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特表2023-551914操縦可能なカテーテル用のワンモーションハンドル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】操縦可能なカテーテル用のワンモーションハンドル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/092 20060101AFI20231206BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20231206BHJP
   A61M 25/09 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
A61M25/092
A61B18/14
A61M25/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533682
(86)(22)【出願日】2021-11-21
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 IB2021060790
(87)【国際公開番号】W WO2022118132
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】63/120,493
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/487,226
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ロペズ・サイモン
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス-オルテガ・セサル
(72)【発明者】
【氏名】バン・ニーキルク・ピーター・エメリウス
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160KK02
4C160KK16
4C160KK70
4C160MM34
4C267AA06
4C267BB02
4C267BB27
4C267CC19
4C267DD10
4C267EE01
4C267EE03
(57)【要約】
操縦可能なカテーテル用の制御ハンドルは、片手のみを使用して、標的器官又は血管における遠位カテーテル先端の正確な操作を可能にする。制御ハンドルは、ハンドルの軸に沿った線形並進及びハンドルの軸を中心とする回転の両方が可能な単一の関節運動ノブを有することができる。関節運動ノブのこれらの機能は、拡張可能な部材の拡張及び後退の両方、並びに遠位カテーテル先端の双方向撓みを作動させる。関節運動ノブは、ハンドルの向きにかかわらず一貫して機能し、人間工学的な動きで、ユーザが処置の監視機器に快適に注意を向け続けることを可能にする。これらの改善は、診断及び心臓アブレーションなどの処置について、安全かつより迅速な処置時間につながり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操縦可能な先端を有するカテーテル用の制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは、
長手方向軸と、近位端と、遠位端とを画定する管状外側ハウジングと、
前記管状外側ハウジングの前記遠位端に隣接する関節運動ノブであって、前記管状外側ハウジングの前記長手方向軸を中心に回転可能であり、かつ前記長手方向軸に沿って線形的に変位可能である、関節運動ノブと、
前記管状外側ハウジング内に移動可能に配置され、前記関節運動ノブに結合された駆動ハウジングであって、分割ピストンキャリッジとピニオンとを備える、駆動ハウジングと、を備え、前記関節運動ノブは、
前記関節運動ノブが前記管状外側ハウジングの前記長手方向軸を中心に時計回りに回転させられると、第1の線形変位を前記駆動ハウジングに与え、
前記関節運動ノブが前記管状外側ハウジングの前記長手方向軸を中心に反時計回りに回転させられると、前記第1の線形変位と反対の第2の線形変位を前記駆動ハウジングに与え、かつ
前記関節運動ノブが前記長手方向軸に平行に、ある距離だけ線形的に変位させられると、前記操縦可能なカテーテルの前記遠位端上の拡張可能な要素の半径方向サイズを変化させるように構成された第3の線形変位を前記駆動ハウジングに与えるように構成されている、制御ハンドル。
【請求項2】
遠位で前記拡張可能な要素に、かつ近位で前記駆動ハウジングに、機械的に結合された前進機構を更に備える、請求項1に記載の制御ハンドル。
【請求項3】
前記前進機構における線形並進は、前記拡張可能な要素の半径方向サイズの変化を引き起こす、請求項2に記載の制御ハンドル。
【請求項4】
前記駆動ハウジングの前記第1の線形変位は、前記操縦可能な先端の第1の制御部材を作動させるように構成され、前記駆動ハウジングの前記第2の線形変位は、前記操縦可能な先端の第2の制御部材を作動させるように構成されている、請求項1に記載の制御ハンドル。
【請求項5】
前記第1の制御部材及び前記第2の制御部材の各々は、制御ワイヤを備える、請求項4に記載の制御ハンドル。
【請求項6】
前記拡張可能な要素は、バルーンを備える、請求項1に記載の制御ハンドル。
【請求項7】
前記バルーンは、前記バルーンの外周の周りに等間隔に配置された複数の独立して制御される電極を備える、請求項6に記載の制御ハンドル。
【請求項8】
前記前進機構は、内部中空管腔を有する細長い管状部材を備える、請求項2に記載の制御ハンドル。
【請求項9】
前記関節運動ノブは、ハブと、近位端と、遠位開口部と、少なくとも1つのキー溝とを更に備える、請求項1に記載の制御ハンドル。
【請求項10】
前記関節運動ノブに結合され、前記管状外側ハウジングの前記長手方向軸を中心に回転可能なバレルナットを更に備え、前記バレルナットは、一端に配置された1つ又は2つ以上のキーと、他端におけるスラストカラーと、前記バレルナットの内側に配置された駆動スプラインとを備える、請求項9に記載の制御ハンドル。
【請求項11】
前記バレルナットは、前記スラストカラーによって前記駆動ハウジングに長手方向に結合されており、前記スラストカラーは、前記関節運動ノブが長手方向軸を線形的に変位させられるときに前記駆動ハウジングを線形的に変位させるように構成されている、請求項10に記載の制御ハンドル。
【請求項12】
前記バレルナットは、前記1つ又は2つ以上のキーによって前記関節運動ノブに回転で結合されるように構成されている、請求項10に記載の制御ハンドル。
【請求項13】
前記駆動スプラインは、前記関節運動ノブが回転されるときに前記ピストンキャリッジの少なくとも一部を線形経路に沿って変位させるために、前記分割ピストンキャリッジのねじ山に係合するように構成されている、請求項10に記載の制御ハンドル。
【請求項14】
前記駆動ハウジングの前記分割ピストンキャリッジは、駆動ボルトと、右撓みラックと、左撓みラックとを備える、請求項1に記載の制御ハンドル。
【請求項15】
前記関節運動ノブの時計回りの回転は、第1の方向への前記左撓みラックに対する前記右撓みラックの線形並進をもたらす、請求項14に記載の制御ハンドル。
【請求項16】
前記関節運動ノブの反時計回りの回転は、前記第1の方向と反対の第2の方向への前記左撓みラックに対する前記右撓みラックの線形並進をもたらす、請求項15に記載の制御ハンドル。
【請求項17】
前記右撓みラック及び前記左撓みラックに結合されたピニオンを更に備え、前記ピニオンは、前記右撓みラックが前記左撓みラックに対して線形的に並進するときに回転する、請求項15に記載の制御ハンドル。
【請求項18】
前記関節運動ノブは、前記長手方向軸を中心に回転されることとは独立して線形的に変位可能である、請求項1に記載の制御ハンドル。
【請求項19】
前記前進機構の前記細長い管状部材は、可撓性ポリイミド管を備える、請求項8に記載の制御ハンドル。
【請求項20】
流体注入を受けるように構成されたルアー取付具を更に備える、請求項1に記載の制御ハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、血管内カテーテルシステム用の制御ハンドルに関し、より具体的には、本開示は、片手で動作させることができる操縦可能なカテーテル用の改善されたハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓組織の領域における異常な又は不規則な電気信号は、正常な心臓リズムを途絶する可能性がある。心臓不整脈の場合は、これらの電気信号が適切に調整されていない不規則な心拍サイクルの結果である。発作性心房細動(Paroxysmal Atrial Fibrillation、PAF)を含むこのような状態は、多くの場合、信号の発生源を途絶すること、又は肺静脈を通る信号の伝導経路を切断することを通してのいずれかによって治療される。
【0003】
多くの処置は、操縦又は拡張及び後退させられることが可能な先端機構を伴う多機能カテーテルの使用を要求する。診断マッピング及びアブレーションのような、多くのこのような処置は、高レベルの精度を要求する。アブレーション技術は、心臓のある部分から他の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正するために一般的に使用される。このプロセスは、非導電性の病変の形成を通じて、望ましくない電気経路を破壊する、電極から組織にエネルギーを適用することを伴う。適用されるエネルギーは、高周波(Radiofrequency、RF)、低温、不可逆電気穿孔(irreversible electroporation、IRE)、又は他の同様の技術であることができる。成功した患者の転帰は、多くの場合、症状を排除するために、被験者の左心房における肺静脈の正確に標的化された隔離に依存する。送達可能性に特化したカテーテル、及び送達後の拡張構成への精密アブレーションアセンブリの展開は、これらのシステムのための制御要素を改善するための継続的な課題を生み出す。
【0004】
