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特表2023-552178AI型目視検査処理中における画像データに関連するデータ収集状態の確認方法及び確認システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】AI型目視検査処理中における画像データに関連するデータ収集状態の確認方法及び確認システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20231207BHJP
   G06V 10/72 20220101ALI20231207BHJP
【FI】
G06T7/00 350C
G06T7/00 600
G06V10/72
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532674
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 JP2022002483
(87)【国際公開番号】W WO2022172739
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/173,822
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】ベック アリエル
(72)【発明者】
【氏名】ウィジャヤ チャンドラ スワンディ
(72)【発明者】
【氏名】マテェウ アテュル エム.
(72)【発明者】
【氏名】アウング ンウェイ ンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】クリスナクマル ラムダス
(72)【発明者】
【氏名】タング ズウオング シェング
(72)【発明者】
【氏名】ズウオウ ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ラジャゴパラン プラデープ
(72)【発明者】
【氏名】菅澤 裕也
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA03
5L096EA14
5L096EA43
5L096FA09
5L096FA32
5L096FA54
5L096GA08
5L096GA51
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【解決手段】本主題は、AI型目視検査処理中における画像データに関連するデータ収集状態又は画像キャプチャ状態の確認方法及び確認システムに関する。当該方法は、第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成するステップを備える。同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、前記FR1画像と前記FR2画像の間で差分画像データを生成する。そして、複数の画素の輝度差分値で構成される差分画像データを取得するステップに基づき、差分画像内で複数の白色画素又は明度値のうちの1以上を決定する。少なくとも前記複数の白色画素又は明度値に基づいて、例えば、複数のAI又はML技術の適用に基づいて決定されたインデックスであって、前記FR1画像及び前記FR2画像間にわたるデータキャプチャ状態の差を表すインデックスを決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AI型目視検査処理中における画像データに関連するデータ収集状態の確認方法であって、
第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成する画像生成ステップと、
同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、前記FR1画像と前記FR2画像の間の差分画像データを生成する差分画像生成ステップと、
複数の画素の輝度差分値で構成される差分画像データを取得するステップに基づき、差分画像内の複数の白色画素又は明度値のうちの1以上を決定する白色画素又は明度値決定ステップと、
少なくとも前記複数の白色画素又は明度値に基づいて決定されるインデックスであって、前記FR1画像及び前記FR2画像間にわたるデータキャプチャ状態の差を表すインデックスを決定するインデックス決定ステップとを備える
確認方法。
【請求項2】
前記FR1画像及び前記FR2画像は、位置合わせしたデータセットから生成され、それぞれ前記第1画像群の中央画像及び前記第2画像群の中央画像で定義され、前記FR1画像及び前記FR2画像は、対象物全体又は対象領域(ROI)のいずれかを表す
請求項1に記載の確認方法。
【請求項3】
前記白色画素又は明度値決定ステップは、
前記差分画像となる二値画像において、少なくとも1つのエラー画素として前記白色画素の位置を特定するステップと、
前記差分画像となるグレースケール画像において、明度領域の位置を特定するステップとのうちの少なくとも1つを備える
請求項1に記載の確認方法。
【請求項4】
前記二値画像に関する前記インデックス決定ステップは、ブロブの一部を形成する白色画素の数と前記二値画像内の総画素数との比率に基づいて総合インデックスを算出するステップを備え、前記総合インデックスは、
所定の閾値を超える高さ及び幅で定義される大ブロブの数と前記総画素数との比率で定義される照明インデックスと、
所定の閾値を超えない高さ及び幅で定義される狭ブロブの数と前記総画素数との比率で定義される位置合わせインデックスとを含む
請求項3に記載の確認方法。
【請求項5】
前記二値画像及び前記グレースケール画像に関する前記インデックス決定ステップは、
前記二値画像における列ごとのエラーポイント数をカウントし、それにより前記二値画像の列ごとの高明度のカウントの中央値を計算するステップと、
前記グレースケール画像における列ごとの平均明度を計算し、それにより前記グレースケール画像の列ごとの平均明度の中央値を計算するステップと、
前記二値画像の計算された前記中央値及び前記グレースケール画像の計算された前記中央値を、前記照明インデックスの差として定義するステップと、
計算された前記照明インデックスの差が所定の閾値を超えている場合、前記FR1画像又は前記FR2画像のいずれかにおける照明の差を突き止めるステップと、
所定の閾値を超えていない前記照明インデックスの差と、
所定の閾値を超えており、それによってエラーを示す算出された前記総合インデックスと
に基づき、前記FR1画像又は前記FR2画像のいずれかにおける位置ずれした状態を突き止めるステップと
のうちの少なくとも1つに基づき、前記FR1画像と前記FR2画像の間の照明インデックスの差を計算するステップを備える
請求項4に記載の確認方法。
【請求項6】
さらに、前記FR1画像及び前記FR2画像内の1以上の画像特徴点を推奨するために、前記FR1画像及び前記FR2画像をそれぞれ評価する評価ステップを備え、当該評価ステップは、
前記FR1画像内及び前記FR2画像内の複数の関心点を検出し、それにより、前記FR1画像及び前記FR2画像について検出された複数の関心点に関する、形状安定基準を定義する再現率を決定するステップと、
前記FR1画像及び前記FR2画像について、前記再現率に対応する複数の関心点のうちのいくつかをさらに突き止めるステップと、
前記複数の関心点のうちのいくつかを、キーポイントとなる特徴点の標準ライブラリに応じて複数のコーナー、複数のエッジ、複数のリッジのうちの1以上で定義される1以上の画像特徴点として特定するステップとを備える
請求項1に記載の確認方法。
【請求項7】
さらに、
所定の閾値を超えず、かつ、特定された前記関心点のうちの1つに沿って存在する、それぞれが前記差分画像内の白色画素群を表すブロブの前記差分画像内での広がりを分析するステップと、
前記ブロブの広がりの分析に基づき、前記FR1画像又は前記FR2画像のいずれかについて許容値を超える位置合わせクオリティインデックスを検出するステップと、
前記FR1画像又は前記FR2画像の一方に対して、検出された位置ずれを自動的に補正するステップとを備える
請求項6に記載の確認方法。
【請求項8】
検出された前記位置ずれは、
明度空間において前記FR1画像又は前記FR2画像の一方から1以上のスケール不変画像特徴点を抽出するステップと、
前記1以上のスケール不変画像特徴点を、前記FR1画像又は前記FR2画像の1以上にわたって適用される深層学習基準に基づいて決定される複数の対応関心点とマッピングするステップと、
