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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】局所消毒組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20231206BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20231206BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20231206BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20231206BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20231206BHJP
   A61K 8/68 20060101ALI20231206BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20231206BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20231206BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/36
A61K8/41
A61K8/42
A61K8/60
A61K8/68
A61Q5/00
A61Q11/00
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533388
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2021083408
(87)【国際公開番号】W WO2022117514
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】202021052554
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】21152232.1
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシュ,リンパ
(72)【発明者】
【氏名】マジュムダール,アミターバ
(72)【発明者】
【氏名】マレマラ,プラチューシャ
(72)【発明者】
【氏名】ワスカー,モリス
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC251
4C083AC541
4C083AC542
4C083AC641
4C083AC642
4C083AD191
4C083AD202
4C083AD221
4C083AD222
4C083BB48
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC31
4C083CC41
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
(57)【要約】
本発明は、以下を含む局所消毒組成物に関する:糖類、ポリオール、またはそれらの組み合わせから選択されるポリヒドロキシ化合物;抗菌性脂質;およびテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(THPE)、ここで抗菌性脂質およびTHPEが1:10,000から1:10の重量比で存在する。本発明はさらに、局所組成物を表面上に適用することによって表面を消毒する方法、および皮膚、毛髪または口腔を消毒するための同じ組成物の使用に関する。本発明はまた、抗菌活性促進剤としての、糖類、ポリオールまたはそれらの組み合わせから選択されるポリヒドロキシ化合物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)糖類、ポリオール又はそれらの組み合わせから選択されるポリヒドロキシ化合物;
b)抗菌性脂質;及び
c)テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(THPE)、
を含有し、
抗菌性脂質及びTHPEは、1:10,000から1:10の重量比で存在する、
局所用組成物。
【請求項2】
前記抗菌性脂質が、ラウリン酸、サピエン酸、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、6-ヒドロキシスフィンゴシン、パルミトレイン酸及びそれらの組み合わせから選択される、
請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項3】
前記抗菌性脂質がフィトスフィンゴシンである、
請求項2に記載の局所用組成物。
【請求項4】
0.01から25重量%の前記ポリヒドロキシ化合物を含有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項5】
0.0001から5重量%の前記抗菌性脂質を含有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項6】
0.01から10重量%のTHPEを含有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項7】
