(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】垂直共振器面発光レーザー及び製造方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/183 20060101AFI20231207BHJP
H01S 5/24 20060101ALI20231207BHJP
H01S 5/42 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
H01S5/183
H01S5/24
H01S5/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540881
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 CN2022092689
(87)【国際公開番号】W WO2023082577
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111331298.0
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519028014
【氏名又は名称】常州縦慧芯光半導体科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】VERTILITE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.7 FengXiang Road, WuJin High-tech Industrial Zone, Changzhou, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】翁 ▲イ▼呈
(72)【発明者】
【氏名】丁 維遵
(72)【発明者】
【氏名】彭 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】劉 嵩
(72)【発明者】
【氏名】梁 棟
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AC03
5F173AC13
5F173AC35
5F173AC42
5F173AC44
5F173AC52
5F173AD02
5F173AF96
5F173AH03
5F173AL21
5F173AR99
(57)【要約】
本願の実施例は、垂直共振器面発光レーザー及び製造方法を提供する。該垂直共振器面発光レーザーは、基板と、基板の表面に位置してアレイ配列される発光ユニットとを備え、そのうち、発光ユニットには、発光孔、貫通孔及び酸化トレンチが設けられており、発光孔は、光線を出射するために用いられ、貫通孔は発光孔を取り囲んで設けられ、酸化トレンチは発光孔を取り囲んで設けられ、貫通孔及び/又は酸化トレンチは、少なくとも2つの発光ユニットに共用される。本願の実施例に係る技術案は、垂直共振器面発光レーザーにおける発光ユニットの間のサイズを低減した。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(10)と、
前記基板(10)の表面に位置してアレイ配列される発光ユニット(20)と、を備え、
前記発光ユニット(20)には、発光孔(21)、貫通孔(22)及び酸化トレンチ(23)が設けられており、前記発光孔(21)は、光線を出射するために用いられ、前記貫通孔(22)は、前記発光孔(21)を取り囲んで設けられ、前記酸化トレンチ(23)は、前記発光孔(21)を取り囲んで設けられ、
前記貫通孔(22)と前記酸化トレンチ(23)のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの前記発光ユニット(20)に共用される、
垂直共振器面発光レーザー。
【請求項2】
同じ前記発光孔(21)を取り囲む前記酸化トレンチ(23)は、S個の酸化サブトレンチを備え、前記Sの取り値が2以上の偶数を含み、及び/又は、
同じ前記発光孔(21)を取り囲む前記貫通孔(22)は、Q個のサブ位置規制孔を備え、前記Qの取り値が2以上の偶数を含む、
請求項1に記載の垂直共振器面発光レーザー。
【請求項3】
S個の前記酸化サブトレンチは、同じ前記発光孔(21)を周回する周方向に等間隔に設けられる、
請求項2に記載の垂直共振器面発光レーザー。
【請求項4】
Q個の前記サブ位置規制孔は、同じ前記発光孔(21)を周回する周方向に等間隔に設けられる、
請求項2に記載の垂直共振器面発光レーザー。
【請求項5】
同じ前記発光孔(21)を周回する周方向には、前記同じ発光孔(21)を取り囲む前記酸化サブトレンチと、同じ前記発光孔(21)を取り囲む前記サブ位置規制孔とが、間隔的に設けられ、前記酸化サブトレンチと前記サブ位置規制孔との前記基板(10)における投影面積には重なりがない、
請求項2に記載の垂直共振器面発光レーザー。
【請求項6】
同じ前記発光孔(21)を取り囲む前記酸化サブトレンチの前記発光孔(21)に隣接する側と前記発光孔(21)との間隔は、同じ前記発光孔(21)を取り囲む前記サブ位置規制孔の前記発光孔(21)に隣接する側と前記発光孔(21)との間隔に等しい、
請求項5に記載の垂直共振器面発光レーザー。
【請求項7】
前記発光ユニット(20)は、
前記基板(10)の表面に位置する第1の反射ミラー(20a)と、
前記第1の反射ミラー(20a)の前記基板(10)から離れた表面に位置する活性層(20b)と、
