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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】向上した展開特性を有するステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/90 20130101AFI20231206BHJP
【FI】
A61F2/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533701
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 US2021061348
(87)【国際公開番号】W WO2022119891
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】63/120,402
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フォラン、マーティン ジー.
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA44
4C267BB40
4C267CC07
4C267CC08
(57)【要約】
中心長手方向軸に沿って延びている編組ステントは、複数の列と複数の行とに配置された複数のセルを形成するフィラメントを備え得る。複数の行は、中心長手方向軸に平行に延び得る。複数の列は、中心長手方向軸の周りに周方向に延び得る。複数の行は、複数のループ行と、隣接するループ行の間に介在する複数の横糸行とを含み得る。複数のループ行内の各セルは、2つの長手方向を向いたコネクタ要素に接続された周方向ループ要素を含み得る。複数の横糸行は、隣接するループ行に接続された複数の周方向横糸要素を含み得る。複数のループ行の大部分は、開放端を有する開放セルを含み得る。複数のループ行の少なくとも1つは、閉鎖端を有する複数の閉鎖セルを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心長手方向軸に沿って延びている編組ステントであって、
複数の列と複数の行とに配置された複数のセルを形成するフィラメントを備え、
前記複数の行は、前記編組ステントの第1の端部から前記編組ステントの第2の端部まで前記中心長手方向軸に平行に延びており、
前記複数の列は、前記中心長手方向軸の周りに周方向に延びており、
前記複数の行は、複数のループ行と、隣接するループ行の間に介在する複数の横糸行とを含み、
前記複数のループ行内の各セルは、2つの長手方向を向いたコネクタ要素に接続された周方向ループ要素を含み、
前記複数の横糸行は、隣接するループ行に接続された複数の周方向横糸要素を含み、
前記複数のループ行の大部分は開放セルを含み、前記開放セルは、前記2つの長手方向を向いたコネクタ要素の間に配置され、かつ、前記周方向ループ要素に対向する開放端を有し、
前記複数のループ行のうちの少なくとも1つは複数の閉鎖セルを含み、前記複数の閉鎖セルは、前記周方向ループ要素に対向する位置で前記2つの長手方向を向いたコネクタ要素を交差させることによって形成された閉鎖端を有する、
編組ステント。
【請求項2】
各セルの前記周方向ループ要素は、前記編組ステントの前記第1の端部に向けられている、請求項1に記載の編組ステント。
【請求項3】
前記複数の閉鎖セルは、前記編組ステントの前記第1の端部又は前記第2の端部に近接して配置されている、請求項1又は2に記載の編組ステント。
【請求項4】
前記複数の周方向横糸要素は、各隣接するループ行からの前記2つの長手方向を向いたコネクタ要素のうちの1つに両端で接続されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の編組ステント。
【請求項5】
前記複数のループ行のうちの前記少なくとも1つは、第1のループ行の第1の部分と、前記第1の部分から長手方向に間隔を空けた前記第1のループ行の第2の部分とを含み、前記第1の部分は、第1の複数の閉鎖セルを含み、前記第2の部分は、第2の複数の閉鎖セルを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の編組ステント。
【請求項6】
前記第1の複数の閉鎖セルは、前記中心長手方向軸に沿って互いに直近に隣接して配置されており、前記第2の複数の閉鎖セルは、前記中心長手方向軸に沿って互いに直近に隣接して配置されている、請求項5に記載の編組ステント。
【請求項7】
前記第1のループ行の前記第1の部分は、前記編組ステントの第1の端部部分内に配置されており、前記第1のループ行の前記第2の部分は、前記編組ステントの第2の端部部分内に配置されており、前記第1の端部部分と前記第2の端部部分は、前記編組ステントの本体部分によって間隔が空けられている、請求項5に記載の編組ステント。
【請求項8】
前記編組ステントの半径方向拡張構成では、前記第1の端部部分は、前記本体部分の外径よりも大きい第1の外径を有する、請求項7に記載の編組ステント。
【請求項9】
前記編組ステントの半径方向拡張構成では、前記第2の端部部分は、前記本体部分の外径よりも大きい第2の外径を有する、請求項7に記載の編組ステント。
【請求項10】
前記編組ステントの全ての閉鎖セルが、単一のループ行内に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の編組ステント。
【請求項11】
前記複数のループ行のうちの前記少なくとも1つは、前記編組ステントの前記第1の端部から前記編組ステントの前記第2の端部まで延びている第1のループ行を含み、前記複数の閉鎖セルは、前記第1のループ行内で前記編組ステントの前記第1の端部から前記編組ステントの前記第2の端部まで互いに直近に隣接して配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の編組ステント。
【請求項12】
前記複数のループ行のうちの前記少なくとも1つは、前記編組ステントの前記第1の端部から前記編組ステントの前記第2の端部まで延びている第2のループ行を更に含み、前記第2のループ行は、前記第1のループ行から周方向に間隔を空けており、
前記第2のループ行は、前記第2のループ行内で前記編組ステントの前記第1の端部から前記編組ステントの前記第2の端部まで互いに直近に隣接して配置された複数の閉鎖セルを含む、請求項11に記載の編組ステント。
【請求項13】
前記第1の端部部分、前記第2の端部部分、及び前記本体部分における前記複数のループ行の前記複数のセルの合計が、少なくとも90%の開放セルを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の編組ステント。
【請求項14】
中心長手方向軸に沿って延びている編組ステントであって、
複数の列と複数の行とに配置された複数のセルを形成するフィラメントを備え、
前記複数の行は、前記編組ステントの第1の端部から前記編組ステントの第2の端部まで前記中心長手方向軸に平行に延びており、
前記複数の列は、前記中心長手方向軸の周りに周方向に延びており、
前記複数の行は、複数のループ行と、隣接するループ行の間に介在する複数の横糸行とを含み、
前記複数のループ行内の各セルは、2つの長手方向を向いたコネクタ要素に接続された周方向ループ要素を含み、
前記複数の横糸行は、隣接するループ行に接続された複数の周方向横糸要素を含み、
前記複数のループ行の大部分は開放セルを含み、前記開放セルは、前記2つの長手方向を向いたコネクタ要素の間に配置され、かつ、前記周方向ループ要素に対向する開放端を有し、
前記複数のループ行のうちの少なくとも1つは複数の閉鎖セルを含み、前記複数の閉鎖セルは、前記周方向ループ要素に対向する位置で前記2つの長手方向を向いたコネクタ要素を交差させることによって形成された閉鎖端を有し、
前記複数の閉鎖セルは、前記複数のループ行のうちの前記少なくとも1つ内で互いに長手方向に間隔を空けている、編組ステント。
【請求項15】
前記複数の閉鎖セルの連続した対のそれぞれは、前記複数のループ行のうちの前記少なくとも1つ内で1つの開放セルによって、又は2つの開放セルによって、互いに長手方向に間隔を空けている、請求項14に記載の編組ステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療装置、医療装置の製造方法、及びその使用に関する。より詳細には、本開示は、身体管腔に植え込むためのステント、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植え込み型医療装置(例えば、拡張可能ステント)は、体内の様々な病態を治療するように設計され得る。例えば、一部の拡張可能なステントは、半径方向に拡張して身体管腔を支持するように及び/又は医療処置後に消化物質、血液、若しくは他の流体がそこを通って流れるための流体経路を提供するように設計されている場合がある。一部の医療装置は、様々な医療装置送達システムによって経腔的に植え込むことができる半径方向拡張型ステント又は自己拡張型ステントを含む場合がある。これらのステントは、冠状動脈又は末梢動脈、食道管、胃腸管(腸、胃及び結腸を含む)、気管気管支管、尿路、胆管、血管系などの様々な身体管腔に植え込まれ得る。
【0003】
場合によっては、治療部位において身体管腔を開くのに十分な半径方向力を維持しながら、十分な可撓性を含むようにステントを設計することが望ましい場合がある。いくつかの場合では、半径方向力は、ステントを固定し、管腔内での移動を防止することを補助することができる。いくつかの場合では、異なるステント構成により、異なる送達性、可撓性、半径方向力/強度、及び/又は固定特性が提供される場合がある。例えば、編組ステントは、優れた可撓性及び/又は半径方向強度特性を有すると考えることができる。しかしながら、編組ステントは、再拘束及び/又は再配置が容易ではない。
【0004】
