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特表2023-551974透明な特性を有する伸縮可能な深さのドレッシング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】透明な特性を有する伸縮可能な深さのドレッシング
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A61M27/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534126
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 IB2021060595
(87)【国際公開番号】W WO2022123361
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/122,341
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520500336
【氏名又は名称】ケーシーアイ マニュファクチャリング アンリミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】KCI Manufacturing Unlimited Company
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ロック,クリストファー ブライアン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA38
4C267BB40
4C267CC01
4C267GG02
4C267JJ03
4C267JJ09
(57)【要約】
組織部位を陰圧で処置するための例示的な装置は、収縮状態と伸張状態との間で移動するように構成された一次マニホールドを含んでもよい。一次マニホールドは、上面と、上面と反対側に位置付けられ、かつ組織部位に向かって面するように構成された底面と、を含んでもよい。さらに、一次マニホールドは、一次マニホールドが伸張状態にあるとき、一次マニホールドの底面から組織部位に向かって外向きに延びるように構成された伸張ゾーンに隣接して位置付けられたプリーツを含むことができる。他の装置、ドレッシング、システム、及び方法がさらに開示されている。
【選択図】図37
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織部位を陰圧で処置するための装置であって、前記装置が、
収縮状態と伸張状態との間で移動するように構成された一次マニホールドを備え、
前記一次マニホールドが、
上面と、前記上面と反対側に位置付けられ、かつ前記組織部位に向かって面するように構成された底面と、
伸張ゾーンに隣接して位置付けられたプリーツであって、前記伸張ゾーンは、前記一次マニホールドが前記伸張状態にあるとき、前記底面から前記組織部位に向かって外向きに延びるように構成されている、プリーツと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記一次マニホールドの前記底面は、前記一次マニホールドが前記伸張状態にあるとき、前記組織部位に適合する凸形状を形成するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記一次マニホールドは、前記組織部位に陰圧が印加されると、前記収縮状態から前記伸張状態に移動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記一次マニホールドは、前記一次マニホールドの前記上面に外力が加えられると、前記収縮状態から前記伸張状態に移動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プリーツが、前記一次マニホールド内に折り目を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プリーツの断面は、前記一次マニホールドの第1の部分と前記一次マニホールドの第2の部分との間に折り目を含み、前記第1の部分の少なくとも一部分は、前記一次マニホールドが前記収縮状態にあるときに前記第2の部分に重なるように構成されていて、前記第1の部分の少なくとも一部分は、前記伸張状態において前記第2の部分から離れるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記一次マニホールドの前記第2の部分は、前記一次マニホールドの前記第1の部分と前記伸張ゾーンとの間に位置付けられる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記プリーツが、前記伸張ゾーンの周りに位置付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記プリーツが複数のプリーツを含み、前記伸張ゾーンが複数の伸張ゾーンを含み、前記複数のプリーツ及び前記複数の伸張ゾーンが、前記一次マニホールドの前記上面及び前記底面にわたって交互になっている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記プリーツが複数のプリーツを含み、前記伸張ゾーンが複数の伸張ゾーンを含み、前記伸張ゾーンのうちの1つが、前記一次マニホールドの前記上面及び前記底面にわたって前記プリーツのうちの2つの間に位置付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記プリーツが複数のプリーツを含み、前記伸張ゾーンが複数の伸張ゾーンを含み、前記複数のプリーツ及び前記複数の伸張ゾーンが、前記一次マニホールドの前記上面及び前記底面上に交互の同心リング状に位置付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記プリーツが複数のプリーツを含み、前記伸張ゾーンが複数の伸張ゾーンを含み、前記複数のプリーツのうちの1つ以上が、前記複数の伸張ゾーンのうちの1つ以上の周りに円周方向に位置付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記プリーツが複数のプリーツを含み、前記伸張ゾーンが複数の伸張ゾーンを含み、前記伸張ゾーンのうちの1つ以上が、前記一次マニホールドが前記伸張状態にあるとき、前記伸張ゾーンのうちの別の伸張ゾーンよりもさらに遠くに、前記一次マニホールドの前記底面から外向きに延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記上面及び前記底面を通って複数のマニホールド開口部をさらに備え、前記マニホールド開口部は、前記一次マニホールドの前記上面及び前記底面を通って流体連通を提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記一次マニホールドが、約ショア10A~約ショア40Aの範囲の硬度を有するポリマーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記一次マニホールドが、前記上面及び前記底面の一方又は両方から外向きに延びる、複数のスタンドオフをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
第1のポリマーフィルム及び第2のポリマーフィルム、前記一次マニホールドの底面に隣接して位置付けられた前記第1のポリマーフィルム、及び前記一次マニホールドの上面に隣接して位置付けられた前記第2のポリマーフィルムをさらに備え、少なくとも前記第1のポリマーフィルムが複数の流体通路を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
組織部位を陰圧で処置するためのシステムであって、
請求項1~17のいずれか一項に記載の装置と、
前記装置の少なくとも一部分の上に位置付けられ、前記組織部位に隣接する組織を封止して封止環境を形成するように構成されたドレープと、
前記封止環境に陰圧を提供するように構成された陰圧源と、
を備えるシステム。
【請求項19】
組織部位を陰圧で処置する方法であって、前記方法は、
前記組織部位に近接して請求項1~18のいずれか一項に記載の装置を位置付けることと、
前記装置を含む前記組織部位において封止環境に陰圧を印加することと、
前記陰圧の作用によって前記一次マニホールドを前記伸張状態に移動させることと、を含み、
前記一次マニホールドの前記底面は、前記一次マニホールドが前記伸張状態にあるとき、前記組織部位に適合する凸形状を形成するように構成されている、
方法。
【請求項20】
組織部位を陰圧で処置する方法であって、
前記組織部位に近接して請求項1~19のいずれか一項に記載の装置を位置付けることと、
前記装置を含む前記組織部位において封止環境に陰圧を印加することと、
前記一次マニホールドの前記底面から前記組織部位に向かって外向きに、1つ以上の伸張ゾーンを延ばすことと、
を含む方法。
【請求項21】
前記一次マニホールドを通って配置された1つ以上の開口部を通して、前記組織部位を観察することをさらに含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記一次マニホールドの少なくとも一部分を形成する透明材料を通して、前記組織部位を観察することをさらに含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項23】
前記一次マニホールドは、前記一次マニホールドを通って、前記組織部位の視覚認知を提供するように構成された透明材料から形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記一次マニホールドが、約ショア10A~約ショア40Aの範囲の硬度を有するポリウレタン又はシリコーンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記マニホールド開口部は、前記一次マニホールドの前記上面及び前記底面を通って前記組織部位の視覚認知を提供するようにさらに構成された窓である、請求項14に記載の装置。
【請求項26】
前記マニホールド開口部がグリッドパターンで構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項27】
前記一次マニホールドは、前記窓を画定するために相互接続される複数の一次ノード及び複数のリンクをさらに備える、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記一次マニホールドは、前記上面及び前記底面の一方又は両方から外向きに延びる複数のスタンドオフをさらに備え、前記一次マニホールドが、前記窓を画定するために相互接続される複数の一次ノード及び複数のリンクを含み、前記一次ノードの各々が、前記スタンドオフのうちの少なくとも1つを備える、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記一次マニホールドの前記底面に隣接するポリマーフィルムをさらに備え、前記ポリマーフィルムが、複数の流体通路を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のポリマーフィルムが複数の第1の流体通路を含み、前記第2のポリマーフィルムが複数の第2の流体通路を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項31】
前記第1のポリマーフィルムが第1の厚さを有し、
前記第2のポリマーフィルムが第2の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さよりも大きい、
請求項17に記載の装置。
【請求項32】
前記第2の厚さが、約20マイクロメートル~約500マイクロメートルの範囲にある、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記一次マニホールドが、前記第1のポリマーフィルム及び前記第2のポリマーフィルムのうちの少なくとも1つに接合される、請求項17に記載の装置。
【請求項34】
前記第1のポリマーフィルムが、前記一次マニホールドの周りで前記第2のポリマーフィルムに少なくとも部分的に結合される、請求項17に記載の装置。
【請求項35】
前記一次マニホールド、前記第1のポリマーフィルム、及び前記第2のポリマーフィルムは各々、互いに同一の広がりを持つ周縁部を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項36】
前記複数の流体通路は複数のスロットを含み、前記スロットの各々が5ミリメートル未満の長さ及び2ミリメートル未満の幅を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項37】
前記複数の流体通路は複数のスリットを含み、前記スリットの各々が5ミリメートル未満の長さを有する、請求項17に記載の装置。
【請求項38】
前記組織部位の反対側で前記装置に隣接して位置付けられるように構成された二次マニホールドをさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項39】
前記一次マニホールドの底面に隣接して位置付けられた第1のポリマーフィルムと、前記一次マニホールドの上面に隣接して位置付けられた第2のポリマーフィルムとをさらに備え、前記第1のポリマーフィルムが、前記組織部位に隣接して位置付けられるように構成され、前記二次マニホールドが、前記第2のポリマーフィルムに隣接して位置付けられるように構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記ドレープの一部分が、前記第2のポリマーフィルムの一部分に隣接して位置付けられるように構成されている、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記二次マニホールドは、前記ドレープと前記第2のポリマーフィルムとの間に位置付けられるように構成されている、請求項39に記載のシステム。
【請求項42】
実質的に本明細書に記載されている通りの、システム、装置、及び方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全ての内容が本明細書に組み込まれている、2020年12月7日に出願された米国特許仮出願第63/122,341号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
添付の特許請求の範囲に記載の本発明は、一般に、組織処置システムに関し、特に、限定されないが、組織処置用のドレッシング、及び陰圧を用いた組織処置用の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床研究及び臨床診療は、組織部位の近接の圧力の低減が、組織部位における新しい組織の成長を増強及び加速させることができることを示している。この現象の用途は数多くあるが、創傷を治療するために特に有利であることが判明している。創傷の原因に関わらず、外傷、手術、又は別の原因かどうかに関わらず、創傷の適切なケアが転帰に重要である。減圧による創傷又は他の組織の治療は、一般に「陰圧療法」と称し得るが、例えば「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、「真空療法」、「真空補助閉鎖法(vacuum-assisted closure)」、「局所陰圧法」を含む他の名称によっても知られている。陰圧治療は、上皮組織及び皮下組織の移行、血流の改善、及び創傷部位における組織の微小変形などを含む多くの利益を提供することができる。これらの利益は全体として、肉芽組織の発達を増加させることができ、治癒時間を低減することができる。
【0004】
組織部位の清浄が、新しい組織の成長に非常に有益であり得ることも広く受け入れられている。例えば、創傷又は空洞は、治療用液体溶液を用いて洗い流され得る。これらの行為は、一般的に、それぞれ「灌注法(irrigation)」及び「洗浄(lavage)」と称される。「滴下」とは、組織部位に流体をゆっくり導入し指示された期間にわたり流体を残して流体を除去するプロセスを全般的に指す別の行為である。例えば、創傷床の上への局所治療用溶液の滴下は、陰圧療法と組み合わされて、創傷床における可溶性混入物質を動揺させることと、感染性物質を除去することとによって創傷治癒をさらに促進することができる。結果として、可溶性細菌負荷が減少し得、混入物質が除去され得、創傷を清浄し得る。
【0005】
陰圧療法及び/又は滴下療法の臨床的利点は広く知られているが、治療システム、構成要素及びプロセスの改善は、医療提供者及び患者に利益をもたらすことができる。
【発明の概要】
【0006】
陰圧療法環境において組織を処置するための新規の有用なシステム、装置、及び方法が、添付の特許請求の範囲に記載されている。特許請求されている主題を当業者が作製及び使用することを可能にするための例示的実施形態も提供されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、低下した引張強度、増大した撓み、及び/又は組織部位に対する改善された適合性を呈するものとして特徴付けられるドレッシングは、陰圧療法の提供において有利に採用され得る。例えば、ドレッシングの増大した撓み及び/又は改善された適合性は、組織部位とドレッシングの組織部位に面する表面との間のより良好な接触を提供し得る。ドレッシングと組織部位との間の改善された接触は、組織部位の実質的に全てにわたって微小歪みを誘導する効果を有し得、それによって、組織部位の全体にわたる細胞が歪みを受け、陰圧療法の結果を改善する。
【0008】
いくつかの例示的実施形態では、組織部位を陰圧で処置するための装置は、収縮状態と伸張状態との間で移動するように構成された一次マニホールドを含んでもよい。一次マニホールドは、上面と、上面と反対側に位置付けられ、かつ組織部位に向かって面するように構成された底面と、を含んでもよい。いくつかの例示的実施形態では、一次マニホールドは、伸張ゾーンに隣接して位置付けられたプリーツを含み得る。伸張ゾーンは、一次マニホールドが伸張状態にあるとき、一次マニホールドの底面から組織部位に向かって外向きに延びるように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、一次マニホールドの底面は、一次マニホールドが伸張状態にあるとき、組織部位に適合する凸形状を形成するように構成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、プリーツは、一次マニホールドが収縮状態から伸張状態に移動するとき、一次マニホールドの部分が互いから離れるように移動することを可能にするように構成された折り目又は起伏を一次マニホールド内に含んでもよい。
【0009】
さらに、いくつかの例示的実施形態では、組織部位を陰圧で処置するためのシステムは、一次マニホールドを含む装置を含んでもよい。本システムは、装置及び一次マニホールドの少なくとも一部分の上に位置付けられるように構成されたドレープをさらに備えてもよい。ドレープは、組織部位に隣接する組織に対して封止し、封止空間を形成するように構成されてもよい。本システムは、封止空間に陰圧を提供するように構成された陰圧源をさらに備えてもよい。
【0010】
さらに、いくつかの例示的実施形態では、組織部位を陰圧で処置する方法は、組織部位に近接して一次マニホールドを含む装置を位置決めすることと、装置及び一次マニホールドを含む組織部位における封止空間に陰圧を印加することと、陰圧の作用によって一次マニホールドを伸張状態に移動させることとを含み、一次マニホールドの底面は、一次マニホールドが伸張状態にあるとき、組織部位に適合する凸形状を形成するように構成されている。
【0011】
さらに、いくつかの例示的実施形態では、組織部位を陰圧で処置する方法は、組織部位に近接して一次マニホールドを含む装置を位置決めすることと、装置及び一次マニホールドを含む組織部位における封止空間に陰圧を印加することと、1つ以上の伸張ゾーンを一次マニホールドの底面から組織部位に向かって外向きに延ばすことと、を含んでもよい。
【0012】
いくつかの例示的実施形態では、本開示による組織部位を処置する方法は、一次マニホールドを通って配置された1つ以上の開口部を通して組織部位を観察することを含んでもよい。代替的又は追加的に、本開示による組織部位を処置するためのいくつかの例示的方法は、一次マニホールドの少なくとも一部分を形成する透明材料を通して、組織部位を観察することを含んでもよい。
【0013】
特許請求される主題を作製及び使用する目的、利点、及び好ましい態様が、例示的実施形態の以下の詳細な説明と併せて添付の図面を参照することによって最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本明細書による陰圧治療及び滴下治療を提供することができる、治療システムの一例示的実施形態のブロック図である。
図2図2は、図1の治療システムのいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、組織インタフェースの一例示的実施形態の分解組立図である。
図3図3は、図2の組織インタフェースの組み立てられた一例の等角図である。
図4図4は、線4-4で切り取られた図3の例示的組織インタフェースの断面図である。
図5図5は、図2の例示的組織インタフェースのいくつかの実施形態に関連し得る詳細を示す底面図である。
図6図6は、図2の例示的組織インタフェースのいくつかの実施形態に関連し得る詳細を示す底面図である。
図7A図7Aは、本明細書による、一次マニホールドの一例示的実施形態の上面図である。
図7B図7Bは、図7Aの一次マニホールドのいくつかの実施形態の等角部分図である。
図8A図8Aは、本明細書による別の一次マニホールドの一例示的実施形態の上面図である。
図8B図8Bは、図8Aの一次マニホールドのいくつかの実施形態の等角部分図である。
図9A図9Aは、本明細書による別の一次マニホールドの一例示的実施形態の底面図である。
図9B図9Bは、図9Aの一次マニホールドのいくつかの実施形態の等角部分図である。
図10A図10Aは、本明細書による別の一次マニホールドの一例示的実施形態の底面図である。
図10B図10Bは、図10Aの一次マニホールドのいくつかの実施形態の等角部分図である。
図11図11は、図1の治療システムのいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、図2の組織インタフェースを含むドレッシングの一例示的実施形態の分解組立図である。
図12図12は、図11のドレッシングの組み立てられた一例の等角図である。
図13図13は、本明細書による、組織部位に適用され、図1の治療システムと関連付けられ得る追加的詳細を示す、線13-13で切り取られた、図12の例示的ドレッシングの断面図である。
図14A図14Aは、図13の例示的ドレッシングのいくつかの例示的実施形態に関連付けられ得る詳細を示す、図13内の図14Aを参照して切り取られた詳細図である。
