(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】滅菌の有効性を判定するための生物学的インジケータならびにシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20231207BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20231207BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
C12M1/00 C
G01N21/64 B
C12M1/34 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529903
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 US2021061479
(87)【国際公開番号】W WO2022119972
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523180089
【氏名又は名称】ステリテック プロダクツ エムエフジー. カンパニー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ポンス, アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ウン, コク-フィー
(72)【発明者】
【氏名】イェリユール シデゴウダ, ダルシャン
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン, ジェナ
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ダット
(72)【発明者】
【氏名】ロンドン, ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ニッカーボッカー, ジェイク ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】パーキンス, エドワード マクラウド
(72)【発明者】
【氏名】ワーツ, ロバート ジー.
【テーマコード(参考)】
2G043
4B029
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043DA06
2G043EA01
2G043FA03
2G043JA03
2G043KA02
2G043LA03
4B029AA08
4B029BB01
4B029CC02
4B029EA18
4B029EA20
4B029FA02
4B029GA08
4B029GB01
4B029GB02
4B029HA09
4B029HA10
(57)【要約】
生物学的インジケータは、BI筐体と、BI筐体内で発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、発芽剤容器から発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサと、発芽剤リリーサを支持する発芽剤リリーサ支持体であって、発芽剤リリーサ支持体または前記発芽剤容器に力が加えられると、発芽剤リリーサを発芽剤容器に接触させるように構成される、発芽剤リリーサ支持体と、BI筐体内の第1の胞子キャリアであって、その第1の側に堆積された複数の胞子を有する、第1の胞子キャリアと、BI筐体の第1の面にある撮像窓と、を含む。BIリーダは、BI内の生存胞子の存在を検出して定量化するように構成され、励起源と、経時的に胞子の画像をキャプチャするためのカメラと、画像を分析して生存胞子の存在を判定するためのプロセッサと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的インジケータであって、
生物学的インジケータ(BI)筐体と、
前記BI筐体内の発芽剤容器であって、BI起動前に発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、
前記BI筐体の第1の面にある撮像窓と、
前記BI筐体内の第1の胞子キャリアであって、前記第1の胞子キャリアは略平面であり、第1の側及び第2の側を有し、前記第1の胞子キャリアはその前記第1の側に第1の複数の胞子を担持する、前記第1の胞子キャリアと、
を備え、
前記第1の胞子キャリアの前記第1の側及びそこに存在する前記第1の複数の胞子は、前記撮像窓に略平行に配置され、前記撮像窓を通して観察され、
前記発芽剤組成物は、BI起動後に前記第1の胞子キャリア及びそこに存在する前記第1の複数の胞子と接触するように構成される、
前記生物学的インジケータ。
【請求項2】
前記BI筐体は、把持部分と、隆起部分とを備え、前記把持部分及び前記隆起部分は、前記生物学的インジケータの長さ寸法に沿って互いに隣接し、前記隆起部分は、前記発芽剤容器及び前記第1の胞子キャリアのうちの少なくとも一部を収納するように構成される、請求項1に記載の生物学的インジケータ。
【請求項3】
BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成された発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、略平面であり、前記第1の胞子キャリアの前記第2の側に隣接して配置される、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項4】
発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成され、前記発芽剤パッドは、略平面であり、前記第1の胞子キャリアの前記第2の側に隣接して配置され、
前記第1の胞子キャリアは、前記発芽剤パッドと前記撮像窓との間に配置され、
前記第1の胞子キャリア、前記発芽剤パッド、及び前記撮像窓はすべて、略平行平面として積み重ねられた構成で配置される、
請求項1及び2のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項5】
BI起動時に前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサをさらに備え、前記発芽剤リリーサは、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように、BI起動中に移動可能である、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項6】
前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサをさらに備え、前記発芽剤リリーサは、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように、BI起動中に前記第1の胞子キャリア及び前記発芽剤パッドに向かって移動可能であり、前記発芽剤リリーサは、少なくともBI起動中に前記発芽剤パッドを前記第1の胞子キャリアに押し付けて、前記発芽剤パッド及び前記第1の胞子キャリアを所定の位置に保持するように構成される、請求項2~4のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項7】
前記BI筐体は、前記発芽剤容器、前記発芽剤パッド、及び前記胞子キャリアと位置合わせされた開口部を含み、
前記開口部は、BI起動前に前記開口部から滅菌剤が入らないようにシーリングされ、前記開口部は、BI起動中にBIリーダの発芽剤リリース手段を受け入れるように構成される、
いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項8】
生物学的インジケータであって、
生物学的インジケータ(BI)筐体と、
前記BI筐体内の発芽剤容器であって、発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、
前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサと、
前記発芽剤リリーサを支持する発芽剤リリーサ支持体であって、前記発芽剤リリーサ支持体、前記発芽剤リリーサ、または前記発芽剤容器に力が加えられると、前記発芽剤リリーサを前記発芽剤容器に接触させるように構成される、前記発芽剤リリーサ支持体と、
前記BI筐体内の第1の胞子キャリアであって、前記第1の胞子キャリアは、第1の複数の胞子を担持する、第1の胞子キャリアと、
前記BI筐体の第1の面にある撮像窓と、
を備える、前記生物学的インジケータ。
【請求項9】
前記第1の胞子キャリアは略平面であり、第1の側及び第2の側を有し、前記第1の胞子キャリアはその前記第1の側に前記第1の複数の胞子を担持し、前記第1の胞子キャリアの前記第1の側は、前記撮像窓に略平行に配置され、前記撮像窓を通して観察される、請求項8に記載の生物学的インジケータ。
【請求項10】
BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成された発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、略平面であり、前記第1の胞子キャリアの前記第2の側に隣接して配置され、前記発芽剤パッド、前記第1の胞子キャリア、及び前記撮像窓は、積み重ねられた構造である、請求項8及び9のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項11】
BI起動中、前記発芽剤リリーサ及び前記発芽剤リリーサ支持体のうちの少なくとも1つは、前記第1の胞子キャリア及び前記撮像窓に向かって移動可能である、請求項8~10のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項12】
前記発芽剤容器と前記胞子キャリアとの間に発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、ウィッキング材料を含み、前記発芽剤容器から前記胞子キャリアへ向かって前記発芽剤をウィッキングするように構成される、請求項8、9、及び11のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項13】
前記BI筐体は、前記生物学的インジケータの厚さ方向に沿って前記発芽剤リリーサの上の位置または隣接する位置に開口部を画定し、前記開口部、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記胞子キャリア、及び前記撮像窓は、すべて前記厚さ方向に沿って積み重ねられる、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項14】
BI起動前に前記開口部をシーリングするシーラント材料をさらに備え、前記シーラントは、BI起動中に破壊されるように構成される、請求項13に記載の生物学的インジケータ。
【請求項15】
前記BI筐体は、前記開口部とは異なる位置に滅菌剤進入ポートをさらに備える、請求項13及び14のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項16】
前記滅菌剤進入ポートは、前記BI筐体の外周側壁に配置される、請求項15に記載の生物学的インジケータ。
【請求項17】
前記滅菌剤進入ポートと流体連通する第2の胞子キャリアをさらに備え、前記第2の胞子キャリアは第2の複数の胞子を担持する、請求項15及び16のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項18】
前記発芽剤容器は、ガラスアンプル、壊れやすいアンプル、またはバリアによりシーリングされた中空内部を有する外部容器を含む、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項19】
前記発芽剤リリーサ支持体は、
前記発芽剤リリーサを受け入れる発芽剤リリーサ開口部を画定する台座と、
前記台座を支持する複数の支持脚であって、前記台座が前記発芽剤容器の上に配置されるように構成され、前記複数の支持脚のうちの少なくともいくつかは、前記台座に下向きの圧力が加えられた時に、前記発芽剤容器に向かって前記台座を移動させることが可能な柔軟性を有する、前記複数の支持脚と、
を備える、請求項5~18のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項20】
前記BI筐体は、把持部分と、隆起部分とを備え、前記把持部分及び前記隆起部分は、前記生物学的インジケータの長さ寸法に沿って互いに隣接し、前記隆起部分は、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記発芽剤リリーサ支持体、及び前記第1の胞子キャリアのうちの少なくとも一部を収納するように構成される、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項21】
前記BI筐体の前記隆起部分は、前記隆起部分の厚さ方向に沿って前記発芽剤リリーサの上に配置された前記BI筐体の開口部を有し、前記開口部、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記胞子キャリア、及び前記撮像窓はすべて、前記隆起部分内で前記高さ方向に沿って積み重ねられる、請求項20に記載の生物学的インジケータ。
【請求項22】
前記隆起部分は、BI起動前に前記開口部をシーリングするシーラント材料をさらに備え、前記シーラントは、BI起動中に破壊される、請求項21に記載の生物学的インジケータ。
【請求項23】
前記BI筐体の前記把持部分に配置された滅菌剤進入ポートをさらに備える、請求項20~22のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項24】
前記滅菌剤進入ポートは、前記BI筐体の前記把持部分の外周側壁に配置される、請求項23に記載の生物学的インジケータ。
【請求項25】
前記BI筐体の前記第1の面に撮像開口部をさらに備え、前記撮像窓は前記撮像開口部に受け入れられる、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項26】
前記撮像開口部は、オーディンの十字形を有する、請求項25に記載の生物学的インジケータ。
【請求項27】
前記第1の胞子キャリアは、灰色または黒色である、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項28】
前記第1の複数の胞子は、前記撮像窓に面する前記第1の胞子キャリアの面に担持される、請求項8~27のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項29】
前記発芽剤リリーサ支持体は、前記発芽剤リリーサと一体化して、複数の剛性支持脚と、前記発芽剤容器のバリアに向かって延在する複数のリリーサ突起とを有する一体型発芽剤リリーサを形成し、
前記発芽剤容器及び/または前記一体型発芽剤リリーサに力が加えられると、前記複数のリリーサ突起は、前記発芽剤容器の前記バリアを穿刺する、請求項8~28のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項30】
前記発芽剤パッドの面積は、前記第1の胞子キャリアの面積よりも大きい、請求項2~4及び6~29のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項31】
前記第1の胞子キャリアのサイズ及び形状は、通常、前記撮像窓のサイズ及び形状に対応する、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項32】
前記BI筐体内において、前記第2の複数の胞子を担持する前記第2の胞子キャリアは、前記発芽剤の放出時に前記第2の胞子キャリア及び前記第2の複数の胞子が前記発芽剤にさらされないような位置に、配置される、請求項17に記載の生物学的インジケータ。
【請求項33】
BIリーダと係合するために、前記BI筐体の外周面の一部に挿入溝をさらに備える、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータ。
【請求項34】
前記挿入溝は、前記挿入溝の第1の端部及び第2の端部に、またはそれらの近くに、第1の挿入突出部及び第2の挿入突出部を備え、前記第1の挿入突出部及び前記第2の挿入突出部は、前記挿入溝の前記第1の端部及び前記第2の端部に第1の挿入ノッチ及び第2の挿入ノッチを画定する、請求項33に記載の生物学的インジケータ。
【請求項35】
滅菌サイクルの有効性を判定する際に使用するプロセスチャレンジデバイスであって、前記プロセスチャレンジデバイスは、
第1のキャビティ及びタブを画定するトレイと、
前記第1のキャビティをシーリングするために前記トレイに取り付けられるように構成された閉包部分と、
滅菌剤滅菌インテグレータまたは化学的インジケータと、
滅菌剤アクセスポートと、
を備え、
前記第1のキャビティは、いずれかの先行請求項に記載の生物学的インジケータと、前記滅菌剤滅菌インテグレータまたは前記化学的インジケータとを受け入れるように構成され、前記タブは、前記生物学的インジケータと、前記滅菌剤滅菌インテグレータまたは前記化学的インジケータとを分離するように構成される、
前記プロセスチャレンジデバイス。
【請求項36】
滅菌サイクルの有効性を確認するための装置であって、前記装置は、
滅菌剤アクセスポートと、前記滅菌剤アクセスポートと流体連通する1つ以上のキャビティとを有するプロセスチャレンジデバイスを備え、
前記プロセスチャレンジデバイスはさらに、請求項1~34のいずれかに記載の生物学的インジケータと、前記1つ以上のキャビティ内に配置された化学的インジケータまたは滅菌剤滅菌インテグレータとを備える、
前記装置。
【請求項37】
前記プロセスチャレンジデバイスは、トレイと、閉包部分とを備え、前記1つ以上のキャビティは、前記トレイに形成され、前記閉包部分は、前記トレイに取り付けられて、滅菌プロセス中にシールを維持し、及び前記生物学的インジケータと前記化学的インジケータまたは前記滅菌剤滅菌インテグレータとを前記トレイ内に保持し、前記閉包部分は、前記滅菌プロセス後に前記生物学的インジケータを取り出すことができるよう、破られる、または取り除かれるように構成される、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
少なくとも1つの生物学的インジケータ内に生存可能胞子の存在を判定するように構成された生物学的インジケータ(BI)リーダであって、前記生物学的インジケータリーダは、
少なくとも1つのドア開口部及び少なくとも1つのアクセスドアを有するフロントパネルアセンブリを含むリーダ筐体であって、前記アクセスドアは、前記ドア開口部を露出する開放構成と、前記ドア開口部を閉鎖する閉鎖構成との間で移動するように構成され、前記ドア開口部は、前記ドア開口部を通して前記生物学的インジケータを受け入れるように構成される、前記リーダ筐体と、
前記生物学的インジケータを受け入れるように構成され、かつBI窓を有する少なくとも1つのBIベイを、少なくとも部分的に画定するヒータブロックアセンブリと、
前記BIベイの上に配置された発芽剤起動器と、
光学アセンブリであって、
前記BIベイの前記BI窓を通して光を放射するように構成された励起源と、
前記BI窓を通過する画像をキャプチャするように構成されたカメラを有するカメラアセンブリと、
を含む、前記光学アセンブリと、
前記ヒータブロックアセンブリ及び前記光学アセンブリを制御し、前記カメラにより収集された前記画像に関連する情報を収集するように構成されたコントローラと、
を備える、前記生物学的インジケータリーダ。
【請求項39】
前記発芽剤起動器を作動させるように構成されたアクチュエータをさらに備え、
前記BIベイは、上部BIベイ部分と、前記上部BIベイ部分の下に存在する下部BIベイ部分とを備え、
前記発芽剤起動器は、作動されると、前記上部BIベイを通って前記下部BIベイに向かって移動するように構成される、請求項38に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項40】
前記アクチュエータは、ソレノイドバルブにより作動される、請求項39に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項41】
前記光学アセンブリはさらに、
前記ヒータブロックアセンブリの下に配置されたスキャンヘッドアセンブリであって、
前記励起源と、
スキャンヘッド本体と、
第1のミラーと、
を含む、前記スキャンヘッドアセンブリと、
前記スキャンヘッドアセンブリと前記カメラとの間の光路に沿って配置されたミラーマウントであって、前記ミラーマウントは、前記スキャンヘッドアセンブリから前記カメラへ光を反射する第2のミラーを有する、前記ミラーマウントと、
を備える、請求項38~40のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項42】
前記スキャンヘッドアセンブリはさらに、
前記励起源の上の放射レンズと、
前記第1のミラーの上の集光レンズと、
を備える、請求項41に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項43】
前記励起源は、紫外発光ダイオードを備える、請求項38~42のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項44】
前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記生物学的インジケータリーダはさらに、位置調整アセンブリを備え、前記位置調整アセンブリは、
ステッパモータと
ベルトドライブと
リニアガイドブロックと、
を含み、
前記スキャンヘッドアセンブリは、前記リニアガイドブロックに取り付けられ、前記複数のBIベイの下を移動するように構成される、
請求項41及び42のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項45】
前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、それぞれのBIベイは、それぞれのBI窓を有し、前記生物学的インジケータリーダはさらに、位置調整アセンブリを備え、前記位置調整アセンブリは、前記励起源を備え、前記複数のBIベイに沿って移動するように構成され、前記複数のBIベイの前記それぞれのBI窓を通して順番に光を放射するように前記励起源を配置することができる、請求項38~44のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項46】
リアパネルと、
軸流ファンと、
吸気プレナムと、
を含むリアパネルアセンブリを、さらに備える、請求項38~46のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項47】
前記フロントパネルアセンブリはさらに、ラッチを含み、前記アクセスドアは、ラッチプレートを含み、前記アクセスドアが前記閉鎖位置にある時、前記フロントパネルアセンブリの前記ラッチ及び前記アクセスドアの前記ラッチプレートは、係合して前記アクセスドアをロックするように構成される、請求項38~46のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項48】
前記アクセスドアが前記閉鎖位置にある時、前記アクセスドアをロックするように構成されたアクセスドアロックをさらに備える、請求項38~46のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項49】
アクセスドアリリースをさらに備え、
前記アクセスドアリリースが作動されると、前記アクセスドアの前記ラッチプレートが前記フロントパネルアセンブリの前記ラッチから解除され、前記アクセスドアが開く、請求項47に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項50】
アクセスドアリリースをさらに備え、前記アクセスドアリリースが作動されると、前記アクセスドアロックが解除され、前記アクセスドアが開く、請求項48に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項51】
前記アクセスドアリリースは、前記フロントパネルアセンブリのラッチばねと連通し、前記アクセスドアリリースの作動により前記ラッチばねが圧縮され、結果として前記ラッチが移動し、前記ラッチプレートが解除され、前記アクセスドアが開く、請求項49に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項52】
前記アクセスドアリリースは、板ばねを介して前記フロントパネルアセンブリのラッチばねに連結され、前記アクセスドアリリースの作動により前記ラッチばねが圧縮され、前記ラッチが移動し、前記ラッチプレートが解除され、前記アクセスドアが開く、請求項49に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項53】
前記アクセスドアが前記開放構成にあるか前記閉鎖構成にあるかを示す信号を前記コントローラに提供するように構成されたドア位置センサをさらに備える、請求項38~52のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項54】
前記アクセスドアのすべてが前記閉鎖構成にあり、前記生物学的インジケータリーダが作動している時、前記コントローラは、前記アクセスドアの開放を禁止するように構成される、請求項38~52のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項55】
前記少なくとも1つのアクセスドアのすべてが前記開放構成にある時、前記コントローラは、前記生物学的インジケータリーダの動作を禁止するように構成される、請求項38~54のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項56】
前記ヒータブロックアセンブリの温度を感知するように構成された1つ以上の温度センサをさらに備え、
前記1つ以上の温度センサは、温度測定値を前記コントローラに出力し、前記温度測定値に応じて、前記コントローラは、前記ヒータブロックアセンブリの1つ以上の加熱素子から出力される熱を調整する、請求項38~55のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項57】
ディスプレイをさらに備え、
前記1つ以上の温度センサは、温度測定値を前記コントローラに出力し、前記温度測定値に応じて、前記コントローラは、前記温度測定値に関する情報を前記ディスプレイに表示する、請求項56に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項58】
前記生物学的インジケータが前記BIベイに挿入された時、前記BIベイの前記BI窓は、前記生物学的インジケータの撮像窓と位置が合うように構成される、請求項38~57のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項59】
前記BI窓は、UVグレードの溶融シリカクオーツを含む、請求項38~58のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項60】
前記BIベイ内のBIの存在を前記コントローラに通信するように構成されたBI存在センサをさらに備える、請求項38~59のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項61】
前記BIベイは、前記生物学的インジケータが前記BIベイに挿入された時、前記生物学的インジケータの挿入溝の一部と係合して、前記生物学的インジケータを所定の位置に保持するように構成されたBIラッチを備える、請求項38~60のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項62】
前記BIが前記BIベイに挿入されると、前記発芽剤リリースレバーは、前記生物学的インジケータに下向きの圧力を加え、前記BIを起動させるように構成される、請求項38~61のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項63】
前記発芽剤起動器は、前記生物学的インジケータに入り、前記生物学的インジケータ内の発芽剤溶液を放出させるように構成される、請求項38~62のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項64】
前記発芽剤起動器を作動させるように構成された発芽剤起動器アクチュエータをさらに備える、請求項38~63のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項65】
前記発芽剤起動器が作動されると、前記発芽剤起動器アクチュエータは、前記アクセスドアが開放構成に移動することを禁止するように構成される、請求項64に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項66】
前記発芽剤起動器が作動されると、前記アクセスドアが前記開放構成に移動することを禁止するように構成されたアクセスドアロックをさらに備える、請求項38~65のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項67】
前記発芽剤起動器の位置を前記コントローラに通信するように構成された発芽剤起動器位置センサをさらに備える、請求項38~66のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項68】
前記カメラアセンブリは、固定位置に配置される、請求項38~67のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項69】
前記カメラアセンブリは、固定位置に配置され、前記位置調整アセンブリは、さらにミラーを備え、前記ミラーは、前記位置調整アセンブリとともに移動可能である、請求項45に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項70】
前記カメラは、熱電(TE)冷却電荷結合素子(CCD)カメラを含む、請求項38~69のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項71】
前記カメラは、特に胞子の長寿命発光をキャプチャするために、時間ゲートモードで作動するように構成される、請求項38~70のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項72】
時間ゲート撮像を使用して、複数の生物学的インジケータ内に生存可能胞子の存在を判定するように構成された生物学的インジケータ(BI)リーダであって、前記生物学的インジケータリーダは、
複数の開口部を有するリーダ筐体であって、前記複数の開口部を通して前記生物学的インジケータを受け入れる、前記リーダ筐体と、
複数のBIベイであって、前記複数のBIベイのそれぞれは、前記複数の開口部のそれぞれ1つを通してアクセス可能であり、前記複数のBIベイのそれぞれはさらに、前記BIベイへの光及び前記BIベイからの光が通過するように構成されたBI窓を有する、前記複数のBIベイと、
複数の発芽剤起動器であって、前記複数の発芽剤起動器のそれぞれは、前記複数のBIベイのそれぞれ1つに配置され、前記それぞれのBIベイに前記生物学的インジケータが存在する時、前記生物学的インジケータのそれぞれ1つを起動させるように構成される、前記複数の発芽剤起動器と、
光学アセンブリであって、
前記BIベイの前記BI窓を通して順番に光を放射するように構成された移動可能な励起源と、
前記BIベイの前記BI窓を通過する画像をキャプチャするように構成され、時間ゲートモードで作動するように構成されたカメラを有するカメラアセンブリと、
を含む前記光学アセンブリと、
前記光学アセンブリを制御し、前記カメラにより収集された前記画像に関連する情報を収集するように構成されたコントローラと、
を備える、前記生物学的インジケータリーダ。
【請求項73】
前記コントローラは、前記励起源を前記複数のBIベイ間で移動させることと、前記BIベイのうちBIにより占拠されていると特定された前記BIベイの前記BI窓を通して、前記励起源に光を放射させることと、前記BIベイのうち空と特定された前記BIベイの前記BI窓を通して、前記励起源が光を放射することを禁止することと、を実行するように構成される、請求項72に記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項74】
前記複数の発芽剤起動器は、複数の発芽剤リリースレバー及び複数のプッシュロッドのうちの少なくとも1つを備える、請求項72及び73のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項75】
移動可能な位置調整アセンブリをさらに備え、前記位置調整アセンブリは、ミラー及び前記励起源を備え、前記位置調整アセンブリは、前記複数のBIベイに沿って移動するように構成され、前記複数のBIベイの前記それぞれのBI窓を通して順番に光を放射するように前記励起源を配置することができ、及び前記BIベイの前記それぞれのBI窓から順番に光を受け取るように前記ミラーを配置することができる、請求項72~74のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項76】
前記生物学的インジケータが前記それぞれのBIベイに挿入されると、前記発芽剤起動器のそれぞれは、前記複数の生物学的インジケータのそれぞれ1つに圧力を加えて、前記それぞれの生物学的インジケータ内の発芽剤容器の破裂を引き起こすことで、前記生物学的インジケータを起動させるように構成される、請求項72~75のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項77】
前記発芽剤起動器のそれぞれは、前記複数の生物学的インジケータのうちの各自の生物学的インジケータリーダに入り、前記それぞれの生物学的インジケータ内の発芽剤溶液を放出させるように構成される、請求項72~76のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項78】
滅菌プロセスの有効性を判定する方法であって、前記方法は、
生物学的インジケータを提供することであって、前記生物学的インジケータは、事前に滅菌プロセスを受けており、前記生物学的インジケータは、胞子キャリアに堆積した複数の胞子と、発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、を備える、前記提供することと、
前記生物学的インジケータを前記胞子の培養温度に加熱することと、
前記発芽剤組成物が前記胞子キャリアの前記複数の胞子と相互作用するように、前記発芽剤組成物を前記発芽剤容器から前記生物学的インジケータ内に放出することと、
前記生物学的インジケータの窓を通して励起源から光を放射することと、
前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返される光から、カメラを使用して経時的に複数の画像をキャプチャすることと、
前記複数の画像を時間に関して比較して、前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返された前記光の強度に変化が生じたか否かを判定することであって、経時的に前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返された前記光の前記強度の変化は、前記滅菌プロセスの失敗を示す、前記判定することと、
を含む、前記方法。
【請求項79】
前記生物学的インジケータは、複数の生物学的インジケータを含み、前記方法はさらに、
前記複数の生物学的インジケータのうちのそれぞれの前記生物学的インジケータの間で、好ましくは規則的な時間間隔で、前記励起源を移動させることを含む、
請求項態78に記載の方法。
【請求項80】
前記複数の画像を時間に関して前記比較することは、前記画像をピクセルごとに比較することを含む、請求項78または79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出する前に、前記生物学的インジケータを前記滅菌プロセスにさらすことをさらに含む、請求項78~80のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
前記胞子キャリアは、略平面であり、その第1の側に前記複数の胞子を担持し、前記胞子キャリアの前記第1の側は、好ましくは前記生物学的インジケータの前記窓に対して配置され、
前記生物学的インジケータの前記窓を通して前記励起源から光を前記放射することは、前記胞子キャリアの前記第1の側に対して光を放射することを含む、請求項78~81のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
前記胞子キャリアは、略平面であり、その第1の側に前記複数の胞子を担持し、前記胞子キャリアの前記第1の側は、好ましくは前記生物学的インジケータの前記窓に対して配置され、経時的に前記複数の画像を前記キャプチャすることは、前記胞子キャリアの前記第1の側により放射された光から前記複数の画像をキャプチャすることを含む、請求項78~82のいずれかに記載の方法。
【請求項84】
前記生物学的インジケータは、複数の生物学的インジケータを含み、前記方法はさらに、
BIリーダの各BIベイに前記複数の生物学的インジケータのそれぞれを配置することと、
前記BIベイ内の前記生物学的インジケータ間で前記励起源を移動させることと、
前記励起源が前記BIベイに配置されたことを特定し、前記特定に応じて、(i)前記励起源から光を放射し、(ii)前記BIベイに配置された前記生物学的インジケータから前記複数の画像を受信して処理することと、
を含む、請求項78~83のいずれかに記載の方法。
【請求項85】
前記生物学的インジケータは、BIリーダの複数のBIベイのうちの1つに配置され、前記方法はさらに、
前記励起源を前記複数のBIベイ間で移動させて、前記システムの1回のサイクルの間に各BIベイの下で前記励起源を複数回起動させることを含み、
毎回前記励起源が起動している間に前記カメラは画像をキャプチャする、
請求項78~84のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
前記複数の画像を前記キャプチャすることは、実質的に前記胞子キャリア全体の複数の画像をキャプチャすることを含む、請求項78~85のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
前記胞子キャリアは、略平面であり、その第1の側に前記複数の胞子を担持し、
前記複数の画像を前記比較することは、前記胞子キャリアの前記第1の側の複数の画像をピクセルごとに比較することを含む、請求項78~86のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
前記生物学的インジケータをBIリーダのBIベイに配置することをさらに含み、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を前記放出することは、好ましくは前記BIリーダの一部が前記生物学的インジケータに入ることにより、前記BIリーダから圧力を加えることで、前記発芽剤容器を破壊して、前記発芽剤組成物を放出することを含む、請求項78~86のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
前記生物学的インジケータは、発芽剤パッドを備え、前記胞子キャリアは略平面であり、前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、及び前記窓は、積み重ねられた構成であり、
前記方法はさらに、前記生物学的インジケータをBIリーダに配置することと、前記BIリーダを使用して、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させ、その後前記発芽剤組成物を前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、及び前記複数の胞子と接触させることと、を含む、請求項78~85のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
