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特表2023-552207閉ループIRカメラ熱検出システムを有する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】閉ループIRカメラ熱検出システムを有する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/04 20060101AFI20231207BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20231207BHJP
   B23K 1/008 20060101ALI20231207BHJP
   B23K 1/08 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B23K3/04 Y
H05K3/34 507H
B23K1/008 C
B23K1/08 320Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533977
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 US2021061639
(87)【国際公開番号】W WO2022120069
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】17/511,907
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/120,971
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】エリック ウェイン ベッカー
【テーマコード(参考)】
4E080
5E319
【Fターム(参考)】
4E080AA01
4E080CB04
5E319CC33
5E319CD35
5E319GG15
(57)【要約】
電子部品を電子基板に接合する装置は、複数の処理ゾーンを貫通するトンネルを備えるチャンバーハウジングと、複数の処理ゾーンを通してトンネル内の電子基板を移送するコンベヤと、チャンバーハウジングに結合される少なくとも1つの温度センサーを備える熱検出システムとを備える。少なくとも1つの温度センサーは、少なくとも1つの温度センサーの直近を通過する電子基板の温度を検出する。本装置は、複数の処理ゾーン、コンベヤ及び熱検出システムに結合されるコントローラーを更に備える。コントローラーは、熱検出システムから温度データを受信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を電子基板に接合する装置において、
複数の処理ゾーンを貫通するトンネルを備えるチャンバーハウジングと、
前記複数の処理ゾーンを通して前記トンネル内の電子基板を移送するコンベヤと、
前記チャンバーハウジングに結合される少なくとも1つの温度センサーを備える熱検出システムであって、前記少なくとも1つの温度センサーは、該少なくとも1つの温度センサーの直近を通過する前記電子基板の温度を検出する熱検出システムと、
前記複数の処理ゾーン、前記コンベヤ及び前記熱検出システムに結合されるコントローラーであって、前記熱検出システムから温度データを受信するコントローラーとを具備する装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの温度センサーは、少なくとも1つのセンサー組立体を含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサー組立体は、支持構造体と、前記支持構造体に結合される支持ブラケットと、前記支持ブラケットに固定されるIRカメラとを備える請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記支持構造体は取付けプレート上に取り付けられるシュラウドを備える請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記シュラウドは、前記IRカメラによって前記トンネルの温度を検知することを可能にするために、前記トンネルの上部の開口を包囲する請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記支持構造体は、前記トンネルの上部に配置される取付けプレートと、前記取付けプレート上に取り付けられるシュラウドとを備える請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記シュラウドは、前記IRカメラによって前記トンネルの温度を検知することを可能にするために、前記取付けプレートの開口を包囲する請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記支持ブラケットは不活性ガス源に接続するためのポートを備える請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記支持ブラケットは前記IRカメラを保護するガラスカバーを備える請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記支持ブラケットは、完全な視野を実現するように、前記IRカメラを前記トンネルの上部に、所望の高さ及び所望の向きで取り付けるように構成される請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのセンサー組立体は、前記トンネル内の選択された場所のうちの2つ以上の別個の場所を測定するように複数のIRカメラを備える請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記熱検出システムは、前記センサー組立体を使用して前記複数の処理ゾーンのゾーン温度の閉ループ制御を提供するように前記コントローラーを用いて構成される請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセンサー組立体は、特定の電子基板レベルの場所で或る特定の処理ゾーン内で温度データを取得する請求項12に記載の装置。
【請求項14】
温度データは、特定の電子基板に関するデータが、前記コントローラーに関連付けられるディスプレイ上に提供される電子基板トレーサビリティを提供するために使用される請求項13に記載の装置。
【請求項15】
温度データは、前記チャンバーハウジング内のホットスポットゾーン/レベルを発見するために使用される請求項13に記載の装置。
【請求項16】
温度データは、前記装置の性能を最適化し、及び/又は処理機器の下流入力を提供し、及び/又は電子基板に対して前記少なくとも1つのセンサー組立体によって行われるスキャンの開始時間及び終了時間を決定し、及び/又は前記電子基板の上下の電子基板プロファイルを生成するために使用される請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記閉ループ制御は、前記複数の処理ゾーン内の前記コンベヤの速度を制御することを含む請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記電子基板は、バーコードスキャナーによってスキャンされるバーコードをそれぞれ備える請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラーは、前記電子基板が前記チャンバーハウジングを通して前記コンベヤ上を移動する際に、前記電子基板の部品の温度を測定するためにスキャンモードを実現するように構成することができる請求項1に記載の装置。
【請求項20】
装置において電子部品を電子基板に接合する方法において、
複数の処理ゾーンを貫通するトンネルを備えるチャンバーハウジングを通して電子基板を移送することと、
前記チャンバーハウジングに結合される少なくとも1つの温度センサーを備える熱検出システムの直近を通過する前記電子基板の温度を検出することと、
前記複数の処理ゾーン、前記コンベヤ及び前記熱検出システムに結合されるコントローラーを用いて、前記熱検出システムから温度データを受信することとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、包括的には、リフロープロセス、ウェーブはんだ付けプロセス、及び/又は選択的はんだ付けプロセス等の組立プロセスを利用することによる、プリント回路基板への電子部品の表面実装に関し、より詳細には、組立プロセス中にプリント回路基板に印加される熱を制御するように構成される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板の製造において、電子部品は、「リフローはんだ付け」として知られるプロセスによって、裸基板に表面実装されることが多い。典型的なリフローはんだ付けプロセスにおいて、はんだペーストのパターンを回路基板上に堆積し、1つ以上の電子部品の導線を、堆積したはんだペースト内に挿入する。その後、回路基板を炉に通し、そこで、はんだペーストを被加熱ゾーン内でリフロー(すなわち、溶融又はリフロー温度まで加熱)してから、冷却ゾーン内で冷却し、電子部品の導線を回路基板に電気的及び機械的に接続する。「回路基板」又は「プリント回路基板」という用語は、本明細書において使用される場合、例えばウェハー基板を含む、電子部品の任意のタイプの基板組立体を含む。
