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特表2023-552035顔面中央骨構造を前進させるための整形外科用装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】顔面中央骨構造を前進させるための整形外科用装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20231207BHJP
   A61C 7/06 20060101ALI20231207BHJP
   A61C 7/10 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
A61F5/01 Z
A61C7/06
A61C7/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023518490
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-04-23
(86)【国際出願番号】 CA2021050897
(87)【国際公開番号】W WO2022067417
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】17/060,689
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523101361
【氏名又は名称】ララニ・オマール
(74)【代理人】
【識別番号】100223631
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 昭央
(72)【発明者】
【氏名】ララニ・オマール
【テーマコード(参考)】
4C052
4C098
【Fターム(参考)】
4C052AA20
4C052JJ10
4C098AA02
4C098BB15
4C098BB20
4C098BC01
(57)【要約】
本明細書に開示される本主題は、ユーザが頭蓋骨に対して顔面骨中央部を前進させることを可能にするように構成される歯顔面整形外科用デバイスから成り、呼吸およびその顔構造を改善するように、徐々に気道を開放する機能をユーザに与える。デバイスは、ユーザの頭蓋骨の周りに巻き付けられ、頭蓋骨にねじ込まれるように設計されたねじで頭蓋骨に固定されるように構成されたブレースを備える。歯列矯正「Y」ブラケットは、口の内側に埋め込まれたボール及びソケットジョイントを介して、または上顎の歯の周囲にフィットするように設計された取り外し可能な器具への歯負担の接続を介して、上顎等の顔中央部内の骨構造にブレースを接続する。「Y」ブラケットは、「Y」ブラケットの尾端部が挿入されるブレースに取り付けられた回転スロットを介してブレースに接続される。尾端部はねじ山を有し、ボルトがスロットの前端でねじ山に接続されている。ユーザは、「Y」字形ブラケットの尾端部のねじ山に沿ってボルトを回転させ、スロットを通してそれを引っ張り、前方または所望の方向に顔中央部を引っ張り、張力下で頭蓋骨の縫合間の分離を引き起こし、縫合において骨を生成し得る。 「Y」ブラケットは、顔中央部を所望の角度で引っ張るために、上下を含む複数の角度に調整することができる。デバイスはまた下歯列弓の歯のためのマウスピースを備えてもよく、ばね荷重式であってもよい第2のロッドを介して「Y」ブラケットに固定され、それはボルトを使用して前進させることができるねじ山のスリーブを通って摺動し、その荷重がブレースに分配され、睡眠中に下顎を前進させ、および睡眠中に使用者の気道を開いたままにする。
【その他】 図面にはアラビア数字による図面番号のみが記載されており、翻訳が不要なため、図面の翻訳文は提出しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯顔面整形外科用デバイスであって
a.埋め込まれたねじを介して患者の頭蓋骨に固定されるように構成され、頭蓋骨の前部の周りに巻き付く剛性又は半剛性のブレースであって、ブレースの前部が、回転ジョイントの1つ又は複数のセットにおいて、上若しくは下に、又は一度に複数の方向に回転することができ、ジョイントの各セットが、ブレースのいずれかの側に存在することができる、剛性又は半剛性のブレースと
b.回転軸上のブレースの前部に固定された1つまたは複数の調整可能なスロットであって、そのようなスロットは複数の方向に回転することができ、適合するねじ山パターンを備えるロッドを受け入れることができるスロットの内側部分にねじ山を有するように設計されたスロットと
c.口腔内で患者の頭蓋骨の前部の上顎および頬骨を含むがこれらに限定されない骨構造にボール及びソケットジョイントで固定される2つ以上の端部を有する歯科矯正「Y」ブラケットであって、「Y」ブラケットはまた、穿孔を通して口腔外で、または口腔内で、「Y」ブラケットへの接続点として回転継手を使用して、上顎の歯の上部またはその周囲に堅くフィットするリムーバブル・マウスピースまたは歯科矯正ブラケットに、固定されてもよい、歯科矯正「Y」ブラケットと
d.請求項1のbに記載のブレースの前部に取り付けられた調整可能なスロットを通過するねじパターンでねじ切りされた1つまたは複数の尾部を有する「Y」ブラケットであって、ボルトでこれらの調整可能なスロットに固定され、ボルトが回されると、「Y」ブラケット全体が前方に進み、ボール及びソケットジョイントに固定された骨構造を前方に引っ張り、固定点としてブレースを使用し、それは使用者の頭蓋骨に固定されるように構成され、それは歯面整形外科用器具の最終的な固定点であり、「Y」ブラケットに取り付けられたボール及びソケットジョイントは、請求項1のaに記載のブレース上のジョイントを回転させることによって回転角度が調整されるように構成され、したがって、「Y」ブラケットの角度を変更して、使用者が器具全体を装着しながら口を確実に閉じることができるようにすることができる、「Y」ブラケットと
e.使用者の口の外側に配置されるように設計され得る「Y」ブラケットの末尾のヒンジであって、複数の方向に調整され、ヒンジの位置で締め付けられるねじを含み得る機械式ロック機構を介して所定の位置にロックされ得、ヒンジの角度を所定の位置にロックすることによって、「Y」ブラケットが複数の角度及び方向で所定の位置に設定され得、したがって、器具は、直線的、角度的、又は回転的にかかわらず、骨構造に対して変位力を加えることを可能にする、ヒンジと
f.使用者の下顎の歯に一時的に装着されるように設計され、アクリルなどのソリッドマテリアルで作製することができ、上顎の歯に対して自由に摺動することができるように滑らかな上面を有することができる、付随する歯科用マウスピースであって、このマウスピースは、ロッドまたは複数のロッドを介して「Y」ブラケットに接続することができ、これらのロッドは、使用者の快適さのためにばね荷重をかけることができる摺動スリーブを通して「Y」ブラケットに取り付けられロッドの2番目のセットに取り付けることができ、そのような摺動スリーブは、両方のロッドがそれを通過することを可能にし、一方のロッドはそのスリーブに堅く取り付けられ、別のロッドはその中を自由に移動し、それを通って自由に移動するロッドは、その上にねじ山パターンを有することができ、それが接続スリーブを通過するとき、そのロッドをスリーブを通して前進させるように回転させることができるボルトがそのロッド上にあり、したがって、使用者の下顎が睡眠中に気道を開いたままにするのに必要な前方変位の最小量を測定することによって決定される設定距離だけ、マウスピースと共に堅く固定されたロッドを前方方向に引っ張ることができる、
付随するマウスピースと、
を備える歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項2】
請求項1のaに記載のブレースであって、前記ブレースの一部はユーザの口の前にあるように設計される請求項1のaに記載のブレース。
【請求項3】
請求項1のaに記載のブレースであって、前記ブレースは皮下プレートの有無にかかわらず、患者の頭蓋骨に固定されるように設計される、請求項1のaに記載のブレース。
【請求項4】
請求項1のaに記載のブレースであって、前記ブレースはユーザの頭蓋骨上の所定の位置に固定されるように構成され、前記所定の位置は、前記頭蓋骨の後頭部または他の領域であってもよく、前記位置は、頭蓋骨の厚さ、骨の幾何学的形状、および、患者の顔面中央部および上顎構造に関する変形の程度に基づいて決定される、請求項1のaに記載のブレース。
【請求項5】
請求項1のaに記載のブレースであって、前記ブレースは、チタン、またはアルミニウム、または生体適合性および軽量である別の剛性または半剛性材料から作製される請求項1のaに記載にブレース。
【請求項6】
請求項1のaに記載のブレースであって、2つ以上の部分に分割され、各部分は、ブレースのいずれかの側の回転ジョイントを介して次の部分に取り付けられ、回転ジョイントは、使用者の顔に対するブレースの角度を変更するように調整されてもよく、そのようなジョイントは所定の位置にロックされてもよい、請求項1aに記載のブレース。
【請求項7】
ブレースの前部に固定された調整可能なスロットであって、請求項1のbに記載のようなスロットは、チタン、またはアルミニウム、または生体適合性および軽量である別の剛性材料で作製され得る、ブレースの前部に固定された調整可能なスロット。
【請求項8】
ブレースの前部に固定された調整可能なスロットであって、請求項1のbに記載のようなスロットは、それらを通過する任意のロッドと同時に回転することができてもよく、そのようなロッドは歯顔面整形外科用器具の一部を構成してもよく、請求項1のaに記載のブレースのジョイントと請求項1のeに記載の歯科矯正「Y」ブラケットのヒンジとの両方の組み合わされた回転中心に一致するように設計された回転中心を有することができる、ブレースの前部に固定された調整可能なスロット。
【請求項9】
請求項1のbに記載の調節可能スロットであって、調節可能な中心ねじが、これらのスロットを通して前進させられることができ、角度、回転、および線形変位を可能にするように回転させられてもよい、調節可能スロット。
【請求項10】
請求項1のbに記載の調節可能なスロットであって、スロット内の調節可能な中心ねじの位置は、それが取り付けられるブレースの所望の角度および直線位置によって決定され得る、調節可能なスロット。
【請求項11】
請求項1のcに記載の歯科矯正用「Y」ブラケットであって、このブラケットは、「Y」形状に構成されるか、または独立して作用することができる2つ以上の別個のブラケットに分割される、歯科矯正用「Y」ブラケット。
【請求項12】
請求項1のcに記載の歯列矯正用「Y」ブラケットであって、このブラケットは、「Y」ブラケットの端部に強固に固定された玉継ぎ手で上顎及び頬骨を含むがこれらに限定されないユーザの頭蓋骨上の骨構造の左側及び右側に固定されるように構成され、玉継ぎ手が埋め込まれるように構成された部位で、「Y」ブラケットは、回転力を及ぼすことなく玉継ぎ手で自由に回転することができるように、ユーザの骨構造に埋め込まれるように構成された、歯列矯正用「Y」ブラケット。
【請求項13】
請求項1のcに記載の歯列矯正用「Y」ブラケットであって、上顎の歯に堅固に接続された取り外し可能なマウスピースまたは歯列矯正用ブラケットに接続されるように構成されてもよく、そのようなマウスピースまたはブラケットはまた、回転ジョイントにそれぞれ接続された1つまたは複数のロッドによって「Y」ブラケットの端部に接続される、歯列矯正用「Y」ブラケット。
【請求項14】
チタンまたは別の剛性の生体適合性材料から形成されていてよい、請求項1のcに記載のボール及びソケットジョイント。
【請求項15】
請求項1のdに記載の「Y」ブラケットの末尾であって、ブレースの前部に固定された調節可能なスロットを通してねじ込まれるように設計され、反力としてブレースを使用して「Y」ブラケットを前進または後退させるように回転させることができる調節可能なボルトで所定の位置に保持される、ねじ山パターンをその上に有することができる、「Y」ブラケットの末尾。
【請求項16】
請求項1のdに記載の「Y」字形ブラケットの中央であって、ユーザの口の外側の「Y」字形ブラケットの尾端部とユーザの口の内側に取り付けられた「Y」字形ブラケットの端部との間に位置するヒンジがあり、請求項1のeに記載のように、そのようなヒンジは、請求項1のaに記載のブレースおよび請求項1のbに記載の回転スロットの両方のジョイントとの同期運動で複数の方向に回転することができる、「Y」字形ブラケットの中央。
【請求項17】
請求項1のeに記載のヒンジであって、「Y」ブラケットに引張力が加えられたときに、「Y」ブラケットの尾端部の角度が維持され、上顎が上方に移動することを可能にし、下顎が上方および前方に回転することを可能にし、舌を気道から出し、使用者の顎を前進させるように、前記ヒンジの周りの留め金を締め付けるねじで所定の位置にロックされるように設計されている、ヒンジ。
【請求項18】
