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特表2023-552025カラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】カラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/00 20060101AFI20231207BHJP
   G01N 30/86 20060101ALI20231207BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G01N30/00 E
G01N30/86 V
G01N1/10 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581585
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 KR2022003256
(87)【国際公開番号】W WO2023080351
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0151495
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522504156
【氏名又は名称】エクソパート コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EXOPERT CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒョンク
(72)【発明者】
【氏名】シム オン
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA29
2G052AB01
2G052AB11
2G052AB16
2G052AB27
2G052AD06
2G052AD26
2G052AD46
2G052DA02
2G052DA22
2G052ED01
2G052ED03
2G052ED09
2G052HA02
2G052HA07
2G052JA06
2G052JA08
(57)【要約】
本発明は、カラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置に関するものである。本発明によれば、カラムクロマトグラフィーによって分画される液体を収容する複数のマイクロチューブを搭載するマイクロチューブ搭載部;複数のマイクロチューブに順次に液体を供給する液体供給部;複数のマイクロチューブの裏面側に備えられ、光を照射する光源部;複数のマイクロチューブの前面側に備えられ、カラムクロマトグラフィーの進行中に、既定の時間間隔でマイクロチューブの映像を獲得する映像獲得部;映像獲得部によって獲得したマイクロチューブの映像を分析して、収容された液体の水面の高さを抽出し、該抽出した水面の高さに基づいて、マイクロチューブに収容された液体体積が目標体積に到達したか否かを判断する体積判断部;及び目標体積の到達を判断するための基準値を設定し、体積判断部の判断の結果によって、液体供給部及び映像獲得部の動作を制御する制御部;を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラムクロマトグラフィーによって分画される液体を収容する複数のマイクロチューブを搭載するマイクロチューブ搭載部と、
前記複数のマイクロチューブに順次に液体を供給する液体供給部と、
前記複数のマイクロチューブの裏面側に備えられ、光を照射する光源部と、
前記複数のマイクロチューブの前面側に備えられ、カラムクロマトグラフィーの進行中に、既定の時間間隔でマイクロチューブの映像を獲得する映像獲得部と、
前記映像獲得部によって獲得した前記マイクロチューブの映像を分析して、収容された液体の水面の高さを抽出し、該抽出した水面の高さに基づいて、前記マイクロチューブに収容された液体体積が目標体積に到達したか否かを判断する体積判断部と、
前記目標体積の到達を判断するための基準値を設定し、前記体積判断部の判断の結果によって、前記液体供給部及び前記映像獲得部の動作を制御する制御部と、
を含む、カラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項2】
前記マイクロチューブ搭載部は、前記複数のマイクロチューブを収容可能なようにハウジングに形成された複数の溝からなり、前記複数の溝は、直線上に既定の間隔で一列に配置される、請求項1に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項3】
前記複数の溝のうち、最初の溝には、前記目標体積ほどの液体を収容した基準マイクロチューブが搭載され、残りの溝には、分画のための複数のマイクロチューブが搭載される、請求項2に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項4】
前記液体供給部は、
固定相及び移動相を収容するカラムと、
前記複数の溝が形成された直線と平行を成す直線軸に沿って移動可能なように前記ハウジングに結合され、前記カラムが、前記複数のマイクロチューブに相応する位置で順次に移動可能なように前記カラムを支持するカラム支持台と、
前記カラム支持台の下端に結合され、カラムクロマトグラフィーが進行することによって、前記カラムがマイクロチューブの上部に位置するように、前記カラムを移動させる駆動部と、
を含む、請求項2に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項5】
前記映像獲得部は、
前記複数のマイクロチューブに相応する位置で順次に移動可能なように設けられ、マイクロチューブの映像を獲得するカメラと、
