(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】燃料電池膜加湿器
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20231207BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20231207BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/10 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531020
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2021018600
(87)【国際公開番号】W WO2022145791
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0189594
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ホ ジュンクン
(72)【発明者】
【氏名】キム トウ
(72)【発明者】
【氏名】アン ウンジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム キョンジュ
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127AC10
5H127AC15
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB34
5H127EE17
(57)【要約】
本発明は、膜加モジュール内における流動時間を増加させて加湿効率を向上させることができる燃料電池膜加湿器に関し、本発明の実施形態にかかる燃料電池膜加湿器は、ミッドケースと、燃料電池スタックから排出された排ガスが流入し、前記ミッドケースの一面に対して既設定された角度に傾斜した方向に形成された排ガス流入口と、前記ミッドケース内に配置され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、前記中空糸膜の末端を固定するポッティング部とを含む少なくとも一つのカートリッジと、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッドケースと、
燃料電池スタックから排出された排ガスが流入し、前記ミッドケースの一面に対して既設定された角度に傾斜した方向に形成された排ガス流入口と、
前記ミッドケース内に配置され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、前記中空糸膜の末端を固定するポッティング部とを含む少なくとも一つのカートリッジと、
を含む、燃料電池膜加湿器。
【請求項2】
前記排ガスが前記ポッティング部の方に流入するように前記排ガス流入口の下端部が前記ポッティング部の方向に傾斜するように形成される、請求項1に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項3】
前記インナーケースは、前記排ガスが流入する第1メッシュホールと、前記第1メッシュホールを介して流入した排ガスが水分交換した後に外部に排出される第2メッシュホールとを含み、
前記第1メッシュホールと前記第2メッシュホールは非対称の形状に形成される、請求項1に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項4】
前記第1メッシュホール側のメッシュホールウィンドウの総面積が前記第2メッシュホール側のメッシュホールウィンドウの総面積より大きく形成される、請求項3に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項5】
前記第1メッシュホールと前記第2メッシュホールのメッシュホールウィンドウの大きさが同一である場合、前記第1メッシュホールをなすメッシュホールウィンドウの個数が前記第2メッシュホールをなすメッシュホールウィンドウの個数より多く形成される、請求項4に記載の燃料電池膜加湿器。
【請求項6】
前記第1メッシュホールと前記第2メッシュホールのメッシュホールウィンドウの個数が同一である場合、前記第1メッシュホールをなす個々のメッシュホールウィンドウの面積が前記第2メッシュホールをなす個々のメッシュホールウィンドウの面積より大きく形成される、請求項4に記載の燃料電池膜加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池膜加湿器に関し、より具体的には、加湿モジュール内における流動時間を増加させて加湿効率を向上させることができる燃料電池膜加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池とは、水素と酸素とを結合させて電気を生産する発電型電池である。燃料電池は、乾電池や蓄電池など一般の化学電池とは異なり、水素と酸素が供給される限り電気を生産し続けることができ、熱損失がないため、内燃機関よりも効率が2倍ほど高いという利点がある。
【0003】
また、水素と酸素との結合により発生する化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するため、公害物質の排出が少ない。従って、燃料電池は環境に優しいだけでなく、エネルギー消費の増加による資源の枯渇に対する心配を減らすことができるという利点がある。
【0004】
このような燃料電池は、使用される電解質の種類に応じて大きく、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)、リン酸形燃料電池(Phosphoric Acid Fuel Cell:PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell:MCFC)、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)、およびアルカリ形燃料電池(Alkaline Fuel Cell:AFC)などに分類することができる。
