(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】植物ロジン材料を含む処理組成物
(51)【国際特許分類】
C11B 9/00 20060101AFI20231207BHJP
C11D 3/382 20060101ALI20231207BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20231207BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20231207BHJP
C11D 17/06 20060101ALI20231207BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20231207BHJP
D06M 13/00 20060101ALI20231207BHJP
D06M 15/17 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
C11B9/00 Z
C11D3/382
C11D3/50
C11D17/08
C11D17/06
C11D17/04
D06M13/00
D06M15/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532362
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 US2021072891
(87)【国際公開番号】W WO2022133426
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】コル、マッティア
(72)【発明者】
【氏名】タホン、セドリック・マルク
(72)【発明者】
【氏名】スメツ、ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィダット、ナンズ・エリアン
(72)【発明者】
【氏名】マドハヴ、プラカシュ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ドヌッテ、ユーゴ・ロベール・ジェルマン
【テーマコード(参考)】
4H003
4H059
4L033
【Fターム(参考)】
4H003DA01
4H003DA02
4H003DA05
4H003DA17
4H003EB46
4H003FA26
4H059BA01
4H059BA12
4H059BA19
4H059BA22
4H059BA24
4H059BC10
4H059DA09
4H059EA32
4L033AB04
4L033BA00
4L033CA09
(57)【要約】
植物ロジン材料及び特定の香料原材料を含む処理組成物であって、特定の構造部分及び/又は分子記述子を特徴とし得る処理組成物。かかる組成物を作製及び使用する関連方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物ロジン材料及び芳香材料を含む処理組成物であって、
前記芳香材料が1種以上の香料原材料を含み、
前記1種以上の香料原材料が、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分、分岐アルカン部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む、処理組成物。
【請求項2】
植物ロジン材料及び芳香材料を含む処理組成物であって、
前記芳香材料が、本明細書に記載の試験方法に従って決定された以下のパラメータ:
a.0.681852以上のSsssCH値、好ましくは-0.10643未満のGminを追加的に特徴とする;又は
b.0.682未満のSsssCH値及び-0.00709584未満のdxp10値、
のうちの1つを特徴とする1種以上の香料原材料を含む、処理組成物。
【請求項3】
前記1種以上の香料原材料が、シクロアルカン部分、好ましくは環構造を形成する5~7個の炭素、好ましくは5~6個の炭素を有する環構造を含むシクロアルカン部分を含む、請求項1又は2に記載の処理組成物。
【請求項4】
前記1種以上の香料原材料が、シクロアルケン部分、好ましくは環構造を形成する5~7個の炭素、好ましくは5~6個の炭素を有する環構造を含むシクロアルケン部分を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項5】
前記1種以上の香料原材料が、分岐アルカン部分、好ましくは1~4個の炭素原子、好ましくは2~3個の炭素原子を含む分岐アルカン部分を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項6】
前記1種以上の香料原材料が、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分及び分岐アルカン部分のうちの少なくとも2つを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項7】
前記1種以上の香料原材料が、前記芳香材料の25重量%~100重量%、好ましくは50重量%~95重量%、より好ましくは60重量%~90重量%、更により好ましくは70重量%~80重量%の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項8】
前記1種以上の香料原材料が、メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ユーカリプトール(CAS番号470-82-6);ローズオキシドL(CAS番号3033-23-6);ダマセノン合計937459(CAS番号23696-85-7);コールドプレスされたオレンジ油(CAS番号138-86-3);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ジメチルベンジルカルビニルアセタート(CAS番号151-05-3);メチルイソブテニルテトラヒドロピラン(CAS番号16409-43-1);p.t.ブシナール(CAS番号80-54-6);ヴェロートン(CAS番号65443-14-3);上記のα-テルピネオール(CAS番号98-55-5);テトラヒドロムグオール(CAS番号18479-57-7);アリルシクロヘキサンプロピオナート(CAS番号2705-87-5);シトロネロール(CAS番号106-22-9);ペオニル(CAS番号10461-98-0);カシュメラン(CAS番号33704-61-9);フルクタラート943871(CAS番号72903-27-6);デルタダマスコン(CAS番号57378-68-4):ジヒドロテルピニルアセタート(CAS番号53767-93-4);イソボルニルアセタート(CAS番号125-12-2);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ベルドックス(CAS番号88-41-5);アフェルマート(CAS番号25225-08-5);アンバーエクストリーム(CAS番号476332-65-7);ガルバスコン(CAS番号56973-85-4);テトラヒドロリナロオール(CAS番号78-69-3);オレンジフラワーエーテル(CAS番号14576-08-0);フルテン(CAS番号17511-60-3);イソEスーパー(CAS番号54464-57-2);シマール(CAS番号103-95-7);リグストラール-2(CAS番号27939-60-2);リグストラール-1(CAS番号68039-49-6);ジヒドロジャスモン酸メチル(CAS番号24851-98-7);メチルセドリルエーテル(CAS番号19870-74-7);アドキサール(CAS番号141-13-9);ジメチルベンジルカルビニルブチラート(CAS番号10094-34-5);デュピカール(CAS番号30168-23-1);フロールアセタート(CAS番号5413-60-5);ウンデカベルトール(CAS番号81782-77-6);メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ハバノリド(CAS番号111879-80-2);ミントナト(CAS番号67859-96-5);ヘリオトロピン(CAS番号120-57-0);バーテネックス(CAS番号32210-23-4);ヘルベトリド(CAS番号141773-73-1);1-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-エタノン(CAS番号68155-66-8);α-ピニルイソブチルアルデヒド(CAS番号33885-52-8);サンダロール(CAS番号65113-99-7);ガラキソリド(CAS番号1222-05-5);イソシクロシトラール(CAS番号1335-66-6);3-エトキシ-1,1,5-トリメチル-シクロヘキサン(CAS番号67583-77-1);ジャスマサイクレン(CAS番号5413-60-5);4-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(CAS番号32210-23-4);メチルセドリロン(CAS番号32388-55-9);ヘキサメチルインダノピラン(CAS番号1222-05-5);ネクタリル(CAS番号95962-14-4);シクラブート(CAS番号67634-20-2);セタロックス(CAS番号3738-00-9);ピラノール(CAS番号63500-71-0);イソ-γ-スーパー(CAS番号68155-66-8);オレンジテルペン(CAS番号5989-27-5);ラエボメントール(CAS番号2216-51-5);ラエボトリサンドール(CAS番号28219-61-6);フロルヒドラル(CAS番号125109-85-5);及びそれらの混合物からなる群から選択され、
好ましくは、前記1種以上の香料原材料が、メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ユーカリプトール(CAS番号470-82-6);ローズオキシドL(CAS番号3033-23-6);ダマセノン合計937459(CAS番号23696-85-7);コールドプレスされたオレンジ油(CAS番号138-86-3);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ジメチルベンジルカルビニルアセタート(CAS番号151-05-3);メチルイソブテニルテトラヒドロピラン(CAS番号16409-43-1);p.t.ブシナール(CAS番号80-54-6);テトラヒドロムグオール(CAS番号18479-57-7);ジヒドロテルピニルアセタート(CAS番号53767-93-4);イソボルニルアセタート(CAS番号125-12-2);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ベルドックス(CAS番号88-41-5);アフェルマート(CAS番号25225-08-5);アンバーエクストリーム(CAS番号476332-65-7);ガルバスコン(CAS番号56973-85-4);テトラヒドロリナロオール(CAS番号78-69-3);オレンジフラワーエーテル(CAS番号14576-08-0);フルテン(CAS番号17511-60-3);イソEスーパー(CAS番号54464-57-2);シマール(CAS番号103-95-7);リグストラール-2(CAS番号27939-60-2);リグストラール-1(CAS番号68039-49-6);ジヒドロジャスモン酸メチル(CAS番号24851-98-7);メチルセドリルエーテル(CAS番号19870-74-7);アドキサール(CAS番号141-13-9);ジメチルベンジルカルビニルブチラート(CAS番号10094-34-5);デュピカール(CAS番号30168-23-1);フロールアセタート(CAS番号5413-60-5);ウンデカベルトール(CAS番号81782-77-6);メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ハバノリド(CAS番号111879-80-2);ミントナト(CAS番号67859-96-5);バーテネックス(CAS番号32210-23-4);ヘルベトリド(CAS番号141773-73-1);1-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-エタノン(CAS番号68155-66-8);α-ピニルイソブチルアルデヒド(CAS番号33885-52-8);サンダロール(CAS番号65113-99-7);4-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(CAS番号32210-23-4);ピラノール(CAS番号63500-71-0);イソ-γ-スーパー(CAS番号68155-66-8);又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項9】
前記植物ロジン材料及び前記芳香材料の少なくとも一部分(「同じ箇所に配置された部分」)が、1つ以上の粒子中で同じ箇所に配置されており、
好ましくは粒子が、10ミクロン~400ミクロン、又は15ミクロン~300ミクロン、又は20ミクロン~250ミクロン、又は25ミクロン~200ミクロン、又は30ミクロン~150ミクロン、又は35~125ミクロン、好ましくは40~100ミクロン、より好ましくは50~90ミクロンの体積加重平均粒子径を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項10】
前記芳香材料の前記同じ箇所に配置された部分が、前記芳香材料の前記同じ箇所に配置された部分の少なくとも50重量%の前記1種以上の香料原材料を含み、前記1種以上の香料原材料が、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分、分岐アルカン部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む、請求項9に記載の処理組成物。
【請求項11】
前記芳香材料の前記同じ箇所に配置された部分が、前記芳香材料の前記同じ箇所に配置された部分の50重量%以下、好ましくは30重量%以下の香料原材料を含み、前記香料原材料が、C4~C24直鎖アルカン部分、芳香族部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む、請求項9又は10に記載の処理組成物。
【請求項12】
前記処理組成物が遊離芳香材料を更に含み、
好ましくは前記遊離芳香材料が、C4~C24直鎖アルカン部分、芳香族部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む1種以上の香料原材料を含み、
より好ましくは前記遊離芳香材料が、前記遊離芳香材料の少なくとも25重量%の前記1種以上の香料原材料を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項13】
前記植物ロジン材料が、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、それらの誘導体及びそれらの混合物からなる群から選択される材料、好ましくはガムロジン、その誘導体及びそれらの混合物、より好ましくはガムロジンエステルを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項14】
前記処理組成物が、液体組成物、顆粒組成物、親水コロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解可能なシート、芳香錠若しくはビーズ、繊維状物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、泡/ムース、不織布又はそれらの混合物、好ましくは液体組成物の形態である、請求項1~13のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項15】
前記処理組成物が、消費者製品組成物、好ましくは布地ケア組成物、硬質表面洗浄組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、ボディクレンジング組成物又はそれらの混合物であり、より好ましくは前記布地ケア組成物が、布地洗剤組成物、布地コンディショニング組成物又はそれらの混合物である、請求項1~14のいずれか一項に記載の処理組成物。
【請求項16】
表面、好ましくは布地を処理する方法であって、前記方法が、必要に応じて水の存在下にて、前記表面を請求項1~15のいずれか一項に記載の処理組成物と接触させる工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、植物ロジン材料及び特定の香料原材料を含む処理組成物であって、特定の構造部分及び/又は分子記述子を特徴とし得る処理組成物に関する。本開示はまた、かかる組成物の作製及び使用の関連方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
布地柔軟剤及び洗濯洗剤のような消費者製品などの処理組成物のメーカーは、香料送達を改善する手段を絶えず求めている。過去にはコアシェルカプセルが使用されていたが、かかる送達粒子は、典型的には加工サイドでの相当な投資を必要とし、特定の製品に望ましくないレベルの水をもたらすスラリーとして提供される可能性がある。したがって、コアシェルカプセルの代替物が望まれている。
【0003】
特定の両親媒性グラフトコポリマーを使用する香料送達粒子が当該技術分野で説明されているが、これらのポリマーは合成ポリマーであり、好ましくない場合がある。代わりに、メーカーは天然/持続可能な供給源又は原材料に由来する香料送達系を求めることができる。