前記対応関心点を用いて、前記FR1画像又は前記FR2画像の一方を位置合わせするステップと
に基づき、自動的に補正される
請求項7に記載の確認方法。
【請求項9】
さらに、
所定の閾値を超え、かつ、特定された前記関心点のうちの1つに沿って存在する、それぞれが前記差分画像内の白色画素群を表すブロブの前記差分画像内での広がりを分析するステップと、
前記ブロブの広がりの分析に基づき、前記FR1画像又は前記FR2画像のいずれかについて許容値を超える照明クオリティインデックスを検出するステップと、
前記FR1画像又は前記FR2画像の一方に対して、前記照明クオリティインデックスに基づき、検出された照明のばらつきを自動的に補正するステップとを備える
請求項6に記載の確認方法。
【請求項10】
検出された前記照明のばらつきは、1つの画像群に関する照明状態の特徴を捉えて当該画像群を別の画像群へ再構成する変換技術であって、深層学習に対応した画像から画像への変換技術に基づき、位置ずれしたFR1画像又は位置ずれしたFR2画像に対して自動的に補正される
請求項9に記載の確認方法。
【請求項11】
位置合わせしたデータセットに対応する前記FR1画像又は前記FR2画像に対して検出された前記照明のばらつきは、
前記FR1画像と対象の特定画像の間の差を算出して別の差分画像を生成するステップと、
それぞれが前記別の差分画像内の白色画素群を表すブロブの位置を前記別の差分画像内で特定するステップと、
前記別の差分画像に対応するブロブ領域ごとに、前記FR1画像と前記第2画像群に関する前記特定画像の間の差を算出するステップと、
対象ブロブに対して算出された差が許容値より大きければ、前記第2画像群の前記特定画像に対して対象ブロブ領域の画素値を変更するステップと、
対象ブロブに対して算出された差が前記許容値より小さくなるまで、画素値を変更するステップと、
前記第2画像群に関する次の画像に対して、位置特定、算出、画素値変更する前記ステップを再び行うことにより、前記FR2画像に対して照明のばらつきを補正するステップと
に基づき、自動的に補正される
請求項9に記載の確認方法。
【請求項12】
AI型目視検査処理中における画像データに関連するデータ収集状態の確認に基づく画像データ補正方法であって、
第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成する画像生成ステップと、
同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、前記FR1画像と前記FR2画像の間の差分画像データを生成する差分画像生成ステップと、
複数の画素の輝度差分値で構成される差分画像データを取得するステップに基づき、差分画像内の複数の白色画素又は明度値のうちの1以上を決定する白色画素又は明度値決定ステップと、
少なくとも前記複数の白色画素又は明度値に基づいて決定されるインデックスであって、前記FR1画像及び前記FR2画像間にわたるデータキャプチャ状態の差を表すインデックスを決定するインデックス決定ステップと、
検出された位置ずれと、
位置合わせした画像又は位置ずれした画像内で検出された照明のばらつきと、
検出されたブレと
のうちの少なくとも1つを、決定された前記インデックスに基づき、前記FR1画像又は前記FR2画像の一方に対して自動的に補正する自動補正ステップとを備える
画像データ補正方法。
【請求項13】
検出された位置ずれの前記自動補正ステップは、
所定の閾値を超えず、かつ、特定された前記関心点のうちの1つに沿って存在する、それぞれが前記差分画像内の白色画素群を表すブロブの前記差分画像内での広がりを分析するステップと、
前記ブロブの広がりの分析に基づき、前記FR1画像又は前記FR2画像のいずれかについて許容値を超える位置合わせクオリティインデックスを検出するステップと、
前記FR1画像又は前記FR2画像のクラスに対応する1以上の画像に対して、検出された前記位置ずれを自動的に補正するステップとを備える
請求項12に記載の画像データ補正方法。
【請求項14】
検出された位置ずれの前記自動補正ステップは、
明度空間において前記FR1画像又は前記FR2画像の一方から1以上のスケール不変画像特徴点を抽出するステップと、
前記1以上のスケール不変画像特徴点を、前記FR1画像又は前記FR2画像の1以上にわたって適用される深層学習基準に基づいて決定される複数の対応関心点とマッピングするステップと、
前記対応関心点を用いて、前記FR1画像又は前記FR2画像のクラスに対応する画像のうちの1以上を位置合わせするステップとに基づく
請求項13に記載の画像データ補正方法。
【請求項15】
検出された照明のばらつきの前記自動補正ステップは、
所定の閾値を超え、かつ、特定された前記関心点のうちの1つに沿って存在する、それぞれが前記差分画像内の白色画素群を表すブロブの前記差分画像内での広がりを分析するステップと、
前記ブロブの広がりの分析に基づき、前記FR1画像又は前記FR2画像のいずれかについて許容値を超える照明クオリティインデックスを検出するステップと、
前記FR1画像又は前記FR2画像のクラスに対応する画像のうちの1以上に対して、前記照明クオリティインデックスに基づき、検出された照明のばらつきを自動的に補正するステップとを備える
請求項12に記載の画像データ補正方法。
【請求項16】
検出された前記照明のばらつきは、1つの画像群に関する照明状態の特徴を捉えて当該画像群を別の画像群へ再構成する変換技術であって、深層学習に対応した画像から画像への変換技術に基づき、前記FR1画像又は前記FR2画像のクラスに対応する画像のうちの位置ずれした1以上に対して自動的に補正される
請求項15に記載の画像データ補正方法。
【請求項17】
位置合わせしたデータセットに対応する前記FR1画像又は前記FR2画像に対して検出された前記照明のばらつきは、
前記FR1画像と対象の特定画像の間の差を算出して別の差分画像を生成するステップと、
それぞれが前記別の差分画像内の白色画素群を表すブロブの位置を前記別の差分画像内で特定するステップと、
前記別の差分画像に対応するブロブ領域ごとに、前記FR1画像と前記第2画像群に関する前記特定画像の間の差を算出するステップと、
対象ブロブに対して算出された差が許容値より大きければ、前記第2画像群の前記特定画像に対して対象ブロブ領域の画素値を変更するステップと、
対象ブロブに対して算出された差が前記許容値より小さくなるまで、画素値を変更するステップと、
前記第2画像群に関する次の画像に対して、位置特定、算出、画素値変更する前記ステップを再び行うステップと
に基づき、自動的に補正される
請求項15に記載の画像データ補正方法。
【請求項18】
AI型目視検査処理中における画像データに関連する照明ばらつき状態の補正方法であって、
第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成するステップと、
同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、前記FR1画像と前記FR2画像の間の差分画像データを生成するステップと、
前記FR2画像に対して照明のばらつきを検出するステップと、
前記FR1画像と前記第2画像群の特定画像の間の差を算出して別の差分画像を生成するステップと、
それぞれが前記別の差分画像内の白色画素群を表すブロブの位置を前記別の差分画像内で特定するステップと、
前記別の差分画像に対応するブロブ領域ごとに、前記FR1画像と前記第2画像群に関する前記特定画像の間の差を算出するステップと、
対象ブロブに対して算出された差が許容値より大きければ、前記第2画像群の前記特定画像に対して対象ブロブ領域の画素値を変更するステップと、
対象ブロブ領域に対して算出された差が前記許容値より小さくなるまで、画素値を変更するステップと、
前記第2画像群に関する次の画像に対して、位置特定、算出、画素値変更する前記ステップを再び行うことにより、前記FR2画像に対して照明のばらつきを補正するステップとを備える
補正方法。
【請求項19】
さらに、
1つの画像群に関する照明状態の特徴を捉えて当該画像群を別の画像群へ再構成する変換技術であって、深層学習に対応した画像から画像への変換技術に基づき、前記FR1画像又は前記FR2画像のクラスに対応する画像のうちの位置ずれした1以上に対して、照明のばらつきを自動的に補正するステップを備える
