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特表2023-551915カートリッジ解放機構を有する外科用器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】カートリッジ解放機構を有する外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533683
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 IB2021061060
(87)【国際公開番号】W WO2022118168
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】17/109,589
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/109,615
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】フィービッグ・ケビン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ワージントン・サラ・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ホールドメイヤー・セス・ディー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
4C160FF01
(57)【要約】
外科用ステープル留め器具と共に使用するためのエンドエフェクタ。エンドエフェクタは、第1の顎部と第2の顎部と、を備える。第1の顎部は、近位カム作用部材を備えるアンビルを備える。少なくとも一方の顎部は、エンドエフェクタを閉鎖するために他方に対して移動可能である。第2の顎部は、近位チャネル開口部を備える細長いチャネルと、その細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジと、を備える。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体とカートリッジパンと、を備える。カートリッジパンは、ステープルカートリッジが細長いチャネルとロック解除構成で組み立てられた場合に、近位チャネル開口部に対して部分的に遠位に位置付けられるように構成された近位パン開口部を備える。カム作用部材は、エンドエフェクタの閉鎖構成への移行中に、カートリッジパンを、カートリッジ本体に対してロック解除構成からロック構成へと近位方向に並進させるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留め器具と共に使用するためのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
近位カム作用部材を備えるアンビルを備える、第1の顎部と、
第2の顎部と、を備え、前記第1の顎部及び前記第2の顎部のうちの少なくとも一方が、前記エンドエフェクタを閉鎖構成へと移行させるように、他方に対して移動可能であり、前記第2の顎部が、
近位チャネル開口部を備える細長いチャネルと、
前記細長いチャネルとの組み立てのために前記細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジであって、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体と、
前記ステープルカートリッジが前記細長いチャネルとロック解除構成で組み立てられた場合に、前記近位チャネル開口部に対して部分的に遠位に位置付けられるように構成された近位パン開口部を備えるカートリッジパンと、を備える、ステープルカートリッジと、を備え、
前記カム作用部材が、前記エンドエフェクタの閉鎖構成への移行中に、前記カートリッジパンを、前記カートリッジ本体及び前記細長いチャネルに対して前記ロック解除構成からロック構成へと近位方向に並進させるように構成されている、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが前記閉鎖構成へと移行された場合に、前記カム作用部材が前記近位パン開口部に受容される、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記近位チャネル開口部が、前記エンドエフェクタの前記閉鎖構成への前記移行中に、前記カム作用部材の枢動運動に対応するように構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記カートリッジパンが、前記カートリッジパンを前記ロック解除構成へと並進させるための解放特徴部を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記解放特徴部がフィンガータブを備える、請求項4に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記カートリッジ本体が、前記解放特徴部の並進運動に対応するように構成された遠位スロットを備える、請求項4に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記カートリッジ本体が突出部を含み、前記カートリッジパンが、前記カートリッジ本体が前記カートリッジパンと組み立てられた場合に前記突出部を受容するように構成された開口部を含む側壁を備える、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記カートリッジパンが突出部を備え、細長いチャネルが、前記ステープルカートリッジが前記細長いチャネルと組み立てられた場合に前記突出部を受容するように構成されたL字形スロットを備える、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記カートリッジパンが前記ロック解除構成から前記ロック構成へと並進された場合に、前記L字形スロット内で前記突出部が移動可能である、請求項8に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
外科用ステープル留め器具と共に使用するためのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
アンビルを備える第1の顎部と、
第2の顎部と、を備え、前記第1の顎部及び前記第2の顎部のうちの少なくとも一方が、組織を把持するように他方に対して移動可能であり、前記第2の顎部が、
細長いチャネルと、
前記細長いチャネルとの組み立てのために前記細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジであって、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り付けられたカートリッジパンであって、前記アンビルが、前記カートリッジパンを前記カートリッジ本体及び前記細長いチャネルに対して、前記細長いチャネル内でロック解除構成からロック構成へと近位方向に並進させるように構成されている、カートリッジパンと、を備える、ステープルカートリッジと、を備える、エンドエフェクタ。
【請求項11】
前記カートリッジパンが突出部を備え、細長いチャネルが、前記ステープルカートリッジが前記細長いチャネルと組み立てられた場合に前記突出部を受容するように構成されたL字形スロットを備える、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
前記カートリッジパンが前記ロック解除構成から前記ロック構成へと並進された場合に、前記L字形スロット内で前記突出部が移動可能である、請求項11に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
外科用ステープル留め器具と共に使用するための外科用ステープルカートリッジアセンブリであって、前記外科用前記ステープルカートリッジアセンブリが、
開口部を含む側壁を備える、細長いチャネルと、
前記細長いチャネルとの組み立てのために前記細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジであって、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体であって、
デッキと、
前記デッキ内に画定されたステープル空洞部であって、前記ステープル空洞部がステープルを含む、ステープル空洞部と、を備える、カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り付けられたカートリッジパンであって、前記カートリッジパンが、前記細長いチャネルの前記開口部内に自然状態で受容可能な折り畳み式戻り止め部を備える、カートリッジパンと、を備える、ステープルカートリッジと、
第1の構成及び前記第1の構成とは異なる第2の構成において前記細長いチャネルに解放可能に連結可能なリテーナであって、前記リテーナが、前記第1の構成において前記ステープルを前記ステープル空洞部内に維持し、前記リテーナが、前記第2の構成において前記折り畳み式戻り止め部を前記開口部から係合解除して、前記細長いチャネルからの前記ステープルカートリッジの取り外しを容易にする、リテーナと、を備える、外科用ステープルカートリッジアセンブリ。
【請求項14】
前記リテーナがリテーナアームを備える、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
前記側壁が、前記第2の構成において、前記折り畳み式戻り止め部と前記開口部との間への前記リテーナアームの挿入を誘導するように構成された軌道を備える、請求項14に記載のエンドエフェクタ。
【請求項16】
前記軌道が前記側壁の内側表面に画定されている、請求項15に記載のエンドエフェクタ。
【請求項17】
前記折り畳み式戻り止め部が、前記第1の構成において前記開口部内に受容可能な第1の係合部分を含む、請求項13に記載のエンドエフェクタ。
【請求項18】
前記リテーナアームが、前記第2の構成において前記第1の係合部分を前記開口部から解放するように構成された第2の係合部分を含む、請求項17に記載のエンドエフェクタ。
【請求項19】
前記第1の係合部分及び前記第2の係合部分が、前記第2の構成において前記軌道内でロック係合している、請求項18に記載のエンドエフェクタ。
【請求項20】
前記ロック係合が、前記リテーナアームを前記軌道から後退させることによって、前記ステープルカートリッジを前記細長いチャネルから解放することを容易にする、請求項19に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、かつ様々な装置において、組織をステープル留めし、切断するために設計された、外科用ステープル留め器具及び切断器具、並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一態様では、本開示は、外科用ステープル留め器具と共に使用するためのエンドエフェクタを提供する。エンドエフェクタは、近位カム作用部材を備えるアンビルを備える、第1の顎部を備える。エンドエフェクタは更に、第2の顎部を備え、第1の顎部及び第2の顎部のうちの少なくとも一方は、エンドエフェクタを閉鎖構成へと移行させるように、他方に対して移動可能である。第2の顎部は、近位チャネル開口部を備える細長いチャネルと、細長いチャネルと共に組み立てるためにその細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジと、を備える。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体とカートリッジパンと、を備える。カートリッジパンは、ステープルカートリッジが細長いチャネルとロック解除構成で組み立てられた場合に、近位チャネル開口部に対して部分的に遠位に位置付けられるように構成された近位パン開口部を備える。カム作用部材は、エンドエフェクタの閉鎖構成への移行中に、カートリッジパンを、カートリッジ本体及び細長いチャネルに対してロック解除構成からロック構成へと近位方向に並進させるように構成されている。
【0003】
別の態様では、本開示は、外科用ステープル留め器具と共に使用するためのエンドエフェクタを提供する。エンドエフェクタは、アンビルを備える第1の顎部を備える。エンドエフェクタは、第2の顎部を更に備え、第1の顎部及び第2の顎部のうちの少なくとも一方は、組織を把持するために他方に対して移動可能である。第2の顎部は、細長いチャネルと、細長いチャネルと共に組み立てるためにその細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジと、を備える。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体と、カートリッジ本体に取り付けられたカートリッジパンと、を備える。アンビルは、カートリッジパンを、カートリッジ本体及び細長いチャネルに対して、細長いチャネル内でロック解除構成からロック構成へと近位方向に並進させるように構成されている。
【0004】
別の態様では、本開示は、外科用ステープル留め器具と共に使用するための外科用ステープルカートリッジアセンブリを提供する。外科用ステープルカートリッジアセンブリは、開口部を含む側壁を備える細長いチャネルと、細長いチャネルと共に組み立てるためにその細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジと、を備える。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、デッキと、デッキ内に画定されたステープル空洞部と、を含み、ステープル空洞部はステープルを含む。カートリッジ本体は、カートリッジ本体に取り付けられたカートリッジパンを更に備え、カートリッジパンは、細長いチャネルの開口部内に自然状態で受容可能な折り畳み式戻り止め部を備える。ステープルカートリッジアセンブリは、2つの異なる構成で細長いチャネルに解放可能に連結可能なリテーナを更に備える。リテーナは、ステープルをステープル空洞部内に第1の構成で維持する。リテーナは、細長いチャネルからのステープルカートリッジの取り外しを容易にするために、第2の構成において開口部から折り畳み可能な戻り止め部を係合解除する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の斜視図である。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、モータ動作可能型内部コアの斜視図である。
図3】開放構成にあるハウジング及び図2に示される内部コアの一実施形態の斜視図である。
図4】それらと共に付随する異なる色を有しかつ閉鎖構成にあるハウジングと、図2に示される内部コアと、を有する、図3のハウジングの、斜視図である。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、関節運動不能な装填ユニットの分解組立図である。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、関節運動可能な装填ユニットの分解組立図である。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、装填ユニットの断面図である。
図8図7の装填ユニットの一部分の分解図である。
図9】第1の構成又はロック解除構成における発射ロックアウトアセンブリのラッチ部材を示す、駆動アセンブリの遠位端部の部分側断面図である。
図10】第2の構成又はロック構成におけるラッチ部材を示す、図9の駆動アセンブリの遠位端部の部分側断面図である。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、装填ユニットのステープルカートリッジアセンブリの部分分解図である。
図12図11の装填ユニットの部分断面図である。
図13図11のステープルカートリッジアセンブリの部分断面図である。
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジの部分分解図である。
図15図14のステープルカートリッジの部分断面図である。
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジの部分斜視図である。
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジの部分分解図である。
図18図17のステープルカートリッジの部分断面図である。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジアセンブリの部分分解図である。
図20】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジの平面図及び断面図である。
図21図20のステープルカートリッジを含むステープルカートリッジアセンブリの断面図である。
図22】本開示の少なくとも1つの態様による、スレッド及び保持特徴部を含むステープルカートリッジの部分断面図である。
図23図22のステープルカートリッジの部分逆さ斜視図である。
図24図22のステープルカートリッジのスレッドを保持特徴部と組み立てる方法を図示する。
図25】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジ及び細長いチャネルを含むステープルカートリッジアセンブリ、並びに装填ユニットの駆動部材を部分的に図示する。
図26】ステープルカートリッジが細長いチャネル内に適切に着座される、図25のステープルカートリッジアセンブリを部分的に図示する。
図27図25のステープルカートリッジアセンブリの部分横断面図である。
図28図26のステープルカートリッジアセンブリの部分横断面図である。
図29】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジの部分斜視である。
図30図29のステープルカートリッジの部分断面図である。
図31】本開示の少なくとも1つの態様による、制御プログラム又は論理構成を示すプロセスの論理フロー図である。
図32】本開示の少なくとも1つの態様による、発射システムを含む外科用ステープル留め器具の図である。
図33】それらの発射経路に沿った3つの位置における図32の外科用ステープル留め器具の駆動部材と、図32の外科用ステープル留め器具のステープルを展開するために駆動部材によって前進可能なスレッドと、を図示する。
図34】発射経路に沿った2つの位置における図32の駆動部材を図示する。
図35】本開示の少なくとも1つの態様による、x軸上に、開始位置から発射経路に沿って駆動部材が移動した距離(δ)を示し、y軸上に、電動外科用ステープル留め器具の発射ストローク中のモータの発射速度(V)及び対応する電気負荷を示す、グラフである。
図36】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジ内のスレッドをホーム位置に維持するための保持特徴部を含むステープルカートリッジを図示する。
図37】スレッドがホーム位置を越えてステープルカートリッジ内で遠位方向に前進している、図36のステープルカートリッジを図示する。
図38図36のステープルカートリッジの保持特徴部を図示する。
図39】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留めアセンブリの部分分解図を図示する。
図40図39の外科用ステープル留めアセンブリのスレッドの、スレッド検出回路の変化する抵抗をy軸上に示し、対応する移動距離をx軸上に示す、グラフである。
図41】本開示の少なくとも1つの態様による、スレッドリセット回路を含むステープルカートリッジの部分断面図である。
図42】本開示の少なくとも1つの態様による、保持特徴部に対するスレッドオーバーステープルカートリッジの3つの位置を図示する。
図43】本開示の少なくとも1つの態様による、保持特徴部に対するスレッドオーバーステープルカートリッジの3つの位置を図示する。
図44】本開示の少なくとも1つの態様による、保持特徴部に対するスレッドオーバーステープルカートリッジの3つの位置を図示する。
図45】本開示の少なくとも1つの態様による、スレッド保持特徴部を含むステープルカートリッジの部分斜視図を図示する。
図46】スレッド保持特徴部を露出させるためにカートリッジパンが取り外された、図45のステープルカートリッジを図示する。