前記ポリヒドロキシ化合物及びTHPEが、1:20から20:1の範囲にある重量比で存在する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項8】
ローション、クリーム、消臭剤、手指消毒剤又はボディスプレーである、
請求項1から7のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項9】
表面を消毒する方法であって、請求項1から8のいずれか一項に記載の局所用組成物を前記表面上に適用する工程を含む、
方法。
【請求項10】
前記表面が皮膚又は毛髪である、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記表面が、口腔粘膜(inner lining of the oral cavity)、舌及び歯から選択される、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記局所用組成物の少なくとも一部が、前記表面を水ですすぐことによって、前記表面上への適用後に除去される、
請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
皮膚、毛髪又は口腔を消毒するための、
請求項1から8のいずれか一項に記載の局所用組成物の使用。
【請求項14】
糖類、ポリオール又はそれらの組み合わせから選択されるポリヒドロキシ化合物の使用であって、
抗菌性脂質及びテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(THPE)の組み合わせを含む組成物中での抗菌活性促進剤としての使用であり;
好ましくは、前記ポリヒドロキシ化合物がグリセロール、パンテノール、スクロース及びそれらの組み合わせから選択される、
使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所使用のための消毒組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
人々は自分のペットと同様に、自分の皮膚を十分にケアしようとする。人々がケアする特定の皮膚関連の問題には、感染のない良好な皮膚の健康、良好な皮膚の色合い、及び十分な保湿が含まれる。
【0003】
同様に、人々は歯肉及び歯を含む口腔に、虫歯(cavities)、歯石、歯肉炎、虫歯(caries)、口臭としても知られる呼気の臭い及び歯垢のような問題がないことを望んでいる。
【0004】
人々はまた、頭髪および頭皮ケアにも関心を持っている。人々は、一般に、頭髪の脱毛ができるだけ少なく、また頭髪が太く長いことを好む。またフケは、真菌微生物が関与することが示唆されている、一般的に起こる頭皮の問題である。
【0005】
皮膚、口腔、および頭皮の良好な健康は、典型的にはそれらを感染症のない状態に保つことによって達成される。感染症に対処する1つの方法は、感染症が発症した後に抗菌薬を用いて感染症を治療することである。別のアプローチは例えば細菌のような任意の侵入微生物が死滅または不活性化されて疾患の広がりを最小限に抑えるように、例えば手の皮膚のような表面上に最小量の抗菌組成物を残すことである。本発明者らは皮膚に優しい活性および抗菌活性の分野における広範な知識をもって、ポリヒドロキシ化合物、抗菌性脂質およびテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミンの独特の組み合わせを考案し、相乗的な抗菌活性を提供した。
【0006】
当該技術分野において開示されている様々な局所抗菌組成物が存在する。
【0007】
US 3,050,467(Horowitzら、1962)は、水溶性石鹸と部分的に解重合されたアルギン酸の銀塩との混合物から本質的になる抗菌洗浄組成物を開示している。組成物は、相乗的な抗菌活性を提供する。
【0008】
US 2008/014247(Luら、2008)は、グラム陽性、グラム陰性、真菌性病原体および/または抗生物質耐性細菌によって引き起こされる状態を治療するための、金属含有材料、ステアリン酸および薬学的に許容される担体を含有する組成物を開示している。本発明はさらに、バイオフィルム増殖を阻害するための方法を提供する。金属含有材料は銀であってもよい。
【0009】
テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミンの使用も当技術分野で公知である。
【0010】
US 2009/0227683(Liebelら、2009)は、皮膚に鎮痛効果を提供するための組成物を開示している。この実施例は、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、グリセリン、D-パンテノール、ニパジンMおよびニパソールMを含有する組成物を記載する。
【0011】
US 2016/0324754(Cureら、2016)は、水、カルボマー、エチルヘキシルパルミテート、グリセリン、グリセリルアクリレート/アクリル酸、イソドデカン、ステアリン酸、ブチレングリコール、エチルアルコール、セテアリルアルコール、セテアリールアルコール、セテアレス-20、プロパンジオール、Brassica Campestris、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、アロエバルバデンシス、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ビサボロール、PEG-45M、および酢酸トコフェロールを含むシェービングクリーム組成物を開示する。
