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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】電極組立体
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20231207BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20231207BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20231207BHJP
   H01M 50/466 20210101ALI20231207BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20231207BHJP
   H01M 10/0583 20100101ALI20231207BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/46
H01M50/489
H01M50/466
H01M10/052
H01M10/0583
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532231
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 KR2022010007
(87)【国際公開番号】W WO2023282720
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090588
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090589
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090592
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユーン、セ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボムス
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒーヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ナム
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ジョンウー
【テーマコード(参考)】
5H021
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H021AA06
5H021CC19
5H021HH00
5H021HH10
5H028AA05
5H028CC07
5H028CC10
5H028CC11
5H028HH00
5H029AJ14
5H029AK02
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029BJ14
5H029CJ03
5H029CJ05
5H029DJ04
5H029DJ12
5H029HJ00
5H029HJ03
5H029HJ12
(57)【要約】
本発明は、積層軸に沿ってスタックに配列された複数の電極を含み、スタックのそれぞれの電極は、その間に位置されたそれぞれの分離器の部分によってスタックの電極のうち連続した電極から積層軸に沿って分離された電極組立体に関する。スタックの少なくとも1つの外部表面は、第1領域および第2領域を定義するパターンを含んでもよく、ここで、第2領域に対応するスタックの第2部分は、第1領域に対応するスタックの第1部分とは異なる特性または高さを有する。前記特性は、積層物の少なくとも1つの外面の陰影または色相、第1および第2領域における分離膜部の通気性、および第1および第2領域における電極と分離膜部との間の接着力のいずれかを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層軸に沿って積層物に配列された複数の電極を含み、
前記積層物内のそれぞれの電極は、前記積層物内の電極のうち1つから前記積層軸に沿ってその間に位置するそれぞれの分離膜によって分離され、
前記積層物の少なくとも1つの外部表面は、第1領域および第2領域で構成されたパターンを含み、
前記第2領域に対応する前記積層物の第2部分は、前記第1領域に対応する前記積層物の第1部分とは異なる特性または高さを有する、電極組立体。
【請求項2】
前記第2領域に対応する前記積層物の第2部分は、前記第1領域に対応する前記積層物の第1部分とは異なる特性を有し、
前記特性は、前記積層物の少なくとも1つの外面の陰影、色相、前記第1領域と第2領域の分離膜部分の通気性、および第1領域と第2領域の電極と分離膜部分との間の接着力のいずれかを含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記パターンを含む前記積層物の少なくとも1つの外面は、前記積層軸に沿って前記積層物の対向する側面から、前記積層物の上面、下面または上面と下面の両方である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記パターンは、前記第1領域のうち2つ以上および前記第2領域のうち2つ以上を含み、
前記第1領域は互いに離間し、前記第2領域は互いに離間している、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記第1領域と前記第2領域は、前記積層物の幅方向に沿って交互に位置し、
前記幅方向は、前記積層軸を横切る、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記第1領域は、前記第2領域の幅より小さい幅を有する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記パターンは複数の前記第2領域を含み、前記第1領域の数は前記第2領域の数より少ない、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記分離膜は前記電極に接着され、前記積層軸に沿って100mm/minの速度で前記分離膜と接着された前記電極のそれぞれから前記分離膜のうち1つを剥離するために、前記分離膜のうち一つの縁に加えられる剥離力を有し、
前記第1領域に対応する第1部分での剥離力は、前記第2領域に対応する第2部分での剥離力とは異なり、
前記第1部分と前記第2部分の剥離力の差は、0.1gf/20mm~11gf/20mmである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記分離膜は、0.05MPaの圧力でそれぞれの前記分離膜の平方インチ当たり100ml/secの通気度を有し、
前記第1領域に対応する第1部分の分離膜の通気性値が、前記第2領域に対応する第2部分の分離膜の通気性値とは異なり、前記第1部分と前記第2部分との通気度の差は、2秒/100ml~25秒/100mlである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記分離膜は、延長された分離膜シートで備えられ、前記延長された分離膜シートは、前記積層軸に垂直な横方向に沿って前後に横断する曲がりくねった経路に沿って前記積層軸からそれぞれ連続した電極の間で延びるように、それぞれの前記分離膜の間で折り畳まれ、