場合によっては、編組ステントは、特定の管腔又は使用(例えば、胃腸及び/又は気管気管支の解剖学的構造)において最も適切な又は望ましいタイプのステントである可能性がある。しかしながら、編組ステントの送達及び植え込みは、ステントが適切なサイズでない場合には、困難になることがある。場合によっては、標的管腔及び/若しくは血管がステントに対して指定されたものよりも小さい場合、及び/又はステントが標的管腔及び/若しくは血管に対して大きすぎる場合、「シー・フォールド(c-fold:三つ折りの一種の折れ曲がった状態)」として知られる現象が発生することがある。「シー・フォールド」は、不完全な狭窄解消、ステントの移動、管腔壁への食物及び/若しくは流体の衝突、並びに/又は管腔の閉塞を引き起こす及び/又は促進する可能性がある。
【0005】
「シー・フォールド」の形成を回避及び/又は防止する向上した送達特性を有する代替的なステント構成及び/又は方法を提供する必要性が継続的に存在する。
【発明の概要】
【0006】
一例では、中心長手方向軸に沿って延びている編組ステントは、複数の列と複数の行とに配置された複数のセルを形成するフィラメントを備え得る。複数の行は、編組ステントの第1の端部から編組ステントの第2の端部まで中心長手方向軸に平行に延び得る。複数の列は、中心長手方向軸の周りに周方向に延び得る。複数の行は、複数のループ行と、隣接するループ行の間に介在する複数の横糸行とを含み得る。複数のループ行内の各セルは、2つの長手方向を向いたコネクタ要素に接続された周方向ループ要素を含み得る。複数の横糸行は、隣接するループ行に接続された複数の周方向横糸要素を含み得る。複数のループ行の大部分は、2つの長手方向を向いたコネクタ要素の間に配置され、かつ、周方向ループ要素に対向する開放端を有する開放セルを含み得る。複数のループ行のうちの少なくとも1つは、周方向ループ要素に対向する位置で2つの長手方向をいた向コネクタ要素を交差させることによって形成された閉鎖端を有する複数の閉鎖セルを含み得る。
【0007】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、各セルの周方向ループ要素は、編組ステントの第1の端部に向けられている。
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、複数の閉鎖セルは、編組ステントの第1の端部又は第2の端部に近接して配置されている。
【0008】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、複数の周方向横糸要素は、各隣接するループ行からの2つの長手方向を向いたコネクタ要素のうちの1つに両端で接続されている。
【0009】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、複数のループ行のうちの少なくとも1つは、第1のループ行の第1の部分と、第1の部分から長手方向に間隔を空けた第1のループ行の第2の部分とを含み、第1の部分は、第1の複数の閉鎖セルを含み、第2の部分は、第2の複数の閉鎖セルを含む。
【0010】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、第1の複数の閉鎖セルは、中心長手方向軸に沿って互いに直近に隣接して配置されており、第2の複数の閉鎖セルは、中心長手方向軸に沿って互いに直近に隣接して配置されている。
【0011】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、第1のループ行の第1の部分は、編組ステントの第1の端部部分内に配置されており、第1のループ行の第2の部分は、編組ステントの第2の端部部分内に配置されており、第1の端部部分と第2の端部部分は、編組ステントの本体部分によって間隔が空けられている。
【0012】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、編組ステントの半径方向拡張構成では、第1の端部部分は、本体部分の外径よりも大きい第1の外径を有する。
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、編組ステントの半径方向拡張構成では、第2の端部部分は、本体部分の外径よりも大きい第2の外径を有する。
【0013】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、複数のループ行のうちの少なくとも1つは、編組ステントの第1の端部から編組ステントの第2の端部まで延びている第1のループ行を含み、複数の閉鎖セルは、第1のループ行内で編組ステントの第1の端部から編組ステントの第2の端部まで互いに直近に隣接して配置されている。
【0014】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、複数のループ行のうちの少なくとも1つは、編組ステントの第1の端部から編組ステントの第2の端部まで延びている第2のループ行を更に含み、第2のループ行は、第1のループ行から周方向に間隔を空けている。第2のループ行は、第2のループ行内で編組ステントの第1の端部から編組ステントの第2の端部まで互いに直近に隣接して配置された複数の閉鎖セルを含む。
【0015】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、編組ステントの全ての閉鎖セルが、単一のループ行内に配置されている。
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、中心長手方向軸に沿って延びている編組ステントは、複数の列と複数の行とに配置された複数のセルを形成するフィラメントを備え得る。複数の行は、編組ステントの第1の端部から編組ステントの第2の端部まで中心長手方向軸に平行に延び得る。複数の列は、中心長手方向軸の周りに周方向に延び得る。複数の行は、複数のループ行と、隣接するループ行の間に介在する複数の横糸行とを含み得る。複数のループ行内の各セルは、2つの長手方向を向いたコネクタ要素に接続された周方向ループ要素を含み得る。複数の横糸行は、隣接するループ行に接続された両端を有する複数の周方向横糸要素を含み得る。編組ステントは、第1の端部部分と、第2の端部部分と、第1の端部部分と第2の端部部分との間に配置された本体部分とを含み得る。半径方向拡張構成では、第1の端部部分及び第2の端部部分はそれぞれ、本体部分の外径よりも大きい外径を有し得る。本体部分内において、複数のループ行は、2つの長手方向を向いたコネクタ要素の間に配置され、かつ、周方向ループ要素に対向する開放端を有する開放セルから形成され得る。第1の端部部分内において、複数のループ行のうちの少なくとも1つは、周方向ループ要素に対向する位置で2つの長手方向を向いたコネクタ要素を交差させることによって形成された閉鎖端を有する第1の複数の閉鎖セルを含み得る。第2の端部部分内において、複数のループ行のうちの少なくとも1つは、周方向ループ要素に対向する位置で2つの長手方向を向いたコネクタ要素を交差させることによって形成された閉鎖端を有する第2の複数の閉鎖セルを含み得る。
【0016】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、第1の端部部分、第2の端部部分、及び本体部分における複数のループ行の複数のセルの合計が、少なくとも90%の開放セルを含む。
【0017】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、第1の複数の閉鎖セルは、編組ステントの本体部分から第1の端部まで延びており、第2の複数の閉鎖セルは、編組ステントの本体部分から第2の端部まで延びている。
【0018】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、第1の複数の閉鎖セルは、編組ステントの第1の端部部分に第1の周方向力を作用させ、第2の複数の閉鎖セルは、編組ステントの第2の端部部分に第2の周方向力を作用させる。
【0019】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、編組ステントの全ての閉鎖セルが、単一のループ行内に配置されている。
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、中心長手方向軸に沿って延びている編組ステントは、複数の列と複数の行とに配置された複数のセルを形成するフィラメントを備え得る。複数の行は、編組ステントの第1の端部から編組ステントの第2の端部まで中心長手方向軸に平行に延び得る。複数の列は、中心長手方向軸の周りに周方向に延び得る。複数の行は、複数のループ行と、隣接するループ行の間に介在する複数の横糸行とを含み得る。複数のループ行内の各セルは、2つの長手方向を向いたコネクタ要素に接続された周方向ループ要素を含み得る。複数の横糸行は、隣接するループ行に接続された複数の周方向横糸要素を含み得る。複数のループ行の大部分は、2つの長手方向を向いたコネクタ要素の間に配置され、かつ、周方向ループ要素に対向する開放端を有する開放セルを含み得る。複数のループ行のうちの少なくとも1つは、周方向ループ要素に対向する位置で2つの長手方向を向いたコネクタ要素を交差させることによって形成された閉鎖端を有する複数の閉鎖セルを含み得る。複数の閉鎖セルは、複数のループ行のうちの少なくとも1つ内で互いに長手方向に間隔を空け得る。
【0020】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、複数の閉鎖セルの連続した対のそれぞれは、複数のループ行のうちの少なくとも1つ内で1つの開放セルによって互いに長手方向に間隔を空けている。
【0021】
本明細書に開示される任意の例に加えて、又は代替的に、複数の閉鎖セルの連続した対のそれぞれは、複数のループ行のうちの少なくとも1つ内で2つの開放セルによって互いに長手方向に間隔を空けている。
【0022】
いくつかの実施形態の上記の概要は、本開示の各開示された実施形態又は全ての実装形態を説明することを意図していない。以下の図面及び「発明を実施するための形態」は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【0023】
本開示は、添付の図面に関連して以下の「発明を実施するための形態」を考慮することにより、より完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】開放ループ構造を有する編組ステントの一部分を示す平面パターン図。
図2】編組ステントの端面図。
図3】身体管腔内に配置された適切な大きさの編組ステントの端面図。