【0005】
これらの各々の燃料電池は基本的に同じ原理で動作するが、使用される燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。この中で、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)は他の燃料電池に比べて低温で動作する点、及び出力密度が大きく小型化が可能であるため、小規模の据え置き型発電装備だけでなく、輸送システムでも最も有望であることが知られている。
【0006】
高分子電解質型燃料電池(PEMFC)の性能を向上させるにあたって最も重要な要因の一つは、膜-電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)の高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrane又はProton Exchange Membrane:PEM)に一定量以上の水分を供給することによって含水率を維持させることである。高分子電解質膜が乾燥すると発電効率が急激に低下するためである。
【0007】
高分子電解質膜を加湿する方法としては、1)耐圧容器に水を満たした後、対象気体を拡散器(diffuser)に通過させて水分を供給するバブラー(bubbler)加湿方式、2)燃料電池の反応に必要な供給水分量を計算し、ソレノイドバルブを介してガス流動管に直接水分を供給する直接噴射(direct injection)方式、および3)高分子分離膜を用いてガスの流動層に水分を供給する加湿膜方式などがある。
【0008】
これらの中でも、排ガス中に含まれる水蒸気のみを選択的に透過させる膜を用いて水蒸気を高分子電解質膜に供給される空気に提供することによって、高分子電解質膜を加湿する膜加湿方式が、膜加湿器を軽量化及び小型化できるという点で有利である。
【0009】
膜加湿方式に使用される選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当たりの透過面積の大きい中空糸膜が好ましい。すなわち、中空糸膜を用いて膜加湿器を製造する場合、接触表面積が広い中空糸膜の高集積化が可能であり、小容量でも燃料電池の加湿が十分に行え、低価格素材の使用が可能であり、燃料電池から高温に排出される排ガス(off-gas)に含まれた水分と熱を回収し、膜加湿器を介して再使用できるという利点を有する。
【0010】
図1は、従来技術による燃料電池膜加湿器を示す分解斜視図であり、
図2は、従来技術による燃料電池膜加湿器を示す断面図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、従来技術の燃料電池膜加湿器10は、外部から供給される空気と燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの間の水分交換が生じる加湿モジュール11a、及び加湿モジュール11aの両端に結合されたキャップ12を含む。
【0012】
キャップのうちの一つは外部から供給される空気を加湿モジュール11aに供給し、もう一つは加湿モジュール11aにより加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
【0013】
加湿モジュール11aは、排ガス流入口(off-gas inlet)11aaと排ガス排出口(off-gas outlet)11abを有するミッドケース(mid-case)11a及びミッドケース11a内に配置された少なくとも一つのカートリッジ13を含む。図では一つのカートリッジが例示されている。カートリッジ13はインナーケース13aを備え、インナーケース13aの内部には多数の中空糸膜13bと中空糸膜13b束の両末端を固定するポッティング部13cが形成される。ポッティング部13cは、一般にキャスティング(casting)方式を通じて液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることによって形成される。
【0014】
カートリッジ13とミッドケース11aとの間には樹脂層11cが形成され、樹脂層11cはカートリッジ13をミッドケース11aに固定し、キャップ12の内部空間とミッドケース11aの内部空間を遮断する。
【0015】
ミッドケース11aの内部空間は、隔壁(partitions)11cにより第1空間S1と第2空間S2とに区画される。インナーケース13aは、第1空間S1との流体連通のためにメッシュ状に配列された第1メッシュホールMH1、及び第2空間S2との流体連通のためにメッシュ状に配列された第2メッシュホールMH2を備える。
【0016】
排ガス流入口11aaを介してミッドケース11aの第1空間S1に流入した排ガスは、第1メッシュホールMH1を介してインナーケース13a内に流れ込んで中空糸膜13bの外表面と接触する。次いで、水分を奪われた排ガスは第2メッシュホールMH2を介して第2空間S2に抜けた後、排ガス排出口11abを介してミッドケース11aから排出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、加湿モジュール内における流動時間を増加させて加湿効率を向上させることができる燃料電池膜加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の実施形態にかかる燃料電池膜加湿器は、
ミッドケースと、燃料電池スタックから排出された排ガスが流入し、前記ミッドケースの一面に対して既設定された角度に傾斜した方向に形成された排ガス流入口と、前記ミッドケース内に配置され、内部に複数の中空糸膜を収容するインナーケースと、前記中空糸膜の末端を固定するポッティング部を含む少なくとも一つのカートリッジと、を含む。
