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特表2023-551922外科用器具のための両面補強された再装填
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】外科用器具のための両面補強された再装填
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533695
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 IB2021061051
(87)【国際公開番号】W WO2022118161
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】17/109,589
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/109,627
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】フィービッグ・ケビン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ブレイディ・ジョン・イー
(72)【発明者】
【氏名】ウォード・アンドレアス・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】モルガン・ニコラス・エム
(72)【発明者】
【氏名】ハールバッハ・ダイアナ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン・デビッド・エル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC23
4C160CC40
(57)【要約】
外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジが開示される。バットレスアプライヤカートリッジは、エンドエフェクタのアンビルとインターフェースするように構成された第1の装填領域と、エンドエフェクタの細長いチャネルとインターフェースするように構成された第2の装填領域と、を含む。第1の装填領域は、第1の吸収性層と、アンビルが第1の吸収性層に接近したときに第1の吸収性層をアンビルに固定するための装填組立体と、を含む。第2の装填領域は、バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合されたステープルカートリッジを含む。ステープルカートリッジは、デッキと、デッキ上に位置決めされた第2の吸収性層と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジであって、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
前記エンドエフェクタのアンビルとインターフェースするように構成された第1の装填領域であって、
第1の吸収性層と、
前記アンビルが前記第1の吸収性層に接近したときに前記第1の吸収性層を前記アンビルに固定するための装填組立体と、を備える、第1の装填領域と、
前記エンドエフェクタの細長いチャネルとインターフェースするように構成された第2の装填領域であって、
前記バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合されたステープルカートリッジを備え、前記ステープルカートリッジが、デッキと、
前記デッキ上に位置決めされた第2の吸収性層と、を備える、第2の装填領域と、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項2】
前記第2の吸収性層を支持する縫合糸を更に備え、前記装填組立体が、前記縫合糸を前記アンビルに結合するように構成されている、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項3】
前記アンビルが、その外面から延在する縫合糸グラバを備え、前記装填組立体が、前記縫合糸を前記縫合糸グラバに結合するように構成されている、請求項2に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項4】
前記装填組立体が、静止位置と作動位置の間で前記第1の吸収性層に対して回転可能な縫合糸アプライヤを備え、前記縫合糸アプライヤは、前記アンビルが前記第1の吸収性層に接近したときに前記作動位置に向かって回転するように構成されている、請求項2に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項5】
前記縫合糸アプライヤが、前記縫合糸アプライヤを前記静止位置に向かって付勢するように構成されたばねを備える、請求項4に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項6】
前記縫合糸アプライヤが、前記縫合糸に動作可能に結合されたアームを備え、前記縫合糸を前記アンビルに結合した後に、前記縫合糸アプライヤが前記静止位置に向かって回転したときに前記縫合糸が前記アームから解放されるように構成されている、請求項4に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項7】
前記第2の装填領域が、前記ステープルカートリッジを前記バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合するように構成されたラッチを備える、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項8】
前記ラッチは、前記細長いチャネルが前記ステープルカートリッジに接近したときに前記ステープルカートリッジを解放するように構成されている、請求項7に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項9】
前記第1の吸収性層が、その表面から延在する細長い支持体を備え、前記細長い支持体が、前記アンビルに結合するように構成されている、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項10】
前記第1の吸収性層が、その表面から延在するピンを備え、前記ピンが、前記アンビルに結合するように構成されている、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項11】
外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジであって、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
前記エンドエフェクタのアンビルとインターフェースするように構成されたバットレス装填ゾーンを備え、前記バットレス装填ゾーンが、
バットレス層と、
前記バットレス層を支持する縫合糸と、
前記アンビルが前記バットレス層に接近したときに前記縫合糸を前記アンビルの外面に固定するための装填組立体と、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項12】
前記アンビルが、その前記外面上に位置決めされた縫合糸グラバを備え、前記装填組立体が、前記縫合糸を前記縫合糸グラバに結合するように構成されている、請求項11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項13】
前記装填組立体が、静止位置と作動位置との間で前記バットレス層に対して回転可能な縫合糸アプライヤを備え、前記縫合糸アプライヤは、前記アンビルが前記バットレス層に接近したときに前記作動位置に向かって回転するように構成されている、請求項11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項14】
前記縫合糸アプライヤが、前記縫合糸アプライヤを前記静止位置に向かって付勢するように構成されたばねを備える、請求項13に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項15】
前記縫合糸アプライヤが、前記縫合糸に動作可能に結合されたアームを備え、前記縫合糸を前記アンビルに結合した後に、前記縫合糸アプライヤが前記静止位置に向かって回転したときに前記縫合糸が前記アームから解放されるように構成されている、請求項13に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項16】
前記バットレス層が、その表面から延在する細長い支持体を備え、前記細長い支持体が、前記アンビルに結合するように構成されている、請求項11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項17】
前記バットレス層が、その表面から延在するピンを備え、前記ピンが、前記アンビルに結合するように構成されている、請求項11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項18】
前記エンドエフェクタの細長いチャネルとインターフェースするように構成されたカートリッジ装填ゾーンを更に備え、前記カートリッジ装填ゾーンが、
前記バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合された締結具カートリッジを備え、前記締結具カートリッジが、デッキと、
前記デッキ上に位置決めされた第2のバットレス層と、を備える、請求項11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項19】
前記カートリッジ装填ゾーンが、前記締結具カートリッジを支持するように構成されたラッチを備え、前記ラッチは、前記細長いチャネルが前記締結具カートリッジに接近したときに前記締結具カートリッジを解放するように構成されている、請求項18に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【請求項20】
外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジであって、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
支持プラットホームを備えるハウジング組立体と、
前記ハウジング組立体によって支持されたステープルカートリッジ組立体であって、前記ステープルカートリッジ組立体は、前記エンドエフェクタが前記ステープルカートリッジ組立体に接近したときに前記エンドエフェクタの細長いチャネルに結合するように構成されており、前記ステープルカートリッジ組立体が、
デッキを備えるステープルカートリッジと、
前記デッキ上に位置決めされた第1の吸収性層と、を備える、ステープルカートリッジ組立体と、
前記支持プラットホーム上に位置決めされた第2の吸収性層と、
前記アンビルが前記第2の吸収性層に接近したときに前記第2の吸収性層を前記エンドエフェクタのアンビルに固定するための装填組立体と、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具に関し、かつ様々な配置において、組織をステープル留めし、切断するために設計されている、外科用ステープル留め器具及び切断器具、並びにそれらとともに使用するためのステープルカートリッジに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
様々な実施形態では、外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジが開示される。バットレスアプライヤカートリッジは、エンドエフェクタのアンビルとインターフェースするように構成された第1の装填領域と、エンドエフェクタの細長いチャネルとインターフェースするように構成された第2の装填領域と、を含む。第1の装填領域は、第1の吸収性層と、アンビルが第1の吸収性層に接近したときに第1の吸収性層をアンビルに固定するための装填組立体と、を含む。第2の装填領域は、バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合されたステープルカートリッジを含む。ステープルカートリッジは、デッキと、デッキ上に位置決めされた第2の吸収性層と、を含む。
【0003】
様々な実施形態では、外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジが開示される。バットレスアプライヤカートリッジは、エンドエフェクタのアンビルとインターフェースするように構成されたバットレス装填ゾーンを含む。バットレス装填ゾーンは、バットレス層と、バットレス層を支持する縫合糸と、アンビルがバットレス層に接近したときに縫合糸をアンビルの外面に固定するための装填組立体と、を含む。
【0004】
様々な実施形態では、外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジが開示される。バットレスアプライヤカートリッジは、支持プラットホームを含むハウジング組立体と、ハウジング組立体によって支持されたステープルカートリッジ組立体と、支持プラットホーム上に位置決めされた第2の吸収性層と、アンビルが第2の吸収性層に接近したときに第2の吸収性層をエンドエフェクタのアンビルに固定するための装填組立体と、を含む。ステープルカートリッジ組立体は、エンドエフェクタがステープルカートリッジ組立体に接近したときにエンドエフェクタの細長いチャネルに結合するように構成されている。ステープルカートリッジ組立体は、デッキを含むステープルカートリッジと、デッキ上に位置決めされた第1の吸収性層と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点とともに、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
図1】例示的な関節動作する外科用ステープル留め器具の斜視図を例示する。
図2】エンドエフェクタが開構成にある、図1の器具のエンドエフェクタの斜視図を例示する。
図3図2のエンドエフェクタの分解斜視図を例示する。
図4】各々が図2のエンドエフェクタに適用され得る、例示的な上部バットレス及び例示的な下部バットレスの斜視図を例示する。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタを受容する図1のバットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジから縫合糸を受容する前のアンビルを例示する。
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタとインターフェースする図1のバットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジから縫合糸を受容した後のアンビルを例示する。
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸グラバを例示する。
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、図11の縫合糸グラバの側面図を例示する。
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸グラバを例示する。
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸グラバを例示する。
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、図15の縫合糸グラバの側面図を例示する。
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸グラバを例示する。
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスをアンビルに固定するための一実施形態を例示する。
図18】本開示の少なくとも1つの態様による、図17の断面図を例示する。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図20】本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタとインターフェースする前の及びインターフェースした後の図19のバットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図21】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図22】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図23】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図24】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルとインターフェースしたときの図23のバットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図25】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレス組立体を例示する。
図26】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ステープル留め処置の後にアンビルから取り出される図21のバットレス組立体を例示する。
図27】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルとインターフェースするバットレス組立体を例示する。
図28】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルに結合された図27のバットレス組立体の一部分を例示する。
図29】本開示の少なくとも1つの態様による、ナイフ部材とインターフェースする図27のバットレス組立体の一部分を例示する。
図30】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレス層とインターフェースするアンビルを例示する。
図31】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸受容器を例示する。
図32】本開示の少なくとも1つの態様による、ともに結合された図30のアンビル及びバットレス層を例示する。
図33】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレス層から結合解除された図30のアンビルを例示する。
図34】本開示の少なくとも1つの態様による、ロックアウト機構の側面図を例示する。
図35】本開示の少なくとも1つの態様による、ロック解除状態にあるロックアウト機構を例示する。
図36】本開示の少なくとも1つの態様による、ロックアウト状態にあるロックアウト機構を例示する。
図37】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸アプライヤを例示する。
図38】本開示の少なくとも1つの態様による、開位置にあり、エンドエフェクタとインターフェースする図37の縫合糸アプライヤを例示する。
図39】本開示の少なくとも1つの態様による、図38の上面図を例示する。
図40】本開示の少なくとも1つの態様による、閉位置にあり、エンドエフェクタとインターフェースする図37の縫合糸アプライヤを例示する。
図41】本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタ上へ閉じた後に開位置へ移動する図37の縫合糸アプライヤを例示する。
図42】本開示の少なくとも1つの態様による、図37の縫合糸アプライヤのプランジャ組立体を例示する。
図43】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルを例示する。
図44】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸組立体を例示する。
図45】本開示の少なくとも1つの態様による、図43のアンビルとともに使用可能なバットレスカートリッジを例示する。
図46】本開示の少なくとも1つの態様による、図43のアンビルのカムロックに接触する図45のバットレスカートリッジのアームを例示する。
図47】本開示の少なくとも1つの態様による、フック形状の針を例示する。
図48】本開示の少なくとも1つの態様による、カムロックの詳細図を例示する。
図49】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジを例示する。
図50】本開示の少なくとも1つの態様による、図49のバットレスアプライヤカートリッジの拡大図を例示する。
図51】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレス組立体を例示する。
図52】本開示の少なくとも1つの態様による、図51のバットレス組立体の断面図を例示する。
図53】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジの最近位縫合糸クランプとインターフェースするアンビルを例示する。
図54】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸クランプの詳細な上面図を例示する。
図55】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルを例示する。
図56】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレス組立体とインターフェースするアンビルを例示する。
図57】本開示の少なくとも1つの態様による、図56のアンビル内に位置決めされた図56のバットレス組立体の断面図を例示する。
図58】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルの組織接触面を例示する。
図59】本開示の少なくとも1つの態様による、図58のアンビルの外面を例示する。
図60】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸ロックの等角図を例示する。
図61】本開示の少なくとも1つの態様による、図59の縫合糸ロックの拡大図を例示する。
図62】本開示の少なくとも1つの態様による、バットレス層を例示する。
図63】本開示の少なくとも1つの態様による、図59のアンビルとインターフェースする図62のバットレス層を例示する。
図64】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸ロックに巻き付けたバットレス層の最遠位縫合糸脚部を例示する。
図65】本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸ロックに巻き付けたバットレス層の最近位縫合糸脚部を例示する。
図66】本開示の少なくとも1つの態様による、アンビルから解放されるバットレス層を例示する。
【0006】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部を示す。本明細書に記載する例示は、一形態として、本発明の特定の実施形態を例示するものであり、そのような例示は、いかなる様式においても本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本出願の出願人は、本出願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる:
-「METHOD FOR TISSUE TREATMENT BY SURGICAL INSTRUMENT」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP1/200802-1M;
-「SURGICAL INSTRUMENTS WITH INTERACTIVE FEATURES TO REMEDY INCIDENTAL SLED MOVEMENTS」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP2/200802-2;
-「SURGICAL INSTRUMENTS WITH SLED LOCATION DETECTION AND ADJUSTMENT FEATURES」題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP3/200802-3;
-「SURGICAL INSTRUMENT WITH CARTRIDGE RELEASE MECHANISMS」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP4/200802-4;
-「SURGICAL SYSTEMS WITH DETACHABLE SHAFT RELOAD DETECTION」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP6/200802-6;
-「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ELECTRICAL CONNECTORS FOR POWER TRANSMISSION ACROSS STERILE BARRIER」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP7/200802-7;
-「DEVICES AND METHODS OF MANAGING ENERGY DISSIPATED WITHIN STERILE BARRIERS OF SURGICAL INSTRUMENT HOUSINGS」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP8/200802-8;
-「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH EXTERNAL CONNECTORS」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP9/200802-9;
-「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH SMART RELOAD WITH SEPARATELY ATTACHABLE EXTERIORLY MOUNTED WIRING CONNECTIONS」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP10/200802-10;
-「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH COMMUNICATION INTERFACES THROUGH STERILE BARRIER」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP11/200802-11;及び
-「POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPHASE TISSUE TREATMENT」と題された米国特許出願、代理人整理番号END9291USNP12/200802-12。
【0008】
