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▶ オステムインプラント カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】カスタム化既製アバットメント
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534002
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 KR2021018228
(87)【国際公開番号】W WO2022119379
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0169035
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517128064
【氏名又は名称】オステムインプラント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OSSTEMIMPLANT CO., LTD
【住所又は居所原語表記】(Magok-dong) 3, Magokjungang 12-ro Gangseo-gu Seoul 07789 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,キョ オク
(72)【発明者】
【氏名】オム,テ クワン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ジェ チャン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨン ソク
【テーマコード(参考)】
4C159
【Fターム(参考)】
4C159AA44
(57)【要約】
一実施例により、クラウン(crown)内部に結合可能なように上端に位置する支台部(post);一部または全部がインプラントと結合可能なように下端に位置する下部;および前記インプラントに結合されずに歯齦と接触するように前記支台部と前記下部の間に位置する歯齦部;を含み、上顎と下顎のすべての歯を上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯にグルーピングし、グループ別に患者カスタムアバットメントを基準としてカバレッジが65%以上となるように複数個で設計および製作された、カスタム化既製アバットメントが開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタム化既製アバットメントにおいて、
クラウン(crown)内部に結合可能なように上端に位置する支台部(post);
一部または全部がインプラントと結合可能なように下端に位置する下部;および
前記インプラントに結合されずに歯齦と接触するように前記支台部と前記下部の間に位置する歯齦部;を含み、
上顎と下顎のすべての歯を上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯にグルーピングし、グループ別に患者カスタムアバットメントを基準としてカバレッジが65%以上となるように複数個で設計および製作された、カスタム化既製アバットメント。
【請求項2】
前記上顎と下顎のすべての歯を上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯にグルーピングし、グループ別に患者カスタムアバットメントの統計的資料に基づいて患者カスタムアバットメントを基準としてカバレッジが65%以上となるように複数個で設計および製作された、請求項1に記載のカスタム化既製アバットメント。
【請求項3】
前記歯の種類が大臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、
アバットメントの軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は9個の領域に区分され、
前記9個の領域に対するカバレッジは85%以上である、請求項2に記載のカスタム化既製アバットメント。
【請求項4】
前記歯の種類が大臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、
アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は7個の領域に区分され、
前記7個の領域に対するカバレッジは75%以上である、請求項2に記載のカスタム化既製アバットメント。
【請求項5】
前記歯の種類が大臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、
アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は5個の領域に区分され、
前記5個の領域に対するカバレッジは65%以上である、請求項2に記載のカスタム化既製アバットメント。
【請求項6】
前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、
アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は9個の領域に区分され、
前記9個の領域に対するカバレッジは90%以上である、請求項2に記載のカスタム化既製アバットメント。
【請求項7】
前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、
アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は7個の領域に区分され、
前記9個の領域に対するカバレッジは80%以上である、請求項2に記載のカスタム化既製アバットメント。
【請求項8】
前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、
アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は5個の領域に区分され、
前記9個の領域に対するカバレッジは65%以上である、請求項2に記載のカスタム化既製アバットメント。
【請求項9】
カスタム化既製アバットメントにおいて、
クラウン(crown)内部に結合可能なように上端に位置する支台部(post);
一部または全部がインプラントと結合可能なように下端に位置する下部;および
前記インプラントに結合されずに歯齦と接触するように前記支台部と前記下部の間に位置する歯齦部;を含み、
アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さ、前記歯齦部の高さ、前記支台部の高さおよび前記支台部の角度のうち少なくとも一つは、患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対する複数個の領域の区分結果により規格化されて決定される、カスタム化既製アバットメント。
【請求項10】
前記カスタム化既製アバットメントの個数は
それぞれの歯の種類に対する前記統計的分布範囲に対して単位長さおよび/または単位角度に基づいたグルーピングの遂行結果獲得されるグループの個数の和に基づいて決定され、
前記歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうち少なくとも一つを含む、請求項9に記載のカスタム化既製アバットメント。
【請求項11】
前記単位長さが0.4mm以上1.1mm未満に決定されることにより、
前記上顎前歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて4個以上9個未満に決定され、
