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▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】再利用可能なポンプディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20231207BHJP
   B05B 11/00 20230101ALI20231207BHJP
   B05B 11/10 20230101ALI20231207BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B65D47/34 BRH
B65D47/34 BSF
B05B11/00 101Z
B05B11/10 101Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530924
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 US2021063200
(87)【国際公開番号】W WO2022132693
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/125,699
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ バルトルッチ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084GA04
3E084GB04
3E084KB01
3E084LD22
3E084LD26
(57)【要約】
ポンプアセンブリが、現在のリサイクルストリームにおいて再利用されるために分解を必要としないポンプディスペンサが開示される。本ポンプアセンブリは、経時的に剛性を失わず、液体製品と相互作用しないプラスチックばねを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプディスペンサであって、
a)ネックランディングゾーンを有するネックを備えるボトルであって、流体製品を収容し、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレートから本質的になる、ボトルと、
b)ロック保管構成にあるポンプアセンブリであって、
i)内部に空洞を有するポンプヘッドであって、第1のステムの端部を受容するように適合されている、ポンプヘッドと、
ii)本体の前記ネックに結合されたクロージャと、
iii)前記第1のステムであって、前記ポンプヘッドに堅固に接続された端部と、前記ポンプヘッド空洞に流体接続された中空内部空洞と、第1のスナップ及び好ましくは第2のスナップを有する外部表面と、を備え、第2のステムに対して移動するように構成されている、第1のステムと、
iv)前記第1のステムを少なくとも部分的に包囲する前記第2のステムであって、前記第1のステムの内部空洞と流体連通する中空内部チャネルを有し、プラットフォーム及びカンチレバーを備え、前記カンチレバーは前記第1のスナップと連結し、好ましくはロック保管位置において前記第1のスナップと連結し、好ましくは、投与準備位置において前記第2のスナップと連結する、第2のステムと、
v)前記第2のステムを少なくとも部分的に取り囲むプラスチックばねであって、好ましくは、前記ばねには予荷重が存在せず、前記ばねは前記プラットフォームに隣接し、前記プラットフォームから離間している、プラスチックばねと、
vi)前記ばねを少なくとも部分的に取り囲むハウジングであって、内壁と、中空内部を有する投与チャンバと、を備え、前記中空内部は、前記第2のステムの前記内部チャネルと流体連通している、ハウジングと、を備える、ポンプアセンブリと、を備え、
前記ポンプアセンブリは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種類の再利用可能なプラスチックを少なくとも80%含む、ポンプディスペンサ。
【請求項2】
前記ネックランディングゾーンから前記ポンプヘッドの上部までの距離は、25mm未満、好ましくは23mm以下、より好ましくは22mm未満、更により好ましくは20mm以下である、請求項1に記載のポンプディスペンサ。
【請求項3】
前記プラスチックばねは、単一螺旋、二重螺旋、スタック二重螺旋、波形ばね、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される設計を含む、請求項1又は2に記載のポンプディスペンサ。
【請求項4】
前記ハウジングは、第1のハウジングと、別個の第2のハウジングと、を含み、前記第1のハウジングは、前記ばねを部分的に取り囲み、前記第2のハウジングは、前記投与チャンバを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のポンプディスペンサ。
【請求項5】
前記ポンプヘッドは、前記クロージャの外部表面上の対応するねじ山に結合されるねじ山を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のポンプディスペンサ。
【請求項6】
前記プラスチックばねは、前記ロック保管構成において前記流体製品と接触しない、請求項1~5のいずれか一項に記載のポンプディスペンサ。
【請求項7】
前記プラスチックばねは、前記ロック保管構成において予荷重を加えられない、請求項1~6のいずれか一項に記載のポンプディスペンサ。
【請求項8】
前記ポンプディスペンサは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種類の再利用可能なプラスチックを少なくとも90%含み、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種類の再利用可能なプラスチックの少なくとも95%含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のポンプディスペンサ。
【請求項9】
前記ハウジングは内壁を含み、前記ハウジングの前記内壁は、前記第2のステムの表面に係合するように適合された1つ以上の保持機構を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のポンプディスペンサ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のポンプディスペンサから液体製品を分配する方法であって、
a)前記カンチレバーを前記第1のスナップから係合解除するステップと、
b)前記カンチレバーを前記第2のスナップと係合させるステップと、
c)前記ポンプヘッドを約1回~約10回下方に押圧して、前記ポンプアセンブリをプライミングするステップと、
d)前記ポンプヘッドを押圧し、それによって前記ばねを圧縮して、前記ポンプディスペンサから前記液体製品を分配するステップと、を含む、方法。
【請求項11】
