(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】複素環部分を有するプロ有益剤化合物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/00 20060101AFI20231207BHJP
C11D 7/26 20060101ALI20231207BHJP
C11D 7/32 20060101ALI20231207BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20231207BHJP
C11D 3/48 20060101ALI20231207BHJP
C11D 1/00 20060101ALI20231207BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20231207BHJP
C11D 3/28 20060101ALI20231207BHJP
C11D 3/395 20060101ALI20231207BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20231207BHJP
C11D 3/40 20060101ALI20231207BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20231207BHJP
C11D 17/06 20060101ALI20231207BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20231207BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20231207BHJP
C11D 7/34 20060101ALI20231207BHJP
C11D 3/34 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
C11D17/00
C11D7/26
C11D7/32
C11D3/50
C11D3/48
C11D1/00
C11D3/20
C11D3/28
C11D3/395
C11D3/386
C11D3/40
C11D17/08
C11D17/06
C11D17/04
C11B9/00 J
C11B9/00 L
C11D7/34
C11D3/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532143
(86)(22)【出願日】2022-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 US2022072517
(87)【国際公開番号】W WO2022251818
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ナトリ、シーン・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】パナンディケル、ラジャン・ケシャヴ
(72)【発明者】
【氏名】ミラクル、グレゴリー・スコット
(72)【発明者】
【氏名】フーヴァー、ジェナ・マリー
【テーマコード(参考)】
4H003
4H059
【Fターム(参考)】
4H003BA01
4H003BA12
4H003BA17
4H003BA19
4H003DA01
4H003DA02
4H003DA05
4H003DA17
4H003DA19
4H003EC01
4H003EE01
4H003FA07
4H003FA12
4H003FA26
4H003FA43
4H059BA19
4H059BA22
4H059BC10
4H059DA09
4H059EA32
4H059EA35
(57)【要約】
アルデヒド部分又はケトン部分を含む香料原料などの有益剤から誘導される有益剤断片を含む複素環部分を有するプロ有益剤化合物。プロ有益剤化合物は、修飾アミノ酸から誘導され得る。関連する処理組成物、プレミックス組成物、前駆体化合物、並びにそのような材料及び組成物の作製及び使用方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補助成分とプロ有益剤化合物とを含む処理組成物であって、
前記プロ有益剤化合物は、式IIによる構造によって特徴付けられ、
【化1】
式中、添え字mは、1~6から選択され、
好ましくはmは、1又は2、より好ましくはmは、1であり、
添え字dは、1~3から選択され、
好ましくはdは、2~3であり、より好ましくはdは、2であり、
G及びG’は、それぞれ独立して、-O-、-S-、又は-N(R
3)-から選択され、
好ましくはGは、-O-であり、より好ましくはG及びG’は、両方とも-O-であり、
R
3は、存在する場合、-H又は、約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、
好ましくは、式中、R
3は、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、
より好ましくは、R
3は-Hであり、
Qは、1~34個の鎖原子を含み、
好ましくは約1~約18個の鎖原子、より好ましくは約2~約14個の鎖原子、最も好ましくは鎖原子が炭素原子であり、
式中、R
1及びR
2は、独立して、-H又は約15~約1000Daの分子量を有する一価部分から選択され、
好ましくは、独立して、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から選択され、
より好ましくは、独立して、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、
Zは、有益剤断片であり、
各Jは、独立して、C(R
6)
2、-O-、及び-N(R
6)-からなる群から選択され、
各R
6は、独立して、H又は14~990Daの分子量を有する一価部分から選択され、
より好ましくは、R
6は、H又は14~186Daの分子量を有する一価部分から選択され、
更により好ましくは、R
6は、Hであり、
ただし、第1のR
6及び第2のR
6は、可能であれば、任意に二価置換基として一緒になっていてもよく、
好ましくは、前記二価置換基は、縮合環、スピロ環、不飽和置換基、=N(R
3)、=O、及び=Sからなる群から選択され、
R
3は、上記のように定義され、
以下:
(a)Q及びR
6の少なくとも一方が、存在する場合、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個の鎖原子、好ましくは、炭素原子を含む、及び/又は
(b)R
6が存在し、Q及びR
6中の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子の数の合計が、少なくとも8である、
のうちの少なくとも一方が当てはまり、
前記処理組成物は、布地ケア組成物、硬質表面クリーナー組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、ボディクレンジング組成物、又はこれらの混合物からなる群から選択される消費者製品である、処理組成物。
【請求項2】
Qは、少なくとも8個の鎖原子を含み、R
6基は、存在する場合、4個超の鎖原子を含まず、
好ましくは、R
6基は、存在する場合、2個超の鎖原子を含まず、
より好ましくは、前記全てのR
6基は、存在する場合、水素である、請求項1に記載の処理組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのR
6は、少なくとも8個の鎖原子を含み、前記Q基は、1~4個の鎖原子を含み、
好ましくは、Q基は、1~2個の鎖原子を含む、請求項1に記載の処理組成物。
【請求項4】
少なくとも1つのR
1又はR
2基は、タンパク質構成アミノ酸の側鎖、
好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の側鎖、
より好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、又はこれらの組み合わせ、
更により好ましくは、アラニン、グリシン、又はこれらの組み合わせ、の構造を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項5】
前記Z基は、以下の構造により、
【化2】
式中、「#」は、複素環の隣接員への結合点を示し、
R
4は、一価有機部分であり、
R
5は、-H又は一価有機部分であり、
ただし、R
4及びR
5は一緒になって環状部分を形成してもよく、
「#」でマークされた前記結合が破壊されると、前記プロ有益剤化合物は、構造R
5-C(O)-R
4による有益剤を放出する、請求項1~4のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項6】
前記プロ有益剤化合物は、式IVによる構造によって特徴付けられ、
【化3】
式中、Q、R
1、R
4、及びR
5、G’、及びJは上記の通りである、請求項1~5のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項7】
前記プロ有益剤化合物は、式Vによる構造によって特徴付けられ、
【化4】
式中、Q、R
1、R
4、R
5、及びR
6は、上記の通りである、請求項1~6のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項8】
式IIについて、
Qは、約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、
好ましくは、鎖原子のほとんど又は更に全てが炭素原子であり、
G=-O-であり、
m=1であり、
R
1は、タンパク質構成アミノ酸の側基の構造を有し、
R
2は、-Hであり、
d=2であり、
各J=C(R
6)
2であり、好ましくは、R
6は、水素であり、
G′=-O-であり、
Zは、香料原料、好ましくはアルデヒド部分を含む香料原料の断片である、請求項1~7のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項9】
前記有益剤断片は、香料原料、抗菌剤、農薬、昆虫忌避剤、抗真菌剤、除草剤、色相染料、酸化防止剤、非香料官能基剤、又はこれらの組み合わせ、
好ましくは、香料原料、抗菌剤、又はこれらの組み合わせ、から選択される有益剤の断片である、請求項1~8のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項10】
前記有益剤断片は、アルデヒド部分を含む有益剤の断片、
好ましくは、アルデヒド部分を含む香料原料の断片である請求項1~9のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項11】
前記有益剤断片は、香料原料の断片、
好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン、イソシクロシトラール、トリプラール(リグストラール)、プレシクレモンB;リリアール、デシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シクラメンホモアルデヒド;シクラメンアルデヒド、デュピカル、オンシダール、アドキザール、メロナール、カリプソン、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、クミンアルデヒド、センテナール、3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール、バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール;トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカデエナール、cis-4-ヘプテナール、フロリドラール、ブチルシンナムアルデヒド;リモネラール、アミルシンナムアルデヒド;ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール、シトラール、シス-3-ヘキセン-1-アール;ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン、1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、δ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン、ガラバスコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料、
より好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン;イソシクロシトラール、トリプラール(リグストラール)、プレシクレモンB;リリアール;デシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シクラメンホモアルデヒド;シクラメンアルデヒド、デュピカル、オンシダール、アドキザール;メロナール;カリプソン;アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、クミンアルデヒド、センテナール、3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール;バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール;トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカデエナール、cis-4-ヘプテナール、フロリドラール、サイマール、ブチルシンナムアルデヒド;リモネラール、アミルシンナムアルデヒド;ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール、シトラール、シス-3-ヘキセン-1-アール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルデヒド含有香料原料であり、
より好ましくは、前記第1の一価部分及び前記第2の一価部分の少なくとも1つは、約8~約18個の鎖原子、
更により好ましくは約10~約18個の鎖原子を含む有機基である、請求項1~10のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項12】
前記補助成分は、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、漂白系、酸化防止剤、安定剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、泥及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、純香料、香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、及び/又は顔料のうちの1つ以上を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項13】
前記補助成分は、コンディショニング活性物質を含み、
好ましくは、前記コンディショニング活性物質が、四級アンモニウムエステル化合物を含み、
より好ましくは、前記四級アンモニウムエステル化合物は、前記処理組成物の約2重量%~約35重量%、好ましくは約4重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、好ましくは約6重量%~約15重量%、より好ましくは約7重量%~約12重量%の濃度で存在する、請求項1~12のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項14】
前記処理組成物は、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム若しくはムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態である、請求項1~13のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項15】
前記プロ有益剤化合物は、前記処理組成物の約0.001重量%~約30重量%の濃度で前記処理組成物中に存在する、請求項1~14のいずれか一項に記載の処理組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複素環部分を有する特定のプロ有益剤化合物、関連する前駆体化合物、関連するプレミックス、関連する処理組成物、並びにこのような材料及び組成物の製造方法及び使用方法に関する。プロ有益剤化合物は、疎水性修飾アミノ酸から誘導され得る。
【背景技術】
【0002】
処理組成物の製造業者は、特定の有益剤に関連する送達効率及び/又は性能利益を改善する方法を絶えず求めている。有益剤断片が切断可能又は加水分解可能な結合によって担体分子に結合され、次いで結合が破壊されたときに放出される、プロ有益剤化合物の使用は、有用な戦略であり得る。例えば、特定のアミン化合物は、プロ香料又はプロ芳香技術の基礎であり得る。しかしながら、安定性及び/又は付着プロファイルに関して改善の余地が残っている。必要とされる追加領域は、共役π系を有する有益剤と混ぜ合わされた場合に発色部分を実質的に含まないプロ香料の開発である。
【0003】
更に、消費者は、望ましい環境プロファイル又は持続可能性プロファイルに関連する材料を望む可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
改善された送達、放出、及び/又は安定性プロファイルを提供するプロ有益剤化合物、並びにそのような化合物を含む治療組成物が必要とされている。また、このような処理組成物の製造及び使用方法も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、部分的に有益剤断片から形成される複素環部分を含むプロ有益剤化合物に関する。
【0006】
例えば、本開示は、プロ有益剤化合物に関し、当該化合物は、炭素含有コアであって、炭素含有コアは、炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子、及びカルボニル基を含み、カルボニル基は、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分は、カルボニル基の炭素に結合した第1のヘテロ原子を含み、第1のヘテロ原子は、酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分は、第1のヘテロ原子に結合した第1の一価部分を更に含み、第1の一価部分は、1~34個の鎖原子を含む有機基である、炭素含有コアと、有益剤断片であって、有益剤断片の炭素原子、炭素含有コアの窒素、及び第2のヘテロ原子は、複素環部分の一部であり、第2のヘテロ原子は、酸素、窒素、及び硫黄から選択され、第2のヘテロ原子は、複素環部分の一部であり、有益剤断片の炭素原子は、窒素及び第2のヘテロ原子に結合しており、有益剤断片は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む有益剤から誘導され、複素環部分は、任意に、1~34個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む有機基である第2の一価部分を更に含む、有益剤断片とを含み、(a)第1の一価部分、及び存在する場合、第2の一価部分の少なくとも一方が、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む、及び/又は(b)第2の一価部分が存在し、第1の一価部分及び第2の一価部分中の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子の数の合計が少なくとも8である、のうちの少なくとも一方が当てはまる。プロ有益剤化合物は、好ましくは修飾アミノ酸から誘導される。
【0007】
本開示はまた、補助成分と上記のようなプロ有益剤化合物とを含む処理組成物に関する。
【0008】
本開示はまた、プロ有益剤前駆体化合物に関する。前駆体化合物は以下の構造によって特徴付けられてもよく、
【0009】
【化1】
式中、基及び指数は、本開示に記載される通りである。
【0010】
本開示はまた、上記のプロ有益剤前駆体化合物と有益剤とを含むプレミックス組成物に関し、有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む。プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤は、任意に、反応して、本明細書に記載のプロ有益剤前駆体化合物を形成してもよい。プレミックス組成物において、プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及び存在する場合、プロ有益剤化合物(存在する場合)の重量パーセントの合計は、プレミックス組成物の約10重量%~約100重量%、好ましくは約25重量%~約100重量%、より好ましくは約50重量%~約100重量%、更により好ましくは約75重量%~約100重量%であってもよい。
【0011】
本開示は、本明細書に記載される処理組成物の作製方法に関する。本方法は、(a)プロ有益剤化合物を、好ましくはベース組成物の一部である補助成分と混ぜ合わせることと、(b)上記のプレミックス組成物を、好ましくはベース組成物の一部である補助成分と組み合わせることと、(c)プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及び補助成分を混ぜ合わせることであって、好ましくは、補助成分がベース組成物の一部であり、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤がそれぞれ別個の投入物としてベース組成物に添加されること、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0012】
本開示はまた、表面の処理方法に関し、本方法は、任意に水の存在下で、表面を、本開示による処理組成物と接触させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書の図面は、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
【
図1】本開示による、例えば式IIによる例示的なプロ有益剤化合物の注釈付き構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、修飾アミノ酸から誘導され得るプロプロ有益剤化合物に関する。化合物は、アルデヒド又はケトン部分を含む、香料原料又は抗菌剤などの有益剤の断片又は残基を含んでもよい。本開示のプロ有益剤化合物において、有益剤断片又は残基は、修飾アミノ酸の窒素原子及び別のヘテロ原子に結合して、他の原子と共に複素環部分を形成する。理論に束縛されるものではないが、有益剤断片を窒素原子及び第2のヘテロ原子に連結する結合が切断されると、有益剤が放出されると考えられる。有益な放出プロファイルを提供することに加えて、複素環部分の特性は、他の窒素含有プロ有益剤化合物と比較して、このような化合物を含む処理組成物において、改善された安定性、特に改善された色安定性を提供する傾向があると考えられる。