前記積層物内の各電極は、横方向に前記各電極の対向する側面に第1側面端部および第2側面端部を含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記積層物は、前記積層物の周りを取り囲む外部分離膜をさらに含む、請求項10に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記外部分離膜は、前記分離膜と一体である、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記外部分離膜の内側は、前記延長された分離膜のフォールディング部または前記積層物の少なくとも1つの電極の第1側面端部または第2側面端部のうち少なくとも1つに熱接合される、請求項11に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記積層物内の電極のそれぞれは、前記分離膜のうち隣接した一つに熱的に接合される、請求項1に記載の電極組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月9日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0090592号、2021年7月9日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0090588号、2021年7月9日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0090589号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【0002】
本発明は電極組立体に関する。具体的に、本発明は二次電池の電極組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、一次電池とは異なり、再充電が可能であり、また小型および大容量化の可能性のため、近年多く研究開発されている。モバイル機器に対する技術開発と需要が増加するにつれて、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。
【0004】
二次電池は、電池ケースの形状に応じて、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、およびポーチ型電池に分類される。二次電池において電池ケースの内部に取り付けられる電極組立体は、電極および分離膜の積層構造からなる充放電が可能な発電素子である。
【0005】
電極組立体は、ゼリーロール(Jelly-roll)型、スタック型およびスタックアンドフォールディング型に分けられる。ゼリーロール型は、それぞれ活物質が塗布されたシート状陽極とシート状陰極との間に分離膜が介在して全体配列が巻き取られたものである。スタック型は分離膜を挟んで多数の陽極と陰極が順次積層される。スタックアンドフォールディング型は、積み重ねられた単位セルが長い長さの分離フィルムに巻かれることができる。
【0006】
従来のスタックアンドフォールディング型電極組立体を製造する工程において、電極組立体に積層された電極と分離膜は、完成した積層物を互いにつかむように接着され、崩れずに(例えば、電池ケースの内部へ移動するために)単位として運ばれることがある。このような結合は、組み立てられた積層物を加熱および加圧することによって行われることができる。ところで、従来の電極組立体の製造工程では、このような加熱および加圧する過程で積層物内の電極が歪んだり、捻られたりするという問題が発生した。
【0007】
このような従来技術の問題点を解決するために、積層物にそれぞれの新たなレベルを追加した後、積層物に熱と圧力を加え、積層過程で電極と分離膜とが互いに接着された。しかしながら、これにより、電極と分離膜との間の接着力は、新しい熱と圧力が適用されるたびに、積層物の最も低い構成要素による熱と圧力の蓄積により積層方向に沿って大きく発散する反面、積層物の上部の構成要素は、相対的にはるかに低いという問題がある。積層方向に沿った不均一性は、電極組立体に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、最も低い分離膜(熱と圧力が最も多く蓄積された分離膜)は、気孔度を減少させて使用性能が低下する反面、上部の分離膜は隣接した電極に相対的に弱く結合されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、工程の各段階で積層物に熱と圧力を加えるのではなく、積層物の構成要素が一緒に組み立てられた後、積層物の全体に圧力と熱を加えて製造された電極組立体を提供する。その結果、完成した電極組立体は、より優れた安定性と共に均一性も向上されることができる。本発明は、電極組立体の内部に積層された電極が電極組立体の積層方向を基準に電極組立体の内部に積層された電極が左右にずれる程度を最小化することにより、電極の密度が増加し、エネルギー密度が増加した電極組立体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様は、電極組立体を提供する。本発明の一実施態様による電極組立体は、積層軸に沿って積層物に配列された複数の電極を含み、前記積層物内のそれぞれの電極は、前記積層物内の電極のうち1つから前記積層軸に沿ってそれらの間に位置するそれぞれの分離膜によって分離され、前記積層物の少なくとも1つの外部表面は、第1領域および第2領域で構成されたパターンを含み、前記第2領域に対応する前記積層物の第2部分は、前記第1領域に対応する前記積層物の第1部分とは異なる特性または高さを有する、電極組立体を提供する。
【0010】
本発明の一実施態様において、前記第2領域に対応する前記積層物の第2部分は、前記第1領域に対応する前記積層物の第1部分とは異なる特性を有し、前記特性は、前記積層物の少なくとも1つの外面の陰影、色相、前記第1領域と第2領域の分離膜部分の通気性、および前記第1領域と第2領域の電極と分離膜の部分との間の接着力のいずれかを含む、電極組立体を提供する。
【0011】
本発明の一実施態様において、前記分離膜は、延長された分離膜シートで備えられ、前記延長された分離膜シートは、前記積層軸に垂直な横方向に沿って前後に横断する曲がりくねった経路に沿って前記積層軸にそれぞれ連続した電極の間に延びるように、前記各分離膜の間で折り畳まれ、前記積層物内の各電極は、横方向に前記各電極の対向する側面に第1側面端部および第2側面端部を含む、電極組立体を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施態様による電極組立体によれば、電極と分離膜が積層された積層物を固定した後、積層物を加熱および加圧することにより、プレス部による電極のずれを防止することができる。
【0013】
積層物を固定する部材が除去された後、積層物を加熱および加圧して固定する部材によりその部分が加熱および加圧されないため、接着力が確保されない部分に接着力を付与し、電極組立体に均一な接着力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施態様による電極組立体を示す断面図である。
図2図1の電極組立体に対する断面図であり、電極組立体の上面、下面および中間部の位置を図示したものである。
図3】本発明の一実施態様による電極組立体の構成要素の積層図を概念的に示す斜視図である。
図4】本発明の一実施態様による第1領域および第2領域を含む電極組立体を示す上面図である。
図5】本発明の他の実施態様による第1領域および第2領域を含む電極組立体を示す斜視図である。
図6図6の(a)は本発明の一実施態様による第1プレス部を示す斜視図であり、図6の(b)は本発明の一実施態様による第2プレス部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
S ・・・積層物
O ・・・開口部
P ・・・フォールディング部
10 ・・・電極組立体
1 ・・・第1電極
2 ・・・第2電極
4 ・・・第1分離膜
4a ・・・積層部
4b ・・・フォールディング部
5 ・・・第2分離膜
6 ・・・側面端部
50 ・・・第1プレス部
50a、50b ・・・第1加圧ブロック
51 ・・・グリッパー
51a ・・・本体
51b ・・・固定部
60 ・・・第2プレス部
60a、60b ・・・第2加圧ブロック