【0004】
追加的には、多くの場合、例えばカプセル又はポリマーなどの香料送達機構は非常に注目されているが、送達される香料はあまり注目されていない。香料送達の効率を最大にするため、効果的な手段で送達系と相互作用する可能性が最も高い芳香材料に芳香剤を配合することが望ましい。ただし、系によっては配合者に提供される指示がほぼ存在しない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の内容を考慮すると、改善された香料送達系であって、特に天然材料に由来し、効果的な送達及び性能にとって好ましい香料原材料を使用する香料送達系を含む処理組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、植物ロジン材料及び特定の香料原材料を含む処理組成物に関する。
【0007】
例えば、本開示は植物ロジン材料及び芳香材料を含む処理組成物であって、芳香材料が1種以上の香料原材料を含み、1種以上の香料原材料が、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分、分岐アルカン部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む、処理組成物に関する。
【0008】
本開示はまた、植物ロジン材料及び芳香材料を含む処理組成物であって、芳香材料が、本明細書に記載の試験方法に従って決定された分子記述子/パラメータであって、例えば、(a)0.681852以上のSsssCH値、好ましくは追加的に-0.10643未満のGminを特徴とする;又は(b)0.682未満のSsssCH値及び-0.00709584未満のdxp10値、のうちの1つを特徴とする1種以上の香料原材料を含む、処理組成物にも関する。
【0009】
本開示はまた、表面を処理する方法であって、好ましくは表面が布地である方法に関し、この方法は、必要に応じて水の存在下にて、本開示に記載の処理組成物を表面と接触させる工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、植物ロジン材料及び芳香材料を含む処理組成物に関する。芳香材料は、植物ロジン材料と効果的に相互作用し、安定性、堆積及び/又は放出といった観点で良好な性能を提供する能力について慎重に選択される特定の香料原材料を含む。
【0011】
理論に束縛されるものではないが、特定の構造又は他の特性によって特徴付けらいかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、特定の構造又は特性を特徴とする香料原材料(「perfume raw material」、PRM)は他のPRMと比較すると植物ロジン材料に関連する可能性が高いと考えられているが、このことは布地などの標的とする表面上への堆積の改善につながると更に考えられている。ベース組成物へと共に配合されるとき、又はプレミックスとして同時に添加されるときであっても、得られた処理組成物は改善された爽やかさ性能を提供することができる。
【0012】
本開示の組成物、構成要素及びプロセスを以下により詳細に説明する。
【0013】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語とは、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の構成要素を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
【0014】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語を使用してもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能なレベルで存在しないことを意味する。それは、指示される材料が、意図的に含まれるその他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在したとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%のレベルで存在してもよい。
【0015】
本明細書で使用される場合、「消費者製品」は、販売されている形態での使用又は消費が意図され、後続する商業的製造又は変更が意図されていない、ベビーケア、ビューティケア、布地及びホームケア、ファミリーケア、女性用ケア、ヘルスケア製品又はデバイスを意味する。かかる製品としては、おむつ、よだれ掛け、ワイプ;ヒトの毛髪を処理するための製品及び/又は脱色、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリングを含む処理に関連する方法;デオドラント及び制汗剤;パーソナルクレンジング;消費者による使用を目的としたクリーム、ローション及び局所的に適用される他の製品の適用を含むスキンケア;並びにシェービング製品、布地、硬質表面及び布地やホームケア分野の任意の他の表面を処理するための製品及び/又はそれに関連する方法(空気ケア、自動車ケア、食器洗浄、布地コンディショニング(柔軟化を含む)、洗濯洗剤、洗濯及びすすぎ用添加剤及び/又はケア、硬質表面洗浄及び/又は処理、及び消費者又は事業者使用のための他の洗浄を含む);トイレットペーパー、ティッシュ、紙製ハンカチ、及び/又はペーパータオルに関連する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;成人失禁用製品;口腔ケアに関連する製品及び/又は方法であって、練り歯磨き、歯磨きジェル、口腔すすぎ剤、入れ歯粘着剤、歯ホワイトニング剤を含むもの;咳及び風邪の治療を含む、処方箋不要のヘルスケア;有害生物防除製品、並びに水の精製が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書で使用するとき、「布地ケア組成物」という語句とは、布地を処理するために設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、洗濯前洗浄剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織布シート上又は中に含まれる洗剤、並びに本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。
【0017】
別途注記がない限り、全ての構成要素又は組成物のレベルは、その構成要素又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成要素又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0018】
本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。別途記載のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で実施される。
【0019】
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載されない限り、全ての比率は重量比である。
【0020】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、全てのより低い数値制限を、あたかもこのようなより低い数値制限が本明細書に明示的に記載されているかのよう含むことが理解されるべきである。本明細書の全体を通して示されている全ての最小数極限値は、それよりも高い全ての数値限定を、このようなより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかごとく含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、このような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を含み、あたかもこのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのようである。
【0021】
処理組成物
本開示は、植物ロジン材料及び芳香材料を含む処理組成物であって、芳香材料は特定の香料原材料を含む処理組成物に関する。
【0022】
処理組成物は、消費者製品組成物であってもよい。消費者製品組成物は、布地ケア組成物、硬質表面洗浄組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、ボディクレンジング組成物、又はこれらの混合物であってもよい。消費者製品組成物は、液体柔軟剤組成物又はヘアコンディショナー組成物といったコンディショニング組成物であってもよい。
【0023】
本開示の処理組成物は、布地ケア組成物であってもよい。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。布地ケア組成物は、布地洗剤組成物、布地コンディショニング組成物又はそれらの混合物、好ましくは布地コンディショニング組成物であってもよい。布地コンディショニング組成物としては、液体布地柔軟剤及び液体布地柔軟剤組成物が挙げられ得る。
【0024】
処理組成物は、例えば、液体組成物、顆粒組成物、親水コロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解可能なシート、芳香錠又はビーズ、繊維状物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、泡/ムース、不織布又はそれらの混合物の形態といった任意の好適な形態であってもよく、好ましくは液体であってもよい。
【0025】
処理組成物は、液体の形態であってもよい。液体組成物は、組成物の約30重量%から、又は約40重量%から、又は約50重量%から、約99重量%まで、又は約95重量%まで、又は約90重量%まで、又は約75重量%まで、又は約70重量%まで、又は約60重量%までの水を含んでもよい。液体組成物は、液体洗濯洗剤、液体布地コンディショナー、液体食器洗剤、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー又はそれらの混合物であってもよい。
【0026】
処理組成物は固体の形態であってもよい。固体組成物は、粉末組成物又は顆粒組成物であってもよい。かかる組成物は、凝集又は噴霧乾燥されてもよい。かかる組成物は、複数の顆粒又は粒子を含んでもよく、そうした顆粒又は粒子を含む少なくともその一部は異なる組成物を含む。組成物は、粉末洗浄組成物又は顆粒洗浄組成物であってもよく、これらは漂白剤を含んでもよい。組成物は、ビーズ又は芳香錠の形態であっても良く、これらは液体融解物から芳香錠化されてもよい。組成物は押出成形された製品であってもよい。
【0027】
処理組成物は、錠剤、パウチ、シート又は繊維状物品などの単位用量物品の形態であってもよい。パウチ形態の単位用量物品は、典型的には、組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムは、MonoSol,LLC(Indiana,USA)から入手可能である。組成物は、単区画パウチ又は多区画パウチに封入することができる。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べて及び/又は重ねて配置された区画を含んでもよい。パウチ又はその区画に含有される組成物は、液体、固体(粉末など)又はそれらの組合せであってもよい。パウチ組成物は、例えば洗剤組成物の約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約12重量%未満、又は約10重量%未満、又は約8重量%未満の水といった比較的低量の水を有してもよい。
【0028】
処理組成物はスプレーの形態であってもよく、例えばトリガー式噴霧器及び/又は弁を備えたエアロゾル容器を介してボトルから分配されてもよい。
【0029】
処理組成物が液体であるときには、組成物は粘度を特徴としてもよい。組成物は、20s-1かつ21℃では約1~約1500センチポアズ(約1~1500mPa*s)、又は約50~約1000センチポアズ(約50~1000mPa*s)、又は約100~500センチポアズ(約100~500mPa*s)、又は約100~約200センチポアズ(約100~200mPa*s)の粘度を有してもよいことが開示されている。比較的低い粘度によって添加が改善され、かつ/又はディスペンサ引き出し部分の残留物を少なくすることが可能となる。粘度は、以下の試験方法の節に提供された方法に従って決定される。
【0030】
本開示の処理組成物は、約2~約12、又は約2~約8.5、又は約2~約7、又は約2~約5のpHを特徴としてもよい。本開示の処理組成物は、好ましくは水性液体の形態で、約2~約4のpH、好ましくは約2~約3.7のpH、より好ましくは約2~約3.5のpHを有してもよい。かかるpHレベルは、コンディショニング活性などのある特定の補助剤(例えば、エステルクワット)の安定性を促進させると考えられている。組成物のpHは、組成物を脱イオン水中に溶解/分散させて、約20℃で10%濃度の溶液を形成することによって測定される。
【0031】
本開示の処理組成物、好ましくは液体処理組成物は、粒子を含んでもよい。粒子は、植物樹脂材料と香料原材料などの1種以上の有益剤とを含んでもよい。処理組成物が液体の形態であるときには、処理組成物は構造化剤を更に含んでもよい。本プロセスは、ベース組成物に構造化剤を添加することを含んでもよく、好ましくは1種以上の有益剤及び植物ロジン材料が添加された後にベース組成物に構造化剤を添加することを含んでもよい。構造化剤は、処理組成物中に粒子を懸濁可能な有効量で存在してもよい。
【0032】
処理組成物は補助成分を含んでもよく、その多くは上に説明されている。補助剤は、植物ロジン材料及び/又は1種以上の有益剤がベース組成物に添加される前、その間又はその後にベース組成物に添加されてもよい。例えば、香油原液は、植物ロジン材料及び1種以上の有益剤(例えば、芳香材料)を含むプレミックス組成物の前にベース組成物に添加されてもよい。例えば、香料カプセル剤は、かかるプレミックスがベース組成物に添加された後に添加されてもよい。構造化剤は、プレミックス組成物の後に添加されてもよく、存在する場合には香料カプセル剤の後に添加されてもよい。
【0033】
植物ロジン材料、芳香材料及びそれらのプレミックスを以下により詳細に説明する。
【0034】
植物ロジン材料
本開示の組成物は、植物ロジン材料に関する。植物ロジン材料は、本明細書に開示されるように芳香材料と相互作用し、効果的な香料送達系を形成すると考えられている。
【0035】
本明細書で使用される場合、「植物ロジン材料」は、植物ロジン(樹脂酸を含む)、植物ロジンの誘導体又はそれらの混合物を含んでもよい。本組成物、粒子及びプロセスの植物ロジン材料は、例えば堆積の改善及び/又は有益剤の安定性を促進させることによって性能上の利点を提供し得る。かかる材料は、天然供給源及び/又は持続可能な供給源に由来することから、本明細書に開示される組成物及びプロセスの公知の代替物の方が更に好ましい場合がある。
【0036】
以下により詳細に説明されるように、植物ロジンは、針葉樹(綱:マツ綱)、通常はマツの木(属:マツ属)に典型的には由来している。「松脂」とも呼ばれる植物ロジンは、液体樹脂を加熱して揮発性液体であるテルペン成分を気化させることで生み出される固体材料である。植物ロジンは、アビエチン酸などの樹脂酸と関連する化合物から典型的には構成される。植物ロジンは、例えばエステル化及び/又は水素添加によって更に誘導されてもよい。
【0037】
植物ロジン材料は、最終処理組成物で効果を提供するように任意の好適なレベルで添加されてもよい。例えば、植物ロジン材料は、最終処理組成物の約0.01重量%~約10重量%、又は約0.01重量%~約5重量%、又は約0.05重量%~約3重量%、又は約0.1重量%~約1重量%のレベルで存在するような量で添加されてもよい。ほぼ添加しないことで、ほぼ効果がなかったり全く効果がなかったりする事態が生じる可能性があるが、その一方で過剰に添加することで加工上の課題が生じる可能性がある。
【0038】
植物ロジン材料は軟化点を特徴とし得る。植物ロジン材料は、典型的には室温で固体であるが、軟化点はこれらの材料に関連するガラス転移温度の尺度である。植物ロジン材料の軟化点は、以下の試験方法の節に提供された方法に従って決定される。
【0039】
植物ロジン材料は、約50℃~約175℃、又は約60℃~約150℃、又は約75℃~約125℃の軟化点を特徴とし得る。ロジンは、消費者製品に導入するために加熱によって軟化される必要があり得る。したがって、加工の容易さ及び/又はエネルギーの節約のため、比較的低い軟化点(例えば、125℃未満)を有する植物ロジン材料は、本開示の組成物及びプロセスにとって好ましい場合がある。より低い軟化点はまた、植物ロジン材料の堆積補助性能の改善に効果があり得る。
【0040】
植物ロジン材料は、酸価(「酸価(acid value)」と呼ばれることがある)を特徴とし得る。植物ロジン材料の酸価は、これらの製品の遊離酸の総含有量に関連する。植物ロジン材料の酸価は、以下の試験方法の節に提供された方法に従って決定される。
【0041】