【0003】
上述のように、今日のリフロー炉は、加熱チャンバー及び冷却チャンバーを有する。一貫したリフロープロセスプロファイルを実現するために、電子部品及び回路基板に印加される熱は、回路基板への電子部品の適切な機械的及び電気的接続を確実にするために精密に制御される。
【0004】
さらに、プリント回路基板の製造において、電子部品は、「ウェーブはんだ付け」として知られるプロセスによって、回路基板に実装することができる。典型的なウェーブはんだ機において、回路基板は、コンベヤによって傾斜路上を移動し、フラックス塗布ステーション、予熱ステーション、及び最終的にウェーブはんだ付けステーションを通過する。ウェーブはんだ付けステーションにおいて、はんだの波が、ウェーブはんだノズルを通して(ポンプによって)上向きに噴出し、はんだ付けされるプリント回路基板の部分に接触する。リフロー炉と同様、ウェーブはんだ機(及び選択的はんだ機)は、回路基板への電子部品の適切な機械的及び電気的接続を確実にするために、各ゾーンの熱が精密に制御されることが必要である。
【0005】
リフロー炉及びウェーブ(及び選択的)はんだ機の両方について、それぞれの機器のゾーンにおける熱の制御は、最適な性能のために非常に重要である。例えば、望ましくない温度変動により、回路基板の反りと、電子部品と回路基板との間の信頼できない接続とが生じるおそれがある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つの態様は、電子部品を電子基板に接合するリフロー炉に関する。1つの実施の形態において、前記リフロー炉は、複数の処理ゾーンを貫通するトンネルを備えるチャンバーハウジングと、前記複数の処理ゾーンを通して前記トンネル内の電子基板を移送するコンベヤと、前記チャンバーハウジングに結合される少なくとも1つの温度センサーを備える熱検出システムとを備える。前記少なくとも1つの温度センサーは、該少なくとも1つの温度センサーの直近を通過する前記電子基板の温度を検出する。前記リフロー炉は、前記複数の処理ゾーン、前記コンベヤ及び前記熱検出システムに結合されるコントローラーを更に備える。前記コントローラーは、前記熱検出システムから温度データを受信する。
【0007】
前記リフロー炉の実施の形態は、少なくとも1つのセンサー組立体を有する前記少なくとも1つの温度センサーを更に含むことができる。前記少なくとも1つのセンサー組立体は、支持構造体と、前記支持構造体に結合される支持ブラケットと、前記支持ブラケットに固定されるIRカメラとを備えることができる。前記支持構造体は、前記取付けプレート上に取り付けられるシュラウドを備えることができる。前記シュラウドは、前記IRカメラによって前記トンネルの温度を検知することを可能にするために、前記トンネルの上部の開口を囲むように構成することができる。前記支持ブラケットは、不活性ガス源に接続するためのポートを備えることができる。前記支持ブラケットは、前記IRカメラを保護するガラスカバーを備えることができる。前記支持ブラケットは、完全な視野を実現するように、前記IRカメラを前記トンネルの上部に、所望の高さ及び所望の向きで取り付けるように構成することができる。前記少なくとも1つのセンサー組立体は、前記トンネル内の選択された場所のうちの2つ以上の別個の場所を測定するように複数のIRカメラを備えることができる。前記熱検出システムは、前記センサー組立体を使用して前記複数の処理ゾーンのゾーン温度の閉ループ制御を提供するように前記コントローラーを用いて構成することができる。前記少なくとも1つのセンサー組立体は、特定の電子基板レベルの場所で前記リフローはんだ付け炉の或る特定の処理ゾーン内で温度データを取得するように構成することができる。温度データは、特定の電子基板に関するデータが、前記コントローラーに関連付けられるディスプレイ上に提供される電子基板トレーサビリティを提供するために使用することができる。温度データは、前記リフローはんだ付け炉内のホットスポットゾーン/レベルを発見するために使用することができる。温度データは、前記リフローはんだ付け炉の性能を最適化し、及び/又は処理機器の下流入力を提供し、及び/又は電子基板に対して前記少なくとも1つのセンサー組立体によって行われるスキャンの開始時間及び終了時間を決定し、及び/又は前記電子基板の上下の電子基板プロファイルを生成するために使用することができる。前記閉ループ制御は、前記複数の処理ゾーン内の前記コンベヤの速度を制御することを含むことができる。前記電子基板は、バーコードスキャナーによってスキャンされるバーコードをそれぞれ備えることができる。前記コントローラーは、前記電子基板が前記リフローはんだ付け炉を通して前記コンベヤ上を移動する際に、前記電子基板の部品の温度を測定するためにスキャンモードを実現するように構成することができる。
【0008】
本開示の別の態様は、リフロー炉において電子部品を電子基板に接合する方法に関する。1つの実施の形態において、本方法は、複数の処理ゾーンを貫通するトンネルを備えるチャンバーハウジングを通して電子基板を移送することと、前記チャンバーハウジングに結合される少なくとも1つの温度センサーを備える熱検出システムの直近を通過する前記電子基板の温度を検出することと、前記複数の処理ゾーン、前記コンベヤ及び前記熱検出システムに結合されるコントローラーを用いて、前記熱検出システムから温度データを受信することとを含む。
【0009】
本方法の実施の形態は、バーコードスキャナーによって各基板に関連付けられるバーコードをスキャンすること、及び/又は前記電子基板が前記リフローはんだ付け炉を通して前記コンベヤ上を移動する際に、前記電子基板の部品の温度を測定するスキャンモードを実現するように前記リフローはんだ付け炉を制御することを更に含むことができる。前記熱検出システムは、前記センサー組立体を使用して前記複数の処理ゾーンのゾーン温度の閉ループ制御を提供するように前記コントローラーを用いて構成することができる。前記少なくとも1つのセンサー組立体は、特定の電子基板レベルの場所で前記リフローはんだ付け炉の或る特定の処理ゾーン内で温度データを取得するように構成することができる。温度データは、特定の電子基板に関するデータが、前記コントローラーに関連付けられるディスプレイ上に提供される電子基板トレーサビリティを提供するために使用することができる。温度データは、前記リフローはんだ付け炉内のホットスポットゾーン/レベルを発見するために使用することができる。温度データは、前記リフローはんだ付け炉の性能を最適化し、及び/又は処理機器の下流入力を提供し、及び/又は電子基板に対して前記少なくとも1つのセンサー組立体によって行われるスキャンの開始時間及び終了時間を決定し、及び/又は前記電子基板の上下の電子基板プロファイルを生成するために使用することができる。前記閉ループ制御は、前記複数の処理ゾーン内の前記コンベヤの速度を制御することを含むことができる。本方法は、バーコードスキャナーによって各基板に関連付けられるバーコードをスキャンすることを更に含むことができる。本方法は、前記電子基板が前記リフローはんだ付け炉を通して前記コンベヤ上を移動する際に、前記電子基板の部品の温度を測定するスキャンモードを実現するように前記リフローはんだ付け炉を制御することを更に含むことができる。
【0010】
本開示の更に別の態様は、電子部品を電子基板に接合するウェーブはんだ機又は選択的はんだ機に関する。1つの実施の形態において、前記リフロー炉は、複数の処理ゾーンを貫通するトンネルを備えるチャンバーハウジングと、前記複数の処理ゾーンを通して前記トンネル内の電子基板を移送するコンベヤと、前記チャンバーハウジングに結合される少なくとも1つの温度センサーを備える熱検出システムとを備える。前記少なくとも1つの温度センサーは、該少なくとも1つの温度センサーの直近を通過する前記電子基板の温度を検出する。前記ウェーブはんだ機又は選択的はんだ機は、前記複数の処理ゾーン、前記コンベヤ及び前記熱検出システムに結合されるコントローラーを更に備える。前記コントローラーは、前記熱検出システムから温度データを受信する。前記少なくとも1つの温度センサーは、少なくとも1つのセンサー組立体を含むことができる。前記少なくとも1つのセンサー組立体は、支持構造体と、前記支持構造体に結合される支持ブラケットと、前記支持ブラケットに固定されるIRカメラとを備えることができる。前記支持構造体は、前記トンネルの上部に配置される取付けプレートと、前記取付けプレート上に取り付けられるシュラウドとを備えることができる。前記シュラウドは、前記IRカメラによって前記トンネルの温度を検知することを可能にするために、前記取付けプレートの開口を囲むように構成することができる。前記支持ブラケットは、不活性ガス源に接続するためのポートを備えることができる。前記支持ブラケットは、前記IRカメラを保護するガラスカバーを備えることができる。前記支持ブラケットは、完全な視野を実現するように、前記IRカメラを前記トンネルの上部に、所望の高さ及び所望の向きに取り付けるように構成することができる。前記少なくとも1つのセンサー組立体は、前記トンネル内の選択された場所のうちの2つ以上の別個の場所を測定するように複数のIRカメラを備えることができる。前記熱検出システムは、前記少なくとも1つのセンサー組立体を使用して前記複数の処理ゾーンのゾーン温度の閉ループ制御を提供するように前記コントローラーを用いて構成することができる。前記少なくとも1つのセンサー組立体は、特定の電子基板レベルの場所で前記リフローはんだ付け炉の或る特定の処理ゾーン内で温度データを取得するように構成することができる。温度データは、特定の電子基板に関するデータが、前記コントローラーに関連付けられるディスプレイ上に提供される電子基板トレーサビリティを提供するために使用することができる。温度データは、前記ウェーブはんだ機又は選択的はんだ機内のホットスポットゾーン/レベルを発見するために使用することができる。温度データは、前記ウェーブはんだ機又は選択的はんだ機の性能を最適化し、及び/又は処理機器の下流入力を提供し、及び/又は電子基板に対して前記少なくとも1つのセンサー組立体によって行われるスキャンの開始時間及び終了時間を決定し、及び/又は前記電子基板の上下の電子基板プロファイルを生成するために使用することができる。前記閉ループ制御は、前記複数の処理ゾーン内の前記コンベヤの速度を制御することを含むことができる。前記電子基板は、バーコードスキャナーによってスキャンされるバーコードをそれぞれ備えることができる。前記コントローラーは、前記電子基板が前記ウェーブはんだ機又は選択的はんだ機を通して前記コンベヤ上を移動する際に、前記電子基板の部品の温度を測定するためにスキャンモードを実現するように構成することができる。