図4】編組ステントが設計されているよりも小さい身体管腔内に配置された編組ステントの端面図。
図5】ねじりループの行を含む編組ステントの一部分を示す平面パターン図。
図6】ねじりループの複数の行を含む編組ステントの一部分を示す平面パターン図。
図7】編組ステントの第1の端部から編組ステントの第2の端部まで延びているねじりループの行を含む編組ステントの図。
図8A】編組ステントの第1の端部部分及び第2の端部部分内に延びているねじりループの行を含む編組ステントの図。
図8B】編組ステントの第1のフレア状端部部分及び第2のフレア状端部部分内に延びているねじりループの行を含むフレア状端部を有する編組ステントの図。
図9A】開放ループと1列おきに交互するねじりループのパターンを有する行を含む編組ステントの一部分の図。
図9B】間に2列の開放ループを有して3列ごとに配置されたねじりループのパターンを有する行を含む編組ステントの一部分の図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態に適用可能であるが、その詳細が図面において例として示されており、詳細に説明される。しかしながら、その意図は、本開示の態様を記載された特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。逆に、本発明は、本開示の範囲内に入る全ての修正形態、均等物、及び代替形態を包含するものである。
【0026】
以下の説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面は、必ずしも縮尺通りではないが、同様の参照番号は、いくつかの図を通して同様の要素を示す。発明を実施するための形態及び図面は、特許請求の範囲を限定するものではなく例示することを意図している。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、記載及び/又は図示された様々な要素を様々な組み合わせ及び構成で配置することができることを認識するであろう。発明を実施するための形態及び図面は、本開示の例示的な実施形態を示す。
【0027】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
本明細書において、全ての数値は、明示的に示されているか否かにかかわらず、用語「約」によって修飾されると仮定する。数値の文脈における「約」という用語は、一般に、当業者が列挙された値と同等である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えるであろう数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数を含むことができる。「約」という用語の他の(例えば、数値以外の文脈における)使用は、別段の指定がない限り、本明細書の文脈から理解され、本明細書の文脈と一致するような、それらの通常の慣習的な定義を有すると仮定され得る。
【0028】
端点による数値範囲の記載は、端点を含むその範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
様々な構成要素、特徴及び/又は仕様に関するいくつかの適切な寸法、範囲及び/又は値が開示されているが、本開示によって触発された当業者であれば、所望の寸法、範囲及び/又は値が明示的に開示されたものから逸脱し得ることを理解するであろう。
【0029】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「又は」という用語は、内容が明らかに他のことを示さない限り、「及び/又は」を含む意味で一般に使用される。理解を容易にするために、本開示のいくつかの特徴は、それらの特徴が本開示内で複数であり得る又は反復され得る場合であっても、単数形で説明されることがあることに留意されたい。特徴の各例は、反対のことが明確に述べられていない限り、単数の開示を含み、かつ/又はそれによって包含され得る。簡略化及び明確化のために、本開示の全ての要素が必ずしも各図に示されているわけではなく、又は以下で詳細に説明されるわけではない。しかしながら、以下の説明は、反対のことが明確に述べられていない限り、2つ以上存在する構成要素のいずれか及び/又は全てに等しく適用され得ることが理解されるであろう。更に、明確化のために、いくつかの要素又は特徴の例全てが各図に示されているわけではない。
【0030】
「近位」、「遠位」、「前進」、「後退」、それらの変化形などの相対的な用語は、概して、装置のユーザ/オペレータ/マニピュレータに対する様々な要素の位置、方向、及び/又は動作に関して考慮され得、「近位」及び「後退」は、ユーザにより近いこと又はユーザに向かうことを示し又は指し、「遠位」及び「前進」は、ユーザからより遠いこと又はユーザから離れることを示す又は指す。場合によっては、「近位」及び「遠位」という用語は、本開示の理解を容易にするために任意に割り当てられることがあり、そのような場合は、当業者には容易に明らかになるであろう。「上流」、「下流」、「流入」、及び「流出」などの他の相対的な用語は、身体管腔、血管などの管腔内、又は装置内の流体流の方向を指す。「軸方向」、「周方向」、「長手方向」、「横方向」、「半径方向」などの更に他の相対的な用語及び/又はそれらの変化形は、一般に、開示される構造又は装置の中心長手方向軸に対する方向及び/又は向きを指す。
【0031】
「範囲」という用語は、当該範囲又は寸法が、記載又は特定された寸法の最小測定値を意味すると理解され得る「最小」を付けられない限り又は「最小」として特定されない限り、記載又は特定された寸法の最大測定値を意味すると理解され得る。例えば、「外側範囲」は外側寸法を意味すると理解され得、「半径方向範囲」は半径方向寸法を意味すると理解され得、「長手方向範囲」は長手方向寸法を意味すると理解され得る。「範囲」の各例は、異なる場合があり(例えば、軸方向、長手方向、横方向、半径方向、周方向など)、個々の使用の文脈から当業者には明らかであろう。一般に、「範囲」は、意図された用途に従って測定された可能な最大寸法と考えることができ、一方、「最小範囲」は、意図された用途に従って測定された可能な最小寸法と考えることができる。場合によっては、「範囲」は、一般に、平面及び/又は断面内で直交して測定され得るが、特定の文脈から明らかになるように、限定はされないが、角度的に、半径方向に、周方向に(例えば、弧に沿って)など、異なるように測定され得る。
【0032】
「モノリシック」及び「単体」という用語は、一般に、単一の構造若しくはベースユニット/要素から作製される又はそれからなる、1つ又は複数の要素を指すものとする。モノリシック及び/又は単体要素は、複数の別個の構造又は要素を一緒に組み立てること又は別様に接合することによって作製される構造及び/又は特徴を除外するものとする。
【0033】
本明細書における「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まなく得ることを示すことに留意されたい。更に、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、反対のことが明確に述べられていない限り、他の実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性を実装することは、当業者の知識の範囲内であろう。すなわち、以下で説明される様々な個々の要素は、特定の組み合わせで明示的に示されていなくても、当業者によって理解されるように、他の追加の実施形態を形成するために、又は説明される実施形態を補完及び/又は強化するために、互いに組み合わせ可能又は配置可能であると考えられる。
【0034】
明確化の目的で、明細書及び/又は特許請求の範囲の全体にわたって、明細書及び/又は特許請求の範囲の様々な特徴を命名及び/又は区別するために、特定の識別数値命名法(例えば、第1、第2、第3、第4など)を使用する場合がある。数値命名法は、限定を意図するものではなく、単なる例示であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、簡潔性及び明確性のために、以前に使用された数値命名法の変更及びそれからの逸脱が行われる場合がある。すなわち、「第1の」要素として識別される特徴は、後に、「第2の」要素、「第3の」要素などと称されることがある、又は完全に省略されることがある、及び/又は異なる特徴が「第1の」要素と称されることがある。各例における意味及び/又は名称は、当業者には明らかであろう。
【0035】
図は、体内補綴物又はステントの選択された構成要素及び/又は配置を示す。任意の所与の図において、体内補綴物又はステントのいくつかの特徴は、簡略化のために示されていない場合があること、又は概略的に示されている場合があることに留意されたい。体内補綴物又はステントの構成要素のいくつかに関する更なる詳細は、他の図においてより詳細に示され得る。理解を容易にするために、本開示のいくつかの特徴は、それらの特徴が本開示内で複数であり得る又は反復され得る場合であっても、単数形で説明されることがあることに留意されたい。特徴の各例は、反対のことが明確に述べられていない限り、単数の開示を含み、かつ/又はそれによって包含され得る。例えば、「フィラメント」、「セル」、「ストラット」、又は他の特徴への言及は、当該特徴の1つを超える全ての例及び量に等しく言及することができる。従って、以下の説明は、反対のことが明確に述べられていない限り、体内補綴物又はステント内に2つ以上存在する構成要素のいずれか及び/又は全てに等しく適用され得ることが理解されるであろう。更に、明確化のために、いくつかの要素又は特徴の例全てが各図に示されているわけではない。
【0036】
図1は、1つの既知の例による従来の編組ステント10の平面パターン図を示す。編組ステント10は、互いに交錯させた複数の開放端ループを有する基本的な自己拡張構成のステントであり得る。従来の編組自己拡張型ステントは、一般に、拡張した弛緩構成及び細長い拘束構成の両方においてステントの中心長手方向軸A-Aに略垂直に向いている編目の平行列20と、拡張した弛緩構成及び細長い拘束構成の両方においてステントの中心長手方向軸に対して平行に向いている編目の平行行30及び平行行40とを生成する自動緯編プロセスを使用して設計される。平行行40は、一般に、平行行30よりも小さい及び/又は密である。従来の編組ステントは、特定の利点及び欠点を有する。例えば、編組ステント10は、最小限の短縮で良好な半径方向強度を提供し得る。これは、食道及び気管気管支用途並びに一部の肥満手術後用途においても望ましい場合がある。しかしながら、編組ステント10は、特に同軸送達システム内に拘束することが困難な場合があり、従って、鈎針編送達システムなど再捕捉の方法を提供し得ないシステムを使用して送達され得る。
