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特表2023-552031過酸化物の異味を低減する組成物およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】過酸化物の異味を低減する組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20231207BHJP
   A23L 27/20 20160101ALI20231207BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20231207BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20231207BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20231207BHJP
   A61K 8/22 20060101ALI20231207BHJP
   A61K 31/7034 20060101ALI20231207BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20231207BHJP
   A61K 31/365 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/20 G
A23L27/20 H
A23L27/00 101A
A61K8/49
A61K8/60
A61Q11/00
A61K8/22
A61K31/7034
A61K31/519
A61K31/365
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513699
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2021083031
(87)【国際公開番号】W WO2022112432
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】63/118,966
(32)【優先日】2020-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20211948.3
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】チン-ボー オーヤン
(72)【発明者】
【氏名】バラニ アショカン
(72)【発明者】
【氏名】ムハマド キジルバシュ
【テーマコード(参考)】
4B047
4C083
4C086
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LB09
4B047LE01
4B047LF01
4B047LF04
4B047LF05
4B047LF06
4B047LF07
4B047LF08
4B047LF09
4B047LG05
4B047LG06
4B047LG20
4B047LG32
4C083AB411
4C083AB412
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC312
4C083AC782
4C083AC841
4C083AC842
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC861
4C083AC862
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD391
4C083AD392
4C083BB55
4C083CC41
4C083DD22
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE31
4C083FF01
4C086AA01
4C086BA03
4C086BA07
4C086CB29
4C086EA10
4C086MA03
4C086MA05
4C086NA09
4C086ZA67
(57)【要約】
本開示は、概して、過酸化水素の異味を低減する味修正組成物を提供する。幾つかの態様では、本開示は、過酸化水素の異味を低減するためのそのような味修正組成物の使用を提供する。幾つかの他の態様では、本開示は、過酸化水素と本開示の味修正組成物とを含む組成物(食用組成物または口腔ケア組成物など)を提供する。幾つかの実施形態では、そのような組成物は、食品、飲料品、または口腔ケア製品、例えば練り歯磨き、洗口液、歯のホワイトニング組成物などの形態である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
味修正組成物であって、
(a)グルコシル化天然ステビオールグリコシド、ならびに
(b)(i)4-アミノ-5,6-ジメチル-チエノ[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オン、またはその塩と、(ii)ラクトンと、(iii)高甘味度甘味料と、それらの任意の組合せとからなる群から選択される1種以上の追加の成分
を含む、味修正組成物。
【請求項2】
4-アミノ-5,6-ジメチル-チエノ[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オン、またはその塩を含む、請求項1記載の味修正組成物。
【請求項3】
高甘味度甘味料などの甘味料をさらに含む、請求項1または2記載の味修正組成物。
【請求項4】
前記甘味料が、スクラロース、サッカリンナトリウム、またはそれらの組合せである、請求項3記載の味修正組成物。
【請求項5】
5員環のラクトン環などのラクトンを含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の味修正組成物。
【請求項6】
ミントフレーバーなどのフレーバーをさらに含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の味修正組成物。
【請求項7】
N-エチル-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、
N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-2-(p-トリルオキシ)アセトアミド、
2-(4-フルオロフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド、
2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、
2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド、
2-((2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チアゾール-5-イルメチル)-アセトアミド、および
2-((5-メトキシベンゾフラン-2-イル)オキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)-アセトアミド
からなる群から選択される化合物などの清涼化作用増強化合物をさらに含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の味修正組成物。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の味修正組成物の使用。
【請求項9】
フレーバー入り製品の異味を低減することを含む、請求項8記載の使用。
【請求項10】
前記フレーバー入り製品が、食品、飲料品、口腔ケア製品、または医薬品である、請求項9記載の使用。
【請求項11】
前記フレーバー入り製品が、過酸化水素などの過酸化物を含む、請求項9または10記載の使用。
【請求項12】
フレーバー入り製品であって、
請求項1から7までのいずれか1項記載の味修正組成物を含み、前記味修正組成物の濃度は、グループ(a)および(b)の化合物の総濃度が、フレーバー入り組成物の総重量を基準として1ppm~1000ppm、または5~500ppm、または10~300ppmの範囲であるような濃度である、フレーバー入り製品。
【請求項13】
食品、飲料品、口腔ケア製品、または医薬品である、請求項14記載のフレーバー入り製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年11月29日に出願された米国仮特許出願第63/118,966号および2020年12月4日に出願された欧州特許出願第20211948.3号に基づく優先権の利益を主張するものであり、これらは両方とも、その全体が本明細書に記載されているかのように、参照により本明細書に援用するものとする。
【0002】
本開示は、概して、過酸化水素の異味を低減する味修正組成物を提供する。幾つかの態様では、本開示は、過酸化水素の異味を低減するためのそのような味修正組成物の使用を提供する。幾つかの他の態様では、本開示は、過酸化水素と本開示の味修正組成物とを含む組成物(食用組成物または口腔ケア組成物など)を提供する。幾つかの実施形態では、そのような組成物は、食品、飲料品、または口腔ケア製品、例えば練り歯磨き、洗口液、歯のホワイトニング組成物などの形態である。
【0003】
関連技術の説明
味覚系は、外界の化学組成物についての感覚情報を提供する。味覚伝達は、動物の化学的に誘発された感覚のうちのより洗練された形態の1つである。味覚のシグナル伝達は、単純な後生動物から最も複雑な脊椎動物まで、動物界全体でみられる。哺乳類は、甘味、苦味、酸味、塩味、およびうま味の5つの基本的な味覚様式を持つと考えられている。
【0004】
過酸化水素などの過酸化物化合物は、ホワイトニング剤や防腐剤として口腔ケア製品に一般的に使用されている。このような過酸化物が含まれると、使用者が不快になる異味が生じる可能性がある。このような過酸化物の濃度を制限することは、不快な味を減らすための有望な戦略である。しかし、多くの場合には、改善されたホワイトニング効果または防腐効果を持つように、そのような過酸化物をより高い濃度で含めることが所望され得る。
【0005】
したがって、食品、飲料、および口腔ケア製品中の過酸化物に関連して人が経験する異味の知覚を効果的に低減することができる新規な組成物を発見することが求められている。
【0006】
発明の概要
本開示は、特定の組成物が、食品、飲料、または口腔ケア製品中の過酸化物の存在によって引き起こされる塩味の知覚を低減することに関して予期しなかった有効性を示すという発見に関する。
【0007】
第1の態様では、本開示は、味修正組成物であって、(a)グルコシル化天然ステビオールグリコシド;ならびに(b)(i)4-アミノ-5,6-ジメチル-チエノ[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オン、またはその塩と、(ii)ラクトンと、(iii)高甘味度甘味料とからなる群から選択される1種以上の追加の成分を含む、味修正組成物を提供する。幾つかの実施形態では、高甘味度甘味料は、スクラロース、サッカリンナトリウム、またはそれらの組合せである。幾つかの実施形態では、組成物はフレーバーを含む。
【0008】