【0015】
更に、修飾アミノ酸は、化合物の相対的疎水性を高める有機基である1つ又は複数の一価部分を含む。例えば、第1の一価有機部分は、アミノ酸の酸末端に結合され、それによって、エステル基、アミド基、又はチオエステル基から選択され得るカルボニル含有基を形成することができる。追加的に又は代替的に、有益剤断片の一部を形成する任意の有機部分とは別に、第2の一価有機基が複素環部分に結合されてもよい。有機基(複数可)によって付与される疎水性は、意図される標的表面又は物品へのプロ有益剤化合物の送達及び/又は付着を改善すると考えられる。
【0016】
このようなプロ有益剤化合物、関連する処理組成物、及び関連する方法を、以下により詳細に記載する。
【0017】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語とは、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の構成要素を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
【0018】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語を使用してもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能なレベルで存在しないことを意味する。それは、指示される材料が、意図的に含まれるその他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在したとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%のレベルで存在してもよい。
【0019】
本明細書で使用するとき、「布地ケア組成物」という語句とは、布地を処理するために設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、洗濯前洗浄剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織布シート上又は中に含まれる洗剤、及び本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「鎖原子」という語句は、水素原子を除く、示された基又は部分における全ての原子の合計を意味する。鎖原子は、直鎖構成、分岐鎖構成、及び/又は環構成であってもよい。
【0021】
別途注記がない限り、全ての構成成分又は組成物のレベルは、その構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0022】
本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。別途記載のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で実施される。
【0023】
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載されない限り、全ての比率は重量比である。
【0024】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、全てのより低い数値制限を、あたかもこのようなより低い数値制限が本明細書に明示的に記載されているかのよう含むことが理解されるべきである。本明細書の全体を通して示されている全ての最小数極限値は、それよりも高い全ての数値限定を、このようなより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかごとく含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、このような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を含み、あたかもこのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのようである。
【0025】
プロ有益剤化合物
本開示は、プロ有益剤化合物に関する。プロ有益剤化合物は、有益剤の断片(例えば、残基)を含む。断片が得られる有益剤は、酸素含有部分、すなわち、アルデヒド部分又はケトン部分を含む。
【0026】
第1の有益剤断片であってもよい有益剤断片は、炭素/窒素連結結合によって担体分子の窒素原子に結合している。以下でより詳細に説明するように、有益剤は別のヘテロ原子にも結合している。窒素、有益剤断片の炭素、及び第2のヘテロ原子は、複素環部分の一部を形成する。
【0027】
有益剤断片を複素環に結合する結合が切断されると、有益剤が放出される。有益剤の放出は、特に連結結合が例えばN-C-O結合である場合、水又は熱、好ましくは水の存在などの任意の好適な機構によって引き起こされてもよい。
【0028】
本開示のプロ有益剤化合物は、修飾されたアミノ酸から誘導され得る。タンパク質構成アミノ酸は、天然に存在しがちであるため、そのような化合物は環境的又は持続可能性の理由から魅力的であり、好ましい出発物質であり得る。ほとんどの天然に存在するアミノ酸の場合、アミノ基に対してα位のステレオジェン炭素は、L配置を有する。D-アミノ酸は、天然に時折見出される。L-アミノ酸又はD-アミノ酸のいずれか、並びに混合物を使用することができるが、経済的要因により、より豊富なL-アミノ酸が好まれる可能性がある。それに関連して、生合成アミノ酸が好ましい場合がある。
【0029】
出発アミノ酸は、アミノ酸のカルボン酸基を、(a)エステル化反応を介して有機基のアルコールと、(b)アミド化反応を介して有機基のアミンと、又は(c)チオエステル化反応を介して有機基のチオール基と反応させることによって修飾され得る。このような反応は、それぞれエステル、アミド、又はチオエステル連結基をもたらすことができる。それぞれがカルボニル含有部分基のタイプであるこのような連結基は、反応を容易にするために、他の連結基よりも好ましい場合がある。このようなカルボニル含有部分を用いて形成される化合物は、これらのタイプの基が経時的に及び/又は水の存在下で分解(例えば、加水分解)して、コア材料を例えば共通のアミノ酸に戻すことができるため、環境上の理由から更に好ましい場合がある。
【0030】
本開示は、プロ有益剤化合物に関し、当該化合物は、炭素含有コアであって、コアは炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子、及びカルボニル基を含み、カルボニル基は、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分は、カルボニル基の炭素に結合した第1のヘテロ原子を含み、第1のヘテロ原子は、酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分は、第1のヘテロ原子に結合した第1の一価部分を更に含み、第1の一価部分は、1~34個の鎖原子を含む有機基である、炭素含有コアと、有益剤断片であって、有益剤断片の炭素原子、炭素含有コアの窒素、及び第2のヘテロ原子が、複素環部分の一部であり、第2のヘテロ原子が酸素、窒素、及び硫黄から選択され、第2のヘテロ原子は、コアの側基の一部ではなく、有益剤断片の炭素原子は、窒素及び第2のヘテロ原子に結合しており、有益剤断片は有益剤から誘導され、有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含み、複素環部分は、任意に、1~34個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む有機基である第2の一価部分(有益剤の炭素原子に直接結合していない)を含み、(a)第1の一価部分、及び存在する場合、第2の一価部分の少なくとも一方が、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む、及び/又は(b)第2の一価部分が存在し、第1の一価部分及び第2の一価部分における鎖原子、好ましくは炭素鎖原子の数の合計が少なくとも8個である、有益剤断片と、を含む。
【0031】
炭素含有コアは、炭素骨格を含む。炭素骨格は、カルボニル含有部分、又は存在する場合、側基(複数可)の炭素を含まないと理解される。炭素骨格は、1~6個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子、より好ましくは1個の炭素原子を含み得る。質量効率の理由から、比較的少ない炭素原子が好ましい場合がある。特に、1個のみの炭素原子を含む骨格は、このような構造が天然に存在するタンパク質構成アミノ酸を示すため、好ましい場合がある。
【0032】
炭素含有コアは、アミノ酸から誘導され得る。好ましくは、コアは、コアはタンパク質構成アミノ酸から誘導される。特に、天然由来又は生合成されたアミノ酸が好ましい場合がある。そのような材料は、環境的/持続可能性の理由から、及びそれらが妥当なコストで容易に入手可能である傾向があるため、好ましい場合がある。
【0033】
少なくとも1つの側基は、水素又は好適な有機基、好ましくは水素又は1~約20個の鎖原子、好ましくは炭素原子を有する有機基から選択され得る。少なくとも1つの側基は、カルボキシル基、アミン基、チオール基、又はヒドロキシル基などの1つ以上の官能基を含んでもよい。少なくとも1つの側基は、直鎖又は分岐鎖であってもよい。少なくとも1つの側基はアリール環を含んでもよい。化合物は、好ましくは、1つのみの非水素側基(例えば、1つのみの有機基)を含んでもよい。化合物は、2つ以上の非水素側基を含んでもよい。少なくとも1つの側基は、好ましくは、タンパク質構成アミノ酸の側基を含む。炭素含有コアは、水素である少なくとも1つの側基と、有機基である少なくとも1つの側基とを含み得る。例えば、コアがグリシンに基づくか、又はグリシンから誘導される場合、全ての側基は水素であってもよい。
【0034】
側基は、タンパク質構成アミノ酸又はその誘導体の側基、好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、それらの誘導体、又はこれらの組み合わせ、より好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、それらの誘導体、又はこれらの組み合わせ、更により好ましくは、アラニン、グリシン、それらの誘導体、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の側基の構造を有してもよい。その誘導体は、側基誘導体に結合している有益剤断片を含む置換を含んでもよい。
【0035】
少なくとも1つの側基は、以下の群から選択される構造を有する員を含むことができ、式中、「#」は、側基が炭素含有コアの炭素原子に結合している場所を表す。
【0036】
【0037】
炭素含有コアが、タンパク質構成酸の側基である構造を有する側基、好ましくは、上の表から選択される側基を含む場合、残りの側基は水素であることが好ましい場合がある。
【0038】
炭素含有コア(例えば、親アミノ酸)は、比較的疎水性の側基、例えば、カルボキシ基などの親水性官能基を含有しないものを含有することが好ましい場合がある。比較的疎水性の側基は、特に化合物が洗濯洗浄液などの水溶液中で送達される場合に、プロ有益剤化合物の標的表面への付着を容易にすると考えられる。
【0039】
炭素含有コアが由来するタンパク質構成アミノ酸は、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、又はこれらの組み合わせ、より好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、又はこれらの組み合わせ、更により好ましくは、アラニン、グリシン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。これらのアミノ酸から誘導されるこのようなプロ有益剤化合物は、有益剤、特に香料原料を送達するのに、より具体的には洗濯用途において特に有効であることが見出されている。
【0040】
本開示のプロ有益剤化合物は、カルボニル含有部分でコアに結合している第1の一価部分を含む。第1の一価部分は、1~34個の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子を含む有機基である。
【0041】
本開示のプロ有益剤化合物は、任意に、複素環部分の一部である第2の一価部分を含んでもよい。本明細書で使用するとき、第2の一価部分は、有益剤断片の一部ではない、及び/又は有益剤の炭素原子に直接結合していないと理解される。第2の一価部分は、1~34個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む有機基であってもよい。
【0042】
理論に束縛されるものではないが、炭素含有コアを上記のような第1及び任意に第2の一価部分で修飾することによって、得られる化合物は、未修飾コアを有する送達化合物と比較して比較的疎水性となり、これにより、得られるプロ有益剤化合物の付着及び/又は性能利益が促進されると考えられる。したがって、所望の程度の疎水性が化合物に付与されるように、適切な一価部分を選択することが重要であり得る。
【0043】
例えば、本開示のプロ有益剤化合物に関して、以下の少なくとも1つが当てはまり得る:(a)第1の一価部分、及び存在する場合、第2の一価部分の少なくとも一方は、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む、及び/又は(b)第2の一価部分が存在し、第1の一価部分及び第2の一価部分における鎖原子、好ましくは炭素鎖原子の数の合計は、少なくとも8個である。
【0044】
第1及び/又は第2の一価部分は比較的疎水性であってもよく、その場合、それは「疎水性物質」と称され得る。この文脈で使用される場合、「疎水性」は、少なくとも1.3のlogPを有する有機基を記載することを意味し、ここで、logPは、有機基がアルコール、アミン、チオール、又はオキシランから誘導されるかどうかにかかわらず、有機基の親アルコールについて決定される。例えば、第1の一価部分が、8個の炭素を有する直鎖基である疎水性物質であり、疎水性物質の末端位置でカルボニル含有部分の第1のヘテロ原子に結合している場合、疎水性基がエステル結合、アミド結合、又はチオエステル結合を介してコアに結合しているかどうかにかかわらず、logPは、1-オクタノールのlogP値(この場合、logP=約3.0)に従って判定される(以下の表Aを参照)。疎水性部分は、少なくとも1.3、又は約2.8~約10.8、又は約3.0~約7.8、又は約5.0~約6.9のlogPによって特徴付けられ得る。logPを判定するための方法は、以下の試験方法のセクションに見出される。
【0045】
【表2】
α個々の物質のlogPは、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(カナダ、トロント)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.5(Linux(登録商標))を用いて判定される。
【0046】
上記のように、第1の一価部分は、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分によって炭素含有コアに結合することができる。このようなカルボニル含有部分は、コアアミノ酸のカルボン酸末端を適切な有機基の適切な官能基(例えば、アルコール、アミン、又はチオール)と反応させることによって形成され得る。第1の一価部分をコアに結合するカルボニル含有部分は、例えば、アルコール前駆体の低コストのため、又は得られるエステルの有利な環境プロファイルのために、エステル部分であることが好ましい場合がある。
【0047】
上述したように、特定の最小限の鎖原子、好ましくは、炭素鎖原子は、基の相対的疎水性を増加させるのに有用であり、したがって、結果として生じる化合物は、付着又は性能の増加を促進するのに役立ち得ると考えられる。第1及び/又は第2の一価部分は、約8~約18個の鎖原子、より好ましくは、約8~約14個の鎖原子を含む有機基であってもよく、更により好ましくは、鎖原子のほとんど又は更に全てが炭素原子である。
【0048】
有益剤断片が香料原料から誘導される場合、付着又は性能の理由から、比較的高い疎水性が好ましい場合がある。例えば、放出される有益剤が香料原料である場合、第1の一価部分及び第2の一価部分の少なくとも一方は、約8~約18個、好ましくは、約10~約18個、より好ましくは、約12~約18個、更により好ましくは、約12~約16個の鎖原子を含む有機基であってもよく、好ましくは、鎖原子のほとんど又は更に全てが炭素原子である。
【0049】
有益剤断片が抗菌剤から誘導される場合、性能上の理由から、比較的低い疎水性が好ましい場合がある。例えば、放出される有益剤が抗菌剤である場合、有機基は、約6~約14個、好ましくは、約6~約12個、好ましくは、約8~約12個、より好ましくは、約8~約10個の鎖原子を含んでもよく、好ましくは鎖原子は炭素原子である。
【0050】
疎水性部分は任意に置換されていてもよいが、そのような置換は有機基の疎水性を維持するように選択されることが好ましい。例えば、有機基は、比較的疎水性の置換を含んでもよい。追加的に又は代替的に、有機基は親水性置換を含んでもよいが、それらは最小限に保たれること、及び/又は鎖原子の数は、置換の親水性の一部を相殺するように適宜選択されることが好ましい。例えば、有機基がヒドロキシル置換を含む場合、有機基が少なくとも10個、好ましくは、少なくとも12個の炭素原子を含むことが好ましい場合がある。
【0051】
第1及び/又は第2の一価部分は、非置換有機基、非分岐鎖有機基、又はこれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、第1及び/又は第2の一価部分は、両方とも非置換及び非分岐鎖である。そのような部分は、便利な入手可能性、性能プロファイル、及び比較的低い環境影響のために好ましい場合がある。好適な部分は、n-オクタノール、n-デカノール、n-ドデカノールなどから誘導され得る。
【0052】
第1及び/又は第2の一価部分は、脂肪アルコールなどの供給原料物質の混合物から誘導されてもよい。供給原料物質は、可変鎖長を有する物質を含み得る。そのような場合、第1及び第2の部分について本明細書に記載される鎖長は、重量平均鎖長であると理解される。
【0053】
追加的に又は代替的に、供給原料材料は、直鎖状であるいくつかの材料及び分岐鎖状であるいくつかの材料を含み得る。したがって、供給原料を反応させて本開示の前駆体又はプロ有益剤化合物を形成する場合、一部の材料は直鎖一価部分を含み、他の材料は分岐鎖一価部分を含む。そのような混合物は、本開示において企図される。
【0054】
第1及び/又は第2の一価部分は、複素環の窒素原子及び第2のヘテロ原子に断片として結合している有益剤に加えて、最終的にプロ有益剤化合物から放出され得る第2の有益剤の第2の断片を含んでもよく、これは第1の有益剤と呼ばれてもよい。このような構成は、充填効率の理由から好ましい場合がある。2つの断片は、化合物に結合され得、化合物から放出され得る。このような構成は、様々な有益剤が同じ化合物から放出されることを可能にするためにも好ましい場合がある。
【0055】
例えば、第2の有益剤断片は、複素環部分の一部である有益剤断片(例えば、第1の有益剤断片)とは異なる独自性を有してもよい。両方の断片は、同じカテゴリーの有益剤であってもよいが(例えば、両方とも香料原料から誘導される)、それらは異なる独自性を有してもよい。好ましくは、第1及び第2の有益剤は、異なる官能基を含む。例えば、第1の有益剤はアルデヒド又はケトン部分を含んでもよく、第2の有益剤はアルデヒド又はケトン部分ではない官能基を含んでもよい。第2の有益剤は、アルコール、アミン、チオール、又はこれらの組み合わせである官能基を含んでもよい。
【0056】
好ましくは、第2の有益剤は、アルコール基である官能基を含む。そのようなアルコール含有材料は、アミノ酸コアのカルボン酸との反応(例えば、それによってエステルを形成する)を容易にするために好ましい場合がある。このような物質はまた、プロ有益剤化合物(例えば、アルコール含有有益剤と組み合わせたアルデヒド又はケトン含有有益剤)から放出されるより広範囲の物質を提供するのに好ましい場合がある。
【0057】
第1及び/又は第2の一価部分は、第2の有益剤の断片で置換されてもよい。第1及び/又は第2の一価部分は、(その全体が)第2の有益剤の断片であってもよい。
【0058】
第2の有益剤は、香料原料、好ましくはアルコール含有香料原料であってもよい。このような場合、第1の有益剤(例えば、コアの窒素原子に結合した断片の親物質)も香料原料であることが好ましく、これにより、より効率的な香料送達及び/又はより複雑な嗅覚体験が可能になる。
【0059】
環境上の理由から、第1及び/又は第2の一価部分は、特に炭素含有コアが天然アミノ酸から誘導される場合、天然由来の材料又は原料から誘導されることが好ましい場合がある。好適な天然由来の材料又は供給原料としては、天然脂肪及び/又は油を挙げることができる。
【0060】
プロ有益剤化合物は、式Iによる構造によって特徴付けられてもよく、
【0061】
【化2】
式中、Zは、有益剤断片、好ましくは、第1の有益剤断片であり、G’は、第2のヘテロ原子を表し、Jは、複素環部分の一部であり、任意に、第2の一価部分を含んでもよく、添え字dは、1~3から選択され、好ましくはdは、2~3であり、より好ましくはdは、2であり、Aは、炭素含有コア(例えば、親アミノ酸に由来する)を表し、Z基及びJ基は両方とも、A基の同じ窒素原子に結合しており、Qは、第1の一価部分を表す。
【0062】
プロ有益剤化合物は、式IIによる構造によって特徴付けられてもよく、
【0063】
【化3】
式中、添え字mは、1~6から選択され、好ましくはmは、1又は2であり、より好ましくはmは、1であり、添え字dは、1~3から選択され、好ましくはdは、2~3であり、より好ましくはdは、2であり、G及びG’は、それぞれ独立して、-O-、-S-、又は-N(R
3)-から選択され、好ましくは、Gは-O-であり、より好ましくは、G及びG’は両方とも-O-であり、R
3は、存在する場合、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくはR
3は、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは、R
3は-Hであり、Qは、1~34個の鎖原子、好ましくは約1~約18個の鎖原子、より好ましくは約2~約14個の鎖原子を含み、最も好ましくは鎖原子は炭素原子であり、R
