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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】皮膚クレンジング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/46 20060101AFI20231206BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20231206BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20231206BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20231206BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
A61K8/46
A61Q19/10
A61Q1/14
A61K8/34
A61K8/39
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533389
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 EP2021081009
(87)【国際公開番号】W WO2022117289
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/133451
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】21151535.8
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】カオ,イーシュアン
(72)【発明者】
【氏名】シェン,サイホン
(72)【発明者】
【氏名】スン,インチン
(72)【発明者】
【氏名】チュー,スンシン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC302
4C083AC532
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AD041
4C083AD042
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC23
4C083EE01
4C083EE07
(57)【要約】
アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、又はそれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤;ポリプロピレングリコール;及びジオールを含む皮膚クレンジング組成物であって、前記ジオールと前記アニオン性界面活性剤との重量比が少なくとも1:5である皮膚クレンジング組成物が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、又はそれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤;
(b)ポリプロピレングリコール及び
(c)ジオール
を含む皮膚クレンジング組成物であって、
前記ジオールと前記アニオン性界面活性剤との重量比が少なくとも1:5である皮膚クレンジング組成物。
【請求項2】
前記アルキルサルフェート及び前記アルキルエーテルサルフェートの合計量が、前記組成物の1~25重量%、好ましくは4~16重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アニオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエチル硫酸アンモニウム又はそれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
ポリプロピレングリコールがポリプロピレングリコール-7である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリプロピレングリコールが、前記組成物の0.1~10重量%、好ましくは1~4重量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ジオールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、又はそれらの混合物を含み、好ましくは前記ジオールがプロピレングリコールを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
ジオールの量が、前記組成物の総重量の0.1~30重量%、好ましくは1~15重量%である、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ジオールと前記アルキルサルフェート及び前記アルキルエーテルサルフェートの総量との重量比が、好ましくは1:5~50:1、より好ましくは1:4~2:1である、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリプロピレングリコールと前記アルキルサルフェート及び前記アルキルエーテルサルフェートの総量との重量比が、好ましくは1:50~10:1、より好ましくは1:10~2:1である、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物がさらに単量体アルコールを含み、好ましくは前記単量体アルコールがグリセリンである、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記単量体アルコール及び前記ジオールの総重量と前記アルキルサルフェート及び前記アルキルエーテルサルフェートの総重量との重量比が、1:10~10:1、好ましくは1:2~2:1の範囲である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