請求項1のfに記載の付随マウスピースまたは歯科矯正ブラケットであって、ユーザの下顎の歯の周囲にフィットするように構成され、そのようなマウスピースは、金属ワイヤまたはアクリル、あるいは別の生体適合性材料から作製されてもよく、ユーザがそれを装着している間、歯科ブレースが上顎の歯を横断して平滑に摺動することを可能にするように設計される平滑表面を有してもよい、付随マウスピースまたは歯科矯正ブラケット。
【請求項19】
請求項1のfに記載の付随マウスピースまたは歯科矯正ブラケットであって、2組のロッドを介して請求項1のcに記載の「Y」ブラケットに取り付けられ、一方の組はマウスピースに堅く取り付けられ、他方の組は「Y」ブラケットに堅く取り付けられ、ロッドの両方の組は摺動スリーブを通して互いに接続され、ロッドの一方の組は摺動スリーブに堅く接続され、他方の組はスリーブを通して自由に摺動することができ、スリーブを通して自由に摺動するロッドの組はその上にねじ山パターンを有し、ボルトは、ねじ山を有するロッドに取り付けられ、他方のロッドを前方向または後方向に引くかまたは後退させるように進めることができる、付随マウスピースまたは歯科矯正ブラケット。
【請求項20】
圧縮ばねが、ボルトと前記摺動スリーブとの間に配置され得る、請求項19に記載のボルトおよび摺動スリーブ。
【請求項21】
請求項19に記載のボルトであって、使用者の下顎および舌が睡眠中に使用者の気道内に後方に後退することを防止するように設計された所定の距離だけ前方に前進させることができ、そのような距離は、睡眠中に使用者の気道を開いたままにするために使用者の下顎が必要とする前方変位の最小量を測定することによって設定される、ボルト。
【請求項22】
請求項1のaに記載のブレースであって、頭蓋骨にねじ込まれる固定ねじは頭蓋骨を覆う軟組織から突出する頭蓋骨を覆う軟組織の厚さに合わせて調整することができる取り外し可能なアバットメントを有する、ブレース。
【請求項23】
請求項22に記載の固定ねじであって、アバットメントは内部ねじによって固定ねじに締結され、第2の内部ねじによって回転可能なプレートに締結され、裏当てねじによって所定の位置に締め付けられる、固定ねじ。
【請求項24】
抗細菌または抗感染材料でコーティングされ得る、請求項22に記載の固定ねじ。
【請求項25】
抗菌材料または抗感染材料でコーティングされ得る、請求項23に記載のアバットメント。
【請求項26】
請求項1に記載の整形外科器具全体、およびその一部であって、抗菌または抗感染材料でコーティングされ得る、整形外科器具全体、およびその一部。
【請求項27】
請求項23に記載の回転可能なプレートであって、アバットメントおよび頭蓋固定ねじとともに、請求項1のaに記載のブレースに、それを結合する、プレートに取り付けられた結合ジョイントが存在する、回転可能なプレート。
【請求項28】
頭蓋骨を貫通するねじに対して接線方向にあるように回転させることができる、請求項23に記載の回転可能なプレート。
【請求項29】
ブレースがユーザの皮膚に圧力を加えないように、ユーザの頭蓋骨に装着されるように構成されたブレースとユーザの皮膚との間のプロキシ表面として機能することができる、請求項23に記載の回転な可能プレート。
【請求項30】
請求項1のaに記載のブレースであって、使用者が器具の半分を着用して寝ることができるように、左右の半分に分割することができ、ブレースの半分を装着していない頭蓋の側で眠ることを使用者に可能にする、ブレース。
【請求項31】
請求項21に記載のブレースの半側であって、それに取り付けることができる取り外し可能な構造補強材を有することができ、2つの半体に分割されていないブレースと同じ剛性および構造的完全性を有することを可能にする、ブレースの半側。
【請求項32】
請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイスであって、睡眠中にブレースからクッション上にユーザの頭蓋骨の重量をそらすように、または他のモーション中にブレース上にかかり得る望ましくない力をそらすように、クッションが、ユーザの顔と請求項1のaに記載のブレースとの間に配置されるように構成される、歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項33】
取り外し可能に装着可能なヘルメットが、偶発的損傷からの保護を確実にするために、歯顔面整形外科用デバイスを覆って装着されることができる、請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【装置及び方法の技術分野】
【0001】
本明細書に説明される本方法およびデバイスの実施形態は、概して、顔面中央部および上顎下顎構造を前進させるために特に有用な整形外科用デバイスに関する。より具体的には、本方法およびデバイスは、頭蓋骨および顔面中央部に固定されるように構成される、歯顔面整形外科用デバイスに関する。このデバイスは、顔面中央部および上下顎構造を前進させるために、頭蓋構造および縫合を横切って前後に拡張性の口腔外力を加えることができる。
【装置及び方法の背景】
【0002】
顔面中央部の上顎骨の発育不全は、下方に回転して後方に位置する下顎骨と対になることが多く、成人と子供の両方に影響を及ぼす。これは、顔面および口腔の筋肉の不適切な発達、弱い鼻の呼吸パターン、弱い舌の筋肉組織および姿勢、幼年期のソフト食、舌小帯短縮症などの鼻呼吸に
対する未処置の障害、拡大したアデノイドおよび扁桃、気道の炎症を引き起こす食事、ならびにヘッドギアなどの器具を使用して頭蓋の成長を制限することを目的とした、または口腔のサイズを減少させることを目的とした以前の歯科矯正処置によって引き起こされ得る。成人の場合、このタイプの発育不全は、姿勢および顎関節の問題、顎の陥没、頭蓋底の平坦化、顔面の垂直成長をもたらす可能性があり、そのような頭蓋顔面変形の心理的副作用は言うまでもなく、さらに悪いことには、患者の気道が睡眠中の正常な舌および軟組織の崩壊に耐えるには小さすぎて、夜間に気道を遮断し、睡眠の妨害および場合によっては酸素レベルの低下をもたらす、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)をもたらす可能性がある。
【0003】
世界中のかなりの数の子供が、頭蓋顔面出生異常に耐える。顔面中央部欠損は、多くの場合、外科的に治療され、それによって、前後に欠損した上顎骨、または頭蓋の他の部分が、骨切りされ、前進させられる。
【0004】
OSAおよび未発達の顎の治療では、患者はしばしば、上顎および下顎の両方が切除され、前方に移動され、次いで、ねじおよびプレートを用いて定位置に締結される、両顎手術を受ける。再発のリスク、および神経血管構造への損傷が当該分野で公知である。
【0005】
現在の外科的アプローチの別の欠点は、OSAを有する人々にとって、外科的切除とそれに続く上顎骨の前進では、開存性を最適化するために上顎骨を複数回別々に前進させることができないことである。いくつかの外科的症例では、1回の試みにおける最大外科的前進は、一度に軟組織を伸展させることの限界に起因して、OSAを治癒させるために十分ではない場合がある。
【0006】
両顎手術は、上顎及び下顎を前進させることができるが、頭蓋の発育不全に関連する問題を完全に解決することはできない。より具体的には、顔面中央部全体の発育不全を有する患者が存在する。そのような患者は、後方に位置する上顎骨だけでなく、未発達の眼窩、不正確に位置する蝶形骨、圧迫された副鼻腔、開口部の大きさが減少した後退した頭蓋孔、および圧迫された骨から神経にかかる可能性のある異常な圧力も示すことがある。
【0007】
個々の骨セグメントを前方に前進させるためにそれらを切断及びセグメント化する現在の外科的解決策は、上述した及び他の一般的な顔面中央部及び頭蓋の発育不全の影響に対処しない場合がある。
【0008】
特許出願第20170312053号、第20060029899号、及び第20050244769号の先行技術は、上顎及び顔面中央部前進器具を記載している。これらの器具は、上顎骨に対して引張力を加えるために重い弾性体に依存しており、そのような弾性体は、成人の頭蓋縫合を分離するのに十分な力を個別の間隔で加えることができない場合がある。同様に、これらの器具は、頭蓋骨の前側にある他の構造に逆圧を加えて、額および顎などの上顎に対して引っ張ることに依存し、これらの構造は、そのような圧力から悪影響を受ける可能性がある。したがって、弾性体に依存せず、頭蓋骨および顔面の前方構造に反力を加えることにも依存しない、上顎および顔面中央部前進器具の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
既存の技術の制限に対処するために、軟組織に最小の伸張負荷を一度に加えて再発のリスクを低減し、上顎および顔面中央部または他の頭蓋の骨構造の前進距離ポテンシャルを増加させる複数の個別の前進ステップを可能にし、以前に圧迫された内部構造を減圧するために頭蓋全体にわたって遍在する前後方向の力を加え、骨構造の外科的剥離および再付着を必要とせず、したがって神経血管傷害のリスクを低減し、力を送達するために弾性体に依存せず、頭蓋骨の前方領域にある他の構造に対する反力の使用を必要としない、顔面中央部前進方法が必要とされている。
【0010】
提案される装置及び方法は、骨の切断及びセグメンテーションを使用することなく、頭の後部と上顎骨との間に制御された一般的な拡張力を加えることによって上記の問題に対処し、そのような力は、同様に未発達であり得る他の頭蓋骨及び神経血管開口部を通って拡張する。このアプローチは、不十分に発達した眼窩、不正確に位置決めされた蝶形骨、圧縮された副鼻腔、低減された頭蓋血流および神経に対する異常な圧力とともに低減された開口サイズを有する後退した頭蓋孔、その他を含む、上述の問題に対処することができる。それはまた、提案されたデバイスの使用を通して上方に回転された上顎に応答して、下顎が前進し、上方に回転することを可能にし得る。
【0011】
提案されるデバイスは、頭蓋縫合にわたって規則的な間隔で離散的かつ漸進的な変位力を印加し、それらを拡張し、漸進的な期間にわたって軟組織を引き伸ばし、生理学的に許容可能な前進距離を潜在的に増加させる。OSA患者に対して、これは、前進させられている顔面中央部として、気道開存性の周期的試験を可能にし、施術者に、前進を停止するときの知識を与える。
【0012】
デバイスはまた、器具を装着している間のOSA患者の気道の崩壊を防止するために、睡眠中に下顎を機械的に前進させることを可能にする。
【0013】
本主題の様々な実施形態は、様々な用途に適用可能である。本主題の一実施形態は、歯顔面整形外科用デバイスとして使用されるように構成される。
【0014】
本明細書に記載される本デバイス及び方法の実施形態は、概して、顔面中央部の骨構造を前進させるのに特に有用な、歯顔面整形外科用デバイスに関する。より具体的には、本デバイスおよび方法は、歯負担のまたは骨固定器具のいずれかによって、一方の端部が頭蓋骨に固定され、他方の端部が顔面中央部に固定される、骨固定歯顔面整形外科用デバイスに関する。歯顔面整形外科用デバイス(以下、デバイスと称する)は、頭蓋骨および顔面中央部の固定点にわたって前後に拡張性口腔外力を及ぼすことができる。本デバイスは、特に、顔面中央部および頭蓋上顎下顎骨構造を前進させることに有用であるが、それに限定されない。
【0015】
本実施形態の1つの特徴によれば、金属または別の剛性もしくは半剛性材料で作られた、ある程度の可撓性を有するように構成され得る剛性ブレースが、皮下プレートの有無にかかわらず、少なくとも1つの固定ねじを通して後頭領域または頭蓋骨の別の適切な領域にねじ留めされる。固定の位置は、頭蓋骨の厚さおよび力のアライメントのために最適化される。
【0016】
[16]剛性ブレースは、頭蓋骨の形状に合わせて輪郭形成され、頭蓋骨の前部の周りを包み、口の前で完全な円で終端するリング形状のループを頭蓋骨の周りに形成する。ブレースの口端部には、ナットを回すことによって後退または前進させることができる調節可能な中心ねじのためのスロットがある。調節可能な中心ねじは、「Y」形状である歯列矯正ブラケットの前方部分であり、この「Y」の2つの端部は、複数の様式で口の内側に接続され、これらのうちの2つは、本明細書中に記載される。1つの方法では、上顎の歯に装着される取り外し可能な口腔器具、又は上顎臼歯に取り付けられた歯科矯正ブラケットのいずれかに対して、歯負担の接続が行われ、回転ジョイントで「Y」ブラケットに接続される。第2の方法では、取り外し可能な口腔器具は存在せず、「Y」ブラケットは、口腔内で上顎、頬骨、または別の適切な骨構造内に骨固定式に接続され、そのような接続は、骨構造内に埋め込まれたボール及びソケットジョイントで行われる。したがって、ブレースの前端のナットを回すことによって、歯列矯正「Y」ブラケットの一部を形成する調節可能な中心ねじを前進させることができ、前進または再配置する必要がある骨構造に対して前方に引っ張る。ナットを回すと、変位力が生じ、この変位力は、ブレースが前述のねじ及びプレートによって取り付けられている頭蓋骨の後部に伝達される。
