(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】熱暴走感知用の圧力センサーを備えるバッテリーモジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20231206BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20231206BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20231206BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20231206BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01M50/211
H01M50/293
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534407
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 KR2022014381
(87)【国際公開番号】W WO2023068580
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0139765
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ド-ユル・キム
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT04
5H040CC34
5H040DD03
5H040DD13
5H040DD26
5H040JJ03
5H040LL06
(57)【要約】
本発明によるバッテリーモジュールは、一方向へ積層された複数のバッテリーセルを備えたセル積層体と、いずれか一つのバッテリーセルと、それに対向する他の一つのバッテリーセルとの間に配置され、前記他の一つのバッテリーセルに向かって突出した複数の圧力センシングノードを備えた圧力センサーユニットと、前記圧力センサーユニットと前記他の一つのバッテリーセルとの間に配置され、前記複数の圧力センシングノードと対向する面が扁平に設けられた面圧伝達プレートと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向へ積層された複数のバッテリーセルを備えたセル積層体と、
いずれか一つのバッテリーセルと、それに対向する他の一つのバッテリーセルとの間に配置され、前記他の一つのバッテリーセルに向かって突出した複数の圧力センシングノードを備えた圧力センサーユニットと、
前記圧力センサーユニットと前記他の一つのバッテリーセルとの間に配置され、前記複数の圧力センシングノードと対向する面が扁平に設けられた面圧伝達プレートと、を含むことを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記面圧伝達プレートが、前記バッテリーセルの一面の面積に対応する大きさを有することを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記面圧伝達プレートが、プラスチック材質で形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
圧縮性材質から形成され、前記複数の圧力センシングノードと前記面圧伝達プレートとの間に配置される感度調節部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記感度調節部材が、フォームパッドの形態で設けられたことを特徴とする、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記感度調節部材が、所定の圧力以下で圧縮されないように構成されたことを特徴とする、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記バッテリーセルが、パウチ型バッテリーセルであることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記複数の圧力センシングノードが、
相互に一定間隔で離隔して配置され、前記パウチ型バッテリーセルの一面の面積範囲に対応して分布するように構成されたことを特徴とする、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記圧力センサーユニットは、
前記複数の圧力センシングノードを一体に被覆する絶縁フィルムと、圧力信号を外部装置へ伝送するコネクターピンと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記絶縁フィルムが、前記バッテリーセルの一面と対応する大きさで設けられ、前記バッテリーセルの間に挿入して配置される本体部と、前記本体部の少なくとも一側から前記セル積層体の外側へ延びるように設けられた枝部と、を含み、