前記活性層(20b)の前記基板(10)から離れた表面に位置し、前記基板(10)から離れた表面に第2の反射ミラー(20c)、前記活性層(20b)及び一部の前記第1の反射ミラー(20a)を貫通する前記酸化トレンチ(23)が設けられている第2の反射ミラー(20c)と、
前記第2の反射ミラー(20c)の前記基板(10)から離れた側の表面並びに前記酸化トレンチ(23)の底面及び側面を覆い、前記基板(10)における投影に一部の前記第2の反射ミラー(20c)が露出する貫通孔(22)が設けられている第1のパッシベーション層(24)と、
前記第1のパッシベーション層(24)の前記基板(10)から離れた表面に位置し、前記貫通孔(22)を介して前記第2の反射ミラー(20c)に接続される第1のパッド(25)と、を備える、
請求項1に記載の垂直共振器面発光レーザー。
【請求項8】
前記第1のパッシベーション層(24)と前記第2の反射ミラー(20c)との間に位置し、貫通孔(22)が貫通する第2のパッシベーション層(26)がさらに備えられる、
請求項7に記載の垂直共振器面発光レーザー。
【請求項9】
前記第2の反射ミラー(20c)内に位置し、前記基板(10)における投影が前記発光孔(21)の前記基板における投影内に位置する酸化孔(28a)を囲んでなす酸化層(28b)がさらに備えられる、
請求項7に記載の垂直共振器面発光レーザー。
【請求項10】
基板(10)を提供することと、
前記基板(10)の表面に、アレイ配列される発光ユニット(20)を形成することと、を含み、
前記発光ユニット(20)には、発光孔(21)、貫通孔(22)及び酸化トレンチ(23)が設けられており、前記発光孔(21)は、光線を出射するために用いられ、前記貫通孔(22)は、前記発光孔(21)を取り囲んで設けられ、前記酸化トレンチ(23)は、前記発光孔(21)を取り囲んで設けられ、
前記貫通孔(22)と前記酸化トレンチ(23)のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの前記発光ユニット(20)に共用される、
垂直共振器面発光レーザーの製造方法。
【請求項11】
前記基板(10)の表面にアレイ配列される発光ユニット(20)を形成することは、
前記基板(10)の表面に第1の反射ミラー(20a)を形成することと、
前記第1の反射ミラー(20a)の前記基板(10)から離れた表面に活性層(20b)を形成することと、
前記活性層(20b)の前記基板(10)から離れた表面に第2の反射ミラー(20c)を形成し、前記第2の反射ミラー(20c)の前記基板(10)から離れた表面には、前記第2の反射ミラー(20c)、前記活性層(20b)及び一部の前記第1の反射ミラー(20a)を貫通する前記酸化トレンチ(23)が設けられていることと、
前記第2の反射ミラー(20c)の前記基板(10)から離れた側の表面並びに前記酸化トレンチ(23)の底面及び側面に第1のパッシベーション層(24)を形成し、前記第1のパッシベーション層(24)の前記基板(10)から離れた表面には前記貫通孔(22)が設けられており、前記貫通孔(22)の前記基板(10)における投影に一部の前記第2の反射ミラー(20c)が露出することと、
前記第1のパッシベーション層(24)の前記基板(10)から離れた表面に第1のパッド(25)を形成し、前記第1のパッド(25)が前記貫通孔(22)を介して前記第2の反射ミラー(20c)に接続されることと、を含む、
請求項10に記載の垂直共振器面発光レーザーの製造方法。
【請求項12】
前記活性層(20b)の前記基板(10)から離れた表面に第2の反射ミラー(20c)を形成することの後に、さらに、
前記第2の反射ミラー(20c)の前記基板(10)から離れた表面に第2のパッシベーション層(26)を形成することと、
前記第2のパッシベーション層(26)の前記基板(10)から離れた表面に前記酸化トレンチ(23)を形成し、前記酸化トレンチ(23)が前記第2のパッシベーション層(26)、前記第2の反射ミラー(20c)、前記活性層(20b)及び一部の前記第1の反射ミラー(20a)を貫通することと、を含み、
前記第2の反射ミラー(20c)の前記基板(10)から離れた側の表面並びに前記酸化トレンチ(23)の底面及び側面に第1のパッシベーション層(24)を形成することは、
前記第2のパッシベーション層(26)の前記基板(10)から離れた側の表面並びに前記酸化トレンチ(23)の底面及び側面に第1のパッシベーション層(24)を形成することと、
前記第2のパッシベーション層(26)及び前記第1のパッシベーション層(24)の前記基板(10)から離れた表面に前記貫通孔(22)を形成し、前記貫通孔(22)の前記基板(10)における投影に一部の前記第2の反射ミラー(20c)が露出することと、を含む、
請求項11に記載の垂直共振器面発光レーザーの製造方法。
【請求項13】
前記活性層(20b)の前記基板(10)から離れた表面に第2の反射ミラー(20c)を形成することの後に、さらに、
前記第2の反射ミラー(20c)の前記基板(10)から離れた表面に第2のパッシベーション層(26)を形成することと、
前記第2のパッシベーション層(26)の前記基板(10)から離れた表面に前記酸化トレンチ(23)を形成し、前記酸化トレンチ(23)が前記第2のパッシベーション層(26)、前記第2の反射ミラー(20c)、前記活性層(20b)及び一部の前記第1の反射ミラー(20a)を貫通することと、
酸化工程により、前記第2の反射ミラー(20c)内に、酸化孔(28a)を囲んでなす酸化層(28b)を形成し、前記酸化孔(28a)の前記基板(10)における投影が前記発光孔(21)の前記基板(10)における投影内に位置することと、を含む、