1及びR
2は、独立して、-H又は約15~約1000Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくは独立して、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは独立して、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、Zは、有益剤断片であり、各Jは、独立して、C(R
6)
2、-O-、及び-N(R
6)-からなる群から選択され、ここで、各R
6は、独立して、H又は14Da~990Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは、R
6は、H又は14Da~186Daの分子量を有する一価部分から選択され、更により好ましくは、R
6は、Hであるが、ただし、第1のR
6及び第2のR
6は、任意に、二価置換基として一緒になってもよく、好ましくは、二価置換基は、縮合環、スピロ環、不飽和置換基、=N(R
3)、=O、及び=Sからなる群から選択され、R
3は、上で定義した通りであり、(a)Q及びR
6の少なくとも一方が、存在する場合、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む、及び/又は(b)R
6が存在し、Q及びR
6中の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子の数の合計が少なくとも8個である、のうち少なくとも一方が当てはまる。複素環は=O部分を含まない(例えば、二価置換基が存在する場合、=Oではない場合)ことが好ましい場合があり、というのは、そのような部分が有益剤の放出を遅延させ、及び/又はプロ有益剤化合物の疎水性に望ましくない影響を与え、付着効率に影響を与え得るからである。
【0064】
上記を説明するために、
図1は、本開示によるプロ有益剤化合物、例えば、式IIによる化合物の注釈付き構造を示す。プロ有益剤化合物1は、炭素含有コア2を含む。コア2は、側基R
1及びR
2に結合している1つ又は複数の炭素原子(添え字mの値に応じて)を含み、これらの炭素原子(R
1又はR
2を含まない)は、化合物1の炭素骨格を形成する。コア2はまた、カルボニル基3を含む。カルボニル基3は、カルボニル含有部分4の一部であり、これは、どのタイプの第1のヘテロ原子(-G-)が存在し、第1の一価部分である-Qに結合しているかに応じて、エステル、アミド、又はチオエステルであり得る。化合物1はまた、部分的に有益剤断片6を含む複素環部分5を含む。
図1には明示的に示されていないが、化合物1は、複素環部分5に結合した第2の一価部分を含むことができる。第2の一価部分は、典型的には、-J基に結合される。
【0065】
式IIにおいて、G及びG’は、-O-、-S-、又は-N(R3)-から選択されてもよく、好ましくはGは、-O-である。Gが-O-である場合に得られるエステルは、環境上の理由、並びにアルコールベースの供給原料物質の便利な入手可能性のために好ましい場合がある。明確にするために、式IIの-C(O)G部分は、第1の一価部分(Q)に結合している炭素含有コアのカルボニル含有部分を表す。G’は、オキシランなどの供給原料物質の好都合な入手可能性及び反応性のために、好ましくは-O-であってもよい。
【0066】
式IIにおいて、G及び/又はG’は、-N(R3)-から選択されてもよく、式中、R3は、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくは、R3は、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは、R3は、-Hである。比較的小さいR3部分、特に水素は、例えば、好都合な反応及び供給原料物質の利用可能性のために、アミド結合を形成するときに好ましい場合がある。
【0067】
式I又はIIにおいて、Qは、1~34個の鎖原子、好ましくは約1~約18個の鎖原子、より好ましくは約2~約12個の鎖原子を含むことができ、最も好ましくは、鎖原子のほとんど又は好ましくは更に全てが炭素原子である。Q基は、非置換、非分岐、又はこれらの組み合わせ、好ましくはこれらの組み合わせであってもよい。
【0068】
R6基がJ部分の一部として存在する場合、R6基は、複素環部分の一部である第2の一価部分として機能する有機基であってもよい。R6基は、1~34個の鎖原子、好ましくは、ほとんど又は更に全ての炭素原子を含む有機基であってもよい。
【0069】
上記のように、第1の一価部分(例えば、Q)、及び任意に第2の一価部分(例えば、R6)は、存在する場合、効率的な付着及び/又は性能利益のために十分な疎水性を提供するように選択されることが好ましい。(a)Q及びR6の少なくとも一方が、存在する場合、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個、より好ましくは少なくとも10個、更により好ましくは少なくとも12個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む、(b)及び/又はR6が存在し、Q及びR6中の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子の数の合計が、少なくとも8、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも12である、のうちの少なくとも一方が当てはまる。
【0070】
十分な疎水性が提供される限り、Q基及び/又はR6基は、例えば酸素で置換されていてもよい。例えば、Q基及び/又はR6基は、エーテル部分、ヒドロキシル部分、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0071】
例えば、Q基(例えば、第1の一価部分)及び/又はR6基(例えば、第2の一価部分)、好ましくはQ基は、好ましくはエトキシ、プロポキシ、若しくはブトキシ基、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上のアルコキシ基を含んでもよい。例えば、Q基及び/又はR6基は、-(CnH2nOy)xHの実験式を有していてもよく、式中、各添え字xは独立して1~12から選択され、好ましくは、xは4~10であり、より好ましくは、xは5~7であり、各添え字nは独立して1~4から選択され、好ましくは、nは1又は2であり、各添え字yは0~1であり、好ましくは、基がアルコキシ基を含む場合、yは1である。
【0072】
Q基(例えば、第1の一価部分)及び/又はR6基(例えば、第2の一価部分)、好ましくはQ基は、-OH基を含んでもよく、特にQ基/第1の一価部分はジオールから誘導される。
【0073】
質量効率の理由から、Q基及びR6基の一方が比較的長く、他方が比較的短いことが好ましい場合がある。例えば、Qは、少なくとも8個の鎖原子を含んでもよく、R6基は、存在する場合、4個超の鎖原子を含まず、好ましくはR6基は、存在する場合、2個超の鎖原子を含まず、より好ましくは全てのR6基は、存在する場合、水素である。少なくとも1つのR6が少なくとも8個の鎖原子を含み、Q基が1~4個の鎖原子を含み、好ましくはQ基が1~2個の鎖原子を含むことができる。
【0074】
Q基は、第2の有益剤の第2の断片、好ましくは第2の香料原料、より好ましくはアルコール含有第2の香料原料を含んでもよく、そのような場合、Gは-O-であり得る。このような材料が存在する場合、炭素含有コア及び第1の一価基を含むが、炭素含有コアの窒素に結合している第1の有益剤断片を含まない他の材料が存在してもよい。
【0075】
式IIにおいて、R1及びR2は、独立して、-H又は約15~約1000Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくは独立して、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは独立して、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され得る。R1及び/又はR2は、炭素含有コアの側基である。R1及びR2の少なくとも一方、好ましくは少なくとも1つのR1は、好ましくはR2が水素(-H)であり、m=1である場合、タンパク質構成アミノ酸の側鎖の構造を有する一価部分である。R1及びR2の少なくとも1つが、有益剤断片を含むことが可能であり、このような構成は、1つの担体が2つの断片(1つは複素環部分の一部として、1つは側鎖上に)を含むという点で、質量効率の理由から好ましい場合がある。
【0076】
少なくとも1つのR1又はR2基は、タンパク質構成アミノ酸の側鎖、好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、又はこれらの組み合わせ、より好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、又はこれらの組み合わせ、更により好ましくは、アラニン、グリシン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の側鎖の構造を有し得る。
【0077】
式IIにおいて、添え字mは1~6であり、好ましくは、mは1~3であり、より好ましくは、mは1である。添え字mが1である場合、炭素含有コアは、天然由来又は生合成のタンパク質構成アミノ酸から誘導されてもよく、これは環境上の理由から好ましい場合がある。
【0078】
式I又はIIにおいて、Z基は有益剤断片を表す。好ましくは、Z部分は約4~約34個の炭素原子を含む。Z部分は、好ましくは、香料原料の断片である。有益剤及びその断片を、以下でより詳細に説明する。
【0079】
有益剤断片を表すZ基は、以下の構造によることができる。
【0080】
【化4】
式中、「#」は、複素環の隣接員(例えば、コアの窒素原子及び第2のヘテロ原子G’)への結合点を示し、R
4は、一価有機部分であり、R
5は、-H又は一価有機部分であるが、ただし、R
4及びR
5は一緒になって環状部分を形成してもよい。「#」でマークされた結合が破壊されると、プロ有益剤化合物は、構造R
5-C(O)-R
4による有益剤を放出する。
【0081】
Z基がアルデヒド含有有益剤の断片である場合、R5は水素である。Z基がケトン含有有益剤の断片である場合、R5は有機部分である。このような断片は、式R4-C(O)-R5による有益剤から誘導されてもよく、及び/又は有益剤の放出をもたらしてもよい。有益剤及びその断片は、比較的低分子量、例えば、約100g/mol~約1000g/mol、好ましくは約100g/mol~約500g/molによって特徴付けられ得、R4及びR5基は、それに応じて選択され得る。
【0082】
式Iにおいて、A基は、以下の構造、式IIIによって特徴付けられてもよく、
【0083】
【化5】
式中、R
1、R
2、G、mは上記のように定義され、#は疎水性基QへのGの結合点を表し、
**は複素環部分の残りへの(例えば、Z基及びJ基への)結合点を表す。
【0084】
プロ有益剤化合物は、式IVによる構造によって特徴付けられてもよく、
【0085】
【化6】
式中、Q、R
1、R
4、及びR
5、G’、及びJは上記の通りである。式IVは、事実上、上記式IIによる構造であり、式中、Gは-O-であり、R
2は-Hであり、mは1であり、dは2であり、Zは-C(R
4)(R
5)-である。
【0086】
このような構成では、プロ有益剤化合物は、好都合な性能上の利益を提供すると共に、有益な環境プロファイルを有すると考えられる。
【0087】
プロ有益剤化合物は、式Vによる構造によって特徴付けられてもよく、
【0088】
【化7】
式中、Q、R
1、R
4、R
5、及びR
6は、上記の通りである。式Vは、事実上、上記の式IVによる構造であり、式中、Jは-C(H)(R
6)-であり、G’は-O-である。このような構成では、プロ有益剤化合物は、好都合な性能上の利益を提供すると共に、有益な環境プロファイルを有すると考えられる。
【0089】
プロ有益剤化合物は、式IIによる構造によって特徴付けられてもよく、式中、m=1であり、R1は、タンパク質構成アミノ酸の側基であり、R2は、-Hである。この実施形態は、天然に存在するアミノ酸コアに基づくことができるので、好ましい場合がある。このような場合、得られるエステルが環境上の理由から好ましい場合があるため、G=-O-であることが更に好ましい場合がある。
【0090】
プロ有益剤化合物は、式IIによる構造によって特徴付けられてもよく、式中、Qは、約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは鎖原子の大部分又は更に全てが炭素原子である。G=-O-であり、m=1であり、R1は、タンパク質構成アミノ酸の側基であり、R2は、-Hであり、d=2であり、各J=C(R6)2であり、好ましくは、R6は、水素であり、G’=-O-であり、Zは、香料原料、好ましくはアルデヒド部分を含む香料原料の断片である。このような構成では、プロ有益剤化合物は、好都合な性能上の利益を提供すると共に、有益な環境プロファイルを有すると考えられる。
【0091】
プロ有益剤は、第2の有益剤断片を更に含んでもよい。好ましくは、プロ有益剤化合物は、式IIによる構造によって特徴付けられ、第2の有益剤断片は、Q、R1、R2、又はR6からなる基の一部である。そのような構成は、効率的な充填及び送達の利点を提供することができる。
【0092】
プロ有益剤は、好ましくは、貯蔵、処理、又は使用条件下で、例えば処理液中に存在するプロテアーゼ酵素による攻撃を受けやすい場合があるために、ペプチド結合を含まない。
【0093】
プロ有益剤は、好ましくは、規制上の懸念に限定され得るため、ハロゲンを含まない。
【0094】
有益剤及びその断片
本開示のプロ有益剤化合物は、アルデヒド含有有益剤、ケトン含有有益剤、又はこれらの組み合わせから誘導される有益剤断片を含む。有益剤断片は、アルデヒド部分を含む有益剤から誘導され得る。有益剤断片は、ケトン部分を含む有益剤から誘導され得る。
【0095】
本明細書で使用される場合、有益剤断片を誘導する有益剤は、親有益剤と称され得る。
【0096】
親有益剤のアルデヒド又はケトン部分は、化合物のコアの窒素原子(例えば、アミノ酸の窒素)及び第2のヘテロ原子と反応してもよく、その結果、有益剤断片の炭素原子が窒素原子及び第2のヘテロ原子に結合して、複素環部分(例えば、第2のヘテロ原子が酸素である場合、N-C-O)の一部を形成する。
【0097】
複素環部分は、例えば触媒又は実質的な熱エネルギー入力を必要とせずに、このような薬剤から好都合に形成され得るので、親有益剤がアルデヒド部分を含むことが好ましい場合がある。
【0098】
複素環部分への断片の結合が、例えば加水分解によって破壊されると、有益剤が放出される。関連する結合は、水の存在又は温度の上昇などのトリガ条件を通じて破壊され得る。
【0099】
有益剤断片は、香料原料、抗菌剤、農薬、昆虫忌避剤、抗真菌剤、除草剤、色相染料、酸化防止剤、非香料感覚刺激剤(冷却剤など)、又はこれらの組み合わせ、好ましくは、香料原料、抗菌剤、又はこれらの組み合わせ、より好ましくは、香料原料を含み得る、任意の好適な有益剤から誘導され得る。これらの有益剤のいくつかを、下記でより詳細に述べる。
【0100】
A.香料原料
有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの混合物を含む香料原料(「PRM」)であってもよい。有益剤断片(例えば、Z基)は、香料原料から誘導され得る。
【0101】
本明細書で使用するとき、「香料原料(又は「PRM」」という用語は、少なくとも約100g/モル(任意に最大約1000g/モル、好ましくは最大約500g/モル)の分子量を有する化合物であって、匂い、芳香、エッセンス、又は香気を、単独で又は他の香料原料と共に付与する上で有用な化合物のことを指す。一般的なPRMのリストは、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」第I巻及び第II巻;Steffen Arctander Allured Pub.Co.(1994)及び「Perfumes:Art,Science and Technology」、Miller,P.M.and Lamparsky,D.,Blackie Academic and Professional(1994)のような様々な参照元に見出され得る。
【0102】
香料原料は、(例えば、触媒の非存在下で)好都合に反応して複素環部分を形成するために、アルデヒド部分を含むことが好ましい場合がある。アルデヒド部分を含む香料原料を以下の表Bに提供する。表Bに提供される材料は、本開示による使用に好適なPRMの例示的な(しかし非限定的な)例であると考えられる。
【0103】
【0104】
【0105】
有益剤断片を形成した香料原料は、上記表Aのアルデヒド含有PRMからなる群から選択され得る。PRM断片を形成したPRMは、アルデヒド部分を含んでもよく、好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン(floralozone);イソシクロシトラール、トリプラール(リグストラール)、プレシクレモンB、リリアール(lilial);デシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シクラメンホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デュピカル、オンシダール、アドキザール(adoxal);メロナール(melonal);カリプソン(calypsone);アニスアルデヒド、ヘリオトロピン;クミンアルデヒド、センテナール(scentenal);3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール(canthoxal);バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド;シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール;トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカデエナール、cis-4-ヘプテナール、フロリドラール、ブチルシンナムアルデヒド、リモネラール、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール;シトラール;シス-3-ヘキセン-1-アール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0106】
上述のように、プロ有益剤化合物は、ケトン部分を含む香料原料の断片を含んでもよい。ケトン部分を含む香料原料を以下の表Cに提示する。表Cに提示される材料は、本開示による使用に適したPRMの例示的な(しかし非限定的な)例であると考えられる。
【0107】
【0108】
【0109】
PRM断片を形成した香料原料は、上記表Cのケトン含有PRMからなる群から選択されてもよい。PRM断片を形成したPRMは、ケトン部分を含んでいてもよく、好ましくは、ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン;1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、δ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン;ガラバスコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0110】
有益剤断片は、香料原料、好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン(floralozone);イソシクロシトラール、トリプラール(リグストラール)、プレシクレモンB、リリアール(lilial);デシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シクラメンホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デュピカル、オンシダール、アドキザール(adoxal);メロナール(melonal);カリプソン(calypsone);アニスアルデヒド、ヘリオトロピン;クミンアルデヒド、センテナール(scentenal);3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール(canthoxal);バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド;シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール;トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカデエナール、cis-4-ヘプテナール、フロリドラール、サイマール、ブチルシンナムアルデヒド、リモネラール、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール;シトラール;シス-3-ヘキセン-1-アール、ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン;1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、δ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン;ガラバスコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料である有益剤から誘導され得る。
【0111】
有益剤断片が香料原料、好ましくは前段落に列挙したPRMから誘導される場合、第1の一価部分及び/又は第2の一価部分は、約8~約18個の鎖原子、より好ましくは、約10~約18個の鎖原子を含む有機基であることが好ましい場合があり、好ましくは、鎖原子は炭素原子である。このような鎖長は、特にプロ有益剤化合物が水性液中で使用される洗濯用途において、付着効果を促進するのに好適な程度の疎水性を提供すると考えられる。
【0112】
上記に列挙した香料原料を含む、本明細書における香料原料は、New York,NY USAのInternational Flavors and Fragrances、Vernier SwitzerlandのGivaudan;Geneva,SwitzerlandのFirmenich;Holzminden,GermanyのSymrise;Tokyo,JapanのKao;Tokyo,JapanのTakasago;及びTel-Aviv,IsraelのFlorasynthのうちの1社以上から得ることができる。
【0113】
B.抗菌剤
有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの混合物を含む抗菌剤であってもよい。
