(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】カスタム化既製アバットメントの設計、選定、配送または施術、これに関連した情報を提供する方法、デバイスおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
A61C 8/00 20060101AFI20231206BHJP
A61C 13/38 20060101ALI20231206BHJP
A61C 13/34 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
A61C13/38
A61C13/34 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533664
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 KR2021018230
(87)【国際公開番号】W WO2022119381
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0169028
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517128064
【氏名又は名称】オステムインプラント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OSSTEMIMPLANT CO., LTD
【住所又は居所原語表記】(Magok-dong) 3, Magokjungang 12-ro Gangseo-gu Seoul 07789 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,キョ オク
(72)【発明者】
【氏名】オム,テ クワン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ジェ チャン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨン ソク
【テーマコード(参考)】
4C159
【Fターム(参考)】
4C159AA41
4C159AA51
(57)【要約】
一実施例により、患者データベースに基づいて設計または製作された複数のカスタム化既製アバットメントセットから、カスタム化既製アバットメントを設計、選定、配送または施術する方法において、患者データベースに基づいて複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備する段階;患者の口腔データをピックアップする段階;ピックアップした患者の口腔データに基づいてソフトウェアを利用して前記複数のカスタム化既製アバットメントセットから適正アバットメントを選定する段階;および選定されたカスタム化既製アバットメントを配送または施術する段階;を含む、方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者データベースに基づいて設計または製作された複数のカスタム化既製アバットメントセットから、カスタム化既製アバットメントを設計、選定、配送または施術する方法において、
患者データベースに基づいて複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備する段階;
患者の口腔データをピックアップする段階;
ピックアップした患者の口腔データに基づいてソフトウェアを利用して前記複数のカスタム化既製アバットメントセットから適正アバットメントを選定する段階;および
選定されたカスタム化既製アバットメントを配送または施術する段階;を含む、方法。
【請求項2】
前記患者データベースを基盤とする複数のカスタム化既製アバットメントセットは、少なくとも400個以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のカスタム化既製アバットメントセットは少なくとも400個以上の具備する段階を有し、
患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対して、単位長さに基づいて複数個の領域に区分する段階;および
前記複数個の領域の区分結果に基づいて前記少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数個の領域の区分結果に基づいて前記少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備する段階は
前記複数個の領域の区分結果によりアバットメントの軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さにより分類された少なくとも26個以上の複数のカスタム化既製アバットメントを利用して、前記少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数個の領域に区分する段階は
それぞれの歯の種類に対して個別的にグルーピングを遂行し、前記グルーピングの遂行結果に基づいて前記少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備し、前記歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうち少なくとも一つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記適正アバットメントを選定する段階は
前記対象歯の植立空間に対するサイズ情報に基づいて前記複数のカスタム化既製アバットメントセットから前記適正アバットメントを決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、および大臼歯で構成され、歯の種類の選定はソフトウェアを利用して自動で推薦する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記カスタム化既製アバットメントに対する軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さの範囲は、0.5mm、0.75mmおよび1.0mmのうち少なくとも一つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
カスタム化既製アバットメントに関連した情報を提供する方法において、
患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対する複数個の領域の区分結果が獲得される領域の個数に基づいて複数のカスタム化既製アバットメントの個数を決定する段階;
対象歯の植立空間に対するサイズ情報を含む患者の口腔データを獲得する段階;
前記対象歯の植立空間に対するサイズ情報に基づいて前記複数のカスタム化既製アバットメントのうち適正アバットメントを決定する段階;および
前記適正アバットメントに対する情報を提供する段階;を含む、方法。
【請求項10】
