(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】測位用の直交ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルシーケンス
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20231207BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20231207BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20231207BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W64/00
H04W72/1268
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525590
(86)(22)【出願日】2021-10-06
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021071741
(87)【国際公開番号】W WO2022120300
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドロス・マノーラコス
(72)【発明者】
【氏名】ムケシュ・クマール
(72)【発明者】
【氏名】スリニヴァス・イェラマッリ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB21
5K067DD20
5K067DD23
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF03
(57)【要約】
ワイヤレス通信のための技法が開示される。一態様では、ユーザ機器(UE)は、ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定することであって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、少なくとも1つの送信受信ポイント(TRP)に関連することと、UEが測位セッションに関与することを示すために少なくとも1つのRACHプリアンブルを少なくとも1つのTRPへ送信することと、少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを少なくとも1つのTRPから受信することと、1つまたは複数のリソースを介してアップリンク測位信号を送信することとを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)によって実行されるワイヤレス通信の方法であって、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定するステップであって、RACHプリアンブルの前記第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、少なくとも1つの送信受信ポイント(TRP)に関連する、ステップと、
前記UEが測位セッションに関与することを示すために前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを前記少なくとも1つのTRPへ送信するステップと、
前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、前記測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを前記少なくとも1つのTRPから受信するステップと、
前記1つまたは複数のリソースを介して前記アップリンク測位信号を送信するステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記UEが、前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを送信し、前記割振りを受信し、かつ前記アップリンク測位信号を送信するとき、前記UEが無線リソース制御(RRC)アイドル状態またはRRC非アクティブ状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記割振りが4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージの中で受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記決定するステップが、
少なくともRACHプリアンブルの前記第1のセットを示すシステム情報ブロック(SIB)を前記少なくとも1つのTRPから受信するステップと、
RACHプリアンブルの前記第1のセットから前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを選択するステップとを備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記割振りが2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記決定するステップが、
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの割当てを前記少なくとも1つのTRPから受信するステップを備える、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記割当ての受信に応答して前記UEが前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを送信する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの前記割当ての受信が、前記UEが前記測位セッションに関与することを示す、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記UEがRRCアイドル状態であり、
前記UEがRRCシグナリングの中で前記割当てを受信する、
請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記UEがRRC非アクティブ状態であり、
前記UEが物理レイヤシグナリングの中で前記割当てを受信する、
請求項6に記載の方法。
【請求項11】
事前構成型アップリンクリソース(PUR)構成を前記少なくとも1つのTRPから受信するステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記PUR構成が、
4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージ、または
2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で受信される、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、ネットワークアクセス用の前記少なくとも1つのTRPに関連するすべてのRACHプリアンブルである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットの合計が64個である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのTRPに関連するRACHプリアンブルの第3のセットが、クリティカル通信用に確保される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
RACHプリアンブルの前記第1のセット、RACHプリアンブルの前記第2のセット、およびRACHプリアンブル前記第3のセットの合計が64個である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
送信受信ポイント(TRP)によって実行されるワイヤレス通信の方法であって、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信するステップであって、RACHプリアンブルの前記第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、前記TRPに関連する、ステップと、
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルをユーザ機器(UE)から受信するステップと、
前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、前記UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを前記UEへ送信するステップと
を備える方法。
【請求項18】
前記TRPが、前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを受信し、かつ前記割振りを送信するとき、前記UEが無線リソース制御(RRC)アイドル状態またはRRC非アクティブ状態である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記割振りが4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージの中で送信される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記指示を前記送信するステップが、
少なくともRACHプリアンブルの前記第1のセットを示すシステム情報ブロック(SIB)をブロードキャストするステップを備える、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信が、前記UEが前記測位セッションに関与することを示す、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記割振りが2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で送信される、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記指示を前記送信するステップが、
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの割当てを前記UEへ送信するステップを備える、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記UEがRRCアイドル状態であり、
前記TRPがRRCシグナリングの中で前記割当てを送信する、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記UEがRRC非アクティブ状態であり、
前記TRPが物理レイヤシグナリングの中で前記割当てを送信する、
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記UEが前記測位セッションに関与することを検出するステップをさらに備え、前記TRPが、前記UEが前記測位セッションに関与することの検出に応答して前記割当てを送信する、
請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記TRPが、測位リソースを前記UEに割り振るためのロケーションサーバからの要求の受信に基づいて、前記UEが前記測位セッションに関与することを検出する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ロケーションサーバからの前記要求が、ロングタームエボリューション(LTE)測位プロトコル(LPP)タイプA(LPPa)要求を備える、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記要求が、前記測位セッションに対するレイテンシ要件を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記レイテンシ要件が、
前記測位セッションが通常のレイテンシを有するという指示、
前記測位セッションが超高信頼低レイテンシ(URLL)通信用であるという指示、または
前記測位セッションに対するエンドツーエンドレイテンシの指示を備える、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
事前構成型アップリンクリソース(PUR)構成を前記UEへ送信するステップ
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項32】
前記PUR構成が、
4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージ、または
2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で送信される、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、ネットワークアクセス用の前記TRPに関連するすべてのRACHプリアンブルである、請求項17に記載の方法。
【請求項34】
RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットの合計が64個である、請求項17に記載の方法。
【請求項35】
前記TRPに関連するRACHプリアンブルの第3のセットが、クリティカル通信用に確保される、請求項17に記載の方法。
【請求項36】
RACHプリアンブルの前記第1のセット、RACHプリアンブルの前記第2のセット、およびRACHプリアンブル前記第3のセットの合計が64個である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
ユーザ機器(UE)であって、
メモリと、
少なくとも1つのトランシーバと、
前記メモリおよび前記少なくとも1つのトランシーバに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定することであって、RACHプリアンブルの前記第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、少なくとも1つの送信受信ポイント(TRP)に関連することと、
前記少なくとも1つのトランシーバに、前記UEが測位セッションに関与することを示すために前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを前記少なくとも1つのTRPへ送信させることと、
前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、前記測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを前記少なくとも1つのTRPから受信することと、
前記少なくとも1つのトランシーバに、前記1つまたは複数のリソースを介して前記アップリンク測位信号を送信させることとを行うように構成される、
ユーザ機器。
【請求項38】
前記UEが、前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを送信し、前記割振りを受信し、かつ前記アップリンク測位信号を送信するとき、前記UEは、無線リソース制御(RRC)アイドル状態またはRRC非アクティブ状態である、請求項37に記載のUE。
【請求項39】
前記割振りが4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージの中で受信される、請求項37に記載のUE。
【請求項40】
前記少なくとも1つのプロセッサが、決定するように構成されることは、前記少なくとも1つのプロセッサが、
少なくともRACHプリアンブルの前記第1のセットを示すシステム情報ブロック(SIB)を前記少なくとも1つのTRPから受信し、
RACHプリアンブルの前記第1のセットから前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを選択するように構成されることを備える、
請求項39に記載のUE。
【請求項41】
前記割振りが2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で受信される、請求項37に記載のUE。
【請求項42】
前記少なくとも1つのプロセッサが、決定するように構成されることは、前記少なくとも1つのプロセッサが、
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの割当てを前記少なくとも1つのTRPから受信するように構成されることを備える、
請求項41に記載のUE。
【請求項43】
前記UEは、前記割当ての受信に応答して前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを送信する、請求項42に記載のUE。
【請求項44】
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの前記割当ての受信が、前記UEが前記測位セッションに関与することを示す、請求項42に記載のUE。
【請求項45】
RRCアイドル状態であり、
RRCシグナリングの中で前記割当てを受信する、
請求項42に記載のUE。
【請求項46】
RRC非アクティブ状態であり、
物理レイヤシグナリングの中で前記割当てを受信する、
請求項42に記載のUE。
【請求項47】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
事前構成型アップリンクリソース(PUR)構成を前記少なくとも1つのTRPから受信するようにさらに構成される、
請求項37に記載のUE。
【請求項48】
前記PUR構成が、
4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージ、または
2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で受信される、
請求項47に記載のUE。
【請求項49】
RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、ネットワークアクセス用の前記少なくとも1つのTRPに関連するすべてのRACHプリアンブルである、請求項37に記載のUE。
【請求項50】
RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットの合計が64個である、請求項37に記載のUE。
【請求項51】
前記少なくとも1つのTRPに関連するRACHプリアンブルの第3のセットが、クリティカル通信用に確保される、請求項37に記載のUE。
【請求項52】
RACHプリアンブルの前記第1のセット、RACHプリアンブルの前記第2のセット、およびRACHプリアンブル前記第3のセットの合計が64個である、請求項51に記載のUE。
【請求項53】
送信受信ポイント(TRP)であって、
メモリと、
少なくとも1つのトランシーバと、
前記メモリおよび前記少なくとも1つのトランシーバに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つのトランシーバに、ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信させることであって、RACHプリアンブルの前記第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、前記TRPに関連することと、
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルをユーザ機器(UE)から受信することと、
前記少なくとも1つのトランシーバに、前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、前記UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを前記UEへ送信させることとを行うように構成される、
送信受信ポイント。
【請求項54】
前記TRPが、前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを受信し、かつ前記割振りを送信するとき、前記UEが無線リソース制御(RRC)アイドル状態またはRRC非アクティブ状態である、請求項53に記載のTRP。
【請求項55】
前記割振りが4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージの中で送信される、請求項53に記載のTRP。
【請求項56】
前記少なくとも1つのプロセッサが前記少なくとも1つのトランシーバに前記指示を送信させるように構成されることは、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つのトランシーバに、少なくともRACHプリアンブルの前記第1のセットを示すシステム情報ブロック(SIB)をブロードキャストさせるように構成されることを備える、
請求項55に記載のTRP。
【請求項57】
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信が、前記UEが前記測位セッションに関与することを示す、請求項56に記載のTRP。
【請求項58】
前記割振りが2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で送信される、請求項53に記載のTRP。
【請求項59】
前記少なくとも1つのプロセッサが前記少なくとも1つのトランシーバに前記指示を送信させるように構成されることは、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つのトランシーバに、RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの割当てを前記UEへ送信させるように構成されることを備える、
請求項58に記載のTRP。
【請求項60】
前記UEがRRCアイドル状態であり、
前記TRPがRRCシグナリングの中で前記割当てを送信する、
請求項59に記載のTRP。
【請求項61】
前記UEがRRC非アクティブ状態であり、
前記TRPが物理レイヤシグナリングの中で前記割当てを送信する、
請求項59に記載のTRP。
【請求項62】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記UEが前記測位セッションに関与することを検出するようにさらに構成され、前記TRPが、前記UEが前記測位セッションに関与することの検出に応答して前記割当てを送信する、
請求項59に記載のTRP。
【請求項63】
前記TRPが、測位リソースを前記UEに割り振るためのロケーションサーバからの要求の受信に基づいて、前記UEが前記測位セッションに関与することを検出する、請求項62に記載のTRP。
【請求項64】
前記ロケーションサーバからの前記要求が、ロングタームエボリューション(LTE)測位プロトコル(LPP)タイプA(LPPa)要求を備える、請求項63に記載のTRP。
【請求項65】
前記要求が、前記測位セッションに対するレイテンシ要件を含む、請求項63に記載のTRP。
【請求項66】
前記レイテンシ要件が、
前記測位セッションが通常のレイテンシを有するという指示、
前記測位セッションが超高信頼低レイテンシ(URLL)通信用であるという指示、または
前記測位セッションに対するエンドツーエンドレイテンシの指示を備える、
請求項65に記載のTRP。
【請求項67】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つのトランシーバに、事前構成型アップリンクリソース(PUR)構成を前記UEへ送信させるようにさらに構成される、
請求項53に記載のTRP。
【請求項68】
前記PUR構成が、
4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージ、または
2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で送信される、
請求項67に記載のTRP。
【請求項69】
RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、ネットワークアクセス用の前記TRPに関連するすべてのRACHプリアンブルである、請求項53に記載のTRP。
【請求項70】
RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットの合計が64個である、請求項53に記載のTRP。
【請求項71】
前記TRPに関連するRACHプリアンブルの第3のセットが、クリティカル通信用に確保される、請求項53に記載のTRP。
【請求項72】
RACHプリアンブルの前記第1のセット、RACHプリアンブルの前記第2のセット、およびRACHプリアンブル前記第3のセットの合計が64個である、請求項71に記載のTRP。
【請求項73】
ユーザ機器(UE)であって、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定するための手段であって、RACHプリアンブルの前記第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、少なくとも1つの送信受信ポイント(TRP)に関連する、手段と、