本出願の出願人は、2018年12月4日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:
・「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題された米国特許出願第16/209,385号、
・「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題された米国特許出願第16/209,395号、
・「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」と題された米国特許出願第16/209,403号、
・「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION、AND CONTROL」と題された米国特許出願第16/209,407号、
・「METHOD OF HUB COMMUNICATION、PROCESSING,DISPLAY,AND CLOUD ANALYTICS」と題された米国特許出願第16/209,416号、
・「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」と題された米国特許出願第16/209,423号、
・「METHOD OF USING REINFORCED FLEXIBLE CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS TO OPTIMIZE PERFORMANCE OF RADIO FREQUENCY DEVICES」と題された米国特許出願第16/209,427号、
・「METHOD OF SENSING PARTICULATE FROM SMOKE EVACUATED FROM A PATIENT,ADJUSTING THE PUMP SPEED BASED ON THE SENSED INFORMATION、AND COMMUNICATING THE FUNCTIONAL PARAMETERS OF THE SYSTEM TO THE HUB」と題された米国特許出願第16/209,433号、
・「METHOD FOR SMOKE EVACUATION FOR SURGICAL HUB」と題された米国特許出願第16/209,447号、
・「METHOD FOR CONTROLLING SMART ENERGY DEVICES」と題された米国特許出願第16/209,453号、
・「METHOD FOR SMART ENERGY DEVICE INFRASTRUCTURE」と題された米国特許出願第16/209,458号、
・「METHOD FOR ADAPTIVE CONTROL SCHEMES FOR SURGICAL NETWORK CONTROL AND INTERACTION」と題された米国特許出願第16/209,465号、
・「METHOD FOR SITUATIONAL AWARENESS FOR SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE CAPABLE OF ADJUSTING FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」と題された米国特許出願第16/209,478号、
・「METHOD FOR FACILITY DATA COLLECTION AND INTERPRETATION」と題された米国特許出願第16/209,490号、及び
・「METHODをFOR CIRCULAR STAPLER CONTROL ALGORITHM ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」と題された米国特許出願第16/209,491号。
【0009】
図1は、ハンドル組立体3020と、シャフト組立体3030と、エンドエフェクタ3040と、を含む、例示的な外科用ステープル留め及び切断器具3010を表す。エンドエフェクタ3040及びシャフト組立体3030の遠位部分は、外科処置を行うために、図1に表されるような非関節動作状態で、トロカールカニューレを通して患者の手術部位まで挿入するようにサイズ決定されている。ほんの一例として、患者の腹部内に、患者の2本の肋骨の間に、又はその他の部位に、そのようなトロカールを挿入してもよい。いくつかの設定では、器具3010は、トロカールなしで使用される。例えば、エンドエフェクタ3040及びシャフト組立体3030の遠位部分は、開胸又は他のタイプの切開を通して直接挿入され得る。本明細書では、「近位」及び「遠位」という用語は、器具3010のハンドル組立体3020を握っている臨床医を基準として使用されていることが理解されるべきである。したがって、エンドエフェクタ3040は、より近位にあるハンドル組立体3020に対して遠位にある。便宜上、かつ明瞭さのために、本明細書では「垂直」及び「水平」などの空間的用語が、図面に対して使用される点も更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0010】
図1図3にも示されるように、本実施例のエンドエフェクタ3040は、下部ジョー3050と、枢動可能なアンビル3060と、を含む。アンビル3060は、下部ジョー3050の対応する湾曲スロット3054内に配設された一対の一体的な外向きに延在するピン3066を含む。アンビル3060は、(図2に示される)開位置と(図1に示される)閉位置との間で下部ジョー3050に向かって、及びそこから離れるように枢動可能である。「枢動可能」という用語(及び基部として「枢動」の類義語)の使用は、必ずしも固定軸を中心とした枢動運動を必要とすると理解されるべきではない。例えば、本実施例では、アンビル3060は、ピン3066によって画定される軸を中心に枢動し、このピンは、アンビル3060が下部ジョー3050に向かって進むときに、下部ジョー3050の湾曲スロット3054に沿って摺動する。そのような変形例では、枢動軸がスロット3054によって画定された経路に沿って並進し、同時に、アンビル3060がその軸を中心に枢動する。加えて又は代替的に、枢動軸は、最初にスロット3054に沿って摺動し、次いで、枢動軸がスロット3054に沿って特定の距離だけ摺動した後に、アンビル3060が枢動軸を中心に枢動し得る。そのような摺動/並進枢動移動は、「枢動」、「枢動する」、「枢動の」、「枢動可能な」、「枢動している」などの用語内に包含されることを理解されたい。当然ながら、いくつかの変形例は、固定されたままであり、スロット又はチャネルなどの中を並進しない軸を中心とするアンビル3060の枢動運動を提供し得る。
【0011】
図3に最も良く見られるように、本実施例の下部ジョー3050は、ステープルカートリッジ3070を受容するように構成されたチャネル3052を画定する。ステープルカートリッジ3070がチャネル3052を挿入し得、エンドエフェクタ3040を作動させ得、次いで、ステープルカートリッジ3070を取り外して別のステープルカートリッジ3070と交換し得る。したがって、下部ジョー3050は、エンドエフェクタ3040を作動させるために、ステープルカートリッジ3070をアンビル3060と整列して解放可能に保持する。いくつかの変形例では、下部ジョー3050は、2014年8月28日に公開され、2016年11月30日に米国特許第9,808,248号として発行された「INSTALLATION FEATURES FOR SURGICAL INSTRUMENT END EFFECTOR CARTRIDGE」と題された米国特許出願公開第2014/0239044号の教示の少なくともいくつかに従って構築され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書の教示を考慮すれば、下部ジョー3050がとり得る他の好適な形態が当業者に明らかになるであろう。
【0012】
図2及び図3に最も良く見られるように、本実施例のステープルカートリッジ3070は、カートリッジ本体3071と、カートリッジ本体3071の下側に固定されたトレイ3076と、を備える。カートリッジ本体3071の上側にはデッキ3073が存在し、アンビル3060が閉位置であるときに組織がデッキに圧縮され得る。カートリッジ本体3071は、長手方向に延在するチャネル3072及び複数のステープルポケット3074を更に画定する。ステープル3090は、各ステープルポケット3074内に位置決めされる。ステープルドライバ3075もまた、各ステープルポケット3074内に、対応するステープル3090の下に、かつトレイ3076の上に位置決めされる。下でより詳細に説明されるように、ステープルドライバ3075は、ステープルポケット3074内を上方に並進させ、それによって、ステープル3090を、ステープルポケット3074を通して上方に駆動して、アンビル3060と係合させるように動作可能である。ステープルドライバ3075は、ウェッジスレッド3078によって上方に駆動され、ウェッジスレッドがカートリッジ本体3071とトレイ3076との間に捕捉され、これがカートリッジ本体3071を通って長手方向に並進する。
【0013】
ウェッジスレッド3078は、一対の斜めに角度付けされたカム面3079を含み、このカム面は、ステープルドライバ3075に係合し、それによって、ウェッジスレッド3078がカートリッジ3070を通って長手方向に並進するときにステープルドライバ3075を上方に駆動するように構成されている。例えば、ウェッジスレッド3078が近位位置にあるとき、ステープルドライバ3075は下降位置にあり、ステープル3090はステープルポケット3074に位置付けられる。ウェッジスレッド3078が、並進ナイフ部材3080によって遠位位置に駆動されたとき、ウェッジスレッド3078がステープルドライバ3075を上方に駆動し、それによって、ステープル3090をステープルポケット3074から、アンビル3060の下側3065に形成されたステープル形成ポケット3064内に駆動する。したがって、ステープルドライバ3075は、ウェッジスレッド3078が水平寸法に沿って並進するときに垂直寸法に沿って並進する。
【0014】
いくつかの変形例では、ステープルカートリッジ3070は、2014年8月28日に公開され、2016年12月13日に米国特許第9,517,065号として発行された「INTEGRATED TISSUE POSITIONING AND JAW ALIGNMENT FEATURES FOR SURGICAL STAPLER」と題された米国特許出願公開第2014/0239042号の教示の少なくともいくつかに従って構築されて、動作可能であり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。加えて又は代替的に、ステープルカートリッジ3070は、2014年8月28日に公開され、2017年11月7日に米国特許第9,808,248号として発行された「INSTALLATION FEATURES FOR SURGICAL INSTRUMENT END EFFECTOR CARTRIDGE」と題された米国特許出願公開第2014/0239044号の教示の少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であり得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書の教示を考慮すれば、ステープルカートリッジ3070がとり得る他の好適な形態が当業者に明らかになるであろう。
【0015】
図2に最も良く見られるように、本実施例のアンビル3060は、長手方向に延在するチャネル3062と、複数のステープル形成ポケット3064と、を備える。チャネル3062は、アンビル3060が閉位置にあるときに、ステープルカートリッジ3070のチャネル3072と整列するように構成されている。各ステープル形成ポケット3064は、アンビル3060が閉位置にあるときに、ステープルカートリッジ3070の対応するステープルポケット3074の上に位置するように位置決めされる。ステープル形成ポケット3064は、ステープル3090が組織を通してアンビル3060内に駆動されるときに、ステープル3090の脚部を変形させるように構成されている。具体的には、ステープル形成ポケット3064は、ステープル3090の脚部を曲げて、組織内に形成されたステープル3090を固定するように構成されている。アンビル3060は、2014年8月28日に公開され、2016年12月13日に米国特許第9,517,065号として発行された「INTEGRATED TISSUE POSITIONING AND JAW ALIGNMENT FEATURES FOR SURGICAL STAPLER」と題された米国特許出願公開第2014/0239042号の教示の少なくともいくつか;2014年8月28日に公開され、2017年12月12日に米国特許第9,839,421号として発行された「JAW CLOSURE FEATURE FOR END EFFECTOR OF SURGICAL INSTRUMENT」と題された米国特許出願公開第2014/0239036号の教示の少なくともいくつか;及び/又は2014年8月28日に公開され、2018年10月9日に米国特許第10,092,292号として発行された「STAPLE FORMING FEATURES FOR SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」と題された米国特許出願公開第2014/0239037号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書の教示を考慮すれば、アンビル3060がとり得る他の好適な形態が当業者に明らかになるであろう。
【0016】
本実施例では、ナイフ部材3080は、エンドエフェクタ3040を通って並進するように構成されている。図3に最も良く見られるように、ナイフ部材3080は、シャフト組立体3030の一部分を通って延在する発射ビーム3082の遠位端に固定される。図2に最も良く見られるように、ナイフ部材3080は、アンビル3060のチャネル3062及びステープルカートリッジ3070のチャネル3072内に位置決めされる。ナイフ部材3080は、ナイフ部材3080がエンドエフェクタ3040を通って遠位に並進したときに、アンビル3060とステープルカートリッジ3070のデッキ3073との間で圧縮された組織を切断するように構成されている、遠位に存在する切断縁部3084を含む。上述したように、ナイフ部材3080は、ナイフ部材3080がエンドエフェクタ3040を通って遠位に並進するときにウェッジスレッド3078も遠位に駆動し、それによって、ステープル3090を組織に通してアンビル3060に対して駆動して形成する。
【0017】
本実施例では、アンビル3060は、閉鎖リング3036をエンドエフェクタ3040に対して遠位に前進させることによって、下部ジョー3050に向かって駆動される。閉鎖リング3036は、カム作用を通してアンビル3060と協働して、閉鎖リング3036のエンドエフェクタ3040に対する遠位並進に応答して、アンビル3060を下部ジョー3050に向かって駆動する。同様に、閉鎖リング3036は、アンビル3060と協働して、閉鎖リング3036のエンドエフェクタ3040に対する近位並進に応答して、下部ジョー3050から離れるようにアンビル3060を開き得る。単なる例として、閉鎖リング3036及びアンビル3060は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月28日に公開され、2017年12月12日に米国特許第9,839,421号として発行された「JAW CLOSURE FEATURE FOR END EFFECTOR OF SURGICAL INSTRUMENT」と題された米国特許出願公開第2014/0239036号の教示の少なくともいくつかに従って;かつ/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年6月25日に出願され、2015年12月31日に米国特許出願公開第2015/0374373号として発行された「JAW OPENING FEATURE FOR SURGICAL STAPLER」と題された米国特許出願第14/314,108号の教示の少なくともいくつかに従って、相互作用し得る。
【0018】
ハンドル組立体3020は、ピストルグリップ3022と、閉鎖トリガ3024と、を含む。上述したように、アンビル3060は、閉鎖リング3036の遠位進行に応答して、下部ジョー3050に向かって閉じられる。本実施例では、閉鎖トリガ3024は、閉鎖管3032及び閉鎖リング3036を遠位に駆動するように、ピストルグリップ3022に向かって枢動可能である。本明細書の教示を考慮すれば、閉鎖トリガ3024のピストルグリップ3022に向かう枢動運動を、閉鎖管3032及び閉鎖リング3036のハンドル組立体3020に対する遠位並進に変換するために使用され得る様々な好適な構成要素が当業者に明らかになるであろう。
【0019】
また、本実施例では、器具3010は、発射ビーム3082の電動制御を提供する。具体的には、器具3010は、発射トリガ3026をピストルグリップ3022に向かって枢動することに応答して発射ビーム3082を遠位に駆動するように構成されている、電動構成要素を含む。いくつかの変形例では、モータ(図示せず)は、ピストルグリップ3022内に収容され、電池パック3028から電力を受け取る。このモータは、モータの駆動シャフトの回転運動を、発射ビーム3082の直線並進に変換する変速機組立体(図示せず)と結合される。単なる例として、発射ビーム3082の電動作動を提供するように動作可能である特徴は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年7月3日に発行された「MOTOR-DRIVEN SURGICAL INSTRUMENT」と題された米国特許第8,210,411号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年6月4日に発行された「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」と題された米国特許第8,453,914号;及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月26日に出願され、2018年3月13日に米国特許第9,913,642号として発行された「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」と題された米国特許出願第14/226,142号の教示の少なくともいくつかに従って構成され得、かつ動作可能であり得る。
【0020】
例示的な外科用ステープル留め及び切断器具3010に関する追加的な詳細は、米国特許第10,342,542号に見出すことができ、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0021】
いくつかの事例では、ステープル3090によって提供される組織の機械的締結を補強するために、エンドエフェクタ3040がバットレス材料を備えることが望ましい場合がある。そのようなバットレスは、適用されたステープル3090が組織を通して引っ張るのを阻止し得、別様には、適用されたステープル3090の部位で、又はその近くで組織が裂けるリスクを低減し得る。一連のステープル3090に構造的な支持及び完全性を提供することに加えて又はその代わりに、バットレスは、空間若しくは間隙の充填、治療剤の投与、及び/又は他の効果などの様々な他の種類の効果を提供し得る。いくつかの事例では、バットレスは、ステープルカートリッジ3070のデッキ3073に提供され得る。いくつかの他の事例では、バットレスは、ステープルカートリッジ3070に面するアンビル3060の表面に提供され得る。また、第1のバットレスがステープルカートリッジ3070のデッキ3073に提供され得、一方で、第2のバットレスが、同じエンドエフェクタ3040のアンビル3060に提供されることが理解されるべきである。バットレスがとり得る様々な形態の例を、以下により詳細に記載する。バットレスがステープルカートリッジ3070又はアンビル3060に固定され得る様々な方式もまた、下で更に詳細に説明される。
【0022】
図4は、基本構成を有する例示的な一対のバットレス組立体3100、3110を示す。この実施例のバットレス組立体3100は、バットレス本体3102と、上部接着剤層3104と、を備える。同様に、バットレス組立体3110は、バットレス本体3112と、下部接着剤層3114と、を備える。本実施例では、バットレス本体3102、3112の各々は、一連のステープル3090を構造的に支持するように構成された、強力であるが可撓性の材料を含む。単なる例として、バットレス本体3102、3112の各々は、Ethicon,Inc.(Somerville,N.J.)によるポリグラクチン910材料の織メッシュを含み得る。代替的に、バットレス本体3102、3112の各々を形成するために、ポリグラクチン910材料に加えて又はその代わりに、任意の他の好適な材料又は材料の組み合わせが使用され得る。バットレス本体3102、3112の各々は、任意の他の好適な形態をとり得、任意の他の好適な材料で構築され得る。単に更なる一例として、バットレス本体3102、3112の各々は、Gunze Limited(京都、日本)によるNEOVEIL吸収性PGAフェルト;W.L.Gore&Associates,Inc.(Flagstaff,Ariz.)によるSEAMGUARDポリグリコール酸:トリメチレンカーボネート(polyglycolic acid:trimethylene carbonate、PGA:TMC)補強材料;Baxter Healthcare Corporation(Deerfield,Ill.)によるPERI-STRIPS DRY with VERITAS Collagen Matrix(PSDV)補強材料;Cook Medical(Bloomington,Ind.)によるBIODESIGN生物学的移植片材料;及び/又はEthicon,Inc.(Somerville,N.J.)によるSURGICEL NU-KNIT止血材料;のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。本明細書の教示を考慮すれば、バットレス本体3102、3112の各々を形成するために使用され得る更に他の好適な材料が当業者に明らかになるであろう。
【0023】
加えて又は代替的に、バットレス本体3102、3112の各々は、例えば、血液の凝固を支援し、かつ組織に沿って切断及び/又はステープル留めされた手術部位における出血の低減を支援するために、フィブリンなどの止血剤を含む、材料を含み得る。別の単なる例示的な実施例として、バットレス本体3102、3112の各々は、血液の凝固を支援し、かつ手術部位における出血量の低減を支援し得るように、バットレス本体3102、3112の各々は、他の補助材、又はトロンビンなどの止血剤を含み得る。バットレス本体3102、3112の各々に組み込まれ得る他の補助材又は試薬としては、医療用流体又はマトリックス成分が更に挙げられ得るが、これらに限定されない。バットレス本体3102、3112の各々を形成するために使用され得る材料、並びに別様に、バットレス本体3102、3112の各々に組み込まれ得る材料の単なる例示的な実施例は、2015年3月25日に出願され、2016年9月29日に米国特許出願公開第2016/0278774号として公開された「METHOD OF APPLYING A BUTTRESS TO A SURGICAL STAPLER」と題された米国特許出願第14/667,842号に開示されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。代替的に、任意の他の好適な材料が使用され得る。
【0024】
単に更なる一例として、バットレス本体3102、3112の各々は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年9月27日に公開され、2018年11月13日に米国特許第10,123,798号として発行された「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING CONTROLLED RELEASE AND EXPANSION」と題された米国特許出願公開第2012/0241493号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月21日に公開され、現在放棄されている「SURGICAL INSTRUMENT AND BUTTRESS MATERIAL」と題された米国特許出願公開第2013/0068816号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月14日に公開され、2018年6月19日に米国特許第9,999,408号として発行された「SURGICAL INSTRUMENT WITH FLUID FILLABLE BUTTRESS」と題された米国特許出願公開第2013/0062391号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月21日に公開され、2014年8月26日に米国特許第8,814,025号として発行された「FIBRIN PAD MATRIX WITH SUSPENDED HEAT ACTIVATED BEADS OF ADHESIVE」と題された米国特許出願公開第2013/0068820号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年4月4日に公開され、2014年12月2日に米国特許第8,899,464号として発行された「ATTACHMENT OF SURGICAL STAPLE BUTTRESS TO CARTRIDGE」と題された米国特許出願公開第2013/0082086号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年2月14日に公開され、2016年11月15日に米国特許第9,492,170号として発行された「DEVICE FOR APPLYING ADJUNCT IN ENDOSCOPIC PROCEDURE」と題された米国特許出願公開第2013/0037596号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月14日に公開され、2015年4月7日に米国特許第8,998,060号として発行された「RESISTIVE HEATED SURGICAL STAPLE CARTRIDGE WITH PHASE CHANGE SEALANT」と題された米国特許出願公開第2013/0062393号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月28日に公開され、2016年7月19日に米国特許第9,393,018号として発行された「SURGICAL STAPLE ASSEMBLY WITH HEMOSTATIC FEATURE」と題された米国特許出願公開第2013/0075446号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月14日に公開され、2015年8月11日に米国特許第9,101,359号として発行された「SURGICAL STAPLE CARTRIDGE WITH SELF-DISPENSING STAPLE BUTTRESS」と題された米国特許出願公開第2013/0062394号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月28日に公開され、2015年12月1日に米国特許第9,198,644号として発行された「ANVIL CARTRIDGE FOR SURGICAL FASTENING DEVICE」と題された米国特許出願公開第2013/0075445号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月28日に公開され、現在放棄されている「ADJUNCT THERAPY FOR APPLYING HEMOSTATIC AGENT」と題された米国特許出願公開第2013/0075447号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年10月3日に公開され、2015年12月15日に米国特許第9,211,120号として発行された「TISSUE THICKNESS COMPENSATOR COMPRISING A PLURALITY OF MEDICAMENTS」と題された米国特許出願公開第2013/0256367号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年6月10日に出願され、2019年1月8日に米国特許第10,172,611号として発行された「ADJUNCT MATERIALS AND METHODS OF USING SAME IN SURGICAL METHODS FOR TISSUE SEALING」と題された米国特許出願第14/300,954号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月17日に出願され、2017年2月23日に米国特許出願公開第2017/0049444号として公開された「IMPLANTABLE LAYERS FOR A SURGICAL INSTRUMENT」と題された米国特許出願第14/827,856号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月31日に出願され、2017年3月2日に米国特許出願公開第2017/0055986号として公開された「DRUG ELUTING ADJUNCTS AND METHODS OF USING DRUG ELUTING ADJUNCTS」と題された米国特許出願第14/840,613号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年9月30日に出願され、2017年3月30日に米国特許出願公開第2017/0086837号として公開された「COMPRESSIBLE ADJUNCT WITH CROSSING SPACER FIBERS」と題された米国特許出願第14/871,071号;及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年9月30日に出願され、2017年3月30日に米国特許出願公開第2017/0086842号として公開された「METHOD FOR APPLYING AN IMPLANTABLE LAYER TO A FASTENER CARTRIDGE」と題された米国特許出願第14/871,131号の教示の少なくともいくつかに従って構築され得る。