前記患者データベースを基盤とする複数のカスタム化既製アバットメントセットは少なくとも400個以上であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記対象歯の歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、および大臼歯で構成され、前記歯の種類の選定はソフトウェアを利用して自動で推薦する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のカスタム化既製アバットメントの個数を決定する段階は
それぞれの歯の種類に対するアバットメントサイズの統計的分布範囲に対して単位長さに基づいてグルーピングを遂行する段階;および
前記それぞれの歯の種類に対する前記グルーピングの遂行結果獲得されるグループの個数の和に基づいて、前記複数の標準アバットメントの個数を少なくとも400個以上に決定する段階;を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
カスタム化既製アバットメントに関連した情報を提供するデバイスにおいて、
対象歯の植立空間に対するサイズ情報を含む患者の口腔データを獲得する受信部;および
患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対する複数個の領域の区分結果が獲得されるグループの個数に基づいて複数のカスタム化既製アバットメントの個数を少なくとも400個以上に決定し、
対象歯の歯の種類および前記対象歯の植立空間に対するサイズ情報に基づいて前記複数のカスタム化既製アバットメントのうち適正アバットメントを決定し、
前記適正アバットメントに対する情報を提供するプロセッサ;を含む、デバイス。
【請求項14】
請求項1に記載された方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はカスタム化既製アバットメントの設計、選定、配送または施術、これに関連した情報を提供する方法、デバイスおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インプラント(Implant)とは喪失した人体組職を回復させる代用物を意味するが、歯科では一般的に喪失した歯の歯根(根)の代わりをすることができるように、自然の歯根が抜け出た歯槽骨に埋植して癒着させる代用物を意味する。
【0003】
このような歯科用インプラントは人工歯と歯根との結合方法によって多様に分類され得る。そのうち、スクリュの結合力を利用したものとしてスクリュタイプインプラントがあり、従来のスクリュタイプインプラントシステム(インプラント組立体)は、インプラント、アバットメント(abutment)および人工歯などで構成される。
【0004】
インプラント施術時、インプラントやアバットメントなどは患者の口腔状態などを考慮して施術者が多様な直径とネジピッチを有する製品のうち適切なものを選択して施術がなされることになる。
【0005】
特に、インプラントシステムにおいて、歯槽骨に埋植されたインプラントと人工歯との間に位置されるアバットメントの場合には、顎骨に植立されるインプラントの状態や患者の口腔内部の状態などにより多様な形状のアバットメントが使われたりもする。
【0006】
最近では既製品で提供されるアバットメントを使わず、CAD-CAM方式で患者個人に適合なカスタムアバットメントを製作して使う方法が提案されている。
【0007】
カスタムアバットメントはそれぞれの個人に合わせて製作するため、時間が長くかかって費用が高い。しかし、カスタムアバットメントは人工歯および歯齦とよく合うように製作されるので、食物が挟まることが防止され得、審美的に優れている。反面、既製アバットメントの場合、メーカーで大量に予め製作されて配送されてきた製品を使用し、大量で生産するので短時間内に受けることができ低コストであるという長所がある。しかし、既製アバットメントは人工歯および歯齦と合わない場合があるため、食物が挟まったり歯の脱臼が発生したりし得る問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示はカスタム化既製アバットメントの設計、選定、配送または施術、これに関連した情報を提供する方法、デバイスおよび記録媒体を提供することができる。具体的には、本開示はカスタムアバットメントの長所と既製アバットメントの長所をすべて有するアバットメントの設計、選定、配送または施術、これに関連した情報を提供する方法、デバイスおよび記録媒体を提供することができる。
【0009】
解決しようとする技術的課題は前述されたような技術的課題に限定されず、通常の技術者に自明な範囲内で多様な技術的課題がさらに含まれ得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1側面に従う時、患者データベースに基づいて設計または製作された複数のカスタム化既製アバットメントセットから、カスタム化既製アバットメントを設計、選定、配送または施術する方法は、患者データベースに基づいて複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備する段階;患者の口腔データをピックアップする段階;ピックアップした患者の口腔データに基づいてソフトウェアを利用して前記複数のカスタム化既製アバットメントセットから適正アバットメントを選定する段階;および選定されたカスタム化既製アバットメントを配送または施術する段階;を含むことができる。
【0011】
また、前記患者データベースを基盤とする複数のカスタム化既製アバットメントセットは少なくとも400個以上であることを特徴とすることができる。
【0012】
また、前記複数のカスタム化既製アバットメントセットは少なくとも400個以上の具備する段階を有し、患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対して単位長さに基づいて複数個の領域に区分する段階;および前記複数個の領域の区分結果に基づいて前記少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備することができる。
【0013】
また、前記複数個の領域の区分結果に基づいて前記少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備する段階は、前記複数個の領域の区分結果によりアバットメントの軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さにより分類された少なくとも26個以上の複数のカスタム化既製アバットメントを利用して、前記少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備することができる。
【0014】
また、前記複数個の領域に区分する段階はそれぞれの歯の種類に対して個別的にグルーピングを遂行し、前記グルーピングの遂行結果に基づいて前記少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備し、前記歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0015】
また、前記適正アバットメントを選定する段階は、前記対象歯の植立空間に対するサイズ情報に基づいて前記複数のカスタム化既製アバットメントセットから前記適正アバットメントを決定することができる。
【0016】
