っているジグザグ型である、いくつかの伸長可能ロッドエレメント31-32によって構成される相互接続手段30で相互接続される。
【0089】
なお、これらのジグザグ、可撓巻線またはコイル状の長尺フィラメントロッドエレメント31-32によって相互接続されている隣り合うステントセグメントの間の並進距離を設定する上では、可撓性巻線またはコイル構造型も同様に適切である。同様に、図1a-1dに示されるように、第1/初期長さ構成および第2/拡張長さ構成の両方において、ステント長軸10c方向視で互いに径方向にずれている長尺フィラメントロッドエレメント31-32の実装も、本発明に係るカテーテルステント挿入デバイス40における使用のためのステントアセンブリ10として可能である。
【0090】
カテーテルステント挿入デバイス40は、近位チューブ端41aが管100内にある状態で所期の展開位置に向かって挿入される。この位置でステント(アセンブリ)10が展開され、管内における展開後に、別のステントセグメント11-13-13’-13’’-12が拡張して内管壁に接触する。
【0091】
カテーテルステント挿入デバイス40は、参照符号50と共に示され、本例ではスピンドル50として構成される並進伸長手段も備える。並進スピンドル50は、本質的に、硬いプラスチック材料等の硬い棒状エレメントから作られる。並進スピンドル50は、中空ステント収容チューブ41の内部に収容され、中空円筒状に構成された収縮状態のステントアセンブリ10の内部にも収容される。
【0092】
なお、図5a-5eでは、カテーテルステント挿入デバイス40が拡大されており、いくつかの部分の寸法は、収縮構成におけるステントアセンブリ10が並進スピンドル50の周りに近接配置され、中空ステント収容チューブ41内に包まれるように明確化されている。このような微小構成は、人または動物の体の管内への挿入を可能にする。
【0093】
並進スピンドル50の近位端には、拡張ステント作用端50aが提供される。並進スピンドル50が中空ステント収容チューブ41の内部に収容されているため、拡張ステント作用端50aは、中空ステント収容チューブ41の内寸より小さい外寸を有し、ガイドワイヤ42およびステントアセンブリ10および管100に沿った中空ステント収容チューブ41の長軸方向(参照符号10cと共に示される長軸方向)に沿った、中空ステント収容チューブ41内における並進スピンドル50全体の並進変位を可能にする。しかし、図1a-1d、2a-2dおよび4a-4cにおいて前述されたようなステントアセンブリ10の並進伸長を実行するために、拡張ステント作用端50aの外寸は、ステントアセンブリ10の収縮未展開構成における個々のステントセグメント11-13-13’-13’’-12の外寸より大きい(好ましくは、僅かに大きい)。更に、拡張ステント作用端50aの外寸は、ステントアセンブリ10の拡張展開構成における個々のステントセグメント11-13-13’-13’’-12の内寸より小さい。
【0094】
図5aは、収縮されたステントアセンブリ10が並進スピンドル50の周りに収容され、両者が中空ステント収容チューブ41内に完全に収容されている、カテーテルステント挿入デバイス40の初期のステージを示す。拡張ステント作用端50aは、近位チューブ端41aと揃っている、または、近位チューブ端41aの近くに近接配置されている。拡張ステント作用端50aは、収縮されたステントアセンブリ10の近位端10aに接触している、特に、収縮された第1/近位ステントセグメント11の近位セグメント面11aに対して接触している。カテーテルステント挿入デバイス40は、中空ステント収容チューブ41の近位デバイス端41aがステントアセンブリ10の近位端10aの展開の位置に到達するまで、ガイドワイヤ42を使用して管100を通って進む。
【0095】
図5aにおいて近位デバイス端41aの隣に右(近位方向)を向いた黒い矢印と共に示されるように、所望または所期の管100内における展開位置に向けたカテーテルステント挿入デバイス40の操作および進行は、患者の外部に配置される案内手段によって、または、医師の手によって実行されうる。いずれの方法(自動または手動)でも、ステント10の展開前のカテーテルステント挿入デバイス40(の近位デバイス端41a)の位置が、蛍光透視法またはステント配置で使用されている任意の他の公知のイメージング技術によって確認されうる。
【0096】