【0012】
グリセロールおよびパンテノールは、局所組成物において保湿剤として使用されるポリヒドロキシ化合物である。
【0013】
WO20126347(ユニリーバ)は悪臭および経口バイオフィルム阻害のための抗菌組成物に関するものであり、a.の0.1から10重量%のテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(THPE)およびb.の0.001から10重量%のビフェノールから選択される少なくとも1つの化合物を含む抗菌組成物を提供する。
【0014】
WO18166758(ユニリーバ)は、抗菌組成物、特に相乗的な抗フケまたは抗ニキビ効果を提供する抗菌組成物に関する。これは、チモール、またはテルピネオールから選択される選択精油活性物質と、サピエン酸、パルミトレイン酸、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、および6-ヒドロキシスフィンゴシンから選択される特定の抗菌性脂質との賢明な組み合わせによって達成される。これらの組成物は非常に多くの異なるタイプのパーソナルケア製品、例えば、シャンプー、コンディショナー;洗顔料もしくは手洗い用製品;またはリーブオン型のクリーム/ローションとして提供できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
これまでの努力にもかかわらず、人々は常に、新しい技術、例えば、改善された抗菌効果をもたらす活性物質または活性物質の組み合わせを探求している。さらに、既知の抗菌薬の使用量を最小限に抑えることが望ましい。
【0016】
したがって、抗菌効果をもたらす抗菌組成物および活性物質は、依然として関心のあるトピックである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは(i)糖類、ポリオールまたはそれらの組み合わせから選択されるポリヒドロキシ化合物、(ii)抗菌性脂質および(iii)テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミンを組み合わせることによって非常に有効な抗菌効力を提供する局所用組成物を開発し、ここで、抗菌性脂質およびTHPEは、1:10,000から1:10の重量比で存在する。
【0018】
本発明の局所用組成物は表面を消毒する方法において好適に使用することができ、前記方法は、表面上への局所用組成物の適用を含む。
【0019】
本発明はまた、皮膚、毛髪または口腔を消毒するための局所用組成物の使用に関する。
【0020】
本発明はまた、抗菌性脂質とテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(THPE)との組み合わせを含む組成物における、抗菌活性促進剤としての、糖類、ポリオールまたはそれらの組み合わせから選択されるポリヒドロキシ化合物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
これらおよび他の態様、特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を読むことによって、当業者には明らかになるのであろう。誤解を避けるために、本発明の1つの態様の任意の特徴は、本発明の任意の他の態様において利用され得る。用語「含む(comprising)」は「含む(including)」を意味するが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「から構成される(composed of)」を意味するものではなく、言い。なお、以下の説明において与えられる実施例は本発明を明確にすることを意図するものであり、本発明をそれらの実施例自体に限定することを意図するものではない。同様に、全てのパーセンテージは別段の指示がない限り、重量/重量パーセンテージであり、「wt%」と略記することができる。操作例および比較例を除いて、または他に明示的に示されている場合を除いて、材料の量または反応の条件、材料の物理的特性および/または使用を示す本明細書中のすべての数字は、「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。「xからy」の形式で表される数値範囲は、xおよびyを含むと理解される。特定の特徴について、複数の好ましい範囲が「xからy」というフォーマットで記載される場合、異なる終点を組み合わせるすべての範囲も企図されることが理解される。
【0022】
本発明の目的のために、用語「消毒」および「抗菌」は互換的に使用することができ、同じ意味を示す。
【0023】
従って、本発明の第1の態様は、以下を含む局所組成物に関する:
糖類、ポリオールまたはそれらの組み合わせから選択されるポリヒドロキシ化合物;
抗菌性脂質;および
抗菌性脂質およびTHPEが1:10,000から1:10の重量比で存在する、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(THPE)。
【0024】
本発明によるポリヒドロキシ化合物は、2つ以上のヒドロキシ基を含有する化合物を指す。本発明において使用され得るポリヒドロキシ化合物は、糖類またはポリオールの群から選択され得る。