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に対する詳細な説明は、当業界の通常の知識を有する者に本発明を完全に説明するためのものである。本明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、またはある構造と形状を「特徴」とするとした場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外したり、他の構造と形状を排除するのではなく、他の構成要素、構造および形状を含んでもよいことを意味する。
【0017】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施態様を有してもよいため、特定の実施態様を提示し、詳細な説明に詳しく説明しようとする。しかし、これは実施態様による発明の内容を限定することを意図するものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変換、均等物または代替物を含むものと理解されるべきである。
【0018】
以下では、図面を参照して本発明を詳細に説明する。しかしながら、図面は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲が図面によって限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明の一実施態様による電極組立体10を示す断面図であり、図3は、本発明の一実施態様による電極組立体10の積層物Sに電極1、2および分離膜4が積層されたことを示す斜視図である。
【0020】
本発明に係る電極組立体10は、充放電可能な発電装置であって、延長された分離膜4が積層方向Yに沿ってそれぞれの電極の間で曲がりくねった形状のジグザグに折り畳まれた延長された分離膜4の部分の間に電極が配置されたスタックSを含んでもよい。この場合、電極は、積層方向Yに沿って交互に1つ以上の第1電極1および1つ以上の第2電極2を含んでもよい。
【0021】
積層方向Yに沿った分離膜4の曲がりくねった形態は、分離膜4の連続的なフォールディング部Pによって定義されることができ、分離膜4の各フォールディング部Pは、分離膜4が積層物Sの対向する側面に延びて積層物S内の電極と隣接した次の電極との間を通過する前に、横方向(Z、積層方向Yに垂直)に電極の側面端部6を包むことができる。積層物Sの各電極の間から延びる分離膜4の部分は、分離膜4の積層部と称されることがある。したがって、積層物Sの各層(積層物Sに沿って各電極の位置によって定義)は、横方向Zから電極の一側にある電極の側面端部6を囲む分離膜4のフォールディング部Pによって特徴付けられ得る。横方向Zに沿った電極の反対側は、分離膜4の部材(フォールディング部Pを含む)を特徴とする開口部Oで定義されてもよい。したがって、積層物Sの反対側にある開口部Oのように、フォールディング部Pは、積層物のそれぞれの連続した層に対して積層物Sの対向する側面に交互に位置されてもよい。
【0022】
本明細書でさらに論議されるように、図2において参照番号12と称された電極組立体10の「上部表面」は、電極組立体の積層方向から電極組立体10の最上部の位置を指すことができる。さらに、本明細書で言及されたように、図2において参照番号13と称された電極組立体10の「下面」は、電極組立体の積層方向から電極組立体10の最下端位置を意味し得る。最後に、本明細書で論議されたように、図2において参照番号11と称された電極組立体10の「中間」は、電極組立体10の積層方向から電極組立体10の上面と下面との間の中間位置を意味する。例えば、電極組立体10が9つの電極からなり、側面から見たとき、図2のように「中間」位置はスタックSにおいて5番目の電極の位置に関する。したがって、「中間空気透過性」に関する後続の参照は、電極組立体において中間電極に接する分離膜4の空気透過性に関する。同様に、「中間接着力」に関する後続の参照は、電極組立体の中間電極と分離膜4の隣接部分との間の接着力を意味する。
【0023】
電極組立体10は、先に論議したように、外郭が外部分離膜5によって囲まれた形態で設けられてもよく、これは、分離膜Sに沿ってジグザグまたは曲がりくねった経路に沿った同じ延びた分離膜4の一部(例えば、末端部)であってもよい。一例において、外部分離膜5によって囲まれた電極組立体10の外周は、積層方向Yに上面および下面だけでなく、側面方向Zに対向する少なくとも一対の側面を含む。ここで、積層物Sの上面は、積層方向Yに積層物Sの上側をなす外側面を意味し、下面は積層物Sの上側と反対の下側をなす外側面を意味し得る。
【0024】
一実施態様において、陽極は、例えば、陽極活物質、導電性物質および結合剤を含む陽極コーティング混合物で陽極集電体をコーティングした後、コーティング混合物を乾燥することによって製造されてもよい。必要に応じて混合物に充填剤を添加してもよい。このような材料は、関連分野で使用される任意の適切な材料、特に特定の応用分野に一般に使用される材料であってもよい。
【0025】
具体的には、前記陽極活物質は、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)などの層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;化学式Li1+xMn2-x(ここで、xは0~0.33である)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、LiFe、V、Cuなどのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-x(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであり、x=0.01~0.3である)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-x(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、x=0.01~0.1である)またはLiMnMO(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn;ジスルフィド化合物;Fe(MoOなどが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0026】
陽極集電体に使用できる材料は特に限定されない。陽極集電体は、好ましくは、電池に使用されるときに化学的変化を引き起こすことなく、比較的高い導電度を有する。例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられてもよい。好ましくは、陽極集電体はアルミニウムであり得る。好ましくは、集電体のコーティング混合物と接する表面に微細な凹凸を含むことにより、集電体と陽極コーティング混合物との間の接着力を高めることができる。また、フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など様々な形態が可能である。陽極集電体は一般に3μm~500μmの厚さを有してもよい。
前記陽極コーティング混合物に含まれた導電材は、一般に陽極活物質を含む混合物の全重量の1~50重量%で含まれてもよい。例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスキー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されてもよい。
【0027】
陽極コーティング混合物のバインダーは、活物質と導電性物質との間の結合およびコーティング混合物の集電体に結合することを補助する成分である。このようなバインダーは、一般に、陽極活物質を含む混合物の全重量の1~50重量%の量で含まれてもよい。このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンテルポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム、フッ素ゴム、様々な共重合体などが挙げられる。