図5bに示される第1/近位ステントセグメント11の展開は、遠位デバイスチューブ端41bの隣に左を向いた黒い矢印と共に示されるように、中空ステント収容チューブ41の長軸方向10cに沿った遠位方向への並進抜去によって起こる。中空ステント収容チューブ41の並進抜去の間、ステントアセンブリ10および並進スピンドル50は初期の展開位置に留まる。少なくとも近位ステントセグメント11の長さ(図1a-1dおよび2a-2dにおいてX1と共に示される)に等しい並進距離に亘って中空ステント収容チューブ41が抜去されると、第1/近位ステントセグメント11が、所望または所期の展開位置における管100内において、近位チューブ開端41aを介して解放される。その後、ステントセグメント11は展開および拡張し、管100の内管壁に対して接触する。このステントセグメント11の展開構成は、図5bにおいて参照符号11^と共に示される。
【0097】
図5cを参照して、拡張ステント作用端50aの外寸は、ステントアセンブリ10の拡張展開構成における個々のステントセグメント11-13-13’-13’’-12の内寸より小さい。更なる展開ステップでは、拡張ステント作用端50aが、先(図5b)に遠位方向に抜去されている近位チューブ端41aと再び揃う、または、近位チューブ端41aの近くに近接配置されるまで、並進スピンドル50が中空ステント収容チューブ41内で拡張されたステントセグメント11^を通って遠位方向に抜去される。今度は、拡張ステント作用端50aが、次の収縮されたステントセグメント13の近位セグメント面13aに対して接触する。
【0098】
図5cでは、第1および第2長尺フィラメントロッド31-32が依然として初期長さ寸法である。
【0099】
ステント伸長ステップを示す図5dでは、並進スピンドル50が、遠位方向(遠位スピンドル端50bの隣の左(遠位方向)を向いた黒い矢印を参照)に更に抜去される。拡張ステント作用端50aの外寸が、ステントアセンブリ10の収縮構成における個々のステントセグメント11-13-13’-13’’-12の外寸より大きいため、並進スピンドル50はステントアセンブリの残りを同様に引っ張るまたは変位させる。ここで、ステントセグメント12-13’’-13’-13は、管100の内管壁に対して既に展開および留置されている第1ステントセグメント11から遠位方向に遠ざかる。
【0100】
より大きい拡張ステント作用端50aは、収縮されたステントセグメント13のより小さい近位セグメント面13aに対して接触し、残りの収縮されたステントアセンブリ(ここでは、収縮されたステントセグメント12-13’’-13’-13)を中空ステント収容チューブ41(一定の管内位置に留まっている)内に対して遠位方向に引っ張り、図1a-1d、2a-2dおよび4a-4cに関して前述されたような第1および第2長尺フィラメントロッド31-32の並進伸長をもたらす。
【0101】
図5dでは、並進スピンドル50および収縮されたステントセグメント12-13-13’-13’’が、第1および第2長尺フィラメントロッド31-32の最小距離(図1a-1d、2a-2dおよび4a-4cにおけるD1)から最大距離D3への最大伸長をもたらす距離に亘って、遠位並進方向に変位される。但し、既に展開および拡張されたステントセグメントを中空ステント収容チューブ41内で未展開および収縮されたステントセグメントに相互接続する第1および第2長尺フィラメントロッド31-32の所望の並進伸長を実行するために、並進スピンドル50の遠位変位および後続の中空ステント収容チューブ41内に未だ存在する収縮されたステントセグメントのアセンブリの「引き抜き」は、適切なイメージング技術の使用のために中断されてもよい。これによって、長尺フィラメントロッド31-32の伸長が、最小距離D1および最大距離D3の間の任意の長さに設定されうる。
【0102】
既に展開および拡張された近位ステントセグメント11および未展開および収縮されたステントセグメント13の間の中間距離が図5dにおいて最大距離D3に設定されている状態で、図5eに示されるように、この収縮されたステントセグメント13が展開される。
【0103】
展開は、図5bと同様に、遠位デバイスチューブ端41bの隣に左を向いた黒い矢印と共に示されるように、中空ステント収容チューブ41の長軸方向10cに沿った遠位方向への並進抜去によって起こる。中空ステント収容チューブ41の並進抜去の間、収縮されたステントセグメント12-13’’-13’-13、並進スピンドル50および既に展開されたステントセグメント11は、それぞれの位置に留まる。