請求項18に記載の補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工知能(AI)対応の目視検査に関し、特に、分類用のデータセットの作成に関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、機械学習を用いた欠陥の自動目視検査は存在している。アーキテクチャの例には、品質管理処理の一部として様々な素材の自動目視検査を遂行するためのディープラーニングアーキテクチャ、人工知能(AI)技術などがある。さらに別の例として、ユーザ入力を行うことにより目視検査の一部を人間が提供してAI対応目視検査処理の作業を円滑に進めることが可能な半自動AI対応目視検査処理などがある。
【0003】
少なくとも前述の最先端AIモデルから期待されるものは、異なるデータ収集状態から生じるような偽の欠陥を捉えるというよりむしろ実際の欠陥を認識することである。このようにデータキャプチャ状態が異なる原因は少なくとも、AIモデルによって検査用に収集されるデータは、異なる生産ラインから生じる可能性があり、照明状態も期間にわたって変動するからである。しかしながら、最先端AIモデルは、このような格差を無視しがちである。
【0004】
したがって、データキャプチャ状態のばらつきが確認されないままであれば、モデル性能のミスリーディングにつながり得る。つまり、AI対応目視検査は、照明状態により生じた異常を欠陥として誤認識し、実際の欠陥からかけ離れた偽の欠陥をピックアップしがちである。
【0005】
概して、例えば、照明状態、ミスフォーカス、カメラ位置合わせ、ブレなど、異なるクラス間にわたるデータ収集状態の非類似性が生じた場合、従来技術では、照明などの異なる状態を補うように画像を自動調整することができない。また、最先端のメカニズムでは、与えられたデータセット内で実際の欠陥だけにAIモデルをフォーカスさせることができない。
【0006】
キャプチャ状態の変化を検出でき、このような状態を検出した場合に自動的にフラグをたてるか補償/補正技術を適用できる長期的なシステム管理メカニズムの必要性がある。
【0007】
また、異なるキャプチャ状態によってAIモデルにバイアスがかかっていないことを保証し、訓練データセットに有効でAI対応目視検査システムの長期的な管理に効果を発揮する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本概要は、本開示の詳細な説明において別途説明される概念のセレクションを簡単に紹介するために提供される。本概要には、請求項に記載された主題の本質的な発明概念又は鍵となる概念を特定する意図はなく、請求項に記載された主題の範囲を決める意図もない。本開示の目的に従って、ここに具現化かつ広く記載された本開示では、完全自動環境又は半自動メカニズムのいずれかにおいて、任意の素材若しくは対象物の撮像状態又は素材/対象物に関する任意の撮像特性/属性を予測若しくは分類する方法及びシステムについて説明する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本主題は、AI型目視検査処理の一部として、様々な対象物の画像に関連するデータ収集状態又は画像キャプチャ状態を確認する方法について言及する。当該確認方法は、第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成する画像生成ステップを備える。同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、前記FR1画像と前記FR2画像の間の差分画像データを生成する。そして、複数の画素の輝度差分値で構成される差分画像データを取得するステップに基づき、差分画像内の複数の白色画素又は明度値のうちの1以上を決定する。少なくとも前記複数の白色画素又は明度値に基づいて決定されるインデックスであって、前記FR1画像及び前記FR2画像間にわたるデータキャプチャ状態の差を表すインデックスを決定する。
【0010】
別の実施の形態として、本主題は、画像データに関連するデータ収集状態の確認に基づいて画像データを補正する方法について言及する。このような補正は、AI型目視検査処理の一部として、データ収集段階中に行われてもよい。データ収集処理は、位置の違い、工場の違いなどによって異なってもよい。当該補正方法は、第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成する画像生成ステップと、同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、前記FR1画像と前記FR2画像の間の差分画像データを生成する差分画像生成ステップとを備える。複数の画素の輝度差分値で構成される差分画像データを取得するステップに基づき、差分画像内の複数の白色画素又は明度値のうちの1以上を決定する。少なくとも前記複数の白色画素又は明度値に基づいて決定されるように、前記FR1画像及び前記FR2画像間にわたるデータキャプチャ状態の差を表すインデックスを決定する。検出された位置ずれと、位置合わせした画像又は位置ずれした画像内で検出された照明のばらつきと、検出されたブレとのうちの少なくとも1つを、決定された前記インデックスに基づき、前記FR1画像又は前記FR2画像のいずれか一方の各クラスに関する1以上の画像に対して自動的に補正する。
【0011】
少なくとも前記により、本主題によって、異なるクラス間にわたるデータ収集状態の類似性の自動評定が可能になる。そして、照明状態及び位置合わせなどの検出されたデータキャプチャ状態を、照明の違いを補うように画像内で自動調整する。
【0012】
実施の形態の目的及び利点は、少なくとも、構成要素、特徴、及び、請求項で個別に記載された組み合わせによって実現及び達成されるであろう。また、当然のことながら、前述の概略説明及び後述の詳細説明は共に代表的かつ説明的なものであり、請求項の記載のように本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
さらに、当業者であれば、図面の構成要素は簡略化されて示されており、必ずしもスケール通りに描かれているとは限らないことを理解されよう。例えば、フローチャートでは、本発明の態様を理解しやすくする助けとなるように最も顕著なステップを単位として方法を示している。さらに、装置の構造という点で、装置の1以上の要素を定型記号によって図面に示し、本記載の恩恵にあずかる当業者にとって容易に分かる詳細内容で図面が分かりづらくならないよう、本発明の実施形態の理解に関する特定の詳細内容のみを図面に示してもよい。
図1図1は、本開示の実施の形態に係る方法ステップを示している。
図2図2は、本開示の別の実施の形態に係る方法ステップを示している。
図3図2は、本開示のさらに別の実施の形態に係る方法ステップを示している。
図4図4は、本開示の実施の形態に係る、自動照明及び位置合わせチェックの制御フローを示している。
図5図5は、本開示の実施の形態に係る、必要な画像の算出、及び、それによるデータキャプチャ状態に関する様々なインデックスの決定を示している。
図6図6は、本開示の実施の形態に係る、差分画像の算出を表している。
図7図7は、本開示の別の実施の形態に係る、差分画像に関する1以上のエラー画素又は白色画素からなるブロブの分析を表している。
図8A図8Aは、本開示の別の実施の形態に係る、データキャプチャ状態としての位置ずれ又は照明の差の検出を表している。
図8B図8Bは、本開示の別の実施の形態に係る、データキャプチャ状態としての位置ずれ又は照明の差の検出を表している。
図9図9は、本開示の別の実施の形態に係る、自動位置合わせ補正及び照明補正の一部としての補正技術の適用を表している。
図10図10は、本開示の別の実施の形態に係る画像から画像への変換技術の例を示している。
図11図11は、本開示の別の実施の形態に係る、コンピューティング環境における先の図面に示したようなシステムの実装を示している。
【0014】
図面の構成要素は簡略化されて示されており、必ずしもスケール通りに描かれているとは限らない。さらに、装置の構造という点で、装置の1以上の要素を定型記号によって図面に示し、本記載の恩恵にあずかる当業者にとって容易に分かる詳細内容で図面が分かりづらくならないよう、本発明の実施形態の理解に関する特定の詳細内容のみを図面に示してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の原理の理解を促進させるため、ここでは、図面に示される実施の形態を参照し、特定の用語を用いて同一であることを説明する。それでもなお、それによって本発明の範囲を限定する意図はなく、示されたシステムにおける変更及びさらなる改良、並びに、ここに示された本発明の原理のさらなる適用は、当業者には本発明が関係する通常のこととして考慮されるであろう。
【0016】
