IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

特表2023-552019活性炭フィルタを含む副流煙除去装置
<>
  • 特表-活性炭フィルタを含む副流煙除去装置 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】活性炭フィルタを含む副流煙除去装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 13/06 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
A24F13/06 B
A24F13/06 Z
A24F13/06 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574761
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 KR2022016689
(87)【国際公開番号】W WO2023080563
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0148379
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン、キ ジン
(72)【発明者】
【氏名】アン、ビョン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソ、マン ソク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヨン ミ
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ヒェ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヒェ ジョン
(57)【要約】
内部に喫煙空間が形成されているハウジングと、前記ハウジングの一端に位置して、前記喫煙空間に喫煙物品が挿入されるための開口を形成している物品挿入部と、前記喫煙空間内に挿入された喫煙物品の上流末端と離隔した状態で位置して、喫煙物品から発生する副流煙を処理する副流煙処理部とを含む副流煙除去装置が提供される。前記副流煙処理部は、前記副流煙が通過できるように複数のホールを含む圧着活性炭を含むフィルタと、前記副流煙がフィルタを通過して排気されるようにする排気ファンとを含む。前記副流煙除去装置は、副流煙除去装置内で喫煙のための適当な流量を確保しながら、副流煙除去率および匂い除去効果の面で優れた機能性を確保することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
副流煙除去装置であって、
前記副流煙除去装置は、
内部に喫煙空間が形成されているハウジングと、
前記ハウジングの一端に位置して、前記喫煙空間に喫煙物品が挿入されるための開口を形成している物品挿入部と、
前記喫煙空間内に挿入された前記喫煙物品の上流末端と離隔した状態で位置して、前記喫煙物品から発生する副流煙を処理する副流煙処理部とを含み、
前記副流煙処理部は、
前記副流煙が通過できるように複数のホールを含む圧着活性炭を含むフィルタと、
前記副流煙がフィルタを通過して排気されるようにする排気ファンとを含む副流煙除去装置。
【請求項2】
前記圧着活性炭は、適用される位置において副流煙除去装置内部の垂直断面に合わせて加工される請求項1に記載の副流煙除去装置。
【請求項3】
前記ホールの垂直断面積は、5mmから20mmである請求項1に記載の副流煙除去装置。
【請求項4】
前記副流煙除去装置内部の垂直断面積は、100mmから2500mmである請求項2に記載の副流煙除去装置。
【請求項5】
前記複数のホールは、圧着活性炭に25個から100個が形成された請求項1から4のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【請求項6】
前記副流煙除去装置内部の垂直断面は、四角形である請求項2または4に記載の副流煙除去装置。
【請求項7】
前記ホールの垂直断面は、円形である請求項1から4のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【請求項8】
前記圧着活性炭の厚さは、4mmから25mmである請求項1から4のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【請求項9】
前記副流煙除去装置において排気ファンが作動する状態でフィルタを通過する気体の流量は、0.8L/minから2.0L/minである請求項1から4のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【請求項10】
前記副流煙除去装置は、排気ファンとフィルタとの間の垂直断面が分離され、露出したフィルタが着脱可能な形態である請求項1から4のいずれか一項に記載の副流煙除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭フィルタを含む副流煙除去装置に関する。具体的には、副流煙が通過できるように複数のホールを含む圧着活性炭を含む圧着活性炭フィルタを含む副流煙除去装置に関する。
【0002】
本出願は、2021年11月2日付の韓国特許出願第10-2021-0148379号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容を本明細書の一部として含む。
【背景技術】
【0003】