前記コネクターピンが、前記枝部の端部に備えられたことを特徴とする、請求項9に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項12】
請求項11に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールに関し、より具体的には、バッテリーセルのスウェリング圧力を測定してバッテリーセルの異常有無を感知するためのバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2021年10月19日出願の韓国特許出願第10-2021-0139765号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、多様な製品への適用が容易であり、高いエネルギー密度を有する電気的特性を有している。このような二次電池は、携帯用機器のみならず電気的駆動源によって駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに適用されている。
【0004】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。一つの二次電池セルの作動電圧は約2.5V~4.2Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が求められる場合、複数の二次電池セルを直列に接続するか、または充放電容量に応じて複数の二次電池セルを直列及び並列に接続してバッテリーモジュールを構成し得る。
【0005】
一方、バッテリーモジュールの二次電池セルの場合、反復的な充放電時、電極膨張及び/または内部電解質の分解によって発生するガスによって二次電池セルが膨張する現象が起こることがある。このように二次電池セルが膨張する現象を「スウェリング現象」という。
【0006】
充放電時における電極の膨張と収縮による二次電池セルの反復的なスウェリングは通常的であり、その程度が弱いため大きい問題にはならない。しかし、二次電池セルに如何なる問題が起こり、温度が急激に上昇して内部に多量のガスが発生し、これによって二次電池セルの内圧が増加して膨張するスウェリング現象は、圧力が非常に大きく作用し、これは二次電池セルの発火または爆発につながり得る。したがって、バッテリーモジュールの運用時、二次電池セルのスウェリング圧力をモニターして、スウェリング圧力が一定水準を超過する場合、前記バッテリーモジュールの運用を中断する必要がある。
【0007】
これに関わり、従来のバッテリーモジュールは、特許文献1に開示されているように、圧力センサーを用いてバッテリーセルの面圧の測定している。
【0008】
図1は、従来技術によるバッテリーモジュールの圧力センサーを示した図である。
図1のように、圧力センサー2を互いに対面する二つの二次電池セル1A、1Bの間に挿入し、二次電池セルの膨張時の圧力を感知するようにしている。
【0009】
ところが、
図1のような圧力センサー2は、二次電池セルの表面全体をカバーしていないため、二次電池セルの全体的な面圧の異常有無が感知できない。即ち、このような圧力センサー2は、バッテリーセルで局所的な領域の圧力感知のみが可能である。したがって、前記圧力センサー2によっては、二次電池セルに対して全体的な面圧測定を行って二次電池セルの熱暴走などのような異常状況の発生を正確に感知しにくい。
【0010】
また、従来のバッテリーモジュールの場合、二次電池セルの膨張時、力の反作用によって二次電池セルの表面に圧力センサーの形状のとおり跡が生じ、圧力が集中する問題がある。これによって、バッテリーモジュールの運用に際し、二次電池セルのスウェリングが繰り返されることによって、前記圧力センサーが二次電池セルの表面を持続的に押すようになることで、二次電池セルの表面損傷をもたらし、これは二次電池セルの挙動に悪影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、圧力センサーによってバッテリーセルの表面を損傷することなく、スウェリング時のバッテリーセルの全体的な面圧をセンシングしてバッテリーセルの異常有無を感知できるバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0013】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を達成するための本発明によるバッテリーモジュールは、一方向へ積層された複数のバッテリーセルを備えたセル積層体と、いずれか一つのバッテリーセルと、それに対向する他の一つのバッテリーセルとの間に配置され、前記他の一つのバッテリーセルに向かって突出した複数の圧力センシングノードを備えた圧力センサーユニットと、前記圧力センサーユニットと前記他の一つのバッテリーセルとの間に配置され、前記複数の圧力センシングノードと対向する面が扁平に設けられた面圧伝達プレートと、を含み得る。
【0015】
前記面圧伝達プレートは、前記バッテリーセルの一面の面積に対応する大きさを有するように構成され得る。
【0016】