前述の概略説明及び後述の詳細説明は本発明の説明的なものであり、本発明を制限する意図はないことを当業者であれば理解されよう。
【0017】
本明細書全体にわたる「態様」、「別の態様」、又は、その類似語は、実施の形態と結び付けて記載された特定の機能、構造、又は、特徴が本発明の少なくとも1つの実施の形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる語句「実施の形態において」、「別の実施の形態において」、及び、その類似語は、全て同じ実施の形態を指してもよいが、必ずしもそうとは限らない。
【0018】
用語「備える」、「備えている」、又は、その他の変形例は非限定的なオープン表現を意図しており、記載されたステップを備える処理又は方法は、それらのステップだけを含むということではなく、明示的に記載されていない他のステップ、又は、そのような処理若しくは方法に元々備わっているステップを含んでもよい。同様に、「備える」より前に記載される1以上の装置、サブシステム、要素、構造、又は、構成要素は、さらに制限されることなく、他の装置、サブシステム、要素、構造、若しくは、構成要素、又は、追加的な装置、サブシステム、要素、構造、若しくは、構成要素の存在を除外しない。
【0019】
別途定義されない限り、ここで用いられる全ての技術的かつ科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者の一般的な理解と同じ意味を有する。ここに提供されるシステム、方法、及び、例は一例にすぎず、限定する意図はない。
【0020】
以下、本主題の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、AI型目視検査処理中における画像データに関連するデータ収集状態を確認する方法を示している。当該方法は、第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成するステップ(ステップ102)を備える。実施の形態では、FR1画像及びFR2画像は、位置合わせしたデータセットから生成され、それぞれ第1画像群の中央画像及び第2画像群の中央画像で定義され、FR1画像及びFR2画像は、対象物全体又は対象領域(ROI)のいずれかを表す。
【0022】
FR1画像及びFR2画像内の1以上の画像特徴点を推奨するために、FR1画像及びFR2画像をそれぞれ評価してもよい。当該評価は、FR1画像内及びFR2画像内の複数の関心点を検出するステップを備え、それにより、FR1画像及びFR2画像について検出された複数の関心点に関する再現率を決定し、再現率は、形状安定基準を定義する。さらに、FR1画像及びFR2画像について、再現率に対応する複数の関心点のうちのいくつかを突き止めてもよい。当該複数の関心点のうちのいくつかは、キーポイントとなる特徴点の標準ライブラリに応じて複数のコーナー、複数のエッジ、複数のリッジのうちの1以上で定義される1以上の画像特徴点として特定される。
【0023】
さらに、当該方法は、同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、FR1画像とFR2画像の間の差分画像データを生成するステップ(ステップ104)を備える。差分画像は、二値画像でもグレースケール画像でもよい。FR1画像/FR2画像は、欠陥がないきれいな表象(つまり、中央画像)を同様にして表す、クラスごとの中央画像を表す。
【0024】
さらに、当該方法は、複数の画素の輝度差分値で構成される差分画像データを取得するステップに基づき、差分画像内の複数の白色画素又は明度値のうちの1以上を決定するステップ(ステップ106)を備える。白色画素又は明度値の決定ステップは、差分画像となる二値画像において少なくとも1つのエラー画素として白色画素の位置を特定するステップと、差分画像となるグレースケール画像において明度領域の位置を特定するステップとを備える。
【0025】
さらに、当該方法は、FR1画像及びFR2画像間にわたるデータキャプチャ状態の差を表すインデックスを決定するステップ(ステップ108)を備え、当該インデックスは、少なくとも複数の白色画素又は明度値に基づいて決定される。二値画像に関するインデックスの決定ステップは、ブロブの部分を形成する白色画素の数と二値画像内の総画素数との比率に基づいて総合インデックスを算出するステップを備える。総合インデックスは、大ブロブ数と総画素数との比率で定義される照明インデックスを含み、大ブロブは、所定の閾値を超える高さ及び幅で定義される。位置合わせインデックスは、狭ブロブ数と総画素数との比率で定義され、狭ブロブは、所定の閾値を超えない高さ及び幅で定義される。
【0026】
一例では、二値画像及びグレースケール画像に関するインデックスの決定ステップは、二値画像における列ごとのエラーポイント数をカウントし、それによって二値画像の列ごとの高明度のカウントの中央値を計算することに基づき、FR1画像とFR2画像の間の照明インデックスの差を計算するステップを備える。別の例では、当該方法は、グレースケール画像における列ごとの平均明度を計算し、それによってグレースケール画像の列ごとの平均明度の中央値を計算するステップとを備える。
【0027】
二値画像の計算された中央値及びグレースケール画像の計算された中央値が、照明インデックスの差となる。計算された照明インデックスの差が所定の閾値を超えている場合、FR1画像又はFR2画像のいずれかにおける照明の差を計算する。a)所定の閾値を超えていない照明インデックスの差、及び、b)所定の閾値を超えており、それによってエラーを示す算出総合インデックスのうち少なくとも一方に基づき、位置ずれした状態を、FR1画像又はFR2画像のいずれかにおいて突き止める。
【0028】
さらに、当該方法は、画像補正技術の一部として、所定の閾値を超えず、かつ、特定された関心点のうちの1つに沿って存在する、差分画像内のブロブの広がりを分析するステップを備え、各ブロブは、差分画像内の白色画素群を表す。ブロブの広がりの分析に基づき、FR1画像又はFR2画像のいずれかについて許容値を超える位置合わせクオリティインデックスを決定する。
【0029】
FR1画像又はFR2画像のクラスに対応する画像のうちの1以上に対して、検出された位置ずれを自動的に補正する。検出された位置ずれの自動補正は、明度空間においてFR1画像又はFR2画像の一方から1以上のスケール不変(SIFT)画像特徴点を抽出するステップに基づいて遂行される。1以上のスケール不変画像特徴点は、FR1画像又はFR2画像の1以上にわたって適用される深層学習基準に基づいて決定される複数の対応関心点とマッピングされる。対応関心点を用いて、FR1画像又はFR2画像のクラスに対応する画像のうちの1以上を位置合わせする。
【0030】
さらに、当該方法は、画像補正技術の一部として、所定の閾値を超え、かつ、特定された関心点のうちの1つに沿って存在する、差分画像内のブロブの広がりを分析するステップを備え、各ブロブは、差分画像内の白色画素群を表す。ブロブの広がりの分析に基づき、FR1画像又はFR2画像のいずれかについて許容値を超える照明クオリティインデックスを検出する。FR1画像又はFR2画像の一方に対して、照明クオリティインデックスに基づき、検出された照明のばらつきを自動的に補正する。深層学習に対応した画像から画像への変換技術に基づき、FR1画像又はFR2画像のクラスに対応する1以上の位置ずれした画像に対して、検出された照明のばらつきを自動的に補正し、当該変換技術では、1つの画像群に関する照明状態の特徴を捉えてこの画像群を別の画像群へ再構成する。
【0031】
位置合わせしたデータセットに関しては、位置合わせしたデータセットに対応するFR1画像又はFR2画像に対して検出された照明のばらつきを自動的に補正する。第2画像群のことを指すクラス2における特定画像について、FR1画像と対象特定画像の間の差を算出して別の差分画像を生成する。当該別の差分画像内でブロブの位置を特定する。各ブロブは、差分画像内の白色画素群を表す。位置特定されたブロブは、領域の観点からインデックス付けされる。特定のブロブ領域(例えば、差分画像の領域i)に対して、FR1画像の領域と第2画像群内の特定画像の領域の間の差を算出する。そして、対象ブロブの算出差が許容値より大きければ、第2画像群の特定画像に対して対象ブロブの画素値を変更する。対象ブロブの算出差が許容値より小さくなるまで、対象特定画像に対して画素値の変更を行う。そして、第2画像群の残りの画像に対してもこれらのステップを行うことにより、FR2画像のクラスに対応する位置合わせした1以上の画像の照明補正を行う。
【0032】
