(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】ブレッドクラム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/157 20160101AFI20231207BHJP
A21D 13/40 20170101ALI20231207BHJP
【FI】
A23L7/157
A21D13/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532606
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 KR2021017738
(87)【国際公開番号】W WO2022114886
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0165102
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0166741
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508139664
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CJ CHEILJEDANG CORPORATION
【住所又は居所原語表記】CJ Cheiljedang Center,330,Dongho-ro,Jung-gu,Seoul,Republic Of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イル・ファン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ス・ヒョン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ウク・パク
(72)【発明者】
【氏名】ゴン・テ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】キ・ムン・カン
【テーマコード(参考)】
4B025
4B032
【Fターム(参考)】
4B025LB08
4B025LG04
4B025LG14
4B025LG18
4B025LG26
4B025LG28
4B025LG52
4B025LG53
4B025LK01
4B025LK03
4B025LP02
4B025LP07
4B025LP20
4B032DB30
4B032DG02
4B032DK02
4B032DK03
4B032DK12
4B032DK15
4B032DK18
4B032DK41
4B032DK47
4B032DK70
4B032DP02
4B032DP06
(57)【要約】
本出願は、新規のブレッドクラム及びその製造方法に関する。本出願のブレッドクラムは、従来のパン粉に比べてサイズの大きなパン粒子が高い割合を占め、酵母発酵工程を使用しないので、従来のパン粉と比べてよりさっくりとし、調理後にもさっくりとした食感を維持し、流通安定度が高い。また、本出願のブレッドクラムは、明るい色相を有し、調理後にも明るい色相が維持され、製造時に酵母発酵工程及び熟成工程が不必要であるので、大量生産時に効率性が高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン粒子を含む粉末状のブレッドクラムであって、
前記パン粒子は、小麦粉及び澱粉を含み、
2mm以上のサイズを有するパン粒子の割合が60-70重量%である粒度分布を有する、ブレッドクラム(Bread Crumb)。
【請求項2】
3.35mm以上のサイズを有するパン粒子の割合が25-35重量%である粒度分布を有する、請求項1に記載のブレッドクラム。
【請求項3】
パン粒子で小麦粉は、35-55重量%の含量で含まれ、前記澱粉は、10-30重量%の含量で含まれる、請求項1に記載のブレッドクラム。
【請求項4】
パン粒子は、乳化剤及び甘味料からなる群より選択される一つ以上の成分をさらに含む、請求項1に記載のブレッドクラム。
【請求項5】
パン粒子で乳化剤の含量は0重量%超過-2重量%以下であり、甘味料の含量は0重量%超過-2重量%以下である、請求項4に記載のブレッドクラム。
【請求項6】
パン粒子は、小麦粉及び澱粉を含むプレミックスに液状原料をさらに添加して製造されたものであり、前記液状原料は、水、乳製品、卵、蜂蜜、シロップ、及び植物性油脂からなる群より選択される一つ又は二つ以上の混合物である、請求項1に記載のブレッドクラム。
【請求項7】
水分含量が8%未満である、請求項1に記載のブレッドクラム。
【請求項8】
水分活性度が0.55aw未満である、請求項1に記載のブレッドクラム。
【請求項9】
パン粒子の色度色差計分析時にL値が70-80、a値が1-2、及びb値が20-30である、請求項1に記載のブレッドクラム。
【請求項10】
(a)小麦粉、澱粉、砂糖、精製塩、膨張剤、乳化剤、及び甘味料を含むプレミックスを製造する段階と、
(b)前記プレミックスに液状原料を入れて混合して生地を形成する段階と、