【0025】
好ましい糖類は、単糖類、二糖類または多糖類であり得る。本発明において使用するための好ましい単糖は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースまたはリボースのうちの1つ以上;より好ましくはグルコース、フルクトースまたはガラクトースである。本発明において使用するための好ましい二糖類は、スクロース、ラクトース、ラクツロース、マルトース、ツラノースまたはテハロースの1つ以上;より好ましくはスクロース、ラクトース、ラクツロースまたはトレハロースから選択される。本発明による多糖とは、3つ以上の糖単位を有する化合物を意味し、それによってオリゴ糖も含む。本発明において使用するための好ましい多糖はフルクトースオリゴ糖、グルコースオリゴ糖または異性化した糖(saccharide isomerate)のうちの1つ以上から選択され、より好ましくは異性化した糖(saccharide isomerate)である。異性化した糖(saccharide isomerate)は、商品名「Pentavitin(登録商標)」(DSMから)、商品名Waterin(Clariantから)、商品名「EPS3粉末」、「EPS4粉末」、「EPS5粉末」および「EPS15粉末」(すべてCodifから)、および商品名「Hyanify」(Lipotec S.Aから)で市販されている。
【0026】
本発明の組成物における使用のための最も好ましい糖類は、フルクトース、スクロース、トレハロースまたは異性化した糖(saccharide isomerate)のうちの1つ以上から選択される。
【0027】
本発明によるポリオールは、2つ以上のアルコール基を含有する化合物である。本発明による好ましいポリオールは、グリセロールまたはパンテノールである。
【0028】
パンテノール(2,4-ジヒドロキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-3,3-ジメチルブタンアミド)はパントテン酸(ビタミンB5)のアルコール類似体である。
【0029】
本明細書で使用される「抗菌性脂質」という語は脂肪酸、モノグリセリド、スフィンゴ脂質、および直鎖状C10-24飽和または不飽和脂肪鎖を含むセラミドを指し、この脂肪族鎖は、1つまたは複数の水酸基で置換されていてもよい。
【0030】
本明細書で使用される「スフィノグリピド」という用語は2つまたは3つのヒドロキシル基を含有し、多くの場合、4位に特有のトランス二重結合を有する脂肪族アミンを指す。
【0031】
本明細書で使用される「セラミド」という用語は、スフィンゴイド塩基のアミン基が脂肪酸部分でN-アシル化されているスフィンゴ脂質の脂肪酸エステルを指す。
【0032】
本発明に従って抗菌性脂質として用いることができるスフィンゴ脂質の例としては、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、6-ヒドロキシスフィンゴシンが挙げられる。最も好ましくは、使用されるスフィンゴシンがフィトスフィンゴシンである。
本発明に従って使用され得る抗菌性脂肪酸の例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ミリストレイン酸(9-シス-テトラデセン酸)、パルミトレイン酸(9-シス-ヘキサデセン酸)、サピエン酸(シス-6-ヘキサデセン酸)、オレイン酸およびシス-バクセン酸(シス-11-オクタデカン酸)が挙げられる。好ましい抗菌性脂肪酸は、モノ不飽和脂肪酸である。最も好ましくは、抗菌性脂肪酸がパルミトレイン酸、サピエン酸およびそれらの組み合わせから選択される。
【0033】
本発明に従って使用され得る抗菌性モノグリセリドの例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸およびシス-バクセン酸から選択される脂肪酸の残基を含むモノグリセリドが挙げられる。好ましい抗菌性モノグリセリドは、グリセロールモノパルミトレアート、グリセロールモノサピナートおよびそれらの組み合わせである。
【0034】
好ましくは、本発明に従って使用される抗菌性脂質が脂肪酸、スフィンゴ脂質およびそれらの組み合わせから選択される。
【0035】
特に好ましい実施形態によれば、本発明に従って使用される抗菌性脂質は、好ましくはサピエン酸、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、6-ヒドロキシホスフィンゴシン、パルミトレイン酸およびそれらの組み合わせから選択される。最も好ましくは、抗菌性脂質はフィトスフィンゴシンである。
【0036】
抗菌性脂質は、好ましくは0.0001から5重量%、より好ましくは0.0005から1重量%、最も好ましくは0.001から0.1重量%の濃度で局所用組成物中に含有される。
【0037】
ポリヒドロキシ化合物は、好ましくは0.01から25重量%、より好ましくは0.1から10重量%、最も好ましくは0.3から3重量%の濃度で局所用組成物中に存在する。
【0038】
THPEは、好ましくは0.01から10重量%、より好ましくは0.05から5重量%、最も好ましくは0.1から2重量%の濃度で局所用組成物中に存在する。
【0039】
ポリヒドロキシ化合物およびTHPEは、好ましくは1:20から20:1の範囲、より好ましくは1:10から10:1の範囲、最も好ましくは1:5から5:1の範囲の重量比で局所組成物中に存在する。