【0037】
図2は、編組ステント10の端面図を概略的に示す。実際には、編組ステント10は、略円形の断面形状を有し得る。しかしながら、図2に見られるように、平行行30が直線状の脚として形成されるとした場合/とする場合、平行行30は、多角形ステント構造の「辺」を形成し、平行行40は、多角形ステント構造の「角」を形成する。平行行30は、隣接する平行行40の間に周方向に配置され得る、及び/又は平行行40は、隣接する平行行30の間に周方向に配置され得る。平行行40は、完全に角度を成す角を形成しないが、図は、平行行30が直線状の脚として形成された場合に、平行行30が互いに対してどのような角度で配置されるかを示す。実際には、平行行30は、半径方向外向きに湾曲しており、従って、編組ステントにより円形の形状を与えている。編組ステント10が拡張する場合、その横糸要素(例えば平行行30)は、そのループ要素(例えば平行行40)が形成されている各端部で縛られ、それにより、各横糸要素はその隣り合う横糸要素から独立して動作し、横糸要素がそれ自体の場所において拘束抵抗に反応することを可能にする。
【0038】
図3は、身体管腔80内に配置するための適切な大きさになった場合の半径方向拡張構成にある編組ステント10を概略的に示す。従来の編組ステントでは、身体管腔に対して適切な大きさになった場合、平行行30と平行行40は協働して、身体管腔80の周囲に沿って均一に拡張する。一般に、ステントの各横糸要素(例えば、「辺」又は平行行30)は、抵抗なく等しい半径方向力で拡張することができ、編組ステント10は、半径方向拡張構成において効率的な円形断面を示すことができる。編組ステント10が展開される場合、ループ要素(例えば平行行40)は軸方向に短縮しようとするため、フィラメント材料を隣接する横糸要素に押し込んで、半径方向に拡張させ、編組ステント10の外径を身体管腔80の直径まで増大させる。
【0039】
図4は、同じ編組ステント10に対して身体管腔82の大きさが小さい場合の影響、あるいは、編組ステント10が身体管腔82よりも大きい不適切なサイズである場合の影響を概略的に示す。編組ステント10が鈎針編送達装置から展開される場合、編組ステント10の拡張に対する抵抗は、個々の横糸要素(例えば平行行30)上で時計回り(又は反時計回り)に秩序立って減少する。編組ステント10が送達される手法の結果、横糸要素の全てが同時に、半径方向に拡張する位置にあるわけではない。この不均衡により、最初に解放された横糸要素はその局所空間に拡張し始めることが可能になる一方で、後の横糸要素は、送達装置からの抵抗が取り除かれるのを待たなければならない。横糸要素は全て、解放された場合に、その各々の拡張したサイズを維持する又は維持しようとする。図4の例では、この不均等な拡張は「シー・フォールド」50の形成をもたらす。これは、身体管腔82内の空間の不足と身体管腔82の壁に対して所定の位置にすでに拡張した横糸要素による抵抗の増加のせいで、最後の横糸要素が拡張するための位置にないことによる。身体管腔82と編組ステント10との間の相対的なサイズ差が増加すると(例えば、身体管腔82が編組ステント10に対して小さくなる、又は編組ステント10が身体管腔82に対して大きくなると)、プロセスは大きくなり、「シー・フォールド」50の深刻度が悪化する可能性がある。編組ステント10が(例えば「シー・フォールド」50が形成された)この構成に一旦拡張すると、この状況を元に戻すことは、特にその位置では困難又は不可能な場合がある。
【0040】
「シー・フォールド」を形成させる条件を克服することができる、及び/又は編組ステントをより広範囲の身体管腔直径に対してより適応可能にすることができる、代替的な自己拡張型編組ステントが望まれる。本明細書に開示される実施形態は、食道ステント及び気管気管支ステントを参照して説明されているが、本明細書に記載されるステントは、冠状血管系又は末梢血管系、気管、気管支、結腸、小腸、胆管、尿路、前立腺、脳、胃などであるがこれらに限定されない、身体組織、身体器官、血管腔、非血管腔、及びこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない他の場所で使用することができ、かつそのような場所で使用するための大きさにされ得ることが想定される。
【0041】
図5は、本開示に従って構成された編組ステント100の一部分の平面パターン図を示す。編組ステント100は、編組ステント100の第1の端部から編組ステント100の第2の端部まで中心長手方向軸B-Bに沿って延びている管状部材を形成し得る。編組ステント100は、展開時に、半径方向に折り畳まれた構成から半径方向拡張構成に移行するように構成され得る。例えば、管状部材は、送達中の圧縮された直径から、管状部材を取り囲む拘束部材によって拘束されていないときの拡張した直径に自己拡張し得る。編組ステント100は、流体、食物などの通過を可能にするための、第1の端部から第2の端部まで延びているルーメンを含み得る。編組ステント100は、複数の列112と複数の行114とに配置された複数のセルを形成するフィラメント110を含み得、及び/又は、フィラメント110から形成され得る。いくつかの実施形態では、編組ステント100は、複数のセルを形成するためにフィラメント自体で織り合わされた及び/又は交絡された単一のフィラメントのみから形成され得る。いくつかの実施形態では、フィラメント110は、モノフィラメントであってもよく、他の実施形態では、フィラメント110は2つ以上のフィラメントであり得る。いくつかの実施形態では、編組ステント100の内面及び/又は外面は、ポリマー被覆又はコーティングで全体的に、実質的に、又は部分的に覆われ得る。ポリマー被覆又はコーティングは、フィラメント110によって形成及び/又は画定される複数のセルの1つ以上にわたって延び得、及び/又は、閉塞し得る。ポリマー被覆又はコーティングは、食片圧入及び/又は腫瘍若しくは組織の内部増殖の低減に役立ち得る。いくつかの実施形態では、編組ステント100は、流体の逆流を防止するために編組ステント100のルーメン内に配置されたエラストマー製スリット弁又はダックビル弁などの一方向弁(図示せず)を含み得る。
【0042】
複数の行114は、編組ステント100の第1の端部から編組ステント100の第2の端部まで中心長手方向軸B-Bに平行に延び得る。複数の列112は、中心長手方向軸B-Bの周りに周方向に延び得る。各列112は、単一のフィラメントから編まれる際には、完全に一周りする度に隣接する列112が形成されるように、中心長手方向軸B-Bの周りに周方向に、わずかに螺旋方向に延び得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、複数の列112は、中心長手方向軸B-Bに対して垂直に向けられ得る。複数の行は、複数のループ行120と、隣接するループ行120の間に介在する複数の横糸行130とを含み得る。従って、ループ行120は、管状部材の周囲に沿って横糸行130と交互であり得る。周方向に隣接する及び/又は連続する各対の複数のループ行120は、複数の横糸行130の1つによって互いに周方向に間隔が空けられ得る。複数のループ行120内の各セルは、2つの長手方向を向いたコネクタ要素124に接続された周方向ループ要素122を含み得、周方向ループ要素122は、中心長手方向軸B-Bの周りに概ね周方向に向けられている。各セルの周方向ループ要素122は、その各々のセル内で、編組ステント100の第1の端部に向けられ得、及び/又は、配置され得る。複数の横糸行130はそれぞれ、隣接するループ行120に接続された複数の周方向横糸要素132を含み得、複数の周方向横糸要素132は、中心長手方向軸B-Bの周りに概ね周方向に向けられている。複数の周方向横糸要素132のそれぞれは、各隣接するループ行120からの2つの長手方向を向いたコネクタ要素124のうちの1つに両端で接続され得る。例えば、1つの周方向横糸要素132は、第1のループ行126からの2つの長手方向を向いたコネクタ要素124のうちの1つに第1の端部で接続され得、第1のループ行126に周方向に隣接して(及び周方向横糸要素132を含む横糸行130によって第1のループ行126から周方向に間隔を空けて)配置された第2のループ行128からの2つの長手方向を向いたコネクタ要素124のうちの1つに第2の端部で接続され得る。いくつかの実施形態では、複数の周方向横糸要素132は、半径方向拡張構成において、長さが約0.1ミリメートル~約10.0ミリメートルであり得る。他の例では、複数の周方向横糸要素132は、1ミリメートル~5ミリメートルの長さを有し得る。更に他の例では、複数の周方向横糸要素132は、2ミリメートル~3ミリメートルの長さを有し得る。
【0043】
複数のループ行120の大部分は、2つの長手方向を向いたコネクタ要素124の間に配置され、かつ、周方向ループ要素122に対向する位置にある開放端123をそれぞれ有する開放セル121を含む。従って、複数の開放セル121は、代替的に及び/又は互換的に、「開放ループ」又は「標準ループ」と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、複数のループ行120のうちの少なくとも1つは、周方向ループ要素122に対向する位置で2つの長手方向を向いたコネクタ要素124をねじることによって、又は、交差させることによって形成された閉鎖端127をそれぞれ有する複数の閉鎖セル125を含む。従って、複数の閉鎖セル125は、代替的に及び/又は互換的に、「ねじりループ」と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125は、編組ステント100の第1の端部又は第2の端部に近接して配置され得る。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125は、編組ステント100の第1の端部及び第2の端部に近接して配置され得る。いくつかの実施形態では、編組ステント100の全ての閉鎖セル125が単一のループ行120内に配置され得る。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125は、単一のループ行120内で、編組ステント100の第1の端部から編組ステント100の第2の端部まで中心長手方向軸B-Bに沿って、互いに直近に隣接して配置され得る。複数の閉鎖セル125のそれぞれを形成している2つの長手方向を向いたコネクタ要素124のそれぞれは、各隣接する横糸行130からの1つの周方向横糸要素132に直接接続され得る。