(c)前記生地をオーブニングする段階と、
(d)前記オーブニングした生地を冷却し粉砕してパン粒子を製造する段階と、を含むブレッドクラムの製造方法。
【請求項11】
前記段階(d)後に、パン粒子を乾燥する段階(e)をさらに含む、請求項10に記載のブレッドクラムの製造方法。
【請求項12】
前記液状原料は、水、乳製品、卵、蜂蜜、シロップ、及び植物性油脂からなる群より選択される一つ又は二つ以上の混合物である、請求項10に記載のブレッドクラムの製造方法。
【請求項13】
請求項1に記載のブレッドクラムを含む食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、新規のブレッドクラム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パン粉は、パンを粉末状に粉砕した後、天ぷら食品や魚又は肉カツレツ(cutlet)に、天ぷら衣などとして使用される食品材料であって、食品本来の味を維持しつつ、歯ごたえをサクサクにして食品の味が良くする。現在料理に使用されるパン粉は、主原料である小麦粉に酵母を入れて発酵させて製造したパンを乾燥させた後、これを粉砕して製造する。
【0003】
パン粉の製造に関する従来技術として、韓国公開特許 第10-2017-0112740号は、パン粉の生地を発酵及び蒸熟した後、これを粉砕してパン粉を製造する方法を開示しており、韓国公開特許 第10-2020-0003591号は、米粉を主原料として圧出する方法であって、パン粉を製造する方法を開示している。
【0004】
現在大量生産して市販されるパン粉は、粒子のサイズが比較的小さいので食感が満足できないのみでなく、長期間の流通後にさっくりとした食感を維持し難く、調理後に色相が変化しやすいという欠点がある。また、従来のパン粉の製造工程は、パンの製造のための酵母発酵工程と熟成工程が求められ、製造工程上の効率性が低いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許 第10-2017-0112740号
【特許文献2】韓国公開特許 第10-2020-0003591号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、酵母発酵によるパンの製造工程が必要でなく、かつ長期間の流通期間後及び調理後にもさっくりとした食感が維持できるブレッドクラムを製造するために研究努力した。その結果、小麦粉に澱粉を含み、酵母を使用せず特定の成分を組み合わせた膨張剤を使用してブレッドクラムを製造すると、水分活性度が低くて流通時に安定性が高いのみでなく、調理後にもさっくりとした食感を維持することができ、大きなサイズのパン粒子の割合の高いブレッドクラムが製造できることを確認し、本出願を完成した。
【0007】
したがって、本出願の目的は、粒子サイズの大きなパン粒子が高い割合で含まれ、調理後にもさっくりとした食感を維持することができ、明るい色を有するブレッドクラムを提供することにある。
【0008】
本出願の他の目的は、前述した特性を有するブレッドクラムを製造する方法を提供することにある。
【0009】
本出願の他の目的は、前述した特性を有するブレッドクラムを含む食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために、
本出願の一側面は、パン粒子を含む粉末状のブレッドクラムであって、前記パン粒子は、小麦粉及び澱粉を含み、2mm以上のサイズを有するパン粒子の割合が60-70重量%である粒度分布を有するブレッドクラム(Bread crumb)を提供する。
【0011】
本出願の他の側面は、
(a)小麦粉、澱粉、砂糖、精製塩、膨張剤、乳化剤、及び甘味料を含むプレミックスを製造する段階;
(b)前記プレミックスに液状原料を入れて混合して生地を形成する段階;
(c)前記生地をオーブニングする段階;及び
(d)前記オーブニングした生地を冷却し粉砕してパン粒子を製造する段階を含むブレッドクラムの製造方法を提供する。
本出願の他の側面は、前記ブレッドクラムを含む食品を提供する。
【0012】
以下、本出願を具体的に説明する。
【0013】
一側面によれば、本出願は、パン粒子を含む粉末状のブレッドクラムであって、前記パン粒子は、小麦粉及び澱粉を含み、2mm以上のサイズを有するパン粒子の割合が60-70重量%である粒度分布を有するブレッドクラムを提供する。
【0014】
本出願において、ブレッドクラムは、小さなサイズのパン粒子(bread grain)を含む粉末状を有する。
【0015】
本出願のブレッドクラムは、サイズが均一ではなく多様なサイズのパン粒子で構成されてよく、パン粒子のサイズの上限は5mmであってよく、具体的には、0.01-5mm、0.01-4.9mm、0.01-4.8mm、0.01-4.7mm、0.01-4.6mm、0.01-4.5mm、0.01-4.4mm、又は0.01-4.3mm範囲であってよいが、これに限定されない。
【0016】
本出願において、パン粒子は、円形又は形態が一定ではない非定型であってよい。
【0017】
本出願において、パン粒子の「サイズ(粒度)」は、パン粒子を横切る長さのうち最も大きい長さを意味してよい。