典型的なカテーテルシステムは、通常、作動機構を含む近位ルアー又は制御ハンドルから延在する細長い可撓性カテーテルシャフトを伴う。これらのカテーテルのいくつかは、アブレーション、診断、及び治療において支援するための他の機能の目的のために、心臓又は身体の他の組織に操縦可能な先端を送達することが可能なものである。心房性不整脈を治療するために肺静脈の入口部に又はその近くで全周性病変を形成するためのRF電極を備えた半径方向に拡張するデバイスの使用は、両方ともLeshに対する米国特許第6,012,457号及び同第6,024,740号に開示されている。加えて、本出願人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれた、Govariらに対する米国特許公開第2016/0175041号は、静脈口との非外傷性接触が、静脈を取り囲む一貫した全周性病変を生成し得るように、その外部の周りに配置された電極アセンブリを有する拡張可能なバルーンを伴うカテーテルを利用する。
【0005】
しかしながら、操縦可能なカテーテルを使用する血管内処置は、カテーテル先端を正確な組織位置に操縦しようと試みる際にユーザによって経験される困難性によって依然として妨げられている。既存のカテーテルは、操縦性及び撓み制御を有するものであっても、多くの場合、操縦能力に制限がある。これは、特に微細な移動制御が必要とされる処置に特に当てはまる。更に、既存の設計は、多くの場合、単一平面に沿った撓みが可能であり、ユーザが、撓み平面に平行でない3次元場所にアクセスするために、デバイス全体を回転させなければならないことを意味する。この要因の組み合わせは、アブレーション電極の整列など、多くの処置を、困難で時間のかかる作業にする可能性がある。不均一又は不完全なアブレーションは、残屑の塞栓形成又は治療の失敗にさえつながる可能性があり、長い蛍光透視時間及び処置時間はまた、合併症につながる可能性がある。
【0006】
加えて、細部にまで気を配り、特定の機器が入力に対して正確にどのように応答するかについての知識は、手術を成功させるために重要である。制御部材又はハンドルは、大動脈弓を通過させるため、及びアブレーションプロセスのための位置決めの両方において、カテーテルシャフトの操縦性及び操縦することにとって重要である。多くの場合、ハンドル上にレバー又は回転部材があり、撓みを引き起こす先端を操縦する。摺動可能なボタン又はトグル機構を使用することもできる。カテーテルが方向転換され、撓まされ、又は誤った方向に回転される場合、患者に重大な損傷を与える可能性があるので、ハンドルの精度及び快適性は重要である。同様に、手がどこに位置しているか、及びハンドルのどの部分が作動される必要があるかを確認するために、診断ツールから繰り返し目をそらす必要がある医師は、手術処置にかなりの時間を追加する可能性がある。
【0007】
電気生理学的マッピング及び/又はアブレーションのために設計されたカテーテル及びカテーテル先端の制御のためのいくつかの異なるハンドル機構の実施例は、当技術分野において見出すことができる。Falwellらに対する米国特許第5,944,690号は、制御ワイヤを操作するためにスライダ機構を利用する操縦可能なカテーテル制御設計を開示する。しかしながら、スライダ機構の位置に応じて、設計は、親指又は別の指がスライダを更に調節することを可能にするために、手の扱い難いねじれを必要とする可能性がある。単一のスライダはまた、カテーテルの微細な操作及び調節に必要な精度を欠く可能性がある。
【0008】
アブレーション処置のために、肺静脈の幾何学的形状及びサイズは、多くの場合、典型的な送達カテーテル又はシースよりもかなり大きいアブレーション直径を必要とする。結果として、多くの円周方向アブレーションデバイスは、外側カテーテル内で送達するための可撓性小外形と、正確なアブレーション及び診断のために標的部位で展開及び拡張された構成との両方を有することが要求される。この拡張を作動させることは、多くの場合、ハンドルに接続されるか、又はハンドルを通して供給される追加の機能性、取付具、若しくはデバイスを必要とし、セットアップを複雑にし、動作するために追加の手を必要とする。同様の能力はまた、処置の完了時にシース又は外側カテーテル内への後退のためにデバイスを後退させるために必要とされる。
【0009】
Buesselerに対する米国特許公開第2019/0083751号は、撓み可能な遠位領域を有する医療デバイス用のプランジャ型又はスライダ型作動機構を開示する。本デバイスは、二次ロック機構についての必要性を排除し、操作者の疲労を軽減するために、機構を固定又は自己ロックする手段として制御ワイヤの挟み込みを利用する。しかしながら、プランジャ型機構はまた、制限された微調整能力を有する。更に、これらの設計は、先端の操作を超える更なる拡張又は展開機能についての能力を欠く。
【0010】
Daviesらに対する米国特許公開第2016/0331932号に開示された操縦可能なカテーテル用の制御ハンドルは、1つ又は2つ以上のハンドル搭載回転ノブによって関節接合された制御ワイヤを利用する。ワイヤの張力付与は、カテーテルの先端の遠位端撓みを引き起こす。しかしながら、この設計は、ハンドルの近位端及び遠位端の両方に複数のノブを有する可能性があり、特定の状況において操作するために複数の手を必要とする場合がある一方で、先端の操縦以外の更なる機能を作動させる能力も欠く。
【0011】
異なる医師はまた、処置中にハンドルをどのように保持することを好むかという点で異なる好みを有し得る。従来のハンドル又はシステムは、ハンドル上の近位又は遠位に位置し得る、種々の制御表面を有し得、これは、医師が、個人の選好及び/又は特定の手の優位性に基づいて有意に適合することを要求する。したがって、これらの設計は、ハンドルを操作及び調節する間、ユーザのために必要な快適さを提供しない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、撓み可能な先端の精密な操縦制御が可能でありながら、拡張可能な部材の拡張及び収縮などの更なる先端機能を作動させることもできる制御ハンドルのための改善されたデバイス、システム、及び方法が必要とされている。ハンドルの人間工学が操作者に疲労を与えないように、これらの機能の関節運動を片手で実行できることも非常に好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、上述の必要性を満たすシステム、デバイス、及び方法を提供することである。概して、伸長及び後退並びに多方向撓みが可能な機構及びデバイスを有するカテーテルの正確な制御及び作動に対する特定の必要性が存在する。多くの場合、処置中に一貫した性能が可能なデバイスは、折り畳まれた送達状態と、入口部の全周にエネルギーを送達するように、又は有意面積にわたって診断のために心臓信号を検出するようにサイズ決定される展開拡張状態との間で起動することが可能でなければならない。多くの場合、実施例として心臓アブレーション又は診断処置に関連して言及されるが、このような制御ハンドルについての多くの他の潜在的適用は、標的部位で拡張可能な部材の遠隔作動を必要とする任意の血管内処置が候補である状態で、想定され得る。
【0014】
操縦可能な先端を有するカテーテル用の制御ハンドルは、実質的に管状形状を有する外側ハウジング、近位端、及び遠位端を有することができる。カテーテル先端の機能を制御するための関節運動ノブは、遠位端の近傍に位置決めされ、ハンドルの外側ハウジングの長手方向軸を中心に回転可能であり、それに沿って線形的に変位可能であるように構成され得る。ハンドルハウジング及びノブは、ノブの全ての機能及び動きを片手で快適に実行することができるようにサイズ決定されることができ、したがって、ユーザは、ハンドル構成要素のそれぞれの位置を参照するために見下ろす必要がなく、又は処置中に操作のために別の手を使用する必要がない。外側ハウジング内に移動可能に配置されるのは、関節運動ノブに長手方向に結合された駆動ハウジングであることができる。駆動ハウジングの移動は、ハンドルの機能を開始するために制御部材を作動させることができる。制御部材は、制御ワイヤ、摺動レバー、又はトグルなどの構成要素を含むことができる。
【0015】
一実施例では、カテーテルは、望ましくない心臓電気信号を途絶させる治療として、強化された病変を形成するために、心臓内又はその周囲の組織のアブレーションのために使用されるように、操縦可能な先端に電極を有することができる。例えば、1つ又は2つ以上の独立して制御される電極は、表面上に、膨張可能なバルーンの外周の周りに等間隔で配置され得る。別の実施例では、電極は、標的部位で送達カテーテルから展開されるときに、拡張されるように構成され得る構造体の外側に位置することができる。この構成では、カテーテルは、アブレーション部位の灌注及び/又は先端電極の冷却のための流体注入を受けるように構成された1つ又は2つ以上のルアー取付具を有することができる。
【0016】
別の実施例では、カテーテルは、例えば、心臓の健康及び不健康な組織の電気生理学的マッピング及び撮像を実行するために、半径方向サイズにおいて拡張するか、又は形状を変化させるようにトリガされ得る、先端を有することができる。このようなシステムはまた、多くの場合、心臓信号の速度及び方向を判定することが可能である。
【0017】
関節運動ノブは、ハンドル外側ハウジングの長手方向軸に平行な駆動ハウジングに第1、第2、及び第3の線形変位を与えるように構成され得る。ある場合には、駆動ハウジングの第1の線形変位は、操縦可能な先端の第1の制御部材の機能を作動させ、第2の線形変位は、第2の制御部材の機能を作動させる。第1の線形変位は、ノブが長手方向軸を中心に時計回りに回転されるときに生じることができ、第2の線形変位は、ノブが反時計回りに回転されるときに第1の線形変位と反対に生じることができる。これらの反対方向の変位は、カテーテルの遠位端に結合された制御ワイヤ又はケーブルに張力をかけ、操縦可能な先端を、血管系における標的部位で先端の微細な動きを指示するための反対方向において角度的に撓ませる。
【0018】
駆動ハウジングの第3の線形変位は、関節運動ノブが長手方向軸に平行に遠位距離又は近位距離だけ並進されるときに生じることができる。ノブの線形並進は、ノブに与えられる任意の回転とは独立して達成され得る。この動きは、不整脈を治療するためのアブレーションバルーンシステム、又は組織からの心臓信号を記録するように構成された診断ツールなど、操縦可能なカテーテルの遠位先端で拡張可能な部材の半径方向サイズを変化させるように構成され得る。この半径方向サイズは、近位で駆動ハウジングに、かつ遠位で拡張可能な要素に結合された前進機構によって作動及び制御され得る。関節運動ノブの遠位並進は、拡張可能な要素を軸方向に延在又は伸長させるために、前進機構を遠位に押すことができ、その対応する半径方向サイズを低減させる。ノブの同様の近位線形並進は、拡張可能な要素を軸方向に短縮及び拡張するために、前進機構を引くことができる。この作動を達成するために、前進機構は、ポリイミド管など、強靭であるが可撓性の有機材料から構築され得る。