【0044】
本明細書に記載するような複数の閉鎖セル125(例えばねじりループ)を有する編組ステント100が展開されると、各開放セル121(例えば標準ループ)の2つの長手方向を向いたコネクタ要素124が軸方向に短縮されることにより、フィラメント材料を隣接する及び/又は直接接続された横糸要素132に押し込み、編組ステント100を半径方向に拡張する。複数の閉鎖セル125は、隣接するループ行120の2つの長手方向を向いたコネクタ要素124から余分なフィラメント材料を受け入れる及び/若しくは吸収するように構成されている、並びに/又は受け入れる及び/若しくは吸収することができる。同様に、複数の閉鎖セル125(例えばねじりループ)は、2つの直接接続された周方向横糸要素132及び/又は隣接するループ行120の2つの長手方向を向いたコネクタ要素124からフィラメント材料を受け入れると、長手方向に伸長及び/又は変形するように構成され得、「シー・フォールド」の形成を伴わずに、編組ステント100の直径を達成することを可能にする。従って、複数の閉鎖セル125は、編組ステント100が身体管腔に対して不適切な大きさになった場合に編組ステント100が曲がること及び/又は自己調整することを可能にする、編組ステント100内のサスペンション機能としての役割を果たし得る。少なくともいくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125(例えばねじりループ)は、編組ステント100の設計及び/又は表示された外径と標的身体管腔の内径との間の差異に応じて異なる量だけ伸長することができるので、変化する身体管腔直径に対する編組ステント100の適応性を最適化及び/又は最大化するために、複数の閉鎖セル125は、編組ステント100の展開中の最後に開放及び/又は解放されるように配置及び/又は構成され得る。
【0045】
図6は、編組ステント100に類似する別の構成の編組ステント200の平面パターン図を示す。従って、多くの特性及び/又は利点は同じである。編組ステント200は、編組ステント200の第1の端部から編組ステント200の第2の端部まで中心長手方向軸C-Cに沿って延びている管状部材を形成し得る。編組ステント200は、展開時に、半径方向に折り畳まれた構成から半径方向拡張構成に移行するように構成され得る。例えば、管状部材は、送達中の圧縮された直径から、管状部材を取り囲む拘束部材によって拘束されていない場合の拡張した直径に自己拡張し得る。編組ステント200は、流体、食物などの通過を可能にするための、第1の端部から第2の端部まで延びているルーメンを含み得る。編組ステント200は、複数の列212と複数の行214とに配置された複数のセルを形成するフィラメントを含み得る及び/又はフィラメントから形成され得る。いくつかの実施形態では、編組ステント200は、複数のセルを形成するためにフィラメント自体で織り合わされた及び/又は交絡された単一のフィラメントのみから形成され得る。いくつかの実施形態では、フィラメントはモノフィラメントであってもよく、他の実施形態では、フィラメントは2つ以上のフィラメントであり得る。いくつかの実施形態では、編組ステント200の内面及び/又は外面は、ポリマー被覆又はコーティングで全体的に、実質的に、又は部分的に覆われ得る。ポリマー被覆又はコーティングは、フィラメントによって形成及び/又は画定される複数のセルの1つ以上にわたって延び得る及び/又は塞いでもよい。ポリマー被覆又はコーティングは、食片圧入及び/又は腫瘍若しくは組織の内部増殖の低減に役立ち得る。いくつかの実施形態では、編組ステント200は、流体の逆流を防止するために編組ステント200のルーメン内に配置されたエラストマー製スリット弁又はダックビル弁などの一方向弁(図示せず)を含み得る。
【0046】
複数の行214は、編組ステント200の第1の端部から編組ステント200の第2の端部まで中心長手方向軸C-Cに平行に延び得る。複数の列212は、中心長手方向軸C-Cの周りに周方向に延び得る。単一のフィラメントから編む場合、各列212は、完全に一周りする度に隣接する列212が形成されるように、中心長手方向軸C-Cの周りに周方向に、わずかに螺旋方向に延び得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、複数の列212は、中心長手方向軸C-Cに対して垂直に向けられ得る。複数の行は、複数のループ行220と、隣接するループ行220の間に介在する複数の横糸行230とを含み得る。従って、ループ行220は、管状部材の周囲に沿って横糸行230と交互であり得る。周方向に隣接する及び/又は連続する各対の複数のループ行220それぞれは、複数の横糸行230の1つによって互いに周方向に間隔が空けられ得る。複数のループ行220内の各セルは、2つの長手方向を向いたコネクタ要素224に接続された周方向ループ要素222を含み得、周方向ループ要素222は、中心長手方向軸C-Cの周りに概ね周方向に向けられている。各セルの周方向ループ要素222は、その各々のセル内で、編組ステント200の第1の端部に向けられても及び/又は配置され得る。複数の横糸行230はそれぞれ、隣接するループ行220に接続された複数の周方向横糸要素232を含み得、複数の周方向横糸要素232は、中心長手方向軸C-Cの周りに概ね周方向に向けられている。複数の周方向横糸要素232のそれぞれは、各隣接するループ行220からの2つの長手方向を向いたコネクタ要素224のうちの1つに両端で接続され得る。例えば、1つの周方向横糸要素232は、1つのループ行からの2つの長手方向を向いたコネクタ要素224のうちの1つに第1の端部で接続され得、1つのループ行に周方向に隣接して(及び周方向横糸要素232を含む横糸行230によって1つのループ行220から周方向に間隔を空けて)配置された別のループ行からの2つの長手方向を向いたコネクタ要素224のうちの1つに第2の端部で接続され得る。
【0047】
複数のループ行220の大部分は、2つの長手方向を向いたコネクタ要素224の間に配置され、かつ、周方向ループ要素222に対向する位置する開放端223をそれぞれ有する開放セル221を含む。従って、複数の開放セル221は、代替的に及び/又は互換的に、「開放ループ」又は「標準ループ」と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、複数のループ行220のうちの少なくとも1つは、周方向ループ要素222に対向する位置で2つの長手方向を向いたコネクタ要素224をねじる又は交差させることによって形成された閉鎖端227をそれぞれ有する複数の閉鎖セル225を含む。従って、複数の閉鎖セル225は、代替的に及び/又は互換的に、「ねじりループ」と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル225を含む複数のループ行220の少なくとも1つは、第1のループ行と、第1のループ行220から周方向に間隔を空けた第2のループ行とを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のループ行及び第2のループ行は、編組ステント200の周方向に対向する部分に配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1のループ行は、中心長手方向軸C-Cの周りで周方向に及び/又は半径方向に測定した場合に、約140度、約150度、約160度、約162度、約168度、約170度、約180度、約189度、約190度、約192度、約198度、約200度、約210度、約220度、又は編組ステント200内に存在するループ行の数に応じた別の適切な角度だけ、第2のループ行から周方向に及び/又は半径方向にオフセットし得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル225は、編組ステント200の第1の端部又は第2の端部に近接して配置され得る。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル225は、編組ステント200の第1の端部及び第2の端部に近接して配置され得る。少なくともいくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル225は、編組ステント200の第1の端部から編組ステント200の第2の端部まで延び得る。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル225は、第1のループ行及び/又は第2のループ行内で、編組ステント200の第1の端部から編組ステント200の第2の端部まで中心長手方向軸C-Cに沿って、互いに直近に隣接して配置され得る。複数の閉鎖セル225のそれぞれを形成している2つの長手方向を向いたコネクタ要素224のそれぞれは、各隣接する横糸行230からの1つの周方向横糸要素232に直接接続され得る。
【0049】