図14B図14Bは、図13のドレッシングのいくつかの実施形態における図14Aの詳細図と関連付けられ得る追加的詳細を示す。
図15図15は、本明細書による、図2の組織インタフェースの組み立てられた一例の等角図である。
図16図16は、本明細書による一次マニホールドの一例示的実施形態の等角図である。
図17図17は、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、図1のドレッシングの一例の分解組立図である。
図17A図17Aは、図17のドレッシングの組み立てられた一例の等角図である。
図18図18は、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、組み立てられた際の図17のドレッシングの上面図である。
図19図19は、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、組み立てられた際の図17のドレッシングの底面図である。
図20図20は、本明細書によるドレッシングのいくつかの実施形態に関連し得る、流体通路の一例示的構成を示す概略図である。
図21図21は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図22図22は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図23図23は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図24図24は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図25図25は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図26図26は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図27図27は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図28図28は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図29図29は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図30図30は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図31図31は、流体通路の別の例示的構成の概略図である。
図32図32は、本明細書による、例示的な組織部位に適用され、図1の治療システムに関連する追加的詳細を示す、線32-32で切り取られた、図17Aの例示的ドレッシングの断面図である。
図32A図32Aは、図32の例示的ドレッシングのいくつかの例示的実施形態と関連付けられ得る詳細を示す、図32内の図32Aを参照して切り取られた詳細図である。
図32B図32Bは、図32のドレッシングのいくつかの実施形態における、図32Aの詳細図と関連付けられ得る追加的詳細を示す。
図33A図33Aは、本明細書による一次マニホールドの別の例示的実施形態の上面平面図である。
図33B図33Bは、図33Aの例示的一次マニホールドの等角図である。
図34A図34Aは、収縮状態にある、図33Aに示されるように、線34A-34Aで切り取られた、図33Aの例示的一次マニホールドの断面図である。
図34B図34Bは、伸張状態で示される、図34Aの一次マニホールドの断面を示す。
図35A図35Aは、収縮状態で示される、図33Aの一次マニホールドとフィルム層とを含む装置を形成し得る、図33A内の線35A-35Aで切り取られた、一例示的プリーツの断面図である。
図35B図35Bは、図33Aの例示的プリーツと、伸張状態で示されているフィルム層とを含む、図35Aの装置の断面図である。
図36A図36Aは、収縮状態で示される、一次マニホールドと、一次マニホールド及びフィルム層を含む装置との、いくつかの実施形態と関連付けられ得る別の例示的プリーツの断面図である。
図36B図36Bは、フィルム層と共に伸張状態で示される図36Aの例示的プリーツの断面図である。
図37図37は、本明細書による、組織部位に適用され、図1の治療システムに関連付けられる追加的詳細を示す、図33Aの例示的一次マニホールドを含む、例示的ドレッシングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的実施形態の以下の説明は、当業者が添付の特許請求の範囲に記載されている主題を作製及び使用することを可能にする情報を提供するが、当該技術分野において既に周知のある特定の詳細を省略する場合がある。したがって、以下の詳細な説明は、限定ではなく例示として解釈されたい。
【0016】
図1は、本明細書による治療システム100の例示的実施形態のブロック図であり、治療システム100は、組織部位への局所治療溶液の滴下を用いる陰圧療法を提供することができる。
【0017】
この文脈での用語「組織部位」とは、限定されないが、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、真皮組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、又は靭帯を含む組織上又は組織内部に位置する創傷、欠損、又は他の処置標的を広範に指す。創傷は、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、及び裂開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(糖尿病潰瘍、圧迫潰瘍、又は静脈不全潰瘍など)、皮弁、及び移植組織を含み得る。用語「組織部位」とはまた、必ずしも創傷又は欠損がある任意の組織の領域ではないが、代わりに、追加の組織の成長を追加又は促進することが望ましいことがある領域を指し得る。例えば、陰圧は、採取及び移植され得る追加の組織を成長させるために組織部位に適用されてもよい。
【0018】
治療システム100は、陰圧源105などの陰圧源又は陰圧供給部と、1つ以上の分配構成要素とを含み得る。分配構成要素は、好ましくは着脱可能であり、使い捨て可能、再使用可能、又はリサイクル可能であってもよい。ドレッシング110などのドレッシング、及び、容器115などの流体容器は、治療システム100のいくつかの実施例に関連し得る分配構成要素の例である。図1の例に示すように、ドレッシング110は、組織インタフェース120、カバー125、又はいくつかの実施形態では両方を備えてもよく、又はこれらから本質的になってもよい。
【0019】
流体導管は、分配構成要素の別の例示的な例である。この文脈での「流体導管」とは、2つの端部間で流体を搬送するように適合された1つ以上の管腔又は開放経路を有する、チューブ、パイプ、ホース、導管、又は他の構造体を広範に含む。典型的には、チューブは、ある程度の可撓性を有する細長い円筒状の構造体であるが、幾何学的形状及び剛性は変化し得る。また、いくつかの流体導管は、他の構成要素内に成形されてもよく、又はそうでなければ他の構成要素と一体的に組み合わされてもよい。分配構成要素はまた、他の構成要素の結合及び分離を容易にするために、インタフェース又は流体ポートを含んでもよく又は備えてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ドレッシングインタフェースは、流体導管をドレッシング110に結合することを容易にしてもよい。例えば、このようなドレッシングインタフェースは、Kinetic Concepts,Inc.(San Antonio,Texas)から入手可能なSENSAT.R.A.C(商標)Padであってもよい。
【0020】
治療システム100はまた、コントローラ130などの、調整器又はコントローラも含み得る。追加的に、治療システム100は、動作パラメータを測定し、動作パラメータを示すフィードバック信号をコントローラ130に提供するためのセンサを含み得る。例えば、図1に示すように、治療システム100は、コントローラ130に結合された第1のセンサ135及び第2のセンサ140を含み得る。
【0021】
治療システム100はまた、滴下用溶液の源を含んでもよい。例えば、溶液源145は、図1の例示的実施形態に示すように、ドレッシング110に流体的に結合されてもよい。溶液源145は、陽圧源150などの陽圧源、陰圧源105などの陰圧源、又はいくつかの実施形態では両方に流体的に結合されてもよい。滴下調整器155などの調整器はまた、組織部位への滴下用溶液(例えば、生理食塩水)の適切な投与量を確実にするために、溶液源145及びドレッシング110に流体的に結合されてもよい。例えば、滴下調整器155はピストンを含み得、ピストンは、陰圧間隔中に溶液源から滴下用溶液を引き込むために、また通気間隔中に溶液をドレッシングに滴下するために、陰圧源105によって空気圧で作動され得る。追加的又は代替的に、コントローラ130は、組織部位への滴下用溶液の投与量を制御するために、陰圧源105、陽圧源150、又はその両方に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、図1の例に示すように、滴下調整器155はまた、ドレッシング110を介して陰圧源105に流体的に結合されてもよい。
【0022】
治療システム100のいくつかの構成要素は、療法をさらに容易にするセンサ、処理ユニット、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示デバイス、又はユーザインタフェースなどの他の構成要素内に収容されてもよく、又はこれらと共に使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、陰圧源105は、コントローラ130、溶液源145、及び他の構成要素と組み合わされて治療ユニットにすることができる。
【0023】
一般に、治療システム100の構成要素は、直接又は間接的に結合されてもよい。例えば、陰圧源105は、容器115に直接結合されてもよく、容器115を介してドレッシング110に間接的に結合されてもよい。結合は、流体結合、機械的結合、熱的結合、電気的結合、若しくは化学的結合(化学結合など)、又は、いくつかの文脈では、結合のある組み合わせを含むことができる。例えば、陰圧源105は、コントローラ130に電気的に結合されてもよく、組織部位への流体経路を提供するために1つ以上の分配構成要素に流体的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、構成要素はまた、物理的近接によって、又は単一の構造に一体化されることによって、又は同じ材料片から形成されることによって結合されてもよい。
【0024】
陰圧源105などの陰圧供給部は、陰圧での空気のリザーバであってもよく、又は、例えば、真空ポンプ、吸引ポンプ、多くの医療施設で使用可能な壁面吸引ポート、若しくはマイクロポンプなどの手動若しくは電動のデバイスであってもよい。「陰圧」又は「減圧」とは、一般に、封止された療法環境の外部の局所的環境における周囲圧力などの局所的周囲圧力未満の圧力を指す。多くの場合、局所的周囲圧力はまた、組織部位が位置する大気圧であり得る。代替的に、圧力は、組織部位における組織に関連する静水圧未満であり得る。別途指示のない限り、本明細書に記載されている圧力の値は、ゲージ圧である。陰圧の増加についての言及は、典型的には、絶対圧力の減少を指し、陰圧の減少は、典型的には、絶対圧力の増加を指す。陰圧源105によって提供される陰圧の量及び性質は、治療要件に応じて変化してもよいが、圧力は一般的に、-5mmHg(-667Pa)~-500mmHg(-66.7kPa)の低真空(rough vacuum)とも一般的に称される低い真空(low vacuum)である。一般的な療法範囲は、-50mmHg(-6.7kPa)~-300mmHg(-39.9kPa)の間である。
【0025】
容器115は、組織部位から引き出された滲出液及び他の流体を管理するために使用され得る容器、キャニスタ、パウチ、又は他の貯蔵構成要素を表す。多くの環境では、剛性の容器が、流体の収集、貯蔵、及び廃棄のために好ましい又は必要とされることがある。他の環境では、流体は、剛性の容器に貯留されずに適切に廃棄される場合もあり、再使用可能な容器であれば、陰圧療法に関連する廃棄物及びコストを低減することができる。
【0026】
コントローラ130などのコントローラは、治療システム100の1つ以上の構成要素、例えば陰圧源105などを動作させるようにプログラムされたマイクロプロセッサ又はコンピュータであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ130はマイクロコントローラであってもよく、これは一般的に、プロセッサコアと、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを直接又は間接的に制御するようにプログラムされたメモリと、を含む集積回路を備える。動作パラメータは、例えば、陰圧源105に適用される電力、陰圧源105によって生成される圧力、又は組織インタフェース120に分配される圧力を含み得る。コントローラ130はまた、好ましくは、フィードバック信号などの1つ以上の入力信号を受信するように構成されており、入力信号に基づいて1つ以上の動作パラメータを修正するようにプログラムされている。
【0027】
第1のセンサ135及び第2のセンサ140などのセンサは、一般的に、当該技術分野において、物理的現象又は特性を検出又は測定するように動作可能な任意の装置として知られており、一般的に、検出又は測定された現象又は特性を示す信号を提供する。例えば、第1のセンサ135及び第2のセンサ140は、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のセンサ135は、空気通路内の圧力を測定し、測定値を、測定された圧力を示す信号に変換するように構成されたトランスデューサであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、第1のセンサ135は、ピエゾ抵抗型歪みゲージであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のセンサ140は、陰圧源105の動作パラメータ、例えば電圧又は電流などを任意選択的に測定することができる。好ましくは、第1のセンサ135及び第2のセンサ140からの信号は、コントローラ130への入力信号として好適であるが、いくつかの実施形態では、ある信号調整が適切であり得る。例えば、信号は、信号がコントローラ130によって処理され得る前に、フィルタリング又は増幅される必要があり得る。典型的には、信号は、電気信号であるが、光信号などの他の形態で表されてもよい。
【0028】
組織インタフェース120は、一般的に、組織部位に部分的又は完全に接触するように適合されてもよい。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、マニホールドを備えてもよく、又はこれから本質的になってもよい。この文脈でのマニホールドは、圧力下で組織インタフェース120にわたって、流体を収集又は分配するための手段を備えてもよく、又はこれから本質的になってもよい。例えば、マニホールドは、源から陰圧を受け取るように、かつ組織インタフェース120にわたって陰圧を分配するように適合されてもよく、これは、組織部位にわたって流体を収集し、流体を源に向けて引き込む効果を有し得る。いくつかの実施形態では、流体経路は逆にされてもよく、又は二次流体経路は、滴下用溶液の源からの流体などの流体を組織部位にわたって送達することを容易にするために提供されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、カバー125は、細菌に対する障壁、及び物理的外傷からの保護を提供し得る。カバー125はまた、蒸発損失を低減することができ、2つの構成要素間又は2つの環境間の流体封止、例えば、療法環境と局所的外部環境との間の流体封止などを提供することができる材料から構築され得る。カバー125は、例えば、組織部位において所与の陰圧源の陰圧を維持するのに適切な封止を提供することができるエラストマーのフィルム又は膜を含んでもよく、又はこれからなってもよい。カバー125は、実質的に透明又は光学的に透明であってもよい。カバー125は、いくつかの用途において、高い水蒸気透過率(moisture-vapor transmission rate、MVTR)を有し得る。例えば、MVTRは、いくつかの実施形態では、38℃及び相対湿度(RH)10%において、ASTM E96/E96MのUpright Cup Methodによる直立カップ法を使用して測定された際、24時間当たり少なくとも250グラム/平方メートルであり得る。いくつかの実施形態では、24時間当たり最大5,000グラム/平方メートルのMVTRが、有効な通気性及び機械的特性を提供し得る。
【0030】
取り付けデバイスは、カバー125を、無傷の表皮、ガスケット、又は別のカバーなどの取り付け面に取り付けるために使用されてもよい。取り付けデバイスは、多くの形態を取り得る。例えば、取り付けデバイスは、カバー125を組織部位の周りの表皮に接合するように構成された医学的に許容可能な感圧接着剤であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、カバー125の一部又は全ては、約25~65グラム/平方メートル(g.s.m.)のコーティング重量を有し得るアクリル接着剤などの接着剤でコーティングされてもよい。例示的な実施形態において、接着剤は、実質的に透明又は光学的に透明であってもよい。いくつかの実施形態では、より厚い接着剤、又は接着剤の組み合わせが、シールを改善し漏れを低減するために適用されてもよい。取り付けデバイスの例示的実施形態は、両面テープ、糊、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、又はオルガノゲルを含み得る。
【0031】
溶液源145はまた、滴下療法用の溶液を提供することができる容器、キャニスタ、パウチ、バッグ、又は他の貯蔵構成要素を表すことができる。溶液の組成は、指示された療法に応じて変化してもよいが、いくつかの処方に好適であり得る溶液の例としては、次亜塩素酸塩系溶液、硝酸銀(0.5%)、イオウ系溶液、ビグアニド類、カチオン性溶液、及び等張溶液が挙げられる。
【0032】
動作中、組織インタフェース120は、組織部位内に、組織部位の上に、組織部位上に、又はそうでなければ組織部位に近接して配置されてもよい。例えば、組織部位が創傷である場合、組織インタフェース120は、部分的若しくは完全に創傷を塞いでもよく、又は、創傷の上に配置されてもよい。カバー125は、組織インタフェース120の上に配置され、組織部位付近の取り付け面に封止されてもよい。例えば、カバー125は、組織部位の周辺の無傷の表皮に封止されてもよい。したがって、ドレッシング110は、外部環境から実質的に隔離された封止治療環境を組織部位に近接して提供することができ、陰圧源105は、その封止治療環境内の圧力を低減することができる。
【0033】
封止治療環境内などの別の構成要素又は位置における圧力を低減するために陰圧源を使用する流体力学は、数学的に複雑であり得る。しかし、陰圧療法及び滴下に適用可能な流体力学の基本原理は、概して、当業者に周知であり、圧力を低減するプロセスは、例えば、陰圧を「送達する」、「分配する」、又は「生成する」ものとして本明細書で例示的に説明され得る。
【0034】
一般に、滲出液及び他の流体は、流体経路に沿って、より低い圧力に向けて流れる。したがって、「下流」という用語は、典型的には、陰圧源に相対的により近い、又は陽圧源からより遠く離れる流体経路内のものを意味する。逆に、「上流」という用語は、陰圧源から相対的により遠く離れる又は陽圧源により近いものを意味する。同様に、このような基準系における流体の「入口」又は「出口」の観点からある特徴部を記載することが便利であり得る。この向きは、概して、本明細書において様々な特徴部及び構成要素を記載する目的で想定されている。しかしながら、流体経路はまた、いくつかの用途では、陰圧源を陽圧源に置き換えることなどによって逆転されてもよく、この記載上の規定は、限定的な規定として解釈されるべきではない。
【0035】
封止治療環境において、組織インタフェース120を介して組織部位にわたって印加される陰圧は、組織部位における巨大歪み及び微小歪みを誘発することができる。陰圧はまた、組織部位から滲出液及び他の流体を除去することができ、滲出液及び他の流体は容器115内に収集され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、コントローラ130は、第1のセンサ135などの1つ以上のセンサからデータを受信し処理することができる。コントローラ130はまた、組織インタフェース120に送達される圧力を管理するために、治療システム100のうちの1つ以上の構成要素の動作を制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ130は、所望の目標圧力を受け取るための入力を含み得、組織インタフェース120に適用される目標圧力の設定及び入力に関するデータを処理するように、プログラムされ得る。いくつかの例示的実施形態では、目標圧力は固定圧力値であってもよく、固定圧力値は、組織部位における療法に所望される目標陰圧として操作者によって設定され、次いで、コントローラ130に入力として提供される。目標圧力は、組織部位を形成する組織のタイプ、(存在する場合)傷害又は創傷のタイプ、患者の健康状態、及び主治医の選好に基づいて、組織部位に応じて変化してもよい。所望の目標圧力の選択後、コントローラ130は、目標圧力に基づいて、陰圧源105を1つ以上の制御モードで動作させることができ、組織インタフェース120における目標圧力を維持するために、1つ以上のセンサからフィードバックを受信することができる。
【0037】
一部の実施形態では、コントローラ130は、連続圧力モードを有することができ、このモードでは、陰圧源105は、治療期間中又は手動で停止されるまで、一定の目標陰圧を提供するように作動される。追加的又は代替的に、コントローラは間欠圧力モードを有することができる。例えば、コントローラ130は、陰圧源105を作動させて、目標圧力と大気圧との間を循環させることができる。例えば、目標圧力は、指定期間(例えば、5分)にわたって、135mmHgの値に設定することができ、その後、指定期間(例えば、2分)の作動停止が続く。このサイクルは、目標圧力と大気圧との間に矩形波パターンを形成することができる陰圧源105を作動させることによって繰り返すことができる。
【0038】
いくつかの例示的実施形態では、周囲圧力から目標圧力への陰圧の増加は、瞬間的ではない場合がある。例えば、陰圧源105及びドレッシング110は、初期立ち上がり時間を有し得る。初期上昇時間は、使用されているドレッシング及び治療機器(therapy equipment)のタイプに依存して変化し得る。例えば、ある治療システムについての初期上昇時間は、約20~30mmHg/秒の範囲であってもよく、別の治療システムについての初期上昇時間は、約5~10mmHg/秒の範囲であってもよい。治療システム100が間欠モードで動作している場合、繰り返し立ち上がり時間は、初期立ち上がり時間に実質的に等しい値であり得る。