【0017】
スロットが、ヒンジを介してブレースの前方部分にフィツトされる。スロットは、上顎または骨構造の前進の望ましい運動方向に適合するように角度を付けることができる調整可能な中心ねじを受け入れるために設けられる。調整可能な中心ねじは、所定の位置でスロットに嵌め込まれる。この位置は、顔面中央部の骨構造、顔面中央部の骨の幾何学的形状、および必要な変位力の量に基づいて決定することができる。顔面中央部の前進の過程の間、ねじ位置は、達成された前進の目標、所望の変位角度、および予想される前進の過程に従って変更され得る。
【0018】
歯科矯正用「Y」ブラケットは、前進の任意の角度で、回転の中心が患者の口の開口部にあるように角度が付けられるように構成される。この構成は、口を任意の所与の前進角度で塞げることを確実にする。これは、口の外側に位置する「Y」ブラケット上のヒンジジョイントによって達成される。このヒンジは、ユーザの口および唇シールに対する「Y」ブラケットの配置に影響を及ぼすことなく、所望の角度で定位置に係止することができる。
【0019】
ユーザの口の前に位置するように構成されたブレースの前半分は、歯列矯正「Y」ブラケットの角度が調整されるときに、ブレースの前半分がそれと共に上下左右に調整され得るように、いずれかの側の回転ジョイントでヒンジ留めされ、その結果、すべての部品が一斉に移動し得る。
【0020】
ブレースの材料は、チタンまたは任意の生体適合性剛性材料とすることができる。歯列矯正ブラケットも、チタンまたは任意の生体適合性剛性材料などの同様の材料で作製される。
【0021】
頭蓋骨に取り付けられたブレースは、頭蓋骨に埋め込まれたねじで固定される。これらのねじは、チタンまたは別の生体適合性材料から作製される。これらのねじは、ねじの頭部にねじ込まれるアバットメントを有し、このアバットメントは、使用者の皮膚が治癒してシールを形成することが意図される貫通点において、頭蓋骨から突出するように構成される。これらのねじは、抗菌または抗感染コーティングで被覆されてもよい。アバットメントの長さは、使用者の皮膚層の厚さに適合するように調整することができる。頭蓋骨の外側のアバットメントの遠端には、設置されると、任意の方向に調整され、アバットメントに対して締め付けられることができる円形プレートがある。このプレートは、ユーザの頭蓋骨の周りに巻き付くブレースのための取り付け点として機能し、プレートをブレースの取り付け点とユーザの頭蓋骨との間のプロキシ表面として機能させることによって、頭蓋骨の表面がブレースの取り付け点に対して接線方向であり得るように、ブレースがユーザの頭蓋骨上に取り付けられる角度に一致するように調整されるように設計され、圧力がブレースからユーザの皮膚上に及ぼされることを防止する。
【0022】
OSA患者では、睡眠中に喉および舌の筋肉が弛緩するときに舌が気道に侵入するのを防止する前進位置に下顎を維持することによって、整形外科用器具を装着しながら睡眠中に気道の開存性を維持する必要があり得る。器具の一部は、下顎の歯に装着され、ロッドを介して歯列矯正「Y」ブラケットに接続されるように設計された取り外し可能な剛性マウスピースからなる。 このロッドは、スリーブに接続され、歯列矯正用「Y」ブラケットのねじ山付き部分は、スリーブから突出しスリーブ内に摺動することができる。「Y」ブラケットのこの部分の突出端部には、睡眠中に気道の開存性を維持するために下顎が必要とする前方変位の量に一致する設定距離だけ、スリーブを通して歯列矯正用「Y」ブラケットに対してロッドを前進させるように回転させることができるボルトがある。ボルトとスリーブとの間には、ユーザの快適性を向上させるように設計された圧縮ばねがあってもよい。
【0023】
デバイスは、人間または人工知能ソフトウェアプログラムによって設計されてもよい。デバイスは、通常は口腔外科医によって行われる計画段階を必要とし、そのような段階は、頭蓋計測およびCTスキャン分析を含み、頭蓋の骨の現在の位置、ならびに患者および施術者によって決定されるそれらの骨の所望の位置を考慮に入れる。顔面中央部の移動および変位の経路が決定され、したがって、デバイスは、その経路に従うように設計される。治療期間の経過にわたって、計画段階の結果に従って骨構造の動きをもたらすデバイスの角度変位または直線変位が達成される。頭蓋骨の後部および口腔内での固定ねじの配置の最適化は、コンピュータ支援手術を使用して行うことができる。
【0024】
ユーザが横向きに寝ているとき、ユーザの頭蓋骨の重量がブレースの固定ねじに対して回転力を加えることを防止する必要があり得る。フォームにフィットするクッション、またはそれらのセットは、ブレースとユーザの皮膚との間に配置されるように設計され、そのようなクッションは、ブレースの表面から突出し、ユーザが横向きに眠っているときに、マットレスまたは枕などの睡眠表面上に直接載っているクッションに顔が載っているので、顔の重量がブレースを迂回し、したがって頭蓋骨の重量を、ブレースから、したがってそれをユーザの頭蓋骨に取り付ける固定ねじから逸らす。
【0025】
睡眠中の支持クッションの使用の代替として、ブレースは、頭蓋の左側または右側のいずれか、どちらの側であっても睡眠表面と接触していない側、に巻き付くブレースの半分からなる別のバージョンで設計することができ、このブレースは睡眠中に着用されてもよい。その結果、周囲にブレースを有さないユーザの顔の側面は、ブレースを頭蓋骨に取り付けるように設計された埋め込まれたねじに対してユーザの頭蓋骨のいかなる重量も伴わずに、睡眠表面上に直接かつ自由に静置することができる。
【0026】
「Y」ブラケットとブレースの両方の頭蓋固定点を分離することから生じる拡張的な口腔外の力は、頭蓋縫合を分離し、最終的に顔面中央部を前方に、必要に応じて上方に押し、上顎と下顎の両方を前進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示の実施形態(その代替形態及び/又は変形形態を含む)のより良い理解は、以下の図面と共に実施形態の詳細な説明を参照して得ることができる。
【0028】
図1A-0から図1A-4は、回転ジョイント(115)が付き、その後方端部(110)においてユーザの頭蓋の前方側の骨構造に、口腔内で、または穿孔を通して口腔外で固定されている歯科矯正「Y」ブラケット(114)に取り付けられている、頭蓋に固定された歯顔面整形外科用デバイス(100)の一般的な構造の、それぞれ、斜視図、上面図、側面図、正面図、および背面図を示す。「Y」ブラケットは、ブラケット(106)で補強されてもよく、その尾端部(114)は、回転可能スロット(116)を通過するように示される。本開示の好ましい実施形態によれば、スロット(116)の外側端部には、「Y」ブラケット(114)の端部上にボルト(108)があり、これを回して「Y」ブラケットをブレース(102)に対して前進させ、「Y」ブラケットを前方又は所望の方向に引くことができる。
【0029】
図1 A-5から図1 A-9は、ユーザの頭蓋骨に固定されていない一実施形態における、本開示の好ましい実施形態による歯顔面整形外科用デバイス(100)の斜視図、上面図、側面図、正面図、および背面図をそれぞれ示す。
【0030】
図2A-0から図2A-4は、ユーザの頭蓋骨にねじ込まれるように設計された頭蓋固定ねじ(200)からなるアセンブリの斜視図、正面図、背面図、側面図、および上面図をそれぞれ示す。ねじは、回転可能なプレート(202)が取り付けられたアバットメント(203)に取り付けられ、このプレートは、2つのプレート(201)の組立体によって形成されたポケット内に位置している。このアセンブリ(201)は、本開示の好ましい実施形態に従って、ブレース(100)に固定される。
【0031】
図2B-0から図2B-4は、頭蓋骨(200)に固定されるように構成され、インターナルスクリュー(205)を介してアバットメント(203)に取り付けられた固定ねじの、それぞれ、側面図、別の側面図、上面図、および断面図を示す。第2のインターナルスクリュー(206)は、回転可能プレート(202)をアバットメント(203)に取り付ける。プレート(202)は、本開示の好ましい実施形態に従って別のスクリュー(204)で締められる。
【0032】
図2B-7から図2B-10は、本開示の好ましい実施形態による、ポケット(201)を形成する2つのプレートの正面図、側面図、背面図、および斜視図をそれぞれ示し、そのようなプレートは、ブレース(102)に固定されるように構成される。
【0033】
図3A-0から図3A-3は、本開示の好ましい実施形態による、歯科矯正用「Y」ブラケットの斜視図、上面図、および側面図をそれぞれ示し、「Y」端部は、骨構造に埋め込まれるように構成されたボール及びソケットジョイント(302)を介して、左側および右側の両方の上顎骨構造または別の適切な骨構造に固定されるように構成され、「Y」ブラケット(114)の尾端部は、継ぎ手(113)でヒンジ留めされ、「Y」ブラケットの前方端部で回転スロット(116)を通して差し込まれるように構成される。
【0034】
図3B-0から図3B-3は、「Y」ブラケット(114)のアンカーポイントとして機能するように、ユーザの上顎骨又は適切な骨構造に埋め込まれるように構成されたねじ(300)を備えて設計されたボール及びソケットジョイントシステム(302)の2つの側面図、断面図、及び斜視図をそれぞれ示す。ボール
(301)は、その上端で自由に回転することができ、その下端で「Y」ブラケットにしっかりと取り付けられる。
【0035】
図3C-0から図3C-2は、それぞれ、上顎をブレース(102)に固定するための歯負担のオプションの側面図および上面図を示す。このオプションは、上顎の歯に装着される取り外し可能なマウスピース(303)からなり、ユーザの口の外側で「Y」ブラケットに接続するように構成された剛性ロッド(305)に回転ジョイント(304)で接続される。
【0036】
図4A-0から図4A-4は、それぞれ、本開示の好ましい実施形態による、歯科矯正「Y」ブラケット(114)の尾端部がねじ込まれ得る回転スロット(116)の斜視図、上面図、正面図、背面図、および側面図を示す。回転スロットは、歯列矯正「Y」ブラケットの尾端部を挿入するための開口部(117)と、ブレース(102)を嵌め込むための溝(118)と、回転スロットをブレース(102)上に締め付けるためのねじ開口部(119)と、スロットの角度を調整するためのねじ用の2つの開口部(120)とを有する。
【0037】
図5 Aから図5Cは、ブレース(102)とユーザの皮膚との間に挿入されるように構成されたクッション(502)の3つの側面図および1つの背面図をそれぞれ示し、クッションは、ブレース(102)の外面から突出し、ユーザが横向きに眠っているときに、ユーザの顔の重量がクッション(502)にわたって分散され、クッションは、次いで、枕またはマットレスなどの睡眠表面に重量を分散し、ブレース(102)にいかなる圧力も加えることなくユーザが横向きに眠ることを可能にし、したがって、インプラント(200)の位置でのブレースから頭蓋骨への反力を低減し、また、潜在的に望ましくない外力を減衰させるように構成される。
【0038】
図6Aから図6Bは、ブレース(102)の上方でユーザによって装着されるように構成された保護ヘルメット(602)を示す。
【0039】
図7A-0から7A-4は、ユーザが眠っているときに使用するために、ユーザの顔の左側または右側に装着することができるように修正されたブレース(102)の実施形態を示す。これは「スリーピングブレース(702)」と呼ばれる。この代替実施形態(702)は、初期ブレース(102)と同じ剛性特性をスリーピングブレース(702)に与える構造補強材(703)からなり、使用者がブレース(702)に圧力を加えることなく横向きに寝ることを可能にし、したがって、インプラント(200)の位置でブレースから頭蓋骨への反力を排除する。
【0040】
図7B-0から図7B-4は、歯列矯正「Y」ブラケット(114および113)と組み合わされた完全なアセンブリとしてのスリーピングブレース(702)を示す。
【0041】
図8-1から図8-3は、睡眠中に下顎に装着されるように構成された付随マウスピース(801)を示す。 それは、スリーブ(803)に堅く接続されたロッド(802)に接続されている。第2のロッド(804)は、「Y」ブラケットに接続され、スリーブ(803)を自由に通過することができる。この第2のロッド(804)は、その上にねじ山(805)を有する。 ボルト(806)は、ねじ山(805)上に載置され、マウスピース(801)を前方方向に前進させるように回転させられ、したがって、下顎を前方に前進させ、睡眠中にユーザの気道を開放することができる。圧縮ばね(807)が、ユーザの快適性のために、ボルト(806)とスリーブ(803)との間に挿入されてもよい。
【詳細な説明】
【0042】
本発明の実施形態及び特徴が本明細書に記載されているが、開示された実施形態は、様々な代替的な形態で具現化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。