第2の態様では、本開示は、フレーバー入り製品の異味を低減するための、第1の態様の味修正組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、過酸化水素などの過酸化物を含む。幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、食品または飲料品である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー入り製品は、練り歯磨き、洗口液、歯磨剤、または歯のホワイトニング組成物などの口腔ケア製品である。
【0009】
第3の態様では、本開示は、フレーバー入り製品の異味を低減する方法であって、第1の態様の味修正組成物をフレーバー入り製品に導入することを含む、方法を提供する。幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、過酸化水素などの過酸化物を含む。幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、食品または飲料品である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー入り製品は、練り歯磨き、洗口液、歯磨剤、または歯のホワイトニング製品などの口腔ケア製品である。
【0010】
第4の態様では、本開示は、フレーバー入り製品であって、第1の態様の味修正組成物と、過酸化水素などの過酸化物とを含む、フレーバー入り製品を提供する。幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、食品または飲料品である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー入り製品は、練り歯磨き、洗口液、歯磨剤、または歯のホワイトニング製品などの口腔ケア製品である。
【0011】
更なる態様およびその実施形態は、以下の詳細な説明、図面、要約、および特許請求の範囲に記載されている。
【0012】
詳細な説明
以下の詳細な説明では、本明細書で提供される様々な態様および実施形態について説明する。これらの説明は、関連技術の当業者の視点から読まれるべきである。したがって、そのような当業者に周知の情報は必ずしも含まれている訳ではない。
【0013】
定義
以下の用語および語句は、本明細書で別途示されていない限り、以下に示す意味を有する。本開示は、本明細書で明示的に定義されていない別の用語および語句を使用する場合がある。そのような他の用語および語句は、本開示の文脈内で当業者に対してそれらが持つ意味を有する。場合によっては、用語または語句は単数形または複数形で定義されることがある。そのような場合、そうではないとの明示的な指示がない限り、単数形の用語がその複数形の対応するものを含む場合があり、その逆の場合もあることが理解される。
【0014】
本明細書における「甘味料」、「甘味フレーバー付与剤」、「甘味体」、または「甘味化合物」は、対象に検出可能な甘いフレーバーを生じさせる化合物またはその食用として許容される塩、例えば生体内でT1R2/T1R3受容体を活性化させる化合物を指す。
【0015】
「異味」は、苦味、金属味、焦げた味、アルデヒドの味、またはそれらの任意の組合せなど、人間が一般的に不快と知覚する味を指す。
【0016】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないとの明示的な指示がない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「ある置換基(a substituent)」への言及は、単一の置換基および2つ以上の置換基などを包含する。
【0017】
本明細書で使用される「例えば(for example、for instance)」、「など(such as)」、または「含む(including)」は、より一般的な主題をさらに明確にする例を紹介することを意図している。別段の明示的な指示がない限り、そのような例は、本開示に示される実施形態を理解するための補助としてのみ提供されており、いかなる形でも限定することを意図するものではない。また、これらの語句は、開示の実施形態に対するいかなる種類の選択も示さない。
【0018】
本明細書で使用される「含む(compriseまたはcomprisesまたはcomprisingまたはcomprised of)」は、開放された群を指す。これは、その群が、明示的に列挙されたものに加えて追加の要素を含み得ることを意味する。例えば、「Aを含む」という語句は、Aが存在しなければならないが、他の要素も存在し得ることを意味する。「~を含む」、「~を有する」、「~から構成される」という用語およびそれらの文法上の変形形態は同じ意味を有する。対照的に、「からなる(consist ofまたはconsists ofまたはconsisting of)」は閉じられた群を指す。例えば、「Aからなる」という語句は、AおよびAのみが存在することを意味する。
【0019】
本明細書で使用される「任意選択的に」は、その後に記載される事象が生じても生じなくてもよいことを意味する。幾つかの実施形態では、任意選択的な事象は生じない。別の幾つかの実施形態では、任意選択的な事象は1回以上生じる。
【0020】
本明細書で使用される「または」は、その最も広い合理的な解釈が与えられるべきであり、いずれか/または構成に限定されるべきではない。したがって、「AまたはBを含む」という語句は、Aが存在することができ、かつBが存在しないこと、またはBが存在し、かつAが存在しないこと、またはAとBの両方が存在することを意味する。さらに、例えばAが複数の要素、例えばAおよびAを有することができる分類を定義する場合には、分類の1つ以上の要素が同時に存在することができる。
【0021】
他の用語は、このサブセクションには含まれていないものの、本明細書の他の部分で定義される。
【0022】
味修正組成物
少なくとも1つの態様において、本開示は、味修正組成物であって、(a)グルコシル化天然ステビオールグリコシド;ならびに(b)(i)4-アミノ-5,6-ジメチル-チエノ[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オン、またはその塩と、(ii)ラクトンと、(iii)高甘味度甘味料とからなる群から選択される1種以上の追加の成分を含む、味修正組成物を提供する。幾つかの実施形態では、高甘味度甘味料は、スクラロース、サッカリンナトリウム、またはそれらの組合せである。幾つかの実施形態では、組成物はフレーバーを含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、味修正組成物は、グルコシル化天然ステビオールグリコシドを含む。本明細書で使用される「天然ステビオールグリコシド」という用語は、ステビア・レバウディアナ(Stevia rebaudiana)、ステビア・フレボフィラ(Stevia phlebophylla)、またはルブス・チンギイ(Rubus chingii)種の植物で天然にみられるステビオールグリコシドを指す。そのような化合物は、ジテルペンであるステビオールのグリコシドである。幾つかの非限定的な例としては、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドC、ズルコシドAなどが挙げられる。本明細書で使用される「グルコシル化天然ステビオールグリコシド」という用語は、天然ステビオールグリコシドを酵素によりグルコシル化してグルコシル化度を高めることによって得られる化合物を指す。本明細書で使用される「GSG」という用語は、「グルコシル化天然ステビオールグリコシド」と交換可能に使用される。
【0024】
GSGが存在する実施形態では、任意の適切なGSGを使用することができる。したがって、GSGは、任意の適切な追加のグルコシル化度、および任意の適切なグルコシル化のタイプを有することができる。幾つかの実施形態では、味修正組成物で使用されるGSGは、少なくとも1.0のグルコシル化度を有し、これは、天然ステビオールグリコシド1モルあたり少なくとも1モルのグルコースが天然ステビオールグリコシドに酵素的に付加されたことを意味する。幾つかの別の実施形態では、味修正組成物で使用されるGSGは、少なくとも1.1、または少なくとも1.2、または少なくとも1.3、または少なくとも1.4、または少なくとも1.5、または少なくとも1.6、または少なくとも1.7、または少なくとも1.8、または少なくとも1.9、または少なくとも2.0、または少なくとも2.1、または少なくとも2.2、または少なくとも2.3、または少なくとも2.4、または少なくとも2.5のグルコシル化度を有する。グルコシル化は、任意の適切なタイプであってよい。例えば、幾つかの実施形態では、天然ステビオールグリコシドに酵素的に付加されるグルコースは、α-グルコース、β-グルコース、またはそれらの組合せである。幾つかの実施形態では、天然ステビオールグリコシドに酵素的に付加されるグルコースはα-グルコースである。幾つかの実施形態では、天然ステビオールグリコシドに酵素的に付加されるグルコースはβ-グルコースである。幾つかの実施形態では、天然ステビオールグリコシドに酵素的に付加されるグルコースは、α-グルコースとβ-グルコースとの組合せである。酵素的グルコシル化によって付加されるグルコースは、任意の適切な結合を介して組み込むことができる。典型的には、付加されるグルコース単位は、天然ステビオールグリコシドに既に存在する別のグルコースのグルコース単位に結合する。幾つかの実施形態では、酵素的に付加されるグルコース単位は、1,6結合を介して付加される。これは、グルコース単位が、付加されるグルコース単位の1位および天然ステビオールグリコシドに既に存在するグルコース単位の6位を介して付加することを意味する。幾つかの別の実施形態では、酵素的に付加されるグルコース単位は、1,4結合を介して付加される。幾つかの別の実施形態では、酵素的に付加されるグルコース単位は、1,2結合を介して付加される。
【0025】
幾つかの実施形態では、味修正組成物は、4-アミノ-5,6-ジメチルチエノ[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オンを含み、あるいは任意のその適切な塩を使用することができる。幾つかの実施形態では、本明細書に開示の味修正組成物は、4-アミノ-5,6-ジメチルチエノ[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オンの塩酸塩を含む。
【0026】
前述した実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、味修正組成物はラクトンも含む。任意の適切なラクトンまたはラクトンの組合せを使用することができる。幾つかの実施形態では、ラクトンは、3員ラクトン環、4員ラクトン環、5員ラクトン環、6員ラクトン環、7員ラクトン環、または8員ラクトン環など、環の中に3~8員を有するラクトン環を含む。
【0027】