また、前記歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、および大臼歯で構成され、歯の種類の選定はソフトウェアを利用して自動で推薦することができる。
【0017】
また、前記カスタム化既製アバットメントに対する軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さの範囲は、0.5mm、0.75mmおよび1.0mmのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0018】
本開示の第2側面に従う時、カスタム化既製アバットメントに関連した情報を提供する方法は、患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対する複数個の領域の区分結果獲得される領域の個数に基づいて複数のカスタム化既製アバットメントの個数を決定する段階;対象歯の植立空間に対するサイズ情報を含む患者の口腔データを獲得する段階;前記対象歯の植立空間に対するサイズ情報に基づいて前記複数のカスタム化既製アバットメントのうち適正アバットメントを決定する段階;および前記適正アバットメントに対する情報を提供する段階;を含むことができる。
【0019】
また、前記患者データベースを基盤とする複数のカスタム化既製アバットメントセットは少なくとも400個以上であることを特徴とすることができる。
【0020】
また、前記対象歯歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、および大臼歯で構成され、歯の種類の選定はソフトウェアを利用して自動で推薦することができる。
【0021】
また、前記複数のカスタム化既製アバットメントの個数を決定する段階は、それぞれの歯の種類に対するアバットメントサイズの統計的分布範囲に対して単位長さに基づいてグルーピングを遂行する段階;および前記それぞれの歯の種類に対する前記グルーピングの遂行結果獲得されるグループの個数の和に基づいて、前記複数の標準アバットメントの個数を少なくとも400個以上に決定することができる。
【0022】
本開示の第3側面に従う時、カスタム化既製アバットメントに関連した情報を提供するデバイスは、対象歯の植立空間に対するサイズ情報を含む患者の口腔データを獲得する受信部;および患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対する複数個の領域の区分結果獲得されるグループの個数に基づいて複数のカスタム化既製アバットメントの個数を少なくとも400個以上に決定し、対象歯の歯の種類および前記対象歯の植立空間に対するサイズ情報に基づいて前記複数のカスタム化既製アバットメントのうち適正アバットメントを決定し、前記適正アバットメントに対する情報を提供するプロセッサ;を含むことができる。
【0023】
本開示の第4側面は、第1側面および第2側面のうちいずれか一つに係る方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することができる。または本開示の第5側面は、第1側面および第2側面のうちいずれか一つに係る方法を実現するために記録媒体に保存されたコンピュータプログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
一実施例によると、費用の側面で効率的であり、かつ多様な患者に対して高いカバレッジを有するカスタム化既製アバットメントを提供することができる。
【0025】
本開示の効果は前記した効果に限定されるものではなく、本開示の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の構成を説明するための図面である。
【
図2】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【
図3】一実施例に係るデバイス1000の構成の一例を示す概略的な図面である。
【
図4】一実施例に係るデバイス1000が患者データベースに基づいて設計または製作された複数のカスタム化既製アバットメントセットから、カスタム化既製アバットメント100を設計、選定、配送または施術する方法を示すフローチャートである。
【
図5】一実施例に係る歯齦部120の高さを基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【
図6】一実施例に係る支台部110の高さを基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【
図7】一実施例に係る支台部110の角度を基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【
図8】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【
図9】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【
図10】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【
図11】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【
図12】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【
図13】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【
図14】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【
図15】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【
図16】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【
図17】他の一実施例に係るデバイス1000がカスタム化既製アバットメントに関連した情報を提供する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施例で使われる用語は本開示での機能を考慮しつつ、できる限り現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新しい技術の出現などにより変わり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明の部分で詳細にその意味を記載するであろう。したがって、本開示で使われる用語は単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本開示の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0028】
明細書全体において、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」等の用語は少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアまたはソフトウェアで具現されたりハードウェアとソフトウェアの結合で具現され得る。
【0029】