植物ロジン材料は、例えば約0~約175といった約175未満の酸価を特徴とし得る。本開示の粒子、組成物及びプロセスについては、処理組成物の最終pHへの影響が最小限であるように、約125未満、好ましくは約100未満、より好ましくは約75未満、更により好ましくは約50未満、より好ましくは約25未満といった比較的低い酸価を有する植物ロジン材料を使用することが好ましい場合がある。理論に束縛されるものではないが、比較的低い酸価を有する植物ロジン材料は、本開示のベース組成物及び/又は処理組成物中でより容易に分散可能でもあると考えられている。
【0042】
植物ロジン材料の色は、1~18の範囲のガードナー色標準数に基づいて等級付けされ得る。処理組成物の最終的な色への影響を最小限にするため、本開示の植物ロジン材料は好ましくは、約1~約10、好ましくは約1~約8の色等級を有してもよい。植物ロジン材料の色等級は、以下の試験方法の節に提供された方法に従って決定される。
【0043】
植物ロジン材料は臭気を有する場合がある。天然由来の樹脂は、多量のテルペン化合物を有する。本開示の組成物及びプロセスについては、天然由来の樹脂は全体的な知覚を阻害しないように、比較的少量のテルペン構造及び/又は臭気を有する化合物を選択することが好ましい場合がある。一方、マツの木のような芳香性が望まれる場合には、テルペン構造の存在が好ましい場合がある。
【0044】
例えば、トール油ロジンは臭気に悪影響を与える硫黄汚染物質を含み得ることから、ガムロジンがトール油ロジンよりも好ましい場合がある。一方、ロジン材料に関連する「マツのような(piney)」香りは特定の製品組成物では通常又は望ましい場合があるため、植物ロジン材料が検出可能な臭気を有することが望ましい場合がある。
【0045】
植物ロジン材料は典型的には、水に比較的不溶性である。例えば、本開示の植物樹脂材料は、22℃の脱イオン水中では1g/L未満、又は100g/L未満、又は1g/L未満、又は0.1g/L未満、又は約0.01g/L未満の溶解度を特徴とし得る。理論に束縛されることを望むものではないが、本開示の植物ロジン材料の比較的不溶性の性質は、関連する有益剤の堆積効率及び性能に寄与すると考えられている。
【0046】
植物ロジン材料は、密度を特徴とし得る。典型的には、植物ロジン材料は、25℃で、1.0kg/dm3よりも大きく、好ましくは少なくとも1.1kg/dm3である密度を特徴とする。
【0047】
植物ロジン材料は、典型的には可燃性である。本開示の粒子、組成物及びプロセスについては、より容易で安全な加工を促進させるために、例えば190℃よりも高いような、比較的高温の引火点を有する植物ロジン材料を使用することが好ましい場合がある。植物ロジン材料の引火点は、以下の試験方法の節に提供された方法に従って決定される。
【0048】
本開示の方法及び組成物は、植物ロジン材料を含んでもよく、植物ロジン材料は、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、それらの誘導体及びそれらの混合物からなる群から選択される材料;好ましくはガムロジン、その誘導体及びそれらの混合物;より好ましくはガムロジンエステル、を含んでもよい。植物ロジン材料は、植物ロジンのエステル、好ましくは2個以上の炭素原子を有するアルコールから形成されたエステルであり、より好ましくはアルコールがグリセロール、ペンタエリスリトール又はそれらの混合物であってもよい。植物ロジン材料は、少なくとも部分的に水素添加されてもよく、好ましくは完全に水素添加されてもよい。植物ロジン材料は、植物ロジン材料の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも85重量%のアビエチン型の酸、アビエチン型の酸の誘導体又はそれらの混合物を含んでもよい。
【0049】
植物ロジン及び植物ロジンの誘導体並びにかかる物質を含むプレミックスが、以下により詳細に説明される。
【0050】
A.植物ロジン
本開示の植物ロジン材料は植物ロジンを含んでもよい。植物ロジンは、典型的には植物のオレオ樹脂から取得可能であるが、これはマツの木からしみ出るか、それ以外の場合にはマツの木から誘導され得る。オレオ樹脂は揮発性テルペンを取り除くために蒸留されてもよく、残留している固体材料が植物ロジンである。
【0051】
植物ロジンは室温で固体であり得る。固体ロジンは比較的半透明及び/又はガラス様であってもよい。植物ロジン材料は、例えば淡黄色から暗い茶色、又は黒色までの範囲の色を有してもよい。
【0052】
植物ロジンは、典型的には化合物の混合物であり、主に樹脂酸から構成される(ロジン酸とも呼ばれる)。植物ロジンは、植物ロジンの少なくとも約75重量%、又は少なくとも約80重量%、又は少なくとも約85重量%、又は少なくとも約90重量%、又は少なくとも約95重量%の樹脂酸を含んでもよい。植物ロジンは、植物ロジンの約75重量%~約97重量%、又は約80重量%~約96重量%、又は約85重量%~約95重量%、又は約90重量%~約95重量%の樹脂酸を含んでもよい。残りの材料は非酸性材料であってもよい。
【0053】
樹脂酸は、典型的には3つの縮合環を有するモノカルボン酸である。樹脂酸は、例えばC19H29COOHといった分子式を有する三環式ジテルペンモノカルボン酸であってもよい。樹脂酸としては、アビエチン型の酸、ピマール型の酸、プリカト酸又はそれらの混合物が挙げられてもよい。アビエチン型の酸の二重結合は、典型的には共役しているが、一方でピマール型の酸の二重結合は、典型的には共役していない。
【0054】
アビエチン型の酸としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、パルストリン酸、レボピマル酸又はそれらの混合物が挙げられてもよい。ピマール型の酸としては、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸(sandaracopimiaric acid)又はそれらの混合物が挙げられてもよい。これらの例示的な樹脂酸の構造を、以下の表Aに提供する。
【0055】
【0056】
植物ロジンは、アビエチン型の酸、好ましくはアビエチン酸を含んでもよい。アビエチン酸は、実験式C19H29COOHを有し、アビエチニン酸(abietinic acid)又はシルビン酸としても知られている。アビエチン型の酸は典型的には、植物ロジンの主成分である。植物ロジンは、植物ロジンの少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%、又は少なくとも80重量%、又は少なくとも85重量%のアビエチン型の酸、好ましくはアビエチン酸を含んでもよい。
【0057】
植物ロジンは、取得した供給源に応じて分類されてもよい。例えば、本開示の植物ロジンは、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン又はそれらの混合物として分類されて(及びこれらを含んで)もよい。ガムロジンは、木又は他の植物の樹脂押出物に由来しており、木から樹液を取る、又は木に傷をつけ、押出物を収集及び加工することで収集されてもよい。ウッドロジンは、例えば溶媒抽出及び/又は蒸留によってマツの木の切株から収集される材料に由来し得る。トール油ロジンは、マツの木をパルプ化する際の木材のパルプ製造のクラフトプロセス中に、粗トール油を蒸留した際の副生成物である。
【0058】
好適な植物ロジンは、例えばピヌス・マッソニアナ(Pinus massoniana、バビショウ)、ピヌス・エリオッティ(P. elliotti、スラッシュマツ)、ピヌス・パラストリス(P. palustris、ダイオウマツ)、ピヌス・タエダ(P. taeda、テーダマツ)、ピヌス・オーカルパ(P. oocarpa、メキシカンイエローパイン)、ピヌス・レイオフィラ(P. leiophylla、チワワマツ)、ピヌス・デボニアナ(P. devoniana、ピノ・ラシオ又はミチョアカンマツ)、ピヌス・モンテスマエ(P. montezumae、モンテスマエマツ)、ピエス・ピナステル(P. pinaster、フランスカイガンショウ)、ピエス・シルベストリス(P. sylvestris、スコッチパイン)、ピエス・ハレペンシス(P. halepensis、アレッポマツ)、ピエス・インサラリス(P. insularis、ベンゲソトマツ)、ピエス・ケシヤ(P. kesiya、ケシヤマツ)、ピエス・ストロバス(Eastern white pine、ストローブマツ)又はそれらの混合物といった種々のマツ種から得られてもよい。
【0059】
B.植物ロジン誘導体
本開示の植物ロジン材料は、植物ロジンの誘導体を含んでもよい。植物ロジンの誘導体は、アビエチン酸などのロジン酸といった植物ロジン材料を化学修飾することで作製されてもよい。かかる誘導体は、エステル化、水素添加、二量体化、重合、鹸化又はそれらの混合物で製造されてもよい。したがって、植物ロジンの誘導体は、ロジンエステル、水素添加ロジン、水素添加ロジンエステル、二量体化ロジン、重合ロジン又はそれらの混合物を含んでもよい。
【0060】
植物ロジン材料は、植物ロジンのエステルであってもよい。植物ロジンのエステルは、植物ロジン(例えば、ロジン酸)とアルコールの反応生成物であってもよい。3個のアビエチン酸分子と1個のグリセロール分子との間のサンプルの縮合反応が以下に示されているが、これによってロジンエステルが生じる。
【0061】
【0062】
エステル化反応でのアルコールは、モノアルコール、ジオール又はポリオールであってもよく、好ましくはジオール又はポリオールであってもよい。好適なモノアルコールとしては、メタノールが挙げられるが、これはロジン酸と反応した際にロジンメチルエステルを形成することができる。2個のヒドロキシル基を含む好適なジオールとしては、トリエチレングリコールを挙げることができる。アルコールは、3個以上のヒドロキシル基を含むポリオールであってもよい。好適なポリオールは、合計3個のヒドロキシル基(例えば、グリセロール)、合計4個のヒドロキシル基(例えば、ペンタエリスリトール)、又は合計6個のヒドロキシル基(例えば、ソルビトール又はマンニトール)を含んでもよい。好ましいポリオールとしては、グリセロール、ペンタエリスリトール及びそれらの混合物が挙げられる。
【0063】
エステル化反応でのアルコールは、1個~10個の炭素原子、好ましくは1個~7個、より好ましくは1個~6個、更により好ましくは1個~5個、更により好ましくは3個~5個の炭素原子を含んでもよい。エステル化反応でのアルコールは、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは2個~10個、より好ましくは2個~6個、更により好ましくは2~5個の炭素原子を含むことが好ましい場合がある。ロジンエステルはメチルエステルではないことが好ましい場合がある。
【0064】
エステル化反応で使用されるアルコールは、比較的低い分子量を有する場合がある。例えば、アルコールは約約32ダルトン~約300ダルトン、好ましくは32ダルトン~約200ダルトン、より好ましくは約32ダルトン~約150ダルトン、更により好ましくは約90ダルトン~約150ダルトンの分子量を有してもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、低分子量のアルコールから形成されたロジンエステルは、比較的高い分子量のアルコールから形成されたロジンエステルと比較すると、比較的低い軟化点及び/又は低い酸価を特徴とする可能性があり、これによってより良好な加工性及び/又は性能が生じると考えられている。
【0065】
エステル化反応に使用されるアルコールは、グリセロール又はペンタエリスリトールであってもよい。したがって、植物ロジンの誘導体は、グリセリルロジンエステル、ペンタエリスリチルロジンエステル又はそれらの混合物であってもよい。
【0066】
植物ロジンの誘導体は水素添加ロジンであってもよい。多くの植物ロジン化合物(例えば、ロジン酸)が不飽和であることを考慮した場合、これらは酸化的には不安定である傾向があり、貯蔵時に色変化する場合がある。水素添加によってロジンが安定化する一助となり、望ましくない色変化を減少させることができる。更には、水素添加ロジンは親ロジンよりも明るい色を有する傾向があり、これによって更に多くの配合及び審美的な柔軟性がもたらされる。
【0067】
植物ロジン及び/又はロジン酸は、部分的に、又は完全に水素添加されていてもよい。以下は、アビエチン酸を部分的に、及び完全に水素添加するためのサンプル反応である。
【0068】
【0069】
処理組成物は、少なくとも部分的に水素添加された、好ましくは完全に水素添加された植物ロジン材料を含んでもよい。
【0070】
植物ロジンの誘導体は、水素添加且つエステル化されていてもよい。例えば、植物ロジンの誘導体は水素添加メチルエステル又は水素添加グリセリルエステルであってもよい。
【0071】
植物ロジンの誘導体は、二量体化植物ロジンであってもよい。二量体化は、ロジン酸の軟化点及び/又は安定性を高めるためには有用であり得る。アビエチン酸のサンプル二量体化反応を以下に示す。
【0072】
【0073】
ロジンのサンプルを完全に二量体化することは困難又は不可能でさえあることから、ロジン二量体は多くの場合、非二量体化ロジン酸と共に存在する。二量体化ロジン酸は更にエステル化されてもよい。
【0074】
植物ロジンの誘導体は、Zi2+又はCa2+などのイオンによって二量体化してもよい。例えば、樹脂酸亜鉛は、2個のアビエチン酸化合物が亜鉛イオンに結合されている植物ロジンの誘導体である。
【0075】
植物ロジンの誘導体は、ロジン系ポリマーであってもよい。本明細書で使用される場合、ロジン系ポリマーは、ロジン酸由来の3個以上の単量体単位を含む、ロジン系オリゴマーを含む化合物を含むことが意図されている。ポリマーは主鎖ポリマー又は側鎖ポリマーであってもよい。
【0076】
植物ロジンの誘導体は、ロジン酸がアルカリ金属水酸化物(例えば、NaOH若しくはKOH)又はアルカリ土類金属水酸化物(例えば、Ca(OH)2)と反応するロジン石鹸であってもよい。より広義では、植物ロジンの誘導体はロジン酸の塩であってもよい。
【0077】
植物ロジンの誘導体は、官能化植物ロジンであってもよい。言い換えれば、植物ロジンは官能化されてもよく、1個以上の官能基が植物ロジンに付加されている。
【0078】
植物ロジンの誘導体は、ロジン酸と無水マレイン酸との反応生成物などのディールス・アルダー反応の生成物が挙げられてもよく、かかる反応生成物は重合していてもよい。
【0079】
植物ロジンの誘導体としては、ロジンがフェノールと反応したロジン変性フェノール樹脂が挙げられ得る。植物ロジンの誘導体は、ロジン酸のカルボキシル基のうちの1個以上がヒドロキシル基に転換したロジンアルコールを含んでもよい。
【0080】
本明細書に開示される組成物及びプロセスに好適である市販の植物ロジンの誘導体としては、以下の実施例の節のうちの実施例1に開示されるものが挙げられ得る。
【0081】
芳香材料
処理組成物は、1つ以上の香料原材料を含み得る芳香材料を含んでもよい。特定の構造又は化学物質を特徴とする香料原材料は、本明細書に記載の植物ロジン材料と組み合わせられた場合に特に良好に機能し、爽やかさ性能の改善を生じさせる。
【0082】
「香料原材料」という用語(又はperfume raw material、「PRM」)は、本明細書で使用するとき、少なくとも約100g/モルの分子量を有し、かつ匂い、芳香、エッセンス、又は香りを、単独で又はその他の香料原材料と共に付与するのに有用な化合物を意味する。典型的なPRMは、特に、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ナイトライト、及びテルペンなどのアルケンを含む。一般的なPRMのリストは、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」第I巻及び第II巻;Steffen Arctander Allured Pub.Co.(1994)及び「Perfumes:Art,Science and Technology」、Miller,P.M.and Lamparsky,D.,Blackie Academic and Professional(1994)のような様々な参照元に見出され得る。
【0083】
芳香材料は、少なくとも5種、又は少なくとも10種、又は少なくとも15種、又は更には少なくとも20種などの複数の香料原材料を含んでもよく、芳香材料中に種々のPRMを使用することで、多くの望ましい特性などの改善された香り体験を提供することができる。芳香材料は、加工の複雑さを減少させ、かつ/又は悪影響がある相互作用を最小化するのに役立てることができる最大限のPRMを含んでもよく、例えば、芳香材料は最大で50種、又は最大で40種、又は最大で30種、又は最大で25種、又は最大で20種、又は最大で15種のPEMを含有してもよい。
【0084】
特に、本開示の芳香材料は、特定の化学物質又は構造部分を特徴とする香料原材料を含んでもよい。例えば、芳香材料は、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分、分岐アルカン部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む1種以上の香料原材料を含んでもよい。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、こうした種類のPRMと植物ロジン材料(例えば、アビエチン型の酸の材料)との間の構造上の類似性は、材料間の化学的結合及び/又は物理的結合を促進させることができ、これによって例えばPRMの堆積を改善させることで爽やかさ性能の改善が生じると考えられている。1種以上のPRMがアルデヒド部分を含むことが更に好ましい場合がある。これは、望ましい嗅覚体験と、植物ロジン材料との有利な相互作用に寄与し得る。
【0085】