前記生物学的インジケータをBIリーダのBIベイに配置することと、前記BIリーダを使用して、前記生物学的インジケータの外面のシールを破り、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出することと、をさらに含む、請求項78~85のいずれかに記載の方法。
【請求項91】
前記生物学的インジケータは、発芽剤パッドを含み、前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、前記発芽剤容器、及び前記窓が位置合わせされ、前記方法はさらに、前記生物学的インジケータをBIリーダに配置することと、前記BIリーダを使用して、前記発芽剤容器、前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、及び前記窓に向かって圧力を加えることにより、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出することと、を含む、請求項78~85に記載の方法。
【請求項92】
滅菌プロセスの有効性を判定するためのシステムであって、前記システムは、少なくとも1つの生物学的インジケータ内に生存可能胞子の存在を判定するように構成された生物学的インジケータリーダを備え、前記生物学的インジケータリーダは、
前記生物学的インジケータを受け入れるように構成され、BI窓を有する少なくとも1つのBIベイの少なくとも一部を画定するヒータブロックアセンブリと、
前記BIベイの上に配置された発芽剤起動器と、
光学アセンブリであって、
前記生物学的インジケータが前記BIベイに存在する時、前記BIベイの前記BI窓を通して前記生物学的インジケータ内に光を放射するように構成された励起源と、
前記BIベイの前記BI窓を通して反射された画像をキャプチャするように構成されたカメラを有するカメラアセンブリと、
を含む前記光学アセンブリと、
1つ以上のプロセッサを有する制御システムであって、前記1つ以上のプロセッサは、前記ヒータブロックアセンブリを制御するように構成されたヒータ制御モジュールと、前記カメラを制御して、前記カメラによりキャプチャされた画像を受信し処理するように構成されたカメラ制御モジュールと、前記励起源を制御するように構成された励起制御モジュールと、を実行するようにプログラムされる、前記制御システムと、
を備える、前記システム。
【請求項93】
前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記光学アセンブリはさらに、
前記ヒータブロックアセンブリの下に配置されたスキャンヘッドアセンブリであって、
前記励起源と、
スキャンヘッド本体と、
第1のミラーと、
を含む、前記スキャンヘッドアセンブリと、
前記スキャンヘッドアセンブリと前記カメラとの間に存在するミラーマウントであって、前記ミラーマウントは、前記スキャンヘッドアセンブリから前記カメラへ光を反射する第2のミラーを有する、前記ミラーマウントと、
位置調整アセンブリであって、
ステッパモータと、
ベルトドライブと、
リニアガイドブロックと、
を含む、前記位置調整アセンブリと、を備え、
前記スキャンヘッドアセンブリは、前記リニアガイドブロックに取り付けられ、前記複数のBIベイの下を移動するように構成され、
前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサはさらに、前記位置調整アセンブリを制御するように構成された位置調整アセンブリ制御モジュールを実行するようにプログラムされる、
請求項92に記載のシステム。
【請求項94】
前記位置調整アセンブリ制御モジュールは、前記位置調整アセンブリが前記スキャンヘッドアセンブリを所定の閾値限界を超えて前進させることを阻止するためのロックアウトロジックを備える、請求項93に記載のシステム。
【請求項95】
前記生物学的インジケータリーダはさらに、少なくとも1つのドア開口部及び少なくとも1つのアクセスドアを有するフロントパネルアセンブリを含むリーダ筐体を備え、
前記アクセスドアは、前記ドア開口部を露出する開放構成と、前記ドア開口部を閉鎖する閉鎖構成との間で移動するように構成され、前記ドア開口部は、前記ドア開口部を通して前記生物学的インジケータを受け入れるように構成され、
前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つのアクセスドアをロック及びロック解除するように構成されたBIベイドア及びハンドラモジュールを実行するようにプログラムされる、請求項92~94のいずれかに記載のシステム。
【請求項96】
前記生物学的インジケータリーダはさらに、前記発芽剤起動器を作動させるように構成された発芽剤起動器アクチュエータを備え、前記BIベイドア及びハンドラモジュールはさらに、前記発芽剤起動器アクチュエータを制御するように構成される、請求項95に記載のシステム。
【請求項97】
前記生物学的インジケータリーダはさらに、ドア位置センサ、発芽剤起動器アクチュエータ位置センサ、及びBI存在センサから選択された1つ以上のセンサを備え、前記BIベイドア及びハンドラモジュールはさらに、前記1つ以上のセンサと通信するように構成される、請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
前記生物学的インジケータリーダはさらに、前記ヒータブロックアセンブリに1つ以上の温度センサを備え、前記ヒータ制御モジュールは、前記1つ以上の温度センサから信号を受信して処理し、前記1つ以上の温度センサからの前記信号に応じて、前記ヒータブロックアセンブリの加熱素子を制御するように構成される、請求項92~97のいずれかに記載のシステム。
【請求項99】
前記ヒータ制御モジュールは、所定の閾値を超える温度差を示す前記1つ以上の温度センサからの信号に応じて、前記加熱素子の継続的な動作を禁止するように構成される、請求項98に記載のシステム。
【請求項100】
前記ヒータ制御モジュールは、ヒータ電流モニタを実行し、前記ヒータ電流モニタが所定の閾値を超える電流を記録した場合、前記加熱素子の継続的な動作を禁止するように構成される、請求項98に記載のシステム。
【請求項101】
前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記励起制御モジュールは、前記複数のBIベイのうちBIにより占拠されているものを示す信号を前記BIベイドア及びハンドラモジュールから受信し、前記BIベイドア及びハンドラモジュールからの前記信号を処理して、前記複数のBIベイのうち前記励起源の起動を必要とするものと、前記複数のBIベイのうち前記励起源の起動を必要としないものとを特定するように構成される、請求項95に記載のシステム。
【請求項102】
前記励起制御モジュールはさらに、前記励起源の電流を調整し、前記励起源のサイクルを通して電流調整を維持するように構成される、請求項92~101のいずれかに記載のシステム。
【請求項103】
前記励起制御モジュールは、前記励起源の起動のタイミング及び前記励起源の露光の長さ、ならびに前記カメラの起動のタイミング及び前記カメラの露光の長さを制御するように構成される、請求項92~102のいずれかに記載のシステム。
【請求項104】
前記生物学的インジケータリーダはさらに、ディスプレイを備え、前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサはさらに、ユーザと前記ディスプレイのインタラクションを管理するように構成されたユーザインターフェース制御モジュールを実行するようにプログラムされる、請求項92~103のいずれかに記載のシステム。
【請求項105】
前記ユーザインターフェース制御モジュールは、ユーザ入力を受信して処理し、前記ディスプレイ上の前記ユーザへの情報表示を管理するように構成される、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
前記BIが前記BIベイに挿入された後、及び前記滅菌プロセスの有効性を判定するための動作を前記生物学的インジケータリーダが実行する前に、前記制御システムは、ダストチェックを実行するように構成され、前記ダストチェックは、前記スキャンヘッドアセンブリの視野内の高周波数ノイズを調べることを含み、
高周波ノイズの存在は、前記生物学的インジケータリーダの光路に異物が存在することを示す、請求項92~105のいずれかに記載のシステム。
【請求項107】
前記BIが前記BIベイに挿入された後、及び前記滅菌プロセスの有効性を判定するための動作を前記生物学的インジケータリーダが実行する前に、前記制御システムは、結露チェックを実行するように構成され、前記結露チェックは、前記ヒータブロックアセンブリの加熱中に前記BI窓に形成された結露を調べることを含む、請求項92~106のいずれかに記載のシステム。
【請求項108】
前記BIが前記BIベイに挿入された後、及び前記滅菌プロセスの有効性を判定するための動作を前記生物学的インジケータリーダが実行する前に、前記制御システムは、位置調整チェックを実行するように構成され、前記位置調整チェックは、前記スキャンヘッドアセンブリ及び前記位置調整アセンブリを確実に較正し、前記スキャンヘッドアセンブリと前記ヒータブロックアセンブリとの間の所定距離を確認することを含む、請求項93~107のいずれかに記載のシステム。
【請求項109】
前記位置調整チェックは、前記ヒータブロックアセンブリの自己較正ターゲットに向けて光を放射し、前記自己較正ターゲットから反射されたパターンを測定して、前記スキャンヘッドアセンブリと前記ヒータブロックアセンブリとの間の前記所定距離を確認することを含む、請求項108に記載のシステム。
【請求項110】
検出プロトコルを実行する前であるが、前記発芽剤起動器が作動した後に、前記制御システムは、前記BIベイに挿入された前記生物学的インジケータから発芽剤が首尾よく放出されたか否かを検出するように構成される、請求項92~109のいずれかに記載のシステム。
【請求項111】
前記発芽剤が首尾よく放出されたか否かを前記検出することは、経時的に放射された光の平均強度を検出し計算することを含み、
経時的に所定の閾値強度比以上の強度変化は、前記発芽剤が首尾よく放出されたことを示し、前記所定閾値強度より低い強度変化は、前記発芽剤の放出が不適切であったことを示す、請求項110に記載のシステム。
【請求項112】
前記位置調整アセンブリ制御モジュールは、前記複数のBIベイ間で前記スキャンヘッドアセンブリを移動させる前記位置調整アセンブリの動作を制御するように構成され、前記励起制御モジュールは、前記スキャンヘッドアセンブリが前記BIベイの前記BI窓の下に存在する時に、前記励起源を起動させるように構成され、前記カメラ制御モジュールは、前記励起源が起動されるたびに前記カメラがキャプチャした前記画像を受信し処理するように構成される、請求項93~111のいずれかに記載のシステム。
【請求項113】
前記システムの1回のサイクルの間に前記励起源が各BIベイの下で複数回起動するように、前記位置調整アセンブリ制御モジュールは、前記スキャンヘッドアセンブリを前記複数のBIベイ間で循環させるように構成され、前記カメラ制御モジュールは、毎回前記励起源が起動している間に前記カメラがキャプチャした前記画像を受信し処理するように構成される、請求項112に記載のシステム。
【請求項114】
前記カメラは、前記胞子キャリア全体の複数の画像をキャプチャするように構成され、前記カメラ制御モジュールは、前記カメラによりキャプチャされた前記複数の画像をピクセルごとに処理するように構成される、請求項113に記載のシステム。
【請求項115】
請求項92~114のいずれかに記載のシステムを使用して滅菌プロセスの有効性を判定する方法であって、前記方法は、
前記生物学的インジケータを前記滅菌プロセスにさらすことであって、前記生物学的インジケータは、胞子キャリアに堆積した複数の胞子と、発芽剤組成物を収容する発芽剤容器とを備える、前記さらすことと、
前記生物学的インジケータを前記ヒータブロックアセンブリの前記BIベイに挿入して、前記ヒータブロックアセンブリ内の前記生物学的インジケータを前記胞子の培養温度に加熱することと、
前記発芽剤組成物が前記胞子キャリアの前記複数の胞子と相互作用するように、前記発芽剤起動器を作動させて、前記発芽剤組成物を前記発芽剤容器から前記生物学的インジケータ内に放出することと、
前記BIベイの前記BI窓を通して、及び前記生物学的インジケータの撮像窓を通して、前記励起源から光を放射することと、
前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された光から、前記カメラにより経時的に複数の画像をキャプチャすることと、
前記カメラ制御モジュールを使用して、前記複数の画像を時間に関して比較して、前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された前記光の強度のあらゆる変化を特定することであって、経時的に前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された前記光の前記強度の変化は、前記滅菌プロセスの失敗を示す、前記特定することと、
を含む、前記方法。
【請求項116】
前記生物学的インジケータは、複数の生物学的インジケータを含み、前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、
前記生物学的インジケータを前記BIベイに挿入することは、前記複数の生物学的インジケータのそれぞれを前記BIベイのそれぞれ1つに挿入することを含み、前記方法はさらに、前記複数のBIベイのうちのそれぞれの前記BIベイの間で前記励起源を移動させることを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記光学アセンブリはさらに、
前記複数のBIベイ間を移動可能なスキャンヘッドアセンブリを備え、前記スキャンヘッドアセンブリは、
前記励起源と、
スキャンヘッド本体と、
第1のミラーと、
を備え、
前記方法はさらに、
前記スキャンヘッド本体、前記励起源、及び前記第1のミラーを、前記複数のBIベイの第1のBIベイに移動させることと、
前記第1のBIベイの前記BI窓を通して、及び前記第1のBIベイ内の前記生物学的インジケータの前記撮像窓を通して、前記励起源から光を放射することと、
前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された光を、前記第1のミラーを使用して、前記カメラに向かう経路に沿って反射させることと、
を含む、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記複数の画像を時間に関して前記比較することは、前記画像をピクセルごとに比較することを含む、請求項115~117のいずれかに記載の方法。
【請求項119】
前記BI筐体は、把持部分と、隆起部分とを備え、前記把持部分及び前記隆起部分は、前記生物学的インジケータの長さ寸法に沿って互いに隣接し、前記隆起部分は、前記発芽剤容器、発芽剤リリーサ、発芽剤リリーサ支持体、及び前記第1の胞子キャリアのうちの少なくとも一部を収納するように構成される、請求項1~7のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項120】
前記BI筐体の前記把持部分に配置された滅菌剤進入ポートをさらに備える、請求項2または119のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項121】
前記BI筐体の前記隆起部分は、前記BI筐体の開口部を有し、前記開口部、前記発芽剤容器、前記胞子キャリア、及び前記撮像窓はすべて、前記隆起部分内で高さ方向に沿って積み重ねられる、請求項2または119~120のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項122】
前記BI筐体の前記隆起部分は、前記隆起部分の厚さ方向に沿って発芽剤リリーサの上に配置された前記BI筐体の開口部を有し、前記開口部、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記胞子キャリア、及び前記撮像窓はすべて、前記隆起部分内で前記高さ方向に沿って積み重ねられる、請求項2または119~121のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項123】
前記隆起部分は、BI起動前に前記開口部をシーリングするシーラント材料をさらに備え、前記シーラントは、BI起動中に破壊可能である、請求項121~122のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項124】
前記BI筐体は、
滅菌中及びBI起動前に滅菌剤が入らないようにシーラント材料でシーリングされた開口部であって、前記シーラント材料は、BI起動の際、生物学的インジケータリーダにより破壊可能である、前記開口部と、
滅菌中に前記BI筐体に滅菌剤が入る経路を提供する別個の滅菌剤開口部と、
を備える、請求項1~7または119のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【請求項125】
前記生物学的インジケータリーダは、
存在する場合、前記励起源から、生物学的インジケータ(BI)ベイ内へ、及び前記BIベイ内の各BIの窓を通して、光を放射することと、
前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返される光から、前記カメラを使用して経時的に複数の画像をキャプチャすることと、
特に前記コントローラを使用して、前記複数の画像を時間に関して比較して、前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返された前記光の強度のあらゆる変化を特定することであって、経時的に前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返された前記光の前記強度の変化は、前記滅菌プロセスの失敗を示す、前記特定することと、
を実行するように構成される、請求項38~77または92のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【請求項126】
前記複数の画像を時間に関して前記比較することは、前記画像をピクセルごとに比較することを含むように構成される、請求項125に記載の生物学的リーダ。
【請求項127】
前記システムの1回のサイクルの間に各BIベイで前記励起源を複数回起動させるように構成され、前記励起源が起動されるたびに、前記カメラを使用して画像をキャプチャするように構成される、請求項38~77、92、または124~126のうちの1項に記載の生物学的リーダ。
【請求項128】
発芽剤起動器は、存在する時、前記各BIベイ内の前記生物学的インジケータ(BI)に入ることで、前記BI内の発芽剤容器を破壊して、前記発芽剤容器内の発芽剤組成物を放出させるように構成される、請求項38~77、92、または124~127のうちの1項に記載の生物学的リーダ。
【請求項129】
前記BIリーダは、存在する場合、前記BIベイ内の前記生物学的インジケータ(BI)の外面のシールを破るように構成される、請求項38~77、92、または124~128のうちの1項に記載の生物学的リーダ。
【請求項130】
前記生物学的インジケータリーダは、存在する場合、BIの胞子キャリアにおける個々の生存胞子を検出するように構成され、特に、異なる時点で現れる発光信号を検出することにより個々の生存胞子を検出するように構成される、請求項38~77、92、または124~129のうちの1項に記載の生物学的リーダ。
【請求項131】
前記生物学的インジケータリーダは、存在する場合、特に複数のキャプチャされた画像をピクセルごとに比較することにより、前記BIベイ内の前記BIの胞子キャリアにおける生存胞子の数を定量化するように構成される、請求項38~77、92、または124~129のうちの1項に記載の生物学的リーダ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
いくつかの業界では、特定の機器は、再利用され得る前に滅菌される必要がある。このような必要性のある最大かつ最も有名な業界のうちの1つは、医療業界であり、この業界では、使用の安全性を確保するために、手術器具から、日常的な医療デバイス、特定のインプラントに至るまで、様々な機器を滅菌する必要がある。一般に、滅菌処置は、滅菌チャンバ内で、生存能力のあるすべての生体を死滅させるように設計される。しかし、対象物は、様々な危険度及び死滅難易度を有する多数の異なる種類の細菌で汚染され得るため、滅菌は困難であり得る。よって、滅菌処理ごとに有効性を検査して、処理にかけられた機器が処理により正常に滅菌されたかを判定することが一般的である(一部の業界では必須である)。
【0002】
滅菌処理が成功したか否か(例えば致死条件を十分に達成したか否か)を評価するために、通常、滅菌インジケータが、滅菌対象の機器と一緒に滅菌プロセスにかけられる。次に、これらの滅菌インジケータを分析して、一緒に処理された機器に関する滅菌処理が成功したか否かが判定される。滅菌インジケータの1つの種類として、化学的インジケータが知られており、これは、滅菌プロセスの臨界パラメータのうちの1つ以上に応答し、通常、滅菌プロセスに関する情報を提供するために、色が変化する、または終点を伴うムービングフロント方式を有する。しかし、化学的インジケータは、滅菌の成功の大まかな尺度を示すだけであるため、不確かであり得る。
【0003】
別の種類の滅菌インジケータとして、生物学的インジケータ(または「バイオインジケータ」)が知られている。生物学的インジケータは通常、インジケータに封入された細菌胞子の集団を含み、これは、滅菌対象の機器と同じ滅菌処理にかけられる。生物学的インジケータを使用する現在の滅菌保証技術は、生物学的インジケータ内の微生物生存の直接測定に少なくとも1日要する(及び間接測定に少なくとも20分要する)アッセイを利用する。これらのアッセイのほとんどは、微生物生存の間接測定に依存しており、微生物生存を定量化していない。例えば、間接測定は、蛍光などの特定の測定基準で全体的な変化を調べ、滅菌が有効であった可能性の有無を判定するために使用される。しかし、このような間接測定の精度は、関心対象の生物学的変化とは無関係の外生要因の影響を受けやすいため、これらの間接方法の信頼性は低くなる。さらに、現在の滅菌保証技術は、多くの場合、これらの微生物生存非定量測定に依存しており、単純に陽性結果(微生物生存、よって滅菌の失敗を示す)または陰性結果(微生物生存の非検出、よって滅菌の成功を示す)を返す。これらの従来のアッセイの性質上、陽性結果または陰性結果は、24時間後(直接測定の場合)または20分後(間接測定の場合)にのみ返され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態によれば、滅菌プロセス(または「処理」)の有効性を判定するためのデバイス、システム、及び方法により、従来のツール及び方法を使用した場合に現在必要とされる時間の何分の一かの時間内に、滅菌保証結果を返すことが可能となる。本開示の実施形態の態様は、滅菌プロセス(または「処理」)の有効性を判定する精度が改善された生物学的インジケータ、プロセスチャレンジデバイス、及び生物学的インジケータリーダを対象とする。本開示の実施形態の態様は、生物学的インジケータリーダにおいて複数の生物学的インジケータの滅菌検査を併行して提供し、これにより、同じ機器で比較的迅速な滅菌保証が可能となる。本開示の実施形態の態様はまた、滅菌後の生物学的インジケータにおける生存胞子(複数可)の存在の直接測定を提供する生物学的インジケータ及び生物学的インジケータリーダを提供する。
【0005】
添付図面は、本開示の例示的実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。図面は、本開示の例示的実施形態を示し、説明とともに、本開示の発明概念(複数可)の原理を明らかにするのに役立つ。図面では、別段の指定がない限り、全体を通して同様の参照番号は同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の実施形態による、生物学的インジケータ(BI)の斜視図である。
【
図2】
図1の生物学的インジケータ(BI)の側面図である。
【
図3】
図1の生物学的インジケータ(BI)の第1の外郭の上面図である。
【
図4】
図3のIV-IV線に沿った
図3の第1の外郭の断面図である。
【
図5】
図1の生物学的インジケータ(BI)の第2の外郭の上面図である。
【
図6】
図5のVI-VI線に沿った
図5の第2の外郭の断面図である。
【
図8】本開示の実施形態による、発芽剤リリーサ支持体の斜視図である。
【
図9】
図8の発芽剤リリーサ支持体の上面図である。
【
図10】
図9のX-X線に沿った
図9の発芽剤リリーサ支持体の断面図である。
【
図11】
図8の発芽剤リリーサ支持体の底面図である。
【
図12】本開示の実施形態による、生物学的インジケータ(BI)の分解斜視図である。
【
図13】本開示の実施形態による、生物学的インジケータ(BI)の分解斜視図である。
【
図14】
図13の生物学的インジケータ(BI)の第2の外郭の断面図である。
【
図15】
図13の生物学的インジケータ(BI)の発芽剤容器の斜視図である。
【
図17】
図13の生物学的インジケータ(BI)の発芽剤リリーサの斜視図である。
【
図19】本開示の実施形態による、プロセスチャレンジデバイスの底面図である。
【
図20】
図19のプロセスチャレンジデバイスの側面図である。
【
図21】
図19のプロセスチャレンジデバイスのトレイの斜視図である。
【
図22】本開示の実施形態による、蒸気滅菌インテグレータの上面図である。
【
図23】
図22の蒸気滅菌インテグレータの底部の斜視図である。
【
図24】
図19のプロセスチャレンジデバイスの分解斜視図である。
【
図25】本開示の実施形態による、プロセスチャレンジデバイスのトレイの斜視図である。
【
図26】
図25のプロセスチャレンジデバイスのトレイの側面図である。
【
図28】本開示の実施形態による、
図25のプロセスチャレンジデバイス及び生物学的インジケータ(BI)の分解斜視図である。
【
図29】本開示の実施形態による、生物学的インジケータ(BI)リーダの斜視図である。
【
図30】
図29の生物学的インジケータ(BI)リーダのフロントパネルの前面の正面図である。
【
図32】
図29の生物学的インジケータ(BI)リーダのフロントパネルアセンブリの分解斜視図である。
【
図33】
図29の生物学的インジケータ(BI)リーダのフロントパネルアセンブリのアクセスドアの斜視図である。
【
図34】
図29の生物学的インジケータ(BI)リーダのフロントパネルに取り付けられたアクセスドアの開放構成での側面図である。
【
図35】
図29の生物学的インジケータ(BI)リーダのヒータブロックアセンブリの斜視図である。
【
図36】
図35のヒータブロックアセンブリの分解斜視図である。
【
図37】本開示の実施形態による、生物学的インジケータ(BI)が挿入される前の、
図35のヒータブロックアセンブリの第1のプレートの生物学的インジケータベイの上面図である。
【
図38】本開示の実施形態による、生物学的インジケータ(BI)を挿入している間の、
図35のヒータブロックアセンブリの第1のプレートの生物学的インジケータ(BI)ベイの上面図である。
【
図39】本開示の実施形態による、生物学的インジケータ(BI)が挿入された後の、
図35のヒータブロックアセンブリの第1のプレートの生物学的インジケータ(BI)ベイの上面図である。
【
図40】
図35のヒータブロックアセンブリの第2のプレートの上面斜視図である。
【
図42】生物学的インジケータ(BI)が挿入された後で生物学的インジケータ(BI)リーダが作動中の、
図35のヒータブロックアセンブリの生物学的インジケータ(BI)ベイの側面図である。
【
図43】
図35のヒータブロックアセンブリのシャトルの斜視図である。
【
図45】本開示の実施形態による、生物学的インジケータ(BI)リーダのドアインターロックばね及びアクセスドアを有するシャトルの側面図である。
【
図46】本開示の実施形態による、自己較正ターゲットの底面斜視図である。
【
図47】本開示の実施形態による、ヒータブロックアセンブリ、位置調整アセンブリ、ミラーマウント、及びカメラアセンブリの斜視図である。
【
図49】
図47の位置調整アセンブリのスキャンヘッドアセンブリの分解斜視図である。
【
図53】
図29の生物学的インジケータ(BI)リーダの背面図である。
【
図54】
図29の生物学的インジケータ(BI)リーダの分解斜視図である。
【
図55】本開示の実施形態による、制御システムの概略図である。
【
図56】本開示の実施形態による、制御システム内の位置調整アセンブリ制御モジュールの概略図である。
【
図57】本開示の実施形態による、制御システム内の生物学的インジケータ(BI)ベイヒータ制御モジュールの概略図である。
【
図58】本開示の実施形態による、制御システム内の生物学的インジケータ(BI)ベイドア及びハンドラの制御モジュールの概略図である。
【
図59】本開示の実施形態による、制御システム内のカメラ制御モジュールの概略図である。
【
図60】本開示の実施形態による、制御システム内の励起制御モジュールの概略図である。
【
図61】本開示の実施形態による、制御システム内のユーザインターフェース制御モジュールの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の実施形態によれば、生物学的インジケータリーダ、方法、及びシステムは、従来のツール及び方法を使用した場合に現在必要とされる時間の何分の一かの時間内に、滅菌有効性の正確な判定を提供する。例えば、数多くの従来の滅菌有効性技術は、滅菌処理が成功したか否かに関する通知を提供するのに24時間以上要するが、本開示の実施形態によるBIリーダ、システム、及び方法は、わずか数分以内に有効性判定を返すことができる。これは、従来の滅菌有効性技術に対する劇的な改善を表しており、これにより、検査滅菌処置にかけられた機器は、現在の滅菌有効性検査技術使用した場合よりも、はるかに早く使用することが可能となる。
【0008】
本開示の実施形態は、滅菌プロセス(本明細書では互換的に「滅菌処理」とも称される)の有効性を判定するためのシステムを対象とする。本開示及び添付の特許請求の範囲の全体を通して、「滅菌プロセスの有効性を判定すること」は、「滅菌保証」という句と互換的に使用され、両方の用語は、同じこと、すなわち滅菌プロセス(または処理)が成功したか否か(例えば生物学的インジケータ内の細菌胞子を死滅させる場合)を評価することを指す。本開示の実施形態の態様は、生物学的インジケータ(または「バイオインジケータ」または「BI」)100、プロセスチャレンジデバイス(本明細書では互換的に「PCD」とも称される)200、及びバイオインジケータリーダ(本明細書では互換的に「生物学的インジケータリーダ」または「BIリーダ」とも称される)300を対象とする。本開示の実施形態の態様はさらに、生物学的インジケータ100及び/またはPCD200、ならびにBIリーダ300を利用して、滅菌有効性を判定する方法を対象とする。例えば、本開示の実施形態のいくつかの態様では、方法は、BI100及び/またはPCD200を滅菌処置(または滅菌処理)にかけることと、滅菌処理の完了後、生物学的インジケータ100をBIリーダ300に挿入することと、を含み得、BIリーダ300はその後、生物学的インジケータ100を検査して、BIが受けた滅菌処理が有効であったか否かを判定する。
【0009】
図1~
図12を参照すると、例示的実施形態によれば、生物学的インジケータ100は、BI筐体110、発芽剤容器160、発芽剤リリーサ170、胞子キャリア180、及び撮像窓190を含む。BI筐体110は、発芽剤容器160、発芽剤リリーサ170、及び胞子キャリア180を収納する。下記でより詳しく論述されるように、撮像窓190により、BIリーダ300の光学アセンブリが、胞子キャリア180における胞子活動を撮像することが可能となる。
【0010】
BI筐体110は特に限定されず、下記でさらに論述されるように、BI筐体110が発芽剤容器160、発芽剤リリーサ170、及び胞子キャリア180を収納し得るように、及びBI筐体110がBIリーダ300により受け入れられ得るように、及びいくつかの実施形態では、BI筐体110がPCD200により受け入れられ得るように、BI筐体110は任意の適切な形状を有し得る。実施形態によれば、例えば、BI筐体110は、平面図では略長円形(すなわち略スタジアム形状)を有し、BI筐体110の長さ方向YBIに沿ったBIの長さLBIを有し、これは、BI筐体110の幅方向XBIに沿ったBIの幅WBIより大きい。BIの長さLBI及びBIの幅WBIは、特に限定されないが、BIリーダ300内に適合するように選択され得る。例えば、いくつかの実施形態では、生物学的インジケータ100の第1の端部100aをBIリーダ300に挿入し易くするために、ユーザがその反対側の第2の端部100bで生物学的インジケータ100を比較的容易に把持できるように、BIの長さLBIは選択され得る。いくつかの実施形態では、例えば、BIの長さLBIは、BIの幅WBIの約2倍~4倍大きくあり得、例えば、BIの幅WBIの約2倍~3倍大きく、約2.5倍~3倍大きく、約2.6倍~約2.9倍大きく、または約2.75~約2.8倍大きくあり得る。
【0011】
図1を参照すると、BI筐体110は、第1の外郭(例えば上部部分または上部外郭)120と、第2の外郭(例えば下部外郭または下部部分)130とを含み得、これらは互いに嵌合して、BI筐体110を形成する。しかし、本開示はこれに限定されず、例えばBI筐体110の内部に収納する内容物を安全かつ確実にBI筐体110の内部に挿入できるのであれば、BI筐体110は一体的に形成されてもよく、またはBI筐体110は、追加の構成要素で形成されてもよい。
【0012】
嵌合した第1の外郭120及び第2の外郭130を含む実施形態では、第1の外郭120及び第2の外郭130の構成及び嵌合輪郭は、同様に特に限定されず、BI筐体110内に収納された内容物をしっかりと封入するのに適した任意の構成または嵌合輪郭であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の外郭120及び第2の外郭130は、通常、BI筐体110の外周115に沿って嵌合し得る。外周115は、通常、BI筐体の厚さを均等に二分し得る。しかし、いくつかの実施形態では、
図1及び
図2に概して示されるように、外周115は、BI筐体の厚さ寸法に対して傾きまたは斜めであり得、これにより、第2(または下部)外郭の薄い端部130a及び厚い端部130bが作られる(例えば
図6に示されるように)。
【0013】
BI筐体110の材料は、特に限定されず、検査滅菌処理中にさらされる滅菌状態(例えばオートクレーブ状態)に耐えることができ、BI筐体110の内容物を安全かつ確実に収納できる任意の材料であり得る。BI筐体110のこのような材料のいくつかの非限定的な例として、ポリプロピレンホモポリマーなどが挙げられる。
【0014】
図3を参照すると、実施形態によれば、第1の外郭120は、第2の端部100bに、第1の端部100aに向かって延在する把持部分120bと、第1の端部100aに、把持部分120bから生物学的インジケータ100の厚さ方向Z
BIに隆起する隆起部分120aとを有する(例えばBI筐体110が組み立てられる時、隆起部分120aは第2の外郭130から離れる方向に隆起する)。いくつかの実施形態では、平面図で見た時、隆起部分120aは略円形を有し得るが、本開示はこれに限定されず、隆起部分は、BI100がBIリーダ300内に適合する任意の適切な形状を有し得る。また、隆起部分120aの直径(または他の寸法)は、通常、BIの幅W
BIに対応し得る(または等しくあり得る)が、先と同様に、本開示はこれに限定されず、隆起部分120aは、BIがリーダ内に適合するのであれば、任意の適切な寸法を有し得る(BIの幅W
BIを越えて延在し得る寸法も含む)。下記でさらに論述されるように、隆起部分120aは(第2の外郭130の対応部分とともに)BI筐体110の内部にキャビティを画定し、ここには、発芽剤リリーサ170、発芽剤容器160の少なくとも一部、及び胞子キャリア180が収納される。
【0015】
実施形態によれば、隆起部分120aは、開口部(例えば貫通孔)121を画定し得、これは、BIリーダ300内の発芽剤リリースレバー401を受け入れるように構成される。下記でさらに論述されるように、発芽剤リリースレバー401が作動されると、開口部121により、発芽剤容器160の破裂が可能となる。実施形態によれば、開口部121は、BI起動前に滅菌剤が入ることを防ぐために、シーリングされ得る。この目的のために、任意の適切なシーラント材料が使用され得、このようなシーラントの非限定的な一例として、ホイルシーラントが挙げられる。BIが起動されると、発芽剤リリースレバー401は、開口部121に進入しながらシールを破る。しかし、生物学的インジケータ100がオートクレーブチャンバまたは他の滅菌チャンバ内に配置される場合、滅菌剤がBI筐体110に入ることを可能にするために、開口部121も開いた状態のままであり得る(すなわちシールは省かれ得る)。
図1、
図3、及び
図4に示されるように、開口部121は、通常、隆起部分120aの中央に配置されるが、本開示はこれに限定されない。下記でさらに論述されるように、実際に、作動時にBIリーダ300の発芽剤リリースレバー401が開口部に入ることができるのであれば、及び発芽剤容器160を破裂させるように発芽剤リリースレバー401を作動させることが開口部121の位置により可能となるのであれば、開口部121は、隆起部分上の任意の場所に配置され得る。
【0016】
実施形態によれば、滅菌剤が開口部121を通って入ることを防ぐために、開口部121は、シーリングされ得、例えば(上記で論述されたように)ホイルで加熱シーリングされ得る。このような実施形態では、BI筐体110は、滅菌剤開口部121’(
図6参照)を含み得、これは、開口部121とは別個であり、滅菌中にBI筐体110に滅菌剤(例えば蒸気)が入る代替経路(または追加経路)を提供する。滅菌剤開口部121’は、第1の外郭120上または第2の外郭130上のいずれかを含む、BI筐体110上の任意の適切な場所に配置され得る。いくつかの実施形態では、例えば、滅菌剤開口部121’は、BI筐体110の第2の端部100bに、例えば第2の外郭130に、画定された貫通孔であり得る(
図6に示されるように)。いくつかの実施形態では、滅菌剤開口部121’は、下記でさらに論述されるように、第2の外郭130の陥凹137aに画定された貫通孔であり得る(
図14参照)。さらに、ここでは滅菌剤が入らないように開口部121がシーリングされた実施形態に関連して滅菌剤開口部121’は論述されているが、いくつかの実施形態では、BIは、シーリングされていない開口部121(滅菌剤が入ることを可能にする)も、滅菌剤開口部121’(滅菌剤が入るように追加通路を提供する)も、両方とも有し得る。
【0017】
実施形態によれば、第1の外郭120はさらに、例えば矢印または三角形など、第1の端部100aの方向を指す視覚的インジケータ122を含み得、これは、生物学的インジケータ100をBIリーダ300へ挿入する方向に対応する。把持部分120bは、生物学的インジケータ100を容易にマーキング及び/またはラベリングするために、ラベル126(例えばステッカー)を受け入れるように構成されたラベル部分123を含み得る(例えば
図12参照)。ラベル部分123はまた、直径がより小さい略長円形を有し得るが、本開示はこれに限定されず、ユーザが把持部分120bの表面に識別情報を追加できるように、ラベル部分123は、任意の適切な形状を有し得る。実施形態によれば、ラベル部分123は、ステッカーを容易に貼り付ける及び/または取り除くことができるように、及び/またはユーザがラベル部分123に容易に直接書き込むことができるように、テクスチャ加工されていない(例えば滑らかである)。いくつかの実施形態では、ラベル部分123は、第1の外郭の表面の窪み部分(また陥凹)により画定される(