【0039】
一部の例示的な動的圧力制御モードでは、目標圧力は時間と共に変化することができる。例えば、目標圧力は、+25mmHg/分の速度に設定された立ち上がり時間及び-25mmHg/分に設定された立ち下がり時間で、50~135mmHgの陰圧の間で変化する三角波形の形で変化し得る。治療システム100の他の実施形態では、三角波形は、+30mmHg/分の速度に設定された立ち上がり時間及び-30mmHg/分に設定された立ち下がり時間で、25~135mmHgの陰圧の間で変化し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、コントローラ130は、動的圧力モードにおいて、可変目標圧力を制御又は決定することができ、可変目標圧力は、所望の陰圧の範囲として、操作者によって規定された入力として設定され得る最大圧力値と最小圧力値との間で変化し得る。可変の目標圧力はまた、コントローラ130によって処理及び制御されてもよく、三角波形、正弦波形、又は鋸歯状波形などの所定の波形に従って、目標圧力を変化させることができる。いくつかの実施形態では、波形は、療法に所望される所定の陰圧又は時間と共に変化する陰圧として、操作者によって設定されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、コントローラ130は、臨床医によって処方された滴下用溶液に関するデータなどのデータ、組織部位に注入される流体又は溶液の体積(「充填体積」)、及び組織部位に陰圧を印加する前に組織部位に溶液を残すために処方された時間(「滞留時間」)を受け取って処理することができる。充填体積は、例えば10~500mLであってもよく、滞留時間は1秒~30分であってもよい。コントローラ130はまた、治療システム100の1つ以上の構成要素の動作を制御して溶液を注入することができる。例えば、コントローラ130は、溶液源145から組織インタフェース120に分配される流体を管理することができる。一部の実施形態では、陰圧源105から陰圧を印加して組織部位の圧力を低下させ、溶液を組織インタフェース120に吸引することによって、流体を組織部位に注入することができる。一部の実施形態では、陽圧源150から陽圧を印加して溶液を溶液源145から組織インタフェース120に移動させることによって、溶液を組織部位に注入することができる。追加的又は代替的に、溶液源145を、重力が溶液を組織インタフェース120に移動させることを可能にするのに十分な高さまで上昇させることができる。
【0042】
コントローラ130はまた、溶液の連続的な流れ又は溶液の間欠的な流れを提供することによって、滴下の流体力学を制御することができる。陰圧を印加して、溶液の連続的な流れ又は間欠的な流れのいずれかを提供することができる。陰圧の印加は、連続的な圧力動作モードを提供して、組織インタフェース120を通る滴下用溶液の連続的な流速を達成するように実施されてもよく、又は、動的圧力動作モードを提供して、組織インタフェース120を通る滴下用溶液の流速を変化させるように実施されてもよい。間欠モードでは、例えば、処置されている組織部位のタイプ及び利用されているドレッシングのタイプに応じて、特定の充填体積及び滞留時間を提供することができる。溶液の注入後又は注入中に、陰圧治療を行うことができる。別の滴下サイクルを開始する前に、コントローラ130を利用して、動作モード及び陰圧治療の期間を選択することができる。
【0043】
図2は、組織インタフェース120が2つ以上の層を含むいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、図1の組織インタフェース120の一例の分解組立図である。図2の例では、組織インタフェース120は、第1のポリマーフィルム又は第1のフィルム層205と、一次マニホールド210と、第2のポリマーフィルム又は第2のフィルム層215と、を備える。いくつかの実施形態では、第1のフィルム層205は、一次マニホールド210に隣接して配置されてもよく、第2のフィルム層215は、第1のフィルム層205と反対側に一次マニホールド210に隣接して配置されてもよい。例えば、第1のフィルム層205と一次マニホールド210は、第1のフィルム層205が一次マニホールド210と接触するように積層されてもよい。第2のフィルム層215と一次マニホールド210は、第2のフィルム層215が一次マニホールド210と接触するように積層されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のフィルム層205の少なくとも一部分が、第2のフィルム層215の一部分に接合されてもよい。例示的な実施形態では、一次マニホールド210の少なくとも一部分は、第1のフィルム層205及び/又は第2のフィルム層215のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分に接合されてもよい。
【0044】
第1のフィルム層205は、流体の流れを制御又は管理するのに適した構造を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のフィルム層205は、液体不透過性、蒸気透過性エラストマー材料を含み得る流体制御層であってもよい。例示的実施形態では、第1のフィルム層205は、ポリマーフィルムを含み得る。例えば、第1のフィルム層205は、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルムを含んでもよい。例示的な実施形態では、第1のフィルム層205は、実質的に透明又は光学的に透明であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のフィルム層205は、カバー125と同じ材料を含み得る。例示的実施形態は、第1のフィルム層205は、USPクラスVI規格に従って試験され、かつ認定された生体適合性ポリウレタンフィルムを含んでもよい。第1のフィルム層205はまた、いくつかの実施形態では、平滑な表面テクスチャ又は艶消しの表面テクスチャを有してもよい。いくつかの用途に関しては、SPI(プラスチック工業会)規格による等級B3以上の、艶出し仕上げ又は光沢仕上げが特に有利であり得る。いくつかの実施形態では、表面高さの変化は、許容可能な公差に制限され得る。例えば、第1のフィルム層205の表面は、高さの変化が1センチメートルにわたって0.2ミリメートルに制限されている実質的に平坦な表面であり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1のフィルム層205は、疎水性であり得る。第1のフィルム層205の疎水性は多様であり得るが、いくつかの実施形態では、少なくとも90度の、水との接触角を有し得る。いくつかの実施形態では、第1のフィルム層205は、150度以下の水との接触角を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1のフィルム層205の接触角は、少なくとも90度~約120度の範囲、又は少なくとも120度~150度の範囲であってもよい。水接触角は、任意の標準装置を使用して測定され得る。手動ゴニオメータが、接触角を視覚的に概算するために使用され得るが、接触角測定器は、多くの場合、とりわけ、水平ステージ、シリンジなどの液体滴下器、カメラ、及び、接触角をより正確かつ精密に算出するように設計されているソフトウェアを伴う統合システムを含み得る。このような統合システムの非限定的な例としては、First Ten Angstroms,Inc.(Portsmouth,VA)から全てが市販されているFTÅ125、FTÅ200、FTÅ2000、及びFTÅ4000システム、並びに、Kruss GmbH(Hamburg,Germany)から全てが市販されているDTA25、DTA30、及びDTA100システムが挙げられ得る。別途指定のない限り、本明細書における水接触角は、20~25℃及び相対湿度20~50%の空気中、5cm以下の高さから添加される、液滴用の水平のサンプル表面上の脱イオン蒸留水を使用して測定される。本明細書における接触角は、最高測定値及び最低測定値の両方を破棄して、5~9個の測定値の平均を表す。第1のフィルム層205の疎水性は、シリコーン及びフルオロカーボンなどの他の材料の疎水性コーティングでさらに高められてもよい。
【0046】
第1のフィルム層205はまた、他の層に溶着するためにも好適であり得、一次マニホールド210及び第2のフィルム層215を含む。例えば、第1のフィルム層205は、熱、高周波(RF)溶着、又は超音波溶着などの他の方法を使用して、ポリウレタン、ポリウレタンフィルム、及びポリウレタン発泡体などのポリマーに溶着するように適合されてもよい。RF溶着は、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、及びアクリレートなどの、より極性の高い材料に関して、特に好適であり得る。犠牲極性インタフェースが、ポリエチレンなどの極性のより低いフィルム材料のRF溶着を容易にするために使用されてもよい。
【0047】
第1のフィルム層205の面積密度は、指示された療法又は用途に応じて変化してもよい。いくつかの実施形態では、40グラム/平方メートル未満の面積密度が好適であり得、約20~30グラム/平方メートルの面積密度が、いくつかの用途に特に有利であり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、例えば、第1のフィルム層205は、ポリエチレンフィルムなどの疎水性ポリマーを含み得る。ポリエチレンの単純かつ不活性な構造は、生体組織及び流体との相互作用を、あるとしても殆ど起こさない面を提供することができ、液体の自由な流れ及び低付着性を助長し得る面を提供し、これは、多くの用途に特に有利であり得る。他の好適なポリマーフィルムは、ポリウレタン、アクリル、ポリオレフィン(環状オレフィンコポリマーなど)、ポリアセテート、ポリアミド、ポリエステル、コポリエステル、PEBAXブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、スチレン系(styreneics)、シリコーン、フルオロポリマー、及びアセテートを含む。約20マイクロメートル~約500マイクロメートルの厚さが、多くの用途に好適であり得る。例えば、23マイクロメートル、25マイクロメートル、100マイクロメートル、250マイクロメートル、300マイクロメートル、及び500マイクロメートルの厚さが、特定の用途に好適であり得る。ポリエチレンフィルムに積層するのに好適な極性のより高いフィルムは、ポリアミド、コポリエステル、アイオノマー、及びアクリルを含む。ポリエチレンと極性フィルムとの接合を補助するために、エチレン酢酸ビニル又は変性ポリウレタンなどのタイ層が使用されてもよい。エチルメチルアクリレート(EMA)フィルムもまた、いくつかの構成に好適な疎水性及び溶着特性を有し得る。
【0049】
図2の例に示すように、第1のフィルム層205は、第1のフィルム層205にわたって均一又はランダムに分配し得る、1つ以上の流体通路220を有してもよい。流体通路220は、双方向性及び圧力応答性であってもよい。例えば、流体通路220の各々は概して、液体の流れを実質的に低減するために通常緊張しない弾性の通路であってもよく、かつ圧力勾配に応答して拡大するか開放することができる。いくつかの実施形態では、流体通路220は、第1のフィルム層205に穿孔を含んでもよく、又は穿孔であってもよい。流体通路220又は穿孔は、第1のフィルム層205から材料を除去することによって形成され得る。例えば、流体通路220又は穿孔は、第1のフィルム層205を切り開くことによって形成されてもよく、いくつかの実施形態では、これは穿孔の縁部を変形させてもよい。穿孔にわたって圧力勾配が存在しない場合、通路は、封止又は流体制限を形成するのに十分に小さくてもよく、これは液体の流れを実質的に低減又は防止することができる。追加的又は代替的に、流体通路220のうちの1つ以上はエラストマー弁として構成された開窓を含むか、又は開窓であってもよく、エラストマー弁は、液体の流れを実質的に防止するために緊張していないとき通常閉鎖し、圧力勾配に応答して開くことができる。開窓はまた、第1のフィルム層205から材料を除去することによって形成されてもよいが、除去される材料の量、及び窓部の得られた寸法は、最大でも穿孔よりも桁が1つ小さくてもよく、縁部を変形させなくてもよい。
【0050】
例えば、流体通路220のいくつかの実施形態は、第1のフィルム層205内の1つ以上のスリット、スロット、又はスリットとスロットとの組み合わせを含み得る。いくつかの例では、流体通路220は、5ミリメートル未満の長さ及び2ミリメートル未満の幅を有する、線状スロットを含んでもよい。長さは少なくとも2ミリメートルであってもよく、いくつかの実施形態では、幅は少なくとも0.5ミリメートルであってもよい。約2ミリメートル~約5ミリメートルの範囲の長さ及び約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの範囲の幅が、多くの用途に特に好適であり得、約0.1ミリメートルの公差がまた、許容可能であり得る。例えば、3mmの長さが好適であり得る。このような寸法及び公差は、例えば、レーザーカッターで達成され得る。このような構成のスロットは、正常に閉じた状態又は静止した状態で液体の流れを実質的に低減する不完全な弁として機能し得る。例えば、このようなスロットは、完全に閉じられることなく又は完全に封止されることなく流れ制限部を形成してもよい。スロットは、液体の流れの増加を可能にするために、圧力勾配に応答して大きく拡張する又は開くことができる。例示的な実施形態では、流体通路220は、5ミリメートル未満の長さを有する線状スリットを含むか、又は線状のスリットからなってもよい。例えば、長さは少なくとも2ミリメートルであり得る。約2ミリメートル~約5ミリメートルの範囲の長さは、多くの用途に特に好適であり得、約0.1ミリメートルの公差がまた、許容可能であり得る。例えば、3mmの長さが好適であり得る。いくつかの実施形態では、第1のフィルム層205は、底面230と反対側に上面225を備えてもよい。第1のフィルム層205は、第1のフィルム層205の外周に周縁部235をさらに備えてもよい。例示的な実施形態では、流体通路220は、円形又は任意の他の好適な形状であってもよい。
【0051】
いくつかの例では、一次マニホールド210は、可撓性グリッド構造であってもよく、又は可撓性グリッド構造を含んでもよい。可撓性グリッド構造は、限定ではないが、ポリマー、発泡体、又はポリマーと発泡体の組み合わせなどの種々の材料から形成されてもよく、又はそれを含んでもよい。一次マニホールド210のいくつかの実施例は、複数のマニホールド開口部又は窓240を形成するポリマー及び/又は発泡材料のない複数のセクションを含み得る。マニホールド開口部又は窓240は、一次マニホールド210を通して形成されてもよく、ユーザが一次マニホールド210を通して見ることを可能にする。例示的な実施形態では、マニホールド開口部又は窓240は、材料のない一次マニホールド210の領域として画定し得る。例えば、マニホールド開口部又は窓240はまた、流路を形成してもよく、一次マニホールド210の上面255及び底面260を通って、流体連通及び流れを容易にする。例示的な実施形態では、一次マニホールド210は、約ショア10A~約ショア60Aの範囲の硬度を有するポリウレタン又はシリコーンベースの材料を含むがこれらに限定されない、成形又はキャストポリマーを含む。例えば、一次マニホールド210は、ショア20A~ショア40Aの範囲の硬度を有するポリウレタン又はシリコーンベースの材料から形成されてもよい。ショア10Aの硬度を有するポリマーは、特定の用途に好適であり得る。例示的な実施形態によれば、窓240は、多角形又は円形の枠を有してもよい。例えば、窓240は、十字形のフレーム又は四弁模様のフレームを有してもよい。例示的実施形態では、窓240のためのフレームは、三角形、正方形、五角形、六角形などの規則正しい形状、又は任意の他の規則正しい形状から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、窓240のためのフレームは、不規則な形状から形成されてもよい。いくつかの実施形態によると、窓240は、約8ミリメートル~約15ミリメートルの範囲の幅を有し得る。
【0052】
図2の例に示すように、一次マニホールド210は、単一の実質的に均一な材料から形成されてもよい。一次マニホールド210は、グリッドパターンに配列された複数の一次ノード245を備えてもよい。例えば、複数の一次ノード245は、行及び列のパターンで配列され得る。一行内の各一次ノード245は、リンク250によって少なくとも1つの隣接する一次ノード245に接続され得る。一行内の各一次ノード245の重心は、一行内の一次ノード245を接続する各リンク250の長軸と位置合わせされ得る。例示的実施形態では、一列内の各一次ノード245は、リンク250によって少なくとも1つの隣接する一次ノード245に接続され得るか、又はリンクされ得る。一列内の各一次ノード245の重心は、一行内の一次ノード245を接続する各リンク250の長軸と位置合わせされ得る。例示的実施形態において、各行内のリンク250は、互いの行内のリンク250と平行であってもよい。例示的実施形態では、各列内のリンク250は、互いの列内のリンク250と平行であってもよい。例えば、各列内のリンク250は、各行内のリンク250に実質的に直交してもよい。図2の例によって示されるように、一次ノード245の上面及びリンク250の上面は、一次マニホールド210の上面255と実質的に同一平面上にあってもよい。いくつかの実施形態では、一次ノード245の底面及びリンク250の底面は、一次マニホールド210の底面260と実質的に同一平面上にあってもよい。例示的実施形態では、一次マニホールド210の上面255によって形成される平面は、一次マニホールド210の底面260によって形成される平面と実質的に平行であってもよい。一次マニホールド210は、一次マニホールド210の外周に形成される周縁部265をさらに備えてもよい。
【0053】
例示的実施形態によれば、一次ノード245は、一次マニホールド210の上面255によって形成される平面において実質的に円形の輪郭を有してもよい。例えば、一次ノード245の円形の輪郭は、約4mm~約12mmの範囲の直径を有してもよい。例示的実施形態では、リンク250は、一次マニホールド210の上面255によって形成される平面において実質的に矩形の輪郭を有してもよい。例えば、リンク250の実質的に矩形の輪郭は、約8mm~約15mmの範囲の長さを有してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、一次ノード245は、六角形のパターン若しくは円形のパターン、又は任意の好適なパターンで配列されてもよい。例示的な実施形態において、一次ノードは、任意の好適な三次元の形状であってもよい。いくつかの実施形態では、窓240は、三角形、正方形、矩形、十字形、多角形、四弁模様、又は任意の他の好適な形状によって枠組みされてもよい。
【0055】
一次マニホールド210が発泡体を含む例示的実施形態では、連続気泡構造を有する多孔質発泡体を使用することができる。例えば、フェルト化された発泡体を使用してもよい。多孔質発泡体又はフェルト化された発泡体は、相互接続された流体経路、例えばチャネルを有してもよい。好適な発泡体の例としては、網状発泡体などの連続気泡発泡体を含む気泡発泡体を含むことができる。多孔質組織集合体、並びに、細孔、縁部、及び/又は壁部を一般的に含むガーゼ又はフェルトマットなどの他の多孔質材料が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、一次マニホールド210は、フェルト化プロセスによって形成され得る。GRANUFOAM(商標)などの、本明細書で言及される例示的な発泡体を含む、フェルト化に好適な任意の多孔質発泡体が使用されてもよい。フェルト化は、相互接続された経路を維持しながら発泡体の密度を増加させるために発泡体を恒久的に圧縮する熱成形プロセスを含む。フェルト化は、多孔質材料又は発泡材料に熱及び圧力を加えることを含み得る任意の既知の方法によって実施され得る。いくつかの方法は、1つ以上の加熱されたプラテン又はダイ(図示せず)の間で、特定の期間、特定の温度で発泡体ブランクを圧縮することを含んでもよい。圧縮の方向は、発泡体ブランクの厚さに沿っていてもよい。例えば、一次マニホールド210は、一次マニホールド210の上面255又は一次マニホールド210の底面260によって形成される平面に対して、実質的に垂直の方向に圧縮されてもよい。
【0056】
圧縮の期間は、10分から24時間までの範囲であってよいが、使用される多孔質材料の特定のタイプに応じて、それより長くても短くてもよい。さらに、いくつかの例では、温度は120℃~260℃の間の範囲であってもよい。一般に、プラテンの温度が低いほど、多孔質材料は圧縮状態でより長く保持されなければならない。特定の期間が経過した後、圧力及び熱は、多孔質材料又は多孔質材料の一部の上又は中を通ってフェルト化構造又は表面を形成する。
【0057】
フェルト化プロセスは、孔形状及び/又はサイズ、弾性、密度、並びに密度分布を含む、元の材料の特定の特性を変化させ得る。例えば、発泡体中の孔を画定する支柱は、フェルト化プロセス中に変形されて、平坦化された孔形状をもたらし得る。変形した支柱はまた、発泡体の弾性を減少させ得る。発泡体の密度は、一般に、フェルト化によって増加する。いくつかの実施形態では、フェルト化プロセスにおけるホットプレスプラテンとの接触はまた、密度が表面においてより大きく、孔サイズが表面においてより小さい密度勾配をもたらし得る。いくつかの実施形態では、フェルト化構造は、多孔質材料の任意の未仕上げ又はフェルト化されていない表面又は部分よりも比較的平滑であってもよい。さらに、フェルト化構造内の孔は、多孔質材料の任意の未仕上げ又はフェルト化されていない表面又は部分全体にわたる孔よりも小さくてもよい。いくつかの例では、フェルト化構造は、多孔質材料の全ての表面又は部分に適用されてもよい。さらに、いくつかの例では、フェルト化構造は、多孔質材料の全体がフェルト化されるように、多孔質材料の厚さ全体にわたっていてもよい。
【0058】
フェルト化された発泡体は、発泡体の圧縮を示す硬度係数によって特徴付けることができる。フェルト化された発泡体の硬度係数は、最終厚さに対する元の厚さの比として特定され得る。圧縮発泡体又はフェルト化された発泡体は、1より大きい硬度係数を有し得る。圧縮度は、フェルト化された発泡体の物理的特性に影響を及ぼし得る。例えば、フェルト化された発泡体は、フェルト化されていない同じ材料の発泡体よりも高い有効密度を有する。フェルト化プロセスはまた、流体と泡との相互作用に影響を及ぼし得る。例えば、密度が増加するにつれて、圧縮性又は圧潰性は低下し得る。したがって、異なる圧縮性又は圧潰性を有する発泡体は、異なる硬度係数を有し得る。いくつかの例示的実施形態において、硬度係数は、約2~約10、好ましくは約3~約5の範囲であり得る。例えば、一次マニホールド210のフェルト化された発泡体の硬度係数は、いくつかの実施形態では、約5であってもよい。硬度レベル、密度、孔サイズ(又は1インチ当たりの孔)及び圧縮性との間には一般的な線形関係がある。例えば、3の硬度係数にフェルト化された発泡体は、3倍の密度増加を示し、元の厚さの約3分の1に圧縮される。