前記複数の溝が形成された直線と平行を成し、前記カメラが移動する移動軸と、
カラムクロマトグラフィーが進行することによって、前記カメラがマイクロチューブの前面に位置するように、前記カメラを前記移動軸上で移動させる駆動部と、
を含む、請求項4に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項6】
前記体積判断部は、既定の時間間隔で前記映像獲得部によって獲得した前記マイクロチューブの映像を分析して、前記抽出した水面の高さ値の標準偏差が既定の設定値以下である場合の映像のみ考慮して目標体積に到達したか否かを判断する、請求項1に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項7】
前記体積判断部は、
前記マイクロチューブの映像で屈折像の境界面を探して前記水面の高さを抽出し、該水面の高さを前記基準値と比較して前記液体体積が前記目標体積に到達したか否かを判断する、請求項1に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項8】
前記体積判断部は、
前記マイクロチューブの映像で各横線上に位置する各ピクセルのR-チャネル値を全て合算して、該合算したR-チャネル値が最大値である横線の位置を前記水面の高さとして抽出し、該水面の高さが前記基準値を超過すれば、前記目標体積に到達したと判断する、請求項7に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項9】
タッチスクリーンとして具現され、前記装置の動作と関連した信号を入力するためのボタンをディスプレイし、カラムクロマトグラフィーの進行状況をグラフィックで視覚化してディスプレイするディスプレイ部をさらに含む、請求項1に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記基準マイクロチューブの映像を獲得及び分析して前記水面の高さを抽出し、該抽出された水面の高さを前記基準値として設定する、請求項3に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記マイクロチューブの映像の明るさに基づいて、前記マイクロチューブと前記光源部とが整合されたか否かを確認し、整合されていない場合、前記映像獲得部の位置を補正する、請求項1に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記マイクロチューブの映像で中央の縦線上に位置する各ピクセルのR-チャネル値をいずれも合算して、既定の設定値以上である場合、前記マイクロチューブと前記光源部とが整合されたと判断する、請求項11に記載のカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置に係り、より詳細に説明すれば、カラムクロマトグラフィーを通じてさらに便利かつ正確に所望の量の液体分画を獲得することができるカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラムクロマトグラフィー(Column Chromatography)は、混合液内に混じっている物質をそのサイズによって分類するサイズ排除クロマトグラフィー(Size-exclusion chromatography)の一種である。具体的には、カラム(column)内に固定相(例えば、シリカビーズ)を満たし、移動相(例えば、血しょう、細胞培養液など)がカラムを通過すれば、移動相内部の物質がサイズによって互いに異なる分画(fraction)に順次に排出される。これを通じて所望のサイズの粒子のみ分離することができる。
【0003】
このように、カラムクロマトグラフィーを用いて分画を獲得する場合、一般的に人が肉眼で所望の量ほど分画されたか否かを確認しながら進行する。しかし、分画する量が少量(例えば、数ul)である場合、誤る可能性も高く、作業する者による偏差も存在し、多量のサンプルを獲得することが難しいという限界がある。
【0004】
販売中の自動液体分画装置も存在するが、従来の装置は、主に液体の重量に基づいて分画を獲得するので、誤差が大きく、ul単位の少量の液体を分画するには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、本発明によれば、カラムクロマトグラフィーを通じてさらに便利かつ正確に所望の量の液体分画を獲得することができるカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような技術的課題を果たすための本発明の実施形態によれば、カラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置において、カラムクロマトグラフィーによって分画される液体を収容する複数のマイクロチューブを搭載するマイクロチューブ搭載部;前記複数のマイクロチューブに順次に液体を供給する液体供給部;前記複数のマイクロチューブの裏面側に備えられ、光を照射する光源部;前記複数のマイクロチューブの前面側に備えられてカラムクロマトグラフィーの進行中に、既定の時間間隔でマイクロチューブの映像を獲得する映像獲得部;前記映像獲得部によって獲得した前記マイクロチューブの映像を分析して、収容された液体の水面の高さを抽出し、該抽出した水面の高さに基づいて、前記マイクロチューブに収容された液体体積が目標体積に到達したか否かを判断する体積判断部;及び前記目標体積の到達を判断するための基準値を設定し、前記体積判断部の判断の結果によって、前記液体供給部及び前記映像獲得部の動作を制御する制御部;を含む。
【0007】