【0040】
好ましくは、抗菌性脂質およびTHPEが1:10,000から1:10の範囲、より好ましくは1:5000から1:20の範囲、さらにより好ましくは1:5000から1:50の範囲、さらにより好ましくは1:2500から1:75の範囲、最も好ましくは1:1000から1:100の範囲の重量比で存在する。
【0041】
a)糖類、ポリオールまたはそれらの組み合わせから選択されるポリヒドロキシ化合物;b)抗菌性脂質;およびc)テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(THPE)の好ましい組み合わせは、以下の通りである:
【0042】
・グリセロール+フィトスフィンゴシン+THPE、
・パンテノール+フィトスフィンゴシン+THPE、
・グリセロール+パンテノール+フィトスフィンゴシン+THPE、
・グリセロール+ラウリン酸+THPE、
・フルクトース+尿酸+THPE、
・フルクトース+フィトスフィンゴシン+THPE、
・スクロース+フィトスフィンゴシン+THPE、
・スクロース+ラウリン酸+THPE、
・フルクトースオリゴ糖(FOS)+ラウリン酸+THPE、
・FOS+フィトスフィンゴシン+THPE。
【0043】
ポリヒドロキシ化合物、抗菌性脂質およびTHPEの他に、局所組成物は、溶媒、増粘剤、ゲル化剤、皮膚軟化剤、UV吸収剤、保湿剤、浸透促進剤、精油、防腐剤、抗酸化剤、界面活性剤、ビタミン、顔料および芳香剤などの他の化粧品として許容される成分を含んでいてもよい。
【0044】
好ましい実施形態によれば、局所用組成物は水性である。好ましくは、局所用組成物が0.1から99.9重量%の水、より好ましくは1から99重量%の水、最も好ましくは5から95重量%の水を含む。
【0045】
本発明の局所用組成物は、好ましくはローション、クリーム、消臭剤、手指消毒剤またはボディスプレーである。
【0046】
組成物は、リーブオン製品またはウォッシュオフ製品として身体の局所表面に提供することができる。リーブオン製品とは、シャワーや風呂のような次の個人的な洗浄活動の過程中に、通常、洗浄および/またはすすぎによって実質的に除去され得るまで、その所望の機能を発揮するために、身体の局所表面に適用され、その上に残される製品を意味する。ウォッシュオフ製品とは、多量の水で身体を洗浄するのを助けることを意味する十分な量の界面活性剤を含有する、個人的洗浄に使用される製品を意味する。そのような製品を皮膚に適用した後、通常、大量の泡を伴って、局所表面は、製品を実質的に含まないままにするのに十分な量の水ですすぐことができる。
【0047】
本発明による組成物は、好ましくはリーブオン製品である。
【0048】
本発明による組成物は口腔、皮膚または毛髪を洗浄するためのウォッシュオフ製品において使用することができ、例えば、歯磨き粉、歯磨き粉、マウスウォッシュ、シャンプー、ヘアコンディショナー、石鹸バー、ゲル、エマルジョンまたは液体の形態で調合されたボディまたは洗顔料として調合されたものである。好ましくはこの組成物が皮膚のケアのためのリーブオン製品として、またはわきに塗布するための消臭製品として調合される。好ましくは、本発明の組成物が化粧品として許容される基剤を含む。スキンケア製品または消臭製品を提供するための美容上許容される基剤は、以下の任意の成分が含まれる場合がある。
【0049】
スキンケア
【0050】
本発明の組成物は、スキンケアに使用することができる。スキンケアとは、組成物が皮膚に塗布され、その上に、通常数時間後または約1日後にシャワーまたは風呂に行くまで放置されることを意味する。化粧品として許容される基剤は一般に、組成物の10から99.9重量%、より好ましくは40から85重量%の範囲の量で存在する。化粧品として許容される基剤が水を含むことが特に好ましい。水は、好ましくは30から90重量%、より好ましくは30から85重量%、最も好ましくは30から80重量%の量で含まれる。水の他に、適切な担体の種類としては、シリコーン、多価アルコール、炭化水素、トリグリセリドおよび増粘粉末が挙げられる。
【0051】
本発明のスキンケア組成物は、皮膚への局所適用に適した化粧水(toners)、ローション、クリーム、ムース、スクラブ、美容液(Serum)またはゲルを含む任意の形態であってよい。組成物は、化粧水(skin lotion)またはクリームであることが好ましい。
【0052】
組成物は、共溶媒として作用する皮膚軟化剤(emollient)油を含んでもよい。好適な皮膚軟化剤(emollient)油としては、例えば、アルコキシル化芳香族アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステル、ポリグリコールまたはジオールと脂肪カルボン酸とのエステル、例えばカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、脂肪アルコールと脂肪酸とのエステル、ベンジルアルコールのアルコキシル化誘導体およびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、皮膚軟化剤油がカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである。
【0053】