前記UEが測位セッションに関与することを示すために前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを前記少なくとも1つのTRPへ送信するための手段と、
前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、前記測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを前記少なくとも1つのTRPから受信するための手段と、
前記1つまたは複数のリソースを介して前記アップリンク測位信号を送信するための手段と
を備えるユーザ機器。
【請求項74】
送信受信ポイント(TRP)であって、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信するための手段であって、RACHプリアンブルの前記第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、前記TRPに関連する、手段と、
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルをユーザ機器(UE)から受信するための手段と、
前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、前記UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを前記UEへ送信するための手段と
を備える送信受信ポイント。
【請求項75】
コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定するようにユーザ機器(UE)に命令する、少なくとも1つの命令であって、RACHプリアンブルの前記第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、少なくとも1つの送信受信ポイント(TRP)に関連する、命令と、
前記UEが測位セッションに関与することを示すために前記少なくとも1つのRACHプリアンブルを前記少なくとも1つのTRPへ送信するように前記UEに命令する、少なくとも1つの命令と、
前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、前記測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを前記少なくとも1つのTRPから受信するように前記UEに命令する、少なくとも1つの命令と、
前記1つまたは複数のリソースを介して前記アップリンク測位信号を送信するように前記UEに命令する、少なくとも1つの命令とを備える、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項76】
コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が、
ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信するように送信受信ポイント(TRP)に命令する、少なくとも1つの命令であって、RACHプリアンブルの前記第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの前記第1のセットおよびRACHプリアンブルの前記第2のセットが、前記TRPに関連する、命令と、
RACHプリアンブルの前記第1のセットからの前記少なくとも1つのRACHプリアンブルをユーザ機器(UE)から受信するように前記TRPに命令する、少なくとも1つの命令と、
前記少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、前記UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを前記UEへ送信するように前記TRPに命令する、少なくとも1つの命令とを備える、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、一般に、ワイヤレス通信に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムは、第1世代アナログワイヤレス電話サービス(1G)、第2世代(2G)デジタルワイヤレス電話サービス(暫定2.5Gおよび2.75Gネットワークを含む)、第3世代(3G)高速データ、インターネット対応ワイヤレスサービス、および第4世代(4G)サービス(たとえば、ロングタームエボリューション(LTE)またはWiMax)を含む、様々な世代を通じて発展している。現在、セルラーシステムおよびパーソナル通信サービス(PCS)システムを含む、使用中の多くの異なるタイプのワイヤレス通信システムがある。知られているセルラーシステムの例は、セルラーアナログアドバンストモバイルフォンシステム(AMPS)、および符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)などに基づくデジタルセルラーシステムを含む。
【0003】
ニューラジオ(NR)と呼ばれる第5世代(5G)ワイヤレス規格は、改善の中でも、より高いデータ転送速度、より多数の接続、およびより良好なカバレージが求められている。5G規格は、次世代モバイルネットワークアライアンスによれば、毎秒数十メガビットのデータレートを数万人のユーザの各々に提供するように設計され、オフィスフロアにおける数十人の就業者に毎秒1ギガビットを提供する。大規模なセンサ展開をサポートするために、数十万の同時接続がサポートされるべきである。したがって、5Gモバイル通信のスペクトル効率は、現在の4G規格と比較して著しく拡張されるべきである。さらに、現在の規格と比較して、シグナリング効率が拡張されるべきであり、レイテンシが大幅に低減されるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下は、本明細書で開示する1つまたは複数の態様に関係する簡略化された概要を提示する。したがって、以下の概要は、すべての企図される態様に関係する広範な概観と見なされるべきではなく、また、以下の概要は、すべての企図される態様に関係する主要もしくは重要な要素を識別するか、または任意の特定の態様に関連する範囲を定めるものと見なされるべきでもない。したがって、以下の概要は、以下で提示する詳細な説明に先立って、本明細書で開示するメカニズムに関係する1つまたは複数の態様に関係するいくつかの概念を、簡略化された形態で提示するという唯一の目的を有する。
【0005】
一態様では、ユーザ機器(UE)によって実行されるワイヤレス通信の方法は、ランダムアクセスチャネル(RACH:random access channel)プリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定することであって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、少なくとも1つの送信受信ポイント(TRP:transmission-reception point)に関連することと、UEが測位セッションに関与することを示すために少なくとも1つのRACHプリアンブルを少なくとも1つのTRPへ送信することと、少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを少なくとも1つのTRPから受信することと、1つまたは複数のリソースを介してアップリンク測位信号を送信することとを含む。
【0006】
一態様では、TRPによって実行されるワイヤレス通信の方法は、RACHプリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信することであって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、TRPに関連することと、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルをUEから受信することと、少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りをUEへ送信することとを含む。
【0007】
一態様では、UEは、メモリと、少なくとも1つのトランシーバと、メモリおよび少なくとも1つのトランシーバに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサは、RACHプリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定することであって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、少なくとも1つのTRPに関連することと、少なくとも1つのトランシーバに、UEが測位セッションに関与することを示すために少なくとも1つのRACHプリアンブルを少なくとも1つのTRPへ送信させることと、少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを少なくとも1つのTRPから受信することと、少なくとも1つのトランシーバに、1つまたは複数のリソースを介してアップリンク測位信号を送信させることとを行うように構成される。
【0008】
一態様では、TRPは、メモリと、少なくとも1つのトランシーバと、メモリおよび少なくとも1つのトランシーバに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを含み、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのトランシーバに、RACHプリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信させることであって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、TRPに関連することと、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルをUEから受信することと、少なくとも1つのトランシーバに、少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りをUEへ送信させることとを行うように構成される。
【0009】
一態様では、UEは、RACHプリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定するための手段であって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、少なくとも1つのTRPに関連する、手段と、UEが測位セッションに関与することを示すために少なくとも1つのRACHプリアンブルを少なくとも1つのTRPへ送信するための手段と、少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを少なくとも1つのTRPから受信するための手段と、1つまたは複数のリソースを介してアップリンク測位信号を送信するための手段とを含む。
【0010】
一態様では、TRPは、RACHプリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信するための手段であって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、TRPに関連する、手段と、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルをUEから受信するための手段と、少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りをUEへ送信するための手段とを含む。
【0011】
一態様では、コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体は、RACHプリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定するようにUEに命令する、少なくとも1つの命令であって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、少なくとも1つのTRPに関連する、命令と、UEが測位セッションに関与することを示すために少なくとも1つのRACHプリアンブルを少なくとも1つのTRPへ送信するようにUEに命令する、少なくとも1つの命令と、少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを少なくとも1つのTRPから受信するようにUEに命令する、少なくとも1つの命令と、1つまたは複数のリソースを介してアップリンク測位信号を送信するようにUEに命令する、少なくとも1つの命令とを備える、コンピュータ実行可能命令を含む。
【0012】
一態様では、コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体は、RACHプリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信するようにTRPに命令する、少なくとも1つの命令であって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、TRPに関連する、命令と、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルをUEから受信するようにTRPに命令する、少なくとも1つの命令と、少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りをUEへ送信するようにTRPに命令する、少なくとも1つの命令とを備える、コンピュータ実行可能命令を含む。
【0013】
本明細書で開示する態様に関連する他の目的および利点が、添付図面および発明を実施するための形態に基づいて当業者に明らかとなろう。
【0014】
添付図面は、本開示の様々な態様の説明の助けとなるために提示され、態様の限定ではなく態様の説明のためだけに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の態様による例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
【
図2A】本開示の態様による例示的なワイヤレスネットワーク構造を示す図である。
【
図2B】本開示の態様による例示的なワイヤレスネットワーク構造を示す図である。
【
図3A】ユーザ機器(UE)において採用され得るとともに、本明細書で教示するような通信をサポートするように構成され得る、構成要素のいくつかの例示的な態様の簡略化されたブロック図である。
【
図3B】基地局において採用され得るとともに、本明細書で教示するような通信をサポートするように構成され得る、構成要素のいくつかの例示的な態様の簡略化されたブロック図である。
【
図3C】ネットワークエンティティにおいて採用され得るとともに、本明細書で教示するような通信をサポートするように構成され得る、構成要素のいくつかの例示的な態様の簡略化されたブロック図である。
【
図4A】本開示の態様による例示的なフレーム構造を示す図である。
【
図4B】本開示の態様によるフレーム構造内の例示的なチャネルを示す図である。
【
図4C】本開示の態様による例示的なフレーム構造を示す図である。
【
図4D】本開示の態様によるフレーム構造内の例示的なチャネルを示す図である。
【
図5】本開示の態様による例示的なランダムアクセスプロシージャを示す図である。
【
図6】本開示の態様による例示的なランダムアクセスプロシージャを示す図である。
【
図7】本開示の態様による例示的なランダムアクセスプロシージャを示す図である。
【
図8】本開示の態様による、ニューラジオ(NR)において利用可能な様々な無線リソース制御(RRC)状態を示す図である。
【
図9】本開示の態様による例示的なRACHプリアンブルの図である。
【
図10】NRにおける様々なプリアンブル長およびフォーマットを示すグラフである。
【
図11】本開示の態様による例示的なランダムアクセスプロシージャを示す図である。
【
図12】本開示の態様による例示的なランダムアクセスプロシージャを示す図である。
【
図13】本開示の態様による例示的なランダムアクセスプロシージャを示す図である。
【
図14】本開示の態様によるワイヤレス通信の例示的な方法を示す図である。
【
図15】本開示の態様によるワイヤレス通信の例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の態様は、例示の目的で提供される様々な例を対象とする以下の説明および関連する図面において提供される。本開示の範囲を逸脱することなく、代替の態様が考案され得る。追加として、本開示の関連する詳細を不明瞭にしないように、本開示のよく知られている要素は詳細には説明されないか、または省略される。
【0017】
「例示的」および/または「例」という語は、本明細書では、「例、事例、または例示として働くこと」を意味するために使用される。本明細書で「例示的」および/または「例」として説明するいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきではない。同様に、「本開示の態様」という用語は、本開示のすべての態様が、説明する特徴、利点、または動作モードを含むことを必要とするとは限らない。
【0018】
以下で説明する情報および信号が、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表され得ることを、当業者は諒解されよう。たとえば、以下の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、部分的に特定の適用例、部分的に所望の設計、部分的に対応する技術などに応じて、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0019】
さらに、多くの態様が、たとえば、コンピューティングデバイスの要素によって実行されるべきアクションのシーケンスに関して説明される。本明細書で説明する様々なアクションが、特定の回路(たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、プログラム命令が1つもしくは複数のプロセッサによって実行されることによって、またはその両方の組合せによって実行され得ることが認識されよう。追加として、本明細書で説明するアクションのシーケンスは、実行時に、本明細書で説明する機能性を、デバイスの関連するプロセッサに実行させることになるかまたは実行するように命令することになる、コンピュータ命令の対応するセットを記憶した、任意の形態の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内で完全に具現されるものと見なされ得る。したがって、本開示の様々な態様は、特許請求する主題の範囲内にそのすべてが入ることが企図されている、いくつかの異なる形態で具現され得る。加えて、本明細書で説明する態様の各々に対して、任意のそのような態様の対応する形態が、たとえば、説明するアクションを実行する「ように構成された論理」として本明細書で説明されることがある。
【0020】
本明細書で使用する「ユーザ機器」(UE)および「基地局」という用語は、別段に記載されていない限り、任意の特定の無線アクセス技術(RAT)に固有であること、またはさもなければそうしたRATに限定されることは、意図されない。一般に、UEは、ワイヤレス通信ネットワークを介して通信するためにユーザによって使用される、任意のワイヤレス通信デバイス(たとえば、モバイルフォン、ルータ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コンシューマアセットトラッキングデバイス、ウェアラブル(たとえば、スマートウォッチ、スマートグラス、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)ヘッドセットなど)、車両(たとえば、自動車、オートバイ、自転車など)、モノのインターネット(IoT)デバイスなど)であってよい。UEはモバイルであってよく、または(たとえば、いくつかの時間において)静止していてよく、無線アクセスネットワーク(RAN)と通信し得る。本明細書で使用する「UE」という用語は、「アクセス端末」もしくは「AT」、「クライアントデバイス」、「ワイヤレスデバイス」、「加入者デバイス」、「加入者端末」、「加入者局」、「ユーザ端末」もしくは「UT」、「モバイルデバイス」、「モバイル端末」、「移動局」、またはそれらの変形として互換的に呼ばれることがある。概して、UEは、RANを介してコアネットワークと通信することができ、コアネットワークを通じて、UEはインターネットなどの外部ネットワークおよび他のUEに接続され得る。当然、有線アクセスネットワーク、(たとえば、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11仕様などに基づく)ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)ネットワークなどを介するなどの、コアネットワークおよび/またはインターネットに接続する他のメカニズムもUEにとって可能である。
【0021】
基地局は、UEがその中に展開されるネットワークに応じて、UEと通信しているいくつかのRATのうちの1つに従って動作してよく、代替として、アクセスポイント(AP)、ネットワークノード、ノードB、発展型ノードB(eNB)、次世代eNB(ng-eNB)、ニューラジオ(NR)ノードB(gNBまたはgノードBとも呼ばれる)などと呼ばれることがある。基地局は、サポートされるUEのためのデータ接続、音声接続、および/またはシグナリング接続をサポートすることを含む、UEによるワイヤレスアクセスをサポートするために主に使用され得る。いくつかのシステムでは、基地局は純粋にエッジノードシグナリング機能を提供し得るが、他のシステムでは、基地局は、追加の制御および/またはネットワーク管理機能を提供し得る。UEがそれを通じて信号を基地局へ送ることができる通信リンクは、アップリンク(UL)チャネル(たとえば、逆方向トラフィックチャネル、逆方向制御チャネル、アクセスチャネルなど)と呼ばれる。基地局がそれを通じて信号をUEへ送ることができる通信リンクは、ダウンリンク(DL)チャネルまたは順方向リンクチャネル(たとえば、ページングチャネル、制御チャネル、ブロードキャストチャネル、順方向トラフィックチャネルなど)と呼ばれる。本明細書で使用するトラフィックチャネル(TCH)という用語は、アップリンク/逆方向トラフィックチャネル、またはダウンリンク/順方向トラフィックチャネルのいずれかを指すことができる。
【0022】
「基地局」という用語は、単一の物理的な送信受信ポイント(TRP)、またはコロケートされてもまたはされなくてもよい複数の物理的なTRPを指すことがある。たとえば、「基地局」という用語が単一の物理的なTRPを指す場合、その物理的なTRPは、基地局のセル(または、いくつかのセルセクタ)に対応する、基地局のアンテナであってよい。「基地局」という用語が、コロケートされている複数の物理的なTRPを指す場合、それらの物理的なTRPは、基地局の(たとえば、多入力多出力(MIMO)システムにおけるような、または基地局がビームフォーミングを採用する場合の)アンテナのアレイであってよい。「基地局」という用語が、コロケートされていない複数の物理的なTRPを指す場合、それらの物理的なTRPは、分散アンテナシステム(DAS:distributed antenna system)(移送媒体を介して共通のソースに接続された、空間的に分離されたアンテナのネットワーク)、またはリモートラジオヘッド(RRH:remote radio head)(サービング基地局に接続された遠隔の基地局)であってよい。代替として、コロケートされていない物理的なTRPは、UE、およびUEがその基準RF信号を測定している隣接する基地局から、測定報告を受信するサービング基地局であってよい。TRPは基地局がそこからワイヤレス信号を送信および受信するポイントであるので、本明細書で使用するとき、基地局からの送信または基地局における受信への言及は、基地局の特定のTRPに言及するものとして理解されるべきである。
【0023】
UEの測位をサポートするいくつかの実装形態では、基地局は、UEによるワイヤレスアクセスをサポートしないことがあるが(たとえば、UEのためのデータ接続、音声接続、および/またはシグナリング接続をサポートしないことがあるが)、代わりに、UEによって測定されるように基準信号をUEへ送信することがあり、かつ/またはUEによって送信された信号を受信および測定することがある。そのような基地局は、測位ビーコン(たとえば、信号をUEへ送信するとき)、および/またはロケーション測定ユニット(たとえば、UEからの信号を受信および測定するとき)と呼ばれることがある。
【0024】
「RF信号」は、送信機と受信機との間の空間を通じて情報を移送する、所与の周波数の電磁波を備える。本明細書で使用する送信機は、単一の「RF信号」または複数の「RF信号」を受信機へ送信し得る。しかしながら、受信機は、マルチパスチャネルを通じたRF信号の伝搬特性に起因して、送信された各RF信号に対応する複数の「RF信号」を受信することがある。送信機と受信機との間の異なる経路上での、送信された同じRF信号は、「マルチパス」RF信号と呼ばれることがある。
【0025】