図47】本開示の少なくとも1つの態様による、ホーム位置及びホーム位置とは異なる位置にあるスレッドを有するステープルカートリッジアセンブリの簡略化された部分断面図を図示する。
図48】本開示の少なくとも1つの態様による、駆動部材の作用端部が前進して、スレッドリセット部材の隆起部分に係合している、図47のステープルカートリッジアセンブリの簡略化された部分断面図を図示する。
図49】本開示の少なくとも1つの態様による、第1の位置及び第2の位置に移動可能な発射トリガを含む外科用器具のハンドルを図示する。
図50】本開示の少なくとも1つの態様による、スレッドリセット部材に動作可能に連結されたモータアセンブリを図示する。
図51】本開示の少なくとも1つの態様による、発射トリガ及びスレッドリセットアクチュエータを含む外科用器具のハンドルを図示する。
図52】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルと、細長いチャネルを有するアセンブリのためのステープルカートリッジを含む外科用ステープル留めアセンブリと、を含む装填ユニットの、部分分解図を図示する。
図53】ロック解除構成における細長いチャネルと組み立てられたステープルカートリッジと、細長いチャネルを有する開放構成におけるアンビルと、を示す、図52の装填ユニットの部分断面図を図示する。
図54】ロック構成におけるステープルカートリッジ及び細長いチャネルと、細長いチャネルを有する閉鎖構成におけるアンビルと、を示す、図52及び図53の装填ユニットの部分断面図を図示する。
図55】ロック構成における、図52の外科用ステープル留めアセンブリの部分斜視図を図示する。
図56】ロック構成からロック解除構成へと移行されている、図52の外科手術ステープル留めアセンブリの部分斜視図を図示する。
図57】本開示の少なくとも1つの態様による、リテーナ、ステープルカートリッジ、及び細長いチャネルを含む外科用ステープル留めアセンブリの部分斜視図を図示する。
図58】ステープルカートリッジを細長いチャネルから解放するために図57のリテーナを利用する方法を図示する。
図59】ステープルカートリッジを細長いチャネルから解放するために図57のリテーナを利用する方法を図示する。
図60】ステープルカートリッジを細長いチャネルから解放するために図57のリテーナを利用する方法を図示する。
図61】ステープルカートリッジを細長いチャネルから解放するために図57のリテーナを利用する方法を図示する。
図62】本開示の少なくとも1つの態様による、ステープルカートリッジアセンブリの部分断面図を図示する。
【0006】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載する事例は、ある一形態として、本発明の特定の実施形態を例示するものであり、このような事例は、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本願の出願人はまた、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれ、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願、発明の名称「METHOD FOR TISSUE TREATMENT BY SURGICAL INSTRUMENT」、代理人整理番号END9291USNP1/200802-1M、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH INTERACTIVE FEATURES TO REMEDY INCIDENTAL SLED MOVEMENTS」、代理人整理番号END9291USNP2/200802-2、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH SLED LOCATION DETECTION AND ADJUSTMENT FEATURES」、代理人整理番号END9291USNP3/200802-3、
-米国特許出願、発明の名称「DUAL-SIDED REINFORCED RELOAD FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号END9291USNP5/200802-5、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH DETACHABLE SHAFT RELOAD DETECTION」、代理人整理番号END9291USNP6/200802-6、
-米国特許出願、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ELECTRICAL CONNECTORS FOR POWER TRANSMISSION ACROSS STERILE BARRIER」、代理人整理番号END9291USNP7/200802-7、
-米国特許出願、発明の名称「DEVICES AND METHODS OF MANAGING ENERGY DISSIPATED WITHIN STERILE BARRIERS OF SURGICAL INSTRUMENT HOUSINGS」、代理人整理番号END9291USNP8/200802-8、
-米国特許出願、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH EXTERNAL CONNECTORS」、代理人整理番号END9291USNP9/200802-9、
-米国特許出願、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH SMART RELOAD WITH SEPARATELY ATTACHABLE EXTERIORLY MOUNTED WIRING CONNECTIONS」、代理人整理番号END9291USNP10/200802-10、
-米国特許出願、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH COMMUNICATION INTERFACES THROUGH STERILE BARRIER」、代理人整理番号END9291USNP11/200802-11、及び
-米国特許出願、発明の名称「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTI-PHASE TISSUE TREATMENT」、代理人整理番号END9291USNP12/200802-12。
【0008】
本願の出願人は、2018年12月4日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらのそれぞれの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/209,385号公報、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION, PROCESSING, STORAGE AND DISPLAY」、
・米国特許出願第16/209,395号公報、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」、
・米国特許出願第16/209,403号公報、発明の名称「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」、
・米国特許出願第16/209,407号公報、発明名称「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION, DETECTION, AND CONTROL」、
・米国特許出願第16/209,416号公報、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION, PROCESSING, DISPLAY, AND CLOUD ANALYTICS」、
・米国特許出願第16/209,423号公報、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」、
・米国特許出願第16/209,427号公報、発明の名称「METHOD OF USING REINFORCED FLEXIBLE CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS TO OPTIMIZE PERFORMANCE OF RADIO FREQUENCY DEVICES」、
・米国特許出願第16/209,433号公報、発明の名称「METHOD OF SENSING PARTICULATE FROM SMOKE EVACUATED FROM A PATIENT, ADJUSTING THE PUMP SPEED BASED ON THE SENSED INFORMATION, AND COMMUNICATING THE FUNCTIONAL PARAMETERS OF THE SYSTEM TO THE HUB」、
・米国特許出願第16/209,447号公報、発明の名称「METHOD FOR SMOKE EVACUATION FOR SURGICAL HUB」、
・米国特許出願第16/209,453号公報、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING SMART ENERGY DEVICES」、
・米国特許出願第16/209,458号公報、発明の名称「METHOD FOR SMART ENERGY DEVICE INFRASTRUCTURE」、
・米国特許出願第16/209,465号公報、発明の名称「METHOD FOR ADAPTIVE CONTROL SCHEMES FOR SURGICAL NETWORK CONTROL AND INTERACTION」、
・米国特許出願第16/209,478号公報、発明の名称「METHOD FOR SITUATIONAL AWARENESS FOR SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE CAPABLE OF ADJUSTING FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」、
・米国特許出願第16/209,490号公報、発明の名称「METHOD FOR FACILITY DATA COLLECTION AND INTERPRETATION」、及び
・米国特許出願第16/209,491号公報、発明の名称「METHOD FOR CIRCULAR STAPLER CONTROL ALGORITHM ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」。
【0009】
本明細書に記載され、添付の図面に図示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に説明及び図示された実施形態が、非限定的実施例であり、したがって本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細が、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。「特許請求の範囲」の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0010】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を実行するための、様々な代表的装置及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示された様々な方法及びデバイスが、例えば切開外科的処置と関連するものを含む、多くの外科的処置及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示された様々な器具が、例えば、もとからある開口部を通じて、組織に形成された切開部又は穿刺孔を通じてなど、任意の方法で体内へと挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内へと直接挿入され得、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じても挿入され得る。
【0011】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタと、を備え得る。エンドエフェクタは、第1の顎部と第2の顎部とを備える。第1の顎部は、ステープルカートリッジを備える。ステープルカートリッジは、第1の顎部内へと挿入可能であり、かつ第1の顎部から取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1の顎部から取り外し可能でない、又は第1の顎部から少なくとも容易に交換可能ではない、その他の実施形態が想到される。第2の顎部は、ステープルカートリッジから射出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを備える。第2の顎部は、閉鎖軸を中心に第1の顎部に対して枢動可能であるが、第1の顎部が第2の顎部に対して枢動可能である、その他の実施形態が想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成された関節運動継手を更に備える。エンドエフェクタは、関節運動継手を通って延在する関節運動軸を中心に回転可能である。関節運動継手を含まないその他の実施形態も想到される。
【0012】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延在するデッキと、を含む。使用時、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動して、デッキに対して組織を押し付けてクランプする。続いて、カートリッジ本体内に着脱可能に格納されているステープルが、組織内に展開され得る。カートリッジ本体は、内部に画定されたステープル空洞部を含み、ステープルは、ステープル空洞部内に着脱可能に格納される。ステープル空洞部は、6つの長手方向列に配列されている。3列のステープル空洞部が長手方向スロットの第1の側に位置付けられ、3列のステープル空洞部が長手方向スロットの第2の側に位置付けられている。ステープル空洞部及びステープルのその他の装置も可能であり得る。
【0013】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープルドライバによって支持されている。ドライバは、ステープル空洞部からステープルを射出するために、第1の、すなわち未発射位置と、第2の、すなわち発射済位置との間で移動可能である。ドライバは、カートリッジ本体の下部周辺に延在するリテーナによってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、リテーナをカートリッジ本体に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。ドライバは、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射済位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端部に隣接した近位位置と、遠位端部に隣接した遠位位置との間で移動可能である。スレッドは、ドライバの下を摺動し、ドライバを持ち上げるように構成された複数の傾斜面を含み、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0014】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位方向に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端部に向かって押すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受容するように構成されている。アンビルはまた、発射部材を受容するように構成されたスロットも含む。発射部材は、第1の顎部に係合する第1のカムと、第2の顎部に係合する第2のカムと、を更に備える。発射部材を遠位方向に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキとアンビルとの間の距離、すなわち組織間隙を制御し得る。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されたナイフも備える。ステープルがナイフよりも前方に射出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位に位置付けられることが望ましい。
【0015】
図1図4を参照すると、例えば、電気機械式外科用器具システム10などの外科用器具システムが提供される。システム10は、ハンドルアセンブリ100と、例えば、アダプタアセンブリ200aなどの複数の種類のアダプタ又はシャフトアセンブリと、例えば、エンドエフェクタ300aなどの複数の種類のエンドエフェクタと、を含む。ハンドルアセンブリ100は、多数のアダプタアセンブリのうちの任意の1つ、例えば、アダプタアセンブリ200aをそこへと選択的に取り付けるように構成されており、それにより、各固有のアダプタアセンブリ200aは、任意の数の外科用装填ユニット又はエンドエフェクタ、例えば、エンドエフェクタ300aなどの選択的接続のために構成されている。エンドエフェクタ300a及びアダプタアセンブリ200aは、ハンドルアセンブリ100による作動及び操作のために構成される。1つのアダプタアセンブリ200aを、例えば、ハンドルアセンブリ100に接続し、1つの種類のエンドエフェクタ、例えば、エンドエフェクタ300aなどを、選択されたアダプタアセンブリ200aに接続した際に、電動の手持ち式電気機械式外科用器具が形成される。
【0016】
代表的な電気機械式の手持ち式電動外科用器具の構成及び動作の詳細な説明については、PCT国際公開特許第2009/039506号及び米国特許出願公開第2011/0121049号を参照することができ、これらの全ての内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
図1及び図2を参照すると、ハンドルアセンブリ100は、内部コア101と、内部コア101を選択的に受容して収容するように構成されたハウジング又はシェル110aと、を含む。内部コア101は、モータ操作可能であり、複数の種類のエンドエフェクタの動作を駆動するように構成される。内部コア101は、複数の組の動作パラメータ(例えば、内部コア101のモータの動作速度、内部コア101のモータによってアダプタアセンブリに送達される電力量、作動される内部コア101のモータの選択、内部コア101によって実行されるエンドエフェクタの機能等)を有する。内部コア101の動作パラメータの各セットは、エンドエフェクタが内部コア101に連結された場合に、エンドエフェクタのそれぞれの種類に固有の機能の特定のセットの作動を駆動するように設計されている。例えば、内部コア101は、内部コア101に連結されているエンドエフェクタの種類に応じて、その電力出力を変化させ、その特定のボタンを作動停止又は作動させる、及び/又はその異なるモータを作動させてもよい。
【0018】
特に図2を参照すると、内部コア101は、電源パック106が配置される内側ハウジング空洞部を画定する。電源パック106は、内部コア101の様々な動作を制御するように構成されている。電源パック106は、それに動作可能に係合される複数のモータ108a、108bを含む。モータ108a、108bの回転は、例えば、それに取り付けられたエンドエフェクタ、例えば、エンドエフェクタ300aの種々の動作を駆動するために、アダプタアセンブリ200aのシャフト及び/又はギア構成要素を駆動するように機能する。図2に図示される実施例では2つのモータが示されているが、その他の実施例では、ハンドルアセンブリは、2つ超又は2つ未満のモータを含み得る。
【0019】
様々な実施例では、ハンドルアセンブリ100は、ロボット式システムのロボット式アームによって置き換えられる。このような実施例では、アダプタアセンブリ200aはまた、ロボット式制御外科用システム又は自動外科用システムのツール駆動アセンブリと共に効果的に用いられてもよい。例えば、本明細書に開示されたアダプタアセンブリは、様々なロボット式システム、器具、構成要素及び方法、例えば、限定されるものではないが、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されるものと共に使用されてもよい。