典型的には、そのような組成物が日焼け止め組成物の総重量に基づいて0.01から10%、より好ましくは0.1から8%、最も好ましくは1から6%の量の共溶媒を含み、その中に包含される全ての範囲を含む。組成物は、無機日焼け止め剤または有機日焼け止め剤などの日焼け止め剤をさらに含んでもよい。有機日焼け止め剤の例は、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、ヒュームドシリカなどのシリカである。本発明の組成物は、ジベンゾイルメタン誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体およびそれらの混合物からなる群から選択されるUV-A日焼け止め剤を含んでもよい。本発明の組成物はまた、UV-B日焼け止め剤を含んでもよい。本発明の好適なUV-B日焼け止め剤は、ベンゾフェノン、アントラニレート、サリチレート、シンナメート、樟脳、マロン酸ベンジリデン、トリアゾン、及びこれらの誘導体からなる群から選択される。
【0054】
皮膚美白剤もまた、本発明の組成物に組み込むことができる。スキンケア製品はまた、皮膚上に存在する微生物のほぼ即時の死滅を確実にする消毒剤を含む。消毒剤は好ましくは20から90重量%、好ましくは30から80重量%のCからCの一価アルコールを含み、前記一価アルコールは、エタノール、イソプロピルアルコールまたは組合せから選択される。消毒剤組成物は、エタノールとイソプロピルアルコールとの組み合わせを含んでもよい。さらにより好ましくは、40から75重量%、さらにより好ましくは55から70重量%、最適には60から70重量%のCからCの一価アルコールを含む。
【0055】
好ましくは、消毒剤組成物が30から80重量%、より好ましくは40から70重量%、さらにより好ましくは50から68重量%、最も好ましくは60から65重量%のエタノールを含有する可能性がある。消毒剤は、特定の追加のポリオールを含むことができる。本発明による組成物中のさらなるポリオールは、好ましくはソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの組み合わせである。
消毒剤は、好ましくは0.01から1重量%の増粘剤を含む。より好ましくは、組成物が0.05から0.8重量%の増粘剤、最も好ましくは0.08から0.2重量%の増粘剤を含む。水は一般に、10から40重量%の殺菌剤組成物中に存在する。より好ましくは、組成物が12から35重量%の水、最も好ましくは25から30重量%の水を含む。
【0056】
消臭剤
【0057】
スキンケア組成物の特定の種類は、消臭剤組成物として知られているものである。これらの組成物は、通常、わきの下のような体臭を生じる皮膚の領域に適用される。これらの生成物は、臭気をマスキングするか、または臭気を引き起こす分子が生成されないことを確実にすることによって、または臭気を引き起こす微生物を殺すかまたは不活性化することによって機能する。そのような製品のクラスは、人によって生成される汗の量を低減または最小限に抑えるため、制汗製品としても知られている。
【0058】
これらの製品は、広義には2つの方法のうちの1つによって、皮膚に美容的および局所的に適用することができる。接触法と呼ばれることもある1つの方法では、皮膚の表面を横切るように組成物で拭き、組成物の一部が通過するときに付着する。非接触法と呼ばれることもある第2の方法では、皮膚に近接して保持されたディスペンサーから組成物が噴霧される。噴霧はポンプまたは絞ることのできる側壁といったディスペンサーの中身に圧力を発生させる機械的手段によって、または液化噴射剤の揮発分の一部から生じる内部発生圧力によって、発生させることができ、ディスペンサーは、一般にエアゾールと呼ばれる。
【0059】
広く言えば、2つの種類の接触組成物があり、そのうちの1つは液体であり、通常、ロールオンディスペンサーを使用して適用されるか、または場合によってはワイプ中もしくはワイプ上に吸収され、もう1つは、ゲル化された連続相を形成するキャリア液体中に所望の活性物質が配合される。一変形形態では担体流体が所望の活性物質のための溶媒を含み、第2の変形形態では活性物質が油、通常は油の混合物中に懸濁される粒子状固体として残る。
【0060】
粘着性または軟質固体組成物:
【0061】
ワックス、小分子ゲル化剤およびポリマーを含む、多くの異なる材料が連続油相のためのゲル化剤として提案されており、それらはそれぞれ、それらの利点を有し、それらのうちの最も普及している種類のゲル化剤の1つは、少なくとも部分的に、直鎖脂肪アルコールワックスゲル化剤を含む、それらの容易な入手可能性および加工の容易さのために、ワックスを含む。ゲル化消臭剤組成物は、皮膚を横切るようにそれと接触させながら拭くことによって皮膚に局所的に適用され、それによって、皮膚上に薄膜を堆積させる。
【0062】
ロールオン:
【0063】
ロールオンで広く適用可能な液体組成物は2つの種類、すなわち、活性物質が疎水性担体、例えば揮発性シリコーン中に懸濁されているものと、活性物質が担体液体中に溶解されているものとに分けることができる。後者は、より人気のあることが知られている。主に2種類の溶解性キャリア液体、すなわち、主にアルコール性であるキャリア、すなわち、溶解性キャリア流体の大部分はエタノールを含み、第2の種類は、キャリア液体が主に水である。前者はエタノールがそれ自体は穏やかな殺菌剤であるので非常に人気があったが、組成物が塗布された表面が傷ついたり切れたりした場合、それがしみることが、特に、シェービングまたは他の脱毛操作中に起こりやすいため、その人気が低下した。