さらに、当該方法は、画像補正技術の一部として、さらに、所定の閾値を超え、かつ、特定された関心点のうちの1つに沿って存在する、差分画像内のブロブの広がりを分析するステップを備え、各ブロブは、差分画像内の白色画素群を表す。ブロブの広がりの分析に基づき、FR1画像又はFR2画像のいずれかについて許容値を超えるブレクオリティインデックスを検出する。オペレータにより撮像装置を再フォーカスさせることにより、FR1画像又はFR2画像の一方に対して、検出されたブレクオリティインデックスに基づき、ブレのクオリティを自動的に補正する。
【0033】
図2は、AI型目視検査処理中における画像データに関連するデータ収集状態の確認に基づいて画像データを補正する方法を示している。
【0034】
当該方法は、第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成するステップ(ステップ202)と、それに基づいて、同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、FR1画像とFR2画像の間の差分画像データを生成するステップ(ステップ204)とを備える。それに基づいて、複数の画素の輝度差分値で構成される差分画像データを取得するステップに基づき、差分画像内で複数の白色画素又は明度値のうちの1以上を決定する(ステップ206)。
【0035】
FR1画像及びFR2画像間にわたるデータキャプチャ状態の差を表すインデックスを決定し(ステップ208)、当該インデックスは、少なくとも複数の白色画素又は明度値に基づいて決定される。そして、決定されたインデックスに基づき、FR1画像又はFR2画像の一方に対して自動補正を行う。自動補正は、検出された位置ずれ、位置合わせした画像又は位置ずれした画像内で検出された照明のばらつき、及び、検出されたブレのうちの少なくとも1つに基づいて行われてもよい。
【0036】
図3は、AI型目視検査処理中における画像データに関連する照明ばらつき状態を補正する方法を示している。このような補正は、AI型目視検査処理の一部として、データ収集段階中に行われてもよい。データ収集処理は、様々な位置、様々な工場などにより異なってもよい。当該方法は、第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成するステップ(ステップ302)を備える。さらに、同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、FR1画像とFR2画像の間の差分画像データを生成し(ステップ304)、それに基づいて、FR2画像に対する照明のばらつきを検出する。
【0037】
照明のばらつき補正の場合、FR1画像と第2画像群の特定画像の間の差を算出して、別の差分画像を生成する。複数のブロブの位置を当該別の差分画像内で特定し(ステップ306)、各ブロブは、差分画像内の白色画素群を表す。当該別の差分画像に対応するブロブ領域ごとに、FR1画像と第2画像群の特定画像の間の差を算出する(ステップ308)。対象ブロブの算出差が許容値より大きければ、第2画像群の特定画像に対して対象ブロブ領域の画素値を変更する(ステップ310)。特定画像の対象ブロブ領域の算出差が許容値より小さくなるまで、画素値の変更を行う(ステップ312)。第2画像群の他の画像に対してもステップを繰り返し、それによって、FR2画像の照明のばらつきを補正する。
【0038】
図4は、自動照明及び位置合わせチェックの制御フローを示しており、図1のステップ102と104、図2の202と204、及び、図3の302と304に対応している。
【0039】
ステップ402は、目視検査用のデータセットの受信に対応する。データセットは、キャプチャ時の対象物の画像に対応していてもよい。
【0040】
ステップ404は、最先端AI及び非AI対応自動又は半自動位置合わせ技術を用いた、ステップ402における受信時の画像データセット内の対象物の位置合わせに対応する。例えば、半自動技術には、画像内の関心点にユーザが注釈を付けることが含まれ、それに基づき画像内の対象物を画像フレーム内で位置合わせする。
【0041】
位置合わせに基づき、位置合わせした画像データセットを、OK又はNGなど様々なカテゴリーに自動的に分類してもよい。
【0042】
ステップ406は、クラス1(例えばOK(欠陥がない))の中央画像又は代表画像の算出、及び、別のクラス2(例えば傷などの欠陥があることを示すNG)の中央画像の算出に対応する。つまり、第1画像群の第1代表(FR1)画像と第2画像群の第2代表(FR2)画像とを生成する。FR1画像及びFR2画像は、対象物全体又は対象領域(ROI)のいずれかを表す。中央画像FR1及び中央画像FR2はそれぞれ、欠陥がないきれいな表象(つまり、中央画像)を表す。
【0043】
ステップ408は、図5から図7の説明に応じたステップ406の中央画像に関する追加AI駆動処理(つまり、インデックス計算及び分析)に対応する。
【0044】
図5は、必要な画像の算出、及び、それによるデータキャプチャ状態に関する様々なインデックスの決定を示している。インデックスは、データキャプチャ状態の差による問題があるか否か、及び、どのタイプの問題かを示す。
【0045】
ステップ502は、FR1画像とFR2画像の間の差の生成に対応する。特に、同一座標値を有する画素の輝度値の差を計算するステップに基づき、FR1画像とFR2画像の間で差分画像データを生成する。画像減算を用いて状態の差を数値化してもよい。このステップは、オペレータにより目視で判断してもよいし、ゼロではない画素位置及び閾値を用いて自動的に判断してもよい。
【0046】
ステップ504は、ステップ502で生成された差分画像の二値画像又はグレースケール画像としての表象に対応する。
【0047】
図6は、ステップ504に応じた差分画像の算出、及び、二値画像を用いた差分画像の表象を表している。図6aは、差分画像としての二値画像の生成を表し、それにより、2つの画像間の差として白色画素又はエラー画素を表現している。図6bは、FR1及びFR2の両方が同一又は類似クラスに対応するシナリオを表しており、FR1とFR2の間には明らかな差がない。したがって、図6bの差分画像は、エラー画素を無視できるブランク画像である。
【0048】
図7は、ステップ104及び106に対応するデータキャプチャ状態インデックス決定のための差分画像に関する1以上のエラー画素又は白色画素からなるブロブの分析を表している。例えば、結合コンポーネント分析を適用して、画像における白色ブロブの位置を特定する。ブロブ数及びブロブサイズに基づき、総合インデックスを算出する。一例では、総合インデックスは、0と1の間にあり、以下によって定義される。
【0049】
【数1】
【0050】
別の例のインデックスは、幅>閾値、高さ>閾値であれば、大ブロブの数と寸法とに基づく照明インデックスである。照明インデックスは、以下によって定義される。
【0051】
【数2】
【0052】
したがって、照明インデックスは、大ブロブ数と総画素数との比率で定義され、大ブロブは、所定の閾値を超える高さ及び幅で定義される。さらに別の例のインデックスは、ブロブに関して幅が閾値1より大きく高さが閾値2より小さいような狭ブロブの数と寸法とに基づく位置合わせインデックスである。したがって、位置合わせインデックスは、狭ブロブ数と総画素数との比率で定義される。狭ブロブは、所定の閾値を超えない高さ及び幅で定義される。位置合わせインデックスは、以下で表されてもよい。
【0053】
【数3】
【0054】
また、一例では、総合インデックスを、以下のように表してもよい。
【0055】
照明インデックス+位置合わせインデックス+別のブロブ内の画素-(照明インデックス、位置合わせインデックス)の交点
【0056】
一例では、前述のインデックスを、例えば、複数のAI又はML技術の適用に基づいて計算してもよい。別の例では、インデックスの計算に複数の深層学習技術を用いてもよい。照明状態の差又は位置ずれした状態などのデータキャプチャ状態に対して、上記で決定したようなインデックスを様々な閾値又は許容値と比較する。ブロブがエッジ付近にある場合、システムは、位置合わせを向上させるように提案する。ブロブが広範囲にわたって広がっている場合、これは照明状態の差を示す。
【0057】
このような比較に先行して、FR1画像及びFR2画像内の1以上の画像特徴点を推奨するために、FR1画像及びFR2画像をそれぞれ評価してもよい。
【0058】
評価では、FR1画像内及びFR2画像内の複数の関心点を検出することから始める。例えば、FR1(クラス1)及びFR2(クラス2)に関して、特徴記述子Dによって関心点を抽出する。画像FR1で検出された点P1は、対応点P2が画像FR2で検出されれば、画像FR2において繰り返されている。