陽極コーティング混合物に任意に添加される充填剤は、陽極の膨張を抑制する成分として使用されてもよい。このような充填材は特に限定されず、電池に使用されるときに化学的変化を引き起こさない繊維状物質を含んでもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオリフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が使用される。
【0028】
一実施態様において、陰極は、陰極集電体上に陰極活物質を塗布、乾燥および圧着して製造されてもよく、必要に応じて、前記のような導電材、バインダー、充填剤などが選択的にさらに含まれてもよい。この場合も、当該分野で通常使用される物質が使用されてもよい。具体的には、前記陰極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、SnMe1-xMe'(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me':Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;錫系合金;SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、およびBiなどの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを用いてもよい。
【0029】
陰極集電体に使用できる材料は特に限定されない。陰極集電体は、電池に使用されるときに化学的変化を起こさず、比較的に高い導電度を有するものが好ましい。例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが用いられ得る。また、陽極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して陰極活物質の結合力を強化させることもできる。フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態で使用されてもよい。さらに、前記陰極集電体は一般に3μm~500μmの厚さであってもよい。
【0030】
本発明の一実施態様において、前記分離膜は、有/無機複合多孔性のSRS(Safety-Reinforcing Separators)分離膜であってもよい。前記SRS分離膜は、ポリオレフィン系分離膜基材上に無機物粒子とバインダー高分子とを含むコーティング層成分が塗布された構造であってもよい。
【0031】
このようなSRS分離膜は、無機物粒子の耐熱性により高温熱収縮が発生しないため、針状導体によって電極組立体が貫通しても、安全分離膜の延伸率を維持することができる。
【0032】
このようなSRS分離膜は、分離膜基材自体に含まれた気孔構造とともに、コーティング層成分である無機物粒子間の空き空間(interstitial volume)によって形成された均一な気孔構造を有してもよい。前記気孔は、電極組立体に加わる外部の衝撃をかなり緩和することができるだけでなく、気孔を通じてリチウムイオンの円滑な移動が行われ、多量の電解液が充填されて高い含浸率を示すことができるため、電池の性能向上を一緒に図ることができる。
【0033】
本発明の一実施態様において、前記分離膜は、隣接した陽極および陰極と対応する縁を越えて両側から外側に延びる(以下「余剰部」)ように分離膜の幅寸法(分離膜が広げられた長手方向の寸法に直角)で寸法を決まってもよい。また、前記分離膜余剰部の両側部の一面または両面に分離膜の収縮防止のため、分離膜の厚さより厚いコーティング層が形成されている構造で構成されている。分離膜の外側に延びた余剰部の厚いコーティング層に関する詳細は、全内容がここに参照として組み込まれる韓国公開特許公報第10-2016-0054219号を参照する。本発明の一実施態様において、分離膜余剰部は、それぞれ分離膜の幅を基準にして5%~12%の大きさであってもよい。さらに、本発明の一実施態様において、前記コーティング層は、一側の分離膜剰余部の幅を基準にして50%~90%の大きさで分離膜の両面にコーティングされてもよい。さらに、前記両面のコーティング層の幅は、互いに同じでも異なるサイズであってもよい。
【0034】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層は、無機物粒子およびバインダー高分子を含んでもよい。
【0035】
本発明の一実施態様において、前記ポリオレフィン系分離膜成分の例としては、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレンまたはそれらの誘導体などがある。
【0036】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層の厚さは、前記第1電極または第2電極の厚さより小さくてもよい。具体的な例では、前記コーティング層の厚さは、第1電極または第2電極の厚さの30%~99%の大きさであってもよい。
【0037】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層は、湿式コーティングまたは乾式コーティングによって形成されてもよい。
【0038】
本発明の一実施態様において、前記基材とコーティング層は、ポリオレフィン系分離膜基材表面の気孔とコーティング層が相互絡み合う形態(anchoring)で存在し、分離膜基材と活性層とが物理的に強固に結合することができる。前記分離膜の基材と活性層の厚さ比は9:1~1:9であってもよい。好ましくは、厚さ比は5:5であり得る。
【0039】
本発明の一実施態様において、前記無機物粒子は、当業界で通常使用される無機物粒子が使用されてもよい。前記無機物粒子は、互いに相互作用して無機物粒子の間に空き空間の形態の微気孔を形成すると同時に、コーティング層の物理的形態を構造的に維持するのに役立てることができる。また、前記無機物粒子は、一般に200℃以上の高温になっても物理特性が変わらない特性を有するため、形成された有/無機複合多孔性フィルムが優れた耐熱性を有することになる。
【0040】
また、無機物粒子に用いることのできる物質は特に限定されないが、好ましくは、電気化学的に安定した物質である。すなわち、本発明で使用できる無機物粒子は、適用される電池の作動電圧範囲(例えば、Li/Li+基準で0~5V)で酸化および/または還元反応が起こらないものであれば、特に限定されない。特に、イオン伝達能力のある無機物粒子を用いる場合、電気化学素子内のイオン伝導度を高めて性能を向上させることができる。したがって、可能な限りイオン伝導度の高い無機物粒子を使用することが好ましい。また、前記無機物粒子が高い密度を有する場合、コーティングの時に無機物粒子の分散が難しく、電池製造の時に電池の重量を増加させるという問題がある。したがって、可能な限り密度の低い無機物粒子を使用することが好ましい。また、誘電率が高い無機物の場合、液体電解質内の電解質塩、例えばリチウム塩の解離度増加に寄与し、電解液のイオン伝導度を向上させることができる。
【0041】
前述の理由から、前記無機物粒子は、圧電性(piezoelectricity)を有する無機物粒子およびリチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子で構成された群から選択された少なくとも1種であってもよい。
【0042】
前記圧電性(piezoelectricity)無機物粒子は、常圧では不導体であり、一定圧力が印加された場合、内部構造の変化により電気が通る物性を有する物質を意味する。また、誘電率定数が100以上の高誘電率特性を示す物質である。圧電性を有する無機物粒子はまた、一定圧力を印加して引張または圧縮される場合、電荷が発生して、一面は陽に、反対側は陰にそれぞれ帯電することにより、両面の間に電位差が発生する機能を有する物質(例えば、分離膜)である。
【0043】
前記のような特徴を有する無機物粒子をコーティング層成分として用いる場合、針状導体のような外部衝撃により両電極の内部短絡が発生する場合、分離膜にコーティングされた無機物粒子により陽極と陰極とが直接接触できないことがあり得る。また、無機物粒子の圧電性により粒子内の電位差が発生し、これにより両電極間の電子移動(すなわち、微細な電流の流れ)を引き起こし、緩やかな電池の電圧減少およびこれによる安全性向上を図ることができる。