前記マイクロチューブ搭載部は、前記複数のマイクロチューブを収容可能なようにハウジングに形成された複数の溝からなり、前記複数の溝は、直線上に既定の間隔で一列に配置される。
【0008】
前記複数の溝のうち、最初の溝には、前記目標体積ほどの液体を収容した基準マイクロチューブが搭載され、残りの溝には、分画のための複数のマイクロチューブが搭載される。
【0009】
前記液体供給部は、固定相及び移動相を収容するカラム;前記複数の溝が形成された直線と平行を成す直線軸に沿って移動可能に前記ハウジングに結合され、前記カラムが、前記複数のマイクロチューブに相応する位置で順次に移動可能なように前記カラムを支持するカラム支持台;及び前記カラム支持台の下端に結合され、カラムクロマトグラフィーが進行することによって、前記カラムがマイクロチューブの上部に位置するように、前記カラムを移動させる駆動部;を含みうる。
【0010】
前記映像獲得部は、前記複数のマイクロチューブに相応する位置で順次に移動可能なように設けられ、マイクロチューブの映像を獲得するカメラ;前記複数の溝が形成された直線と平行を成し、前記カメラが移動する移動軸;及びカラムクロマトグラフィーが進行することによって、前記カメラがマイクロチューブの前面に位置するように、前記カメラを前記移動軸上で移動させる駆動部;を含みうる。
【0011】
前記体積判断部は、既定の時間間隔で前記映像獲得部によって獲得した前記マイクロチューブの映像を分析して、抽出した水面の高さ値の標準偏差が既定の設定値以下である場合の映像のみ考慮して目標体積に到達したか否かを判断する。
【0012】
前記体積判断部は、前記マイクロチューブの映像で屈折像の境界面を探して前記水面の高さを抽出し、該水面の高さを前記基準値と比較して液体体積が前記目標体積に到達したか否かを判断する。
【0013】
この場合、前記体積判断部は、前記マイクロチューブの映像で各横線上に位置する各ピクセルのR-チャネル値をいずれも合算して、該合算したR-チャネル値が最大値である横線の位置を前記水面の高さとして抽出し、該水面の高さが前記基準値を超過すれば、前記目標体積に到達したと判断する。
【0014】
タッチスクリーンとして具現されて装置の動作と関連した信号を入力するためのボタンをディスプレイし、カラムクロマトグラフィーの進行状況をグラフィックで視覚化してディスプレイするディスプレイ部をさらに含みうる。
【0015】
前記制御部は、前記基準マイクロチューブの映像を獲得及び分析して水面の高さを抽出し、該抽出された水面の高さを前記基準値として設定することができる。
【0016】
前記制御部は、前記マイクロチューブの映像の明るさに基づいて、前記マイクロチューブと前記光源部とが整合されたか否かを確認し、整合されていない場合、前記映像獲得部の位置を補正することができる。
【0017】
この場合、前記制御部は、前記マイクロチューブの映像で中央の縦線上に位置する各ピクセルのR-チャネル値をいずれも合算して、既定の設定値以上である場合、前記マイクロチューブと前記光源部とが整合されたと判断する。
【発明の効果】
【0018】
このように、本発明によれば、従来に手動で進行したカラムクロマトグラフィーを、機械的装置と映像分析による体積判断を通じてより正確かつ便利に行える。また、性能面でも、カラムクロマトグラフィーに熟練した者に相応する正確な結果を出すことができる。また、自動化を通じて生産性と便宜性とを確保してより容易に所望の試料の正確な分画を獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態によるカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置の構成図である。
図2図1に示されたカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置の一具現例を示す図面である。
図3図2に示されたカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置の動作模式図である。
図4図1に示されたカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置の動作方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による、光源とマイクロチューブとの整列状態による獲得映像を示す図面である。
図6】本発明の一実施形態による、映像分析を通じて水面の高さを抽出する方法を説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明による望ましい実施形態を詳しく説明する。この過程で図面に示された線の厚さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上、誇張して示されている。
【0021】
また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、使用者、運用者の意図または慣例によって変わりうる。したがって、このような用語に対する定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置の構成図であり、図2は、図1に示されたカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置の一具現例を示す図面であり、図3は、図2に示されたカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置の動作模式図である。
【0023】