前記ポンプは、ポンピング動作当たり約2mL~約6mL、好ましくは約2.5~約5.5mL、より好ましくは約3~約5mL、更により好ましくは約3.6~約4.4mLの前記液体製品を分配する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ポンプアセンブリは、本明細書に記載される、水を用いた平均ピーク作動力試験方法によって決定されるように、40N未満、好ましくは35N未満、より好ましくは30N未満の90%ストロークでのピーク作動力を含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記プラスチックばねは、分配中に前記流体製品と接触しない、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ハウジングの前記内壁は、前記第2のステムの表面に係合するように適合された1つ以上の保持機構を更に備え、前記ばねは、プライミング及び/又は分配後に部分的に圧縮される、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ポンプヘッドは、ポンプヘッドねじ山を更に備え、前記クロージャは、対応するクロージャねじ山を更に備え、前記ポンプヘッドねじ山は、前記対応するクロージャねじ山にねじ係合され、前記ポンプヘッドは、ステップ(a)と同時にあるいはステップ(a)の前に回転されて前記ポンプヘッドねじ山を係合解除する、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ポンプディスペンサ、特にポンプディスペンサは、使用済みポンプアセンブリが現在のリサイクルストリームにおいて再利用されるために分解を必要としないポンプアセンブリを有する。
【背景技術】
【0002】
ポンプディスペンサは、一般的に、ローション、フォーム、ゲルなどを含む様々な液体を分配するために使用される。ポンプアセンブリは、ユーザがポンプヘッドを押し下げる(又はプライミングする)ときに液体を分配し、ピストンがばねに圧力をかけ、ボール弁を上方に移動させ、それとともにいくらかの液体製品が取られる。ポンプヘッドが解放されると、ピストン及びばねは静止位置に戻り、液体がボトル内に逆流するのを止めるためにハウジングチャンバを密封する。ほとんどのポンプディスペンサ構成要素は、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)から作製され、これらは、一般に、許容汚染限界内で単一のリサイクルストリームに再利用され得る。しかしながら、ポンプアセンブリ内の鋼ばねの存在は、現在のリサイクルストリームにおいてポンプディスペンサを再利用することを困難にし得る。したがって、プラスチックばねを含めて、プラスチック工業協会(Society of Plastics Industry)によって定義されるような同じ材料リサイクルクラスからの再利用可能なプラスチックのみを含むポンプディスペンサを作製することが望ましい場合がある。
【0003】
しかしながら、鋼ばねを、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)から作られた再利用可能なプラスチックばねに置き換えることは、単純な置き換えではない。プラスチックばねは、鋼ばねと比較して異なる機械的及び化学的特性を有する。例えば、PE又はPPは、鋼よりも50倍~150倍低い弾性率を有する。プラスチックばねはまた、クリープ力、サイクル負荷によって経時的に剛性を失い、かつ/又は液体製品と反応する可能性がある。
【0004】
今日利用可能ないくつかの全プラスチック製のばねがある。しかしながら、ばねがボトル内の製品と接触することを防止するために、ばねはポンプヘッド内に組み込まれており、このことがポンプアセンブリの高さを著しく増加させ得る。小売店で美容及びパーソナルケア製品を販売するとき、棚の高さは、一般に、小売業者によって設定される。したがって、現在入手可能な全プラスチック製の再利用可能なばねを使用するためには、製品のラインナップ全体のサイズ及び/又は形状を大幅に変更しなければならない。これは、特に図像的な包装を有する製品にとっては妥当ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、使用済みポンプアセンブリが現在のリサイクルストリームにおいて再利用されるために分解を必要としないポンプアセンブリを有するポンプディスペンサが必要とされている。特に、ばねが経時的に剛性を失わず、液体製品と相互作用しないプラスチックばねを有するポンプアセンブリが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ポンプディスペンサであって、(a)ネックランディングゾーンを有するネックを備えるボトルであって、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレートから本質的になる、ボトルと、(b)ポンプアセンブリであって、i)内部に空洞を有するポンプヘッドであって、第1のステムの端部を受容するように適合されている、ポンプヘッドと、(ii)本体のネックに結合されたクロージャと、(iii)第1のステムであって、ポンプヘッドに堅固に接続された端部と、ポンプヘッド空洞に流体接続された中空内部空洞と、第1のスナップ及び第2のスナップを有する外部表面と、を備え、第2のステムに対して移動するように構成されている、第1のステムと、(iv)第1のステムを少なくとも部分的に包囲する第2のステムであって、第1のステムの内部空洞と流体連通する中空内部チャネルを有し、プラットフォーム及びカンチレバーを備え、カンチレバーは、ロック保管位置において第1のスナップと連結し、投与準備位置において第2のスナップと連結する、第2のステムと、(v)第2のステムを少なくとも部分的に取り囲むプラスチックばねであって、(vi)ばねを少なくとも部分的に取り囲むハウジングであって、中空内部を有する投与チャンバを備え、中空内部は、第2のステムの内部チャネルと流体連通している、ハウジングと、を備える、ポンプアセンブリと、を備え、ポンプアセンブリは、ポリプロピレン又はポリエチレンから本質的になる、ポンプディスペンサ。
【0007】
ポンプディスペンサであって、(a)ネックを備えるボトルであって、流体製品を収容する、ボトルと、(b)ロック保管構成にあるポンプアセンブリであって、i)内部に空洞を有するポンプヘッドであって、第1のステムの端部を受容するように適合されている、ポンプヘッドと、(ii)本体のネックに結合されたクロージャと、(iii)第1のステムであって、ポンプヘッドに堅固に接続された端部と、ポンプヘッド空洞に流体接続された中空内部空洞と、第1のスナップを有する外部表面と、を備え、第2のステムに対して移動するように構成されている、第1のステムと、(iv)第1のステムを少なくとも部分的に包囲する第2のステムであって、第1のステム内部空洞と流体連通する中空内部チャネルを有し、プラットフォーム及びカンチレバーを備え、カンチレバーは第1のスナップと連結する、第2のステムと、(v)第2のステムを少なくとも部分的に取り囲むプラスチックばねであって、ばねには予荷重が存在せず、ばねはプラットフォームに隣接し、プラットフォームから離間している、プラスチックばねと、(vi)ばねを少なくとも部分的に取り囲むハウジングであって、内壁と、中空内部を有する投与チャンバと、を備え、中空内部は、第2のステムの内部チャネルと流体連通している、ハウジングと、を備える、ポンプアセンブリと、を備え、ポンプアセンブリは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種類の再利用可能なプラスチックを少なくとも80%含む、ポンプディスペンサ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明の主題を具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する特許請求の範囲で締めくくられているが、本発明は、添付の図面に関連した以下の説明からより容易に理解することができると考えられる。
図1】ポンプディスペンサの斜視図である。
図2】ロック保管構成にある図1のポンプディスペンサの側面図である。