明細書全体において「支援」は、特定目的を達成するための関連した動作の遂行を含む意味で幅広く解釈され得、制限して解釈されない。また、明細書全体において「提供」は、対象が特定情報を獲得するか直間接的に特定対象に送受信する過程を含み、このような過程で要求される関連動作の遂行を包括的に含むものと解釈され得る。
【0030】
以下では、添付した図面を参照して本開示の実施例について、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本開示は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
以下では、図面を参照して本開示の実施例を詳細に説明する。
【0032】
図1は、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の構成を説明するための図面である。
【0033】
図1を参照すると、カスタム化既製アバットメント100はクラウン(crown)内部に結合可能なように上端に位置する支台部(post)110、一部または全部がインプラントと結合可能なように下端に位置する下部130およびインプラントに結合されずに歯齦と接触するように支台部110と下部130の間に位置する歯齦部120を含むことができる。
【0034】
カスタム化既製アバットメント100は、多数患者の口腔環境に統計的に最適化されたカスタムアバットメント形態を有する既製化されたアバットメントを指す。
【0035】
カスタム化既製アバットメント100のサイズは多様な基準により決定され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100のサイズは、アバットメントの軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さ、歯齦部120の高さ、支台部110の高さなどを含むことができる。
【0036】
カスタム化既製アバットメント100は、多様な基準およびこれに対する測定値により定義され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100はアバットメントの軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さ、歯齦部120の高さ、支台部110の高さ、支台部110の角度などで定義され得るが、これに制限されない。支台部110の角度は支台部110と歯齦部120間の角度または支台部110と下部130間の角度であり得る。
【0037】
カスタム化既製アバットメント100のサイズまたは支台部110の角度は、患者カスタムアバットメントの全体統計的分布範囲に対する領域区分結果により決定され得る。ここで、領域区分は統計データの2次元分布または1次元分布上で特定された一つ以上の部分的分布範囲と解釈され得る。
【0038】
一実施例に従う時、複数個の領域に区分する動作は単位長さに基づいて遂行され得、グループ間の長さの差は単位長さの倍数で示すことができる。
【0039】
一実施例に従う時、単位長さの範囲は0.5mm、0.75mmおよび1.0mmのうち少なくとも一つを含むことができる。具体的には、カスタム化既製アバットメント100に対する軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さの範囲は、0.5mm、0.75mmおよび1.0mmのうち少なくとも一つを含むことができる。例えば、単位長さ(または軸方向投影イメージの横および縦の長さ)は0.5mm、0.75mmおよび1.0mmのうち少なくとも一つに対応し得る。この場合、単位長さが0.5mmに対応する場合、単位長さは0.5mmから既設定範囲(例:0.1mm、0.01mm、0.2mmなど)以内の値であり得、単位長さが0.75mmに対応する場合、単位長さは0.75mmから既設定範囲以内の値であり得、単位長さが1.0mmに対応する場合、単位長さは1.0mmから既設定範囲以内の値であり得るが、これに制限されない。
【0040】
領域区分はそれぞれの歯の種類に対して遂行され得、歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0041】
図2は、一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【0042】
図2を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、1.0mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は4個に区分(この時、カバレッジは96%に対応)され、下顎前歯は2個に区分(この時、カバレッジは87%に対応)され、犬歯は4個に区分(この時、カバレッジは96%に対応)され、小臼歯は2個に区分(この時、カバレッジは97%に対応)され、大臼歯は4個に区分(この時、カバレッジは95%に対応)され得る。したがって、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する領域区分結果は16個か獲得され得る。
【0043】
一実施例に従う時、歯齦部120の高さに対する統計的分布範囲は、1.0mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は5個に区分され、下顎前歯は5個に区分され、犬歯は5個に区分され、小臼歯は4個に区分され、大臼歯は4個に区分され得る。
【0044】
一実施例に従う時、支台部110の高さに対する統計的分布範囲は、1.0mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は3個に区分され、下顎前歯は3個に区分され、犬歯は3個に区分され、小臼歯は3個に区分され、大臼歯は3個に区分され得る。
【0045】
一実施例に従う時、支台部110の角度に対する統計的分布範囲は、12度に対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は2個に区分され、下顎前歯は2個に区分され、犬歯は2個に区分され、小臼歯は2個(または1個)に区分され、大臼歯は2個(または1個)に区分され得る。
【0046】
したがって、上顎前歯は軸方向投影イメージの横および縦の長さに対して4個、歯齦部120の高さに対して5個、支台部110の高さに対して3個、支台部110の角度に対して2個に領域が区分されて総120個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、上顎前歯に対しては120個のカスタム化既製アバットメント100が決定され得る。類似する方式で下顎前歯では60個、犬歯では120個、小臼歯に対しては48個、大臼歯に対しては96個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、単位長さが1mmに対応し単位角度が12度に対応する時、444個の領域区分結果が獲得され得る。
【0047】