喫煙により発生するタバコの煙は、タバコフィルタを通過して口に伝達される主流煙(main stream smoke)と、フィルタを通過せずに大気中に発生する副流煙(side stream smoke)とに区分することができる。
【0004】
副流煙除去装置は、指の匂い低減、副流煙(side stream smoke)除去(浄化)などを目的として考案された一種の喫煙補助器具である。前記副流煙除去装置は、通常、内部に密閉された喫煙空間と副流煙除去手段とを備えており、使用者は副流煙除去装置内部の喫煙空間に巻きタバコを挿入して喫煙することができる。
【0005】
前記副流煙除去装置の機能性を向上させるためには、喫煙時に発生する多量の副流煙を効果的に除去できるフィルタが要求される。特に、副流煙除去装置の場合、フィルタのサイズが大きくないながらも、多量の副流煙に対しても優れた消臭力を有するフィルタが要求され、本発明者はこれに関する持続的な研究の末に、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開US2019/0307165号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
副流煙を効果的に除去できるフィルタを含む副流煙除去装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1側面によれば、
内部に喫煙空間が形成されているハウジングと、前記ハウジングの一端に位置して、前記喫煙空間に喫煙物品が挿入されるための開口を形成している物品挿入部と、前記喫煙空間内に挿入された喫煙物品の上流末端と離隔した状態で位置して、喫煙物品から発生する副流煙を処理する副流煙処理部とを含む副流煙除去装置が提供される。
【0009】
本発明の一具体例において、前記副流煙処理部は、前記副流煙が通過できるように複数のホールを含む圧着活性炭を含むフィルタと、前記副流煙がフィルタを通過して排気されるようにする排気ファンとを含む。
【0010】
本発明の一具体例において、前記圧着活性炭は、適用される位置において副流煙除去装置内部の垂直断面に合わせて加工される。
【0011】
本発明の一具体例において、前記ホールの垂直断面積は、5mm~20mmである。
【0012】
本発明の一具体例において、前記副流煙除去装置内部の垂直断面積は、100mm~2500mmである。
【0013】
本発明の一具体例において、前記ホールは、圧着活性炭に25個~100個が形成される。
【0014】
本発明の一具体例において、前記副流煙除去装置内部の垂直断面は、四角形である。
【0015】
本発明の一具体例において、前記ホールの垂直断面は、円形である。
【0016】
本発明の一具体例において、前記圧着活性炭の厚さは、4mm~25mmである。
【0017】
本発明の一具体例において、前記副流煙除去装置において排気ファンが作動する状態でフィルタを通過する気体の流量は、0.8L/min~2.0L/minである。
【0018】
本発明の一具体例において、前記副流煙除去装置は、排気ファンとフィルタとの間の垂直断面が分離され、これによって露出したフィルタが着脱可能な形態である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一具体例による副流煙除去装置は、フィルタとして複数のホールを含む圧着活性炭を用いることにより、副流煙除去装置内で喫煙のための適当な流量を確保しながら、副流煙除去率および匂い除去効果の面で優れた機能性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一具体例による喫煙物品が適用された副流煙除去装置を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体例を例示的な図面を通じて詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されていてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、具体例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が具体例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0022】
また、具体例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。これらの用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結または接続されてもよいが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されてもよいことが理解されなければならない。
【0023】
いずれか1つの具体例に含まれた構成要素と、共通した機能を含む構成要素は、他の具体例において同一の名称を使って説明する。反対の記載がない以上、いずれか1つの具体例に記載した説明は他の実施例にも適用可能であり、重複する範囲で具体的な説明は省略する。
【0024】
本明細書において、用語「喫煙物品(smoking article)」とは、タバコ、タバコ派生物、膨化処理タバコ(expanded tobacco)、再生タバコ(reconstituted tobacco)またはタバコ代用物に基づいているかに関係なく、喫煙可能な任意の製品または喫煙体験を提供可能な任意の製品を意味する。例えば、前記喫煙物品は、巻きタバコ、葉巻(cigar)および小さい葉巻(cigarillo)などのような喫煙可能製品を含むことができる。