前記面圧伝達プレートは、プラスチック材質で形成され得る。
【0017】
圧縮性材質から形成され、前記複数の圧力センシングノードと前記面圧伝達プレートとの間に配置される感度調節部材を含み得る。
【0018】
前記感度調節部材は、フォームパッド(foam pad)の形態で設けられ得る。
【0019】
前記感度調節部材は、所定の圧力以下で圧縮されないように構成され得る。
【0020】
前記バッテリーセルは、パウチ型バッテリーセルであり得る。
【0021】
前記複数の圧力センシングノードは、相互に一定間隔で離隔して配置され、前記パウチ型バッテリーセルの一面の面積範囲に対応して分布するように構成され得る。
【0022】
前記圧力センサーユニットは、前記複数の圧力センシングノードを一体に被覆する絶縁フィルムと、圧力信号を外部装置へ伝送するコネクターピンと、をさらに含み得る。
【0023】
前記絶縁フィルムは、前記バッテリーセルの一面と対応する大きさで設けられ、前記バッテリーセルの間に挿入して配置される本体部と、前記本体部の少なくとも一側から前記セル積層体の外側へ延びるように設けられた枝部と、を含み、前記コネクターピンは、前記枝部の端部に備えられ得る。
【0024】
本発明の他の様態によれば、前述したバッテリーモジュールを含むバッテリーパックが提供され得る。
【0025】
本発明のさらに他の様態によれば、前述したバッテリーモジュールを含む自動車が提供され得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、バッテリーセルのスウェリング時、一定水準以上のバッテリーセルの面圧をセンシングしてバッテリーセルの熱暴走などのような異常状況の発生有無を感知することができる。
【0027】
また、本発明によれば、バッテリーセルのスウェリング時、圧力センシングノードによるバッテリーセルの表面損傷を防止することができる。
【0028】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者に明らかに理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】従来技術によるバッテリーモジュールの圧力センサーを示した図である。
【
図2】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの概略的な斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例による圧力センサーユニットの平面図である。
【
図4】
図3の圧力センサーユニットの変形例を示した図である。
【
図5】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの構成要素のうち圧力センサーユニットと面圧伝達プレートを示した斜視図である。
【
図6】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの部分断面図である。
【
図7】本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールの主要構成として、圧力センサーユニット、感度調節部材及び面圧伝達プレートを示した斜視図である。
【
図8】本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0031】
図2は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの概略的な斜視図であり、
図3は、本発明の一実施例による圧力センサーユニットの平面図である。
【0032】
これら図面を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10は、一方向へ積層された複数のバッテリーセル110を備えたセル積層体100と、いずれか一つのバッテリーセル110とそれと対向する他の一つのバッテリーセル110との間に配置され、前記他の一つのバッテリーセル110に向かって突出した複数の圧力センシングノード210を備えた圧力センサーユニット200と、前記圧力センサーユニット200と前記他の一つのバッテリーセル110との間に配置され、前記複数の圧力センシングノード210と対向する面が扁平に設けられた面圧伝達プレート300と、を含む。
【0033】
前記セル積層体100は、複数のバッテリーセル110を積層して形成したバッテリーセル110の集合体といえる。本実施例のセル積層体100は、バッテリーセル110を各々上下方向へ立てて左右方向に積層して形成したものである。ここで、前記バッテリーセル110は、パウチ型バッテリーセル110であって、広い面が互いに対面するように積層され得る。
【0034】