【0011】
本開示の別の態様は、ウェーブはんだ機又は選択的はんだ機において電子部品を電子基板に接合する方法に関する。1つの実施の形態において、本方法は、複数の処理ゾーンを貫通するトンネルを備えるチャンバーハウジングを通して電子基板を移送することと、前記チャンバーハウジングに結合される少なくとも1つの温度センサーを備える熱検出システムの直近を通過する前記電子基板の温度を検出することと、前記複数の処理ゾーン、前記コンベヤ及び前記熱検出システムに結合されるコントローラーを用いて、前記熱検出システムから温度データを受信することとを含む。
【0012】
本方法の実施の形態は、バーコードスキャナーによって各基板に関連付けられるバーコードをスキャンすること、及び/又は前記電子基板が前記機械を通して前記コンベヤ上を移動する際に、前記電子基板の部品の温度を測定するスキャンモードを実現するように前記機械を制御することを更に含むことができる。前記熱検出システムは、前記センサー組立体を使用して前記複数の処理ゾーンのゾーン温度の閉ループ制御を提供するように前記コントローラーを用いて構成することができる。前記少なくとも1つのセンサー組立体は、特定の電子基板レベルの場所で前記機械の或る特定の処理ゾーン内で温度データを取得するように構成することができる。温度データは、特定の電子基板に関するデータが、前記コントローラーに関連付けられるディスプレイ上に提供される電子基板トレーサビリティを提供するために使用することができる。温度データは、前記機械内のホットスポットゾーン/レベルを発見するために使用することができる。温度データは、前記機械の性能を最適化し、及び/又は処理機器の下流入力を提供し、及び/又は電子基板に対して前記少なくとも1つのセンサー組立体によって行われるスキャンの開始時間及び終了時間を決定し、及び/又は前記電子基板の上下の電子基板プロファイルを生成するために使用することができる。前記閉ループ制御は、前記複数の処理ゾーン内の前記コンベヤの速度を制御することを含むことができる。
【0013】
本開示の別の態様は、電子部品を電子基板に接合する装置に関する。1つの実施の形態において、前記装置は、複数の処理ゾーンを貫通するトンネルを備えるチャンバーハウジングと、前記複数の処理ゾーンを通して前記トンネル内の電子基板を移送するコンベヤと、前記チャンバーハウジングに結合される少なくとも1つの温度センサーを備える熱検出システムとを備える。前記少なくとも1つの温度センサーは、該少なくとも1つの温度センサーの直近を通過する前記電子基板の温度を検出する。前記装置は、前記複数の処理ゾーン、前記コンベヤ及び前記熱検出システムに結合されるコントローラーを更に備える。前記コントローラーは、前記熱検出システムから温度データを受信する。
【0014】
本開示の更に別の態様は、装置において電子部品を電子基板に接合する方法に関する。1つの実施の形態において、本方法は、複数の処理ゾーンを貫通するトンネルを備えるチャンバーハウジングを通して電子基板を移送することと、前記チャンバーハウジングに結合される少なくとも1つの温度センサーを備える熱検出システムの直近を通過する前記電子基板の温度を検出することと、前記複数の処理ゾーン、前記コンベヤ及び前記熱検出システムに結合されるコントローラーを用いて、前記熱検出システムから温度データを受信することとを含む。
【0015】
添付の図面は、正確な縮尺で描かれるようには意図されていない。図面において、それぞれの図に示す各同一の又は略同一の構成要素は、同様の参照符号によって表されている。明確にする目的で、全ての図面において全ての構成要素に符号を付しているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の一実施形態のリフローはんだ付け炉の斜視図である。
図2図1に示すリフローはんだ付け炉の概略図である。
図3】本開示の一実施形態の熱検出システムを示すリフローはんだ付け炉の一部の斜視図である。
図4図3に示す熱検出システムのIRカメラ組立体の斜視図である。
図5】リフローはんだ付け炉のトンネルの上壁上に取り付けられるIRカメラ組立体の斜視図である。
図6】熱検出システムの別の実施形態のガントリー上に取り付けられるIRカメラの斜視図である。
図7】本開示の一実施形態のウェーブはんだ機の概略図である。
図8】ウェーブはんだ機の内部コンポーネントを明らかにするために外部パッケージを取り外したウェーブはんだ機の側面図である。
図9】ウェーブはんだ機に関連付けられる熱検出システムのIRカメラ組立体の斜視図である。
図10図9に示すIRカメラ組立体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
はんだペーストは、プリント回路基板の組立体において日常的に使用され、はんだペーストは、電子部品を回路基板に接合するために使用される。はんだペーストは、接合部形成用のはんだと、はんだ取付け用に金属表面を準備するフラックスとを含む。はんだペーストは、任意の数の適用方法を使用することによって、回路基板上に設けられる金属表面(例えば、電子パッド)上に堆積させることができる。1つの例において、ステンシルプリンターは、露出回路基板表面上に置かれる金属ステンシルにはんだペーストを押し通すようにスクイージーを利用してもよい。別の例において、ディスペンサーが、はんだペースト材料を回路基板の特定の領域上に供給してもよい。電子部品の導線は、はんだ堆積物と位置合わせされ、その中に型押しされて組立体を形成する。リフローはんだ付けプロセスにおいて、はんだは、その後、はんだを溶融させるのに十分な温度に加熱され、電子部品を回路基板に電気的かつ機械的に、恒久的に結合するように冷却される。はんだは、典型的には、接合される金属表面の溶融温度よりも低い溶融温度を有する合金を含む。また、温度は、電子部品に損傷を生じないのに十分な低温でなければならない。或る特定の実施形態において、はんだは、スズ鉛合金であり得る。しかしながら、鉛を含まない材料を利用するはんだを使用してもよい。
【0018】
はんだ付けプロセスの温度制御は非常に重要である。本開示の1つの実施形態において、いくつかの赤外線(IR)カメラを有する熱検出システムは、リフローはんだ付け炉の戦略的場所内の回路基板の温度を精密に測定するために使用される。熱検出システムのIRカメラから取得される情報を使用して、電子部品と回路基板との間の適切な接続を確実にするためにリフロー炉の閉ループ制御を提供することができる。IRカメラの代わりに他のタイプの温度測定デバイスを利用することができる。例えば、レーザー温度センサーを熱検出システムの一部として使用することができる。さらに、本明細書に記載の技法を、温度制御の改善を実現するために、他のタイプの回路基板処理機器、例えばウェーブはんだ機及び選択的はんだ機に使用することができる。
【0019】
これより、一般性を制限するためにではなく、説明のみを目的として、添付の図面を参照して本開示を詳細に記載する。本開示は、その応用が、以下の説明に示すか又は図面に示す構成要素の構造及び配置の詳細に限定されない。本開示において示される原理は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書で用いる術語及び専門用語は、説明を目的とするものであり、限定するものとしてみなされるべきではない。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「包含する(containing)」、「伴う(involving)」及びそれらの変形の使用は、その前に列挙された項目及びその均等物とともに追加の項目を包含するように意図されている。
【0020】
リフローはんだ付け炉
リフロープロセスにおいて、プリント回路基板を既定の温度プロファイルに従っておよそ3分~5分にわたって加熱する。完全な組立体(基板材料、部品、及びはんだペーストを含む)は、最低リフロー温度に達するべきであるが、過熱すべきではない。過熱すると、部品が損傷し、はんだに欠陥が生じるおそれがある。この加熱曲線を実現するために、リフローはんだ付け炉は、複数の加熱ゾーン及び冷却ゾーンを含む。これらのゾーンは、高温ガス又は低温ガスを回路基板に向かって吹き付ける。コンベヤ速度と組み合わせたこれらのゾーンのガス温度設定点は、回路基板組立体の最終加熱プロファイルを規定する。