図3】分配準備位置にある図1のポンプディスペンサの側面図である。
図4図1のポンプディスペンサの分解斜視図である。
図5図2のポンプディスペンサの断面図である。
図6】最初の使用前のポンプヘッドのロック解除中の図2のポンプディスペンサの断面図である。
図7】プライミング前の分配準備位置にある図3のポンプディスペンサの断面図である。
図8】作動中の図3のポンプディスペンサの断面図である。
図9】プライミング後の分配準備位置にある図3のポンプディスペンサの断面図である。
図10】分配中の図3のポンプディスペンサの断面図である。
図11】5つのコイルを有する単一螺旋設計を有するプラスチックばねの斜視図である。
図12図11のプラスチックばねの側面図である。
図13】二重螺旋設計を有するプラスチックばねの斜視図である。
図14図13のばねの側面図である。
図15】波形プラスチック設計を有するプラスチックばねの斜視図である。
図16図15のばねの側面図である。
図17】二重スタック二重螺旋設計を有するプラスチックばねの斜視図である。
図18図17のばねの側面図である。
図19】最初の使用前のポンプヘッドのロック解除中のポンプディスペンサの断面図である。
図20】分配準備構成にあるポンプディスペンサの断面図を示す。
図21】ポンプヘッド作動中のポンプディスペンサの断面図を示す。
図22】ポンプヘッド作動後のポンプディスペンサの断面図を示す。
図23図22の一部分の拡大図である。
図24A】ポンプディスペンサCを示す。
図24B】ポンプディスペンサCのポンプアセンブリの一部分を示す。
図24C図24Bのポンプアセンブリの構成要素を示す。
図25】ポンプディスペンサDのポンプアセンブリの一部分である。
図26】ポンプディスペンサEのポンプアセンブリの一部分である。
図27】ポンプディスペンサFのポンプアセンブリの一部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
消費者は、ポンプアセンブリを有するポンプディスペンサを使用することによって、シャンプー、コンディショナ、及びボディウォッシュなどのいくつかの液体美容製品及びパーソナルケア製品を分配することを好む場合がある。しかしながら、ほとんどのポンプアセンブリは、プラスチックの組み合わせから作製され、かつ/又は鋼ばねを含む。鋼ばねは、安価であり、比較的硬く、経時的にほとんど変形しない一方で、依然として作動させるのが比較的容易であり、概して、ほとんどの液体美容製品及びパーソナルケア製品と反応しないので、ポンプディスペンサにおいて一般的である。しかしながら、鋼ばね及び/又は異なる種類のプラスチックを含むポンプアセンブリは、ポンプアセンブリを分解することなく再利用することが困難であり得る。
【0010】
したがって、ボトル及びポンプアセンブリが、現在のプラスチックリサイクルストリームにおいて再利用可能なプラスチックから作製されるポンプディスペンサが必要とされている。例えば、ボトルは、現在のポリエチレンテレフタレート(PET)、PP、又はPEリサイクルストリームに適合するように設計され得、ポンプアセンブリは、現在のPE又はPPリサイクルストリームに適合するように設計され得る。ポンプディスペンサ及び/又はポンプアセンブリは、80%以上、あるいは85%以上、あるいは88%以上、あるいは90%以上、あるいは92%以上、あるいは95%以上、あるいは97%以上、あるいは99%以上の1種類の再利用可能なプラスチックを含むことができる。ポンプディスペンサは、PE又はPPから構成され得るか、あるいは本質的に構成され得る。ボトルは、PE、PP、又はPETからなり得るか、あるいは本質的になり得る。「PEから本質的になる」、「PPから本質的になる」、又は「PETから本質的になる」という用語は、PE、PP、又はPET及び場合によっては顔料を含むが、現在のPP、PE、又はPETリサイクルストリームの閾値未満の量を除いて、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、及び中密度ポリエチレン(MDPE)などの他のプラスチックを含まないことを意味し得る。
【0011】
更に、出荷中、取り扱い中、及び最初の使用前の保管中に、現在のポンプディスペンサのポンプアセンブリはロック保管構成にあり、ロック保管構成において、ばねは圧縮され、液体製品はポンプアセンブリを通して分配され得ない。鋼ばねは比較的高い弾性係数を有するので、ポンプヘッドが回転され、ポンプアセンブリがロック解除されるとき、ばねは、著しい変形を伴わずに、その元の静止状態に拡張する。しかしながら、プラスチックばねは、鋼よりも50倍~150倍低い弾性係数を有し、ロック保管構成においてこの圧縮力を受ける場合、著しい変形が生じる可能性があり、ポンプアセンブリは同様に機能しない。
【0012】
更に、金属ばねを有するポンプアセンブリでは、ばねは使用中に液体製品と接触している。しかしながら、PP及びPEなどのプラスチックは、いくつかの化学的性質に対して鋼よりも反応性が高い可能性があり、そのためばねは、ばね材料と液体製品との間の相互作用によって、弾性率変化(硬化又は弛緩のいずれか)を生じる可能性があり、又は更には応力破壊を生じる可能性がある。更に、プラスチックばねからの材料が液体製品中に浸出し、製品の安全性及び有効性を損なう可能性がある。
【0013】
現在、PE又はPPばねを有するいくつかのポンプアセンブリが存在する。しかしながら、プラスチックばねが剛性を失うことを防止するために、ポンプヘッドがロックされるとき、及び/又は液体製品と反応するとき、ばねは、圧縮されていない状態でポンプヘッドに組み込まれる。ボトルの高さが低減されない限り、ポンプディスペンサは、輸送、取り扱い、及び保管のための保管構成にあるとき、小売棚にとって高すぎる可能性がある。
【0014】
保管構成にあるポンプディスペンサは、ボトルを再設計することなく、標準的な店舗の棚に適合し得る。液体製品へのプラスチックの浸出及び/又は環境応力によるばねの亀裂を回避するために、ばねは、保管構成にあるとき、液体製品と接触していなくてもよい。ポンプヘッドは、40mm未満、あるいは35mm未満、あるいは30mm未満、あるいは29mm未満、あるいは28mm未満、あるいは27mm未満、あるいは25mm未満、あるいは23mm以下、あるいは22mm未満、あるいは20mm以下の、ロック保管構成においてロックされているときにネックランディングゾーンからポンプヘッドの上部までで測定される高さを有し得る。ポンプヘッドは、ロックされているときにネックランディングゾーンからポンプヘッドの上部までで測定されるある高さを有し得、ロック保管構成において、約10mm~約38mm、あるいは約15mm~約35mm、あるいは約18mm~約30mm、あるいは約20mm~約25mmであり得る。
【0015】
図1は、ロック保管位置にあるポンプアセンブリ3に結合されたボトル2を含むポンプディスペンサ1の斜視図である。ポンプアセンブリは、ポンプヘッド31とクロージャ35とを含む。より具体的には、クロージャ35は、ボトル2のネックに結合される(例えば、ねじ係合される)。
【0016】
図2は、ロック保管構成にある図1のポンプディスペンサの側面図である。
【0017】