【0019】
前進機構は、細長い管状部材とすることができ、中空内部管腔を有することができる。管腔は、前進機構が、ガイドワイヤ、マイクロカテーテルベースのシステム、マッピングカテーテル、又は造影剤などの種々の補助デバイス又は治療の遠位送達のために使用されることを可能にする。
【0020】
更なる実施例では、状況は、長手方向軸に沿った関節運動ノブの線形並進が、微細運動制御を指示するために、反対方向への角度的に撓むように操縦可能な先端を作動させる場合に逆転され得、関節運動ノブの回転は、拡張可能な要素の半径方向サイズを制御するように構成され得る。したがって、機能は、特定のユーザの人間工学的な好み、又は特定の処置を実行する容易さに合わせることができる。
【0021】
制御ハンドルの関節運動ノブは、ハブと、近位端と、カテーテル本体並びに前進機構及び制御部材などの任意の関連する内部が、ハンドルの外部に通過することができる、遠位開口部とを含むことができる。ノブハブの内径は、表面に機械加工又は形成された少なくとも1つのキー溝を有することができる。関節運動ノブに回転可能に結合されるのは、バレルナットであることができる。バレルナットは、1つ又は2つ以上のキーと、スラストカラーと、内部駆動スプラインとを含むことができる。ノブハブのキー溝は、スラストカラー及び駆動スプラインのねじ山をそれぞれ介して駆動ハウジングに長手方向に回転で結合され得るバレルナットのキーにトルクを伝達することができる。スラストカラーは、線形変位を駆動ハウジングに伝達するための機械的停止部として作用することができる。
【0022】
駆動ハウジングは、外側ハウジング内で制御可能な方法で互いに対して移動可能な右撓みラック及び左撓みラックを含むことができる分割ピストンキャリッジを有することができる。右及び左撓みラックの遠位部分は、バレルナットの雌駆動スプラインねじ山と係合するように構成された雄ねじ山を有する駆動ボルトを形成することができる。ピニオンギアは、右及び左撓みラックの内部軸方向歯と係合し、ラック間に相対運動があるときに回転することができる。関節運動ノブの時計回りの回転は、第1の方向への左撓みラックに対する右撓みラックの線形経路に沿った並進をもたらすことができ、ワイヤ又は他の制御要素に張力付与する。同様に、ノブの反時計回りの回転は、第1の方向と反対の第2の方向への第2の相対的線形並進をもたらすことができ、同一若しくは異なるワイヤ又は制御要素に張力付与する。
【0023】
逃げ切欠又は戻り止めなどの特徴は、拡張要素の特定の先端撓み又は半径方向サイズを選択的に維持するための係合点として働くように、様々な軸方向又はクロッキング位置で、ノブ、駆動ボルト、駆動ハウジング、又はバレルナットなどのハンドルの様々な構成要素に機械加工され得る。代替で、要素は、処置中の意図しない動きを防止するために、ハンドルに対する関節運動ノブの位置を保持するための摩擦ロックを生成するために、使用され得る。これらの要素は、ゴムシール、グロメット、又は当技術分野で知られている他の一般的な構成要素であることができる。したがって、ノブアセンブリは、拡張可能な要素の所望の離散的撓み又は半径方向サイズに対応するように、特定の角度的及び長手方向位置を維持することが可能であることができる。
【0024】
別の実施例では、操縦可能なカテーテルを制御するハンドル部分は、双方向撓みを可能にする撓みサムノブと、カテーテル本体の遠位部分の周りに配置されるか又はそれに接続されたバルーンと、バルーン前進機構と、バルーン膨張及び灌注のためのルアー取付具とを含むことができる。追加のルアー取付具は、ハンドル、カテーテル本体、前進機構、及びバルーンを通って延在し、カテーテルの最遠位先端と流体連通する管腔を有するハンドル部分の遠位端の近くに位置し得る。このルアー取付具及び管腔は、ガイドワイヤ又は他の小型デバイスのための入口ポートとして機能することができ、並びにカテーテルのバルーンの遠位に灌注及び造影剤注入を供給する。
【0025】
また、心臓内処置中に制御ハンドルで操縦可能なカテーテルを制御するための例示的な方法が提供される。本方法は、順不同で提示される以下の工程のうちのいくつかを含み得る。実施例は、操縦可能なカテーテルを血管系に導入することを含むことができ、カテーテルは、近位領域、撓み可能な遠位領域、及び制御ハンドルを有するカテーテルシャフトを備える。制御ハンドルは、外側シェル、ハンドルの長手方向軸に沿った線形並進及びそれを中心とする回転が可能な遠位ノブアセンブリ、外側シェルに移動可能に配置された駆動アセンブリを有することができる。駆動アセンブリは、内側ハウジング、遠位駆動ボルト、及び遠位ノブアセンブリと螺合可能に係合される分割ピストンキャリッジを有することができる。
【0026】
遠位ノブアセンブリは、操縦可能なカテーテルの遠位端上の拡張可能な要素の拡張又は後退を作動させるように、長手方向軸に沿って線形的に変位させられ得る。実施例では、外側シェルに対して近位にノブを線形的に変位させることは、拡張可能な要素の半径方向サイズを増大させることができ、一方、対応する遠位への変位は、半径方向サイズを減少させることができる。長手方向軸を中心とする遠位ノブアセンブリの回転は、駆動アセンブリに結合され得る制御部材を起動することによって、操縦可能な先端の角度的撓みが引き起こすことができる。ノブの時計回りの回転は、先端を一方向に撓ませることができ、一方、対応する反時計回りの回転は、先端を同じ平面に沿って反対方向に撓ませることができる。
【0027】
遠位ノブアセンブリの回転及び並進を伴う方法工程は、互いに独立して生じることができる。例えば、アブレーションについて標的とされる部位への送達を容易にするために、ノブは、拡張可能な要素が小さい半径方向サイズを呈するように位置決めされ得る。標的のすぐ近位の部位に到達すると、拡張可能な要素は、ノブの近位並進を通して、患者の入口部のサイズに基づいて、所望のより大きい半径方向サイズに拡張され得る。したがって、その外周の周りに独立して制御される電極を伴うアブレーションバルーンなどの拡張可能な要素は、先端撓み又は組織との接触を伴わずに、処置のために調製され得る。次いで、拡張可能な要素の所望の半径方向サイズは、最終操縦調節が遠位先端を所定の位置に撓ませるためにノブを回転させることによって行われている間、維持され得る。
【0028】
更に、ハンドルが片手で保持され得る一方、ノブの撓み及び回転は、同じ手の親指及び他の指によって実行される。他方の手を必要としないことによって、ユーザは、ハンドルの位置又は配向を参照するために、処置から目をそらす必要がなく、処置の関連監視機器に注意を向け続けることができる。
【0029】
本方法は、ハンドルのノブアセンブリの並進移動、回転移動、又は並進移動及び回転移動の両方を制限する、内部物理的停止部又は別の類似方法を含む工程を更に含むことができる。医師が、処置前及び処置中にカテーテルの絶対的な移動能力及び性能を認識することができるように、制限が設けられ得る。例えば、これらの制限を知ることは、先端の撓みが医師自身の視野角で面外にある状況において有利であることがある。ノブの中間の軸方向位置はまた、拡張可能な要素が異なる解剖学的形状に一致することができるように、拡張可能な要素の離散半径方向サイズに対応するように構成され得る。
【0030】
カテーテルの遠位先端を片手のみで操作するための別の方法は、カテーテルを血管内に位置決めする工程を有することができる。カテーテルは、操作可能な遠位先端を有する細長い管状部材、及び細長い管状部材の近位にある制御ハンドルを有することができる。制御ハンドルは、外側ハウジング、及び外側ハウジングに対する並進運動及び回転運動のために構成された制御ノブを有することができる。外側ハウジングの内部には、制御ノブの線形変位及び角回転がカテーテルの遠位先端の制御機能を作動させるように、制御ノブと結合された制御アセンブリがあることができる。
【0031】
作動は、制御ワイヤの張力付与及び/又は細長い管状部材の遠位先端の一部に軸方向スラスト荷重を及ぼすための柱状部材の使用など、複数の方法を通して起こることができる。先端が標的位置に対して近位の位置に位置決めされると、制御ノブをハウジングの長手方向軸に沿って線形的に変位させて、遠位先端において拡張可能な要素を拡張及び展開することができる。溝又は凹部は、制御ノブが特定の中間離散角度的又は軸方向位置を維持することを可能にするように、ハンドル内に構成され得る。要素は、肺静脈のアブレーションのためにその外周の周りに構成された複数の独立して制御される電極を有するバルーンなど、多くの形態をとることができる。先端を更に方向付けるために、制御ノブは、遠位先端を第1の方向に撓ますために時計回りに回転させるか、又は先端を第1の方向と反対の第2の方向に撓ますために反時計回りに回転させることができる。
【0032】
複数の独立して制御される電極は、拡張可能な要素の外周の周りに等間隔で配置され得る。拡張可能な要素は、肺静脈の壁と円周方向線接触するように操縦され得、線接触の周囲の組織は、RF発生器などのエネルギー源から導体を通して電極にエネルギーを方向付けることによってアブレーションされ得る。更なる工程は、処置中に後続のアブレーション位置を分離するように先端を方向付けるために、制御ハンドルを使用することを伴うことができる。アブレーションが完了すると、ハンドルの制御ノブは、拡張可能な要素をより小さい半径方向サイズに折り畳むように遠位に線形的に変位され得、その結果、拡張可能な要素は、患者からの抽出のためにシース又は外側カテーテルの中に再装填され得る。
【0033】
本明細書に列挙されたものに加えて、追加的な工程が、当業者によって認識され理解されるように含まれ得る。例示的方法は、当業者によって理解されるように、本明細書に開示される例示的な制御ハンドル、その変形例、又はその代替例によって実行され得る。
【0034】
本開示の他の態様及び特徴は、以下の詳細な説明を添付の図と併せて考察することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
図1】本発明の態様による、片手で動作可能であり、操縦可能なカテーテルの遠位先端の複数の機能を作動させることができる制御ハンドルのシステムレベル図である。
図2】本発明の態様による制御ハンドルの等角図である。
図3】本発明の態様による、図2の制御ハンドルの上面図である。