図1は、例示的なワイヤレス通信システム100を示す。ワイヤレス通信システム100(ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)と呼ばれることもある)は、様々な基地局102および様々なUE104を含んでよい。基地局102は、マクロセル基地局(大電力セルラー基地局)および/またはスモールセル基地局(小電力セルラー基地局)を含んでよい。一態様では、マクロセル基地局は、ワイヤレス通信システム100がLTEネットワークに相当するeNBおよび/もしくはng-eNB、またはワイヤレス通信システム100がNRネットワークに相当するgNB、あるいはその両方の組合せを含んでよく、スモールセル基地局は、フェムトセル、ピコセル、マイクロセルなどを含んでよい。
【0026】
基地局102は、RANを集合的に形成し得、バックホールリンク122を通じてコアネットワーク170(たとえば、発展型パケットコア(EPC)または5Gコア(5GC))と、かつコアネットワーク170を通じて1つまたは複数のロケーションサーバ172(コアネットワーク170の一部であってよく、またはコアネットワーク170の外部にあってもよい)に、インターフェースし得る。他の機能に加えて、基地局102は、ユーザデータを転送すること、無線チャネル暗号化および解読、完全性保護、ヘッダ圧縮、モビリティ制御機能(たとえば、ハンドオーバ、デュアル接続性)、セル間干渉協調、接続セットアップおよび解放、負荷分散、非アクセス層(NAS:non-access stratum)メッセージのための配信、NASノード選択、同期、RAN共有、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)、加入者および機器トレース、RAN情報管理(RIM)、ページング、測位、ならびに警告メッセージの配信のうちの1つまたは複数に関係する機能を実行し得る。基地局102は、有線またはワイヤレスであってよいバックホールリンク134を介して、直接または間接的に(たとえば、EPC/5GCを通じて)互いに通信し得る。
【0027】
基地局102は、UE104とワイヤレス通信し得る。基地局102の各々は、それぞれの地理的カバレージエリア110に通信カバレージを提供し得る。一態様では、1つまたは複数のセルが、各カバレージエリア110の中の基地局102によってサポートされ得る。「セル」とは、(たとえば、キャリア周波数、コンポーネントキャリア、キャリア、帯域などと呼ばれる、いくつかの周波数リソースを介した)基地局との通信のために使用される論理通信エンティティであり、同じかまたは異なるキャリア周波数を介して動作するセルを区別するための識別子(たとえば、物理セル識別子(PCI)、仮想セル識別子(VCI)、セルグローバル識別子(CGI))に関連付けられ得る。場合によっては、異なるセルが、異なるタイプのUEにアクセスを提供し得る異なるプロトコルタイプ(たとえば、マシンタイプ通信(MTC)、狭帯域IoT(NB-IoT)、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、または他のもの)に従って構成されてよい。セルが特定の基地局によってサポートされるので、「セル」という用語は、コンテキストに応じて、論理通信エンティティおよびそれをサポートする基地局のうちの一方または両方を指すことがある。場合によっては、「セル」という用語は、地理的カバレージエリア110のいくつかの部分内での通信のためにキャリア周波数が検出および使用され得る限り、基地局の地理的カバレージエリア(たとえば、セクタ)を指すこともある。
【0028】
マクロセル基地局102に隣接しながら、地理的カバレージエリア110は(たとえば、ハンドオーバ領域の中で)部分的に重複することがあり、地理的カバレージエリア110のうちのいくつかは、もっと大きい地理的カバレージエリア110によって大幅に重複されることがある。たとえば、スモールセル基地局102'は、1つまたは複数のマクロセル基地局102のカバレージエリア110と大幅に重複するカバレージエリア110'を有することがある。スモールセル基地局とマクロセル基地局の両方を含むネットワークは、異種ネットワークと呼ばれることがある。異種ネットワークはまた、限定加入者グループ(CSG:closed subscriber group)と呼ばれる制限されたグループにサービスを提供し得るホームeNB(HeNB)を含んでよい。
【0029】
基地局102とUE104との間の通信リンク120は、UE104から基地局102へのアップリンク(逆方向リンクとも呼ばれる)送信、および/または基地局102からUE104へのダウンリンク(順方向リンクとも呼ばれる)送信を含んでよい。通信リンク120は、空間多重化、ビームフォーミング、および/または送信ダイバーシティを含む、MIMOアンテナ技術を使用し得る。通信リンク120は、1つまたは複数のキャリア周波数を通じてよい。キャリアの割振りは、ダウンリンクおよびアップリンクに対して非対称であってよい(たとえば、アップリンク用よりも多数または少数のキャリアがダウンリンク用に割り振られてよい)。
【0030】
ワイヤレス通信システム100は、無認可周波数スペクトル(たとえば、5GHz)の中で通信リンク154を介してワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)局(STA)152と通信しているWLANアクセスポイント(AP)150をさらに含んでよい。無認可周波数スペクトルの中で通信するとき、WLAN STA152および/またはWLAN AP150は、チャネルが利用可能であるかどうかを決定するために、通信する前にクリアチャネルアセスメント(CCA)またはリッスンビフォアトーク(LBT)プロシージャを実行し得る。
【0031】
スモールセル基地局102'は、認可周波数スペクトルおよび/または無認可周波数スペクトルの中で動作し得る。無認可周波数スペクトルの中で動作するとき、スモールセル基地局102'は、LTEまたはNR技術を採用してよく、WLAN AP150によって使用されるのと同じ5GHz無認可周波数スペクトルを使用してよい。無認可周波数スペクトルの中でLTE/5Gを採用するスモールセル基地局102'は、アクセスネットワークへのカバレージを拡大し得、かつ/またはアクセスネットワークの容量を増大させ得る。無認可スペクトルの中でのNRは、NR-Uと呼ばれることがある。無認可スペクトルの中でのLTEは、LTE-U、認可支援アクセス(LAA:licensed assisted access)、またはMulteFireと呼ばれることがある。
【0032】
ワイヤレス通信システム100は、UE182と通信しておりミリ波(mmW)周波数および/または準mmW周波数の中で動作し得るmmW基地局180をさらに含んでよい。極高周波(EHF)は、電磁スペクトルの中のRFの部分である。EHFは、範囲が30GHz~300GHzであり、1ミリメートルと10ミリメートルとの間の波長を有する。この帯域の中の電波は、ミリ波と呼ばれることがある。準mmWは、波長が100ミリメートルである3GHzの周波数まで下に広がってよい。超高周波(SHF)帯域は、センチメートル波とも呼ばれる3GHzと30GHzとの間に広がる。mmW/準mmW無線周波数帯域を使用する通信は、経路損失が大きく距離が比較的短い。mmW基地局180およびUE182は、極めて大きい経路損失および短い距離を補償するために、mmW通信リンク184を介してビームフォーミング(送信および/または受信)を利用し得る。さらに、代替構成では、1つまたは複数の基地局102もmmWまたは準mmWおよびビームフォーミングを使用して送信し得ることが諒解されよう。したがって、上記の例示が例にすぎず、本明細書で開示する様々な態様を限定すると解釈されるべきでないことが諒解されよう。
【0033】
送信ビームフォーミングは、RF信号を特定の方向に集束させるための技法である。従来より、ネットワークノード(たとえば、基地局)はRF信号をブロードキャストするとき、信号をすべての方向に(全指向的に)ブロードキャストする。送信ビームフォーミングを伴うと、ネットワークノードは、(送信しているネットワークノードに対して)所与のターゲットデバイス(たとえば、UE)がどこに位置するのかを決定し、より強いダウンリンクRF信号をその特定の方向に投射し、それによって、(データレートに関して)もっと高速かつ強力なRF信号を受信デバイスにもたらす。送信するときにRF信号の指向性を変えるために、ネットワークノードは、RF信号をブロードキャストしている1つまたは複数の送信機の各々においてRF信号の位相および相対振幅を制御することができる。たとえば、ネットワークノードは、実際にアンテナを動かすことなく異なる方向における点に「ステアリング」され得るRF波のビームを作成するアンテナのアレイ(「フェーズドアレイ」または「アンテナアレイ」と呼ばれる)を使用してよい。詳細には、望ましくない方向における放射を抑圧するように除去しながら、別個のアンテナからの電波が一緒に加えられて所望の方向における放射を大きくするように、適切な位相関係を伴って送信機からのRF電流が個々のアンテナに給電される。
【0034】
送信ビームは、ネットワークノード自体の送信アンテナが物理的にコロケートされているか否かにかかわらず、受信機(たとえば、UE)には送信ビームが同じパラメータを有するように見えることを意味する、擬似コロケートされ得る。NRでは、4つのタイプの擬似コロケーション(QCL:quasi-co-location)関係がある。詳細には、所与のタイプのQCL関係は、ターゲットビーム上のターゲット基準RF信号についてのいくつかのパラメータがソースビーム上のソース基準RF信号についての情報から導出され得ることを意味する。ソース基準RF信号がQCLタイプAである場合、受信機は、同じチャネル上で送信されるターゲット基準RF信号のドップラーシフト、ドップラースプレッド、平均遅延、および遅延スプレッドを推定するために、ソース基準RF信号を使用することができる。ソース基準RF信号がQCLタイプBである場合、受信機は、同じチャネル上で送信されるターゲット基準RF信号のドップラーシフトおよびドップラースプレッドを推定するために、ソース基準RF信号を使用することができる。ソース基準RF信号がQCLタイプCである場合、受信機は、同じチャネル上で送信されるターゲット基準RF信号のドップラーシフトおよび平均遅延を推定するために、ソース基準RF信号を使用することができる。ソース基準RF信号がQCLタイプDである場合、受信機は、同じチャネル上で送信されるターゲット基準RF信号の空間受信パラメータを推定するために、ソース基準RF信号を使用することができる。
【0035】
受信ビームフォーミングでは、受信機は、所与のチャネル上で検出されたRF信号を増幅するために受信ビームを使用する。たとえば、受信機は、特定の方向から受信されるRF信号を増幅するように(たとえば、そうしたRF信号の利得レベルを大きくするように)、その方向においてアンテナのアレイの利得設定を大きくすることおよび/または位相設定を調整することができる。したがって、受信機がいくつかの方向にビームフォーミングすると言われるとき、そのことは、その方向におけるビーム利得が、他の方向に沿ったビーム利得に比べて大きいこと、またはその方向におけるビーム利得が、受信機にとって利用可能なすべての他の受信ビームの、その方向におけるビーム利得と比較して最大であることを意味する。このことは、その方向から受信されるRF信号のより強い受信信号強度(たとえば、基準信号受信電力(RSRP)、基準信号受信品質(RSRQ)、信号対干渉+雑音比(SINR)など)をもたらす。
【0036】
受信ビームは空間関係があり得る。空間関係とは、第2の基準信号のための送信ビームに対するパラメータが、第1の基準信号のための受信ビームについての情報から導出され得ることを意味する。たとえば、UEは、基地局から1つまたは複数の基準ダウンリンク基準信号(たとえば、測位基準信号(PRS)、トラッキング基準信号(TRS)、位相追跡基準信号(PTRS)、セル固有基準信号(CRS)、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)、1次同期信号(PSS)、2次同期信号(SSS)、同期信号ブロック(SSB)など)を受信するために、特定の受信ビームを使用してよい。UEは、次いで、受信ビームのパラメータに基づいて、1つまたは複数のアップリンク基準信号(たとえば、アップリンク測位基準信号(UL-PRS)、サウンディング基準信号(SRS)、復調基準信号(DMRS)、PTRSなど)をその基地局へ送るための送信ビームを形成することができる。
【0037】
「ダウンリンク」ビームが、それを形成するエンティティに応じて、送信ビームまたは受信ビームのいずれかであってよいことに留意されたい。たとえば、基地局が基準信号をUEへ送信するためにダウンリンクビームを形成している場合、ダウンリンクビームは送信ビームである。しかしながら、UEがダウンリンクビームを形成している場合、ダウンリンクビームはダウンリンク基準信号を受信するための受信ビームである。同様に、「アップリンク」ビームは、それを形成するエンティティに応じて、送信ビームまたは受信ビームのいずれかであってよい。たとえば、基地局がアップリンクビームを形成している場合、アップリンクビームはアップリンク受信ビームであり、UEがアップリンクビームを形成している場合、アップリンクビームはアップリンク送信ビームである。
【0038】
5Gでは、ワイヤレスノード(たとえば、基地局102/180、UE104/182)がその中で動作する周波数スペクトルは、複数の周波数範囲、すなわち、FR1(450MHzから6000MHzまで)、FR2(24250MHzから52600MHzまで)、FR3(52600MHzよりも上)、およびFR4(FR1とFR2との間)に分割される。5Gなどのマルチキャリアシステムでは、キャリア周波数のうちの1つは「1次キャリア」または「アンカーキャリア」または「1次サービングセル」または「PCell」と呼ばれ、残りのキャリア周波数は「2次キャリア」または「2次サービングセル」または「SCell」と呼ばれる。キャリアアグリゲーションでは、アンカーキャリアとは、UE104/182およびセルによって利用される1次周波数(たとえば、FR1)上で動作するキャリアであり、UE104/182は、初期無線リソース制御(RRC)接続確立プロシージャを実行すること、またはRRC接続再確立プロシージャを開始することのいずれかを行う。1次キャリアは、すべての共通制御チャネルおよびUE固有制御チャネルを搬送し、認可周波数の中のキャリアであってよい(ただし、このことは常に事実であるとは限らない)。2次キャリアとは、UE104とアンカーキャリアとの間でRRC接続が確立されると構成されてよく、かつ追加の無線リソースを提供するために使用され得る、第2の周波数(たとえば、FR2)上で動作するキャリアである。場合によっては、2次キャリアは無認可周波数の中のキャリアであってよい。1次アップリンクキャリアと1次ダウンリンクキャリアの両方が通常はUE固有であるので、2次キャリアは、必要なシグナリング情報および信号しか含まなくてよく、たとえば、UE固有であるシグナリング情報および信号は2次キャリアの中に存在しなくてよい。このことは、セルの中の異なるUE104/182が異なるダウンリンク1次キャリアを有してよいことを意味する。アップリンク1次キャリアについて同じことが当てはまる。ネットワークは、任意のUE104/182の1次キャリアをいつでも変更することができる。このことは、たとえば、異なるキャリア上での負荷のバランスをとるために行われる。(PCellまたはSCellにかかわらず)「サービングセル」が、いくつかの基地局がそれを介して通信中であるキャリア周波数/コンポーネントキャリアに対応するので、「セル」、「サービングセル」、「コンポーネントキャリア」、「キャリア周波数」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0039】
たとえば、まだ
図1を参照すると、マクロセル基地局102によって利用される周波数のうちの1つがアンカーキャリア(すなわち「PCell」)であってよく、マクロセル基地局102および/またはmmW基地局180によって利用される他の周波数が2次キャリア(「SCell」)であってよい。複数のキャリアの同時送信および/または同時受信は、UE104/182がそのデータ送信レートおよび/またはデータ受信レートを著しく高めることを可能にする。たとえば、マルチキャリアシステムにおけるアグリゲートされた2つの20MHzキャリアは、単一の20MHzキャリアによって達成されるものと比較して理論的にデータレートの2倍の増大(すなわち、40MHz)に至ることになる。
【0040】
ワイヤレス通信システム100は、通信リンク120を介してマクロセル基地局102と、および/またはmmW通信リンク184を介してmmW基地局180と通信し得る、UE164をさらに含んでよい。たとえば、マクロセル基地局102は、UE164のためにPCellおよび1つまたは複数のSCellをサポートし得、mmW基地局180は、UE164のために1つまたは複数のSCellをサポートし得る。
【0041】
図1の例では、1つまたは複数の地球周回衛星測位システム(SPS:satellite positioning system)スペースビークル(SV:space vehicle)112(たとえば、衛星)は、図示したUE(簡単のために単一のUE104として
図1に示す)のうちのいずれかのためのロケーション情報の独立したソースとして使用され得る。UE104は、SV112からのジオロケーション情報を導出するための信号を受信するように特に設計された1つまたは複数の専用SPS受信機を含んでよい。SPSは、通常、送信機から受信される信号に少なくとも部分的に基づいて、受信機(たとえば、UE104)が地球上または地球の上方のそれらのロケーションを決定することを可能にするように配置された、送信機のシステム(たとえば、SV112)を含む。そのような送信機は、通常、設定されたチップ数の反復する擬似ランダム雑音(PN)コードを用いてマークされた信号を送信する。通常はSV112の中に位置するが、送信機は、時々、地上ベースの制御局、基地局102、および/または他のUE104上に位置することがある。
【0042】
SPS信号の使用は、1つもしくは複数の世界的および/もしくは地域的なナビゲーション衛星システムを伴う使用に関連し得るか、またはそうした使用のために別のやり方で有効化され得る、様々な衛星ベースオーグメンテーションシステム(SBAS:satellite-based augmentation system)によって補強され得る。たとえば、SBASは、ワイドエリアオーグメンテーションシステム(WAAS)、欧州静止ナビゲーションオーバーレイサービス(EGNOS)、多機能衛星オーグメンテーションシステム(MSAS)、全地球測位システム(GPS)支援ジオオーグメンテッドナビゲーション、またはGPSおよびジオオーグメンテッドナビゲーションシステム(GAGAN)などの、完全性情報、差分補正などを提供するオーグメンテーションシステムを含んでよい。したがって、本明細書で使用するSPSは、1つまたは複数の世界的および/または地域的なナビゲーション衛星システムおよび/またはオーグメンテーションシステムの任意の組合せを含んでよく、SPS信号は、SPS、SPSのような信号、および/またはそのような1つもしくは複数のSPSに関連する他の信号を含んでよい。
【0043】
ワイヤレス通信システム100は、1つまたは複数のデバイス間(D2D)ピアツーピア(P2P)リンク(「サイドリンク」と呼ばれる)を介して1つまたは複数の通信ネットワークに間接的に接続する、UE190などの1つまたは複数のUEをさらに含んでよい。
図1の例では、UE190は、基地局102のうちの1つに接続されたUE104のうちの1つとのD2D P2Pリンク192(たとえば、それを通じてUE190がセルラー接続性を間接的に取得し得る)、およびWLAN AP150に接続されたWLAN STA152とのD2D P2Pリンク194(それを通じてUE190がWLANベースのインターネット接続性を間接的に取得し得る)を有する。一例では、D2D P2Pリンク192および194は、LTEダイレクト(LTE-D)、WiFiダイレクト(WiFi-D)、Bluetooth(登録商標)などの、よく知られている任意のD2D RATを用いてサポートされ得る。
【0044】
図2Aは、例示的なワイヤレスネットワーク構造200を示す。たとえば、5GC210(次世代コア(NGC)とも呼ばれる)は、協働的に動作してコアネットワークを形成する、制御プレーン機能214(たとえば、UE登録、認証、ネットワークアクセス、ゲートウェイ選択など)およびユーザプレーン機能212(たとえば、UEゲートウェイ機能、データネットワークへのアクセス、IPルーティングなど)として機能的に見られ得る。ユーザプレーンインターフェース(NG-U)213および制御プレーンインターフェース(NG-C)215は、gNB222を5GC210に、詳細には制御プレーン機能214およびユーザプレーン機能212に接続する。追加の構成では、ng-eNB224も、制御プレーン機能214へのNG-C215およびユーザプレーン機能212へのNG-U213を介して、5GC210に接続されてよい。さらに、ng-eNB224は、バックホール接続223を介してgNB222と直接通信し得る。いくつかの構成では、ニューRAN220は、1つまたは複数のgNB222しか有しないことがあるが、他の構成は、ng-eNB224とgNB222の両方のうちの1つまたは複数を含む。gNB222またはng-eNB224のいずれかは、UE204(たとえば、
図1に示すUEのうちのいずれか)と通信し得る。別の随意の態様は、UE204にロケーション支援を提供するために5GC210と通信していることがあるロケーションサーバ230を含んでよい。ロケーションサーバ230は、複数の別個のサーバ(たとえば、物理的に別個のサーバ、単一のサーバ上の異なるソフトウェアモジュール、複数の物理サーバにわたって広がる異なるソフトウェアモジュールなど)として実装され得、または代替として、各々が単一のサーバに対応してもよい。ロケーションサーバ230は、コアネットワーク5GC210を介して、および/またはインターネット(図示せず)を介して、ロケーションサーバ230に接続できるUE204のための、1つまたは複数のロケーションサービスをサポートするように構成され得る。さらに、ロケーションサーバ230は、コアネットワークの構成要素の中に統合されてよく、または代替として、コアネットワークの外部にあってもよい。
【0045】
図2Bは、別の例示的なワイヤレスネットワーク構造250を示す。たとえば、5GC260は、協働的に動作してコアネットワーク(すなわち、5GC260)を形成する、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)264によって提供される制御プレーン機能、ならびにユーザプレーン機能(UPF)262によって提供されるユーザプレーン機能として機能的に見られ得る。ユーザプレーンインターフェース263および制御プレーンインターフェース265は、ng-eNB224を5GC260に、詳細には、それぞれ、UPF262およびAMF264に接続する。追加の構成では、gNB222も、AMF264への制御プレーンインターフェース265およびUPF262へのユーザプレーンインターフェース263を介して、5GC260に接続されてよい。さらに、ng-eNB224は、5GC260へのgNB直接接続性を伴うかまたは伴わずに、バックホール接続223を介してgNB222と直接通信し得る。いくつかの構成では、ニューRAN220は、1つまたは複数のgNB222しか有しないことがあるが、他の構成は、ng-eNB224とgNB222の両方のうちの1つまたは複数を含む。gNB222またはng-eNB224のいずれかは、UE204(たとえば、
図1に示すUEのうちのいずれか)と通信し得る。ニューRAN220の基地局は、N2インターフェースを介してAMF264と、かつN3インターフェースを介してUPF262と通信する。
【0046】
AMF264の機能は、登録管理、接続管理、到達可能性管理、モビリティ管理、合法的傍受、UE204とセッション管理機能(SMF)266との間でのセッション管理(SM)メッセージのためのトランスポート、SMメッセージをルーティングするための透過型プロキシサービス、アクセス認証およびアクセス許可、UE204とショートメッセージサービス機能(SMSF)(図示せず)との間でのショートメッセージサービス(SMS)メッセージのためのトランスポート、ならびにセキュリティアンカー機能性(SEAF)を含む。AMF264はまた、認証サーバ機能(AUSF)(図示せず)およびUE204と相互作用し、UE204認証プロセスの結果として確立された中間鍵を受信する。UMTS(ユニバーサルモバイル電気通信システム)加入者識別モジュール(USIM)に基づく認証の場合には、AMF264はAUSFからセキュリティマテリアルを取り出す。AMF264の機能はまた、セキュリティコンテキスト管理(SCM)を含む。SCMは、アクセスネットワーク固有鍵を導出するためにSCMが使用する鍵をSEAFから受信する。AMF264の機能性はまた、規制上のサービスのためのロケーションサービス管理、UE204と(ロケーションサーバ230として働く)ロケーション管理機能(LMF)270との間でのロケーションサービスメッセージのためのトランスポート、ニューRAN220とLMF270との間でのロケーションサービスメッセージのためのトランスポート、発展型パケットシステム(EPS)と相互作用するためのEPSベアラ識別子割振り、およびUE204モビリティイベント通知を含む。加えて、AMF164は、非3GPP(登録商標)(第3世代パートナーシッププロジェクト)アクセスネットワークのための機能性もサポートする。