本明細書に記載するような複数の閉鎖セル225(例えばねじりループ)を有する編組ステント200が展開されると、各開放セル221(例えば標準ループ)の2つの長手方向を向いたコネクタ要素224が軸方向に短縮されることにより、フィラメント材料を隣接する及び/又は直接接続された横糸要素232に押し込み、編組ステント200を半径方向に拡張する。複数の閉鎖セル225は、隣接するループ行220の2つの長手方向を向いたコネクタ要素224から余分なフィラメント材料を受け入れる及び/若しくは吸収するように構成されている、並びに/又は受け入れる及び/若しくは吸収することができる。同様に、複数の閉鎖セル225(例えばねじりループ)は、2つの直接接続された周方向横糸要素232及び/又は隣接するループ行220の2つの長手方向を向いたコネクタ要素224からフィラメント材料を受け入れると、長手方向に伸長及び/又は変形するように構成され得、「シー・フォールド」の形成を伴わずに、編組ステント200の直径を達成することを可能にする。従って、複数の閉鎖セル225は、編組ステント200が身体管腔に対して不適切な大きさになった場合に編組ステント200が曲がること及び/又は自己調整することを可能にする、編組ステント200内のサスペンション機能としての役割を果たし得る。少なくともいくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル225(例えばねじりループ)は、編組ステント200の設計及び/又は表示された外径と標的身体管腔の内径との間の差異に応じて異なる量だけ伸長することができるので、変化する身体管腔直径に対する編組ステント200の適応性を最適化及び/又は最大化するために、複数の閉鎖セル225は、編組ステント200の展開中の最後に開放及び/又は解放されるように配置及び/又は構成され得る。
【0050】
図7は、図5に関して上述した特徴を含み得る編組ステント100の一例の一部分を示す側面図である。別の構成では、図7は、図6に関して上述した特徴を含み得る編組ステント200の一部分を示すと考えることができる。簡略化の目的で、以下の説明は、編組ステント100を対象とするが、このような説明は、限定を意図するものではない。編組ステント100は、第1の端部101に近接する及び/又は第1の端部101から延びている第1の端部部分102と、第2の端部109に近接する及び/又は第2の端部109から延びている第2の端部部分108と、中心長手方向軸B-Bに沿って第1の端部部分102と第2の端部部分108との間に軸方向に及び/又は長手方向に配置された本体部分105とを含み得る。
【0051】
少なくともいくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125を含む複数のループ行120のうちの少なくとも1つは、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は中心長手方向軸B-Bに平行に、第1の端部部分102、本体部分105及び第2の端部部分108内に延びている第1のループ行119を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のループ行119は、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は中心長手方向軸B-Bに平行に、編組ステント100の第1の端部101から編組ステント100の第2の端部109まで延び得る。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125の少なくともいくつかは、第1のループ行119内で互いに織り合わされ得る及び/又は交絡され得る。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125は、第1のループ行119内で、編組ステント100の第1の端部101から編組ステント100の第2の端部109まで、互いに直近に隣接して配置され得る。いくつかの実施形態では、編組ステント100の全ての閉鎖セルが第1のループ行119内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の端部部分102、第2の端部部分108、及び本体部分105における複数のループ行120の複数のセルの合計が、少なくとも90%の開放セルを含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125(例えばねじりループ)は、編組ステント100の第1の端部部分102、本体部分105及び/又は第2の端部部分108に周方向力を作用させ得る。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125(例えばねじりループ)は、編組ステント100の第1の端部部分102、本体部分105及び/又は第2の端部部分108に一定の半径方向力を作用させることを可能にし得る一方で、解剖学的差異に応じて類似し得る又は異なり得る、編組ステント100の第1の端部部分102、本体部分105及び/又は第2の端部部分108と関連する血管寸法に適した任意の周方向拡張を維持する。
【0053】
図8Aは、図5に関して上述した特徴を含み得る編組ステント100の別の例の一部分を示す側面図である。別の構成では、図8Aは、図6に関して上述した特徴を含み得る編組ステント200の一部分を示すと考えることができる。簡略化の目的で、以下の説明は、編組ステント100を対象とするが、このような説明は、限定を意図するものではない。編組ステント100は、第1の端部101に近接する及び/又は第1の端部101から延びている第1の端部部分102と、第2の端部109に近接する及び/又は第2の端部109から延びている第2の端部部分108と、中心長手方向軸B-Bに沿って第1の端部部分102と第2の端部部分108との間に軸方向に及び/又は長手方向に配置された本体部分105とを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、本体部分105内において、複数のループ行120は、2つの長手方向を向いたコネクタ要素124の間に、かつ、周方向ループ要素122(例えば図5)の反対側に配置された開放端123を有する開放セルから完全に及び/又は全体的に形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の端部部分102内において、複数のループ行120のうちの少なくとも1つは、周方向ループ要素122(例えば図5)に対向する位置で2つの長手方向を向いたコネクタ要素124を交差させることによって形成された閉鎖端127を有する第1の複数の閉鎖セルを含む。いくつかの実施形態では、第2の端部部分108内において、複数のループ行120のうちの少なくとも1つは、周方向ループ要素122(例えば図5)に対向する位置で2つの長手方向を向いたコネクタ要素124を交差させることによって形成された閉鎖端127を有する第2の複数の閉鎖セルを含む。
【0055】
少なくともいくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125を含む複数のループ行120のうちの少なくとも1つは、第1のループ行119の第1の部分と、第1の部分から軸方向に及び/又は長手方向に間隔を空けた第1のループ行119の第2の部分とを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のループ行119の第1の部分は、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は中心長手方向軸B-Bに平行に、第1の端部部分102内に延び得る及び/又は配置され得る。いくつかの実施形態では、第1のループ行119の第2の部分は、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は中心長手方向軸B-Bに平行に、第2の端部部分108内に延び得る及び/又は配置され得る。第1の端部部分102と第2の端部部分108は、編組ステント100の本体部分105によって間隔を空けられ得る。
【0056】
図8Bに見られるように、いくつかの実施形態では、第1の端部部分102及び第2の端部部分108はそれぞれ、本体部分105の外径よりも大きい外径を有し得る。いくつかの実施形態では、編組ステント100の半径方向拡張構成において、第1の端部部分102は、本体部分105の外径よりも大きい第1の外径を有し得る。そのような実施形態では、第1の端部部分102は、第1のフレア状端部部分と見なされ得る及び/又は呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、編組ステント100の半径方向拡張構成において、第2の端部部分108は、本体部分105の外径よりも大きい第2の外径を有し得る。そのような実施形態では、第2の端部部分108は、第2のフレア状端部部分と見なされ得る及び/又は呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、第1の外径は、第2の外径と同じであり得る。いくつかの実施形態では、第1の外径は、第2の外径と異なり得る。図8Bの例では、第1の外径及び第2の外径は両方とも本体部分105の外径と異なる。図8Aの例では、第1の外径及び第2の外径は両方とも本体部分105の外径と実質的に同一(例えば、同じ)である。他の構成も想定される。例えば、第1の端部部分102の第1の外径は、本体部分105の外径よりも大きくてもよく、第2の端部部分108の第2の外径は、本体部分105の外径と実質的に同一であってもよく、又はその逆もまた然りである。
【0057】