図3は、分配準備位置にある図1のポンプディスペンサの側面図である。使用者は、液体製品を注ぎ口32から一方の手に、あるいはスポンジ、ふきん、もしくはメッシュプーフなどの器具に分配するために、もう一方の手を用いてポンプヘッド31を下方に押すことができる。1回のポンピング動作で分配される液体量(すなわち、ストローク当たりの投与量)は、約2~約6mL、あるいは約2.5~約5.5mL、あるいは約3~約5mL、あるいは約3.6~約4.4mLの液体製品の分配であり得る。90%ストロークでの平均ピーク作動力は、以下に記載される平均ピーク作動力試験方法によって決定されるように、45N未満、あるいは40N未満、あるいは35N未満、あるいは30N以下であり得、試験される液体は、本明細書に記載される粘度試験方法に従って測定されるように、約1cSt~約2,000,000cStの粘度を有するパーソナルケア組成物(例えば、シャンプー、コンディショナ、ボディウォッシュ、液体ハンドソープ)である。
【0018】
図4は、図1のポンプディスペンサの分解斜視図である。ポンプディスペンサは、ねじ山22及びネックランディングゾーン24を有するネック21を備えたボトル2と、ポンプアセンブリと、を有することができる。ポンプアセンブリは、注ぎ口32を有するポンプヘッド31と、クロージャ35と、プラットフォーム41及びカンチレバー43を有する第2のステム40と、第1のステム45であって、ポンプヘッド31と堅固に接続するように適合されたスナップ46と、ロック保管位置及び分配準備位置においてそれぞれ第2のステムにスナップ嵌合するように適合されたスナップ48及び49とを有する、第1のステム45と、ばね50と、第1のハウジング55と、第1のボール60と、サブステム70と、ピストン75と、第2のボール80と、投与チャンバ91を有する第2のハウジング90と、浸漬管95と、含み得る。ポンプアセンブリは、PE又はPPから作製され得る。一例では、ポンプアセンブリは、現在のPPリサイクルストリームと適合し得、ボトルは、現在のPET又はPPリサイクルストリームとともに再利用可能であり得る。別の例では、ポンプアセンブリは、現在のPEリサイクルストリームと適合し得、ボトルは、PE又はPETリサイクルストリームと適合し得る。
【0019】
図5は、最初の作動及び使用の前に生じる、ロック保管構成にある図2のポンプディスペンサの断面図である。ポンプディスペンサ1は、ボトル2と、ポンプアセンブリ3と、を含むことができる。ポンプアセンブリ3は、クロージャ35によってボトル2に取り付けられており、クロージャ35は、ボトル2のネック21に配置された対応するねじ山22と係合し得るねじ山39を含む。いくつかの例では、クロージャは、ボトル開口部への水の浸入を制限し得るケレンを担持し得る。存在する場合、ケレンは、クロージャの表面、特にクロージャの上部又はその近くの表面へのねじ接続を含むがこれに限定されない任意の適切な手段によってクロージャに接続され得る。ケレンは、ポンプアセンブリと同じ材料であってもよい。
【0020】
ポンプアセンブリ3は、第1のステム45に堅固に接続され得るポンプヘッド31を含む。第1のステム45は、スナップを介してポンプヘッド31に堅固に接続され得る。第1のステム45は、ポンプヘッド31の空洞30に流体接続された中空の第1のステム内部空洞47を有し得る。
【0021】
第2のステム40は、第1のステム45の垂直移動を可能にしながら、第1のステム45を受容するように構成されたチャネル42を有することができる。第1のステムの外側表面と第2のステムの内側表面は、第2のステムの内側表面と第1のステムの外側表面との間に液体製品が実質的に存在しないように摺動可能に係合される。チャネル42は、第1のステム空洞47に流体接続され得る。第2のステム40は、ポンプがロック保管構成にあるときに第1のスナップ48に係合するように構成されたカンチレバー43と、作動中にばね50を圧縮するように適合されたプラットフォーム41と、を含むことができる。しかしながら、ロック保管構成では、プラットフォーム41は、ばね50に隣接し、ばね50から離間している。ばね50は、第2のステム40の周りに摺動可能に配置され得る。
【0022】
第1のハウジング55は、ロック保管構成(図5)とポンプ準備構成(図7)との両方において、ばね50の周りに配置され得る。第1のハウジング55は、ばねが液体製品100と接触することを防止し、これにより、保管中及び使用中に液体製品100と相互作用することによってばねが弱くなることが防止され得る。第1のハウジング55は、ばね50の圧縮に対抗するためのプラットフォーム59を含むことができる。第1のハウジングは、クロージャ35とネックランディングゾーン24との間で押圧されるリップ56を含むことができる。いくつかの例では、リップ表面の底部表面は、ネックランディングゾーンと強固なシールを形成するために、PP又はPEガスケットを含むことができる。
【0023】
中空サブステム70は、プラットフォーム41に対して遠位側の端部においてあるいはその付近で、第2のステム40に堅固に接合され得る。中空サブステム70は、チャネル42と流体連通することができる。サブステム70は、一方向弁、具体的には一方向ボール弁であり得る、第1のボール60を収容するように構成され得る。ボール弁は、投与チャンバ91内の圧力の変化に応答して開放及び閉鎖し得る。サブステム70は、第2のハウジング90の投与チャンバ91と流体連通することができる。サブステム70の外側表面は、ピストン75に堅固に接続され得る。ピストン75は、シールを形成するとともに、第2のハウジング90の内壁に摺動可能に係合し得る。
【0024】
図5の実施形態に示されるように、第2のハウジング90は、剛性のスナップフィット接続を形成し得る第1のハウジング55と連結し得る。代替的な構成では、第1及び第2のハウジングは、1つの部品、例えば1つの射出成形部品であってもよい。第2のハウジング90は、投与チャンバ91を有し得る。ロック保管構成では、投与チャンバ91は液体製品を収容しない。内部ボリューム91は、ピストン75の下向きの垂直運動を制限し得るプラットフォーム又は狭小化領域を提供するように構成され得る。第2のハウジング90はまた、第2のボール80を受け入れるように構成された弁座94を含み、弁座94は、一方向弁、特に一方向ボール弁を形成し得る。第1のハウジングと係合する上部端部の反対側の端部にある第2のハウジングの基部は、浸漬管95を受け入れるように構成された開口部を有する。浸漬管95は、第2のハウジングの投与チャンバと流体連通している。浸漬管は、押出切断又は圧入のいずれかをされ得る。
【0025】
浸漬槽95は、液体製品100を、ボトル2から、第2のボール80及び弁座94によって形成された一方向弁を通り、チャネル42及びピストン75を通り、第1のボール弁を通り、第1のステム空洞47の中へと、空洞30を通り、注ぎ口32から出て、ユーザの手又は洗浄器具内へと移送するように構成される。
【0026】
図5に示される、最初の作動及び使用の前のロック保管構成では、ばね50は、第1のハウジング55内に格納され、いかなる予荷重も伴わずに実質的に圧縮されていない。保管中及び輸送中の予荷重の欠如により、クリープと対比するためにばね弾性係数が最小限となり、したがって、作動後の良好なスプリングバック/回復を依然として達成しながらも、使用中の作動力が最小となり得る。この構成はまた、多量投与のために長さ及びストロークの比較的長いばねを使用することを可能にし、したがって、作動力を更に最小にすることが可能となる。ポンプディスペンサの高さは、ロック保管構成においてばねの少なくとも一部分をネック内に格納することによって最小化される。ポンプヘッド31のポンプヘッドねじ山34は、クロージャ35の対応するクロージャねじ山36と係合し、したがって、いかなる偶発的な作動も防止される。加えて、投与チャンバ91、チャネル42、第1のステム空洞47、及びポンプヘッド31内の空洞30は全て、ロック保管構成において液体製品を実質的に収容しない。
【0027】