【0021】
リフローはんだ付け炉が正しく動作することを確実にするために、プリント回路基板に熱電対を設けて、経時的に回路基板の温度を記録する。熱電対を、回路基板組立体の最低温度の場所及び最高温度の場所と、クリティカルな部品との上に配置して、部品が過熱されないことを確実にする。設定点及びコンベヤ速度を許容可能な仕様に収まるように決定すると、炉は、ゾーンの温度を許容可能な限度内に維持するために制御部及び熱プローブを含む。生産中、全ての既定の条件が依然として許容可能な仕様に収まることを保証するために、熱電対を有する回路基板がリフローはんだ付け炉を通され得る。既存のプロセス制御の欠点は、リフロープロセス中に回路基板組立体に対する温度制御がないことである。回路基板の部品及びはんだ接合部の検査をはんだ付けの後に行うが、回路基板を加熱する時間の最中は検証されない。
【0022】
既存のプロセス制御は、ガス温度を測定するが、回路基板組立体における実際の温度は測定しない熱プローブを使用して、ゾーン温度及び条件を仕様内に維持することに関する。電子製造サービスの熱プロセスを規定、測定、監視及び改善するのに役立つソフトウェアツールを有する熱プロファイリングハードウェアが利用可能である。これらのシステムにより、プロセス制御がより良好になるため、リフローはんだ付け炉はよりスマートになり、欠陥が低減される。インテリジェントソフトウェアは、一貫した基板温度及びはんだ品質を保証する必要がある場合、炉の設定に変更を行う。
【0023】
リフローはんだ付け炉のインテリジェントシステム及びプロセス制御にもかかわらず、はんだ付け中に回路基板組立体の実際の温度は検証されない。リフロー中の回路基板組立体の熱画像を取得することができる熱検出システムを実装すると、部品の損傷を防止し、はんだの欠陥を低減するプロセス制御に付加価値が生まれる。
【0024】
本開示の実施形態は、炉の閉ループ温度制御を得るように、いくつかのIRカメラ組立体をリフローはんだ付け炉内に戦略的に位置決めした熱検出システムに関する。1つの実施形態において、IRカメラ組立体のレンズは、正確な温度画像の作製を可能にするために清浄に保たれる。IRカメラ組立体は、レンズの前に特殊なチャンバーを備え、このチャンバーに窒素がパージされて過圧が発生し、フラックスで汚染されたガスがレンズ上に凝縮することが回避される。清浄なレンズをフラックス残留物から保守するために本明細書において開示される別の方法は、ロールシステム上のレンズの前に透明箔を有することである。箔が汚れると、ロールは転回して新たな清浄な透明の箇所が出てくる。加えて、リフローはんだ付け炉は、ゾーン内のガスを清浄にする触媒を含むことができる。
【0025】
熱検出システムの実施形態は、リフロープロセスを制御する閉ループシステムの一部となる熱画像の使用を含む。熱画像からのデータは、リフローはんだ付け炉のインテリジェント制御システム内に統合される。カメラは、3D熱カメラ又は一般的な2Dカメラであり得る。生成されるデータ(異なる領域、部品、はんだペースト及び基板材料の温度)は、トレーサビリティ及び補正アクションのために使用することができる。リフロープロセスにおいて、複数のカメラを有することができる。熱画像スキャンは、リフロープロセスのスナップショットである。しかしながら、複数のカメラが設置される場合、スナップショットの収集物を使用して、液相線を上回る時間及びピーク温度のように重要なプロセスパラメーターを計算することができる。このデータを欠陥レベルに相関付けることができ、必要な変更を行うために、予防的アクションをプリンター又はディスペンサー又はピックアンドプレース機に送信することができる。
【0026】
画像スキャンは、偏差を信号発信することもでき、リフローはんだ付け炉は、それに応じて応答することができる。温度が低すぎる又は高すぎる場合、コンベヤ速度を変更すること、又は熱伝導を増減するように1つ以上の加熱ゾーンのファン速度を調整すること等、種々のアクションを行うことができる。温度補正を行う他の方法は、回路基板を一時的に止めてより高温にすること、又は回路基板が高温すぎるとき、ゾーンに回路基板を押し通してより短い加熱時間を実現することである。これらの細かい補正には、回路基板の間に自由空間が必要になる。基板が低温すぎる場合、IRランプをスキャナーの背後のゾーン内に設置して、仕様に収まるようにその特定の回路基板をより高速に加熱することができる。炉移送の追跡システムは、適切な瞬間にスキャンを行うように、リフローはんだ付け炉内の回路基板の位置を追跡するべきである。典型的には、コンベヤは、回路基板の速度を制御し、位置を規定するエンコーダー又は他のデバイスを有する。1つの実施形態において、回路基板を位置特定するために、追加のセンサーをスキャナー付近に設置することができる。回路基板は、バーコード、RFIDタグ、又は他の何らかのタイプの識別情報トレーサビリティを有するように構成することができる。
【0027】
熱検出システムの実施形態は、画像スキャンを取得してリフロープロセス中のコンポーネント位置合わせを示し、コンポーネント移動欠陥を分析する。例えば、リフローはんだ付け炉内に複数のスキャナーが存在する場合、リフローはんだ付け炉内の位置は、コンポーネントが移動する場所で規定することができ、これは、このタイプの欠陥を回避するのに役立ち得る。更なるアクションは、ファンの交換、又は炉の特定のゾーンにおけるファン速度の低減を含むことができる。
【0028】
熱検出システムの実施形態は、リフローはんだ付け炉内の戦略的な点における回路基板の温度プロファイルを取得するように更に構成される。これは、プローブの温度しか返さない熱電対プロファイリングよりも正確である。プローブの位置は、回路基板組立体上の最もクリティカルな箇所ではない場合があり、第2に、熱電対の取付けが非常に重要である。熱電対は、いくつかのランの後に緩む場合があるが、IRカメラは、経時的に正確さを維持し、レンズが清浄さを維持していれば、サンプルの数によって制限されない。
【0029】
回路基板組立体をはんだ付けする一例示的なリフローはんだ付け装置の1つの実施形態が図1に示されている。そのような装置は、プリント回路基板製造及び組立の分野においてリフロー炉又はリフローはんだ付け炉とも呼ばれることがある。リフローはんだ付け炉は、図1において概して10で示されており、その中を通過する回路基板上のはんだを予熱、リフローした後に冷却する通路を画定する断熱トンネルの形態でリフロー炉チャンバー12を備える。リフロー炉チャンバー12は、1つの例において、3つの予熱ゾーン14、16、18と、その後に3つの浸漬ゾーン20、22、24とを含む、複数の加熱ゾーンにわたって延在し、各ゾーンは、上部加熱器26及び下部加熱器28をそれぞれ備える。浸漬ゾーン20、22、24の後には、例えば、同様に加熱器26、28を備える4つのスパイクゾーン30、32、34、36が続く。そして最終的に、スパイクゾーン30、32、34、36の後に、3つの冷却ゾーン38、40、42が続く。他のリフローはんだ付け炉構成を提供することができる。
【0030】
堆積されたはんだペースト及び電子部品を含む回路基板組立体44は、固定速度コンベヤ(図1の破線において46で示される)上の断熱リフロー炉チャンバー12の各ゾーン(例えば、図1において左から右)を通過し、これにより、回路基板組立体の予熱、リフロー及びリフロー後の冷却の漸進的な制御が可能になる。固定速度コンベヤ46は、ゾーンの間で分割し、可変速度コンベヤを具現することができることを理解されたい。予備的な予熱ゾーン14、16、18において、基板組立体は、周囲温度からフラックス活性化温度まで加熱され、フラックス活性化温度は、鉛ベースのはんだの場合には約130℃~約150℃の範囲とすることができ、鉛を含まないはんだの場合にはより高温とすることができる。
【0031】
浸漬ゾーン20、22、24において、回路基板組立体にわたる温度の変動は安定化し、活性化したフラックスが、リフローの前に部品の導線、電子パッド及びはんだ粉末を清浄にするための時間が設けられる。加えて、フラックス内のVOCが気化される。浸漬ゾーン20、22、24内の温度は、典型的には、鉛ベースのはんだの場合には約140℃~約160℃であり、鉛を含まないはんだの場合にはより高温である。或る特定の実施形態において、回路基板組立体は、浸漬ゾーン20、22、24を通過するのに約30秒~約45秒を費やすことができる。
【0032】
スパイクゾーン30、32、34、36において、はんだをリフローするために、温度は素早く、はんだの溶融点を上回る温度まで上昇する。共晶又は準共晶スズ鉛はんだの溶融点は約183℃であり、リフロースパイクは、典型的には、溶融はんだのペースト範囲を超えるように溶融点を約25℃~約50℃上回るように設定される。鉛ベースのはんだの場合、スパイクゾーン内の典型的な最高温度は、約200℃~約220℃の範囲内である。約225℃を上回る温度は、フラックスのベーキングを生じ、部品を損傷し、及び/又は接合部完全性を犠牲にするおそれがある。約200℃を下回る温度は、接合部が完全にリフローすることを妨げるおそれがある。1つの実施形態において、回路基板組立体は、典型的には、スパイクゾーン30、32、34、36内の温度を、約1分にわたってリフロー温度を上回るように維持される。