一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.75mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は6個に区分(この時、カバレッジは94%に対応)され、下顎前歯は4個に区分(この時、カバレッジは95%に対応)され、犬歯は6個に区分(この時、カバレッジは95%に対応)され、小臼歯は4個に区分(この時、カバレッジは90%に対応)され、大臼歯は6個に区分(この時、カバレッジは90%に対応)され得る。したがって、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する領域区分結果は26個か獲得され得る。
【0048】
一実施例に従う時、歯齦部120の高さに対する統計的分布範囲は、0.75mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は5個に区分され、下顎前歯は5個に区分され、犬歯は5個に区分され、小臼歯は4個に区分され、大臼歯は4個に区分され得る。
【0049】
一実施例に従う時、支台部110の高さに対する統計的分布範囲は、0.75mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は3個に区分され、下顎前歯は3個に区分され、犬歯は3個に区分され、小臼歯は3個に区分され、大臼歯は3個に区分され得る。
【0050】
一実施例に従う時、支台部110の角度に対する統計的分布範囲は、12度に対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は2個に区分され、下顎前歯は2個に区分され、犬歯は2個に区分され、小臼歯は2個(または1個)に区分され、大臼歯は2個(または1個)に区分され得る。
【0051】
したがって、上顎前歯は軸方向投影イメージの横および縦の長さに対して6個、歯齦部120の高さに対して5個、支台部110の高さに対して3個、支台部110の角度に対して2個に領域が区分されて総180個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、上顎前歯に対しては180個のカスタム化既製アバットメント100が決定され得る。類似する方式で下顎前歯では120個、犬歯では180個、小臼歯に対しては96個、大臼歯に対しては144個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、単位長さが0.75mmに対応し単位角度が12度に対応する時、720個の領域区分結果が獲得され得る。
【0052】
一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は8個に区分(この時、カバレッジは92%に対応)され、下顎前歯は6個に区分(この時、カバレッジは91%に対応)され、犬歯は8個に区分(この時、カバレッジは90%に対応)され、小臼歯は6個に区分(この時、カバレッジは93%に対応)され、大臼歯は9個に区分(この時、カバレッジは88%に対応)され得る。したがって、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する領域区分結果は37個か獲得され得る。
【0053】
一実施例に従う時、歯齦部120の高さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は5個に区分され、下顎前歯は5個に区分され、犬歯は5個に区分され、小臼歯は4個に区分され、大臼歯は4個に区分され得る。
【0054】
一実施例に従う時、支台部110の高さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は3個に区分され、下顎前歯は3個に区分され、犬歯は3個に区分され、小臼歯は3個に区分され、大臼歯は3個に区分され得る。
【0055】
一実施例に従う時、支台部110の角度に対する統計的分布範囲は、12度に対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は2個に区分され、下顎前歯は2個に区分され、犬歯は2個に区分され、小臼歯は2個(または1個)に区分され、大臼歯は2個(または1個)に区分され得る。
【0056】
したがって、上顎前歯は軸方向投影イメージの横および縦の長さに対して8個、歯齦部120の高さに対して5個、支台部110の高さに対して3個、支台部110の角度に対して2個に領域が区分されて総240個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、上顎前歯に対しては240個のカスタム化既製アバットメント100が決定され得る。類似する方式で下顎前歯では180個、犬歯では240個、小臼歯に対しては144個、大臼歯に対しては216個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、単位長さが0.5mmに対応し単位角度が12度に対応する時、1020個の領域区分結果が獲得され得る。
【0057】
図2を参照すると、単位長さが0.5mm、0.75mmまたは1mmに対応し単位角度が12度に対応する時、400個以上の領域区分結果が獲得され得る。
図2で開示始された0.5mm、0.75mmおよび1mmのすべての実施例で確認できるように、領域区分結果の個数(またはカスタム化既製アバットメントの個数)はすべての場合において400個以上に維持され得る。領域区分結果の個数(またはカスタム化既製アバットメントの個数)が特定数値以上でないと、既製アバットメントであるにもかかわらずカスタムアバットメントの効果を期待することができず、本開示に従う時、多様な実施例ですべて400個以上の領域区分結果の個数(またはカスタム化既製アバットメントの個数)を維持することによって、既製アバットメントであるにもかかわらずカスタムアバットメントの効果を期待することができる。
【0058】
既製アバットメントをカスタムアバットメントのように活用するために最小限の下限が要求され、
図2に図示された通り、400個という下限線を維持することによってカスタムアバットメントの効果を期待することができる。
【0059】
図3は、一実施例に係るデバイス1000の構成の一例を示す概略的な図面である。
【0060】
一実施例に係るデバイス1000は、患者データベースに基づいて少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを獲得する受信部1100;および患者の口腔データをピックアップし、ピックアップした患者の口腔データに基づいて、ソフトウェアを利用して複数のカスタム化既製アバットメントセットから適正アバットメントを選定し、選定されたカスタム化既製アバットメントを配送または施術するこれを支援するプロセッサ1200;を含むことができる。
【0061】
他の一実施例に係るデバイス1000は、対象歯の植立空間に対するサイズ情報を含む患者の口腔データを獲得する受信部1100;および患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対する複数個の領域の区分結果獲得される領域の個数に基づいて複数のカスタム化既製アバットメントの個数を少なくとも400個以上に決定し、対象歯の歯の種類および/または対象歯の植立空間に対するサイズ情報に基づいて複数のカスタム化既製アバットメントのうち適正アバットメントを決定し、適正アバットメントに対する情報を提供するプロセッサ1200;を含むことができる。歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯で構成され得るが、これに制限されない。また、歯の種類の選定はソフトウェアを利用した自動推薦方式で遂行され得る。例えば、デバイス1000は対象歯の植立空間に対するサイズ情報を含む患者の口腔データを利用して、上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうちいずれか一つに対する推薦情報を提供することができる。また、推薦情報に対する使用者入力に基づいて歯の種類が選定され得る。選定という用語は決定の意味を含んで解釈され得るが、これに制限されない。