【0043】
図1A-0は、本デバイスおよび方法の好ましい実施形態による、以下でデバイスと呼ばれる、骨固定整形外科用デバイス(100)の構造を示す。デバイス(100)は、少なくとも1つの固定ねじを介してユーザの頭蓋骨に固定されるブレース(102)を主に含む。ブレース(102)は、所望の場所において、後続の説明で説明されるデバイス(100)の他の構成要素を調節可能に保持する、剛性または半剛性構造である。ブレース(102)は、頭蓋骨の形状に合わせて輪郭形成され、頭蓋骨の前部を包み込み、口の前で完全な円で終端する。ブレース(102)は、ブレースの構成要素が種々の角度で位置付けられることを可能にする、両側の回転継手(115)によって、構成要素に分離されることができる。ブレース(102)は、様々な物理的及び解剖学的な力及び制限を受ける。ブレース(102)は、人工知能システムによって設計され、3D印刷されるか、または手動で設計および鍛造されることができる。
【0044】
一実施形態によれば、図2A-0に示す、少なくとも1つの固定ねじ(200)は、ユーザの頭蓋骨にねじ込まれて、ブレース(102)を頭蓋骨に固定するように設計される。 ねじ(200)は、図2B-3に示されるインターナルスクリュー(205)を介してアバットメント(203)と対にされる。アバットメントは、ユーザの頭蓋骨から突出することができ、皮膚がその周囲で治癒することを可能にし、シールを形成する。ねじ(200)およびアバットメント(203)はまた、抗菌または抗感染材料でコーティングされてもよい。アバットメントは、その頭部(204)で締められる第2のインターナルスクリュー(206)によって所定の位置に保持される回転可能なプレート(202)に接続される。
【0045】
固定ねじ(200)は、ねじ山の平面がねじの入口点での力の印加の所望の方向に対して可能な限り垂直に近くなるように、骨の幾何学的形状、頭蓋骨の厚さ、および力のアライメントに対して最適化された位置でねじ込まれる。
【0046】
回転可能なプレート(202)は、2つの金属プレート(201)のアセンブリで、図2A-1に示されるようにプレート(202)を載置するための、ポケットを形成する、金属ブラケット内に載置される。
【0047】
プレート(202)は、使用者の頭蓋骨とブレース(102)との間の接続点であり、ねじ(200)の貫通点における頭蓋骨の接線角に一致するように回転させ、角度を付けることができるように調節可能である。
【0048】
プレート(202)は、ブレース(102)とユーザの皮膚との間のプロキシ面として機能するように構成され、それにより、ブレースは、プレート(202)上に完全に載置されるので、決してユーザの皮膚に触れる必要はなく、または皮膚に対していかなる力も及ぼす必要はない。
【0049】
好ましい実施形態の1つの特徴によれば、図1 A-0及び図3A-0に示される歯科矯正「Y」ブラケット(114)は、その後方端部(110)において、ユーザが器具を装着しているときに閉じた口を維持することができるように「Y」ブラケットの位置をユーザの口に対して最適化することを可能にする、上顎の左側及び右側の両方に、又は顔内の他の適切な骨構造に、図3B-0に示される、
ねじ(300)によって埋め込まれた、口内のブラケットの分割端の自由に回転するボール及びソケットジョイント(301及び302)において、上顎の左側及び右側の両方、または適切な骨構造へ、取り付けられる。
【0050】
歯科矯正「Y」ブラケットはまた、図3C-0から図3C-1に示されるように、ユーザが器具を装着しながら閉じた口を維持し得るようにユーザの口に対して最適化されるように、上顎の歯に適合するように設計された取り外し可能な剛性または可撓性マウスピースまたは歯科矯正ブラケット(303)を介して、歯負担の方法で取り付けられてもよい。マウスピース(303)は、ロッド(305)に接続された回転ジョイント(304)を有し、ロッドは、次いで、歯列矯正「Y」ブラケットに接続する。
【0051】
「Y」ブラケットの他方の端部は口(114)の外側のロッドであり、それはブレース(102)の前部に取り付けられ、それはブレース上にフィットされた回転スロット(116)を通してねじ込まれ、それは図1A-0に示されるようにスロット(108)の外側端部でボルトが留められ、そのボルトの回転がスロットを通してロッドを引っ張り、次いで、固定点と考えられるユーザの頭蓋骨の後部に固定されることによる反力としてのブレースを使用して、ユーザの上顎骨または他の骨構造に対して引張力を及ぼす。
【0052】
ユーザの口の外側の「Y」ブラケットの端部におけるロッド(114)は、ボール及びソケットジョイント(302)、または回転ジョイントの角度を設定することによって以前に決定され得た「Y」ブラケットの内側部分およびユーザの口に対するその位置を崩壊させることなく上顎および他の顔面骨の引っ張り角度を調整するため、ヒンジのロックを解除し、図1A-0に示されるようにブレースの回転ジョイント(115)においてブレースの前半分を回転させることによって、図1A-0に示されるように口の外側に位置するロック可能なヒンジジョイント(113)において、上下方向を含む、複数の方向に独立して回転され得る。
【0053】
スロット(116)は、ブレースの回転ジョイント(115)の回転中心の組み合わせと、及びヒンジ(113)の角度によって決定される「Y」ブラケットの角度とに一致するように設計された回転中心を有する。
【0054】
「Y」ブラケットはまた、左から右に調整されてもよく、ユーザの上顎または適切な骨構造の一方の側または部分が別の部分から独立して引っ張られ得るように、2つ以上の別個のブラケットに分割されてもよい。「Y」ブラケットが部品に分割されている場合、各部品は、それ自体の回転スロットを通して、そのスロットの前部におけるそれ自体のボルトを用いて、ブレースに独立して接続されるように設計される。
【0055】
器具は、図8-1から図8-3に示すように、下顎の歯に一時的に装着されるように設計された付随するマウスピース(801)からさらになり、そのようなマウスピース(801)は、スリーブ(803)に堅く接続され得る直線状の金属ロッド(802)を備える「Y」ブラケットの中央に取り付けられ、ばね荷重式(807)であり得、「Y」ブラケットに接続された第2のロッド(804)は、スリーブ(803)を通って自由に摺動することができ、この第2のロッドは、その上にねじ山パターン(805)、およびスリーブを通って突出するその端部にボルト(806)を有しても良く、ボルトを回してスリーブ(803)を前方向に前進させることができ、マウスピース(801)に接続されたロッド(802)を前方向に前進させ、したがって、マウスピース(801)を前方向に前進させ、ブレース(102)及びユーザの気道の両方に対して下顎を前方位置に固定する目的を有し、器具(100)全体を装着しながら睡眠中にユーザの気道を開いたままにする。
【0056】
ブレース(102)は、図7A-0に示されるように左半分及び右半分(702)に分割することができ、その結果、ユーザは、睡眠のために器具の半分を着用するこができ、前記金属ブレースの半分を着用していない頭蓋骨の側でユーザが睡眠することを可能にする。
【0057】
睡眠中に着用されるように構成されたブレース(702)の片側は、それに取り付けることができる取り外し可能な構造補強材(703)を有することができ、2つの半分に分割されていないブレースと同じ剛性及び構造的完全性を有することを可能にする。
【0058】
クッション(502)は、図5 Aに見られるように、快適性もしくは安全性の目的のために、ユーザが睡眠用に設計された半分のブレースを着用していない場合に睡眠中に、またはユーザの頭蓋骨の重量もしくは衝撃の重量をブレース(102)から逸らす使用を必要とし得る他の運動中に、ユーザの頭蓋骨の重量をブレースからクッション上に逸らすように、ブレース(102)とユーザの皮膚との間に配置されるように構成される。図5Bおよび図5Cは、ブレース(102)の下に挿入されたクッション(502)をそれぞれ側面図および背面図で示す。クッション(502)は、可撓性の衝撃吸収材料で構成することができる。
【0059】
図6 Aから図6Cに示すような保護ヘルメット(602)は、安全目的のために、ユーザの頭蓋骨に固定されるように構成されたブレースの上に着用されるように構成されてもよい。 図6Aは、ユーザがデバイス(100)を着用しているときにデバイス(100)に取り付けられたヘルメット(602)を示す。図6Bは、ヘルメット(602)とともに、ユーザによって装着されていないときのデバイス(100)を示す。図6Cは、ヘルメットフレームを示す。
【0060】
好ましい実施形態によれば、調整可能な中心ねじ(108)の回転により、歯列矯正ブラケット(114)が移動し、その結果、変位力が発生する。変位力は、ブレース(102)を介して固定ねじに伝達される。一定間隔で、変位力を段階的に加えると、頭蓋縫合が拡張し、最終的には、頭蓋縫合が分離する。頭蓋縫合の分離は、最終的に、頭蓋の後部に対して上顎骨を前方および上方に押し、下顎骨が前方および上方に回転することを可能にする。頭蓋縫合の分離はまた、孔の開口部の拡大をもたらし得る。孔のより広い開口部は、適切な心血管および神経経路における血流および神経シグナル伝達を改善し得る。
【0061】
調節可能な中心ねじ(108)の回転は、個人の奇形の程度に非常に左右される。実施形態の一態様によれば、外科医は、上顎の前進を追跡するために、患者を定期的に観察し続けることができる。例えばコンピュータ断層撮影(CT)スキャンのような綿密な医療検査は、現在の進展の明確な洞察を与えることができる。スキャン結果に基づいて、外科医は、必要とされる行動方針を決定することができる。外科医は、コンピュータ支援された術前計画ツールを使用して、必要な手術のアクションプランを解釈することができる。計算されたせん断力が、頭蓋固定ねじのセットに加えられる。 印加される力は、分離される頭蓋縫合糸内の内部保持力よりも大きくなるように計算される。必要なせん断力を決定する計算のために、コンピュータ操作される術前計画ツールは、達成される上顎又は他の頭蓋構造の前進、所望の前進、頭蓋縫合内の内部保持力、及び固定ねじが耐えることができる最大せん断力を考慮してもよい。アクションプランは、頭蓋縫合を徐々に分離し、上顎構造およびその他の構造を前進させるために解釈されます。
【0062】
記載された実施形態は、骨延長術において必要とされるような骨分割の手術前の外科的プロセスを必要としないため、特に有利である。デバイス(100)およびその実施は、より少ない外科的介入を必要とする。ねじの戦略的配置、段階的な変位力、および最小限の外科的プロセスは、神経血管損失のリスクを低減し得る。それはまた、再発のリスクの低下をもたらし得る。さらに、変位力が頭蓋孔に対して口腔外および前後に加えられると、孔の開口部が徐々に拡大することが観察され得る。孔の拡張した開口部は、脳への血流の増加、ならびに神経シグナル伝達の改善をもたらし得る。説明される実施形態は、経時的に顔面中央部および上顎構造の漸増的な前方移動を呈し、それは、患者の気道の開存性が、前方顔面中央部および上顎移動の進行としてテストおよび判定されることを可能にする。
【0063】
本明細書に開示されるデバイスは、それらの本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてもよい。記載された実施形態は、すべての点で例示的なものにすぎず、限定的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に入るすべての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【0064】
まだ説明されていない範囲で、様々な実施形態の異なる特徴及び構造は、必要に応じて互いに組み合わせて、又は互いに置き換えて使用することができる。1つの特徴がすべての実施形態に示されているわけではないということは、そのように示すことができないと解釈されることを意味するものではなく、説明を簡潔にするために行われている。したがって、異なる実施形態の様々な特徴は、新しい実施形態が明示的に説明されているか否かにかかわらず、新しい実施形態を形成するために、所望に応じて混合および適合され得る。本明細書に記載される特徴の全ての組み合わせまたは順列は、本開示によって網羅される。
図1A-0】
図1A-1】
図1A-2】
図1A-3】
図1A-4】
図1A-5】
図1A-6】
図1A-7】
図1A-8】
図1A-9】
図2A-0】
図2A-1】
図2A-2】
図2A-3】
図2A-4】
図2B-0】
図2B-1】
図2B-2】
図2B-3】
図2B-4】
図2B-5】
図2B-7】
図2B-8】
図2B-9】
図2B-10】
図3A-0】
図3A-1】
図3A-2】
図3B-0】
図3B-1】
図3B-2】
図3B-3】
図3C-0】
図3C-1】
図4A-0】
図4A-1】
図4A-2】