【0059】
そして、FR1画像及びFR2画像について検出された複数の関心点に関する再現率を決定し、再現率は、形状安定基準を定義する。FR1画像及びFR2画像について、再現率に対応する複数の関心点のうちのいくつかを突き止めてもよい。つまり、再現率を用いて、変動する状態の下でとられた任意の場面の異なる画像間での関心点検出手段の形状的安定性を明示的に示す、両方の中央画像において繰り返される検出点のパーセンテージを確認する。
【0060】
その後、当該複数の関心点のうちのいくつかを、キーポイントとなる特徴点の標準ライブラリに応じて複数のコーナー、複数のエッジ、複数のリッジのうちの1以上で定義される1以上の画像特徴点として特定する。そして、情報ゲインを加えて記述子の特徴の弁別性を測定する。
【0061】
FR1画像及びFR2画像の上記評価をなぞるシナリオ例に従って、SIFT、SURF、FAST、BRIEF、ORBなどのキーポイントとなる特徴点のライブラリでソフトウェア(SW)を実行してもよい。少なくとも目的は、データセット用に用いられる最良な特徴点を検出することでもよい。方法/アルゴリズムのステップ例(1~5)は、以下のように示すことができる。
【0062】
ステップ1:FR1に対応するクラス1の画像に対して特徴を抽出する
ステップ2:FR2に対応するクラス2の画像に対してステップ1を繰り返す
ステップ3:キーポイント検出のクオリティを確認する
i.ステップ3i:クラス1の画像に対してキーポイントjの標準偏差を算出する
・j=1~N、Nは画像内で検出されたキーポイントの総数
・標準偏差は小さいほど特徴の安定性を示す
ii.ステップ3ii:クラス2の画像に対してステップを繰り返す
iii.ステップ3iii:クラス1及びクラス2の画像に対してキーポイントj間のRMSEを算出する
・RMSEは小さいほど特徴の再現性を示す
ステップ4:全ての特徴(SIFT、SURF、FAST、BRIEF、ORB)に対して1~3を繰り返す
ステップ5:STD及びRMSEが最小値となる特徴を最終決定する
【0063】
ここで、位置合わせの問題を検出するため、所定の閾値を超えず、かつ、特定された関心点のうちの1つに沿って存在する、差分画像内のブロブの広がりを分析する。ブロブの広がりの分析に基づき、FR1画像又はFR2画像のいずれかに関する「許容値を超える」位置合わせクオリティインデックスを検出し、それにより位置ずれを確証させる。
【0064】
ここで、照明の差の問題を検出するため、所定の閾値を超え、かつ、特定された関心点のうちの1つに沿って存在する、差分画像内のブロブの広がりを分析する。ブロブの広がりの分析に基づき、FR1画像又はFR2画像のいずれかに関する「許容値を超える」照明クオリティインデックス又は照明インデックスを検出し、それにより照明の差を確証させる。
【0065】
別の方法として、ブロブがエッジ付近に位置する場合、本システムは位置ずれを検出して位置合わせの向上を提案する。ブロブが広範囲にわたって広がっている場合、これは照明状態の差を示す。
【0066】
別の例では、本主題は、ブロブの広がりの分析に基づき、FR1画像又はFR2画像のいずれかについて許容値を超えるブレクオリティインデックスを検出するように構成されてもよい。検出されたブレは、撮像オペレータによるカメラの再フォーカスなどの最先端技術に基づいて後程補正されてもよい。
【0067】
図8A及び図8Bは、データキャプチャ状態としての位置ずれ又は照明の差を検出する別の実施形態を表している。二値画像及びグレースケール画像に関するデータキャプチャ状態の差を表すインデックスの決定は、FR1画像とFR2画像の間の照明インデックスの差を計算するステップを備える。少なくとも目的は、OKな中央画像とNGな中央画像の間の照明の差を検出することである。2クラスの中央画像FR1と中央画像FR2の間の差を二値化した後のエラー画素又は白色画素の全体的な広がりに注目してもよい。
【0068】
動作では、二値画像における列ごとのエラーポイント数をカウントし、それにより二値画像に対して列ごとの高明度のカウントの中央値を計算する。さらに、グレースケール画像における列ごとの平均明度を計算し、それによりグレースケール画像に対して列ごとの平均明度の中央値を計算する。二値画像の計算された中央値及びグレースケール画像の計算された中央値を、照明インデックスの差として定義する。
【0069】
計算した照明インデックスの差が所定の閾値を超えている場合、FR1画像又はFR2画像のいずれかにおける照明の差を突き止める。一方、a)所定の閾値を超えていない照明インデックスの差、及び、b)所定の閾値を超えており、それによってエラーを示す図7の算出総合インデックスのうち少なくとも一方に基づき、FR1画像又はFR2画像のいずれかにおける位置ずれした状態を突き止める。
【0070】
図9は、ステップ208及びステップ306に応じた自動位置合わせ補正及び照明補正の一部としての補正技術の適用を示している。
【0071】
ステップ902~906は、図4のステップ402~406に対応する。
【0072】
ステップ908は、図7に応じた許容値と位置合わせインデックスの比較に基づく位置ずれ状態の決定に対応する。当然のことながら、2クラスの中央画像間の差を二値化した後のブロブの広がりが小さく、かつ、エッジに沿って目立つ場合は、位置合わせ補正措置を行う。2画像クラスのカメラ設定における実質的な差は、一方のクラスにおいてこのような位置ずれにつながる可能性がある。
【0073】
ステップ910は、図7に応じた許容値と照明インデックスの比較に基づく照明状態の差の決定に対応する。このような決定は、大きく、かつ、エッジに沿って目立つ、2クラスの中央画像間の差を二値化した後のブロブの広がりに基づいて行われる。このようなシナリオでは、照明状態のばらつきにより、位置合わせも失敗している可能性がある。
【0074】
ステップ908の条件を満たさないがステップ910の条件を満たす場合、制御フローはステップ904に戻って位置合わせ補正を行う。しかしながら、ステップ908とステップ910の両方の条件を満たさない場合、制御フローはステップ912に移動して位置合わせと組み合わせて照明の問題を補正する。
【0075】
ステップ904における位置合わせ補正の一部として、明度空間においてFR1画像又はFR2画像の一方から1以上のスケール不変画像特徴点を抽出する。一例では、スケール不変特徴検出手段及び記述子を用いて、明度空間において階調特徴点を抽出してもよい。1以上のスケール不変画像特徴点は、FR1画像又はFR2画像の1以上にわたって適用される深層学習基準に基づいて決定される複数の対応関心点とマッピングされる。一例では、ブルートフォース最近隣手法を用いて、対応関心点とマッチさせ、対応関心点を用いて画像を位置合わせしてもよい。それに基づき、対応関心点を用いて、FR1画像又はFR2画像の一方を位置合わせする。
【0076】
ステップ912では、深層学習に対応した画像から画像への変換技術に基づき、位置ずれしたFR1画像又は位置ずれしたFR2画像に対して、検出された照明のばらつきを自動的に補正し、当該変換技術では、1つの画像群に関する照明状態の特徴を捉えてこの画像群を別の画像群へ再構成する。図10において定義される実施の形態でも同様である。
【0077】
ステップ912の後、制御フローは、再びステップ906に移動し、ステップ908に移動する。ここで、ステップ908の条件を満たし、データセットが位置合わせされていると判断された場合、制御フローはステップ914に移動する。
【0078】
ステップ914は、図7に応じた許容値と照明インデックスの比較に基づく位置合わせされたデータの照明状態の差の決定に対応する。ステップ914の条件を満たさない場合、制御フローはステップ916に移動して照明の問題を補正する。2クラスの中央画像間の差を二値化した後のブロブの広がりが大きいかの分析に基づき、2クラスの画像に対する照明状態の実質的な差を観察してもよい。
【0079】
ステップ916では、位置合わせしたデータセットに対応するFR1画像又はFR2画像に対して検出された照明のばらつきを自動的に補正する。第2画像群のことを指すクラス2における特定画像について、FR1画像と対象特定画像の間の差を算出して、別の差分画像を生成する。当該別の差分画像内で複数のブロブの位置を特定し、各ブロブは、差分画像内の白色画素群を表す。位置特定されたブロブは、領域の観点からインデックス付けされる。特定のブロブ領域(例えば、差分画像の領域i)に対して、FR1画像の領域と第2画像群内の特定画像の領域の間で差を計算する。計算した算出差が許容値より大きければ、第2画像群の特定画像に対して対象特定領域の画素値を変更する。対象ブロブの算出差が許容値より小さくなるまで、対象特定画像に対してこのような画素値の変更を行う。そして、位置合わせしたFR2画像における照明が最終的に補正されるよう、第2画像群又はクラス2に関する次の画像に対して、位置特定、算出、画素値変更するステップを繰り返す。