【0018】
本明細書において、パン粒子に関して用いられる用語「粒度分布(grain size distribution)」は、ブレッドクラムを構成するパン粒子のサイズの分布割合を意味する。
【0019】
本出願において、ブレッドクラムは、ブレッドクラムを構成するパン粒子のサイズ分布、すなわち、パン粒子の粒度分布により特徴づけられてよい。
【0020】
本出願のブレッドクラムにおいて、2mm以上のサイズを有するパン粒子の割合は、60-70重量%であってよく、具体的には、61-69重量%、62-68重量%、又は63-67重量%であってよい。
【0021】
一具現例において、ブレッドクラムで3.35mm以上のサイズを有するパン粒子の割合の下限は25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、又は28.5重量%であってよく、その上限は、35重量%、34重量%、33重量%、32重量%、31重量%、30重量%、又は29重量%であってよい。
【0022】
具体的には、本出願のブレッドクラムで3.35mm以上のサイズを有するパン粒子の割合は25-35重量%、26-34重量%、27-33重量%、28-32重量%、28.5-31重量%、28.5-30重量%、又は28.5-29重量%であってよい。
【0023】
他の具現例において、本出願のブレッドクラムは、2mm以上のサイズを有するパン粒子の割合は、60-70重量%、61-69重量%、62-68重量%、又は63-67重量%であり、同時に3.35mm以上のサイズを有するパン粒子の割合は、25-35重量%、26-34重量%、27-33重量%、28-32重量%、28.5-31重量%、28.5-30重量%、又は28.5-29重量%であってよい。
【0024】
本出願において、2mm以上のサイズを有するパン粒子の割合が60-70重量%である粒度分布を有することで、ブレッドクラムのさっくりとして豊かな食感が具現され、調理後にもこのような食感が維持される効果を有する。
【0025】
本出願において、ブレッドクラムを構成するパン粒子は、小麦粉及び澱粉を含んでよい。
【0026】
一具現例において、パン粒子で小麦粉の含量の下限は30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、又は45重量%であってよく、小麦粉の含量の上限は60重量%、59重量%、58重量%、57重量%、56重量%、又は55重量%であってよい。具体的には、パン粒子の小麦粉の含量は30-60重量%、31-59重量%、32-58重量%、33-57重量%、34-56重量%、又は35-55重量%であってよい。
【0027】
一具現例において、パン粒子で澱粉の含量の下限は5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、又は10重量%であってよく、澱粉の含量の上限は35重量%、34重量%、33重量%、32重量%、31重量%、又は30重量%であってよい。具体的には、パン粒子の澱粉の含量は5-35重量%、6-34重量%、7-33重量%、8-32重量%、9-31重量%、又は10-30重量%であってよい。
【0028】
前記のように小麦粉と澱粉の含量範囲を調節することで、ブレッドクラムのさっくりとして豊かな食感が具現され、調理後にもこのような食感が維持される効果を有する。
【0029】
本出願のブレッドクラムのパン粒子に含まれる澱粉は、例えば、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、タピオカ澱粉、サツマイモ澱粉、又は葛澱粉であってよく、具体的にはトウモロコシ澱粉であってよい。トウモロコシ澱粉を含んで製造すると、固くて砕け難くなり、さっくりとした食感のブレッドクラムを製造することができる。
【0030】
本出願において、ブレッドクラムのパン粒子は、膨張剤をさらに含んでよい。膨張剤を含んで製造すると、ブレッドクラムの製造時、オーブニング前の発酵工程及びオーブニング後の熟成工程を省略できるので、効率的かつ経済的にブレッドクラムを製造することができる。また、既存のパン粉よりもさっくりとした食感のブレッドクラムを製造することができる。
【0031】
前記膨張剤の含量は、0重量%超過-10重量%以下であってよい。具体的には、0重量%超過-9.5重量%以下、0重量%超過-9重量%以下、0重量%超過-8.5重量%以下、0重量%超過-8重量%以下、0重量%超過-7.5重量%以下、0重量%超過-7重量%以下、0重量%超過-7.5重量%以下、0重量%超過-7重量%以下、0重量%超過-6.5重量%以下、又は0重量%超過-6重量%以下であってよい。
【0032】
一具現例において、前記膨張剤は、酸性ピロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、第一リン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、重酒石酸カリウム及び焼ミョウバンからなる群より選択される一つ以上であってよい。
【0033】