【0025】
本実施例では、バットレス本体3102をアンビル3060の下側3065に接着するために、接着剤層3104がバットレス本体3102に提供される。同様に、バットレス本体3112をステープルカートリッジ3070のデッキ3073に接着するために、接着剤層3114がバットレス本体3112に提供される。アンビル3060の下側3065に対する、又はステープルカートリッジ3070のデッキ3073に対するバットレス本体3102の接着は、感圧接着剤が挙げられるが、これに限定されない、様々な機構を通して生じさせることができる。いくつかの変形例では、接着剤層3104、3114の各々は、感圧性接着材料を含む。接着剤層3104、3114を形成するために使用され得る様々な好適な材料の実施例は、2015年3月25日に出願され、2016年9月29日に米国特許出願公開第2016/0278774号として公開された「METHOD OF APPLYING A BUTTRESS TO A SURGICAL STAPLER」と題された米国特許出願第14/667,842号に開示されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。代替的に、任意の他の好適な材料が使用され得る。本明細書で使用される「接着剤」という用語は、粘着性の材料、更には、柔軟又は蝋様であり、変形及び適合によって複雑な幾何学的形状にも接着する材料を包含し得る(ただし、それらに限定されない)ことが理解されるべきである。いくつかの好適な接着剤は、不可避的に高度な初期粘着性を与えることなく、変形及び適合によって複雑な幾何学的形状に接着するように、そのような柔軟性を与え得る。いくつかの事例では、粘着性の低い接着剤は、表面からよりきれいに除去され得る。本明細書の教示を考慮すれば、接着剤層3104、3114を形成するために使用され得る様々な好適な材料が当業者に明らかになるであろう。
【0026】
上述したように、組織がエンドエフェクタ3040内に位置決めされる前に、かつエンドエフェクタ3040を作動させる前に、バットレス組立体3100がアンビル3060の下側3065に適用され得、バットレス3110がステープルカートリッジ3070のデッキ3073に適用され得る。エンドエフェクタ3040は、単一の外科処置における器具3010の使用中に何回も作動され得るので、操作者が、単一の外科処置中に、バットレス組立体3100をアンビル3060の下側3065に繰り返しかつ容易に装填するのを可能にすることが望ましい場合がある。換言すれば、エンドエフェクタ3040は、単一の外科処置における器具3010の使用中に何回も作動され得るので、エンドエフェクタ3040を作動させた後に追加的なバットレス組立体3100のアンビル3060への再装填を容易にせずに、単にバットレス組立体3100を予め装填したアンビル3060を提供するには不十分であり得る。
【0027】
同様に、当業者は、エンドエフェクタ3040を作動させるたびに、ステープルカートリッジ3070の交換が必要であることを認識するであろう。単一の外科処置における器具3010の使用中に、エンドエフェクタ3040を数回作動させたとき、したがって、その外科処置中に、いくつかのステープルカートリッジ3070が使用され得る。これらのステープルカートリッジ3070の各々は、デッキ3073に予め装填されたバットレス組立体3110を備え得ることがわかり得る。しかしながら、バットレス組立体3110がデッキ3073に予め装填されたステープルカートリッジ3070を提供することが望ましくない場合があるのには、いくつかの理由がある。換言すれば、外科処置のかなり前の時間にバットレス組立体3110をデッキ3073に装填するのではなく、外科処置におけるステープルカートリッジの使用直前に、デッキ3073へのバットレス組立体3110の装填を提供することが望ましい場合がある。例えば、バットレス組立体3110は、ステープルカートリッジ3070と同じ滅菌技術に適合しない場合があり、よって、デッキ3073に予め装填されるバットレス組立体3110をステープルカートリッジ3070とともにパッケージ化するための処理の問題を提示し得る。加えて、バットレス組立体3110を形成する材料は、ステープルカートリッジ3070が有しない特定の環境感受性を有し得、よって、使用前に、バットレス組立体3110及びステープルカートリッジ3070を別々に格納するのを可能にすることが有益であり得る。更に、バットレス組立体3110は、いくつかの外科処置において保証され得ず、又は別様に所望され得ず、よって、そのステープルカートリッジ3070が外科処置で使用される前に、ステープルカートリッジ3070にバットレス組立体3110を装填するべきかを医師が容易に選択するのを可能にすることが望ましい場合がある。
【0028】
上述の内容を考慮すれば、操作者が、所与の外科処置中に、臨機応変に、バットレス組立体3100、3110をエンドエフェクタ3040に繰り返しかつ容易に装填するのを可能にすることが望ましい場合がある。また、バットレス組立体3100、3110を容易にエンドエフェクタに装填することも可能にする同じデバイスに加えて、バットレス組立体3100、3110がエンドエフェクタ3040に装填される前に、バットレス組立体3100、3110に支持及び保護を提供するデバイスを提供することが望ましい場合がある。下で説明する実施例は、そのようなバットレス組立体3100、3110の支持、保護、及び装填を提供する様々なカートリッジ組立体に関する。以下の実施例はあくまでも例示的なものにすぎない、と理解すべきである。多数の変形が、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。
【0029】
図5は、本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジ3200を例示する。バットレスアプライヤカートリッジ3200は、開放端部3204及び閉鎖端部3206を画定する、略U字形状のハウジング組立体3202を含むことができる。様々な実施形態では、ハウジング組立体3202は、ハウジング組立体3202の外側シェルを形成するために一緒に結合可能である、頂部ハウジング部分3208及び底部ハウジング部分3210を含むことができる。頂部ハウジング部分3208及び底部ハウジング部分3210は、各々、第1の脚部3212と、第2の脚部3214と、閉鎖端部3206において第1の脚部3212を第2の脚部3214に接続する接続部分3216と、を含む。頂部ハウジング部分3208及び底部ハウジング部分3210は、例としてスナップ嵌め、ラッチ、又はプレス嵌めなどの、任意の好適な結合機構によって結合することができる。例示的な一実施形態では、ハウジング組立体3202は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第10,342,542号に記載されているものなどの、様々な内部構成要素を含むことができる。
【0030】
バットレスアプライヤカートリッジ3200は、第1の脚部3212と第2の脚部3214の間に位置決めされ、かつ一般にハウジング組立体3202の接続部分3216から開放端部3204に向かって延在する、支持プラットホーム3218を更に含むことができる。一態様では、支持プラットホーム3218は、力が印加されたときに支持プラットホーム3218が圧縮可能であるように、任意の好適な圧縮可能な材料から製造することができる。様々な他の実施形態では、支持プラットホーム3218は、圧縮性とは対照的に、剛性であり得る。様々な実施形態では、支持プラットホーム3218は、ハウジング組立体3202によって支持することができる。例示的な一実施形態では、支持プラットホーム3218は、その外周の周りにリップを含むことができ、このリップは、頂部ハウジング部分3208及び底部ハウジング部分3210がともに結合されたときに頂部ハウジング部分3208と底部ハウジング部分3210との間で捕捉される。他の実施形態では、支持プラットホーム3218は、力が印加されたときに支持プラットホーム3218がハウジング組立体3202に対して実質的に支持されるような任意の好適な様式で、ハウジング組立体3202に結合することができる。
【0031】
様々な実施形態では、支持プラットホーム3218は、第2のバットレス層3224を支持することができる第1のバットレス層3222と、実質的に平面の底面を支持することができる実質的に平面の頂面3220と、を含むことができる。下でより詳細に説明されるように、第1のバットレス層3222及び第2のバットレス層3224は、接着剤などの任意の好適な手段によって支持プラットホーム3218に取り外し可能に結合することができ、よって、第1のバットレス層3222及び第2のバットレス層3224が外科用器具のエンドエフェクタとインターフェースするまで、第1のバットレス層3222及び第2のバットレス層3224がそれらの支持プラットホーム上で支持される。
【0032】
様々な態様では、バットレスアプライヤカートリッジ3200は、複数の縫合糸脚部3226を更に含むことができる。例示的な一実施形態では、図5に示されるように、縫合糸脚部3226は、第1のバットレス層3222から延在することができる。縫合糸脚部3226は、縫合糸脚部3226が第1のバットレス層3222を支持することができるような、また様々な実施形態では、縫合糸脚部3226の運動が第1のバットレス層3222の運動を生じさせるような任意の好適な様式で、第1のバットレス層3222に結合することができる。例示的な一実施形態では、2つの横方向にオフセットされた縫合糸脚部3226は、第1のバットレス層3222を通して通される、連続した縫合糸を形成する。別の例示的な実施形態では、2つの横方向にオフセットされた縫合糸脚部3226は、第1のバットレス層3222の底面を支持する、連続した縫合糸を形成する。換言すれば、連続した縫合糸が、第1のバットレス層の下に延在し、第1のバットレス層3222の底面と支持プラットホーム3218の頂部平坦面3220との間に位置決めされる。別の例示的な実施形態では、縫合糸脚部3226の各々は、第1のバットレス層3222における接着又は埋め込み、又は任意の他の好適な結合機構などによって、別々の位置で第1のバットレス層3222に結合される。
【0033】
一態様では、バットレスアプライヤカートリッジ3200は、複数の縫合糸アプライヤ3228を更に含むことができる(図5は、縫合糸アプライヤ3228の一般的な位置を示し、一方で、図6図9は、縫合糸アプライヤ3228の構造の例示的な一実施形態を示す)。様々な実施形態では、縫合糸アプライヤ3228の各々は、バットレスアプライヤカートリッジ3200に回転可能に結合することができる。例示的な一実施形態では、図6及び図8に見られるように、縫合糸アプライヤ3228は、ピン3230によって頂部ハウジング部分3208に回転可能に結合することができる。縫合糸アプライヤ3228は、本体部分3232と、カム表面3234と、本体部分3232から延在するアーム3236と、を含むことができる。第1のバットレス層3222から延在する縫合糸脚部3226の各々の端部3238は、一例として、接着剤などによって、縫合糸アプライヤ3228の対応するアーム3236に取り外し可能に結合することができる。
【0034】
図6図8に示されるように、エンドエフェクタのアンビル3240は、バットレスアプライヤカートリッジ3200とインターフェースすることができる。アンビル3240は、その外側頂面3244上に位置決めされた複数の縫合糸グラバ3242を含むことができる。図7及び図9に示されるように、縫合糸グラバ3242は、間隙「g」がそれらの間に画定されるように、第1のアーム3246と、第1のアーム3246から離間された第2のアーム3248と、を含むことができる。一態様では、間隙「g」は、縫合糸脚部3226の端部3238を第1のアーム3246と第2のアーム3248との間で受容することができ、かつ縫合糸グラバ3242がプレス嵌めされて保持されるように画定される。様々な実施形態では、縫合糸グラバ3242は、縫合糸グラバ3242の受容表面3250の第1のアーム3246と第2のアーム3248との間に位置決めされた接着剤を含むことができ、よって、(図9に示されるように)縫合糸脚部3226の端部3238が第1のアーム3246と第2のアーム3248との間で押圧されたとき、端部3238が、アンビル3240に少なくとも部分的に接着され、並びに、第1のアーム3246と第2のアーム3248と間でプレス嵌めされ、したがって、縫合糸グラバ3242が縫合糸脚部3226を保持する能力を高める。
【0035】
図6図9に示されるように、動作中に、アンビル3240は、第1のバットレス層3222に向かって移動することができる。アンビル3240の外縁は、縫合糸アプライヤ3228のカム表面3234に接触し、カム表面に沿って動くことができる。例示的な一実施形態では、縫合糸アプライヤ3228は、縫合糸アプライヤ3228が集合的にアンビル3240をバットレスアプライヤカートリッジ3200と長手方向に整列させるように、バットレスアプライヤカートリッジ3200に沿って離間される。他の実施形態では、バットレスアプライヤカートリッジ3200は、整列特徴を含み、これは、アンビル3240の縫合糸グラバ3242の各々が、対応する縫合糸アプライヤ3228と整列されるように、アンビル3240をバットレスアプライヤカートリッジ3200内に位置決めすることを可能にする。例示的な一実施形態では、アンビル3240は、アンビル3240がハウジング組立体3202の接続部分3216に当接して、アンビル3240の縫合糸グラバ3242を対応する縫合糸アプライヤ3228と整列させることができるようにサイズ決定される。
【0036】
上記から続けると、アンビル3240の外縁は、縫合糸アプライヤ3228のカム表面3234に接触し、カム表面に沿って動くことができる。カム表面3234への力は、縫合糸アプライヤ3228をそれらのピン3230の周りに回転させ、アーム3236を、したがって、縫合糸脚部3226の端部3238を、アンビル3240に向かって回転させることができる。縫合糸アプライヤ3228が回転し続けることで、縫合糸アプライヤ3228に、縫合糸脚部3226の端部3238を、縫合糸グラバ3242の第1のアーム3246と第2のアーム3248との間の間隙「g」に押し込ませることができる。アンビル3240が第1のバットレス層3222に接触したとき、縫合糸アプライヤ3228は、図8に示されるように、回転完了位置に到達することができ、縫合糸アプライヤ3228は、縫合糸脚部3226の端部3238を縫合糸グラバ3242に完全に押し込む。縫合糸脚部3226の端部3238が縫合糸グラバ3242に押圧された時点で、アンビル3240は、バットレスアプライヤカートリッジ3200から離れて移動することができる。例示的な一実施形態では、縫合糸アプライヤ3228は、ねじりばねを含むことができ、よって、図6に示されるように、アンビル3240が支持プラットホーム3218から離れて移動したとき、縫合糸アプライヤ3228のアーム3236をアンビル3240から離れて非回転位置に向かって付勢することができる。縫合糸アプライヤ3228のアーム3236がアンビル3240から離れて回転するとき、縫合糸グラバ3242は、縫合糸脚部3226の端部3238を保持し、端部3238を縫合糸アプライヤ3228のアーム3236から解放させることができる。縫合糸脚部3226及び縫合糸グラバ3242は、第1のバットレス層3222をアンビル3240に対して保持するように集合的に機能する。
【0037】
縫合糸脚部3226及び縫合糸グラバ3242だけではなく、第1のバットレス層3222をアンビル3240に結合するための他の好適な手段を、縫合糸脚部3226及び縫合糸グラバ3242と組み合わせて使用することができる。例示的な一実施形態では、第1のバットレス層3222は、その表面上に接着剤を含むことができ、よって、(図8に示されるように)アンビル3240を第1のバットレス層3222と接触させたとき、アンビル3240及び第1のバットレス層3222の組織接触面を一緒に少なくとも部分的に接着することができる。アンビル3240を第1のバットレス層3222に結合する他の手段が、本出願の全体にわたって説明されており、バットレスアプライヤカートリッジ3200と併せて使用することができる。
【0038】
図面及び上記の説明は、縫合糸アプライヤ3228を使用してバットレス層3222をアンビル3240に結合することを説明しているが、バットレス層をエンドエフェクタの細長いチャネル内に位置決めされたステープルカートリッジに結合することができるように、バットレスアプライヤカートリッジ3200がバットレスアプライヤカートリッジ3220の底面に縫合糸アプライヤ3228を含むことができる、他の実施形態が想定されることが理解されるべきある。例示的な一実施形態では、アンビル3240と同様に、エンドエフェクタの細長いチャネルは、その外面上に位置決めされた縫合糸グラバを含むことができる。バットレスアプライヤカートリッジ3200の底面は、縫合糸アプライヤ3228と、第2のバットレス層3224を支持する縫合糸脚部3226と、を含むことができる。例示的な一実施形態では、細長いチャネル及びステープルカートリッジが第2のバットレス層に向かって導かれるとき、バットレスアプライヤカートリッジ3200の底面の縫合糸アプライヤ3228は、アンビル3240に関する上記の説明と同様に、縫合糸脚部3226を細長いチャネルの縫合糸グラバに押し込むことができる。他の例示的な実施形態では、図6図8に示されるように、バットレスアプライヤカートリッジ3220の底面は、縫合糸アプライヤ3228を含まず、むしろ、ステープルカートリッジ3252とインターフェースすることができるバットレス層3224だけを含み得る。第2のバットレス層3224をステープルカートリッジ3252に結合するのを支援するために、バットレスアプライヤカートリッジ3200の底面に他の好適な手段を含むことができる、他の例示的な実施形態が想定される。
【0039】
上述のように、支持プラットホーム3218は、圧縮性材料から製造することができる。図6及び図8に示されるように、動作中に、アンビル3240が第1のバットレス層3222に向かって導かれる間、エンドエフェクタの細長いチャネル内に位置決めされたステープルカートリッジ3252を、バットレスアプライヤカートリッジ3200の第2のバットレス層3224に向かって導くことができる。アンビル3240及びステープルカートリッジ3252は、支持プラットホーム3218に向かってバットレス層3222、3224を集合的に圧縮し、バットレスアプライヤカートリッジ3200の位置を維持するのを補助し、かつバットレス層3222、3224をそれぞれアンビル3240及びステープルカートリッジ3252に接着する際の付加的な支持を提供する。
【0040】
バットレス層3222、3224が、それぞれアンビル3240及びステープルカートリッジ3252に適用された後、例示的な一実施形態では、新しいバットレス層を、支持プラットホーム3218の平坦面上に位置決めすることができ、バットレスアプライヤカートリッジ3200を再度利用することができる。別の例示的な実施形態では、支持プラットホーム3218を取り外して、すでに新しいバットレス層3222、3224がその上に位置決めされた別の支持プラットホーム3218と交換することができる。バットレスアプライヤカートリッジ3200を単回使用後に使い捨てることができる、他の例示的な実施形態が想定される。
【0041】
ここで、図10を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、別のバットレスアプライヤカートリッジ3300が提供されている。バットレスアプライヤカートリッジ3300は、第1の脚部3304及び第2の脚部3306を含むことができる、ハウジング組立体3302を含むことができる。例示的な一実施形態では、ハウジング組立体3302は、一体構造であり得るが、ハウジング組立体3302が一体構造でない他の例示的な実施形態が想定される。例示的な一実施形態では、ハウジング組立体3302は、ハウジング組立体3202と同様に、ハウジング組立体3302の外側シェルを形成するために一緒に結合可能である、頂部ハウジング部分及び底部ハウジング部分を含むことができる。様々な実施形態では、バットレスアプライヤカートリッジ3300の構造は、下で参照される違いの他に、バットレスアプライヤカートリッジ3200と実質的に同様であり得る。
【0042】
バットレスアプライヤカートリッジ3300は、第1の脚部3304と第2の脚部3306との間に位置決めされた支持プラットホーム3308を更に含むことができる。支持プラットホーム3308は、力が印加されたときに支持プラットホーム3308が圧縮可能であるように、任意の好適な材料から製造することができる。様々な他の実施形態では、支持プラットホーム3308は、圧縮性とは対照的に、剛性であり得る。様々な実施形態では、支持プラットホーム3308は、ハウジング組立体3302によって支持され得る。例示的な一実施形態では、支持プラットホーム3308は、ハウジング組立体3302によって捕捉及び保持されるリップ3310の外周の周りを含むことができる。ハウジング組立体3302が一体構造でない一実施形態では、リップ3310は、頂部ハウジング部分及び底部ハウジング部分がともに結合されたときに、頂部ハウジング部分と底部ハウジング部分との間に位置決めすることができる。他の実施形態では、支持プラットホーム3308は、力が印加されたときに支持プラットホーム3308がハウジング組立体3302に対して実質的に支持されるような任意の好適な様式で、ハウジング組立体3302に結合することができる。
【0043】
支持プラットホーム3308は、第1のバットレス層3314を支持することができる、実質的に平面の頂面3312を含むことができる。下でより詳細に説明されるように、第1のバットレス層3314は、接着剤などの任意の好適な手段によって支持プラットホーム3218に取り外し可能に結合することができ、よって、第1のバットレス層3314が外科用器具のエンドエフェクタとインターフェースするまで、第1のバットレス層3314が、それらの支持プラットホーム3308上で支持される。
【0044】
バットレスアプライヤカートリッジ3300は、縫合糸基部3318と、縫合糸基部3318から延在する縫合糸脚部3320と、を含む、縫合糸3316を更に含むことができる。例示的な一実施形態では、図10に示されるように、縫合糸基部3318は、縫合糸3316が第1のバットレス層3314を支持するように、第1のバットレス層3314と支持プラットホーム3308の頂面3312との間に位置決めすることができる。1つの縫合糸3316が図示及び説明されているが、第1のバットレス層3314を支持するために、複数の縫合糸3316が利用され得ることが理解されるべきである。
【0045】
バットレスアプライヤカートリッジ3300は、複数の縫合糸アプライヤ3324を更に含むことができる。縫合糸アプライヤ3324の各々は、バットレスアプライヤカートリッジ3300に回転可能に結合することができる。例示的な一実施形態では、図10に見られるように、縫合糸アプライヤ3324は、ピン3326によって脚部3304、3306に回転可能に結合することができる。縫合糸アプライヤ3324は、本体部分3328と、カム表面3330と、アーム3332と、を含むことができる。縫合糸脚部3320の各々の端部3322は、一例として、接着剤などによって、縫合糸アプライヤ3324の対応するアーム3332に取り外し可能に結合することができる。
【0046】
図6図8に記載されたものと同様に、外科用器具のエンドエフェクタのアンビル3334は、バットレスアプライヤカートリッジ3300とインターフェースすることができる。アンビル3334は、その外側頂面3338上に位置決めされた複数の縫合糸グラバ3336を含むことができる。例示的な一実施形態では、縫合糸グラバ3336は、上で本明細書に記載された縫合糸グラバ3242と同様であり得る。様々な他の実施形態では、縫合糸グラバ3242は、本出願の他の部分でより詳細に説明される縫合糸グラバと同様であり得る。
【0047】