図1に概略的に示されるように)。しかし、ラベル部分123は、単に第1の外郭120の把持部分120bの表面の一部であってもよく、第1の外郭120の表面で視覚的に識別可能なアーチファクトまたは途絶により画定されなくてもよい(すなわち第1の外郭120の把持部分120bの表面は、実質的に連続的で滑らかであってもよい)ことが、理解されよう。
【0018】
図4を参照すると、いくつかの実施形態によれば、BI筐体120が組み立てられる時、第1の外郭120の下縁部は、長さ方向Y
BIに対して角度が付けられ得る。例えば、第1の外郭120の上面の少なくとも一部が長さ方向Y
BIと平行にならないように、第1の外郭120の上面は、長さ方向Y
BIに対して角度θ
BIを形成し得る。上記で概して論述され、下記でより詳しく論述されるように、いくつかの実施形態では、長さ方向Y
BIに対する角度θ
BIは、第2の外郭130のより厚い端部130a及びより薄い端部130bにより作られ得る。このような実施形態では、単独(第2の外郭と未嵌合状態)で検討した場合の第1の外郭120は、長さ方向Y
BIに対して略平行な輪郭を有し得るが、第2の外郭とともに組み立てられると(すなわち嵌合されると)、非平行な(すなわち傾斜したまたは斜めの)輪郭を得る。
【0019】
例示的実施形態によれば、第1の外郭120の内面124は、その外周に沿って1つ以上の(またはいくつかの実施形態では複数の)溝125を含み得、これらは、第2の外郭130の外周上の対応する突起139と嵌合する(例えばしっかりと嵌合する)ように構成される。しかし、第1の外郭120及び第2の外郭130の嵌合構成は、溝125と突起139のこの相互作用に限定されず、代わりに、BI筐体110が受ける予定の滅菌プロセスの状態に耐えられるようにBI筐体110をしっかりと閉鎖するのに適した任意の構成であり得る。例えば、第1の外郭と第2の外郭との任意の適切なスナップ嵌め係合、摩擦嵌め係合、または締り嵌め係合が使用されてもよく、または第1の外郭と第2の外郭は、例えば接着剤などにより、より固定的に互いに取り付けられてもよい。
【0020】
図5~
図7を参照すると、実施形態によれば、第2の外郭130も、平面図で見た時、略長円形を有する。第2の外郭130の底部131は、撮像窓190を受け入れる底部開口部(例えば貫通孔)132を画定する。底部開口部132は、生物学的インジケータ100の第1の端部100aの領域に形成される。実施形態によれば、BI筐体110の第1の外郭120と第2の外郭130が互いに嵌合されると、底部開口部132の中心Cは、厚さ方向Z
BIに沿って開口部121と位置合わせされる(例えば真下に積み重ねられる)。しかし、底部開口部132はこれに限定されず、底部開口部132は、撮像窓を受け入れることができるように、及びBIリーダ300が撮像窓を通して胞子を撮像することができるように、第2の外郭130上の任意の場所に配置され得ることが、理解されよう。
【0021】
実施形態によれば、底部開口部132は、
図5及び
図7に示されるように、「オーディンの十字」形を有し得る。例えば、底部開口部132は、円形部分と、円形部分から延在する複数の突起、例えば円形部分を越えて延在する等辺十字形状の4つの突起と、を有し得る。しかし、本開示の実施形態はこれに限定されず、底部開口部132は、任意の適切な形状を有し得る。底部開口部132の例示的なオーディンの十字形は、突起領域で空気を通過させることにより、胞子キャリア180が膨らむ可能性を低減することができ、これにより、胞子キャリア180の両側で等しい(または実質的に等しい)圧力が維持される。
【0022】
図7を参照すると、第2の外郭130の底部131はさらに、窓ノッチ133を含み、これは、底部開口部132を取り囲み、窓ノッチ133の中に撮像窓190を受け入れるように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態によると、撮像窓は透明であり、よって、底部開口部132が見える状態が維持され得、これを使用して、生物学的インジケータ100をBIリーダ300に挿入する時に、生物学的インジケータ100の正確な位置合わせを特定することが促進される。撮像窓190は、限定されることなく、任意の適切な材料であり得る。適切なこのような材料のいくつかの非限定的な例として、熱可塑性ポリマー、例えばポリメチルペンテンなどが挙げられる。実施形態によれば、生物学的インジケータ100はさらに、底部開口部132に撮像窓190を保持する保持リング191を含み得る。保持リング191は、限定されることなく任意の適切な材料で作製され得、その非限定的な例として、アルミニウム6061が挙げられる。例えば撮像窓190及び保持リング191が窓ノッチ133内に比較的容易に挿入され得るように、窓ノッチ133は、円形を有し得る。しかし、本開示はこれに限定されず、窓ノッチ133は、任意の適切な形状を有し得る。保持リング191は、例えば気密シールを作ることはないが、空中浮遊生物が底部開口部132を通ってBI筐体110に入ることを依然として防ぎながら、撮像窓190を窓ノッチ133にシーリングすることができる。
【0024】
実施形態によれば、第2の外郭130はさらに、発芽剤容器160を保持するチャネル134を含み得る。例えば、チャネル134は、生物学的インジケータ100の中心近くに形成されてもよく、生物学的インジケータ100の第1の端部100aに面する開放端部を有してもよい。しかし、チャネルの位置はこれに限定されず、第2の外郭内で、発芽剤容器160を保持するのに適した任意の場所に配置され得る。いくつかの実施形態では、チャネル134は、平面図で見た時に略U字形を有するチャネル壁135により画定され得、チャネル壁135は、第2の外郭130の底部131から離れる厚さ方向Z
BIに延在する。いくつかの実施形態では、
図7に見られるように、例えば底部131から延在する一対の溝を作ることにより、チャネル壁135は、形成され得る。
図5に示されるように、チャネル壁135は、1つ以上の連結部分135aを含み得、これは、U字形チャネル壁135を第2の外郭130の側壁136に連結する。いくつかの実施形態では、チャネル壁135の安定性を高めるため、第2の外郭130は、複数の連結部分135aを含み得る。チャネル底面135bは、発芽剤容器160の形状に実質的に対応する形状を有し得る。例えば、チャネル底面135bは、丸みを帯びた形状または面取りされた形状を有し得、丸みを帯びたバイアル形状を有し得る発芽剤容器160を収容する。チャネル底面135bはまた、チャネル底面135bが生物学的インジケータ100の第1の端部100aに向かって傾斜するように、厚さが変化し得る(例えば
図6参照)。
【0025】
実施形態によれば、チャネル壁135は、発芽剤容器160を受け入れる角度が付けられている。よって、発芽剤165は、重力によって下方に流れ、発芽剤165と発芽剤パッド185との接触がさらに促進され得る。
【0026】
実施形態によれば、第2の外郭130はさらに、生物学的インジケータ100の第2の端部100bの領域に、突出部137を含み得、これは、長さ方向YBIに沿って側壁136とチャネル壁135との間に配置される。突出部137は、生物学的インジケータ100の幅WBIよりもわずかに小さい直径の円形を有し得、これにより、第2の外郭130の底部131の外面に陥凹137aが形成される。しかし、本開示はこれに限定されず、突出部137は、任意の適切な形状を有し得、及び/または省略され得る。いくつかの実施形態によれば、陥凹137aは、生物学的インジケータ100が滅菌剤にさらされたか否かを示すプロセスインジケータ137bを受け入れるように、サイズが決定され得る。
【0027】
第2の外郭130はさらに、底部131から厚さ方向Z
BIに延在する側壁136を含む。側壁136の外向き面は、第1の端部100aに挿入溝138を含み得、これは略U字形を有する。挿入溝138は、BIリーダ300のBIベイ375及び/またはBIラッチ384と嵌合するように構成され、これにより、BIリーダ300に生物学的インジケータ100を適切に挿入することが容易になる。挿入溝138はまた、挿入溝138のそれぞれの端部付近の挿入溝138の両側に、挿入突出部138aを含み得、これらはそれぞれ、
図2に示されるように、挿入溝138のそれぞれの端部に挿入ノッチ138bを画定する。例えば、BIラッチ384のリブ387を受け入れる挿入ノッチ138bが画定され、BIラッチ384が生物学的インジケータ100と接触している間は生物学的インジケータ100の取り外しが抑制されることで、BIリーダ300のBIベイ375へ生物学的インジケータ100の挿入後、挿入突出部138aにより、BIラッチ384が生物学的インジケータ100を所定の位置にしっかりと保持することが可能となる。挿入溝138は、生物学的インジケータ100の第1の端部100aを囲むように配置され得、生物学的インジケータ100の両側で対称であり得るが、本開示はこれに限定されない。実施形態によれば、生体インジケータ100は、挿入溝138の片側のみに、挿入ノッチ138b及び挿入突出部138aを含んでもよい。
【0028】
第2の外郭130はさらに、側壁136の外面に突起139を含み得、これらは、第1の外郭120の溝125としっかりと嵌合するように構成される。実施形態によれば、溝125が第2の外郭130に形成されてもよく、突起139が第1の外郭120に形成されてもよいことが、理解されよう。さらに、当技術分野で知られており、上記で概して論述されたように、第1の外郭120及び第2の外郭130をしっかりと留めるための他の手段が使用されてもよい。側壁136の少なくとも一部の上縁部は、角度θ
BIに等しいが正負逆の角度で形成され得ることも、理解されよう。言い換えると、第1の外郭120と第2の外郭130が互いにぴったりと嵌合するように、側壁136の少なくとも一部は、長さ方向Y
BIから下に角度θ
BIで形成され得る(例えば
図6及び
図2を参照)。
【0029】
実施形態によれば、生物学的インジケータ100はさらに、発芽剤リリーサ支持体140を含み得、これは、BI筐体110内で、例えば、生物学的インジケータ100の第1の端部100a近くに、第1の外郭120の隆起部分120aの下に、収納される。発芽剤リリーサ支持体140は、発芽剤リリーサ170を収納し(または収容し)、発芽剤リリーサ支持体140は、例えば厚さ方向ZBIに力を加えることにより、発芽剤リリーサ170を発芽剤容器160と接触させるように構成される。例示的実施形態によれば、発芽剤リリーサ支持体140は、サドル形状を有し得る。
【0030】
図8~11を参照すると、いくつかの実施形態によれば、発芽剤リリーサ支持体140は、台座141、複数の支持脚142、中央脚143、発芽剤リリーサ開口部144、及びタブ145を含み得る。台座141は、平面図で見た時に略半円形を有し得、丸みを帯びた部分が生物学的インジケータ100の第1の端部100aに面している。実施形態によれば、幅方向X
BIに沿った台座141の幅は、BIの幅W
BIより小さい。よって、発芽剤リリーサ支持体140は、BI筐体110に抵触することなく、BI筐体110に容易に設置され得る。
【0031】
支持脚142はそれぞれ、長さ方向YBIに沿って台座141から離れて第2の端部100bに向かって延在する延長部分142aと、台座141とは反対側にある延長部分142aの端部から厚さ方向ZBIの下方へ延在する突出部分142bと、を含み得る。生物学的インジケータ100が組み立てられた時に、支持脚142がチャネル134及び発芽剤容器160にまたがるように、支持脚142は、幅方向XBIに沿って台座141の両端に形成され得る。さらに、支持脚142は、台座141の上面141aから厚さ方向ZBIにずらして配置され得る。発芽剤リリーサ支持体140がBI筐体110に挿入されると、突出部分142bは、連結部分135aのうちの連結部分を越えて延在するように構成され、これにより、発芽剤リリーサ支持体140の相対的配置が維持される。実施形態によれば、支持脚142は、台座141上で、延長部分142aが連結部分135aの上面に載り得る高さに配置される。上記で論述されたように、この構成により、隙間嵌めまたは締り嵌めを要することなく、発芽剤リリーサ支持体140の比較的容易な配置及び位置合わせが可能となり、隙間嵌めまたは締り嵌めは、製造中に問題及び遅延を生じ得、発芽剤リリーサ支持体140に下向きの力が加えられると、発芽剤リリーサ支持体140の柔軟性を制限する。
【0032】
中央脚143は、中央脚延長部分143aと、中央脚突出部分143bと、を含み得る。生物学的インジケータ100が組み立てられた時に、中央脚143がチャネル134及び発芽剤容器160の上に配置されるように、中央脚143は、幅方向XBIに沿って台座141の略中央部分に配置され得る。しかし、本開示はこれに限定されず、下記でさらに論述されるように、中央脚143が発芽剤容器160と接触可能な状態が維持されるのであれば、中央脚143は、発芽剤リリーサ支持体140上の任意の場所に配置され得る。中央脚延長部分143aは、長さ方向YBIに沿って台座141から離れて延在し得、長さ方向YBIに沿った支持脚142の長さより短い長さを、長さ方向YBIに有し得る。発芽剤容器160及び発芽剤リリーサ支持体140がBI筐体110の中に存在する時、中央脚143は、発芽剤容器160の上に配置されるように構成される。下記でさらに論述されるように、中央脚突出部分143bは、厚さ方向ZBIの下向きに延在し、発芽剤リリーサ支持体140に力が加えられると(例えばBIリーダ300の発芽剤リリースレバー401の作動時に)発芽剤容器160に接触するように構成され、発芽剤リリーサ170の下向きの力を発芽剤容器160に集中させるばねとして作用する。
【0033】
支持脚142により、厚さ方向ZBIに沿った発芽剤リリーサ支持体140の柔軟な移動が可能となるように、発芽剤リリーサ支持体140は、任意の適切な材料で作製され得る。例えば、発芽剤リリーサ支持体140は、ポリマー材料で形成され得(ポリプロピレンなどを含む非限定的な例)、これは、(厚さ方向ZBIに沿って)下向きの圧力が加えられた時に台座141の動きを可能にするのに十分な弾力性を有するが、チャネル134に対して支持脚142を所定位置に維持するのに十分な強度を有する。
【0034】
実施形態によれば、発芽剤リリーサ支持体140はさらに、台座141から下向きに突出するタブ145を含む。BIが非起動状態である時、中央脚突出部分143b及びタブ145は、発芽剤容器160の表面から垂直に離間されている。上記で論述されたように、BIが起動されると(すなわちBIリーダ300の発芽剤リリースレバー401が作動すると)、発芽剤リリースレバー401により加えられた力が、支持脚142のばね力に打ち勝ち、次に中央脚突出部143b及びタブ145を発芽剤容器160に接触させる。この接触時、中央脚突出部分143b及びタブ145のそれぞれは、発芽剤リリーサ170の下向きの力を発芽剤容器160に(例えば発芽剤容器の直径にわたって)集中させるばねとして作用する。
【0035】
台座141はさらに、発芽剤リリーサ開口部144を画定し、これは、発芽剤リリーサ170を受け入れ、発芽剤リリーサ170と発芽剤リリーサ支持体140との配置を維持するように構成される。例えば、発芽剤リリーサ開口部144は、幅方向XBIに沿った長さを有する略円筒形を有し得る。実施形態によれば、BIリーダの発芽剤リリースレバー401の作動時に発芽剤リリーサ170が発芽剤容器160に確実に接触するように(下記でさらに論述される)、発芽剤リリーサ開口部144の長さは、幅方向XBIに沿った発芽剤容器160の幅よりも大きい。発芽剤リリーサ開口部144は、発芽剤リリーサ開口部144の長さ方向に沿って互いに向かって延在する1つ以上(または複数)のストッパ146を含み得る。ストッパ146は、発芽剤リリーサ支持体140に下向きの圧力が加えられた時、台座141上方の発芽剤リリーサ開口部144から発芽剤リリーサ170が出ることを防ぐように機能する。別の言い方をすれば、ストッパ146は、BIリーダ300の発芽剤リリースレバー401の作動時(下記でさらに論述される)、発芽剤リリーサ開口部144内に発芽剤リリーサ170を維持するように機能し、これにより、発芽剤リリーサ170は確実に、発芽剤容器160を破裂または破損するのに十分な力で発芽剤容器160に接触する。
【0036】
生物学的インジケータ100がBIベイ375に挿入された後、発芽剤リリースレバー401が作動され、これにより、発芽剤リリースレバー401は、生物学的インジケータ100の開口部121内に延在し、生物学的インジケータ100の内部の構成要素に下向きの圧力を加える。より具体的には、発芽剤リリースレバー401は、発芽剤リリーサ支持体140に対し(直接または滅菌剤膜105を介して)下方に押し付けられ、発芽剤リリーサ支持体140は、底部131に向かって下方に押される。発芽剤リリーサ支持体140は下向きに曲がり、発芽剤リリーサ170を発芽剤容器160と接触させ、これにより、発芽剤容器160を破裂させ、発芽剤165をBI筐体110内に放出させる。発芽剤165は、発芽剤パッド185に向かって下方に流れ、発芽剤パッド185が発芽剤165を捕捉し(例えば吸収し)、発芽剤165は発芽剤パッドを通って胞子キャリア180へ送られる(例えばウィッキングされる)。滅菌プロセスが成功した場合、胞子キャリア180における胞子181は滅菌プロセス中に死滅し、この時点で胞子からDPAが放出された。これらの死滅した胞子からのDPAは、発芽剤の光輝性成分により結合され、BIリーダ300により検出されるDPAの静的バックグラウンドレベルが生成され得る。しかし、胞子キャリアにおける胞子のうちのいずれかが滅菌プロセス完了後も生存可能で残った場合、これらの胞子は、発芽剤化合物と接触すると発芽し、発芽時にDPAを放出する。これらの生存可能胞子からDPAが放出されると、DPAは光輝性成分により結合され、静的バックグラウンドレベル(このようなバックグラウンド信号が存在する場合)を超えるDPA信号として、BIリーダ300により検出される。このDPA信号の検出及び区別は、下記でさらに詳しく論述される。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、生物学的インジケータ100はさらに、発芽剤パッド185を含み得る。発芽剤パッド185は、発芽剤容器160の下に配置されたウィッキング層であり得る。発芽剤パッド185は、発芽剤容器160が破裂した後に発芽剤容器160から排出される発芽剤(例えば発芽剤流体)165をウィッキングすることができる任意の材料を含み得る。適切なこのようなウィッキング材料の非限定的な例として、綿ベース及びセルロースベースの材料、及び当業者には既知の任意の他のウィッキング材料が挙げられる。
【0038】
発芽剤容器160が破裂すると、発芽剤容器160から放出された発芽剤165は、発芽剤パッド185を通って、発芽剤パッド185の下に配置された胞子キャリア180へ移送(またはウィッキング)される。発芽剤パッド185のウィッキング(または移送)機能は、通常、発芽剤パッド185の材料により提供され、これは、上記で概して記されたように、発芽剤溶液の組成及び特性を有する流体を、例えば毛細管様作用により、ウィッキングまたは移送するのに適した任意の材料であり得る。よって、発芽剤パッド185を通した胞子キャリア180への発芽剤165の比較的制御された送達が、発芽剤パッド185により提供される。
【0039】
発芽剤パッド185は、パッドを通して胞子キャリア180に発芽剤165を移送することができるのであれば、限定されることなく任意の適切な形状及びサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、例えば、
図12に示されるように、発芽剤パッド185は、略長方形の形状を有し得る。示されるように、発芽剤165が胞子キャリア180へ効率的かつ十分な量で確実に送達されるように、発芽剤パッド185の面積(すなわち幅×長さ)は、胞子キャリア180の面積よりも大きくあり得る。さらに、いくつかの実施形態では、発芽剤パッド185の面積がより大きいことで、発芽剤パッドは、破損した発芽剤容器160のあらゆる不良断片を保持し、これらの断片が胞子キャリア180を汚染するのを防ぐことが可能となる。この目的を促進するために、いくつかの実施形態では、発芽剤パッド185はまた、発芽剤容器160を保持するチャネル134にはまるように構成された突起を、略長方形本体上に含み得る。発芽剤パッド185の形状が略長方形ではない実施形態では、発芽剤パッド185は、少なくとも一部がチャネル134内に延在する任意の他の形状を有し得る。
【0040】
胞子キャリア180は、細菌胞子181を収容することができる任意の支持材料を含み得る。胞子181は、滅菌プロセスの有効性の判定に使用するのに適した任意の細菌胞子181であり得る。滅菌の有効性を判定するために選択された細菌胞子は、検査を行う滅菌プロセスの種類によって異なり得る。通常、死滅させるのが特に難しいという理由で耐性の高い細菌種が選択されるため、滅菌有効性の評価は、より正確になる。従来、ゲオバチルス(Geobacillus)属及びバチルス(Bacillus)属の細菌が、例えば蒸気滅菌などの滅菌に高耐性であるため、使用されてきた。したがって、胞子キャリア180における胞子181には、これらの属の細菌が含まれ得るが、本開示はこれらに限定されず、例えばクロストリジウム(Clostridium)属の細菌など、滅菌有効性の判定に使用することが知られている任意の細菌胞子が、非限定的に使用され得る。
【0041】
胞子181は、非限定的に任意の適切な手段及び方法により、胞子キャリア180に付けられ得る。実施形態によれば、例えば、細菌は、アルコール(例えばエタノールまたは40%エタノール)に懸濁され得、胞子181は、約1.0×107胞子/0.1ml~約3.0×107胞子/0.1mlの胞子集団を含み得る。胞子181は、121℃の蒸気でのD値が約1.9~約2.1分のD値範囲を有し得る。実施形態によれば、約200,000個の胞子181が胞子キャリア180に付けられ得、いくつかの実施形態では、少なくとも100,000個の胞子181が胞子キャリア180に付けられる。実施形態によれば、発芽剤165が胞子キャリア180にしみ込んでから胞子181に到達するように、胞子181は、胞子キャリア180の底面(すなわち撮像窓190に面する胞子キャリア180の表面)に付けられる。これは、発芽剤165の流れで胞子181が浸され過ぎた状態になることを防ぎ、胞子181が浸され過ぎた状態は、BIリーダ300による測定に影響を与え得る。
【0042】
胞子181が胞子キャリア180を通過しないように、及び滅菌手続き処置中(例えばオートクレーブ処置中)に受ける高温に胞子キャリア180が耐えられるように、胞子キャリア180は、十分な有孔率及び密度を有する任意の適切な材料で形成され得る。例えば、胞子キャリア180は、約0.1~約0.8μm、約0.2~約0.4μm、または約0.3μmの孔径を有し得る。下記でさらに論述されるように、実施形態によれば、胞子キャリア180は、灰色または黒色を有し得、これにより、生物学的インジケータ100の検査中のバックグラウンド補正を向上させることが可能となる。染料が細胞毒性を有さないのであれば、任意の適切な染料を使用して、胞子キャリア180を灰色または黒色に着色することができる。適切な胞子キャリア材料の非限定的な例として、ポリセロファン材料、及びポリエステル材料(例えばポリエチレンテレフタレート)などのセロファンベース材料が挙げられる。
【0043】
滅菌処置中に死滅した胞子181のいずれからも、ジピコリン酸(DPA)が放出された。これらの死滅した胞子181により放出されたDPAは、バックグラウンドDPAレベルに拡散し得、これは、BIリーダ300の光学アセンブリを介して検出され得る(下記でさらに論述される)。いくつかの実施形態では、BIリーダによる早期DPA測定が、キャリア上の既知の細菌胞子集団に基づく予想レベルと一致する場合、BI内の胞子が滅菌処置中に十分に滅菌剤にさらされたことが早期に示される。逆に、早期DPA測定がDPAの不在または予想閾値よりも低いDPA放出を示す場合、滅菌プロセスが失敗したこと、またはBI内の胞子が十分に滅菌剤にさらされなかったことが示され得る。胞子181のうちのいずれかが滅菌後も生存可能で残った場合、生存可能胞子181は、発芽剤165にさらされて発芽し、自らのDPAを放出し、これにより、胞子の発芽(したがって胞子の残存)及び滅菌の失敗を示す経時的DPAスパイクが生じる。これは、下記でさらに詳しく論述される。
【0044】
胞子キャリア180の形状及びサイズは、特に限定されず、細菌胞子181の集団を保持するのに適した任意の形状及びサイズであり得る。しかし、下記でさらに論述されるように、いくつかの実施形態では、胞子キャリア全体が、BIリーダ300により撮像され、ピクセルごとに分析され得るように、胞子キャリアは、撮像窓190以下の大きさである。いくつかの実施形態によれば、例えば、胞子キャリア180は、通常、サイズ及び形状が撮像窓190に対応するディスク形状を有し得る。実施形態によれば、胞子181が底部開口部132の中心に位置するように、胞子181は胞子キャリア180に堆積されるため、BIリーダ300の光学アセンブリは、底部開口部132の中心に(したがって胞子181の位置に)、位置を合わせられ得る。胞子181は、任意の適切な方法に従って、胞子キャリア180に堆積される。例えば、液体中に懸濁した状態の胞子181が堆積している間に真空を適用して流体を抽出して、胞子キャリア180に胞子181の乾燥堆積を作ることより、胞子181は、胞子キャリア180に堆積され得る。よって、堆積後に胞子181が胞子キャリア180上を移動する可能性が低減する。いくつかの実施形態によれば、胞子キャリア180は、親水性を向上させるために前処理され得る。よって、より効果的に発芽剤溶液165が胞子181へ運ばれ得、アーチファクトを撮像する可能性が低減し得る。適切な親水化処置の例として、UV露光、またはプラズマ酸素などが挙げられるが、本開示はこれらに限定されない。
【0045】
上記に概して記されたように、発芽剤容器160は、発芽剤(すなわち発芽剤溶液または液体)165を収容する。発芽剤容器160が発芽剤溶液165を保持して、滅菌プロセスの状況(例えばオートクレーブの高熱及び蒸気)に耐えることができ、及びリーダ300により作動された発芽剤リリーサ170が発芽剤容器160を破損または破裂できるのであれば、発芽剤容器160の材料及び構造は、特に限定されない。当業者は好適なこのような材料を選択することができるであろうが、非限定的な一例として、ガラスが挙げられる。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、発芽剤容器160は、ガラス製のアンプル(ampuleまたはampoule)であり得る。発芽剤容器160が滅菌サイクル(例えばオートクレーブサイクル)中に発芽剤165を含むように、及び発芽剤リリーサ170により発芽剤容器160に圧力が加えられた時に発芽剤容器160が破裂するように、発芽剤容器160は、任意の適切な厚さを有する。1つ以上の実施形態によれば、発芽剤リリーサ170は、金属、またはセラミックなどを含むダボであり得るが、本開示はこれらに限定されない。発芽剤リリーサ170が発芽剤容器160を破裂させる可能性を高めるために、発芽剤リリーサ170(例えばダボなど)の幅方向XBIの長さは、発芽剤容器160の幅方向XBIの幅よりも大きくあり得る。例示的実施形態によれば、発芽剤リリーサ170は、球形(BBなど)、または発芽剤容器160の破裂を可能にする任意の他の適切な形状及び密度を有し得る。
【0047】
実施形態によれば、生物学的インジケータ100はさらに、発芽剤容器160の周りに設けられたガーゼまたは他のラップを含み得、これは、発芽剤容器160を破裂させることにより生じた発芽剤容器160の破片(例えばアンプルのガラス片)を収集するのに役立つ。
【0048】
発芽剤溶液165が滅菌プロセスの滅菌状況にさらされないように(例えばオートクレーブで生成される蒸気にさらされないように)、発芽剤溶液165は、発芽剤容器160内に収容される。発芽剤溶液は、少なくとも発芽剤化合物及び光輝性成分を含み、さらに溶媒、例えば水を含み得る。実施形態によれば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)などの界面活性剤が発芽剤溶液165に添加され得、これにより、胞子キャリア180が発芽剤溶液165にさらされた時に、胞子キャリア180の親水性がさらに向上する。発芽剤化合物は、特に限定されず、胞子キャリア180に担持された細菌胞子181の発芽を誘導することができる任意の化合物であり得る。当業者は、例えば胞子キャリアに担持された細菌胞子の種類に基づいて、好適なこのような発芽剤化合物を選択することができるであろう。適切な発芽剤の非限定的な例として、L-アラニン、1つ以上の単糖と化合したカリウム、及びバリンとイソロイシンの化合物が挙げられる。
【0049】
光輝性成分も、特に限定されないが、細菌胞子により放出されたDPAの光発光を可視光範囲で引き起こすまたは強めるのに適した成分であるべきであり、これにより、BIリーダ300による放出DPAの検出可能性が向上する。適切なこのような成分の非限定的な例として、ランタニド錯体、例えばランタニドイオン及び対イオンを含む錯体が挙げられる。当業者には理解されるように、「ランタニド」には、周期表の元素57~71、すなわち、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gb、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuが含まれる。いくつかの実施形態では、光輝性化合物のランタニドイオンには、La、Ce、EuまたはTb、例えばEuまたはTbが含まれ得、いくつかの実施形態では、ランタニドイオンはTbであり得る。当業者はランタニド錯体に好適な陰イオンを選択することができるが、いくつかの非限定的な例として、ハロゲン化物(例えば塩化物、フッ化物、臭化物、またはヨウ化物)が挙げられる。いくつかの実施形態では、例えば、陰イオンは塩化物であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、光輝性成分には、塩化テルビウム六水和物が含まれる。Ponce et al.による「Method bacterial endospore quantification using lanthanide dipicolinate luminescence」と題する米国特許第7,306,930号、Ponceによる「Method and apparatus for detecting and quantifying bacterial spores on a surface」と題する米国特許第7,608,419号、Ponceによる「Method and apparatus for detecting and quantifying bacterial spores on a surface」と題する米国特許第7,611,862号、Ponceによる「Method and apparatus for detecting and quantifying bacterial spores on a surface」と題する米国特許第9,469,866号、Ponceによる「Method and apparatus for detecting and quantifying bacterial spores on a surface」と題する現在出願中の米国特許出願第15/283,268号、Ponceによる「Method and apparatus for detecting and quantifying bacterial spores on a surface」と題する米国特許第9,816,126号、Ponceによる「Apparatus and method for automated monitoring of airborne bacterial spores」と題する米国特許第7,563, 615号、Ponce et al.による「Methods and apparatus for assays of bacterial spores」と題する現在放棄された米国特許出願第10/355,462号、Ponce et al.による「Methods and apparatus and assays of bacterial spores」と題する米国特許第8,173,359号、Ponce et al.による「Methods and apparatus for assays of bacterial spores」と題する現在放棄された米国特許出願第13/437,899号、Ponce et al.による「Methods and apparatus for assays of bacterial spores」と題する米国特許第10,612,067号、Ponce et al.による「Methods and apparatus for assays of bacterial spores」と題する米国特許出願第16/841,534号、これらの文献のそれぞれは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれ、これらに開示される、発芽剤溶液組成物を含む方法、システム、及び装置も利用され得ることが、当業者には理解されよう。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、生物学的インジケータ100はまた、第1の外郭120の隆起部分120aと発芽剤リリーサ支持体140との間に配置された滅菌剤膜105を含み得る。滅菌剤膜105は、滅菌剤透過性(例えば蒸気透過性)であり、滅菌剤がBI100の内部にアクセスすることを可能にする。滅菌剤膜105の材料は、滅菌剤を透過するものであれば、特に限定されない。適切な滅菌剤膜材料の非限定的な例として、セルロースベースの紙及びクラフト紙、例えば40ポンドのクラフト紙が挙げられる。滅菌剤膜105は、限定されることなく、任意の適切な形状及びサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、例えば滅菌剤膜は、略円形を有し得、第1の外郭120の隆起部分120aの内側に適合するように構成され得る。実施形態によれば、滅菌剤膜105は、省略されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、生物学的インジケータ100はさらに、胞子キャリア180から離れた第2の位置に、二次胞子キャリア及び二次胞子を含み得る。生物学的インジケータ100が滅菌プロセスを受ける時、二次胞子も滅菌剤にさらされる。しかし、BIリーダ300で生物学的インジケータ100が起動されると、二次胞子は、胞子キャリア180における胞子181とは異なり、発芽剤165にさらされず、代わりにBIリーダ300から得られた結果を検証するために、基準培養検査で使用され得る。実施形態によれば、二次胞子は、チャネル壁135の外側、例えばチャネル壁135と側壁136との間に配置され得る。
【0052】
実施形態による生物学的インジケータ100は、以下のように組み立てられ得る。最初に、胞子キャリア180が第2の外郭130の内側で底部開口部132の上に配置され、胞子181が胞子キャリア180に堆積される。次に、撮像窓190が、第2の外郭130の窓ノッチ133に挿入され、保持リング191を使用して所定の位置に固定される。発芽剤パッド185は、胞子キャリア180の上に配置される。発芽剤容器160がチャネル134内に留まり、第2の外郭130の底部131に向かって下向きに角度が付けられるように、発芽剤容器160は、発芽剤パッド185の上でチャネル134内に配置される。発芽剤リリーサ170は、通常、発芽剤リリーサ支持体140が挿入される前に、発芽剤リリーサ開口部144内に挿入される。発芽剤リリーサ支持体140は、撮像窓190の上にある発芽剤容器160の一部の上に配置され、よって、支持脚142の延長部分142aは連結部分135aの上に載り、中央脚143は発芽剤容器160の別の部分の上に載った状態になる。いくつかの実施形態では、発芽剤リリーサ170は独立型であり、すなわちBIの別の構成要素に取り付けられておらず、BI内で一定量の遊動を享受する。滅菌剤膜105が発芽剤リリーサ支持体140の上に配置され、第1の外郭120が滅菌剤膜105の上に配置され、よって、隆起部分120a、滅菌剤膜105、発芽剤リリーサ支持体140、発芽剤リリーサ170、発芽剤容器160、胞子キャリア180、及び撮像窓190が、積み重ねられた構成になる(例えば
図12参照)。次に、第1の外郭120の溝125と、第2の外郭130の突起139とが(またはその逆も然り)一緒に嵌合され、BI筐体110がしっかりと固定される。プロセスインジケータ137bが、BI筐体110の組み立て前、組み立て中、または組み立て後に陥凹137aに取り付けられてもよく、省かれてもよい。
【0053】
図13~
図18は、発芽剤リリーサ170’の上に取り付けられた発芽剤容器(例えばシーリングされた発芽剤リザーバ)160’を含む代替的な生物学的インジケータ100’を示し、発芽剤リリーサ170’及び発芽剤容器160’は両方とも第2の外郭130’内に収容され、前述の発芽剤リリーサ支持体140が省略される。生物学的インジケータ100’の様々な特徴は、生物学的インジケータ100に関して前述された特徴と実質的に同じである。よって、これに関する追加説明は、省略される場合がある。
【0054】
本開示の実施形態によれば、発芽剤容器160’は、発芽剤リリーサ170’の上に取り付けられ得る。下向きの圧力が発芽剤容器160’に加えられると、発芽剤リリーサ170’は、発芽剤容器160’のバリア161’を穿刺するように構成される。
【0055】
発芽剤容器160’は、発芽剤165を収容する中空内部を有する外側容器162’を含み得る。外側容器162’の材料は、滅菌状況に耐え、発芽剤溶液165を確実に収容できるものであれば、特に限定されない。いくつかの実施形態では、発芽剤容器はポリマー材料でできており、この非限定的な例として、ポリプロピレンホモポリマーが挙げられる。外側容器162’は、バリア161’でシーリングされ、例えばアルミニウムホイルが外側容器162’の底部に加熱シーリングされ得る。バリア161’は、下記でさらに論述されるバリア161’と発芽剤リリーサ170’のリリーサ突起171’との接触面における摩擦浸食のリスクを排除するのに、十分頑丈である。
【0056】
通常状態、すなわち非起動状態では(すなわち発芽剤リリースレバー401により発芽剤容器160’が押下されていない時)、第1の外郭120の内面と、外側容器162’の上部163’との間には、間隙(例えば約1mmの間隙)が存在し得る。間隙は、BI筐体110内での発芽剤容器160’の横方向の動きを可能にし得る。外側容器162’の上部163’は、複数の半径方向の滅菌剤放出経路(例えば半径方向の蒸気放出チャネル)164’を有し得、これは、生物学的インジケータ100が滅菌処理を受けている時に、BI筐体110の内部に向かう滅菌剤の流れを促進する。滅菌剤放出経路164’はまた、滅菌剤膜105が滅菌剤容器160’の上部163’に対して平たく崩壊して、滅菌剤の流入が遮断される、または滅菌剤の流入の確率が低減するのを、防ぎ得る。滅菌剤膜105は、BI筐体110の内側への滅菌剤のアクセスを制限するように、変形可能であり得、滅菌剤への抵抗を高められ得る。
【0057】
BIリーダ300の発芽剤リリースレバー401により発芽剤容器160’が押下されると、発芽剤容器160’の外側容器162’は圧力下で歪まないように構成され、発芽剤容器160’はその全体が、発芽剤リリーサ170’に向かって上から垂直に(厚さ方向ZBIに沿って)下方へ動かされ、これにより、バリア161’のシーリングが破壊され、圧力により発芽剤165が排出される。発芽剤165の加圧排出により、BIリーダ300の動作のための再現性及び放出速度が提供され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、上記で概説されたように、滅菌剤開口部121’が、第2の外郭130’の陥凹137aに形成され得る。例えば、突出部137の短い円周(または外周)側壁137cにより陥凹137aが画定され得、滅菌剤開口部121’が円周(または外周)側壁137cに形成されて、BI筐体のキャビティすなわち内部への滅菌剤のアクセスが提供され得る。
図14に示されるように、第2の外郭130’はさらに、発芽剤容器160’及び発芽剤リリーサ170’を収納する略円筒形の側壁136’を含み得る。