【0019】
本発明の実施形態にかかる燃料電池膜加湿器において、前記排ガスが前記ポッティング部の方に流入するように前記排ガス流入口の下端部が前記ポッティング部の方向に傾斜するように形成され得る。
【0020】
本発明の実施形態にかかる燃料電池膜加湿器において、前記インナーケースは、前記排ガスが流入する第1メッシュホールと、前記第1メッシュホールを介して流入した排ガスが水分交換した後に外部に排出される第2メッシュホールとを含み、前記第1メッシュホールと前記第2メッシュホールは非対称の形状に形成され得る。
【0021】
本発明の実施形態にかかる燃料電池膜加湿器において、前記第1メッシュホール側のメッシュホールウィンドウの総面積が前記第2メッシュホール側のメッシュホールウィンドウの総面積より大きく形成され得る。
【0022】
本発明の実施形態にかかる燃料電池膜加湿器において、前記第1メッシュホールと前記第2メッシュホールのメッシュホールウィンドウの大きさが同一である場合、前記第1メッシュホールをなすメッシュホールウィンドウの個数が前記第2メッシュホールをなすメッシュホールウィンドウの個数より多く形成され得る。
【0023】
本発明の実施形態にかかる燃料電池膜加湿器において、前記第1メッシュホールと前記第2メッシュホールのメッシュホールウィンドウの個数が同一である場合、前記第1メッシュホールをなす個々のメッシュホールウィンドウの面積が前記第2メッシュホールをなす個々のメッシュホールウィンドウの面積より大きく形成され得る。
【0024】
その他の本発明の多様な側面による実現例の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施形態にかかると、加湿モジュール内における流動期間を増加させて加湿効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来技術による燃料電池膜加湿器を示す分解斜視図である。
【
図2】従来技術による燃料電池膜加湿器を示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる燃料電池膜加湿器を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態にかかる燃料電池膜加湿器を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施形態にかかるカートリッジを含む燃料電池膜加湿器を示す断面図である。
【
図6】本発明の実施形態にかかるカートリッジを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施形態を有することができるので、特定の実施形態を例示して詳細な説明に詳しく説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0028】
本発明で使用した用語は単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。以下、図面を参照して、本発明の実施形態にかかる燃料電池膜加湿器を説明する。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態にかかる燃料電池膜加湿器を示す分解斜視図であり、
図4は、本発明の一実施形態にかかる燃料電池膜加湿器を示す断面図である。
【0030】
図3及び
図4に示すように、本発明の一実施形態にかかる燃料電池膜加湿器100は、加湿モジュール110及びキャップ120を含む。
【0031】
加湿モジュール110は外部から供給される空気と燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガスとの間の水分交換を行う。キャップ120は加湿モジュール110の両端に結合される。キャップ120のうちの一つは外部から供給される空気を加湿モジュール110に供給し、もう一つは加湿モジュール110により加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
【0032】
加湿モジュール110は、排ガス流入口112と排ガス排出口113を有するミッドケース111、及びミッドケース111内に配置された少なくとも一つのカートリッジ130を含む。このとき、排ガス流入口112は、加湿モジュール110内における排ガスの流動時間を増加させて加湿効率を向上させることができるように、既設定された角度に傾斜した方向に形成される。これについては後述する。
【0033】
ミッドケース111とキャップ120は、各々独立して硬質プラスチックや金属に形成されることができ、円形又は多角形の幅方向断面を有することができる。円形は楕円形を含み、多角形は丸い角(rounded corner)を有する多角形を含む。例えば、硬質プラスチックは、ポリカーボネート、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)等であり得る。ミッドケース111の内部空間は、隔壁(partitions)114により第1空間S1と第2空間S2とに区画できる。
【0034】
カートリッジ130は、多数の中空糸膜132及びこれらを互いに固定させるポッティング部133を含むことができる。中空糸膜132の末端はポッティング部133に固定されることができる。
【0035】
また、カートリッジ130はインナーケース131をさらに含むことができる。インナーケース131は各末端に開口(opening)を有し、中空糸膜132がその中に入っている。中空糸膜132の端部がポッティングされているポッティング部133は、インナーケース131の開口を閉鎖させる。
【0036】
インナーケース131は、第1空間S1との流体連通のためにメッシュ状に配列された第1メッシュホールMH1、及び第2空間S2との流体連通のためにメッシュ状に配列された第2メッシュホールMH2を備える。