【0059】
図2の例により図示されているように、第2のフィルム層215は、流体の流れを制御若しくは管理する手段を備えてもよく、又はこれから本質的になってもよい。いくつかの実施形態では、第2のフィルム層215は、液体不透過性で蒸気透過性のエラストマー材料を含むか、又はそのようなエラストマー材料から本質的になる流体制御層であってもよい。例示的実施形態では、第2のフィルム層215は、ポリマーフィルムを含み得るか、又はそのようなポリマーフィルムから本質的になってもよい。例えば、第2のフィルム層215は、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルムを含み得るか、又はそのようなポリオレフィンフィルムから本質的になってもよい。いくつかの実施形態では、第2のフィルム層215は、第1のフィルム層205と同じ材料を含んでもよく、又はそのような材料から本質的になってもよい。第2のフィルム層215は、いくつかの実施形態では、平滑な又は艶消しの表面テクスチャも有してもよい。いくつかの用途に関しては、SPI(プラスチック工業会)規格による等級B3以上の、艶出し仕上げ又は光沢仕上げが特に有利であり得る。いくつかの実施形態では、表面高さの変化は、許容可能な公差に制限され得る。例えば、第2のフィルム層215の表面は、高さの変化が1センチメートルにわたって0.2ミリメートルに限定された実質的に平坦な表面を有してもよい。例示的実施形態では、第2のフィルム層215は、疎水性であり得る。例えば、第2のフィルム層215は、150度以下の、水との接触角を有し得る。例えば、第2のフィルム層215の接触角は、少なくとも90度~約120度の範囲、又は少なくとも120度~150度の範囲の接触角を有し得る。
【0060】
第2のフィルム層215はまた、第1のフィルム層及び一次マニホールド210を含む他の層に溶着するためにも好適であり得る。例えば、第2のフィルム層215は、熱、高周波(RF)溶着、又は超音波溶着などの他の方法を使用して、ポリウレタン、ポリウレタンフィルム、及びポリウレタン発泡体などのポリマーに溶着するように適合されてもよい。RF溶着は、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、及びアクリレートなどの、より極性の高い材料に関して、特に好適であり得る。犠牲極性インタフェースが、ポリエチレンなどの極性のより低いフィルム材料のRF溶着を容易にするために使用されてもよい。第2のフィルム層215の面積密度は、指示された療法又は用途に応じて変化してもよい。いくつかの実施形態では、40グラム/平方メートル未満の面積密度が好適であり得、約20~30グラム/平方メートルの面積密度が、いくつかの用途に特に有利であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、第2のフィルム層215は、ポリエチレンフィルムなどの疎水性ポリマーを含んでもよく、又はそのようなポリマーから本質的になってもよい。他の好適なポリマーとしては、第1のフィルム層205に関して前述したポリマーフィルムを含む。約20マイクロメートル~約500マイクロメートルの厚さが、多くの用途に好適であり得る。例えば、23マイクロメートルの厚さが特定の用途に好適であり得る。例示的な実施形態では、25マイクロメートルの厚さが特定の用途に好適であり得る。いくつかの実施形態では、第2のフィルム層215の厚さは、第1のフィルム層205の厚さ未満であってもよい。第2のフィルム層215は、実質的に透明又は光学的に透明であってもよい。図2の例に示すように、第2のフィルム層215は、1つ以上の流体通路270を有してもよい。流体通路270は、第1のフィルム層205に関して前述した流体通路220と、実質的に同様又は同じであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のフィルム層215は、底面280と反対側に上面275を備えてもよい。第2のフィルム層215は、第2のフィルム層215の外周に周縁部285をさらに備えてもよい。
【0061】
図3は、第1のフィルム層205、一次マニホールド210、及び第2のフィルム層215が組み立てられた形態にある組織インタフェース120のいくつかの実施形態の等角図を示す。例示的な実施形態では、第1のフィルム層205の周縁部235は、第2のフィルム層215の周縁部285と実質的に同一の広がりを持つことができる。いくつかの実施形態では、第1のフィルム層205の周縁部235付近の第1のフィルム層205の一部分は、境界領域305において第2のフィルム層215の周縁部285付近の第2のフィルム層215の一部分に結合、接合、溶着、又は接着されて、組織インタフェース120の内部空間310を画定してもよい。いくつかの文脈では、結合はまた、機械的結合、熱的結合、又は化学的結合(例えば化学結合)を含み得る。一次マニホールド210は、組織インタフェース120の内部空間内に位置付けられてもよい。
【0062】
図4は、線4-4で切り取られた図3の例示的組織インタフェースの断面図を示す。組み立てられると、第1のフィルム層205の上面225は、一次マニホールド210の底面260に隣接してもよい。一次マニホールド210の上面255は、第2のフィルム層215の底面280に隣接してもよい。第2のフィルム層215の一部分に結合、接合、溶着、又は接着された第1のフィルム層205の一部分は、組織インタフェース120の境界領域305を形成し得る。例示的な実施形態では、一次マニホールド210は、組織インタフェース120の内部空間310内に位置付けられてもよい。例えば、一次マニホールド210の周縁部265は、境界領域305内及び内部空間310内に含まれてもよい。例えば、一次マニホールド210は、第1のフィルム層205の上面225、第2のフィルム層215の底面280、及び境界領域305によって含まれてもよい。組み立てられた形態において、ユーザは、第2のフィルム層215の上面275又は第1のフィルム層205の底面230によって形成される平面に対して、ほぼ垂直の方向に、組織インタフェース120を通して見ることができる。例えば、ユーザは、実質的に透明な又は光学的に透明な第1のフィルム層205を通して、一次マニホールド210の窓240の中へかつそれを通して、実質的に透明な又は光学的に透明な第2のフィルム層215を通して見ることができる。
【0063】
例示的な実施形態では、流体は、第1のフィルム層205の流体通路220を通って一次マニホールド210の窓240の中へ輸送され得、かつその窓240から第2のフィルム層215の流体通路270を通って輸送されてもよい。例示的実施形態では、流体は、第2のフィルム層215の流体通路270を通って一次マニホールド210の窓240の中へ輸送され得、かつその窓240から第1のフィルム層205の流体通路220を通って輸送されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、組織インタフェース120を通って輸送されてもよい。一次マニホールド210が多孔質材料を含む例示的実施形態では、流体は、一次マニホールド210の多孔質材料内に形成される流路を通って輸送されてもよい。例示的な実施形態では、一次マニホールド210は、第1の力405及び第2の力410がマニホールドに加えられたときに、実質的な変形に抵抗するのに十分な剛性を有することができる。例えば、第1の力405は、一次マニホールド210の上面255に対して実質的に垂直であってもよく、第2の力410は、一次マニホールド210の底面260に対して実質的に垂直であってもよい。例示的実施形態では、第1の力405及び第2の力410は、実質的に反対のベクトルであってもよい。第1の力405及び/又は第2の力410に応答して一次マニホールド210が変形するのを防止することによって、一次マニホールド210は、加えられた力405及び/又は加えられた力410に応答して、窓240を実質的に開いた状態に保つことができる。
【0064】
図5は、図2の例示的組織インタフェース120のいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す底面図である。例えば、図5は、第1のフィルム層205のいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。図5の例に示すように、流体通路220は各々、長さlを有する1つ以上のスリットから本質的になってもよい。約3ミリメートルの長さが、いくつかの実施形態に特に好適であり得る。図5は、流体通路220の均一な分布パターンの一例をさらに示す。図5では、流体通路220は、第1のフィルム層205と実質的に同一の広がりを有し、平行な行及び列のグリッドにおいて第1のフィルム層205にわたって分配しており、この中でスリットはまた互いに相互に平行である。いくつかの実施形態では、行は距離dで離間されてもよい。中心で約3ミリメートルの距離が、いくつかの実施形態に好適であり得る。行の各々の流体通路220は距離dで離間されてもよく、いくつかの実施例では、距離dは、中心で約3ミリメートルであり得る。いくつかの実施形態では、隣接する行の流体通路220は、位置合わせされてもよく、又はオフセットされてもよい。例えば、隣接する行は、図5に示すようにオフセットされてもよく、このため、流体通路220は交互の行で位置合わせされ、距離dで分離されており、いくつかの実施形態では、距離dは約6ミリメートルであり得る。いくつかの実施形態では、流体通路220の間隔は、療法の要件に従って流体通路220の密度を増加させるように変化してもよい。いくつかの実施形態では、複数の流体通路220は、組織インタフェース120が組み立てられるとき、一次マニホールド210の窓240と位置合わせしてもよい。例えば、流体通路220の大部分は、一次マニホールド210の窓240と位置合わせされて、組織インタフェース120を通って改善された水分移動を容易にし、かつ組織インタフェース120を通って改善されたマニホールド化を容易にすることができる。例示的な実施形態では、流体通路220の大部分は、複数の一次ノード245と位置合わせされて、一次ノード245の弧の上を通る流体通路220によって、一次ノード245の周りのマニホールド化を改善することができる。
【0065】
図6は、図2の例示的組織インタフェース120のいくつかの実施形態に関連し得る詳細を示す底面図である。例えば、図6は、第2のフィルム層215のいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。図6の例に示すように、流体通路270は各々、長さlを有する1つ以上のスリットから本質的になってもよい。約3ミリメートルの長さが、いくつかの実施形態に特に好適であり得る。図6は、流体通路270の均一な分布パターンの一例をさらに示す。図6では、流体通路270は、第2のフィルム層215と実質的に同一の広がりを有し、平行な行及び列のグリッドにおいて第2のフィルム層215にわたって分配しており、この中でスリットはまた互いに相互に平行である。いくつかの実施形態では、行は距離dで離間されてもよい。中心で約3ミリメートルの距離が、いくつかの実施形態に好適であり得る。行の各々内の流体通路270は距離dで離間されてもよく、いくつかの実施例では、距離dは、中心で約3ミリメートルであり得る。いくつかの実施形態では、隣接する行の流体通路270は、位置合わせされてもよく、又はオフセットされてもよい。例えば、隣接する行は、図6に示すようにオフセットされてもよく、このため、流体通路270は交互の行で位置合わせされ、距離dで分離されており、いくつかの実施形態では、距離dは約6ミリメートルであり得る。いくつかの実施形態では、流体通路270の間隔は、療法の要件に従って流体通路270の密度を増加させるように変化してもよい。いくつかの実施形態では、複数の流体通路270は、組織インタフェース120が組み立てられるとき、一次マニホールド210の窓240と位置合わせしてもよい。例えば、流体通路270の大部分は、一次マニホールド210の窓240と位置合わせされて、組織インタフェース120を通って改善された水分移動を容易にし、かつ組織インタフェース120を通って改善されたマニホールド化を容易にすることができる。
【0066】
図7Aは、図1の治療システムのいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、一次マニホールド210の一例示的実施形態の上面図である。例えば、一次マニホールド210は、グリッドパターンに配列された複数の一次ノード245を備えてもよい。いくつかの実施形態において、一次ノード245は、リンク250のネットワークによって相互接続されてもよい。例えば、各一次ノード245は、リンク250によって少なくとも1つの他の一次ノード245に接続されてもよい。例示的実施形態では、各リンク250は、平面で互いのリンク250と実質的に平行又は実質的に直交することができる。例えば、任意の1つの一次ノード245に接続された各リンク250は、同じ一次ノード245に接続された隣接するリンク250に直交してもよい。例示的な実施形態では、一次ノード245は実質的に半球形であり、一次マニホールド210はまた、一次ノード245の極にキャップ部分705を含むことができる。例示的実施形態では、各一次ノード245は、隣接する一次ノード245から第1の方向に中心で距離dだけ離間され得る。各一次ノード245は、第2の方向において、隣接する一次ノード245から中心で距離dだけ離間され得る。例示的な実施形態では、第1の方向は、同じ平面で第2の方向に直交することができる。いくつかの実施形態では、各一次ノード245は、直径wを有してもよい。例示的実施形態では、各リンク250は幅wを有してもよい。いくつかの実施形態では、一次マニホールド210は、全長L及び全幅Wを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態によれば、dは約13mmであり得、dは約13mmであり得、wは約8mmであり得、wは約2mmであり得、Lは約182mmであり得、Wは約117mmであり得る。例示的な実施形態によれば、一次マニホールド210は、一次マニホールド210を上から見たときに、材料が存在しない負の空間又は部分によって画定される複数の窓240を含んでもよい。
【0067】
図7Bは、図7Aの一次マニホールド210の等角部分図である。例示的実施形態では、半球形の各一次ノード245は、一次ノード245の基部の周りにフィレット付き部分又は丸み付き部分710を含んでもよい。いくつかの実施形態では、各一次ノード245、各リンク250、及び各キャップ部分705などの一次マニホールド210の各構成要素は、同じ材料を含んでもよい。例えば、一次マニホールド210は、約ショア20A~約ショア40Aの硬度を有するポリウレタン又はシリコーン系材料などの成形又は鋳造ポリマー材料から形成されてもよい。例えば、約ショア10Aの硬度を有するシリコーン材料は、特定の用途に適し得る。例示的実施形態では、一次マニホールド210は、全高Hを有することができる。例えば、Hは約4mmであってもよい。
【0068】
図8は、図1の治療システムのいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、一次マニホールド210の一例示的実施形態の上面図である。図8Bは、図8Aの一次マニホールド210の等角部分図である。例示的実施形態では、各一次ノード245は、各リンク250及び各キャップ部分705よりも低いショア硬度レベルを有するポリマーから形成され得る。例えば、各一次ノード245は、約ショア10Aの硬度を有するシリコーンから形成されてもよく、各リンク250及び各エンドキャップ部分705は、約ショア20A~約ショア40Aの範囲の硬度を有するシリコーンから形成されてもよい。
【0069】
図9Aは、図1の治療システムに関連し得る追加的詳細を示す、一次マニホールドの一例示的実施形態の底面図である。例えば、一次マニホールド210は、上面255(図示せず)及び底面260を備える、実質的にシート状の構造として形成されてもよい。例えば、一次マニホールド210は、約0.5mmの厚さを有するポリウレタンの真空成形シートなどの、ポリウレタンのシートから形成されてもよい。例示的な実施形態では、一次マニホールド210は、実質的に透明又は光学的に透明であるポリマー材料から形成されてもよく、ユーザが一次マニホールド210を通して見ることを可能にする。一次マニホールド210の部分を除去して、一次マニホールド210内に窓240をグリッドパターンで形成することができる。複数のスタンドオフ905を一次マニホールド210上に形成することができる。複数のスタンドオフ905は、一次マニホールド210の周縁部265の周りに、かつ窓240の各々の間に形成され得る。例えば、複数のスタンドオフ905及び複数の窓240は、グリッドパターンで配列されてもよい。例示的な実施形態では、スタンドオフ905及び窓240は、行及び列のパターンで配列されてもよい。例えば、各スタンドオフ905の中心は、一行内の各窓240の中心と位置合わせされてもよい。例えば、一列内の各スタンドオフ905の中心は、同じ行内の各窓240の中心と位置合わせされ得る。例示的実施形態では、周縁部265に最も近い行及び列は、本質的にスタンドオフ905を含むことができる。例示的な実施形態では、周縁部265に最も近いスタンドオフ905の行及び列の内側で、パターンは、各行内のスタンドオフ905と窓240との間で交互になってもよい。例示的実施形態では、周縁部265に最も近いスタンドオフ905の行及び列の内側で、パターンは、各列内でスタンドオフ905と窓240との間で交互になってもよい。いくつかの実施形態において、パターンは、任意に選択されてもよく、又はランダムであってもよい。例示的実施形態では、各スタンドオフ905は、一次マニホールド210の底面260の平面において輪郭が実質的に円形であってもよく、直径wを有してもよい。例示的な実施形態では、各窓240は、一次マニホールド210の底面260の平面において輪郭が実質的に円形であってもよく、直径wを有してもよい。例示的実施形態において、wは、wと実質的に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、窓240は、正方形又は任意の適切な形状であってもよい。
【0070】
図9Bは、図9Aの一次マニホールド210の等角部分図である。いくつかの実施形態では、複数のスタンドオフ905は、一次マニホールド210の底面260上に形成され、底面260に対して実質的に垂直な方向においてそこから実質的に離れるように突出する直円柱を備える。例示的な実施形態では、スタンドオフ905は、任意の適切な形状を含むことができる。
【0071】
図10Aは、図1の治療システムに関連し得る追加的詳細を示す、一次マニホールドの一例示的実施形態の底面図である。例えば、一次マニホールド210は、上面255及び底面260(図示せず)を備える、実質的にシート状の構造として形成されてもよい。例えば、一次マニホールド210は、約0.5mmの厚さを有するポリウレタンの真空成形シートなどのポリウレタンのシートから形成されてもよい。例示的実施形態では、一次マニホールド210は、実質的に透明又は光学的に透明であるポリマー材料から形成されてもよく、ユーザが一次マニホールド210を通して見ることを可能にする。窓240は、一次マニホールドから除去され、グリッドパターンを形成してもよい。例えば、複数の窓240は、行及び列のパターンで配置されてもよい。各窓240の中心は、一行内の他の各窓240の中心と位置合わせされ得る。各窓240の中心は、一列内の他の各窓240の中心と位置合わせされ得る。例示的な実施形態では、複数のスタンドオフ905を一次マニホールド210上に形成することができる。複数のスタンドオフ905は、グリッドパターンを形成してもよい。例えば、複数のスタンドオフ905は、行及び列のパターンで配列されてもよい。一行内の各スタンドオフ905の中心は、行内の互いのスタンドオフ905の中心と位置合わせされ得る。一列内の各スタンドオフ905の中心は、列内の互いのスタンドオフ905の中心と位置合わせされ得る。いくつかの実施形態では、複数の窓240の各行は、複数のスタンドオフ905の2つの隣接する行の間に配置されてもよい。例示的実施形態では、複数の窓240の各列は、複数のスタンドオフ905の2つの隣接する列の間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の窓240のパターンは、任意に選択されてもよく、又はランダムであってもよい。例示的な実施形態では、複数のスタンドオフ905のパターンは、任意に選択されてもよく、又はランダムであってもよい。例示的実施形態では、各スタンドオフ905は、一次マニホールド210の底面260の平面において輪郭が実質的に円形であってもよく、直径wを有してもよい。例示的な実施形態では、各窓240は、一次マニホールド210の上面255の平面において輪郭が実質的に円形であってもよく、直径wを有してもよい。例示的実施形態において、wは、実質的にw未満であってよい。例えば、wは特定の実施形態においては約3mmであってもよく、wは約8mmであってもよい。例示的実施形態では、一行内の各スタンドオフ905は、その行内の隣接するスタンドオフ905から中心で約4mmの距離だけ離間されてもよい。例示的な実施形態では、一列内の各スタンドオフ905は、その列内の隣接するスタンドオフ905から中心で約4mmの距離だけ離間されてもよい。いくつかの実施形態では、窓240は、正方形又は任意の適切な形状であってもよい。
【0072】
図10Bは、図10Aの一次マニホールド210の等角図である。いくつかの実施形態では、複数のスタンドオフ905は、半カプセルなどの半球形の端部を有する直円柱を備え、これは、一次マニホールドの底面260上に形成され、底面260に対して実質的に垂直な方向において底面260から実質的に離れるように突出してもよい。例示的実施形態において、複数のスタンドオフ905の各々は、高さhを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、約2.5mm~約3mmの範囲内の高さhが、特定の用途に好適であり得る。例示的な実施形態では、スタンドオフ905は、任意の適切な形状を含むことができる。
【0073】