1種以上の香料原材料はシクロアルカン部分、好ましくは環構造を形成する5~7個の炭素、好ましくは5~6個の炭素を有する環構造を含むシクロアルカン部分を含んでもよい。1種以上の香料原材料はシクロアルケン部分、好ましくは環構造を形成する5~7個の炭素、好ましくは5~6個の炭素を有する環構造を含むシクロアルケン部分を含んでもよい。1種以上の香料原材料は分岐アルカン部分、好ましくは1~4個の炭素原子、好ましくは2~3個の炭素原子を含む分岐アルカン部分を含んでもよい。示されているサイズの部分は、異なるサイズの部分と比較すると植物ロジン材料との良好な結合がもたらされる可能性があると考えられている。
【0086】
1種以上の香料原材料は、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分、分岐アルカン部分及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも2つの部分を含んでもよい。
【0087】
1種以上の香料原材料は、芳香材料の約25重量%~約100重量%、好ましくは約50重量%~約95重量%、より好ましくは約60重量%~約90重量%、更により好ましくは約70重量%~約80重量%の量で存在してもよい。
【0088】
好ましい香料原材料(CAS番号を含む)は、メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ユーカリプトール(CAS番号470-82-6);ローズオキシドL(CAS番号3033-23-6);ダマセノン合計937459(CAS番号23696-85-7);コールドプレスされたオレンジ油(CAS番号138-86-3);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ジメチルベンジルカルビニルアセタート(CAS番号151-05-3);メチルイソブテニルテトラヒドロピラン(CAS番号16409-43-1);p.t.ブシナール(CAS番号80-54-6);ヴェロートン(CAS番号65443-14-3);上記のα-テルピネオール(CAS番号98-55-5);テトラヒドロムグオール(CAS番号18479-57-7);アリルシクロヘキサンプロピオナート(CAS番号2705-87-5);シトロネロール(CAS番号106-22-9);ペオニル(CAS番号10461-98-0);カシュメラン(CAS番号33704-61-9);フルクタラート943871(CAS番号72903-27-6);デルタダマスコン(CAS番号57378-68-4):ジヒドロテルピニルアセタート(CAS番号53767-93-4);イソボルニルアセタート(CAS番号125-12-2);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ベルドックス(CAS番号88-41-5);アフェルマート(CAS番号25225-08-5);アンバーエクストリーム(CAS番号476332-65-7);ガルバスコン(CAS番号56973-85-4);テトラヒドロリナロオール(CAS番号78-69-3);オレンジフラワーエーテル(CAS番号14576-08-0);フルテン(CAS番号17511-60-3);イソEスーパー(CAS番号54464-57-2);シマール(CAS番号103-95-7);リグストラール-2(CAS番号27939-60-2);リグストラール-1(CAS番号68039-49-6);ジヒドロジャスモン酸メチル(CAS番号24851-98-7);メチルセドリルエーテル(CAS番号19870-74-7);アドキサール(CAS番号141-13-9);ジメチルベンジルカルビニルブチラート(CAS番号10094-34-5);デュピカール(CAS番号30168-23-1);フロールアセタート(CAS番号5413-60-5);ウンデカベルトール(CAS番号81782-77-6);メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ハバノリド(CAS番号111879-80-2);ミントナト(CAS番号67859-96-5);ヘリオトロピン(CAS番号120-57-0);バーテネックス(CAS番号32210-23-4);ヘルベトリド(CAS番号141773-73-1);1-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-エタノン(CAS番号68155-66-8);α-ピニルイソブチルアルデヒド(CAS番号33885-52-8);サンダロール(CAS番号65113-99-7);ガラキソリド(CAS番号1222-05-5);イソシクロシトラール(CAS番号1335-66-6);3-エトキシ-1,1,5-トリメチル-シクロヘキサン(CAS番号67583-77-1);ジャスマサイクレン(CAS番号5413-60-5);4-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(CAS番号32210-23-4);メチルセドリロン(CAS番号32388-55-9);ヘキサメチルインダノピラン(CAS番号1222-05-5);ネクタリル(CAS番号95962-14-4);シクラブート(CAS番号67634-20-2);セタロックス(CAS番号3738-00-9);ピラノール(CAS番号63500-71-0);イソ-γ-スーパー(CAS番号68155-66-8);オレンジテルペン(CAS番号5989-27-5);ラエボメントール(CAS番号2216-51-5);ラエボトリサンドール(CAS番号28219-61-6);フロルヒドラル(CAS番号125109-85-5);並びにそれらの混合物から選択されてもよい。これらのPRMは、本開示に記載の植物ロジン材料と組み合わせられて使用されるときには、良好に香るPRMの例であると考えられている。
【0089】
以下に提示されるデータ及び/又は分子記述子に基づき、以下のPRM:メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ユーカリプトール(CAS番号470-82-6);ローズオキシドL(CAS番号3033-23-6);ダマセノン合計937459(CAS番号23696-85-7);コールドプレスされたオレンジ油(CAS番号138-86-3);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ジメチルベンジルカルビニルアセタート(CAS番号151-05-3);メチルイソブテニルテトラヒドロピラン(CAS番号16409-43-1);p.t.ブシナール(CAS番号80-54-6);テトラヒドロムグオール(CAS番号18479-57-7);ジヒドロテルピニルアセタート(CAS番号53767-93-4);イソボルニルアセタート(CAS番号125-12-2);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ベルドックス(CAS番号88-41-5);アフェルマート(CAS番号25225-08-5);アンバーエクストリーム(CAS番号476332-65-7);ガルバスコン(CAS番号56973-85-4);テトラヒドロリナロオール(CAS番号78-69-3);オレンジフラワーエーテル(CAS番号14576-08-0);フルテン(CAS番号17511-60-3);イソEスーパー(CAS番号54464-57-2);シマール(CAS番号103-95-7);リグストラール-2(CAS番号27939-60-2);リグストラール-1(CAS番号68039-49-6);ジヒドロジャスモン酸メチル(CAS番号24851-98-7);メチルセドリルエーテル(CAS番号19870-74-7);アドキサール(CAS番号141-13-9);ジメチルベンジルカルビニルブチラート(CAS番号10094-34-5);デュピカール(CAS番号30168-23-1);フロールアセタート(CAS番号5413-60-5);ウンデカベルトール(CAS番号81782-77-6);メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ハバノリド(CAS番号111879-80-2);ミントナト(CAS番号67859-96-5);バーテネックス(CAS番号32210-23-4);ヘルベトリド(CAS番号141773-73-1);1-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-エタノン(CAS番号68155-66-8);α-ピニルイソブチルアルデヒド(CAS番号33885-52-8);サンダロール(CAS番号65113-99-7);4-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(CAS番号32210-23-4);ピラノール(CAS番号63500-71-0);イソ-γ-スーパー(CAS番号68155-66-8);又はそれらの混合物は、特に有用であり得ると考えられている。
【0090】
植物ロジン材料及び芳香材料の少なくとも一部分(「同じ箇所に配置された部分」)が、1つ以上の粒子中で同じ箇所に配置されている。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、かかる構成では、芳香材料が同じ箇所に配置された部分は植物ロジンマトリックスによってカプセル化されている、及び/又は植物ロジンマトリックス中に埋め込まれていると考えられている。好ましくは、粒子は約10ミクロン~約400ミクロン、又は約15ミクロン~約300ミクロン、又は約20ミクロン~約250ミクロン、又は約25ミクロン~約200ミクロン、又は約30ミクロン~約150ミクロン、又は約35~約125ミクロン、好ましくは約40~約100ミクロン、より好ましくは約50~約90ミクロンの粒子の体積加重平均粒子径を有する。かかる粒子は、例えば標的とする表面上へのPRMの堆積の改善を促進することで爽やかさ性能の改善を促進させると考えられている。
【0091】
芳香材料の同じ箇所に配置された部分は、芳香材料の同じ箇所に配置された部分の少なくとも50重量%の1種以上の香料原材料を含み、1種以上の香料原材料が、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分、分岐アルカン部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含んでもよい。上述したように、かかるPRMは植物ロジン材料との結合を有利に形成すると考えられている。
【0092】
芳香材料の同じ箇所に配置された部分は、存在する場合には、比較的限定された量の、上に説明されている構造部分を特徴としないPRMなどあまり好ましくないPRMを含有する可能性がある。かかるPRMは、一般には好ましいPRMと同等に植物ロジン材料と効率的に結合せず、それゆえに好ましいPRMと同等に効率的に堆積しないと考えられているが、とは言え、かかるPRMは更に完全な爽やかさ体験を提供するためには依然として存在してもよい。例えば、芳香材料の同じ箇所に配置された部分は、芳香材料の同じ箇所に配置された部分の50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下の香料原材料を含み、香料原材料が、C4~C24直鎖アルカン部分、芳香族部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む可能性がある。芳香材料の同じ箇所に配置された部分は、芳香材料の同じ箇所に配置された部分の約1重量%~約50重量%、又は約5重量%~約30重量%、又は約10重量%~約25重量%のこうした(あまり好ましくない)PRMを含んでもよい。
【0093】
処理組成物は遊離芳香材料を含んでもよく、本開示の目的については、これはかかる芳香材料が植物ロジン材料とは同じ箇所に配置されておらず、かつそれ以外の場合にはカプセル化されていないことを意味する。遊離芳香材料は代わりに、例えば液体マトリックス中などの処理組成物のマトリックス中で結合されていない、結合されていない、及び/又はカプセル化されていないことが見出されている。典型的には、遊離芳香材料は、植物ロジン材料とは別個の投入物として添加される。
【0094】
上に説明されているように、特定のPRMは植物ロジン材料と結合する可能性が低い。したがって、より完全で包括的な爽やかさ体験を配合するために、かかるPRMを遊離芳香材料として含むことが好ましい場合がある。遊離芳香材料は、C4~C24直鎖アルカン部分、芳香族部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む1種以上の香料原材料を含んでもよい。遊離芳香材料は、遊離芳香材料の少なくとも約25重量%、好ましくは少なくとも約50重量%の1種以上の香料原材料を含んでもよい。
【0095】
本開示の芳香材料は、特定の分子記述子で説明され得る香料原材料を含んでもよい。本明細書に記載の分子記述子は、PRMの分子構造の特定の態様に関する。理論に束縛されるものではないが、例えば特定の三次元構造といった特定の構造は、植物ロジン自体の中に存在するテルペン構造との強力な分子相互作用に有利であり、これによって分配が改善され、かつより適合性が増し、それゆえにより好ましいPRMが生じると考えられている。本明細書に記載の分子記述子は、分子構造を説明する上で有用であり、それゆえどのPRMが好ましいかを予測する上で有用である。分子記述子は、コンピュータプログラムを使用することで決定することができるため、効果的な香料送達を提供するためにはどのPRMが植物ロジン材料と良好に機能する可能性が高いかを予測/決定するときに、実験室用の供給源を節約することができる。
【0096】
例えば、SsssCH、Gmin及びdxp10は、本明細書の組成物及びプロセスで有用であり得る分子記述子である。SsssCH、Gmin及びdxp10の値及び説明を、文献及び市販のソフトウェアプログラムで見出すことができる。具体的には、本明細書で使用される選択された記述子は、メーカーの指示書に従って使用されるソフトウェアプログラムであるwinMolconnバージョン1.1.2.1(Hall Associates Consulting of Quincy,MAから入手可能)によって計算される。構造は、2D接続テーブル(SDFフォーマット又はSMILES)を使用して作成される。このモデルの試験方法の計算に使用される分子記述子のラベルは、winMolconnによって報告されるのと同じラベルであり、その説明及び定義は、winMolconnの説明書に列挙されていることを見出すことができる。記述子は、分子の空間的配置及び分子内での電気陰性基の位置などのPRMの構造に関連する。各分子記述子を以下により詳細に説明する。
【0097】
SsssCHは、全ての>CH-炭素原子であって、炭素が1個の水素及び3個の非水素に単結合している全ての原子レベルの電子位相幾何学的状態(E-state)値の和である。この値は、分子中の分岐炭素が増加した結果として増加する。
【0098】
dxp10は、単純差分chiパス10トポロジカル・インデックスである。この値はサイズに依存しており、かつ極性にも依存している。より大きな分子は、より大きな正の値のdxp10を有するが、より多くのヘテロ原子を含むより大きな分子は、より大きな負の値のdxp10を有する。
【0099】
Gminは、求核攻撃が可能な部位をコードする最低原子レベルのE-stateである。求核攻撃は、なぜロジン/PRMの組合せがPRM単独よりも効率的なのかを説明する機構の一部であるとは予想されていないが、記述子であるGminは、水溶解度のような特性を説明するためには重要であり得る分子中の相対的な電荷分布をより反映している可能性がある。
【0100】
winMolconn資料に加え、以下の参考文献:L.Hall,B.Mohney,and L.Kier,「The Electrotopological State:Structure Information at the Atomic Level for Molecular Graphs,」J.Chem.Inf.Comput.Sci.1991,31,76-82;L.Hall and L.Kier,「The Molecular Connectivity Chi Indexes and Kappa Shape Indexes in Structure-Property Modeling,」Reviews in Computational Chemistry,1991,Vol.2,367-422;R.Todeschini and V.Chosonni,Molecular Descriptors for Chemoinformatics-Volume II:Appendices,References,2009,Wiley-VCHによって、分子構造及び分子記述子に関連する特性についてより多くの情報を提供することができる。
【0101】
芳香材料は、Hall Associates Consulting of Quincy,MAから入手可能であるソフトウェアプログラムであるwinMolconnバージョン1.1.2.1で報告されているように、以下のパラメータ:(a)0.681852以上のSsssCH値、好ましくは追加的に-0.10643未満のGminを特徴とする;又は(b)0.681852未満のSsssCH値及び-0.00709584未満のdxp10値、のうちの1つを特徴とする1種以上の香料原材料を含んでもよい。芳香材料は、(a)を特徴とする2つ以上の香料原材料、(b)を特徴とする2つ以上の香料原材料、又は1つ以上が(a)を特徴とし、かつ1つ以上が(b)を特徴とする香料原材料の組合せを含有してもよい。典型的には、2種以上の香料原材料はより豊かな嗅覚体験を提供することができる。