【0059】
図17~
図18を参照すると、発芽剤リリーサ170’は、発芽剤リリーサ170’の本体部分172’から延在する(例えば半径方向に延在する)複数の支持脚173’(例えば3本の支持脚173’)を含み得る。支持脚173’は、発芽剤リリーサ170’の本体部分172’を、第2の外郭130の底部131から分離し得る。本体部分172’は、厚さ方向Z
BIに沿って上方へ発芽剤容器160’に向かって突起するリリーサ突起171’を含む。リリーサ突起171’は、発芽剤容器160’の底部でバリア161’と係合するように構成される。発芽剤容器160’が本体部分172’に向かって押下されると、リリーサ突起171’がバリア161’に押し付けられ、バリア161’により形成されたシーリングを破り、これにより発芽剤165が放出される。本体部分172’は、本体部分172’の外周に1つ以上のリリーサノッチ174’を含み得、これは、発芽剤容器160’のバリア161’が破裂した時に、発芽剤165が発芽剤リリーサ170’を超えて発芽剤パッド185へ向かって流れるように促進する。
【0060】
実施形態によれば、発芽剤容器160’を早まって破裂させる(例えば不注意で破裂させる)ことなく、発芽剤容器160’が重力により本体172’の上に安全に載ることができるように、発芽剤リリーサ170’は、リリーサ突起171’を含むいかなる鋭い縁または尖った上向きの面も有さない。
【0061】
発芽剤リリーサの材料は、発芽剤リリーサ170に関連して上記で概して論述されたように、特に限定されない。いくつかの実施形態では、例えば、発芽剤リリーサ170’は、ポリプロピレンホモポリマーで作製され得る。
【0062】
シーリングされたホイルを利用した発芽剤容器160’は、例えば、比較的長い保管寿命及び滅菌サイクル中の耐久性を提供し得る。しかし、ホイルバリア161’は、滅菌処置(例えばオートクレーブサイクル)の後に続く乾燥時間中に機能しなくなる場合があり、バリア161’は、外側容器162’からある程度分離する場合がある。バリア161’に適切な材料を選択することにより、分離の可能性は低減され得る。
【0063】
便宜上、下記の詳細説明では、生物学的インジケータ100を参照する。しかし、生物学的インジケータ100’を含む他の実施形態を、プロセスチャレンジデバイス200及びBIリーダ300と共に利用することができることは、理解されよう。
【0064】
図19~
図24を参照すると、生物学的インジケータ100は、滅菌プロセスを受ける前に、プロセスチャレンジデバイス(PCD)200に挿入され得る。いくつかの実施形態では、PCD200は、トレイ210、閉包部分240、滅菌剤滅菌インテグレータ(またはケミカルインテグレータ)250、及びBI100を含み得る。
【0065】
実施形態によれば、トレイ210は、第1のキャビティ220、第2のキャビティ230、及び滅菌剤アクセスポート215を画定し得る。第1のキャビティ220は、生物学的インジケータ100の形状(すなわちBI筐体110の形状)に対応する形状を有し、生物学的インジケータ100を「下向き」構成で受け入れるように構成され、すなわち、第1の外郭120は第1のキャビティ220に面して接触し、底部131は、第1のキャビティ220から離れる方向に面する。第2のキャビティ230は、滅菌剤滅菌インテグレータ250を受け入れるように構成される。第1のキャビティ220及び第2のキャビティ230は、互いに流体連通している。いくつかの実施形態では、滅菌剤アクセスポート215は、第1のキャビティ220と第2のキャビティ230との間のトレイ210の中央部分に配置されるが、本開示はこれに限定されず、滅菌剤アクセスポート215は、任意の適切な位置に配置され得る。滅菌剤アクセスポート215も、第1のキャビティ220及び第2のキャビティ230と流体連通している。
【0066】
トレイの材料は、トレイが受ける滅菌状況に耐えられるものであれば、特に限定されない。トレイ210に適した材料のいくつかの非限定的な例として、滅菌状況に耐性のあるポリマー材料、例えばポリプロピレンが挙げられる。さらに、トレイの材料は、シーリングされた状態で滅菌剤滅菌インテグレータ250を視覚的に確認できるように、少なくとも部分的に透明であり得る。
【0067】
滅菌中に所望の滅菌剤滅菌基準が満たされていることが、滅菌剤滅菌インテグレータ250を使用して、トレイ210を通して視覚的に確認することにより、確認され得る。例えば、滅菌剤滅菌インテグレータ250は、PROPPER(登録商標)VAPOR LINE(登録商標)蒸気滅菌インテグレータ、モデル番号26900925であり得る(PROPPER(登録商標)及びVAPOR LINE(登録商標)はPropper Manufacturing Company, Inc.の登録商標である)。しかし、本開示はこれに限定されず、PCDへの滅菌剤導入の指示を提供するための任意の適切な手段が利用され得る。
【0068】
実施形態によれば、閉包部分240は、ホイルシートまたは他の材料であり得、しっかりとしたシーリングを維持することができるが、さらに滅菌処置後に生物学的インジケータ100を取り出すことができるように比較的容易に破れるものであり得る。滅菌剤滅菌インテグレータ250及び生物学的インジケータ100がトレイ210に挿入された後に、閉包部分240は、トレイ210にシーリング(例えば加熱シーリング)され得る。
【0069】
生物学的インジケータ100を含む組み立てられたPCD200は、検査のために滅菌処置を受け得る。滅菌処置の間、滅菌剤は、滅菌剤アクセスポート215を介してPCDトレイ210に入り、トレイを通ってBI筐体110まで進み、開口部121’を介してBIに入る。滅菌処置の完了後、トレイ210から閉包部分240の少なくとも一部を破壊する、または他の方法で分離することにより、生物学的インジケータ100は、PCD200から(すなわちトレイ210から)取り除かれ得る。次に、下記でより詳しく論述されるように、生物学的インジケータ100がBIリーダ300に挿入されて、滅菌処置の有効性が判定される。
【0070】
図25~
図28を参照すると、PCD200’の代替的なトレイ210’が示される。代替的なPCDの様々な特徴は、PCD200を参照して前述された特徴と実質的に同じである。よって、これに関する追加説明は、省略される場合がある。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、PCDのトレイ210’は、第1のキャビティ220’と、タブ260’とを含む。
図25及び
図26に示されるように、第1のキャビティ220’は、生物学的インジケータ100の形状(すなわちBI筐体110の形状)に対応する形状を有し、生物学的インジケータ100を、PCD200の第1キャビティ220の正面下向き構成ではなく、横向き構成で受け入れるように構成される。トレイ210’は、前述のトレイ210よりも小さい表面積を有し得、したがって、トレイ210’の加工後の反りの可能性が低減され得る。
【0072】
実施形態によれば、第1のキャビティ220’は、生物学的インジケータ100及び滅菌剤滅菌インテグレータ250の両方を受け入れ得る。滅菌剤滅菌インテグレータ250は、タブ260’により第1のキャビティ220’から分離され、タブ260’により適所に保持される。トレイ210’はさらに、滅菌剤アクセスポート215’を含み、これは、閉包部分240が取り付けられるトレイ210’の部分の近くに形成される(
図27参照)。
【0073】
生物学的インジケータ100を含む組み立てられたPCD200’は、検査のために滅菌処置を受け得る。滅菌処置の間、滅菌剤は、滅菌剤アクセスポート215’を介してPCDトレイ210’に入り、トレイ210’を通ってBI筐体110まで進み、開口部121’を介してBIに入る。滅菌処置の完了後、トレイ210’から閉包部分240の少なくとも一部を破壊する、または別の方法で分離することにより、生物学的インジケータ100は、PCD200’から(すなわちトレイ210’から)取り除かれ得る。次に、下記でより詳しく論述されるように、生物学的インジケータ100がBIリーダ300に挿入されて、滅菌処置の有効性が判定される。
【0074】
本開示の実施形態によれば、BIリーダ300は、生物学的インジケータ100に収容された胞子が放出したDPAのレベルを経時的に測定することにより、滅菌処理の有効性を判定する。BIリーダ300は、滅菌処理の有効性を判定するために、BIリーダ300内に統合され相互接続された様々なモジュール式機能サブアセンブリを含む。BIリーダ300は、例えばDC電源などの外部電源を利用して、作動し得る。
【0075】
本開示の実施形態によれば、BIリーダ300は、フロントパネルアセンブリ310及びリアパネルアセンブリ390を含むBIリーダ筐体301と、位置調整アセンブリ340及びカメラアセンブリ360を含む光学アセンブリと、ヒータブロックアセンブリ370と、を含む。
図29を参照すると、フロントパネルアセンブリ310は、ディスプレイ312と、1つ以上のアクセスドア313と、対応するアクセスドアリリース314とを含むフロントパネル311を含み得る。実施形態によれば、ディスプレイ312は、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイモジュールまたはOLEDディスプレイなどのタッチパネルディスプレイであり得、タッチスクリーンを介してユーザ入力を受信し、情報をユーザに表示するように構成される。しかし、本開示は、このようなタッチパネルディスプレイに限定されず、ユーザ入力を受信すること(例えばユーザが様々なメニューオプションをスクロールできるように設計され得る触覚ボタンを介して)、及び必要な情報を表示すること(例えばタッチスクリーンではない表示ウィンドウを介して)が可能な任意のディスプレイであり得る。下記でさらに論述されるように、ディスプレイ312は、ディスプレイ制御基板315(
図32参照)に接続され、これは、BIリーダ300を操作するために、BIリーダ300内の様々な他の制御基板と通信する。BIリーダ300の制御基板は、本明細書では集合的に制御システムと称される。
【0076】
図30~
図31を参照すると、フロントパネル311は、1つ以上のドア開口部316、1つ以上のドアリリース開口部317、及びディスプレイ開口部322を画定し得る。下記でさらに論述されるように、ドア開口部316のサイズ及び形状は、BI100が開口部内に適合し、BI100が挿入された時に開口部がアクセスドアを収容できるのであれば、特に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、ドア開口部316は、フロントパネル311の前面311Aを平面で見た時に略長方形を有し得、丸みを帯びた角を有し得る。
【0077】
図30~
図31に示されるように、フロントパネル311は、1つ以上のチャンバ326を含み得、これらはそれぞれ、1つ以上のドア開口部316に対応して、1つ以上のドア開口部316を画定し、1つ以上のチャンバ326はそれぞれ、各自のドア開口部316と流体連通するチャンバ開口部327を有する。チャンバ326はそれぞれ、フロントパネル311の後面(または内面)311Bから隆起し、下記でさらに論述されるように、生物学的インジケータ100がドア開口部316に挿入されると、生物学的インジケータ100をヒータブロックアセンブリ370に誘導するように構成される。チャンバ326は、限定されることなく、任意の適切な形状を有し得る。実施形態によれば、ドア開口部316は、生物学的インジケータ100の高さよりも大きい高さを有し得る。このような実施形態では、チャンバ326はそれぞれ、上向き傾斜部分326Aを有し得(
図34に最もよく示される)、これは、ドア開口部316の下部にて後面311Bから延在し、チャンバ開口部327の下から生物学的インジケータ100が挿入されると、チャンバ開口部327に向かって生物学的インジケータ100を誘導する。同様に、チャンバ326はそれぞれ、下向き傾斜部分326Bを有し得(
図34に最もよく示される)、これは、ドア開口部316の上部にて後面311Bから延在し、チャンバ開口部327の上から生物学的インジケータ100が挿入されると、チャンバ開口部327に向かって生物学的インジケータ100を誘導するのに役立つ。
【0078】
ドアリリース開口部317のサイズ及び形状も、特に限定されず、対応するアクセスドアリリース314を受け入れられるのであれば、任意の適切なサイズ及び形状を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ドアリリース開口部317のそれぞれは、略長円形を有し得、その対応するドア開口部316に隣接して配置され得、よって、各ドア開口部316は、対応するドアリリース開口部317を有する。いくつかの実施形態では、ドアリリース開口部317は、それらの対応するドア開口部316の下に配置され得るが、本開示はこれに限定されず、ドアリリース開口部は、フロントパネル311上の任意の場所に配置され得る。実際に、いくつかの実施形態では、ドアリリース開口部317は、フロントパネル上で、対応するドア開口部に対応しない位置または隣接しない位置に配置され得る。ドアリリース開口部317のそれぞれは、それらの対応するドア開口部316が占める面積よりも小さい面積をフロントパネル上で占め得るが、本開示はこれに限定されず、ドアリリース開口部317は、上記のように任意の適切なサイズ及び形状を有し得る。
【0079】
図32を参照すると、ディスプレイ312は、ディスプレイ開口部322に受け入れられる。実施形態によれば、ディスプレイ312及びディスプレイ開口部322はそれぞれ、平面図で見た時に略円形を有し得る。しかし、本開示はこれに限定されず、ディスプレイ312がディスプレイ開口部322に受け入れられ得るように、及びディスプレイ制御基板315からの命令をディスプレイ312が受信して、ユーザに表示し得るように、ディスプレイ312及びディスプレイ開口部322は、任意の適切な形状を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ディスプレイ312及びディスプレイ開口部322は、正方形、長方形、卵形、または任意の他の幾何学的形状を有し得る。ディスプレイ312は、BIリーダ300がBI100を受け入れる準備ができているか否か、サイクル履歴、日付、時間、対応IPアドレスなどの情報を、ユーザに提供する。
【0080】
アクセスドア313は、ドア開口部316の内側に適合するように、及び開放構成(BI100を受け入れるまたは取り外すため)と、閉鎖構成(リーダの作動中または待機時)との間で動かされるように、構成される。同様に、アクセスドアリリース314は、ドアリリース開口部317の内側に適合するように構成される。
図31及び
図34に示されるように、アクセスドアリリース314は、アクセスドア313を作動させるためにドアリリース開口部317内へ押下される機械的ボタンとして構成され得る。しかし、本開示は、アクセスドアリリース314のこのような構成に限定されず、実際には、アクセスドア313を作動させるための任意の機構を使用することができる。いくつかの実施形態では、例えば、アクセスドアリリース314は、電子的であり、単純にアクセスドアリリース314をタッチすることにより、または対応するアクセスドア313を作動させるように関連制御基板をトリガする触覚ボタンを押下することにより、作動され得る。
【0081】
図33~
図34を参照すると、アクセスドア313のそれぞれは、アクセスドア313が閉鎖構成の時にユーザに面する外側パネル313aと、アクセスドア313が閉鎖構成の時にBIリーダ300の内側に面する内側パネル313bと、を有する。アクセスドア313はさらに、その上部にフック部分313cを含み、これは、フロントパネル311の内面でピン318に連結される。アクセスドア313のフック部分313cは、ピン318の周りを旋回するように構成されており、アクセスドアリリース314によりアクセスドア313がロック解除され作動された時、この構成により、開放構成と閉鎖構成との間でアクセスドア313を動かすことが可能となる。フロントパネルアセンブリ310はさらに、ドア開口部316の下部に隣接するラッチ320及びラッチばね321を含み得る。ラッチ320は、アクセスドア313の内側パネル313bの下部にあるラッチプレート313dと嵌合するように構成される。ラッチプレート313dとラッチ320は、嵌合すると、アクセスドア313を閉鎖位置にロックする。下記でさらに論述されるように、アクセスドアリリース314は、ラッチばね321を押下することによりラッチプレート313dをラッチ320から解放し、これによりアクセスドア313を開放するように構成される。
【0082】
アクセスドアリリース314は、アクセスドア313の真下(またはフロントパネル311上の任意の他の位置)に配置され得る。いくつかの実施形態では、アクセスドアリリース314は、アクセスドアリリース314をラッチばね321に連結する板ばねに、熱カシメされ得る。アクセスドアリリース314が起動されると(例えば内側に押されると)と、ラッチばね321が圧縮され、ラッチ320が移動し、ラッチプレート313dが解放され、よって、アクセスドア313は、ピン318を中心に旋回して、開放構成に移動し得る。実施形態によれば、フロントパネルアセンブリ310はさらに、フック部分313cに隣接した1つ以上の回転ダンパを含み、アクセスドア313の作動中にフック部分313cにおけるねじりばねの作用を減衰させ得る。
【0083】
アクセスドア313は、1つ以上のセンサを含み得、これらは、例えば、アクセスドア313が開放構成にあるか閉鎖構成にあるかに関する信号、及びBIリーダ300が作動中であるか否かを示す信号を、制御システムに提供する。例えば、1つ以上のセンサには、アクセスドア313が閉鎖位置にあることを示す信号を提供するドア位置センサが含まれ得る。センサのうちの1つ以上により供給される信号に応じて、BIリーダ300は(制御システムを介して)、例えばBIリーダ300の作動中に、ラッチプレート313dの解放を禁止して、ドア313を所定の位置にロックし得、またはアクセスドア313が開放構成にある場合、BIリーダ300の検出サイクル(またはサイクル)の開始を禁止し得る。別の例として、アクセスドア313のそれぞれは、丸いセグメントフラグ328を含み得、これは、アクセスドア313が開かれる時にスロットセンサ329を通過し、これにより、アクセスドア313が開放構成にあるか閉鎖構成にあるかが示される。
【0084】
実施形態によれば、フロントパネルアセンブリ310はさらに、ドアリリース開口部317の外周に配置された光源(例えばバックライト付きLED)を含み得、よって、光源は、点灯されると、ドアリリース314の外周を取り囲む光の輪を発する。光源は、BIリーダ300のサイクルの状態をユーザに通知するために、様々な色、例えば赤、緑、白、及び黄色の光を発するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、光源は、ドアリリース314に関連付けられたアクセスドア313に対応するベイ375が空であること(すなわちBI100が挿入されていないこと)を示すためには、緑色の光を発し得、ベイ375がBI100により占拠されている時は、赤色の光を発し得、検査が進行中であることを表すためには、白色の光を発し得、警告信号を表すためには、黄色の光を発し得る。代替的または付加的に、BIリーダ300の使用準備が整った時には、すべてのドアリリース314の光源が緑色の光を発し得、検出サイクル中にBIリーダ300が作動している時には、すべてのドアリリース314の光源が赤色の光を発し得る。また、代替的または付加的に、個々のドアリリース314の光源は、検出サイクルの完了時に、赤から緑に変化し得る。また、光源(個別に、または一度にこれらすべて)は、リーダの障害を示すために、赤く点滅し得、または、対応するベイ375に挿入されたBI100内に生存可能胞子をリーダ300が検出したことを示すために、個別に点滅し得る。当業者には理解されるように、ドアリリース314に関連付けられた光源は、限定されることなく、任意の色の光を発することで、ある色から別の色に変化することで、または様々なパターンのうちのいずれかで点滅することで、様々なシステム状況を示すように、制御システムによりプログラム及び制御され得る。
【0085】
上記で簡単に論述されたように、フロントパネルアセンブリ310は、BIリーダ筐体301の一部を形成し、BIリーダ筐体301の内部に配置されたヒータブロックアセンブリ370へのアクセスを提供する。
図35~
図36を参照すると、ヒータブロックアセンブリ370は、第1の加熱プレート(または下部加熱プレート)371、第2の加熱プレート(または上部加熱プレート)372、及びヒータカートリッジ373を含み得る。第2の加熱プレート372は、第1の加熱プレート371上にしっかりと取り付けられて、第1の加熱プレート371と第2の加熱プレート372との間に強力な熱接触を確立する。ヒータカートリッジ373は、第1の加熱プレート371に画定されたヒータチャネル374内に挿入され得る。ヒータカートリッジ373は、第1の加熱プレート371を約56℃~約62℃に、より好ましくは約60℃に加熱するように構成され得、BIリーダ300の作動中は、第1の加熱プレート371を比較的一定の温度に維持するように構成され得る。例えば、ヒータカートリッジ373は、所定温度(例えば54℃~64℃、ヒータカートリッジ373の所定温度による)から+/-2℃の温度に、第1の加熱プレート371の温度を維持するように構成され得る。ヒータカートリッジ373は、胞子181が培養される最高温度よりも低い温度に、第1の加熱プレート371を加熱するように構成されることが、理解されよう。よって、第1の加熱プレート371が加熱される温度は、検査されるBI100で使用される胞子の種類によって異なり得るため、ヒータカートリッジ373及び第1の加熱プレート371の温度は調節可能である。
【0086】
実施形態によれば、ヒータブロックアセンブリ370は、ヒータブロックアセンブリの作動の15分以内に設定温度、例えば60℃に達し、設定温度を長時間(例えばBIリーダ300の作動中)維持する(または実質的に維持する)ように構成される。
【0087】
ヒータカートリッジ373は、特に限定されず、第1の加熱プレート371内の専用空間に適合すること、及び第1の加熱プレート371及び第2の加熱プレート372を選択された温度に維持するのに十分な熱を生成することができるのであれば、任意のサイズ及び形状を有する任意の適切な加熱素子であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、ヒータカートリッジ373は、12V/24Wで作動する略円筒形の金属シース(例えば304ステンレス鋼シース)を含み得、これは、高温動作用に設計され、ヒータカートリッジ373から第1の加熱プレート371及び第2の加熱プレート372へ熱を伝達するように設計される。
【0088】
第1の加熱プレート371及び第2の加熱プレート372も、特に限定されず、BIリーダ300内の指定空間に適合し、選択された温度を維持できるのであれば、任意の適切な材料で作製され、任意のサイズ及び形状を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の加熱プレート371及び第2の加熱プレート372がヒータカートリッジ373により効率的に加熱され得るように、第1の加熱プレート371及び第2の加熱プレート372は、熱伝導率の高い金属、例えばアルミニウムなどの陽極酸化金属で作製され得る。ヒータブロックアセンブリ370は、第1の加熱プレート371の全体にわたって同じ(または実質的に同じ)温度を維持するように構成され得、よって、BIベイ375(例えば4つのBIベイ375)のそれぞれは、実質的に同じ温度に維持される。本明細書で使用される「実質的に/略(substantially)」という用語は、程度の用語としてではなく、近似の用語として使用され、特定の測定、観察、または特性における固有の偏差及び不正確さを説明することが意図される。例えば、本明細書で使用される「実質的に同じ温度」は、特定のBIベイ375に関連する検出サイクルの結果に変化を与えない、または無視できるような変化しか与えないと当業者が理解するであろう温度にBIベイ375が維持されることを意味するが、BIベイ375のすべてが正確に同じ温度に維持され得るとは限らない可能性を説明する。
【0089】
実施形態によれば、1つ以上の温度センサ(例えばサーミスタ)376が、第1の加熱プレート371に取り付けられ得る。温度センサ376は、第1の加熱プレート371上の異なる場所で温度測定値を取得するように、互いに間隔を空けて配置され得る。温度センサ376は、第1の加熱プレート371の温度を監視し、温度測定値を(例えば平均化して)制御システムに出力し、制御システムは、温度測定値に応じて、加熱カートリッジ373から出力される熱を適宜、調節(または調整)し得る。温度センサ376はまた、第1の加熱プレート371が設定温度に達した時(例えばBIリーダ300の始動時)を特定するために使用され得、BIリーダ300が生物学的インジケータ100の挿入準備ができたことが示される。例えば、制御システムは、温度センサ376から温度測定値を受信して、その測定値に関する情報をディスプレイ312に表示する。温度測定値に応じて、制御システムは、ドアリリース314に関連付けられた光源のうちの1つ以上を起動させ得る。例えば、BIリーダ300の始動時、及びヒータブロック370(または第1の加熱プレート371)が閾値温度(または設定温度)に達したという温度センサ(複数可)376からの温度測定値を受信すると、制御システムは、光源を起動させて赤から緑に変化させ得、及び/またはディスプレイ312に使用準備完了メッセージを表示し得る。
【0090】
1つ以上のBIベイ375が、第1の加熱プレート371に形成され得る。上記で論述されたように、生物学的インジケータ100の第1の端部100aが、例えば滑り嵌めによりBIベイ375内にしっかりと挿入され得るように、BIベイ375のそれぞれは、生物学的インジケータ100の第1の端部100aの長円形に実質的に対応する形状を有し得る。例えば、BIベイ375はそれぞれ、
図36~
図39に示されるように、部分的に長円形を有し得る。BIベイ375は、BI100の挿入溝138と嵌合するタング375aを含み得、これは、BIベイ375の内側で生物学的インジケータ100が正確に位置を合わせることをさらに促進する。
【0091】
BIベイ375の下面は、開口部375bを含み、これは、生物学的インジケータ100がBIベイ375に挿入された時に、撮像窓190と位置が合うように構成される。BI窓379が、開口部375bに配置され得る。光がBI窓379を通って撮像窓190へ進むことができるように、BI窓379は、透明であり得る。例えば、BI窓379は、UV光を透過させ得、いくつかの実施形態では、UVグレードの溶融シリカクオーツを含み得、これは、BIリーダ300の作動中にBI窓379に結露が形成される可能性を低減する。BIベイ375の下面は、生物学的インジケータ100がBIリーダ300に挿入されると、生物学的インジケータ100の底部131に接触するように構成される。
【0092】
実施形態によれば、第1の加熱プレート371はさらに、可動ロッド380を含み得、これは、BI存在センサ382と通信する可動BI存在フラグ381に接触する。可動ロッド380は、例えばスライド可能であり得、BIベイ375に生物学的インジケータ100がない時に、BIベイ375内に部分的に延在するように構成され得る。生体インジケータ100がBIベイ375に挿入されると、生体インジケータ100は、可動ロッド380を生体インジケータ100の挿入方向に移動させて、可動ロッド380を可動BI存在フラグ381に接触させ、これによりBI存在センサ382がトリガされ、BI存在センサ382は次に、BIリーダ300の制御システムと通信する。
【0093】
実施形態によれば、第1の加熱プレート371はさらに、1つ以上のBIラッチ開口部383を画定し、これらは、BIベイ375のそれぞれに各自隣接する。BIラッチ開口部383は、リブ387を有するBIラッチ384を収容するように構成され、リブ387は、生物学的インジケータ100がBIベイ375に完全に挿入されると、生物学的インジケータ100の挿入溝138の一部(生物学的インジケータ100の第2の端部100bと突起339との間)と係合する。BIラッチ384は、生物学的インジケータ100を所定の位置にロックするように、BIベイ375内での生物学的インジケータ100の正確な位置合わせを促進するように、及びBIベイ375への挿入後に生物学的インジケータ100が移動する可能性を低減するように、構成される。下記でさらに論述されるように、このようにして、ラッチにより、BI100がBIベイ375内に正確に配置され、底部開口部132と撮像窓190との位置が合わせられ、BIリーダ300による正確な測定が行われることが、さらに確実になる。
【0094】
図37~
図39を参照すると、実施形態によれば、BIラッチ384は、BIラッチピン386を中心に回転することにより、BIラッチ開口部383内で移動可能である。
図37に示されるように、生物学的インジケータ100を挿入する前では、リブ387は、BIベイ375内に延在する。生物学的インジケータ100の挿入中、生物学的インジケータ100の溝138の第1の端部100aは、リブ387と接触し、リブ387と溝138との接触を介した生物学的インジケータ100の誘導挿入が助長される。リブ387とBI100の挿入突出部138aが接触すると、BIラッチ384は、BIラッチピン386を中心に旋回し、BIベイ375から離れてBIラッチ開口部383内に移動し、これにより、生物学的インジケータ100の挿入が可能となる。生物学的インジケータ100がさらにBIベイ375内に挿入され、生物学的インジケータ100の挿入ノッチ138bがリブ387と位置を合わせられると、BIラッチ384がBIベイ375に向かって旋回して戻り、リブ387が生物学的インジケータ100の挿入ノッチ138bに挿入され、これにより、生物学的インジケータ100の位置合わせが促進され、BIベイ375への挿入後に生物学的インジケータ100が移動する可能性が低減する。加えて、上記のようなラッチが提供する位置合わせ補助により、上記のようなBIベイ375内の底部開口部132と撮像窓190との位置合わせが、さらに確実になる。BIリーダ300はまた、生物学的インジケータ100がBIベイ375へ挿入されたことを検出するBI存在センサも含み得る。BI存在センサは、ユーザにアクセスドア313を閉じることを促すように、BIリーダ300の制御システムに信号を提供し得る。
【0095】
第2の加熱プレート372は、第1の加熱プレート371の上に配置される。
図40~
図41を参照すると、第2の加熱プレート372は、その上面に形成された1つ以上のアクチュエータチャネル372aを含み、これらはそれぞれ、発芽剤リリースレバー401を受け入れるように構成される(
図36参照)。下記でさらに論述されるように、発芽剤リリースレバー401は、それぞれのBIベイに挿入された生物学的インジケータ100と相互作用して、BI100内の発芽剤リリーサ170を作動させるように構成される。第2の加熱プレート372はさらに、その下面に形成された複数の上部BIベイ372bを含み、これらは、第1の加熱プレート371に形成されたBIベイ375に対応する。
【0096】
実施形態によれば、第2の加熱プレート372の上面はまた、1つ以上のアクチュエータ400をそれぞれ保持する1つ以上のアクチュエータブラケット(例えばプレートガイド)378を含み得る。いくつかの実施形態では、例えば、第2の加熱プレート372は、各アクチュエータ400に1つずつ、複数の別個のアクチュエータブラケット(複数可)378を含み得る。しかし、いくつかの実施形態によれば、第2の加熱プレート372は、モノリシックの(または別の方法で連結された)アクチュエータブラケット構造を含み、この構造では、アクチュエータブラケット378は、全体で連結され(またはモノリシックユニットとして形成され)、アクチュエータ400のすべてを支持及び保持するブラケットプレートが形成される。アクチュエータ400は、それぞれのソレノイド405と対となり得、各対は、発芽剤リリースレバー401のうちの1つを作動させ、発芽剤リリースレバー401は、(BI100がそれぞれのBIベイに挿入された時)BI100と相互作用して発芽剤リリーサ170を作動させ、これにより、発芽剤165がBI筐体110の内部に放出される。発芽剤リリースレバー401は、カム面402及びプッシュロッド403を含み得る。下記でさらに論述されるように、作動されると、カム面402が回転し、その回転が、生物学的インジケータ100に向かうプッシュロッド403の下方直線運動に変換され得る。プッシュロッド403は、任意の適切な形状、例えば略円筒形を有し得、BI筐体110の第1の外郭120の開口部121に挿入されるように構成される。プッシュロッド403が開口部121内へ下方に移動すると、発芽剤リリーサ170は、発芽剤リリーサ支持体140に対して下方に押し付けられ、次に発芽剤リリーサ170は、発芽剤容器160と接触した状態となり、これにより、発芽剤容器160が破裂して、発芽剤容器160から発芽剤パッド185上へ発芽剤165が放出される。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、アクチュエータ400は、BIリーダ300の深さ方向Y
Rに沿って直線移動するように構成されたシャトル420(例えば
図43~
図44参照)を含み得る。各シャトル420は、それぞれのアクチュエータブラケット378により保持され、シャトルばね410を介してせん断壁(図示せず)に連結され得、BIリーダ300が起動されていない時、シャトル420を所定の位置に保持するために、シャトルばね410には張力がかけられる。いくつかの実施形態によれば、アクチュエータ400のそれぞれは、対応するソレノイド405により作動され得る。ソレノイド405は、シャトル420を作動させて、シャトル420をフロントパネル311に向かって動かし得る。例えば、ソレノイド405の中心ロッド406は、BIリーダ300の深さ方向Y
Rに沿ってシャトル420に向かって動かされ、シャトルばね410の張力に打ち勝って、シャトル420をフロントパネル311に向かって動かし得る。シャトル420は、ホイールとして機能する複数の移動ベアリング423を含み得、これにより、シャトル420の比較的容易な移動が可能となる。シャトル420が前方に移動すると、シャトル420のカムベアリング421が発芽剤リリースレバー401のカム面402と相互作用して、カム面402を時計方向に作動させる。波形ばね424は、カムベアリング421を取り囲み得、カムベアリング421がカム面402に乗ると、カム面402に接触圧力を加える。次いで、プッシュロッド403は、BIベイ375に向かって下方に(BI筐体110の開口部121の中に)延伸する。検査サイクルの完了後、ソレノイド405は中心ロッド406を後退させ、シャトル420はシャトルばね410によりその開始位置に戻され、発芽剤リリースレバー401は生物学的インジケータ100との係合から解除される。ソレノイド405は、特に限定されず、本明細書で説明されるようにシャトル420を作動させることができる任意の適切なソレノイドであり得る。いくつかの実施形態では、例えば、ソレノイド405は、管状プッシュソレノイドであり得、例えば、直径1インチ×2インチのプッシュソレノイドであり得る。
【0098】
BIリーダ300は、シャトル420の位置を監視する1つ以上のセンサを含み得、例えば、ソレノイド405が起動されてシャトル420が前進したか(例えば中心ロッド406がシャトル420まで動かされたか)否かを感知するソレノイド前進限界センサ、及びソレノイド405が停止されてシャトル420が後退したか(例えば中心ロッド406が後退したか)否かを感知するソレノイド後退限界センサを含み得る。ソレノイド前進限界センサ及びソレノイド後退限界センサは、BIリーダ300の制御システムに信号を提供して、BIベイ375のアクセスドア313がロックされているか、またはBIベイ375がアクセス可能であるかの判定を支援し得る。
【0099】
図45に示されるように、シャトル420は、アクセスドア313のピン318に隣接する保持クリップ319と係合するように構成されたドアインターロックばね422を含み得る。例えば、ドアインターロックばね422は、シャトル420がフロントパネル311に向かって前進している間、保持クリップ319と相互作用して、アクセスドア313の回転を防止し得る。シャトル420がリアパネル391に向かって後退すると、ドアインターロックばね422が保持クリップ319から離れ、これにより、フック部分313cにおけるアクセスドア313のロックが解除される。ドアインターロックばね422は、BIリーダ300の検査サイクル中にアクセスドア313の移動を防止する追加のロック機構を提供する。
【0100】
第2の加熱プレート372はさらに、レバー戻しばね385(
図42参照)を含み得、レバー戻しばね385には張力がかけられ、アクチュエータ400が後退した時に、発芽剤リリースレバー401を動かして開始位置に戻す(及びプッシュロッド403を上に移動させて開口部121から出す)。
【0101】
シャトル420はさらに、1つ以上のシャトルフラグ425及び/または対応するセンサを含み得、これらは、シャトル420の位置をBIリーダ300の制御システムに通信するために使用される。よって、BIリーダ300の制御システムは、シャトルフラグ/センサ425から、シャトル420が移動したという信号を受信し得、これは、指定のBIベイ375が作動したことを示し、次に、制御システムは、受信した信号を使用して、BIベイ375が作動中であることを知らせ得る、及び/または光アセンブリを起動させ得る。
【0102】
アクチュエータ400はシャトル420に関連して本明細書で説明されるが、BI100がBIベイ375に挿入された時に発芽剤リリーサ170の作動を可能にする任意の適切なアクチュエータまたは作動機構を使用することができ、本開示は、具体的に説明されたアクチュエータの実施形態に限定されないことが、理解されよう。
【0103】
実施形態によれば、制御システムは、下部BIセンサ基板389を含み得(
図36に示される)、これは、アクチュエータブラケット(複数可)378の上に配置され得る。下部BIセンサ基板389は、BIベイ375内の生物学的インジケータ100の存在(または不在)を検出するように、及び/またはアクチュエータ400の位置を検出するように、構成されたセンサを含み得る。下部BIセンサ基板389は、アクチュエータブラケット(複数可)378を介して第2の加熱プレート372から離間した状態であり得、これにより、第2の加熱プレート372が加熱されている(または昇温状態に維持されている)間、下部BIセンサ基板389に損害を与える可能性が低減する。
【0104】
ヒータブロックアセンブリ370は、生物学的インジケータ100が対応するBIベイ375に挿入されると、生物学的インジケータ100を加熱するように機能し、これにより、胞子181の発芽が可能となる。ヒータブロックアセンブリ370はまた、生物学的インジケータ100の内側にある胞子撮像領域を照明及び撮像するために、生物学的インジケータ100の基準位置を提供する。ヒータブロックアセンブリ370は、第1の加熱プレート371の下面に自己較正ターゲット369を含み得、これにより、位置調整アセンブリ340(下記でさらに論述される)及びヒータブロックアセンブリ370の較正が可能となる。いくつかの実施形態によれば、自己較正ターゲット369は、略正方形を有し、かつオフセットの角度付き平行ストライプを有する基板(例えばソーダ石灰ガラス)を含み得、これを利用して、作動中に位置調整アセンブリ340が較正され得る。
【0105】
図47に示されるように、ヒータブロックアセンブリ370は、(例えばBIリーダ300の高さ方向Z
Rに沿って)BIリーダ筐体301の上部に配置され、位置調整アセンブリ340は、BIリーダ筐体301の下部に配置される。しかし、本開示は、この構成に限定されず、本明細書に記載されるようにBIリーダが機能できるのであれば、BIリーダ300のサブアセンブリ(ヒータブロックアセンブリ370及び位置調整アセンブリ340を含む)の任意の構成が使用され得る。
【0106】
図48及び