請求項11に記載の垂直共振器面発光レーザーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、半導体の技術分野に関し、例えば垂直共振器面発光レーザー及び製造方法に関する。
【0002】
本願は、2021年11月11日に中国専利局に出願された、出願番号が202111331298.0である中国特許出願の優先権を主張し、上記出願の全ての内容は引用によって本願に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
垂直共振器面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser、VCSEL)は、ガリウム砒素半導体材料をベースに研究製造されたものであり、体積が小さく、閾値電流が低く、高変調周波数で、光ファイバと結合しやすいなどの利点があるため、光通信、光インターコネクション、及び光情報処理などの分野に適用可能なだけでなく、3D(3-dimensional、三次元)認識における構造化光技術の光源として携帯電話、無人運転車両のレーザレーダなどの電子消費分野にも適用可能である。
【0004】
小サイズの垂直共振器面発光レーザーを実現するためには、垂直共振器面発光レーザーにおける発光ユニットの間のサイズを縮小し続ける必要がある。しかしながら、関連技術における垂直共振器面発光レーザーの構造配置に制限され、発光ユニットの間のサイズを縮小し続けることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、垂直共振器面発光レーザー及び製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例は、
基板と、
前記基板の表面に位置してアレイ配列される発光ユニットとを備え、
前記発光ユニットには、発光孔、貫通孔及び酸化トレンチが設けられており、前記発光孔は、光線を出射するために用いられ、前記貫通孔は、前記発光孔を取り囲んで設けられ、前記酸化トレンチは、前記発光孔を取り囲んで設けられ、
前記貫通孔と前記酸化トレンチのうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの前記発光ユニットに共用される、垂直共振器面発光レーザーを提供する。
【0007】
本願の実施例は、
基板を提供することと、
前記基板の表面に、アレイ配列される発光ユニットを形成することと、を含み、
前記発光ユニットには、発光孔、貫通孔及び酸化トレンチが設けられており、前記発光孔は、光線を出射するために用いられ、前記貫通孔は、前記発光孔を取り囲んで設けられ、前記酸化トレンチは、前記発光孔を取り囲んで設けられ、
前記貫通孔と前記酸化トレンチのうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの前記発光ユニットに共用される、垂直共振器面発光レーザーの製造方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】関連技術に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの平面図である。
【
図2】関連技術に係る他の垂直共振器面発光レーザーの平面図である。
【
図3】
図1におけるA1-A2方向の断面構造模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの構造模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る他の垂直共振器面発光レーザーの構造模式図である。
【
図6】本願の実施例に係る更なる垂直共振器面発光レーザーの平面図である。
【
図7】
図4~
図6におけるB1-B2方向の断面構造模式図である。
【
図8】
図5及び
図6におけるB3-B4方向の断面構造模式図である。
【
図9】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法のフローの模式図である。
【
図10】
図9のステップ120に含まれるフローの模式図である。
【
図11】
図10のステップ1203に含まれる1つのフローの模式図である。
【
図12】
図10のステップ1204に含まれるフローの模式図である。
【
図13】
図10のステップ1203に含まれる他のフローの模式図である。
【
図14】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する1つの構造図である。
【
図15】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する他の構造図である。
【
図16】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する他の構造図である。
【
図17】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する他の構造図である。
【
図18】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する他の構造図である。
【
図19】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する他の構造図である。
【
図20】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する他の構造図である。
【