図4A-3】
図4A-4】
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A-0】
図7A-1】
図7A-2】
図7A-3】
図7A-4】
図7B-0】
図7B-1】
図7B-2】
図7B-3】
図7B-4】
図8-1】
図8-2】
図8-3】
【手続補正書】
【提出日】2022-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【装置及び方法の技術分野】
【0001】
本明細書に説明される本方法及びデバイスの実施形態は、概して、前後張力の印加を通して顔面中央及び上下顎構造を前進させるために特に有用である、ユーザの頭蓋骨及び顔面中央に係留されるように構成される歯面整形外科用デバイスに関する。
【装置及び方法の背景】
【0002】
頭蓋骨及び上顔面骨の発育不全は、人の呼吸能に影響を及ぼし、閉塞型睡眠無呼吸(OSA)を引き起こすことがあり、多くの場合、外科的に治療され、それにより、顎中央が切断されて前進する。
軟部組織に一度に大きな伸張負荷をかけることによる再発のリスク、神経血管構造の損傷、及び上顎骨を離散的に前進させて頭蓋骨底を発達させることができないことが、当技術分野で知られている。
【0003】
特許出願第20170312053号、第20060029899号、及び第20050244769号の先行技術は、弾性体を使用して張力を加える上顎前進器具を記載しているが、成人の頭蓋骨縫合を分離するのに十分な力を加えることができない場合があり、また、上顎を引くために、これらの器具は、額及び顎などの前側顔面構造に対して反力を加えることに依存しており、これは、そのような圧力から悪影響を受ける場合がある。
【発明の概要】
【0004】
既存の技法の制限に対処するために、骨を切らずに、再発のリスクを低減し、顔面中央部、または頭蓋骨の他の骨構造の前進可能性を増加させるために、軟組織に最小の伸展負荷を一度にかける複数の離散的の前進を可能にする顔面中央部前進方法が必要とされている。この方法は、力を送達するために弾性体に依存すべきではなく、前方顔面構造に対する反力を必要とすべきではなく、頭蓋骨全体にわたって遍在する前後力を印加すべきである。
【0005】
提案された装置及び方法は、骨の切断を使用せずに、後頭部と上顎との間に一定の間隔で徐々に張力を加え、軟組織をゆっくりと拡張させることによって、上記に対処する。
【0006】
デバイスはまた、器具を装着している間のOSA患者の気道虚脱を防止するために、睡眠中に下顎を機械的に前進させて適所に保持することを可能にする。
【0007】
本主題の種々の実施形態は、種々の用途に適用可能である。本主題の一実施形態は、歯顔面整形外科用デバイスとして使用されるように構成される。本実施形態の1つの特徴によれば、いくらかの柔軟性を有するように構成されてもよい、金属または別の剛性または半剛性材料で作られたブレースが、後頭部などの頭蓋骨の後部、または別の適切な頭蓋骨領域に少なくとも1つの固定ネジを介してねじ込まれる。
【0008】
ブレースは、頭蓋骨の形状に合わせて輪郭形成され、頭蓋骨の後部の周りに巻き付き、口の前で完全な円で終端する頭蓋骨の周りにリング状のループを形成する。ブレースの口端部には、ナット/アジャスタを回すことによって後退または前進させることができる調整可能な中心ねじ/第1のブラケット部材のためのスロットがある。調節可能な中心ねじ/第1のブラケット部材は、一実施形態では「Y」字形で、そのうちの2つは本明細書に記載されている複数の方法でファスナによって「Y字」の2つの端部が口の中で接続された、歯列矯正ブラケットの前方部分である。1つの方法では、上顎の歯に装着される取り外し可能な口腔装置タイプの締結具、又は上顎臼歯上に設置される歯科矯正ブラケットタイプの締結具のいずれかを用いて歯負担の接続が行われ、回転継手で「Y」ブラケットに接続される。第2の方法では、取り外し可能な口腔器具は存在せず、「Y」ブラケットは、口腔内の適切な骨構造(例えば、限定されないが、上顎または頬骨)に移植された骨固定されたボール及びソケットタイプのファスナに接続される。したがって、ブレースの前端にあるアジャスタを回すことによって、調節可能な中心ねじまたは歯列矯正ブラケットの一部を形成する第1のブラケット部材を前進させることができ、変位させるべき骨構造に対して前方に引っ張る。ナットを回すと、ブレースが前述の固定ネジによって取り付けられている頭蓋骨の後ろに伝達される変位力が作成されます。
【0009】
スロット/受け部材は、クランプを介してブレースの前方部分に取付けられる。受け部材は、上顎または骨構造の前進の運動の所望の方向に適合するように角度を付けることができる第1のブラケット部材の近位端を受け入れるように提供される。第1のブラケット部材の近位端は、所定の位置でクランプの受け部材に取付けられる。
【0010】
第1及び第2のブラケット部材は、ユーザの口の外側でヒンジ継手によって接続され、第1のブラケット部材が、ユーザの口に対する第2のブラケット部材の配置に影響を及ぼすことなく、所望の引張り方向を指すように角度付けられ得ることを確実にし、したがって、ユーザは、唇シールを維持することができる。
【0011】
ブレースの前半分/セグメントは、ユーザの口の前に位置するように構成され、歯科矯正ブラケットの角度が調整されたときにブレースの前半分がそれと一致して動くことができるように、各々の側の回転ジョイントでヒンジ留めされる。
【0012】
ブレースの後方セグメントは、頭蓋骨に植え込まれるねじ端部を有する頭蓋骨固定アセンブリを用いて頭蓋骨に固定される。頭蓋骨固定アセンブリの各々は、ねじ端部の頭部にねじ込まれるアバットメントを有し、このアバットメントは、頭蓋骨から突出するように構成される。突出端には、ユーザの頭蓋骨の周囲に巻き付くブレースのための取付け点である円形プレートがあり、プレートは、ユーザの頭蓋骨に対して接線方向に位置するように調整され、皮膚に対する圧力を回避するようにそれを皮膚から分離することができる。
【0013】
OSAを患う人は、歯顔面整形外科用器具を装着している間、睡眠中に下顎を前方に保持することを望む場合がある。したがって、器具の一部は、下顎の歯列弓上に装着されるように設計され、歯科矯正ブラケットにボルト締めされたロッドを介して接続される取り外し可能な剛性マウスピースからなり、そのようなボルトは、剛性マウスピースを前進させるように回転させることができる。
【0014】
ユーザが横向きに寝ているときに、頭蓋骨の重量をブレースからそらす必要があるかもしれません。クッションパッド又はそれらのセットは、ブレースとユーザの皮膚との間に配置されるように設計されており、そのようなクッションはブレースの表面から突出し、ユーザが横向きに寝ているときに、マットレスまたは枕などの睡眠表面に直接載っているので、頭蓋骨の重量がブレースを迂回する。
【0015】
睡眠中の支持クッションの使用の代替として、ブレースは、頭蓋骨の左側または右側のいずれか(いずれの側も睡眠表面と接触しない)の周りを包むブレースの半分からなる別のバージョンで設計され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の実施形態(その代替形態及び/または変形形態を含む)のより良い理解は、以下の図面とともに実施形態の詳細な説明を参照して得ることができる。
【0017】
図1A-1C及び2A、2Bは、それぞれ、歯顔面整形外科用デバイスの一般的構造の斜視図、上面図、側面図、正面図、及び背面図を示す。
【0018】
図2C及び図2Dは、口腔内バージョンのブラケットのそれぞれデュアルアーム及びシングルアームの第2のブラケット部材(131)の内側端部(135)の固定を示す。
【0019】
図3A-3Cならびに4A及び4Bは、それぞれ、フルブレース、フルブラケットタイプ歯面整形外科用デバイスの斜視図、上面図、側面図、正面図、及び背面図を示す。図3Dは、デバイス(100)のハーフブレース(102)、フルブラケット(114)タイプの斜視図を図示する。図3Eは、デバイス(100)のハーフブレース(102)、ハーフブラケット(114)タイプの斜視図を図示する。
【0020】
図5 Aから図5 Eは、頭蓋骨固定アセンブリ(200)の斜視図、正面図、背面図、側面図、及び上面図をそれぞれ示す。
【0021】
図6 Aから図6 Dは、頭蓋骨固定及びプレートアセンブリの側面図、上面図及び断面図を示す。図6E及び図6Fは、プレート(202)の側面図及び上面図を示す。
【0022】
図7A-7Dは、それぞれ、プレートアセンブリの正面図、側面図、背面図、及び斜視図を示す。
【0023】
図8Aは、クランプ(116)を有するブラケット(114)の斜視図を示す。図8B及び図8Cは、クランプ(116)を有さない歯科矯正ブラケット(114)の上面図及び側面図をそれぞれ示す。図1 D及び図1 Eは、ブレース(102)と共に使用されるブラケット(114)のシングルアームバージョンを示す。
【0024】
図8F及び図8Gは、ブラケット(114)のさらに別の実施形態の正面図及び上面図をそれぞれ示す。
【0025】
図8Hは、図8Fに示される角度とは異なる角度でヒンジ継手(113)によってロックされた第1のブラケット部材(122)及び第2のブラケット部材(131)を示す。
【0026】
図9 Aから図9 Dは、ボール及びソケットジョイントシステム(900)タイプの締結具の2つの側面図、断面図、及び斜視図をそれぞれ示す。
【0027】
図10A及び図10Bは、それぞれ、歯負担タイプの締結具の側面図及び上面図を示す。
【0028】
図11A-11Eは、それぞれ、クランプ(116)の斜視図、上面図、正面図、背面図、及び側面図を示す。
【0029】
図12A図12B図13A及び図13Bは、緩衝パッド(502)を有するデバイス(100)の3つの側面図及び背面図をそれぞれ示す。
【0030】
図14A及び14Cは、保護ヘルメット(602)の斜視図を図示す。図14Bは、別の実施形態におけるそれを示す。
【0031】
図15Aは、デバイス(100)のハーフブレースタイプの実施形態(1500)の斜視図を示す。図15B図15C図16A及び図16Bは、頭蓋骨(107)を有する実施形態(1500)の上面図、側面図、正面図及び背面図を示す。図15D及び図15Eは、ハーフブレースタイプの実施形態(1500)を示す。
【0032】
図17 Aから図17 C、図18A、及び図18Bは、睡眠用ブレース(702)の斜視図、上面図、側面図、正面図、及び背面図をそれぞれ示す。
【0033】
図19 Aから図19 Cは、付随するマウスピース/歯科矯正器具(1900)の2つの側面図及び上面図を示す。
【0034】
図20 Aから図20 Dは、デバイス(100)の別の実施形態の斜視図を示す。
【0035】
図21 Aから図21 Bは、ハーフブレースタイプの実施形態(1500)の斜視図、上面図、及び正面図を示す。
【0036】
図21D-21Fは、それぞれ、ハーフブレースタイプ実施形態(1500)の斜視図、上面図、及び正面図を示す。
【0037】
図22Aは、ダブルアームの第2のブラケット部材の内側端部(135)の固定を示す。
【0038】
図22Bは、シングルアームの第2のブラケット部材(131)の内側端部(135)の固定を示す。
【0039】
図23A及び図23Bは、フル・リア・ブレース・セグメント(105)のみを備えるブレース(102)を示す。
【0040】
図23C及び図23Dは、ハーフ・リア・ブレース・セグメント(105)を備えるブレース(102)を示す。
【0041】
図23Eは、2つの口腔外ブラケット(114)を備えるデバイス(100)の上面図を示す。
【0042】
図23Fは、1アーム口腔外ブラケット(114)を備えるデバイス(100)の上面図を示す。
【0043】
図24A及び図24Cは、フル・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)の底面図を示す。
【0044】
図24Aは、使用中の2つの1アーム口腔外ブラケット(114)を有するフル・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)の底面図を示す。
【0045】
図24Bは、使用中の口腔外ブラケット(114)を有するデバイス(100)の側面図を示す。
【0046】
図24Cは、使用中の1アーム口腔外ブラケット(114)を有するハーフ・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)の底面図を示す。
【0047】
図25A-25Bは、それぞれ、デバイス(100)の底面図及び側面図を図示する。
【0048】
図26Aは、2つの1アーム口腔内ブラケット(114)に結合されたフル・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)を示す。
【0049】
図26Bは、使用中の2つの1アーム口腔内ブラケット(114)に結合されたフル・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)の底面図を示す。