図49を参照すると、位置調整アセンブリ340は、スキャンヘッドアセンブリ350をBIベイ375の下に移動させるステッパモータ341及びベルトドライブ342を含む。ステッパモータ341は、ベルトドライブ342を駆動し得る。ステッパモータ341は、特に限定されず、ベルトドライブ342を駆動可能な任意のこのようなモータを含み得る。いくつかの実施形態では、例えば、ステッパモータ341は、一体型ブレーキシステムを備えた高トルクモータを含み得、ステッパモータ341は、ガイドレール343aに乗ったリニアガイドブロック343とBIリーダ300の幅方向X
Rに隣接して、デッキ345上に搭載される。ベルトドライブ342も、特に限定されず、任意の適切な構造を有し得る。いくつかの実施形態では、例えば、ベルトドライブ342は、駆動プーリ342a、アイドラプーリ342b、及びタイミングベルト342cを含み得る。タイミングベルト342cとリニアガイドブロック343は、幅方向X
Rに沿って互いに平行に延在し得、よって、ベルトドライブ342がステッパモータ341により駆動されると、リニアガイドブロック343は、幅方向X
Rに沿って移動する。いくつかの実施形態によれば、位置調整アセンブリ340は、1回転あたり60mm、積載物を移動させるように構成され得るが、本開示はこれに限定されない。実施形態によれば、ステッパモータ341は、磁気ブレーキ(例えば一体型磁気ブレーキ)を含み得、これは、BIリーダ300が使用されていない時に、リニアガイドブロック343(上にスキャンヘッドアセンブリ350が配置された)の移動を阻止する(または移動の可能性を低減する)。実施形態によれば、タイミングベルト342cは、円形の歯形GTベルトであり得るが、本開示はこれに限定されず、タイミングベルト342cは、任意の適切な構造を有し得る。使用時、ステッパモータ341は、駆動プーリ342aを駆動して回転させ、これにより、今度はタイミングベルト342cがアイドラプーリ342bの周りを回転し、リニアガイドブロックがガイドレール343aに沿って直線的に並進する。
【0107】
いくつかの実施形態によれば、位置調整アセンブリ340はさらに、1つ以上の閾値センサを含み、1つ以上の閾値限界を超えるスキャンヘッドアセンブリ350の動きを制限し得る。例えば、いくつかの実施形態では、位置調整アセンブリ340は、スキャンヘッドアセンブリ340の右側に1つのセンサを含み得、スキャンヘッドアセンブリ340の左側に別のセンサを含み得、これにより、ベルトドライブ342に沿った両方向でスキャンヘッドアセンブリ340の動きが制限される。
【0108】
スキャンヘッドアセンブリ350は、リニアガイドブロック343に取り付けられる。
図49を参照すると、スキャンヘッドアセンブリ350は、励起源(例えば紫外線発光ダイオード(UV LED)励起源)351、放射レンズ(または励起焦点レンズ)352、集光レンズ353、励起フィルタ354、及び第1のミラー355を含む。放射レンズ352及び集光レンズ353は、接着剤(例えばUV硬化接着剤)または任意の他の適切な接合手段を使用して、所定の位置に接合(例えば永久接合)され得る。励起源351は、ブラケット356に取り付けられ、ブラケット356は、例えばネジを介してスキャンヘッド本体357に締結される。よって、励起源351は、スキャンヘッドアセンブリ350と積極的に位置が合わせられ得る。実施形態によれば、第1のミラー355は、ばね(例えばウレタンチューブばね)を使用して、基準に押し付けられ得る。スキャンヘッドアセンブリ350はさらに、スキャンヘッドアセンブリ350の温度を監視するスキャンヘッド温度センサ358(例えばサーミスタ)を、スキャンヘッド本体357に含み得る。
【0109】
励起源351は、UV光波長範囲、すなわち約100nm~約400nmの波長範囲の光を放射するように構成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、励起源351は、約200nm~約300nm、または約250nm~約300nmの範囲の光を放射するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、励起源351は、約270nm~約285nmの間のピーク波長を有し得る。励起フィルタ354は、約270nm~約370nmの間の中心波長を有し得、例えば、約330nmの中心波長を有し得、励起源351とバイオインジケータ100の撮像窓190との間に配置され得る。励起源351から放射された光は、スキャンヘッドアセンブリ350の放射レンズ352及び励起フィルタ354を通過し、BI100の撮像窓190を通過して、生物学的インジケータ100内の胞子キャリア180の胞子181に到達する。次に、胞子181による発光は、下方へ放射し返され、撮像窓190、ヒータブロックアセンブリ370内のBI窓379、集光レンズ353を通過して、第1のミラー355に到達し、第1のミラー355は、幅方向XRに沿って第2のミラー(例えば反射鏡)331へ光を反射し、次に第2のミラー331は、深さ方向YRに沿ってカメラアセンブリ360へ光を反射し、カメラアセンブリ360は、光の画像をキャプチャする。
【0110】
より具体的には、BI100がリーダに挿入され、発芽剤165がBI100内で放出されると、光輝性成分(例えばTbイオン)は、滅菌サイクル中に死滅した胞子から放出されたいずれかのDPAと結合し得る。さらに、滅菌プロセスにより死滅しなかったいずれかの胞子が、発芽剤溶液の発芽剤成分(例えばL-アラニン)と接触すると発芽し始め、この発芽により、これらの胞子もDPAを放出し、今度はこれらのDPAが光輝性成分と結合し、励起減からの光に応答して発光し始める。胞子(またはより正確にはDPA光輝性複合体)が発光し始めると、この発光は、BIの撮像窓190を通して放射し返され、上記の光路に沿ってカメラアセンブリ360に到達し、カメラアセンブリ360は、発光の画像をキャプチャする。下記でさらに論述されるように、BIリーダ300は、カメラアセンブリ360によりキャプチャされた画像を分析して、胞子181のうちのいずれかが滅菌サイクルを生き延びたか否かを判定する。具体的には、いくつかの実施形態では、BIリーダ300は、滅菌プロセス中に死滅した胞子により返された発光から、DPAの静的バックグラウンドレベルを検出する。いずれかの胞子が滅菌プロセス中に死滅しなかった場合、これらの胞子は、発芽剤溶液165と接触すると発芽し、発芽時にDPAを放出し、これをBIリーダ300が静的バックグラウンドレベルを超えるDPA信号として(存在する場合)検出する。BIリーダ300は、静的バックグラウンドレベルを超えるあらゆるDPA信号、またはBI起動後の所定の期間後に発生するあらゆるDPA信号を、滅菌プロセスの失敗と関連付ける。
【0111】
放射レンズ352は、励起源351から放射された光を分散させるために、励起源351と励起フィルタ354との間に配置され得る。実施形態によれば、放射レンズ352は、UV-ARコーティングを有する両凸レンズであり得る。実施形態によれば、放射レンズ352は、約250nm~約425nmの間の設計波長を有する溶融シリカを含み得る。実施形態によれば、放射レンズ352は、12mmの直径、12mmの焦点距離、及び9.25mmの後方焦点距離を有し得る。
【0112】
1つ以上の実施形態によれば、スキャンヘッドアセンブリ350は、BIベイ375の下に位置を合わせたガイドレール343aに沿って移動するリニアガイドブロック343に取り付けられる。第1のミラー355はブラケット357上に配置され、第1のミラー355が幅方向X
Rに沿ってミラーマウント330(例えば
図47及び
図50参照)の第2のミラー331へ光を反射するように、第1のミラー355は配向され(または位置を合わせられ)、これにより、スキャンヘッドアセンブリ350からカメラアセンブリ360へコリメート放射光線が中継される。カメラアセンブリ360は、例えば取り付けブラケットを介して、BIリーダ筐体301の底板302に取り付けられる。カメラアセンブリ360は、底板302のポケット縁部に配置される。スキャンヘッドアセンブリ350、カメラアセンブリ360、及び光路は、特定の位置及び方向光路を参照して上記で説明されたが、結果として得られる光路が、スキャンヘッドアセンブリ350からの光を胞子キャリア180に送達し、胞子キャリアからの発光をカメラアセンブリ360に返すことができるのであれば、これらの構成要素は、代替的に位置調整または配置され得ることが理解されよう。
【0113】
図47を参照すると、いくつかの実施形態では、リニアガイドブロック343は、幅方向X
Rに沿って延在する中央パネル304により、ミラーマウント330から分離される。中央パネル304は、第1のミラー355及び第2のミラー331と位置合わせされた第1の開口部304aを画定し得、これにより、第1のミラー355から第2のミラー331へ光を反射することが可能となる。中央パネル304はまた、タイミングベルト342cを収容するための第2の開口部304bを画定し得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、ミラーマウント330は据え付けであり、ベルトドライブ342に隣接して配置され得る。ミラーマウント330は、デッキ345上で、ステッパモータ341とスキャンヘッドアセンブリ350との間、例えばステッパモータ341と中央パネル304との間に、取り付けられ得る。実施形態によれば、ミラーマウント330は、幅方向XRに沿ってスキャンヘッドアセンブリ350と位置合わせされ、深さ方向YRに沿ってカメラアセンブリ360と位置合わせされ得、よって、スキャンヘッドアセンブリ350からカメラアセンブリ360へ光を反射するように構成される。
【0115】
ミラーマウント330が第2のミラー(回転ミラー)331を受け入れて、スキャンヘッドアセンブリ350からカメラアセンブリ360へ光を反射し得るように、ミラーマウント330は、任意の適切な構成を有し得る。例えば、
図50を参照すると、ミラーマウント330は、ベース部分332及びブラケット部分333を含み得る。第2のミラー331が、高さ方向Z
Rに沿ってスキャンヘッドアセンブリ350と適切に位置を合わせてカメラアセンブリ360へ光を送達するように、ベース部分は、任意の適切な高さを有し得る。ブラケット部分333は、第2のミラー331を受け入れて保持するように構成され、一対の連結した側壁334、略三角形の上壁336、及び第2のミラー331が載せられるベース335を有し得る。側壁334はそれぞれ、開口部334aを有し、光が開口部334aを通過して第2のミラー331上に到達することが可能となる。第2のミラー331は、三角プリズム形状(例えば直角ミラー)を有し得、銀コーティングされたN-BK7基板を含み得るが、本開示はこれに限定されず、第2のミラーは、任意の適切な形状及び構造を有し得る。
【0116】
図51A、
図51B、
図52A、及び
図52Bを参照すると、カメラアセンブリ360は、カメラ361、光学レンズ362、フィルタ363、カメラファン364、及びペルチェアセンブリ365(カメラを安全な動作温度に保つ)を含み得る。実施形態によれば、カメラアセンブリ360は、BI筐体301に対して固定位置に、及び胞子からの発光を受け取るために前述の光路の端部に、配置され得る。この構成(すなわち可動スキャンヘッドアセンブリと固定カメラアセンブリ)により、1つのカメラ361のみを使用して複数のベイを分析することが可能となる。しかし、本開示はこの構成に限定されず、BIリーダ300は、代わりに、BIベイ375ごとにカメラ361を含み得る。このような実施形態では、BIリーダ301は、BIベイごとにスキャンヘッドアセンブリ350も含み得、スキャンヘッドアセンブリ350及びカメラ361の両方が、各自のBIベイ375の下の位置に固定され得る。理解されるように、このような複数のカメラ、複数のスキャンヘッドの構成は、位置調整アセンブリ340の必要性を排除し、BIの撮像窓190からカメラまでの光路を簡素化するが(回転光学素子(すなわち第1のミラー、第2のミラー、及びミラーマウント)が不要になるため)、リーダのコスト及びサイズは大幅に増加する。
【0117】
例示的実施形態によれば、カメラ361は、熱電(TE)冷却電荷結合素子(CCD)カメラであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、カメラ361は、高出力カメラであり得、これは、約5kHz~約10kHzの撮像レート(またはフレーム周波数)が可能であることを意味し、これにより、胞子181の蛍光信号の寿命の効果的な撮像が可能となる。カメラ361は、時間ゲートモードで動作するように構成され得、時間ゲートモードでは、定期的な間隔で電子シャッターを使用してUV光を点滅させて、カメラ361を露光させることにより、UV(例えばUVC)放射で励起された胞子181の長寿命発光をキャプチャする。カメラ361はまた、約1ミリ秒~2000ミリ秒の周波数で可変的に露光する明視撮像モードで動作するように構成され得る。光学レンズ362は、カメラ361に接続される。光学レンズ362は、例えば、35mmの焦点距離(FL)、及び165mm(f/1.65)の最小作動距離(すなわち165mm以上の最小作動距離)を有し得る。フィルタ363は、レンズ362に接続される。フィルタ363は、バンドパスフィルタ、例えば約534nm~約566nmのフィルタであり得る。いくつかの実施形態では、フィルタ363は、550nmのバンドパスフィルタであり得る。
【0118】
図52A~
図52Bを参照すると、ペルチェアセンブリ365は、カメラ361に取り付けられ得、カメラ361を冷却するために、ファン364がペルチェアセンブリ365に取り付けられ得る。本開示の実施形態によれば、いずれかの異物がファン364及びペルチェアセンブリ365に入る可能性を低減するために、複数の開口部367を有するカメラガード366がファン364に取り付けられ得る。ファン364の性能を向上させるために、例えばファン364がカメラ361を冷却している間の熱伝達特性を向上させるために、ペルチェアセンブリ365が利用され得る。実施形態によれば、ファン364は、40×40×20の24 VDC VAPO(登録商標)7.7CFMファンを含み得る(VAPO(登録商標)はSunonwealth Electric Machine Industry, Co.の登録商標である)。ガード366は、ファン364に取り付けられ得、金属などの耐久性のある材料で作製され得る。例えば、ガード366は、アルミニウム合金を含み得る。開口部367は、放射状に形成され得、例えばガード366は、対称的な丸みを帯びたくさび形状の開口部367を12個含み得る。しかし、ガード366はこれに限定されず、任意の適切な構成ならびに任意の適切な数及び形状の開口部367を有し得ることが、理解されよう。
【0119】
図53~
図54を参照すると、BIリーダ筐体301はさらに、その上部に上部筐体パネル306と、下部プレート302の下で、BIリーダ300の底部に下部筐体パネル307とを含む。上部筐体パネル306及び下部筐体パネル307がBIリーダ300の高さ方向Z
Rに沿って延在し、互いに嵌合してBIリーダ筐体301の側面を形成するように、上部筐体パネル306及び下部筐体パネル307はそれぞれ、略U字形の外形を有し得る。
【0120】
リアパネルアセンブリ390は、リアパネル391、1つ以上の軸流ファン392、及び吸気プレナム393を含む。
図53に示されるように、リアパネル391は、複数の穿孔394を有し得、空気が穿孔を通って流れることが可能となる。穿孔394の形状及び数は、特に限定されず、穿孔394により十分な量の空気がリアパネル391を通って流れることができるのであれば、任意の形状及び数であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、
図53に示されるように、穿孔394は、リアパネル391が格子と類似するように、垂直スロットの形状で形成され得る。軸流ファン392及び吸気プレナム393はそれぞれ、BIリーダ300に空気が吸い込まれることを可能にし、空気はその後、フロントパネル311の下のベントを通して排出され得る。例えば、周囲の空気は、BIリーダ300の背後の領域からリアパネルアセンブリ390を通してBIリーダ300に引き込まれ得る。すると、BIリーダ300の内側に正圧が生じ、これにより、フロントパネルアセンブリ310のベントを通して暖かい空気が排出される。一例として、軸流ファン392のうちの1つは、カメラ361に直接隣接して配置され得、他の2つの軸流ファン392は、ヒータブロックアセンブリ370の近くに配置されて、追加の空気流を提供し得る。よって、システム内のほこり及び他の粒子の量が削減され得る。軸流ファン392を使用して、BIリーダ300に収容される構成要素のためにBIリーダ300の適切な温度が維持され得、例えばカメラ361がヒータブロックアセンブリ370に近接して使用される間、カメラ361は適切な動作温度に維持され得る。
【0121】
図47に戻ると、実施形態によれば、ヒータブロックアセンブリ370は、リニアガイドブロック343の上に配置される。上記で論述されたように、中央パネル304は、タイミングベルト342cを収容する第2の開口部304bを画定する。ステッパモータ341及び駆動プーリ342aは、BIリーダ筐体301の第1の側面303aと中央パネル304との間に配置され得、アイドラプーリ342b及びリニアガイドブロック343(ならびにリニアガイドブロック343に取り付けられたスキャンヘッドアセンブリ350)は、BIリーダ筐体301の第2の側面303bと中央パネル304との間に配置され得る。ヒータブロックアセンブリ370は、BIリーダ300上でリニアガイドブロック343と同じ側に配置されるように、第2の側面303bと中央パネル304との間に支持され得る。カメラアセンブリ360及びミラーマウント330は両方とも、第1の側面303aと中央パネル304との間に配置される。
【0122】
実施形態によれば、BIリーダ300は、4つのアクセスドア313を含み、これらは、BIリーダ100の幅方向WRに沿って互いに離間した4つのBIベイ375にそれぞれ対応する。よって、BIリーダ300は、BIリーダ300の1回の検出サイクル中に、4つの生物学的インジケータ100に対して併行して(または同時に)滅菌有効性検査を実行することができる。
【0123】
図55は、本開示の様々な実施形態に従う、制御システムのブロック図である。いくつかの実施形態によれば、制御システム500は、BIリーダ300の位置調整アセンブリ340、ヒータブロックアセンブリ370、アクセスドア313、及びソレノイド405、カメラアセンブリ360、励起源351、及びスキャンヘッドアセンブリ350、ディスプレイ312などを操作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御システム500は、BIリーダ300の異なる態様を制御するように構成された1つ以上のモジュールを実行する複数のマイクロコントローラ(またはプロセッサ)を含み得る。例えば、制御システム500の1つ以上のプロセッサは、位置調整アセンブリ制御モジュール510、BIベイヒータ制御モジュール520、BIベイドア及びハンドラ制御モジュール530、カメラ制御モジュール540、励起制御モジュール550、及びユーザインターフェース制御モジュール560を実行し得る。例えば、いくつかの実施形態では、制御システム500の1つ以上のコントローラは、制御プロセッサ501、ベイプロセッサ503、及びディスプレイプロセッサ502を含み得、これらのそれぞれは、位置調整アセンブリ制御モジュール510、BIベイヒータ制御モジュール520、BIベイドア及びハンドラ制御モジュール530、カメラ制御モジュール540、励起制御モジュール550、及びユーザインターフェース制御モジュール560のうちの1つ以上を操作し得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、
図55及び
図56に概して示されるように、位置調整アセンブリ制御モジュール510は、位置調整アセンブリ340を制御するように構成され得る。例えば、位置調整アセンブリ制御モジュール510は、ステッパモータ341及びベルトドライブ342を実行し得る。さらに、いくつかの実施形態では、位置調整アセンブリ制御モジュール510は、位置調整アセンブリ340がスキャンヘッドアセンブリ350を予め設定された閾値限界を超えて前進させることを阻止するためのロックアウトロジックを含み得る(ベイプロセッサに関連して下記でさらに論述され、及び位置調整アセンブリ340に関連して上記でさらに論述されたように)。下記でさらに論述されるように、いくつかの実施形態では、位置調整アセンブリ制御モジュール510は、制御プロセッサ501により実行され得る。
【0125】
図55及び
図57に示されるように、BIベイヒータ制御モジュール520は、いくつかの実施形態によれば、ヒータブロックアセンブリ370のヒータカートリッジ373及び軸流ファン392を制御し、ヒータブロックアセンブリ370の温度センサ376から信号を受信して処理するように構成され得る。BIベイヒータ制御モジュール520はさらに、温度センサ(複数可)376が予め設定された閾値を超える温度差を記録した場合、ヒータカートリッジ373の継続的な動作を抑制するロジックを含み得る。BIベイヒータ制御モジュール520はさらに、ヒータ電流モニタを実行し、ヒータ電流モニタが予め設定された閾値を超える電流を記録した場合、ヒータの継続的な動作を抑制するロジックを含み得る。下記でさらに論述されるように、いくつかの実施形態では、BIベイヒータ制御モジュール520は、ベイプロセッサ503により実行され得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、
図55及び
図58に示されるように、BIベイドア及びハンドラ制御モジュール530は、ソレノイド405を制御するように構成され得る。このモジュールはさらに、様々な状況を検出するために、各BIベイ内の1つ以上のセンサと通信し得る。いくつかの実施形態では、BIベイドア及びハンドラ制御モジュール530は、1つ以上のBIセンサ基板(例えば上部BIセンサ基板506及び下部BIセンサ基板389)を介して、これらのセンサと通信し得る。例えば、いくつかの実施形態では、BIベイドア及びハンドラ制御モジュール530は、ドア位置センサ、ソレノイド前進限界センサ、ソレノイド後退限界センサ、またはBI存在センサのうちの1つ以上と通信し得る。これらのセンサのそれぞれは、上記で論述されたように、赤外光インタラプタであり得、BIベイのそれぞれは、これらのセンサのうちの1つ、2つ以上の任意の組み合わせ、またはすべてを含み得る。いくつかの実施形態では、BIベイドア及びハンドラモジュール530は、ベイプロセッサ503により実行され得る。
【0127】
図55及び
図59に示されるように、カメラ制御モジュール540は、実施形態によれば、カメラ361を制御するように構成され得る。例えば、カメラ制御モジュール540は、カメラを操作し、カメラ361により受信された画像を受信して処理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、カメラ制御モジュール540は、制御プロセッサ501により実行され得る。
【0128】
いくつかの実施形態によれば、
図55及び
図60に示されるように、励起制御モジュール550は、励起源351を操作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、励起制御モジュール550は、例えばBIベイ375のうちのどれがBI100により占拠されているかを示す信号に関して、BIベイドア及びハンドラモジュール530から入力を受信するように構成され得る。励起制御モジュール550は、この入力を処理して、BIベイ375のうちのどれが励起源の起動を必要とするか、及び特定の処理でBIベイ375のうちのどれがスキップできるか(例えば特定のBIベイ375には生物学的インジケータ100が挿入されていないため)を、特定し得る。励起制御モジュール550はまた、励起源351の電流を調整する組み込み機構を操作して、励起源351のサイクル(例えばPWMサイクル)を通して電流調整を維持し得る。励起制御モジュール550はまた、励起源の起動のタイミング及びその露光の長さ、ならびにカメラの起動のタイミング及びその露光の長さを制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、励起制御モジュール550のいくつかの態様は、制御プロセッサ501により実行され得、励起制御モジュール550の他の態様は、ベイプロセッサ503により実行され得る。しかし、本開示はこれに限定されず、励起制御モジュール550は、単一のプロセッサ(例えば制御プロセッサ501またはベイプロセッサ503のいずれか)により実行され得ることが、理解されよう。
【0129】
図55及び
図61に示されるように、ユーザインターフェース制御モジュール560は、いくつかの実施形態では、ユーザとディスプレイ312(例えばタッチパネル)とのインタラクションを管理するように構成され得る。例えば、ユーザインターフェース制御モジュール560は、ユーザ入力を受信して処理し、ディスプレイ312におけるユーザへの情報表示を管理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース制御モジュール560は、ディスプレイプロセッサ502により実行され得る。
【0130】
上記のように、これらのモジュールのそれぞれの制御を達成するために、制御システムは、複数のマイクロコントローラ(またはプロセッサ)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、制御システムは、少なくとも制御プロセッサ501、ディスプレイプロセッサ502、及びベイプロセッサ503を含み得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、例えば、制御プロセッサ501は、位置調整アセンブリ制御モジュール510、カメラ制御モジュール540、及び励起制御モジュール550の少なくとも一部を実行するように構成され得る。これらのモジュールのうちの1つ以上を実行する制御プロセッサ501を利用して、システム監視、カメラ361及び位置調整アセンブリ340(またはより具体的にはステッパモータ341)の管理、カメラ361及び励起源351の操作、カメラ361によりキャプチャされた画像の処理及び受信、胞子検出検査の順序付け、及びドア開口部316における光源(フロントパネルLED基板504とも称される)の管理が行われ得る。ドア開口部316における光源を管理するために、制御プロセッサ501は、光源回路を含むフロントパネルLED(または光源)基板と通信するように構成され得る。
【0132】
さらに、位置調整アセンブリ340を制御するために、いくつかの実施形態では、制御プロセッサ501は、位置調整アセンブリ340がスキャンヘッドアセンブリ350を予め設定された閾値限界を超えて前進させることを阻止するためのロックアウトロジックを含み得る。このような実施形態では、位置調整アセンブリ340はさらに、1つ以上の閾値センサ(上記で概して論述された)を含み、1つ以上の閾値限界を超えるスキャンヘッドアセンブリ350の動きを制限し得る。例えば、いくつかの実施形態では、位置調整アセンブリ340は、スキャンヘッドアセンブリ340の右側に1つのセンサを含み得、スキャンヘッドアセンブリ340の左側に別のセンサを含み得、これにより、ベルトドライブ342に沿った両方向でスキャンヘッドアセンブリ340の動きが制限される。
【0133】
いくつかの実施形態では、BIリーダ300は、外部USB診断ポート(図示せず)及び/またはイーサネット(登録商標)ポート(同様に図示せず)を含み得る。USB診断ポートを含む実施形態では、制御プロセッサ501は、USB診断ポートに対応し、診断グラフィカルユーザインターフェース(GUI)をホストし得る。イーサネット(登録商標)ポートを含む実施形態では、制御プロセッサ501は、データ管理要件に準拠するために、(例えば病院内の)器具追跡システムとのBI検査データの交換を容易にするように構成され得る。
【0134】
さらに、いくつかの実施形態では、ディスプレイプロセッサ502は、ユーザインターフェース制御モジュール560を実行し得る。このモジュールを実行するディスプレイプロセッサは、タッチパネル(使用される場合)を含むディスプレイ312を管理し、ユーザ入力を受信して処理するように構成され得る。ディスプレイプロセッサ502は、イーサネット(登録商標)接続にも対応し得る。
【0135】
ベイプロセッサ503は、いくつかの実施形態によれば、BIベイヒータ制御モジュール520と、BIドア及びハンドラモジュール530との少なくとも一部を実行するように構成され得る。これらのモジュール(またはこれらの一部)を実行するベイプロセッサ503は、ソレノイド405を操作し、アクセスドア313の状態(または構成)を監視及び報告し、ヒータカートリッジ373を操作し、軸流ファン392を操作し、励起源351の特定の機能を管理するように構成され得る。
図55及び
図58に示されるように、ベイプロセッサ503はまた、例えばスロットセンサ329、BI存在センサ382、及びシャトルセンサ425を含む様々なBIセンサの回路を有する上部BIセンサ基板506及び下部BIセンサ基板389と通信するように構成され得る。
図55及び
図57に示されるように、ベイプロセッサ503はまた、ヒータブロックアセンブリ370の温度を上記で論じられた温度範囲内に維持するために、ヒータブロックアセンブリ370の温度センサ376と通信し、これらのセンサからの信号を処理して、ヒータカートリッジ373及び軸流ファン392の動作を制御するように構成され得る。
【0136】
BIベイ375のそれぞれとスキャンヘッドアセンブリ350との平行性を提供するように、ヒータブロックアセンブリ370及び光学アセンブリ(すなわち位置調整アセンブリ340及びカメラアセンブリ360)は、互いに較正され、これにより、スキャンヘッドアセンブリとBIベイ375のそれぞれとの距離は一定となり、及びスキャンヘッドアセンブリは、BIベイ375のそれぞれの画像を焦点面でキャプチャすることが、理解されよう。他の構成が可能であることが、さらに理解されよう。例えば、カメラアセンブリ360がBI100により送られた光を最小の干渉(または削減された干渉)で受信できるようにカメラアセンブリ360が配置されるのであれば、カメラアセンブリ360は、BIリーダ筐体301の別の場所に配置され、ミラーマウント330は移動または省略されてもよい。別の例として、前述のように、BIベイ375ごとに、別個のカメラアセンブリ360及び/または別個の励起源351が利用されてもよい。しかし、本開示はまた、BIリーダ300をコンパクトな筐体301で提供し、これにより、BIベイ375ごとに別個の励起及び測定機器を使用することなく、より少ない構成要素の使用及び複数のBIベイ375の分析が可能となり、したがって、上記でも論述されたように、リーダのサイズ及びコストが削減される。
【0137】
本開示の実施形態によれば、滅菌処理の滅菌有効性を検出する方法は、上記で論述されたBIリーダ300及び少なくともBI100(及びいくつかの実施形態ではPCD200)を利用することを含む。実施形態によれば、例えば、生物学的インジケータ100が受けた滅菌処置が成功したか否かを判定するために、BIリーダ300を利用して、生物学的インジケータ100が検査及び分析され得る。
【0138】
最初に、ユーザは、例えばオン/オフボタンを押すことにより、またはBIリーダ300のフロントパネル311のディスプレイ312と(例えばBIリーダ300を起動させるように)相互作用することにより、BIリーダ300を起動させ得る。このようなユーザ入力を受信すると、制御プロセッサは、ヒータカートリッジ373を起動させて、ヒータブロックアセンブリ370、例えば第1の加熱プレート371及び第2の加熱プレート372の加温を開始する。第1の加熱プレート371及び第2の加熱プレート372が十分な温度、例えば摂氏60度になると、ヒータブロックアセンブリ370の温度センサ(複数可)376は、制御プロセッサに信号を送信し、制御プロセッサは、BIリーダ300の使用準備ができたことをユーザに通知する。通知は、ディスプレイ312に表示される情報を介して、及び/またはアクセスドアリリース314に関連付けられた光源の変化を介して、行われ得る。例えば、光源の変化は、消灯から点灯への変化(もしくはその逆の変化)、色の変化(赤から緑など)、または点灯(もしくは消灯)から点滅への変化であり得る。
【0139】
滅菌有効性検査を実行するために、ユーザは、アクセスドアリリース314を押下することで(または別の方法で作動させることで)、アクセスドア313を解除し、ドア開口部316及びチャンバ326を露出し得る。次に、ユーザは、生物学的インジケータ100をドア開口部316に挿入して、チャンバ326及びチャンバ開口部327を通すことで、生物学的インジケータ100の第1の端部100aをBIベイ375に挿入し得る。上記で論述されたように、生物学的インジケータ100の第1の端部100aがBIベイ375に挿入される時、チャンバ326は、生物学的インジケータ100をチャンバ開口部327及びBIベイ375に誘導する。生物学的インジケータ100の第1の端部100aがBIベイ375内を移動し続けると、挿入溝138がBIラッチ384に接触し、次いでBIラッチ384は、BIラッチピン386を中心に旋回してBIラッチ開口部383内に移動し、これにより、生物学的インジケータ100の正確な挿入が可能となる。生物学的インジケータ100がBIベイ375に挿入されている時、BIラッチ384(例えばリブ387)は、挿入ノッチ138bにより生物学的インジケータ100に向かって移動し、リブ387が挿入ノッチ138b内に移動して、生物学的インジケータ100を所定の位置に保持する。
【0140】
1つの生物学的インジケータ100が、各BIベイ375に挿入され得る。よって、実施形態によれば、4つのBIベイ375を有するBIリーダ300の場合、4つの生物学的インジケータ100を併行してまたは同時に検査することができる。しかし、検出サイクルを実行するのに、BIリーダ300のBIベイ375のすべてが占拠されている必要はない。むしろ、任意の数のBIベイ375が空のままであってもよく、よって、1つのBI100のみに(残りのすべてのベイを空にして)、または任意の他の数(リーダのベイの総数まで)のBIに、検出サイクルを実行することができる。このような場合、BIリーダ300の制御システムは、各BIベイ375に関連付けられたBI存在フラグまたはセンサから信号を受信し、スキャンヘッドアセンブリ350に対し、BI100により占拠されているBIベイ375のみをスキャン(または検査)するように指示する。その結果、検出サイクル中、スキャンヘッドアセンブリ350は、ベイからベイへと移動するが、占拠されているBIベイ375にのみ、励起源から光が放射される。スキャンヘッドアセンブリ350は、空のベイの下で止まり得るが、励起源は、空のベイ375では起動されない。あるいは、制御システムは、スキャンヘッドアセンブリ350に、空のベイを完全にスキップするように指示し得、よって、スキャンヘッドアセンブリ350は、空のベイでは止まらずに、占拠されているベイ間のみを移動する。
【0141】
生物学的インジケータ100がBIベイ375に挿入された後、ユーザは、例えばアクセスドアリリース314を再び作動させることにより、またはアクセスドアを手動で下げることにより、アクセスドア313を閉じ得る。すべてのアクセスドア313が閉じられた後、BIリーダ300が検査を実行する準備ができていることを確保するために、BIリーダ300は、様々なソフトウェアチェックを実行し得る。例えば、スキャンヘッドアセンブリ350及び/またはカメラアセンブリ360を利用して、制御システムは、光路内のダスト粒子を調べるダストチェックを開始し得、これは、スキャンヘッドアセンブリの視野内(例えばベイ375のBI窓379により画定される視野内)の高周波ノイズを調べることにより行われ、高周波ノイズは、光路(例えばBIベイ375のBI窓379とBI100の撮像窓190との間)に異物が存在することを示す。BIリーダ300はまた、ヒータブロックアセンブリ370の加熱中にBI窓379に形成された結露を調べる結露チェックを行い得る。BIリーダ300はまた、BI窓379がBIベイ375に正確に位置を合わせていることを確保するために、生物学的インジケータ100の位置合わせチェックを実行し得、これは、例えば底部開口部132のオーディンの十字形を検出して、生物学的インジケータ100が許容範囲内で挿入されたことを確認することにより行われる。BIリーダ300はまた、スキャンヘッドアセンブリ350及び位置調整アセンブリ340の適切な較正、ならびにスキャンヘッドアセンブリ350とヒータブロックアセンブリ370(ゆえにBI窓379)との間の正確な距離を確保するために、位置調整チェックを実行し得る。スキャンヘッドアセンブリとヒータブロックアセンブリ370との間の適切な距離を確保するために、自己較正ターゲット369を利用して、スキャンヘッドアセンブリ350及び位置調整アセンブリ340の適切な較正が確認され得、これは、自己較正ターゲット369に向けて光を放射して、較正ターゲット369から反射されたパターンを測定することにより行われる。これらのシステムチェックのうちのいずれかが失敗した場合、制御プロセッサは、障害またはエラーメッセージを送信し、これは、ディスプレイ312に表示される障害またはエラー情報を含み得、及び/またはアクセスドアリリース314に関連付けられた光源の変化を介し得る。さらに、BIリーダ300は、検査サイクル中の胞子キャリア180の理想的な焦点面(例えば距離測定)からのあらゆる偏差を推定するために、光学アセンブリを介したZ焦点調整を含み得る。Z焦点調整は、集光レンズ353の焦点距離が+/-250μmの範囲内で調整され得ように、スキャンヘッドアセンブリ350と共に電子制御マイクロメータを利用して、達成され得る。
【0142】
システムチェックがすべて通過した場合、制御システムは(例えば制御プロセッサを介して)、ソレノイド405を起動させて、ソレノイド405の中心ロッド406を、BIリーダ300の深さ方向YRに沿ってシャトル420に向かって押すことにより、シャトルばね410の張力に打ち勝って、シャトル420をフロントパネル311に向かって動かす。ソレノイド405の起動により、アクセスドア313は閉鎖位置にロックされる。シャトル420が前方に移動すると、シャトル420のカムベアリング421が発芽剤リリースレバー401のカム面402と相互作用して、カム面402を時計方向に作動させる。次いで、プッシュロッド403は、BIベイ375に向かって下方に、及びBI筐体110の開口部121の中に、延伸する。さらに、シャトル420のドアインターロックばね422は、シャトル420が作動している間、保持クリップ319と係合して、アクセスドア313をロックして回転を防止する。
【0143】
プッシュロッド403は、BI筐体110の開口部121を通って下方に延伸し、発芽剤リリーサ170に圧力を加え、今度は発芽剤リリーサ170が発芽剤リリーサ支持体140に圧力を加え、発芽剤リリーサ支持体140は、発芽剤リリーサ170と共に発芽剤容器160に圧力を加え、これにより、発芽剤容器160が破裂し、発芽剤容器160に含まれる発芽剤165がBI100の内部に放出される。発芽剤165は、発芽剤パッド185にしみ込み、発芽剤パッド185は、発芽剤パッド185を通して発芽剤を胞子キャリア180へウィッキングし、胞子キャリア180は、その下側に胞子181を含む。次いで、発芽剤165は、胞子キャリア180を通してウィッキングされ、胞子キャリア180の下側の胞子に到達する。
【0144】
上記で論述されたように、胞子キャリア180における胞子181が滅菌処理中に死滅すると、これらの胞子は、DPAを放出する。これらの胞子(またはより正確には、これらの胞子から放出されたDPA)が発芽剤溶液165と接触すると、発芽剤溶液の光輝性成分(例えばTbイオン)は、DPAに結合して、UV光で活性化されると発光する光輝性複合体(例えばTb-DPA複合体)を形成し得る。発芽剤165が生物学的インジケータ100内に放出された後、制御システムは、各生物学的インジケータ100内の活動の画像を生成、キャプチャ、及び分析するように、光学アセンブリを起動させ得る。より具体的には、制御システムは、位置調整アセンブリを起動させて、リニアガイドブロック343をガイドレール343aに沿って移動させ、スキャンヘッドアセンブリ350を最初の占拠BIベイ375の下に位置合わせさせる。次に、スキャンヘッドアセンブリ350は、励起源351からBI窓379に向かって光を放射し、この光は、放射レンズ352、励起フィルタ354、BI窓379、及び撮像窓190を通過して、生物学的インジケータ100内の胞子181に到達する。これにより、光輝性複合体が活性化され、発光して撮像窓へ放射し返し始め、光は、前述の光路に沿って(すなわち撮像窓190、ヒータブロックアセンブリ370のBI窓379、集光レンズ353を通過して、第1のミラー355に到達し、第1のミラー355は、幅方向XRに沿って第2のミラー331へ光を反射し、次に第2のミラー331は、深さ方向YRに沿ってカメラアセンブリ360へ光を反射し)、カメラ361に到達する。いくつかの実施形態では、カメラ361は、死滅した胞子により生成された発光を、明るく静的なバックグラウンド画像としてキャプチャする。しかし、いくつかの実施形態では、カメラがバックグラウンド画像をキャプチャしない場合があることを理解されたい。