【0102】
各分子記述子に関する好ましい境界は、実験データの統計分析とモデリングに基づいて計算されている。特に、決定木アルゴリズムは、各記述子の境界を計算し、特定の構造を特定の集団に分類するために使用されてきた。決定木アルゴリズム及び実験的に取得されたデータの統計分析は、特定のタッチポイントでの特定の処理組成物中の香料単独の場合と比較したロジン/香料系の性能効率を予測するために使用することができると見出されてきた。
【0103】
プレミックス
芳香材料は、プレミックス中の植物ロジン材料と組み合わせられてもよく、これは本開示の処理組成物を作製するためにベース組成物に添加されてもよい。ベース組成物は、以下により詳細に説明されるように補助成分を含んでもよい。したがって、本開示の処理組成物は、植物ロジン材料及び1種以上の有益剤を含むプレミックスを含んでもよい。処理は、プレミックスをベース組成物に添加することを含む方法により形成されてもよく、プレミックスは植物ロジン材料及び芳香材料を含み、ベース組成物は補助成分を含む。
【0104】
プレミックスは、プレミックスの約1重量%~約99重量%の植物ロジン材料を含んでもよい。プレミックスは、プレミックスの約1重量%~約99重量%の芳香剤、好ましくはプレミックスの約1重量%~約99重量%の上で説明された1種以上のPRMを含んでもよい。プレミックスは、約1:99~約99:1、好ましくは約5:95~約95:5、より好ましくは約10:90~約90:10、より好ましくは約20:80~約80:20、より好ましくは約30:70~約80:20、より好ましくは約40:60~約80:20の重量比で植物ロジン材料と芳香材料(好ましくは上記の1種以上のPRM)を含んでもよい。性能上の利点は、植物ロジンの芳香剤に対する重量比(又はロジンのPRMに対する重量比)が高くなることで増大すると考えられている。
【0105】
プレミックスは、乳化剤を含んでもよい。プレミックスは、プレミックスの約1重量%~約95重量%、又は約5重量%~約95重量%、好ましくは約5重量%~約40重量%の乳化剤を含んでもよい。プレミックスは、植物ロジン材料と乳化剤が約5:95~約95:5の重量比である、植物ロジン材料及び乳化剤を含んでもよい。プレミックスは、約5:95~約95:5の重量比で芳香材料と乳化剤を含んでもよい。好適な乳化剤としては、界面活性剤、両親媒性ポリマー又はそれらの混合物が挙げられ得る。
【0106】
好適な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤又はそれらの混合物を含んでもよく、好ましくは非イオン性界面活性剤を含んでもよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化界面活性剤、ピロリドン系界面活性剤(アルキルピロリドンを含み、好ましくはC12アルキルピロリドンを含む)、アルキルポリグリコシド及びそれらの混合物が挙げられてもよい。非イオン性界面活性剤の好ましいHLB値は3~12.5である。好適な市販の非イオン性界面活性剤としては、Lutensol(商標)XP 40(例えばBASF)、Lutensol(商標)XP 70(例えばBASF)、Plurafac(商標)LF 224(BASF)、Plurafac(商標)LF 401(BASF)、Ecosurf(商標)EH 9(DOW)、Neodol(商標)界面活性剤(SHELL)、Dobanol(商標)界面活性剤(SHELL)、Surfadone(商標)LP-300(ASHLAND)、Planteren(商標)APG 600又はそれらの混合物が挙げられ得る。
【0107】
好適な両親媒性ポリマーとしては、ポリ(エチレングリコール)-ポリ(酢酸ビニル)グラフトコポリマー、ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレングリコールグラフトコポリマー又はそれらの混合物などのグラフトコポリマーが挙げられ得る。市販のグラフトコポリマーとしては、Sokalon(登録商標)HP 22又はSoluplus(登録商標)が挙げられ得る(両方ともBASFから入手可能)。
【0108】
プレミックスは、植物ロジン材料を加熱することで作製することができる。植物ロジン材料は、植物ロジン材料の軟化点以上の温度に加熱され得る。プレミックスは、加熱された植物ロジン材料と芳香材料とを組み合わせ、混合することで作製されてもよい。
【0109】
プレミックスの均質性にとって有利であるように、混合は植物ロジン材料の軟化点と同じ温度に設定された加熱油浴で実施されてもよい。サンプルが均質状態になるにつれて、温度は次第に低下させることができる。これによって揮発性材料(例えば、揮発性PRMの蒸発)が損失するリスクの低下が促進される。
【0110】
加工助剤(例えば上記の乳化剤)は、任意の好適な時点で添加することができる。好ましくは、乳化剤は、存在する場合には芳香材料に添加する前に植物ロジン材料と組み合わせられる。添加の順序は、混合物の均質化の容易さを改善すると考えられている。
【0111】
加熱の追加工程又は代替工程として、植物ロジン材料を粉砕して小粒子とし、これを有益剤と混合してもよい。
【0112】
作製されると、プレミックスは周囲温度で貯蔵されてもよい。とは言え、最終製品組成物を作製するためにプレミックスを使用するときには、最終製品中に注入され、それ以外の場合にはベース組成物と組み合わせられる前にプレミックスは加熱されてもよく、例えば約60℃に加熱されてもよい。この加熱工程は、プレミックスが比較的高い、ロジンの芳香材料(又はロジンのPRM)に対する重量比(例えば、50;50を超える)を特徴とするときには役に立つ可能性が最も高い。プレミックスが、例えば乳化剤として非イオン性界面活性剤を含む場合、加熱工程は必要とされなくてもよい。プレミックスが例えば乳化剤として非イオン性界面活性剤を含むときには、加熱工程は必要とされなくともよい。
【0113】
補助成分
本開示の処理組成物は、本開示の粒子に加えて補助成分を更に含んでもよい。補助剤は、布地又は他の織物といった標的とする表面に処理効果を送達する上で好適であり得る。本明細書で使用される場合、補助成分は、緩衝剤、構造化剤/増粘剤、及び/又は担体など、処理組成物における化学安定性又は物理安定性を促進させる作用物質もまた含んでもよい。
【0114】
補助成分は、組成物の意図された使用に好適なレベルで組成物中に存在してもよい。典型的な使用レベルは、光学増白剤などの補助剤についての組成物の0.001重量%という低い濃度から、ビルダーについての組成物の50重量%までの範囲である。
【0115】
補助成分としては、アミン、界面活性剤系、水結合剤(water-binding agent)、亜硫酸塩、脂肪酸及び/又はその塩、酵素、封入された有益剤、汚れ放出ポリマー、色調剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素安定剤、触媒物質、漂白剤、漂白触媒、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー分散剤、ポリマー脂洗浄剤、増白剤、抑泡剤、染料、色調剤、遊離香料(free perfume)、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、充填剤、ヒドロトロープ、有機溶媒、抗菌剤及び/又は防腐剤、中和剤及び/又はpH調整剤、加工助剤、充填剤、レオロジー調整剤又は構造化剤、乳白剤、パールエッセンス剤、顔料、防食及び/又は耐変色剤、並びにそれらの混合物が挙げられ得る。本開示の組成物は、とりわけ、アミン、界面活性剤系、コンディショニング剤、水結合剤、亜硫酸塩剤、構造化剤、有機溶媒、遊離香料、香料送達系又はそれらの混合物が挙げられ得る。これらの補助剤のいくつかは、以下により詳細に説明される。
【0116】
消費者製品補助剤は、界面活性剤系、コンディショニング活性物質又はそれらの組合せを含んでもよい。好ましくは、界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/又は双性イオン性界面活性剤を含む。好ましくは、布地柔軟剤は、第四級アンモニウム化合物、シリコーン化合物又はその両方を含む。
【0117】
本開示による液体消費者製品組成物は、界面活性剤系を含んでもよい。界面活性剤系は、1種の界面活性剤からなっていてよい。界面活性剤系は、複数の界面活性剤を含んでもよい。
【0118】
本開示の組成物は、組成物の約20重量%~約75重量%、又は約25重量%~約70重量%、又は約30重量%~約50重量%の界面活性剤系を含んでもよい。本開示の組成物は、組成物の20重量%未満、又は10重量%未満、又は5重量%未満、又は3重量%未満の界面活性剤系を含んでもよい。
【0119】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組合せを含んでもよい。界面活性剤系は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエトキシル化サルフェート、アルキルサルフェート、エトキシル化アルコール等の非イオン性界面活性剤、アミンオキシド、又はこれらの混合物を含んでもよい。界面活性剤は、少なくとも部分的に、天然供給原料アルコール等の天然の資源に由来してもよい。
【0120】
好適なアニオン性界面活性剤は、任意の従来のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。これは、例えばアルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料用のサルフェート洗浄性界面活性剤、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状、又はこれらの組合せのものであってもよい。好ましい界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホナート(LAS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)を含むアルキルエトキシ化サルフェート(AES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含むアルキルサルフェート(AS)又はそれらの混合物が挙げられる。その他の好適なアニオン性界面活性剤としては、分枝鎖状変性アルキルベンゼンスルホネート(modified alkyl benzene sulfonate、MLAS)、メチルエステルスルホネート(methyl ester sulfonate、MES)、及び/又はアルキルエトキシル化カルボキシレート(alkyl ethoxylated carboxylate、AEC)が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、酸形態、塩形態、又はこれらの混合物で存在してもよい。アニオン性界面活性剤は、部分的に又は全体的に、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)又はアミン(例えば、モノエタノールアミン)によって中和されてもよい。特定の処理組成物、例えば、布地コンディショニング剤などのカチオン性材料を含むものでは、存在するアニオン性界面活性剤の量を制限することが望ましい場合がある。例えば処理組成物は、処理組成物の5重量%未満、又は3重量%未満、又は1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は更には0重量%のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0121】
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含んでいてよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、エトキシル化脂肪族アルコール等のアルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。その他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルキルフェノール、アルキルフェノール縮合体、中鎖分枝鎖状アルコール、中鎖分枝鎖状アルキルアルコキシレート、アルキル多糖類(例えば、アルキルポリグリコシド)、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテルキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状(例えば、中鎖分岐状)、又はこれらの組合せであってもよい。特定の非イオン性界面活性剤は、平均約12~約16個の炭素を有し、かつ平均約3~約9個のエトキシ基を有するアルコール、例えばC12~C14のEO7非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0122】
好適な双性イオン性界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインをはじめとするベタイン、C8~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド(例えば、C12~14ジメチルアミンオキシド)、並びに/又は、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート(ここで、アルキル基は、C8~C18又はC10~C14であってもよい)等のスルホ及びヒドロキシベタイン等の、任意の従来の双性イオン性界面活性剤を挙げることができる。双性イオン性界面活性剤は、アミンオキシドを含んでもよい。
【0123】
本開示の組成物は、コンディショニング活性物質を含んでもよい。コンディショニング活性物質を含有する組成物は、柔軟性、しわ防止、静電防止、コンディショニング、抗伸張、色、及び/又は外観に関する利益を提供し得る。本開示の組成物に好適なコンディショニング活性物質としては、第四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化若しくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、又はこれらの組合せを挙げることができる。好ましくは、処理組成物は、第四級アンモニウムエステル化合物、より好ましくはシリコーンと組み合わせた第四級アンモニウムエステル化合物を含むコンディショニング活性物質を含む。
【0124】
コンディショニング活性物質は、組成物の約1重量%~約99重量%のレベルで存在してもよい。組成物は、組成物の約1重量%から、又は約2重量%から、又は約3重量%から、約99重量%まで、又は約75重量%まで、又は約50重量%まで、又は約40重量%まで、又は約35重量%まで、又は約30重量%まで、又は約25重量%まで、又は約20重量%まで、又は約15重量%まで、又は約10重量%までのコンディショニング活性物質を含んでもよい。組成物は、組成物の約5重量%~約30重量%のコンディショニング活性物質を含んでよい。
【0125】
本開示による液体処理組成物は、外部構造化剤を含んでもよい。外部構造化剤は、例えば、送達粒子を懸濁させる一助となることによって、本開示による液体組成物に物理安定性を提供することができる。構造化剤は、存在する場合、処理組成物中に粒子を懸濁可能な有効量で存在することが好ましい。外部構造化剤は、非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤及び/又はポリマー構造化剤を含んでもよい。
【0126】
非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造化剤は、最終洗剤組成物への分散を補助するために予め乳化することができる、結晶化可能なグリセリドを含んでもよい。好適な結晶化可能なグリセリドとしては、液体洗剤組成物内で結晶化させることができるという条件で、水素添加ヒマシ油すなわち「HCO」又はこれらの誘導体が挙げられる。
【0127】
ポリマー構造化剤は、天然由来の構造化剤及び/又は合成構造化剤を含んでもよい。天然由来のポリマー構造化剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。構造化剤は、例えばミクロフィブリル化セルロースの形態のセルロース繊維を含んでよい。セルロースは、細菌、木材、又は果物若しくは甜菜など他の植物由来であってよい。
【0128】
合成ポリマー構造化剤としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物であってよい。ポリアクリレートは、不飽和モノ-又はジ-炭酸と、(メタ)アクリル酸のC1~C30アルキルエステルとのコポリマーであってもよい。かかるコポリマーは、Lubrizol Corp.から商標名Carbopol(登録商標)Aqua 30として入手可能である。
【0129】
本開示の組成物は、溶媒、好ましくは非アミノ官能性有機溶媒などの有機溶媒を含んでいてよい。好適な有機溶媒としては、グリセロール、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、2,3-ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマルジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル及びそれらの混合物が挙げられ得る。有機溶媒は、特に比較的低い水量を有するコンパクトな配合物において、物理的安定性効果を提供することができる。本開示の組成物は、組成物の約5重量%~約80重量%、又は約10重量%~約50重量%の有機溶媒を含んでもよい。