【0033】
次に、冷却ゾーン38、40、42において、温度はリフロー温度を下回り、回路基板組立体は、回路基板組立体がリフロー炉チャンバー12を離れる前に、接合部を固化することで接合部完全性を維持するのに十分に冷却される。
【0034】
フラックス抽出/濾過システム(図示せず)は、リフローはんだ付け炉10によって生成されるガスから汚染物質を除去するために設けることができる。1つの実施形態において、入力ガスダクトは、リフロー炉チャンバー12からフラックス抽出/濾過システムへの流体連通をもたらすように選択されるゾーンに又はそれらのゾーンの間に接続することができる。出力ガスダクトは、フラックス抽出/濾過システムからリフロー炉チャンバー12に戻る流体連通をもたらすように選択されるゾーンに又はそれらのゾーンの間に接続することができる。動作時、蒸気流は、リフロー炉チャンバー12から、入力ガスダクトを通して、システムを通して、その後、出力ガスダクトを通して、リフロー炉チャンバーに戻るように引き出される。入力ガスダクト、システム及び出力ガスダクトの同様の構成も同様に、リフローはんだ付け炉10の他のゾーンから又はその間の蒸気流を引き出すように位置決めしてもよい。
【0035】
リフローはんだ付け炉10は、限定しないが、予熱ゾーン14、16、18、浸漬ゾーン20、22、24、スパイクゾーン30、32、34、36、及び冷却ゾーン38、40、42に関連付けられる上部加熱器26及び下部加熱器28を含む、リフローはんだ付け炉のいくつかのステーションの動作を既知の方式で自動化するコントローラー50を更に備える。図示のように、コントローラー50は、リフローはんだ付け機10のオペレーターが機械の動作を制御することができるユーザーインターフェースを備えるディスプレイ52を備えることができる。
【0036】
或る特定の実施形態において、コントローラー50は、Microsoft社が提供するMicrosoft Windows(登録商標)オペレーティングシステム等の適切なオペレーティングシステムを、リフローはんだ付け炉10の動作を制御するアプリケーション固有ソフトウェアとともに有するパーソナルコンピューターを使用するように構成することができる。コントローラー50は、回路基板を製造する生産ラインを制御するために使用されるマスターコントローラーとネットワーク接続することができる。以下でより詳細に記載するように、熱検出システムによって取得される情報は、コントローラー50によって使用して、リフローはんだ付け炉10の性能を最適化することができる。この最適化には、反りの排除と、回路基板組立体上への電子部品のより良好でより信頼できる固定とが含まれる。
【0037】
図3を参照すると、リフローはんだ付け炉10は、炉のゾーン内の熱を検出する、概して60で示される熱検出システムを備える。図示の実施形態において、熱検出システム60は、IRカメラ組立体等、いくつかの、例えば3つのセンサー組立体を備え、それぞれ概して62で示される。この例において、第1のIRカメラ組立体62aは、リフローはんだ付け炉10の第3のゾーン(予熱ゾーン)と第4のゾーン(浸漬ゾーン)との間に位置決めされ、第2のIRカメラ組立体62bは、第6のゾーン(浸漬ゾーン)と第7のゾーン(スパイクゾーン)との間に位置決めされ、第3のIRカメラ組立体62cは、第9のゾーン(スパイクゾーン)と第10のゾーン(冷却ゾーン)との間に位置決めされる。IRカメラ組立体62は、リフローはんだ付け炉の性能を最適化するために、リフローはんだ付け炉10内の任意の場所に配備してもよいことを理解されたい。
【0038】
各IRカメラ組立体62は、回路基板組立体が処理の前に適切にコンディショニングされることを確実にするために、ゾーンの間を通る際の回路基板組立体44の温度を測定するように戦略的に配備される。各IRカメラ組立体62から取得される情報は、コントローラー50に通信され、コントローラー50は、リフローはんだ付け炉10を通過する後続の回路基板組立体の閉ループ処理を提供する。
【0039】
リフローはんだ付け炉の用途について図4及び図5を更に参照すると、各IRカメラ組立体62は、リフローはんだ付け炉10のチャンバー12の上部壁66上に取り付けられるシュラウド64を備える。シュラウド64は、チャンバー12の上部壁66において形成される開口を貫通して、IRカメラ組立体62によってトンネルの温度を検知することを可能にする。支持構造体は、シュラウドの上部においてシュラウド64上に取り付けられる支持ブラケット68を更に備える。支持ブラケット68は、シュラウド64内に不活性雰囲気を提供するように窒素(N)源に接続するためのポート70を備える。支持ブラケット68は、センサーを支持ブラケットに接続するための入力ポート72を更に備える。
【0040】
IRカメラ組立体62は、IRカメラ74を具現する温度センサーを更に備え、これは支持ブラケット68によって動作位置に支持される。入力ポート72にはケーブル76が固定され、IRカメラ74をコントローラー50に接続する。上述のように、任意のタイプの温度センサーを利用して、リフローはんだ付け炉10のトンネル(チャンバー12)内を移動する回路基板組立体の温度を測定してもよい。IRカメラ74は、シュラウド64を通してリフローはんだ付け炉10のトンネル(チャンバー12)に向けられる視野を有する。この構成は、IRカメラ組立体62のIRカメラ74が、リフローはんだ付け炉10のトンネル(チャンバー12)内を移動する回路基板組立体の温度を検出して、この情報をコントローラー50に通信するものとなっている。熱検出システム60から取得されるデータは、以下でより詳細に記載する様々な目的のために使用することができる。
【0041】
図6を参照すると、センサー組立体の代替的な実施形態が概して80で示されている。図示のように、センサー組立体80は、ガントリー82と、ガントリー及びコントローラー50に接続されるIRカメラ84を具現する温度センサーとを備える。この構成は、ガントリー82が、コントローラー50の制御下で、IRカメラ84をトンネル(チャンバー12)の幅に沿って移動させて、プリント回路基板組立体がリフローはんだ付け炉10を通過する際のプリント回路基板組立体の幅にわたる温度データを取得するものとなっている。センサー組立体80は、不活性(清浄)雰囲気内にIRカメラ84を維持するためにシュラウド(図示せず)を更に備えることができる。
【0042】
ウェーブはんだ機
ウェーブはんだプロセスにおいて、プロセスステップはいくつかある。フラックスをプリント回路基板組立体のはんだ側(下部)に噴霧することによって、プリント回路基板組立体を清浄にするフラックス塗布ステップがある。フラックスを塗布した後、プリント基板組立体を予熱ユニットに移送する。予熱ユニットは、対流又は放射加熱器等、種々の構想を具現することができる。目的は、プリント回路基板組立体を、典型的にははんだ付け先側(solder destination side)(上側基板)上で測定される既定の温度まで加熱することである。予熱器によってフラックスを活性化し、回路基板組立体は、はんだが上側基板を実現するまでは固化しないほどの高温となる。プリント回路基板組立体は、はんだの波に入る。はんだ付けプロセスは、はんだ付けプロセスに必要な温度で維持されるはんだの被加熱タンクからなる。タンク内では、はんだの波がセットアップされ、プリント回路基板組立体は、回路基板組立体の下側がはんだウェーブに接触するように、はんだウェーブの上を通る。
【0043】
予熱中の回路基板組立体の温度は、典型的には、パイロメーターを用いて測定される。これは、通常、回路基板組立体が最後の予熱ユニットを通過した後で、はんだウェーブステーションに入る直前に行われる。しかしながら、パイロメーターのスポットは限定されるため、データは基板全体の1つの小さい領域しかカバーしない。
【0044】
IRカメラを有する熱検出システムの実施形態は、プリント回路基板組立体全体をスキャンして、プリント回路基板組立体から温度データを取得することが可能である。
【0045】
熱検出システムの実施形態は、IRカメラをウェーブはんだ機とともに、最後の予熱ユニットの後に備える。IRカメラによって提供されるデータは、閉ループプロセス制御に使用することができる。IRカメラが予熱ユニット内のプリント回路基板組立体の上方に設置される場合、IRカメラは、ウェーブはんだ付けステーションに入る前に指定の温度が後続の基板について実現されるように、ユニットの予熱器を変更する情報を提供することができる。結果として、プリント回路基板組立体は、プリント回路基板組立体がはんだ付けされるときに最適な温度を実現することができ、これにより、欠陥が生じるリスクは最小限になる。データは記録され、データを基板識別情報(バーコード又はRFIDのような)と組み合わせて、組立中の欠陥又は現場故障に相関付けされ得るトレーサビリティのために使用することができる。
【0046】
図7を参照すると、一例示的なウェーブはんだ機が概して100で示されている。ウェーブはんだ機は、プリント回路基板組立体に対してウェーブはんだ塗布を行うために使用される。上述のように、ウェーブはんだ機100は、プリント回路基板製造/組立ラインにおけるいくつかの機械のうちの1つである。図示のように、ウェーブはんだ機100は、機械のコンポーネントを収容するように適合されるハウジング又はフレーム102を備える。この構成は、コンベヤ104が、プリント回路基板組立体44を送達し、ウェーブはんだ機100が処理するものとなっている。