図11は、図1の治療システムのいくつかの例示的実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、図2の組織インタフェース120を含むドレッシング110の一例示的実施形態の分解組立図である。例示的実施形態では、ドレッシング110は、カバー125及び二次マニホールド1105を含むことができる。例示的な実施形態では、カバー125は、実質的に透明又は光学的に透明であってもよい。いくつかの実施形態では、二次マニホールド1105は一般に、圧力下でドレッシング110にわたって流体を収集又は分配する手段を提供するマニホールド若しくはマニホールド層を含み、又はそのようなマニホールド若しくはマニホールド層から本質的になる。いくつかの例示的な実施形態では、二次マニホールド1105の経路は、流体の分配又は収集を改善するために相互接続されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、二次マニホールド1105は、相互接続された流体経路を有する多孔質材料を含んでもよく、又はこれから本質的になってもよい。流体経路(例えば、チャネル)を含むか、又は形成するように適合され得る好適な多孔質材料の例としては、網状発泡体などの連続気泡発泡体を含むセル状発泡体、多孔質組織集合体、並びに孔、縁部、及び/又は壁を概して含むガーゼ又はフェルト化されたマットなどの他の多孔質材料を含み得る。液体、ゲル、及び他の発泡体はまた、開口及び流体通路を含んでよく、又はこれらを含むように硬化してもよい。いくつかの実施形態では、二次マニホールド1105は、追加的又は代替的に、相互接続された流体経路を形成する突起部を含んでもよい。例えば、二次マニホールド1105は、相互接続された流体経路を画定する表面突起部を提供するように成形されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、二次マニホールド1105は、指示された療法の必要性に応じて変化してもよい細孔サイズ及び自由容積を有する網状発泡体を含んでもよく、又はこれらから本質的になってもよい。例えば、少なくとも90%の自由容積を有する網状発泡体は、多くの用途に好適であり得るものであり、400~600ミクロンの範囲の平均細孔サイズを有する発泡体は、ある種の療法に特に好適であり得る。二次マニホールド1105の引張強度はまた、指示された療法の必要性に従って変化し得る。例えば、発泡体の引張強度は、局所処置用溶液の滴下のために増加してもよい。二次マニホールド1105の25%の圧縮荷重撓みは、少なくとも0.35ポンド/平方インチであってもよく、65%の圧縮荷重撓みは、少なくとも0.43ポンド/平方インチであってもよい。いくつかの実施形態では、二次マニホールド1105の引張強度は、少なくとも10ポンド/平方インチであってもよい。二次マニホールド1105は、インチ当たり少なくとも2.5ポンドの引裂強度を有し得る。いくつかの実施形態では、二次マニホールド1105は、ポリエステル又はポリエーテルなどのポリオールと、トルエンジイソシアネートなどのイソシアネートと、アミン及びスズ化合物などの重合調整剤とから構成されている、発泡体とすることができる。いくつかの例では、二次マニホールド1105は、GRANUFOAM(商標)ドレッシング又はV.A.C.で使用されるような網状ポリウレタン発泡体であってもよい。VERAFLO(商標)ドレッシングにおいて見出されるような網状ポリウレタン発泡体であってもよい。
【0075】
二次マニホールド1105に好適な他の材料としては、不織布(Libeltex,Freudenberg)、三次元(3D)ポリマー構造(成形ポリマー、エンボス成形フィルム、及び溶着接合フィルム[Supracore])、及びメッシュが挙げられ得る。
【0076】
いくつかの実施例では、二次マニホールド1105は、Baltex、Muller、及びHeathcoatesから市販されている様々な織物などの3D織物を含んでもよい。ポリエステル繊維の3D織物が、いくつかの実施形態に特に有利であり得る。例えば、二次マニホールド1105は、ポリエステル繊維の3D織りを含んでもよく、又はそのような3D織りから本質的になってもよい。いくつかの実施形態では、繊維は、少なくとも2つの次元で弾性であってもよい。約650グラム/平方メートルの重量及び約1~2ミリメートルの厚さを有するポリエステル及び綿繊維の耐穿刺性布が、いくつかの実施形態に特に有利であり得る。いくつかの実施形態では、このような耐穿刺性布は、約330~340キログラムの縦方向引張強度及び約270~280キログラムの横方向引張強度を有し得る。別の特に好適な材料は、約470グラム/平方メートルの重量、及び、いくつかの実施形態では約4~5ミリメートルの厚さを有し得るポリエステルスペーサ布であってもよい。このようなスペーサ布は、約20~25キロパスカル(40%圧縮時)の圧縮強度を有し得る。追加的又は代替的に、二次マニホールド1105は、実質的な線形伸張特性を有する材料、例えば2方向伸張及び約380グラム/平方メートルの重量を有するポリエステルスペーサ布などを含んでもよく、又はこれからなってもよい。いくつかの実施形態では、好適なスペーサ布は、約3~4ミリメートルの厚さを有してもよく、約30~40キログラムの縦方向及び横方向引張強度を有してもよい。布は、いくつかの例では、1つ以上の対向する面上にポリエステルの織り目の細かい層を有してもよい。
【0077】
二次マニホールド1105は、一般に、底面1115などの第2の平坦面と反対側に上面1110などの第1の平坦面を有する。上面1110と底面1115の間の二次マニホールドの厚さもまた、指示された療法の必要性に応じて変化してもよい。例えば、二次マニホールド1105の厚さを減少させて、他の層に対する応力を軽減することができる。二次マニホールド1105はまた、二次マニホールド1105の外周の周りに周縁部1120を備える。いくつかの実施形態では、好適な発泡体の二次マニホールド1105は、約5ミリメートル~約10ミリメートルの範囲の厚さを有し得る。例示的実施形態では、好適な3D織物及びスペーサ布を含む繊維の二次マニホールド1105は、約2ミリメートル~約8ミリメートルの範囲の厚さを有してもよい。
【0078】
カバー125は、一般に、底面1130と反対側に上面1125などの第1の平坦面を有する。例示的実施形態では、カバー125の底面1130の少なくとも一部分は、アクリル接着剤などの接着剤でコーティングされてもよい。カバー125はまた、カバー125の外周の周りに周縁部1135を備えてもよい。開口1140がカバー125に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、カバー125の周縁部1135は、二次マニホールド1105の周縁部1120、第2のフィルム層215の周縁部285、一次マニホールド210の周縁部265、及び第1のフィルム層205の周縁部235よりも大きくてもよい。例えば、二次マニホールド1105の周縁部1120、第2のフィルム層215の周縁部285、一次マニホールド210の周縁部265、及び第1のフィルム層205の周縁部235は、カバー125の周縁部1135内に含まれてもよい。例示的実施形態では、二次マニホールド1105の周縁部1120は、カバー125の周縁部1135及び第2のフィルム層215の周縁部285内に含まれてもよい。
【0079】
図11はまた、流体導管1145及びドレッシングインタフェース1150の一例を示す。図11の例に示すように、流体導管1145は、一方の端部上でドレッシングインタフェース1150に流体的に結合することができる可撓性の管であってもよい。ドレッシングインタフェース1150は、図11の例に示すように、エルボ形コネクタであり得、これは、カバー125の開口1140の上に配置されることにより、流体導管1145と二次マニホールド1105との間に流体経路を提供できる。
【0080】
図12は、図11のドレッシング110の組み立てられた実施例の等角図である。図12の例に示されるように、カバー125は、実質的に透明又は光学的に透明であってもよく、ドレッシング110の層の可視化及びドレッシング110を通した可視化を可能にする。例示的実施形態では、カバー125の周縁部1135は、第1のフィルム層205の周縁部235及び第2のフィルム層215の周縁部285を越えて延び、カバー125の境界領域1205を画定する。
【0081】
図13は、線13-13で切り取られ、例示的な組織部位に適用された、図12の例示的なドレッシング110の断面図であり、図1の治療システム100に関連する追加的詳細を示す。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、組織部位1305と相互作用するように構成されてもよい。例えば、ドレッシング110は、概して、組織部位1305に隣接して、及び/又は組織部位1305の一部分、実質的には組織部位1305の全部、若しくは組織部位1305全体、若しくは組織部位1305の周囲の組織と接触して、位置付けられるように構成されてもよい。いくつかの実施例では、組織部位1305は、ドレッシング110によって部分的又は完全に充填又は覆われ得る、創傷などの欠陥又は標的治療部位であってもよく、又はそれを含んでもよい。種々の実施形態では、ドレッシング110は、多くの形態をとってもよく、実施されている処置のタイプ、又は組織部位1305の性質及びサイズなどの、様々な要因に応じて、多くのサイズ、形状、又は厚さを有してもよい。例えば、ドレッシング110のサイズ及び形状は、深形状及び不規則形状の組織部位の輪郭に適合されてもよく、並びに/又は所与の形状若しくは輪郭に適合されるように構成され得る。また、ドレッシング110の表面のうちのいくつか又は全ては、突起、又は、平らでない、粗い、又はぎざぎざの外形を有し得、該外形は、例えば、歪み及び応力を組織部位1305上に誘発することができ、これは、組織部位1305における肉芽形成を促進するのに効果的であり得る。いくつかの実施形態では、組織部位1305は、表皮1315を通って真皮1320内に広がる創傷1310を含み得る。いくつかの実施例では、図13に示すように、組織部位1305は、表皮1315及び真皮1320を通って皮下組織1325内に広がる創傷1310を含むことができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、組織部位1305に適用され、創傷1310を覆ってもよい。例示的な実施形態では、第1のフィルム層205は、組織部位1305内に、組織部位の上に、組織部位上に、組織部位に対して、又はそうでなければ組織部位に近接して配置され得る。例えば、第1のフィルム層205の底面230の少なくとも一部分は、創傷1310内に、創傷1310の上に、創傷1310上に、創傷1310に対して、又はそうでなければ創傷1310に近接して配置されてもよい。二次マニホールド1105は、創傷1310又は表皮1315の向かい側の第1のフィルム層205の上に配置されてもよい。例えば、接触層1105の第1の底面1115の少なくとも一部分が、第1のフィルム層205の上面275の少なくとも一部分と接触させられてもよい。底面1130の少なくとも一部分を接着剤1330でコーティングすることができるカバー125は、二次マニホールド及び組織インタフェース120の上に位置付けられ得、その結果、底面1130又は接着剤1330の少なくとも一部分が、二次マニホールド1105の上面1110の少なくとも一部分、及び第2のフィルム層215の上面275の少なくとも一部分と接触させられる。いくつかの実施形態では、カバー125の少なくとも一部分は、二次マニホールド1105の少なくとも一部分及び組織インタフェース120の少なくとも一部分に接着されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、接着剤1330は、カバー125の境界領域1205においてカバー125の底面1130上に存在してもよい。例えば、カバー125の境界領域1205は、接着剤1330によって表皮1315に接着されてもよい。カバー125は、少なくとも境界領域1205において、創傷1310の周辺の損傷していない表皮1315に対して封止され得る。したがって、ドレッシング110は、創傷1310に近接して、封止された療法環境1335を提供することができる。封止された療法環境1335は、外部環境から実質的に隔離されてもよく、陰圧源105は、封止された療法環境1335に流体的に結合されてもよい。例えば、ドレッシングインタフェース1150は、カバー125に形成された開口1140の上に配置されてもよく、又はそれを通して受け入れられてもよい。ドレッシングインタフェース1150は、例えば、接着シールによって、カバー125の上面1125に対する流体シールを形成してもよく、ドレッシングインタフェース1150は、封止された療法環境1335と流体連通してもよい。例示的実施形態では、ドレッシングインタフェース1150は、流体導管1145によって陰圧源105に流体的に結合されてもよい。例示的な実施形態では、容器115などのキャニスタが、ドレッシングインタフェース1150と陰圧源105との間の流体経路内に配置されてもよい。陰圧は、二次マニホールド1105を通って創傷1310にわたって印加されてもよく、第1のフィルム層205は、創傷1310において巨大歪み及び微小歪みを誘発し、組織部位1305を形成する滲出液及び他の流体を除去又は低減することができる。除去された滲出液及び他の流体は、容器115内に収集され、適切に処分され得る。例示的実施形態では、流体、水分、及び滲出液は、創傷1310から第1のフィルム層205内の流体通路220を通って窓240の中に、窓240から第2のフィルム層215内の流体通路270を通って、二次マニホールド1105を通って、ドレッシングインタフェース1150へと移動し得る。
【0084】
図14Aは、図13のドレッシング110及びシステム100のいくつかの例示的実施形態に関連付けられ得る詳細を示す、図13内の図14Aを参照して切り取られた詳細図である。図14Aは、カバー125及び第2のフィルム層215が窓240の中に引き込まれていないドレッシング110の実施形態を示す。例えば、第2のフィルム層215の底面280は、第1のフィルム層205の上面225から実質的に分離されたままであってもよい。例示的実施形態では、第2のフィルム層215は、一次マニホールド210の少なくとも一部分に結合、例えば、溶着することができる。第2のフィルム層215が一次マニホールド210に溶着される実施例では、溶着部は、第2のフィルム層215及びカバー125が減圧下で窓240内に引き込まれるのを実質的に防止することができる。例示的な実施形態では、第2のフィルム層215は、一次マニホールド210に結合されてもよく、又は一次マニホールド210に溶着されてもよい。第2のフィルム層215が一次マニホールド210に溶着されない実施例では、第2のフィルム層215は、窓240内に引き込まれることを防止されなくてもよい。図14Aは、陰圧が封止された療法環境1335に提供されないときなど、第2のフィルム層215及びカバー125が窓240内に引き込まれない、いくつかの実施形態を示し得る。例えば、封止された療法環境1335内の圧力は、カバー125の上面1125に面する領域など、ドレッシング110の外側の周囲圧力と実質的に同じであってもよい。圧力勾配がカバー125及び第2のフィルム層215にわたって生成されない場合、合力は生成されず、カバー125及び第2のフィルム層215は窓240内に引き込まれない。
【0085】
図14Bは、図13のドレッシング110及びシステム100のいくつかの実施形態における、図14Aの詳細図と関連付けられ得る追加的詳細を示す。例えば、封止された療法環境1335内の圧力は、好適な陰圧まで低減されてもよく、窓240内などの一次マニホールド210内に低圧領域をもたらす。例示的な実施形態では、圧力勾配は、カバー125及び第2のフィルム層215にわたって生成されてもよく、より高い周囲圧力の領域がカバー125の上面1125と反対側にあり、より低い陰圧の領域が第2のフィルム層215の底面280と反対側にある。カバー125及び第2のフィルム層215の全体にわたる圧力差からの合力は、カバー125及び第2のフィルム層215の少なくとも一部分を窓240内に引き込むことができる。例えば、第2のフィルム層215の底面280の一部分は、第1のフィルム層205の上面225と接触させられてもよい。例示的な実施形態では、第1のフィルム層205の底面の少なくとも一部分は、表皮1315又は創傷1310(図14Bには図示せず)と接触していてもよい。いくつかの実施形態では、カバー125、接着剤1330、第2のフィルム層215、及び第1のフィルム層205は、実質的に透明又は光学的に透明であってもよく、実質的に同様の屈折率を示してもよい。例示的実施形態では、一次マニホールド210は、カバー125の上面1125によって形成される平面に対してほぼ垂直な方向において十分に剛性であり得、陰圧下での圧縮又は変形に抵抗することができる。
【0086】
図15は、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、図2の組織インタフェース120の組み立てられた実施例の等角図である。例えば、複数の一次マニホールド210は、第1のフィルム層205と第2のフィルム層215との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、境界領域305は、複数の一次マニホールド210の各々の周りに形成されてもよい。例示的な実施形態では、第1のフィルム層205及び第2のフィルム層215は、一次マニホールド210間の境界領域305においてミシン目を入れられてよい。例えば、組織インタフェース120は、一次マニホールド210のうちの1つ以上を選択的に除去することによって、サイズ変更されてもよい。
【0087】
図16は、図1の治療システム100に関連し得る追加的詳細を示す、一次マニホールド210の一例示的実施形態の等角図である。例えば、一次マニホールド210は、上面255、底面260、及び周縁部265を含む実質的にシート状の構造として形成されてもよい。いくつかの実施形態では、周縁部265は、スタジアム形、角丸長方形(discorectangle)、又は長円形であってもよい。一次マニホールド210は、約0.5mmの厚さを有するポリウレタンの真空成形シートなどのポリウレタンのシートから形成されてもよい。例示的実施形態では、一次マニホールド210は、実質的に透明又は光学的に透明であるポリマー材料から形成されてもよく、ユーザが一次マニホールド210を通して見ることを可能にする。図16に示すように、いくつかの実施例によれば、窓240及びスタンドオフ905は、図10Aに関して前述したパターンと同様のパターンで配列されてもよい。窓240は、一次マニホールド210から除去され、グリッドパターンを形成してもよい。いくつかの実施形態では、複数の窓240は、行及び列のパターンで配列されてもよい。各窓240の中心は、一行内の他の各窓240の中心と位置合わせされ得る。各窓240の中心は、一列内の他の各窓240の中心と位置合わせされ得る。例示的実施形態では、複数のスタンドオフ905が、一次マニホールド210の底面260上に形成されてもよい。例えば、複数のスタンドオフ905は、グリッドパターンを形成してもよい。例示的な実施形態では、複数のスタンドオフ905は、行及び列のパターンで配列されてもよい。一行内の各スタンドオフ905の中心は、行内の互いのスタンドオフ905の中心と位置合わせされ得る。一列内の各スタンドオフ905の中心は、列内の互いのスタンドオフ905の中心と位置合わせされ得る。いくつかの実施形態では、複数の窓240の各行は、複数のスタンドオフ905の2つの隣接する行の間に配置されてもよい。例示的実施形態では、複数の窓240の各列は、複数のスタンドオフ905の2つの隣接する列の間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の窓240のパターンは、任意に選択されてもよく、又はランダムであってもよい。例示的な実施形態では、複数のスタンドオフ905のパターンは、任意に選択されてもよく、又はランダムであってもよい。
【0088】
図10Aに関して前述した例示的実施形態と同様に、例示的実施形態では、各スタンドオフ905は、輪郭が実質的に円形であり、一次マニホールド210の底面260の平面から実質的に直角に外向きに突出し、直径wを有してもよい。例示的な実施形態では、各窓240は、一次マニホールド210の上面255の平面において輪郭が実質的に円形であってもよく、直径wを有してもよい。例示的実施形態において、wは、実質的にw未満であってよい。例えば、wは特定の実施形態においては約3mmであってもよく、wは約8mmであってもよい。例示的実施形態では、一行内の各スタンドオフ905は、その行内の隣接するスタンドオフ905から中心で約4mmの距離だけ離間されてもよい。例示的な実施形態では、一列内の各スタンドオフ905は、その列内の隣接するスタンドオフ905から中心で約4mmの距離だけ離間されてもよい。いくつかの実施形態では、窓240は、正方形又は任意の適切な形状であってもよい。図16に示すように、一次マニホールド210の例示的実施形態はまた、リップ部分、ボス、又はプリーツ1605などの隆起部分を含むことができる。例えば、プリーツ1605は、一次マニホールド210の上面255の平面から実質的に直角に外向きに突出してもよい。例示的実施形態では、プリーツ1605は、周縁部265と同様の形状を有してもよい。例えば、プリーツ1605が、図16に示すように、周縁部265がスタジアム形、角丸長方形、又は長円形である実施例では、プリーツ1605は、周縁部265の形状に類似した縮小されたスタジアム形、角丸長方形、又は長円形であってもよい。一次マニホールド210の実施例はまた、プリーツ1605と周縁部265との間の境界領域1610を含むことができる。例えば、境界領域1610には、窓240又はスタンドオフ905がなくてもよい。
【0089】
図17は、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、図1のドレッシング110の一例の分解組立図である。図17の例では、ドレッシング110は、封止層1705と、第1のフィルム層205と、一次マニホールド210と、第2のフィルム層215と、カバー125と、二次マニホールド1105と、ドレッシングインタフェース1150とを備える。いくつかの実施形態では、封止層1705は、流体封止を組織部位に提供するのに好適である柔軟な軟質材料、例えば好適なゲル材料から形成されてもよく、かつ実質的に平坦な表面を有してもよい。封止層1705は、限定するものではないが、シリコーンゲル、軟質シリコーン、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、ポリウレタンゲル、ポリオレフィンゲル、水素添加スチレンコポリマーゲル、発泡ゲル、接着剤でコーティングされたポリウレタン及びポリオレフィンなどの軟質独立気泡発泡体、ポリウレタン、ポリオレフィン、又は水素添加スチレンコポリマーを含み得る。いくつかの実施形態では、封止層1705は、約200マイクロメートル~約1000マイクロメートルの厚さを有してもよい。さらに、封止層1705は、疎水性又は親水性の材料から形成されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、封止層1705は、疎水性コーティングされた材料であってもよい。例えば、封止層1705は、例えば、織りメッシュ、不織メッシュ、成形メッシュ、又は押出メッシュなどの隙間を有する材料を疎水性材料でコーティングすることによって形成されてもよい。コーティング用疎水性材料は、例えば、軟質シリコーンであることができる。
【0091】