【0130】
本開示に記載の処理組成物は、香料送達系を含んでもよい。好適な香料送達系としては、コアシェルカプセル剤、プロ香料(アミン系及び/又はシリコーン系プロ香料)及びそれらの混合物が挙げられ得る。コアシェルカプセル剤は、コアとコアを取り囲むシェルとを含み得る。コアは、香料などの有益剤、及び必要に応じてミリスチン酸イソプロピルなどの分配調整剤を含んでもよい。シェルは、ポリマー、例えば、メラミンホルムアルデヒド、ポリ尿素、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、多糖類を含んでもよい。カプセル剤は、カチオン性ポリマーを含むコーティングなど、堆積の一助となり得るコーティングを含んでもよい。好適なカプセル剤は、約10ミクロン~約100ミクロン、又は約10ミクロン~約50ミクロン、又は約15ミクロン~約40ミクロンの体積加重平均粒子径を特徴とし得る。香料送達系は、改善した香料安定性、堆積、及び/又は寿命などの効果を提供することができ、本開示の植物ロジン材料と良好に結合しない香料原材料に特に有用であり得る。
【0131】
本開示の組成物は、染料、乳白剤、パールエッセンス剤又はそれらの混合物から選択されるものなどの追加の審美剤を含んでもよい。
【0132】
消費者製品組成物がパウチ又はサシェなどの単位用量物品の形態であるときには、組成物は水溶性フィルムにより封入されてもよい。水溶性単位用量物品は、単位用量物品が水溶性フィルムによって取り囲まれた少なくとも1つの内部区画を含むように形状化された少なくとも1つの水溶性フィルムを含んでもよい。少なくとも1つの区画は、洗剤組成物を含む。
【0133】
単位用量物品は、2つ以上の区画、更には少なくとも2つの区画、又は更には少なくとも3つの区画、又は更には少なくとも4つの区画、又は更には少なくとも5つの区画を含んでいてもよい。区画は、重ね合わせる位置付けで、すなわち、一方が他方の上に位置するように配置されてよい。あるいは、区画は、隣り合った位置付けで、すなわち、一方が他方に隣接する配向で位置してよい。区画は、「タイヤ及びリム」配置に更に配向されていてもよい。すなわち、第1の区画は、第2の区画に隣接して位置付けられるが、第1の区画は、第2の区画を少なくとも部分的に取り囲むものの、第2の区画を完全には包囲していない。あるいは、1つの区画が、別の区画内に完全に封入されてもよい。1つの区画が本開示に記載の液体組成物を含む場合、別の区画は、固体、液体又はそれらの混合物を含んでもよい。
【0134】
本発明のフィルムは、水溶性又は水分散性であってもよい(例えば、20℃の水中)。好ましいフィルム材料としては、ポリマー材料が挙げられる。フィルム材料を、当該技術分野において周知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。好ましくは、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコールポリマー又はコポリマー、好ましくは、ポリビニルアルコールポリマー及び/又はポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含み、好ましくは、スルホン化及びカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマー、特にカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコールホモポリマーとカルボキシル化アニオン性ポリビニルアルコールコポリマーのブレンドを含む。好適なフィルムとしては、MonoSol,LLC(Indiana)により、商品参照番号M8630、M8900、M8779及び/又はM8310として供給されているものが挙げられる。フィルムは、嫌悪剤、例えば苦味剤を含んでもよい。単位用量物品へと形成される前に、水溶性フィルムの厚さは、好ましくは20~150ミクロン、好ましくは35~125ミクロン、更により好ましくは50~110ミクロン、最も好ましくは約76ミクロンである。
【0135】
作製する方法
本開示はまた、処理組成物、好ましくは液体処理組成物を作製するためのプロセスにも関する。消費者製品組成物であり得る処理組成物を作製するプロセスは、本明細書に記載の成分(例えば、植物ロジン材料、1種以上の有益剤及び必要に応じて補助成分)を組み合わせる工程を含んでもよい。
【0136】
本開示に記載の、液体であり得る処理組成物を作製するプロセスは、(例えば、植物ロジン材料及び1種以上の有益剤をプレミックスせずに)植物ロジン材料及び個別成分としての1種以上の有益剤と液体ベース組成物とを組み合わせる工程を含んでもよく、この場合、液体ベース組成物は補助成分を含む。
【0137】
本開示に記載の処理組成物を作製するプロセスは、プレミックスを提供する工程を含んでもよい。プレミックスは、植物ロジン材料及び1種以上の有益剤を含んでもよい。プレミックスは、ベース組成物、好ましくは液体ベース組成物と組み合わせられてもよい。液体ベース組成物は、補助成分を含んでもよい。
【0138】
本開示の処理組成物は、任意の好適な形態に配合することができ、配合者によって選択される任意のプロセスによって調剤することができる。液体材料は、バッチプロセス、循環ループプロセス、及び/又はインライン混合プロセスにて組み合わせられてもよい。本明細書で開示された方法で使用するのに好適な装置としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌機、再循環ポンプ、パドルミキサー、高剪断ミキサー、スタティックミキサー、プラウ剪断ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(両方ともバッチ式であり、利用可能な場合は連続プロセスの構成のもの)、噴霧乾燥機、並びに押出成形機を挙げてもよい。
【0139】
処理組成物は、単位用量物品を形成するために、公知の方法に記載の水溶性フィルム中に封入されてもよい。
【0140】
液体処理組成物は、公知の方法に記載のエアロゾル又はその他のスプレー容器に入れられてもよい。
【0141】
使用方法
本開示はまた、布地、毛髪及び/又は皮膚などの表面を処理するプロセスにも関する。プロセスは、表面を本開示に記載の処理組成物と接触させる工程を含んでもよい。
【0142】
接触工程は、水の存在下にて生じてもよい。本開示のプロセスは、水でコンパクト液体洗濯用組成物を希釈して、処理される表面と接触し得る処理溶剤を形成することを含んでもよい。コンパクト液体洗剤用組成物は、水によって100倍~1000倍、又は200倍~900倍、又は300倍~800倍に希釈されてもよい。
【0143】
接触工程は、自動洗濯機のドラム内で行ってよい。接触工程は前処理工程として起こってもよい。
【0144】
組合せ
本開示の具体的に企図される組合せを、本明細書において以下のアルファベット付きの項に記載する。これらの組合せは、本質的に例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではない。
【0145】
A.植物ロジン材料及び芳香材料を含む処理組成物であって、芳香材料が1種以上の香料原材料を含み、1種以上の香料原材料が、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分、分岐アルカン部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む、処理組成物。
B.植物ロジン材料及び芳香材料を含む処理組成物であって、芳香材料は本明細書に記載の試験方法に従って決定されたパラメータであって、(a)0.681852以上のSsssCH値、好ましくは-0.10643未満のGminを追加的に特徴とする;又は(b)0.682未満のSsssCH値及び-0.00709584未満のdxp10値、のうちの1つを特徴とする1種以上の香料原材料を含む、処理組成物。
C.1種以上の香料原材料は、シクロアルカン部分、好ましくは環構造を形成する5~7個の炭素、好ましくは5~6個の炭素を有する環構造を含むシクロアルカン部分を含む、段落A又はBに記載の処理組成物。
D.1種以上の香料原材料は、シクロアルケン部分、好ましくは環構造を形成する5~7個の炭素、好ましくは5~6個の炭素を有する環構造を含むシクロアルケン部分を含む、段落A~Cのいずれか1つに記載の処理組成物。
E.1種以上の香料原材料は、分岐アルカン部分、好ましくは1~4個の炭素原子、好ましくは2~3個の炭素原子を含む分岐アルカン部分を含む、段落A~Dのいずれか1つに記載の処理組成物。
F.1種以上の香料原材料は、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分及び分岐アルカン部分のうちの少なくとも2つを含む、段落A~Eのいずれか1つに記載の処理組成物。
G.1種以上の香料原材料は、芳香材料の約25重量%~約100重量%、好ましくは約50重量%~約95重量%、より好ましくは約60重量%~約90重量%、更により好ましくは約70重量%~約80重量%の量で存在する、段落A~Fのいずれか1つに記載の処理組成物。
H.1種以上の香料原材料が、メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ユーカリプトール(CAS番号470-82-6);ローズオキシドL(CAS番号3033-23-6);ダマセノン合計937459(CAS番号23696-85-7);コールドプレスされたオレンジ油(CAS番号138-86-3);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ジメチルベンジルカルビニルアセタート(CAS番号151-05-3);メチルイソブテニルテトラヒドロピラン(CAS番号16409-43-1);p.t.ブシナール(CAS番号80-54-6);ヴェロートン(CAS番号65443-14-3);上記のα-テルピネオール(CAS番号98-55-5);テトラヒドロムグオール(CAS番号18479-57-7);アリルシクロヘキサンプロピオナート(CAS番号2705-87-5);シトロネロール(CAS番号106-22-9);ペオニル(CAS番号10461-98-0);カシュメラン(CAS番号33704-61-9);フルクタラート943871(CAS番号72903-27-6);デルタダマスコン(CAS番号57378-68-4):ジヒドロテルピニルアセタート(CAS番号53767-93-4);イソボルニルアセタート(CAS番号125-12-2);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ベルドックス(CAS番号88-41-5);アフェルマート(CAS番号25225-08-5);アンバーエクストリーム(CAS番号476332-65-7);ガルバスコン(CAS番号56973-85-4);テトラヒドロリナロオール(CAS番号78-69-3);オレンジフラワーエーテル(CAS番号14576-08-0);フルテン(CAS番号17511-60-3);イソEスーパー(CAS番号54464-57-2);シマール(CAS番号103-95-7);リグストラール-2(CAS番号27939-60-2);リグストラール-1(CAS番号68039-49-6);ジヒドロジャスモン酸メチル(CAS番号24851-98-7);メチルセドリルエーテル(CAS番号19870-74-7);アドキサール(CAS番号141-13-9);ジメチルベンジルカルビニルブチラート(CAS番号10094-34-5);デュピカール(CAS番号30168-23-1);フロールアセタート(CAS番号5413-60-5);ウンデカベルトール(CAS番号81782-77-6);メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ハバノリド(CAS番号111879-80-2);ミントナト(CAS番号67859-96-5);ヘリオトロピン(CAS番号120-57-0);バーテネックス(CAS番号32210-23-4);ヘルベトリド(CAS番号141773-73-1);1-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-エタノン(CAS番号68155-66-8);α-ピニルイソブチルアルデヒド(CAS番号33885-52-8);サンダロール(CAS番号65113-99-7);ガラキソリド(CAS番号1222-05-5);イソシクロシトラール(CAS番号1335-66-6);3-エトキシ-1,1,5-トリメチル-シクロヘキサン(CAS番号67583-77-1);ジャスマサイクレン(CAS番号5413-60-5);4-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(CAS番号32210-23-4);メチルセドリロン(CAS番号32388-55-9);ヘキサメチルインダノピラン(CAS番号1222-05-5);ネクタリル(CAS番号95962-14-4);シクラブート(CAS番号67634-20-2);セタロックス(CAS番号3738-00-9);ピラノール(CAS番号63500-71-0);イソ-γ-スーパー(CAS番号68155-66-8);オレンジテルペン(CAS番号5989-27-5);ラエボメントール(CAS番号2216-51-5);ラエボトリサンドール(CAS番号28219-61-6);フロルヒドラル(CAS番号125109-85-5);及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、1種以上の香料原材料が、メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ユーカリプトール(CAS番号470-82-6);ローズオキシドL(CAS番号3033-23-6);ダマセノン合計937459(CAS番号23696-85-7);コールドプレスされたオレンジ油(CAS番号138-86-3);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ジメチルベンジルカルビニルアセタート(CAS番号151-05-3);メチルイソブテニルテトラヒドロピラン(CAS番号16409-43-1);p.t.ブシナール(CAS番号80-54-6);テトラヒドロムグオール(CAS番号18479-57-7);ジヒドロテルピニルアセタート(CAS番号53767-93-4);イソボルニルアセタート(CAS番号125-12-2);γ-メチルイオノン(CAS番号127-51-5);ベルドックス(CAS番号88-41-5);アフェルマート(CAS番号25225-08-5);アンバーエクストリーム(CAS番号476332-65-7);ガルバスコン(CAS番号56973-85-4);テトラヒドロリナロオール(CAS番号78-69-3);オレンジフラワーエーテル(CAS番号14576-08-0);フルテン(CAS番号17511-60-3);イソEスーパー(CAS番号54464-57-2);シマール(CAS番号103-95-7);リグストラール-2(CAS番号27939-60-2);リグストラール-1(CAS番号68039-49-6);ジヒドロジャスモン酸メチル(CAS番号24851-98-7);メチルセドリルエーテル(CAS番号19870-74-7);アドキサール(CAS番号141-13-9);ジメチルベンジルカルビニルブチラート(CAS番号10094-34-5);デュピカール(CAS番号30168-23-1);フロールアセタート(CAS番号5413-60-5);ウンデカベルトール(CAS番号81782-77-6);メチルノニルアセトアルデヒド(CAS番号110-41-8);ハバノリド(CAS番号111879-80-2);ミントナト(CAS番号67859-96-5);バーテネックス(CAS番号32210-23-4);ヘルベトリド(CAS番号141773-73-1);1-(1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-エタノン(CAS番号68155-66-8);α-ピニルイソブチルアルデヒド(CAS番号33885-52-8);サンダロール(CAS番号65113-99-7);4-tert-ブチルシクロヘキシルアセタート(CAS番号32210-23-4);ピラノール(CAS番号63500-71-0);イソ-γ-スーパー(CAS番号68155-66-8);又はそれらの混合物からなる群から選択される、段落A~Gのいずれか1つに記載の処理組成物。
I.植物ロジン材料及び芳香材料の少なくとも一部分(「同じ箇所に配置された部分」)は、1つ以上の粒子中の同じ箇所に配置され、好ましくは粒子は約10ミクロン~約400ミクロン、又は約15ミクロン~約300ミクロン、又は約20ミクロン~約250ミクロン、又は約25ミクロン~約200ミクロン、又は約30ミクロン~約150ミクロン、又は約35ミクロン~約125ミクロン、好ましくは約40ミクロン~約100ミクロン、より好ましくは約50ミクロン~約90ミクロンの体積加重平均粒子径を特徴とする、段落A~Hのいずれか1つに記載の処理組成物。
J.芳香材料の同じ箇所に配置された部分は、芳香材料の同じ箇所に配置された部分の少なくとも50重量%の1種以上の香料原材料を含み、1種以上の香料原材料は、シクロアルカン部分、シクロアルケン部分、分岐アルカン部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む、段落A~Jのいずれか1つに記載の処理組成物。