【0020】
エンドエフェクタ300aが内部コア101に連結された場合、電源パック106のモータは、エンドエフェクタ300aの近位本体部分302aに対してエンドエフェクタ300aを選択的に移動させるため、長手方向軸線「X」の周りでエンドエフェクタ300aを回転させるため、エンドエフェクタ300aのカートリッジアセンブリ308a及びアンビルアセンブリ306aを互いに対して移動させるため、及び/又はエンドエフェクタ300aのカートリッジアセンブリ308a内からステープルを発射するために、アダプタアセンブリ200aのシャフト及び/又はギア構成要素を駆動するように構成されている。
【0021】
図3及び図4を参照すると、外科用器具システム10は、使い捨て外側ハウジング110を更に含む。ハウジング110は、内部コア101を収容するように構成され、それによって、外科的処置中に外科的破片が内部コア101を貫通して汚入することを阻止する。ハウジング110は、使用前に内部コア101を選択的に収容し、次に、使用後に内部コア101から取り外されて、処分されるか、又は場合によっては、再使用のために滅菌されてもよい。
【0022】
図3を参照すると、ハウジング110は、ハウジング部分112aを含む。ハウジング110は、ハウジング部分112bの上側縁部に沿って配置されたヒンジ120aによってハウジング部分112bに移動可能に連結されたハウジング部分112bを更に含む。ハウジング部分112a、112bは、図4に示されるような、閉鎖されて完全に連結された構成と、図3に示されるような、開放されて部分的に取り外された構成との間で、互いに対して枢動可能である。連結された場合、ハウジング部分112a、112bは、内部コア101、メモリ114、及びマイクロプロセッサ140が選択的に配置され得る空洞部122aをその内部に画定する。特定の実施例では、ハウジング部分112a、112bは、例えば、ポリカーボネートなどの任意の好適な材料から製造されてもよい。特定の実施例では、メモリ114及びマイクロプロセッサ140は、例えば、内部コア101内へと組み込まれる。
【0023】
メモリ114は、例えば、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリなどの不揮発性メモリであってもよいことが企図される。メモリ114は、1つの種類のエンドエフェクタ、例えば、エンドエフェクタ300aなどのエンドエフェクタ、及び/又は、例えば、アダプタアセンブリ200aなどの1つの種類のアダプタアセンブリの動作に対応する、内部コア101の離散的動作パラメータをその内部に記憶している。メモリ114に記憶される動作パラメータ(複数可)は、内部コア101のモータ108a、108bの動作速度、その動作中に内部コア101のモータ108a、108bによって送達される電力の量(内部コア101のモータ108a、108bは、内部コア101を動作させる際に作動される)、内部コア101によって実行されるエンドエフェクタの機能の種類等、のうちの少なくとも1つであり得る。
【0024】
図5は、米国特許第5,865,361号(その開示は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる)において議論される様式で、外科用器具システム10と関連して使用され得る装填ユニット16の実施例を示す。
【0025】
図5に見られるように、装填ユニット16は、一般に、組織を切断し、切断の各側面にステープルを適用するなどの外科的処置を実行するためのツールアセンブリ17を備えてもよい。特に、ツールアセンブリは、その内部に複数の外科用ステープルを収容するカートリッジアセンブリ18を含む。ツールアセンブリ17はまた、その下面に形成された複数のステープル変形凹部を有するアンビル部分204を有するステープル形成アンビルアセンブリ20を含む。カバープレート208は、アンビル部分204の上面に一般に固定されて、それらの間にアンビル空洞部を画定する。アンビル空洞部は、軸方向駆動アセンブリ212の遠位端部を受容するような寸法である。長手方向スロット214は、アンビル部分204を通過して延在し、軸方向駆動アセンブリ212の保持フランジ284をアンビル空洞部に容易に通過させる。カム作用面209は、アンビル部分204の近位端部に形成されており、アンビルアセンブリ20の閉鎖を容易にするために軸方向駆動アセンブリ212と係合するように位置付けられている。
【0026】
カートリッジアセンブリ18は、一般に、細長い支持チャネル218を画定する支持部216を含む。細長い支持チャネル218は、その内部にステープルカートリッジ220を受容するように寸法付けられ、かつそのように構成されている。このようなステープルカートリッジ220は、当該技術分野で周知のように、複数の締結具及びプッシャを支持する。複数の離間配置された長手方向スロット230は、ステープルカートリッジ220を通過して延在し、作動スレッド234の直立型カムウェッジ232を適合させる。中央長手方向スロット282は、ステープルカートリッジ220の長さに沿って延在し、軸方向駆動アセンブリ212上に形成されたナイフブレード280の通過を容易にする。装填ユニット16の動作中、作動スレッド234は、ステープルカートリッジ220の長手方向スロット230を通って並進し、カムウェッジ232を前進させて、カートリッジ220内に動作可能に支持されたプッシャと順次接触させ、プッシャをカートリッジ220内で垂直に並進させて、プッシャに関連付けられた締結具(ステープル)をアンビルアセンブリ20のステープル変形空洞部内へと付勢する。一対の枢動部材211は、アンビル部分204の近位端部上に形成され、支持部216内に形成されるスロット213内に受容されるように構成されており、アンビル部分204が開放位置と組織クランプ位置との間で枢動することを可能にする。
【0027】
図5にも見られるように、装填ユニット16はまた、支持部216にスナップ留めされるか、又はその他の方法で取り付けられるように適合されたハウジング部分200を有する。軸方向駆動アセンブリ212は、遠位作用ヘッド268及び近位係合区分270を有する細長い駆動ビーム266を含む。周知のように、駆動ビーム266は、単一の材料シートから、又は好ましくは複数の積層シートから構築されてもよい。係合区分270は、駆動部材272に形成された一対の対応する保持スロット272aに取り付け可能に係合するように寸法付けられ、かつそのように構成された、一対の係合フィンガ270aと270bとを含む。駆動部材272は、米国特許第5,865,361号において議論されるように、制御ロッドの遠位端部を受容するように構成されている、近位開口部を含んでもよい。
【0028】
駆動ビーム266の遠位端部は、ナイフブレード280を支持する垂直支持支柱278と、ステープル留め処置中に作動スレッド234の中央部分と係合する当接面283と、を含む。表面285は、表面283の基部に位置し、支持部216の底部に沿って摺動可能に位置付けられた支持部材287を受容するように構成されている。ナイフブレード280は、一般に、ステープルカートリッジ220において、作動スレッド234を、中央長手方向スロット282を通ってわずかに後ろに並進させるように位置付けて、ステープル留めされた体内組織の列間に切開を形成する。
【0029】
保持フランジ284は、垂直支柱278から遠位方向に突出し、その遠位端部でカムピン286を支持する。カムピン286は、アンビル部分204上のカム作用面209と係合してアンビル部分204を体内組織に対してクランプするような、寸法及び構成となっている。なお、板ばね207が、アンビル部分204の近位端部とハウジング200の遠位端部の部分との間に提供され、アンビルアセンブリ20を通常開放位置に付勢してもよい。装填ユニット16は、米国特許第5,865,361号に記載されるようなロックアウトデバイス288及びばね304配列を更に含んでもよい。
【0030】
図6は、アンビルアセンブリ20及びカートリッジアセンブリ18を有するツールアセンブリ17を含む、関節運動可能な装填ユニット16’を図示する。アンビルアセンブリ20は、その下面に形成された複数のステープル変形凹部を有するアンビル部分204を含む。カバープレート208は、アンビル部分204の上面に固定されて、それらの間にアンビル空洞部を画定する。アンビル空洞部は、軸方向駆動アセンブリ212の遠位端部を受容するような寸法である。長手方向スロット214は、アンビル部分204を通過して延在し、軸方向駆動アセンブリ212の保持フランジ284をアンビル空洞部に容易に通過させる。アンビル部分204上に形成されたカム作用面209は、アンビルアセンブリ20とカートリッジアセンブリ18との間の組織のクランプを容易にするために、軸方向駆動アセンブリ212と係合するように位置付けられてもよい。
【0031】
カートリッジアセンブリ18は、その内部にステープルカートリッジ220を支持する支持部216を含む。ステープルカートリッジ220は、複数の締結具(ステープル)及びプッシャを受容するための保持スロット225を含む。複数の離間配置された長手方向スロット230は、ステープルカートリッジ220を通過して延在し、作動スレッド234の直立型カムウェッジ232を適合させる。中央長手方向スロット282は、ステープルカートリッジ220の長さに沿って延在し、ナイフブレード280を容易に通過させる。装填ユニット16′の動作中、作動スレッド234は、ステープルカートリッジ220の長手方向スロット230を通って並進し、カムウェッジ232を前進させて、カートリッジ220内に動作可能に支持されたプッシャと順次接触させ、プッシャにより、締結具をアンビルアセンブリ20のステープル変形空洞部内へと付勢する。一対の枢動部材211が、アンビル部分204上に形成され、かつ支持部216内に形成されたスロット213内に位置付けられて、開放位置と組織クランプ位置との間でアンビル部分204を誘導する。
【0032】
関節運動可能な装填ユニット16’は、上側ハウジング半体250と下側ハウジング半体252とを備えるハウジング部分200を更に含む。ハウジング半体250の近位端部は、細長い本体14に解放可能に係合するための係合ナブ254を含んでもよい。ナブ254は、米国特許第5,865,361号に記載されるように、本体14の遠位端部との差し込み型連結を形成する。図6にも見られるように、軸方向駆動アセンブリ212は、遠位作用ヘッド及び近位係合区分270を有する細長い駆動ビーム266を含む。駆動ビーム266は、単一の材料シートから、又は好ましくは複数の積層シートから構築されてもよい。係合区分270は、駆動部材272に形成された一対の対応する保持スロット272aに取り付け可能に係合するように寸法付けられ、かつそのように構成された、一対の係合フィンガ270aと270bとを含む。駆動部材272は、装填ユニット16’の近位端部が米国特許第5,865,361号に開示されるような外科用ステープル留め装置の細長い本体14と係合された場合に、制御ロッドの遠位端部を受容するように構成された、近位ポート開口部を含む。
【0033】
駆動ビーム266の遠位端部は、ナイフブレード280を支持する垂直支持柱278、及びステープル留め処置中に作動スレッド234の中央部分と係合する当接面283によって画定される。表面283の基部にある表面285は、支持部216の底部に沿って慴動可能に位置付けられた支持部材287を受容するように構成されてもよい。ナイフブレード280は、一般に、ステープルカートリッジ220において、作動スレッド234を、中央長手方向スロット282を通ってわずかに後ろに並進させるように位置付けて、ステープル留めされた体内組織の列間に切開を形成する。駆動ビーム266が軸方向に前進する際にハウジング部分200内で駆動ビーム266を支持するために、ブレード安定化部材290がハウジング部分200内に取り付けられる。保持フランジ284は、垂直支柱278から遠位方向に突出し、その遠位端部で一対の円筒形カムローラ286を支持する。カムローラ286は、アンビル部分204上のカム作用面209と係合してアンビル部分204を体内組織に対してクランプするような、寸法及び構成となっている。
【0034】
関節運動可能な再装填ユニット16’は、上側取り付け部分236と下側取り付け部分238とを備える取り付けアセンブリ202を含む、関節運動継手340を含む。枢動ピン244は、取り付け部分236、238のそれぞれの上に形成され、関節運動可能な装填ユニット16’の長手方向軸線「L-L」に実質的に垂直であり得る枢動軸「A1-A1」を画定するように機能する。取り付けアセンブリ202は、一対の連結部材246によって、ハウジング部分200の遠位端部に枢動可能に連結される。連結部材246のそれぞれは、それを通る対応するピン244を受容するための、それを通る開口部247を有する。各連結部材246の近位端部248は、上側ハウジング半体250の遠位端部及び下側ハウジング半体252の遠位端部に形成された対応する溝251内に連動して受容されるように、構成されている。一対のばね207が、アンビル部分204の近位端部と上側取り付け部分236との間に提供されて、アンビルアセンブリ20を通常開放位置に付勢する。関節運動リンク256は、米国特許第5,865,361号に教示されるように、ハウジング部分200に対して関節運動軸線「A1-A1」の周りでツールアセンブリ17を関節運動させるために提供されてもよい。
【0035】
図7及び図8は、外科用器具システム10と共に使用するための装填ユニット1100の一実施例を図示する。装填ユニット1100は、実質的に、米国特許出願公開第2013/0098965号及び米国特許出願公開第2016/0249921号に記載されるようであり、それらは、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。装填ユニット1100は、近位本体部分1102及びツールアセンブリ1104を含む。
【0036】
装填ユニット1100は、本体及び作用端部1184を有する駆動部材1182を含む、駆動アセンブリ1180を更に含む。作用端部1184は、上側フランジ1186aと、下側フランジ1186bと、上側フランジ1186aと下側フランジ1186bとを相互接続する垂直支柱と、垂直支柱上に支持されるか又は垂直支柱内へと形成されるナイフ1187と、を含む。上側フランジ1186aは、アンビルアセンブリ1130のチャネル1131内に摺動可能に受容されるように位置付けられ、下側フランジ1186bは、顎部部材1156の外側表面1156aに沿って摺動可能に位置付けられるように位置付けられる。使用時、駆動部材1182の遠位移動は、最初に、上側フランジ1186aをアンビルプレート134上に形成されたカム作用面内へと前進させ、下側フランジ1186bを顎部部材1156上に形成されたカム作用面1156bと係合するように前進させて、カートリッジアセンブリ1150をアンビルアセンブリ1130に向かって近接位置又は閉鎖位置まで枢動させる。駆動部材1182の継続的な前進は、作用端部1184がツールアセンブリ1104を通して移動するにつれて、駆動アセンブリ1180の作用端部184に隣接するアンビルアセンブリ1130とカートリッジアセンブリ1150との間の最小組織間隙を継続的に維持する。
【0037】
作動スレッド1162は、作用端部1184の遠位の位置でカートリッジアセンブリ1150内に配置される。作用端部1184がその最近位位置にあり、ツールアセンブリ1104が開放位置又は非接近位置にある場合、スレッド1162及び作用端部1184は、それらの初期位置にある。スレッド1162は、カートリッジアセンブリ1150のカートリッジ本体のステープル保持スロット内でプッシャに係合してこれを持ち上げるように位置付けられた、複数のカム作用面を含む。プッシャは、カートリッジアセンブリ1150内に位置付けられ、スレッド1162がツールアセンブリ1104を通して前進させられた場合に、カートリッジ本体からステープルを射出する。
【0038】
図7図10を参照すると、装填ユニット1100は、下側取り付け部分1174の遠位端部上に枢動可能に支持されるラッチ部材1222を含む発射ロックアウトアセンブリ1221を含む。ラッチ部材1222は、近位基部部材224と、2つの離間した遠位方向に延在する脚部と、を有する、U字形本体を含む。基部部材1224にはブロッキング部材が設けられており、ブロッキング部材はブロッキング面を画定し、基部部材1224に溶接又は固定されて、基部部材1224に追加の支持を提供する。あるいは、基部部材1224及びブロッキング部材は、一体的に又は一体構造的に形成される。ラッチ部材1222は、第1の位置(図9)から第2の位置(図10)へ枢動する。図9に示される第1の位置において、ラッチ部材1222のブロッキング部材1224aは、駆動部材1182の停止面1184aと整列されて、ツールアセンブリ1104内の駆動部材1182の前進を防止する。図10に示される第2の位置において、ブロッキング部材1224aは、駆動部材1182の停止面1184aと整列されず、ツールアセンブリ1104内での駆動部材1182の前進を可能にする。
【0039】
上記に加えて、顎部部材1156の細長いチャネル1157内への未発射カートリッジアセンブリ1150の挿入は、ラッチ部材1222を第2の位置に枢動させ、それによって、ツールアセンブリ1104内での駆動部材1182の前進を可能にする。スレッド1162の近位部分は、付勢部材1230の付勢力に抗してラッチ部材1222を第2の位置に保持する。発射中、スレッド1162がカートリッジアセンブリ1150を通って遠位方向に前進させられる場合、スレッド1162はラッチ部材1222から係合解除され、付勢部材230は、ラッチ部材1222が駆動部材182とのロック係合に再び入る第1の位置にラッチ部材1222を戻させる。
【0040】
特に、未発射カートリッジアセンブリ1150の偶発的な衝突又は振動は、未発射カートリッジアセンブリ1150内のスレッド1162のわずかな移動を引き起こす場合がある。このような移動は、整列していないスレッド1162が、未発射カートリッジアセンブリ1150の挿入時にラッチ部材1222を第2の位置へと移行させることによって発射ロックアウトアセンブリ1221を作動停止させることができないので、問題となり得る。その結果、新しい未発射カートリッジアセンブリ1150の発射準備ができていたとしても、駆動部材1182の前進は妨げられたままである。
【0041】
上記に加えて、適切に設置された未発射カートリッジアセンブリ1150は、装填ユニット1100の偶発的な衝突又は振動に起因して同じ状況を被り得る。スレッド1162のわずかな移動は、ラッチ部材1222をスレッド1162から係合解除させる場合があり、それによって、ラッチ部材1222が付勢部材1230の付勢力によって第1の位置に戻されることを可能にする。その結果、発射ロックアウトアセンブリ1221は、実際の発射が開始する前に、装填ユニット1100の偶発的な衝突又は振動によって時期尚早に再作動される。
【0042】
いずれにしても、スレッド1162の整列不良は、アンビルアセンブリ1130とカートリッジアセンブリ1500との間に把持された組織内へとステープルを展開することに対して、明らかに適切に設置された未発射カートリッジアセンブリ1150が発射されることを期待するユーザが目的達成不能に対して苛立つ可能性がある。発射が不可避的に失敗した場合、ユーザには組織を解放する以外に手段がなく、最も適切な組織片を識別して把持のために装填ユニット1100をそれと共に整列させるために費やされた全ての時間を犠牲にすることになる。更に、カートリッジアセンブリが新しく、かつ発射されていないことを確信して、ユーザは、装填ユニット1100及び/又は外科用器具システム10を交換しようと試みる場合があるが、これには費用がかかり、ユーザが、整列不良のスレッド1162でカートリッジアセンブリ1150を新しい装填ユニット1100に取り付ける場合には、成功する救済策とはならないであろう。
【0043】
本開示は、未発射カートリッジアセンブリ1150に対してスレッド1162を適切な位置に維持する様々な解決策を提供する。追加的に、又は代替的に、本開示は、スレッド1162のその適切な位置からの偶発的な移動を検出するための様々な機構を提供する。本開示は、スレッド1162をその適切な位置に能動的に戻す様々な機構を更に提供する。
【0044】
図11図13を参照すると、装填ユニット1200は、装填ユニット1100と多くの点で類似している。例えば、装填ユニット1200は、近位本体部分1102(図8)と、アンビルアセンブリ1230を含む顎部1236とステープルカートリッジアセンブリ1250を含む顎部1256とを備えたエンドエフェクタを含むツールアセンブリ1204と、を含む。顎部1236、1256の少なくとも一方は、アンビルアセンブリ1230とステープルカートリッジアセンブリ1250との間で組織を把持するために、他方に対して移動可能である。