【0114】
本プロ有益剤化合物における使用に適した抗菌剤としては、アセチルアセトンエノラート、ゴシポール、ヌートカトン、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0115】
有益剤断片が抗菌剤、好ましくは前段落に列挙した抗菌剤から誘導される場合、疎水性部分は、約6~約12個の鎖原子を含む有機基であることが好ましい場合があり、好ましくは、鎖原子は炭素原子である。このような鎖長は、抗菌効果を促進するのに好適な程度の疎水性を提供すると考えられ、抗菌剤と標的微生物との間の所望の相互作用を促進すると考えられる。
【0116】
プロ有益剤前駆体化合物
本開示は、本明細書に記載のプロ有益剤化合物を作製するのに有用なプロ有益剤前駆体化合物に関する。
【0117】
プロ有益剤前駆体化合物(又は、本明細書で使用されるときに単に「前駆体化合物」)は、炭素含有コアを含むことができ、炭素含有コアは、炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子、及びカルボニル基を含み、カルボニル基は、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分は、カルボニル基の炭素に結合した第1のヘテロ原子を含み、第1のヘテロ原子は、酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分は、第1のヘテロ原子に結合した第1の一価部分を更に含み、第1の一価部分は、1~34個の鎖原子を含む有機基であり、窒素原子は、好ましくは置換を含むアミン基であり、置換は第2のヘテロ原子を含み、第2のヘテロ原子は、酸素、窒素又は硫黄から選択される。アミン基上の置換は、上記のように、第2の一価部分を更に含み得る。
【0118】
実際に、前駆体化合物は、(第1の)有益剤と反応する前のプロ有益剤化合物であってもよい。コア、側基、カルボニル含有部分、第1の一価部分、及び第2の一価部分は、好ましくは前述の通りである。
【0119】
プロ有益剤前駆体化合物は、式VIによる構造によって特徴付けられてもよく、
HG’-(J)d-A-Q 式VI、
式中、J基はA基の窒素原子に結合しており、A、J、添え字d、G’、及びQは実質的に上記の通りである。
【0120】
前駆体化合物は、式VIIによる構造によって特徴付けられてもよく、
【0121】
【化8】
式中、基及び添え字は上で定義した通りである。
【0122】
前駆体化合物は、親アミノ酸などの適切な親コア化合物に修飾を施すことによって作製することができる。例えば、以下の式H-G-Qによる化合物を有するアミノ酸のカルボキシル基は、例えば、エステル化、アミド化、又はチオエステル化反応を通じてである。好適なH-G-Q供給原料は、好ましくはアルコール、脂肪アルコール、及び/又はジオールであってもよい。得られた化合物を更に修飾して、アミン基でヘテロ原子含有置換を行ってもよい。例えば、アミン基をオキシランと反応させて、アルカノールアミン基を得てもよい。次いで、アルカノールアミン基を好適な有益剤と反応させて複素環部分を形成し得る。
【0123】
例示的な前駆体化合物及びそのような化合物を作製する方法は、以下の合成例のセクションにおいて提供される。
【0124】
プロ有益剤化合物の作製方法
本開示はまた、プロ有益剤化合物の作製方法にも関する。このような方法は、プロ有益剤前駆体化合物を好適な有益剤と反応させる工程を含む。このような前駆体化合物及び有益剤は、上に記載されている。このような反応は、プレミックス組成物中、処理組成物中、又は更には布地若しくは衣類などの表面若しくは物品上で起こり得る。
【0125】
このような化合物を作製する例示的な方法は、以下の合成例のセクションにおいて提供される。
【0126】
プレミックス組成物
本開示は、更に、特定のプレミックス組成物及びこのような組成物の作製方法に関する。プレミックスは、製品配合物の前に都合よく調製することができ、1つの製造現場で調製し、製品配合物のために別の製造現場に輸送することもできる。
【0127】
プレミックス組成物は、プロ有益剤前駆体化合物(この前駆体化合物は上述の通りである)と、有益剤(この有益剤は上述の通りである)とを含んでもよい。プロ有益剤化合物、その成分、及び/又はその前駆体に関して上述した選択は、ここでも同様に適用される。
【0128】
例えば、プレミックス組成物は、プロ有益剤前駆体化合物を含んでもよく、前駆体化合物は、式VIIによる構造によって特徴付けられ、
【0129】
【化9】
式中、基及び添え字は上に定義される通りであり、有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む。
【0130】
充填効率の理由から、有益剤、好ましくは、第1の有益剤のモル量を、上記の担体分子(ここでは、プロ有益剤前駆体化合物)のモル量と妥当に一致させることが好ましい。例えば、プレミックス組成物は、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤を、約3:1~約1:3、好ましくは約2:1~約1:2、好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1.2:1~約1:1.2、更により好ましくは約1:1のモル比で含んでもよい。
【0131】
更により具体的には、充填効率の理由のために、有益剤のモル量を、担体分子(ここでは、プロ有益剤前駆体化合物)の反応性官能基(例えば、好ましくはアミン基)のモル当量と合理的に一致させることが好ましい。例えば、プレミックス組成物は、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤の反応性官能基(例えば、好ましくはアミン基)を、約3:1~約1:3、好ましくは約2:1~約1:2、好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1.2:1~約1:1.2、更により好ましくは約1:1のモル比で含んでもよい。
【0132】
プロ有益剤前駆体化合物が、有益剤及び任意に第2の有益剤に対して、複数の結合点、又はこのような結合点を形成することができる複数の官能基を含む場合、プレミックス組成物は、約3:1~約1:3、好ましくは約2:1~約1:2、好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1.2:1~約1:1.2、更により好ましくは約1:1のモル比で存在するプロ有益剤前駆体化合物及び有益剤(加えて、任意に、前駆体化合物に結合することもできる第2の有益剤)のこのような官能基を含んでもよい。このような比は、充填及び/又は送達効率を最大化するのに有用であり得る。
【0133】
プレミックス組成物は、純流体の形態であってもよく、水はほとんど又は全く存在しなくてもよい。そのような場合、プレミックス中に硫酸マグネシウムなどの水スカベンジャーを含めること、及び/又はモレキュラーシーブを介して若しくは真空中などで水を物理的に除去することが望ましい場合がある。プレミックス組成物は、プレミックス組成物の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約1重量%未満、更により好ましくは約0.1重量%未満の水を含んでもよい。低水分プレミックス組成物は、パスティルのような固体などの低水分製品組成物、又は水溶性フィルムに封入された単位用量組成物のような密な配合物に製剤化されることが意図される場合、特に好ましい場合がある。プレミックスが低水分プレミックスである場合、プレミックスは、プレミックス組成物の約1重量%~約100重量%、好ましくは約5重量%~約100重量%、より好ましくは約20重量%~約100重量%のプロ有益剤化合物を含んでもよい。プレミックスが低水分プレミックスである場合、プレミックスは、プレミックス組成物の約0.01重量%~約80重量%、好ましくは約0.01重量%~約20重量%のプロ有益剤前駆体化合物を含んでもよい。プレミックスが低水分プレミックスである場合、プレミックスは、プレミックス組成物の約0.01重量%~約80重量%、好ましくは約0.01重量%~約20重量%の有益剤を含んでもよい。
【0134】
プレミックス組成物は、水を含んでもよい。プレミックス組成物は、エマルジョン、好ましくは水中油型エマルジョンの形態であってもよい。プレミックスがエマルジョンの形態であり、水を含む場合、水は、プレミックス組成物の約50重量%~約95重量%、好ましくは約60重量%~約90重量%の濃度で存在してもよい。プレミックスが水を含む場合、プロ有益剤前駆体化合物は、プレミックス組成物の約0.01重量%~約7.5重量%の濃度で添加されてもよい。プレミックスが水を含む場合、有益剤は、プレミックス組成物の約0.01重量%~約7.5重量%の濃度で添加されてもよい。
【0135】
プレミックス組成物において、前駆体化合物及び有益剤は、上述のように反応してプロ有益剤化合物を形成してもよい。前駆体化合物、有益剤、及びプロ有益剤化合物は、全て平衡状態で存在してもよい。本開示によるプロ有益剤化合物の形成は、典型的には、ヘテロ環を形成する縮合プロセスを介して水を生成するので、平衡は、プレミックスが水を含む場合、反応の反応物側(例えば、前駆体化合物及び有益剤)に向かって傾き得る。逆に、プレミックスが意図的に添加された水を実質的に含まない場合、比較的多くのプロ有益剤化合物が存在し得るが、縮合反応の結果として水が形成されることが認識されている。
【0136】
プロ有益剤前駆体、有益剤、及び存在する場合、プロ有益剤化合物の重量パーセントの合計は、プレミックス組成物の約10重量%~約100重量%、好ましくは、約25重量%~約100重量%、より好ましくは、約50重量%~約100重量%、更により好ましくは、約75重量%~約100重量%であってもよい。
【0137】
プレミックス組成物又はその一部は、約1重量部~約99重量部、好ましくは、約5重量部~約80重量部のプロ有益剤前駆体化合物と、約1重量部~約99重量部、好ましくは、約5重量部~約80重量部の有益剤とを混ぜ合わせることによって得ることができ、得られる混合物は合計100重量部を構成すると理解される。
【0138】
プレミックス組成物は、複数の前駆体、複数の有益剤、及び/又は複数のプロ有益剤化合物を含んでもよい。プレミックス組成物は、反応して本開示によるプロ有益剤化合物を形成しない追加の薬剤を更に含んでもよい。例えば、プレミックス組成物は、追加のPRM、界面活性剤、溶媒、又は他の加工助剤若しくは安定化助剤を含んでもよい。
【0139】
プレミックス組成物は、界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、プレミックス組成物の安定性及び/又は乳化プロセスに役立ち得る。
【0140】
本開示は更に、そのような芳香プレミックス組成物の作製方法に関する。本方法は、本明細書に記載の(例えば、上記の式IV又はVによる)プロ有益剤前駆体を本明細書に記載の有益剤と混ぜ合わせる工程を含んでもよく、有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む。材料は、上記で提供される割合で混ぜ合わされてもよい。本方法は、遊離水を除去するか又は別の方法で結合させることを含んでもよく、これは、プレミックス中の反応を生成物(例えば、プロ有益剤化合物)に向けて推進するのに役立ち得る。プレミックス組成物が水を含む場合、前駆体化合物と水は、好ましくは、有益剤が添加される前に混ぜ合わされてもよい。あるいは、有益剤と水は、有益剤が添加される前に混ぜ合わされてもよい。
【0141】
処理組成物
本組成物は、上記のような補助成分とプロ有益剤化合物とを含む処理組成物に関する。
【0142】
処理組成物は、消費者製品組成物であってもよい。本開示の消費者製品組成物は、ベビーケア、ビューティケア、布地ケア、ホームケア、ファミリーケア、女性用ケア、及び/又はヘルスケア用途において有用であり得る。処理組成物は、布地、毛髪、又は皮膚等の表面を処理するのに有用であり得る。消費者製品組成物は、それが販売される態様で使用又は消費されることを意図し得る。消費者製品組成物は、後続する商業的製造又は修正が意図されなくてもよい。
【0143】
処理組成物は、家庭用ケア組成物であり得る。処理組成物は、布地ケア組成物、硬質表面クリーナー組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物(シャンプー又はコンディショナーなど)、ボディクレンジング組成物、又はこれらの混合物であってもよい。
【0144】
処理組成物は、洗濯洗剤組成物(強力洗浄液体洗剤又は単位用物品を含む)、布地コンディショニング組成物(液体布地柔軟化組成物及び/又は布地強化組成物を含む)、洗濯添加剤、布地前処理組成物(スプレー、注ぐことができる液体、又はスプレーを含む)、布地リフレッシャー組成物(スプレーを含む)、又はこれらの混合物等の布地ケア組成物であってもよい。
【0145】
処理組成物は、美容ケア組成物、例えば、毛髪トリートメント製品(シャンプー及び/又はコンディショナーを含む)、スキンケア製品(クリーム、ローション、又は消費者使用のための他の局所適用製品を含む)、シェービングケア製品(シェービングローション、フォーム、又はシェービング前若しくはシェービング後トリートメントを含む)、パーソナルクレンジング製品(液体ボディー洗浄剤、液体手洗い石鹸、及び/又は固形石鹸を含む)、デオドラント及び/又は制汗剤、又はこれらの混合物であってよい。
【0146】
処理組成物は、空気ケア、カーケア、食器洗浄、硬質表面洗浄及び/又は処理、並びに消費者又は業務用の他の洗浄などのホームケア組成物であり得る。
【0147】
処理組成物は、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム若しくはムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態であってもよい。
【0148】
処理組成物は、液体の形態であってもよい。液体組成物は、組成物の約30重量%から、又は約40重量%から、又は約50重量%から、約99重量%まで、又は約95重量%まで、又は約90重量%まで、又は約75重量%まで、又は約70重量%まで、又は約60重量%までの水を含み得る。液体組成物は、液体洗濯洗剤、液体布地柔軟剤、液体食器洗剤、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、又はこれらの混合物であり得る。
【0149】
処理組成物は、固体の形態であってもよい。固体組成物は、粉末状又は顆粒状組成物であってもよい。このような組成物は、凝集されても、又は噴霧乾燥されてもよい。このような組成物は、複数の顆粒又は粒子であって、そのうちの少なくともいくつかは、異なる組成物を含む、複数の顆粒又は粒子を含んでいてよい。組成物は、漂白剤を含んでもよい粉末状又は顆粒状洗浄組成物であってよい。組成物は、ビーズ又はパスティルの形態であってもよく、それらは液体溶融物から成形錠剤化されたものであり得る。組成物は、押出成形された製品であり得る。
【0150】
処理組成物は、複数の微粒子などの粒子状形態であってもよい。個々の微粒子は、約1mg~約1gの質量を有してもよい。エマルジョンは水溶性担体中に分散されてもよい。水溶性担体は、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。水溶性担体は、水溶性ポリマーであり得る。処理組成物は、粒子状形態である場合、プロ有益剤化合物の約25重量%~約99.99重量%の水溶性担体、及び約0.001重量%~約50重量%の水溶性担体を含み得る。粒子状形態は、ビース又はパスティルの形態であり得る。
【0151】
処理組成物は、錠剤、パウチ、シート、又は繊維物品等の単回用物品の形態であってもよい。このようなパウチは、典型的には、組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムは、MonoSol,LLC(Indiana,USA)から入手可能である。組成物は、単区画パウチ又は多区画パウチに封入することができる。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べて及び/又は重ねて配置された区画を含んでもよい。パウチ又はその区画に収容される組成物は、液体、固体(粉末等)、又はこれらの組み合わせであってもよい。パウチにした組成物は、比較的少量の水、例えば、洗剤組成物の約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約12重量%未満、又は約10重量%未満、又は約8重量%未満の水を有してもよい。
【0152】
処理組成物は、スプレーの形態であってもよく、例えば、トリガ噴霧器を介してボトルから及び/又はバルブを有するエアロゾル容器から分配されてもよい。
【0153】
処理組成物は、20秒-1及び21℃で、1~1500センチポアズ(1~1500mPa・s)、100~1000センチポアズ(100~1000mPa・s)、又は200~500センチポアズ(200~500mPa・s)の粘度を有し得る。
【0154】
処理組成物は、処理組成物の約0.001重量%~約30重量%、好ましくは約0.001重量%~約20重量%、より好ましくは約0.001重量%~約15重量%、0.001重量%~約10重量%、好ましくは約0.01重量%~約5重量%のプロ有益剤化合物を含んでもよい。
【0155】
処理組成物は、プロ有益剤化合物によって放出される有益剤を、処理組成物の約0.01重量%~約10重量%、好ましくは約0.1重量%~約5重量%送達するのに十分な量で、プロ有益剤化合物を含んでもよい。
【0156】
補助成分
消費者製品であり得る本開示の処理組成物は、補助材料を含んでもよい。補助材料は、組成物の意図される最終用途において利益を提供してもよく、又は加工助剤及び/又は安定助剤であってもよい。
【0157】
好適な補助材料としては、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、酸化防止剤、漂白系、安定剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、構造化剤、抗凝集剤、コーティング剤、ホルムアルデヒドスカベンジャー、並びに/又は顔料を挙げることができる。
【0158】
意図される形態、配合物、及び/又は最終用途によって、本開示の組成物は、以下の補助材料:界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー調整剤若しくは構造化剤、酸化防止剤、漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料、香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、構造化剤、抗凝集剤、コーティング剤、ホルムアルデヒドスカベンジャー、並びに/又は顔料のうちの1つ以上を含有してもしなくてもよい。
【0159】
これらの追加の成分の正確な性質及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用される作業の性質に依存する。しかしながら、1種以上の補助剤が存在する場合、このような1種以上の補助剤は、以下に詳述されるように存在することができる。以下は、好適な追加の補助剤の非限定的なリストである。
【0160】
A.界面活性剤
本開示の処理組成物は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、例えば、洗浄上の利益を提供するために有用であり得る。組成物は、1種以上の界面活性剤を含有し得る界面活性剤系を含んでもよい。
【0161】
本開示の処理組成物は、組成物の約0.1重量%~約70重量%、又は約2重量%~約60重量%、又は約5重量%~約50重量%の界面活性剤系を含んでもよい。液体組成物は、組成物の約5重量%~約40重量%の界面活性剤系を含んでもよい。密な配合物、例えば密な、液体、ゲル、及び/又は単位用量形態に好適な組成物は、組成物の約25重量%~約70重量%、又は約30重量%~約50重量%の界面活性剤系を含んでもよい。
【0162】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。界面活性剤系は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエトキシル化サルフェート、アルキルサルフェート、エトキシル化アルコール等の非イオン性界面活性剤、アミンオキシド、又はこれらの混合物を含んでもよい。界面活性剤は、少なくとも部分的に、天然供給原料アルコール等の天然の資源に由来してもよい。
【0163】
好適なアニオン性界面活性剤は、任意の従来のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。これは、例えばアルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料用のサルフェート洗浄性界面活性剤、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状、又はこれらの組み合わせのであってもよい。好ましい界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(linear alkyl benzene sulfonate、LAS)、アルキルエトキシル化サルフェート(alkyl ethoxylated sulfate、AES)、アルキルサルフェート(alkyl sulfate、AS)、又はこれらの混合物が挙げられる。他の好適なアニオン性界面活性剤としては、分岐鎖状修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、及び/又はアルキルエトキシル化カルボキシレート(AEC)が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、酸形態、塩形態、又はこれらの混合物で存在してもよい。アニオン性界面活性剤は、部分的に又は全体的に、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)又はアミン(例えば、モノエタノールアミン)によって中和されてもよい。
【0164】
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含んでいてよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、エトキシル化脂肪族アルコール等のアルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。その他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルキルフェノール、アルキルフェノール縮合体、中鎖分枝鎖状アルコール、中鎖分枝鎖状アルキルアルコキシレート、アルキル多糖類(例えば、アルキルポリグリコシド)、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテルキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状(例えば、中鎖分岐状)、又はこれらの組み合わせであってもよい。特定の非イオン性界面活性剤は、平均約12~約16個の炭素を有し、かつ平均約3~約9個のエトキシ基を有するアルコール、例えばC12~C14のEO7非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0165】