動作中に、アンビル3334は、第1のバットレス層3314に向かって移動する。アンビル3340の外縁は、縫合糸アプライヤ3324のカム表面3330に接触し、カム表面に沿って動くことができる。例示的な一実施形態では、縫合糸アプライヤ3324は、縫合糸アプライヤ3324が集合的にアンビル3334をバットレスアプライヤカートリッジ3300と長手方向に整列させるように、バットレスアプライヤカートリッジ3300に沿って離間される。カム表面3330へのカム作用力は、縫合糸アプライヤ3324をそれらのピン3326の周りに回転させ、アーム3332を、したがって縫合糸脚部3320の端部3322を、アンビル3334に向かって回転させる。
【0048】
縫合糸アプライヤ3324が回転し続けることで、縫合糸アプライヤ3324に、縫合糸脚部3320の端部3322を縫合糸グラバ3336に押し込ませる。アンビル3334が第1のバットレス層3314に接触したとき、縫合糸アプライヤ3324は、回転完了位置に到達することができ、縫合糸アプライヤ3324は、縫合糸脚部3320の端部3322を縫合糸グラバ3336に完全に押し込む。縫合糸脚部3320の端部3322が縫合糸グラバ3336に押圧された時点で、アンビル3334は、バットレスアプライヤカートリッジ3300から離れて移動することができる。例示的な一実施形態では、縫合糸アプライヤ3324は、ねじりばねを含むことができ、よって、図10に示されるように、アンビル3334が支持面3308から離れて移動したとき、縫合糸アプライヤ3324のアーム3332を、アンビル3334から離れて非回転位置に向かって付勢することができる。縫合糸アプライヤ3324のアーム3332がアンビル3334から離れて回転するとき、縫合糸グラバ3336は、縫合糸脚部3320の端部3322を保持し、端部3322を、縫合糸アプライヤ3324のアーム3332から解放させることができる。アンビルがバットレスアプライヤカートリッジ3300から離れて移動したとき、縫合糸の基部3318が第1のバットレス層3314の底面を支持することができ、一方で、縫合糸脚部3320の端部3322がアンビルによって保持され、それによって、第1のバットレス層3314をアンビル3334の組織接触面に対して保持する。
【0049】
上述のように、支持プラットホーム3308は、圧縮性材料から製造することができる。動作中に、アンビル3334が第1のバットレス層3314に向かって導かれる間、エンドエフェクタの細長いチャネル内に位置決めされたステープルカートリッジ3342を、支持プラットホーム3308の底面3344に向かって導くことができる。例示的な一実施形態では、図10に示されるように、ステープルカートリッジ3342は、縫合糸3348によって支持されたバットレス層3346を前もって供給することができる。他の例示的な実施形態では、バットレスアプライヤカートリッジ3300の底部は、アンビル3334がバットレス層を受容するのと同時にステープルカートリッジ3342がバットレス層を受容することができるように、縫合糸アプライヤ3324を含むことができる。動作中に、アンビル3334及びステープルカートリッジ3342は、支持プラットホーム3308を集合的に圧縮することができるので、バットレスアプライヤカートリッジ3300の位置を維持するのを補助し、かつバットレス層3314をアンビル3334に接着する際の付加的な支持を提供する。
【0050】
上述のように、エンドエフェクタのアンビル及び/又は細長いチャネルは、縫合糸グラバ3242、3336などの縫合糸グラバを含むように修正することができ、縫合糸グラバは、外科用器具を発射する前に、張力付与状態で縫合糸を受容及び保持して、アンビル及び/又は細長いチャネルに対してバットレスを保持することができる。外科用器具が発射されたとき、エンドエフェクタ内を進行するナイフがバットレス及び縫合糸を切り通すことができる。外科用デバイスをトロカールから取り外したとき、縫合糸の自由端を縫合糸グラバから取り外すことができ、バットレスアプライヤカートリッジを使用して外科用デバイスに別のバットレスを適用することができる。例示的な一実施形態では、上述のように、アンビルは、縫合糸グラバ3242を含むことができ、縫合糸グラバは、第1のアーム3246と、第1のアーム3246から離間された第2のアーム3248と、を含み、かつその中で縫合糸を解放可能に保持することができる。
【0051】
縫合糸グラバの別の例示的な実施形態は、図11及び図12に示されており、これらの図は、その中に画定された切り欠き3402と、切り欠き3402の上に延在するフラップ3404と、を含む、アンビル3400を例示する。切り欠き3402及びフラップ3404は、デンタルフロスが含む様式と同様に機能する。動作中に、縫合糸3406は、切り欠き3402を通して引っ張り、フラップ3404(図12に最も明確に示される)の下で楔留めすることができる。フラップ3404は、縫合糸を切り欠き3402内で保持し、縫合糸3406に張力付与し、適所で保持することを可能にするように寸法決定することができる。切り欠き3402及びフラップ3404は、縫合糸3406がバットレスをアンビル3400に対して保持することを可能にする。別の実施形態では、切り欠き3402及びフラップ3404は、縫合糸(又は複数の縫合糸)がバットレスをステープルカートリッジに対して保持することを可能にするように、エンドエフェクタの細長いチャネルに含まれ得る。1つの切り欠き3402及びフラップ3404が図示及び説明されているが、複数の縫合糸がバットレスをアンビル(又は細長いチャネル)に対して保持することを可能にするために、アンビル(又は細長いチャネル)が複数の切り欠き3402及びフラップ3404を含み得ることが理解されるべきである。
【0052】
縫合糸グラバの別の例示的な実施形態は、図13に示されており、この図は、縫合糸3414を張力付与状態で保持することができるカムクリート型ロック3412を含む、アンビル3410を例示する。カムクリートロック3412は、第1のクリート3416と、第2のクリート3418と、を含むことができ、クリートの各々は、複数の歯3420と、1つのアーム3422と、を含む。第1のクリート3416及び第2のクリート3418は、アンビル3410に回転可能に結合することができ、かつ(図13に示されるように)第1のクリート3416及び第2のクリート3418のアーム3422が互いに接触する捕捉構成と、第1のクリート3416及び第2のクリート3418のアーム3422が互いから離れて回転する非捕捉構成との間で、互いに対して回転可能であり得る。非捕捉構成では、縫合糸3414をクリート3416、3418の間に通すことができるように、第1のクリート3416と第2のクリート3418との間に間隙を画定することができる。クリート3416、3418の各々は、クリート3416、3418の各々を捕捉構成に向かって付勢することができるように、ねじりばねなどの付勢機構を更に含むことができる。
【0053】
動作中に、クリート3416、3418の各々は、(矢印3424によって示されるように)非捕捉構成に向かって移動することができる。縫合糸3414は、クリート3416、3418が非捕捉構成にあるとき、クリート3416、3418の間に画定されたクリート3416、3418の間の間隙に通すことができる。縫合糸3414がクリートを通して引っ張られて、縫合糸3414において十分な量の張力が達成された時点で、クリート3416、3418を解放し、よって、クリート3416、3418を捕捉構成に向かって付勢することができる。クリートのアーム3422は、(図13に示されるように)アームの間で縫合糸3414に係合して、縫合糸3414を張力付与状態で維持する。
【0054】
縫合糸グラバの別の例示的な実施形態は、図14及び図15に示されており、これらの図は、アンビル3432に画定された小さい切り欠き3430を例示する。切り欠き3430は、複数の交互の歯3434及び溝3436(図15に最も明確に示される)を含むことができ、よって、縫合糸3438が切り欠き3430を通して張力付与されて引っ張られたとき、縫合糸3438のストランドが噛み合って、歯3434及び溝3436によって捕捉される。歯3434及び溝3436は、ストランドが捕捉されたとき、縫合糸3438の運動を保持及び制限することができ、したがって、縫合糸3438が、張力を維持して、バットレスをアンビル3432に対して保持することを可能にする。
【0055】
縫合糸グラバの別の例示的な実施形態は、図16に示されており、この図は、アンビル3452に画定された成形溝3450を例示する。溝3450は、縫合糸脚部3456の端部において、対応して成形されたT字タグ3454を受容するように成形することができる。例示的な一実施形態では、縫合糸脚部3456は、T字タグ3454が溝3450の上に引っ張られるように張力付与して延伸させることができる。十分に張力付与された時点で、縫合糸脚部3456のT字タグ3454を解放することができ、よって、T字タグ3454が溝3450内に落ち込み、溝によって捕捉される。溝3450の壁3458は、溝3450内でT字タグ3454の横方向部分3460に接触してそれを保持し、外科処置中に、縫合糸脚部3456を張力付与状態に保ち、T字タグ3454を適所で維持することができる。別の例示的な実施形態では、T字タグ3454及び対応する溝は、厳しい公差を有する同様のジオメトリを有することができ、よって、T字タグ3454は、溝3450にプレス嵌めして縫合糸脚部3456の張力を維持することができるが、外科用ステープル留め処置の完了後に、T字タグ3454をアンビル3452から解放することができるような十分な緩さとすることができる。T字タグが図示及び説明されているが、例として正方形形状又は星形形状などの任意の好適なジオメトリ及び形状のタグ及び溝を、縫合糸脚部3456の端部に使用することができる。
【0056】
バットレス3470をアンビル3472に固定するための別の例示的な実施形態が図17に示されている。図17に示されるように、アンビル3472は、アンビルの外部頂面に沿って長手方向に離間された複数の溝3474a、3474bを含むことができる。第1の溝3474a及び第2の3474bは、それぞれアンビル3472の第1の横側3480及びアンビル3472の第2の横側3482から縫合糸ナイフポケット3478に向かって延在することができる。溝3474a、3474bの各々は、下で更に詳細に説明されるように、縫合糸脚部を捕捉して保持することができる、縫合糸挟持特徴3484を含むことができる。
【0057】
様々な実施形態では、バットレス3470は、そこから延在する複数の縫合糸脚部3486a、3486bを含むことができる。縫合糸脚部3486a、3486bは、縫合糸脚部3486a、3486bがバットレス3470をアンビル3472に対して維持することができるような任意の好適な様式で、バットレス3470に結合するか、又はそれを支持することができる。様々な実施形態では、縫合糸脚部3486a、3486bの各々は、隣接した溝3474a、3474b内に位置決めして、縫合糸挟持特徴3484によって溝3474a、3474b内で保持することができる。一態様では、横方向にオフセットされた溝3474a、3474b内の縫合糸脚部3486a、3486bは、縫合糸脚部3486a、3486bの端部を一緒に結んで結び目を作ることによってなど、任意の好適な様式で張力付与して、ともに結合することができる。結んだ時点で、結合した縫合糸脚部3486a、3486bは、バットレス3470の第1側から、溝3474a、縫合糸ナイフポケット3478、及び溝3474bを通って、バットレス3470の第2の側まで延在する、連続した縫合糸を形成する。
【0058】
図18に示されるように、縫合糸ナイフポケット3478の各々は、縫合糸ナイフ3488を含むことができる。縫合糸ナイフ3488の各々は、縫合糸ナイフポケット3478内で、かつそこを通って近位位置3490と遠位位置3492との間で移動可能である。例示的な一実施形態では、縫合糸ナイフ3488が近位位置3490と遠位位置3492の間で移動するときに、縫合糸ナイフ3488は、縫合糸ナイフポケット3478の上に存在する結合された縫合糸脚部3486a、3486bを切断する。様々な実施形態では、縫合糸ナイフ3488は、発射ビーム3082などの発射部材の動きに基づいて、エンドエフェクタ内の近位位置3490から遠位位置3492に向かって移動することができる。一実施例では、発射部材がエンドエフェクタ内を移動して、その中に位置決めされた組織を切断及びステープル留めするとき、発射部材は、縫合糸ナイフ3488の基部部分3496に当接することができる。他の実施形態では、縫合糸ナイフ3488は、縫合糸ナイフポケット3478の遠位位置3492に位置決めすることができ、よって、切断及びステープル留め処置後に発射部材を後退させたとき、発射部材が、基部部分3496に当接して、縫合糸ナイフ3488を近位に移動させ、結合された縫合糸脚部3486a、3486bを切断することができる。上述の実施形態は、アンビル3472からのバットレス3470の漸進的な解放を可能にする。
【0059】
上述のように、バットレスアプライヤカートリッジ3200は、組織がエンドエフェクタ内に位置決めされる前に、かつエンドエフェクタを作動させる前に、バットレス層をアンビル及びステープルカートリッジのデッキに適用するために利用され得る。エンドエフェクタは、器具の使用中に何回も作動され得、複数のステープルカートリッジが使用され得るので、操作者が、バットレス組立体をアンビルに繰り返しかつ容易に装填することを可能にし、同時に、エンドエフェクタの細長いチャネルに、バットレス層を含む新しいステープルカートリッジを装填するのを可能にすることが望ましい場合がある。換言すれば、エンドエフェクタは、単一の外科処置における器具の使用中に何回も作動され得るので、エンドエフェクタに、すでにバットレス層を含む新しいステープルカートリッジを再装填すること、及びバットレス層をアンビルに適用すること、の両方のための「ワンストップショップ」であるバットレスアプライヤカートリッジを含むことが望ましい場合がある。
【0060】
例示的な一実施形態では、図19を参照すると、細長いチャネル3601と、アンビル3602と、を含む、エンドエフェクタ3600が提供される。細長いチャネル3601は、基部3604と、基部から上方に延在する側壁3606と、を含む。細長いチャネル3601は、外科処置の間に取り外し可能に交換可能であり得るステープルカートリッジをその中で受容するようにサイズ決定及び構成されている。アンビル3602は、外面3608と、組織接触面3610と、を含むことができる(図20に示される)。下で更に詳細に考察されるように、アンビル3602の外面3608は、複数のノッチ3612と、凹状ポケット3614と、を含むことができる。エンドエフェクタ3600は、バットレス層を含むステープルカートリッジが細長いチャネル内に位置決めされている間、バットレス層を組織接触面3610に適用することができるように、下で更に詳細に考察されるように、バットレスアプライヤカートリッジ3500とインターフェースすることができる。
【0061】
続けて図19を参照すると、本開示の少なくとも一態様による、バットレスアプライヤカートリッジ3500が示されている。バットレスアプライヤカートリッジ3500は、開放端部3504及び閉鎖端部3506を画定する、略U字形状のハウジング組立体3502を含むことができる。ハウジング組立体3502は、ハウジング組立体3502の外側シェルを形成するために一緒に結合可能である、頂部ハウジング部分3508及び底部ハウジング部分3510を含む。頂部ハウジング部分3508及び底部ハウジング部分3510は、各々、第1の脚部3512と、第2の脚部3514と、閉鎖端部3506において第1の脚部3512を第2の脚部3514に接続する接続部分3516と、を含む。頂部ハウジング部分3508及び底部ハウジング部分3510は、例としてスナップ嵌め、ラッチ、プレス嵌めなどによって、任意の好適な結合機構と結合することができる。例示的な一実施形態では、ハウジング組立体3502は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第10,342,542号に記載されているものなどの、様々な内部構成要素を含むことができる。他の例示的な実施形態では、ハウジング組立体3502は、頂部ハウジング部分及び底部ハウジング部分に分離可能であることとは対照的に、一体構造であり得る。様々な実施形態では、バットレスアプライヤカートリッジ3500は、ユーザがバットレスアプライヤカートリッジ3500を握って位置決めすることを可能にする、脚部3512、3514の各々上にグリップ特徴3517(グリップ特徴は、第2の脚部3514上にだけ示されている)を含むことができる。
【0062】
バットレスアプライヤカートリッジ3500は、第1の脚部3512と第2の脚部3514の間に位置決めされ、かつ一般にハウジング組立体3502の接続部分3516から開放端部3504に向かって延在する、支持プラットホーム3518を更に含むことができる。支持プラットホーム3518は、力が印加されたときに支持プラットホーム3518が圧縮可能であるように、任意の好適な材料から製造することができる。様々な他の実施形態では、支持プラットホーム3518は、圧縮性とは対照的に、剛性であり得る。様々な実施形態では、支持プラットホーム3518は、ハウジング組立体3502によって支持することができる。例示的な一実施形態では、支持プラットホーム3518は、その外周の周りにリップを含むことができ、このリップは、頂部ハウジング部分3508及び底部ハウジング部分3510がともに結合されたときに頂部ハウジング部分3508と底部ハウジング部分3510との間で捕捉される。他の実施形態では、支持プラットホーム3518は、力が印加されたときに支持プラットホーム3518がハウジング組立体3502に対して実質的に支持されるような任意の好適な様式で、ハウジング組立体3502に結合することができる。例示的な一実施形態では、支持プラットホーム3518は、ハウジング組立体3502に一体的に結合することができる。様々な実施形態では、バットレスアプライヤカートリッジ3500は、バットレスアプライヤカートリッジ3200、3300などの本明細書に記載されるバットレスアプライヤカートリッジと同様の構造属性を有することができる。
【0063】
支持プラットホーム3218は、第1のバットレス層3520を支持することができる実質的に平面の頂面と、ステープルカートリッジ3522上のデッキ上に位置決めされたバットレス層3524とインターフェースする実質的に平面の底面と、を含むことができる。様々な実施形態では、下でより詳細に説明されるように、第1のバットレス層3520及び第2のバットレス層3524は、接着剤などの任意の好適な手段によって支持プラットホーム3218に取り外し可能に結合することができ、よって、第1のバットレス層3520及びステープルカートリッジ3522が外科用器具のエンドエフェクタ3600とインターフェースするまで、第1のバットレス層3520及び第2のバットレス層3524が、支持プラットホーム3518上に支持される。他の例示的な実施形態では、第1のバットレス層3520だけが、接着剤又は縫合糸などによって、支持プラットホーム3218に接着され、一方で、第2のバットレス層3524は、単にステープルカートリッジ3522によって支持される。第1のバットレス層3520及びステープルカートリッジ3524/第2のバットレス層3524をバットレスアプライヤカートリッジ3500に結合する他の例示的な実施形態が、下で説明される。
【0064】
バットレスアプライヤカートリッジ3500は、アンビルが吸収性層に接近したときに吸収性層をアンビルに固定するための装填組立体を含むことができる、第1の装填領域又はゾーン3529を更に含むことができる。様々な実施形態では、装填組立体は、複数の縫合糸適用組立体3530(図20において最も明確に示される)を含むことができる。縫合糸適用組立体3530の各々は、縫合糸アプライヤ3532を含むことができ、縫合糸アプライヤは、縫合糸アプライヤ本体3534と、カム表面3536と、アーム3538と、アーム3538から延在するプラグ3540と、アーム3538から延在するナイフ3542と、を含む。縫合糸アプライヤ本体3532の各々は、ピン3544の周りに、ハウジング組立体3502の脚部3512、3514のうちの1つに回転可能に結合される。縫合糸アプライヤ3532は、(図20の「前」側に示される)静止位置と(図20の「後」側に示される)作動位置との間で回転可能である。様々な実施形態では、トーションばね3546などの付勢機構を利用して、縫合糸アプライヤ3532を静止位置に付勢することができる。下でより詳細に説明されるように、縫合糸アプライヤ3532は、アンビル3602の外縁3616のカム表面3536に沿った動きに基づいて、作動位置に向かって回転することができる。
【0065】
縫合糸適用組立体3530の各々は、縫合糸脚部3548を更に含むことができる。図20に示されるように、横方向にオフセットされた縫合糸適用組立体3530は、各々、1つの共通の連続した縫合糸3550の縫合糸脚部3548を含む。縫合糸脚部3548は、プラグ3540の運動が縫合糸脚部3548の運動を生じさせるように、縫合糸アプライヤ3532のプラグ3540に結合することができる。一態様では、縫合糸3550は、縫合糸脚部3548の運動が第1のバットレス層3520を移動させることができるように、第1のバットレス層3520を支持することができる。例示的な一実施形態では、図20に示されるように、縫合糸3550は、1つの縫合糸アプライヤ組立体3530から、第1のバットレス層3520の底面の下に、及び横方向にオフセットされた縫合糸適用組立体3530まで延在する。
【0066】
縫合糸適用組立体3530の各々は、縫合糸アンカー3552を更に含むことができる。縫合糸アンカー3552は、ハウジング組立体3502に固定的に結合され、基部3554と、取り付け部分3556と、を含む。様々な実施形態では、縫合糸脚部3548は、取り付け部分3556に向かって延在して結合することができ、よって、下で更に詳細に説明するように、アプライヤ3532によって縫合糸脚部3548が縫合糸アンビル3602に向かって移動したときに、縫合糸アンカーが、縫合糸脚部3548の端部を保持し、縫合糸3550に張力を生じさせる。
【0067】
加えて、上で参照したように、バットレスアプライヤカートリッジ3500は、第2のバットレス層3524を含むことができるステープルカートリッジ3522を含む、第2の装填領域又はゾーン3603を更に含むことができる。様々な実施形態では、第2のバットレス層3524は、ステープルカートリッジをバットレスアプライヤカートリッジ3500に挿入する前にステープルカートリッジ3522に適用される接着剤又は縫合糸3561などによって、ステープルカートリッジ3522に結合することができる。様々な他の実施形態では、バットレスアプライヤカートリッジの第2の装填領域3603は、ステープルカートリッジをバットレスアプライヤカートリッジに装填すること、及びバットレス層をその中のステープルカートリッジに加えることができるように、縫合糸アプライヤを含むことができる。
【0068】
一態様では、ステープルカートリッジ3522は、バットレスアプライヤカートリッジ3500から延在するラッチ3562によって保持及び支持される、横方向に延在するフィン3561を含むことができる。ラッチ3562は、ステープルカートリッジ3522をバットレスアプライヤカートリッジ3500内で保持することができる、アーム3564を含む。下でより詳細に説明されるように、ラッチ3562は、細長いチャネル3601の側壁3606とインターフェースしてステープルカートリッジ3522を解放する、カム表面3566を更に含むことができる。
【0069】
動作中に、エンドエフェクタ3600のアンビル3602及び細長いチャネル3601は、図20の「前」側に示されるように、バットレスアプライヤカートリッジ3500の第1の装填領域3529に向かって導かれる。アンビル3602は、第1のバットレス層3520に向かって移動することができ、よって、アンビル3602のその外縁3616は、縫合糸アプライヤ3532のカム表面3536に係合し、それに沿って動くことができる。アンビル3602の外縁3616がカム表面3536に沿って動いたとき、アンビル3602は、縫合糸アプライヤ3632の横方向間隔により、バットレスアプライヤカートリッジ3500と長手方向に整列する。換言すれば、縫合糸アプライヤ3532は、バットレスアプライヤカートリッジ3500上に横方向に位置決めされ、よって、縫合糸アプライヤ3532は、アンビル3602をバットレスアプライヤカートリッジ3500の支持プラットホーム3518と集合的に整列させ、アンビル3602が第1のバットレス層3520に接近したときにアンビル3602が適切に配列されることを確実にする。
【0070】
上で説明したように、一態様では、カム表面3536に沿ったアンビル3602の外縁3616の継続的な運動は、縫合糸アプライヤ3532を作動位置に向かって回転させる。アンビル3602が第1のバットレス層3520に向かって導かれるとき、縫合糸アプライヤ3532が回転して、縫合糸脚部3548をアンビルノッチ3612に通し、更に、縫合糸プラグ3540、アンビル3602に画定された凹状ポケット3614内に押し込むことができる。縫合糸プラグ3540は、縫合糸プラグ3540が、したがって縫合糸脚部3548がアンビル3602に結合されるように、凹状ポケット3614にプレス嵌めすることができる。更に、縫合糸プラグ3540が凹状ポケット3614に圧入されたときに、縫合糸アンカー3552が、縫合糸脚部3548の凹状ポケット3614に向かう運動に抵抗し、縫合糸3550に張力を生じさせ、縫合糸3550が、第1のバットレス層3520をアンビルの組織接触面3610に対して確実に押圧することを可能にする。縫合糸アプライヤ3532が作動位置に到達したときに、縫合糸アプライヤ3532のナイフ3542が縫合糸脚部3548と接触して切断し、縫合糸3550をバットレスアプライヤカートリッジ3500から解放することができる。
【0071】
上記に加えて、様々な実施形態では、バットレスアプライヤカートリッジ3500は、アンビル3602を第1のバットレス層3520と適切に整列させるのを更に支援する、アンビルセンタリング特徴3558を更に含むことができる。アンビルセンタリング特徴3558は、支持プラットホーム3518から第1のバットレス層3520まで延在することができ、アンビル3602の細長いチャネル3618内で受容することができる。アンビルセンタリング特徴3558は、アンビルセンタリング特徴3558がアンビル3602を第1のバットレス層3520と適切に整列させるようにサイズ決定される。
【0072】
図20の「前」側に示されるように、第1のバットレス層3520がアンビル3602に適用されるのと実質的に同時に、エンドエフェクタ3600の細長いチャネル3601を第2の装填領域3603に向かって移動させることができる。バットレスアプライヤカートリッジ3500のハウジング組立体3502は、細長いチャネル3601がステープルカートリッジ3522に向かって動くときに細長いチャネル3601の側壁3606に当接するようにサイズ決定及び位置決めされた案内壁3560を含むことができる。案内壁3560は、側壁3606が案内壁3560に係合した場合、側壁3606が案内壁3560に沿って動いて、ラッチ3562のカム表面3566と適切に整列するように、ステープルカートリッジの基部に向かって傾斜付けされる。
【0073】
図20の「後」側に示されるように、細長いチャネル3601の基部3604がステープルカートリッジ3522の基部に向かって動くときに、側壁3606がステープルカートリッジ3522の側壁に沿って進行して、ラッチ3562のカム表面3566に係合することができる。側壁3606及びラッチ3562は、側壁3606がカム表面3566に係合したときにラッチ3562のアーム3564がフィン3561から離れて撓曲し、ステープルカートリッジ3522をバットレスアプライヤカートリッジ3500から解放することができるような厚さの任意の好適な材料で作製される。ラッチ3562がフィン3561から係合解除したときに、細長いチャネル3601の基部3604が、ステープルカートリッジ3522の基部に係合することができ、側壁3606がステープルカートリッジ3522のフィン3561に係合し、したがって、ステープルカートリッジ3522を細長いチャネル3601と取り外し可能に結合する。