【0047】
UPF262の機能は、(適用可能なとき)RAT内/RAT間モビリティのためのアンカーポイントとして働くこと、データネットワーク(図示せず)への相互接続の外部プロトコルデータ単位(PDU)セッションポイントとして働くこと、パケットのルーティングおよび転送を行うこと、パケット検査、ユーザプレーンポリシー規則強制(たとえば、ゲーティング、リダイレクション、トラフィックステアリング)、合法的傍受(ユーザプレーン収集)、トラフィック使用報告、ユーザプレーンのためのサービス品質(QoS)処理(たとえば、アップリンク/ダウンリンクレート強制、ダウンリンクにおける反射型QoSマーキング)、アップリンクトラフィック検証(サービスデータフロー(SDF)からQoSフローへのマッピング)、アップリンクおよびダウンリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング、ダウンリンクパケットバッファリングおよびダウンリンクデータ通知トリガリング、ならびに1つまたは複数の「エンドマーカー」をソースRANノードへ送ることおよび転送することを含む。UPF262はまた、UE204とセキュアユーザプレーン位置特定(SUPL)ロケーションプラットフォーム(SLP)272などのロケーションサーバとの間でのユーザプレーンを介したロケーションサービスメッセージの転送をサポートし得る。
【0048】
SMF266の機能は、セッション管理、UEインターネットプロトコル(IP)アドレス割振りおよび管理、ユーザプレーン機能の選択および制御、適切な宛先にトラフィックをルーティングするための、UPF262におけるトラフィックステアリングの構成、ポリシー強制およびQoSの部分の制御、ならびにダウンリンクデータ通知を含む。SMF266がそれを介してAMF264と通信するインターフェースは、N11インターフェースと呼ばれる。
【0049】
別の随意の態様は、UE204にロケーション支援を提供するために5GC260と通信していることがあるLMF270を含んでよい。LMF270は、複数の別個のサーバ(たとえば、物理的に別個のサーバ、単一のサーバ上の異なるソフトウェアモジュール、複数の物理サーバにわたって広がる異なるソフトウェアモジュールなど)として実装され得、または代替として、各々が単一のサーバに対応してもよい。LMF270は、コアネットワーク5GC260を介して、および/またはインターネット(図示せず)を介して、LMF270に接続できるUE204のための、1つまたは複数のロケーションサービスをサポートするように構成され得る。SLP272は、LMF270と類似の機能をサポートし得るが、その一方で、LMF270は、制御プレーンを介して(たとえば、音声またはデータではなくシグナリングメッセージを伝達することを意図するインターフェースおよびプロトコルを使用して)AMF264、ニューRAN220、およびUE204と通信してよく、SLP270は、ユーザプレーンを介して(たとえば、伝送制御プロトコル(TCP)および/またはIPのような音声および/またはデータを搬送することを意図するプロトコルを使用して)UE204および外部クライアント(
図2Bに示さず)と通信してよい。
【0050】
図3A、
図3B、および
図3Cは、本明細書で教示するようなファイル送信動作をサポートするために、(本明細書で説明するUEのうちのいずれかに相当し得る)UE302、(本明細書で説明する基地局のうちのいずれかに相当し得る)基地局304、および(ロケーションサーバ230、およびLMF270を含む、本明細書で説明するネットワーク機能のうちのいずれかに相当し得るかまたはそれを具現し得る)ネットワークエンティティ306の中に組み込まれてよい、(対応するブロックによって表される)いくつかの例示的な構成要素を示す。これらの構成要素が、異なる実装形態で(たとえば、ASICで、システムオンチップ(SoC)でなど)異なるタイプの装置の中に実装され得ることが、諒解されよう。図示した構成要素はまた、通信システムの中の他の装置の中に組み込まれてよい。たとえば、システムの中の他の装置が、類似の機能性を提供するために、説明した構成要素と類似の構成要素を含んでよい。また、所与の装置が、構成要素のうちの1つまたは複数を含んでもよい。たとえば、装置は、装置が複数のキャリア上で動作することおよび/または異なる技術を介して通信することを可能にする複数のトランシーバ構成要素を含んでよい。
【0051】
UE302および基地局304は各々、それぞれ、NRネットワーク、LTEネットワーク、GSMネットワークなどの1つまたは複数のワイヤレス通信ネットワーク(図示せず)を介して通信するための手段(たとえば、送信するための手段、受信するための手段、測定するための手段、同調させるための手段、送信することを控えるための手段など)を提供する、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)トランシーバ310および350を含む。WWANトランシーバ310および350は、対象のワイヤレス通信媒体(たとえば、特定の周波数スペクトルの中の時間/周波数リソースのいくつかのセット)上で少なくとも1つの指定されたRAT(たとえば、NR、LTE、GSMなど)を介して他のUE、アクセスポイント、基地局(たとえば、eNB、gNB)などの、他のネットワークノードと通信するために、それぞれ、1つまたは複数のアンテナ316および356に接続され得る。WWANトランシーバ310および350は、指定されたRATに従って、それぞれ、信号318および358(たとえば、メッセージ、指示、情報など)を送信および符号化するために、また反対に、それぞれ、信号318および358(たとえば、メッセージ、指示、情報、パイロットなど)を受信および復号するために、様々に構成されてよい。詳細には、WWANトランシーバ310および350は、それぞれ、信号318および358を送信および符号化するために、それぞれ、1つまたは複数の送信機314および354を、またそれぞれ、信号318および358を受信および復号するために、それぞれ、1つまたは複数の受信機312および352を含む。
【0052】
UE302および基地局304はまた、少なくとも場合によっては、それぞれ、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバ320および360を含む。WLANトランシーバ320および360は、それぞれ、1つまたは複数のアンテナ326および366に接続されてよく、対象のワイヤレス通信媒体上で少なくとも1つの指定されたRAT(たとえば、WiFi、LTE-D、Bluetooth(登録商標)など)を介して他のUE、アクセスポイント、基地局などの他のネットワークノードと通信するための手段(たとえば、送信するための手段、受信するための手段、測定するための手段、同調させるための手段、送信することを控えるための手段など)を提供し得る。WLANトランシーバ320および360は、指定されたRATに従って、それぞれ、信号328および368(たとえば、メッセージ、指示、情報など)を送信および符号化するために、また反対に、それぞれ、信号328および368(たとえば、メッセージ、指示、情報、パイロットなど)を受信および復号するために、様々に構成されてよい。詳細には、WLANトランシーバ320および360は、それぞれ、信号328および368を送信および符号化するために、それぞれ、1つまたは複数の送信機324および364を、またそれぞれ、信号328および368を受信および復号するために、それぞれ、1つまたは複数の受信機322および362を含む。
【0053】
少なくとも1つの送信機および少なくとも1つの受信機を含むトランシーバ回路構成は、いくつかの実装形態では、(たとえば、単一の通信デバイスの送信機回路および受信機回路として具現される)統合デバイスを備えてよく、いくつかの実装形態では、別個の送信機デバイスおよび別個の受信機デバイスを備えてよく、または他の実装形態では、他の方法で具現されてもよい。一態様では、送信機は、本明細書で説明するように、それぞれの装置が送信「ビームフォーミング」を実行することを可能にするアンテナアレイなどの、複数のアンテナ(たとえば、アンテナ316、326、356、366)を含んでよく、またはそれに結合されてもよい。同様に、受信機は、本明細書で説明するように、それぞれの装置が受信ビームフォーミングを実行することを可能にするアンテナアレイなどの、複数のアンテナ(たとえば、アンテナ316、326、356、366)を含んでよく、またはそれに結合されてもよい。一態様では、送信機および受信機は、それぞれの装置が所与の時間において受信または送信のみができ、同じ時間においてその両方はできないような、複数の同じアンテナ(たとえば、アンテナ316、326、356、366)を共有し得る。UE302および/または基地局304のワイヤレス通信デバイス(たとえば、トランシーバ310および320ならびに/または350および360のうちの一方または両方)はまた、様々な測定を実行するためのネットワークリッスンモジュール(NLM)などを備えてよい。
【0054】
UE302および基地局304はまた、少なくとも場合によっては、衛星測位システム(SPS)受信機330および370を含む。SPS受信機330および370は、それぞれ、1つまたは複数のアンテナ336および376に接続されてよく、全地球測位システム(GPS)信号、全地球ナビゲーション衛星システム(GLONASS)信号、Galileo信号、Beidou信号、インド地域航法衛星システム(NAVIC)、Quasi-Zenith衛星システム(QZSS)などの、それぞれ、SPS信号338および378を受信および/または測定するための手段を提供し得る。SPS受信機330および370は、それぞれ、SPS信号338および378を受信および処理するための、任意の好適なハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えてよい。SPS受信機330および370は、適宜に他のシステムに情報および動作を要求し、任意の好適なSPSアルゴリズムによって、取得された測定値を使用してUE302および基地局304の位置を決定するために必要な計算を実行する。
【0055】
基地局304およびネットワークエンティティ306は各々、他のネットワークエンティティと通信するための手段(たとえば、送信するための手段、受信するための手段など)を提供する、それぞれ、少なくとも1つのネットワークインターフェース380および390を含む。たとえば、ネットワークインターフェース380および390(たとえば、1つまたは複数のネットワークアクセスポート)は、ワイヤベースまたはワイヤレスのバックホール接続を介して1つまたは複数のネットワークエンティティと通信するように構成され得る。いくつかの態様では、ネットワークインターフェース380および390は、ワイヤベースまたはワイヤレスの信号通信をサポートするように構成されたトランシーバとして実装され得る。この通信は、たとえば、メッセージ、パラメータ、および/または他のタイプの情報を送ることおよび受信することに関与し得る。
【0056】
UE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306はまた、本明細書で開示するような動作と連携して使用され得る他の構成要素を含む。UE302は、たとえば、ワイヤレス測位に関係する機能性を提供するための、および他の処理機能性を提供するための、処理システム332を実装する、プロセッサ回路構成を含む。基地局304は、たとえば、本明細書で開示するようなワイヤレス測位に関係する機能性を提供するための、および他の処理機能性を提供するための、処理システム384を含む。ネットワークエンティティ306は、たとえば、本明細書で開示するようなワイヤレス測位に関係する機能性を提供するための、および他の処理機能性を提供するための、処理システム394を含む。したがって、処理システム332、384、および394は、決定するための手段、計算するための手段、受信するための手段、送信するための手段、示すための手段などの、処理するための手段を提供し得る。一態様では、処理システム332、384、および394は、たとえば、1つもしくは複数の汎用プロセッサ、マルチコアプロセッサ、ASIC、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス、もしくは処理回路構成を含んでよい。
【0057】
UE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306は、情報(たとえば、予約済みのリソース、しきい値、パラメータなどを示す情報)を維持するための、それぞれ、(たとえば、各々がメモリデバイスを含む)メモリ構成要素340、386、および396を実装するメモリ回路構成を含む。したがって、メモリ構成要素340、386、および396は、記憶するための手段、取り出すための手段、保持するための手段などを提供し得る。場合によっては、UE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306は、それぞれ、測位構成要素342、388、および398を含んでよい。測位構成要素342、388、および398は、実行されたとき、本明細書で説明する機能性をUE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306に実行させる、それぞれ、処理システム332、384、および394の一部であるかまたはそれに結合される、ハードウェア回路であってよい。他の態様では、測位構成要素342、388、および398は、処理システム332、384、および394の外部にあってよい(たとえば、モデム処理システムの一部であってよく、別の処理システムと統合されてよいなど)。代替として、測位構成要素342、388、および398は、処理システム332、384、および394(または、モデム処理システム、別の処理システムなど)によって実行されたとき、本明細書で説明する機能性をUE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306に実行させる、それぞれ、メモリ構成要素340、386、および396の中に記憶される、メモリモジュールであってよい。
図3Aは、WWANトランシーバ310、メモリ構成要素340、処理システム332、もしくはそれらの任意の組合せの一部であり得るか、またはスタンドアロンの構成要素であり得る、測位構成要素342の可能なロケーションを示す。
図3Bは、WWANトランシーバ350、メモリ構成要素386、処理システム384、もしくはそれらの任意の組合せの一部であり得るか、またはスタンドアロンの構成要素であり得る、測位構成要素388の可能なロケーションを示す。
図3Cは、ネットワークインターフェース390、メモリ構成要素396、処理システム394、もしくはそれらの任意の組合せの一部であり得るか、またはスタンドアロンの構成要素であり得る、測位構成要素398の可能なロケーションを示す。
【0058】
UE302は、WWANトランシーバ310、WLANトランシーバ320、および/またはSPS受信機330によって受信された信号から導出される動きデータから独立している動き情報および/または方位情報を感知または検出するための手段を提供するために、処理システム332に結合された1つまたは複数のセンサ344を含んでよい。例として、センサ344は、加速度計(たとえば、超小型電気機械システム(MEMS)デバイス)、ジャイロスコープ、地磁気センサ(たとえば、コンパス)、高度計(たとえば、気圧高度計)、および/または任意の他のタイプの動き検出センサを含んでよい。その上、センサ344は、複数の異なるタイプのデバイスを含んでよく、動き情報を提供するためにそれらの出力を組み合わせてよい。たとえば、センサ344は、2Dおよび/または3D座標系における位置を算出するための能力を提供するために、多軸加速度計と方位センサとの組合せを使用してよい。
【0059】
加えて、UE302は、ユーザに指示(たとえば、音響指示および/または視覚指示)を提供するための、および/または(たとえば、キーパッド、タッチスクリーン、マイクロフォンなどの感知デバイスのユーザ作動時などに)ユーザ入力を受け取るための手段を提供する、ユーザインターフェース346を含む。図示しないが、基地局304およびネットワークエンティティ306もユーザインターフェースを含んでよい。
【0060】
より詳細に処理システム384を参照すると、ダウンリンクでは、ネットワークエンティティ306からのIPパケットが処理システム384に提供され得る。処理システム384は、RRCレイヤ、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、および媒体アクセス制御(MAC)レイヤのための機能性を実施し得る。処理システム384は、システム情報(たとえば、マスタ情報ブロック(MIB)、システム情報ブロック(SIB))のブロードキャスティング、RRC接続制御(たとえば、RRC接続ページング、RRC接続確立、RRC接続修正、およびRRC接続解放)、RAT間モビリティ、およびUE測定報告のための測定構成に関連する、RRCレイヤ機能性と、ヘッダ圧縮/解凍、セキュリティ(暗号化、解読、完全性保護、完全性検証)、およびハンドオーバサポート機能に関連する、PDCPレイヤ機能性と、上位レイヤPDUの転送、自動再送要求(ARQ)を通じた誤り訂正、RLCサービスデータ単位(SDU)の連結、セグメント化、およびリアセンブリ、RLCデータPDUの再セグメント化、ならびにRLCデータPDUの並べ替えに関連する、RLCレイヤ機能性と、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング、スケジューリング情報報告、誤り訂正、優先度処理、および論理チャネル優先度付けに関連する、MACレイヤ機能性とを提供し得る。
【0061】
送信機354および受信機352は、様々な信号処理機能に関連するレイヤ1(L1)機能性を実施し得る。物理(PHY)レイヤを含むレイヤ1は、トランスポートチャネル上での誤り検出、トランスポートチャネルの前方誤り訂正(FEC)コーディング/復号、インターリービング、レートマッチング、物理チャネル上へのマッピング、物理チャネルの変調/復調、およびMIMOアンテナ処理を含んでよい。送信機354は、様々な変調方式(たとえば、2位相シフトキーイング(BPSK)、4位相シフトキーイング(QPSK)、M位相シフトキーイング(M-PSK)、M相直交振幅変調(M-QAM))に基づく信号コンスタレーションへのマッピングを扱う。コーディングおよび変調されたシンボルは、次いで、並列ストリームに分割され得る。各ストリームは、次いで、直交周波数分割多重化(OFDM)サブキャリアにマッピングされ、時間領域および/または周波数領域において基準信号(たとえば、パイロット)と多重化され、次いで、逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用して一緒に合成されて、時間領域OFDMシンボルストリームを搬送する物理チャネルを生成し得る。OFDMシンボルストリームは、複数の空間ストリームを生成するために空間的にプリコーディングされる。チャネル推定器からのチャネル推定値は、コーディングおよび変調方式を決定するために、ならびに空間処理のために、使用され得る。チャネル推定値は、UE302によって送信された基準信号および/またはチャネル条件フィードバックから導出され得る。各空間ストリームは、次いで、1つまたは複数の異なるアンテナ356に提供され得る。送信機354は、送信のためにそれぞれの空間ストリームを用いてRFキャリアを変調し得る。
【0062】
UE302において、受信機312は、そのそれぞれのアンテナ316を通じて信号を受信する。受信機312は、RFキャリア上に変調された情報を復元し、その情報を処理システム332に提供する。送信機314および受信機312は、様々な信号処理機能に関連するレイヤ1機能性を実施する。受信機312は、UE302に向けられた任意の空間ストリームを復元するために、情報に対して空間処理を実行し得る。複数の空間ストリームは、UE302に向けられている場合、受信機312によって単一のOFDMシンボルストリームに合成され得る。受信機312は、次いで、高速フーリエ変換(FFT)を使用してOFDMシンボルストリームを時間領域から周波数領域に変換する。周波数領域信号は、OFDM信号のサブキャリアごとに別個のOFDMシンボルストリームを備える。各サブキャリア上のシンボル、および基準信号は、基地局304によって送信された可能性が最も高い信号コンスタレーションポイントを決定することによって、復元および復調される。これらの軟判定は、チャネル推定器によって算出されたチャネル推定値に基づいてよい。軟判定は、次いで、復号およびデインターリーブされて、物理チャネル上で基地局304によって最初に送信されたデータおよび制御信号を復元する。データおよび制御信号は、次いで、レイヤ3(L3)機能性およびレイヤ2(L2)機能性を実施する処理システム332に提供される。
【0063】
アップリンクでは、処理システム332は、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重化解除、パケットリアセンブリ、解読、ヘッダ解凍、および制御信号処理を行って、コアネットワークからのIPパケットを復元する。処理システム332はまた、誤り検出を担当する。
【0064】
基地局304によるダウンリンク送信に関して説明した機能性と同様に、処理システム332は、システム情報(たとえば、MIB、SIB)獲得、RRC接続、および測定報告に関連する、RRCレイヤ機能性と、ヘッダ圧縮/解凍およびセキュリティ(暗号化、解読、完全性保護、完全性検証)に関連する、PDCPレイヤ機能性と、上位レイヤPDUの転送、ARQを通じた誤り訂正、RLC SDUの連結、セグメント化、およびリアセンブリ、RLCデータPDUの再セグメント化、ならびにRLCデータPDUの並べ替えに関連する、RLCレイヤ機能性と、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング、トランスポートブロック(TB)上へのMAC SDUの多重化、TBからのMAC SDUの多重化解除、スケジューリング情報報告、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)を通じた誤り訂正、優先度処理、および論理チャネル優先度付けに関連する、MACレイヤ機能性とを提供する。
【0065】
基地局304によって送信された基準信号またはフィードバックからチャネル推定器によって導出されるチャネル推定値は、適切なコーディングおよび変調方式を選択するために、および空間処理を容易にするために、送信機314によって使用され得る。送信機314によって生成された空間ストリームは、異なるアンテナ316に提供され得る。送信機314は、送信のためにそれぞれの空間ストリームを用いてRFキャリアを変調し得る。
【0066】
アップリンク送信は、UE302における受信機機能に関して説明したものと同様の方法で基地局304において処理される。受信機352は、そのそれぞれのアンテナ356を通じて信号を受信する。受信機352は、RFキャリア上に変調された情報を復元し、その情報を処理システム384に提供する。
【0067】
アップリンクでは、処理システム384は、トランスポートチャネルと論理チャネルとの間の多重化解除、パケットリアセンブリ、解読、ヘッダ解凍、制御信号処理を行って、UE302からのIPパケットを復元する。処理システム384からのIPパケットは、コアネットワークに提供され得る。処理システム384はまた、誤り検出を担当する。
【0068】
便宜上、UE302、基地局304、および/またはネットワークエンティティ306は、本明細書で説明する様々な例に従って構成され得る様々な構成要素を含むものとして
図3A~
図3Cに示される。しかしながら、図示したブロックが、異なる設計において異なる機能性を有し得ることが、諒解されよう。
【0069】
UE302、基地局304、およびネットワークエンティティ306の様々な構成要素は、それぞれ、データバス334、382、および392を介して互いに通信し得る。
図3A~
図3Cの構成要素は、様々な方法で実装され得る。いくつかの実装形態では、
図3A~
図3Cの構成要素は、たとえば、1つもしくは複数のプロセッサおよび/または(1つまたは複数のプロセッサを含み得る)1つもしくは複数のASICなどの、1つまたは複数の回路の中に実装され得る。ここで、各回路は、この機能性を提供するために回路によって使用される情報または実行可能コードを記憶するための少なくとも1つのメモリ構成要素を使用することおよび/または組み込むことがある。たとえば、ブロック310~346によって表される機能性の一部または全部は、(たとえば、適切なコードの実行によって、および/またはプロセッサ構成要素の適切な構成によって)UE302のプロセッサおよびメモリ構成要素によって実施され得る。同様に、ブロック350~388によって表される機能性の一部または全部は、(たとえば、適切なコードの実行によって、および/またはプロセッサ構成要素の適切な構成によって)基地局304のプロセッサおよびメモリ構成要素によって実施され得る。また、ブロック390~398によって表される機能性の一部または全部は、(たとえば、適切なコードの実行によって、および/またはプロセッサ構成要素の適切な構成によって)ネットワークエンティティ306のプロセッサおよびメモリ構成要素によって実施され得る。簡単のために、様々な動作、行為、および/または機能は、「UEによって」、「基地局によって」、「ネットワークエンティティによって」などで実行されるものとして本明細書で説明される。しかしながら、諒解されるように、そのような動作、行為、および/または機能は、実際には処理システム332、384、394、トランシーバ310、320、350、および360、メモリ構成要素340、386、および396、測位構成要素342、388、および398などの、UE302、基地局304、ネットワークエンティティ306などの特定の構成要素または構成要素の組合せによって実行されてよい。