図4】本発明の態様による、図2の制御ハンドルの側面図である。
図5】本発明の態様による、外側ハウジングの上部が除去された制御ハンドルの例示である。
図6】本発明の態様による、制御ハンドルによって拡張及び撓みの両方であることが可能である拡張可能なアブレーションバルーンの実施例である。
図7】本発明の態様による、ハンドルが駆動ハウジングとインターフェース接続することを示す制御ハンドルの側部からの断面図である。
図8】本発明の態様による、ハンドルが駆動ハウジングとインターフェース接続することを示す制御ハンドルの上部からの断面図である。
図9】本発明の態様による、バレルナットとピストンキャリッジとの結合を示す、図8からの断面図の拡大断面図である。
図10】本発明の態様による、外側ハウジング、関節運動ノブ、又はバレルナットのない制御ハンドルの駆動ハウジング及びピストンキャリッジを示す。
図11】本発明の態様による、ピニオンのちょうど遠位にある図10からの断面図である。
図12a】本発明の態様による、それぞれ、右及び左撓みラックを例示する。
図12b】本発明の態様による、それぞれ、右及び左撓みラックを例示する。
図13】本発明の態様による、制御ハンドルの駆動ハウジングの下半体を示す。
図14a】本発明の態様による、ハンドルの関節運動ノブの等角図である。
図14b】本発明の態様による関節運動ノブの断面図である。
図14c】本発明の態様による、近位端からの関節運動ノブの斜視図である。
図15】本発明の態様による、ハンドルのバレルナットの等角図である。
図16】本発明の態様によるバレルナットの断面図である。
図17a】本発明の態様による、それぞれ、その送達構成及び拡張展開構成における、前進機構によって動作させるような拡張可能なアブレーションバルーンの実施例を示す。
図17b】本発明の態様による、それぞれ、その送達構成及び拡張展開構成における、前進機構によって動作させるような拡張可能なアブレーションバルーンの実施例を示す。
図18】本発明の態様による、操縦可能なカテーテルのシャフトを示す。
図19】本発明の態様による、内部制御要素のいくつかを示す、図18のシャフトの拡大断面図である。
図20a】本発明の態様による、関節運動ノブの異なる変位及び回転が操縦可能なカテーテルの遠位先端の機能をどのように動作するかを示す一連の断面図である。
図20b】本発明の態様による、関節運動ノブの異なる変位及び回転が操縦可能なカテーテルの遠位先端の機能をどのように動作するかを示す一連の断面図である。
図20c】本発明の態様による、関節運動ノブの異なる変位及び回転が操縦可能なカテーテルの遠位先端の機能をどのように動作するかを示す一連の断面図である。
図20d】本発明の態様による、関節運動ノブの異なる変位及び回転が操縦可能なカテーテルの遠位先端の機能をどのように動作するかを示す一連の断面図である。
図20e】本発明の態様による、関節運動ノブの異なる変位及び回転が操縦可能なカテーテルの遠位先端の機能をどのように動作するかを示す一連の断面図である。
図20f】本発明の態様による、関節運動ノブの異なる変位及び回転が操縦可能なカテーテルの遠位先端の機能をどのように動作するかを示す一連の断面図である。
図21】本発明の態様による、肺静脈のアブレーションを実施する、その外周の周りに独立して制御される電極を伴う拡張可能なアブレーションバルーンの実施例を示す。
図22】本発明の態様による、操縦可能なカテーテルの遠位先端を動作するために制御ハンドルを使用するための方法を概説する流れ図である。
図23】本発明の態様による、操縦可能なカテーテルの遠位先端を動作するために制御ハンドルを使用するための方法を概説する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここで、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に記載するが、同一の参照番号は、機能的に類似又は同一の要素を示す。図面は、カテーテルの遠位先端の操縦可能かつ拡張可能な機能を制御しながら、操作者についての人間工学を改善するために、片手で動作可能であることができる操縦可能なカテーテル用の制御ハンドルを例示する。制御ハンドルの関節運動ノブは、ハンドルの向きにかかわらず一貫して機能し、人間工学的な動きで、ユーザが、処置を行っている間、監視機器に快適に注意を向け続けることを可能にする。これらの改善は、安全でより迅速な処置時間につながることができる。
【0037】
アブレーション処置に関連して本明細書で言及されることが多いが、開示される制御ハンドルは、マッピング又は診断などの様々な処置について起動された先端機構を有するカテーテルに適用可能であることができることが理解され得る。冠状血管であるか、肺血管であるか、脳血管であるかによらず、血管系内の様々な血管にアクセスするには、周知の手技ステップ及び多くの従来の市販アクセサリ製品の使用を伴う。血管造影材料、回転止血弁、及びガイドワイヤなどのこれらの製品は、検査機関及び医療処置において広く使用されている。これらの製品が、以下の説明において本発明のシステム及び方法とともに使用される場合、それらの機能及び正確な構成は、詳細には記載されない。記載は、多くの場合、心臓アブレーション治療に関連しているが、システム及び方法は、他の処置について、及び他の身体通路において同様に使用され得る。
【0038】
操縦可能なカテーテル又はシースは、体内の標的位置へのアクセスを得るために利用され得る。このようなデバイスは、最小侵襲性処置を使用して、血管系を通して身体のエリアへのアクセスを提供するための制御機構を有することができる。これらの処置のうちのいくつかでは、カテーテル又はシースの先端は、2つ以上の方向に撓むことによって、アクセスを提供するように要求され得る。他の処置では、先端は、標的部位で拡張可能な機能を必要とし得る。
【0039】
図面に目を向けると、図1は、血管内処置を行いながら医療デバイスを操作するための操縦可能な制御システム又はハンドル100を例示する。医療デバイスは、実施例として、カテーテル、シース、導入器、又は同様のデバイスを含むことができる。このようなデバイスは、多くの場合、心臓アブレーション、マッピング、診断、血栓摘出、及び他の処置のために使用される。ハンドル100は、ユーザがハンドルを使用してシャフトを方向付け、操縦することを可能にするために、カテーテルシャフト又はシース27と結合され得る。ハンドル100は、外側シェル又はハウジング110に結合された関節運動ノブ210を備えることができる。ノブ210は、ハンドルの外側シェル110に対して独立して回転及び線形的に並進され得る。ハンドル100は、処置中にデータを送信及び/又は受信するために、機能発生器又はナビゲーションシステムの診断ハブに結合されたカテーテルケーブル30のための接続部を更に有することができる。
【0040】
いくつかの事例では、ハンドル100は、シリンジ、ポンプ、又は他の手段を使用して外側ハウジング110を通して流体を注入するための1つ又は2つ以上のルアー取付具40を有することができる。流体は、造影剤、生理食塩水、又は他の溶液であることができ、処置に応じて、多くの目的のうちのいずれかのために使用され得る。これらは、血管造影、灌注、冷却、又はバルーン若しくは他の膨張可能な部材の膨張を含むことができる。
【0041】
使用時に、ハンドル100の外側ハウジング110に対する第1の時計回りの回転方向への関節運動ノブ210の回転は、ユーザがカテーテルシャフト27の撓み可能なセグメント26を撓み及び操縦することを可能にすることができる。同様に、第2の反時計回りの回転方向へのノブの回転は、反対方向への撓み及び操縦を可能にすることができる。他の実施例では、双方向操縦可能なカテーテルは、互いに面外である2つの別個の撓み方向において撓むように構成される。
【0042】
ハンドル100の外側ハウジング110に対する関節運動ノブ210の線形撓みは、カテーテルの操縦可能な遠位先端50の別の機能を制御することができる。例えば、近位又は遠位への軸方向変位の程度は、より小さい送達構成から、特定の処置を行うために必要であることができる拡張展開状態に展開され得る、操縦可能な先端の拡張可能な要素の半径方向サイズを変化させることができる。カテーテル先端50を再位置決めする必要があるとき、又は処置の終了時に、要素を拡張するために使用された方向とは反対の方向への軸方向変位が、要素を操縦性のためにより小さいサイズ又は外形に戻すために、適用され得る。
【0043】
図2図4は、制御ハンドル設計の異なる向きの図を示す。図2を参照すると、制御ハンドル100の外側ハウジング110は、概して管状形状であることができる。カテーテルシャフト27は、ハンドル100の遠位端113を通って延在することができる。関節運動ノブ210は、ハンドルが手のひらに保持されているときに、ノブの全ての機能を、同じ手の親指及び/又は人差し指を使用して動作させることができるように、外側ハウジング110の遠位に配置され得る。カテーテルシャフト27は、シャフトがノブによって衝突されず、ノブがその全可動域に沿って自由に並進及び回転するように、外側ハウジング110の内部に延在することができる。ハンドル100の近位端112は、所望の処置に必要な他の補助装置のための、又は灌注及び/又は造影剤のための更なる流体注入のための、更なる取付具又は通路を有することができる。
【0044】
図面において視覚化された要素は、管状構造として記載されることができ、概して、実質的に直円筒形構造として例示される。しかしながら、本明細書で使用されるときに、「管状」及び「管」という用語は、広義に解釈されるものとする。これらは、直円筒形、すなわち、断面において厳密に円形であるか又はその長さにわたって均一な断面のものである構造に限定されることを意味するものではない。
【0045】
ハンドル100の外側ハウジング110は、図4に見られるように、製造及び組み立てのために半分に分割され得る。ハウジングは、半径方向サイズにおいて等しくても等しくなくてもよく、締結具、スナップ嵌め、接着剤、又は他の好適な手段によって筐体内に一緒に固定され得る、上部シェル120及び下部シェル130を有することができる。外側ハウジング110は、ひっかかりのための鋭い縁部又はボタンが存在せず、関節運動ノブ210が唯一の可動制御面であるように、ハンドルの制御機能の全ての作動を収容することができる。
【0046】