図6は、ポンプヘッドのロック解除中の図2のポンプディスペンサの断面図である。最初の使用時に、ユーザは、ポンプヘッド31を回転させることができ、ポンプヘッドねじ山34は、クロージャねじ山36から係合解除することができ、第2のステムのカンチレバー43は、第1のステムの第1のスナップ48から係合解除する。ユーザにとって、これは、石鹸、シャンプー、コンディショナ、ローションなどのために一般的に使用されるポンプディスペンサを開放する典型的な方法に見え、したがって、新しい習慣を教えること及び/又は取り入れることは必要とされない。
【0028】
図7は、プライミングされる前の分配準備位置にある図3のポンプディスペンサの断面図である。ねじ山34が対応するクロージャねじ山36から完全に係合解除されると、ユーザはポンプヘッドを上方に引っ張ることができる。これにより、第2のステムのカンチレバー43は、例えば、スナップ嵌め又は他の相互接続性によって、第1のステムの第2のスナップ49と係合することになり得る。この構成では、第1のステム45と第2のステム40は堅固に接続される。図7に示されるように、ばね50が投与準備位置にあるとき、ばね50は実質的に圧縮されていなくてもよい。しかしながら、他の実施形態では、後述のように、ばねは、投与準備位置にあるときにわずかな圧縮を有することができる。
【0029】
図8は、作動中の図3のポンプディスペンサの断面図である。ポンプヘッド31を押している間、ピストン75は下方に押され、したがってチャンバ91の容積を減少させる。第2のステム40は、プラットフォーム41を介してばね50を圧縮する。ポンプヘッド上の圧力を解放すると、真空が生成され、浸漬管を介してボトルから製品が引き出される。数回の作動(典型的には、導管の容積及びポンプ投与量に応じて1回~10回)の後、浸漬管95、ポンプ内側チャンバ91、チャネル42、第1のステム空洞47、及び空洞30は、液体製品100で充填され、ポンプアセンブリは、「プライミング」される。
【0030】
図9は、プライミングされた後の分配準備位置にある図3のポンプディスペンサの断面図である。液体製品100は、浸漬槽95を含むピストン75の下の領域に存在する。
【0031】
図10は、プライミングされたポンプの分配中の図3のポンプディスペンサの断面図である。図10に示されるように、ばね50は、分配中に液体製品100に接触していない。液体製品100は、ロック保管準備位置(図2及び図4を参照)、分配準備位置、プライミング前(図7を参照)、プライミング中(図8を参照)、分配準備位置、プライミング後(図9を参照)、及び分配位置(図10を参照)においてばねと接触していない。
【0032】
図11及び12はそれぞれ、本明細書で説明されるポンプアセンブリ内のばねとして使用され得る5つのコイルを伴う単一螺旋プラスチックばね(Braskem(登録商標)からFT200WVホモポリマーppとして市販されている)の斜視図及び側面図である。プライミング直後に、このばねは、以下に説明されるばねの仕様及び平均ピーク作動力の試験方法によって決定されるように、フルストロークの90%において20 Nの平均ピーク力を有することが分かった。使用中、ばねは、永久変形によりその長さを約1mm減少させることが分かった。
【0033】
図13及び14はそれぞれ、本明細書に説明されるポンプアセンブリ内のばねとして使用され得る二重螺旋プラスチックばねの実施例の斜視図及び側面図である。
【0034】
図15及び16はそれぞれ、本明細書に説明されるポンプアセンブリ内のばねとして使用され得る波形プラスチックばね設計の実施例の斜視図及び側面図である。
【0035】
図17及び18はそれぞれ、本明細書に説明されるポンプアセンブリ内のばねとして使用され得る二重スタック二重螺旋ばね設計の実施例の斜視図及び側面図である。
【0036】
シミュレーションを実行することによって、(図13及び図14に例示されるような)二重螺旋プラスチックばね、(図15及び図16に例示されるような)波形プラスチックばね設計、及び(図17及び図18に例示されるような)二重スタック二重螺旋ばね設計を選択することは、(図11図12に例示されるような)単一螺旋プラスチックばねと比較して、ばね定数を増加させる一方で、ばね長を減少させるために有利となり得ることが判明した。しかしながら、これらのばねは、作動されると、結果として高い永久変形を生じ、したがって、結果的により高い投与量変動性を生じることが判明した。
【0037】
図19は、最初の使用時のポンプヘッドのロック解除中のポンプディスペンサ1’の断面図である。この実施形態では、第1のハウジング55’の内壁は保持機構63’を有する。保持機構63’は、ロック輸送構成にある間、又はポンプヘッド31’がロック解除されているとき、ばね50に係合しない。ロック保管構成において、ポンプヘッドがロック解除されているとき、第2のステム40’のプラットフォーム41’は、ばね50’から離間されている。
【0038】
図20は、分配準備構成にあるポンプディスペンサ1’の断面図を示す。ポンプヘッドねじ山34’がクロージャねじ山36’から完全に係合解除されると、ユーザはポンプヘッド31’を上方に引っ張ることができ、それによって第2のステムのカンチレバー43’は、第2のスナップ嵌め部49’において第1のステム45’と連結するか、あるいは別様に係合することになる。この構成では、第1のステム45’と第2のステム40’は堅固に接続され得る。この構成では、保持機構63’は依然としてばね50’に係合せず、プラットフォーム41’はばね50’から離間している。
【0039】
図21は、ポンプヘッド作動中のポンプディスペンサ1’の断面図を示す。ポンプヘッド31’を押している間、ピストン45’は下方に押され、したがって投与チャンバ91’の容積を減少させる。第2のステム40’は、プラットフォーム41’を介してばね50’を圧縮する。
【0040】
図22は、ポンプヘッド作動後のポンプディスペンサ1’の断面図を示す。ポンプヘッドへの圧力を解放する間、ピストン45’は、ばね50’によってプラットフォーム41’に加えられる圧力に応じて戻る。しかしながら、ばねの拡張は、第2のステム40’のカンチレバー43’と保持機構63’との間の接触によって対比される。これにより、ポンプディスペンサの寿命にわたって作動間に一貫したストロークを発生させるのを助けるために、ばね50’に予荷重が加えられる。この構成では、保持機構63’は、ばね50’に係合し、プラットフォーム41’は、ばね50’に隣接し、ばね50’から離間しない。
【0041】
図23は、図22の一部分の拡大図である。図23は、第1のポンプの後にばね50’を圧縮状態に置くためにカンチレバー43’と連結するか、あるいは別様に係合する保持機構63’を示す。
【0042】
以下の表1~表6は、以下の6つのポンプディスペンサの様々な属性を説明する。
・ポンプディスペンサA:対照(LC Metal):ZHONGSHAN LUENCHOENG DISPENSING PUMP LTD製のモデルL509-316-0.85mm。(CLC)
・ポンプディスペンサB:本発明の実施例
・ポンプディスペンサC:ZHONGSHAN LUENCHOENG DISPENSING PUMP LTDの図面である。(CLC)プラスチックポンプディスペンサE50AAA-33/410Aが図24Aに示される。図24Bは、浸漬管のない組み立てられたポンプアセンブリの図である。図24Cは、図24Bのポンプアセンブリの構成要素の図である。
・ポンプディスペンサD:Taplast(登録商標)からMONO PUMPとして市販されており、図25に示されている。ポンプディスペンサDの構成要素は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0326567号に記載されている。