前記パウチ型バッテリーセル110は、パウチ外装材と、前記パウチ外装材に収納可能に設けられた電極組立体と電解質を含む。例えば、パウチ型外装材は、二つのパウチから構成され、そのうち少なくとも一つには凹んで内部空間が形成され得る。そして、このようなパウチの内部空間に電極組立体が収納され得る。二つのパウチの周縁は互いに溶着されることで、電極組立体が収容された内部空間が密閉され得る。前記電極組立体に電極リード111が取り付けられ、前記電極リード111は、パウチ外装材の溶着部の間に介在されてパウチ外装材の外部に露出することで、バッテリーセル110の電極端子として機能できる。なお、このようなパウチ型バッテリーセル110の代わりに、ほぼ直方体の形状で、外装材が金属で設けられた角形バッテリーセル110が使用され得る。
【0035】
前記パウチ型バッテリーセル110は、バスバーアセンブリーによって互いに電気的に接続され得る。前記バスバーアセンブリーは、
図2のように、セル積層体100の前方と後方に組み立てられる構成品であって、バスバーフレーム120、130と、複数のバスバー121と、を含む。
【0036】
バスバーフレーム120、130は、セル積層体100の前方または後方をカバー可能なサイズの板状体の形態で設けられ、電極リード111が通過可能に貫通して形成されたスロット(図示せず)を備え得る。前記スロットは、バッテリーセル110の積層方向と同じ方向に沿って備えられ得る。また、前記バスバーフレーム120、130は、複数のバスバー121を外側面に取付可能に構成され得る。
【0037】
前記複数のバスバー121は、電気伝導性を有する銅、アルミニウムなどのような金属材質で設けられ、前記バスバーフレーム120、130の外側面に、
図2のようにバッテリーセル110の積層方向と同じ方向に沿って備えられ得る。
【0038】
例えば、NからN+3番目のパウチ型バッテリーセル110の正極リードを重ね、これをいずれか一つのスロットに挿入してバスバーフレーム120の内側から外側へ引き出し、このように引き出された部分を折り曲げていずれか一つのバスバー121の表面に溶接する。そして、N+4からN+6番目のパウチ型バッテリーセル110の負極リードを重ねて他のスロットに挿入してバスバーフレーム120の内側から外側へ引き出し、このように引き出された部分を折り曲げて、NからN+3番目のパウチ型バッテリーセル110の正極リードを溶接しておいたバスバーの表面に溶接する。このような方式でパウチ型バッテリーセル110の電極リード111を対応のバスバー121に溶接することで、前記パウチ型バッテリーセル110を直列及び並列に接続し得る。
【0039】
前記圧力センサーユニット200は、前記パウチ型バッテリーセル110のうち互いに対向する二つのバッテリーセル110の間に挿入して配置される構成品であって、バッテリーモジュールの運用中にバッテリーセル110のスウェリング発生時、圧力を測定するためのものである。前記圧力センサーユニット200は、フィルム型圧力センサーの形態であって、複数の圧力センシングノード210と、前記複数の圧力センシングノード210を一体に被覆する絶縁フィルム220と、圧力信号を外部装置へ伝送するためのコネクターピン230と、を含んで構成され得る。
【0040】
各圧力センシングノード210は、物理的な力、重さなどによって抵抗値が変わる性質を用いたFSR(Force Sensitive Resistor)センサーから構成され得る。前記各圧力センシングノード210に圧力が加えられたとき、変化した抵抗値をデジタル値へ変換して圧力の強度が分かる。本実施例の圧力センサーユニット200は、前記圧力センシングノード210が相互に一定間隔で離隔して配置され、前記パウチ型バッテリーセル110の一面の面積範囲に対応して分布するように構成される。
【0041】
このような構成によれば、スウェリング時、パウチ型バッテリーセル110のどの部分における膨張力が大きいか、領域別の圧力分布を相対的に把握可能である。また、各圧力センシングノード210のデータを総合して全体的な面圧が把握でき、このように把握されたバッテリーセルの全体的な面圧が特定値以上であるか否かを確認することで、熱暴走などのような異常状況の発生有無を感知することができる。ここで、前記特定値とは、熱暴走などのような異常状況が発生したときのバッテリーセル110の全体的な面圧値であって、予め実験などによって導出した標準圧力値を意味し得る。
【0042】
前記絶縁フィルム220は、例えば、ポリイミド(polyimide)のように、耐熱性、絶縁性、優秀な機械的強度及び柔軟性を有する素材から形成されたフィルムであって、本体部221と枝部223を含み得る。
【0043】
前記本体部221は、
図2及び
図3に示したように、バッテリーセル110の一面と対応する大きさで設けられ、セル積層体100の中に挿入して配置される部分である。全ての圧力センシングノード210は、スウェリング時にバッテリーセル110から力を受けることができるように前記本体部221に備えられ得る。
【0044】
前記枝部223は、前記本体部221の少なくとも一側から前記セル積層体100の外側へ延びるように設けられた部分である。前記枝部223は、詳しく図示していないが、各圧力センシングノード210と接続された導線(図示せず)を備える。前記枝部223は、圧力センシングノード210の個数に応じて一つまたは二つ以上が設けられ、本実施例の圧力センサーユニットは二つの枝部223を備える。