【0070】
ダウンリンクベースの測位方法、アップリンクベースの測位方法、ならびにダウンリンクおよびアップリンクベースの測位方法を含む、いくつかのセルラーネットワークベースの測位技術を、NRがサポートする。ダウンリンクベースの測位方法は、LTEにおける観測到達時間差(OTDOA:observed time difference of arrival)、NRにおけるダウンリンク到達時間差(DL-TDOA:downlink time difference of arrival)、およびNRにおけるダウンリンク発射角(DL-AoD:downlink angle-of-departure)を含む。OTDOAまたはDL-TDOA測位プロシージャでは、UEは、基準信号時間差(RSTD:reference signal time difference)または到達時間差(TDOA)測定値と呼ばれる、基地局のペアから受信される基準信号(たとえば、PRS、TRS、CSI-RS、SSBなど)の到達時間(ToA:times of arrival)の間の差分を測定し、それらを測位エンティティに報告する。より詳細には、UEは、基準基地局(たとえば、サービング基地局)および複数の非基準基地局の識別子(ID)を支援データの中で受信する。UEは、次いで、基準基地局と非基準基地局の各々との間のRSTDを測定する。関与する基地局の知られているロケーション、およびRSTD測定値に基づいて、測位エンティティはUEのロケーションを推定することができる。DL-AoD測位の場合、基地局は、UEのロケーションを推定するために、UEと通信するために使用されるダウンリンク送信ビームの角度および他のチャネル特性(たとえば、信号強度)を測定する。
【0071】
アップリンクベースの測位方法は、アップリンク到達時間差(UL-TDOA)およびアップリンク到来角(UL-AoA:uplink angle-of-arrival)を含む。UL-TDOAはDL-TDOAと類似であるが、UEによって送信されるアップリンク基準信号(たとえば、SRS)に基づく。UL-AoA測位の場合、基地局は、UEのロケーションを推定するために、UEと通信するために使用されるアップリンク受信ビームの角度および他のチャネル特性(たとえば、利得レベル)を測定する。
【0072】
ダウンリンクおよびアップリンクベースの測位方法は、拡張セルID(E-CID)測位、およびマルチラウンドトリップ時間(RTT)測位(「マルチセルRTT」とも呼ばれる)を含む。RTTプロシージャにおいて、イニシエータ(基地局またはUE)が、RTT測定信号(たとえば、PRSまたはSRS)をレスポンダ(UEまたは基地局)へ送信し、レスポンダは、RTT応答信号(たとえば、SRSまたはPRS)をイニシエータへ戻して送信する。RTT応答信号は、受信から送信までの(reception-to-transmission)(Rx-Tx)測定と呼ばれる、RTT測定信号のToAとRTT応答信号の送信時間との間の差分を含む。イニシエータは、「Tx-Rx」測定と呼ばれる、RTT測定信号の送信時間とRTT応答信号のToAとの間の差分を計算する。イニシエータとレスポンダとの間の伝搬時間(「飛行時間」とも呼ばれる)が、Tx-Rx測定およびRx-Tx測定から計算され得る。伝搬時間および知られている光の速度に基づいて、イニシエータとレスポンダとの間の距離が決定され得る。マルチRTT測位の場合、UEは、基地局の知られているロケーションに基づいてUEのロケーションが三角測量されることを可能にするために、複数の基地局とのRTTプロシージャを実行する。RTTおよびマルチRTT方法は、ロケーション確度を改善するためにUL-AoAおよびDL-AoDなどの他の測位技法と組み合わせられ得る。
【0073】
E-CID測位方法は、無線リソース管理(RRM)測定に基づく。E-CIDでは、UEは、サービングセルID、タイミングアドバンス(TA)、ならびに検出される隣接基地局の識別子、推定されるタイミング、および信号強度を報告する。UEのロケーションが、次いで、この情報および基地局の知られているロケーションに基づいて推定される。
【0074】
測位動作を支援するために、ロケーションサーバ(たとえば、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)は支援データをUEに提供してよい。たとえば、支援データは、そこからの基準信号を測定すべき基地局(または、基地局のセル/TRP)の識別子、基準信号構成パラメータ(たとえば、連続する測位サブフレームの数、測位サブフレームの周期性、ミューティングシーケンス、周波数ホッピングシーケンス、基準信号識別子、基準信号帯域幅など)、および/または特定の測位方法に適用可能な他のパラメータを含んでよい。代替として、支援データは、(たとえば、周期的にブロードキャストされるオーバーヘッドメッセージの中などで)基地局自体から直接生じてもよく、場合によっては、UEは、支援データを使用せずに隣接ネットワークノード自体を検出できる場合がある。
【0075】
OTDOAまたはDL-TDOA測位プロシージャの場合には、支援データは、予想RSTD値、および予想RSTDの周辺の関連する不確実性、すなわち探索ウィンドウをさらに含んでよい。場合によっては、予想RSTDの値範囲は+/-500マイクロ秒(μs)であり得る。いくつかの場合には、測位測定のために使用されるリソースのうちのいずれかがFR1の中にあるとき、予想RSTDの不確実性に対する値範囲は+/-32μsであり得る。他の場合には、測位測定のために使用されるリソースのすべてがFR2の中にあるとき、予想RSTDの不確実性に対する値範囲は+/-8μsであり得る。
【0076】
ロケーション推定値は、位置推定値、ロケーション、位置、位置フィックス、フィックスなどの、他の名称によって呼ばれることがある。ロケーション推定値は、測地学的であってよく座標(たとえば、緯度、経度、および場合によっては高度)を備えてよいか、または都市的であってよくストリートアドレス、郵便宛先、もしくはロケーションのいくつかの他の言語的説明を備えてよい。ロケーション推定値はさらに、いくつかの他の知られているロケーションに関連して規定されてよく、または絶対的な用語で(たとえば、緯度、経度、および場合によっては高度を使用して)規定されてもよい。ロケーション推定値は、(たとえば、いくつかの指定されるかまたはデフォルトのレベルの信頼性を伴って、ロケーションがその中に含まれることを予想されるエリアまたはボリュームを含むことによって)予想される誤差または不確定性を含むことがある。
【0077】
ネットワークノード(たとえば、基地局およびUE)の間でのダウンリンク送信およびアップリンク送信をサポートするために、様々なフレーム構造が使用され得る。
図4Aは、本開示の態様による、ダウンリンクフレーム構造の一例を示す
図400である。
図4Bは、本開示の態様による、ダウンリンクフレーム構造内のチャネルの一例を示す
図430である。
図4Cは、本開示の態様による、アップリンクフレーム構造の一例を示す
図450である。
図4Dは、本開示の態様による、アップリンクフレーム構造内のチャネルの一例を示す
図470である。他のワイヤレス通信技術は、異なるフレーム構造および/または異なるチャネルを有してよい。
【0078】
LTE、および場合によってはNRは、ダウンリンク上でOFDMを、またアップリンク上でシングルキャリア周波数分割多重化(SC-FDM)を利用する。しかしながら、LTEとは異なり、NRはアップリンク上で同じくOFDMを使用するためのオプションを有する。OFDMおよびSC-FDMは、システム帯域幅を、通常、トーン、ビンなどとも呼ばれる、複数の(K本の)直交サブキャリアに区分する。各サブキャリアは、データを用いて変調されてよい。概して、変調シンボルは、OFDMを用いて周波数領域において、またSC-FDMを用いて時間領域において送られる。隣接するサブキャリア間の間隔は固定されてよく、サブキャリアの総数(K本)はシステム帯域幅に依存し得る。たとえば、サブキャリアの間隔は15キロヘルツ(kHz)であってよく、最小リソース割振り(リソースブロック)は12本のサブキャリア(すなわち、180kHz)であってよい。したがって、公称FFTサイズは、それぞれ、1.25、2.5、5、10、または20メガヘルツ(MHz)のシステム帯域幅に対して、128、256、512、1024、または2048に等しくてよい。システム帯域幅はまた、サブバンドに区分されてよい。たとえば、サブバンドは1.08MHz(すなわち、6個のリソースブロック)をカバーしてよく、それぞれ、1.25、2.5、5、10、または20MHzのシステム帯域幅に対して、1、2、4、8、または16個のサブバンドがあり得る。
【0079】
LTEは、単一のヌメロロジー(サブキャリア間隔(SCS)、シンボル長など)をサポートする。対照的に、NRは複数のヌメロロジー(μ)をサポートしてよく、たとえば、15kHz(μ=0)、30kHz(μ=1)、60kHz(μ=2)、120kHz(μ=3)、および240kHz(μ=4)、またはそれを超えるサブキャリア間隔が利用可能であってよい。各サブキャリア間隔において、スロット当たり14個のシンボルがある。15kHzのSCS(μ=0)の場合、サブフレーム当たり1つのスロット、すなわち、フレーム当たり10個のスロットがあり、スロット持続時間は1ミリ秒(ms)であり、シンボル持続時間は66.7マイクロ秒(μs)であり、FFTサイズが4Kの最大公称システム帯域幅(MHz単位)は50である。30kHzのSCS(μ=1)の場合、サブフレーム当たり2つのスロット、すなわち、フレーム当たり20個のスロットがあり、スロット持続時間は0.5msであり、シンボル持続時間は33.3μsであり、FFTサイズが4Kの最大公称システム帯域幅(MHz単位)は100である。60kHzのSCS(μ=2)の場合、サブフレーム当たり4つのスロット、すなわち、フレーム当たり40個のスロットがあり、スロット持続時間は0.25msであり、シンボル持続時間は16.7μsであり、FFTサイズが4Kの最大公称システム帯域幅(MHz単位)は200である。120kHzのSCS(μ=3)の場合、サブフレーム当たり8つのスロット、すなわち、フレーム当たり80個のスロットがあり、スロット持続時間は0.125msであり、シンボル持続時間は8.33μsであり、FFTサイズが4Kの最大公称システム帯域幅(MHz単位)は400である。240kHzのSCS(μ=4)の場合、サブフレーム当たり16個のスロット、すなわち、フレーム当たり160個のスロットがあり、スロット持続時間は0.0625msであり、シンボル持続時間は4.17μsであり、FFTサイズが4Kの最大公称システム帯域幅(MHz単位)は800である。
【0080】
図4A~
図4Dの例では、15kHzのヌメロロジーが使用される。したがって、時間領域において、10msのフレームは、各々が1msの、サイズが等しい10個のサブフレームに分割され、各サブフレームは1つのタイムスロットを含む。
図4A~
図4Dでは、時間が左から右に増大して時間が水平に(X軸上に)表され、周波数が下から上に高く(または、低く)なって周波数が垂直に(Y軸上に)表される。
【0081】
タイムスロットを表すためにリソースグリッドが使用されてよく、各タイムスロットは、周波数領域において1つまたは複数の時間並行のリソースブロック(RB)(物理RB(PRB)とも呼ばれる)を含む。リソースグリッドは、複数のリソース要素(RE)にさらに分割される。REは、時間領域において1シンボル長に、また周波数領域において1本のサブキャリアに対応し得る。
図4A~
図4Dのヌメロロジーでは、ノーマルサイクリックプレフィックスの場合、RBは、合計84個のREを得るために、周波数領域において12本の連続するサブキャリアを、かつ時間領域において7個の連続するシンボルを含んでよい。拡張サイクリックプレフィックスの場合、RBは、合計で72個のREを得るために、周波数領域において12本の連続するサブキャリアを、かつ時間領域において6個の連続するシンボルを含んでよい。各REによって搬送されるビット数は、変調方式に依存する。
【0082】
REのうちのいくつかは、ダウンリンク基準(パイロット)信号(DL-RS)を搬送する。DL-RSは、PRS、TRS、PTRS、CRS、CSI-RS、DMRS、PSS、SSS、SSBなどを含んでよい。
図4Aは、PRSを搬送するREの例示的なロケーション(「R」とラベル付けされる)を示す。
【0083】
UEがより多くのネイバーTRPを検出および測定することを可能にするために、NR測位に対してPRSが規定される。様々な展開(たとえば、屋内、屋外、サブ6、mmWなど)を可能にするために、いくつかの構成がサポートされる。NRでは、UE支援型およびUEベースのロケーション計算の両方がサポートされる。加えて、RRC CONNECTEDモード、IDLEモード、およびINACTIVEモードにおいて、測位がサポートされる。以下の表は、様々な測位方法に対する測位測定のために使用され得る基準信号のタイプを要約する。
【0084】
【0085】
PRSは、周期的に、非周期的に、またはオンデマンドで送信され得る。オンデマンドPRSとは、ターゲットデバイスによって決定されるニーズ/需要に基づく、適切なPRSリソース(たとえば、TRPのサブセット、特定の方向/ビーム、周期性、PRS構成など)の、ターゲットデバイス(たとえば、UEまたは別のエンティティ)による要求を指す。FR1およびFR2のためのNR DL-PRS設計は、周期的なリソース割振りおよび/またはオンデマンドのリソース割振りを伴う(時間的に)局所化されたNR DL-PRS送信をサポートするものと予想される。しかしながら、周期的なリソース割振りおよびオンデマンドのリソース割振りにとってのシグナリング詳細が完全に指定されているとは限らない。たとえば、シグナリングは、DL-PRS送信(たとえば、増大した帯域幅、特定のTRP、またはビーム方向)のために割り当てられるリソースの増大を可能にする場合があり、DL-PRS送信がもはや必要とされない時を示す場合がある。増大したDL-PRS送信は、gNBおよび/またはLMFにおいて構成され得るいくつかのPRS構成のみに制約されることによって簡略化される場合がある。たとえば、増大したPRS送信を求めるいかなる要求もない場合、「ノーマル」PRS送信に対応するPRS構成パラメータの1つのセットがあり得る。いくつかのネットワークでは、「ノーマル」PRS送信は、(リソース使用を最小限に抑えるために)PRS送信がまったくないことに等しい場合がある。このとき、PRS構成パラメータの異なるセットに各々が関連する、増大したPRS送信の1つまたは複数のレベルがあり得る。最も単純な事例では、PRS送信は、PRS構成パラメータのデフォルトのセットに従って、必要とされるときのみオンにされる場合があり、必要とされないときオフにされる場合がある。
【0086】
PRSの送信のために使用されるリソース要素(RE)の集合は、「PRSリソース」と呼ばれる。リソース要素の集合は、周波数領域において複数のPRBに、また時間領域においてスロット内の「N個」(1個以上など)の連続するシンボルに広がることができる。時間領域における所与のOFDMシンボルの中で、PRSリソースは周波数領域における連続するPRBを占有する。
【0087】
所与のPRB内でのPRSリソースの送信は、特定のコム(comb)サイズ(「コム密度」とも呼ばれる)を有する。コムサイズ「N」は、PRSリソース構成の各シンボル内のサブキャリア間隔(または、周波数/トーン間隔)を表す。詳細には、コムサイズ「N」の場合、PRSはPRBのシンボルのN本ごとのサブキャリアの中で送信される。たとえば、コム4の場合、PRSリソース構成のシンボルごとに、4本ごとのサブキャリア(サブキャリア0、4、8など)に対応するREが、PRSリソースのPRSを送信するために使用される。現在、DL-PRSに対してコム2、コム4、コム6、およびコム12というコムサイズがサポートされる。
図4Aは、(6個のシンボルに広がる)コム6に対する例示的なPRSリソース構成を示す。すなわち、影付きのRE(「R」とラベル付けされる)のロケーションはコム6 PRSリソース構成を示す。
【0088】
現在、DL-PRSリソースは、周波数領域全体に千鳥状パターンを伴ってスロット内の2、4、6、または12個の連続するシンボルに広がり得る。DL-PRSリソースは、スロットの、上位レイヤが構成した任意のダウンリンクシンボルまたはフレキシブル(FL)シンボルの中に構成され得る。所与のDL-PRSリソースのすべてのREに対して、一定のリソース要素単位エネルギー(EPRE:energy per resource element)があり得る。以下は、2、4、6、および12個のシンボルにわたるコムサイズ2、4、6、および12に対する、シンボルからシンボルまでの周波数オフセットである。2シンボルコム2:{0, 1}、4シンボルコム2:{0, 1, 0, 1}、6シンボルコム2:{0, 1, 0, 1, 0, 1}、12シンボルコム2:{0, 1, 0, 1, 0, 1, 0, 1, 0, 1, 0, 1}、4シンボルコム4:{0, 2, 1, 3}、12シンボルコム4:{0, 2, 1, 3, 0, 2, 1, 3, 0, 2, 1, 3}、6シンボルコム6:{0, 3, 1, 4, 2, 5}、12シンボルコム6:{0, 3, 1, 4, 2, 5, 0, 3, 1, 4, 2, 5}、および12シンボルコム12:{0, 6, 3, 9, 1, 7, 4,10, 2, 8, 5,11}。
【0089】
「PRSリソースセット」とは、PRS信号の送信のために使用されるPRSリソースのセットであり、ここで、各PRSリソースはPRSリソースIDを有する。加えて、PRSリソースセットの中のPRSリソースは、同じTRPに関連付けられる。PRSリソースセットは、PRSリソースセットIDによって識別され、(TRP IDによって識別される)特定のTRPに関連付けられる。加えて、PRSリソースセットの中のPRSリソースは、スロットにわたって同じ周期性、共通のミューティングパターン構成、および(「PRS-ResourceRepetitionFactor」などの)同じ反復係数を有する。周期性とは、最初のPRSインスタンスの最初のPRSリソースの最初の反復から、次のPRSインスタンスの同じ最初のPRSリソースの同じ最初の反復までの時間である。周期性は、μ=0、1、2、3であって2^μ*{4、5、8、10、16、20、32、40、64、80、160、320、640、1280、2560、5120、10240}スロットから選択される長さを有してよい。反復係数は、{1、2、4、6、8、16、32}スロットから選択される長さを有してよい。
【0090】
PRSリソースセットの中のPRSリソースIDは、単一のTRPから送信される単一のビーム(または、ビームID)に関連付けられる(ここで、TRPは1つまたは複数のビームを送信し得る)。すなわち、PRSリソースセットの各PRSリソースは異なるビーム上で送信されてよく、したがって、「PRSリソース」または単に「リソース」は「ビーム」と呼ばれることもある。TRP、およびPRSがその上で送信されるビームが、UEに知られているかどうかに対して、このことがいかなる暗示も有しないことに留意されたい。
【0091】
「PRSインスタンス」または「PRSオケージョン」とは、PRSが送信されるものと予想される周期的に反復される時間ウィンドウ(1つまたは複数の連続するスロットのグループなど)の1つのインスタンスである。PRSオケージョンは、「PRS測位オケージョン」、「PRS測位インスタンス」、「測位オケージョン」、「測位インスタンス」、「測位反復」、または単に「オケージョン」、「インスタンス」、もしくは「反復」と呼ばれることもある。
【0092】
「測位周波数レイヤ」(単に「周波数レイヤ」とも呼ばれる)とは、いくつかのパラメータに対して同じ値を有する1つまたは複数のTRPにわたる1つまたは複数のPRSリソースセットの集合である。詳細には、PRSリソースセットの集合は、同じサブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックス(CP)タイプ(PDSCHに対してサポートされるすべてのヌメロロジーがPRSに対してもサポートされることを意味する)、同じPoint A、同じ値のダウンリンクPRS帯域幅、同じ開始PRB(および、中心周波数)、および同じコムサイズを有する。Point Aパラメータは、パラメータ「ARFCN-ValueNR」(ただし、「ARFCN」は「絶対無線周波数チャネル番号」を表す)の値を取り、送信および受信のために使用される1対の物理無線チャネルを指定する識別子/コードである。ダウンリンクPRS帯域幅は、最小が24個のPRBかつ最大が272個のPRBであって、4つのPRBという粒度を有してよい。現在、4つまでの周波数レイヤが規定されており、周波数レイヤごとにTRP当たり2つまでのPRSリソースセットが構成され得る。
【0093】
周波数レイヤの概念は、いくぶんコンポーネントキャリアおよび帯域幅部分(BWP)の概念のようであるが、データチャネルを送信するためにコンポーネントキャリアおよびBWPが1つの基地局(または、マクロセル基地局およびスモールセル基地局)によって使用されるが、PRSを送信するために周波数レイヤがいくつかの(通常は3つ以上の)基地局によって使用されるという点で異なる。UEは、LTE測位プロトコル(LPP)セッション中などの、UEがその測位能力をネットワークへ送るとき、UEがサポートできる周波数レイヤの数を示してよい。たとえば、UEは、UEが1つの測位周波数レイヤをサポートできるのかまたは4つの測位周波数レイヤをサポートできるのかを示してよい。
【0094】
図4Bは、無線フレームのダウンリンクスロット内の様々なチャネルの一例を示す。NRでは、チャネル帯域幅またはシステム帯域幅は、複数のBWPに分割される。BWPとは、所与のキャリア上の所与のヌメロロジーに対する共通のRBの連続するサブセットから選択される、PRBの連続するセットである。概して、最大4個のBWPがダウンリンクおよびアップリンクの中で指定され得る。すなわち、UEは、ダウンリンク上で4個までのBWPとともに、かつアップリンク上で4個までのBWPとともに構成され得る。1つのBWP(アップリンクまたはダウンリンク)だけが所与の時間においてアクティブであってよく、UEが一度に1つのBWPを介して受信または送信のみができることを意味する。ダウンリンク上で、各BWPの帯域幅はSSBの帯域幅以上であるべきであるが、各BWPはSSBを含んでもまたは含まなくてもよい。
【0095】
図4Bを参照すると、サブフレーム/シンボルタイミングおよび物理レイヤ識別情報を決定するために、UEによって1次同期信号(PSS)が使用される。物理レイヤセル識別情報グループ番号および無線フレームタイミングを決定するために、UEによって2次同期信号(SSS)が使用される。物理レイヤ識別情報および物理レイヤセル識別情報グループ番号に基づいて、UEはPCIを決定することができる。PCIに基づいて、UEは上述のDL-RSのロケーションを決定することができる。MIBを搬送する物理ブロードキャストチャネル(PBCH)は、SSB(SS/PBCHとも呼ばれる)を形成するために、PSSおよびSSSとともに論理的にグループ化されてよい。MIBは、ダウンリンクシステム帯域幅の中のRBの数、およびシステムフレーム番号(SFN)を提供する。物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)は、ユーザデータ、システム情報ブロック(SIB)などのPBCHを通じて送信されないブロードキャストシステム情報、およびページングメッセージを搬送する。
【0096】
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、1つまたは複数の制御チャネル要素(CCE)内でダウンリンク制御情報(DCI)を搬送し、各CCEは、(時間領域において複数のシンボルに広がることがある)1つまたは複数のREグループ(REG)バンドルを含み、各REGバンドルは、1つまたは複数のREGを含み、各REGは、周波数領域における12個のリソース要素(1つのリソースブロック)および時間領域における1個のOFDMシンボルに対応する。PDCCH/DCIを搬送するために使用される物理リソースのセットは、NRでは制御リソースセット(コアセット(CORESET))と呼ばれる。NRでは、PDCCHは単一のコアセットに閉じ込められ、それ自体のDMRSとともに送信される。このことは、PDCCHに対してUE固有のビームフォーミングを可能にする。
【0097】
図4Bの例では、BWP当たり1つのコアセットがあり、コアセットは、時間領域における(1つまたは2つのシンボルだけであってもよいが)3つのシンボルに広がる。システム帯域幅全体を占有するLTE制御チャネルとは異なり、NRでは、PDCCHチャネルは周波数領域における特定の領域(すなわち、コアセット)に局所化される。したがって、