【0074】
上で説明した様式で、アンビル3602及び細長いチャネル3601を、実質的に同時にバットレスアプライヤカートリッジに向かって導くことができ、よって、細長いチャネル3601がステープルカートリッジ3522に係合したときにアンビル3602が第1のバットレス層3520に係合し、アンビル3602及び細長いチャネル3601が支持プラットホーム3518に十分な力を印加することができ、よって、ユーザが、縫合糸脚部3548をアンビルに取り付けて、ステープルカートリッジ3522を細長いチャネル3601内に取り外し可能に着座させるための十分な力を生じさせることを確実にすることが理解されるべきである。
【0075】
加えて、バットレスアプライヤカートリッジ3500は、エンドエフェクタ3600とバットレスアプライヤカートリッジ3500との適切な整列を感知又は検出することができる、複数のセンサを更に含むことができる。例示的な一実施形態では、支持プラットホーム3518は、バットレスアプライヤカートリッジ3500の閉鎖端部3506の近くに位置決めされた第1のセンサ3568と、バットレスアプライヤカートリッジ3500の開放端部3504の近くに位置決めされた第2のセンサ3570と、を含むことができる。アンビル3602の組織接触面3610を第1のバットレス層3520と接触させたとき、第1のセンサ3568及び第2のセンサ3570は、支持プラットホーム3518に対するアンビル3602の整列を検出して、アンビル3602が適切に整列しているかどうかを判定することができる。
【0076】
例示的な一実施形態では、第1のセンサ3568及び第2のセンサ3570は、アンビル3602をバットレスアプライヤカートリッジと適切に整列させたときに回路を形成する、抵抗器を備えることができる。別の例示的な実施形態では、第1のセンサ3568及び第2のセンサ3570は、アンビル3602に結合された磁石を検出する、ホール効果センサを備えることができる。様々な他の実施形態では、第1のセンサ3568及び第2のセンサ3570は、組織接触面3610が第1のバットレス層3520に到達する前に、又はアンビル3602の外縁3616が縫合糸アプライヤ3532のカム表面3536に係合する前に、アンビル3602の位置を感知することができ、したがって、ユーザが、アンビル3602を第1のバットレス層に向かって移動させる前に、アンビル3602がバットレスアプライヤカートリッジ3500内で長手方向かつ横方向に適切に整列しているかどうかを知り、アンビル3602が適切に整列される前に、縫合糸アプライヤ3532が不用意に作動しないことを確実にすることを可能にする。上で説明したセンサは、アンビルの適切な整列に関して考察されたが、センサを利用して、バットレスアプライヤカートリッジ3500内の細長いチャネル3601の適切な横方向及び長手方向の整列を確実にする、様々な他の実施形態が想到される。
【0077】
様々な実施形態では、バットレスアプライヤカートリッジ3500は、第1のセンサ3568及び第2のセンサ3570と電気的に通信するディスプレイ3572を更に含むことができる。ディスプレイ3572は、アンビル3602及び/又は細長いチャネル3601がバットレスアプライヤカートリッジ内で適切に整列しているかどうかなどの、第1のセンサ3568及び第2のセンサ3570によって感知された情報に関する可聴フィードバック又は視覚フィードバックをユーザに提供することができる。ディスプレイ3572がまた、その中に位置決めされたカートリッジ3522のサイズ、状態情報、又はバットレスアプライヤカートリッジ3500が損傷した場合のエラーメッセージなどの、バットレスアプライヤカートリッジ3500に関する追加的な情報をユーザに提供することができる、様々な他の実施形態が想定される。
【0078】
ここで、図21及び図22を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、別のバットレスアプライヤカートリッジ3640が提供されている。バットレスアプライヤカートリッジ3640は、支持プラットホーム3642と、第1の側壁3644と、第2の側壁3646と、を含む。側壁3644、3646は、支持プラットホーム3642から離れる方向に延在して、バットレスアプライヤカートリッジ3640の頂部側及び底部側に陥凹領域3648、3650を画定する。
【0079】
図21を参照すると、第1の陥凹領域3648が平面の支持プラットホーム3642上に位置決めされたバットレス層3652を含むことができる、第1の実施形態が提供されている。バットレス層3652は、バットレス層3652の表面から延在する細長い支持体3654を含むことができる。細長い支持体3654は、一例として、細長い支持体3654を、細長いチャネル3618などのアンビルの細長いチャネル内で受容することができるようにサイズ決定及び製造される。アンビルがバットレス層3652に向かって導かれたとき、細長い支持体3654は、バットレス層3652をアンビルに着脱可能に結合するように変形して、細長いチャネルにプレス嵌めすることができる。
【0080】
図22を参照すると、第1の陥凹領域3648が平面の支持プラットホーム3642上に位置決めされたバットレス層3656を含むことができる、第2の実施形態が提供されている。バットレス層3656は、バットレス層3652の表面から延在する複数のピン3658を含むことができる。ピン3658は、一例として、ピン3658を、細長いチャネル3618などのアンビルの細長いチャネル内で受容することができるようにサイズ決定及び製造される。アンビルがバットレス層3656に向かって導かれたとき、ピン3658は、バットレス層3656をアンビルに着脱可能に結合するように変形して、細長いチャネルにプレス嵌めすることができる。様々な他の実施形態では、ピンは、長手方向に整列させるのとは対照的に、横方向に整列させることができる。そのような実施形態では、アンビルは、ピンをアパーチャにプレス嵌めすることができるように、組織接触面に画定されたアパーチャを含むことができる。このようにして、バットレスアプライヤカートリッジは、ピンによりアンビルに結合することができるが、ピンは、細長いチャネルから離れて位置決めされる。
【0081】
上で提供されたバットレスアプライヤカートリッジは、第1の陥凹領域3648内に位置決めされたバットレス層を有するように図示及び説明したが、バットレス層はまた、第2の陥凹領域3650の支持プラットホーム3642に対して位置決めすることができることが理解されるべきである。また、バットレス層3652、3656は、本明細書に記載されるバットレスアプライヤカートリッジ3200、3500及び任意の他のバットレスアプライヤカートリッジなどの、様々なバットレスアプライヤカートリッジで利用することができることが理解されるべきである。
【0082】
ここで、図23を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、バットレス層をアンビルに取り付けるための別のバットレスアプライヤカートリッジ3680が提供されている。バットレスアプライヤカートリッジ3680は、支持プラットホーム3684を含むハウジング組立体3682と、基部3686と、支持プラットホーム3684を基部3686に接続する壁3688と、を含むことができる。様々な実施形態では、支持プラットホーム3684は、その上でバットレス層3690を支持するようにサイズ決定される。様々な実施形態では、支持プラットホーム3684及びバットレス層3690はどちらも、それらに画定されたスロット3692を含むことができ、よって、バットレス層3690が支持プラットホーム3684に適切に整列したとき、スロット3692は、支持プラットホーム3684を通してハウジング組立体3682の内部3694に開口部が画定されるように整列することができる。様々な他の実施形態では、下でより詳細に説明されるように、支持プラットホーム3684だけが、スロット3692を含み得る。
【0083】
ここで、図23及び図24を参照すると、ハウジング組立体3682は、ハウジング組立体3682の内部3694内に位置決めされたばね付勢キー組立体3696を更に含むことができる。ばね付勢キー組立体3696は、ばね3698と、ばね3698に結合されたキー3700と、を含むことができる。様々な実施形態では、キー3700は、基部3702と、基部3702から延在する整列特徴3704と、を含むことができる。ばね付勢キー組立体3696は、(図23に示される)ばね3698が圧縮されてキー3700がハウジング組立体3682内に位置決めされる静止位置と、(図24に示される)ばねが伸長してキー3700が支持プラットホーム3684及びバットレス層3690のスロット3692を通って延在する作動位置との間で移動可能であり得る。上で参照したような、支持プラットホーム3684だけがスロット3692を含む実施形態では、整列特徴3704は、整列特徴3704が作動位置に向かって移動したときに、ナイフが支持プラットホーム3684のスロット3692を通って移動してバットレス層3690を貫通することができるように、ブレードを含むことができる。
【0084】
上で参照したように、バットレスアプライヤカートリッジ3680は、バットレス層3690などのバットレス層をアンビル3706に取り付けることができる。様々な実施形態では、アンビル3706は、キー3700の整列特徴3704を受容することができる、その中に画定された細長いチャネル3708を含むことができる。動作中に、アンビル3706の組織接触面3710は、支持プラットホーム3684上に位置決めされたバットレス層3690に押し下げることができる。上で説明したように、バットレス層3690及びバットレスアプライヤカートリッジ3680に印加された圧力に基づいて、ばね付勢キー組立体3696が静止位置から作動位置まで移動するように、ばね付勢キー組立体3696を作動させることができる。様々な実施形態では、支持プラットホーム3684は、アンビル3706がハウジング組立体3682に印加する圧力を感知することができる圧力センサを含むことができる。アンビル3706によって閾値圧力に到達した、又はそれを超えた時点で、ばね付勢キー組立体3696を作動させて、作動位置まで移動させることができる。アンビル3706によって十分な力が提供されたときにばね付勢キー組立体3696を作動させることができる、様々な他の実施形態が想定される。
【0085】
一態様では、ばね付勢キー組立体3696を作動させたとき、整列特徴3704は、ハウジング組立体3682から、スロット3692を介して、アンビル3706の細長いチャネル3708内まで延在することができる。整列特徴3704は、バットレス層3690をアンビル3706に取り付けるプロセス中に、バットレス層3690が、アンビル3706の組織接触面3710上のその適切な位置から位置ずれすることができないことを確実にすることができる。様々な態様では、バットレス層3690のスロット3692の位置及びバットレスアプライヤカートリッジ3680内の整列特徴3704によって、アンビル3706の長軸に沿った並進、アンビル3706の短軸に沿った並進、又はアンビル3706を通る垂直軸の周りに回転において、バットレス層3690の位置ずれを維持することができることを確実にすることができる。様々な他の実施形態では、バットレスアプライヤカートリッジ3680のスロット3692は、バットレス層3690のスロット3692よりも大きくなるようにサイズ決定することができ、よって、キー3700の基部3702は、ハウジング組立体3682から延在し、バットレス層3690の底面に当接して、バットレス層3690をアンビル3706の組織接触面3710に押し付けて、整列プロセス中にバットレス層3690がアンビル3706に対して移動しないことを確実にするのを補助することができる。
【0086】
一例として、接着剤などによって、バットレス層3690がアンビル3706の組織接触面3710に適切に整列及び固定された時点で、アンビル3706は、バットレスアプライヤカートリッジ3680から離れて移動することができ、この移動は、ばね付勢キー組立体3696を静止位置まで逆に後退させることができる。例示的な一実施形態では、圧力センサは、アンビル3706がバットレスアプライヤカートリッジ3680に印加する圧力を連続的に感知することができる。印加された圧力が、上で説明したばね付勢キー組立体3696を作動させた閾値レベルなどの、閾値レベル以下に低下したとき、機構はばね付勢キー組立体3696を静止位置まで逆に後退させることができる。様々な実施形態では、ばね付勢キー組立体3696を後退させるための閾値レベルは、バットレス層3690の整列プロセス中に、ばね付勢キー組立体3696を作動させるために必要な圧力レベルを維持する必要がないように、ばね付勢キー組立体3696を作動位置に移動させた元の閾値レベルより低くすることができる。様々な実施形態では、ばね付勢キー組立体3696を後退させるための閾値レベルは、圧力センサがゼロ力を感知していることであり得、したがって、アンビル3706がバットレスアプライヤカートリッジ3680から離れて移動し終わっていることを示す。
【0087】
ここで、図25を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、バットレス組立体3720が提供されている。バットレス組立体3720は、バットレス層3722から延在するバットレス層3722と、複数のブラケット3724と、を含む。下でより詳細に説明するように、ブラケット3724は、閾値力がブラケット3724に印加されたときに、ブラケット3724をバットレス層3722からスナップ解除して解放するように、接着剤などによる好適な様式でバットレス層3722に結合することができる。
【0088】
様々な実施形態では、図26を参照すると、バットレス組立体3720は、その外周の周りに画定された複数のノッチ3728を含むアンビル3726に結合することができる。例示的な一実施形態では、バットレス組立体3720のブラケット3724の各々は、対応するノッチ3728によってブラケット3724の各々がスナップ留めされて捕捉されたときに、バットレス層3722をアンビル3726と適切に横方向及び長手方向に整列させることができるように、アンビル3726のノッチ3728と整列させることができる。
【0089】
一態様では、ラケット3724及びノッチ3728によりバットレス組立体3720がアンビル3726に結合された時点で、アンビル3726を外科用ステープル留め処置において利用することができる。図26に示されるように、切断及び発射ストロークの完了後に、バットレス層3722を切断して組織3730にステープル留めすることができる。ステープル3732(図26では3つが指し示されている)によってバットレス層3722を組織3730に保持することにより、アンビル3726を組織3730から引き離すことができる。様々な実施形態では、アンビル3726が組織3730から離れて移動するとき、ブラケット3724は、ブラケット3724をノッチ3728において保持し、ブラケット3724をバットレス層3722から解放させるような十分な剛性であり得る。ブラケット3724がバットレス層3722から分離された時点で、臨床医は、ブラケット3724をノッチ3728から取り外して、アンビル3726に新しいバットレス組立体3720を再装填することができる。バットレス層3722をアンビル3726に結合することができるブラケットを図示及び説明したが、ブラケット3724を、バットレス層3722をアンビル3726に結合するための他の構造体と置き換える、又はそれとともに利用する、様々な実施形態は想定される。様々な実施形態では、これらの他の構造体は、ピン、磁石、又はスロット機構を備えることができる。
【0090】
ここで、図27を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、バットレス組立体3750が提供されている。バットレス組立体3750は、バットレス層3752と、結合部材3754と、ブラケット3756と、を含むことができる。一態様では、下でより詳細に説明されるように、バットレス層3752がアンビル3780に結合したとき、バットレス層3752がアンビル3780の組織接触面3784上の複数のステープル形成ポケット3782を覆うことができるように、結合部材3754及びブラケット3756は、中央バットレス軸3758に沿って長手方向に整列させ、かつ横方向に離間することができる。
【0091】
様々な実施形態では、結合部材3754は、バットレス層3752から延在する基部3760と、基部3760から延在する頭部3762と、を含むことができる。基部3760は、接着剤などによる任意の好適な様式でバットレス層3752に結合することができる。他の実施形態では、結合部材3754は、バットレス層3752一体構造とすることができ、かつバットレス層3752と同じ材料を含むことができる。様々な実施形態では、頭部3762をアンビル3780の細長いチャネル3786にプレス嵌めすることができ、それによって、バットレス層3752をアンビル3780に保持することができるように、頭部3762は、任意の好適な形状を含むことができる。例示的な一実施形態では、図27に示されるように、頭部3762は、結合部材3754が矢状の形状を形成するように、三角形形状を含むことができる。三角形頭部3762は、頭部3762が(図28に示される)アンビル3780の内側接触面3770に当接して、アンビル3780に対して結合部材3754を、したがって、バットレス層3752を保持することができるように、細長いチャネル3786内に押圧することができる。結合部材3754がT字形状を形成するような長方形状の頭部などの、三角形形状の頭部とは対照的に使用することができる、様々な他の形状が本開示によって想到される。1つの結合部材3754が図示及び説明されているが、複数の結合部材3754を利用して、バットレス層3752を支持して、バットレス層3752を組織接触面3784に対して保持することができる。
【0092】
様々な実施形態では、ブラケット3756は、バットレス層3752に着脱可能に結合された基部3764と、基部3760から延在する頭部3766と、を含むことができる。下でより詳細に説明されるように、基部3764は、閾値力がブラケット3756に印加されたときに基部3764をバットレス層3752から解放することができるように、接着剤などの任意の好適な様式でバットレス層3752に着脱可能に結合することができる。様々な実施形態では、ブラケット3756は、バットレス層3752とは異なる材料を含むことができる。例示的な一実施形態では、ブラケット3756は、プラスチックで構成することができる。ブラケット3756及びバットレス層3752が同じ材料を含む、他の実施形態が想定される。
【0093】
一態様では、頭部3766は、アンビル3780の細長いチャネル3786の遠位端にあるアパーチャ3768によって受容することができる(図27の破線によって例示されている)。アパーチャ3768内に挿入された時点で、(図28に示されるように)頭部3766がアンビル3780の細長いチャネル3786内に位置決めされるように、バットレス組立体3750を(アンビル3780の先端から離れた)近位に移動させることができる。頭部3766は、頭部3766が細長いチャネル3786の接触面3770に当接し、それによって、ブラケット3756を、したがって、バットレス層3752をアンビル3780に結合するようにサイズ決定することができる。様々な例示的な実施形態では、上で説明したように、頭部3766がアパーチャ3768内で受容されているとき、結合部材3754の頭部3762もまた、細長いチャネル3786に挿入されている状態であり得る。結合部材3754の頭部3762が細長いチャネル3786に挿入され、ブラケット3756の頭部3766がアパーチャ3768内に位置決めされた時点で、結合部材3754の頭部3762及びブラケット3756の頭部3766が細長いチャネル3786の接触面3770に係合し、それによって、バットレス層3752をアンビル3780に保持するように、バットレス組立体3750を近位に引っ張ることができる。
【0094】
本明細書の他の場所で説明されるように、結合部材3754及びブラケット3756によりバットレス層3752がアンビル3780に結合された時点で、外科用ステープル留め処置においてアンビル3780を使用することができる。一態様では、図27に示されるように、ナイフ部材3790は、外科用ステープル留め処置中に、アンビルをアンビル3780の遠位先端に向かって横断することができる。例示的な一実施形態では、ナイフ部材3790は、ナイフ部材3080と同様であり得る。ナイフ部材3790は、ナイフ部材3790が細長いチャネル3786を横断するときにアンビル3780の接触面3770に係合することができる当接面を含むことができる。ナイフ部材3790はまた、ナイフ部材が細長いチャネル3786を横断するときに組織及びバットレス層3752を切断するための組織切断ブレード3794を含むことができる。
【0095】
動作中に、ナイフ部材3790は、アンビル3780の細長いチャネル3786を通って遠位に横断し、バットレス層3752に対して位置決めされたバットレス層3752及び組織をブレード3794で切断することができる。ブレード3794が結合部材3754に遭遇したとき、ブレード3794は、結合部材3754を切断し、結合部材3754が結合されたバットレス層3752の一部分を解放することができる。他の例示的な実施形態では、ナイフ部材3790は、結合部材3754の頭部3762が細長いチャネル3786から押し出されて、更にブレード3794によって切断されるように結合部材3754に当接する。一態様では、ナイフ部材3790は、ナイフ部材3790が結合部材3754をアンビル3780から解放した後、長いチャネル3786内に結合部材3754が殆ど又は全く残らないように設計されている。
【0096】
上記から続けると、図28に示されるように、ナイフ部材3790は、アンビル3780の細長いチャネル3786を通って横方向に遠位に横断して、ブラケット3756に接近することができる。様々な実施形態では、当接面3792は、ブラケット3756の頭部3766に当接して、ブラケット3756をバットレス層3752から解放するのに十分な力を印加することができる(図29に示される)。当接面3792は、ブラケット3756を遠位に押し付けて、頭部3766をアンビル3780の受容領域3796内に押し込むことができる。ナイフ部材3790がブラケットを受容領域3796内に位置決めした後、ナイフ部材3790を近位に後退させて、ブラケット3756を受容領域3796内に位置決めしたままにすることができる。この時点で、外科用器具のユーザは、手術部位からアンビルを取り外し、アパーチャ3768を通してアンビル3780の受容領域3796からブラケット3756を手動で取り外して、新しいバットレス組立体3750をアンビル3780に取り付けることができる。
【0097】
ここで、図30を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、アンビル3800が提供されている。アンビル3800は、ピン3804の周りにアンビル3800に回転可能に結合された複数のレバー3802を含むことができる。様々な実施形態では、レバー3802は、摩擦クランプであり、これは、レバー3802をピン3804の周りに回転させるのに十分な力が印加されるまで、レバー3802がそれらの位置をピン3804の周りに保持することができることを意味する。一態様では、レバー3802は、本体3806と、本体3806から延在するアーム3808と、を含むことができる。
【0098】
様々な実施形態では、アンビル3800は、(図31により詳細に示される)複数の縫合糸受容器3810を更に含むことができる。様々な実施形態では、縫合糸受容器3810は、第1のアーム3812と、第1のアーム3812から離間された第2のアーム3814と、含み、それらの間に間隙を画定することができる。下でより詳細に説明されるように、使用時に、縫合糸受容器3810は、第1のアーム3812と第2のアーム3814の間で縫合糸脚部3816を受容することができる。様々な実施形態では、第1のアーム3812及び第2のアーム3814は、縫合糸脚部3816を第1のアーム3812と第2のアーム3814との間にプレス嵌めして保持することができるように離間される。
【0099】
一態様では、図30に示されるように、バットレス層3820は、アンビル3800の組織接触面3822とインターフェースすることができる。様々な実施形態では、バットレス層3820は、そこから延在する複数の縫合糸脚部3816を含むことができる。縫合糸脚部3816は、本明細書の他の場所で説明されている様式などの任意の好適な様式で、縫合糸脚部3816がバットレス層3820をアンビル3800の組織接触面3822に対して支持することができるように、バットレス層3820に結合することができる。
【0100】
図30に示されて、上で説明されているように、バットレス層3820は、アンビル3800の組織接触面3822とインターフェースすることができる。一態様では、バットレス層3820が組織接触面とインターフェースしたとき、縫合糸脚部3816は、アンビル3800の外面の周りに巻き付いて、縫合糸受容器3810向かって延在することができる。例示的な一実施形態では、縫合糸脚部3816は、対応する縫合糸受容器3810の第1のアーム3812及び第2のアーム3814内にプレス嵌めすることができる。縫合糸脚部3816が縫合糸受容器3810内に位置決めされた時点で、レバー3802をピン3804の上に回転させることができ、よって、レバー3802のアーム3808は、図32に示されるように、縫合糸脚部3816に係合し、それによって、縫合糸脚部3816を、したがって、バットレス層3820をアンビル3800に解放可能に保持する。本明細書の他の場所で説明されるように、バットレス層3820がアンビル3800に結合された時点で、アンビル3800を外科処置において利用することができる。
【0101】
例示的な一実施形態では、アンビル3800が利用されている外科用器具がステープル留め動作において利用された後、一例として、外科用ハサミなどの任意の好適な様式で、バットレス層3820から縫合糸脚部3816を切断し、アンビル3800を患者から取り外すことができる。一態様では、図33に示されるように、アンビル3800が患者から取り外された時点で、レバー3802のアーム3808をアンビル3800から離れて回転させることができ、縫合糸脚部3816を縫合糸受容器3810から取り外すことができる。縫合糸脚部が縫合糸受容器3810から取り外された後、上で説明したものと同じ様式で、縫合糸脚部3816を含む新しいバットレス層3820をアンビル3800に結合することができる。
【0102】
ここで、図34図36を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、ロックアウト機構3824が提供されている。様々な実施形態では、ロックアウト機構3824は、エンドエフェクタのアンビル内に位置決めすることができる。様々な実施形態では、ロックアウト機構3824は、エンドエフェクタの細長いチャネル及び/又はステープルカートリッジ内に位置決めすることができる。様々な実施形態では、下で更に詳細に考察されるように、ロックアウト機構3824は、エンドエフェクタの細長いスロットとインターフェースすることができ、よって、ロックアウト機構は、エンドエフェクタの細長いチャネルを通して、発射部材に係合して、その進行を阻止することができる。一態様では、ロックアウト機構3824は、エンドエフェクタのIビームスロットとインターフェースすることができる。