一具現例において、前記酸性ピロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、第一リン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、重酒石酸カリウム、又は焼ミョウバンの含量は、それぞれ0重量%超過-2重量%以下であってよい。
【0034】
本出願において、ブレッドクラムを構成するパン粒子は、乳化剤及び甘味料からなる群より選択される一つ以上の成分をさらに含んでよい。
【0035】
前記乳化剤は、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、CSL(calcium stearoyl-2-lactylate)、SSL(sodium stearoyl-2-lactylate)、レシチン、シュガーエステル、又はDATEM(diacetyl tartaric acid ester of mono- and diglycerides)であってよいが、これに限定されない。
【0036】
前記甘味料は、酵素処理ステビア、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ステビア抽出物、又は甘草抽出物であってよいが、これに限定されない。
【0037】
一具現例において、パン粒子で前記乳化剤の含量は、0重量%超過-2重量%以下であってよく、前記甘味料の含量は、0重量%超過-2重量%以下であってよい。乳化剤を前記含量で含むと、よりさっくりとした食感のブレッドクラムを製造することができる。また、甘味料を前記含量で含むと、明るい黄色を帯びるブレッドクラムを製造することができるので、天ぷら用食品に適用すると、おいしそうな天ぷら色相を具現することができる。
【0038】
本出願において、ブレッドクラムを構成するパン粒子は、砂糖及び精製塩からなる群より選択される一つ以上の成分をさらに含んでよい。
【0039】
前記砂糖は、例えば、精白糖であってよく、パン粒子で精白糖の含量は、1-10重量%であってよい。
【0040】
パン粒子で前記精製塩の含量は、1-5重量%であってよい。
【0041】
パン粒子は、小麦粉及び澱粉を含むプレミックスに液状原料をさらに添加して製造されたものであり、前記液状原料は、水、乳製品、卵、蜂蜜、シロップ、及び植物性油脂からなる群より選択される一つ又は二つ以上の混合物であってよい。
【0042】
前記乳製品は、例えば、牛乳、クリーム、ヨーグルト、及びサワークリームからなる群より選択される一つ以上であってよい。
【0043】
前記卵は、全卵、卵黄、及び卵白からなる群より選択される一つ以上であってよい。
【0044】
前記植物性油脂は、例えば、大豆油、ひまわり油、キャノーラ油、又はブドウ種子油であってよい。
【0045】
前記液状原料は、ブレッドクラムを製造する原料(生地)100重量部に対して1-35重量部で含まれてよい。このような含量で含まれてブレッドクラム製造用生地物性に影響を及ぼすことで、最終ブレッドクラムが好ましい食感と物性として製造され得る。
【0046】
一具現例において、本出願のブレッドクラムのパン粒子は、(i)小麦粉及びトウモロコシ澱粉;及び(ii)膨張剤として酸性ピロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び第一リン酸カルシウムを含んでよい。
【0047】
他の具現例において、本出願のブレッドクラムのパン粒子は、(i)小麦粉及びトウモロコシ澱粉;(ii)膨張剤として酸性ピロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び第一リン酸カルシウム;及び(iii)乳化剤及び甘味料を含んでよい。
【0048】
他の具現例において、本出願のブレッドクラムのパン粒子は、(i)小麦粉及びトウモロコシ澱粉;(ii)膨張剤として酸性ピロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び第一リン酸カルシウム;(iii)乳化剤及び甘味料;及び(iv)液状原料、砂糖及び精製塩からなる群より選択される一つ以上の成分を含んでよい。
【0049】
本出願のブレッドクラムのパン粒子は、酵母による発酵工程を経ずに製造されたものであってよい。一具現例において、本出願のブレッドクラムのパン粒子は、酵母による発酵物又は酵母を含まなくてよい。前記「酵母による発酵物」は、前記ブレッドクラムを製造する原料と酵母を混合した後、発酵させて生成される生成物を意味する。
【0050】
本出願のブレッドクラムのパン粒子は、水分含量が8重量%未満であってよい。具体的には、パン粒子の水分含量は、8重量%未満、7.9重量%未満、7.8重量%未満、7.7重量%未満、又は7.6重量%未満であってよい。前記パン粒子の水分含量の下限は1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、4.5重量%、5重量%、5.5重量%、又は6重量%であってよい。
【0051】
本出願のブレッドクラムのパン粒子の水分活性度は、0.55aw未満であってよい。
【0052】