図5を参照すると、外側ハウジング110は、駆動ハウジング410を囲むための中空シェルを提供し、長手方向軸111に沿ったその中の駆動ハウジングの線形並進を可能にする。この図は、外側下部シェル130の中に配置され、長手方向軸111を共有する駆動ハウジング410を伴う、関節運動ノブ210及び外側ハウジングの上半体が取り外されたアセンブリを描写する。駆動ハウジングは、外側ハウジング内の駆動ハウジングの線形並進が、ユーザによって関節運動ノブに与えられる線形並進によって直接駆動されるように、関節運動ノブ軸方向に結合され得る。カテーテルシャフト27は、ハンドル100の回転及び並進運動によって制御されるように、駆動ハウジング410の一部内で近位に結合され得る。ハンドルは、灌注又は造影剤注入のためのケーブル付コネクタ又は追加のルアー取付具とインターフェース接続するために使用することができる、近位端112で終端することができる。代替で、近位端112は、ガイドワイヤ又は同様の小径デバイスのための二次的進入点を有することができる。
【0047】
カテーテルの遠位先端50は、実行される処置の必要性に応じて、多くの形態をとることができる。ハンドル100は、拡張及び折り畳み、又はその形状の形態を変化させることができる任意の遠位先端設計に有益であることができる。一実施例では、先端は、拡張可能なケージ又はバスケット状構造を有することができ、又は診断のために心臓信号を監視及びマッピングするように構成され得る。別の実施例では、カテーテルは、心臓アブレーションのためのエネルギーを送達するように適合され得る。この実施例におけるカテーテルの遠位先端50は、図6に見られ、前述の米国特許公開第2016/0175041号に記載されるように、拡張可能なバルーンアブレーションシステムであることができる。この実施例では、順応性バルーン610は、被験者の左心房内の肺静脈を隔離するために使用され得る。バルーン610は、先端50の長手方向軸51を中心にほぼ球形又は卵形に拡張することができる。バルーンの遠位端614は、バルーンの遠位端に近接する延長カラー630内に非外傷的に先細になることができる。
【0048】
管腔622は、カテーテルシャフト27、バルーン610、及び延長カラー630を通って延在することができる。管腔622は、アブレーション部位の遠位へのアクセスを可能にすることができ、遠位灌注、造影剤注入、並びに/又はガイドワイヤ及び他の小径デバイスのための送達チャネルとして機能することができる。例えば、0.050インチの管腔直径は、0.035インチまでのガイドワイヤを収容することができる一方、血液凝固を防止するために、管腔622を通る灌注を維持することが可能である。
【0049】
高トルクシャフト27は、操縦可能なカテーテル先端50が、正確な処置のために必要とされる送達可能性及びレベル忠実性を有することを可能にすることができる。シャフトは、ハンドル100によって制御される操縦可能で撓み可能な先端セグメント26へと遠位に移行することができる。先端セグメント26の内部には、図6には示されていないが、電極616のためのリード線と、先端50の撓みのための制御要素とがあることができる。
【0050】
カテーテルシャフト27若しくは先端50のいくつか又は全てはまた、方向性編組又は選択的弾性高分子ジャケットなど、送達可能性及びトルク伝達のための追加の特徴を有することができる。高トルクシャフトは、肺静脈の入口部などの標的部位における正確な位置決めを促進するために、撓んだ先端の平面が回転することを可能にする。トルク伝達能力はまた、カテーテル先端が円周方向電極を伴うバルーンを有するときに、有用であるが、その形状は、展開されるときに、別様に、特定の方向への並進を制限し得る。シャフト27の剛性及びトルク特性は、滑らかな押し込み性を追加する一方、バルーン610の可撓性順応性は、電極616の円形整列が静脈口との適切な接触を達成することができるように、バルーン610の局所組織解剖学的構造との非外傷性一致を可能にする。
【0051】
バルーン610の外面は、バルーンの表面に接着され、肺静脈口との円形接触外形を生成するために円周方向に配向された複数の独立して制御される電極616を有することができる。電極の形状は、近位端612と遠位端614との間の拡張されたバルーンの変化する直径にわたって軸方向に同様の電極間間隔を可能にするように選択され得る。各電極は、導電性のために金メッキされ、バルーンの内側から外側への流体の流れを可能にする個々の穴で穿孔され得る。例えば、ヘパリン化生理食塩水は、灌注流のためにハンドル100のルアー取付具40を通して送達され得る。
【0052】
電極616は、可撓性回路におけるバルーン610の近位端612から遠位端614まで延在することができる。このように独立して張設する電極を有することは、各電極が、エネルギーを独立して送達し、各電極インターフェースにおいて温度を検出するための熱電対としての役割を果たすように、カテーテルシャフト27を通して配線される、2本巻きワイヤなどの導体を有することを可能にする。エネルギーは、RF、低温、IRE、又は他の同様の技術を使用して送達され得る。
【0053】
図3からのハンドルの断面側面図が、図7に例示されている。関節運動ノブ210は、カラー、保持リング、又は止めねじを用いるなどして、それらが対として並進するように、駆動ハウジング410に軸方向に固定され得る。図7における実施例では、スラストカラー314は、ノブと駆動ハウジングとの間で押込/引張力を伝達することができる。このように固定されたときに、ノブが外側ハウジング110に対して長手方向軸111に沿って遠位又は近位に変位されると、同じ変位は、駆動ハウジングによって経験される。代替で、関節運動ノブの一部分は、駆動ハウジングの中に受容されるように近位に延在することができ、そこで、それは、止めねじ又は他の手段を介して固着され得る。外側ハウジング110は、駆動ハウジング410の線形変位を案内すると同時に、駆動ハウジングに利用可能な全移動範囲を制限又は制限するように構成され得る。それらは結合され得るので、駆動ハウジング410の変位に対するこの制限はまた、関節運動ノブ210によって経験され得る。
【0054】
ハンドル100の関節運動ノブ210の線形撓みは、外側ハウジング110内の駆動ハウジング410の移動を介して、拡張可能な要素の拡張又は後退に変換され得る。代替的に、関節運動ノブ210の線形撓みは、駆動ハウジング410の誘発された相対運動に関連する方向にカテーテル先端を撓ませるために使用され得る。制御ハンドルからの拡張可能な要素の作動は、処置上の利点を提供し、この目的のためにハンドルに組み込まれる別個の拡張機構のための必要性を排除することができる。例えば、図6に見られるように、バルーン610の近位端612又は遠位端614は、先端軸51に沿って摺動可能に配置され、ハンドル100内の駆動ハウジング410に長手方向に結合され得る延長カラー630を有することができる。この構成では、第1の方向への駆動ハウジングの線形並進は、バルーンの半径方向サイズを増加させることができ、第1の方向と反対の第2の方向への駆動ハウジングの並進は、バルーンの半径方向サイズを減少させることができる。
【0055】
ハンドル100の関節運動ノブ210の回転は、外側ハウジング110内の駆動ハウジング410の相対運動を介して、カテーテルシャフト27の角度的撓み又はカテーテル先端50における拡張可能な部材の拡張に変換され得る。駆動ハウジング410におけるピストンキャリッジ510は、対応する雌ねじ山整列を有するバレルナット310内に受容され、関節運動ノブ210に回転可能に結合される、雄ねじ山整列を有することができる。ねじ山は、ノブが回転させられるにつれて、ノブ210が駆動ハウジング410におけるピストンキャリッジ510を線形的に並進させることを可能にする。
【0056】
一実施例では、ピストンキャリッジ510は、協働して係合する複数の部品を有することができ、又はキャリッジを形成するように組み立てられ得る。図8及び図9におけるハンドル100の断面図に示されるように、キャリッジは、駆動ハウジング410内で長手方向軸111に沿って線形的に並進可能である右撓みラック530半体及び左撓みラック540半体を有することができる。遠位に、ピストンキャリッジは、右半体520及び左半体521を備えたボルトを有することができ、その少なくとも1つは、外部雄ねじ山522を有することができる。
【0057】
一実施例では、ピストンキャリッジ510の右撓みラック530のねじ山522は、バレルナット310の螺旋駆動ねじ山316と係合される。右撓みラック530及び左撓みラック540が駆動ハウジング内で回転しないように制限される場合、バレルナットの駆動ねじ山は、右撓みラックのねじ山522に対して線形的に作用することができる。図9に例示されるように、長手方向軸111を中心とする関節運動ノブ210及びバレルナット310の回転は、右撓みラックの雄ねじ山522を駆動することによって、駆動ハウジング410内の左撓みラック540に対する右撓みラック530の対応する線形並進を引き起こすことができる。
【0058】
関節運動ノブ210のこの回転、及びピストンキャリッジ510の右半体530と左半体540との間の結果として生じる相対的な並進は、前述の制御部材(図示せず)の作動のための機構であることができる。制御部材の作動は、例えば、ワイヤの張力付与、又はトグル要素の圧縮によって生じることができる。
【0059】
制御部材は、カテーテルシャフト27を通って延在し、遠位カテーテル先端50の撓みを引き起こすことができる。例えば、左撓みラック540に対する右撓みラック530の近位並進は、カテーテルの遠位端に結合される制御ワイヤ又はケーブルに張力をかけ、操縦可能な先端を(開始又は中立位置に対して)第1の方向に角度的に撓ませることができる。同様に、左撓みラック540に対する右撓みラック530の遠位並進は、第2の制御ワイヤ又はケーブルに張力をかけ、操縦可能な先端を第1の方向と反対の第2の方向に角度的に撓ませることができる。
【0060】
図10は、ピストンキャリッジ510がその中に配置された駆動ハウジング410の下半体430を示す。構成に応じて、前述の制御部材(図示せず)に別個かつ個別の張力を与えるように、ピストンキャリッジ510の右撓みラック530及び左撓みラック540の相対運動を構成するための複数の方法が存在する。一構成では、制御ワイヤは、ピストンキャリッジ510の対向する半体に直接結合され得る。代替的構成では、ワイヤのうちの一方は、ピストンキャリッジに直接結合されることができ、他方のワイヤは、ピン又はプーリ(図示せず)などの方向反転要素を通してピストンキャリッジに間接的に結合される。このようにして、両方のワイヤは、ピンと張った状態に保たれ、左撓みラック540に対する右撓みラック530の一方向への相対運動は、制御ワイヤの一方に張力を印加し、反対方向への相対運動は、他方の制御ワイヤに張力を印加する。右撓みラック530と左撓みラック540との間の等しい反対方向の並進運動は、図11の断面図に示されるように、撓みラックの歯541に結合されたピニオンギア412の使用を通じて維持され得る。