図4Bに示すPDCCHの周波数成分は、周波数領域における単一のBWPよりも小さいものとして図示される。図示したコアセットが周波数領域において連続するが、そうである必要がないことに留意されたい。加えて、コアセットは、時間領域において3シンボルよりも小さく広がってよい。
【0098】
PDCCH内のDCIは、それぞれ、アップリンク許可およびダウンリンク許可と呼ばれる、(永続的および非永続的な)アップリンクリソース割振りについての情報、およびUEへ送信されるダウンリンクデータについての記述を搬送する。より詳細には、DCIは、ダウンリンクデータチャネル(たとえば、PDSCH)およびアップリンクデータチャネル(たとえば、PUSCH)のためにスケジュールされるリソースを示す。複数の(たとえば、8個までの)DCIがPDCCHの中に構成され得、これらのDCIは複数のフォーマットのうちの1つを有することができる。たとえば、アップリンクスケジューリングに対して、ダウンリンクスケジューリングに対して、アップリンク送信電力制御(TPC)などに対して、様々なDCIフォーマットがある。異なるDCIペイロードサイズまたはコーディングレートを収容するために、1、2、4、8、または16個のCCEによってPDCCHがトランスポートされ得る。
【0099】
図4Cに示すように、RE(「R」とラベル付けされる)のうちのいくつかは、受信機(たとえば、基地局、別のUEなど)におけるチャネル推定のためのDMRSを搬送する。UEは、追加として、たとえば、スロットの最後のシンボルの中で、SRSを送信し得る。SRSはコム構造を有してよく、UEはコムのうちの1つにおいてSRSを送信し得る。
図4Cの例では、図示のSRSは1つのシンボルにわたるコム2である。SRSは、UEごとのチャネル状態情報(CSI)を取得するために基地局によって使用され得る。CSIは、どのようにRF信号がUEから基地局に伝搬するのかを表し、散乱、フェージング、および距離に伴う電力減衰の、組み合わせられた影響を表す。システムは、リソーススケジューリング、リンク適応、マッシブMIMO、ビーム管理などのためにSRSを使用する。
【0100】
現在、SRSリソースは、コムサイズがコム2、コム4、またはコム8のスロット内の1、2、4、8、または12個の連続するシンボルに広がり得る。以下は、現在サポートされるSRSコムパターンに対する、シンボルからシンボルまでの周波数オフセットである。1シンボルコム2:{0}、2シンボルコム2:{0, 1}、4シンボルコム2:{0, 1, 0, 1}、4シンボルコム4:{0, 2, 1, 3}、8シンボルコム4:{0, 2, 1, 3, 0, 2, 1, 3}、12シンボルコム4:{0, 2, 1, 3, 0, 2, 1, 3, 0, 2, 1, 3}、4シンボルコム8:{0, 4, 2, 6}、8シンボルコム8:{0, 4, 2, 6, 1, 5, 3, 7}、および12シンボルコム8:{0, 4, 2, 6, 1, 5, 3, 7, 0, 4, 2, 6}。
【0101】
SRSの送信のために使用されるリソース要素の集合は「SRSリソース」と呼ばれ、パラメータ「SRS-ResourceId」によって識別され得る。リソース要素の集合は、周波数領域において複数のPRBに、および時間領域においてスロット内のN個の(たとえば、1つまたは複数の)連続するシンボルに、広がることができる。所与のOFDMシンボルの中で、SRSリソースは連続するPRBを占有する。「SRSリソースセット」は、SRS信号の送信のために使用されるSRSリソースのセットであり、SRSリソースセットID(「SRS-ResourceSetId」)によって識別される。
【0102】
概して、UEは、受信基地局(サービング基地局または隣接基地局のいずれか)がUEと基地局との間のチャネル品質を測定することを可能にするために、SRSを送信する。しかしながら、SRSはまた、UL-TDOA、マルチRTT、DL-AoAなどのアップリンク測位プロシージャのためのアップリンク測位基準信号として使用され得る。
【0103】
(単一シンボル/コム2を除いて)SRSリソース内の新たな千鳥状パターン、SRSのための新たなコムタイプ、SRSのための新たなシーケンス、コンポーネントキャリア当たりもっと多数のSRSリソースセット、およびコンポーネントキャリア当たりもっと多数のSRSリソースなどの、SRSの以前の規定を越えるいくつかの拡張が、測位用SRS(「UL-PRS」とも呼ばれる)に対して提案されている。加えて、パラメータ「SpatialRelationInfo」および「PathLossReference」が、隣接TRPからのダウンリンク基準信号またはSSBに基づいて構成されることになる。依然としてさらに、1つのSRSリソースが、アクティブなBWPの外側で送信されてよく、1つのSRSリソースが、複数のコンポーネントキャリアにわたって広がってよい。また、SRSは、RRC接続済み状態において構成されてよく、アクティブなBWP内でしか送信されない場合がある。さらに、周波数ホッピングがなくてよく、反復係数がなくてよく、単一のアンテナポートがあってよく、SRSに対する新たな長さ(たとえば、8および12シンボル)があってよい。また、閉ループ電力制御ではなく開ループ電力制御があってよく、コム8(すなわち、同じシンボルの中で8本のサブキャリアごとにSRSが送信されること)が使用されてよい。最後に、UEは、UL-AoAのために複数のSRSリソースから同じ送信ビームを通じて送信してよい。これらのすべては、RRC上位レイヤシグナリングを通じて構成される(かつ潜在的にトリガされるかまたはMAC制御要素(CE)もしくはDCIを通じてアクティブ化される)、現在のSRSフレームワークに追加される特徴である。
【0104】
図4Dは、本開示の態様による、フレームのアップリンクスロット内の様々なチャネルの一例を示す。物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)とも呼ばれるランダムアクセスチャネル(RACH)が、PRACH構成に基づいてフレーム内の1つまたは複数のスロット内にあってよい。PRACHは、スロット内に6個の連続するRBペアを含んでよい。PRACHは、UEが初期システムアクセスを実行するとともにアップリンク同期を達成することを可能にする。物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)は、アップリンクシステム帯域幅のエッジ上に配置されてよい。PUCCHは、スケジューリング要求、CSI報告、チャネル品質インジケータ(CQI)、プリコーディング行列インジケータ(PMI)、ランクインジケータ(RI)、およびHARQ ACK/NACKフィードバックなどの、アップリンク制御情報(UCI)を搬送する。物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)はデータを搬送し、追加として、バッファステータス報告(BSR)、電力ヘッドルーム報告(PHR)、および/またはUCIを搬送するために使用されてよい。
【0105】
「測位基準信号」および「PRS」という用語が、概して、NRおよびLTEシステムにおける測位のために使用される特定の基準信号を指すことに留意されたい。しかしながら、本明細書で使用するとき、「測位基準信号」および「PRS」という用語はまた、限定はしないが、LTEおよびNRにおいて規定されるようなPRS、TRS、PTRS、CRS、CSI-RS、DMRS、PSS、SSS、SSB、SRS、UL-PRSなどの、測位のために使用され得る任意のタイプの基準信号を指すことがある。加えて、「測位基準信号」および「PRS」という用語は、文脈によって別段に規定されていない限り、ダウンリンク測位基準信号またはアップリンク測位基準信号を指すことがある。PRSのタイプをさらに区別するために必要な場合、ダウンリンク測位基準信号は「DL-PRS」と呼ばれることがあり、アップリンク測位基準信号(たとえば、測位用SRS、PTRS)は「UL-PRS」と呼ばれることがある。加えて、アップリンクとダウンリンクの両方において送信され得る信号(たとえば、DMRS、PTRS)に対して、方向を区別するために「UL」または「DL」が信号にプリペンドされることがある。たとえば、「UL-DMRS」は「DL-DMRS」から区別され得る。
【0106】
基地局(または、より詳細にはサービングセル/TRP)とのアップリンク同期および無線リソース制御(RRC)接続を確立するために、UEは、ランダムアクセスプロシージャ(ランダムアクセスチャネル(RACH)プロシージャまたは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プロシージャとも呼ばれる)を実行する必要がある。NRにおいて利用可能な2つのタイプのランダムアクセス、すなわち、「4ステップ」ランダムアクセスとも呼ばれる競合ベースランダムアクセス(CBRA)、および「3ステップ」ランダムアクセスとも呼ばれる無競合ランダムアクセス(CFRA)がある。いくつかの事例では、4ステップランダムアクセスプロシージャの代わりに実行され得る「2ステップ」ランダムアクセスプロシージャもある。
【0107】
図5は、本開示の態様による例示的な4ステップランダムアクセスプロシージャ500を示す。4ステップランダムアクセスプロシージャ500は、本明細書で説明する、それぞれ、UEおよび基地局のうちのいずれかに相当し得る、UE504と基地局502(gNBとして図示する)との間で実行される。
【0108】
UE504が4ステップランダムアクセスプロシージャ500を実行する場合がある様々な状況がある。たとえば、初期RRC接続セットアップを実行する(すなわち、RRC IDLE状態から出た後に初期ネットワークアクセスを獲得する)とき、RRC接続再確立プロシージャを実行するとき、UE504が送信すべきアップリンクデータを有するとき、UE504が送信すべきアップリンクデータを有しUE504がRRC CONNECTED状態であるがスケジューリング要求(SR)のために利用可能なPUCCHリソースがないとき、またはスケジューリング要求障害があるとき、UE504は4ステップランダムアクセスプロシージャ500を実行してよい。
【0109】
4ステップランダムアクセスプロシージャ500を実行する前に、UE504は、UE504がそれと一緒に4ステップランダムアクセスプロシージャ500を実行している基地局502によってブロードキャストされた1つまたは複数の同期信号ブロック(SSB)を読み取る。NRでは、基地局(たとえば、基地局502)によって送信される各ビームは異なるSSBに関連付けられ、UE(たとえば、UE504)は、基地局502と通信するために使用すべきいくつかのビームを選択する。選択されたビームのSSBに基づいて、UE504は、次いで、システム情報ブロック(SIB)タイプ1(SIB1)を読み取ることができ、システム情報ブロック(SIB)タイプ1(SIB1)は、セルアクセス関連情報を搬送し、選択されたビーム上で送信される他のシステム情報ブロックのスケジューリングをUE504に供給する。
【0110】
UE504は、4ステップランダムアクセスプロシージャ500のまさに最初のメッセージを基地局502へ送るとき、「プリアンブル」と呼ばれる(「RACHプリアンブル」、「PRACHプリアンブル」、「シーケンス」とも呼ばれる)特定のパターンを送る。プリアンブルは、異なるUE504からの要求を区別する。CBRAでは、UE504は、他のUE504と共有されるプリアンブルのプール(NRでは64個)からランダムにプリアンブルを選択する。しかしながら、2つのUE504が同じプリアンブルを同時に使用する場合、衝突または競合があり得る。
【0111】
したがって、510において、UE504は、ランダムアクセス要求(「RACH要求」とも呼ばれる)の中で基地局502へ送るための、64個のプリアンブルのうちの1つを選択する。このメッセージは、4ステップランダムアクセスプロシージャ500における「メッセージ1」または「Msg1」と呼ばれる。基地局502からの同期情報(たとえば、SIB1)に基づいて、UE504は、選択されたSSB/ビームに対応するRACHオケージョン(RO:RACH occasion)においてプリアンブルを送る。より詳細には、どのビームをUE504が選択したのかを基地局502が決定するために、SSBと(10、20、40、80、または160msごとに発生する)ROとの間に特定のマッピングが規定される。どのROにおいてUE504がプリアンブルを送ったのかを検出することによって、基地局502は、どのSSB/ビームをUE504が選択したのかを決定することができる。
【0112】
ROが、プリアンブルを送信するための時間周波数送信機会であること、およびプリアンブルインデックス(すなわち、64個の可能なプリアンブルに対する0から63までの値)が、基地局502において予想されるタイプのプリアンブルをUE504が生成することを可能にすることに、留意されたい。ROおよびプリアンブルインデックスは、SIBの中で基地局502によってUE504に対して構成され得る。RACHリソースは、1つのプリアンブルインデックスがその中で送信されるROである。したがって、「RO」(または、「RACHオケージョン」)および「RACHリソース」という用語は、コンテキストに応じて互換的に使用され得る。
【0113】
相反性に起因して、UE504は、同期中に決定された最良のダウンリンク受信ビーム(すなわち、選択されたダウンリンクビームを基地局502から受信するための最良の受信ビーム)に対応するアップリンク送信ビームを使用してよい。すなわち、UE504は、基地局502からSSBビームを受信するために使用されたダウンリンク受信ビームのパラメータを使用して、アップリンク送信ビームのパラメータを決定する。基地局502において相反性が利用可能である場合、UE504は、1つのビームを介してプリアンブルを送信することができる。そうでない場合、UE504は、そのアップリンク送信ビームのすべてにおいて、同じプリアンブルの送信を反復する。
【0114】
UE504はまた、ネットワークが次のステップにおいてUE504をアドレス指定できるように、その識別情報を(基地局502を介して)ネットワークに提供する必要がある。この識別情報は、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別情報(RA-RNTI:random access radio network temporary identity)と呼ばれ、プリアンブルがその中で送られるタイムスロットから決定される。
【0115】
UE504は、いくらかの時間期間内に基地局502から応答を受信しない場合、その送信電力を固定のステップだけ増大させ、再びプリアンブル/Msg1を送る。より詳細には、UE504は、プリアンブルの反復の第1のセットを送信し、次いで、応答を受信しない場合、その送信電力を増大させるとともにプリアンブルの反復の第2のセットを送信する。UE504は、基地局502から応答を受信するまで、徐々に増えるステップでその送信電力を増大させ続ける。
【0116】
520において、基地局502は、4ステップランダムアクセスプロシージャ500における「メッセージ2」または「Msg2」と呼ばれるランダムアクセス応答(RAR)を、選択されたビーム上でUE504へ送る。RARは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上で送られ、プリアンブルがその中で送られたタイムスロット(すなわち、RO)から計算されたRA-RNTIにアドレス指定される。RARは、以下の情報、すなわち、セル無線ネットワーク一時識別子(C-RNTI:cell-radio network temporary identifier)、タイミングアドバンス(TA)値、およびアップリンク許可リソースを搬送する。基地局502は、UE504とのさらなる通信を可能にするためにC-RNTIをUE504に割り当てる。TA値は、UE504と基地局502との間の伝搬遅延を補償するためにUE504がそのタイミングをどのくらい変更すべきかを指定する。アップリンク許可リソースは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上でUE504が使用できる初期リソースを示す。このステップの後、UE504および基地局502は、後続のステップにおいて利用され得る粗いビーム位置合わせを確立する。
【0117】
530において、割り振られたPUSCHを使用して、UE504は、「メッセージ3」または「Msg3」と呼ばれるRRC接続要求メッセージを基地局502へ送る。UE504が、基地局502によってスケジュールされたリソースを介してMsg3を送るので、基地局502は、(空間的に)どこからMsg3を検出すべきか、したがって、どのアップリンク受信ビームが使用されるべきかを知っている。Msg1と同じかまたは異なるアップリンク送信ビーム上でMsg3 PUSCHが送られ得ることに留意されたい。
【0118】
UE504は、以前のステップにおいて割り当てられたC-RNTIによって、Msg3の中でUE504自体を識別する。メッセージは、UE504の識別情報および接続確立原因を含む。UE504の識別情報は、一時移動加入者識別情報(TMSI:temporary mobile subscriber identity)またはランダム値のいずれかである。UE504が以前に同じネットワークに接続したことがある場合、TMSIが使用される。UE504は、TMSIによってコアネットワークの中で識別される。UE504が、まさに初めてネットワークに接続中である場合、ランダム値が使用される。ランダム値またはTMSIの理由は、複数の要求が同時に到着することに起因して、以前のステップにおいてC-RNTIが2つ以上のUE504に割り当てられている場合があることである。接続確立原因は、UE504がネットワークに接続する必要がある理由(たとえば、測位セッションのため、送信すべきアップリンクデータをUE504が有するので、UE504がネットワークからページを受信したので、など)を示す。
【0119】
上述のように、4ステップランダムアクセスプロシージャ500はCBRAプロシージャである。したがって、上記で説明したように、同じ基地局502に接続中の任意のUE504が510において同じプリアンブル送ることができ、その場合、様々なUE504からの要求の間での衝突または競合の可能性がある。したがって、基地局502は、このタイプのアクセス要求を処理するために競合解消メカニズムを使用する。しかしながら、このプロシージャでは、結果はランダムであり、すべてのランダムアクセスが成功するとは限らない。
【0120】
したがって、540において、Msg3が受信に成功した場合、基地局502は、「メッセージ4」または「Msg4」と呼ばれる競合解消メッセージを用いて応答する。このメッセージは、(Msg3からの)TMSIまたはランダム値にアドレス指定されるが、さらなる通信のために使用される新たなC-RNTIを含む。詳細には、基地局502は、以前のステップにおいて決定されたダウンリンク送信ビームを使用してPDSCHの中でMsg4を送る。
【0121】
図5に示すように、4ステップランダムアクセスプロシージャ500は、UE504と基地局502との間での2つのラウンドトリップサイクルを必要とし、そのことは、レイテンシを増大させるだけでなく、追加の制御シグナリングオーバーヘッドも招く。これらの問題に対処するために、CBRAのためにNRにおいて2ステップランダムアクセスが導入されている。2ステップランダムアクセスの背後の動機づけは、UEと基地局との間での単一のラウンドトリップサイクルを有することによって、レイテンシおよび制御シグナリングオーバーヘッドを低減することである。このことは、プリアンブル(Msg1)とスケジュールされたPUSCH送信(Msg3)とを組み合わせて、RACHメッセージA(「MsgA」)として知られるUEから基地局への単一のメッセージにすることによって達成される。同様に、ランダムアクセス応答(Msg2)と競合解消メッセージ(Msg4)とが組み合わせられて、RACHメッセージB(「MsgB」)として知られる基地局からUEへの単一のメッセージになる。このことは、レイテンシおよび制御シグナリングオーバーヘッドを低減する。
【0122】
図6は、本開示の態様による例示的な2ステップランダムアクセスプロシージャ600を示す。2ステップランダムアクセスプロシージャ600は、本明細書で説明する、それぞれ、UEおよび基地局のうちのいずれかに相当し得る、UE604と基地局602(gNBとして図示する)との間で実行され得る。
【0123】
610において、UE604は、MsgAを基地局602へ送信する。2ステップランダムアクセスプロシージャ600では、
図5を参照しながら上記で説明したMsg1およびMsg3が折りたたまれて(すなわち、組み合わせられて)MsgAになり、基地局602へ送られる。したがって、MsgAは、プリアンブル、および4ステップランダムアクセスプロシージャ500のMsg3 PUSCHと類似のPUSCHを含む。プリアンブルは、
図5を参照しながら上記で説明したように、64個の可能なプリアンブルから選択されていてよく、MsgAの中で送信されるデータを復調するための基準信号として使用されてよい。620において、UE604は、基地局602からMsgBを受信する。MsgBは、
図5を参照しながら上記で説明したMsg2とMsg4との組合せであってよい。
【0124】
1つのMsgAへのMsg1とMsg3との組合せ、および1つのMsgBへのMsg2とMsg4との組合せは、UE604がランダムアクセスセットアップタイムを短縮してNRの低レイテンシ要件をサポートすることを可能にする。UE604は、2ステップランダムアクセスプロシージャ600をサポートするように構成され得るが、いくつかの制約(たとえば、大きい送信電力要件など)に起因してUE604が2ステップランダムアクセスプロシージャ600を使用できない場合のフォールバックとして、UE604は、依然として4ステップランダムアクセスプロシージャ500をサポートしてよい。したがって、NRにおけるUE604は、4ステップランダムアクセスプロシージャと2ステップランダムアクセスプロシージャ5および6の両方をサポートするように構成されてよく、どのランダムアクセスプロシージャを使用すべきかを、基地局602から受信されるRACH構成情報に基づいて決定してよい。
【0125】
CFRA(「3ステップランダムアクセス」とも呼ばれる)では、基地局がプリアンブルを割り当て、したがって、プリアンブルは「専用ランダムアクセスプリアンブル」または単に「専用プリアンブル」と呼ばれる。UEが、ハンドオーバの場合のような、ランダムアクセスプロシージャの前のRRC CONNECTED状態であるとき、CFRAプロシージャが実行され得る。CFRAプロシージャはまた、RRC INACTIVE状態からRRC CONNECTED状態に遷移するとき、特定のシステム情報(「オンデマンドSI」と呼ばれる)を要求するとき、NR非スタンドアロン(NSA)ネットワーキングのためにセルを追加するとき、またはビーム障害回復を実行するとき、ダウンリンクデータ到着に対して実行され得る。
【0126】
図7は、本開示の態様による例示的な3ステップランダムアクセスプロシージャ700を示す。3ステップランダムアクセスプロシージャ700は、本明細書で説明する、それぞれ、UEおよび基地局のうちのいずれかに相当し得る、UE704と基地局702(gNBとして図示する)との間で実行され得る。
【0127】
710において、基地局702は、専用プリアンブルをUE704に割り当てる。UE704がRRC IDLE状態である場合、基地局702は、RRCシグナリングを介して(すなわち、RRCメッセージ内で)UE704に専用プリアンブルを提供する。代替として、UE704がRRC INACTIVE状態である場合、基地局702は、物理レイヤシグナリング(たとえば、PDCCH上のDCI)を介してUE704に専用プリアンブルを提供する。プリアンブルが明確にUE704に割り当てられるので、他のUE704とのプリアンブル競合がない。しかしながら、ランダムアクセスを要求するUE704の数に対して専用プリアンブルリソースが不十分であるとき、基地局702は、CBRAを開始するように追加のUE704に命令する。
【0128】
上述のように、3ステップランダムアクセスプロシージャ700は、ハンドオーバ、ダウンリンクデータ到着、およびNSAネットワーキングの場合に使用されてよい。ハンドオーバの場合には、ソース基地局702によって送られる「MobilityControlInfo」情報要素が、割り振られたプリアンブルを搬送する。ダウンリンクデータ到着(たとえば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)指令)の場合には、ダウンリンクデータが基地局702に到着すると、基地局702は、割り振られたプリアンブルを搬送または識別するPDCCHの中のDCIコマンドを通じて、3ステップランダムアクセスプロシージャ700を開始するようにUE704に命令する。NSAネットワーキングの場合には、NSAの中でNRセルが追加されると、基地局702は、割り振られたプリアンブルを搬送または識別するPDCCHを通じて、3ステップランダムアクセスプロシージャ700を開始するようにUE704に命令する。
【0129】
720において、UE704は、
図5の510におけるように、ただし、ランダムに選択されたプリアンブルではなく、割り当てられたプリアンブルを使用して、ランダムアクセス要求(「Msg1」)を基地局702へ送信する。730において、UE704は、