【0025】
本明細書において、用語「喫煙物質(smoking material)」とは、煙(smoke)および/またはエアロゾル(aerosol)を発生させたり、喫煙に用いられたりする物質を意味する。例えば、前記喫煙物質は、タバコ物質を含むことができる。前記タバコ物質は、例えば、タバコ葉片、タバコ茎またはこれらから加工された物質などを含むことができる。本発明の一具体例によれば、前記タバコ物質は、粉砕されたタバコの葉、粉砕された再生タバコ、膨化刻みタバコ、膨化主脈および板状葉などを含むことができる。しかし、これに限定されるものではない。
【0026】
本明細書において、用語「上流(upstream)」または「上流方向」は、使用者の口部から遠くなる方向を意味し、用語「下流(downstream)」または「下流方向」は、使用者の口部から近くなる方向を意味する。前記用語は、喫煙物品を構成する要素の相対的位置を説明するために使われる。例えば、図1による喫煙物品2において、フィルタ部は、喫煙物質部の下流または下流方向に位置し、喫煙物質部は、フィルタ部の上流または上流方向に位置する。
【0027】
本明細書において、用語「長手方向(longitudinal direction)」は、喫煙物品または副流煙除去装置の長手方向軸に相応する方向を意味し、用語「垂直方向(perpendicular direction)」は、喫煙物品または副流煙除去装置の長手方向軸に垂直な方向を意味する。
【0028】
本明細書において、用語「パフ(puff)」は、使用者の吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、使用者の口や鼻を通して使用者の口腔内、鼻腔内または肺へ吸い込む状況を意味する。
【0029】
以下、本発明の多様な具体例について、添付した図面により詳しく説明する。
【0030】
本発明は、副流煙除去装置に関し、喫煙時に発生する副流煙を効果的に捕集できるフィルタを含む副流煙除去装置を提供しようとする。本明細書では、副流煙除去装置に対する理解のために、例示的な副流煙除去装置を概略的に示した図1を提供する。本発明の一具体例によれば、前記副流煙除去装置1は、ハウジング11、物品挿入部12、および副流煙処理部16を含む。前記副流煙除去装置1は、バックカバー13、断熱部14、点火部15、メッシュ網17、制御部18、ディスプレイ部19、および温度センサ20をさらに含むことができ、前記構成以外にも、当該技術分野における通常の技術者にとって汎用的な構成要素をさらに含むことができる。例えば、前記副流煙除去装置1は、電気的構成要素(例えば、制御部18、ディスプレイ部19など)に電力を供給するためのバッテリ(図示せず)をさらに含むことができる。また、図1に示された構成要素のうち一部は、副流煙除去装置1の必須の構成要素でなくてもよい。すなわち、副流煙除去装置1は、図示の構成要素のうち一部が省略された形態で実現されてもよい。例えば、副流煙除去装置1は、温度センサ20、ディスプレイ19などの構成要素が省略された形態で実現されてもよい。以下では、副流煙除去装置1の各構成要素について説明する。
【0031】
前記ハウジング11は、副流煙除去装置1の内部に喫煙空間を形成することができ、副流煙除去装置1の外観の少なくとも一部を形成することができる。図1は、ハウジング11が副流煙除去装置1の側壁を指すように示しているが、ハウジング11は、物品挿入部12、バックカバー13、および断熱部14を含む外観形成構造物全部を指すものであってもよい。前記副流煙除去装置1の耐久性を保障し、破損の危険性を最小化するために、ハウジング11は、強固な素材からなることが好ましい。
【0032】
本発明の一具体例によれば、喫煙空間内に外気が円滑に流入できるように、ハウジング11にベントホールAが形成されていてもよい。前記ベントホールAは、喫煙中に外気を流入させることで喫煙物品2の燃焼を促進することができるが、これによって副流煙除去装置1の喫煙機能が大きく向上できる。図1は、ハウジング11に1つのベントホールAが形成されていることを例として示しているが、ベントホールAの個数は、複数個であってもよい。また、前記ベントホールAの形成位置、大きさ、間隔なども多様に設計可能である。前記ベントホールAの開閉の有無および/または開閉の程度は、制御部18によって制御されてもよい。
【0033】
前記物品挿入部12は、ハウジング11の一端(例えば、下流側)に位置し、喫煙物品2が挿入されるための開口を形成することができる。使用者は、物品挿入部12を介して副流煙除去装置1内の喫煙空間に喫煙物品2を挿入することができる。喫煙空間内部の熱が外部に放出されることを遮断するために、物品挿入部12は、断熱性素材からなることが好ましい。また、挿入された喫煙物品2が揺れるのを防止するために、物品挿入部12は、喫煙物品2を支えられるホルダ構造からなることが好ましい。
【0034】
本発明の一具体例によれば、前記物品挿入部12が開口の大きさを調節可能な構造からなる。例えば、前記物品挿入部12は、手動操作によって開口を締めたり緩く拡張したりすることができる構造からなる。他の例として、前記物品挿入部12は、喫煙物品2に合わせて自動的に開口を締めるように構成されてもよい。より具体的な例として、前記物品挿入部12が制御部18によって制御され、制御部18がセンサにより喫煙物品2が挿入されることを検知したり、使用者の入力(例えば、ボタンプッシュ)が受信される時、物品挿入部12の開口を締めるように制御したりしてもよい。本発明の一具体例によれば、開口の大きさが喫煙物品2に合わせて調節されることにより、喫煙物品2の振れ現象が防止され、支持安定性が向上できる。さらに、多様な大きさの喫煙物品2が挿入可能になって、副流煙除去装置1の活用性も向上できる。