【0062】
前述した他の一実施例に係る一連の動作については、以下で
図4~
図17を参照して後述することにする。
【0063】
一実施例に係る受信部1100は他のデバイス、患者データベースまたはメモリから明細書全般において記述される情報を受信することができ、例えば、ネットワークを通じて他のデバイスと連結されて以下で記述される多様な情報を送受信できる有無線通信装置を含むことができる。また、プロセッサ1200はカスタム化既製アバットメントを設計、選定、配送または施術したりカスタム化既製アバットメントに関連した情報を提供する一連の動作を遂行することができ、デバイス1000の動作全般を制御するCPU(central processor unit)で具現され得、受信部1100およびその他の構成要素と電気的に連結されてこれら間のデータの流れを制御することができる。
【0064】
また、
図3に図示された構成要素の他に、他の汎用的な構成要素がデバイス1000にさらに含まれ得ることを関連技術分野で通常の知識を有する者であれば理解することができる。例えば、デバイス1000は患者データを保存する患者データベース、動作全般に利用されるデータを保存するためのメモリ、使用者入力を受信したり情報を出力するための入出力インターフェースなどをさらに含むことができる。
【0065】
図4は、一実施例に係るデバイス1000が患者データベースに基づいて設計または製作された複数のカスタム化既製アバットメントセットから、カスタム化既製アバットメント100を設計、選定、配送または施術する方法を示すフローチャートである。
【0066】
図4を参照すると、段階S410でデバイス1000は患者データベースに基づいて複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備することができる。一実施例において、デバイス1000は複数の患者に対する口腔データを収集してこれを含む患者データベースを構築したりまたは予め構築された患者データベースから複数の患者に対する口腔データを受信することができ、複数の患者に対する口腔データを利用して患者別アバットメントデータの統計的分布を分析し、分析結果により領域区分を遂行することによって複数のカスタム化既製アバットメントセットを決定することができる。例えば、デバイス1000は統計的母集団分布に基づいて複数個の領域を区分することによって、400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを決定することができる。
【0067】
段階S420でデバイス1000は患者の口腔データをピックアップすることができる。一実施例において、デバイス1000は対象歯の植立空間に対するサイズ情報を含む患者の口腔データを、撮像を通じて生成したり、使用者デバイスから受信したり、使用者入力により受信することができる。一実施例において、一実施例において、患者の口腔データは3D表面スキャンデータを含むことができる。
【0068】
段階S430でデバイス1000はピックアップした患者の口腔データに基づいて、ソフトウェアを利用して複数のカスタム化既製アバットメントセットから適正アバットメントを選定することができる。例えば、デバイス1000は患者の口腔データから患者に適合の患者カスタムアバットメントのサイズ情報を決定するか、口腔データに含まれた対象歯の植立空間に対するサイズ情報を利用して領域区分結果として獲得された400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットのうち適正一つを決定することができる。
【0069】
一実施例において、デバイス1000は対象歯の歯の種類および/または対象歯の植立空間に対するサイズ情報に基づいて、複数のカスタム化既製アバットメントセットから適正アバットメントを決定することができる。例えば、デバイス1000は患者の口腔データから患者に施術が要求される対象歯の歯の種類(例:上顎前歯)、対象歯の植立空間に対する幅(例:0.75mm)、歯齦部120の高さ、支台部110の高さ、支台部110の角度(例:12度)等を決定し、400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットからこれに対応する一つを患者に最適化されたアバットメントとして選定することができる。
【0070】
一実施例において、デバイス1000は決定されたカスタム化既製アバットメントセットを患者の口腔データ上に植立するシミュレーションを通じて仮想の植立結果を獲得することができ、これに伴い、該当カスタム化既製アバットメント100が患者によく合うかどうかを決定することができる。
【0071】
段階S440でデバイス1000は選定されたカスタム化既製アバットメント100を配送または施術することができる。例えば、アバットメントが患者によく合うと決定された場合、選定されたカスタム化既製アバットメント100に対する注文情報を提供してカスタム化既製アバットメント100の配送または施術を支援することができる。また、デバイス1000は提供された注文情報に対する使用者の注文要請が受信される場合、該当カスタム化既製アバットメント100の予め製作された該当カスタム化既製アバットメント100の配送がなされるように支援し、これに伴い、使用者に配送されたカスタム化既製アバットメント100は患者の施術過程で使われ得る。
【0072】
一実施例において、デバイス1000は選定されたカスタム化既製アバットメント100が複数個である場合、複数個の選定されたカスタム化既製アバットメントに対する情報を優先順位に沿って提供し、複数個のカスタム化既製アバットメント100のうちいずれか一つに対する選択入力に基づいて最終に選定されたカスタム化既製アバットメント100を配送または施術することができる。例えば、選定された複数個のカスタム化既製アバットメント100に対する情報を含むアバットメント推薦リストをディスプレイし、これに対する使用者の選択入力によりカスタム化既製アバットメント100を最終選定することができる。
【0073】
一実施例において、選定されたカスタム化既製アバットメント100が複数個である場合、歯齦部120の高さ、支台部110の高さおよび支台部110の角度に異なる優先順位が付与され得、例えば、カスタム化既製アバットメントセットに関する統計平均値に近接するほど、近接した対象が歯齦部120の高さ、支台部110の高さおよび支台部110の角度の順序で高い優先順位が付与され得る。
【0074】