幾つかの実施形態では、ラクトンは、炭素-炭素二重結合などの不飽和結合(環上のオキソ置換基における不飽和を除く)を有するまたは有さない5員ラクトン環を含む。幾つかの実施形態では、ラクトンは、少なくとも1つの不飽和結合(例えば1つの炭素-炭素二重結合)を含む5員ラクトン環を含む。少なくとも1つの不飽和結合を有する5員ラクトン環を含むラクトンの非限定的な例としては、アンゲリカラクトンアルファ、アンゲリカラクトンベータ、ミントラクトン、5,5-ジメチル-2(5H)-フラノン、5-エチル-2(5H)-フラノン、5-ペンチル-2(5H)-フラノン、5-ヘキシル-2(5H)-フラノン、5-ペンチル-2(3H)-フラノン、4-メチル-3-ペンチル-2(5H)-フラノン、および2(5H)-フラノンが挙げられる。幾つかの実施形態では、ラクトンは、不飽和結合を含まない5員ラクトン環を含む。そのようなラクトンの非限定的な例としては、ブチロラクトンガンマ、バレロラクトンガンマ、ヘキサラクトンガンマ、ヘプタラクトンガンマ、オクタラクトンガンマ、ウンデカラクトンガンマ、デカラクトンガンマ、ジヒドロジャスモンラクトン、およびジヒドロミントラクトン(3,6-ジメチル-ヘキサヒドロ-2(3H)-ベンゾフラノン)が挙げられる。幾つかの実施形態では、ラクトンはジヒドロミントラクトンである。
【0028】
幾つかの実施形態では、ラクトンは、不飽和結合を含むまたは含まない6員ラクトン環を含む。幾つかの実施形態では、ラクトンは、少なくとも1つの不飽和結合を含む6員ラクトン環を含む。少なくとも1つの不飽和結合を有する6員ラクトン環を含むラクトンの非限定的な例としては、δ-2-デセノラクトン、クマリン、および6-メチルクマリンが挙げられる。幾つかの別の実施形態では、ラクトンは、不飽和結合を含まない6員ラクトン環を含む。不飽和結合を含まない6員ラクトン環を含むラクトンの非限定的な例としては、デカラクトンデルタ、ドデカラクトンデルタ、およびシクロヘキシルラクトンが挙げられる。
【0029】
前述した実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、味修正組成物は、低カロリー、ゼロカロリー、または高甘味度甘味料などの甘味料を含む。「高甘味度甘味料」という用語は、スクロースよりも甘い、例えば少なくとも10倍、または少なくとも20倍、または少なくとも50倍、または少なくとも100倍、または少なくとも250倍、または少なくとも500倍、または少なくとも750倍、または少なくとも1000倍、または少なくとも2500倍、または少なくとも5000倍、または少なくとも7500倍、または少なくとも10000倍スクロースよりも甘い甘味料を指す。この文脈において、甘味料がスクロースよりもx倍甘いとは、水溶液中のスクロースに対して重量基準で1/xの濃度がスクロースと同等の甘味をもたらすことを意味する。適切な甘味料の例は以下でより詳しく記載される。幾つかの実施形態では、甘味料はスクラロースであり、これは1,6-ジクロロ-1,6-ジデオキシ-β-D-フルクトフラノシル-4-クロロ-4-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシドを指す。幾つかの実施形態では、甘味料はサッカリンナトリウムである。
【0030】
グループ(a)の化合物、ならびに(b)(i)、(b)(ii)、および(b)(iii)を含むグループ(b)の化合物は、互いに任意の適切な比率で味修正組成物中に存在することができる。分類(b)(i)の化合物および分類(b)(ii)の化合物が共に存在する幾つかの実施形態では、分類(b)(i)の化合物と分類(b)(ii)の化合物との重量対重量比は、1:1~5:1、または2:1~4:1の範囲である。分類(b)(i)の化合物と分類(a)の化合物が共に存在する幾つかの実施形態では、分類(b)(i)の化合物と分類(a)の化合物との重量対重量比は、0.8:1.0~2.4:1.0、または1.2:1.0~2.0:1.0の範囲である。分類(b)(i)の化合物と分類(b)(iii)の化合物が共に存在する幾つかの実施形態では、分類(b)(i)の化合物と分類(b)(iii)の化合物との重量対重量比は、1:12~1:3、または1:8~1:4の範囲である。分類(b)(ii)の化合物と分類(a)の化合物が共に存在する幾つかの実施形態では、分類(b)(ii)の化合物と分類(a)の化合物との重量対重量比は1:4~3:2、または1:3~1:1の範囲である。分類(b)(ii)の化合物と分類(b)(iii)の化合物が共に存在する幾つかの実施形態では、分類(b)(ii)の化合物と分類(b)(iii)の化合物との重量対重量比は、1:40~1:10、または1:30~1:12の範囲である。分類(a)の化合物と分類(b)(iii)の化合物が共に存在する幾つかの実施形態では、分類(a)の化合物と分類(b)(iii)の化合物との重量対重量比は、1:25~1:2、または1:20~1:5の範囲である。
【0031】
味修正組成物は、追加の甘味料、フレーバー、担体、結合剤、清涼剤などの他の適切な成分を含むことができる。
【0032】
例えば、幾つかの実施形態では、味修正組成物は、スクロース、グルコース、フルクトース(例えば高フルクトースコーンシロップの形態)、またはそれらの任意の組合せなどの有カロリー糖を含む。幾つかの実施形態では、味修正組成物は、1種以上のレバウジオシド(レバウジオシドA、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドM、またはそれらの任意の組合せなど)を含む。一般的に、レバウジオシド(レバウジオシドAなど)の濃度は、スクラロースについて上に記載したものよりも約20~50倍高いであろう。幾つかの実施形態では、味修正組成物は、アセフルファムカリウム(acefulfame potassium)、アスパルテーム、シクラメート、ネオテームなどの1種以上の高甘味度人工甘味料を含む。そのような高甘味度人工甘味料が味修正組成物中に存在する場合、それらの濃度は、スクラロースについて上に記載したものとほぼ同じであろう。幾つかの別の実施形態では、味修正組成物は、アルロース、キシリトール、エリスリトールなどの1種以上の低カロリー炭水化物または糖アルコールを含む。幾つかの別の実施形態では、味修正組成物は、モグロシドを、例えばモンクフルーツ果汁もしくは抽出物として、またはモグロシドIII、モグロシドIV、モグロシドV、シアメノシドI、イソモグロシドV、モグロシドIV、イソモグロシドIV、イソモグロシドIV、モグロシドIII、11-オキソモグロシドV、シアメノシドIの1,6-アルファ異性体、およびそれらの任意の組合せのうちの1つ以上として含む。味修正組成物に適切に含まれ得る追加のモグロシド化合物は、米国特許出願公開第2017/0119032号明細書に記載されている。
【0033】
味修正組成物には、様々な他の甘味料も含まれてよい。非限定的な例としては、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、D-ロイクロース、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、マルトデキストリン、サッカリン、アリテーム、シクラミン酸、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、ラクトース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、加水分解水添デンプン(HSH)、化学修飾モグロシド(グルコシル化モグロシドなど)、カレラームおよびその他のグアニジンベースの甘味料、ハチミツ、キクイモシロップ、カンゾウの根、ラカンカ(果実、粉末、または抽出物)、ルクマ(果実、粉末、または抽出物)、カエデの樹液(例えばサトウカエデ(Acer saccharum)、クロカエデ(Acer nigrum)、ハナカエデ(Acer rubrum)、ギンヨウカエデ(Acer saccharinum)、ノルウェーカエデ(Acer platanoide)、トネリコバノカエデ(Acer negundo)、ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、キャニオンメープル(Acer grandidentatum)、ダグラスメープル(Acer glabrum)、イタヤカエデ(Acer mono)から抽出された樹液など)、メープルシロップ、メープルシュガー、クルミ樹液(例えばバターナット(Juglans cinerea)、クログルミ(Juglans nigra)、オニグルミ(Juglans ailatifolia)、カシグルミ(Juglans regia)から抽出された樹液など)、カバノキの樹液(例えばアメリカシラカバ(Betula papyrifera)、キハダカンバ(Betula alleghaniensis)、スウィートビーチ(Betula lenta)、リバーバーチ(Betula nigra)、ハイイロカンバ(Betula populifolia)、ヨーロッパダケカンバ(Betula pendula)から抽出された樹液など)、シカモアの樹液(例えばアメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)から抽出された樹液など)、アイアンウッドの樹液(例えばアメリカアサダ(Ostrya virginiana)から抽出された樹液など)、マスコバド、糖蜜(例えば廃糖蜜など)、モラセス糖、モナチン、モネリン、サトウキビ糖(天然糖、未精製サトウキビ糖、またはスクロースとも呼ばれる)、パームシュガー、パノーチャ、ピロンチーロ、ラパドゥラ、粗糖、ライスシロップ、ソルガム、ソルガムシロップ、キャッサバシロップ(タピオカシロップとも呼ばれる)、ソーマチン、ヤーコンの根、麦芽シロップ、大麦麦芽シロップ、大麦麦芽粉末、ビーツ糖、サトウキビ糖、結晶性果汁結晶、カラメル、カルビトール、イナゴマメシロップ、上白糖、加水分解水添デンプン、加水分解缶ジュース、加水分解デンプン、転化糖、アネトール、アラビノガラクタン、アロープ、シロップ、P-4000、アセスルファムカリウム(アセスルファムKまたはace-Kとも呼ばれる)、アリテーム(アクラメとも呼ばれる)、アドバンテーム、アスパルテーム、バイユノシド、ネオテーム、ベンズアミド誘導体、ベルナデーム(bernadame)、キャンデレル、カレラメ、および他のグアニジンベースの甘味料、植物繊維、コーンシュガー、カップリングシュガー、クルクリン、シクラメート、シクロカリオシドI、デメララ、デキストラン、デキストリン、糖化モルト、ズルチン、スクロール、バルジン、ズルコシドA、ズルコシドB、エムリン、エノキソロン、マルトデキストリン、サッカリン、エストラゴール、エチルマルトール、グルシン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルコサミン、グルコロン酸、グリセロール、グリシン、グリシフィリン、グリシルリチン、グリシルレチン酸モノグルクロニド、ゴールデンシュガー、イエローシュガー、ゴールデンシロップ、グラニュー糖、アマチャヅル、ヘルナンドゥルシン、異性化液糖、ジャラブ、チコリルート食物繊維、キヌレニン誘導体(N’-ホルミル-キヌレニン、N’-アセチル-キヌレニン、6-クロロ-キヌレニンなど)、ガラクチトール、リテッセ、リジカン(ligicane)、リカシン、ラグドゥネーム、グアニジン、ファレルナム、マビンリンI、マビンリンII、マルトール、マルチソルブ、マルトデキストリン、マルトトリオール、マンノサミン、ミラクリン、水飴、モグロシド(例えばモグロシドIV、モグロシドV、およびネオモグロシドなど)、ムクロジオシド、ナノシュガー、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ニブシュガー、ニゲロオリゴ糖、ノルブ、オルゲートシロップ、オスラジン、ペクメズ、ペンタジン、ペリアンドリンI、ペリルアルデヒド、ペリラルチン、ペトフィラム(petphyllum)、フェニルアラニン、フロミソシドI、フロロジジン(phlorodizin)、フィロズルチン、ポリグリシトールシロップ、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、レビアナ、リファイナーシロップ、ラブシロップ、ルブソシド、セリゲアインA、シュグル(shugr)、シアメノシドI、ラカンカ(Siraitia grosvenorii)、大豆オリゴ糖、スプレンダ、SRIオキシムV、ステビオールグリコシド、ステビオールビオシド、ステビオシド、ストロギン1、2、および4、スクロン酸、スクロノネート(sucrononate)、糖、スオサン、フロリジン、スーパーアスパルテーム、四糖、トレイトール、糖蜜、トリロブタイン(trilobtain)、トリプトファンおよび誘導体(6-トリフルオロメチル-トリプトファン、6-クロロ-D-トリプトファン)、バニラシュガー、ボレミトール、バーチシロップ、アスパルテーム-アセスルファム、アスグリン、ならびにこれらの任意の2種以上の組合せまたはブレンドが挙げられる。