【0044】
前記圧電性を有する無機物粒子の例としては、BaTiO、Pb(Zr、Ti)O(PZT)、Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT)、PB(MgNb2/3)O-PbTiO(PMN-PT)およびhafnia(HfO)からなる群から選択された1種以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0045】
前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、リチウム元素を含有するが、リチウムを貯蔵せず、代わりにリチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を意味する。リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、粒子構造の内部に存在する一種の欠陥(defect)によりリチウムイオンを移動および移動させることができる。その結果、電池内のリチウムイオン伝導度が向上し、これにより電池性能向上を図ることができる。
【0046】
前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子の例としては、リチウムホスフェート(LiPO)、リチウムチタニウムホスフェート(LiTi(PO、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタニウムホスフェート(LiAlTi(PO、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、(LiAlTiP)系glass(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(LiLaTiO、0<x<2、0<y<3)、リチウムゲルマニウムチオホスフェート(LiGe、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5)、リチウムナイトライト(LixNy、0<x<4、0<y<2)、SiS(LiSi、0<x<3、0<y<2、0<z<4)系glassおよびP(Li、0<x<3、0<y<3、0<z<7)系glassからなる群から選択される1種以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0047】
前記分離膜のコーティング層を構成する無機物粒子およびバインダー高分子の組成比は、特に制限されないが、10:90~99:1重量%の範囲内で調節可能であり、80:20~99:1重量%の範囲が好ましい。前記組成比が10:90重量%比未満である場合、高分子の含量が過度に多くなり、無機物粒子の間に形成された空き空間の減少による気孔サイズおよび気孔度が減少し、最終電池の性能の低下が引き起こされることがある。一方、99:1重量%比を超えると、高分子含量が少なすぎるため、無機物間の接着力が弱まり、最終の有/無機複合多孔性分離膜の機械的物性が低下することがある。
【0048】
本発明の一実施態様において、前記バインダー高分子は、当業界で一般的に使用されるバインダー高分子が使用されてもよい。
【0049】
上記有/無機複合多孔性分離膜のうちコーティング層は、前述の無機物粒子およびバインダー高分子の他に、通常知られている他の添加剤をさらに含んでもよい。
【0050】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層は活性層とも言える。
【0051】
上述のように、電極組立体10が組み立てられた後、電極組立体10がさらに製造(例えば、バッテリーケースへ移動)される前に、構成要素を一緒に接着するためにプレス部が積層物に熱と圧力を加える。このような熱および圧力の適用は、初期の第1次ヒートプレス段階に続いて第2次ヒートプレス作業を含むいくつかの段階で実施されてもよい。このようなヒートプレス段階を実施するために、図6の(a)および図6の(b)に示すようなプレス部が提供されてもよい。
【0052】
図6の(a)を参照すると、第1プレス部50は、一次的に積層物Sを加熱して固定された状態で加圧することができる。第1プレス部50は、一対の第1加圧ブロック50a、50bを含み、積層物Sを固定することのできるグリッパー51をさらに含んでもよい。積層物Sを固定するにおいて、グリッパー51は、第1電極1、第2電極2および分離膜4の相対位置を固定するために、積層物Sの上面と下面を積層方向Yに沿って互いに加圧することにより、積層物Sを固定することができる。
【0053】
第1プレス部50の一対の第1加圧ブロック50a、50bは、互いを向かうか、遠くなる方向に移動してもよい。一対の第1加圧ブロック50a、50bは、互いを向かって移動する際に積層物Sとグリッパー51のいずれか一つまたは両方を圧縮することができる。
【0054】
一実施態様において、第1プレス部50は、積層物Sを加熱および加圧して積層物Sに含まれる第1電極1、分離膜4および第2電極12の間の空間を縮小または除去して、積層物Sのこのような構成要素を結合させてもよい。
【0055】
図示されたように、積層物Sとの接触および加圧のために構成された一対の第1加圧ブロック50a、50bのそれぞれの加圧表面は、平面に設けられてもよい。一対の第1加圧ブロック50a、50bの少なくとも一つは、後述するグリッパー51の固定部51bに対応する形状のグリッパー溝52を含んでもよい。図6の(a)に示す例において、一対の第1加圧ブロック50a、50bのそれぞれは、4つの固定部51bに対応するように4つのグリッパー溝52を含む。しかしながら、グリッパー溝52の数はより多くても少なくてもよい。好ましくは、グリッパー溝52の数は使用される固定部品の数と一致しなければならない。
【0056】
グリッパー51は、本体51aと複数の固定部51bを含んでもよい。本体51aは、図示の配列のように、それぞれの軸に沿って積層物Sの長さおよび高さと同じまたはほぼ同じx軸に沿って長さおよびy軸に沿って高さを有してもよい。一実施態様において、前記本体51aは、x軸における積層物Sの長さよりも長く、y軸における積層物Sの高さよりも大きい高さを有してもよい。前記固定部51bは、好ましくは、積層物Sの幅方向(z軸)に沿って延びる棒、柱または板状であってもよい。ここで、積層物Sのx軸の長さは、積層物Sの一端から他端までの距離が最も長い部分を意味し、y軸の高さは、積層物S方向の距離を意味することができる。積層物Sの積層方向、z軸の幅は、x軸とy軸の両方に垂直な方向の距離を意味してもよい。
【0057】
固定部51bは、一行が加圧ブロック50aの加圧面に隣接し、他行が加圧ブロック50bの加圧面に隣接するように2列に設けられてもよい。固定部51bのそれぞれの位置は、本体51aの高さ方向に調節されてもよい。このように、固定部51bの各々は、積層物Sの上下面と、好ましくはその幅に沿って、積層物S内の第1電極1および第2電極12の相対的な位置と、積層物Sの位置を固定することができる。
【0058】
一実施態様において、作動時に、第1プレス部50は、一対の加圧ブロック50a、50bを用いて、周囲温度が45℃~75℃であり、圧力が1MPa~2.5MPaの環境で5秒~20秒間、積層物Sを圧縮してもよい。
【0059】
一実施態様において、第2プレス部60は、第1プレス部50によって予め加熱されて圧縮された積層物Sを加熱および加圧することにより、既に一次圧縮された積層物Sを2次圧縮してもよい。
【0060】
図6の(b)に示すように、第2プレス部60は、一対の第2加圧ブロック60a、60bを含む。一対の加圧ブロック60a、60bは、互いを向かうか、遠くなる方向に移動されてもよい。一対の加圧ブロック60a、60bは、互いを向かって移動しながら積層物Sの上下面を加圧して積層物を圧縮することができる。
【0061】