【0050】
図26Cは、1アーム口腔内ブラケット(114)に結合されたハーフ・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)を示す。
【0051】
図26Dは、1アーム口腔内ブラケット(114)に結合されたハーフ・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)の底面図を示す。
【0052】
図27A及び図27Bは、下歯に固定された口腔内ブラケット(114)を有するフル・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)の底面図及び側面図をそれぞれ示す。
【0053】
図27C及び図27Dは、それぞれ、2つの1アーム口腔内ブラケット(114)を有するフル・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)の底面図及び側面図を示す。
【詳細な説明】
【0054】
本発明の実施形態及び特徴が、本明細書に説明されるが、開示される実施形態は、種々の代替形態で具現化され得る本発明の単なる例示である。
【0055】
図1 Aから図1 C、図2A図2B図3Aから図3 C、図4A、及び図4Bは、本発明の好ましい実施形態による、以下でデバイス(100)と呼ばれる、骨固定型整形外科用デバイス(100)の構造を示す。歯顔面整形外科用デバイス(100)は、補強ブラケット(106)及び、1つ以上のクランプ(117)の助けを借りてブレースの1つ以上の取り付け部分(129)に連結された1つ以上のブラケット(114)を有するブレース(102)を備える。ブレース(102)は、少なくとも1つの固定アセンブリ(200)を介してユーザの頭蓋骨(107)に固定される。ブレース(102)は、明細書の後続の部分で説明する、デバイス(100)の他の構成要素を所望の場所に調節可能に保持する剛性または半剛性の構造である。ブレースは、少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメント(104)及び回転ジョイント(115)によってフロント・ブレース・セグメント(104)にヒンジで接続された少なくとも1つのリア・ブレース・セグメント(105)を備えてもよい。フロント・ブレース・セグメント(104)及びリア・ブレース・セグメント(105)は、図3Aに示されるように頭蓋骨(107)の両側に拡がってもよく、又は図3D及び図3Eに示されるように頭蓋骨(107)の片側のみに拡がってもよい。ブラケット(114)は、用途の種類に応じて異なる形状及びサイズを有することができる。図3Dは、1アームタイプのブラケット(114)の使用を示し、図3Eは、デュアルアームタイプのブラケット(114)を示す。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメント(104)は、回転ジョイント(115)でリムーバブル/取り外し可能である。例えば、ブレース(102)は、図23Aに示されるように頭蓋骨(107)の両側に、または図23Cに示されるように頭蓋骨(107)の片側のみに拡がる1つ以上のリア・ブレース・セグメント(105)のみを備えてもよい。ブレース(102)は頭蓋骨の形状に合わせて形成され、フロント・ブレース・セグメント(104)が使用される場合、頭蓋骨の前部を包み込み、口の前で完全な円で終わる。好ましい実施形態では、少なくとも1つのリア・ブレース・セグメント(105)は、頭蓋骨(107)のリアセクション(109)に固定されたときに、少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメント(104)がユーザの頭蓋骨の前方領域(160)を覆って(例えば、顔面を覆って)少なくとも部分的に拡がるように構成され、第1の回転軸(139)を中心に回転可能である。ブレース(102)は、両側の回転継手(115)によって構成要素に分離され、ブレースのそれらの構成要素が種々の角度で位置付けられることを可能にすることができる。回転継手(115)上の調節可能補強プレート(152)及び(154)は、必要に応じて、フロント・ブレース・セグメント(104)とリア・ブレース・セグメント(105)との間の間隔を変動させることを可能にする。ブレース(102)は、様々な物理的及び解剖学的な力及び制限を受ける。
【0056】
図5 Aから図5 E、図6 Aから図6 F、及び図7 Aから図7 Dを参照すると、一実施形態によれば、少なくとも1つの固定アセンブリ(200)は、ユーザの頭蓋骨(107)にねじ留めされて、ブレース(102)を頭蓋骨に固定するように設計される。固定アセンブリ(200)は、頭蓋骨(107)の前記任意のセクションに締結されるように構成された(例えば、図2Bに示すように後部セクション(109)に固定された)ねじ端部(201)と、アバットメント(203)で選択可能な距離だけ離れた反対側の自由端部(202)と、自由端部(202)をリア・ブレース・セグメント(105)に回転可能に結合するように構成されたプレートアセンブリ(204)とを含む。ねじ端部(201)は、図6Eに示されるように、インターナルスクリュー(205)を介してアバットメント(203)と対にされる。アバットメント(203)は、その頭部(208)で締め付けられる第2のインターナルスクリュー(206)によって定位置に保持される回転可能プレート/自由端部(202)に接続される。スロット207A及び207Bは、自由端(202)が所望の配向でアバットメント(203)に調節可能に搭載されることを可能にする。所望の長さのアバットメント(203)を、ねじ端部(201)と頭蓋骨から突出する自由端(202)との間に要求される間隔を得るために使用することができる。
【0057】
固定ねじ端部(201)は、ねじ山の平面が、ねじの入口点における力の印加の所望の方向に対して可能な限り垂直に近くなるように、骨の幾何学的形状、頭蓋骨の厚さ、及び力の位置合わせに対して最適化された位置でねじ込まれる。
【0058】
回転可能プレート/自由端(202)は、図7Cに示されるように、2つの金属プレートを備えるプレートアセンブリ(204)によって定義される金属ブラケット/ポケット(701)内に回転可能に置かれる。プレートアセンブリ(204)は、順に、図3A-3C及び4A-4Bに図示されるように、リア・ブレース・セグメント(105)に搭載される。
【0059】
自由端(202)は、ユーザの頭蓋骨とブレース(102)との間の接続点であり、ねじ端部(201)の貫通点における頭蓋骨の接線角度に一致するように回転及び角度付けすることができるように調節可能である。
【0060】
自由端(202)は、ブレース(102)とユーザの皮膚との間のプロキシ表面としての役割を果たすように構成され、それにより、ブレースが完全に自由端(202)上に載置されるので、ブレース(102)は、ユーザの皮膚に決して触れる必要がなく、または皮膚に対していかなる力も及ぼす必要がない。
【0061】
図1 Aから図1 C、図3 Aから図3 C、及び図8 Aから図8 Cを参照すると、歯列矯正ブラケット(114)は、第1のブラケット部材(122)と、第2のブラケット部材(131)と、ロック可能なヒンジジョイント(113)とを備える。第1のブラケット(122)は、近位端(123)と、反対側の遠位端(124)とを有し、第2のブラケット部材(131)は、前方部材(132)及び尾端部(133)を備える。好ましい実施形態の1つの特徴によれば、前方部材(132)の内側端部(135)は、締結具の助けを借りて、頭蓋骨の前方部分に(例えば、ユーザの上顎骨の左側及び右側のいずれか又は両方に、又は口内の適切な骨構造に)回転可能に取り付けられるようになっている。一実施形態では、締結具は、図9 Aから図9 Dに示すようなボール及びソケットシステム(900)である。ボール及びソケットジョイントシステム(900)タイプの締結具は、上顎骨の左側または右側のいずれか、両側、または他の適切な骨構造に埋め込まれるように構成された締結具端部(300)と、及び、器具を装着している間にユーザが閉じた口を維持することができるように、ユーザの口に対して最適化されたブラケット(114)の位置を許容するように、ボールタイプ内側端部(135)を回転可能に受け入れるように構成されたソケット(301)とを、備える。図2Cは、ブラケット(114)の口腔内バージョンの一対のアーム/ダブルアーム/デュアルアームの第2のブラケット部材(131)の内側端部(135)を、ボール及びソケットジョイントタイプの締結具(900)を用いて、口の内側の骨構造(166)などのユーザの頭蓋骨(160)の前方骨部分のうちの1つに固定する例示的な方法を示す。図2Dは、第2のブラケット部材(131)のシングルアームバージョンの同様の口腔内固定を示す。
【0062】
歯科矯正ブラケット(114)はまた、図10 Aから図10 B、図25 Aから図25 B、及び図27 Cから図27 Dに示されるような歯負担の歯科矯正器具(1000)タイプの締結具で取り付けられてもよい。このタイプの締結具では、歯科矯正器具(1000)は、前記頭蓋骨の前方部分(例えば、上顎の歯)に適合するように設計された取り外し可能な剛性若しくはフレキシブルなマウスピース又は歯科矯正ブラケット(303)と、歯科矯正ブラケット(303)を前方部材(132)の内側端部(135)に旋回可能に及び/又は調整可能に接続するように構成された1つ又は複数のリンケージ(305)とを備える。歯列矯正ブラケット(303)及びリンケージ(305)の寸法及び形状は、ユーザが器具を装着している間、閉じた口を維持できるように、ユーザの口に対して最適化される。回転ジョイント(304)は、一端でリンケージ(305)を歯列矯正ブラケット(303)に接続し、リンケージ(305)の他端は、図25 Aから図25 Bに示すように皮膚貫通によって口の外側で、及び図27 Cから図27 Dに示すように口の内側で、歯列矯正ブラケット(114)の前方部材(132)の内側端部(135)に回転可能に接続される。口腔外ブラケット(114)に取り付けられた歯列矯正器具(1000)は、必要に応じて、下顎/歯のラインに固定することもできる。
【0063】
図1 Aから図1 E、図3 Aから図3 E及び図23 Eから図23 Fに示すように、クランプ(116)は、ブレース(102)の取付け部(129)へのブラケット(114)の取付けを可能にする。図1 Aから図1 C及び図3 Aから図3 Eを参照すると、第1のブラケット部材(122)は、その近位端部(123)において、クランプ(116)によってフロント・ブレース・セグメント(104)の取付け部(129)に取り付けられる。より具体的には、近位端部(123)は、アジャスタ(127)によってクランプ(116)の受け部材(117)に調整可能に固定され、クランプ(116)は、クランプ本体(128)の助けを借りて取付け部(129)の任意のセクションに選択的に取り付けられる。回転受け部材(117)は、第1のブラケット部材(122)の近位端(123)を挿入するための開口部(141)を有する。それはブレース(102)を嵌め込むための溝(118)と、クランプ本体(128)をブレース(102)上に締め付けるためのねじ開口部(119)も有する。それは受け部材(117)の角度を調整するためのねじ用の2つの開口部(120)も有する。
【0064】
図8A-8C及び11A-11Eを参照すると、開口部(141)は、アジャスタ(127)がいずれかの方向に回転させられると、その上にねじ山を有する近位端(123)が、開口部(141)を通して引っ張られまたは押され、第1のブラケット部材(122)の平行移動運動を生じさせるように、近位端(123)を自由に受容するように構成される。遠位端(124)は、ヒンジ継手(113)によって、第1のブラケット部材(122)をその尾端部(133)で第2のブラケット部材(131)に接続する。ヒンジジョイント(113)は、第2のブラケット部材(131)に対して様々な角度で第1のブラケット部材(122)を選択的にロックしながら、第2の回転軸(140)を中心とした第1のブラケット部材(122)の回転を可能にするように構成される。したがって、アジャスタ(127)の回転は、開口部(141)を通してブラケット(114)を引っ張り、次いで、ブレース(102)を使用して、固定点と見なされる頭蓋骨の後部に反力を印加して、ユーザの上顎または他の骨構造に対して引張力を及ぼす。
【0065】
ユーザの口の外側に位置するブラケット(114)の端部にある第1のブラケット部材(122)は、図1 Aから図1 Cに示すように、口の外側に位置するロック可能なヒンジ継手(113)において複数の方向に独立して回転させることができ、第2の回転軸 (140) を中心とした上下方向を含み、ヒンジをロック解除し及びブレースの回転ジョイント(115)でブレース(104)の前半分を回転させることによって上顎及び他の顔面骨の引っ張り角度を調整し、内側部分すなわちブラケット(114)の第2のブラケット部材(131)及び、図9A及び図9Bに示されるその長手方向軸線(901)を中心としたボール及びソケットジョイント(900)又は回転ジョイントの角度を設定することによって予め決定され得るユーザの口に対するその位置とを乱すことはない。