前記下顎前歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて2個以上7個未満に決定され、
前記犬歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて4個以上9個未満に決定され、
前記小臼歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて2個以上7個未満に決定され、
前記大臼歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて4個以上10個未満に決定される、請求項10に記載のカスタム化既製アバットメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はカスタム化既製アバットメントに関する。
【背景技術】
【0002】
インプラント(Implant)とは喪失した人体組職を回復させる代用物を意味するが、歯科では一般的に喪失した歯の歯根(根)の代わりをすることができるように、自然の歯根が抜け出た歯槽骨に埋植して癒着させる代用物を意味する。
【0003】
このような歯科用インプラントは、人工歯と歯根との結合方法によって多様に分類され得る。そのうち、スクリュの結合力を利用したものとしてスクリュタイプインプラントがあるが、従来のスクリュタイプインプラントシステム(インプラント組立体)は、インプラント、アバットメント(abutment)および人工歯などで構成される。
【0004】
インプラント施術時、インプラントやアバットメントなどは患者の口腔状態などを考慮して施術者が多様な直径とネジピッチを有する製品のうち適切なものを選択して施術がなされることになる。
【0005】
特に、インプラントシステムにおいて、歯槽骨に埋植されたインプラントと人工歯との間に位置されるアバットメントの場合には、顎骨に植立されるインプラントの状態や患者の口腔内部の状態などにより多様な形状のアバットメントが使われたりもする。
【0006】
最近では既製品で提供されるアバットメントを使わず、CAD-CAM方式で患者個人に適合なカスタムアバットメントを製作して使う方法が提案されている。カスタムアバットメントはそれぞれの個人に合わせて製作するため、時間が長くかかって費用が高い。しかし、カスタムアバットメントは人工歯および歯齦とよく合うように製作されるので、食物が挟まることが防止され得、審美的に優れている。反面、既製アバットメントの場合、メーカーで大量で予め製作されて配送されてきた製品を使用し、大量で生産するので短時間内に受けることができ低コストであるという長所がある。しかし、既製アバットメントは人工歯および歯齦と合わない場合があるため、食物が挟まったり歯の脱臼が発生し得る問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示はカスタム化既製アバットメントを提供することができる。具体的には、本開示はカスタムアバットメントの長所と既製アバットメントの長所をすべて有するアバットメントを提供することができる。
【0008】
解決しようとする技術的課題は前述されたような技術的課題に限定されず、通常の技術者に自明な範囲内で多様な技術的課題がさらに含まれ得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1側面は、クラウン(crown)内部に結合可能なように上端に位置する支台部(post);一部または全部がインプラントと結合可能なように下端に位置する下部;および前記インプラントに結合されずに歯齦と接触するように前記支台部と前記下部の間に位置する歯齦部;を含み、上顎と下顎のすべての歯を上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯にグルーピングし、グループ別に患者カスタムアバットメントを基準としてカバレッジが65%以上となるように複数個で設計および製作されたカスタム化既製アバットメントを提供することができる。
【0010】
また、前記カスタム化既製アバットメントは前記上顎と下顎のすべての歯を上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯にグルーピングし、グループ別に患者カスタムアバットメントの統計的資料に基づいて患者カスタムアバットメントを基準としてカバレッジが65%以上となるように複数個で設計および製作され得る。
【0011】
また、前記歯の種類が大臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、アバットメントの軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は9個の領域に区分され、前記9個の領域に対するカバレッジは85%以上であり得る。
【0012】
また、前記歯の種類が大臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は7個の領域に区分され、前記7個の領域に対するカバレッジは75%以上であり得る。
【0013】
また、前記歯の種類が大臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は5個の領域に区分され、前記5個の領域に対するカバレッジは65%以上であり得る。
【0014】
また、前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は9個の領域に区分され、前記9個の領域に対するカバレッジは90%以上であり得る。
【0015】
また、前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は7個の領域に区分され、前記9個の領域に対するカバレッジは80%以上であり得る。
【0016】
また、前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は5個の領域に区分され、前記9個の領域に対するカバレッジは65%以上であり得る。
【0017】
本開示の第2側面は、クラウン(crown)内部に結合可能なように上端に位置する支台部(post);一部または全部がインプラントと結合可能なように下端に位置する下部;および前記インプラントに結合されずに歯齦と接触するように前記支台部と前記下部の間に位置する歯齦部;を含み、アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さ、前記歯齦部の高さ、前記支台部の高さおよび前記支台部の角度のうち少なくとも一つは、患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対する複数個の領域の区分結果により規格化されて決定される、カスタム化既製アバットメントを提供することができる。
【0018】
また、前記カスタム化既製アバットメントの個数は、それぞれの歯の種類に対する前記統計的分布範囲に対して単位長さおよび/または単位角度に基づいたグルーピングの遂行結果獲得されるグループの個数の和に基づいて決定され、前記歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0019】