【0034】
味修正組成物は、特定の実施形態では、限定するものではないが、以下のものを含む、食品および飲料品で一般的に使用される任意の追加の成分または成分の組合せを含んでもよい:
例えばクエン酸、リン酸、アスコルビン酸、硫酸ナトリウム、乳酸、または酒石酸などの酸;
例えばカフェイン、キニーネ、緑茶、カテキン、ポリフェノール、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、塩化カリウム、メントール、またはタンパク質(植物、藻類、または真菌に由来するタンパク質およびタンパク質単離物など)などの苦味成分;
例えばカラメル色素、赤色40号、黄色5号、黄色6号、青色1号、赤色3号、ムラサキニンジン、クロニンジン果汁、ムラサキサツマイモ、野菜汁、果汁、ベータカロテン、ターメリッククルクミン、または二酸化チタンなどの着色剤;
例えば安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、または安息香酸などの防腐剤;
例えばアスコルビン酸、EDTAカルシウム二ナトリウム、アルファトコフェロール、混合トコフェロール、ローズマリー抽出物、ブドウ種子抽出物、レスベラトロール、またはヘキサメタリン酸ナトリウムなどの酸化防止剤;
例えばレスベラトロール、Co-Q10、オメガ3脂肪酸、テアニン、塩化コリン(シトコリン)、ファイバーゾル、イヌリン(チコリルート)、タウリン、オタネニンジン抽出物、グアナナ抽出物、ジンジャー抽出物、L-フェニルアラニン、L-カルニチン、L-酒石酸塩、D-グルコロノラクトン、イノシトール、バイオフラボノイド、エキナセア、イチョウ、イェルバ・マテ、亜麻仁油、ガルシニアカンボジア外皮抽出物、白茶抽出物、リボース、オオアザミ抽出物、ブドウ種子抽出物、ピリドキシンHCl(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビオチン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム(パントテン酸)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化クロム、ポリニコチン酸クロム、硫酸第二銅、葉酸、ピロリン酸第二鉄、鉄、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン、ヨウ化カリウム、リン酸カリウム、リボフラビン、硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、チアミン硝酸塩、ビタミンD3、パルミチン酸ビタミンA、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、または硫酸亜鉛などのビタミンまたは機能性成分;
例えばエステルガム(ester gun)、臭素化植物油(BVO)、またはイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)などの混濁剤;
例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、または塩などの緩衝液;
例えばプロピレングリコール、エチルアルコール、グリセリン、アラビアガム(アカシアガム)、マルトデキストリン、変性コーンスターチ、デキストロース、天然フレーバー、他の天然フレーバーを含む天然フレーバー(天然フレーバーWONF)、天然および人工フレーバー、人工フレーバー、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、またはリン酸三カルシウムなどのフレーバー;または
例えばペクチン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリソルベート60、ポリソルベート80、中鎖トリグリセリド、セルロースゲル、セルロースガム、カゼインナトリウム、変性食品デンプン、アラビアガム(アカシアガム)、イヌリン、またはカラギーナンなどのデンプンおよび安定剤。
【0035】
味修正組成物は、水性媒体に溶解または懸濁した場合、例えばより低いpHから中性pHまでの任意の適切なpHを有することができる。より低いおよび中性のpHには、限定するものではないが、1.5~9.0、または2.5~8.5;3.0~8.0;3.5~7.5;および4.0~7のpHが含まれる。
【0036】
前述した実施形態のいずれかに従って説明される味修正組成物は、特定の実施形態では、甘味増強化合物(例えば、ヘスペレチン、ナリンゲニンなど)、苦味抑制化合物、うま味増強化合物、酸味もしくはカンゾウの味を低減する化合物、塩味増強化合物、清涼化作用増強化合物、または前述したもののいずれかの組合せなどの1種以上の追加のフレーバー修飾化合物も含有する。
【0037】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示の味修正組成物は、1種以上の甘味増強化合物を含有する。そのような甘味増強化合物としては、限定するものではないが、ヘスペリチン、ナリンゲニン、ロイフォリン、グルコシル化ステビオールグリコシド、カンゾウ由来グルクロネート、アロマデンドリン-3-O-アセテート、または他の同様のフラボノールもしくはフラボノイドなどの天然由来の化合物、または米国特許第8,541,421号明細書;同第8,815,956号明細書;同第9,834,544号明細書;同第8,592,592号明細書;同第8,877,922号明細書;同第9,000,054号明細書;および同第9,000,051号明細書、ならびに米国特許出願公開第2017/0119032号明細書に記載されている任意の化合物などの合成化合物が挙げられる。幾つかの適切な例には、3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピル-プロパンアミド、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]-チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、またはそれらの任意の組合せが含まれる。
【0038】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示の味修正組成物は、1種以上の他のうま味またはこく味増強化合物を含有する。そのようなうま味増強化合物としては、限定するものではないが、エリカミドなどの天然由来の化合物、または米国特許第8,735,081号明細書;同第8,124,121号明細書;および同第8,968,708号明細書に記載されている任意の化合物などの合成化合物が挙げられる。
【0039】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示の味修正組成物は、1種以上の清涼化作用増強化合物を含有する。そのような清涼化作用増強化合物としては、限定するものではないが、メントールもしくはその類似体などの天然由来の化合物、または米国特許第9,394,287号明細書および同第10,421,727号明細書に記載されている任意の化合物などの合成化合物が挙げられる。
【0040】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示の味修正組成物は、1種以上の苦味抑制化合物を含有する。そのような苦味抑制化合物としては、限定するものではないが、メントールもしくはその類似体などの天然由来の化合物、または米国特許第8,076,491号明細書;同第8,445,692号明細書;および同第9,247,759号明細書に記載されている任意の化合物などの合成化合物が挙げられる。
【0041】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示の味修正組成物は、1種以上の口当たり改善化合物を含有する。そのような口当たり改善化合物としては、限定するものではないが、タンニン、セルロース系材料、竹粉などが挙げられる。
【0042】
幾つかの更なる実施形態では、本明細書に開示の味修正組成物は、1種以上のフレーバーマスキング化合物を含有する。そのようなフレーバーマスキング化合物としては、限定するものではないが、セルロース系材料、真菌から抽出された材料、植物から抽出された材料、クエン酸、炭酸(または炭酸塩)などが挙げられる。
【0043】
本明細書に開示の味修正組成物は、特定の実施形態では、シクロサルを含むことができる。シクロサルが存在する場合、これはラクトンと同様の相対濃度で存在する。
【0044】
味修正組成物は、任意の適切な形態であってよい。例えば、幾つかの実施形態では、組成物は、固体粉末などの固体の形態である。幾つかのそのような実施形態では、組成物は、炭水化物などの固体担体も含む。幾つかの別の実施形態では、味修正組成物は、溶液または懸濁液の形態である。そのような液体形態は、水性であっても非水性であってもよく、あるいは水中油型または油中水型のエマルションなどのエマルションであることもできる。幾つかの実施形態では、味修正組成物は、食品または飲料品などのフレーバー入り製品、または練り歯磨きもしくは洗口液などの口腔ケア製品に配合される。
【0045】