・ポンプディスペンサE:Silgan(登録商標)からLIFE CYCLE PUMPとして市販されており、図26に示されている。ポンプディスペンサEの構成要素は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,138,971号に記載されている。
・ポンプディスペンサF:Hana(登録商標)からECO GREENとして市販されており、図27に示されている。
【0043】
以下の表1は、ポンプディスペンサA~Fのロック時ポンプ高さ、ばね材料、及びリサイクル性を比較している。ロック時ポンプ高さは、ポンプディスペンサがロック保管位置にあるときに、ネックランディングゾーンからポンプヘッドの上部までで測定される。ネックランディングゾーンは、基部から測定されたボトルネックの最も高い部分である(図4図5の参照番号24を参照)。ロック時ポンプ高さは、25mm未満であれば、コストへの影響を最小限に抑えて、現在の店舗の棚で使用され得る。
【0044】
【表1】
【0045】
ディスペンサAのポンプアセンブリは金属ばねを有し、これは一般に、現在のリサイクルストリームにおいて汚染物質と考えられる。
【0046】
ポンプディスペンサBのポンプアセンブリは、現在のPE、PP及びPETリサイクルストリームにおいて再利用可能であり、現在の店舗の棚に適合する23mmのロック時ポンプ高さを有する。
【0047】
図2A図2Cに示されるディスペンサCのポンプアセンブリは、ポンプアセンブリの90重量%が、浸漬管を含むPPである。図24Cは、ポンプディスペンサの5重量%を構成し、PEから作製されるガスケット380及びピストン375と、ポンプディスペンサの5重量%を構成し、ポリブチレンテレフタレート(PBT)から作製されるばね350と、を含むポンプディスペンサCの構成要素を示す。PBTはPETストリームにおける汚染物質であると考えられるので、ポンプディスペンサCは、ボトルがPP(好ましくは)又はHDPE(それほどではないが、HDPEとPPとの混合物では、パッケージがある閾値を超えていくらかの歩留まり損失を伴ってダウンサイクルされる可能性が高い)から作製される場合にのみ、ポンプアセンブリとボトルとを分離することなく再利用可能であると考えられ得る。しかしながら、PPボトルは、輸送又は保管中に遭遇され得る低温での弱い耐落下性を有する。PPボトルは、一般に、多くの製品、特に美容ケア製品にとって消費者に好まれず、消費者は、頑丈で光沢があり、品質を伝え得る透明なボトルを望むことが多い。PPボトルは曇っており、もろく、くすんだ感じがする可能性があり、これはあまり望ましくない場合がある。ポンプディスペンサCは、40mmのロック時ポンプ高さを有し、これは、ボトルを再設計することなく、あるいは棚の高さを修正することなく、現在の店舗の棚に適合するには高すぎる可能性がある。
【0048】
図25に示されるポンプディスペンサDのポンプアセンブリは、ポンプアセンブリの98重量%のPPであり、したがって、現在のリサイクルストリームで再利用され得る。このポンプのばねは、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)/PPブレンドで作られたベローズ550であり、これは典型的にはPPリサイクルストリームと適合性がある。ボトルは、PPによるHDPE汚染を最小限に抑えるために、PP又はPETで作製され得る。ポンプは、歩留まりを低下させるいくつかのダウンサイクル用途のためにHDPEボトルとともに再利用され得る。ロック時ポンプの高さは20mmであり、これは現在の店舗の棚に適合する。
【0049】
図26に示されるポンプディスペンサEのポンプアセンブリは、主にHDPE(約90%)から作製され、HDPEボトルとPETボトルの両方とともに現在のリサイクルチャネルにおいて再利用されることが可能である。ロック時ポンプ高さは、25mmよりわずかに大きく、ポンプディスペンサが高すぎて、ボトルを再設計しなければ、あるいは棚の高さを修正しなければ、現在の店舗の棚に適合しないので、望ましくない場合がある。
【0050】
図27に示されるポンプディスペンサFのポンプアセンブリは、ポンプディスペンサの100重量%がPP系グレード材料から作製され、したがって、現在のリサイクルストリームにおいて再利用され得る。ボトルは、PPによるHDPE汚染を最小限に抑えるために、PP又はPETで作製され得る。あるいは、ダウンサイクル用途においてボトルがHDPEである場合、ポンプは再利用され得る。ロック時ポンプ高さは、25mmよりわずかに大きく、標準的なボトルは、現在の店舗の棚に適合するように再設計されなければならないことがあるので、望ましくない場合がある。
【0051】
以下の表2は、異なるポンプアセンブリについて、ポンプディスペンサのライフサイクルにおける異なる時点でのばね長を比較したものである。ばねは、ポンプの寿命を通して許容可能な回復速度(好ましくは、作動後0.5秒未満)を提供するために、作動後に十分な回復力を提供し得る。しかしながら、ばねが硬すぎると、消費者が許容可能な作動力で意図した量の製品を1回のストロークで分配することが困難になる可能性がある。
【0052】
ばね長さを、(1)自由な自然静止状態(F)で無変形、(2)ポンプ保管(非作動)組立状態(P)中にかけられた同じ予荷重によって変形、(3)ポンプが意図された完全作動ストローク(試験ストローク、すなわちTSとして定義される)の90%を受けたときの試験たわみ(TD)で変形、の条件で測定された。休止位置及びポンプ格納位置におけるばねの長さは、キャリパを使用して測定され、いくつかの実施例では、ばねが見えない場合、ばねを見るためにシュラウドに開口部が作られた。力計のたわみを追跡して、任意の荷重条件に対するばね長が測定された。90%ストロークでのばね力は、後述するばねの仕様及び平均ピーク作動力の試験方法を用いて測定された。
【0053】
【表2】
【0054】
ポンプディスペンサAのポンプアセンブリの構成は、表2のばね予荷重における11.5mmの圧縮によって示されるように、ロック保管位置においてばねの大きな圧縮を必要とする、単一アーム螺旋設計を伴う線形ばねを含むものであった。この設計手法は、保管中のばねクリープによって引き起こされる弾性率の損失を補償するためにばねが過剰設計される必要があり得るので、プラスチックばねに移行するときに困難となる。これは、過剰な作動力又はストローク当たりの低い投与量など、消費者が許容できない妥協をもたらす可能性がある。
【0055】
ポンプディスペンサBのポンプアセンブリの構成は、単一螺旋アーム設計を有するばねを含み、表2のばね予荷重における0mm圧縮によって示されるように、ばね予荷重を有さないものであり、これによって、保管中のばね上の応力が制限された。ポンプディスペンサBでは、最初の作動後にばね予荷重が生じたが、輸送及び保管中には生じなかった。
【0056】
ポンプディスペンサC、D、及びEのポンプアセンブリの構成は全て、表2のばね予荷重における1~4mmの圧縮によって示されるように、比較的少量の予荷重を有するものであった。ディスペンサCで使用されたばねは、線形のS型であった。ディスペンサDで使用されたばねは、非線形のベローズであった。ディスペンサEで使用されたばねは、Cばね、すなわち、2つの荷重支持体の間で圧縮されたスロット付き管状弾性要素を含むものであった。製品は使用前に長時間保管されるので、少量の圧縮であっても、補償を必要とする歪みレベルまでばねに応力がかかることが分かった。
【0057】
ポンプディスペンサFのアセンブリの構成は、線形螺旋プラスチックポリプロピレンばねを含み、表2のばね予荷重における10mm圧縮によって示されるように、ロック保管位置において比較的大きい圧縮を有するものであった。この構成は、保管中にプラスチックばねに応力を加えて不可逆変形を引き起こすことが予想される。