【0064】
アルコール製剤の代替物である第2の種類の製剤は、活性物質の水溶液中の水不溶性または非常に難水溶性の成分を分散させたものである。ここ本明細書では、このような組成物をエマルジョンと呼ぶ。ロールオンエマルジョンは一般に、水溶性成分の分布を維持するために、1つ以上の乳化剤を含む。
【0065】
エアロゾル組成物:
【0066】
デオドラント組成物は、上述の他の成分に加えて、推進剤を含むエアロゾルを介して提供され得る。
【0067】
本明細書の推進剤は一般に、i)圧縮によって液化される低沸点ガス、ii)揮発性エーテル、およびiii)圧縮された非酸化性ガスの3つの種類のうちの1つと一致する。
【0068】
分類i)は、好都合には典型的には-5oC未満、しばしば-15oC未満、特にアルカンおよび/またはハロゲン化炭化水素である低沸点物質である。このクラスの噴射剤は通常、エアロゾルキャニスター内の圧力で液化され、蒸発して圧力を生成し、組成物をキャニスターから排出する。好適なアルカンの例としては、特にプロパン、ブタンまたはイソブテンが挙げられる。第2の種類の噴射剤は非常に揮発性の高いエーテルを含み、そのうち、これまで最も広く使用されているエーテルはジメチルエーテルである。この噴射剤は、有利には噴射剤対ベース配合物の比較的低い重量比、例えば5:95程度の低い重量比で使用することができる。それはまた、例えば、圧縮性/液化可能なアルカンガスとの混合物で使用することができる。第3の種類の推進剤は、圧縮された非酸化性ガス、特に二酸化炭素または窒素を含む。ネオンのような不活性ガスは、理論的な代替物である。
【0069】
スキンケア組成物はまた、物理的特性および性能を向上させるために当技術分野で一般的である他の成分を含んでもよい。適切な成分としては保湿剤、増粘剤、混和剤、結合剤、着色剤および顔料、pH調整剤、防腐剤、光学剤(optics)、香料、粘度調整剤、生物学的添加剤、緩衝剤、コンディショナー、精油、ならびに抗炎症剤、冷却剤、制汗剤、老化防止剤、座瘡防止剤、抗菌剤および抗酸化剤を含む皮膚有益剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
本発明の別の態様は、本明細書で前述した局所用組成物を表面に適用するステップを含む、表面を消毒する方法に関する。局所用組成物は例えば、スプレー、ブラッシング、または擦ることによって適用することができる。
【0071】
典型的には、局所用配合物が0.01から100mg/cmの量、より好ましくは0.1から10mg/cmの量、最も好ましくは1から5mg/cmの量で適用される。
【0072】
本方法の有利な一実施形態によれば、局所用組成物が塗布される表面は、皮膚または毛髪である。
【0073】
別の有利な実施形態によれば、局所用組成物が塗布される表面は、口腔粘膜(inner lining of the oral cavity)、舌及び歯から選択される。
【0074】
本発明の更に別の態様は、皮膚、毛髪又は口腔を消毒するための、本明細書で前述した局所用組成物の使用に関する。
【0075】
好ましくは、前述の使用が組成物の局所適用を含む。
【0076】
本発明において特許請求される方法および使用は、治療的または非治療的適用、好ましくは非治療的適用のためのものであり得る。
【0077】
さらなる態様において、本発明は、抗菌性脂質とテトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(THPE)との組み合わせを含む組成物における、抗菌活性促進剤としての、糖類、ポリオールまたはそれらの組み合わせから選択されるポリヒドロキシ化合物の使用に関する。これらのポリヒドロキシ化合物は組成物中の他の成分の抗菌活性を驚くべきことに促進するが、それらは典型的にはそれ自体抗菌活性ではない。
【0078】
本発明の第1の態様の組成物に関して好ましい全ての特徴は同様に、本発明によるポリヒドロキシ化合物のこの使用において好ましい。ポリヒドロキシ化合物は、好ましくはグリセロール、パンテノール、スクロースおよびそれらの組み合わせから選択される。
【0079】
ここで、本発明を、以下の非限定的な実施例を用いて説明する。
【実施例
【0080】
以下に記載した例には、グリセロール(メルクカタログNo.G9012)、パンテノール(シグマカタログNo.76200)、スクロース(シグマカタログNo.S8501)、フルクトース(シグマカタログNo.F127)、FOS(タタNQカタログNo.FOSSENCE(商標)粉末P95)、THPE(シグマ-アルドリッチカタログNo。122262)、フィトスフィンゴシン(エボニク)、ラウリン酸(ロバセミカタログNo。0435100500)サピエン酸(ケムシーンカタログNo.CS-0105451)、スフィンゴシン(シグマカタログNo.S9666)、ジヒドロスフィンゴシン(シグマカタログNo.D6783)およびパルミトレイン酸(シグマカタログNo.P9417)が用いられた。
【0081】
ポリヒドロキシ化合物(グリセロールまたはパンテノール)、THPEおよび抗菌性脂質(フィトスフィンゴシン)から選択される1つ以上の成分を含有する組成物の抗菌活性を、以下のアッセイを用いて決定した:
【0082】