図21】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する他の構造図である。
【
図22】本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する他の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本願についてさらに詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことを理解すべきである。なお、説明を容易にするために、図面には、全ての構造ではなく、本願に関連する一部のみを示している。
【0010】
上記背景技術に記載されている通り、関連技術における垂直共振器面発光レーザーの構造配置に制限され、発光ユニットの間のサイズは、縮小し続けることができない。
図1は、関連技術に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの平面図である。
図2は、関連技術に係る他の垂直共振器面発光レーザーの平面図である。
図3は、
図1におけるA1-A2方向の断面構造模式図である。
図1~
図3を参照し、出願人が鋭意検討した結果、関連技術における垂直共振器面発光レーザーは、基板10と、アレイ配列される発光ユニット20とを備え、発光ユニット20が基板10又はエピタキシャル層(図示せず)の表面に位置し、各発光ユニット20にいずれも発光孔21、貫通孔22及び酸化トレンチ23が設けられていることを見出した。各発光ユニット20にはいずれも、発光孔21を取り囲む貫通孔22及び酸化トレンチ23が設けられており、貫通孔22は、発光孔21を取り囲んで設けられ、酸化トレンチ23は、貫通孔22を取り囲んで設けられる。発光ユニット20の間に貫通孔22が共用される状況は存在せず、かつ発光ユニット20の間に酸化トレンチ23が共用される状況はない。したがって、発光ユニット20の間の空き領域の面積が比較的大きく、これにより、発光ユニット20の間のサイズは、縮小し続けることができなくなる。
図1には第1のパッド25が示されていない。
図3には、第1のパッド25、第1のパッシベーション層24、第1のパッド金属接触層25a及び第2のパッド29がさらに示されている。
【0011】
上記課題に対して、本願の実施例は、以下の技術案を提供する。
図4は、本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの構造模式図である。
図5は、本願の実施例に係る他の垂直共振器面発光レーザーの構造模式図である。
図4及び
図5を参照し、該垂直共振器面発光レーザーは、基板10と、基板10の表面に位置してアレイ配列される発光ユニット20と、を備え、そのうち、発光ユニット20には、発光孔21、貫通孔22及び酸化トレンチ23が設けられており、発光孔21は、光線を出射するために用いられ、貫通孔22は、発光孔21を取り囲んで設けられ、酸化トレンチ23は、発光孔21を取り囲んで設けられ、貫通孔22及び/又は酸化トレンチ23は、少なくとも2つの発光ユニット20に共用される。
【0012】
なお、貫通孔22は、発光ユニット20に電気信号を提供するパッドが置かれるために用いられる。そのうち、パッドは、P型パッド又はN型パッドであってよい。
【0013】
図4及び
図5には、例示的に16個の発光ユニット20が示されている。貫通孔22は発光孔21を取り囲んで設けられる。
図4を参照し、貫通孔22は、少なくとも3つの発光ユニット20に共用される。なお、図面に示されていないが、発光ユニット20が1行又は1列となるものを備える場合、貫通孔22は少なくとも2つの発光ユニット20に共用される。
【0014】
図4及び
図5を参照し、酸化トレンチ23は、発光孔21を取り囲んで設けられる。
図4には、酸化トレンチ23は、4つの発光ユニット20に共用される。
図5には、酸化トレンチ23は、少なくとも3つの発光ユニット20に共用される。なお、図面に示されていないが、発光ユニット20が1行又は1列となるものを備える場合、酸化トレンチ23は少なくとも2つの発光ユニット20に共用される。
【0015】
本願の実施例に係る技術案においては、貫通孔22及び/又は酸化トレンチ23が少なくとも2つの発光ユニット20に共用されることは、発光ユニット20の間に貫通孔22が共用されることが存在しない、及び発光ユニット20の間に酸化トレンチ23が共用されないという技術案と比べて、貫通孔22及び/又は酸化トレンチ23が異なる発光ユニット20に共用され、貫通孔22及び/又は酸化トレンチ23が発光ユニット20の間の空き領域を占めることができ、発光ユニット20の間のサイズが縮小されて、発光ユニット20の密度及び垂直共振器面発光レーザーが発光する電力密度が高められた。
【0016】
図6は、本願の実施例に係る更なる垂直共振器面発光レーザーの平面図である。
図4~
図6を参照し、一実施例において、同じ発光孔21を取り囲む酸化トレンチ23は、S個の酸化サブトレンチを備え、そのうち、Sの取り値が2以上の偶数を含み、及び/又は、同じ発光孔を取り囲む貫通孔22は、Q個のサブ位置規制孔を備え、そのうち、Qの取り値が2以上の偶数を含み、酸化サブトレンチとサブ位置規制孔との基板における投影面積には重なりがない。
【0017】
例示的には、
図4を参照し、酸化トレンチ23は、4つの酸化サブトレンチを備える。
図5及び
図6を参照し、酸化トレンチ23は、6つの酸化サブトレンチを備える。
図6を参照し、同じ発光孔21を取り囲む貫通孔22は、6つのサブ位置規制孔を備え、そのうち、酸化サブトレンチの境界と貫通孔22の境界とは隙間を有し、即ち、酸化サブトレンチの基板10における投影面積と、貫通孔22の基板10における投影面積とは重ならない。