幾つかの実施形態では、味修正組成物は、H. Mitchell, Sweeteners and Sugar Alternatives in Food Technology, Blackwell Publishing Ltd, 2006に記載されている1種以上のフレーバーまたは任意の他の添加剤を含む。本明細書で使用される「フレーバー」という用語には、天然および人工フレーバーなどの、当業者に公知のフレーバーが含まれる。これらのフレーバーは、合成フレーバーオイルおよびフレーバー芳香油またはオイル、含油樹脂、ならびに植物、葉、花、果実などに由来する抽出物、ならびにこれらの組合せから選択することができる。非限定的な代表的なフレーバーオイルとしては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーン油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、ジャパニーズミント油、クローブ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、セダーリーフ油、ナツメグ油、オールスパイス、セージ油、メイス、ビターアーモンド油、およびカッシア油が挙げられる。同様に有用なフレーバーは、バニラ、ならびにレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ(yazu)、スダチなどの柑橘系オイル、ならびにリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、スイカ、アンズ、バナナ、メロン、アンズ、ウメ、チェリー、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどのようなフルーツエッセンスなどの、人工、天然、および合成フルーツフレーバーである。その他の有望なフレーバーとしては、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;グリーンティーフレーバー、ウーロンティーフレーバー、ティーフレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバーなどのティーまたはコーヒーフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、およびジャパニーズミントフレーバーなどのミントフレーバー;アサフェティダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンジェリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェイフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、ペッパーフレーバー、コリアンダーフレーバー、ササフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、サンショウフレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、スターアニスフレーバー、ホースラディッシュフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビ(Japanese horseradish)フレーバーなどのスパイシーフレーバー;ワインフレーバー、ウイスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、およびリキュールフレーバーなどのアルコールフレーバー;フローラルフレーバー;ならびにオニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、およびトマトフレーバーなどの野菜フレーバーが挙げられる。これらのフレーバー付与剤は、液体または固体の形態で使用することができ、別々にまたは混合して使用することができる。一般的に使用されるフレーバーとしては、別々に使用されるか混合して使用されるかにかかわらず、ミント、例えばペパーミント、メントール、スペアミント、人工バニラ、シナモン誘導体、および様々なフルーツフレーバーが挙げられる。フレーバーは、清涼化剤と組み合わせて使用された場合に、息を爽やかにする特性、特にミントフレーバーを提供することもできる。
【0046】
フレーバーは、清涼化剤と組み合わせて使用された場合に、息を爽やかにする特性、特にミントフレーバーを提供することもできる。これらのフレーバーは、液体または固体の形態で使用することができ、別々にまたは混合して使用することができる。酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p-メチルアミソールなどのアルデヒドおよびエステルを含む他の有用なフレーバーを使用することができる。通常、National Academy of SciencesによるCHEMICALS USED IN FOOD PROCESSING, publication 1274, pages 63-258に記載されているものなどの任意のフレーバーまたは食品添加物を使用することができる。
【0047】
アルデヒドフレーバーの追加の例としては、限定するものではないが、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(チェリー、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、シンナムアルデヒド(シナモン)、シトラールすなわちアルファ-シトラール(レモン、ライム)、ネラールすなわちベータ-シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープすなわちピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、アルファ-アミルシンナムアルデヒド(スパイシーフルーティーフレーバー)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性物、多くの種類)、デカナール(柑橘系の果物)、アルデヒドC-8(柑橘系の果物)、アルデヒドC-9(柑橘系の果物)、アルデヒドC-12(柑橘系の果物)、2-エチルブチルアルデヒド(ベリーの果物)、ヘキセナールすなわちトランス-2(ベリーの果物)、トリルアルデヒド(チェリー、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6-ジメチル-5-ヘプテナールすなわちメロナール(メロン)、2,6-ジメチルオクタナール(グリーンフルーツ)、および2-ドデセナール(柑橘類、マンダリン)、チェリー、グレープ、ストロベリーショートケーキ、およびそれらの混合が挙げられる。これらのフレーバーのリストは例示にすぎず、フレーバーという用語または一般的な開示の範囲のいずれかを限定することを意図するものではない。
【0048】
特定の実施形態では、メントールおよび関連化合物、または他の息を爽やかにする化合物を含むミントフレーバーを、米国特許第9,394,287号明細書および同第9,732,071号明細書に記載のものなどの清涼化剤と組み合わせることができる。清涼化剤の追加の例としては、5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキシル-N-エチルオキサメート、N-エチル-p-メンタンカルボキサミド(WS-3、メンタン-3-カルボン酸-N-エチルアミドとも呼ばれる)、N-2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミド(WS-23)、乳酸メンチル(Frescolat.RTM. ML)、メントングリセリンアセタール(Frescolat.RTM. MGA)、コハク酸モノメンチル(Physcool.RTM.)、グルタル酸モノメンチル、O-メンチルグリセリン、メンチル-N,N-ジメチルスクシナメート、N-(4-シアノメチルフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)-3-p-メンタンカルボキサミド、メントールおよびメントール誘導体(例えばL-メントール、D-メントール、ラセミ体メントール、イソメントール、ネオイソメントール、ネオメントール)メンチルエーテル(例えば(I-メントキシ)-1,2-プロパンジオール、(I-メントキシ)-2-メチル-1,2-プロパンジオール、1-メンチル-メチルエーテル)、メンチルエステル(例えばギ酸メンチル、酢酸メンチル、イソ酪酸メンチル、乳酸メンチル、L-メンチル-L-ラクテート、L-メンチル-D-ラクテート、メンチル-(2-メトキシ)アセテート、メンチル-(2-メトキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、N-(4-シアノメチルフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)-3-p-メンタンカルボキサミド、メンチルカーボネート(例えばメンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセリンカーボネート、またはそれらの混合物)、メンタンカルボン酸アミド(例えばメンタンカルボン酸-N-エチルアミド[WS3]、N-α-(メンタン-カルボニル)グリシンエチルエステル[WS5]、メンタンカルボン酸-N-(4-シアノフェニル)アミド、メンタンカルボン酸-N-(アルコキシアルキル)アミド)、メントンおよびメントン誘導体(例えばL-メントングリセリンケタール)、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)-酪酸誘導体(例えば2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)-酪酸-N-メチルアミド[WS23])、イソプレゴールまたはそのエステル(1-(-)-イソプレゴール、1-(-)-酢酸イソプレゴール)、メンタン誘導体(例えばp-メンタン-3,8-ジオール)、N-(4-シアノメチルフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)-3-p-メンタンカルボキサミド、クベボールまたはクベボールを含む合成もしくは天然混合物、シクロアルキルジオン誘導体のピロリドン誘導体(例えば3-メチル-2(1-ピロリジニル)-2-シクロペンテン-1-オン)またはテトラヒドロピリミジン-2-オン(例えばイシリンまたは国際公開第2004/026840号パンフレットに記載のものなどの関連化合物)、N-(4-シアノメチルフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、N-(2-(ピリジン-2-イル)エチル)-3-p-メンタンカルボキサミド、メンチルエーテル(例えば(I-メントキシ)-1,2-プロパンジオール、(I-メントキシ)-2-メチル-1,2-プロパンジオール)、より極性の高いメンチルエステル(例えばメンチルラクテート、L-メンチル-L-ラクテート、L-メンチル-D-ラクテート、メンチル-(2-メトキシ)アセテート、メンチル-(2-メトキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、メンチルカーボネート(例えばメンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセリンカーボネート)、メントールとジカルボン酸またはその誘導体との半エステル(例えばコハク酸モノメンチル、グルタル酸モノメンチル、マロン酸モノメンチル、O-メンチルコハク酸エステル-N,N-(ジメチル)アミド、O-メンチルコハク酸エステルアミド)、3,4-メチレンジオキシケイ皮酸-N-シクロヘキシル-N-2-ピリジルアミド、イソプロピル-(5-メトキシ-2-ピリジン-2-イル-ピリミジン-4-イル)-アミン、3,4,6,7,11b,12-ヘキサヒドロ-3,3-ジメチル-スピロ[13H-ジベンゾ[a,f]キノリジン-1--3,2’-[1,3]ジチオラン]-1(2H)-オン、5,6,10b,11-テトラヒドロ-3-メチル-スピロ[12H-ベンゾ[a]フロ[3,4-f]キノリジン-1--2,2’-[1,3]ジチオラン]-1(3H)-オンが挙げられる。清涼化化合物として最も好ましいものは、5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキシル-N-エチルオキサメート、N-エチル-p-メンタンカルボキサミド(WS-3、メンタン-3-カルボン酸-N-エチルアミドとも呼ばれる)、乳酸メンチル(Frescolat.RTM. ML)、メントングリセリンアセタール(Frescolat.RTM. MGA)、N-(4-シアノメチルフェニル)-p-メンタンカルボキサミド、および(I-メントキシ)-1,2-プロパンジオールからなる群から選択される化合物である。