単量体アルコール及び前記ジオールの総量が、前記組成物の総重量の0.1~40重量%、好ましくは3~15重量%である、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が両性界面活性剤を含み、好ましくは前記両性界面活性剤がコカミドプロピルベタインである、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記両性界面活性剤の量が組成物全体の0.5~8重量%の範囲である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が当該組成物の35~82重量%の水を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分注装置での使用に適した皮膚クレンジング組成物に関する。特に、そのような組成物は、高低温で貯蔵した後、自動分注装置によって微細、均一かつ安定な泡を生成することができ、高温で残留物を少なくすることができる。
【背景技術】
【0002】
簡便であることと非接触モードであることから、自動分注装置は、空港、ホテル、家庭などの多くの場合に、皮膚クレンジング組成物を提供するために広く使用されてきた。環境温度は、地域及び/又は状況によって大きく異なる場合がある。そのような温度は、自動分注装置内の皮膚クレンジング組成物の性能に影響を与える可能性がある。本発明者らは、例えば、発生した泡が低温保存後に細かく緻密でないことや、高温では、より多くの残留物が装置のノズル周辺に発生してノズルを詰まらせる危険性が高まることなど、いくつか問題があることを確認している。
【0003】
本発明者らは、異なる温度で幅広い適応性を有する皮膚クレンジング組成物を開発する必要があることを認識していた。したがって、それがあれば、低温で消費者に優れたクレンジング経験を提供しながら、高温では残留物の発生が少なくすることができる。驚くべきことに、アニオン性界面活性剤に対するジオールの特定の重量比でアニオン性界面活性剤を含む皮膚クレンジング組成物にポリプロピレングリコールとジオールを含有させることによって、組成物が、高低温での保管後に自動分注装置を介して微細、均一かつ安定な泡を生成することができ、高温で残留物を少なくすることができることが見出された。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様において、本発明は、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、又はそれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤;ポリプロピレングリコール及びジオールを含む皮膚クレンジング組成物であって、前記ジオールと前記アニオン性界面活性剤との重量比が少なくとも1:5である皮膚クレンジング組成物に関するものである。
【0005】
本発明の他のすべての態様については、以下の詳細な説明及び実施例を考慮すると、より容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0006】
実施例を除き、又は別断で明示的に示されている場合を除き、材料の量又は反応の条件、材料の物理特性及び/又は使用を示す本明細書中のすべての数字は、「約」という言葉によって修飾されているものと理解しても良い。
【0007】
別断の断りがない限り、量はいずれも、組成物の重量基準である。
【0008】
留意すべき点として、任意の範囲の値を指定する際に、任意の特定の上限値を任意の特定の下限値に関連付けることができる。
【0009】
誤解を避けるために、「含む(comprising)」という言葉は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」又は「から構成される(composed of)」という意味ではない。言い換えれば、列挙された段階又は選択肢は網羅的である必要はない。
【0010】
請求項が複数の従属性や冗長性なしに見出され得るか否かとは無関係に、本明細書で見られる本発明の開示は、相互に多重従属性である請求項に見られるすべての実施形態を網羅するものと見なされるべきである。
【0011】
本発明の特定の態様(例えば、本発明の組成物)に関して、ある特徴が開示されている場合、そのような開示は、必要な変更を加えて、本発明の任意の他の態様(例えば、本発明の方法)にも適用されると見なされるべきである。
【0012】
本発明に適したアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート(すなわちサルフェート)、アルキルエーテルサルフェート、又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートは、それぞれ式ROSOM及びRO(CO)SOMを有し、ここで、各Rは、8~18個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは1~10の値を有する整数であり、各Mは、アンモニウムなどのカチオン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、ナトリウム及びカリウムなどの一価金属、並びにマグネシウム及びカルシウムなどの多価金属カチオンである。より好ましくは、各Rは、10~16個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは、1~10の値を有する整数であり、各Mは、トリエタノールアミン、ナトリウム又はカリウムのカチオンである。最も好ましくは、各R及びRは、分枝ではなく直鎖で12~14個の炭素原子を有する。
【0013】
代表的には、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエチル硫酸アンモニウム又はそれらの混合物から選択される。好ましいアニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO(nは1~3である)から選択され;より好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO(nは1~3である)であり;最も好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO(n=1である)である。