【0061】
制御部材とピストンキャリッジ510の半体との結合は、制御部材を作動させるための相対運動を可能にする。この意味で、「直接結合」は、制御ワイヤが撓みラックの1つと動作可能な対を形成するが、必ずしも撓みラックの1つに取り付けられるか又は一体化される必要はないことを意味する。「間接的結合」は、ワイヤが、プーリなどの中間要素を通過した後にのみ、撓みラックのうちの1つと動作可能な対を形成する(しかし、同様に必ずしも取り付けられない)ことを意味することができる。ワイヤは、その長さの大部分に沿ってシース内に維持され得るか、又はピストンキャリッジ510に結合されるときに過度の角度付け又は応力を受けないことを確実にするために採用される1つ又は2つ以上の張力緩和方法で維持され得る。
【0062】
右撓みラック530及び左撓みラック540の独立した図は、それぞれ、図12a及び図12bに示されている。一緒に嵌合されるときに、右撓みラック530の右駆動ボルト半体520及び左撓みラック540の左駆動ボルト半体521は、カテーテルシースがそれを通って延在するための円筒形内部空洞512を形成することができる。図11の断面図から、ピニオン412は、両方の撓みラックの対応する内歯541と同時に係合することによって、右撓みラック530と左撓みラック540との間に相対的な滑りがないことを確実にすることができる。右撓みラック及び左撓みラックの相対的並進を計測することによって、ピニオン歯は、関節運動ノブ210の増分回転について一貫した反復可能な相対的撓みを提供する。これらの撓みは、ハンドルの制御部材に伝達され得る。関節運動ノブ210の角度的回転の特定の大きさは、右撓みラック530の線形並進の特定の大きさに対応することができ、したがって、カテーテルの操縦可能な先端50の特定の角度的撓みを誘発することができる。ピニオンの回転は、経験のある医師が、ハンドルの向きの視覚的参照チェックを必要とせずに、制御ハンドルでカテーテルを快適に動作及び操作することができるように、先端の撓みが滑らかで信頼できる様式で生じることを確実にする。
【0063】
駆動ハウジング410の下半体430の例示的な外形が、図13に例示されている。駆動ハウジング下半体430の少なくとも一部は、ピストンキャリッジ510の右撓みラック530及び左撓みラック540の撓みを案内するためのトラックを形成し、これらについて回転防止特徴として機能する、その内部に形成された長手方向溝又はレール436を有することができる。レール436は、撓みラックの運動がハンドルの長手方向軸111に沿って線形であるように、関節運動ノブ210の回転から生成される回転トルクに対して反応することができる。駆動ハウジング下半体430はまた、ピニオン412についてスピンドルを置いて提供するために、ピニオンハブ432を有することができる。追加的に、駆動ハウジング下半体430内に成形された遠位に面する特徴は、撓みラック530、540の近位並進についての終端又は物理的停止部438を形成することができる。代替として、長さ調節可能な物理的停止部は、撓みラックの極端な移動範囲を画定するために、設置され得る。長さは、ねじによって、又はシムの使用を通して調節可能であることができる。接着剤又は圧入などの任意の方法は、物理的停止部を駆動ハウジング410のレール436と係合するために、使用され得る。
【0064】
駆動ハウジング410自体の線形変位は、円周方向溝又はスラストスロット434の軸方向配置を通じて制御され得る。スラストスロットは、ユーザがノブ210に与える押込/引張力の駆動ハウジングへの伝達を提供するために、バレルナット310のカラー314を受容するようにサイズ決定され得る。バレルナット310は固定された長さであるので、スラストスロット缶434の長手方向配置は、関節運動ノブに与えられる線形移動範囲を画定することができる。例えば、より近位に位置するスラストスロット434は、バレルナット310をハンドル100の近位端112のより近くに置くことになる。この位置は、外側ハウジング110内での駆動ハウジング410についての移動の長さをより大きくすることを可能にする。
【0065】
本設計の関節運動ノブ及びその様々な特徴の代表的な図が、図14a~cに示されている。ノブは、円筒形又は同様の形状とすることができ、ユーザが動作する手の親指、又は親指と人差し指でより確実な把持を与えるために、外面において隆起された、オーバーモールド、又は他の輪郭特徴を有することができる。ノブ210は、カテーテルシャフト27の通過のために遠位端113で先細になることができる。遠位端113は、ノブの自由な並進及び回転を可能にする一方で、シャフトをねじる又は損傷する可能性のある鋭い角を有さないように、緩やかな縁半径で面取りされ得る。
【0066】
図14b及び14cを参照すると、関節運動ノブ210の内部は、バレルナット310又はハンドル100の他の構成要素特徴とインターフェース接続するためのノブハブ212を有することができる。回転は、ハブの内部に形成された1つ又は2つ以上のキー溝214を通じて、ノブからバレルナットに伝達され得る。それらのキー溝は、先細又は正方形であることができ、長さは、ハブのサイズ及び伝達されるべきねじり荷重に基づいて変化することができる。代替として、ノブハブ212は、バレルナット310上に焼嵌めされ得る。
【0067】
図15及び図16は、それぞれ、バレルナット310の斜視図及び断面図を示す。バレルナットは、実質的に管状外形であることができ、関節運動ノブ210の内部への挿入のために遠位に縮小された直径を有することができる。一実施例では、バレルナット310は、関節運動ノブの対応するキー溝214(図14c参照)と協働して係合するか、又はその中に嵌合する、1つ又は2つ以上の外向きに延在するキー312を有する。キー312は、相対的な角運動を防止し、ノブ210とバレルナット310との間でトルクを伝達するための保持機構として機能することができる。これは、バレルナット310を、関節運動ノブ210とともに回転するように結合する。したがって、ノブ210の回転運動及び並進運動がバレルナット310に伝達され、それらは、ハンドル100の外側ハウジング110に対して単一のユニットとして動作し得る。
【0068】
軸方向に、バレルナット310の近位端318に近接するスラストカラー314は、駆動ハウジングにおける円周方向スロット434と嵌合することによって、ノブと駆動ハウジング410との間で押込/引張力を伝達することができる。スロット434及びスラストカラー314は、ノブの自由な回転運動を可能にしながら、関節運動ノブ及び駆動ハウジングの長手方向並進をロックすることができる。
【0069】
雌駆動スプラインねじ山316は、図16の断面図に例示されるように、バレルナットの内面に機械加工又は形成され得る。トルクが関節運動ノブ210からバレルナット310に伝達されると、スプラインねじ山316は、ピストンキャリッジ510の右撓みラック530又は左撓みラック540の駆動ボルトねじ山522と係合することができる(図10参照)。スプラインの回転は、したがって、右撓みラック530と左撓みラック540との間の相対的線形変位を駆動する。
【0070】
設定点として機能するようにノブハブ212の表面若しくはバレルナット310の表面に形成又は機械加工され得る特徴は、様々なクロッキング位置が関節運動ノブ210として係合されるように、特定の角度的回転量に対応する特定の先端撓みを維持するために、回転される。戻り止め又は軸方向逃げ切欠若しくは溝などのこれらの特徴は、特定の先端撓みを選択的に維持し、ノブに「クリックイン」能力を与え、特定の離散的係合点に到達したときにユーザに触覚フィードバックをもたらすことができる。
【0071】
代替的に、ゴムグロメット又はOリングなどの摩擦デバイスは、回転抵抗を増加させる摩擦ロックを生成し、関節運動ノブ210を軸に対して所望の回転位置に維持するために、バレルナット310と駆動ハウジング410の内面との間で使用され得る。
【0072】
操縦可能なカテーテルとともに利用される多くの拡張可能な要素は、送達カテーテル又はシース内の折り畳まれた送達状態と、標的部位で拡張され、展開された状態との間で拡張可能な要素を作動させるために、制御ハンドルの操縦に加えて、別個の起動機構を必要とする。例えば、図6に示される拡張可能なアブレーションバルーン610は、肺静脈の入口部との非外傷性一致を提供するために、展開された形状に拡張され得る。任意の付加的補助機構を伴わずに、バルーンの半径方向サイズを制御するために、バルーンの拡張及び後退を制御ハンドルの操縦可能な機能性と組み合わせることが、本設計の利点である。
【0073】
ガイドシース又は外側カテーテル内の拡張可能な要素又はバルーン610を伴う操縦可能なカテーテル先端50を標的場所に送達するために、最初に、バルーン610並びに任意の関連導線及び電極をより小さい直径に折り畳むことが必要とされ得る。折り畳まれた直径は、13.8Fなどの特定の内径の一般的なガイドシースに準拠することができる。ハンドル100の関節運動ノブ210の変位機能は、その公称のほぼ球形の形状(図17b)から、送達のためのより小さい半径方向サイズを有する細長いフットボール状の外形(図17a)まで長くすることができる、前進機構620を関節運動させることができる。この動きは、対応する端部の軸方向位置に対して直径が変化する管状ベローズ又は伸縮継手と同様であることができる。ある場合には、前進機構620は、接着剤又は他の適切な手段を使用してバルーン614の遠位端に接着され得る。代替で、バルーンの遠位端614は、頑丈な取り付け点を提供するために、剛性のある延長カラー630に接着され得る。
【0074】
前進機構620は、制御ハンドル100における駆動ハウジング410に結合されるように、カテーテルシャフト27の長さにわたって近位に延在することができる。このようにして、前進機構620は、バルーン610の遠位端614を遠位に移動させ、バルーンの外径を減少させるのに必要な伸長を提供するために、カテーテルシャフト27と入れ子式に(telescopically)動作することができる。前進機構は、ガイドワイヤ及び他の小さな補助装置のための内部管腔622と、冷却及び血液凝固の防止のために灌注を方向付ける導管とを有する管であることができる。