一実施例において、デバイス1000は複数の患者に対する口腔データおよびこれに伴う患者カスタムアバットメントに関するアバットメントデータを獲得することができる。例えば、デバイス1000は患者の口腔データを収集し、患者の口腔データに対する測定および分析を通じて患者別に対象歯の歯の種類に適合の患者カスタムアバットメントのサイズ情報を含むアバットメントデータを導き出すことができ、他の例として、患者の口腔データと該当患者に施術されたか測定および分析により患者カスタムとして導き出されたアバットメントデータを共に収集することができる。
【0075】
一実施例において、口腔データは通常の印象採得方法またはスキャン、X-Ray、CTなどで測定され得、歯の種類、位置、歯齦の高さ、歯齦の形態、歯と骨の角度、歯の大きさおよび歯の直径のうち少なくとも一つを含むことができる。一実施例において、アバットメントデータは患者カスタムアバットメントの種類、サイズ情報および対応する歯の種類のうち少なくとも一つを含むことができる。一実施例において、それぞれの患者に対して口腔データとアバットメントデータは互いに連結され得る。
【0076】
一実施例において、デバイス1000は測定および分析された患者カスタムアバットメントのデータに基づいて一つ以上のパラメータを決定することができ、例えば、口腔データによりマッチングされているアバットメントデータを分析してパラメータを選定することができ、他の例として、使用者が重要であると思う部分を、使用者入力を通じて受信してパラメータとして選定することができる。一実施例において、一つ以上のパラメータは前述したカスタム化既製アバットメント100の支台部110、歯齦部120および下部130の高さ、軸方向投影イメージの横の長さ、縦の長さ、角度等の前述した多様な要素の値を含むことができ、既設定優先順位または使用者入力によりこれらのうち一つ以上の特定パラメータが選定され得る。
【0077】
一実施例において、デバイス1000は一つ以上のパラメータに基づいて患者カスタムアバットメントの統計的分布を獲得することができ、例えば、選定されたパラメータを基準として患者カスタムアバットメントの統計的分布を測定および分析することができる。
【0078】
一実施例において、デバイス1000は患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対して単位長さに基づいて複数個の領域に区分し、デバイス1000は複数個の領域の区分結果に基づいて少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備することができる。例えば、
図1~
図2を参照して説明した通り、各患者カスタムアバットメントの軸方向投影イメージを獲得し、透明イメージ上でアバットメントの横および縦の長さを獲得し、横および縦の長さを既設定単位長さ(例:0.75mm)で増分した時の統計的分布(例:正規分布)を導き出し、統計的分布内で既設定条件(例:70%以上)を充足する区間を既設定個数(例:5ドッグ)で分類する方式で複数個の領域に区分することができ、領域区分結果によりアバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより分類された少なくとも26個以上の複数のカスタム化既製アバットメント100を利用して、少なくとも400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットを具備することができる。
【0079】
一実施例において、デバイス1000はそれぞれの歯の種類に対して個別的にグルーピングを遂行することができ、歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうち少なくとも一つを含むことができる。また、デバイス1000は複数のパラメータそれぞれに個別的にグルーピングを遂行することができ、複数のパラメータは前述した通り、歯齦部120の高さ、支台部110の高さおよび支台部110の角度のうち少なくとも一つを含むことができる。これに関する内容は、
図5~
図7を参照して説明するようにする。
【0080】
図5は、一実施例に係る歯齦部120の高さを基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【0081】
図5を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の歯齦部120(G/H)の高さに対する統計的分布範囲は、既設定単位長さ(例:1.0mm)に基づいて複数個の領域に区分され、領域区分結果は各歯の種類のグループによりグルーピングされ得る。この場合、上顎前歯は6個にグルーピング(この時、カバレッジは99%に対応)され、下顎前歯は6個にグルーピング(この時、カバレッジは98%に対応)され、犬歯は6個にグルーピング(この時、カバレッジは99%に対応)され、小臼歯は6個にグルーピング(この時、カバレッジは97%に対応)され、大臼歯は6個にグルーピング(この時、カバレッジは95%に対応)され得る。
【0082】
図6は、一実施例に係る支台部110の高さを基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【0083】
図6を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の支台部110の高さに対する統計的分布範囲は、既設定単位長さ(例:1.0mm)に基づいて複数個の領域に区分され、領域区分結果は各歯の種類のグループによりグルーピングされ得る。この場合、上顎前歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは89%に対応)され、下顎前歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは85%に対応)され、犬歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは85%に対応)され、小臼歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは75%に対応)され、大臼歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは78%に対応)され得る。
【0084】
図7は、一実施例に係る支台部110の角度を基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【0085】
図7を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の支台部110の角度に対する統計的分布範囲は、既設定単位長さ(例:12度)に基づいて複数個の領域に区分され、領域区分結果は各歯の種類のグループによりグルーピングされ得る。この場合、上顎前歯は2個にグルーピング(この時、カバレッジは88%に対応)され、下顎前歯は2個にグルーピング(この時、カバレッジは85%に対応)され、犬歯は2個にグルーピング(この時、カバレッジは91%に対応)され、小臼歯は1個にグルーピング(この時、カバレッジは83%に対応)され、大臼歯は1個にグルーピング(この時、カバレッジは68%に対応)され得る。
【0086】
図8~
図16は、一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
【0087】
図8~