【0045】
コネクターピン230は、圧力センシングノード210によって感知された圧力信号を外部装置へ伝導するための圧力センサーユニット200のターミナルであって、前記枝部223の一端に結合可能に構成されるか、または前記枝部223と一体に形成され得る。
【0046】
図4は、
図3の圧力センサーユニット200の変形例を示した図である。
【0047】
一方、圧力センシングノード210の大きさ及び個数は、
図3の圧力センシングノード210と相違に構成され得る。例えば、
図4に示したように、変形例による圧力センサーユニット200は、圧力センシングノード210が
図3の圧力センシングノード210よりも大きく、個数は少なく構成され得る。この場合、スウェリング時、圧力の相手分布測定性能は低くなる。しかし、バッテリーセル110の圧力分布よりは、バッテリーセル110の全体的な面圧が予め決めておいた特定の圧力値以上であるか否かを確認するための用途としては、
図4のような圧力センシングノード210の構成でも十分である。即ち、圧力センサーユニット200は、使用目的によって前記圧力センシングノード210の個数と大きさなどを多様に設定可能である。
【0048】
図5は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10の構成要素のうち圧力センサーユニット200と面圧伝達プレート300を示した斜視図であり、
図6は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール10の部分断面図である。
【0049】
本発明のバッテリーモジュール10の主要構成として、面圧伝達プレート300は、一面が前記圧力センサーユニットの本体部221に対面し、他面がバッテリーセル110(N+1)の一面に対面する板状体の形態で設けられ得る。
【0050】
本実施例の面圧伝達プレート300は、突出した圧力センシングノード210と局所的に接触して集中圧力を受けても跡ができないほどの強度と厚さを有する軽量のプラスチック材質で形成され得る。また、前記面圧伝達プレート300は、バッテリーセル110のスウェリング時、前記バッテリーセル110の膨張力が各圧力センシングノード210に満遍なく伝達されるようにバッテリーセル110の一面の面積に対応する大きさで設けられ得る。
【0051】
より具体的には、
図6のように、バッテリーセル110(N)、110(N+1)、110(N+2)…が一方向へ積層されたセル積層体100のうちN番目のバッテリーセル110(N)とN+1番目のバッテリーセル110(N+1)との間に圧力センサーユニット200と面圧伝達プレート300が配置され得る。この際、前記圧力センサーユニット200において圧力センシングノード210が突出している側が前記面圧伝達プレート300と対向するようにする。
【0052】
前記バッテリーセル110にスウェリング現象が発生する状況を仮定すると、前記圧力センサーユニットと前記面圧伝達プレート300にバッテリーセル110の力が作用して圧力センシングノード210の抵抗値が変わり、この値がデジタル値として出力される。この際、前記面圧伝達プレート300は、N+1番目のバッテリーセル110の膨張力を受けて各圧力センシングノード210に満遍なく伝達する役割を果たすようになる。また、前記面圧伝達プレート300は、突出している圧力センシングノード210からN+1番目のバッテリーセル110(N+1)の表面を保護する役割を果たす。
図6において面圧伝達プレート300がないと仮定すると、バッテリーセル110のスウェリング時、N+1番目のバッテリーセル110(N+1)の表面は、突出している各圧力センシングノード210によって繰り返して局所的に圧迫される。これによって、前記バッテリーセル110が損傷してしまい、性能や寿命特性に問題が起こり得る。
【0053】
しかし、本発明のバッテリーモジュール10は、
図6のように、面圧伝達プレート300が各圧力センシングノード210による局所圧迫をN+1番目のバッテリーセル110(N+1)の代わりに受けるように構成されている。したがって、前記面圧伝達プレート300によると、スウェリング時、突出した各圧力センシングノードがバッテリーセル110の表面を局所圧迫することから発生し得るバッテリーセル110の異常挙動の問題を解消できる。また、前記面圧伝達プレート300は、バッテリーセル110の膨張力を受け、これを各圧力センシングノード210に満遍なく伝達する役割を果たすことで、バッテリーセル110の全体的な面圧測定を容易にする。
【0054】
以上のような本発明の構成によると、バッテリーモジュール10の運用中にバッテリーセル110の圧力変化がモニター可能である。このようなモニタリングによって、バッテリーセル110の全体的な面圧が特定値を超過する状況が発生する場合、直ちにバッテリーモジュール10の運用を中止し、安全措置を取ることで、バッテリーモジュール10の火事、爆発などを防止することができる。
【0055】