【0145】
また上記で論述されたように、胞子キャリア180におけるいずれかの胞子181が滅菌サイクルを生き延びた場合、これらの生存可能胞子(または生存胞子)は、発芽剤溶液165中の発芽剤(例えばL-アラニン)と接触すると、発芽し始める。発芽すると、これらの生存胞子はDPAを放出し、次にDPAは、発芽剤溶液165の光輝性成分に結合し得る。次に、結果得られたDPA光輝性複合体は、死滅した胞子に関連して前述されたように、UV光で活性化されると、発光する。しかし、生存胞子は発芽後にそれらのDPAを放出するため、死滅した胞子からカメラが受信したDPA信号と、生存胞子からカメラが受信したDPA信号との間には、時間経過及び振幅増大がある。したがって、死滅した胞子からの静的バックグラウンド信号を超えるDPA信号をカメラが検出すると、制御システムは、滅菌サイクルが失敗したという通知を返す。この通知は、ディスプレイ312に表示される情報を介して、及び/またはアクセスドアリリース314に関連付けられた光源の変化を介して、及び/またはオーディオアラームを介して、行われ得る。
【0146】
制御システムはまた、検出プロトコルを実行する前に、光学アセンブリを使用して、発芽剤165が正常に放出されたことで胞子キャリア180を満たしたか否かを最初に検出するチェックを実行し得る。光学アセンブリ及び制御システムは、経時的に放射される光の平均強度を検出して計算することにより、このチェックを行う。例えば、制御システム及び光学アセンブリが、経時的に特定の閾値強度比(例えば約110%)以上の強度変化を検出した場合、BIリーダ300は、発芽剤165が正常に放出されたと記録し、検出サイクルに進む。しかし、制御システム及び光学アセンブリが特定の閾値強度よりも低い強度を検出した場合、BIリーダ300は、発芽剤が適切に放出されなかったと記録し、障害またはエラーを返す。上記で論述されたように、障害またはエラーは、ディスプレイ312に表示される情報を介して、及び/またはアクセスドアリリース314に関連付けられた光源の変化を介して、示され得る。
【0147】
さらに、いくつかの実施形態によれば、このシステム検査で使用される閾値強度は、滅菌サイクル後の胞子181の予想発光レベルに基づく。例えば、この検査の閾値強度レベルは、胞子キャリア180における胞子181の数及び種類を所与として、滅菌サイクル中にすべての胞子181が死滅した(したがって発芽剤が放出される前にそれらのDPAを放出した)と仮定した予想発光レベルのパーセンテージに基づき得る。死滅した胞子181は発芽剤165と接触すると比較的迅速に発光して強度信号を返すと予想されるため、予想発光強度よりも低い発光強度は、発芽剤165が完全に放出されて胞子キャリア180を適切に満たすことに失敗したことを示し得る。閾値強度(または予想発光強度の閾値パーセンテージ)は、発芽剤165が適切に放出されたか否かを正確に判定するのに十分高いのであれば、特に限定されない。いくつかの実施形態では、閾値強度は、2000に、すなわち0~65535レベルの範囲外に(16ビット画像の場合)、設定され得る。しかし、いくつかの実施形態では、BIリーダ300は、バックグラウンド(または予想発光)の画像を検出またはキャプチャしないことが、理解されよう。このような実施形態では、この検査の閾値強度は0に設定され、またはこの検査は省略される。
【0148】
前述の発芽剤リリースシステム検査に合格したと仮定すると、制御システムは、BIリーダ300に検出サイクルを継続するように指示する。上記で論述されたように、検出サイクル中、光学アセンブリは、励起源から各占拠ベイ内のBI100に光を放射し、撮像窓190及びBI窓379を通って放射し返された発光の複数の画像をキャプチャし得る。いくつかの実施形態では、生存胞子が存在するか否かを判定するために、制御システムは、信号対雑音比を生成して、受信した任意の発光信号を、静止バックグラウンド画像(存在する場合)と比較し得る。具体的には、滅菌処置後もいずれかの胞子181が生存可能で残った場合、最初に放射し返される発光は、予想閾値を下回り得る。次に、生存胞子181は、発芽後(すなわち発芽剤溶液165との最初の接触後しばらくしてから)、それらのDPAを放出し、この時点で、新たに放出されたDPAは、発芽剤溶液の光輝性成分と結合し、発光する(励起源からの光で活性化されて)。しかし、この発光信号は生存胞子が発芽する時間が経過した後に生じるため、この生存胞子の信号は、静的なバックグラウンド画像(存在する場合)が確立されるまで現れない。よって、生存胞子からのいずれの信号も、静的なバックグラウンド信号(存在する場合)の上に現れ、または経時信号として現れ、制御システムにより、生存胞子を示すもの、したがって滅菌の失敗として識別される。
【0149】
滅菌の成功または失敗の通知が正確であることを確認するために、胞子キャリア全体が経時的に評価され、胞子が残っていないかどうかが判定される。より具体的には、占拠BIベイ375の下にスキャンヘッドアセンブリ350が配置されている間に、励起源が胞子キャリアに光を放射し、カメラが胞子キャリア全体の複数の画像をキャプチャする。カメラアセンブリ360によりキャプチャされたこれらの画像は、次に、制御プロセッサに送信され、制御プロセッサは、画像のそれぞれを分析して、例えば返された画像の信号とノイズ(または背景)とを比較し得る。いくつかの実施形態では、例えば、プロセッサは、キャプチャされた画像のそれぞれをピクセルごとに分析する。キャプチャされた画像をピクセルごとに分析することにより、生存胞子の数の定量化が可能となり、よって、滅菌有効性のより正確な評価が提供される。具体的には、胞子がDPAを放出する時(滅菌サイクル中に死滅することにより、または発芽することにより)、DPAは通常、胞子の近くで放出される。しかし、死滅した胞子181により放出されたDPAは、BI100が処理される時まで、胞子キャリア180にわたり拡散するのに十分な時間を有した。対照的に、生存胞子181によるDPAは、リアルタイムで(例えば15秒間隔で)放出され、DPAは、そのピクセル位置から拡散するのに十分な時間を有さない。したがって、生存胞子181からのDPA信号は、局所的な強度摂動として現れる。よって、本明細書に説明される撮像及び分析プロトコルは、胞子キャリア180の各ピクセルを見ることで、胞子キャリアにおける個々の胞子の撮像を可能にする。胞子キャリア180における既知数のピクセル及び既知数の胞子181により、生存胞子181の数が、制御プロセッサにより定量化され得る。そのためにも、ピクセルの数は特に限定されないが、いくつかの実施形態では、各画像は160×160ピクセルを含み得る。
【0150】
上記のように、滅菌サイクル後も1つ以上の胞子が生存可能で残った場合、これらは、BIの起動よりも時間的に後に発光信号を生成し、または死滅した胞子により生成された信号(存在する場合はバックグラウンド信号に寄与する)よりも時間的に後に発光信号を生成する。したがって、いくつかの実施形態では、光学アセンブリは、定期的な時間間隔で各BIベイ375にて画像をキャプチャするように構成され得る。各間隔の長さは、特に限定されないが、各BIベイ375における各停止期間中に胞子キャリアの複数の画像をキャプチャするのに十分な長さでなければならない。例えば、いくつかの実施形態では、各間隔は約3秒の長さであり得、よって、占拠ベイ375にスキャンヘッドアセンブリ350が停止すると、スキャンヘッドアセンブリ350はそこに3秒間留まり、胞子キャリアに光を放射し、胞子キャリアにより返される発光の画像をキャプチャし、このような画像は、数千回の露光によりキャプチャされた光子の蓄積である。より具体的には、いくつかの実施形態では、リニアガイドブロック343(ステッパモータ及びベルトドライブによって駆動される)は、最初の占拠ベイ375に到達するまでガイドレール343aで運ばれる。最初の占拠ベイ375に到達すると、リニアガイドブロック343は、そこで時間間隔の間(例えば3秒間)停止する。この時間間隔が経過した後、リニアガイドブロック343は、次の占拠ベイ375に到達するまでガイドレール343aに沿って再び移動し、そこで時間間隔の間、再び停止する。これは、すべての占拠ベイ375がスキャンヘッドアセンブリにより臨検されるまで続く。スキャンヘッドアセンブリ350が最後の占拠BIベイ375を達成すると、スキャンヘッドアセンブリ350は、第2の時間間隔(通常、長さは第1の時間間隔と等しいが、必要に応じて変化し得る)の間、最初の占拠ベイ375に戻り、その後、残りの占拠ベイを再び循環する。スキャンブロックアセンブリ350は、任意の数のサイクルを、この循環モードで作動し得、よって、BIリーダ300の各検出サイクルの間に、各占拠ベイ375に対し、複数の照明及び画像キャプチャサイクルが行われる。胞子キャリアのこの時間ゲート撮像により、BIリーダ300及び制御プロセッサは、時間ゲート画像を互いに比較して、異なる時点で現れる、または最初に確立されたバックグラウンド画像(存在する場合)の上に現れるいかなる発光信号も検出することが可能となる。上記で論述されたように、これらの画像の各ピクセル分析と組み合わせることで、BIリーダ300は、胞子キャリアにおける個々の胞子を検出し、滅菌処置後に生存状態で残った胞子の数を定量化することが可能となる。リーダ300の占拠ベイ375は、この手法で、例えば最も左のベイ、最も右のベイ、または真ん中あたりのベイからスキャンヘッドアセンブリサイクルを開始することを含む任意の順序で、分析され得ることが、理解されよう。
【0151】
実施形態によれば、BIリーダ300は、約15分以下で完全な検出サイクル(すなわちスキャンヘッドアセンブリ350の複数のサイクルを含む)を完了することができる。上記で論述されたように、位置調整アセンブリ340により、スキャンヘッドアセンブリ350は、様々なBIベイ375の下を比較的短い間隔で移動し得、1回の検出サイクルの間に、BIベイ375のそれぞれを複数回循環し得る。よって、各BIベイ375で複数の画像がキャプチャされ、経時的な画像履歴が提供される。BIリーダ300は、経時的な各生物学的インジケータ100のパターンを分析し、偽陰性をもたらすノイズの可能性を低減することで、BIリーダ300の信頼性を向上させるように構成され得る。実施形態によれば、BIベイ375のうちの1つで生存胞子181が検出されると、検出サイクルが停止されてもよく、または他のBIベイ375で生存胞子181がないか検査を続ける間、そのBIベイ375は省略されてもよい。
【0152】
BIリーダ300の検出サイクルが完了した後、BIリーダ300は、検査された生物学的インジケータ100のそれぞれが生存胞子を含んでいなかったかどうかを示す測定または通知を、ユーザに出力し得る。リーダにより出力される測定または通知は、ディスプレイ312に表示された情報を介して、及び/またはドアリリース314に関連付けられた光源の変化を介して、行われ得る。例えば、検出サイクル中に生存胞子の検査でBI100が陽性であったこと(したがってそのBIに関連付けられた滅菌サイクルが失敗したこと)を測定または通知が示す場合、BIリーダ300は、ディスプレイ上で、「失敗」などの通知、またはBIに関連付けられた滅菌サイクルが成功しなかったことをユーザに伝える任意の他の通知の横に、ベイ番号を特定し得る。付加的または代替的に、BIベイに対応する光源は、例えば、消灯から点灯へ(またはその逆)、ある色から別の色へ(例えば緑から赤へ、またはその逆)、点灯から点滅へなど、変化し得る。また、付加的または代替的に、BIリーダ300は、生存胞子が検出された場合に(または上記で論述されたシステム障害の場合に)、音を発するオーディオアラームを含み得る。同様に、検出サイクル中に生存胞子が検出されなかった場合(よって滅菌サイクルが成功したことを示す場合)、リーダ300は、ディスプレイ上で、「合格」などの通知、またはBIに関連付けられた滅菌サイクルが成功したことをユーザに伝える任意の他の通知の横に、ベイ番号を特定し得る。付加的または代替的に、BIベイに対応する光源は、例えば、消灯から点灯へ(またはその逆)、ある色から別の色へ(例えば赤から緑へ、またはその逆)、点灯から点滅へなど、変化し得る。また、付加的または代替的に、オーディオアラームは、例えば成功を示す明確な音を発し得る(一方で、滅菌サイクルの失敗を示すために別の音が使用され得、システム障害を示すためにまた別の音が使用され得る)。
【0153】
検出サイクルが完了すると、ソレノイド405が引き込まれ、シャトル420は解放され、リアパネル391に向かって後退し、ドアインターロックばね422は保持クリップ319から離れ、フック部分313cにおけるアクセスドア313のロックが解除される。シャトル420が後退すると、発芽剤リリースレバー401が解除され、プッシュロッド403は生物学的インジケータ100の開口部121から後退する。次に、ユーザは、アクセスドアリリース314を押下して(または別の方法で作動させて)、アクセスドア313を解除して、生物学的インジケータ100の取り外しを可能にし得る。次に、二次胞子キャリアが生物学的インジケータ100から取り外され、二次胞子キャリアを使用して基準培養検査が実行され得、BIリーダ300により返される結果が検証される(必要な場合)。
【0154】
例示的実施形態
下記の例示的実施形態は、例示目的のみで提示され、本開示の範囲または内容を限定するものではない。
【0155】
例示的実施形態1:生物学的インジケータであって、生物学的インジケータ(BI)筐体と、前記BI筐体内で、BI起動前に発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、前記BI筐体の第1の面にある撮像窓と、前記BI筐体内の第1の胞子キャリアであって、前記第1の胞子キャリアは略平面であり、第1の側及び第2の側を有し、前記第1の胞子キャリアはその前記第1の側に第1の複数の胞子を担持する、前記第1の胞子キャリアと、を備え、前記第1の胞子キャリアの前記第1の側及びそこに存在する前記第1の複数の胞子は、前記撮像窓に対して配置され、前記撮像窓を通して観察され、前記発芽剤組成物は、BI起動後に前記第1の胞子キャリア及びそこに存在する前記第1の複数の胞子と接触するように構成される、前記生物学的インジケータ。
【0156】
例示的実施形態2:BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成された発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、前記第1の胞子キャリアの上に配置される、例示的実施形態1に記載の生物学的インジケータ。
【0157】
例示的実施形態3:BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成された発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、略平面であり、前記第1の胞子キャリアの前記第2の側に隣接して配置される、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0158】
例示的実施形態4:発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成され、前記発芽剤パッドは、略平面であり、前記第1の胞子キャリアの前記第2の側に隣接して配置され、前記第1の胞子キャリアは、前記発芽剤パッドと前記撮像窓との間に配置され、前記第1の胞子キャリア、前記発芽剤パッド、及び前記撮像窓はすべて、略平行平面として積み重ねられた構成で配置される、例示的実施形態1及び2のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0159】
例示的実施形態5:BI起動時に前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサをさらに備え、前記発芽剤リリーサは、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように、BI起動中に移動可能である、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0160】
例示的実施形態6:前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサをさらに備え、前記発芽剤リリーサは、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように、BI起動中に前記第1の胞子キャリア及び前記発芽剤パッドに向かって移動可能であり、前記発芽剤リリーサは、少なくともBI起動中に前記発芽剤パッドを前記第1の胞子キャリアに押し付けるように構成される、例示的実施形態2~4のいずれかに記載の生物学的インジケータ。発芽剤リリーサはまた、発芽剤パッドに押し付けられるように構成され得、これにより、少なくともBI起動中に発芽剤パッドが第1の胞子キャリアに押し付けられ、撮像窓に対して第1の胞子キャリアが保持され、及び/または少なくともBI起動中に発芽剤パッド及び第1の胞子キャリアが所定の位置に保持される。すべての実施形態において、発芽剤リリーサはまた、画像キャプチャ中を含め、BI起動後も、発芽剤パッドに押し付けられ続け得る。
【0161】
例示的実施形態7:前記BI筐体は、前記発芽剤容器、前記発芽剤パッド、及び前記胞子キャリアと位置合わせされた開口部を含み、前記開口部は、BI起動前に前記開口部から滅菌剤が入らないようにシーリングされ、前記開口部は、BI起動中にBIリーダの発芽剤リリース手段を受け入れるように構成される、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0162】
例示的実施形態8:生物学的インジケータであって、生物学的インジケータ(BI)筐体と、前記BI筐体内で発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサと、前記発芽剤リリーサを支持する発芽剤リリーサ支持体であって、前記発芽剤リリーサ支持体、前記発芽剤リリーサ、または前記発芽剤容器に力が加えられると、前記発芽剤リリーサを前記発芽剤容器に接触させるように構成される、前記発芽剤リリーサ支持体と、前記BI筐体内で第1の複数の胞子を担持する第1の胞子キャリアと、前記BI筐体の第1の面にある撮像窓と、を備える、前記生物学的インジケータ。
【0163】
例示的実施形態9:前記第1の胞子キャリアは略平面であり、第1の側及び第2の側を有し、前記第1の胞子キャリアはその前記第1の側に前記第1の複数の胞子を担持し、前記第1の胞子キャリアの前記第1の側及びそこに存在する前記第1の複数の胞子は、前記撮像窓に対して配置され、前記撮像窓を通して観察される、例示的実施形態8に記載の生物学的インジケータ。
【0164】
例示的実施形態10:BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成された発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、略平面であり、前記第1の胞子キャリアの前記第2の側に隣接して配置され、よって、前記発芽剤パッド、前記第1の胞子キャリア、及び前記撮像窓は、積み重ねられた構造である、例示的実施形態8及び9のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0165】
例示的実施形態11:BI起動中、前記発芽剤リリーサ及び前記発芽剤リリーサ支持体のうちの少なくとも1つは、前記第1の胞子キャリア及び前記撮像窓に向かって移動可能である、例示的実施形態8~10のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0166】
例示的実施形態12:前記発芽剤容器と前記胞子キャリアとの間に発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、ウィッキング材料を含み、前記発芽剤容器から前記胞子キャリアへ向かって前記発芽剤をウィッキングするように構成される、例示的実施形態8、9、及び11のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0167】
例示的実施形態13:前記BI筐体は、前記生物学的インジケータの厚さ方向に沿って前記発芽剤リリーサの上の位置または隣接する位置に開口部を画定し、前記開口部、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記胞子キャリア、及び前記撮像窓は、すべて前記厚さ方向に沿って積み重ねられる、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0168】
例示的実施形態14:BI起動前に前記開口部をシーリングするシーラント材料をさらに備え、前記シーラントは、BI起動中に破壊されるように構成される、例示的実施形態13に記載の生物学的インジケータ。
【0169】
例示的実施形態15:前記BI筐体は、前記開口部とは異なる位置に滅菌剤進入ポートをさらに備える、例示的実施形態13及び14のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0170】
例示的実施形態16:前記滅菌剤進入ポートは、前記BI筐体の外周側壁に配置される、例示的実施形態15に記載の生物学的インジケータ。
【0171】
例示的実施形態17:前記滅菌剤進入ポートと流体連通する第2の胞子キャリアをさらに備え、前記第2の胞子キャリアは第2の複数の胞子を担持する、例示的実施形態15及び16のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0172】
例示的実施形態18:前記発芽剤容器は、ガラスアンプル、壊れやすいアンプル、またはバリアによりシーリングされた中空内部を有する外部容器を含む、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0173】
例示的実施形態19:前記発芽剤リリーサ支持体は、前記発芽剤リリーサを受け入れる発芽剤リリーサ開口部を画定する台座と、前記台座を支持する複数の支持脚であって、前記台座が前記発芽剤容器の上に配置されるように構成され、前記複数の支持脚のうちの少なくともいくつかは、前記台座に下向きの圧力が加えられた時に、前記発芽剤容器に向かって前記台座を移動させることが可能な柔軟性を有する、前記複数の支持脚と、を備える、例示的実施形態5~18のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0174】
例示的実施形態20:前記BI筐体は、把持部分と、隆起部分とを備え、前記把持部分及び前記隆起部分は、前記生物学的インジケータの長さ寸法に沿って互いに隣接し、前記隆起部分は、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記発芽剤リリーサ支持体、及び前記第1の胞子キャリアのうちの少なくとも一部を収納するように構成される、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0175】
例示的実施形態21:前記BI筐体の前記隆起部分は、前記隆起部分の厚さ方向に沿って前記発芽剤リリーサの上に配置された前記BI筐体の開口部を有し、前記開口部、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記胞子キャリア、及び前記撮像窓はすべて、前記隆起部分内で前記高さ方向に沿って積み重ねられる、例示的実施形態20に記載の生物学的インジケータ。
【0176】
例示的実施形態22:前記隆起部分は、BI起動前に前記開口部をシーリングするシーラント材料をさらに備え、前記シーラントは、BI起動中に破壊される、例示的実施形態21に記載の生物学的インジケータ。
【0177】
例示的実施形態23:前記BI筐体の前記把持部分に配置された滅菌剤進入ポートをさらに備える、例示的実施形態20~22のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0178】
例示的実施形態24:前記滅菌剤進入ポートは、前記BI筐体の前記把持部分の外周側壁に配置される、例示的実施形態23に記載の生物学的インジケータ。
【0179】
例示的実施形態25:前記BI筐体の前記第1の面に撮像開口部をさらに備え、前記撮像窓は前記撮像開口部に受け入れられる、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0180】
例示的実施形態26:前記撮像開口部は、オーディンの十字形を有する、例示的実施形態25に記載の生物学的インジケータ。
【0181】
例示的実施形態27:前記第1の胞子キャリアは、灰色または黒色である、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0182】
例示的実施形態28:前記第1の複数の胞子は、前記撮像窓に面する前記第1の胞子キャリアの面に担持される、例示的実施形態8~27のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0183】
例示的実施形態29:前記発芽剤リリーサ支持体は、前記発芽剤リリーサと一体化して、複数の剛性支持脚と、前記発芽剤容器のバリアに向かって延在する複数のリリーサ突起とを有する一体型発芽剤リリーサを形成し、前記発芽剤容器及び/または前記一体型発芽剤リリーサに力が加えられると、前記複数のリリーサ突起は、前記発芽剤容器の前記バリアを穿刺する、例示的実施形態8~28のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0184】
例示的実施形態30:前記発芽剤パッドの面積は、前記第1の胞子キャリアの面積よりも大きい、例示的実施形態2~4及び6~29のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
【0185】
例示的実施形態31:前記第1の胞子キャリアのサイズ及び形状は、通常、前記撮像窓のサイズ及び形状に対応する、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0186】
例示的実施形態32:前記BI筐体内において、前記第2の複数の胞子を担持する前記第2の胞子キャリアは、前記発芽剤の放出時に前記第2の胞子キャリア及び前記第2の複数の胞子が前記発芽剤にさらされないような位置に、配置される、例示的実施形態17に記載の生物学的インジケータ。
【0187】
例示的実施形態33:BIリーダと係合するために、前記BI筐体の外周面の一部に挿入溝をさらに備える、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータ。
【0188】
例示的実施形態34:前記挿入溝は、前記挿入溝の第1の端部及び第2の端部に、またはそれらの近くに、第1の挿入突出部及び第2の挿入突出部を備え、前記第1の挿入突出部及び前記第2の挿入突出部は、前記挿入溝の前記第1の端部及び前記第2の端部に第1の挿入ノッチ及び第2の挿入ノッチを画定する、例示的実施形態33に記載の生物学的インジケータ。
【0189】
例示的実施形態35:滅菌サイクルの有効性を判定する際に使用するプロセスチャレンジデバイスであって、前記プロセスチャレンジデバイスは、第1のキャビティ及びタブを画定するトレイと、前記第1のキャビティをシーリングするために前記トレイに取り付けられるように構成された閉包部分と、滅菌剤滅菌インテグレータまたは化学的インジケータと、滅菌剤アクセスポートと、を備え、前記第1のキャビティは、いずれかの先行する例示的実施形態に記載の生物学的インジケータと、前記滅菌剤滅菌インテグレータまたは前記化学的インジケータとを受け入れるように構成され、前記タブは、前記生物学的インジケータと、前記滅菌剤滅菌インテグレータまたは前記化学的インジケータとを分離するように構成される、前記プロセスチャレンジデバイス。
【0190】
例示的実施形態36:滅菌サイクルの有効性を確認するための装置であって、前記装置は、滅菌剤アクセスポートと、前記滅菌剤アクセスポートと流体連通する1つ以上のキャビティとを有するプロセスチャレンジデバイスを備え、前記プロセスチャレンジデバイスはさらに、例示的実施形態1~34のいずれかに記載の生物学的インジケータと、前記1つ以上のキャビティ内に配置された化学的インジケータまたは滅菌剤滅菌インテグレータとを備える、前記装置。
【0191】
例示的実施形態37:前記プロセスチャレンジデバイスは、トレイと、閉包部分とを備え、前記1つ以上のキャビティは、前記トレイに形成され、前記閉包部分は、前記トレイに取り付けられて、滅菌プロセス中にシールを維持し、及び前記生物学的インジケータと前記化学的インジケータまたは前記滅菌剤滅菌インテグレータとを前記トレイ内に保持し、前記閉包部分は、前記滅菌プロセス後に前記生物学的インジケータを取り出すことができるよう、破られる、または取り除かれるように構成される、例示的実施形態36に記載の装置。
【0192】
例示的実施形態38:少なくとも1つの生物学的インジケータ内に生存可能胞子の存在を判定するように構成された生物学的インジケータ(BI)リーダであって、前記生物学的インジケータリーダは、少なくとも1つのドア開口部及び少なくとも1つのアクセスドアを有するフロントパネルアセンブリを含むリーダ筐体であって、前記アクセスドアは、前記ドア開口部を露出する開放構成と、前記ドア開口部を閉鎖する閉鎖構成との間で移動するように構成され、前記ドア開口部は、前記ドア開口部を通して前記生物学的インジケータを受け入れるように構成される、前記リーダ筐体と、前記生物学的インジケータを受け入れるように構成され、かつBI窓を有する少なくとも1つのBIベイを、少なくとも部分的に画定するヒータブロックアセンブリと、前記BIベイの上に配置された発芽剤起動器と、光学アセンブリであって、前記BIベイの前記BI窓を通して光を放射するように構成された励起源と、前記BI窓を通過する画像をキャプチャするように構成されたカメラを有するカメラアセンブリと、を含む前記光学アセンブリと、前記ヒータブロックアセンブリ及び前記光学アセンブリを制御し、前記カメラにより収集された前記画像に関連する情報を収集するように構成されたコントローラと、を備える、前記生物学的インジケータリーダ。
【0193】
例示的実施形態39:前記発芽剤起動器を作動させるように構成されたアクチュエータをさらに備え、前記BIベイは、上部BIベイ部分と、前記上部BIベイ部分の下に存在する下部BIベイ部分とを備え、前記発芽剤起動器は、作動されると、前記上部BIベイを通って前記下部BIベイに向かって移動するように構成される、例示的実施形態38に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0194】
例示的実施形態40:前記アクチュエータは、ソレノイドバルブにより作動される、例示的実施形態39に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0195】
例示的実施形態41:前記光学アセンブリはさらに、前記ヒータブロックアセンブリの下に配置されたスキャンヘッドアセンブリであって、前記励起源と、スキャンヘッド本体と、第1のミラーと、を含む、前記スキャンヘッドアセンブリと、前記スキャンヘッドアセンブリと前記カメラとの間に存在するミラーマウントであって、前記ミラーマウントは、前記スキャンヘッドアセンブリから前記カメラへ光を反射する第2のミラーを有する、前記ミラーマウントと、を備える、例示的実施形態38~40のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0196】
例示的実施形態42:前記スキャンヘッドアセンブリはさらに、前記励起源の上の放射レンズと、前記第1のミラーの上の集光レンズと、を備える、例示的実施形態41に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0197】
例示的実施形態43:前記励起源は、紫外発光ダイオードを備える、例示的実施形態38~42のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0198】
例示的実施形態44:前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記生物学的インジケータリーダはさらに、位置調整アセンブリを備え、前記位置調整アセンブリは、ステッパモータと、ベルトドライブと、リニアガイドブロックと、を含み、前記スキャンヘッドアセンブリは、前記リニアガイドブロックに取り付けられ、前記複数のBIベイの下を移動するように構成される、例示的実施形態41及び42のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0199】
例示的実施形態45:前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、それぞれのBIベイは、それぞれのBI窓を有し、前記生物学的インジケータリーダはさらに、位置調整アセンブリを備え、前記位置調整アセンブリは、前記励起源を備え、前記複数のBIベイに沿って移動するように構成され、前記複数のBIベイの前記それぞれのBI窓を通して順番に光を放射するように前記励起源を配置することができる、例示的実施形態38~44のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0200】
例示的実施形態46:リアパネルと、軸流ファンと、吸気プレナムと、を含むリアパネルアセンブリを、さらに備える、例示的実施形態38~46のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0201】
例示的実施形態47:前記フロントパネルアセンブリはさらに、ラッチを含み、前記アクセスドアは、ラッチプレートを含み、前記アクセスドアが前記閉鎖位置にある時、前記フロントパネルアセンブリの前記ラッチ及び前記アクセスドアの前記ラッチプレートは、係合して前記アクセスドアをロックするように構成される、例示的実施形態38~46のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0202】
例示的実施形態48:前記アクセスドアが前記閉鎖位置にある時、前記アクセスドアをロックするように構成されたアクセスドアロックをさらに備える、例示的実施形態38~46のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0203】
例示的実施形態49:アクセスドアリリースをさらに備え、前記アクセスドアリリースが作動されると、前記アクセスドアの前記ラッチプレートが前記フロントパネルアセンブリの前記ラッチから解除され、前記アクセスドアが開く、例示的実施形態47に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0204】
例示的実施形態50:アクセスドアリリースをさらに備え、前記アクセスドアリリースが作動されると、前記アクセスドアロックが解除され、前記アクセスドアが開く、例示的実施形態48に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0205】
例示的実施形態51:前記アクセスドアリリースは、前記フロントパネルアセンブリのラッチばねと連通し、前記アクセスドアリリースの作動により前記ラッチばねが圧縮され、結果として前記ラッチが移動し、前記ラッチプレートが解除され、前記アクセスドアが開く、例示的実施形態49に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0206】
例示的実施形態52:前記アクセスドアリリースは、板ばねを介して前記フロントパネルアセンブリのラッチばねに連結され、前記アクセスドアリリースの作動により前記ラッチばねが圧縮され、前記ラッチが移動し、前記ラッチプレートが解除され、前記アクセスドアが開く、例示的実施形態49に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0207】
例示的実施形態53:前記アクセスドアが前記開放構成にあるか前記閉鎖構成にあるかを示す信号を前記コントローラに提供するように構成されたドア位置センサをさらに備える、例示的実施形態38~52のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0208】
例示的実施形態54:前記アクセスドアのすべてが前記閉鎖構成にあり、前記生物学的インジケータリーダが作動している時、前記コントローラは、前記アクセスドアの開放を禁止するように構成される、例示的実施形態38~52のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0209】
例示的実施形態55:前記少なくとも1つのアクセスドアのすべてが前記開放構成にある時、前記コントローラは、前記生物学的インジケータリーダの動作を禁止するように構成される、例示的実施形態38~54のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0210】
例示的実施形態56:前記ヒータブロックアセンブリの温度を感知するように構成された1つ以上の温度センサをさらに備え、前記1つ以上の温度センサは、温度測定値を前記コントローラに出力し、前記温度測定値に応じて、前記コントローラは、前記ヒータブロックアセンブリの1つ以上の加熱素子から出力される熱を調整する、例示的実施形態38~55のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0211】
例示的実施形態57:ディスプレイをさらに備え、前記1つ以上の温度センサは、温度測定値を前記コントローラに出力し、前記温度測定値に応じて、前記コントローラは、前記温度測定値に関する情報を前記ディスプレイに表示する、例示的実施形態56に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0212】
例示的実施形態58:前記生物学的インジケータが前記BIベイに挿入された時、前記BIベイの前記BI窓は、前記生物学的インジケータの撮像窓と位置が合うように構成される、例示的実施形態38~57のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0213】
例示的実施形態59:前記BI窓は、UVグレードの溶融シリカクオーツを含む、例示的実施形態38~58のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0214】
例示的実施形態60:前記BIベイ内のBIの存在を前記コントローラに通信するように構成されたBI存在センサをさらに備える、例示的実施形態38~59のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0215】
例示的実施形態61:前記BIベイは、前記生物学的インジケータが前記BIベイに挿入された時、前記生物学的インジケータの挿入溝の一部と係合して、前記生物学的インジケータを所定の位置に保持するように構成されたBIラッチを備える、例示的実施形態38~60のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0216】
例示的実施形態62:前記BIが前記BIベイに挿入されると、前記発芽剤リリースレバーは、前記生物学的インジケータに下向きの圧力を加え、前記BIを起動させるように構成される、例示的実施形態38~61のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0217】