図示されたように、積層物Sとの接触および圧縮のために構成された一対の第2加圧ブロック60a、60bのそれぞれの加圧表面は、平面に設けられてもよい。図示の例のように、一実施態様において、固定部51bのための溝のような溝は、第2加圧ブロック60a、60bから除外されてもよい。他の実施態様において、一対の第2加圧ブロック60a、60bのうち少なくとも1つは、グリッパー51の固定部51bに対応する形状の溝を1つ以上含んでもよい。
【0062】
一実施態様において、動作の際に、第2プレス部60は、50℃~90℃の温度条件および1Mpa~6Mpaの圧力条件下で5秒~60秒の範囲で第1プレス部50によって一次圧縮された積層物を圧縮することができる。一実施態様において、第2プレス部60は、第1プレス部50によって加熱および加圧されないグリッパー51が位置する(または以前に)積層物Sの一部のみを加熱および加圧してもよい。他の実施態様において、第2プレス部50は、積層物の上面および下面の全体を加熱して加圧してもよい。
【0063】
一実施態様において、第1プレス部50は、グリッパー51が位置しない積層物Sに含まれた構成要素を一緒に接着するために、加熱された積層物Sを初期に圧縮し、積層物Sの上面と下面をグリッパー51で固定して、接着時の第1電極1、分離膜4および第2電極12の間の空間を縮小または除去することができる。
【0064】
一実施態様において、第2プレス部60は、第1プレス部50によって予め接着され、グリッパー51が除去された積層物Sを加圧および加熱することができる。したがって、第1プレス部50による初期加圧動作の時にグリッパー51が以前に積層物Sを加圧した積層物S領域で積層物Sのこのような構成要素を一緒に接着するために、第2プレス部60は、積層物Sに含まれた第1電極1、分離膜4および第2電極12の間の空間を減少または除去することができる。一実施態様において、一対の第2加圧ブロック60a、60bのそれぞれは、直六面体状の四角形ブロックであってもよい。一実施態様において、一対の第2加圧ブロック60a、60bは、上述の平坦な加圧面を有してもよい。
【0065】
一実施態様において、第1プレス部50の一対の第1加圧ブロック50a、50bのそれぞれは、平坦な加圧面を有してもよい。一実施態様において、第2プレス部60の一対の第2加圧ブロック60a、60bのそれぞれは、グリッパー51の固定部51bに対応する形状を有する溝を有してもよい。
【0066】
一実施態様において、固定部51bは、アルミニウムおよび鉄からなる群から選択された熱伝導性金属物質のような熱伝導性物質を含んでもよい。積層物Sに熱を伝導することにより、第1プレス部50がグリッパー51によって固定された積層物Sを圧縮する際に、電極11、12と分離膜4との間の空間が減ったり、無くなったりして接着されることができる。
【0067】
一実施態様において、第2プレス部60は、グリッパー51が以前に位置していた積層物Sの領域を圧縮せず、代わりにグリッパーが以前に位置していない積層物Sの領域と、第1プレス部50が加圧していない領域のみを圧縮してもよい。
【0068】
また、前記一対の第1加圧ブロック50a、50bは、それぞれ直六面体状の四角ブロックであってもよい。一実施態様において、前記一対の第1加圧ブロック50a、50bは、上述の平坦な加圧面を有してもよい。
【0069】
第1および第2プレス部50、60のいずれか一つまたは両方は、プレスヒータ(図示せず)を含み、各一対の第1および第2加圧ブロック50a、50b、60a、60bが積層物を加圧する際に、第1および第2電極1の積層物Sと分離膜4の一部を加熱できるように構成されてもよい。このように、第1および第2プレス部50、60で積層物Sを加圧する場合、第1電極1、分離膜4および第2電極2の間の熱融着がよりしっかり行われ、これらの層の間により強い接着が形成されることができる。
【0070】
加熱されたプレス部により積層物Sが加圧されると、積層物Sの最外郭を囲む外部分離膜5の内側が曲がりくねった分離膜4の隣接部分(例えば、フォールディング部P)だけでなく、フォールディング部Pがないことを特徴とする開口部によって、隣接した外部分離膜5に露出する横方向Zの第1および第2電極1、2の側面端部6に接着されることができる。
【0071】
したがって、このように電極組立体10の構成要素を接着することにより、積層物Sのフォールディングの緩みを防止し、電池の安定性を向上させることができる。また、積層物Sの緩みを防止するための別途の接着テープや工具が不要となり、製造時間が短縮され、工程効率が向上する。
【0072】
本発明に係る積層物Sの少なくとも1つの外部表面は、その表面上の他の領域とは異なる特性または高さを有する2つ以上のパターンを含んでもよい。
【0073】
一実施態様において、図4および図5を参照すると、積層物Sの表面は、その表面上で異なる特性または高さを有する第1領域P1および第2領域P2を含んでもよい。例えば、第1領域P1はグリッパー(例えば、グリッパー51、具体的にはグリッパーの固定部51b)によって結合された領域であり、第2領域P2はグリッパーによって結合されていない領域であってもよい。したがって、第1領域P1の幅は、グリッパーの幅、具体的にはグリッパーの固定部51bの幅に対応され得る。
【0074】
第1領域P1および第2領域P2は、上述した工程動作においてグリッパーによって積層物Sが押されると現れ得る。
【0075】
電極組立体の積層物Sに含まれた分離膜4は、バインダー成分がほとんどなく、接着力が低いことがある。したがって、積層物Sが加圧されると、積層物Sに加わる圧力によって第1電極1および第2電極2が変形され得る。
【0076】
従って、本発明に係る電極組立体10は、第1電極1および第2電極2を固定するために、積層物Sの上面および下面をグリッパーで固定して一次加圧し、グリッパーを除去した後に二次加圧して製造されてもよい。
【0077】
その結果、第1領域P1と第2領域P2は、特性および高さの少なくとも一つが異なることがある。一例において、特性は、積層物の少なくとも1つの表面の陰影または色相であってもよい。他の例では、前記特性は、分離膜4の通気性または電極と分離膜との間の接着力であってもよい。接着力は、電極1、2から分離膜4を剥離するのに必要な力の量を意味し得る。
【0078】
2つ以上の第1領域P1と2つ以上の第2領域P2を含んでもよい。また、複数の第1領域P1は互いに離間されてもよく、複数の第2領域P2も互いに離間されてもよい。
【0079】
一実施態様において、第1領域P1の数は第2領域P2の数より少なくてもよい。例えば、電極組立体10における第1領域P1の数がN(Nは0を除く正の整数)である場合、第2領域P2の数はN+1であってもよい。
【0080】
第1領域P1と第2領域P2は、電極組立体10または積層物Sの幅方向Xに沿って交互に位置することができる。また、第1領域P1の少なくとも1つの境界は、第2領域P2の少なくとも1つの境界と接してもよい。
【0081】
本発明に係る電極組立体10は、積層物Sの上面および/または下面においてグリッパー51(具体的にはグリッパーの固定部51b)が噛み合う部分が第1プレスユニット50でヒートプレスされる間に、グリッパー51が噛み合っていない部分より暗い陰影を有してもよい。本実施態様では、グリッパー51の固定部51bが噛み合った部分が第1領域P1であり、グリッパー51の固定部51bが噛み合っていない部分が第2領域P2である。
【0082】
また、本発明に係る電極組立体10は、第1領域P1と第2領域P2との間に段差を含んでもよい。すなわち、グリッパー51(特にグリッパーの固定部51b)が噛み合った積層物Sの上面および/または下面部分の高さは、グリッパー51の固定部51bによって噛み合わない積層物Sの上面および/または下面部分とは異なる高さを有してもよい。グリッパーによって噛み合う部分が第1領域P1であり、グリッパーによって噛み合わない部分が第2領域P2である場合、電極組立体10の表面は、表面段差を含んでもよく、第1領域P1は第2領域より高くてもよい。
【0083】