【0058】
以下の表3は、水を分配するときのポンプディスペンサA~Fのストローク当たりの平均ピーク力及び排出量を示す。200mm/分の試験速度で、以下に記載されるポンプ平均ピーク作動力及び戻り時間の試験方法を用いて、90%ストロークでの作動力及び戻り時間が測定された。ストローク当たりの平均出力は、以下に記載されるストローク当たりの平均出力の試験方法によって決定された。ポンプディスペンサA、E、及びFでは、水はばねと接触していた。
【0059】
【表3】
【0060】
表3に示されるように、平均ピーク力は、ポンプディスペンサDを除いて、ばね圧縮実験において測定された力と概して整合していることが見出された。ポンプディスペンサFを除いて、全てのポンプが、4.0+/-0.4mLのストローク当たりの出力を送達することが見出された。戻り時間は、全てのポンプディスペンサについて0.5秒未満であることが見出された。
【0061】
以下の表4は、シャンプー(2020年に中国で市販されているHead&Shoulders(登録商標)Classic Clean Shampoo)を分配するときのポンプディスペンサA~Fのストローク当たりの平均ピーク力及び排出量を示す。200mm/分の試験速度で、以下に記載されるポンプ平均ピーク作動力及び戻り時間の試験方法を用いて、90%ストロークでのばね力及び戻り時間が測定された。ストローク当たりの平均出力は、以下に記載されるストローク当たりの平均出力の試験方法によって決定された。ポンプディスペンサA、E、及びFでは、シャンプーはばねと接触していた。
【0062】
【表4】
【0063】
表4に示されるように、ポンプディスペンサBは、平均作動力及び投薬成功基準を満たし、金属ばねを有するポンプアセンブリであるポンプディスペンサAと同様の分配性能をもたらした。ポンプディスペンサDは、他の実施例と比較して高い作動力を示した。ポンプディスペンサC~Fによって送達されたストローク当たりの出力は、水を用いて試験したものよりも低く(表3を参照)、この用途に対して全体的に最適以下であった。
【0064】
以下の表5は、コンディショナ(2020年に米国で市販されているPantene(登録商標)Smooth & Sleek Conditioner)を分配するときのポンプディスペンサA~Fのストローク当たりの平均ピーク力及び排出量を試験するものである。200mm/分の試験速度で、以下に記載されるポンプ平均ピーク作動力及び戻り時間の試験方法を用いて、90%ストロークでのばね力及び戻り時間が測定された。ストローク当たりの平均出力は、以下に記載されるストローク当たりの平均出力の試験方法によって決定された。ポンプディスペンサA、E、及びFでは、コンディショナはばねと接触していた。
【0065】
【表5】
【0066】
表5に示されるように、ポンプディスペンサBは、平均作動力及び投薬成功基準を満たし、金属ばねを有するポンプアセンブリであるポンプディスペンサAと同様の分配性能をもたらした。シャンプー(表4を参照)及び水(表3を参照)の実施例の両方と同様に、ポンプディスペンサDは、他の実施例と比較して高い作動力を有した。ポンプディスペンサC~Fによって送達されたストローク当たりの出力は、水を用いて試験したものよりも低く、この用途に対して全体的に最適以下であることが判明した。
【0067】
以下の表6は、表1~表5のデータをまとめたものであり、ポンプディスペンサBが全ての基準を満たす試験された唯一のディスペンサであることを示している。
【0068】
【表6】
【0069】
試験法
ストローク当たりの平均出力(OPS)
この試験方法は、各作動時に機械式ディスペンサから分配される液体の平均重量の測定を包含する。試験方法は、ASTM D4336-18(重量法#1)と手順において同一である。精度、再現性及び感度に関しては、標準を参照されたい。
【0070】
装置:パッケージの風袋計量が可能な0.01g単位の直示天秤と、剛性手段に保持された試験されるサンプルと、試験溶液。
【0071】
材料の調製:サンプルは、試験の開始前に室温(20±3℃)で少なくとも4時間コンディショニングされなければならない。
【0072】
手順:(1)最終パッケージに見られるレベルまで容器に製品を充填し、機械式ポンプディスペンサを容器に固定する。(2)製品の完全な放出が生じるまでポンプディスペンサを作動させることによってポンプディスペンサをプライミングする。(3)パッケージを秤の上に置き、重量を0まで風袋計量する。(4)ポンプディスペンサを手で10回作動させる(60ストローク/分)(注:各作動時にフルストロークを使用するように注意しなければならない)。(5)パッケージを再秤量し、使用及び記録される天秤に適切なように、値を0.01単位で記録する。(6)最低3つのパッケージについてステップ(1)~(5)を繰り返す。(7)次の情報、すなわち、(a)機械式ポンプディスペンサ及び試験された製品の説明、(b)試験された試料の数、(c)ポンプあたりの重量の平均値及び標準偏差、を報告する。
【0073】
ポンプ平均ピーク作動力及び戻り時間。
装置及び材料:(1)力計:Instron(登録商標)8500、(2)少なくとも5つのポンプディスペンサ。
【0074】
調製:試料を室温(20±3℃)で24時間コンディショニングする。
【0075】
手順:(1)最終パッケージに見られるレベルまで容器に液体製品を充填し、機械式ポンプディスペンサを容器に固定する。(2)ポンプパッケージを力計内に配置する。(3)ポンプを200mm/秒のヘッド速度で90%フルストロークで5回作動させ、毎回ピーク力を測定及び記録する。力学機器の回復速度は、ポンプヘッドの回復速度よりも高速であるべきであり、すなわち、ポンプが回復している間、機器はポンプヘッドと接触し続けるべきではない。戻り時間を決定するために高速カメラを使用する。(4)平均ピーク力を計算する。(5)最低3つのパッケージに対してステップ(1)~(4)を繰り返す。(6)次の情報、すなわち、(a)機械的ポンプディスペンサ及び試験された製品の説明、(b)試験された試料の数、(c)ポンプごとの平均作動力の平均値及び標準偏差、を報告する。
【0076】
ばねの仕様及び平均ピーク作動力
装置及び材料:(1)力計:Instron(登録商標)8500、(2)ノギス(±0.1mm)、(3)タイプ当たり少なくとも5つのばね試験片(力試験用)。
【0077】
調製:ばね試験片を室温(20±3℃)で24時間コンディショニングする。
【0078】
手順:
自由高さ(F)は、いかなる負荷も加えられていないばねの高さであり、ばねの上部を横切って直定規を配置し、ばねのほぼ中心において、ばねが立っているプレートから直定規の底部までの垂直距離をノギスで測定することによって決定される。
【0079】
予荷重ばね長さ(P)は、保管(休止)構成でポンプ内に組み付けられたとき、すなわちポンプが作動されていないときのばねの高さである。これは、ポンプフットプリントから、あるいはX線又はCTスキャンを使用して測定され得る。ばね予荷重(PL)は、自由高さから予荷重ばね長さを減算して計算される。
【0080】
フルストローク(FS)は、ばねがポンプ内に組み付けられ、ポンプ動作中に最大圧縮を受けるときに測定されるばねのたわみである。試験ストローク(TS)は、フルストローク(FS)の90%であると計算される。試験たわみ(TD)は、試験ストローク(TS)をばね予荷重(PL)に加えることによって計算される。
【0081】