また、前記単位長さが0.4mm以上1.1mm未満に決定されることにより、前記上顎前歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて4個以上9個未満に決定され、前記下顎前歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて2個以上7個未満に決定され、前記犬歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて4個以上9個未満に決定され、前記小臼歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて2個以上7個未満に決定され、前記大臼歯に対するカスタム化既製アバットメントの個数は前記横および縦の長さに基づいて4個以上10個未満に決定され得る。
【発明の効果】
【0020】
一実施例によると、多様なインプラントケースの患者グループに、よりカスタム化され、費用の側面で効率的なアバットメントを提供することができる。
【0021】
また、最小限のカバレッジを確保することによって、カスタム化された既製アバットメントを提供することができる。
【0022】
本開示の効果は前記した効果に限定されるものではなく、本開示の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の構成を説明するための図面である。
図2】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
図3】一実施例に係る歯齦部120の高さを基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
図4】一実施例に係る支台部110の高さを基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
図5】一実施例に係る支台部110の角度を基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
図6】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
図7】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
図8】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
図9】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
図10】一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する多様な実施例を説明する図面である。
図11】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図12】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図13】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図14】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図15】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図16】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図17】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図18】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図19】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図20】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図21】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図22】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図23】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図24】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
図25】一実施例により0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分する多様な実施例を説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施例で使われる用語は本開示での機能を考慮しつつ、できる限り現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新しい技術の出現などにより変わり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明の部分で詳細にその意味を記載するであろう。したがって、本開示で使われる用語は単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本開示の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0025】
明細書全体において、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0026】
以下では、添付した図面を参照して本開示の実施例について、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本開示は多様な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。
【0027】
以下では、図面を参照して本開示の実施例を詳細に説明する。
【0028】
図1は、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の構成を説明するための図面である。
【0029】
図1を参照すると、カスタム化既製アバットメント100はクラウン(crown)内部に結合可能なように上端に位置する支台部(post)110、一部または全部がインプラントと結合可能なように下端に位置する下部130およびインプラントに結合されずに歯齦と接触するように支台部110と下部130の間に位置する歯齦部120を含むことができる。
【0030】
カスタム化既製アバットメント100は、多数患者の口腔環境に統計的に最適化されたカスタムアバットメント形態を有する既製化されたアバットメントを指す。
【0031】
カスタム化既製アバットメント100のサイズは多様な基準により決定され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100のサイズはアバットメントの軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さ、歯齦部120の高さ、支台部110の高さなどを含むことができる。
【0032】
カスタム化既製アバットメント100は多様な基準およびこれに対する測定値により定義され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100はアバットメントの軸方向(axial)投影イメージの横および縦の長さ、歯齦部120の高さ、支台部110の高さ、支台部110の角度などで定義され得るが、これに制限されない。支台部110の角度は支台部110と歯齦部120間の角度または支台部110と下部130間の角度であり得る。
【0033】
カスタム化既製アバットメント100のサイズまたは支台部110の角度は、患者カスタムアバットメントの全体統計的分布範囲に対する領域区分結果により決定され得る。ここで、領域区分は統計データの2次元分布または1次元分布上で特定された一つ以上の部分的分布範囲と解釈され得る。