【0066】
図1 Aから図1 Cを参照すると、クランプ(116)の受け部材(117)は、第3の回転軸(145)を中心とする回転中心を有する。ブレース(139)の回転軸は、それらの異なる長さ、及び固定ブレース(104)に対して前進するときのブラケット(114)の変化する距離のため、ブラケット(140)の回転軸からオフセットになっている。したがって、ブラケット(114)と合わせたブレース(104)の回転が第3の回転軸(145)をもたらし、ブラケット(114)がブレース(104)に回転可能に保持されたままである場合、ブラケット(114)をブレース(104)に保持しながらその軸(145)を中心にしたクランプ(116)の回転が、この運動を可能にする。
【0067】
ブラケット(114)はまた、左から右に調節されてもよく、ユーザの上顎または適切な骨構造の一方の側または一部が別の部分から独立して引っ張られ得るように、2つ以上の別個のブラケットに分割されてもよい。2つ以上のブラケット(114)が使用される場合、各ブラケット(114)は、それ自体のクランプ(116)を介して、フロント・ブレース・セグメント(104)に独立して接続されるように設計され、各ブラケットは、それ自体のアジャスタ(127)を用いて、その受け部材(117)の前方に保持される。第2のブラケット部材(131)の前方部材(132)が、(例えば、図8A-8Cに示されるように、尾端部(133)から拡がる「Y」形状において)一対のアームを有するか、または(例えば、図8D-8Fに示されるように)1つのみのアームを有するかにかかわらず、いずれの場合も、前方部材(132)は、図1A-1D、2A-2Dに示されるようなブラケット(114)の口腔内バージョンの場合ユーザの口の内側にフィットするように、または、図20A-20D、21A-21E、22A-22B、及び24A-24Cに示されるような固定点にアクセスするために、例えば図24Bに示されるように開口部(2402)においてユーザの皮膚を貫通して、頭蓋骨の前方部分(160)を少なくとも部分的に覆って口の外側にフィットするように寸法決定される。
【0068】
図22A及び図22Bは、図20 Aから図20 Dに示すようにブラケット(114)がフロント・ブレース・セグメント(104)に取り付けられたときに、口腔外の第2のブラケット部材(131)のシングルアームバージョン及びデュアルアームバージョンの前方部材(132)がボール及びソケットジョイントタイプの締結具(900)を用いて前方頭蓋骨部分(例えば、上顎骨、頬骨、又は側頭骨の骨構造)に固定されるようにどのように構成されるかを更に示す。図24 Aから図24 Cは、ブラケット(114)が全体又は半分のリア・ブレース・セグメント(105)の取り付け部分(129)に直接取り付けられたときの、同様の口腔外のブラケット(114)の、上顎骨の骨構造(166)などの前方頭蓋骨部分(160)への固定を示す。「前方部分/領域(160)」という用語は、本明細書では、頭蓋骨の上下の歯/顎、頬骨、蝶形骨、前頭骨、頭頂骨、及び側頭骨などを含む、頭蓋骨の前頭部及び中間部の任意の部分を指すために使用される。
【0069】
別の実施形態では、図26A-26D及び27A-27Dに示されるように、第2のブラケット部材(131)はさらに、尾端部(133)と前方部材(132)との間に配置される、1つ以上の連結器(2602)を備える。1つ以上の連結器(2602)は、尾端部(133)に対して調節可能な関係で、前方部材(132)の選択的ロックを可能にするように構成される。例えば、前方部材(132)は、必要に応じて、尾端部(133)に対して異なる位置でねじ(2604)を係合することによって、調節またはねじれ/回転及びロックすることができる。いくつかの実施形態では、図26A-26Bに示されるように、前方部材(132)はさらに、頭蓋骨(107)の前方部分(160)を覆って両方のブラケット(114)を堅く結合する、架橋要素(2606)を備えてもよい。
【0070】
図26Bは、頭蓋骨(107)に固定されたリア・セグメントブレース(105)と、ボール及びソケットジョイントタイプの締結具(900)の助けを借りて、上顎の骨構造(166)などの前方部分(160)に口腔内で固定されたデュアルブラケット(114)とを示す。図26Dは、1つの口腔内ブラケット(114)を備えるハーフ・リア・ブレース・セグメント(105)を有するデバイス(100)の同様の固定を示す。
【0071】
器具(100)は、図19Aから図19 Cに示されるように、前記頭蓋骨の前方骨構造(例えば、下顎の歯)上に一時的に装着されるように設計された別の形態の締結具である付随するマウスピース(1900)をさらに備える。付随するマウスピースタイプの締結具(1900)は、前方骨構造(この例では下顎の歯)上に取り外し可能にフィットされるように構成された歯科矯正ブラケット(801)と、並びに一端で歯科矯正ブラケット(801)に接続された細長い第1の部材(802)と、第1の細長い部材(802)の他端に配置されたスリーブ(803)と、及びスリーブ(803)によってねじ山(805)を介して受け入れられるように構成された第2の細長い部材(804)とを有するリンケージとを備える。ボルト(806)は、ねじ山(805)上に載置され、マウスピース(801)を前方方向に前進させるように回すことができ、したがって、下顎を前進させてユーザの気道を開く。圧縮ばね(807)は、第2の細長い部材(804)が歯科矯正ブラケット(801)に向かって付勢されるように、スリーブ(803)と及び第2の細長い部材(804)の歯科矯正ブラケット(801)に面する側に配置されたボルトヘッド(806)との間で第2の細長い部材(804)の上に取り付けられる。図19A、19B、27A、及び27Bに示されるように、第2の細長い部材(804)の遠位端(808)は、ソケット(1908)を通して前方部材(132)の内側端(135)に連結される。ボルトヘッド(806)はスリーブ(803)を前方向に前進させるため回転させることができ、これはマウスピース(801)に接続された第1の細長い部材(802)を前方向に前進させ、したがってマウスピース(801)を前方向に前進させ、下顎をブレース(102)及びユーザの気道の両方に対して前方位置に固定する目的を有し、ユーザの気道を開いたままにする。
【0072】
図15 Aから図15 C、図16 Aから図16 B、図17 Aから図17 C、及び図18 Aから図18 Bは、前部のブレースが、ユーザの頭蓋骨(107)のリアセクション(109)に固定するのに十分に、ユーザの頭蓋骨の前方領域/部分及び後方領域/部分の両方を覆って部分的にのみ拡がるような方法で、ブレース(102)が左半分または右半分に分割され得る、デバイス(100)の実施形態(1500)を示す。デバイス(100)のこの実施形態は、ユーザが彼らの頭蓋の半分に器具の半分を装着し、反対側で寝ることができる。
【0073】
睡眠中に着用されるように構成されたブレース(702)の片側は、それに取り付けることができる取り外し可能な構造補強材(703)を有することができ、右半分又は左半分に分割されていないブレースと同じ剛性及び構造的完全性を有することを可能にする。
【0074】
図12Aから図12B及び図13 Aから図13 Bを参照すると、別の実施形態では、リア・ブレース・セグメント(105)及び頭蓋骨固定アセンブリ(200)、特にアバットメント(203)は、リア・ブレース・セグメント(105)とユーザの頭蓋骨(107)との間に空間を提供して、睡眠中にユーザの頭蓋骨の重量をブレース(102)からクッション上に逸らすためにブレース(102)とユーザの皮膚との間に配置されるように構成された1つ以上のクッションパッド(502)を収容するように適合される。図12A及び図12Bは、それぞれ側面図及び背面図による、ブレース(102)の下に挿入されたクッションパッド(502)を示す。
【0075】
いくつかの実施形態では、ブレース(102)、ブラケット(114)、及びクランプ(116)は、図14A-14Cに示されるようなブレース(102)の少なくとも一部にわたって装着される、図14Cに示されるような安全ヘルメット(602)を収容するように構成される。図14Aは、デバイス(110)上にフィットされたヘルメット(602)を示す。図14Bは、ヘルメット(602)の別の実施形態を伴う、ユーザによって装着されていないときのデバイス(100)を示す。
【0076】
好ましい実施形態によれば、調整可能な中心ねじ(127)の回転により、歯列矯正ブラケット(114)はブレース(102)に対して変位され、その結果、図1Bに示すように、ブラケット (114) が締結具を介して固定されている骨構造に第1の方向に第1の力(148)が生成される。これにより、第1の方向とは反対の第2の方向に第2の力(150)が生成され、ブレース(102)を介して頭蓋骨固定アセンブリ(200)に伝達される。規則的な間隔で変位力を徐々に加えることにより、頭蓋骨縫合において拡張及び骨形成が生じる。
【0077】
本明細書に開示されるデバイスは、それらの本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてもよい。記載された実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではない。したがって、本発明の範囲は、上記の記載ではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内のすべての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【0078】
まだ説明されていない範囲で、様々な実施形態の異なる特徴及び構造は、互いに組み合わせて、又は互いに置き換えて使用することができる。1つの特徴がすべての実施形態に示されているわけではないということは、そのように示すことができないと解釈されることを意味するものではなく、説明を簡潔にするために行われている。したがって、異なる実施形態の様々な特徴は、新しい実施形態が明示的に説明されているか否かにかかわらず、新しい実施形態を形成するために、混合及び適合され得る。本明細書に記載される特徴の全ての組み合わせまたは順列は、本開示によって網羅される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯顔面整形外科用デバイスであって、
1つ以上の頭蓋骨固定アセンブリを用いてユーザの頭蓋骨に固定されるように構成されたブレースと、
並びに少なくとも1つのブラケットを備え、
前記少なくとも1つのブラケットが、
近位端及び遠位端を有する第1のブラケット部材であって、前記近位端は、前記ブレースの装着部分の任意のセクションに選択的に装着されるクランプ本体を有するクランプの受け部材にアジャスタによって調整可能に固定される、第1のブラケット部材、
並びに、
ヒンジ継手によって前記第1のブラケット部材の前記遠位端にヒンジ式に接続された尾端部、及び少なくとも1つの締結具によって前記ユーザの前記頭蓋骨の前方部分に回転可能に固定されるように構成された内側端を有する前方部材を有する第2のブラケット部材、
を備え、
前記第1のブラケット部材が、前記ヒンジ継手を用いて前記第2のブラケット部材に対して複数の角度位置で前記第1のブラケット部材を選択的に係止するために前記受け部材の周りで回転可能であり、
前記第1のブラケット部材の前記複数の角度位置のいずれかにおける前記アジャスタの作動は、前記ブレースに対する前記ブラケットの変位を生じさせて、第1の方向に前記少なくとも1つの締結具を通して前記頭蓋骨の前記前方部分に第1の力を及ぼし、及び前記1つ以上の頭蓋骨固定アセンブリを通して前記頭蓋骨に前記第1の力とは反対の第2の方向に第2の力を及ぼすように構成される、
ことを特徴とする、
歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイスであって、
前記ブレースは、少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントと、回転ジョイントによって前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントにヒンジ式に接続された少なくとも1つのリア・ブレース・セグメントとを備え、前記少なくとも1つのリア・ブレース・セグメントが前記頭蓋骨に固定されたときに、前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントは、前記頭蓋骨の前記前方部分を覆って少なくとも部分的に拡がるように構成される、
ことを特徴とする、
請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項3】