好適な双性イオン界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインをはじめとするベタイン、C8~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド(例えば、C12~14ジメチルアミンオキシド)、並びに/又は、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート(ここで、アルキル基は、C8~C18又はC10~C14であってもよい)等のスルホ及びヒドロキシベタイン等の、任意の従来の双性イオン界面活性剤を挙げることができる。双性イオン性界面活性剤は、アミンオキシドを含んでもよい。
【0166】
配合物及び/又は意図される最終用途に応じて、組成物は、特定の界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。例えば、布地柔軟剤等の液体布地強化組成物は、アニオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよいが、それは、このような界面活性剤がカチオン性成分と負の相互作用をし得るためである。
【0167】
B.コンディショニング活性物質
本開示の処理組成物は、コンディショニング活性物質を含んでもよい。コンディショニング活性物質を含有する組成物は、柔軟性、しわ防止、静電防止、コンディショニング、抗伸張、色、及び/又は外観に関する利益を提供し得る。
【0168】
コンディショニング活性物質は、組成物の約1重量%~約99重量%のレベルで存在してもよい。組成物は、組成物の約1重量%から、又は約2重量%から、又は約3重量%から、約99重量%まで、又は約75重量%まで、又は約50重量%まで、又は約40重量%まで、又は約35重量%まで、又は約30重量%まで、又は約25重量%まで、又は約20重量%まで、又は約15重量%まで、又は約10重量%までのコンディショニング活性物質を含んでもよい。組成物は、組成物の約5重量%~約30重量%のコンディショニング活性物質を含んでよい。
【0169】
本開示の組成物に好適なコンディショニング活性物質としては、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化若しくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、ポリヒドロキシステアリン酸及び/又はその誘導体、グリセリドコポリマー、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。好ましくは、コンディショニング活性物質は、カチオン性コンディショニング活性物質であり、これはプロ有益剤化合物の送達/付着を改善し得る。
【0170】
処理組成物はコンディショニング活性物質を含んでもよく、コンディショニング活性物質は四級アンモニウムエステル化合物を含む。好ましくは、四級アンモニウムエステル化合物は、処理組成物の約2重量%~約35重量%、好ましくは約4重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、更により好ましくは約6重量%~約15重量%、更により好ましくは約7重量%~約12重量%の濃度で存在する。四級アンモニウムエステル化合物(「エステルクォート」としても知られる)は、モノエステルクォート、ジエステルクォート、トリエステルクォート、又はこれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、ジエステルクォート材料は、エステルクォート化合物の主要部分(大部分であろうと複数であろうと)を形成する。コンディショニング効果を提供することに加えて、コンディショニング活性物質(すなわち、四級アンモニウムエステル化合物)の適切な種類及び/又は濃度を選択することにより、本開示に記載のプロ有益剤化合物の付着及び/又は性能を改善することができると考えられる。
【0171】
四級アンモニウムエステル化合物は、以下の式による化合物を含んでもよく、
{R2
(4-m)-N+-[X-Y-R1]m}A-
式中、
mは、1、2、又は3であるが、ただし、各mの値は、同一であり、
13個~22個の炭素原子を含んでもよい各R1は、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、R1は、直鎖状であり、より好ましくは、R1は、部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、
各R2は、独立して、C1~C3アルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、及び/又は、各R2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~C3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルから選択され、
各Xは独立して、-(CH2)n-、-CH2-CH(CH3)-又は-CH(CH3)-CH2-であり、各nは独立して1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、
各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、及び
A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から独立して選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は硫酸メチルである、四級アンモニウムエステル化合物。
【0172】
モノエステルクォートの場合、mは1である。ジエステルクォートの場合、mは2である。トリエステルクォートについては、mは3である。コンディショニング活性物質は、モノエステルクォートとジエステルクォートとの混合物、又は更にはモノエステルクォート、ジエステルクォート、及びトリエステルクォートの混合物を含んでもよい。当業者によって理解されるように、混合物は、部分的に、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンなどの出発/供給原料物質に依存し得る。
【0173】
四級アンモニウムエステル化合物は、ヨウ素価が0~140、又は0~約90、又は約10~約70、又は約15~約50、又は約18~約30であることを特徴とする脂肪酸から誘導され得る。ヨウ素価は、米国特許出願公開第2020/0407665号明細書(国際公開第2020/264566号に相当)に提示されている方法によって判定され得る。
【0174】
この組成物は、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン又はこれらの複数組の組み合わせ、好ましくは一組の組み合わせを含んでもよい。四級アンモニウムエステル化合物とシリコーンとの合計量は、組成物の約5重量%~約70重量%、又は約6重量%~約50重量%、又は約7重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%であってもよい。組成物は、四級アンモニウムエステル化合物及びシリコーンを、約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:3~約1:3、又は約1:2~約2:1、又は約1:1.5~約1.5:1、又は約1:1の重量比で含んでもよい。
【0175】
組成物は、異なる種類のコンディショニング活性物質の混合物を含有していてもよい。本開示の組成物は、特定のコンディショニング活性物質を含有してもよいが、他のコンディショニング活性物質を実質的に含まなくてもよい。例えば、組成物は、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン又はその両方を含まなくてもよい。組成物は、四級アンモニウムエステル化合物を含んでもよいが、シリコーンを実質的に含まなくてもよい。組成物はシリコーンを含んでもよいが、四級アンモニウムエステル化合物を実質的に含まなくてもよい。
【0176】
コンディショニング活性物質は、グリセリドコポリマーを含んでもよい。グリセリドコポリマーは、天然油に由来し得る。天然油の例としては、これらに限定されるものではないが、植物油、藻類油、魚油、動物脂、トール油、これらの油の誘導体、これらの油のいずれかの組み合わせなどが挙げられる。植物油の代表的な非限定的な例としては、低エルカ酸ナタネ油(キャノーラ油)、高エルカ酸ナタネ油、ヤシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ジャトロファ油、カラシ油、ペニークレス油、カメリナ油、麻実油、及びヒマシ油、好ましくはキャノーラ油が挙げられる。動物脂の代表的な非限定例としては、ラード、獣脂、家禽油、黄色油脂、及び魚油が挙げられる。トール油は、木材パルプ製造の副生成物である。グリセリドコポリマーは、金属化不飽和ポリオールエステルであってもよい。
【0177】
C.付着助剤
本開示の処理組成物は、付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、本開示のプロ有益剤化合物、コンディショニング活性物質、香料若しくは香料送達系(封入された香料など)、又はこれらの組み合わせを含む様々な有益剤の付着を促進することができ、組成物の性能効果を改善し、及び/又はこのような有益剤のより効率的な配合を可能にする。組成物は、組成物の0.0001重量%~3重量%、好ましくは0.0005重量%~2重量%、より好ましくは0.001重量%~1重量%、又は約0.01重量%~約0.5重量%、又は約0.05重量%~約0.3重量%の付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、カチオン性又は両性ポリマー、好ましくはカチオン性ポリマーであってもよい。
【0178】
全般的なカチオン性ポリマー及びそれらの製造方法は、文献において周知である。好適なカチオン性ポリマーとしては、化粧品成分の国際命名法で命名された「ポリクオタニウム」ポリマーとして知られる四級アンモニウムポリマー、例えば、ポリクオタニウム-6(ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-7(アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー)、ポリクオタニウム-10(四級化ヒドロキシエチルセルロース)、ポリクオタニウム-22(アクリル酸とジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー)を挙げることができる。
【0179】
付着助剤は、ポリビニルホルムアミド、部分的にヒドロキシル化されたポリビニルホルムアミド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0180】
カチオン性ポリマーは、カチオン性アクリレート及び/又はメタクリレートを含んでもよい。このようなポリマーは、例えばアクリルアミドなどの非イオン性モノマーを更に含むコポリマーであってもよい。カチオン性ポリマーは、直鎖状であっても架橋されていてもよい。付着助剤は、直鎖カチオン性ポリマーと架橋カチオン性ポリマーとの組み合わせを含んでもよい。
【0181】
付着助剤は、送達粒子と同時に(例えば、封入された香料などの封入された有益剤と同時に)、又は直接/独立して布地処理組成物中に添加することができる。ポリマーの重量平均分子量は、屈折率(Refractive Index、RI)検出を使用するポリエチレンオキシド標準に対してサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した場合、500ダルトン~5000000ダルトン、又は1000ダルトン~2000000ダルトン、又は2500ダルトン~1500000ダルトンであってもよい。カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、5000ダルトン~37500ダルトンであってもよい。
【0182】
D.香料及び/又は香料送達系
本開示の処理組成物は、香料及び/又は香料送達系を含んでもよい。これは、プロ有益剤化合物の有益剤断片が香料原料から誘導される場合であっても当てはまる場合がある。
【0183】
本開示の処理組成物は、アルデヒド又はケトン部分を含有しないPRMを含む、他の香料原料を、例えば、純形態又は遊離形態で含んでもよい。例えば、他のPRMは、プロ有益剤前駆体化合物と反応しない場合であっても、本開示によるプレミックス組成物及び/又は処理組成物に純油又は遊離油として提供されてもよい。このような混合物は、例えば、より適切な嗅覚体験を提供するために望ましい場合がある。
【0184】
本開示の処理組成物は、純香料、好ましくは、アルデヒド又はケトン部分を含まない純香料原料を更に含んでもよい。好ましくは、純香料は、アルコール含有香料原料を含む。好適なアルコール含有香料原料は、当業者にとって既知であり、ゲラニオール、シトロネロール、桂皮アルコール、オイゲノールなどを含んでもよい。とは言え、純香料は、アルデヒド及び/又はケトン部分を含む遊離香料原料を更に含んでもよい。
【0185】
本開示の処理組成物は、追加的に又は代替的に、香料送達系を含んでもよい。このような香料送達系は、ポリマー支援送達系の形態をとってもよい。このような香料送達系は、封入体、例えばコア-シェル封入体の形態をとってもよく、この場合、コアは香料原料を含み、ポリマーシェルによって取り囲まれる。ポリマーシェルは、ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、多糖類、ポリビニルアルコール、メラミン、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせから誘導されるポリマー材料を含んでもよい。追加的に又は代替的に、好適な香料送達系は、既知のプロ香料/プロ芳香材料を含んでもよい。
【0186】
その他の材料
本開示の処理組成物、及び/又は更にはプレミックス組成物は、本明細書に記載のプロ有益剤化合物の未反応反応物質及び/又は分解生成物を含んでもよい。例えば、本開示の処理組成物及び/又はプレミックス組成物は、親アミノ酸などの炭素含有コア単独の前駆体又は誘導体(例えば、H2-A-H、式中、Aは、式IIIにより実質的に上で定義された通りであり、G=酸素である)、第1の一価部分を有する修飾アミノ酸(例えば、H2-A-Q、式中、Aは、実質的に式IIIにより上で定義された通りである)、遊離形態の第1の一価部分(例えば、ドデカノールのような脂肪アルコールなどのH-G-Q)、第1の一価部分を含まない(例えば、複素環部分を含むが、第1の一価部分を含まない)プロ有益剤化合物の形態、遊離有益剤、例えば、アルデヒド又はケトン含有PRM、又はこれらの組み合わせを含み得る。存在し得る他の材料としては、溶媒若しくは希釈剤、遊離オキシラン前駆体、残留触媒塩、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0187】
処理組成物の製造方法
本開示は、本明細書に記載された組成物のいずれかの製造プロセスに関する。消費者製品であり得る処理組成物の作製プロセスは、本明細書に記載されるプロ有益剤化合物を、本明細書に記載される補助材料と混ぜ合わせる工程を含み得る。
【0188】
プロ有益剤化合物は、混合及び/又は噴霧を含む方法によって、このような補助材料と混ぜ合わされ得る。
【0189】
本開示の組成物は、任意の好適な形態に配合することができ、配合者によって選択される任意のプロセスによって調製することができる。プロ有益剤化合物及び補助材料は、バッチプロセス、循環ループプロセス、及び/又はインライン混合プロセスで合わされてもよい。本明細書に開示されるプロセスでの使用に好適な装置としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌機、再循環ポンプ、パドルミキサー、高せん断ミキサー、静的ミキサー、プラウせん断ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(いずれもバッチ式であり、利用可能な場合、連続プロセス構成のもの)、噴霧乾燥機、並びに押出成形機を挙げることができる。
【0190】
例えば、処理組成物の作製方法は、本開示によるプロ有益剤化合物をベース組成物、好ましくは、液体ベース組成物と混ぜ合わせる工程を含んでもよく、ベース組成物は補助成分を含む。このプロセスは、例えば、バッチプロセス又はインライン混合プロセス、好ましくはインライン混合プロセスで行うことができる。
【0191】
処理組成物の作製方法は、本明細書に記載されるように、プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及び補助成分を混ぜ合わせる工程を含んでもよい。好ましくは、補助成分はベース組成物の一部であり、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤はそれぞれ別個の投入物としてベース組成物に添加される。別個の投入物は、順次(例えば、連続して)、又は実質的に同時に添加されてもよい。好ましくは、ベース組成物は液体である。このプロセスは、例えば、バッチプロセス又はインライン混合プロセス、好ましくはインライン混合プロセスで行うことができる。
【0192】
処理組成物の作製方法は、プレミックスをベース組成物に添加する工程を含んでもよい。プレミックス組成物は、本明細書に記載のように、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤を含んでもよい。プレミックス組成物は、本明細書に記載されるように、プロ有益剤前駆体化合物と有益剤とを組み合わせることによって得ることができる。プレミックス組成物は、例えば前駆体化合物と有益剤との反応に起因する、本開示によるプロ有益剤化合物を含んでもよい。プレミックス組成物は、プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及びプロ有益剤化合物の混合物を含んでもよい。プレミックスは、任意に水を含有してもよい。このプロセスは、例えば、バッチプロセス又はインライン混合プロセス、好ましくはインライン混合プロセスで行うことができる。プレミックスは、PEGベースのパスティルなどの固体形態であるか、又は固体形態になる処理組成物を作製する場合に特に好ましい場合がある。そのような場合、プレミックスからの水の除去又は低減は、例えば、硫酸マグネシウムなどの水スカベンジャーを介して、又はモレキュラーシーブの使用若しくは真空中での留去を介して有用であり得る。
【0193】
表面の処理方法
本開示は更に、本開示による処理組成物で表面(例えば、物品の表面)を処理する方法に更に関する。このような方法は、洗浄、コンディショニング、衛生、及び/又は消臭に関わる利益を提供し得る。
【0194】
好適な表面としては、布地(衣類、タオル、又はリネンを含む)、硬質表面(タイル、磁器、リノリウム、又は木床等)、食器類、毛髪、皮膚、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0195】
本方法は、物品又は表面を、任意に水の存在下で、本開示の処理組成物と接触させる工程を含んでもよく、任意に、物品又は表面をすすぐ及び/又は乾燥させる工程を更に含む。処理組成物は、未希釈形態であってもよく、又は液体、例えば、洗浄液若しくはすすぎ液で希釈されていてもよい。処理組成物は、表面又は物品との接触前、接触中、又は接触後に水で希釈されてもよい。表面又は表面を備える物品を、接触工程の前及び/又は後に、任意に洗浄及び/又はすすいでもよい。
【0196】
表面の処理及び/又は洗浄方法は、以下の工程を含み得る。
a)任意に、表面を洗浄する、すすぐ、及び/又は乾燥させる工程、
b)任意に水の存在下で、表面を本明細書に記載の処理組成物と接触させる工程、
c)任意に、表面を洗浄する、及び/又はすすぐ工程、並びに
d)任意に、受動的に乾燥させることによって、及び/又は洗濯乾燥機などの能動的方法によって乾燥させる工程。
【0197】
本発明の目的に関して、洗浄は、こすり洗い及び機械的撹拌を含むが、これらに限定されない。布地は、通常の消費者、商業的又は工業的使用条件で洗濯又は処理することができるほとんどの布地を含み得る。
【0198】
開示される組成物を含み得る液体は、約3~約11.5のpHを有し得る。希釈される場合、このような組成物は、典型的には、溶液中で約500ppm~約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水温は、典型的には、約5℃~約90℃の範囲であり、表面が布地の一部である場合、水と布地との重量比は、典型的には、約1:1~約30:1である。
【0199】
本開示は、表面又は物品、好ましくは布地を、本開示によるプロ有益剤化合物を含む水性処理液で処理する方法であって、好ましくは、有益剤断片が香料原料又は抗菌剤の断片、好ましくは、香料原料の断片である方法を更に開示する。本プロセスは、物品、好ましくは布地を水性液と接触させる工程を含んでもよい。プロ有益剤化合物は、約0.001重量ppm(例えば、1ppb)~約1000重量ppmの濃度で水性液中に存在してもよい。
【0200】
本開示は、表面又は物品、好ましくは布地を、本開示によるプロ有益剤前駆体化合物と本開示による有益剤とを含む水性処理液で処理する方法を更に開示する。有益剤は、香料原料又は抗菌剤、好ましくは香料原料であってもよい。本プロセスは、物品、好ましくは布地を水性液と接触させる工程を含んでもよい。プロ有益剤前駆体化合物は、重量で約001ppm(例えば、1ppb)~約1000ppmの濃度で水性液中に存在してもよい。
【0201】
使用
本開示は、プロ有益剤化合物が香料原料の断片を含む場合、特に処理組成物の一部である場合に、鮮度効果を提供するための、本明細書に記載のプロ有益剤化合物の使用に関する。
【0202】
本開示は、プロ有益剤化合物が抗菌剤の断片を含む場合、特に処理組成物の一部である場合に、抗菌効果を提供するための、本明細書に記載のプロ有益剤化合物の使用に関する。
【0203】
本開示は、特に処理組成物の一部である場合に、悪臭防止効果を提供するための、本明細書に記載のプロ有益剤化合物の使用に関する。
【0204】
組み合わせ