【0045】
更に、ステープルカートリッジアセンブリ1250は、例えば、ステープルカートリッジ220などの本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジと多くの点で類似しているステープルカートリッジ1220を受容し、かつ解放可能に保持するように寸法付けされ、かつそのように設計された細長いチャネル1257を含む。ステープルは、図1図8の装填ユニット16、16’、1100に関連して説明されたものと同様の様式で、スレッド1262によって移動させられるステープルドライバを介して、ステープルカートリッジ1220からカートリッジデッキ1255を通って組織内へと展開される。ステープル及びステープルドライバは、ステープルカートリッジ1220のカートリッジ本体1259内に格納される。
【0046】
カートリッジパン1258は、ステープルドライバがカートリッジ本体1259から落下することを防止するために、カートリッジ本体1259の底部に取り付けられる。カートリッジパン1258は、カートリッジデッキ1255内に画定されたカートリッジスロットと整列されたパンスロット1254を含む。パンスロット1254はまた、細長いチャネル1257の基部部分1252に画定されたチャネルスロット1253と整列される。発射中、駆動部材1182(図9)の作用端部1184は、カートリッジスロット、パンスロット1254、及びチャネルスロット1253を通って摺動可能に移動し、スレッド1262をカートリッジ本体内で第1の位置から第2の位置に向かって遠位方向に前進させ、カートリッジデッキ1255を通してステープルドライバにステープルを展開させる。
【0047】
更に、装填ユニット1200は、好適に位置決めされたスレッド1262を有する未発射ステープルカートリッジ1220が存在しない場合に、駆動部材1182の前進を防止するように構成された発射ロックアウトアセンブリ1221を含む。ステープルカートリッジ1220の偶発的な衝突又は振動に起因するスレッド1262の移動に抵抗するために、基部部分1252は、スレッド1262に嵌合係合し、所定の力までスレッド1262の移動に抵抗するように構成された1つ以上の保持特徴部(例えば、保持特徴部1270a、1270b)を含む。
【0048】
特定の場合には、図13に図示されるように、スレッド1262は、スレッド基部1263内に画定された1つ以上の開口部、穴、溝、又は戻り止め部(例えば、戻り止め部1272a、1272b)を含む。戻り止め部1272a、1272bは、スレッド1262が第1の位置に配置される場合に、保持特徴部1270a、1270bと整列され、それを受容するように構成されている。図11図13に図示される実施例では、保持特徴部1270a、1270bは、ステープルカートリッジ1220が細長いチャネル1257内に適切に着座された場合に、カートリッジパン1258内の対応する開口部又はカットアウト部1274a、1274bを通って延在する。
【0049】
図示の実施例では、スレッド1262が第1の位置にある場合、保持特徴部1270a、戻り止め部1272a、及びカットアウト部1274aは、ステープルカートリッジ1220を長手方向に二等分し、カートリッジスロット、パンスロット1254、及びチャネルスロット1253に沿って長手方向に延在する平面の第1の側に存在する。保持特徴部1270b、戻り止め部1272b、及びカットアウト部1274bは、第1の側とは反対側の平面の第2の側に存在する。
【0050】
様々な実施例では、保持特徴部1270a、1270bは、基部部分1252から上向きに延在するバンプ又は突出部の形態である。保持特徴部1270a、1270bは、駆動部材1182によってスレッド1262に印加される駆動力が所定の力以下である場合に、スレッド1262の前進に抵抗するように寸法付けされる曲率半径を備える、傾斜及び/又は湾曲外形を画定してもよい。
【0051】
様々な態様では、保持特徴部は、三角柱形状、部分楕円形状、部分球形状、部分円筒形状、又は角錐台形状を含んでもよい。その他の形状もまた、本開示で企図される。様々な態様では、保持特徴部の高さは、スレッドの対応する戻り止め部の深さ以下であってもよく、それにより、スレッドがそれらと組み立てられた場合に保持特徴部によって持ち上げられないことを確実にする。様々な態様では、保持特徴部の数は2つ超であってもそれ未満であってもよい。一実施例では、単一の保持特徴部を、対応する戻り止め部及びカットアウト部と共に用いることができる。別の実施例では、3つ以上の保持特徴部を、対応する戻り止め部及びカットアウト部と共に用いることができる。特定の実施例では、専用のカットアウト部は、それを通る複数の保持特徴部の通過に対応する単一のカットアウト部に置き換えられる。
【0052】
駆動部材1182によって印加される駆動力が所定の力を超えた場合、スレッド1262は、保持特徴部1270a、1270bとの整列から外れて第2の位置に向かって移動する。スレッド1262が第2の位置に到達した後、駆動部材1182は、スレッド1262が第1の位置に適切に配置されるように、未発射ステープルカートリッジ1220が細長いチャネルと組み立てられるまで、駆動部材1182の再前進を防止するために発射ロックアウトアセンブリ1221が再作動される開始位置へと後退される。スレッド1262の近位部分は、ラッチ部材1222に係合し、発射ロックアウトアセンブリ1221を作動停止させる。
【0053】
図13は、細長いチャネル1257内に適切に着座された未発射ステープルカートリッジ1220の保持特徴部1270aの実施例を図示する。未発射ステープルカートリッジ1220のスレッド1262の戻り止め部1272aは、第1の位置でカットアウト部1274aを通して保持特徴部1270aを受容するように適切に整列されるが、これは、発射ロックアウトアセンブリ1221のロック解除構成をもたらす。保持特徴部1270aは、細長いチャネル1257から突出し、カットアウト部1274a内へと延在する基部部分1277と、基部部分から突出し、スレッド1262の戻り止め部1272a内へと延在するヘッド部分1279と、を含む。ヘッド部分1279は、カットアウト部1274aを通ってカートリッジパン1258を越えて戻り止め部1272a内へと延在するが、基部部分1277は延在しない。
【0054】
基部部分1277は、細長いチャネル1257とのステープルカートリッジ1220の適切な整列を確実にし、ヘッド部分1279は、所定の駆動力よりも大きい駆動力がそこへと印加されるまで、スレッド1262が第1の位置に留まることを確実にする。図示の実施例では、基部部分1277は、矩形又は少なくとも実質的に矩形の断面を有する。特定の場合には、ヘッド部分1279は、ヘッド部分1279の曲率半径によって画定される所定の力以下でスレッド1262の前進に抵抗する傾斜を画定する、湾曲した外形を有する。
【0055】
更に、ヘッド部分1277は、戻り止め部1272aよりもサイズがわずかに小さく、発射ロックアウトアセンブリにおけるロック解除構成からロック構成への意図しない移行なしに、ヘッド部分1279に対するスレッドのわずかな移動を可能にする。図示の実施例では、戻り止め1272aは、ヘッド部分1279の長さdよりも距離Δd(dとdとの差)だけ長い長さdを有する。したがって、スレッドは、ヘッド部分1279と戻り止め部1272aとの間の嵌合係合を損なうことなく、カートリッジパン1258に対して距離Δdだけ摺動可能に移動可能である。
【0056】
図14及び図15は、ステープルカートリッジ220、1220と多くの点で類似しているステープルカートリッジ1220’を図示する。例えば、ステープルカートリッジ1220’は、戻り止め部1272aを有するスレッド1262を含む。しかしながら、ステープルカートリッジ1220とは異なり、ステープルカートリッジ1220’のカートリッジパン1258’は、細長いチャネルの保持特徴部を収容するためのカットアウト部を含まない。代わりに、カートリッジパン1258’は、カートリッジパン1258’から突出する保持特徴部1270a’及び1270b’を含む。保持特徴部1270a’及び1270b’は、保持特徴部1270a、1270bと多くの点で類似している。例えば、保持特徴部1270a’及び1270b’は、スレッド1262の戻り止め部1272a、1272bに嵌合係合して、発射ロックアウトアセンブリ1221(図9)のロック解除構成に対応する第1の位置にスレッド1262を維持するように構成されている。
【0057】
図14及び図15に図示される実施例では、保持特徴部1270a’、1270b’は、パンスロット1254の両側にある。保持特徴部1270a’、1270b’は、側壁1273a、1273bに隣接するカートリッジパン1258’の基部部分に画定される。例示的実施例では、保持特徴部1270a’、1270b’は、パンスロット1254にわたって整列される。その他の実施例では、保持特徴部1270a’、1270b’はオフセットされ得る。
【0058】
図16は、例えば、ステープルカートリッジ220、1220、1220’などの、本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジと多くの点で類似している代替的なステープルカートリッジ1220’’を図示する。ステープルは、図1図8の装填ユニット16、16’、1100に関連して説明されたものと同様の様式で、スレッド1162によって移動させられるステープルドライバを介して、ステープルカートリッジ1220’’からカートリッジデッキを通って組織内へと展開される。駆動部材1182は、スレッド1162をカートリッジパン1258’’に対して第1の位置から第2の位置に向かって遠位方向に摺動可能に前進させることによって、カートリッジデッキを通ってカートリッジ本体からステープルを展開するように構成されている。ステープルカートリッジ1220’’は、パンスロット1254の両側上のカートリッジパン1258’’の基部部分1252’’内に画定された保持特徴部1270a’’、1270b’’を含む。
【0059】
ステープルカートリッジ1220’’は、保持特徴部1270a’’、1270b’’が基部部分1252’’から離れるように曲げられたタブの形態であるという点で、ステープルカートリッジ1220’とは異なる。保持特徴部1270a’’、1270b’’は、第1の位置を超えるスレッド1162の移動に抵抗するように構成された折り畳み式傾斜部を画定し、それによって、スレッド1162が第1の位置にある間、発射ロックアウトアセンブリ1221(図9)をロック解除構成に維持する。
【0060】
図示の実施例では、スレッド1162は、保持特徴部1270a’’、1270b’’に係合する前に、第1の位置からわずかに摺動可能に移動され得る。許容可能な移動は、スレッド1162をラッチ部材1222から係合解除するには不十分であり、したがって、発射ロックアウトアセンブリ1221をロック構成に時期尚早に移行させるには不十分である。スレッド1162の遠位部分が保持特徴部1270a’’、1270b’’に係合した際に、スレッド1162の更なる前進は、保持特徴部1270a’’、1270b’’によって抵抗される。
【0061】
駆動部材1182によってスレッド1162上に加えられる駆動力が所定の駆動力を超えた場合、スレッド1162は、保持特徴部1270a’’、1270b’’上を前進する。特定の場合には、保持特徴部1270a’’、1270b’’は、駆動部材1182によってスレッド1162上に加えられる駆動力が所定の駆動力を超えた場合に、スレッド1162の下に折り畳まれる。
【0062】
図17及び図18は、例えば、ステープルカートリッジ220、1220、1220’などの、本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジと多くの点で類似しているステープルカートリッジ1320を図示する。ステープルは、図1図8の装填ユニット16、16’、1100に関連して説明されたものと同様の様式で、スレッド1362によって移動させられるステープルドライバを介して、ステープルカートリッジ1320からカートリッジデッキ1355を通って組織内へと展開される。ステープル及びステープルドライバは、ステープルカートリッジ1320のカートリッジ本体1359内に格納される。
【0063】
上記に加えて、未発射ステープルカートリッジ1320のスレッド1362は、カートリッジパン1358の側壁の近位部分に画定された保持特徴部1370a、1370bを使用して、既定の第1の位置に維持される。図17に図示される実施例では、保持特徴部1370a、1370bは、内向きに突出する板ばねの形態である。板ばねは、カートリッジパン1358の側壁に打ち抜き加工又は形成され得る。保持特徴部1370aは、カートリッジパン1358の側壁に取り付けられ、そこから突出する基部を含む。頂点部分は、基部から延在し、カートリッジ本体1359内に画定されたカットアウト部(例えば、カットアウト部1374a)を通過し、スレッド1362の側壁内に画定された戻り止め部(例えば、戻り止め部1372a)内へと入るような寸法である。保持特徴部1370aは、所定の駆動力までのスレッド1362の遠位前進に抵抗する傾斜部を画定する。
【0064】
図19は、カートリッジアセンブリ1250と多くの点で類似している代替的なステープルカートリッジアセンブリ1450を図示する。例えば、ステープルカートリッジアセンブリ1250と同様に、ステープルカートリッジアセンブリ1450は、カートリッジパン1458に対して第1の位置から第2の位置に向かって、スレッド1462を遠位方向に摺動可能に前進させることによって、カートリッジデッキを通してカートリッジ本体からステープルを展開するように構成されたスレッド1462を含む、ステープルカートリッジ1420を含む。未発射ステープルカートリッジ1420が装填ユニットの細長いチャネル1457と適切に組み立てられた場合、発射ロックアウトアセンブリ1221は、駆動部材1182の遠位方向への前進を可能にしてスレッド1462を動かしてステープルを展開するように、ロック解除構成へと移行される。
【0065】
ステープルカートリッジアセンブリ1450は、細長いチャネル1457が、溝、穴、開口部、又は戻り止め部の形態の保持特徴部1470a、1470bを含むという点で、ステープルカートリッジアセンブリ1250とは異なる。保持特徴部1470a、1470bは、カートリッジパン1458の基部部分に画定されたカットアウト部1474a、1474bを通してスレッド突出部1472a、1472bを受容するように構成されている。保持特徴部1470a、1470bは、所定の力までスレッド1462の移動に抵抗するように構成されている。駆動部材1182の駆動力が所定の力よりも大きい場合、スレッド1462は、第1の位置を越えて遠位方向に前進させられ、スレッド突出部1472a、1472bを保持特徴部1470a、1470bから出させる。
【0066】
図20図21は、カートリッジアセンブリ1250、1450と多くの点で類似している代替的なステープルカートリッジアセンブリ1550を図示する。ステープルカートリッジアセンブリ1550は、例えば、ステープルカートリッジ220、1220、1220’、1220’’、1420などの、本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジと多くの点で類似しているステープルカートリッジ1520を含む。ステープルは、図1図8の装填ユニット16、16’、1100に関連して説明されたものと同様の様式で、スレッド1562によって移動させられるステープルドライバを介して、ステープルカートリッジ1520からカートリッジデッキ1555を通って組織内へと展開される。駆動部材1182は、スレッド1562をカートリッジパン1558に対して第1の位置から第2の位置に向かって遠位方向に摺動可能に前進させることによって、カートリッジデッキ1555を通してカートリッジ本体からステープルを展開するように構成されている。
【0067】
ステープルカートリッジ1520は、ステープルカートリッジ1520が装填ユニットの細長いチャネル1557と完全に着座するか又は組み立てられるまで、スレッド1562の遠位前進に抵抗するように構成されている1つ以上の保持特徴部(例えば、保持特徴部1570a、1570b)を含む。例示的実施例では、保持特徴部1570bは、既存のパン板金を曲げることによってカートリッジパン1558内に画定された折り畳み式板ばねの形態である。例示的実施例では、保持特徴部1570bは、カートリッジデッキ1555に向かって曲げられた第1の部分と、カートリッジデッキ1555から離れるように曲げられた第2の部分と、を含む。湾曲部分は、第1の部分と第2の部分との間に延在し、それらを接続する。例示的実施例では、第2の部分は第1の部分よりもわずかに長い。
【0068】
ステープルカートリッジ1520を細長いチャネル1557内へと挿入すると、図21に図示されるように、保持特徴部1570a、1570bが細長いチャネル1557に対して折り畳まれるか、又は平らにされ、これにより、スレッド1562が駆動部材1182によって遠位方向に移動することが可能になる。保持特徴部1570a、1570bは、細長いチャネル1557内へのステープルカートリッジ1520の挿入によってそれらが折り畳まれるまで、スレッド1562の前進に抵抗する。換言すれば、保持特徴部1570a、1570bは、ステープルカートリッジ1520が細長いチャネル1557内へと挿入されるまで、スレッド1562を第1の位置に維持するように構成されている。そうすることで、保持特徴部1570a、1570bは、スレッド1562が発射ロックアウトアセンブリ1221をロック解除構成へと移行させて、駆動部材1182の前進を可能にすることを確実にする。
【0069】
図22図24は、ステープルカートリッジ1520及びその保持特徴部1570a、1570bに多くの点で類似している保持特徴部1670を有する代替的なステープルカートリッジ1620を示す。例えば、保持特徴部1670はまた、既存のパン板金を曲げることによってカートリッジパン1658内に画定された折り畳み式板ばねの形態である。しかしながら、保持特徴部1570a、1570bとは異なり、保持特徴部1670は、装填ユニットの細長いチャネル内へのステープルカートリッジ1620の挿入によって、折り畳まれず、又は平坦にされない。代わりに、ステープルカートリッジ1620のスレッド1662は、図22に図示されるように、保持特徴部1670を受容するように構成された溝、開口部、穴、又は戻り止め部1672を含む。
【0070】
本明細書のその他の箇所に記載されるその他の折り畳み式保持特徴部と同様に、保持特徴部1670は、スレッド1662を第1の位置に維持するように構成されており、それによって、ラッチ部材1222とスレッド1662との間の持続的な係合によって、発射ロックアウトアセンブリ1221のロック解除構成を確実にする。スレッド1662に対して駆動部材1182によって及ぼされる駆動力が所定の閾値を超えた場合、保持特徴部1670は、戻り止め部1672から折り畳まれ、スレッド1662の更なる前進を可能にする。
【0071】
例示的実施例では、保持特徴部1670は、第1の部分1671と、第2の部分1673と、部分1671、1673の間に延在し、それらを接続する中間屈曲部分1675と、を含む。部分1671は、開口部1679を含む。組み立て中、図24に図示されるように、フック部材1681が開口部1679で部分1671に係合して、保持特徴部1670を一時的に引き戻して、スレッド1662を第1の位置に摺動可能に移動させることが可能である。次に、フック部材1681は、部分1671を解放するが、これは、保持特徴部1670が戻り止め部1672内に受容されることを可能にする。
【0072】
ここで図25図28を参照すると、ステープルカートリッジアセンブリ1750は、例えば、ステープルカートリッジアセンブリ1250などの、本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジアセンブリと多くの点で類似している。例えば、ステープルカートリッジアセンブリ1750は、例えば、ステープルカートリッジ220、1220などの本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジと多くの点で類似しているステープルカートリッジ1720を受容し、かつ解放可能に保持するように寸法付けされ、かつそのように設計された細長いチャネル1757を含む。ステープルは、図1図8の装填ユニット16、16’、1100に関連して説明されたものと同様の様式で、スレッド1762によって移動させられるステープルドライバを介して、ステープルカートリッジ1720からカートリッジデッキを通って組織内へと展開される。ステープル及びステープルドライバは、ステープルカートリッジ1720のカートリッジ本体内に格納される。発射中、駆動部材1182の作用端部は、スレッド1762をカートリッジ本体内で第1の位置から第2の位置に向かって遠位方向に前進させて、ステープルドライバにステープルを展開させる。