具体的には、本出願のブレッドクラムのパン粒子の水分活性度の上限は、0.55aw、0.54aw、0.53aw、0.52aw、0.51aw、又は0.5awであってよく、下限は、0.1aw、0.2aw、0.3aw、0.4aw、又は0.45awであってよい。より具体的には、本出願のブレッドクラムのパン粒子の水分活性度は、0.1-0.55aw、0.2-0.55aw、0.3-0.55aw、0.4-0.55aw、又は0.45-0.55awであってよい。前記範囲の水分含量及び/又は水分活性度を有することで、微生物に対する安全性が高くて流通安定度が高くなるという利点がある。
【0053】
一具現例において、本出願のブレッドクラムのパン粒子の色度色差計の分析時に、L値が70-80、a値が1-2、及びb値が20-30であってよい。前記色度範囲を有することで、明るい黄色を帯び、天ぷらに適用すると、フライ後においしそうな色相を具現することができる。
【0054】
本出願のブレッドクラムは、天ぷら食品用ブレッドクラムであってよい。天ぷら食品に使用することで、従来のパン粉に比べてよりさっくりとして好ましい天ぷら色相を示すことができる。また、調理後にもさっくりとした食感を維持することができる。
【0055】
本出願の他の側面は
(a)小麦粉、澱粉、砂糖、精製塩、膨張剤、乳化剤、及び甘味料を含むプレミックスを製造する段階;
(b)前記プレミックスに液状原料を入れて混合して生地を形成する段階;
(c)前記生地をオーブニングする段階;及び
(d)前記オーブニングした生地を冷却し粉砕してパン粒子を製造する段階;を含むブレッドクラムの製造方法を提供する。
【0056】
前記プレミックスは、後述する液状原料と対比して固体原料とも指称してよい。
【0057】
一具現例において、前記段階(b)後及び段階(c)前に前記生地をパンニング(panning)する段階をさらに含んでよい。
【0058】
一具現例において、前記段階(c)のオーブニングは、100-200℃に予熱されたオーブンで30-120分間行ってよい。より具体的には、前記オーブニング時に予熱されたオーブンの温度は、100-200℃、100-190℃、100-180℃、100-170℃、100-160℃、又は100-150℃であってよく、前記予熱された温度のオーブンで30-120分、30-110分、30-100分、30-90分、又は30-80分間行ってよい。
【0059】
一具現例において、前記段階(d)の冷却された生地を粉砕する段階は、1-20mmのメッシュふるい(seive)を使用して3.5-30Hzの速度で粉砕する段階を含んでよい。
【0060】
一具現例において、前記段階(d)後に、粉砕されたパン粒子を乾燥する段階(e)をさらに含んでよい。
【0061】
一具現例において、前記段階(e)で乾燥は、50-150℃の温度で行ってよい。
【0062】
前記段階(a)で小麦粉の含量の下限は、生地100重量部に対して30重量部、31重量部、32重量部、33重量部、34重量部、又は45重量部であってよく、小麦粉の含量の上限は、生地100重量部に対して60重量部、59重量部、58重量部、57重量部、56重量部、又は55重量部であってよい。具体的には、小麦粉の含量は、生地100重量部に対して30-60重量部、31-59重量部、32-58重量部、33-57重量部、34-56重量部、又は35-55重量部であってよい。
【0063】
前記澱粉は、例えば、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、タピオカ澱粉、サツマイモ澱粉、又は葛澱粉であってよく、具体的には、トウモロコシ澱粉であってよい。
【0064】
前記段階(a)で、澱粉の含量の下限は、生地100重量部に対して5重量部、6重量部、7重量部、8重量部、9重量部、又は10重量部であってよく、澱粉の含量の上限は、生地100重量部に対して35重量部、34重量部、33重量部、32重量部、31重量部、又は30重量部であってよい。具体的には、澱粉の含量は、生地100重量部に対して5-35重量部、6-34重量部、7-33重量部、8-32重量部、9-31重量部、又は10-30重量部であってよい。
【0065】
前記段階(a)で、前記膨張剤は、酸性ピロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、第一リン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、重酒石酸カリウム、及び焼ミョウバンからなる群より選択される一つ以上であってよい。
【0066】
前記膨張剤の含量は、生地100重量部に対して0重量部超過-10重量部以下であってよい。具体的には、生地100重量部に対して0重量部超過-9.5重量部以下、0重量部超過-9重量部以下、0重量部超過-8.5重量部以下、0重量部超過-8重量部以下、0重量部超過-7.5重量部以下、0重量部超過-7重量部以下、0重量部超過-7.5重量部以下、0重量部超過-7重量部以下、0重量部超過-6.5重量部以下、又は0重量部超過-6重量部以下であってよい。
【0067】