【0075】
前進機構620は、拡張可能な部材の遠位端を並進させるようにスラスト荷重を円滑に伝達するのに十分な柱剛性を有することができ、一方で、蛇行血管を通して標的部位に送達するための十分な横方向可撓性も有する。一実施例では、前進機構は、可撓性ポリイミド管などの、頑丈で化学的耐性のある高分子材料から構築され得る。代替で、前進機構は、外側ジャケットで被覆された管状のコイル状又はループ状の支持構造であることができる。
【0076】
一実施例では、遠位先端の撓みについての制御要素は、図18及び対応する図19の近接表現に示されるように、カテーテルシャフト27の長さに実質的に沿って延在する一対の制御ワイヤ29であることができる。前に考察されたように、ワイヤ29は、駆動ハウジング410内のピストンキャリッジ510の右撓みラック530及び左撓みラック540に近位に結合さることができる。制御ワイヤは、関節運動ノブ210がハンドルの軸111を中心に回転されるときに先端の撓みを引き起こすのに十分な引張強度を有する鋼又は高分子量ポリマーから構成され得る。
【0077】
ワイヤ29は、十字又はT字形部材28の両側で遠位に結合又は圧着され得る。関節運動ノブの時計回りの回転は、T字形部材の一方の側に接合されたワイヤに張力をかけることができ、カテーテルシース又はシャフト27を公称開始位置に対して第1の方向に撓むことを引き起こす。同様に、ノブの反時計回りの回転は、T字形部材の反対側に固定された第2のワイヤに張力をかけることができ、シャフトを第2の方向に撓ませる。ピン又はプーリなどの方向反転要素は、ノブがどちらの方向に回転するかに関係なく、両方のワイヤ29が引っ張られた状態に保たれるように、ハンドルにおいて使用され得る。
【0078】
図20a~図20fは、本明細書に記載の遠位拡張可能な要素を有する操縦可能なカテーテルの制御ハンドル100についての使用順序の図的表現である。例証目的のために、カテーテルは、図17a及び図17bに示されるようなアブレーションバルーン610などの拡張可能な要素とともに構成されるように想定されている。図面は、関節運動ノブ210の操作の結果としてハウジング内の構成要素の動きを見ることができるように、外側ハウジング110の断面状の中央部分を特徴とする。
【0079】
図20aは、長手方向移動の最も近位の限界にある、制御ハンドル100の関節運動ノブ210、駆動ハウジング410、及びピストンキャリッジ510を示す。ピストンキャリッジ510の右撓みラック530及び左撓みラック540は、軸方向に整列され、右駆動ボルト半体520の駆動ボルトねじ山522は、バレルナット310の雌ねじ山と係合される。ピストンキャリッジは、ハウジング内の1つ又は2つ以上の拡張ピストン542に沿って移動することができる。関節運動ノブ上に重ねられた矢印は、ノブを関節運動させるために利用可能な回転及び並進の方向を示す。
【0080】
図20aの公称開始位置からの関節運動ノブ210の遠位線形並進が、図20bに示されている。バレルナット310のスラストカラー314は、ピストンキャリッジ510の右撓みラック530及び左撓みラック540がまた、1つ又は2つ以上の拡張ピストン542に沿って遠位に並進するように、駆動ハウジング410を遠位に引くことができる。ノブ210の遠位並進は、バルーン610の半径方向サイズを減少させるために、前進機構620及び延長カラー630を下流に押すことができる(図17a参照)。ノブの完全な遠位伸長は、処置中に再位置決めするため、又は患者から後退させためにリシースするために、バルーンを完全に折り畳むことができる。
【0081】
図20cを参照すると、関節運動ノブ210の適用された遠位並進は、長手方向軸111を中心にノブを独立して回転させながら維持され得る。ノブ210の回転はまた、バレルナット310を回転させることができる。バレルナット310の螺旋状の雌ねじ山316は、駆動ボルト520の右半体の雄ねじ山522に係合して駆動することができ、右撓みラック530及び左撓みラック540を分割して軸方向に並進させる。右撓みラック530は、図20dに示されるように、拡張ピストン542に沿って近位に変位され得る。右撓みラック530及び左撓みラック540の両方の歯541とピニオン412との係合はまた、左撓みラックの対応する遠位並進を引き起こすことができる。右及び左撓みラックのうちの一方又は両方に接続される制御部材又はワイヤ(図示せず)を、これらの並進によって張力をかけて、カテーテルシャフト27を撓ませることができる。
【0082】
図20eは、ユーザが関節運動ノブ210を長手方向軸111に沿って近位方向に並進させている間に、右撓みラック530及び左撓みラック540の継続的な軸方向の誤整列によって実証されるように、カテーテルシャフト27によって呈される撓みが維持され得ることを例示する。図20bの逆では、ノブの近位運動は、アブレーション処置を開始又は再開するために、前進機構620及び延長カラー630を近位に引くことができ、バルーンの半径方向サイズを増加させる(図17b参照)。
【0083】
関節運動ノブ210が元の長手方向の開始位置に戻るように操作されると、ノブは、図20cで適用された回転の反対方向に回転され得る。バレルナットの回転は、遠位に並進させるために右撓みラック530のねじ山522を駆動することができ、図20fに示されるように、ピストンキャリッジ510の右撓みラック530及び左撓みラック540を長手方向整列に戻すために、ピニオン412を回転させる。ノブの回転はまた、カテーテルシャフト27を初期の撓んでいない状態に戻すことができる。
【0084】
代替として、関節運動ノブ210の線形並進、並びに右収縮ラック530及び左収縮ラック540の誘発された運動は、カテーテル先端の撓みに結び付けられ得る。この場合、関節運動ノブ210の回転は、拡張可能な要素又はバルーンの半径方向サイズを変化させるために使用され得、又はカテーテルの種々の診断能力を起動及び操作するために使用され得る。
【0085】
図6の多電極バルーン610は、左心房の肺静脈70のアブレーション治療を行う図21に示されている。アブレーションバルーン610の電極616の長さは、カテーテルが肺静脈70の入口部と完全に整列されていない場合であっても、標的組織壁72と確実に接触するように選択され得る。複数の電極616は、互いに独立して配置され得る。機能的に、これは、各電極に送達される電力の量が、アブレーションゾーン56に形成される病変の安全性及び質を改善するために、別々に制御されることを可能にする。エネルギー源(図示せず)からのリード線は、電極616のパッドに短絡され得、ここで、電圧の変化は、電極がアブレーションされた組織からの伝導熱伝達を介して加熱されるときに、温度における変化に相関され得る。
【0086】
シース又は外側カテーテル10から展開されるときに、バルーン610は、静脈を隔離するために、その折り畳まれた状態から拡張され得る。前に記載されたプロセスと同様に、バルーンは、バルーンの遠位端614での前進機構620及び延長カラー630をその近位端612に向かって引くために、関節運動ノブ210を近位に並進させることによって拡張されることができ、直径を増加させる。
【0087】
多機能先端を備えたアブレーションカテーテルは、多くの場合、灌注用の小型ポンプが取り付けられる。例えば、ポンプからのヘパリン化通常生理食塩水は、ハンドル100におけるルアー取付具40を通して、多くの場合、バルーン610の内部から外部への流体流を可能にするために穿孔された穴を有する、電極パッド616に遠位に送達され得る。灌注流58は、バルーン膨張並びにアブレーション電極616及びアブレーションゾーン56におけるアブレーション組織インターフェースの冷却のような先端機能を可能にすることができる。流れ58はまた、中断されないアクセスを維持するために、治療部位から血液を移動させるように機能する。
【0088】
前進機構620の管腔622はまた、遠位灌注、造影剤、又は補助デバイスを展開するために使用され得る。このようなデバイスは、図21に見られるように、ガイドワイヤ又は小径診断カテーテル60を含むことができる。診断カテーテルは、ハイポチューブ構造であることができ、心臓の心房内の信号の刺激及び記録のために、管腔622から遠位フープ形状に展開され得る。
【0089】
図22及び図23は、各々、本明細書に開示された制御ハンドルを用いて医療処置を実行するための方法工程を含むフロー図である。方法工程は、本明細書に記載されるデバイス及び/又は装置のいずれかによって実装され得、列挙された以外の順序で実行され得る。
【0090】
図22に概説される方法2200を参照すると、工程2210は、心臓内処置のためのカテーテルを導入することを伴う。カテーテルは、近位領域及び撓み可能な遠位領域を有するカテーテルシャフトと、シャフトの遠位端に近接する拡張可能な要素又は部材と、制御ハンドルとを含むことができる。制御ハンドルは、外側シェルと、駆動アセンブリと、内部駆動スプラインを有し、ハンドルの長手方向軸に沿った線形並進及びそれを中心とする回転が可能な遠位ノブアセンブリとを有することができる。工程2220は、駆動アセンブリがハンドルの長手方向軸に沿って並進することができるように、制御ハンドルの外側シェル内に駆動アセンブリを移動可能に配置することを伴う。駆動アセンブリは、内側ハウジングと、雄ねじ山を有する遠位駆動ボルトと、分割ピストンキャリッジとを有することができる。
【0091】
工程2230において、分割ピストンキャリッジは、分割ピストンキャリッジの少なくとも一部が駆動ハウジングに対して移動可能であるように、ノブアセンブリの内部駆動スプラインの螺旋ねじ山と係合される。係合されるときに、ノブアセンブリの回転は、駆動ハウジング内のピストンキャリッジの少なくとも一部の線形並進をもたらす。工程2240において、制御ハンドルは、片手で動作させるように構成されており、親指及び人差し指で、視覚的な参照を必要とせずにハンドルの全ての可能な機能を操作することができる。
【0092】
制御ハンドルの遠位ノブアセンブリの操作は、カテーテルの操縦可能な先端の種々の機能を作動させることができる。工程2250は、駆動アセンブリを外側シェルに対して長手方向に並進させるように遠位ノブアセンブリを構成することを伴うことができる。この並進は、操縦可能なカテーテルの遠位端で拡張可能な要素の半径方向サイズにおける変化を作動させることができる。駆動アセンブリの遠位並進は、半径方向サイズを減少させることができ、一方、駆動アセンブリの近位運動は、半径方向サイズを増加させることができる。