K.芳香材料の同じ箇所に配置された部分は、芳香材料の同じ箇所に配置された部分の50重量%以下、好ましくは30重量%以下の香料原材料を含み、香料原材料は、C4~C24直鎖アルカン部分、芳香族部分及びそれらの組合せからなる群から選択される部分を含む、段落I又はJに記載の処理組成物。
L.処理組成物が遊離芳香材料を更に含み、好ましくは遊離芳香材料は、C4~C24直鎖アルカン部分、芳香族部分及びそれらの組合せからなる群から選択された部分を含む1種以上の香料原材料を含み、より好ましくは遊離芳香材料は、遊離芳香材料の少なくとも約25重量%のかかる1種以上の香料原材料を含む、段落A~Kのいずれか1つに記載の処理組成物。
M.植物ロジン材料及び芳香材料は共に予め混合されている、段落A~Lのいずれか1つに記載の処理組成物。
N.植物ロジン材料は、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、それらの誘導体及びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含み、好ましくはガムロジン、その誘導体及びそれらの混合物、より好ましくはガムロジンエステルを含む、段落A~Mのいずれか1つに記載の処理組成物。
O.植物ロジン材料は、植物ロジンエステル、好ましくは2個以上の炭素原子を有するアルコールから形成されたエステル、より好ましくはアルコールはグリセロール、ペンタエリスリトール又はそれらの混合物である、段落A~Nのいずれか1つに記載の処理組成物。
P.植物ロジン材料は、少なくとも部分的に水素添加されており、好ましくは完全に水素添加されている、段落A~Oのいずれか1つに記載の処理組成物。
Q.植物ロジン材料は、植物ロジン材料の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも85重量%のアビエチン型の酸、アビエチン型の酸の誘導体又はそれらの混合物を含む、段落A~Pのいずれか1つに記載の処理組成物。
R.植物ロジン材料は、以下の特性:a)約50℃~約175℃、好ましくは約60℃~約150℃、より好ましくは約75℃~約125℃の軟化点;b)約175未満、好ましくは約125未満、好ましくは約100未満、より好ましくは約75未満、更により好ましくは約50未満、より好ましくは約25未満の酸価;c)ガードナー色標準数で等級付けされたときに、約1~約10、又は約1~約8の色等級;のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つ全てを特徴とする、段落A~Qのいずれか1つに記載の処理組成物。
S.処理組成物は、アミン、界面活性剤系、水結合剤、亜硫酸塩、脂肪酸及び/又はその塩、酵素、封入された有益剤、汚れ放出ポリマー、色調剤、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素安定剤、触媒物質、漂白剤、漂白触媒、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー分散剤、ポリマー脂洗浄剤、増白剤、抑泡剤、染料、色調剤、遊離香料、香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、充填剤、ヒドロトロープ、有機溶媒、抗菌剤及び/若しくは防腐剤、中和剤及び/若しくはpH調整剤、加工助剤、充填剤、レオロジー調整剤又は構造化剤、乳白剤、パールエッセンス剤、顔料、防食及び/若しくは耐変色剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される処理補助剤を更に含み、好ましくは、処理補助剤は界面活性剤系、布地柔軟剤若しくはそれらの組合せを含み、好ましくは、界面活性剤系はアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/若しくは双性イオン性界面活性剤であり、並びに/又は好ましくは、布地柔軟剤は第四級アンモニウム化合物、シリコーン化合物若しくはその両方を含む、段落A~Rのいずれか1つに記載の処理組成物。
T.処理組成物は、液体組成物、顆粒組成物、親水コロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解可能なシート、芳香錠若しくはビーズ、繊維状物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、泡/ムース、不織布又はそれらの混合物、好ましくは液体組成物である、段落A~Sのいずれか1つに記載の処理組成物。
U.処理組成物は、処理組成物の少なくとも8重量%の水、好ましくは少なくとも25重量%の水、より好ましくは少なくとも50重量%の水、より好ましくは少なくとも60重量%の水、より好ましくは少なくとも70重量%の水、より好ましくは少なくとも75重量%の水、より好ましくは少なくとも80重量%の水、より好ましくは少なくとも90重量%の水を含む、段落A~Tのいずれか1つに記載の処理組成物。
V.処理組成物は消費者製品組成物であり、好ましくは、布地ケア組成物、硬質表面洗浄組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、ボディクレンジング組成物又はそれらの混合物であり、より好ましくは布地ケア組成物は、布地洗剤組成物、布地コンディショニング組成物又はそれらの混合物である、段落A~Uのいずれか1つに記載の処理組成物。
W.表面を処理する方法であって、好ましくは布地を処理する方法であり、方法は、必要に応じて水の存在下にて、表面を段落A~Vのいずれか1つに記載の処理組成物と接触させる工程を含む、方法。
【0146】
試験方法
本出願の試験方法の章に開示される試験方法を用いて、本明細書において特許請求され、かつ説明される本発明の主題のパラメータのそれぞれの値が決定されるべきであるという点が理解されよう。
【0147】
オクタノール/水分配係数の対数(logP)を決定するための試験方法
試験する香料混合物中の各PRMについて、オクタノール/水の分配係数のlog値(logP)を計算する。個々のPRMのlogP値は、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(Toronto,Canada)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.02(Linux(登録商標))を用いて計算され、無単位のlogP値が得られる。ACD/LabsのConsensus logP Computational Modelは、ACD/Labsモデルスイートの一部である。
【0148】
軟化点試験方法
入手可能な場合、メーカー/供給業者により提供される植物ロジン材料の軟化点が使用されなければならない。
【0149】
メーカー/供給業者から入手可能ではない場合、軟化点は、2018年7月1日に承認され、2018年7月に公開された版を使用したASTM E28-18「Standard Test Methods for Softening Point of Resins Derived from Pine Chemicals」に従って測定される。より具体的には、上述の版に提供された参照方法(「自動化環球式軟化点方法」)に従わなければならない。方法をここに要約する。
【0150】
本明細書で使用される場合(及びASTM E28-18に説明される場合)、軟化点は、水、グリセリン、シリコーン油、エチレングリコール/水又はグリセリン/水浴中で5℃/分にサンプルを加熱するにつれて、水平なリング(真鍮製ショルダーリング;ASTM法に指示されるように19.8mmのリング内径、23.0mm外径)で保持されるサンプルのディスクを、鋼球(9.53mm径;質量が3.45~3.55g)の重量下に、下向きに25.4mm(1インチ)の距離を押し込む温度であると定義される。
【0151】
試料調製:試験されるロジン材料の代表サンプルを選択する。サンプルは、フレーク又は芳香錠、又は酸化表面を含まない新たに破壊された塊を含み、細かく分割された材料又はダストの含有を回避しなければならない。清浄な容器中でサンプルを融解し、過熱を回避し、サンプルへの気泡の導入を回避する。加熱開始からサンプルの注入までの時間は15分を超えてはならない。リングを底に下にして金属表面上に置く。リングを予熱してもよい。冷却時に過剰分が残るように、融解したロジンサンプルをリングに注ぎ入れる。少なくとも30分間冷却した後、リングの周囲及び頂部から過剰な物質を取り除く。
【0152】
浴液:浴液の選択は、ロジン材料の軟化点(「SP」)に依存する。35℃~80℃にSPについては、水(蒸留又は脱イオン化され、新たに煮沸したもの)を使用する。80℃~150℃のSPについては、USPグリセリンを使用する。80℃を超えるSPについては、シリコーン油(ポリジメチルシロキサン-200 fluid、50cSt、Dow Corning製(Midland,MI))を使用する。最大35℃までのSPについては、エチレングリコールと蒸留水との50/50(v/v)混合物を使用する。予冷した冷凍庫又はイソプロピルドライアイス浴中で、浴を-25℃に冷却しなければならない。
【0153】
試験:制御ユニットを備えた、好適な自動化環球式軟化点機器を使用し、メーカーの指示書に従ってこれを較正する。撹拌子を600mLビーカーに入れ、ロジン材料の軟化点に応じて上記の浴液でこれを満たす。メーカーの指示書に推奨されているように装置、リング、ボール、試験インサート、支持ピンをセットアップする。制御ユニットが正確な浴液用に設定されていることを確認する。
【0154】
浴液の温度が5℃/分の速度で均一に上昇するように浴を加熱する。光線が落下するボール及び材料によって遮断されるときに試験が完了する。試験完了後にユニットに表示されている温度で軟化点を記録する。
【0155】
酸価試験方法
入手可能な場合、メーカー/供給業者により提供される植物ロジン材料の酸価が使用されなければならない。
【0156】
メーカー/供給業者から入手可能ではない場合、酸価は、2020年6月1日に承認され、2020年6月に公開されたASTM D465-15(2020年に再度承認)「Standard Test Methods for Acid Number of Pine Chemical Products Including Tall Oil and Other Related Products」に従って測定される。より具体的には、上述した文献に提供された参照方法(「電位差滴定法」)に従わなければならない。方法をここに要約する。
【0157】
新たに細断したロジン材料のサンプルを準備し、計量及び溶解を促進させるために更にこれを粉砕してもよいが、酸化表面を含む小片及び既存のロジンダスト又は粉末は使用してはならない。不均質な液体の場合には、極小の通気孔かその同等物を備えた密閉容器にこれを入れ、温水浴で加熱する。加熱中にサンプルを撹拌してもよく、これを十分撹拌して均質にした後に使用してもよい。
【0158】
以下の表に基づき、規定量のサンプルを400mLのトールビーカーに移す。適切な量の溶媒Iを添加し回旋させながら溶解させ、必要に応じて穏やかにこれを加熱する。適切な量の溶媒IIを添加し、必要な場合には室温近くまで冷却する。ガラス電極pH計(メーカーの指示書に従って較正/標準化されている)の各電極を溶液中に浸漬する。撹拌子で撹拌する。
【0159】
標準アルカリ水溶液(0.5N又は0.1N KOH溶液)で滴定し、ビュレット及びpH計の読み取り値を記録する。溶液のpHを約8にするため、十分な量のアルカリを添加してもよい。添加した量の増分あたりのpHの変化が約0.3pH単位になるまで、1.0mLずつアルカリを添加する。添加された0.1mLあたりのpH単位の大幅な減少によって示されるように、エンドポイントを通過するまでアルカリの添加を0.1mL以下に低下させる。変曲点が十分に規定されたことが明らかになるまで、1.0mLずつ滴定を継続する。
【0160】
使用されたアルカリのミリリットルに対してpH読み取り値をプロットすることで、変曲点(アルカリ溶液1mLごとのpHの最大変化点)を最も近い0.05mLに決定する。(精度を高めるため、1mLごとのpHの見込みをpHに対してプロットしてもよく、ピークは変曲点に対応する。)変曲点は滴定のエンドポイントであるとみなされる。
【0161】
サンプル1グラムごとのKOHのミリグラムとして表されるサンプルの酸価を以下:
酸価=(A×N×56.1)/B
式中、A=試料滴定に必要とされるアルカリ溶液(mL);N=アルカリ溶液の規定度、及びB=試料重量(グラム)、のように計算し、最も近い整数を報告してもよい。
【0162】
色等級試験方法(ガードナー色)
入手可能な場合、メーカー/供給業者により提供される植物ロジンの色等級(ガードナー色)が使用されなければならない。
【0163】
メーカー/供給業者から入手可能ではない場合、色等級(ガードナー色)は、2016年12月1日に承認され、2016年12月に公開されたASTM D6166-12(2016年に再度承認)「Standard Test Method for Color of Pine Chemicals and Related Products(Instrumental Determination of Gardner Color)」に従って測定される。方法をここに要約する。
【0164】
透過色を測定し、かつガードナー色で(又は、あまり好ましくはないが、ASTM D6166-12に開示されるものなど、公知の方法によりガードナー色に転換可能であるカラーシステムで)報告可能であるGardner Color Comparator L、115V(例えば、BYK)などの機器を使用して、液体サンプルの色を測定する。メーカーの指示書に従って機器を較正する。
【0165】
色分析用のロジンサンプルを調製するために、ロジン材料の溶融サンプルをガラスキュベット(機器のメーカーにより異なる経路が規定されない限り、10mmの経路)に導入する。サンプルが固体の場合には、新たに破壊された塊を含むが、ダストや細かく分割された材料を含んではならない。過熱及び気泡の導入を回避するように気を付けながら、固体を融解(例えば、15分未満、オーブン、砂浴又は油浴中で)しなければならない。溶融サンプルをガラスキュベットに導入した後、依然として溶融している間に測定を行わなければならない。材料に濁りが見られる場合、これを濾過しなければならない。
【0166】
ガラスキュベットを機器に挿入し、メーカーの指示書に従って色を測定する。
【0167】
引火点試験方法
入手可能な場合、メーカー/供給業者により提供される植物ロジンの引火点が使用されなければならない。
【0168】
メーカー/供給業者から入手可能ではない場合、引火点は、2018年7月1日に承認され、2018年7月に公開されたASTM D92-18「Standard Test Methods for Flash and Fire Points by Cleveland Open Cup Tester」に従って測定される。
【0169】
主なロジン酸異性体の量を決定するための試験方法
入手可能な場合、メーカー/供給業者により提供される植物ロジンの主なロジン酸異性体の量が使用されなければならない。
【0170】
メーカー/供給業者から入手可能ではない場合、主なロジン酸異性体の量は、2015年7月1日に承認され、2015年8月に公開されたASTM D5974-15「Standard Test Method for Fatty and Rosin Acids in Tall Oil Fractionation Products by Capillary Gas Chromatography」に従って測定される。方法をここに要約する。
【0171】
この方法は、例えばロジンサンプル中に存在するロジン酸のレベルを測定するためにガスクロマトグラフィーを使用する。クロマトグラフィー分離前に、ある特定の遊離酸をより揮発性が高く、より安定したメチルエステルに転換しなければならない。ロジン酸については、この転換は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(tetramethylammonium hydroxide、TMAH)により行われてもよい。
【0172】
メチルエステルを調製するために、0.5~3.0mLの50:50のエーテル/メタノール混合物(及び必要に応じて2~3滴のトルエン)中にロジンサンプル(固体の場合には、酸化を回避するために新たに破壊する)を溶解し、2~3滴のフェノールフタレイン指示薬溶液を添加する。TMAHの6%溶液を用いてpH7.9~8.1まで、又は1番最初の不変のピンク色になるまで混合物を滴定する。過剰滴定される場合、混合物を5%の酢酸メタノール溶液(v/v)で逆滴定してもよい。溶液をクロマトグラフの加熱注入ポートに注入する場合、テトラメチルアンモニウム塩を熱分解してメチルエステルにする。
【0173】
水素炎イオン化型検出器(flame ionization detector、FID)を備えたガスクロマトグラフ(gas chromatograph、GC)を使用し、以下の条件:カラム温度(オーブン温度)-初期150℃;保持5分間;ランプ5℃/分;最終250℃;保持10分間;注入ポート温度300℃;注入ポートライナー、ガラススプリット;検出器温度325℃;キャリアガス、ヘリウム;ガス線速度、19.5~20.5cm/s;スプリット比、最大で100:1;検出器(FID);水素、30mL/分;空気、400mL/分;メイクアップガス、30mL/分、の下で操作する。好ましくは長さ30mであり、内径が0.32mm、0.20μmのフィルム厚さのビシアノプロピルシロキサン型の液体を用いた高分解能カラムを使用する。
【0174】