具体的には、前記酸性ピロリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、第一リン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、重酒石酸カリウム、又は焼ミョウバンの含量は、それぞれ生地100重量部に対して0重量部超過-2重量部以下であってよい。
【0068】
前記乳化剤は、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、CSL(カルシウムステアロイル-2-ラクチレート、calcium stearoyl-2-lactylate)、SSL(ナトリウムステアロイル-2-ラクチレート、sodium stearoyl-2-lactylate)、レシチン、シュガーエステル、又はDATEM(モノ-及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、diacetyl tartaric acid ester of mono-and diglycerides)であってよいが、これに限定されない。
【0069】
前記甘味料は、酵素処理ステビア、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ステビア抽出物、又は甘草抽出物であってよいが、これに限定されない。
【0070】
前記乳化剤の含量は、生地100重量部に対して0重量部超過-2重量部以下であってよく、前記甘味料の含量は、生地100重量部に対して0重量部超過-2重量部以下であってよい。
【0071】
前記砂糖は、例えば、精白糖を使用してよく、精白糖の含量は、生地100重量部に対して1-10重量部であってよい。
【0072】
前記精製塩は、生地100重量部に対して1-5重量部の含量で使用してよい。
【0073】
前記段階(b)で液状原料は、水、乳製品、卵、蜂蜜、シロップ、及び植物性油脂からなる群より選択される一つ又は二つ以上の混合物であってよい。
【0074】
前記乳製品は、牛乳、クリーム、ヨーグルト、及びサワークリームからなる群より選択される一つ以上であってよい。
【0075】
前記卵は、全卵、卵黄及び卵白からなる群より選択される一つ以上であってよい。
【0076】
前記植物性油脂は、例えば、大豆油、ひまわり油、キャノーラ油、又はブドウ種子油を使用してよい。
【0077】
前記液状原料の含量は、生地100重量部に対して1-35重量部であってよい。
【0078】
本出願のブレッドクラムの製造方法は、酵母による発酵工程を含まなくてよい。本出願の製造方法は、ブレッドクラムの原材料に酵母を添加して発酵させる工程を含まなくてよい。前記酵母は、一例としてサッカロミセス属(Saccharomyces sp.)の酵母であってよい。
【0079】
本出願の他の側面は、前述したブレッドクラムを含む食品を提供する。前記食品は、天ぷら類であってよく、これに限定されず、一例としてトンカツ、フィッシュカツ、チキン(chicken)料理(例えば、揚げたチキン又は焼いたチキン)、ホットドッグ(hot dog)、コーンドッグ(corn dog)、キャセロール(casseroles)、スープ(soup)、シチュー(stew)、ミートローフ(meat loaf)、サラダ(salad)、饅頭(mandu)、餃子(gyoja)、ピザ、ナゲット(nugget)、中華料理(chinese style food)、ハンバーグステーキ、ミートボール、焼き類(トッカルビ、ドングランテンなど)、肉加工類(ベーコン、ハムなど)、新鮮加工品類(かまぼこ、カニカマ、豆腐など)、パン類(ペストリー、マフィンなど)、又はパスタ(pasta)であってよいが、これに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0080】
本出願の従来のパン粉に比べてサイズの大きなパン粒子が高い割合を占めるブレッドクラムを提供する。
【0081】
本出願のブレッドクラムは、酵母による発酵工程を使用しないので、従来のパン粉と比べてよりさっくりとし、調理後にもさっくりとした食感を維持することができる。
【0082】
本出願のブレッドクラムは、水分活性度が低いので、長期間の流通期間後にもさっくりとした食感が維持され、流通安定度が高い。
【0083】
本出願のブレッドクラムは、明るい色相を有し、調理後にも明るい色相がそのまま維持され得る。
【0084】
本出願のブレッドクラムは、製造時に酵母発酵工程と熟成工程が不必要であるので、大量生産時に効率性が高い。
【0085】
ただし、本出願の効果は、前述した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は、下記記載から当業者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】本出願のブレッドクラム「Sブレッダー」と従来のパン粉に対し、調理後の水分含量を測定した結果を示すグラフである。
【
図2】本出願のブレッドクラム「Sブレッダー」と従来のパン粉に対し、調理後のTA測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0087】