本開示の具体的に企図される組み合わせを、本明細書において以下のアルファベット付きの項に記載する。これらの組み合わせは、本質的に例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではない。
【0205】
A.プロ有益剤化合物に関し、当該化合物は、炭素含有コアであって、炭素含有コアは炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子、及びカルボニル基を含み、カルボニル基は、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分は、カルボニル基の炭素に結合した第1のヘテロ原子を含み、第1のヘテロ原子は、酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分は、第1のヘテロ原子に結合した第1の一価部分を更に含み、第1の一価部分は、1~34個の鎖原子を含む有機基である、炭素含有コアと、有益剤断片であって、有益剤断片の炭素原子、炭素含有コアの窒素、及び第2のヘテロ原子が、複素環部分の一部であり、第2のヘテロ原子が、酸素、窒素、又は硫黄から選択され、第2のヘテロ原子が、コアの側基の一部ではなく、有益剤断片の炭素原子が、窒素及び第2のヘテロ原子に結合しており、有益剤断片が、有益剤から誘導され、有益剤が、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含み、複素環部分が任意に、1~34個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む有機基である第2の一価部分を更に含む、有益剤断片と、を含み、(a)第1の一価部分、及び存在する場合、第2の一価部分の少なくとも一方が、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む、及び/又は(b)第2の一価部分が存在し、第1の一価部分及び第2の一価部分中の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子の数の合計が少なくとも8である、のうちの少なくとも一方が当てはまる、プロ有益剤化合物。
B.炭素骨格が、1~6個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子、より好ましくは1個の炭素原子を含む、段落Aに記載のプロ有益剤化合物。
C.炭素含有コアが、アミノ酸、好ましくはタンパク質構成アミノ酸、より好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸、更により好ましくは、アラニン、グリシン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸から誘導される、段落A又はBに記載のプロ有益剤化合物。
D.少なくとも1つの側基が、タンパク質構成アミノ酸又はその誘導体の側基、好ましくは、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、グリシン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の側基、より好ましくは、アラニン、グリシン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせの構造を有する、段落A~Cのいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
E.カルボニル含有部分が、エステル部分である、段落A~Dのいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
F.第1の一価部分及び第2の一価部分の少なくとも一方が、約8~約18個の鎖原子、好ましくは、約8~約14個の鎖原子、より好ましくは、炭素鎖原子を含む有機基である、段落A~Eのいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
G.第1の一価部分及び第2の一価部分の少なくとも一方が、非置換有機基、非分岐鎖有機基、又はこれらの組み合わせ、好ましくはこれらの組み合わせである、段落A~Fのいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
H.有益剤断片が、アルデヒド部分を含む有益剤から誘導され、好ましくはアルデヒド部分を含む香料原料から誘導される、段落A~Gのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
I.有益剤断片が、ケトン部分を含む有益剤から誘導され、好ましくはケトン部分を含む香料原料から誘導される、段落A~Hのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
J.有益剤断片が、香料原料、抗菌剤、農薬、昆虫忌避剤、抗真菌剤、除草剤、色相染料、酸化防止剤、非香料感覚刺激剤、又はこれらの組み合わせ、好ましくは、香料原料、抗菌剤、又はこれらの組み合わせから選択される有益剤から誘導される、段落A~Iのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
K.有益剤が、香料原料、好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン(floralozone);イソシクロシトラール、トリプラール(リグストラール)、プレシクレモンB、リリアール(lilial);デシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シクラメンホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デュピカル、オンシダール、アドキザール(adoxal);メロナール(melonal);カリプソン(calypsone);アニスアルデヒド、ヘリオトロピン;クミンアルデヒド、センテナール(scentenal);3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール(canthoxal);バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド;シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール;トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカデエナール、cis-4-ヘプテナール、フロリドラール、ブチルシンナムアルデヒド、リモネラール、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール;シトラール;シス-3-ヘキセン-1-アール、ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン;1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、δ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン;ガラバスコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料、より好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン(floralozone);イソシクロシトラール、トリプラール(リグストラール)、プレシクレモンB、リリアール(lilial);デシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シクラメンホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デュピカル、オンシダール、アドキザール(adoxal);メロナール(melonal);カリプソン(calypsone);アニスアルデヒド、ヘリオトロピン;クミンアルデヒド、センテナール(scentenal);3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール(canthoxal);バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド;シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール;トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカデエナール、cis-4-ヘプテナール、フロリドラール、サイマール、ブチルシンナムアルデヒド、リモネラール、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール;シトラール;シス-3-ヘキセン-1-アール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルデヒド含有香料原料であり、より好ましくは、第1の一価部分及び第2の一価部分の少なくとも一方は、約8~約18個の鎖原子、更により好ましくは、約10~約18個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは、鎖原子は炭素原子である、段落A~Jのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
L.有益剤が、抗菌剤、好ましくは、アセチルアセトンエノラート、ゴシポール、ヌートカトン、又はこれらの混合物から選択される抗菌剤であり、より好ましくは、第1の一価部分及び第2の一価部分の少なくとも一方が、約6~約12個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは、鎖原子が炭素原子である、段落A~Kのいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
M.有益剤化合物が、式IIによる構造によって特徴付けられ、
【0206】
【化10】
式中、添え字mは、1~6から選択され、好ましくはmは、1又は2であり、より好ましくはmは、1であり、添え字dは、1~3から選択され、好ましくはdは、2~3であり、より好ましくはdは、2であり、G及びG’は、それぞれ独立して、-O-、-S-、又は-N(R
3)-から選択され、好ましくは、Gは-O-であり、より好ましくは、G及びG’は両方とも-O-であり、R
3は、存在する場合、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくはR
3は、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは、R
3は-Hであり、Qは、1~34個の鎖原子、好ましくは約1~約18個の鎖原子、より好ましくは約2~約14個の鎖原子を含み、最も好ましくは鎖原子は炭素原子であり、R
1及びR
2は、独立して、-H又は約15~約1000Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくは独立して、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは独立して、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、Zは、有益剤断片であり、各Jは、独立して、C(R
6)
2、-O-、及び-N(R
6)-からなる群から選択され、ここで、各R
6は、独立して、H又は14Da~990Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは、R
6は、H又は14Da~186Daの分子量を有する一価部分から選択され、更により好ましくは、R
6は、Hであるが、ただし、第1のR
6及び第2のR
6は、任意に、二価置換基として一緒になってもよく、好ましくは、二価置換基は、縮合環、スピロ環、不飽和置換基、=N(R
3)、=O、及び=Sからなる群から選択され、R
3は、上記のように定義され、(a)Q及びR
6の少なくとも一方が、存在する場合、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む、及び/又は(b)R
6が存在し、Q及びR
6中の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子の数の合計が少なくとも8個である、のうち少なくとも一方が当てはまる、段落A~Lのいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
N.Qが少なくとも8個の鎖原子を含み、R
6基が、存在する場合、4個超の鎖原子を含まず、好ましくはR
6基が、存在する場合、2個超の鎖原子を含まず、より好ましくは全てのR
6基が、存在する場合、水素である、段落Mに記載のプロ有益剤化合物。
O.少なくとも1つのR
6が、少なくとも8個の鎖原子を含み、Q基が、1~4個の鎖原子を含み、好ましくはQ基が、1~2個の鎖原子を含む、段落Mに記載のプロ有益剤化合物。
P.少なくとも1つのR
1又はR
2基が、タンパク質構成アミノ酸の側鎖、好ましくはアラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、又はこれらの組み合わせ、より好ましくはアラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、又はこれらの組み合わせ、更により好ましくはアラニン、グリシン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の側鎖の構造を有する、段落M~Oのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
Q.Z基が、以下の構造により、
【0207】
【化11】
式中、「#」は複素環の隣接員への結合点を示し、R
4は、一価有機部分であり、R
5は、-H又は一価有機部分であるが、ただし、R
4及びR
5は、一緒になって環状部分を形成してもよく、「#」で印を付けた結合が破壊されると、プロ有益剤化合物は、構造R
5-C(O)-R
4により有益剤を放出する、段落M~Pのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
R.プロ有益剤化合物が、式IVによる構造によって特徴付けられ、
【0208】
【化12】
式中、Q、R
1、R
4、及びR
5、G’、及びJは上記の通りである、段落A~Qのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
S.プロ有益剤化合物が、式Vによる構造によって特徴付けられ、
【0209】
【化13】
式中、Q、R
1、R
4、R
5、及びR
6は、上記の通りである、段落M~Rのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
T.式IIについて、Qは、約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは、鎖原子の大部分又は更に全てが炭素原子であり、G=-O-であり、m=1であり、R
1は、タンパク質構成アミノ酸の側基の構造を有し、R
2は、-Hであり、d=2であり、各J=C(R
6)2であり、好ましくは、R
6は、水素であり、G’=-O-であり、Zは、香料原料、好ましくはアルデヒド部分を含む香料原料の断片である、請求項13~19のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物。
U.第2の有益剤断片を更に含み、好ましくは、式IIによる構造によって特徴付けられ、第2の有益剤断片が、Q、R
1、R
2、又はR
6からなる群の一部である、段落A~Tのいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
V.補助成分と、段落A~Uのいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物と、を含む処理組成物。
W.補助成分が、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、漂白系、酸化防止剤、安定剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、泥及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、純香料、香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、及び/又は顔料のうちの1つ以上を含む、段落Vに記載の処理組成物。
X.補助成分がコンディショニング活性物質を含み、好ましくはコンディショニング活性物質が、四級アンモニウムエステル化合物を含み、より好ましくは、四級アンモニウムエステル化合物が、処理組成物の約2重量%~約35重量%、好ましくは約4重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、好ましくは約6重量%~約15重量%、より好ましくは約7重量%~約12重量%の濃度で存在する、段落V又はWのいずれかに記載の処理組成物。
Y.処理組成物が、純香料、好ましくはアルコール含有香料原料を含む純香料を更に含む、段落V~Xのいずれか1つに記載の処理組成物。
Z.処理組成物が、消費者製品、好ましくは、布地ケア組成物、硬質表面クリーナー組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、ボディクレンジング組成物、又はこれらの混合物からなる群から選択される消費者製品である、段落V~Yのいずれか1つに記載の組成物。
AA.処理組成物が、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム若しくはムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態である、段落V~Zのいずれか1つに記載の処理組成物。
BB.プロ有益剤化合物が、処理組成物の約0.001重量%~約30重量%の濃度で処理組成物中に存在する、段落V~AAのいずれか1つに記載の処理組成物。
CC.
前駆体化合物が、式VIIによる構造によって特徴付けられ、
【0210】
【化14】
式中、基、及び添え字は上で定義した通りである、プロ有益剤前駆体化合物。
DD.プロ有益剤前駆体化合物を含むプレミックス組成物であって、前駆体化合物は、式VIIによる構造によって特徴付けられ、
【0211】
【化15】
式中、基及び添え字は上に定義される通りであり、有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含み、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤は、任意に、反応して、段落A~Uのいずれかに記載のプロ有益剤化合物を形成してもよく、プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及びプロ有益剤化合物(存在する場合)の重量パーセントの合計は、プレミックス組成物の約10重量%~約100重量%、好ましくは約25重量%~約100重量%、より好ましくは約50重量%~約100重量%、更により好ましくは約75重量%~約100重量%である、プレミックス組成物。
EE1.プレミックス組成物が水を更に含み、好ましくはプレミックス組成物がエマルジョン、より好ましくは水中油型エマルジョンの形態である、段落DDに記載のプレミックス組成物。
EE2.プレミックス組成物が、プレミックス組成物の約10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、更により好ましくは0.1重量%未満の水を含む、段落DDに記載のプレミックス組成物。
FF.プロ有益剤前駆体化合物と有益剤とのモル比が、約3:1~約1:3、好ましくは約2:1~約1:2、より好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1.2:1~約1:1.2、更により好ましくは約1:1である、段落DD又はEEのいずれか1つに記載のプレミックス組成物。
GG.段落V~BBのいずれか1つに記載の処理組成物を作製する方法であって、(a)プロ有益剤化合物を補助成分と混ぜ合わせることであって、好ましくは、補助成分がベース組成物の一部である、こと、(b)段落DD~FFのいずれかに記載のプレミックス組成物を補助成分と混ぜ合わせることであって、好ましくは、補助成分がベース組成物の一部である、こと、(c)プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及び補助成分を混ぜ合わせることであって、好ましくは、補助成分がベース組成物の一部であり、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤がそれぞれ別個の投入物としてベース組成物に添加されること、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
HH.物品又は表面の処理方法であって、任意に水の存在下で、物品又は表面を請求項V~BBのいずれか1つに記載の処理組成物で処理することを含み、任意に物品又は表面をすすぐ及び/又は乾燥させる工程を更に含む、方法。
【0212】
試験方法
プレミックス流体(例えば、水なし)の調製
プレミックス流体は、以下のように調製され得る。
方法A:アルデヒド又はケトン部分を含む有益剤を、前駆体化合物(例えば、上記式Iの前駆体化合物)中に存在するアミンラジカルのモル濃度とほぼ等しいモル当量で添加する。この物質を磁気撹拌棒を用いて、150rpmで少なくとも12時間撹拌する。
方法B:アルデヒド又はケトン部分を含む有益剤を、前駆体化合物(例えば、上記式VIIの前駆体化合物)中に存在するアミンラジカルのモル濃度とほぼ等しいモル当量で添加する。この材料を、水スカベンジャーの存在下で少なくとも12時間、150rpmで磁気撹拌棒を用いて撹拌する。得られた流体は、機械的に濾過するか、又は処理組成物に直接添加することができる。
【0213】
例示的な例として、IKA RW20DS1ミキサー、モデルRW20DS1、及びIKA R 1 342インペラブレードを350rpmで使用して、以下の合成例3に開示されるような59重量部の修飾アミノ酸を、41重量部の有益剤(例えば、シクラメンアルデヒド)と混ぜ合わされる。
【0214】
プレミックスエマルジョン(例えば、水による)の調製
プレミックスエマルジョンは、以下のように調製され得る。
方法A:前の実施例で提供された1重量部のプレミックス流体から出発して、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(10.0部、TCI)及びECOSURF(商標)EH-9(1部、The Dow Chemical Company)を添加する。混合物をFlacktek DA150.FVZ-K高速ミキサーに3,500rpmで1分間添加する。水(合計88部)を2回に分けて添加し、各水の添加後、混合物を、Flacktek Da150.FVZ-K高速ミキサーを用いて、3,500rpmで10~15分間混合する。