試験たわみ時のばね力は、ばね端部が平行であり、ばねに荷重が加えられていないことを確実にする力試験機取り付け支持体上にばねを固定することによって測定される。セットアップ全体は、安全のために保護ケージ内にあるべきである。力試験機を使用して適切な重量でばねに荷重をかけ、対応する軸方向圧縮を記録する。負荷を増加させ、対応する軸方向のたわみを読み取る。負荷とたわみとの間の曲線をプロットする。報告された試験たわみ時のばね力は、試験たわみ(TD)高さに等しい軸方向たわみに対応する。
【0082】
組み合わせ
A.ポンプディスペンサであって、
a)ネックランディングゾーンを有するネックを備えるボトルであって、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレートから本質的になる、ボトルと、
b)ポンプアセンブリであって、
i)内部に空洞を有するポンプヘッドであって、第1のステムの端部を受容するように適合されている、ポンプヘッドと、
ii)本体のネックに結合されたクロージャと、
iii)第1のステムであって、ポンプヘッドに堅固に接続された端部と、ポンプヘッド空洞に流体接続された中空内部空洞と、第1のスナップ及び第2のスナップを有する外部表面と、を備え、第2のステムに対して移動するように構成されている、第1のステムと、
iv)第1のステムを少なくとも部分的に包囲する第2のステムであって、第1のステム内部空洞と流体連通する中空内部チャネルを有し、プラットフォーム及びカンチレバーを備え、カンチレバーは、ロック保管位置において第1のスナップと連結し、投与準備位置において第2のスナップと連結する、第2のステムと、
v)第2のステムを少なくとも部分的に取り囲むプラスチックばねと、
vi)ばねを少なくとも部分的に取り囲むハウジングであって、中空内部を有する投与チャンバを備え、中空内部は、第2のステムの内部チャネルと流体連通している、ハウジングと、を備える、ポンプアセンブリと、を備え、
ポンプアセンブリは、ポリプロピレン又はポリエチレンから本質的になる、ポンプディスペンサ。
B.ポンプディスペンサであって、
a)ネックランディングゾーンを有するネックを備えるボトルであって、流体製品を収容するボトルと、
b)ロック保管構成にあるポンプアセンブリであって、
i)内部に空洞を有するポンプヘッドであって、第1のステムの端部を受容するように適合されている、ポンプヘッドと、
ii)本体のネックに結合されたクロージャと、
iii)ポンプヘッドに堅固に接続された端部と、ポンプヘッド空洞に流体接続された中空内部空洞と、第1のスナップを有する外部表面と、を備え、第2のステムに対して移動するように構成されている、第1のステムと、
iv)第1のステムを少なくとも部分的に包囲する第2のステムであって、第1のステム内部空洞と流体連通する中空内部チャネルを有し、プラットフォーム及びカンチレバーを備え、カンチレバーは第1のスナップと連結する、第2のステムと、
v)第2のステムを少なくとも部分的に取り囲むプラスチックばねであって、ばねには予荷重が存在せず、ばねはプラットフォームに隣接し、プラットフォームから離間している、プラスチックばねと、
vi)ばねを少なくとも部分的に取り囲むハウジングであって、内壁と、中空内部を有する投与チャンバと、を備え、中空内部は、第2のステムの内部チャネルと流体連通している、ハウジングと、を備える、ポンプアセンブリと、を備え、
ポンプアセンブリは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種類の再利用可能なプラスチックを少なくとも80%含む、ポンプディスペンサ。
C.ネックランディングゾーンからポンプヘッドの上部までの距離は、25mm未満、好ましくは23mm以下、より好ましくは22mm未満、更により好ましくは20mm以下である、段落A又はBに記載のポンプディスペンサ。
D.プラスチックばねは、単一螺旋、二重螺旋、スタック二重螺旋、波形ばね、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される設計を含む、段落A~Cに記載のポンプディスペンサ。
E.ハウジングは、第1のハウジングと、別個の第2のハウジングと、を含み、第1のハウジングは、ばねを部分的に取り囲み、第2のハウジングは、投与チャンバを備える、段落A~Dに記載のポンプディスペンサ。
F.ポンプヘッドは、クロージャの外部表面上の対応するねじ山に結合されるねじ山を更に備える、段落A~Eに記載のポンプディスペンサ。
G.プラスチックばねは、ロック保管構成において流体製品と接触しない、段落A~Fに記載のポンプディスペンサ。
H.プラスチックばねは、ロック保管構成において予荷重を加えられない、段落A~Gに記載のポンプディスペンサ。
I.ポンプディスペンサは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種類の再利用可能なプラスチックを少なくとも90%含む、段落A~Hに記載のポンプディスペンサ。
J.ポンプディスペンサは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種類の再利用可能なプラスチックを少なくとも95%含む、段落A~Iに記載のポンプディスペンサ。
K.ポンプヘッドは、ポンプヘッドねじ山を更に備え、クロージャは、対応するクロージャねじ山を更に備え、ポンプヘッドねじ山は、対応するクロージャねじ山にねじ係合される、段落A~Jに記載のポンプディスペンサ。
L.ハウジングの内壁は、第2のステムの表面に係合するように適合された1つ以上の保持機構を備える、段落A~Kに記載のもの。
M.段落A~Lに記載のポンプディスペンサから液体製品を分配する方法であって、
a)カンチレバーを第1のスナップから係合解除するステップと、
b)カンチレバーを第2のスナップと係合させるステップと、
c)ポンプヘッドを約1回~約10回下方に押圧して、ポンプアセンブリをプライミングするステップと、
d)ポンプヘッドを押圧し、それによってばねを圧縮して、ポンプディスペンサから液体製品を分配するステップと、を含む、方法。
N.ポンプは、ポンピング動作当たり約2mL~約6mL、好ましくは約2.5~約5.5mL、より好ましくは約3~約5mL、更により好ましくは約3.6~約4.4mLの液体製品を分配する、段落Mに記載の方法。
O.ポンプアセンブリは、本明細書に記載される、水を用いた平均ピーク作動力試験方法によって決定されるように、40 N未満、好ましくは35 N未満、より好ましくは30 N未満の90%ストロークでのピーク作動力を含む、段落M又はNに記載の方法。
P.プラスチックばねは、分配中に流体製品と接触しない、段落M~Oに記載の方法。
Q.ハウジングの内壁は、第2のステムの表面に係合するように適合された1つ以上の保持機構を更に備え、ばねは、プライミング及び/又は分配後に部分的に圧縮される、段落M~Pに記載の方法。
R.ポンプヘッドは、ポンプヘッドねじ山を更に備え、クロージャは、対応するクロージャねじ山を更に備え、ポンプヘッドねじ山は、対応するクロージャねじ山にねじ係合され、ポンプヘッドは、ステップ(a)と同時にあるいはステップ(a)の前に回転されてポンプヘッドねじ山を係合解除する、段落M~Qに記載の方法。
【0083】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0084】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0085】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
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【国際調査報告】