以下、本出願を実施例により詳しく説明する。ただし、下記実施例は、本出願を具体的に例示するものであり、本出願の内容が下記実施例により限定されない。
【0088】
実施例
製造例1:ブレッドクラムの製造
(1)プレミックス(固体原料)の製造
生地100重量部を基準として小麦粉(CJ第一製糖、韓国)35-55重量部、トウモロコシ澱粉(CJ第一製糖、韓国)10-30重量部、膨張剤1-6重量部[酸性ピロリン酸ナトリウム(ヨンリム化学、イスラエル)0超過-2重量部、炭酸水素ナトリウム(ヨンリム化学、米国)0超過-2重量部、第一リン酸カルシウム(光一、韓国)0超過-2重量部]、精白糖(CJ第一製糖、韓国)1-10重量部、精製塩(韓洲塩、韓国)0超過-5重量部、乳化剤(イヨン化学、マレーシア)0超過-2重量部、甘味料(マクロケア、韓国)0超過-2重量部を各含量計量した。前記計量した原料を混合してプレミックスを製造した。
【0089】
(2)生地の製造
前記製造したプレミックス(固体原料)に、生地100重量部を基準として大豆油、水、及び植物性油脂(CJ第一製糖)を含む液状原料1-35重量部を計量し、プレミックスに投入した後、低速で1-10分間均等に混合して生地を製造した。
【0090】
(3)パンニング及びオーブニング(Panning and Ovening)
混合して製造した生地を、平鉄板基準1-3kgをパンニングした。パンニングした生地を、100-200℃に予熱されたオーブンで30-120分間オーブニングした後、十分に冷却させた。
【0091】
(4)粉砕
オーブニング後に冷やした生地を、1-20mmのマッシュ網を用いて3.5-30Hzの速度で粉砕した。前記粉砕されたブレッドクラムをそのまま使用するか、さらに50-150℃の条件で乾燥した。
【0092】
実験例1:ブレッドクラムの特性評価
本発明のブレッドクラムと比べるために、市販のパン粉、天ぷら粉、ソボロ製品を選定した。また、品質検査及び特性を比べるために、本発明のブレッドクラムと選定された製品に対し、粒度分布度、水分含量、水分活性度、色度、及びTA分析を行った。
【0093】
実験例1-1.市販のパン粉、天ぷら粉、及びソボロの原材料及び製造方法
(1)パン粉
製品名は白雪パン粉(生産先:ビーケー)であり、常温で流通し、穀類加工品の食品類型であり、ブレッダー用途として使用される。原材料は、小麦粉90重量%以上、ブドウ糖1-2重量%、食品性ショートニング1-2重量%、精製塩1-2重量%、酵母(酵母、ソルビタンモノステアレート、ビタミンC)、混合製剤(澱粉、硫酸カルシウム、精製塩、塩化アンモニウム、ビタミンC)を使用して製造される。製造工程は、計量段階、混合段階、パンニング段階、発酵段階、オーブニング段階、冷却段階、熟成段階、粉砕段階、及び包装段階で構成される。
【0094】
(2)天ぷら粉
製品名は白雪天ぷら粉(生産先:CJ永登浦工場)であり、常温で流通し、穀類加工品の食品類型であり、生地用途として使用される。原材料は、粉材料(小麦粉及び澱粉)90重量%以上、トウモロコシ粉、合成膨張剤(炭酸水素ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、澱粉、第一リン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム)、精製塩、炒め米粉、ニンニク濃縮粉末、タマネギ粉ミックス、胡椒を使用して製造される。製造工程は、計量段階、混合段階、及び包装段階で構成される。
【0095】
(3)ソボロ
製品名はソボロ粉生地(生産先:ソウル食品工業)であり、冷凍で流通し、パン類、加熱して摂取する冷凍食品であり、トッピング用途として使用される。原材料は、小麦粉40-50重量%、精白糖15-25重量%、油脂類(加工バター、植物性油脂、加工油脂、ヤシ油、ピーナッツバター)20-40重量%、乳化剤、乳清粉末、トウモロコシ粉末、全卵液、混合製剤、食品添加物(合成膨張剤)、炭酸水素ナトリウムを使用して製造される。製造工程は、計量段階、混合段階、及び包装段階で構成される。
【0096】
実験例1-2.ブレッドクラムの特性評価方法
(1)粒度分布測定
ふるい目のサイズがそれぞれ1mm(No.18)、2mm(No.10)、3.35mm(No.6)である実験用ふるい(清渓商工社、韓国)を順次積んでサンプル100gを30秒間受動でシフティングした。シフティング完了後、各ふるい別にかけられた粒子の重量を確認して算出された分布度の値を記録した。
【0097】
(2)水分含量の測定
常圧加熱乾燥法で試料25gを3回繰り返し測定し、その平均値を記録した。
【0098】
(3)水分活性度の測定
一定量の試料を水分活性度測定器Dew Point Water Activity Meter(Aqualab 4TE、米国)で分析し、その値を記録した。
【0099】
(4)色度の測定
試料30gを、170℃に予熱された大豆油(CJ第一製糖、韓国)に90秒ディープフライング調理した。調理前/後の試料を色度色差計Spectrophotometer CM-3500d(Minolta、日本)で分析した後、L(明度)、a(赤色度)、b(黄色度)値を記録した。
【0100】
(5)TAの測定