方法B:1重量部の前駆体化合物(例えば、疎水性修飾アミノ酸)から出発して、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(10.0部; TCI)及びECOSURF(商標)EH-9(1部、The Dow Chemical Company)を添加する。混合物をFlacktek DA150.FVZ-K高速ミキサーに3,500rpmで1分間添加する。水(合計88部)を2回に分けて添加し、各水の添加後、混合物をFlacktek Da150.FVZ-K高速ミキサーを用いて、3,500rpmで10~15分間混合する。有益剤を、前駆体化合物中に存在するアミンラジカルのモル濃度にほぼ等しいモル当量で添加する。
【0215】
例示的な例として、上記のように乳化された、以下の合成例3に開示されるような修飾アミノ酸を含有する99重量部の乳化流体(約1重量部の修飾アミノ酸を含む)が、1部の有益剤(例えば、シクラメン属アルデヒド)と混ぜ合わされる。
【0216】
試験布地強化剤/柔軟剤組成物の調製
水混合物中7.5重量%のN,N-ジ(タローオイルオキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリドを提供する。上述のプレミックス流体、上述のプレミックスエマルジョン、又は2つの別個の純流体(一方は、修飾アミノ酸などのプロ有益剤前駆体であり、他方は、1つ以上の香料原料などの有益剤である)を、布地柔軟剤中の有益剤又は有益物質断片の濃度が最終布地柔軟剤組成物の約0.3重量%となるように添加する。混合物を、IKA RW20DS1ミキサー、モデルRW20DS1、及びIKA RI342インペラブレードを使用して350rpmで5分間撹拌する。構造化剤及び付着助剤を添加し、混合物を10分間撹拌する。必要に応じて水を加えて、試験レッグ間のN,Nジ(タローオイルオキシエチル)-N,Nジメチルアンモニウムクロリドの濃度を7.3重量%に標準化し、混合物を5分間撹拌する。必要に応じて、1NのHClでpHを2~3に調整する。
【0217】
試験パスティル組成物の調製
98.01重量部の溶融PEG-8000材料と0.59重量部の合成例1のプロ有益剤プレミックス流体との混合物を、高速ミキサーカップに添加する。高速ミキサーカップを素早くFlacktek DA150.FVZ-K高速ミキサーに3500rpmで1分間入れる。4℃に予め平衡化した青色シリコーン処理ゴム型に注ぎ、10”プラスチックテーピングナイフで広げることにより、混合物からサンプルパスティルを直ちに作製する。パスティルを室温で約30分間冷却し、次いでパスティルを型から取り出し、周囲条件下で貯蔵する。
【0218】
試験布地洗剤組成物の調製
97.58重量部のTIDE Original Scent液体洗剤に、2.42重量部の合成例3Bのプロ有益剤-化合物プレミックス流体を添加する。量は、最終洗剤中の選択された有益剤又は有益物質断片の濃度が、布地処理組成物後に約1重量%となるように選択される。IKA RW20DS1ミキサー、モデルRW20DS1、及びIKA RI342インペラブレードを使用して、350rpmで10分間、混合物を撹拌する。
【0219】
食器洗浄用液体洗剤の調製
プロ有益剤化合物プレミックス流体0.6重量部を、Ultra Dawn Blue Diswashing Liquid 99.4重量部に添加する。プロ有益剤アミノ酸エステルは、食器洗浄液中の有益剤又は有益物質断片の濃度が組成後に約0.2重量%となるような量で添加される。混合物をThermo Scientific Tube Roller,Model No.88881003上で80rpmで1時間混合する。
【0220】
布地の調製方法
ヘッドスペース分析テスト用の布地を調製するために、布地サンプル(綿100%テリークロス、アイテム番号ITL 1022-15PGP、Calderon Textiles,Inc.6131 W.80tA St.、Indianapolis、Ind.46278、洗剤と布地柔軟剤の3回の洗浄サイクルで糊抜きし、調整する)を、衣類のミニ洗濯機、フルスケール機、及び衣類乾燥機を介して、北米の消費者に一致する方法で、洗剤又は布地調整剤を用いて処理する。ヘッドスペースGCMS分析(以下の方法を参照)の前に、別段の記載がない限り、布地を21.1℃及び相対湿度50%で24時間平衡化する。バラスト負荷は、約20×20インチ(50×50cm)のサイズで綿及びポリコットンニットの見本からなる。
【0221】
洗浄処理条件
以下の布地強化剤/柔軟剤組成物性能試験において、布地は以下の洗浄処理条件で処理される。洗浄:12分間撹拌、30.6℃、すすぎ:2分間撹拌、15.5℃、水の硬度:137ppm、水:7.6pH、布地負荷重量:290g、タンブル乾燥設定:50分高、綿、洗剤用量:9.65g、布地柔軟剤用量:5.71g。
【0222】
以下のパスティル組成物性能試験において、布地を以下の洗浄処理条件で処理する。North America Kenmore 600シリーズ縦型洗濯機が使用される。各機械を、12分間の洗浄撹拌期間及び1回の3分間のすすぎを含む通常の単一サイクルを実行するように設定した。使用した水は、137ppmの硬度を有し、各洗浄では30.6℃であり、すすぎでは15.5℃である。各工程における水の体積は、64リットルである。総布地負荷重量は、3.6kgである(32枚の試験布地ハンドタオル地、9枚の100%綿バラスト、及び約5枚の50/50ポリコットンバラストを含んだ)。使用した洗剤は、(The Procter & Gamble Company製の)無香料液体TIDE Original Scentであった。洗浄水が満たされている間に、洗剤を81gで洗浄水中に投入する。また、洗剤を添加した後、評価するパスティル25gを加え、続いて布地を入れる。水の充填が完了すると、機械は浸漬期間に入る。これに続いて、洗浄撹拌(通常設定)、及びすすぎ工程(対応するスピンサイクルで)を行う。洗浄プロセスが完了すると、布地を取り出す。試験布を綿/高設定のKenmore乾燥機で50分間機械乾燥するか、又は試験布を21.1℃/相対湿度50%に制御された室内で16時間ライン乾燥する。
【0223】
以下の洗剤組成物性能試験において、布地を以下の洗浄処理条件で処理する。洗浄:12分間撹拌、30.6℃、すすぎ:2分間撹拌、15.5℃、水の硬度:137ppm、水:7.6pH、布地負荷重量:290g、タンブル乾燥設定:50分高、綿、洗剤用量:9.65g、布地柔軟剤用量:5.71g。
【0224】
布地のヘッドスペース分析
次の手順で、布地上のヘッドスペースにある有益剤のレベルを判定する。
【0225】
質量選択検出器(5977B)(MSD)とケムステーション定量パッケージを備えたガスクロマトグラフ7890B、固相マイクロ抽出(SPME)プローブ又は同様のシステムを備えたGerstel多目的サンプラー、Supleco部品#57298-U(又は同様の繊維)からのジビニルベンゼン/Carboxen/ポリジメチルシロキサンSPME繊維、公称直径30m×0.25mm、膜厚0.25m、J&W 122-5532UI DB-5、20mLのヘッドスペースバイアル。
【0226】
分析用の布地を調製するために、上記方法により調製及び処理された綿テリーから、2.54cm×5.08cmの綿見本を3つ切り取る。各ピースを20mLのヘッドスペースバイアルとキャップに入れる。
【0227】
Gerstelオートサンプラーのパラメータは、以下の通りである:SPME-インキュベータ由来、インキュベーション温度-65℃、インキュベーション時間-10.00分サンプルパラメータ、バイアル浸透量-22.00mm、抽出時間-5.00分、初期浸透量-54.00mm、脱着時間-300秒。GCオーブンのパラメータは、以下の通りである:フロントSSインレットHeの場合、モード-スプリットレス、ヒータ-270℃、GC運転時間-14.28分である。オーブンの場合、初期温度-40℃、保持時間-0.5分、加熱プログラム-17℃/分の速度、270℃の温度、0.25分の保持時間。MSDパラメータは以下の通りである。スキャンモードで、最小範囲35~350m/zで実行する。
【0228】
標準の有益剤材料から較正曲線を生成する。ケムステーションソフトウェア(又は同様の定量ソフトウェア)で、各香料成分の較正曲線を使用して、ヘッドスペースの質量を計算する。
【0229】
組成物の色の変化
処理組成物は、以下の手順に従って色の変化について試験してもよい。L*、a*、及びb*を含む反射率スペクトル及び色測定は、LabScan XE反射率分光光度計を用いて作製した(HunterLabs、バージニア州レストン、;D65光源、10度視野、紫外光を除外)。処理組成物についてのL*、a*、及びb*値は、時間tinitial、すなわち、有益剤中で混合した後の試験の開始時、及びtfinal、すなわち、各実験において定義される安定性試験の終了時に測定される。処理組成物の総色変化(ΔE)は、以下の式を用いて、各時点tで収集されたデータに基づいて計算される。
ΔEt=((L*
c-L*
s)2+(a*
c-a*
s)2+(b*
c-b*
s)2)1/2
式中、下付き文字c及びsは、それぞれ、対照、すなわち、nil有益剤を有する処理組成物と、サンプル、すなわちそれぞれのアルデヒド/ケトン有益剤を有する処理組成物とを指し、ΔEtを計算するために使用される値は、対応する時点tinitial及びtfinalにおける値である。
【0230】
4翼IKA RW20インペラを用いてオーバーヘッド混合しながら、プロ有益剤流体プレミックス(水なし)をベース処理組成物に添加し、15分間穏やかに混合することによって、サンプルを調製した。処理組成物を、標準スクリューキャップを備えた50mL(25cm2)CELLSTAR(登録商標)細胞培養フラスコに入れる。特定の温度でtinitial及びafter tfinal時に、各処理組成物サンプルの色の外観を、LabScan XE 10反射分光光度計上で測定する(HunterLabs,Reston,VA;B.;D65光源、10度視野、紫外光を除外)。
【0231】
非イオン性界面活性剤のHLB値
非イオン性界面活性剤は、界面活性剤分子中の親水性部分と親油性部分との間のバランスによって分類することができる。1949年にGriffinによって考案された親水性-親油性バランス(HLB)スケールは、界面活性剤の性質を特徴付けるために使用される0~20(20が親水性である)のスケールである。界面活性剤のHLBは、以下のように計算することができる:
HLB=20*Mh/M
(式中、Mhは、分子の親水性部分の分子であり、Mは、分子全体の分子量であり、結果は0~20のスケールで与えられる)。HLB値0は完全に親油性/疎水性の分子に対応し、20の値は完全に親水性/疎油性の分子に対応する。Griffin, W. C.Calculation of HLB values of Nonionic Surfactants, J. Soc.Cosmet.Chem.1954, 5, 249-256を参照。一般に使用される界面活性剤のHLB値は、文献から容易に入手可能である(例えば、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,MC Publishing Co.,2004におけるHLB指数)。界面活性剤の混合物のHLB値は、界面活性剤のHLB値の加重平均として計算することができる。
【0232】
logPを決定するための試験方法
オクタノール/水分配係数の対数(logP)の値は、本明細書に記載されるような材料(疎水性物質/Q基又はPRMのアルコールバージョンなど)について計算される。
【0233】
個々の材料のlogP値は、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(Toronto,Canada)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.5(Linux(登録商標))を用いて計算され、無単位のlogP値が得られる。ACD/LabsのConsensus logP Computational Modelは、ACD/Labsモデルスイートの一部である。
【実施例】
【0234】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0235】
合成例
以下の合成例1~7は、本開示による、例示的なプロ有益剤化合物(例えば、合成例1)及びこれらのアルカノールアミン含有前駆体(例えば、合成例1’))の合成を例示する。
【0236】
比較合成例Aは、比較の修飾アミノ酸エステルを示す。比較合成例Aは、イミン部分を介してアルデヒドと相互作用し、これは、本明細書に記載される複素環形成物質とは化学的に異なる。
【0237】
一貫性及び例示/比較目的のために、各実施例は、異なる純プロ有益剤前駆体化合物を、以下に提供される構造を有する同じ香料原料プレシクレモンB(四級α炭素アルデヒド部分を含有する)と反応させる。追加の例として、合成例2B、3、及び4は、第三級αカーボンアルデヒド部分を含有するシクラメンアルデヒドと共にプロ有益剤化合物を形成する。PRMの構造を以下に示す。
【0238】
【0239】
しかしながら、本開示による他のアルデヒロ又はケトン含有有益剤もまた、好適なプロ有益剤化合物の形成をもたらし得ることが理解される。これらのいくつかは、以下の性能実施例において例示され、試験される。
【0240】
また、合成例は、液体プレミックスエマルジョンとして、又は純流体として、又は上記のような液体プレミックス流体として処理組成物に配合されてもよいことも理解される。しかしながら、以下に報告される性能実施例及び安定性実施例の場合、全ての合成例は、別段の指示がない限り、処理組成物中に液体プレミックス流体として直接配合されると想定される。
【0241】
各合成例について、得られたプロ有益剤化合物(例えば、変性アルカノールアミンアミノ酸エステル)をプレシクレモンB(又は合成例2B、3、及び4の場合、シクラメンアルデヒド)と共に示し、以下の表Dに提供する。修飾アミノ酸エステルである比較合成例Aは、表Dにおいてシンナムアルデヒドで例示されているが、複素環形成プロ有益修飾アミノ酸エステルを含有していない。
【0242】
プロ有益剤化合物(例えば、修飾アミノ酸エステル)の調製方法
以下の合成例において、材料は、以下に示される場合を除いて、一般的にSigma-Aldrich(米国ミズーリ州、セントルイス)から得られる/入手可能である。アミノ酸は、一般に98%超又は更に99%超の純度で提供される。アルコールは、一般に、97%超、98%超、又は更に99%超の純度で提供される。シクラメンアルデヒド及びシンナムアルデヒド(例えば、Sigma-Aldrich)は、95%超の純度で提供される。プレシクレモンBは、IFF、ニューヨーク州ニューヨークから入手可能である。
【0243】
一般的な方法A:アミノ酸エステル前駆体化合物の一般的な調製
アミノ酸及びアルキルアルコールからアミノ酸エステル化合物を調製するために、丸底フラスコに、1当量の遊離塩基アミノ酸出発物質を充填する。1当量の選択されたアルコール試薬をフラスコに添加し、続いて1.2当量のp-トルエン-スルホン酸一水和物(PTSA)を添加する。次いで、フラスコ中の物質をトルエンで希釈し、ディーン-スターク装置を用いて12時間還流する。次いで、トルエンを真空下で除去し、得られた粗物質をクロロホルムに溶解する。溶液をEt3Nで中和し、NaHCO3で3回洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させる。残留溶媒を除去し、洗浄した物質をシクロヘキサンで希釈し、次いで0℃で少なくとも12時間貯蔵する。溶出液を回収し、所望の修飾アミノ酸エステルを得る。
【0244】
一般的方法B:プロ有益剤前駆体化合物(例えば、アルカノールアミン修飾アミノ酸エステル)の一般的調製
丸底フラスコに、1当量のアミノ酸エステル前駆体(一般的方法Aにほぼ記載されるようなもの、又は市販の供給源からのもの)を入れる。フラスコに、1.2当量の標的オキシラン物質及び20重量%のトリフルオロエタノールを添加する。得られた混合物を少なくとも8時間還流する。冷却後、溶媒を除去する。次いで、得られた物質を、EtOAc対ヘキサン(V/V)の段階的な1:15~1:4溶出を使用するシリカゲルクロマトグラフィによって更に精製する。
【0245】
一般的方法C:プロ有益剤化合物の一般的調製
丸底フラスコに、1当量のアルカノールアミン修飾アミノ酸前駆体(例えば、一般的方法Bに一般的に記載されるようなもの)を充填する。フラスコに、1当量のシクラメンアルデヒド又はプレシクレモンBのいずれかを添加する。流体に、20重量%の4Åモレキュラーシーブを添加し、混合物を12時間撹拌する。得られた混合物を、Pyrex 36060-30M Brand 36060フリット漏斗を使用して濾過し、直接使用する。
【0246】
比較合成例A*
10.0gのL-バリン、16.1gの1-ドデカノール、及び19.5gのPTSA・H2Oを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように比較合成例A’*を調製した。次に、合成例A’*の単離された流体を、一般的な方法Cに記載したようにシンナムアルデヒドと混合したが、アルカノールアミンアミノ酸前駆体を一般法Aから得られたアミノ酸エステル前駆体で置き換えた。反応により、比較合成例A*を得る。独立した流体A*は、1H NMRによって数ヶ月間安定であるように見える。
【0247】
合成例1
10.0gのL-バリン、23.1gの1-オクタデカノール、及び19.5gのPTSA.H2Oを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように第1のステップを行った。次いで、第1工程で得られた物質及び1.2当量のプロピレンオキシドを使用した以外は、一般的方法Bに記載されるように合成例1’を調製した。次いで、単離された前駆体合成例1’を、一般的方法Cに記載されるようにプレシクレモンB(IFF、ニューヨーク州ニューヨーク)と混合し、合成例1’を得た。無色の独立した流体1は、1H NMRによって数ヶ月間安定であるように見える。
【0248】
合成例2A
2.2gのトリフルオロエタノール中の10gのL-バリンエチルエステル塩酸塩(Sigma Aldrich、米国ミズーリ州、セントルイス)の溶液に、1当量のEt3Nを添加する。次に、1.2当量の1,2-エポキシドデカンを使用した以外は一般的方法Bに記載したように合成例2’を調製した。次いで、単離された前駆体合成例2’を、一般的方法Cに記載されるようにプレシクレモンB(IFF、ニューヨーク州ニューヨーク)と混合し、合成例2Aを得た。無色の独立した流体2Aは、1H NMRによって数ヶ月間安定であるように見える。
【0249】
合成例2B
2.2gのトリフルオロエタノール中の10gのL-バリンエチルエステル塩酸塩(Sigma Aldrich、米国ミズーリ州、セントルイス)の溶液に、1当量のEt3Nを添加する。次に、1.2当量の1,2-エポキシドデカンを使用した以外は一般的方法Bに記載したように合成例2’を調製した。次いで、単離された前駆体合成例2’を、一般的方法Cに記載されるようにシクラメン属アルデヒド(Sigma Aldrich,米国ミズーリ州、セントルイス)と混合して、合成例2Bを得た。無色の独立した流体2Bは、1H NMRによって数ヶ月間安定であるように見える。
【0250】
合成例3
10.0gのL-バリン、16.1gの1-ドデカノール、及び19.5gのPTSA・H2Oを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように第1の工程を行った。次いで、合成例3’を、第1工程で得られた物質及び1.2当量のブチルグリシジルエーテルを使用した以外は、一般的方法Bに記載されるように調製した。次いで、単離された前駆体合成例3’を、一般的方法Cに記載されるようにシクラメン属アルデヒド(Sigma Aldrich、米国ミズーリ州、セントルイス)と混合して、合成例3を得た。無色の独立した流体3は、1H NMRによって数ヶ月間安定であるように見える。
【0251】
合成例4
10.0gのL-バリン、16.1gの1-ドデカノール、及び19.5gのPTSA・H2Oを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように第1の工程を行った。次いで、第1の工程で得られた物質及び1.2当量のプロピレンオキシドを使用した以外は、一般的方法Bに記載されるように合成例4’を調製した。次いで、単離された前駆体合成例4’を、一般的方法Cに記載されるようにシクラメン属アルデヒド(Sigma Aldrich、米国ミズーリ州、セントルイス)と混合して、合成例4を得た。無色の独立した流体4は、1H NMRによって数ヶ月間安定であるように見える。
【0252】
合成例5
2.2gのトリフルオロエタノール中の10gのL-アラニンエチルエステル塩酸塩(Sigma Aldrich、米国ミズーリ州、セントルイス)の溶液に、1当量のEt3Nを添加する。次に、1.2当量の1,2-エポキシドデカンを使用した以外は、一般的方法Bに記載したように合成例5’を調製した。次いで、単離された前駆体合成例5’を、一般的方法Cに記載されるようにプレシクレモンB(IFF、ニューヨーク州ニューヨーク)と混合して、合成例5を得た。無色の独立した流体5は、1H NMRによって数ヶ月間安定であるように見える。
【0253】
合成例6
10.0gのL-バリン、11.1gの1-オクタノール、及び19.5gのPTSA.H2Oを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように第1のステップを行った。次いで、第1の工程で得られた物質及び1.2当量のブチルグリシジルエーテルを使用した以外は、一般的方法Bに記載されるように合成例6’を調製した。次いで、単離された前駆体合成例6’を、一般的方法Cに記載されるようにプレシクレモンB(IFF、ニューヨーク州ニューヨーク)と混合して、合成例6を得た。無色の独立した流体6は、1H NMRによって数ヶ月間安定であるように見える。
【0254】
合成例7
10.0gのL-バリン、11.1gの1-オクタノール、及び19.5gのPTSA・H2Oを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように第1の工程を行った。次いで、第1工程で得られた物質及び1.2当量のプロピレンオキシドを使用した以外は、一般的方法Bに記載されるように合成例7’を調製した。次いで、単離された前駆体合成例7’を、一般的方法Cに記載されるようにプレシクレモンB(IFF、ニューヨーク州ニューヨーク)と混合し、合成例7を得た。無色の独立した流体7は、1H NMRによって数ヶ月間安定であるように見える。
【0255】
合成例の構造
以下の表Dは、合成例1~7の構造、並びにこれらの前駆体化合物(「’」」で示される)を示す。
【0256】