図10を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は8個に区分されることにより92%のカバレッジを確保し、下顎前歯は6個に区分されることにより91%のカバレッジを確保し、犬歯は8個に区分されることにより90%のカバレッジを確保し、小臼歯は9個に区分されることにより93%のカバレッジを確保し、大臼歯は8個に区分されることにより88%のカバレッジを確保することができる。
【0088】
図11~
図13を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.75mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は6個に区分されることにより94%のカバレッジを確保し、下顎前歯は4個に区分されることにより95%のカバレッジを確保し、犬歯は6個に区分されることにより95%のカバレッジを確保し、小臼歯は6個に区分されることにより90%のカバレッジを確保し、大臼歯は6個に区分されることにより90%のカバレッジを確保することができる。
【0089】
図14~
図16を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、1.0mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は4個に区分されることにより96%のカバレッジを確保し、下顎前歯は2個に区分されることにより87%のカバレッジを確保し、犬歯は4個に区分されることにより96%のカバレッジを確保し、小臼歯は4個に区分されることにより97%のカバレッジを確保し、大臼歯は4個に区分されることにより95%のカバレッジを確保することができる。
【0090】
このように、歯の種類別に領域の個数を適切に設定することによって、約90%水準に全体統計的分布範囲に対する高いカバレッジを確保できることを確認することができる。
【0091】
図17は、他の一実施例に係るデバイス1000がカスタム化既製アバットメントに関連した情報を提供する方法を示すフローチャートである。
【0092】
図17を参照すると、段階S1710でデバイス1000は患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対する複数個の領域の区分結果獲得される領域の個数に基づいて、複数のカスタム化既製アバットメントの個数を決定することができる。一実施例において、領域の個数はカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する単位長さが0.5mmに対応する場合、歯齦部120の高さ、支台部110の高さ、支台部110の角度などに対する領域区分結果により1,020個か獲得され得、単位長さが0.75mmに対応する場合、720個か獲得され得、1.0mmに対応する場合、444個か獲得され得る。多様な実施例を参照する時、領域区分結果獲得される領域の個数は400個以上であり得る。
【0093】
一実施例において、デバイス1000はそれぞれの歯の種類に対するアバットメントサイズの統計的分布範囲に対して単位長さに基づいてグルーピングを遂行し、それぞれの歯の種類に対するグルーピングの遂行結果獲得されるグループの個数の和に基づいて、複数の標準アバットメントの個数を少なくとも400個以上に決定することができる。一実施例において、歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0094】
段階S1720でデバイス1000は、対象歯の植立空間に対するサイズ情報を含む患者の口腔データを獲得することができる。一実施例において、対象歯の歯の種類および対象歯の植立空間に対するサイズ情報をさらに含む患者の口腔データを他のデバイスから使用者入力を通じて受信することができる。
【0095】
段階S1730でデバイス1000は、対象歯の植立空間に対するサイズ情報に基づいて複数のカスタム化既製アバットメントのうち適正アバットメントを決定することができる。例えば、デバイス1000は患者の口腔データから患者に施術が要求される対象歯の歯の種類(例:上顎前歯)、対象歯の植立空間に対する幅(例:0.75mm)、歯齦部120の高さ、支台部110の高さ、支台部110の角度(例:12度)等を決定し、400個以上の複数のカスタム化既製アバットメントセットからこれに対応する一つを患者に最適化されたアバットメントとして選定することができる。
【0096】
段階S1740でデバイス1000は適正アバットメントに対する情報を提供することができ、例えば、最終に選定されたカスタム化既製アバットメント100に対するアバットメント種類、対象歯の歯の種類(例:上顎前歯)、対象歯の植立空間に対する幅(例:0.75mm)、歯齦部120の高さ、支台部110の高さ、支台部110の角度(例:12度)等に対する詳細情報を含む最適アバットメント情報をディスプレイしたり使用者デバイスに伝送することができる。
【0097】
一実施例において、デバイス1000は選定されたカスタム化既製アバットメント100が複数個である場合、複数個の選定されたカスタム化既製アバットメントに対する情報を優先順位に沿って提供し、複数個のカスタム化既製アバットメント100のうちいずれか一つに対する選択入力に基づいて最終に選定されたカスタム化既製アバットメント100に対する情報を提供することができる。
【0098】
本開示の一実施例によると、顧客に迅速で費用の側面で効率的であり、審美的に優秀な歯科用アバットメントを提供することができる。
【0099】
図面の全般において具体的な数値が図示されたが、これは一実施例であってこれに限定されず、これを含むか多様に変形されて実施され得、また、前述した動作のうち一部は、順序、機能および分岐の側面で多様に変形された形態で実施され得る。
【0100】
一方、前述した方法はコンピュータで実行され得るプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用して前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現され得る。また、前述した方法で使われたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に多様な手段を通じて記録され得る。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体はマグネチック保存媒体(例えば、ロム、ラム、USB、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的読み取り媒体(例えば、CD-ROM、ディーブイディーなど)のような保存媒体を含む。
【0101】
本実施例に関連した技術分野で通常の知識を有する者は、前述された記載の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現され得ることが理解できるであろう。したがって、開示された方法は限定的な観点ではなく説明的な観点で考慮されるべきである。本開示の範囲は前述した説明ではなく特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるすべての差異点は本開示に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】