電極組立体10において第1領域P1の幅は、第2領域P2の幅より小さくてもよい。すなわち、第1領域P1および第2領域P2を含む積層物Sの一面の全面積を100%とすると、第1領域P1の面積は一面の面積の30%~50%であってもよい。
【0084】
本発明に係る電極組立体10は、電極組立体10と噛み合うグリッパー51の構成要素の幅を最小化し、第1領域P1と第2領域P2との間の特性または高さの偏差を最小化することができる。第1領域P1と第2領域P2との間の特性または高さのばらつきが最小化されるとき、電極組立体10の全体的な特性または高さがより均一になることができる。
【0085】
また、第1領域P1の面積が積層物Sの一面の面積の30%未満である場合、電極組立体10の電極がボンディングにより固定される前に移動される可能性がより高い。したがって、結果として電極組立体のエネルギー密度が低くなる。一方、第1領域P1の面積が積層物Sの一面の面積の50%を超えると、積層物S内の構成要素の接合が所望の最小限の接着力を確保できないという問題が発生することがある。
【0086】
また、パターンが形成された面は、積層方向に積層物Sの両端から積層物Sの上面、下面、または上面と下面のいずれでもあってもよい。
【0087】
本明細書において「接着力」とは、第1電極1と分離膜との間、または第2電極2と分離膜との間の接着力を意味する。本発明に係る分離膜の接着力の測定方法は特に制限されない。1つの測定方法によれば、幅55mmおよび長さ20mmのサンプルをそれぞれのスライドガラスに接着させ、電極をスライドガラスの接着面に位置させる。その後、ASTM-D6862に明示されているテスト方法に従って、100mm/分の速度で90°剥離テストを行い、サンプルをそれぞれテストした。すなわち、試料の幅方向に沿って電極から分離膜を剥離するように分離膜の縁を100mm/minの速度でスライドガラスに対して90°上方に引っ張る(すなわち、0mmから55mmまで剥離)。このような試験方法を用いて、第1領域P1における電極と分離膜との接着力(以下、第1領域P1の接着力)は、3gf/20mm~25gf/20mmであり、第2領域P2における電極と分離膜との接着力(以下、第2領域P2の接着力)は、4gf/20mm~30gf/20mmであってもよい。
【0088】
第1領域P1および第2領域P2における分離膜4と電極1、2との接着力の差は、0.1gf/20mm~11gf/20mmであってもよい。
【0089】
本発明の一実施態様によれば、図2を参照すると、電極組立体の第1領域P1の中間接着力(すなわち、1領域の接着力)は、3gf/20mm~10gf/20mm、好ましくは5gf/20mm~6gf/20mmであってもよい。
【0090】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第1領域P1の上面接着力(すなわち、図2の1領域接着力)は、8gf/20mm~20gf/20mm、好ましくは9gf/20mm~14gf/20mmであってもよい。
【0091】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第1領域P1の下面接着力(すなわち、図2の3領域における接着力)は、9gf/20mm~25gf/20mm、好ましくは9gf/20mm~12gf/20mmであってもよい。
【0092】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第2領域P2の中間接着力は、4gf/20mm~15gf/20mm、好ましくは5gf/20mm~11gf/20mmであってもよい。
【0093】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第2領域P2の上面接着力は、5gf/20mm~25gf/20mm、好ましくは7gf/20mm~21gf/20mmであってもよい。
【0094】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第2領域P2の下面接着力は、7gf/20mm~30gf/20mm、好ましくは10gf/20mm~22gf/20mmであってもよい。
【0095】
本発明の一実施態様によれば、陽極と分離膜の接着力と陰極と分離膜の接着力とは、同じでも異なっていてもよい。
【0096】
第1領域P1と第2領域P2との接着力が4gf/20mm未満の場合、電極組立体10の接着力が低く、製造工程中に電極組立体10または積層物Sの移動時にフォールディングが緩んでしまい、分離膜4の折り畳み現象が発生する問題が生じる可能性がある。
【0097】
第1領域P1の接着力が15gf/20mmを超え、第2領域P2の接着力が26gf/20mmを超えると、分離膜4の通気性および含浸性が減少し、電解質が電極組立体10内に浸透することが難しく、電極組立体10の初期容量が減少し、初期抵抗値が増加する可能性がある。
【0098】
本発明において電極組立体の「透気度」は、電極組立体10の分離膜4の通気性を意味する。
【0099】
本発明において分離膜の通気性を測定する方法は特に限定されない。本明細書で使用および追加で議論される方法において、通気性は、当業界で一般的に使用される方法、すなわち日本産業規格のガーリー(JIS Gurley)測定方法に従って、Toyoseiki社Gurley type Densometer(No.158)を用いて測定された。すなわち、空気100ml(または100cc)が1平方インチの分離膜を室温(すなわち、20℃~25℃)で0.05MPaの圧力で通過するのにかかる時間を測定して分離器の通気性を求めた。
【0100】
なお、「通気度」とは、特に断りのない限り、電極組立体内の全ての分離膜の通気性を意味し、それぞれの分離膜の通気性は独立して、同一でも異なっていてもよい。また、上述したように、電極組立体の位置に応じて、上面通気度、下面通気度、および中間通気度が定義されてもよい。
【0101】
第1領域P1と第2領域P2との通気性の差は、2秒/100ml~25秒/100mlであってもよい。
【0102】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第1領域P1の中間通気性は、70秒/100ml~90秒/100ml、好ましくは75秒/100ml~86秒/100mlであってもよい。
【0103】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第1領域P1の上面通気度は、80秒/100ml~110秒/100ml、好ましくは80秒/100ml~98秒/100mlであってもよい。
【0104】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第1領域P1の下面通気度は、80秒/100ml~110秒/110ml、好ましくは80秒/100ml~98秒/100mlであってもよい。
【0105】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第2領域P2の中間通気度は、70秒/100ml~100秒/100ml、好ましくは75秒/100ml~84秒/100mlであってもよい。
【0106】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第2領域P2の上面通気度は、80秒/100ml~110秒/100ml、好ましくは84秒/100ml~101秒/100mlであってもよい。
【0107】
本発明の一実施態様によれば、電極組立体の第2領域P2の下面通気度は、80秒/100ml~110秒/100ml、好ましくは84秒/100ml~101秒/100mlであってもよい。
【0108】
本発明の一実施態様によれば、前記下面通気度は、前記上面通気度と同じかより小さくてもよい。また、前記中間通気度は、前記下面通気度と同じかより小さくてもよい。すなわち、上面通気度、下面通気度および中間通気度の大きさは、下記式1を満たすことができる。
【0109】
[式1]
上面通気度≧下面通気度≧中間通気度
【0110】
前記式1の結果は、電極および分離膜を加熱および加圧する過程および、電極および分離膜が積層されるときに生じる圧力による結果を意味する。