【0047】
各回路基板組立体44は、ウェーブはんだ機100に入ると、トンネル106を通してコンベヤ102に沿った傾斜路(例えば、水平に対して6度)に沿って移動する。ウェーブはんだ機100は、プリント回路基板組立体をウェーブはんだ付けのためにコンディショニングするために、概して108で示されるフラックス塗布ステーションと、概して110で示される予熱ステーションとを備える。回路基板組立体44は、コンディショニングされる(すなわち、加熱される)と、コンベヤ102に沿って、はんだ材料をプリント回路基板組立体に塗布するウェーブはんだ付けステーション(概して112で示される)に移動する。コントローラー114は、限定しないが、フラックス塗布ステーション108、予熱ステーション110、及びウェーブはんだ付けステーション112を含むウェーブはんだ機100のいくつかのステーションの動作を既知の方式で自動化するために設けられる。
【0048】
リフローはんだ付け炉10に関連付けられるコントローラー50と同様に、ウェーブはんだ機100のコントローラー114は、Microsoft社が提供するMicrosoft Windows(登録商標)オペレーティングシステム等の適切なオペレーティングシステムを、ウェーブはんだ機の動作を制御するアプリケーション固有ソフトウェアとともに有するパーソナルコンピューターを使用するように構成することができる。コントローラー114は、回路基板を製造する生産ラインを制御するために使用されるマスターコントローラーとネットワーク接続することができる。リフローはんだ付け炉10と同様に、熱検出システムによって取得される情報は、コントローラー114によって使用して、ウェーブはんだ機100の性能を最適化することができる。この最適化には、反りの排除と、回路基板組立体上への電子部品のより良好でより信頼できる固定とが含まれる。
【0049】
図8を参照すると、フラックス塗布ステーション108は、ウェーブはんだ機100を通過してコンベヤ104上で移動するプリント回路基板組立体にフラックスを塗布するように構成されている。予熱ステーション110は、いくつかの予熱器(例えば、予熱器110a、110b、110c)を含み、それらの予熱器は、ウェーブはんだ付けプロセスのためにプリント回路基板組立体を準備するために、トンネル106を通ってコンベヤ104に沿って移動するプリント回路基板組立体の温度を徐々に上昇させるように構成されている。ウェーブはんだ付けステーション112は、はんだ材料のリザーバーと流体連通しているウェーブはんだノズル組立体を含む。溶融はんだ材料をリザーバーからウェーブはんだノズル組立体に送達するために、リザーバー内にポンプが設けられている。はんだ付けされると、プリント回路基板組立体は、コンベヤ104を介してウェーブはんだ機100から、製造ラインに設けられた別のステーション、例えば、ピックアンドプレース機に出る。
【0050】
いくつかの実施形態において、ウェーブはんだ機100は、ウェーブはんだ機のトンネル106から揮発性汚染物質を除去する、全体として116で示すフラックス管理システムを更に含むことができる。図2に示すように、フラックス管理システム116は、予熱ステーション110の下方に配置されている。1つの実施形態において、フラックス管理システム116は、ウェーブはんだ機100内でハウジング102によって支持され、トンネル106と流体連通しており、それについては図2に概略的に示す。フラックス管理システム116は、トンネル106から汚染ガスを受け取り、ガスを処理し、トンネルに清浄なガスを戻すように構成されている。フラックス管理システム116は、特に不活性雰囲気において、ガスから揮発性汚染物質を除去するように特に構成されている。
【0051】
図9及び図10を参照すると、ウェーブはんだ機100は、機械のゾーン内、例えば、予熱ステーション110とウェーブはんだ付けステーション112との間の熱を検出する熱検出システムを備える。熱検出システムは、概して120で示されるIRカメラ組立体を具現するセンサー組立体を備える。IRカメラ組立体は、回路基板組立体が処理の前に適切にコンディショニングされることを確実にするために、ゾーンの間を通る際の回路基板組立体44の温度を測定するように戦略的に配備される。IRカメラ組立体120から取得される情報は、コントローラー114に通信され、コントローラー114は、ウェーブはんだ機100を通過する後続の回路基板組立体の閉ループ処理を提供する。
【0052】
ウェーブはんだ機の用途の場合、IRカメラ組立体120は、ウェーブはんだ機100のトンネル106の上部に配置される取付けプレート122と、取付けプレート上に取り付けられるシュラウド124とを有する支持構造体を備える。シュラウド124は、IRカメラ組立体によってトンネル106の温度を検知することを可能にするために、取付けプレート122内の開口を包囲する。支持構造体は、シュラウドの上部においてシュラウド124上に取り付けられる支持ブラケット126を更に備える。支持ブラケット126は、シュラウド内に不活性雰囲気を提供するように窒素(N)源に接続するためのポート128を備える。支持ブラケット126は、センサーを支持ブラケットに接続するための入力ポート130を更に備える。
【0053】
IRカメラ組立体120は、支持ブラケット126によって動作位置に支持されるIRカメラ132を更に備える。入力ポート130にはケーブル134が固定され、IRカメラ132をコントローラー114に接続する。上述のように、任意のタイプの温度センサーを利用して、ウェーブはんだ機100のトンネル106内で回路基板組立体の温度を測定してもよい。IRカメラ132は、シュラウド124を通してウェーブはんだ機100のトンネル106に向けられる視野を有する。この構成は、IRカメラ組立体120のIRカメラ132が、ウェーブはんだ機100のトンネル106内で回路基板組立体の温度を検出して、この情報をコントローラー114に通信するものとなっている。
【0054】
選択的はんだ機
選択的はんだプロセスにおいて、プロセスステップはいくつかある。まず、フラックスをプリント回路基板組立体のはんだ側(下部)に噴霧することによって、プリント回路基板組立体を清浄にするフラックス塗布ステップがある。フラックスを塗布した後、プリント基板組立体を予熱ユニットに移送する。予熱ユニットは、対流又は放射加熱器等、種々の加熱構想を含むように構成することができる。このプロセスステップの目的は、プリント回路基板組立体を、典型的にはプリント回路基板組立体のはんだ付け先側(上部)上で測定される既定の温度まで加熱することである。フラックスを活性化し、プリント回路基板組立体は、選択的はんだプロセスが行われるまでは、はんだが固化しないような高温となる。本開示の熱検出システムを実装する前に、予熱中のプリント回路基板組立体の温度をパイロメーターによって測定することができるが、パイロメーターがプリント回路基板組立体に関して生成する熱情報は、非常に限定されたものである。
【0055】
予熱後、プリント回路基板組立体をはんだ領域に移送し、2つのはんだプロセスのうちの一方を行うことができる。一方のはんだプロセスにおいて、ポイントツーポイントはんだプロセスを行うように構成される小型はんだノズルを用いてはんだを塗布する。別のはんだプロセスにおいて、はんだ接合部を1回のディップによって作製するマルチウェーブプレート(multi-wave plate)によってはんだを塗布する。
【0056】
熱検出システムの実施形態は、IRカメラ(2D又は3D)を選択的はんだプロセスに含めることができる。このカメラによって提供されるデータは、閉ループプロセス制御に使用することができる。カメラが予熱プロセスにおいてプリント回路基板組立体の上方に設置される場合、カメラから取得される温度データは、選択的はんだ機が基板をはんだ付けステーションに移送する準備が整っているときに指定の温度が実現されるように、ユニットの電力を変更するための情報を提供することができる。結果として、プリント回路基板組立体は、はんだ付けされるときに最適な温度を実現することができ、これにより、欠陥が生じるリスクが最小限になる。データは記録することができ、データをバーコード又はRFID等の基板識別情報と組み合わせて、組立中の欠陥又は現場故障に相関付けされ得るトレーサビリティのために使用することができる。
【0057】
はんだステーションにおいて、IRスキャナーを実装することもできる。マルチウェーブディッププロセスの場合、2D又は3Dカメラは、はんだ接合部の温度を測定するように構成することができる。そのような構成は、プリント回路基板組立体がはんだ接合部における応力を回避するように移動する前に、はんだが固化している(溶融点未満)か否かを識別することができる。また、このデータは、トレーサビリティ目的にも、プロセス最適化目的にも使用することができる。
【0058】
ポイントツーポイントはんだプロセスの場合、IRスキャナーをはんだステーションの上方に実装すると、プリント回路基板組立体の状態を記録し、温度が温度公差範囲内にあることを検証することに利益をもたらすことができる。この情報を使用して、欠陥を低減し、プロセス制御をより良好にすることができる。
【0059】
熱検出システムの他の態様