【0034】
一実施例に従う時、領域区分は単位長さに基づいて遂行され得、グループ間の長さの差は単位長さの倍数で示すことができる。
【0035】
一実施例に従う時、単位長さの範囲は0.5mm、0.75mmおよび1.0mmのうち少なくとも一つを含むことができる。例えば、単位長さは0.5mm、0.75mmおよび1.0mmのうち少なくとも一つに対応し得る。この場合、単位長さが0.5mmに対応する場合、単位長さは0.5mmから既設定範囲(例:0.1mm、0.01mm、0.2mmなど)以内の値であり得、単位長さが0.75mmに対応する場合、単位長さは0.75mmから既設定範囲以内の値であり得、単位長さが1.0mmに対応する場合、単位長さは1.0mmから既設定範囲以内の値であり得るが、これに制限されない。
【0036】
一実施例に従う時、それぞれの歯の種類に対してグルーピングが遂行され得、統計的分布範囲に対する領域区分結果が各歯の種類に対するグループによりグルーピングされ得、歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0037】
一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さ、歯齦部120の高さ、支台部110の高さおよび支台部110の角度のうち少なくとも一つは、患者カスタムアバットメントの統計的分布範囲に対する複数個の領域区分結果により規格化されて決定され得る。領域区分により決定されるグループは、患者カスタムアバットメントの全体統計的分布範囲に対するできる限り広いカバレッジを確保できるように決定され得る。ここで、カバレッジは患者カスタムアバットメントの全体統計的分布範囲内にある患者カスタムアバットメントの全体個数対比区分された領域に属する患者カスタムアバットメントのケスの比率を意味し得る。例えば、領域区分により各領域のカバレッジが設定値以上でありながら、全体領域のカバレッジが最大となるように領域区分結果が獲得され、各領域に対応する各グループが決定されることにより全体統計的分布範囲に対して広いカバレッジが確保され得る。このような領域区分結果を規格化することによってカスタム化既製アバットメント100が獲得され得る。具体的には、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さ、歯齦部120の高さ、支台部110の高さおよび支台部110の角度等が規格化により決定され得る。
【0038】
一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の個数は、それぞれの歯の種類に対する統計的分布範囲に対して単位長さおよび/または単位角度に基づいたグルーピングの遂行結果獲得されるグループの個数の和に基づいて決定され得、これに対する具体的な実施例は図2を参照することができる。また、歯の種類は上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0039】
一実施例に従う時、上顎と下顎のすべての歯に対して上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯にグルーピングされ、カスタム化既製アバットメント100はグループ別に患者カスタムアバットメントを基準としてカバレッジが65%以上となるように複数個で設計および製作され得る。上顎と下顎すべての歯に対して歯の位置により歯の種類が決定され得、歯の位置に基づいて対象歯が上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうちいずれか一つに決定(またはグルーピング)され得る。または歯の位置が示す歯の種類が上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯のうちいずれか一つに決定(またはグルーピング)され得る。
【0040】
一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100は上顎と下顎のすべての歯を上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯にグルーピングし、グループ別に患者カスタムアバットメントの統計的資料に基づいて患者カスタムアバットメントを基準としてカバレッジが65%以上となるように複数個で設計および製作され得る。例えば、上顎と下顎すべての歯に対して上顎前歯、下顎前歯、犬歯、小臼歯および大臼歯それぞれに対して複数個のカスタム化既製アバットメント100が獲得され得る。一例として、大臼歯に対してカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する領域区分結果によりn(nは自然数であり、通常的に2~9の数字となり得る。)個のカスタム化既製アバットメント100が定義され得る。また、グループ別に(または歯の種類別に)患者カスタムアバットメントの統計的資料に基づいてグルーピングが遂行され得、患者カスタムアバットメントを基準としてカバレッジが65%以上であり得る。カバレッジが65%以上に維持される多数の実施例は図11図25で後述される。
【0041】
図2は、一実施例に係る複数個の領域の区分結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【0042】
図2を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、1.0mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は4個に区分(この時、カバレッジは96%に対応)され、下顎前歯は2個に区分(この時、カバレッジは87%に対応)され、犬歯は4個に区分(この時、カバレッジは96%に対応)され、小臼歯は2個に区分(この時、カバレッジは97%に対応)され、大臼歯は4個に区分(この時、カバレッジは95%に対応)され得る。したがって、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する領域区分結果は16個か獲得され得る。
【0043】
一実施例に従う時、歯齦部120の高さに対する統計的分布範囲は、1.0mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は5個に区分され、下顎前歯は5個に区分され、犬歯は5個に区分され、小臼歯は4個に区分され、大臼歯は4個に区分され得る。
【0044】
一実施例に従う時、支台部110の高さに対する統計的分布範囲は、1.0mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は3個に区分され、下顎前歯は3個に区分され、犬歯は3個に区分され、小臼歯は3個に区分され、大臼歯は3個に区分され得る。
【0045】
一実施例に従う時、支台部110の角度に対する統計的分布範囲は、12度に対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は2個に区分され、下顎前歯は2個に区分され、犬歯は2個に区分され、小臼歯は2個(または1個)に区分され、大臼歯は2個(または1個)に区分され得る。
【0046】