図5の520におけるように、基地局702からランダムアクセス応答(「Msg2」)を受信する。ハンドオーバの場合には、730におけるランダムアクセス応答は、ターゲット基地局に対するタイミング位置合わせ情報および初期アップリンク許可を含む。ダウンリンクデータ到着の場合には、ダウンリンクデータが基地局702に到着するとき、730におけるランダムアクセス応答は、タイミング位置合わせ情報およびランダムアクセスプリアンブル識別子(RAPID)を含む。NSAネットワーキングの場合には、NSAの中でNRセルが追加されるとき、730におけるランダムアクセス応答は、タイミング位置合わせ情報およびRAPIDを含む。
【0130】
上記から諒解されるように、4ステップランダムアクセスプロシージャ500は、通常、より高速かつより効率的な3ステップランダムアクセスプロシージャ700と比較して、アップリンク接続を確立するためにもっと長くかかる。しかしながら、上記でも説明したように、UEは、常に3ステップランダムアクセスプロシージャ700を実行できるとは限らない。
【0131】
ランダムアクセスプロシージャの後、UEはRRC CONNECTED状態である。UEと基地局との間のエアインターフェース上で、RRCプロトコルが使用される。RRCプロトコルの主要な機能は、接続確立および解放機能、システム情報のブロードキャスト、無線ベアラ確立、再構成、および解放、RRC接続モビリティプロシージャ、ページング通知および解放、ならびに外部ループ電力制御を含む。LTEでは、UEは2つのRRC状態(CONNECTEDまたはIDLE)のうちの1つであってよいが、NRでは、UEは3つのRRC状態(CONNECTED、IDLE、またはINACTIVE)のうちの1つであってよい。異なるRRC状態は、UEが所与の状態であるときにUEが使用できる、RRC状態に関連する異なる無線リソースを有する。様々なRRC状態が、しばしば、上記のように大文字で書かれるが、このことは必須ではなく、これらの状態が小文字でも書かれ得ることに留意されたい。
【0132】
図8は、本開示の態様による、NRにおいて利用可能な様々なRRC状態(RRCモードとも呼ばれる)の
図800である。UEは、電源投入されるとき、当初はRRC DISCONNECTED/IDLE状態810である。ランダムアクセスプロシージャの後、UEはRRC CONNECTED状態820に移動する。短い時間の間、UEにおいて活動がない場合、UEは、RRC INACTIVE状態830に移動することによって、そのセッションを一時停止することができる。UEは、ランダムアクセスプロシージャを実行してRRC CONNECTED状態820に戻って遷移することによって、そのセッションを再開することができる。したがって、UEは、UEがRRC IDLE状態810であるのかまたはRRC INACTIVE状態830であるのかにかかわらず、RRC CONNECTED状態820に遷移するためにランダムアクセスプロシージャを実行する必要がある。
【0133】
RRC IDLE状態810において実行される動作は、パブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)選択、システム情報のブロードキャスト、セル再選択モビリティ、(5GCによって開始および管理される)モバイル着信データのためのページング、(非アクセス層(NAS)によって構成される)コアネットワークページングのための間欠受信(DRX)を含む。RRC CONNECTED状態820において実行される動作は、5GC(たとえば、5GC260)およびニューRAN(たとえば、ニューRAN220)接続確立(制御プレーンとユーザプレーンの両方)、ニューRANおよびUEにおけるUEコンテキスト記憶、UEが属するセルのニューRAN知識、UEとの間でのユニキャストデータの転送、ならびにネットワーク制御型モビリティを含む。RRC INACTIVE状態830において実行される動作は、システム情報のブロードキャスト、モビリティのためのセル再選択、(ニューRANによって開始される)ページング、(ニューRANによる)RANベース通知エリア(RNA)管理、(ニューRANによって構成される)RANページングのためのDRX、UEのための5GCおよびニューRAN接続確立(制御プレーンとユーザプレーンの両方)、ニューRANおよびUEの中でのUEコンテキストの記憶、ならびにUEが属するRNAのニューRAN知識を含む。
【0134】
上述のように、NRにおいて規定される64個のプリアンブル、詳細には、時間周波数RACHオケージョン(RO)ごとに64個のプリアンブルがある。
図9は、本開示の態様による例示的なRACHプリアンブル900の図である。
図9に示すように、RACHプリアンブル900は、2つの部分、すなわち、サイクリックプレフィックス(CP)910、およびプリアンブルシーケンス920の反復のセットからなる。ガード期間(GP)930がそれに後続する。
【0135】
プリアンブル反復の数および長さは、表950において規定され、RACHプリアンブル900のフォーマット(「0」、「1」、「2」、または「3」)に応じて様々である。表950は、RACHプリアンブル900の長さ(LRA)、周波数(ΔfRA)、シーケンス長(Nu)、およびCP長
【0136】
【0137】
を規定する。
図9を参照しながらプリアンブルフォーマットが以下で説明される。カッパ(k)が64として規定されることに留意されたい。
【0138】
NRでは、サポートされる13タイプのプリアンブルフォーマット、すなわち、フォーマット0、フォーマット1、フォーマット2、フォーマット3、フォーマットA1、フォーマットA2、フォーマットA3、フォーマットB1、フォーマットB2、フォーマットB3、フォーマットB4、フォーマットC0、およびフォーマットC1がある。これらの13タイプのプリアンブルフォーマットは、2つのカテゴリー、すなわち、ロングプリアンブルおよびショートプリアンブルにグループ化され得る。ロングプリアンブルは長さが839であり、ショートプリアンブルは長さが139である。ロングプリアンブルは、13個のプリアンブルフォーマットのうちの4個を使用し、ショートプリアンブルは13個のプリアンブルフォーマットのうちの9個を使用する。
【0139】
図10は、NRにおける様々なプリアンブル長およびフォーマットを示すグラフ1000である。ロングプリアンブルの4個のフォーマットは「フォーマット#0」~「フォーマット#3」と番号付けされ、ショートプリアンブルの9個のフォーマットは「A1」~「A3」、「B1」~「B4」、ならびに「C0」および「C2」と番号付けされる。グラフ1000の各行はROである。各ROは、いくらかの長さのサイクリックプレフィックス(「C」として表される)とともに始まり、プリアンブルシーケンス(「S」として表される)の1つまたは複数の反復を有し、いくらかの長さのガード期間(「G」として表される)とともに終わる。参考のために、グラフ1000の最後の行は15kHzのサブキャリア間隔に対するPUSCHのサブフレームを示す。したがって、サブフレームは、長さが1msであり14個のシンボルに分割される、1つのスロットを備える。
【0140】
ロングプリアンブル用の4個のフォーマットは、FR1における大規模な(すなわち、マクロ)セル展開のために設計され、通常、6GHzよりも低い周波数帯域の中で使用される。プリアンブルフォーマット(すなわち、「0」~「3」)は、セルの(SIBの中でブロードキャストされる)ランダムアクセス構成の一部であり、各セルは、一般に、単一のプリアンブルフォーマットに限定される。NRでは、ロングプリアンブルの起源が部分的にはLTEのために使用されるプリアンブルからのものであるので、ロングプリアンブルのために使用されるヌメロロジーは他のNR送信とは異なる。たとえば、NRにおけるプリアンブルフォーマット「0」および「1」は、LTEにおけるプリアンブルフォーマット「0」および「2」と同じである。プリアンブルは、1.25kHzまたは5kHzのサブキャリア間隔を使用することができる。1.25kHzのサブキャリア間隔を伴うロングプリアンブルは、周波数領域において6個のリソースブロックを占有するが、5kHzのサブキャリア間隔を伴うプリアンブルは、24個のリソースブロックを占有する。
【0141】
ショートプリアンブルは、概して、ロングプリアンブルよりも短く、しばしば、数個のOFDMシンボルにしか広がらない(
図10に示すように)。ショートプリアンブルの9個のフォーマットは、屋内カバレージを含むスモールセル展開のために設計されている。これらのプリアンブルフォーマットは、FR1範囲とFR2範囲の両方に対して使用され得る。ショートプリアンブル用のサブキャリア間隔は、通常のNRサブキャリア間隔(たとえば、15kHz、30kHz、60kHz、および120kHz)と位置合わせされる。FR1では、ショートプリアンブルは15または30kHzのサブキャリア間隔を使用するが、FR2では、ショートプリアンブルは60または120kHzのサブキャリア間隔を使用する。ショートプリアンブルは、プリアンブルヌメロロジーにかかわらず周波数領域において12個のリソースブロックを占有する。
【0142】
ショートプリアンブルフォーマットは、各OFDMシンボルの最後の部分が次のOFDMシンボルのためのサイクリックプレフィックスとして働き、かつプリアンブルOFDMシンボルの長さがデータOFDMシンボルの長さに等しくなるように設計されている。したがって、たいていの場合、複数のプリアンブル送信を単一のRACHスロット内で時間的に多重化させることが可能である(データスロットごとに構成済みの個数のRACHスロットがある場合、下の
図10を参照)。言い換えれば、ショートプリアンブルの場合、周波数領域において、ならびに単一のRACHスロット(「PRACHスロット」とも呼ばれる)内の時間領域において、複数のROがあり得る。ただし、
図10を参照しながら以下で示すように、RACHスロットが必ずしもデータスロットと同等であるとは限らないことに留意されたい。
【0143】
NRは、「A1/B1」、「A2/B2」、および「A3/B3」などの追加のフォーマットを可能にするために、「A」プリアンブルフォーマットと「B」プリアンブルフォーマットとの混合をサポートする。ショートプリアンブルフォーマット「A」および「B」は、「B」フォーマットのためのいくぶん短いサイクリックプレフィックスを除いて同一である。プリアンブルフォーマット「B2」および「B3」は、対応する「A」フォーマット(すなわち、「A2」および「A3」)と組み合わせて使用される。
【0144】
ショートプリアンブルは、基地局受信機がデータおよびランダムアクセスプリアンブル検出に対して同じFFTを使用することを可能にする。これらのプリアンブルは、PRACHプリアンブルごとに、より短い複数のOFDMシンボルの組成物であり、時間変動するチャネルおよび周波数誤差に対してそれらをよりロバストにさせる。ショートプリアンブルはまた、PRACH受信中のアナログビーム掃引をサポートし、その結果、基地局において異なるビームを用いて同じプリアンブルが受信され得る。
【0145】
上述のように、NRにおいて可能な最大64個のプリアンブルがある。本開示は、測位のためにこれらのプリアンブルのサブセットを確保することを提案する。第1のオプションとして、64個のプリアンブルのセットが2つのセットに分割されてよく、1つのセットは通信用に確保される「N」個のプリアンブルからなり、1つのセットは測位用に確保される(専用の)「M」個のプリアンブルからなる。第2のオプションとして、64個のプリアンブルのセットが3つのセットに分割されてよく、1つのセットは通信用に確保される「N」個のプリアンブルからなり、1つのセットはクリティカル通信用に確保される「N1」個のプリアンブルからなり、1つのセットは測位用に確保される「M」個のプリアンブルからなる。
【0146】
基地局は、本明細書で「測位SIB」と呼ばれるものの中で、測位用に確保されたプリアンブルのセットをブロードキャストすることができる。現在、上記で説明したように、基地局は、様々なSIBの中で、ランダムアクセスのための利用可能なプリアンブル(または、利用可能なプリアンブルの識別子、もしくは利用可能なプリアンブルを計算するために必要とされるパラメータ)をブロードキャストする。したがって、64個の可能なプリアンブルの1つのセットだけをブロードキャストするのではなく、基地局は、利用可能なプリアンブルの2つまたは3つのセットをブロードキャストしてよい。通信用に確保されるプリアンブルは、ノーマルとしてブロードキャストされてよく(ノーマルSIBは、単にもっと少数のプリアンブルを含む/識別することになる)、測位用に確保されるプリアンブルは、開示する測位SIBの中でブロードキャストされてよい。基地局がクリティカル通信(たとえば、低レイテンシ、高QoSなど)用にプリアンブルのセットを確保する場合、基地局は、それらのタイプのプリアンブルしか搬送しない別のSIBの中でそのようなプリアンブルをブロードキャストしてよい。
【0147】
UEは、UE開始型またはUE開始型オンデマンド測位要求のために専用の測位プリアンブルを使用することができる。より詳細には、UEは、測位セッションに対するランダムアクセスプロシージャを実行するとき、測位プリアンブルを選択することができる。そのようにして、基地局は、UEが測位セッションに関与することを知り、そのことは、UEが時間通りにアップリンクリソースを受信するとともに測位セッションのレイテンシ要件を満たすことを保証する。一態様では、ネットワーク事業者は、この機能のために割増料金を課金してよく、有料のアプリケーションだけが、この機能を使用することを許容されることになる。
【0148】
専用の測位プリアンブルを使用することが、依然としてUEの間の競合をもたらす場合があるが(2つ以上のUEが、同じ測位プリアンブルをほぼ同時に選択する場合)、測位セッションに関与するUEだけが測位プリアンブルを求めて競争しているので、最小限となることが予想されることに留意されたい。
【0149】
図11は、本開示の態様による例示的な4ステップランダムアクセスプロシージャ1100を示す。4ステップランダムアクセスプロシージャ1100は、本明細書で説明する、それぞれ、UEおよび基地局のうちのいずれかに相当し得る、UE1104と基地局1102(gNBとして図示する)との間で実行される。
【0150】
1110において、測位イベントがUE1104において検出されるとき、UE1104はRRC IDLE状態またはINACTIVE状態である。測位イベントは、たとえば、UE1104がアップリンク測位基準信号(たとえば、測位用SRS)を送信するための要求であってよい。要求は、ロケーションサーバ(たとえば、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)、サードパーティアプリケーション、外部クライアントなどから受信され得る。
【0151】
1120において、UE1104は、1つまたは複数の測位SIBの中で基地局1102によってブロードキャストされた測位プリアンブルから、(RACH測位シーケンスを含む)測位プリアンブルを選択する。1130において、UE1104は、
図5の510におけるように、ランダムアクセス要求(Msg1)を基地局1102へ送る。ランダムアクセス要求は、選択された測位プリアンブルを含み、それによって、UE1104が測位セッションに関与することを基地局1102に示す。1140において、基地局1102は、
図5の520におけるように、ランダムアクセス応答(Msg2)を用いてUE1104に応答する。
【0152】
1150において、UE1104は、
図5の530におけるように、接続確立要求(Msg3)を基地局1102へ送る。接続確立要求は、「測位」という接続確立原因を含んでよい。1160において、基地局1102は、1130における測位プリアンブル受信に基づいて、UE1104が測位セッションに関与することに気づいている。したがって、基地局1102は、測位セッションに対するアップリンク測位基準信号(UL-PRS)を送信するためにUE1104が使用すべきアップリンク測位構成を決定する。
【0153】
1170において、基地局1102は、
図5の540におけるように、競合解消メッセージ(Msg4)をUE1104へ送る。競合解消メッセージは、測位セッションに対するアップリンク測位構成および事前構成型アップリンクリソース(PUR:preconfigured uplink resource)構成(すなわち、アップリンク送信のために割り振られるアップリンク時間および/または周波数リソース)を示す。競合解消メッセージがアップリンク測位構成を含むので、UE1104は、(UL-PRSの送信に対する測位構成を取得するために4ステップランダムアクセスプロシージャ1100だけを実行している場合)RRC CONNECTED状態に遷移する必要がない。したがって、UE1104は、4ステップランダムアクセスプロシージャ1100の完了の後でさえ、RRC IDLE状態またはINACTIVE状態にとどまることができる。諒解されるように、このことは、UE1104におけるレイテンシおよび電力消費を低減する。
【0154】
図12は、本開示の態様による例示的な2ステップランダムアクセスプロシージャ1200を示す。2ステップランダムアクセスプロシージャ1200は、本明細書で説明する、それぞれ、UEおよび基地局のうちのいずれかに相当し得る、UE1204と基地局1202(gNBとして図示する)との間で実行される。
【0155】
1210において、測位イベントが検出されるとき、UE1204はRRC IDLE状態またはINACTIVE状態である。測位イベントは、たとえば、UE1204がアップリンク測位基準信号(たとえば、測位用SRS)を送信するための要求であってよい。要求は、ロケーションサーバ(たとえば、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)、サードパーティアプリケーション、外部クライアントなどから受信され得る。
【0156】
1220において、UE1204は、1つまたは複数の測位SIBの中で基地局1002によってブロードキャストされた測位プリアンブルから、(RACH測位シーケンスを含む)測位プリアンブルを選択する。1230において、UE1204は、
図6の610におけるように、MsgAを基地局1202へ送る。MsgAは、選択された測位プリアンブルを含み、それによって、UE1204が測位セッションに関与し、アップリンク測位リソースを測位セッションに対して構成させる必要があることを基地局1202に示す。
【0157】
1240において、基地局1202は、1230における測位プリアンブルの受信に基づいて、UE1204が測位セッションに関与することに気づいている。したがって、基地局1202は、測位セッションに対するアップリンク測位基準信号(UL-PRS)を送信するためにUE1204が使用すべきアップリンク測位構成を決定する。1250において、基地局1202は、
図6の620におけるように、MsgBをUE1204へ送る。MsgBは、測位セッションに対するアップリンク測位構成およびPURリソースを示す。MsgBがアップリンク測位構成を含むので、UE1204は、(UL-PRSの送信に対する測位構成を取得するために2ステップランダムアクセスプロシージャ1200だけを実行している場合)RRC CONNECTED状態に遷移する必要がない。諒解されるように、このことは、UE1204におけるレイテンシおよび電力消費を低減する。
【0158】
上記は、UEがRRC IDLE状態またはRRC INACTIVE状態である間にトリガされ得るUE開始型測位セッションを説明している。しかしながら、場合によっては、ネットワーク(たとえば、ロケーションサーバ、サービング基地局、サードパーティクライアントなど)が測位セッションを開始してよく、UEがRRC IDLE状態またはRRC INACTIVE状態である間にそうしてよい。代替または追加として、測位セッション中、UE開始型かネットワーク開始型かにかかわらず、UEは、RRC IDLEモード、INACTIVEモード、およびCONNECTEDモードの複数のサイクルを通過してよい(たとえば、長いロケーション追跡セッションの場合のように)。IDLEモードからCONNECTEDモードへの、およびINACTIVEモードからCONNECTEDモードへの、あらゆる遷移に対して、UEはランダムアクセスプロシージャを実行する必要がある。サービング基地局は、測位セッションが進行中であることに気づいていない場合があり、したがって、(CFRAにおけるような)専用プリアンブルを割り当てるべきかどうかのその決定は、測位セッションおよび測位要件から独立している。すなわち、サービング基地局は、進行中の測位セッション、まして測位セッションの要件についての知識なしに、UEのためにCBRAまたはCFRAのいずれかを選ぶことができる。
【0159】
したがって、本開示は、測位セッションおよび測位セッションの重要性についてロケーションサーバがサービング基地局に通知するための技法を提供する。たとえば、ロケーションサーバは、測位セッションが通常のレイテンシ要件を有すること、または測位セッションが超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)要件を満たす必要があることを示してよい。ロケーションサーバは、たとえば、エンドツーエンドレイテンシ値またはレイテンシ分類(たとえば、「通常」、「URLLC」など)として、この情報を提供してよい。ロケーションサーバは、1つまたは複数のLPPタイプA(LPPa)またはNR測位プロトコルタイプA(NRPPa)メッセージの中でこの情報を基地局に提供してよい。
【0160】
測位セッションのレイテンシ要件に基づいて、基地局は、UEがCFRAを実行することを可能にするための、測位用の専用プリアンブルを割り当てるものと予想される。ノーマルプリアンブルを用いるように、専用プリアンブルは、IDLE状態からCONNECTED RRC状態への遷移のために、RRCシグナリングを介してUEに割り当てられ得る。同様に、ノーマルプリアンブルを用いるように、専用プリアンブルは、INACTIVE状態からCONNECTED RRC状態への遷移のために、物理レイヤシグナリング(たとえば、PDCCH上のDCI)を介してUEに割り当てられ得る。
【0161】
図13は、本開示の態様による例示的な3ステップランダムアクセスプロシージャ1300を示す。3ステップランダムアクセスプロシージャ1300は、本明細書で説明する、それぞれ、UEおよび基地局のうちのいずれかに相当し得る、UE1304と基地局1302(gNBとして図示する)との間で実行される。
【0162】
1310において、測位イベントが基地局1302において検出されるとき、UE1304はRRC IDLE状態またはINACTIVE状態である。測位イベントは、たとえば、基地局1302がアップリンクまたはダウンリンク測位リソースをUE1304に割り振るための要求であってよい。要求は、ロケーションサーバ(たとえば、ロケーションサーバ230、LMF270、SLP272)から受信され得る。
【0163】
1320において、基地局1302は、専用の/確保済みの測位プリアンブルから、(RACH測位シーケンスを含む)測位プリアンブルを選択する。1330において、基地局1302は、
図7の710におけるように、プリアンブル割当てをUE1304へ送る。1340において、UE1304は、割り当てられたプリアンブルが測位プリアンブルであることを決定する。1350において、UE1304は、
図7の720におけるように、ランダムアクセス要求(Msg1)を基地局1302へ送る。ランダムアクセス要求は、割り当てられた測位プリアンブルを含む。
【0164】
1340において、基地局1302は、
図7の730におけるように、ランダムアクセス応答(Msg2)を用いてUE1304に応答する。ランダムアクセス応答は、測位セッションに対するアップリンク測位構成およびPURリソースを示す。ランダムアクセス応答がアップリンク測位構成を含むので、UE1304は、(UL-PRSの送信に対する測位構成を取得するために3ステップランダムアクセスプロシージャ1300だけを実行している場合)RRC CONNECTED状態に遷移する必要がない。したがって、UE1304は、3ステップランダムアクセスプロシージャ1300の完了の後でさえ、RRC IDLE状態またはINACTIVE状態にとどまることができる。諒解されるように、このことは、UE1304におけるレイテンシおよび電力消費を低減する。
【0165】
ランダムアクセスプロシージャ1100、1200、および1300の最後のステップにおいて測位構成を受信した後、それぞれのUEは、割り振られたリソース上でアップリンク測位信号(たとえば、測位用SRS)を送信することができる。
【0166】
図14は、本開示の態様によるワイヤレス通信のための例示的な方法1400を示す。一態様では、方法1400は、UE(たとえば、本明細書で説明するUEのうちのいずれか)によって実行され得る。
【0167】
1410において、UEは、
図11の1120、
図12の1220、または