【0103】
様々な実施形態では、ロックアウト機構3824は、板ばね3826を含むことができる。一態様では、板ばね3826は、単一の一体構造を備えることができる。他の態様では、板ばね3826は、一緒にグループ化して板ばね3826を形成する一群の同様の構造を備えることができる。様々な実施形態では、板ばね3826は、(図35に示される)収縮構成と(図36に示される)拡張構成との間で移行可能であり得る。1つの板ばね3826が図示及び説明されているが、1つを超える板ばね3826が利用される、様々な他の実施形態が想定される。一態様では、板ばね3826は、中央本体3828と、中央本体3828から延在する第1のアーム3830と、中央本体3828から延在する第2のアーム3832と、を含むことができる。第1のアーム3830及び第2のアーム3832は、板ばね3826を収縮構成と拡張構成の間で移行させるように、中央本体3828に対して回転可能であり得る。
【0104】
図34図36に示されるように、ロックアウト機構3824は、第1の窓3834と、第2の窓3836と、を含むことができる。第1の窓3834は、板ばね3826の第1のアーム3830を受容するようにサイズ決定され、第2の窓3836は、板ばね3826の第2のアーム3832を受容するようにサイズ決定される。様々な実施形態では、板ばね3826は、(図35に示される)ロック解除位置と(図36に示される)ロックアウト位置との間で、窓3834、3836に対して移動可能であり得る。一態様では、板ばね3826がロックアウト位置へ移動したとき、第1のアーム3830は、第1の窓3834内へ回転することができ、第2のアーム3832は、第2の窓3836内へ回転することができる。板ばね3826がロックアウト位置にあるとき、第1のアーム3830は、第1の窓3834に係合することができ、第2のアーム3832は、第2の窓3836に係合することができ、それによって、板ばね3826がロック解除位置に向かって逆に移動するのを阻止する。様々な実施形態では、板ばね3826がロックアウト位置にある時点で、板ばね3826は、ロックアウト位置に恒久的に係止される。様々な他の実施形態では、板ばね3826は、ロック解除位置にリセットすることができる。例示的な一実施形態では、ユーザは、自分の指を使用して、第1のアーム3830及び第2のアーム3832を、それぞれ第1の窓3834及び第2の窓3836を通して中央本体3828に向かって押圧し、それによって、板ばね3826がロック解除位置に逆に移動することを可能にすることができる。
【0105】
様々な実施形態では、ロックアウト機構3824は、ピストンヘッド3838を含むことができる。ピストンヘッド3838は、バットレス層3840がエンドエフェクタ内に存在するかどうかを検出するように移動可能であり得る。例示的な一実施形態では、図35に示されるように、バットレス層3840が存在する事例では、ピストンヘッド3838は、バットレス層3840に接触することができる。別の例示的な実施形態では、図36に示されるように、バットレス層が存在しない事例では、ピストンヘッド3838は、バットレス層3840が位置決めされた位置を越えて移動することができる。そのような事例では、下でより詳細に説明されるように、ピストンヘッド3838は、バットレス層3840の位置を越えて移動することで、板ばね3826を作動させて拡張構成に移行させ、それによって、ロックアウト状態を生じさせることができる。様々な実施形態では、ロックアウト機構3824がロックアウト状態であるとき、外科用器具の発射部材は、発射ストロークを行うことが阻止される。
【0106】
続けて図35及び図36を参照すると、ロックアウト機構3824は、ピストンロッドシャフト3842と、ピストンロッドシリンダ3844と、を含むことができる。様々な実施形態では、ピストンロッドシャフト3842は、ピストンヘッド3838に結合又は固定することができ、ピストンロッドシャフト3842の遠位端3843は、ピストンヘッド3838において終端する。様々な実施形態では、ピストンロッドシリンダ3844は、板ばね3826に結合又は固定することができ、ピストンロッドシリンダ3844の遠位端3845は、板ばね3826において終端する。一態様では、ピストンロッドシリンダ3844は、中空で、ピストンロッドシャフト3842の外径よりも大きい内径を含むことができる。そのような態様では、ピストンロッドシャフト3842は、ピストンシリンダ3844内を自由に摺動可能であり得る。様々な実施形態では、コイルばねなどのばね3846は、板ばね3826及びピストンヘッド3838に結合することができ、これは、ピストンロッドシャフト3842をピストンロッドシリンダ3844から離れるように付勢させることができる。
【0107】
例示的な一動作では、図35に示されるように、バットレス層3840が存在するとき、ピストンヘッド3838は、コイルばね3846によってバットレス層3840に向かって押される。例示的な一実施形態では、ピストンヘッド3838は、外科用器具の動作前に適所で保持することができる。外科用器具を作動させて、発射部材をエンドエフェクタ内で移動させ始めた時点で、ピストンヘッド3838を解放し、ロックアウト機構3824を始動することができる。一態様では、コイルばね3846は、ロックアウト機構3838を作動させたときにコイルばね3846がピストンヘッド3838をバットレス層3840の位置に向かって押し出すことができるように、部分的に圧縮される。様々な実施形態では、板ばね3826は、板ばね3826が上方へ移動すること、及びバットレス層3840の位置から離れることが阻止されるように、例として、摩擦嵌め又はピストンロッドシリンダ3844になどによって、少なくとも実質的に適所で保持される。
【0108】
続けて図35を参照すると、バットレス層3840が存在するとき、ピストンヘッド3838は、バットレス層3840の表面に当接して、ピストンヘッド3838の更なる運動を停止させる。ピストンヘッド3838がバットレス層3840に向かって変位することにより、ばね3846内に張力が生じ、コイルばね3846に、板ばね3826に力を付与させ、板ばね3826をピストンヘッド3838に向かって引っ張ることができる。板ばね3826がバットレス層3840に向かって移動したとき、ピストンヘッド3838がバットレス層3840によって適所で保持されることにより、コイルばね3846が圧縮され始める。コイルばね3846が圧縮されたとき、コイルばね3846の抵抗力が増大して、第1のアーム3830及び第2のアーム3832が、それぞれ第1の窓3834及び第2の窓3836に到達し得る前に、板ばね3826が進行するのを停止し、ロックアウト状態を阻止する。一態様では、ロックアウト状態を阻止するは、発射部材が遮られずにエンドエフェクタを通って自由に進行することを可能にする。
【0109】
別の例示的な動作では、バットレス層が存在しないとき、図36に示されるように、ピストンヘッド3838は、コイルばね3846によってバットレス層3840に向かって押される。一態様では、コイルばね3846は、ロックアウト機構3838を作動させたときにコイルばね3846がピストンヘッド3838をバットレス層3840の意図した位置に向かって押し出すことができるように、部分的に圧縮される。様々な実施形態では、板ばね3826は、板ばね3826が上方へ移動すること、及びバットレス層3840の位置から離れることが阻止されるように、例として、摩擦嵌め又はピストンロッドシリンダ3844になどによって、少なくとも実質的に適所で保持される。
【0110】
続けて図36を参照すると、バットレス層が存在しないとき、ピストンヘッド3838は、バットレス層3840が位置付けられる意図した位置を越えて移動する。ピストンヘッド3838がバットレス層3840の意図した位置に向かって変位することにより、ばね3846内に張力が生じ、コイルばね3846に、板ばね3826に力を付与させ、板ばね3826をピストンヘッド3838に向かって引っ張ることができる。バットレス層3840が存在せず、かつピストンヘッド3838がバットレス層3840の意図した位置を越えて移動し続けることが可能であるとき、コイルばね3846は、バットレス層3840が存在する場合と同じ比率で圧縮しない。コイルばね3846が板ばね3826の運動を阻止するのに十分なコイル抵抗力を生じさせることができないとき、板ばね3826の第1のアーム3830及び第2のアーム3832は、それぞれ第1の窓3834及び第2の窓3836に到達し、したがって、展開位置まで作動して、ロックアウト状態を開始することができる。様々な実施形態では、ロックアウト状態は、エンドエフェクタを通した発射部材の遠位並進を阻止することを含むことができる。
【0111】
様々な実施形態では、ロックアウト機構3824は、弾性変形を可能にしてロックアウトを制御するために、主にプラスチックから作製することができる。様々な実施形態では、ピストンロッドシャフト3842及びピストンロッドシリンダ3844は、剛性を高めるために金属で構成し、それによって、ロックアウト機構3824が、発射部材の横装填に抵抗すること、及び、例としてアンビル又はチャネル本体などのエンドエフェクタの一部分への接続を可能にすることができる。ロックアウト機構3824は、他の機構と併せて配置して、アンビル又はカートリッジ本体の全域にわたる適切なバットレスの位置決めの検出を可能にすることができる。一態様では、ロックアウト機構3824は、初期の組織クランプにつながる発射の運動をロックアウトするように位置決めすることができる。他の態様では、ロックアウト機構3824は、エンドエフェクタ内でのステープルカートリッジの発射につながる発射の運動をロックアウトするように位置決めすることができる。
【0112】
ここで、図37を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、縫合糸アプライヤ3900が例示されている。縫合糸アプライヤ3900は、ハウジング組立体3902を含むことができ、ハウジング組立体は、第1のハウジング半部3904と、ピボット3908の周りに第1のハウジング半部3904に枢動可能に結合された第2のハウジング半部3906と、を含むことができる。第1のハウジング半部3904は、開位置(図38を参照されたい)と閉位置(図40を参照されたい)との間で第2のハウジング半部3906に対して回転可能であり得、これらのハウジングの間でエンドエフェクタ3912のアンビル3910を捕捉することができる。第1のハウジング半部3904及び第2のハウジング半部3906の各々は、第1の脚部3914と、第2の脚部3916と、第1の脚部3914を第2の脚部3916に接続するコネクタ3918と、表面3920と、を含むことができる(これらは全て図39に最も明確に示される)。
【0113】
様々な実施形態では、縫合糸アプライヤ3900は、表層3920の第1のハウジング半部3904から延在する複数のプランジャ3922を含むことができる。図42を参照すると、下でより詳細に説明されるように、プランジャ3922の各々は、基部3924と、針3926と、カムアーム3928と、を含むことができる。
【0114】
動作中に、第1のハウジング半部3904は、図38に示されるように、開位置に移動させることができる。次いで、アンビル3910を第2のハウジング半部3906内に配置することができ、よって、図40に示されるように、第1のハウジング半部3904が閉位置まで回転したとき、アンビル3910を第1のハウジング半部3904と第2のハウジング半部3906との間で捕捉することができる。様々な実施形態では、第2のハウジング半部3906の第1の脚部3914、第2の脚部3916、及びコネクタ3918は、アンビル3910を誘導するようにサイズ決定され、よって、アンビル3910の組織接触面が第2のハウジング半部3906の表面3920に当接したとき、下で更に詳細に考察されるアンビル3910の表面のアパーチャ3930及びカム部材3932が、第1のハウジング半部3904が閉位置に回転したときに、それぞれプランジャ3922の針3926及びカムアーム3928と整列する。
【0115】
図39に示され、図42に最も明確に示されるように、アンビル3910は、複数のアパーチャ3930及びカム部材3932を含むことができる(図42は、1つのアパーチャ3930及びカム部材3932だけを例示しているが、これは、単に例示の目的にすぎず、下でより詳細に説明されるように、アンビル3910が、複数のアパーチャ3930及びカム部材3932を含み、各対が、第1のハウジング半部3904のプランジャ3922に対応することが理解されるべきである)。
【0116】
様々な態様では、アパーチャ3930は、第1のハウジング半部3904が閉位置に向かって回転したときにプランジャ3922の針3926を受容するようにサイズ決定される。針3926は、第1のハウジング半部3904が閉位置に導かれたとき、アパーチャ3930を通って進行し、第2のハウジング半部3906内に延在することができる。第2のハウジング半部3906では、針3926の各々は、縫合糸脚部3934とインターフェースしてそれを捕捉することができる。一態様では、第2のハウジング半部3906は、針3926が第2のハウジング半部3906に延在したときに針3926がスプール3936から延在する自由縫合糸脚部3934にインターフェースしてそれを捕捉することができるように、縫合糸材料の複数のスプール3936を含むことができる。針3926が縫合糸脚部3934に結合して捕捉されたとき、第1のハウジング半部3904を開位置に向かって回転させ、針3926に、アンビル3910のアパーチャ3930を通して縫合糸脚部3934を引っ張らせることができる(図41に示される)。様々な実施形態では、縫合糸脚部3634は、縫合糸脚部3934がアパーチャ3930を通して引っ張られたときにバットレス層をアンビル3910の組織接触面に押し付けることができるように、バットレス層に結合することができる。
【0117】
上で参照したように、アンビル3910は、複数のカム部材3932を含むことができる。カム部材3932は、アンビル3910に回転可能に結合することができ、係合位置と係合解除位置(図42に示される係合解除位置)との間で回転可能であり得る。様々な態様では、第1のハウジング半部3904が閉位置に向かって回転したとき、プランジャ3922のカムアーム3928は、針3926がアパーチャ3930に進入する前に、カム部材3932に係合して、カム部材3932を係合解除位置に向かって回転させることができる。一態様では、これは、図42に明確に示されているように、カムアーム3928を針3926よりも更に基部3924から延在させることによって達成することができる。上述のように、針3926がアパーチャ3930を横断して、第2のハウジング半部3906の縫合糸脚部3934とインターフェースしたとき、カムアーム3928は、カム部材3932に沿って動いて、カム部材3932を係合解除位置に維持することができる。例示的な一実施形態では、カム部材3932は、針3926がアパーチャ3930を通って移動するときにカム部材3932が針3926とカムアーム3928との間の間隙3938内を摺動することができるようにサイズ決定することができる。カム部材3932が間隙3938内を摺動したとき、カム部材3932は、カムアーム3928に当接し、カム部材3932を係合解除位置に保つことができる。
【0118】
第1のハウジング半部3904が開位置まで回転し、針3926が縫合糸脚部3934にアパーチャ3930を通過させたとき、カムアーム3928は、カム部材3932を係合解除脱することができる。様々な実施形態では、ばねなどの付勢機構は、カム部材3932を係合位置に向かって付勢することができ、よって、カムアーム3928がカム部材3932を係合解除したときに、カム部材3932は、係合位置に向かって回転して、アンビル3910のアパーチャ3930を通して引っ張られた縫合糸脚部3934に係合することができる。一態様では、カム部材3932は、縫合糸脚部3934に係合してそれを保持し、アンビル3910のアパーチャ3930を通した縫合糸脚部3934の張力を維持することができる。
【0119】
上記に更に加えて、第1のハウジング半部3904が開位置まで回転し、カム部材3932が縫合糸脚部3934に係合したとき、ナイフ部材は、縫合糸脚部3934をプランジャ3922から切り離し、カム部材3932によって縫合糸脚部3934を係合したままにし、したがって、アンビル3910のアパーチャ3930を通した縫合糸脚部3934の張力を維持することができる。例示的な一実施形態では、ナイフは、第1のハウジング半部3904が開位置に接近したときに縫合糸脚部3934を切断することができる。例示的な一実施形態では、第1のハウジング半部3902は、その枢軸側から延在する作動特徴3940を含むことができる。図41に最も良く示されるように、第1のハウジング半部3904が開位置へ移動したとき、作動特徴3940は、第2のハウジング半部3906に向かって回転して、第2のハウジング半部3906内に位置決めされたナイフに係合することができる。例示的な一実施形態では、第2のハウジング半部3906は、第1のハウジング半部3904が開位置に向かって回転したときに作動特徴3940が第2のハウジング半部3906を通って延在してナイフに係合することができるように、第2のハウジング半部3906のコネクタ3918に画定されたアパーチャを含むことができる。一態様では、作動特徴3940は、ナイフに係合してそれを作動させ、ナイフに縫合糸脚部3934の各々を切断させて、縫合糸脚部3914をプランジャ3922から解放するが、それでも、カム部材3932によって縫合糸脚部3934の張力を維持することができる。例示的な一実施形態では、ナイフは、第1のハウジング半部3904が開位置に向かって回転したときに縫合糸脚部3934を漸進的に切断することができる。
【0120】
ここで、図43を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、アンビル3940が提供されている。様々な実施形態では、アンビル3940は、アンビル3940の第1の横側3944上の第1のトラック3942と、アンビル3940の第2の横側3948上の第2のトラック3946と、を含むことができる。下でより詳細に説明されるように、トラック3942、3944の各々は、縫合糸組立体が、アンビル3940の外側頂面3950などのアンビルの一方の側から、アンビル3940の組織接触面3952などのアンビルの別の側まで通過することを可能にするようにサイズ決定される。一態様では、第1のトラック3942は、アンビル3940の外面3950に画定された入口アパーチャ3954と、アンビル3940の組織接触面3952に画定された出口アパーチャ3956と、を含むことができる。同様に、第2のトラック3946は、アンビル3940の組織接触面3952に画定された入口アパーチャ3958と、アンビル3940の外面3950に画定された出口アパーチャ3960と、を含むことができる。
【0121】
様々な実施形態では、アンビル3940は、第1のカムロック3962と、第2のカムロック3964と、を更に含むことができる。図48を参照すると、カムロック3962の詳細図が提供されているが、第2のカムロック3964も同様の構造であることが理解されるべきである。図48に示されるように、カムロック3962、3964の各々は、本体部分3966と、本体部分3966から延在する係合面3968と、本体部分3966から延在するカムアーム3970と、を含むことができる。一態様では、カムロック3962、3964の本体部分3966は、ピンによってアンビル3940の外面3950に回転可能に結合することができる。一態様では、第1のカムロック3962は、アンビル3940に第1のトラック3942の入口アパーチャ3954の近くで回転可能に結合することができ、第2のカムロック3964は、アンビル3940に第2のトラック3946の出口アパーチャ3960の近くで回転可能に結合することができる。
【0122】
一態様では、カムロック3962、3964は、ロック位置とロック解除位置との間でアンビル3940に対して回転可能であり得る。様々な実施形態では、第1のカムロック3962及び第2のカムロック3964がロック解除位置にあるとき、カムロック3962、3964の係合面3968は、アンビル3940の外面3950に画定されたそれらのそれぞれのアパーチャ3954、3960から離れて回転し、したがって、縫合糸組立体が、それぞれの第1のトラック3942及び第2のトラック3946を連続的に通過する。加えて、第1のカムロック3962及び第2のカムロック3964がロック位置にあるとき、カムロック3962、3964の係合面3968は、アンビル3940の外面3950に画定されたそれらのそれぞれのアパーチャ3954、3960の上に少なくとも部分的に延在することができ、よって、それぞれのアパーチャを通って延在する縫合糸をカムロック3962、3964の係合面3968によって適所で保持することができる。様々な実施形態では、カムロック3962、3964は、カムロック3962、3964をロック位置に付勢することができるように、ねじりばねなどの付勢部材に結合することができる。例示的な一実施形態では、カムロック3962、3964をロック解除位置に回転させるために、カムアーム3970に力を印加し、カムロック3962、3964をピンの周りにロック解除状態まで回転させることができる。
【0123】
様々な実施形態では、図43及び図44を参照すると、縫合糸組立体3972は、バットレス層をアンビル3940の組織接触面3952に取り付けるために、アンビル3940とともに使用可能であり得る。様々な実施形態では、縫合糸組立体3972は、半剛性の可撓性針3974と、針3974に取り外し可能に結合され、かつそこから延在する縫合糸3976と、縫合糸3976に結合され、かつそこから延在するハードストップボール3978と、を含むことができる。針3974は、針3974が、アンビル3940の第1のトラック3942及び第2のトラック3946に挿通するのに十分な剛性であり、一方で、トラック内の任意のねじれ又は曲がりをナビゲートするのに十分な可撓性でもあるように、プラスチックなどの任意の好適な材料で作製することができる。例示的な一実施形態では、針3974は、針3974がバットレス層を挿通し、したがって、縫合糸組立体3972をバットレス層に結合することができるように、鋭利な先端部を含むことができる。別の例示的な実施形態では、針3974をバットレス層自体に穿孔することとは対照的に、バットレス層の底面の周りに巻き付けてそれを支持することが意図されている事例では、針3974は、鈍い先端を含むことができる。様々な実施形態では、図47を参照すると、針は、第1のトラック3942及び第2のトラック3946の針3990の通過を容易にするために利用することができる、フック形状の針3990を備えることができる。様々な実施形態では、フック形状の針は、縫合糸組立体3972の縫合糸3976に結合することができる結合部分3992を含むことができる。
【0124】
例示的な一動作では、バットレス層3982をアンビル3940に適用するために、アンビル3940を、図45に例示されるバットレスカートリッジ3980内に配置することができる。バットレスカートリッジ3980は、その上に位置決めされたバットレス層3982を含む基部3984と、基部3984から延在する第1の側壁3985と、基部3984から延在する第2の側壁3987と、を含むことができる。側壁3985、3987は、組織接触面3952がバットレスカートリッジ3980の基部3984に向かって導かれたとき、側壁3985、3987がアンビル3940を基部3984と適切に横方向に整列させて、バットレス層3982が組織接触面3952上で位置ずれするのを回避することができるようにサイズ決定することができる。
【0125】
様々な実施形態では、バットレスカートリッジ3980は、第1の側壁3985から延在する第1のアーム3986と、第2の側壁3987から延在する第2のアーム3988と、を更に含むことができる。第1のアーム3986及び第2のアーム3988は、組織接触面3952がバットレスカートリッジ3980のバットレス層3982に向かって移動したとき、第1のアーム3986及び第2のアーム3988が、それぞれ第1のカムロック3962及び第2のカムロック3964の第1及び第2のカムアーム3970に接触して、第1のカムロック3962及び第2のカムロック3964をロック解除位置に回転させることができるようにサイズ決定することができる。この処置の実施例は、図46に例示されている。一態様では、第1のアーム3986及び第2のアーム3988は、アンビル3940をバットレスカートリッジ3980から移動させるまで、カムロック3962、3964をロック解除位置に保持することができ、その位置では、付勢部材は、カム部材3962、3964をそれらのロック位置まで逆に回転させることができる。
【0126】
例示的な一実施形態では、組織接触面3952は、バットレスカートリッジ3980内に移動して、基部3984のバットレス層3982に接触することができる。様々な実施形態では、バットレス層3982は、バットレス層3982を組織接触面3982に少なくとも部分的に接着することができる接着剤を含むことができる。アンビル3940の組織接触面3952をバットレス層3982と接触させたとき、第1のアーム3986及び第2のアーム3988は、カムロック3962、3964をロック解除位置に移動させて、それらを保持することができる。様々な実施形態では、次いで、縫合糸組立体3972を利用して、上で説明した様式でバットレス層3982をアンビル3970に更に結合することができる。例示的な一実施形態では、カムロック3962、3964がロック解除位置に保持されている間、針3974は、(上で説明した様式などの)任意の好適な式で第1のトラック3942の入口アパーチャ3954から出口アパーチャ3964まで通り、バットレス層3982に結合し、次いで、第2のトラック3946の入口アパーチャ3958から出口アパーチャ3960まで通ることができる。例示的な一実施形態では、針3974が、第1のトラック3942を通って、バットレス層3982を通って(又は囲んで)、基部3984のトラックを通って、バットレス層3982を逆に通って(又は囲んで)、及び第2のトラック3946を通って進行することができるように、基部3984は、それぞれ出口アパーチャ3956及び入口アパーチャ3958に対応する入口及び出口アパーチャを含む、その中に画定されたトラックを含むことができる。
【0127】
様々な実施形態では、針3970が第2のトラック3946の出口アパーチャ3956を通して引っ張られたとき、ハードストップボール3978は、アンビル3940の外面3950に当接することができる。一態様では、ハードストップボール3978は、ハードストップボール3978が第1のトラック3942の入口アパーチャ3954に進入するのを阻止し、したがって、縫合糸組立体3972が第1のトラック3942を通して完全に引っ張られることを阻止するようにサイズ決定することができる。様々な実施形態では、縫合糸3976は、ハードストップボール3978が入口アパーチャ3954に接触する前に出口アパーチャ3960を通して針3974を引っ張ることを可能にし、したがって、ユーザが、針3974を引っ張って、縫合糸3976に張力付与し、バットレス層3982をアンビル3940の組織接触面3952に対して確実に引っ張らせることを可能にするのに十分な長さを有することができる。様々な実施形態では、上述の通し処置は、先のアンビル3940の使用後にまだアンビル3940のトラック3942、3946に保持されている古い縫合糸材料を取り除くことができる。