【0035】
前記喫煙物品2は、下流に位置したフィルタ部と、フィルタ部の上流末端と接境する喫煙物質部とで構成される。ただし、喫煙物品2の細部構造は、いくらでも変更可能である。前記フィルタ部は、煙を濾過可能なフィルタ物質を含むことができ、前記喫煙物質部は、喫煙物質を含むことができる。前記喫煙物品2の例としては、燃焼型巻きタバコが挙げられるが、これに限定されるものではなく、喫煙物品2は、喫煙時に副流煙が発生する任意の物品を含むことができる。
【0036】
前記副流煙処理部16は、喫煙空間内に挿入された喫煙物品2の上流末端と離隔した状態で位置して、喫煙物品から発生する副流煙に対する各種処理を行うことができる。例えば、前記副流煙処理部16は、挿入された喫煙物品2とバックカバー13との間に位置して、副流煙に対する浄化機能を行うことができる。また、前記副流煙処理部16は、浄化された副流煙を外部によく排出させる排気機能をさらに行うこともできる。ただし、前記副流煙処理部16の細部構造および動作方式は多様に設計可能であり、これは具体例によって異なる。
【0037】
本発明の一具体例によれば、図1に示されるように、前記副流煙処理部16が、フィルタ16Aと排気ファン16Bとを含むように構成される。前記フィルタ16Aは、副流煙を濾過して副流煙に対する浄化機能を行い、前記排気ファン16Bは、副流煙に対する排気機能を行うことができる。例えば、前記排気ファン16Bは、回転により副流煙をフィルタ16A側に吸い寄せ、前記フィルタ16Aを通過した副流煙を外部に円滑に排出させることができる。前記排気ファン16Bの動作は、制御部18によって制御可能である。
【0038】
前記フィルタ16Aは、活性炭を含むことができる。本発明の一具体例によれば、前記活性炭は、適用される位置において副流煙除去装置内部の垂直断面に合わせて加工された圧着活性炭であり、副流煙が通過できるように複数のホールBを含む。前記圧着活性炭は、複数の粒子状の活性炭が圧着されて特定の形状を有する活性炭を意味する。本発明の一具体例により副流煙除去装置に適用される圧着活性炭は、適用される位置において副流煙除去装置内部の垂直断面に合わせて加工され、一定水準以上の厚さを有するため、ホールBなしには副流煙が容易に通過することができない。
【0039】
本発明の一具体例によれば、前記ホールの垂直断面積は、5mm~20mmである。前記ホールの垂直断面積は、基本的に1つのホールに対するものであり、ホールは、円形または多角形柱の形態であるため、長手方向のいかなる地点を基準としても、垂直断面の形状は大きな差がない。具体的には、前記ホールの垂直断面積は、5mm以上、6mm以上、7mm以上かつ、20mm以下、18mm以下、16mm以下、14mm以下であり、5mm~20mm、6mm~16mm、7mm~14mmであってもよい。前記範囲未満の場合、排気ファン16Bを用いても十分な流量を確保しにくくて、副流煙の処理速度が低下するだけでなく、副流煙除去装置内に気体の流れが円滑でなくて、喫煙物品が燃焼されにくいことがある。前記範囲超過の場合、流量は増加できるが、副流煙がフィルタによって捕集されず、そのまま通過する比率も増加し、副流煙の除去効率が低下することがある。ホールの垂直断面積が小さくて発生しうる流量に関連する問題は、複数のホールを導入することにより解消することができる。
【0040】
本発明の一具体例によれば、前記副流煙除去装置内部の垂直断面積は、100mm~2500mmである。前記副流煙除去装置の内部は、活性炭(すなわち、フィルタ)が適用される位置を基準とし、当該断面積に合わせて圧着活性炭が加工される。前記副流煙除去装置内部の垂直断面は、円形または多角形のような多様な形状を有することができる。副流煙除去装置の内部は、活性炭(すなわち、フィルタ)が適用される所と、喫煙物品が適用される所の垂直断面の形状および大きさが異なっていてもよい。活性炭(すなわち、フィルタ)が適用される所の副流煙除去装置の内部は、フィルタの副流煙除去効率などを考慮して垂直断面の形状や大きさが調節可能である。具体的には、前記副流煙除去装置内部の垂直断面積は、100mm以上、200mm以上、300mm以上、400mm以上、500mm以上、600mm以上かつ、2500mm以下であり、100mm~2500mm、300mm~2500mm、500mm~2500mm、600mm~2500mmであってもよい。前記範囲未満の場合、圧着活性炭において十分な大きさと量のホールを導入しにくく、前記範囲超過の場合、副流煙除去装置の小型化の面で好ましくない。
【0041】
本発明の一具体例によれば、前記ホールは、圧着活性炭に25個~100個が形成される。前記ホールが複数個存在することにより、副流煙除去効率を高めることができる。具体的には、前記ホールの個数は、25個以上、30個以上、35個以上、40個以上、45個以上、50個以上、55個以上、60個以上かつ、100個以下、98個以下、96個以下、94個以下、92個以下、90個以下であり、25個~100個、40個~94個、60個~90個であってもよい。前記範囲未満の場合、副流煙除去効率が高い大きさにホールの大きさを選定する時、十分な水準の流量を確保しにくく、前記範囲超過の場合、前記ホールをすべて導入するためには、圧着活性炭が大きくなければならないため、副流煙除去装置の小型化の面で好ましくない。
【0042】