封止層1705は、底面1715と反対側に上面1710と、封止層1705の外周によって画定された周縁部1720と、封止層1705を貫通して形成された処置開口1725とを有することができる。処置開口1725は、いくつかの実施例では、一次マニホールド210の周縁部265に相補的な又は対応する輪郭を有してもよい。例えば、処置開口1725は、一次マニホールド210の境界領域1610などの面の周りにフレーム、窓、又は他の開口部を形成してもよい。封止層1705はまた、処置開口1725と封止層1705の周縁部1720との間に画定された封止層1705の領域において、封止層1705を通って形成された複数の開口1730を有してもよい。封止層1705は、処置開口1725の周りに内部境界部1735を有してもよく、これは、開口1730を実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施例では、図17に示すように、処置開口1725は、一次マニホールド210の周縁部265と同様の形状を有してもよく、対称であってもよく、封止層1705の中心に配置されて、開いた中央の窓を形成してもよい。例えば、処置開口1725は、より小さく縮小された、周縁265のスタジアム形、角丸長方形、又は長円形に類似した形状を有してもよい。
【0092】
開口1730は、例えば、切断、穿孔によって、又は局所的なRF若しくは超音波エネルギーの適用によって、又は封止層1705に開口部若しくは穿孔を形成するための、他の好適な技術によって形成され得る。開口1730は、均一な分布パターンを有してもよく、又は、封止層1705にランダムに分配してもよい。封止層1705を通って形成された開口1730は、例えば、円形、正方形、星形、楕円形、多角形、スリット、複雑な曲線、直線からなる形状、三角形を含めた、多くの形状を有してよく、又はそのような形状のいくつかの組み合わせを有してもよい。
【0093】
開口1730の各々は、均一な又は同様の幾何学的特性を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、開口1730の各々は、実質的に同じ直径を有する円形の開口であってもよい。いくつかの実施形態では、開口1730の各々は、約1ミリメートル~約50ミリメートルの直径を有し得る。他の実施形態では、開口1730の各々の直径は、約1ミリメートル~約20ミリメートルであり得る。
【0094】
他の実施形態では、開口1730の幾何学的特性は変化してもよい。例えば、開口1730の直径は、封止層1705の開口1730の位置に応じて変化してもよい。例えば、開口1730のいくつかは、約5ミリメートル~約10ミリメートルの直径を有してもよい。約7ミリメートル~約9ミリメートルの範囲が、いくつかの例に好適であり得る。いくつかの実施形態では、封止層1705の角部1740に又はその付近に配置された開口1730は、約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0095】
開口1730のうちの少なくとも1つは、封止層1705の周縁部1720付近に位置付けられてもよく、周縁部1720に開放又は露出され、周縁部1720と横方向に側方連通する内側切断部を有してもよい。横方向は、周縁部1720に向かって、かつ封止層1705と同じ平面内にある方向のことを指し得る。図17の例に示されるように、処置開口1725と封止層1705の周縁部1720との間の領域内の開口1730は、周縁部1720に近接して又は周縁部1720に位置付けられてよく、周縁部1720と横方向に流体連通してもよい。周縁部1720に近接して又は周縁部1720に位置付けられた開口1730は、図17の例に示されるように、周縁部1720の周りに実質的に等距離で離間されてもよい。代替的に、周縁部1720に近接する又は周縁部1720における開口1730の間隔は、不規則であってもよい。
【0096】
図17に示されるように、ドレッシング110のいくつかの実施形態によると、第1のフィルム層205は、一次マニホールド210の周縁部265と同一の広がりを持つ周縁部235を有してもよい。第2のフィルム層215は、一次マニホールド210の周縁部265と同一の広がりを持つ周縁部285を有することができる。いくつかの実施例では、図17に示すように、第2のフィルム層215は、第2のフィルム層215を貫通して形成された開口1745を含んでもよいが、第2のフィルム層215は、そうでなければ中実であり、他の開口又は通路を含まなくてもよい。例えば、図17の例における第2のフィルム層215は、図2のものなどの他の例に示される流体通路270を含まなくてもよい。組み立てられた形態において、第1のフィルム層205の上面225の一部分は、RF溶着などによって、一次マニホールド210の底面260の一部分に結合されてもよい。例えば、周縁部235付近の上面225の一部分は、境界領域1610などの、一次マニホールド210の周縁部265付近の底面260の一部分に結合されてもよい。組み立てられた形態において、第2のフィルム層215の底面280の一部分は、RF溶着などによって、一次マニホールド210の上面255の一部分に結合されてもよい。例えば、周縁部285付近の底面280の一部分は、境界領域1610などの、一次マニホールド210の周縁部265付近の上面255の一部分に結合されてもよい。
【0097】
図17に示すように、ドレッシング110の例は、カバー125を通して形成される中央開口1750を伴う、カバー125を含んでもよい。中央開口1750の外周が、処置開口1725の周縁部と実質的に同一の広がりを有し得る。処置開口1725及び中央開口1750の周囲の形状は、周縁部235、周縁部265、及び周縁部285の形状と同様であってもよい。処置開口1725及び中央開口1750の周囲は、周縁部235、周縁部265、及び周縁部285によって境界付けられる面積よりも小さい面積を境界付けるように縮小されてもよい。例えば、組み立てられた形態では、周縁部235付近の第1のフィルム層205の底面230の一部分は、処置開口1725付近の封止層1705の上面1710の一部分に結合又は接着されてもよい。組み立てられた形態では、中央開口1750付近のカバー125の底面1130の一部分は、カバー125の底面1130上に配置された接着剤1330などによって、周縁部285付近の第2のフィルム層215の上面275の一部分に結合又は接着されてもよい。カバー125の底面1130の一部分は、カバー125の底面1130に配置された接着剤1330などによって、封止層1705の上面1710の一部分に結合又は接着されてもよい。
【0098】
ドレッシング110のいくつかの実施例はまた、二次マニホールド1105及びドレッシングインタフェース1150を含んでもよい。例示的実施形態では、ドレッシングインタフェース1150はまた、コネクタドレープ1755を含んでもよい。コネクタドレープ1755は、上面1760、底面1765、周縁部1770を含み、カバー125の材料と同様の材料から形成されてもよい。底面1765は、接着剤でコーティングされてもよく、底面1765の一部分は、ドレッシングインタフェース1150の一部分に接着されてもよい。組み立てられた形態では、開口1745の重心は、軸1775に沿って、二次マニホールド1105の重心、ドレッシングインタフェース1150の重心、及びコネクタドレープ1755の重心と位置合わせされてもよい。軸1775は、上面1710、上面225、上面255、上面275、上面1125、及び/又は上面1110によって画定される平面に対して実質的に垂直であってもよい。組み立てられた形態では、周縁部1120付近の二次マニホールド1105の底面1115の一部分は、第2のフィルム層215の上面275の一部分及び/又は開口1745の周りのカバー125の上面1125の一部分と接触していてもよい。ドレッシングインタフェース1150は、二次マニホールド1105の上面1110に隣接して配置され、二次マニホールド1105と流体連通してもよい。コネクタドレープ1755の底面1765は、コネクタ1170の一部分、二次マニホールド1105の上面1110、カバー125の上面1125、及び/又は第2のフィルム層215の上面275に結合又は接着されてもよい。
【0099】
図17の例に示すように、いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、使用前に封止層1705及び接着剤1330を保護するための剥離ライナー1780を含んでもよい。剥離ライナー1780はまた、例えば、ドレッシング110の展開を支援するために剛性を提供してもよい。剥離ライナー1780は、例えば、キャスト紙、フィルム、又はポリエチレンであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、剥離ライナー1780は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は同様の極性半結晶性ポリマーなどのポリエステル材料であってもよい。剥離ライナー1780のための極性半結晶性ポリマーの使用は、ドレッシング110のしわ又は他の変形を実質的に妨げることができる。例えば、極性半結晶性ポリマーは、対象物がドレッシング110の層及び/又は構成要素と接触させられるときに、又はドレッシング110が温度変化若しくは環境変化を受けないときに、又は滅菌中に生じ得る軟化、膨潤、又は他の変形に対して、極度に適応し得、耐性があり得る。さらに、封止層1705の底面1715及び接着剤1330に接触するように構成されている剥離ライナー1780の上面1785上に、剥離剤が配置されてもよい。例えば、剥離剤はシリコーンコーティングであってもよく、手動で、かつドレッシング110を損傷又は変形させることなく、剥離ライナー1780の取り外しを容易にするのに好適な剥離要因を有してもよい。いくつかの実施形態では、剥離剤は、例えば、フルオロカーボン又はフルオロシリコーンであってもよい。他の実施形態では、剥離ライナー1780は、コーティングされていなくてもよく、そうでなければ剥離剤なしで使用されてもよい。
【0100】
図17Aは、図17のドレッシング110の組み立てられた一例の等角図である。図17Aの例に示されるように、コネクタドレープ1755、カバー125、第2のフィルム層215、及び/又は第1のフィルム層205は、実質的に透明又は光学的に透明であってもよく、ドレッシング110の層の可視化並びにドレッシング110の一次マニホールド210の窓240を通した可視化を可能にする。
【0101】
図18は、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、組み立てられた際の、図17のドレッシング110の上面図である。図19は、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す、組み立てられた際の、図17のドレッシング110の底面図である。図18及び図19に示すように、ドレッシング110のいくつかの実施例では、カバー125の周縁部1135は、封止層1705の周縁部1720と同一の広がりを持つことができる。第1のフィルム層205の周縁部235は、一次マニホールド210の周縁部265及び第2のフィルム層215の周縁部285と同一の広がりを持つことができる。中央開口1750の周囲は、カバー125の上面1125又は封止層1705の底面1715によって画定される平面内の処置開口1725の周囲と同一の広がりを持つことができる。図17に関して前述したように、処置開口1725及び中央開口1750の周囲の形状は、周縁部235、周縁部265、及び周縁部285と同様であってもよいが、組み立てられた形態において、処置開口1725の周りの封止層1705の一部分が周縁部235の周りの第1のフィルム層205の一部分と重なり、中央開口1750の周りのカバー125の一部分が周縁部285の周りの第2のフィルム層215の一部分と重なるように縮小されてもよい。
【0102】
図20図27は、第1のフィルム層205のいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す上面図である。例えば、図17に示すように、流体経路220は、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010を含み得る。第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010の各々は、スロット又はスリットなどの線状又は曲線状の穿孔であってもよい。穿孔が線状スロット又はスリットであるいくつかの実施形態では、第1の複数の穿孔2005の各々は、長さLを有してもよく、第2の複数の穿孔2010の各々は、長さLを有してもよい。いくつかの実施形態では、穿孔が曲線状のスロット又はスリットである場合、第1の複数の穿孔の各々は、曲線状のスロット又はスリットの一端から曲線状のスロット又はスリットの他端まで測定された長さLを有してもよく、第2の複数の穿孔の各々は、曲線状のスロット又はスリットの一端から曲線状のスロット又はスリットの他端まで測定された長さLを有してもよい。いくつかの実施形態では、長さLは長さLに等しくてもよい。第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010は、一方向又は異なる方向に1つ以上の行で、第2の層にわたって分配されてもよい。
【0103】
例示的実施形態では、第1の複数の穿孔2005の各々は、第1の長軸を有し得る。いくつかの実施形態では、第1の長軸は、第1の方向に延びる第1の基準線2015に平行であってもよい。例示的な実施例では、第2の複数の穿孔2010の各々は、第2の長軸を有し得る。例示的実施形態において、第2の長軸は、第2方向に延びる第2の基準線2020と平行であってもよい。いくつかの実施形態において、第1の基準線2015及び第2の基準線2020の一方又は両方は、第1のフィルム層205の縁部2025又は対称線に対して画定されてもよい。例えば、第1の基準線2015及び第2の基準線2020の一方又は両方は、第1のフィルム層205の縁部2025又は対称線と平行又は一致してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第1の基準線2015及び第2の基準線2020の一方又は両方は、第1のフィルム層205の縁部2025に対してある角度だけ回転されてもよい。例示的実施形態では、角度αは、第1の基準線2015と第2の基準線2020との間の角度を画定することができる。
【0104】
いくつかの例示的実施形態では、一行内の第1の複数の穿孔2005の各々の重心は、第3の方向に延びる第3の基準線2030と交差してもよい。例示的な実施形態では、一行内の第2の複数の穿孔2010の各々の重心は、第4の方向に延びる第4の基準線2035と交差してもよい。一般に、重心は、幾何学的対象物の質量中心のことを指す。線状スリットのような実質的に2次元の対象物の場合、線状スリットの重心は中点である。
【0105】
流体通路220のパターンは、パターン内の流体通路220上の対応する点間の間隔を示すピッチによって特徴付けられてもよい。例示的実施形態では、ピッチは、パターン内の流体通路220の重心間の間隔を示すことができる。いくつかのパターンは、単一のピッチ値によって特徴付けられ得るが、他のパターンは、少なくとも2つのピッチ値によって特徴付けられ得る。例えば、流体経路220の重心間の間隔が全ての向きで同じである場合、ピッチは、隣接する行における間隔を示す単一の値によって特徴付けることができる。例示的実施形態では、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010を含むパターンは、2つのピッチ値P及びPによって特徴付けることができ、ここで、Pは、隣接する行の第1の複数の穿孔2005の各々の重心間の間隔であり、Pは、隣接する行の第2の複数の穿孔2010の各々の重心間の間隔である。
【0106】
例示的実施形態では、第1の複数の穿孔2005の各行内で、各穿孔は、距離Dだけ隣接する穿孔から分離され得る。いくつかの実施形態では、第2の複数の穿孔2010の各行内で、各穿孔は、距離Dだけ隣接する穿孔から分離され得る。いくつかのパターンでは、行は互い違いであってよい。互い違いは、第1のフィルム層205に関連する縁部又は他の基準線に対する、連続した行の対応する点の向きによって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、第1の複数の開口部2005の行は、互い違いであってもよい。例えば、第5の方向の第5の基準線2040は、第1の複数の穿孔2005の隣接する行の対応する穿孔の重心を通って延びる。いくつかの例示的実施形態では、第1の複数の穿孔2005の行の互い違いは、第1の基準線2015と第5の基準線2040との間に形成される角度βによって特徴付けられ得る。追加の例示的な実施形態では、第2の複数の穿孔2010の行はまた、互い違いであってもよい。例えば、第6の方向の第6の基準線2045は、第2の複数の穿孔2010の隣接する行の対応する穿孔の重心を通って延びる。いくつかの実施形態では、第2の複数の穿孔2010の行の互い違いは、第1の基準線2015と第6の基準線2045との間に形成される角度γによって特徴付けられ得る。
【0107】
図20は、流体通路220のいくつかの実施形態に関連付けられ得るパターンの一例を示す。図20の例では、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010の各々は、線状スロット又はスリットであってもよい。第1の基準線2015は、縁部2025と平行であり得、第2に基準線2020は、縁部2025と直交し得る。例示的実施形態では、第3の基準線2030は第1の基準線2015に直交し、第4の基準線2035は第2の基準線2020に直交する。例えば、第3の基準線2030は、第2の複数の穿孔2010の交互の行の対応する穿孔の重心と一致してもよく、第4の基準線2035は、第1の複数の穿孔2005の交互の行の対応する穿孔の重心と交差してもよい。図20の例では、流体通路220は、第1の複数の穿孔2005の各々がその第1の長軸に沿って、第2の複数の穿孔2010の各々にその第2の長軸に沿って直交するクロスピッチパターンで配列される。例えば、図20において、PはPに等しく(許容可能な製造公差内で)、クロスピッチパターンは単一のピッチ値によって特徴付けられてもよい。さらに、L及びLは実質的に等しくてもよく、D及びDもまた実質的に等しくてもよく、これらは全て許容可能な製造公差内である。第1の複数の穿孔2005の行及び第2の複数の穿孔2010の行は、互い違いに配置されたものとして特徴付けられ得る。例えば、図示されるいくつかの例示的実施形態ではαは約90°であってもよく、βは約135°であってもよく、γは約45°であってもよく、Pは約4mmであってもよく、Pは約4mmであってもよく、Lは約3mmであってもよく、Lは約3mmであってもよく、Dは約5mmであってもよく、Dは約5mmであってもよい。
【0108】
図21は、流体通路220のいくつかの例示的な実施形態に関連付けられ得る、別の例示的パターンの概略図である。図21の例示的な例では、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010の各々は、線状スリットであってもよい。第1の基準線2015は縁部2025と平行であってもよく、第2の基準線2020は縁部2025と直交してもよい。いくつかの例示的実施形態では、第3の基準線2030は第1の基準線2015に直交し、第4の基準線2035は第2の基準線2020に直交する。図21の例では、第3の基準線2030は、第2の複数の穿孔2010のいずれとも交差又は接触せず、第4の基準線2035は、第1の複数の穿孔2005の交互の行の対応する穿孔の重心と交差してもよい。例示的実施形態において、第3の基準線2030は、第2の複数の穿孔2010の各列内の対応する隣接する穿孔の重心から等距離であってもよい。図21のパターンはまた、PがPに等しくないクロスピッチパターンとして特徴付けられてもよい。図21の例では、PはPより大きい。さらに、L、L、D、及びDは、図21の例では実質的に等しい。いくつかの実施形態ではαは約90°であってもよく、βは第1の基準線2015が第5の基準線740と一致するように、約0°であってもよく、γは約90°であってもよく、P約6mmであってもよく、Pは約3mmであってもよく、Lは約3mmであってもよく、Lは約3mmであってもよく、Dは約3mmであってもよく、Dは約3mmであってもよい。
【0109】
図22は、流体通路220のいくつかの実施態に関連付けられ得るパターンの追加の例を示す。図22の例では、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010の各々は、線状スリットであってもよい。第1の基準線2015は縁部2025と平行であってもよく、第2の基準線2020は縁部2025と直交してもよい。例示的実施形態では、第3の基準線2030は第1の基準線2015に直交し、第4の基準線2035は第2の基準線2020に直交する。図22の例では、第3の基準線2030は、第2の複数の穿孔2010のいずれとも交差又は接触せず、第4の基準線2035は、第1の複数の穿孔2005のいずれとも交差又は接触しない。例示的実施形態では、第3の基準線2030は、第2の複数の穿孔2010の各行内の対応する隣接する穿孔の重心から等距離であってもよく、第4の基準線2035は、第1の複数の穿孔2005の各行内の対応する隣接する穿孔の重心から等距離であってもよい。図22のパターンは、PがPに実質的に等しいクロスピッチパターンとして特徴付けられてもよい。さらに、L、L、D、及びDは、図22の例では実質的に等しい。いくつかの実施形態ではαは約90°であってもよく、βは第1の基準線2015が第5の基準線740と一致するように約0°であってもよく、γは約90°であってもよく、Pは約6mmであってもよく、Pは約6mmであってもよく、Lは約3mmであってもよく、Lは約3mmであってもよく、Dは約3mmであってもよく、Dは約3mmであってもよい。
【0110】
図23は、流体通路220のいくつかの実施形態に関連付けられ得るパターンの追加の実施形態を示す。図23の例では、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010の各々は、線状スリットであってもよい。第1の基準線2015は、縁部2025と角度θを形成してもよく、第2の基準線2020は、縁部2025と角度φを形成してもよい。例示的実施形態では、第3の基準線2030は第1の基準線2015に直交し、第4の基準線2035は第2の基準線2020に直交する。図23の例では、第3の基準線2030は、第2の複数の穿孔2010のいずれとも交差又は接触せず、第4の基準線2035は、第1の複数の穿孔2005のいずれとも交差又は接触しない。例示的実施形態では、第3の基準線2030は、第2の複数の穿孔2010の各行内の対応する隣接する穿孔の重心から等距離であってもよく、第4の基準線2035は、第1の複数の穿孔2005の各行内の対応する隣接する穿孔の重心から等距離であってもよい。図23のパターンは、PがPに実質的に等しいクロスピッチパターンとして特徴付けられてもよい。さらに、図23の例において、Lは、Lに実質的に等しくてもよく、Dは、Dに実質的に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、βは第1の基準線2015が第5の基準線2040と一致するように約0°であってもよく、γは約90°であってもよく、θは約45°であってもよく、φは約135°であってもよい。