図13の1330におけるように、RACHプリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定する。一態様では、RACHプリアンブルの第1のセットは測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットは通信目的用である。RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットは、それぞれ、測位目的および通信目的のために確保されてよく、または一方もしくは両方のセットが測位目的および通信目的のために使用されてもよい。たとえば、(すべてが使用中であるので)RACHプリアンブルの第1のセットの中に利用可能なプリアンブルがない場合、RACHプリアンブルの第2のセットの中の1つまたは複数のプリアンブルが測位のために使用されてよい。同様に、(すべてが使用中であるので)RACHプリアンブルの第2のセットの中に利用可能なプリアンブルがない場合、RACHプリアンブルの第1のセットの中の1つまたは複数のプリアンブルが通信のために使用されてよい。一態様では、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットは、少なくとも1つのTRPに関連する。一態様では、動作1410は、WWANトランシーバ310、処理システム332、メモリ構成要素340、および/または測位構成要素342によって実行されてよく、それらのうちのいずれかまたはすべてが、この動作を実行するための手段と見なされてよい。
【0168】
1420において、UEは、
図11の1130、
図12の1230、または
図13の1350におけるように、UEが測位セッションに関与することを示すために少なくとも1つのRACHプリアンブルを少なくとも1つのTRP(たとえば、本明細書で説明する基地局のうちのいずれかのTRP)へ送信する。一態様では、動作1420は、WWANトランシーバ310、処理システム332、メモリ構成要素340、および/または測位構成要素342によって実行されてよく、それらのうちのいずれかまたはすべてが、この動作を実行するための手段と見なされてよい。
【0169】
1430において、UEは、
図11の1170、
図12の1250、または
図13の1360におけるように、1420における少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、測位セッションに対するアップリンク測位信号(たとえば、測位用SRS)の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを少なくとも1つのTRPから受信する。一態様では、動作1430は、WWANトランシーバ310、処理システム332、メモリ構成要素340、および/または測位構成要素342によって実行されてよく、それらのうちのいずれかまたはすべてが、この動作を実行するための手段と見なされてよい。
【0170】
1440において、UEは、1つまたは複数のリソースを介してアップリンク測位信号を送信する。一態様では、動作1440は、WWANトランシーバ310、処理システム332、メモリ構成要素340、および/または測位構成要素342によって実行されてよく、それらのうちのいずれかまたはすべてが、この動作を実行するための手段と見なされてよい。
【0171】
図15は、本開示の態様によるワイヤレス通信の例示的な方法1500を示す。一態様では、方法1500は、TRP(たとえば、本明細書で説明する基地局のうちのいずれかのTRP)によって実行され得る。
【0172】
1510において、TRPは、RACHプリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信する。一態様では、RACHプリアンブルの第1のセットは測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットは通信目的用である。RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットは、それぞれ、測位目的および通信目的のために確保されてよく、または一方もしくは両方のセットが測位目的および通信目的のために使用されてもよい。たとえば、(すべてが使用中であるので)RACHプリアンブルの第1のセットの中に利用可能なプリアンブルがない場合、RACHプリアンブルの第2のセットの中の1つまたは複数のプリアンブルが測位のために使用されてよい。同様に、(すべてが使用中であるので)RACHプリアンブルの第2のセットの中に利用可能なプリアンブルがない場合、RACHプリアンブルの第1のセットの中の1つまたは複数のプリアンブルが通信のために使用されてよい。一態様では、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットは、TRPに関連する。一態様では、動作1510は、WWANトランシーバ350、処理システム384、メモリ構成要素386、および/または測位構成要素388によって実行されてよく、それらのうちのいずれかまたはすべてが、この動作を実行するための手段と見なされてよい。
【0173】
1520において、TRPは、
図11の1130、
図12の1230、または
図13の1350におけるように、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルをUE(たとえば、本明細書で説明するUEのうちのいずれか)から受信する。一態様では、動作1520は、WWANトランシーバ350、処理システム384、メモリ構成要素386、および/または測位構成要素388によって実行されてよく、それらのうちのいずれかまたはすべてが、この動作を実行するための手段と見なされてよい。
【0174】
1530において、TRPは、
図11の1170、
図12の1250、または
図13の1360におけるように、1520における少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りをUEへ送信する。一態様では、動作1530は、WWANトランシーバ350、処理システム384、メモリ構成要素386、および/または測位構成要素388によって実行されてよく、それらのうちのいずれかまたはすべてが、この動作を実行するための手段と見なされてよい。
【0175】
諒解されるように、方法1400および1500の技術的利点は、測位セッションに対する低減されたレイテンシ、異なる使用事例(たとえば、通信および測位)の間でのRACHリソースのより良好な多重化、およびより低い衝突確率を含む。
【0176】
上記の発明を実施するための形態では、例において様々な特徴が一緒にグループ化されることが理解され得る。開示のこの方式は、例示的な条項が、各条項の中で明示的に述べられるよりも多くの特徴を有するという意図として、理解されるべきでない。むしろ、本開示の様々な態様は、開示する個々の例示的な条項のすべての特徴よりも少数を含むことがある。したがって、以下の条項は、本説明の中に組み込まれるものと、本明細書によって見なされるべきであり、各条項は、別個の例として単独で有効であり得る。各従属条項は、その条項の中で、他の条項のうちの1つとの特定の組合せを参照することができるが、その従属条項の態様は、その特定の組合せに限定されるものでない。例示的な他の条項も、任意の他の従属条項もしくは独立条項の主題との従属条項態様の組合せ、または他の従属条項および独立条項との任意の特徴の組合せを含むことができることが、諒解されよう。本明細書で開示する様々な態様は、特定の組合せが意図されないことが明示的に表現されるかまたは容易に推測され得ない限り(たとえば、絶縁体と導体の両方として要素を定義することなどの、矛盾する態様)、これらの組合せを明確に含む。さらに、条項が独立条項に直接従属しない場合でも、条項の態様が任意の他の独立条項の中に含まれ得ることも意図される。
【0177】
以下の番号付き条項において実装例が説明される。
【0178】
条項1. ユーザ機器(UE)によって実行されるワイヤレス通信の方法であって、ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを決定することであって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、少なくとも1つの送信受信ポイント(TRP)に関連することと、UEが測位セッションに関与することを示すために少なくとも1つのRACHプリアンブルを少なくとも1つのTRPへ送信することと、少なくとも1つのRACHプリアンブルの送信に応答して、測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りを少なくとも1つのTRPから受信することと、1つまたは複数のリソースを介してアップリンク測位信号を送信することとを備える。
【0179】
条項2. 条項1の方法であって、UEが、少なくとも1つのRACHプリアンブルを送信し、割振りを受信し、かつアップリンク測位信号を送信するとき、UEは無線リソース制御(RRC)アイドル状態またはRRC非アクティブ状態である。
【0180】
条項3. 条項1~2のうちのいずれかの方法であって、割振りは4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージの中で受信される。
【0181】
条項4. 条項3の方法であって、決定することは、少なくともRACHプリアンブルの第1のセットを示すシステム情報ブロック(SIB)を少なくとも1つのTRPから受信することと、RACHプリアンブルの第1のセットから少なくとも1つのRACHプリアンブルを選択することとを備える。
【0182】
条項5. 条項1~2のうちのいずれかの方法であって、割振りは2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で受信される。
【0183】
条項6. 条項5の方法であって、決定することは、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルの割当てを少なくとも1つのTRPから受信することを備える。
【0184】
条項7. 条項6の方法であって、割当ての受信に応答してUEは少なくとも1つのRACHプリアンブルを送信する。
【0185】
条項8. 条項6~7のうちのいずれかの方法であって、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルの割当ての受信は、UEが測位セッションに関与することを示す。
【0186】
条項9. 条項6~8のうちのいずれかの方法であって、UEはRRCアイドル状態であり、UEはRRCシグナリングの中で割当てを受信する。
【0187】
条項10. 条項6~8のうちのいずれかの方法であって、UEはRRC非アクティブ状態であり、UEは物理レイヤシグナリングの中で割当てを受信する。
【0188】
条項11. 条項1~10のうちのいずれかの方法であって、事前構成型アップリンクリソース(PUR)構成を少なくとも1つのTRPから受信することをさらに備える。
【0189】
条項12. 条項11の方法であって、PUR構成は、4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージ、または2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で受信される。
【0190】
条項13. 条項1~12のうちのいずれかの方法であって、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットは、ネットワークアクセス用の少なくとも1つのTRPに関連するすべてのRACHプリアンブルである。
【0191】
条項14. 条項1~13のうちのいずれかの方法であって、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットの合計は64個である。
【0192】
条項15. 条項1~14のうちのいずれかの方法であって、少なくとも1つのTRPに関連するRACHプリアンブルの第3のセットは、クリティカル通信用に確保される。
【0193】
条項16. 条項15の方法であって、RACHプリアンブルの第1のセット、RACHプリアンブルの第2のセット、およびRACHプリアンブル第3のセットの合計は64個である。
【0194】
条項17. 送信受信ポイント(TRP)によって実行されるワイヤレス通信の方法であって、ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルの第1のセットの少なくとも1つのRACHプリアンブルの指示を送信することであって、RACHプリアンブルの第1のセットが測位目的用であり、RACHプリアンブルの第2のセットが通信目的用であり、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットが、TRPに関連することと、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルをユーザ機器(UE)から受信することと、少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信に応答して、UEを伴う測位セッションに対するアップリンク測位信号の送信のための1つまたは複数のリソースの割振りをUEへ送信することとを備える。
【0195】
条項18. 条項17の方法であって、TRPが、少なくとも1つのRACHプリアンブルを受信し、かつ割振りを送信するとき、UEは無線リソース制御(RRC)アイドル状態またはRRC非アクティブ状態である。
【0196】
条項19. 条項17~18のうちのいずれかの方法であって、割振りは4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージの中で送信される。
【0197】
条項20. 条項19の方法であって、指示を送信することは、少なくともRACHプリアンブルの第1のセットを示すシステム情報ブロック(SIB)をブロードキャストすることを備える。
【0198】
条項21. 条項20の方法であって、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルの受信は、UEが測位セッションに関与することを示す。
【0199】
条項22. 条項17~18のうちのいずれかの方法であって、割振りは2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で送信される。
【0200】
条項23. 条項22の方法であって、指示を送信することは、RACHプリアンブルの第1のセットからの少なくとも1つのRACHプリアンブルの割当てをUEへ送信することを備える。
【0201】
条項24. 条項23の方法であって、UEはRRCアイドル状態であり、TRPはRRCシグナリングの中で割当てを送信する。
【0202】
条項25. 条項23の方法であって、UEはRRC非アクティブ状態であり、TRPは物理レイヤシグナリングの中で割当てを送信する。
【0203】
条項26. 条項23~25のうちのいずれかの方法であって、UEが測位セッションに関与することを検出することをさらに備え、TRPは、UEが測位セッションに関与することの検出に応答して割当てを送信する。
【0204】
条項27. 条項26の方法であって、TRPは、測位リソースをUEに割り振るためのロケーションサーバからの要求の受信に基づいて、UEが測位セッションに関与することを検出する。
【0205】
条項28. 条項27の方法であって、ロケーションサーバからの要求は、ロングタームエボリューション(LTE)測位プロトコル(LPP)タイプA(LPPa)要求を備える。
【0206】
条項29. 条項27~28のうちのいずれかの方法であって、要求は、測位セッションに対するレイテンシ要件を含む。
【0207】
条項30. 条項29の方法であって、レイテンシ要件は、測位セッションが通常のレイテンシを有するという指示、測位セッションが超高信頼低レイテンシ(URLL)通信用であるという指示、または測位セッションに対するエンドツーエンドレイテンシの指示を備える。
【0208】
条項31. 条項17~30のうちのいずれかの方法であって、事前構成型アップリンクリソース(PUR)構成をUEへ送信することをさらに備える。
【0209】
条項32. 条項31の方法であって、PUR構成は、4ステップRACHプロシージャの第4のメッセージ、または2ステップRACHプロシージャの第2のメッセージの中で送信される。
【0210】
条項33. 条項17~32のうちのいずれかの方法であって、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットは、ネットワークアクセス用のTRPに関連するすべてのRACHプリアンブルである。
【0211】
条項34. 条項17~33のうちのいずれかの方法であって、RACHプリアンブルの第1のセットおよびRACHプリアンブルの第2のセットの合計は64個である。
【0212】
条項35. 条項17~34のうちのいずれかの方法であって、TRPに関連するRACHプリアンブルの第3のセットは、クリティカル通信用に確保される。
【0213】
条項36. 条項35の方法であって、RACHプリアンブルの第1のセット、RACHプリアンブルの第2のセット、およびRACHプリアンブル第3のセットの合計は64個である。
【0214】
条項37. メモリと、メモリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備える、装置であって、メモリおよび少なくとも1つのプロセッサは、条項1~36のうちのいずれかによる方法を実行するように構成される。
【0215】
条項38. 条項1~36のうちのいずれかによる方法を実行するための手段を備える装置。
【0216】
条項39. コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータ実行可能命令は、条項1~36のうちのいずれかによる方法をコンピュータまたはプロセッサに実行させるための少なくとも1つの命令を備える。
【0217】
情報および信号が、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表され得ることを、当業者は諒解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0218】
さらに、本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得ることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能性に関して上記で説明されている。そのような機能性がハードウェアとして実装されるのかまたはソフトウェアとして実施されるのかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約によって決まる。当業者は、説明した機能性を特定の適用例ごとに様々な方法で実施し得るが、そのような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0219】
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAもしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0220】
本明細書で開示する態様に関して説明した方法、シーケンス、および/またはアルゴリズムは、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組合せで具現され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体の中に常駐し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ることおよび記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体化され得る。プロセッサおよび記憶媒体はASICの中に存在してよい。ASICはユーザ端末(たとえば、UE)の中に存在してよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、個別の構成要素としてユーザ端末の中に存在してよい。
【0221】
1つまたは複数の例示的な態様では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶され得るか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用され得るとともにコンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続も、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書で使用するとき、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびBlu-ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記のものの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0222】
上記の開示は本開示の例示的な態様を示すが、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本開示の範囲を逸脱することなく、様々な変更および修正が本明細書で行われ得ることに留意されたい。本明細書で説明した本開示の態様による方法クレームの機能、ステップ、および/またはアクションは、任意の特定の順序で実行される必要はない。さらに、本開示の要素は、単数形で説明または特許請求されることがあるが、単数形に限定することが明示的に述べられていない限り、複数形が企図される。
【符号の説明】
【0223】
100 ワイヤレス通信システム
102 基地局
104 ユーザ機器(UE)
110 カバレージエリア
112 スペースビークル(SV)
120 通信リンク
122 バックホールリンク
134 バックホールリンク
150 ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイント(AP)
152 ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)局(STA)
154 通信リンク
164 ユーザ機器(UE)
170 コアネットワーク
172 ロケーションサーバ
180 ミリ波(mmW)基地局
182 ユーザ機器(UE)
184 ミリ波(mmW)通信リンク
190 ユーザ機器(UE)
192、194 デバイス間(D2D)ピアツーピア(P2P)リンク
200 ワイヤレスネットワーク構造
204 ユーザ機器(UE)
210 5Gコア(5GC)
212 ユーザプレーン機能
213 ユーザプレーンインターフェース(NG-U)
214 制御プレーン機能
215 制御プレーンインターフェース(NG-C)
220 ニューRAN
222 gNB
223 バックホール接続
224 ng-eNB
230 ロケーションサーバ
250 ワイヤレスネットワーク構造
260 5Gコア(5GC)
262 ユーザプレーン機能(UPF)
263 ユーザプレーンインターフェース
264 アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)
265 制御プレーンインターフェース
266 セッション管理機能(SMF)
270 ロケーション管理機能(LMF)
272 セキュアユーザプレーン位置特定(SUPL)ロケーションプラットフォーム(SLP)
302 ユーザ機器(UE)
304 基地局
306 ネットワークエンティティ
310 ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)トランシーバ
312 受信機
314 送信機
316 アンテナ
318 信号
320 ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバ
322 受信機
324 送信機
326 アンテナ
328 信号
330 衛星測位システム(SPS)受信機
332 処理システム
334 データバス
336 アンテナ
338 衛星測位システム(SPS)信号
340 メモリ構成要素
342 測位構成要素
344 センサ
346 ユーザインターフェース
350 ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)トランシーバ
352 受信機
354 送信機
356 アンテナ
358 信号
360 ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバ
362 受信機
364 送信機
366 アンテナ
368 信号
370 衛星測位システム(SPS)受信機
376 アンテナ
378 衛星測位システム(SPS)信号
380 ネットワークインターフェース
382 データバス
384 処理システム
386 メモリ構成要素
388 測位構成要素
390 ネットワークインターフェース
392 データバス
394 処理システム
396 メモリ構成要素
398 測位構成要素
500 4ステップランダムアクセスプロシージャ
502 基地局
504 ユーザ機器(UE)
600 2ステップランダムアクセスプロシージャ
602 基地局
604 ユーザ機器(UE)
700 3ステップランダムアクセスプロシージャ
702 基地局
704 ユーザ機器(UE)
900 RACHプリアンブル
910 サイクリックプレフィックス(CP)
920 プリアンブルシーケンス
930 ガード期間(GP)
1100 4ステップランダムアクセスプロシージャ
1102 基地局
1104 ユーザ機器(UE)
1200 2ステップランダムアクセスプロシージャ
1202 基地局
1204 ユーザ機器(UE)
1300 3ステップランダムアクセスプロシージャ
1302 基地局
1304 ユーザ機器(UE)
【国際調査報告】