図8A及び図8Bの両方の例示的な構成に関して、いくつかの実施形態では、第1のループ行119の第1の部分は、本体部分105から、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は中心長手方向軸B-Bに平行に、編組ステント100の第1の端部101に向かって及び/又は編組ステント100の第1の端部101に延び得、第1のループ行119の第2の部分は、本体部分105から、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は中心長手方向軸B-Bに平行に、編組ステント100の第2の端部109に向かって及び/又は編組ステント100の第2の端部109に延び得る。いくつかの実施形態では、第1の部分は、第1の複数の閉鎖セル117を含み得、第2の部分は、第2の複数の閉鎖セル118を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される複数の閉鎖セル125(例えばねじりループ)は、第1の複数の閉鎖セル117及び/又は第2の複数の閉鎖セル118を含み得、それぞれの特性及び/又は特徴は、明示的に別段の定めがない限り、互換的に使用及び/又は適用され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の複数の閉鎖セル117は、第1のループ行119内で互いに織り合わされ得る及び/又は交絡され得る。いくつかの実施形態では、第2の複数の閉鎖セル118は、第1のループ行119内で互いに織り合わされ得る及び/又は交絡され得る。いくつかの実施形態では、第1の複数の閉鎖セル117は、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は第1のループ行119内で、編組ステント100の本体部分105から第1の端部101まで延び得る及び/又は互いに直近に隣接して配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の複数の閉鎖セル118は、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は第1のループ行119内で、編組ステント100の本体部分105から第2の端部109まで延び得る及び/又は互いに直近に隣接して配置され得る。いくつかの実施形態では、編組ステント100の全ての閉鎖セルが第1のループ行119内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の端部部分102、第2の端部部分108、及び本体部分105における複数のループ行120の複数のセルの合計が、少なくとも90%の開放セルを含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の複数の閉鎖セル117(例えばねじりループ)は、編組ステント100の第1の端部部分102に第1の周方向力を作用させ得る。いくつかの実施形態では、第2の複数の閉鎖セル118(例えばねじりループ)は、編組ステント100の第2の端部部分108に第2の周方向力を作用させ得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向力は、第2の周方向力と実質的に同一であり得る。いくつかの実施形態では、第1の周方向力は、第2の周方向力と異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の周方向力は、第2の周方向力よりも大きくてもよく、又はその逆もまた然りである。いくつかの実施形態では、第1の複数の閉鎖セル117(例えばねじりループ)は、編組ステント100の第1の端部部分102に一定の半径方向力を作用させることを可能にし得る一方で、解剖学的差異に応じて類似し得る又は異なり得る、編組ステント100の第1の端部部分102と関連する血管寸法に適した任意の周方向拡張を維持する。いくつかの実施形態では、第2の複数の閉鎖セル118(例えばねじりループ)は、編組ステント100の第2の端部部分108に一定の半径方向力を作用させることを可能にし得る一方で、解剖学的差異に応じて類似し得る又は異なり得る、編組ステント100の第2の端部部分108と関連する血管寸法に適した任意の周方向拡張を維持する。
【0060】
第1のフレア状端部部分及び/又は第2のフレア状端部部分は、身体管腔の壁に係合するように構成され得る。本体部分から第1のフレア状端部部分及び/又は第2のフレア状端部部分への移行は、必要に応じて、段階的に、傾斜的に、又は急な段階状に生じ得ることが想定される。いくつかの実施形態では、本体部分の外径は、約15ミリメートル~約25ミリメートルの範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、第1のフレア状端部部分の第1の外径及び/又は第2のフレア状端部部分の第2の外径は、約20ミリメートル~約30ミリメートルの範囲内であり得る。編組ステント100の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが想定される。
【0061】
図9A及び図9Bは、図7の編組ステント100の別の構成の一部分を示す側面図である。あるいは、図9A及び図9Bは、編組ステント200の一部分を示すものと考えることができる。簡略化の目的で、以下の議説明は、編組ステント100を対象とするが、このような説明は、限定を意図するものではない。編組ステント100は、第1の端部101に近接する及び/又は第1の端部101から延びている第1の端部部分102と、第2の端部109に近接する及び/又は第2の端部109から延びている第2の端部部分108と、中心長手方向軸B-Bに沿って第1の端部部分102と第2の端部部分108との間に軸方向に及び/又は長手方向に配置された本体部分105とを含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、複数のループ行120の大部分は、2つの長手方向を向いたコネクタ要素124の間に、かつ、周方向ループ要素122(例えば図5)の反対側に配置された開放端123を有する開放セルを含む。複数のループ行120のうちの少なくとも1つは、周方向ループ要素122(例えば図5)に対向する位置で2つの長手方向を向いたコネクタ要素124を交差させることによって形成された閉鎖端127を有する複数の閉鎖セル125を含む。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125を含む複数のループ行120のうちの少なくとも1つは、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は中心長手方向軸B-Bに平行に、第1の端部部分102、本体部分105及び第2の端部部分108内に延びている第1のループ行119を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のループ行119は、中心長手方向軸B-Bに沿って及び/又は中心長手方向軸B-Bに平行に、編組ステント100の第1の端部101から編組ステント100の第2の端部109まで延び得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125の少なくともいくつかは、第1のループ行119内で開放セルと織り合わされ得る及び/又は交絡され得る。例えば、いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125は、複数のループ行120のうちの少なくとも1つ内で及び/又は第1のループ行119内で互いに長手方向に間隔を空けている。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125は、第1のループ行119内で、編組ステント100の第1の端部101から編組ステント100の第2の端部109まで互いに長手方向に間隔を空けている。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125の連続した対のそれぞれは、図9Aに示すように、複数のループ行120のうちの少なくとも1つ内で及び/又は第1のループ行119内で、1つの開放セルによって互いに長手方向に間隔を空け得る。いくつかの実施形態では、複数の閉鎖セル125の連続した対のそれぞれは、図9Bに示すように、複数のループ行120のうちの少なくとも1つ内で及び/又は第1のループ行119内で、2つの開放セルによって互いに長手方向に間隔を空け得る。他の構成も想定される。いくつかの実施形態では、編組ステント100の全ての閉鎖セルが第1のループ行119内に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の端部部分102、第2の端部部分108、及び本体部分105における複数のループ行120の複数のセルの合計が、少なくとも90%の開放セルを含み得る。
【0064】
本明細書に開示される編組ステント100/200の様々な構成要素及びその様々な要素のために使用することができる材料は、医療装置と一般的に関連付けられるものを含み得る。簡略化の目的で、以下の説明では、編組ステント100/200を参照する。しかしながら、これは、本明細書に記載される装置及び方法を限定することを意図するものではなく、説明は、拡張可能なフレーム構造、固定部分、本体部分、連結部分、ポリマーカバー、及び/又はその要素若しくは構成要素などであるがこれらに限定されない、本明細書に開示される他の要素、部材、構成要素、又は装置に適用され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、編組ステント100/200及び/又はその構成要素は、金属、金属合金、ポリマー(そのいくつかの例が以下に開示される)、金属-ポリマー複合材料、セラミック、それらの組み合わせなど、若しくは他の好適な材料から作製され得る。
【0066】
好適なポリマーのいくつかの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、DuPontから入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、Polyurethane 85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステル系コポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレート、及び/又はDuPontから入手可能なHYTREL(登録商標)などの他のポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDURETHAN(登録商標)又はElf Atochemから入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)の商品名で入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、MARLEX(登録商標)高密度ポリエチレン、MARLEX(登録商標)低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルフォン、ナイロン、ナイロン-12(例えば、EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標))、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS 50A)、ポリカーボネート、ポリウレタンシリコーンコポリマー(例えば、Aortech BiomaterialsのElastEon(登録商標)又はAdvanSource BiomaterialsのChronoSil(登録商標))、生体適合性ポリマー、他の好適な材料、又はそれらの混合物、組み合わせ、コポリマー、ポリマー/金属複合材などを挙げることができる。いくつかの実施形態では、シースは、液晶ポリマー(LCP)とブレンドすることができる。例えば、混合物は、最大約6%のLCPを含有することができる。