【0014】
好ましくは、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの総量は、組成物の好ましくは1~25重量%、より好ましくは2~20重量%、さらにより好ましくは4~16重量%、さらにより好ましくは6~14重量%である。
【0015】
好ましくは、ポリプロピレングリコールは、2~200、より好ましくは3~50、さらにより好ましくは4~20のプロピレンオキシド重合単位を含む。好ましくは、ポリプロピレングリコールは、100~50,000、より好ましくは200~5,000の数平均分子量を有する。最も好ましくは、ポリプロピレングリコールはポリプロピレングリコール-7(PPG-7)である。
【0016】
好ましくは、ポリプロピレングリコールは、組成物の0.1~10重量%、より好ましくは0.5~7重量%、より好ましくは1~4重量%の量で存在する。
【0017】
本明細書で使用されるジオールとは、二つのヒドロキシル基を有するアルコールを指す。ジオールが2~10個の炭素原子を有することが好ましく、より好ましくは3~6個の炭素原子を有しており、最も好ましくはジオールは3~4個の炭素原子を有する。
【0018】
特に好ましいジオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、又はそれらの混合物を含む。より好ましくは、ジオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、又はそれらの混合物を含む。さらにより好ましくは、ジオールは、プロピレングリコール、ブチレングリコール、又はそれらの混合物を含む。さらにより好ましくは、ジオールはプロピレングリコールを含み、最も好ましくはジオールはプロピレングリコールである。明確にするために、ジオールはポリプロピレングリコールとは化学的に異なる。
【0019】
代表的には、ジオールの量は、組成物の全重量の0.1~30重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~15重量%、さらにより好ましくは2~10重量%である。
【0020】
起泡性及び/又は感触をより良好にするためには、ジオールとアルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの総量との重量比は、好ましくは1:5~50:1、より好ましくは1:5~5:1であり、さらに好ましくは1:4~2:1である。より良好な起泡性及び/又は感触を達成するためには、ポリプロピレングリコールとアルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの総量との重量比は、好ましくは1:50~10:1、より好ましくは1:20~5:1、さらにより好ましくは1:10~2:1、さらにより好ましくは1:8~1:1である。
【0021】
組成物は、単量体アルコールをさらに含んでもよい。本明細書で使用される単量体アルコールとは、ポリマーではないアルコールを指す。単量体アルコールは、ジオール及びポリプロピレングリコールとは化学的に異なる。好ましくは、単量体は、グリセロール(すなわち、グリセリン又はグリセリン)、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、1,2,6-ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール又はそれらの混合物を含む。より好ましくは、それは、グリセリン、ソルビトール、又はそれらの混合物を含む。さらにより好ましくは、単量体アルコールはグリセリンを含み、最も好ましくは単量体アルコールはグリセリンである。好ましくは、単量体アルコールは、50~500、より好ましくは60~300の分子量を有する。
【0022】
好ましくは、単量体アルコールの量は、組成物の総重量の0.1~30重量%、好ましくは1~20重量%、より好ましくは3~15重量%、さらにより好ましくは5~10重量%である。
【0023】
好ましくは、単量体アルコール及びジオールの総量は、組成物の総重量の0.1~40重量%、好ましくは1~20重量%、より好ましくは3~15重量%、さらにより好ましくは6~12重量%である。好ましくは、単量体アルコール及びジオールの総重量とアルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの総重量との重量比は、より良好な起泡性及び/又は感触を達成するためには、1:10~10:1、より好ましくは1:6~6、さらにより好ましくは1:2~2:1範囲である。
【0024】
組成物は、両性界面活性剤をさらに含んでもよい。両性界面活性剤の量は、全組成物の0.5~8重量%、好ましくは1~4重量%の範囲であることができる。
【0025】
両性界面活性剤の例には、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン類)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、及び/又はアシルタウレート及びアシルグルタメートなどがあり、前記のアルキル及びアシル基は8~19個の炭素原子を有する。本発明の組成物で使用される代表的な両性界面活性剤には、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン及び/又はココアンホ酢酸ナトリウムなどがある。特に好ましい両性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0026】
水不溶性皮膚有益剤は、コンディショナー及び保湿剤として組成物中に配合することもできる。例には、シリコーンオイル;流動パラフィン、ワセリン、微結晶ロウ及び鉱油などの炭化水素;及びヒマワリ種子及び綿実油などの植物性トリグリセリドなどがある。