いくつかの実施形態において、支持ブラケットは、IRカメラを保護するIRカメラガラスを備える。図9を参照すると、IRカメラ132を保護するためにレンズ140が設けられる。ウェーブはんだ機100のIRカメラ組立体120とともに示すが、レンズ140又はカメラガラスを、リフローはんだ付け炉10に関連付けられるIRカメラ組立体62とともに設けてもよいことを理解されたい。保護カバーを生成するための他のタイプの材料を設けてもよい。IRカメラガラスは、加圧空気がIRカメラガラスを横切って移動して「空気カーテン」を生成することにより、IRカメラの阻害を防止するように位置決めされる。1つの実施形態において、IRカメラを保護するために、可動フィルムを設けることができる。
【0060】
レンズ140は、リフローはんだ付け炉10に関連付けられるIRカメラ74に適用することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、シュラウドは、別の不活性流体源に接続されるように構成することができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、シュラウドは、IRカメラを保護するために温度制御される流体源に対して構成することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、支持ブラケットは、完全な視野を実現するように、IRカメラを所望の高さ及び所望の向きで取り付けるように構成することができる。図示の構成において、IRカメラは、リフローはんだ付け炉のトンネルの上部に取り付けられる。しかしながら、IRカメラは、リフローはんだ付け炉のトンネルの側部上に取り付けてもよい。側部取付けの場合、トンネルを通過する回路基板の上部及び下部を視認するために、ミラーを利用することができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、IRカメラは、回路基板を横切ってカメラを移動させるガントリーとして機能する支持構造体上に取り付けることができる。IRカメラは、リフローはんだ付け炉のトンネルの内側又は外側に位置決めしてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、IRカメラ組立体は、リフローはんだ付け炉のトンネル内の選択された位置内の2つ以上の別個の場所を測定するように複数のIRカメラを備えることができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、1次元ラインスキャンカメラを使用して、回路基板温度を検出することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、2次元カメラを使用して、回路基板温度を検出することができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、既存のリフローはんだ付け炉は、例えば、取付けプレート、シュラウド、支持ブラケット、窒素接続部、IRカメラケーブル及びIRカメラを含む、複数のIRカメラ組立体を含む熱検出システムのコンポーネントを含む後付けキットによって更新することができる。リフローはんだ付け炉のコントローラーのために、ソフトウェア更新を提供することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、熱検出システムは、IRカメラ組立体又は他の温度検出デバイスを使用してゾーン温度の閉ループ制御を提供するように、コントローラーを用いて構成される。そのような閉ループ制御により、オペレーターは、回路基板温度を監視し、回路基板上のホットスポットを、回路基板の上部及び下部上の両方で位置特定することが可能になる。
【0070】
いくつかの実施形態において、コントローラーは、リフローはんだ付け炉の様々なゾーンの閉ループ制御を可能にする実行可能なソフトウェアを用いて構成される。
【0071】
いくつかの実施形態において、熱検出システムから取得される情報は、将来のアクションのために収集及び分析される。
【0072】
いくつかの実施形態において、熱検出システムのIRカメラ組立体は、特定の基板レベルの場所でリフローはんだ付け炉の或る特定のゾーン内で温度データを取得する。
【0073】
いくつかの実施形態において、熱検出システムのIRカメラ組立体は、生産ラインに関連付けられる下流パラメーターのプロセス制御用のデータをコントローラーに提供し、及び/又は機器の問題に対処する。
【0074】
いくつかの実施形態において、プリント回路基板は、回路基板ごとのデータを追跡するために、バーコードスキャナー、又は他のタイプの識別システムによってスキャンされるバーコードを有する。
【0075】
いくつかの実施形態において、熱検出システムのIRカメラ組立体は、必要な基板ゾーンに閉ループ局所加熱を提供するように、コントローラーによって使用される温度データを取得する。リアルタイムのゾーン間(zone-to-zone)温度調整を、回路基板温度の均一性又は所望の温度プロファイルを目的として行うことができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、回路基板の閉ループ処理は、熱伝達を最適化するように1つ以上のゾーンにおけるコンベヤ速度を制御するようにコンベヤを制御することを含むことができる。ファンブロワー速度を制御することもできる。1つの実施形態において、コンベヤは、複数のゾーンに対応する複数のセクションを含むことができ、各コンベヤセクションは、コントローラーによって制御され、コンベヤセクションの速度を制御し、ひいては、回路基板に印加される温度を制御する。回路基板の局所加熱は、この構成によって実現される。
【0077】
いくつかの実施形態において、熱検出システムから取得されるデータは、様々な目的に使用することができる。例えば、データを顧客に通信することができる。データを使用して、特定の回路基板に関するデータが顧客に相関付けされる回路基板トレーサビリティを提供することができる。データを使用して、リフローはんだ付け炉内のホットスポットゾーン/レベルを発見することができる。データを使用して、リフローはんだ付け炉の性能を最適化することができる。データを使用して、処理機器の下流入力を提供することができる。データを使用して、回路基板に対してIRカメラ組立体によって行われるスキャンの開始時間及び終了時間を決定することができる。データを使用して、或る特定の基板ゾーン又はレベルを決定するために、回路基板の上下の回路基板プロファイルを生成することができる。データを顧客が他の分析に使用し、顧客サーバー/ネットワーク又はクラウド上に記憶することができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、コントローラーは、基板がリフローはんだ付け炉を通してコンベヤ上を移動する際に、全ての基板の部品の温度を測定するためにスキャンモードを実現するように構成することができる。
【0079】
いくつかの実施形態において、熱検出システムは、モアレ分析(歪み/応力分析)中に熱撮像を行って、温度ホットスポットと反り応答との間を相関付けるように構成される。
【0080】
いくつかの実施形態において、熱検出システムは、リフローはんだ付け、ウェーブはんだ付け、SRTリワーク、及び選択的はんだ付け中にホットスポット及びコールドスポットを発見する。
【0081】
いくつかの実施形態において、熱検出システムを使用して、基板設計及び機能性を改善するように分析を提供することができる。
【0082】
いくつかの実施形態において、熱検出システムを使用して、リフロープロセスにおけるボイドを低減することができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、熱検出システムは、欠陥を低減するように温度制御の向上を実現する。
【0084】
いくつかの実施形態において、熱検出システムは、反りを低減し、ホットスポットを識別し、部品過熱を決定し、プロファイル検証を取得し、ボイドを低減する戦略的場所において、複数の赤外線(IR)カメラ組立体を利用することによって、リフローはんだ付け炉のゾーン温度の統合閉ループ制御を組み込む。
【0085】
いくつかの実施形態において、熱検出システムは、周囲条件及び生産中の製品に基づいて自己調整される設定を有する自己検知機器を含むように構成され、これにより、コストを削減しながら、可視性、生産性、トレーサビリティ及び応答時間を増大させる。
【0086】
いくつかの実施形態において、熱検出システムにより、サプライチェーンにわたって予防的アクション可能インテリジェンスを伴う可視性及び処方的リアルタイム分析が可能になる。
【0087】
いくつかの実施形態において、熱検出システムは、閉ループシステム内の複雑度を管理することによって柔軟性を増大させる。
【0088】
いくつかの実施形態において、標準的又はカスタムインターフェース及びデータ出力を開発するオープンアーキテクチャによって、接続性が改善される。アーキテクチャはいくつかのMEMSをサポートする。
【0089】
いくつかの実施形態において、オペレーターのエラー及び人数を削減するように、自動交換及び消耗品補充を提供することによって、オートメーションが改善される。
【0090】
いくつかの実施形態において、熱検出システムは、機械パラメーターへのオペレーター介入を削減し、閉ループ制御を提供してより高い歩留まりを促すことによって、自己最適化を実現する。
【0091】