【0018】
例えば、酸化トレンチ23が1つの一体的なものである垂直共振器面発光レーザーと比べて、本願の実施例では、酸化トレンチ23は、複数の離間された酸化サブトレンチとして構成され、酸化サブトレンチを発光ユニット20の間の空き領域に設けることができ、発光ユニット20の間のサイズがさらに縮小され、発光ユニット20の密度及び垂直共振器面発光レーザーが発光する電力密度がさらに高められた。貫通孔22が1つの一体的なものである垂直共振器面発光レーザーと比べて、本願の実施例では、貫通孔22は、複数の離間されたサブ位置規制孔として構成され、サブ位置規制孔を発光ユニット20の間の空き領域に設けることができ、発光ユニット20の間のサイズがさらに縮小されて、発光ユニット20の密度及び垂直共振器面発光レーザーが発光する電力密度がさらに高められた。
【0019】
一実施例において、上記技術案に基づいて、
図4~
図6を参照し、S個の酸化サブトレンチは、同じ発光孔21を周回する周方向に等間隔に設けられる。
【0020】
例えば、S個の酸化サブトレンチは、同じ発光孔21を周回する周方向に等間隔に設けられ、酸化トレンチ23におけるS個の酸化サブトレンチの配置の難度が簡単化された。
【0021】
一実施例において、上記技術案に基づいて、Q個のサブ位置規制孔は、同じ発光孔21を周回する周方向に等間隔に設けられる。
【0022】
例えば、サブ位置規制孔が同じ発光孔21を周回する周方向に等間隔に設けられ、貫通孔22におけるQ個のサブ位置規制孔の配置の難度が簡単化された。
【0023】
一実施例において、上記技術案に基づいて、
図6を参照し、同じ発光孔21を周回する周方向には、同じ発光孔21を取り囲む酸化サブトレンチと、同じ発光孔21を取り囲むサブ位置規制孔とが、間隔的に設けられる。
【0024】
例えば、同じ発光孔21を周回する周方向には、同じ発光孔21を取り囲む酸化サブトレンチと、同じ発光孔21を取り囲むサブ位置規制孔とが、間隔的に設けられ、貫通孔22と酸化トレンチ23とが共同に囲んで1つの発光孔21をなし、酸化トレンチ23が発光孔21から離れた距離がさらに短縮され、発光ユニット20の間のサイズがさらに縮小されて、発光ユニット20の密度及び垂直共振器面発光レーザーが発光する電力密度が高められた。
【0025】
一実施例において、上記技術案に基づいて、
図6を参照し、同じ発光孔21を取り囲む酸化サブトレンチの発光孔21に隣接する側と発光孔21との間隔は、同じ発光孔21を取り囲むサブ位置規制孔の発光孔21に隣接する側と発光孔21との間隔に等しい。
【0026】
例えば、酸化サブトレンチとサブ位置規制孔とを利用して共同に囲んで発光孔21をなすことは、酸化トレンチ23の発光孔21に隣接する側と発光孔21との間隔が貫通孔22の発光孔21に隣接する側と発光孔21との間隔より大きいという技術案と比べて、本願の実施例に係る技術案が、酸化トレンチ23が発光孔21から離れた距離がさらに短縮され、発光ユニット20の間のサイズがさらに縮小されて、発光ユニット20の密度及び垂直共振器面発光レーザーが発光する電力密度が高められた。
【0027】
図7は、
図4~
図6におけるB1-B2方向の断面構造模式図である。
図8は、
図5及び
図6におけるB3-B4方向の断面構造模式図である。なお、
図4~
図6の平面図には、第1のパッド25が示されていない。一実施例において、上記技術案に基づいて、
図7を参照し、発光ユニット20は、基板10の表面に位置する第1の反射ミラー20aと、第1の反射ミラー20aの基板10から離れた表面に位置する活性層20bと、活性層20bの基板10から離れた表面に位置し、基板10から離れた表面に第2の反射ミラー20c、活性層20b及び一部の第1の反射ミラー20aを貫通する酸化トレンチ23が設けられている第2の反射ミラー20cと、第2の反射ミラー20cの基板10から離れた側の表面並びに酸化トレンチ23の底面及び側面を覆い、基板10における投影に一部の第2の反射ミラー20cが露出する貫通孔22が設けられている第1のパッシベーション層24と、第1のパッシベーション層24の基板10から離れた表面に位置し、貫通孔22を介して第2の反射ミラー20cに接続される第1のパッド25と、を備える。
【0028】
例えば、第1のパッシベーション層24は、第1のパッド25と第1の反射ミラー20aとの間の電気的絶縁を実現可能である。一実施例において、基板10の発光ユニット20から離れた側に位置する第2のパッド29がさらに備えられる。例示的には、第1のパッド25がP型パッドである場合、第2のパッド29はN型パッドである。第1のパッド25がN型パッドである場合、第2のパッド29はP型パッドである。第1の反射ミラー20aと第2の反射ミラー20cとは、屈折率が異なり、光学的厚さがいずれも4分の1波長の奇数倍である半導体材料が周期的に成長してなされることがわかる。活性層20bは、量子井戸発光材料であり、それが電流信号の作用下で発光し、発光した光は、第1の反射ミラー20aと第2の反射ミラー20cとの間に反射された後に第2の反射ミラー20cから出射される。本願の実施例は、図面に示された垂直共振器面発光レーザーが発光した光が第2の反射ミラー20cから出射されるものを含む以外、垂直共振器面発光レーザーが発光した光が第1の反射ミラー20aから出射される技術案を含んでもよい。
【0029】