【0027】
一部の組成物は、増粘剤を含み得る。これらは、セルロース誘導体、天然ガム、及びアクリルポリマーから選択することができるが、この増粘剤の種類によって限定されるものではない。セルロース誘導体の中には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びそれらの組み合わせがある。好適なガムには、キサンタン、ペクチン、カラヤ、寒天、アルギン酸ガム、及びそれらの組み合わせなどがある。アクリル系増粘剤の中では、Lubrizol Corporationから入手可能なCarbopol 1382、Carbopol 982、Ultrez、Aqua SF-1及びAqua SF-2などのカルボマーを含む、アクリル酸及びメタクリル酸のホモポリマー及びコポリマーがある。増粘剤の量は、組成物中の活性ポリマー(溶媒又は水を除く)の0.01~3重量%の範囲であり得る。
【0028】
望ましくは、防腐剤を本発明の組成物に組み込むことで、潜在的に有害な微生物の増殖から保護することができる。本発明の組成物に好適な従来の防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。最近使用されるようになった他の防腐剤には、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、及び各種の4級アンモニウム化合物などがある。特に好ましい防腐剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム及びベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の用途、及び防腐剤と他の成分との間の不適合性の可能性を考慮して選択すべきである。防腐剤は、好ましくは、組成物の0.01重量%~2重量%の範囲の量で使用される。
【0029】
各種の他の任意の材料を組成物に配合することができる。これらには、2-ヒドロキシ-4,2′,4′-トリクロロジフェニルエーテル(トリクロサン)、2,6-ジメチル-4-ヒドロキシクロロベンゼン、及び3,4,4′-トリクロロカルボアニリドなどの抗菌剤;ポリエチレン及びシリカ又はアルミナなどのスクラブ及び剥離粒子;メントールなどの冷却剤;アロエベラなどの皮膚鎮静剤;及び着色料などがあり得る。
【0030】
さらに、本発明の組成物は、0.05~10重量%の金属イオン封鎖剤、例えばエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)、EHDP又は混合物;エチレングリコールジステアレート、二酸化チタン又はLytron 621(スチレン/アクリレート共重合体)などの乳白剤及びパーライザーをさらに含むことができ、これらはいずれも製品の外観や特性を向上させる上で有用である。
【0031】
組成物は、組成物の10~95重量%、より好ましくは20~88%、さらにより好ましくは35~82%、最も好ましくは45~75重量%の量の水を含むことができる。
【0032】
好ましくは、組成物は、約20s-1の比較的高いせん断速度で20℃で測定した場合に、少なくとも5mPa・s、より好ましくは8~10000mPa・s、さらにより好ましくは10~1000mPa・s、最も好ましくは20~200mPa・sの粘度を有する。好ましくは、組成物は流体の形態である。
【0033】
皮膚クレンジング組成物(製品)は、ヒトの皮膚への局所適用に好適な組成物(製品)を指し、好ましくはリンスオフ製品である。本明細書の組成物に関して使用される「リンスオフ」という用語は、皮膚に塗布又はこすりつけた後、洗い流される組成物を意味する。本明細書で使用される「皮膚」という用語は、顔(まぶた及び唇を除く)、首、胸、腹部、背、腕、脇の下、手及び足の皮膚を含む。好ましくは、「皮膚」は、顔(まぶた及び唇を除く)及び脇の下の皮膚を意味し、より好ましくは、皮膚は、唇及びまぶた以外の顔の皮膚を意味する。
【0034】
以下の実施例は、本発明についての理解を容易にするために提供されるものである。これらの実施例は、特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。
【実施例
【0035】
実施例1
本実施例は、起泡性能に対するプロピレングリコール、ジオールの効果を示すものである。
【0036】
【表1】
【0037】
*成分のレベルは活性剤のレベルを指す。
【0038】
標準的な手順に従うことで、表1に従って、一連の皮膚クレンジング組成物を調製した。
【0039】
低温での全サンプルについての起泡性能を以下の手順によって評価した。各サンプルを同一の自動投与装置に充填し、5℃で15日間保存した。次に、同量のサンプルを装置から時計皿にポンプ送りした。泡を観察し、各サンプルの起泡性の性能をリッチさ及びキメ細かさの観点から評価した。多量の大きい気泡を有する泡は「不可」、きめ細かく濃密な泡は「良好」、中間の泡は「可」とマークを付している。
【0040】
高温でのサンプルの性能を、次の手順によって評価した。各サンプルを、同一の自動投与装置に充填した。サンプルを装置からガラスビーカーにポンプで送り出して、ガラスビーカーを泡で満たした。次に、サンプルを入れたガラスビーカーを50℃のオーブンに7時間入れた。次に、これらのガラスビーカーを取り出して観察した。ガラスビーカーの壁に多くの残留物があるサンプルは「不可」、ガラスビーカーの壁に目立った残留物がないサンプルは「良好」、中間のサンプルは「可」とマークを付している。
すべてのサンプルの性能を表2に記録した。
【0041】
【表2】
【0042】
驚くべきことに、アニオン性界面活性剤に対するジオールの特定の重量比でアニオン性界面活性剤を含む皮膚クレンジング組成物にポリプロピレングリコール及びジオールを含めることによって、その組成物は、低温で保存した後であっても自動分注装置を介して微細、均一かつ安定な泡を生成することができ、高温での残留物がはるかに少ないことが見出された。
【国際調査報告】