【0080】
以下のように、ステップ916の基礎となるアルゴリズムのステップ例1~7を、FR2に対応するクラス2の画像ごとに実行してもよい。クラス2の画像ごとに、
ステップ1:中央値(クラス1)-クラス2のサンプル画像
ステップ2:差分画像を二値化する
ステップ3:大ブロブの領域に分割して順にインデックス(1、2、・・・N)を付ける
ステップ4:ブロブ領域iに対して、中央値(クラス1、領域i)-クラス2のサンプル画像(領域i)を算出する
ステップ5:差(領域i)>許容値であれば、クラス2のサンプル画像に対して領域iの画素値を増加/減少させる(輝度はクラス1と統一化されていると仮定)
ステップ6:領域iの差が閾値より小さくなるまでステップ5を繰り返す
ステップ7:ブロブ領域1~Nに対してステップ4~6を繰り返す
クラス2の次の画像に対してステップ1~7を繰り返す。
【0081】
別の例では、ステップ916は、FR1画像又はFR2画像の一方に対して、検出されたブレクオリティインデックスに基づき、ブレのクオリティを自動的に補正するように構成されてもよい。このため、ブレを補正するようにオペレータによってカメラを再フォーカスさせてもよい。
【0082】
ステップ916において照明補正を行った後、制御フローはステップ906に戻る。ステップ908、914の条件を満たした時点で、補正及び補償されたデータセット(例えば、光補償データセット)を、自動目視検査のステップ918に渡す。
【0083】
本主題は、異なる日に収集されたデータが有用であることを確認できるようにすることによってデータ収集のサポートになる。データ収集状態の補正の一部として日々同じことが行われてもよく、データセットのラベリングは必ずしも必要ではない。
【0084】
AI訓練段階前のデータチェック要件の場合、本主題の動作を始める前にデータセットのラベリングを必要としてもよい。そして、データセットを保存してもよい。
【0085】
展開後のシステムメンテナンスの一部として、現在の状態をデータコレクション中の1つと比較するように本主題を最適化してもよい。例えば、数年後に、工場ライン生産を妨げることなくハードウェア問題を検出できると考えられる。このようなシナリオでは、データセットを補正又は再訓練してもよいし、その両方が適用できてもよい。
【0086】
図10は、自動照明補正の一部として、ステップ912に応じた画像から画像への変換技術の例を示している。
【0087】
例えば、理想的な照明の画像をI1とし、理想的でない照明の画像をI2とする。理想的でない照明画像を理想的な照明画像I2’に変換する。少なくとも目的は、深層学習方法を用いてマッピング関数(F)を特定して、任意の理想的でない照明画像を理想的な照明画像に変換することである。したがって、最終ターゲットまたは理想的な照明画像I2’は、F.I2であり、Fは、I2=F.I1のような訓練画像の組(I1、I2)を用いて学習したマッピング関数である。
【0088】
画像から画像への変換技術を用いて、FR1画像の照明状態を撮像し、これらの特徴を変換してFR2に対応する画像のクオリティを生成して向上させる。
【0089】
敵対的生成ネットワーク(GAN)に基づく画像から画像への変換モジュールの例は、以下に示す3つの要素例で構成される。
【0090】
ジェネレータ1002:エンコーダ・デコーダモデルは、生成ネットワークが対象ドメインクラスの妥当な画像を学習及び生成できるようにする畳み込み、活性層、ドロップアウト、一括正規化などの標準ブロックを備える。
【0091】
ディスクリミネータ1004:深層畳み込みニューラルネットワークを用いて生成画像又は偽画像を分類する。ディスクリミネータは、生成画像が、元の画像の妥当性が高い変換かどうかを判断する。
【0092】
エンハンサ1006:受容フィールドに基づく深層モデルを用いて、元の画像の構成を維持しながら、精細化し、生成画像の照明状態を向上させる。
【0093】
図11は、コンピューティング環境における図4から図9に示したようなシステムの実装を示している。本図面は、システムのハードウェア構成を基本的に示す。コンピュータシステム1400は、開示された1以上の方法をコンピュータシステム1400に行わせるように実行できる命令セットを含んでもよい。コンピュータシステム1400は、スタンドアロン型デバイスとして動作してもよいし、例えば、ネットワークを用いて他のコンピュータ又は周辺デバイスに接続されてもよい。
【0094】
ネットワーク展開において、コンピュータシステム1400は、サーバの能力で、又は、サーバ・クライアント型ユーザネットワーク環境におけるクライアントユーザコンピュータとして、若しくは、ピアツーピア型(又は配信型)ネットワーク環境におけるピアコンピュータシステムとして動作してもよい。また、コンピュータシステム1400は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、パーソナルデジタル端末(PDA)、携帯デバイス、パームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、通信デバイス、無線電話、固定電話、ウェブ家電、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、機器が行う動作を示す命令セットを(順次であろうがなかろうが)実行可能なその他の機器など、様々なデバイスとして実装又は組み込むことができる。さらに、単一のコンピュータシステム1400を示しているが、用語「システム」は、1以上の命令セットを個別に又は連帯して実行するシステム又はサブシステムのコレクションを含むようにとらえられるものとする。
【0095】
コンピュータシステム1400は、プロセッサ1402(例えば、中央処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)、又は、その両方)を含んでもよい。プロセッサ1402は、様々なシステムの構成要素でもよい。例えば、プロセッサ1402は、標準パーソナルコンピュータ又はワークステーションの一部でもよい。プロセッサ1402は、1以上の汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、サーバ、ネットワーク、デジタル回路、アナログ回路、それらの組み合わせ、又は、データを分析及び処理するその他の周知デバイス若しくは後発デバイスでもよい。プロセッサ1402は、手動で生成されたコードなど(つまり、プログラムされた)ソフトウェアプログラムを実行してもよい。
【0096】
コンピュータシステム1400は、バス1408を介して通信できるメモリ1404など、メモリ1404を含んでもよい。メモリ1404は、メインメモリ、スタティックメモリ、又は、ダイナミックメモリでもよい。メモリ1404には、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、プログラマブル読取専用メモリ、電気的プログラマブル読取専用メモリ、電気的消去可能読取専用メモリ、フラッシュメモリ、磁気テープ、磁気ディスク、光媒体などこれに限定されない様々な種類の揮発性又は不揮発性記憶媒体などのコンピュータ読み取り可能記憶媒体が含まれるが、これに限定されるものではない。一例では、メモリ1404は、プロセッサ1402用のキャッシュ又はランダムアクセスメモリを含む。別の例では、メモリ1404は、プロセッサのキャッシュメモリ、システムメモリ、又は、その他のメモリなど、プロセッサ1402と分離している。メモリ1404は、外部ストレージデバイスでもよいし、データ保存用のデータベースでもよい。例えば、ハードデバイス、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、メモリカード、メモリスティック、フロッピーディスク、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)メモリデバイス、又は、データを保存するために動作可能なその他のデバイスでもよい。メモリ1404は、プロセッサ1402によって実行可能な命令を保存することができる。図示された又は説明された機能、行為、又は、タスクは、メモリ1404に格納された命令を実行するプログラムプロセッサ1402によって実行されてもよい。機能、行為、又は、タスクは、特定タイプの命令セット、記憶媒体、プロセッサ、又は、処理戦略と関係なく、ソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコードなどによって単独でも組み合わせても実行されてもよい。同様に、処理戦略は、マルチ処理、マルチタスク、平行処理などを含んでもよい。