表Dはまた、前駆体として比較合成例A*、及びイミン結合を含む修飾アミノ酸エステルの比較合成例A*を含む。比較例は、アスタリスク(*)でマークされる。
【0257】
【0258】
【0259】
以下の性能実施例及び安定性実施例において、複素環プロ有益剤前駆体化合物(例えば、アルカノールアミン変性アミノ酸エステル分子)及び示された香料原料は、上記の試験方法セクション(「プレミックス流体の調製」)に見出される方法と一致する手順に実質的に従って混合される。合成例の単一PRM断片と性能及び安定性実施例の単一PRM断片との間で調製方法が異なるにもかかわらず、複素環プロ有益剤化合物に関する入力及び出力は実質的に同じである。
【0260】
性能実施例
以下の性能実施例1~4では、純香油、又は本開示による複素環プロ有益剤化合物(例えば、アルカノールアミン修飾アミノ酸エステルに基づく)、又は比較修飾アミノ酸エステルを含むプレミックスエマルジョンを含む処理組成物を、上記の布地処理方法に従って自動洗濯機での処理サイクルを介して比較する。処理後、布地を、上に提供した試験方法によってヘッドスペース分析について試験する。以下のデータは、疎水性修飾アミノ酸エステルによって与えられる利益、及び有益剤を送達する際の複素環を介した有益剤とのそれらの相互作用を示す。
【0261】
性能実施例1.乾燥粒子配合物における利点
最初に、合成例1’を上記のようにアルデヒド調合と反応させて合成例1と同様の構造を得るが、プレシクレモンBの断片を添加したアルデヒドアコードの断片で置換する。この実施例では、材料の配合物は、乾燥形成粒子用途で調整される(例えば、担体としてポリエチレングリコールを含むパスティル、Procter&Gamble CompanyによってDOWNY UNSTOPABLES(商標)として販売されているものとサイズ及び形状が類似している)。各レッグの粒子の配合物を表1Aに提示し、ここで、合成例1は、上で詳述したようにプレミックス流体として導入される。量は、組成物の重量%として示す。
【0262】
【表6】
a累積純原料は、0.66重量%のアルデヒド調合に等しかった。調合の配合は、以下のように構成される:10重量%のメチルノニルアセトアルデヒド、40重量%のP.T.ブシナール、20重量%のプレシクレモンB、及び30重量%のフロラロゾン。
【0263】
以下の実施例では、合成例1のプレミックス材料を、上記の試験方法で提供されるように調製された試験布地錠剤組成物に提供する。試験布地を調製し、洗浄処理し、上記の試験方法に従って乾燥布地上のヘッドスペース分析について試験する。性能試験結果を表1Bに提示する。
【0264】
【表7】
α累積純原料は、0.66重量%のアルデヒド調合に等しかった。調合の配合は、以下のように構成される:10重量%のメチルノニルアセトアルデヒド、40重量%のP.T.ブシナール、20重量%のプレシクレモンB、及び30重量%のフロラロゾン。
【0265】
表1Bに示されるように、乾燥粒子配合物中の合成例1は、すすぎ及び乾燥機を通じて、純原料を上回る利点を示す。
【0266】
性能実施例2.液体布地強化剤配合物における利点
複素環プロ有益修飾アミノ酸材料合成例2Aを、液体布地強化剤配合物中で試験した。以下の実施例では、それぞれの試験レッグに記載される等モル濃度のアルデヒド有益剤を、上記のような前駆体アルカノールアミンアミノ酸に提供し、次いで、上記の試験方法で提供されるように調製される試験布地強化剤/柔軟剤組成物に配合する。試験布地を調製し、洗浄処理し、上記の試験方法に従って布地上のヘッドスペース分析について試験する。
【0267】
布地上ヘッドスペース分析試験の結果を以下の表2Aに提示する。
【0268】
【表8】
α有益な配合物は、0.2重量%のプレシクレモンBである。
【0269】
表2Aに示されるように、複素環形成修飾アミノ酸エステル2Aは、純原料よりも総ヘッドスペースの改善をもたらした。
【0270】
性能実施例3.一価部分の効果
これらの材料を更に評価するために、立体的に妨害の少ないアルデヒド材料を試験した。以下の実施例では、それぞれの試験レッグに記載されている等モル濃度のシクラメン属アルデヒドを、上記のようにアルカノールアミン前駆体アミノ酸の合成例2B、3、及び4に提供し、次いで、上記の試験方法で提供されているように調製した試験布地強化剤/柔軟剤組成物に配合する。
【0271】
便宜上、第1の一価部分(すなわち、コアのカルボニル部分で結合している部分、Q基)及び第2の一価部分(すなわち、複素環部分に結合している部分、R6基)の構造を各々、以下の表3Aに提示する。以下に提供される構造において、記号「#」は、それぞれの結合点を示す。
【0272】
【0273】
試験布地を調製し、洗浄処理し、上記の試験方法に従って布地上のヘッドスペース分析について試験する。布地上ヘッドスペース分析試験の結果を以下の表3Bに提示する。
【0274】
【表10】
α有益な配合物は、0.2重量%のシクラメンアルデヒドである。
【0275】
表3に示されるように、アルカノールアミン修飾アミノ酸エステル2B、3、及び4は、純原料よりも総ヘッドスペースの改善をもたらした。
【0276】
ドデシルエステルアミノ酸材料3及び4は、複素環上の置換によってのみ異なる。グリシジルエーテル構築物3は、比較的電子不足であり、洗浄を通じてシクラメンアルデヒドのより高いヘッドスペースを送達した。
【0277】
更に、3を合成例2Bと比較すると、複素環上のより長い疎水性部分と組み合わせてコアに結合したより短いエステルが最も好ましい置換パターンであることが示唆される。アミノ酸バリンエチルエステルに基づく合成例2Bは、シリーズの中で最も高い総ヘッドスペースを有していた。
【0278】
性能実施例4.立体障害(異なるアミノ酸側鎖基を含む)の比較
アミノ酸側鎖の立体障害の影響を、液体布地配合物において調べた。本実施例では、様々なプロ有益剤化合物を試験する。
【0279】
以下の実施例では、それぞれの試験レッグに記載される等モル濃度のアルデヒド有益剤を、上記のアルカノールアミン前駆体アミノ酸に提供し、次いで、上記の試験方法で提供されるように調製される試験布地強化剤/柔軟剤組成物に配合する。試験布地を調製し、洗浄処理し、上記の試験方法に従って布地上のヘッドスペース分析について試験する。
【0280】
各試験化合物の(非水素)側基(R1)、第1の一価部分(Q)、及び第2の一価部分(R6)を以下の表4Aに提示する。記号「#」は、相対位置で結合点がどこにあるかを示す。
【0281】
【0282】
表4B及びその後の表の両方において、「合成例5」などと書かれた行については、サンプルは、列挙された合成例において提供された方法及び前駆体に実質的に従って調製されたが、シクラメンアルデヒド又はプレシクレモンBのみではなく、成績表に列挙された有益剤材料(前駆体アルカノールアミン修飾アミノ酸エステルに対して等モル濃度で)を用いて調製され、上で詳述されたようにプレミックス流体として配合されたことが理解される。
【0283】
布地上ヘッドスペース分析試験の結果を以下の表4Bに提示する。
【0284】
【表12】
α累積純原料は、0.2重量%のアルデヒド調合に等しかった。調合の配合は、以下のように構成される:10重量%のメチルノニルアセトアルデヒド、40重量%のP.T.ブシナール、20重量%のプレシクレモンB、及び30重量%のフロラロゾン。
【0285】
本実施例において例示されるように、合成例5、6、及び7の複素環修飾アラニンエステルは、純粋な原料及びバリンエチルエステルに基づくもの(合成例2)よりも総ヘッドスペースの改善をもたらした。改善は、合成例5、6、及び7におけるアルデヒド原料P.T.ブシナール及びメチルノニルアセトアルデヒドで特に顕著である。理論に束縛されることを望むものではないが、アミノ酸側鎖基と有益剤上のα炭素の置換との間の立体反発が、性能に強く影響し得る可能性がある。
【0286】
先の性能実施例で説明したように、この試験はまた、エチルエステル(合成例5)及びグリシジルエーテル(合成例6)アミノ酸構築物が合成例7よりも好ましい可能性があることを示唆する。これは、複素環コア上の疎水性の量に基づく加水分解速度の差に起因する可能性があり、複素環の周りの疎水性は、アミノ酸エステルのカルボニル含有部分に結合した疎水性よりも好ましい可能性がある。
【0287】
安定性実施例
安定性実施例1では、プレミックス流体中のプロ有益剤化合物(例えば、修飾アミノ酸エステル)を処理組成物に配合し、貯蔵時の色安定性を記録する。
【0288】
安定性実施例1液体処理組成物における色安定性
複素環形成プロ有益剤前駆体(例えば、修飾アミノ酸エステル)及び香料原料を含む流体形態のプレミックス、並びにこのようなプレミックス流体から形成される関連する布地柔軟剤製品が調製される。プレミックス流体(又は純PRM)を含む布地柔軟剤製品の色測定は、上記の試験方法に記載されているように測定される。比較的低いΔEt値は、新鮮な生成物と比較して比較的少ない色変化を示す。
【0289】
アルデヒド含有有益剤は、処理組成物全体の0.2重量%で配合される。アルデヒド系香料組成物は以下の通りである:10重量%のメチルノニルアセトアルデヒド、35重量%のP.T.ブシナール、20重量%のプレシクレモンB、30重量%のフロラオゾン、及び5重量%のシンナムアルデヒド)。先の実施例と同様に、合成例は、単にシクラメンアルデヒド又はプレシクレモンBではなく列挙されたアルデヒドを用いて作製され、上で詳述されたようなプレミックス流体の形態の前駆体化合物(例えば、合成例2’)と反応させられることが理解される。修飾アミノ酸エステル及び上記と同じアルデヒドを用いて、比較組成物を作製する(例えば、比較例A*)。
【0290】
1週間貯蔵したときの布地柔軟剤製品の色安定性は、上記の組成物試験方法の色変化によって評価される。結果を下の表S1に示す。
【0291】
【表13】
aΔE
tは、試験方法において定義されるように計算される。
【0292】
表S1に示されるように、複素環形成修飾アミノ酸エステルを有益剤断片と組み合わせて含有する合成例2を用いて配合された生成物は、純原料を用いて形成された製品と同様のΔEtを示す。
【0293】
更に、合成例2を用いて配合された生成物は、50℃での貯蔵後、比較合成例A*のイミン含有修飾アミノ酸エステルを用いて配合された生成物と比較して、より比較的低いΔEtを示す。理論に束縛されるものではないが、π結合は、比較合成例A*で表されるイミンの色強度の原因である可能性が高いと考えられる。π結合共役の影響は、シンナムアルデヒドを使用して更に強調され、イミン形成時の拡張共役が可視波長着色をもたらす。追加的に又は代替的に、複素環における結合の性質は静的π結合を排除する結果、合成例2の複素環部分をもたらし、共役の減少及び縮合副反応の減少に起因して経時的な色安定性の改善をもたらすと考えられる。
【0294】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0295】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0296】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補助成分とプロ有益剤化合物とを含む処理組成物であって、
前記プロ有益剤化合物は、式IIによる構造によって特徴付けられ、
【化1】
式中、添え字mは、1~6から選択され、
好ましくはmは、1又は2、より好ましくはmは、1であり、
添え字dは、1~3から選択され、
好ましくはdは、2~3であり、より好ましくはdは、2であり、
G及びG’は、それぞれ独立して、-O-、-S-、又は-N(R
3)-から選択され、
好ましくはGは、-O-であり、より好ましくはG及びG’は、両方とも-O-であり、
R
3は、存在する場合、-H又は、約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、
好ましくは、式中、R
3は、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、
より好ましくは、R
3は-Hであり、
Qは、1~34個の鎖原子を含み、
好ましくは約1~約18個の鎖原子、より好ましくは約2~約14個の鎖原子、最も好ましくは鎖原子が炭素原子であり、
式中、R
1及びR
2は、独立して、-H又は約15~約1000Daの分子量を有する一価部分から選択され、
好ましくは、独立して、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から選択され、
より好ましくは、独立して、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、
Zは、有益剤断片であり、
各Jは、独立して、C(R
6)
2、-O-、及び-N(R
6)-からなる群から選択され、
各R
6は、独立して、H又は14~990Daの分子量を有する一価部分から選択され、
より好ましくは、R
6は、H又は14~186Daの分子量を有する一価部分から選択され、
更により好ましくは、R
6は、Hであり、
ただし、第1のR
6及び第2のR
6は、可能であれば、任意に二価置換基として一緒になっていてもよく、
好ましくは、前記二価置換基は、縮合環、スピロ環、不飽和置換基、=N(R
3)、=O、及び=Sからなる群から選択され、
R
3は、上記のように定義され、
以下:
(a)Q及びR
6の少なくとも一方が、存在する場合、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個の鎖原子、好ましくは、炭素原子を含む、及び/又は
(b)R
6が存在し、Q及びR
6中の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子の数の合計が、少なくとも8である、
のうちの少なくとも一方が当てはまり、
前記処理組成物は、布地ケア組成物、硬質表面クリーナー組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、ボディクレンジング組成物、又はこれらの混合物からなる群から選択される消費者製品である、処理組成物。
【請求項2】
Qは、少なくとも8個の鎖原子を含み、R
6基は、存在する場合、4個超の鎖原子を含まず、
好ましくは、R
6基は、存在する場合、2個超の鎖原子を含まず、
より好ましくは、前記全てのR
6基は、存在する場合、水素である、請求項1に記載の処理組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのR
6は、少なくとも8個の鎖原子を含み、前記Q基は、1~4個の鎖原子を含み、
好ましくは、Q基は、1~2個の鎖原子を含む、請求項1に記載の処理組成物。
【請求項4】
少なくとも1つのR
1又はR
2基は、タンパク質構成アミノ酸の側鎖、
好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の側鎖、
より好ましくは、アラニン、グリシン、バリン、フェニルアラニン、又はこれらの組み合わせ、
更により好ましくは、アラニン、グリシン、又はこれらの組み合わせ、の構造を有する、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項5】
前記Z基は、以下の構造により、
【化2】
式中、「#」は、複素環の隣接員への結合点を示し、
R
4は、一価有機部分であり、
R
5は、-H又は一価有機部分であり、
ただし、R
4及びR
5は一緒になって環状部分を形成してもよく、
「#」でマークされた前記結合が破壊されると、前記プロ有益剤化合物は、構造R
5-C(O)-R
4による有益剤を放出する、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項6】
前記プロ有益剤化合物は、式IVによる構造によって特徴付けられ、
【化3】
式中、Q、R
1、R
4、及びR
5、G’、及びJは上記の通りである、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項7】
前記プロ有益剤化合物は、式Vによる構造によって特徴付けられ、
【化4】
式中、Q、R
1、R
4、R
5、及びR
6は、上記の通りである、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項8】
式IIについて、
Qは、約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、
好ましくは、鎖原子のほとんど又は更に全てが炭素原子であり、
G=-O-であり、
m=1であり、
R
1は、タンパク質構成アミノ酸の側基の構造を有し、
R
2は、-Hであり、
d=2であり、
各J=C(R
6)
2であり、好ましくは、R
6は、水素であり、
G′=-O-であり、
Zは、香料原料、好ましくはアルデヒド部分を含む香料原料の断片である、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項9】
前記有益剤断片は、香料原料、抗菌剤、農薬、昆虫忌避剤、抗真菌剤、除草剤、色相染料、酸化防止剤、非香料官能基剤、又はこれらの組み合わせ、
好ましくは、香料原料、抗菌剤、又はこれらの組み合わせ、から選択される有益剤の断片である、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項10】
前記有益剤断片は、アルデヒド部分を含む有益剤の断片、
好ましくは、アルデヒド部分を含む香料原料の断片である請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項11】
前記有益剤断片は、香料原料の断片、
好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン、イソシクロシトラール、トリプラール(リグストラール)、プレシクレモンB;リリアール、デシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シクラメンホモアルデヒド;シクラメンアルデヒド、デュピカル、オンシダール、アドキザール、メロナール、カリプソン、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、クミンアルデヒド、センテナール、3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール、バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール;トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカデエナール、cis-4-ヘプテナール、フロリドラール、ブチルシンナムアルデヒド;リモネラール、アミルシンナムアルデヒド;ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール、シトラール、シス-3-ヘキセン-1-アール;ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン、1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、δ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン、ガラバスコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料、
より好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン;イソシクロシトラール、トリプラール(リグストラール)、プレシクレモンB;リリアール;デシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、シクラメンホモアルデヒド;シクラメンアルデヒド、デュピカル、オンシダール、アドキザール;メロナール;カリプソン;アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、クミンアルデヒド、センテナール、3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール;バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール;トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカデエナール、cis-4-ヘプテナール、フロリドラール、サイマール、ブチルシンナムアルデヒド;リモネラール、アミルシンナムアルデヒド;ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール、シトラール、シス-3-ヘキセン-1-アール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアルデヒド含有香料原料であり、
より好ましくは、前記第1の一価部分及び前記第2の一価部分の少なくとも1つは、約8~約18個の鎖原子、
更により好ましくは約10~約18個の鎖原子を含む有機基である、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項12】
前記補助成分は、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、漂白系、酸化防止剤、安定剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、泥及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、純香料、香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、及び/又は顔料のうちの1つ以上を含む、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項13】
前記補助成分は、コンディショニング活性物質を含み、
好ましくは、前記コンディショニング活性物質が、四級アンモニウムエステル化合物を含み、
より好ましくは、前記四級アンモニウムエステル化合物は、前記処理組成物の約2重量%~約35重量%、好ましくは約4重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、好ましくは約6重量%~約15重量%、より好ましくは約7重量%~約12重量%の濃度で存在する、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項14】
前記処理組成物は、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム若しくはムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態である、請求項
1に記載の処理組成物。
【請求項15】
前記プロ有益剤化合物は、前記処理組成物の約0.001重量%~約30重量%の濃度で前記処理組成物中に存在する、請求項
1に記載の処理組成物。
【国際調査報告】