【0067】
好適な金属及び金属合金のいくつかの例としては、304V、304L、及び316LVステンレス鋼などのステンレス鋼;軟鋼;線形弾性及び/又は超弾性ニチノールなどのニッケル-チタン合金;ニッケル-クロム-モリブデン合金(例えば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)などのUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)などのUNS:N10276、他のHASTELLOY(登録商標)合金など)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、NICORROS(登録商標)400などのUNS:N04400など)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのUNS:R30035など)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)などのUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、他のニッケル-タングステン又はタングステン合金などの他のニッケル合金など;コバルト-クロム合金;コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R30003など);白金富化ステンレス鋼;チタン;白金;パラジウム;金;これらの組み合わせ;又は任意の他の好適な材料が挙げられる。
【0068】
いくつかの実施形態では、線形弾性及び/又は非超弾性ニッケル-チタン合金は、ニッケルが約50~約60重量パーセントの範囲であってもよく、残りは本質的にチタンである。いくつかの実施形態では、組成物は、ニッケルが約54~約57重量パーセントの範囲である。好適なニッケル-チタン合金の一例は、日本国神奈川県所在の株式会社古河テクノマテリアルから市販されているFHP-NT合金である。他の好適な材料としては、ULTANIUM(商標)(Neo-Metricsから入手可能)及びGUM METAL(商標)(Toyotaから入手可能)が挙げられ得る。いくつかの他の実施形態では、超弾性合金、例えば超弾性ニチノールを使用して、所望の特性を達成することができる。
【0069】
少なくともいくつかの実施形態では、編組ステント100/200及び/又はその構成要素の一部若しくは全部はまた、放射線不透過性材料がドープされ得、放射線不透過性材料で作製され得、あるいは放射線不透過性材料を含み得る。放射線不透過性材料は、医療処置中に蛍光透視画面上又は別の画像技術で比較的明るい画像を生成することができる材料であると理解される。この比較的明るい画像は、体内補綴物100/200の使用者がその位置を決定するのに役立つ。放射線不透過性材料のいくつかの例としては、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填材が装填されたポリマー材料などが挙げられるが、これらに限定されない。更に、同じ結果を達成するために、他の放射線不透過性マーカーバンド及び/又はコイルも体内補綴物100/200の設計に組み込まれ得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴画像(MRI)適合性が、本明細書に開示される編組ステント100/200及び/又は他の要素に付与される。例えば、編組ステント100/200及び/又は構成要素若しくはそれらの一部は、画像を実質的に歪ませず、実質的なアーチファクト(すなわち、画像内のギャップ)を生じさせない材料で作製され得る。例えば、特定の強磁性材料は、MRI画像にアーチファクトを生じさせる可能性があるため、適切でない場合がある。編組ステント100/200又はその一部はまた、MRI機器が撮像することができる材料から作製され得る。これらの特性を示すいくつかの材料としては、例えば、タングステン、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、PHYNOX(登録商標)などのUNS:R30003など)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)などのUNS:R30035など)、ニチノールなど、及びその他が挙げられる。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される編組ステント100/200及び/又は他の要素は、構造上又は構造内に配置された織物材料を含み得る。織物材料は、組織の内部増殖を促進するように適合された、ポリマー材料又は生体材料などの生体適合性材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、織物材料は、生体吸収性材料を含み得る。好適な織物材料のいくつかの例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ePTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系材料、ポリエステル、ポリウレタン、及び/又はこれらのブレンド若しくは組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される編組ステント100/200及び/又は他の要素は、テキスタイル材料を含み得る及び/又はテキスタイル材料から形成され得る。好適なテキスタイル材料のいくつかの例としては、平坦であり得る、成形され得る、撚りが施され得る、テクスチャ加工され得る、予備収縮され得る、又は未収縮であり得る合成糸が挙げられ得る。本発明での使用に好適な合成生体適合性糸としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステルを含むポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリメチルアセテート(polymethylacetates)、ポリアミド、ナフタレンジカルボン酸誘導体、天然絹、及びポリテトラフルオロエチレンが挙げられるが、これらに限定されない。更に、合成糸の少なくとも1つは、金属糸、ガラス若しくはセラミック糸、又は繊維であり得る。有用な金属糸としては、ステンレス鋼、白金、金、チタン、タンタル、若しくはNi-Co-Cr系合金から作製された糸、又はステンレス鋼、白金、金、チタン、タンタル、若しくはNi-Co-Cr系合金を含有する糸が挙げられる。糸は、炭素繊維、ガラス繊維、又はセラミック繊維を更に含み得る。望ましくは、糸は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリナフタレン、ポリテトラフルオロエチレンなどを含むがこれらに限定されない熱可塑性材料から作製される。糸は、マルチフィラメントタイプ、モノフィラメントタイプ、又はスパンタイプのものであり得る。選択される糸のタイプ及びデニールは、生体適合性かつ植え込み型の補綴物、より具体的には、望ましい特性を有する血管構造を形成するように選択され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される編組ステント100/200及び/又は他の要素は、適切な治療薬を含み得る及び/又は適切な治療薬で処理され得る。適切な治療薬のいくつかの例としては、抗血栓剤(へパリン、へパリン誘導体、ウロキナーゼ、及びPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)など);増殖抑制剤(エノキサパリン、アンジオペプチン、平滑筋細胞増殖を遮断することのできるモノクローナル抗体、ヒルジン、及びアセチルサリチル酸など);抗炎症剤(デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、及びメサラミンなど);抗腫瘍剤/抗増殖剤/抗有糸分裂剤(パクリタキセル、5-フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、及びチミジンキナーゼ阻害剤など);麻酔剤(リドカイン、ブピバカイン、及びロピバカインなど);抗凝固剤(D-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、へパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗剤、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びダニ抗血小板ペプチドなど);血管細胞成長促進剤(増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗剤、転写活性化因子、及び翻訳促進剤など);血管細胞増殖阻害剤(増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗剤、転写抑制剤、翻訳抑制剤、複製阻害剤、阻害抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子と細胞毒素とからなる二官能性分子、抗体と細胞毒素とからなる二官能性分子など);コレステロール低下剤;血管拡張剤;及び内因性血管作動性機構に干渉する薬剤が挙げられ得る。
【0074】
本開示は、多くの点で例示にすぎないことを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特に形状、サイズ、及び工程の構成に関して変更を行うことができる。これは、適切な範囲で、1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかを他の実施形態で使用することを含むことができる。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
【国際調査報告】