上述のように、活性炭(すなわち、フィルタ)が適用される所の副流煙除去装置の内部は、フィルタの副流煙除去効率などを考慮して垂直断面の形状が調節可能であり、垂直断面の形状は、例えば、円形または多角形であってもよい。本発明の一具体例によれば、前記副流煙除去装置内部の垂直断面は、四角形である。副流煙除去装置内部の垂直断面が四角形の場合、当該断面積に合わせて加工された圧着活性炭にホールを配置するにあたり、断面積に比べて効果的にホールの個数を増加させることができる。前記副流煙除去装置内部の垂直断面は、長手方向によって必ずしも同じ形状に維持される必要はないため、前記副流煙除去装置の内部は、活性炭(すなわち、フィルタ)が適用される所と、喫煙物品が適用される所の垂直断面の形状および大きさが異なっていてもよい。前記喫煙物品が適用される所の副流煙除去装置内部の垂直断面は、喫煙物品のように円形に製造されることが、装置の小型化および把持の面で有利であり得る。
【0043】
前記圧着活性炭に含まれるホールも、フィルタの副流煙除去効率などを考慮して垂直断面の形状が調節可能であり、垂直断面の形状は、例えば、円形または多角形であってもよい。本発明の一具体例によれば、前記ホールの垂直断面は、円形である。前記ホールの垂直断面が円形の場合、副流煙がホールを通過する時、圧着活性炭の表面に効果的に接触して副流煙除去性能を向上させることができる。
【0044】
本発明の一具体例によれば、前記圧着活性炭の厚さは、4mm~25mmである。前記圧着活性炭の厚さが厚いほど副流煙除去効率が高くなるが、副流煙除去装置の小型化の面で厚さが過度に厚くなることは好ましくない。具体的には、前記圧着活性炭の厚さは、4mm以上、5mm以上、6mm以上、7mm以上、8mm以上、9mm以上、10mm以上かつ、25mm以下であり、4mm~25mm、7mm~25mm、10mm~25mmであってもよい。前記範囲未満の場合、圧着活性炭の耐久性が著しく低下することがあり、前記範囲超過の場合、副流煙除去装置の小型化の面で好ましくない。
【0045】
前記副流煙除去装置における副流煙除去機能において、フィルタは重要な役割を果たす。前記フィルタは、繰り返し使用するほど機能性が低下するため、副流煙除去装置におけるフィルタは、取替や洗浄可能な形態に設計可能である。本発明の一具体例によれば、前記副流煙除去装置は、排気ファンとフィルタとの間の垂直断面が分離され、これによって露出したフィルタが着脱可能な形態に設計可能である。前記分離および着脱は、当該技術分野にて一般的に知られた手段が使用可能であり、例えば、分離および着脱のために、ハウジング11にねじ山を設けることができる。
【0046】
前記排気ファン16Bは、副流煙に対する排気機能を行うことができ、このために、回転などにより、喫煙物品2の燃焼によって発生した副流煙を排気ファン16B側に吸い寄せることができる。本発明の一具体例によれば、前記排気ファン16Bは、2L/min~5L/min、具体的には2.5L/min~4.5L/min、より具体的には3L/min~4L/minの流量で周辺の気体を吸い寄せる。しかし、前記排気ファン16Bが副流煙除去装置1に適用される場合には、副流煙除去装置の内部空間およびフィルタの流路など限られた空間を通して気体を移動させなければならないため、前記排気ファン16Bを通して同じ流量の気体の流れを作ることは難しい。本発明の一具体例によれば、前記副流煙除去装置1において排気ファン16Bが作動する状態でフィルタ16Aを通過する気体の流量は、0.8L/min~2.0L/min、具体的には0.9L/min~1.7L/min、より具体的には1.0L/min~1.4L/minに調節される。前記範囲未満の場合、副流煙除去装置1内の気体の流れが円滑でなくて、副流煙除去効率が低下するだけでなく、喫煙物品2の燃焼にも否定的な影響を及ぼすことがある。前記範囲超過の場合、副流煙がフィルタに存在する時間が過度に短くて、フィルタによる捕集機能性が低下することがある。
【0047】
前記バックカバー13は、ハウジング11の他端(例えば、上流側)に位置して、副流煙除去装置1のカバーとして機能することができる。前記副流煙処理部16により処理された(浄化された)副流煙が外部に排出できるように、バックカバー13には気体排出通路が形成されていてもよい。例えば、前記バックカバー13には、微細ホールなどのような気体排出通路が形成されていてもよい。
【0048】
前記断熱部14は、熱伝導率が低い素材からなって、喫煙空間内部の熱が外部に放出されることを遮断することができる。前記断熱部14は、ハウジング11の外面に配置されることにより、使用者の身体が副流煙除去装置1に当たる時(例えば、喫煙のために装置1を把持する場合)、内部熱による火傷の危険を予め防止する役割を果たすことができる。
【0049】
前記温度センサ20は、喫煙空間内に配置されて、喫煙空間内に挿入された喫煙物品30の温度を測定することができる。前記温度センサ20の個数、形状、配置位置、配置間隔などは多様に設計可能であり、これは具体例によって異なる。
【0050】
本発明の一具体例によれば、図1に示されるように、前記温度センサ20が喫煙物質部の下流末端付近の温度を測定するように配置される。この場合、追加的なモニタリングモジュールなしに、温度センサ20のみを用いて喫煙終了の可否が正確に判断できるが、これは通常、喫煙物質部が完全に燃焼された場合に喫煙が終わるという点を利用したものと理解できる。例えば、前記制御部18は、温度センサ20の測定温度が基準値以上であるか(例えば、現在の喫煙位置が喫煙物質部の下流末端に到達した場合)、温度センサ20の測定温度が増加後に基準値以下に減少する場合(例えば、喫煙物質部の下流末端で燃焼力が弱くなる場合)に、喫煙が終わったと判断することができる。
【0051】