【0049】
使用、方法、およびフレーバー入り製品
少なくとも別の態様では、本開示は、フレーバー入り製品の異味を低減するための、前述した態様およびその実施形態の味修正組成物の使用を提供する。
【0050】
関連する態様では、本開示は、フレーバー入り製品の異味を低減する方法であって、前述した態様およびその実施形態の味修正組成物をフレーバー入り製品に導入することを含む、方法を提供する。
【0051】
これらの態様と関連して、フレーバー入り製品は、以下に示される態様および実施形態による任意のフレーバー入り製品であってよい。幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、強化スパークリング飲料、コーラ、レモンライムフレーバースパークリング飲料、オレンジフレーバースパークリング飲料、グレープフレーバースパークリング飲料、ストロベリーフレーバースパークリング飲料、パイナップルフレーバースパークリング飲料、ジンジャーエール、ルートビア、フルーツジュース、フルーツフレーバージュース、果汁飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜フレーバージュース、スポーツ飲料、エナジー飲料、強化ウォーター飲料、ビタミン強化水、ニアウォーター飲料、ココナッツウォーター、お茶タイプの飲料、コーヒー、ココア飲料、乳成分を含む飲料、穀物抽出物を含む飲料、およびスムージーなどの飲料品である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー入り製品は、加工食品、缶詰食品、代替食品などの食品である。幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、歯磨き粉、マウスウォッシュ、または米国特許出願公開第2019/0167545号明細書(これは参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている組成物などの歯のホワイトニング組成物のような口腔ケア製品である。
【0052】
幾つかの実施形態では、フレーバー入り物品は、過酸化水素などの過酸化物を含む。前述した態様の味修正組成物がフレーバー入り製品に配合されるかまたは導入される実施形態では、その濃度は、分類(a)、(b)(i)、(b)(ii)、および(b)(iii)の全ての成分の合計が10ppm~10000ppm、または20ppm~9500ppm、または30ppm~9000ppm、または50ppm~8500ppm、または100ppm~8000ppmの範囲の濃度を有するような濃度である。ここでの「ppm」は、フレーバー入り製品の総重量に基づいて、重量/重量基準で測定される。
【0053】
過酸化水素などの過酸化物が存在する実施形態では、分類(a)、(b)(i)、(b)(ii)、および(b)(iii)の全ての成分の合計に対する過酸化物の濃度比(w/w)は、25:1~10,000:1、または50:1~8000:1、または100:1~7000:1、または200:1~6000:1の範囲である。幾つかの実施形態では、過酸化物は過酸化水素である。
【0054】
フレーバー入り製品は、任意の適切な物理的形態であってよい。例えば、幾つかの実施形態では、フレーバー入り組成物は、粉末などの固体の形態であってよい。更なるそのような実施形態では、フレーバー入り製品は、歯を白くするためや汚れ(例えばタバコの汚れ)を除去するためなどの歯磨き粉のような歯磨き粉である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー入り製品は、練り歯磨きなどのペーストまたはスラリーであってよい。幾つかの別の実施形態では、フレーバー入り製品は、歯用ジェル、スキンクリーム、または歯用クリームなどのクリームまたはジェルの形態であってよい。幾つかの別の実施形態では、フレーバー入り製品は、例えば、水性担体を含む液体懸濁液または溶液であってよい。フレーバー入り製品は、幾つかの実施形態では、マイクロエマルションまたはナノエマルションなどのエマルションの形態であってよく、界面活性剤や乳化剤などが存在することができる。幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、皮膚、顔、唇、歯茎、口などに塗布するための製品などのパーソナルケアである。そのようなパーソナル製品は、皮膚のホワイトニングや歯のホワイトニングなどの任意の適切な用途のためのものであってよい。
【0055】
特定の態様では、本開示は、前述した態様またはその実施形態の任意の組成物を含むフレーバー入り製品を提供する。幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、ソーダ、フレーバー水、茶などの飲料品である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー入り製品は、ヨーグルトなどの食品である。
【0056】
フレーバー入り製品が飲料である実施形態では、飲料は、強化スパークリング飲料、コーラ、レモンライムフレーバースパークリング飲料、オレンジフレーバースパークリング飲料、グレープフレーバースパークリング飲料、ストロベリーフレーバースパークリング飲料、パイナップルフレーバースパークリング飲料、ジンジャーエール、ルートビア、フルーツジュース、フルーツフレーバージュース、果汁飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜フレーバージュース、スポーツ飲料、エナジー飲料、強化ウォーター飲料、ビタミン強化水、ニアウォーター飲料、ココナッツウォーター、お茶タイプの飲料、コーヒー、ココア飲料、乳成分を含む飲料、穀物抽出物を含む飲料、およびスムージーからなる群から選択することができる。幾つかの実施形態では、飲料は清涼飲料水であってよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は口腔ケア製品である。「口腔ケア製品」とは、通常の使用過程において、特定の治療薬を全身投与する目的で意図的に飲み込むのではなく、口腔活性の目的で実質的に全ての歯の表面および/または口腔組織に接触するのに十分な時間口腔内に保持される、パーソナルケア製品またはその他の製品を意味する。口腔ケア組成物は、練り歯磨き、歯磨剤、歯用ジェル、歯肉縁下ジェル、マウスリンス、ムース、フォーム、マウススプレー、ロゼンジ、チュアブル錠、チューインガム、または義歯製品を含む様々な形態であってよい。口腔ケア組成物は、口腔表面への直接塗布または付着のために、ストリップまたはフィルム上に配合することもできる。
【0058】
幾つかの実施形態では、フレーバー入り製品は、特定の医薬品有効成分(API)を担持または送達するように設計された製品などの医薬品である。そのようなAPIは、アセトアミノフェンやその他のOTC咳止め薬や風邪薬などの市販薬(OTC)であってよい。幾つかの実施形態では、APIは処方薬である。
【0059】
フレーバー入り製品に関する本明細書に記載の任意の態様および実施形態の特定の実施形態では、フレーバー入り製品は、加工食品または飲料品などの非天然製品である。
【0060】
食品および飲料品または配合物の更なる非限定的な例としては、スープのカテゴリー、乾燥加工食品のカテゴリー、飲料のカテゴリー、レディミールのカテゴリー、缶詰または保存食品のカテゴリー、冷凍加工食品のカテゴリー、冷蔵加工食品のカテゴリー、スナック食品のカテゴリー、焼き菓子のカテゴリー、菓子のカテゴリー、乳製品のカテゴリー、アイスクリームのカテゴリー、食事代替品のカテゴリー、パスタおよび麺のカテゴリー、ソース、ドレッシング、調味料のカテゴリー、ベビーフードのカテゴリー、ならびに/またはスプレッドのカテゴリーに含まれるそのような製品または任意のもののための、甘いコーティング、フロスティング、またはグレーズが挙げられる。
【0061】
一般的に、スープのカテゴリーは、缶詰/保存、脱水、インスタント、冷蔵、UHT、および冷凍のスープを指す。この定義の目的のためには、スープとは、肉、鶏肉、魚、野菜、穀物、果物、およびその他の原料から調製され、これらの原料の一部または全ての目に見える一部を含み得る液体の調理された食品を意味する。これは、透明な(ブロスとして)ものであっても濃い(チャウダーとして)ものであってもよく、滑らかであっても、ピューレ状であっても、具入りのものであってもよく、そのまま飲める状態のものであっても、半濃縮状であっても、濃縮状のものであってもよく、また食事の最初の一品としてもしくはメインの一品として、または食事の合間の軽食(飲料のようにすする)として、熱い状態でもしくは冷たい状態で供することができる。スープは、他の食事構成要素を準備するための成分として使用することができ、ブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズベースのスープ)まで様々であってよい。
【0062】
脱水食品および料理用食品のカテゴリーは、通常、以下のものを意味する:(i)プレスキューブ、タブレット、粉末、または顆粒形態の濃縮ブイヨン、ブイヨン、およびブイヨン様製品を含む粉末、顆粒、ペースト、濃縮液体製品などの調理補助製品、これらは完成品として、または製品、ソース、およびレシピミックス(技術を問わず)内の成分として、個別に販売される;(ii)脱水スープミックス、脱水インスタントスープ、脱水調理済みスープ、既製料理の脱水または常温調理品を含む脱水および凍結乾燥スープ、ならびにパスタ、ジャガイモ、および米料理を含む食事および一人前の食事などのミールソリューション製品;ならびに(iii)乾燥、液体、または冷凍を問わず、完成品または製品中の成分として販売されている、調味料、マリネ、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン、バッターミックス、常温保存可能なスプレッド、バーベキューソース、液体レシピミックス、濃縮物、サラダ用のレシピミックスを含むソースまたはソースミックスなどの食事装飾製品。
【0063】