【0073】
ステープルカートリッジアセンブリ1250と同様に、ステープルカートリッジアセンブリ1750は、細長いチャネル1757内に配置された保持特徴部1770を含む。例示的実施例では、保持特徴部1770は、細長いチャネル1757の対向する側壁1757a、1757b内に画定されたハードストップ部分1771a、1771bを含むハードストップ部によって付勢構成で平坦化された、又は少なくとも部分的に平坦化された、板ばねの形態である。未発射ステープルカートリッジ1720が細長いチャネル1757と適切に組み立てられた場合、スレッド1762は、ハードストップ部分1771a、1771bを対向する側壁1757a、1757b内へとそれぞれ押圧し、それによって、保持特徴部1770がハードストップ部分1771a、1771bから解放されることを可能にする。
【0074】
次に、保持特徴部1770の遠位部分は、スレッド1762内の対応する戻り止め部1772に係合し、ロックアウト発射アセンブリ1221のロック解除構成に対応する第1の位置にスレッド1762を引いて維持する。例示的実施例では、保持特徴部1770と戻り止め部1772との間の係合は、発射ロックアウトアセンブリ1221をロック構成へと移行させることなく、所定の閾値距離「d」内でのスレッド1762のわずかな移動を可能にする。
【0075】
本開示のその他の保持特徴部でより詳細に説明されるように、保持特徴部1770は、所定の力までスレッド1762の前進に抵抗するように構成されている。駆動部材1182の駆動力が所定の力よりも大きい場合、スレッド1762は、保持特徴部1770から解放され、第1の位置を越えて遠位方向に前進する。スレッド1762が保持特徴部1770上を前進すると、保持特徴部1770がリセットされてハードストップ部分1771a、1771bとロック係合する。
【0076】
次に、保持特徴部1770は、別の未発射ステープルカートリッジ1720が細長いチャネル1757内へと挿入されるまで、ハードストップ部分1771a、1771bによって、平坦化された、又は少なくとも部分的に平坦化された構成に維持される。例示的実施例では、保持特徴部1770を平坦化された状態、又は少なくとも部分的に平坦化された状態に維持することにより、本構成は、発射の残りの間に駆動部材1182に対する抵抗力を低減する。
【0077】
例示的実施例では、スレッド1762は、ハードストップ部分1771a、1771bを係合し、対向する側壁1757a、1757b内へと押圧するように設計され、かつそのように寸法付けされた1つ以上の特徴部1773を含む。ハードストップ部分1771a、1771bは、1つ以上の特徴部1773から係合解除した後に、それらが保持特徴部1770とのロック係合に戻るように、ばね付勢され得る。
【0078】
様々な態様では、本開示に記載されるスレッドの位置付け及び/又は機構の保持のうちの1つ以上は、装填ユニットの細長いチャネル内へのステープルカートリッジの挿入の前後に、スレッドをステープルカートリッジ内に位置付けること及び/又は維持することを組み合わせることができる。例えば、ステープルカートリッジを細長いチャネル内へと挿入する前に、スレッドをステープルカートリッジ内の第1の位置に維持するために、第1の機構位置付け及び/又は機構保持を用いることができる。次に、ステープルカートリッジを細長いチャネル内へと挿入した後に、スレッドをステープルカートリッジ内の第1の位置に維持するために、第2の機構位置付け及び/又は機構保持を用いることができる。
【0079】
図25図28に図示される実施例では、1つ以上の特徴部1773は、図11図13の装填ユニット1200に関連して説明されるように、カートリッジパンの対応する開口部又はカットアウト部内に受容され得る。特徴部1773は、細長いチャネル1757内へのステープルカートリッジ1720の挿入前に、スレッドをステープルカートリッジ1720内の第1の位置に維持する。しかしながら、挿入後、スレッド1762は、保持特徴部1770によって第1の位置に維持される。したがって、ステープルカートリッジアセンブリ(例えば、ステープルカートリッジアセンブリ1750)は、細長いチャネルへの挿入前と挿入後では異なる第1の位置にスレッドを維持するように構成され得る。換言すれば、細長いチャネル内へのステープルカートリッジの挿入は、作動状態の保持特徴部を作動停止させ、作動停止状態の保持特徴部を作動させ得る。
【0080】
図29図30を参照すると、ステープルカートリッジ1820は、例えば、ステープルカートリッジ220などの、本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジと類似している。例えば、ステープルカートリッジ220と同様に、ステープルカートリッジ1820はナイフ刃280(図5)を含む。中央長手方向スロット1882は、中央長手方向平面1884に沿ってステープルカートリッジ220内に画定される。ナイフブレード280は、一般に、ステープルカートリッジ1820内の中央長手方向スロット1882を通ってスレッド1860のわずかに背後を並進するように位置付けられ、ステープルされる体内組織の列間に切開を形成する。
【0081】
様々な態様では、スレッド1860は、中央長手方向スロット1882を横切って延在する保持特徴部1855によって、第1の位置又はホーム位置に維持される。例示的実施例では、保持特徴部1855は、その一端が側壁1882a、1882bにそれぞれ取り付けられたヒンジゲートを画定する部分1885a、1885bの間に延在する脆弱な中央部分1885cを含む。例示的実施例では、中央部分1885cは、穿孔された破断可能な本体を含む。その他の実施例では、中央部分1885cは、部分1885a、1885bよりも薄い厚さを含んでもよい。
【0082】
いずれにしても、中央部分1885cは、所定の駆動力閾値までスレッド1860の前進に抵抗するように設計され、かつそのように寸法付けされる。閾値を超えると、ナイフブレード280は、中央部分1885cを突破する力をスレッド1860に印加し、部分1885a、1885bを折り畳むか又は振動させて開き、スレッド1860が第1の位置又はホーム位置を超えて遠位方向に移動することを可能にする。
【0083】
本明細書のその他の箇所により詳細に説明されるように、未発射ステープルカートリッジの偶発的な衝突又は振動は、未発射ステープルカートリッジ内のスレッドの意図しない移動を引き起こす場合がある。図31は、電動外科用ステープル留め器具のスレッドの位置をその発射経路に沿って検出し(1922)、発射経路に沿ったスレッドの位置に基づいて電動外科用ステープル留め器具の1つ以上のモータ設定又はモータ制御プログラムを調節する(1924)ための制御プログラム又は論理構成を示すプロセス1920の論理フロー図を図示する。
【0084】
図32図34は、プロセス1920に従って、その発射経路に沿ったスレッドの位置を検出し、発射経路に沿ったスレッドの位置に基づいて1つ以上のモータ設定又はモータ制御プログラムを調節するように構成された発射システム1902を含む電動外科用ステープル留め器具1901を図示する。発射システム1902は、プロセス1920を実行するように構成された制御回路1930を含む。例示的実施例では、制御回路1930は、プロセッサ1934と、プログラム命令を記憶するメモリ1936と、を含むコントローラ1932を備えるが、これは、プロセッサ1934によって実行された場合に、プロセッサ1934にプロセス1920の1つ以上の態様を実行させる。
【0085】
外科用ステープル留め器具1901は、例えば、装填ユニット1100、1200などの本明細書のその他の箇所に記載されるその他の装填ユニットと多くの点で類似している装填ユニット1900を更に含む。例えば、装填ユニット1100と同様に、装填ユニット1900は、駆動部材1982を含む駆動アセンブリ1980を含む。モータアセンブリ1904は、駆動部材1982を所定の発射経路に沿って移動させてスレッド1962を遠位方向に前進させ、ステープル1908をステープルカートリッジ1921からステープルカートリッジ1921とアンビルアセンブリ1931との間に把持された組織内へと展開するように構成されたモータを含む。スレッド1962は、ステープルカートリッジ1921のカートリッジ本体のステープル保持スロット内でプッシャに係合してこれを持ち上げるように位置付けられた複数のカム作用面を含む。プッシャは、図33、34に図示されるように、スレッド1962が駆動部材1982によって前進させられた場合に、ステープル1908をカートリッジ本体から射出するように、ステープルカートリッジ1921内に位置付けられている。
【0086】
図35は、x軸上に、開始位置から発射経路に沿って駆動部材1982が移動した距離(δ)を示し、y軸上に、それぞれ線1942’、1944’、1946’、1948’、1950’、1952’、及び線1942、1944、1946、1948、1950、1952によって表される、電動外科用ステープル留め器具1901(図32)の発射ストローク中のモータの発射速度(V)及び対応する電気負荷を示すグラフ1940である。発射経路に沿った区分ΔδSCは、許容可能な初期スレッド接触位置を画定し、ここで、駆動部材1982は、発射経路に沿った駆動部材1982の前進中にスレッド1962に最初に係合する(図33を参照)ように構成されている。また、発射経路に沿った区分ΔδISは、駆動部材1982によって駆動されるスレッド1962が、ステープルカートリッジ1921内のステープル1908のプッシャに最初に係合する(図33を参照)ように構成されている、許容可能な初期ステープル接触位置を画定する。
【0087】
成功した発射において、線1942、1944によって示されるように、駆動部材1982は、区分ΔδSC内のスレッド1982に最初に接触する(1M、2M)ように構成されており、駆動部材1982によって駆動されるスレッド1962は、区分ΔδIS内のステープル1908のプッシャに最初に接触する(1M’、2M’)ように構成されている。
【0088】
様々な態様では、モータの電気負荷が、所定の範囲(F-sled最小~F-sled最大)内の値(FS1図33)へと急速に増加又は増大することは、駆動部材1982とスレッド1962との間の初期接触が検出されたことを示す。様々な態様では、制御回路1930は、例えば、モータの引き込み電流などのモータの電気負荷を示す少なくとも1つのパラメータを監視することによって、スレッド1962の位置を検出する。
【0089】
同様に、モータの電気負荷が、所定の範囲(F-sled最小~F-sled最大)超である、所定の範囲(F-staple最小~F-staple最大)内の値(FS2図33)へと急速に増加又は増大することは、駆動部材1982によって駆動されるスレッド1962とステープル1908のプッシャとの間の初期接触が検出されたことを示す。様々な態様では、制御回路1930は、例えば、モータの引き込み電流などのモータの電気負荷を示す少なくとも1つのパラメータを監視することによって、スレッド1962とステープルプッシャとの間の初期接触を検出する。
【0090】
モータの電気負荷の急速な増加が区分ΔδSC内で検出される場合、制御回路1930は、スレッド1982がステープルカートリッジ1921のプッシャに係合するまで、駆動部材1982がスレッド1962を発射経路に沿って所定の最大速度V-sled最大)以下の速度で前進させ続けることを可能にするが、これは、上述のように、モータの電気負荷の値(FS2図33)への別の急速な増加によって特徴付けられる。スレッド1962とステープルプッシャとの間の最初の接触の検出は、制御回路1930に、駆動部材1982の速度を、所定の最小速度(V-firing最小)よりも速く、かつ所定の最大速度(V-firing最大)以下の速度まで上昇させる(1R、2R)。
【0091】
しかしながら、制御回路1930が、線1950によって図示されるように、区分ΔδSC内のスレッド1962の位置を検出することに失敗した場合(4M)、制御回路1930は、例えば、モータアセンブリ1904にモータを停止させることによって、駆動部材1982を停止させてもよい(4R)。スレッド1962が存在しないことは、以前に発射されたステープルカートリッジが装填ユニット1900のカートリッジチャネルに取り付けられていること、又はステープルカートリッジが存在しないことに起因し得るので、制御回路1930は、ユーザインターフェース1909を通じてユーザにステープルカートリッジを交換するよう更に促してもよい。使用者が承認すると、駆動部材1982は開始位置に戻される(b)。しかしながら、ユーザが、未発射ステープルカートリッジがカートリッジチャネルに取り付けられたことを確信している場合、スレッド1962は、ステープルカートリッジの偶発的な衝突に起因して、移動又は整列ずれしている場合がある。
【0092】
問題を解決するために、制御回路1930は、(a)スレッド検出なしで移動の所定の最大閾値δ最大に達するまで駆動部材1982を前進させ続ける許可を、ユーザに促す(5M、5R)。スレッド1962が検出されず、所定の最大閾値δ最大に達した場合、制御回路1930は、駆動部材をその開始位置(5R’)に戻させる。
【0093】
しかしながら、所定の閾値δ最大に達する前にスレッド1962が検出された場合には(6M、6R)、制御回路1930は、以下でより詳細に説明されるように、駆動アセンブリ1980をスレッド1962に連結するために所定の区分ΔδSL内で、駆動部材1982の追加の前進(6R’)を可能にすることができる。所定の区分ΔδSLは、駆動部材1982とスレッド1962との間の連結が生じたことを確実にするためのスレッド移動の機能窓部を画定する。
【0094】
次に、制御回路1980は、モータに駆動部材1980をその開始位置へと後退させ、これにより、スレッド1962が未発射ステープルカートリッジ内のそのホーム位置(6R”)に戻る。制御回路1930は更に、スレッド1962の不慮の前進によってカートリッジデッキの上に偶発的に持ち上げられたいずれかのステープル1908を押し下げるように、ユーザに促してもよい。スレッドがホーム位置に戻ると、制御回路1930は、(c)発射ストロークを再開するように、ユーザに促してもよい。
【0095】
上記に加えて、区分ΔδSC内のスレッド1962の検出の成功(1M)は、区分ΔδIS内のスレッド1962とステープルプッシャとの間の初期接触の検出の失敗(3M’)を伴い、制御回路1930に、区分ΔδISの終わりに又はその付近で駆動部材1982の前進を停止させる(3R)。制御回路1930は更に、駆動部材1982を開始位置に戻してもよい。
【0096】
プロセス1920は、制御回路1930によって実行されるものとして説明されているが、これは単に簡潔にするためのものであり、プロセス1920、及び本明細書のその他の箇所に記載されるその他のプロセスは、様々なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含み得、例えば、組み合わせ論理回路又は順序論理回路などの本開示によって説明される様々な好適なシステムに配置され得るか、又はそれに関連付けられ得る回路によって実行され得ることを理解されたい。
【0097】
様々な形態では、モータアセンブリ1904は、例えば、約25,000RPMの最大回転数を有するDC駆動ブラシモータであってもよい。その他の構成では、モータとしては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意のその他の好適な電気モータが挙げられてもよい。モータは、1つの形態にて取り外し可能なパワーパックを備え得る電源1910により、給電されてもよい。電源1910は、例えば、米国特許出願公開第2015/0272575号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」に更に詳細に開示される様々な電源構成のいずれか1つを含んでよく、その開示内容全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0098】
少なくとも1つの実施例では、外科用ステープル留め器具1901は、図1の外科用器具システム10と多くの点で類似している手持ち式外科用器具として実装される。別の実施例では、外科用ステープル留め器具1901は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されるものと同様のロボット式外科用ステープル留め器具として実装される。
【0099】
様々な実施例では、外科用器具1901は、発射経路に沿った駆動部材1982の位置を示すパラメータを監視するように構成された1つ以上のセンサを備えるセンサ1938を含む。センサ1938は、モータの引き込み電流を監視するように構成された1つ以上のセンサを更に含んでもよい。読み取りセンサ1938は、制御回路1930が、駆動部材1982が区分ΔδSC又は区分ΔδIS内に存在することを検出すること、駆動部材1982とスレッド1962との間の初期接触を検出すること、及び/又は駆動部材1982によって駆動されるスレッド1962とステープル1908のプッシャとの間の初期接触を検出すること、を支援し得る。
【0100】
様々な態様では、センサ1938は、例えば、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量性センサ、光センサ、及び/又は、例えば、プロセス1920の1つ以上の態様を実行するための任意のその他の適切なセンサを含んでもよい。
【0101】
ここで図36図38を参照すると、ステープルカートリッジ2020は、ステープルカートリッジ2020内のスレッド2062をホーム位置又は開始位置に維持するように構成された保持特徴部2072を含む。ステープルカートリッジ2020は、例えば、ステープルカートリッジ1520、1620などの、本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジと多くの点で類似している。ステープルカートリッジ2020の偶発的な衝突又は振動に起因するスレッド2062の移動に抵抗するために、ステープルカートリッジ2020のカートリッジパン2058は、スレッド2062に嵌合係合し、スレッド2062の移動に対して所定の力まで抵抗するように構成された1つ以上の保持特徴部(例えば、保持特徴部2020)を含む。
【0102】
例示的実施例では、保持特徴部2072は、内向きに突出するか、又は曲げられた、板ばねの形態である。板ばねは、カートリッジパン2058の基部近位部分に打ち抜き加工又は形成され得る。保持特徴部2072は、カートリッジパン2058の基部部分に取り付けられ、そこから突出する基部を含む。頂点部分は、基部から延在し、カートリッジパン2058内に画定されたカットアウト部(例えば、カットアウト部2022)を通過し、スレッド2062の側壁内に画定された戻り止め部(例えば、戻り止め部2063)内へと入るような寸法である。保持特徴部2072は、所定の駆動力までのスレッド2062の遠位前進に抵抗する傾斜部を画定する。保持特徴部2072は、駆動部材(例えば、駆動部材1982)が、所定の駆動力よりも大きい駆動力をスレッド2072上に及ぼした場合、スレッド2072の前進によって平坦化される。
【0103】
ステープルカートリッジ2020は、スレッド2062がホーム位置又は開始位置の外側にあるかどうかを決定するように構成されたスレッド検出回路2073を含む。スレッド検出回路2073は、保持特徴部2072と、保持特徴部2072の遠位部分2075から保持特徴部2072の近位部分2078に画定された溝2077を通って延在するワイヤ又はロッド2071と、を含む。ワイヤ2071は、例えば、ポゴピンなどの電気接触部2079で終端する。電気接触部2079は、スレッド検出回路2073を、図36に図示されるように保持特徴部2072が曲げられている間の閉鎖構成と、図37に図示されるように保持特徴部2072がスレッド2062によって平坦化されている間の開放構成との間で移行させるように構成されている。
【0104】