【0128】
一態様では、バットレス層3982が縫合糸組立体3972によりアンビル3940に結合され、縫合糸3976が針3974及びハードストップボール3978により十分に張力付与された時点で、アンビル3940をバットレスカートリッジ3980から移動させることができる。アンビル3940がバットレスカートリッジ3940から離れる運動は、カムロック3962、3964をそれらのロック位置に向かって回転させ、したがって、カムロック3962、3964の係合面3968を、(第1のトラック3942の入口アパーチャ3954及び第2のトラック3946の出口アパーチャ3960において)アンビル3940の外面3950から延在する縫合糸3976の一部分に係合させ、縫合糸組立体3972を適所で保持し、縫合糸3976の張力を維持することができる。様々な実施形態では、カムロック3962、3964がロック位置まで回転した時点で、縫合糸組立体3972の針3974を縫合糸3976から結合解除し、針を異なる縫合糸組立体3972とともに使用することを可能にする。
【0129】
ここで、図49を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、バットレスアプライヤカートリッジ4000が提供されている。バットレスアプライヤカートリッジ4000は、第1の脚部4004と、第2の脚部4006と、第1の脚部4004及び第2の脚部4006を接続するコネクタ4007と、を含む、略U字形状のハウジング組立体4002を含むことができる。ハウジング組立体4002は、その上でバットレス組立体4010を支持することができる支持プラットホーム4008を更に含むことができる。様々な実施形態では、ハウジング組立体4002は、例として、バットレスアプライヤカートリッジ3200、3300などの本明細書に記載される他のバットレスアプライヤカートリッジと同様の狭窄部であり得る。
【0130】
一態様では、バットレスアプライヤカートリッジ4000を利用して、バットレス組立体4010をエンドエフェクタのアンビルに適用することができる。様々な実施形態では、図51を参照すると、バットレス組立体4010は、バットレス層4012と、バットレス層4012から延在する複数の縫合糸ループ4014と、を含むことができる。様々な実施形態では、図52に示されるように、縫合糸ループ4014は、バットレス層4012の頂面4016とバットレス層4012の底面4017との間でバットレス層4012に埋設することができる。他の実施形態では、縫合糸ループ4014は、バットレス層4012がアンビルに適用されたときに縫合糸ループ4014がバットレス層4012を支持することができるように、任意の好適な様式のバットレス層4012に結合することができる。そのような一実施形態では、縫合糸ループ4014は、図52に示されるような連続したループではなく、むしろ、本明細書の他の場所で説明されるように、縫合糸ループ4014の脚部は、別々の位置においてバットレス層4012に取り付けられる。様々な他の実施形態では、縫合糸ループ4014は、単一のバットレス層4012の間に埋設されるのではなく、むしろ、縫合糸ループ4014が、一緒に接着された2片のバットレス層4012の間で捕捉される。
【0131】
図49に示されるように、バットレス組立体4010は、バットレスアプライヤカートリッジ4000内に位置決めすることができ、支持プラットホーム4008によって支持することができる。一態様では、バットレスアプライヤカートリッジ4000は、バットレスアプライヤカートリッジ4000の第1の脚部4004及び第2の脚部4006から延在する、複数の楔形縫合糸クランプ4020を含むことができる。様々な実施形態では、図54を参照すると、縫合糸クランプ4020は、第1のアーム4022と、第1のアーム4022から離間された第2のアーム4024と、これらのアームの間に間隙4026を画定することができ、よって、バットレス組立体4010が支持プラットホーム4008に適切に着座したとき、縫合糸ループ4014の脚部を、第1のアーム4022及び第2のアーム4024によって凹部4028内で保持することができる。他の実施形態では、下でより詳細に説明されるように、縫合糸クランプ4020が静止状態にあるとき、縫合糸ループ4014の脚部は、縫合糸クランプの凹部4028内に位置決めすることができる。
【0132】
様々な実施形態では、縫合糸クランプ4020は、縫合糸クランプ4020が縫合糸ループ4014の脚部を凹部4028内で保持することができる静止状態と、縫合糸クランプ4020が、縫合糸ループ4014の脚部が縫合糸クランプ4020を逃がすことを可能にすることができる作動状態との間で移行可能であり得る。一実施形態では、縫合糸クランプ4020の一部分は、コネクタ4007に向かって移動することができ、一方で、縫合糸クランプ4020の別の部分は、静止状態のままにすることができる。そのような実施形態では、縫合糸クランプ4020の一部分の間の相対的な運動は、縫合糸クランプ4020を静止状態と作動状態の間で移行させることができる。上述のように、縫合糸クランプ4020が作動状態へ移動したとき、縫合糸ループ4014の脚部を解放して、縫合糸クランプ4020から移動することを可能にすることができる。様々な他の実施形態では、縫合糸クランプ4020の第1のアーム4022及び第2のアーム4024のうちの一方又は両方は、それらの間の間隙サイズ4026を増加させるように他方に対して移動可能であり得る。様々な実施形態では、第1のアーム4022及び第2のアーム4024の相対的な運動は、縫合糸クランプ4020を静止状態と作動状態との間で移行させることができる。
【0133】
動作中に、ユーザは、アンビル4018を、バットレスアプライヤカートリッジ4000の開放端部(コネクタ4007に対向する端部)からバットレス組立体4010に沿ってコネクタ4007に向かって摺動させることができる。一態様では、図53に示されるように、アンビル4018が最近位縫合糸ループ4014の下に移動したとき、アンビル4018は、最近位縫合糸クランプ4020のカム表面4021に当接し、縫合糸クランプ4020を僅かに上昇させ、縫合糸クランプ4020によって保持された縫合糸ループ4014を張力付与状態に拡大させることができる。アンビル4018は、バットレスアプライヤカートリッジ4000に沿って、かつ縫合糸ループ4014を通って進行し、カム表面4021に接触し続け、縫合糸クランプ4020を僅かに上昇させ、縫合糸ループ4014の全体に張力を生じさせることができる。様々な実施形態では、ハウジング組立体4002のコネクタ4007は、縫合糸クランプ4020に動作可能に結合された解除ボタン4030を含むことができる。一態様では、上で説明したように、アンビル4018が縫合糸ループ4014の全体を通って進行してコネクタ4007に到達した後、アンビル4018は、解除ボタン4030に係合し、縫合糸ループ4014を縫合糸クランプ4020から解放し、縫合糸クランプ4020を作動状態に移行させることができる。アンビル4018が(カム表面4021による縫合糸クランプ4020の上昇により)バットレス組立体4010に沿って解除ボタン4030に向かって移動して縫合糸ループ4014が張力付与されたとき、縫合糸ループ4014を縫合糸クランプ4020から解放してアンビル4018の周りに締め付け、バットレス組立体4010をアンビル4018に結合し、より具体的には、バットレス層4012をアンビル4018の組織接触面に結合することができる。
【0134】
様々な実施形態では、図55に示されるように、バットレスアプライヤカートリッジ4000によって利用することができるアンビル4032が提供されている。アンビル4032は、その長さに沿って、バットレス組立体4010がアンビル4032に結合されたときに縫合糸ループ4014を受容することができる、複数の戻り止め4034を含む。戻り止め4034は、縫合糸ループ4014がアンビル4032に沿って摺動する可能性が最小になるように、縫合糸ループ4014を受容及び保持するようにサイズ決定することができる。様々な他の実施形態では、アンビル4032は、縫合糸ループ4014をアンビル4032上に維持するために更に利用することができる、横方向にオフセットされた戻り止め4034の間に延在する複数の溝4036を含むことができる。
【0135】
ここで、図56を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、アンビル4050が提供されている。アンビル4050は、その長さに沿って受容位置4054から終了位置4056まで延在する、アンビル4050の両横方向側面に画定された一組のトラック4052を含むことができる。トラック4052は、狭幅トラック4058と、狭幅トラック4058よりも大きいサイズであり得る拡大受容アパーチャ4060と、を含むことができる。一態様では、アパーチャ4060は、受容位置4054に対応することができ、狭幅トラック4058の端部は、終了位置4056に対応することができる。
【0136】
様々な実施形態では、アンビル4050は、バットレス組立体4062とインターフェースすることができる。図56及び図57を参照すると、バットレス組立体4062は、バットレス層4064と、バットレス層4064から延在するアーム4066と、それぞれのアーム4066から延在する止め具4068と、を含むことができる。止め具4068は、受容アパーチャ4060内で受容されるようにサイズ決定され、一方で、アーム4066は、その一部分を狭幅トラック4058内で摺動可能に受容することができるようにサイズ決定される。一態様では、バットレス組立体4062は、止め具4068及びアーム4066をそれぞれ受容アパーチャ4060及び狭幅トラック4058内で摺動させることによって、アンビル4050に結合することができる。結合した時点で、止め具4068のサイズは、止め具4068が狭幅トラック4058を通って横方向に逃げることを阻止し、バットレス組立体4062がアンビル4050に結合されたままにすることができる。様々な実施形態では、アーム4066及び止め具4068は、アーム4066及び止め具4068が、狭幅トラック4058を通してアンビル4050を解放するのを阻止するために、半剛性材料で製造される。様々な実施形態では、止め具4068が狭幅トラック4058を通って逃げるのを阻止するために、止め具4068だけが半剛性材料で製造される。
【0137】
動作中に、アンビル4050は、上で説明した様式でバットレス組立体4062に結合することができる。結合した時点で、アンビル4050は、本明細書の他の場所で説明したように、ステープル留め処置で利用されており、その結果、バットレス層4064が組織にステープル留めされている。ステープル留めされたバットレス組立体4062をアンビル4050から取り外すために、アンビル4050を近位に引っ張ることができ、それにより、バットレス組立体4062の止め具4068及びアーム4066を、トラック4052を通して摺動させ、それぞれ受容アパーチャ4060及び狭幅トラック4058を通してアンビル4050から解放することができる。バットレス組立体4062の実質的に全てがステープル留め部位に残るので、バットレス組立体4062に関するいかなる発射後ステップも存在せず、したがって、上で説明したものと同じ様式で新しいバットレス組立体をアンビル4050に結合することができる。上で提供された設計は、別の他のタイプのバットレスアプリケータ/システムに対する必要性を排除し、かつ縫合糸に対する必要性を排除する。
【0138】
ここで、図58及び図59を参照すると、少なくとも本開示の態様による、アンビル4100が提供されている。アンビル4100は、組織接触面4102と、組織接触面4102の反対側の外面4104と、を含むことができる。組織接触面4102は、細長いスロット4106と、(3つだけが指し示されている)複数のステープルポケット4108と、を含むことができる。外面4104は、そこから延在する縫合糸ロック4120を含むことができる。様々な実施形態では、図60に最良に示されるように、縫合糸ロック4120は、外面4104に結合された基部4122と、基部4122から延在する受容領域4124と、受容領域4124から延在するキャップ4126と、を含むことができる。様々な実施形態では、図60に示されるように、キャップ4126は、キャップ4126及び受容領域4124が「マッシュルーム状の」形状を画定するように、受容領域4124よりも大きい直径を有することができる。様々な実施形態では、図60及び図61に示されるように、キャップ4126は、下でより詳細に説明されるように、その中に画定された複数の戻り止め4128を含むことができる、縫合糸脚部(1つのそのような実施例が図60に示されている)を受容及び保持することができる。一実施形態では、図60及び図61に示されるように、キャップ4126は、一対の対向する戻り止め4128を含むことができる。
【0139】
様々な実施形態では、アンビル4100は、複数の縫合糸脚部4132を含むバットレス層4130とインターフェースすることができる。一実施形態では、図62に示されるように、バットレス層4130は、バットレス層4130の4つの隅部から延在する4つの縫合糸脚部4132を含むことができる。一態様では、一対の縫合糸脚部4132は、バットレス層4130の一方のコーナー部を通り、バットレス層4130の他方のコーナー部から出る、1つの連続した縫合糸4134の一部であり得る。様々な他の実施形態では、縫合糸脚部4132は、バットレス層4130のコーナー部に不連続的に結合することができる。縫合糸脚部4132が、バットレス層4130の側面などのバットレス層4130のコーナー部以外の他の位置においてバットレス層から延在する、他の実施形態が想定される。
【0140】
図63に示されるように、バットレス層4130は、縫合糸脚部4132がアンビル4100から離れて横方向に位置決めされるように、アンビル4100の組織接触面4102とインターフェースすることができる。一態様では、図64に示されるように、第1の一対の縫合糸脚部は、縫合糸ロック4120の受容領域4124の周りで引っ張り(4136)、縫合糸ロック4120のキャップ4126に画定された第1の戻り止め4128によって保持することができる。加えて、図65に示されるように、第2の一対の縫合糸脚部4132は、縫合糸ロック4120の受容領域4124の周りで引っ張り(4138)、縫合糸ロック4120のキャップ4126に画定された第2の戻り止め4128によって保持することができる。複数対の縫合糸脚部4132は、縫合糸ロック4120によって保持し、したがって、バットレス層4130をアンビル4100に結合し、本明細書の他の場所で説明されるステープル留め処置でアンビル4100を使用することを可能にすることができる。
【0141】
ステープル留め処置の完了後、縫合糸ロック4120のキャップ4126から延在する縫合糸脚部4132の自由端を、図66の矢印によって示されるように引っ張る(4140)ことができる。キャップ4126の戻り止め4128は、縫合糸脚部4132の自由端が引っ張られた(4140)ときに戻り止め4128が縫合糸脚部4132を切断し、バットレス層4130をアンビル4100から解放することができるように、鋭利な縁部を含むことができる。
【0142】
上で提供された様々な実施形態は、バットレス層をアンビルに結合することについて概して考察されている図58図66に関する上述の説明などの、アンビルに対して動作を行うことに関して考察されているが、それらの実施形態は、修正され得ること、又は代替的に細長いチャネル及び/若しくはステープルカートリッジとともに利用され得ること、又はそれらと組み合わせられ得ることが理解されるべきである。
【0143】
本明細書に記載され、添付の図面に図示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に説明及び図示された実施形態が、非限定的な例であり、したがって本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細が、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。「特許請求の範囲」の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0144】
「備える、含む(comprise)」(また、「comprises」及び「comprising」などのcompriseの任意の語形)、「有する(have)」(また、「has」及び「having」などのhaveの任意の語形)、「含む(include)」(また、「includes」及び「including」などのincludeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(また、「contains」及び「containing」などのcontainの任意の語形)という用語は、制約のない連結動詞である。結果として、1つ又は2つ以上の要素を「備える、含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、又は「含有する(contains)」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ又は2つ以上の要素を有するが、それらの1つ又は2つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ又は2つ以上の特徴を「備える、含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、又は「含有する(contains)」システム、デバイス、又は装置の要素は、それらの1つ又は2つ以上の特徴を有するが、それらの1つ又は2つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0145】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0146】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば切開外科的処置と関連するものを含む、多くの外科的処置及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、元からある開口部を通じて、組織に形成された切開部又は穿刺孔を通じてなど、任意の方式で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入することもでき、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長シャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0147】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備えることができる。エンドエフェクタは、第1のジョーと第2のジョーとを備える。第1のジョーは、ステープルカートリッジを備える。ステープルカートリッジは、第1のジョー内に挿入可能であり、かつ第1のジョーから取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1のジョーから取り外し可能でない、又は第1のジョーから少なくとも容易に交換可能ではない、他の実施形態が想到される。第2のジョーは、ステープルカートリッジから射出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを備える。第2のジョーは、閉鎖軸を中心に第1のジョーに対して枢動可能であるが、第1のジョーが第2のジョーに対して枢動可能である、他の実施形態が想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成されている関節運動継手を更に備える。エンドエフェクタは、関節運動継手を通って延びる関節運動軸を中心に回転可能である。関節運動継手を含まない他の実施形態も想到される。
【0148】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びるデッキと、を含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキに対して組織を押し付けてクランプする。続いて、カートリッジ本体内に着脱可能に格納されているステープルを、組織内に配備することができる。カートリッジ本体は、内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置されている。3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第1の側に位置付けられ、3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第2の側に位置付けられている。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0149】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープルドライバによって支持されている。ドライバは、ステープルキャビティからステープルを射出するために、第1の、すなわち未発射位置と、第2の、すなわち発射済み位置との間で移動可能である。ドライバは、カートリッジ本体の下部周辺に延びるリテーナによってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、リテーナをカートリッジ本体に対して保持するように構成されている、弾性部材を含む。ドライバは、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射済み位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端部に隣接した近位位置と、遠位端部に隣接した遠位位置との間で移動可能である。スレッドは、ドライバの下を摺動し、ドライバを持ち上げるように構成されている複数の傾斜面を含み、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0150】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端部に向かって押すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受容するように構成されている。アンビルは、発射部材を受容するように構成されているスロットも含む。発射部材は、第1のジョーに係合する第1のカムと、第2のジョーに係合する第2のカムと、を更に備える。発射部材を遠位に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキとアンビルとの間の距離、すなわち組織間隙を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されているナイフも備える。ステープルがナイフよりも前方に射出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位に位置付けられることが望ましい。
【0151】
特定の実施形態に関連して本明細書で様々なデバイスが説明されてきたが、それらの実施形態に対して修正及び変形が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ又は2つ以上の実施形態で、任意の好適な様式で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に1つ又は2つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全て、あるいは、部分的に組み合わせてもよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。前述の明細書及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形を全て包含することが意図される。
【0152】
本明細書に開示されるデバイスは、単回使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解ステップ、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄ステップ又は交換ステップ、及びその後のデバイスの再組立ステップの任意の組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組立することができる。当業者であれば、デバイスの再調整は、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。そのような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0153】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、ガンマ線、x線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開封されるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、ベータ線、ガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌され得る。
【0154】
いくつかの形態が示され説明されてきたが、添付の特許請求の範囲の範囲をそのような詳細に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ及びこれらの形態の均等物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態と関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び均等物を網羅することを意図する。
【0155】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例の使用を介して、デバイス及び/又はプロセスの様々な形態について記載している。そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者には、そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装され得ることが理解されるであろう。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様が全体的又は部分的に、1台若しくは2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ若しくは2つ以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、1つ若しくは2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ若しくは2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装され得、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、当業者には、本明細書に記載された主題の機構は、様々な形態で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることができ、本明細書に記載された主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることが理解されるであろう。