【0111】
本発明の一実施態様によれば、第1領域P1および第2領域P2における分離膜4の通気度が70sec/100ml未満であると、電解質の含浸性が低く、イオンの移動経路が遮断され、電極組立体10の性能が低下されることがある。第1領域P1および第2領域P2において分離膜4の通気度が110sec/100mlを超えると、第1電極1および第2電極2と分離膜との接着力が減少し、電極組立体10の第1および第2電極1、2が突出して電池の外観まで突出形成されることがある。
【0112】
上記では、本発明の好ましい実施態様を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を種々修正および変更できることが理解できる。
【0113】
実施例
1)実施例1
スタックテーブル上の積層物Sに陽極19枚、陰極20枚および分離膜を積層した。
【0114】
より具体的には、陽極および陰極はそれぞれ陽極シートおよび陰極シートからカッティング(cutting)された形態で供給され、分離膜は分離膜シートの形態で供給された。その後、前記スタックテーブルを回転させながら供給される分離膜をフォールディング(folding)させ、前記陽極、陰極および分離膜を積層させた。このとき、スタックテーブルに対する積層物Sの位置を固定するために、グリッパーを用いて積層物Sの上面をスタックテーブルに向かって下方に押しながらスタッキングを行った。
【0115】
前記積層物を製造した後、前記積層物をグリッパーで把持し、周囲温度70℃および加圧力1.91MPaの条件で前記積層物をヒーティングしながら第1プレス部50を用いて積層物を15秒間加圧して第1次ヒートプレス段階を進行した。
【0116】
前記第1次ヒートプレス段階の後、グリッパーを積層物から解除し、第2プレス部60の温度を70℃(温度条件)になるように加熱し、プレスの加圧ブロックで前記積層物に2.71Mpaの圧力(圧力条件)を10秒(プレス)時間)間加える第2次ヒートプレス段階を通じて実施例1の電極組立体を製造した。
【0117】
電極組立体の製造過程で上述した本発明の開示内容が適用されてもよい。
【0118】
2)実施例2~12
下記表1に記載の温度条件、圧力条件およびプレス時間で第2次ヒートプレス段階を行ったことを除いて、実施例1と同様の方法で実施例2~12の電極組立体を製造した。すなわち、実施例1~12の第1次ヒートプレス条件は同じである。
【0119】
【表1】
【0120】
3)比較例1~5
実施例1において下記表2に記載の温度条件、圧力条件およびプレス時間で第1次ヒートプレス段階を行い、第2次ヒートプレス段階を進行しなかったことを除いて、実施例1と同様の方法で比較例1~5の電極組立体を製造した。
【0121】
【表2】
【0122】
前記表1および2の条件で製造された実施例1~12および比較例1~5の電極組立体は、いずれも真空吸込機構でピックアップして試験した。比較例2~5の全ての電極組立体は、60秒以前に電極と分離膜が分離されることを観察した。
【0123】
すなわち、比較例1~5の電極組立体は電極と分離膜との接着力がよくない反面、本出願に係る電極組立体(第1次および第2次プレス工程)は接着状態が良好であることを意味する。したがって、電極組立体の緩み防止および脱落防止に優れた効果があった。
【0124】
比較例6および7の場合、60秒以前には電極と分離膜とが分離される現象が観察されなかったが、電極組立体に損傷が発生することを確認した。これは、2.54Mpa(高圧)の圧力条件で一次プレスを進行したために発生していると推定される。
【0125】
4)実験例1-接着力評価および耐電圧評価
実施例1~12および比較例6と7(以前の試験で60秒以前に電極と分離膜の分離が観察されなかった場合)の電極組立体を分解(即ち、層分離)した後、分離された層を分析して積層体Sの上端部、下端部および中間面の間の接着力を測定した。具体的には、積層物の最下端に位置する分離膜と陰極との接着力を測定した。また、積層物の最上端に位置する陰極と分離膜との接着力を測定した。最後に、積層物の積層方向に沿って中間地点に位置する陰極と分離膜との接着力を測定した。
【0126】
分離された電極組立体のそれぞれからサンプリングされた陰極と分離膜の幅は55mm、長さは20mmであった。サンプリングされたサンプルをスライドガラスの接着面に電極が位置するようにスライドガラスに接着させた。その後、試片が付着したスライドガラスを接着力測定装置に装着し、先に論議したようにASTM-D6862に規定された試験方法に従って100mm/minの速度で90°剥離試験を行って試験した。任意の初期の激しい変動を無視した後、分離膜が電極から剥がれる間にサンプル幅当たりに加えられた力(g/mm)値を測定した。
【0127】
その結果は下記表3のとおりであった。
【0128】
【表3】
【0129】
また、前記実施例1、6および12と比較例1~7の電極組立体の耐電圧も測定した。
【0130】
その結果は下記表4のとおりであった。
【表4】
【0131】
表4の結果をみると、実施例1、6および12の接着力が実施例と類似な条件で第1次ヒートプレス段階のみを行った比較例1に比べて優れた接着力を示すことを確認した。
【0132】
また、表4の結果をみると、比較例よりも高温高圧条件で第1次ヒートプレス段階を行った実施例1、6および12の耐電圧が1.56kV以上1.8kV以下の範囲を有することを確認した。
【0133】
すなわち、本発明の電極組立体は、優れた接着力を有するとともに、耐電圧も電極組立体として使用するのに適した特徴を有し、1.8kV以下の耐電圧を確認することができた。
【0134】
これは、第1次および第2次ヒートプレス段階の両方を含む製造方法で電極組立体を製造したためと判断される。
【0135】
5)実験例2-通気度評価
実施例1~12のうち、第2次プレスの温度条件のみ異なる実施例1、6および12と比較例1の電極組立体の通気度を評価した。
【0136】
具体的には、実施例1、6および12の電極組立体から分離膜を捕集した後、分離膜を切断して5cm×5cm(横×縦)サイズの分離膜サンプルを用意した。その後、前記分離膜サンプルをアセトンで洗浄した。
【0137】
この後、日本産業標準のガーリー(JIS Gurley)測定方法に従い、Toyoseiki社Gurley type Densometer(No.158)を使用して、前記分離膜が常温および0.05MPaの圧力条件で100ml(または100cc)の空気が1平方インチの分離膜を通過するのにかかる時間を測定することにより、実施例1、6および12の通気度を測定した。
【0138】
その結果は表5のとおりであった。
【表5】
【0139】
前記表5の結果から、本発明に係る第2次ヒートプレス条件を満たす場合、それぞれの位置に該当する通気度が120sec/100ml未満と電極組立体として使用するのに適したレベルの通気度を有することを確認することができた。また、それぞれの位置による通気度の偏差も20sec/100ml未満と均一であると判断できるレベルの通気度偏差を有することが確認できた。すなわち、本発明に係る製造方法で製造された電極組立体は、均一な性能を有することを再び確認することができた。
【0140】
また、それぞれの位置による通気度の偏差も20sec/100ml未満と均一であると判断できるレベルの通気度偏差を有することが確認できた。
【0141】
なかでも温度条件70℃である実施例1の場合が通気度偏差が最も小さいことが確認できた。
【0142】
前記の実験例を通じて、本発明に係る電極組立体は、適切かつ均一な通気度および接着力を有することを確認することができた。
【0143】
一方、比較例1の場合、それぞれの位置による通気度のばらつきが実施例より小さいが、上面通気度および下面通気度は、それぞれ独立して80sec/100ml未満であり、本発明に係る電極組立体よりも安全性が低いことを確認することができた。これは、本発明の電極組立体の製造過程とは異なり、第1次ヒートプレスのみを進行したためと判断される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】