例示的実施形態63:前記発芽剤起動器は、前記生物学的インジケータに入り、前記生物学的インジケータ内の発芽剤溶液を放出させるように構成される、例示的実施形態38~62のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0218】
例示的実施形態64:前記発芽剤起動器を作動させるように構成された発芽剤起動器アクチュエータをさらに備える、例示的実施形態38~63のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0219】
例示的実施形態65:前記発芽剤起動器が作動されると、前記発芽剤起動器アクチュエータは、前記アクセスドアが開放構成に移動することを禁止するように構成される、例示的実施形態64に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0220】
例示的実施形態66:前記発芽剤起動器が作動されると、前記アクセスドアが前記開放構成に移動することを禁止するように構成されたアクセスドアロックをさらに備える、例示的実施形態38~65のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0221】
例示的実施形態67:前記発芽剤起動器の位置を前記コントローラに通信するように構成された発芽剤起動器位置センサをさらに備える、例示的実施形態38~66のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0222】
例示的実施形態68:前記カメラアセンブリは、固定位置に配置される、例示的実施形態38~67のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0223】
例示的実施形態69:前記カメラアセンブリは、固定位置に配置され、前記位置調整アセンブリは、さらにミラーを備え、前記ミラーは、前記位置調整アセンブリとともに移動可能である、例示的実施形態45に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0224】
例示的実施形態70:前記カメラは、熱電(TE)冷却電荷結合素子(CCD)カメラを含む、例示的実施形態38~69のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0225】
例示的実施形態71:前記カメラは、時間ゲートモードで作動するように構成される、例示的実施形態38~70のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0226】
例示的実施形態72:時間ゲート撮像を使用して、複数の生物学的インジケータ内に生存可能胞子の存在を判定するように構成された生物学的インジケータ(BI)リーダであって、前記生物学的インジケータリーダは、複数の開口部を有するリーダ筐体であって、前記複数の開口部を通して前記生物学的インジケータを受け入れる、前記リーダ筐体と、複数のBIベイであって、前記複数のBIベイのそれぞれは、前記複数の開口部のそれぞれ1つを通してアクセス可能であり、前記複数のBIベイのそれぞれはさらに、前記BIベイへの光及び前記BIベイからの光が通過するように構成されたBI窓を有する、前記複数のBIベイと、複数の発芽剤起動器であって、前記複数の発芽剤起動器のそれぞれは、前記複数のBIベイのそれぞれ1つに配置され、前記それぞれのBIベイに前記生物学的インジケータが存在する時、前記生物学的インジケータのそれぞれ1つを起動させるように構成される、前記複数の発芽剤起動器と、光学アセンブリであって、前記BIベイの前記BI窓を通して順番に光を放射するように構成された移動可能な励起源と、前記BIベイの前記BI窓を通過する画像をキャプチャするように構成され、時間ゲートモードで作動するように構成されたカメラを有するカメラアセンブリと、を含む前記光学アセンブリと、前記光学アセンブリを制御し、前記カメラにより収集された前記画像に関連する情報を収集するように構成されたコントローラと、を備える、前記生物学的インジケータリーダ。
【0227】
例示的実施形態73:前記コントローラは、前記励起源を前記複数のBIベイ間で移動させることと、前記BIベイのうちBIにより占拠されていると特定された前記BIベイの前記BI窓を通して、前記励起源に光を放射させることと、前記BIベイのうち空と特定された前記BIベイの前記BI窓を通して、前記励起源が光を放射することを禁止することと、を実行するように構成される、例示的実施形態72に記載の生物学的インジケータリーダ。
【0228】
例示的実施形態74:前記複数の発芽剤起動器は、複数の発芽剤リリースレバー及び複数のプッシュロッドのうちの少なくとも1つを備える、例示的実施形態72及び73のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0229】
例示的実施形態75:移動可能な位置調整アセンブリをさらに備え、前記位置調整アセンブリは、ミラー及び前記励起源を備え、前記位置調整アセンブリは、前記複数のBIベイに沿って移動するように構成され、前記複数のBIベイの前記それぞれのBI窓を通して順番に光を放射するように前記励起源を配置することができ、及び前記BIベイの前記それぞれのBI窓から順番に光を受け取るように前記ミラーを配置することができる、例示的実施形態72~74のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0230】
例示的実施形態76:前記生物学的インジケータが前記それぞれのBIベイに挿入されると、前記発芽剤起動器のそれぞれは、前記複数の生物学的インジケータのそれぞれ1つに圧力を加えて、前記それぞれの生物学的インジケータ内の発芽剤容器の破裂を引き起こすことで、前記生物学的インジケータを起動させるように構成される、例示的実施形態72~75のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0231】
例示的実施形態77:前記発芽剤起動器のそれぞれは、前記複数の生物学的インジケータのうちの各自の生物学的インジケータリーダに入り、前記それぞれの生物学的インジケータ内の発芽剤溶液を放出させるように構成される、例示的実施形態72~76のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
【0232】
例示的実施形態78:滅菌プロセスの有効性を判定する方法であって、前記方法は、生物学的インジケータを提供することであって、前記生物学的インジケータは、事前に滅菌プロセスを受けており、前記生物学的インジケータは、胞子キャリアに堆積した複数の胞子と、発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、を備える、前記提供することと、前記生物学的インジケータを前記胞子の培養温度に加熱することと、前記発芽剤組成物が前記胞子キャリアの前記複数の胞子と相互作用するように、前記発芽剤組成物を前記発芽剤容器から前記生物学的インジケータ内に放出することと、前記生物学的インジケータの窓を通して励起源から光を放射することと、前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返される光から、カメラを使用して経時的に複数の画像をキャプチャすることと、前記複数の画像を時間に関して比較して、前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返された前記光の強度のあらゆる変化を特定することであって、経時的に前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返された前記光の前記強度の変化は、前記滅菌プロセスの失敗を示す、前記特定することと、を含む、前記方法。
【0233】
例示的実施形態79:前記生物学的インジケータは、複数の生物学的インジケータを含み、前記方法はさらに、前記複数の生物学的インジケータのうちのそれぞれの前記生物学的インジケータの間で、好ましくは規則的な時間間隔で、前記励起源を移動させることを含む、例示的実施形態78に記載の方法。
【0234】
例示的実施形態80:前記複数の画像を時間に関して前記比較することは、前記画像をピクセルごとに比較することを含む、例示的実施形態78及び79のいずれかに記載の方法。
【0235】
例示的実施形態81:前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出する前に、前記生物学的インジケータを前記滅菌プロセスにさらすことをさらに含む、例示的実施形態78~80のいずれかに記載の方法。
【0236】
例示的実施形態82:前記胞子キャリアは、略平面であり、その第1の側に前記複数の胞子を担持し、前記胞子キャリアの前記第1の側は、好ましくは前記生物学的インジケータの前記窓に対して配置され、前記生物学的インジケータの前記窓を通して前記励起源から光を前記放射することは、前記胞子キャリアの前記第1の側に対して光を放射することを含む、例示的実施形態78~81のいずれかに記載の方法。
【0237】
例示的実施形態83:前記胞子キャリアは、略平面であり、その第1の側に前記複数の胞子を担持し、前記胞子キャリアの前記第1の側は、好ましくは前記生物学的インジケータの前記窓に対して配置され、経時的に前記複数の画像を前記キャプチャすることは、前記胞子キャリアの前記第1の側により放射された光から前記複数の画像をキャプチャすることを含む、例示的実施形態78~82のいずれかに記載の方法。
【0238】
例示的実施形態84:前記生物学的インジケータは、複数の生物学的インジケータを含み、前記方法はさらに、BIリーダの各BIベイに前記複数の生物学的インジケータのそれぞれを配置することと、前記BIベイ内の前記生物学的インジケータ間で前記励起源を移動させることと、前記励起源が前記BIベイに配置されたことを特定し、前記特定に応じて、(i)前記励起源から光を放射し、(ii)前記BIベイに配置された前記生物学的インジケータから前記複数の画像を受信して処理することと、を含む、例示的実施形態78~83のいずれかに記載の方法。
【0239】
例示的実施形態85:前記生物学的インジケータは、BIリーダの複数のBIベイのうちの1つに配置され、前記方法は、前記励起源を前記複数のBIベイ間で移動させて、前記システムの1回のサイクルの間に各BIベイの下で前記励起源を複数回起動させることを含み、毎回前記励起源が起動している間に前記カメラは画像をキャプチャする、例示的実施形態78~84のいずれかに記載の方法。
【0240】
例示的実施形態86:前記複数の画像を前記キャプチャすることは、実質的に前記胞子キャリア全体の複数の画像をキャプチャすることを含む、例示的実施形態78~85のいずれかに記載の方法。
【0241】
例示的実施形態87:前記胞子キャリアは、略平面であり、その第1の側に前記複数の胞子を担持し、前記複数の画像を前記比較することは、前記胞子キャリアの前記第1の側の複数の画像をピクセルごとに比較することを含む、例示的実施形態78~86のいずれかに記載の方法。
【0242】
例示的実施形態88:前記生物学的インジケータをBIリーダのBIベイに配置することをさらに含み、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を前記放出することは、好ましくは前記BIリーダの一部が前記生物学的インジケータに入ることにより、前記BIリーダから圧力を加え、前記発芽剤容器を破壊して、前記発芽剤組成物を放出することを含む、例示的実施形態78~86のいずれかに記載の方法。
【0243】
例示的実施形態89:前記生物学的インジケータは、発芽剤パッドを備え、前記胞子キャリアは略平面であり、前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、及び前記窓は、積み重ねられた構成であり、前記方法はさらに、前記生物学的インジケータをBIリーダに配置することと、前記BIリーダを使用して、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させ、その後前記発芽剤組成物を前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、及び前記複数の胞子と接触させることと、を含む、例示的実施形態78~85のいずれかに記載の方法。
【0244】
例示的実施形態90:前記生物学的インジケータをBIリーダのBIベイに配置することと、前記BIリーダを使用して、前記生物学的インジケータの外面のシールを破り、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出することと、をさらに含む、例示的実施形態78~85のいずれかに記載の方法。
【0245】
例示的実施形態91:前記生物学的インジケータは、発芽剤パッドを含み、前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、前記発芽剤容器、及び前記窓が位置合わせされ、前記方法はさらに、前記生物学的インジケータをBIリーダに配置することと、前記BIリーダを使用して、前記発芽剤容器、前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、及び前記窓に向かって圧力を加えることにより、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出することと、を含む、例示的実施形態78~85に記載の方法。
【0246】
例示的実施形態92:滅菌プロセスの有効性を判定するためのシステムであって、前記システムは、少なくとも1つの生物学的インジケータ内に生存可能胞子の存在を判定するように構成された生物学的インジケータリーダを備え、前記生物学的インジケータリーダは、前記生物学的インジケータを受け入れるように構成され、BI窓を有する少なくとも1つのBIベイの少なくとも一部を画定するヒータブロックアセンブリと、前記BIベイの上に配置された発芽剤起動器と、光学アセンブリであって、前記生物学的インジケータが前記BIベイに存在する時、前記BIベイの前記BI窓を通して前記生物学的インジケータ内に光を放射するように構成された励起源と、前記BIベイの前記BI窓を通して反射された画像をキャプチャするように構成されたカメラを有するカメラアセンブリと、を含む前記光学アセンブリと、1つ以上のプロセッサを有する制御システムであって、前記1つ以上のプロセッサは、前記ヒータブロックアセンブリを制御するように構成されたヒータ制御モジュールと、前記カメラを制御して、前記カメラによりキャプチャされた画像を受信し処理するように構成されたカメラ制御モジュールと、前記励起源を制御するように構成された励起制御モジュールと、を実行するようにプログラムされる、前記制御システムと、を備える、前記システム。
【0247】
例示的実施形態93:前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記光学アセンブリはさらに、前記ヒータブロックアセンブリの下に配置されたスキャンヘッドアセンブリであって、前記励起源と、スキャンヘッド本体と、第1のミラーと、を含む、前記スキャンヘッドアセンブリと、前記スキャンヘッドアセンブリと前記カメラとの間に存在するミラーマウントであって、前記ミラーマウントは、前記スキャンヘッドアセンブリから前記カメラへ光を反射する第2のミラーを有する、前記ミラーマウントと、位置調整アセンブリであって、ステッパモータと、ベルトドライブと、リニアガイドブロックと、を含む、前記位置調整アセンブリと、を備え、前記スキャンヘッドアセンブリは、前記リニアガイドブロックに取り付けられ、前記複数のBIベイの下を移動するように構成され、前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサはさらに、前記位置調整アセンブリを制御するように構成された位置調整アセンブリ制御モジュールを実行するようにプログラムされる、例示的実施形態92に記載のシステム。
【0248】
例示的実施形態94:前記位置調整アセンブリ制御モジュールは、前記位置調整アセンブリが前記スキャンヘッドアセンブリを所定の閾値限界を超えて前進させることを阻止するためのロックアウトロジックを備える、例示的実施形態93に記載のシステム。
【0249】
例示的実施形態95:前記生物学的インジケータリーダはさらに、少なくとも1つのドア開口部及び少なくとも1つのアクセスドアを有するフロントパネルアセンブリを含むリーダ筐体を備え、前記アクセスドアは、前記ドア開口部を露出する開放構成と、前記ドア開口部を閉鎖する閉鎖構成との間で移動するように構成され、前記ドア開口部は、前記ドア開口部を通して前記生物学的インジケータを受け入れるように構成され、前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つのアクセスドアをロック及びロック解除するように構成されたBIベイドア及びハンドラモジュールを実行するようにプログラムされる、例示的実施形態92~94のいずれかに記載のシステム。
【0250】
例示的実施形態96:前記生物学的インジケータリーダはさらに、前記発芽剤起動器を作動させるように構成された発芽剤起動器アクチュエータを備え、前記BIベイドア及びハンドラモジュールはさらに、前記発芽剤起動器アクチュエータを制御するように構成される、例示的実施形態95に記載のシステム。
【0251】
例示的実施形態97:前記生物学的インジケータリーダはさらに、ドア位置センサ、発芽剤起動器アクチュエータ位置センサ、及びBI存在センサから選択された1つ以上のセンサを備え、前記BIベイドア及びハンドラモジュールはさらに、前記1つ以上のセンサと通信するように構成される、例示的実施形態96に記載のシステム。
【0252】
例示的実施形態98:前記生物学的インジケータリーダはさらに、前記ヒータブロックアセンブリに1つ以上の温度センサを備え、前記ヒータ制御モジュールは、前記1つ以上の温度センサから信号を受信して処理し、前記1つ以上の温度センサからの前記信号に応じて、前記ヒータブロックアセンブリの加熱素子を制御するように構成される、例示的実施形態92~97のいずれかに記載のシステム。
【0253】
例示的実施形態99:前記ヒータ制御モジュールは、所定の閾値を超える温度差を示す前記1つ以上の温度センサからの信号に応じて、前記加熱素子の継続的な動作を禁止するように構成される、例示的実施形態98に記載のシステム。
【0254】
例示的実施形態100:前記ヒータ制御モジュールは、ヒータ電流モニタを実行し、前記ヒータ電流モニタが所定の閾値を超える電流を記録した場合、前記加熱素子の継続的な動作を禁止するように構成される、例示的実施形態98に記載のシステム。
【0255】
例示的実施形態101:前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記励起制御モジュールは、前記複数のBIベイのうちBIにより占拠されているものを示す信号を前記BIベイドア及びハンドラモジュールから受信し、前記BIベイドア及びハンドラモジュールからの前記信号を処理して、前記複数のBIベイのうち前記励起源の起動を必要とするものと、前記複数のBIベイのうち前記励起源の起動を必要としないものとを特定するように構成される、例示的実施形態95に記載のシステム。
【0256】
例示的実施形態102:前記励起制御モジュールはさらに、前記励起源の電流を調整し、前記励起源のサイクルを通して電流調整を維持するように構成される、例示的実施形態92~101のいずれかに記載のシステム。
【0257】
例示的実施形態103:前記励起制御モジュールは、前記励起源の起動のタイミング及び前記励起源の露光の長さ、ならびに前記カメラの起動のタイミング及び前記カメラの露光の長さを制御するように構成される、例示的実施形態92~102のいずれかに記載のシステム。
【0258】
例示的実施形態104:前記生物学的インジケータリーダはさらに、ディスプレイを備え、前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサはさらに、ユーザと前記ディスプレイのインタラクションを管理するように構成されたユーザインターフェース制御モジュールを実行するようにプログラムされる、例示的実施形態92~103のいずれかに記載のシステム。
【0259】
例示的実施形態105:前記ユーザインターフェース制御モジュールは、ユーザ入力を受信して処理し、前記ディスプレイ上の前記ユーザへの情報表示を管理するように構成される、例示的実施形態104に記載のシステム。
【0260】
例示的実施形態106:前記BIが前記BIベイに挿入された後、及び前記滅菌プロセスの有効性を判定するための動作を前記生物学的インジケータリーダが実行する前に、前記制御システムは、ダストチェックを実行するように構成され、前記ダストチェックは、前記スキャンヘッドアセンブリの視野内の高周波数ノイズを調べることを含み、高周波ノイズの存在は、前記生物学的インジケータリーダの光路に異物が存在することを示す、例示的実施形態92~105のいずれかに記載のシステム。
【0261】
例示的実施形態107:前記BIが前記BIベイに挿入された後、及び前記滅菌プロセスの有効性を判定するための動作を前記生物学的インジケータリーダが実行する前に、前記制御システムは、結露チェックを実行するように構成され、前記結露チェックは、前記ヒータブロックアセンブリの加熱中に前記BI窓に形成された結露を調べることを含む、例示的実施形態92~106のいずれかに記載のシステム。
【0262】
例示的実施形態108:前記BIが前記BIベイに挿入された後、及び前記滅菌プロセスの有効性を判定するための動作を前記生物学的インジケータリーダが実行する前に、前記制御システムは、位置調整チェックを実行するように構成され、前記位置調整チェックは、前記スキャンヘッドアセンブリ及び前記位置調整アセンブリを確実に較正し、前記スキャンヘッドアセンブリと前記ヒータブロックアセンブリとの間の所定距離を確認することを含む、例示的実施形態93~107のいずれかに記載のシステム。
【0263】
例示的実施形態109:前記位置調整チェックは、前記ヒータブロックアセンブリの自己較正ターゲットに向けて光を放射し、前記自己較正ターゲットから反射されたパターンを測定して、前記スキャンヘッドアセンブリと前記ヒータブロックアセンブリとの間の前記所定距離を確認することを含む、例示的実施形態108に記載のシステム。
【0264】
例示的実施形態110:検出プロトコルを実行する前であるが、前記発芽剤起動器が作動した後に、前記制御システムは、前記BIベイに挿入された前記生物学的インジケータから発芽剤が正常に放出されたか否かを検出するように構成される、例示的実施形態92~109のいずれかに記載のシステム。
【0265】
例示的実施形態111:前記発芽剤が正常に放出されたか否かを前記検出することは、経時的に放射された光の平均強度を検出し計算することを含み、経時的に所定の閾値強度比以上の強度変化は、前記発芽剤が正常に放出されたことを示し、前記所定閾値強度より低い強度変化は、前記発芽剤の放出が不適切であったことを示す、例示的実施形態110に記載のシステム。
【0266】
例示的実施形態112:前記位置調整アセンブリ制御モジュールは、前記複数のBIベイ間で前記スキャンヘッドアセンブリを移動させる前記位置調整アセンブリの動作を制御するように構成され、前記励起制御モジュールは、前記スキャンヘッドアセンブリが前記BIベイの前記BI窓の下に存在する時に、前記励起源を起動させるように構成され、前記カメラ制御モジュールは、前記励起源が起動されるたびに前記カメラがキャプチャした前記画像を受信し処理するように構成される、例示的実施形態93~111のいずれかに記載のシステム。
【0267】
例示的実施形態113:前記システムの1回のサイクルの間に前記励起源が各BIベイの下で複数回起動するように、前記位置調整アセンブリ制御モジュールは、前記スキャンヘッドアセンブリを前記複数のBIベイ間で循環させるように構成され、前記カメラ制御モジュールは、毎回前記励起源が起動している間に前記カメラがキャプチャした前記画像を受信し処理するように構成される、例示的実施形態112に記載のシステム。
【0268】
例示的実施形態114:前記カメラは、前記胞子キャリア全体の複数の画像をキャプチャするように構成され、前記カメラ制御モジュールは、前記カメラによりキャプチャされた前記複数の画像をピクセルごとに処理するように構成される、例示的実施形態113に記載のシステム。
【0269】
例示的実施形態115:例示的実施形態92~114のいずれかに記載のシステムを使用して滅菌プロセスの有効性を判定する方法であって、前記方法は、前記生物学的インジケータを前記滅菌プロセスにさらすことであって、前記生物学的インジケータは、胞子キャリアに堆積した複数の胞子と、発芽剤組成物を収容する発芽剤容器とを備える、前記さらすことと、前記生物学的インジケータを前記ヒータブロックアセンブリの前記BIベイに挿入して、前記ヒータブロックアセンブリ内の前記生物学的インジケータを前記胞子の培養温度に加熱することと、前記発芽剤組成物が前記胞子キャリアの前記複数の胞子と相互作用するように、前記発芽剤起動器を作動させて、前記発芽剤組成物を前記発芽剤容器から前記生物学的インジケータ内に放出することと、前記BIベイの前記BI窓を通して、及び前記生物学的インジケータの撮像窓を通して、前記励起源から光を放射することと、前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された光から、前記カメラにより経時的に複数の画像をキャプチャすることと、前記カメラ制御モジュールを使用して、前記複数の画像を時間に関して比較して、前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された前記光の強度のあらゆる変化を特定することであって、経時的に前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された前記光の前記強度の変化は、前記滅菌プロセスの失敗を示す、前記特定することと、を含む、前記方法。
【0270】
例示的実施形態116:前記生物学的インジケータは、複数の生物学的インジケータを含み、前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記生物学的インジケータを前記BIベイに挿入することは、前記複数の生物学的インジケータのそれぞれを前記BIベイのそれぞれ1つに挿入することを含み、前記方法はさらに、前記複数のBIベイのうちのそれぞれの前記BIベイの間で前記励起源を移動させることを含む、例示的実施形態115に記載の方法。
【0271】
例示的実施形態117:前記光学アセンブリはさらに、前記複数のBIベイ間を移動可能なスキャンヘッドアセンブリを備え、前記スキャンヘッドアセンブリは、前記励起源と、スキャンヘッド本体と、第1のミラーと、を備え、前記方法はさらに、前記スキャンヘッド本体、前記励起源、及び前記第1のミラーを、前記複数のBIベイの第1のBIベイに移動させることと、前記第1のBIベイの前記BI窓を通して、及び前記第1のBIベイ内の前記生物学的インジケータの前記撮像窓を通して、前記励起源から光を放射することと、前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された光を、前記第1のミラーにより、前記カメラに向かう経路に沿って反射させることと、を含む、例示的実施形態116に記載の方法。
【0272】
例示的実施形態118:前記複数の画像を時間に関して前記比較することは、前記画像をピクセルごとに比較することを含む、例示的実施形態115~117のいずれかに記載の方法。
【0273】
本開示の特定の例示的実施形態が図示され説明されたが、説明された実施形態、及び本説明に続く特許請求の範囲で定義されるそれらの均等物に対して、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができることが、当業者には認識されよう。例えば、特定の構成要素は、単数形、すなわち発芽剤化合物(“a” germinant compound)などで記述された場合があるが、これらの構成要素のうちの1つ以上が任意に組み合わせで本開示に従って使用されてもよい。さらに、特定の構成要素が別の構成要素の上または下として説明された場合があるが、「上」及び「下」は、本明細書の図面を参照して理解を助長する相対的な用語として使用される。しかし、本開示の範囲及び特許請求の範囲内の構造、デバイス、及びシステムは、場合によっては、例えば「上下」が少なくとも一時的に逆または左右になり得るように、異なる配向に回転されてもよいことが、理解されよう。
【0274】
また、特定の実施形態は、特定の構成要素を「備える/有する/含む(comprising)」または「含む(including)」と記述されたが、列挙された構成要素「から本質的に成る」または列挙された構成要素「から成る」実施形態も、本開示の範囲内である。例えば、本開示の実施形態は、BI筐体、発芽剤容器、発芽剤リリーサ、発芽剤リリーサ支持体、第1の胞子キャリア、及び撮像窓を備えるものとして説明されるが、これらの構成要素から本質的に成る、またはこれらの構成要素から成る実施形態も、本開示の範囲内である。したがって、生物学的インジケータは、BI筐体、発芽剤容器、発芽剤リリーサ、発芽剤リリーサ支持体、第1の胞子キャリア、及び撮像窓から本質的に成り得る。この文脈では、「から本質的に成る」とは、いずれの追加の構成要素またはプロセスアクションも、製品または(例えばシステムまたはBIリーダの)検出サイクルの結果に、実質的に影響を与えないことを意味する。
【0275】
本明細書で使用される場合、別段の明示的な指定がない限り、値、範囲、量、またはパーセンテージを表す数値などのすべての数値は、「約」という用語が明示的に表示されていなくても、「約」という単語が前置されたように解釈され得る。さらに、「約」という単語は、程度の用語としてではなく、近似の用語として使用され、測定、有効数字、及び互換性に関連する変動境界域を反映し、すべて、本開示が属する技術分野の当業者により理解されよう。本明細書に挙げられるいずれの数値範囲も、その範囲内に包含されるすべての部分範囲を含むことが意図される。複数形は、単数形を含み、その逆も同様である。例えば、本開示は発芽化合物(“a” germinant compound)を記述し得るが、このような化合物の混合物も使用されてもよい。範囲が与えられる場合、これらの範囲の任意の終点及び/またはこれらの範囲内の任意の数が、本開示の範囲内で、組み合わされてもよい。「含む(including)」という用語及び同様の用語は、別段の定めがない限り、「含むがこれに限定されない」ことを意味する。
【0276】
いずれの数値も、それぞれの検査測定に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。本説明及び特許請求の範囲で使用される「備える/有する/含む(comprising)」という用語及びその活用形は、いかなる変形形態または追加形態も除外するように本開示を限定するものではない。
(項目1)
生物学的インジケータであって、
生物学的インジケータ(BI)筐体と、
前記BI筐体内で、BI起動前に発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、
前記BI筐体の第1の面にある撮像窓と、
前記BI筐体内の第1の胞子キャリアであって、前記第1の胞子キャリアは略平面であり、第1の側及び第2の側を有し、前記第1の胞子キャリアはその前記第1の側に第1の複数の胞子を担持する、前記第1の胞子キャリアと、
を備え、
前記第1の胞子キャリアの前記第1の側及びそこに存在する前記第1の複数の胞子は、前記撮像窓に対して配置され、前記撮像窓を通して観察され、
前記発芽剤組成物は、BI起動後に前記第1の胞子キャリア及びそこに存在する前記第1の複数の胞子と接触するように構成される、
前記生物学的インジケータ。
(項目2)
BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成された発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、前記第1の胞子キャリアの上に配置される、項目1に記載の生物学的インジケータ。
(項目3)
BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成された発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、略平面であり、前記第1の胞子キャリアの前記第2の側に隣接して配置される、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目4)
発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成され、前記発芽剤パッドは、略平面であり、前記第1の胞子キャリアの前記第2の側に隣接して配置され、
前記第1の胞子キャリアは、前記発芽剤パッドと前記撮像窓との間に配置され、
前記第1の胞子キャリア、前記発芽剤パッド、及び前記撮像窓はすべて、略平行平面として積み重ねられた構成で配置される、
項目1及び2のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目5)
BI起動時に前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサをさらに備え、前記発芽剤リリーサは、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように、BI起動中に移動可能である、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目6)
前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサをさらに備え、前記発芽剤リリーサは、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように、BI起動中に前記第1の胞子キャリア及び前記発芽剤パッドに向かって移動可能であり、前記発芽剤リリーサは、少なくともBI起動中に前記発芽剤パッドを前記第1の胞子キャリアに押し付けて、前記発芽剤パッド及び前記第1の胞子キャリアを所定の位置に保持するように構成される、項目2~4のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目7)
前記BI筐体は、前記発芽剤容器、前記発芽剤パッド、及び前記胞子キャリアと位置合わせされた開口部を含み、
前記開口部は、BI起動前に前記開口部から滅菌剤が入らないようにシーリングされ、前記開口部は、BI起動中にBIリーダの発芽剤リリース手段を受け入れるように構成される、
いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目8)
生物学的インジケータであって、
生物学的インジケータ(BI)筐体と、
前記BI筐体内で発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、
前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させるように構成された発芽剤リリーサと、
前記発芽剤リリーサを支持する発芽剤リリーサ支持体であって、前記発芽剤リリーサ支持体、前記発芽剤リリーサ、または前記発芽剤容器に力が加えられると、前記発芽剤リリーサを前記発芽剤容器に接触させるように構成される、前記発芽剤リリーサ支持体と、
前記BI筐体内で第1の複数の胞子を担持する第1の胞子キャリアと、
前記BI筐体の第1の面にある撮像窓と、
を備える、前記生物学的インジケータ。
(項目9)
前記第1の胞子キャリアは略平面であり、第1の側及び第2の側を有し、前記第1の胞子キャリアはその前記第1の側に前記第1の複数の胞子を担持し、前記第1の胞子キャリアの前記第1の側及びそこに存在する前記第1の複数の胞子は、前記撮像窓に対して配置され、前記撮像窓を通して観察される、項目8に記載の生物学的インジケータ。
(項目10)
BI起動後に前記発芽剤組成物をウィッキングするように構成された発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、略平面であり、前記第1の胞子キャリアの前記第2の側に隣接して配置され、前記発芽剤パッド、前記第1の胞子キャリア、及び前記撮像窓は、積み重ねられた構造である、項目8及び9のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目11)
BI起動中、前記発芽剤リリーサ及び前記発芽剤リリーサ支持体のうちの少なくとも1つは、前記第1の胞子キャリア及び前記撮像窓に向かって移動可能である、項目8~10のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目12)
前記発芽剤容器と前記胞子キャリアとの間に発芽剤パッドをさらに備え、前記発芽剤パッドは、ウィッキング材料を含み、前記発芽剤容器から前記胞子キャリアへ向かって前記発芽剤をウィッキングするように構成される、項目8、9、及び11のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目13)
前記BI筐体は、前記生物学的インジケータの厚さ方向に沿って前記発芽剤リリーサの上の位置または隣接する位置に開口部を画定し、前記開口部、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記胞子キャリア、及び前記撮像窓は、すべて前記厚さ方向に沿って積み重ねられる、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目14)
BI起動前に前記開口部をシーリングするシーラント材料をさらに備え、前記シーラントは、BI起動中に破壊されるように構成される、項目13に記載の生物学的インジケータ。
(項目15)
前記BI筐体は、前記開口部とは異なる位置に滅菌剤進入ポートをさらに備える、項目13及び14のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目16)
前記滅菌剤進入ポートは、前記BI筐体の外周側壁に配置される、項目15に記載の生物学的インジケータ。
(項目17)
前記滅菌剤進入ポートと流体連通する第2の胞子キャリアをさらに備え、前記第2の胞子キャリアは第2の複数の胞子を担持する、項目15及び16のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目18)
前記発芽剤容器は、ガラスアンプル、壊れやすいアンプル、またはバリアによりシーリングされた中空内部を有する外部容器を含む、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目19)
前記発芽剤リリーサ支持体は、
前記発芽剤リリーサを受け入れる発芽剤リリーサ開口部を画定する台座と、
前記台座を支持する複数の支持脚であって、前記台座が前記発芽剤容器の上に配置されるように構成され、前記複数の支持脚のうちの少なくともいくつかは、前記台座に下向きの圧力が加えられた時に、前記発芽剤容器に向かって前記台座を移動させることが可能な柔軟性を有する、前記複数の支持脚と、
を備える、項目5~18のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目20)
前記BI筐体は、把持部分と、隆起部分とを備え、前記把持部分及び前記隆起部分は、前記生物学的インジケータの長さ寸法に沿って互いに隣接し、前記隆起部分は、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記発芽剤リリーサ支持体、及び前記第1の胞子キャリアのうちの少なくとも一部を収納するように構成される、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目21)
前記BI筐体の前記隆起部分は、前記隆起部分の厚さ方向に沿って前記発芽剤リリーサの上に配置された前記BI筐体の開口部を有し、前記開口部、前記発芽剤容器、前記発芽剤リリーサ、前記胞子キャリア、及び前記撮像窓はすべて、前記隆起部分内で前記高さ方向に沿って積み重ねられる、項目20に記載の生物学的インジケータ。