したがって、例えば、外科用器具1901の制御回路1930などの制御回路は、スレッド検出回路2073を用いて、スレッド検出回路2073が閉鎖構成から開放構成へと移行したかどうかを検出することによって、スレッド2062がホーム位置又は開始位置の外側にあるかどうかを決定してもよい。閉鎖構成から開放構成へのスレッド検出回路2073の切り替えは、スレッド2062がホーム位置又は開始位置を越えて遠位方向に前進したことを、制御回路1930に信号で伝える。更に、スレッド検出回路2073が閉鎖構成に戻ると、スレッド検出回路2073がホーム位置又は開始位置に戻ったことを、制御回路1930に信号で伝える。
【0105】
ここで図39を参照すると、ステープルカートリッジアセンブリ2150は、例えば、装填ユニット1100、1200などの装填ユニットと共に使用され得る。例示的実施例では、ステープルカートリッジアセンブリ2150は、例えば、ステープルカートリッジ220などの本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジと多くの点で類似しているステープルカートリッジ2120を受容し、かつ解放可能に保持するように寸法付けされ、かつそのように設計された細長いチャネル2157を含む。例えば、ステープルはまた、図1図8の装填ユニット16、16’、1100に関連して説明されたものと同様の様式で、スレッド2162によって移動させられるステープルドライバ、又はプッシャを介して、ステープルカートリッジ2120からカートリッジデッキを通って組織内へと展開される。ステープル及びステープルドライバは、ステープルカートリッジ2120のカートリッジ本体内に格納される。
【0106】
カートリッジパン2158は、ステープルドライバがステープルカートリッジ2120から落下することを防止するために、カートリッジ本体の底部に取り付けられる。カートリッジパン2158は、カートリッジデッキ内に画定されたカートリッジスロットと整列されたパンスロット2154を含む。パンスロット2154はまた、細長いチャネル2157の基部部分2152に画定されたチャネルスロット2153と整列される。発射中、駆動部材1182の作用端部1184は、カートリッジスロット、パンスロット2154、及びチャネルスロット2153を通って摺動可能に移動し、スレッド2162をカートリッジ本体内で第1の位置から第2の位置に向かって遠位方向に前進させ、カートリッジデッキを通してステープルドライバにステープルを展開させる。
【0107】
より詳細に上述したように、例えば、スレッド2162などのスレッドは、ステープルカートリッジ2120の偶発的な衝突又は振動に起因して、そのホーム位置又は開始位置から移動し得る。このような移動を検出するために、ステープルカートリッジアセンブリ2150は、チャネルスロット2153の両側にある一連の離間した電気接触部2170a、2170bを介して、スレッド2162の位置を、ホーム位置又は開始位置、及びホーム位置又は開始位置の遠位にある追加の位置として検出するように構成されている、スレッド検出回路2160を含む。スレッドの対応する電気接触部2172a、2172bが、一対の電気接触部2170a、2170bに対して位置付けられた場合、スレッド検出回路2160は、閉鎖構成へと移行され、図41に図示されるように、このような位置に固有の信号が、例えば、制御回路1930などの制御回路に伝送される。
【0108】
制御回路1930は、受信した信号に基づいてスレッド2162の位置を決定し得る。例えば、メモリ1936は、受信信号の1つ以上のパラメータに基づいてスレッドの位置を決定するためのアルゴリズム、式、又はルックアップテーブルを記憶してもよい。プロセッサ1934は、このようなアルゴリズム、式、及び/又はルックアップテーブルを用いて、1つ以上のパラメータの読み取り値に基づいて、スレッドの位置を決定してもよい。一実施例では、読み取り値は、スレッド2162の位置を示す電流読み取り値又は電圧読み取り値である。
【0109】
少なくとも1つの実施例では、センサ1938は、閉鎖構成においてスレッド検出回路2160を通過する電流を測定するように構成された電流センサを含む。所与の電圧に対して、測定された電流値は抵抗に依存して変化する。図41は、発射経路に沿ったスレッド2162の異なる位置に関連付けられた代表的な抵抗を示す。各位置は、固有の抵抗、したがって、その位置に関連付けられた固有の電流値をもたらすように設計されている。したがって、電流センサの電流読み取り値は、制御回路(例えば、制御回路1930)が、スレッド2162がホーム位置又は開始位置にあるかどうか、あるいはその他のより遠位の位置にあるかどうかを決定するのを支援し得る。
【0110】
図40に図示されるように、特有の基準抵抗が、制御回路1930に戻るスレッド検出回路2160に存在する。スレッド2162がスレッド検出回路2160を完了するたびに、チャネル内のラインに特有の追加の抵抗が総抵抗を増加させ、したがって、発射経路に沿った各位置ごとに固有の電流読み取り値をもたらす。様々な態様では、意図的に高抵抗の回路材料及び/又は実際の抵抗器が各接点において使用されてもよい。
【0111】
例示的実施例では、電気接触部2170a、2170bは、細長いチャネル2157の基部部分2152の上方に隆起しており、ステープルカートリッジ2120との良好な接続を確実にするように構成された付勢部材を画定する。電気接触部2170a、2170bは、カートリッジパン2158の基部部分2159に画定されたカットアウト部2174a、2174bを通って延在する。様々な態様では、カートリッジパン2158は、短絡を防止するために薄膜電気絶縁体でコーティングされている。同様に、基部部分2152の内部表面は、短絡を防止するために薄膜電気絶縁体でコーティングされ得る。電気接触部2170a、2170bは、カートリッジパン2158の電気絶縁体フィルムを貫通して延在する。
【0112】
様々な態様では、スレッド検出回路2160からの信号は、発射ストロークの完了を示す。電気接触部2170a、2170bは、発射経路の端部に又はその付近に位置付けられ得る。例示的実施例では、電気接触部2170a、2170bは、ホーム位置又は開始位置から60mmの距離に又はその付近に位置付けられる。スレッド2162が発射ストロークの終わりに到達した場合、電気接触部2172a、2172bは、電気接触部2170a、2170bと係合し、スレッド検出回路2160を閉鎖構成へと移行させ、発射ストロークの完了を示す固有の信号を生成する。
【0113】
例示的実施例では、スレッド2162は、電気接触部2172a、2172bを画定する導電性部分2161を除いて絶縁されている。しかしながら、その他の実施例では、スレッド2162全体を導電性材料から構成することができる。このような場合、スレッド2162全体がスレッド検出回路2160の一部になる。
【0114】
ここで図41を参照すると、ステープルカートリッジ2220が示されている。ステープルカートリッジ2220は、例えば、ステープルカートリッジ1220’、1220’’、1320、1620などの、本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープルカートリッジと多くの点で類似している。例えば、ステープルカートリッジ2220は、例えば、ステープルカートリッジ2220の偶発的な衝突に起因するステープルカートリッジ2220内のスレッド2262の偶発的な移動に抵抗するように構成された、保持特徴部2270を含む。
【0115】
なお、ステープルカートリッジ2220は、スレッド2262をホーム位置又は開始位置2267に後退させるように構成されたスレッドリセット回路2264を更に備える。例示的実施例では、スレッド2262は、スレッド基部2263内に画定された1つ以上の開口部、穴、溝、又は戻り止め部(例えば、戻り止め部2272)を含む。戻り止め部2272は、保持特徴部2270と整列され、それを受容するように構成されている。保持特徴部2270をスレッド2262から分離するためには、所定の閾値より大きい駆動力が必要である。したがって、保持特徴部2270は、所定の閾値までのスレッド2262の前進に抵抗するように構成されている。
【0116】
更に、保持特徴部2270は、ステープルカートリッジ2220のカートリッジパン2258内に画定されたチャネル2266内に乗る。チャネル2266の近位壁2266aは、保持特徴部2270のための近位停止位置を画定するが、これは、スレッド2262のホーム位置又は開始位置2267に対応する。チャネル2266の遠位壁2266bは、チャネル2266内の保持特徴部2270の遠位停止位置を画定する。保持特徴部2270は遠位壁2266bを越えて移動することができないので、スレッド2262の追加の移動は、スレッド2262を保持特徴部2270から分離させる。
【0117】
上記に加えて、チャネル2266は、チャネル2266の長さ、又は近位壁2266aと遠位壁2266bとの間の距離によって画定される所定の範囲内で、スレッド2262を保持特徴部2270から分離することなく、スレッド2262及び保持特徴部2270の偶発的な移動を可能にする。しかしながら、発射前に、スレッドリセット回路2264は、近位壁2266aに当接するように保持特徴部2270を後退させるように作動される。保持特徴部2270の後退は、スレッド2262をホーム位置又は開始位置2267に後退させる。例示的実施例では、スレッドリセット回路2264は、作動された場合、保持特徴部2270に連結されたワイヤ又はロッド2268を引くか、又は後退させるように構成されている、ソレノイド2269を含む。
【0118】
本明細書のその他の箇所に記載されるように、未発射ステープルカートリッジ2220のスレッド2262は、スレッド2262がホーム位置又は開始位置2267にある間に、発射ロックアウトアセンブリ1221がロック構成へと移行することを防止する。したがって、スレッドリセット回路2264によるスレッド2262の後退は、ホーム位置又は開始位置2267からのスレッドの偶発的な前進に起因して未発射ステープルカートリッジ2220が以前に発射されたステープルカートリッジ2220と間違えられないことを、確実にする。特に、スレッドリセット回路2264は、保持特徴部2270がスレッド2262に連結されている場合にのみ、スレッド2262を後退させることができる。スレッド2262が、駆動部材によって、保持特徴部2270とのその連結係合を超えて遠位方向に前進すると、ステープルカートリッジ2220は発射されたとみなされる。
【0119】
様々な態様では、スレッドリセット回路2264は、本明細書のその他の箇所に開示されるその他のステープルカートリッジに組み込まれ得る。特定の態様では、スレッドリセット回路2264は、制御回路1930に連結され得、スレッド2262がホーム位置又は開始位置2267にないという制御回路1930による決定に応答して、制御回路1930によって作動され得る。このような態様では、センサ1938のうちの1つ以上は、スレッド2262がホーム位置又は開始位置2267を越えた位置にあることを検出してもよい。それに応答して、制御回路1930は、発射ストロークを初期化する前に、スレッドリセット回路2264を作動させて、スレッド2262をホーム位置又は開始位置2267に戻してもよい。
【0120】
ここで図42図44を参照すると、スレッドリセット回路2364の代替実施形態が示されている。スレッドリセット回路2264と同様に、スレッドリセット回路2364はまた、スレッド2362を、保持特徴部2370がスレッド2362に移動可能に連結されたままであるスレッド2362の所定の移動範囲内のホーム位置又は開始位置に後退させるように、構成されている。所定の範囲を超えると、駆動部材がスレッド2362を動かして保持特徴部2370から分離させる。次に、保持特徴部2370は、スレッドリセット回路2364によって近位開始位置に後退させられる。
【0121】
ここで図45図46を参照すると、外科用ステープル留めアセンブリ2450は、スレッド2462を含むステープルカートリッジ2420を含む。ステープルカートリッジアセンブリ2450は、例えば、ステープルカートリッジアセンブリ1150、1250などのその他のステープルカートリッジアセンブリに関連して説明されたものと同様の様式で組織を把持するために、閉鎖構成へと移行可能である。駆動部材(例えば、駆動部材1182)の作用端部2484は、外科用ステープル留めアセンブリ2450の発射をもたらすように構成されたIビームを画定する。
【0122】
作用端部2484は、第1のフランジ2484aと、第2のフランジと、第1のフランジ2484aと第2のフランジとを相互接続する垂直支柱2484cと、垂直支柱2484c上に支持されるか、又はその内へと形成されるナイフと、を含む。第2のフランジは、アンビルアセンブリ(例えば、アンビルアセンブリ1130)のチャネル内に摺動可能に受容されるように位置付けられ、第1のフランジ2484aは、外科用ステープル留めアセンブリ2450の外側表面に沿って摺動可能に位置付けられるように位置付けられる。作動スレッド2462は、作用端部2484の遠位の位置でカートリッジアセンブリ2450内に配置される。
【0123】
様々な態様では、可撓性アーム2470は、作用端部2484から、ステープルカートリッジ2420のカートリッジ本体2459の側壁に画定されたチャネル2471内へと延在する。例示的実施例では、可撓性アーム2470は、チャネル2471を通過し、スレッド2470の遠位部分上に掛止する板ばねアーム部材を画定する。可撓性アーム2470は、スレッド2462をホーム位置又は開始位置に後退させるように構成されている。
【0124】
チャネル2471において、可撓性アーム2470は、スレッド2462の側部に自然に押圧されるように平らにされる。少なくとも1つの実施例では、可撓性アーム2470の遠位端部は、スレッド2462の遠位端部を通過する。タブ2472は、弛緩位置において可撓性アーム2470から延在して、スレッド2462の前側縁部に係止する。完全な発射ストローク中にステープルカートリッジアセンブリ2450のナイフを駆動する前に生じる作用端部2484の運動は、スレッド2462が側部チャネル2471の長さによって画定される閾値内にある限り、可撓性アーム2470がスレッド2462をホーム位置又は開始位置に引き戻すことを可能にする。
【0125】
図47図51は、外科用器具を発射してステープルカートリッジ2520のステープルを展開する前に、ステープルカートリッジ(例えば、ステープルカートリッジ2520)のスレッドをホーム位置(H)に後退させるための、スレッドリセット機構2500の様々な態様を図示する。本明細書のその他の箇所で議論されるように、未発射ステープルカートリッジのスレッドは、ステープルカートリッジが衝突又は振動される場合に不慮に移動され得るが、これは、ステープルカートリッジが誤って発射されたとみなされることを引き起こし得る、及び/又は発射ロックアウトアセンブリが作動されることを引き起こし得る。スレッドリセット機構2500は、スレッドがホーム位置(H)から所定の距離(d1)を超えて移動しない限り、ステープルカートリッジ内のそのホーム位置(H)に不慮に移動されたスレッドを戻すように構成されている。
【0126】
図47は、ホーム位置(H)に対して遠位であるが、所定の距離(d1)によって画定された遠位位置(A)に対して近位である位置にある、ステープルカートリッジ2520のスレッド2562を図示する。発射前に、スレッドリセット部材2592は、スレッド2562をホーム位置(H)に後退させる。スレッドリセット部材2592は、フック又は屈曲部分の形態とされ得、スレッド2562の遠位部分に係合してスレッド2562をホーム位置(H)に戻すように構成された、キャッチャ2595を含む。
【0127】
様々な態様では、スレッドリセット部材2592の一部分は、例えば、ステープルカートリッジ2520のカートリッジパン内に画定されたチャネル内などの、スレッド2562の下に延在し、摺動可能に移動可能である。少なくとも1つの実施例では、図51に図示されるように、スレッドリセット部材2592は、ハンドル2507内に画定された作動部材2593によって手動で操作可能である。ユーザは、発射機構の作動前に、作動部材2593を近位方向に引いて、スレッド2562をホーム位置(H)に戻し得る。
【0128】
別の実施例では、図49及び図50に図示されるように、スレッドリセット部材2592は、外科用器具1901のモータ駆動アセンブリ1904と多くの点で類似しているモータアセンブリ2504によって給電される。例示的実施例では、モータ駆動アセンブリ2504は、スレッドリセット部材2592に動作可能に接続された線形ねじ付き連結器2598を含む。例示的実施例では、モータアセンブリ2504は、トリガ部材2512を含むハンドル2510内に収容されている。トリガ部材2512の第1の位置への移動は、モータアセンブリ2504にスレッドリセット部材2592を後退させ、それによって、スレッド2562をホーム位置(H)に戻す。第1の位置から第2の位置へのトリガ部材2512の第2の移動は、発射ストローク又は発射運動を作動させて、ステープルカートリッジ2520からステープルを展開する。
【0129】
スレッドリセット機構2500は、例えば、スレッド検出回路などの本開示のその他の好適な実施形態と組み合わせて実装され得る。更に、スレッドリセット機構2500は、外科用ステープル留め器具1901の好適な構成要素と組み合わせて実装され得る。例えば、制御回路1930は、スレッド検出回路に基づいて、スレッドがホーム位置とは異なる位置にあると決定してもよい。それに応答して、制御回路1930は、モータアセンブリ2504にスレッドをホーム位置に戻させることができるが、これは、例えば、スレッド検出回路によって検証され得る。
【0130】
使用時、スレッド2562は、図47に図示されるように、スレッドリセット部材2592によってホーム位置(H)に戻される。次に、駆動部材(例えば、駆動部材1182)は、その作用端部(例えば、作用端部1184)を前進させてスレッド2562に係合し、スレッド2562を前進させてステープルカートリッジ2520からステープルを展開するように構成されている。様々な態様では、図48に図示されるように、スレッドリセット部材2592は、キャッチャ2595の近位方向に位置付けられた傾斜部の形態であり得る隆起部分2597を含む。駆動部材2582の前進中、作用端部2584は、スレッド2562に係合する前に隆起部分2597に係合してもよく、これにより、キャッチャ2595は、スレッド2562の発射経路2503の外に移動する。少なくとも1つの実施例において、作用端部2584は、キャッチャ2595をステープルカートリッジ2520のカートリッジパン内に画定されたチャネル内へと落下させ、これにより、スレッド3562の更なる前進が可能になる。
【0131】
様々な態様では、発射経路に沿った、許容可能及び/若しくは許容不可能なスレッド位置、又は本明細書において機能窓部とも称されるホーム位置からのスレッド距離を設定することは、少なくとも部分的に、ステープルカートリッジサイズに依存し得る。したがって、このような位置又は距離を正確に設定するために、外科用カートリッジは、外科用器具(例えば、外科用器具1901)へのステープルカートリッジの取り付け後に制御回路(例えば、制御回路1930)に通信され得る、識別コードを含んでもよい。通信は、ステープルカートリッジとの有線接続を介して、又は無線で行われてもよい。
【0132】
様々な態様では、制御回路は、カートリッジの通信された識別コードに基づいて、スレッド接点の予期される位置を前提として、好適な機能窓部を選択してもよい。様々な態様では、発射システムは、例えば、カートリッジの識別に基づく感知領域及び/又はその予想位置に対する感知されたスレッドのタイミング/位置に基づく作動領域の両方の力/速度/ストロークなどの、所定の発射プログラムの1つ以上のパラメータを更に調節してもよい。
【0133】
ここで図52図56を参照すると、装填ユニット2600は、例えば、装填ユニット1100、1200などの本明細書のその他の箇所に記載されるその他の装填ユニットと多くの点で類似している。例えば、装填ユニット2600は、ステープルカートリッジアセンブリ2650と、アンビルアセンブリ2630と、を含む。アンビルアセンブリ2630及びステープルカートリッジアセンブリ2650のうちの少なくとも一方は、組織を把持するために、図53に図示されるような開放構成から、図54に図示されるような閉鎖構成へと、他方に対して移動可能である。ステープルは、ステープルカートリッジアセンブリ2650のステープルカートリッジ2620のカートリッジ本体2622内に画定されたステープル空洞部2621から組織内へと展開される。アンビルアセンブリ2630は、ステープルを変形させるように構成されたポケットを含む。
【0134】