一定量の試料をテキスチャーアナライザー(Texture Analyzer) TA XT-Plus(Stable Micro System、イギリス)で分析した。TA分析の条件は、AACC 74-09 標準法(Standard Method)を基準とし、詳細基準は、以下の表1に示した。TA分析時、Compression Force Valueと平均値、標準偏差を記録した。
【0101】
【0102】
実験例1-3.ブレッドクラムの特性評価の結果
(1)粒度分布測定の結果
本出願のブレッドクラムと他社製品(パン粉、天ぷら粉、ソボロ)の粒度分布を測定した結果を以下の表2に示した。
【0103】
【0104】
前記表2で「Sブレッダー」は、本出願のブレッドクラムである。「Sブレッダー」は、2mm以上のサイズを有する粒子が約65.9重量%を占め、3.35mm以上のサイズを有する粒子が約29.7重量%を占めることで、他社のパン粉、天ぷら粉、ソボロに対して粒子サイズの大きなパン粒子の割合が顕著に高いことを確認した。
【0105】
(2)水分含量測定の結果
本出願のブレッドクラム及び他社製品(パン粉、天ぷら粉、ソボロ)の水分含量を測定した結果を以下の表3に示した。
【0106】
【0107】
前記表3で「Sブレッダー」は、本出願のブレッドクラムである。「Sブレッダー」は、平均水分含量が7.43%であって、他社のパン粉に対して少し高い含量を示し、他社の天ぷら粉、ソボロに対して水分含量が約4-5%低いことが分かった。
【0108】
(3)水分活性度測定の結果
本出願のブレッドクラム及び他社製品(パン粉、天ぷら粉、ソボロ)の水分活性度を測定した結果を以下の表4に示した。
【0109】
【0110】
前記表4で「Sブレッダー」は、本出願のブレッドクラムである。「Sブレッダー」は、水分活性度が0.507Awであって、他社のパン粉、天ぷら粉、ソボロに対して水分活性度が約0.04-0.24低かった。
【0111】
(4)色度測定の結果
本出願のブレッドクラム及び他社製品(パン粉、天ぷら粉、ソボロ)の色度を測定した結果を以下の表5に示した。
【0112】
【0113】
前記表5で「Sブレッダー」は、本出願のブレッドクラムである。「Sブレッダー」は、明るい黄色を有し、パン粉及びソボロに対して170℃で90秒揚げる調理前及び調理後での明度が最も高かった。
【0114】
(5)TA測定の結果
本出願のブレッドクラム及び他社製品(パン粉、天ぷら粉、ソボロ)のTA測定値を測定した結果を以下の表6に示した。
【0115】
【0116】
前記表6で「Sブレッダー」は、本出願のブレッドクラムである。TA分析で「Sブレッダー」は、ピーク個数は平均約42個であって、パン粉、天ぷら粉、ソボロに対して約3-40個多く、ピーク強度は平均2098であって、ソボロよりは高くてパン粉及び天ぷら粉よりは低かった。そこで、本出願のブレッドクラムは、既存のパン粉、天ぷら粉、ソボロに対してさっくりとすることを確認した。
【0117】
実験例2:調理後のブレッドクラムの品質評価
本出願のブレッドクラムと市販の他社パン粉に対し、調理後の品質評価を行った。他社パン粉は、実験例1で使用した白雪パン粉(生産先:ビーケー)を使用した。調理は、165℃で2分30秒間ディープフライングして調理する方法を使用した。
【0118】
実験例2-1.調理後製品の品質評価方法
(1)水分含量測定
赤外線水分測定器で試料5gを測定し、105℃、50分条件での測定値を記録した。
【0119】
(2)TA測定
TA機器でディープフライングされた試料を総3回測定して平均値を記録した。TAの分析条件は、以下の表7に示した。
【0120】
【0121】
実験例2-2.調理後製品の品質評価の結果
(1)水分含量測定の結果
本出願のブレッドクラム「Sブレッダー」と他社パン粉に対し、調理後の水分含量測定の結果を以下の表8及び
図1に示した。
【0122】
【表8】
表8で「Sブレッダー」は、本出願のブレッドクラムであり、調理後の「Sブレッダー」が他社パン粉に対して水分含量が約0.3-0.5%低く、水分含量増加幅も低かった。
【0123】
(2)TA測定の結果
本出願のブレッドクラム「Sブレッダー」と他社パン粉に対し、調理後のTA測定の結果は以下の表9に示し、
図2には、TA測定結果データをグラフで示された。
【0124】
【0125】
表9で「Sブレッダー」は、本出願のブレッドクラムであり、調理後の測定時にSブレッダーがパン粉に対してピーク個数がより多く示され、3時間まで増加してその後減少した。このような結果は、Sブレッダーがパン粉に対して調理後によりさっくりとし、さっくりとした程度がより長く維持されることを意味する。調理後のTA測定時にSブレッダーがパン粉に対してピーク強度がより大きな幅で高く示された。また、1時間まで強度が増加してその後減少するパン粉に対してSブレッダーは強度が着実に増加して、調理後にも硬度がより強く示され、強い硬度が長く維持されることが分かった。
【0126】
以上、本出願の代表的な実施例を例示的に説明したが、本出願の範囲は、前記のような特定の実施例のみ限定されるものではなく、当該分野における通常の知識を有する者であれば、本出願の特許請求の範囲に記載された範疇内で適宜変更が可能である。
【国際調査報告】