図1ないし図3を参照すれば、本発明の一実施形態によるカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置100は、マイクロチューブ搭載部110、液体供給部120、光源部130、映像獲得部140、体積判断部150、制御部160及びディスプレイ部170を含んで構成することができる。
【0024】
マイクロチューブ搭載部110は、カラムクロマトグラフィーによって分画される液体を収容する複数のマイクロチューブ10を搭載するためのものである。
【0025】
一実施形態によれば、マイクロチューブ搭載部110は、カラムクロマトグラフィーに使われるマイクロチューブ10を収容可能なように装置のハウジング101に形成された複数の溝からなり、複数の溝は、直線上に既定の間隔で一列に配置される。
【0026】
液体供給部120は、マイクロチューブ搭載部110に搭載された複数のマイクロチューブ10に順次に液体を供給してカラムクロマトグラフィーを行うためのものである。
【0027】
一実施形態によれば、液体供給部120は、固定相及び移動相を収容するカラム121と、カラム121を支持するカラム支持台122と、カラム支持台122に結合されてカラム121を移動させるための駆動部(図示せず)と、を含んで構成することができる。
【0028】
具体的には、図2に示すように、カラム121は、マイクロチューブ搭載部110に搭載された複数のマイクロチューブ10に相応する位置で順次に移動可能なように、カラム支持台122によって支持される。カラム支持台122は、マイクロチューブ搭載部110を構成する複数の溝が形成された直線と平行を成す直線軸に沿って移動可能なように、ハウジング101に結合されうる。また、ハウジング101の内部に位置するカラム支持台122の下端には駆動部(図示せず)が結合され、カラムクロマトグラフィーが進行することによって、カラム支持台122に支持されたカラム121が当該マイクロチューブの上部に位置するように、カラム121を移動させることができる。カラム121に収容された移動相である液体は、カラムクロマトグラフィーが進行することによって、カラム121の下部に形成された排出口を通じて下部に落ちて、カラム121の下部に位置するマイクロチューブ10に収容される。
【0029】
光源部130は、ハウジング101の内部でマイクロチューブ搭載部110に搭載された複数のマイクロチューブ10の裏面側に備えられ、光を照射するためのものであり、例えば、赤色のLED光源で構成することができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0030】
一実施形態によれば、光源部130は、図3に示すように、複数のLED光源からなり、マイクロチューブ搭載部110に搭載された複数のマイクロチューブ10に相応する位置に備えられるように構成されてもよいし、移動可能な単一LED光源からなり、カラムクロマトグラフィーが進行すると当該マイクロチューブの裏面に位置するように構成されてもよい。
【0031】
映像獲得部140は、ハウジング101の内部でマイクロチューブ搭載部110に搭載された複数のマイクロチューブ10の前面側に備えられ、カラムクロマトグラフィーの進行中に、既定の時間間隔でマイクロチューブ10の映像を獲得するためのものである。
【0032】
一実施形態によれば、映像獲得部140は、マイクロチューブ10の映像を獲得するためのカメラ141と、カメラ141が移動する移動軸142と、カメラ141を移動軸142上で移動させるための駆動部143と、を含んで構成することができる。
【0033】
具体的には、カメラ141は、マイクロチューブ搭載部110に搭載された複数のマイクロチューブ10に相応する位置で移動軸142に沿って順次に移動可能なように設けられる。ここで、移動軸142は、マイクロチューブ搭載部110を構成する複数の溝が形成された直線と平行を成しうる。また、駆動部143は、カラムクロマトグラフィーが進行することによって、カメラ141が当該マイクロチューブの前面に位置するようにカメラ141を移動させることができる。
【0034】
体積判断部150は、映像獲得部140によって獲得したマイクロチューブの映像を分析して、収容された液体の水面の高さを抽出し、該抽出した水面の高さに基づいて、マイクロチューブに収容された液体体積が目標体積に到達したか否かを判断するためのものである。
【0035】
本発明では、光源部130によって照射された光がマイクロチューブ10を通過しながらマイクロチューブ10に収容された液体によって屈折する現象を用いて水面の高さを抽出し、これに基づいて液体体積が目標体積に到達したか否かを判断する。言い換えれば、マイクロチューブ10に液体が満ちることによって、光の屈折態様が変化するが、このような屈折態様の変化を映像で獲得及び分析して、屈折像の境界面を探して水面の高さを抽出し、これに基づいて目標体積に到達したか否かを判断する。
【0036】
このために、体積判断部150は、既定の時間間隔で、映像獲得部140によって獲得したマイクロチューブ10の映像を分析する。この場合、マイクロチューブ10に水滴が落ちる瞬間または水滴がマイクロチューブ10の内部壁面に張り付く瞬間に獲得したマイクロチューブ10の映像は、正確な分析が難しいので、より正確な分析のために、安定した映像のみを考慮することができる。例えば、カラム121から落ちる水滴1つの体積がほぼ20ulであり、ほぼ1秒間隔で水滴が落ちる場合を仮定すれば、体積判断部150は、0.1秒間隔で、映像獲得部140によって獲得したマイクロチューブ10の映像を入力され、各映像を分析して抽出した水面の高さ値の標準偏差が既定の設定値以下である場合の映像のみ考慮することができる。
【0037】
体積判断部150が水面の高さを抽出し、これに基づいて目標体積に到達したか否かを判断する方法は、図4を参照して具体的に後述する。
【0038】