上記に加えて、ステープルカートリッジ2620は、ステープルがステープル空洞部2621から落下することを防止するように構成されたカートリッジパン2658を含む。カートリッジ本体2622は、カートリッジパン2658の側壁に画定された対応するカットアウト部2653に受容可能な突出部2623によって、カートリッジパン2658に取り付け可能である。様々な実施例では、カットアウト部26523は、カートリッジ本体2622をカートリッジパン2657に固定するために、対応するカットアウト部2653を受容するようなサイズ及び形状である。
【0135】
使用時、ステープルカートリッジ2620は、細長いチャネル2657内へと挿入されて、それと共に組み立てられる。様々な態様では、ステープルカートリッジ2620及び細長いチャネル2657は、対応するロック特徴部を備える。例示的実施例では、ステープルカートリッジ2620が細長いチャネル2657内へと挿入された場合、カートリッジパン2658の側壁に画定されたパン突出部2656がL字形スロット2659に受容される。
【0136】
ステープルカートリッジ2620及び細長いチャネル2657の対応するロック特徴部は、ステープルカートリッジ2620を細長いチャネル2657にロックするための細長いチャネル2658に対するカートリッジパン2658の近位並進運動と、ステープルカートリッジ2620を細長いチャネル2657からロック解除するための細長いチャネル2658に対するカートリッジパン2658の遠位並進運動と、を可能にする。例示的実施例では、L字形スロット2659は、対応する突出部2656がL字形スロット2659の長いアーム内で距離「X」だけ近位方向に並進し、それによって、ステープルカートリッジ2620を細長いチャネル2657にロックし、L字形スロット2659の長いアーム内で距離「X」だけ遠位方向に並進し、それによって、ステープルカートリッジ2620を細長いチャネル2657からロック解除することを可能にするような、サイズ及び形状である。
【0137】
その他の実施例では、突出部は、細長いチャネル内に画定され得、対応するL字形スロットは、ステープルカートリッジのカートリッジパン内に画定され得る。更に、その他の好適な嵌合及びロック機構を実装して、ステープルカートリッジ及び細長いチャネルのロック構成及びロック解除構成を発生させ得る。例えば、その他の好適な形状を有するスロットをL字形スロットに置き換えることができる。
【0138】
上記に加えて、細長いチャネル2657に対するステープルカートリッジ2620のロック機構は、図53及び図54に図示されるように、アンビルアセンブリ2630及びステープルカートリッジアセンブリ2650の閉鎖構成への移行中に自動的に実施される。特定の実施例では、アンビルアセンブリ2630は、カートリッジパン2658を細長いチャネル2657に対して近位方向に並進させてロック構成にするように構成されている。例示的実施例では、アンビルアセンブリ2630は、装填ユニット2600が閉鎖構成(図54)へと移行させられた際に、カートリッジパン2658をロック構成に後退させるように構成された、カム作用部材2631を含む。
【0139】
例示的実施例では、カートリッジパン2658は、パンスロット2663によって二等分された近位舌部分2662を含む。近位舌部分2662は、パンスロット2663の両側にカットアウト部2661を含む。カム作用部材2631は、装填ユニット2600の閉鎖運動の間、カットアウト2661の近位縁部2664に係合するように構成されている。装填ユニット2600が閉鎖構成へと移行された際に、カム作用部材2631は、カットアウト2661の近位縁部2664に対してカム作用力を及ぼし、それによって、カートリッジパン2658をロック構成へと近位方向に並進させる。したがって、装填ユニット2600の閉鎖運動は、ステープルカートリッジ2620を細長いチャネル2657とのロック構成へと自動的に移行させる。
【0140】
例示的実施例では、カム作用部材2631との適切な係合を確実にするために、近位舌部分2662の近位端部がカットアウト部2661に向かって曲げられ、それによって、縁部2664を形成する。カム作用部材2631は、カム作用部材2631がアンビルアセンブリ2630と共にステープルカートリッジ2620に向かって枢動する際に縁部2664に係合するように、構成されている。その他の実施例では、カム作用部材2631を含むアンビルアセンブリが固定され得、細長いチャネルがアンビルアセンブリに向かって枢動されて、閉鎖構成をもたらす。このような実施例では、縁部2664は、カム作用部材2631に向かって移動する。縁部2664がカム作用部材2641に係合した場合、カム作用力は、カートリッジパン2658をロック構成へと近位方向に並進させる。
【0141】
上記に加えて、細長いチャネル2657は、細長いチャネル2657の基部2672の近位部分に画定された近位スロット又はカットアウト部2671を含む。カットアウト部2671は、カットアウト部2661と側方向に若しくは横方向に整列しているか、又は少なくとも部分的に整列している。ロック解除構成では、図53に図示されるように、カットアウト部2661は、カットアウト部2671の遠位にある。しかしながら、ロック構成では、図54に図示されるように、カットアウト部2661は、カットアウト部2671と縦方向に整列されるか、又は少なくとも、ロック解除構成よりもカットアウト部2671との縦方向整列に近い。カム作用部材1631がカットアウト部2661、2671内で枢動可能に移動した際に、カム作用部材2631は、図54に図示されるように、カットアウト部2661を距離「X」だけ近位方向に移動させて、カットアウト部2671と整列させる、又は少なくとも部分的に整列させるように構成されている。
【0142】
発射ストロークの完了後、使用済みステープルカートリッジ2620は、カートリッジパン2658をロック解除構成へと並進させることによって、細長いチャネル2657から取り外される。例示的実施例では、カートリッジパン2658は、フィンガータブの形態であり得る解放特徴部2655を含む。解放特徴部2655は、図55及び図56に図示されるように、ステープルカートリッジ2620をロック解除構成へと移行させるために、カートリッジ本体2622のノーズ部分2626内に画定された対応するスロット2620内で遠位方向に摺動可能に移動可能である。
【0143】
ここで図57図61を参照すると、ステープル外科用アセンブリ2750は、細長いチャネル2757と、ステープルカートリッジ2758と、リテーナ2730と、を含む。ステープル外科用アセンブリ2750は、本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープル外科用アセンブリと多くの点で類似している。例えば、ステープル外科用アセンブリ2750は、本明細書のその他の箇所に記載される任意の好適な外科用器具に組み込まれ得る。
【0144】
図57に図示される実施例では、ステープルカートリッジアセンブリ2750は、ステープルがステープルカートリッジ2720のステープル空洞部から不慮に落下することを防止するために、保持具2730がステープルカートリッジ2720と組み立てられる、第1の構成にある。第1の構成では、リテーナ2730の長いタブ2731は、ステープルカートリッジ2720のカートリッジパン2758に係合するリテーナアームを画定し、短いタブ2732は、ステープルカートリッジ2720のカートリッジ本体2721に係合するリテーナアームを画定する。タブ2731、2732は、第1の構成においてカートリッジ本体2721のデッキ2722に対して押圧されたリテーナ2730を維持するように協働して、ステープルをそれらのステープル空洞部内に維持する。例示的実施例では、カートリッジ本体2721は、デッキ2722から側方向に延在する棚状部2723を含む。棚状部2723は、第1の構成において短いタブ2732によって係合される。
【0145】
発射ストロークの完了後、使用済みステープルカートリッジ2720は、図58図61に図示されるように、リテーナ2730によって細長いチャネル2757から取り外される。第2の構成では、リテーナ2730の長いタブ2731は、図60に最もよく図示されるように、カートリッジ本体2721内に画定されたトラック又はノッチ2724を通して挿入される。タブ2731は、カートリッジパン2558の折り畳み式部材2755を細長いチャネル2757の対応する開口部2756から解放して、図61に図示されるように、リテーナ2730によって細長いチャネル2757からステープルカートリッジ2720を取り外すことを可能にする。
【0146】
例示的実施例では、折り畳み式部材2755は、カートリッジパン2758の側壁に打ち抜き加工又は形成され得る板ばねの形態である。タブ2731は、図60に図示されるように、タブ2731がトラック2724内を前進した際に折り畳み式部材2755を折り畳んで折り畳み式部材2755を開口部2756から解放するように構成され、第2の構成において折り畳まれた折り畳み式部材2755と移動可能なロック係合を形成するように更に構成された、フック特徴部2733を含む。
【0147】
次に、図61に図示されるように、リテーナ2730を細長いチャネル2757から引き離して、細長いチャネル2757からステープルカートリッジ2720を取り外す。リテーナ2730が引き離された際に、フック特徴部2733は、折り畳み式部材2755をトラック2724から持ち上げ、それによって、ステープルカートリッジ2720を細長いチャネル2757から解放する。
【0148】
例示的実施例では、開口部2756は、細長いチャネル2757の側壁にカットアウト部の形態で画定される。その他の実施例では、開口部2756は、細長いチャネル2757の内壁の内側表面上に画定された凹部又はスロットと置き換えることができる。凹部又はスロットは、開口部2756に関して図59に図示されるものと同様の様式で、折り畳み式部材2755をそれらの自然状態で受容するような形状及びサイズである。
【0149】
依然として図59図61を参照すると、細長いチャネル2757から使用済みステープルカートリッジ2720を取り外すためにリテーナ2730を使用する方法が示されている。本方法は、ステープルカートリッジアセンブリ2750からリテーナ2730を分離することを含む。本方法は更に、タブ2731をトラック2724内へと挿入することと、タブ2731のフック特徴部2733によって折り畳み式部材2755を開口部2756から解放することと、折り畳まれた折り畳み式部材2755とトラック2724内のフック特徴部2733との間に移動可能なロック係合を形成することと、を含む。本方法は、使用済みステープルカートリッジ2720を細長いチャネル2757から取り外すために、リテーナ2730を細長いチャネル2757から引き離すことを更に含む。
【0150】
ここで図62を参照すると、ステープル外科用アセンブリ2850は、外科用器具の細長いチャネル2857からのステープルカートリッジ2820の取り外しを容易にする即開放特徴部を含む。ステープル外科用アセンブリ2850は、本明細書のその他の箇所に記載されるその他のステープル外科用アセンブリと多くの点で類似している。例えば、ステープル外科用アセンブリ2850は、本明細書のその他の箇所に記載される任意の好適な外科用器具に組み込まれ得る。
【0151】
ステープルカートリッジ2820は、カートリッジ本体2821と、カートリッジパン2858と、を含む。更に、ステープルカートリッジ2858は、カートリッジ本体2821のノーズ部分2823内に移動可能に配置されたカートリッジ解放部材2822を含む。例示的実施例では、カートリッジ解放部材2822は、ノーズ部分2823内に画定された通路2824を通って、非作動構成から作動構成へと直線的に移動可能である。非作動構成では、図62に図示されるように、カートリッジ解放部材2822は、通路2824の一端を通ってノーズ部分2823から突出する。カートリッジ解放部材2822は、例えば、外部圧力をそこへと加えることによって作動された場合に、通路2824内を移動し、通路2824の他端から突出する。次に、カートリッジ解放部材2822は、細長いチャネル2857を押圧して、細長いチャネル2857からステープルカートリッジ2820を解放する。例示的実施例では、通路2824は、細長いチャネル2857に対して鋭角であるカートリッジ解放部材2822の運動方向を画定する。
【0152】
本明細書に記載された外科用器具システムは、電気モータにより動作するが、しかしながら、本明細書に記載された外科用器具システムは、任意の好適な様式で駆動され得る。特定の場合には、本明細書に開示されるモータは、ロボット式制御システムの1つ又は複数の部分を備えてもよい。例えば、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在は、米国特許第9,072,535号)は、ロボット外科用器具システムのいくつかの実施例をより詳細に開示しており、この開示の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。2017年5月18日公開のPCT国際公開特許第2017/083125号、発明の名称「STAPLER WITH COMPOSITE CARDAN AND SCREW DRIVE」、2017年5月18日公開のPCT国際公開特許第2017/083126号、発明の名称「STAPLE PUSHER WITH LOST MOTION BETWEEN RAMPS」、2015年10月8日公開のPCT国際公開特許第2015/153642号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH SHIFTABLE TRANSMISSION」、2017年3月17日出願の米国特許出願公開第2017/0265954号、発明の名称「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DUAL DISTAL PULLEYS」、2017年2月15日出願の米国特許出願公開第2017/0265865号、発明の名称「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DISTAL PULLEY」、及び2017年3月29日出願の米国特許出願公開第2017/0290586号、発明の名称「STAPLING CARTRIDGE」は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0153】
本明細書に記載された外科用器具システムは、ステープルの展開及び変形に関連して説明されてきたが、しかしながら、本明細書に記載された実施形態は、これに限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結具を展開する様々な実施形態が想定される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成されている電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを加えることができる。
【実施例
【0154】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
【0155】
実施例1-外科用ステープル留め器具と共に使用するためのエンドエフェクタ。エンドエフェクタは、近位カム作用部材を備えるアンビルを備える、第1の顎部を備える。エンドエフェクタは更に、第2の顎部を備え、第1の顎部及び第2の顎部のうちの少なくとも一方は、エンドエフェクタを閉鎖構成へと移行させるように、他方に対して移動可能である。第2の顎部は、近位チャネル開口部を備える細長いチャネルと、細長いチャネルと共に組み立てるためにその細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジと、を備える。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体とカートリッジパンと、を備える。カートリッジパンは、ステープルカートリッジが細長いチャネルとロック解除構成で組み立てられた場合に、近位チャネル開口部に対して部分的に遠位に位置付けられるように構成された近位パン開口部を備える。カム作用部材は、エンドエフェクタの閉鎖構成への移行中に、カートリッジパンを、カートリッジ本体及び細長いチャネルに対してロック解除構成からロック構成へと近位方向に並進させるように構成されている。
【0156】
実施例2-エンドエフェクタが閉鎖構成へと移行された場合に、カム作用部材が近位パン開口部に受容される、実施例1に記載のエンドエフェクタ。
【0157】
実施例3-近位チャネル開口部が、エンドエフェクタの閉鎖構成への移行中に、カム作用部材の枢動運動に対応するように構成されている、実施例1又は2に記載のエンドエフェクタ。
【0158】
実施例4-カートリッジパンが、カートリッジパンをロック解除構成へと並進させるための解放特徴部を備える、実施例1、2、又は3に記載のエンドエフェクタ。
【0159】
実施例5-解放特徴部がフィンガータブを備える、実施例4に記載のエンドエフェクタ。
【0160】
実施例6-カートリッジ本体が、解放特徴部の並進運動に対応するように構成された遠位スロットを備える、実施例4又は5に記載のエンドエフェクタ。
【0161】
実施例7-カートリッジ本体が突出部を含み、カートリッジパンが、カートリッジ本体がカートリッジパンと組み立てられた場合に突出部を受容するように構成された開口部を含む側壁を備える、実施例1、2、3、4、5、又は6に記載のエンドエフェクタ。
【0162】
実施例8-カートリッジパンが突出部を備え、細長いチャネルが、ステープルカートリッジが細長いチャネルと組み立てられた場合に突出部を受容するように構成されたL字形スロットを備える、実施例1、2、3、4、5、6、又は7に記載のエンドエフェクタ。
【0163】
実施例9-カートリッジパンがロック解除構成からロック構成へと並進された場合に、L字形スロット内で突出部が移動可能である、実施例8に記載のエンドエフェクタ。
【0164】
実施例10-外科用ステープル留め器具と共に使用するためのエンドエフェクタ。エンドエフェクタは、アンビルを備える第1の顎部を備える。エンドエフェクタは、第2の顎部を更に備え、第1の顎部及び第2の顎部のうちの少なくとも一方は、組織を把持するために他方に対して移動可能である。第2の顎部は、細長いチャネルと、細長いチャネルと共に組み立てるためにその細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジと、を備える。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体と、カートリッジ本体に取り付けられたカートリッジパンと、を備える。アンビルは、カートリッジパンを、カートリッジ本体及び細長いチャネルに対して、細長いチャネル内でロック解除構成からロック構成へと近位方向に並進させるように構成されている。
【0165】
実施例11-カートリッジパンが突出部を備え、細長いチャネルが、ステープルカートリッジが細長いチャネルと組み立てられた場合に突出部を受容するように構成されたL字形スロットを備える、実施例10に記載のエンドエフェクタ。
【0166】
実施例12-カートリッジパンがロック解除構成からロック構成へと並進された場合に、L字形スロット内で突出部が移動可能である、実施例11に記載のエンドエフェクタ。
【0167】
実施例13-外科用ステープル留め器具と共に使用するための外科用ステープルカートリッジアセンブリ。外科用ステープルカートリッジアセンブリは、開口部を含む側壁を備える細長いチャネルと、細長いチャネルと共に組み立てるためにその細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジと、を備える。ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、デッキと、デッキ内に画定されたステープル空洞部と、を含み、ステープル空洞部はステープルを含む。カートリッジ本体は、カートリッジ本体に取り付けられたカートリッジパンを更に備え、カートリッジパンは、細長いチャネルの開口部内に自然状態で受容可能な折り畳み式戻り止め部を備える。ステープルカートリッジアセンブリは、2つの異なる構成で細長いチャネルに解放可能に連結可能なリテーナを更に備える。リテーナは、ステープルをステープル空洞部内に第1の構成で維持する。リテーナは、細長いチャネルからのステープルカートリッジの取り外しを容易にするために、第2の構成において開口部から折り畳み可能な戻り止め部を係合解除する。
【0168】