例えば、第1のパッド25は、第1の電流信号を第2の反射ミラー20cに印加し、そのうち、第1のオーミック接触層27は、第2の反射ミラー20cの基板10から離れた表面に形成され、即ち、第1のオーミック接触層27は、第1のパッド25と第2の反射ミラー20cとの間に設けられる。各発光ユニット20の第1の反射ミラー20aは、第2のパッド29を介して第2の電流信号を取得する。電流信号の作用下で、活性層20bは発光し、発光した光が、第1の反射ミラー20aと第2の反射ミラー20cとの間に反射された後に第2の反射ミラー20cから出射される。
図4及び
図5に対応し、貫通孔22が囲んだ領域は発光孔21である。
図6に対応し、貫通孔22と酸化トレンチ23が囲んだ領域は発光孔21である。そのうち、本願の実施例において、第1のパッド25及び第2の反射ミラー20cに第1のパッドオーミック金属層が設けられておらず、第1のパッド金属接触層が占める水平方向の空間を省いて酸化トレンチ23を収容するために用いることができ、酸化トレンチ23が発光孔21から離れた距離がさらに短縮され、発光ユニット20の間のサイズがさらに縮小されて、発光ユニット20の密度及び垂直共振器面発光レーザーが発光する電力密度が高められた。
【0030】
一実施例において、
図7及び
図8を参照し、上記技術案に基づいて、第1のパッシベーション層24と第2の反射ミラー20cとの間に位置し、貫通孔22が貫通する第2のパッシベーション層26がさらに備えられる。
【0031】
例えば、第2のパッシベーション層26は、酸化トレンチ23を形成している時に、発光ユニット20に対応する膜層に対して保護作用を果たすことができる。なお、第1のパッシベーション層24及び第2のパッシベーション層26の厚さを制御することにより、第1のパッシベーション層24及び第2のパッシベーション層26は、発光ユニット20が発光した光を透過することができる。
【0032】
一実施例において、第1のオーミック接触層27が形成された後に、第2のパッシベーション層26は、第1のパッシベーション層24と第1のオーミック接触層27との間に位置してもよい。
【0033】
一実施例において、上記技術案に基づいて、
図7及び
図8を参照し、第2の反射ミラー20c内に位置し、基板10における投影が発光孔21の基板10における投影内に位置する酸化孔28aを囲んでなす酸化層28bがさらに備えられる。
【0034】
例えば、酸化孔28aは酸化層28bが囲んでなすものであり、アルミニウム組成層28は酸化された後に酸化層28bを形成し、酸化孔28aは、酸化されていないアルミニウム組成層である。そのうち、アルミニウム組成層はAlAs又はAlGaAsの層であってよい。そのうち、アルミニウム組成層におけるアルミニウム組成の割合は第2の反射ミラー20c内で最も高い。酸化孔28aの大きさは、発光孔21における発光点の大きさを限定することができる。
【0035】
図9は本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法のフローの模式図である。
図14~
図22は、本願の実施例に係る1つの垂直共振器面発光レーザーの製造方法の各ステップに対応する構造図である。
【0036】
本願の実施例は、垂直共振器面発光レーザーの製造方法をさらに提供する。
図9を参照し、該方法は以下のステップを含む。
【0037】
ステップ110において、基板を提供する。
【0038】
図14を参照し、基板10が提供される。基板10は、半導体材料、例えばガリウム砒素半導体材料を選択することができる。
【0039】
ステップ120において、基板の表面にアレイ配列される発光ユニットを形成する。
そのうち、発光ユニットには、発光孔、貫通孔及び酸化トレンチが設けられており、発光孔は、光線を出射するために用いられ、貫通孔は、発光孔を取り囲んで設けられ、酸化トレンチは、発光孔を取り囲んで設けられ、貫通孔及び/又は酸化トレンチは、少なくとも2つの発光ユニットに共用される。
【0040】
図4~
図6を参照し、基板にアレイ配列される発光ユニット20である。発光ユニット20には、発光孔21、貫通孔22及び酸化トレンチ23が設けられており、発光孔21は、光線を出射するために用いられ、貫通孔22は、発光孔21を取り囲んで設けられ、酸化トレンチ23は、発光孔21を取り囲んで設けられ、貫通孔22及び/又は酸化トレンチ23は、少なくとも2つの発光ユニット20に共用される。
【0041】
例示的には、
図4及び
図5を参照し、
図4及び
図5には、例示的に16個の発光ユニット20が示されている。貫通孔22は発光孔21を取り囲んで設けられる。
図4を参照し、貫通孔22は、4つの発光ユニット20に共用される。なお、図面に示されていないが、発光ユニット20が1行又は1列となるものを備える場合、貫通孔22は2つの発光ユニットに共用される。
【0042】
図4及び
図5を参照し、酸化トレンチ23は、発光孔21を取り囲んで設けられる。
図4において、酸化トレンチ23は、4つの発光ユニット20に共用される。
図5において、酸化トレンチ23は、3つの発光ユニット20に共用される。なお、図面に示されていないが、発光ユニット20が1行又は1列となるものを備える場合、酸化トレンチ23は2つの発光ユニットに共用される。
【0043】
本願の実施例に係る技術案において、貫通孔22及び/又は酸化トレンチ23が少なくとも2つの発光ユニット20に共用されることは、発光ユニット20の間に貫通孔22が共用されることが存在しない、及び発光ユニット20の間に酸化トレンチ23が共用されないという技術案と比べて、貫通孔22及び/又は酸化トレンチ23が異なる発光ユニット20に共用され、貫通孔22及び/又は酸化トレンチ23が発光ユニット20の間の空き領域を占めることができ、発光ユニット20の間のサイズが縮小されて、発光ユニット20の密度及び垂直共振器面発光レーザーが発光する電力密度が高められた。