いくつかの実施形態において、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機の実際のニーズに基づいて、予測的保守項目を提供することによって、保守が改善される。また、保守の改善により、保守に基づく計画時間の代わりとなる又は計画時間が削減される。
【0092】
いくつかの実施形態において、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機に関連付けられるコントローラーは、コントローラーが取得した動作パラメーターに基づいて炉又は機械の動作を制御するように適合されるコントローラーを含む。コントローラーは、生産ラインに関連付けられるコントローラーと通信するように構成することができる。1つの実施形態において、コントローラーは、別のコントローラー、例えば、生産ラインに関連付けられるコントローラーと、コントローラー領域ネットワーク(CAN)バス又は他のタイプのネットワークを介して通信するように構成することができる。他の実施形態において、マスターコントローラーは、生産ラインに関連付けられる個々の機器のコントローラーの動作を制御するために設けることができる。コントローラーは、コントローラーに動作可能に結合されるディスプレイを備えることができる。ディスプレイは、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機の動作パラメーター、例えば、限定しないが、炉又は機械のゾーンを通した温度データ、又は機械のはんだレベルに関連付けられるデータを表示するように適合される。そのような情報を獲得するために、適切なセンサーを設けることができる。上記の実施形態の代わりに又はこれに加えて、動作パラメーターは、リフローはんだ付け炉内に設けられるディスプレイ、ウェーブはんだ機内に設けられるディスプレイ、及び/又は生産ラインに関連付けられるディスプレイ上に表示してもよい。
【0093】
他の実施形態において、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機を通して移動する回路基板等の物品の材料識別は、その物品を操作するデバイスと、物品をスキャンして識別するスキャナーとを含むことができる。例えば、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機は、回路基板を回転させて、回路基板上に提供されるコード又は所定の識別マークを、炉又は機械上に設けられるスキャナーに位置合わせするピンチホイールを備えるように構成することができる。このシステムは、回路基板に関連付けられる材料識別情報を、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機のレシピ、生産時間等に結び付けるように構成される。1つの実施形態において、物品を識別するためのバーコードを実装することができる。例えば、バーコードは、UPCコードの1Dスキャナー、QRCコードの2Dスキャナー、物品に適用される印刷ラベル、又は物品にエッチングされたレーザーエッチングラベルを含むことができる。別の実施形態において、物品を識別するRFIDシステムを実装することができる。例えば、RFIDシステムは、物品に適用されるRFIDタグと、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機に関連付けられるRFIDリーダーとを備えることができる。RFIDシステムの場合、リーダーと物品との間の見通し線は必要ない。さらに、可動カート内の全ての物品を識別するために、スキャンは必要ない。別の実施形態において、物品を識別する撮像又はビジョンシステムを実装することができる。
【0094】
いくつかの実施形態において、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機を通して処理される物品を追跡するために、データベースが提供される。1つの実施形態において、データベースは、オープンアプリケーション(アプリ)アーキテクチャを含むことができ、データをリフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機にプッシュするように構成することができる。炉又は機械は、炉又は機械と通信して、炉又は機械及び/又は生産ラインに対してデータをプッシュ/プルするように構成するか、又は生産ラインと直接通信するように構成することができる。データベースは、ジョブ情報又は材料情報を含むことができる。データベースは、生産ライン、リフローはんだ付け炉及び/又はウェーブはんだ機に関連付けられる製造実行システム(MES)と更に通信することができる。MESシステムは、生産ランにいずれの材料が必要かを知るように構成することができる。可動カートは、MESシステムと通信して、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機への物品の送達を調整するように構成することができる。
【0095】
データベースは、識別情報、例えばバーコードナンバーに基づいて物品に関する情報を取り出すように更に構成することができる。1つの実施形態において、リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機が、可動カートから届く材料を受け入れるようにプログラミングされる中央管理システムを提供することができる。リフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機は、ネットワークから炉又は機械を通して回路基板を処理するようにデータベースを更新するようにプログラミングされ、ネットワークはMESシステムに結び付けられる。
【0096】
データベースは、追加の情報、例えば、温度データ、処理される回路基板の数、及び/又はリフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機に関連付けられる材料の消費量を記憶するように更に構成することができる。データベースは、情報をローカルに又はリモートに記憶するように構成することができ、1つ以上の生産ランに関連付けられるデータを記憶するように構成することができる。
【0097】
データベースは、新たな生産ランが想定又はプログラミングされるときに予測データを共有するように構成することができる。例えば、温度処理効率に関する情報を記憶することに関して、データベースは、以下のこと、すなわち、ペースト消耗物品が補充を必要とする場合に、温度ゾーンデータ、処理される回路基板の数及びタイプに関する情報を記憶することと、アラーム及び/又はレポートをトリガーすることと、リフローはんだ付け炉、ウェーブはんだ機及び/又は生産ラインに関連付けられる在庫制御システムに信号発信することと、動作パラメーター及び実際の使用量及び上流/下流機器アクティビティに基づいて消耗品の使用量に関して分析を行うことと、取替え又は保守を予測することと、複数のサイトにわたって相関付けて将来の生産ランパラメーターを予測することとのうちの1つ以上を行うように構成することができる。
【0098】
データベースは、ロットトレーサビリティに関連付けられるデータを記憶するように構成することができる。加えて、回路基板のRFID又は機械的キーイングは、これらの物品が処理のためにリフローはんだ付け炉又はウェーブはんだ機内に挿入されたときに、正しい位置合わせ/向き/方向/前後/上下を確実にするために提供される。低コストのリーダーがこの機能を行うことができる。
【0099】
このように、本開示の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様について記載したが、当業者には様々な改変、変更及び改善が容易に想到することが理解されるべきである。こうした改変、変更及び改善は、本開示の一部であるように意図され、本開示の趣旨及び範囲内にあるように意図されている。したがって、上述した記載及び図面は単に例としてのものである。
【符号の説明】
【0100】
10 リフローはんだ付け炉
12 リフロー炉チャンバー
14 予熱ゾーン
16 予熱ゾーン
18 予熱ゾーン
20 浸漬ゾーン
22 浸漬ゾーン
24 浸漬ゾーン
26 上部加熱器
28 下部加熱器
30 スパイクゾーン
32 スパイクゾーン
34 スパイクゾーン
36 スパイクゾーン
38 冷却ゾーン
40 冷却ゾーン
42 冷却ゾーン
44 プリント回路基板組立体
46 固定速度コンベヤ
50 コントローラー
52 ディスプレイ
60 熱検出システム
62 IRカメラ組立体
62a 第1のIRカメラ組立体
62b 第2のIRカメラ組立体
62c 第3のIRカメラ組立体
64 シュラウド
66 上部壁
68 支持ブラケット
70 ポート
72 入力ポート
74 IRカメラ
76 ケーブル
80 センサー組立体
82 ガントリー
84 IRカメラ
100 ウェーブはんだ機
102 ハウジング
104 コンベヤ
106 トンネル
108 フラックス塗布ステーション
110 予熱ステーション
110a 予熱器
110b 予熱器
110c 予熱器
112 ステーション
114 コントローラー
116 フラックス管理システム
120 IRカメラ組立体
122 プレート
124 シュラウド
126 支持ブラケット
128 ポート
130 入力ポート
132 IRカメラ
134 ケーブル
140 レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
【国際調査報告】