【0037】
排ガス流入口112を介してミッドケース111の第1空間S1に流入した排ガスは、第1メッシュホールMH1を介してインナーケース131内に流れ込んで中空糸膜132の外表面と接触する。次いで、水分を奪われた排ガスは第2メッシュホールMH2を介して第2空間S2に抜けた後、排ガス排出口113を介してミッドケース111から排出される。このようなインナーケース131を含むカートリッジ130は、ミッドケース111に容易に組み立てられるだけでなく、容易に入れ替えることができるという利点を有する。
【0038】
中空糸膜132は、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、又はこれらのうち少なくとも2以上の混合物で形成された高分子膜を含むことができ、ポッティング部133はディープポッティング、遠心ポッティングなどのキャスティング方式を通じて液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることによって形成されることができる。
【0039】
カートリッジ130とミッドケース111との間には樹脂層115が形成され、樹脂層115はカートリッジ130をミッドケース111に固定し、キャップ120の内部空間とミッドケース111の内部空間を遮断する。設計によって、樹脂層115は加湿モジュール110の各末端に機械的組立を通じて気密に結合されるガスケット組立体に代替され得る。
【0040】
再度
図3及び
図4を参照すると、排ガス流入口112はミッドケース111の一面に対して既設定された角度に傾斜した方向に形成される。
【0041】
より具体的に、排ガス流入口112は、排ガスがポッティング部133の方に流入するように排ガス流入口112の下端部がポッティング部133の方向に傾斜するように形成される。
【0042】
排ガス流入口112がポッティング部133の方向に傾斜するように形成されることによって、排ガスはポッティング部133の方向に傾斜を形成しながら、第1メッシュホールMH1を介してインナーケース131に流入するので、ポッティング部133で方向転換されて流動し、インナーケース131内における流動時間を増加させることができることになり、全体的に加湿効率を向上させることができることになる。
【0043】
一方、排ガス排出口113は必ずしも傾斜した方向に形成される必要はないが、デザインの統一のために、排ガス流入口112と対称となるように形成され得る。
【0044】
次に、
図5及び
図6を参照して、本発明の一実施形態にかかる燃料電池膜加湿器に使用できるカートリッジについて説明する。
図5は、本発明の実施形態にかかるカートリッジを含む燃料電池膜加湿器を示す断面図であり、
図6は、本発明の実施形態にかかるカートリッジを示す平面図である。
【0045】
図5を参照すると、本発明の別の実施形態にかかる燃料電池膜加湿器の内部には非対称のメッシュホールを備えたカートリッジを含むことができる。ここで、非対称のメッシュホールは、インナーケース131の左右両側に形成されたメッシュホールMH1、MH2をなすメッシュホールウィンドウWの総面積が異なって形成されたことを意味する。メッシュホールウィンドウWは、排ガスが流入されて排出される開口である。
【0046】
排ガス流入口112側に形成される第1メッシュホールMH1側のメッシュホールウィンドウWの総面積を大きくして、インナーケース131の内部への排ガスの流入を円滑にし、排ガス排出口113側に形成される第2メッシュホールMH2側のメッシュホールウィンドウWの総面積を小さくして、インナーケース131内における排ガスの流動を促進させることができる。
【0047】
また、メッシュホールウィンドウWを非対称形状に形成することによって、対称形状の場合よりも、第1メッシュホールMH1と第2メッシュホールMH2との距離が増加することになり、これによって、インナーケース131内における排ガスの流動距離を増加させることができることになる。(
図6符号L1、L2の比較参照)排ガスの流動距離が増加することによって、排ガスが中空糸膜132の表面と接触する時間を増加させることができることになり、全体的に加湿効率を向上させることができることになる。
【0048】
両側のメッシュホール部のメッシュホールウィンドウWの大きさが同一である場合、メッシュホールウィンドウWの総面積は、第1メッシュホールMH1をなすメッシュホールの個数が第2メッシュホールMH2をなすメッシュホールの個数より多くすることができる。
【0049】
また、両側のメッシュホール部のメッシュホールウィンドウWの個数が同一である場合、メッシュホールウィンドウWの総面積は、第1メッシュホールMH1をなす個々のメッシュホールの面積が第2メッシュホールMH2をなす個々のメッシュホールの面積より大きくすることができる。
【0050】
このように、第1メッシュホールMH1と第2メッシュホールMH2を非対称に形成し、インナーケース131内における排ガスの流動促進と排ガスの流動距離の増加による加湿効率の向上を図ることができる。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求範囲に記載された本発明の思想から外れない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除又は追加などにより本発明を多様に修正及び変更させることができ、これもまた本発明の権利範囲内に含まれるといえる。
【符号の説明】
【0052】
100:燃料電池膜加湿器
110:加湿モジュール 111:ミッドケース
112:排ガス流入口 113:排ガス排出口
114:隔壁
115:樹脂層
130:カートリッジ
131:インナーケース
132:中空糸膜
133:ポッティング部
MH1:第1メッシュホール
MH2:第2メッシュホール
【国際調査報告】