飲料のカテゴリーは、通常、限定するものではないが、炭酸飲料および非炭酸飲料、アルコール飲料および非アルコール飲料、そのまま飲める状態の飲料、ソーダなどの飲料を調製するための液体濃縮配合物、および乾燥粉末飲料前駆体ミックスを含む飲料、飲料ミックス、および濃縮物を意味する。飲料カテゴリーには、アルコール飲料、ソフトドリンク、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、およびホットドリンクも含まれる。アルコール飲料としては、限定するものではないが、ビール、サイダー/ペリー、FAB、ワイン、およびスピリッツが挙げられる。ソフトドリンクとしては、限定するものではないが、コーラやコーラではない炭酸飲料などの炭酸飲料;果汁、ネクター、果汁飲料、およびフルーツフレーバー飲料などのフルーツジュース;スパークリングウォーター、スプリングウォーター、および精製/テーブルウォーターなどのボトル入りの水;炭酸入りであっても無炭酸であってもよい、スポーツ飲料、エネルギー飲料、またはエリキシル飲料などの機能性飲料;そのまま飲める程度の液体濃縮物および粉末濃縮物などの濃縮物;が挙げられる。ホットまたはコールドのドリンクとしては、限定するものではないが、フレッシュコーヒー、インスタントコーヒー、および混合コーヒーなどのコーヒーまたはアイスコーヒー;紅茶、緑茶、白茶、ウーロン茶、およびフレーバーティーなどのお茶またはアイスティー;ならびに牛乳または水と混合されたフレーバー、モルト、または植物ベースの粉末、顆粒、ブロック、またはタブレットなどのその他の飲料が挙げられる。
【0064】
スナック食品のカテゴリーは、一般的に、限定するものではないが、甘くて香りのよいスナックやスナックバーなどの、軽い正式ではない食事であってよいあらゆる食品を指す。スナック食品の例としては、限定するものではないが、フルーツスナック、チップ/クリスプ、押し出されたスナック、トルティーヤ/コーンチップ、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、およびその他の甘くて香りのよいスナックが挙げられる。スナックバーの例としては、限定するものではないが、グラノーラ/ミューズリーバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、およびその他のスナックバーが挙げられる。
【0065】
焼き菓子のカテゴリーは、一般的に、熱または過度の日光への暴露を伴う製造プロセスのあらゆる食用製品を指す。焼き菓子の例としては、限定するものではないが、パン、ロールパン、クッキー、マフィン、シリアル、トースターペストリー、ペストリー、ワッフル、トルティーヤ、ビスケット、パイ、ベーグル、タルト、キッシュ、ケーキ、任意の焼き菓子、およびこれらの任意の組合せが挙げられる。
【0066】
アイスクリームのカテゴリーは、一般的に、クリームと砂糖とフレーバーとを含む冷菓を指す。アイスクリームの例としては、限定するものではないが、店頭消費用アイスクリーム;持ち帰り用アリスクリーム;フローズンヨーグルトおよび専門店のアイスクリーム;大豆、オーツ麦、豆(例えば小豆および緑豆)、ならびに米ベースのアイスクリームが挙げられる。
【0067】
菓子のカテゴリーは、一般的に、甘い味の食用製品を指す。菓子の例としては、限定するものではないが、キャンディー、ゼラチン、チョコレート菓子、砂糖菓子、ガムなど、および任意の組合せの製品が挙げられる。
【0068】
食事代替品のカテゴリーは、一般的に、特に健康やフィットネスに懸念がある人々のための、通常の食事を置き換えることを目的とした任意の食品を指す。食事代替品の例としては、限定するものではないが、痩身製品や回復期製品が挙げられる。
【0069】
レディミールのカテゴリーは、一般的に大がかりな準備や処理なしで食事として提供できる任意の食品を指す。レディミールは、メーカーがレシピの「スキル」を加えた製品を含んでいることから、迅速性、完成度、および利便性が高い。レディミールの例としては、限定するものではないが、缶詰/保存、冷凍、乾燥、冷蔵のレディミール;ディナーミックス;冷凍ピザ;冷蔵ピザ;および調理済サラダが挙げられる。
【0070】
パスタおよび麺のカテゴリーには、限定するものではないが、缶詰、乾燥および冷蔵/生のパスタ;ならびにプレーン、インスタント、冷蔵、冷凍、および軽食用の麺などの任意のパスタおよび/または麺が含まれる。
【0071】
缶詰/保存食品のカテゴリーには、限定するものではないが、缶詰/保存食肉および肉製品、魚/シーフード、野菜、トマト、豆、果物、レディミール、スープ、パスタ、およびその他の缶詰/保存食品が含まれる。
【0072】
冷凍加工食品のカテゴリーには、限定するものではないが、冷凍処理済赤肉、処理済家禽、処理済魚/シーフード、処理済野菜、肉代用品、処理済ジャガイモ、ベーカリー製品、デザート、レディミール、ピザ、スープ、麺、およびその他の冷凍食品が含まれる。
【0073】
乾燥加工食品のカテゴリーには、限定するものではないが、米、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンヌードル、およびインスタント麺が含まれる。冷蔵加工食品のカテゴリーには、限定するものではないが、冷蔵処理済肉、処理済魚/シーフード製品、ランチキット、新鮮なカットフルーツ、レディミール、ピザ、調理済サラダ、スープ、生パスタ、および麺が含まれる。
【0074】
ソース、ドレッシング、および調味料のカテゴリーには、限定するものではないが、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ハーブおよびスパイス、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、テーブルソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェット/クッキングソース、ドライソース/パウダーミックス、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、ピクルス、ならびにその他のソース、ドレッシング、および調味料が含まれる。
【0075】
ベビーフードのカテゴリーには、限定するものではないが、牛乳ベースまたは大豆ベースの調合乳;ならびに調理済、乾燥、およびその他のベビーフードが含まれる。
【0076】
スプレッドのカテゴリーには、限定するものではないが、ジャムおよびプレザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、および酵母ベースのスプレッドが含まれる。
【0077】
乳製品のカテゴリーは、一般的に、哺乳類の乳から製造された食用製品を指す。乳製品の例には、限定するものではないが、飲用乳製品、チーズ、ヨーグルト、およびサワーミルク飲料、ならびにその他の乳製品が含まれる。
【0078】
フレーバー入り製品、特に食品および飲料品または配合物の追加の例を以下に示す。例示的な食用組成物としては、1種以上の菓子、チョコレート菓子、タブレット、カウントライン、袋入りセルフライン/ソフトライン、箱入りの詰め合わせ、標準箱入りの詰め合わせ、ひねり包装のミニチュア、季節物のチョコレート、玩具付きチョコレート、アルフォーレス、その他のチョコレート菓子、ミント、標準的なミント、強力ミント、ハードキャンディー、トローチ、ガム、ゼリーおよびチューイング菓子、トフィー、キャラメルおよびヌガー、薬用菓子、ロリポップ、リコリス、その他の砂糖菓子、パン、袋詰めされた/工業的に生産されたパン、袋詰めされていない/専門店のパン、菓子パン、ケーキ、袋詰めされた/工業的に生産されたケーキ、袋詰めされていない/専門店のケーキ、クッキー、チョコレートコーティングされたビスケット、サンドウィッチビスケット、フィリング入りビスケット、セイボリービスケットおよびクラッカー、パンの代用品、朝食用シリアル、rteシリアル、家庭の朝食用シリアル、フレーク、ミューズリー、他のシリアル、子供の朝食用シリアル、ホットシリアル、アイスクリーム、店頭買い用アイスクリーム、個包装の乳製品アイスクリーム、個包装の氷菓、マルチパックの乳製品アイスクリーム、マルチパックの氷菓、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製品アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰り用氷菓、フローズンヨーグルト、専門店のアイスクリーム、乳製品、牛乳、生/低温殺菌牛乳、生/低温殺菌全脂肪乳、生/低温殺菌半脱脂乳、ロングライフ/uht乳、ロングライフ/uht全脂肪乳、ロングライフ/uht半脱脂乳、ロングライフ/uht無脂肪乳、山羊乳、コンデンスミルク/エバミルク、プレーンなコンデンスミルク/エバミルク、フレーバー入りの、機能性の、および他のコンデンスミルク、フレーバー入り乳飲料、乳製品のみのフレーバー入り乳飲料、果汁入りフレーバー入り乳飲料、豆乳、サワーミルク飲料、発酵乳飲料、コーヒーホワイトナー、粉ミルク、フレーバー入り粉状乳飲料、クリーム、チーズ、プロセスチーズ、塗り広げ可能なプロセスチーズ、塗り広げられないプロセスチーズ、非加工チーズ、塗り広げ可能な非加工チーズ、ハードチーズ、包装されたハードチーズ、包装されていないハードチーズ、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、フレーバー入りヨーグルト、フルーツ入りヨーグルト、プロバイオティックヨーグルト、飲むヨーグルト、常飲用ヨーグルト、プロバイオティックの飲むヨーグルト、冷蔵および常温保存可能なデザート、乳製品ベースのデザート、大豆ベースのデザート、チルドスナック、フロマージュフレおよびクワルク、プレーンのフロマージュフレおよびクワルク、フレーバー入りフロマージュフレおよびクワルク、風味付けされたフロマージュフレおよびクワルク、甘くて香りのよいスナック、フルーツスナック、チップ/クリスプ、押し出されたスナック、トルティーヤ/コーンチップ、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、その他の甘くて香りのよいスナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、その他のスナックバー、食事代替製品、痩身製品、回復期飲料、レディミール、缶詰レディミール、冷凍レディミール、乾燥レディミール、チルドレディミール、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶入りスープ、脱水スープ、インスタントスープ、チルドスープ、ホットスープ、冷凍スープ、パスタ、缶入りパスタ、乾燥パスタ、チルド/フレッシュパスタ、麺、プレーンヌードル、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、チルド麺、スナック麺、缶詰食品、缶詰肉および肉製品、缶詰魚/シーフード、缶詰野菜、缶詰トマト、缶詰豆、缶詰フルーツ、缶詰レディミール、缶詰スープ、缶詰パスタ、他の缶詰の食品、冷凍食品、冷凍処理済赤肉、冷凍処理済家禽、冷凍処理済魚/シーフード、冷凍処理済野菜、冷凍肉代用品、冷凍ジャガイモ、オーブン焼成ポテトチップス、他のオーブン焼成ジャガイモ製品、非オーブン焼成冷凍ジャガイモ、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、冷凍レディミール、冷凍ピザ、冷凍スープ、冷凍麺、他の冷凍食品、乾燥食品、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーンヌードル、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、パウチインスタント麺、冷蔵食品、冷蔵処理済肉、冷蔵魚/シーフード製品、冷蔵処理済魚、冷蔵の衣付けされた魚、冷蔵の燻製された魚、冷蔵ランチキット、冷蔵レディミール、冷蔵ピザ、冷蔵スープ、冷蔵/生パスタ、冷蔵麺、油脂、オリーブ油、植物および種子油、調理用脂肪、バター、マーガリン、塗り広げ可能な油脂、機能性の塗り広げ可能な油脂、ソース、ドレッシング、および香辛料、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ストックキューブ、グレイビー顆粒、液体ストックおよびフォン、ハーブおよびスパイス、発酵ソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェットソース、ドライソース/パウダーミックス、ケチャップ、マヨネーズ、レギュラーマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、レギュラーサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、ピクルス、その他のソース、ドレッシングおよび調味料、ベビーフード、調合乳、標準調合乳、フォローアップ調合乳、幼児用調合乳、低アレルゲン調合乳、調理済ベビーフード、乾燥ベビーフード、他のベビーフード、スプレッド、ジャムおよびプレザーブ、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、および酵母ベースのスプレッドが挙げられる。