ミリスチン酸の較正標準及び存在すると予想されるロジン酸の高純度標準を調製し、重量を記録して上記のようにメチルエステルに転換する。試験サンプルを調製するため、約50mgのサンプル及び約15mgのミリスチン酸を好適なバイアル中に正確に秤量し、重量を記録し、上記のようにメチルエステルを転換する。
【0175】
較正標準(0.5~1.0μLで注入)を使用してGCを較正し、保持時間を記録し、個々の相対的な応答係数を計算する。試験サンプルを分析するため、0.5~1.0μLを注入し(必要に応じて追加の溶媒でサンプルを希釈)、クロマトグラムから必要とされるピーク全てのピーク領域を取得して目的とする各ピークの絶対値を計算する。測定されているロジン酸メチルエステルのピーク領域を、全てのロジン酸メチルエステルのピーク領域の合計で割ることで、存在する各ロジン酸メチルエステルの相対パーセントを測定してもよい。
【0176】
布地の処理方法
以下の実験にて本開示に記載の組成物で布地を処理するときには、別途指示がない限り、以下の方法に従う。各処理のために、洗濯機(例えばMiele)に約3kgの布地荷重を装填する。布地荷重には、約1065gの綿メリヤス布地及び約1065gのポリエステル-綿布地(50/50)が含まれる。追加的には、布地荷重は約870gを共に秤量する20個のテリータオルトレーサを含む。
【0177】
洗浄前に機械を掃除する。合計で4枚のエタノールワイプを使用する:1枚はinoxドラムの最初の半分に使用し、2枚目はinoxドラムの残りの半分に使用し、3枚目のワイプは洗濯機のゴムに使用し、4枚目は洗濯機の引き出し部分に使用する。洗濯機を最低でも1分間開けたままにする。続いて洗浄サイクルを95℃で1回行う。
【0178】
試験処理の前に、79gの芳香のないIEC A系洗剤(ex WFK,Testgewebe GmbH)で、毎回95℃の短い綿サイクルを使用して、荷重を2回前調整し、続いて、洗剤なしで2回、追加の95℃洗浄を行う。
【0179】
試験処理では、40℃の短い綿サイクル、79gのIEC A系洗剤を用いた1200rpmのスピン速度を使用して荷重を洗浄するが、これは、洗浄サイクルの開始時に適切なディスペンサ中に添加される。試験用の布地処理組成物の40mLの用量を、適切なディスペンサに添加する。
【0180】
布地をライン乾燥させるかタンブル乾燥機(Miele Novotronic T490)で乾燥させ、所望のタッチポイントで分析する。
【0181】
処理された布地の上方のヘッドスペース濃度を求める方法
少なくとも3点の特定のタッチポイント:
-WFO(湿潤布地臭気又はWET):布地処理方法が終了した後に湿った布地を分析する。
-DFO(乾燥布地臭気又はDRY):布地をおよそ24時間にわたって密閉した部屋でライン乾燥した後に乾燥布地を分析する、でのヘッドスペース分析により、上述の布地処理方法による布地トレーサを分析した。
-TDFO(タンブル乾燥布地臭気):タンブル乾燥機(Miele Novotronic T490、選択サイクル設定は「エクストラドライ設定」)で乾燥させた後に布地を分析する、でのヘッドスペース分析により、上述の布地処理方法による布地トレーサを分析する。
【0182】
SPMEヘッドスペースGC/MS(ガスクロマトグラフィー質量分析)手法を使用し、テリーコットントレーサ上のヘッドスペースを分析する。コットントレーサの4cm×4cmのアリコートを、25mLのヘッドスペースバイアルに移す。布地サンプルを65℃で10分間、平衡化する。布地の上方のヘッドスペースをSPME(50/30μm DVB/Carboxen/PDMS)により5分間サンプリングする。続いて、SPME繊維をGC内にオンライン熱脱離する。フルスキャンモードのGC/MSにより、被検物質を分析する。総香料のHS応答及び試験レッグ上部の香料ヘッドスペース組成物を測定することができる。
【0183】
WFOインデックス及びDFOインデックスの決定
この方法を使用し、ヘッドスペース分析データと未処理の香料を含むが植物ロジン材料を含まない比較組成物とを比較することで処理組成物中の植物ロジン系香料送達系の効率を決定する。
【0184】
同じ種類で同じ重量の芳香材料を含有する2種類の液体布地柔軟剤(liquid fabric enhancer、「LFE」)製品を使用し、上記の方法に従って布地を処理する。LFE組成物の一般的な配合は以下の通りである。
【0185】
【表2】
1ジエステル第四級アンモニウム化合物(Ci-DEEDMAC=ジタローオイルエトキシエステルジメチルアンモニウムクロリド[MDEA系、メチルジエタノールアミン系第四級アンモニウム塩、Evonikから入手可能])。
2添加される香料の量は、添加される植物ロジン(存在する場合には)とは無関係である
3植物ロジン材料は、存在する場合には芳香材料を含むプレミックスとして添加される
【0186】
レッグAによる製品については、芳香組成物は植物ロジン材料(Permalyn 5095、ガムロジンのグリセロールエステル(ロジン:芳香材料の重量比は70:30~50:50で提供される))と共に予め混合され、続いてベース組成物に添加して液体布地柔軟剤製品を作製する。レッグBによる製品は植物ロジン材料を含まない。
【0187】
【0188】
LFE製品の2つのレッグを使用し、上に説明されている方法に従って布地を処理する。処理後、上記の方法に従いヘッドスペース分析を使用して布地臭気(示されているような乾燥布地臭気、湿った布地の臭気及び/又はタンブル乾燥布地臭気)を評価する。
【0189】
WFOタッチポイントでの特定の香料原材料(perfume raw material、「PRM」)の香料送達効率及び/又は植物ロジン材料との適合性を決定するために、ヘッドスペースデータを使用し、以下の等式:
【0190】
【数1】
式中、WFO HS
ロジン,iは、レッグA(例えば、ロジン含有配合物)で処理された布地上の所与の香料原材料(「i」)のWFOヘッドスペース濃度であり、一方でWFO HS
ロジンなし、iは、レッグB(例えば、ロジンなしの配合物)で処理された布地上の同じ香料原材料のWFOヘッドスペース濃度である、により定義されるWFOインデックスの値を決定する。比較的高いWFOインデックス
i値は、植物ロジン材料を含む配合物が、WFOタッチポイントでの香料のみ/ロジンなしの配合物と比較して特定のPRM iについては爽やかさ効果を提供することを示している。
【0191】
DFOタッチポイントでの特定の香料原材料(perfume raw material、「PRM」)の香料送達効率及び/又は植物ロジン材料との適合性を決定するために、ヘッドスペースデータを使用し、以下の等式:
【0192】
【数2】
式中、DFO HS
ロジン,iは、レッグA(例えば、ロジン含有配合物)で処理された布地上の所与の香料原材料(「i」)のDFOヘッドスペース濃度であり、一方でDFO HS
ロジンなし、iは、レッグB(例えば、ロジンなしの配合物)で処理された布地上の同じ香料原材料のDFOヘッドスペース濃度である、により定義されるDFOインデックスの値を決定する。比較的高いDFOインデックス
i値は、植物ロジン材料を含む配合物が、DFOタッチポイントでの香料のみ/ロジンなしの配合物と比較して特定のPRM iについては爽やかさ効果を提供することを示している。
【0193】
粘度法
Brookfield製のDV-E粘度計を使用し、液体組成物の粘度を測定する。センチポアズ(cP)で安定値を得るまで、60rpmの速度でスピンドルを自動的に回転させる。
【0194】
植物ロジン、送達剤及び潜在的乳化剤を含むプレミックスの粘度を、60mm、1度のコーン及び52マイクロメートルのギャップサイズを使用するThermo Scientific製のHAAKE MARSを使用して測定する。20s-1の剪断粘度は、21℃で0.01s-1~1200s-1の対数剪断速度掃引から得ることができる。粘度をセンチポアズ(cP)として表してもよい。
【0195】
粒子径測定
粒子の相対的直径に応じて、2つの方法のうちの1つ:集団の体積加重平均粒子径がおよそ10μm以上である場合には画像分析、又は集団の体積加重平均粒子径が10μm未満の場合には顕微鏡法による分析を使用する。これらの方法を以下により詳細に説明する。
【0196】
A.画像分析
種々のサイズのフローセルを通って流れるサンプルから取得された画像から、体積加重平均粒子径を計算する。この機器は、液体用途の画像分析デバイスに特に設計されている(Occhio FC200S)。非常に低速でフローセルを通るシリンジポンプを介してサンプルをポンプ輸送し、サンプルがフローセルを通過する間に設定時点で画像を取得する。速度はカメラのフレーム速度を一致しており、サンプルとサンプルが含有する粒子の挙動に依存している。使用したフローセルサイズは250μm及び500μmであり、カプセルのサイズに依存していた。カプセルの検出は、グレースケール閾値を介して行われる。Callistoバージョン2013.13ソフトウェアを使用してピクセルを読み出し、サイズ及び形状パラメータを計算する。使用したサイズ記述子は、ISO領域直径である。
【0197】
照明は赤色LED光源であり、粒子の適切なグレースケール検出が可能になるまで照明の調節を手動で行った。ハードウェア倍率は、粒子のサイズに依存しており、6倍又は9倍である。
【0198】
B.顕微鏡法
無作為にサンプリングしたアリコートで得られた約900個のカプセルの直径を顕微鏡で観察し、測定することで得られた値から、粒子の体積加重平均粒子径を計算する。使用した顕微鏡はLeica DM6000Bである。顕微鏡の倍率を200倍に設定する。顕微鏡法による分析後に得られた出力は、(1)検出された直径の一覧及び(2)検出されたそれぞれの直径サイズごとのカウント、である。
【0199】
したがって、各粒子の体積(V)を、以下の式:
【0200】
【数3】
式中、rは検出された各粒子の半径である、式で計算する。最後に、各粒子が球体であると仮定した上で、体積加重平均粒子径を計算(例えば、Microsoft Excel(商標)で作成されたものなどのスプレッドシートによる)する。
【実施例】
【0201】
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
【0202】
実施例1.例示的な植物ロジン材料
表1は、市販されている種々の植物ロジン材料を示す。利用可能な場合には追加の情報を提供する。
【0203】
【表4】
*Mfr.=以下の記号に記載のメーカー:A-Luresa Resinas S.L.;B-DRT;C-Pinova,Inc.;D - Eastman
【0204】
実施例.2分岐PRM及び非分岐PRMのDFO性能比較
この実験は、PRMが分岐部分を有するか否かということが、本開示に記載の処理組成物における爽やかさ性能にどのように影響するかを示す。
【0205】
上記の布地処理方法、ヘッドスペース分析及びDFOインデックス試験方法の決定に従い、液体布地柔軟剤(「LFE」)処理組成物において植物ロジン材料と組み合わせた2種類の異なるPRMの相対的な性能を試験する。
【0206】
より具体的には、芳香組成物(香油)は、ウンデカナール(直鎖/非分岐PRM)及びメチルノニルアセトアルデヒド(メチル分岐PRM)を含む。試験した植物ロジン材料は、Permalyn 5095(商標)、ガムロジンのグリセロールエステルである。布地(綿)を上に説明されている方法に従って処理した後、上記方法に従ったヘッドスペース分析を使用し、乾燥布地臭気(Dry Fabric Odor、DFO)を評価する。結果を以下の表2に表す。
【0207】
【0208】
表2に示すように、両方のPRMのDFOインデックスは1.0よりも大きい。これは、植物ロジン材料を含む配合物がかかるロジンを含まない配合物よりもタッチポイントでは相対的に良好に機能することを示している。
【0209】
更には表2の結果は、分岐メチル部分が存在することでPRMの香料送達効率が改善されることにつながる。具体的には、メチルノニルアセトアルデヒドのDFOインデックスはウンデカナールのDFOインデックスよりも大きい。
【0210】
実施例3.種々のPRMのWFO性能
上記の布地処理方法、ヘッドスペース分析及びWFOインデックスi試験方法の決定に従い、液体布地柔軟剤(「LFE」)処理組成物において植物ロジン材料と組み合わせた種々のPRMの性能を試験する。
【0211】
試験したPRMを以下の表3に列挙する。試験した植物ロジン材料は、Permalyn 5095(商標)、ガムロジンのグリセロールエステルである。布地(綿)を上に説明されている方法に従って処理した後、上記方法に従ったヘッドスペース分析を使用し、湿った布地の臭気(Wet Fabric Odor、WFO)を評価する。結果を以下の表3に表す。
【0212】
【0213】
【0214】
実施例4.種々のPRMのDFO性能
上記の布地処理方法、ヘッドスペース分析及びDFOインデックスi試験方法の決定に従い、液体布地柔軟剤(「LFE」)処理組成物において植物ロジン材料と組み合わせた種々のPRMの性能を試験する。
【0215】
試験したPRMを以下の表4に列挙する。試験した植物ロジン材料は、Permalyn 5095(商標)、ガムロジンのグリセロールエステルである。布地(ポリエステル)を上に説明されている方法に従って処理した後、上記方法に従ったヘッドスペース分析を使用し、タンブル乾燥したDFOインデックスiを評価する。結果を以下の表4に表す。
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
表4に報告されたPRMは、香料のみ/ロジンなしの配合物と比較して高い爽やかさ効果を提供するため、比較的高いDFOインデックスiを示すことに留意されたい。DFOインデックスiを考慮した高性能の理由は、PRM分子構造を理由とすると考えられている。特に、シクロアルカン部分又はシクロアルケン部分又は分岐アルカン部分が存在することでロジン材料との親和性の改善につながる。
【0220】
シクロアルカン部分又はシクロアルケン部分又は分岐アルカン部分を特徴とするPRMは、シクロアルカン部分を含有せず、更にはシクロアルケン部分を含有しないPRMと比較すると、以下の実施例5に示されるように布地上の堆積の改善につながる。
【0221】
実施例5.比較PRMのDFO性能
以下のデータは、比較PRMの相対的なDFO性能を示す。試験及び分析を実施例4と実質的に同様に行う。しかしながら、以下の表5に列挙されたPRMはいずれもシクロアルカン部分、シクロアルケン部分、分岐アルカン部分を含有しない。
【0222】
【0223】
表5に報告されるPRMは、表4に報告されるPRMに対して実質的に低いDFOインデックスiを特徴とすることに留意されたい。こうした性能が低い理由は、PRM分子構造によるものであると考えられている。実際には、表5のPRMは、シクロアルカン部分を含有せず、シクロアルケン部分も含有しない。こうした部分が存在しないことは、ロジン材料との親和性が低い理由であると考えられている。
【0224】
実施例6.分子記述子と性能との相関関係
上記の布地処理方法、ヘッドスペース分析及びDFOインデックスi試験方法の決定に従い、液体布地柔軟剤(「LFE」)処理組成物において植物ロジン材料と組み合わせた種々のPRMの性能を試験する。
【0225】
試験したPRMを以下の表6に列挙する。試験した植物ロジン材料は、Permalyn 5095(商標)、ガムロジンのグリセロールエステルである。布地(綿)を上に説明されている方法に従って処理した後、上記方法に従ったヘッドスペース分析を使用し、乾燥布地臭気(Dry Fabric Odor、DFO)を評価する。結果を以下の表6に表す。
【0226】
追加的に、種々の分子記述子の値、すなわち本明細書に記載のSsssCH値、dxp10値及びGmin値も表6に提供される。
【0227】
【0228】
表6に提供される「評価」値は以下のように割り当てられる:
***=最も好ましく、0.682以上のSsssCH及び-0.106未満のGminを特徴とする
**=いくらか好ましく、(a)0.682以上のSsssCH及び-0.106以上のGmin、又は(b)0.682未満のSsssCH及び-0.00710未満のdxp10を特徴とする
*=あまり好ましくなく、0.682未満のSsssCH及び-0.00710以上のdxp10を特徴とする
【0229】
「最も好ましい」材料(評価=***)については、DFOインデックス値(綿DFOについて)は1.5以上であり、「いくらか好ましい」材料(評価=**)については、DFOインデックス値(綿DFOについて)は0.5~1.5であることに留意されたい。それゆえ、分子記述子を使用し、良好に機能するPRMを提案又は予測することができると考えられている。
【0230】
「あまり好ましくない」材料(評価=*)に関しては、DFOインデックス値(綿DFOについて)は0.5未満である。これらの「あまり好ましくない」PRMは、布地に爽やかさ効果を依然として提供することができるが、本明細書に示されている最も好ましいPRM及びいくらか好ましいPRMと比較すると、植物ロジン材料と組み合わせるとあまり効率良く爽やかさ効果を提供しない傾向がある。
【0231】
実施例7.分子記述子を含む追加のPRM
表7は、それぞれについて特定の分子記述子を含む追加のPRMの例を含む。「評価」値は、上の実施例6に提供されているのと同じ基準に従っている。
【0232】
【0233】
【0234】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0235】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0236】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】