実施例14-リテーナがリテーナアームを備える、実施例13に記載のエンドエフェクタ。
【0169】
実施例15-側壁が、第2の構成において、折り畳み式戻り止め部と開口部との間へのリテーナアームの挿入を誘導するように構成された軌道を備える、実施例13又は14に記載のエンドエフェクタ。
【0170】
実施例16-軌道が側壁の内側表面に画定されている、実施例15に記載のエンドエフェクタ。
【0171】
実施例17-折り畳み式戻り止め部は、第1の構成において開口部内に受容可能な第1の係合部分を含む、実施例13、14、15、又は16に記載のエンドエフェクタ。
【0172】
実施例18-リテーナアームが、第2の構成において第1の係合部分を開口部から解放するように構成された第2の係合部分を含む、実施例17に記載のエンドエフェクタ。
【0173】
実施例19-第1の係合部分及び第2の係合部分が、第2の構成において軌道内でロック係合している、実施例18に記載のエンドエフェクタ。
【0174】
実施例20-ロック係合が、リテーナアームを軌道から後退させることによって、ステープルカートリッジを細長いチャネルから解放することを容易にする、実施例19に記載のエンドエフェクタ。
【0175】
いくつかの形態が示され説明されてきたが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者に想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための手段として代替的に説明され得る。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、その他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのこのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのこのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0176】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。このようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、このようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作が、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装され得ると、当業者に理解されよう。本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装され得、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することが、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが、当業者に認識されよう。なお、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形態で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず適用されることが、当業者に理解されよう。
【0177】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意の種類の有形機械可読媒体が挙げられる。
【0178】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「制御回路」という用語は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、プログラマブル論理装置(programmable logic device、PLD)、プログラマブル論理アレイ(programmable logic array、PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指してもよい。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォン等の、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用される場合、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
【0179】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指してもよい。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0180】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指し得る。
【0181】
本明細書の任意の態様で使用される場合、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0182】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられてもよい。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの代表的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルが挙げられてもよい。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0183】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「決定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はその他のこのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現されるその他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
【0184】
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることが、当業者に認識されよう。
【0185】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0186】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般に、「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが、当業者に認識されよう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、このような意図は当該請求項中に明確に記載され、またこのような記載がない場合は、このような意図は存在しないことが、当業者に理解されよう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含む場合がある。しかしながら、このような句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、このような導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、このような記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0187】
なお、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、このような記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されよう(例えば、その他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ又は3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、このような構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、このような構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者に認識されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0188】
添付の特許請求の範囲に関して、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることが、当業者に理解されよう。また、様々な動作のフロー図がシーケンスで示されているが、様々な動作は、示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。このような代替の順序付けの実施例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又はその他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、このような変化形を除外することが意図されるものではない。
【0189】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の特徴部、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な箇所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わされてもよい。
【0190】
本明細書では、特に指示がない限り、本開示で使用される「約」又は「およそ」という用語は、特に指定されない限り、当業者によって決定される特定の値に対する許容誤差を意味し、これは、値が測定又は決定される方法に部分的に依存する。特定の実施形態では、「約」又は「およそ」という用語は、1、2、3、又は4つの標準偏差を意味する。特定の実施形態では、「約」又は「およそ」という用語は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【0191】
本明細書においては、別途示されない限り、全ての数値パラメータは、全ての場合において、「約」なる語により先行及び修飾されているものとして理解されるべきであり、このような数値パラメータは、パラメータの数値を求めるために用いられる基礎となる測定法に固有の変動特性を有するものである。少なくとも、特許請求の範囲の範囲に対して均等論の適用を制限する試みとしてではなく、本明細書に記載される各数値パラメータは、報告された有効数字を考慮し、通常の四捨五入の手法を適用することにより、少なくとも解釈されるべきである。
【0192】
また、本明細書に記載される任意の数値範囲は、記載された範囲内に包含される全ての部分範囲を含む。例えば、「1~10」の範囲には、記載された最小値である1と記載された最大値である10との間(かつ最小値と最大値を含む)の全ての部分範囲、すなわち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有する全ての部分範囲が含まれる。また、本明細書に記載される全ての範囲は、記載された範囲の終点を含む。例えば、「1~10」の範囲は、終点1及び10を含む。本明細書に記載されるあらゆる最大の数値限界は、これに包含される全てのより小さい数値限界を含むことを意図し、本明細書に記載されるあらゆる最小の数値限界は、これに包含される全てのより大きい数値限界を含むことを意図している。したがって、出願人は、明示的に記載された範囲内に包含されるあらゆる明示的に記載された部分範囲を含むように、特許請求の範囲を含む本明細書を補正する権利を有するものである。全てのこのような範囲は、本来、本明細書中に記載されている。
【0193】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又はその他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0194】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0195】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
近位カム作用部材を備えるアンビルを備える、第1の顎部と、
第2の顎部と、を備え、前記第1の顎部及び前記第2の顎部のうちの少なくとも一方が、前記エンドエフェクタを閉鎖構成へと移行させるように、他方に対して移動可能であり、前記第2の顎部が、
近位チャネル開口部を備える細長いチャネルと、
前記細長いチャネルとの組み立てのために前記細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジであって、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体と、
前記ステープルカートリッジが前記細長いチャネルとロック解除構成で組み立てられた場合に、前記近位チャネル開口部に対して部分的に遠位に位置付けられるように構成された近位パン開口部を備えるカートリッジパンと、を備える、ステープルカートリッジと、を備え、
前記カム作用部材が、前記エンドエフェクタの閉鎖構成への移行中に、前記カートリッジパンを、前記カートリッジ本体及び前記細長いチャネルに対して前記ロック解除構成からロック構成へと近位方向に並進させるように構成されている、エンドエフェクタ。
(2) 前記エンドエフェクタが前記閉鎖構成へと移行された場合に、前記カム作用部材が前記近位パン開口部に受容される、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(3) 前記近位チャネル開口部が、前記エンドエフェクタの前記閉鎖構成への前記移行中に、前記カム作用部材の枢動運動に対応するように構成されている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(4) 前記カートリッジパンが、前記カートリッジパンを前記ロック解除構成へと並進させるための解放特徴部を備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(5) 前記解放特徴部がフィンガータブを備える、実施態様4に記載のエンドエフェクタ。
【0196】
(6) 前記カートリッジ本体が、前記解放特徴部の並進運動に対応するように構成された遠位スロットを備える、実施態様4に記載のエンドエフェクタ。
(7) 前記カートリッジ本体が突出部を含み、前記カートリッジパンが、前記カートリッジ本体が前記カートリッジパンと組み立てられた場合に前記突出部を受容するように構成された開口部を含む側壁を備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(8) 前記カートリッジパンが突出部を備え、細長いチャネルが、前記ステープルカートリッジが前記細長いチャネルと組み立てられた場合に前記突出部を受容するように構成されたL字形スロットを備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(9) 前記カートリッジパンが前記ロック解除構成から前記ロック構成へと並進された場合に、前記L字形スロット内で前記突出部が移動可能である、実施態様8に記載のエンドエフェクタ。
(10) 外科用ステープル留め器具と共に使用するためのエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、
アンビルを備える第1の顎部と、
第2の顎部と、を備え、前記第1の顎部及び前記第2の顎部のうちの少なくとも一方が、組織を把持するように他方に対して移動可能であり、前記第2の顎部が、
細長いチャネルと、
前記細長いチャネルとの組み立てのために前記細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジであって、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り付けられたカートリッジパンであって、前記アンビルが、前記カートリッジパンを前記カートリッジ本体及び前記細長いチャネルに対して、前記細長いチャネル内でロック解除構成からロック構成へと近位方向に並進させるように構成されている、カートリッジパンと、を備える、ステープルカートリッジと、を備える、エンドエフェクタ。
【0197】
(11) 前記カートリッジパンが突出部を備え、細長いチャネルが、前記ステープルカートリッジが前記細長いチャネルと組み立てられた場合に前記突出部を受容するように構成されたL字形スロットを備える、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(12) 前記カートリッジパンが前記ロック解除構成から前記ロック構成へと並進された場合に、前記L字形スロット内で前記突出部が移動可能である、実施態様11に記載のエンドエフェクタ。
(13) 外科用ステープル留め器具と共に使用するための外科用ステープルカートリッジアセンブリであって、前記外科用前記ステープルカートリッジアセンブリが、
開口部を含む側壁を備える、細長いチャネルと、
前記細長いチャネルとの組み立てのために前記細長いチャネル内へと挿入可能なステープルカートリッジであって、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体であって、
デッキと、
前記デッキ内に画定されたステープル空洞部であって、前記ステープル空洞部がステープルを含む、ステープル空洞部と、を備える、カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り付けられたカートリッジパンであって、前記カートリッジパンが、前記細長いチャネルの前記開口部内に自然状態で受容可能な折り畳み式戻り止め部を備える、カートリッジパンと、を備える、ステープルカートリッジと、
第1の構成及び前記第1の構成とは異なる第2の構成において前記細長いチャネルに解放可能に連結可能なリテーナであって、前記リテーナが、前記第1の構成において前記ステープルを前記ステープル空洞部内に維持し、前記リテーナが、前記第2の構成において前記折り畳み式戻り止め部を前記開口部から係合解除して、前記細長いチャネルからの前記ステープルカートリッジの取り外しを容易にする、リテーナと、を備える、外科用ステープルカートリッジアセンブリ。
(14) 前記リテーナがリテーナアームを備える、実施態様13に記載のエンドエフェクタ。
(15) 前記側壁が、前記第2の構成において、前記折り畳み式戻り止め部と前記開口部との間への前記リテーナアームの挿入を誘導するように構成された軌道を備える、実施態様14に記載のエンドエフェクタ。
【0198】
(16) 前記軌道が前記側壁の内側表面に画定されている、実施態様15に記載のエンドエフェクタ。
(17) 前記折り畳み式戻り止め部が、前記第1の構成において前記開口部内に受容可能な第1の係合部分を含む、実施態様13に記載のエンドエフェクタ。
(18) 前記リテーナアームが、前記第2の構成において前記第1の係合部分を前記開口部から解放するように構成された第2の係合部分を含む、実施態様17に記載のエンドエフェクタ。
(19) 前記第1の係合部分及び前記第2の係合部分が、前記第2の構成において前記軌道内でロック係合している、実施態様18に記載のエンドエフェクタ。
(20) 前記ロック係合が、前記リテーナアームを前記軌道から後退させることによって、前記ステープルカートリッジを前記細長いチャネルから解放することを容易にする、実施態様19に記載のエンドエフェクタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26
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図28
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図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
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図50
図51
図52
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図55
図56
図57
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図59
図60
図61
図62
【国際調査報告】