本発明の一具体例によれば、複数の温度センサ20が喫煙空間内に互いに異なる位置に配置される。前記複数の温度センサ20が喫煙物品30の長手方向に配置される。あるいは、前記複数の温度センサ20が互いに対向する位置に配置されてもよい。この時、温度センサ20の配置間隔は、同一でも異なっていてもよい。複数の温度センサ20が用いられると、喫煙進行状況(例えば、喫煙進行程度)がより正確にモニタリングされ、下記のように多様なモニタリング情報が取得できる。
【0052】
本発明の一具体例によれば、喫煙物質部の上流末端付近に配置された温度センサにより喫煙の開始が検知(判断)される。例えば、制御部18は、前記温度センサの測定温度が基準値以上の場合、喫煙が始まったと判断することができる。本発明の一具体例によれば、長手方向に配置された複数の温度センサの測定温度を比較して、喫煙物品2の喫煙進行程度(例えば、現在の喫煙(燃焼)位置)が判断できる。
【0053】
本発明の一具体例によれば、複数の温度センサ20が挿入された喫煙物品2を基準として互いに対向する位置に配置されるか、喫煙空間内で喫煙物品2の円周方向に配置(例えば、90度間隔で4つの温度センサ20が配置)される。この場合、複数の温度センサ20の測定温度を比較して、喫煙物品2の傾き(振れ)程度が判断できる。例えば、特定の温度センサの測定温度が他の温度センサより高い場合、制御部18は、前記特定の温度センサ方向に挿入された喫煙物品2が傾いていると判断することができる。あるいは、複数の温度センサ20の測定温度が基準値以上に変動する場合、制御部18は、挿入された喫煙物品2が揺れていると判断することができる。
【0054】
本発明の一具体例によれば、細長状のボディを有する温度センサ20が喫煙空間内に配置される。例えば、細長状の温度センサ20が喫煙物品2の長手方向に配置される。本発明の一具体例による温度センサ20は、細長状のボディの第1部分が、喫煙物品2を構成する喫煙物質部の第1対応部位の温度を測定することができ、第2部分が、喫煙物質部の第2対応部位の温度を測定できるように実現されたものであってもよい。具体的な実現方式は、いかなる方式でも構わない。この場合、前記細長状のボディの特定部分の測定温度に基づいて喫煙進行状況がモニタリングされる。例えば、制御部18は、前記細長状のボディの各部分の測定温度を比較して、喫煙物品2の喫煙進行程度を判断することができる。
【0055】
本発明の一具体例によれば、前述した具体例の組み合わせに基づいて温度センサ20が配置されてもよい。
【0056】
前記点火部15は、喫煙空間内に配置されて、喫煙空間内に挿入された喫煙物品2を点火することができる。前記点火部15は、制御部18によって制御され、使用者の手動操作によって点火機能を行ってもよい。前記点火部15の個数、形状、配置形態などは多様に設計可能であり、これは実施例によって異なる。
【0057】
本発明の一具体例によれば、前記点火部15は、固定された位置に配置される。具体的には、図1などに示されるように、前記点火部15は、挿入された喫煙物品2の上流末端付近を点火できるように配置される。この場合、副流煙除去装置1の構造が簡素化されて、製造時の不良率が最小化できる。
【0058】
本発明の一具体例によれば、前記点火部15は、移動可能に設計および実現できる。具体的な実現方式は、いかなるものでも構わない。例えば、前記点火部15は、使用者の手動操作または制御部18の制御によって長手方向に移動するように実現できる。本発明の一具体例では、制御部18が喫煙物品2の挿入を検知したことに応答して、点火部15を喫煙物品2の上流末端に移動させてもよい。この場合、前記副流煙除去装置1が多様な長さの喫煙物品2に普遍的に適用可能になって、副流煙除去装置1の活用性が大きく向上できる。
【0059】
前記メッシュ網17は、副流煙処理部16とバックカバー13との間に配置されて、安全網の役割を果たすことができる。例えば、前記メッシュ網17は、喫煙空間内部の特定物体(例えば、フィルタ16Aの一部片など)がバックカバー13方向に離脱するのを防止することができる。
【0060】
前記ディスプレイ部19は、ハウジング11の外面に位置して、制御部18の制御によって各種情報をディスプレイすることができる。例えば、前記ディスプレイ部19は、喫煙進行状況に関する情報、装置情報、喫煙履歴情報、使用者情報などをディスプレイすることができる。ここで、前記喫煙進行状況に関する情報は、例えば、喫煙進行情報(例えば、喫煙進行程度、現在の喫煙位置、残留パフ回数、喫煙時間、残留喫煙時間などといった喫煙進行に関連するすべての情報)、パフ情報(例えば、パフ回数、パフ長さ、パフ間隔、パフ強度、パフ中か否かなどといったパフイベントに関連するすべての情報)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。前記装置情報は、例えば、電源状態、故障の有無、バッテリ状態(例えば、バッテリ残量、充電の必要の有無など)などのような情報を含むことができるが、これに限定されるものではない。前記喫煙履歴情報は、累積喫煙回数などを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0061】
前記ディスプレイ部19は、LEDディスプレイのように視覚的なディスプレイ手段を備えることにより、前記各種情報を視覚的にディスプレイすることができる。ただし、その具体的なディスプレイ手段は、いくらでも変更可能である。
【0062】