【0044】
図10は、
図9のステップ120に含まれるフローの模式図である。一実施例において、
図10を参照し、ステップ120において、基板の表面にアレイ配列される発光ユニットを形成することは、以下を含む。
【0045】
ステップ1201において、基板の表面に第1の反射ミラーを形成する。
【0046】
図15を参照し、基板10の表面に第1の反射ミラー20aが形成される。
【0047】
ステップ1202において、第1の反射ミラーの基板から離れた表面に活性層を形成する。
【0048】
図16を参照し、第1の反射ミラー20aの基板10から離れた表面に活性層20bが形成される。
【0049】
ステップ1203において、活性層の基板から離れた表面に第2の反射ミラーを形成し、そのうち、第2の反射ミラーの基板から離れた表面には、第2の反射ミラー、活性層及び一部の第1の反射ミラーを貫通する酸化トレンチが設けられている。
【0050】
図19を参照し、活性層20bの基板10から離れた表面に第2の反射ミラー20cが形成され、そのうち、第2の反射ミラー20cの基板10から離れた表面には、第2の反射ミラー20c、活性層20b及び一部の第1の反射ミラー20aを貫通する酸化トレンチ23が設けられている。
【0051】
ステップ1204において、第2の反射ミラーの基板から離れた側の表面並びに酸化トレンチの底面及び側面に第1のパッシベーション層を形成する。
そのうち、第1のパッシベーション層の基板から離れた表面には貫通孔が設けられており、貫通孔の基板における投影に一部の第2の反射ミラーが露出する。
【0052】
図21~22を参照し、第2の反射ミラー20cの基板10から離れた側の表面並びに酸化トレンチ23の底面及び側面には第1のパッシベーション層24が形成され、そのうち、第1のパッシベーション層24の基板10から離れた表面には、貫通孔22が設けられており、貫通孔22の基板10における投影に一部の第1のオーミック接触層27が露出する。第1のパッシベーション層24は、第1のパッド25と第1の反射ミラー20aとの間の電気的絶縁を実現可能である。
【0053】
ステップ1205において、第1のパッシベーション層の基板から離れた表面に第1のパッドを形成し、そのうち、第1のパッドが貫通孔を介して第2の反射ミラーに接続される。
【0054】
図7を参照し、第1のパッシベーション層の基板から離れた表面には第1のパッド25が形成され、そのうち、第1のパッド25が貫通孔22を介して第2の反射ミラー20cに接続される。
【0055】
そのうち、本願の実施例では、第1のパッド25及び第2の反射ミラー20cに第1のパッド金属接触層が設けられておらず、第1のパッド金属接触層が占める水平方向の空間を省いて酸化トレンチ23を収容するために用いることができ、酸化トレンチ23が発光孔21から離れた距離がさらに短縮され、発光ユニット20の間のサイズがさらに縮小されて、発光ユニット20の密度及び垂直共振器面発光レーザーが発光する電力密度が高められた。
【0056】
一実施例において、
図7を参照し、第1のパッド25が形成された後に、さらに、基板10の発光ユニット20から離れた側の表面に第2のパッド29を形成してもよい。
【0057】
第1の反射ミラー20aと第2の反射ミラー20cは、屈折率が異なり、光学的厚さがいずれも4分の1波長の奇数倍である半導体材料が周期的に成長してなされることがわかる。活性層20bは、量子井戸発光材料であり、それが電流信号の作用下で発光し、発光した光は、第1の反射ミラー20aと第2の反射ミラー20cとの間で反射された後に、第2の反射ミラー20cから出射される。本願の実施例は、図面に示された垂直共振器面発光レーザーが発光した光が第2の反射ミラー20cから出射されるものを含む以外、垂直共振器面発光レーザーが発光した光が第1の反射ミラー20aから出射される技術案を含んでもよい。
【0058】
例えば、第1のパッド25は、第1の電流信号を第2の反射ミラー20cに印加し、そのうち、第1のオーミック接触層27は、第2の反射ミラー20cの基板10から離れた表面に形成され、即ち、第1のオーミック接触層27は、第1のパッド25と第2の反射ミラー20cとの間に設けられる。各発光ユニット20の第1の反射ミラー20aは、第2のパッド29を介して第2の電流信号を取得する。電流信号の作用下で、活性層20bは発光し、発光した光が、第1の反射ミラー20aと第2の反射ミラー20cとの間で反射された後に第2の反射ミラー20cから出射される。
図4及び
図5に対応し、貫通孔22が囲んだ領域は発光孔21である。
図6に対応し、貫通孔22と酸化トレンチ23が囲んだ領域は発光孔21である。
【0059】
図11は、
図10のステップ1203に含まれる1つのフローの模式図である。一実施例において、
図11を参照し、ステップ1203において、活性層の基板から離れた表面に第2の反射ミラーを形成することは、以下を含む。
【0060】
ステップ12031において、活性層の基板から離れた表面に第2の反射ミラーを形成する。
【0061】
図17を参照し、活性層20bの基板10から離れた表面に第2の反射ミラー20cが形成される。
【0062】
一実施例において、
図17を参照し、活性層20bの基板10から離れた表面に第2の反射ミラー20cが形成された後に、さらに、第1のオーミック接触層27を形成してもよい。例えば、第1のオーミック接触層27は、第1のパッド25と第2の反射ミラー20cとの間が良好なオーミック接触を有することを実現可能である。