したがって、上顎前歯は軸方向投影イメージの横および縦の長さに対して4個、歯齦部120の高さに対して5個、支台部110の高さに対して3個、支台部110の角度に対して2個に領域が区分されて総120個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、上顎前歯に対しては120個のカスタム化既製アバットメント100が決定され得る。類似する方式で下顎前歯では60個、犬歯では120個、小臼歯に対しては48個、大臼歯に対しては96個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、単位長さが1mmに対応し単位角度が12度に対応する時、444個の領域区分結果が獲得され得る。
【0047】
一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.75mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は6個に区分(この時、カバレッジは94%に対応)され、下顎前歯は4個に区分(この時、カバレッジは95%に対応)され、犬歯は6個に区分(この時、カバレッジは95%に対応)され、小臼歯は4個に区分(この時、カバレッジは90%に対応)され、大臼歯は6個に区分(この時、カバレッジは90%に対応)され得る。したがって、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する領域区分結果は26個か獲得され得る。
【0048】
一実施例に従う時、歯齦部120の高さに対する統計的分布範囲は、0.75mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は5個に区分され、下顎前歯は5個に区分され、犬歯は5個に区分され、小臼歯は4個に区分され、大臼歯は4個に区分され得る。
【0049】
一実施例に従う時、支台部110の高さに対する統計的分布範囲は、0.75mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は3個に区分され、下顎前歯は3個に区分され、犬歯は3個に区分され、小臼歯は3個に区分され、大臼歯は3個に区分され得る。
【0050】
一実施例に従う時、支台部110の角度に対する統計的分布範囲は、12度に対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は2個に区分され、下顎前歯は2個に区分され、犬歯は2個に区分され、小臼歯は2個(または1個)に区分され、大臼歯は2個(または1個)に区分され得る。
【0051】
したがって、上顎前歯は軸方向投影イメージの横および縦の長さに対して6個、歯齦部120の高さに対して5個、支台部110の高さに対して3個、支台部110の角度に対して2個に領域が区分されて総180個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、上顎前歯に対しては180個のカスタム化既製アバットメント100が決定され得る。類似する方式で下顎前歯では120個、犬歯では180個、小臼歯に対しては96個、大臼歯に対しては144個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、単位長さが0.75mmに対応し単位角度が12度に対応する時、720個の領域区分結果が獲得され得る。
【0052】
一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、例えば0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は8個に区分(この時、カバレッジは92%に対応)され、下顎前歯は6個に区分(この時、カバレッジは91%に対応)され、犬歯は8個に区分(この時、カバレッジは90%に対応)され、小臼歯は6個に区分(この時、カバレッジは93%に対応)され、大臼歯は9個に区分(この時、カバレッジは88%に対応)され得る。したがって、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する領域区分結果は37個が獲得され得る。
【0053】
一実施例に従う時、歯齦部120の高さに対する統計的分布範囲は、例えば0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は5個に区分され、下顎前歯は5個に区分され、犬歯は5個に区分され、小臼歯は4個に区分され、大臼歯は4個に区分され得る。
【0054】
一実施例に従う時、支台部110の高さに対する統計的分布範囲は、例えば0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は3個に区分され、下顎前歯は3個に区分され、犬歯は3個に区分され、小臼歯は3個に区分され、大臼歯は3個に区分され得る。
【0055】
一実施例に従う時、支台部110の角度に対する統計的分布範囲は、12度に対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は2個に区分され、下顎前歯は2個に区分され、犬歯は2個に区分され、小臼歯は2個(または1個)に区分され、大臼歯は2個(または1個)に区分され得る。
【0056】
したがって、上顎前歯は軸方向投影イメージの横および縦の長さに対して8個、歯齦部120の高さに対して5個、支台部110の高さに対して3個、支台部110の角度に対して2個に領域が区分されて総240個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、上顎前歯に対しては240個のカスタム化既製アバットメント100が決定され得る。類似する方式で下顎前歯では180個、犬歯では240個、小臼歯に対しては144個、大臼歯に対しては216個の領域区分結果が獲得され得る。したがって、単位長さが0.5mmに対応し単位角度が12度に対応する時、1020個の領域区分結果が獲得され得る。
【0057】
図2を参照すると、単位長さが0.5mm、0.75mmまたは1mmに対応し単位角度が12度に対応する時、400個以上の領域区分結果が獲得され得る。
【0058】
図3は、一実施例に係る歯齦部120の高さを基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【0059】
図3を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の歯齦部120(G/H)の高さに対する統計的分布範囲は既設定単位長さ(例:1.0mm)に基づいて複数個の領域に区分され、領域区分結果は各歯の種類のグループによりグルーピングされ得る。この場合、上顎前歯は5個にグルーピング(この時、カバレッジは96%に対応)され、下顎前歯は5個にグルーピング(この時、カバレッジは87%に対応)され、犬歯は5個にグルーピング(この時、カバレッジは96%に対応)され、小臼歯は4個にグルーピング(この時、カバレッジは97%に対応)され、大臼歯は4個にグルーピング(この時、カバレッジは95%に対応)され得る。
【0060】
図4は、一実施例に係る支台部110の高さを基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【0061】
図4を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の支台部110の高さに対する統計的分布範囲は既設定単位長さ(例:1.0mm)に基づいて複数個の領域に区分され、領域区分結果は各歯の種類のグループによりグルーピングされ得る。この場合、上顎前歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは89%に対応)され、下顎前歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは85%に対応)され、犬歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは85%に対応)され、小臼歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは75%に対応)され、大臼歯は3個にグルーピング(この時、カバレッジは78%に対応)され得る。