また、本発明のバッテリーモジュール10は、面圧伝達プレート300を含んでおり、スウェリング現状の反復による圧力センシングノード210の反作用からバッテリーセル110の表面を保護できる。
【0056】
図7は、本発明の他の実施例によるバッテリーモジュール10の主要構成として、圧力センサーユニット200、感度調節部材400及び面圧伝達プレート300を示した斜視図であり、
図8は、本発明の他の実施例によるバッテリーモジュール10の部分断面図である。
【0057】
続いて、
図7及び
図8を参照して本発明の他の実施例を説明する。前述した実施例と同じ部材番号は同じ部材を示し、同じ部材について重複する説明は省略し、前述した実施例との相違点を中心にして説明する。
【0058】
本発明他の実施例によるバッテリーモジュール10は、前述した実施例によるバッテリーモジュール10と比較すると、感度調節部材400をさらに含む。
【0059】
前記感度調節部材400は、圧縮性材質から形成され、前記複数の圧力センシングノード210と前記面圧伝達プレート300との間に配置される。
【0060】
前記感度調節部材400は、面圧伝達プレート300と圧力センシングノード210との間隔を維持させ、特定の力以上では圧力センシングノード210が鈍感に作動するようにする役割を果たす。
【0061】
前述したように、正常なバッテリーセル110の充放電時にも若干のスウェリング現象が反復され得る。このような若干のスウェリング現象には、圧力センシングノード210が反応しないように前記感度調節部材400が面圧伝達プレート300と圧力センシングノード210との間隔を維持させることで、センサーの感度を鈍化させる。また、前記感度調節部材400は、バッテリーセル110で発生する熱を遮断する役割を果たす。圧力センシングノード210は、高温で敏感に反応し得るが、バッテリーセル110の熱を遮断して圧力センシングノード210が熱によって反応しないようにする。
【0062】
前記感度調節部材400は、例えば、フォームパッド(foam pad)の形態で設けられ得る。前記フォームパッドは、
図8のように、前記面圧伝達プレート300に対面する面は扁平し、前記圧力センサーユニットに対面する面は圧力センシングノード210同士の段差によるギャップQを埋める凹凸構造で設けられ得る。また、前記フォームパッドは、圧縮率または変形率が異なるさまざまな材質を選択的に使用し、厚さを調整して所定の圧力以下では圧縮されないように構成され得る。即ち、前記フォームパッドは、
図8においてN番目のバッテリーセル110(N)と面圧伝達プレート300との間で各圧力センシングノード210をカバーするように構成され、外力と熱から各圧力センシングノード210を保護する役割を果たし得る。
【0063】
したがって、本発明の他の実施例によるバッテリーモジュール10は、前述した実施例と比較すると、一定の水準以上の強い圧力が作用すると、圧力センシングノード210が反応するようにするが、充放電時において通常的に反復されるバッテリーセル110の若干のスウェリングには圧力センシングノードの反応を鈍化させることで、バッテリーモジュール10の運用中において、通常のバッテリーセル110のスウェリングと、バッテリーセル110の熱暴走などのような異常状況発生時のスウェリングを明確に区分して感知可能である。また、本発明の他の実施例によるバッテリーモジュール10は、フォームパッド形態の感度調節部材400が各圧力センシングノード210を囲んでいるので、前述した実施例の場合よりも前記圧力センシングノード210の突出によるバッテリーセル110の表面損傷の恐れを解消するのに効果的である。
【0064】
一方、本発明によるバッテリーパック(図示せず)は、前記バッテリーモジュールを少なくとも一つ以上含む。そして、前記バッテリーパックは、前記バッテリーモジュールの充放電を制御するための各種装置(図示せず)、例えば、BMS(Battery Management System)、電流センサー、ヒューズなどをさらに含んで構成され得る。
【0065】
前記本発明によるバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に適用可能である。即ち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパックを含み得る。前記バッテリーパックは、車両座席下部の車体フレームまたはトランク空間に設けられ得る。
【0066】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0067】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0068】
1A 二次電池セル
1B 二次電池セル
2 圧力センサー
10 バッテリーモジュール
100 セル積層体
110 バッテリーセル
111 電極リード
120 バスバーフレーム
121 バスバー
130 バスバーフレーム
200 圧力センサーユニット
210 圧力センシングノード
220 絶縁フィルム
221 本体部
223 枝部
230 コネクターピン
300 面圧伝達プレート
400 感度調節部材
【国際調査報告】