制御部160は、図1に示されたカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置100の各構成要素の動作を制御するためのものである。
【0039】
一実施形態によれば、制御部160は、体積判断部150が目標体積の到達を判断するための基準値を設定し、体積判断部150の判断の結果によって、液体供給部120及び映像獲得部140の動作を制御することができる。
【0040】
具体的には、制御部160は、図4を参照して後述するように、本発明の一実施形態によるカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置100の動作を制御することができる。
【0041】
ディスプレイ部170は、カラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置100の動作関連情報をディスプレイし、装置の動作と関連した信号を入力するためのものであり、例えば、タッチスクリーンとして具現可能である。
【0042】
一実施形態によれば、ディスプレイ部170は、装置の動作と関連した信号を入力するためのボタンをディスプレイし、さらにカラムクロマトグラフィーの進行状況をグラフィックで視覚化してディスプレイすることができる。
【0043】
図4は、図1に示されたカラムクロマトグラフィーのための自動液体分画装置の動作方法を示すフローチャートであり、図5は、本発明の一実施形態による、光源とマイクロチューブとの整列状態による獲得映像を示す図面であり、図6は、本発明の一実施形態による、映像分析を通じて水面の高さを抽出する方法を説明する図面である。
【0044】
図4を参照すれば、まず、カラムクロマトグラフィーを準備する(ステップS210)。一実施形態によれば、カラムクロマトグラフィーのために固定相及び移動相を収容するカラム121をカラム支持台122に装着し、マイクロチューブ搭載部110に分画のための空いている複数のマイクロチューブを搭載する。この場合、マイクロチューブ搭載部110を構成する複数の溝のうち、最初の溝には、分画のためのマイクロチューブを搭載せずに残しておく。
【0045】
その後、分画の基準値を測定する(ステップS220)。一実施形態によれば、カラムクロマトグラフィーを通じて分画しようとする目標体積ほどの液体(例えば、水)を収容した基準マイクロチューブを、マイクロチューブ搭載部110を構成する複数の溝のうち、最初の溝に搭載し、ディスプレイ部170にディスプレイされた「Ready」ボタンをタッチすれば、基準マイクロチューブの映像を獲得及び分析して水面の高さを抽出し、該抽出された水面の高さを基準値(すなわち、目標値)として設定する。
【0046】
その後、カラムクロマトグラフィーを進行する(ステップS230)。一実施形態によれば、ディスプレイ部170にディスプレイされた「Start」ボタンをタッチし、カラム121の蓋を分離すれば、カラム121が次のマイクロチューブの上部に移動してカラムクロマトグラフィーが進行する。この場合、ハウジング101の内部に位置するカメラ141(必要に応じて、LED光源)も、次のマイクロチューブに相応する位置に移動してカラムクロマトグラフィーが進行することによって、既定の時間間隔でマイクロチューブの映像を獲得する。
【0047】
その後、マイクロチューブとLED光源との整列をチェックする(ステップS240)。マイクロチューブとLED光源との中心整列が合わなければ、図5の左側に示された映像のように、獲得した映像で液体部分が暗く出る。したがって、一実施形態によれば、獲得した映像の明るさに基づいてマイクロチューブとLED光源とが整合されたか否かを確認し、整合されていない場合、カメラ141を左側または右側方向に移動させて位置を補正することにより、マイクロチューブとLED光源との整列を合わせる。例えば、光源部130が赤色のLED光源で構成される場合、液体部分の映像は赤色で表示されるので、図5に示された獲得映像で中央の縦線、すなわち、図5に図示された映像の上側に表示された黒色四角ボックスの中央に位置した縦線を延長した線上に位置する各ピクセルのR-チャネル値を全て合算し、既定の設定値以上である場合、マイクロチューブとLED光源とが整合されたと判断する。
【0048】
その後、マイクロチューブの映像分析を通じて体積を判断する(ステップS250)。一実施形態によれば、体積判断部150は、映像分析を通じて屈折像の境界面を探して水面の高さを抽出し、それを基準値と比較して、液体体積が目標体積に到達したか否かを判断する。例えば、体積判断部150は、図6に示すように、映像の各横線上に位置する各ピクセルのR-チャネル値を全て合算して、該合算したR-チャネル値(グラフのx軸値)が最大値である横線の位置(グラフのy軸値)を水面の高さとして抽出することができる。
【0049】
判断の結果、液体体積が目標体積に到達した場合(ステップS260)、すなわち、抽出した水面の高さが基準値を超過した場合、最後の分画(すなわち、マイクロチューブ)に到達するまで(ステップS270)、ステップS230ないしステップS260を繰り返して行う。
【0050】
本発明は、図面に示された実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これにより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【符号の説明】
【0051】
100:自動液体分画装置
110:マイクロチューブ搭載部
120:液体供給部
130:光源部
140:映像獲得部
150:体積判断部
160:制御部
170:ディスプレイ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】