【0156】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステムのメモリ内に記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(compact disc,read-only memory、CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
【0157】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「制御回路」という用語は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ又は2つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device、PLD)、プログラマブル論理アレイ(programmable logic array、PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(integrated circuit、IC)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、システムオンチップ(system on-chip、SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信デバイス(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
【0158】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリデバイス内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0159】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0160】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながるステップの自己無撞着シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な使用である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0161】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信デバイスは、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。例示的な一通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol、TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信デバイスは、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信デバイスは、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode、ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0162】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示デバイス内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算デバイスの動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0163】
1つ又は2つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」が、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0164】
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、そのような記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、典型的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ若しくは3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用されている事例では、一般に、そのような構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用されている事例では、一般に、そのような構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ又は3つ以上の代替的な用語を表す選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、特許請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0165】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンスで示されているが、様々な動作は、示されているもの以外の他の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。そのような代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、そのような変化形を除外することが意図されるものではない。
【0166】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の特徴部、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様式で組み合わせることができる。
【0167】
上で考察されたように、本明細書に開示される外科用器具は、制御システムを含んでもよい。制御システムの各々は、1つ又は2つ以上のプロセッサ及び/又はメモリデバイスを有する回路基板を含むことができる。とりわけ、制御システムは、例えば、センサデータを記憶するように構成される。これらはまた、例えば、ステープル留め器具に取り付けられたステープルカートリッジのタイプを識別するデータを記憶するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジのタイプは、ステープル留め器具に取り付けられたときにセンサによって識別することができ、センサデータを制御システムに記憶することができる。この情報は、ステープルカートリッジが使用するのに好適であるかどうかを評価するために、制御システムによって得ることができる。
【0168】
本明細書に記載される外科用器具システムは、電気モータにより動作するが、しかしながら、本明細書に記載される外科用器具システムは、任意の好適な様式で動作され得る。特定の事例では、本明細書に開示されるモータは、ロボット制御式システムの1つ又は複数の部分を備えることができる。例えば、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」と題された米国特許出願第13/118,241号、(現在は、米国特許第9,072,535号)は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例をより詳細に開示しており、この開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。2017年5月18日に公開され、「STAPLER WITH COMPOSITE CARDAN AND SCREW DRIVE」と題された国際公開第2017/083125号;2017年5月18日に公開され、「STAPLE PUSHER WITH LOST MOTION BETWEEN RAMPS」と題された国際公開第2017/083126号;2015年10月8日に公開され、「SURGICAL INSTRUMENT WITH SHIFTABLE TRANSMISSION」と題された国際公開第2015/153642号;2017年3月17日に出願され、「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DUAL DISTAL PULLEYS」と題された米国特許出願公開第2017/0265954号;2017年2月15日に出願され、「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DISTAL PULLEY」と題された米国特許出願公開第2017/0265865号;及び2017年3月29日に出願され、「STAPLING CARTRIDGE」と題された米国特許出願公開第2017/0290586号は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0169】
本明細書では、本開示で使用される「実質的」、「約」、又は「およそ」という用語は、別途指定されない限り、当業者によって決定される特定の値に対する許容誤差を意味するものであり、これは、値が測定又は決定される方法に部分的に依存する。特定の実施形態では、「実質的」、「約」、又は「およそ」という用語は、1、2、3、又は4の標準偏差以内であることを意味する。特定の実施形態では、「実質的」、「約」、又は「およそ」という用語は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【0170】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されている。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例とともに、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書とともに提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0171】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する。
【0172】
実施例1-外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジであって、エンドエフェクタのアンビルとインターフェースするように構成された第1の装填領域と、エンドエフェクタの細長いチャネルとインターフェースするように構成された第2の装填領域と、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。第1の装填領域は、第1の吸収性層と、アンビルが第1の吸収性層に接近したときに第1の吸収性層をアンビルに固定するための装填組立体と、を備える。第2の装填領域は、バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合されたステープルカートリッジを備え、ステープルカートリッジは、デッキと、デッキ上に位置決めされた第2の吸収性層と、を備える。
【0173】
実施例2-第2の吸収性層を支持する縫合糸を更に備え、装填組立体が、縫合糸をアンビルに結合するように構成されている、実施例1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0174】
実施例3-アンビルが、その外面から延在する縫合糸グラバを備え、装填組立体が、縫合糸を縫合糸グラバに結合するように構成されている、実施例2に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0175】
実施例4-装填組立体が、静止位置と作動位置の間で第1の吸収性層に対して回転可能な縫合糸アプライヤを備え、縫合糸アプライヤは、アンビルが第1の吸収性層に接近したときに作動位置に向かって回転するように構成されている、実施例2又は3に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0176】
実施例5-縫合糸アプライヤが、縫合糸アプライヤを静止位置に向かって付勢するように構成されたばねを備える、実施例4に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0177】
実施例6-縫合糸アプライヤが、縫合糸に動作可能に結合されたアームを備え、縫合糸をアンビルに結合した後に、縫合糸アプライヤが静止位置に向かって回転したときに縫合糸がアームから解放されるように構成されている、実施例4又は5に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0178】
実施例7-第2の装填領域が、ステープルカートリッジをバットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合するように構成されたラッチを備える、実施例1~6のいずれか1つに記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0179】
実施例8-ラッチは、細長いチャネルがステープルカートリッジに接近したときにステープルカートリッジを解放するように構成されている、実施例7に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0180】
実施例9-第1の吸収性層が、その表面から延在する細長い支持体を備え、細長い支持体が、アンビルに結合するように構成されている、実施例1~8のいずれか1つに記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0181】
実施例10-第1の吸収性層が、その表面から延在するピンを備え、ピンが、アンビルに結合するように構成されている、実施例1~9のいずれか1つに記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0182】
実施例11-外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジであって、エンドエフェクタのアンビルとインターフェースするように構成されたバットレス装填ゾーンを備える、バットレスアプライヤカートリッジ。バットレス装填ゾーンは、バットレス層と、バットレス層を支持する縫合糸と、アンビルがバットレス層に接近したときに縫合糸をアンビルの外面に固定するための装填組立体と、を備える。
【0183】
実施例12-アンビルが、その外面上に位置決めされた縫合糸グラバを備え、装填組立体が、縫合糸を縫合糸グラバに結合するように構成されている、実施例11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0184】
実施例13-装填組立体が、静止位置と作動位置との間でバットレス層に対して回転可能な縫合糸アプライヤを備え、縫合糸アプライヤは、アンビルがバットレス層に接近したときに作動位置に向かって回転するように構成されている、実施例11又は12に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0185】
実施例14-縫合糸アプライヤが、縫合糸アプライヤを静止位置に向かって付勢するように構成されたばねを備える、実施例13に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0186】
実施例15-縫合糸アプライヤが、縫合糸に動作可能に結合されたアームを備え、縫合糸をアンビルに結合した後に、縫合糸アプライヤが静止位置に向かって回転したときに縫合糸がアームから解放されるように構成されている、実施例13又は14に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0187】
実施例16-バットレス層が、その表面から延在する細長い支持体を備え、細長い支持体が、アンビルに結合するように構成されている、実施例11~15のいずれか1つに記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0188】
実施例17-バットレス層が、その表面から延在するピンを備え、ピンが、アンビルに結合するように構成されている、実施例11~16のいずれか1つに記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0189】
実施例18-エンドエフェクタの細長いチャネルとインターフェースするように構成されたカートリッジ装填ゾーンを更に備え、カートリッジ装填ゾーンが、バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合された締結具カートリッジを備え、締結具カートリッジが、デッキと、デッキ上に位置決めされた第2のバットレス層と、を備える、実施例11~17のいずれか1つに記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0190】
実施例19-カートリッジ装填ゾーンが、締結具カートリッジを支持するように構成されたラッチを備え、ラッチは、細長いチャネルが締結具カートリッジに接近したときに締結具カートリッジを解放するように構成されている、実施例18に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0191】
実施例20-外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジであって、バットレスアプライヤカートリッジが、支持プラットホームを備えるハウジング組立体と、ハウジング組立体によって支持されたステープルカートリッジ組立体と、支持プラットホーム上に位置決めされた第2の吸収性層と、アンビルが第2の吸収性層に接近したときに第2の吸収性層をエンドエフェクタのアンビルに固定するための装填組立体と、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。ステープルカートリッジ組立体は、エンドエフェクタがステープルカートリッジ組立体に接近したときにエンドエフェクタの細長いチャネルに結合するように構成されており、ステープルカートリッジ組立体は、デッキを備えるステープルカートリッジと、デッキ上に位置決めされた第1の吸収性層と、を備える。
【0192】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾するあらゆる内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0193】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジであって、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
前記エンドエフェクタのアンビルとインターフェースするように構成された第1の装填領域であって、
第1の吸収性層と、
前記アンビルが前記第1の吸収性層に接近したときに前記第1の吸収性層を前記アンビルに固定するための装填組立体と、を備える、第1の装填領域と、
前記エンドエフェクタの細長いチャネルとインターフェースするように構成された第2の装填領域であって、
前記バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合されたステープルカートリッジを備え、前記ステープルカートリッジが、デッキと、
前記デッキ上に位置決めされた第2の吸収性層と、を備える、第2の装填領域と、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。
(2) 前記第2の吸収性層を支持する縫合糸を更に備え、前記装填組立体が、前記縫合糸を前記アンビルに結合するように構成されている、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(3) 前記アンビルが、その外面から延在する縫合糸グラバを備え、前記装填組立体が、前記縫合糸を前記縫合糸グラバに結合するように構成されている、実施態様2に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(4) 前記装填組立体が、静止位置と作動位置の間で前記第1の吸収性層に対して回転可能な縫合糸アプライヤを備え、前記縫合糸アプライヤは、前記アンビルが前記第1の吸収性層に接近したときに前記作動位置に向かって回転するように構成されている、実施態様2に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(5) 前記縫合糸アプライヤが、前記縫合糸アプライヤを前記静止位置に向かって付勢するように構成されたばねを備える、実施態様4に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0194】
(6) 前記縫合糸アプライヤが、前記縫合糸に動作可能に結合されたアームを備え、前記縫合糸を前記アンビルに結合した後に、前記縫合糸アプライヤが前記静止位置に向かって回転したときに前記縫合糸が前記アームから解放されるように構成されている、実施態様4に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(7) 前記第2の装填領域が、前記ステープルカートリッジを前記バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合するように構成されたラッチを備える、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(8) 前記ラッチは、前記細長いチャネルが前記ステープルカートリッジに接近したときに前記ステープルカートリッジを解放するように構成されている、実施態様7に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(9) 前記第1の吸収性層が、その表面から延在する細長い支持体を備え、前記細長い支持体が、前記アンビルに結合するように構成されている、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(10) 前記第1の吸収性層が、その表面から延在するピンを備え、前記ピンが、前記アンビルに結合するように構成されている、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0195】
(11) 外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジであって、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
前記エンドエフェクタのアンビルとインターフェースするように構成されたバットレス装填ゾーンを備え、前記バットレス装填ゾーンが、
バットレス層と、
前記バットレス層を支持する縫合糸と、
前記アンビルが前記バットレス層に接近したときに前記縫合糸を前記アンビルの外面に固定するための装填組立体と、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。
(12) 前記アンビルが、その前記外面上に位置決めされた縫合糸グラバを備え、前記装填組立体が、前記縫合糸を前記縫合糸グラバに結合するように構成されている、実施態様11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(13) 前記装填組立体が、静止位置と作動位置との間で前記バットレス層に対して回転可能な縫合糸アプライヤを備え、前記縫合糸アプライヤは、前記アンビルが前記バットレス層に接近したときに前記作動位置に向かって回転するように構成されている、実施態様11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(14) 前記縫合糸アプライヤが、前記縫合糸アプライヤを前記静止位置に向かって付勢するように構成されたばねを備える、実施態様13に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(15) 前記縫合糸アプライヤが、前記縫合糸に動作可能に結合されたアームを備え、前記縫合糸を前記アンビルに結合した後に、前記縫合糸アプライヤが前記静止位置に向かって回転したときに前記縫合糸が前記アームから解放されるように構成されている、実施態様13に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
【0196】
(16) 前記バットレス層が、その表面から延在する細長い支持体を備え、前記細長い支持体が、前記アンビルに結合するように構成されている、実施態様11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(17) 前記バットレス層が、その表面から延在するピンを備え、前記ピンが、前記アンビルに結合するように構成されている、実施態様11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(18) 前記エンドエフェクタの細長いチャネルとインターフェースするように構成されたカートリッジ装填ゾーンを更に備え、前記カートリッジ装填ゾーンが、
前記バットレスアプライヤカートリッジに取り外し可能に結合された締結具カートリッジを備え、前記締結具カートリッジが、デッキと、
前記デッキ上に位置決めされた第2のバットレス層と、を備える、実施態様11に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(19) 前記カートリッジ装填ゾーンが、前記締結具カートリッジを支持するように構成されたラッチを備え、前記ラッチは、前記細長いチャネルが前記締結具カートリッジに接近したときに前記締結具カートリッジを解放するように構成されている、実施態様18に記載のバットレスアプライヤカートリッジ。
(20) 外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタとインターフェースするように構成されたバットレスアプライヤカートリッジであって、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
支持プラットホームを備えるハウジング組立体と、
前記ハウジング組立体によって支持されたステープルカートリッジ組立体であって、前記ステープルカートリッジ組立体は、前記エンドエフェクタが前記ステープルカートリッジ組立体に接近したときに前記エンドエフェクタの細長いチャネルに結合するように構成されており、前記ステープルカートリッジ組立体が、
デッキを備えるステープルカートリッジと、
前記デッキ上に位置決めされた第1の吸収性層と、を備える、ステープルカートリッジ組立体と、
前記支持プラットホーム上に位置決めされた第2の吸収性層と、
前記アンビルが前記第2の吸収性層に接近したときに前記第2の吸収性層を前記エンドエフェクタのアンビルに固定するための装填組立体と、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図14
図15
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図66
【国際調査報告】