前記制御部18は、副流煙除去装置1の動作を全般的に制御することができる。例えば、前記制御部18は、排気ファン16Bの動作を制御することができ、ディスプレイ部19の動作を制御することもでき、副流煙除去装置1に含まれた他の構成要素の動作も制御可能である。また、前記制御部18は、喫煙物品2に対する喫煙進行状況を判断することができ、副流煙除去装置1の構成それぞれの状態を確認して、副流煙除去装置1が動作可能な状態か否かを判断することもできる。
【0063】
前記制御部18は、少なくとも1つのプロセッサ(processor)によって実現できる。前記プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行可能なプログラムが格納されたメモリとの組み合わせで実現されてもよい。また、当該技術分野における通常の技術者であれば、前記制御部18が他の形態のハードウェアで実現されてもよいことを自明に理解することができる。
【0064】
図1は、制御部18が副流煙除去装置1のハウジング11の外部に位置したように示しているが、これは理解の便宜のためのものに過ぎず、制御部18の配置位置は、いくらでも変更可能である。例えば、外部衝撃による故障を防止するために、前記制御部18は、ハウジング11内の特定位置に配置されてもよい。
【0065】
一方、本発明の一具体例では、前記副流煙除去装置1が聴覚的および/または触覚的な出力を提供するモジュールをさらに含むことができる。例えば、前記副流煙除去装置1がスピーカ、振動モジュールなどをさらに含むことができる。この場合、前記制御部18は、前記例示されたモジュールをさらに用いて各種情報を使用者に提供することができる。
【0066】
また、本発明の一具体例では、喫煙空間内に切断部がさらに配置される。前記切断部は、燃焼中の喫煙物品2を切断して追加的な燃焼を防止することにより、使用者の希望する時点で安全な消火機能を提供することができ、使用者の不注意によって発生しうる火傷の危険性(例えば、直接消火時の不注意による火傷の危険性)と火災の危険性を最小化することができる。ただし、切断部の実現方式は多様に設計可能である。
【0067】
本発明の一具体例によれば、前記切断部は、固定された位置に配置されて、挿入された喫煙物品2の特定部位を切断するように構成される。例えば、前記切断部は、フィルタ16Aと喫煙物質部との間を切断できる位置に固定的に配置される。この場合、前記喫煙物品2の現在の喫煙(燃焼)位置に関係なく安全な消火機能を保障することができ、副流煙除去装置1の構造が簡素化できる。
【0068】
本発明の一具体例によれば、前記切断部は、移動可能に構成される。例えば、前記切断部は、使用者の外力(手動操作)によって移動するように構成され、制御部18の制御によって移動するように構成されてもよい。より具体的な例として、前記切断部は、制御部18によって喫煙物品2の現在の喫煙(燃焼)位置付近に自動的に移動してもよい。
【0069】
本発明の一具体例によれば、前記切断部は、使用者がハウジング11の外面に備えられたプッシュ型ボタンを押す動作、ハウジング11をねじる動作、ハウジング11を長手方向に伸長または収縮させる動作などによって作動できる。前記切断部は、前記例示された動作によって作動するようにハウジング11と機械的に連動する構造からなり、前記例示された動作によって制御部18が切断部を作動させるように実現されてもよい。
【0070】
本発明の一具体例によれば、前記副流煙除去装置1は、副流煙除去装置1に導入された喫煙物品2が安定して支持できるように、挿入された喫煙物品2の側面を支持可能な1つ以上の支持部を含むことができる。
【実施例1】
【0071】
以下、実施例と比較例を通じて本発明の構成およびそれによる効果をより詳細に説明しようとする。しかし、本実施例は本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0072】
[実施例]
<実施例1>
図1のような形態の副流煙除去装置(内部断面:50mm×50mmの正方形)を製造して、内部に喫煙物品(KT&G製品)を配置した。前記喫煙物品より上流に位置したフィルタとして、3mm直径の気孔を88個有する圧着活性炭(大きさ:50mm(横)×50mm(縦)×25mm(高さ)の六面体、(株)セミョンハイトの多孔圧着活性炭)を用い、前記フィルタより上流に位置した排気ファンとして、フィルタなしに開放された空間で3.5L/minの流量を実現可能なファンを用いた。
【0073】
<実施例2>
副流煙除去装置(内部断面:25mm×25mmの正方形)にフィルタとして3mm直径の気孔を25個有する圧着活性炭(大きさ:25mm(横)×25mm(縦)×25mm(高さ)の六面体)を用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0074】
<実施例3>
副流煙除去装置(内部断面:10mm×10mmの正方形)にフィルタとして3mm直径の気孔を5個有する圧着活性炭(大きさ:10mm(横)×10mm(縦)×25mm(高さ)の六面体)を用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0075】
<実施例4>
フィルタとして4mm直径の気孔を64個有する圧着活性炭(大きさ:50mm(横)×50mm(縦)×25mm(高さ)の六面体)を用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0076】
<実施例5>
フィルタとして5mm直径の気孔を40個有する圧着活性炭(大きさ:50mm(横)×50mm(縦)×25mm(高さ)の六面体)を用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0077】
<実施例6>