前記装着部分は、前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメント内または前記少なくとも1つのリア・ブレース・セグメント内に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項4】
前記第2のブラケット部材は、前記尾端部と前記前方部材との間に連結器をさらに備え、前記連結器は、前記尾端部に対して調節可能な関係で前記前方部材の選択的ロッキング係合を可能にするように構成される、
ことを特徴とする、
請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項5】
前記第2のブラケット部材の前記前方部材が、前記内側端部の前記前方部分への口腔内または口腔外での前記固定のために寸法決めされた単一のアームまたは一対のアームである、ことを特徴とする、請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの締結具が、前記頭蓋骨の前記前方部分に埋め込み可能であるように構成された締結具端部と、及び前記前方部材の前記内側端部を回転可能に受け入れるように構成されたソケットとを備える、ボール及びソケットシステムである、ことを特徴とする、請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイスであって、前記少なくとも1つの締結具が、前記ユーザの前記頭蓋骨の前記前方部分を覆って取り外し可能に取り付けられるように構成される歯科矯正ブラケットと、及び前記歯科矯正ブラケットを前記前方部材の前記内側端に旋回可能及び/または調節可能に接続するように構成されるリンケージとを備える、歯科矯正器具であり、前記頭蓋骨の前記前方部分は、患者の歯または歯列弓である、
ことを特徴とする、
請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイスであって、前記1つ以上の頭蓋骨固定アセンブリの各々は、前記頭蓋骨に締結されるように構成されたねじ端部と、アバットメントで選択可能な距離だけ離間された反対側の自由端部と、及び前記自由端部を前記ブレースに回転可能に結合するように構成されたプレートアセンブリとを備え、前記自由端部は所望の向きで前記アバットメントに調節可能に装着されるように構成される、
ことを特徴とする、
請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項9】
歯顔面整形外科用装置であって、
少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントと、回転ジョイントによって前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントにヒンジ式に接続された少なくとも1つのリア・ブレース・セグメントとを有するブレースであって、前記少なくとも1つのリア・ブレース・セグメントが前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントがユーザの頭蓋骨の前方領域を覆って少なくとも部分的に拡がるように1つ以上の頭蓋骨固定アセンブリによって前記ユーザの頭蓋骨に固定されるように構成されているブレースと、
並びに少なくとも1つのブラケットを備え、
前記少なくとも1つのブラケットが、
近位端及び遠位端を有する第1のブラケット部材であって、前記近位端は、前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントの装着部分の任意のセクションに選択的に装着されるクランプ本体を有するクランプの受け部材にアジャスタによって調整可能に固定される、第1のブラケット部材、
並びに、
ヒンジ継手によって前記第1のブラケット部材の前記遠位端にヒンジ式に接続された尾端部、及び少なくとも1つの締結具によって前記ユーザの前記頭蓋骨の前方部分に回転可能に付けられるように構成された内側端を有する前方部材を有する第2のブラケット部材、
を備え、
前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントが、前記少なくとも1つのリア・ブレース・セグメントに対して前記回転ジョイントを通過する第1の回転軸を中心として回転可能であり、
前記ヒンジ継手を用いて前記第2のブラケット部材に対して第1の複数の角度位置で前記第1のブラケット部材を選択的にロックするために第2の回転軸を中心とした前記第1のブラケット部材の回転を可能にし、
前記第1のブラケット部材の前記複数の角度位置のいずれかにおける前記アジャスタの作動は、前記ブレースに対する前記ブラケットの変位を生じさせて、第1の方向に前記少なくとも1つの締結具を通して前記頭蓋骨の前記前方部分に第1の力を及ぼし、及び前記1つ以上の頭蓋骨固定アセンブリを通して前記頭蓋骨に前記第1の力とは反対の第2の方向に第2の力を及ぼすように構成される、
ことを特徴とする、
歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項10】
前記受け部材が、前記第1のブラケット部材の前記第1の複数の角度位置に対応する第2の複数の角度位置における前記受け部材の選択的ロックのために、前記第2の回転軸と実質的に平行な第3の回転軸を中心として、前記クランプ本体に対して旋回可能であるように構成される、
ことを特徴とする、
請求項9に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項11】
前記第2のブラケット部材の前記前方部材が、前記内側端部の前記前方部分への口腔内または口腔外での前記固定のために寸法決めされた単一のアームまたは一対のアームであることを特徴とする、請求項9に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの締結具が、前記頭蓋骨の前記前方部分に埋め込み可能であるように構成された締結具端部と、及び前記前方部材の前記内側端部を回転可能に受け入れるように構成されたソケットとを備える、ボール及びソケットシステムである、ことを特徴とする、請求項9に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項13】
請求項9に記載の歯顔面整形外科用デバイスであって、前記少なくとも1つの締結具が、前記ユーザの前記頭蓋骨の前記前方部分を覆って取り外し可能に取り付けられるように構成される歯科矯正ブラケットと、及び前記歯科矯正ブラケットを前記前方部材の前記内側端に旋回可能及び/または調節可能に接続するように構成されるリンケージとを備える、歯科矯正器具であり、前記頭蓋骨の前記前方部分は、前記患者の歯または歯列弓である、
ことを特徴とする、
請求項9に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項14】
請求項9に記載の歯顔面整形外科用デバイスであって、前記1つ以上の頭蓋骨固定アセンブリの各々は、前記頭蓋骨に締結されるように構成されたねじ端部と、アバットメントで選択可能な距離だけ離間された反対側の自由端部と、及び前記自由端部を 前記1つ以上のリア・ブレース・セグメントに回転可能に結合するように構成されたプレートアセンブリとを備え、前記自由端部は所望の向きで前記アバットメントに調節可能に装着されるように構成される、
ことを特徴とする、
請求項9に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【請求項15】
顔面中央部の前進のための方法であって、前記方法は、
1つ以上の頭蓋骨固定アセンブリを用いてユーザの頭蓋骨にブレースを固定することと、
前記ブレースの取り付け部分の任意のセクションにクランプのクランプ本体を選択的に取り付けることと、
第1のブラケット部材と、並びに前方部材及び尾端部を備える第2のブラケット部材とを有するブラケットを提供し、
前記第1のブラケット部材は、
アジャスタによって前記クランプの受け部材に調整可能に固着される近位端と、及び
前記第1のブラケット部材が、ヒンジ継手を用いて、前記第2のブラケット部材に対して複数の角度位置で前記第1のブラケット部材を選択的にロックするために、前記受け部材を中心として回転可能であるように、前記ヒンジ継手によって前記第2のブラケット部材の前記尾端部にヒンジ接続される遠位端とを有することと、
少なくとも1つの締結具によって、前記前方部材の内側端部を前記頭蓋骨の前方部分に回転可能に固定することと、
前記ヒンジ継手を用いて、前記第2のブラケット部材に対して前記複数の角度位置のうちの選択された角度位置で前記第1のブラケット部材をロックすることと、
前記ブレースに対する前記ブラケットの変位を生じさせ、
第1の方向に前記少なくとも1つの締結具を通して前記前方部分に第1の力を及ぼし、及び前記1つ以上の頭蓋骨固定アセンブリを通して前記頭蓋骨に前記第1の力とは反対の第2の方向に第2の力を及ぼすために、
前記選択された角度で前記アジャスタを作動させることを、
備える顔面中央部の前進のための方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記ブレースが、少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントと、回転ジョイントによって前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントにヒンジ接続された少なくとも1つのリア・ブレース・セグメントとを備え、前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントは、前記少なくとも1つのリア・ブレース・セグメントが前記頭蓋骨に固定されたときに、前記頭蓋骨の前記前方部分を覆って少なくとも部分的に拡がるように構成される、
ことを特徴とする、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記取り付け部分が、前記少なくとも1つのフロント・ブレース・セグメントまたは前記少なくとも1つのリア・ブレース・セグメントに配置されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のブラケット部材の前記前方部材が、前記内側端部の前記前方部分への口腔内または口腔外での前記固定のために寸法決めされた単一のアームまたは一対のアームであることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの締結具が、前記頭蓋骨の前記前方部分に埋め込み可能であるように構成された締結具端部と、及び前記前方部材の前記内側端部を回転可能に受け入れるように構成されたソケットとを備える、ボール及びソケットシステムである、ことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法であって、前記少なくとも1つの締結具が、前記ユーザの前記頭蓋骨の前記前方部分を覆って取り外し可能に取り付けられるように構成される歯科矯正ブラケットと、及び前記歯科矯正ブラケットを前記前方部材の前記内側端に旋回可能及び/または調節可能に接続するように構成されるリンケージとを備える、歯科矯正器具であり、前記頭蓋骨の前記前方部分は、患者の歯または歯列弓である、
ことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法であって、前記1つ以上の頭蓋骨固定アセンブリの各々は、前記頭蓋骨に締結されるように構成されたねじ端部と、アバットメントで選択可能な距離だけ離間された反対側の自由端部と、及び前記自由端部を前記ブレースに回転可能に結合するように構成されたプレートアセンブリとを備え、前記自由端部は所望の向きで前記アバットメントに調節可能に装着されるように構成される、
ことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のブラケット部材は、前記尾端部と前記前方部材との間に連結器をさらに備え、前記連結器は、前記尾端部に対して調節可能な関係で前記前方部材の選択的ロッキング係合を可能にするように構成される、
ことを特徴とする、
請求項1に記載の歯顔面整形外科用デバイス。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1A-E】
図2A-2D】
図3A-3E】
図4A-4B】
図5A-5E】
図6A-6F】
図7A-7D】
図8A-8H】
図9A-9D】
図10A-10B】
図11A-11E】
図12A-12B】
図13A-13B】
図14A-14C】
図15A-15E】
図16A-16B】
図17A-17C】
図18A-18B】
図19A-19C】
図20A-20D】
図21A-21F】
図22A-22B】
図23A-23F】
図24A-24C】
図25A-25B】
図26A-26D】
図27A-27D】
【国際調査報告】