(項目22)
前記隆起部分は、BI起動前に前記開口部をシーリングするシーラント材料をさらに備え、前記シーラントは、BI起動中に破壊される、項目21に記載の生物学的インジケータ。
(項目23)
前記BI筐体の前記把持部分に配置された滅菌剤進入ポートをさらに備える、項目20~22のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目24)
前記滅菌剤進入ポートは、前記BI筐体の前記把持部分の外周側壁に配置される、項目23に記載の生物学的インジケータ。
(項目25)
前記BI筐体の前記第1の面に撮像開口部をさらに備え、前記撮像窓は前記撮像開口部に受け入れられる、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目26)
前記撮像開口部は、オーディンの十字形を有する、項目25に記載の生物学的インジケータ。
(項目27)
前記第1の胞子キャリアは、灰色または黒色である、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目28)
前記第1の複数の胞子は、前記撮像窓に面する前記第1の胞子キャリアの面に担持される、項目8~27のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目29)
前記発芽剤リリーサ支持体は、前記発芽剤リリーサと一体化して、複数の剛性支持脚と、前記発芽剤容器のバリアに向かって延在する複数のリリーサ突起とを有する一体型発芽剤リリーサを形成し、
前記発芽剤容器及び/または前記一体型発芽剤リリーサに力が加えられると、前記複数のリリーサ突起は、前記発芽剤容器の前記バリアを穿刺する、項目8~28のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目30)
前記発芽剤パッドの面積は、前記第1の胞子キャリアの面積よりも大きい、項目2~4及び6~29のいずれかに記載の生物学的インジケータ。
(項目31)
前記第1の胞子キャリアのサイズ及び形状は、通常、前記撮像窓のサイズ及び形状に対応する、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目32)
前記BI筐体内において、前記第2の複数の胞子を担持する前記第2の胞子キャリアは、前記発芽剤の放出時に前記第2の胞子キャリア及び前記第2の複数の胞子が前記発芽剤にさらされないような位置に、配置される、項目17に記載の生物学的インジケータ。
(項目33)
BIリーダと係合するために、前記BI筐体の外周面の一部に挿入溝をさらに備える、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータ。
(項目34)
前記挿入溝は、前記挿入溝の第1の端部及び第2の端部に、またはそれらの近くに、第1の挿入突出部及び第2の挿入突出部を備え、前記第1の挿入突出部及び前記第2の挿入突出部は、前記挿入溝の前記第1の端部及び前記第2の端部に第1の挿入ノッチ及び第2の挿入ノッチを画定する、項目33に記載の生物学的インジケータ。
(項目35)
滅菌サイクルの有効性を判定する際に使用するプロセスチャレンジデバイスであって、前記プロセスチャレンジデバイスは、
第1のキャビティ及びタブを画定するトレイと、
前記第1のキャビティをシーリングするために前記トレイに取り付けられるように構成された閉包部分と、
滅菌剤滅菌インテグレータまたは化学的インジケータと、
滅菌剤アクセスポートと、
を備え、
前記第1のキャビティは、いずれかの先行項目に記載の生物学的インジケータと、前記滅菌剤滅菌インテグレータまたは前記化学的インジケータとを受け入れるように構成され、前記タブは、前記生物学的インジケータと、前記滅菌剤滅菌インテグレータまたは前記化学的インジケータとを分離するように構成される、
前記プロセスチャレンジデバイス。
(項目36)
滅菌サイクルの有効性を確認するための装置であって、前記装置は、
滅菌剤アクセスポートと、前記滅菌剤アクセスポートと流体連通する1つ以上のキャビティとを有するプロセスチャレンジデバイスを備え、
前記プロセスチャレンジデバイスはさらに、項目1~34のいずれかに記載の生物学的インジケータと、前記1つ以上のキャビティ内に配置された化学的インジケータまたは滅菌剤滅菌インテグレータとを備える、
前記装置。
(項目37)
前記プロセスチャレンジデバイスは、トレイと、閉包部分とを備え、前記1つ以上のキャビティは、前記トレイに形成され、前記閉包部分は、前記トレイに取り付けられて、滅菌プロセス中にシールを維持し、及び前記生物学的インジケータと前記化学的インジケータまたは前記滅菌剤滅菌インテグレータとを前記トレイ内に保持し、前記閉包部分は、前記滅菌プロセス後に前記生物学的インジケータを取り出すことができるよう、破られる、または取り除かれるように構成される、項目36に記載の装置。
(項目38)
少なくとも1つの生物学的インジケータ内に生存可能胞子の存在を判定するように構成された生物学的インジケータ(BI)リーダであって、前記生物学的インジケータリーダは、
少なくとも1つのドア開口部及び少なくとも1つのアクセスドアを有するフロントパネルアセンブリを含むリーダ筐体であって、前記アクセスドアは、前記ドア開口部を露出する開放構成と、前記ドア開口部を閉鎖する閉鎖構成との間で移動するように構成され、前記ドア開口部は、前記ドア開口部を通して前記生物学的インジケータを受け入れるように構成される、前記リーダ筐体と、
前記生物学的インジケータを受け入れるように構成され、かつBI窓を有する少なくとも1つのBIベイを、少なくとも部分的に画定するヒータブロックアセンブリと、
前記BIベイの上に配置された発芽剤起動器と、
光学アセンブリであって、
前記BIベイの前記BI窓を通して光を放射するように構成された励起源と、
前記BI窓を通過する画像をキャプチャするように構成されたカメラを有するカメラアセンブリと、
を含む、前記光学アセンブリと、
前記ヒータブロックアセンブリ及び前記光学アセンブリを制御し、前記カメラにより収集された前記画像に関連する情報を収集するように構成されたコントローラと、
を備える、前記生物学的インジケータリーダ。
(項目39)
前記発芽剤起動器を作動させるように構成されたアクチュエータをさらに備え、
前記BIベイは、上部BIベイ部分と、前記上部BIベイ部分の下に存在する下部BIベイ部分とを備え、
前記発芽剤起動器は、作動されると、前記上部BIベイを通って前記下部BIベイに向かって移動するように構成される、項目38に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目40)
前記アクチュエータは、ソレノイドバルブにより作動される、項目39に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目41)
前記光学アセンブリはさらに、
前記ヒータブロックアセンブリの下に配置されたスキャンヘッドアセンブリであって、
前記励起源と、
スキャンヘッド本体と、
第1のミラーと、
を含む、前記スキャンヘッドアセンブリと、
前記スキャンヘッドアセンブリと前記カメラとの間の光路に沿って配置されたミラーマウントであって、前記ミラーマウントは、前記スキャンヘッドアセンブリから前記カメラへ光を反射する第2のミラーを有する、前記ミラーマウントと、
を備える、項目38~40のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目42)
前記スキャンヘッドアセンブリはさらに、
前記励起源の上の放射レンズと、
前記第1のミラーの上の集光レンズと、
を備える、項目41に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目43)
前記励起源は、紫外発光ダイオードを備える、項目38~42のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目44)
前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記生物学的インジケータリーダはさらに、位置調整アセンブリを備え、前記位置調整アセンブリは、
ステッパモータと
ベルトドライブと
リニアガイドブロックと、
を含み、
前記スキャンヘッドアセンブリは、前記リニアガイドブロックに取り付けられ、前記複数のBIベイの下を移動するように構成される、
項目41及び42のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目45)
前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、それぞれのBIベイは、それぞれのBI窓を有し、前記生物学的インジケータリーダはさらに、位置調整アセンブリを備え、前記位置調整アセンブリは、前記励起源を備え、前記複数のBIベイに沿って移動するように構成され、前記複数のBIベイの前記それぞれのBI窓を通して順番に光を放射するように前記励起源を配置することができる、項目38~44のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目46)
リアパネルと、
軸流ファンと、
吸気プレナムと、
を含むリアパネルアセンブリを、さらに備える、項目38~46のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目47)
前記フロントパネルアセンブリはさらに、ラッチを含み、前記アクセスドアは、ラッチプレートを含み、前記アクセスドアが前記閉鎖位置にある時、前記フロントパネルアセンブリの前記ラッチ及び前記アクセスドアの前記ラッチプレートは、係合して前記アクセスドアをロックするように構成される、項目38~46のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目48)
前記アクセスドアが前記閉鎖位置にある時、前記アクセスドアをロックするように構成されたアクセスドアロックをさらに備える、項目38~46のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目49)
アクセスドアリリースをさらに備え、
前記アクセスドアリリースが作動されると、前記アクセスドアの前記ラッチプレートが前記フロントパネルアセンブリの前記ラッチから解除され、前記アクセスドアが開く、項目47に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目50)
アクセスドアリリースをさらに備え、前記アクセスドアリリースが作動されると、前記アクセスドアロックが解除され、前記アクセスドアが開く、項目48に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目51)
前記アクセスドアリリースは、前記フロントパネルアセンブリのラッチばねと連通し、前記アクセスドアリリースの作動により前記ラッチばねが圧縮され、結果として前記ラッチが移動し、前記ラッチプレートが解除され、前記アクセスドアが開く、項目49に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目52)
前記アクセスドアリリースは、板ばねを介して前記フロントパネルアセンブリのラッチばねに連結され、前記アクセスドアリリースの作動により前記ラッチばねが圧縮され、前記ラッチが移動し、前記ラッチプレートが解除され、前記アクセスドアが開く、項目49に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目53)
前記アクセスドアが前記開放構成にあるか前記閉鎖構成にあるかを示す信号を前記コントローラに提供するように構成されたドア位置センサをさらに備える、項目38~52のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目54)
前記アクセスドアのすべてが前記閉鎖構成にあり、前記生物学的インジケータリーダが作動している時、前記コントローラは、前記アクセスドアの開放を禁止するように構成される、項目38~52のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目55)
前記少なくとも1つのアクセスドアのすべてが前記開放構成にある時、前記コントローラは、前記生物学的インジケータリーダの動作を禁止するように構成される、項目38~54のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目56)
前記ヒータブロックアセンブリの温度を感知するように構成された1つ以上の温度センサをさらに備え、
前記1つ以上の温度センサは、温度測定値を前記コントローラに出力し、前記温度測定値に応じて、前記コントローラは、前記ヒータブロックアセンブリの1つ以上の加熱素子から出力される熱を調整する、項目38~55のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目57)
ディスプレイをさらに備え、
前記1つ以上の温度センサは、温度測定値を前記コントローラに出力し、前記温度測定値に応じて、前記コントローラは、前記温度測定値に関する情報を前記ディスプレイに表示する、項目56に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目58)
前記生物学的インジケータが前記BIベイに挿入された時、前記BIベイの前記BI窓は、前記生物学的インジケータの撮像窓と位置が合うように構成される、項目38~57のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目59)
前記BI窓は、UVグレードの溶融シリカクオーツを含む、項目38~58のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目60)
前記BIベイ内のBIの存在を前記コントローラに通信するように構成されたBI存在センサをさらに備える、項目38~59のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目61)
前記BIベイは、前記生物学的インジケータが前記BIベイに挿入された時、前記生物学的インジケータの挿入溝の一部と係合して、前記生物学的インジケータを所定の位置に保持するように構成されたBIラッチを備える、項目38~60のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目62)
前記BIが前記BIベイに挿入されると、前記発芽剤リリースレバーは、前記生物学的インジケータに下向きの圧力を加え、前記BIを起動させるように構成される、項目38~61のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目63)
前記発芽剤起動器は、前記生物学的インジケータに入り、前記生物学的インジケータ内の発芽剤溶液を放出させるように構成される、項目38~62のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目64)
前記発芽剤起動器を作動させるように構成された発芽剤起動器アクチュエータをさらに備える、項目38~63のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目65)
前記発芽剤起動器が作動されると、前記発芽剤起動器アクチュエータは、前記アクセスドアが開放構成に移動することを禁止するように構成される、項目64に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目66)
前記発芽剤起動器が作動されると、前記アクセスドアが前記開放構成に移動することを禁止するように構成されたアクセスドアロックをさらに備える、項目38~65のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目67)
前記発芽剤起動器の位置を前記コントローラに通信するように構成された発芽剤起動器位置センサをさらに備える、項目38~66のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目68)
前記カメラアセンブリは、固定位置に配置される、項目38~67のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目69)
前記カメラアセンブリは、固定位置に配置され、前記位置調整アセンブリは、さらにミラーを備え、前記ミラーは、前記位置調整アセンブリとともに移動可能である、項目45に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目70)
前記カメラは、熱電(TE)冷却電荷結合素子(CCD)カメラを含む、項目38~69のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目71)
前記カメラは、時間ゲートモードで作動するように構成される、項目38~70のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目72)
時間ゲート撮像を使用して、複数の生物学的インジケータ内に生存可能胞子の存在を判定するように構成された生物学的インジケータ(BI)リーダであって、前記生物学的インジケータリーダは、
複数の開口部を有するリーダ筐体であって、前記複数の開口部を通して前記生物学的インジケータを受け入れる、前記リーダ筐体と、
複数のBIベイであって、前記複数のBIベイのそれぞれは、前記複数の開口部のそれぞれ1つを通してアクセス可能であり、前記複数のBIベイのそれぞれはさらに、前記BIベイへの光及び前記BIベイからの光が通過するように構成されたBI窓を有する、前記複数のBIベイと、
複数の発芽剤起動器であって、前記複数の発芽剤起動器のそれぞれは、前記複数のBIベイのそれぞれ1つに配置され、前記それぞれのBIベイに前記生物学的インジケータが存在する時、前記生物学的インジケータのそれぞれ1つを起動させるように構成される、前記複数の発芽剤起動器と、
光学アセンブリであって、
前記BIベイの前記BI窓を通して順番に光を放射するように構成された移動可能な励起源と、
前記BIベイの前記BI窓を通過する画像をキャプチャするように構成され、時間ゲートモードで作動するように構成されたカメラを有するカメラアセンブリと、
を含む前記光学アセンブリと、
前記光学アセンブリを制御し、前記カメラにより収集された前記画像に関連する情報を収集するように構成されたコントローラと、
を備える、前記生物学的インジケータリーダ。
(項目73)
前記コントローラは、前記励起源を前記複数のBIベイ間で移動させることと、前記BIベイのうちBIにより占拠されていると特定された前記BIベイの前記BI窓を通して、前記励起源に光を放射させることと、前記BIベイのうち空と特定された前記BIベイの前記BI窓を通して、前記励起源が光を放射することを禁止することと、を実行するように構成される、項目72に記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目74)
前記複数の発芽剤起動器は、複数の発芽剤リリースレバー及び複数のプッシュロッドのうちの少なくとも1つを備える、項目72及び73のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目75)
移動可能な位置調整アセンブリをさらに備え、前記位置調整アセンブリは、ミラー及び前記励起源を備え、前記位置調整アセンブリは、前記複数のBIベイに沿って移動するように構成され、前記複数のBIベイの前記それぞれのBI窓を通して順番に光を放射するように前記励起源を配置することができ、及び前記BIベイの前記それぞれのBI窓から順番に光を受け取るように前記ミラーを配置することができる、項目72~74のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目76)
前記生物学的インジケータが前記それぞれのBIベイに挿入されると、前記発芽剤起動器のそれぞれは、前記複数の生物学的インジケータのそれぞれ1つに圧力を加えて、前記それぞれの生物学的インジケータ内の発芽剤容器の破裂を引き起こすことで、前記生物学的インジケータを起動させるように構成される、項目72~75のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目77)
前記発芽剤起動器のそれぞれは、前記複数の生物学的インジケータのうちの各自の生物学的インジケータリーダに入り、前記それぞれの生物学的インジケータ内の発芽剤溶液を放出させるように構成される、項目72~76のいずれかに記載の生物学的インジケータリーダ。
(項目78)
滅菌プロセスの有効性を判定する方法であって、前記方法は、
生物学的インジケータを提供することであって、前記生物学的インジケータは、事前に滅菌プロセスを受けており、前記生物学的インジケータは、胞子キャリアに堆積した複数の胞子と、発芽剤組成物を収容する発芽剤容器と、を備える、前記提供することと、
前記生物学的インジケータを前記胞子の培養温度に加熱することと、
前記発芽剤組成物が前記胞子キャリアの前記複数の胞子と相互作用するように、前記発芽剤組成物を前記発芽剤容器から前記生物学的インジケータ内に放出することと、
前記生物学的インジケータの窓を通して励起源から光を放射することと、
前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返される光から、カメラを使用して経時的に複数の画像をキャプチャすることと、
前記複数の画像を時間に関して比較して、前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返された前記光の強度に変化が生じたか否かを判定することであって、経時的に前記生物学的インジケータの前記窓を通して放射し返された前記光の前記強度の変化は、前記滅菌プロセスの失敗を示す、前記判定することと、
を含む、前記方法。
(項目79)
前記生物学的インジケータは、複数の生物学的インジケータを含み、前記方法はさらに、
前記複数の生物学的インジケータのうちのそれぞれの前記生物学的インジケータの間で、好ましくは規則的な時間間隔で、前記励起源を移動させることを含む、
項目態78に記載の方法。
(項目80)
前記複数の画像を時間に関して前記比較することは、前記画像をピクセルごとに比較することを含む、項目78または79のいずれかに記載の方法。
(項目81)
前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出する前に、前記生物学的インジケータを前記滅菌プロセスにさらすことをさらに含む、項目78~80のいずれかに記載の方法。
(項目82)
前記胞子キャリアは、略平面であり、その第1の側に前記複数の胞子を担持し、前記胞子キャリアの前記第1の側は、好ましくは前記生物学的インジケータの前記窓に対して配置され、
前記生物学的インジケータの前記窓を通して前記励起源から光を前記放射することは、前記胞子キャリアの前記第1の側に対して光を放射することを含む、項目78~81のいずれかに記載の方法。
(項目83)
前記胞子キャリアは、略平面であり、その第1の側に前記複数の胞子を担持し、前記胞子キャリアの前記第1の側は、好ましくは前記生物学的インジケータの前記窓に対して配置され、経時的に前記複数の画像を前記キャプチャすることは、前記胞子キャリアの前記第1の側により放射された光から前記複数の画像をキャプチャすることを含む、項目78~82のいずれかに記載の方法。
(項目84)
前記生物学的インジケータは、複数の生物学的インジケータを含み、前記方法はさらに、
BIリーダの各BIベイに前記複数の生物学的インジケータのそれぞれを配置することと、
前記BIベイ内の前記生物学的インジケータ間で前記励起源を移動させることと、
前記励起源が前記BIベイに配置されたことを特定し、前記特定に応じて、(i)前記励起源から光を放射し、(ii)前記BIベイに配置された前記生物学的インジケータから前記複数の画像を受信して処理することと、
を含む、項目78~83のいずれかに記載の方法。
(項目85)
前記生物学的インジケータは、BIリーダの複数のBIベイのうちの1つに配置され、前記方法はさらに、
前記励起源を前記複数のBIベイ間で移動させて、前記システムの1回のサイクルの間に各BIベイの下で前記励起源を複数回起動させることを含み、
毎回前記励起源が起動している間に前記カメラは画像をキャプチャする、
項目78~84のいずれかに記載の方法。
(項目86)
前記複数の画像を前記キャプチャすることは、実質的に前記胞子キャリア全体の複数の画像をキャプチャすることを含む、項目78~85のいずれかに記載の方法。
(項目87)
前記胞子キャリアは、略平面であり、その第1の側に前記複数の胞子を担持し、
前記複数の画像を前記比較することは、前記胞子キャリアの前記第1の側の複数の画像をピクセルごとに比較することを含む、項目78~86のいずれかに記載の方法。
(項目88)
前記生物学的インジケータをBIリーダのBIベイに配置することをさらに含み、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を前記放出することは、好ましくは前記BIリーダの一部が前記生物学的インジケータに入ることにより、前記BIリーダから圧力を加え、前記発芽剤容器を破壊して、前記発芽剤組成物を放出することを含む、項目78~86のいずれかに記載の方法。
(項目89)
前記生物学的インジケータは、発芽剤パッドを備え、前記胞子キャリアは略平面であり、前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、及び前記窓は、積み重ねられた構成であり、
前記方法はさらに、前記生物学的インジケータをBIリーダに配置することと、前記BIリーダを使用して、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出させ、その後前記発芽剤組成物を前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、及び前記複数の胞子と接触させることと、を含む、項目78~85のいずれかに記載の方法。
(項目90)
前記生物学的インジケータをBIリーダのBIベイに配置することと、前記BIリーダを使用して、前記生物学的インジケータの外面のシールを破り、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出することと、をさらに含む、項目78~85のいずれかに記載の方法。
(項目91)
前記生物学的インジケータは、発芽剤パッドを含み、前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、前記発芽剤容器、及び前記窓が位置合わせされ、前記方法はさらに、前記生物学的インジケータをBIリーダに配置することと、前記BIリーダを使用して、前記発芽剤容器、前記発芽剤パッド、前記胞子キャリア、及び前記窓に向かって圧力を加えることにより、前記発芽剤容器から前記発芽剤組成物を放出することと、を含む、項目78~85に記載の方法。
(項目92)
滅菌プロセスの有効性を判定するためのシステムであって、前記システムは、少なくとも1つの生物学的インジケータ内に生存可能胞子の存在を判定するように構成された生物学的インジケータリーダを備え、前記生物学的インジケータリーダは、
前記生物学的インジケータを受け入れるように構成され、BI窓を有する少なくとも1つのBIベイの少なくとも一部を画定するヒータブロックアセンブリと、
前記BIベイの上に配置された発芽剤起動器と、
光学アセンブリであって、
前記生物学的インジケータが前記BIベイに存在する時、前記BIベイの前記BI窓を通して前記生物学的インジケータ内に光を放射するように構成された励起源と、
前記BIベイの前記BI窓を通して反射された画像をキャプチャするように構成されたカメラを有するカメラアセンブリと、
を含む前記光学アセンブリと、
1つ以上のプロセッサを有する制御システムであって、前記1つ以上のプロセッサは、前記ヒータブロックアセンブリを制御するように構成されたヒータ制御モジュールと、前記カメラを制御して、前記カメラによりキャプチャされた画像を受信し処理するように構成されたカメラ制御モジュールと、前記励起源を制御するように構成された励起制御モジュールと、を実行するようにプログラムされる、前記制御システムと、
を備える、前記システム。
(項目93)
前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記光学アセンブリはさらに、
前記ヒータブロックアセンブリの下に配置されたスキャンヘッドアセンブリであって、
前記励起源と、
スキャンヘッド本体と、
第1のミラーと、
を含む、前記スキャンヘッドアセンブリと、
前記スキャンヘッドアセンブリと前記カメラとの間に存在するミラーマウントであって、前記ミラーマウントは、前記スキャンヘッドアセンブリから前記カメラへ光を反射する第2のミラーを有する、前記ミラーマウントと、
位置調整アセンブリであって、
ステッパモータと、
ベルトドライブと、
リニアガイドブロックと、
を含む、前記位置調整アセンブリと、を備え、
前記スキャンヘッドアセンブリは、前記リニアガイドブロックに取り付けられ、前記複数のBIベイの下を移動するように構成され、
前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサはさらに、前記位置調整アセンブリを制御するように構成された位置調整アセンブリ制御モジュールを実行するようにプログラムされる、
項目92に記載のシステム。
(項目94)
前記位置調整アセンブリ制御モジュールは、前記位置調整アセンブリが前記スキャンヘッドアセンブリを所定の閾値限界を超えて前進させることを阻止するためのロックアウトロジックを備える、項目93に記載のシステム。
(項目95)
前記生物学的インジケータリーダはさらに、少なくとも1つのドア開口部及び少なくとも1つのアクセスドアを有するフロントパネルアセンブリを含むリーダ筐体を備え、
前記アクセスドアは、前記ドア開口部を露出する開放構成と、前記ドア開口部を閉鎖する閉鎖構成との間で移動するように構成され、前記ドア開口部は、前記ドア開口部を通して前記生物学的インジケータを受け入れるように構成され、
前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサはさらに、前記少なくとも1つのアクセスドアをロック及びロック解除するように構成されたBIベイドア及びハンドラモジュールを実行するようにプログラムされる、項目92~94のいずれかに記載のシステム。
(項目96)
前記生物学的インジケータリーダはさらに、前記発芽剤起動器を作動させるように構成された発芽剤起動器アクチュエータを備え、前記BIベイドア及びハンドラモジュールはさらに、前記発芽剤起動器アクチュエータを制御するように構成される、項目95に記載のシステム。
(項目97)
前記生物学的インジケータリーダはさらに、ドア位置センサ、発芽剤起動器アクチュエータ位置センサ、及びBI存在センサから選択された1つ以上のセンサを備え、前記BIベイドア及びハンドラモジュールはさらに、前記1つ以上のセンサと通信するように構成される、項目96に記載のシステム。
(項目98)
前記生物学的インジケータリーダはさらに、前記ヒータブロックアセンブリに1つ以上の温度センサを備え、前記ヒータ制御モジュールは、前記1つ以上の温度センサから信号を受信して処理し、前記1つ以上の温度センサからの前記信号に応じて、前記ヒータブロックアセンブリの加熱素子を制御するように構成される、項目92~97のいずれかに記載のシステム。
(項目99)
前記ヒータ制御モジュールは、所定の閾値を超える温度差を示す前記1つ以上の温度センサからの信号に応じて、前記加熱素子の継続的な動作を禁止するように構成される、項目98に記載のシステム。
(項目100)
前記ヒータ制御モジュールは、ヒータ電流モニタを実行し、前記ヒータ電流モニタが所定の閾値を超える電流を記録した場合、前記加熱素子の継続的な動作を禁止するように構成される、項目98に記載のシステム。
(項目101)
前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、前記励起制御モジュールは、前記複数のBIベイのうちBIにより占拠されているものを示す信号を前記BIベイドア及びハンドラモジュールから受信し、前記BIベイドア及びハンドラモジュールからの前記信号を処理して、前記複数のBIベイのうち前記励起源の起動を必要とするものと、前記複数のBIベイのうち前記励起源の起動を必要としないものとを特定するように構成される、項目95に記載のシステム。
(項目102)
前記励起制御モジュールはさらに、前記励起源の電流を調整し、前記励起源のサイクルを通して電流調整を維持するように構成される、項目92~101のいずれかに記載のシステム。
(項目103)
前記励起制御モジュールは、前記励起源の起動のタイミング及び前記励起源の露光の長さ、ならびに前記カメラの起動のタイミング及び前記カメラの露光の長さを制御するように構成される、項目92~102のいずれかに記載のシステム。
(項目104)
前記生物学的インジケータリーダはさらに、ディスプレイを備え、前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサはさらに、ユーザと前記ディスプレイのインタラクションを管理するように構成されたユーザインターフェース制御モジュールを実行するようにプログラムされる、項目92~103のいずれかに記載のシステム。
(項目105)
前記ユーザインターフェース制御モジュールは、ユーザ入力を受信して処理し、前記ディスプレイ上の前記ユーザへの情報表示を管理するように構成される、項目104に記載のシステム。
(項目106)
前記BIが前記BIベイに挿入された後、及び前記滅菌プロセスの有効性を判定するための動作を前記生物学的インジケータリーダが実行する前に、前記制御システムは、ダストチェックを実行するように構成され、前記ダストチェックは、前記スキャンヘッドアセンブリの視野内の高周波数ノイズを調べることを含み、
高周波ノイズの存在は、前記生物学的インジケータリーダの光路に異物が存在することを示す、項目92~105のいずれかに記載のシステム。
(項目107)
前記BIが前記BIベイに挿入された後、及び前記滅菌プロセスの有効性を判定するための動作を前記生物学的インジケータリーダが実行する前に、前記制御システムは、結露チェックを実行するように構成され、前記結露チェックは、前記ヒータブロックアセンブリの加熱中に前記BI窓に形成された結露を調べることを含む、項目92~106のいずれかに記載のシステム。
(項目108)
前記BIが前記BIベイに挿入された後、及び前記滅菌プロセスの有効性を判定するための動作を前記生物学的インジケータリーダが実行する前に、前記制御システムは、位置調整チェックを実行するように構成され、前記位置調整チェックは、前記スキャンヘッドアセンブリ及び前記位置調整アセンブリを確実に較正し、前記スキャンヘッドアセンブリと前記ヒータブロックアセンブリとの間の所定距離を確認することを含む、項目93~107のいずれかに記載のシステム。
(項目109)
前記位置調整チェックは、前記ヒータブロックアセンブリの自己較正ターゲットに向けて光を放射し、前記自己較正ターゲットから反射されたパターンを測定して、前記スキャンヘッドアセンブリと前記ヒータブロックアセンブリとの間の前記所定距離を確認することを含む、項目108に記載のシステム。
(項目110)
検出プロトコルを実行する前であるが、前記発芽剤起動器が作動した後に、前記制御システムは、前記BIベイに挿入された前記生物学的インジケータから発芽剤が正常に放出されたか否かを検出するように構成される、項目92~109のいずれかに記載のシステム。
(項目111)
前記発芽剤が正常に放出されたか否かを前記検出することは、経時的に放射された光の平均強度を検出し計算することを含み、
経時的に所定の閾値強度比以上の強度変化は、前記発芽剤が正常に放出されたことを示し、前記所定閾値強度より低い強度変化は、前記発芽剤の放出が不適切であったことを示す、項目110に記載のシステム。
(項目112)
前記位置調整アセンブリ制御モジュールは、前記複数のBIベイ間で前記スキャンヘッドアセンブリを移動させる前記位置調整アセンブリの動作を制御するように構成され、前記励起制御モジュールは、前記スキャンヘッドアセンブリが前記BIベイの前記BI窓の下に存在する時に、前記励起源を起動させるように構成され、前記カメラ制御モジュールは、前記励起源が起動されるたびに前記カメラがキャプチャした前記画像を受信し処理するように構成される、項目93~111のいずれかに記載のシステム。
(項目113)
前記システムの1回のサイクルの間に前記励起源が各BIベイの下で複数回起動するように、前記位置調整アセンブリ制御モジュールは、前記スキャンヘッドアセンブリを前記複数のBIベイ間で循環させるように構成され、前記カメラ制御モジュールは、毎回前記励起源が起動している間に前記カメラがキャプチャした前記画像を受信し処理するように構成される、項目112に記載のシステム。
(項目114)
前記カメラは、前記胞子キャリア全体の複数の画像をキャプチャするように構成され、前記カメラ制御モジュールは、前記カメラによりキャプチャされた前記複数の画像をピクセルごとに処理するように構成される、項目113に記載のシステム。
(項目115)
項目92~114のいずれかに記載のシステムを使用して滅菌プロセスの有効性を判定する方法であって、前記方法は、
前記生物学的インジケータを前記滅菌プロセスにさらすことであって、前記生物学的インジケータは、胞子キャリアに堆積した複数の胞子と、発芽剤組成物を収容する発芽剤容器とを備える、前記さらすことと、
前記生物学的インジケータを前記ヒータブロックアセンブリの前記BIベイに挿入して、前記ヒータブロックアセンブリ内の前記生物学的インジケータを前記胞子の培養温度に加熱することと、
前記発芽剤組成物が前記胞子キャリアの前記複数の胞子と相互作用するように、前記発芽剤起動器を作動させて、前記発芽剤組成物を前記発芽剤容器から前記生物学的インジケータ内に放出することと、
前記BIベイの前記BI窓を通して、及び前記生物学的インジケータの撮像窓を通して、前記励起源から光を放射することと、
前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された光から、前記カメラにより経時的に複数の画像をキャプチャすることと、
前記カメラ制御モジュールを使用して、前記複数の画像を時間に関して比較して、前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された前記光の強度のあらゆる変化を特定することであって、経時的に前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された前記光の前記強度の変化は、前記滅菌プロセスの失敗を示す、前記特定することと、
を含む、前記方法。
(項目116)
前記生物学的インジケータは、複数の生物学的インジケータを含み、前記少なくとも1つのBIベイは、複数のBIベイを含み、
前記生物学的インジケータを前記BIベイに挿入することは、前記複数の生物学的インジケータのそれぞれを前記BIベイのそれぞれ1つに挿入することを含み、前記方法はさらに、前記複数のBIベイのうちのそれぞれの前記BIベイの間で前記励起源を移動させることを含む、項目115に記載の方法。
(項目117)
前記光学アセンブリはさらに、
前記複数のBIベイ間を移動可能なスキャンヘッドアセンブリを備え、前記スキャンヘッドアセンブリは、
前記励起源と、
スキャンヘッド本体と、
第1のミラーと、
を備え、
前記方法はさらに、
前記スキャンヘッド本体、前記励起源、及び前記第1のミラーを、前記複数のBIベイの第1のBIベイに移動させることと、
前記第1のBIベイの前記BI窓を通して、及び前記第1のBIベイ内の前記生物学的インジケータの前記撮像窓を通して、前記励起源から光を放射することと、
前記生物学的インジケータの前記撮像窓及び前記BIベイの前記BI窓を通して放射し返された光を、前記第1のミラーを使用して、前記カメラに向かう経路に沿って反射させることと、
を含む、項目116に記載の方法。
(項目118)
前記複数の画像を時間に関して前記比較することは、前記画像をピクセルごとに比較することを含む、項目115~117のいずれかに記載の方法。
【国際調査報告】