【0111】
図24は、流体通路220のいくつかの実施形態に関連付けられ得る例を示す。図24のいくつかの実施形態では、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010の各々は、線状スリットであってもよい。第1の基準線2015は縁部2025と平行であってもよく、第2の基準線2020は縁部2025と直交してもよい。例示的実施形態では、第3の基準線2030は第1の基準線2015に直交し、第4の基準線2035は第2の基準線2020に直交する。例えば、第3の基準線2030は、第2の複数の穿孔2010の交互の行の対応する穿孔の重心と一致してもよく、第4の基準線2035は、第1の複数の穿孔2005の交互の行の対応する穿孔の重心と一致してもよい。図24の例では、第1の複数の穿孔2005の各穿孔の重心は、第2の複数の穿孔2010の穿孔の重心と一致する。流体通路220は、第1の複数の穿孔2005の各々がその第1の長軸に沿って、第2の複数の穿孔2010の各々にその第2の長軸に沿って直交するクロスピッチパターンで配列される。例えば、図24では、Pは、Pに実質的に等しく、クロスピッチパターンは、単一ピッチ値によって特徴付けられてもよい。さらに、L及びLは実質的に等しくてもよく、D及びDもまた実質的に等しくてもよく、これらは全て許容可能な製造公差内である。第1の複数の穿孔2005の行及び第2の複数の穿孔2010の行は、互い違いに配置されたものとして特徴付けられ得る。図24のいくつかの例示的実施形態では、αは約90°であってもよく、βは約135°であってもよく、γは約45°であってもよい。
【0112】
図25は、流体通路220の特定の例示的な実施形態に関連する追加の実施形態を示す。図25の例では、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010の各々は、線状スリットであってもよい。第1の基準線2015は、縁部2025と角度θを形成し得る。第2の基準線2020は、縁部2025と角度φを形成し得る。図25の例示的実施形態では、第3の基準線2030及び第4の基準線2035は、縁部2025に直交することができる。図25の例では、第1の複数の穿孔2005の行及び第2の複数の穿孔2010の行は、第1のフィルム層205の縁部2025と平行な一方向に伸びるミラー化された行として特徴付けられてもよい。例えば、許容可能な製造公差内で、L及びLは実質的に等しくてもよく、D及びDは実質的に等しくてもよく、P及びPは実質的に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、θは約45°であってもよく、φは約135°であってもよい。図25のパターンは、ヘリンボーンパターンとして特徴付けられてもよい。
【0113】
図26は、流体通路220の特定の例示的な実施形態に関連する追加の例示的実施形態を示す。図26の例では、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010の各々は、曲線状スリットであってもよい。第1の基準線2015は、縁部2025と角度θを形成し得る。第2の基準線2020は、縁部2025と角度φを形成し得る。図26の例示的実施形態では、第3の基準線2030及び第4の基準線2035は、縁部2025に平行であってもよい。図26の例では、第1の複数の穿孔2005の行及び第2の複数の穿孔2010の行は、第1のフィルム層205の縁部2025と平行な一方向に伸びるミラー化された行として特徴付けることができる。第1の複数の穿孔2005の列及び第2の複数の穿孔2010の列は、図26の実施形態におけるように特徴付けられてもよい。例えば、許容可能な製造公差内で、L及びLは実質的に等しくてもよく、D及びDは実質的に等しくてもよく、P及びPは実質的に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、θは約45°であってもよく、φは約225°であってもよい。
【0114】
図27は、流体通路220の特定の実施形態に関連する追加の実施形態を示す。図27の例では、第1の複数の穿孔2005及び第2の複数の穿孔2010の各々は、山形スリットとして特徴付けられてもよい。各山形スリットは、終点で一致する同じ長さの2つの直交する線状スリットから形成されてもよい。山形スリットは、山形スリットの重心から一致する終点まで引っ張られたベクトルによって定義される方向を指すものとして特徴付けることができる。第1の複数の穿孔2005の各列内では、山形スリットは同じ方向を指す。第2の複数の穿孔2010の各列内で、山形スリットは同じ方向を指す。例示的実施形態では、第1の複数の穿孔2005の山形スリット及び第2の複数の穿孔2010の山形スリットは、反対方向を向いている。例示的実施形態において、第1の基準線2015及び第2の基準線2020は、縁部2025と平行であってもよい。例示的な実施形態では、第3の基準線2030及び第4の基準線2035は、第1の基準線2015に直交することができる。図27の例では、第1の複数の穿孔2005の行及び第2の複数の穿孔2010の行は、第1のフィルム層205の縁部2025に直交する1つの方向に延びるミラー化された行として特徴付けられてもよい。
【0115】
図28は、流体通路220のいくつかの実施形態に関連付けられ得る例示的実施形態をさらに示す。流体通路220の特定のパターンは、第3の複数の穿孔2805、第4の複数の穿孔2810、第5の複数の穿孔2815、及び第6の複数の穿孔2820を含むことができる。第3の複数の穿孔2805の各々は、縁部2025に対して長軸に沿って実質的に直交する線状スリットであってもよい。第4の複数の穿孔2810の各々は、長軸に沿った第3の複数の穿孔2805の長軸に実質的に直交する線状スリットであってもよい。第5の複数の穿孔2815の各々は、縁部2025と45°の角度を形成するように回転された長軸を有する曲線状スリットであってもよい。第6の複数の穿孔2820の各々は、縁部2025と225°の角度を形成するように回転された長軸を有する曲線状スリットであってもよい。各行内で、流体通路220のパターンは、第5の複数の穿孔2815のうちの1つ、第3の複数の穿孔2805のうちの1つ、第6の複数の穿孔2820のうちの1つ、第5の複数の穿孔2815のうちの1つ、第3の複数の穿孔2810のうちの1つ、及び第6の複数の穿孔2820のうちの1つ、の順の、の繰り返しパターンであってもよい。流体通路220のパターンの各交互の列は、いずれかの方向に3つの位置だけシフトされ得る。
【0116】
図29図31は、流体通路220のいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す概略図である。例えば、図17に示すように、流体通路220は、行のパターンで第1のフィルム層205にわたって分配されてもよい。いくつかの実施形態では、行に沿った各流体通路220は、隣接する流体通路220に対して約90°回転されてもよい。行に沿った各流体通路220は、列内の先行する隣接する流体通路220に対して、時計回りに約90°又は反時計回りに90°回転されてもよい。流体通路220のパターンの例示的実施形態において、1つおきの行は、前の列に対して1つの流体通路220だけオフセットされてもよい。図29図31のパターンは、オフセット列のパターンとして特徴付けられ得る。図29図31のパターンの例示的実施形態は、回転する流体通路22のパターンとして、さらに特徴付けられ得る。
【0117】
図29は、流体通路220が曲線状スリットを備える例示的実施形態を示す。いくつかの例示的実施形態では、一行内の流体通路220は、流体通路220の長軸に沿って第1のフィルム層205の縁部2025と平行であることと、長軸に沿って第2のフィルム層205の縁部2025と直交することとの間で交互に並ぶ。
【0118】
図30は、流体通路220が山形スリットを備えるいくつかの実施形態を示す。いくつかの例示的実施形態では、列内の流体通路220は、流体通路220の長軸に沿って第1のフィルム層205の縁部2025と平行であることと、長軸に沿って第1のフィルム層205の縁部2025と直交することとの間で交互に並ぶ。
【0119】
図31は、流体通路220が分割山形スリットを備える例示的な実施形態をさらに示す。各分割山形スリットは、線状スリットの直交長軸の交点によって形成される角度を二等分する軸を中心としてミラー化された、2つの直交非偶発的線状スリットから形成されてもよい。いくつかの例示的実施形態では、列内の流体通路220は、流体通路220の長軸に沿って第1のフィルム層205の縁部2025と平行であることと、長軸に沿って第2の層の縁部2025と直交することとの間で交互に並ぶ。
【0120】
追加の実施形態では、Pは、約4ミリメートル~約6ミリメートルの範囲であってもよく、Pは、約3mm~約6mmの範囲であってもよい。例示的な実施形態では、Dは約3mm~約5mmの範囲内であってもよく、Dは約3mm~5mmの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の複数の穿孔2005内に、第2の複数の穿孔2010内の流体通路220の数と等しい数の流体通路220があってもよい。
【0121】
図32は、例示的組織部位1305に適用された、線32-32で切り取られた、図17Aの例示的ドレッシング110の断面図であり、図1の治療システム100に関連する追加的詳細を示す。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、組織部位1305に適用され、創傷1310を覆ってもよい。例えば、封止層1705は、創傷1310を取り囲む組織部位1305の一部分に配置されてもよい。封止層1705の底面1715の少なくとも一部分は、創傷1310を取り囲む表皮1315の一部分と接触させられてもよい。第1のフィルム層205の底面230の少なくとも一部分は、創傷1310内に、創傷1310の上に、創傷1310上に、創傷1310に対して、又は創傷1310に近接して配置されてもよく、第1のフィルム層205の底面230の一部分は、処置開口1725付近の封止層1705の上面1710の一部分に結合又は接着されてもよい。底面1130の少なくとも一部分上に接着剤1330でコーティングされ得るカバー125は、第2のフィルム層215、一次マニホールド210、及び第1のフィルム層205の上に位置付けられてもよく、その結果、底面1130の少なくとも一部分又は接着剤1330は、第2のフィルム層215の上面275の少なくとも一部分及び封止層1705の上面1710の一部分と接触させられる。二次マニホールド1105は、二次マニホールド1105の底面1115の少なくとも一部分が開口1745の周りの第2のフィルム層215の上面275の少なくとも一部分と接触するように、第2のフィルム層215の開口1745の上に配置されてもよい。ドレッシングインタフェース1150は、二次マニホールド1105の上面1110の少なくとも一部分上に配置されてもよく、コネクタドレープ1755は、ドレッシングインタフェース1150の表面の少なくとも一部分、二次マニホールド1105の上面1110の表面の少なくとも一部分、第2のフィルム層215の上面275の少なくとも一部分、及び/又はカバー125の上面1125の少なくとも一部分に結合又は接着されてもよい。したがって、ドレッシング110は、創傷1310に近接して封止された療法環境1335を提供することができる。
【0122】
動作中、陰圧源105によって、陰圧が創傷1310に提供されてもよく、かつ/又は流体が封止された療法環境1335から創傷1310から除去されてもよい。例えば、流体は、創傷1310から、流体通路220、第1の複数の穿孔2005、第2の複数の穿孔2010、第3の複数の穿孔2805、第4の複数の穿孔2810、第5の複数の穿孔2815、及び/又は第6の複数の穿孔2820のうちの少なくとも1つを通って、第1のフィルム層205の上面225と、一次マニホールド210の底面260と、スタンドオフ905との間の空間によって画定される封止された療法環境1335の部分の中に移動し得る。次いで、流体は、窓240を通って、一次マニホールド210の上面255と、第2のフィルム層215の底面280と、プリーツ1605との間の空間によって画定された封止された療法環境1335の部分の中に移動し得る。次いで、流体は、開口1745を通って、第2のフィルム層215の上面275と、コネクタドレープ1755の底面1765と、二次マニホールド1105に面するドレッシングインタフェース1150の表面との間の空間として画定される、封止された療法環境1335の部分の中に、及び/又は二次マニホールド1105の空間内に移動し得る。流体は、ドレッシングインタフェース1150を通してドレッシング110から除去され、任意選択により、容器115内に収集されてもよい。
【0123】
図32Aは、図32の例示的ドレッシング110のいくつかの例示的実施形態に関連し得る詳細を示す、図32内の図32Aを参照して切り取られた詳細図である。例えば、封止層1705は、ドレッシング110を表皮1315及び創傷1310に対して定位置に保持するために、底面1715において十分に粘着性であり得る一方で、ドレッシング110がまた、表皮1315、創傷1310、及び/又は組織部位1305に外傷を与えることなく除去する又は位置を変えることも可能にする。例えば、封止層1705は、シリコーンポリウレタン材料から形成されてもよく、これは、表皮2110と共に底面1715においてシーリングカップリングを形成してもよい。いくつかの実施形態では、封止結合の接着強度又は粘着性は、ASTM D3330に基づいて、25℃、相対湿度50%で、ステンレス鋼基材上で約0.5N/25mm~約1.5N/25mmのステンレス鋼材料からの剥離接着力又は耐剥離性を有し得る。封止層1705は、60秒未満の接触時間後にこの接着強度を達成することができる。粘着性は、接着剤と基材との間の非常に短い接触時間後の接着剤の接着強度と考えられてもよい。いくつかの特定の実施形態では、シール層1705は、約200マイクロメートル~約1,000マイクロメートルの範囲の厚さを有してもよい。剥離ライナー1780を除去することにより、封止層1705の開口1730を通して接着剤1330を露出させることもできる。組み立てられた状態では、封止層1705の厚さは、接着剤1330が表皮1315と接触しないように、封止層1705の開口1730を通して、接着剤1330と表皮1315との間に間隙を生成し得る。
【0124】
図32Bは、図32のドレッシング110のいくつかの実施形態における図32Aの詳細図に関連付けられ得る追加的詳細を示す。図32Bは、開口1730においてカバー125の上面1125に加えられた力3205によって表皮1315と接触させられた後の接着剤1330を示す。使用時に、組み立てられたドレッシング110が所望の位置にある場合、力3205が開口1730において上面1125に加えられて、接着剤1330が表皮1315と少なくとも部分的に接触するように押し付けて接着結合を形成してもよい。接着結合は、ドレッシング110の表皮1315への確実で解放可能な機械的固定を提供し得る。封止層1705と表皮1315との間の封止結合は、接着剤1330と表皮1315との間の接着結合ほど機械的に強くなくてもよい。接着結合は、ドレッシング110を表皮1315に固定し、ドレッシング110の移動を阻止してもよい。
【0125】
例示的実施形態では、一次マニホールド210は、ゲルエラストマーから形成されるポリマーグリッド構造として形成されてもよい。例えば、一次マニホールド210のグリッド部材は、ブラシ及び櫛の形状、又は幾何学的形状の任意の組み合わせで形成されてもよい。窓240は、正方形、長方形、円形、又は任意の他の好適な形状であってもよい。
【0126】
本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、著しい利点を提供することができる。例えば、ドレッシング110に実質的に透明な又は光学的に透明な第1のフィルム層205、接着剤1330、第2のフィルム層215、及びカバー125を提供することは、窓240を通して創傷1310を可視化することを容易にする。例示的な実施形態では、例えば、図14Bに示されるように、封止された療法環境1335に陰圧が導入されると、第2のフィルム層215の部分は、第1のフィルム層205の部分と接触させられてもよい。第2のフィルム層215の少なくとも一部分が、表皮1315又は創傷1310と接触し得る第1のフィルム層205と接触させられる実施例では、窓240を通して見たときの表皮1315又は創傷1310の光学的透明度が改善され得る。一般に、より高度の光学的透明度は、屈折率が観察方向においてレンズ材料を通して一定である場合に達成され得る。例えば、図14Aに示されるように、創傷1310がカバー125、接着剤1330、第2のフィルム層215、窓240内の空隙、及び第1のフィルム層205を通して見られる例示的実施形態では、カバー125、接着剤1330、第2のフィルム層215、及び第1のフィルム層205とは異なる、窓240内の空隙の屈折率の結果として、光学品質が低下され得る。しかしながら、第2のフィルム層215が第1のフィルム層205と接触させられる場合、空隙は排除又は最小化され得る。第2のフィルム層215の少なくとも一部分が第1のフィルム層205と接触しており、層の屈折率が実質的に同じである例示的実施形態では、窓240を通して創傷1310を見るときに、高い光学的透明度が達成され得る。
【0127】
例示的な実施形態では、第1のフィルム層205の厚さを増加させることは、システム100が陰圧下にあるとき、一次ノード245又はスタンドオフ905によって創傷1310にかかる応力を低下させ得る。例えば、陰圧の治療レベルが封止された療法環境1335に導入されるとき、カバー125の底面1130の下の封止された療法環境1335内の圧力は、カバー125の上面1125に隣接するような、ドレッシング110の外側の周囲大気圧よりも低くなり得る。圧力勾配からの合力は、カバー125を創傷1310に向かって引っ張り、それはまた、一次マニホールド210を創傷1310に向かって引っ張る。結果として、一次ノード245又はスタンドオフ905は、創傷1310に向かって引っ張られ得る。より厚い第1のフィルム層205を伴う実施例では、創傷1310に向かって引っ張られる一次ノード245によって生成される応力場のより多くの部分が、第1のフィルム層205内に含まれ得、創傷1310に伝達されなくてもよい。第1のフィルム層205の厚さ及び流体通路220を形成するスロット又はスリットの寸法は、創傷1310に、より大きい又はより小さい応力場を選択的に導入するように選択されてもよい。例えば、より狭いスロット又はスリットが陰圧の印加下で閉じたままであることを防止するために、より厚い第1のフィルム層205を有する流体通路220に対して、より広いスロットが選択されてもよい。例えば、スリットは、第1のフィルム層205又は第2のフィルム層215が約100マイクロメートル未満の厚さを有するいくつかの用途において、流体通路220として好適であり得、スロットは、第1のフィルム層205又は第2のフィルム層215が約100マイクロメートルを超える厚さを有するいくつかの用途において、流体通路220として好適であり得る。
【0128】
図33A図34Bを参照すると、本開示による組織部位を治療するための装置、ドレッシング、及びシステムと共に使用するのに適した、一次マニホールド210の別の例示的実施形態が示されている。いくつかの例示的実施形態では、一次マニホールド210は、図34Aに示された収縮状態3405と図34Bに示された伸張状態3410との間で移動するように構成され得る。一次マニホールド210は、上面255と、上面255と反対側に位置付けられ、かつ図37に示される組織部位1305などの組織部位に向かって面するように構成された底面260とを含んでもよい。いくつかの例示的実施形態では、一次マニホールド210は、伸張ゾーン3305に隣接して位置付けられ得るプリーツ1605を含んでもよい。伸張ゾーン3305は、一次マニホールド210が伸張状態3410にあるとき、一次マニホールド210の底面260から組織部位1305に向かって外向きに延びるように構成されてもよい。図34Aに示される収縮状態3405では、一次マニホールド210の底面260は、伸張状態3410における底面260の形状と比較して、実質的に平面形状3415を有してもよい。
【0129】
例えば、いくつかの実施形態では、一次マニホールド210の底面260は、図34Bに示される凸形状3420を形成するように構成されてもよく、これは、一次マニホールド210が伸張状態3410にあるとき、図37に示される組織部位1305及び創傷1310と一致して位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、一次マニホールド210は、例えば、組織部位1305に位置付けられるとき、マニホールド210に陰圧が印加されると、収縮状態3405から伸張状態3410に移動するように構成され得る。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態において、一次マニホールド210は、一次マニホールド210の上面255及び/又は底面255に外力3425が加えられると、収縮状態3405から伸張状態3410に移動するように構成され得る。外力3425は、一次マニホールド210の上面255に対する押す力及び/又は一次マニホールド210の底面260に対する引く力であってもよい。
【0130】
図33A図35Bを参照すると、いくつかの実施形態では、プリーツ1605は、一次マニホールド210が収縮状態3405から伸張状態3410に移動するときに、一次マニホールド210の部分が互いから離れるように移動し、展開し、又は延ばすことを可能にするように構成されている、折り目3310又は起伏を一次マニホールド210に含んでもよい。例えば、図34A図35Bに示すプリーツ1605の断面は、一次マニホールド210のプリーツ1605の各々の第1の部分3430と一次マニホールド210のプリーツ1605の各々の第2の部分3435との間の折り目3310を示す。第1の部分3430の少なくとも一部分は、一次マニホールド210が収縮状態3405にあるとき、プリーツ1605の各々の断面において第2の部分3435に重なるように構成されてもよい。さらに、第1の部分3430の少なくとも一部分は、一次マニホールド210が伸張状態3410にあるとき、プリーツ1605の各々の断面において第2の部分3435から離れるように移動するか、又は第2の部分3435から離れるように延ばすように構成されてもよい。
【0131】
図35A図35Bをより詳細に参照すると、プリーツ1605の一実施形態の断面が、図2図6及び図17の実施形態に限定されないが、前述した第1のフィルム層205及び第2のフィルム層215と共に示されている。図35A図35Bに示すように、第1のフィルム層205及び/又は第2のフィルム層215は、収縮状態3405から伸張状態3410へとプリーツ1605に任意選択的に結合されてもよく、プリーツ1605と共に移動するように構成されてもよい。