【0093】
図22の工程2260及び図23の工程2310を参照すると、遠位ノブアセンブリの回転は、カテーテルの遠位領域を角度的に撓ませることができる。一実施例では、撓みは、ノブの時計回りの回転が遠位領域を第1の方向に撓ませ、反時計回りの回転が第1の方向と反対の第2の方向における撓みを引き起こすように、平面的であることができる。
【0094】
更に図23では、工程2320において、駆動アセンブリ及び遠位ノブアセンブリの線形並進は、ノブアセンブリの回転とは独立して結合され得る。次いで、駆動アセンブリ及びノブアセンブリの特定の線形並進は、カテーテルの遠位領域を撓ませる及び操縦するためにノブを回転させている間、維持され得る。工程2330において、制御ハンドルの遠位ノブアセンブリは、制限された全体的な並進移動及び回転移動を有することができる。例えば、物理的停止特徴は、ハンドルの外側シェル内に成形され得るか、又は駆動ハウジングに利用可能な近位及び遠位の総移動を制限するように設けられるシムであってもよい。撓みラックの雄ねじ部分の長さは、時計回り又は反時計回り方向への更なるノブ回転を停止させるように選択されることができ、カテーテル先端撓みの設計限界を設定する。溝又は逃げは、拡張可能な要素の中間半径方向サイズが影響を受けることができるように、並進移動の様々な距離でノブアセンブリに係合するように構成される。中間サイズは、拡張可能な要素が標的血管系の様々な特徴又は幾何学的形状に適合するようにサイズを一致させることを可能にすることによって、有利であることができる。当業者であれば、移動限界を設定すること、又はカテーテル先端の拡張可能な要素のサイズをインサイチュ(in-situ)で調節することができることの他の利点を理解することができる。
【0095】
工程2340は、拡張可能な要素の半径方向サイズを増加させるように、遠位ノブアセンブリを線形的に並進させることを伴う。このプロセスは、診断、治療、及び/又は他の処置を実行するために有用であることができる。例えば、限定としてではなく、心臓アブレーション処置は、エネルギーの伝送のために、肺静脈の入口部の周囲の組織をカテーテル先端の1つ又は2つ以上の電極と接触させることを伴うことができる。次いで、1つ又は2つ以上の電極からのエネルギーは、工程2350において、PAF又は他の心臓不整脈の治療において、組織をアブレーションし、瘢痕組織の病変を形成するために使用され得る。他の実施例では、エネルギーは、画像化処置又はマッピング処置のために使用され得る。
【0096】
処置が完了すると、患者から安全に取り出すことができるように、展開されたデバイスをシース又は外側カテーテル内に後退する必要があることが多い。工程2360において、遠位ノブアセンブリは、シース又は外側カテーテルの内径内に引き込まれ得るように、拡張可能な要素の半径方向サイズを減少させるように線形的に並進される。
【0097】
本発明は、記載された例に必ずしも限定されず、構成及び詳細において変化し得る。「遠位」及び「近位」という用語は、前述の説明を通して使用され、処置している医師に対する位置及び方向を指すことを意図する。したがって、「遠位」又は「遠位に」は、医師に対して離れた位置又は医師から離れる方向を指す。同様に、「近位」又は「近位に」は、医師に対して近い位置又は医師に向かう方向を指す。更に、文脈が明らかに既定しない限り、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、複数の指示対象を含む。
【0098】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素集合を、本明細書に記載のその意図された目的に沿って機能させるのに適した寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指してもよい。
【0099】
例示的実施形態について記載する際、明確にするために、専門用語が利用されている。各用語は、当業者によって理解されるその最も広い意味を有することを企図し、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、同様の目的を実現するために同様の様式で作用する全ての技術的な均等物を含むことが意図される。方法の1つ又は2つ以上の工程への言及は、追加の方法工程又は明示的に識別されたそれらの工程間に介在する方法工程の存在を排除しないことも理解されたい。方法のいくつかの工程は、開示される技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される順序とは異なる順序で実施され得る。同様に、デバイス又はシステムにおける1つ又は2つ以上の構成要素への言及は、追加の構成要素の存在又は明示的に識別されたそれらの構成要素間に介在する構成要素の存在を排除しないことも理解されたい。明確さ及び簡潔さのために、全ての可能な組み合わせが列挙されているわけではなく、このような修正例は、多くの場合、当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0100】
〔実施の態様〕
(1) 操縦可能な先端を有するカテーテル用の制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは、
長手方向軸と、近位端と、遠位端とを画定する管状外側ハウジングと、
前記管状外側ハウジングの前記遠位端に隣接する関節運動ノブであって、前記管状外側ハウジングの前記長手方向軸を中心に回転可能であり、かつ前記長手方向軸に沿って線形的に変位可能である、関節運動ノブと、
前記管状外側ハウジング内に移動可能に配置され、前記関節運動ノブに結合された駆動ハウジングであって、分割ピストンキャリッジとピニオンとを備える、駆動ハウジングと、を備え、前記関節運動ノブは、
前記関節運動ノブが前記管状外側ハウジングの前記長手方向軸を中心に時計回りに回転させられると、第1の線形変位を前記駆動ハウジングに与え、
前記関節運動ノブが前記管状外側ハウジングの前記長手方向軸を中心に反時計回りに回転させられると、前記第1の線形変位と反対の第2の線形変位を前記駆動ハウジングに与え、かつ
前記関節運動ノブが前記長手方向軸に平行に、ある距離だけ線形的に変位させられると、前記操縦可能なカテーテルの前記遠位端上の拡張可能な要素の半径方向サイズを変化させるように構成された第3の線形変位を前記駆動ハウジングに与えるように構成されている、制御ハンドル。
(2) 遠位で前記拡張可能な要素に、かつ近位で前記駆動ハウジングに、機械的に結合された前進機構を更に備える、実施態様1に記載の制御ハンドル。
(3) 前記前進機構における線形並進は、前記拡張可能な要素の半径方向サイズの変化を引き起こす、実施態様2に記載の制御ハンドル。
(4) 前記駆動ハウジングの前記第1の線形変位は、前記操縦可能な先端の第1の制御部材を作動させるように構成され、前記駆動ハウジングの前記第2の線形変位は、前記操縦可能な先端の第2の制御部材を作動させるように構成されている、実施態様1に記載の制御ハンドル。
(5) 前記第1の制御部材及び前記第2の制御部材の各々は、制御ワイヤを備える、実施態様4に記載の制御ハンドル。
【0101】
(6) 前記拡張可能な要素は、バルーンを備える、実施態様1に記載の制御ハンドル。
(7) 前記バルーンは、前記バルーンの外周の周りに等間隔に配置された複数の独立して制御される電極を備える、実施態様6に記載の制御ハンドル。
(8) 前記前進機構は、内部中空管腔を有する細長い管状部材を備える、実施態様2に記載の制御ハンドル。
(9) 前記関節運動ノブは、ハブと、近位端と、遠位開口部と、少なくとも1つのキー溝とを更に備える、実施態様1に記載の制御ハンドル。
(10) 前記関節運動ノブに結合され、前記管状外側ハウジングの前記長手方向軸を中心に回転可能なバレルナットを更に備え、前記バレルナットは、一端に配置された1つ又は2つ以上のキーと、他端におけるスラストカラーと、前記バレルナットの内側に配置された駆動スプラインとを備える、実施態様9に記載の制御ハンドル。
【0102】
(11) 前記バレルナットは、前記スラストカラーによって前記駆動ハウジングに長手方向に結合されており、前記スラストカラーは、前記関節運動ノブが長手方向軸を線形的に変位させられるときに前記駆動ハウジングを線形的に変位させるように構成されている、実施態様10に記載の制御ハンドル。
(12) 前記バレルナットは、前記1つ又は2つ以上のキーによって前記関節運動ノブに回転で結合されるように構成されている、実施態様10に記載の制御ハンドル。
(13) 前記駆動スプラインは、前記関節運動ノブが回転されるときに前記ピストンキャリッジの少なくとも一部を線形経路に沿って変位させるために、前記分割ピストンキャリッジのねじ山に係合するように構成されている、実施態様10に記載の制御ハンドル。
(14) 前記駆動ハウジングの前記分割ピストンキャリッジは、駆動ボルトと、右撓みラックと、左撓みラックとを備える、実施態様1に記載の制御ハンドル。
(15) 前記関節運動ノブの時計回りの回転は、第1の方向への前記左撓みラックに対する前記右撓みラックの線形並進をもたらす、実施態様14に記載の制御ハンドル。
【0103】
(16) 前記関節運動ノブの反時計回りの回転は、前記第1の方向と反対の第2の方向への前記左撓みラックに対する前記右撓みラックの線形並進をもたらす、実施態様15に記載の制御ハンドル。
(17) 前記右撓みラック及び前記左撓みラックに結合されたピニオンを更に備え、前記ピニオンは、前記右撓みラックが前記左撓みラックに対して線形的に並進するときに回転する、実施態様15に記載の制御ハンドル。
(18) 前記関節運動ノブは、前記長手方向軸を中心に回転されることとは独立して線形的に変位可能である、実施態様1に記載の制御ハンドル。
(19) 前記前進機構の前記細長い管状部材は、可撓性ポリイミド管を備える、実施態様8に記載の制御ハンドル。
(20) 流体注入を受けるように構成されたルアー取付具を更に備える、実施態様1に記載の制御ハンドル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13
図14a
図14b
図14c
図15
図16
図17a
図17b
図18
図19
図20a
図20b
図20c
図20d
図20e
図20f
図21
図22
図23
【国際調査報告】