例示的な食用組成物には、菓子、ベーカリー製品、アイスクリーム、乳製品、甘くて香りのよいスナック、スナックバー、食事代替製品、レディミール、スープ、パスタ、麺、缶詰食品、冷凍食品、乾燥食品、冷蔵食品、油脂、ベビーフード、もしくはスプレッド、またはこれらの混合物も含まれる。例示的な食用組成物には、理想的には既知の糖甘味料または人工甘味料の濃度を低減できるようにするための、朝食シリアル、甘い飲み物、または飲料を調製するための固体もしくは液体の濃縮組成物も含まれる。
【0079】
幾つかの実施形態は、飲み込むことが意図されていても意図されていなくてもよいチュアブル組成物を提供する。幾つかの実施形態では、チュアブル組成物は、本明細書に開示および記載の化合物を個別にまたは組み合わせて含む、ガム、チューインガム、加糖ガム、無糖ガム、機能性ガム、バブルガムであってよい。
【0080】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示および記載の味修正組成物は、個別にまたは組み合わせて、例えばそのまま使用できる(ready-to-use)(すなわちそのまま供することができる(ready-to-serve))製品を製造するための後続の処理に適したフレーバー付与濃縮配合物で提供することができる。「フレーバー付与濃縮配合物」とは、そのまま使用できる組成物になるために1種以上の希釈媒体で戻される必要がある配合物を意味する。「そのまま使用できる組成物」という用語は、本明細書では「摂取可能な組成物」と交換可能に使用され、これは、単独で、または他の物質と一緒に、摂取を意図するか否かにかかわらず経口摂取可能な任意の物質を意味する。一実施形態では、そのまま使用できる組成物には、ヒトまたは動物が直接摂取することが可能な組成物が含まれる。フレーバー付与濃縮配合物は、1種以上のフレーバーを希釈媒体に付与または修飾するために、典型的には例えば任意の摂取用もしくは摂取可能な成分または製品などの1種以上の希釈媒体と混合するかこれらで希釈することによって、使用される。このような使用プロセスは、多くの場合再構成と呼ばれる。再構成は、家庭環境または産業環境で行うことができる。例えば、冷凍フルーツジュース濃縮物を、消費者が台所で水または他の水性媒体で再構成することで、そのまま飲める状態のフルーツジュース飲料を得ることができる。別の例では、ソフトドリンクシロップ濃縮物を、大規模な商業スケールの製造業者が水または他の水性媒体で再構成することで、そのまま飲める状態のソフトドリンクを製造することができる。フレーバー付与濃縮配合物は、そのまま使用できる組成物よりも高い濃度でフレーバー付与剤またはフレーバー修飾剤を有しているため、フレーバー付与濃縮配合物は、典型的には再構成しないままでの直接摂取には適していない。フレーバー付与濃縮配合物の使用および製造には多くの利点が存在する。例えば、1つの利点は、フレーバー付与濃縮配合物が、適切な溶媒、固体、または液体の添加によって使用時に再構成されることができるため、輸送のための重量および体積が減ることである。
【0081】
前述した実施形態のいずれかに従って説明されるフレーバー入り製品は、特定の実施形態では、甘味増強化合物(例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオールグリコシドなど)、苦味抑制化合物、うま味増強化合物、酸味低減化合物、塩味増強化合物、清涼化作用増強化合物、または前述したもののいずれかの組合せなどの1種以上の追加のフレーバー修飾化合物も含有する。
【0082】
甘味付与またフレーバー付与濃縮物に言及する本明細書に記載の任意の態様および実施形態の特定の実施形態では、甘味付与またはフレーバー付与濃縮物は、食品または飲料品などのフレーバー入り製品の製造のために特別に製造された組成物などの天然に存在しない製品である。
【0083】
一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、i)個別のまたは組合せでの本明細書に開示および記載の化合物;ii)担体;およびiii)任意選択的な少なくとも1種の補助剤;を含有する。「担体」という用語は、溶媒、バインダー、または他の不活性媒体などの通常は不活性な補助的な物質を意味し、本化合物および1種以上の任意選択的な補助剤と組み合わせて使用されて配合物を形成する。例えば、フレーバー付与濃縮配合物のために、水またはデンプンを担体にすることができる。幾つかの実施形態では、担体は、フレーバー付与濃縮配合物を再構成するための希釈媒体と同じであり;別の実施形態では、担体は希釈媒体とは異なる。本明細書で使用される「担体」という用語は、限定するものではないが、摂取が許容される担体を含む。
【0084】
「補助剤」という用語は、本発明の化合物などの有効成分の意図された機能または有効性を補足、安定化、維持、または強化する添加物を意味する。一実施形態では、少なくとも1種の補助剤は、1種以上のフレーバー付与剤を含む。フレーバー付与剤は、チョコレート、コーヒー、茶、モカ、フレンチバニラ、ピーナッツバター、チャイ、またはこれらの組合せのフレーバーなど、当業者または消費者に知られている任意のフレーバーであってよい。別の実施形態では、少なくとも1種の補助剤は、1種以上の甘味料を含む。1種以上の甘味料は、本出願に記載の任意の甘味料であってよい。別の実施形態では、少なくとも1種の補助剤は、乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、塩、およびこれらの組合せからなる群から選択される1種以上の成分を含む。乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、ならびに塩の例は、米国特許第6,468,576号明細書に記載されており、この内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
一実施形態では、本フレーバー付与濃縮配合物は、溶液および懸濁液を含む液体、固体、泡状材料、ペースト、ゲル、クリーム、および特定の量の固形分を含有する液体などのこれらの組合せからなる群から選択される形態であってよい。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、水系および非水系などの液体の形態である。幾つかの実施形態では、本フレーバー付与濃縮配合物は、炭酸入りであっても炭酸入りでなくてもよい。
【0086】
フレーバー付与濃縮配合物は、少なくとも1種の補助剤として、凝固点降下剤、造核剤、またはその両方をさらに含み得る。凝固点降下剤は、化合物または薬剤が添加される液体または溶媒の凝固点を低下させることができる、摂取が許容される化合物または薬剤である。すなわち、凝固点降下剤を含む液体または溶液は、凝固点降下剤を含まない液体または溶媒よりも低い凝固点を有する。開始凝固点を低下させることに加えて、凝固点降下剤は、フレーバー付与濃縮配合物の水分活性を低下させることもできる。凝固点降下剤の例としては、限定するものではないが、炭水化物、油、エチルアルコール、ポリオール、例えばグリセロール、およびこれらの組合せが挙げられる。造核剤は、核形成を促進することができる摂取が許容される化合物または薬剤を意味する。フレーバー付与濃縮配合物中の造核剤の存在は、望ましい氷結晶化中心の数を増やすことにより、凍結スラッシュの凍結ブラッシュの口当たりを改善し、凍結温度におけるスラッシュの物理的特性および性能の維持を補助することができる。造核剤の例としては、限定するものではないが、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0087】
一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は、保存寿命を延ばすために低い水分活性を持つように配合される。水分活性は、同じ温度における純水の蒸気圧に対する配合物中の水の蒸気圧の比率である。一実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は約0.85未満の水分活性を有する。別の実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は約0.80未満の水分活性を有する。別の実施形態では、フレーバー付与濃縮配合物は約0.75未満の水分活性を有する。
【実施例
【0088】
本発明をさらに説明するために、以下の実施例が含まれる。当然、実施例は、本発明を具体的に限定すると解釈されるべきではない。特許請求の範囲内のこれらの実施例の変形は、当業者の理解の範囲内であり、それらは本明細書に記載され特許請求される本発明の範囲内にあると考えられる。読み手は、本開示を理解した熟練した技術者および当業者が、網羅的な実施例なしで本発明を準備および使用できることを認識するであろう。
【0089】
実施例1-味修正組成物
味修正組成物は、本開示の特定の実施形態に従って製造される。以下の表1に、味修正組成物に含まれる成分の一覧が記載されている。
【0090】
【表1】
【0091】
実施例2-練り歯磨き製剤サンプル
本開示の特定の実施形態による味修正組成物を配合した練り歯磨き製剤が製造される。次のページの表2に、味修正組成物と、味修正組成物を含まない比較サンプルに含まれる成分の一覧が記載されている。
【0092】
【表2】
【0093】
比較サンプルならびにサンプル1およびサンプル2について官能試験を行った。官能試験の試験者に、0~5のスケールで製剤の異味を評価するよう求めた。0は異味がないことを意味し、5は極度の異味を意味する。比較サンプルの平均スコアは5であり、サンプル1の平均スコアは3であり、サンプル2の平均スコアは2であった。
【0094】
実施例3-水性製剤サンプル
本開示の特定の実施形態による味修正組成物を配合した水性製剤が製造される。次のページの表3に、味修正組成物と、味修正組成物を含まない比較サンプルに含まれる成分の一覧が記載されている。
【0095】
【表3】
【国際調査報告】