【0132】
図36A図36Bを参照すると、いくつかの例示的実施形態では、プリーツ1605は、起伏又は波の形状を有し得る。例えば、折り目3310は、プリーツ1605の第1の部分3430とプリーツ1605の第2の部分3435との間に位置付けられた山と谷の形状を有し得る。プリーツ1605の折り目3310、第1の部分3430、及び第2の部分3435は共に、起伏又は波を形成してもよく、起伏又は波は、図33A図35Bの実施形態に関して説明したのと同様の様式又は類似の様式で構成されて、一次マニホールド210が収縮状態3405から伸張状態3410に移動するときに、一次マニホールド210の部分が互いから離れるように移動し、展開し、又は延ばすことを可能にしてもよい。さらに、図35A図35Bの実施形態と同様に、図36A図36Bの実施形態は、第1のフィルム層205及び/又は第2のフィルム層215を示しており、これらは、任意選択的にプリーツ1605に結合されて、かつ収縮状態3405から伸張状態3410へとプリーツと共に移動するように構成されてもよい。
【0133】
再び図33A図35Bを参照すると、いくつかの例示的実施形態では、一次マニホールド210内の折り目3310の第2の部分3435は、一次マニホールド210内の折り目3310の第1の部分3430と伸張ゾーン3305との間に位置付けられてもよい。さらに、いくつかの例示的実施形態では、プリーツ1605は、伸張ゾーン3305の周りに位置付けられてもよい。
【0134】
さらに、いくつかの例示的実施形態では、一次マニホールド210は、複数のプリーツ1605及び複数の伸張ゾーン3305を含み得る。いくつかの例では、複数のプリーツ1605及び複数の伸張ゾーン3305は、一次マニホールド210の上面255及び底面260にわたって交互になってもよい。いくつかの例では、伸張ゾーン3305のうちの1つは、一次マニホールド210の上面255及び底面260にわたってプリーツ1605のうちの2つの間に位置付けられてもよい。いくつかの例では、複数のプリーツ1605及び複数の伸張ゾーン3305は、一次マニホールド210の上面255及び底面260上に交互の同心リング状に位置付けられてもよい。いくつかの例では、複数のプリーツ1605のうちの1つ以上は、複数の伸張ゾーン3305のうちの1つ以上の周りに円周方向に位置付けられてもよい。いくつかの例では、伸張ゾーン3305のうちの1つ以上は、一次マニホールド210が伸張状態3410にあるとき、伸張ゾーン3305のうちの別の伸張ゾーンよりもさらに遠くに、一次マニホールド210の底面260から外向きに延びることができる。
【0135】
いくつかの例示的実施形態では、一次マニホールド210は、約ショア10A~約ショア40Aの範囲の硬度を有するポリマーを含んでもよく、又はそのようなポリマーであってもよい。追加的又は代替的に、いくつかの例では、一次マニホールド210は、ポリウレタン若しくはシリコーンを含み得るか、又はポリウレタン若しくはシリコーンであり得る。追加的又は代替的に、いくつかの実施例では、一次マニホールド210は、一次マニホールド210を通して組織部位1305の視覚認知を提供するように構成される、透明材料を含んでもよく、又はそれから形成されてもよい。
【0136】
さらに、図9A図10B及び図16図17の実施形態に限定されないが、前述したように、図33A図37の実施形態に示される一次マニホールド210のいくつかの例は、一次マニホールド210の上面255及び/又は底面260の一方又は両方から外向きに伸び得る複数のスタンドオフ905を含み得る。図示されていないが、プリーツ1605の部分は、一次マニホールド210の表面上に流路又は通路を形成するように構成された、スタンドオフ905又は類似の特徴などの表面特徴を含むことができる。
【0137】
さらに、図9A図10B及び図16図17の実施形態に限定されないが、前述したように、図33A図37の実施形態に示される一次マニホールド210のいくつかの例は、一次マニホールド210の上面255及び底面260を通って、複数のマニホールド開口部240を含んでもよい。いくつかの例では、マニホールド開口部240は、一次マニホールド210の上面255及び底面260を通って流体連通を提供するように構成されてもよい。さらに、マニホールド開口部240のいくつかの例は、一次マニホールド210上にグリッドパターンで構成又は位置付けられてもよい。
【0138】
追加的又は代替的に、マニホールド開口部240は、一次マニホールド210の上面255及び底面260を通って組織部位1305の視覚認知を提供するように構成された窓であってもよい。さらに、図33A図37の実施形態における一次マニホールド210は、図2の類例によって示される複数の一次ノード245及び複数のリンク250を含むことができ、これらは窓を画定するために相互接続される。さらに、いくつかの例では、一次ノード245の各々は、スタンドオフ905のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0139】
さらに、図2図6及び図17の実施形態に限定されないが、前述したように、図33A図37の一次マニホールド210のいくつかの例示的実施形態は、少なくとも底面260に隣接するポリマーフィルムを含んでもよい。ポリマーフィルムは、複数の流体通路220、270を含んでもよく、それらは、前述のように、スリット、スロット、開窓、若しくは穿孔であってもよく、又はそれらを含んでもよい。例えば、図35A図36B及び図37に示すように、第1のポリマーフィルム205は、一次マニホールド210の底面260に隣接して位置付けられてもよく、第2のポリマーフィルム215は、一次マニホールド210の上面255に隣接して位置付けられてもよい。
【0140】
少なくとも第1のポリマーフィルム205は、複数の流体通路220を含み得る。図33A図37の実施形態のいくつかの例では、図2図6及び図17に示されるものと同様に、第1のポリマーフィルム205は複数の第1の流体通路220を含んでもよく、第2のポリマーフィルム215は第2の複数の流体通路270を含んでもよい。
【0141】
さらに、図2図6及び図17の例示的実施形態と同様に、かつこれらに限定されないが、図33A図37の実施形態において、第1のポリマーフィルム205は第1の厚さを有してもよく、第2のポリマーフィルム215は第2の厚さを有してもよい。さらに、第1のポリマーフィルム205の第1の厚さは、第2のポリマーフィルム215の第2の厚さより厚くてもよい。いくつかの例では、第2のポリマーフィルム215の第2の厚さは、約20マイクロメートル~約500マイクロメートルの範囲であってもよい。
【0142】
さらに、図2図6及び図17の例示的実施形態と同様に、かつこれらに限定されないが、図33A図37の一次マニホールド210は、第1のポリマーフィルム205及び第2のポリマーフィルム215のうちの少なくとも1つに接合されてもよい。さらに、第1のポリマーフィルム205は、一次マニホールド210の周りで第2のポリマーフィルム215に少なくとも部分的に接合されてもよい。さらに、一次マニホールド210、第1のポリマーフィルム205、及び第2のポリマーフィルム215は各々、互いに同一の広がりを有する周縁部を有してもよい。
【0143】
図37を参照すると、いくつかの例示的実施形態では、治療システム100は、図33A図36Bの例における一次マニホールド210、又は該一次マニホールド210を含む装置を含んでもよい。前述のように、治療システム100は、ドレッシング110又は一次マニホールド210を含む他の装置の少なくとも一部分上に位置付けられるか、又はその一部を形成するように構成されるドレープを含んでもよい。ドレープは、組織部位1305に隣接する組織を封止して、封止環境1335を形成するように構成されてもよい。ドレープは、図37に示されるように、カバー125、第2のフィルム層215、又はコネクタドレープ1755のうちの1つ以上であってもよい。カバー125、第2のフィルム層215、及びコネクタドレープ1755は、別個の構成要素として示されているが、他の実施形態では、カバー125、第2のフィルム層215、及びコネクタドレープ1755は、代わりに、単一のドレープ若しくは封止構造、又は封止環境1335を形成するように任意の好適な様式で構成されたカバー125、第2のフィルム層215、及びコネクタドレープ1755のうちの1つ以上の組み合わせであってもよい。さらに、カバー125、第2のフィルム層215、及びコネクタドレープ1755のうちの1つ以上は、種々の構成において省略されてもよい。治療システム100はさらに、封止環境1335に陰圧を提供するように構成される陰圧源105を備えてもよい。
【0144】
前述のように、いくつかの例示的実施形態では、治療システム100は、組織部位1305と反対側に、一次マニホールド210に隣接して位置付けられるように構成された二次マニホールド1105、又は一次マニホールド210を含む装置を含んでもよい。さらに、いくつかの例示的実施形態では、治療システム100は、一次マニホールド210の底面260に隣接して位置付けられた第1のポリマーフィルム205と、一次マニホールド210の上面255に隣接して位置付けられた第2のポリマーフィルム215とを含んでもよい。第1のポリマーフィルム205は、組織部位1305に隣接して位置付けられるように構成されてもよく、二次マニホールド1105は、第2のポリマーフィルム215に隣接して位置付けられるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、コネクタドレープ1755などのドレープの一部は、第2のポリマーフィルム215の一部に隣接して位置付けられるように構成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、二次マニホールド1105は、ドレープと第2のポリマーフィルム215との間に位置付けられるように構成されてもよい。
【0145】
さらに、いくつかの例示的実施形態では、陰圧を用いて組織部位1305を治療する方法は、一次マニホールド210、又は一次マニホールド210を含む装置を組織部位1305に近接して位置付けることと、一次マニホールド210を含む組織部位1305において、封止環境1335に陰圧を印加することと、陰圧の作用によって一次マニホールド210を伸張状態3410に移動させて、一次マニホールド210の底面260は、一次マニホールド210が伸張状態3410にあるとき、組織部位1305に適合する凸形状3420を形成することと、を含んでもよい。
【0146】
さらに、いくつかの例示的実施形態では、陰圧を用いて組織部位1305を治療する方法は、一次マニホールド210、又は一次マニホールド210を含む装置を組織部位1305に近接して位置付けることと、一次マニホールド210を含む組織部位1305において、封止環境1335に陰圧を印加することと、一次マニホールド210の底面260から組織部位1305に向かって外向きに、1つ以上の伸張ゾーン3305を延ばすことと、を含んでもよい。
【0147】
さらに、いくつかの例示的実施形態では、本開示による組織部位1305を治療する方法は、一次マニホールド210通って配置された1つ以上の開口部240を通して組織部位1305を観察することを含んでもよい。代替的又は追加的に、本開示による組織部位1305を治療するためのいくつかの例示的方法は、一次マニホールド210の少なくとも一部分を形成する透明材料を通して組織部位1305を観察することを含んでもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、一次マニホールド210、又はドレッシング110、若しくは一次マニホールド210を含む装置の1つ以上の構成要素は、熱成形プロセスを施されてもよい。例えば、ドレープ、カバー125、一次マニホールド210、第1のフィルム層205、及び第2のフィルム層215のうちの1つ以上は、限定ではないが、プリーツ1605、伸張ゾーン3305、及びスタンドオフ905のうちの1つ以上などの、一次マニホールド210及びドレッシング110又は装置に前述の特徴及び構成を付与するために、熱成形を施されてもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、ドレッシング110の2つ以上の構成要素は、熱成形の前に共に結合されてもよい。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、ドレッシング110の2つ以上の構成要素は、相互から離れて熱成形され、次いで、熱成形後に共に結合されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、カバー125、一次マニホールド210、第1のフィルム層205、及び第2のフィルム層215は、最初に共に結合され、次いで、熱成形を施されてもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、カバー125、一次マニホールド210、第1のフィルム層205、及び第2のフィルム層215のうちの2つ以上は、ドレッシング110の隣接した構成要素に結合される前に、熱成形されてもよい。
【0150】
いくつかの実施形態において、熱成形プロセスは、前駆体材料が柔軟になる温度まで前駆体材料を加熱することを含む。様々な実施形態において、前駆体材料の加熱に関連するパラメータは、熱成形される材料を含む要因に基づいて選択されてもよい。
【0151】
加えて、いくつかの実施形態では、加熱された前駆体材料は、型又は鋳型、例えば、マンドレルに適合されてもよい。一般に、加熱された前駆体材料が適合される形態は、一次マニホールド210などの組織インタフェース120の結果として生じる構成要素の所望の特性に基づいて選択されてもよい。例えば、形態は、球体、楕円体、トーラス、円柱、放物面、双曲面、円錐、角柱、角錐、四面体、又はそれらの組み合わせの内面若しくは外面の一部分などの三次元形状を含んでもよい。加熱された前駆体材料は、任意の適切な方法によって適合され得る。例えば、いくつかの実施形態では、加熱された前駆体材料は、真空によって型又は鋳型に適合されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、加熱された前駆体材料は、型に適合されている間に冷却されてもよく、冷却時に、1つ以上の表面特徴が、カバー125、一次マニホールド210、第1のフィルム層205、及び第2のフィルム層215のうちの1つ以上に付与されてもよい。
【0152】
いくつかの実施形態では、ドレッシング110の構成要素に1つ以上の表面特徴を付与することに加えて、又はその代替として、熱成形プロセスはまた、ドレッシング110、組織インタフェース120、又はその1つ以上の構成要素、例えば、カバー125、一次マニホールド210、第1のフィルム層205、及び第2のフィルム層215と関連付けられる1つ以上のパラメータを修正するために有効であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせは、熱成形プロセス後及び/又は熱成形プロセスの結果として、引張強度の低下を呈するものとして特徴付けられてもよい。例えば、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせは、熱成形されていない他の類似ドレッシングと比較して、引張強度の低下を呈するものとして特徴付けられてもよい。いくつかの実施形態では、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせは、熱成形の結果として、又は熱成形されていない他の類似ドレッシングと比較して、少なくとも10%の引張強度の低下、又は少なくとも15%の引張強度の低下、又は少なくとも20%の引張強度の低下、又は少なくとも25%の引張強度の低下、又は少なくとも30%の引張強度の低下、又は少なくとも35%の引張強度の低下、又は少なくとも40%の引張強度の低下を呈し得る。
【0153】
追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせは、熱成形プロセス後、及び/又は熱成形プロセスの結果として、増大した撓みを呈するものとして特徴付けられてもよい。例えば、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせは、熱成形されていない他の類似ドレッシングと比較して、増大した撓みを呈するものとして特徴付けられてもよい。
【0154】
追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせは、熱成形プロセス後、及び/又は熱成形プロセスの結果として、組織部位に対して改善された適合性を呈するものとして特徴付けられてもよい。例えば、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせは、熱成形されていない他の類似ドレッシングと比較して、組織部位に対して改善された適合性を呈するものとして特徴付けられてもよい。
【0155】
例えば、増大した撓み及び/又は改善された適合性は、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素若しくは特徴、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせの引張強度の低下から生じ得る。図37を参照すると、患者の組織部位1305に対して位置付けられた図17のドレッシング110の実施形態の切り欠き図が示されている。図37によって図示されるように、組織部位1305に対して位置付けられると、ドレッシング110は、ドレッシング110が周辺組織によってその周辺の周りで支持されるように、組織部位1305を覆って延びてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、図34Bに関連して説明されるように、組織部位1305の方向にドレッシング110に印加される外力3425の印加により、ドレッシング110の領域、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせが張力を受けることができる。いくつかの実施形態では、熱成形プロセスから生じ得るような、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせの引張強度の低下により、ドレッシング110、ドレッシング110の1つ以上の構成要素、又はドレッシング110の構成要素のいくつかの組み合わせが、増大した撓み及び/又は改善された適合性をもたらし得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、その全体に熱成形プロセスを施されてもよく、例えば、ドレッシング110の種々の構成要素の全体に熱成形プロセスが施されてもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、ドレッシング110の全体未満に、熱成形プロセスを施されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ドレッシング110の1つ以上の構成要素の全体未満に、熱成形プロセスを施されてもよい。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、ドレッシング110及び/又はドレッシング110の1つ以上の構成要素は、例えば、ドレッシング110及び/又はドレッシング110の1つ以上の構成要素が、その種々の領域において引張強度、撓み、及び/又は適合性の変動を呈し得るように、種々の程度の熱成形プロセスを受けた種々の領域を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ドレッシング110及び/又はドレッシング110の1つ以上の構成要素は、1つ以上の熱成形領域、例えば、1つ以上の張力緩和領域を含んでもよい。図33A図37の実施形態では、このような張力緩和領域は、例えば、プリーツ1605として構成されてもよく、それは、伸張ゾーン3305が、本明細書に説明されるように、組織部位1305と一致するように、一次マニホールド210の底面260から外向きに延びることを可能にする。
【0157】
いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、例えば、ドレッシング110によって示される組織部位に対する低下した引張強度、増大した撓み及び/又は改善された適合性の結果として、陰圧療法の提供において有利に採用され得る。例えば、ドレッシング110の増大した撓み及び/又は改善された適合性は、ドレッシング110が、組織部位1305とドレッシング110の組織部位に面する表面との間のより良好な接触を提供することを可能にし得る。ドレッシング110と組織部位1305との間の改善された接触は、組織部位1305の実質的に全てにわたって微小歪みを誘導する効果を有し得、それによって、組織部位1305中の細胞が歪みを受け、陰圧療法の結果を改善する。
【0158】
いくつかの例示的な実施形態において示されているが、本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、添付の特許請求の範囲内の様々な変更及び修正が可能であることが、当業者には理解されよう。また、「又は(or)」などの用語を使用する様々な代替形態の説明は、文脈によって明らかに必要とされない限り、相互排他性を必要とせず、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、文脈によって明らかに必要とされない限り、対象を単一の例に限定しない。構成要素はまた、販売、製造、組み立て、又は使用の目的で、様々な構成で組み合わされてもよく、又は排除されてもよい。例えば、いくつかの構成において、ドレッシング110、容器115、組織インタフェース120、カバー125又は構成要素のいかなる組み合わせも、製造又は販売のために、排除されてもよく、又は他の構成要素から分離されてもよい。他の例示的な構成において、コントローラ130はまた、他の構成要素とは独立して製造されてもよく、構成されてもよく、組み立てられてもよく、又は販売されてもよい。いくつかの実施形態の文脈で記載されている、さらなる特徴、要素、及び態様はまた、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、省略されてもよく、組み合わされてもよく、又は同じ目的、均等の目的、若しくは同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えられてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図17A
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図32A
図32B
図33A
図33B
図34A
図34B
図35A
図35B
図36A
図36B
図37
【国際調査報告】