【0097】
図示するように、コンピュータシステム1400は、さらに、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、固体ディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクタ、プリンタ、又は、決定情報を出力するその他の周知デバイス若しくは後発デバイスなど、表示部1410を含んでも含まなくてもよい。ディスプレイ1410は、プロセッサ1402の働きをユーザが把握するためのインターフェースとして、又は、特に、メモリ1404若しくは駆動部1416に格納されたソフトウェアとのインターフェースとして機能してもよい。
【0098】
加えて、コンピュータシステム1400は、システム1400の構成要素とユーザが情報をやりとりできるように構成された入力デバイス1412を含んでもよい。入力デバイス1412は、テンキー、キーボード、又は、マウスやジョイスティックなどのカーソル制御デバイス、タッチ画面、リモコン、又は、コンピュータシステム1400とやりとりできるその他のデバイスなどでもよい。
【0099】
また、コンピュータシステム1400は、ディスク又は光駆動部1416を含んでもよい。ディスク駆動部1416は、1以上の命令セット1424、例えば、ソフトウェアを埋め込みできるコンピュータ読み取り可能媒体1422を含んでもよい。さらに、命令1424は、説明したような1以上の方法又はロジックを具体化したものでもよい。具体例では、命令1424は、コンピュータシステム1400による実行中、メモリ1404内又はプロセッサ内に全体又は少なくとも一部が存在する。また、メモリ1404及びプロセッサ1402は、上述したようなコンピュータ読み取り可能媒体を含んでもよい。
【0100】
本発明は、命令1424を含むか、ネットワーク1426に接続されたデバイスがネットワーク1426を介して音声、映像、音、画像、又は、その他のデータを通信できるようにプログラムされた信号に応答して命令1424を受信して実行するコンピュータ読み取り可能媒体を考慮する。さらに、命令1424は、ネットワーク1426で通信ポート又は通信インターフェース1420を介して又はバス1408を用いて送信又は受信されてもよい。通信ポート又はインターフェース1420は、プロセッサ1402の一部でもよいし、別個の要素でもよい。通信ポート1420は、ソフトウェア的に作成されてもよいし、ハードウェア的に物理接続であってもよい。通信ポート1420は、ネットワーク1426、外部メディア、ディスプレイ1410、システム1400内のその他の構成要素、又は、それらの組み合わせと接続するように構成されてもよい。ネットワーク1426との接続は、有線のイーサネット接続などの物理接続であってもよいし、後述するように無線で確立されてもよい。同様に、システム1400の別の構成要素とのさらなる接続も物理接続でもよいし、無線で確立されてもよい。あるいは、ネットワーク1426がバス1408と直接接続されてもよい。
【0101】
ネットワーク1426は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、イーサネットAVBネットワーク、又は、それらの組み合わせなどでもよい。無線ネットワークは、携帯電話ネットワーク、802.11、802.16、802.20、802.1Q、又は、WiMaxネットワークでもよい。さらに、ネットワーク1426は、インターネットなどの公共ネットワーク、イントラネットなどのプライベートネットワーク、又は、それらの組み合わせでもよく、現在利用可能な又は後発されるTCP/IP型ネットワークプロトコルなどの様々なネットワークプロトコルを利用してもよい。
【0102】
別の例では、特定用途向け集積回路、プログラマブル・ロジック・アレイ、及びその他のハードウェアデバイスなどの専用ハードウェア実装は、システム1400の様々な部分を実装するように構成できる。
【0103】
少なくとも前述した特徴に基づき、本主題は、異なるクラスが同じ照明状態の下で収集されたかどうかの自動チェック、対象物ごとに位置合わせが正しいかどうかの自動チェック、ズーム要因が正しいかどうかの自動チェックを提供し、照明状態の差を補正する。
【0104】
本主題は、同一サンプル内だけでなく複数の画像間にわたるばらつきを検出できる。本主題は、わずかなカメラのばらつき、照明変化などに着目する。本主題は、機械学習に特有の補正ステップ(光補正、スケーリング補正など)を含む。
【0105】
例では、自動位置合わせ補正の一部として、位置合わせで対象物のサイズによる問題が検出されれば、本主題は、このようなばらつきに対して感度が低い特徴点を提案する。別の例では、自動照明補正の一部として、本主題は、データセットが訓練用に有用であり、モデルが欠陥を検出するように学習することを保証する。それにより、変動する状態で収集されたデータの影響を最小化することができる。
【0106】
本開示、特に請求項で用いられる用語は、通常、「オープン」用語(例えば、用語「など」は「~を含むが、それに限定されない」と解釈されるものであり、用語「有する」は「少なくとも~を有する」と解釈されるものであり、用語「含む」は「~を含むが、それに限定されない」と解釈されるものである)として意図されている。
【0107】
加えて、特定の数の請求項の記載が意図される場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がなければ、そのような意図はない。例えば、理解しやすくなるように、請求項を記載する際に、請求項には文言「少なくとも1つ」及び「1以上の」が含まれてもよい。しかしながら、同じ請求項に、文言「少なくとも1つ」及び「1以上の」と「任意の」などの不定冠詞とが含まれていたとしても(例えば、「任意の」は「少なくとも1つ」又は「1以上の」の意味と解釈されるものである)、このような文言を用いることにより、不定冠詞「任意の」による請求項の記載が、このように記載した請求項の記載を含む特定の請求項を、1つだけの記載の実施の形態に限定することを暗示するものではない。請求項の記載に用いられる定冠詞についても同様である。
【0108】
また、特定の数の請求項の記載が明示的に記載されていたとしても、当業者であれば、このような記載は少なくとも記載された数を意味すると解釈されると認識するであろう(例えば、他の修飾語句がなく「2つの」というただの記載は、少なくとも2つ、又は、2以上を意味する)。さらに、「A、B、Cなどのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、Cなどのうちの1以上」といった類似表現を用いる事例では、通常、このような構成は、Aだけ、Bだけ、Cだけ、A及びB、A及びC、B及びC、又は、AとBとCなどを含むことを意図する。例えば、用語「及び/又は」は、このように構成されることを意図する。
【0109】
さらに、2以上の代替用語を表す選言的な単語又は文言は、実施の形態、請求項、又は、図面のいずれの説明においても、それらの用語のうちの1つ、それらの用語のいずれか又は両方を含む可能性を考慮すると理解されるものである。例えば、文言「A又はB」は、「A」、「B」、又は、「A及びB」の可能性を含むと理解されるものである。
【0110】
本開示に記載された全ての例及び条件語句は、当該技術分野の促進のために発明者が提供する発明及び概念を読み手が理解しやすいように教授することを目的としており、ここで具体的に記載された例及び条件に限定されることはないと解釈される。本開示の実施の形態について詳細に説明したが、本開示の主旨及び範囲を逸脱することなく様々な変更、置換、修正を行うことができることは理解されよう。
図1
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図5
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図8A
図8B
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【国際調査報告】