【0062】
図5は、一実施例に係る支台部110の角度を基準として、それぞれの歯の種類に対してグルーピングの遂行結果によりカスタム化既製アバットメント100の個数を決定する方法を説明する図面である。
【0063】
図5を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の支台部110の角度に対する統計的分布範囲は既設定単位長さ(例:12度)に基づいて複数個の領域に区分され、領域区分結果は各歯の種類のグループによりグルーピングされ得る。この場合、上顎前歯は2個にグルーピング(この時、カバレッジは88%に対応)され、下顎前歯は2個にグルーピング(この時、カバレッジは85%に対応)され、犬歯は2個にグルーピング(この時、カバレッジは91%に対応)され、小臼歯は1個にグルーピング(この時、カバレッジは83%に対応)され、大臼歯は1個にグルーピング(この時、カバレッジは68%に対応)され得る。
【0064】
図6図7を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.75mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は6個に区分されることにより94%のカバレッジを確保し、下顎前歯は4個に区分されることにより95%のカバレッジを確保し、犬歯は6個に区分されることにより95%のカバレッジを確保し、小臼歯は6個に区分されることにより90%のカバレッジを確保し、大臼歯は6個に区分されることにより90%のカバレッジを確保することができる。
【0065】
図8図10を参照すると、一実施例に従う時、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、1.0mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。この場合、上顎前歯は4個に区分されることにより96%のカバレッジを確保し、下顎前歯は2個に区分されることにより87%のカバレッジを確保し、犬歯は4個に区分されることにより96%のカバレッジを確保し、小臼歯は4個に区分されることにより97%のカバレッジを確保し、大臼歯は4個に区分されることにより95%のカバレッジを確保することができる。
【0066】
このように、歯の種類別に領域の個数を適切に設定することによって、約90%水準に高いカバレッジを確保できることを確認することができる。
【0067】
図11は、一実施例により上顎前歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが90%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0068】
図11を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、例えば0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して8個の領域に区分されることによって92%のカバレッジを確保することができる。
【0069】
図12は、一実施例により上顎前歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが75%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0070】
図12を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、例えば0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して6個の領域に区分されることによって77%のカバレッジを確保することができる。
【0071】
図13は、一実施例により上顎前歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが70%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0072】
図13を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、例えば0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して5個の領域に区分されることによって73%のカバレッジを確保することができる。
【0073】
図14は、一実施例により下顎前歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが90%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0074】
図14を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、例えば0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して6個の領域に区分されることによって92%のカバレッジを確保することができる。
【0075】
図15は、一実施例により下顎前歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが80%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0076】
図15を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して4個の領域に区分されることによって84%のカバレッジを確保することができる。
【0077】
図16は、一実施例により下顎前歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが70%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0078】
図16を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して3個の領域に区分されることによって74%のカバレッジを確保することができる。
【0079】
図17は、一実施例により犬歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが90%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0080】
図17を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して8個の領域に区分されることによって90%のカバレッジを確保することができる。
【0081】
図18は、一実施例により犬歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが80%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0082】
図18を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分グルーピングされ得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して6個の領域に区分されることによって86%のカバレッジを確保することができる。