200mLの滅菌Difco(商標)M9 Minimal Salts、5x(リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムを含む)を750mLの滅菌精製水に加え、最終容量を1Lに調整し、20mLのフィルター滅菌20%ブドウ糖液および2mLの滅菌1.0 M MgSO液を無菌的に加えることにより、M9 Minimal Mediumを調製する。
【0083】
Staphylococcus epidermidis ATCC 12228(Chromachemie)を10mlのM9最小培地+10%トリプティックソイブロス(TSB)培地、さらに以下を含有、に接種し、
(a)追加なし
(b)1重量%のグリセロール
(c)1重量%のパンテノール
(d)1重量%グリセロール+1重量%パンテノール
【0084】
振とう条件下、37℃で72時間インキュベートする
【0085】
72時間後、遠心分離によって上の発酵物から上清を回収し、それを0.22μmフィルターに通す(濾過により、培養上清から残留細菌を除去する)。インキュベーション中、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)は、グリセロールおよび/またはパンテノールを利用して、病原体の増殖を阻害することができる代謝産物を産生できる。
【0086】
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC 6538 (Chromachemie)を培養上清(上記に示すように回収)と共に培地に接種する
(a)追加なし
(b)1重量%のTHPE
(c)2重量%のTHPE
(d)0.0004重量%のフィトスフィンゴシン
(e)1重量%のTHPE+0.0004重量%のフィトスフィンゴシン
【0087】
37℃で16時間振盪せずにインキュベートする
【0088】
16時間後の600nmにおける吸光度を測定する(吸光度の値は、細菌増殖を表す-より高い細菌増殖手段のより高い吸光度値)。
【0089】
以下の表のセル中のXは、特定の成分が上記の量で含まれることを示す。
【0090】
結果を以下の表に示す:
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
【表6】
【0097】
上記の表1から6のデータは、本発明による組成物が相乗的抗菌活性を提供することを示す。
【0098】
さらに、グリセロール/パンテノールの代わりにスクロース(2重量%)をポリヒドロキシ化合物として使用したことを除いて、上記の実験を全く同じ方法で繰り返した。データも同様に分析し、結果を以下の表7および8に要約する:
【0099】
【表7】
【0100】
【表8】
【0101】
上記の表7および8のデータは、ポリヒドロキシ化合物がスクロースである場合、相乗作用が再現可能であることを示している。

さらに、上記の実験を、フルクトース(2重量%)をポリヒドロキシ化合物として使用したことを除いて、全く同じ方法で繰り返した。データも同様に分析し、結果を以下の表9および10に要約する:
【0102】
【表9】
【0103】
【表10】
【0104】
上記の表9および10のデータは、ポリヒドロキシ化合物がフルクトースである場合、相乗作用が再現可能であることを示している。
【0105】
さらに、フルクトースオリゴ糖(2重量%)をポリヒドロキシ化合物として使用したことを除いて、上記の実験を全く同じ方法で繰り返した。データも同様に分析し、結果を以下の表11および12に要約する:
【0106】
【表11】
【0107】
【表12】
【0108】
上記の表11および12のデータは、ポリヒドロキシ化合物がフルクトースオリゴ糖である場合、相乗作用が再現可能であることを示している。
【0109】
さらに、グリセロール(表13)またはフルクトース(表14)またはスクロース(表15)またはフルクトースオリゴ糖(表16);およびTHPEと組み合わせて、抗菌性脂質としてフィトスフィンゴシンの代わりにラウリン酸(0.00025wt%)を使用したことを除いて、上記の実験を全く同じ方法で繰り返した。データも同様に分析し、結果を以下の表13から16に要約する:
【0110】
【表13】
【0111】
【表14】
【0112】
【表15】
【0113】
【表16】
【0114】
上記表13から16のデータは、抗菌性脂質がラウリン酸である場合、相乗作用が再現可能であることを示している。これらの表のデータはまた、抗菌性脂質およびTHPEが本発明による比率範囲(1:10,000から1:10)、ここでは1:8000で存在する場合に相乗効果が得られることを示す。
【0115】
さらに、上記の実験を、ポリヒドロキシ化合物としてのグリセロール、抗菌性脂質としてのフィトスフィンゴシン;およびTHPEについて繰り返したが、フィトスフィンゴシンおよびTHPEは以下の表17から22に示される比とした。
【0116】
【表17】
フィトスフィンゴシン:THPE=1:1
【0117】
【表18】
フィトスフィンゴシン:THPE=1:5
【0118】
【表19】
フィトスフィンゴシン:THPE=1:2500
【0119】
【表20】
フィトスフィンゴシン:THPE=1:5000
【0120】
【表21】
フィトスフィンゴシン:THPE=1:25,000
【0121】
【表22】
フィトスフィンゴシン:THPE=1:50,000
【0122】
上記の表17から22のデータは、本発明によると、抗菌性脂質とTHPEとが比率で存在する場合にのみ相乗効果が得られることを示している。
【国際調査報告】