【0063】
ステップ12032において、第2の反射ミラーの基板から離れた表面に第2のパッシベーション層を形成する。
【0064】
図18を参照し、第2の反射ミラー20cの基板10から離れた表面には第2のパッシベーション層26が形成される。例えば、第2のパッシベーション層26は、酸化トレンチ23を形成している時に、発光ユニット20に対応する膜層に対して保護作用を果たすことができる。
【0065】
ステップ12033において、第2のパッシベーション層の基板から離れた表面に酸化トレンチを形成し、そのうち、酸化トレンチが第2のパッシベーション層、第2の反射ミラー、活性層及び一部の第1の反射ミラーを貫通する。
【0066】
図19を参照し、第2のパッシベーション層26の基板10から離れた表面には酸化トレンチ23が形成され、そのうち、酸化トレンチ23が第2のパッシベーション層26、第2の反射ミラー20c、活性層20b及び一部の第1の反射ミラー20aを貫通する。
【0067】
図12は、
図10のステップ1204に含まれるフローの模式図である。相応的に、
図12を参照し、ステップ1204において、第2の反射ミラーの基板から離れた側の表面並びに酸化トレンチの底面及び側面に第1のパッシベーション層を形成することは、以下を含む。
【0068】
ステップ12041において、第2のパッシベーション層の基板から離れた側の表面並びに酸化トレンチの底面及び側面に第1のパッシベーション層を形成する。
【0069】
図21を参照し、第2のパッシベーション層26の基板10から離れた側の表面並びに酸化トレンチ23の底面及び側面には第1のパッシベーション層24が形成される。
【0070】
ステップ12042において、第2のパッシベーション層及び第1のパッシベーション層の基板から離れた表面に貫通孔を形成する。
そのうち、貫通孔の基板における投影に一部の第2の反射ミラーが露出する。
【0071】
図22を参照し、第2のパッシベーション層26及び第1のパッシベーション層24の基板10から離れた表面には貫通孔22が形成され、そのうち、貫通孔22の基板10における投影に一部の第1のオーミック接触層27が露出する。
【0072】
図13は、
図10のステップ1203に含まれる他のフローの模式図である。一実施例において、
図13を参照し、ステップ1203において、活性層の基板から離れた表面に第2の反射ミラーを形成することは、以下を含む。
【0073】
ステップ12034において、活性層の基板から離れた表面に第2の反射ミラーを形成する。
【0074】
図17を参照し、活性層20bの基板10から離れた表面には第2の反射ミラー20cが形成される。そのうち、第2の反射ミラー20cの内部にはアルミニウム組成層28が含まれる。そのうち、アルミニウム組成層28におけるアルミニウム組成の割合は第2の反射ミラー20c内で最も高い。
【0075】
ステップ12035において、第2の反射ミラーの基板から離れた表面に第2のパッシベーション層を形成する。
【0076】
図18を参照し、第2の反射ミラー20cの基板10から離れた表面には第2のパッシベーション層26が形成される。
【0077】
ステップ12036において、第2のパッシベーション層の基板から離れた表面に酸化トレンチを形成し、そのうち、酸化トレンチが第2のパッシベーション層、第2の反射ミラー及び活性層を貫通する。
【0078】
図19を参照し、第2のパッシベーション層26の基板10から離れた表面には酸化トレンチ23が形成され、そのうち、酸化トレンチ23が第2のパッシベーション層26、第2の反射ミラー20c及び活性層20bを貫通する。
【0079】
ステップ12037において、酸化工程により、第2の反射ミラー内に、酸化孔を囲んでなす酸化層を形成し、そのうち、酸化孔の基板における投影が発光孔の基板における投影内に位置する。
【0080】
図20を参照し、酸化工程により、第2の反射ミラー20c内には、酸化孔28aを囲んでなす酸化層28bが形成され、そのうち、酸化孔28aの基板10における投影は、発光孔21の基板10における投影内に位置する。例えば、アルミニウム組成層28は酸化された後に酸化層28bを形成し、酸化孔28aは、酸化されていないアルミニウム組成層28である。そのうち、アルミニウム組成層28はAlAs又はAlGaAsの層であってよい。酸化孔28aの大きさは、発光孔21における発光点の大きさを限定することができる。
【0081】
本願の実施例に係る技術案では、貫通孔及び/又は酸化トレンチが少なくとも2つの発光ユニットに共用されることは、発光ユニットの間に貫通孔が共用されることが存在しない、及び発光ユニットの間に酸化トレンチが共用されないという技術案と比べて、貫通孔及び/又は酸化トレンチが異なる発光ユニットに共用され、貫通孔及び/又は酸化トレンチが発光ユニットの間の空き領域を占めることができ、発光ユニットの間のサイズが縮小されて、発光ユニットの密度及び垂直共振器面発光レーザーが発光する電力密度が高められた。
【0082】
上記は、本願のいくつかの実施例及び運用される技術原理に過ぎないことを注意されたい。当業者は、本願がここに記載された特定の実施例に限定されず、当業者として、本願の保護範囲から逸脱することなく、各種の明らかな変化、再調整及び置換を行うことができることを理解すべきである。従って、以上の実施例により本願を比較的詳細に説明したが、本願は、以上の実施例のみに限定されず、本発明の構想から逸脱しない限り、他の均等な実施例をより多く含んでもよく、本願の範囲は添付された特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】