【0104】
少なくともステントセグメント13の長さ(図1a-1dおよび2a-2dにおいてX3と共に示される)に等しい並進距離に亘って中空ステント収容チューブ41が抜去されると、中間ステントセグメント13が、所望または所期の展開位置(既に展開された隣のステントセグメント11から距離D3の位置)における管100内において、近位チューブ開端41aを介して解放される。同様に、展開後、中間ステントセグメント13は展開および拡張し、管100の内管壁に対して接触する(図5eにおいて13^と共に示される)。
【0105】
図5cおよび5dを参照して前述されたように、展開された中間ステントセグメント13および次の中間ステントセグメント13’の間の距離を設定するためのステップが繰り返される。
【0106】
図5a-5eのカテーテルステント挿入デバイス40によれば、個々の次のステントセグメントが、既に展開されたステントセグメントからの所望距離に配置されうる。遠位デバイス端41bに向かう遠位方向への並進スピンドル50の並進変位によって、中間距離の設定およびステントセグメントの展開を管内において一つずつ行うことで、本発明に係るステントアセンブリ10が管内において効果的に展開されうる。ステントセグメントの一方の展開後、カテーテルステント挿入デバイス40の中空ステント収容チューブ41内に収縮状態において収容されているステントの残りは、関連する相互接続長尺フィラメントロッド31-32の所望長さに亘る並進スピンドル50の遠位方向への後続の並進による、次の展開されたステントセグメントに対する次の長さ調整の対象となりうる。
【符号の説明】
【0107】
10 ステント
10a ステント10の近位ステント端
10b ステント10の遠位ステント端
10c ステント10の長軸
11 第1/近位ステントセグメント
11^ 拡張構成における第1/近位ステントセグメント
11a 近位ステントセグメントの近位端
11b 近位ステントセグメントの遠位端
11b1 ステントセグメント11の遠位端11bおよび第1長尺フィラメントロッド31の近位ロッド端31aの間の第1接続
11b2 ステントセグメント11の遠位端11bおよび第2長尺フィラメントロッド32の近位ロッド端32aの間の第2接続
12 第2/遠位ステントセグメント
12a 遠位ステントセグメントの近位端
12a1 ステントセグメント12の近位端12aおよび第1長尺フィラメントロッド31の遠位ロッド端31bの間の第1接続
12a2 ステントセグメント12の近位端12aおよび第2長尺フィラメントロッド32の遠位ロッド端32bの間の第2接続
12b 遠位ステントセグメントの遠位端
13 第1中間ステントセグメント
13^ 拡張構成における第1中間ステントセグメント
13a 中間ステントセグメントの近位端
13b 中間ステントセグメントの遠位端
13’ 第2中間ステントセグメント
13’’ 第3中間ステントセグメント
30 セグメント相互接続手段
31 第1長尺フィラメントロッド
31a 第1長尺フィラメントロッドの近位ロッド端
31b 第1長尺フィラメントロッドの遠位ロッド端
32 第2長尺フィラメントロッド
32a 第2長尺フィラメントロッドの近位ロッド端
32b 第2長尺フィラメントロッドの遠位ロッド端
D1 二つの中間ステントセグメントの間の初期の最小距離
D2 二つの中間ステントセグメントの間の中間距離
D3 二つの中間ステントセグメントの間の最大距離
X1 近位ステントセグメント11の第1の長さ
X2 第2/遠位ステントセグメント12の長さ
X3 中間ステントセグメント13-13’-13’’の長さ
図1のステントの初期長さ
Z’ 図2のステントの中間長さ
Z’’ 図3のステントの更なる中間長さ
Z’’’ 図4のステントの更なる中間長さ
40 カテーテルステント挿入デバイス
41 中空ステント収容チューブ
41a 近位チューブ開端
41b 遠位チューブ端
42 ガイドワイヤ
50 伸長手段または並進スピンドル
50a 並進スピンドル50の拡張ステント作用端
50b 遠位スピンドル端
100 管
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
【国際調査報告】