フィルタとして3mm直径の気孔を88個有する圧着活性炭(大きさ:50mm(横)×50mm(縦)×10mm(高さ)の六面体)を用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0078】
<比較例1>
フィルタとして気孔のない圧着活性炭(大きさ:50mm(横)×50mm(縦)×25mm(高さ)の六面体、(株)セミョンハイトの圧着活性炭)を用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0079】
<比較例2>
フィルタとして活性炭粒子(0.18mm~0.6mmの粒径を有する(株)セミョンハイトの活性炭)を50mm(横)×50mm(縦)×25mm(高さ)の六面体空間に90体積%を充填して用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0080】
<比較例3>
フィルタとしてハニカム(Honeycomb)形状の活性炭素材のフィルタ(大きさ:50mm(横)×50mm(縦)×25mm(高さ)の六面体、(株)セミョンハイトのハニカム活性炭)を用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0081】
<比較例4>
副流煙除去装置(内部断面:7mm直径の円形)にフィルタとして3mm直径の気孔を3個有する圧着活性炭(大きさ:7mm(直径)×25mm(高さ)の円柱)を用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0082】
<比較例5>
フィルタとして3mm直径の気孔を88個有する圧着活性炭(大きさ:50mm(横)×50mm(縦)×4mm(高さ)の六面体)を用いたことを除けば、実施例1と同一の副流煙除去装置を製造した。内部には実施例1と同一の喫煙物品を配置した。
【0083】
[実験例]
実施例1~6と比較例1~5による副流煙除去装置それぞれに挿入された喫煙物品に火を付けて排気ファンを駆動して10分間燃焼させながら排気される気体に基づいて、流量、副流煙除去率および匂い除去効果を評価して、下記図1に示した。前記副流煙除去率および匂い除去効果は、それぞれの副流煙除去装置からフィルタが除去された装置に基づく対比評価の結果である。前記流量は、TSI社のMass Flow Meter 4043H装置で測定し、前記副流煙除去率は、cerulean社のSM(Smoking Machine)405 SV装置で測定した。前記匂い除去効果は、20人の専門評価パネル員に2mの大きさの部屋で副流煙除去装置が適用されていない喫煙物品に火を付けて燃焼させて喫煙物品自体の副流煙の匂いを認知させた後、鼻を換気し、同じ大きさの他の部屋で上述したそれぞれの副流煙除去装置が適用された喫煙物品に火を付けて燃焼させて副流煙の匂いを認知させることで比較評価した。評価は計7点満点を基準とし、匂い除去効果に対して評価点数が1点~3点の場合に「不十分」、3点超過5点以下の場合に「良好」、5点超過7点以下の場合に「優秀」と評価した。
【0084】
【表1】
【0085】
前記表1によれば、フィルタとして気孔を有する圧着活性炭を用いる場合(実施例1)、気孔がない圧着活性炭(比較例1)、粒子状の活性炭(比較例2)およびハニカム形状の活性炭素材のフィルタ(比較例3)を用いるものと比較して、喫煙のために適当な流量を確保しながら、副流煙除去率および匂い除去効果の面で優れた結果が現れた。
【0086】
装置の小型化の面でフィルタの垂直断面積の大きさを減少させたり(実施例1~3および比較例4の比較)、フィルタの厚さを減少させたりする(実施例1、6および比較例5の比較)ことが好ましいが、フィルタの垂直断面積の大きさおよび厚さを過度に減少させる場合(比較例4および5)、副流煙除去装置としての機能性を十分に確保することができず、比較例5よりも薄い厚さに製造する場合、フィルタ自体の耐久性が不十分で、適用時にフィルタが壊れる現象が発生した。
【0087】
圧着活性炭の場合、それ自体で空隙率が非常に低いため、喫煙物品を十分に燃焼させるためには、別の気孔の形成が必要である。気孔を形成する時にも、実施例1よりも小さく気孔を製造する場合、十分な流量を確保しにくく、気孔を大きく形成するよりは、気孔を小さく形成し、不足する流量は気孔の数字を増やして確保することが、副流煙除去装置としての機能性を確保するのに有利であった(実施例1、4および5の比較)。また、気孔の確保の面においては、フィルタの垂直断面が円形の方より、四角形であった方が、気孔の配置において有利であり得る。
【0088】
以上、実施例がたとえ限定された実施例と図面によって説明されたが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、上記の記載から多様な修正および変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で行われたり、および/または説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合または組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって代替または置換されても適切な結果が達成できる。
【符号の説明】
【0089】
1:副流煙除去装置
2:喫煙物品
11:ハウジング
12:物品挿入部
13:バックカバー
14:断熱部
15:点火部
16:副流煙処理部
16A:フィルタ
16B:排気ファン
17:メッシュ網
18:制御部
19:ディスプレイ部
20:温度センサ
A:ベントホール
B:圧着活性炭ホール
図1
【国際調査報告】