【0083】
図19は、一実施例により犬歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが70%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0084】
図19を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して4個の領域に区分されることによって72%のカバレッジを確保することができる。
【0085】
図20は、一実施例により小臼歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが90%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0086】
図20を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して9個の領域に区分されることによって93%のカバレッジを確保することができる。
【0087】
図21は、一実施例により小臼歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが80%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0088】
図21を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して7個の領域に区分されることによって83%のカバレッジを確保することができる。
【0089】
図22は、一実施例により小臼歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが65%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0090】
図22を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して5個の領域に区分されることによって69%のカバレッジを確保することができる。
【0091】
図23は、一実施例により大臼歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが85%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0092】
図23を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して9個の領域に区分されることによって88%のカバレッジを確保することができる。
【0093】
図24は、一実施例により大臼歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが75%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0094】
図24を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して7個の領域に区分されることによって77%のカバレッジを確保することができる。
【0095】
図25は、一実施例により大臼歯に対する統計的分布範囲に対して領域区分結果によるカバレッジが65%以上となるように領域を区分した結果の一例を示す図面である。
【0096】
図25を参照すると、一実施例に係るカスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmに対応する単位長さに基づいて複数個の領域に区分され得る。例えば、カスタム化既製アバットメント100の軸方向投影イメージの横および縦の長さに対する統計的分布範囲は、0.5mmの単位長さに対して5個の領域に区分されることによって66%のカバレッジを確保することができる。
【0097】
図11図25で確認できるように、区分された領域またはグルーピングされたグループがカバーするカバレッジは65%以上であり得る。カバレッジが特定水準以上でないと既製アバットメントであるにもかかわらずカスタムアバットメントの効果を期待することができず、図11図25で記述された多様な実施例においていずれも65%以上のカバレッジを維持することによって、既製アバットメントであるにもかかわらずカスタムアバットメントの効果を期待することができる。
【0098】
既製アバットメントをカスタムアバットメントのように活用するために最小限の下限が要求され、図11図25に図示された通り、65%個という下限線を維持することによってカスタムアバットメントの効果を期待することができる。
【0099】
また、図11図25では単位長さが0.5mmに対応する場合に対して説明しているが、これに制限されない。例えば、単位長さが0.4mm以上1.1mm未満(例:0.5mm、0.75mm、1.0mmなど)に決定されることにより、上顎前歯に対するカスタム化既製アバットメント100の個数は横および縦の長さに基づいて4個以上9個未満に決定され、下顎前歯に対するカスタム化既製アバットメント100の個数は横および縦の長さに基づいて2個以上7個未満に決定され、犬歯に対するカスタム化既製アバットメント100の個数は横および縦の長さに基づいて4個以上9個未満に決定され、小臼歯に対するカスタム化既製アバットメント100の個数は横および縦の長さに基づいて2個以上7個未満に決定され、大臼歯に対するカスタム化既製アバットメント100の個数は横および縦の長さに基づいて4個以上10個未満に決定され得る。カスタム化既製アバットメント100の個数はグルーピングによるグループの個数または領域区分による領域の個数に対応し得る。
【0100】
本実施例に関連した技術分野で通常の知識を有する者は、前述された記載の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現され得ることが理解できるであろう。したがって、開示された方法は限定的な観点ではなく説明的な観点で考慮されるべきである。本開示の範囲は前述した説明ではなく特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるすべての差異点は本開示に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、
アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は7個の領域に区分され、
前記個の領域に対するカバレッジは80%以上である、請求項2に記載のカスタム化既製アバットメント。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項8】
前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、
アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は5個の領域に区分され、
前記個の領域に対するカバレッジは65%以上である、請求項2に記載のカスタム化既製アバットメント。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は7個の領域に区分され、前記個の領域に対するカバレッジは80%以上であり得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、前記歯の種類が小臼歯であり、単位長さが0.5mmに対応する場合、アバットメントの軸方向投影イメージの横および縦の長さにより決定される統計的分布範囲は5個の領域に区分され、前記個の領域に対するカバレッジは65%以上であり得る。
【国際調査報告】